【SadoのSM小説】
人工知能管理者のSM帝國
その三


女躰潮噴きと失禁


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 二〇三十年小暑下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 翌日も八峰杏奈と大路江美、宇垣美佐都と杉浦瑞樹の二手に分かれて探索に出た。
 八峰杏奈と大路江美は昨日と同じ方向。宇垣美佐都と杉浦瑞樹は反対方向に向かう。
 渡邉麻衣と他三名が潜水艦に戻って待機した。万一の場合潜水艦を島から離して海底に待機する為である。
 八峰杏奈と大路江美は畑が有った小さな神社跡。其処に残された鳥居を目指した。何台か爆撃で壊されてない車が有った。
 電気自動車が有ればと探す。
 車で移動は危険である。それでも運搬には必要になるかもしれない。
 だがガソリン車ばかりである。
 外周道路を暫らく移動する。空港に出た。此処にも得る物は無かった。空港は完全に破壊されている。
 今日は此処で引き揚げる。
 宇垣美佐都と杉浦瑞樹は壊されてない個人の飲食店と車、ボートを発見した。
 中の造りから居酒屋である。冷蔵庫の電源が切れてなかった。使えるものはある。車にガソリンも残っている。
 迷ったが僅かな距離。夜ライトを点けるより昼間走る方が無難と判断した。二人で積めるだけ積んで出発する。
 ホテルの軒に車を入れて荷物を運びこむ。休んでいた全員に手伝わせる。
 その日の夜に成っても哨戒機などは来なかった。車を昼間なら安全と結論を出してしまう。
 「まず。畑を管理する班を決めましょう」
 明日から車を使って四人単位で回ることにした。途中に破壊されてないガソリンタンクが見付かったからである。
 組み合わせを変えて八峰杏奈と宇垣美佐都他二名。大路江美と杉浦瑞樹他二名。渡邉麻衣と辻沙緒里他二名となった。
 三班が交代で探検と潜水艦の管理をする。
 プロパンの残量が限界である。電気で風呂を沸かす設備を検討している。この班が六人。
 シャワーは潜水艦の中でも使える。だが大きな内湯が良い。
 畑の班も六人決められた。残りは食事の班である。
 まだ担当の無い者も残っている。掃除とか洗濯を行う。
 食事の班は当初から大屋静江がリーダーで管理している。元はラーメン店を経営していた。そっちが専門である。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟。最上階の畳の宴会場である。
 今夜も椿原圭子を告発しなかった一人の女が宴会場に引き出された。女は佐東詩織という。二十四歳である。
 相変わらず隠微極まりない宴会風景が展開されている。
 宴席は女躰座布団テーブルである。
 女躰の太腿の上に座る。これが女躰座布団。料理は腹と胸の上に置く。これが女躰テーブル。飲み物だけ横に小さなお膳が置かれている。
 座るだけではなく脚を開いて入れてしまっても構わない。その場合さおだけをファスナーから出す。周りに見えない様に布などを掛ける。
 コンパニオンは官僚らのそれぞれ指名である。序列の高い順に指名してゆく。重複することはない。
 佐東詩織を牽いて来た緊縛師二人が磔柱に固定している。佐東詩織は既に全裸である。
 宴席も既に乱れきっている。
 ある官僚はコンパニオンを剃毛している。花代は追加に成るが国が払う。
 女躰座布団テーブルのコンパニオンに乗って酒を水差しで飲ます。こっちは一夜分のみである。アルコール中毒になって泣かされる。
 またある官僚は潮噴きの練習をしている。何人かにそれを覗き込まれている。堪らない羞恥地獄である。こっちも追加は無い。
 尿道の小さな亀裂が膨らんでそこから潮が飛び出す。自分で見ることも無い恥ずかし過ぎる姿にされている。
 彼女らの女のステータスは優、特優ランク。優以上は主席、官僚用またはテレビ撮影である。だがコンパニオンは強制で拒否は出来ない。
 誰一人コンパニオンを希望した者は居ない。嫌なら姉ヶ崎グランドシティを出て行くしかない。
