鬼三のSM小説
女衒の國

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

その十八 女躰売買復活

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 娼国。T市湖畔のリゾートホテル。二十畳の宴会場である。
 湯野中を中心に北側の重鎮が集まっている。
 指宿五十八、ラドルフマレカル少将、柿崎一行他数名。そして帯広市長、道警本部長がテレビ会議オンラインで繋がっていた。
 「帯広の入居率は90%です。新規建造計画を進められますか」
 帯広市長の要求である。
 「資金の配分がピークに成っています」
 指宿が現状を答える。
 「そうだな。進出する先が多過ぎる」
 埼玉、宮崎、熊本さらに東京湾と大阪湾である。
 「帯広からの吸い上げを見ますと無駄では有りません」
 柿崎一行は効果を主張する。
 「娼国はもっと儲かってないのか」
 湯野中は娼国が姉ヶ崎、川越、新青森、唐津など大きく進出していて莫大に儲かっていると言いたい。
 「そんなに風俗が大きく進出していません。帯広ほどには」
 柿崎一行は現状を分析している。
 「そうですよ。今では遊ぶのは帯広と言われつつあります。私も大いに愉しませてもらっています」
 道警本部長である。
 「しかし娼国はまだ沢山あるだろう。儲かっているのだ。あっちから借りられないか」
 湯野中は真紀子らに押されて一気に進出を進めた。足りない金を借りたい。
 「後は小さいです。それに融資の話は沢山あります」
 娼国の進出した街の数は多いが姉ヶ崎、川越、新青森、唐津以外その大方は規模が小さい。
 さらに日本の銀行は融資したがっている。
 「うーーん」
 「総統。ここで帯広を拡大した方が先々収益は上がります。内地からの移動が増えています」
 「ならば一気に進めよう」
 湯野中も納得する。
 「しかし帯広はSMクラブの女の子が増えてそれはより取り見取り。なかなか良いですよ」
 道警本部長である。
 「お好きですね」
 「ええ。もうこれ以上の愉しみはないです。この間蛇が怖くない女が居まして鞭打ちしたら休業補償を取られました。良い女で叩き甲斐がもう堪りません」
 「オークションの女ですか」
 「いやR国で乳首斬られて整形したと言っていました。その乳房がまた抜群でうちの席付けが鞭で叩くのに燃えていました」
 「それ大船一家の組長の襲名式で斬られた女では」
 指宿はそれが水田奈那緒と分かった。
 「多分」
 柿崎一行も思い当たる。
 「あれはスレンダーで良い女ですよ」
 どこまでも道警本部長のSM談は尽きない。
 
 娼国のホテル屋上とCICの屋上から合計五機のヘリがほぼ同時刻に出発した。どれも葛城義和を輸送している可能性がある。
 大久保加世らは葛城義和襲撃に決行の判断を下した。
 三つのホテルに待機する刺客に指令が飛んだ。
 この日ホテルに戻る葛城義和の護衛に津島が同行した。真紀子に何か予感があって津島に護衛を頼んだのである。
 津島の乗ったヘリが前方を行く。他のヘリの襲撃を警戒している。
 ホテルには津島のヘリが先に降りて津島が屋上で待つ。屋上には特殊部隊が警護している。
 続いて葛城義和を乗せたヘリが降りて来る。
 刺客は最上階の角の部屋に隠れている。刺客の泊まっている部屋ではない。部屋の客は奥で縛られていた。
 階段を下りて来たところを狙う。
 屋上から最上階の階段は狭い。一人しか通れない。
 特殊部隊が二人続いて降りて来る。三人目が葛城義和である。津島はその後ろで階段を降りた所で距離を空ける。
 刺客が部屋から飛び出す。そのまま葛城義和に殴り掛かる。
 その瞬間津島の体が斜めにずれて刺客の米噛みを撃ち抜く。刺客の拳は葛城義和の肩ぎりぎりに崩れる。
 津島が滝澤沙緒里の待つ部屋に先に入って内部を点検する。さらに窓の外を確認した。
 屋上と下にいる特殊部隊の隊員の存在を確認する。
 「異常は無い」
 津島は安全を確認した。
 T市でも同じD市の日本旅館でも刺客が葛城義和の影武者を襲ってきた。どっちも瞬時に影武者が殴り殺された。
 T市の刺客は崖から逃げた。日本旅館では特殊部隊が射殺した。
 
