鬼三のSM小説
女衒の國
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
女躰拷問挽歌滾る
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真紀子が小倉紘子元警部の何回か上り詰めた逝き顔を確認してようやく畳の上に開放された。
小倉紘子元警部は既に自分の力で動けない。
平佐和は水差しで酒を飲ませる。小倉紘子元警部は従わざるを得ない。何度か咳き込んだが平佐和は執拗に責め一升近くを流し込んだ。
急性アルコール中毒が確認され待機していた看護士が呼ばれた。看護師ではない。この国では看護婦と看護士は区分されている。
利尿剤が投与されて男性看護士の手で尿道カテーテルが女の部分を広げた内部の小さな尿道の亀裂に挿入される。それにビニールのパックが繋がれる。
全裸にタオル一枚掛けられて座敷に放置である。
真紀子は興奮のケアを葛城義和に求めた。平佐和は部屋に戻らず其処で苦しむ小倉紘子元警部を観察しながら休んだ。
平佐和は朝から急性アルコール中毒でその躯を晒した小倉紘子元警部の躰を弄くり愉しむ。
九時を回って看護士が入って来てカテーテルと一式を外して行く。
小倉紘子元警部の二日酔い以上の辛さは消えてない。
「自分で慰めろ。イッて仕舞えば楽に成るぞ」
平佐和は昨夜の棘付きバイブを置く。
「お願い。電マも」
小倉紘子元警部にもその効果は判る。今更こんな立場に置かれて平佐和一人である。苦しみから逃れたい一心になる。
「そう素直にすれば痛みは考慮してやる」
「はい」
小倉紘子元警部に平佐和の屈辱的な言葉に怒る気力はもう無い。
十時を大きく回って真紀子と葛城義和が乱れ続けた翌朝と判る表情で入って来る。真紀子の表情は柔らかく色香を滲み出している。
「二日酔いの介抱ですか」
小倉紘子元警部が電マで自分のクリを押えて平佐和が棘付きバイブを操縦している。
葛城義和はそれを見て嘲笑した。
小倉紘子元警部は何度か痛みと官能を繰り返しやや楽になった様子である。
そのまま待機していたヘリで葛城義和は滝澤沙緒里の待つホテルに向かいあとは娼国に戻った。
吉岡理穂らは六名ばらばらに移動してM国に入った。R国、娼国とも距離がある。
M国新日本空輸ホテルに滞在した。
調査にR国と同じ亜細亜の弁護士数人を雇った。
渡辺則継元警視の部屋だけデラックスツインにして其処で会議を行う。
有栖川章仁主任検事のみ日本に留まった。
「随分経費が掛かっているようですが、何処から出ているのですか」
今回の滞在費、航空運賃も吉岡理穂から出ている。
「女性オーナー経営者米倉礼子の無理心中らしいと伝えられた事件が有りました」
八年前の出来事である。滝澤沙緒里らが日本のジャーナリスト篠田茉莉の射殺事件を追ってR国T市に入った。
そして捕らえられ長く娼国に収監された事の始まりである。
「覚えているよ。焼身自殺と報道されて翌日エクセレントは不渡りを出し事実上倒産した」
渡辺則継元警視はこの件を良く覚えている。盟友古舘明が心中の相手であった。そのときからこの事件を疑っている。
「米倉礼子社長がR国に発つ前に、万一自分が帰らなかった時にと後の活動資金を私に託されました」
「ええ。いったいいくら」
「一億円です。米倉社長は会社の運営に必要な資金をぎりぎり残されて余裕の分を私に託されました」
「それでは回って来た手形は。やはり所持品から強引に作られたのか」
「そうです」
吉岡理穂はきっぱり答える。
「何でM国に入ったのですか」
竹田玲奈はR国に直接行かない理由を確認する。
「R国は危険過ぎます。私達が迂闊に侵入したら直ぐ捕らえられます。滝澤沙織さんたちだけではありません。その後何組も捕まっています」
