鬼三のSM小説
女衒の國 その十五


生の女躰拷問秘宝館

この物語はフィクションであり、実在の人物、機関とは何ら関わりがありません。

 二〇二一年秋分上元
 (この小説は2019年9月現在未来形です。またこの二十四節気は平気法によるものです)
 亜細亜に日系人の子孫が経済と政権を握る国家が二つある。娼国とR国である。娼国はR国から十数年前に独立した。
 この娼国が実質R国を支配している。その中枢は日系人の子孫と日本人。日系人は戦前、戦中に進出した女衒の末裔である。
 仁川前主席の父は終戦後も娼館島に残り現地と日系人の掛け合わせの女性を創り売春を続けた。
 さらに日本の戦後高度成長と平行してR国の経済を掌握した。
 そして娼国が独立した。
 R国は間接税10%のみ。娼国は非課税である。亜細亜全体から税金対策の本社を誘致する。
 逆にその娼国とR国の日系資本が娼国に本社を置いて日本亜細亜に経済侵略を展開する。
 これらは日本の政治家、官僚を多く抱きこみ資金を提供する。既に日本の中枢を押えている。特に警察官僚の懐柔が顕著である。
 仁川の死後R国は二つの資本に分裂して争いを始めた。
 だが日本からこの国を批判して干渉して来るマスコミ、フェミニスト、リベラルに対峙するべく力を合わせて闘わざるを得なくなった。
 これらの国は売春の自由国でありそれで経済が大きく循環している。そこに国際社会の末端から非難がくすぶり始めた。
 だが経済、会計に精通したシステムコンサルタント葛城義和の加入でサプライチェーンマネジメントを応用した経済吸い上げシステムを展開する。
 亜細亜経済侵略は万全に強化された。
 葛城義和は娼国と民事党幹事長平佐和の後押しで日本の総理と成った。日本の経済を完全改革して再び日本を経済大国に伸し上げた。
 しかし日本経済改革の目的は日本を活性化して娼国、R国に吸い上げる為であった。
 娼国、R国は海外マスコミシャットアウトである。侵入者は逮捕される。それでもマスコミ、フェミニスト、リベラルが進入して来る。
 娼国はこれらを捕らえて射殺または拷問する。今でも女性警察官、自衛隊員、ジャーナリストなどが数名捕らえられている。
 此処は娼国の南の島。娼国は北と南の二つの島から成る僅かな国土の国。南側の島は一般人の一切入らない島である。
 この島には港も空港もない。北側の島からは何も繋がっていない。周囲は断崖でその中の擂鉢状の平地に五棟の建物が点在する。
 その四つはゼロ歳から女性を育てる施設である。
 美形の男性と女性の掛け合わせで体外受精させる。この子種で代理母に毎年四つ子くらいを産ませる。
 美形でスタイルの良い売春婦を製造する島である。女性らは此処で完全なる娼婦教育を受けて十八で島を出て行く。
 残る一つの建物が特別な刑務所である。
 此処に娼国、R国に調査目的で潜入した女性が投獄される。
 この島に入るには上空からヘリを使うか海中の洞窟から地底の桟橋に潜水艦で入るしかない。
 天然の要害を利用した牢獄である。
 此処には現在二組の加重死刑囚が投獄されている。
 6号と言う房に以前から小林由美子と岡村一美が収監されている。
 7号と言う房にも今現在二人が投獄されている。数日前二人が此処を出て行った。
 釈放ではない。加重死刑の加重部分が執行されたのである。
 R国の奥地T市である。
 日本企業が多く進出している。日本人居住区があり治安の良い一帯が中心である。
 だが少し日本人居住区から外れたその付近一帯は現地人兵士と駐留米軍が多い安い風俗街となる。
 一番安い売春は十分千円から存在する。昭和四十年頃の沖縄と変わらない。
 その中に日本の温泉街に時々見かける秘宝館の様な施設が存在する。それは堂々とT市の市営である。
 その中には現物の女性を展示する区画まである。
 何らかの終身刑又は加重死刑囚がこれに当てられている。
 日本人が四人特別な区画で全身奉仕を強いられている。それは田中道子、竹内優子、吉岡理穂、竹田玲奈の四人である。
 四人とも凄惨な刺青をされている。
 二人ずつ交代で展示ブースに出される。全裸で開帳台に磔にされる。外から客がマジックハンドで女を責める。
 磔にされた女躰をさらに押えるマジックハンド。電マを付けたマジックハンド。ドリルバイブをつけたマジックハンドも数種類ある。
 R国の警察員が吉岡理穂の女の部分のびらびらを人の手型のマジックハンドで抓んで広げる。既にピンクの部分が責め続けられて真っ赤である。
 モニターがその部分を拡大している。警察員は手元で確認しながらドリルバイブ型マジックハンドの先端に付けられた擬似男根を挿入する。
 吉岡理穂の躰は僅かに後退りするだけで微動すら出来ない。
 スポイトでローションを流され擬似男根は強行に膣に進入する。
 吉岡理穂も毎回の事なので痛みのリスクを判って強く抵抗はしない。
 ドリルバイブが膣の中で始動すると吉岡理穂の本来は柔らかい美形の顔が一気に軋む。後は責められるままである。
 失禁、失神を愉しむことも出来る。
 吉岡理穂と竹田玲奈は他の四人の仲間と娼国の南の島に侵入した。
 捕らえられていると思われるフェミニスト仲間を救出して、娼国、R国の国際社会のモラルと相反する行ないを国際社会に公開する目的であった。
 失敗して仲間は殺され二人は捕らえられた。加重死刑囚として現在此処に展示されている。
 田中道子と竹内優子はそのもっと前からである。
 竹内優子は葛城義和が内閣の頃に娼国の工作員に日本で捕らえられた。葛城内閣に反旗を翻す過激派フェミニスト集団と位置付けられた。
 田中道子は五人の仲間と竹内優子を奪還しようと娼国の南の島に侵入して捕まった。だがこれは工作員の罠であった。
 他の仲間は全員殺された。女として価値が無かったからである。
 此処にさらに二人が追加された。
 真野枝里名元警部補と加東彩子元巡査部長である。
 此処に来る前にアメリカ海軍第六艦隊の幹部慰問に出された。其処で究極のSM拷問を受けて全身に刺青を施された。
 何故か今回真野枝里名元警部補の刺青は吉岡理穂と同じ絵柄である。加東彩子元巡査部長も竹田玲奈と同じ刺青を施された。
 絵柄が尽きたのか前回の刺青がベイソン中将に事の他気に入ったのか定かではない。
 真野枝里名元警部補と加東彩子元巡査部長は吉岡理穂ら四人とは別のブースに一日置きに交替で出される。
 産婦人科診察台に完全固定されている。首から上はガラス張りで仕切られた間仕切りの向こう側である。
 こっちは直に弄ったり責めたりが出来る。本番も可能である。一人ずつ膣を洗浄して生中出しが出来る。
 既に子宮を摘出されているので妊娠はない。
 予約して費用を払えば処女膜の再生も行ってもらえる。擬似処女破り体験も可能である。
 今日もR国の将校が真野枝里名元警部補を予約して遊びに来ていた。
 一人が終わったら完全に膣も躰も洗浄する。病気の検査も行う。
 将校は真野枝里名元警部補に生挿入しながら躰にクリップ鋏み付けている。
 太い凧糸で繋いだクリップを左右二系統で乳首から太腿まで五センチ置きに付けて行く。
 クリップは乳首、直ぐ下の乳房の白い皮膚、腹の横を通り開帳台に広げられた太腿の内側まで続く。
 真野枝里名元警部補の柔らかい皮膚を鋏んで連ねている。
 クリップの横幅は二センチもある。鋏む力は強い。
 興奮度に合わせて一気に片側の凧糸を引っ張る。クリップは一気に真野枝里名元警部補の躰から弾け飛ぶ。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーー」
 ガラスの向こう側から強烈な悲鳴が轟く。
 将校の挿入した膣は強烈に暴れ震撼する。するとさおへの刺激が強力に来る。これを繰り返す。
 真野枝里名元警部補の目からは涙が零れている。
 この泣き顔は将校の加虐心をさらに煽る。短い時間に真野枝里名元警部補の膣の中に三回も果てた。
 ガラスで真野枝里名元警部補の首から上を仕切っている。ガラスに漏斗が半円分客の側についている。
 そこからガラスの反対側に斜めに管が延びている。その先端は真野枝里名元警部補の顔に狙いが定まっている。
 客は開帳台の左右の踏み台に立つ。真野枝里名元警部補の躰を跨いで漏斗に少水を流す。
 真野枝里名元警部補の顔は左右をアクリル板に軽く押えられている。大きく顔を背けることが出来ない。
 漏斗の口から出たやや色の濃い小水は真野枝里名元警部補の眉間を直撃する。
 真野枝里名元警部補は目をきつく瞑って堪えるしかない。
 終わって客が部屋を出ると躰を洗浄する。スタッフが車を洗車するように真野枝里名元警部補の躰をゴムホースから出るぬるま湯で洗う。
 次の客が待っている。メンテナンスは十分で終了する。病気の検査も完了する。その検査も次の客は見ている。膣の内部まで丸見えである。
 躰のメンテナンスをしてもクリップに抓まれた痕は残っている。
 それでもそのまま続行する。次の客はR国T市の警察員である。
 既にドリルバイブを三本調達している。
 指に多量のローションを流して真野枝里名元警部補の膣に突っ込む。そのまま中を解す様に掻き回す。
 同じ様にアナルにもたっぷりのローションを付けて指を挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補も諦めて無駄に騒がず堪えている。それでもアナルへの責めは強烈である。悲鳴を漏らしてしまう。
 警察員の客はスタッフに協力を要請する。三本の内一本はアナル用のバイブである。
 まずはアナルに細いドリルバイブを挿入する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー」
 それをスタッフに持たせる。
 さらにもう一本を膣に挿入する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スイッチが入ると真野枝里名元警部補の表情はガラス板の向こうで一気に軋み歪む。
 「ぐううーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーー」
 きっちり固定されている真野枝里名元警部補の躰は動く限りに暴れる。
 真野枝里名元警部補はドリルバイブを膣から押し返してくる。警察員の客は腰を落として押え続ける。
 「ぐうあああーーーーーーーーーーー。ぐうあああーーーーーーーーーー」
 二本のドリルバイブの責めは強烈である。
 美人の責めに歪む顔はこの上なく隠微で客の股間に官能をそそらせる。
 「ぐおおおーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は大口を開けて悲鳴を轟かせる。躰を突っ張り暴れる。診察台はやや軋み震撼する。
 スタッフは黙々とただ押さえ続ける。
 警察員の客は真野枝里名元警部補の表情とドリルバイブが二本刺さった股間を交互に確認しながら失神を愉しみに責め続ける。
 「ああーー。ああっはあーーー。ああーーー。ああはあーーー」
 真野枝里名元警部補は大口を開いて眉間に皺を刻みながら首を右に左に動かして逝き声を上げ続ける。だがなかなかそれ以上は変化しない。
 膣からはローションと膣液が混じった半透明の白く濁ったどろどろの液が流れている。
 真野枝里名元警部補も頑張っても無駄な事は知っている。それでも抵抗するのか官能に乗り切れないのかなかなか事態は変化しない。
 警察員は膣の方だけドリルバイブを一旦抜く。
 もう一段階太いドリルバイブを真野枝里名元警部補の目の前に翳す。
 真野枝里名元警部補は恐怖の表情を凍らせる。
 警察員は容赦なく挿入する。
 「うごーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の悲鳴と叫びが轟く。
 もうローションは要らない。充分に膣はどろどろに膣液に塗れている。
 ドリルバイブの先端に装着した擬似男根は牛乳瓶の内径位の太さである。その半分近くを膣にめり込ませる。
 警察員はスイッチを入れる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の表情は目をきつく瞑って究極に軋む。
 「ううおおおーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は驚愕の叫びを上げる。
 「おおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に官能に堕とされる。
 数十秒で首が倒れる。白目を?いて躰は診察台に沈む。
 ドリルバイブはただ回っている。真野枝里名元警部補の躰が揺れるだけで反応はまったく無い。
 警察員は真野枝里名元警部補の膣を軽く洗って。
 挿入する。乳房を掴み力の限り揉む。警察員は高い興奮度で一気に真野枝里名元警部補の女の中に情液を流し棄てる。
 ご他聞に漏れず診察台の左右の踏み台に立つ。小水でさおを洗うように半円形の漏斗から流す。
 もろに真野枝里名元警部補の顔面に掛かる。
 それが意識を回復した真野枝里名元警部補の目に入る。
 「ううーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は目をきつく瞑って顔を振ってこの屈辱の情況に堪える。
 一人五十分。一日八人の相手をさせられる。
 一日置きである。
 六人は娼国の南の島と同じ様な鉄格子に入れられている。
 日本の刑務所とは違いバス、トイレが付いている。テレビも設置されている。食事は希望を聞いて貰える。
 アルコールも許される。
 それでもこれ以上酷い仕打ちはない。恐ろしい加重死刑囚の実態である。普通の人間なら自殺する。また自殺の制御もされてない。
 それでも彼女らは自殺しない。
 いつか同朋の救援が来て国際社会にこの国の実態が暴露出来る。そう信じて生き抜き闘い続ける意志である。
 
 此処はR国北側の奥地D市である。最近一気に開発が進んで空港が開港してその一角が巨大都市に成りつつある。
 その一角に大きな敷地を持つ日本旅館。そのVIP専用離れルームの露天風呂に娼国、R国の中枢が集まっていた。
 娼国の副首席北嶋真紀子を中心にR国北の影の実力者湯野中、日本の副総裁平佐和、日本の元総理葛城義和である。
 そして女将の市江廣子、日本の小倉紘子元警部及び出水茉里元巡査部長が同席している。女将の市江廣子を含めて終身女躰奉仕刑又は加重死刑囚である。
 だが市川廣子はこの日本旅館を経営して莫大な利益を得ている。出水茉里元巡査部長は葛城義和の女の一人である。
 小倉紘子元警部はつい最近まで娼国の南の島に捕らえられていた。平佐和の女に成ることでR国にて平佐和の経営する現地風俗企業のCOOに納まった。
 平佐和とはこれまで散々虐待を受けて来た関係である。平佐和が好きな訳もない。それでも今の決断をした。
 自分らを救出に来た渡辺則継元警視及びその仲間で共に苦楽を共有した部下の笛木祐子巡査部長の死。そして吉岡理穂らのT市での恐ろしい仕打ちである。
 だがそれだけではない。市江廣子の説得が大きかった。
 小倉紘子元警部には百八十度転換して平佐和に躰を任せてR国で資産を掴むのが最善であった。
 露天風呂では全員が全裸である。
 「日本から来る刺客でこっちの経済が日本で凍結される危険は無いの」
 出水茉里元巡査部長が真紀子の前で葛城義和に確認する。
 この度大高貞夫を特定するのに出水茉里元巡査部長の情報は大きかった。既に誰もが味方に成ったと認めている。
 「無いよ。日本の上部構造がこっち側に成っている。それでも何らかの事態の変化で押えれば逆に日本が経済的瓦礫の山だ」
 葛城義和は自信満々である。
 「そうよ。そうなったら日本の低所得層、非正規雇用は収入が無くなり高額所得層も半分近く収入を失うわ」
 真紀子も横から説明する。
 「国際社会が動いたらどうなるのですか」
 「せいぜいマスコミが批判するだけだ。軍事介入等あり得ない」
 「そうよ。まずアメリカは動かないよ」
 「ならば彼らが何をしても思っているような事態は実現しないのでは」
 「貴方はそれが判っていたからでしょう」
 真紀子は哂っている。滝澤沙緒里も出水茉里元巡査部長も同じだと言いたい。
 小倉紘子元警部は平佐和に躰を任せたまま話を聞いている。出水茉里元巡査部長はこの話を小倉紘子元警部に聞かせたかった様である。
 「ところで大高とやらは何を目的にしている」
 湯野中が話の方向を転換する。
 「日本の自立性よ」
 真紀子がきっぱり答える。
 「要するに奴の本来の目的はこっちの手が日本政府の中枢に伸びきっているのを排除したいのだな」
 「それには女性の目を売春、とくに現代のからゆきさんとこの国の風俗実態に注目させる」
 湯野中の確認に葛城義和が答える。
 「リベラル政党を連立化して政権交代を狙うか」
 「何処まで考えているかは判りません。今回の四人を現代のからゆきさんに混ぜて女を棄てさせてまで潜入を試みたのです」
 「要するに四人の女は大高に狡猾に利用されたか」
 「奴の目的は日本の自立性だけでしょう」
 今度は平佐和が断言する。いま出した結論の様でもある。
 「四人の女は自分らの判断でそうしたと告白しているのではないか」
 湯野中は四人の供述を取り上げる。
 「そう判断するように持って行ったのです。とても巧みに」
 出水茉里元巡査部長が葛城義和の背中に乳房を押し付けながら突然後ろから口を挟む。
 「そうよ。あの四人は売春撲滅に乗せられたのよ」
 真紀子も出水茉里元巡査部長と同じ見解である。
 「しかし大型資金源の総てを暴露出来るのかな」
 湯野中は資金提供の完璧さに自信を持っている。
 「出来ませんよ。出ても氷山の一角です。政治家も官僚も大方が正当な個人の収入になります」
 葛城義和は完璧に自信を持っている。そして自らは退任してR国からの院政状態である。手が伸びる恐れはない。
 直接金を提供するのは官僚だけである。
 政治家が起業していけない法律はない。公務員が株を買ってはいけない法律もない。娼国、R国と言う特殊な国体が総てを包括する。
 「彼らが成功する可能性は絶対無いの」
 「そんな事はない。だからこうして警戒を続ける」
 「彼らが成功したらこっちはどうなるの」
 「どうにも成らんよ。ただ日本の経済が瓦解するだけだ。それによって吸い上げる収益は若干減る」
 「日本が経済的に堕ちても彼らはそれを承知して闘うの」
 「承知してかは知らない。経済より主婦層の求める清い世の中が総てだ。先般の無能な政権交代が総てを物語っている」
 「ふーん」
 「清い世の中ほど貧乏を促進して弱者を地に堕とすものはない。腐敗混濁した世の中ほど下層は潤っている」
 平佐和はしみじみと発言する。
 「あの四人をこっちに送り込むのに稲村雄二元警視長と細野英二元二等海将だけが関与したのかな。もっと人脈がある様に思う」
 葛城義和の発言である。
 「二人を逃がした自衛隊の人脈ね」
 真紀子も同じ疑問を持っている。
 
 奈良県の奥。天川村をさらに奥に進んだ山間部。大高貞夫は隠れ住む古い民家を酒井美紀子の運転で出発した。
 同乗者は稲村雄二元警視長と細野英二元二等海将である。
 着いたところは天川村から峠を一つ越えた孤立集落。古い農家の周囲に他に八台の車が終結していた。
 農家の広い囲炉裏の間である。囲炉裏をやや遠巻きに囲んで十二名が座る。
 コピー機で印刷されたリストが数点配られる。既に内容はメールで配布されているので全員が目を通している。
 吉岡理穂の残した資料とその後の経過である。
 大高貞夫からこれまでの経緯が説明されてゆく。
 「この度は調査より捕らえられている仲間の女性を救い出すことです。彼女らは相当の情報を持っています」
 酒井美紀子が宣言する。
 「男性は誰も生き残っていないのですか」
 上野愛菜三等空尉の確認である。
 「男性はこれまで即座に殺されるか処刑されています。女性は加重死刑囚として女躰奉仕に使われます」
 「三月前に出発した四名の女性が捕らえられているということですね」
 「全員無事とは限りません。逆にそれ以前に捕らえられた同士が生きている可能性もあります」
 「吉岡さんたちですか」
 「そうです。それ以前に捕らわれた人達も考えられます」
 「その人達を日本に救出できればあの国の闇を暴露出来るのですか」
 上野愛菜三等空尉の確認である。
 「そうです。日本、亜細亜に充満する巨額の懐柔資金と不当な拷問の実態をを国際社会に暴露出来るのです」
 今度は大高貞夫自身が回答する。
 「滝澤沙緒里さんはもう証人にならないのですか」
 「成らない。葛城元総理と密着している。既に敵方と見なければ成らない」
 大高貞夫が断言する。
 「葛城元総理は日本経済を抜本的に改善しましたが、あの人物は娼国の傀儡だったのですか」
 「傀儡。いや娼国そのものです」
 細野英二元二等海将が答える。
 「娼国のトップは安形主席ですが、実質は北嶋真紀子副主席です。そしてR国北の陰の実力者湯野中。その間に立つのが葛城元総理です」
 「日本にもかなり影響力がありますね」
 「今の月村総理は葛城元総理と平佐和副総裁の傀儡です」
 「与党の大半と多くの官僚が娼国に掌握されている」
 「さらに日本中に娼国とR国の工作員が展開しています」
 「それでこんな山奥で」
 上野愛菜三等空尉はようやく事態を理解した。
 「葛城内閣で日本経済は断トツに向上した。だがこれは良く分析しなければならない」
 大高貞夫は強い口調で呼びかける。
 「葛城内閣は低所得層の負担を軽減して消費性向に向く資金を増やした。それによって大きく経済は活性化された」
 大高貞夫が言うのは葛城義和が娼国、R国の進出したニューシティの住民税半額対策、及び下層の非課税レベルを上げた事などである。
 さらに生活保護費を上げ国税の非課税レベルも上げた。
 そして公共放送の完全民営化である。
 下層から負担金を大幅減らす。一人僅かな金額でも大方が消費性向に流れる。
 逆に高所得層には累進課税の上を20%でカットした。これによって海外に逃げたジャパンマネーが日本に戻った。
 さらに風俗売春を合法化した。これで日本に戻ったジャパンマネーが市場に流れるようになった。
 アングラマネーが増えることで使うしかないお金が増えたのである。
 仕上げは軽減税率を止め消費税25%を強行した。それでも日本経済は破格の上昇を続けた。高度成長期の勢いである。
 大高貞夫はこれを根本から非難する。
 「奴は自治体を廃止して国に権力を集中したいのだ。そして娼国、R国の息の掛かった議員、官僚で押える心算だ。そうなると日本は実質植民地だ」
 「そうです。中国と朝鮮半島を除いて亜細亜全体がその傾向です」
 「そうですね。それには捕らえられている人達の証言が重要ですね」
 上野愛菜三等空尉も理解する。
 「仲間が捕らえられていると考えられるのは、娼国の南の島及びT市、D市です」
 「娼国の南の島は奪還しても逃走に何回も失敗しています。T市には入る手段がありません」
 「今回退役になった自衛隊の潜水艦を用意しています」
 細野英二元二等海将の提示である。
 「それだけではどうにも成らないのではないですか」
 大高貞夫は疑問を呈する。
 「この潜水艦には特殊潜航艇を二隻積んでいます」
 「どうやって入手したのですか」
 「解体する企業に協力を得ました」
 「それは安全ですか」
 「総て私が責任を取ります。企業は騙されたで済ませます」
 「問題は人員の確保ではないか。少人数で艦は動かせまい」
 「航行だけなら十六名で行けます。睡眠時間は航行しないで着底します」
 「問題は捕らえられている人達が何処に監禁されているかですね」
 「それは吉岡理穂さんが行った様にM国の弁護士に調査を依頼しています」
 上野愛菜三等空尉の問いに大高貞夫が答える。
 調査結果待ちということで会合はお開きになった。
 
