SadoのSM小説
女衒の國 その三

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。
SMハードコンパニオン

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 二〇一〇年。
 新日本空輸ホテルはR国中央駅正面にある。
 港にある空港から高速鉄道を使って十分で着く。
 立壁雅人は北嶋真紀子に案内されてこの国に入った。二人が今居るのは最上階のバーである。
 窓からの展望は静かになった中央駅とその先の古い街が薄明かりに広がっている。
 未来都市化された高層建築は中央駅周辺のみ。あとは二十世紀初頭の古い街並である。
 民主化された国と雖も娼国主席仁川(にながわ)の資本がこの国家の経済を支配していた。
 「この国に本社を置けと言う訳だ」
 立壁は印刷業で成功した一代オーナー経営者である。
 「ううん。本社は娼国に置くのよ。そして本社機能はこの国に置くの」
 真紀子は立壁に日本の高い法人税の呪縛から逃れて企業を発展させる為に日本から本社を娼国に移す事を進めている。
 「何故。全て娼国じゃ駄目なの」
 「明日案内するけど。娼国は島一つの国。土地が無くて経済力がある分家賃が高いの。それに現地の労働力はR国でないと得られないわ」
 真紀子の視線は反対側の壁際のテーブルを見ていた。そこには日本人が五人会話している。真紀子はこの五人の存在が気になっていた。
 「娼国に置くのは社長のプライベートルーム。基幹システムのサーバー。小さいルームで机一個のところもあるわ。極東バンクを使えば娼国の預金が日本でもR国でもいつでも下ろせるわ」
 「でも僕らの印刷業は海外に工場を出すことはできないよ」
 立壁は真紀子の進めでスタインラガーを飲んでいる。ビールが好きなようである。真紀子はジョン・デュバル・エンティティーを頼んだ。
 「工場はそのままでいいのよ。こっちで納める分は工場が進出しても損はないけど。日本で生産しても利益はこっちで出すのよ」
 「うーん」
 立壁は一旦席を立ち化粧室に向かいながら考える。
 真紀子の気になっている一団だが一人はテレビ太陽の女性レポーター。三名は制作関係者と思われた。あと一名は新人議員かもしれない。
 警視庁の沼緒警部が娼国売春組織に潜入してから干渉して来る輩は三度目である。
 二ヶ月前に捕えられた沼緒警部の調査に日本の国民党衆議院議員市江廣子が来た。
 市江廣子はスパイ防止法と麻薬取締法違反でR国警察に逮捕されて娼国に拘留されている。
 真紀子はこの五人のことを娼国の主席仁川に電話で知らせた。
 立壁が席に戻って来る。
 「できるかも知れないね。明日娼国を見て考えるよ」
 簡単な方程式である。日本で別資本の受注会社が受注する。それを娼国の本社が丸受けして日本の工場に発注してしまう。
 工場は必要経費のみの価格で本社に請求する。
 受注会社も顧客からの売上を薄利で本社に支払う。
 「R国には日本人教育を受けたスタッフがたくさん居るわ。それを使えばかなり人件費が削減できるのよ」
 「うーんそこが難しいな」
 立壁の顔は難色を示している。
 「他の企業でスタッフの仕事振りを見てみれば判るわ。リストラも今なら不況に便乗して問題ないと思うし」
 真紀子は当初借金を背負ってハードコンパニオンとしてこの国に来たハードSM嬢である。拷問の凄まじさに泣きに泣いた。
 仁川の目に止まり女性向風俗の開拓事業を任せられ成功して日本、R国で莫大な利益を得るようになる。
 日本と違っていくら儲けても税金は取られない。
 娼国は法人、個人とも非課税である。
 日本での売上も受注会社に切り替える。日本の工場には人件費、必要経費のみで手配する。日本に置いた部分からは僅かな税額しか出ない。
