鬼三のSM小説
女衒の國

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

女衒の國の侵略者

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 「離婚届にサインが無い」
 「でも自殺では有ったはずよ」
 「殺した二人は離婚届にサインを貰ったのでそれを役所に出して遺体を始末して終わり。自殺は事件性無しに出来るから通報したのです」
 「二人の遺体を見つけなければね」
 「なんとしても」
 「あの広大な敷地に埋められたら捜査権はなかなか及ばないわね」
 「令状が無いと」
 「令状を取るだけの根拠が見つからないよ」
 小倉紘子警部も暗礁に乗り上げた意識である。
 「二人ともマンションの部屋はそのままなのです」
 「管理人に話を聞いた」
 「それがどちらの管理人もその当時は自分の前任者だったというのです」
 「ではその前任者は」
 「それがもっと金になる仕事に就いてR国に行ったそうです」
 「その両方の管理人が」
 「そうです」
 R国ではここも暗礁である。だが管理人がどちらもR国に移動して部屋はそのまま本人は行方不明。これは明らかに異常と言える。
 ここで状況証拠から家宅捜査に持ち込めそうだが道警全体が敵である。
 二人は波琉の友人関係及び自殺した妻、以前の妻二人の友人関係を地道に捜査し続けるしかなかった。
 
 波琉には暫く平穏な日々が続いた。
 インターネットで映画、音楽のCDを検索する。執事かメイドが購入して来るか通販で買って貰う。
 インターネットではSNSすら見るだけで発信が出来ない。元より発信しても助けを求められるような友人は居ない。
 行政とかに頼るしかない。だがそれも危険と思う。
 テレビかCDを見て過す毎日である。食事は殆ど和食を頼んでいた。吟醸酒と一緒に用意してもらう。
 温水プールを風呂代わりに使う。露天風呂もある。晴久と客人が来る時意外波琉が自由に使えた。
 晴久の仕事は大方が接待である。
 普段は他の女で行っていた。波琉を使うのは特別な接待となる。
 客の一物を挿入されることは無かった。指で弄られるところまでである。
 痛みさえなければそれも諦めていた。
 
 翌月の半ばになって平佐和が民事党の代議士二人と元国民党も二人連れて来た。今は無所属である。
 平佐和を見て波琉の心臓は鼓動を早め心はそわそわしだした。
 半月前のあの苦しみをまたやられてしまうのか。それは辛い。
 晴久は五人を露天風呂に案内した。酒とビールとつまみが運ばれる。露天風呂で宴会である。
 波琉も裸でそこに入る。
 直ぐに酒を強いられたがコップ酒一杯注がれただけである。
 「二人ばかし大胆不敵な女デカが動いているんだよ」
 晴久は波琉の方を視線で指して平佐和にお伺いを立てる。
 平佐和は首を振ってノーを示す。
 「波琉。少し温水プールで待っていなさい」
 波琉は安堵して温水プールに引き上げる。
 「一課長は捜査を黙認した。道警の刑事が交代で二人を見張っている」
 「圧力で停止できないのですか」
 「停止するほどのこともないですよ」
 民事党政調会長である。
 「その二人の女デカ三十路余りなのだが。どちらも結構いい女なのだよ」
 平佐和は既に二人を観察していた。
 「まさかそれを捕まえて此処で玩具にしようとか」
 晴久も平佐和の提案を察しつつも自信はない。
 「二人の捜査は自殺した奥さんの前の二人。その行方不明について状況証拠まで行き着いている。放ってはおけん」
 「どうすれば良いのですか」
 「奴等は此処の敷地の何処かに死体が埋まっていると確信している」
 「しかし此処には」
 「だから任意で捜査をさせるのだ。鑑識も呼んで」
 「それで出なければ捜査は中止ですか」
 「鑑識が帰ってからその場に二人を残して捕らえる」
 「R国の工作員を呼んでおきますか」
 「いいや。今回は一課の刑事がやる。そいつらにも愉しませてやってくれ」
 「はい」
 晴久は総てを了解した。もちろん工作員も手配する。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は晴久の別荘の捜査令状を要求した。
 一課長からは任意でやれと拒否される。
 「疚しいことはないから応じるはずだ。了解を取ったら鑑識を行かせる」
 予想外の成り行きだがもう引けない。
 「鑑識は私の指示通りに動いてくれるのですか」
 小倉紘子警部は最後の念を押す。
 「その様に指示しておくよ」
 とにかく進めるしかない。それで何も出なければ責任を取らせられると覚悟する。
 だが二人は鑑識だけでやらせなければ必ず出ると確信していた。
 
