鬼三のSM小説
女衒の國
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
女躰拷問挽歌滾る
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治まっても洗い息遣いは続く。
脚元のマットは濡れその先の甲板も飛沫が散っている。
真紀子は吉岡理穂の頭を掴んで飛び散った飛沫の跡を見せる。
「ああ」
吉岡理穂は恥ずかしさに目が眩む表情である。
緊縛師らは警察員の協力を得てクレーンを下げながらもう一度吉岡理穂の躰を拷問椅子に戻す。
恥ずかしさの極致でも吉岡理穂に股間を閉じようと抵抗する気力はもう無い。
緊縛師は拷問椅子のハンドルを回して吉岡理穂の躰を甲板に水平に寝かせ膣口を横に真っ直ぐにする。
緊縛師はドリルバイブを吉岡理穂の目の前に翳して始動する。
「いやあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
吉岡理穂は驚愕の表情で見た事も無い恐ろしい器具に目を叛ける。
「失神するかもしれないけど女は死なないから大丈夫よ」
真紀子は嘲るように言い放つ。
緊縛師二人が両側から吉岡理穂の女の部分を強く広げる。撮影しているスタッフはアップでそれを収める。
ドリルバイブを持っていた緊縛師がローションをたっぷり塗って先端に装着された擬似男根を吉岡理穂の膣に捻じ込む。
「ああーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
吉岡理穂は挿入の衝撃に悲鳴を上げる。
緊縛師は膝を着いて腹で確り押えて最初はローでスイッチを入れる。
「ああーーーああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あああーーーーーーーーー」
吉岡理穂の表情は一気に軋む。眉間に斜めに皺を寄せてほうれい線を強く刻む。そして口を半開きに押し上げる様に悲鳴を上げる。
腰は迫上がり股間は震撼する。
膣が押し出そうとするのを緊縛師は懸命に押える。
「あわあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
吉岡理穂はドリルバイブの責めに押し捲られる。
真紀子は電マでクリトリス刺激する。ダブルの責めである。
吉岡理穂は頭を後ろに大きく反らし眉間に二重の皺を強く刻む。大口を縦に開けて腹を強く迫り上げ太腿の筋肉を怒張させて逝き顔を晒す。
「あはあーーーーー。あはああーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
断続的に上り詰め数回逝き顔を晒し失禁する。
それでも真紀子も緊縛師も手を休めない。
「ああはああーーーーーーーーーーー。あああはあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーー」
吉岡理穂は一頻り大きく躰を迫り上げる。そして静かに沈む。頭を右に倒して白目を?く。
緊縛師はバケツの水を取りに行く。
だが真紀子がそこでストップを掛ける。
「一回に慣らし過ぎない方がいいよ」
真紀子は今回送る動画としては充分なショック度と見ている。
山荘では夕食の準備に掛かっていた。
宇垣美佐都が情況伺いを兼ねて生ビールの樽を持って来てくれた。輸送トラックなので配送と言うカモフラージも兼ねている。
空の樽を積んで帰る予定が一つしか空いてない。もっと呑むよう勧められた。
大高貞夫からの伝言で危なくなったらもう一箇所あてがあるので常に状況を知らせて欲しいと伝えて行った。
食事の準備が整って生ビールで乾杯したところで吉岡美穂より押収されたスマホからメールが届いた。
「ああ。また酷い強姦以上よ」
竹田玲奈がまた悲鳴を上げる。
残る三名の女性がそれを確認する。
憤懣やるかたなき。
渡辺則継元警視は話を聞くだけで一切見ない。
「私が出て行けばこれが終わるのね」
竹田玲奈が堪えられずそう呟く。
「立て続けの拷問は止まると思います。でも、その後は私たちと同じです」
小倉紘子元警部が答える。
「そうです」
岡村一美も同意見である。
「岡村さん達が戻るのは吉岡も本意ではないと思う」
渡辺則継元警視は娼国に収監されていた三名は行かせたくない。
「行けば男性は完全に殺されます」
「では滑谷さんや細野さんは」
「既に絶望だと思います」
「確実に殺すと」
