【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第二十八幕
撮り鉄女性の惨劇
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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二〇二十一年立秋上元。太陰太陽暦七月三日。
(この二十四節気は平気法によるものです)
二〇二十一年八月十日。
如月鬼堂は緊急事態宣言の最中下りの新幹線で越後湯沢に帰り着いた。本日は四人連れである。
本多椿、高島波琉、岡田有美が東京から同行した。
事件ではないが面倒な事が起きたのである。
それは如月鬼堂らが出演するアダルト放送局にSM雑誌の一回きり素人モデルが相談して来た。
グラビア撮影の流れでスタッフに挿入されてしまったというのである。撮影に緊縛師などは居なかった。
名前など出ないスタッフが緊縛から撮影まで行なっていたと言う。
素人モデルなのでやってしまうのは毎回常習であった。これまで訴えたものは居ない。
モデルは絡みがあるとは聞いてなかった。グラビア撮影の内容からその必要はまったくない。
訴えるのはさすがに躊躇って如月鬼堂の番組に相談してきたのである。
話を聞いて本多椿は怒りを露にした。
新幹線の中では他の乗客も居たので四人は如月鬼堂のマンションに着くまで何も話さない。
駅には珠洲と瀬里菜が迎えに来ていた。車は四人乗りなので二台必要になったのである。
「雨蔵編集長は一時間後に着く予定です」
如月鬼堂の執筆する出版社の編集長である。
六人なので囲炉裏端にアクリル板を立てている。
囲炉裏は使わないので天井から透明なビニールカーテンを正面に二枚垂らしていた。
「ディレクターは先生に任せるのですね」
「俺じゃなくて本多に任せるじゃないのか」
如月鬼堂はディレクターが本多椿人気に期待していると言いたい。
「そうね。椿がMCに成ったら私たちのカンペだけになったよね」
岡田有美が如月鬼堂に同調する。
「その出版社に確認しますか」
本多椿は方針を確認する。
「いいや。しないほうが良い。確認するなら館山先生にお願いする」
仕出し屋に頼んだ弁当が七人分届いた。
「完全にスタッフの玩具だよね」
「金額も安いのじゃない」
「七十万だって」
本多椿は金額を聞いていた。
「それじゃIT技術者の一ヶ月の単金だな」
如月鬼堂の評価である。
「安いね」
岡田有美も批判的表情になる。
「スタッフと言っても会社の幹部だろ。撮影のギャラもない。報酬代わりに毎回やっているのだろう」
「あーーー。だから素人なのね」
岡田有美がさらに怒りを燃焼する。
「追求しても無駄だ」
如月鬼堂はこの手の相手は何を言っても動じないと分かっていた。
「それじゃ私がキャスターで覆面インタヴューをして流しましょうか」
本多椿が提案を出す。
「それが良いかな。クレームが来たら弁護士対応だ」
如月鬼堂は本人の供述があれば問題ないとの見解である。
八月十一日。阿波池田。
三好連続拷問事件に関するファンの事情聴取が行われた。田代衛は意識不明で重態のままである。主犯は趙福徳とほぼ断定された。
連続拉致強姦傷害事件の犯人六人を真似た犯罪の域は出ない。
ファンは罪状を全面的に認めた。
倉科環奈巡査部長は火傷が酷く重傷である。それでも入院のまま退職を申し出る。
橋本佳奈巡査長も退院してそのまま退職した。
水田奈那緒ら三姉妹は退院して会社を清算して東京に帰る選択をすることと成る。とても水田通販を続けられる状況ではなかった。
強姦事件の被害者と周りに判ってしまっている。田舎町である。精神的に三好市で仕事、生活は続けられない。
ばら撒かれた動画は多く拡散されている。杉下一行も如月鬼堂らに参考資料としてメール転送した。
館山弁護士らを招いてインターネットアダルト放送での対応を検討する会議が行われる。
八月七日のスタジオで如月鬼堂は事件の内容は被害者に壮絶かつ悲痛であったと述べた。
そして連続拉致強姦傷害事件の真似をしても素人の犯罪は直ぐに捕まる。馬鹿な真似は絶対にしないで欲しいとコメントを短く済ませた。
この日の会議でもこの件にはこれ以上触らないこととする。