 平佐和らはその計画に花を咲かせる。露天風呂で酔いも回りその夜は波琉を軽く弄るだけで寝てしまった。
 平佐和はこの婦警二人を拷問することに執念を燃やしている。
 ただ愉しみだけではない。
 自分らの指示に従わない警察官を許せないのである。こういう分子を見せしめに拷問のうえ血祭りに上げたい。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は手始めに帯広ニューシティの晴久の部屋を訪ねた。
 行き成り山荘に行くにも入口から私道で入る事が出来ない。
 「このニューシティもR国の資本にかなり支配されているそうです」
 「娼国の資本が支配するニューシティは日本に五箇所あるわ。構造は良く似ています」
 小倉紘子警部は娼国、R国の日系多国籍企業の亜細亜戦略に詳しい。
 「居住者以外車で入るには不便ね」
 「空港と帯広駅から新都市交通が繋がっています」
 「この街の中で総てが出来る。だから遠くに行く以外に外との繋がりは要らないのね」
 五十階建ての高層建物が二列十六棟ずつ二つのブロックで左右に伸びている。
 その接続部分にシティとT字に空港からの新都市交通の終着駅がある。
 帯広駅からの新都市交通は二列の高層建物の真ん中を貫いている。
 人も自転車もこの新都市交通も空中十四、十五階を移動する。新都市交通が十四階である。
 帯広ニューシティ内は一階から出入りをしない。
 外に出るにはタラップのようなエスカレーターと階段が中心部の新都市交通の駅の下の方に五階から伸びていた。
 車に乗るには各棟のEVで地下に降りる。全棟繋がった地下駐車場から長いスロープを62号線に繋がっていた。
 高層階がほぼ住居である。北側はオフィスが多い。十四、十五階が店舗でそれより下はオフィスだけになる。下層階は工場である。
 空港からの新都市交通が着く駅から左右に八棟が二列に十六棟ずつ広がる。
 片側の十六棟が家族の町。一部下層階に病院、学校も存在する。
 もう片側が独身者の街である。遊技場、風俗、ソープも入っている。
 人口は全国から一挙に増えた。
 殆どの人がこの中だけで仕事が完結できる。
 一つはこの中に住んでEVと新都市交通でオフィスや工場に移動。もう一つは一人用のミニオフィスに出勤する。
 これは東京や札幌の企業オフィスと繋がっていた。
 RANが接続されテレビ会議も繋がる。
 今回の捜査で笛木祐子巡査部長は此処の構造に驚いてた。
 「一階から出入りが制限されているのは津波とか災害に備えてでしょうか」
 「そうかしら。それも建前にあるけど。この中だけで収益を回す為ではないかしら」
 「そのままR国に吸い上げるためですか」
 「そう」
 「此処の人口が爆発的に増えて帯広市は税金が半分になったと聞いています」
 「住民税が半分になったから金持ちが此処の高層階に集まったのよ。その為に市長も北海道知事も押えたのよ」
 小倉紘子警部はかなり事態を把握している。
 最上階の村上春樹の部屋を訪ねるも本人は不在であった。
 帯広ニューシティのインフォメーションカウンターで警察手帳を提示して連絡を取って貰う。
 個室に通され折り返しの電話を貰った。
 小倉紘子警部は単刀直入に任意捜査の要求を突き付ける。
 「敷地を全部お調べに成りたいのですね」
 「そうです」
 「では一日だけ対応いたします。任意ですからその範囲で人数を動員してお願いします」
 晴久は自信満々である。
 小倉紘子警部は一課長に鑑識の要請をする。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は鑑識を二手に分けて貰う。自分らも一人ずつ対応した。
 鑑識は小倉紘子警部の命令に従う姿勢である。一課長がその様に指示していた。自分らの意図通りに動かなかったと言われない配慮である。
 警察犬を導入しての捜査を行う。十二頭来ていた。
 管理官はこれで見つけられない筈は無いと豪語する。
 確かにその通りである。小倉紘子警部らもその錬度は良く分かっていた。
 金属探知機も使っている。
 捜査は約七時間で終わった。
 「人の死体が埋まっていることは絶対に無い」
 鑑識は豪語する。
 小倉紘子警部らも認めざるを得ない。
 鑑識は引き上げる。小倉紘子警部らは晴久と兄の帯広市長から捜査に至った理由の説明を求められた。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長はまだ質問をしたい。望むところである。
 平佐和ら代議士も道警本部長も一課長も既に山荘に入って地下で待機していた。一課長の屈強な部下数名も入っている。
 R国の工作員も別室で待機していた。
 「さて説明してもらいましょうか」
 笛木祐子巡査部長が捜査のあらましを説明した。
 「管理人はいったい何処に行ったのですか」
 小倉紘子警部は旧姓荒木優子と白鳥香苗の離婚後に移ったマンションの管理人が共にR国に消えた事を確認している。
 「日系企業の本社に移っただけです」
 「この二人の財産分与はどうなっています」
 晴久は離婚調停をした弁護士に連絡を取る。
 「共有財産は結婚してから離婚するまでの間に得た資産の分与です。その間の半分の資産価値をマンションと一部現金で渡しています」
 「二人ともそうなのですか」
 「そうです。まったく変わりません」
 「離婚理由は」
 「まあ。晴久さんの性癖ですな。堪えられなくて離婚を申し出られたのです」
 「性癖とは」
 「SMと聞いていますが詳しくは」