「これまではそうだったと聞いています」
岡村一美が鉄格子の中で見たのは検察庁捜査事務官合原朋子と栗山主任検事の処刑だけである。後は鉄格子の中で得た情報を述べている。
「接待や幹部の満足に適さない者は処刑という事ね」
竹田玲奈は娼国の在り方をそう理解する。
「そう成ると連絡の付かない有栖川検事と山室さんも殺された」
渡辺則継元警視が驚愕したように推察する。
「南の島に無断進入したとして合法化されます」
小倉紘子元警部は堂々とやられてしまうと言いたい。
確かに主権国家である。正規ルートで交渉しないで奪還は非合法となる。だが吉岡理穂らには自らの正義を全うする手段が他にない。
「渡辺さん。三人を連れて次の隠れ場所に逃げて下さい。私は理穂を今の状態から救いたいです」
竹田玲奈は半分ヒステリー状態である。
「私は行きません。笛木も残ったままです。私は一緒に戻ります」
小倉紘子元警部は日本に帰っても良い結果に成らないと悟っている。
そして小林由美子が日本に戻れば娼国の実体が国際社会に明らかになる。そうしたら自分らが行った捜査の正当性も主張出来ると考えている。
小倉紘子元警部らは捜査に失敗して行方不明。その後AVにされてしまった。小林由美子は日本で捕らえられ娼国に居る理由はない。
小倉紘子元警部は全部の話を総合すれば娼国の体質は明らかにされると考えている。
「俺は逃げない。二人だけ逃げてもらおう」
「それでは危険です」
「いいえ。一人でも行けば必ず白状させられます」
「そんな」
「痛みは堪えられても痒みで責められたら駄目です。竹内優子さんたちも同じでした」
岡村一美は娼国の非常なやり口を語る。
「行き先を知らなければ」
「とにかく二人が早く日本に着いてメデアの力を借りることだ。大高にもう一度相談してみる」
渡辺則継元警視は二人だけでも何とかして日本に帰したい。
迂回メールを送って待つ。
小林由美子が生ビールを配る。小倉紘子元警部は肉の他に烏賊とホタテを焼く。冷凍の野菜も解凍して焼く。
小一時間くらい待って大高貞夫から折り返しのメールが届いた。
内容は以下の通りであった。
『日本のマスコミをS国に向かわせるように手配する。その時点で迎えを出す。状況は理解出来ますが投降は出来れば避けて下さい。
其処での撮影は迷惑を掛けますので、マスコミの方で場所を用意して迎えに行って貰うよう手配します。
どうしても堪えられない様でしたら一度に三人は行かずばらばらに投降して下さい』
「確かに一挙に行って三人より一人ずつバラバラに捕まる方が時間を稼げる」
「そうですね」
小倉紘子元警部も同調する。
「私が先に行く」
竹田玲奈は吉岡美穂が相当に気に成っている。
「しかし此処に居る五人と吉岡と滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長以外は最悪全員殺されたと言うことだな」
渡辺則継元警視は怒りと恐ろしい情況に嘆く。
「滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長は何れ米軍の接待に出されて戻って来ないと思います」
岡村一美はこれまでの情況でAVに出来ない者はそう成ると言いたい。
「戻って来ないとは」
渡辺則継元警視はその真意をさらに問う。
「多分」
岡村一美は難しい表情で答える。
「でも理穂の依頼したR国の弁護士の調査では内山莉緒警部補と木村史乃警部補はT市に居て刺青をされているとの事でした」
竹田玲奈はどこかで生きている信じたい。
大高貞夫からメールが来てやや先に明るみが見えた。五人はとにかくその日は飲み明かした。
翌朝早く竹田玲奈は一人で出発した。
メモと吉岡理穂から預かった逃走資金日本円で三百万から十万だけ抜いて二百九十万を残した。
八年前吉岡理穂が米倉礼子から託された活動資金の一部である。
竹田玲奈はS国日本大使館に向かった。結果は充分に承知している。
暫く歩いてバスで街に出る。そこからタクシーで途中まで行きタクシーを乗り換える。大使館のある町で降りる。其処から徒歩で向かう。
四人の居る場所に簡単に繋がらない配慮である。
飛行許可を取って娼国の空母からヘリが娼国不法侵入手配犯として竹田玲奈を回収に向かう。
竹田玲奈のメモと残された現金を見て全員落胆した。
「玲奈さんが戻っても理穂さんの拷問が終わりはしないよ」
小林由美子は嘆いている。自分も何れ恐ろしい接待に使われると推測している。そして吉岡理穂と竹田玲奈もそうなる確率が高いと思える。
