SadoのSM小説 調教師集団

その八 堕さなければ成らない女が堕ちる

  
 この物語はフィックションであり、実在の人物機関とはなんらかかわりありません。

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 「その人物は」
 「聞くまでもあるまい」
 「岸本文蔵」
 「・・・・・」
 古狸は何も言わないが否定はしない。
 「少々検討が必要です。女優を堕すと成ると容易ではありません」
 今度はリーダーの保木間が答える。
 「判った。そっちの判断に任せる。必要な協力はする」
 古狸はそれだけ言って座を立つ。
 野村未来也弁護士は荒井絵名の情報を集めた。インターネットに書かれている事だけではない。情報源を手繰る。
 「ホストクラブ数件に顔を出しています」
 「借金は。本名は荒川絵里名です。平成二年十二月二十日生まれです」
 真紀子が生年月日を調べて借金の有無確認を要求する。
 「杉本金融のデータでは銀行、クレジットカード、カードローン合わせて一千数百万位」
 こっちは館山弁護士が答える。
 「借金はたいした事ないわね」
 「税金の滞納もある。約百五十万だ」
 埼玉県警本部の段下警視正である。
 「堕とし様はあるわね。やります」
 真紀子は保木間に確認する。
 「そうですね。古狸にも恩と貸しを作りましょう」
 調教師集団の意思は決まった。これは大きく稼げるAV女優にできる。だがそこまで堕すが相当に難しい。
 「この女。闇金からも摘んでいる」
 館山弁護士が突き止める。
 「まず借金の整理をして纏めましょう」
 保木間は借金を集めてそれに賠償金で加算させて追い込む考えである。
 「飲酒事故でも起こさせて」
 墨田会系大船一家の稲垣七郎若頭は例えで言っただけである。
 「それでは時間が掛かり過ぎる。逮捕実刑は拙い」
 段下警視正が言下に否定する。
 「単純事故で良いと思います」
 野村未来也弁護士である。
 「その後覚せい剤に浸けて逮捕執行猶予で行きましょう」
 稲垣七郎である。
 ではここで調教師集団とこの街について解説する。
 現代は女性知識層の言い分のままに女性を圧倒的に保護し過ぎる法律下である。
 迷惑防止条例、ストーカー禁止法は江戸時代の切り捨て御免、生類哀れみの令と変わらない。
 疑わしきは罰せずの精神から著しく外れている。冤罪を大量生産する史上の悪法と言わざるを得ない。
 それを悪用する現代の身勝手な女性を制裁してお仕置き、かつ風俗、AVの仕事に就かせて経済効果に貢献する。そういう集団である。
 法律が女性の言い成りに従ってしまっている現代において女性は会社の中で些細な事で痴漢、セクハラ、パワハラと文句をつける。
 杓子定規に女性の言い分通りでは男性は恐ろしくて会社に居られない。調教師集団はそういう男性の依頼を実行する。
 標的として依頼を受けるのは女性だけである。
 風俗関係者や本当に弱い女性は対象にしない。法律的女性有利を利用して男性、企業を抑圧するインテリ女性だけである。
 調教師集団の団員は保木間の他十一名。弁護士、外科医、精神科医、印刷屋、警察官、組関係者もいる。
 この街は九年前に造られた。シカゴに本社を持つAV企業の資本である。
 保木間が実質のオーナーだがR国に赴任する名目上の人物がオーナーに成っていた。保木間はそこから管理を委託されたマネージャーの立場を名乗る。
 当初は高層建物二棟から始まった。この街は今では一大都市に発展している。
 
 野村未来也弁護士が荒井絵名に面会を求めた。弁護士と効いて荒井絵名も面会に応じた。
 「貴女はあちこちに借金されていますね」
 「それが。・・・・まさか取り立て」
 荒井絵名は怯えた表情になる。
 「弁護士は闇金の取立てまで致しません。ただ、面倒に成らないうちに一本に纏めませんか」
 「え。一本に出来ますか」
 荒井絵名は既に金利に苦しんでいた。
 「ええ。私にご依頼頂けましたら。今の段階でしたら何とか法定金利内で一本にできます」
