【SadoのSM小説】
人工知能管理者のSM帝國
その四


女躰ステータス


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 二〇三十年大暑上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 「まあまあ」
 葛城修一が立って大路江美に近付く。
 「精神安定剤」
 木下有紀路は看護師に要求する。看護師も男性である。
 大路江美はさらに怯える。何か言おうとしているが声にならない。
 「お前。此処に残るのだな」
 葛城修一が行き成り確認する。
 大路江美は首を縦に振る。蛇の恐怖で声が出ない。
 その間にも板前が調理台と蒸し器を運び込む。続いて炭で焼くコンロも運ばれる。
 「よし。それなら鰻で許してやろう」
 葛城修一が決めてしまう。
 それでも精神安定剤は打つ。
 今度は板前が鰻を掴む。
 「ああーーーーーーーーーーー。だ、だ、だめーーーーーーーーー」
 大路江美は鰻でも悲鳴を上げる。
 「本当は蛇を二穴に入れる予定なのにな。残念。不満だな」
 木下有紀路は態とそうぼやく。最初から威嚇である。
 板前は鰻の頭を一瞬突っ込んで別の盥に投げる。
 「うう」
 大路江美は呻き声を上げるが蛇が解除されてやや落ち着いている。
 板前は六匹入れて終了する。そのままそれを会議室の片隅で調理に掛かる。
 磔柱が搬入される。
 緊縛師らは大路江美を拷問椅子の縛りから解く。そして磔柱に立たせる。
 「観念しなさい。その綺麗な躰に鞭打ちよ。その綺麗な太腿。蚯蚓腫れにしたくてうずうずしているの」
 木下有紀路はまた恐ろしい言葉を投げ付ける。
 だが大路江美には叩かれる方がまだましである。女の性をとことん辱められる。これがもっと辛い。
 机に数種類の鞭が用意されている。
 板前は鰻を次々に裂いて下焼きをする。
 「貴女のお○○こに入った鰻を皆さんでお召し上がりよ。どう。女冥利に尽きるでしょう」
 木下有紀路はまたからかい詰る。
 高さの高い磔柱である。緊縛師は机の上に登って大路江美の両腕を高く上げて縛っている。膝を揃えて脚首と膝上で磔柱に固定される。
 木下有紀路は一人目の大臣に先の細い一本鞭を渡す。
 大路江美は一文字に磔にされている。一本の柱に縦長に腕を真上に伸ばしてスレンダーな体型が限りなく表現される。
 綺麗な腰である。三十五歳とは思えない。崩れていないスタイルと言える。躰中余分な肉は無い。
 乳房はとくに大きくは無い。下半分に丸い半円を描く。向きも左右が僅かに外を向く。円筒形の乳首の先端も僅かに上を向く。
 膝を揃えた股間は拳半分位の隙間が開く。
 股間から膝までの内腿の線。これが僅かに腿の内側に弧を描く。この部分が股の内側に膨らむ弧を描くとやや美脚を損なう。
 葛城修一主席の美観概念を基本に人工知能が判定する。結果こういったタイプが優以上に残ることと成る。
 一人目の大臣は太腿を二本揃えて薙ぐ。
 「うおおーーーーーーーーーーーー」
 一本鞭の細い先端が柔肌に食い込み跳ね返る。
 縛られていても片方の膝が反動で突き出る。
 次は色白の乳房を叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーー」
 大路江美は表情を破裂させ痛みに震える。
 肌理の細かい肌に鞭の痕が赤く浮く。サディストには堪らない生唾シーンである。
 木下有紀路は五人目から細い竹の鞭を渡す。
 これで叩くと直ぐに蚯蚓腫れが浮く。
 木下有紀路の目的通り大臣は太腿に蚯蚓腫れのメモリを描く。上からほぼ等間隔に叩く。
 「うう」
 大きな悲鳴は出ない。
 太腿を僅か六人が叩いてだけである。大路江美の余分な肉の無い白い太腿。いまそれは蚯蚓腫れが赤紫に染まって無残極まりない。
 この状況はサディストの加虐心を強く滾らせる。
 次の警察官僚は股間の隙間に狙いを定める。僅かに覗く割れ目の頂点を叩く。
