鬼三のSM小説
女衒の國

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

志願した女性自衛官らの悲劇

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 「どういう意味です」
 「君はこれまで男に媚びて生きてきた女ではない。本来は気丈だ。心の底から傷付いているのが分かる。それが陶酔するような満足だよ」
 「・・・・・・・・・・・・」
 田村眞子二等海尉は一瞬返す言葉に詰まる。葛城義和の言葉はこの国を許せないと思ったその数倍の内容である。
 田村眞子二等海尉はどんなに経済が活性化されて良くなっても葛城総理の改革は許せない。綺麗な社会に成りつつあった日本を地に堕としたと思う。
 それでも田村眞子二等海尉はもっと多くの事を葛城義和にしゃべらせないといけないと考えている。
 だが、返ってくる言葉は田村眞子二等海尉の常道を堪えられない程に遠い次元に越えている。
 「次は浣腸だ」
 「・・・」
 田村眞子二等海尉は更なる辱めだが拒否は出来ない。
 何と言う趣味だろうと思う。女が便を垂れ流す姿を鑑賞しようとは。こんな奴が日本を昭和中期に戻したのだ。さらに怒りが込み上げてくる。
 今の自分の役割を自分に言い聞かせ風俗嬢として振舞わねばならない。
 威嚇の目的か葛城義和は直径十センチもある大型の浣腸器を用意する。
 「ああーーーーーーーーーーーー。うううーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たく冷やした浣腸液が直腸から入って来ると田村眞子二等海尉は堪えられず悲鳴を上げる。
 葛城義和は便が見たい訳ではない。田村眞子二等海尉が苦しむ姿と恥に塗れる姿をとことん追い詰めるのが目的である。
 そして葛城義和は注入が終わるとアナル栓を差し込む。
 「ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 既に腹の痛みは架橋に来ている。
 葛城義和は大きなバットを拷問椅子の前に置く。
 この美しい女の姿を汚せる悦びにやや葛城義和自身が加虐心を滾らせている。悦びより今この女の正体を突き止めるべきと自分に言い聞かせる。
 田村眞子二等海尉にも葛城義和が唯の助平親父とは思えない。油断のならない人物と分かっている。
 そしてそれよりも腹の痛みが堪えられない。
 「出したいか」
 葛城義和は残酷かつ冷たく言い放つ。その言葉が田村眞子二等海尉の気丈な神経に突き刺さる。
 「うう」
 苦しくても小さい子供のようにうんこがしたいとは言えない。
 「一言言うんだ。排泄したいと」
 葛城義和の冷酷さが田村眞子二等海尉を追い詰める。
 だがもう腹の痛みはどうにも堪えられない。田村眞子二等海尉は顔を究極に歪め苦しみ続ける。
 「排泄・・さ・せて・ううーー・ううぐうーー・て・・くださいーーー」
 田村眞子二等海尉は羞恥をかなぐり捨て苦しみから恥ずかしい限りの一言を搾り出す。
 だが風俗で働くSM嬢ならうんこともろに言ってしまう。
 葛城義和は拷問椅子の横に立ち斜め後ろから手を伸ばしてアナル栓を抜く。
 緊縛師ならもう少し焦らして虐める。だが葛城義和は先を急いでいる。
 一気に茶色い水が小水の弧を描くようにバットに流れ落ちる。砕けた小さな便の固まりも飛び出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーん」
 田村眞子二等海尉の強烈な悲鳴と共に異常過ぎる悪臭が立ち込める。
 葛城義和は換気扇を作動させる。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 田村眞子二等海尉は遂に泣いてしまう。
 強力な換気扇で臭いは直ぐに弱まる。
 田村眞子二等海尉はお座敷での驚愕のプレイを受けたあと便秘状態であった。溜まった便の臭みは尋常ではない。
 「いやあん。いや。ああーー。ああ」
 田村眞子二等海尉は躰を震えさせ泣き続ける。
 葛城義和は汚れた田村眞子二等海尉の股間部分をガーゼで拭く。そして一回戒めを解く。
 「自分で恥ずかしさを噛み締めて処分しな」
 葛城義和は冷たく言い放ち股間を拭いたガーゼをバットの横に添える。
