【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第五十三幕


及ぶことのない報復そして挽歌


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音の躰は突っ張って固まる。表情は究極に破裂した。
 さらに赤座元太は膣壁を焼く。
 「あーーーーーーーーーーーーーぎゃあ、あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音はサイレンの様に悲鳴を上げ続ける。
 「ぎやああーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー。ぎゃあ、あーーーーーーーーーーーーー」
 躰は強烈に震撼していた。
 赤座元太が焼き終って離れる。
 宇治原歳加年と瀬尾将が高枝斬り鋏の刃を開いて構えていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音はそれを見て恐怖に喚き散らす。
 片山幸雄と赤座元太が止血パットを持って準備している。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音は喚き散らした。
 宇治原歳加年と瀬尾将が高枝斬り鋏の広げた刃を乳輪の外側に充てる。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音はがっちり固定された躰を揺すって喚く。
 宇治原歳加年と瀬尾将は高枝斬り鋏の刃で海野琴音の小ぶりの乳輪を外径で抓み上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音は声を振り絞って狂ったように泣き叫ぶ。
 宇治原歳加年と瀬尾将は互いの顔を見て息を合わせる。
 そして一気に鋏み斬った。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が飛び散る。
 片山幸雄が空かさず左の乳房に止血パットを当てる。赤座元太もそれに続いて右の乳房に当てた。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 海野琴音は泣き叫び続ける。
 片山幸雄が全身麻酔を当ててしまう。
 動画はここで終了していた。
 
 「三人とももう帰って来ないですね」
 本多椿は悲しそうに言う。
 「奴らはどうやって三人を見付けたのだ」
 如月鬼堂は悔しい。
 「警察の捜査で防犯カメラには何の痕跡もありませんでした」
 野崎拓郎弁護士である。
 「駐車場で車を突き止めたのだな」
 「しかしナンバーの情報がある訳では」
 「それ以前にどうやって豊洲に至ったかだな」
 「全部のプレイルームを監視していたのですかね」
 野村未来也弁護士はそれくらいしか考えられない。
 「そのくらいの動員力はあるでしょう。問題はずっと見張っていたのに痕跡がないことです」
 館山弁護士は防犯カメラに痕跡が残らないのが問題と言う。
 「防犯カメラは駐車場全部を網羅してないからな」
 「それでも不審な出入りと判らないように行動しないとばれます」
 「最初から豊洲と決めつけたのじゃないか」
 如月鬼堂は何か他の手段で当たりを付けられたと見る。
 「先生。奴らは犬の匂いを遮断する手段を持っていますね」
 本多椿である。
 「何か匂いを出さない物質で犬の臭覚さえ遮る手段を持っていると考えるべきだな」
 「三人の誰かの匂いを何処かで採取して逆に犬に追い掛けさせたとは考えられません」
 本多椿は警察の逆をやったと言う。
 「海野琴音の匂いは確保できなくてもあとの二人はR国か和歌山で残った匂いを手に入れたかも知れないな」
 如月鬼堂もその可能性はあると思った。
 
