鬼三のSM小説
女衒の國 その九日本編


女衒の國の侵略者

この物語はフィクションであり、実在の人物、機関とは何ら関わりがありません。

 2017年寒露下元。
 突然の解散で衆議院選挙に突入した。
 抵抗勢力は東京都知事率いる新たなる党により再編成されたが民事党の勝利はより確実になる。
 
 村上波琉は座敷の真ん中に全裸で縛られていた。
 客が三人それを三方から囲んでいる。
 上半身は高手小手に縛られているが脚は拘束されてない。畳に正座して三人の客に躰を向けている。
 此処は北海道帯広市。村上家の別宅である山荘の中。そして村上波琉は村上家の正妻である。
 「お待たせ致しました」
 黒Yシャツ黒ズボン姿で緊縛師を気取ったのか夫の村上春久が入ってくる。
 先端が長方形のチップに成った一本鞭で波琉の乳房を叩く。
 「うう」
 僅かに呻く。かなり慣れたのである。
 乳房にやや鞭の痕を付けた。
 次は太腿を叩く。
 「はあ」
 こっちも数本痕を付ける。
 春久は波琉の躰を後ろに倒す。自分の足に波琉の脚を引っ掛けて伸ばした。畳に仰向けに寝かす。脚を押して股間を少し開く。
 客に女の部分が丸見えに成る。
 蝋燭に点火した。
 この山荘は市の中心部からかなり離れている。
 波琉が此処に連れてこられて半年。それまでは帯広市に近年造られたニューシティの最上階に居た。
 波琉は母親の入院を助けてもらう条件で結婚する。
 母親が生きている間は平穏な日々であった。
 保険の利かない先進医療である。多額の費用が掛る。
 母親の葬儀が終わるとこの山荘に連れてこられた。
 その日から春久はサディストに変貌する。
 此処を出ることはまったく出来ず外と連絡を取ることも出来ない。
 携帯すら持たして貰えなかった。
 現金もまったく渡されない。
 テレビは大型画面で見られる。
 パソコンで検索もできた。だが発進は出来ない。メールも開くだけである。
 OSそのものがクローンであり特別なブラウザしかない。
 食事は好きなものを頼める。
 だが差配を預かる執事が総て管理していた。
 他にメイドが十四人。下男のような男性が六人である。
 山荘の中は波琉の居る区画とメイドらの居る区画は一部を除いて完全に分けられていた。
 メイドらの区画に波琉が入ることは出来ない。
 SMは月に二回くらい行われた。それ以外は平凡な日々である。
 歯向かえば拷問される。
 妻でありながら何の権利もなく時々客の前に出され辱められる。
 晴久は更に波琉の躰を開く。女の部分を指で広げて客に公開してしまう。
 華奢な波琉の躰には期待通りにビラビラは細く大陰唇の中に真っ直ぐ細い縦筋を描いていた。
 開かれても中は綺麗な薄橙でびらびらの縁もドドメ色感はない。薄いグレーである。
 客らは三方からそこを凝視する。
 晴久は客に蝋燭を一本ずつ渡す。
 前の妻が自殺したことは波琉が此処に連れて来られてから聞かされた。
 この山荘ではない。此処に来る途中に廃墟になっている。
 北海道警は事件性無しで片付けた。そこには大きな力が働いている。
 客の二人は波琉の乳房に左右から蝋涙を掛けてゆく。
 「ううーー。うーーーーー」
 もうかなり成れた。だが声を出さないと更にハードに成るから態と声を出す。
 あと一人は太腿に掛ける。
 「うう。ううーー。うーー」
 三方から波琉の肌理細かい白い肌に蝋涙が掛けられてゆく。
 みな落とし慣れていた。五十センチくらい離しているが蝋燭を斜め下向けに持っている。
 蝋燭は斜め上向か水平に持つと熱くない。だが斜め下向に落とすと高さを上げても熱い。
 太腿を真っ赤にした客が春久を見ながら波琉の股間を指差す。
 性器に落として良いかとお伺いを立てているのである。
 なんと晴久は波琉の女の部分を指で開いてしまう。
 「いやあ」
 客は容赦なく狙いを定めて落とす。
 「あはあーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん」
 広げられた薄橙の部分にぽたぽた確実に真っ赤な蝋涙が落ちてゆく。
 尿道の小さな亀裂も蝋涙で塞がれた。
 波琉は脚を折って暴れさせ藻掻き続ける。
 それを二人の客と晴久が押えて客は狙いを定めて落とす。
 「あーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 波琉は躰を捩って喚き続けた。
 春久の兄敏久は帯広市長である。その親父村上祐樹は民事党幹事長、副総理、防衛大臣などを経験していた。
 村上祐樹の弟はR国首相でありその兄は娼国副主席である。
 帯広市のニュータウンには娼国の資本が大きく流れている。
 帯広のニュータウン進出で北海道に風俗業が息を吹き返す。これにはR国北の実力者湯野中の資本が大きく流れていた。
 また。村上祐樹ほか多くの歴戦の政治家に湯野中マネーが浸透している。
 その配下にある日本企業の多くが娼国、R国に本社を移していた。
 波琉はこの事実を知って益々絶望に堕ちることとなる。
 此処を逃れて高島波琉に戻りたい。だが生きてそれは出来そうもない。
 総理の大学獣医学部の友人と学園の土地売買で騒がれている時代。だがその裏では巨大資本が政治家をきっちり抱き込んで存在する。
 何処からも追求の手すら出ない。
 波琉は涙を溢している。
 この部分は本当に堪えられない。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いが続く。
 立ててあった蝋燭の芯の周りが抉れ溶けて中に溜まった蝋涙。春久がこれを乳房の谷間から臍、股間まで真っ直ぐに掛ける。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 一頻り強烈な悲鳴が轟く。
 今回始めてやられたのではない。それでも毎回強烈な悲鳴を上げる。芝居ではない。一気に流し掛けられる恐怖心でそうなるのである。
 春久は拷問椅子を引き摺り出す。
 波琉はその上に載せられた。
 高手小手の縛りの上から胸部を拷問椅子に固定される。脚も開かれて拷問椅子の脚載せにぐるぐる巻きに縛られてしまう。
 春久の職業は湯野中資本下にある日本企業の持ち株会社オーナー社長である。
 配下に風俗業もあるが直接の繋がりは見えない。
 客は他の湯野中資本系列のオーナーまたは政治家である。
 他人の妻をその前で陵辱する。禁断の愉しみを満喫していた。
 春久は妻を所有物としか考えてない。玩具に飽きたら次と取り替える。
 離婚前に自殺されたのは一人だけである。
 通常は強制離婚してから処分していた。拷問に堪えられず離婚届にサインしてしまうのである。
 処分は系列の産業廃棄物処分工場に持ってゆく。
 乾式メタン醗酵という手段を使う。
 躰はガスと醗酵残渣にされた。ガスは発電に使われ残渣は家畜の餌と成る。
 DNAすら残らない。
 妥協案を呑んでR国に移住した者はその町の中で静かに生かされている。
 春久は拷問椅子のハンドルを回して後ろに倒す。女の部分が上を向いて露になる。
 黒い塊は弱々しく土手に咲いていた。
 春久はここにローションを掛ける。シェービングクリームは使わない。剃るところがよく見える配慮である。
 春久は客に剃刀を渡す。
 二人がそれを受け取り一人が剃る正面に座った。
 剃刀を受け取った二人が両側から剃毛する。月一回の剃毛である。
 これまでもほぼ生え揃ったところで剃毛してきた。
 波琉は諦めながらも剃られる土手を警戒の目で見詰めている。
 綺麗な大きな目が不安に眩む。実に男を起立させる表情である。
 正面で見ているのは衆議院議員平佐和周一郎。
 剃毛している右側は湯野中系列のTCC日本支社長前原。左は北海道知事田村昭二である。
 春久にこの接待による直接の恩恵はない。直接恩恵を蒙る者から恩恵を受けている。
 剃毛の終わった波琉の土手を平佐和が丁寧に拭く。
 黒い塊の無くなった部分はほんのりピンクが強い。黒い塊が無くなってもまたその部分は美しい。
 剃って汚い皮膚が露出する女もあるが波琉のそこは実に綺麗である。
 春久は客にバイブ、電マの順に波琉の女の部分で遊ばせてゆく。
 平佐和は他の二人に譲ってあまり手を出さない。
 春久にある要求を出している。春久はそれを了解した。元より看護師も待機している。
 秘密はきっかり護られるていた。看護師は湯野中系列の病院から来ている。他の病院より給料は高いうえ此処への出張は一ヶ月の半額が貰えた。
 月二回来て通常の看護師の三倍の収入。しかもその半分以上である此処の収入は非課税となる。
 TCC社長前原が電マで波琉のクリトリスを責め始めた。
 波琉は右に左に力の限り仰け反る。
 痙攣している膣が電マから逃れんと腰が暴れる。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 声はサイレン状態に緊迫してしまう。
 やがて電マの下から潮が溢れ出た。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 更に悲鳴は緊迫して張り上げる。
 それでも容赦なく前原社長は責め続けた。
 いつも波琉は客の性的玩具にされている。
 黙って堪えているしかない。
 波琉は月二回の地獄を堪えれば普段は籠の鳥とはいえ贅沢な暮らしである。働くことはない。家事も一切しない。
 食事も好きなものを用意してくれる。
 酒も自由である。
 だが太る事は許されない。インストラクターが来てダイエット運動を指導して行く。家の中にそれだけの設備がある。
 温水プールもあり殆ど波琉の専用と成っていた。
 何としても此処から逃れたいが大人しくしている。
 此処を逃れても波琉に行く当てはなく金もまったくない。車を奪って逃げるにも運転免許すらないのである。
 誰かの助けを借りなければ逃げてもどうにも成らない。
 法的には充分な慰謝料を貰って離婚出来る立場である。だがそれを行使する術もない。
 失禁した波琉に北海道知事田村昭二が春久の説明を受けながらドリルバイブを挿入する。
 細い擬似男根が回転するタイプである。
 スイッチが入ると波琉の縛られた躰は電流が流れるように震撼する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 顔を仰向けに大口を開け美しい顔が一気に破裂する。この表情も中々良い。
 みんな笑っている。波琉に一部の同情もない。こんな絶品の女をトコトン性の満足に蹂躙できる。最高の悦びなのである。
 顔もスタイルも申し分ない。華奢な細い躰で色も白い。乳房も体型の割には充分な大きさである。
 弾力がありながらも微かな垂れ具合がまた良い。
 女の部分はどんなモデルと比較しても綺麗である。
 平佐和はR国でも娼国でもこんな接待の遊びを食べ尽くしている。その中でも波琉は久々の大当たりである。
 「ああーーーあはあーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー」
 波琉は完全にドリルバイブに翻弄されていた。
 膣の周りは膣液とローションが混じって飛び散り半透明の葛湯状になった液がべっとり流れている。
 官能に軋みぐちゃぐちゃに成った陰部でもこの女はどこまでも美しい。
 
 道警刑事部捜査一課五係である。
 「自殺したのは村上春久の前の妻ですがそれ以前に離婚した奥さん二人もその後行方不明です」
 笛木祐子巡査部長が上司小倉紘子警部に進言する。
 「一課が事件性無しで片付けた件ですね」
 「そうです」
 「一課長が出した結論ね」
 「納得行きません」
 笛木祐子巡査部長は上司に食い下がる。
 「多分捜査は認められません。所轄も協力しません」
 「そうですね」
 笛木祐子巡査部長は悔しさを滲ませる。
 この五係の二人。上司と部下だが歳はあまり変わらない。小倉紘子警部が三十五歳。笛木祐子巡査部長は三十四歳である。
 「でも私も納得行かない」
 「抗議しますか」
 「無駄よ。勝手に二人だけでやりましょう」
 「はい」
 「これには兄かお父さんの力が働いていますね」
 「そんなことでは捜査は止まりません。指揮権の発令に成れば別ですが。もっと大きな力が働いています」
 「それ以上大きな力ですか」
 「道警全体に圧力が掛かっています。多くの幹部が否定するのです」
 「だから所轄も一課も他の部署も動かないのですか」
 「そう。部分的にあちこちに圧力が働いています。もちろんお兄さんやお父さんの村上祐樹の力も働いています。ですがそれだけでは」
 「私たちだけでやらなければ」
 「自殺という断定は間違っていません。こうなるとその理由が問題です」
 「そうですね」
 「以前の二人の奥さんの行方を捜査しましょう」
 「はい」
 
 波琉はドリルバイブの責めに失禁、失神を繰り返し美人の女の部分から潮を噴き上げるところを客の前に晒した。
 客はこの上ない満足感である。
 SEXこそないが全員が指を入れて感触を愉しみ中から膀胱を押し上げ潮を強引に押し出した。
 波琉は小刻みな悲鳴を上げ続ける。
 女の部分のピンクの粘膜が広がり尿道の小さな亀裂が膨らむ。そこから直に潮が噴き上げるところまで鑑賞した。
 平佐和のリクエストは急性アルコール中毒の責めである。
 ウオッカ三オンスをライムとガムで味を変えジンジャエールで割る。これを水差しで飲ませる。
 飲み易く強制的なので簡単に流し込んでしまう。
 波琉は酒豪などではない。酒は飲むが何日かに一回僅かである。
 中毒症状に一時間と掛からない。
 直ぐに看護師が利尿剤を投与する。尿道にカテーテルが挿入され尿瓶に尿が流れる。見る男性諸氏には実に隠微で生唾シーンの連続である。
 この上ない小柄で華奢な知的美人がアルコール中毒に苦しむ。広げられた女の部分の小さな亀裂に管を刺し込まれ排尿を続ける。
 もう恥ずかしさより苦しさが波琉を支配していた。今は苦しさから逃れる以外何も考えられない。
 逆に客らは限りなくエロ心を堪能させた。
 波琉は翌朝まで地獄である。
 平佐和らはゲストルームで休み朝食を済ませ波琉の醜態を愉しみに来る。
 「さあ。アルコール中毒を軽くするには官能が一番だ」
 また女を責める宣言である。だがこれは迎え酒なみに効く。
 波琉はただ躰を任せる。もう抵抗する気力すらない。早く客が帰って静かな時間になって欲しいと願うばかりである。
 既に尿道カテーテルは抜かれている。看護師は別室に引き上げた。
 それでも波琉の苦しみは続いている。
 ただ眠りたいだけである。
 そんな波琉の乾いた女の部分にスポイトでローションが流し込まれる。
 「ああ」
 波琉は切ない声を漏らす。
 平佐和が指を突っ込んで掻き回す。
 「ああーーー。ああーーー。ああーーーーーーーーー」
 あっという間に潮を噴き上げてしまった。
 「ああーーーーーー。はあ。はあ。っは。っは。はあ」
 荒い息遣いだが躰は抵抗してない。
 急性アルコール中毒の苦しさから逃れんとする。既に何回もの調教で躰が慣らされてしまっていた。
 そこにドリルバイブが挿入される。
 波琉は躰を任せたまま直ぐに失神してしまった。
 客らは暫く波琉の躰を弄くって愉しんだがやがて時間を見て引き上げる。
 
 笛木祐子巡査部長は村上春久の現在の妻が旧姓高島波琉であると突き止めた。
 「既に母親は亡くなっています。父は最初から居ません。認知届でだけです」
 「母親は何処で亡くなったの」
 「晴久の系列にある苗穂極東病院です」
 「他に高島波琉の身内は」
 「それが」
 「当たりが付かないの」
 「いいえ。近い身内は居ないような」
 「自殺した前の奥さんも身内らしきが居なかったわね」
 「そうです」
 「そういう女性ばかり狙っているのね」
 「それと波琉さんは帯広ニューシティには居ません」
 「でも他にも村上晴久の住居はあるでしょう」
 「前の奥さんが自殺した別宅は廃墟です」
 「あの一帯が私有地。その中に何があるかね」
 「波琉さんを探すのも難しいですね」
 「先に旧姓荒木優子と白鳥香苗の行方を捜しましょう」
 小倉紘子警部はこっちの方が崩し易いと考えた。
 「そうですね。住民票の住所には居ませんがこっちの方がまだ手掛かりが有りそうですね」
 「順番の近い荒木優子からやりましょう」
 「何処から当たります」
 「荒木優子の昔の職場が判らないかしら」
 「それ。苗穂極東病院です」
 「えーー。あの一族の」
 「そうです。村上がそこで引っ張ったのです」
 「緘口令が引かれているわけ」
 「そうです」
 「その前の職場は」
 「判りません」
 「それくらいは苗穂極東病院で聞けるでしょう」
 「やってみますか」
 苗穂極東病院の事務局は荒木優子の前任の病院を教えてくれた。
 そこで判明した保証人は既に他界していて勤め先に困って苗穂極東病院に行き着いたのである。
 当時の同僚など聞き込みをしたがその後の消息は誰からも聞けなかった。村上晴久の妻になったことさえ知らなかったのである。
 翌日。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は一課長に呼び出された。
 「苗穂極東病院に何の聞き込みに行った」
 「村上晴久の前妻の消息です」
 「自殺した奥さんではないのか」
 「あれは自殺で間違いないと思います。それよりその理由とそれ以前の奥さんが離婚後二人とも行方不明です」
 「事件性が有ると言いたいのか」
 「はい」
 「俺は無いと思うが」
 「捜査をするなと」
 「そうは言わんよ」
 一課長は笑っている。
 「はっ」
 小倉紘子警部は驚きの表情で笛木祐子巡査部長と顔を見合わせる。
 「ただあちこちに圧力が掛かっている。俺にも。君らには掛かってないようだな」
 「おかげさまで今のところは」
 「ならば君らだけでやるのだな」
 「それしかありません」
 「他の者は巻き込まない。誰も命令してない。そういうことだ」
 「判りました」
 「前にも言ったが本部長、所轄それぞれ違うところから圧力が掛かっている。それを忘れるな」
 「判りました」
 二人は一度五係の部屋に戻った。
 「驚きましたね」
 開口一番緊張が解れた笛木祐子巡査部長の一言である。
 「何が」
 「一課長が捜査を止めろと言わなかったことです」
 「反って圧力を掛ける方が危険と考えたのじゃないの」
 小倉紘子警部は一課長が捜査を許したとは思ってない。
 「そうですか」
 笛木祐子巡査部長は多少不安を感じたが納得した。
 「苦情が来ないようにしろと言う事ね」
 小倉紘子警部は得意に高を括っているが現実はもっと厳しかったのである。
 二人とも自分らの力を過信していた。
 
