【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第四十三幕


続報復挽歌


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 桜田明亜は生まれて初めて受ける鞭の衝撃である。
 「ぐ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈に躰を震撼させて藻掻く。
 この男は一代で築いた会長の息子でいま二代目社長に就任していた。まだ結婚はしてない。
 SMに目覚めて今は遊ぶだけ遊びたい。
 横溝亜寿香の目にも無茶振りする会員と映っていた。
 二発目を構える。
 「・・・・・」
 桜田明亜は恐怖に引き攣った表情でそれを見る。
 容赦なく叩いた上からまた薙ぐ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふ、う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 跳ね上がった桜田明亜の膝は乳房を庇うように跳ね上がったままそこで躰を強く震えさせて藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。ああん。はあ。はあ。はあ。はあ」
 叩かれた後しばらく荒い息遣いである。
 十字架にぶら下がるようにして躰を振って藻掻き続けた。
 そして乳房に真っ赤な筋が浮かび出している。
 かなり強い鞭である。
 さらに桜田明亜の目から涙が溢れだした。
 「ううん。ううーー。うはん」
 三十代のややイケメンの会員は効果を悦びの目で愉しむ。そしてその上から三発目を叩き込んだ。
 「あおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜の躰はブルブル震える。
 かなり的確に強い力で乳房を叩いていた。
 「ぐわはあーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いで震えながら涙をぽろぽろ零す。
 それでも男は息遣いの終わるのを待たない。
 構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は涙を振り飛ばして叫ぶ。まだ痛みが引いてない。この状態で叩かれては堪えられない。
 鞭はその叫びを叩き割るように乳房の膨らみをへしゃげる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また膝を強く蹴り上げた。そしてそのまま腰が崩れて十字架にぶら下がってしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐあふぁああーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。はーーあはん」
 桜田明亜は腰の力が抜けてしまった。強く縛られた両腕で十字架にぶら下がったまま泣き続ける。
 三十代のややイケメンの会員はその太腿を両脚揃えて薙いだ。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は十字架にぶら下がったままさらに躰を震撼させる。
 三十代のややイケメンの会員は割り当て回数になったのにもう一発構えたが青木学が制した。
 この会員はここまでである。
 桜田明亜は十字架から降ろされて青木学の手で演台にま〇ぐり返しにされた。
 そして演台の高さが五十センチ上昇する。
 「電子鞭です」
 モニターがルーレットに変わって四十代の会員が抽選された。
 「何処に当てても良いか」
 四十代の会員の目は桜田明亜の女の部分を見ている。
 「はい。一人五発ですが局部と乳首は一人一回です」
 青木学は確り制限した。
 横溝亜寿香はそれも気に入らない。完全に自分の時より軽いと思う。
 四十代の会員は制限を弁えて乳輪のギリギリ手前に当てた。
 「うがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜の躰は瞬間弾けて震撼する。
 「い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーー」
 表情は強烈に青ざめていた。
 四十代の会員は二発目を先ほど剃毛されたドテに当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈に躰が弾けて震撼する。そして顔はブルブル震えた。
 電子鞭が相当に怖いらしい。
 四十代の会員は三発目を乳首に当ててしまう。
 「ぐがあはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 さらに強烈に弾ける。
 そして顔は汗を噴き涙も滲んでいた。
 「いーーーーーーーーーーーーたい。いたい。いたい。いたい」
 桜田明亜は泣き叫ぶ。
 電子鞭が異常に怖い。
 四発目はクリトリスの包皮に当てた。
 「ぐーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は腰を迫り上げて震撼させ藻掻く。
