【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第三十六幕


報復する女


この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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 「帯広か。防犯カメラは少ないな」
 「そうです。目撃情報で隠れている場所を探り当てるしかありません」
 「そうだな」
 如月鬼堂も努力に納得する。
 この弁護氏らは向井正樹の息子から弁護士費用を貰っているが名目程度でしかない。この捜査は利益無しの持ち出しである。
 弁護士事務所の宣伝以外の何者でもない。
 
 九月十一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人にアジト。
 外はまだまだ真夏並みの暑さである。生ビールも旨い。高級魚介類を焼いて昼間から飲む。
 「恐ろしいことが判ったぞ」
 川口の会長は自分らの犯罪の恐ろしさは棚に上げて向井正樹の犯罪を恐ろしいと言う。
 「何かスキャンダル以上か」
 印刷会社の社長は期待を込めている。
 「奴はロマンス詐欺をやっていた」
 「何。タレントで稼いでまだ詐欺か。セコイ奴だな」
 「それだけじゃない。女が醜婦ならロマンス詐欺で金を巻き上げる。だが美形ならSMの餌食だ」
 「何と言う奴だ」
 印刷会社の社長も自分の悪事は棚に上がっている。だが非難したのではなかった。
 「だがな。SMのあとの遺体処理はこっちがやっていたのだ」
 「何とお客様か」
 「そうだ。だから十夢が捕まっても良いが闇口座の流れとロマンス詐欺や十夢以外のSMは公にしてはならない」
 川口の会長は自分らに影響する場合動くと表明する。
 「十夢が持っている向井正樹の口座が問題だな」
 葬儀会社の社長はそこから繋がることを恐れた。
 「いや。それが繋がることはない。危険なのは向井正樹の表の口座までの流れだ。それも殆ど解明されることはない」
 「ならば何を対策する」
 「念のためだ。二つの組織に説明して向井正樹の口座を凍結する」
 「両方か」
 「最終的には。十夢が逮捕されたら十夢の持っている口座も凍結しなければならない」
 「簡単にできるか」
 「よく両方の組織に説明して危険を知らせるしかない」
 
 九月十二日。
 北海道警本部。五係の部屋。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は捜査が暗礁に乗り上げていた。
 「館山弁護士を中心に弁護団が捜査に乗り出しています」
 笛木祐子巡査部長が状況を説明する。
 「何の為」
 「多分向井正樹氏の息子の依頼で向井正樹氏の名誉を護る為だと思われます」
 「そう」
 「いま館山事務所が札幌市内。野崎事務所が芽室町。野村事務所が帯広周辺を聞き込み捜査しているとのことです」
 「何かを追っているの」
 「防犯カメラを調べているとのことです」
 「何を調べているのか聞き込みしましょう」
 道警の方針は十夢も死んだと見做していた。そして連続拉致強姦事件の犯人グループが後ろに居ると見ている。
 五係はまた単独で動いた。
 
 九月十三日。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は帯広空港ホテルに滞在する館山弁護士らにコンタクトした。
 館山弁護士はラウンジで対応してPCで如月鬼堂とテレビ会議を繋ぐ。
 「道警の警部が来られて」
 如月鬼堂は目的と方針、分析を伝えた。
 「十夢さんが犯人と」
 「私はそう考えている」
 「このキャンピングカーが犯行に使われたと」
 「そうだ市内の二つのコンビニの防犯カメラに二日に渡って捉えられていた。持ち主は海外に行ってしまっている」
 「その人が十夢さんの共犯ではないかと」
 「そうだ」
 「札幌市内の聞き込みは何故ですか」
 「十夢の身代わりにされて行方不明の風俗嬢が居る筈だ」
 如月鬼堂は強く断言する。
 「ああ」
 小倉紘子警部はその可能性もありと思った。
 「あんた方警察がちゃんと捕まえてくれないからだよ」
 如月鬼堂は怒りを込めている。
 「私達だけの方針では動けないのです。後ろに連続拉致強姦事件の犯人集団が居ると見ています。合同捜査です」
 「これは素人の犯行だ。行き当たりばったりが返って状況を煩雑に見せているだけだ」
 如月鬼堂はこれもきっぱり断言する。
 「何か判ったら知らせてくれますか」
 「館山先生に言って下さい」
 「そうですね」
 小倉紘子警部らは館山弁護士と少し話して引き上げた。
 