 波琉は失神してから急性アルコール中毒を癒す。
 夕方には体調は回復していた。
 あまりの拷問に暫く絶望に泣き続ける。
 月に二回だけである。だが昨夜は本当に辛かった。
 月に二回奉仕させられて月一回位晴久が抱きに来る。
 晴久は月に一回しか求めない。それ以外は他の女を抱いていると思う。波琉にはその方が助かる。女は一人ではない。何人も居ると思う。
 晴久は避妊をしない。だが子供を作る意思はない。だから月に一回安全日に波琉を抱く。
 此処から逃れる方法を何度も考えた。
 波琉が触れるのは晴久、執事、メイド、そして客、看護師である。
 客以外は晴久の忠臣な使用人であり波琉の監視役となる。客は事情を良く知っていて波琉を玩具にして行く。
 波琉は正妻でありながら性上納に使われるタレントと代わらない。まだ彼女らの方が自由である。
 執事もメイドも普段は丁寧に接してくれる。此処に居る範囲の我侭は訊いてくれた。
 だが外に連絡を取ったり脱出したりしようとすれば管理者に変貌する。
 専用の庭には出られる。テレビも動画も有料が見放題である。要求すれば直ぐに購入してもらえた。
 母の墓は村上家の墓地の一区画にある。
 
 小倉紘子警部らはもう一人の前妻白鳥香苗の行方も掴めなかった。
 「どちらも離婚して移転先には住んでいないと思います」
 「離婚届を出して直ぐ殺されたということ」
 「そうとしか思えません」
 「自殺との違いは」
 「離婚届にサインが無い」
 「でも自殺では有ったはずよ」
 「殺した二人は離婚届にサインを貰ったのでそれを役所に出して遺体を始末して終わり。自殺は事件性無しに出来るから通報したのです」
 「二人の遺体を見つけなければね」
 「なんとしても」
 「あの広大な敷地に埋められたら捜査権はなかなか及ばないわね」
 「令状が無いと」
 「令状を取るだけの根拠が見つからないよ」
 小倉紘子警部も暗礁に乗り上げた意識である。
 「二人ともマンションの部屋はそのままなのです」
 「管理人に話を聞いた」
 「それがどちらの管理人もその当時は自分の前任者だったというのです」
 「ではその前任者は」
 「それがもっと金になる仕事に就いてR国に行ったそうです」
 「その両方の管理人が」
 「そうです」
 R国ではここも暗礁である。だが管理人がどちらもR国に移動して部屋はそのまま本人は行方不明。これは明らかに異常と言える。
 ここで状況証拠から家宅捜査に持ち込めそうだが道警全体が敵である。
 二人は波琉の友人関係及び自殺した妻、以前の妻二人の友人関係を地道に捜査し続けるしかなかった。
 
 波琉には暫く平穏な日々が続いた。
 インターネットで映画、音楽のCDを検索する。執事かメイドが購入して来るか通販で買って貰う。
 インターネットではSNSすら見るだけで発信が出来ない。元より発信しても助けを求められるような友人は居ない。
 行政とかに頼るしかない。だがそれも危険と思う。
 テレビかCDを見て過す毎日である。食事は殆ど和食を頼んでいた。吟醸酒と一緒に用意してもらう。
 温水プールを風呂代わりに使う。露天風呂もある。晴久と客人が来る時意外波琉が自由に使えた。
 晴久の仕事は大方が接待である。
 普段は他の女で行っていた。波琉を使うのは特別な接待となる。
 客の一物を挿入されることは無かった。指で弄られるところまでである。
 痛みさえなければそれも諦めていた。
 
 翌月の半ばになって平佐和が民事党の代議士二人と元国民党も二人連れて来た。今は無所属である。
 平佐和を見て波琉の心臓は鼓動を早め心はそわそわしだした。
 半月前のあの苦しみをまたやられてしまうのか。それは辛い。
 晴久は五人を露天風呂に案内した。酒とビールとつまみが運ばれる。露天風呂で宴会である。
 波琉も裸でそこに入る。
 直ぐに酒を強いられたがコップ酒一杯注がれただけである。
 「二人ばかし大胆不敵な女デカが動いているんだよ」
 晴久は波琉の方を視線で指して平佐和にお伺いを立てる。
 平佐和は首を振ってノーを示す。
 「波琉。少し温水プールで待っていなさい」
 波琉は安堵して温水プールに引き上げる。
 「一課長は捜査を黙認した。道警の刑事が交代で二人を見張っている」
 「圧力で停止できないのですか」
 「停止するほどのこともないですよ」
 民事党政調会長である。
 「その二人の女デカ三十路余りなのだが。どちらも結構いい女なのだよ」
 平佐和は既に二人を観察していた。
 「まさかそれを捕まえて此処で玩具にしようとか」
 晴久も平佐和の提案を察しつつも自信はない。
 「二人の捜査は自殺した奥さんの前の二人。その行方不明について状況証拠まで行き着いている。放ってはおけん」
 「どうすれば良いのですか」
 「奴等は此処の敷地の何処かに死体が埋まっていると確信している」
 「しかし此処には」
 「だから任意で捜査をさせるのだ。鑑識も呼んで」
 「それで出なければ捜査は中止ですか」
 「鑑識が帰ってからその場に二人を残して捕らえる」
 「R国の工作員を呼んでおきますか」
 「いいや。今回は一課の刑事がやる。そいつらにも愉しませてやってくれ」
 「はい」
 晴久は総てを了解した。もちろん工作員も手配する。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は晴久の別荘の捜査令状を要求した。
 一課長からは任意でやれと拒否される。
 「疚しいことはないから応じるはずだ。了解を取ったら鑑識を行かせる」
 予想外の成り行きだがもう引けない。
 「鑑識は私の指示通りに動いてくれるのですか」
 小倉紘子警部は最後の念を押す。
 「その様に指示しておくよ」
 とにかく進めるしかない。それで何も出なければ責任を取らせられると覚悟する。
 だが二人は鑑識だけでやらせなければ必ず出ると確信していた。
 
 平佐和らはその計画に花を咲かせる。露天風呂で酔いも回りその夜は波琉を軽く弄るだけで寝てしまった。
 平佐和はこの婦警二人を拷問することに執念を燃やしている。
 ただ愉しみだけではない。
 自分らの指示に従わない警察官を許せないのである。こういう分子を見せしめに拷問のうえ血祭りに上げたい。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は手始めに帯広ニューシティの晴久の部屋を訪ねた。
 行き成り山荘に行くにも入口から私道で入る事が出来ない。
 「このニューシティもR国の資本にかなり支配されているそうです」
 「娼国の資本が支配するニューシティは日本に五箇所あるわ。構造は良く似ています」
 小倉紘子警部は娼国、R国の日系多国籍企業の亜細亜戦略に詳しい。
 「居住者以外車で入るには不便ね」
 「空港と帯広駅から新都市交通が繋がっています」
 「この街の中で総てが出来る。だから遠くに行く以外に外との繋がりは要らないのね」
 五十階建ての高層建物が二列十六棟ずつ二つのブロックで左右に伸びている。
 その接続部分にシティとT字に空港からの新都市交通の終着駅がある。
 帯広駅からの新都市交通は二列の高層建物の真ん中を貫いている。
 人も自転車もこの新都市交通も空中十四、十五階を移動する。新都市交通が十四階である。
 帯広ニューシティ内は一階から出入りをしない。
 外に出るにはタラップのようなエスカレーターと階段が中心部の新都市交通の駅の下の方に五階から伸びていた。
 車に乗るには各棟のEVで地下に降りる。全棟繋がった地下駐車場から長いスロープを62号線に繋がっていた。
 高層階がほぼ住居である。北側はオフィスが多い。十四、十五階が店舗でそれより下はオフィスだけになる。下層階は工場である。
 空港からの新都市交通が着く駅から左右に八棟が二列に十六棟ずつ広がる。
 片側の十六棟が家族の町。一部下層階に病院、学校も存在する。
 もう片側が独身者の街である。遊技場、風俗、ソープも入っている。
 人口は全国から一挙に増えた。
 殆どの人がこの中だけで仕事が完結できる。
 一つはこの中に住んでEVと新都市交通でオフィスや工場に移動。もう一つは一人用のミニオフィスに出勤する。
 これは東京や札幌の企業オフィスと繋がっていた。
 RANが接続されテレビ会議も繋がる。
 今回の捜査で笛木祐子巡査部長は此処の構造に驚いてた。
 「一階から出入りが制限されているのは津波とか災害に備えてでしょうか」
 「そうかしら。それも建前にあるけど。この中だけで収益を回す為ではないかしら」
 「そのままR国に吸い上げるためですか」
 「そう」
 「此処の人口が爆発的に増えて帯広市は税金が半分になったと聞いています」
 「住民税が半分になったから金持ちが此処の高層階に集まったのよ。その為に市長も北海道知事も押えたのよ」
 小倉紘子警部はかなり事態を把握している。
 最上階の村上春樹の部屋を訪ねるも本人は不在であった。
 帯広ニューシティのインフォメーションカウンターで警察手帳を提示して連絡を取って貰う。
 個室に通され折り返しの電話を貰った。
 小倉紘子警部は単刀直入に任意捜査の要求を突き付ける。
 「敷地を全部お調べに成りたいのですね」
 「そうです」
 「では一日だけ対応いたします。任意ですからその範囲で人数を動員してお願いします」
 晴久は自信満々である。
 小倉紘子警部は一課長に鑑識の要請をする。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は鑑識を二手に分けて貰う。自分らも一人ずつ対応した。
 鑑識は小倉紘子警部の命令に従う姿勢である。一課長がその様に指示していた。自分らの意図通りに動かなかったと言われない配慮である。
 警察犬を導入しての捜査を行う。十二頭来ていた。
 管理官はこれで見つけられない筈は無いと豪語する。
 確かにその通りである。小倉紘子警部らもその錬度は良く分かっていた。
 金属探知機も使っている。
 捜査は約七時間で終わった。
 「人の死体が埋まっていることは絶対に無い」
 鑑識は豪語する。
 小倉紘子警部らも認めざるを得ない。
 鑑識は引き上げる。小倉紘子警部らは晴久と兄の帯広市長から捜査に至った理由の説明を求められた。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長はまだ質問をしたい。望むところである。
 平佐和ら代議士も道警本部長も一課長も既に山荘に入って地下で待機していた。一課長の屈強な部下数名も入っている。
 R国の工作員も別室で待機していた。
 「さて説明してもらいましょうか」
 笛木祐子巡査部長が捜査のあらましを説明した。
 「管理人はいったい何処に行ったのですか」
 小倉紘子警部は旧姓荒木優子と白鳥香苗の離婚後に移ったマンションの管理人が共にR国に消えた事を確認している。
 「日系企業の本社に移っただけです」
 「この二人の財産分与はどうなっています」
 晴久は離婚調停をした弁護士に連絡を取る。
 「共有財産は結婚してから離婚するまでの間に得た資産の分与です。その間の半分の資産価値をマンションと一部現金で渡しています」
 「二人ともそうなのですか」
 「そうです。まったく変わりません」
 「離婚理由は」
 「まあ。晴久さんの性癖ですな。堪えられなくて離婚を申し出られたのです」
 「性癖とは」
 「SMと聞いていますが詳しくは」
 「DVじゃないのですか」
 「お二人とも元よりSMは理解されていました。ただその度合いが増してですね」
 「離婚後お二人は行方不明ですが」
 「調停成立以後は私の知る限りではありません」
 弁護士はにべも無い。
 「解りました」
 小倉紘子警部は弁護士との通話をそれで終わりにした。
 「高島波琉さんはいま何処にいます」
 小倉紘子警部は次の疑問を投げる。
 晴久はサッシを開ける。
 「向こうのテラスを」
 そこには波琉が座っている。
 「お話を聞けませんか」
 小倉紘子警部はまだ突っ込む。
 「ご案内しましょう」
 晴久は波琉の居間に誘導する。もちろん昨夜の内に波琉には因果を含ませてあった。
 途中に鉄の扉があるが本日は全部開放している。存在しても防火扉で説明が付く。
 さらに途中で温水プール露天風呂を見せる。
 「これを波琉さんと二人でお使いですか」
 「私が使うことは月に一回位で来客以外大方波琉の専用です」
 晴久はきっぱりと答えた。
 波琉の使うリビングに入る。
 二十坪くらいはある広いリビング。他に寝室、クローゼット室、浴室も豪華である。
 波琉がテラスから中に入って来客用のソファーではなくサッシの手前のシートに座る。
 「廃墟になっている前の山荘も豪華でしたがそれ以上ですね」
 「はい。二人続けて途中で逃げられましたから」
 「そのため豪華にしたのですか」
 「そうです。このまま波琉の物になります。結婚は三年間の約束です」
 「ええ」
 「波琉」
 晴久は波琉に説明を促す。
 「三年で離婚してこの山荘は私が貰います。維持するのと生活に必要な収入は株で貰います。三年間に得た共有資産の半分相当です」
 「三年契約の結婚ということ」
 小倉紘子警部は大きくこれまでの前提が崩れた。
 「そうです。お探しのお二人もそうでした。途中で解約されたので遺産の分与は減りました」
 マンションの名義は二人のまま口座の現金も手がついてなかった。これを否定する理由は無い。
 「弁護士からSMと聞きましたが。期間限定で納得してこうなっているのですか」
 「そうです」
 体の良い売春と言いたいが合法である。
 そこへ一課長が入って来た。
 「事件性が無い事が理解出来たかね」
 「一課長」
 更に後ろから数名の刑事と道警本部長も入って来る。
 「この度の家宅捜査大変失礼いたしました」
 道警本部長が晴久と兄の帯広市長に謝罪した。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長追い詰められた表情になる。
 更に平佐和が四人の代議士と入って来た。
 「こんな上の意向を聞かない奴らを放置しておくのか」
 平佐和は道警本部長を叱咤する。
 「貴方は」
 小倉紘子警部は驚きの表情で平佐和を見る。
 「衆議院議員の平佐和周一郎だ」
 平佐和の剣幕は壮絶である。
 「先生。申し訳ございません。即刻対処いたします」
 即座に一緒に入って来た刑事らが小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の身柄を押さえる。
 「何をするのですか」
 「やめてーー」
 抗議する二人に刑事らは手錠、足錠を掛ける。
 「何故逮捕されるの」
 「逮捕ではありません。ここからは如何なる法律も適用しません」
 一課長は非合法を堂々と言い切る。
 「君らは今日から我々の玩具だ」
 本部長も構わず断言する。
 「そんな犯罪よ」
 「誰も捜査も立件もしない」
 一課長が宣告する。
 波琉は既に晴久が部屋から連れ出していた。
 抗議し続ける小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長を刑事らは地下の拷問部屋に連行する。
 其処には既に鉄格子が設えられてあった。
 刑事らは躰をぶつけ暴れさせ抵抗する二人をそれぞれ鉄格子に押し込む。
 二人とも麻酔を嗅がされ床に倒される。
 足錠と手錠を外して刑事らは鉄格子を出て地下室を出て行く。
 「拷問は明日からだな」
 平佐和が道警本部長に確認する。
 「先生らのご都合に合わせますが」
 「飛行機の時間だから後日来るよ」
 帯広空港まで車なら二十分で着く。山荘なのに便利な場所である。途中まで完全な私道なので一般車は入って来ない。
 二時間で羽田に着く。
 選挙はもう終わって民事党は圧勝である。
 野党の分裂などいろいろ騒がれていたが元より民事党の議席三分の二はお約束されていた。
 野党間でその配分が変わっただけである。
 都知事率いる新しい政党がその言動で惨敗といわれる。だが元より勝機は無かった。これが結党したので連立政権が僅かに数議席減らしただけである。
 本部長も札幌に戻った。
 こっちも一時間半は掛かる。
 一課長を中心に酒盛りが始まった。小倉紘子警部らの様子は監視カメラで確認する。
 「三十過ぎていますが二人とも良い女ですね」
 二十代後半の若手刑事である。
 「どうです村上さんは」
 「良いですね。どっちも。現代の三十代はまだまだ良い躰です。そして心置きなくハード拷問が出来ます」
 晴久も期待が膨らんでいた。
 「どっちも美人だがまったく可愛げがない」
 一課長である。
 「拷問して遊ぶには見た目がよければ」
 その言葉は晴久の体質を如実に表す。
 「それよりあの強気の二人の羞恥に塗れた悲鳴が愉しみだ」
 一課長は気炎を吐いている。
 みな気丈な二人の女をとことん辱め究極に甚振る事に悦びと期待を滾らせていた。
 
 鉄格子の中では笛木祐子巡査部長が先に意識を取り戻す。
 二人の鉄格子は間に一メートルの通路が開いていた。
 鉄格子の正面には三メートル位の広場がある。二人の鉄格子は奥行き幅とも十メートルはある。
 かなり広い地下牢である。
 「警部」
 笛木祐子巡査部長が声を掛ける。
 「警部。起きて下さい」
 笛木祐子巡査部長は人が周りに居ないうちにとにかく小倉紘子警部と話がしたい。
 「小倉警部」
 笛木祐子巡査部長は呼び続ける。
 もちろんこの状態はカメラで監視されていた。
 一課長らは何を話すか様子を見たい。
 小倉紘子警部は笛木祐子巡査部長の呼びかけにようやく意識を取り戻す。
 「笛木」
 小倉紘子警部は意識を取り戻し笛木祐子巡査部長の存在を確認する。
 そして辺りを見回す。カメラの存在に直ぐ気が付く。
 「完全に見張られているね」
 「そうですね」
 笛木祐子巡査部長も小倉紘子警部の視線の先にカメラを確認する。
 それでも二人は話すしかない。
 「本当に遺体は出ないのですか」
 「この私有地が一番隠し易いはずなのですが」
 小倉紘子警部はあくまで自身の見解を主張する。
 「こんな地下室があるのですから。まだ隠し場所が」
 「焼いて散骨したか」
 「でも此処で焼けば何かが残ります」
 笛木祐子巡査部長はそこまで考慮して捜査した確信がある。
 「そうね」
 小倉紘子警部も同様である。
 「何故国会議員まで」
 「全部つるんでいるのよ。娼国、R国の日系人がその手綱を握っているのよ」
 小倉紘子警部は娼国、R国の経済侵略が伸びていて平佐和らがその手先と踏んでいる。
 「此処はR国の手先企業グループの一部ですか」
 「そうよ」
 「帯広ニューシティも凡て。北海道知事も帯広市長も」
 「そうよ。帯広は議員がボランティア。給料が無くてもそれ以上充分な資産が有る人しかなれないのよ」
 「それでは市政ごと乗っ取られてしまうのでは」
 笛木祐子巡査部長は重大な危険にようやく気が付く。
 「そう成りつつあるわね。姉ヶ崎も川越も新青森も唐津も」
 小倉紘子警部は既に状況は充分に悪化していると言いたい。
 「そんな。そして私たちはその手先らに抹消されるのですね」
 「多分」
 「その前に奴らの玩具ですか」
 「そうらしいね」
 小倉紘子警部も思わぬ捕らわれの身に成す術も無い。
 「何とか此処から出ないと」
 笛木祐子巡査部長も行き成りの捕らわれに焦りが出ていた。
 
