【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第五幕


堕とされた女の人生


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 二〇二十年春分下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 コロナの感染騒ぎの自粛たけなわであった。
 伝染病は観光ばかりか風俗業の集客を究極に減らす。
 如月鬼堂がサポートする真性奴隷女の館ではSM愛好会の会員は安全と暫く愛好会の会員に限定して営業した。
 クラブにどう責めても逝かない女が入ったと噂に成る。そして会員らから如月鬼堂に報告が上がった。
 暦より季節的に春まだ浅い。如月鬼堂らはもう少ししたら伊東線の宇佐美から越後湯沢に移る予定である。
 今年は雪に閉ざされることがなかった。スキー場は大打撃だが早く戻っても支障はない。雪さえなければ越後湯沢の設備が良い。
 如月鬼堂は東京に立ち寄ってクラブのプレイルームに飯豊真里菜を呼んだ。
 美人というには顔の均整にややずれを感じる。それが特徴で柔らかい表情で可愛い女である。
 滝本美緒里の様に気丈には見えない。ハードに責めるにやや躊躇いが生じる。
 それでも今回は責めることにした。
 究極の辱めから行う。
 シャワー室に行こうとする飯豊真里菜の腕を掴んで止める。
 飯豊真里菜も既に会員らが如月鬼堂と同じやり方を強制するので止められたら仕方ないと諦める。
 肩を掴んでグレーの清楚なジャケットを脱がす。続いて純白のブラウスのボタンを外して行く。
 直ぐにブラが姿を現す。ブラは白のブラウスに透けないように薄橙である。
 クラブでは白を指定していた。
 それに従えないこの女のハニカミ体質が良く判る。
 肩の後ろから腕を回して躰を抱える様にブラの上から乳房を掴む。もう片方の手でタイトスカートの横のファスナーを下げる。
 軽く引いて下げるとスカートは一気に床に落ちた。
 やや色の濃いバーモンブラウンのストッキングの下はベイジュで水着に近いインナーショーツである。
 飯豊真里菜は脱がされたときの恥ずかしさを強く意識していると思える。
 如月鬼堂は飯豊真里菜を後ろ手に縛ってその躰を壁に押し付ける。そこでフロントフックのブラを外す。
 掌にやや余るくらいの大きさで形の綺麗な乳房が露に成る。乳倫は小さい。乳首はそれなりに突起している。色はそれほど濃くない。
 飯豊真里菜を壁に立たせたままショーツを残してストッキングを脱がせる。白い綺麗な脚が丸出しに成った。
 ストッキングの色がやや濃いので脱がした白さが逆に艶めく。
 柔らかい太腿の感触を確認して最後のショーツを脱がせる。その部分は既に剃毛されて陰毛があった部分の赤い皮膚が露出していた。
 飯豊真里菜は恥ずかしさに顔を叛けたままである。表情に赤みが差しているのが確認出来た。
 この表情は事に慣れた如月鬼堂でも官能の満足を直撃されてしまう。
 後手に縛ったまま産婦人科診察台に上がらせた。
 脚乗せ台に脹脛を掴んで乗せる。短時間なので厳重に縄で縛らずベルトで固定する。
 もう片脚を掴んで股間が開くと飯豊真里菜は顔を叛けてしまう。
 生身の女の躰である。綺麗な裸でもそれなりに汚れ、変形、染み、黒子他特徴はある。それをこれから一つずつ指摘する。
 恥ずかしい部分をモニターに拡大して見せる。いちいち指摘する事が羞恥心の奥まで弄くることになる。
 「さあ。じっくり躰を監察するからね」
 「ええーー。洗ってないのです」
 「それが良いのだ」
 「ええー。やめましょう。せめて洗ってからにしましょう」
 「女躰の汚れを確認したいのだよ」
 「ええーー」
 飯豊真里菜は嫌悪するより表情を崩しきって堪らない様子である。
 「綺麗な乳首だ。乳房に黒子が二箇所」
 乳首をモニターに拡大する。
 「・・・・・・」
 飯豊真里菜は顔のバランスではやや開き気味の眉間に浅く皺を寄せて如月鬼堂を見返す。
 如月鬼堂は態と躰の匂いを嗅ぐ。
 「・・・・・・・・・・」