 八月二日。
 インターネットアダルト放送のスタジオ。
 「十三日に拉致されたと思われます海野琴音さんの動画が公開されてしまいました」
 高島波瑠が浴衣を脱ぎながらさらに事件の内容を説明する。下はワインカラーのブラとショーツである。
 「この事件は当初隅田会系大船一家の大谷彰浩らの犯行として野崎拓郎弁護士らが弁護団で告発していました。なぜ連続拉致強姦事件の犯人らの手が回ったのでしょう」
 岡田有美も浴衣を脱ぎ捨ててから事件の経過を細かく説明した。下はコバルトブルーのブラとショーツである。
 「鬼堂先生。海野琴音さんらの事件はやくざの行った犯行を連続拉致強姦事件の犯人らがカバーしたということでしょうか」
 本多椿は結論を確認する言い方で如月鬼堂に振る。
 「そうです。大船一家の大谷彰浩が海野琴音の動きから危険を察知してR国に逃亡したとは思えません。連続拉致強姦事件の犯人が指示したのでしょう」
 如月鬼堂はそう切り出して次のように述べた。
 まず海野琴音さんの妹さんを自殺に見せかけた殺人はやくざがロボットをレンタルしたのじゃないかと思われます。
 やくざに購入する金はないと思われる。あってもこの程度の犯罪に採算が合いません。
 但し直接はあり得ないと思います。
 連続拉致強姦事件の犯人らは相手を確り認識しても自分らの正体は見せません。これまで通り用心深く動きます。
 連続拉致強姦事件の犯人らが手を出すのは一つ愉しんでいる。もう一つは奴らの何らかの関連に影響する場合と思われます。
 「大船一家の二人を逮捕できてもそれ以上の進展は考えられないのですね」
 本多椿は如月鬼堂の解説の間に浴衣を脱いでブラも外していた。
 「そうです。それ以前にR国では日本の警察が手を出せません。捜査協力も強制送還もありません」
 「海野琴音さんの動画はR国で撮影されたのでしょうか」
 「これまでの動画を検証して産婦人科診察台の微妙な違いからR国で片山幸雄が関わったと思われます」
 「また潜水艦で運ばれたのでしょうか」
 「そう考えています」
 如月鬼堂はきっぱり答える。
 「選挙では与党が惨敗しました。石坂総理が責任を取るべきという声が民事党内で高まっています」
 高島波瑠がワインカラーのブラを外して読む。
 「日本でも極右政党が二つも台頭して今回は一気に票を伸ばしました。ヨーロッパ同様で日本も右傾化が進むのでしょうか」
 岡田有美もコバルトブルーのブラを外して読んだ。
 「鬼堂先生。この手の質問メールが多いのですが参院選挙の敗因は今の総理の責任なのでしょうか。総理に敗因があるのでしょうか」
 本多椿は質問メールをAIで集計して次に多い順に紹介する。
 「総理の責任ではないですが。リベラル系の議員が総裁になったことでかなりの保守系支持者が民事党から離れたのです」
 如月鬼堂はそう切り出して次のように述べた。
 これまで民事党は極右に近い保守から一部のリベラルに至るまで包括して来た大所帯です。
 二代前の総理までは明らかに保守の立場でした。
 一月の衆議院選挙の段階で保守層が顕著に離れたのです。
 この時点では一部裏金問題で立憲国民党と自由国民党に流れました。
 ですが多くの保守層の行き場がなくなっていたのです。
 参議院選挙では極右党と右派党がそれぞれ票を伸ばしまた。
 特に極右党が顕著に伸びています。
 この極右党の得票と民事党の得票を合わせると過去の民事党の得票にやや近づき票の受け皿になりました。
 総理が退陣しない限り元には戻りません。
 私はこれが民事党保守層のリベラルに対するノーの意思表示と言いたいです。
 消費税の問題と裏金の問題で自由国民党に流れた層もあるでしょうが多くが立憲国民党から自由国民党にも流れいると思います。
 立憲国民党は議席を現状維持しましたが得票は顕著に減らしていました。
 でも立憲国民党から極右党に流れるとは考えられません。
 リベラルそのものの立憲国民党から中道に近い自由国民党に流れたと見るべきです。
 東京選挙区がそれを如実に物語っていました。
 定数六で考えますと立憲国民党の二議席がそのまま自由国民党に流れたとみられます。そして民事党から極右党に一議席が流れたのです。
 原発に反対、夫婦別姓選択などリベラル系知識層の言うことが報道からは民意のように聞こえますがそうではないように思います。
 これまで民事党の大所帯が究極の保守から中道、一部のリベラルまで包括していたのでアメリカのような分断は見えなかった。
 でも明らかにそれは内在していたのです。
 私はアメリカの民主党と共和党は分断ではなく矛盾だと思う。
 それは共和党の岩盤支持層にとってリベラルは共産主義同様にあってはならない存在だからです。
 如月鬼堂が長々としゃべるので本多椿が高島波瑠を促して次の話題に切り替える。
 「散々騒がされたトランプ関税ですが結局は15%で決着です。日本だけではありません。EUも韓国も同様です」
 高島波瑠は後ろを向いてしゃがんでショーツを脱ぐ。
 そして岡田有美が差し出す相撲の下がりの様な前掛けを掛けた。
 全体が太い紐状だが股間の前だけ五センチくらいの革が下がっている。
 「それ以外の国も15%から20%に落ち着く模様です。結局トランプ氏の意向は何処にあったのでしょうか」
 岡田有美も高島波瑠の渡す相撲の下がりの様な物を腰に巻いてショーツを脱いで読んだ。
 「鬼堂先生。日本はあれだけ苦労して交渉して最終的にはみなほぼ同じとは
ちょっと悔しいですね」
 本多椿は三番目に多かった質問を如月鬼堂に振る。
 「私はそう思いません。トランプ大統領は批判を受けながら着々と落としどころに持って来たと思います」
 如月鬼堂はそう切り出して次のように述べた。
 元々トランプ大統領は税率10%または15%に持って行く考えだったと思います。
 もっと日本がコメの関税撤廃とか譲歩したら10%にできたかも知れません。
 高い税率を掛けたらアメリカ国民の負担が大きくインフレが助長して困ることは充分に分かっての上の関税政策です。
 高すぎる税額を掛けるとアメリカ国民の負担になってしまう。でも15%くらいなら輸出企業が負担してくれる可能性が高いです。
 そして高い関税で脅かしたことで投資や武器購入の恩恵を引き出しました。
 上手くすればインフレは避けられて関税収入だけ入って来て国民から減税した分は関税で補われて助かった形になります。
 アメリカ経済の強さがそれを維持すると考えられるのではないでしょうか。
 「それでは日本は交渉しないで待っていれば良かったのですか」
 「そうでもありません。一部カナダとか高い関税が残った国もあります。歴代アメリカの大統領は日本の関税と貿易黒字に苦々しく思っていました」
 「それでは交渉したことで日本も15%で済んだと考えるべきですか」
 「そうですが一概にそうとも言えません。向こうも10%ないし15%に収める方向を希望していたと思います。アメリカ国民が日本製品への需要が高く高関税のままではインフレ要素が高くなります」
 「それではトランプ大統領はかなり善戦したのですね」
 「何れ結果が見えると思います」
 