 波琉は晴久の言い分通りに婦警らに回答したがせっかく自分を確認しに来てくれた二人に申し訳ない気持ちに苛まれていた。
 二人の婦警を助けて自分も逃れられないかと問答する。
 道警本部長、一課長と言っていた。それが二人の正しい婦警を捕らえる側の味方になった。
 恐ろしいことである。
 代議士も道警幹部も晴久らの味方。相当な権力の層が北海道警幹部を押えていると思う。
 二人の婦警を助けて逃げ出して身の振り方を手伝って貰っても他の警察官に逮捕されて回収されるに違いない。
 そうなれば今より辛い日々が待っている。
 逃げ出して北海道から出て遠くの街で働いても何も出来ない。
 母の墓は村上家の墓地である。これも放置してゆく事になる。
 あの二人の婦警が此処を逃れて総てが明るみに出てDV離婚に持ち込んで自分の法的権利を主張して勝利と開放を得られないか。
 いいや違うと思う。二人の婦警の主張は抑えられる。そして再び捕らえられてしまう。
 いち早くマスコミにリークすれば。
 マスコミが必ず動く保障は無い。晴久の持ち株会社より上のグループからマスコミに力が働いている。まったく違う報道になってしまう。
 自分はこのままこの家を貰ってさらに生涯の生活費を貰って平和に離婚できるのか。
 
 メイドが二人で小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の鉄格子に食事を搬入する。
 鉄格子の一部にボックス状の一角がある。外から入れるときは中から開かない。外の扉を閉めると中の扉が開くようになる。
 「お食事でございます。中の扉を開けてください」
 メイドは三十度頭を下げ丁寧に挨拶してゆく。
 「ちょっと。私達をどうするの」
 「いいえ。私共には。波琉様の御言い付けでお食事を持ってまいりました」
 「捜査に来た警察官を此処に閉じ込めているのですよ。道警に連絡をして下さい」
 「いいえ。私共は日系ですがR国から赴任しております。今回は波琉奥様の身の回りをお世話しております。それ以外は」
 食事は刑務所、留置場とは比べ物にもならない。豪華である。
 「こんな事を通報しないで」
 「そう仰られても。私共の立場では何も出来ません。お食事のあとに奥様が来られます」
 そう言い置いてメイドらは立ち去った。
 
 葛藤する波琉の部屋に晴久が入って来る。
 「俺の以前の妻のことで説明しなかった」
 「どうなっているのですか」
 「御前も不安だな」
 「・・」
 「日本には居ない。R国のT市に移ってもらった」
 「抑留ですか」
 「抑留。まあ選択してもらったのだ。秘密を知っているから日本で見張りつき生活かR国内での自由な生活を選んでもらった」
 「または死んでもらうかですか」
 「確かに何か行動に出たら我々よりR国の工作員が動く」
 「さっき警察の人の他に居た人達」
 「確かにその筋だ。だが御前が静かに暮らせば何も問題ない」
 R国の経済は殆ど日系人資本で成り立っている。それが日本ほか亜細亜中に進出していた。
 現地には別法人がある。
 R国北側の日系企業が日本に逆進出した法人。晴久はその持ち株会社を担当している。これらの日本法人は日本では殆ど利益を出さない。
 晴久の収益も日本では僅かである。
 足りない分はR国内で得られていた。
 これは企業の役員以上は日本の課税対象になってしまうからである。
 だがR国の仕組みでは日本から判らない資産が作れた。
 R国に行かせれば贅沢な生活を与えて監視は行き届く。だが晴久は波琉だけは日本に残したい。
 「そう。私は此処に静かに暮らせるのね」
 「警察が地下に鉄格子を造って捜査に来た女性警察官を監禁した。あの二人に御前からと言って食事を搬入した。今の説明をして欲しい」
 「二人がR国に居るということ」
 「まさか監禁するとは思ってなかった。何か有っても我々は何も法律に触れてないことは説明しておかねばならない」
 「あれは警察が勝手にやったのですか」
 「平佐和先生の指示だったが最初から予定していた筈だ。鉄格子まで工作員に手配していた」
 「話してくればいいのですね」
 波琉は地下に降りて自分がSM拷問された部屋に完璧な鉄格子が造られているのに驚いた。
 「波琉さん」
 笛木祐子巡査部長である。
 「ここから出してください」
 「私共にその権限はありません。逮捕して此処に入れたのはあなた方の上司です。私共は家宅捜査に応じただけです」
 「では。連絡を取らせてください」
 「私共に許されているのは食事の搬入を依頼されただけです」
 笛木祐子巡査部長らも結果は分かっている。一応抗議しただけである。
 今の答え方では共犯性が有るとは言えない。
 「それと荒木優子さんと白鳥香苗さんですが、現在はR国に居るとの事です。だから幾らお探しになられても此処からは何も出てきません」
 「でも二人は出国していません」
 「そうですね。R国の査証を使っていますから」
 「それは日本には戻れないということですか」
 「そうらしいですね」
 「どっちにしても違法ね」
 「さあ。ご本人らがR国行きの条件を選択したのですから。日本で離婚より多くのお金が貰えたのでしょう」
 言うだけの事を伝えたので波琉は地下室を出て行く。
 「生きていたのでしょうか」
 「そうでしょう。そうでなければ波琉さん自身穏やかで居られないよ」
 「そうですね。自分も殺されるのではと怯えますね」
 
 一課長らはその日に小倉紘子警部らを玩具にすることは延期した。
 平佐和らが此処に来る日に本部長も来るのでそこで封切りと決めたのである。
 一週間経って平佐和ら代議士が帯広に来た。北海道知事田村昭二、帯広市長村上敏久、道警本部長、一課長らが揃う。
 二人が抵抗することは充分に考慮していた。
 屈強な若手警察官を用意している。
 鉄格子の前には長机を組み合わせて宴席が作られた。
 生ビールのサーバーや日本酒も搬入される。刺身他料理も並ぶ。
 笛木祐子巡査部長の鉄格子に四人の警官と緊縛師が三人入る。
 「何よーー!」
 笛木祐子巡査部長は恐怖と怒りに叫ぶ。
 警察官らは無言で掛かる。
 四人で笛木祐子巡査部長の躰を押さえた。
 「止めろーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は叫ぶ。四人とも格下である。
 「やめなさーーーーーーーい」
 完全に無視して緊縛師が鋏で笛木祐子巡査部長のスカートを切った。一人がジャケットも切る。
 「ああーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 残る一人が縄を準備する。
 「やめろーーーーーーー」
 スカートは切り落とされ一枚の布となって床に広がる。ジャケットも落ちブラウスの下の方にストッキングに包まれた下着が覗く。
 緊縛師はブラウスのボタンを切る。さらに背中から真二つに切って袖から抜き取ってしまう。
 「や、め、ろーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は力を込めて叫ぶ。
 スカートを切った緊縛師がストッキングを脱がす。警官は左右からがっちり太腿を押えている。
 それでも押さえる警官の手と緊縛師が脱がすストッキングがクロスした。その瞬時に笛木祐子巡査部長の膝が緊縛師を蹴る。
 「うお」
 直ぐ警官が押える。
 緊縛師は後ろに転げるが直ぐ立ち上がって笛木祐子巡査部長をビンタする。
 「あがあーーーーーーー。やめろおーーーーーーーーーーー」
 もう一人がブラを切り落とす。方紐が無いのでそのまま落ちる。
 膨らみが円形で形良くそれなりにボリュームのある乳房とピンクの乳倫。そこに小さく突起した乳首が丸出しになった。
 蹴られた緊縛師がショーツの左右の細い部分を切り落とす。
 ショーツが二つに割れて床に落ちる。黒い陰毛はそれなりに女の部分を隠している。自然のままのようである。
 笛木祐子巡査部長は全裸にされてわなわな怒りに震える。
 「やめなさーーーーーーい」
 隣の鉄格子を握り藻掻きながら小倉紘子警部が叫び続けていた。
 平佐和らはこの余興を肴に乾杯する。
 小倉紘子警部もこうなったら生きて返されないことは想定が付く。村上家の二人は降りて来ない。
 料理などはメイドが運んで来る。村上家からはただ一人帯広市長が酒盛りに加わっていた。
 何故こんなことが罷り通るのか。
 捜査が空振りだから。空振りなら圧力を掛けることもない。私達の空振りで終わったことだ。
 代議士らの圧力に逆らったからそれだけなのか。小倉紘子警部には想定外の事態である。
 「どうしてこんな事が出来るの」
 小倉紘子警部は代議士、本部長らに無駄と分かっても抗議する。
 代議士、警察幹部らは嘲るように小倉紘子警部に向けて乾杯の所作を示す。
 小倉紘子警部は唇を噛んで怒りの表情で本部長らを睨む。
 「直ぐに止めさせなさい」
 何を言って無駄と分かっている。
 緊縛師らは笛木祐子巡査部長を高手小手に縛り上げた。
 天井のフックに二本に折った縄を通して胸部を縛った後ろの腕の縛り合わせに通す。もう一方のU字の先端も通して四本で腕を縛り上げた。
 笛木祐子巡査部長の躰は高手小手の腕の縛り部分で天井からぴったり張られている。
 二本に折った縄を膝に巻きつけてU時にに折った部分に先端を通しす。一回転膝を縛って天井のフックに通して吊り上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 股間が広がり女の部分が丸出しになってしまった。
 笛木祐子巡査部長の顔は真っ赤に破裂する。
 緊縛師は縄はそのままフックのところで縛って吊るしを固定した。
 もう片方の脚も同じ様に吊り上げる。
 「ああーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は股を全開して吊るされている状態になってしまった。
 「ああーーーーー。あーーーーーー」
 横の鉄格子で小倉紘子警部は悔し涙を溢れさせている。
 
 晴久は波琉を横に置いてモニターを見ていた。
 波琉はとても見られない。複雑な葛藤に苛まれていた。
 自分を助けに来てくれた部分もある二人の婦警である。
 だが強引な捜査とも言えなくもない。
 自分の父は警察の強硬な捜査で何の関係も無いのに職質に時間を取られて事業に失敗して自殺しまった。
 先に離婚していてくれたので母は借金を免れたのが僅かに幸いである。
 だが生活苦は非常なものであった。
 恨むのは警察の強引な職質である。
 更にこの事態を明るみに出して自由を得ても何も出来ない。
 普通に勤めればまた女性からは苛められ男性からは執拗かつ非合法的な誘いが掛かる。
 長く同じ職場に居られたためしはない。
 だから波琉に友人関係は殆どなかった。
 もし晴久の言う通りなら見張り付きでも母の墓地を維持して此処に留まるほうが良い。
 晴久を懐柔して自分の安全を図るしかないと考えた。
 例えこの事を明るみに出しても大きな国家とそれをほぼ手中に納める大きな資本に狙われる。必ず殺されると思う。
 
