【SadoのSM小説】
最期のSM小説家
第二十五幕
究極の闇風俗
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
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増田枝理奈はそれを美味そうに飲む。
通信販売のオーナー胡浜次郎はもう一杯注いでやる。
渇きはアルコールでは本来癒されないが当面の渇きには飲みたくなる。
胡浜次郎は電流責めの準備をしていた。
増田枝理奈は用意されているクリップに慄いている。
そのプレイ内容の恐ろしさをを複数の女性から幾種類かのパターンで聞いていた。
胡浜次郎は増田枝理奈の躰に巻いたタオルを取る。そのまま腋に下から手を入れて持上げて柱に立たせた。
手始めにビンタする。
「ぐうーー」
増田枝理奈は辛い表情で胡浜次郎を見た。
数発叩く。
「うおー。ぐおー。ぐおー。おーー。ううーー」
直ぐに増田枝理奈の目から涙が溢れる。胡浜次郎にとって増田枝理奈は屈辱が強い顔叩きで泣かせて溜飲が下がる女である。
手首を縛って天井のフックから吊るす。
今度は踵が着く段階で止めた。
胡浜次郎はクリップと細い銅線を手にする。大庭信一朗とまったく同じやり方である。
大庭信一朗に教えたのは寧ろ胡浜次郎であった。
さすがにピンチの代わりにクリップを使うので先端が十五ミリの小さいものにしている。
それでも鋏まれただけでピンチより数段痛い。
二系統で乳房の上部から乳首、乳房の下部、五センチ置きに臍の両側を下がってきて剃毛したドテで二系統が近くに寄る。
脚を開かせて女の部分のびらびらを片側だけで三個鋏む。痛みに増田枝理奈は泣き悲鳴を上げた。
胡浜次郎はまったく動じない。
太腿も膝まで鋏む。
二系統鋏み終わるとクリップの三角に折られた鉄板に凧糸を巻いてクリップ同士を繋いでゆく。
一気に引っ張り飛ばす究極の拷問の準備である。
増田枝理奈はこのプレイの恐ろしさを今とまったく同じパターンで受けた市川沙也香から聞かされている。
市川沙也香はその恐ろしさに涙を溢して話していた。
銅線はトランスに繋ぐ。
鋏まれているだけで相当に痛い。それに電流が流れるのである。
増田枝理奈は表情を引き攣らせていた。
「いくぞ」
胡浜次郎はスイッチに手を掛ける。
「あーーああ」
増田枝理奈は恐怖に震えた。
胡浜次郎はまず右側だけ流す。
「あーーーーーーーーあはあはーーーーーーーーーああはあーーーーーーーーーーーああーーーーーーーああーーーーーーーーああーーーーーーーーー」
増田枝理奈は躰を小刻みに震撼させ顔を振って悲鳴を上げた。
「あ、ああーーーーーーーーーーああーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーあーーーーーーーー」
全身に力が入ってその躰が強く振るえている。
胡浜次郎は適度にスイッチを切って左右交互に電流を流した。
五回目に両方一気に流す。
「あーーーーーがあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーー」
増田枝理奈の躰の小刻みな震えがさらに強くなる。次の瞬間失禁してしまう。
「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
胡浜次郎は直ぐに電流を止める。そして増田枝理奈の震えながら止まらない失禁尿を眺めて満足に浸った。
モップを三本くらい持って来て畳に溜った濡れを拭き取る。
次はこのプレイのクライマックスである。クリップを繋いだ凧糸を引っ張って驚愕の悲鳴を愉しみたい。
胡浜次郎は一瞬二時間待って如月鬼堂のやり方で繋いだクリップを飛ばしたらどんな状況になるかと考えた。
だが考え直す。そこでどうにもならなくなって医者の処置になったら今夜はクリトリスを焼けない。
それでは一千三百万を普通のハードでくれてやることになってしまう。
胡浜次郎は二系統の凧糸を上と下の先端を四つ纏めて掴む。
「行くよ」
胡浜次郎の表情は残酷さの極地が滲み出ている。
「あーーーーーーーーー」
増田枝理奈は恐怖に縮み上がった悲鳴を漏らす。
胡浜次郎は体重を掛けて一気に引っ張る。
「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
増田枝理奈は狂ったように喚き散らす。
胡浜次郎が手首の縄を外すとそのまま畳に倒れこむ。
「あはあーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
増田枝理奈は畳に倒れたまま荒い息遣いが止まらず痛みに藻掻く。壮絶な苦しみようである。
増田枝理奈は藻掻きながらまた僅かに失禁した。
