鬼三のSM小説
女衒の國

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

女躰拷問挽歌滾る

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 麻薬は其処からボートで運ばれ途中で小型潜水艦に渡される。さらにD川の地中の川に入って大型潜水艦に引き渡す。
 大型潜水艦は南側の領域だが湯野中資本の大工場の地下に基地が在る。潜水艦は大方其処から出撃する。
 そして日本、亜細亜に麻薬を輸出して工作員を輸送する。
 D川にはD市で一本の支流が合流する。その市流を進むとT市に入り湖水に辿り着く。其処は日本人居住区である。
 湖水の奥にL字に建つ大型ホテルがある。
 最上階の大広間の一角に設けられた宴会場で北側湯野中らと南側真紀子、そして平佐和、葛城義和が加わって宴席を兼ねた会議が行われていた。
 娼国と湯野中資本は日本及び亜細亜、中でもベトナム、タイ、マレーシア、バングラデシュにニューシティを進出させている。
 それは大きくその国の経済を支配しているに近い情況である。そして政治、警察にも大きく裏金で介入している。
 平佐和は娼国と湯野中資本を日本に浸透させる受け入れ口と成る国会議員である。仁川時代からその役割を果たして巨額の資金を得ている。
 葛城義和は物流をコントロールして娼国と湯野中及びR国に収益を回収するシステムとしてサプライチェーンマネジメントを構築した。
 そして少し前まで日本の総理を勤め日本経済を改善して再び経済大国に伸し上げた。
 本日の会議は進出先の分担を決める目的である。だが、どっちがその地域を取るかではない。応分の進出を娼国が湯野中に約束させる会議である。
 真紀子はリストを湯野中に突きつける。
 「どうせ指宿は見ているんだろ」
 湯野中はNO2の指宿にリストを渡す。
 「元より葛城先生が作成されました」
 「ならば後は指宿がやる。いったい俺はいつ楽が出来る」
 湯野中は半分不満半分納得である。
 「早く後継者を立てられては」
 真紀子はからかい半分である。
 「後継者は指宿だ。心配要らん」
 「あら。お子さん達はどうされるのですか」
 「そういう衰退を招く事はしたくない。指宿に任せてそれぞれポジションに付けるだけだ」
 「ふふ」
 真紀子も納得した笑いを浮かべる。少しあからさまかもしれない。
 「分かっていて言うな」
 湯野中は相変わらず真紀子に噛み付く。
 「葛城先生。ここのところ順調ですかね」
 「そうです。フェミニストとリベラルが面倒な動きをしなければ」
 「本当に経済の足を引っ張る奴らだ」
 「もう一つ湯野中総統には日本へマスコミの進出をやっていただかないと」
 「何故だ。旭放送とその関連が押えているだろ」
 湯野中資本は本来、忍び草の様に裏社会とアングラマネーに進出して巨額の利益を上げて来た。表からの進出は得意ではない。
 「指宿さんと相談しましょう」
 「先生がそう仰るなら。指宿と話し合って下さい」
 湯野中はその問題が煩わしい。それでも葛城義和の言い分が分からない訳でもない。
 「それは早急に検討されるべきです」
 平佐和も同じ意見である。
 「ところでフェミニストグループの残党はもう居ないのでしょうな」
 「親父。そんなに甘くはない」
 指宿は警戒を怠ってない。
 「滝澤沙緒里が申しますには。米倉礼子の直近の部下で一人行動を表さないのが居るのではないかと」
 「何故。連れて来ない」
 「そう仰いましても。本人も此処には来たくないでしょう」
 葛城義和はこのホテルは以前滝澤沙緒里と内山莉緒警部補が捕らえられていた場所と知っている。
 「そうだったな」
 湯野中も以前の逃走劇を思い出し苦笑する。
 (女衒の國 その七 続女躰崩壊 参照)
 「日本の従来のテレビ局は女子アナが一時のように容姿端麗でなくなっています。それを若さと容姿端麗で露出度を上げただけで視聴率が大幅アップです」
 葛城義和は若い女性の露出を餌に視聴率を稼いでこっち側の世論で情勢を変えたい。それは徐々にではあるが確実に進行している。
 「確かにテレビ関東など地上波で経済関連の報道内容は群を抜いているが女子アナは三戦級だよ」
 「三十年前くらいから女性も年配が長く残っています」
 「そうやテレビ関東のゴールデンなど花が終わったおばさんがメインキャスターだよ。男は年配が立って女は若いのが良い」
 平佐和もR国の中だけと本音を丸出しである。
 「その通りですな」
 湯野中も和み顔になる。
 「葛城先生が国営放送を完全民放化されて不人気度が露見しました。受信料でもっていましたが視聴率は良くありませんでした」
 指宿も葛城義和の経済政策は高く評価している。
 