 緊縛師らは笛木祐子巡査部長の女の部分を強く広げる。
 「やめろーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は堪らず叫ぶ。
 確り閉じたビラビラが開くと中は綺麗な緋色である。ビラビラの縁もやや変色しているがドドメ色感は無い。
 「おい。三十代だろ」
 本部長が呟く。
 「そんなに使うことが無かったのでしょう」
 一課長が馬鹿にしたように言う。
 緊縛師は構わず左右から二人掛かりで指を突っ込む。
 「あーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 指は膣口に食い込んでいる。
 緋色の壁を指先に力を入れて引っ張り続けた。
 「いやああーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 指先は敏感な部分をじりじり責める。既に濡れが確認できていた。
 「や、め、ろーーーーーーーー」
 口は歪んで開く。
 二人の緊縛師の指先は大きく割った膣にめり込み膣壁が奥まで露出する。その天井部を一人が責めてその真下の奥をもう一人が執拗に責める。
 濡れは既に入口に流れ出ていた。
 笛木祐子巡査部長の顔は目を細め繭は八の字に歪み口は斜めに歪んで開きながら動く。
 「あはあ。あはあ」
 「笛木!。笛木!」
 小倉紘子警部は怪しくなる笛木祐子巡査部長を呼び続ける。
 それでも緊縛師の責めが勝っていた。
 「笛木!。笛木!」
 小倉紘子警部は鉄格子を両手で握り脚を踏ん張って逝き顔になる笛木祐子巡査部長を呼び続けた。
 緊縛師はマイペースで責める。
 平佐和は冷ややかな目で見ていた。
 本部長も一課長もそれなりに注視している。若い刑事らは食い入るように見ていた。
 「ああはあ。あはああ」
 笛木祐子巡査部長の表情は完全にアクメである。
 「ふえきーーー。ふえきーーしっかりーー」
 小倉紘子警部は必死に笛木祐子巡査部長を呼び続ける。
 既に笛木祐子巡査部長の膣の回りは女の液でどろどろである。緊縛師らは執拗に同じペースで責め続けた。
 一人残った緊縛師がクリトリスを?く。指先を微かにピンクの玉に触れさせて責めに加わる。
 笛木祐子巡査部長の腰は自然に動き痙攣状態である。
 「あはん。あはん。あは。あはん。あは。あはん」
 笛木祐子巡査部長の躰は完全に悶えていた。
 「逝っちまったよ」
 一課長が指差す。
 「あっけないな」
 本部長も笑っている。
 「卑劣よーー」
 小倉紘子警部は泣き声混じりに叫ぶ。
 「あんたもそのうちな」
 平佐和が小倉紘子警部をからかう。
 「やめろーーーーーーーー」
 冷静な小倉紘子警部も笛木祐子巡査部長の今の状態にヒステリックになる。
 緊縛師は坦々と責め続けた。
 笛木祐子巡査部長の腰はまた大きく揺れる。
 「あはあーーん。あはん。あはん。ああーーーー。あはあん」
 逝って仕舞ったことは小倉紘子警部の目にも判った。
 「ああーーーーーー。ふえきーーーーーーー」
 小倉紘子警部は床に座り込み鉄格子を掴み藻掻く。怒りにわなわな震え続けていた。
 「次ぎは潮だ」
 平佐和が緊縛師に要求する。
 責めていた二人の緊縛師が左右両横から笛木祐子巡査部長の吊るされた太腿をがっちり抱え込む。
 残った緊縛師が正面やや右にずれて床に膝を着く。笛木祐子巡査部長の股間に指を突っ込む。
 「あーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は新たに悲鳴を漏らす。
 緊縛師のもう片手の指先は笛木祐子巡査部長のクリトリスを?いて抓む。
 「いやあはーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 その指先は柔らかい刺激に代わる。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は無駄と分かってもまだ叫ぶ。
 膣に挿入した指は娼婦の泣き所を強く責める。
 「ううーーー。ううーーー。ううおおーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の吊るされた上半身は抱える緊縛師らの上で藻掻く。腰は押えられながら僅かに右に、左に、後ろに引く様に暴れる。
 「あはあん。あはん。あはん。ああ。あはん。ああ。あはん」
 アクメの叫びは急ピッチに成ってきた。
 笛木祐子巡査部長の躰は大きな震撼を何度か周期を持って繰り返す。
 「ふえきーーーー。ふえきーーーーーー」
 小倉紘子警部は必死の表情で叫び続ける。
 ベテラン緊縛師の技量でもなかなか潮は噴かない。
 平佐和や他の代議士も本部長らも視線は笛木祐子巡査部長の女の部分に集中している。
 最初は辱めだけでまだまだ責めは序の口序二段の段階である。
 「あーあはあん。ああーはん。あはん。ああーー。あはん。ああ。あはん」
 笛木祐子巡査部長のアクメの叫びは更に急ピッチに成ってきた。
 緊縛師は決して焦らない。同じペースで責め続ける。
 笛木祐子巡査部長の眉間の皺は三重に深く刻み口は平行四辺形に開き涎は徐々に零れていた。
 「ふえきーーーーーーー。だめよーーーーーーーー。ふえきーーーーーーーー。がんばって」
 小倉紘子警部が幾ら叫んでも徐々にではあるが確実に緊縛師の責めが功を奏する。
 やがて緊縛師の指の動きにぱっくり開いた笛木祐子巡査部長のビラビラから覗く緋色の部分から僅かに飛沫が飛ぶ。
 緊縛師の指はびっしょり濡れていた。
 娼婦の泣き所を責める指もクリトリスを責める指も同じペースを続ける。
 「強硬に押し出せよ」
 一課長である。
 「まあ。待て。完全に燃焼させて漏れる方がもっとダメージが大きい」
 平佐和は緊縛師に任せる意向である。
 「は。左様でございますな」
 一課長も平佐和には直ぐ従う。
 平佐和はとことん傷つけて愉しみたい。
 「ひれつよーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は怒りを沸騰させる。
 「御前らの様な権力に従わない者はとことん傷つけねば成らない」
 平佐和はさらりと言う。
 「そんなことがいつまで続くと思っているのよ」
 小倉紘子警部はまともな抗議姿勢である。
 「心配要らん。村上一族と湯野中氏はマスコミまで押えている」
 平佐和は強気である。
 「あーあはあん。ああーはん。あはん。ああーーあはん。あはん。ああーーあはん。あはん」
 笛木祐子巡査部長の尿道の小さな亀裂から断続的に飛沫が飛び散る。
 緊縛師がビラビラを広げ気味に責めているので尿道の亀裂が広がり尿道口から出るところが確認できた。
 笛木祐子巡査部長は究極の羞恥に晒されて怒りと恥ずかしさ悔しさにわなわな震えている。
 限りなく不本意に逝き顔を晒してしまった。どうにも抵抗できなかったのである。経験したことのない官能に堕とされてしまった。
 それを二十人位が見ている。その総ての視線が自分の恥にまみれた顔と羞恥に晒された女の部分に集中していた。
 報復は此処から出てマスコミにリークするしかない。このままでは十中の九で陵辱の果てに殺されてしまう。
 「さあ。次ぎは浣腸だ」
 本部長が宣告する。
 太さ八センチは有る大型の浣腸器が運ばれた。
 「冷たい石鹸水で苦しんで貰おう」
 平佐和が残酷に宣告する。
 バケツに石鹸水が溶かれてコンビニで売っている平たい氷が入れられた。
 笛木祐子巡査部長は恐怖に震える。
 最早麻痺したのか小倉紘子警部の騒ぐのが止まっていた。膝を着いて鉄格子を両手で握って蒼い顔で非常識な現実を見ている。
 緊縛師は浣腸器に石鹸水を吸い上げ代議士らに浣腸器を指差す。
 平佐和は本部長を見る。その本部長は管理官を見て管理官がさらに一課長を見た。
 管理官と一課長が鉄格子に入る。
 警察内部にセクハラが無いわけではない。それでも最近はあまり聞かないのであった。
 だが笛木祐子巡査部長は同じ執務室内やフロアに居る上司らにセクハラの数十倍の仕打ちを受けている。
 笛木祐子巡査部長、小倉紘子警部にも信じられない事態である。
 これから二十人余りの男性の前で排便の屈辱を受けることになる。
 氷に冷やされた浣腸液。あれが入ってきたら究極に苦しくなる。
 この前で排泄は免れない。笛木祐子巡査部長は断末魔の状況に震える。
 緊縛師らが笛木祐子巡査部長の躰をがっちり押えた。
 「いやよーーーーーーーーーー。いやあーーーー」
 笛木祐子巡査部長は躰を振って抵抗する。
 刑事らも鉄格子に入って押さえを手伝う。
 それでも笛木祐子巡査部長は満身の力で抵抗する。
 刑事らはスリムな緊縛師らを退かせて代わって五人で押えた。
 アナルの位置が安定したところで管理官が浣腸器の先端を挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の断末魔の悲鳴が轟く。
 観席から拍手が沸いた。
 もう逃れることは出来ない。羞恥にまみれた破局は確実にやってくる。
 多くは注入しない。二百CCで充分である。
 直ぐにアナル栓が捻じ込まれた。
 笛木祐子巡査部長の悲鳴が轟き続ける。
 直ぐに腹痛が笛木祐子巡査部長を支配した。腹の苦しみに顔を歪めて悲痛に呻き続ける。
 最早羞恥を甘んじてアナル栓を外して排泄を晒す以外に苦痛から逃れる道はない。
 部屋の温度は下がっていた。全裸の笛木祐子巡査部長はさらに冷えから来る苦痛に苦しむ。
 小倉紘子警部も床に座り込んで鉄格子を握る手で躰を支えて状況を見守るしかない。
 「うぐうーーーー。ぐうーーー。うぐううーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の苦痛とうめきは架橋に達していた。
 平佐和をはじめ全員がその表情を見続ける。この先が愉しみである。
 三十路を半分近く過ぎた大人の女の最大羞恥の姿が待っている。三十四歳にしては非常に綺麗な躰である。
 この躰を排便の羞恥に晒させられる。その時間が刻一刻と近付く。そして自らアナル栓を抜く要求をさせることである。
 「苦しいか」
 一課長が詰る。
 「ふざけんなーーーーー。く、る、しい、にきまってるだろーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は苦しみながら怒りを吐き出す。
 「取ればらくになるぞ」
 一課長は愉しそうに追い詰める。
 「ちくしょーーーーーーー。ひれつよーーーー。う、う、う、ううーー」
 笛木祐子巡査部長の腹の痛みは危急である。
 「取って欲しければ要求しろ」
 「ぐうーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーー。くそーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は躰を捩って苦しみに歪む顔で怒りを吐き出す。
 「とれよーーーーーーーー」
 「いやーーだーーあ」
 一課長はふざける。
 「ぐううーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は苦しみながら怒りの表情を一課長に突き刺す。
 笛木祐子巡査部長の吊るされた下の床に大きな透明なバットが置かれる。
 排泄の準備である。
 録画も撮られていた。笛木祐子巡査部長はその前で排泄しなければ成らない。
 「おねがいしろ」
 管理官も強気で追い詰める。
 笛木祐子巡査部長には泥水を浴びせられるような一言である。それでも苦しみに堪えられない。
 言える訳の無い事を言わせたいのである。そしてその結果は排便を晒す羞恥の坩堝となる。
 笛木祐子巡査部長は苦しみに藻掻き続けた。
 「今でも全部丸出しだぞ。そのままでも恥ずかしさは変わらんよ」
 平佐和が鉄格子の外から詰る。
 「藻掻け。藻掻け。素晴らしい姿だ。始めて見たよ。最高に息子が悦んでいるよ」
 今度は若い大柄な刑事が詰る。笛木祐子巡査部長を押さえつけに入った一人である。
 「あはっはっはっは」
 みな爆笑する。
 「ぐうううーーーーーー。うぐううーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の苦しみは何処までも続く。
 「ああーー。酷い。酷い。酷すぎる」
 小倉紘子警部は隣の鉄格子で泣き崩れる。
 「さあ。観念して、アナル栓を外して排泄させて下さいと言ってごらん」
 一課長がまた詰る。
 自分の前で気丈に振舞って命令を効かない婦警である。一課長は溜飲が下がる一言を心から堪能して発した思いであった。
 「そうだ。そうだ」
 管理官も噛み締める様に同調する。
 本部長は拍手する。全員それに同調して拍手が沸いた。
 笛木祐子巡査部長の苦しむ姿を拍手の坩堝が包む。
 「ああーーーん。ああーーーーーーー」
 小倉紘子警部は床を拳で叩いて懊悩する。
 「さあ。馬鹿な正義感の婦警さん。最後の物を出す姿を見せて下さい」
 国民党の代議士が詰る。
 「三十路超えた大人の女。それも飛び切り美人婦警の羞恥の姿。堪えられませんな」
 民事党の老練な代議士である。
 普段綺麗な事ばかり言う代議士。時々僅かな失態に叩かれる場合も有る。だが小倉紘子警部はこれが実質本来の本質と分かっている。
 それでもわなわな怒りに震えた。
 笛木祐子巡査部長は恥ずかしさの極致の姿に吊るされている。怒りと苦しみに歪み藻掻き苦痛の呻き声を搾り出し続けた。
 笛木祐子巡査部長の姿はとことん全員を悦ばせ続ける。
 「どうなんだ。いつまで苦しんでも終わりは無いぞ」
 道警本部長が追い詰める。
 「ああ。あはん。ああ。・・ぬいて、く、だ、さ、い」
 笛木祐子巡査部長は蚊の泣く様な声でそれだけ言う。
 「だめだな!・抜いて排泄させてくださいだろ」
 一課長は更に追い詰める。とても言えない事を言わせようと言うのである。
 「もう抜け」
 平佐和が止める。
 「え」
 一課長は平佐和を振り返る。
 「中身が溶けて茶色い水になる。恥ずかしさが半減だ」
 「あ」
 素人考えだが一課長も平佐和の指摘を理解した。
 「ぐうーー」
 笛木祐子巡査部長は苦しみながら驚愕の表情で平佐和を見る。
 「そこまで」
 小倉紘子警部も呆れて平佐和を見上げる。マスカラも化粧も溶けた表情は悲痛極まりない。
 直ぐアナル栓が抜かれた。
 ぐうーーーーーーーーーーー。
 ぶぶーーーーーーーーーーーーー。
 茶色い水がバットにホースの水のように流れ出る。
 終わり近くに小さな塊が数個落ちた。
 「うーーーーん」
 一課長は残念そうである。
 笛木祐子巡査部長は出してしまってもまだ苦しい。
 「うう。うう。うう」
 まだ呻き続けた。
 平佐和は尿道カテーテルを要求する。
 「先生抜かないで鞭打ちしましょう。もしかしたら失禁が」
 国民党の代議士である。
 「そうだな。それも愉しみだ」
 平佐和はにたりと笑う。
 笛木祐子巡査部長の牢の正面の鉄格子が外された。
 緊縛師は笛木祐子巡査部長の股間部分をガーゼで拭いている。浣腸の後始末である。
 笛木祐子巡査部長は顔を後ろに反らして恥ずかしさに堪えている。
 晴久が数本の鞭を運んで来た。
 「一課長。あんたからやれ。日ごろの怒りを晴らせ」
 平佐和が一課長に最初の鞭打ちを勧める。
 「どうぞ先生方から」
 「いいんだよ。こいつの意識から君らが叩くことが一番屈辱的や。そのあと若い刑事にも叩かしてやるのだ」
 平佐和は一課長のあと格下の若い刑事に叩かれる笛木祐子巡査部長の無念を愉しみたい。
 一課長は嬉々として鞭を持って立つ。
 その視線は笛木祐子巡査部長の股間に定まっていた。
 笛木祐子巡査部長にも一番敏感で恥ずかしい部分を鞭の先端で叩かれることは想定が付く。恐怖と怒りに震える。
 一瞬揺れる顔の表情が恐怖心を?き出していた。
 「やめろーー」
 顔を仰け反りながら怒りの声を発する。
 一課長は鞭を振り被る。
 「あ、ああーーーーー」
 恐怖の悲鳴と共に上体は斜め後ろに仰け反る。
 一課長は部下の刑事らに押えるよう合図した。
 二人の刑事が左右から笛木祐子巡査部長の太腿を抱える。
 「やめなさーーーい」
 全裸の姿でも部下に叫ぶ。
 一課長は鞭を再び振り被った。
 「ああーー」
 一挙に狙いを定めて緩く閉じ合わせたビラビラを叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーー」
 痛みに顔の表情は破裂していた。
 全員がその表情を堪能する。
 一人一発ずつでもそう何人も叩けない。
 「君だ」
 平佐和が若い巡査長を指差す。
 指名された巡査長はニタリと笑って笛木祐子巡査部長の躰を一瞥する。
 日ごろから五係の二人を良く思ってない。
 巡査長は先端がハートのチップになった一本鞭を持つ。
 「やめろ玉木」
 笛木祐子巡査部長は玉木巡査長の意識など知らない。ただ後輩というだけである。
 玉木巡査長も一本鞭を斜めに持ち狙いを定めた。
 「やめろーー」
 笛木祐子巡査部長はまだ後輩を叱る意思である。
 玉木巡査長の加虐心はむしろ滾る。
 クリトリスの辺りを狙って叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーー」
 壮絶に痛く腰に力を込めて暴れる。押えている刑事を腰で振り解く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目を?く悲鳴である。
 道警本部長が手振りで平佐和に自分がとお伺いを立てる。
 平佐和は無言で頷く。
 本部長は先端が細長い革を二つ折りにした一本鞭を持つ。
 「酷い。ひどいよー」
 笛木祐子巡査部長は本部長以下道警の玩具にされているのである。この仕打ちに怒り吼える。
 「道警で上の意向に従わないのは御前ら二人だけだ」
 本部長は尊厳を持った言い方である。
 そして押えている刑事に手でビラビラを広げるよう指示する。
 二人の刑事は左右からビラビラを強く引っ張りピンクの部分を目いっぱい剥き出しになった。
 「ああーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は恐ろしい仕打ちに喚く。
 本部長は狙いを定めて振り下ろす。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 笛木祐子巡査部長は破裂した形相で身構えて受ける。
 「ぐぐぐーーーーーーーーーー。ぐうがあーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は抱えられた腰を強く右に振り一度固まる。
 「ぐうああーーーーーーーーーーー」
 腹の底から出る鈍い悲鳴である。
 そして強力に左に躰を振る。押えている刑事は振り解かれてしまう。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みが治まらない。やり場の無い暴れが続く。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部が隣の鉄格子を揺すって泣き叫ぶ。
 「待っていろ。御前もやってやる」
 平佐和が更にからかう。
 「私にやって。もう笛木を許して」
 小倉紘子警部は涙を溢したまま泣き声で宣言する。
 「もう少しだ。そうしたら二人並べて恥ずかしい部分を比べて剃毛してやる」
 平佐和のねっとりした口調が小倉紘子警部の心の底を抉る。
 僅かな痴漢でさえ加重に裁かれる世の中である。それなのに痴漢の数十倍でも計れないことが此処で罷り通る。
 自分らの主張を明るみに出して裁きを求めるチャンスがあるのか。何としても許せない。
 痛みに暴れる笛木祐子巡査部長の前で緊縛師は指二本を翳す。
 残る二人の緊縛師が笛木祐子巡査部長の躰を刑事に代わって押えた。
 緊縛師は笛木祐子巡査部長の女の部分に指を突っ込み膣の奥を強烈に責める。
 「いやあ。あはあーーー。ああ。あはあーー。あ、あ、ああーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は不本意な責めでも痛みからは逃れたい。躰は責めに応じてしまう。
 緊縛師は一切手を休めない。強力に責め続ける。
 「あーーー。ああーーー。あーーーーーーー。ああ。ああーーーーーー。ああーーーー」
 笛木祐子巡査部長は強烈に潮を噴き上げてしまった。
 漏らすが如くである。
 緊縛師らが拷問椅子を笛木祐子巡査部長が吊るされている真下に持ってくる。
 笛木祐子巡査部長は吊るしから拷問椅子に降ろされた。緊縛師らは拷問椅子に笛木祐子巡査部長の躰を磔にする。
 その間に若い刑事五人が小倉紘子警部の鉄格子に入った。
 小倉紘子警部は応戦体制になる。
 刑事らは容赦なく押さえに掛かった。
 小倉紘子警部は先頭の刑事に蹴り掛かる。タイトスカートが裂けた。スカートの奥まで丸見えになる。
 刑事はそれを躱して脚首を掴む。続く刑事二人が左右からそれぞれ腕と肩を押えた。
 残る二人が床に着いた脚を押える。
 それでも小倉紘子警部は暴れんと藻掻く。
 刑事らが強硬に押さえ緊縛師を呼ぶ。
 笛木祐子巡査部長を拷問椅子に磔ていた緊縛師の内二人が縄を担いで移動する。後一人は笛木祐子巡査部長の縛りを仕上げ続けた。
 「ぐうおーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は刑事らを撥ね退けんと抵抗する。
 刑事らはそれ以上の力で押えてしまう。
 緊縛師は高手小手に縛りたい。だが五人掛かりで押えてもその体勢に中々できない。
 思い出した様に一人の刑事が手錠と脚錠を取りに行く。
 脚錠で暴れる脚を固定して後ろ手にして手錠を掛ける。
 ようやく縛れる体制に成る。
 小倉紘子警部は髪を振り乱し脂汗を滲ませ怒りの表情に煮え滾る。
 「先に脱がしてください」
 緊縛師は全裸を要求した。
 「抵抗するから鋏で切ってしまえ」
 平佐和が指示する。
 一課長が鋏を鉄格子の中に入れた。
 一番若い富川刑事が受け取る。既に裂けている小倉紘子警部のスカートに鋏を入れる。