 R国海軍少将からT市秘宝館の予約が入った。第一潜水艦隊指令ラドルフマレカル少将である。
 刺青のない日本人を希望した。南の島から動画指名で岡村一美が選ばれた。ヘリでT市秘宝館に輸送する。
 岡村一美は娼国、R国に侵入したのではない。六年前日本で捕まった。
 日本では殺人の容疑者として新井絵里とともに指名手配されR国に逃亡したことになっている。
 新井絵里の方は同じ独房から出されて何処へ連れて行かれたか岡村一美は知らされてない。
 展示室ではなく別の拷問部屋で待たされた。もはやプレイルームとは言えない。拷問専用の部屋である。
 岡村一美は恐怖に縮み上がっている。
 五十年配の白人が入ってきた。
 「私はラドルフマレカル。第一潜水艦隊指令だ」
 「・・・・・・・・・・」
 岡村一美は怯えている。
 「服を脱いでくれ」
 「何をするのですか」
 恐る恐る尋ねる声は震えている。
 「SMプレイで君の躰を味見させてもらう」
 日本語は堪能な様である。
 岡村一美は後退りする。躰は壁にぴったり付く。
 「言われた通りに出来ないなら必要以上に乱暴になるぞ」
 岡村一美は仕方なく唇を噛んでワンピースの後ろのファスナーを下ろす。
 そのまま床に脱ぎ捨てる。
 ラドルフマレカル少将は鞭と縄を準備している。
 「下着も全部取るのだ」
 「・・・」
 岡村一美は無言で怯えながら震える手で支給下着のブラを外す。ショーツも脱いで染みを隠すべく丸めてブラの中に入れてワンピースで包む。
 「その鉄棒の前に立って棒の後ろに手を回せ」
 公園の鉄棒のような拷問具が立てられている。
 鉄の棒に背中を充て腋と背中で鉄棒を挟む様になる。乳房から躰のフロント面が無防備に晒される。
 ラドルフマレカル少将は鉄棒の後ろ側に下がった岡村一美の手首を短い縄で縛り合わせる。
 鞭で叩かれる事は充分想定出来る。岡村一美はぶるぶる震えるだけである。
 ラドルフマレカル少将は一本鞭を構えている。先の細い乗馬用の一本鞭である。相当の痛みを岡村一美は何度も受けている。
 ラドルフマレカル少将は岡村一美の斜め前に立つ。
 横に薙ぐように乳房めがけて一本鞭の先端が飛んでくる。鞭は二つの乳房をへしゃげる様に当たる。
 「うおーーーーーーーー」
 岡村一美の片膝が跳ね上がる。
 次は腰に飛んで来る。
 「ううおおーーーーー」
 岡村一美の状態は後ろに跳ね躰は震撼する。
 さらに太股に炸裂する。
 「ぐうーーーーーーーーーー」
 躰は前にやや倒れ後ろに反り返る。
 鞭の痕は岡村一美の白い肌にくっきり浮いている。
 岡村一美の標準サイズよりやや小ぶりな乳房に小ぶりの乳首が尖っている。小さくても形はなかなか良い。
 その美しい乳房は何発も鞭で叩かれ赤紫の斑模様になっている。
 太股から腰にも細い蚯蚓腫れが何本も奔り赤紫の縞模様の無残な姿に成ってしまった。
 岡村一美は甲高い悲鳴を上げ続け涙を溢している。
 まだこれからである。
 ラドルフマレカル少将はクリップを四個取る。書類を束ねる黒いクリップである。
 掌で乳房を?む。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は表情を歪めて悲鳴を搾り出す。
 鞭で叩かれて蚯蚓腫れだらけの乳房である。掴まれるだけで激痛がする。
 その乳首に深くクリップで鋏む。
 「うぐうーーーーーーーーーーー」
 もう片方も悲鳴を愉しみながら鋏む。
 「脚を開け」
 「ええーー」
 ラドルフマレカル少将は恐怖に震える岡村一美の太股を握って股間を広げる。
 「い、いたいーーーーーーーーーーーー」
 太股も蚯蚓腫れだらけである。
 岡村一美が恐れている部分に触れる。この体勢でビラビラは難しいので大陰唇を抓む。
 「ぐううーーーーー」
 大陰唇でも相当に痛い。こちらも左右両方抓む。
 ラドルフマレカル少将は次に電極を準備している。
 トランスのターミナルに接続した単線の先端に付いた鰐口四個を乳房のクリップと股間のクリップに接続する。
 「何をするのです」
 岡村一美はもう堪えられないとヒステリックに追及する。
 「電流責めだ」
 「・・・・・・」
 岡村一美は恐怖に首を振る。
 ラドルフマレカル少将は乳首の電流を入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は頭を後ろに倒し大口を開けて悲鳴を上げる。躰はがたがた震える。
 ラドルフマレカル少将は適度にスイッチを切る。
 「ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岡村一美は荒い息遣いに震え続ける。顔は土色である。
 続いて股間のクリップに繋がった電流を流す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あがーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美の腰はがたがた小刻みに震える。目は焦点が定まってない。
 「あがあーー。はあーー。あがあーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 腰を小刻みにがたがた振り続ける。そして土色の表情を破裂させ顔を振って悲鳴を上げ藻掻き続ける。
 今度も適度に切る。
 「ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岡村一美は涙を溢して荒い息遣いで震え続ける。
 ラドルフマレカル少将はさらにスイッチに手を掛ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。もうたすけてーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美はそれを見てヒステリックに悲鳴を上げる。
 今度は全部のスイッチを入れる。
 「ああーーーー。ああーーーーー。ああがああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー」
 顔の表情を搾って頭を振り藻掻きながら悲鳴を上げる。
 上体を捩り腰は小刻みに震え続ける。
 「あがあーーーーーーーー。ああがああーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーー。ああがああーーーーーーーーーーーー」
 大口を開け蒼白な表情で震え続ける。
 「ああーー。もれ、ああーーー。もれるーー。ああーーーーー。ああーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は腰を小刻みに震えさせながら一条真下に尿を垂れ流す。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか止まらない。
 尿が止まったところでラドルフマレカル少将はスイッチを切る。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 スイッチが切られると岡村一美の躰は斜めに鉄棒に寄りかかり震え続ける。
 顔色は蒼白である。
 ラドルフマレカル少将は電源に繋がった鰐口を全部外す。
 左脚の膝を?んで膝上に縄を掛ける。その縄を天井から下がったフックに通して脚を膝で吊りあげる。
 ラドルフマレカル少将は先がチップに成った一本鞭を構えて股間に付けたクリップを狙う。
 「ああーーー。だめーーーーーーーーーー」
 岡村一美は恐怖の形相で叫ぶ。
 カーーーン。
 叩いてもクリップは震えるだけで抓みはびくともしない。
 「うおーーーーーーーーーーーー」
 それでも叩く。
 「うごおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は般若の形相で顔から汗を飛ばして驚愕の悲鳴を轟かせる。
 数発叩いてもクリップは震撼するだけでまったく咥えを動かない。
 ラドルフマレカル少将は抓んだまま引っ張る。
 「ああーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は大口をだらしなく開けた悲鳴とともに号泣の涙を一気に溢れるように流す。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 クリップは引っ張り取れる。
 さすがにもう片方は普通に外す。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 それでも既に取るとき痛い。
 「あはあん。あはん。あはあん。あはん」
 岡村一美は頭を振り涙を飛ばして泣き続ける。
 ラドルフマレカル少将は岡村一美から戒めを全部外して腋を鉄棒から抜いて抱き上げる。そのまま拷問椅子に運んで乗せる。
 乳首のクリップはそのままである。
 躰を完全に縄を使って固定する。手首を椅子の後ろに回して縛り合わせる。膝を拷問椅子の脚乗せに厳重に縛り付ける。
 股間は百二十度に開いている。内股まで鞭の蚯蚓腫れが奔って無残である。
 ラドルフマレカル少将はドリルバイブを持ち出し構えている。
 「少し気持ちよくしてやる」
 「ああ。それは」
 岡村一美はこの責めをもう何回か受けている。失神も経験した。今はどうなっても痛みよりましである。複雑な感情で受け入れてしまう。
 ラドルフマレカル少将はローションを指に付けて岡村一美の膣に塗りこむ。ドリルバイブを腰に抱えて岡村一美の股間の前に立つ。
 「どうだ。私のと同じ大きさに作った擬似ペニスだ」
 そう聞いて岡村一美はその太さ大きさに慄く。
 ラドルフマレカル少将はその先端にもローションを掛けて岡村一美の女に挿入する。
 「あ、うう。ああーー。ううーー」
 岡村一美は太過ぎる擬似男根の侵入に少しだけ呻く。
 これまで散々隊員らに責められてこの太さでも大きな違和感はない。七年前だったら絶対に受け入れられなかった筈である。
 岡村一美は乳首のクリップを恐れている。既にこの痛みを知っている。
 そして取る時以前に今でもかなり痛い。さらに鞭の痕の痛みが全身を支配している。
 スイッチが入ると岡村一美は抵抗なく官能に堕ちて行く。
 「ああうううーーーーーーーーーーーーん。ああーーーううーーーーーーーーーー。ああううーーーーーーーーーー。あうううーーーーーーーーーー」
 頭を後ろに反らせ天井に向けて大口を開けて官能の声を上げる。
 股間はローションに膣液が混じって白い半透明の液でドロドロ状態である。
 長い監禁生活に岡村一美の精神は麻痺している。最初は救出の希望も持っていたが吉岡理穂らの救出作戦も寸前で失敗に終わった。
 岡村一美と小林由美子は日本のマスコミとS国で合流する寸前に娼国の手が回ってS国警察に逮捕され娼国に引き渡された。
 (女衒の國その十三 女躰拷問挽歌滾る 参照)
 今は絶望だけが総てを支配している。SMの生贄にされるのは月に二回だけ。日本のテレビは鉄格子の中に繋がっている。
 鉄格子の中だが風呂には毎日は入れる。食事は希望を聞いてもらえる。アルコールも許される。スタイリストと医師が躰のケアもしてくれる。
 いつかドリルバイブの究極の官能も成されるが侭になる。そしてむしろ受け入れる様に成っていた。
 岡村一美は乳首を抓まれている痛みと全身の鞭の痕がひりつく痛み。これから逃れるべく官能に身を任せるようになる。
 責められるが侭に上り詰め失神してしまう。
 逝き声が止み震撼していた躰が拷問椅子に沈む。しばらく虚しくドリルバイブだけが動いていた。
 ラドルフマレカル少将は計っている時間の余裕を見て岡村一美を剃毛する。
 前に受けたと思われる剃毛から生え揃ってはいるが陰毛はまだ柔らかい。
 直ぐに剃り終わってしまう。白い肌に剃った陰毛の下は赤が強い。艶めいた女の部分を点検しながら岡村一美の躰の美しさを鑑賞する。
 二時間をぴったり計ってビンタで起こす。
 岡村一美は目を薄く開いて辛そうな表情でラドルフマレカル少将を見る。
 既に戒めは解かれ床に寝かされていた。
 「さあ。その乳首のクリップを取ろう」
 死刑宣告の様な言葉である。取った時の激痛はとても堪えられるものではない。取らなければ取る時の痛みが抓んでいる時間だけ増すだけである。
 抓まれていた筋肉が戻る痛みは今抓まれている痛みの数十倍である。
 岡村一美の手は震えている。それでも両方一緒に掴もうとする。
 観念したようにきつく目を瞑り一挙に掴む。そして床に堕とし両手で乳房を押さえて向き直って膝を付き蹲る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 床を拳で叩き涙を振り飛ばす。躰を右に左に転がして痛みに悶えサイレンのごとく悲鳴を上げる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ごおーーーーーーーーーーーー」
 ラドルフマレカル少将はその岡村一美の躰を床に押し付け股間を広げる。躰を被せて岡村一美の女に挿入してしまう。
 両方の乳房を掴んで揉みながら腰を動かす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡村一美は膣に大きな物を受けながら乳房の痛みに藻掻き悲鳴を搾り出し続ける。
 「ああはあーーん。ああはああーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーん」
 痛みとラドルフマレカル少将の烈しい責め。揉まれる事によって痛みが緩みだしたころ岡村一美はもう一度失神する。
 意識を戻した時は湯船の中である。ラドルフマレカル少将の腕の中で躰を弄られていた。
 「もうそんなに痛くないだろ」
 言われる通り痛みは軽微に成っていた。
 「は、い」
 岡村一美はもどかしい返答を返す。
 「お前は日本には帰れない。私の女になれ」
 「・・・・・」
 咄嗟に何も答えられない。
 「新井枝里が今どうしているか知っているか」
 「いいえ。どうしていますか。日本で拉致されて娼館島に入ってまもなく居なくなりました。その後の消息は誰からも」
 岡村一美もずっと気に成っていた事である。
 「T市の日本人居住区のメイドやR国の警察組織員が住む別区画に軟禁状態にされている。滝澤沙緒里に関連した処置らしい」
 「一人で」
 「いいや。内山莉緒警部補、木村史乃警部補の二人と一緒だ」
 「沙緒里さんと一緒にR国に入った人達ですね」
 「そうだ。正確には内山莉緒警部補が滝澤沙緒里と一緒にこの国に侵入した。木村史乃警部補はその後で消息を追ってきたのだ」
 「私をどうしようと言うのです」
 「私の家に来てほしい。軟禁になるが今の鉄格子の中よりは快適だぞ」
 「今日の様に毎日SM拷問されるのでしょう」
 「毎日はない。私もそんなに家に戻らない。SMは月一回だ。今日のようなハードはしない。ほとんどSEXだけだ」
 「・・・・」
 今より楽なことは感じ取れる。
 外に連絡が取れない。買い物は執事に頼む事になるがほぼ自由。家は広い。庭もある。一人で敷地外には出られない。そんな条件が説明された。
 日本のテレビも見えられる。インターネットもアクセスは出来る。だが発信は一切出来ない。仮想ディスプレイである
 岡村一美は今より良いと承諾した。
 
 台風がこの年も日本の太平洋側を猛烈に襲った。二年前も台風のあと大規模停電になった。送電設備は強化されていたが今年も大被害になった。
 それでも娼国の進出した姉ヶ崎ニューシティは何の被害もない。停電対策も万全であった。
 温暖化が進んで台風や豪雨の被害が進んでも地震、津波にも影響が無い。世界が求めるとは別の温暖化対策である。
 五十階建てを二列姉ヶ崎から木更津の手前まで続いている。その真ん中を新交通システムが走る。
 二十階の高さから遠くを見ると片側は東京湾。僅かに豪雨と暴風の跡が確認出来る。もう片側は多大な被災の現状である。
 それでも姉ヶ崎ニューシティは日常のまま動いている。
 一部下層階の家族向け棟に被災者を収容した。
 娼国のホテルで葛城義和は滝澤沙緒里と湯に浸かっている。浴室に設置されたモニターから日本の放送を見ている。
 「R国は日本より軟弱な住宅がまだ多いでしょう。台風に直撃されたら」
 「だから各市でニューシティを拡大している。いまでも下層階には空きがそれなりにある。総ての市民を収用出来る体制にする筈だ」
 「日本より防災体制は完全になると言うこと」
 滝澤沙緒里の躰は湯の中で葛城義和の腰の上である。脚は開いて腿の上を跨いでいる。葛城義和のさおは下から女の部分にめり込んでいる。
 「問題はなかなか現在の住居を離れないことだ」
 葛城義和の片手は滝澤沙緒里のクリを責めている。もう片手は体型の割にボリュームのある乳房を掴んでいる。
 「そこまで住民を護らなければならないの」
 滝澤沙緒里は成されるが侭である。だが葛城義和の住民を護る姿勢が以外であった。
 「大切な生産力だ」
 葛城義和は滝沢沙緒里とただ躰を繋いだ状態でクリトリスと乳首をじんわり責めるだけである。
 
 真紀子は南の島に入って鉄格子から生駒莉奈元二等海尉を引き出す。
 拷問に掛けるのである。
 鄭淑徳少将とその部下を数名伴っている。
 「なんですか」
 生駒莉奈元二等海尉は既に恐々と怯えている。
 「少し聞きたい事があるのよ」
 真紀子は意味深に哂っている。露天風呂の会話で少し気に成った事柄である。それを拷問で確かめたい。
 四階の拷問部屋に連行する。
 鄭淑徳少将の指示で隊員が生駒莉奈元二等海尉のバスロープを取る。手首を縛り合わせ天井の滑車から伸びたフックに引っ掛ける。
 生駒莉奈元二等海尉は騒いでもどうにもならない。ただ怯えるだけである。
 爪先立ちに成るまで吊るした縄を引き上げる。
 脚の線は綺麗である。腰は大きくないスマートな体型が一文字に天井から張られている。
 ショーツも脱がす。
 生駒莉奈元二等海尉は顔を背けて堪える。
 股間には隙間がある。余分な肉はない。重ね合わせて閉じた女の部分の粘膜の先端が股間部に確認出来る。綺麗な全裸である。
 「細野英二二等海将と警察官房席付稲村雄二警視長が姿を消したわ。自衛隊の一部が協力して我々の工作員の包囲網を逃げたのよ」
 真紀子の言葉に生駒莉奈元二等海尉は表情を凍らせる。
 「細野英二二等海将の他にも貴方々を此処に潜入させるのに関わった分子が居るはずよ」
 「知りません」
 「拷問よ」
 真紀子の声は心の底に突き刺さる。
 「そんな!知らないのです」
 生駒莉奈元二等海尉はさらに表情を凍らせる。
 「そう。でもやるだけやって確認するのよ」
 真紀子は冷たく言い放つ。
 真紀子は鄭の部下から一本鞭を受け取る。
 雪の様に白く弾力のある乳房に狙いを定める。真横に薙ぐように打ち付ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 受けた反動で生駒莉奈元二等海尉の右脚の膝が身を庇おうと反射的に跳ね上がる。
 容赦なく二打目を叩く。
 乳首と乳房に直撃する。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーー」
 最初に叩いた所から蚯蚓腫れが浮く。
 容赦なく同じ所を叩き続ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉の躰は痛みと叩かれた反動で暴れる。真紀子はその乳房と太腿を狙って叩き続ける。
 蚯蚓腫れが赤紫の筋になり皮膚が割れる。生駒莉奈元二等海尉の乳房は無残に鞭の傷だらけである。
 真紀子は救急箱から古いタイプの薬瓶を取り出す。
 「これは昔からある液体絆創膏よ。貴方の皮膚を壊したりはしないわ。でもこのタイプは物凄く沁みるのよ」
 真紀子は手に流して左の太腿に擦り付ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーあーあーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉は大口を破裂させて強烈な悲鳴を上げる。
 「何そんなに喚いて。自衛隊の隊員でしょう。これは沁みるけど貴方の皮膚をちゃんと護ってくれるのよ」
 生駒莉奈元二等海尉の躰は震えている。
 「うう。うう。うう」
 真紀子はさらに手に掛けて左の乳房に塗りつける。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉は般若の形相で叫び続ける。
 「さあ。何か思い出したことはない」
 「知らないのです。本当に!」
 生駒莉奈元二等海尉は悲鳴の様な声で答える。
 「そう。全部塗りましょうね」
 「ああーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉の躰は悲鳴を上げて後ろに仰け反る。
 真紀子は容赦なく右の乳房に塗りつける。
 泣き喚く生駒莉奈元二等海尉の躰を鄭の部下に押えさせる。左の太腿に流し内腿の柔らかい皮膚に塗り付ける。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉の悲鳴は止まらない。
 「大丈夫よ。貴方の皮膚は綺麗に治るわ。これから刺青のお好きなアメリカの将軍の玩具に提供するのだもの。大切な躰よ」
 生駒莉奈元二等海尉は既に真野枝里名警部補の仕打ちを録画で見せられている。恐れ慄き続けるだけである。
 そして沁み続ける痛みに躰を捩って藻掻く。
 「何か話したら痛み止めを注射してあげる。でもまあ。そのままでも数時間の苦しみよ」
 生駒莉奈元二等海尉は引き攣った表情で真紀子を見る。
 隊員らが縄を解いて元の鉄格子の部屋に連れて行く。
 代わりに真紀子は田村眞子二等海尉の房に向かう。
 たった今生駒莉奈元二等海尉が隣の房に戻されて来た。壮絶な苦しみに藻掻き堪える情況である。
 田村眞子二等海尉は拷問の恐怖に震える。
 「でも貴方は葛城先生の方が良さそうね。じっくり思い出しておいて。細野英二二等海将の他にも貴方々の此処に潜入に関わった分子が居るはずよ」
 真紀子はそう言い残して鉄格子の前から去る。
 葛城義和が戻って来るまで恐怖に震える時間も苦しめる目論見に入っている。
 
 台風で上野愛菜三等空尉らの潜水艦での出発は一週間遅れた。
 吉岡理穂の報告に習って現地弁護士に調査を依頼した。その結果を踏まえて一行は出発することと成った。
 再び奈良県天川村から峠を一つ越えた孤立集落。古い農家での会議である。
 吉岡理穂らの居場所が報告された。
 その情報に一同は驚愕した。
 「娼国よりこっちが問題です」
 上野愛菜三等空尉はこっちの救出を主張する。
 「これは娼国の南の島より難しいです」
 細野英二二等海将はやや難色を示す。
 「D川を途中まで潜水艦で進入します。その先は小型潜航艇で進めば限りなくT市に近付けます」
 「問題は市内でしょう。隠れる方法がありません」
 「どこかの民家を買い取れませんか」
 「それは危険だ」
 大高貞夫は言下に反対する。
 「やはり何らかの事務所を進出させるのは」
 「それをやって前回ばれた。現実に営業しないと危険だ」
 大高貞夫は慎重である。
 「トラックかキャンピングカーを調達するのは」
 「吉岡さんの資料にあるように車の移動が殆ど無い。決まった流通のトラックしか通らない。滝澤沙緒里らが逃亡して以来検問も厳重だ」
 「トラックでも危険と」
 「その場で逮捕にならなくても目を付けられる」
 「小型潜航艇でD川を登ってT市の手前でテントを張るしかありません」
 「T市のラブホテルを利用するのは」
 「バラバラで行けば判らないかもしれない」
 「しかし今の情況では男女比が」
 「風俗を呼べば怪しまれないのでは」
 「そう簡単には行くまい」
 吉岡理穂の資料をさらに検討した。その結果D川を潜水艦で行って敵の艦に遭遇する危険も考慮しなければ成らないとの見解が出た。
 夜まで議論は続いたが一夜泊まって翌朝から再検討になった。
 
 T市の滝澤沙緒里の住居でまったり過す葛城義和に真紀子から呼び出しが掛かった。
 迎えに来たヘリで娼国に向かう。
 其処では南の島第五棟の四階に会議席が設けられ田村眞子元二等海尉の拷問の準備が出来ていた。
 会議席には真紀子の他に北側から湯野中、指宿五十八、柿崎一行が来ていた。
 鄭淑徳少将とその部下が田村眞子元二等海尉を鉄格子から連れ出して来る。
 田村眞子元二等海尉は怯え切っている。葛城義和にもう二回も拷問された。宴会場でもコンパニオン等から凄惨な拷問を受けた。
 そして日本の刑務所より待遇は良いと雖も鉄格子の暮らしが精神力を弱くさせる。
 それほど窶れてはいない。鉄格子に入れられていてもスタイリストがケアをする。
 田村眞子元二等海尉は臨時会議室に成った拷問部屋に入った。葛城義和を真正面に見て怒りと恐怖が込み上げる。
 コの字型に配置された机の開いた正面に椅子が置かれている。田村眞子元二等海尉はそれに高手小手に縛られて座らせられる。
 「躰の調子はいかがですか」
 葛城義和がやんわり確認する。
 「はい。医師とスタイリストと警備の方が親切にしてくださいますので今のところは大丈夫です」
 田村眞子元二等海尉は震えた声で答える。
 それでも警備員の親切には感謝していることを忘れない。
 「そうですか。それは何よりです。今日は少し情報を提供していただけませんか」
 「お話出来る事は全部白状しました」
 さらに田村眞子元二等海尉の声は震える。
 「どうでしょう。細野英二二等海将以外に貴方々のこの国への潜入に関わった関係者が居ませんか。又はその深い関係者とか」
 葛城義和は説明しながら後ろに動画を放映する。真野枝里名元警部補のT市での実態である。
 田村眞子元二等海尉の表情は点に成る。
 「ああ」
 悲鳴を漏らす。
 「どうでしょう。協力してくれましたら、こんな場所への派遣と刺青を免除しますよ」
 葛城義和はやんわり条件を突き付ける。
 田村眞子元二等海尉は深刻な表情になる。目を伏せて考える。
 「良く考えて。何故貴方達は風俗嬢に化けてまでこの国に潜入したか。何がそんな決断をさせたの」
 今度は真紀子がゆっくり囁く。
 田村眞子元二等海尉は最早これ以上の責めを逃れたい。だが、思い当たることは無い。
 「此処で処刑された男性隊員以外に関わった人は知らないのですが、私と同じ説明を受けた女性隊員が居ました」
 「それは誰ですか」
 「上野愛菜三等空尉です」
 「航空自衛隊か」
 「即刻身辺を調べましょう」
 柿崎一行は部屋を出て日本に居る部下に連絡を取る。
 鄭淑徳少将も部屋を出て娼国の工作員に連絡する。
 「彼女どうする」
 真紀子は葛城義和に田村眞子元二等海尉の対応を確認する。
 「情報はこれだけでしょう」
 「その様ね」
 「あと大高に利用された現実を悟らせる事です」
 「判ったわ」
 真紀子も納得する。
 田村眞子元二等海尉は身の安全の為とは言え一線を越えて既に裏切り行為に進んでしまった。
 死を覚悟していても度重なる拷問はことごとく田村眞子元二等海尉を追い詰めたのである。
 「貴方は疑問を感じませんか。風俗を非難する面々が貴方を風俗嬢にしてこの国の調査に潜入させる」
 「それは私達がそうするしかないと判断したのです」
 「そう判断するように置かれたとは思いませんか」
 「そんなことは」
 田村眞子元二等海尉の否定する言葉は既に弱い。
 「用心深い大高らには、あなた方がこの国に潜入して今の情況になる事は予期出来ていた筈です。そしてその結果の通りに成っているのです」
 「・・・・・・・・」
 田村眞子元二等海尉は返す言葉を失っている。
 全裸で高手小手に縛られ拷問目前の情況がさらに抵抗する意識を失わせる。
 「あなた方が次のグループの手で助け出されて此処での現状をマスコミに告発させる事が目的だったのではないですか」
 田村眞子元二等海尉の脳裏にはこれまでが様々と巡る。目の前の葛城義和の存在に納得が行くわけではない。
 だがその指摘内容にこれまでのことへの疑問が広がってゆく。
 「分からないの。この国の風俗業をいくら摘発しても国際問題にはならないのよ。批判半分宣伝効果半分よ」
 「でも捕らえられてSM拷問されている仲間の存在が明らかになれば」
 田村眞子元二等海尉らが日本から来た目的の根幹である。
 「だからそれを以前に奪還しようとして失敗したでしょう。吉岡理穂とか。そのときも大高は関わっている筈よ」
 「その代わりに君らで証拠を創る」
 「そんな」
 田村眞子元二等海尉に反論はそれ以上続かない。
 「あなたはこの国で働く風俗嬢の生の怒りを聞かなかった」
 「・・・・・・・」
 それは田村眞子元二等海尉には二重のショックであった。
 「まあ。一日考えてもらってはどうでしょう」
 葛城義和の言葉でその日は打ち切られた。
 田村眞子元二等海尉は誰も居ない五号の房に移された。此処では日本のテレビ総ての地上波が見られる。
 小林由美子が収監されている6号と同じ条件になった。
 日本のテレビを見せるのが目的である。
 それでも田村眞子元二等海尉は売春撲滅のために戦うべきと決めた。それには説得に応じてその後の行動を考えるべきと思った。
 確かに大戦末期の予備将校らのように利用されているかもしれない。それでもこの国の中だけではなく日本にまで売春が入って来るのは撲滅したい。
 そうでなければ此処まで自分を犠牲にしたのが報われない。
 
 翌日、日本在住の工作員からの報告が柿崎一行から真紀子に報告された。
 「上野愛菜三等空尉の所在が掴めません」
 「既に行動を開始して姿を消したのね」
 「その様です」
 「葛城先生に報告して下さい」
 「かしこまりました」
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の家に居た。
 田村眞子元二等海尉の件で相談がてら少し愉しみに来たのである。
 滝澤沙緒里の方が良い女である。それでも葛城義和は出水茉里元巡査部長を責めたくなる。
 出水茉里元巡査部長は葛城義和に此処に解放されて以来指示されている際どい姿で出迎えた。
 「今日はどうしたいのですか」
 出水茉里元巡査部長は葛城義和の愛人と成ってホテルと温泉旅館の女将をしている。葛城義和の出資だが、徐々に出水茉里元巡査部長の物に成りつつある。
 それ以来葛城義和には従順なM女に成っている。
 「今日は少しハードにさせてくれ」
 「うん」
 出水茉里元巡査部長は本来Mではない。それでも葛城義和の要求に応え続けている。
 葛城義和はそのままベッドに押し倒して唇を貪る。
 一気に乱暴に服を脱がしてしまう。
 股間を広げて女の部分を開く。そして入念に点検する。
 「ああ。どうしたの」
 指を突っ込む。膣の奥を掻き回す。両手の指を動員して膣口を広げる。
 「汚れを探している」
 「駄目よ。洗ったばかりだから」
 出水茉里元巡査部長は直前にシャワーを使った事を告白する。
 「君の汚れが見たいのだ。次は洗わないでくれ」
 「私をとことん辱めたいのね。うん。判った」
 出水茉里元巡査部長は理不尽でも納得する。
 葛城義和はクスコを取り出して膣を広げる。
 「・・・・・・・」
 出水茉里元巡査部長はじっと葛城義和の手を見ている。
 葛城義和は電動歯ブラシ型の小型バイブを取り出す。
 「指でいいよ」
 「この方がとことん絞りだせる」
 さらに電流責めの準備をしている。
 「ああーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 膣の奥に強烈な責めで出水茉里元巡査部長は一気に潮を噴き上げる。
 葛城義和は潮を被りながら尿道の亀裂から飛び散る潮をじっくり眺め続ける。
 「ああーー。はあーーーーーーーん。あーーーーーーー。あーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 とことん搾り出す。結構な量が噴き出て股間部分は水滴に濡れて綺麗である。陰毛も一部濡れそぼって艶めいている。
 「いいよ。綺麗だよ」
 「こうして私を遊んで満足されますか」
 「ああ。とってもいいよ。君の痴態のあらゆる姿が見たい」
 そう言って葛城義和は欲望の限り唇を貪る。出水茉里元巡査部長もその激しさを納得して受け入れる。
 葛城義和は電流責めの準備をする。
 両方の乳首に小さめのクリップを付ける。それにトランスから繋いだ鰐口クリップを接続する。
 出水茉里元巡査部長はやや慄いた表情である。
 つまみを回して電流を流す。
 「ううーー。はあ。ううーーー。うーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長の表情は歪む。
 さらに電圧を上げる。
 「ああーー。ううーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長の表情はやや恍惚に成る。
 葛城義和はその出水茉里元巡査部長の女に挿入する。
 痛みに震える躰への挿入である。
 恍惚の表情に呻き続ける姿と躰の震えが葛城義和に強烈な官能を誘う。
 「もれちゃう。もれちゃいます」
 葛城義和は容赦なく抱き続ける。
 僅かな尿が接続した部分を濡らし始める。出水茉里元巡査部長の躰も膣も震え続けている。
 葛城義和は静か官能を味わいながらじわじわ果てる。とても気持ちが良い。
 終わって電流を止めると出水茉里元巡査部長の股間の下はマットが大きな染みを作り、女の部分からは情液が流れている。
 出水茉里元巡査部長はぐったりして動けない。
 クリップを外して乳首をマッサージする。
 「気持ちよかった」
 出水茉里元巡査部長は疲れた表情で確認する。
 「凄くよかったよ」
 「そう。それなら」
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の躰を抱き上げもう一つのベッドに移す。もう一度唇を貪る。
 出水茉里元巡査部長は力なく葛城義和の体に抱きついている。そのまま暫く静かな時間を過ごす。
 そこに柿崎一行から連絡が入る。
 「実は上野愛菜三等空尉の所在が掴めません」
 「うん。他に日本で大高に関連した動きは」
 「今のところ何も掴めていません」
 
