【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第二十八幕
撮り鉄女性の惨劇
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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八月二十日。稚内署である。
捜査本部は稚内署に置かれた。名寄署と合同捜査である。
稚内署の捜査主任河村隆警部補は二つが同一の事件と判断していた。名寄署の捜査官も同じ考えであった。
しかし小倉紘子警部の判断でこれは別の事件と断定する。
河村隆警部補は定年退職間際の五十五歳。だが経験、知識、洞察力と総てを小倉紘子警部が勝っていた。河村隆警部補は議論では勝てない。
河村隆警部補は女で年下の上官が気に食わない。それが捜査をさらに混乱させた。
稚内署の河村隆警部補と名寄署の大村英明警部補は連続拉致強姦事件の犯人との見解から埼玉県警と合同捜査を提案した。
道警から一応埼玉県警に確認が行われる。
だが埼玉県警の専従捜査班は連続拉致強姦事件の犯人の手口を真似た四国の例と同じではないかと否定してきた。
そして捜査資料だけ提供されたのである。
小倉紘子警部に異論はない。
道警全体で捜査員を動員して高司奈々枝の捜索が行われた。
判ったことは名寄駅の駐車場に八月十五日から十八日までキャンピングカーが止まっていたという目撃情報だけである。
防犯カメラはなくナンバー等の情報はない。
海岸線でドラム缶の焚き火が見つかったが人が焼かれた形跡はないとの報告であった。
八月二十一日。
大河内税理士と杉下一行は本格的に風俗専用で会員制の民泊経営を始めた。その物件確保に乗り出す。
賃貸物件丸ごとは居住者が居て大河内税理士の目論み通りには行かない。
物件ごとに中古マンションを購入して改装が一番早い。
如月鬼堂も新しいプレイルーム確保に会員の中に居た不動産業者を使って既に動いていた。
確かにプレイルームの需要は急増していたのである。
南七香は新たに追加営業開始された如月鬼堂のプレイルームに呼ばれた。
さいたま市大宮区。東口の繁華街から少し進んで大栄橋を渡る。
ソープランドが密集する北銀座を避けて一本奥の交差点を渡った一角に十五階建てのマンションがある。
その中に三部屋確保されていた。
南七香を指名したのは殺害された胡浜次郎の友人で斉藤康肩と言う。
そして愛好会のSMショーで胡浜次郎と一緒に牧野茉莉亜に金柑を塗って禁じ手にされた時の相方である。
南七香はその時を知らない。
斉藤康肩は冗談半分だが胡浜次郎の報復の建前で南七香にお仕置きに来た。
南七香は真性奴隷女の館の決まり通りの挨拶をする。
床に正座して両手を前に着く。
源氏名でやや省略した挨拶を形だけ言う。
斉藤康肩はその頭を踏んづける。
「プレイだよ。文句は言わないよね」
斉藤康肩の言い方は胡浜次郎に比べたら柔らかい。それでも南七香は嫌な相手と思った。
男の手で全裸にされる。シャワーは使わせてもらえない。
「あのお。一日出かけていましたのでかなり汚れています」
「それが良い。胡浜もそうしなかったか」
「えーーーーーーー」
南七香はその名前を聞いて思わず驚きの言葉を発してしまう。
「殺した男の名前を聞くと驚愕するか」
斉藤康肩は笑顔を交えて冗談と取れる言い方である。
「ちがうーーーーーーー。私は最後にプレイルームで送っただけです」
南七香は反射的に興奮した口調で言い返す。
胡浜次郎の殺害犯は捕まっていない。
「まあまあ。お遊びだから。今日は復讐と言う名目で」
斉藤康肩は哂っている。
「ちょっと」
南七香は真顔で反論姿勢である。
「貴女を虐めたいだけですよ」
やんわり冗談ながらでも南七香は恐怖を覚えた。
斉藤康肩は南七香を拷問椅子に乗せる。
南七香の腕を拷問椅子の背に廻して縛る。さらに胸部を乳房の上下で椅子の背に縛り付けた。