 「富川君。貴方何やっているか分かっている」
 小倉紘子警部はまだ上司の態度である。
 「はい。上からの命令です」
 富川刑事は淀みなく答える。小倉紘子警部とは二階級下の巡査部長である。
 「此処に居るだけが警察幹部じゃないのよ」
 「分かっております。でも何も問題はございません」
 「そや。何も問題はない」
 平佐和が話しに介入する。
 「そんな事はないよ」
 小倉紘子警部は平佐和を真っ向から睨む。
 その横から刑事らが鋏で小倉紘子警部の服を切る。
 「ううん」
 小倉紘子警部は躰を揺すって抵抗する。
 「最近R国に日本の婦警が捜査で侵入する。総て捕らえて拷問されるらしい。それには日本の警察も政府も動かない」
 平佐和は毅然としている。
 「そんな」
 「娼国、R国と闘うネットワークがあるらしい。自称知識人、ジャーナリスト、一部の婦警が加担している。御前もその一人だ」
 小倉紘子警部はジャケットもスカートも切り取られてしまう。
 「貴方がR国に深く係わっているのね」
 小倉紘子警部は自分らが陥れられたことを始めて悟った。
 富川刑事が小倉紘子警部の黒いブラのフロントを切る。
 ブラが二つに割れ落ちて怒りの表情で睨む小倉紘子警部の乳房が露に成ってしまった。
 年齢的に乳首の紅にややくすみは有る。だが形良く綺麗な乳房である。
 気丈かつ濃い顔立ちに躰の色の白さが際立つ。昔の三十五歳では到底ありえない綺麗な裸である。
 富川刑事はショーツも切り落とす。
 睨みつける美人上司を蔑むように哂う。腰からショーツの残骸を抜き取り股間の当たる部分を裏返す。
 そこには白い布が縫い合わされており濃い染みがくっきり確認された。
 三日以上着替えてない下着である。
 それを全員に見えるよう翳す。
 極めつけの辱めに小倉紘子警部は言葉なく表情を眩ませる。
 緊縛師は高手小手に縛りたい。手錠を外して腕を押えるよう要求する。
 刑事二人が腰を押えた。左右から二人ずつ緊縛師も一人加わって腕と肩を押える。
 緊縛師二人が前と後ろから協力し合って高手小手の縛りを完成した。
 小倉紘子警部は睨み続けるがもう無駄な抗議はしない。
 「貴方は自分の資金、権力と引き代えに日本の主権と日本の女性を娼国、R国に売るのね」
 「それは違う。娼国もR国も日本人が支配している。日本の資本が安全かつ自由なところに動いて巨大になっただけだ」
 平佐和はこれまでの詰る口調ではない。きっぱりとした政治家の表で言わない発言である。
 「日本に税金が入らなくなったのでしょう。そして女性を送り出して売春させる」
 小倉紘子警部は全裸で縛られ辱められながらも追求する。
 「日本の直接税は無謀に高過ぎる。これでは企業は成長できない。外に出て巨大化するは妥当だ」
 「売春は」
 「売春は必要だ。日本の戦後復興には売春は大きく貢献している」
 平佐和は本気の裏の発言である。
 「それが政治家の言うこと」
 「マスコミの前で語る通りの政治家は居らんよ。誰も本音は語れん。マスコミ主導で政治は建前の応酬だ」
 「どうします」
 横から緊縛師が次の工程を確認する」
 「女を比べよう」
 「承知です」
 緊縛師は村上晴久を含めて話し合って次の準備に掛かる。
 小倉紘子警部にも女の性器を比べようという意図は分かった。今更である。追求を続けたい。
 笛木祐子巡査部長の乳房は丸く形は良いが小倉紘子警部のそれより柔らかい山を盛り上がらせている。
 それに引き換え同じ様に形は良く丸い外形。だが小倉紘子警部のは三角の山形。その先端は乳倫が盛り上がった頂上に乳首が突き出ている。
 強い弾力を感じさせる。到底三十五歳とは思えない躰である。
 緊縛師の注文で小倉紘子警部の鉄格子も外された。小倉紘子警部の躰を高手小手の縛りのまま天井の滑車に引っ掛けた縄で張る。
 笛木祐子巡査部長の時と同じ様に膝に縄を掛け天井から吊るす。両脚を吊るし上げると空中にM字開脚の吊るしになる。
 笛木祐子巡査部長の時よりやや高く吊るす。
 刑事も手伝って笛木祐子巡査部長を磔にした拷問椅子を小倉紘子警部の真下に持って来る。
 ハンドルを回して笛木祐子巡査部長の拷問椅子を後ろに倒す。これで二人の女の部分は上下に並ぶ。
 どちらも細く閉じ合わせている。
 笛木祐子巡査部長のはあれだけ責められてもビラビラは大陰唇に挟まれ細い筋を覗かせていた。
 まだ色は薄い。ドドメ色感はまったくない。
 小倉紘子警部のはクリトリス付近が薄く重ね合わせて突起している。この部分は小豆色である。
 緊縛師が両サイドに回ってビラビラを広げる。
 場内からは拍手が沸く。
 小倉紘子警部の小豆色の部分が八の字に開く。ビラビラの下の方はまだ色は薄い。薄橙でやや起伏のある内部が広がった。
 尿道の亀裂もくっきり縦長に確認できる。
 笛木祐子巡査部長の内側は綺麗な緋色である。ビラビラの縁もやや変色しているがドドメ色感はない。
 カメラに捉えた内容を後ろの壁に映し出す。
 今の姿の全容が見えると更にショック度は高い。二人とも目を背ける。
 「どうや。自分らの姿を良く見ろ」
 本部長が詰る。
 「強制猥褻以上よ。これが明るみに成ったら」
 小倉紘子警部はもう抗議したり叫んだりはしない。だが無駄と分かっていてもはっきりした口調で主張する。
 「あり得んよ。主張しても消される。お前らが虚偽誣告罪で起訴されるだけだ。その前に此処から出られない」
 本部長は自信満々である。
 「しかし気丈やな。その姿に成っても正論か」
 平佐和が嬉しそうに詰る。更にハードにしたいようである。
 「おい。これで潮を噴いたら下に居る部下に掛かるぞ」
 一課長が詰る。会場から拍手が沸く。
 小倉紘子警部は唇を噛む。
 「指で逝くか。電マで逝くか」
 北海道知事田村昭二も嬉しそうである。
 緊縛師らはまず電マで責め始めた。
 小倉紘子警部は顔を顰めて逃れんと躰を躱し続ける。
 緊縛師らは両側から小倉紘子警部の太腿を抱えた。
 笛木祐子巡査部長は目を凝らして状況を見続ける。
 緊縛師らの恐ろし過ぎる責めに蹂躙された。笛木祐子巡査部長は唯々怒りに滾るばかりである。
 緊縛師は自ずと電マに力が入る。
 「おい。一気にやるな。じっくり蒸らせ」
 押えている緊縛師が注意する。始めから強い責めは逆効果である。
 責める緊縛師には充分に分かっている。この小倉紘子警部に逆上したのか力が入ってしまった。
 「良いか。冷静にとことん泣かすのだ」
 こっちの緊縛師も相当に小倉紘子警部を辱めたい。
 「そうだ。いい声で鳴いて貰おう」
 平佐和も哂っている。
 完全に二人は玩具である。
 刑事らは下から吊るされている小倉紘子警部の責めを睨みつける笛木祐子巡査部長を弄くりに掛かる。
 女の部分に三人が正面と左右の後ろから指を突っ込む。緊縛師の邪魔にならない様に隙間から手を出す。後ろの刑事は乳房も掴む。
 「やめろーーーーーーーー。うおーーーーーーーーー」
 刑事の指は容赦なく笛木祐子巡査部長の膣にめり込む。
 「くそーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は拷問椅子の上で磔られた躰を微動させ藻掻く。
 小倉紘子警部は吊るされた躰で歯を食いしばって電マの責めに堪え続ける。
 「いてーーーーーー。いてーーーーよーーー」
 若い刑事らの責めは雑である。笛木祐子巡査部長は痛みに喚く。
 刑事らはなんのその。欲望丸出しで弄くり続ける。
 「やめろーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は叫ぶ。
 小倉紘子警部はなんとか声は抑えている。だが躰は微妙に揺れ顔を後ろに叛けて襲ってくる官能に堪え続けるしかない。
 平佐和らは小倉紘子警部の微妙な揺れを凝視し続ける。
 小倉紘子警部は押されながらも踏ん張り続けた。これが平佐和らの虐め心を更に滾らせる。実に理想の標的である。
 「浣腸してアナルも一緒に責めませんか」
 緊縛師の提案である。
 「丁度良い物が有ります」
 晴久が透明な大型の漏斗を持って来る。
 「成る程。部下の真上で垂れ流してもらうか」
 「そうです。腰から漏斗を吊るして先は締めて置きます」
 晴久が説明する。
 「待ってください。もう出ますよ」
 電マを操作していた緊縛師が宣言する。
 小倉紘子警部の股間は痙攣していた。逃れようとしていた股間が電マに痙攣して動いている。
 全員の目がそこに集中する。
 細い目になり顔を引き攣らせ官能に蹂躙されている。
 「あっけないな」
 「意地も筋金ならぬ針金ですな」
 はっはっはっはっは。
 全員笑いの坩堝である。
 それでも小倉紘子警部は断末魔ながら逆らい続ける。
 「ああーー。あ。ああーー。あ。あ。あ。あーーーーーーーーーー」
 何度か同じ踏ん張りを繰り返す。
 「一気に行き過ぎるな。同じペースで行け」
 押えている緊縛師が電マを持っている緊縛師に激励する。
 「ああーー。あ。あ。ああーーー。あ。ああ。あ。ああ。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 号泣を伴う悲鳴と共に潮が電マを伝って流れ出た。そのまま真下の笛木祐子巡査部長の乳房に飛び散る。
 笛木祐子巡査部長を弄っていた刑事が顔に掛かる様に拷問椅子をやや前に出す。そして自分らは直ぐ退避する。
 笛木祐子巡査部長が避けようとする顔に飛沫が被る。
 小倉紘子警部は平佐和らの目論見通り部下に潮を掛けてしまった。
 「あはあん。あはん。ああ。ああ」
 出終わっても小倉紘子警部は荒い息遣いと膣痙攣を続ける。
 さすがに緊縛師が潮を被った笛木祐子巡査部長の顔は拭いてやった。
 「警部さんよあっけなく逝ったな」
 「次ぎは浣腸だ」
 「・・・・・・・」
 小倉紘子警部は恥ずかしさと悔しさ無念さの極致に口も聞けない。笛木祐子巡査部長に詫びを言う余裕もない。
 気丈な婦警の顔は恥ずかしさに土色である。
 全員がこの姿を堪能する中で晴久が緊縛師と協力して漏斗を腰と天井から紐で吊るす。
 腰から吊るして天井からのロープでバランスを取る。
 今度は浣腸器ではない。イチジク浣腸を十個ぐらい持って来た。
 再び刑事らが四人で左右から腰を押える。
 「ううーーーん。ちくしょうーーーー」
 小倉紘子警部は逃れんと躰を突っ張るが押えは固い。
 五人目の刑事が膣に指を突っ込んで股間を掴む。その体勢でアナルにイチジク浣腸の先端を入れる。
 「ああ。があーーー。あがあーーー」
 瀕死に躰を振ろうとするがイチジク浣腸は入って行く。膣に指を突っ込んだ掴みが功を奏している。
 刑事は緊縛師に渡されるイチジク浣腸を次々と入れて行く。
 「ううーー」
 小倉紘子警部は顔を顰めて堪え続けた。
 暴れようにも動けば膣に荒っぽく入った指が強烈に痛みを伴わせる。
 「ううーー」
 小倉紘子警部はどうにも抵抗出来ない。
 態々冷やしたイチジク浣腸が直腸に進入して来る。一挙に痛みが襲う。
 小倉紘子警部の顔は究極の苦しみに歪む。
 「今度は固まった便を賞味のまま出して貰おう」
 一課長がにたにた哂っている。
 小倉紘子警部は悔しさに唇を噛みながら眉間に三重に皺を寄せ藻掻く。髪を振り乱して屈辱と究極の痛みに堪え続けた。
 「まさに警部。赤達磨だぜ」
 浣腸していた巡査部長が笑う。
 小倉紘子警部は目の奥に怒りの篭った表情で若い巡査長を睨む。膣に指を進入させただけでも絶対に許せない。
 だがそのレベルは格段に上回っている。
 小倉紘子警部は何としたら復讐ができる。此処に居る全員を裁けるか。腹の痛みに苦しみながら懊悩する。
 若い刑事は緊縛師が持っていた最後のイチジク浣腸を注入し終わった。
 緊縛師がアナル栓を捻じ込む。
 押えていた刑事らも手を離す。
 笛木祐子巡査部長は自分の頭上で起こっている忌まわしい状況をちらりと見て目を逸らす。顔を大きく振って悲しい顔を歪める。
 小倉紘子警部の吊るされた躰は空中で苦しみに悶え歪む。
 「どうだ。苦しいだろ」
 平佐和が詰る。
 「どうか。抜いて排泄させてください」
 小倉紘子警部はきっぱり屈辱まみれの言葉を吐く。そして涙を溢れさせる。腹の痛みも感情の起伏も限界であった。
 普段気丈な人ほど限界は脆いかもしれない。笛木祐子巡査部長より脆く崩れ涙を流し続ける。
 下で笛木祐子巡査部長は見るに堪えない怒りに泣き崩れた。
 平佐和らは満足の極致である。
 「御前抜け」
 平佐和はまた玉木巡査長を指名する。
 玉木巡査長も小倉紘子警部の膣に指を突っ込み膣から躰を掴む。もう片方の手でアナル栓を抜く。
 自分に掛からないよう膣に挿入した手で躰を押し上げて角度を調節する。
 だが大音響と共に便は一挙に透明な漏斗の壁面に叩きつけられた。
 臭いは一気に充満する。
 晴久のスイッチ操作で総ての換気扇が一気に回った。換気機能はかなり強力に設えられている。
 小倉紘子警部の表情は恥に限りなく沈む。
 顔を究極に逸らし土色の表情を隠す。
 羞恥の極致である。
 一課長らは拍手する。拍手の渦になった。
 真下で拷問椅子に載せられた笛木祐子巡査部長は表情に困る。
 小倉紘子警部の惨めさは落ちるところまで堕ちた。
 この状態で道警本部長は鞭を構えている。
 どうしても小倉紘子警部の敏感な部分を一発叩きたい意気込みである。
 それを察して刑事二人が小倉紘子警部の太腿を左右から抱き抱える。女の部分を前に突き出し形良く突き出したビラビラを指で広げる。
 「はああーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の表情は恐怖に縮み上がる。
 本部長は嬉々として狙いを定める。一本鞭の細長い先端をクリトリスからその下の尿道口の亀裂、薄橙の部分を縦一文字に叩く。
 小倉紘子警部の目を?いた表情は一瞬空中で固まる。
 「ぐうう。ぐううう。ぐおおおーーーーーーーーーーーー」
 鈍く腹の底から出る悲鳴が轟く。小倉紘子警部は吊るされた躰を空中で強烈に小刻みに振る。
 押えていた刑事二人は振り切られてしまう。
 「ぐうわわわわわーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶に苦しむ姿が続いて本部長らを満足させる。
 本部長は刑事らを促し一課長に一本鞭を渡す。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうむりよーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は泣き悲鳴で叫ぶ。普段の気丈さは片鱗もない。
 それでも一課長はにたり哂って鞭を構えた。
 刑事らは四人掛りで押える。
 「ああーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。おねがあーーーーーーーーーーーーーい」
 本部長の叩きは一発でも壮絶に痛かったようである。
 それでも一課長は許す気も手加減する気もない。
 刑事らは一課長の意図を理解してまたビラビラを広げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は必死に叫ぶ。
 一課長は鞭を振り被る。
 「ああーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の悲鳴を一刀両端に斬る如く一本鞭が振り下ろされた。
 「・・・・・・・・・」
 小倉紘子警部の表情は衝撃に破裂して般若の形相になる。
 「あぐうーーーーーーーーーー」
 再び小倉紘子警部の躰は吊るされたまま何度も躰を揺すぶって狂ったように暴れ悲鳴を搾り出す。
 「ぐわああああーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴が続く。壮絶に暴れる。痛みに行き場のない暴れである。
 「うぐうううーーー。ううーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーー」
 縛られ吊るされ痛いところを庇い様もない。藻掻き苦しみ続ける姿を本部長以下は溜飲が下がる思いで鑑賞する。
 そして次の陵辱プランを話し合う。
 「生き物を入れよう。一番屈辱的だ」
 平佐和が愉しそうに言う。
 「晴久さん。何かここに入れる生き物を調達できますか」
 晴久は執事に相談に行く。
 小倉紘子警部は頭を前に倒しぐったりしている。痛みの余韻はまだ治まっていない。
 晴久は風俗嬢一人を連れて入って来る。
 二人の生贄だけでは間が持たない場合の予備で待機させていた。
 自縛も責めもできる風俗嬢である。
 まだ二十代後半。二人の婦警よりかなり若いが見た目の年齢はそんなに変わらない。
 美人では有るが明るい光の下ではやや風俗疲れと崩れが感じられる。
 続いて搬入された水槽には水がなく蜥蜴が何匹も蠢いていた。
 風俗嬢は二人の婦警に向けて床に尻を降ろし股間を広げる。
 自らの手でクスコを膣に挿入してしまう。螺子を回して膣の中を広げる。
 「これからあんたらにも同じことをやるから見ていろ」
 一課長が二人に宣告する。
 糸でたずなを繋いだコオロギが用意されていた。風俗嬢は糸を引いたままクスコに侵入させる。
 蜥蜴も足に糸を付けていた。それもクスコに侵入させる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「あーーーーーーーーーーーー」
 異口同音に二人から悲鳴が上がる。
 風俗嬢は慣れているのかまったく動じない。
 小倉紘子警部は恐怖に慄いている。笛木祐子巡査部長は青い顔で目を見開いたままである。
 蜥蜴は膣の奥でコウロギを咥えてクスコの外に出る。
 小倉紘子警部の気丈な躰は既に震えていた。
 笛木祐子巡査部長は宣告した一課長を睨み続けている。
 この二人には強制的に広げられた膣にコウロギが進入するだけで恐怖の悲鳴である。そこでさらに蜥蜴の餌付けが行われた。
 屈辱も限りないがそれ以上に恐怖が支配している。
 何ともないように風俗嬢が目の前で見せた。そのことがそれ以上に恐怖を煽るのである。
 笛木祐子巡査部長を磔にした拷問椅子が緊縛師らの手で右に移動して元の位置に戻される。
 小倉紘子警部が吊るされている真下に拷問椅子をセットした。
 吊るしを下げて拷問椅子に躰を降ろす。
 緊縛師が素早く縛って磔にする。
 小倉紘子警部は抵抗してもどうにもならない。ただ平佐和らを睨みつけるのみである。
 緊縛師はまず笛木祐子巡査部長にクスコを挿入する。
 笛木祐子巡査部長は膣に力を入れている。
 緊縛師はローションを塗りスポイトで膣にローションを流し込む。そして強引に捻じ込んでしまう。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の悲鳴とともにクスコは膣の奥に突き刺さった。螺子を回して強引にこじ開ける。
 「ううーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の表情は強烈に歪む。
 緊縛師は小倉紘子警部に向かう。
 小倉紘子警部は怒りの篭った目で緊縛師を睨み付ける。
 「力を抜け。痛いだけだぞ」
 抜けと言われて無駄と観念しても力は入ってしまう。
 緊縛師は直ぐにスポイトでローションを流し込む。
 緊縛師は小倉紘子警部の締める力が幾分弱まっていることを見極めてそのまま突っ込んでしまう。
 すんなり挿入されてしまった。
 「ああ」
 小倉紘子警部は怯えた溜息を漏らす。
 躰は震えている。
 先に笛木祐子巡査部長の膣に刺さったクスコにコウロギが投げ込む。
 笛木祐子巡査部長は顔を顰めて腰を捩り不快感に堪える。
 コウロギには紐が付いてない。
 蜥蜴を突進させる。
 「あ・・・・・・・・・・・・・」
 笛木祐子巡査部長の表情は究極に縮み上がる。
 コウロギは膣の中を逃げる。
 「あーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は腰を捩り笛のような悲鳴を奏でる。
 目からは涙が大粒に光った。
 蜥蜴は膣の中でコウロギを咥え外に出て来る。
 「ああーー。ああーー。ああーー。ああーー」
 笛木祐子巡査部長はわなわな怒りに躰を震わせ痙攣状態を続ける。
 小倉紘子警部は蒼白の表情でそれを見詰めていた。
 躰が震えクスコの金具が微かに音を立てる。
 緊縛師はクスコの開きを強化した。
 「いやあ。いやよ」
 小倉紘子警部はうわ言のように呟く。
 緊縛師は手で掴んだコウロギを投げ込む。
 コウロギは逃げるようにクスコの中に突進する。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部はなりふり構わずサイレンの様に悲鳴を上げる。
 子供が喚く如くである。
 本部長も一課長もその表情を凝視して悦びを噛み締める。
 そこに蜥蜴が放たれた。
 蜥蜴はクスコの中に突進する。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部からサイレンのような悲鳴が続く。それでも逃げようとするコウロギは直ぐ蜥蜴に掴まる。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 蜥蜴はコウロギを捕まえて直ぐ外に出て来る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 小倉紘子警部は蒼白な顔で目を?いて荒い息遣いである。
 「もう一回だな」
 本部長が宣告する。
 「やめてーーーーーーーーー。もう。もうやめてーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は泣き叫ぶ。
 「御前自分にやってくれ笛木を許せ言っただろ。それとも笛木を責めるか」
 一課長が追い詰める。
 「ああ」
 小倉紘子警部は絶望的な表情で観念する。
 再びコウロギが投げ込まれる。
 「ああ、ああーーー。ああーーーーーーー。ああん。ああん」
 腰を激しく捩り膣の中で動き回るコウロギに泣き喚く。
 