 娼国。ホテル最上階の座敷天昇の間である。
 「まだ敵は何処かに潜んでいるのね」
 真紀子は自分の予感が当たった危機一髪に驚愕している。
 湯野中はリモート参加である。柿崎一行もリモートで繋がっている。
 「ますます動けないな」
 平佐和も驚愕している。
 「津島がホテル関係を徹底して洗っています」
 真紀子は娼国側の捜査状況を説明する。
 「津島氏が居なければ完璧に殴られていたな」
 葛城義和も驚きを隠せない。
 それでも葛城義和を護衛していたホテルの特殊部隊は優秀な隊員が配置されていた。津島が居なくても防げた可能性はある。
 驚くのは殴り殺す奇襲。銃器を持たなければ警備の網は潜れる。これが盲点であった。
 「木邑良乃の仲間は全部始末したのだろ」
 「その筈です」
 平佐和の質問にリモートで柿崎一行が答える。
 「本庄社長は指宿さんが見張っているよね」
 「そっちはまったく動きは無い」
 湯野中がきっぱり答える。
 葛城義和もそっちは疑ってない。
 「新たに娼国、R国に進出した企業を洗うしかないでしょう」
 「それですがこっちが街を進出しますと日本からの企業の進出も一気に増えます」
 柿崎一行は葛城義和の指摘に難しさを表明する。
 「こう成ると滝澤沙織さんの近辺も危険ね。下手に動くと人質に取られるよ」
 真紀子はさらに懸念する。
 「しかし何故葛城くんだけ」
 平佐和は葛城義和だけに狙いを定めたことに疑問を持っている。
 「その連中はあくまで日本の事しか考えてない。今の月村総理に指令を出しているのが葛城先生だと思っているのよ」
 「うん。日本経済改造論は葛城くんの掲げたものだ。それを月村くんが実行しているからな」
 「やはり日本から新たに来たのですね」
 葛城義和はそのように状況判断する。
 「そう成ると日本で資金提供する企業を炙り出さないと」
 平佐和は資金源を絶ちたい。
 「大高の頃からやっていますが。今のところ手がかりは」
 柿崎一行もそっちは芳しくないと状況を分かっている。
 「葛城くんは影武者が二人殺されて身動きが取りづらいな」
 「困りました」
 「どうする」
 「もう居場所を眩ますのは止めます。堂々と動いて警護を厳重にしてもらいます」
 葛城義和は腹を括った。
 
 滝澤沙緒里は娼国のホテルに移動した。四十九階のスイートルームが提供されて暫く此処に住むことになる。
 ホテル経営はリモートに成った。
 そしてT市の滝澤沙緒里の家には囮の警備が付いた。かなりの厳重警戒である。さらに毎日囮のヘリを飛ばす。
 当分葛城義和はホテルを動かないこととなった。
 
