SadoのSM小説 調教師集団

その八
堕さなければ成らない女が堕ちる   
 この物語はフィックションであり、実在の人物機関とはなんらかかわりありません。

 二〇一八年秋分中元
 (これは平気法による二十四節気です)
 台風21号が関西を襲い地震が北海道を襲った。災害の絶えない日本列島だがその街は災害とは概ね無縁である。
 五十階建て二十四棟が二列に並ぶ。大型ニューシティである。
 高層階は高級マンションと一部展望レストラン街。此処には富裕層が武州市の住民税半額に釣られて移り住む。
 AV女優や風俗嬢もたくさん住んでいる。下層階に至るとこの街に仕事を求めた派遣層が住む寮である。
 一部中層階から北側はオフィスが入っている。
 三階までがショッピングモール、飲食店街、歓楽街である。
 周りは工場、オフィスビルが数件隣接していた。
 この街の入口本宿スカイタウン一号棟から十四号棟まで連なっている。先頭部にモノレールの本宿駅が在る。道を挟んで五階建ての雑居ビルが二本並ぶ。
 此処の五階に特別なお座敷がある。
 政治家は元より有名人によっては宴会だけでも煩い昨今。コンパニオン、ましてスーパーコンパニオンなど政治家、上級公務員にはまったく許されない。
 県知事、市長とて同様である。
 だがこのお座敷だけは厳重に秘密が護られる。
 今夜も政治家、武州市長、警察官僚が集まった宴会が行われていた。それもスーパーコンパニオン以上のハードコンパニオンが呼ばれている。
 この街にスーパーコンパニオンという言葉は無い。コンパニオンは温泉芸者以上のサービスを行う。ハードコンパニオンはこれにSMが加わる。
 僅か八名の宴会だが莫大な接待費が落ちていた。
 宴席は左の上座から民事党衆議院議員平佐和周一郎。北海道知事村上敏久。国民党衆議院議員菱沼。武州警察の署長長妻警視正。
 右の上座から民事党幹事長村上祐樹。警察庁長官後藤謙二。武州市長安曇幸雄。そしてスポンサーのTCC社長前原誠次である。
 普通の宴会よりお膳の間隔はかなり広く取っている。
 お膳は客の席の真横に置かれていた。お膳の直ぐ後ろにももう一枚座布団が置かれている。コンパニオンが躰を奉仕する席である。
 そして客とお膳の前に人の身長くらいの座布団が横に置かれている。これが料理を運んで並べる女躰お膳である。
 ハードコンパニオンは下座の外れにまだ待機していた。
 座敷中央では八対八の野球拳の最中である。和服のグループとミニスカスーツのグループが戦う。
 交代で代表二人がじゃんけんをする。負けたグループ全員が客の手で同時に同じ衣服を脱がされる嗜好である。
 全裸に成ってもう一回負けると剃毛されて今夜の女躰膳を勤める。勝ったグループもその姿で客の斜め後ろの座布団に着き全身奉仕する。
 和服のグループは純白の腰巻一枚で乳首は既に丸出しの全裸寸前。ミニスカスーツのグループが負けて全員がブラを外されるところである。
 どの女も身長差は有ってもスマートで綺麗な躰をしている。乳首の形の違いはそれぞれである。だが膨らみが無かったり垂れたりしている女は一人も居ない。
 脚も全員例外なく綺麗である。
 ブラを外すと代議士らは一通り弄くり乳房の感触を確認する。
 どっちのグループも担当の客は決まっている。元よりその代議士らの好みが選ばれていた。
 そして野球拳で負けて剃毛されるのはミニスカスーツのグループと事前に決められているのである。
 コンパニオンに客全員から剃毛の嗜好は今回始めてとなる。
 既に和服のグループは純白の腰巻一枚。その姿で斜め後ろに正座して剃毛を見守っている。
 仲居らは料理を準備して配膳のため座敷からやや離れて待機する。
 まだ料理も酒も並べられていない。
 今夜のハードコンパニオンは始めてのお座敷である。宴会のハードさに慄きこれから自分の受けるこれ以上ハードな内容に怯えていた。
 そしてこれからの借金返済人生に限りなく不安を抱く。
 この女は荒井絵名という。つい最近までは女優の片隅であった。
 剃毛されたコンパニオンは長い座布団に横に成ったままである。そのまま配膳の女躰器となる。
 代議士らは配膳が始まると白い腰巻一枚のコンパニオンを弄り始める。
 温泉旅館でもここまではない。隠微極まりない宴会である。
 武州市長安曇は荒井絵名を座敷の真ん中に呼ぶ。
 荒井絵名の心臓は破裂寸前となった。
 座に居る国会議員に僅かに面識がある。滅茶苦茶虐められると言う事は想像に難くない。
 荒井絵名の前には武州市長安曇と武州警察の署長長妻警視正が居る。上座より前に空間が空けられ床柱の前で責めを受けるようである。
 荒井絵名はこの二人を知らない。解るのは上座の三名の代議士だけである。
 そしていよいよ裸にされる。
 下着は真新しい物に替えた。まだ染み等はないと思う。強制されている白の下着が不安である。
 「自分で脱げるか」
 「はい」
 脱がされるよりは良い。
 「ちゃんと前を向いて脱げよ。ストリップショーだ」
 安曇は後ろを向く事を制する。
 座敷から拍手が沸く。
 平佐和、菱沼、民事党幹事長村上祐樹の三名の視線が嫌である。
 手は振るえ心臓は早い鼓動を打っている。
 ジャケットを脱ぎ震える指先でもたもたとブラウスのボタンを外す。
 純白のブラが掌に収まる乳房を殆ど隠している。
 ブラウスを脱ぎ捨てスカートも脱ぐ。ストッキングは着けてない。脱がされる時にストッキングは何故か恥ずかしい。
 白い下着姿が綺麗である。
 荒井絵名は座敷から目を逸らせて震える指でブラのフォックを外す。そのままBカップのブラを下げて乳首を晒した。
 「小さいけど形は綺麗だよ」
 荒井絵名の羞恥心を突き刺す野次が飛ぶ。
 「さあ。パンティを早く」
 昔の言い方で代議士が要求する。
 荒井絵名は躰を屈めてショーツを腰から抜き取る。
 僅かな陰毛の黒い塊が股間を美しく強調していた。その奥に小さく女の部分を閉じ合わせた粘膜の先端が見え隠れする。
 「さあ。一番恥ずかしいところを皆さんにご披露しよう」
 安曇が荒井絵名の肩を上から押して畳みに尻を着かせた。
 後ろから膝を掴んで股間を開かせる。
 「いやあ」
 荒井絵名の表情が歪む。
 全員の目がそこに集中する。
 荒井絵名は恥ずかしさに目を瞑って顔を座敷から背けた。
 「開いてピンクの内側を見せてよ」
 安曇が後ろから要求する。
 「はあ」
 荒井絵名は震えていた。
 安曇が後ろから両手を回してびらびらを広げてしまう。
 「・・・・」
 荒井絵名は恥ずかしさにやり場のない顔を背け続ける。
 代議士らは交代で座を立って見に来た。荒井絵名は生きた心地ではない。だがこんな事ではこのあと到底済まない。
 「縛り屋さん」
 安曇は小湊雄一を呼ぶ。
 ハードコンパニオンでSMが主体の宴会である。だがこの席の客は自分らで縛ったりはできない。事務所から緊縛師の小湊雄一が派遣されていた。
 小湊雄一は荒井絵名の手首を縛り合わせ抜けないように堅く固定する。その縄を天井のフックに通して天井から真一文字に張る。
 腋は丸出しになり乳首は上を向く。
 小湊雄一は一本の縄で膝を縛り脹脛を縛り脚首も縛る。その縄を少し離れた天井のフックに通し脚首を引っ張り上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の脚は斜め上に向けて引っ張られ股間は丸出しになった。もう片方も同じように縛り反対側の離れた天井のフックに通し引っ張り上げる。
 荒井絵名の躰は床柱の前に船の碇のような形で空中に吊るされてしまった。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 軽い体型ながら手首に体重の負担が掛かり苦しい。
 安曇は膣にクスコを挿入して山芋の擂り汁を流し込む。そのままクスコは抜く。
 「痒くなったら叫べ。これで掻き回してやる」
 安曇は行き成りドリルバイブを指差した。
 荒井絵名にもその形から先端の擬似男根を膣に突っ込まれると判る。さらに強烈な責めを受けると想像が付く。
 代議士らは様々にコンパニオンを弄くる。女躰盛りのコンパニオンの躰にはつまが敷かれ刺身が盛り付けられた。
 座布団に座るコンパニオンはほとんどが腰巻を取られ全裸である。客に女の部分を執拗に弄られていた。
 本来の荒井絵名にとってはこの座敷の状況は由々しき事態である。だが今の自分はそれどころではない。
 平佐和はコンパニオンに酒を無理やり何杯も飲ませる。
 安曇は小湊雄一を呼び寄せて潮の噴かせ方を伝授してもらっていた。
 「いやあ。いやあ。いやあ。ああ。いや。ああー。ああー」
 コンパニオンは躰を捩って顔を右に左に返し続け藻掻く。直ぐに潮を噴き上げ畳をびしょ濡れにしてしまった。
 安曇が真似をするがコンパニオンはやや藻掻くだけで潮噴きには至らない。弄くられ痛みに堪えるだけである。
 コンパニオンを弄くりながら微妙に話し合っている代議士も居る。意外と大切なことをこんな場で話し合って決めてしまう。
 荒井絵名は床柱の前に大股を広げて女の部分を丸出しのままである。その姿で効き始めてきた痒みと吊るしの苦しみに辛い表情を曇らせる。
 安曇はそれをちらちら見ながらコンパニオンを弄くり続けた。
 「あはあーー。ああーー。あはあーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 安曇は遂に執念でコンパニオンに潮を噴かせてしまう。
 安曇はにんまり悦びの表情を綻ばせた。さらに潮で塗れてぐちゃぐちゃのコンパニオンの女の部分を弄り回す。
 女躰をとことん玩具にしたい男の醍醐味である。
 安曇は立ち上がって荒井絵名を覗く。膝を着くと目の高さになる女の部分を観察する。
 「痒いか」
 「かゆいよーーーーーーー」
 荒井絵名は感情?き出しの声で言い返す。
 「どうだ。あれで癒して欲しいか」
 「ええーー。あれは」
 悲痛な表情ながら拒否している。
 「そうか。もう少しそのままだな」
 「いやあーーーーー。かゆいーーーーーーー」
 辛そうに訴える。
 「かき回して欲しいか」
 「えーーーーーーー」
 首を横に傾けて目を細めて拒絶する。
 「まだいいか」
 安曇は離れて席に戻る。
 「彼女どうするの」
 コンパニオンは安曇に弄くられながらも安曇の担当で既に常連である。
 「失神してもらう予定だ」
 「それから」
 コンパニオンは安曇が虐める趣味が良く判る。そして此処に居る大方が荒井絵名を好まない事は理解している。
 「他の先生方次第だ」
 「彼女ズタズタに虐めたいのでしょう」
 「これまでのどのハードコンパニオンよりもな」
 「安曇さん。彼女の都議会での発言聞いて凄く怒っていた」
 「皆同じだよ。口先はもっともらしくマスコミに同調したが」
 安曇の片手は話しているコンパニオンの膣に指が入っている。もう片手は乳房を掴んでいる。
 「それじゃ今日はお愉しみね」
 コンパニオンは含み哂いを浮かべた。彼女らから見ると別の意味で荒井絵名は怒りの対象となる。
 「ところで潮は気持ちよいか」
 「そんなでも。電マの方が気持ちいいよ」
 「そうか」
 今度はコンパニオンに濃密なキスをしながら局部に指を突っ込んでいた長妻武州警察署長が立ち上がる。膣液で指が塗れたままである。
 荒井絵名の女の部分を点検する。
 「痒いだろ」
 「かゆいよーー。なんとかしてーー」
 泣き声で許しを求める。
 長妻武州警察署長は同じ様にドリルバイブを指差す。
 愉しみ半分指を突っ込む。
 「いやあーー」
 荒井絵名は置かれた立場を忘れて拒絶反応をする。
 「御前仕事やろ」
 「・・・・・」
 荒井絵名は悔しさを噛む。
 長妻武州警察署長はドリルバイブを手にする。
 ブルンブルン
 回転しながらピストンする強力なタイプである。
 「いやあーーーーーー」
 荒井絵名はその動きに悲鳴を上げる。
 「ばかやろーーーー。此処のハードコンパニオンはこんなの当然受けるんだよ」
 長妻武州警察署長は活を入れる。
 「ああ」
 荒井絵名は半べそ顔で従うしかない。
 長妻武州警察署長は安曇武州市長を招き寄せる。そしてドリルバイブを渡す。
 「もう少し要求するまで待ちませんか」
 安曇はとことん陥れたい。
 「もっと山芋を注入しましょう」
 長妻武州警察署長は荒井絵名の女にクスコを刺し込む。
 「ああーーーーーーー」
 長妻武州警察署長は山芋の擂り汁を流し込んでクスコを抜く。少し零れて畳に流れ落ちた。
 荒井絵名はどうにも困った顔つきである。空中で吊るされた躰を捩って藻掻く。
 安曇らは暫くコンパニオンを弄くりながら荒井絵名が痒みに藻掻く姿を愉しむ。
 そこへ菱沼が立ち上がる。
 「苦しみはミックスと行きましょう」
 菱沼は鞭を持っている。女を叩く事が好きである。
 行き成り股間を狙う。
 薄い革二枚重ねの一本鞭。その先端で叩く。荒井絵名の閉じ合わせた僅かに突起した女の部分の粘膜を直撃である。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 空中で荒井絵名の躰は大きく震撼する。大口を開けた悲鳴が顔をへしゃげる。
 「うおーーーーー。おーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は空中で躰を固まらせた。そしてそれを強く弾き暴れる。
 相当な痛みのようである。
 「どうだ。痒いのが癒されたか」
 菱沼は詰る。
 「いたいよーーーーーーーーー。かゆいよーーーーーー」
 荒井絵名の痒みの苦しみは治まらない。泣き声で思わず不満をぶちまけた。
 「じゃー。これを受けるか」
 安曇が追い詰める。
 「そんなの入れられたらーーー。こわれちゃいますよーーーーー」
 荒井絵名は恐怖を訴えた。だが本音は女の性の極致まで晒したくないのである。此処では逃れられない事をまだ認識してない。
 「それじゃー。痒みにあと四時間堪えるんだな」
 安曇はまた席に戻る。
 菱沼が間髪置かず鞭を構えた。今度は乳首を直撃する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の躰は背中をやや丸め腰が一度後ろに引き空中で震撼する。
 「あはああーーーーーーーー」
 荒井絵名にとっては始めての鞭である。痛みに慄き既に涙が溢れかけていた。
 菱沼は容赦ない。次の一発を叩き込む。今度は乳房を変形させめり込む。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の躰は空中で仰け反り反動で前後に大きく揺れる。
 「ああーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の表情を破裂させて悲鳴を轟かせた。
 菱沼は容赦なく叩き続ける。
 荒井絵名は局部を叩く度に驚愕の悲鳴を轟かせた。吊るされた躰が空中で暴れ続ける。壮絶な光景である。
 菱沼があまりやり過ぎないように長妻武州警察署長が立ち上がる。
 その横から警察庁長官後藤謙二も立ち上った。
 「どうや。電流責めと行こう」
 「まあ。長官その前にこれで失神させて電流で起こしてさらに電流責めでは」
 安曇はドリルバイブを指差す。
 「なるほど。それで行くか」
 警察庁長官後藤謙二も納得する。
 「どうだ。これを受け入れたら」
 長妻武州警察署長がまだ追い詰める。
 「いやーーーーーー」
 「そうか。まだ痒みに堪えるか」
 「もうゆるしてよーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は堪え切れずヒステリックに喚く。
 気性は強く異常な我侭を通す女だが忍耐力はまったくない。
 そしてこれまでの荒井絵名は強硬に女の権利を拡大解釈して強引に通す。それに今夜此処に居る代議士らは心底怒りを覚えていた。
 「駄目だ。お前だけは許さない」
 安曇はしんねりとした口調で宣告する。
 「なんでよーーーーーーー。もうかゆくて・・・きがくるうよーーーー」
 荒井絵名の泣き悲鳴である。
 「ならうけいれろーーーーーーー」
 長妻武州警察署長は強く押え付ける警察官の口調で言う。
 「おのれーーーーーーー。ちくしょーーーーー。やれよーーーーーーーー」
 荒井絵名は遂に痒みに屈した。
 「ばかやろーーーーーーー。入れて下さいだろ」
 長妻武州警察署長は更にどやしつける。
 荒井絵名は苦しい顔を歪め怒りに滾り唇を噛む。
 「・・・・・・・・・」
 おのれーーと叫びたい。その言葉を押し殺す。
 「いれて・・ください」
 怒りを堪えて小声で言う。
 「声が小さい」
 長妻武州警察署長はまだ追い詰める。
 「いれてーーくださいーーーーーーーー」
 荒井絵名は躰から滲み出す怒りを押し殺して叫ぶ。
 長妻武州警察署長はドリルバイブを安曇に渡す。長妻武州警察署長はそれがあまり得意ではない。
 安曇は荒井絵名の膣に指を突っ込む。濡れ状態の確認である。
 痒みに膣液が流れているがスポイトでローションを流し込む。
 擬似男根の先端手前を持って強引に突っ込んでしまう。
 「うおーーーーーーーーー」
 女の入口に太い異物が入った叫びである。荒井絵名にこんな経験は無い。これまで僅かに躰を許した男からは金を毟り取ってきた。
 スイッチが入る。
 「がああ、あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の顔は一気に軋み破裂する。大口を開けて歯を?き出して首を暴れさせ声を絞り出す。
 「ああーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 藻掻き恐怖の叫びを上げる。
 安曇らはこの反応に満足である。何度も失神させ追い詰め続けたい。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目を強く瞑りそれを大きく見開き究極の官能に暴れ続ける。
 「やあーーーーーーーーーーーーー。やばーよーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は恐怖に狂ったように叫び続けた。
 長い時間は持たない。
 荒井絵名は白目を?いて空中に吊るされたまま失神してしまう。
 警察庁長官後藤謙二が電気ショックの準備をする。
 クリトリスの真下に針を通した。その針にクリトリスを跨ぐようにスタンガンを押付ける。
 「あがあーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーー」
 一瞬で荒井絵名は意識を取り戻す。
 針を刺したままドリルバイブが挿入される。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。しんじゃうよーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は失神と電気ショックの恐怖に泣き叫ぶ。
 「しなない。しなない」
 安曇は一切動じない。
 再びスイッチが入る。
 「ころさないでーーーーーーーーーー。こわいよーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の眉間に三重に皺が刻まれ豊麗線も深く割れ大口を開けて一気に顔は軋む。首を揺らして責めに悶えた。
 そこにスタンガンを併用する。
 荒井絵名は口から泡を噴いて失神してしまう。
 
