鬼三のSM小説
女衒の國

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

その十七 拷問と経済侵略

1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| 9| 10| 11| 12| 戻る|
 二〇二十二年大寒上元
 (この小説は2021年2月現在未来形です。またこの二十四節気は平気法によるものです)
 R国D市。日本式温泉ホテル最上階VIPルームである。
 女は鴨居から逆さに吊るされている。SMを考慮して造られたホテル。この国では標準機能である。此処にファミリーが来ることはまずない。
 日本企業の慰安、接待、そして買春。中でもSM嬢の買春が著しく多い。高額なのは日本からの出稼ぎ女性らである。
 女は右脚を脚首と膝でぴったり縛り合わされている。
 左脚は脚首の縄で鴨居の端のフックに引っ掛けて引っ張られて空中にへの字を描いている。
 左右の太腿の付け根をそれぞれ強く縛っている。吊るしているのはその二本の縄に通した天井の滑車から下がった縄である。
 股間は大きく開いて恥ずかしさを強く引き出した逆さ吊るしと言える。そして苦しい吊るしでもある。
 女を責めているのは元日本の総理で引退してこの国に暮らしている葛城義和。女は風俗嬢ではない。元千葉県警巡査部長出水茉里である。
 娼国に自らの無謀な判断で捜査に入って捕まった。暫く南の島に幽閉されていたが副主席北嶋真紀子の勧めで葛城義和の愛人になった。
 出水茉里元巡査部長はハードなSMプレイを承諾している。
 今はこのホテルの女将である。葛城義和が投資したものだが現在は出水茉里元巡査部長の名義と成っている。
 葛城義和は出水元巡査部長の女の部分を弄っていたが鞭を手にする。
 逆さ吊るしに上を向いた女の部分を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈かつ繊細な痛みが出水茉里元巡査部長の躰を震撼させる。
 葛城義和は腰を下げて乳房を薙ぐ様に叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長から大口を縦に割って眉間に皺を強く刻んだ悲鳴が響く。
 今度は内腿を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は苦しい姿勢で痛みに藻掻きながら堪える。
 一本鞭である。先端は細く固めのゴムと革の混じった作りで強烈に痛い。
 乳房を叩いた痕は蚯蚓腫れが赤く滲んでいる。
 更に無防備に上を向けられた女の部分を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は強烈な痛みに逆さ吊るしの躰をぶるぶる震えさせる。
 葛城義和は虐めたい気分が滾ると出水茉里元巡査部長の元に来る。娼国にもS市にもT市にもSMのハードコンパニオンは沢山居る。
 だが葛城義和は出水茉里元巡査部長を虐めたいらしい。
 出水茉里元巡査部長は今では従順に葛城義和に従っている。
 もう一度女の部分を叩く。鞭の細い先端は出水茉里元巡査部長の閉じ合わせた粘膜の合わせ目を叩いている。
 「う、うう、お、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は庇う事のできない痛みに躰を強く震撼させ藻掻き苦しむ。口からは唾液を飛ばしている。
 葛城義和は叩いた出水茉里元巡査部長の女の部分に指を突っ込む。
 充分な濡れを確認してローターを突っ込む。
 葛城義和はピンチ(洗濯ばさみ)を五センチ置きに糸で繋いだアイテムを取り出す。
 それを女の部分のビラビラの片側から鋏んで付けてゆく。
 内腿の柔らかい肌に並べて付ける。出水茉里元巡査部長の太腿にぶよぶよ感は無い。肉は締まっている。それをきっちり鋏んでいる。
 「いくよ」
 葛城義和はその糸を一気引っ張る。
 「うう。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は強烈な悲鳴を上げて暴れる。尋常な痛みではない。
 女の部分のビラビラからは僅かに血が滲んでいる。
 太腿にはピンチに鋏まれた部分を強く引っ張られて皮膚が剥けた痕が無数に付いている。
 それでも葛城義和は次のピンチに掛かる。
 今度は反対側のビラビラから約五センチ置きに腹の横を通って右の乳房、乳首、乳房の裾野から谷間に付けて左の乳房、左の乳首まで付ける。
 出水茉里元巡査部長は強烈な痛みに身構えている。
 一回目の痛みはまだ治まってない。膣に入り込んでいるローターが僅かに出水茉里元巡査部長を慰めている。