 娼国。昭和中期の高層ホテル。四十五階の宴会場である。
 将校ら百人が退院した広瀬亜理紗を引っ張り出した。百人でやれる限界まで広瀬亜理紗を輪姦す。
 言い出したのは天葛少将である。
 「抽選で順番に入れさせる。痛みで悲鳴が頂点に達したところで中止だ。真っ赤に腫れた膣に金柑の汁を流し込む。なかなかの拷問だぞ」
 天葛少将は数年前日本のテレビで意見を言いまくるこの女性キャスターに怒り心頭していた。今こそ虐め抜きたい。
 「まあ。死亡したことに成っているから問題ないか」
 生方少将も賛成である。
 広瀬亜理紗は鉄格子から出される時にかなり抵抗した。それでクロロフォルムで眠らされて運ばれてきた。
 宴会場の真ん中に拷問椅子が用意されている。
 その周りを衝立が囲んでいた。カメラからスクリーンには表示される。だが将校らのプライバシーだけ護って広瀬亜理紗の胸から上だけ映す。
 コンパニオンも配膳も呼ばれてない。
 生ビールサーバーとウイスキー、焼酎が置かれセルフで飲む。つまみは乾き物だけである。
 広瀬亜理紗は全裸で拷問椅子に厳重に固定された。
 膣を洗う簡易シャワーと排水設備が接続されている。キシロカインゼリーとローションが用意されていた。
 最初はローションを使う。
 「なにするのーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 広瀬亜理紗は拷問椅子の上で意識を回復した。
 「お前を百人で輪姦すだけだ。何人堪えられるかな」
 広瀬亜理紗の叫びを聞いて天葛少将が衝立の中に入る。
 天葛少将を見て広瀬亜理紗に戦慄が奔る。
 「そんな。百人なんて」
 「みろ。みんな準備して抽選で順番決めているぞ」
 最初だけ気持ち良くなって何回も逝かされてしまうことになる。広瀬亜理紗が不本意でも今は責めに堪えられないと見ていた。
 そして天葛少将はだんだん粘膜が擦り切れて痛みに堪えられなくなるのを期待している。
 「うう、うーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬亜理紗は苦しさに堪えられず強引な責めに抵抗できず受け入れてしまう。気持ち良さから痛みが徐々に増してくる。
 やがて逝き声は呻き声に変わる。
 「い、いいたいーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーー」
 三十八人目で堪えられず叫びだす。
 天葛少将らは既に待ちくたびれている。アルコールも既に底を突いていた。アルコールは二人のポケットマネーである。
 「そろそろ良いか」
 天葛少将が金柑の汁を手にする。
 「そうだな。狂乱の叫びを愉しもう」
 生方少将も納得する。
 既に衛生兵をストレチャーで待機させている。
 「ここまでだ」
 天葛少将は次の番を制して終わった将校を衝立から出す。将校はもとより抽選だから仕方ない。
 天葛少将は広瀬亜理紗の膣にクスコを挿入する。
 金柑の汁をそのまま流し込もうとした。
 「それは無理だ。筆で塗っても相当に沁みる」
 さすがに生方少将が止める。
 直ぐに筆が準備された。
 「えーーーーーーーーーーーー」
 広瀬亜理紗は塗られる前から悲鳴を上げる。
 それをにんまり哂いながらクスコの中に筆を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 広瀬亜理紗はサイレン以上の悲鳴に成る。
 拷問椅子を沁みに耐えられない腰を揺すって震撼させる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーあーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーー」
 広瀬亜理紗は気が狂ったように悲鳴を上げ続ける。
 衛生兵が麻酔を当てて事態を収拾した。
 ストレチャーに移して病院に運ぶ。
 天葛少将らには僅かな愉しみだが広瀬亜理紗には途轍もない拷問である。だが病院的には軽症でと言える。
 広瀬亜理紗が堪えられない強烈過ぎる痛みを一時的に味わっただけである。
 