「リストの通りですね」
「でも日本に居ても」
竹田玲奈はM国に構える理由が判らない。
「それも危険です。姉ヶ崎ロイヤルホテルの会合から四人が謎の死を遂げています。岡村一美さんと新井絵里さんがその容疑者にされて行方不明です」
「娼国かR国に監禁されている人のリストに入っていました」
「そうです。会合を開いても日本は既に危険です」
吉岡理穂はこれまで相当に用心深く調査をして来た。
「しかしR国に入らなければ何も判りません」
「準備が整ってからです。今はR国の弁護士を使って調査しています」
「日本人でなければ疑われないか」
渡辺則継元警視は吉岡理穂の用心深い作戦を納得した。
吉岡理穂がR国の弁護士数名にお願いして一つは現在推測が付いている。内山莉緒警部補と木村史乃警部補、新井絵里がT市に居ることである。
それは日本人居住区のメイドやR国の警察組織員が住む別区画に軟禁状態にされている。
「葛城元総理が以前から時々現金を届けに来るらしいという情報も入っています」
「元総理では確かめるわけにも行きませんね」
滑谷大師元警視である。現役は警部補であったが負傷して麻薬組織を全員逮捕したので二階級特進した。
だが上層部の意思に反していたので退職と引き換えである。表面だけ円満に片付けられた。
「でもR国に居るのでしたら」
元国民党衆議院議員山室紅葉である。
「それは危険です。葛城元総理は娼国、R国と親密に繋がっています」
吉岡理穂が山室紅葉元議員に現実を突きつける。
「そうね。傀儡だったのよね」
山室紅葉元議員も再確認した様に頷く。
「残りは南の島ですかね」
細野剛志元自衛隊二等海佐である。
「弁護士が警備員から確認したのはこちらのリストです」
吉岡理穂はパソコンからプロジェクターで壁に画面を映しだす。
収監されている人。小倉紘子元警部、笛木祐子元巡査部長、滝本美緒里巡査部長、辻沙緒里巡査長、岡村一美、小林由美子。
最近居なくなった人。田中道子、竹内優子、出水茉里元巡査部長。
元と付いていないのは、退役または免職が明らかでないからである。
「かなり少ないですね」
「あとは行方が判りません」
「しかしR国の弁護士でもそこの警備員に聞いてはかなり危険では」
渡辺則継元警視は娼国側の警戒が強まったのではと懸念する。
「本来そうなのですが、この警備員たちは中立と言うか拘留されている人たちには親切で、協力とかはしませんが報告もしないようです」
「中立ね」
「弁護士が渡した報酬も受けなかったようです。何も関わらないと言う考えとの事です」
「前回のリストに有ってここに載ってない人たちは行方不明ですか」
「そうです。何も掴めていません。或いは」
「うーん」
渡辺則継元警視は渋面になる。
「どっちを救出するかですね」
細野剛志元二等海佐は両方救出するのは無理と確信してどっちが救出し易いかとの見解である。
「T市ではないですか」
「それも問題があります。T市はR国の奥地です。鉄道も何も有りません」
「車で移動は」
「それが問題なのです。S市を除いてR国は決まった輸送トラックしか通りません」
「現地の人は」
「殆ど市内にしか移動しません。それも自転車かスクーターです。車は製造工場が有っても輸出のみで普及していません」
「日本企業の社員は」
「私もT市に工場を持つ日本企業に一時期勤めていました。移動は全部その企業の保有するヘリです」
「権力が極めて統治し易い構造ですね」
渡辺則継元警視はさらに渋面になる。
「だが、娼国の南側の島は完全に断崖で北側の島からは橋も掛かってないらしいですよ」
滑谷大師元警視はその情況を娼国に本社を置く企業から聞いたことがある。
「その通りです。警備員の話では南の島には潜水艦で海中から入るらしいです。故仁川元主席の屋敷の地下に桟橋が在るようです」