さらにあまりの痛みに緊張感の麻痺した躰から制御できずにガスも漏らしてしまう。
「三十路女がちびっておならもサービスか」
胡浜次郎は待っていたとばかり詰って愉しむ。
この程度プロのSM嬢なら殆ど反応はない。それなりに言葉を返してきて終わってしまう。
増田枝理奈にはあってはならない恥のどん底である。
「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。こんなひどいことしてーーーー。ああん」
ヒステリックに泣き叫ぶ。増田枝理奈の躰はクリップに抓まれた無残な痕だらけである。
その一部は皮膚が剥けて僅かに血が滲んでいる。
増田枝理奈は躰を伏せたまま暫く泣き続けた。
胡浜次郎は伏せている増田枝理奈の躰を仰向けに反す。
「え、えーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーー」
増田枝理奈は堪えられずヒステリックに訴える。
「お前の蚯蚓腫れとクリップの痕に蝋燭を落とすのだよ」
胡浜次郎は舌なめずりする表情である。
「え、えーーーーーーー。すこしまってーーーーーーーーーーー」
増田枝理奈はさらにヒステリックになり悲鳴のように訴える。
「今やらなければ効果が薄い。こんなので音を上げるな。ここまでじゃ樽常のクラブじゃ七十五万だ」
「あ、ああーーーーー」
増田枝理奈は何度も女将から説明された。高田麻友からも聞いている。樽常マネージャーから言い渡された通りである。
一千二百万強の責めがこの先待っている。ここまででも一千二百万で安い気がしてしまう。だが他に払ってくれる者も居ない。
融資も限界まで借りている。ここで事業を繋げなければ破産しかない。銀行だけなら破産で済む。
だが既に増田枝理奈の状況はそうではない。
一部の街金には既に破産宣告をしても返済すると別途覚書に記載されていた。
事業を繋げなければ風俗で働いて借金を返すことになる。破産してもう一度立ち上がるのは非常に難しいと思う。
いま耐えなければならない。
何としてもバックに入った一千三百万は持ち帰る。
国と東京都から理不尽な緊急事態宣言と蔓延防止で追い詰められた金を此処で作るしかないのである。
胡浜次郎は蝋燭の芯の周りが溶けるのを待っていた。
竿を持って来る。
増田枝理奈の腕を左右に広げる。持って来た竿を首の下に通して手首と二の腕を竿に縛った。
さらに膝と脚首を揃えてそれぞれ縄で縛り合わせる。
これで増田枝理奈は躰のフロント面を逃がすことができない。蝋涙に躰を晒すことになる。
胡浜次郎は三本立てて点火した蝋燭の一本を手に取った。蝋涙は芯の回りに溶けている。
それを太腿のクリップに鋏まれていた痕を辿るように流す。
「あーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーー」
増田枝理奈は目をきつく瞑って顔を軋ませ頭を後ろに反らし大口を破裂させて甲高い悲鳴を上げる。
胡浜次郎は容赦なくクリップの痕を手繰って流してゆく。
「う、ううーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー」
増田枝理奈はどこまでも甲高い悲鳴を上げながら反射的に動く限り逃れようと躰を捩り左に右に傾ける。
「あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあはあーーーーーーーーーーーーー」
増田枝理奈は悲鳴を上げながらどこまでも躰を縛られたまま動く限り暴れさせた。
縛り合わされた膝を折って伸ばして脚首を右に左に動かし藻掻く。
「あーーーーーーーーーーはあん。あーーーーーーーーーはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
胡浜次郎は増田枝理奈の悲鳴を聞けば聞くほど残酷さに滾る。
乳房を何本も鞭で横に薙いで蚯蚓腫れが無残に紅くなった辺りを狙う。芯の周りに溶けて溜った一本分の蝋涙を流す。
乳房にべちゃり溶けた蝋涙が被る。
「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ、あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
増田枝理奈は表情を破裂させてさらに強烈に甲高い悲鳴を迸らせた。
「あーーーーーーーあはん。あはん。あはん」
増田枝理奈はさらに涙を溢れさせている。
胡浜次郎は増田枝理奈の悲鳴に満足して蝋燭を消す。
そのまま増田枝理奈の縛りを解かないで背中と膝の裏で持上げて風呂場のタイルの上に運ぶ。
「口を開け」
胡浜次郎は開口器を持っている。
増田枝理奈はそれが口のに入れば何をされるかもう分かっていた。高田麻友や南七香から聞いている。
