SadoのSM小説
女衒の國 その三

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
SMハードコンパニオン

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 「娼国と何らかの打ち合わせは有るだろうがあの通りじゃないの。本人が麻薬は知らないと言っているのも。スパイ容疑はその通りだが逮捕が不当と食って掛かっているのも」
 太田黒の見解である。
 「それでは救い出せる可能性はないと」
 小林真木は不満顔になる。
 「ないだろう。北朝鮮とアメリカのようなカードの切り方はない。R国から独立したとはいえ娼国はR国を内包する経済力を持っている」
 太田黒は否定的である。
 市江廣子は御天気御姉さんから衆議院選に国民党から立候補して当選した。
 親友沼緒警部の濡れ衣調査と日本に入る麻薬の調査にR国、娼国に入る。
 調査中に捕えられ逃走中の日本のやくざ五木田元から麻薬を購入したとして麻薬取締法違反及び調査目的の聞き込みはスパイ容疑で逮捕されてしまう。
 現在は娼館島の奥で一般出入り禁止になっている島に監禁されている。
 沼緒輪加子は日本には帰れないがそれ以外の自由とお金は得た。AVは爆発的に売れているので三本目の制作に掛かっている。
 「私は正面から会って少しずつ機会を見出して行くべきだと思う。下手なことをすれば市江廣子の二の舞になる」
 太田黒は自分の姿勢を崩さない。
 「では先生は表から仁川主席にお会いになって私共は調査を続けては如何ですか」
 チーフ黒木真人も強行である。
 「それでいいと思います」
 小林真木も賛成する。
 「別行動にするのも良いが私が仁川主席に面会を申し込んだ結果如何でどうかな」
 「判りました。少しだけ待ちましょう」
 チーフ黒木真人も承諾した。
 
 翌日。夕方近くに立壁雅人は真紀子に案内されて娼館島(娼国)に入り一人ホテルにチェックインした。
 R国中央駅から娼国までは高速鉄道で空港に出て接続良く高速船に乗り換える。三十一分で着く。
 娼館島は北側の高速船桟橋からフロント部分は未来都市である。五十階建ての高層ビルが十棟その巨体を連ねている。
 其処を過ぎると昭和初期を思わせる噴水がある。
 その横にホテルは建っていた。こちらも五十階建てだが昭和後期の建造物である。
 立壁は三時に新日本空輸ホテルをチェックアウトする。昨夜は真紀子にとことん精を絞り取られた。
 立壁は最初真紀子を貪るように挑みかかる。
 だが真紀子が徐々に主導権を取った。立壁は三回も抜かれてしまう。
 真紀子にとって満足の行くものではなかったがとことん自分のペースを押し通した。
 二人が起きたのは昼過ぎである。
 高層ビルのフロントを覗くと日本企業のプレートが並んでいる。やはりオーナー経営者が多い。
 中には日本から本社機能を外していないが此処にも本社を置いている企業もある。
 いろいろな方法があるがこれまでの海外子会社とは有り方が違う。
 無修正AVの販売会社もこのところ娼国に本社を置いていた。何処の国にも税金を払わず利益を温存できる。
 真紀子の言う通り此処に本社を置けば日本から非課税で利益を吸い上げるのみである。
 そしてオーナー経営者は遊び放題。妾の作り放題。
 一夫一妻制の呪縛が無い。財産は共有ではなく遺留分もない。総て稼いだオーナー経営者の自由になる。
 
 真紀子は娼国主席の仁川邸に会議に向かう。
 立壁は真紀子の進めで今日は此処で遊ぶことにした。ホテルの部屋からハードコンパニオンも通常のコンパニオンもオーダーできる。
 日本人を指名すると花代は日本より遥かに高い。だが日本ではなかなかできないプレイ内容である。
 日本のSMクラブはソフトかつSMごっこという程度。ハードコースでもたいしたことはできない。
 カタログは客室のテレビモニターからも閲覧できた。コンパニオンの乳首、性器など女の部品は原寸大で見られる。
 立壁は真紀子を虐めたかった。だが此処に来たのが既に今となってはそれも叶わない。
 まだハードコンパニオンになって一月に満たない女性を見つけた。大木有紀二十四歳。瓜実顔で目がくりくりして可愛い。
 それでも理性を感じさせる顔付きが甚振りたくなる。
 真紀子より太腿は肉がある。だが太ってはいない。叩きたい気持をそそらせる太腿である。