 姉ヶ崎グランドシティを出れば外は人外魔境である。生きて行くには新政府に従って此処に留まるしかない。
 優以上は週に二日ぐらい働けば良い。各棟の上層階の美室に住める。だが美貌を失うと下のランクに落とされる。
 四十歳まで総ての女性が強制されている。その後今の住居に住み続けるには買い取らなければならない。出来ない時は下層階の無料住居に移る事に成る。
 結婚も子供を生む事も許されない。四十歳を過ぎても同様。生む専門のランクは子供を生む。だが体外受精の他人の精子、卵子である。
 新政府は家族と言う概念を廃止する方針を徹底している。
 この街が出来たとき収容された家族は存在する。それは君津寄りの十六棟に固められた。通勤する男性と医者以外は其処から出られない。
 逆に外からは全く入れない。
 今夜も葛城修一主席と一緒に木下有紀路が入って来る。これからSM拷問が開始される。
 十字架タイプの磔柱である。それに佐東詩織の躰は両手を広げて磔にされている。
 右の脚首は十字架の根元に縛り付けである。左脚は動かせる。
 大臣及び官僚が鞭を受け取り順番に鞭打ちする。
 六十人くらい居る。一人二発ずつでも百回以上叩かれる。その後にも究極の拷問が待っている。さらに録画してテレビ放送する。
 全員が叩くので顔を保護するべくフェイスシールドだけ被せる。
 海軍長官が牛追い鞭を持つ。
 「お待ちください。柱に縛っておりますのでそれは効果が薄いと思われます」
 緊縛師が助言する。
 「どれが良い」
 海軍長官の言葉に緊縛師は先の細い一本鞭を渡す。
 乳首に狙いを定める。
 乳房の形は丸い。大きさもそれなりには有る。乳首は鳥の鶏冠の様に赤い。円筒形でくっきり突き出している。
 海軍長官は一本鞭の細い先端を乳首に強く当てる。
 「ぐううーーーーーーーーーーー」
 痛みの反動で固定されてない左脚の膝が蹴り上がる。
 二発目は太腿の白い皮膚を薙ぐ。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 顔の表情は大口を開けて破裂している。
 内腿に隙間は無い。鞭の蚯蚓腫れが浮いてくる。
 十数人叩いたところで佐東詩織の躰は鞭の痕だらけである。両方の乳房と太腿に無残な赤紫の筋が折り重なって奔っている。
 全員廻すのは難しい状況に成りつつある。
 次の順番の警察官僚は蝋燭を要求する。蝋燭数本に点火して芯の周りが溶けるのを待つ。
 その間。鞭で無残になった乳房を触る。
 「うう」
 佐東詩織は睨み返す。
 木下有紀路が警察官僚の後ろから近付く。佐東詩織の顔のフェイスシールドを退けてビンタする。
 瞬時に反射的に佐東詩織の左脚が木下有紀路の股間を蹴る。
 木下有紀路は後方によろめく。和服姿なので脚が裾に縺れる。そのまま倒れて着物の裾が割れて脚が広がる。二布以外下着は着けてない。
 警察官僚と緊縛師が抱き起こす。
 「この脚をそこに縛り付けて」
 木下有紀路は十字架の左端を指差す。
 緊縛師が脚を持ち上げる。佐東詩織は藻掻いて抵抗する。もう一人の緊縛師も押さえる。木下有紀路が縄を掛ける。
 佐東詩織は躰を右に弓なりに曲げて左脚を跳ね上げている。股間は大きく広がる。女の部分は丸出しである。
 木下有紀路は一本鞭を持つ。先端が長方形の硬いチップに成っている。それで股間を狙って下から叩き上げる。
 「ぐうお、お、おーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は十字架に脚首を縛られた左脚をくの字に折って暴れる。躰は強く震撼する。
 「掛けて」
 木下有紀路は警察官僚に蝋燭を要求する。
 溶けた蝋涙を右の乳房にべっちゃり掛ける。無残な赤紫の筋が折り重なった上からである。
 「うぐう、う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は大口を開け甲高い悲鳴を絞りだす。顔は縦に究極に歪む。強烈に染みるのである。
 もう一本手にする。
 「ああーーーーーーーーー」