 もう一度生駒莉奈二等海尉が鉄格子から引き出され四階の拷問部屋に連行された。
 「田村眞子元二等海尉はある程度白状したよ。貴女の知っている事を白状しないと今日は許さないよ」
 真紀子は厳しい表情である。
 拷問椅子ではなく三角木馬が準備されていた。
 隊員がまず高手小手に縛る。
 生駒莉奈元二等海尉は真紀子の言葉に震えている。
 誰よりも副主席の北嶋真紀子が怖い。元日本の総理葛城義和は後ろのソファーにどっしり座っている。
 「さあ。この三角木馬は貴女の一番敏感なお○○こを血みどろにするのよ」
 真紀子は三角木馬の頂点を指差す。
 一メートル四方の鉄板の台に直径十センチのアームが立ち、その上に底辺が二十センチ高さ二十センチ奥行き一メートルの三角木馬が載っている。
 その頂点は金属である。高さ一センチ位で僅かに削られ鑢が掛かっているがほぼ尖っている。
 この三角の台座を跨ぐと女の部分に全体重が掛かる。
 隊員四人が蒼い表情で恐怖に震える生駒莉奈元二等海尉の躰を持ち上げこの台座に載せる。
 「ううーーーーー」
 乗せられるだけで苦しい。
 さらに生駒莉奈元二等海尉の両方の乳首にトランスから繋がった鰐口クリップを装着する。
 「この上で電流責めよ。どうなるか判る」
 真紀子の口調は極めて冷たい。
 生駒莉奈元二等海尉はただ震えるばかりである。何を言っても無駄と判っている。
 隊員がツマミを回してスイッチを入れる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三角木馬の上で躰は軋む。
 生駒莉奈元二等海尉は動かないよう躰を硬くするが揺れ動いてしまう。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに生駒莉奈元二等海尉の躰は三角木馬の金属の頂点をスライドする。僅かな動きでも敏感な粘膜である。
 「ぐうー。ううーーー。ぐううーーーーーーー。うーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーー」
 スタンガン並みの電流の痛みは乳首と局部を同時に襲う。生駒莉奈元二等海尉の躰は震え揺れ続ける。
 「うっぐうーーーーーーーーーー。うぐうううーーーーーーーーーーーーーー。うぐぐううーーーーーーーーーーーー」
 顔は汗を噴き究極の痛みに歪み続ける。
 「くるしむ顔とても綺麗よ。もっと責めましょうね」
 生駒莉奈元二等海尉の歪む表情は美しく加虐心をそそらせる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーー。ぐうーーーーー。ぐうーー」
 生駒莉奈元二等海尉は簡単に洩らしてしまう。
 失禁を見て一時電流を止める。
 「あはあ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 隊員四人が生駒莉奈元二等海尉の躰を持ち上げ三角木馬の失禁部分と女の部分を拭く。
 「まだ斬れてないね。もっと責めましょう」
 真紀子は生駒莉奈元二等海尉の神経を抉るように言葉を投げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉は堪らない悲鳴である。
 「何かしゃべる気に成った」
 「・・・・・・・・・・・」
 生駒莉奈元二等海尉には答え様がない。
 隊員ら四人で生駒莉奈元二等海尉の女の部分で三角木馬の頂点をきっちり咥えさせる。尿道口と会陰が三角木馬の金属の頂点に乗っている。
 隊員はツマミを回して電流を流す。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉の躰は一気に震撼する。
 「斬れると数日痛いよ。今のうちしゃべったら」
 真紀子はしゃべらないと分かっていて詰る。
 「なにもしらないよーーー。がああーーーーーーーーーー。うがああーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉の躰はさらに強く震撼する。顔の表情は破裂している。
 適度に一旦電流を切る。
 「ううーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉奈元二等海尉は三角木馬の上で躰を硬くして痛みに堪える。
 「どうやら敏感なところが斬れた様ね」
 真紀子は冷たい笑いを浮かべて呟く。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 生駒莉奈元二等海尉は傷みに躰を絞るように固くして苦しい表情で真紀子を見る。表情には怒りより恨みが強い。
 「斬れただけじゃないのよ。これからが悲惨よ」
 真紀子の表情に淀みはない。脅しではない。その通り実行する姿勢が確認できる。隊員らも真紀子のやり方を充分理解している。
 隊員らがキャスターの付いたバスタブを運んで来る。
 「これはお湯じゃないのよ。濃い食塩水」
 生駒莉奈元二等海尉はこれに浸けられた痛みに怯える。
 敏感な粘膜が斬れている。今のままでも相当に痛い。
 隊員らは四人がかりで生駒莉奈元二等海尉の躰を三角木馬から降ろして躰を抱えてバスタブの上に持って来る。
 「さあ。話す気になった」
 「何もしらないですーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーー」
 「駄目よ」
 真紀子が合図する。四人で抱かかえたまま生駒莉奈元二等海尉の腰の部分だけ食塩水に浸ける。
 「あ、あ、あーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しさから搾りだす悲鳴とともに躰は強烈に暴れる。
 しばらくして引き上げる。真紀子がタオルで股間を拭く。
 「どう。何か思い出さない」
 真紀子は意味深な笑顔である。
 「ううーーーー。うう。うう。いいたいいーーーーーーーー」
 最早、生駒莉奈元二等海尉は痛みに如何ともし難い。
 真紀子も状況を見て一度湯に浸ける指示をする。今度は湯の入ったバスタブを運び込む。それを待つ間も生駒莉奈元二等海尉は異常に藻掻き苦しむ。
 隊員四人がかりでバスタブに浸ける。
 生駒莉奈元二等海尉はそのまま股間を押さえて浴槽に蹲る。
 痛みに躰は震えている。
 直ぐに医療チームが呼ばれた。
 傷口から少し菌が入ったと診断され抗生剤が投与された。医師の判断で翌朝まで寝かせて様子見となった。点滴も投与された。
 生駒莉奈元二等海尉は明け方目を覚まして魘され続けた。
 何か思い出して情報を提供しないとこのまま拷問が止まらない。殺されるかもしれない。それでは任務が遂行出来ない。
 だが提供出来る情報は持って無い。何かを思い出そうと出発前を振り返る。
 あの恐ろしい女の拷問が待っている。
 何か話すことを見出さないとならない。田村眞子元二等海尉は苦しみの末に上野愛菜三等空尉の存在を思い出したに違いない。
 生駒莉奈元二等海尉は悶々と記憶を辿り続けた。
 
 酒井美紀子や上野愛菜三等空尉他二名の男性隊員でR国国際空港に降りた。名簿などから出発寸前に上野愛菜三等空尉の写真等をすり替えた。
 娼国の工作員とR国の柿崎一行の部下らはこれで上野愛菜三等空尉の所在が掴めなくなった。
 パスポートは別人で写真だけが上野愛菜三等空尉である。
 潜水艦はR国沿岸の海底に待機と成った。小型潜航艇はD川を途中まで上る。其処で二艇が交代で待機する。
 酒井美紀子や上野愛菜三等空尉他二名の男性隊員は現地法人と現地工場見学調査の目的で渡航の承諾を得た。
 そして不動産会社とも渡りが付いた。調査を依頼したM国の弁護士の紹介である。
 四名は現地法人を設立して工場を進出する調査団の名目である。実際に法人を設立する。今後の調査拠点の目的である。
 R国国際空港からは現地の法人が所有するヘリでT市に向かう。
 「T市の方に繋がる道は一本だけです。大型トレーラーが時々通るだけです。乗用車はまったく通りません」
 現地法人の担当者が語る。
 「この道では長時間走るのは」
 酒井美紀子は道路状況の悪さに絶句する。
 「乗用車を使うのは市内の中心部だけですね」
 「やはり都市間の移動が無いのですね」
 「無い様です。私共も空港とT市のヘリ移動だけです。最近D市とT市の間でミニ新幹線が繋がりました。日本企業専用ですが」
 「現地の人は乗らないのですか」
 「まず開放していません。都市間を移動する現地の人は軍人だけです」
 「旅行とかしないのですか」
 「ツアーの海外旅行以外は有りません。この国に観光地という概念がありません」
 「日本から来る人は」
 「観光でですか」
 「はい」
 「買春目的以外では。それも個人では娼国かS市、TS市のみです。それ以外のところには行く手段がありません」
 「外国企業の方々は全部ヘリですか」
 「そうです。市ごとに何社かでシュアしています」
 「パイロットはどこかの会社が」
 「パイロットを派遣する会社に共通でお願いしています。この国では国の許可した会社のパイロットしか飛ぶことが出来ません」
 酒井美紀子らは一瞬ぎくりとした。パイロットから自分等の訪問が報告されることは想定出来る。
 酒井美紀子や上野愛菜三等空尉他二名の男性隊員はT市の湖水に面したホテルを避けて日本人居住区の外でホテルを見つけて逗留した。
 男性隊員二人で秘宝館らしき施設に向かった。
 中を一通り歩いて女躰に触れるコーナー等怪しまれないように遊ぶ姿勢で回った。
 だが弁護士の情報に有った真野枝里名元警部補らが展示されていると思われるコーナーは見つからなかった。
 施設を出て客に確認したところ娼国とR国の軍人、警察員専用の区画が有って其処には一般の日本人は入れないとのことであった。
 四人は男性のシングルルームに集まって会議を開いた。
 「弁護士の調査結果では六人がこの施設に出されていると成っています。彼女らが客に出されていない時には何処に置かれているかです」
 酒井美紀子は奪還方法を考えている。
 「近くに建物が見張れるファッションホテルが有る。そこで交代で見張るしかない」
 「工場見学もあります」
 上野愛菜三等空尉は現地法人との予定も有ると確認する。
 「もし建物から出るとしたら夕方でしょう。見学の後で見張れば何か掴めるかもしれない」
 「そうですね」
 上野愛菜三等空尉も納得する。
 「でもいま奪還出来たとしても脱出ルートが問題です。細野英二二等海将からは小型潜航艇でT市まで潜っては行けないと連絡がありました」
 「ヘリを奪って上野三等空尉の操縦でD川の分岐まで行くしかないな」
 「T市から其処まで撃墜されないで行けるかです」
 「山越えの道は確保しました。その方が辛くても無難です」
 もう一人の男性隊員は山越えを主張する。
 「どっちにせよ最後の手段よ。大高氏の指令は此処に営業所を作って彼女らを奪還して隠す所も用意する。その後輸出荷物に紛れて脱出させるよ」
 「潜航艇で近付けないと判ると万一の脱出方法も必要です」
 男性隊員が主張する。
 「そうですね」
 酒井美紀子も万一の脱出手段の検討には同意する。
 
 生駒莉奈元二等海尉の恐れていた続きの拷問はいまのところない。鉄格子の中で平穏な日々が続いていた。
 田村眞子元二等海尉は鉄格子から連れ出されて数日戻って来てない。
 真紀子と葛城義和が相談の上で田村眞子元二等海尉は柿崎一行に預けることと成った。
 柿崎一行のR国での住居はTS市である。空港に近いので軍の警備が付いた。
 真紀子と葛城義和は大高の手先が彼女らを奪還に来ることを予期して居場所を分散した。懐柔できる者は懐柔する方針である。
 そして守りをT市秘宝館に集中する事となった。
 田村眞子元二等海尉は柿崎一行が葛城義和と一緒に行動していたのを覚えている。自ずと警戒心は強くなる。
 TS市の海に面した高層ビルである。半分居住用だがR国北の様々な極秘機関が入っている。
 工作員を日本他に潜入させる本部でもある。
 柿崎一行とその部下共々ヘリで屋上のポートに降りる。
 田村眞子元二等海尉が移されたのは柿崎一行と内部のドアで繋がった高層階の3LDKである。
 その隣も事務室兼当直室に繋がっている。
 「此処が君の部屋だ。外出は出来ないが南の島よりは快適だ」
 「窓が有るのですね」
 「はめ殺しだ。インターネットも閲覧のみ出来る。テレビも繋がる」
 「発信は何も出来ないのですね」
 「その通り。買い物は隣の事務室に頼んだらやって貰える。生活補償費は月額十万支給される」
 「拷問は」
 これまで月二回他の仲間も同じ様に隊員他にSMの餌食にされて来た。
 「年間十二回私の玩具だ。だが一ヶ月に一回ではない不定期だ。日本に行く時が多いからな」
 「半分に成ったの」
 「君の対応次第で生活補償費の他に俺から小遣いも出す」
 「生駒莉奈二等海尉はどうなったの」
 「あいつはあのままだ。そのうち真野元警部補らと同じ運命だ」
 「そうですか」
 「君はまだどう転ぶか判らない。だから私が預かる事に成った。場合によっては真野元警部補らと同じ運命になる場合もある」
 「ああ」
 田村眞子元二等海尉はあの鉄格子よりは此処の方が楽ではある。だが僅かに事態が変化したに過ぎないと思った。
 「服を全部脱げ。それは移動用だ」
 「それじゃ裸で生活」
 「それでは事務の者たちが困る。洋服ダンスにそれなりに入っている」
 柿崎一行は洋服ダンスを開きスーツ類を見せる。さらに引き出しを引いて下着類の存在も見せる。すべて新品で包装のままである。
 「判った」
 田村眞子元二等海尉は仕方なく服を脱ぐ。これまで散々裸を見られた男である。いまさら隠す理由もない。そして今は従った方が無難である。
 その間に柿崎一行は大道具を運び込む。
 分解されていて部品ごとに運び込む。隣からスタッフに渡されるがスタッフを中には入れない。
 面白い大道具である。
 机が運び込まれる。机の下にドリルバイブの本体が埋め込まれている。机の真ん中に開いた穴から僅かに出たドリルバイブのアームに擬似男根を接続する。
 机は横に広い。左右の先端にはフックが埋め込まれている。さらにドリルバイブの左右やや離れてまたフックが埋め込まれている。
 そして机はドリルバイブの後ろに四角い切込みがある。この切り込みに十センチ角の柱を建てる。
 机の足元と台の裏の金具に柱をボルト四本で留める。
 さらにこの柱に十字架の様な横柱をL時金具とボルトで接続する。
 田村眞子元二等海尉は素直に全裸になって手で乳房と女の部分を隠して立っている。その手を引いて組み立てた大道具の前に連れてくる。
 「いまさら隠すなよ」
 「それだって」
 「恥ずかしいか」
 「恥ずかしいよ。これなに」
 「お前をとことん淫女にする道具だ」
 「淫女?これで」
 田村眞子元二等海尉にはただ拷問道具にしか見えない。
 柿崎一行は田村眞子元二等海尉にドリルバイブを跨がせて挿入させる。腰を縄で後ろの柱に固定する。
 続いて両手を広げさせ十字架に手首と肘の二箇所で縛って固定する。
 右脚の脚首に縄を掛け机の右端のフックに通して引っ張る。フックにその縄で脚首を固定する。
 太股に縄を掛け真下のフックに固定する。ここまでは苦しくても何とか堪えられる。
 続いて前に伸ばした右脚に縄を掛ける。
 右端のフックに縄を通して引っ張る。
 「ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを縛り付ける。
 太股に縄を掛け真下のフックに通す。それも縛り付ける。
 田村眞子元二等海尉の躰は机の上に限りなく土の字に近い大の字に磔られてしまった。
 ドリルバイブは田村眞子元二等海尉の女に深くめり込んでいる。
 柿崎一行はリモコンでスイッチを入れる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 回転してピストンする機能である。さらに振動も追加出来る。
 「ぐううおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーー」
 田村眞子元二等海尉は大口を開け眉間に強い皺を寄せて声を上げ続ける。
 柿崎一行は一本鞭を構える。乗馬用の先が細く硬いものである。
 無防備に丸出しに晒されている乳房を横に二つ並べて薙ぐ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ああおおごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉の躰は十字架に張り付いたまま僅かに跳ね震撼する。
 二発、三発続いて飛んで来る。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉は躰を震撼させ振るえた声を上げる。
 柿崎一行はまだ続いて叩く。
 「ぐうぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーー。うぎゃあーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーー」
 柿崎一行は叩く手を休めてドリルバイブのボリュームを上げる。
 「あああはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーん。ああはーーーあーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉の声は架橋に成る。
 柿崎一行は洗濯バサミをたくさん持ち出す。
 藻掻き表情を究極に軋ませる田村眞子元二等海尉の乳房にところ構わず洗濯バサミを鋏み付ける。
 ドリルバイブはピストン、回転運動に振動が加わる。
 柿崎一行は正面に下がって鞭で乳房ごと根元から洗濯バサミを叩く。
 「あ、ごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうあああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 数本が飛び散る。
 田村眞子元二等海尉の躰は究極に藻掻き暴れる。
 もう一発叩く。
 「ああ、ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 また数本洗濯バサミが飛び散る。究極の痛みと官能の狭間である。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 逝き声は究極に高まる。田村眞子元二等海尉の躰は前に倒れ首は横に折れる。失神したのである。
 柿崎一行はドリルバイブのスイッチを切る。
 台の上はびしょ濡れである。田村眞子元二等海尉は漏らしてしまっていた。
 柿崎一行は田村眞子元二等海尉の躰を十字架と下の台から外してベッドに寝かせる。全裸のままである。
 ドリルバイブから躰を持ち上げたとき膣からどろどろの液が多量に流れた。それが潮の濡れの上に中心部分だけ被さる。
 膣の汚れも台の上の汚れもそのままにする。意識回復したときに良く見て噛み締めさせる為である。
 柿崎一行はブラとショーツを残して移動用の衣装を持ち去る。
 
 酒井美紀子らはT市秘宝館を交代で二人ずつ一日置きに見張った。
 五日間見張って六人は此処から出される事はない。この中に収監されていると結論した。
 酒井美紀子は大高に連絡を取った。
 大高はM国の弁護士に調べて貰うので動くなと指示して来た。
 
 小林由美子はH市にヘリで搬送された。待っていたのは湯野中のナンバーツー指宿五十八である。
 娼国の南の島に残されたのは生駒莉奈元二等海尉のみと成った。
 小林由美子は他の二人に比べて悲惨であった。
 さらに其処から連れて行かれたのはT市に在る湖水のホテル。以前滝澤沙緒里らが監禁されていた地下室である。
 警備は以前に比べて厳重に成っている。
 指宿の玩具ではない。日本から出張してくる政治家、役人、警察官僚の玩具にされる。
 早速、平佐和他日本から来ていた政治家とやくざの宴席に出された。
 メインの広間ではない。最上階から一つ下で四十畳の宴会場である。
 小林由美子に怒りの治まらなかった当時防衛大臣で麻留現財務大臣も来ている。
 「今日はな、この前此処の上でお前にやらなかったこと全部やるのや」
 警察庁長官後藤謙二。当時警視監である。
 小林由美子に戦慄が奔る。
 「もう四年経つが、あまり変わってないね」
 墨田会系大船一家三田園矢一舎弟頭補佐である。
 宴会場には四年前と同じ大道具が運び込まれている。
 小林由美子は恐怖にぶるぶる震える。
 キャスターの付いたバスタブ。上水二本と排水も接続されている。シャワースタンドもある。
 シャワースタンドは二メートル四方の高さ二十センチ位のバットの中に立っている。後ろ二面が透明なプラスティックのボードである。
 こちらも上水二本と排水が接続されている。
 三田園矢一舎弟頭補佐と大谷彰浩若頭補佐が小林由美子を畳に押し倒す。支給品のワンピースのスカートは一気に捲れ上がる。
 大谷彰浩若頭補佐が脚を持ち上げる。三田園矢一舎弟頭補佐が膝に縄を掛ける。その縄にフックを付ける。
 シャワースタンドの上に天井から下がった滑車のフックを下げて小林由美子の膝のフックを引っ掛ける。
 大谷彰浩若頭補佐が小林由美子の躰を持って三田園矢一舎弟頭補佐が滑車のロープを引いて吊るし上げる。
 スカートが完全に捲れてショーツ一枚の腰から胸のブラの辺りまで丸出しになる。
 平佐和がは蜂蜜の瓶を持って待機している。
 いつの間にか真紀子が座敷に入っていた。真紀子が蟻の詰まった瓶を持っている。
 平佐和がショーツに蜜を掛け腹に掛けブラとワンピースの中に流し込む。
 「いやあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は蜜に蟻が投げ込まれることは充分分かっている。無駄と分かっても喚き続ける。
 真紀子は蟻の入った広口瓶を大谷彰浩若頭補佐に渡す。自分では掛けたくないらしい。自分の手に付いては堪らない。
 平佐和はそれを貰い受ける。自らの手でスカートを太股まで持ち上げその中に一気に落とす。直ぐその瓶を足踏み式の汚物入れに投げ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三田園矢一舎弟頭補佐が直ぐに吊るしを降ろす。小林由美子の躰はシャワースタンドの下のバットに降ろされる。
 腕は縛ってない。直ぐに脚の縄を解けばシャワーと湯に浸かれる。
 「いやああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 なかなか縄が解けない。
 三田園矢一舎弟頭補佐が高枝鋏みで切ってやる。
 小林由美子はワンピースを破るようにかなぐり捨てる。シャワーを頭から被る。ブラも毟り取るように外して捨てる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 ショーツも脱ぎ捨てる。
 「あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 ヒステリックん叫び頭からシャワーを被る。湯に躰を浸け股間を指で必死に洗う。羞恥も何も無い。蟻の大群に闘うのみである。
 三田園矢一舎弟頭補佐は脱ぎ捨てた衣類を大型のトングで汚物箱に投げ込む。さらに殺虫剤を大量に噴射して蓋をする。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 小林由美子は荒い息づかいで湯に浮いた蟻をバスタブの外に流す。
 湯に浸かったままシャワーを被りながら躰を手で入念に洗い回す。
 目を開け続けていられない。頭からシャワーを被ったままである。
 三田園矢一舎弟頭補佐がバスタオルを被せて小林由美子の頭と顔を大雑把に拭く。
 「副主席、葛城くんは」
 平佐和だけは葛城くんと言う。
 「この女には興味が無い様よ」
 「そうか」
 平佐和もそれなりに理解は行く。
 「葛城先生は大高の加重死刑囚奪還作戦が巧妙に成っているので、収監場所を分散すべきと提言しています」
 「それでこの女は指宿氏預かりか」
 「月に一度は集まってとことん虐めましょう」
 「葛城先生は大高らの目をT市秘宝館に集中させたいのだな」
 「相手の動きが見えないので目標を誘導して尻尾を掴もうと言うことですか」
 「そうよ」
 「それでT市秘宝館の警戒は」
 「柿崎さんです」
 「うむ」
 平佐和はやや安堵の表情になる。
 三田園矢一舎弟頭補佐は大谷彰浩若頭補佐の手を借りて小林由美子に竹竿を肩に背負わせる。
 腋のところで縄を掛けて竿を後ろに縛り付ける。伸ばした手首を左右の先端できっちり縛り付ける。
 竿を背中に背負わせて縛ったまま畳に仰向けに寝かせる。
 脚首を持ち上げ手首の上に縛り付ける。股間はV字開脚に強制され女の部分は上を向いて無防備に丸出しと成る。
 大谷彰浩若頭補佐が鞭を配る。乗馬用の一本鞭である。
 女の部分をもろに叩く目論見が既に縛り方に現れている。
 最初に真紀子が前に立つ。
 小林由美子は恐怖に震える。
 真紀子は狙いを定めてきっちり小林由美子の閉じ合わせた粘膜を叩く。力は強くなくても鞭は硬く重い。叩かれた部分は敏感である。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーー」
 躰が不安定なまま腰が迫上がり震撼する。痛みに顔を搾り歪めて悲鳴を搾り出す。
 「ううぐううーーーーーーーーーー」
 繊細かつ相当な痛みである。
 真紀子に殆ど表情は無い。小林由美子に四年前のままの怒りを感じている。
 構わず次の鞭を振り下ろす。
 「うぐおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに縛られた躰を揺すって悶える。
 真紀子は平佐和に場を掌で指して鞭打ちを譲る。
 平佐和は警察庁長官後藤謙二を促す。
 警察庁長官後藤謙二も鞭を持っている。振り被って力の被り股間を叩く。ややずれて大陰唇に流れてしまう。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 それでも相当に痛い。
 警察庁長官後藤謙二は今度こそはと憎しみを込めて性器を狙う。
 「うごおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに涙を溢れさせ大口を真上に開けて悲鳴を轟かせる。
 交代で二十発は叩いた。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 小林由美子は痛みに苦しみ続ける。
 三田園矢一舎弟頭補佐が縄だけ解いて背中から竿を外す。小林由美子は解放されても殆ど動けない。
 真紀子は鞭で叩き続けた女の部分の粘膜に水絆創膏を塗る。
 「ぎゃあああーーーーーーーーーーーーー。うぎゃああーーーーーーーーーーーーーー。いいたあいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は股間を片手で強く押さえて畳を叩いて苦しみ藻掻く。涙と涎は飛び散る。
 畳を転げ絶えられない痛みに暴れ藻掻き続ける。
 「うおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 柱にしがみ付き股間を押さえて声なく泣き続ける。
 三田園矢一舎弟頭補佐が蛇の準備をする。
 「待って。それは駄目」
 「どうしてですか副主席」
 「せっかく味方にした出水を刺激するから」
 「はい」
 三田園矢一舎弟頭補佐は即座にその意味を理解した。
 四年前この上の座敷で小林由美子に蛇を挿入しようとした。そのとき出水茉里元巡査部長は彼女を庇って身代わりになった。
 その時も三田園矢一舎弟頭補佐が担当していた。
 「どういうこと」
 小林由美子は涙を振り飛ばし驚きの表情である。
 「教えてあげる。出水茉里元巡査部長はいま葛城先生の女に成ってD市に住んでいる。葛城先生の経営するホテルの女将よ」
 「そ、そんな。そんな」
 小林由美子は受け入れられない。
 「人は変わるのよ。滝澤沙緒里も小倉紘子元警部も。いつまでも先の見えない収監の身が良いか。お金を得て富貴に浸るかよ」
 真紀子は小林由美子を諭すつもりは無い。絶望に追い込むだけである。
 「出水元巡査部長には大阪府警元警視大高貞夫を特定するのにご協力をいただきました」
 「ああ。・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 小林由美子は唯々首を振る。
 「今日この女、あとどうします」
 三田園矢一舎弟頭補佐が真紀子と平佐和に確認する。
 「蛇は容赦してこいつの女をとことん辱めよう」
 「カメレオンの舌で舐めさせましょう」
 警察庁長官後藤謙二である。
 「いいよ」
 真紀子も了解する。
 小林由美子は恐怖に慄きお尻の後ろに手を着く。後ろ手で畳を這って後ずさりする。
 大谷彰浩若頭補佐がカメレオンと蜂蜜を手配する。
 三田園矢一舎弟頭補佐が縄を掛けようと近付く。
 「いやーー。いやよーー」
 「お前の一番敏感な部分をカメレオンに舐めてもらって気持ち良くしようと言うのだよ」
 三田園矢一舎弟頭補佐はからかう様に宣告する。
 「なるわけないでしょう」
 恐怖の顔を破裂させて言い返す。
 「それはどうかな」
 三田園矢一舎弟頭補佐は動じない。
 「・・・・・・」
 三田園矢一舎弟頭補佐は大谷彰浩若頭補佐に押さえて貰って抵抗する小林由美子を先ほどと同じ様にV字開脚に縛る。
 女の部分に大型のクスコを挿入して広げる。
 「ちくしょー。やめろーーーーーーー」
 小林由美子は恐怖の表情を強張らせている。
 平佐和と警察庁長官後藤謙二が背中に渡した竹竿の両端を踏んで小林由美子が暴れて下がるのを防ぐ。
 三田園矢一舎弟頭補佐がカメレオン二匹を持って正面に迫る。
 「いやああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 大谷彰浩若頭補佐が筆で蜜を膣奥の敏感な部分に塗る。
 「ううーー。いやあーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 小林由美子は唸りながら藻掻く。
 大谷彰浩若頭補佐が筆を膣から抜くと三田園矢一舎弟頭補佐がカメレオンを嗾ける。
 カメレオン二匹の舌はクスコの中に侵入する。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は泣き喚く。
 「今日はイクまで許さないぞ」
 「いやーーーーーーー。いやあよーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 大谷彰浩若頭補佐はスポイトで膣の奥に蜜を流し込む。
 「だあめーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 泣きべそ顔の悲鳴は何処までも続く。
 カメレオンの舌は膣の奥の敏感な部分を舐める。舌は子宮口まで届いている。
 「いやあん。いやあーー。いっやあー。ああーーー。いやあーーーーー」
 小林由美子は顔をひねって右に左に藻掻く。
 大谷彰浩若頭補佐はさらに蜜を注入する。
 カメレオンの舌は活発に動き敏感な粘膜を掻き回す。
 「いやあーーーーーー。だーーめーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーー」
 小林由美子は首を左右に動かし涙を飛ばして泣き叫ぶ。
 二人の議員が確り小林由美子の太股を押さえている。
 大谷彰浩若頭補佐は小林由美子の一番敏感な娼婦の泣き所に狙って蜜を注入する。カメレオンの舌が二つその部分を舐める。
 「うおおーーーーーーーーーーん。うおおおーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーん」
 小林由美子の腰に力が入る。二人の議員に平佐和と警察庁長官後藤謙二が背中に渡した竹竿の両端を踏んだまま押さえに加勢する。
 「ああはああーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。いや」
 小林由美子は断末魔のように首を振って藻掻く。
 「ああーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 頭を振って官能に軋む表情を振り解く様に藻掻く。
 大谷彰浩若頭補佐はさらに蜜を追加する。
 カメレオンの舌の動きはさらに活発になる。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに顔を強い力で振り大口を開けきって官能に殆ど支配されながら断末魔の藻掻きを続ける。
 遂にクスコの上の尿道口が大きく開いて潮が噴出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 潮は止まらない。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 全員にんまりそれを鑑賞する。三田園矢一舎弟頭補佐はカメレオンを引っ込める。
 「これで感じなかったと言っても駄目よ」
 真紀子が非情に女の性の現実を宣告する。
 「酷い。こんなことして。酷過ぎるよ。ここまで女を卑劣な玩具にして、これが政治家のやること」
 小林由美子は涙を溢している。
 「誰にでもする訳ではない。お前のようなジャーナリストには特別だ。これから毎回これで逝き顔晒してもらうぞ」
 平佐和が宣告する。
 「そうだ葛城先生があの時出水に関心が強かったからお前の責めが緩慢に成ったのだよ。その分いまやっている」
 麻留財務大臣もまだ覚めない怒りを吐き出す。
 小林由美子は同じ様に以前滝澤沙緒里らが監禁されていた鉄格子に収監された。以前より設備も強化されている。
 警備員の他に軍が介入した。盛高知里らが使った抜け道は既に完全に封鎖されている。
 入浴、トイレ、テレビの設備は南の島と変わらない。食事も希望を聞いてくれる。アルコールも許される。
 食事はホテルが作るのでランクが上がった。
 小林由美子は食事も取らず泣き続けた。仕方なく医療チームが点滴をセットした。
 あくまで生かさず殺さず月一回の玩具にする予定である。
 