 「リストラはしたくないのだ」
 「それならこっちに日本人を呼ぶことね。住居付きでこっちのレートの上位まで落とすの。こっちで暮らすには十分贅沢が出来るわ。そうすれば長い目で見て会社の御荷物の高い年齢の女子社員が辞めてゆくわ」
 「そんな事をすれば袋叩きだよ。だが女性の貴方がよく言うな」
 立壁の態度は煮え切らない。
 「いくらでも言うわ。日本の経済の足を引っ張っているのはそういった女性層よ」
 真紀子の意思は確立している。
 「確かに雇用機会均等法とか育児休暇を法律で強制されなければ長い目で正社員を使える」
 立壁も日本では言えない根にある本音を漏らす。
 「中間層の女性、主婦、マスコミ、そしてそこに御世辞を使った政治の結果は経済が落ちてゆく一方でしょう。派遣雇用が増えた本来の原因は雇用機会均等法とか育児休暇を法律で強制することにあるのよ」
 「確かにそれを考慮して人材を採るからね。どうしても派遣社員になってしまうよ」
 「娼国に本社を置いて日本人を雇えば娼国の法律が適用される。こっちに国籍を置けば一夫一妻制で一人の女に束縛されないで資産を自由に使えるのよ」
 立壁は真紀子の変貌振りに驚いている。
 最初に会ったのは五年前である。その時は事務系の派遣社員として彼の元に就業した。
 世間が煩い時代でなければ手を付けていたと思う。
 そののち真紀子は立壁の元を去った。
 給料の安い派遣では水商売を併用しないとやって行けない。派遣のレートは年々下がって行く。
 さらに水商売も一部の人しか儲からなくなった。
 そして派遣は周りとの確執で辞めたくなる。
 そんな時スカウトされて浅草の宝石店角屋に勤めたのである。
 だがここで罠に嵌って多額の借金を作って娼国に売られる嵌めになった。
 完全歩合の仕事だが面白いように稼げる。
 だが半年後二千万の借金が残ってしまった。
 美人ばかりの店である。そして皆その美とセンスと持ち物を競っていた。
 宝石などローンを謳い文句に販売する。五年ローンで購入してローン完済後買った値段で返品ができた。
 途中で支払不能になった場合宝石を返せばローンを免除される。
 特異なシステムだが宝石の原価はそんなに高くない。使い回しが利く。宝石を貸し出しているだけで金利が総て利潤と考えるのである。
 五十万の年利が二十パーセントでも五年で五十万になる。成り立たない話ではない。
 販売員には満額回収時に四割が歩合となる。途中解約でも半分以上回収していれば満額の四割が歩合として貰えた。
 だがそれ以前の解約、逃げた場合等も弁済はないが歩合はなくなる。
 だが五年先のコミッションを充てにして働くことは不可能である。当然販売契約時に毎月の締めで店が仮払いする。
 店には毎日のように高級品、ブランド品のセールスが来た。
 誰かが買えば欲しくなる。歩合の仮払い分だけではない。さらにローンで買い物をする。
 ところが本来の一見客など殆どいないのである。
 真紀子のお客はみんな組織員である。彼らは関連全店舗で一人ずつ目標の店員から購入して何回か返して消えてしまう。
 損金の弁済はない。だが受け取った歩合は返金しなければならないのである。
 既に使い果たしてローンまで作ってしまった。
 返済不能に陥る。日本の法律で破産宣告はできるが免責は取れない。それではこの手の借金は消えないことになってしまう。
 一日四十万の花代で宴席のハードコンパニオンを勤めた。普通のコンパニオンは日本のスーパーコンパニオン並のサービスをする。
 全裸の奉仕はもとよりセックスに至るまで躰を提供した。
 人種によってレートが格段に違う。日本人が一番高い。コリアンで半分。現地の女性は日本人の一割である。
 ハードコンパニオンはこれにSMが加わる。