 予約を入れて一時間くらい間があったので露天風呂に浸かり一階のラウンジでヘルシーな夕食を摂る。
 部屋に戻ると彼女はロビーに待機していた。頼んだオプションは総て運び込まれている。
 大木有紀はそのオプションを見て慄いていた。
 三角木馬は先端を尖らせている。十数本の蝋燭、注射針、浣腸器、竹刀、竹竿、一本鞭、牛追い鞭、ハードな物意外にもたくさんある。
 朝までのプレイ代は追加オプション込みで既に五十万となった。
 挨拶もそこそこに立壁は有紀にむしゃぶりつく。
 抱き寄せ濃厚にキスをする。
 だがそこから直ぐハードを始めた。
 押し倒してスカートを捲り上げる。脚を持ち上げ四の字固めにしてしまう。
 「ああーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーん」
 絞める。
 「ううあああーーーーーーーーー。ううあああーーーーーーーーー」
 有紀は藻掻く。
 立壁はさらに絞める。
 「ううーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーん。うううーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀は仰向けに頭を仰け反らせ藻掻き続ける。
 立壁はやや緩めてはまた絞める。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーー」
 有紀は畳を叩いて藻掻く。
 一頻り苦しめたらよれよれになった衣服を剥ぐ。
 下着姿で抱き寄せ純白のブラを外す。円形で中心に真紅で小振りな乳輪を付けた乳房が全容を現す。
 ショーツも丸めて下ろしてしまう。ドテには掌に収まる程度の黒い塊がまだ剃られないで残っていた。
 立壁は悦ぶ。一万円追加で剃毛ができる。
 大の字に寝かせ脚を大きく開かせた。
 女の部分は細く縦筋を引いているがあまりビラビラの突起は感じられない。二枚の薄く細い粘膜が閉じている。
 指で広げると中は全面緋色である。
 ビラビラの突起が少ないせいか縁はやや濃く広げた状態でもその部分の形はあまり大きくはない。
 尿道口付近の部分も色は変わらない。
 尿道の亀裂と膣口がくっきり確認できた。
 エアーで膨らませた簡易ベッドに寝かせる。そのまま両手両脚を広げて固定してしまう。
 上から重なり乳房を鷲掴みにして暫く感触を愉しむ。
 さおを挿入してハードプレイの前に雄叫びを静めることにした。有紀を食べてしまいたい衝動が先に立ったのである。
 強姦プレイも基本料金に含まれている。日本のSMクラブのようにSEX禁止ではない。
 男性客十人まで基本料金である。十人で姦しても追加料金はなし。だがSMが目的なのであまり姦されることはない。
 立壁は一方的に有紀を貪るように荒々しく行為を敢行した。乳房も自分が感触を味わうのみ。ただ掴んで揉みしだくだけである。
 有紀の苦しさなど無視して唇を吸い続けた。さおは小振りな有紀の膣に奥深く欲情の限りを擦りつける。そして生で果ててしまった。
 立壁は欲望の膨らむままマニュアルを見たがその中で肝心な注意は読み飛ばしている。
 そんなことは考える由もない。次の欲望の解消に走る。
 膣口に流れ出た情液は軽くティッシュで拭ったが中を洗ってやろうなどという気遣いはまったくない。
 極上に形のよい乳房と調度良い弾力の白い太腿を鞭の痕だらけにしたい衝動が体中を滾らせている。
 一本鞭を構えた。
 有紀は簡易ベッドに固定されたままである。
 一発目を縦斜めに左太腿の一番柔らかい部分に狙いを定めて一本鞭の先端を叩きつける。
 「あはあ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀は固定された脚をくの字に引いて跳ね躰を振るえさせた。
 薄っすらと白い肌に蚯蚓腫れが浮かびそれが紅く浮いてくる。
 立壁は生唾を呑みながら衝動を滾らせてしまう。
 これまで満足の行くプレイをやらせて貰えなかった。女の質もみな有紀より落ちる。
 二発目は右脚の内腿を狙う。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀は左脚の膝を固定された限界まで跳ね上げ背筋を突っ張る。
 可愛いパッチリした大きな目をきつく瞑り眉間に皺を固めて顔を震撼させ悲鳴を轟かせた。
 内腿には蚯蚓腫れが浮き一発目より濃い紅が滲んでくる。