 飯豊真里菜は言葉なく首を振っていた。
 如月鬼堂は容赦なく女の部分のびらびらを広げる。
 「いやあ。いまは臭いですよーー」
 「それをじっくり確認するのだよ」
 一番恥ずかしい薄橙の内部をモニターに拡大する。
 「・・・・・・・」
 飯豊真里菜は顔を強く横に逸らせて目を細めて恥ずかしさに固まる。
 「周りはまだ薄小豆色だ。数年経てばドドメ色になる。内部は綺麗な薄橙だ」
 態と言葉で指摘する。
 「いや」
 飯豊真里菜は言葉にされいっそう恥ずかしさに固まる。
 如月鬼堂は面貌を取り出す。
 「有る。有る」
 粕を見つけて採取する。それを黒いプラスティックの板に擦り付けた。いつもの如月鬼堂のやり方である。
 それを飯豊真里菜の目前に翳してやる。
 「そら」
 一瞬それを見て強く顔を逸らす。
 「いや。いや。どうしてーーですか」
 飯豊真里菜はとても堪えられないと目を細めて首を振る。皮膚の乾きでも部分によっては指摘されると恥ずかしい。粕など到底堪えられない。
 「モニターを見ろ」
 女の部分を広げたとき大陰唇とクリトリスを包む包皮が広がる。小陰唇の間に普段空気の触れない重なった部分である。
 その部分に分泌物が白く乾いて薄く残る。これをピンセットで抓む。大方が壊れてしまうが僅かにプラスティックの板に載る。
 「どうだ」
 飯豊真里菜は警戒心から一瞬目を合わせる。
 「いや。もうーーお。だあめーーーーーーーーーですーーーーーーー」
 飯豊真里菜は顔を逸らせ表情を崩す。
 「女が恥ずかしさに堪えられない。その姿が最高に熱くなる。これが羞恥責めの悦びだ」
 「・・・・・」
 飯豊真里菜にもSMプレイである以上は羞恥責めと言われれば受け入れざるを得ないことは分かる。だが恥かしさに堪らない。何も言葉が出ない。
 浣腸の準備をする。今回は苦しめるより辱めることである。苦しめるのは鞭や電流の痛みの方が効果を期待できる。
 早急に掃除するべくイチジク浣腸を使う。連続で五本くらい注入した。
 飯豊真里菜は踏ん張り続ける。
 如月鬼堂は腹を擦りながらさらに注入する。
 九本まで注入してようやく決壊した。
 だが受けたボールに出たのは柔らかめのカレー状の茶色い水だけである。クラブに出勤する間際に綺麗に抜いて来たと思える。
 それでもガーゼでアナルの周りを拭いて透明なボールに堕ちた水を翳す。抜いてきたとはいえ軽微ながらそれなりに匂いは充満していた。
 飯豊真里菜は顔を逸らせて目を細めたまま首を振る。
 「浣腸は何回か受けているだろ」
 「ええーー。それでも」
 恥かしさに眩むように視線を逸らせる。
 如月鬼堂はクスコを手にする。
 飯豊真里菜は目を細めて顔を叛けたまま羞恥の顔色で固まったままである。
 あまりにも濡れていないのを推し量ってワセリンを塗る。
 「うう」
 飯豊真里菜は冷たい金属が膣に進入して僅かに呻き声を漏らす。
 螺子を回して内部を広げた。ペンライトで照らして子宮口を確認する。
 「女の奥まで綺麗に見えるよ」
 「いや」
 飯豊真里菜は堪らず眉間に強い皺を作って一言漏らす。
 二本のクスコを使う目論見である。
 続いてアナル用を手にする。こっちはキシロカインゼリーを塗る。キシロカインゼリーは皮膚表面麻酔である。
 「ああーー。ええーー。そっちも」
 飯豊真里菜は泣きべそ顔で辛さを訴える。
 容赦なくアナル用クスコを挿入して三方に金属の嘴を広げてアナルの内部を露にしてしまう。
 ペンライトを数本立てられる金属のポールが用意されている。それを診察台の前に持って来る。二本のペンライトで膣とアナルの中を照らす。
 その状況はモニターに投影されている。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は一瞬それを確認して悲鳴を漏らす。
 飯豊真里菜は恥ずかしさにどうにもできない。何も言葉は返せない。唇はぶるぶる震えている。精神が麻痺して中に浮いた状態である。
 「見ろ」
 飯豊真里菜は目を細めて堪らない羞恥に崩壊した表情で震えるように首を振る。
 「見て辱しめられるのもSMプレイのサービスだぞ」