 「いくよ」
 「ああ。はい」
 辛そうな返事である。
 鋏まれているだけでも躰中から痛みが沁みてくる。
 葛城義和はピンチを繋いだ糸の先端を柱に縛って張る。そのまま出水茉里元巡査部長の後ろに回る。
 片手で髪の毛を掴んでもう片手は腰も持って後ろに引っ張る。
 ピンチは一気に飛び散る。
 「う、う、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は躰を振って強烈に悲鳴を上げる。
 「うおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪らない痛みに躰を強く固く振って何処までも藻掻き悲鳴を上げ続ける。
 葛城義和はさらに二系統を取り出す。
 今度は膝から股間に向かって内腿の柔らかい部分を鋏んで付けて行く。股間のところで角度を変える。
 女の部分のビラビラを片側だけ鋏んでそこから腹の横を鋏んで行く。乳房の裾野から乳首まで鋏んで付ける。
 左右二系統対照的に付けた。女の部分は両側からビラビラを鋏まれてピンクの部分が露出している。
 出水茉里元巡査部長は恐怖の表情を引き攣らせて待っている。
 「もう一回だけだ。あの悲鳴を聞かせてくれ」
 葛城義和は膝を突いて糸を下に軽く引く。
 「うん」
 強烈な痛みが躰を襲っている。出水茉里元巡査部長はそれでも応じる。
 今度は糸の先端を床のフックに縛り付ける。
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の肩を両手で掴む。蒼白な表情を愉しみながら後ろに下がる様に一気に引いて立ち上がる。
 出水茉里元巡査部長の躰は後ろに持ち上げられ洗濯ばさみは股間まで一気に飛ぶ。
 「ぐうう。うう。うーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目論見通りに行かず内腿の数本が左右の膝に残ってしまった。
 「ぐうわああーーーーーーーーーー。うわああーーーーーーー。ぐうわわあーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は狂った様に躰を強く暴れさせる。
 葛城義和は残ったピンチを引っ張り取る。
 「うおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーー。う、うう、おーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は遂に失禁してしまった。
 逆さ吊るしの躰に股間からフロント面を伝って首から顔と髪の毛に流れる。
 荒い息遣いで躰は震え続ける。
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の震えがある程度治まるのを待って躰を吊るしから下ろす。VIPルームの備え付け露天風呂に運ぶ。
 湯に浸けたまま一度頭からシャワーを掛けて髪を洗う。
 傷口と蚯蚓腫れを撫でる様に湯で洗ってやる。
 葛城義和はそのまま出水茉里元巡査部長のお尻を自分の腰に乗せる。バックで挿入する。
 乳房に腕を回して挿入したまま動かさない。
 「木邑良乃の一派はまだ動かないのね」
 出水茉里元巡査部長の躰は湯に浸かって痛みは概ね治まっている。
 「そうだがこっちの捜査も進んでない。対象者が多過ぎる。その動きが掴めない」
 「木邑良乃は四年前に落選した元国民党議員でしょう」
 「そうだが」
 「主力系列は徳永議員よ。主力がそっちには付かないよ」
 「日本の警察も協力して日本を出国する者を見張っている。まったく動きは見えない」
 「航空自衛隊の主力も大高の関連も細野英二二等海将の協力者関連ももう動かないと思う。上野大尉のリストはその周辺よ」
 「新田原基地の近くで行ったから航空自衛隊という線は薄いと指宿さんも柿崎さんも見ている」
 「そうよ」
 「新しい敵と見なければいけないな」
 「木邑良乃。政界での進出意欲は強かったけど。党の主流からは外れていたよ。もっと別のグループだと思う」
 「新田原基地の近くで会合開いたのは上野大尉の周辺に焦点を向けようとしたのだな」
 二人は湯から出て出水茉里元巡査部長がバスタオルで自分の躰を軽く拭く。それを自分の躰に巻いて新しいタオルを取って葛城義和の体を拭く。
 「そうよ。私の昔の知り合いでこの二人を調査してみて」
 出水茉里元巡査部長は用意してあったメモを差し出す。
 「ありがとう」
 「私を虐めて今日は満足できた」
 「うん」
 「また来てね。虐めていいから」
 「ありがとう。何故か君を叩くと熱くなる」
 「いいよ」
 出水茉里元巡査部長は躰を強く押し付ける。
 