 晴久はリビングで波琉の躰を弄りながらこの状況を見ていた。
 波琉は既に全裸に?かれている。
 波琉は青い顔で状況を見ていた。自分にここまではしないと思うがやはり不安である。
 晴久は電話で蛇を手配していた。
 波琉には状況からその恐ろしい使い方に想像が付く。
 
 泣き喚く小倉紘子警部の膣をこじ開けたクスコに蜥蜴を突進させる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 表情を破裂させた強烈な悲鳴である。
 平佐和らは悦びの表情になる。
 膣の中で蜥蜴はコウロギを追い詰める。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あああーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は狂ったように腰を暴れさせ金切り声の悲鳴を連発する。
 やがて蜥蜴はコウロギを捕まえて出て来る。
 「あはあん。ああん。はあ。ああん。はあ」
 小倉紘子警部は洗い息遣いで涙をぽろぽろ溢す。
 「酷い。酷いよ。酷過ぎる」
 笛木祐子巡査部長は俯いたまま震えている。
 緊縛師らは二人の膣にローションを流し込みクスコを抜く。
 執事がワゴンに載せてドリルバイブを運んで来た。
 小倉紘子警部はこの使い道を知っている。
 笛木祐子巡査部長も見ただけで何をされるか解った。
 「さあ。たっぷり気持ち良く成って貰おう。次ぎは蛇を手配してある」
 平佐和が含みの有る言い方で宣告する。
 二人とも驚愕の表情である。言葉は出ない。目の前のドリルバイブどころではない。蛇が恐ろしい。
 二人の脳裏には女の部分に蛇が入る恐ろしい現実が浮かぶ。
 そして既に緊縛師の指で上り詰めてしまった。目の前にある気狂い的な道具。これに堪えることは不可能と諦めるしかない。
 二人ともドリルバイブの強烈な責めに轟音のように悲鳴を上げ続ける。そして何度か失禁して最後に失神してしまった。
 先に小倉紘子警部が失神。程なく笛木祐子巡査部長も反応しなくなった。
 小倉紘子警部は口をだらしなく開き涎を流し瞼が緩んで瞳は上に上がり白目を晒している。
 笛木祐子巡査部長は細く閉じが緩んだ瞼の間から瞳が内側に寄り合わせた白目状態である。
 平佐和はそれでも責めるよう指示する。
 気を利かして緊縛師が写真撮影した。もちろん録画は撮られている。
 若い刑事らも撮影する。
 二人ともドリルバイブの責めにビラビラがだらしなく広がっていた。刑事らはその白く濁ったゼリー状の液に塗れた女の部分も撮影する。
 若い刑事のビンタで起こして水分補給した。更にドリルバイブの責めを続行である。
 「もっと強力なのに換えろ。太いのが回転しながらピストンするのが良い」
 平佐和はこの遊びを熟知しているようである。
 当初は緊縛師がやっていたが若い刑事が手をだし交代で責めている。
 富川巡査部長は長机に並べられたドリルバイブを見比べて回転式を探し出す。
 太いが回転運動だけである。
 富川巡査部長は平佐和を振り返って確認する。
 「それでいいよ」
 平佐和も要求通りの物はないと確認した。
 小倉紘子警部は天井を見上げたままである。富川巡査部長を睨むだけの気力は既にない。女の性の極致を体験させられた直後である。
 富川巡査部長はドリルバイブの先端に付けられた疑似男根を小倉紘子警部の膣に滑り込ませる。
 最早緩く簡単に入ってしまう。
 スイッチが入る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに大口を開いた強烈な悲鳴が上がる。
 玉木巡査長もドリルバイブ選びに悩んでいた。
 回転式の太いのが見当たらないので極太のピストン型を掲げる。
 「いいだろう」
 平佐和も納得した。
 こっちも極太であっても簡単に挿入されてしまう。
 スイッチが入る。
 「あおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の顔は究極に軋む。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は拷問椅子の上で藻掻く。
 「ああ、ああーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔は仰向けに究極に歪む。
 「あはああーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間堕ちてしまった。
 左を見ると小倉紘子警部も既に白目を剥いた躯状態である。
 二人は拷問椅子から降ろされ搬入された簡易ベッドに寝かされた。
 猫足タイプのバスタブが搬入され簡易便器の横にセットされる。
 お湯と水の蛇口や排水は奥の壁に設えてあった。簡易便器も排水に接続されている。
 再び鉄格子がセットされた。別々に監禁した形になる。
 そのまま気が付くまで放置である。
 平佐和らは蛇拷問を匂わせて引き揚げてしまった。
 
 護衛に残ったのはR国の工作員五名だけである。
 晴久は久々に波琉と一緒に食事を摂った。
 波琉は全裸のままである。
 「ねえ。ほんとにこの家、私の物に成って此処に暮らせるの」
 「監視は今迄通りだが。あと一年と半年でこの家と幾らかの財産が君の名義に財産分与される。そして別の女が君の立場になる」
 「何処で」
 「別にもう一軒建てる。だがお前だけは俺との関係を続けてくれ」
 晴久は勝手な言い分をさらりと言う。
 「お客の接待は無いのね」
 「もちろん。それは次の女に引き継ぐ。お前だけは離したくない」
 「判った」
 波琉にとって此処を出て自由になっても資産がなければ働かなければならない。元の苦しい境遇に戻るだけである。
 これまでも自分で購入できなくても総て執事らが購入してきてくれるか手配してくれた。
 「執事の人たちのお給料とかは」
 「その心配はない。執事もメイドもR国の工作員だ」
 「私は分与された資産で生涯暮らせるように計画すればいいの」
 「現金資産を使えばだが配当金が入る株も分与する。帯広ニューシティの不動産も分与するから家賃収入も入る」
 「使うときは執事かメイドに頼むのね」
 「少し違う。会計端末から引き出すのはお前だ。それをFBデータでメイドらの管理する現金口座に移して買い物とかをしてもらう」
 「そう。別に逃亡したりもしないよ。どうせ工作員に見つけ出されて殺されるだけでしょう」
 「そうだ。俺にもどうする事もできない」
 「そうなの。お父さんでも」
 「同じだ。平佐和先生とてこの勢力を裏切れば手が伸びる。社会的モラルを大きく逸脱した接待を共有するのもその為だ」
 「もしそんな事になったら」
 「社会的信用を潰されて自殺か行方不明だな。俺とて同じだ」
 
 地下では笛木祐子巡査部長が先に意識を取り戻した。小倉紘子警部を起こして湯に浸かりながら鉄格子を挟んで話す。
 「完全に罠に嵌められたのよ。立ち入り捜査を認めたのも一課長が捜査を禁止しなかったのも罠だったのよ」
 「此処から逃れる手は無いですね」
 「多分。親族が騒いでも捜査中に行方不明とか。死体が見つからない方法で死亡の確認とかね」
 「たとえば」
 「ヘリが海上で墜落とか」
 「パイロットだけ助かって私たちが行方不明」
 「そう。他にも方法があるでしょう」
 「命令違反の捜査で行方不明とか」
 「そうね」
 「蛇を入れられたらどうなります」
 「気が狂うわね」
 小倉紘子警部は自分が堪えられるとは思えない。
 「ひょっとして命令違反の捜査に出て気狂いになって発見とか」
 「二人とも完全に狂うという保証は無いよ」
 「そうしたら拷問を何処までも強化するか。狂わない方を殺して行方不明。一人は精神異常で発見」
 笛木祐子巡査部長とて堪えられる自信などない。
 「それは考えられるね」
 「平佐和がR国と闘うネットワークとか言っていましたけど。その仲間が警部を探さないのですか」
 「探すかもしれない。でもまた犠牲者が増えるだけよ。最近は会合を開いても察知する。私が仲間に入っていると知っている位だから危険」
 R国、娼国に行った仲間は誰も帰って来ない。犯罪者にされた者。心中に見せかけて殺された社長。行方不明のままの者。
 R国、娼国に正式な入国をしてない場合は捜査もされない。
 韓国で旅行者が行方不明でもマスコミは大騒ぎする。だがこちらは何処にも騒がれることは無い。大きな力が働いているのである。
 唯一戻ってきたのはフリージャーナリストの滝澤沙緒里。だがそれは無修正AV女優となって多額の資産を得てR国と日本を往復している。
 そしてその後押しは娼国副主席である。
 最早。小倉紘子警部らとは別の世界の人と成っていた。
 
 その二日後に蛇が入荷した。やくざが数人で晴久の山荘に来て道警本部長から引継ぎを受けている。
 「最終処分はお任せします」
 道警本部長が丁寧に切り出す。
 「AVは売り出さないのですね」
 墨田会系大船一家の右田吾一舎弟頭である。
 「方法が無いと思います」
 「警察内部で御愉しみに成る」
 大船一家の若頭稲垣七郎である。
 「あの二人と思えば溜飲が下がり続けます」
 一課長が感情を?き出して言う。
 「そんなにお怒りで」
 そういう稲垣七郎も二人の噂を聞いて快くない。
 「殺す場合は跡形も無く乾式メタン醗酵で。気狂いにして徘徊させてくれればもっと良いのですが」
 「完全に回復しないと医学鑑定して」
 「医学鑑定もそうですがその後に事故死でよいでしょう。あとは警察が合法的に処理します」
 やくざと道警のトップが打ち合わせする。異様な光景を晴久と一緒に波琉も聞いている。
 到底警察とやくざの会話ではない。
 
 稲垣七郎若頭を先頭に六人のやくざが小倉紘子警部らの監禁される地下に降りてくる。
 小倉紘子警部も笛木祐子巡査部長も道警である。直接係わらない関東のやくざだが認識はしていた。
 「あんた達。なに」
 二人とも驚きでは済まない。
 そして今の姿は驚愕するほど恥ずかしい。
 バスロープとフェイスタオルしか支給されてない。衣類は毟り取られるか切り刻まれ下着も着けてないのである。
 そのバスロープも前が大きくはだける造り。谷間どころか乳首も隠せない。着丈も短く超ミニ状態である。
 座ると裾が割れ黒い塊が丸出しになる。
 「風俗に厳しいと聞かされた婦警さんが風俗以上の姿ですな」
 稲垣七郎が挨拶代わりにからかう。
 「何で」
 小倉紘子警部は何であなた達がと言いたい。
 「いま本部長と一課長から引き継いで来ました」
 稲垣七郎は真顔になる。
 「引き継いで」
 小倉紘子警部は何を言っているのと言う表情になる。だが容易ならぬ事態を悟っていた。
 「蛇拷問ということで私共が行います。気持ちよくなるサービスも行います」
 稲垣七郎は営業マンのように明るく言う。
 続いて水の入って無い水槽に入れた蛇が搬入された。
 小倉紘子警部も笛木祐子巡査部長も蒼白な表情でそれを見て目を叛ける。悲鳴すら出ない。
 「俺たちだけで行きますか。奴ら抵抗しますよ」
 「そうだな。六対一でも婦人警官だ。若いの呼んでこよう」
 駐車場に運転手役とそれぞれのボディガードが待っていた。
 総勢十八名になる。
 樽酒と枡が運ばれた。
 酒盛りをして気合を入れてから開始である。
 「あなた方も御飲みにならないか。酒臭いわしらに責められるより飲んだ方が匂いだけは堪えられるだろ」
 大谷彰浩若頭補佐である。
 「いただく」
 小倉紘子警部は僅かでも話を聞きたい。
 ワゴンに載せて食事を搬入する口から枡二杯ずつと乾き物が入れられる。
 「美人婦警さんを二人も殆ど裸に近い姿で鑑賞しながら酒盛りとは中々良いですな」
 三田園矢一舎弟頭補佐が二人に向かってからかう。
 小倉紘子警部はバスロープを脱ぎベッドに投げる。
 「どうせこうするのでしょう。話し聞かせてよ。何であなた方が交代なのか。本部長や政治家との関係。村上晴久との関係も」
 小倉紘子警部は交渉に入る。殺されるとしても真相は知りたい。
 「実に素晴らしい裸ですな。よろしいですなんでもお話しましょう」
 稲垣七郎若頭の言葉は自信に満ちていた。
 「あなた方やくざに依頼したのは村上晴久なの」
 「違うよ」
 明らかに見当違いという稲垣七郎の態度である。
 「では平佐和代議士」
 「直接の引継ぎと依頼は道警本部長だが指示を出したのは平佐和先生だな。それより大きな力からの繋がりだが」
 「大きな力とは湯野中氏」
 「我々も平佐和先生もその両方と繋がっている」
 「両方。どういう意味かしら」
 小倉紘子警部はその言葉に大きな疑問を抱いた。
 「ご存じないようですな。あなた方のネットワークにはそんなに情報が流れてないのですか」
 「ないわ」
 「以前娼国がR国から独立しました。なのに娼国の立場が上ということはご存知ですね」
 「はい。日系資本と日系人が大方の権力を握っていることは。それで仁川氏の後継者安形主席がその頂点と」
 「そこが若干違います。R国には地図に無い境界線があります」
 「地図に無い境界線。二つの勢力ということ」
 「左様。仁川氏亡きあと娼国の安形派と湯野中氏の資本の二大勢力に分かれました」
 「どっちが大きいの」
 「政治的権力は話し合いで半々に調整されました。表面の勢力は安形派ですが実質は湯野中氏の方が資産力は上ですね」
 「村上首相はどっち側なの」
 「上皿天秤の軸のような存在ですな。ご長男は安形派ですが次男祐樹氏は湯野中さんの配下です」
 「村上首相は三男」
 「そうです。此処の春樹氏も湯野中配下です」
 「帯広市長も」
 「そうです。帯広ニューシティも勢力下です。道警本部長も同様です」
 海外の日系資本が日本を逆侵略している。
 「あなた方の関係は」
 「我々は日本から女性をからゆきさんさせる仕事です。どちらの勢力にも貢献させていただいております」
 「要するにあなた方は女性を海外に売り飛ばしているのね」
 「そうですが昔のからゆきさんに比べたら高待遇ですよ。なんせ一財産作って帰ってきます。日本で働くより稼げます」
 「どっちにしても売春の斡旋。職安法違反ね」
 「だから皆がR国湯野中氏の配下です」
 「・・・・・」
 最早どんな抵抗も無駄である。
 「ちなみに言って置きます。湯野中資本の進出は北海道だけです。それ以外の侵出した街は安形派のニューシティです」
 要するに日本の資産が娼国、R国に逃げてそれにいま逆侵略され日本から金がR国に吸い上げられていた。
 金持ちは日本から税金を逃れていま逆に侵略して来る。
 そして当然の如く風俗に厳しくしてきた小倉紘子警部らが標的にされたのである。
 やくざが八人若い方から小倉紘子警部の鉄格子の中に入る。
 二人一組押える部位は決めてある。一気に脚と腕を二人ずつで押える。
 「あおーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は躰を振り抵抗するがさすがに八人である。
 「女の私に男が八人も掛かるかよ」
 「どっかに御前に逮捕されて金玉蹴られて玉失った組員も居たからな。慎重に扱っているのよ」
 右田吾一舎弟頭が小倉紘子警部の啖呵を押さえる。
 その間に残る下っ端四人が鉄格子を撤去して拷問椅子をセットした。
 そこに縛り付け磔にする。縛るのは宇佐美伝吉舎弟頭補佐と大谷彰浩若頭補佐である。
 縛り作業が終わる。ご他聞に漏れず大谷彰浩若頭補が小倉紘子警部の女の部分のビラビラを広げる。
 「美人警部殿の女の入口ご開帳です」
 大谷彰浩若頭補が嘲るように宣言する。
 一瞬間爆笑の渦となる。
 「警部殿。ビラビラの縁がドドメ色とは行きませんが小豆色です。たくさん遊びましたか。三十路余りでもミスと伺っておりますが」
 稲垣七郎若頭のからかいである。
 「綺麗じゃなきゃ見なきゃいいだろ」
 小倉紘子警部はまともに言葉を受けてしまう。
 「そうでもございません。中々艶めいております。それに警部さんのような美人でしたら一度は見ませんと」
 今度は大谷彰浩若頭補が風俗嬢にも言わないような言葉を投げ掛ける。
 「下衆」
 「お褒めの言葉を頂きまして」
 大谷彰浩若頭補は両手を腰の前で互い違いに重ねて慇懃丁寧に礼を言う。
 その言葉は小倉紘子警部の神経の底を抉る。
 大谷彰浩若頭補は小倉紘子警部の女の奥に指を突っ込み膣の天井部分を責め始めた。
 「ああーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の声は否定しながらも艶が入ってしまっている。
 既に濡れが出始めていた。
 大谷彰浩若頭補の責めは前回の緊縛師の比ではない。的確に娼婦の泣き所を責めてくる。
 大谷彰浩若頭補は小倉紘子警部の太腿に左手を置く。床に膝を着いて責め続ける。顔の直ぐ近く目の前が股間である。
 「ああーー。あーーーーーーーー。ああーーーー。ああーーー」
 小倉紘子警部の股間が痙攣して潮が小便小僧の小水のように噴き上げてしまう。また満場の拍手が沸く。
 笛木祐子巡査部長は簡易ベッドの上に静かに正座していた。
 長机にドリルバイブが二本置かれる。一本は細い。一本は昨日笛木祐子巡査部長を失神させた物である。
 浣腸器が運ばれる。
 「ああーー」
 また究極の恥を晒させられる。無論そういうことは考慮して朝に便は出していた。
 だがやくざの目的は違う。アナルと膣を同時に責めるためである。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が小倉紘子警部の腹を触りながらワセリンを指に塗ってアナルを点検する。
 「出したばかりか」
 「ああ。そうだよ」
 小倉紘子警部は怒りを込めて浣腸しても無駄だと言いたい。
 「浣腸はいりませんよ」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐は稲垣七郎若頭に報告する。
 「ならばアナルを慣らせ」
 「へい」
 
 「いったい何をしようとしているの」
 波琉には浣腸をスキップしてアナルを慣らす目的が分からない。
 「いまはアナルとのドリルバイブ二本挿入でしょう。その先はなかなか」
 波琉の全裸を弄くったこともある本部長が答える。だが今日は丁重に奥様という対応である。
 「その先とは」
 「まあまあ。奥さまゆっくり見てみましょうよ。あの二人を気狂いにするのは中々難しいでしょう」
 「やはり精神異常で一旦開放して交通事故がベストですか」
 「そうです。殺して乾式メタン醗酵で処分して行方不明のままではね。執拗に捜査を続けたがる者が居ます」
 「それは面倒です」
 晴久もそれでは困る。
 「あの二人以外にも命令を効かない刑事が」
 「いやそれ以前に同僚が操作中行方不明では。さすがに捜査を止められませんよ」
 「そうですね」
 晴久も理解する。
 