拷問椅子の脚乗せに膝を縛り付ける。
「胡浜は貴女を虐められるのはコロナ過の今だけと積極的でしたね。まだまだクラブのお仕事お続けになりますか」
斉藤康肩やんわり確認した。
「お店を護るのにやるしかないのです」
「まだまだ愉しめますか」
「・・・」
南七香は答えようがない。斉藤康肩に恐ろしさをひしひしと感じていた。
斉藤康肩は南七香の躰を拷問椅子に縛り終わると行き成り擽り始める。
「あはあ。あはあはあはーーーーー。あははああーーーーーー。あはあはあはあーーーーーーーーーー」
南七香は笑い声と悲鳴の混じった嬌声を上げ続けた。
腋の下から腰に掛けて擽り脚の裏に移る。
「あーーあはあはあーーーーー。だめーーーーーー。だめーーーーーー。ああーーーーーー。あはあはあはあーーーーーーーーー。あはあはあーーーーー」
南七香は堪らず暴れた。拷問椅子は強く軋む。
「あーーーーーん。あはあん。あはあはああーーーーーん。だめーーー。あはあーーーー。あはあはあーーーん」
それでも斉藤康肩は二十分くらい擽り続けた。
南七香は遂に失神してしまう。
擽りで失神はかなりハードである。
斉藤康肩はピンチを取り出す。
失神している南七香の躰中に鋏み付ける。禁則的な付け方ではない。
「あーーーーーーー。い、い、たあいーーーーーーーー」
南七香は痛みに意識を取り戻した。
それでも容赦なく南七香の美しい太腿、内腿にも鋏み付ける。
最後は糸の付いた物を大陰唇に鋏み付け太腿を拷問椅子に縛った縄に糸を結び付ける。
左右同じように付けてピンチで強く女の部分を広げた。
「ねえ。いつもより痛いのだけど」
南七香は既にピンチで鋏まれる痛さの違いを強く感じている。
「鬼堂先生がクリップを許可しないから胡浜がバネを太くした特注を手配していたのだよ。奴の遺作だ」
斉藤康肩はあっさり仕組みを言ってしまう。
「そんなーーーーーーー。それじゃーーーーーー」
南七香は抗議する。
「ピンチはピンチ。バネの強度の規定はございません」
「え、えーーーーーーー」
斉藤康肩はピンチで広げた膣口にクスコを挿入する。ロングスプーンで膣の奥からどろりとして半クリーム状になった膣液を掬い出した。
それを掬って試験管に流し込む。
「貴女の膣液です。持って帰ってコレクションにします」
斉藤康肩はそう言って試験管にゴム栓で蓋をする。
「やめてーーーーーーー。そこまでしなくても」
南七香は泣き声混じりで抗議する。
南七香はそれが斉藤康肩の手元に残されるのが嫌である。だが抗議しても無駄であることも分かっている。
斉藤康肩は電動歯ブラシの形で先端に小さな卵バイブがL字に付いた小道具を取り出す。
愛好会のショーで使っていたアイテムである。そして杉下一行のアダルトショップが製造元となる。
斉藤康肩は膣に挿入したクスコの向きを横向きにした。膣天井部を露出させる為である。
南七香は恐々とする。これで敏感な部分を責められる。さらに濡れてしまうことは避けられない。
斉藤康肩はアームの先端の小さな卵バイブをクスコの奥に指し込む。そして一番敏感な部分に卵バイブの先端を当てる。
「あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
南七香は堪えられず声を上げる。
全身をピンチに鋏まれて痛みが襲っていた。痛みの中で南七香の意識は官能の方に逃げてしまう。
「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーー」
南七香の濡れは架橋になってゆく。頭を後ろに倒して藻掻きながら眉間の皺を強く歪め続けた。
「あーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあん。あはあん。あはあ。はあ。はあ。はあ」
斉藤康肩は一度ローターを敏感な部分から離す。
だが時間を見てもう一度責めに入る。