 四十代の会員は最後の愉しみと女の部分を指で開いた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖に顔を振って泣き叫ぶ。
 電子鞭を粘膜に近づける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖に表情は破裂していた。
 四十代の会員は尿道と膣の間の粘膜に当てる。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に引き攣った悲鳴である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまった。
 休憩を入れて青木学が桜田明亜の股間と腹から首筋に流れた潮を拭き取る。
 モニターはルーレットに変わって次の会員が選出された。
 当たったのは横溝亜寿香が付いている会員である。
 横溝亜寿香はこの会員にずっと女の部分に指を入れられていた。
 五十代の恰幅の良い男である。福岡南新地、雄琴、金津、大宮、吉原、いわきにソープランドを経営している。
 何度も唇を貪り乳房に手を当てて女の部分に指を入れながら観戦していた。その興奮度が指や手、口から伝わってくる。
 十分な花代を貰っているのでされるが儘である。
 「俺が当たったな。お前あの女に怒っているだろ」
 「ううん。私と同じくらいハードにしてほしいの」
 「やるか」
 五十代恰幅の良い男は面白いから横溝亜寿香にやらせようと勧める。
 「ううん。お○○こに最後の一発突っ込んで」
 もうこの男が個室でプレイする時間はない。横溝亜寿香はこの責めが自分に返ってくることはないと思い構わず言ってしまった。
 自分がやる訳には行かない。その次に自分が生贄になったらもっとハードになってしまう。
 五十代恰幅の良い男が立ち上がる。
 桜田明亜は失禁尿を拭かれても躰はブルブル震えていた。
 最初からクリトリスの包皮の上に当てる。
 「あがあーーーーーーーーーーー。ぐう、ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また目に涙を浮かべながら躰を強く振って藻掻く。
 「ふふぁあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか震えは治まらない。涙は号泣のように流れ出る。
 次は大陰唇に当てた。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように藻掻き暴れ悲鳴を絞り出す。
 五十代恰幅の良い男はもう一回大陰唇を狙って構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は涙を溢れさせ顔を強く振って拒絶する。
 横溝亜寿香の興奮度は一気に上がった。
 五十代恰幅の良い男は横溝亜寿香の方をちらり見て哂う。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は眉間に三重に皺を作って強烈な泣き顔で叫ぶ。
 五十代恰幅の良い男はそのまま押し付ける。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に藻掻く姿が会員らの脳天を淫靡に刺激し続けた。宴会場は興奮の坩堝である。
 あと二発。最後の一発に期待を賭けて横溝亜寿香の興奮は高まる。
 桜田明亜の躰はま〇ぐり返しのまま震え続けていた。
 「あーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。あはあ」
 うわ言のような息遣いである。
 五十代恰幅の良い男は予測に反して四発目を臍に当てる。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は腰を強く揺すって藻掻く
 「うぐうーーーーーーーうーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を揺すって涙を流していた。
 最後の一発にいよいよと横溝亜寿香は躰を乗り出す。
 五十代の恰幅の良い男は桜田明亜の小陰唇を指で広げる。
 「えーーーーーーーーーーそんなーーーーー」
 桜田明亜は泣きべそ顔で叫ぶ。
 五十代の恰幅の良い男は電子鞭のボタンを押さないで膣口に先端を刺し込む。
 「・・・・・」
 桜田明亜は痛みが襲わなかったので瞬間悲鳴を抑えた。
 五十代の恰幅の良い男は電子鞭を弱めに調整する。
 女で商売する者である。女性を潰すことは避ける習性がついている。
 もう一度横溝亜寿香を一瞥してボタンを掴む。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間が強烈に弾ける。
 桜田明亜はそのまま口から泡を噴き白目を剥いて失禁尿を垂れ流してしまう。
 宴会場は瞬間無言のどよめきに包まれた。
 青木学はここで休憩を入れて桜田明亜の様子を見る。
 「かなり弱くしたつもりだがな」
 五十代の恰幅の良い男はやや言い訳気味に言う。