 「DVじゃないのですか」
 「お二人とも元よりSMは理解されていました。ただその度合いが増してですね」
 「離婚後お二人は行方不明ですが」
 「調停成立以後は私の知る限りではありません」
 弁護士はにべも無い。
 「解りました」
 小倉紘子警部は弁護士との通話をそれで終わりにした。
 「高島波琉さんはいま何処にいます」
 小倉紘子警部は次の疑問を投げる。
 晴久はサッシを開ける。
 「向こうのテラスを」
 そこには波琉が座っている。
 「お話を聞けませんか」
 小倉紘子警部はまだ突っ込む。
 「ご案内しましょう」
 晴久は波琉の居間に誘導する。もちろん昨夜の内に波琉には因果を含ませてあった。
 途中に鉄の扉があるが本日は全部開放している。存在しても防火扉で説明が付く。
 さらに途中で温水プール露天風呂を見せる。
 「これを波琉さんと二人でお使いですか」
 「私が使うことは月に一回位で来客以外大方波琉の専用です」
 晴久はきっぱりと答えた。
 波琉の使うリビングに入る。
 二十坪くらいはある広いリビング。他に寝室、クローゼット室、浴室も豪華である。
 波琉がテラスから中に入って来客用のソファーではなくサッシの手前のシートに座る。
 「廃墟になっている前の山荘も豪華でしたがそれ以上ですね」
 「はい。二人続けて途中で逃げられましたから」
 「そのため豪華にしたのですか」
 「そうです。このまま波琉の物になります。結婚は三年間の約束です」
 「ええ」
 「波琉」
 晴久は波琉に説明を促す。
 「三年で離婚してこの山荘は私が貰います。維持するのと生活に必要な収入は株で貰います。三年間に得た共有資産の半分相当です」
 「三年契約の結婚ということ」
 小倉紘子警部は大きくこれまでの前提が崩れた。
 「そうです。お探しのお二人もそうでした。途中で解約されたので遺産の分与は減りました」
 マンションの名義は二人のまま口座の現金も手がついてなかった。これを否定する理由は無い。
 「弁護士からSMと聞きましたが。期間限定で納得してこうなっているのですか」
 「そうです」
 体の良い売春と言いたいが合法である。
 そこへ一課長が入って来た。
 「事件性が無い事が理解出来たかね」
 「一課長」
 更に後ろから数名の刑事と道警本部長も入って来る。
 「この度の家宅捜査大変失礼いたしました」
 道警本部長が晴久と兄の帯広市長に謝罪した。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長追い詰められた表情になる。
 更に平佐和が四人の代議士と入って来た。
 「こんな上の意向を聞かない奴らを放置しておくのか」
 平佐和は道警本部長を叱咤する。
 「貴方は」
 小倉紘子警部は驚きの表情で平佐和を見る。
 「衆議院議員の平佐和周一郎だ」
 平佐和の剣幕は壮絶である。
 「先生。申し訳ございません。即刻対処いたします」
 即座に一緒に入って来た刑事らが小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の身柄を押さえる。
 「何をするのですか」
 「やめてーー」
 抗議する二人に刑事らは手錠、足錠を掛ける。
 「何故逮捕されるの」
 「逮捕ではありません。ここからは如何なる法律も適用しません」
 一課長は非合法を堂々と言い切る。
 「君らは今日から我々の玩具だ」
 本部長も構わず断言する。
 「そんな犯罪よ」
 「誰も捜査も立件もしない」
 一課長が宣告する。
 波琉は既に晴久が部屋から連れ出していた。
 抗議し続ける小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長を刑事らは地下の拷問部屋に連行する。
 其処には既に鉄格子が設えられてあった。
 刑事らは躰をぶつけ暴れさせ抵抗する二人をそれぞれ鉄格子に押し込む。
 二人とも麻酔を嗅がされ床に倒される。
 足錠と手錠を外して刑事らは鉄格子を出て地下室を出て行く。
 「拷問は明日からだな」
 平佐和が道警本部長に確認する。
 「先生らのご都合に合わせますが」
 「飛行機の時間だから後日来るよ」
 帯広空港まで車なら二十分で着く。山荘なのに便利な場所である。途中まで完全な私道なので一般車は入って来ない。
 二時間で羽田に着く。
 選挙はもう終わって民事党は圧勝である。
 野党の分裂などいろいろ騒がれていたが元より民事党の議席三分の二はお約束されていた。
 野党間でその配分が変わっただけである。
 都知事率いる新しい政党がその言動で惨敗といわれる。だが元より勝機は無かった。これが結党したので連立政権が僅かに数議席減らしただけである。
 本部長も札幌に戻った。
 こっちも一時間半は掛かる。
 一課長を中心に酒盛りが始まった。小倉紘子警部らの様子は監視カメラで確認する。
 「三十過ぎていますが二人とも良い女ですね」
 二十代後半の若手刑事である。
 「どうです村上さんは」
 「良いですね。どっちも。現代の三十代はまだまだ良い躰です。そして心置きなくハード拷問が出来ます」
 晴久も期待が膨らんでいた。
 「どっちも美人だがまったく可愛げがない」
 一課長である。
 「拷問して遊ぶには見た目がよければ」
 その言葉は晴久の体質を如実に表す。
 「それよりあの強気の二人の羞恥に塗れた悲鳴が愉しみだ」
 一課長は気炎を吐いている。
 みな気丈な二人の女をとことん辱め究極に甚振る事に悦びと期待を滾らせていた。
 