 其処は神奈川県の奥地。
 個人の所有する山。アスレチックに見せかけた兵士の訓練場である。
 訓練を見守るのは陸上自衛隊元陸士長斑目沙弓。
 此処ではアメリカの特殊部隊的な訓練から戦国時代のくノ一の様な訓練まで行われている。
 
 神奈川県厚木市。郊外型マンション。元国民党衆議院議員木邑良乃の部屋ではインターネット会議が繋がっていた。
 この回線は別の部屋からOFFラインで繋がっている。木邑良乃の部屋の光回線ではない。
 会議の向こう側は木邑良乃の支援者である。こっちを支援する財界人も居る。
 木邑良乃は訓練の状況を説明する。
 「ヘリの訓練はハワイで行っています。最終的にはインドに移す予定です」
 「本庄さん他徳永議員の人脈に情報収集を断られたと聞きますが情報収集はどうされますか」
 「現地潜入要員も訓練しています」
 木邑良乃はきっばりと答える。
 「大高氏と同じやり方に成りますか」
 「已むを得ません。ですが情報収集も平佐和、葛城、北嶋、湯野中の動きだけです」
 「コンパニオンで入る人はコンパニオンだけで帰って来るのですね」
 「そうです。通信は小さな企業を送り込みます」
 「偽装ではばれていますよ」
 「偽装では有りません。S市に実際に成業しているベンチャー企業に協力を依頼しています」
 「S市では情報をどう渡しますか」
 「送り込むと申しますのは娼国に一坪本社を置いてもらいます」
 「あの間を高速フェリーで往復させますか」
 「いいえ。私共の仲間を一人サーバー室に常駐させてもらいます」
 「危険はなさそうですね」
 「日本から動く議員、官僚の情報収集に出なければ危険はありません。また女性警察官などでは有りません。疑われる可能性は低いです」
 「その四人を抹消すれば日本は健全化に向かうでしょう」
 協力者は葛城義和らの抹殺に深く納得する。
 「そうです。この四人がアジアの癌です」
 他の協力者も同調する。
 
 葛城義和は娼国に向かった。
 迎えのヘリで一度南側の空軍基地に降りる。日本から戻っていた柿崎一行を拾う。
 娼国CIC本部の有る建物の屋上に着く。CIC長官津島公明を交えて会議を行う。
 出水茉里元巡査部長の提示した二人の人物に関する打ち合わせである。
 吉祢恭子千葉県警警部補、南沙羅の二名。吉祢恭子千葉県警警部補は出水茉里元巡査部長の以前の上司であった。
 「この二人を調査して頂けないでしょうか」
 葛城義和は二人にメモを差し出す。
 「この情報の出所は」
 津島は相変わらず横柄な口調である。仁川のボディガード時代から変わらない。信頼が高いので誰も文句は言わない。
 「出水です」
 「判った。至急対応させる」
 津島はそのまま席を立つ。
 「出水さんはとうとう身近な人まで提出したのですか」
 柿崎一行は内容に驚いている。
 以前に自分らが調査した中にこの二人は居た。出水茉里元巡査部長関連での調査であった。
 「いまの自分に何らかのマイナスも考慮したのではないか」
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の心境の変化を充分理解している。嘗ての親友は既に友人ではない。住む世界が変わったのである。
 柿崎一行も直ぐに日本にいる部下に手配した。
 