「警備員もそこから」
「いいえ。警備員は休暇の時だけヘリでS市に帰されます」
「それでは入ることは不可能では」
吉岡理穂はパソコンからプロジェクターで衛星写真を壁に映す。ホテルの部屋なので明かりを落とさなくても調度良い。
建物が大きいものだけで五棟確認出来る。
「此処には女性だけで五百人以上住んでいます。警備員は十二名との事です。何かあった場合だけ北側から警察員が来ます」
「かなり手薄ではないですか」
「でも天然の要害だな」
細野剛志元二等海佐も難しい顔である。
「船で近付いて断崖を登るのも難しい」
「海上からは無理です。この付近は海の透明度が高いのです。M国で安く潜水艇を借りられます。母船で近くまで運んでもらって南の島を一周しました」
「海底を」
「そうです。潜水艦の出入りする入り口は直ぐ判りました。警備員の話では衛星写真のこの小さな四角い建物が桟橋からの出口との事です」
「海中の入口は」
「この付近です」
吉岡理穂はパソコン上で衛星写真に印を付ける。衛星写真の下に100mの長さが表示されている。
「上空からの写真だと洞窟の奥行きが500メートルはないでしょう」
「そうですね」
「方法はあるかもしれませんね」
細野剛志元二等海佐は少し可能性を見出した。
娼国。北側の島は高速フェリーの発着する桟橋から高層ビルが十棟林立する。
娼国の中枢部と日本企業の本社が入る。その中に膨大な数のプレートが衝立型掲示板に並ぶビルも在る。
一坪オフィスが無数に入る。殆どが無人である。大方がサーバー置き場となっている。
高層ビルの横を過ぎその奥に進むと昭和初期の噴水がある。
その斜め奥に五十階建てのホテルが建つ。昭和中期の建造物である。
此処まで来て振り向くと高層建物総て南面に窓が無い。代わりに太陽光パネルが填められている。
エコ目的ではない。南の島を見せない為である。
そのホテルの最上階に在る和食料理店舗の奥座敷天昇の間。R国首相村上俊夫を交えての宴会が行われていた。
座敷奥の大きなガラス窓。其処にはこの島で唯一南の島の全容が見える。
十六時過ぎ西の空は茜色に輝き海の真ん中に南の島が浮かぶ。外周は雑木林に囲まれている。その中に建物が五棟確認される。
大きな窓の左側に板前のネタケースがL字に置かれその前に全裸の女躰カウンターがL字に頭合わせに横たわっている。
窓側からR国首相村上俊夫、娼国主席安形、副主席村上稔、村上祐樹民事党幹事長、平佐和、真紀子の順である。
板前は津梨清吉と言う。平佐和のご贔屓である。注文を聞かずどんどん握って行く。好みは心得ている。
仲居もそれぞれ好みの酒類を配膳して行く。
「事もあろうに村上家に捜査に乗り込んだ元巡査部長が居ました。今日はその女をお仕置きしましょう」
娼国警察員の手で搬入されてきたのは、小倉紘子元警部と一緒に北海道警から拉致されて来た笛木祐子元巡査部長である。
態と日本の女性警察官の制服姿にされている。
「葛城君が居ないから縛りはどうする」
平佐和が真紀子に確認する。
「葛城先生は沙緒里さんとD市のホテルです。緊縛師を待たせていますがその前に皆さんでお辱めを」
「そうだな」
村上祐樹民事党幹事長が立ち上がる。
「いいぞ。うんと辱めろ」
兄の村上副主席が激を飛ばす。
「裸にするなら何でこんなもの着せるのよ」
笛木祐子元巡査部長は四年拘留されてもまだ従順に成っては居ない。
三十九に成るが美貌は衰えてない。収監中の娼国のケアが良いからである。六十を過ぎた村上副主席らが愉しむには調度良い。
「その方が屈辱だろ」
村上祐樹幹事長はテレビでのインタヴューと違って横柄である。
「・・・・・・・・・・・」
笛木祐子元巡査部長は睨み返すだけである。