 「うーーお、おお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 クリトリスを包皮の上から細い竹の鞭の先端部が直撃である。
 さすがに目尻に涙が溢れかける。痛みに歪む大路江美の表情。それがさらに加虐心を底から煽る。
 次の官僚は顔を狙う。
 「駄目よ。顔は平手だけ」
 これは木下有紀路が止める。大切なアナウンサー要員である。
 仕方なく官僚は平手でビンタする。
 「う」
 大路江美は睨み返す。平成、令和をモラルに染まった表の世界だけ生きてきた女。男の手でビンタは限りなく屈辱である。
 それでも今度は涙を抑える。
 「次は乳房をもっと汚して」
 木下有紀路が次の官僚に要求する。
 乳房も無残な赤紫の筋に蹂躙された。
 大路江美の顔は汗を噴いている。
 既にグラスの中に太い蝋燭を溶かしていた。芯の周りが抉れて溶けた蝋涙が溜まっている。
 「脚を外して持ち上げて」
 木下有紀路は緊縛師に要求する。
 次の官僚に溶けた蝋燭を渡す。
 「太腿の蚯蚓腫れにべっちゃり掛けて」
 「ええーーーーー」
 大路江美は恐怖に悲鳴を上げる。
 官僚は嬉々と悦んで緊縛師が平行にして持ち上げる太腿に流す。
 「あーー。はあーーはあーー。はあーーーーーはあーーーーーーー」
 甲高い悲鳴が宴会場を劈く。
 「もう片方」
 木下有紀路は次の官僚に溶けた蝋燭を渡す。
 「ああーーあ。あはあーーー」
 大路江美の恐怖に震えた涙声である。それを他所に官僚は蝋涙を流す。
 「ああーー。ああーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーー。あーはあーーはあーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美の表情は泣き顔混じりに破裂している。
 最後は木下有紀路が蝋燭を二本持つ。
 「いやあーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーー」
 大路江美には乳房に掛けられると直ぐに分かる。驚愕の表情で悲鳴を上げる。
 一本目を左の乳房に流すように掛ける。
 「ううーーううーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蚯蚓腫れが赤紫に滲んだ乳房は真っ赤な蝋涙に包まれてゆく。
 大路江美の目からは涙が溢れる。そして頬を伝って流れ落ちる。
 木下有紀路は大満足である。
 二本目を右の乳房に流す。
 「う、う、ううーーーーーーーー。うーーーーーーーうーーーーーーーーー。あーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 号泣状態である。三十女が堪えられないか。慣れれば堪えられる。だが蚯蚓腫れの上である。そして初めて受けるSM拷問。衝撃は大きい。
 少し乾くのを待って蝋涙を鞭で叩き割って終了した。
 大路江美は襤褸襤褸の姿で緊縛師らに部屋に運ばれた。マニュアル、通帳が渡されたのは川村由紀と同じである。
 
 高島波琉は主席の私室に呼ばれた。
 ロボット兵以外誰も居ない。直ぐに全裸にされる。
 一緒に窓際の展望の利いた湯に浸かる。
 東京湾は静かだがその先は川崎、横浜と瓦礫の放置状態である。羽田は総ての滑走路がずたずたに壊されている。
 「明日。島の女達が来たら出迎えて説明して貰いたい」
 葛城修一は高島波琉に新たな要求を切り出す。
 「えーー。私がいったいどういう立場でですか」
 高島波琉には驚き以上である。
 「帝國BBSアナウンサーだ。総務大臣が立ち会う」
 「はい。それなら全員を呼び出したのですから帰る人たちに少しは何か」
 高島波琉はそこまでさせるならと要求を切り出す。自分の言い分は多少通るのではないかと思い始めている。
 「潜水艦を武装解除する代わりに支援物資か」
 「そうです」
 高島波琉の声はやや震える。
 「何が良い」
 葛城修一の片手は高島波琉の女に挿入されている。片手は乳房を掴んでいる。
 「お米と冷凍肉。それから電気で動く耕運機一式と軽トラック。太陽光発電パネルです」