「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーー」
南七香は頭を後ろに反らせ眉間の皺をさらに強く刻む。
斉藤康肩は南七香の逝き顔らしきを三回確認してローターを取り出して中の濡れを試験管に採取する。
それを南七香の目の前に翳す。
「いやあーーーーーーーーーー。いや。いやあはあーーーーーーーーーん」
南七香は若い乙女のように拒絶の悲鳴を上げる。
そろそろピンチを鋏んで一時間が過ぎていた。三時間のプレイである。歩けなくなるまでやってはよろしくない。
斉藤康肩は鞭を持つ。先端が長さ五センチで七ミリ角のゴムのチップになった一本鞭である。
それで南七香の躰に鋏んだピンチを叩き落す。
まず太腿から掃う。
「うごーーーーーーーーー」
南七香は磔にされたまま動けない躰に鋏まれたピンチを叩き落とされる。堪らない痛みに強烈な悲鳴を上げた。
次は左の乳房のピンチを鞭の先端でゴルフのボールを叩くように数本一気に撥ねる。
「うう、うう、うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
南七香の顔から涙が溢れる。
斉藤康肩は乳首を鋏んでいた一個を強く飛ばす。
「ぐうーーーーーーーーーーーーーー」
だが飛ばない。ピンチの咥えが浅くなった。
もう一発叩く。
「ふうわあ、あーーーーーーーーーーーーー。ふがあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
強烈に甲高い悲鳴になった。痛みの効果が斉藤康肩の加虐心を揺さぶる。高い興奮度に包まれた満足の瞬間である。
強いバネで鋏んだピンチが硬いゴムで叩かれる。尋常な痛みではない。南七香の顔は汗を噴き涙はさらに溢れた。
斉藤康肩は続けざまに掃うように叩く。乳房でなくても相当に痛い。
「ううおおーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーー」
南七香は強烈な悲鳴を上げ喚き続ける。
それでも数分でピンチは南七香の躰から全部飛んでしまう。
「あはあーー。ああ。あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
南七香の躰はぶるぶる震え荒い息遣いを続けた。表情は苦痛と恐怖に凍り付いている。
鋏まれていた痕はくっきり強く残っていた。斉藤康肩はそれを満足そうに点検する。
僅かに皮膚が剥けて薄っすら血が滲んでいる部分もある。
壮絶なプレイであった。
これで終わりではない。
斉藤康肩は最後に残酷な刑を予定していた。SM愛好会のショーで禁じ手になったプレイである。
斉藤康肩は金柑を擂った汁を瓶に入れてきていた。それを両手に流す。
南七香の乳房から太腿まで両手で一気に塗る。
「うう。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー」
南七香の躰は堪えられず拷問椅子を強く揺すって暴れる。そして失禁した。
「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
南七香は叫び暴れ続けた。
それでも沁みる痛みは長くは続かない。
斉藤康肩は南七香の失禁に満足した。南七香の苦しみが収まりかかったところで拷問椅子の戒めを解く。
南七香は拷問椅子から降ろされたところで床に蹲って泣き続けた。
「シャワーを使って休んで帰れ」
斉藤康肩は終了を告げる。
南七香は拷問椅子に手を着いて立ち上がる。そのまま壁に手を着きながら浴室に入った。
斉藤康肩はそのままプレイルームを出る。
南七香には久々に辛いプレイ日であった。
八月二十二日。
如月鬼堂は昼近くに越後湯沢に帰り着く。
本多椿が東京から同行していた。
次の放送の打ち合わせを兼ねている。そして特集を組んだ素人モデルの件で出版社が苦情を言ってきた。