 立壁は角度を変えて簡易ベッドの横に立つ。有紀の顔の横から両方の太腿に掛かるように斜めに叩く。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀は顎を突き出したまま口をロの字に歯を剥き出す。美形は崩れ般若の形相で悲鳴を轟かせる。
 立壁は叩き続けた。
 蚯蚓腫れが随所に浮き出てしまう。
 太腿は蚯蚓腫れに混じって皮膚に紅と青紫が斑に浮く。白い肌に鞭の凄まじさを焼き付けていた。
 立壁は女陰を叩きたい衝動に駆られる。有紀をカタログで見たときから自らの猟奇を抑えられない。
 真紀子が言っていた。五日分の休業補償を貰ったと。既にそれを払う目算になっている。
 此処のシステムで休業補償は女性の取り分のみでよい。
 当面の取り分は十万だが女性がバンスの返済完了時に一回十万に相当する金額を纏めて受け取る。
 日本人のハードコンパニオンの場合は合計一日二十万。五日保障で百万を払うことになってしまう。
 さらにその日のプレイ代は別途である。
 女性は週二日休みなので向こう七日静養できる。
 立壁は女陰に鞭を当てる前に剃毛すべきと考えた。
 「剃っちゃうからね」
 有紀の表情を見る。
 「ああ・・」
 ただ刹那そうな目を返す。
 立壁はシェービングクリームではなくローションを使う。剃って行く時に地肌が見たいのである。
 鋏で少しずつ刈ってゆく。二ミリくらいを残して陰毛の下に肌が透ける状態になる。
 女陰の両脇には既に陰毛はない。自分で手入れしていた。
 T字剃刀で端からじりじり剃って行く。
 有紀は首を擡げて心配そうに神経質な眼差しでドテを見詰めていた。
 立壁は剃っては戻って剃りガーゼで拭って剃り残しを細かく剃る。
 綺麗に拭いてよく見ると割れ目の近くの皮膚が僅かに紅を指していた。
 「さあて綺麗になったところでここも叩くからね」
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀の真紅の顔は脅えきって首を振っている。
 立壁の加逆心は萎えることはない。滾り続けている。
 数発。蚯蚓腫れの太腿を叩いて有紀の悲鳴を堪能した。
 今度は乳房を叩く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。がふぁあーーーーーーーーーん。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 乳房にも真っ赤な筋が入る。口を縦に破裂させた有紀の悲鳴が立壁のさおをさらに熱くしてしまった。
 脚許に回って乳房を縦に鞭の蚯蚓腫れの筋にクロスするように狙う。
 さすがに首筋に入るのを警戒して少し斜めに叩いた。
 「ああがあふぁあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーあーーーーーーーーーーーーーーん」
 有紀が般若の形相で奏でる悲鳴は実に美しい。
 立壁の体中は興奮に沸いて甚振りたい感情は抑える術もなく滾る。
 有紀には此処に来て一番怖い客である。まだ何も判らないが今までのどんなお客より虐め心を強く感じていた。
 立壁は乳房を数回叩いて狙いは女の部分にゆく。
 有紀の顔の左に立って鞭の先端を女の部分めがけて振り下ろす。
 「あぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーん。う、ううーーーーーーーーーーーーーーん」
 繊細な粘膜をもろに直撃である。膝を上下に揺さぶり有紀の顔は苦痛に歪みきっている。
 だが立壁の滾りきった加虐心は一発では収まらない。
 まだ叩く。
 「うぐう・・・・・・ぅぅぅ」
 あまりの痛みに口は縦に開ききっているが声は途切れてしまう。
 それでもクリトリスを狙って叩く。
 「うぐおぉぉーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 有紀の躰は硬直したように固定されたままベッドに浮いて一瞬固まった。
 顔は蒼白なまま般若の形相を固める。
 細い僅かな粘膜に薄く血が滲んでいた。
 立壁の加虐心はこれでは到底済まない。三角木馬が次に待っていた。
 だがその前に立壁は蝋燭数本に点火する。
 今の痛みの上に蝋涙が流されてしまう。熱さが痛みに染み込むことが有紀にも充分想定できた。