 失神したまま吊るしを解かれた荒井絵名は浴室に運ばれた。
 二枚の大きな鉄板が蝶番で繋がれている。それが浴室の床に敷かれそこにボルトで部品が取り付けられてゆく。
 今回は安曇の要求した改造を施してあった。
 縦二メートル横一メートルの鉄板を二枚並べて繋いだ物は同じである。
 これまではそれに四箇所の螺子穴にボルト式のフックを差し込む。手脚を広げて大の字にフックで固定する物であった。
 今回の改造で手首、脚首がU字のフックできっちり押えられる。フックの左右の位置を調整してボルトで鉄板に止める構造になった。
 さらに顔の部分を左右からL字と逆L字の鉄板で挟む。
 これも鉄板の螺子穴にボルトで止めるが鉄板側は螺子穴だが、L字の鉄板には平面に長穴が空いていた。
 顔のサイズに合わせて万力の様に固定できる。
 荒井絵名は口に押し込まれた開口器を広げられたままである。L字の鉄板で挟まれ顔を動かす事はまったくできない。
 そこへ二十人のコンパニオンに顔を跨がせて小水をさせる。
 それも酒の混じった極めて臭い小水である。
 荒井絵名は失神したまま浴室に運ばれた。警察庁長官後藤謙二が再びスタンガンで刺激する。
 「あわわあああ。あわわわああ」
 荒井絵名は開口器で広げられた口からくぐもった悲鳴を漏らす。
 一人目は顔を洗う様に掛けてから口の開口器に流し込む。
 終わっても荒井絵名は顔を傾けて口の中の小水を流す事ができない。臭さと苦しまみれに舌と顎の筋力で押し出す。さらに喉から空気圧で出す。
 一つ間違えば飲んでしまいそうである。荒井絵名は必死に堪える。
 目に掛ける奴。鼻を狙って息を止めさせ口から飲ませようと責めて来る。
 風俗嬢から荒井絵名は好ましい女ではない。
 安曇に付いていたコンパニオンは片方の鼻の穴を直撃する。荒井絵名は躱すが今度は喉の奥に尿道口を絞って強く浴びせる。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は息の力で強力に抵抗し続けていた。
 小水を出し切るとコンパニオンは次のコンパニオンに耳打ちする。
 「口に少し入れて、あとは鼻の穴を左右交互に責めて、息をさせないのよ」
 このコンパニオンは荒井絵名に小水を無理やり飲まそうと目論んでいた。
 聞いている側のコンパニオンもにんまり含み哂いに成る。
 これまでと違って代議士らは見ているだけである。20人のコンパニオンの小便姿を鑑賞していた。
 耳打ちをされたコンパニオンは膝立ちで荒井絵名の顔を跨ぐ。股間に力を篭めて口の開口器に放尿する。
 「ご、ご」
 直ぐにお尻を下げて鼻に放水銃で洗うように腰を回して放水する。
 「ぐおーーーーーーーん」
 荒井絵名の喉から小水が噴き上げる。
 「ごほおーーーーーーん。げほん。げほん。ぐおふぉーーーん。ぐほーーーーーーん」
 器官に入ってしまったか荒井絵名は究極に咳き込む。
 「ごほん。ごほん。ごほん」
 咳き込む度に口から小水が弾き飛ぶ。なかなか咳き込みは治まらない。
 荒井絵名の目には涙が溢れている。
 二十人分の小水が終わって顔の戒めと片手の戒めだけ解かれる。
 「後は自分で外すのよ」
 安曇に付いていたコンパニオンがそう言い残して全員が浴室を出て行く。
 気持ち悪さの極致で荒井絵名は苦しんでボルトを外す。
 手はそれほど難儀せずに外れた。
 だが躰を折って脚を戒めているボルトを外すのに難儀する。
 ようやく戒めから開放されて何度も嗽をした。顔を洗い躰も洗って座敷に戻り服を着ける。
 悔しさと辛さにぽろぽろ涙が零れた。
 
 それは約一月前。有楽のお座敷天昇の間である。
 本来はコンパニオンが呼ばれ隠微な宴会が行われる。本日は料理だけが出されコンパニオンの姿はない。
 上座には民事党の古狸が座っている。総理経験者で今も政界に影響力を持つ。
 話を伺っているのは保木間貴明以下調教師集団の面々である。
 「やって貰いたいのは女優の荒井絵名だ」
 古狸から調教師集団に依頼が告げられた。
 「それはどういう理由からですか」
 対応して質問するのは調教師集団の紅一点北嶋真紀子である。
 「理由か。まずこの女は女優に成る前。痴漢冤罪をたくさん作った。真面目なサラリーマンを転落させ慰謝料を搾り取った」
 「それだけで調教師集団は動きます。ですがそれは大分昔のお話ではないでしょうか」
 「そうだ。この女は自分が伸し上がろうとこっちの派閥の有力議員にセクハラ丁稚上げの脅迫をして来た」
 「その人物は」
 「聞くまでもあるまい」
 「岸本文蔵」
 「・・・・・」
 古狸は何も言わないが否定はしない。
 「少々検討が必要です。女優を堕すと成ると容易ではありません」
 今度はリーダーの保木間が答える。
 「判った。そっちの判断に任せる。必要な協力はする」
 古狸はそれだけ言って座を立つ。
 野村未来也弁護士は荒井絵名の情報を集めた。インターネットに書かれている事だけではない。情報源を手繰る。
 「ホストクラブ数件に顔を出しています」
 「借金は。本名は荒川絵里名です。平成二年十二月二十日生まれです」
 真紀子が生年月日を調べて借金の有無確認を要求する。
 「杉本金融のデータでは銀行、クレジットカード、カードローン合わせて一千数百万位」
 こっちは館山弁護士が答える。
 「借金はたいした事ないわね」
 「税金の滞納もある。約百五十万だ」
 埼玉県警本部の段下警視正である。
 「堕とし様はあるわね。やります」
 真紀子は保木間に確認する。
 「そうですね。古狸にも恩と貸しを作りましょう」
 調教師集団の意思は決まった。これは大きく稼げるAV女優にできる。だがそこまで堕すが相当に難しい。
 「この女。闇金からも摘んでいる」
 館山弁護士が突き止める。
 「まず借金の整理をして纏めましょう」
 保木間は借金を集めてそれに賠償金で加算させて追い込む考えである。
 「飲酒事故でも起こさせて」
 墨田会系大船一家の稲垣七郎若頭は例えで言っただけである。
 「それでは時間が掛かり過ぎる。逮捕実刑は拙い」
 段下警視正が言下に否定する。
 「単純事故で良いと思います」
 野村未来也弁護士である。
 「その後覚せい剤に浸けて逮捕執行猶予で行きましょう」
 稲垣七郎である。
 ではここで調教師集団とこの街について解説する。
 現代は女性知識層の言い分のままに女性を圧倒的に保護し過ぎる法律下である。
 迷惑防止条例、ストーカー禁止法は江戸時代の切り捨て御免、生類哀れみの令と変わらない。
 疑わしきは罰せずの精神から著しく外れている。冤罪を大量生産する史上の悪法と言わざるを得ない。
 それを悪用する現代の身勝手な女性を制裁してお仕置き、かつ風俗、AVの仕事に就かせて経済効果に貢献する。そういう集団である。
 法律が女性の言い成りに従ってしまっている現代において女性は会社の中で些細な事で痴漢、セクハラ、パワハラと文句をつける。
 杓子定規に女性の言い分通りでは男性は恐ろしくて会社に居られない。調教師集団はそういう男性の依頼を実行する。
 標的として依頼を受けるのは女性だけである。
 風俗関係者や本当に弱い女性は対象にしない。法律的女性有利を利用して男性、企業を抑圧するインテリ女性だけである。
 調教師集団の団員は保木間の他十一名。弁護士、外科医、精神科医、印刷屋、警察官、組関係者もいる。
 この街は九年前に造られた。シカゴに本社を持つAV企業の資本である。
 保木間が実質のオーナーだがR国に赴任する名目上の人物がオーナーに成っていた。保木間はそこから管理を委託されたマネージャーの立場を名乗る。
 当初は高層建物二棟から始まった。この街は今では一大都市に発展している。
 