胡浜次郎はどうしてもこれをやらないと満足しない。
増田枝理奈は躊躇いながら緩く口を開く。
胡浜次郎は顎を押えて開口器を一気に押し込む。螺子を回して口を大きく広げる。
胡浜次郎は立って増田枝理奈の腕を縛った竹竿を足で踏んでペニスを社会の窓から出す。
顔を狙う。
「う、ううーー」
増田枝理奈は目をきつく瞑って顔を躱しながら追うように掛かってくる臭い小水に堪える。
胡浜次郎は増田枝理奈の顔を小水で洗って口に強い勢いで注ぎ込む。
ゴボーーーーー。ゴボーーーーーーー。グボーーーーーーーー。
小水は増田枝理奈の口から溢れて流れ出る。
グオホーーーーーーーーーーーーーーーーーン。
開口器は口から外れて落ちた。
グオーーーーーーーーーーーーーン。
増田枝理奈は堪えられず縛り合わされた膝を蹴り上げる。
竿を踏んでいた胡浜次郎の足の押さえが外れた。
増田枝理奈は一気に上体を起こす。堪える限界を超えてどうにもならない口の尿を強く吐き出した。
グオフォオーーーーーーーン。グホン。グホン。
強烈に咳き込む。
「三十分やる洗って来い」
片手だけ戒めを解いてやる。
胡浜次郎もここは諦め気味である。本来押え付けて飲ませたいがどうやら無理であった。
部屋に戻って料理を抓んで飲み始める。
最初から増田枝理奈が抵抗するので胡浜次郎は虐め心を滾らせてしまう。躰に永久的な損傷なしで高い金を得ようとしていた。
うまくやればと言う気持ちが働いていたに違いない。
胡浜次郎は飲みながら最後の処刑についてやり方を検討する。何としても心と躰に生涯レベルの傷を残したい。
今日は十字の焼き鏝を使う。これを二本用意している。クリトリスのみ半田鏝を使う。
焼き鏝を強化してきて良かったと納得する。
増田枝理奈は風呂場のタイルの上で苦戦して全部の縄を解いた。
何回も口を濯ぐ。何処までも不快感が去らない。湯に入って中で蝋涙を落としながら躰の痛みを癒す。
これから躰を焼かれる。増田枝理奈は全身がそわそわと恐怖に包まれて落ち着かない。
館山弁護士の連絡で大河内税理士と杉下一行は深夜三名でテレビ会議を続けていた。
「どうでも胡浜に辞めて貰わないと」
大河内税理士は当惑している。
「やめてもな」
杉下一行はやめても居たと言う事実が既に問題と思う。
「除名か」
「そうだが。胡浜にどう穏便に除名を呑ませてこの先こっちに関わらせないかだ」
「だが仕事の取引が残らないか」
「除名にさえしておけば後は問題ないのじゃないか」
「それしかないな。取引や樽常のクラブはそのままか」
「そうだ。問題はどうやって説得するかだ」
「三人で行こう」
「そうだな」
とにかく明日説得に向かうことで三名は一致した。
胡浜次郎は風呂から出て来た増田枝理奈をもう一度縛る。手首を縛り合わせて柱に埋め込んだフックに引っ掛けて引っ張った。
膝と脚首を縛って反対側の柱に引っ張る。
増田枝理奈の躰は畳に仰向けに縦一文字に固定された。
既に焼き鏝二本と半田鏝は熱くなっている。
医者は次の間に待機していた。麻酔の準備もできている。
胡浜次郎は先端が十文字の焼き鏝二本を持つ。
増田枝理奈の右脚の太腿を踏んづける。二本の焼き鏝で左脚の太腿とドテを一気に焼く。
「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
増田枝理奈は般若の形相を破裂させて悲鳴を上げる。
胡浜次郎は続いて額を踏み付けて顔が動くのを押えて頬と左の乳房を一気に焼く。
「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
一箇所ずつじっくり焼きたいがもたもたすると途中で続行不可能になる。
最後に泣き喚く増田枝理奈のクリトリスを剥いて半田鏝の先で焼く。
「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
増田枝理奈は痛みに躰を揺すって藻掻き続ける。
胡浜次郎はその号泣状態を至福に浸る間もなく医者を呼ぶ。医者は麻酔を掛けて応急処置をする。
増田枝理奈をストレチャーに乗せて運び出す。用意した移動用の車両にストレチャーごと乗せる。
胡浜次郎は費用を女将に伝えてくれたら女の名前で振り込む約束をする。
「今回はかなり高くなりますよ」
処置範囲が多いのである。
胡浜次郎はそれを承諾した。
六月二十日。
埼玉県鶴ヶ島市。胡浜次郎の自宅。家族は居ない。豪邸に一人暮らしである。
館山弁護士らはようやく約束を取り付けて大河内税理士と杉下一行の三名で来訪した。
「確かに闇風俗で遊んだ。二人の女を躰に傷を付けて治療費と整形手術費を払った」
胡浜次郎は三名からの連絡にそれほど悪びれてない。
「これが表になって警察権が発令した場合どうなると思う」