 「判った手配する。駆逐艦で運ばせよう。そう説明してくれ」
 「それから。あと一年で島を整備するのですか」
 「それを調べたのだが、北海道を整備に掛かるのが五年後だ」
 「五年は整備しないと補償していいですか」
 「そっちは総務大臣に言わせよう」
 「はい」
 「今夜中に二人と打ち合わせしておいてくれ」
 「大路さんと川村さん」
 「そうだ」
 
 夜に成って高島波琉は川村由紀を伴って大路江美の部屋を訪ねた。
 大路江美は配給された弁当も食べないで湯に浸かっていた。鞭で叩かれ蚯蚓腫れが割れた皮膚を癒していたのである。
 支援物資の話を聞いて大路江美は少し喜んだ。
 「それにしてもあの女酷いよ」
 「そうよ」
 大路江美の木下有紀路への怒りに川村由紀も強い怒りを示す。
 
 利尻島。元ホテルの建物。その食事処の様な広間である。
 八峰杏奈が一応の説明をした。艦内で興奮していた状態とは変わっていた。杉浦瑞樹の思いと変わらない説明であった。
 その後の質問への回答は杉浦瑞樹の役割となった。
 「一つ。潜水艦が有って魚雷やロケットは要りませんが。日本を離れて核に犯されてない場所が有りますか」
 大屋静江である。
 「最低限この島に残れなければ潜水艦生活です」
 三十手前の女性も同調する。
 「此処に残っても先は見えないよ。新しい政府の国だけしか残らないなら。もう諦めて従った方がいいよ」
 まだ二十代前半の女性である。
 「此処に居たって食糧危機。そのうえ永久に男日照りだよ。従っても献身婦だけど衣食住には困らない。いまは非常時以上だよ」
 この女性も二十代前半である。
 「馬鹿なこと言わないで。男日照りなら献身婦で良いと言うの」
 また八峰杏奈がキレる。
 「杏奈。この時点で姉ヶ崎の街に入るのは各自の自由でしょう」
 宇垣美佐都が嗜める。
 「ごめんなさい。そうね」
 八峰杏奈も考え直して謝る。
 「問題は誰が何人まで優ランクに成るかよ」
 辻沙緒里はそこが気に成っている。自分は大路江美とその街に残っても良いと覚悟している。他の子がそうなったら困ると思う。
 「もし優ランクが四人だけだったら。その四人はその街に残るしかないね」
 八峰杏奈は悶々と悩んでいた確信を言う。
 「絶対に姉ヶ崎に行きたくない人は」
 杉浦瑞樹が挙手を求める。
 三名が手を上げる。
 「杏奈さんは良いのですか」
 「私は戻って来たいけど。他の人達を此処に帰す為なら残るよ」
 八峰杏奈の言葉に挙手した三名も手を下ろした。
 「その中央棟を潜水艦のミサイルで破壊して一挙に攻め込めませんか」
 杉浦瑞樹が最初に考えたことである。この女性も同じ過激な意見を吐く。
 「それは無駄です」
 杉浦瑞樹が状況を説明する。
 「破壊しても人工知能の中枢は一つではなく冗長化しているでしょう」
 宇垣美佐都が冗長化の説明も行った。
 「もし主席を殺したらもっと大変な事に成ります。そうなったら人工知能に支配されたロボット軍が人類を全部抹消する設定に成っています」
 「そんな。それじゃ主席が亡くなったら全部終了」
 「違います。主席は既に人口人体です。今より老けず不死身です」
 「そんな。ハッタリでは」
 「それがハッタリでもロボット軍が人類を全部抹消する設定はそのままです」
 「それもハッタリでは。内部に入ってしまって革命出来ませんか」
 そこで杉浦瑞樹は椿原圭子を告発しなかった犠牲者の話を説明した。
 「それでは内部は完全な監視社会ですね。戦争直前の中国の様に」
 「そうです」
 杉浦瑞樹はきっぱり答える。
 「戻って来たい人」
 八峰杏奈が確認する。
 半分弱である。
 八峰杏奈には衝撃の結果であった。
 その夜は全員で飲み明かした。翌日、払暁に潜水艦は出航した。全員乗艦した。今回は戻る希望のメンバーが操艦する。
 館山沖に浮上した。
 哨戒機が誘導に近付く。
 木更津方向を指示して来た。
 浮上航行して東京湾をゆっくり進む。
 イージス艦が二隻両側から近付く。水先案内代わりである。姉ヶ崎新軍港に誘導する。石油タンクも製油所も焼け野原のままである。
