鬼三のSM小説
女衒の國 その十三


女躰拷問挽歌滾る

この物語はフィクションであり、実在の人物、機関とは何ら関わりがありません。

 二〇二一年啓蟄上元
 (この小説は2019年3月現在未来形です。またこの二十四節気は平気法によるものです)
 此処はR国。歴史を知る人はこの国を女衒の國と呼ぶ。
 女は床に大の字に磔られている。股間に黒い塊はない。広げられたその下の皮膚は乳輪の色にやや近く紅い。
 女の入口は薄い二枚の粘膜がやや突起して細く閉じ合わせている。
 男は鞭を持っている。一本鞭である。先端は三十センチ位の細い革が二本伸びている。
 女は出水茉里という。元日本の千葉県警巡査部長である。
 数年前無鉄砲に娼国に捜査に入った。
 日本でフェミニストグループの会合のあと連続殺人事件が起きた。
 フェミニストグループの何人かが殺害された。ホテルの会合に出たグループで残った新井絵里と岡村一美が容疑者にされ姿を消した。
 出水茉里元巡査部長は娼国を疑い独断で違法捜査に入った。だが捕らえられて数年娼国の奥の島に幽閉された。
 男は葛城義和と言う。数年前はフリーの業務SEであった。元総理で現民事党副総裁の平佐和周一郎の紹介でR国、娼国の仕事を請け負った。
 娼国、R国の二大資本グループが日本亜細亜を経済侵略するサプライチェーンマネジメントの開発要件定義である。
 その後娼国の後押しで日本を傀儡政権化する総理に成った。だが二年でその椅子を強引に降り後継者を傀儡内閣にした。
 今は民事党四百余議席の日本の傀儡政権を裏で操っている。
 この場所はT市の湖畔に有るファッションホテルである。殆どR国に本社、工場を持つ日系企業の赴任役員、社員が利用する。
 鞭の先端は出水茉里元巡査部長の股間に咲いている女の部分を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに出水茉里元巡査部長の磔られた躰は迫上がり震撼する。
 床に埋め込まれたフックに引っ張られた手首、脚首が各々縄できっちり縛り付けられている。
 出水茉里元巡査部長の美しい太腿の筋肉は怒張して痛みに震え続ける。
 葛城義和はやや横に移動する。鞭を振り被って先端が内腿に入る角度で右の太腿を叩く。
 「ぐうーーーーーーーー」
 叩かれた脚の膝が脚首の戒めを引っ張って跳ね上がる。躰は斜めに仰け反る。
 顔の表情は痛みに歪みきっている。
 葛城義和はさらに内腿を狙う。たて続けに三発叩く。
 「うぐーー。うーーーーーー。あがあーー」
 出水茉里元巡査部長のしなやかな躰が筋肉を怒張させて床から迫り上げ震撼しまくる。目はきつく瞑り眉間に稲妻が奔る。
 「はあ。はあ」
 葛城義和はもう一度強制的に広げられて丸出しになっている股間の真ん中に突起する縦筋を狙う。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は躰を迫り上げ硬直させ大口で悲鳴を搾り出す。
 「ああーーー。はあーーー。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いで苦しみ悶える。
 葛城義和はもう一回鞭を構える。
 「あぁーー」
 出水茉里元巡査部長は辛そうな呻き声を漏らす。
 鞭の先端はもう一度閉じた二枚貝の身を叩く。
 「ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 出水茉里元巡査部長は堪らない痛みに腰を揺すって暴れる。
 目からは涙が零れている。
 「あはん。あはん。あは。はあ。はあ」
 葛城義和は腰を落として叩いた部分を確認する。やや血が滲んでいる。
 浴槽に湯は張られている。戒めを脚首から順に外して抱き上げて浴槽に運ぶ。
 出水茉里元巡査部長はほっとした表情になって湯の中で局部を押え葛城義和を見ている。
 葛城義和も服を脱いでバスタブに入る。出水茉里元巡査部長も躰を寄せて来る。あれだけ叩かれても従順さを保っている。
 葛城義和は背中に手を回して出水茉里元巡査部長の躰を広い湯船に浮かす。首に手を回し背中の下に膝を入れる。
 出水茉里元巡査部長の躰は湯の表面に一部肩と乳房が出ている。葛城義和は股間を割って広げる。
 叩いた部分を確認する。傷痕は無い。
 「痛いか」
 「ううん」
 湯に浸けただけで楽に成ったようである。
 葛城義和は出水茉里元巡査部長の顔を引き寄せ唇を貪る。出水茉里元巡査部長は抵抗する事無く進んで応じている。
 葛城義和は膣に指を入れる。
 「・・・・・」
 出水茉里元巡査部長は葛城義和に腕を回して躰を安定させる。葛城義和は出水茉里元巡査部長の女の奥の敏感な部分を一気に責める。
 以前は責めを逃れようと藻掻いたが成されるがまま受け入れている。
 「ああーーーーー。ああ。ああーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あーーーーーー」
 湯船の中に潮の飛沫が飛び散る。
 「ああーー。ああーー。はあ。はあ。はあ。はあ。・・・・」
 鞭の悲鳴と違って艶やかに表情は軋んでいる。
 「ねえ。入れて」
 葛城義和はバスタブの底にお尻を着いて脚を伸ばす。
 さおは確り起立している。出水茉里元巡査部長の両脇を持って躰を浮かし女の部分をさおに引き寄せる。
 さおを膣深く進入させたまま片手は乳首を弄る。もう片方はクリトリスをゆっくり?いて刺激する。
 暫く時間が止まったような時を過して温まり過ぎないうちにベッドに移る。
 葛城義和は出水茉里元巡査部長を指で数回上り詰めさせる。その後に女の中で果てた。
 二人は湖畔に待たせたヘリでD市に帰る。
 葛城義和は態とヘリに回り道をして旋回してもらう。日本式温泉旅館の真上を飛ぶ。
 その手前には滝澤沙緒里の経営になったホテルが聳えている。五十二階建て二棟である。
 その手前は空港が完成して一日二便飛んで来る。まだ国際空港にはなってない。運行はS市とTS市の境にあるR国国際空港のみである。
 温泉旅館の先は新たに開発途中で工事車両が数十台確認される。
 完成しつつある建物や鉄骨が組まれた段階のものもある。
 「此処に私のホテルと温泉旅館が開業する」
 「此処に」
 「そうだ。君は温泉旅館の女将をやってみないか」
 「市(いち)江(かわ)さんの様に」
 「うん」
 「ほんとに」
 出水茉里元巡査部長の表情が明るくなる。
 「ああ。副主席は了解した。最初は借金に成るが返済して君の物に成る」
 「それ何年掛かるの」
 「二年位さ。日本人系の売春、風俗も入る。儲けはぜんぜん違う」
 「返せなくなったら」
 「成らない。それに無利息の約定だ」
 「うん」
 満足げに納得する。
 「さっき通過したホテル。副主席が最初資金を立替えたが今は完全に滝澤沙緒里の資産だ」
 「ええ」
 日本では考えられない話である。
 ヘリは出水茉里元巡査部長の家の庭に降りる。出水茉里元巡査部長を降ろして葛城義和は市江廣子の経営する日本旅館に向かう。
 娼国副首席北嶋真紀子と民事党副総裁平佐和周一郎が待っている。
 