 D市。ホテルの宴会場である。此処のオーナーは市江廣子。本来加重死刑囚だが真紀子に協力したことで国内の経営を許されている。
 大宴会場で約二十名の宴会が行われている。
 日本の墨田会系大船一家の宴会である。
 本日は新組長稲垣七郎。昭和三十年生まれ六十六歳の誕生日となる。
 一人に二人のコンパニオンが付いている。一人は恒例の女躰盛コンパニオンである。もう一人は横の座布団で全身奉仕する。
 全身奉仕と言うと客が受身の全身サービスを連想される方も居られる。此処での全身奉仕はコンパニオンの躰を全身提供するサービスである。
 日本とは違う。何処をどれだけ弄って責めても一切文句は言わない。コンパニオンはその様に教育されている。
 女躰盛のコンパニオンは全裸だが全身奉仕のコンパニオンは全裸にされる前提でも最初はコスチュームを着けて席に着く。
 配膳は別に五人のコンパニオンがエプロン一枚で行う。
 本日のコンパニオンは総てが出稼ぎの日本人またはR国在住の日系人である。
 さらにハードコンパニオンが呼ばれている。全部で四人。この内三人が咲江と仁美そして沙奈美である。
 この国にスーパーコンパニオンと言う中途半端な言葉はない。コンパニオンは昔の枕芸者以上のサービスをする。
 ハードコンパニオンはこれにハードSMが加わる。
 今日のハードコンパニオンはスタントハードコンパニオンと呼ばれている。ハードの上に躰の一部を表面的再生可能な範囲で損傷を受け入れる。
 沙奈美はクラブのプレイで医者に虐められたあと道警本部長と席付けの警視にも虐められた。
 沙奈美も蛇に堪えられなかった。
 今日も四人のうち一人が当選して躰の一部を損傷して二千万が貰える事に成っている。
 その治療再生は客の負担で行われる。保険は適用されない。
 だが彼女らに奈那緒のような幸運があるかどうかは判らない。
 SM拷問を担当するのは東丸秀三郎若頭補佐である。
 既に三種類の蛇が用意されている。
 宴会場の中央にリングが設えられた。マットだけのリングである。
 戦うのは四人のハードコンパニオンと男のボクサー。このボクサーは日本で理由があって引退した元プロボクサーでトムという。
 この国にスポーツ競技は無い。だから日本から訳有りの元プロが呼ばれていたのである。
 女はヘッドギアを着けてパンチ、キック何をしても良い。
 ボクサーは大きく制限がある。パンチはおっぱいのみ。キックは股間のみ。それ以外は防御しかできない。
 女はダウンしたら終了。
 ダウンするまでにボクサーを何発殴るか蹴るかで点数が決まる。
 そのあと女同士で戦わせる。こっちは総当たりリーグ戦である。
 一人目は沙奈美である。
 沙奈美はボクサーに向かって出鱈目に暴れる。
 ボクサーは乳房に一発お見舞いする。
 沙奈美は後ろに飛ばされマットにお尻を着く。
 立ち上がって恐々責めようとするところを股間に爪先を下から突っ込まれ蹴り上げられる。
 沙奈美はもう一度その場に崩れた。
 もう立ち上がれない。たいした衝撃は無い。股間を蹴られたショックである。
 「おい。トム!少し手加減しろ誰も点数にならんぞ!」
 稲垣七郎組長が注意する。
 そのあとトムは残る三名に三発ずつ叩かせる。それから同じように乳房を叩いて股間を蹴った。
 総当たりリーグ戦では顔は叩かないルールとなっている。
 仁美は咲江の腹へのパンチでダウンした。
 残る二人は咲江に一回ずつ反則をしてしまう。沙奈美はトムとの対戦で点数が無いのが響いて最下位である。
 咲江が反則に浮いて勝利した。
 