 八月三日。
 連続拉致強姦事件の犯人らのアジト。
 近づいた台風による雨は殆ど降らなかった。
 外はカンカン照りである。
 鰻重の出前を取って魚介類を焼いて生ビールが旨い。
 「如月鬼堂に質問メールを送ったが答えてくれないな」
 医者の男である。
 「本多椿の言い方では数の多い質問に答えているらしいよ」
 葬儀会社の社長は特異な質問は相手にされないと言う。
 「マイナーかな。民事党はあと何処と連立を組むと予想するかと聞いたのだが。できたら極右党と組んで保守の民事党に戻った方が良いと思うが」
 医者の男は早くリベラルから保守に戻って欲しい。
 「報道番組では昭和維新党が動きそうだが」
 川口の会長はそっちには進まないと言う。
 「それでは保守に戻らない。誰か女優を攫って石坂総理に退陣を脅迫してどうだ」
 「無駄だ。奴は動じない。ネタニヤフ並みに粘るぞ」
 川口の会長は強烈に批判を込めていた。
 「余計なことをすると逆に応援する奴らも活発になる。党内の引き摺り下ろしに期待するしかない」
 葬儀会社の社長も反対である。
 「このまま不信任。解散総選挙が一番良いな」
 印刷会社の社長はそっちに期待する。
 「それより弁護士集団にお仕置きすべきじゃないか」
 葬儀会社の社長である。
 「そうだな一度警告して様子を見るか」
 川口の会長も決断した。
 