葛城義和は拷問に参加しないで日本での動きを探っていた。完全にマスコミの動きを注視している。
日本の警察幹部、娼国の工作員と連絡を取り合うが指宿の直下である柿崎一行を充てにした。
日本のマスコミが海外に来て直接コンタクトを懸念していた。柿崎一行のチームは出国するマスコミ関連者の行き先をチェックする。
S国の二つの国際空港にも見張りが付いた。
空母の中に鉄格子が追加された。
吉岡理穂は竹田玲奈が捕まって来た事に落胆した。
鉄格子の中でも竹田玲奈は全員バラバラに他の国の大使館を目指したと報告した。
鉄格子は監視している。
真紀子と葛城義和も見ている。
「小林由美子をマスコミの手に渡すという可能性は有るでしょう」
「そうだけど。あの女は何故のこのことS国日本大使館に来たの」
「拷問の結果です。残りは何処かに隠れていて日本からマスコミを呼んで取材させる危険が考えられます」
「先生。その危険性はあるけど。彼らが呼ばなければ」
「そこには仲介者が居るでしょう」
「あれだけ見張っていて何も掴めないのね」
「小林由美子、岡村一美、竹田玲奈の三名とも元テレビ太陽の関係者ですがその線からではないでしょう」
「それでは渡辺則継元警視」
「多分。携帯や通信履歴で出て来ない古い関係も有るでしょう。年齢の違いです」
「それでS国内に潜んで居ると断定して、空港に来る日本のマスコミを監視するの」
「俺はその線で追ってみます」
「一つ気に入らないのはあの女がS国日本大使館に来た事よ。他の仲間が安全圏に逃げるのを見計らって出て来たかもしれない」
「どうであれ押えられるでしょう」
「判った。私は拷問を続ける」
「そうですね」
今回は甲板ではなく艦内の格納庫の空いた部屋を利用した。
真紀子は緊縛師と警察員の手を借りて吉岡理穂と竹田玲奈を引きずり出す。
「残りの四人がバラバラに逃げたというのは信じられない。何処に居るか白状してもらいます」
真紀子は緊縛師らに二人を対面にして拷問椅子に磔を要求する。
吉岡理穂はもう無駄な抵抗は止めて成されるがままである。
「やめろーーーーーー。何で男がこんなこと出来るんだよーーーーーーーーー。やめろーーーーーー」
竹田玲奈は暴れ抵抗する。
警察員が押さえ込む。
緊縛師は竹田玲奈が掴んで押えるショーツを切り落とす。
六人がかりで大股開きにして拷問椅子に磔る。
それでも竹田玲奈は暴れ続ける。
緊縛師はビンタする。
「ぐおーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
竹田玲奈は強気で怒りを破裂させる。
緊縛師は構わずビンタする。
「ぐおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーー」
竹田玲奈は悔し涙を飛ばして悲鳴を搾り出す。
「どうします。痒み責めで白状させますか」
緊縛師が真紀子にお伺いを立てる。
「無駄よ。その拷問方法は脱走させられた連中が既に教えている。この女の知らないところに行ったのよ」
「では」
「蛇よ」
「はい」
「最初は脅すだけ。糸の付いたカナブンで泣き喚かせてそれから蛇よ」
「それで白状しますか」
緊縛師は不動の姿勢になる。
「しないよ。残った連中にメールで送って揺さぶるのよ」
真紀子は葛城義和に拷問を続けると言ったが葛城義和の作戦が確実と思っている。拷問の揺さぶりは援護である。
水兵が蛇の入った水の無い水槽を運んで来る。
別に糸を付けたカナブンも持っている。
カナブンは扇型のケースに一匹ずつ扇の先端に分割した枠に詰めてある。その扇の要に糸を繋いだリングが重ねられている。
緊縛師は蛇を掴む。
それを竹田玲奈の顔の前に突き出す。
「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
驚愕の表情で震えながらの悲鳴である。
続いて吉岡理穂に近付ける。
「いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
こっちも強烈な悲鳴になる。
真紀子はクスコを掴んでいる。
「どうするか解かる」
真紀子は真顔である。
緊縛師と警察員が竹田玲奈の躰をがっちり押える。拷問椅子のハンドルを回して股間部を上に向ける。
「いやあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
竹田玲奈は泣き声交じりの悲鳴になる。