 今は石油を使わない。それ以前に入って来ないのである。
 埋め立てた土地に現在の工場が造られている。ロボットが街に必要な物資を製造する。
 人工知能の指令でロボットが建造した急造の生産設備である。
 電力は東海第二発電所から来る。原発を強行に動かした。それ以外は太陽光発電のみである。
 奥の潜水艦桟橋に接岸する。
 中央棟の下までバスで運んでくれた。丁度一台分の人数である。
 二階のフロアまでロボット兵士が誘導する。
 高島波琉が其処で待っていた。
 「その端末にお名前と生年月日を入力して下さい。入力されましたらそのままそちらのゲートを潜って下さい」
 端末入力の先には空港の金属探知機の様な物が有る。それは金属探知機よりもっと奥行きが深い。
 「審査は裸にされますね」
 杉浦瑞樹が先頭である。出迎えが高島波琉だったので気に成ることを確認してしまう。
 他にはロボット以外人は居ない。
 「大丈夫です。人工知能の審査ですからそれを潜ったら終了ですよ」
 高島波琉は不安を充分に察して優しく答える。
 「良かった。男性が何人も見ているのかと思って」
 杉浦瑞樹は帰る意思のメンバーらの抵抗を心配していた。
 「ここは何も無いです。帰る人はよろしいのですが。でもこの先この街に残ったらそうは行かないのですよ」
 高島波琉は自分のこれまでからやんわり警告もする。
 「私達は覚悟しています。ただこのまま帰る人達だけが心配でした」
 「大丈夫ですよ」
 海軍長官の部下数名の将校とロボット兵士が潜水艦に乗り込む。この間に艦内の武器を撤去する。
 全員エレベーターで最上階に誘導された。
 今回は大テーブルが置かれている。
 総務大臣、川村由紀、大路江美が待っていた。
 総務大臣は正面席の斜め後ろに座る。高島波琉が主席の席に座る。
 「帝國BBSアナウンサーの高島波琉です。本日の説明を担当させていただきます」
 新政府は日本帝國を名乗っている。その国営放送のアナウンサーも兼務している。高島波琉はその建前で挨拶する。
 左右の先頭は川村由紀と大路江美である。入って来たメンバーが順次座る。
 総務大臣がロボット兵士に女躰ステータスリストを配らせる。
 「お配りしていますのが皆様の女躰ステータスリストです」
 高島波琉も納得してない。ステータスの意味が違うと思う。だが此処ではそれが女性のステータスである。
 優は大路江美、辻沙緒里、宇垣美佐都、渡邉麻衣、杉浦瑞樹の五名だけである。さすがに可、不可は一人も居ない。
 「現時点で島にお帰りになる方」
 高島波琉が意思確認をする。
 八峰杏奈、大屋静江、他十七名が挙手した。
 「優クラスの方は全員お残りでよろしいですね」
 「大丈夫です。出る前に決めてきています」
 宇垣美佐都が代表して答える。
 「それではこれからお部屋の割り当てを行います。お帰りになる方には主席からプレゼントが御座います」
 川村由紀が端末から残る者の姓名、ランクを入力する。
 「主席からお米、冷凍肉一年分。耕作機械一式、ソーラーパネル二十枚をプレゼントいたします」
 葛城修一の生かさず殺さずの配慮である。
 「え、えーー」
 驚きの声を上げてしまう者も居る。
 「皆さんの島はこの先向こう五年間。整備計画から外れるとのことです」
 総務大臣が宣告する。
 「それではお帰りになる方はいつでも潜水艦にお戻り下さい。もう武装は解除されています。プレゼントは輸送船が別途に運びます」
 さすがに耕運機は潜水艦に積めない。
 「それからこちらに残られる方々ですが、一年に一回。島まで一泊帰りの輸送船を出します。駆逐艦に成りますが」
 総務大臣が付け加える。
 「くれぐれもこちらに居る間は四人以上集らないで下さい。マニュアルはお部屋にお配りします」
 「それでは三十分後にロボットがお部屋にご案内します。それまでこの部屋でご自由にお話ください」
 総務大臣がそう宣告して高島波琉と引き揚げる。
 ロボットも出て行く。
 「良かったね。暫らくは島で暮らせる」
 単純に喜ぶ女性も居る。
 「そんなに甘くは無いけど。此処で最後の別れにならなくて良かったよ」