 此処は名古屋市内の古い旅館。元は遊郭であったと思われる造りである。
 まだ娼国に反逆する分子が居た。
 テーブルにはこれまでに姿を消した人物のリストが配られている。
 座敷からは中庭が見える。料理は運ばれない。素泊まりである。コンビニの袋に缶ビールが詰まっている。
 「調査に入ったと思われる人物で日本に戻ったのは滝澤沙緒里だけです」
 フリージャーナリストで吉岡理穂という。三十手前の女性である。
 「滝澤沙緒里はジャーナリストを棄ててAV女優。それからバラエティに転向した」
 岡山県警を引退してテレビでの解説、コメンテーター等に時々出演する渡辺則継元警視である。
 「R国の奥でホテルも経営していると言う噂も」
 竹田玲奈は元テレビ太陽クルーである。テレビ太陽が娼国に買収されて退職した。テレビ太陽は娼国資本に買収され旭放送と名を変えた。
 「一緒に居たはずの内山莉緒警部補も行方不明のままです」
 「赤い文字は死亡と確認された方ですね」
 大阪地検特捜部有栖川章仁主任検事である。
 「そうです」
 「娼国かR国に何人かは抑留されている言うことですね」
 「そうです。その何人かを救出できればあの国の正体を暴けます」
 吉岡理穂は同朋を救い出して自分らの倫理に反する国で売春を止めさせ国民を解放したい。
 「確実に何人かが収監されているのですか」
 「確実とは言えませんが何らかの情況確認の出来ない人が※印です」
 「私たちで救出が出来るのですか」
 「娼国に捕らえられている場合が一番厳しいです」
 「他の可能性も有るのですか」
 「最初に現代のからゆきさんを篠田茉莉が追って射殺されたのがR国のT市です」
 「スパイの収監は娼国の南側の島と聞いていますが」
 「それには訳があります。娼国はR国を実質支配下にしています。でもそれはR国の南半分です。R国には国際的にも地図にもない境界線があります」
 「そのどっちが逮捕したかと言うことですか」
 「そうです。どっちの工作員も日本に居ます」
 吉岡理穂はこれまでにかなりの情報を収集している。
 「AVにされた人が何人か居ます。これも全部捕らえられての強制ですか」
 「シカゴから配信されていますが、その全部が向こうの資本の配信するAVであることは不自然です」
 「日本で行方不明になった道警の二人もそうでしょうか」
 「その可能性が高いです」
 「自主的にAVに流れた者は居ないと」
 「おそらくそうだと思います」
 「滝澤沙緒里さんは例外ですか」
 「多分違います。人質をとられているか已む無く転向したと思います」
 会合終了後バラバラに名古屋から離れた。
 吉岡理穂は工作員に見張られている危険を充分理解していた。
 