 M国の弁護士は買収した警備員の協力を得てT市秘宝館の非公開部分に入った。六名の鉄格子を確認した。そして進入経路も確認出来た。
 酒井美紀子はこの弁護士からUSBで内容を受け取った。夜に男性隊員の宿泊ルームで会合を行った。
 「警備が厳重に成りつつあると言うことですね」
 「都市間の検問も強化されたらしい」
 「やはり一発ヘリを奪って逃げるしかないですね」
 「そうですね」
 「では当初の指令にあった営業所の開業は中止ですね」
 「そこが問題だけど。ヘリを奪って六人を奪還して逃走すればそっちは必要ないですよ」
 「いつまでも警備の強化が続きますの」
 酒井美紀子は他の三名の意見に疑問を呈する。
 「当初の作戦通りやりますか」
 「それが無難です」
 あくまで酒井美紀子は大高の指示通り行う意思である。
 
 葛城義和は滝澤沙緒里のT市の家に柿崎一行を招いた。
 T市の湖水の辺に在る大きな家である。柿崎一行は広い庭にヘリで降りた。
 湖畔に張り出したテラスでビールを酌み交わして話し合う。
 「葛城先生は敵の目がT市の秘宝館に向くと見ているのですか」
 「そうです」
 「しかし奴等は此処まで情報を収集出来ますか」
 「吉岡理穂は相当な情報を収集していたようです。それを大高らが引き継いでいると考えています」
 「吉岡理穂は一時期T市の日系企業で働いていたのですね。そうしますと吉岡理穂はT市の秘宝館の存在も知っていたのですか」
 「そこまでは判りません。ただこの国の者か日本人以外の調査が入っているのではないかと考えています」
 葛城義和は大高貞夫に日本人以外の協力者または現地人の協力者がいて情報を収集しているのではないかと懸念している。
 「吉岡理穂を拷問した範囲では何も出ませんでしたね」
 「大高が差し向けている可能性もあります」
 「そうですね」
 「娼国の南の島は危険過ぎます。何度かは撃退しましたが、完全に知れ渡ってしまっています」
 「それで生駒莉奈二等海尉以外南の島から出したのですね」
 「そうです。そしてT市秘宝館の警戒に絞ろうと考えています」
 「生駒莉奈二等海尉はどうします」
 「米軍に提供して秘宝館送りです」
 「私にT市秘宝館の警戒に就けと仰るのですね」
 「お願いします」
 「何故娼国の主力を動かさないのですか」
 「主力はいまのままです。動かないことであっちに油断させるのです」
 「そしてT市秘宝館から奪還しようと動いたところを押さえるのですね」
 「いいえ。見張れば動かないでしょう。油断していると見せかけて奪還させるのです。進入してきた部隊を捕らえることが急務です」
 「判りました。部下を交代で秘宝館に入れ常時遊ばせます。それだけで様子を見ます。如何でしょう」
 「よろしくお願いいたします」
 葛城義和は柿崎一行を強く信頼している。
 
 酒井美紀子らは協力してくれた日本企業の現地法人の紹介で撤収した休眠工場を買い取った。
 生産に入って日本に輸出する体制を確立すべく着々と準備を進めた。二人の男性隊員は適度に風俗に出入りして遊ぶ。目を欺く行動をした。
 実際にその工場でマスクを製造する。売り先は日本国内の百円ショップチェーンに交渉が付いている。
 中国産が汚いので同等の卸値で話が付いた。
 現地人を募集して直ぐに製造を始める。
 娼国、R国北ともにこの動きはキャッチ出来てなかった。
 T市郊外の工場だが秘宝館には非常に近い場所であった。六人を確保した場合匿っておける部屋も改造して作った。
 柿崎一行の指示でT市市警の査察が総ての工場、事務所に入った。だがその工場は疑われなかった。ただの日本企業のマスク工場で片付けられた。
 輸出買取先が明確なので完全にスルーした。
 
 柿崎一行は葛城義和をTS市の海に面した高層ビルに誘った。目的は田村眞子元二等海尉を責めるプレイである。
 田村眞子元二等海尉を収容している3LDKにドア続きで入る。
 田村眞子元二等海尉は入ってくることは予期している。それでも葛城義和が一緒なのに慄いている。
 「さあ。今日も淫乱女教育だ」
 「小林由美子はカメレオンの舌で女の奥を嘗め回されて、逝き顔を晒して失禁したぞ」
 葛城義和は真紀子から聞いたその状況を説明した。
 「お前もやってみるか」
 柿崎一行はじっくり責めるぞという姿勢である。
 「いや。だめ。いやあー。いや」
 田村眞子元二等海尉はシートの隅に躰を縮めて恐怖に否定する。
 「淫乱教育を抵抗しないで女の性を受け入れたらそれはしないぞ」
 「・・・」
 田村眞子元二等海尉の目は頷いている。
 「どうだ。女の性に正直な淫乱女に成るか」
 「あ、は、はい」
 田村眞子元二等海尉はもうそれだけなら従うしかない。
 「俺たちに躰のフロントを向けて服を脱げ。脱いでも手で隠すな」
 柿崎一行が命令する。
 「あ。はい」
 田村眞子元二等海尉は震えながら従う。葛城義和にはこれまで辛過ぎる責めを二回受けている。それは壮絶なものであった。もう裸どころではない。
 田村眞子元二等海尉はワンピースを脱ぎブラを外す。ショーツも下ろして全裸で二人の前に立つ。
 「これはなんですか」
 葛城義和は机の中から擬似男根が出て後ろに十字架の立った大道具を確認する。汚れは掃除されているが組まれたままである。
 「こいつを淫乱にする道具で」
 「股を最大限に広げて鞭とバイブの踏査の責めだな」
 「左様で」
 「成程。これを木馬に変えて女とアナルの同時は」
 「このままでも出来ますが」
 「脚を開かせ過ぎて効果がどうでしょう」
 「そこは何とも。これに固定した姿が良かったので。少し十字架の位置を上げてドリルを高くして股間の開きを緩めますか」
 「お任せしましょう」
 葛城義和は鑑賞に徹する姿勢である。
 柿崎一行は田村眞子元二等海尉を台の上に押しやる。
 田村眞子元二等海尉の腕を磔ながら十字架の高さを調整する。ドリルバイブを迫り上げて膣に挿入して位置を決める。
 片方ずつ両方の脚首を固定する。太股の下のフックにどう固定するかやや考えてしまう。
 太股に縄を通して柱の後ろに廻して一週巻いて反対の太股に縄を通す。そのまま十字架に縛り付ける。
 ここまで田村眞子元二等海尉は成されるが侭である。
 柿崎一行は机の下からアナル様のドリルバイブをセットする。
 指にワセリンを塗ってアナルの入口を解す。
 「うぐうーーーーー」
 田村眞子元二等海尉はおとなしく堪えていたがさすがにアナルは呻く。
 柿崎一行はアナル様の細い擬似男根をゆっくり静かに挿入してドリルバイブを固定する。
 「前のドリルバイブはローション無しですか」
 「これは先端から出る仕掛けなのです」
 「そうですか」
 柿崎一行はスイッチを入れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉の表情は一気に軋み全身の筋肉が怒張する。
 葛城義和は道具の中から教鞭の様な竹の鞭を持ち出す。柿崎一行にも一本渡す。柿崎一行は何をするか直ぐ理解する。
 「ううおおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブは回転とピストン運動をする。
 柿崎一行はアナルのスイッチをローで入れる。
 「ううーーぐうーーううーーううーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉は究極に躰を硬くする。美しく可愛い表情がこの上も無く醜く破裂する。
 葛城義和の合図で二人が両側から乳首をピンポイントに鞭の先端で叩く。
 「う、ううーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相当な痛みである。
 柿崎一行はドリルバイブのスイッチをローに落としてタイミングを見計らってまたハイにする。
 「ううおおーーーーーー。うおおーーーーーーーーー」
 また二人呼吸を合わせて乳首を叩く。
 「うううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村眞子元二等海尉の躰は十字架を揺すって暴れる。
 失神するまで続けられた。失禁は無かった。
 田村眞子元二等海尉を十字架に固定したまま二本のドリルバイブを抜いて机から外す。
 脚首と太股の戒めを外して脚首を十字架の横柱の先端に引っ張る。脚首をその先端にぶら下げる。もう片方も同じ様に引っ張って固定する。
 田村眞子元二等海尉の躰は十字架に吊られて船の怒りのようにV字開脚の大股開きになった。女の部分もアナルも丸見えである。
 大型のクスコを横向きに挿入する。続いてアナルに挿入する。
 田村眞子元二等海尉の前にモニターを持って来る。
 スタンガンを一瞬使って起こす。
 田村眞子元二等海尉の目の前には二つのクスコに広げられた女の奥と腸の中が丸出しである。
 「えーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 「恥かし過ぎる方が感じるのだ。丸出しにされて弄くられている自分を噛み締めるのだ」
 「えーー。ここまでしなくても」
 田村眞子元二等海尉は恥かしさに目を叛けて堪らない表情である。
 「まだまだだよ」
 「・・・・」
 「これからお前の女の奥をとことん感ずるまでこの人口舌で舐め回すのだ」
 「ああ」
 「じっくりやるからな」
 「そんなもう失神したよ」
 「まだまだ。お前が気持ち良く成る事と、食べること、金を貰って贅沢することそれ以外考えなく成るまでだ。理想など唱えなくなるのだ」
 柿崎一行は追い被せるように言う。
 葛城義和は田村眞子元二等海尉の態度を観察する。
 田村眞子元二等海尉の表情に変化は無い。
 人口舌が三本長く伸びた特性バイブを取り出す。アナル用は細いピストンタイプのバイブである。
 アナル用はクスコに装着する。
 「それ抜けないのですか」
 葛城義和は構造を確認する。
 「これ逆にクスコを広げます。両方で押さえ合っている構造に成ります」
 アナルのクスコはローでゆっくりじっくり責める。
 舌のイメージのバイブは先端のシリコンの舌で爬虫類が舐める動作を擬似的に行う。田村眞子元二等海尉の膣内の敏感な部分を舐めるように動く。
 「ああーー。いやあーーーー。いやあーーーーーーー。ああーーーー」
 田村眞子元二等海尉の気持ちよさの混じった泣きべそ顔が責める柿崎一行をそそらせる。
 「ううああ。あはあーー。ううーー。ああーーー。ああはあーーー」
 田村眞子元二等海尉の表情は襲ってくる官能に緩みきっている。クスコの中は膣液でどろどろに成っている。
 「ああーー。もれちゃいますーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 クスコの割れた谷間に落ちた尿道口から潮が溢れ出す。柿崎一行は僅かに躰を躱す。
 「ああーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 絨毯はびしょ濡れである。
 柿崎一行はそれでも止めない。責め続ける。
 「ううーー。あうううーー。ううーー。あがあーーー。ああーーー。ううがあーー。ああーーー」
 田村眞子元二等海尉は膣内の敏感な部分を舐め回される責めに蹂躙されてしまっている。まったく抵抗できない。
 「どうです先生」
 「確かに官能に従順にしていますが、何とも言えません。いつかチャンスを待っている可能性も」
 田村眞子元二等海尉は逝き顔を晒し続けた。膣液と潮に塗れてぐったりしてようやく戒めを解かれてベッドに潜り込んだ。
 葛城義和らは隣の部屋に移った。
 「T市はどうでしょう」
 「何も起きていません。一つ日本から企業が進出しました。マスクを製造して日本に送る工場です」
 「中を調べたのですね」
 「はい。赤外線スコープを使って地下室に下りて検査までしました。輸出先や販売ルートも確認しました」
 「売り先は百円ショップチェーンとドラックチェーンです。百均は三十枚日本で百円。ドラックは個別包装して五十枚五百円です」
 「中国で生産していた物を切り替えたのですね」
 「その様に思えます。引き続き監視を続けますが」
 「上野愛菜三等空尉の所在は依然掴めないのですね」
 「そうです」
 「津島長官も同じ答えでした」
 「一つ気に成りますが。海中の見張りはどうなっているでしょう」
 「潜水艦は北側でしょう」
 「そうですが」
 「判りました。私から指宿さんを通してラドルフマレカル少将にお願いしましょう」
 同じ北でも柿崎一行からは指示出来ない。
 「お願いします」
 
 日本から来た酒井美紀子らの泊まるホテルである。
 男性隊員の部屋で会合が行われていた。
 T市秘宝館の図面はM国の弁護士の協力でほぼ完成した。
 「このゴミ保管室は外から入れます。此処から警備室に繋がります。鍵はこの部屋の壁に有ります」
 「軍の兵士が駐留していると聞きますが」
 「そっちは展示ブースの事務室です。常時四名ずつ三交代で勤務しています」
 「武器を持っている点では警備員も軍も変わらないのでは」
 「警備員は軍の様に勇敢には戦いません」
 「このゴミ保管室から空調管理室にも行けます。此処から催涙ガスを流します」
 「とにかく警備員が眠ったら鍵と武器を奪って警備員に手錠を掛けて鉄格子に突進と」
 「問題は軍の兵士が眠ってくれるかどうかですね」
 上野愛菜三等空尉は催涙ガスで何処まで押さえられるかを懸念している。
 「そんなに士気が高いとは思えません」
 「それにしても六名以外は娼国の南の島でしょうか」
 上野愛菜三等空尉はそっちも気に成る。
 「それが弁護士の報告では、いま生駒莉奈二等海尉以外は居ないそうです。一人ずつ何処かに移動されて行ったとのことです」
 「あそこに二度進入されているからですね」
 「そうかもしれません」
 「分散されると手が付けられませんね」
 「とにかく今回はこの六名を救出してマスクの箱に混ぜて船に乗せます。後は製造を続けるだけです」
 「残りの救出は行わないと」
 「行いません。国際社会に公表してこの国の闇を正す事が先です」
 酒井美紀子はあくまで大高の指示通りに動く意思である。
 
 翌日酒井美紀子は輸送トラックに便乗した。輸送路の検問などの状況視察の目的である。
 T市を出る検問とTS市に入る所で検問された。T市を出る検問では抜き打ちで箱を一つ開けられた。蓋を開けただけで中は確認しなかった。
 何故か港はすんなり入る事が出来た。
 酒井美紀子はそれ程危険ではないと確信した。
 ネックは警備員を眠らせ六人を運び出して地下室に退避させる僅かな距離だけである。
 酒井美紀子は決行出来ると確信した。
 
 一方細野英二元二等海将らの乗り込んだ潜水艦はD川の河口付近の警戒が慌しくなったので潜航艇を回収して公海まで退避した。
 「しかし空母と言い潜水艦と言いかなりの海軍力だな」
 「到底後進国とは思えません」
 樽崎元二等海佐である。
 「もしヘリで脱出なら公海まで飛んでもらうしかない」
 「山越えの時はどうします」
 「そうなったら決死の覚悟でD川を進むしかない」
 「敵の潜水艦に出くわせば終わりですね」
 「そうだ。だが、山越えそのものが無理だ」
 「しかし酒井さんらは山越えのルートを捨てていません」
 「出荷荷物に六人を紛れ込ませて貨物船で日本に入ってもらうのが最善だ」
 「そうですね」
 細野英二元二等海将は一つ間違えば全滅の危険を恐れている。
 葛城義和の進言で海上、海中とも警戒が強化されたのである。
 
 アメリカ海軍第六艦隊指令ベイソン中将が一日予約で部下を引き連れて秘宝館を訪れた。
 生贄は真野枝里名元警部補と加東彩子元巡査部長である。
 刺青まで施していまさら接待用ではないがベイソン中将の虐めたい要求が滾っていた。
 モントゴメリイ元少将も随伴している。
 真野枝里名元警部補と加東彩子元巡査部長は二人揃って一日休みを与えられた。その翌日二人揃って展示室に出されたのである。
 二人はベイソン中将らを見て驚愕した。
 あの忌まわしい女性司会者も随伴している。
 二人は従来の産婦人科診察台にそれぞれ固定された状態である。
 「御久しぶり。今日はたっぷり提督を満足させていただきます」
 女性司会者の言葉が二人に突き刺さる。
 ベイソン中将は真野枝里名元警部補の開帳台に近付く。肩から上はアクリル板の向こうである。上から手を入れて行き成りビンタする。
 「うう」
 真野枝里名元警部補は睨み返す。
 「まだまだ。闘う意思旺盛ですね。たっぷり拷問しましょう」
 ベイソン中将はこの女に怒りを感じているようである。
 「日本人です。日本的拷問を行いましょう」
 ベイソン中将の言葉に女性司会者は加東彩子元巡査部長を高手小手に縛って十露盤板に乗せる要求をする。
 早速開帳台を分離していた硝子盤が上昇して取り払われる。
 若い将校が加東彩子元巡査部長の周りを囲む。暴れた場合押さえる準備である。それに護られながら秘宝館の緊縛師二人が縄を掛ける。
 本来押さえるべきスタッフとR国の兵士は後ろで待機と成った。
 緊縛師は縛り終えて加東彩子元巡査部長を十露盤板に押しやる。
 十露盤板は四角い角材が角を上に六本並べて打ち付けられている。
 加東彩子元巡査部長は膝から乗って躰をぐらつかせる。そのまま斜め後ろに手を着く。
 緊縛師二人が後ろから肩を押して正座の姿勢に落ち着かせる。
 既に加東彩子元巡査部長の表情は座るだけで痛みに歪んでいる。
 スタッフは加東彩子元巡査部長が座った十露盤板の後ろに枠を取り付ける。
 十露盤板の後ろの先端に穴がある。そこにコの字を下に向けた鉄パイプの枠を指し組む。その枠の横棒に高手小手に縛った縄を別の縄で縛り付ける。
 加東彩子元巡査部長が倒れるのを防止している。
 スタッフが水を入れた平べったいポリタンクを持って来る。それを一気に二枚重ねて膝に載せる。
 「ううーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーー」
 加東彩子元巡査部長の躰は一気に藻掻き揺れる。
 スタッフはさらに二枚上に持って来る。
 加東彩子元巡査部長は怯えた表情を引き攣らせて身構える。
 スタッフはその表情を愉しみながらそろりと二枚積まれた上に降ろす。
 「うぐぐうううーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーー。ぐーーーーーーーーーーーー」
 加東彩子元巡査部長は顔の表情を究極に絞って歪める。躰を捩って痛みに藻掻く。顔は汗を噴いている。
 女性司会者の指示でスタッフが電源トランスを運び込む。
 その端子に接続した単線コードの先端に付いた鰐口クリップを黒い書類を鋏むクリップに接続する。
 書類を鋏む黒いクリップで加東彩子元巡査部長の乳首を鋏む。左右の乳首とも同じ様に接続する。
 緊縛師が加東彩子元巡査部長に口を開ける要求をする。緊縛師は開口器を持っている。
 加東彩子元巡査部長の表情は瞬間固まる。だが直ぐに口を開く。抵抗しても拷問が増えるだけと観念した。
 緊縛師は加東彩子元巡査部長の口を開口器で適度に開いて固定する。
 さらにスタッフはカーテンボックスを運び込む。加東彩子元巡査部長の座らされて重い水のタンクが置かれた周りを囲む。
 ベイソン中将が一人その中に入る。電流のスイッチを持っている。
 十露盤板の直ぐ手前に脚を開いて立つ。ズボンのファスナーを下げてさおを取り出す。
 それを加東彩子元巡査部長の開口器で開かれた口に突っ込む。
 ベイソン中将は口に挿入してピストンしながら乳首に繋いだ電源クリップに電流を流す。
 「ぐごごごごーーぐごごおーー。ぐごおーー。ぐごごごごおおーー」
 加東彩子元巡査部長は苦しみに追い詰められても成されるが侭である。喉の奥に男根を半分飲み込まされている。乳房は電気の痛みに絶えられない。
 脚は下から角材の角が突き刺さるように痛い。上から重石が膝を潰している。
 「ぐごおお。ぐごおお。ぐうおおーー。ぐごごごごおーー」
 加東彩子元巡査部長は意識朦朧となりながらただ責められるのみである。
 ベイソン中将は一気に興奮度を上げて加東彩子元巡査部長の喉の奥に果てる。
 加東彩子元巡査部長は辛うじて気管に入らないように飲み込む。意識が遠のくのと痛みとの繰り返しである。
 ベイソン中将が口から離れると加東彩子元巡査部長は十露盤板の上で失神した。白目を剥いた躯状態である。
 ベイソン中将の指示で幕が取り払われ重石の水を入れたポリタンクが退かされる。
 背中の枠に固定した縄を解いて床に転がす。加東彩子元巡査部長は白目を剥いたまま横たわる。
 口の開口器を外すと口から泡を噴く。
 真野枝里名元警部補はそれを見て恐れ慄き怒りと不安に震える。
 女性司会者の指示で縦長のX字の磔柱が用意される。
 そこに真野枝里名元警部補が両手を上に伸ばし脚を開いて磔にされる。
 ベイソン中将は一本鞭で乳房を横に薙ぐ。
 「うおーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の躰が柱に張り付いたまま震撼する。
 ベイソン中将は続けて乳房を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー。ぐううおーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー」
 ベイソン中将は十発叩いてモントゴメリイ元少将に鞭を渡す。
 数人が続けて叩いた。真野枝里名元警部補の乳房は鞭の蚯蚓腫れが何本も赤い筋になり斑状態で無残極まりない。
 「あはあ。はあ。ああ。はあ。ああ。はあ」
 真野枝里名元警部補は顔に汗を噴いて荒い息遣いで躰はわなわな震えている。
 ベイソン中将は逆さに磔を要求する。
 若い将校が手伝って緊縛師が脚首をX字の柱の上部に取り付けられたフックに固定する。女の部分が上を向いて丸出しになる。
 手は床に着いたままである。手首に装着したフックを磔柱の根元のフックに接続する。
 ベイソン中将は先端が四角いチップに成った一本鞭を持つ。
 その鞭で上を向いて丸出しに成った女の部分を上から強くひっぱたく。
 「あーーうぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに真野枝里名元警部補の躰は震撼する。床に着いた髪を振り眉間に皺を刻んで緩く開いた口の奥から悲鳴が絞り出される。
 ベイソン中将は片手で太股を?む。剃毛されて丸出し姿の赤い皮膚の谷間に割れた女の部分。その内側に覗く突起を叩く。
 「あうーーーーーーーーー」
 甲高い悲鳴が痛みの深さを物語る。
 これも交代して艦長クラスまで数人が叩く。
 叩いた後から女性司会者が溶けた蝋涙を掛ける。
 「うおあああーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は強烈な悲鳴を轟かせ涙を振り飛ばす。
 そのあと真野枝里名元警部補にも十露盤板が用意された。
 高手小手に縛り正座させるが水の入ったポリタンクは置かない。十露盤板に膝を縛る付けるだけである。
 加東彩子元巡査部長の様にやり過ぎて先を続けられなく成らない配慮である。
 口に開口器をかます。
 真野枝里名元警部補は怒りと恐怖の目で周りを見回す。
 同じ様に乳首を黒いクリップで鋏む。トランスから繋いだ単線の先に付いた鰐口をクリップに接続する。
 一度電流を流す。
 「ううーー。おおーー。ううーー。ううーー」
 真野枝里名元警部補の表情は究極に軋み躰は固まって震撼する。
 四角いカーテンボックスで囲む。
 また順番にモントゴメリィ元少将から中に入りさおを口の奥に突っ込む。
 一人が終わると消毒製の高い嗽薬を口に注入する。口をやや下に向けてホースで中を洗う。
 流れた水はスタッフがかっぱきで離れたところに押し流す。それをバキュームで吸い取る。
 希望者全員の情液を真野枝里名元警部補の喉から胃に流して終了した。
 ベイソン中将はこれだけでは許さない。
 ベッドにプリンターを取り付けた刺青プリンターが二台運び込まれる。D市に保管されていた物をトラックで運んできた。
 「この上まだ何をするの」
 真野枝里名元警部補は怯えながら講義する。
 「君らの太腿はまだ綺麗だ。そこにコブラを描いて局部を狙う構図を完成させる」
 「・・・・・・・・・・」
 真野枝里名元警部補は虐めの極地に言葉も出ない。
 