 田村眞子二等海尉は怒りに震える手を強く握り締め堪え続ける。そして静かに立ち上がりバットとガーゼを掴んでトイレに運ぶ。
 目からぽろぽろ涙を溢している。
 控えの間には津島の部下が待機している。
 田村眞子二等海尉が逆上した場合を警戒している。もしも警察官などなら空手等の有段者の可能性も考えられる。葛城義和の護衛である。
 葛城義和は田村眞子二等海尉が唯の風俗嬢でない感触を完全に掴んでいる。このプレイを囮に連絡のスタッフが接近するのを誘導したい。
 既に田村眞子二等海尉の寮には盗聴設備がある。
 天井裏と床下等に有線で設置されている。電波などは出ない。
 トイレに排便を棄て浴室で躰とバットを洗って田村眞子二等海尉が座敷に戻って来る。
 葛城義和は田村眞子二等海尉を高手小手に縛る。既にブルーシートを敷いた座敷の真ん中に三角木馬を用意している。
 田村眞子二等海尉それを恐怖の表情で見ている。まだまだ残酷な仕打ちを受けることが充分想定出来る。
 葛城義和は三角木馬のハンドルを回して乗座を下げる。
 三角木馬は一メートル四方の鉄板の台座に一メートルのアームが立っている。アームの上に三角の乗座が載っている。
 三角の乗座は底辺の幅二十センチ高さも二十センチ奥行きは一メートル有る。木製だが上部は一センチ程金属で先端は尖って一ミリだけ鑢で丸めてある。
 田村眞子二等海尉にそれを跨がせる。
 乗座を股間の高さにに合わせる。女の部分のびらびらでそれを咥えさせる。
 天井から吊るした滑車のフックを引き下げる。高手小手に縛った背中の部分にそのフックを引っ掛ける。
 滑車を回す縄を引きながら田村眞子二等海尉の躰を天井から真っ直ぐ張りつつ三角木馬のハンドルを回して乗座を上げて行く。
 脚が着かない高さで止める。
 田村眞子二等海尉の三角木馬から垂れ下がった脚首を縛り合わせる。
 完全に股間の粘膜に全体重が掛かる。
 田村眞子二等海尉の表情は既に痛みに引き攣っている。
 葛城義和は電源の準備をする。それまでは三角木馬の上で放置である。
 田村眞子二等海尉はこの状態でもかなり苦しい。太腿で乗座を掴もうとしても効果がない。
 葛城義和は三角木馬の頂点の金属部分に電源から伸ばした端子を接続する。
 「ああ」
 田村眞子二等海尉はそれを見て恐怖に震える。
 葛城義和はトランスを調整して微電流を送る。
 「あうううーーーーーーーーーーーーーー。あうああーーーーーーーーー」
 僅かな電流でも田村眞子二等海尉から悲鳴が上がる。躰は震撼している。
 葛城義和は直ぐに電源を切る。
 「この間スパイ行為で捕まった日本の巡査部長がそこに乗ってこの拷問を受けた。降ろした時その部分は血まみれだったよ」
 「なんですかそれ」
 日本の巡査部長と聞いて田村眞子二等海尉は蒼白な表情である。だが何としてもこれを聞き出したい。
 葛城義和は危険を承知している。田村眞子二等海尉に仲間を呼ばせる目的である。
 風俗嬢の寮から携帯スマホは使えない。使えるのはオフィスに成っている十棟の高層ビルとホテルだけである。
 仕事で携帯スマホは持ち込ませない。
 この国の風俗を暴いても何の問題もない。元総理の風俗スキャンダルと彼女らのスパイ容疑の処遇及びその経緯だけが危険なのである。
 そして残る一人の女工作員の行方とその連絡要員らしき男性四人。あと一人の中心人物が問題なのである。
 「この国のこういった風俗を非難して違法調査に来る輩が居る。それを捕らえたのだ」
 「それでこんな拷問を」
 「そうだ。今の状態で鞭打ちだ。その部分が上でスライドすると斬れてしまう。二週間ぐらい入院した」
 葛城義和は徐々に脅しに入る。田村眞子二等海尉に柿崎一行が壮絶な痛みを教えている。そこをゆっくり責める。
 「えーー。その場合休業補償ですよ」
 田村眞子二等海尉から恐怖の手応えらしきが見える。
 「払えば受けてくれるか。暫く相当に痛いぞ」
 「そんな。だめです」
 「痛みに苦しむ姿を見に行きたいのだが」
 葛城義和はさらに追い込む。
 「そんな。痛み止めが」
 「入院ではなく医師を出張させる。痛み止めは無しだ」
 葛城義和はからかい半分ながら真顔の脅しである。それは気丈かつ訓練を積んだ田村眞子二等海尉を震えさせる。
 「ええーー。だめです。許してください」