 R国D市の高級日本旅館滝亭である。
 特別室での真紀子と平佐和が待つ会合は葛城義和がヘリで到着して会席料理が運ばれ酒盛りが始まっていた。
 女将の市川廣子は前菜を配膳して挨拶をして下がった。
 次の間には生贄が待たされている。
 娼国警察員三名が付き添って娼館島からヘリで護送して来た。小倉紘子元道警警部である。
 出水茉里千葉県警元巡査部長も同じ娼館島の鉄格子の中に居た。
 小倉紘子警部は笛木祐子巡査部長と捜査に失敗して捕らえられた。
 R国日系人資本の日本に置かれた持ち株会社オーナー村上晴久の家では政治家、傀儡市長、警察幹部に全身奉仕の肉体接待が行われていた。
 旧姓高島波琉は正妻ながら三年契約で接待に使われていた。
 波琉は外と連絡の取れない籠の鳥。所持金は持たされてない。豪邸だがR国から来た工作員の召使に監視される生活を続けていた。
 前妻は自殺した。その前の二人も行方不明となっていた。
 道警は既に本部長以下大方がR国の傀儡である。その中で正義を正すつもりの小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長がこの不審な村上家に立ち向かった。
 広大な村上家の敷地に自殺した前妻より前の妻二人の遺体を捜して任意で捜査に入る。だが何も出ない。任意捜査に応じたのは罠であった。
 逆にR国の息の掛かった道警本部長以下の手で村上家の地下室に監禁された。二人に怒り心頭の政治家と警察幹部はとことん女躰SM玩具にした。
 婦警らを玩具にした後始末に蛇を使った残酷拷問で気狂いにする計画となる。だが二人はどこまでも堪え続けた。
 娼国副主席北嶋真紀子が村上邸に乗り込み二人はAV女優にされ社会的に葬られた。
 見込み違いの捜査をして署に戻らずR国に逃げてAVに転向したと強引に筋書きを作られたのである。
 実質AVが公開されて誰も異論を唱えるものは居なかった。
 小倉紘子元警部が引きだされたのは平佐和のお愉しみの為である。
 「総て順調ですか」
 葛城義和から確認する。
 「そうだな。最近は反逆分子も現れない」
 平佐和は前菜の次に若い仲居の手で運ばれた刺身をつまみ葛城義和の好みのビール麒麟クラシックラガーを呑む。
 「今のところは。警戒は怠っていません」
 真紀子は楽観してない。
 「ベトナム、タイ、マレーシア、バングラデシュとニューシティの進出は順調でしょう」
 平佐和は娼国の経済進出の順調さを称えている。
 「先生。そろそろ玩具の方を」
 真紀子は平佐和に生贄のお愉しみを促す。
 娼国警察員が小倉紘子元警部を次の間から宴席に押し込む。
 「あれ緊縛師は」
 葛城義和が縛りの担当が来ていない事を確認する。
 「葛城君。君がやればいいよ」
 「そうよ」
 真紀子も賛成する。
 「おのれ。日本を変革した元総理」
 小倉紘子元警部が葛城義和に直接合うのは始めてである。
 「おやおや。まだおとなしくならないのですね」
 葛城義和は小倉紘子元警部の反逆顔に苦笑いする。
 「手伝いましょうか」
 警察員三名も入って来る。
 「そうですね。脱がして縛れる様に押えて頂けますか」
 葛城義和も暴れる事を予測して協力を依頼する。
 今年で四十に成る小倉紘子元警部である。それでも体型は崩れてない。女の美観は保たれている。
 娼国では拘留中も美容は行う。
 娼国警察員三名は一気に小倉紘子元警部を全裸にしてしまう。
 小倉紘子元警部は葛城義和以外にはもう何度も見られた裸である。今更と憮然としている。
 「俯せにして肩と腿を押えて下さい」
 警察員らは二人で両側から肩を押えて胸を畳みに押付ける。一人がお尻を押さえ込む。
 葛城義和は手首を二本合わせて縛る。脚首も二本合わせて縛る。別の縄で手首を縛った縄と脚首を縛った縄を縛る。そこにフックを付ける。
 天井に設えたフックに滑車を引っ掛ける。
 滑車から伸びたフックを下まで下げて手首、脚首を縛った縄に付けたフックに引っ掛ける。
 滑車を引くもう一本の縄を引いて小倉紘子元警部の躰を吊り上げる。駿河問いの拷問である。
 「うおーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の躰は手首脚首で吊るされて風呂敷き包みを吊るす様に持ち上がる。
 躰がバラバラに成る様な恐怖感を受ける責めである。
 「うぐうーーーーーーー。うーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の顔は引き攣り髪の毛は乱れて被さる。
 「先生どうぞ」
 葛城義和は平佐和に鞭を渡す。
 警察員三名は次の間に下がった。
 「ちょっと辱めたいな」
 平佐和は大人の女の小倉紘子元警部を辱めたい要求である。
 「かしこまりました。副総裁」
 葛城義和は冗談半分そう答える。
 そして少し考えながらスタンガンと蝋燭を用具の入ったキャリーバックから取り出す。
 「この二つで責めて失禁を誘いましょう」
 葛城義和は平佐和に耳打ちする。
 「うむ」
 平佐和は頷いてスタンガンを受け取る。真紀子には葛城義和の意図が分かっている。
 平佐和はスタンガンを握ったまま葛城義和の動きを待っている。
 葛城義和は駿河問いに吊るした小倉紘子元警部の下に潜って膝を着く。慎重に蝋燭の炎の先端でドテに僅かに生えた陰毛をちりちり焼く。
 「うおおーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の躰は空中で腰を迫り上げて仰け反る。
 葛城義和は太腿を抱える。
 「いやあーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は叫ぶ。
 葛城義和は皮膚まで炎が届かない程度に陰毛を焼く。陰毛は縮れてだまになり溶ける。
 「いやあーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は藻掻き暴れんとする。
 真紀子が立ち上がって腕を押える。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーー」
 陰毛は徐々に溶かされてゆく。
 「先生。乳房にスタンガンを」
 葛城義和が平佐和に要求する。
 真紀子が横から腕を押えている。平佐和は真紀子の斜め前から小倉紘子元警部の正面に立つ。菓子パンの甘食サイズの乳房にスタンガンを充てる。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は躰を震撼させ暴れる。
 平佐和はもう片方の乳房にも充てる。
 「ぐううおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の躰は紅潮して固まる。スタンガンが離れると躰はぐったりぶら下がる。
 平佐和は動く小倉紘子元警部の腕を掴んで乳房にさらに充てる。
 「ぐわあーーーーーーー。あぐああああーーーーーーーーーーーーーーー」
 平佐和はなかなか離さない。
 小倉紘子元警部は固まった躰を小刻みに震撼させ逃れんと強く反らせる。
 その間に葛城義和は蝋燭の炎を小陰唇に軽く充てる。
 「あわあーーーーーーーーー。あわあーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の顔はさらに歪み恐怖に引き攣る。
 平佐和は横に回って土手にスタンガンを充てる。
 「あがあはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は悲痛な引き攣った表情を幾重にも軋ませる。そして目は朦朧としている。
 平佐和は身を少しずらして乳輪の直ぐ横にスタンガンを充てる。
 「ああーーはあーーーーーー。ああーーー。ああーーーー」
 小倉紘子元警部は髪を振り乱して躰を小刻みに震撼させ甲高い声で叫ぶ。
 葛城義和はクリトリスに炎を充てる。
 「あわあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は吊るされた躰を逃れる力なく蝋燭に晒したままになる。堪えられない表情を絞りサイレンの如く叫ぶ。
 葛城義和はさらに蝋燭の炎でクリトリスを追いかける。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は泣き叫ぶ。
 葛城義和は片手で太腿を抱え女の部分を指で広げる。
 真紀子がお尻を上から押える。
 葛城義和はピンクの部分を蝋燭の炎で僅かに焼く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は大口を開けて泣き叫ぶ。
 平佐和は乳房にさらにスタンガンを充てる。
 「がああーーーーーーーー。があああーーーーーーーーぐがああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部は狂ったように泣き叫ぶ。そして躰を小刻みに震撼させながら遂に失禁した。
 畳に尿が流れ落ちる。
 全員躰を離して大人の女が漏らす醜態を愉しむ。
 小倉紘子元警部は羞恥に塗れた顔を伏せたまま堪える。漏れた小水は出し切るしかない。
 「三十過ぎた女のお漏らし。恥ずかしいわねーー」
 真紀子は明るく詰る。
 真紀子には小倉紘子元警部が態と失禁したのではないが抑える努力もしてないと分かる。
 スタンガンの痛みは強烈である。それでもまだ堪えられるはずである。
 漏らして醜態を晒せば終わると既に理解していると察しがつく。
 「次はアクメを晒してもらいましょう」
 葛城義和は電マと棘で包まれたバイブを持ち出す。
 小倉紘子元警部の表情は凍りつく。どうせ責めまくられればアクメは逃れられないと開き直る事は出来ないらしい。
 葛城義和は指を二本小倉紘子元警部の膣に挿入する。指先で敏感な部分を刺激する。
 小倉紘子元警部は眉間に皺を作りながら無言で堪える。
 真紀子が電マを持つ。
 小倉紘子元警部は真紀子と近い体型である。責めるところは充分に理解している。
 平佐和は乳首を弄り続ける。
 「一度降ろしましょう。縛りなおしてからで如何でしょう」
 葛城義和は逝き顔を晒して貰うに体勢を変えようという提案である。
 「うん」
 平佐和も納得する。
 葛城義和の要求で待機している娼国警察員らが大道具を搬入する。
 電車の車輪を直径二メートル位にした物が台座に設えた線路に乗っている。後ろはパネルだが裏面にギアがありモーターで左右両方に半回転だけする。
 車軸の枠から八本のプレートが放射状に外輪へ延びている。隙間の方が大きい。そのプレートには上に一枚、下は二段で長い板と短い板が渡されている。
 葛城義和は下の長い板を外して上の短い板の直ぐ下に取り付ける。さらに車軸の穴の直ぐ下にお尻を乗せる座を取り付ける。
 葛城義和は小倉紘子元警部を駿河問いの吊るしから降ろして高手小手に縛る。
 小倉紘子元警部は駿河問いの苦しい吊るしからは一時逃れた。ぐったり辛い表情で運び込まれた大道具に慄いている。
 葛城義和は娼国警察員の手を借りて小倉紘子元警部の躰を座に乗せる。そして腹をベルトで止める。
 左脚を持ち上げて上に付け替えた板のフックに脚首を填め込みボルトで絞める。右脚も同じ様に填め込む。
 小倉紘子元警部の躰は両脚を斜め上に広げて船の碇の形に固定されてしまった。女の部分からアナルまで丸出しである。
 真紀子がクリトリスに電マを充てる。
 平佐和はまだスタンガンを持っている。
 「もう。スタンガンは許して。許してください」
 小倉紘子元警部は泣き声混じりに許しを請う。
 蝋燭とスタンガンの責めが相当に効いた様である。小倉紘子元警部は女警部の威厳をかなぐり捨ててしまった。
 真紀子は含み哂いで平佐和を見る。
 「抵抗しないで女の性を受け入れるか」
 「はい。判りました」
 小倉紘子元警部は弱々しい声で答える。
 葛城義和は棘付きバイブを平佐和に渡す。
 真紀子は指を入れて濡れを確認する。電マを斜めに上から充て刺激を変えて責めを強くする。
 小倉紘子元警部は真紀子に責められれば抵抗しても無駄である。
 葛城義和は席に戻ってビールを飲み始めた。
 小倉紘子元警部は真紀子の電マの責めに眉間の皺を強く刻み表情は微妙に軋み続ける。
 平佐和は棘付きバイブにたっぷりローションを塗って小倉紘子元警部の女の部分に挿入する。
 「ああはーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 棘付きバイブの進入に小倉紘子元警部は堪らない声を漏らす。艶の混じった綺麗な声である。
 小倉紘子元警部は既に真紀子の手で執拗にクリトリスを責め続けられている。四十女には堪えられる状態ではない。
 平佐和はゆっくりピストンする。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーーー」
 小倉紘子元警部の表情は究極に軋む。大股開きに固定され総て白昼に晒されて抑えられない官能を漏らす。
 膣からはローションに混じって女の液が流れ出ている。
 最早、何も考える事は出来ない。羞恥の坩堝と官能が総てを支配している。そしてスタンガンの痛みの恐怖から官能に逃れてしまう。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 四十女でも美形と若さを宿し気丈そうな美人である。その美人顔が白雉の様に崩れ女の性を晒しながら上り詰めてゆく。
 老練な平佐和でもこの光景に腰の物を起立させ興奮の坩堝である。真紀子も自分の事の様に腰が疼き濡れ始めている。
 葛城義和はこの女にあまり興味がないのか覚めた目で観察している。
 真紀子が小倉紘子元警部の何回か上り詰めた逝き顔を確認してようやく畳の上に開放された。
 小倉紘子元警部は既に自分の力で動けない。
 平佐和は水差しで酒を飲ませる。小倉紘子元警部は従わざるを得ない。何度か咳き込んだが平佐和は執拗に責め一升近くを流し込んだ。
 急性アルコール中毒が確認され待機していた看護士が呼ばれた。看護師ではない。この国では看護婦と看護士は区分されている。
 利尿剤が投与されて男性看護士の手で尿道カテーテルが女の部分を広げた内部の小さな尿道の亀裂に挿入される。それにビニールのパックが繋がれる。
 全裸にタオル一枚掛けられて座敷に放置である。
 