真紀子はクスコを膣に差し込む。通常の角度ではない。クスコの閉じた金属の嘴を縦にする。
「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーん」
真紀子は竹田玲奈の怯えきった悲鳴を冷たい横目であしらいながら螺子を回して膣を左右に広げる。
女の内部の敏感な部分である薄橙の粘膜が丸出しに成る。
「ああーーーーーーーーーーん。いやよーーーーーーーーーーー」
竹田玲奈は完全に泣いている。
「さあ。蛇を」
真紀子は淡々と宣告する。
緊縛師は真紀子の意図を承知して蛇を掴んで竹田玲奈のクスコに近付ける。
「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
竹田玲奈は狂ったような悲鳴になる。
真紀子は緊縛師を手で制する。
「じゃあ。カナブンで許してあげましょう」
態とねっちりした口調で言う。
緊縛師が膣の中に筆で蜜を塗る。
「いやああーーーーーーーーー」
竹田玲奈は筆の動きにも悲鳴を上げる。完全にヒステリー状態に成っている。
そのクスコにカナブンを放つ。糸に繋がったリングをクスコの螺子棒に引っ掛ける。
「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー」
カナブンが膣の中で動く。堪らず腰を揺すって驚愕の悲鳴は止まない。
緊縛師は適度に糸を引っ張ってカナブンを取り出す。
「ああーーーー。あはあーーーーー。ああーーーーーー。ああーーー」
竹田玲奈は荒い息遣いで恐怖の余韻に崩壊状態である。
見ていた吉岡理穂も悲鳴を上げながら泡を噴いている。
真紀子はその吉岡理穂の膣にもクスコを挿入する。
「ああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
吉岡理穂も震えている。
「蛇行くか」
吉岡理穂は首を振って恐怖に躰を震撼させる。
「いや。いや。いや。いや」
顎が振るえ声も震えている。
そう言って真紀子は筆で膣の中に蜜を塗りこむ。
「いやあーー。いやあ。いや。いや」
吉岡理穂は恐怖に縮み上がっている。
緊縛師がカナブンを投げ込む。
「ああーーーー。あはあーーーーー。あはあーーーん。あはあーーーん。あはあーーーーーーー」
吉岡理穂も腹を迫り上げ腰を揺すって喚き続ける。既に涙が飛び散っている。
緊縛師はこっちも適当に引っ張り出す。
「あはあーーーー。あはあーーー。ああーー。ああ。ああ」
吉岡理穂も放心した様に荒い息遣いを続ける。
緊縛師はもう一度蛇を掴む。
「ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
見ただけで吉岡理穂は悲鳴を上げる。
緊縛師は吉岡理穂に挿入されたクスコに蛇の頭を突っ込む。
「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
吉岡理穂の悲鳴は艦内を劈く。目を見開いて顔は究極に破裂している。
次の瞬間吉岡理穂は失禁した。
瞬時に緊縛師は蛇を持った手を離す。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉岡理穂は震えながら声の出ない悲鳴状態である。
失禁が治まって緊縛師は蛇を抜き取る。
吉岡理穂は小刻みに躰を震わせながら天井を見ている。完全に飽和状態である。見ている竹田玲奈も恐怖にガタガタ震えている。
緊縛師は別の蛇を掴んで竹田玲奈に向かう。
「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
竹田玲奈は悲鳴とともに失禁してしまう。
緊縛師は蛇を構えて待つ。
「ああ。ああ。ああ。ああ」
竹田玲奈は漏らしながら恐怖に震え続ける。
緊縛師は失禁が終わったところで蛇を突っ込む。
「・・・・・・・・・・・・・・」
大口を開けるが声は出ない。
震えながら白目を?く。
緊縛師はそこまでと蛇を抜いて水槽に戻す。
「あはあ。はあ。あはあ。はあ」
竹田玲奈は朦朧とした表情で天井を見上げながら荒い息遣いで震え続ける。
真紀子はこれまでと吉岡理穂から押収したスマホで動画を送信する。
山荘では夕食の準備に掛かっていた。竹田玲奈が行ってしまって四人である。
大高貞夫からまだ連絡がない。
渡辺則継元警視は焦れて落ち着かない。
そこに真紀子のメールが飛び込む。
岡村一美が開いて暫くして悲鳴を上げる。
「どうなの」
小倉紘子元警部が覗き込む。