 酒井美紀子らはT市秘宝館の前に米軍のジープや軍の車両がたくさん止まっていたのでその日の決行を見合わせて一日延ばした。
 二十二時に兵士と警備員の交代がある。深夜勤に代わって遅番が帰った十一時を狙う。
 ゴミ保管室から四人で進入する。
 上野愛菜三等空尉が空調室に向かう。こっちの鍵は警備員を買収した弁護士から貰っている。
 残る三名はガスマスクを着けてゴミ保管室に待機する。
 空調室の鍵は掛かっていなかった。上野愛菜三等空尉が催涙ガスをセットする。自衛隊から持ち出した物で僅かな時間で充満する。
 三名は警備室に進入する。全員麻酔銃は持っている。
 警備員は既に眠っていた。
 警備員の腰から鍵保管庫の鍵を取る。それで鍵保管庫を開ける。鍵保管庫から鉄格子の鍵を全部抜き取る。
 さすがに買収された警備員もこっちの鍵を持ち出してコピーは作れなかった。
 上野愛菜三等空尉はゴミ保管室に運び込んだ折畳み車椅子を二台抱えて鉄格子に向かう。施錠されているので入口で待つ。
 酒井美紀子は鍵を持って鉄格子に向かう。二つの扉を開けて中に入る。六名とも催涙ガスで眠っている。
 残る二名の男性はゴミ保管室に回って車椅子を二台ずつ抱えて鉄格子の中で合流する。
 六名を眠ったまま車椅子に乗せて四人を運び出す。
 市内利用専用の乗用車に二名ずつ乗せてトランクに車椅子を仕舞う。
 残る二名を車椅子で回収して工場に引き上げる。
 地下室の奥に造った隠し部屋に運び込む。この部屋は赤外線スコープに探知されないようマスクの在庫の奥にもう一つ下の階に掘られている。
 マスクの倉庫の奥に一段下への入り口がある。
 一列マスクを地下室の大部屋に出して奥の入り口から地下に降ろす。
 六名とも下着の上にバスロープ姿なので着替えを用意する。
 六名とも下着からはみ出た刺青が何とも目を覆いたくなる。
 真野枝里名元警部補が最初に意識を回復した。
 「酒井美紀子です。大高の指示で救出に参りました」
 他の三名を紹介する。
 着替えを済ませてこれまでの状況を話し出す。
 脱出方法を説明する。暫く此処に滞在してもらって輸送の安全を確保してから日本に向かう船に運び込む手筈が説明された。
 直ぐに動くと輸送トラックの検問が厳しくなる。何回もマスクだけの輸送を繰り返して警戒が緩むのを待つ。
 六人が着替えを済ませて酒井美紀子らは一度ホテルに戻った。R国の警備が今夜ホテルに戻らないと怪しむことも警戒したのである。
 
 事態がはっきりして娼国、R国とも騒然となった。
 早朝には軍が総ての道路で検問を開始した。
 T市のへリポートには軍が一個中隊で警備に入った。
 道路の検問は今まで通りしか行わない。赤外線検査器で通行中の車内の人を検地する作戦が取られた。
 予定通り朝ホテルから酒井美紀子らが工場に来たところをR国警察の捜査が入った。警察のあと柿崎一行の部下がもう一度捜査に入った。
 その日も酒井美紀子がトラックに便乗して軍が警戒する中を進んだ。これまでと同じレベルの検問しか受けなかった。
 軍が港を見張る中で船に積み込みを行った。
 山間部も軍と警察が分担して警備に就いた。
 柿崎一行は六人が国を脱出出来ない事を確信している。
 
 娼国。ホテル最上階の和食。特別座敷天昇の間である。本日もこの部屋だけ南の島の全貌が青い海の中に望める。
 「遂に大高の手先が動いたのだな」
 湯野中が口火を切る。
 「申し訳ございません。私の監視下で起きました」
 柿崎一行がまずは詫びる。
 「詫びる事は無いよ。作戦通りだろ」
 湯野中が直ぐに柿崎一行の正当性を主張する。
 「はい。秘宝館の外の見張りをなくして行動を起こさせる作戦でした」
 葛城義和も認める。
 「国境と港は完全に固めています」
 「奪還に来た奴ら共々捕らえて大高の居所を追及しなければなりません」
 葛城義和はこっちが重要と主張する。
 「奪還されても日本に帰った例はない」
 湯野中も強気である。
 「疑わしいのはマスク工場」
 真紀子は新しく進出した工場を疑っている。
 「しかし大高とやらに工場を買い取るとか事業を起こす様な資金があるのか」
 湯野中は疑問を呈する。
 「そこが。大阪府警を退職した年金生活の老人です」
 鄭淑徳少将も同じ疑問である。
 「しかしそれでは渡航費とて厳しいです。年金など良くても二ヶ月七十万くらいでしょう」
 「誰か大高に支援する者が居るのでは」
 「その可能性はあります」
 葛城義和もそれを否定しない。
 座敷にはカウンターが搬入されていて席は全部窓を向いている。中では津梨清吉が寿司を握る。ご贔屓の板前である。
 全員の好みは分かっている。仲居は注文を聞かず酒を置いてゆく。津梨清吉も黙々と握ってゆく。
 「売春とか現代のからゆきさんでは支援者は出来ないでしょうけど。日本の実質的自立だと説明すれば支援する可能性は有ります」
 「そうよ。その可能性は高いよ」
 真紀子も葛城義和の見解に同調する。
 「その企業を洗い出しますか」
 鄭淑徳少将である。
 「それより大高の所在を突き止めて対処するのが最善です」
 葛城義和は支援者だけでは何も出来ない。大高貞夫を見つけ出して抹殺が最善と考えている。
 「奴等は直ぐに動かないと思います。今は検問とか警備の配置などを窺っていると考えられます」
 柿崎一行の見解である。
 「奪還された六名は殺しても日本から来た奴らを捕らえて拷問して吐かせるのが急務だな」
 「そうです」
 湯野中の問いに葛城義和がきっぱり答える。
 
 マスク工場の地下二.五階に造られた隠し部屋である。
 生ビールのサーバが運び込まれ宴会をしながら吉岡理穂からこれまでの経緯が語られていた。
 焼肉は煙の処理が問題で出来ない。刺身と調理された肉、日本では禁止のユッケがつまみである。
 酒井美紀子らは予め弁護士から報告されていても大きなショックである。
 「恐ろしい国ですね。軍人や警察官がその様な事を公然と愉しんで行く。由々しき国体です」
 酒井美紀子の世代の常識では到底有ってはならない。戦前戦後に遡ればほぼ常識だがそんな歴史さえ知らない。
 もっともT市秘宝館はその内容を大幅に超えている。
 酒井美紀子から脱出の手筈が語られた。
 「二人ずつ三回に分けでですか」
 「そうです」
 「もしも最初の二人が捕まったらどうします」
 「荷物に外から紛れ込んだように細工します」
 「此処に踏み込まれませんか」
 「もう何度も踏み込まれています。赤外線センサーで何回か調べられています。それでもこの地下室の存在はばれていません」
 酒井美紀子は自信を持っている。
 「その場合輸送トラックでは動けません。その先はどうしますか」
 日本では食べられないユッケをつまみながら男性隊員が次の手段を追求する。
 生肉も正しく調理すれば危険は無い。調理を分かっている人はそう言う。素人に近い調理人しか置かないチェーン店が事故を起こした。
 メーカー側で処理して納めてくれると弁明していた。一人前の梱包で処理を済ませて密封されていればその言い訳はある程度成り立つ。
 だが何人分も一つの塊ならば二回目は周りを削る処理を店が行わなければならない。調理人にも会社にもそんな知識さえなかった。
 河豚の様に資格を厳重にすれば続けられた。官僚らは禁止する以外考えなかった。
 「その時に判断します。山越えは出来ません。軍によるヘリの索敵がかなり顕著です。潜水艦まで近付けません」
 「一気にヘリを奪って逃げますか」
 「それも駄目です」
 「ヘリポートの警備まで強化していますか」
 吉岡理穂は以前そっちの警備は厳重でなかった印象を持っている。
 「この間。輸送トラックで港まで行ってヘリで戻ってきました。軍が確り警備しています」
 酒井美紀子がその状況を説明する。
 「しかしT市秘宝館の警備はずさんでしたね」
 「まさか既に罠に嵌っているとか」
 上野愛菜三等空尉は不安を口にする。
 「警備がずさんなのは南の島も同じでした。難しいのはこの国から出ることです。周辺の国には娼国の影響が強いです」
 吉岡理穂がきっぱり断言する。二回に渡って其処に突入して奪還している。むしろその後に逃げることの難しさが語られた。
 (女衒の國 その十三 女躰拷問挽歌滾る 参照)
 「もし二つ目の手段が無いならば全員一回に行った方が」
 加東彩子元巡査部長は此処に残っても危険と考えている。
 「いいえ。三回に分けるのは大高からの指示です。私達も此処に残って製造を続けます。先の事も有ります」
 あくまで酒井美紀子は大高の指示に従う意思である。
 
 T市秘宝館の六人が奪還されたので生駒莉奈元二等海尉が送り込まれた。
 まだ刺青はされてない。
 生駒莉奈元二等海尉は連れてこられた経過と六人が奪還されたと聞いて自分が取り残されたと悲観した。
 明日から恐ろしい責めが待っている。食事も喉を通らない。医療班が来て点滴をセットして行く。
 この情報は酒井美紀子らには届いていない。
 
 T市秘宝館から六人が奪還されて半月が過ぎた。
 日本の政治家らはまた小林由美子を宴会場に引き摺り出した。
 こんどは八十畳の座敷である。
 日本から政治家より官僚が多くやってきた。小林由美子と聞いてその怒りを強く持っている。
 五十人の宴会場に女躰盛と配膳のコンパニオン合わせて百名が入る。日本からの出稼ぎのからゆきさんは居ない。
 R国内で娼国の南の島と同じ様に体外受精して代理母から生まれた女性ばかりである。そして日本人向けに現地の血ではなく日系人の種である。
 宴席は二列。客の正面に長い座布団があり女躰盛のコンパニオンが寝る。
 客の座布団の右にお膳があり飲み物と小皿が置かれる。その後ろにもう一枚座布団がある。
 こっちは配膳のコンパニオンが全身奉仕する席である。
 女躰盛のコンパニオンは全裸でやや股間を広げて寝かされている。配膳のコンパニオンは腰の前掛け一枚である。
 殺したり身体に傷をつけたりしない限り何をしても文句は言わない。
 小林由美子は宴会場の真ん中で開帳台に乗せられている。
 「股間の黒い塊は程よく伸びております。剃毛ご希望の方はどうぞ」
 司会は村上副主席である。
 湯野中も真紀子も出て来てない。
 剃毛は希望者が七名だったのでくじ引きになった。
 カメレオンの入った水槽が運び込まれる。
 剃毛するシーンは六枚のスクリーンに映し出されている。
 小林由美子はカメレオンを見てまたこれが来るとは思ってはいても恐々とする。この人数の中で爬虫類の舌で責められて女の性を晒す辱めを受ける。
 剃毛が終わって赤い皮膚が露出した女の部分がスクリーンに拡大される。暫くびらびらを広げて薄橙の粘膜が広げられ尿道の亀裂と膣口が公開された。
 さらに緊縛師が包皮を剥いてクリトリスも公開される。
 「今回は特注のクスコです。小林由美子の女の奥まで大きく広げます」
 かなり口径の大きいクスコである。直径五十ミリはある。
 強化ガラス製で四つに割れる。強度が弱くならない様に四つの羽の内側をリングが途中まで入る。
 四方向に広げられて四角形の内側にピンクの膣壁が弧を描いて晒されている。
 既に役人、官僚らは配膳のコンパニオンを腕に抱いて乳首や女の部分を弄繰り回している。濃厚にキスをする者も多々いる。
 緊縛師二人は膣の中に執拗に蜜を塗りこむ。
 別の緊縛師がカメレオンを台に載せて嗾ける。その舌はクスコで広げられた小林由美子の膣の中に侵入して膣壁を舐める。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は一気にサイレンの様にカメレオンの舌の侵入に悲鳴を上げる。
 二匹目も嗾ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一人の緊縛師が蜜の補給を担当して。スポイトで膣の中の敏感な部分に流し込む。カメレオンの舌はそれを追って舐める。
 あと一人の緊縛師はカメレオンを抱いて膣の中を舐めさせる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーああーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は崩れた泣き顔をさらに歪め皺を強く刻んで悲鳴を上げ続ける。
 そして失禁してしまう。
 客席は興奮の坩堝でみなコンパニオンの躰にその興奮をぶつけて弄くり続ける。コンパニオンは辛くても堪え続けるしかない。
 「あはん。あはん。あはん。はあ。はあ。はあ」
 小林由美子は失禁が治まっても暫く荒い息遣いである。
 緊縛師らは流れた潮を一度拭き取る。
 蜜を塗り直してもう一度カメレオンを嗾ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に小林由美子の泣き悲鳴が轟く。
 カメレオン四匹の舌が小林由美子の敏感な娼婦の泣き所部分と子宮口を舐める。隠微極まりない光景がスクリーンに拡大される。
 股間は藻掻く様に揺れる。緊縛師は蜜をどんどん追加する。
 「いやあはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は逝き顔とも泣き顔とも付かない崩れ歪んだ表情を引き攣らせ続ける。実に隠微な表情である。
 「いやあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーいやあーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子の股間は開帳台に厳重に縄で固定されている。それでも前後に強く藻掻き揺れる。
 緊縛師は娼婦の泣き所とボルチオに集中して蜜を流す。
 カメレオンの舌はそこに集中する。
 「うおおおおーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 小林由美子の表情は破裂寸前を繰り返す。
 客席からも役人、官僚らの強い責めにコンパニオンもところどころ声を漏らしている。興奮度が上がりさらにピッチを上げて責める。
 「ううおおおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子の躰は固まりそれを震撼させる。股間は硬く強い動きで揺れる。
 緊縛師らはカメレオンを引く。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 小林由美子の股間は完全に痙攣している。そして荒い息遣いをしながら涙をポロポロ溢す。
 これだけで許されるわけは無い。ここまでは序の口である。
 緊縛師は冷水浣腸の準備をしている。
 点滴を立てるスタンドをセットする。
 小林由美子のアナルをアナル開口器で開く。膣の奥とアナルの奥が同時に広げられる。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子はスクリーンに映った自分の姿に堪らず悲鳴を上げる。
 膣のクスコは直ぐに外された。アナルの開口器に腸カテーテルが接続される。
 冷水がじわじわ直腸に流れ込む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹を痛みが襲う。
 「これから浣腸して羞恥の破局を迎えていただきます。その後にAV男優さんによる二穴挿入をご覧いただきます」
 小林由美子はまだ二本入れられた事は無い。男優二人に責められると聞いて驚愕する。そして腹は究極に痛い。
 「ううっぐうーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は腹の痛みに苦しみ悶える。
 男優は既に待機している。その横で緊縛師は鞭をブルーシートに並べる。
 二人の男優に獣的理不尽な強姦を披露されて女の性を晒しものにされる。その後強烈な鞭打ちが待ち構えている。
 緊縛師は浣腸の痛みに苦しみ藻掻く小林由美子の腸カテーテルを抜く。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は開帳台に固定されていて腹を押さえる事も摩る事も出来ない。
 藻掻き苦しみながらアナルから便と茶色い水を断続的に何度も噴き出す。
 最後は僅かなどろどろの茶色い液が搾り出すように流れ出る。
 会場からは残酷な拍手が沸く。
 さらに水浣腸が注入される。腸内を綺麗にする目的である。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は先ほどよりは軽微だが藻掻き始める。
 男優二人で腹を摩って洗うだけなので直ぐに抜いてしまう。
 男優らは小林由美子の戒めを外して開帳台から降ろす。そして高手小手に縛り直す。そのまま仰向けに座敷に寝かせる。
 胸を縛った谷間の縄の重なり合う部分にフックを付ける。天井の滑車からフックを下げて引っ掛ける。
 畳から小林由美子の背中が躰一人分離れる高さに引き上げる。一人下に男優が入る隙間を作ったのである。
 両脚とも各々膝から脚首に縄を掛けて左右の壁のフックに引っ張り縛る。
 小林由美子の躰はV字開脚に成る。
 一人の男優が股間側に立って腰を押さえる。
 もう一人が小林由美子の真下に体を入れる。立っている男優に手伝ってもらって下からアナルに挿入する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 アナルはローションを使っても最初はかなり痛い。男優らの技術で強行に挿入した。
 立っている男優が下の男優の真っ直ぐ伸ばした足を跨いで膝を付いて小林由美子の太股を?んで膣に挿入する。
 「うおおーーーーーーーーーーー」
 二穴の挿入の衝撃に呻き声を絞り出す。
 安定した姿勢とはいえないがピストンを開始する。スキンは付けていない。妊娠したら堕胎させる方針である。
 場合によっては小林由美子も子宮を撤去する。
 アナルの男優は動かないで中でさおをいきませる。上の男優がV字開脚の小林由美子の太股を?んで烈しく膣の奥を突く。
 「ぐおおーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーー」
 小林由美子は痛みとも逝き声とも判らない声を絞り出す。
 アナルは暫く痛い。
 膣とアナルの間の僅かな壁を挟んで二本のさおが張り詰める。小林由美子の顔は究極に歪み軋んでいる。
 それでも上の男優は責め続ける。
 上の男優が太股を押さえているのでアナルに挿入したさおは確りめり込んでいる。
 「ぐうがあーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子は目を硬く瞑って大口を開けて声を絞り出す。SEXと言うより二人の男に犯された玩具の状態である。
 宴席の役人、官僚らは男優らの動きに同調してコンパニオンの女に指を突っ込んで掻き回す。
 何人かは逝き顔を晒した小林由美子に鞭打ちを期待している。
 小林由美子にとっては何処までも納得行かないでは済まない。死か娼国に運ばれるしかなかった。
 そしてこのホテルに移動されて救済の可能性はもっと無くなった。
 最早、出水茉里元巡査部長を裏切りと責めることは出来ない。
 「ああーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に官能に押し切られてしまった。
 強姦に逝き顔を晒してしまった。
 座敷からさらに歓声が沸く。
 小林由美子はまた涙を流す。堕ちるところに堕ちた涙である。
 男優二人が小林由美子の躰を離れると官僚が一人鞭を持つ。
 V字開脚にされたこの状態で叩かれる。女の部分を狙ってくることは充分に想定出来る。
 小林由美子の予感通り鞭は男優に責められぐちゃぐちゃになった女の部分の粘膜に炸裂する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小林由美子の躰は強烈な痛みに震撼する。さらに痛みに躰を振って藻掻く。
 次が飛んで来る。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーー」
 三発目は内腿に外れた。
 「ぐうーーーーーーーーーーー」
 それでも相当に痛い。
 二十人近くに叩かれた。局部に直撃は7発程度だったが内腿、土手、乳房などに鞭の蚯蚓腫れと赤紫の痣が無数に浮かんでいた。
 血も滲んでいる。最後は漏らしてしまって終了となった。
 小林由美子は鉄格子に戻されたが湯に入ったり出たりを繰り返し鞭の痛みに眠れない一夜を明かした。
 
 酒井美紀子と上野愛菜三等空尉、二人の男性隊員は交代で日本へ輸出のトラックに便乗した。
 そして検問の安全性を確認したと結論を出した。
 最初に誰から行くかその順番を決める事に成った。
 「どうします。くじ引きにしますか」
 酒井美紀子が六人に確認する。
 「全員一度に行けませんか」
 吉岡理穂は置いて行かれるのが不安である。
 「リスクが高過ぎます」
 「本当に此処に残って問題ないのですか」
 「私も全員一度に行きたいです」
 加東彩子巡査部長も同じ主張をする。他の者も同意する。
 「判りました。二日輸送を止めましょう。三台順次出発です。一台はいつもの輸送トラックです。二台はレンタル車です。男性二人が行きます」
 「それだと見つかった場合此処は維持できません」
 上野愛菜三等空尉はそっちの不安を主張する。
 その間に酒井美紀子は大高に連絡を取る。
 次のメールが帰ってきた。
 『全員の希望ならそれを尊重しましょう。
 六人一台で出発しましょう。
 酒井さんらは其処に残ってください。
 日本企業の工場として正規ルートで入っている以上簡単には逮捕したりしないはずです。
 出発したら見張りが立ってないところで、隠れるのに必要なスペース分のマスクを路肩に捨ててください。』
 残る四人には衝撃だが考え抜いてこれに従うしかないと結論を出した。
 査察は常時入る。四人が居なくなれば警戒が増して港に付いても港から出発が危うくなる。
 マスクを工場から出して駐車場で積み込む。このとき入り込めば荷台にもぐりこめる。
 この工場に隠れてないことは何回も査察に入って検分されている。
 四人は覚悟を決めるしかなかった。
 翌朝六人は覚悟を決めて十トントレーラーに隠れて出発した。
 出発時はマスクのダンボールの上に隠れる。
 人の身長くらいの縦長のダンボールである。大きさも一メートル四方ある。
 中は四段に仕切られている。一段分を残して残りを軍の見張りの無い路肩に捨てる。
 中に隠れて一番上の一段だけカモフラージュに残す。
 今までの検問では箱一個だけ上から開けて確認する程度であった。
 柿崎一行は南との境界の少し手前で網を張っている。北側の検問の少しあとである。
 赤外線センサーで人体が隠れているのを道の両側から検地する。
 検問は従来の通り箱一個開けて通過した。
 一時間ぐらい走って赤外線センサーに掛かって軍が囲んで止める。
 運転手は何も知らない。
 銃を構えて取り囲んで数名の兵士が荷台を空ける。
 「どうしたのですか」
 「中に人が隠れている。六人だ。センサーが感知した」
 六人とも同じ判断をした。箱から出て反対側の荷台の扉を空けて一気に飛び出す。
 兵士たちは態と片側だけ囲んでいた。
 六人は一気に駆ける。岩場に逃げ込む。
 「一人捕らえれば良い。あとは射殺しろ」
 柿崎一行は軍にそう命令した。
 「何とかD川の流域まで逃げて潜水艦に来てもらうか、M国に逃れましょう」
 だが柿崎一行は彼女らが逃げるであろう方向に軍を配置していた。
 止められたトラックのドライバーは事態が判らない。
 「今逃げたのは秘宝館から逃げた日本人だな」
 「・・・・・・・・・・」
 運転手は無言で怯えながら手を振っている。
 「多分何も知らないのだろう」
 柿崎一行が兵士を制する。
 待ち伏せをしていた小隊が真野枝里名元警部補を連行してくる。
 「残りは」
 「射殺しました。第一分隊が遺体を収容しています」
 軍曹が報告する。
 「何処から乗った」
 「駐車場で積んでいる時よ」
 「詰まっていたマスクは」
 「発車して最初の信号を過ぎた辺りで茂みに捨てたよ」
 柿崎一行は直ぐ手配する。
 「良いか。今のところにあればヘリが回収してくる。そのまま箱に戻して港へ向かえ」
 「・・・は、はい」
 運転手は怯えている。
 直ぐに発見の報告が入る。
 柿崎一行は軍のヘリで輸送させる。
 落ちたマスクが積み終わったら軍の車両にこのトラックが港で船に積み終えるまで同行して確認するよう指示をする。
 運んで来たヘリに真野枝里名元警部補を乗せる。柿崎一行も便乗してそのまま娼国に向かう。
 娼国では緊急招集が掛かった。
 拷問部屋の準備をして真野枝里名元警部補の護送を待つ。
 真紀子、湯野中、葛城義和が集っていた。
 真野枝里名元警部補は行き成り撃って来るとは考えてなかった。五人とも射殺されたと思われる。
 これから自分が拷問に掛けられる。もう死は覚悟している。
 日本に帰ってマスコミの前でこの国の闇を公開出来なかった事が未練である。今は死を選んでもT市の工場に残った四人を護らなければならない。
 四名はそのまま火葬場に送られた。五人目の田中道子だけ万一を考えて睡眠銃で撃ったのである。
 田中道子も寝かされたままヘリで南の島へ護送された。そして元の鉄格子に入れられた。
 真野枝里名元警部補は四階の拷問部屋に連行された。
 其処に居る面々を見て真野枝里名元警部補は死を覚悟していたにも関わらず恐怖に震える。
 真野枝里名元警部補は機内で既に自殺防止帯を着けられている。工場を出発したジャージの上下を着たままである。
 「お帰りなさい。随分探しました」
 真野枝里名元警部補に真紀子の皮肉が突き刺さる。
 「何処に隠れていました」
 葛城義和が尋問する。
 真野枝里名元警部補は憮然としている。
 「・・・・・・・・」
 「マスクを捨てた場所以上は何も答えませんよ」
 柿崎一行はこれまで機内で黙秘権状態であったと説明する。
 「マスク工場を徹底的に調べましょう」
 真野枝里名元警部補は手でどうぞとジェスチャーする。
 「関係の無い日本企業を突っ突いて日本で話題になるのを期待しているのね」
 真野枝里名元警部補は無表情である。
 「もう死ぬ覚悟は出来たようだな」
 湯野中が突っ込む。
 真野枝里名元警部補は僅かに首を縦に振る。
 「簡単には死なせないよ」
 真紀子は随所に女の怖さを滲ませる。
 柿崎一行の部下が拷問具を運び込んでくる。
 「ラフな服装ね。何処で買ったのかしら。提供した人が居るよね。その姿大嫌いよ」
 柿崎一行の部下が四人で真野枝里名元警部補の躰を押さえて服を脱がしに掛かる。
 真紀子が立ち上がって近付く。行き成りビンタする。
 「う」
 ジャージの前ファスナーを一気に降ろす。肌の色に近いクリームのインナーが丸出しに成る。
 「色気の無い下着ね」
 真紀子はそれを上に捲り上げる。乳房と乳首が丸出しになる。真野枝里名元警部補は何度もこの面々の前で裸にされた。嫌悪するが今更である。
 真紀子はズボンも脱がす。
 下着も同じ様なクリームのインナーである。
 脱がした衣類は出所を調査する為柿崎一行の別の部下らが持ち去る。真野枝里名元警部補の躰に一瞥して行く事は忘れない。
 フロント面は無残な刺青姿である。それでもスタイルが良く女の色香はある。
 柿崎一行は駿河問いにする為に俯むせに押える様に指示する。
 二人の部下が両肩を押さえて柿崎一行が頭の後ろで手首を縛り合わせる。
 続いて脚首を二本揃えて縛り合わせる。
 手首を縛った縄と脚首を縛った縄を合わせてフックに引っ掛ける。
 予め天井から吊るされていた滑車にから下がったフックを引き下げて脚首と手首を纏めたフックに引っ掛ける。
 そのまま滑車の縄を引っ張って真野枝里名元警部補の躰を吊るし上げる。
 「ううおおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の苦しい悲鳴と共に躰は藻掻きながら空中に引き上げられる。
 真野枝里名元警部補の躰は縛った風呂敷包みを吊るし上げた形に空中に吊り下がっている。
 真野枝里名元警部補の肩の間から首がぶら下がっている。真紀子はそれを髪の毛を?んで引っ張る。そして蝿叩きのような形のスパンキングで横面を叩く。
 「ぐおーー」
 真野枝里名元警部補の目は怒りに震えている。
 「何処に隠れていたの。貴方達を秘宝館から逃走させたの誰」
 真紀子はまたスパンキングで引っ叩く。
 「うおー」
 真野枝里名元警部補は真紀子を睨み返す。
 真紀子は容赦なく次は乳房を叩く。
 「うおーーーーーーー」
 吊るされた真野枝里名元警部補の躰は空中で震える。
 「バトンターーチ」
 真紀子はもう飽きたのか柿崎一行に交代を宣言する。
 柿崎一行は蝋燭の炎の僅か先端で乳首を軽く焼く。部下は上からうなじに蝋燭を落とす。
 「うう、うーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の顔は恐怖に歪むが良い声で泣く。まだ然程の責めではない。
 「ううーー。うーーーーーーー。ううーー。ううーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補の背中は揺れながら蝋涙に染まってゆく。
 「ああん。ああーー。ああーー。ああん」
 真野枝里名元警部補は乳首を蝋燭で炙られ躰を迫り上げる。すると蝋涙が近くから降ってくる。
 「あうーー。ううーー。ああ。ああ。あうーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 だんだん悲鳴は架橋に成って行く。
 柿崎一行は軽い火傷の手前ぐらいを目指している。
 適度なところで下からの蝋燭の責めを終えて乳首をクリップで抓む。
 「ううーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 薄っすら焼かれた部分を抓まれ更なる痛みである。
 柿崎一行は真野枝里名元警部補の駿河問いに吊るされた後ろに回る。
 脚首から吊るされて斜め逆さになった股間に小さく顔を出す女の部分。その閉じ合わせた粘膜に蝋燭の炎の先端を近付ける。
 「うおお、おーー。ううーー。ううーー」
 真野枝里名元警部補は躰を迫り上げて逃れんとする。柿崎一行が手を伸ばすともっと女の部分の確信に炎の先端が当る。
 「ああーーああーーああーー」
 真野枝里名元警部補は堪えられず躰を揺する。
 柿崎一行の指示で大型の拷問器具が搬入される。
 餅を焼く四角い網を大型のレンジバーナーに載せた様な物である。その網は三メートル四方の大きさがある。
 高さ二メートルくらいで四隅は四本のアームで立っている。
 網の下は中心に直径二メートルぐらいのレンジバーナーがある。囲いの中は底も石で出来ている。
 側面に四角い一メートルくらいの台が設えてありスイッチパネルがある。スイッチを押すとアームが伸びて網の高さが上昇下降する。
 さらにスイッチパネルのある一面を除いて三面に大型のファンが接続されている。風をバーナーに送るものである。
 この網は良く出来ている。燃えにくい材質で出来ていて鉄のように熱くはならない。
 被疑者を縛って乗せた部分の火傷で気絶しない配慮をしている。火にこんがり焼かれ汗を噴いて悶え苦しむ姿を堪能出来るのである。
 敢えて網の高さを五十センチくらいまで下げる。バーナーに着火するが火をぎりぎりまで抑える。
 これを見て真野枝里名元警部補は恐怖の表情を凍らせる。
 この大道具を移動して真野枝里名元警部補を吊るした真下に持ってくる。
 「ゆっくりこんがり焼きましょう。話すのは今のうちですよ」
 柿崎一行は悠然と構えている。
 乳首を僅かに焼いただけでもその部分に下から強い熱を当てれば異常に痛くなる。汗を噴いて熱いだけでは済まない。
 「ううーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーー。うーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は吊るされた躰の一番下に成る腹の部分を迫り上げる。熱から逃れようと藻掻く。そして表情を引き攣らせて悲鳴を絞り出す。
 「あはあーーーーーーーーーん。あはーーー。ああーーー。あはあーーー。あーーーーー。あはあーーーーーーーー」
 暫く躰を迫り上げ藻掻き続けたが力尽きぶら下がって悶え苦しむ。
 「ぐうーう、ううーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー」
 「どうだ。しゃべったら水に浸けてやるぞ」
 「おのれーーーーーーーー。ころせーーーーーーーーーーー」
 真野枝里名元警部補は般若の形相で苦しい声を絞り出す。
 「ぐううーーーーーーーーーー。ううーー。うーー。うー。うー。うー。うー。うー。・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 真野枝里名元警部補は暫く藻掻き苦しみ続けたが遂にぶら下がって静かになってしまった。
 失神と思われたが医師が死亡を確認した。
 真野枝里名元警部補の死体の前に田中道子を連れて来る。
 「白状しないで全身火傷でショック死した」
 柿崎一行は真野枝里名元警部補の遺体を指差す。
 「・・・・・・・・」
 田中道子は刺青に潰された真野枝里名元警部補の遺体を青ざめてみている。
 「柿崎さん。一晩考えさせましょう」
 真紀子は急がないで真野枝里名元警部補の死を見て考える時間を与えた方が良いと考えた。
 