 神奈川県の奥地。個人の所有する山の中に建つ山荘である。
 一人の女性が常道を逸した訓練を受けていた。
 女性に課せられた訓練は自分が男を迎えて逝かない事である。男の精子だけを抜き取る。
 何人もそれを繰り返さなければならない。
 逝き顔を晒してしまうとお仕置きとなる。このお仕置きもSMに堪える訓練にもなっている。
 女は出水茉里元巡査部長の嘗ての親友南沙羅である。
 南沙羅は踏ん張るが男らの責めに堪えられない。
 「あ、あ、ああ・・・・・・・・・・あはん。ああーーーーーーー」
 堪えられず声を上げてしまう。
 既に太腿や乳房に叩かれた鞭の筋が真っ赤に奔っている。
 なかなか一人の男が終わらない。
 南沙羅はスタイル良く顔も美形である。男が早く果ててしまいそうだが調節のできる男ばかりである。
 男が果てて南沙羅は磔柱に固定された。
 乳房を一本鞭の先端で叩かれる。
 「ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 南沙羅は涙を滲ませている。
 既に責められて女の部分はぐちゃぐちゃである。
 次の男が交代する前にバスタブに入って躰を洗う。
 訓練には相当期間が必要な様子である。
 
 吉祢恭子千葉県警警部補はハワイに滞在していてヘリの操縦訓練を受けていた。二人とも元国民党衆議院議員木邑良乃の要請でいまの訓練を行っている。
 
 柿崎一行は新日本空輸機でR国国際空港に日本から帰り着いた。
 この空港はS市とTS市の境目に在る。滑走路がその境界線になる。S市は南側娼国の勢力範囲。TS市は北側湯野中の勢力範囲である。
 殆どの利用者はそんな事は知らない。
 此処から娼国へは高速船に乗れば三十分で着く。港は空港に隣接している。
 またR国中央駅も空港に隣接している。その駅を挟んで二つの高層ホテルが建っている。
 一つはセントラルホテル。こっちは築五十年を超える。もう一つは新日本空輸ホテルである。
 柿崎一行は新日本空輸ホテルのロビーに向かう。
 葛城義和は滝澤沙緒里とスイートルームに滞在していた。柿崎一行から連絡を受けて会議室を予約する。
 「南沙羅は姿を消しました。まったく自宅に戻ってないようです」
 「吉祢恭子は」
 「千葉県警を退職してハワイに行っていました。何をしているのかは一応調査に部下を向かわせました」
 「うん」
 葛城義和も納得する。ハワイに居るからと言って対象外とは言えない。
 「吉祢恭子千葉県警警部補と南沙羅は元国民党衆議院議員木邑良乃と関係が近いことも調査で判りました」
 「やはり。そうなると南沙羅の行方が問題だな」
 「日本国内に居ると言う前提で日本の警察に御願いして捜査をしています」
 「そうですね。それしかないですね。行方が判らない以上何か行動を起こしている可能性が高いです」
 