 小倉紘子警部のアナルに細い方のドリルバイブが挿入された。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーー」
 ローションに混じって茶色いぬめりが流れ出ている。
 「こっちも使わせて頂かないと」
 大柄の宇佐美伝吉舎弟頭補佐がぼそりと言う。凄みはなんとも言えない。
 そこへ構わず三田園矢一舎弟頭補佐が膣にドリルバイブを挿入する。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 最早。小倉紘子警部は二本のドリルバイブの責めに何の抵抗も出来ない。
 狂ったようにアクメを晒し続ける。崩れても綺麗な逝き顔である。
 僅かな時間で失神してしまう。
 水をぶっ掛ける。
 意識を取り戻せば直ぐ責める。
 小倉紘子警部は二本のドリルバイブの責めに直ぐ狂った悲鳴を上げてしまう。
 失神に一分と掛からない。
 ドリルバイブが回り続け小倉紘子警部の反応はない。
 白目を?いた躯状態である。
 ここからは三田園矢一舎弟頭補佐の担当となる。
 膣とアナルをそれぞれクスコで広げる。
 アナル用に細い蛇を選ぶ。
 笛木祐子巡査部長は隣の鉄格子で驚愕の表情でそれを見ている。
 三田園矢一舎弟頭補佐は選んだ蛇をスネークフックで頭から八センチ位の位置を掴む。もう一本で三分の二くらいのところを掴む。
 そのままアナルに蛇の頭部を挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 見ている笛木祐子巡査部長が悲鳴を上げる。
 そのままスネークフックを大谷彰浩若頭補佐に渡す。別のスネークフックで次の蛇を掴む。こちらは膣用でそれなりの太さである。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー」
 また笛木祐子巡査部長が悲鳴を上げる。
 蛇はクスコで広げた膣の奥に侵入してゆく。
 蛇は中で暴れる。スネークフックで掴んでいるからそれ以上は進まない。
 そのまま両方抜いて水槽に戻す。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐がバケツに汲んだ水を失神している小倉紘子警部の頭からぶっ掛ける。
 大型の液晶モニターを小倉紘子警部の前に置く。
 意識を取り戻した小倉紘子警部に失神中に蛇を突っ込むシーンを公開する。
 「ああーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は驚愕の悲鳴を上げて震えだす。
 「いやーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は究極に取り乱す。
 「いやあ。いやあ。ああ。ああ」
 小倉紘子警部の躰はぶるぶる震えている。
 「今度は実際に体験してもらいます。中で蛇の頭が子宮口を突いてくれます」
 「やめてよーーーーー。やめてーーーーーー」
 遂に小倉紘子警部は泣き叫ぶ。
 でもやくざは容赦しない。
 三田園矢一舎弟頭補佐はさらに極小のクスコを持って来る。
 細く小さなクスコを広げた膣の上の小さな亀裂尿道口に差し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。
 暴れることを想定して若いやくざが四人後ろに回って小倉紘子警部の躰を押える。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐がピンセットで蚯蚓を抓む。それを尿道に差し込んだクスコの中に垂らす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 三田園矢一舎弟頭補佐が小さめの蛇を掴む。
 「あわあーーーーーーーーーーーー。わあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の失神中と同じ様にアナルに挿入したクスコに挿入する。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーー。あーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は狂ったような形相で叫び続ける。
 三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフックごとまた大谷彰浩若頭補佐に渡す。次の蛇をスネークフックで掴む。
 「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフックで蛇を掴んだまま若い組員にクスコの角度を横にするよう要求する。
 蚯蚓千条の天井部でクスコが割れて一番敏感な部分に蛇の頭が直に当る配慮したのである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あわあーーーーーーーーーーーーーー。あわあーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は押えられた躰を力の限り震撼させる。強烈な声を絞り出し狂った様に泣き叫ぶ。
 三田園矢一舎弟頭補佐は蛇の頭をピストンする。蛇の頭がGスポットを擦り子宮口を突く。
 「ああーーああーーん。あはあーーーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーーーーーん」
 小倉紘子警部はこれ以上ない号泣状態である。組員らの加虐心をとことん沸騰させ満足させる。
 十五分位粘ったが蛇の方が疲れたので一旦抜く。
 「あはん。はあ。あはん。はあ」
 小倉紘子警部はぐったり拷問椅子に沈む。荒い息遣いで涙をぽろぽろ流し続けた。
 気が狂うまではまだの様子である。
 
 「お尻にも蛇を入れる為だったの」
 波琉は浣腸の辱めより大きな目的があったことを悟ったように呟く。
 「あれを三日ぐらい続ければ間違いなく精神異常でしょうな」
 晴久が本部長の意図を気遣うように言う。
 「しかし壮絶な拷問ですな」
 帯広市長村上敏久が感嘆する。
 そのあと笛木祐子巡査部長には失神中の挿入は行われず小倉紘子警部と同じ拷問が行われた。
 だがこちらも精神異常にはならず堪えた。
 
 二人はまた別々に鉄格子に戻されていた。
 とりあえずバスは使えるので躰を洗って気分を沈める。
 波琉が態々食事の希望を聞きに来た。
 到底食べられる心境ではない。
 「警部。無理でも食べて下さい」
 笛木祐子巡査部長が強く主張する。
 「どうぞお好きなものを」
 波琉は何も感情を示さない。
 「アルコールもよろしいかしら」
 「よろしゅうございます」
 小倉紘子警部には和牛のステーキ、高級ワイン。笛木祐子巡査部長には刺身とてんぷら、吟醸酒が運ばれた。
 波琉はメイドに一番高級な物を頼んだ。銘柄などは波琉には判らない。
 「警部。奴等は私達を精神異常にして徘徊させる気です。そして病院送り。何としても精神を保ちましょう」
 「そうね」
 両名とも意思を堅くしてアルコールでリラックスを選択した。
 小倉紘子警部はどっちか一人精神異常にしたら一人は殺すと読んでいる。やくざはそこまで引き受けない。
 最後の始末は警察かR国の工作員がやる。
 二人殺して行方不明ならいつまでも謎が残る。こっちの方が捜査を打ち切りにくい。
 一人精神異常で戻れば何かこじつけて解決に持ち込む。
 ここで頑張りぬいて何か活路を見出さねば成らない。
 
 やくざは別室で酒盛りをしながら会議を開いていた。
 「あの拷問で二人とも堪えるとはな」
 「まだまだ方法は有りますよ」
 三田園矢一舎弟頭補佐はそう主張する。
 「だがな。お○○こに蛇突っ込まれて平気なのはなあ。蛇イレポンショーやっていたストリッパーくらいだ」
 稲垣七郎和若頭は不安である。
 「平気ではなかったでしょう。壮絶に喚き散らして辛うじて堪えただけです」
 三田園矢一舎弟頭補佐は断言する。
 「まあ。明日またやってみよう」
 それからは酒盛りだけになった。
 
 翌朝。二人は疲れとアルコールも手伝って倒れるように寝てしまっている。
 晴久は二人が眠れたことに驚いた。到底眠れない夜を過すと思っていたのである。
 遅く目を覚ました二人はアルコールも手伝って湯を強くバスタブに出して音で消しながら排便も済ませる。
 晴久はやくざに二人が眠ったことを報告した。
 「むしろ輪姦した方が狂うかも知れません」
 右田吾一舎弟頭は眠れたことが信じられない。
 「何人もか」
 「そうです」
 「無駄だな。獣姦でも駄目だな」
 稲垣七郎は人間にとって違和感の強い生物が一番と考えている。
 「蛇ではあくまで擬似性交です。玩具が恐ろしいものに変わった形です」
 「たくさんの精子が流し込まれる。そっちのショックが強いか」
 「いっそホームレスかき集めて輪姦させては」
 大谷彰浩若頭補佐が横から提案する。
 「それでは足が付く」
 「それより同僚に輪姦された方が」
 「待ってください。あと二日私にやらせてください」
 三田園矢一舎弟頭補佐はまだ自信を持っている。
 「おい。あの蛇拷問で普通に眠れたのだぞ」
 「疲れとアルコールが手伝っただけですよ。あれだけ泣き喚いたのです。毎日続けられたら狂いますよ」
 「そうだな。これまでも実績がある。どうしても駄目なら同僚刑事に輪姦させるのも提案しよう」
 稲垣七郎が結論を出す。
 
 「今日は小倉紘子警部に絞りましょう。笛木祐子巡査部長の方が堪えると思われます」
 三田園矢一舎弟頭補佐が自らの目算を述べる。
 「いいだろ」
 稲垣七郎も納得する。昨日の状況から小倉紘子警部の方が気丈に見えるが脆いと思えた。
 波琉もこの拷問の行方が気に成る。晴久と一緒にモニターに注目していた。
 小倉紘子警部の鉄格子が外される。若い組員に混じって宇佐美伝吉舎弟頭補佐が小倉紘子警部の躰を駿河問いに吊るす。
 小倉紘子警部を俯伏せにして手首を背中で縛る。脚首も背中の上で縛り合わせた。それを四本纏めて縛って天井から吊してしまう。
 小倉紘子警部の躰は風呂敷包みの様に吊るされて空中でパンタグラフのアームの様な五角形を描いている。
 下のバスタブが排水から外され移動された。そこに蛇が大量に投げ込まれる。
 駿河問いの吊るしだけでも苦しい。小倉紘子警部の眼下に多量の蛇が蠢く。
 三田園矢一舎弟頭補佐の手で膣にクスコが挿入された。
 「ああーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は駿河問いの苦しい表情を更に歪める。
 三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフック二本で蛇を掴む。
 「ああーーーーーーーーー」
 既に泣き悲鳴になる。
 若い衆が四人吊るされた躰を動かないように抱えた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は蛇が伸ばした舌で小倉紘子警部の内腿を舐めさせる。そのままじわじわ女の部分まで舌を刷毛のようにずらして行く。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 究極の泣き悲鳴である。
 蛇の舌はクスコの回りに大きく開いたビラビラを舐める。
 「あは、あは、あはああーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 キャリアの女性警察官がただのか弱い女と化してしまった。
 三田園矢一舎弟頭補佐はこの泣き悲鳴ならいつまでも堪えられないと踏んでいる。
 スネークフック二本で掴んだままゆっくり蛇の舌を先頭にクスコの中に押し進めた。
 「ああーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーー。はあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き悲鳴は架橋になる。
 子宮口に到達したところで止めた。
 中で蛇の頭と舌が暴れる。
 「あーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は泣きサイレンとなる。
 風俗に厳しいガチンコ婦警。組員の中にはキャバクラは愚かピンサロ他風俗を営むものは多い。
 小倉紘子警部の究極に響き渡るサイレンのような泣き悲鳴は全員を心底悦ばせた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は蛇を挿入したまま宇佐美伝吉舎弟頭補佐に吊るしを徐々に下げるよう要求する。
 「一人は確り胸を抱け。四人で確り太腿を両側から押えろ」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が檄を飛ばす。
 三田園矢一舎弟頭補佐は小倉紘子警部の真後ろに立つ。スネークフックを持って膣の中の蛇を掴んでいる。
 小倉紘子警部の泣き喚き震える躰は徐々に蛇が多量に蠢くバスタブに降ろされて行く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖に震え歪んだ顔でサイレンの如く悲鳴を轟かせる。
 小倉紘子警部の躰はお腹の部分を真下にバスタブに収まり始めた。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が小倉紘子警部の背中に足を乗せ押え付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は更に強くなる。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐はある程度で足を抜く。
 「逆転させよう。これでは蛇の上から触れているだけだ」
 「うん」
 また若い組員八人が押さえて駿河問いの縛りを解く。逆転して腹を内側に脚首手首が縛り合わされ再び吊るし上げられる。
 膣のクスコは広げたままである。
 三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフックでバスタブの中の蛇を掴んで何匹か水槽に戻す。
 またゆっくり吊るしを下げてゆく。
 小倉紘子警部は恐怖の形相で顔を横に向けて下を見る。
 「ああーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ヒステリックな悲鳴を上げる。
 今度はクスコに蛇は入ってない。
 蛇が蠢くバスタブにお尻から突っ込む。
 小倉紘子警部のお尻が底に着く頃には蛇の方が避ける。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 蛇は小倉紘子警部のお尻の回り、背中、内腿付近を蠢く。
 三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフックで一匹掴んでクスコに頭を突っ込む。
 「いやああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 また強烈に躰を暴れさせ喚き続ける。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が水槽を逆さにして水槽に退避させた数匹を小倉紘子警部のお腹から乳房にぶっ掛ける。
 「ああーーわあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。うがあーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は目を飛び出させ眉を吊り上げた般若の形相で喚き散らす。
 膣の中の蛇は子宮口を突いてくる。
 生きた心地はしないはずである。
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が三田園矢一舎弟頭補佐を壁の方に引っ張る。
 「こいつ態と大声で悲鳴を上げている」
 「腹の底から声を出せば精神力は保てるか」
 「おう」
 「よし。口に突っ込むか」
 開口器が用意される。
 小倉紘子警部は簡単には口を開かない。三田園矢一舎弟頭補佐はスネークフックで蛇を掴み乳首に頭を押付ける。
 膣には蛇が頭を入れたまま暴れている。とても踏ん張れる状態ではない。
 「あう」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐が瞬時に開口器を口に捻じ込む。
 直ぐに三田園矢一舎弟頭補佐がスネークフックで蛇を掴み取る。そのまま口に突っ込んでしまう。
 「ぐごおおーーーーーー。ぐうがあーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は腰を暴れさせ顔も暴れさせ藻掻く。くぐもった声で叫び続ける。
 三田園矢一舎弟頭補佐は小倉紘子警部の口に入れた蛇を捻り回し続ける。
 「ぐうごおーーーーーー。ぐごおーーーーーーー」
 小倉紘子警部の涎は顎を伝って乳房に流れる。顔は汗に塗れ涙も流れて髪はぐちゃぐちゃである。
 それでも美人の悲痛に崩れた顔は残虐心と欲情を誘う。
 三田園矢一舎弟頭補佐はとことん責め続けた。
 「やめてーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー。警部をゆるしてくださーーい」
 笛木祐子巡査部長は隣の鉄格子から叫び続ける。
 小倉紘子警部が泣き喚き疲れて徐々に呻き声になった。三田園矢一舎弟頭補佐も口の蛇を持つのは放棄した。
 膣に侵入した蛇も抜け出していた。
 更に蛇はバスタブから抜け出そうとしていた。
 「むしろ一晩様子見てどうかな」
 三田園矢一舎弟頭補佐は状況を思い出して時間を掛けて発狂する可能性を考えていた。
 「何とも言えんな」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐は納得しない。
 三田園矢一舎弟頭補佐は抜け出す蛇をスネークフックで掴んでバスタブに戻す。そして小倉紘子警部に猿轡を噛ます。
 「このまま暫く放置だ」
 暫く飲みながら次の手を考えることにする。
 どうにも蛇が疲れてきたのでその日は終了して作戦会議に入った。
 鉄格子の中で開放された小倉紘子警部は入念に嗽をする。蛇の蠢いていたバスタブを洗って湯を溜める。
 その日は晴久が食事の注文を聞きに降りた。
 食事とアルコールの要求は昨日とそれほど変わらなかった。
 「貴方が私達を罠に嵌めたのね」
 「違います。私は本部長から任意捜査の要求が出るから応じろと言われたのでその通りにしたのです」
 「でも此処に監禁することは知っていたのでしょう」
 「いいえ。この鉄格子を用意したのはR国の日本在住工作員です。あとは本部長らが私達の前で言った通りです」
 「貴方はR国の手先に成って日本侵略の手引きをしているのね」
 「それも違います。我々は日本を侵略するといわれても日本民族を護っています」
 「どういう詭弁」
 小倉紘子警部の問いかけは到底気狂いにされる寸前の状態とは思えない。
 「詭弁ではない。官が膨らみ過ぎて底辺まで行き届かない日本の富貴を外からコントロールしているのだ。俺は日本に置かれた一橋頭堡の役割だ」
 晴久は自分の理論で言っているのではない。上からそう教えられたに過ぎないのである。
 「役人が多いから日本の経済が健全でないと言うの」
 「そうだ。アメリカの州一個ぐらいの国に三段階の行政だ。下層の税負担が大き過ぎる。国税、市税プラス県税の住民税、年金、NHK受信料」
 「それをどうコントロールしていると言っているの」
 「帯広ニューシティを見ろ」
 帯広ニューシティを内包する帯広市の住民税は半額である。更に非課税の下限を高くしている。
 下層は住民税を払わない。
 湯野中資本の進出が道と帯広市を押えたことで実現した。
 非正規雇用を帯広ニューシティに集めて一気に人口を増やした。高額納税者を住民税半額で高層階に集めて税収を確保した。
 確かに格差は大きいが下層の生活水準がそれほど低くない。
 帯広ニューシティは下層の負担が低い分だけ消費性向にお金が流れ経済効果が顕著である。
 「でも、その景気はR国で吸い上げるでしょう」
 「出稼ぎの女が躰で稼いで持ち帰る」
 「ふざけないで」
 「全然大真面目ですよ。公務員に税金を分配させずに民間に還元しています」
 「売春が良い訳ないでしょう」
 「認めている先進国も有ります。海外に出しているのだから問題ないです」
 適当に相手をして晴久は引き上げる。小倉紘子警部の精神状況を確かめに来ただけである。
 もちろんモニターでやくざも工作員も見ている。
 道警本部長と一課長、帯広市長は夜になってから来た。
 「あいつは精神力を保つため態と泣き喚いていたのだな」
 稲垣七郎は苦い顔である。
 「とにかく蛇の詰まった浴槽に放置して狂わないのじゃこの手は駄目です」
 右田吾一舎弟頭は決め付けてしまう。
 「だが輪姦しても無駄だぞ」
 稲垣七郎はそっちも否定する。
 「明日。笛木祐子巡査部長に同じ責めをやって貰いましょう」
 道警本部長が決めてしまう。
 三田園矢一舎弟頭補佐は何とかやくざの面目を立てたい。飲む場所を変えて宇佐美伝吉舎弟頭補佐と打ち合わせをする。
 帯広ニューシティ最上階の座敷。座敷に座って窓から展望が広がるロケーションだが夜では僅かな明かりが点在するだけである。
 昼間なら微かに襟裳岬まで見渡せる。
 組関係者と判るが入店を止める者は無い。
 他の客はおろか従業員にも堅気の客より丁寧に接する。
 「行き詰まったか」
 「うん」
 三田園矢一舎弟頭補佐は自信を失っている。
 「あっちの方じゃもっと難しいだろ」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐は笛木祐子巡査部長の方が精神力は有ると言いたい。
 「あそこまで精神力があるとはな」
 脆いと見た小倉紘子警部でさえ完璧に自信の有った結果が裏切られた。
 「明日はどうする」
 三田園矢一舎弟頭補佐もかなり考えた。そんなに方法が浮かぶ訳でもないが少し方法を変えた。
 「そうか」
 三田園矢一舎弟頭補佐の作戦を聞いて宇佐美伝吉舎弟頭補佐は何も意見は挟まない。
 「いまの二人を完全に消してしまって何か問題あるのか」
 三田園矢一舎弟頭補佐は不安を口にする。
 「あの警部の仲間が騒ぐか何処までも捜査が続く。本部長が打ち切りの指示を出せない」
 「そうか」
 「二人纏めてやるか」
 「あっちの数が足りない」
 三田園矢一舎弟頭補佐は蛇の数が足りないと見ている。
 「なら調達するよ」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐は蛇の調達の当てがあった。
 「此処は北海道だぞ」
 「大丈夫だ。明日入手出来る当てがある」
 
