【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第四十一幕


精密人間型ロボット


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 「何とでも仰い。我々は貴女を屈辱と羞恥のどん底に堕として社会にその刻印を押すだけです。たくさんの人が密かに永久保存いたします」
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はこのままではどうにもなならない。警察が辿り着いてくれる可能性は低いと思わざるを得ない。
 拉致されて犯人らの組織の大きさを感じつつある。
 既に耳たぶまで躰の熱さを感じる。怒りに滾っているがそれを破裂させるだけしかない。
 宮藤遥巡査部長の膣にクスコが挿入された。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は怒りに声を上げるだけである。
 忍者姿黒装束は螺子を回してクスコを広げる。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は無駄でも叫んでしまう。
 クスコの中をレーザーで照らされる。
 「あ、ああーーー」
 正面のモニターに自分の大股開きの全裸が投影されていてその下にもう一枚のモニターにクスコの中が拡大表示された。
 宮藤遥巡査部長はそれに悲鳴を上げたのである。
 忍者姿黒装束はクスコの中にロングスプーンを突っ込む。これも連続拉致強姦事件の犯人らのやり方である。
 「あーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は強烈に叫ぶ。
 「巡査部長殿のお○○この奥がたっぷり汚れておりますのでそれを公開するのでございます」
 語り手は猫撫で声で詰り口調である。
 忍者姿黒装束は膣の奥から滑った分泌物を掬い出す。
 「いやーーーーーーーーーー。なんてこと。何でこんなことするーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は驚愕の羞恥に狼狽して叫び喚く。
 「巡査部長殿。これまでの動画と同じですよ」
 語り手はこれが普通という態度である。
 「そんなもの見るわけないだろ」
 「おやおや。警察内部で検証されないのですか」
 「その捜査に携わってないから見ないよ」
 「横流して見るのは男性だけなのでしょうかね」
 その間にも忍者姿黒装束はもっと掬い出し続ける。
 「こらーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はさらに強く叫ぶ。
 「充分に取れましたよ。巡査部長殿」
 語り手は詰り続ける。
 「やめろーーーーーー」
 「もう充分に取れましたよ。どうですスクリーンを見て下さい。なかなか生々しい汚れが」
 語り手は態と充分にを繰り返す。
 「おーーーーーのれーーーーーーーーーー。絶対に逮捕してやる」
 「巡査部長殿。それは無理と云うものですよ」
 語り手はさらに舌舐めずりするように詰り口調で揶揄う。
 「うぬうーーーーーーー。くそーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は怒りにわなわな震え藻掻く。
 藻掻くと拷問椅子は撓るように揺れる。固定されている躰に強い不安定感を覚えさせた。
 「おやおや。エリート警察官がそんな言葉を吐いて宜しいのでしょうか。その言葉も公開されます」
 語り手は益々嬉しそうである。
 「おのれ。何としても逮捕してやる」
 宮藤遥巡査部長の言葉だけは決意が籠っているが現実は頼りない。
 「これ迄我々の関連で捕まった者は居りませんよ」
 語り手は覆面の下で哂う。
 「それだって捜査は続いているのよ。いつか必ず捕まえる」
 宮藤遥巡査部長は少し開き直ったか強気で断言する。
 「はあっはっは。毎回違う者が担当します。担当した者は二度と下界に降りません」
 「いつか此処に乗り込むよ」
 宮藤遥巡査部長はまだ強気で言い返す。
 「はっはっはっは。此処一か所では御座いません。日本の警察権の及ばない場所にも御座います」
 語り手は得意そうに語るが後半は嘘である。
 「あ、ああーー」
 だが宮藤遥巡査部長はR国の事件を思い出す。そしてその地理的矛盾も謎が解けてない。
 忍者姿黒装束二人がマイクロローターを翳した。
 リモコンから伸びたアームの先端にL字に長さ十ミリくらいの小さなローターが付いている。
 これで女の一番敏感な部分をピンポイントに責めるのである。
 「これが何だか解りますか。これが動画に出て来る度に何処かを出所と勘違いして捜査をされます。あっちのグループが作っているのですがね」
 嘘ではない。毎回買ってルートを追跡されるようなことはしない。
 忍者姿黒装束が宮藤遥巡査部長の膣に刺さったクスコの角度を変える。
 マイクロロータの先端を突っ込む。一人が膣天井部。一人がその反対側の奥を狙う。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らず声を上げてしまう。
 二人の忍者姿黒装束は淡々と同じ責めを続ける。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は責めから逃れようと藻掻く。
 だがここまでの強気の反論に比べて抵抗力はない。
 
