【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第六幕
SM嬢が宿命の女
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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二〇二十年清明上元
(この二十四節気は平気法によるものです)
コロナウイルスに政府の要請で休校、イベント自粛真っ最中である。
東京五輪開催も危ぶまれていた。経済は低迷してコロナ恐慌にまっしぐらの状況である。
如月鬼堂がサポートする真性奴隷女の館ではコロナウイルスが治まるまでSM愛好会の会員のみの営業が続いていた。
愛好会のショーに前回来場した会員の一人に牧野茉莉亜を指名した順番が回ってくる。
牧野茉莉亜はショーのあと数日休養した。そのため予約が後ろ倒しに数日ずれていたのである。
会員は杉下一行という。ポルノショップを新宿、池袋、難波、今池に持ち通販サイトを経営するオーナーである。
今日は生物プレイOK真性Mハードコース。だが蛇を除くと条件付。条件付なのでプレイ代は七十五万とやや割引になる。
杉下一行は牧野茉莉亜を全裸にして一緒に湯に入る。
「この間はそんなに辛かったの」
「染みる痛みが鞭どころではなくて。短い時間で究極の痛みは消えたけど。もう躰から力が抜けて熱海のホテルで倒れていました」
「そのプレイは今までやったことはない筈だよ」
「そうなの。私が実験台ね」
「今日やっていいかい」
「駄目。それは駄目」
牧野茉莉亜は表情を一変して否定する。
「あれは禁止になったからもうショーではできない。クラブのプレイでやるしかないのだよ」
「何で禁止になったのがクラブでできるの。おかしいでしょ。駄目よ」
牧野茉莉亜は慌てる。
「鬼堂先生が禁止してもクラブのルールは影響しない」
「そんな。貴方は会員でしょう」
牧野茉莉亜は必死に否定する。
「そういう場合はこう言うのだよ。クラブのメニューは何でもOKではない。鮮血鞭はできても、金柑塗りの項目は無いと」
「そうか」
「焦った」
杉下一行は楽しそうに笑っている。
「もう。焦ったよ」
牧野茉莉亜は文句を言いつつも甘えた表情に戻っている。
杉下一行は牧野茉莉亜の股間に手をやる。ショーで剃毛されたドテは僅かに生え始めてブラシ状態である。
「これも痛くなかったかい」
「痛かった。一日歩けなかったよ」
「今日は生物プレイはやるよ」
「それは。・・・はい」
通常の真性Mハードに二十五万も上乗せされている。
「蛇も受ければ百万だったよ」
「むりいーーーーーーー。無理です」
また強烈に否定する。
「ショーの時、四番引いたら蛇だったのだよ」
「ええーーーーーーーー。それで場内から落胆の空気が流れて来たの」
「そうらしい」
「ええーーーーーーー。怖い」
牧野茉莉亜は怯えの表情である。
風呂から出てしばらく暖房を強くする。
杉下一行は牧野茉莉亜を縦長でX字の磔柱に磔る。両手首がXの字の一番上に固定され脚首がXの根元に固定された。
適度に股間は広がっている。
自社オリジナルの擽りバイブを二本取り出す。
「ああーーははん。うわーーははん。あーはあーーははん」
牧野茉莉亜は擽りに堪えられず悶え叫び続ける。
「ああーーははん。ああーーーはーーははん。あはははーーーん」
磔柱にぶら下がり暴れ続ける。顔は笑みが破裂して狂った様に悶え続けた。痛みこそ無いがこれもきついプレイである。
杉下一行は失神するまで続けた。
失神を確認して磔柱から静かに外して拷問椅子に移す。縄で厳重に固定してしまう。それでもまだ意識は回復しない。
少しだけ挿入して女の味見をする。軽く挿入するだけである。果てはしない。
適度なところでビンタして起こす。
「うう。ううーー。うぐ」
牧野茉莉亜はようやく目を開ける。
「次は鞭打ち蚯蚓腫れに蝋燭だ」
「いやよ。蚯蚓腫れまでやったら明日の分しかプレイ代に休業補償されてないよ。鞭、蝋燭までだよ」
「それは難しいなあ。鞭の加減次第かなあ」
杉下一行はかなりふざけている。
「どうしてもやるのなら一週間補償してよ。あと五十万」