 野村未来也弁護士は一気に確信を突く。
 「ええーー。お願いします」
 荒井絵名は飛びついてきた。
 野村未来也弁護士は僅か五万の弁護士費用で引き受ける。恩だけ売って義理は浅くと言う考えである。
 全額を杉本金融が年利十五パーセントで引き受ける。銀行を除いて金利は大幅に下がった。
 
 荒井絵名の通院する病院の外来を一日だけ調教師集団の葛和医師が交代した。
 眠気が強くなる鎮静剤を処方する。
 既に事故に遭う被害者も用意されていた。借金を抱えて運転資金が回らない中小企業の社長である。
 調教師集団の事件屋大志田一行が煽り運転を掛ける。
 荒井絵名の運転する車は変る瞬間の赤信号を突っ切った。そこに七十代の社長が横断歩道を急いで手を上げて渡る。
 青信号に成った瞬間を証言する車も用意されていた。
 その車は歩道側に停止する。荒井絵名の車はその左を通過して社長を撥ねてしまう。荒井絵名の車は十メートル先に止まった。
 現場に横の道から車で段下警視正が通り掛かる。左に折れて荒井絵名の車の後ろに止まった。
 警察手帳を掲示して荒井絵名の身柄を確保する。交通課と救急車を呼ぶ。
 普段男に傲慢な態度で接する荒井絵名が極端に動揺していた。だがその眼つきはこんな爺跳ねて自分の人生が狂って溜まるかと足掻いている。
 段下警視正は自分の言いなりにできる交通課を呼んだ。
 救急車が着く前に息子の専務が社長を追いかけて現場に着く。専務は持病があるので武州記念病院への搬送を要求した。
 荒井絵名は借金を助けてくれた野村未来也弁護士に連絡する。
 状況を聞いて野村未来也弁護士はその刑事に代わるよう要求した。
 会話から段下警視正と野村未来也弁護士に面識が有ることは分かる。
 「芸能人でも逮捕は変わらないよ。特別扱いは無い」
 段下警視正は通話相手の野村未来也弁護士にそう断言する。荒井絵名は一瞬血の気が引いた。
 荒井絵名は逮捕され武州署に連行される。
 野村未来也弁護士が接見する。
 「あるアナウンサーは駐車場で人を撥ねて逮捕されませんでした」
 「そうですね。でもあなたは信号無視している」
 「していません」
 「駄目です。歩車道境界側に居た車が証言しています。自分は信号が変わって止まった。その横をあなたの車が通過して社長を撥ねたと」
 「ふーん」
 荒井絵名は不満そうに裏の表情を晒してしまう。
 「相手が悪かった。保険で賄いきれない示談金を払ってどうあっても示談に持ち込まなければ起訴されてしまうよ」
 「応じないで起訴されたらどうなります」
 「実刑です。更に民事も掛かります」
 「賠償請求ですか」
 「そうなります」
 「どっちみち金は取られますか」
 「払わざるを得ません」
 「お金が無ければ」
 「生活保護にでもなれば別ですが。免れません」
 「どうすればいいの」
 「示談にして起訴を免れてそれからです」
 「今は此処を出ることが先決ですか」
 「そうです」
 荒井絵名は已む無く示談に応じる事にする。
 示談書作成に社長側の代理人館山弁護士が来た。
 被害者が示談金で納得しない事。事故により持病の対応も悪化した事。保険会社の査定では到底示談に大きく足りないと説明された。
 野村未来也弁護士も被害者の言い分は分かると一度認める。だが裁判になれば大分下がるであろう分少しは交渉して貰えないかとお願いする。
 「私でさえ多少説得はした。相手が悪かった。女が車に乗ることすら嫌がる人物だ。どうせ会社は大打撃だ。金より裁判やって懲らしめようと言っている」
 「それじゃあね。裁判で執行猶予になれば良いが。そのあと民事で示談金ではね。金を造るのがもっと苦しくなる」
 野村未来也弁護士も渋面になる。
 「それに荒井さんはネットで痴漢冤罪を作ったと噂が流れています。それがこの親子をもっと責めの姿勢にさせるのですよ」
 館山弁護士はさらに不味い条件を話した。
 「そんな全部出鱈目です」
 荒井絵名は抗議の姿勢になる。