今後の進行に館山弁護士と打ち合わせをする予定である。
駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
「北海道警から刑事さんが二人来られています」
「俺に疑いが掛かっているのか」
如月鬼堂はもろに嫌な顔をしてしまう。
「ううん。それは十六日も十七日も来客で証人が居ますと言ったよ。でもそんな話じゃないのだって」
瀬里菜はあっけらかんとしている。
「そうだよな。館山先生は」
「三十分後だよ」
「次の電車か」
「そうだよ」
待っていたのは小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長である。如月鬼堂の表情はますます険しくなった。
「いったい私に何のお疑いですか」
如月鬼堂は露骨に不快感を表している。
「いいえ違います。北海道警捜査一課の小倉と申します」
「同じく笛木です」
小倉紘子警部が名刺を差し出す。仕方なしに如月鬼堂も二人の刑事と名刺を交換した。
「動画は見られましたか」
「一応。業界に影響があることですから確認はしました」
「渤海と名寄の事件ですが連続拉致強姦事件の犯人と思われますか」
笛木祐子巡査部長が質問に入る。
「違うでしょう」
如月鬼堂は当然の如く答えた。
「その違うと思われる点を解析していただきたいのですが」
笛木祐子巡査部長が一気に突っ込む。
「まず目的意識が違う」
「どっちの事件とですか」
「三つとも違うでしょう。渤海の三人はこの女性に怒りを持ってこの女性を狙っての犯行でしょう。責め方に陰湿な怒りが篭っています」
「連続拉致強姦事件の犯人は」
「確かに陰湿です。そして似たような怒りは篭っていますが、特定の個人は関係ないです。容姿が良くて気丈に見えれば誰でも良かったのです」
「まあ。連続ですからね」
「現代社会に対する怒りと遊びだ」
「それで名寄の事件は」
「これは恨みではないでしょう。それなりにメニューをこなしていますがこの女性を社会から抹消したかったのでしょう」
「何の為に」
「たとえば離婚したい夫とか。逆に離婚させたい誰か。有名人なら社会的に抹消して蹴落とすとかだ」
「しかしご主人は酷い取り乱し状態で。とにかく妻が帰って来ればという状況です。年が二十以上離れています。若い妻なのです」
「逆にこの女性を離婚させて自分のものにしようとした男性か。ただ犯行は二人以上。三人なら納得が行く」
「どうしてですか」
「カメラは動きから撮影に専念している。重要なところを適切な角度から撮影しいる。そして拷問も画像に映っている男一人では手際が良すぎる」
「名寄と渤海は同じ三人ではないと」
「ない。縛り方が抜本的に違う」
「連続拉致強姦事件の犯人とも違いますか」
「連続拉致強姦事件の犯人はこの縛り方をしてない。あっちは床に磔がメインだ」
「そうですね」
笛木祐子巡査部長も連続拉致強姦事件の動画を思い出して納得する。
「抜海駅の三人の動画は女性の胸部を高手小手に縛っている。背中で手首を合わせて縄を掛けて胸部に縦横に掛けて背中で合わせた手首で縛る」
「それじゃこれは一本の縄ですか」
「そうだ。逆に名寄の犯人はお尻の後ろで手首だけ縛って胸部だけ別の縄で縛っている」
「渤海の犯人三人はこの女性に怒りを持って襲ったのですか」
「被害者江頭愛さんの投稿動画を全部見ましたか」
「と仰いますと秘境駅のリクエストのことですか」
「それ以前の本人が投稿した動画だよ」
「それが何か」
「被害者は鉄道を旅行した動画を投稿していろんな意見を述べている。その中で昭和の親父批判を何度も行っている」
「昭和の親父。所轄の河村と大村もそうね」
ここで小倉紘子警部が一言ぼやく。
「実は捜査本部で稚内と名寄の捜査主任と我々県警本部の意見が対立しまして鬼堂先生が同じ見解を示すならその方針に従うと言うのです」
「その二人の見解は」