 青木学は五十代の恰幅の良い男と宇治原歳加年の手を借りて縛めを解いて布団に寝かせる。
 数回ビンタして意識は戻った。
 「ああふぁあああ。あ、ああーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は恐怖に震える。
 休憩が終わりもう一度まんぐり返しに演台の上で縛る。
 ルーレットは赤座元太に当たった。
 青木学はリモコンから延びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムと尿道バイブを渡す。
 「気持ち良くして失神か」
 赤座元太もここは青木学の意図を組む。
 「それが」
 青木学も今回はそれが無難と詫びる。
 「可愛い子だ。今回で潰すことはないな」
 赤座元太も先を考える。
 横溝亜寿香はその言葉にまた怒りが沸き上がる。
 自分なら潰しても良いのだな。そういう意向と受け取ってしまう。
 だが適切に自分が傷つかないで報復する手段は今日までいくら考えても思い当たらない。
 
 十二月十八日。
 紀咲槙乃は大阪の病院で手術後の状況を聞いていた。
 利根川元教授の説明でクラブ麗の仕事には支障がないとだけは納得する。
 子宮は摘出されていてもう結婚も子供も産めない。そこは運ばれた埼玉の病院の診断と変わらない。
 斬られた乳首は成形され感度は戻っていた。
 クリトリスと膣の感度も利根川教授の指で概ね証明されたのである。
 医療費は約一千万で済んだ。
 紀咲槇乃はある程度の状況は回復したが連続拉致強姦事件の六人への怒りは一時たりと治まらない。
 もしも感度が戻らなくて子供を背負って生きて行くのは気が狂ってしまいかねないと思う。
 子供は居たら自殺はできない。それを知って女の苦しみを愉快に愉しむ何とも酷すぎる。それがあの連中の遊びなのである。
 自分のような不幸のどん底の女をどうしてこんな目に遭わせるのか。五千万を風俗嬢だからくれたと言う。
 そんなことで許せる訳はない。
 如月鬼堂は大場信一郎がその中に居なくても関係ないとは言い切れないと言っていた。
 その線から行くしかない。
 紀咲槇乃は新幹線を乗り継いで大宮駅まで着く間に決意を固めた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 暖冬と雖も寒い。おでんを煮ながら日本酒をコップ酒で飲み続けていた。
 「山田錦。俺たちが若いころは二銘柄しかなかったが随分増えたな」
 印刷会社の社長が昔を思い浮かべる。
 「日本酒はかなり旨くなった。もう殆どお燗する奴はいないな」
 川口の会長である。
 「もとより純米や吟醸は冷で飲んで旨いものだ」
 葬儀会社の社長が断言する。
 「しかし今の庶民は知識階級とマスコミのいうことをそのまま鵜呑みに受け入れだな」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「まったく。必要悪が分からない。政治と金で汚い金が増えても世の中の景気が良くなれば良い。江戸庶民は田沼時代を良かったと言えた」
 川口の会長がぼやく。
 十代将軍家治時代の賄賂老中田沼意次の下屋敷には賄賂を持った相談者が多く押し掛ける。
 江戸の町は潤っていた。
 それが松平定信の代になって厳しく締め付けられる。綺麗な社会になれば貧乏になる。
 汚い金ほど庶民社会を潤してくれるのである。
 だから江戸時代の庶民はストレートに田沼時代を懐かしがった。
 「あの裏金は安田一強時代のものだろ。その時の指導者はもう居ない。汚い金の規模が小さい分経済も良くならなかったが」
 印刷会社の社長は皮肉りながらどっちも避難している。
 「どうせ。近々岸元内閣退陣で幕引きだろ。政権交代には至らない」
 川口の会長の見解である。
 「的外れの政策ばかりだ。少子化対策などやるだけ無駄。経済と叫んで経済対策は二階から目薬。給付は多少効果ありだが減税は全く意味がない」
 印刷会社の社長は役に立たない内閣には退陣してもらうが良いと言う。
 「広島で余分なことして一時的に支持率回復させたがな」
 「全く余分なことだ。ゼレンスキーなど連れて来て日本がロシアの矢面になることはない」
 印刷会社の社長は言い切ってしまう。
 「知識層は挙ってウクライナもパレスチナも日本の役割はと言うが日本が手を出すことではない」
 葬儀会社の社長も同意見である。
 「その通りだ」
 川口の会長も認めた。
 「アングラマネーで内需を拡大して潤ってくれるのが一番良い。ホストに厳しくするが女がホストに嵌って風俗で稼いでくれるのが内需の拡大だ」
 「たくさんの男に身を任せて少しずつ稼ぐ。それを集めて所詮悪銭身に付かずでホスト遊びして嫌な思いとの気持ちのバランスに消耗する」
 「ホストとて店を持つのは僅かな一握り。大方は所詮悪銭身に付かずで消耗して巷に流れてしまう」
 「そうだそれこそ経済効果だ。如月鬼堂とかの言う通り税金を払った金は主婦の管理する預金に凍結する。アングラマネーは使うしかない」
 「しかし嫌な世の中になったな。女が痴漢だ、セクハラだ、性的虐待と言えば総て通ってしまう。肉の塊の様な女に性的欲求など起きはしない」
 葬儀会社の社長は強く怒りを吐く。
 「ところであのSMクラブの女。乳首整形して膣とクリの感度だけ回復したのだろ」