 「それだけじゃない。貴女のマスコミでの発言をとことん嫌っているのですよ」
 更に筋書きは以下の通りである。
 社長は経営者であり技術者であった。いま受注している案件が果たせなくなって取引先に違約金を請求されている。
 払えなければ会社は倒産する。
 前にも同じ手をこの二人の弁護士が使った。だが表には一切出てないのである。
 二人の弁護士が敵味方で同じ説得をされれば気性の強い荒井絵名でもマスコミ発言のようには行かない。
 それ以前に荒井絵名は野村未来也弁護士に一度助けられている。信頼してしまっているのである。
 荒井絵名は説得に従い示談かつ要求金額を呑む選択をする。
 そのまま釈放され略式起訴となった。
 所詮三戦級女性タレントである。たいしたマスコミ報道はなかった。
 事故が僅かに報じられ留置所を出るとき一通りマスコミが集まっただけである。
 他の元アイドルタレントの飲酒ひき逃げ事件が大きく報じられた。その陰に隠れてさらに報道は小さくなる。
 既に都議選挙も新党の躍進で落選して芸能界のオハーも殆ど無い。
 荒井絵名は実刑を免れたが示談金を払うに苦戦が始まった。
 何処も融資に応じない。
 借金を一括してもらった杉本金融に行く。
 「いやあ。これ以上は」
 「何とか成りませんか」
 「いやあ。もうどうにも成らなければ、うちの分は破産宣告していただけば損金処分します」
 「レリースローンとありますよね。ばれない風俗とかありませんか」
 「いやあ。そういうところで働いておられてもその金額では」
 「駄目ですか」
 「直接お店に当たってはどうですか。そこで貸してくれる場合も」
 知っている芸能人全部に次々と相談しに行く。
 それは駄目以上に過去の荒井絵名の行動を非難する言葉が返ってくるだけであった。
 そこまで自分は嫌われていたのかと思い知らされる。さらに荒井絵名を絶望に沈ませるだけであった。
 館山弁護士から毎日催促が掛かっていた。仕方なくソープランドを尋ねる。
 「そこまで金額が行ってしまうと」
 お店は荒井絵名を見てもやはり二の足を踏む。
 店を出たところで男が近付いて来た。
 崩れた風体である。
 「借りられた」
 荒井絵名は首を振る。
 「働いて貸して貰えるところ紹介するよ」
 「私八千万要るの」
 どうせこんな奴と棄て台詞を言う。
 「まあ。なんとかしてくれると思うよ。この人を訪ねて」
 罠があるかもしれないが既に躊躇する余地は無い。渡された名詞の住所を見て少し期待が湧いた。
 男の紹介した場所は本宿スカイタウンの一号棟。あの綺麗な街に在るならとやや安心する。
 だが出て来た宇佐美伝吉という男は大柄で厳つい。
 事情は簡単に理解した。
 「確かに金額は大きい。AVの無修正版八本で解決だよ」
 「えーー。AVでは。ばれない風俗でないと」
 「方法はあるが期間が長くて辛いぞ」
 「それは」
 「お座敷のハードコンパニオンだ。躰を見ないと何とも言えないが有名人の片隅だけ評価して一回百万。80回だ」
 内容を説明されて荒井絵名は狼狽した。
 「無修正AVなら八本だぞ」
 「ああ」
 「どうする。その前に裸を見ないと金額は保障できないが」
 「その前にお金を先に出していただけるのですか」
 「もちろん。その館山とか言う弁護士と俺が話を付ける。あんたは終わるまで此処の寮で生活してもらう」
 「此処のマンションに寮があるのですか」
 既に荒井絵名はマンションの家賃を滞納していた。
 「有る。金を貸して逃げられては敵わない」
 「裸を見せたら今直ぐ話をつけて貰えますか」
 「レートは変わるかもしれないが。どっちにせよ何とかする」
 「此処で」
 宇佐美は無言で首を縦に動かす。
 荒井絵名は恐る恐る立ち上がる。
 手は震えていた。相手は一人だけと自分に言い聞かせる。
 もし示談を壊したら実刑は免れない。館山弁護士は強烈な手を打ってくるに違いない。そしてこれから脱ぐ事は当然と成ってしまう。
 スーツのジャケットを脱ぎブラウスのボタンを外す。