 三角木馬に乗せられ女陰が切れ掛かるまで虐められた。十露盤板に座らされ膝に石を載せられ竹刀で乳房を叩かれる。
 十露盤板の角に乗った向う脛の痛みと圧迫にのた打ち回った。
 痛みも耐え難いものであったが集団の前での浣腸が一番辛い。
 現地のスタッフやこちらに本社を置く日本企業の男性とかコンパニオンなどはまだ我慢できる。
 日本から来たチームの宴会で秘書やOLも混じっていたのである。
 青竹に両腕を広げて縛られ畳から一メートルくらいの高さに仰向けに吊るされた。
 青竹の左右の縄と腹部に掛けた縄の三本で吊られている。空中に寝かせ気味にされ腰を突き出す。膝を折って脚は床に着く。
 さらに脚首と膝に縄を掛けられて左右の柱に引っ張るように広げられた。
 女の部分から会陰、菊の蕾まで強調するように丸出しである。
 男子社員が順番に真紀子の女の部分を広げて観賞してさらに指を突っ込み弄って行く。
 秘書の女がOL達に言う。
 「貴方たち同姓でもあまり見たことないでしょう」
 三十過ぎだがスマートな美人である。
 「ええー。見たことない」「ない」「ないよー」
 きゃぴきゃぴ声で何人かが答える。
 「じゃーおいで」
 秘書の女が女陰丸出しの真紀子の近くに招く。
 一人目が恥かしそうに顔を赤らめながらもじもじ近付いて来る。
 その恥かしそうな仕種が真紀子をいっそう辱しめた。
 真紀子の女の部分は特徴があると男性客らによく言われる。
 女陰は縦に一文字を描いていた。辺りの皮膚とドテの陰毛のない部分の色の変化はなく白い。
 縦筋に突起はなく三分の一位から下に紅が濃くなり二つに割れて下の方は中の薄いピンクが覗いていた。
 ビラビラを二本の指で広げると中は四層に色が変わる。
 膣口の周りからクリトリスの真下まで縦に盛り上がった部分はやや透明なイメージを感じさせる薄い桃色系のピンクである。
 その直ぐ隣は一段階ピンクが濃くなる。
 次はさらに赤が濃くなり外側はドドメ色に近いが濃い赤紫の縁で囲むような外観である。
 膣口は穴が割れてピンクの上に紫の斑が掛かっている。
 若い男性は指を突っ込んで愉しんだが若いOLは恥かしさと好奇の混じった表情で眺めていた。
 「いやあーーーーーん。恥かしいーーーーーーーーーーーー」
 そう言ってOLは真紀子の恥心などお構いなくはしゃいでいる。完全に玩具である。真紀子には限りなく惨めであった。
 浣腸器が準備される。
 「誰か浣腸したい人」
 若い男性数人と真紀子の女陰を広げてはしゃいでいたOLが手を挙げた。
 みな女性に譲る。
 OLはぎこちない手で浣腸器を差し込む。SM馴れした男性より性質が悪い。
 「ああう。うーーーーーーーーーーーーーー」
 一千CCくらいを流し込まれた。
 社長がアナル栓を差し込みに来る。
 バイブを数本取り出す。
 「君達。これで暫く遊んであげなさい」
 いつも遊んでいる社長ら幹部は料理と酒で話し込んでしまった。真紀子は若い男女数名の玩具である。
 「ねえ。この生えかけのヘヤー剃っちゃおー」
 出鱈目な遊び方で弄ばれている。そのうちに強烈な腹の苦しみが真紀子を襲ってきた。
 「ねえ。他のお○○こと比べてみない」
 真紀子の苦しみを他所にOLは好き勝手を言っている。
 「それいいな」
 若い男性社員が賛同した。
 その間にも一人のOLが真紀子を剃毛する。近付かないと判らない程度に生えかけたばかりの陰毛を剃られてしまう。
 今の態勢では剃っている部分が見えないのが真紀子の恐怖感を拡大する。
 恥かしく惨めな上に下手に剃って斬られないかの心配である。
 「誰か脱いで比べさせてよ」
 若い男性が冗談半分女子社員に言う。
 「何言っているのよ」
 OLは拒否する。
 結果コンパニオンが掴まった。
 ショーツを脱がされ真紀子の吊られている下に寝かされる。若い男性の指で同じように女の部分を広げられてしまう。