「先生。自分で脱がせましょう。葛城先生がやったように」
「ああ」
要望を聞いて真紀子がスマホで手配する。
水を流す大きなトレイが運ばれてその上に浴槽とシャワータワーがセットされる。さらに磔柱も設置された。
緊縛師が三名入って来て笛木祐子元巡査部長の躰を磔柱に革の拘束具で手首、脚首と腹を拘束する。
広口瓶に入った蟻の大群と蜂蜜が運ばれる。
村上祐樹幹事長らはニタニタ笑っている。
緊縛師は拘束が完了すると蜂蜜を村上祐樹幹事長に渡す。
村上祐樹幹事長は笛木祐子元巡査部長のブラウスのボタンを外して胸の谷間に流し込む。
スカートのウエスト側からも流し込む。
笛木祐子元巡査部長は何をされるか判っている。唇を噛んで村上祐樹幹事長を睨んでいる。
緊縛師は広口瓶のガラスの蓋を取って村上祐樹幹事長に渡そうとする。
村上祐樹幹事長は緊縛師を促す。
緊縛師は広口瓶の口を笛木祐子元巡査部長の肌蹴た胸元に押付けて底を叩く。
「あわあーーーーーーーーーー」
蟻が多量にブラウスの内側に落ちる。
緊縛師は用意されていたポリバケツに広口瓶を投げ込み直ぐに蓋をする。
「うおおおーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
緊縛師三名で喚き叫ぶ笛木祐子元巡査部長の革の戒めを一気に外す。
笛木祐子元巡査部長はジャケットをかなぐり捨てシャワーのハンドルを開く。
「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
躰に湯を掛けながらブラウスとブラを外す。ややボリュームの有る乳房が丸出しになる。
宴席から拍手が沸く。
「あーーーーーーーーーー。ああーー。ああ」
笛木祐子元巡査部長はそれどころではない。
蟻はスカートにも群がっている。スカートも落としてショーツも已む無く脱ぐ。緊縛師は脱いだ衣服を別のポリバケツにトングで掴んで投げ込む。
笛木祐子元巡査部長はそのまま浴槽に飛び込む。
幸い顔や頭には回ってない。
「頭からかけないとね」
真紀子は手緩いと非難気味である。
だが笛木祐子元巡査部長には屈辱の上に恐怖と強烈な不快感である。まだ心臓は強い鼓動を打っている。
そして真紀子の残忍な言葉に慄くばかりである。
「小倉にはスタンガンが効いたな」
平佐和がボソリと言う。二日前の事である。
「三角木馬に乗せてスタンガン責めは」
村上祐樹幹事長の提案である。
直ぐに三角木馬が座敷に運び込まれる。
一メートル四方の鉄板の台座に一メートルのアームが立っている。アームの上に三角の台座が載っている。
底辺の幅二十センチ高さも二十センチ奥行きは一メートル有る。木製だが上部は一センチ程金属で先端は尖って一ミリだけ鑢で丸めてある。
これはBタイプである。Aタイプは完全に尖っている。こっちは現地の一回消耗の女性に使う。
鞭で叩かれて少し動けば会陰から女の部分まで斬れてしまう。
Bタイプでも血が滲むことは避けられない。
「これに電流を流すか」
平佐和は面白がっている。この女なら潰してもよいとの考えである。
電源トランスとスタンガンが運ばれた。
村上祐樹幹事長はさらに充電クリップを要求する。
緊縛師は笛木祐子元巡査部長を高手小手に縛る。ハンドルを回して三角木馬の高さを下げる。
笛木祐子元巡査部長に木馬を跨らせ座らせる。高手小手に縛った縄に縄を通して天井から吊るしたフックに通す。
緊縛師は笛木祐子元巡査部長の女の部分のびらびらを開いて三角木馬の先端をゆっくり上昇させながら咥えさせる。
一人の緊縛師が天井のフックに通した縄を引きながらもう一人の緊縛師がハンドルを回して三角木馬の高さを上げる。
あとの一人は笛木祐子元巡査部長の躰を支える。
脚が付かない高さに上げると体重が全部股間に掛かる。
