【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第三十六幕
報復する女
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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縛られていて火傷で重症だが生命に別状はない模様と報道されている。
母家は全焼で二人の遺体が発見された。
一人はタレントの向井正樹と見られる。もう一人は判別が不可能だが奥さんの十夢さんではないかと確認を急いでいた。
越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
報道番組の内容から直ぐに杉下一行、館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
「声は向井正樹ではないですね。焼けた向井正樹宅が犯行現場と思えますが不自然です」
館山弁護士の見解である。
「女性らしきの遺体は奥さんとは限らないのだな」
如月鬼堂は状況と報道内容の是非を確認する。
「男性の遺体はほぼ向井正樹のようですが」
館山弁護士が答える。
「焼け跡からSMの大道具が多数出ています」
杉下一行が報告する。
「此処が現場だな」
如月鬼堂はそう確信した。
「二人の風俗嬢と男性従業員は札幌市内のファッションホテルで拉致されています。だから現場は此処の可能性が高いです」
館山弁護士も同意見である。
「犯人の一人は風俗店の男性従業員ですか」
大河内税理士のテレビ会議が繋がった。
「もう一人が問題だ」
如月鬼堂はこっちに関心がある。
「この男が主犯でしょう」
大河内税理士はそう思う。
「そうかな。なぜ向井正樹の家にSMの設備があったのだ」
「もう一人が向井正樹ですか」
館山弁護士は疑問である。
「いいや。もう一人は女じゃないか。偽装してどっちか解らなく見せている。背の高い女だ」
如月鬼堂は断言する。
「しかし遺体は身長から奥さんの十夢さんではないかと」
館山弁護士の見解である。
「それが気に入らないのだ」
如月鬼堂は既に向井十夢を疑っていた。
北海道警本部。五係の部屋。
小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長も検証していた。
「女子大生風俗嬢若林夕子が在籍していましたこの風俗店ポエムの店員小林亮次の行方がまったく解りません。一切防犯カメラに引っ掛かりません」
笛木祐子巡査部長が報告する。
「八月三十一日から向井正樹の足取りは」
「八月三十日の新日本空輸ホテル以後一切ありません。そのまま焼けた丘珠の家に帰ったと思われます」
「今朝まで家に居たのかしら」
小倉紘子警部は何か納得が行かない。
「それも何か疑問が残ります」
「この小林亮次と向井正樹が一緒にこの屋敷にいたことになるよ」
「この拉致されたホテルから防犯カメラに映らないで向井正樹の家に行ける道はあるの」
「一回も映らずは無理です。でもこの区間を追跡できるまでは行きません。でも所有する車はこの間二台とも動いていません」
「レンタカーなら途中でカメラに捉えられても向井正樹の屋敷に入ったかは解らないのね」
「でも向井正樹と向井十夢がレンタカーを借りた形跡はありません。あと向井正樹の屋敷の防犯カメラは燃えてしまっています」
「二人が動いた可能性はないのね」
小倉紘子警部は懐疑的だが現状は事実と確認する。
連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
台風十一号の北上で地域によっては大雨であった。
大阪では一部の地域に避難指示が出た。
山荘から下の町は曇りながら綺麗に見える。
今日も寿司と刺身の出前を取って魚介類を焼く。生ビールと日本酒で飲み続けていた。
「遂にあの女。家ごと焼いたな」
「とんでもない女だ。お仕置きが必要だ」