大河内税理士が咎める。
「俺は違法じゃないよ。逮捕もされないよ。合意だからね。傷害罪にはならない」
「愛好会の会員がやってはね」
「そんな大きな話になるか。例え報道されても僅かでそれ以上一般人の客までマスコミが調べるかな」
胡浜次郎は客が逮捕される話ではないと言う。マスコミも客まで調べるほど大きな事件にはならないと言いたい。
「確かに多くの客が来るわけではない。休業中の旅館で広告も出してない。僅かな口コミだけだ」
「そうだろ」
「問題は貴方をあの旅館に誰が紹介した」
悠々としている胡浜次郎に館山弁護士が核心を突こうとする。
「一月以上前だな。俺が会に紹介した田中仁だ。あいつが紹介した会員が俺にあの川口の旅館の女将を紹介したのだ」
「大庭信一朗だな」
大河内税理士が断定してしまう。
「そうだよ。それが」
胡浜次郎はまだそれがどうしたと言う態度である。
「確信はないのだがな。問題はその大庭信一朗だが。私は連続拉致強姦傷害事件のグループの一人ではないかと疑っている」
「ほう」
胡浜次郎は館山弁護士の言葉に怪訝な表情になる。
「万一。そうだった場合で。彼らが逮捕されたらこの件も表になる」
大河内税理士がさらに突っ込む。
「警察の捜査より煩い週刊誌やマスコミが調べるな」
胡浜次郎もそれなりに事態を悟る。
「高田麻友という女がその前に同じ旅館で四人とプレイしている」
「南とか言う女社長と集団訴訟に出た一人か」
「そうだ。その時の四人の一人が医者だった」
「うーーん。可能性がないとは言えないがな」
「そうでなくても闇風俗で躰を焼く。大金払っても報道に乗ったら終わりだよ。貴方の事業もやばいよ」
杉下一行がさらに追い詰めた。
「止めたくはないがな。俺が自分から会を辞めれば問題ないか」
「除名を飲んでもらうしかない」
大河内税理士が宣告する。
「いいよ。今更あの旅館の遊びを止めても同じだろ」
「そうだ」
「杉下。そっちとの取引はどうなる」
「それは問題ない」
「樽常のクラブは」
「それは樽常マネージャー次第だ」
「判った。それに従うよ」
胡浜次郎は引き下がった。
翌日。六月二十一日。越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
館山弁護士、大河内税理士、杉下一行が報告した。
「除名を呑んだのだな」
如月鬼堂の苦い表情は変わらない。
「そうです」
「それでも連続拉致強姦傷害事件の六人が永久に逮捕されないことを願うしかないな」
どうやってもリスクを完全に消し去ることは不可能である。
誰が悪い訳ではなく少しずつ何人かがいけない。だがこの六人が川口で遊ばなければ問題はなかったのである。
集団訴訟を起こしている面々の中に川口の旅館で金を作った者も居る。こっちも愛好会の周辺である。
愛好会のショーに出た者と辛うじて重複しない。
「ところで先生。高島波瑠で三会場回りましたが次の候補が現れませんか」
大河内税理士はこっちも気になっている。
「樽常氏次第だな」
如月鬼堂は多少空いても良い考えである。
「来島結奈と椋木美弥あたりをもう一度どうでしょうね」
杉下一行は椋木美弥が気に入っている。
「南七香さん。まだ金が必要なようで」
大河内税理士が切り出す。
館山弁護士も杉下一行も反対はしない。
「三人が賛成なら進めればよい」
如月鬼堂は任せる姿勢である。
六月二十七日。
川口の会長と葬儀会社の社長は生駒に向かう。
横山深雪は六百万では足りなかった。既に千五百万を充てにして来ている。
コロナの移動自粛が終わっても回復は早くて今年の暮れと見なければならないと思う。
何としても老舗旅館を護りたい。
横山深雪は和服姿で待っていた。
仕出し屋から二人分の料理が運ばれ氷の入ったアイスボックスにビールが入れられている。
葬儀会社の社長から女将に二十万が渡された。
「先日はありがとうございました。本日も何卒よろしくお願い申し上げます」
横山深雪は畳に手を着いて挨拶をする。
「どの位必要なのですか。二千万まで用意しました」
川口の会長はテーブルに三百万を置く。もう躰の確認は要らない。充分に隅々まで見ている。
「はい。この間ご提示いただいた二つとも」
横山深雪の声は掠れていた。
「今回。ハードプレイの他に顔に焼き鏝で。この分入れて一千万。もうひとつは次回に残してその時一千五百でどうかな」
川口の会長はこの分に三百万を指す。
「は」
横山深雪はやや戸惑う。
そしてもしかしたら一千万で済むかもしれない。もう一度来てもらえるならさらに加算してもらえる。
「どうかな」
「はい。もう一度来ていただけるのでしたらそれで」
横山深雪はそれが良いと提案を受け入れた。
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