 翌日十時を回って宇佐美伝吉舎弟頭補佐がダンボールに一箱網に入れた蛇を積んで晴久の山荘に着いた。
 「よく手に入りましたね」
 晴久は大阪から仕入れて一週間掛かったのである。
 「風俗嬢を派遣したでしょう。あの業者が花電車で使っているのですよ」
 花電車とはお座敷芸である。語源は見せるけど乗せないから花電車と言う。
 本来の花電車は乗客を乗せず空で走る。お座敷芸の花電車も女はとことん見せるが客を上には乗せない。
 「えー。花電車で蛇まで」
 「その昔。ストリップ劇場にも派遣していました」
 さすがに蛇の道は蛇である。
 若い衆が婦警二人の手首を各々縛って天井から引っ張る。フックの着いた一メートル四方の鉄板が脚元に敷かれる。そこに縛った脚首を固定する。
 二人は天井から縦一文字に躰を張られた。
 笛木祐子巡査部長には右田吾一舎弟頭と宇佐美伝吉舎弟頭補佐が当たり小倉紘子警部には大谷彰浩若頭補佐と三田園矢一舎弟頭補佐が当る。
 それぞれ一本鞭の滅多打ちを始める。
 先端は細い紐状に成っている。僅かに血をにじませるのが目的である。
 笛木祐子巡査部長から始める。本人に傷を見せるため前鞭である。
 「あはあーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の悲鳴が轟く。
 小倉紘子警部も左右から叩かれる。
 乳房、太腿を順次狙ってくる。
 白い肌には直ぐに鞭の紅い筋が浮かぶ。
 「ぐわあおーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーー」
 乳首に一本鞭の先端が直撃した。小倉紘子警部の悲鳴は悲痛に響く。
 それでも叩き続ける。
 「いいですか。蚯蚓腫れを作ってそれを割るのです」
 三田園矢一舎弟頭補佐が目論見を伝える激を投げる。
 既に太腿にも乳房にも鞭の紅い筋が数本浮かんでいた。
 紅い筋は蚯蚓腫れが紅く腫れているのである。数回同じところに当れば割れる。割れても暫く経てば直る。
 そこに木の大きな箱が二台運ばれてくる。横幅を広げた棺である。
 「見ろ。あの特注の棺桶に蛇と一緒に閉じ込めてやる。真っ暗な中で蛇とじゃれるが良い」
 三田園矢一舎弟頭補佐が残忍そうに宣告する。
 小倉紘子警部も笛木祐子巡査部長も驚愕の表情に声も出ない。
 躰は僅かに震えている。
 小倉紘子警部の作業から掛かった。
 八人が掛かって高手小手に縛り上げる。
 既に躰のフロント面は鞭の傷だらけである。
 小倉紘子警部は既に躰に力が入らない。抵抗力の無いまま特注の棺に納められてしまった。
 高手小手のまま仰向けに寝かされる。
 脚を広げられて細い鉄パイプで作られた枠で棺の壁面に脚首を押付けるように固定する。
 膝も鉄パイプの枠で棺の中で広げられた。
 完全に脚首と膝は動かない。
 その中に蛇が投げ込まれる。鞭の生傷の上からである。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の強烈な悲鳴を他所に棺に蓋がされた。それを釘で打ち付けられる。
 見ている笛木祐子巡査部長は驚愕の表情で目を見張っていた。
 次に若い衆らは笛木祐子巡査部長に掛かる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は力が入らないながらも暴れる。小倉紘子警部より気力を宿していた。
 若い衆は格闘しながら押える。大谷彰浩若頭補佐と宇佐美伝吉舎弟頭補佐が二人掛かって高手小手に縛ってしまう。棺に叩きつけるように寝かせた。
 そのまま若い衆が八人で押さえる。細い鉄パイプで同じ様に膝と脚首をセットする。
 笛木祐子巡査部長が抵抗したので蚯蚓腫れから血が滲み出て棺が血で汚れていた。
 そこに蛇を多量に流し込む。
 蚯蚓腫れが柘榴のように割れた乳房の上に蛇の胴体が載る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は強烈に悲鳴を上げた。
 究極の違和感である。
 三田園矢一舎弟頭補佐は良く声が出るなと思う。それが不安である。
 ようやく蓋をして釘を打つ。
 「ああーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。あけろーーーーーーーーーー」
 二人の棺の中の叫びを無視して酒盛りを始めた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は今度こそ行けると自分に言い聞かせる。
 抗議や叫びは暫くして治まった。
 三田園矢一舎弟頭補佐が蛇を笛木祐子巡査部長の躰の上に投げ込んだ。だが蛇はほとんどが太腿の間の空いた部分に移動してしまった。
 一匹が首の下に徘徊している。
 真っ暗で何も見えない。
 それでも気配は感じ取れた。
 毒は無い。噛む事もないと判ってはいる。
 生きた心地ではない。躰は震えている。
 脚元に一匹が絡みついてきた。
 閉じ込められた時あれだけ騒ぎ喚いたがもう声も出ない。
 首の下の蛇が喉の方に近付いてくる。首に巻きつくのではないかと恐れ戦く。そのまま顎の下を左の肩に流れて行く。
 歯がガタガタ震えて悲鳴も出ない。
 小倉紘子警部も真っ暗な中で身動きが取れないように固定されている。蛇が動く気配に怯え続けていた。
 本当にヒステリックになり気が狂いそうである。
 気が狂わなくても殺される。それでも気狂いに成るのは逃れたい。
 脚元、股間の下辺り内腿付近にも蛇の動きを感じる。
 内腿を蛇の体が触れて動いて行く。
 「ああーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は叫び声を発してしまう。
 「けいぶーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長の呼ぶ声が微かに聞こえる。
 笛木はまだ無事だ。何とか堪え続けないと。毒は無い。噛まれる事もない。所詮ショーに使う蛇である。
 小倉紘子警部は自分にそう言い聞かせた。
 「けいぶーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は恐怖を振り切るため小倉紘子警部を呼び続ける。
 声の出ない状況から離脱できた。笛木祐子巡査部長は腹の底から声を出した心算だがようやく小倉紘子警部の棺の中に届く程度である。
 「ふえきーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部も叫ぶ。
 その声を聞いて三田園矢一舎弟頭補佐が小倉紘子警部の棺を揺する。
 蛇は中で蠢く。
 「ああーーーーーーーーーー」
 それを見て宇佐美伝吉舎弟頭補佐が笛木祐子巡査部長の棺を揺する。
 「ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 一匹の蛇の頭が小倉紘子警部の股間に近付いて女の部分を頭部でまさぐる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴になる。
 笛木祐子巡査部長の棺では蛇が一匹太腿の上を這い出した。更に一匹が胸部の横から乳房を這って首に近付く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長も強烈な悲鳴を上げる。
 三田園矢一舎弟頭補佐はこれでは不完全と考えた。
 若いのに手伝わせて一度小倉紘子警部の方の蓋を開ける。
 光が急に当たり小倉紘子警部は目を細めた。
 三田園矢一舎弟頭補佐は小倉紘子警部の膣にクスコを差し込み大きく抉じ開ける。
 「ああーーやめろーーーーーーーーーーー」
 そのままスネークフックで掴んだ蛇を膣に頭から突っ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 そして一気に蓋を閉めてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部の叫びを他所に笛木祐子巡査部長の棺に掛かった。
 笛木祐子巡査部長は三田園矢一舎弟頭補佐に溜まっていた唾を吐きかける。
 三田園矢一舎弟頭補佐は笛木祐子巡査部長をビンタする。
 「あおーーーーーーー。おーーーーーーーー。おーーーーーー」
 連続ビンタである。
 更にスネークフックで蛇を掴んで顔に押付ける。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああがあーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーー」
 笛木祐子巡査部長は顔を暴れさせ喚き続ける。
 その間に宇佐美伝吉舎弟頭補佐が笛木祐子巡査部長の膣にクスコを挿入して広げる。
 「こらあ。やめろーーーーーーーーーーー」
 宇佐美伝吉舎弟頭補佐は『こらあ』に思わずふきだす。
 三田園矢一舎弟頭補佐が掴んでいた蛇をクスコに突っ込む。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 こっちも強烈な悲鳴である
 そのまま棺の蓋を閉めてしまう。
 小倉紘子警部の膣に入った蛇は出ようと藻掻くのか頭を中で動かす。
 女の敏感な部分に恐怖の生物の刺激である。
 「ああーーいやああーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は真っ暗な中恐怖の刺激に叫び続ける。
 笛木祐子巡査部長はクスコに抉じ開けられながら膣を動く限り揺さぶる。蛇はするりと抜けて出て行く。
 「あはあ。あはあ。あは。あは。あは」
 荒い息遣いをいつまでも続ける。
 小倉紘子警部の方は蛇の舌が子宮口を撫でる。
 「あはあーーーーーーーーーーん。はああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子警部は堪らず腰を捩り動かし続ける。
 出られない筈は無い。小倉紘子警部は腰を動く限り上下させる。
 蛇は更に膣の中で動き続ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 小倉紘子警部は狂いそうになりながら躰を踏ん張って動かし続ける。
 それでも膣の中はどろどろである。
 やがて力尽きて小倉紘子警部は動かなくなる。
 静かにしているうちに蛇も動かなくなり抜け出て行く。
 
 酒宴は一時間ぐらい続いた。二人の棺は静かになっている。
 「そろそろいいだろう」
 稲垣七郎が判断する。
 小倉紘子警部の棺から掛かる。
 小倉紘子警部は仲でぐったりしていた。蛇も大方が広げて固定された小倉紘子警部の脚の間に移動して蠢いている。
 縄を解いてベッドに投げようとすると突然暴れだす。
 組員に脚蹴りが炸裂した。
 振り返って六人掛りで押さえに掛かるが暴れ捲くる。
 已む無く大谷彰浩若頭補佐がスタンガンで行動を抑える。
 そのまま鉄格子に監禁である。
 続いて笛木祐子巡査部長の棺を開ける。
 大谷彰浩若頭補佐の他に宇佐美伝吉舎弟頭補佐も鉄格子の中に入りスタンガンを構えている。
 蓋を開けると一匹は笛木祐子巡査部長の首の辺りに絡んでいる。
 残りは股間の辺りで蠢いていた。太腿や女の部分に蛇の体が直接触れて動いている。
 笛木祐子巡査部長は虫の息で震えていた。
 三田園矢一舎弟頭補佐がスネークフックで蛇を掴み水槽に移す。
 縄を解いてベッドに投げる。
 そのまま沈んだように動かない。
 鉄格子を締めて放置する。
 やくざらはそのまま一階の広間に戻る。
 「どうなんだ」
 稲垣七郎が三田園矢一舎弟頭補佐に確認する。
 「駄目でしたね」
 「小倉警部はあの状態だったが笛木巡査部長のほうも駄目か」
 「モニターで確認しましょう」
 地下では小倉紘子警部が笛木祐子巡査部長を鉄格子越えに呼ぶ。
 笛木祐子巡査部長は悔し涙を流しながら顔を洗い浴槽に湯を出していた。呼ばれて小倉紘子警部の鉄格子の向かいに来る。
 「大丈夫です」
 「ああーーーーーーー」
 今度は小倉紘子警部が泣き崩れる。
 「どうしても駄目だな」
 道警本部長が状況を理解する。
 「生かしては置けません。村上さんもいつまでもは困ります」
 一課長である。
 「処分しよう」
 本部長が決断する。
 「何とか事故死に出来ませんか」
 「うーーん」
 「いま一課がこの二人の行方不明を捜査する担当に成っています」
 「捜査中のまま済ませられないか」
 「親族が居る以上マスコミ報道を完全に止められはしない」
 本部長も困り果てる。
 「どうでしょう。この二人の実質の遺書というか親族と署への手紙を作れませんか」
 稲垣七郎若頭である。
 「出来なくはないが」
 「録画を編集してAVとして売り出しましょう」
 「無理が有り過ぎるよ」
 「そうでもありません。この二人のそっくりをR国で製造した女から造れます」
 晴久が話しに割り込む。
 「それだって」
 「AVや映像だけなら綿密にやれば判りません。そのまま海外逃亡して行方不明なら」
 一課長も納得する。
 「本当にそっくりが出来るか」
 「あの二人がそれなりに美形なのでそっくりは可能です。しゃべるところだけでいいのです」
 「鑑識の分析は抑えればよいか」
 「そうです。マスコミもそれなら押えられます」
 「よし。直ぐやろう」
 本部長も決断する。
 やくざ等は二人の婦警に最後の悦びを教えながら処分方法を伝えるお遊びに出た。本部長も一課長も参加した。
 
 ストーリーは次のように作られた。
 村上邸の山荘の一帯の捜査が行われた。小倉紘子警部の要請により村上晴久が了解した上で鑑識が動員されたが何も出なかった。
 捜査の見込み失敗で行き場の無くなった小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は行方を眩ました。
 行方不明から一月経って突然AVが発行される。
 
 二人の前に整形されたそっくりの女が現れた。
 製作されたAVを見せる。
 整形されたそっくりの女が出演することで完全に合意のAVに見えた。
 
 二人は処分内容を聞いて驚愕した。
 完全に証拠は残らない。
 最早どう足掻いても実行される。そして整形されたそっくりが海外で自分らとして映ることになる。
 「どうだ。これから御前らに最後の悦びを与えてやる。失神したまま死ぬか。乾式メタン醗酵の破砕機に落ちる瞬間を確認するか選ばせてやる」
 平佐和が心練りと説明する。
 「政治家と警察とやくざが手を組んで犯罪以上のことをするのね。これが権力の究極の横暴よ」
 笛木祐子巡査部長は堪らず叫ぶ。
 「何とでも言え。御前らの様な存在が一人も居なくなるよう掃除するだけだ」
 道警本部長の言葉である。
 「そう。掃除だよ」
 平佐和も同意する。
 「いまの時代にそんなことがいつまでも罷り通ると思っているのですか」
 笛木祐子巡査部長は無駄と判っていても猛抗議の姿勢である。
 「権力に反発する力が強くなれば権力も巧みになる。表面は権力が変化したように見えるが本質は古今東西変わらない」
 稲垣七郎の説明である。
 「そんな事はありません。国際社会は確実に正義に向かっています」
 「馬鹿を抜かせ。国際社会は大国の利害だけで決まるのや」
 平佐和の一言である。
 「でも日本社会からあなた方の様な権力は確実に裁かれます」
 「いいか。わしらは黴菌ではないよ。でも薬が進化すれば黴菌も耐性菌になる。何処までも鼬ごっこや」
 稲垣七郎は笑っている。
 「黴菌。もっと最適な言い方は無いかしらね」
 小倉紘子警部の笑いのない真顔の皮肉である。
 「ゆっくりあの世に向かって考えてや」
 一課長が詰る。
 「はっはっはっは」
 平佐和が哂う。
 「気持ちよくなって失神したままあの世に行くか。死ぬ間際を確かめてあの世に行くか」
 やんわり稲垣七郎が語りかける。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長のSM系AVがシカゴから販売される。
 道警は両名を懲戒免職とした。罪状は幾つも上がったが列挙する必要はない。
 そして両名は海外逃亡で片付けられた。元フリージャーナリスト滝澤沙緒里のAV転向がその手本の様に報道されてしまう。
 報道も湯野中資本の組織的コントロールが効いていた。
 道警本部長と一課長が会見する。そして謝罪した。
 給与三ヶ月返上である。もっともそれは裏金で充当されたことは言うまでもない。現実は引かれる税金が減っただけである。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の処刑寸前で事態は変わった。
 娼国から北嶋真希子副主席が来日する。
 何故か真紀子は波琉に面会した。
 「大分協力してくれたのね。でもどうして」
 「協力以前です。私の生活を護らなければ」
 「貴方は二人の婦警を逃がしてマスコミを騒がせて慰謝料を取って離婚できて此処から逃れられたのよ」
 「いいえ。奇跡的にうまく行っても慰謝料と成る根本が崩れます。この家も。そして自由に成っても今以上の地獄が待っています」
 「それは追っ手が来るから」
 「それもありますが。それ以前に普通に働くことは私にとって地獄なのです」
 「そうね。随分虐められたのね。でも此処でも男の玩具」
 「そうです。月に二回。でももうじき終わると聞いています。此処に来る前はそれ以上に辛かったのです」
 「貴方には普通に働くより風俗の方が楽な位なのね」
 「そうです。此処に居れば二週間に一回だけなのです。それに刑事のあのような正義感は逆に犠牲者を生みます」
 「それは」
 「私の父は強引な職務質問で事業に失敗して自殺しました。その後どれだけ苦しい生活を送ったか」
 「借金」
 「先に離婚してくれましたので。それは」
 「貴女は此処に留まって晴久さんと関係を続けてもいいのね」
 「はい」
 「分かった。私が貴方の後ろ盾に成りましょう。拘束を解かせてもっと稼げるようにしてあげる」
 「え。私は何をすれば」
 「報告だけよ。役人が親交のある大臣に先に報告するように」
 「はい」
 そして真紀子は波琉の事を宣告した上で小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長を娼国に連れ帰る宣言をした。
 「殺すよりもっとAVを作るべきよ。せっかく造ったクローンよ。もっと利用すべきよ」
 もちろん大船一家はこの恩恵を受ける。湯野中が反対することもない。二人の婦警をR国で駐留する米軍幹部の接待に使えるからである。
 そして此処までではまだ不完全なAVへの逃亡。それがさらに堅く現実化されることとなる。
 家族が騒ぐのも筆跡を真似た文書で済ませる。
 人が真似るのではない。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長の署に残った文書の筆跡から特別なソフトで再現する。
 バブルジェットプリンターの印字部分がボールペンになった物である。筆圧まで微妙に調整する。
 
 波琉は小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が処分されず他所に連れ出されて安堵した。
 そのあと敷地内に新しい山荘の建設が始まった。
 接待は鳴りを潜め波琉には優しい日々が続くこととなる。
 晴久は波琉の躰に執着して一緒に過ごす時間が増えた。
 村上家ではそれを警戒する。
 だが波琉の立場は村上家を超えて娼国、R国系から認められ始めていた。徐々にではあるが確実に湯野中系の一存在と成りつつある。
 それには湯野中系列でありながら娼国副主席北嶋真希子の後押しが働いていた。

 女衒の國の侵略者 完


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