 野村未来也弁護士が荒井絵名に面会を求めた。弁護士と効いて荒井絵名も面会に応じた。
 「貴女はあちこちに借金されていますね」
 「それが。・・・・まさか取り立て」
 荒井絵名は怯えた表情になる。
 「弁護士は闇金の取立てまで致しません。ただ、面倒に成らないうちに一本に纏めませんか」
 「え。一本に出来ますか」
 荒井絵名は既に金利に苦しんでいた。
 「ええ。私にご依頼頂けましたら。今の段階でしたら何とか法定金利内で一本にできます」
 野村未来也弁護士は一気に確信を突く。
 「ええーー。お願いします」
 荒井絵名は飛びついてきた。
 野村未来也弁護士は僅か五万の弁護士費用で引き受ける。恩だけ売って義理は浅くと言う考えである。
 全額を杉本金融が年利十五パーセントで引き受ける。銀行を除いて金利は大幅に下がった。
 
 荒井絵名の通院する病院の外来を一日だけ調教師集団の葛和医師が交代した。
 眠気が強くなる鎮静剤を処方する。
 既に事故に遭う被害者も用意されていた。借金を抱えて運転資金が回らない中小企業の社長である。
 調教師集団の事件屋大志田一行が煽り運転を掛ける。
 荒井絵名の運転する車は変る瞬間の赤信号を突っ切った。そこに七十代の社長が横断歩道を急いで手を上げて渡る。
 青信号に成った瞬間を証言する車も用意されていた。
 その車は歩道側に停止する。荒井絵名の車はその左を通過して社長を撥ねてしまう。荒井絵名の車は十メートル先に止まった。
 現場に横の道から車で段下警視正が通り掛かる。左に折れて荒井絵名の車の後ろに止まった。
 警察手帳を掲示して荒井絵名の身柄を確保する。交通課と救急車を呼ぶ。
 普段男に傲慢な態度で接する荒井絵名が極端に動揺していた。だがその眼つきはこんな爺跳ねて自分の人生が狂って溜まるかと足掻いている。
 段下警視正は自分の言いなりにできる交通課を呼んだ。
 救急車が着く前に息子の専務が社長を追いかけて現場に着く。専務は持病があるので武州記念病院への搬送を要求した。
 荒井絵名は借金を助けてくれた野村未来也弁護士に連絡する。
 状況を聞いて野村未来也弁護士はその刑事に代わるよう要求した。
 会話から段下警視正と野村未来也弁護士に面識が有ることは分かる。
 「芸能人でも逮捕は変わらないよ。特別扱いは無い」
 段下警視正は通話相手の野村未来也弁護士にそう断言する。荒井絵名は一瞬血の気が引いた。
 荒井絵名は逮捕され武州署に連行される。
 野村未来也弁護士が接見する。
 「あるアナウンサーは駐車場で人を撥ねて逮捕されませんでした」
 「そうですね。でもあなたは信号無視している」
 「していません」
 「駄目です。歩車道境界側に居た車が証言しています。自分は信号が変わって止まった。その横をあなたの車が通過して社長を撥ねたと」
 「ふーん」
 荒井絵名は不満そうに裏の表情を晒してしまう。
 「相手が悪かった。保険で賄いきれない示談金を払ってどうあっても示談に持ち込まなければ起訴されてしまうよ」
 「応じないで起訴されたらどうなります」
 「実刑です。更に民事も掛かります」
 「賠償請求ですか」
 「そうなります」
 「どっちみち金は取られますか」
 「払わざるを得ません」
 「お金が無ければ」
 「生活保護にでもなれば別ですが。免れません」
 「どうすればいいの」
 「示談にして起訴を免れてそれからです」
 「今は此処を出ることが先決ですか」
 「そうです」
 荒井絵名は已む無く示談に応じる事にする。
 示談書作成に社長側の代理人館山弁護士が来た。
 被害者が示談金で納得しない事。事故により持病の対応も悪化した事。保険会社の査定では到底示談に大きく足りないと説明された。
 野村未来也弁護士も被害者の言い分は分かると一度認める。だが裁判になれば大分下がるであろう分少しは交渉して貰えないかとお願いする。
 「私でさえ多少説得はした。相手が悪かった。女が車に乗ることすら嫌がる人物だ。どうせ会社は大打撃だ。金より裁判やって懲らしめようと言っている」
 「それじゃあね。裁判で執行猶予になれば良いが。そのあと民事で示談金ではね。金を造るのがもっと苦しくなる」
 野村未来也弁護士も渋面になる。
 「それに荒井さんはネットで痴漢冤罪を作ったと噂が流れています。それがこの親子をもっと責めの姿勢にさせるのですよ」
 館山弁護士はさらに不味い条件を話した。
 「そんな全部出鱈目です」
 荒井絵名は抗議の姿勢になる。
 「それだけじゃない。貴女のマスコミでの発言をとことん嫌っているのですよ」
 更に筋書きは以下の通りである。
 社長は経営者であり技術者であった。いま受注している案件が果たせなくなって取引先に違約金を請求されている。
 払えなければ会社は倒産する。
 前にも同じ手をこの二人の弁護士が使った。だが表には一切出てないのである。
 二人の弁護士が敵味方で同じ説得をされれば気性の強い荒井絵名でもマスコミ発言のようには行かない。
 それ以前に荒井絵名は野村未来也弁護士に一度助けられている。信頼してしまっているのである。
 荒井絵名は説得に従い示談かつ要求金額を呑む選択をする。
 そのまま釈放され略式起訴となった。
 所詮三戦級女性タレントである。たいしたマスコミ報道はなかった。
 事故が僅かに報じられ留置所を出るとき一通りマスコミが集まっただけである。
 他の元アイドルタレントの飲酒ひき逃げ事件が大きく報じられた。その陰に隠れてさらに報道は小さくなる。
 既に都議選挙も新党の躍進で落選して芸能界のオハーも殆ど無い。
 荒井絵名は実刑を免れたが示談金を払うに苦戦が始まった。
 何処も融資に応じない。
 借金を一括してもらった杉本金融に行く。
 「いやあ。これ以上は」
 「何とか成りませんか」
 「いやあ。もうどうにも成らなければ、うちの分は破産宣告していただけば損金処分します」
 「レリースローンとありますよね。ばれない風俗とかありませんか」
 「いやあ。そういうところで働いておられてもその金額では」
 「駄目ですか」
 「直接お店に当たってはどうですか。そこで貸してくれる場合も」
 知っている芸能人全部に次々と相談しに行く。
 それは駄目以上に過去の荒井絵名の行動を非難する言葉が返ってくるだけであった。
 そこまで自分は嫌われていたのかと思い知らされる。さらに荒井絵名を絶望に沈ませるだけであった。
 館山弁護士から毎日催促が掛かっていた。仕方なくソープランドを尋ねる。
 「そこまで金額が行ってしまうと」
 お店は荒井絵名を見てもやはり二の足を踏む。
 店を出たところで男が近付いて来た。
 崩れた風体である。
 「借りられた」
 荒井絵名は首を振る。
 「働いて貸して貰えるところ紹介するよ」
 「私八千万要るの」
 どうせこんな奴と棄て台詞を言う。
 「まあ。なんとかしてくれると思うよ。この人を訪ねて」
 罠があるかもしれないが既に躊躇する余地は無い。渡された名詞の住所を見て少し期待が湧いた。
 男の紹介した場所は本宿スカイタウンの一号棟。あの綺麗な街に在るならとやや安心する。
 だが出て来た宇佐美伝吉という男は大柄で厳つい。
 事情は簡単に理解した。
 「確かに金額は大きい。AVの無修正版八本で解決だよ」
 「えーー。AVでは。ばれない風俗でないと」
 「方法はあるが期間が長くて辛いぞ」
 「それは」
 「お座敷のハードコンパニオンだ。躰を見ないと何とも言えないが有名人の片隅だけ評価して一回百万。80回だ」
 内容を説明されて荒井絵名は狼狽した。
 「無修正AVなら八本だぞ」
 「ああ」
 「どうする。その前に裸を見ないと金額は保障できないが」
 「その前にお金を先に出していただけるのですか」
 「もちろん。その館山とか言う弁護士と俺が話を付ける。あんたは終わるまで此処の寮で生活してもらう」
 「此処のマンションに寮があるのですか」
 既に荒井絵名はマンションの家賃を滞納していた。
 「有る。金を貸して逃げられては敵わない」
 「裸を見せたら今直ぐ話をつけて貰えますか」
 「レートは変わるかもしれないが。どっちにせよ何とかする」
 「此処で」
 宇佐美は無言で首を縦に動かす。
 荒井絵名は恐る恐る立ち上がる。
 手は震えていた。相手は一人だけと自分に言い聞かせる。
 もし示談を壊したら実刑は免れない。館山弁護士は強烈な手を打ってくるに違いない。そしてこれから脱ぐ事は当然と成ってしまう。
 スーツのジャケットを脱ぎブラウスのボタンを外す。
 下を向いた表情でブラも外してしまう。小振りで手に収まる乳房の大きさである。だがそれなりに形良く美しい。
 乳輪もそれなりの大きさで薄紅である。
 宇佐美の表情を見ながらスカートも脱ぐ。ストッキングごとショーツも下ろす。一日歩いて来た。汚れが気に成る。
 丸めて脱いだスカートの中に隠す。
 「座って広げて」
 宇佐美の口調と表情は言い返しを許さない。
 覚悟を決めてソファーにお尻を下ろして股を広げる。
 「中まで開いて」
 「・・・」
 反射的に何かを言いかけたが言葉が出ない。
 指先で押して小陰唇を一気に広げた。
 標準的なピンクの部分が広がり尿道の亀裂の下に膣口が僅かに割れている。
 「いいよ。言った通りだ。館山弁護士の連絡先は」
 荒井絵名は貰った名刺を差し出す。
 宇佐美は全額現金で用意する約束でアポを取り付ける。
 「後はこっちでやる。あんたは此処の寮に移ってくれ。引越しは手配する。賃貸なら大家に話は付けてくれ」
 「それが家賃を滞納していて」
 「それじゃ夜逃げだな」
 宇佐美は何も驚かない。
 消費金銭貸借証書に署名させられ印鑑証明を要求された。二年間無利息の約定と書かれていて安堵する。
 翌日印鑑証明と引き換えに示談書が渡された。
 そのあと他言無用の注意とビデオを二本見せられる。
 何処か海外の映像。古いフイルムだが遠くない近年である。
 丸い鉄格子の鳥篭を天井の高い小屋にした大きさ。中では女が椅子の上に載せられていた。
 腹の部分をベルトで留められていてその両手、両足とも切断されている。全裸である。自分で動く事はまったくできない。
 アップになるとそれなりに美形で日本人の様に見える。乳房の形も良い。
 太腿の途中で切断された足を自分で閉じる事ができないのか女の恥ずかしい部分は丸出しである。ドテの黒い固まりは剃られて無い。
 檻の外からは観光客らしきが集って見ている。
 スイッチボックスが設えてあり観光客がスイッチを押すと水が飛びだす。その晒し者の女に掛かる仕組みである。
 「この状態で毎日観光客の見世物にされている。自殺する事も自分で体を動かす事さえ出来ない。毎日点滴で栄養補給している。小水も垂れ流しだ」
 荒井絵名は憤りながら瞬時に口が利けない。
 これ以上の処刑があるだろうか。殺されるより酷い。
 「いいか。ここまでは俺に関係ない。既に別の組織が動くのだ。そうなったのがこのビデオだ」
 女が全裸で逆さ吊るしにされていた。
 『埼玉県警生活安全課出水麻里巡査部長』と字幕が出る。
 全身に鞭の痕が奔って無残な状態。至るところ血が流れたり滲んだり傷も確認できる。
 そのままその女性警察官は破砕処理機の中に処刑された。
 「この組織が動いてから詫びられても俺にもこの街のマネージャーでもどうする事もできない」
 「この女性警察官は何故」
 荒井絵名は唇を震わせ小声で尋ねる。
 「あんたのような立場の女がその婦警に相談しただけだ」
 「・・・」
 荒井絵名はそれ以上言葉が出ない。
 危機は回避したが荒井絵名にその日から次の地獄が始まった。
 