 飯豊真里菜は限りない惨めさの頂点に突き上げられた断末魔である。涙を溢す。そして仕方無しに目を開けてモニターを見る。
 「はい」
 躰は高熱に犯されたように震えている。
 「どうだ」
 飯豊真里菜は涙目を振り飛ばす。
 「もう充分に恥ずかしさに・・・くらくら・・・困惑しています。・・・恥ずかし過ぎます。・・・もう無理です」
 飯豊真里菜はさらに涙をポロポロ溢す。実に可愛く愛おしい泣き顔である。
 もう女の総てを女の奥まで剥かれてしまった。もう隠すものは何も無い。恥ずかしさに堪えられない崩壊した感情も丸出しにされた。
 これ以上の裸は無いと思う。
 それも親父と雖も汚い親父ではない。こんな事をされなければ若い男より魅力すら感じたかもしれない。
 如月鬼堂はドリルバイブと鞭を用意している。
 アナルの開口器を抜き膣のクスコにローションとマスタードを流し込む。静かにクスコを抜き取る。
 如月鬼堂は飯豊真里菜の躰を開帳台から降ろして拷問椅子に移す。今度は縄を使って厳重に縛る。
 ドリルバイブを載せる台を運ぶ。ドリルバイブの本体を固定する専用の大道具である。
 台と拷問椅子をアームで螺子を使って接続する。
 飯豊真里菜の膣にドリルバイブの先端に接続した擬似男根を挿入する。そしてドリルバイブの本体を台に固定する。
 腰が逃げないように拷問椅子に腹と太腿二箇所を厳重に縛り付ける。
 飯豊真里菜の膣にはドリルバイブの先端に接続した擬似男根が三分の二位めり込んでいる。飯豊真里菜は動かないでじっとその装置を見ていた。
 如月鬼堂は一本鞭を構える。
 「叩くぞ」
 「はい」
 「首を動かすな」
 如月鬼堂の言葉で飯豊真里菜に緊張が奔る。
 右の乳首の内側を縦一文字に乳房を狙っていた。
 振りかぶって強く振り下ろす。
 ビシーー。
 狙い通り乳首の内側から乳房を縦に割る様に叩く。瞬間乳首が内側に折れて跳ねる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 縛られた躰が微動する。拷問椅子を押すように僅かに跳ねる。
 「うぐううーーーーーーーーーー」
 如月鬼堂は拷問椅子の右に回る。
 振り被って右の乳房を横に薙ぐ。乳房が強くへしゃげる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 縄に閉じ込められた躰が力強く微動に跳ねる。
 「うぐううーーーーーー」
 如月鬼堂は正面に戻って叩いた部分を見る。赤い筋が十文字に浮いていた。
 飯豊真里菜は強張った表情で如月鬼堂を見ている。
 「中は痒くないか」
 「少し痒いです」
 「ならばドリルバイブの責めを受け入れろ」
 「はい」
 飯豊真里菜はこの責めを恐れない。それどころか恥ずかしさ以前に気持ちよくなる期待もない。いまは痒みを癒したいだけである。
 特注のドリルバイブである。回転中にローションを膣内に補給する。ピストン、回転、振動の総てができる。
 乾いてしまっては痛いだけである。
 先に鞭でもう片方の乳房を縦一文字に叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の表情は一気に破裂する。
 その痛みの中ドリルバイブを始動する。
 「ううおおーーーーーーーーーーーー」
 回転運動で一気に膣の中を掻き回す。
 「うおおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は膣内を強く掻き回されて大口を開けて声を上げ続けた。
 如月鬼堂はそのさ中に一本鞭をきっちり乳房に叩き付ける。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の顔はさらに強く破裂した。
 如月鬼堂は一時ドリルバイブをローにする。そして頃合を見てハイに戻す。
 「ぐおおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 また一本鞭を構える。
 的確に狙いを定めて左の乳首を鞭の先端で直撃した。