 真紀子は興奮のケアを葛城義和に求めた。平佐和は部屋に戻らず其処で苦しむ小倉紘子元警部を観察しながら休んだ。
 平佐和は朝から急性アルコール中毒でその躯を晒した小倉紘子元警部の躰を弄くり愉しむ。
 九時を回って看護士が入って来てカテーテルと一式を外して行く。
 小倉紘子元警部の二日酔い以上の辛さは消えてない。
 「自分で慰めろ。イッて仕舞えば楽に成るぞ」
 平佐和は昨夜の棘付きバイブを置く。
 「お願い。電マも」
 小倉紘子元警部にもその効果は判る。今更こんな立場に置かれて平佐和一人である。苦しみから逃れたい一心になる。
 「そう素直にすれば痛みは考慮してやる」
 「はい」
 小倉紘子元警部に平佐和の屈辱的な言葉に怒る気力はもう無い。
 十時を大きく回って真紀子と葛城義和が乱れ続けた翌朝と判る表情で入って来る。真紀子の表情は柔らかく色香を滲み出している。
 「二日酔いの介抱ですか」
 小倉紘子元警部が電マで自分のクリを押えて平佐和が棘付きバイブを操縦している。
 葛城義和はそれを見て嘲笑した。
 小倉紘子元警部は何度か痛みと官能を繰り返しやや楽になった様子である。
 そのまま待機していたヘリで葛城義和は滝澤沙緒里の待つホテルに向かいあとは娼国に戻った。
 