印刷会社の社長である。
「それは危険だ」
川口の会長はやや咎める。
「この女捕まるか」
葬儀会社の社長は川口の会長の言い分から捕まる危険を感じる。
「捕まるだろう。前も道警で愛人と三人で奥さん拷問して殺した奴。捕まったな。もう一組は自決したが」
「死んだのは役者の亭主と女の替え玉か」
医者の男の推測である。
「すると拷問していた男は何処行った」
運送会社の社長は主犯のように動いていた男の存在を指摘する。
「顔は割れてない。逃げても次の捜査がこの女向井十夢に及ばない限り捜査は及ばない」
「向井十夢。金は出したのだろ。男は海外に逃げてしまえばそれっきりだな」
「それで向井十夢は何処に行った」
医者の男の疑問である。
「海外逃亡は無理だな。ゴーン氏のように何処かの国が護ってくれる訳はない。日本の何処かに隠れている」
「替え玉の遺体は何処から取った」
「もう一人風俗嬢を浚ったのではないか。向井十夢と背丈が近い女を」
「お粗末だな。六十年位前なら使えた手口だが」
運送会社の社長もお粗末な手口と批判する。
「その時代の推理小説には出てくるな」
川口の会長も達観している。
「しかし何事にも煩い世の中に年々なって行くな。コンサル料なら紙一重セーフで良いのにな」
葬儀会社の社長がぼやく。
「まったくだ。綺麗な世の中にすればするほど経済は冷えて行く。腐敗混濁していれば金は末端まで回る」
川口の会長も同調する。
「如月鬼堂が言っていたな。格差ではない。格差はあっても最下層が金を持っていれば国民一人当たりのGDPが良くなると」
医者の男もインターネットアダルト放送の如月鬼堂の時間は一応観ていた。
「奴の意見などどうでも良いが。結果的に間違ってはいないな。税金を払った金は天下晴れて預金に留まる。アングラマネーは使うしかない」
川口の会長は如月鬼堂に言ってもらいたくない。
九月三日。
苗穂極東病院。
ようやく若林夕子の事情聴取に医師の許可が出た。
小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が病室に入った。
「行き成り二人とも後ろからタオルで躰を押さえられました」
「拷問を行っていたのは小林さんではないのですか」
笛木祐子巡査部長は小林亮次が犯人の一人ではないかとの推測もあったので確認する。
「違います。それだったらさすがに判ります。私が押さえられた瞬間。横で小林マネージャーの呻き声が聞こえました」
若林夕子はきっぱり答えた。
「そうですか」
笛木祐子巡査部長も疑う余地はないと思った。
「はい。間違いないと思います。私が意識を回復して小林さんと叫びました。目の前に居た黒装束の男は死んだと言いました」
「犯人は小林さんを殺したのですね」
遺体は出てないがそう考えるしかない。
「もう一人の黒装束。男か女か判りますか」
笛木祐子巡査部長はもう一つの疑問を確認する。
「いいえ。まったくしゃべりませんでした。女性のようにも思えますがはっきりとは」
若林夕子から確認はできなかった。
如月鬼堂は上越新幹線で東京に向かっていた。今日は出掛けまで打ち合わせをして館山弁護士も一緒である。
こんな文言がパソコンに踊った。
『風俗店マネージャー小林亮次さんも殺害か。同じ風俗店の被害女性が犯人は小林亮次さんではないと断言。一緒にクロロフォルムを当てられたと証言』
如月鬼堂と館山弁護士は同時に見た。
「すると遺体はどうしたのでしょう」
「男性遺体は向井正樹と断定さたな」
「警察が断定して居ればそれは間違いないでしょう」
さらに次の文言が踊る。
『向井正樹邸の焼け跡から謎の地下室。遺体などはない模様。さらに焼けたSM設備数点』
「向井正樹がSM趣味だったのは明白ですが。拷問は夫婦で行ったのですか」
「二人が自決か。それはなかろう」
如月鬼堂は否定する。
「鬼堂先生。この事件を洗って見ませんか。向井正樹の息子が居ます。向井十夢と再婚する前にできた息子です。それを依頼者にして」
「依頼者が居れば弁護士が動いても問題ないか」