 御座敷を終えて部屋に戻った荒井絵名は悔しさ、怒り、お座敷のハードコンパニオンの仕事の恐ろしさにこの先を考えて震える。
 その夜はテキーラを煽って眠ってしまった。
 翌日午後に目を覚ましてまだ足腰が立たない。昨夜の恐ろしい宴会が脳裏に蘇る。
 客もコンパニオンも座敷の仲居も全部自分の敵であった。
 何故このような宴会が許されるのか。それも社会に名の通った人物が何人も来ていた。
 荒井絵名には由々しき事だがそれ以上に今はその連中の玩具である。この許せない秘密を護らなければもっと恐ろしい事が自分の身に降りかかる。
 一週間に一回だがこの地獄に二年堪えなければならない。
 とても堪えられると思えない。
 『方法はあるが期間が長くて辛いぞ』
 宇佐美の言葉がその数百倍に感じる。
 食欲などまったく無い。遅い迎え酒にまたテキーラを煽る。そしてそのまま眠ってしまう。
 昨夜はコンパニオンらの臭い小水をかなり強力に跳ね返したのに大分飲んでしまった。
 後ろから煽り運転を掛けられた事を思い出す。
 その事は交通課の巡査に何度も説明した。事故現場で段下警視正はそんなもの居なかったと証明していた。
 赤信号を証言したドライバーも見ていないと証言している。
 どうであれ交差点で赤信号を無視して歩行者を撥ねた事と事故要因になる因果関係はないと決め付けられた。
 AVに出てしまえば二度と女優に戻れない。
 もう殆どオハーが無くなっていた事は荒井絵名の意識に薄く自分は大物女優に成ると信じている。
 宇佐美から連絡を貰い病院で検査を受けたが異常無しで片付けられた。
 そして荒井絵名は堕落しきったニートの様に一週間を過してしまう。
 