 娼国。昭和中期の高層ホテル。四十五階の宴会場である。
 松井玲那元巡査部長を精神異常に追い込む拷問は失敗であった。松井玲那元巡査部長は再び拷問に駆り出された。
 将校らは訓練の合間に行うSM宴会に期待を高め遂にそれは常習化してしまった。
 コンパニオンは居ない。軍の経費ではいつまでも常習化しては払えない。宴会場のみ借りて将校らが設営を行う。
 訓練された警察官であった松井玲那元巡査部長である。それでも尋常でない拷問内容であった。さすがに恐怖に怯え続けていた。
 鉄格子から出されるとき躰はぶるぶる震えた。
 本日も途轍もない拷問が待っているに違いない。歩いても脚は震えている。
 三百人弱の将校が座敷の真ん中に広く空いた部分を囲んでいて宴会場はぎっしり埋まっていた。
 松井玲那元巡査部長は其処に立たされている。中から天葛少将と生方少将を見つけてそっちを睨み見る。
 怒りがこみ上げてくる。だがそれ以上に恐怖が全身を包み込んでいる。
 人が二人分入るような棺桶が運び込まれる。
 続いて蛇が大量に入った水槽が運び込まれる。
 「あはーー。あーーー。ああーーーーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長はうしろによろめき床にお尻を着いてしまう。
 そして恐怖に畳を掴む様に手で畳を後ろに下がる。
 元女性警察官でも蛇には免疫がないらしい。
 松井玲那元巡査部長は一回蛇で拷問を受けている。その恐怖がさらに怖がらせる。
 生方少将の部下が二人両側から肩を掴んで立たせる。
 「やめて。・・・いやあ。・・・いや」
 松井玲那元巡査部長は躰をくねらせて藻掻く。
 将校二人は藻掻く松井玲那元巡査部長を大きな棺桶の中に引っ張り込む。もう二人将校が手伝って棺桶の中に寝かせる。
 「いやあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。ああーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長は恐怖に震えて泣き叫ぶ。
 棺桶の中には杭とベルトが設置されている。
 腹をベルトで止める。手首を棺桶の側面真ん中辺りの杭に縛り付ける。
 さらに脚首を棺桶の下部の角に埋め込まれた杭に止める。股間は三十度以上開いている。
 「ちくしょうーーーーーーーーーー。このにんぴにんどもーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長にもこの中に蛇が投げ込まれることは充分に分る。
 「小倉紘子元北海道警警部はこの中に蛇を投げ込まれて蓋をされた。それでも数時間堪えたぞ」
 生方少将は話しに聞いていた北海道警での小倉紘子元警部と故笛木祐子元巡査部長の拷問を思い出して真似たのである。。
 「ああーー。ああーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長は恐怖に震え喚き続ける。
 将校二人が蛇の水槽を持ち上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴である。
 広げて棺桶の角に脚首を固定され開いた両脚と股間の間に蛇を流し込む。五十匹近い数である。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂った様に顔を振って泣き叫ぶ。
 将校らが棺桶の蓋を持ち上げる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長の涙声を押える様に棺桶の蓋が掛けられる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長は真っ暗な棺桶の中でさらに強烈に泣き叫ぶ。
 将校らは嬉々として棺桶に釘で蓋をする。
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー。あーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 松井玲那元巡査部長は棺桶の中から喚き続ける。
 将校らは松井玲那元巡査部長の棺桶の中の声を愉しみながら自分等で購入したビールで乾杯する。
 続いてあと一人女が牽かれて来る。木崎綾乃である。
 木崎綾乃はまだ潜水艦内での拷問以外受けていない。
 これからが本格的拷問となる。
 病院送りにすることが目的である。それで病院から多少の支援金が貰える。
 宴会場は軍の予算でも払える。高いのは花代。無料で愉しめるのは松井玲那元巡査部長ら加重死刑囚だけである。
 花代まで行かずとも料理は欲しい。それには病院に松井玲那元巡査部長を送り込むしかない。
 娼国の病院は充分に儲かっている。学用患者はなんとしても必要である。
 娼国の医療水準は極めて高い。諸外国からもVIP患者が多く訪れる。
 宴会場では二人を閉じ込めた棺桶に何人かの将校が重石の様に座ってビールを飲んでいた。
 木崎綾乃は松井玲那元巡査部長以上に泣き喚き騒いだ。蓋が無理やり閉まってもしばらく泣き叫び続けた。
 待つ間スクリーンには上野愛菜海軍大尉ら日本から来た元女性自衛隊員の空母への着艦訓練が放映されていた。
 上野愛菜海軍大尉は柔らかい表情の美人顔である。将校らには絶賛の人気を得ている。
 元国民党衆議院議員木邑良乃らの抹殺目標にはこの上野愛菜海軍大尉も含まれている。
 将校らの怒りは待ったく別のグループであるのに木崎綾乃らに向けられた。
 二時間が経過していた。
 「そろそろ良いかな」
 生方少将が天葛少将に相談する。
 「うん」
 天葛少将も期待を込めた表情で頷く。
 「どっちから開けますか」
 「元刑事でない方からだ」
 「そうだな」
 木崎綾乃の棺桶から開けることに決まった。


ご感想、アンケート
ご感想、ご質問、ご用件、ご依頼などございましたら以下のメールにお送りいただければ幸いです。
sado9364○yahoo.co.jp
(お手数ですが○を@に変えてご使用ください)


戻る
次頁

#一本鞭