「そうです。向井十夢が犯人と立証しましょうよ」
「ならば今夜の放送で向井十夢と仄めかして良いかな」
「やって見ましょうよ」
館山弁護士は東京駅で別れて事務所に帰って行った。
道警本部。五係の部屋である。
「難しくなりましたね。向井十夢さんが31日に銀行から五千万降ろしていました」
笛木祐子巡査部長が所轄の捜査内容を読み上げる。
「それじゃ」
「それがこれ自体は不自然ではないのです。月に数回千万単位の引き出しとしと入金があるのです」
「現金を自宅に溜め込んでいるの」
小倉紘子警部はさらに懐疑的事実と受け止める。
「それが金庫は焼けてなかったのですが。その中に殆ど現金はありませんでした」
「お金の行方を洗う必要があるわね」
「二人で逃げたのでしょうか」
「犯人が小林亮次なら判り易いのだけど」
「あの証言は疑いの余地がありません」
「もしかして拉致は向井夫婦がやった。小林亮次の拉致は偽装で拷問した覆面は小林亮次とは」
小倉紘子警部は一応の仮説を組み立てて見た。
「それは無理があります。若林夕子は小林亮次なら声とかで判ります。きっぱり否定しています」
「そうね。だと焼けた女の遺体が誰か。拷問していたのが向井正樹なのか第三者か。そして小林亮次の遺体は何処に行ったの」
さらに事態は一貫しない。
「そして向井十夢が生きているかどうかです」
「そしてSMはこの夫婦の趣味だったか。さらにこれまでのお金は何処に消えていたかね」
綿密とは思えない模倣犯行だが疑問だらけである。
「そうです」
捜査はさらに煩雑になった。
帯広。帯広駅からかなり離れた山間部に在る山荘。
向井十夢はこれを年間賃貸した。賃貸なので住民票を移さなければ所在を調べられない。
持ち主は林業を営む個人である。
向井十夢はキャンピングカーで此処に着いた。キャンピングカーは犯罪を手伝って海外逃亡した男の名義である。
譲り受けたのではなく向井十夢が金を出して買わせた。犯行の実行と向井十夢の逃亡のためである。
既に犯行の前に大量の食料の備蓄をしておいた。
此処に隠れて状況を見ながら事態の風化を待つ予定である。
インターネットアダルト放送のスタジオである。
「また似たような事件が起きました。女性七人スカウト拉致事件などを模倣したと思われます。被害女性二名は風俗業でホテルの駐車場付近で拉致されました」
高島波瑠が純白のブラを外して綺麗な乳房を露にしながら読む。
「役者の向井正樹の丘珠のお屋敷が全焼しました。今回の事件で拉致されSM拷問された風俗店従業員の女性二人は焼けなかったお屋敷の離れから発見されました」
岡田有美もクリーム色のブラを外しながら読む。
「焼け跡からは向井正樹さんと性別不明ながら奥さんの十夢さんではないかと思われる遺体が発見されました」
本多椿も真っ赤なブラを外しながら読む。
「風俗店男性従業員の小林亮次が見つかっていません。女性従業員と一緒に拉致されたのですが行方不明です。拷問していた男は死んだと言ったそうです」
高島波瑠がショーツを脱ぎながら読む。
正面を向いて脱いでしまったが今夜は手入れされた陰毛の上に陰毛のズラを貼って性器が見えないようにしていた。
『狸の毛を上に被せていますと字幕が出る』
ヘヤーヌードは昔の女優の写真集以来認めら得ている。だがテレビではまだ映さないので配慮していた。
「拷問していた男らしきは背丈から向井正樹氏ではないと推定されて居ます。また女性の証言から小林亮次さんでもないと確認されています」
岡田有美も同じようにショーツを脱ぐ。
「ここで行方が判らない男性が二人と焼けすぎた遺体が奥さんの十夢さんかどうかが今後の捜査の行方を見守ることになります」
本多椿は横を向いてショーツを脱いで褌を巻いてしまう。
「鬼堂先生。この犯人は向井正樹氏ではないのでしょうか」
本多椿は敢えて向井正樹を話題にして如月鬼堂に振る。
「私は犯人が奥さんの十夢さんだと思います」
如月鬼堂は断言してしまう。
「それでは遺体は奥さんではないと」