「へ・ビ」
岡村一美は恐ろしい。自分らも寸前まで遣られかかった。そのときは脅しであった。今も脅しと見ていたが本当に遣られてしまった。
「この手で来たのね」
小倉紘子元警部は驚かない。自分らが散々受けた仕打ちである。
小林由美子は青くなっている。お座敷でやられそうに成った。出水茉里元巡査部長が庇って身代わりに成ってくれた。
小林由美子は自分がやられたら確実に気が狂ったと思った。
「俺が行く」
渡辺則継元警視は突然立ち上がる。
「駄目です。あなたが行ってもただ殺されるだけ」
小倉紘子元警部は正面に立ちはだかる。
「このまま見ていられない。隠した潜水艦で行く。俺一人なら娼館島までの燃料を積める」
「私が行きます。私なら奴等は殺しません。私は日本の現副総理平佐和の玩具にされていました。他からは何もされません」
「だからと言って。貴女が日本に戻った方が。マスコミへの証言も」
「いいえ。笛木を一人残せません。私が戻ります。貴方は二人を護って日本のマスコミに対応してください」
小倉紘子元警部は一歩も譲らない姿勢である。
「いま娼国は手薄だ。潜水艦で乗り込めば滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長をもう一度救出することも出来る。その方が証言は有力だ」
「無理です。貴方が殺されて終わるだけです」
小倉紘子元警部は何としても止める意思である。
「・・・・・・・・・」
渡辺則継元警視は小倉紘子元警部の強い勢いに慄く。
「確かに燃料をポリタンクで積んで行けば行くことは出来ます。帰りはどうします」
「娼国の潜水艦で戻る」
「無謀な作戦です。とにかく次は私が行きます。貴方は大高さんの連絡を待ってください」
小倉紘子元警部は一切動じない。
小林由美子も岡村一美もじっと二人を見ている。
「もう誰も捕まらなくても良いし、さらに乗り込むのも無謀です」
小林由美子はヒステリックに二人の会話を否定する。
「そうです。報道を流してもらって大使館を納得させ日本政府から娼国に交渉させるべきです」
岡村一美も小林由美子に同調する。
「そんなに順調には行かないと思う。吉岡の作戦に乗ったが我々の考えている以上に娼国は日本の政府官僚を掌握している」
「それでは報道してもらっても」
「娼国は認めないだろう。結果は疑惑が広がる程度かもしれない」
「捕らえられている人達は帰して貰えないと言うのですか」
「娼国から奪還して此処まで来られなくても無人島にでも漂流していた方が助かる可能性は高い」
「娼国の南の島にもう一度乗り込んで近くの無人島で待つと言う事ですね」
「そうだ」
「マスコミが報道すれば世論の建前形だけ交渉しても実質は娼国と馴れ合い。不法侵入及びスパイ容疑を主張されるだけかもしれません」
小倉紘子元警部も渡辺則継元警視の言い分を理解する。
「どうやってあの浜まで行きます。燃料も。潜水服が無ければ潜航艇を浮上させられません」
「宇垣美佐都さんによく説明して運んでいただくしかないです」
「そうね」
小倉紘子元警部も納得する。
その後大高貞夫元警視正からマスコミの手配が付いたと連絡が入った。
その夜も別れを兼ねて九時位まで四人で飲んだ。
渡辺則継元警視が二階の寝室に引き上げると小倉紘子元警部も後から上がって来た。
「明日、私も浜まで行って手伝います。三日待って貴方から連絡がなかったら私は奥のG国に向かってG国日本大使館に行きます」
小倉紘子元警部から躰を重ねる。渡辺則継元警視も何も言わず応じる。
翌日、宇垣美佐都はポリタンクに燃料と自宅にあった潜水服を積んで迎えに来てくれた。渡辺則継元警視らが調達するのは危険と配慮したのである。
磯浜に潜航艇のセイルだけ浮上させて燃料と食料を積込む。
渡辺則継元警視は潜水服を返そうとしたが、宇垣美佐都から持って行くよう勧められた。
夜間を狙って出発である。潜望鏡深度でシュノーケルの吸気弁を海上に出してエンジンを動かしバッテリーにも充電する。
翌日。昼近く座礁した自分らの乗ってきた母船を発見した。島まで行かないでこの母船に隠れるが良いと考えた。
一周回って確認した。座礁以外に破損はない。
そのまま震度を下げて娼国の南の島に向かう。
本国は鄭淑徳少将が護っていた。他のマスコミや協力者の接近も警戒していた。海底に着底した小型潜水艦が渡辺則継元警視の潜航艇の接近を確認する。
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