 宇佐美から電話で次の予定を言い渡された。
 有楽のお座敷円月の間である。
 一日前から躰中が恐怖に動揺している。二日でグラスを三つも割ってしまった。食事も殆ど受け付けない。
 お座敷は五席だけであった。
 衆議院議員平佐和周一郎、民事党幹事長村上祐樹、国民党衆議院議員菱沼、衆議院議員岸本文蔵、北嶋コンツェルン社長北嶋真紀子である。
 宴席にコンパニオンは居ない。宴席の肴はハードコンパニオンの荒井絵名だけであると感じた。
 宴席は床柱から縦に並べられて前は広く開いている。
 良く見ると五人の宴席の後ろに板前のネタケースがあり一人で寿司を握る。板前は津梨清吉という。平佐和らのご贔屓である。
 ネタケースの前には全裸のコンパニオンが二人頭合わせに寝ている。これが白木のカウンターの代わりである。
 広く開いた宴席の壁際には拷問の大道具が搬入されていた。
 荒井絵名には恐怖に縮み上がる光景である。
 またこの政治家のメンバー。そして岸本文蔵の存在。一度は自分がコケにした男である。
 逆に強烈な反動攻撃を受ける。前回のお座敷よりもっと恐ろしいかもしれない。
 何故。交通事故の賠償で借金。それが代議士らの宴会の餌食とされる。さらに自分がコケにした岸本文蔵まで此処に現れた。
 荒井絵名は何か罠に嵌められて報復されているような錯覚さえ覚える。
 いくらなんでも総てが仕組まれているには無理が有ると思う。
 前回自分がハードコンパニオンに出て来たのでこの中の誰かが岸本文蔵を呼んだに違いない。
 この宴会の前に五名は打ち合わせをした。
 目的は二つである。
 荒井絵名に身体を損なわせず精神異常にしない範囲で強いダメージを与える。御座敷を続けられなくしてAVに堕とす。
 岸本文蔵に報復拷問を行なわせる。
 後ろで津梨清吉は注文を聞かないで順に寿司を握って行く。岸本文蔵を除いて全員の好みを心得ている。
 二人の女躰に二枚ずつ笹が敷かれ真紀子の分は別にお膳に笹が敷かれている。
 仲居が配膳した酒やビールを手酌でやる。SMプレイに集中するためコンパニオンを排除したからである。
 一人の男が荒井絵名の後から入って来る。崩れた感じがやくざを思わせる。
 「三田園矢一と申します。お呼びに預かりまして」
 上座の正面に座って挨拶する。墨田会系大船一家の三田園矢一舎弟頭補佐である。
 「岸本君を手伝ってくれ」
 平佐和が岸本文蔵を示して紹介する。
 荒井絵名にも目論見が理解できる。
 いまの言葉に恐怖と悔しさが去来する。岸本文蔵の報復に縛りなどの出来るやくざを雇ったのである。
 政治家が何と言うことだと思うが荒井絵名にはそれどころではない。
 目前は逃れることのできない屈辱と痛み苦しみの修羅場である。恐怖は架橋となった。
 そしてここに居る平佐和が岸本文蔵を呼んだと理解する。
 岸本文蔵は含みのある目付きで荒井絵名を見ていた。
 真紀子が立ち上がって荒井絵名を座の真ん中に引っ張り出す。
 「さあ。お仕事よ。全部脱いで頂戴」
 真紀子から女の怖さを滲み出した言葉が荒井絵名に突き刺さる。
 言う通りにするしかない。手はぶるぶる震えた。
 岸本文蔵はその震える荒井絵名の手を満足そうに見ている。
 荒井絵名の予想に反して女の真紀子が立ち上がった。刹那にこの女は怖いと理解する。
 ジャケットを脱ぎスカートを落としてカットソーの下は白のブラが覗く。下半身はサニタンブラウンのストッキングの下にショーツがくっきり透ける。
 荒井絵名は何よりも岸本文蔵に見られたくない。
 真紀子は女の目でそれをチェックする。荒井絵名と同じ様な体型だけにチェックは厳しい。
 カットソーを首から抜き取りブラも外す。
 「小振りだけど良い形よ。たっぷり虐めましょう」
 真紀子は岸本文蔵に向かって言う。
 屈辱の怒りと恐怖に意識は宙を舞っている。
 岸本文蔵は縛り方を絵に描いて示す。
 ちょっと無理な縛り方である。大船一家の三田園矢一舎弟頭補佐は拷問具から適当なものを探して座敷の中央に運ぶ。
 それは背の低い十字架である。
 本来お尻を着いて磔る拷問具。だが三田園矢一舎弟頭補佐は荒井絵名を高手小手に縛る。躰を逆さにして背中を十字架に押付ける。
 顔を上に向け後頭部を台座に寝かせる。
 脚を広がるだけ広げる。十字架の左右の横柱に三箇所ずつ縛る。強制的に天井に向けて局部を広げていた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 羞恥極まりない姿である。荒井絵名は拒絶の悲鳴を続けた。
 既に荒井絵名の予測を超えている。岸本文蔵の前で今の姿を晒させられるのは限りない屈辱の極致である。
 真紀子は指先で正面を向けられた女の部分のびらびらをもろに開く。
 「いやあーーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 荒井絵名は溜まらず悲鳴を上げる。
 岸本文蔵は立ち上がって覗く。
 「先生。ご遠慮なく。存分に弄って責めていいのですよ」
 真紀子が煽りを掛ける。
 荒井絵名は心臓に氷の刃が突き刺さる想いである。
 「ここから出るところが見たいよ」
 岸本文蔵は三田園矢一舎弟頭補佐に向かって言う。
 荒井絵名の強過ぎる女のプライド。それに塩酸を掛けられるような岸本文蔵の言葉である。
 「かしこまりました」
 三田園矢一舎弟頭補佐は荒井絵名の天井を向いた膣に指を入れる。娼婦の泣き所の反対側を責める。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の悲鳴は急激に上がる。責めは抵抗不可能なくらい的確である。
 岸本文蔵が覗く目前で尿道口が広がり屈辱の結晶のように潮が噴き上がる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 悔しさに心底藻掻ても何の抵抗も出来ない。荒井絵名の悲鳴は架橋になる。
 潮は断続的に三田園矢一舎弟頭補佐の指の動きに合わせて噴き上げる。その都度尿道口から直に出る姿が確認できた。
 恥ずかしさと怒り、羞恥に歪み切った荒井絵名。岸本文蔵の目はその表情と尿道口を交互に凝視している。
 「これは良い」
 岸本文蔵の言葉は荒井絵名の羞恥心の底に突き刺さる。プライドを踏みつけられる思いである。
 荒井絵名に為す術はない。三田園矢一舎弟頭補佐の指が責めるままに悲鳴を搾り出す。そして潮を噴き上げ続けた。
 隠微極まりない光景である。
 真紀子は意地悪く大きな鏡を上から顔に向けて噴いた潮で塗れた畳を見せる。
 畳は大きな水溜り状態である。
 「どう。凄いでしょう。みんな貴方のお○○この上の尿道口から出た潮なのよ」
 真紀子の口調がさらに荒井絵名の恥心を抉る。
 荒井絵名にはもう女ではなくなった境地。それを通り過ぎて最早人で無くなった境地である。
 「ここからおしっこのように出る姿も見られませんか」
 岸本文蔵はとことん辱めたい。
 何故このような事に繋がるのか。事故を起こしただけである。総てがグルなのか。そんな疑念がまた過ぎる。
 真紀子は既に鞭を準備していた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は小型の電マを持ち出す。
 今度はやや時間を掛ける。クリトリスを?き出して指で刺激する。さらに閉じたびらびらの上を電マの頭でスライドさせた。
 荒井絵名の股間はそれに呼応して膣痙攣のように震える。
 数分の責めで荒井絵名の顔に強い変化が現れた。
 決壊寸前である。
 真紀子が手伝ってびらびらを指で広げる。
 荒井絵名の表情に堪え切れない苦悶が浮かぶ。
 三田園矢一舎弟頭補佐は電マの責めをクリトリスに集中させた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴と共に潮が噴水のように噴き上げてしまう。
 三田園矢一舎弟頭補佐の責めに荒井絵名は抵抗する術はない。羞恥のどん底に堕ちてゆく。
 座から拍手が沸いた。
 岸本文蔵は満足の表情を綻ばせている。
 荒井絵名は恥ずかしさの極致に表情を崩しきって目を逸らせて朦朧とした状態を続けた。
 だがその心の奥では何としても復習を誓っている。
 そうだ。弁護士も警察も宇佐美も全部グルに違いない。野村未来也弁護士も。それは違う。自分の借金を纏めてくれた弁護士を自分から呼んだ。
 「さあ。先生。その雌奴隷のお漏らしにお仕置きを。一番敏感な部分に鞭の洗礼を与えて下さい」
 真紀子が鞭を差し出す。
 岸本文蔵はこれぞ報復の極致と悦びの表情をさらに綻ばせる。
 荒井絵名は恐怖に縮み上がった。
 女の恥ずかしく敏感な部分を拷問できる。岸本文蔵にもその強烈に神経に染み渡る痛みが想定できた。全身の血が沸き立つ思いで一本鞭を構える。
 荒井絵名は岸本文蔵が残酷な限り叩いて来ると分かって恐怖に震えながら躰を堅くしていた。
 縮み上がった表情で身構える荒井絵名。岸本文蔵はその性器目掛けて鞭を振り下ろす。怒りに滾って一分の躊躇いもない。
 鞭の先端は長方形の革を二枚重ねたチップである。その部分が閉じ合わせた女の部分の粘膜を直撃する。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の顔が大きく引き攣って悲鳴を轟かせた。
 逆さに広げられた股間が十字架を揺らして痛みに震撼する。
 「ああーーーーーーーー。あはあーーーーーー。あはあー。あはあ」
 岸本文蔵は鞭を構えて悲鳴が収まるのを待つ。
 荒井絵名は岸本文蔵の身構える鞭を見て恐怖に怯えきった表情をさらに縮み上がらせた。
 「ああーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 悲痛な泣き声である。
 それでも岸本文蔵の怒りは滾っている。同情も哀れみも欠片すら起きない。
 怒りの念を篭めてクリトリス付近を狙って叩き下ろす。
 「おううー。ごおおーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の目は飛び出さん限りに見開いて表情は破裂する。
 「うごーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーー」
 股間部は縛りを振り解くが如く震撼する。
 「ぐがああーーーーーーーー。がああーーーーーーーー。ああーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 涙はぽろぽろ零れた。
 それでも岸本文蔵は鞭を構える。
 「ああーーーーーーーー。もうむりですーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー」
 座は一切動じない。配膳の女将も仲居も淡々と仕事を続ける。此処では当たり前の状況である。
 岸本文蔵は鞭を振り下ろす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は恐怖に叫ぶ。断末魔の悲鳴の真っ只中である。鞭は狙い通りに?き出されていないクリトリスから閉じたびらびらを縦に直撃する。
 「ごーーーーーーーーー。ぐううううーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は痛みに藻掻き暴れ汗と涙を振り飛ばす。
 「あはあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。クリ潰れるよーーーーーーーーー」
 荒井絵名は痛みに躰を右に左に捩りながら泣き悲鳴で訴える。
 「クリ潰したらどうなります」
 岸本文蔵は真紀子に確認する。
 「保険で賠償金が支払われます」
 真紀子は当然のように答えた。
 「ならば潰しても」
 岸本文蔵は怒りに滾っている。
 「いかん。賠償に成ったら保険の料率が数十倍になる。それに金で一気にこの女の借金を減らすか。資産が格段に増える。じっくり虐めろ」
 平佐和が強い口調で咎める。
 荒井絵名はいまの言葉が総てグルである事を物語っていると確信した。
 岸本文蔵は次にびらびらだけを狙う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は痛みの恐怖から狂ったように悲痛に叫ぶ。
 容赦なく閉じ合わせた薄小豆色の女の部分を斜めに鞭の先端が直撃する。その先端が粘膜の上を引きずる。
 「ごおおーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の躰は逆さまに縛られた股間を固める。力の入った鈍い動作で腰を右に左に暴れさせた。
 痛みに藻掻く究極の苦しみが感じ取れる。
 「ぐわあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あはあーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 荒井絵名は狂ったように泣き続けた。
 「先生。その部位はさすがにあと一回にして下さい」
 真紀子が宣告する。限界は承知している。
 「ならばピンクの部分を開いてください」
 岸本文蔵は究極の要求をする。
 「やめてーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーー」
 荒井絵名はもう半狂乱である。
 真紀子は小道具を並べたシートの中から黒い書類を挟むクリップを二つ取り出す。
 クリップで女の部分のびらびらを抓む。そのクリップに糸を巻き付ける。太腿を十字架に縛り付けた縄に糸を結びつけてびらびらを引っ張った。
 荒井絵名の女の恥ずかしい部分は薄橙の粘膜がイチジクの断面の形に広げられてしまう。
 いま叩かれたばかりの縁は薄小豆色でドドメ色感は無い。そんなには使わなかった女の部分である。
 恐怖に歪み切った荒井絵名の表情はこれ以上なく岸本文蔵の加虐心を陶酔させた。鞭にはこの一発と力が篭る。
 きっちり狙いを定めて思いの限りを篭めて振り下した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 座敷を劈く悲鳴の真っ只中で鞭の先端部のチップはピンクの部分を直撃する。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 荒井絵名の躰は一瞬固まる。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の躰は堅く力の篭ったまま右に左に震撼する。
 「おごおーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を開ききって歯を食い縛った般若の表情が幾重にも揺れる。
 荒井絵名の顔からは涙と汗の他に涎も飛び散る。
 「ああはん。あはん。ああはん。あはん」
 以前。荒井絵名は細面の美人顔に威厳と威嚇を持って岸本文蔵に向かって来た。その顔が悲痛に歪み崩れきって無残な姿を晒している。
 全裸で逆さまにアナルも性器も丸出し。これ以上ない屈辱の極地に堕ちたのである。あとは無修正AVを世の中に蔓延させれば完成となる。
 真紀子は小物の中から針のセットとスタンガンを取り出し仲居に電源トランスの接続を要求する。
 三田園矢一舎弟頭補佐は浴室で次の大道具を準備していた。
 「先生。次は電流責めですよ」
 真紀子は笑みを称えた表情である。悲痛な姿で羞恥と痛みに堪え続ける荒井絵名を横目にみる。そして針を差し出す。
 「これをどのように」
 岸本文蔵は直ぐに使い方を思い付かない。
 「目と脳以外先生のお好きなところを貫いて下さい」
 真紀子は当然の事のように説明する。
 岸本文蔵はまず乳首の下の小振りな乳房の皮膚を貫く。
 「うおーーーーーーーーー」
 荒井絵名は眉間に三重の皺を刻んで悲鳴を漏らす。
 両方の乳首の下を貫き次は女の部分のびらびらの下を貫く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名はもうそれはないでしょうと目を細めて皺を刻んで悲痛な悲鳴を流す。
 体制から針は斜めにしか通せない。
 もう一本Xの字にクロスするように通す。
 「うおおおーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 かなり悲痛に痛そうである。
 だが針は刺すだけでそこまでは痛くない。恐怖心が悲鳴を拡大しているのである。
 真紀子は岸本文蔵にスタンガンを渡す。
 自らはトランスに繋いだビニールコードの先に付いた鰐口を女の部分を貫いた一本の針の両端に付ける。
 「私はこれで電流を流します。先生はもう一本をスタンガンで」
 真紀子はトランスのスイッチを入れる。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の躰は固まり一気に震撼する。
 岸本文蔵はスタンガンを針に充てる。
 「あがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の顔は恐怖に破裂している。
 適度にスイッチは切る。
 「あは。ああ。あは。ああ」
 荒井絵名は苦しいより恐怖から荒い息遣いを続けた。
 真紀子はまたトランスのスイッチを入れる。
 岸本文蔵もスタンガンを当てた。ダブルで責める。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 荒井絵名はサイレンのように悲鳴を上げた。遂に躰を震わせ針が刺さって閉じられたびらびらから小水を漏らしてしまう。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 お漏らしは続く。サイレンの様な悲鳴はなかなか止まらない。
 小水は腹を伝って首筋に流れる。
 電流責めも限界らしい。
 「さあ。躰を洗いましょう」
 三田園矢一舎弟頭補佐が全員を浴室に誘導する。
 其処にはガラスの水槽に入った水車が設置されていた。水槽は横幅三メートル。奥行きは一メートル有る。
 水車の直径は二メートル。SMを考慮して天井が高いフロアなので余裕はある。
 前のガラスパネルが外されていて水は入ってない。
 水車の真下に荒井絵名を俯むせに寝かせる。
 三田園矢一舎弟頭補佐は荒井絵名の腕を片方ずつ水車の羽根に設置されたフックに固定した。
 両方の脚首も片方ずつフックで水車の羽根に固定する。
 最期に腹の部分を固定してしまう。
 水車の外パネルに設置された端子に鉄パイプを一本腹の上から横に渡す。その鉄パイプを端子にボルトで固定する。
 荒井絵名の躰は水車の円弧の外に磔にされた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は水車を回して荒井絵名の躰を真上に上げる。
 ガラスの水槽の裏にはモーターが付いている。幾つかのギアが噛み合って水車の軸が回る。
 その横には水車をパソコンで操作する席がガラスのパネルに付いていた。
 水槽内にポンプが付けられている。ポンプから太い管が伸びていて水車の真上から水を流す仕組みになっている。
 三田園矢一舎弟頭補佐はパネルを閉めて湯を注入し始めた。
 荒井絵名は水車の上で恐怖に震えている。
 仰向けに磔状態の顔を横に向けて入って行く湯を監視していた。
 「心配するな。熱湯ではない」
 三田園矢一舎弟頭補佐はガラスパネルに登って湯の温度を見ている。
 ガラスパネルの裏側に取り付けられた椅子の背に登って八割溜まった湯に手を突っ込んでいた。
 椅子に下がって取り付けられたテーブルの上のパソコンを操作して水車を回す。
 荒井絵名の躰は頭から仰向けに真逆さまに湯に突っ込む。
 ゴボオーーーーーーーーー。
 同時に管から湯が流れる。この湯でも水車は回りそうである。だがモーターからギヤで三段階に減速して水車を回していた。
 ブワーーーーーーーーーー。
 湯から頭を出すと荒井絵名は口から息を吹き出す。頭を強く振って水を払い呼吸をする。
 管から流れ出た湯が頂点を過ぎ下に傾いた顔に掛かる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴を上げる。
 直ぐに頭から真逆さまに湯に突っ込む。
 ゴオオオーーーーーーーー。
 十数回回して荒井絵名は気絶した。
 湯を抜いて前のパネルを外して荒井絵名の躰を水車の真下に止める。
 三田園矢一舎弟頭補佐はビンタする。口から僅かに湯を吐き出す。水車から外して寝かせてもぐったりしていた。
 今夜のプレイはここまでらしい。一同は引き上げる。
 その夜は宇佐美の部下が引き取りに来た。宴会場に待機の看護師の判断で生命に別条は無いとの事である。車椅子に乗せて荒井絵名の部屋に運んだ。
 
 翌日遅く中天に太陽が昇ってから荒井絵名は部屋で目を覚ます。
 全裸にバスロープ一枚掛けられた姿であった。
 荒井絵名は悔しさの中で考え続ける。
 総てが罠だったのだ。それでここまで堕ちた。賠償金も総て嘘に違いない。事故そのものが仕組まれた芝居だったのだ。
 では事故で自分の車に当った爺は。そうだ賠償金はその報酬だ。
 男に声を掛けられた。そして宇佐美の事務所に来た。あれも罠なのだ。宇佐美まで最初からグルに違いない。
 ならば本当に影の組織が有ってあの様に処分されるのか。逃げれば逃げ切れるのではないか。でも逃げても女優には戻れない。
 事を暴露しても借金は消えないかもしれない。
 字幕に『出水麻里巡査部長』と表記されていた。本当に実在したのか。作り物ではなかったか。
 荒井絵名の知っている刑事課の婦警が居た。
 連絡を取れば見張られている。
 文書ならばばれないのではないかと考えた。
 例え危険でも直ぐに自分を処分はしない。秘密を知った婦警がまず殺される。うまく行けば開放される可能性も有るかもしれない。
 いや文書はまずい。証拠が残ってしまう。
 自分の今の仕事が公になるのも避けなければならない。
 迂回メールをネットカフェで送ればどうか。
 マスコミに送りたいがそれは自分の今の状況もニュースに成ってしまう。
 あれはこけ脅しでとにかく影の組織など無い事を確かめるべきであると考えた。
 荒井絵名は考えに考えてWebメールから匿名のメールを送る。
 「出水麻里刑事は蒸発ではない。有楽の宴会場を調べろ」
 メールを受け取った埼玉県警植村彩子巡査長は上申した。
 だが段下衛警視正が圧力を掛ける。
 平刑事の言い分は直ぐに揉み消された。僅かな上司しか内容は伝わらない。それらも段下警視正が監視する。
 植村彩子巡査長はその日に姿を消した。警察内部の管理体制の中で騒ぐものは居ない。
 