「うぐうーーーーーーーーーーー」
笛木祐子元巡査部長の表情は一気に軋み苦しみ始める。
村上祐樹幹事長は電源トランスに繋いだクリップ二個で両方の乳房を鋏む。
「ううーーーーーーーーー」
鋏まれただけでも相当に痛い。
平佐和がスタンガンを持つ。
笛木祐子元巡査部長の表情が緊迫する。悲痛な表情で瞬きしながらそれを避けるように見る。
平佐和は容赦なく太腿に充てる。
「ああーー」
まだスイッチは入ってない。それでも笛木祐子元巡査部長は恐怖に怯えて悲鳴を漏らす。
平佐和はスイッチを入れてもう一度太腿に充てる。
「ああーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー」
笛木祐子元巡査部長の躰は三角木馬の上で縄に吊る下がってくねる。股間部は嫌でも擦れる。
「ああーーーーーーーーーー。いーーたいーーーーーーーーーーーーー」
スタンガンの痛みに加えてその痛みの余韻の中で股間の痛みが襲う。
「うぐうーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーー。はああーーー。はあ。はあ。はあ」
一発でも三角木馬の上でスタンガンは効く様である。三角木馬はAVで使っているような頂点が三センチ位平らになったものではない。
木馬部分の高さが短く下がアームなので太腿で掴んで股間の負担を和らげることも出来ない。
村上祐樹幹事長はさらに大きな充電クリップで三角木馬の金属部分を掴む。
笛木祐子元巡査部長の乗った前と後ろ二箇所に付ける。
四本一気にスイッチが入る。
「がああーーーーーーーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーー」
笛木祐子元巡査部長の躰は縄にぶら下がり木馬の上で細かく震撼する。
「がああーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
大口を開け横に反らせた顔を究極に軋ませ悲鳴を上げ続ける。
やがて白目を?き口を開いたまま縄にぶら下がって失神する。
村上祐樹幹事長はやっと電源を切る。
緊縛師らは笛木祐子元巡査部長の躰を支えながら天井からの縄を徐々に緩め三角木馬をゆっくり下げる。
笛木祐子元巡査部長は躰を床に降ろされて意識を取り戻す。
「ああーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーん。ああああーーーああーーーーーーー」
笛木祐子元巡査部長は痛みに猛然と悶える。
緊縛師が高手小手に縛った縄を解く。手が動かせるようになると縄を振り解き股間を押えて悶える。
そこはべっとり血に濡れている。
笛木祐子元巡査部長は蟻を洗い落とした浴槽に飛び込む。痛みに顔を俯け手で股間を押さえたまま涙を流す。
看護婦が呼ばれ痛み止めを打つ。局部を消毒するように勧めるが笛木祐子元巡査部長は動かない。
吉岡理穂らは滞在のホテルで再び会合を開いた。M国新日本空輸ホテル渡辺則継元警視の滞在するデラックスツインである。
本日はルームサービスと買い出しして来た生ビールで食事を兼ねている。
プロジェクターには娼国の二つの島と周りの海図が吉岡理穂のパソコンから映し出されている。
「潜航艇は私の方で手配します。小型の潜水艦では航続距離と酸素が持ちません」
細野剛志元二等海佐はM国にその充てがある。
「近くに母船が待機してもですか」
吉岡理穂は母船で近くまで来て、母船から潜水艦を出して海中の洞窟の手前まで行く目算であった。
「それは危険です。母船で近付いても直ぐに離れないと危険です」
「はい」
吉岡理穂も一度自分がやっているがその危険は否定出来ない。