 大高貞夫は真野枝里名元警部補らの逃走が失敗したと聞いて天川村から居場所を移した。
 
 輸送トラックの運転士はマスクを捨てて中に人が隠れて船に乗ろうとしたと報告した。
 「マスクは捨てたのを警察が見つけてヘリで回収してくれた。荷物は問題なく日本に行きました。いやあ。驚きました」
 トラックの運転手は密航されたと疑っていない。
 直ぐ後に軍と警察が来て内部を検分して帰った。酒井美紀子らは不思議なくらい疑われていなかった。
 
 酒井美紀子らは一日の製造が終わってホテルに引き上げて会議を行った。
 「全部振り出しに戻りましたね」
 「運転手は四人が死んで一人が搬送され一人が逮捕されたと言っていました」
 酒井美紀子が戻って来た運転手の話を報告する。
 「二人は生きている可能性があると言うことですね」
 「やっぱり三回に分けるべきだったのですね」
 上野愛菜三等空尉は後悔発言である。
 「仕方ないよ。大高さんに確認して本人らの意思を尊重したのよ」
 「生きていて秘宝館に戻されてももう奪還は出来ません」
 上野愛菜三等空尉は手の打ち様が無いと言う。
 「私達も動けないよ。いま日本に帰ろうとしたら捕まるよ。此処で淡々と生産を続けるしかないよ」
 「そうですね」
 全員唇を噛む思いだがそれ以上に危険に直面している。
 
 南の島の鉄格子に戻されて田中道子は眠れない夜を過ごしていた。
 どんなに拷問されてもしゃべる訳には行かない。真野枝里名元警部補は拷問に耐え続けて死んだのである。
 田中道子には堪える自信がない。
 真野枝里名元警部補は元警察官である。相当の訓練を積んでいる。一般人の自分が堪えられるとは思えない。
 自殺する方法はあるのか。こんな躰にされて生き永らえてどうする。助けに来てくれた人たちを護るしかない。
 躰のフロント面は刺青に潰されている。蜥蜴が乳房に噛み付く。その蜥蜴に巻き付いた蛇がもう片方の乳首に向かって舌を伸ばしている刺青である。
 自殺出来る手段を考えた。浴槽に湯を張って手首を切れば静かに死ねる。だが手首を切れるものがない。
 バスロープも紐はない。中と外にボタンが付いている。ブラも直ぐ切れる構造である。首吊りは出来ない。
 それどころか今回から紙製の使い捨てに成った。
 手首を噛むことさえ出来ない。秘宝館に入れられるとき歯を全部インプラントに替えられた。柔らかい歯である。
 田中道子はそのまま朝を迎えてしまった。
 全身に怯えが奔っている。食事などまったく受け付けない。
 
 大高貞夫は龍神村宮代に御座を構えた。山の中の完全な一軒家である。衛星写真にも写らない。
 酒井美紀子に代わって好原安美という女が身辺の世話に来ている。
 其処から数キロ離れて日高川に面した竜神温泉の小さな宿に九人が集った。
 これまで通りコピーの資料が配られている。吉岡理穂から引き継がれて酒井美紀子の報告まで追加されている。
 「あの国は日本、亜細亜に経済侵略して官僚役人を金で従わせる。日本は多くの官僚政治家が資金に汚染されている。既に日本の自立性すら疑わしい」
 大高貞夫は集った面々に現状の忌々しきを伝える。
 聞いている八名も充分これまでに理解している。
 「今回志願していただいた四名には工場の応援に入っていただきたい」
 地下室の存在がばれてない。それなら応援を出せば何人かが生産から外れて捕らえられた女性奪還に力を入れられると見ている。
 地下室の構造を変えて別の入り口を作る。工場と地下室の関連がないように改善したい。
 四名は正規ルートで日本企業の海外駐在員として入る予定で準備している。
 
 翌朝、娼国北側の島。ホテルの最上階に在る和食料理店の奥座敷に主な面々が集った。議題は拷問の進め方である。
 この座敷からは唯一南の島が一望出来る。田中道子はその一つの建物の鉄格子の中に居る。
 お膳で運ばれた朝食を摂りながら南の島を睨んでの会議である。
 「死ぬ覚悟は出来ていると言うことだな」
 湯野中も難しい表情である。
 「もう一度痒みで行きますか」
 柿崎一行も他に策はない。
 「案外こっちは脆くないですか」
 鄭淑徳少将である。
 「昨日の責めでは無理でした」
 柿崎一行は反省気味である。
 「しかし何で死んだの」
 真紀子は死因が疑問である。
 「思ったより弱っていたのと温度が高かったのでしょう」
 柿崎一行は真野枝里名元警部補の体調まで考えてなかった。秘宝館でかなり弱っていたと考えなくてはいけなかった。
 「ところで日本から進出したマスク工場の人達の写真は撮ったの」
 「撮らなくても入管にあるでしょう」
 その時、葛城義和と真紀子は顔を見合わせる。
 「上野愛菜三等空尉の写真は入手されていますね」
 葛城義和が念を押す。
 「そうですね。田村眞子元二等海尉に確認してどう反応しますか」
 「やってみる価値はあるよ」
 真紀子もそっちが優先という。
 食事をそそくさと終えて葛城義和と柿崎一行はヘリでTS市に向かう。
 
 TSに着くなり屋上に着陸して田村眞子元二等海尉を軟禁している部屋に向かう。
 「ちょっと確認をしたいのだ。上野愛菜三等空尉はこの中に居るかな」
 柿崎一行は写真を三枚置く。
 二枚はマスク工場に居る酒井美紀子と上野愛菜三等空尉。そしてあと一枚は上野愛菜三等空尉の自衛隊のサイトから取得した写真である。
 「この人です」
 田村眞子元二等海尉は本物の上野愛菜三等空尉を指してしまう。
 あとの二枚が誰か分からない。下手に嘘をつけば自分の危険を先に察知した。
 「こっちじゃないのか」
 柿崎一行は自衛隊のサイトの写真を指差す。
 「違います」
 田村眞子元二等海尉もいまさら言い訳は出来ない。きっぱり答えてしまう。
 「自衛隊のサイトを偽造したのだ」
 「簡単にそんな事は」
 田村眞子元二等海尉は出来ないと言いたい。
 「それを堂々とやったのだ」
 「まだまだ自衛隊に協力者が居ると言う事だ」
 葛城義和は怒りを込めている。だがそれは油断のならないことである。娼国は警察官僚ばかり懐柔して自衛隊に目を向けてない。
 「直ぐに上野愛菜三等空尉を入管法違反で逮捕します」
 柿崎一行は部下に手配する。他の三名も任意で同行させるよう指示した。
 
 北側の警察員が逮捕に向かうと銃撃戦に成った。男性二人は射殺された。
 酒井美紀子は地下室に逃げ込んだ。
 警察員らが地下室に突っ込むと中で自爆した。警察員六名が道連れに成った。そして上野愛菜三等空尉は工場内で身柄確保された。
 柿崎一行はお粗末な北側の守備にまた詫びる事と成った。
 
 上野愛菜三等空尉は残った警察員の手で娼国に護送された。
 「上野愛菜三等空尉一人逮捕して、あとは始末したのね」
 真紀子は結果に納得している。
 酒井美紀子が工場で自爆したお陰で後始末はやり易くなった。
 上野愛菜三等空尉は予測に反してすらすらとしゃべりだした。
 「大高は天川村の限界集落に隠れて指揮を執っていました。真野枝里名警部補らの逃走が失敗したと報告しましたので居場所を変えたと聞いています」
 「君らに教えないで移動したのだな」
 「そうです」
 疑う余地はない。大高はそう言うやり方をすると理解している。
 「君の写真を入れ替えたのは誰の指示だ」
 「細野英二二等海将の特別任務訓練の指示と言うことで細野幸治自衛隊二等海佐が担当者に処理させました」
 「そんな簡単に出来るのか。特別任務訓練か。成程」
 葛城義和も感嘆した。
 だがそれほど自衛隊全体に大高の手が浸透してないことに安心した。
 上野愛菜三等空尉は田中道子の居る鉄格子に収監された。
 田中道子は昼食も受け付けず唯々怯えていた。
 「私は何もしゃべってないですよ」
 「分かっています。私のパスポートの偽造がばれて」
 「他の方は」
 「全員亡くなりました」
 上野愛菜三等空尉はその状況を説明した。
 「あと一人捕らえられたと聞きましたが」
 「真野枝里名警部補は拷問で亡くなりました」
 「ああ」
 警備員がバスロープと下着の交換を持ってきた。食事を摂るよう勧める。さらにアルコールも勧める。
 真紀子は一晩二人に好きな様に話しをさせる目論見である。明日には田中道子を秘宝館に戻す。
 真紀子が鉄格子の房が在る廊下に入って来る。
 「今夜は二人でゆっくり話なさい。好きなだけ酒飲んでいいのよ。あの地下室は窮屈だったでしょう」
 真紀子らしからぬ柔らかい態度である。
 「私達をどうするのですか」
 田中道子は震える声で尋ねる。
 「貴女は前の通りよ。もう拷問の必要はないわ」
 「ああ」
 玩具にされるだけと半分諦めている。気持ち良くなってイッてしまうのも既に抵抗しなくなっていた。
 痛みは受けない。弄られるだけである。此処では仕方ないと思うしかない。
 休憩日はアルコールに浸って日本の放送を見て酔って寝てしまう。
 「もう暫くよ。R国の奥地に在る民家に移してあげるわ。其処からは出られないけど」
 真紀子は田中道子の体型が崩れるのはもう直ぐと見ている。スタイリストがサポートしても限界は近い。
 「あの展示から開放されますか」
 「ええ。もう少し貴女を奪還に来る新手の囮に成って貰うのよ。もう一人生駒莉奈元二等海尉が居るわ」
 真紀子らは大高が次を送って来ると踏んでいる。
 「上野さんはどうするのですか」
 「どうなるでしょう。本人の出方次第ね。開放されたり日本に帰れる事はないけど。朝まで二人で語り明かして」
 真紀子は哂っている。
 
 酒井美紀子が自爆する寸前に大高に状況を送っていたので大高は作戦を中止した。
 柿崎一行の部下で日本在住の工作員が天川村の大高のアジトを確認した。結果は人が居た形跡が確認されたのみである。
 葛城義和は警察庁長官後藤謙二を通して日本の警察に捜査を依頼した。それでも大高に纏わる収穫は無かった。
 
 翌朝、また娼国北側の島。ホテルの最上階に在る和食料理店の奥座敷天昇の間に主な面々が集った。議題は上野愛菜三等空尉の件である。
 「あの女今までの奴らと違ってすらすら話しましたね」
 柿崎一行は上野愛菜三等空尉がすらすら話すのが疑わしいと考えている。
 「何か罠があるとは思えませんが」
 葛城義和は否定的である。
 「何故、酒井美紀子は一人地下室に逃げて自爆したの」
 真紀子もそこが疑問である。
 「此処に連れて来て尋問しましょう。何処まで話すかです」
 「そうですね。天川村には確かに人が滞在した跡は有りました。上野愛菜三等空尉が証言した内容は間違ってはいません」
 「大高が移動したと知っているから全部話したのね」
 「そうでしょう」
 本日は寿司カウンターが出ている。南の島が一望出来る正面の窓の左半分にL字にカウンターが置かれ右半分はスペースが開けられている。
 隊員等が拷問椅子と十字架を搬入して来る。
 板前はご贔屓の津梨清吉である。
 津梨清吉は何も注文を聞かずそれぞれの好みに合わせて握ってゆく。
 仲居も何も確認しないで酒を出してゆく。
 鄭淑徳少将の部下が三名で上野愛菜三等空尉を連れて来る。上野愛菜三等空尉は捕らえられた時の服装のままである。
 警備員がバスロープを搬入した。警備員はそれまで着ていた衣服の回収まではしなかったのである。
 「確認したいことがあるの」
 「はい」
 上野愛菜三等空尉はやや怯えた表情である。
 「酒井美紀子は何で一人だけ自爆したの」
 「酒井さんだけが大高さんと連絡を取れる端末を持っていました。それとプライドの高い方でしたので捕まって屈辱より」
 「死を選んだと」
 「はい。多分若い私だけ残れば役割を果たせると思ったのでしょう」
 「酒井美紀子以外大高と連絡は取れなかったの」
 「そうです」
 上野愛菜三等空尉は真紀子の質問にはきはき答えている。
 「貴女達は酒井美紀子に何か有った場合どうする予定だったの」
 「次に誰かが来るまで待つしかありません。でも男性は捨て駒です。私は」
 上野愛菜三等空尉はそういい掛けた。
 「ところで上野愛菜三等空尉は天川村の集落には行ったのかな」
 葛城義和が言葉を遮って確認した。
 「いいえ」
 「何故場所を知っていました」
 葛城義和は感じた疑問点を突く。
 「大高さんが移動したとき酒井さんから聞きました」
 「それは捕まったら居場所はしゃべっても良いと言う意味ですか」
 「そうだと思いました」
 上野愛菜三等空尉は元日本の総理葛城義和を見る目には強い蟠りがある。
 「これからどうなるか分かる」
 真紀子は女の怖さを滲ませている。
 「拷問」
 「そうよ。どうあっても免れないよ。でもね。貴女の態度次第で内容は変わるよ」
 「貴女は大高の目的が何だと思います」
 葛城義和は上野愛菜三等空尉に意識確認に入る。
 「この国が日本の政治家、官僚を手先にして日本を傀儡化するのを防ごうとしています」
 「その通りですね。ところで吉岡理穂らは自分らで計画して侵入しました。でも真野枝里名元警部補らはどうでしょう。態々風俗嬢に変身して」
 「そうです。酷い。許せないやり方だと思っています」
 上野愛菜三等空尉は涙を滲ませている。
 「ほう」
 葛城義和はこの答えに納得する。
 「貴女はいつからそう思いました」
 「あの恐ろしい展示館から六人を奪還して地下室で話を聞いている内にそう思いました」
 「酒井美紀子は」
 「あの人は大高に忠実です」
 「これまでに対立はなかったの」
 「そんな事一切口に出せません」
 「そう」
 「貴女の画像を確認したのは田村眞子元二等海尉よ」
 「仕方ありません。彼女は何処に」
 「柿崎氏が預かっているよ」
 葛城義和は簡単に教えてしまう。
 「いま淫女にする訓練中です」
 柿崎一行は堂々と素見す。
 「あの展示館に入れられる事はなかったのですね」
 「そうよ。刺青も米軍の生贄もないのよ。あなたの名前を話したから」
 「ああ」
 「どう。彼女に怒った」
 「いいえ。仕方ないと思います。大高は情報収集して戻って来るのではなく捕まって拷問を受ける想定をしていたと思います」
 浴槽とシャワースタンドが運び込まれる。
 畳の部屋に大型のバットが置かれる。それに排水を接続する。その上にシャワースタンドと浴槽が置かれる。
 上水が二本ずつ接続される。そのまま浴槽に湯を張る。
 上野愛菜三等空尉は恐々とそれを見ている。
 「パーカーを脱いで」
 「はい」
 上野愛菜三等空尉は諦めた様に従う。
 「その白いパンツも脱いでおいた方がいいわね」
 上野愛菜三等空尉はそれにしたがって白のパンツを脱ぎ捨てる。タンクトップが長いのでぎりぎりショーツは隠れている。
 綺麗な脚である。躰全体のバランスも良い。これがミニワンピースならそそられる。
 「日本に帰ったり何かを発信したり出来ない事は判っているわね」
 「はい」
 上野愛菜三等空尉は開放されないことは充分に分かっている。だがその声は震えている。
 「これから逆さに吊るすよ。片脚の膝だけで。手の着く高さに止めておくわ」
 「・・・・・」
 上野愛菜三等空尉は怯える。逆さに吊られたらショーツは丸見えになる。だが、到底それどころではない。
 「貴女の躰に蜂蜜を掛けます。次にその蟻を掛けます。直ぐ吊るしを降ろします。自分で服を捨てて躰を洗って下さい」
 真紀子は辛い拷問だが緩和すべく対応を教えてしまう。
 「蜜が有るうちにさっと洗わないと蟻に噛まれます。全裸に躊躇する余地は無いですよ」
 真紀子の説明に葛城義和が付け加える。
 右の膝に縄を掛ける。
 滑車から下がったフックを引っ張ってその縄に引っ掛ける。
 「引っ張り上げたら直ぐ手を着け」
 柿崎一行が注意する。
 上野愛菜三等空尉の躰は片方の膝だけで吊るされる。両手を浴槽の横のバットを敷いた部分に着いて逆立ちしたスタイルになる。
 タンクトップは首まで下がる。ショーツもブラも丸出しになる。現地のスーパーで購入した綿の下着である。
 柿崎一行はショーツに蜜を掛ける。腹に箆で塗ってブラは逆さに成った上半分に塗る。
 拷問の恐怖を味合わせて全裸を強要するまでの目的である。
 「行くよ。蟻を掛けたら直ぐ離すからな」
 「あーー。はい」
 上野愛菜三等空尉は緊張して構える。
 柿崎一行は広口瓶に詰まった蟻を半分くらい掛けてガラスの蓋をする。
 滑車から伸びたもう一本の縄を離して開放する。
 上野愛菜三等空尉の脚は空中で弛んだ縄を強く引っ張ってバットの上に躰を倒れさせる。
 ショーツを脱いで湯に飛び込む。頭からタンクトップを抜き取る。ブラを外してバットの上に捨てる。
 柿崎一行は上野愛菜三等空尉の脱いだ服をトングで掴む。それを足で踏む蓋の被った容器に捨てる。
 上野愛菜三等空尉はシャワーを出して躰の蜜と蟻を流し落とす。頭から湯を掛けて全裸のシャワーシーンを公開する。
 膣に自分で指を突っ込んで中を洗う。
 アナルには蜜は流れてない様である。
 上野愛菜三等空尉は浴槽に蟻が浮いているのでシャワースタンドに座って湯を掛けながら躰を丸めて隠す。
 柿崎一行が上野愛菜三等空尉の躰を立たせて隊員がタオルで躰を拭く。
 上野愛菜三等空尉は柔らかい美人顔である。気象の強さは感じさせない。
 乳房の形はやや横に楕円形と隅を丸めた四角の中間くらいである。乳輪は三センチ程で乳首は小さくピンと起っている。
 色は薄紅で若々しく綺麗な乳房である。
 柿崎一行は上野愛菜三等空尉を畳に敷いた布団に寝かせる。
 隊員が両側から脚を広げる。
 「ああ」
 上野愛菜三等空尉は恥かしさにため息を漏らす。
 股間の部分の皮膚は周りの白さに比べて薄紅がくっきりしている。皮膚を貼り付けた様な特徴である。
 小豆色のびらびらは複雑に閉じ合わせている。
 柿崎一行がそのびらびらを広げる。小豆色の縁に対して内部はピンクに輝いている。膣口を囲む粘膜が火口の擂鉢を閉じた様に突き出ている。
 さらにびらびらを強く広げると閉じた膣口の粘膜が割れる。尿道はその盛り上がった粘膜の一部に僅かな亀裂を見せる。
 そこまでで一度押さえから開放する。全裸のまま布団に座って尋問の継続である。
 「大高には資金援助する人物が居たのでは」
 真紀子が質問を始める。
 「居たと思います。電話で支援を要請していました」
 「名前は」
 「名前は判りません。会長と呼んでいました」
 「一人だけ」
 「私の聞いた範囲では一人です。一千万要求していました」
 「どうしてT市秘宝艦に六人が居ると判ったのですか」
 葛城義和が疑問を確認する。
 「弁護士が調べました」
 「そんな筈は無い。日本の弁護士はこの国で活動出来ない」
 「日本人ではありません」
 「この国の弁護士か」
 「多分そうだと思います」
 「それなら可能でしょう。これまでもその手を使っていたのです」
 葛城義和も納得する。
 「酒井美紀子は連絡を取っていたの」
 「いいえ。大高から酒井が情報を伝えられていました」
 「なかなか用心深いね」
 「どうする」
 真紀子は葛城義和に確認する。
 「これまででしょう。あとは淫女に成る訓練を受け入れてもらいましょう」
 真紀子の連絡で男優が二人入って来る。
 「これから貴女の女の性を改善します」
 改善とは詭弁。淫乱にするのである。
 男優らは上野愛菜三等空尉をバットの上に移動させて四つん這いにする。二穴挿入の準備に浣腸する。
 上野愛菜三等空尉は抵抗しても此処で排泄は避けられない。
 悔しいが今は抵抗するべきではない。
 「この調教を受け入れたら田村眞子元二等海尉のところに連れて行くよ」
 葛城義和が明言する。
 男優らは仕事だがそれでも上野愛菜三等空尉を見て嬉しそうである。
 「ねえ。彼女だとやる気になる」
 真紀子はそれを見逃さない。
 「それはもう」
 「柿崎さん。こんな事言っているわよ」
 「手伝いに来てもらいたいですよ」
 「あーら。独り占めしないの」
 「柿崎氏は忙し過ぎますよ」
 葛城義和が擁護する。
 男優らは左右から上野愛菜三等空尉の女の部分を責める。
 びらびらを広げるだけではない。膣口に両側から指を突っ込んで広げる。膣天上部のピンクの粘膜が奥まで開放される。
 見れば見るほど隠微な女の部分である。柔らかい美形の顔立ちとは対照的に強い特徴を放っている。
 「ああはあーーー。ああはあーーーーーーー。ああーーーーーーー。あはあーーーーーー」
 上野愛菜三等空尉の小さな薄紅色の乳首は硬く起っている。既に逝き顔を歪めて声を漏らす。
 男優らは先に一回指でイカせようと執拗に責め続ける。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 上野愛菜三等空尉の躰は強く藻掻き逝き顔を歪めて悶える。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに逝き顔を軋ませて悶える。尿道の小さな亀裂から僅かに潮を漏らしてしまう。
 男優は最初一人目が正上位で挿入する。
 暫く膣を慣らす。
 一度抜いてもう一人が上野愛菜三等空尉の躰を横にしてバックからアナルにローションを入念に塗って慣らす。
 ゆっくり挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーー」
 痛がる予定が既に開発されているようである。
 真紀子も意外な表情で見ている。
 「調教の必要は無いかな」
 葛城義和もほぼ呆れ気味である。田村眞子元二等海尉とは大違いと言いたい。
 男優は気分が乗って責めている。
 「ああーーはああーーーーーーーーー。ああーーあはあーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 一気に感度が上がる。首を小刻みに振って喘ぎ続ける。
 男優は手頃なところで布団の上に離す。
 正上位で挿入した方の男優が布団に仰向けに寝る。
 上野愛菜三等空尉は四つん這いに成って男優を跨ぐ。男優のさおを持って自分の女を被せる。
 後ろからあと一人がアナルに挿入できる体制で腰を動かす。
 「ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人の男優は下の男優の足を跨いで上野愛菜三等空尉が開いた内股の中側に膝を着いてアナルに挿入する。
 「ああーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 上野愛菜三等空尉は二本挿入の感触を確り躰で受け止めている。これが初めてではなさそうである。
 「これじゃAVですね」
 柿崎一行も呆れ顔である。
 「拷問をしているのか善根を尽くしてサービスをしているのか判らないね」
 真紀子も意外な展開に呆然と見ている。
 上の男優が烈しく動く。
 「ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー」
 上野愛菜三等空尉は完全に燃焼している。
 上の男優が躰を離す。
 上野愛菜三等空尉は膣の挿入を自然に抜いて布団に倒れこむ。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 布団を拳で掴んでまだ余韻である。
 男優は二人とも果ててしまっている。女が良過ぎる。慣れた男優らも制御が利かなかった様である。
 「もういいわ。引き上げて。そこまでよ」
 男優らは残念そうに引き上げる。
 柿崎一行がとりあえずバスロープを渡す。
 上野愛菜三等空尉は下着が無いのでそれだけを着る。
 「貴女はこの国の売春とかからゆきさんを暴いて国際社会がこの国を裁くとでも思ったの」
 「本来の目標はこの国に捕らえられた女性の処遇。それと日本の代議士とこの国の癒着や金の流れを掴む事です」
 「からゆきさんに混ざっても無理よね」
 「大高の目的はお座敷に入って日本の政治家、官僚を確認する事でした」
 「吉岡理穂らの考えは違いますね」
 「そうです」
 「私たちの国では入国時点で警告していますね」
 「はいそうです。吉岡さんたちは見解がやや甘かったです。大高は刺青された一人が戻ってお座敷の様子と居た政治家が公表できれば良いのです」
 「大高の作戦は前に潜入した四人が宴会で代議士らの玩具にされてその後に捕まって拷問。その暴露要員と考えて送り込んで来たと分かっているのね」
 「はい」
 「大高に復讐する」
 「したいです」
 「そう。田村眞子元二等海尉を説得出来る」
 「田村眞子元二等海尉はまだ大高を」
 「そっちは理解したみたい。でもこの国から出て証言はしたい様ね」
 「ああ。はい」
 「貴女はチャンスを待って闘う」
 「いいえ。日本に帰ってもどうにも成らない事が分かりました」
 「そう。ところでさっきの3P。今までもあんな事していたの」
 「はい。二人の男性と三人で付き合っていました」
 「成程」
 上野愛菜三等空尉の衣類が届いたので着替えて柿崎一行と待っていたヘリで出発する。
 TS市の海に面した高層ビルでは柿崎一行の部屋を一つ左へずらして田村眞子元二等海尉を其処に移した。
 田村眞子元二等海尉の部屋を上野愛菜三等空尉に準備した。
 