 荒井絵名の次の座敷は内容が変更された。
 TCC前原社長の予約は一週伸ばされる。
 有楽のお座敷蓬莱の間である。
 座敷なのに絨毯が敷かれ会議用のテーブルが並べられて会議室になっていた。
 区画を分けて小部屋も作られオフィスの体裁が作られている。
 女将は荒井絵名を会議机の一番手前に促す。
 直ぐに紺の作業服姿の男性が二十人位入って来た。その内二人は荒井絵名の後ろに立つ。
 上座正面の壁に設置されたモニターに電源が入る。
 「我々はこの街を護る親衛隊のような存在だ。いまから植村彩子巡査長の処刑シーンをあんたに見せる」
 年嵩で細面の男が宣告する。
 荒井絵名に恐怖の衝撃が奔る。本当に影の組織は存在した。宇佐美は元より風俗業者なのだ。そこに追いやられたのだ。
 スクリーンに高い天井から逆さに吊るされた植村彩子巡査長の姿が映る。高手小手に縛られていた。既に縄以外身に着けない全裸である。
 宇佐美から聞いた通りの結果が目の前に突き付けられている。別の組織が動くと言っていた。それがいま前に居る紺の作業服の男達なのか。
 荒井絵名は恐怖に心臓が破裂しそうである。
 荒井絵名に植村彩子巡査長に申し訳ないという気持ちは湧いてない。自分は殺されないで済むかどうかだけである。
 植村彩子巡査長をいま目の前に居る紺の作業服の男たちが遠巻きに囲んでいた。
 寝かされているのか気絶したままなのか意識は無いようである。
 一人が鞭を構える。
 振り被って股間に一本鞭の先端を叩き込む。
 「ぐうーーーーー」
 植村彩子巡査長の躰が揺れる。
 「ああーーーーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は衝撃の現状に叫び声をあげた。
 構わず鞭を打ち込む。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は突っ張り空中で揺れる。
 「やめろーーーーーーーーー。はんざいだぞーーーーーーーーーー」
 警察官の立場で叱る勢いである。
 「どうせお前は生きて此処から出ない」
 年嵩の細面の男が淡々と宣告する。
 「何故よ。行き成りこんな姿にして」
 植村彩子巡査長はどうやって此処に連れて来られたかまったく分からないのである。
 「お前は荒井絵名からメールを受け取った。そして上司に本宿の捜査を提言した。我々はあの街の風俗嬢が秘密を漏らさないよう監視している」
 男は淡々と語る。抑揚のない声である。
 「それじゃ。貴方々は出水巡査部長を」
 植村彩子巡査長は無記名メールの真実と送り主を確認した。
 「此処は産業廃棄物処理場だ。あれは乾式メタン醗酵という処理法で動植物性の残渣を処理する」
 男は機械を視線で示す。
 「・・・・・・・」
 植村彩子巡査長は恐ろしい事態を瞬時に飲み込む。
 「あんたの躰は破砕処理機で細切れにされ醗酵してガスは発電に使われる。醗酵残渣が残る。こっちは堆肥だ」
 男は恐ろしい事を淡々と語る。
 死体どころか何も残らないという説明である。
 男は容赦なく鞭を振り被った。
 逆さ吊るしの股間を直撃する。
 「うごおおーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。
 植村彩子巡査長は空中で反り返る。一度固まる。そして力の限り暴れる。
 男は動きが落ち着くのを待って次の一発を叩き込む。
 「ぐおーーおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー」
 躰は強く反り返り反動で揺れる。
 「はあ。はあ。はあ。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 一切動じない。今度は低く構えて乳房を二つ揃えて薙ぐ。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長の逆さ吊るしの躰は一瞬背中を反らせて頭を跳ね上げる。そのまま頭で弧を描くように回る。
 「おーーーーーーーーーーーーーー」
 構わず向きが合ったところで乳房を強い力を篭めて薙ぐ。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴が工場を震撼し続けた。
 「こんな事をして全員逮捕されるよ。私が行方不明で埼玉県警は直ぐ捜査を開始するよ」
 植村彩子巡査長は正論を捲し立てる。
 「その心配は一切無い。捜査は行われない。例え行われても此処にたどり着くことは無い。死体も出ない」
 男は淡々と語り続ける。
 「警察犬が居るよ」
 植村彩子巡査長は警察の捜査の万全さに自信を持っていた。
 「それは事件性が有る場合です。貴方の躰は廃棄物収集運搬車に載せて運びました。大量の強い匂いの動植物性残渣を積んだ中に簀巻きにして」
 ただの犯罪者ではない。訓練された組織である。植村彩子巡査長も出水真里巡査部長の捜査が行われなかった事実を認識している。
 現実は確実にそれを実行されていた。
 植村彩子巡査長は自宅通勤。警察官の夫は海外勤務である。単身生活の自宅から拉致された。
 組織は植村彩子巡査長の夫の荷物と共有の荷物を除いて運び出す。一部はその家で焼却した。
 組織は引越し車両と廃棄物収集運搬車で乗り付けた。ナンバーは総て偽造である。
 埼玉県警は無断で植村彩子巡査長が出勤しないことを問題視する。翌日刑事が自宅を訪れた。
 埼玉県警は夫に連絡を取り自宅を捜査する。だが状況から蒸発とみなした。
 夫は直ぐ帰国して状況を確認して事件性の無い事を理解するに至る。
 植村彩子巡査長は何とか逃れる手段はないかと思案した。
 だが男らの縛りは異常に固い。高手小手に縛られた上半身は殆ど動かない。
 男らは植村彩子巡査長を一旦吊るしから下ろした。
 そのまま拷問椅子に乗せる。脚の縄は拷問椅子にそのまま固定する。上半身は高手小手の縛りのまま胸部と腹部を上から縄で固定した。
 「さあ。末期の水ならず。末期の官能を与えてやる。最期の情けだ」
 男は淡々と語る。心の底に不快感の沁みる声である。
 「やめろーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は拷問椅子の上で力の限り藻掻き暴れる。
 作業服姿の男二人が拷問椅子の両側から指先で植村彩子巡査長の女の部分のびらびらを広げた。
 「こらーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長はこの姿でもまだ警察官の意識である。全裸の躰には鞭の鬱血が随所に確認された。
 後ろからカメラが撮影している。
 「とるなーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は声の限り叫ぶ。
 「ご安心をAVに成ったりはしません。後々の不心得者への警告の動画です」
 そう言いながら植村彩子巡査長の股間にローションを掛ける。
 細面の男はそれを指先に絡めて膣に指を突っ込む。巧みな動きで膣の中にローションを拡散させた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも植村彩子巡査長は叫び続ける。
 細面の男の手は植村彩子巡査長の敏感な蚯蚓千条の天井部奥を責め始めた。やりなれた手付きである。
 植村彩子巡査長の躰は一気に硬直しそれが微妙に揺れ始める。顔は強烈に軋む。
 意思は拒絶していても堪えられる責めではない。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は官能に追い詰められるのを抵抗して叫び続ける。
 細面の男は娼婦の泣き所を責めまくった。
 「あはあっはあ。あはあはあは。ああーーあはあーーーーーー。あーあはあーーー。あはあはあは。あーーはあはあはーー」
 敢えなく潮を噴きまくってしまう。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 拷問椅子とその下のコンクリートの床はびしょ濡れである。
 「見ろ」
 細面の男はスクリーンを顎で示す。
 「えーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は自分の噴いた潮に驚愕の悲鳴を上げた。
 荒い息遣いが収まって悔しさを顔に滲ませる。完全に男らの玩具である。
 細面の男は植村彩子巡査長の躰が完全に官能に押し切られた事を確認してドリルバイブを指示した。
 若い紺の作業服姿の男が二人で掛かる。植村彩子巡査長の膣にドリルバイブの先端に付いた擬似男根を捻じ込む。
 「おおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 擬似男根は簡単に膣の奥まで滑り込む。中はぐちゃぐちゃに濡れているのである。
 どんなに不本意でも女の性は反応する。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は全身の力を滲ませて抵抗する。
 スイッチが入った。
 「があああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な責めである。
 植村彩子巡査長は大口を開けて悲鳴を上げてしまう。頭は後ろに反り返って全身を震撼させる。
 若い男らは二人掛かりで植村彩子巡査長が押し返す擬似男根を押え続けた。
 「ぐうがああーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は責めに躰が蹂躙されながらも抵抗する。押える側も押し戻されるので真剣である。
 だが抵抗もそこまでであった。
 植村彩子巡査長の顔はさらに大きく震撼し破裂する。
 「あおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間首が左に倒れた。躰はバイブの振動に揺れるだけである。
 画面からも失神が確認できた。
 男らは次に電流責めの準備に掛かる。
 トランスが持ち出されそれに大きな電流クリップと小さな鰐口が二本ずつ接続された。
 年嵩の細面の男は畳針を手にする。
 失神している植村彩子巡査長の女の部分を囲む大陰唇に刺し込む。そのまま反対側の大陰唇まで貫いた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は痛みに意識を回復する。
 細面の男は二本目を取り出す。
 「いやあーーーーーーーーー」
 一本目にクロスする様に刺してしまう。
 針は一本目に刺した針を二本目が上から押えるように刺さっていた。
 「なにするのーーーーーーーーー」
 失神の恐怖から覚めたばかりの仕打ちに植村彩子巡査長は泣き悲鳴である。
 容赦なく細面の男は三本目を構える。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は恐怖に喚く。
 三本目も大陰唇の肉を貫いた。さらに女の部分を貫く。そして反対側の大陰唇から突き出した二本目を押えるように先端が突き抜ける。
 「あーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長の甲高い悲鳴が轟く。
 容赦なく四本目が貫かれた。四本とも強く接触している。
 一本目と四本目に鰐口が接続された。
 細面の男は怯える植村彩子巡査長の顔を一瞥しながらボリュームスイッチのつまみを回す。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長の躰は一気に硬直して大口を歪めて悲鳴を上げた。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 植村彩子巡査長は恐怖に慄いた目で辺りを見回している。
 若い男が二人充電クリップを持ち出す。
 「いやあーーーーーーーーーー」
 容赦なく両側から乳首の下の乳房の皮膚に充てる。
 「ああーーがああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーー」
 目を?いて鈍い悲鳴をサイレンのように鳴らす。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 顔は汗を噴いていた。
 「婦警さん。電気ショックで逝きますか。破砕処理機に直接がよろしいですか」
 若い男がからかう。
 「貴方たち。警察官をこんな事にして掴まったら終わりだよ」
 植村彩子巡査長はまだ強気で最期の反論をする。
 「捜査にはならないと申し上げたはずです」
 「貴方がたはメールを受け取っただけで人を殺すの」
 「我々は既に社会から弾かれた人間達だ。まともな職に就けない。それをR国に居るオーナーがこの仕事を含んで高額で抱えてくれている」
 彼らは社会から弾き出された冤罪者。犯罪者の兄弟などで自営業以外まともな職には就けない。
 「これが仕事だと言うの」
 「俺たちは冤罪者の班だ。他に軽犯罪の班と殺人犯の班が有る。みな手柄の為に強引な捜査をした警察官に恨みを持っている。容赦はしない」
 細面の男が淡々と語る。
 「貴方たち簡単に人を殺しても。何れ跡が付いて全部ばれるよ」
 最早説得力はない。植村彩子巡査長にもそれは分かっている。それでも死の恐怖から反撃しているのである。
 「そんな事はない。そうなったら大きな力が動いて日本は壮絶な事態になる」
 細面の男はまったく抑揚のない語り方である。
 若い隊員らは植村彩子巡査長を拷問椅子の戒めから外す。高手小手の縛りのまま暴れる植村彩子巡査長を六人で押えた。そしてもう一度逆さ吊るしにする。
 「やめろーーーーーーーー。いやだあーーーーーーー。ころさないでーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は遂に喚きだす。
 「おやおや。婦警さんが命乞いですか」
 中年の隊員がからかう。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 それでも破砕処理機の真上に逆さ吊るしにされた。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長は破砕処理機の上で震えている。
 隊員が一人高枝切りバサミを持ち電動の立ち馬に乗って接近する。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長にも高枝切りバサミで自分を吊るしている縄が切られると解る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー」
 最後は声が掠れる。
 隊員は無感情に高枝切りバサミを伸ばして縄を切り落とす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 植村彩子巡査長の躰は瞬時に破砕処理機に吸い込まれた。
 そのあと大量の動植物性残渣が投入される。
 サンポールで機械が洗浄され何度も動植物性残渣が投入された。
 