 吉岡理穂らは翌日未明に行動を開始した。母船でM国の港を出港してT国沿岸に向かう。
 突入は午後を狙っている。警備員の集中力が緩慢になる時間帯である。
 貨物船やタンカーの航路を通っているがR国沿岸を抜けるまでは公海ではない。娼国の軍艦が巡回航行している。
 T国沿岸まで来て朝食の準備に掛かる。
 「いよいよ決行ですな」
 「私は八年調査を重ねて待ちました。何としてもあの国を今の国際社会のレベルに改革して売春を無くしたいです」
 渡辺則継元警視の言葉に吉岡理穂は長年の思いと強い決心を語る。
 
 その頃、娼国では滝澤沙緒里の証言を得て吉岡理穂の動きを調査し始めていた。津島CIC長官から日本の工作員に指令が出された。
 数時間の内にM国に入国して滞在と確認された。
 「同じ時期にM国に入国している日本人を当ってくれ」
 津島は用心深い。
 そしてM国に工作員が導入された。
 「R国、娼国には入っていません。またそれらしい日本人の動きも確認されません」
 鄭淑徳少将の報告である。
 M国に最近入った日本人のリストが作成され葛城義和に送られた。
 葛城義和はそれを滝澤沙緒里に照会する。
 滝澤沙緒里が渡辺則継元警視を発見したのは午後一時を回っていた。T市で無理心中に偽装されて処刑された古舘明の盟友であると報告された。
 そして吉岡理穂と同じ新日本空輸ホテルに滞在まで突き止められた。
 新日本空輸ホテルの滞在者から吉岡理穂に関連しそうな人物がノミネートされた。そこで有栖川章仁主任検事の存在に辿り着いた。
 元国民党衆議院議員山室紅葉、竹田玲奈、滑谷大師元警視も存在が浮かんだ。
 津島は既に何らかの動きが始まっていると報告した。吉岡理穂はこれまで何回かM国に渡航している。渡辺則継元警視らは今回が始めてである。
 娼国ではもうじき動くと判断がなされた。
 