 佐東詩織の恐怖に縮み上がった悲鳴である。
 それを他所に左の乳房に掛ける。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二つの乳房が真っ赤に染まった。
 次の官僚がさらに上から掛ける。
 胸の谷間から腹まで流す。
 「うう、う、う、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 木下有紀路は次の官僚に太腿の蚯蚓腫れを示す。
 官僚はその通りに跳ね上げられた左脚の太腿に流す。無残な蚯蚓腫れに溶けた蝋涙が被る。
 「う、う、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ足りない。次々に蝋涙を流す。
 佐東詩織の躰中が蝋涙で真っ赤になった。木下有紀路は次の官僚に鞭を渡す。そして乾いている乳房を指差す。
 官僚は鞭を構える。先端が長方形の硬いチップに成った物である。
 それで乳房の蝋涙を割る。官僚は力の限り叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は衝撃と痛みに吊り上げられた脚を力の限り蹴る。
 数人が交代で叩き続けた。
 蝋涙を全部叩き割られて佐東詩織の躰は悲惨な状態を晒す。赤紫になった蚯蚓腫れが入り乱れて蝋涙の欠片が点在している。
 大型のバットが運ばれる。排水も接続されている。その上にバスタブが乗せられる。湯と水の配管が接続されてバスタブに湯を満たす。
 佐東詩織を磔柱から降ろす。そして一度バスタブに浸ける。
 宴席ではコンパニオンがアルコール中毒にされた。看護師が点滴をセットする。利尿剤を飲ませてバルーンカテーテルを挿入する。
 尿道に太いバルーンカテーテル挿入の痛み。アルコール中毒の苦しみ。コンパニオンは泣き続ける。
 全裸で小水の垂れ流し。SM並みの晒し者にされる。その状態で宴席の後ろに放置である。
 代わりのコンパニオンが呼ばれて来る。大臣はこの女にも酒を強いる。
 コンパニオンらはこの大臣に指名されると災難である。
 佐東詩織は湯から出されて躰を拭かれる。蝋涙は落ちても赤い痣は鮮明に躰に残っている。
 拷問椅子が運び込まれる。佐東詩織をそれに乗せる。
 「さあ。蚯蚓腫れに液体絆創膏を塗りましょうね」
 緊縛師二人と官僚二人が躰を押さえる。一人の官僚が液体絆創膏を手にしている。
 「物凄ーーく染みるのよ。でもね。ちゃんと貴女の皮膚を護ってくれるのよ」
 木下有紀路はしんねりと言葉を佐東詩織の神経に浸透させる。
 官僚が手に流して乳房に塗る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いいたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に染みるのである。四人で押さえても佐東詩織は躰を捩る。堪らず藻掻き暴れる。
 もう片方の乳房にも塗る。
 「あーーああーーーーー。あわあーーーーーーーーーー。あーーあーーああーーあーー」
 多量に乳房全体に塗られるので染みる範囲が大きい。佐東詩織は狂った様に喚き暴れる。
 「だーめーーー。たすけてーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 それでも太腿に塗る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーあーーーあーーーあーーーああーーーああーーああーー」
 水の入ってない水槽にニシキヘビを入れて運ばれて来る。それを染みる痛みに堪えられず暴れる佐東詩織の首に載せる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は遂に失禁してしまう。
 その部分がスクリーンに拡大される。宴会場全体から拍手が沸く。
 拷問椅子の脚載台は大きく広がっている。左右の太腿にニシキヘビが載せられる。
 佐東詩織の躰はベルトや縄で拷問椅子に固定されてない。縄の代わりに蛇が首と三箇所を押さえている。