マスコミ報道も犯罪内容から被害者の人権、プライバシーに触れないため何処までも掘り下げて詳しくできないので直ぐに下火となった。
時間軸は少し前に戻る。七月三十日。さいたま市内のどこかである。
江頭愛は動画投稿サイトに鉄道動画を投稿した。取り鉄以上のマニアである。多くの登録者を得て稼いでいた。
さらに大手企業で働くOLでもある。
収入の豊かさで豪華列車の旅も撮影して投稿している。
村上治夫、張間克典、高円寺譲の三名はオンライン飲み会で江頭愛の動画を閲覧していた。
動画は投稿サイトから村上治夫がダウンロードしてコピーを配ったのである。
「この女。若いのに豪華列車乗り放題だな」
高円寺譲が不満を漏らす。自分らにはそんな金はない。
「どっかのお嬢さんか。大手企業に勤めているかだな」
「賞与が高いか」
「その可能性もあるな」
「面白くない奴だ」
「それにしちゃ顔も躰も良いな」
三名とも五十代後半。昭和の親父と女性知識階級に揶揄される世代である。そしてそれに強い不満を持っていた。
「何とかお仕置きしたくないか」
村上治夫が誘いを掛ける。
「簡単にできるか」
「連続拉致強姦傷害事件を見習えばどうだ」
「四国の事件は捕まったな」
高円寺譲はやや慎重になる。
「そうだが。あれは使用した空き家がばれたからだ」
「ばれない場所があるのか」
「ある。北海道なら駅の近くに地下室を掘った廃屋がある。持ち主が管理していて時期的に保線作業員に貸し出している。夏場に人が来る事はない」
「何処の駅だ」
「兜沼」
「あそこは無人ではないぞ。集落も人目がある」
高円寺譲も鉄道マニアの端くれである。無人駅や小さな沿線の町をちょくちょく探訪する。
「その二つ下りに抜海駅がある。こっちは無人だ。此処で確保して奥の部屋に隠して夜に運び出す」
「夜でも人とか車にすれ違ったら終わりだぞ」
「さすがに夜歩く者は居ない。ドローンで前方を確認しながら進めばよい」
「どうやって抜海駅に誘い出す」
「秘境駅探訪のリクエストを出す。メールで何人かが出す」
「しかし緊急事態宣言下だぞ。不要不急の外出だ」
高円寺譲は今の状況でそんな誘いに乗らないと言いたい。
「この女はこれまでもお構いなくやっている」
村上治夫は動画のアップ状況で確認していた。
「そうか」
「列車の本数は限られている。前日の電車か飛行機で稚内に着く。稚内を十二時四十八分の普通で抜海十時四十五分これしか使えない」
「帰りは」
「抜海十一時四十八分。稚内十二時七分これ以外使えない。あとは抜海で長時間待つ事に成る」
女性が夜の時間に秘境駅に行くことは考えられない。
「稚内駅だけ見張れば良いのか」
「そうだ」
「だが抜海までは警察が行動を手繰れるな」
江頭愛の抜海までの足取りは明白になる。
「それは仕方ない」
村上治夫はDNAを残さなければ問題無しの考えである。
「時間は解ってもいつ来るかだ」
「リクエストに応じるなら本人から何らかの表明がある」
村上治夫は数日ビジネスホテルとキャンピングカーに待機と考えていた。
八月十四日。
インターネットアダルト放送のスタジオである。
SM雑誌の一回きり素人モデルの覆面インタヴューをインターネットアダルト放送で行った。
雑誌の記事も会社名もモデルの名前も紹介しない。
インタヴューは本多椿が行う。
「本日この番組ではSM雑誌の撮影で契約以上の事をされてしまった素人モデルさんのインタヴューを特集します。担当はわたし本多椿です」
本多椿が挨拶する。本日はアナウンサーらしい白いスーツ姿である。
「撮影は会社のスタジオでしたか」
「いいえ。古い民家を借りて行われました」
「時間はどのくらいですか」
「朝。甲府の駅で待ち合わせて夜まで掛かりました」
「ギャラはどのくらいでした」
「七十五万です」
「安いと思いませんでした」
「でも海外版のように大事な部分が出ないからそんなものと言われてしまいました」
「内容はどのように説明されました」
「縛られて蝋燭は躰に受ける。吊るしも数種類有る。全裸で排尿、浣腸有り。局部は修正でした」
「絡みとは言われてなかったですね」
「言われませんでした」
素人モデルはきっぱり答える。
「スタッフは何人居ました」
「男性二人だけです。二人で縛って二人で撮影です」