 鉄格子の中では笛木祐子巡査部長が先に意識を取り戻す。
 二人の鉄格子は間に一メートルの通路が開いていた。
 鉄格子の正面には三メートル位の広場がある。二人の鉄格子は奥行き幅とも十メートルはある。
 かなり広い地下牢である。
 「警部」
 笛木祐子巡査部長が声を掛ける。
 「警部。起きて下さい」
 笛木祐子巡査部長は人が周りに居ないうちにとにかく小倉紘子警部と話がしたい。
 「小倉警部」
 笛木祐子巡査部長は呼び続ける。
 もちろんこの状態はカメラで監視されていた。
 一課長らは何を話すか様子を見たい。
 小倉紘子警部は笛木祐子巡査部長の呼びかけにようやく意識を取り戻す。
 「笛木」
 小倉紘子警部は意識を取り戻し笛木祐子巡査部長の存在を確認する。
 そして辺りを見回す。カメラの存在に直ぐ気が付く。
 「完全に見張られているね」
 「そうですね」
 笛木祐子巡査部長も小倉紘子警部の視線の先にカメラを確認する。
 それでも二人は話すしかない。
 「本当に遺体は出ないのですか」
 「この私有地が一番隠し易いはずなのですが」
 小倉紘子警部はあくまで自身の見解を主張する。
 「こんな地下室があるのですから。まだ隠し場所が」
 「焼いて散骨したか」
 「でも此処で焼けば何かが残ります」
 笛木祐子巡査部長はそこまで考慮して捜査した確信がある。
 「そうね」
 小倉紘子警部も同様である。
 「何故国会議員まで」
 「全部つるんでいるのよ。娼国、R国の日系人がその手綱を握っているのよ」
 小倉紘子警部は娼国、R国の経済侵略が伸びていて平佐和らがその手先と踏んでいる。
 「此処はR国の手先企業グループの一部ですか」
 「そうよ」
 「帯広ニューシティも凡て。北海道知事も帯広市長も」
 「そうよ。帯広は議員がボランティア。給料が無くてもそれ以上充分な資産が有る人しかなれないのよ」
 「それでは市政ごと乗っ取られてしまうのでは」
 笛木祐子巡査部長は重大な危険にようやく気が付く。
 「そう成りつつあるわね。姉ヶ崎も川越も新青森も唐津も」
 小倉紘子警部は既に状況は充分に悪化していると言いたい。
 「そんな。そして私たちはその手先らに抹消されるのですね」
 「多分」
 「その前に奴らの玩具ですか」
 「そうらしいね」
 小倉紘子警部も思わぬ捕らわれの身に成す術も無い。
 「何とか此処から出ないと」
 笛木祐子巡査部長も行き成りの捕らわれに焦りが出ていた。
 