 真紀子にはなんとも言えない屈辱である。
 真紀子と違い概観は縦筋の真ん中辺が突起している。広げると中は単調に一面サーモンピンクである。尿道の亀裂付近も殆ど色の変化はない。
 「へー。こんなに違うんだ」
 若い男はじっくり比べて言う。
 「うーん」
 OLも興味津々と見比べている。
 そしてもっと比べるためコンパニオンにも剃毛しようとするが拒絶された。
 「だめ。だめ。剃毛はハードだけ。私たちは剃毛しないの」
 コンパニオンは猛然と抵抗する。
 真紀子は苦しみに躰を悶えさせていた。顔は眉間に三重の皺を固めて歯を剥き出し醜く歪みきっている。
 社長が大きな木製の桶を持って来た。
 コンパニオンは退避させられOLが一人指名される。
 「抜いてやりなさい」
 真紀子は止めてと叫びたい。
 せめて社長か慣れている男性でないと危険である。
 OLが真紀子の太腿を掴んでアナル栓を引っ張る。抜けないので捩じってしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 痛い。真紀子は悲鳴を上げてしまう。
 社長が見かねて抜く。
 一挙に茶色い水が噴出した。
 いつもの宴会と違って若い男女の歓声が上がる。
 真紀子には死にたいくらい惨めで堪え難い空気である。
 ぶぶーー。ぶ。ぶ。ぶぶ。ぶぶーー。
 断続的に壊れた便の塊が飛び出し桶に落ちる。強烈な匂いが部屋を制圧していた。
 「くうせーーーーーーーー」
 「ううーーーーーーーーーん」
 若い連中は真紀子の惨めさなどお構いなく叫ぶ。
 一気に窓を開けに走る。
 その後も若い男やOLにまで鞭叩きの練習台にされた。
 嬉々として若い男性、OLらは真紀子の女の部分を叩く。
 挙句は粘膜に血が滲んで一週間分の休業補償を貰ったのである。
 
 仁川の指示を受け津島が新日本空輸ホテルの真紀子たちの居るバーに来た。
 身長百八十の手前で太い大柄の体形ではないが自然に体格の頑丈さを感じさせる男である。
 仁川の用心棒であり小さな娼国の警察のような立場でもあった。
 津島が前に立つと真紀子は反対側になる壁際の席を目で示す。
 「一人の女はテレビ太陽のリポーター小林真木。あと三人はクルーだと思うけど。一人は多分代議士じゃないかしら」
 「太田黒久。国民党新人衆議院議員だ」
 立壁が説明する。
 「だって」
 真紀子がそのまま津島に引き渡す。
 「判った。こっちで見張るよ」
 津島とその部下が二人テーブルに着く。
 真紀子らは部屋に引き上げる。
 
 太田黒久以下リポーターと制作関係者も部屋に引き上げた。実際は会議室を太田黒の部屋に移したのである。
 五名は明日からの調査方法の打ち合わせに入った。
 「市江廣子が調査の為に会った娼館島出身の女性を捜してリポートを流してしまう方がいいのじゃないですか」
 リポーター小林真木の意見である。
 「先制攻撃を掛けて国際世論に発展させるか」
 太田黒は三十代。若手初当選の代議士である。
 「これまでの調査で娼国の奥にある島では売春用に女性を育成していると想定されています。市江廣子は其処の問題に触れたためスパイ容疑で掴まったと思います」
 小林真木は強気で見解を言う。
 「それを明白にリポートするも一つの方法だが一人の証言では捏造と言われかねない」
 太田黒は慎重な姿勢である。
 「ポッキーという女性から他にも島の出身者を紹介して貰えないかしら」
 もう一名の女性スタッフ矢野真も強気の意見を言う。
 「既に手を打たれていると思うな。それに国際世論と言っても国連が介入するような問題ではない。経済援助を受けている国でもない。逆に一挙に経済大国に成りつつある国だ」
 「ならば先生はどのようなやり方を御考えですか」