 「やはりマイクロロータはコピーだったのですね」
 杉下一行は毎回無駄と判っていて調べに来る警察が忌々しい。従業員が時間を取られるのが腹立たしいのである。
 「だが最初の一個は購入している。最もそこからあのグループに辿り着くのは決め手がない」
 如月鬼堂も無駄な捜査の繰り返しと認める。
 「購入したのは一本でしょう。二本出て来るのですから。そこからして複数買った者です。現実はSMホテルにも置いています」
 「其処で外観だけ写真を撮れば良いか」
 「所詮。電動歯ブラシをアームの長さを変えて先端にブラシの代わりにマイクロロータを付けただけです。どこでも作れます」
 杉下一行は警察の度重なる捜査で不満が溜まっている。
 画面では僅かな時間の責めで宮藤遥巡査部長が失神してしまった。
 忍者姿黒装束は失神したままの宮藤遥巡査部長を交代で輪姦し始める。
 
 「同じ場所ではないな」
 如月鬼堂の画面から受けるイメージである。
 「床が違いますが。何とも演出できます。さすがに時間的には日本国内でしょう」
 館山弁護士もそう推察する。
 「全部埼玉県警から拉致していますね」
 本多椿である。
 「そんなに距離は運んでないことになるな」
 「そうですが。字幕の内容が気になります。戸籍が無いとか冤罪者の班とか既に戸籍が抹消されているなどと」
 「以前に戸籍のない部落は壊滅したのだろ」
 如月鬼堂は数年前の事件を思い出す。
 「そうですが。まだ他にも存在するのでしょうね」
 「何か冤罪者の班と言われると恨みが深そうですね」
 「端澄敏郎の日本社会に報復に同調した四人の忍者姿黒装束も冤罪者の班とか言っていたな」
 「多分同じ組織でしょう。ただあの時は決死隊でした。今度は連続拉致強姦事件の犯人のように生き延びる方向でしょう」
 
 画面では輪姦されて猛り狂う宮藤遥巡査部長の口を忍者姿黒装束が二人で二本のラジオペンチで強引に開く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 あと一人がそのまま喉に太いカテーテルを突っ込む。
 「ぐぐ、ぐぐ、ぐ」
 さらに輪姦されてぐちゃぐちゃになった宮藤遥巡査部長の女の部分を開いて尿道を剥き出す。
 その濡れた亀裂にバルーンカテーテルを突っ込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長の喉の奥からくぐもった悲鳴が上がる。
 忍者姿黒装束が一人踏み台に上がる。カメラを背にして社会の窓を開けてペニスを出す。
 宮藤遥巡査部長の喉に突っ込んだカテーテルの反対側に装着した漏斗から小水を流し込む。
 「う、わ、わ、わ、わ、わーーーーーーーーーー」
 直接生温い小水が胃に入って来るのである。不快感極まりない。宮藤遥巡査部長は驚き、怒り、狂った表情で固まる。
 尿道に挿入したバルーンカテーテルからは受けているガラス容器に宮藤遥巡査部長の排尿が流れ出る。
 宮藤遥巡査部長には気が遠くなるような恐ろしい状況である。
 一人の忍者姿黒装束が小水を出し終わると二人目は冷えた瓶ビールを持って来る。
 それを漏斗から流し込む。
 「うう、むう、うう、ううーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は急激に冷たいビールが一気に胃に流し込まれて藻掻く。
 次の忍者姿黒装束は冷やした日本酒を用意して待っていた。
 宮藤遥巡査部長は恐怖に顔を震えさせて苦しむ。多量のアルコールと冷たさにどうにもならない。
 そしてバルーンカテーテルで垂れ流した宮藤遥巡査部長の小水はガラスの容器に二杯目である。
 忍者姿黒装束はそのガラス容器を氷水の入ったバットの中に置く。
 
 「何か凄くえげつないですね」
 本多椿は見ていて躰がむずむずする。堪らなく嫌な責めである。この連中は被害者が女性警察官なので概ね殺すと見ていた。
 「何としても社会に深い衝撃を与えたいと思えるな」
 「恨みですか」
 「それ以上だろ。字幕でアウトローと言っていた。内戦に近い意識じゃないのか」
 「あっちの連中もそうですかね」
 「違うと思う。あの連中は恨みではなく遊びが主体だ。但し今の社会に強く反動している」
 「反動ですか」
 本多椿はいまいち意味が解せない。
 「革新、保守、反動の反動だ」
 「ええ。革新、保守、それが反動と」
 本多椿の世代はこんな言葉にあまり関わらない。
 「革新は新しい体制に。保守派は現状維持。反動は昔の体制に戻す」
 如月鬼堂は学生運動の世代よりは後であるが日教組系の高校教師がこんなことまで教えたのである。
 「え、ええーーーーーーーーーーーー」
 本多椿は画面を見ながら悲鳴を上げた。
 画面ではバットの氷水に置いて冷やしてあった宮藤遥巡査部長の小水を漏斗から流し込む。
 如月鬼堂はこうなると最初から見ていた。
 「この場所は関東圏でしょうね」
 館山弁護士はそう絞り込む。
 「ヘリや飛行機、新幹線を使うとは思えない。その範囲だな」
 如月鬼堂も同じ見解である。
 