 吉岡理穂らは六名ばらばらに移動してM国に入った。R国、娼国とも距離がある。
 M国新日本空輸ホテルに滞在した。
 調査にR国と同じ亜細亜の弁護士数人を雇った。
 渡辺則継元警視の部屋だけデラックスツインにして其処で会議を行う。
 有栖川章仁主任検事のみ日本に留まった。
 「随分経費が掛かっているようですが、何処から出ているのですか」
 今回の滞在費、航空運賃も吉岡理穂から出ている。
 「女性オーナー経営者米倉礼子の無理心中らしいと伝えられた事件が有りました」
 八年前の出来事である。滝澤沙緒里らが日本のジャーナリスト篠田茉莉の射殺事件を追ってR国T市に入った。
 そして捕らえられ長く娼国に収監された事の始まりである。
 「覚えているよ。焼身自殺と報道されて翌日エクセレントは不渡りを出し事実上倒産した」
 渡辺則継元警視はこの件を良く覚えている。盟友古舘明が心中の相手であった。そのときからこの事件を疑っている。
 「米倉礼子社長がR国に発つ前に、万一自分が帰らなかった時にと後の活動資金を私に託されました」
 「ええ。いったいいくら」
 「一億円です。米倉社長は会社の運営に必要な資金をぎりぎり残されて余裕の分を私に託されました」
 「それでは回って来た手形は。やはり所持品から強引に作られたのか」
 「そうです」
 吉岡理穂はきっぱり答える。
 「何でM国に入ったのですか」
 竹田玲奈はR国に直接行かない理由を確認する。
 「R国は危険過ぎます。私達が迂闊に侵入したら直ぐ捕らえられます。滝澤沙織さんたちだけではありません。その後何組も捕まっています」
 「リストの通りですね」
 「でも日本に居ても」
 竹田玲奈はM国に構える理由が判らない。
 「それも危険です。姉ヶ崎ロイヤルホテルの会合から四人が謎の死を遂げています。岡村一美さんと新井絵里さんがその容疑者にされて行方不明です」
 「娼国かR国に監禁されている人のリストに入っていました」
 「そうです。会合を開いても日本は既に危険です」
 吉岡理穂はこれまで相当に用心深く調査をして来た。
 「しかしR国に入らなければ何も判りません」
 「準備が整ってからです。今はR国の弁護士を使って調査しています」
 「日本人でなければ疑われないか」
 渡辺則継元警視は吉岡理穂の用心深い作戦を納得した。
 吉岡理穂がR国の弁護士数名にお願いして一つは現在推測が付いている。内山莉緒警部補と木村史乃警部補、新井絵里がT市に居ることである。
 それは日本人居住区のメイドやR国の警察組織員が住む別区画に軟禁状態にされている。
 「葛城元総理が以前から時々現金を届けに来るらしいという情報も入っています」
 「元総理では確かめるわけにも行きませんね」
 滑谷大師元警視である。現役は警部補であったが負傷して麻薬組織を全員逮捕したので二階級特進した。
 だが上層部の意思に反していたので退職と引き換えである。表面だけ円満に片付けられた。
 「でもR国に居るのでしたら」
 元国民党衆議院議員山室紅葉である。
 「それは危険です。葛城元総理は娼国、R国と親密に繋がっています」
 吉岡理穂が山室紅葉元議員に現実を突きつける。
 「そうね。傀儡だったのよね」
 山室紅葉元議員も再確認した様に頷く。
 「残りは南の島ですかね」
 細野剛志元自衛隊二等海佐である。
 「弁護士が警備員から確認したのはこちらのリストです」
 吉岡理穂はパソコンからプロジェクターで壁に画面を映しだす。
 収監されている人。小倉紘子元警部、笛木祐子元巡査部長、滝本美緒里巡査部長、辻沙緒里巡査長、岡村一美、小林由美子。
 最近居なくなった人。田中道子、竹内優子、出水茉里元巡査部長。
 元と付いていないのは、退役または免職が明らかでないからである。
 「かなり少ないですね」
 「あとは行方が判りません」
 「しかしR国の弁護士でもそこの警備員に聞いてはかなり危険では」
 渡辺則継元警視は娼国側の警戒が強まったのではと懸念する。
 「本来そうなのですが、この警備員たちは中立と言うか拘留されている人たちには親切で、協力とかはしませんが報告もしないようです」
 「中立ね」
 「弁護士が渡した報酬も受けなかったようです。何も関わらないと言う考えとの事です」
 「前回のリストに有ってここに載ってない人たちは行方不明ですか」
 「そうです。何も掴めていません。或いは」
 「うーん」
 渡辺則継元警視は渋面になる。
 「どっちを救出するかですね」
 細野剛志元二等海佐は両方救出するのは無理と確信してどっちが救出し易いかとの見解である。
 「T市ではないですか」
 「それも問題があります。T市はR国の奥地です。鉄道も何も有りません」
 「車で移動は」
 「それが問題なのです。S市を除いてR国は決まった輸送トラックしか通りません」
 「現地の人は」
 「殆ど市内にしか移動しません。それも自転車かスクーターです。車は製造工場が有っても輸出のみで普及していません」
 「日本企業の社員は」
 「私もT市に工場を持つ日本企業に一時期勤めていました。移動は全部その企業の保有するヘリです」
 「権力が極めて統治し易い構造ですね」
 渡辺則継元警視はさらに渋面になる。
 「だが、娼国の南側の島は完全に断崖で北側の島からは橋も掛かってないらしいですよ」
 滑谷大師元警視はその情況を娼国に本社を置く企業から聞いたことがある。
 「その通りです。警備員の話では南の島には潜水艦で海中から入るらしいです。故仁川元主席の屋敷の地下に桟橋が在るようです」
 「警備員もそこから」
 「いいえ。警備員は休暇の時だけヘリでS市に帰されます」
 「それでは入ることは不可能では」
 吉岡理穂はパソコンからプロジェクターで衛星写真を壁に映す。ホテルの部屋なので明かりを落とさなくても調度良い。
 建物が大きいものだけで五棟確認出来る。
 「此処には女性だけで五百人以上住んでいます。警備員は十二名との事です。何かあった場合だけ北側から警察員が来ます」
 「かなり手薄ではないですか」
 「でも天然の要害だな」
 細野剛志元二等海佐も難しい顔である。
 「船で近付いて断崖を登るのも難しい」
 「海上からは無理です。この付近は海の透明度が高いのです。M国で安く潜水艇を借りられます。母船で近くまで運んでもらって南の島を一周しました」
 「海底を」
 「そうです。潜水艦の出入りする入り口は直ぐ判りました。警備員の話では衛星写真のこの小さな四角い建物が桟橋からの出口との事です」
 「海中の入口は」
 「この付近です」
 吉岡理穂はパソコン上で衛星写真に印を付ける。衛星写真の下に100mの長さが表示されている。
 「上空からの写真だと洞窟の奥行きが500メートルはないでしょう」
 「そうですね」
 「方法はあるかもしれませんね」
 細野剛志元二等海佐は少し可能性を見出した。
 