 下を向いた表情でブラも外してしまう。小振りで手に収まる乳房の大きさである。だがそれなりに形良く美しい。
 乳輪もそれなりの大きさで薄紅である。
 宇佐美の表情を見ながらスカートも脱ぐ。ストッキングごとショーツも下ろす。一日歩いて来た。汚れが気に成る。
 丸めて脱いだスカートの中に隠す。
 「座って広げて」
 宇佐美の口調と表情は言い返しを許さない。
 覚悟を決めてソファーにお尻を下ろして股を広げる。
 「中まで開いて」
 「・・・」
 反射的に何かを言いかけたが言葉が出ない。
 指先で押して小陰唇を一気に広げた。
 標準的なピンクの部分が広がり尿道の亀裂の下に膣口が僅かに割れている。
 「いいよ。言った通りだ。館山弁護士の連絡先は」
 荒井絵名は貰った名刺を差し出す。
 宇佐美は全額現金で用意する約束でアポを取り付ける。
 「後はこっちでやる。あんたは此処の寮に移ってくれ。引越しは手配する。賃貸なら大家に話は付けてくれ」
 「それが家賃を滞納していて」
 「それじゃ夜逃げだな」
 宇佐美は何も驚かない。
 消費金銭貸借証書に署名させられ印鑑証明を要求された。二年間無利息の約定と書かれていて安堵する。
 翌日印鑑証明と引き換えに示談書が渡された。
 そのあと他言無用の注意とビデオを二本見せられる。
 何処か海外の映像。古いフイルムだが遠くない近年である。
 丸い鉄格子の鳥篭を天井の高い小屋にした大きさ。中では女が椅子の上に載せられていた。
 腹の部分をベルトで留められていてその両手、両足とも切断されている。全裸である。自分で動く事はまったくできない。
 アップになるとそれなりに美形で日本人の様に見える。乳房の形も良い。
 太腿の途中で切断された足を自分で閉じる事ができないのか女の恥ずかしい部分は丸出しである。ドテの黒い固まりは剃られて無い。
 檻の外からは観光客らしきが集って見ている。
 スイッチボックスが設えてあり観光客がスイッチを押すと水が飛びだす。その晒し者の女に掛かる仕組みである。
 「この状態で毎日観光客の見世物にされている。自殺する事も自分で体を動かす事さえ出来ない。毎日点滴で栄養補給している。小水も垂れ流しだ」
 荒井絵名は憤りながら瞬時に口が利けない。
 これ以上の処刑があるだろうか。殺されるより酷い。
 「いいか。ここまでは俺に関係ない。既に別の組織が動くのだ。そうなったのがこのビデオだ」
 女が全裸で逆さ吊るしにされていた。
 『埼玉県警生活安全課出水麻里巡査部長』と字幕が出る。
 全身に鞭の痕が奔って無残な状態。至るところ血が流れたり滲んだり傷も確認できる。
 そのままその女性警察官は破砕処理機の中に処刑された。
 「この組織が動いてから詫びられても俺にもこの街のマネージャーでもどうする事もできない」
 「この女性警察官は何故」
 荒井絵名は唇を震わせ小声で尋ねる。
 「あんたのような立場の女がその婦警に相談しただけだ」
 「・・・」
 荒井絵名はそれ以上言葉が出ない。
 危機は回避したが荒井絵名にその日から次の地獄が始まった。
 
 御座敷を終えて部屋に戻った荒井絵名は悔しさ、怒り、お座敷のハードコンパニオンの仕事の恐ろしさにこの先を考えて震える。
 その夜はテキーラを煽って眠ってしまった。
 翌日午後に目を覚ましてまだ足腰が立たない。昨夜の恐ろしい宴会が脳裏に蘇る。
 客もコンパニオンも座敷の仲居も全部自分の敵であった。
 何故このような宴会が許されるのか。それも社会に名の通った人物が何人も来ていた。
 荒井絵名には由々しき事だがそれ以上に今はその連中の玩具である。この許せない秘密を護らなければもっと恐ろしい事が自分の身に降りかかる。
 一週間に一回だがこの地獄に二年堪えなければならない。
 とても堪えられると思えない。
 『方法はあるが期間が長くて辛いぞ』
 宇佐美の言葉がその数百倍に感じる。
 食欲などまったく無い。遅い迎え酒にまたテキーラを煽る。そしてそのまま眠ってしまう。