「払えばいいのだな」
「うーーん。はい」
「一週間休めるのに嫌そうだな」
「だってーー。あれ相当辛かったよう」
「金柑じゃないよ」
「蚯蚓腫れだけで。堪えられないよ。金柑は気狂いだよ」
「その前に何か忘れてないかい」
「ええーー」
「クラブの了解を取らないと。次の予約が」
「そーだよーーーーーーー。そう。予約が入っているから。だーーめと」
牧野茉莉亜は一気ににこやかになる。
「まだまだ危ないな。蝋燭が先で鞭だな」
「うん。それなら仕方ないね」
それでも牧野茉莉亜は蝋燭に泣きに泣いた。慣れてしまえば無言で受けられるプレイである。
蝋燭を鞭で割る。これにもわんわん泣いた。これならば当分客を悦ばせてくれる。
「さて。生物プレイだ。この間の籤の通り蛆虫を膣で蝋燭殺しか、蛞蝓を膣で溶かすかだ」
「ええーーー。どっちも辛そう」
「それは逃れられないぞ」
「だよね」
杉下一行は牧野茉莉亜を拷問椅子に固定する。
「さあ。どっちを選ぶ」
「ええーー」
牧野茉莉亜は選ぶことさえできない。どっちもその気持ち悪さは言語を絶する。どっちも堪えられそうもない。
「選ばないと両方やるよ。あと二十五万払うけど」
「そーんな」
「休業無しで稼げるぞ」
「そんなの。むりだよーーーーーーーーー」
「ではこちで決める。蛞蝓だ」
「・・・・・」
牧野茉莉亜は何も言葉を返せない。
杉下一行は蛞蝓を選んだ。
クラブの部屋担当がお盆に載せて蛞蝓と粗塩を運んで来た。
大きなクスコを態と横向きに差し込み膣を大きく広げる。
牧野茉莉亜の表情は恐怖に歪み青ざめていた。
杉下一行はロングスプーンで蛞蝓を掬い牧野茉莉亜の目前に翳す。
牧野茉莉亜の表情は恐怖に固まる。
杉下一行の手にしたロングスプーンは膣の中に進入して止まった。
牧野茉莉亜の顔は究極に歪み軋んでいる。
杉下一行はそろりと蛞蝓を膣に落とす。
「ううーーー。うわああーーーーーーーーーーん」
牧野茉莉亜の泣きべそ顔の悲鳴はとことんそそらせる。
蛞蝓は僅かにしか動かない。冷たく張り付いた感触が牧野茉莉亜を鳥肌以上に震え上がらせる。
杉下一行は塩を掬うがなかなか膣に持って行かない。
「ああーーーーーーーーーー。あははーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
牧野茉莉亜のなきべそ顔は架橋である。
杉下一行はじっくり塩を蛞蝓に掛ける。
「ううーーーーーーーーーー。うううーーん」
牧野茉莉亜は気持ち悪さに唸り続ける。
蛞蝓はゆっくり溶ける。その感触は最悪である。
蛞蝓は半分くらいの大きさに縮む。
杉下一行はそれをロングスプーンで掬って取り出す。
それを見た牧野茉莉亜は目をきつく瞑って涙を滲み出す。
「どうだ。たいしたこと無いだろ」
「そ、そんなことないよーーーーーーーー」
「でもこれやら無いと稼げないよ」
「ううーーーん。そうだけど」
「これ養殖した蛞蝓だよ。まったく害は無い。屈辱だけだよ」
「うん。それは割り切らないと。分かっている」
「目標額大きいんだろ。もう少し確りしないと。鬼堂先生が心配していた」
「だったら。少しだけ助けてよ」
「甘え方だけは知っているな」
「だって。辛いこといっぱい舐めてきたよ。甘え方くらい嫌でも身に染み付いたよ」
牧野茉莉亜は自分の言葉に涙を溢れさせる。
如月鬼堂がコメンテーターを務める土曜日のインターネットアダルト放送のニュース番組スタジオである。
コロナショックで世界の経済は崖っ淵。各局ともワイドショーでは消費税減税か一定期間非課税にする。又は給付金かの議論酣である。
「中国はコロナウイルスに日本の治療薬を使用すると決定しました」
スクリーンの左に立つトップレスのアナウンサーが解説する。
「コロナの治療薬に急性膵炎などの既存薬で、ウイルスが細胞に進入するのを阻止する見込みがあると東京の大学のグループが発表しました」
左側のトップレスのアナウンサー岡田有美が読む。真性奴隷女の館から派遣のSM嬢である。
「鬼堂先生。新型コロナによる経済の低迷対策で消費税減税又は非課税、消費税はそのまま一律給付金の議論が各局で行われています」