 佐東詩織は生きた心地ではない。
 蛇は運んで来た兵士が首と尻尾を持って押さえている。
 「クリを剥いて」
 木下有紀路が緊縛師に要求する。
 緊縛師は指で佐東詩織のクリトリスの包皮を剥く。
 「だめ。指じゃなくて二人で両側から棒で押さえて」
 新たに違う蛇が運ばれて来た。木下有紀路は蛇をスネークフック二本で掴もうとする。兵士が協力して暴れる蛇を押さえる。
 「さあ。おクリちゃん。この子に食べてもらいましょう」
 木下有紀路はさらりと恐ろしいことを言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。助けてーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織はサイレンの様に喚く。
 緊縛師が剥き出して棒で押さえているクリトリス。それに蛇の頭を押し付ける。
 凶暴な赤楝蛇である。この蛇は沖縄、奄美に生息しハブを食べる事もある。だが毒は無い。
 赤楝蛇は佐東詩織のクリトリスを噛み千切る。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織の強烈な悲鳴が轟いて失神した。待機していた医療チームが局部麻酔を打って処置に掛かる。
 この内容は翌日放映された。
 
 利尻島。潜水艦の女性らが移り住んだホテルの建物。その食事処の様な広間では深刻な話し合いが続いていた。
 「米はかき集めてこの人数では一年半が限度です。潜水艦に残っている分を含めてです。肉類は冷凍で半年は持ちません」
 大屋静江が見解を述べる。
 「畑は有っても野菜だけではどうにも成らないね」
 八峰杏奈も事態の深刻さは分かっている。
 「現時点で米を作り始めないと駄目だよね」
 大路江美も限界が迫っている。決断しないとならないと思う。だが簡単に水田は作れない。
 「北海道に渡って鹿を撃つくらいしか肉の調達は無理です」
 渡邉麻衣もそれが難しく危険なことは分かっている。川村由紀ら三名はそれで戻らなかったのである。
 「どこかに養豚場は無いかな」
 大路江美はまだ探検して見付かる可能性を考えている。放置された養豚場などがあればそれを継続すればよい。
 「車は使えたけどガソリンはいつまでも持たない。電気自動車を探さないと駄目だよ」
 杉浦瑞樹もガソリンを心配している。
 「そうだね」
 八峰杏奈も電気自動車を探した。
 「漁船は有るから夜なら魚を獲れないかな」
 大路江美は何隻か使えそうな漁船を見付けた。
 「潜水艦のソナーで魚群を探して漁船で網を流すか」
 八峰杏奈もやや賛成気味である。
 「問題はスクリューの航跡よ」
 渡邉麻衣は長崎の二の舞を恐れている。
 「潜水艦で引っ張るのよ」
 「桟橋から出港する時と入港する時は」
 「微速で出れば大丈夫よ」
 「肉は諦めて魚で行くか」
 「どこかに自転車は無いですかね。自転車があればガソリンが無くなっても。何とか成りません」
 宇垣美佐都は島に自転車が見当たらないと言いたい。
 「有ったら車より安全だよね」
 杉浦瑞樹も同感する。
 翌日大路江美と杉浦瑞樹他二名で島の外周道路を一周した。水田は全く無い。養豚場や牛舎も無い。目指していた自転車は見付かった。
 杉浦瑞樹が車を運転して大路江美と他二名が自転車で戻る。
 その夜も潜水艦の発令所メンバーが艦内で飲みながら会議となった。
 「生産手段が無いとこの先どうにも成らないよね」
 大路江美がぼやく。
 「耕運機すらないよ。米を作るのは絶望ね」
 八峰杏奈も諦め気味である。
 「食料だけではないです」
 宇垣美佐都は足りないものは他にも有ると主張する。
 「いっそのこと新政府を倒して民主化できないかな」
 杉浦瑞樹が究極の過激発言をする。
 「無理よ。こっちは潜水艦一隻。相手は膨大なロボット兵が護っているのよ」
 八峰杏奈は論外と言う考えである。
 「でも潜水艦を上手に使って中枢を破壊したら。そして今の主席を倒せば可能性は」