 T市秘宝館に生駒莉奈元二等海尉と田中道子の在籍を確認したとM国の弁護士は大高貞夫に報告した。
 酒井美紀子らが経営していたマスク工場はT市から酒井美紀子らを案内した企業が管理継続運営を命じられた。
 T市が不法入国企業を押収した形である。
 大高貞夫はその状況を受け取って次の四人を派遣した。なんと田村眞子元二等海尉らと同じ方法である。
 
 「結局その大高氏の護りたいものは何なの」
 滝澤沙緒里は葛城義和の話を聞いても大高の目的に理解が行かない。
 「日本の自立性だよ」
 「大高にとって貴方のような総理を排除したいのは分かるけど。日本は自立しているのでは」
 「奴は警察官僚出身だ。娼国から賄賂を受け取った実態を明確にして関係した政治家官僚を全部逮捕したいのだ。そして生粋日本の権力復活よ」
 葛城義和は吐き捨てる様に言う。
 S市の新日本空輸ホテル最上階のスイートルームである。
 真紀子も葛城義和も日本国籍のままだが日本に住民票は無い。会社役員でないという理由で日本に税金も納めてない。
 浴室を出て二人とも全裸にホテルのバスロープだけである。
 その姿でルームサービスを手配する。
 配膳係の女性はワゴンをドアから入れて置いて行く。女性だったので滝澤沙緒里が受け取ってサインする。
 滝澤沙緒里は湯の中で責められて二回登り詰めた。まだ顔は僅かに火照っている。色が白いので目立つ。
 葛城義和は上野愛菜三等空尉と比べる。身長や体系は変わらない。やや上野愛菜三等空尉の太股が肉を着けていた様に思う。
 それでも全体的に綺麗な良い女だったと思う。
 「その上野愛菜三等空尉に何かさせるの」
 「副主席は何か考えているかな」
 「随分簡単に寝返ったのじゃない」
 「寝返ったというより大高に復讐したいと言ったよ」
 「でもその人はからゆきさんにされた訳ではなかったのでしょう」
 「そうじゃない。酒井美紀子は一人自爆した。おそらく上野愛菜三等空尉も事態によっては捕まって田村眞子元二等海尉らと同じ役割は計算されていた」
 「そうか」
 上野愛菜三等空尉は真野枝里名警部補らの話を聞いて大高のやり方を知った。
 六人の回収が失敗したとき自分も捕まって拷問を受けて実態を知って次のグループに回収される予定があったと理解したのである。
 
 上野愛菜三等空尉は田村眞子元二等海尉とは考えが合わなかった。
 田村眞子元二等海尉は上野愛菜三等空尉の所在をしゃべったことは土下座して詫びた。
 だが日本に帰って証言する意思は変わってなかった。そこからは冷戦になった。柿崎一行も事態を悟った。
 柿崎一行は田村眞子元二等海尉の調教は止めて南の島に戻した。
 上野愛菜三等空尉は柿崎一行に提案した。
 それは和歌山一帯にドローンを飛ばして山間部の集落を調査して大高に纏わる何かが見付からないかと言うのである。
 上野愛菜三等空尉は大高の使っていた幾つかの機器を覚えている。集会のときにも外に設置していた機器がある。
 偵察を続ければどこかで手掛かりを発見できるかも知れ無いと提案した。
 映像を娼国に流すのは簡単だが準備も必要だし警察の協力も必要となる。柿崎一行が葛城義和に提案して検討となった。
 
 それから約一月が過ぎた。
 娼国のコンパニオンに二人の女が潜入した。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長である。両名とも名前を変えてパスポートを作っている。
 あと二人は男性だが退職した元警察官である。娼国に本社を持つ日系企業と取引をする駐在員の名目で渡航した。
 二人とも大高よりは若いがかなり年配となる。だがそれが無難と言う大高の見解である。
 婦警二人も今度はハードコンパニオンではなく普通のコンパニオンとして潜入させた。
 大高貞夫は娼国に目標を立てたが代議士、官僚はR国T市で宴会を行っていた。娼国にはあまり集っていなかった。
 小林由美子がこっちに居たからである。
 このところ娼国で行われるのは軍人、警察員そして日系企業の宴会である。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長は目的に近付けないまま全裸のお座敷コンパニオンを続けさせられていた。
 この国にスーパーコンパニオンは無い。総てのコンパニオンが温泉芸者以上のサービスをする。
 女躰盛、全身奉仕が当たり前である。ハードコンパニオンはこれにSMが加わる。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長は週に三日は全身奉仕のお座敷に出された。毎回濃厚に唇を貪られ躰を弄繰り回された。
 個室への延長で朝まで本番も対応した。不本意極まりないが任務を果たす為である。警察の任務ではないが任務以上の意識を持っている。
 
 大高貞夫はさらに協力企業にR国進出を求めた。
 マスク工場の様な使い方はしない。実質成業している企業なのでそのホームページを利用するだけである。
 R国から海外のサイトには通常アクセス出来ない。海外から許可された企業のR国のサイトにはアクセス出来る。
 この為である。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長は何か連絡がある場合このサイトで特定商品の問い合わせを行う。
 通常の文面に暗号キーワードを含める。
 それを見て日系企業と取引をする駐在員が連絡をした二人のどちらかを娼国のホテルに指名で呼ぶ。
 田村眞子元二等海尉らのときよりさらに用心深さが強化された。
 
 娼国海軍将校の宴会である。
 森川優紀巡査部長がメンバーにアサインされていた。森川優紀巡査部長を指名したのは天葛少将である。
 一人ずつカタログから担当のコンパニオンを選べる。そこには全裸はもとりり性器まで公開されている。
 森川優紀巡査部長は偽造パスポートでこの国に入る前に整形した。整形前より良い女に成っている。
 天葛少将は娼国の機動部隊参謀。娼国では序列ナンバー三十以内に入る地位である。
 森川優紀巡査部長の姿は腰に小さな前掛け一枚である。
 宴席ではハードコンパニオンも呼ばれSMショーが行われた。
 上座の床柱の手前に置いた十字架に全裸のハードコンパニオンを磔にする。
 「君はこれまでSMショーを見たか」
 天葛少将は森川優紀巡査部長の女の部分に深く指を入れている。もう片方の手は乳首を中心に掌で乳房を包む様に被せている。
 「いいえ」
 「ならばよく見ろ。今日はハードだ」
 天葛少将は含み笑いをしている。
 ハードコンパニオンは星野茉莉という。高額な借金を清算してそのバンスの埋め合わせに日本から出稼ぎに来ている。
 両手を広げて十字架の横の柱に手首と肘と肩を縛られている。その手首の真下には脚首が吊るされている。
 星野茉莉のスリムな躰は大股を跳ね上げて船の碇の様な形に吊るされている。女の部分の粘膜からアナルの蕾まで丸見えである。
 土手は既に剃毛されている。小陰唇の周りの皮膚はそんなに変化は無い。綺麗な股間である。
 「浣腸です。どなたかご希望の方」
 緊縛師が呼びかける。
 「おう」
 天葛少将が手を上げる。他にも数名手を上げたが序列の低い者は手を下ろす。
 「では天葛少将」
 緊縛師が指名する。
 「この女SMショー始めてらしい」
 そう言って森川優紀巡査部長を上座に押し出す。
 何で私が女性に浣腸をと思うが逆らえない。やりたくないばかりではない。全裸に近い姿で全員に注目されてしまう。
 森川優紀巡査部長は恐る恐る前に行く。
 緊縛師はいかにも冷たい水が入っていると分かる浣腸器を持っている。
 星野茉莉は辛そうな目でそれを見ている。
 森川優紀巡査部長は仕方なく浣腸器を受け取る。持った手に冷たさが伝わる。
 緊縛師はアナルの蕾を指差している。
 森川優紀巡査部長は恐る恐るそこに浣腸器の先端を差し込む。恐ろしくて女性の顔は見られない。
 「静かにゆっくりシリンダーを押して」
 緊縛師から指示が飛ぶ。
 目の前には星野茉莉の女の部分が二枚の粘膜を閉じ合わせて突き出している。
 森川優紀巡査部長はゆっくりシリンダーを押す。冷たい液が徐々にアナルから直腸に入って行く。
 「うぐううーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉は一気に苦しみだす。
 森川優紀巡査部長は堪らない。不本意に人を苛めてしまっている。きっとその目は恨みが篭っているに違いないと思う。
 「うぐううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉は苦しい悲鳴を漏らし続ける。
 森川優紀巡査部長の手はぶるぶる震える。
 「確り押さえて」
 緊縛師は上から森川優紀巡査部長の手を押さえる。森川優紀巡査部長の顔から汗が流れ出る。
 浣腸液を注入し終わるのに二十分近く掛かった。
 緊縛師の手でアナル栓を捻じ込む。
 森川優紀巡査部長は浣腸器を緊縛師に返して逃げるように席に戻る。
 席に戻ると酒を強いられる。コンパニオンだから断れない。臭い唇を押し付けられるので飲んだ方がましではある。
 よく見ると十字架の横に置かれたテーブルに蝋燭が怪しく立っている。その蝋燭の芯の周りは溶けた蝋涙が溜まっている。
 緊縛師はその蝋涙を浣腸の苦しみに呻き藻掻く星野茉莉の右の乳房に流すように掛ける。
 「ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 十字架に吊るされた星野茉莉の躰が震撼して強烈な悲鳴が轟く。
 その興奮に天葛少将の二本入れられた指は森川優紀巡査部長の膣の中で強く奥まで突きまくる。
 興奮度が森川優紀巡査部長の躰に強く伝わる。
 緊縛師は次の蝋燭を掲げて希望者を募る。
 若い将校が前に向かう。
 将校は顔に掛けて良いかと指を指して確認する。星野茉莉の細面の美しい顔が恐怖に般若の形相になる。
 緊縛師は駄目と首を振って乳房を指差す。
 将校は渡された一本を反対側の乳房に掛ける。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 火傷になることは通常無い。暫くヒリヒリするだけである。だが女の美しい乳房に掛けられる衝撃に破裂する様な悲鳴になる。
 星野茉莉はこちらに来て約二週間。本日が三回目である。
 あと三本残っている。希望者が呼ばれ左右の太股から内腿に被せる。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉の顔が破裂して大声の悲鳴が轟き渡る。
 最後の一本は土手から女の部分に流す。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉は髪を振り乱し顔に汗を噴出し大口の悲鳴を轟かせる。
 ここで星野茉莉のアナルの下に透明なボウルが置かれる。直径一メートル以上ある。
 緊縛師は体を横にずらしてアナル栓を抜き取る。
 ぶるるるるるる、る、る、るーーーーーーーーーーーーー。
 大音響と共に濃い茶色の水がボウルに叩きつけられる。
 治まった後に別の緊縛師がボウルを回収する。そして星野茉莉の股間部分から内腿を入念に拭く。
 緊縛師はスパンキングを取り出す。
 若い将校が続いて前に出て来る。
 蝋涙を被ってそろそろ乾いた乳房の蝋涙を叩き割る。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう片側も叩く。スパンキングの平たい面でビンタする様に強く叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉は大口を開けて悲鳴を絞り出す。蝋涙は粉々に割れる。一部乳首をかたどった部分が落ちる。
 太股も土手も叩く。
 「ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 将校は最後にアンダーハンドに股間を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 星野茉莉の顔から涙が溢れ出る。
 壮絶な展開である。だがこれは序の口もっとハードなショーがこの後も続くのである。
 星野茉莉は一旦十字架の磔から降ろされる。一度シャワールームに引き上げた。ショーは一時休憩である。
 天葛少将は森川優紀巡査部長の膣を責め続ける。潮を噴かそうと娼婦の泣き所を責め続ける。
 森川優紀巡査部長は声を抑えるのがやっとである。この場で潮吹きは到底堪えられない。
 「だめーー。いやあーー」
 森川優紀巡査部長は断末魔である。もう破局は避けられない。
 天葛少将はさらに奥を責め膀胱を押し上げる。
 「ああーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 潮は一メートル近く噴き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 こっちも壮絶な状況である。
 若い将校が何人か急遽立ち上がって上かえら覗き込んでいる。
 森川優紀巡査部長は生きた心地ではない。羞恥に何も考えられない。恐ろしい羞恥の極地である。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 森川優紀巡査部長は解放されても躰はぶるぶる震える。
 「いやあもう」
 恥かしさに堪えられず顔を覆ってしまう。
 それでも天葛少将は許さない。卵バイブを幾つも持ち出す。
 「それはもう。お部屋に行ってから」
 この場でイカされるのは堪えられない。
 それでも天葛少将はがっちり躰を押さえて来る。
 「だめーー。お部屋に行ってから」
 森川優紀巡査部長は躰を躱して抵抗する。
 「いやあーー」
 強く拒絶してしまう。
 「お前なんだ」
 天葛少将は怒る。
 強固に押さえに掛かる。
 森川優紀巡査部長は今の任務でなければ警察官である。躰が自然に動いてしまった。
 森川優紀巡査部長の膝は天葛少将の股間を蹴る。さらに腹を蹴り上げ巴投げで投げ飛ばしてしまう。
 「うおーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長は瞬時に我に帰る。だが遅い。
 一挙に若い将校が集って来る。直ぐに森川優紀巡査部長の躰を取り押さえる。
 天葛少将は股間を押さえて蹲ったままである。
 看護士らが来て担架で病院に運ぶ。
 森川優紀巡査部長は警察員が引き取りに来る。全裸のままヘリで南の島に運ばれた。
 
 そのころ柿崎一行はTS市で上野愛菜三等空尉の提案を実行していた。天川村を基点に日本の警察の協力を得てドローンを飛ばして偵察を続ける。
 送られてきた画像を上野愛菜三等空尉が検証し続ける。
 ドローンを林道に沿って飛ばす。民家の在るごとに旋回する。
 「ああーー。此処。もう一度お願いします」
 柿崎一行は担当者に旋回を依頼する。
 「これです。このアンテナ」
 「和歌山県田辺市龍神村宮代だな」
 殆ど衛星写真からも分からない場所である。
 大高が此処に居れば工作員が始末する。大高が確認出来なければ暫らく見張るしかない。
 直ぐに柿崎一行の日本在住の部下が向かった。
 大高貞夫と一緒に居た好原安美を確保して処分した。遺体は荼毘に付して山中に散骨する。
 資料を押収して内容をTSの本部に送る。柿崎一行は資料を娼国CICに転送して娼国に向かった。
 そして潜入者が確認された。
 「この二人。整形して名前を変えています」
 鄭淑徳少将の部下がコンパニオンのリストから確認する。
 「そうだな。一人は昨日暴れた女だ。もう一人を確保しよう」
 鄭淑徳少将は直ぐに部下に指示を飛ばす。
 「潜水艦を探しましょう」
 部下が資料にある潜水艦の存在を指摘する。
 鄭淑徳少将が軍に命令する。指宿からラドルフマレカル少将に連絡して北側の潜水艦も行動に出る。
 
 南の島五号棟四階。伊藤楓巡査長が先に拷問部屋に引き出された。白いワンピース姿である。捕まったままの姿で連れて来られた。
 森川優紀巡査部長は後回しである。蹴りを食らった天葛少将が快復してからとされた。
 「こいつ等は偽のパスポートで入国しています。どの様にしても問題ありません」
 鄭淑徳少将が宣告する。
 主な面々が揃っている。
 伊藤楓巡査長は葛城義和と平佐和周一郎を怒りの篭った目で見る。
 「伊藤楓巡査長。大高は死んだぞ」
 柿崎一行が宣告する。
 「・・・・・・・・・」
 伊藤楓巡査長は呆然としている。
 何故ばれたのか。大高が死んだ。居場所がばれて日本に居る工作員に殺された。そして私達の情報も。伊藤楓巡査長はそう事態を悟った。
 最早どうする事も出来ない。
 伊藤楓巡査長の躰はがっちり四人の隊員に押さえられている。
 「真っ直ぐ吊るして。それから片脚を大きく吊るし上げて」
 真紀子が要求する。ごついテープ状の革を二本重ねた鞭を持っている。珍しく真紀子が拷問する様である。
 隊員は手首を縛り合わせる。天井から下がったフックに縄を引っ掛ける。フックを引っ張り上げて伊藤楓巡査長の躰を縦一文字にする。
 隊員二人が脚首を押さえる。一人がワンピースを下から鋏みで斬り落とす。あと一人が肩を切り落としてワンピースは床に落ちる。
 ブラジャーとショーツだけの下着姿にされた。
 真紀子がブラを鋏みで斬り落とす。
 「ちくしょー」
 伊藤楓巡査長は真紀子を睨み返す。
 「貧弱なおっぱいね。女刑事だからしょうがないか」
 確かに大きくは無い。なだらかな山だがそんなに形は悪くない。巨乳趣味には貧乳である。
 肌の白さに乳首の紅さがそれなりに欲情を誘う。
 伊藤楓巡査長は真紀子の言葉に怯む。
 隊員らは左脚の膝から脚首まで三箇所を縛る。その縄を天井のフックに通す。それを引っ張って左脚を高々と引っ張り上げる。
 伊藤楓巡査長の躰は脚を引っ張り上げられて右に弓なりに撓る。
 真紀子はショーツを斬り落とす。
 黒い塊が丸出しになる。陰毛は濃く無造作にその部分を包み隠している。
 「処理もしてないのね。バリカンでカットして」
 真紀子が隊員に要求する。
 二人の隊員が後ろから躰を押さえる。ローションもシェービングも塗らない。そのままバリカンでカットする。
 伊藤楓巡査長は唇を噛んで剃るバリカンの行方を睨み続ける。
 真紀子は鞭をぶら下げて剃り終るのを待っている。ごつい革のテープ二本重ねた強力な鞭である。他に机に細い竹の鞭と一本鞭を置いている。
 「湯野中総統。当分米軍の生贄は要らないのね」
 真紀子が湯野中に確認する。
 「そうだ。ベイソン中将は退役した。後任は真面目な将軍だ。当分その必要は無い」
 米軍を接待しても然程のプラスには成らない。真面目な長官なら相手にしない方が良い。
 剃毛は終わった。女の部分のびらびらを閉じ合わせた周りの赤い皮膚が露出している。
 真紀子はその股間に鞭を叩き付ける。
 「うおおーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は引っ張り上げられた脚をくの字に蹴る。反動でその躰をさらに右に逸らす。
 次は逃げる乳房を斜めに叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 床に着いた脚を蹴って躰を泳がせる。
 真紀子はその股間をもう一発叩く。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 さらに閉じ合わせたびらびらをきっちり鞭の先端で叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の躰は左脚をL字に跳ね上げる。躰は痛みに震撼している。
 真紀子は床に着いた右脚の内腿を狙う。鞭の先端が白い内腿を強く直撃する。
 「ぐうーーおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を開けて絞りだす悲鳴。それと共に躰を強く斜めに逸らせ震撼する。
 真紀子は容赦なく逃れようとする乳房を連打する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の躰は鞭の痕が真っ赤に浮き出ている。
 真紀子は一本鞭に持ち替える。
 それで伊藤楓巡査長の無防備にされた股間を先端で薙ぐ。
 「ぐうーーーーーー。ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の躰は吊るされたまま動く限り力を込めて暴れる。
 真紀子はさらに内腿を叩き乳房を叩く。一本鞭の先端は的確に躱そうとする伊藤楓巡査長の躰に命中する。
 「ちくしょうーーーーーーー。このくにはいつかほろぶよーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は怒りの限り吼える。
 「黙れ!どんなに売春が蔓延ってもこの国の主権だよ。お前は侵略者でスパイだ。この国でスパイは加重死刑だよ!」
 真紀子は怒りの限り伊藤楓巡査長の股間に一本鞭の先端を叩き込む。
 「ぐおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の股間の粘膜は閉じ合わせている。遂にその粘膜を突き破って雫が落ちる。やがて一筋に流れ出す。
 部屋全体から拍手が沸く。
 伊藤楓巡査長は追い詰められて挙動が定まらない。
 「さあ。お漏らししたからお○○こ焼きましょうね」
 真紀子はさらりと言う。
 伊藤楓巡査長は恐怖の表情を凍らせる。
 「でもその前に加重死刑の加重分をやりましょう。そして潰す前のお○○こに最後の味わいをあげましょうね」
 真紀子は含みを持たせて哂っている。
 衝立が四枚運び込まれる。伊藤楓巡査長の吊るされた躰を囲む。隊員らは強制である。一人ずつ順番に挿入して射精まで行う。
 一人終わればセペで膣内を洗う。
 二十人くらいが動員された。
 真紀子らは会議を続ける。
 「問題は潜水艦です」
 柿崎一行はこっちの手掛かりが無いと言いたい。
 「領海に入って来ない限り拿捕は難しい」
 指宿も困っている。
 「スクリュー音が特定できない限りやたらに撃沈は出来ないからな」
 「そうね」
 「その潜水艦、奴等は何処から手に入れたのだ」
 「自衛隊の退役した艦です。それをスクラップにする前に横流しさせたようです」
 湯野中の質問に柿崎一行が答える。
 「細野英二元二等海将の仕業か」
 「そうです」
 「海中警備行動の強化以外に手は無い」
 指宿は渋面である。
 伊藤楓巡査長を輪姦する隊員らの作業が終わって次の準備になる。
 衝立は外された。
 真紀子は半田鏝を持っている。それが温まるのを待つ。これで膣の中を焼こうと言うのである。
 「だれか指の細い人居ない」
 真紀子は隊員らに確認する。
 一人が指を立てる。
 「ううん。いいじゃない。この女の尿道に突っ込んで」
 これも残酷な拷問である。
 隊員は上に引っ張られた伊藤楓巡査長の左の太股を腕で掴む。びらびらの中に指を這わせる。
 「ううーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 尿道の亀裂を探り当てて強引に指を突っ込む。
 「ぐうおお、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。伊藤楓巡査長顔を振って藻掻く。痛みに大口を縦に破裂させて悲鳴を絞りだす。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。ぐう、ぐ、ぐお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は悲鳴を絞り出しながら躰を捩って藻掻き暴れる。
 隊員が指を抜くと手は尿塗れである。
 「ううーー。ぐうーー。ううーー」
 伊藤楓巡査長は痛みに藻掻き続ける。そいて呻き声とともに細く尿を垂れ流す。強烈に染みる痛みが襲い続ける。
 そろそろ半田鏝は良さそうである。
 真紀子はもう一度半田鏝を構える。
 鄭淑徳少将の指示で隊員二人が伊藤楓巡査長の躰をがっちり押さえる。
 一人がしゃがんで床に着いた右脚に抱き付く。もう一人は後ろに回る。天井から吊るされた左脚の太股を抱える。
 真紀子は伊藤楓巡査長の女の部分のびらびらを指で開く。
 伊藤楓巡査長は恐怖に引き攣った表情でそれを見る。
 真紀子は半田鏝の先を膣口に捻じ込む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーー。うあはあはんあはーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は押さえられている股間を強く捩る。大口を開けて悲鳴を轟かせる。
 「あはあん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 伊藤楓巡査長は躰を右に左に振って痛みに震え続ける。
 隊員らは床に大きな鉄板を敷いている。鉄板には拘束用の鉄パイプが埋め込まれている。
 痛みに苦しむ伊藤楓巡査長を鉄板に寝かせる。手首を左右斜め上に固定する。各々三本の鉄パイプでがっちり留める。
 脚をV字開脚にする。そのまま脚首も腰の左右斜め上に固定する。
 さらにL字の鉄板で顔を左右から押さえる。これで顔は逸らせない。
 焼いたばかりの膣に開口器を挿入する。嘴が四つに割れるタイプである。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーー」
 焼かれたばかりである。相当に痛い。
 衛生兵が局部麻酔を打つ。
 伊藤楓巡査長はほぼ意識朦朧状態である。
 口にも開口器が挿入される。
 四方からもう一度衝立が立てられる。
 「ぬるま湯で洗ってあげるね」
 真紀子はあっさり宣告する。
 隊員二十人くらいが伊藤楓巡査長の膣と口に小水を掛ける。如何ともえげつない拷問である。
 膣に流し込むだけではない。口にも流し込む。顔に掛ける者も居る。
 伊藤楓巡査長は全部終わって担架で鉄格子に運ばれた。
 既にバスとトイレは接続されている。
 通路を挟んで隣には森川優紀巡査部長が投獄されていた。森川優紀巡査部長は担架で運ばれた伊藤楓巡査長の姿を心配そうに覗き込む。
 ベッドに寝かされ殆ど動かない。
 医師と看護士が来て点滴をセットする。看護師ではない。この国では看護婦と看護士は区分されている。
 医師は火傷の治療をして行く。
 
 夕方になって医師がもう一度看護師を連れ立って伊藤楓巡査長の鉄格子に来る。護衛の隊員が何人か外で待機している。
 看護士は終わった点滴を外す。医師は幹部をもう一度消毒して痛み止めを打ってゆく。
 伊藤楓巡査長はようやくベッドに起き上がった。
 「大丈夫」
 森川優紀巡査部長が声を掛ける。
 「伊藤楓巡査長です。貴女は」
 「神奈川県警の森川優紀巡査部長です」
 「私は大阪府警です」
 「何をされたのですか」
 「酷い拷問でした。この中焼かれました」
 伊藤楓巡査長の躰はまだ鞭の痕と鬱血が乳房と太股に確認出来る。
 「それで医者が」
 「大高貞夫氏は日本でこの国の工作員に殺された様です。私達は加重死刑囚です」
 「加重死刑囚」
 「そうです。加重の分は肉体提供だそうです」
 「そう」
 「私達はもうどうする事も出来ないです」
 「そうね。潜水艦の海自の人達はどうなったの」
 「そうです。私が此処の兵士たちに輪姦されているとき」
 「何か」
 「ええ。潜水艦を発見するのが難しいって幹部が会議で」
 「まだ助かる可能性があるかもしれないね」
 森川優紀巡査部長はそっちに希望を抱いた。
 