「そうです。態と強く焼いています。そこが問題です」
「どのような根拠でしょうか」
「これは十夢の向井正樹への報復ではないでしょうか。SMの設備は向井正樹が十夢に使っていたと考えられます。そのギャップで起きた犯罪でしょう」
如月鬼堂はさらに断言してしまう。
「それでは拷問していた男性はいったい」
「もう一人が十夢で男は金で雇ったのでしょう」
「先生が以前から言われています闇組織の派遣でしょうか」
本多椿はさらに突っ込む。
「それはないでしょう。十夢が自分で闇組織は手配できないでしょう。連続拉致強姦事件の連中は十夢の目的には協力しません」
ここも如月鬼堂はきっぱり断言してしまった。
「個人の計画的犯罪という見かたでしょうか」
「ずさんな計画的犯行です。ずさんな犯行と行き当たりばったりの偶然が返って捜査を混乱させているのです」
「それではその協力者に雇われた男性は一般人ですか」
「多分SM好きの男を何かで捜して二十九日に銀行から降ろしたと言われる一億の半分くらいを払ったのでしょう」
「半分は自分の逃亡資金ですか」
「多分。そして協力者の男性の車で移動したのでしょう。だから防犯カメラに十夢の動きが捉えられないのです」
「それでは黒焦げの遺体は」
「多分もう一人風俗嬢を拉致したのでしょう。動画が公開された人はそれで已む無く風俗店が警察に連絡したのでしょう」
「そうすると公開されてない一人は風俗店が通報しなかったと」
「そうです。余計な通報をして店が痛くない腹を探られたくありません。さらに女性従業員は勝手に休み行き成り止めたりします」
如月鬼堂は風俗店への気遣いも忘れない。
「それで十夢さんは何処へ消えたのでしょう」
「国内の何処かに隠れているでしょう」
如月鬼堂はこの憶測を疑ってない。
「この場合海外への逃亡は返って危険ですね」
本多椿も状況を理解する。
「ところで国葬問題と旧教会の民事党批判が止みません」
ここで本多椿は違う話題を振る。
「どっちも騒ぐ程の問題ではないです。小さいことです。こんなことで論い騒いで国政の時間を浪費して円安や物価、給料の問題が後回しになります。経済の足を引っ張るだけです」
如月鬼堂は六割近い反対があってもきっぱり言ってしまう。
「しかし世論調査では」
「マスコミの報道の仕方でああなるでしょう。国葬賛成か反対でマスコミのコメンテーターが反対意見を多く唱えればそっちに流れます。元はどっちでもでも良くても体勢の意見に合わせるのが無難との反対です」
「大方は本来どっちにも靡くのですね」
「その前に強く大衆が反対することではないです。強く反対しているのは僅かです。多くの人が反対デモとマスコミが言っても僅か千人足らず」
「確かに報道の仕方ですね」
「昔、小選挙区比例代表制が最初に可決しそうな時のデモ隊は十万人に上った。それに比べたらほんの僅かです」
「民事党の教会に関連した調査は如何でしょう」
「必要ないです。過去を探っても本来違法ではなかったのです。それに議員が係わっても法的に問題はありません」
「でも係わっていた弁護士が何人も騒いでいます」
「だから今後の教会対策を検討すべきです。過去のことに騒ぐのは立憲国民党が民事党を引き摺り下ろしたいだけです」
「でも立憲国民党も何人か関係した議員が居ました」
「そう五十歩百歩です。でも知識層は極めてリベラル寄りです。以前からずっと僅かなエラーでも民事党を攻撃します」
五十歩百歩とは前線で五十歩後退した兵隊が百歩後退した兵隊を非難できないと言った論理である。
「しかし。民事党が反リベラルとも言えませんが」
「知識層はどこまでも綺麗な社会にしたいのですよ。必要悪を一切許しません。綺麗なお金だけにしようとします。だがそれが経済を寂れさせるのです」
「綺麗なお金だけにしようとすると経済が悪化するのですか」
「綺麗なお金はどこまでも預金に留まります。汚いお金は使うしかありません。巨悪は問題ですがモリカケ桜は小さなことです。リクルートや佐川急便に比べたら小さいです」