 吉岡理穂らの乗った母船は12時45分に娼館島の南の島の近海を通過した。
 南の島を二キロ通過したところで潜航艇を下ろす。
 吉岡理穂、竹田玲奈、渡辺則継元警視、滑谷大師元警視、細野剛志元二等海佐の五人が乗船する。
 細野剛志元二等海佐が横でサポートしながら一人潜航艇に残る予定の竹田玲奈が操縦する。
 海中は透明度が高い。直ぐに海中にある島の洞窟が確認出来る。
 洞窟内は探照灯を照らして10ノットの微速で進む。直ぐに壁に阻まれる。
 「この上です」
 吉岡理穂は前回此処まで入った事で判っている。
 「そうですね」
 上から明かりが差し込んでいるので細野剛志元二等海佐も納得する。
 機関を止めてメインタンクブローで静かに上昇する。
 竹田玲奈を除いてハッチに構える。竹田玲奈は潜望鏡を伸ばして桟橋内の無人を確認する。
 静かに浮上してハッチから出ると四名は一気に出口に向かう。
 これまでの教訓から監視カメラは既に設置されている。だが警備員が常に見ている訳ではない。
 一気に走り抜ければ見つからない可能性が高いとR国の弁護士が警備員から確認している。
 まず警備員室に向かう。通風孔から催涙ガスを流す。警備室と隣の食堂のみである。
 元より警備員は収監されている女性に同情気味である。
 滝澤沙緒里らが最初に収監された時には下着だけであった。警備員らが食事を運ぶのみ困ると嘆願したのでバスロープが配られた。
 それは情報を提供した警備員だけではない。催涙ガスに非常通知等しないで簡単に眠ってしまった。
 吉岡理穂と渡辺則継元警視が警備室の鍵を探す。その間に滑谷大師元警視と細野剛志元二等海佐が通路を進んで収監されている六名を探す。
 スマホは通じないと思い無線機を用意したがスマホは通じる。
 「発見した。六号に二人、七号に三人」
 吉岡理穂らは直ぐその鍵を探す。
 倒れている警備員が腰の鍵を差し出し保管されているケースを指差す。
 吉岡理穂はそれをリングから抜き取りケースを開けて床に投げる。
 六号、七号とも四本確保して通路を走る。
 滑谷大師元警視と細野剛志元二等海佐が予め用意して背中のリックに入れて来たTシャツと短パンを配る。
 吉岡理穂が六号の二部屋を渡辺則継元警視が七号の三部屋を空ける。
 「一人足りない」
 渡辺則継元警視が情報に一人足りないと指摘する。
 「笛木祐子は隣の島の病院です」
 小倉紘子元警部が答える。
 そこまでと諦めるしかない。
 細野剛志元二等海佐が先頭で通路を突っ切る。
 だが津島も警戒を怠っていなかった。警備室に北側から確認の連絡を入れていた。応答がないのでヘリで向かっていた。
 ヘリは細野剛志元二等海佐が先導してくる正面に着陸した。
 「俺が引き付ける。俺に構わず出発しろ。敵を交わして桟橋に入れたら連絡する。母船に着くまでに連絡がなかったらそのまま行け」
 そう言って細野剛志元二等海佐は通路を逆に走る。
 吉岡理穂は他を先導して警備室の裏口から出て木立に隠れてトーチカのような海中桟橋の入口に駆け込む。
 津島らは通路を走る細野剛志元二等海佐を追う。
 津島は警備室を確認する。津島は状況から桟橋に向かう。誰も居ないが薄く水中の潜航艇の影を確認する。
 津島は直ぐに海上警備を手配する。
 細野剛志元二等海佐は外を回って木立に隠れて桟橋に近付く。そこで潜航艇の存在に気付かれた事を悟る。
 「完全に気付かれた通信を切れ。全速で逃げてくれ」
 細野剛志元二等海佐は自らを棄てて逃げるよう指示をする。
 「判りました」
 吉岡理穂もこの事態を想定していた。
 とにかく国際世論を味方にこの国にもう一度乗り込むしかない。
 「申し訳ありませんが細野さんの仰る通りにしましょう」
 吉岡理穂は沈痛な表情でそう言う。
 「この五名を日本に連れて帰れば総てが明るみに成る。それしかない」
 渡辺則継元警視もその判断を支持する。
 潜航艇は全速で母船に向かう。
 既に娼国の保有する空母二隻からヘリと索敵機が発艦していた。R国の軍港から駆逐艦、イージス艦が出港する。
 津島らは桟橋に近付いた細野剛志元二等海佐を捕らえる。そして北の島に戻り小型潜水艦で追尾する。
 
 母船の上ではヘリの接近に気付いていた。
 「ヘリが近付いている。この船に気付いているぞ」
 有栖川章仁主任検事はヘリが近付いて来て潜航艇を収容出来ないと慌てている。だが、潜航艇は潜望鏡深度でその情況を確認している。
 「母船の周りをヘリが旋回している。艇を浮上接舷するのは無理だ」
 滑谷大師元警視は情況を周りに報告する。
 「近くに無人島があります。其処まで潜航したまま行きましょう」
 吉岡理穂は事前に逃げ場所を模索していた。
 潜航艇は母船から離れて震度を下げる。
 「真っ直ぐ何も無かった様に進行しましょう。潜航艇は離れて行きます」
 山室紅葉はソナーで確認している。
 母船は予定通り進路を変えないで航行する。
 