 荒井絵名はぶるぶる震えながら動画を見ている。
 「今度何かやったらあんたの運命もこの通りだ」
 細面の男は幽霊がしゃべるような口調である。その恐ろしさは荒井絵名の躰全体に染み渡る。
 紺の作業服の隊員らが立ち上がり荒井絵名を脱がしに掛かった。
 「何をするのですか」
 荒井絵名は震えている。
 「気持ち良くしてやるのだよ。SMプレイだろ」
 若い隊員は平然と作業してゆく。
 後ろでは別の隊員がカメラを構えていた。
 荒井絵名は震えながら躰を任せ撮影に抗議すらできない。
 男らは荒井絵名を一糸纏わぬ全裸にして拷問椅子に厳重に固定する。
 まず女の部分をアップで撮影した。顔を一回舐めるように撮影する。そして女の部分のびらびらを広げてピンクの内部を撮影した。
 荒井絵名は堪らなく泣きべそ顔である。
 男らはさらに三人が指二本ずつ突っ込んで荒井絵名の膣を究極に広げる。
 昔ストリップにアヒルと言うショーがあった。女の部分を限りなく広げて見せる。その七割方は広がっていた。
 さすがにそれ以上は訓練していないので無理である。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は完全に泣きべそ顔。恐怖に躰は震え心臓は強く鼓動を打つ。
 いったい何なのか。赤信号で人を撥ねただけである。死んでもいない。それなのに自分はここまで追い込まれている。
 いったい何がこうさせるのか。荒井絵名には信じられない人生の蟻地獄である。
 それでも荒井絵名は今ここで拒絶したら確実に殺されると解る。
 一人の男の手が娼婦の泣き所に侵入した。あとの二人は手を離す。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 とても堪えられる責めではない。
 僅かな時間で潮を噴き上げてしまう。それも両側から二人の男が女の部分のびらびらを広げていた。
 尿道の小さな亀裂から飛び出すところが鮮明にカメラに映ったと実感できる。荒井絵名には恐ろしい事である。
 「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は堪えられない責めに喘ぎ喚き続けた。
 大量の潮が飛び散って一段落する。
 荒井絵名は崩壊状態である。
 「ほとんどドドメ色にはなってない。綺麗な小陰唇だ」
 細面の男は潮に塗れた荒井絵名の女の部分を評価する。
 荒井絵名には心臓を刺される一言である。
 男二人が厳重に拷問椅子に固定された荒井絵名の太腿をさらに押さえた。両側からもう一度女の部分のびらびらを広げる。
 「おしっこを出して貰おう」
 中年の男が要求する。
 そう言われてもこの状況で出るものではない。
 「はい」
 荒井絵名は震える声で返事する。
 それでも言う通りにしないと何をされるか解らない。神経を集中して力を抜くが出ない。
 数分の沈黙が続く。
 「どうした。ハードコンパニオンだろ」
 中年の男が催促する。
 荒井絵名は焦りの表情で神経を集中させる。
 さらに膠着状態が数分続いた。
 「カテーテルで行け」
 細面の男が指示する。
 若い隊員が医療用手袋を着けて滅菌袋に入った尿道カテーテルを取り出した。
 びらびらを広げたピンクの部分の中心部にある小さな亀裂。その亀裂に尿道カテーテルの先端を挿入する。
 「はあーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は堪えることなく痛みに悲鳴を漏らした。
 若い隊員はカテーテルの途中を抓んでいる。荒井絵名の尿は抓んだ位置まで流れ出ていた。
 中年の隊員が尿瓶でカテーテルの先端を受ける。
 僅かな尿が尿瓶に流れ出る。
 次に隊員らは極太の浣腸器を持ち出す。
 若い隊員が二人浴室に向かう。二穴挿入の準備である。
 荒井絵名に先の事など考える余地はない。浣腸されて便を搾り出すシーンを撮影される。これではスカトロ女優にされてしまう。
 それでも殺されたくはない。命根性が先である。
 浣腸液が注入されると荒井絵名は一気に顔を顰めて苦しみを訴える。
 「あがあうーーーーーーーーー。あがううーーーーーーーーーー」
 「少し我慢しろー」
 中年の隊員がどやし付ける。
 「いたいよーーーーーー。はやくとってーーーーーーーーー」
 荒井絵名は子供のように泣き喚く。
 若い隊員が二人で荒井絵名の躰を拷問椅子の拘束から外す。
 四角い空の水槽が運び込まれ荒井絵名をその上に座らせた。いよいよ排便シーンの撮影である。
 これをAVで売り出されたらもううっかり盛り場など歩けない。女優に戻る事は絶望である。
 AVを出されても今夜一晩のお座敷代で済まされるかもしれない。一本出されてしまえばAVで決着するしかない。
 その先の人生はスカトロAV女優と成ってしまう。
 苦しみに呻き続ける荒井絵名の躰を押えて中年の男がアナル栓を抜く。
 「ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は腹を擦って苦しみから逃れるべくアナルの力を抜く。
 ぶおーーーーーーーーーーーん。
 大音響と共に水槽の中に茶色い水と便の塊が飛び散る。
 「ああーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーん」
 荒井絵名は余りの醜態を強制されて泣き続けた。
 浴室で躰を洗った二名が荒井絵名の腕を掴んで浴室に連れ込む。強制的にシャワーを浴びせて二穴挿入となる。
 隊員らは丁寧に二穴挿入を行った。
 荒井絵名はもうどうにでもなれとイキ捲ってしまう。
 最期は終わった感想の対談となった。台本通り読ませるが何回もNGになる。
 荒井絵名は終了後自分の部屋に辿り着き泣き続けた。
 翌日メールが届く。既にAVは海外の販売サイトにアップされていた。
 完成版とサンプル版がメールに添付されて来る。
 それは荒井絵名の思った以上に鮮明であった。見るからに絶望に堕とされて行く内容である。
 泣き続けた後でもう涙さえ出て来ない。怒りが込み上げて来るが如何ともしがたい。相手が怖過ぎるのである。
 
 数日後荒井絵名に宇佐美から連絡が入った。事務所に来いと言う事である。
 AVに転向を言い渡される事は判っている。
 さらに裏切った事を追求されるに違いない。
 だがこう成ってしまえばAVで早く片付けるしかない。お座敷で苦しみたくない。あまりにもハードなお座敷である。
 恐る恐る事務所に入ると宇佐美と一緒に北嶋コンツェルン社長北嶋真紀子が待っていた。
 「どうして呼ばれたかは解るな」
 宇佐美は厳つい。それが柔らかく言っている。
 「・・」
 荒井絵名は声無く首を縦に振る。
 「俺から何も言わない。次にどうなるか聞いているな」
 「・・」
 これも声無く首を縦に振る。
 「それでこっちも貸したお金を取り戻せない危険が出るのよ。だからAV四本で短期解決して貰います」
 真紀子が宣告する。
 「はい」
 荒井絵名はようやく返事ができた。
 「四本に絞る分内容はハードです。一本二千万。お座敷四回分は終わったら現金で払ってあげる」
 その後の生活資金ではない。それを説明する。
 「いいか。AVを何本か出て普通の街には住めない。もう女優には戻れない。OLなど出来ないな。寮はAV撮影が終わったらお座敷に出ない限り出て貰う」
 宇佐美はこれもやんわり説明する。
 「ああ」
 荒井絵名はお座敷の恐怖に慄く。
 「ハードでないAVをその先続ければどうですか」
 暫く沈黙してそう尋ねた。
 「それも駄目ね。ハードに出てソフトは売れない。ハードもその先は売れ行き次第よ。下手するとこっちも元が取れない事も」
 真紀子はきっぱり否定する。
 「え、えー」
 「そこまで心配しなくていいけど。此処で賃貸の部屋を契約して屋台村に店を出すのね。あそこなら元AVのママがたくさん居る」
 「はあ」
 荒井絵名は絶望的な表情である。
 これまでとは違う。調教師集団も荒井絵名には将来設計をする意思は無い。
 「もし売れたら。他にも出して貰えますか」
 荒井絵名はここまで堕ちて諦めきれない。
 「そんなに短期には売れないよ。元が取れるまで一年は掛かる」
 宇佐美のダメ押しの一言である。
 
 有楽のお座敷蓬莱の間である。
 政界の古狸が調教師集団12名と席を設けていた。
 「良くやってくれた。あれでもうあの女は議員にも芸能界にも出られない」
 古狸は淡々と礼を述べる。
 「いいえ。私共が堕とすのはこれからです。あの女は戒めを破ってこの街の事を知り合いの婦人警官に密告しました。それで別の組織が動きました」
 保木間は隠さず事の次第を報告する。
 「そうか。そんな護りが有るか。どうであれ片は付いた。実はもう一人堕として貰いたい」
 古狸は資料一式を差し出す。
 女は亡くなった父親の会社を引き継いだ。今度国民党から埼玉県議に立候補しようとしている。
 「これが何か問題で」
 保木間らには理由が重要である。
 「うーーん」
 古狸は渋りだす。
 「私共に何を言われても外に漏れる事はありません」
 「うん。そうだな」
 古狸はビールを一口呑む。話しの構成を考えるのか僅かな沈黙が流れた。
 「火のないところに煙は立たないというが、煙幕を炊かれたようなものだ」
 民事党の同じ派閥の女性国会議員と埼玉県議の不倫が報じられた。椿原圭子の策略である。
 この二人は同じ町の出身で選挙協力の為に会っていた。
 それを椿原圭子が不倫と週刊誌に投書してしまう。週刊誌は取材して協力関係の密接さから不倫と報じて問題ないと判断した。
 さらに男性県議が政務活動費を不正利用していると市に抗議する。現実にはなかった。だが疑いを掛けられると細かいところまで追求される。
 それが解釈の相違となる。ぎりぎりのこじつけ結果しか出なかった。それでも騒がれ辞任を迫られてしまう。
 辞任の必要はないが選挙には不倫の疑いとダブルでマイナスとなる。
 「疑念を偽造したのだ」
 「この女は何の為にそんな事を」
 「この女は立憲国民党から県議の公認を得ようとしていた。その準備行動だ」
 「以前保育園落ちたという抗議を民事党が何もしてないに摩り替えました。国民党時代も対応出来ていません。何故こちらも内容を公表しないのですか」
 「そうです。同じ事だと思います。この候補者はそれを真似して自分の道を開く画策をしたのでしょう」
 真紀子の疑問に保木間が付け加える。
 自分らが与党でもできなかった。同じ様に相手が与党でも努力はしている。それ以上解決の目処のない問題でもある。
 それでも国民の抗議らしきを煽って批判に繋げる。これまでの国民党、その後の立憲国民党の常套手段である。
 だが民事党も方針に従わない知事を強行に降ろした。これも借金は献金かの紙一重である。
 それでも騒がれれば辞任に追い込まれた。
 「いいか。民事党が何を行ってもマスコミは軽くしか捕らえない。野党の言い分には大声で取り上げる」
 これまで静かに語っていた古狸は言葉に怒りを篭めていた。
 「解りました。逆にこの女をそれ以上動けない状況にすれば良いのですね」
 調教師集団は本当の理由を知ればそれでよい。
 保木間の答で古狸は帰った。
 「この女がお父さんから引き継いだ会社の調査からしましょう」
 真紀子は既に戦略があるらしい。
 「そこから始めますか。ところで荒井絵名のAVは四本で元が取れますか」
 「大丈夫だと思う。時間を掛けると何が起こるか。うんとえげつないのを四本。時間が掛かっても高く売る」
 「あとのホローは無しか」
 「ないよ。屋台村で店と賃貸の部屋はお座敷の分で借りられる。それでこの街を動かないで生活はできる。一年もしたら窶れておばさんよ」
 「あの女だけは保護もしないか」
 「そうでしょ」
 「うん」
 保木間も納得する。
 これまでAVまで堕とした標的は本宿の街で安泰に暮らせる資産と収入を得られるようにして来た。
 荒井絵名だけが例外である。監視のみ冤罪者の班が行う。
 