 「ごおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ひいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブはハイで回り続ける。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声と共に飯豊真里菜の躰は拷問椅子に沈む。ドリルバイブはただ回っているだけである。
 飯豊真里菜の顔は横に倒れ白目を剥いていた。
 暫くそのまま放置する。
 飯豊真里菜の乳房には何本も鞭の赤い筋が浮いている。無残な状態である。
 「イッちゃいました」
 正直に告白した。
 「ずいぶん梃子摺らせたな」
 「はい。ずっとイケなかったのです」
 「強姦とか、大きな災難に遭ったか」
 「強姦なんてものでは。それでも犯罪には成らないようです」
 それは大阪に上京して大学を卒業後に初めて勤めた会社の社員旅行の出来事が始まりであった。
 今にして思えば最初から罠だったのかも知れない。
 飲み比べ大会が始まった。
 優勝者は芸者と呑み比べて賞金が貰える嗜好である。
 この会社の伝統として受け継がれている大会だと言われた。女子のみである。先輩女子社員から私達もやってきたと言われてやらざるを得なかった。
 飯豊真里菜は二回戦目で倒れてしまったのである。
 芸者に注意され指を突っ込んでも出してらっしゃいと言われた。
 その通りにしたがそこから記憶がない。
 翌朝気が付いたときは布団の中に全裸であった。それも課長らの居る男子の部屋である。
 四人とも既に目を覚まして自分を観察していた。
 「やっと気付いたか。お前夕べ此処でストリップやったんだぞ」
 課長の言葉に全身の血が引く。
 「今日はこっちの若い奴の童貞終了を手伝ってもらう」
 何を言っているの。いったいどうなっているのか恐ろし過ぎる現状に当惑どころかどうしたらよいのか思考が止まった。
 「真里菜さんいいですね」
 若い男は裸で寄って来る。当たり前の様に言われて首を振るのがやっとだった。課長と主任が後ろから嗾けて若い男は挑んで来る。
 自分が抵抗する力を失っていたが若い童貞はなかなか挿入が出来なかった。三人が横からサポートする。
 いつか自分の躰は押さえられ童貞のペニスは入って来た。
 それから残る三人にも輪姦されてしまう。
 それだけでは済まなかったのである。
 三人に縄で縛り上げられた。女の部分を玩具で責められ漏らすまで続けられる。課長の指で潮も噴かされてしまう。
 それからも潮吹きの練習と言って三人に散々指を突っ込まれた。
 最後は剃毛と言って股の毛を殆ど抜かれてしまう。泣き喚き続けた。
 そして痴態をとことん写真撮影されてしまう。
 まだそれだけで済まなかったのである。
 会社に退職を願い出したが規定で十五日は待たされた。その間に四人はアパートに乗り込んで来てしまう。毎日のように輪姦されたのである。
 「こいつの逝き顔を見よう」と言って散々責められた。気持ち良くなる筈などない。嫌悪の連続である。完全に玩具だった。
 さらに人数は増える。同じフロアの殆どの男たちにやられてしまう。
 会社を辞めて逃げるように関東に移った。
 それから感じない女になってしまったのである。
 「どうしてSM嬢に成った」
 「それは。こうなってしまって。せめて男から金を稼ぎたかったのです。それに・・・・」
 「それに」
 「他にまともな就職ができませんでした。どの企業も前の会社に問い合わせます。あいつ等の都合のいいように私だけ悪く言われたに違いありません」
 「それで」
 「それなら同じ事をされても金を取るしかないと」
 「それは正しい考えだ。協力しよう」
 如月鬼堂はこの女が訴えていれば活路はあった筈だと思った。だが余計なことは言わない。
 
 伊東線宇佐美の如月鬼堂らの暮らすマンションの大きな窓からは空気が澄んで海が綺麗に見える。
 まだ気候は冬場なので海岸には人一人居ない。
 カウンターキッチンで如月鬼堂は刺身を切る。瀬里菜はサラダバーの準備をしていた。