 葛城義和は既に鞭を持っている。
 もう一度電流のスイッチを入れる。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉は顔の表情を究極に歪めて股間を少しも動かさないよう堪え続ける。
 田村眞子二等海尉の乳房は三角木馬の上で高手小手に縛られて縄の間にやや突き出されている。
 葛城義和は鞭を振り被ってその乳房を横に二つ一緒に薙ぐ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーー。うううおおーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉の股間は堪えられず三角木馬の金属の頂点で数センチスライドしてしまう。
 「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉は究極に顔を歪めて悲鳴を搾り出す。
 「その表情もなかなかそそるぞ」
 「・・・・・・・・・・」
 田村眞子二等海尉は葛城義和の詰りに言葉も返せない。
 葛城義和はもう一度乳房を二つ横に薙ぐ。
 「うおおーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉は三角木馬の頂点をさらにスライドする。
 「ああはあはあん。ああ。ああ」
 田村眞子二等海尉の表情は究極に引き攣っている。
 葛城義和は天井の滑車の張りを緩めながらハンドルを回して三角木馬を徐々に下げる。
 田村眞子二等海尉は三角木馬が下まで下がると支えている葛城義和の胸に倒れ込む。
 葛城義和は田村眞子二等海尉を畳みに寝かせ女の部分を確認する。
 表面は会陰に赤い筋が付き皮膚がやや?けている。だが粘膜部分は相当に痛みを発していると思われる。
 「相当に痛いか」
 「痛いですううーー」
 田村眞子二等海尉は精一杯女らしく可愛く言った心算である。だが葛城義和には本質の気丈さが見える。
 「一回湯に浸かれ」
 葛城義和は既に浴室に湯を張り溢れさせている。
 「うん」
 田村眞子二等海尉は葛城義和が高手小手の縄を解くと痛そうに歩みを引き攣らせ浴室に向かう。
 鍛えられた自衛官の気丈さはない。
 「少し長めに温めの湯に浸かれ」
 葛城義和はそう浴室に声を掛けて離れた部屋で真紀子に連絡を取る。
 「間違いないと思います。子宮を突いて動けなくします。目立つ様にストレチャーで寮に運んでください」
 「見張っている仲間を呼び寄せるの」
 「そうです。寮から連絡は取れません。必ず近付くと思います」
 「そうね。総て準備は出来ているわ」
 真紀子も田村眞子二等海尉を捕らえる準備を整えている。
 「風俗嬢の寮は携帯が通じませんね」
 「そうよ。貴方の推測の通り誰かが寮を見張っているのよ。それ以外連絡は取れない」
 「中の日本企業に潜入したか、その為の企業を進出させたか」
 「その可能性が高いわね」
 二人の意見は一致した。
 葛城義和は頃合を見て田村眞子二等海尉を浴室から引っ張り出す。拷問椅子に磔る。
 「痛みは治まっただろ」
 「ええ」
 田村眞子二等海尉は暗い表情で答える。
 「傷はたいしたことはない。これから最期の痛みだ」
 「え、えー」
 田村眞子二等海尉は驚愕の表情である。
 葛城義和は容赦なくクスコで膣を広げる。奥に子宮口が真っ赤にその姿を確認出来る。
 「一時強烈に痛い。暫く腰が抜けたようになって動けない。だが身体にそれ以上影響はない」
 葛城義和は尿道に使うブジーを長く改造した物を持っている。それを子宮口に刺し込む。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉は強烈な悲鳴を上げ躰を震撼させる。そのあと拷問椅子にべったり沈んでしまう。
 葛城義和の連絡で白衣姿の警察員が男女二名と真紀子がストレチャーで迎えに来る。
 そのまま目立つように噴水の前を通って寮に運ぶ。
 日本から来ている四人の男性の一人がこれを確認して仲間に知らせる。
 娼国の警察員はこれを確認している。だが核心とは言えない。取りあえず会社名を確認する。
 真紀子らはストレチャーで田村眞子二等海尉を寮の部屋に運び込みベッドに移して帰る。
 あとは誰かが近付くのを待つだけである。
 