 波琉は晴久の言い分通りに婦警らに回答したがせっかく自分を確認しに来てくれた二人に申し訳ない気持ちに苛まれていた。
 二人の婦警を助けて自分も逃れられないかと問答する。
 道警本部長、一課長と言っていた。それが二人の正しい婦警を捕らえる側の味方になった。
 恐ろしいことである。
 代議士も道警幹部も晴久らの味方。相当な権力の層が北海道警幹部を押えていると思う。
 二人の婦警を助けて逃げ出して身の振り方を手伝って貰っても他の警察官に逮捕されて回収されるに違いない。
 そうなれば今より辛い日々が待っている。
 逃げ出して北海道から出て遠くの街で働いても何も出来ない。
 母の墓は村上家の墓地である。これも放置してゆく事になる。
 あの二人の婦警が此処を逃れて総てが明るみに出てDV離婚に持ち込んで自分の法的権利を主張して勝利と開放を得られないか。
 いいや違うと思う。二人の婦警の主張は抑えられる。そして再び捕らえられてしまう。
 いち早くマスコミにリークすれば。
 マスコミが必ず動く保障は無い。晴久の持ち株会社より上のグループからマスコミに力が働いている。まったく違う報道になってしまう。
 自分はこのままこの家を貰ってさらに生涯の生活費を貰って平和に離婚できるのか。
 
 メイドが二人で小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の鉄格子に食事を搬入する。
 鉄格子の一部にボックス状の一角がある。外から入れるときは中から開かない。外の扉を閉めると中の扉が開くようになる。
 「お食事でございます。中の扉を開けてください」
 メイドは三十度頭を下げ丁寧に挨拶してゆく。



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