 如月鬼堂の指導する通りにドレッシングを作る。摺って袋詰めの大根おろし、胡麻油、ゆずポンのミックスで和風ドレッシングである。
 珠洲は如月鬼堂に合わせて同じものを使う。瀬里菜は市販のフレンチドレッシングを掛けた。
 珠洲は湯を沸かしラーメンを茹でる。
 市販の生ラーメンである。どんぶりを三つ並べて生麺に付属のタレを入れる。
 そこに湯をさす前に長ネギをスライサーでスライスした薬味を落とす。
 如月鬼堂は包丁も研げる。それでもラーメンの薬味だけはどんぶりの上からスライサーで落とす。
 まな板で切るとネギのエキスをまな板に流してしまう。どんぶりの上からスライサーで落とせばエキスがタレに混じる。
 如月鬼堂の拘りである。
 その上から湯を掛ける。
 メンマと茹もやし、海草、ボイル雲丹を乗せる。チャーシューは無い。如月鬼堂が食べないからである。
 如月鬼堂はビールを抜く。珠洲と瀬里菜はスパークリングワインである。
 テレビ関東では年配女性キャスターが司会でコメンテーターの大学教授が消費税値上げ後の消費低迷を解説していた。
 充分に対策したが駆け込み需要は伸びず増税後に売れ行きは下がった。そこにコロナウイルス騒動だと言う。
 「充分対策をした。違うな。電子決済だけポイント還元と言うやり方が違う」
 「パパ昨日言っていたよね。ポイント還元より非課税レベルを上げて低所得層の直接税を減らした方が良かったって」
 瀬里菜が昨夜のインターネットアダルト放送に於けるニュース番組のコメンテーターとしての如月鬼堂の発言を復唱する。
 「そう低所得層の直接税を減らして給料からの天引きを無くせばそのまま消費性向に回るって。ポイント還元では預金に回す層に撒くようなものと」
 珠洲が如月鬼堂のグラスにビールを注ぎながら続きを継ぎ足す。
 「それだけではない。電子決済は低所得層に縁が薄いだけではない。税金を根こそぎ取ろうと言う魂胆だ」
 「韓国の様に総てが電子マネーになればお金の流れが完全に掌握出来るからでしょう。それが景気対策に逆の影響するわけ」
 「アングラマネーが無くなる」
 「それが」
 「税金を払ったお金は天下晴れて預金できる。これは貯蓄性向だ。アングラマネーは使うしかない。消費性向に成る。腐敗混濁した社会ほど景気は良い」
 「パパ。それインターネット放送で言っちゃ駄目だよ」
 珠洲がすかさず注意する。
 「そうよ。表の社会はパパの敵だらけだよ」
 瀬里菜も同調する。二人は如月鬼堂の事を本当の娘以上に心配している。
 「そうだな」
 如月鬼堂もやんわり納得の返事をする。
 
 また陰湿な事件が起こった。
 それは新型コロナ肺炎の流行を利用した犯罪であった。防護服を着た男の一団が若いバスの女性運転士を集団強姦した。
 内容は強姦だけではない。それは凄惨なものであった。
 男らは最初からこの女性運転士に目を付けている。勤務日程など確認して路線の人の乗らない部分を選んでいた。
 路線バスは終点に向かって林道を走り続ける。客は防護服の六人だけと成った。人が居ないと判った停留所の寸前で停止ブザーを押す。
 バスが停留所で停車したところで降りるふりをして運転席に近付き女性運転手を確保する。
 「なにするのーーーーーーーー」
 抵抗するのを四人で座席に引っ張り出す。
 「やめてーーーーーーーーーー」
 暴れるのを四人で手足一本ずつ押さえる。
 一人が運転席に入りバスを出す。民家が無い横道の途中で止める。
 総ての窓の日除け幕を下ろす。
 二人が見張りに立ち残り四人で女性運転士の服を脱がせる。
 女性運転士の名前は原直子と運転者氏名の欄に札が填め込まれていた。
 小柄で細面の二十代後半の美人である。
 左手を押さえている一人が片手で制服のボタンを外す。
 「やめてーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーー」
 ブラウスのボタンも外す。薄紫のブラが丸出しになる。
 「やめろーーーーーーーーーいやだあーーーーーーーーー。いやあーー。いやーー」
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