 「小型の潜水艦が発見した船に近付くのを警戒しろ」
 津島はヘリ及び索敵機、水上艦に檄を飛ばす。
 「船は一定の進路を航行しているように思われます。潜水艦の航跡は現在確認できません」
 ヘリはまだ潜航艇の動きは捉えていない。
 津島は駆逐艦二隻でその船を拿捕する様に指令する。
 有栖川章仁主任検事と山室紅葉は慄きながら高速で近付く駆逐艦に成す術もない。停戦指令に従うしかない。
 「大阪地検特捜部有栖川章仁主任検事、元国民党衆議院議員山室紅葉だな」
 乗り込んで来た駆逐艦の乗員はそう確認する。
 「何だ行き成り」
 「この船には潜航艇が積まれていましたね。貴方々が吉岡理穂とM国新日本空輸ホテルに滞在していたのは確認済みです」
 「それがどうした」
 「それ以上説明の必要はありません」
 駆逐艦の乗員らは二名を確保して駆逐艦に移す。
 そのまま両名は水槽に閉じ込められ水温を下げて殺された。
 母船は駆逐艦が曳航して近くの環礁に座礁させる。遺体は座礁した浸水の中に投げられた。
 それ以外のヘリと索敵機、水上艦及び津島の乗った小型潜水艦は南の島に侵入した潜航艇の索敵を続けた。
 「そんなに航続距離はない。着底したか近くの島だ」
 津島は海域を絞る。
 
 潜航艇は無人島の珊瑚礁の中に出来た入り江に浮上する。
 「以前に此処にバッテリーと燃料を隠しました」
 吉岡理穂は前の調査の時隠したバッテリーと燃料をそのまま残していた。
 バッテリーも燃料も流されず其処に残っていた。
 補給して直ぐに潜航する。
 「液体燃料は使っていません。バッテリーはまだありますが次の島までは持ちません。途中で交換して次の島で浮上します」
 「そこでジーゼルエンジンを動かしてバッテリーに充電する」
 渡辺則継元警視も吉岡理穂の計画が理解出来る。
 「そうです。そしてこの無人島まで行きます」
 吉岡理穂は海図で説明する。
 「二人少ないが、予定通りならこの燃料を積んだらバラストの海水を調整しても速度が」
 「その場合は途中で浮上してバッテリーを棄てるしか有りません」
 吉岡理穂も事態がどうなるか予測出来る範囲で準備をした。それが偶然繋がったのである。
 
 その頃、事態を確認した北側NO2の指宿も潜水艦数席で追尾を始めていた。
 「このエリア内は津島が索敵する。我々は此処から出た場合だ」
 「小型潜水艦にそんな航続距離が有りますか」
 艦長は無駄と言いたい。
 「無駄でも良い。万一網を超えた場合だ。どこかの珊瑚礁に燃料を隠す事も考えられる」
 「判りました」
 艦長も指宿に従う。
 北側の索敵ヘリもTS市の基地から指宿の乗艦する潜水艦隊を追って来た。
 指宿は索敵範囲を指令する。あくまでM国に向かう航路の島だけである。
 
 潜航艇はシュノーケルの吸気弁を海上に出して潜望鏡深度で次の島まで航行を続けた。
 浮上したまま航行は危険なので入り江の奥にある岩陰に停泊して充電する。この島には上陸出来る場所はない。
 燃料とかを隠す場所もない。
 充電の間だけ交代でセイルに上がって外の空気を吸う。
 吉岡理穂らは航行中小倉紘子元警部らが娼国、R国で受けた仕打ちを確認した。それは吉岡理穂の想像を遥かに超えていた。
 四十に成るベテラン女性警察官が恐怖に怯えた体験を語る。尋常な事ではない。吉岡理穂らは青ざめた表情で聞いている。
 