メインキャスターが如月鬼堂に発言を促す。
「消費税の減税、一定期間撤廃などは直ぐ出来ません。そしてシステムの改正など小売業者に負担が大きいです」
如月鬼堂はその様に前置きして次のように説明した。
とにかく現状は一刻も早く手当てすることです。でも給付金だけでは足りないでしょう。一万二千円では足りません。五万円でもまだ足りません。
年所得三百万以下に限定して十万くらい支給します。
消費税はそのままで短い期間でシステムの変更はしません。年商五億円以下の零細企業に限って消費税納税だけ免除します。
消費税導入当初は私の記憶が間違って無ければ三千万以下納税免除でした。
できれば所得の低い層の直接税を一定期間免除します。所得税だけではなく住民税も免除します。
さらにNHKの受信料も大型タワーマンションを除いて建物ごとに一件とします。大家が払って終わりです。大家は経費で落ちます。
所得の低い層それも月収十八万位で非正規ですと住民税だけで五万少々。NHKが年間約二万五千。所得税合わせて十万位浮きます。
さらに年金の免除。社会保険料の期間的免除です。
その位の所得の層ならほぼ全額消費性向に回ります。そして該当する人口はまさに日本の裾野一帯です。
「しかし先生。住民税を減らしては自治体が成り立たないのでは」
「まあ。国が補填でしょう」
「総て赤字国債ですか」
「この場合赤字国債は止むを得ません」
「給付金だと預金に回ってしまうと言う意見があります。商品券の方が確実に使われるとの見解です」
「それは同じです。商品券で買った分、手持ちの現金を使わないで預金に残します。低所得層にだけ金額を増やして給付すべきです」
その日は東京のホテルに泊まった。翌日。熱海まで戻った如月鬼堂を瀬里菜が迎えに来た。
「パパ。昨夜は問題なさそうだったね」
「ああ。君らが原稿をチェックしてくれたからね」
戻ると珠洲がバスタオル一枚で内湯に湯を溜めて待っていた。
「昨夜はうまく出来たから今日は私たちがパパを洗ってあげる」
珠洲と瀬里菜は如月鬼堂を全裸で浴室に立たせる。全裸の二人が前と後ろから乳房にボディシャンプーを付けて女躰で体を洗う。
「パパ。なかなかパオーンしないね」
珠洲が虚しそうにぼやく。
「館山先生でさえ私たちのスク水でばっちりなのに」
瀬里菜も同じ意識である。
「君らがあの姿で近付いたら誰でもそう成るよ」
「パパはどうして。いつも水飲み象さんだよ」
珠洲が正面にしゃがんで如月鬼堂のペニスを目で指しながら言う。
「見慣れているからさ」
「そうか新しい躰には起つのだねー」
瀬里菜はしみじみと言う。
恐ろしい事件が勃発した。
埼玉県の奥に入った地域である。
夜間コンビニの駐車場付近だった。五台の車が待機している。コンビニの店内以外に付近に防犯カメラは無い。
あたりは田圃、畑と森林地帯の繰り返しで民家はごく僅かである。
男らは充分に下調べをしている。松岡真由の毎日の行動も確認済みである。
そのコンビニの駐車場に松岡真由の車が止まった。此処で買い物をして帰るのがいつもの日課である。病院の手術室周りの看護師をしている。
五台の車はその周りに駐車した。中に六人の男が防護服姿で隠れている。二台が車高の高いキャンピングカーでワンボックスカーが三台である。
松岡真由はコンビニで買い物を終えて出て来た。
男らは車の陰で自分の車に向かう松岡真由にクロロフォルムを嗅がす。
松岡真由の躰を確保してキャンピングカーに連れ込む。中で雁字搦めに縛って目隠しをする。
松岡真由の躰から車のキーを奪い取る。内一人の男が松岡真由の車を運転して六台で出発する。
近くの横道に入る。其処で松岡真由の車のナンバープレートに別のプラスチック製のプレートを被せてナンバーを変える。
そのまま六台は別々にコースを変えて出発する。
合流点は決まっている。
六台とも別の経路を走って山荘に着く。
山荘の横に設営した大広間テントに車を全部収容する。
六人とも防護服姿のままである。眠らせてある松岡真由を山荘に運び込む。
窓の無い地下室に降ろす。
麻酔が抜けるのを暫らく待って起こす。
既に全裸に剥いて拷問椅子に磔にしていた。写真もバチバチ撮っている。