 八月五日。
 如月鬼堂の居間。
 連日暑い朝が酣である。
 如月鬼堂は七時半に瀬里菜に起こされた。
 「弁護士先生方がテレビ会議を希望よ」
 「うーーー。何が起こった」
 「海野琴音さんらの件で脅迫メールだって」
 瀬里菜は笑顔のない表情で言う。
 「う、ううーーーーーーーーーん」
 如月鬼堂は夏バテでなかなか起き上がれない。
 「直ぐにシャワー浴びて。今朝はアイスコーヒーとサンドイッチよ」
 手の込んだ冷やしラーメンを作る時間はないと言われてしまった。
 如月鬼堂は朝食にラーメン又は蕎麦、うどんである。
 暑い夏は生麺をやや長めに茹でてスープを湯で半分溶かしてそこに氷を溶かしこんで冷やしラーメンにしていた。
 冷やし中華と違って酢が含まれない。熱いラーメンをそのまま冷やした味である。
 テレビ会議を繋ぐ。
 「脅迫メールです。海野琴音さんらの依頼で警察に告発した件です」
 野崎拓郎弁護士が説明した。メールの内容は以下の通りである。
 『三つの弁護士事務所が海野琴音、矢田谷瑞樹、大志田絵衣の依頼で動いた。
 海野琴音ら三名は既に処分した。永久に戻ることはない。
 我々に手を出せば関係者の誰かに被害が及ぶ。今回は大船一家に対してなので猶予とする。
 だが今後は些細な関与でも攻撃する。
 連続拉致強姦事件犯と呼ばれる一同』
 「警察に通報してしまいましたか」
 如月鬼堂は既に危険と感じた。
 「通報しない訳には行きません。ニュース報道はないと思いますが」
 野崎拓郎弁護士は当然だと言う。
 「既に危険かもしれませんね」
 「そんな警察から情報が洩れるとは思えません」
 「マスコミに箝口令を敷いても警察内部ではかなりの範囲で情報が飛びます。奴らはメールを出した段階でそのどこかを見張っていると思います」
 「判りました。直ぐに全員に警告します」
 野崎拓郎弁護士も危険を理解した。
 「職員だけではありません。そのお身内も危険です」
 如月鬼堂はさらに忠告を付け加える。
 一度テレビ会議は解散した。
 
 昼を回って本多椿がプレイルームから上がって来る。
 鰻重の出前が届いて四人で昼食となった。
 食事中に館山弁護士とテレビ会議が繋がる。
 「実は野村先生の事務所の若い紀弁護士のお姉さんで紀明日香さんが行く不明と判りました」
 如月鬼堂の予感の通りになってしまった。
 「やはりだな。最悪の事態になってしまった」
 こうなればマスコミ報道に隠すわけにも行かない。数日で動画が公開されてしまう。
 「犯人らは動画を公開して何かを要求して来るでしょうね」
 館山弁護士の推測である。
 「ううん。一瞬警察に通報したのが危険かと思ったが殆ど事態を知らない関係者の親族に来るとはな」
 如月鬼堂は最悪の場合を警戒したのだがその最悪の線の一番究極を突かれてしまった。
 「鬼堂先生は予期されていました」
 館山弁護士は如月鬼堂の予測通りと言う。
 「最悪の最悪を言ったのだがそこに来るとはな」
 如月鬼堂は最悪の事態が的中して慄いている。心の底では弁護団を紹介したのを後悔してしまう。
 「パパ。テレビ」
 珠洲が知らせた。
 早くも速報が流れたのである。
 『野村弁護士事務所に勤める紀弁護士の姉で紀明日香さんが行方不明。海野琴音さんに関連して連続拉致強姦事件の犯人らの犯行と思われる』
 野村未来也弁護士は既に緊急事態を公開していた。直ぐに非常線が張られる。警察も早急に動いた。
 
 八月六日。
 内房のリゾート施設。
 紀明日香は眠らされて潜水艦で運ばれる。
 既に六人とも集まって待機していた。
 医者の男が点滴をセットする。
 膀胱の溜まり具合や便の状況を見て撮影は夕方からとなった。
 