 八峰杏奈は一年に一回島で集れることに安堵している。
 「みんな。これからばらばらにロボットが部屋に連れて行くから私の部屋に一人ずつ来て。私は五井十六号棟四九○八です」
 大路江美が残る者全員に呼びかける。
 「全部一緒に行くと四人を超えます。こっちの列の人は私の姉ヶ崎二号棟四九○八に来てください。時間も分散して下さい」
 今度は川村由紀が呼びかける。集ってしまえば既に危険である。
 帰るメンバーを送りに出る事は出来ない。大会議室で別れと成った。
 会議室の窓から見送った。
 物資を運ぶ駆逐艦が水先案内となる。東京湾を出るまで先導する。潜水艦は館山沖で潜航する。
 テアドロップ型の原潜なので潜らないと速度が上がらない。
 ロボットの案内が始まったので大路江美と川村由紀も部屋に引き揚げた。優クラスの五人を除いて明日から献身婦の仕事に入る。
 所持金がまったく無い。有っても使えない旧日本円である。後日役人が部屋を訪ねて通帳に同額を入金してくれた。
 今夜と明日の朝までは弁当が支給される。
 その先は稼ぎを得ないと食事代も無い。二階の無料のバイキングには行ける。だがマニュアルにも二十階以下に行かないよう記載されている。
 優クラスに成った五人には直ぐに仕事配分が出来ない。それで当座五万円が支給された。
 
 その翌日。大路江美はニュースを読まされた。高島波琉と一緒である。アナウンサー体制を豪華にした。
 国民が意見を言えるのは人気投票だけである。
 当然のことながらアダルトチャンネル側では全裸で放映されている。
 両方同時だが服を着た方に出演している。アダルト側はバーチャルである。
 人工知能に登録された大路江美と高島波琉の全裸データ。そこから同じ動きに全裸画像が作られる。
 それ以前にアダルトでは拷問シーンもノーカット放映された。
 姉ヶ崎グランドシティ全体に大路江美の局部まで公開した全裸が行き渡ったのである。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟。最上階の畳の宴会場である。
 宴席は女躰盛が前に置かれている。その女の部分には太いこけしが挿入される。こけしの根元には皿が付けられている。醤油皿である。
 女躰盛のコンパニオンは指名ではない。ランダムに良、良上クラスから駆り出されている。
 もう一人横の座布団に女が座る。こっちが全身奉仕する。優クラスから指名されたコンパニオンである。
 このどちらにも既に島から来たメンバーが数人含まれている。
 女が一人。今夜も宴会場に引き出された。女は佐藤栞李という。二十九歳である。椿原圭子を告発しなかったグループではない。
 前に拷問された佐東詩織と読みは同姓同名だが字と年齢が違う。同名異人にもならない別人である。
 そして拷問ではない。有料である。だが五十万しか支払われない。ステータスが良クラスだからである。それでも客の指名が足りなく稼ぎがほしい。
 AI型幻覚拷問である。
 佐藤栞李は縦一本の磔柱に乳房の上と下、腰、右の膝、右の脚首を縛り付けられている。両手、左脚は動かせる。
 片目ごとに被せるゴーグルの様なメガネを掛けさせる。
 木下有紀路は刃先がゴムに成った日本刀を構えている。
 メガネの中は別世界である。四方に設置されたスクリーンにはメガネの中の世界が映る。
 佐藤栞李にはメガネの中の世界が総てに見える。
 映像がスタートする。
 木下有紀路は映像に合わせて動く。
 乳首の直ぐ上に日本刀の刃先を当てる。スクリーンの木下有紀路の動きに合わせて振り下ろす。
 映像では乳首が斬り落とされる。血が飛び散る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李の顔は大きく縦に破裂する。
 「うそーーーーーーーー。こんなのーーー。ああーーー。きいてませえーーーーーーーーーーーん」
 佐藤栞李はヒステリックに叫ぶ。
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