「なによーーーーーーーー。ここはーーーーーーー。これはなに」
意識を取り戻した松岡真由は衝撃に叫ぶ。
「いやあーーーーーーーー。なに。なんでーー」
松岡真由は全裸で椅子に磔られていると気付く。恐怖と恥かしさと怒りに半狂乱である。
「これからお前を輪姦して拷問する」
音声を変換した声である。
不気味な声がさらに恐怖心を煽る。
「な・・ん・・・・・で・・・・」
松岡真由は恐怖に殆ど声が出ない。
防護服が六人。さらに松岡真由を恐怖に追い込む。
三週間前の事件の報道が頭を過ぎる。埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の事である。
逮捕された六人が冤罪でこいつらが本当の犯人なのではないか。
既に全裸で大股開きにされていて椅子にきっちり縄で縛られている。殆ど躰は動かない。これでは強姦からは逃れられない。
男二人は鞭を持っている。さらに戦慄が奔る。叩かれるに違いない。防護服の中の顔や表情はまったく判らない。
躰にも障害を受けていたと報道されていた。その内容は報道されなかった。
鞭が行き成り飛んで来る。太腿を直撃する。
「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
一瞬松岡真由の躰が拷問椅子の上で震撼する。
もう一人の男が乳房を斜めに叩く。
「うう、お、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
かなり力が入っている。乳房は強くへしゃげる。
松岡真由は頭を斜めに跳ね上げる。口をロの字に悲鳴を搾り出す。
次の男はスパンキングを持っている。卓球のラケットの様な革の平面で右の乳房をビンタする。
「うぐおおーーーーーーーーーーーーー」
松岡真由は歯を剥き出し悲鳴を搾り出す。
容赦なく反対側も叩く。
「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
さらに男は叩き続ける。乳房を交互にスパンキングで包む様に叩く。内腿も叩いた。乳房と内腿の皮膚には薄っすらと紅みが浮いてくる。
「うぐうおおーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーー」
一本鞭を持った二人が拷問椅子の両側から乳房を叩く。
「うぐぐぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
松岡真由の躰は拷問椅子の上で固定されていながら暴れ藻掻いた。
さらに一本鞭で叩き続ける。
「ぐおおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
松岡真由の目からは涙が流れ顔は汗を噴いている。躰は乳房と太腿に蚯蚓腫れが何本も奔っていた。
その蚯蚓腫れは赤紫に変化して一部皮膚が割れて血が滲んでいる。
残った三名が蝋燭を持つ。蝋燭の芯の周りが溶けて抉れて蝋涙が湯の様に溜まっている。
二人が拷問椅子の左右から乳房に。一人が正面から内腿に一気に掛けた。
「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
松岡真由の表情は究極に破裂してこれ以上ない大口で悲鳴を轟かせる。
「あはああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー。ああ。ああ。あはん。あはん」
涙はポロポロ零れた。
松岡真由の躰は蚯蚓腫れの上に蝋燭を被って無残な状態である。
男らは阿弥陀籤で順番を決める。防護服から一物だけ出して一人目が挑む。スキンは着けてない。
松岡真由の女の中に果てる。生中出しである。一人が終わるとセペで中を綺麗に洗う。
乳房に被っていた蝋涙は男らが掌で揉むので殆ど剥がされた。内腿も殆ど蝋涙がそぎ落とされている。
随所に無残な蚯蚓腫れが青紫に変色した筋だらけである。
六人とも中出しで果てた。だがそれだけでは済まさない。
浣腸してアナルと直腸を綺麗にする。
拷問椅子の磔から松岡真由の腕を外して手首を縛り合わせる。