 画面ではここで宮藤遥巡査部長の尿道に差し込まれていたバルーンカテーテルが抜かれた。
 一人の忍者姿黒装束が鞭を手にしている。
 先端は平べったい革で蠅叩きの様な鞭である。
 宮藤遥巡査部長はアルコール中毒と躰の冷えで白目状態になっていた。
 鞭を持った男は宮藤遥巡査部長のドテを鞭で連打する。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らず叫ぶ。
 その男は全く動じないで叩き続けた。
 宮藤遥巡査部長は失禁して直接尿を垂れ流してしまう。
 二人の忍者姿黒装束が左右から小陰唇を引っ張って尿道の亀裂から直に流れ出る姿を公開する。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らない羞恥に藻掻き続けた。
 不快感は頂点を超えてどうにもならない。
 そしてアルコール中毒で虫の息である。
 小水は垂れ流しのままになってしまった。
 さらに冷えと体力の疲弊からカレー状の便を拷問椅子の股間の下にセットされた透明な壺に垂れ流してしまう。
 
 本多椿は手で顔を覆ってしまった。
 ここで字幕が流れる。
 『本日はここまでです。明日躰を綺麗にして処刑します』
 「凄かった」
 本多椿は疲弊していた。
 「派遣会社の年輩スタッフが六人で社員の女を山荘に拉致した事件で連中がいち早く動いたな」
 連続拉致強姦事件の犯人らしきが模倣犯の年輩派遣スタッフを警察が現場に着く前に始末した。
 如月鬼堂はこの時の動きの速さを何かあると疑う。
 「あれは群馬でしたね」
 「これまでも連続拉致強姦事件の犯人らが模倣犯を捕まる前に始末していたが。この連中のアジトか何かに近いから始末したとは考えられないか」
 如月鬼堂の憶測である。
 「その可能性がないとは言えませんが。山荘や山の中の一軒家など警察が徹底して洗っています」
 館山弁護士は警察もその点は洗うだろうけど犯行現場に辿り着ける可能性は低いと見る。
 如月鬼堂の居間に仕出し屋から出前が届いたのでここでテレビ会議を打ち切った。
 
 群馬県の山奥で人の行かない部落の地下要塞。
 宮藤遥巡査部長の処刑は翌日行われて撮影を済ませた。
 既に群馬県警が付近まで捜査に来ている。
 地下要塞の真上の民家にも警察は来た。この民家は見張りを行うだけである。地下要塞には繋がってない。
 だが麓まで見渡が利く位置に存在する。
 今回は遺体を運び出すことは断念した。
 地下要塞で宮藤遥巡査部長の躰を解体して特注の大きさのミキサーに掛ける。万一遺体の処理を中で行わなけばならない場合の予備であった。
 人間ミキサーと呼んでいる。
 液体は蒸発させてさらに粉末に近くなった物を生ごみ乾燥機で乾燥させた。
 これを堆肥に見せかけて運び出す。
 そして乾式メタン発酵を行う産業廃棄物処理場で処理された動植物性残渣から出る堆肥に混ぜてしまう。
 警察は派遣会社のスタッフらが籠った山荘の在った山を集中的に捜査していた。だが完全に無駄の繰り返しに終わってしまう。
 地下要塞の真上まで警察の捜査は及んだ。
 山頂の民家から警察の動きが逐一彼らに入る。
 警察の捜査が引き上げるまで移動は見合わせて次の河口春香巡査部長の撮影に掛かった。
 河口春香巡査部長の躰は宮藤遥巡査部長と全く同じように拷問椅子に磔にされている。
 河口春香巡査部長の姿に作られたアンドロイドが女性警察官の姿で電子鞭を使って眠らされていた河口春香巡査部長を起こす。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は衝撃に呻き声を漏らして意識を回復した。
 「あ、ああ。あんたは」
 河口春香巡査部長に作られたアンドロイドを見て意識を失う前の記憶が点滅して驚きの声を上げる。
 河口春香巡査部長は自分にそっくりな女に鳩尾を殴られた。
 「私が何だか判る」
 アンドロイドは意味深に尋ねる。
 「何よ。貴女は何者なの」
 河口春香巡査部長は自分の姿に藻掻きながらそう叫ぶ。殆どパニック状態である。
 「まだ解らない」
 河口春香巡査部長に作られたアンドロイドはそう言って笑う。そして服を脱ぎ始める。
 「えーーーーーーーーーーー。人間型ロボット」
 河口春香巡査部長は半信半疑ながらそう当たりを付けた。皮膚が成功にできていて見分けが付かない。
 「そうよ」
 「ご名答。河口春香巡査部長殿。拉致の方法が大変革しました。捕まれば自爆します。格闘は人間とは桁違いです」
 ここで語り手が話し掛ける。
 「あ、ああ。そんな」
 河口春香巡査部長は驚きのあまり狼狽する。
 そして目に入って来たのは忍者姿黒装束である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに驚きの悲鳴を上げた。
 「河口春香巡査部長殿は今どのような状況に置かれているかお分かりですね」
 語り手はじっくり詰る言い方である。
 「・・・・・」
 河口春香巡査部長は震えて声も出ない。
 躰は揺すっても動かないどころか揺すると不安定に躰が揺れる。そういう拷問椅子の作りである。
 「どうしました。河口春香巡査部長殿」
 語り手は態と煽る。
 「一緒に居た。小宮巡査は何処に行ったの」
 「おやおや。部下を気遣う余裕がありましたか」
 語り手は揶揄う。
 「私が殺したの。貴女の姿で」
 横からアンドロイドが答えた。
 「えーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は驚愕の表情で固まる。
 「あと一人は動画にする価値が御座いませんでしたのでミニパトの中でお亡くなり頂きました」
 語り手は当然のように言う。
 「な、なんて言うことを」
 河口春香巡査部長は価値がないから殺したと言う言葉に声が震えた。
 「これからご自身のことを心配してください。これまで以上の動画が社会にばら撒かれます。貴女の上司も同僚も部下も見ます」
 語り手は悠然と語る。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長はただ慄くばかりである。
 そして宮藤遥巡査部長と同じように撮影が開始された。
 