 娼国。北側の島は高速フェリーの発着する桟橋から高層ビルが十棟林立する。
 娼国の中枢部と日本企業の本社が入る。その中に膨大な数のプレートが衝立型掲示板に並ぶビルも在る。
 一坪オフィスが無数に入る。殆どが無人である。大方がサーバー置き場となっている。
 高層ビルの横を過ぎその奥に進むと昭和初期の噴水がある。
 その斜め奥に五十階建てのホテルが建つ。昭和中期の建造物である。
 此処まで来て振り向くと高層建物総て南面に窓が無い。代わりに太陽光パネルが填められている。
 エコ目的ではない。南の島を見せない為である。
 そのホテルの最上階に在る和食料理店舗の奥座敷天昇の間。R国首相村上俊夫を交えての宴会が行われていた。
 座敷奥の大きなガラス窓。其処にはこの島で唯一南の島の全容が見える。
 十六時過ぎ西の空は茜色に輝き海の真ん中に南の島が浮かぶ。外周は雑木林に囲まれている。その中に建物が五棟確認される。
 大きな窓の左側に板前のネタケースがL字に置かれその前に全裸の女躰カウンターがL字に頭合わせに横たわっている。
 窓側からR国首相村上俊夫、娼国主席安形、副主席村上稔、村上祐樹民事党幹事長、平佐和、真紀子の順である。
 板前は津梨清吉と言う。平佐和のご贔屓である。注文を聞かずどんどん握って行く。好みは心得ている。
 仲居もそれぞれ好みの酒類を配膳して行く。
 「事もあろうに村上家に捜査に乗り込んだ元巡査部長が居ました。今日はその女をお仕置きしましょう」
 娼国警察員の手で搬入されてきたのは、小倉紘子元警部と一緒に北海道警から拉致されて来た笛木祐子元巡査部長である。
 態と日本の女性警察官の制服姿にされている。
 「葛城君が居ないから縛りはどうする」
 平佐和が真紀子に確認する。
 「葛城先生は沙緒里さんとD市のホテルです。緊縛師を待たせていますがその前に皆さんでお辱めを」
 「そうだな」
 村上祐樹民事党幹事長が立ち上がる。
 「いいぞ。うんと辱めろ」
 兄の村上副主席が激を飛ばす。
 「裸にするなら何でこんなもの着せるのよ」
 笛木祐子元巡査部長は四年拘留されてもまだ従順に成っては居ない。
 三十九に成るが美貌は衰えてない。収監中の娼国のケアが良いからである。六十を過ぎた村上副主席らが愉しむには調度良い。
 「その方が屈辱だろ」
 村上祐樹幹事長はテレビでのインタヴューと違って横柄である。
 「・・・・・・・・・・・」
 笛木祐子元巡査部長は睨み返すだけである。
 「先生。自分で脱がせましょう。葛城先生がやったように」
 「ああ」
 要望を聞いて真紀子がスマホで手配する。
 水を流す大きなトレイが運ばれてその上に浴槽とシャワータワーがセットされる。さらに磔柱も設置された。
 緊縛師が三名入って来て笛木祐子元巡査部長の躰を磔柱に革の拘束具で手首、脚首と腹を拘束する。
 広口瓶に入った蟻の大群と蜂蜜が運ばれる。
 村上祐樹幹事長らはニタニタ笑っている。
 緊縛師は拘束が完了すると蜂蜜を村上祐樹幹事長に渡す。
 村上祐樹幹事長は笛木祐子元巡査部長のブラウスのボタンを外して胸の谷間に流し込む。
 スカートのウエスト側からも流し込む。
 笛木祐子元巡査部長は何をされるか判っている。唇を噛んで村上祐樹幹事長を睨んでいる。
 緊縛師は広口瓶のガラスの蓋を取って村上祐樹幹事長に渡そうとする。
 村上祐樹幹事長は緊縛師を促す。
 緊縛師は広口瓶の口を笛木祐子元巡査部長の肌蹴た胸元に押付けて底を叩く。
 「あわあーーーーーーーーーー」
 蟻が多量にブラウスの内側に落ちる。
 緊縛師は用意されていたポリバケツに広口瓶を投げ込み直ぐに蓋をする。
 「うおおおーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 緊縛師三名で喚き叫ぶ笛木祐子元巡査部長の革の戒めを一気に外す。
 笛木祐子元巡査部長はジャケットをかなぐり捨てシャワーのハンドルを開く。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 躰に湯を掛けながらブラウスとブラを外す。ややボリュームの有る乳房が丸出しになる。
 宴席から拍手が沸く。
 「あーーーーーーーーーー。ああーー。ああ」
 笛木祐子元巡査部長はそれどころではない。
 蟻はスカートにも群がっている。スカートも落としてショーツも已む無く脱ぐ。緊縛師は脱いだ衣服を別のポリバケツにトングで掴んで投げ込む。
 笛木祐子元巡査部長はそのまま浴槽に飛び込む。
 幸い顔や頭には回ってない。
 「頭からかけないとね」
 真紀子は手緩いと非難気味である。
 だが笛木祐子元巡査部長には屈辱の上に恐怖と強烈な不快感である。まだ心臓は強い鼓動を打っている。
 そして真紀子の残忍な言葉に慄くばかりである。
 「小倉にはスタンガンが効いたな」
 平佐和がボソリと言う。二日前の事である。
 「三角木馬に乗せてスタンガン責めは」
 村上祐樹幹事長の提案である。
 直ぐに三角木馬が座敷に運び込まれる。
 一メートル四方の鉄板の台座に一メートルのアームが立っている。アームの上に三角の台座が載っている。
 底辺の幅二十センチ高さも二十センチ奥行きは一メートル有る。木製だが上部は一センチ程金属で先端は尖って一ミリだけ鑢で丸めてある。
 これはBタイプである。Aタイプは完全に尖っている。こっちは現地の一回消耗の女性に使う。
 鞭で叩かれて少し動けば会陰から女の部分まで斬れてしまう。
 Bタイプでも血が滲むことは避けられない。
 「これに電流を流すか」
 平佐和は面白がっている。この女なら潰してもよいとの考えである。
 電源トランスとスタンガンが運ばれた。
 村上祐樹幹事長はさらに充電クリップを要求する。
 緊縛師は笛木祐子元巡査部長を高手小手に縛る。ハンドルを回して三角木馬の高さを下げる。
 笛木祐子元巡査部長に木馬を跨らせ座らせる。高手小手に縛った縄に縄を通して天井から吊るしたフックに通す。
 緊縛師は笛木祐子元巡査部長の女の部分のびらびらを開いて三角木馬の先端をゆっくり上昇させながら咥えさせる。
 一人の緊縛師が天井のフックに通した縄を引きながらもう一人の緊縛師がハンドルを回して三角木馬の高さを上げる。
 あとの一人は笛木祐子元巡査部長の躰を支える。
 脚が付かない高さに上げると体重が全部股間に掛かる。
 「うぐうーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の表情は一気に軋み苦しみ始める。
 村上祐樹幹事長は電源トランスに繋いだクリップ二個で両方の乳房を鋏む。
 「ううーーーーーーーーー」
 鋏まれただけでも相当に痛い。
 平佐和がスタンガンを持つ。
 笛木祐子元巡査部長の表情が緊迫する。悲痛な表情で瞬きしながらそれを避けるように見る。
 平佐和は容赦なく太腿に充てる。
 「ああーー」
 まだスイッチは入ってない。それでも笛木祐子元巡査部長は恐怖に怯えて悲鳴を漏らす。
 平佐和はスイッチを入れてもう一度太腿に充てる。
 「ああーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は三角木馬の上で縄に吊る下がってくねる。股間部は嫌でも擦れる。
 「ああーーーーーーーーーー。いーーたいーーーーーーーーーーーーー」
 スタンガンの痛みに加えてその痛みの余韻の中で股間の痛みが襲う。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーー。はああーーー。はあ。はあ。はあ」
 一発でも三角木馬の上でスタンガンは効く様である。三角木馬はAVで使っているような頂点が三センチ位平らになったものではない。
 木馬部分の高さが短く下がアームなので太腿で掴んで股間の負担を和らげることも出来ない。
 村上祐樹幹事長はさらに大きな充電クリップで三角木馬の金属部分を掴む。
 笛木祐子元巡査部長の乗った前と後ろ二箇所に付ける。
 四本一気にスイッチが入る。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は縄にぶら下がり木馬の上で細かく震撼する。
 「がああーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
 大口を開け横に反らせた顔を究極に軋ませ悲鳴を上げ続ける。
 やがて白目を?き口を開いたまま縄にぶら下がって失神する。
 村上祐樹幹事長はやっと電源を切る。
 緊縛師らは笛木祐子元巡査部長の躰を支えながら天井からの縄を徐々に緩め三角木馬をゆっくり下げる。
 笛木祐子元巡査部長は躰を床に降ろされて意識を取り戻す。
 「ああーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーん。ああああーーーああーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長は痛みに猛然と悶える。
 緊縛師が高手小手に縛った縄を解く。手が動かせるようになると縄を振り解き股間を押えて悶える。
 そこはべっとり血に濡れている。
 笛木祐子元巡査部長は蟻を洗い落とした浴槽に飛び込む。痛みに顔を俯け手で股間を押さえたまま涙を流す。
 看護婦が呼ばれ痛み止めを打つ。局部を消毒するように勧めるが笛木祐子元巡査部長は動かない。
 