 「SMクラブ嬢は続けられる」
 「ちょっと早かったな。もう少し苦しんで欲しかったな」
 「そうだな。だがそれよりもう少し潔癖社会に天誅したいな」
 葬儀会社の社長が言い出す。
 「賛成だ」
 運送会社の社長も同意した。
 「今度の目標は」
 「立憲国民党で立候補して落選した女優はどうだ」
 「少し歳じゃないか」
 「まだ三十代だ」
 「それに天誅にはピッタリだ」
 話は纏まった。
 練りに練った作戦で杜永千郷の拉致は行われる。
 専用にロボット一体が用意され寺門一、玉川亮、東秀雄の三名に前金二十五万。後金七十五万で依頼された。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 今年は一週間早く越後湯沢から豊洲に移動した。毎年の移動工程である。
 一月の下旬には宇佐美に移動する。
 豊洲は越後湯沢の半分以下のスペースだが素晴らしいロケーション。だが使うのは年に一か月だけである。
 残る期間は一部の部屋を閉鎖してプレイルームに貸し出していた。
 如月鬼堂の所有するプレイルームはかなりの物件を持っている。この収入は目立たないがかなりのものである。
 だが、掃除と管理の人件費が掛かる。
 「ねえ。パパ。今年も年末手当出してあげないと。給付はまだ実行されないし。減税は支持率が下落するくらい意味がないよ」
 特別な汚れ方のするプレイルームである。珠洲はその掃除頼んでいるパートの生活を心配する。
 「政治資金に火が付いたのでそっちはお座成りか」
 如月鬼堂もこのパートは大切である。
 「判らないけど。でも間違いなくみんな生活は苦しいよ」
 珠洲は如月鬼堂の養女になるまではパートで働いていた。生活の苦しさが十分に解る。
 「どうすれば良い」
 如月鬼堂は珠洲の計算任せにするしかない。
 「パート一人ごとの一か月の平均収入を一時金で支給してあげようよ」
 珠洲は世の中が収入より物価が上がって苦しいと理解している。だが如月鬼堂は十分に潤っていた。
 珠洲の管理するのは大宮の事務所とプレイルーム。パートや年金生活者は物価だけ上がって苦しい実情を目の当たりにしている。
 大手企業や公務員の年収に比べてドライバーの年収は低いと言うがパートはその半分くらいまで下がるのである。
 「うん。あれをやってもらうのだからな」
 如月鬼堂にも重要な収入源を支える大切なパートと言える。
 愛好会はサークルなので収入にはならない。その会員のプレイルーム利用が収入源となっていた。
 「あと時給も上げないと」
 「去年一.五倍にしたじゃないか」
 「事務の時給が千八百円平均なの。仕事内容からうちはそれに合わせてあげようよ」
 「うーーん」
 如月鬼堂は瞬間唸ってしまう。
 「いくら社会全体は苦しくても十分にお金のあり余っている人達が使うのだから使用料を上げればいいじゃない」
 「そうだな」
 結局如月鬼堂は今年も珠洲に押し切られてしまったのである。
 そのとき館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 「紀咲槇乃の手術が無事に成功して帰ったとのことです」
 館山弁護士は詳しい状況を如月鬼堂に伝える。
 「子宮以外はそれなりに回復したのだな」
 「そうです。本人はまだ辛い様子ですが」
 「仕方なかろう」
 如月鬼堂も館山弁護士も紀咲槇乃が報復に出ることは予期しなかった。
 
 和歌山。青木学が運営するコンパニオン事務所の寮である。
 桜田明亜はショーの翌日全く起き上がれなかった。
 肉体も苦しいが精神的なショックが強すぎたのである。
 青木学は横溝亜寿香が席の会員にハードな提案をしたのが桜田明亜を異常に辛くしたと見ている。
 結局ショーは会員全部に回らず終了してしまった。
 横溝亜寿香への風当たりはさらに強くなる。
 一方横溝亜寿香は怒りに悶々としていた。
 此処に居ても自分だけが標的にされハードに扱われる。もう顔出しを一時的に割り切って金津の高級店で数年働くことを考えてしまう。
 そして此処を離れるならあの三人に報復したい。
 横溝亜寿香は気分が落ち着かない紛らしに若い男に連絡を取る。高田淳乃が掴まった。
 名古屋に出て東新町のラブホテルで逢う。
 横溝亜寿香には若い男と遊ぶのが唯一の悦びである。高田淳乃は明日の乗務があるので夜には解放しなくてはならない。
 狂ったように求めた。
 高田淳乃も若い彼女にはできないことをさせて貰える。明るい部屋や風呂の中で躰を絡めた。
 二回抜かれたが女の奥までアイテムで弄らせて貰えるのが嬉しい。
 若い彼女と言っても横溝亜寿香と五つくらいの違いである。
 だが普通の日常を送る女性と風俗嬢の性に対する大きな差と言える。
 そして彼女と比べたら横溝亜寿香は遥かに良い女である。
 「ねえ。私が金津で働いても遊んでくれる」
 「いいよ。お店には行けないけど」
 「来ちゃだめよ」
 横溝亜寿香にとって高田淳乃らは仕事とは別である。
 その日は栄のホテルで食事をして高田淳乃は勤務に向かった。横溝亜寿香はビジネスホテルに泊まって翌日金津に面接に向かう。


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