 R国TS市。
 隅田会系大船一家が経営するSMクラブの事務所である。
 青木学が来ていた。
 「この一人で最後ですな」
 最後の一人津森梢のショーの打ち合わせである。
 警察の監視が厳重で大船一家が和歌山に動けない。
 「大船一家からはこれで最後です。でもこっちのクラブが他の組織と取引をしました」
 木村草太若頭補佐は次の儲け手段を見出したのである。
 「和歌山に派遣できるのですか」
 「できます」
 「岡田が喜びますよ」
 「それでは今回は九日の午後に到着ということで」
 「そうですね。三十名で予約は取れています。鏡沼咲良はもう日本に帰ったので」
 「ええ。撮影も終えてAVも販売されています」
 青木学は先の条件も打ち合わせて帰った。
 
 越後湯沢。
 如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、野崎拓郎弁護士、野村未来也弁護士、本多椿が来ていた。
 「救済方法は全くない。奴らが解放してくれる以外には」
 如月鬼堂は手の打ちようはないと言う。
 「何を要求して来るでしょうね」
 野村未来也弁護士はそれが心配である。
 「皆目わからない。館山先生。警察の捜査は」
 「通勤先の大宮のオフィスからアーバンパークラインで自宅の七光台までは防犯カメラで確認されています。自宅までの道で拉致されたものと思われます」
 「其処から防犯カメラは殆どなく自宅には戻ってないのだな」
 「そうです。目撃証言もありません」
 捜査はこれまで通りと言える。
 
 夕方。
 内房のリゾート施設。
 紀明日香は黒い幕で囲まれた拷問スペースに運び込まれた。
 忍者姿黒装束は四人。葬儀会社の社長、運送会社の社長、産業廃棄物収集運搬処分業の社長。そして医者の男である。
 幕の外で川口の会長と印刷会社の社長が撮影とナレーションを行う。
 紀明日香は床に倒した十字架に両腕を広げて手首、肘、二の腕を縛られた。
 眠らせたまま全裸の撮影から行う。
 全身ヌード、乳房、乳首のアップ、股間、女の部分のアップ、その内側、さらにクスコを突っ込んで膣の中まで撮影する。
 二十八歳。まだまだ綺麗な躰である。
 一通り終わって十字架を立てた。
 一メートル四方の鉄板の台に十字架の根元をボルト八本で固定する。
 十字架の根元に右の脚首を縛って固定した。
 右の膝も縛って固定する。
 左の膝に縄を掛けて天井から下がった滑車のフックにその縄を吊るす。
 葬儀会社の社長がドテの陰毛に粘着テープを貼って擦りつける。
 紀明日香の黒い塊はドテだけである。大陰唇の周りは綺麗に処理されていた。
 葬儀会社の社長がドテに貼った粘着テープを引っぺがしてスタートである。
 一気に全部ドテの陰毛は粘着テープにくっ付いて抜けてしまう。
 「うぐ、う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀明日香は瞬時に意識を回復した。
 ライトに照らされた目をぱちぱちさせて周りを見る。
 縛られていることに気付くと同時に忍者姿黒装束四人が目に入った。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 夜道で対面から来た女性に行き成り顔を塞がれてそれから記憶がない。
 「野村未来也弁護士事務所の紀弁護士のお姉さんで紀明日香さん。理不尽な災難ですが諦めて下さい」
 印刷会社の社長は静かに語る。
 「なんでですかーーーーーーーーーーーーー。私に関係ないでしょう!!」
 紀明日香は怒りと驚きの坩堝から夢中で叫ぶ。
 「だから理不尽な災難と申し上げているでしょう。館山事務所、野崎事務所、野村事務所が弁護団を組んでこっちの関連を告発したからですよ」
 印刷会社の社長は淡々と嘲るように言う。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。私が何をしたの!私はどの事務所とも関係ないよ!普通のOLよ」
 紀明日香は抗議姿勢である。
 「こういうことに貴女の容姿が適当だったのです。これまで撮影したモニターを見て下さい」
 印刷会社の社長が宣言してモニターに先程撮影した映像が入る。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀明日香は躰を揺すった。尿意が限界なのである。



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