 吉岡理穂らは滞在のホテルで再び会合を開いた。M国新日本空輸ホテル渡辺則継元警視の滞在するデラックスツインである。
 本日はルームサービスと買い出しして来た生ビールで食事を兼ねている。
 プロジェクターには娼国の二つの島と周りの海図が吉岡理穂のパソコンから映し出されている。
 「潜航艇は私の方で手配します。小型の潜水艦では航続距離と酸素が持ちません」
 細野剛志元二等海佐はM国にその充てがある。
 「近くに母船が待機してもですか」
 吉岡理穂は母船で近くまで来て、母船から潜水艦を出して海中の洞窟の手前まで行く目算であった。
 「それは危険です。母船で近付いても直ぐに離れないと危険です」
 「はい」
 吉岡理穂も一度自分がやっているがその危険は否定出来ない。
 「娼国は大型空母二隻を保有しています。艦載機を出されたら海上にいる母船では逃げられないです」
 「そうですね」
 吉岡理穂も認める。
 娼国の空母や主な艦船はR国の軍港に停泊している。
 細野剛志元二等海佐の作戦は母船でT国側に回りこむ。其処から娼国の横を過ぎて潜航艇を下ろして母船はM国沿岸まで逃れる計画である。
 「問題は娼国の南の島に入る潜水艦の大きさです」
 「潜航艇で桟橋まで行こうと言うのですか」
 「それ以外に方法はありません。潜水服で進入しても隠し場所や、六名を救出してもその潜水服まで要ります」
 「そうですが警備員の話ではR国で小型潜水艦を借りて桟橋に入った日本人が何度か掴まっているそうです」
 「桟橋に停泊しないで通信機だけ桟橋に隠して一度潜航艇は外に出て待機します。六名を確保したらもう一度進入すればどうでしょう」
 「通信機で海中の潜航艇には」
 「水中通話機もあります。ですが桟橋に隠した通信機から有線で繋げば問題ありません」
 「そうですか」
 海自出身の細野剛志元二等海佐の言い分である。吉岡理穂もそれに従う。
 「いつ決行します」
 「潜水艇が手配出来次第でどうでしょう」
 渡辺則継元警視の問いに細野剛志元二等海佐がきっぱり提案する。
 段取りは決まってその日は解散した。
 
 笛木祐子元巡査部長は医師の手当てを受けて南の島にヘリで搬送された。
 手当ては受けたものの鉄格子の中でベッドに横たわって動かない。
 小倉紘子元警部が話し掛けても返答がないので心配そうに見守るだけになる。自分も恐ろしい拷問を受けたばかりである。
 七名で繋がっていた鉄格子は元の仕切りに戻されて四名だけになっていた。
 出水茉里元巡査部長と田中道子、竹内優子はあれっきり何処に行ったかは判らない。
 このところ警察員か警備員しか来ない。質問をすることも出来ない。
 隣の区画に新しい収監者が入った様子だが誰だか皆目判らない。
 小倉紘子元警部はスタンガンの痛みの恐怖がまだ去らない。あの苦しい吊るしの状態でスタンガンを充てられ蝋燭の炎で焼かれた。
 笛木祐子元巡査部長はいったい何をされたのか。小倉紘子元警部は恐怖に震えるばかりである。
 
 細野剛志元二等海佐は母船と潜水艇をレンタルした。三日後に決行となった。
 有栖川章仁主任検事も休暇を取って駆けつけた。
 娼国の南の島に何人居るかは判らない。そこまでの情報収集は危険である。
 
 笛木祐子元巡査部長のみ鉄格子から出され北側の島の病院に移された。医師の指示である。
 病室の入口には警察員が配置されている。
 42階だが建物の屋上と一応窓の真下にも警察員が待機している。
 笛木祐子元巡査部長は三角木馬で斬れた痕が悪化した。
 六人は鉄格子の中である。
 
 吉岡理穂らは母船の中で潜水艇の操縦訓練と進入経路の検討を行った。
 有栖川章仁主任検事と元国民党衆議院議員山室紅葉は母船に残る。
 潜航艇には竹田玲奈が残り海中の洞窟の入口で待機する。
 乗れるのは無理をしても十二名が限界である。
 救出に一人は女性が居るべきと吉岡理穂を含めて四名で突入することと決まった。
 