 九月十四日。
 如月鬼堂の居間である。
 また動画が公開された。
 女子大学生久代藻柄の動画である。
 杉下一行が送ってきた。
 テレビ会議を繋いでそれぞれパソコンで確認する。
 動画で犯人の黒装束を纏った上躰はぼかされている。だが如月鬼堂は十夢と断定した。
 向井十夢はあれから二日くらい久代藻柄を眠らせて撮影を再開した。
 二日前とまったく同じようにフローリング板に上半身を固定している。そして脚は天井から吊るされてV字開脚にされていた。
 向井十夢は浣腸器を持ち出す。
 まだ久代藻柄は眠ったままである。
 そのまま向井十夢は久代藻柄のアナルにグリセリンを注入する。
 「ううーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は冷たさと腹の痛みに意識を回復した。
 今の体勢では何かで便を受けることはできない。向井十夢は久代藻柄の腰にオムツを被せる。
 「今度は排便を公開よ」
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は苦しみに何も言えない。
 ぐぶううーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 「うーーーーーーーーーすごい」
 向井十夢は覆面の下にマスクをしていても強烈に臭い。五日以上便秘同然に溜まった便である。
 向井十夢は窓を開け放つ。周りに何もなく一本道だから問題はない。
 オムツを外して排便と汚れた股間を動画に収める。
 「あーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 久代藻柄は涙をぽろぽろ零す。
 向井十夢は金属のクスコを取り出す。
 先に無毛になった女の部分をアップに公開して小陰唇を広げる。さらに膣口をアップにして襞を見せながらクスコを挿入する。
 久代藻柄は警戒心を持って首を擡げて股間を見る。序でに久代藻柄の無毛になった頭を映像の後ろに収める。
 クスコの口を広げてもう一度奥の子宮口を公開する。
 「お○○この奥がくっきり。膣壁が綺麗よ」
 向井十夢は一度やったのを忘れてまた詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。そんなことしてーーーーーーーーー。なんになるのーーーーーーーーーー」
 「男の人達のお○○○んが硬くなってお汁が出ちゃうって」
 また同じように詰る。
 「ひどいよーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は号泣する。
 鰐口クリップが両端に付いた単線二本でクスコとスタンガンを接続した。
 「あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーそれーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は乳房にスタンガンの痛みを受けて二日眠っていた。
 恐ろしい痛みが頭に焼き付いている。
 「行くよ」
 向井十夢は悪魔の声を掛ける。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スタンガンのスイッチが入る。
 久代藻柄の躰が一気に固まる。
 「いーーーーーーーーーーーたいーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の表情は究極に歪み軋む。大口を破裂させて悲鳴が轟く。
 「いたいーーーーーーいたいーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーぐがあーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は躰を震撼させ頭を振って藻掻く。
 向井十夢は一度スタンガンのスイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー。あはあーーーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 久代藻柄は荒い息遣いで躰は震え続ける。
 向井十夢はスタンガンを翳す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は喚き散らす。
 「嫌よ。赦さない」
 向井十夢は直ぐにスイッチを入れる。
 あーーーーーがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 再び久代藻柄の表情は破裂する。
 向井十夢がこれを数回繰り返して遂に久代藻柄は失禁してしまう。
 クスコの金属の間から尿が飛び散る。
 向井十夢は直ぐにスイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 久代藻柄は号泣する。
 「またお漏らしが撮れたわね」
 向井十夢は淡々と詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。にんげんのすることかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は怒りと絶望の限り叫ぶ。
 向井十夢はさらに残酷な気持ちが沸いてしまった。
 長い針を持ち出して来る。
 「あーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は長い針を見て恐怖の叫びを上げる。
 向井十夢も向井正樹に何度かやられたのを思い出した。
 左の乳房の横から突き刺す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳首の下を潜らせて反対側に出す。そのまま右の乳房に刺し込み右の乳首を潜らせて反対側に突き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄はまたサイレンのように喚き散らす。
 向井十夢はもう一個スタンガンを取り出す。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は驚愕する。
 長い針の両端に鰐口クリップを接続して反対側をスタンガンに繋いだ。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーー。それはゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は二つのスタンガンと更なる恐怖である。
 「赦さない」
 向井十夢はボソッと言って乳房のスタンガンのスイッチから入れる。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰は硬直して表情は直ぐに破裂する。
 向井十夢は構わずクスコに接続したスタンガンのスイッチも入れた。
 「ぐがあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰はがたがた震える。
 向井十夢は残酷な気持ちが更に滾った。殺しても良いような感覚に陥った。
 だが遺体の処分に困る。
 此処に監禁してゆっくりジェルを買い集めて溶かすのが最善と思い直す。
 一度スイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 久代藻柄の躰は震えたまま荒い息遣いは続いた。
 向井十夢はもう一度スイッチを入れる。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがはあーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰が迫り上がりがたがた震えた。
 「あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーだめーーーー」
 久代藻柄の躰が更にがたがた震える。
 「だめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の泣き叫ぶ声とともにまた僅かに尿が流れ出た。
 向井十夢はスイッチを切る。
 ぶぼーーーーーーー。
 更にアナルから僅かにカレー状の便が流れ出た。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーー。ああーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 久代藻柄は狂ったように号泣する。
 向井十夢は鰐口クリップを全部外す。次に針を抜く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は抜く時の痛みに悲鳴を上げる。
 抜いた痕から血の玉が噴出す。
 向井十夢はクスコを抜いて股間を綺麗に拭いて周りを掃除した。
 今度は鞭を持って来る。
 先端が長方形のチップ二枚重ねになった一本鞭である。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は叩かれると判って恐怖に慄く。
 向井十夢は女の部分を狙っていた。
 振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に振り下ろす。先端はもろにぐちゃぐちゃになっていた女の部分の粘膜を叩いた。
 「うーーーーーーーーーーごーーーーーーーーーー」
 両脚をV字開脚に吊るされた腰が迫り上がり強く捩られて震撼する。
 向井十夢は二発目を構える。
 「あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく叩き付ける。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 十数回で血が滲んで来た。
 向井十夢はそこで終了する。
 そのまま局部麻酔と全身麻酔を注射した。脚の吊るしを降ろして脚首と膝を脚張り合わせる。そのまま放置である。
 その日の内に動画を配信した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 「これは山荘だ。動画の途中。浣腸した場面で風が入っていた」
 如月鬼堂はあの場面で窓を開けたと確認した。吊るしの縄が僅かに風に揺れるのを見逃さなかった。
 「山荘を当たりますか」
 館山弁護士がテレビ会議から確認する。
 「十夢が物件を買えば直ぐに足が付く。登記の要らない賃貸かレンタルだ。山荘の持ち主を片っ端から当たれば行き当たる」
 館山弁護士は野崎事務所と野村事務所に手分けして当たってもらう。
 如月鬼堂は上越新幹線で新潟に出る。そして新潟空港から札幌経由で帯広に向かった。
 館山弁護氏らと帯広空港ホテルで合流する。
 館山弁護士の部下が行方不明の風俗嬢の存在を突き止めた。風俗店のサイトから確認して問い合わせる。
 秋田から出稼ぎの渋川真奈美と判明した。身長も向井十夢に近い。
 