「それはどんな人達ですか」
「面接してくれた人がそのままです。四十歳くらいの二人でした」
「どの様な進行でした」
「最初は着衣のまま日本家屋の柱に縛られました」
それから徐々に衣服の一部を剥がされゆく。着衣の恥ずかしい姿を幾通りも撮影された。
「全裸にされたところで剃毛されました」
「それは聞いていました」
「いいえ。でもSMだから下の毛は剃ると言われました」
「性器も撮影されました」
「はい。閉じたままのは線一本で。指で広げられたのは網でぼかされていました」
性器は出ていないが大陰唇は丸出しである。思った以上の内容に素人モデルは羞恥極まりない。
「ポートの他に動画も取っていました」
撮影経験の有る本多椿には状況が概ね想定が付く。
「はい。別のカメラも回っていたと思います」
これも素人モデルはきっぱり答えた。
そのスタッフの愉しみだけならまだしもいつか流される危険性すらないとは言えない。
「それからどのように進められました」
本多椿の表情はやや興味に傾いている。
「はい。逝き顔を撮ると言われてお○○この中に指を二本入れられてとことん刺激されました」
ここはピー音で部分修正する。
「何処までされました」
ここは本多椿も少し視聴者の興味を考慮した。
「はい。何回も逝ってしまって潮を噴くまで責められました」
「そこまでですか」
「いいえ。その流れでまず一人に入れられてしまいました」
「強姦されたのですね」
「それに近いです」
「それから」
「手首と脚首をそれぞれ縛り合わされてそれを背中の上で縛り合わされました。背中を内側に丸めて苦しい体勢で吊るされました」
「駿河問いですね」
「そうなのですか。短い時間で撮影して降ろしてくれましたが次は逆にお腹と太腿を密着させて吊るされました。このとき二人目に入れられました」
「次は獣縛りにして吊るされたのですね。挿入したスタッフはポートに写ってないのですね」
「グラビアになった中には掲載されていません」
「完全に役得で契約外の事をされてしまったのですね。それについての説明は何かありました」
「いいえ」
「意味の無い絡みですね」
「そうです。もう悔しいです。ああ」
素人モデルはそのまま嗚咽した。
「このような撮影はアバウトな出版社ではしばしばあるようです。私はこのような事に成った事はありません。絡みがある仕事と分かっていれば問題ないですが、このようなケースでは絶対に納得できません」
本多椿は自分の見解を述べてインタヴューを終わらせた。
八月十五日。稚内。
江頭愛は朝に東京を出て新幹線、在来線特急他を乗り継いでサロベツ3号で稚内に二十三時四十七分に着く。そのままホテルにチェックインした。
八月十六日の朝はゆっくり稚内駅に向かう。
村上治夫の予測通り稚内を十二時四十八分の普通に乗車する。
他に乗客は居ない。
そこまで駅の近くで張間克典が車の中からドローンを使って確認した。そのまま車で抜海に向かう。
高円寺譲は南稚内で駅から乗る乗客を確認する。発車時点で江頭愛以外乗客が居ないことを確認した。
江頭愛は予定通り抜海駅で下車する。運転士も一人しか居ない乗客がこの無人駅で降りたと確認していた。
抜海駅に隠れて待合室に入る江頭愛に催涙ガスを流して確保するのは言い出した村上治夫の役である。
江頭愛は予定通り駅舎に入る。そして待合室を撮影して待合室に置かれているノートに掛かった。
駅の近くに人が居ないことは稚内から近くに着いた張間克典が駅に入るT字路を曲がったところでドローンを飛ばして周囲を確認している。
村上治夫は隠れたままガスマスクを着けて催涙ガスを流す。
江頭愛は直ぐに気付いて入口に走った。
村上治夫は後ろから首にタックルして引き戻す。直ぐにクロロフォルムを顔に当てた。
ガスマスクで顔は判らない。
そのまま奥の部屋に運び込む。
躰を縛って口にガムテープを貼る。ブルーシートに包んでキャリーバックに詰めた。空気穴は開けてある。
村上治夫は予定を変更してそのままキャンピングカーに積み込む。
他の二台と一緒にドローンが先導してその場を離れた。
名寄まで戻ってホテルにチェックインする。
キャンピングカーは駅前に止めておく。江頭愛はキャリーバックの中に眠らせたままである。