 七月十六日。
 関東は茹だるように暑い。だが秋田では雄物川が氾濫水位となり究極の状態である。江戸時代から氾濫する川で何回も流れを変えていた。
 そして桧山川、太平川で氾濫が起きる。
 秋田新幹線は連日運休となり県は緊急安全確保が出ていた。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 炉端で野菜と魚を焼きながら寿司の出前を取って生ビールを飲み続けて暑さを凌いでいた。
 「あちこち熱中症で運ばれているらしいな」
 川口の会長は他人事である。
 「秋田は川の氾濫で大変だと言うのに」
 葬儀会社の社長は同じ日本でえらい違いと言いたい。
 「全部温暖化のせいか」
 印刷会社の社長である。
 「そう言われているな」
 運送会社の会長はホタテを炉端で焼いていた。
 「何をしても食い止められないのだろ」
 産業廃棄物収集運搬処理業の社長はいくら騒いでも温暖化対策は無駄と言いたい。
 「俺たちの生きている間は大丈夫だろう。散々愉しんで終われば良い」
 医者の男は自分に関係ない。安全圏に居ると言う意識である。
 「群馬の組織の方から遺体は非常設備で処分して堆肥で渡すと言って来た」
 川口の会長が報告する。
 「それが良い。いま輸送は危険だ」
 運送会社の社長も納得である。
 「あの派遣会社の馬鹿親父どもを処分したのが裏目じゃないのか」
 医者の男は余計な処分をしたと言いたい。
 「そうだな」
 「しかし群馬県警はあれだけ動員して空振りだろ」
 「油断はできないよ」
 こっちでも状況を慎重に見張っている。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 この日はSM愛好会の主力が集まる予定になっていた。
 定期的な愛好会の会合とショーの打合せを行う。もう会員は二千人を超えていた。
 ファッション喫茶熱海、長野、生駒の店長も来る予定である。そして本多椿は如月鬼堂と一緒の新幹線で来た。
 其処へ杉下一行がメールを送って来て本人も越後湯沢に向かっている。
 珠洲と瀬里菜が車二台で送迎していた。
 全員が揃ったところで一緒に確認する。
 
 動画は宮藤遥巡査部長の処刑場面から始まっていた。
 既にテレビの各チャンネルでは緊急速報が流れている。
 『行方不明の埼玉県警女性警察官の一人宮藤遥巡査部長が犯人らに殺害された模様』
 宮藤遥巡査部長は二人の女性警察官姿のアンドロイドに両脇を押さえられて首には縄が掛かっていた。
 胸部は高手小手に縛られている。
 アンドロイドは宮藤遥巡査部長と河口春香巡査部長にそっくりに作られた二体である。
 見ている福富麻次郎は穏やかではない。肌の作りなどが自分のところで開発したアンドロイドそっくりなのである。
 今度は自分のところにしつこい捜査が入ると覚悟しなければならない。


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