 昨夜はコンパニオンらの臭い小水をかなり強力に跳ね返したのに大分飲んでしまった。
 後ろから煽り運転を掛けられた事を思い出す。
 その事は交通課の巡査に何度も説明した。事故現場で段下警視正はそんなもの居なかったと証明していた。
 赤信号を証言したドライバーも見ていないと証言している。
 どうであれ交差点で赤信号を無視して歩行者を撥ねた事と事故要因になる因果関係はないと決め付けられた。
 AVに出てしまえば二度と女優に戻れない。
 もう殆どオハーが無くなっていた事は荒井絵名の意識に薄く自分は大物女優に成ると信じている。
 宇佐美から連絡を貰い病院で検査を受けたが異常無しで片付けられた。
 そして荒井絵名は堕落しきったニートの様に一週間を過してしまう。
 
 宇佐美から電話で次の予定を言い渡された。
 有楽のお座敷円月の間である。
 一日前から躰中が恐怖に動揺している。二日でグラスを三つも割ってしまった。食事も殆ど受け付けない。
 お座敷は五席だけであった。
 衆議院議員平佐和周一郎、民事党幹事長村上祐樹、国民党衆議院議員菱沼、衆議院議員岸本文蔵、北嶋コンツェルン社長北嶋真紀子である。
 宴席にコンパニオンは居ない。宴席の肴はハードコンパニオンの荒井絵名だけであると感じた。
 宴席は床柱から縦に並べられて前は広く開いている。
 良く見ると五人の宴席の後ろに板前のネタケースがあり一人で寿司を握る。板前は津梨清吉という。平佐和らのご贔屓である。
 ネタケースの前には全裸のコンパニオンが二人頭合わせに寝ている。これが白木のカウンターの代わりである。
 広く開いた宴席の壁際には拷問の大道具が搬入されていた。
 荒井絵名には恐怖に縮み上がる光景である。
 またこの政治家のメンバー。そして岸本文蔵の存在。一度は自分がコケにした男である。
 逆に強烈な反動攻撃を受ける。前回のお座敷よりもっと恐ろしいかもしれない。
 何故。交通事故の賠償で借金。それが代議士らの宴会の餌食とされる。さらに自分がコケにした岸本文蔵まで此処に現れた。
 荒井絵名は何か罠に嵌められて報復されているような錯覚さえ覚える。
 いくらなんでも総てが仕組まれているには無理が有ると思う。
 前回自分がハードコンパニオンに出て来たのでこの中の誰かが岸本文蔵を呼んだに違いない。
 この宴会の前に五名は打ち合わせをした。
 目的は二つである。
 荒井絵名に身体を損なわせず精神異常にしない範囲で強いダメージを与える。御座敷を続けられなくしてAVに堕とす。
 岸本文蔵に報復拷問を行なわせる。
 後ろで津梨清吉は注文を聞かないで順に寿司を握って行く。岸本文蔵を除いて全員の好みを心得ている。
 二人の女躰に二枚ずつ笹が敷かれ真紀子の分は別にお膳に笹が敷かれている。
 仲居が配膳した酒やビールを手酌でやる。SMプレイに集中するためコンパニオンを排除したからである。
 一人の男が荒井絵名の後から入って来る。崩れた感じがやくざを思わせる。
 「三田園矢一と申します。お呼びに預かりまして」
 上座の正面に座って挨拶する。墨田会系大船一家の三田園矢一舎弟頭補佐である。
 「岸本君を手伝ってくれ」
 平佐和が岸本文蔵を示して紹介する。
 荒井絵名にも目論見が理解できる。
 いまの言葉に恐怖と悔しさが去来する。岸本文蔵の報復に縛りなどの出来るやくざを雇ったのである。
 政治家が何と言うことだと思うが荒井絵名にはそれどころではない。
 目前は逃れることのできない屈辱と痛み苦しみの修羅場である。恐怖は架橋となった。
 そしてここに居る平佐和が岸本文蔵を呼んだと理解する。
 岸本文蔵は含みのある目付きで荒井絵名を見ていた。
 真紀子が立ち上がって荒井絵名を座の真ん中に引っ張り出す。
 「さあ。お仕事よ。全部脱いで頂戴」
 真紀子から女の怖さを滲み出した言葉が荒井絵名に突き刺さる。
 言う通りにするしかない。手はぶるぶる震えた。
 岸本文蔵はその震える荒井絵名の手を満足そうに見ている。