ホテルは以前に村上治夫が利用した。カードキーのホテルでフロントを通らないで出入りができる。
カードキーをフォルダに差し込んで電気が点く仕組みだが同じ大きさの厚紙のカードを入れておけば点灯したままになる。
夕食までそのホテルのラウンジらしきで摂る。
食事の時は態と厚紙は抜いておく。
夜に成ってホテルを抜け出した。
駅前に止めてあったキャンピングカーで兜沼付近の空き家に向かう。また張間克典の車がドローンを先導して前路を警戒して進む。
空き家の鍵はソルなので簡単に開く。
村上治夫は以前に万能キーを手に入れていた。以前アルバイトで此処に入ったのである。
地下室にキャリーバックを降ろして必要な荷物も降ろす。総て他の二つのキャリーバックに入っていた。
そのままキャンピングカーは兜沼の駅の駐車場に止めておく。目撃した人が万一居てもナンバーまでは通常見ない。
まず夜に駅に来る村人は居ない。
地下室に下ろして江頭愛を全裸にする。既にカメラを回している。三名は防護服に躰を包んでいた。
顔はまったく判らない。長袖で手袋もしている。
江頭愛の躰を高手小手に縛る。縛りができるのは村上治夫だけである。
膝を二本縛り合わせてフックを付けた。
地下室に前から置かれていた鉄パイプでやぐらを組む。それに滑車を吊るしてそのフックに膝のフックを引っ掛ける。
そのまま江頭愛の躰を逆さ吊るしにした。
江頭愛はまだ意識を回復しない。
「先に剃毛しよう」
高円寺譲が提案する。
「お○○こをアップで納めて」
村上治夫が撮影している張間克典に要求する。
高円寺譲が工事用のライトを調整して照明を当てた。
張間克典はそれをアップで撮影する。
さらに逆さ吊るしのまま女の部分を指で広げた。股間に隙間があるので確り広がる。中は綺麗に薄橙である。
村上治夫は江頭愛の股間にローションを掛けて一枚刃の剃刀を言い出した高円寺譲に渡す。
「よおし」
高円寺譲は満足げに剃毛に掛かる。
江頭愛は陰毛を綺麗に整えていた。ドテの部分から長い三角形に残している。大陰唇は綺麗に剃られていた。
剃毛を終えて女の部分の閉じた状態と広げた状態を撮影する。ドテの下から大陰唇に掛けて僅かに皮膚が紅を帯びていた。
小柄だがスタイルも良く皮膚も綺麗で股間部分も美しい。外観的にはなかなかの絶品である。
村上治夫は鞭を取り出す。
「先にやっちまわないか」
高円寺譲はやりたくて堪らない。
「甚振ってからが良い。抵抗が少なくなる」
「そうか」
村上治夫は剃毛したばかりのドテを叩く。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
「うぐう」
江頭愛は意識を戻す。朦朧とした状態でも逆さ吊るしの窮地にある事を瞬時に悟る。
「なにしているのーーーーーーーーーーー。どこーーーーーーここ」
目を開いて恐ろしさに回りを確認する。
「あーーーーーーーーーーーーー」
目に入ったのは防護服三人である。
「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
抜海駅で眠らされた事態に直ぐに気付く。
「やめてーーーーーーーーーーー」
江頭愛は恐怖に叫ぶ。
村上治夫は鞭で太腿を叩く。
「う、ううーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー」
江頭愛はお尻を後ろに引いて痛みに藻掻く。
「やめてーーーーーーーーーーーー」
ヒステリックに叫ぶ。
村上治夫は容赦なく乳房を叩く。
「うぐーーーーーーーーーーーーーーーー。いーーーーーたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
江頭愛は頭を振って唾を飛ばして喚く。
村上治夫はさらに鞭を振り被る。
「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
江頭愛は泣き声交じりの声で叫ぶ。
「撮るなーーーーーーーーーーー」
江頭愛はカメラを構えた張間克典に気付いた。
「やだーーーーーーーーー。撮らないでーーーーーーーーー」
江頭愛はさらに泣き叫ぶ。
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