 細野英二元二等海将らの乗艦した潜水艦は娼国の領海からは離れて通信を行っていた。
 大高と連絡が付かない。
 ようやく稲村雄二警視長と連絡が取れた。大高貞夫と好原安美が姿を消したとだけ確認出来た。
 娼国の日系企業と取引をする駐在員の名目で渡航した二人。彼ら退職した元警察官も大高と連絡が取れなくなった。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長が捕らえられたことも察知した。
 状況判断で日本に引き揚げるべきと判断するに至る。
 細野英二二等海将らには二人の婦警が捕らえられたことだけ報告した。
 「南の島なら乗り込めませんか」
 「小型潜航艇で入って二人を救出出来ればだが。今回は情報が無い」
 「確かに何回も同じ手は使えませんね」
 「それに大高が敵に見付かったのならこの艦の情報も知られている。ここは引き揚げよう」
 細野英二二等海将が判断する。
 
 翌日は森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長が収監されている4号の房に真紀子らが降りて来た。
 まだ天葛少将は病院から退院してない。
 本日も伊藤楓巡査長が標的である。
 鉄格子に降りてきたのは森川優紀巡査部長に拷問を見せる。次に拷問を受ける恐怖を覚えさせてその日まで怯えさせる目論見である。
 真紀子は白木の鞘に入れた日本刀を携えている。
 森川優紀巡査部長と伊藤楓巡査長が収監されている4号は棟の中程に当る。トーチカの様な入口のある海中からの桟橋から見て右側に入れられている。
 4号も他と変わらず十字に通路を挟んで四つの鉄格子に成っている。縦の通路を挟んで反対側二つは空室である。
 本日は鉄格子を天井に収納して机と椅子を並べている。そこで主なメンバーが拷問を見守る。
 森川優紀巡査部長は平佐和と葛城義和を見て怒りを露にする。
 真紀子は森川優紀巡査部長の鉄格子に近付く。
 「貴女は天葛少将が退院してからよ。ゆっくり伊藤巡査長の仕打ちを見ていなさい」
 真紀子は含みのある笑みの奥に女の怖さを滲ませる。
 「おのれ」
 森川優紀巡査部長は怒りに真紀子を睨み返す。天葛少将が来れば相当な拷問が予想される。
 真紀子はそのまま伊藤楓巡査長に向かう。
 隊員が正面の鉄格子を天井に上げてしまう。
 二人の隊員が拷問椅子を台車で運んで来る。伊藤楓巡査長はバスロープにショーツ一枚の姿である。
 後から医療チームらしきが白衣で入って来る。
 隊員らが伊藤楓巡査長を全裸にして拷問椅子に磔にしている。
 若い医師がクスコを挿入する。中をペンライトで照らす。後ろから昨夜診察した医師が見ている。
 「どうだ」
 「再生出来ると思います」
 「感度は戻るの」
 真紀子が後ろから確認する。
 「今でも完全に潰されては居ません。大方戻りますよ。まあインターンの実習ですから多少は」
 診察した医師が答える。
 伊藤楓巡査長に課せられた加重死刑の加重部分の一つは医療実習への女躰提供である。
 医療チームはそのまま引き揚げる。
 「昨日の鞭の痕は大分引いたわね」
 真紀子は伊藤楓巡査長の躰を点検する。
 森川優紀巡査部長は鉄格子を両手で掴んで横から観ている。こっちもバスロープとショーツだけの姿である。
 真紀子の手にしている日本刀を見て蒼白な表情に成っている。
 「何からやります」
 真紀子が座に確認する。日本刀を使うのはもう少し後の様である。
 「膣の中は麻酔が掛かっているのですね。外側はどうでしょう」
 柿崎一行は局部を叩こうとしている。
 「やってみないと。局部麻酔だからねえ」
 真紀子は残酷に哂っている。
 柿崎一行は小さいフックと洗濯バサミをゴムで繋いだ小道具を出す。
 伊藤楓巡査長の女の部分を閉じ合わせたびらびらを洗濯バサミで抓む。反対側のフックを拷問椅子の肘掛に引っ掛ける。
 ゴムが伸びる。びらびらは引っ張られて緋色の部分が露出してくる。
 伊藤楓巡査長は痛みに僅かに顔を歪める。この部分まで麻酔は効いていないらしい。
 もう片方も抓んで同じ様に引っ張る。
 緋色の部分は完全に広がっている。
 その部分はたくさんの視線に晒される。伊藤楓巡査長は今更でも恥ずかしい。火照らせた顔を強く逸らせている。
 緋色の部分は全く濡れていない。膣口はざっくり広がっている。
 柿崎一行は包皮を捲ってクリトリスを剥き出す。ピンクの丸い粒状のその部分を指にクリームを付けて弄くる。
 伊藤楓巡査長は声を殺しているが表情は一気に軋む。この部分も麻酔は効いていない様である。
 柿崎一行は鞭を持つ。先端が長方形の革を二枚重ねたチップに成っている。
 それで包皮に包まれたクリトリスを叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の拷問椅子に固定された躰が震撼する。
 次は緋色の部分を尿道の亀裂付近を狙って叩き付ける。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の腰が力の限り迫上がる。強く振って痛みに悶える。顔の表情は破裂している。
 次は洗濯バサミの根元を叩く。洗濯バサミはややずれて咥えが小さくなる。
 「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の甲高い悲鳴が響く。大口を破裂させ表情は究極に縦に軋む。
 続いてもう片方も狙いを定めて咥えの根元を叩く。
 「うーーお、お、おーーーーーーー。うおおーー。おーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は躰を硬く震撼させる。大口を破裂させた顔を突き出して甲高い悲鳴を響かせる。そして泣きべそ顔を強く振る。
 痛みが観ている者に染み渡る悲鳴である。
 もう一度真ん中の緋色の部分を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を震撼させ顔を強く振って悲鳴を絞りだす。痛みに躰は力の限り右に左に捩って暴れる。
 そして遂に失禁した。
 「ひどおいーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鉄格子を握り締めて観ていた森川優紀巡査部長が泣き叫ぶ。
 「何言っているの。こんなの序の口よ。あんたは相当な事に成るよ」
 真紀子が森川優紀巡査部長に近付いて非情な宣告をする。
 森川優紀巡査部長は床にべったり内腿とお尻着いて真紀子を見上げる。躰は恐怖に震えている。
 柿崎一行は失禁の収まるのを待って濡れた股間を拭く。伊藤楓巡査長が失禁したのに満足である。
 伊藤楓巡査長はまだ痛みに顔を引き攣らせている。
 柿崎一行は浅い咥えに成った洗濯バサミを叩いて弾く。
 「うーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯バサミはゴムに引っ張られて広がった内腿に当ってぶら下がる。
 もう片方も落とす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長の顔は泣き顔に歪んで震撼する。
 「副主席。クリ潰してもいいですね」
 柿崎一行は真紀子に態々確認する。
 伊藤楓巡査長は恐怖に怯え震える。
 「いいよ。どうせ医療実習で再生するから」
 真紀子は平然と答える。
 「・・・・・・・・・」
 伊藤楓巡査長は恐怖の表情をさらに凍らせる。
 「ちょっとお二人。申し訳ありません。クリトリスの包皮を捲って押さえてくれませんか」
 柿崎一行は自分の部下でない娼国の隊員二人に要求をする。そして細い竹の鞭を持つ。
 「申し訳ありません。当ったら赦してください」
 押さえる指に当りそうな距離である。柿崎一行は先に謝っておく。
 柿崎一行は先端に神経を集中させる。
 伊藤楓巡査長は悲痛な目付きで身構える。
 竹の鞭の先端が叩き付けられる。包皮を捲って押さえる男性隊員の指ぎりぎりである。
 「うぐう、う、う、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 伊藤楓巡査長は腰を引いて跳ね上げる。隊員の押さえは跳ね除けられる。
 あと三人加勢する。
 二人が拷問椅子の前側に座って太股をがっちり押さえる。一人が拷問椅子の右側から伊藤楓巡査長の胸に重なる体勢で腰を押さえる。
 また同じ隊員がクリトリスを剥く。
 竹の鞭を構える柿崎一行に真紀子が四角い金属の棒を渡す。厚みは七ミリ四方である。
 真紀子は残酷に滾っている。どうせインターンの実習用である。これで叩き割れと要求している。
 柿崎一行はそれを受け取って構える。
 伊藤楓巡査長には腰を押さえている隊員の肩越しにしか見えない。
 柿崎一行は金属棒の角を下にして一思いに振り下ろす。
 「ぐ、ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が滲み出て流れ出す。隊員らは強力に押さえている。
 柿崎一行は止血パットを被せる。
 暫らく休憩が入る。
 衛生兵が呼ばれて痛み止めを注射する。
 「貴方。縫った経験はある」
 真紀子が衛生兵に確認する。その場で乳首を斬って乳房を縫った無残な姿を突きつける。伊藤楓巡査長の衝撃を愉しみたい。
 「大丈夫です」
 衛生兵は自信を持って答える。
 平佐和、湯野中、葛城義和、柿崎一行らは飲み会に入っていた。
 「潜水艦は捕まらんか」
 「この島に近付く事は出来ません」
 鄭淑徳少将が断言する。
 「もう日本に帰ったか」
 湯野中が呟く。
 「日本のどこかの港に入ったら判りますよ」
 今度は柿崎一行が断言する。
 「それじゃその艦は放浪者か」
 「そうなります」
 「どっちにしても面倒なものが残った」
 葛城義和は片付けてほしい。
 「この女の乳房の上と下を縛って乳首を突き出して」
 真紀子が日本刀で伊藤楓巡査長を指して隊員らに要求する。いよいよ日本刀の出番である。
 胸部を縛られて伊藤楓巡査長の控えめの乳房がやや突き出された。白い肌理の細かい乳房に乳首の紅さが映える。
 「誰か斬りたい人」
 真紀子が日本刀を翳して座に確認する。
 伊藤楓巡査長は恐ろしさに震える。
 「副主席がやって下さい」
 柿崎一行は真紀子に薦める。
 真紀子は日本刀を持っているだけである。使う自信はない。
 「木下優樹子警視正が此処に居れば良かったな」
 平佐和がぼそりと言う。真紀子がやりたくないのは分かっている。
 結局、鄭淑徳少将が日本刀を受け取る。
 「あんたは天葛がやるからな」
 鄭淑徳少将は森川優紀巡査部長に向かって言う。森川優紀巡査部長は鉄格子の奥でベッドに半分躰を寄り掛かって怯えている。
 そのルージュを塗ってない唇は真っ青である。
 鄭淑徳少将は日本刀を抜く。伊藤楓巡査長の左の乳首の根元に乳輪すれすれに刀の刃を当てる。
 伊藤楓巡査長は震えている。唇がやや微動している。
 そしてもう一度失禁する。
 鄭淑徳少将は日本刀を構えたまま失禁が終わるのを待つ。
 一気に振り下ろす。
 「・・・・・・・・・・・」
 伊藤楓巡査長から悲鳴すら出ない。そのまま拷問椅子に沈む。
 衛生兵二人が止血に掛かる。
 麻酔が打たれてヘリが病院へ運ぶ。その場で縫うことは見合わされた。
 
 翌日。北側の島。古いホテルの最上階。和食料理店の特別な座敷天昇の間である。
 南の島を一望出来る広い窓。その窓からは島の周りに展開する駆逐艦の姿が何隻も確認出来る。
 「天葛少将はもう退院したのか」
 湯野中が日本酒をコップに冷で飲みながら確認する。
 「今日退院します。森川優紀巡査部長の拷問は明日です」
 「全く次から次へと。これで最後だな」
 湯野中は怒りを込めてコップ酒を飲み干す。日本の末広純米酒である。
 「そうとは言えません。面倒な大高が死んだだけです」
 そこに訃報が届けられた。
 「T市のホテル地下で小林由美子が自決した姿で発見されました」
 娼国CIC事務方の課長が報告に来た。
 小林由美子はT市ホテル地下の鉄格子に収監されていた。
 食事に出されるナイフホークはプラスチック製である。それを鉄格子の金属に充てて研いだ。
 夜間に浴室の中で手首を切ったのである。
 「東京で命乞いしたあの女記者死んだか」
 平佐和はまだ憎しみを込めている。平佐和から日本の官僚らに連絡を入れた。
 
 細野英二元二等海将らの潜水艦は日本近海に戻っていた。礼文島船泊の防波堤付近に小型潜航艇だけ浮上した。
 此処で食料などを補給する。協力者が準備して漁船で運ぶ。
 その後根室落石岬沖合に小型潜航艇で浮上する。迎えの漁船に移って交代で半数ずつ上陸した。
 息抜きに青空の下を歩いて温泉で宴会を行う。艦内で出来ないことを楽しむ。
 大高は抹消された。先の長い闘いである。
 細野英二元二等海将、細野幸治二等海佐、樽崎元二等海佐他五名である。釧網線摩周駅で降りた。
 摩周温泉の旅館がマイクロバスで迎えに来ていた。
 「僕が高校生の頃はこの駅は弟子屈だったな」
 そんなことを懐かしがりながらこじんまりした宿に着く。
 夕食は小さな宴会部屋に通された。
 「どうして大高の居場所が判ったのでしょうね」
 「どうしてだろうな。我々でさえ移った先は知らなかった」
 細野英二元二等海将も全く理解出来ない。
 「これからどうします」
 「捕まった仲間で生きている同士を回収しなければならない」
 「調査は」
 「無理だ」
 料理はたいした事は無い。目立たないように選んだ場末である。
 「もう我々は情勢が変わるまで上陸して暮らすのは難しい」
 「そうですね。何としても証拠を掴んだ同士を救い出しましょう」
 その夜はビールと温泉の息抜きであった。
 
 翌日。隊員らの手で森川優紀巡査部長は鉄格子から引き出される。そのまま四階の拷問部屋兼会議室に連れて来られた。
 正面には湯野中、平佐和、葛城義和が居る。森川優紀巡査部長は相変わらず葛城義和を怒りの篭った目で見る。
 直ぐ横に真紀子と天葛少将が居る。
 恐ろしい事態が充分に想定出来る。それでも今はどうすることも出来ない。
 「さあ天葛少将。お好きな様に責めていいのですよ」
 真紀子が天葛少将を促す。
 天葛少将は一度席に着く。隊員らを周りに集める。
 「俺は昔日本に居た時。駐禁で文句付けた婦警に金蹴りされた。これが効く。こいつには座敷でやられた。お前らこの女を責めるをアイデア出してくれ」
 天葛少将は案を募る。
 「天葛少将。この女は医療自習に出してその後はT市秘宝館行きよ。何をしてもいいのよ」
 真紀子は過激に成るよう条件を示して煽る。
 天葛少将は隊員に作業を振る。鞭が二人。ローターが二人。
その後は乳首をじっくり落とす。
 乳首をじっくり落とす間に蛇拷問が二人。その後にクリを潰すのが一人。膣を焼くのが一人である。今度は半田ごてではない。
 天葛少将の部下ではない隊員が既に森川優紀巡査部長を磔にしていた。バスロープを脱がして下着も取る。
 磔柱は一メートル四方の鉄板の台座に建てられている。十字架の形である。森川優紀巡査部長は左右横柱の先端に手首を縛り付けられている。
 両手を広げて十字の状態である。肘と腋にも縄が掛かっている。
 脚首は左右別々に十字架の根元に縛り付けられている。その縄は各々長く伸びてそれぞれ天井から下がったフックに繋がっている。
 脚を左右に引っ張り上げて股間を広げる準備である。
 天葛少将が最初に立つ。
 森川優紀巡査部長の前に立ってビンタする。
 「ぐう」
 反動で脚首を縛られている膝が少しだけ動く。縛っていなければまた金蹴りされるところである。
 さらにビンタする。
 「ぐう」
 怒りを込めてさらに叩く。
 数発叩き続けても涙は出てこない。
 鞭の担当二人が交代する。
 二人は森川優紀巡査部長の脚を引っ張り上げて股間を広げたい。
 縛った隊員の内二人が脚元の固定を外して脚首を押さえる。鞭担当の隊員が両側から天井のフックに引っ掛けた脚首の縄を引く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に両脚が引っ張られて広がる。
 森川優紀巡査部長の脚は天井のフックから吊るされてV字開脚にされた。
 股間が全開になる。腹が内側に弧を描き土手を突き出す。アナルまで丸出しである。
 二人の隊員が鞭を構える。一人は細い竹の鞭。一人は先の細い一本鞭である。一本鞭の革は硬い。
 森川優紀巡査部長はこの無防備な体勢で叩かれる。躰は恐怖に震える。
 真紀子は小気味良さそうにその表情を見ている。
 最初に細い竹の鞭が乳房を叩く。右の乳房である。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 右の内腿を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長の躰は反動で固まる。そして痛みに藻掻き揺れる。竹の鞭で叩くと直ぐに蚯蚓腫れが浮く。
 反対の内腿を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また右の乳房を乳首の付近を狙って叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長は顔を横に叛けて大口を破裂させる。
 竹の鞭で叩いた蚯蚓腫れは少し経つと紅い筋が浮いてくる。
 もう一人がそれを狙って一本鞭を叩き付ける。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長は眉間に皺を強く刻む。大口を破裂させ鼻筋は崩れる。悲鳴と共に涎も飛ぶ。気丈な表情の女だけに恥ずかしさが小気味良い。
 蚯蚓腫れがさらに赤くなる。部分的に割れている。艶かしい内腿が無残な姿に成る。隊員らの加虐心はさらに滾る。
 乳房だけは右に限定して叩いている。左は斬り堕とす目的がある。
 右の乳房は赤紫の痣の様な筋が並び重なり無残である。
 森川優紀巡査部長の首から乳房の谷間に汗が流れている。肌理の細かい森川優紀巡査部長の右の乳房と艶かしい太股は鬱血だらけである。
 左の乳房と比べて拷問の凄惨さが滲み出ている。
 森川優紀巡査部長の痛みと苦しみは尋常ではない。
 ここでローターの担当に代わる。
 ローターは三個用意されている。天葛少将が宴会場でやろうとして森川優紀巡査部長がごねた責めである。
 「待って。浣腸してアナルにも入れようよ。これが最後の悦びになるかもね。盛大にやりましょう」
 真紀子が意地悪く助言する。
 「そうですね」
 天葛少将も納得する。
 「医者は手術で感度は戻ると言ってなかったか」
 湯野中が異論を唱える。
 その間にも浣腸器が運ばれる。グリセリンを冷やして持ち込まれる。アナルは既に挿入出来る位置に蕾んでいる。
 だがこの体勢で冷たい浣腸で腹の苦しみはなんとも堪え難い。
 「インターンの実習だから。そこは何とも」
 真紀子は愉しそうに言う。
 「それじゃT市秘宝館で展示しても客の愉しみが無いぞ」
 「もう一回医療実習するか廃棄かな」
 真紀子は普通の事の様に恐ろしい事を言う。
 「あんたはとことん残酷だよ」
 湯野中はコップ酒を一気に飲み干す。
 「総統の上は行きません」
 ここでいつもの湯野中と真紀子の火花が飛ぶ。
 森川優紀巡査部長は吊るし同然の磔状態で浣腸の苦しみに悶える。
 その苦しむ気丈な女の表情は隊員らの官能を滾らせる。とことん責めたくなる光景である。
 だが天葛少将は隊員に透明なボウルを運ばせる。そして自らアナル栓を抜いて破局の堰を切る。
 ぶおおーーーーーーーーーーーーー。
 一気に茶色い水と便が流れ出る。かなり繋がった固まりも落ちる。
 「ああーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長は排泄しながらも腹の苦しみと恥ずかしさの坩堝である。
 目からは悔しさか苦しさか涙が粒に湧き出ている。それが一条筋になって流れる。
 天葛少将は満足そうにそれを見る。
 隊員はもう一度森川優紀巡査部長の直腸を水浣腸で洗う。
 まずアナルからローターを挿入する。三個まで入れる。
 膣の裏側付近に留まる様にリモコンの線の引きで調整する。
 膣にも三個挿入する。
 「はああーー」
 森川優紀巡査部長の表情は責めに軋む。目を瞑って顔を振る。
 天葛少将は幅三センチの書類を挟む黒いクリップ持ち出す。それを無傷の左の乳房に鋏む。
 「うぐーーーーー」
 森川優紀巡査部長は顔を歪める。
 ローターの隊員は左右から一個ずつ持ってクリトリスを剥いて責める。
 「あはあーー。ふああ。はあ。ああ」
 森川優紀巡査部長は微かな呻き声を漏らし続ける。
 やがて股間を閉じようと藻掻く。
 「あ、ああーーーーーーー。はあーーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 股間は痙攣している。
 やがて小水が流れ出す。止まらない。
 「ああーー。はああーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 三回長い流れが続く。
 出し終わっても股間は暫らく痙攣する。
 会場からは拍手が沸く。
 森川優紀巡査部長は羞恥の坩堝である。火照らせた顔を叛けて固まる。そのまま羞恥に震え続ける。
 実に隠微な光景である。
 ここで森川優紀巡査部長の躰を磔から開帳台に移す。そのまま寝かせて置ける様に開帳台である。
 葛城義和がその表情を見に近寄る。
 「お前。元総理」
 森川優紀巡査部長は葛城義和に怒りの一言をぶつける。
 「元総理はここに二人居ります」
 もう一人は平佐和である。
 「お前がA級戦犯だよ」
 森川優紀巡査部長はもう何を言っても仕打ちは軽くならない。言いたいだけ言う構えである。
 「私は日本の経済を限りなく良くした」
 「お前は日本の主権をこの国に売ったのだ」
 森川優紀巡査部長は大高の言葉をそのままぶつけただけである。
 「そんなことは無い。俺は非正規層の賃金を大きく上げて日本の景気を回復した」
 日本のGDPは世界三位だが国内は貧困が溢れていた。国民一人当たりのGDPを出せば世界二十六位まで下がる。
 アメリカとて九位である。中国は七十位以下に沈んでいる。葛城内閣は国民一人当たりのGDPを世界三位まで上昇させた。
 葛城義和は野党とマスコミが足を引っ張る中そこまで改善したと主張する。
 その間にも森川優紀巡査部長の左の乳首を鋏んだクリップの上からプラ粘土が被せられる。それを押さえるべく片側だけのブラを被せて留める。
 昔中国に後宮というものが存在した。そこには官僚ではない宦官という存在があった。
 彼らは腰の物を切り落とされている。
 その方法は紐でぐるぐる巻きにして三日くらい土に埋める。
 それを乳首で再現するのである。
 その説明に森川優紀巡査部長は天葛少将を怒りの篭った目で見続ける。何を抗議しても無駄と分かっている。
 森川優紀巡査部長は何としてもこの国を国際社会の前に曝け出す。そして審判を下すべきと誓うのみである。
 蛇が水を入れない水槽で運ばれる。
 隊員はクスコで森川優紀巡査部長の膣を抉じ開ける。奥まで丸見えになる
 「ああ」
 森川優紀巡査部長は悔しさの篭った表情で隊員を見る。
 隊員は水槽を引き寄せる。
 「ええーーーーーーーーーーーーーーー」
 水槽の蛇を見ただけで森川優紀巡査部長は悲鳴を上げる。
 隊員はスネークフックで縞蛇を掴む。
 「あ、ああーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長はさすがに恐怖に震える。堪えられず金切り声の悲鳴を上げてしまう。
 衛生兵が精神安定剤を注射する。
 「ええ。なに」
 森川優紀巡査部長の口元は震えている。
 「精神安定剤」
 「ああ」
 森川優紀巡査部長は膣に入ったクスコに蛇を入れられると判ってぶるぶる震える。
 隊員は蛇を股間に近付ける。
 「あーああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長の顔は恐怖に破裂している。
 それでも隊員は蛇をクスコに挿入する。
 「あーーーーーーーあはん。あはんはん。ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーああーーーー」
 サイレンより逼迫した悲鳴になる。森川優紀巡査部長は目を見開いた大口の表情で天井を見上げる。
 そして僅かに失禁した。大量に漏らした後である。
 隊員は蛇を水槽に戻す。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 森川優紀巡査部長は荒い息遣いで躰はぶるぶる震えている。
 衛生兵がクリトリスの下に針が通るように刺して局部麻酔を打つ。
 一人の隊員がクリトリスを剥く。それを長いピンセットで押さえる。もう一人隊員も長いピンセットを持ってその押さえを加勢する。
 隊員二人が太股をがっちり両側から押さえる。さらに一人の隊員が開帳台の横から腰を押さえる。
 クリトリスを潰す隊員が別の水槽でアカマタを運んで来る。スネークフック二本でアカマタを掴む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が室内を劈く。
 アカマタは暴れる。
 その首を森川優紀巡査部長のクリトリスに押し付ける。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
 森川優紀巡査部長は大口を破裂させるが声も出ない。
 アカマタはクリトリスに噛み付く。
 「ぐ・・・・・・・・・・」
 クリトリスから血が流れる。
 「はあ。ああ。はあーーーーー。ああ」
 森川優紀巡査部長の躰はぶるぶる震えている。
 衛生兵はクリトリス付近に止血パットを当てる。局部麻酔をその付近とクリップの上から粘土を被せた乳房に打つ。
 膣のクスコは入ったままである。
 森川優紀巡査部長の躰を押さえていた三人がもう一度押さえる。
 何本も蝋燭に着火されていた。既に芯の周りに蝋涙が擂鉢状に溜まっている。
 「蝋燭じゃ焼けないでしょう」
 真紀子は手緩いと言う。
 「いいえ。これは塗料が違います。普通より熱いのです。低温火傷させます」
 天葛少将が説明する。
 隊員か蝋涙を一本ずつ流し込む。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に熱そうである。
 森川優紀巡査部長の大口を破裂させた表情も全員見慣れた。
 途中から糸を垂らして溶けた蝋涙を流し込む。
 蝋涙がクスコの淵まで来たところで糸の長さを調整する。その糸に点火する。
 「いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長は泣きべそ顔の悲鳴である。さらに小さいガスライターで火を強化して中まで溶かす。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うお。おー、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長の躰は強烈に藻掻き暴れる。
 クスコを軽く引っ張る。その向きを下にする。蝋涙が外に流れ落ちる。クスコの中から出せるだけロングスプーンで掻き出す。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 温い水で中を洗いクスコを抜く。大方蝋涙は取れている。
 もう一度新しいクスコを入れる。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優紀巡査部長にはそれだけでも痛い。
 もう一度温い水で中を洗う。
 膣の中に水泡が確認出来る。低温火傷は成功している。
 衛生兵は性器の周りにも局部麻酔を打つ。
 そのまま三日間衛生兵が交代で監視について麻酔を追加する。
 
 平佐和は日本へ帰った。副総裁はそんなに忙しくは無い。それでもいつまでも娼国に居るわけには行かない。
 葛城義和は娼国から後任の月村内閣のサポートを続ける。
 与党民事等は葛城義和の手で八割以上の議席を持った。少数から微数になった野党だが何処までも抵抗する。
 人数は減ったが残った者はこれまで通り抵抗する主力ばかりである。サポートの手は休まらない。
 
 三日後に粘土を剥がすとクリップごと乳首は落ちた。そのままヘリで病院に搬送する。
 立ち会ったのは真紀子と天葛少将、他数人の隊員であった。
 伊藤楓巡査長は病院でたくさんのインターンの目に晒されながら性器と乳首の大手術を受けた。
 そして全身に心電図を付けられて感度のテストを何回も行われた。
 森川優紀巡査部長もその後に同じ様に医療自習に晒された。
 その後は予定通りT市秘宝館に送られた。生駒莉奈元二等海尉の三名と成った。
 
 生の女躰拷問秘宝館 完
 
 女衒の國 その十六に続く。



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