 「本日はこの赤楝蛇に乳首を噛み斬らせたいと思います」
 東丸秀三郎若頭補佐が驚愕の宣言をする。
 咲江はそれを聞いて恐怖に縮みあがった。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐と三田園矢一舎弟頭補佐が咲江を十字架に磔にしようとする。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。いや。蛇はだめーーーーーーーーー」
 咲江は泣きながらごねる。
 「諦めろ。これは契約の範囲だ」
 東丸秀三郎若頭補佐が叱咤する。
 「蛇はやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 咲江はそれでも堪えられないので抗議する。
 「駄目だ。北海道警本部長から特別なリクエストだ」
 東丸秀三郎若頭補佐が蛇を選択した理由を暴露してしまう。
 「えーーーーーーーーーーーーー。あのおやじ。そこまでーーーーーーーーーー。ひどいよーーーーーーーーーーーー」
 「そういう事だ。諦めろ」
 三田園矢一舎弟頭補佐が非情宣告する。
 「そうだ。蛇は俺が持っている。乳首噛み切られるだけだ。直ぐ終わる」
 東丸秀三郎若頭補佐が宥める様に押し切る。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐と三田園矢一舎弟頭補佐が咲江を強引に十字架に磔にしてしまう。
 「あーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 咲江は泣き崩れる。
 「一瞬で終わる」
 三田園矢一舎弟頭補佐が素手で赤楝蛇を掴む。それを東丸秀三郎若頭補佐に渡す。東丸秀三郎若頭補佐も素手で受け取る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 咲江はそれを見て狂ったように泣き叫ぶ。
 東丸秀三郎若頭補佐は赤楝蛇の首を咲江の乳首に押し付けて噛ませる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 咲江のサイレンのような悲鳴を聞いて赤楝蛇を引き離す。
 三田園矢一舎弟頭補佐が直ぐに止血パットを乳房に貼る。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。ああん。ああん」
 咲江はショックに泣きじゃくる。
 東丸秀三郎若頭補佐は赤楝蛇をもう片方の乳首に寄せる。
 「えーーーーーーーーーーーーーー」
 咲江は顔の表情を破裂させて叫ぶ。
 「両方取らないと形が揃わないからな」
 東丸秀三郎若頭補佐はからかう様に言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 咲江の顔は駄々をこねる子供のように爆発している。
 東丸秀三郎若頭補佐は一瞬だけ噛ませる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに宇佐美伝吉舎弟頭補佐が止血パットを貼る。
 「あはあーーーーーーーーーん。ああん。ああん。ああん」
 咲江は泣き続ける。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐と三田園矢一舎弟頭補佐が十字架から縛りを解いて咲江の躰を降ろす。
 咲江はお尻から崩れて畳に倒れる。
 「うーーーーーーーーーーーー」
 そのまま失禁してしまった。
 年配の仲居が二人呼ばれて雑巾で畳を拭く。
 「女!もう終わったぞ」
 稲垣七郎組長が強い声で叱咤する。
 「ひどいよーーーー。ひどすぎるよーーーーーーー」
 咲江は畳に伏せたままぽろぽろ涙を溢す。
 「さあ。病院で蛇に食われちゃった乳首は整形してくれる。表面的には綺麗に成る」
 東丸秀三郎若頭補佐は宥めるようにまだ脅しを掛けている。
 「それじゃ。赤ちゃんにおっぱいあげられないの」
 咲江は悲しそうに言う。
 「乳腺まで直すとは契約に書いてないぞ」
 「あーーーー。もう。ひどいよーーーーーー。あはあーーーーーん。ここまで辛い思いばっかりしたよ。あの警察のボスのせいだよ」
 咲江はまは涙を溢れさせる。
 「そうだな。酷い警察だな」
 東丸秀三郎若頭補佐は哂っている。
 「そうだよ。これじゃやくざよりあの警察の幹部が悪人だよ」
 咲江は悟ったように怒りを吐き出す。
 「世の中そんなものだ」
 稲垣七郎はそれが当然という言い方である。
 「何でーー。奈那緒は乳腺まで治ったのに」
 咲江は自分だけ何故と納得が行かない。
 「あっはっはっは。大丈夫。この国の手術ではちゃんと直せるの」
 東丸秀三郎若頭補佐は手の内を明かす。
 「ええ。治るの」
 咲江は東丸秀三郎若頭補佐の悪戯を理解した。
 「その前に食われてはいないよ」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が止血パットを剥がして見せる。
 噛まれた歯の痕に血が流れていただけである。
 「ああ。斬れてない」
 「はっはっはっはっは」
 東丸秀三郎若頭補佐は嬉しそうに哂う。
 「でも毒が」
 咲江は次の心配をする。
 「これ強暴だけど。毒は無いよ」
 東丸秀三郎若頭補佐は自分の手首に一瞬だけ噛ませて直ぐ離す。僅かに乳首から血が出ている。
 「ほら」
 東丸秀三郎若頭補佐は手首を咲江の目の前に翳す。
 「ああ」
 咲江は呆然と見ている。
 「女。お前これで二千万貰えるのだぞ」
 稲垣七郎組長はまた強い口調で叱咤する。
 「うん。でも今日までほんとに辛かったよーー。ああーーん。あはあーーーーーーーーーーーん」
 咲江は安堵してまた泣く。
 「借金返して五百しか残らないけど。この国の湯野中氏がハードコンパニオンには二千万別途にくれる」
 「それと中古だが帯広にマンションも貰える」
 「えーーーーーーー。本当」
 咲江は急に明るい表情に成る。



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