 大高貞夫は完全に姿を眩ました。柿崎一行の追跡にも一切引っ掛らない。
 其処は奈良県の奥。天川村を奥に進んだ山間部。限界集落である。四軒の集落だが一軒を除いて人は住んでいなかった。
 その一軒に大高貞夫の定年退職した昔の上司が一人住んでいた。大高貞夫は其処に身を寄せた。
 元上司は柳場徳太郎という。大高貞夫には親戚が使っていた空き家を提供した。その主は高齢になり山を降りて奈良県吉野町に移った。
 幸い電気は来ている。水道はない。山の湧き水が豊富である。
 大高貞夫は水力発電と太陽光パネルを運び込んだ。
 長く篭城する覚悟である。幸い携帯は通じる。パソコンと接続して通信設備を整えた。
 稲村雄二警視長を逃がそうと目論んだが既に見張りが付いていた。既に稲村雄二警視長は覚悟を決めている。
 防衛庁二等海将細野英二も危険が迫る前に呼び寄せた。だが、自分が今行方を眩ますと潜入隊員に逆に危険が及ぶと職務に留まった。
 大高貞夫の意図は娼国、R国の内情とそれに繋がって賄賂に群がる日本の中枢を何としても露見させることである。
 それには潜入した隊員を回収しなければならない。既に真野枝里名警部補と加東彩子巡査部長が捕らえられたことは報告されている。
 コンタクトしていた男性隊員二人は辛うじて逃れた。
 