 荒井絵名の予想に反して女の真紀子が立ち上がった。刹那にこの女は怖いと理解する。
 ジャケットを脱ぎスカートを落としてカットソーの下は白のブラが覗く。下半身はサニタンブラウンのストッキングの下にショーツがくっきり透ける。
 荒井絵名は何よりも岸本文蔵に見られたくない。
 真紀子は女の目でそれをチェックする。荒井絵名と同じ様な体型だけにチェックは厳しい。
 カットソーを首から抜き取りブラも外す。
 「小振りだけど良い形よ。たっぷり虐めましょう」
 真紀子は岸本文蔵に向かって言う。
 屈辱の怒りと恐怖に意識は宙を舞っている。
 岸本文蔵は縛り方を絵に描いて示す。
 ちょっと無理な縛り方である。大船一家の三田園矢一舎弟頭補佐は拷問具から適当なものを探して座敷の中央に運ぶ。
 それは背の低い十字架である。
 本来お尻を着いて磔る拷問具。だが三田園矢一舎弟頭補佐は荒井絵名を高手小手に縛る。躰を逆さにして背中を十字架に押付ける。
 顔を上に向け後頭部を台座に寝かせる。
 脚を広がるだけ広げる。十字架の左右の横柱に三箇所ずつ縛る。強制的に天井に向けて局部を広げていた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 羞恥極まりない姿である。荒井絵名は拒絶の悲鳴を続けた。
 既に荒井絵名の予測を超えている。岸本文蔵の前で今の姿を晒させられるのは限りない屈辱の極致である。
 真紀子は指先で正面を向けられた女の部分のびらびらをもろに開く。
 「いやあーーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 荒井絵名は溜まらず悲鳴を上げる。
 岸本文蔵は立ち上がって覗く。
 「先生。ご遠慮なく。存分に弄って責めていいのですよ」
 真紀子が煽りを掛ける。
 荒井絵名は心臓に氷の刃が突き刺さる想いである。
 「ここから出るところが見たいよ」
 岸本文蔵は三田園矢一舎弟頭補佐に向かって言う。
 荒井絵名の強過ぎる女のプライド。それに塩酸を掛けられるような岸本文蔵の言葉である。
 「かしこまりました」
 三田園矢一舎弟頭補佐は荒井絵名の天井を向いた膣に指を入れる。娼婦の泣き所の反対側を責める。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の悲鳴は急激に上がる。責めは抵抗不可能なくらい的確である。
 岸本文蔵が覗く目前で尿道口が広がり屈辱の結晶のように潮が噴き上がる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 悔しさに心底藻掻ても何の抵抗も出来ない。荒井絵名の悲鳴は架橋になる。
 潮は断続的に三田園矢一舎弟頭補佐の指の動きに合わせて噴き上げる。その都度尿道口から直に出る姿が確認できた。
 恥ずかしさと怒り、羞恥に歪み切った荒井絵名。岸本文蔵の目はその表情と尿道口を交互に凝視している。
 「これは良い」
 岸本文蔵の言葉は荒井絵名の羞恥心の底に突き刺さる。プライドを踏みつけられる思いである。
 荒井絵名に為す術はない。三田園矢一舎弟頭補佐の指が責めるままに悲鳴を搾り出す。そして潮を噴き上げ続けた。
 隠微極まりない光景である。
 真紀子は意地悪く大きな鏡を上から顔に向けて噴いた潮で塗れた畳を見せる。
 畳は大きな水溜り状態である。
 「どう。凄いでしょう。みんな貴方のお○○この上の尿道口から出た潮なのよ」
 真紀子の口調がさらに荒井絵名の恥心を抉る。
 荒井絵名にはもう女ではなくなった境地。それを通り過ぎて最早人で無くなった境地である。
 「ここからおしっこのように出る姿も見られませんか」
 岸本文蔵はとことん辱めたい。
 何故このような事に繋がるのか。事故を起こしただけである。総てがグルなのか。そんな疑念がまた過ぎる。
 真紀子は既に鞭を準備していた。


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