「でも不正は庶民の怒りを買いますね」
本多椿もここはそう言うしかない。
「そうです。それが逆に自分らの首を絞めるのです。江戸庶民は松平定信の締め付けに賄賂老中田沼時代を懐かしがりました。現代の方が盲目なのです」
「これからも経済は冷えますか」
本多椿は暴走を警戒して質問を濁す。
「冷えるでしょう。この三十年間で国民一人当たりのGDPがどんどん落ちています」
「良かったのは三十年前ですか」
「そうです。まだ必要悪が通っていました。世の中は陰と陽が半々でバランスが取れます。陽ばかりにすればそれが崩れて苦しくなります」
「内閣の支持率は落ちていますが」
「支持率ならバイデン政権よりましでしょう。でもこのまま行けば民事党内部で引き摺り下ろされて顔を変えて遠い次の選挙までに出直しでしょう」
「退陣ですか」
「まあ。原発など政策面を強く推進すれば持ち直すかもしれません。ですが世論に右往左往すれば退陣でしょう」
如月鬼堂はいい加減に終わらせたかった。
本多椿は向井正樹の事件であまりにも断定してしまったのを逸らそうとして失敗してしまったのである。
「そうですか」
「最後に言っときます。私は民事党支持ではありません。ただ二度の政権交代の残党よりはという見方です。大方の大衆もそうではないでしょうか」
如月鬼堂はここで打ち切った。
終了したあと本多椿は如月鬼堂を待っていた。
「済みませんでした。十夢の事件から逸らそうとして脱線しました」
本多椿は失敗して長引かせたことを詫びる。
「いいのじゃないか。この番組だし。私はジャーナリストではない」
ジャーナリストは特定な政党支持を言ってはいけないと言うが限りなく特定な政党を擁護して与党を攻撃する。
如月鬼堂は自分をジャーナリストではないと主張する。だから何でも言う姿勢であると言いたい。
「ご一緒してもいいですか」
「朝までなら」
如月鬼堂はホテルの予約をツインに替えた。
九月四日。
向井十夢はもう一人女を浚った。
今度は風俗嬢ではない。女子大生をナンパした。女対女のナンパは簡単にできる。車に乗せてしまって眠らせて完了である。
自分が追い詰められた時の人質と考えていた。やはり浅墓な女である。人質を取っても逃れられた例はない。
縛って山荘の地下室に運んだ。
これからこの録画をゆっくり撮影する。
九月五日。
如月鬼堂と館山弁護士は北海道に飛んだ。向井正樹の息子に合う為である。
息子は館山弁護士と聞いて歓迎してくれるが逆に如月鬼堂の名前は知らなかった。
「貴方は十夢さんをどう思いますか」
館山弁護士は向井正樹の後妻に対する意識を確認する。
「まあ私は母とは思いませんが。父の晩年の愉しみですから」
館山弁護氏らには期待した回答である。
「今度の事件どう思われますか」
「父が犯人なのでしょうか。拷問していた男は父とはやや体系が合わないと報道されていましたが」
この息子には父親の犯罪とされるのが嫌である。
「幾つかのマスコミ報道でそんな見解が出されていましたね」
「ええ。北海道警の女刑事さんもそう言っていました」
当然のことだが既に小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が訪れていた。
「貴方の所にも警察が事情聴取に来られましたか」
「ええ。小倉警部と笛木巡査部長でした」
「あの二人か」
如月鬼堂は覚えていた。
「知っているのですか」
館山弁護士は以外という表情である。
「抜海の事件で」
北海道で二つの拉致拷問動画公開事件が重なった。名寄の事件は如月鬼堂の一部助言で解決した。
「ああ」
館山弁護士と入れ違いに帰った二人である。
「父の金に使途不明金と入所不明金があると言っていました」
「十夢さんの降ろした一億だけではないのですね」
「そうらしいです」
「我々は十夢さんが犯人と見ています」
ここで館山弁護士はこっちの方針を述べる。
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