 荒井絵名のAV撮影は直ぐに始まった。
 保木間らの考えは恒久的に残せる物から撮影に掛かる。SM野球拳ゲームから始められた。
 最初は通常の野球拳で一枚ずつ脱いでは踊るだけである。だが全裸になるとSMメニューに突入する。
 ゲームソフト形式で閲覧者とじゃんけんする。
 閲覧者が勝つ度に脱いで行く。
 全裸で剃毛まで行うとSMのメニューが選べる。
 閲覧者が七回負けるとTOP画面に戻ってしまう。
 乳房を丸出しで踊るだけでも抵抗のある荒井絵名である。
 ソファーに座って脚を広げて自分の手で女の部分を広げるシーンもやらねば成らない。
 そして蝋燭プレイになった。
 荒井絵名は蝋燭を躰に受けるのは初めてである。
 「いやあーー。こわいよーーーーーーー」
 スタッフが説得するが怯え続ける。
 さらに女性スタッフが下着姿で手本を見せる。それでも荒井絵名はごねた。
 SMでは初歩的な部分が撮れない。強行撮影となる。
 応援を呼んで撮影スタッフの数は倍になった。
 両手を広げて横に渡した竹竿に縛る。脚を開いてこっちも脚首を竹竿に縛った。これで躰を蝋涙から躱す事は出来ない。
 乳房に落とす。それでも蝋燭は横向きに持っている。そんなに熱くはないはずである。斜め下に向ければ熱くなる。
 それでも荒井絵名は涙を飛ばしサイレンの如く悲鳴を上げ続けた。むしろAVとしては成功である。
 それ以外も悉くNGが続き撮影に三日を要した。調教師集団から急げとの要求に二本目も直ぐ撮影が開始される。
 その間荒井絵名はスタジオに泊められた。
 四日後ようやく部屋に戻る。
 荒井絵名は悩んだ。
 マスコミにリークしてAVは強制されたとして帳消しにできないか。逆に話題を誘って世論に護ってもらえないか。試行錯誤を繰り返した。
 できる。そうだ自分は政治家らに罠に堕とされた悲劇の女優なのだ。逆転できるかもしれない。
 AVが残っても自分は不当に陥れられた。自分の意思での出演ではないと否定し続けられる。
 このままでは借金は消えても自分の将来は真っ暗である。
 だがあの組織は恐ろしい。今度捕まえられたらあの女性警察官のように確実に殺される。
 
 調教師集団は会合を開いた。古狸の次の要求への対応である。
 十二名全員保木間の部屋に集っていた。最上階のサッシ窓の外。階が段差になる一つ下の階の屋上部分。其処に檜風呂が三つ露天風呂になっている。
 湯に浸かって生ビールを飲みながら裸の会議である。
 紅一点北島真紀子も全裸で入っていた。真紀子は他の全員と躰を重ねている。だが遊ばれているのではない。真紀子が遊んでいるのである。
 「椿原圭子は先代社長である父親の借金を背負っています。約十五億円の残高があります」
 野村未来也弁護士が調査報告をする。
 「年商は」
 真紀子の質問である。
 「五億には満たないです」
 「それで負債は返しては借りの自転車操業なの。返済速度を上げる方向なの」
 「銀行はメインバンク以下かなり返済が進むまで追加の融資はしない模様です」
 「それなら返済速度を上げて税金を格段に増やしましょう」
 「一気に利益を上げさせ返済に使わせる。負債の減になった分だけ税金の支払い原資が有るような資金繰りを作らせる。次は一気に売り上げダウンを目論む」
 保木間が真紀子の策を具体的に復唱して確認する。
 「そうです」
 「その前に立候補を潰さないと」
 「そこまでは」
 真紀子は否定する。
 「当選させて売り上げダウンと同時にスキャンダルを作りましょう」
 「県議を断念させて会社だけでも護る方向に」
 段下警視正である。
 「立候補すればさらに出費よ」
 真紀子は立候補で選挙資金も出費させた方が良いと考えていた。
 「それでは次回までにその筋書きを確定させてください」
 保木間は概ねの方針を承認する。
 「ところで荒井絵名の分で宇佐美氏の損失はどのくらい」
 これも保木間の確認である。
 「あっちの組織が撮った分は一千五百万回収しました。このまま順調に行けば本人が逃げた場合、お座敷の分入れてあと一本で額面上は三百万の損失で済みます」
 「全部撮れたら本人に一千万と少し払えるか」
 「お座敷分だけでいいと思います」
 真紀子が保木間の試算を否定する。
 「それよりマスコミにたれ込む危険は」
 館山嘉朗弁護士は懸念を述べる。
 「そっちはあの組織が見張っている。R国在住のオーナーからの要求で携帯、インターネットなど通信手段は総て調べて渡した」
 段下衛埼玉県警警視正である。
 「冤罪者の班から宇佐美に通知して来た。荒井絵名の体内には既にGPSが埋め込まれている」
 大船一家若頭稲垣七郎である。
 「撮影中に」
 真紀子は動画に失神シーンなどなかったと確認している。
 「いいや。夜間眠っている本人の部屋で麻酔をかけて」
 引越し会社、廃棄物収集運搬会社の姿で行う。荒井絵名の部屋は寮なので鍵は宇佐美から得られた。
 
 荒井絵名は過去の経験から問題を取り上げて貰うに最適なマスコミを検討し始めた。
 自分に批判的な報道をしたところは意識的に避ける。
 なかなか妥当なところはない。
 迷いながらテキーラを煽って一日を潰した。
 既に隣の部屋は冤罪者の班と名乗っていた見張りが待機している。インターネットの検索内容も総てチェック可能である。
 荒井絵名の不穏な動きから隊員は増強された。
 マスコミなどにリークすれば直ぐに確保する。現段階で押えたいが宇佐美の損害が大きい。そこを考慮してもう一本撮影まで待ちたい。
 荒井絵名は二本目のSM系AVよりも一本目の野球拳をかなり懸念していた。あれではいつまでも見続けられる。
 性器が映っているが修正を加えてゲームセンターなどに設置される場合もある。そうなればやがて何倍ものクオリティが出てしまう。
 逆に自分はいつまでも多くの人に晒される。
 植村彩子巡査長を拉致した冤罪者の班が来る前にマスコミに保護して貰えれば問題ない。逆転出来ると判断した。
 撮影一日前に荒井絵名はテレビ太陽を選んで実行した。待ち合わせは翌日。モノレールの終点駅を選んだ。
 自分の部屋から五分で行ける。自分が行けば秘密のお座敷階まで何とか行ける筈である。
 だがその日の夜のうちに見張りは動く。荒井絵名は産業廃棄物収集運搬車に載せて運ばれた。
 
 翌日テレビ太陽のクルーは本宿に着く。出発前に荒井絵名に連絡は付かなかった。それでも出動する。
 有楽の御座敷を探して聞き込みを開始した。だが有楽そのものが存在しない。
 該当の場所はカプセルならぬコンパートメントホテル。寝台列車にある個室型の簡易ホテルである。この街が大きく発展する前から営業していた。
 その上はお座敷でも健康センターで大衆園芸を見せるお座敷である。健康センターの従業員の年配女性らは笑い飛ばす。
 明らかにガセネタと言わざるを得ない。
 それでもマスコミはいろいろ調査する。荒井絵名が金を借りたであろう可能性の有る宇佐美の事務所を尋ねた。
 宇佐美は二年間無利息の約定と書かれた八千万の消費金銭貸借証書を見せる。
 「半分回収しないで逃げられました」
 出演の契約書も見せられた。そんなところに落度はない。
 「館山という弁護士に直接その金額を払った。向こうでお確かめ下さい」
 マスコミは館山弁護士に接見して交通事故後の処理を確認しただけである。
 結局荒井絵名がAVで働く約束で賠償金を借金した。それを帳消しにする為マスコミを騒がせようと画策したが計画不十分で逃亡したと結論付けされる。
 最初から逃亡するための時間稼ぎにマスコミを騒がせようとした。その様な推測まで出る。
 結局マスコミ報道は荒井絵名の野球拳AVが乳首を隠した範囲で一部公開される。さらに売れ行きを助長する結果と成った。
 
 産業廃棄物収集運搬車に載せて産業廃棄物処理工場に運ばれた荒井絵名には究極の拷問が待っていた。
 荒井絵名は眠ったまま部屋から運び出され気付いた時は工場の中である。
 躰は縛られて拷問椅子に固定されていた。下着一つ着けてない。
 瞬時に其処を植村彩子巡査長が殺された場所と理解した。
 見渡すと男らが徐々に近付いて来る。荒井絵名の意識回復を確認したのである。
 この班のトップ格らしき細面で年嵩の男は後ろの方から来る。
 若い隊員が近付いて行き成りビンタする。
 「う・・・・・・・・・・」
 叩く。
 「うぐ・・・」
 荒井絵名は恐々睨み返す。
 「今度何かやったら。覚えているな」
 細面の男が近付いてきた。今度は強い口調である。
 「何もしてないよ」
 まだ荒井絵名はしらを切る。
 「なら、あれを見ろ」
 大型のモニターがキャスターで転がされて来た。
 荒井絵名の正面にモニターが置かれる。
 「お前がテレビ太陽に送ったメールだ」
 ここまで見張られているとは。荒井絵名は愕然とした。
 続いて荒井絵名が閲覧したマスコミの投稿ページ等が断続的に表示される。
 何故ここまでできるのか荒井絵名には理解できない。
 そんな事を考える間もなく鞭が飛んで来た。荒井絵名の乳房を行き成り直撃する。
 「うおーーーーーーーー」
 荒井絵名は恐怖の中で強烈な痛みからやっと腹の底から大きな声が出た。
 さらに鞭は乳房を薙ぐ。
 「うごーーーーーーーー」
 高手小手に縛られたまま荒井絵名の躰は拷問椅子の上で仰け反り震撼する。
 さらに滅多打ちにされ悲鳴を上げ続けた。
 荒井絵名の胸は鞭の痕が真紅な筋になって無残に何本も奔っている。
 径の大きな蝋燭の芯の周りが大きく溶け蝋涙が溜まっていた。それを何本か隊員らの手で運ばれる。
 荒井絵名の鞭に叩かれて蚯蚓腫れが紅く成った乳房。それに真っ赤な蝋涙を流す。
 「うわああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げる荒井絵名の胸に容赦なく何人もが順に掛けて行く。胸が蝋涙に染まると太腿に掛ける。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。しんじゃうよーーーーーーーーーーーー」
 隊員らは一切構わずである。
 最期に細面の男が股間にびっしゃり掛ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 荒井絵名の顔は引き攣り涙が溢れ鼻水が垂れ下がっていた。
 中年の隊員が荒井絵名の躰にびっしり掛かった蝋涙の膜をスパンキングで叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は悲鳴を搾り出す。
 それを細面の男が引き止めた。
 そしてバナーを躰の蝋涙に軽く当てて蝋涙を溶かし流す。
 「あああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴はサイレンとなる。
 僅かに炎の先端だけを表面ぎりぎりに流す。触れてはいない。
 細面の男は蝋涙が流れてしまうとバナーの火で乳首を焼く。
 「ああーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名の表情は破裂していた。さらに汗に塗れ涙は流れ鼻水は長く連なって垂れる。
 細面の男は乳首の次はドテの僅かに生えかけた陰毛を焼く。
 「ああーーーーーーーあ。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーきちがいーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は般若の形相をさらに破裂させ力の限り叫ぶ。
 続いて中年の男が焼印を持って来る。それを乳房に押付ける。『スケベ女』と焼印されてしまう。
 「うごおーーーーーーーーーー。やめてーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「誰も助けないよ」
 中年の男が詰る。
 総て録画は撮られていた。
 「こんなAV売ったら御前らだって」
 「売らないよ。後々の不心得者が出ない為の見せしめ用だ」
 中年の男が目的を宣告する。
 「もうじきお前は破砕処理機の中だ」
 細面の男がさらに死刑宣告をした。
 「やめろーーーーーーーーーーー。ころさないでーーーーーーー。ひとごろしーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は恐怖に唯々喚くだけである。
 細面の男は半田鏝を暖めた。
 「なにするの」
 荒井絵名は怯えながらさらに恐怖に震えた声で確かめる。
 「お前のま○こに突っ込んで中を焼くのだよ」
 細面の男は淡々と述べた。
 「きちがいーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は狂ったように叫ぶ。
 「いくら騒いでも無駄だ。前に警告した通りだ」
 細面の男は半田鏝の温度を確かめるべく少しだけ半田を溶かす。
 「いやーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は僅かな半田の溶ける音と煙に悲鳴を上げた。
 若い隊員が二人両側から縛られた太腿をさらに押える。
 細面の男は荒井絵名の女の部分を指先で広げた。
 「やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は叫び続ける。
 細面の男は半田鏝の先端部を一気に突っ込む。
 ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 荒井絵名は動く限り暴れて悲鳴を上げ続けた。
 やがて失禁して失神する。
 荒井絵名は意識のないまま破砕処理機に投入された。
 その後の処理は荒井絵名の犠牲にされた植村彩子巡査長と同様である。
 
 宇佐美の立て替えた八千万は弁護士費用を差し引いて交通事故被害の社長には支払われている。
 AVの収益を見越して保木間の経営するシカゴの配信会社から一部損失が補填された。
 宇佐美にとってこれまでの利益から比べれば僅かな損失で済んだ。
 調教師集団の目標は椿原圭子に向けられた。こちらは長期戦である。



 堕さなければ成らない女が堕ちる 完




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