 九月十五日。
 野崎弁護士らは遂に向井十夢に山荘を貸した大家を発見した。向井十夢の写真を見せて確認がする。
 間違いなかった。
 館山弁護士が小倉紘子警部に連絡して全員で山荘に向かう。
 
 連続拉致強姦事件の面々は次の仕事で動き出した。
 川口の工場の地下で製造した武器を部品で分けて運び出す。
 葬儀会社と運送業、廃棄物収集運搬業が手分けしてリレーで依頼者の用意した山荘に運び込む。
 山荘で組み立てるのは久々に高い報酬に有り付いた寺門一、玉川亮、東秀雄の三名である。
 拳銃、機関銃、有線誘導のロケット砲、対空ロケット砲が設置される。
 山荘の下、前の庭、山道、崖に爆薬も仕掛けた。
 爆薬と女性の拉致は闇組織が行う。
 依頼者は早く実行したい。だが川口の会長は態と日にちを掛けていた。向井十夢の事件が落ち着いてからにしたい。
 事件が終わって警戒が緩んだタイミングで行いたいからである。
 そして川口の会長は十夢が追加の動画を公開した時点で十夢の持っているクレジットカードで使える闇口座を凍結させた。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は已む無く二人で山荘に向かう。非常事態に備えて救急車だけ手配していた。
 