続いて両方の脚首にそれぞれ縄を掛けた。拷問椅子から縛りを外して床に立たせる。床には既にフックが埋め込まれていた。
四人が躰を押さえている。松岡真由に抵抗力は殆ど無い。
腕を上に押し上げ縛った縄を天井から下がった滑車のフックに引っ掛ける。滑車の縄を引いて引っ張りあげてしまう。爪先が辛うじて着く状態まで引っ張った。
両脚とも脚首の縄を床のフックに引っ掛ける。大きく動かないように股間を三十度以上開いて縛ってしまう。
松岡真由の躰は完全に宙に浮いている。手首の縄だけで吊るされた苦しい姿勢である。
一人が後ろから立ったままアナルに挿入する。こっちはスキンを着けていた。
正面から一人が女に挿入する。こっちはまた生である。
前と後ろから躰を押さえて腰を上下して両方からピストンする。
松岡真由は二組目くらいから不覚にも逝き声をがんがん上げた。そして数回イカされてしまう。
終わってもう一度拷問椅子に寝かされ固定される。松岡真由にまったく抵抗力は無い。
手術用の麻酔装置が運ばれ麻酔を掛ける。
男らは松岡真由の子宮を摘出してしまう。DNAが残らないように中を綺麗に洗い消毒する。
さらにまったく関係ないDNAを流し込んで終了する。
この情液は仲間の一人がラブホテルの出したごみから拾ったものである。
松岡真由を拉致したコンビニ。其処からやや離れたナンバープートにカバーをした横道に入る。ナンバープレートの偽装を戻して其処に放置する。
意識を回復したのは朝である。
松岡真由は勤めている病院に連絡をして事情を話して警察に向かう。
病院で長い検査を受け子宮を撤去された事を知る。泣きながらさらに警察の事情聴取を受けた。
まったく何処に連れて行かれたか防犯カメラの情報も無い。松岡真由は一切顔も見ていない。
医師の診断結果では体内に残されていたDNAは偽装ではないかとの見解が示される。
六人と言う人数と防護服が大きな議論を呼んだ。
インターネット放送に如月鬼堂が出演する土曜日の昼である。
宇佐美のマンションに館山弁護士が訪れた。
事件の内容をよく検証して解説の打ち合わせを詳細に行う。
本来寿司の出前を取るが世界状況から冷凍でストックの寿司で済ませる。握った状態で冷凍されていて解凍して下駄に乗せるだけである。
原稿をチェックして如月鬼堂は珠洲の運転で熱海に向かった。
「野崎卓郎弁護士を座長に埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の無罪釈放を求めて弁護団が埼玉地検に抗議しました」
トップレスのAV嬢アナウンサーが読む。
「検察は同じ六人、かつ防護服でも模倣犯と決めています。微細なところで手口が違うと言うのです」
岡田有美が続きを読む。
「先生。髪の毛一本のDNAだけで検察は裁判を続行するのですね」
メインキャスターが如月鬼堂に振る。
「どこかに勝算があるのでしょう。起訴した以上は引っ込めません。裁判の結果を待つしかないですね」
「先生は同じ犯人ではないとお考えですか」
「そうです。模倣犯以上の知能犯です。こっちの逮捕が難しいです」
如月鬼堂の見解は予想外であった。
如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、そして犬のペーは4月1日で越後湯沢に戻った。
中央のリビングで囲炉裏を囲んでおでんとビール、日本酒で会合が行われていた。次のSM愛好会の検討とその会場の改装である。
今度は長野のファッション喫茶を使う。
「今度は長野と言う条件で関西からの参加者は減っています。コロナの件もありまして見合わせている方も多いです」
瀬里菜が説明する。
「現在何名です」
いつもながらに大河内税理士は急進的である。
「まだ百名を割っています」
「それでは百五十くらいだな」
「そんなところでしょう」
福富麻次郎と大河内税理士は楽観的である。
「長野も同じ様に改装しますか」
会場造りをどうするかである。福富麻次郎はこっちに関心がある。
「客席は熱海が好評でしたから同じ様に改装します。ただ今回はどうかと」
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