 津島の連絡で急遽真紀子らは警察員及び緊縛師数名と捕らえた細野剛志元二等海佐の尋問に掛かっていた。
 警察員らは真紀子の要求で病院から笛木祐子元巡査部長を連行した。
 「いい。貴方がしゃべらないとこの女を拷問するのよ」
 真紀子は容赦しないと強い口調である。
 「・・・・・・・」
 細野剛志元二等海佐は拳を握り締めて感極まっている。
 直ぐに三角木馬が運び込まれ電流責めの準備がされた。
 「あの潜航艇は何処で手配したの」
 「俺がM国の海洋調査会社から借りた」
 「その様ね。母船は拿捕しました。船の持ち主と所属は確認できています」
 「ああ」
 細野剛志元二等海佐は絶望のため息を漏らす。
 「二人は死んだわ。問題は潜航艇の行方よ。海軍が総力で探しています。何処に隠れたの」
 「母船に戻らなければそんなに航続距離はない」
 細野剛志元二等海佐にも行方は判らない。既に絶望か島に漂着してもやがて見つかる。他の船に拾われることを期待するしかない。
 「M国に逃れる事は想定が着きます。ホテルはチェックアウトしています。何処に行く予定なの」
 真紀子はそっちを知らないとは言わせない構えである。
 「笛木さん。済まない。俺と一緒に死んでくれ」
 細野剛志元二等海佐は床に頭をこすり付けて笛木祐子元巡査部長に詫びる。残されたばかりに自分らの作戦で非道な目に遭わせてしまった。
 「いいです。細野さん。みんなが戻れたら総てが明るみに成ります」
 笛木祐子元巡査部長は覚悟が決まっている。
 「甘いよ。あんたは殺してもこの女は拷問して苦しめ続けるだけよ」
 真紀子は自信満々構えている。
 緊縛師らは笛木祐子元巡査部長を全裸にして高手小手に縛り上げる。
 細野剛志元二等海佐はそれを見ない様に目を宙に反らす。
 笛木祐子元巡査部長はまた三角木馬に乗せられて尖った金属の上で股間を斬られる。そのあとの苦しみも判っている。
 さすがに躰は恐怖に震えている。
 緊縛師らは笛木祐子元巡査部長に高さを下げた三角木馬を跨がせる。脚は完全に震え鳥肌が確認される。
 緊縛師は笛木祐子元巡査部長の躰を押えて三角木馬の先端を小陰唇で咥えさせる。
 緊縛師は高手小手に縛った背中の縄を掴む。それに天井から下がった滑車から伸びた縄に付けたフックを引っ掛ける。
 一人がハンドルを回して二人が太腿を押える。一人が滑車のロープを引き上げる。
 他の警察員らがトランスにクリップを繋いで電流責めの準備をする。
 恐ろしい事が始まるのは細野剛志元二等海佐にも判る。笛木祐子元巡査部長の全裸の上半身を見ないように上昇する木馬を追っている。
 笛木祐子元巡査部長の顔は既に痛みに軋んでいる。
 「良く見ろこの先の尖った金属に電流を流す」
 警察員は細野剛志元二等海佐の首を掴んで立たせる。強引に笛木祐子元巡査部長の女の部分が金属の先端を咥えているのを見せる。
 警察員は三角木馬の金属の両端部分に充電クリップを接続する。
 細野剛志元二等海佐は警察員の手を振り払って暴れる。
 警察員は三人で格闘の上押える。緊縛師が縄を掛ける。
 警察員は細野剛志元二等海佐の背中に足を掛けてその体を前に突き出す。そして拷問を無理やり見させる。
 緊縛師がトランスのスイッチを入れる。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は小刻みに震撼し顔は究極に軋む。大口を破裂させ悲鳴を轟かせる。
 「潜航艇は何処に行ったの。M国に入って何処に向かうの」
 細野剛志元二等海佐は床を叩いて何も言わない。
 「日本大使館なら既に手は打ってあるわ」
 真紀子は態とハッタリの様に言う。
 それでも細野剛志元二等海佐の表情は絶望に眩む。
 真紀子は平佐和がやったようにスタンガンを笛木祐子元巡査部長の乳房に充てる。緊縛師もまたスイッチを入れる。
 「ああーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は三角木馬の頂点に全部の体重が掛かっている。その躰は三角木馬の頂点を女の部分で擦る様に揺れ動く。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーー」
 やがて白目を?いて三角木馬の上で縄に吊る下がる。
 細野剛志元二等海佐は強烈な拷問に腰を抜かしかけている。
 緊縛師の手でハンドルを回し二人が支えて滑車のフックを緩めながら三角木馬を下げる。笛木祐子元巡査部長の躰は床に降ろされ寝かされた。
 股間部分は血に塗れていた。
 緊縛師はそれを細野剛志元二等海佐に強引に見せる。
 「ああーーーーーー」
 細野剛志元二等海佐は直ぐ目を瞑り堪えられない叫びを漏らす。
 