 杉浦瑞樹は潜水艦一隻でもやりようは有ると言いたい。
 「東京湾に侵入して街を調査しましょう」
 大路江美は可能性があるかもしれないと思った。
 「この島に隠れていてもいつか終わりが来るよ。打って出ましょう」
 辻沙緒里である。
 「とにかく調査に入りましょう」
 大路江美が押し切る。
 翌日八峰杏奈を残して潜水艦を操艦出来る人数で出発する事に成った。
 「東京湾に行き成り入るのは危険です。房総沖からドローンを飛ばしましょう。低空なら簡単には見付かりません」
 舵機を担当している渡邉麻衣が大路江美に意見する。
 「そうね。判ったよ。そうしましょう」
 大路江美も納得する。
 「館山が危険です。飛行場が復活しているかもしれません」
 宇垣美佐都は哨戒機を警戒している。
 「外房側から近付きましょう。九十九里は遠浅だから勝浦辺り」
 大路江美がそう決断する。
 潜望鏡深度で周囲を確認する。セイルをぎりぎり水面に出してドローンを発信する。一機だけで良い。
 潜水艦はアンテナだけ海上に出してやや震度を下げる。
 大原から姉ヶ崎、姉ヶ崎から君津に延びるビル群がドローンの視界に入る。
 その手前は畑、水田が広大に続いている。耕運機は総てロボットが運転する。人の姿は全く無い。
 一つだけ一段と高い建物を確認した。中央棟である。
 「これが中枢」
 大路江美が呟く。
 「多分そうね」
 辻沙緒里である。
 「主席の居るのはあの高い階かもしれませんね」
 渡邉麻衣も同意見である。
 「人工知能の中枢が何処に有るかね」
 辻沙緒里はそれを押さえるべきと考える。
 「問題は主席ではないですか」
 宇垣美佐都は主席を押さえるべきと考える。
 「中枢となる人工知能のコントロールを奪わないと駄目よ。主席と人工知能の両方を押さえないと」
 大路江美が断言する。
 中央棟付近から別のドローンの様な物体が飛んで来る。速度はかなり早い。
 「まずい。何か飛んで来る」
 辻沙緒里が叫ぶ。
 「ああ」
 「収容出来ないよ」
 「何か撃った」
 「ああ。撃墜」
 「急速潜行よ。深いところに降下しましょう」
 大路江美が逃げる判断をする。そして渡邉麻衣に操艦を指示する。
 この付近の海は陸から離れると一気に深くなる。
 「何も追って来ません」
 銚子沖をかなり離れて潜望鏡深度に上昇する。
 「何も追って来ないね」
 もう一度百メートルくらいまで深度を下げる。
 「あの一番高い建物をミサイルで破壊すれば何とかなら無いかな」
 杉浦瑞樹の意見である。
 「何とか中に入り込んで確かめないと」
 大路江美が呟く。
 「それは」
 「帰ってから話し合いましょう」
 とにかく帰投進路を取る。
 
 中央棟。葛城修一の主席公室である。
 「調査に来たのね」
 木下有紀路がドローンの襲来を見て言う。
 「うん」
 「この棟に一発ミサイルを飛ばす危険は無いの」
 「無いよ。潜水艦に積めるミサイルではこの棟は破壊出来ない。アメリカの艦に核弾頭は残ってない確認をしている」
 「そう。そんなに頑丈なの」
 「どっちにしろ面白いことに成る」
 葛城修一は淡々と構える。
 「そう」
 「見ろ。島に何人か残って居る。全員では動いてない」
 「で」
 「一発ミサイルを撃てば潜水艦の位置は特定出来る。まずは中に潜入を考えるだろう」
 「でも入れないよ」
 「その時は開けるのだよ」
 「成程。一人ずつ捕まえて拷問」
 「そうだ」
 木下有紀路の着物の裾は割れて片脚は丸出しである。葛城修一の手は女の部分を奥まで侵入して責めている。
 
 その夜。利尻島沓形に海中停泊する潜水艦の中である。
 「一回内部に潜入するしかないよ」
 大路江美は八峰杏奈に説明する。
 「どうやって上陸するの」
 八峰杏奈は報告を聞いて地図とドローンから送られた録画を見ている。上陸の難しさを指摘する。
 「内房側は無理です。ボートで大原に近付くしかありません」
 宇垣美佐都の結論である。
 「どうみても危険ね」
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