 有紀の予想通り立壁は蚯蚓腫れを狙って落とす。
 まずは太腿からである。
 「あーーーーあーーーーーあーーーーーあーーーー。あ、ああーーーーーーーあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーー」
 蝋燭は近い。蚯蚓腫れの線にぴったり沿って蝋涙を掛けてゆく。
 「ああはあーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああはあーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーん」
 有紀には極めて熱い。いつもより熱い気がする。有紀は高さが近いからだと思う。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 悲鳴を上げる有紀の顔には恐怖の表情と般若の形相が交互に浮かんでいる。
 蝋燭は高さではない。持つ角度である。平行に持つか火を斜め上に向ければ熱さは柔らかい。
 逆に火を斜め下に向けると一気に熱くなる。
 立壁はそんなことはまったく知らないが早く落としたい衝動で自ずと斜め下に向く。
 落とす高さは上がったり下がったり定まってはいない。蚯蚓腫れの痕を狙ってこれでもかと有紀の悲鳴を堪能したい一心である。
 有紀は固定された躰を動く限り暴れさせ甲高い悲鳴を迸らせ全身を震撼し続けた。
 有紀の苦痛の表情は立壁の全身をとことん熱くしている。
 つい先程。有紀に情を流し込み抜いたばかりの男性自身は内部で亀頭をぎらぎらさせ怒張したままである。
 掛ける部位が乳房の蚯蚓腫れに移る。
 「ああはああーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん。」
 白い乳房がまたたく間に赤と黒の斑に染まって行く。
 乳首を綺麗に蝋涙で覆うように入念に掛けてしまう。
 「口を開けろ」
 有紀は初めてではない。観念して舌を出す。
 舌と唇に垂らす。
 「ううぐううーー。うぐうーー。ううぐうーーーーーーーーーーー」
 顔にも掛かる。頬や鼻の頭も蝋涙を浴びてしまう。
 日本のSMクラブでは到底できない。
 「最後に大事なところに掛けちゃうよ」
 立壁は意地悪く目を見て言う。
 「ああーーーーーーーーーーーん。あーーーー。いやあーーーーーん」
 有紀は悲痛な顔で喚く。
 立壁はその顔を押えて強引に唇を貪る。
 有紀は後ろに引くように反射的に逃げてしまう。だがそれでも思い直して受け入れた。
 可愛い泣き顔がさらに加虐心をそそらせる。
 立壁は畳に立ててあった蝋燭を持つ。芯の部分に蝋涙が溶けて溜まっていた。有紀にも上目遣いにそれが見えている。
 女の部分を指で広げた。
 「あああーーーーーーーーーーーーーーん。やだあーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 有紀は恐怖の形相である。強烈に喚いた。
 立壁の残忍性は一気に燃える。
 葉っぱの形に開いた緋色の部分に一気に流し込む。
 「あぎゃあーーーーーーーーーーーーー。あぐぁああーーーーーーーーーーーー。あーーーーあーーーーあーーーーあーーーーあーーーー」
 有紀は固定された腰を宙に浮かし力の限り固まる。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。ああーーん」
 最早それは号泣である。
 立壁の加虐心は一気に沸騰した。
 もう一本の蝋燭にも芯の周りに蝋涙が溜まっている。
 乾いた太腿の蝋涙から少しずつ剥がす。
 乳房も剥がす。乳首の形がすっぽり抜ける。
 頃合をみて女陰の蝋涙も剥がした。
 蝋燭を持ってもう一度広げる。
 「あああーーーーーーーーーーん。だあめーーーーーーーーーーーーーえ。だめーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 有紀にお許し下さいなどとプレイの言葉で言っている余裕はない。断末魔の悲鳴である。
 それでも立壁はいま一度加虐の情念を滾らせて流し込む。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あぐあがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 有紀は躰を力の限り突っ張る。頭を仰け反らせ般若の形相を強く固めて強烈に喚く。