 小林真木は太田黒の隣でソファーに座っている。他のスタッフ三名は床に腰を下ろしていた。
 「仁川主席に直に会って交渉するべきじゃないかな」
 「市江廣子に接見させてくれと」
 「それは無理です先生。前回も同じ国民党では駄目と広兼先生の代わりに民事党の平佐和先生が会われています」
 スタッフのチーフ黒木真人である。
 「一度交渉の為に我々の存在が表に出てしまっては調査ができなくなります。先に島出身者の証言と市江廣子、沼緒輪加子の行動を洗い出すべきです」
 沼緒輪加子は元警視庁の警部。官房長の隠密命令で娼館島(娼国の独立前の名称)に真紀子と同じ借金のハードコンパニオンとして潜入した。
 日本にR国から入ってくる売春。それを撲滅したい。そういう大義名分での潜入調査だった。
 だが真実は政権交代に備えて役人が国民党の弱みを掴む。その目的の一貫である。
 五名の仲間は津島の部下に拷問され殺された。
 日本では移動中のヘリの事故で片付けられてしまう。
 沼緒輪加子は潜入時に作ったハードコンパニオンの紹介ビデオと拷問を記録したビデオを組み合わせて無修正AVを作られてしまった。
 それはシカゴに本社を置くアダルト配信会社の海外サイトから日本向けに発行されてしまう。
 沼緒警部は社会的に葬られ懲戒免職となった。
 現在は真紀子の主導のもと津島とその部下にとことん女の悦びを引き摺り出されて女の性の実験台にされている。
 遂に日本で再起のなくなった現状から二本目のAVに出演してギャラを貰うことに同意した。
 「沼緒元警部は本人の意志でAVに転向したということで終わっているのじゃないか」
 「そうですがその経緯は隠密捜査だったのではないですか」
 「それを暴いても本人が自分の言葉でAVの中で話している以上は覆しようがない」
 「でも。警視庁が隠蔽していることは間違いありません。なぜ同じ部署の警部と警部補以下四名が同じ国に向かうのですか」
 「それに娼国は沼緒元警部を一旦スパイ容疑で逮捕したと公言しているのですよ」
 スタッフの矢野真が口を挿む。
 「だがAVに自主的に出演したのは明白だよ。それに市江廣子との証言の食い違いだ」
 「先生は市江廣子の件だけを追及される御考えですか」
 「その心算だが」
 「それはそうですね。この先沼緒警部が本当のことを喋るとは思えません」
 ここはチーフ黒木も太田黒に同調する。
 「うん」
 「でも市江廣子は親友沼緒警部の濡れ衣調査と日本に入る麻薬の調査にR国、娼国に入ったのではないですか」
 「平佐和先生もそう仰ったしその前提でいいのじゃないか」
 「そして市江廣子は沼緒警部に裏切られた」
 チーフ黒木の憶測である。
 「その通りだね」
 太田黒もチーフ黒木の憶測に納得する。
 「五木田という日本のやくざに接触したのはどうなのでしょう」
 「死人に口無しだが平佐和先生が本人に聞いてきた通りじゃないの」
 「五木田とは接触してないと思われますか」
 「多分」
 「でも。スパイ容疑で逮捕していますから態々麻薬の購入をでっち上げる必要があったのでしょうか」
 黒木の疑問である。
 「R国が逮捕するには娼国のスパイ容疑だけでは足りなかったのだろう。スパイ容疑だけでは娼国のみ矢面になる」
 太田黒はきっぱり言い切る。
 「スパイ容疑は捏ち上げではないのですか」
 小林真木は決め付けてしまう。
 「それは娼国の法律で娼国の見解だな。平佐和先生の仰る通り入国時に警告されていれば弁解の余地はない」
 太田黒は警告に従わなかったのが不味いと言う。
 「平佐和先生の会見内容は全て信用できるのでしょうか」
 小林真木は更なる疑問を投げた。





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