「連続拉致強姦事件の犯人が三人ずつ別れて二つの事件を決行したと主張しています」
「何故私の見解なのだ」
如月鬼堂は警戒心を露にしている。
「あの二人はインターネットアダルト放送の鬼堂先生の番組を見ていてSMが分かる先生の見解と言うことです」
「警察官があの番組を」
如月鬼堂はやれやれと言う顔である。
「二人は連続拉致強姦事件の犯人だから埼玉県警と合同捜査にすべきと主張しました。でも埼玉県警の専従捜査班は四国と同じ模倣犯との見解でした」
「合同捜査になれば私達より上の者が指揮を執ると考えていたのでしょうけど」
小倉紘子警部が笛木祐子巡査部長の説明に付け加えた。
如月鬼堂には二人の所轄署の主任らの意識が理解できる。
「被害者の撮り鉄女性の発言に怒ってと言うことですね。被害者の江頭愛さんも犯人がそんな言い分を唱えていたと言っていました」
「この犯人も最低一人以上は撮り鉄だよ」
「・・・・・」
撮り鉄に二人は思い当たる容疑者があるらしい。顔を見合わせた。
「発言に怒ってでしたら抜海駅の犯人三人は二度と同じ犯行はしないと思われますか」
「その前に逮捕してよ!!模倣犯は馬鹿なことをしてもみな捕まるときっちり証明して貰わないと」
如月鬼堂は怒り困り果てているのである。態度に怒りを強く表していた。
「はい。申し訳ございません」
小倉紘子警部が一応詫びる。
「離婚したい夫と言うお話でしたが、でもこの映像の人物ご主人とは体形が違います」
笛木祐子巡査部長は質問を名寄の事件に移す。
「本人はやらないだろ。SMマニアを雇ったかもしれん。助手が夫で撮影しているのは愛人とか。どうも女性が撮影しているように思える」
如月鬼堂は当てずっぽうを言っているようで根拠はある。
「どういうところからそう思われますか」
笛木祐子巡査部長には如月鬼堂が確信を持って言うのが何故か分からない。
「男が見たいものを撮ったのか。女性が恥ずかしいと思うところに焦点を当てたのかの違いだ」
「はい」
笛木祐子巡査部長も男性の見たい視点までは考えてなかった。
「椿。君はどう思う」
如月鬼堂は本多椿の意見を聞く。
「私も女だと思います」
「こっちの被害者見つかった」
「いいえ。行方不明のままです」
「この人。殺されているね」
「どうしてですか」
「瀬里菜。悪いがゴミ箱の中に捨てた二つ目の動画。最後の方復元してくれないか」
「うん」
瀬里菜はパソコンを操作してスクリーンに動画を映してカーソルを最後の部分に移動する。
「この終わりの部分だ。この動き。中でスキンが破れたのじゃないかな。そうなると処分するしかない。この男のDNAから足がつく」
「でも遺体からでもDNAは」
「四国で犯人は捜査にたどり着いた女性警察官を焼こうとしたね。あれを見習ったのでは」
「あーーーーーーーー。ドラム缶」
笛木祐子巡査部長が核心に至ったように小さく叫ぶ。
小倉紘子警部が直ぐに名寄署の大村英明警部補に連絡を取る。
「あそこは充分に調べましたよ」
大村英明警部補も直ぐには従わない。
小倉紘子警部は如月鬼堂の見解を説明する。
「直ぐに手配します」
大村英明警部補は納得して捜査に掛かった。
珠洲が駅に迎えに行っていた館山弁護士が到着する。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は館山弁護士の名前を聞いてそそくさと引き上げた。
海水で洗ったドラム缶。さらにサンポールで洗っている。そして次に薪を燃やしていたのである。
だが海岸の砂から僅かに奈々枝のDNAを検出した。
取り壊すホテルは既に解体業者が解体作業を完了している。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は此処が犯行現場と断定した。
取り壊し日の前夜に犯行を行ったのである。
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