「娼国は大型空母二隻を保有しています。艦載機を出されたら海上にいる母船では逃げられないです」
「そうですね」
吉岡理穂も認める。
娼国の空母や主な艦船はR国の軍港に停泊している。
細野剛志元二等海佐の作戦は母船でT国側に回りこむ。其処から娼国の横を過ぎて潜航艇を下ろして母船はM国沿岸まで逃れる計画である。
「問題は娼国の南の島に入る潜水艦の大きさです」
「潜航艇で桟橋まで行こうと言うのですか」
「それ以外に方法はありません。潜水服で進入しても隠し場所や、六名を救出してもその潜水服まで要ります」
「そうですが警備員の話ではR国で小型潜水艦を借りて桟橋に入った日本人が何度か掴まっているそうです」
「桟橋に停泊しないで通信機だけ桟橋に隠して一度潜航艇は外に出て待機します。六名を確保したらもう一度進入すればどうでしょう」
「通信機で海中の潜航艇には」
「水中通話機もあります。ですが桟橋に隠した通信機から有線で繋げば問題ありません」
「そうですか」
海自出身の細野剛志元二等海佐の言い分である。吉岡理穂もそれに従う。
「いつ決行します」
「潜水艇が手配出来次第でどうでしょう」
渡辺則継元警視の問いに細野剛志元二等海佐がきっぱり提案する。
段取りは決まってその日は解散した。
笛木祐子元巡査部長は医師の手当てを受けて南の島にヘリで搬送された。
手当ては受けたものの鉄格子の中でベッドに横たわって動かない。
小倉紘子元警部が話し掛けても返答がないので心配そうに見守るだけになる。自分も恐ろしい拷問を受けたばかりである。
七名で繋がっていた鉄格子は元の仕切りに戻されて四名だけになっていた。
出水茉里元巡査部長と田中道子、竹内優子はあれっきり何処に行ったかは判らない。
このところ警察員か警備員しか来ない。質問をすることも出来ない。
隣の区画に新しい収監者が入った様子だが誰だか皆目判らない。
小倉紘子元警部はスタンガンの痛みの恐怖がまだ去らない。あの苦しい吊るしの状態でスタンガンを充てられ蝋燭の炎で焼かれた。
笛木祐子元巡査部長はいったい何をされたのか。小倉紘子元警部は恐怖に震えるばかりである。
細野剛志元二等海佐は母船と潜水艇をレンタルした。三日後に決行となった。
有栖川章仁主任検事も休暇を取って駆けつけた。
娼国の南の島に何人居るかは判らない。そこまでの情報収集は危険である。
笛木祐子元巡査部長のみ鉄格子から出され北側の島の病院に移された。医師の指示である。
病室の入口には警察員が配置されている。
42階だが建物の屋上と一応窓の真下にも警察員が待機している。
笛木祐子元巡査部長は三角木馬で斬れた痕が悪化した。
六人は鉄格子の中である。
吉岡理穂らは母船の中で潜水艇の操縦訓練と進入経路の検討を行った。
有栖川章仁主任検事と元国民党衆議院議員山室紅葉は母船に残る。
潜航艇には竹田玲奈が残り海中の洞窟の入口で待機する。
乗れるのは無理をしても十二名が限界である。
救出に一人は女性が居るべきと吉岡理穂を含めて四名で突入することと決まった。
R国西方沿岸からD川はD市まで繋がっている。
この川は途中地図に無い国境を通過する。R国を政権、経済の上から南と北に分割している。
南も北も五十の市から成る。その代表百人が国会議員であり市長である。首相は村上俊夫。村上ファミリーの三男だが娼国と北側湯野中資本の傀儡である。
長男は娼国副主席村上稔。次男は日本の国会議員であり民事党幹事長を勤める。平佐和周一郎副総裁の率いる平佐和派である。
D川は南と北の境界を過ぎた辺りで地中の川と分離する。そのまま上流へD市を過ぎてR国奥地で中国国境に面するゲリラゾーンに繋がる。
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