 「ああはあーーーーーーーーん。ああはん。あはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーん。ああはん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 余韻の号泣は立壁の全身をとことん満足させた。
 
 真紀子は同じホテルの他の階にある座敷で会食に出ていた。
 娼国の主席仁川の宴席である。
 他に湯野中匡史、安形寛一、村上稔の五名が顔を出していた。
 コンパニオンの躰をカウンターに板前が鮨を握る。五人の前には飲み物と醤油の小皿が置ける小さな御膳がある。
 娼館島は仁川氏が女衒の父から受け継いだ島。この島は四ヶ月前に娼国として独立した。
 仁川氏の父は戦前に日本陸軍の侵略に乗じてアジアに進出する。外国人向けの娼館を営む当時の言葉で女衒である。
 その当時は日本から女性を出稼ぎさせた。これがからゆきさんである。
 終戦後からゆきさんは引き上げたが仁川氏の父は島を護って売春を続けた。
 現地の貧乏な家庭から娘を安く買い取り美形日本人との人種の掛け合わせで上質な売春婦を作り上げる。
 それを仁川氏が受け継いだのがこの島で育った限りなく日本人に近い女性達ある。
 国際空港には日本、韓国、中国から週二から三便飛んで来る。R国の名称だが仁川氏の百パーセント投資の航空会社である。
 娼国にもR国内にも仁川氏の経営する大規模売春街が存在する。
 R国の政権には殆ど仁川氏の金が流れている。警察権に至るまで仁川氏の手中にあった。
 湯野中は父の代から仁川に仕える女衒である。
 女衒という言葉は死語となり独立した派遣会社を経営しているが娼国に日本から借金の女性を運ぶ。
 そして娼国から日本に島で育った女性を運び続けている。
 村上も湯野中も娼国、R国に本社を持つが日本に風俗売春の子会社を無数に持っていた。
 村上の主な領域は温泉旅館へのハードコンパニオン、スーパーコンパニオンの派遣である。
 安形の経営系列にある健康センターと同じ建物に高給御座敷があり其処にも派遣している。
 ハードコンパニオンの派遣が上流層に大いにうけていた。
 娼国に本社を置きR国で実質本社業務を行っている。受注は総て娼国で行う。入金も娼国である。
 日本の子会社は風俗営業の許可を取っているが管理のみ代行していた。
 コンパニオンの給料は直接本社から振込まれ日本の子会社は管理費のみ娼国の本社に請求する。
 湯野中は日本、韓国に路面店の風俗を経営していた。だが建物のみ本社の管理である。日本の別会社が其処に風俗を経営する。
 別会社と雖も社長は代表取締役という名の湯野中の使用人である。逮捕された場合高額の補償を受ける。
 R国内の売春も一部湯野中、村上の経営である。
 「また真紀子が見つけたよ。国民党の新人代議士とテレビ太陽のクルーだ」
 「よく刺客が来ますね」
 湯野中は日本酒を冷で烏賊の活き造りをつまみにしていた。
 女躰カウンターに直に活きた烏賊が載せられまだ動いている。
 真紀子が意地悪く仰向けにカウンターになったコンパニオンに口から水差しで日本酒を飲ませる。
 「国民党ですか困った政権になりましたな」
 「何がモラトリアム法案だ。中小企業には返済の猶予より追い貸しが必要だ」
 村上が嘲るように言う。
 「そうだな。銀行との関係は悪くしたくない。プロパーの金は猶予するのは最終手段だ。保障協会の融資は猶予同然の方法がいくらでもある」
 仁川も呆れたという見解である。
 「まったくです。保障協会の百パーセント保障の融資枠を一桁増やして審査を甘くするのが最良です」
 「無駄削減と言っているが子供手当てが一番無駄ではないか」
 「半分は預金に止まってしまいますね」
 安形は真紀子と麒麟のクラッシックラガーを飲んでいる。アイスペールに氷水を張って瓶を浸けキリキリに冷やしていた。
 「子供のいない妻帯者は完全に増税だ。また消費が冷えるな」
 「民事党の大泉も国民党の小鳩も完全に消費に回る部分から金を取上げてしまう」
 「しかし主席は国民党政権で一時的に景気回復すると仰っていませんでした」
 真紀子が口を挿む。





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