 真紀子らが寮から出てきたのを確認して田村眞子二等海尉にコンタクトしていた男性隊員が寮に向かった。他の三名はオフィスで待機である。
 西面に窓があるので寮の少し手前まで見える。
 隊員は田村眞子二等海尉の部屋をノックする。
 中から返答はない。
 隊員は入りますと声を掛けてドアを開ける。
 田村眞子二等海尉はベッドに寝たまま動けない。そして隊員に宴会の事。葛城義和元総理との接客内容を説明した。
 
 この間に真紀子と葛城義和は娼国工作員が突き止めた田村眞子二等海尉にコンタクトする隊員の会社三洋白衣を調査した。
 「休眠会社を買ったのね」
 「その様です」
 真紀子が日本で調査会社を営業する工作員に確認した結果と葛城義和が財務省国税庁の参事官に確認した結果は同じであった。
 「此処に乗り込むため名前だけの会社の事務所を進出させたのね」
 「間違いないですね」
 盗聴していて田村眞子二等海尉の報告が終わった時点で鄭淑徳少将の指揮で娼国警察員が乗り込む。
 別の班が事務所に残った三名の隊員を確保する。
 スパイ容疑と言われて抵抗するが問答無用の確保である。
 全員を一気にヘリで南の島へ運ぶ。
 男性隊員四名は並べて磔柱に磔にされた。
 田村眞子二等海尉は全裸にされ拷問椅子に縛り付けられた。
 証拠として田村眞子二等海尉の部屋から男性隊員への報告内容を盗聴した録音を聞かせる。
 「これでお前らが調査に潜入したスパイ行為は歴然だ」
 鄭淑徳少将が宣告する。
 「それに三洋白衣は休眠会社。実体はないわ。これもスパイ行為の明らかな裏付けになるよ」
 真紀子が横から補足する。
 「お前らは全部で十一人だ。この国とR国に四人ずつ入った。これまでに七人捕まった。あと一人だ」
 五人ともこの内訳は承知している。これまでの経過である。
 「日本に三人居る。一人は稲村雄二警視長だ。一人は警察OBの大高貞夫らしい。あと一人はお前の上司だ。名を言え」
 鄭淑徳少将は田村眞子二等海尉に問い質す。
 「・・・・・・・」
 田村眞子二等海尉に動揺が奔るが何も言わない。
 「答えなければそっちの四人を一人ずつ射殺する」
 全員に戦慄が奔る。
 警察員がライフルを構える。一人ずつ順に照準を合わせる。
 「さあ」
 鄭淑徳少将が田村眞子二等海尉を促す。
 「はい・・」
 「いうなあーーーーーーーーーーー」
 一人の隊員が叫ぶ。
 ずうーーーーーーーーーーーーーーん。
 警察員がその隊員を射殺する。
 「ぐうおーーーーーーーーー」
 その隊員は心臓に食らって叫びと共に即死である。
 「次は」
 「細野英二二等海将」
 田村眞子二等海尉は堪えられずしゃべってしまう。
 「お前も自衛隊だな」
 「ああ」
 田村眞子二等海尉は自分の正体が割れてしまって落胆の嘆きを漏らす。
 真紀子と葛城義和は直ぐに自衛隊の隊員名簿を確認に向かう。
 「残った女一人名を言って貰おう」
 鄭淑徳少将がさらに問い詰める。
 「知らないよ。名前は御互いに聞いていません。知っているのは細野海将だけです」
 田村眞子二等海尉は激高したように言葉を吐き出す。
 「そうだったな。そこの三人の本名も知らないのだな」
 「そうです」
 田村眞子二等海尉は叫ぶように返答する。
 次に鄭淑徳少将は出水茉里元巡査部長の書いた現役時代の大高貞夫の似顔絵を見せる。
 「・・・・・」
 田村眞子二等海尉から刹那、僅かに反応が見えた。
 「こいつはいま何処にいる」
 「生駒」
 鄭淑徳少将は知らないことを承知して聞いている。生駒は大高貞夫の別荘である。これで大高貞夫と認めたことに成る。
 「やめろーーーーーーーーー。しゃべるなーーーーーーーーー」
 また一人男性隊員が叫ぶ。
 ズウーーーーーーーーーン。
 瞬時に銃弾が飛ぶ。
 「うおーーーーーーーーーー」
 この隊員も即死である。
 
 真紀子と葛城義和はCIC本部に戻って自衛隊の隊員名簿を確認する。田村眞子二等海尉は直ぐに判明した。
 既に海上自衛隊を退職している。
 他に女性の退職者を絞ると生駒莉奈二等海尉が浮かんだ。
 「平佐和先生に付いていたコンパニオンです」
 葛城義和が直ぐに確認する。
 津島の指示で警察員が確保に向かう。
 