 向井十夢は久代藻柄を寝かしたまま点滴を続けていた。そして自分は食事を始めて窓は見ていない。
 麓の方と山荘の直前だけ山荘の窓から道が見える。
 向井十夢は館山弁護士らが下の道を上がって来る段階では気付かなかった。
 直ぐ手前まで来た車の列に気付く。
 直ぐに拳銃を取り出す。これも向井正樹が使っていた物である。
 館山弁護氏らは玄関を使わず外の階段から二回のベランダに入って鍵の掛かってないベランダの扉から入る。
 「くるなーーーーーーーーーー」
 向井十夢は人質の久代藻柄に拳銃を向ける。
 「警察ではない。向井十夢だな」
 「何者」
 「館山弁護士事務所」
 「野崎弁護士事務所」
 「野村弁護士事務所」
 「何で」
 「向井正樹氏の息子さんの依頼であんたを探していた」
 如月鬼堂が宣告する。
 「何で此処に」
 「最初からあんたが犯人と断定していた」
 それから此処に行き着いたあらましを話す。
 「あいついったいいくら払ったの。こんなにたくさんぞろぞろと弁護士が来て捜査までして」
 向井十夢は向井正樹の息子にそんな金はないと思っていた。
 「たいした金は貰ってない。我々が動く大義名分の分だけだ」
 館山弁護氏が答える。
 「何故そんなことを」
 「あんたは風俗嬢を犠牲者にした。それに鬼堂先生が怒ったのだ」
 「それに事件を解決すれば弁護士事務所の名が売れる」
 野崎弁護士が付け加えた。
 向井十夢は久代藻柄に拳銃を付き付けたままである。
 「あんたは向井正樹氏を殺したね。犯行の直前に」
 如月鬼堂が指摘する。
 「あんた誰」
 「如月鬼堂先生だ」
 館山弁護士がフルネームで教える。
 「あーーーーーー。向井が読んでいたSM小説の作家」
 「そうだ。あんたらの犯罪は我々の商売に影響する。そして風俗嬢を虫けらのように殺したのが許せない」
 「殺してないよ。殺したのは向井と男性店員だよ」
 「男性店員小林亮次の遺体をどうした」
 「溶かしたよ。向井がたくさん買い集めたジェルで」
 「あんたの身代わりにした黒焦げの遺体は渋川真奈美。風俗嬢を動画の他にもう一人浚った」
 「そこまで」
 向井十夢は総てが見破られていたと驚愕する。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は既に着いて二階のベランダにいた。
 「帰れ。帰らないとこの女を殺す」
 向井十夢は拳銃を強く久代藻柄に押し付ける。
 「そのリボルバーには弾は五発しか入ってない。我々全員は撃ち殺せない」
 館山弁護士は強気で迫る。
 館山弁護士らは拳銃があるとは思ってなかったが一応防弾チョッキを着用していた。
 「二発でいいよ。この女を殺して私が死ぬ。あんた方は強引に私を追い詰めて人質を死なせたことになる」
 向井十夢は最後の足掻きである。
 「それはまずいな。我々は引き上げよう。後は警察任せだ」
 館山弁護士らは下がろうとする。
 だがその瞬間窓から小倉紘子警部が飛び込む。
 二階のベランダの扉から笛木祐子巡査部長が突っ込む。
 向井十夢は瞬時小倉紘子警部に発砲する。
 小倉紘子警部も防弾チョッキは着ていたが向井十夢の素人拳銃は胸を狙って腰に命中していた。
 次の瞬間。笛木祐子巡査部長が向井十夢を射殺する。人質の久代藻柄の危険を回避する為である。
 小倉紘子警部も重症だが向井十夢は即死であった。
 「どうして先に突っ込まれたのですか」
 「警察がちゃんと捜査しないからだろ。それに警察が来る保証もなかった。捜査方針と違うとか」
 「確かに」
 笛木祐子巡査部長も直ぐ行くと答えたわけではなかった。
 救急隊員が着いて久代藻柄と小倉紘子警部が運び出される。
 「あと。向井邸にあった黒焦げの遺体はもう一人浚われた風俗嬢渋川真奈美さんの遺体だ」
 如月鬼堂は怒りを込めて調査結果を伝える。
 「判りました。捜査してはっきりさせます」
 笛木祐子巡査部長の答えを聞いて如月鬼堂らは引き上げた。
 向井邸の焼け跡が再調査されることとなる。そして下水にジェルが流された痕跡が確認された。
 渋川真奈美の行方不明が確認されて遺体が渋川真奈美の可能性が高いと確認されたのである。
 
 最期のSM小説家 三十六幕 報復する女 完 
 
 最期のSM小説家 第三十七幕 凶悪犯罪計画に続く

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