 津島は万一を考慮してM国の総ての港に工作員を展開させていた。津島にも指宿にも必ず確保出来る自信はある。
 
 潜航艇は次の島に向かって深度を下げて航行していた。
 「途中シュノーケルを出して来ましたが、もうじきボンベは限界です」
 操縦している竹田玲奈が報告する。
 「次の無人島に交換のボンベとバッテリー、燃料を隠しています。これでM国まで航行可能です」
 次の島には上陸が出来る。吉岡理穂も敵は此処までは捜索範囲を広げないと見ていた。
 「クルーザーも用意しています。冷凍ですが食料とビールサーバーもあります。充電の間にクルーザーの中で食事を摂りましょう」
 吉岡理穂は収監されていた女性らをもてなす事も考えていた。母船に戻れたらもっと早く食事を提供できる予定であった。
 最悪の逃亡コースを考えて準備した内容がいま役に立っている。
 五人の中では一番前から収監されていた岡村一美からこれまでのことが語られた。
 岡村一美は新井絵里がT市に内山莉緒警部補や木村史乃警部補と一緒に居ることは知らなかった。
 五名から娼国、R国で受けた恐ろしい拷問が次々に語られた。
 島の影に潜水艦を隠してクルーザーの中で焼肉を焼いてビールで乾杯する。飲みながら五人からこれまでの情況を確認する。
 話題が滝澤沙緒里、市江廣子に至ると岡村一美からは完全に向こう側に成ったのではないかと見解が出された。
 「確かに得ている資産が大き過ぎる」
 「弁護士の見解も同じです」
 「そう成ると吉岡さんの情報も滝沢沙緒里さんから流れていますね」
 岡村一美は出水茉里元巡査部長が捕らえられた時、鉄格子の外に立つ滝澤沙緒里から受けた印象を受け継いでいる。
 「確かに売春まで提供する日本人向けホテルの経営まで行っているようです。でも葛城元総理がお金を預かって内山さん達に届けている情報もあります」
 吉岡理穂はまだ滝澤沙緒里を信じたい意向である。
 「アルコールは久しぶりでしょう」
 「そうでもないです。食事の希望とアルコールも提供されました」
 竹田玲奈の言葉に小倉紘子元警部が答える。
 「鉄格子の中にバスタブとトイレも有ったね」
 渡辺則継元警視は鉄格子の中を確認して驚いた。
 「テレビも日本の放送を見せてくれます。国営放送が民法に成ってテレビ太陽が旭放送に変わって驚きました」
 岡村一美らはその放送内容を見て絶望に暮れていた。民事党が四百議席を超えた事が最大の絶望であった。
 「潜航艇の充電が終わったら二手に分かれるか」
 渡辺則継元警視はクルーザーと潜航艇に分かれてM国に入るべきと考えている。リスクの分散である。
 「そうです」
 吉岡理穂もその予定でいた。
 「駆け込む大使館もM国とその奥のS国に分散した方がよい」
 「そうですね」
 滑谷大師元警視も賛成する。
 渡辺則継元警視、竹田玲奈、小倉紘子元警部、岡村一美、小林由美子が潜航艇でS国日本大使館に向かう。
 滑谷大師元警視、吉岡理穂、滝本美緒里巡査部長、辻沙緒里巡査長はクルーザーでM国日本大使館に向かうと決まった。
 充電が終わって十九時を回って出発となった。
 収監されていた五名は抱き合って一時の別れを噛み締める。或いは永遠の別れに成るかもしれない。
 小倉紘子元警部には病院に残してきた笛木祐子元巡査部長のことが気がかりである。
 
 細野剛志元二等海佐は縛られ床に蹲ったまま恐ろしい事態を噛み締めていた。


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