 鄭淑徳少将は生駒莉奈二等海尉の確保を聞いて残った男性隊員二人を射殺した。
 「なんでーーーーーーーー」
 田村眞子二等海尉が抗議の叫びを上げる。
 「男のスパイは死刑。女スパイは加重死刑だ」
 「なによーー。それーーーー」
 田村眞子二等海尉は怒りの抗議である。
 「生駒莉奈二等海尉と一緒にどうなるか録画を見せてやる」
 そのまま田村眞子二等海尉は真野枝里名警部補、加東彩子巡査部長の居る区画に収監された。
 田村眞子二等海尉も二人の顔は覚えている。
 やがて生駒莉奈二等海尉も収監され四人は七号の一角に一人ずつ鉄格子に入れられた。
 建物を貫通している中央の通路の左右に二部屋ずつ。四つの中央に横の通路が壁まで切られている。
 四人の間には二メートルの空間がある。
 真野枝里名警部補、加東彩子巡査部長は既にショーツとバスロープだけの姿である。
 この二人の部屋にはバスとトイレ、テレビも設置されている。
 田村眞子二等海尉と生駒莉奈二等海尉は全裸にされたままである。この二人の部屋にはトイレしか設置されてない。
 警備員が二人の躰に視線を合わせない様にバスロープとショーツ、バスタオル、フェイスタオルを駕籠に入れて搬入する。
 
 再び高層ホテル最上階の座敷天昇の間である。
 主席安形を除いて主な面々が集まった。
 今夜も南の島を見渡せる窓の左側にL字のカウンターを置いて板前の津梨清吉一人が寿司を握る。酒の配膳は女将と古株の仲居だけである。
 「とにかく潜入者は全部捕まった訳だな」
 湯野中が口火を切る。
 「でも大高貞夫はまったく行方不明よ。向こうが得た情報を流すことは手を打てないよ」
 真紀子は一部解決しても事態が悪化したと言いたい。
 「うむ。已むを得なかったな」
 湯野中も渋面である。
 「俺が二日酔いにした女がスパイだったとはな」
 平佐和も苦笑いである。
 「本当にこれで終わったのですかね」
 葛城義和が疑問を呈する。
 「どういう事だね」
 平佐和は懐疑の目で葛城義和を見る。
 「大高貞夫は何故隠れたのでしょう。身の安全だけですか。まだ他に手立てというか、別の部隊が有るのでは」
 「うーーん」
 湯野中はさらに渋面に成る。
 「とにかく先手を打って稲村雄二警視長と細野英二二等海将だ。スパイを放った犯罪者として日本で逮捕して槍玉に挙げるべきだろう」
 平佐和は先手を主張する。
 「いいえ。副総裁それは危険です。別件で裁いて事を大袈裟にしないことです。必ず報復報道もされます」
 葛城義和は慎重である。
 「そうだったな」
 平佐和は意見を引っ込める。
 二人の処分は警察庁と国防省に委ねることになった。
 「もっと国内の捜査を強化すべきね」
 真紀子は寿司に白ワインを飲んでいる。吟醸酒より呑み易いらしい。
 「ただ相手が居場所が皆目判らない」
 湯野中は困った表情でそう言いながらいくらの軍艦巻きに鶉の黄身を落とした寿司を口に運ぶ。
 「大高貞夫を捕らえるのが最善ですが、そっちも行き詰まっています」
 葛城義和は大高貞夫がまだ別の手を打っていると確信している。
 「あの四人を激しく拷問して炙り出そう」
 平佐和の提案である。
 「宴会場に日本企業だけ招待して拷問大会しましょう」
 真紀子も平佐和の意見に賛成する。
 
 鄭淑徳少将は田村眞子二等海尉らを収監している鉄格子の横の通路の壁際にモニターを設置した。
 吉岡理穂らが秘宝館の様な施設で晒し者にされている現状を録画で見せる。
 その間に警備員が警察員の銃に護られながら田村眞子二等海尉と生駒莉奈二等海尉の鉄格子の中にもバスとテレビを設置する。
 「お前らの将来だ」
 鄭淑徳少将は吉岡理穂らの姿を指して宣告する。
 全員諦める覚悟は出来ていながらも死刑より恐ろしい現実に蒼白な表情で声も出ない。
 「此処に居る間だけだ。ゆっくり風呂に浸かって酒でも飲んでいろ」


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