 R国西方沿岸からD川はD市まで繋がっている。
 この川は途中地図に無い国境を通過する。R国を政権、経済の上から南と北に分割している。
 南も北も五十の市から成る。その代表百人が国会議員であり市長である。首相は村上俊夫。村上ファミリーの三男だが娼国と北側湯野中資本の傀儡である。
 長男は娼国副主席村上稔。次男は日本の国会議員であり民事党幹事長を勤める。平佐和周一郎副総裁の率いる平佐和派である。
 D川は南と北の境界を過ぎた辺りで地中の川と分離する。そのまま上流へD市を過ぎてR国奥地で中国国境に面するゲリラゾーンに繋がる。
 麻薬は其処からボートで運ばれ途中で小型潜水艦に渡される。さらにD川の地中の川に入って大型潜水艦に引き渡す。
 大型潜水艦は南側の領域だが湯野中資本の大工場の地下に基地が在る。潜水艦は大方其処から出撃する。
 そして日本、亜細亜に麻薬を輸出して工作員を輸送する。
 D川にはD市で一本の支流が合流する。その市流を進むとT市に入り湖水に辿り着く。其処は日本人居住区である。
 湖水の奥にL字に建つ大型ホテルがある。
 最上階の大広間の一角に設けられた宴会場で北側湯野中らと南側真紀子、そして平佐和、葛城義和が加わって宴席を兼ねた会議が行われていた。
 娼国と湯野中資本は日本及び亜細亜、中でもベトナム、タイ、マレーシア、バングラデシュにニューシティを進出させている。
 それは大きくその国の経済を支配しているに近い情況である。そして政治、警察にも大きく裏金で介入している。
 平佐和は娼国と湯野中資本を日本に浸透させる受け入れ口と成る国会議員である。仁川時代からその役割を果たして巨額の資金を得ている。
 葛城義和は物流をコントロールして娼国と湯野中及びR国に収益を回収するシステムとしてサプライチェーンマネジメントを構築した。
 そして少し前まで日本の総理を勤め日本経済を改善して再び経済大国に伸し上げた。
 本日の会議は進出先の分担を決める目的である。だが、どっちがその地域を取るかではない。応分の進出を娼国が湯野中に約束させる会議である。
 真紀子はリストを湯野中に突きつける。
 「どうせ指宿は見ているんだろ」
 湯野中はNO2の指宿にリストを渡す。
 「元より葛城先生が作成されました」
 「ならば後は指宿がやる。いったい俺はいつ楽が出来る」
 湯野中は半分不満半分納得である。
 「早く後継者を立てられては」
 真紀子はからかい半分である。
 「後継者は指宿だ。心配要らん」
 「あら。お子さん達はどうされるのですか」
 「そういう衰退を招く事はしたくない。指宿に任せてそれぞれポジションに付けるだけだ」
 「ふふ」
 真紀子も納得した笑いを浮かべる。少しあからさまかもしれない。
 「分かっていて言うな」
 湯野中は相変わらず真紀子に噛み付く。
 「葛城先生。ここのところ順調ですかね」
 「そうです。フェミニストとリベラルが面倒な動きをしなければ」
 「本当に経済の足を引っ張る奴らだ」
 「もう一つ湯野中総統には日本へマスコミの進出をやっていただかないと」
 「何故だ。旭放送とその関連が押えているだろ」
 湯野中資本は本来、忍び草の様に裏社会とアングラマネーに進出して巨額の利益を上げて来た。表からの進出は得意ではない。
 「指宿さんと相談しましょう」
 「先生がそう仰るなら。指宿と話し合って下さい」
 湯野中はその問題が煩わしい。それでも葛城義和の言い分が分からない訳でもない。
 「それは早急に検討されるべきです」
 平佐和も同じ意見である。
 「ところでフェミニストグループの残党はもう居ないのでしょうな」
 「親父。そんなに甘くはない」
 指宿は警戒を怠ってない。
 「滝澤沙緒里が申しますには。米倉礼子の直近の部下で一人行動を表さないのが居るのではないかと」
 「何故。連れて来ない」
 「そう仰いましても。本人も此処には来たくないでしょう」
 葛城義和はこのホテルは以前滝澤沙緒里と内山莉緒警部補が捕らえられていた場所と知っている。
 「そうだったな」
 湯野中も以前の逃走劇を思い出し苦笑する。
 (女衒の國 その七 続女躰崩壊 参照)
 「日本の従来のテレビ局は女子アナが一時のように容姿端麗でなくなっています。それを若さと容姿端麗で露出度を上げただけで視聴率が大幅アップです」
 葛城義和は若い女性の露出を餌に視聴率を稼いでこっち側の世論で情勢を変えたい。それは徐々にではあるが確実に進行している。
 「確かにテレビ関東など地上波で経済関連の報道内容は群を抜いているが女子アナは三戦級だよ」
 「三十年前くらいから女性も年配が長く残っています」
 「そうやテレビ関東のゴールデンなど花が終わったおばさんがメインキャスターだよ。男は年配が立って女は若いのが良い」
 平佐和もR国の中だけと本音を丸出しである。
 「その通りですな」
 湯野中も和み顔になる。
 「葛城先生が国営放送を完全民放化されて不人気度が露見しました。受信料でもっていましたが視聴率は良くありませんでした」
 指宿も葛城義和の経済政策は高く評価している。
 
 吉岡理穂らは翌日未明に行動を開始した。母船でM国の港を出港してT国沿岸に向かう。
 突入は午後を狙っている。警備員の集中力が緩慢になる時間帯である。
 貨物船やタンカーの航路を通っているがR国沿岸を抜けるまでは公海ではない。娼国の軍艦が巡回航行している。
 T国沿岸まで来て朝食の準備に掛かる。
 「いよいよ決行ですな」
 「私は八年調査を重ねて待ちました。何としてもあの国を今の国際社会のレベルに改革して売春を無くしたいです」
 渡辺則継元警視の言葉に吉岡理穂は長年の思いと強い決心を語る。
 
 その頃、娼国では滝澤沙緒里の証言を得て吉岡理穂の動きを調査し始めていた。津島CIC長官から日本の工作員に指令が出された。
 数時間の内にM国に入国して滞在と確認された。
 「同じ時期にM国に入国している日本人を当ってくれ」
 津島は用心深い。
 そしてM国に工作員が導入された。
 「R国、娼国には入っていません。またそれらしい日本人の動きも確認されません」
 鄭淑徳少将の報告である。
 M国に最近入った日本人のリストが作成され葛城義和に送られた。
 葛城義和はそれを滝澤沙緒里に照会する。
 滝澤沙緒里が渡辺則継元警視を発見したのは午後一時を回っていた。T市で無理心中に偽装されて処刑された古舘明の盟友であると報告された。
 そして吉岡理穂と同じ新日本空輸ホテルに滞在まで突き止められた。
 新日本空輸ホテルの滞在者から吉岡理穂に関連しそうな人物がノミネートされた。そこで有栖川章仁主任検事の存在に辿り着いた。
 元国民党衆議院議員山室紅葉、竹田玲奈、滑谷大師元警視も存在が浮かんだ。
 津島は既に何らかの動きが始まっていると報告した。吉岡理穂はこれまで何回かM国に渡航している。渡辺則継元警視らは今回が始めてである。
 娼国ではもうじき動くと判断がなされた。
 
 吉岡理穂らの乗った母船は12時45分に娼館島の南の島の近海を通過した。
 南の島を二キロ通過したところで潜航艇を下ろす。
 吉岡理穂、竹田玲奈、渡辺則継元警視、滑谷大師元警視、細野剛志元二等海佐の五人が乗船する。
 細野剛志元二等海佐が横でサポートしながら一人潜航艇に残る予定の竹田玲奈が操縦する。
 海中は透明度が高い。直ぐに海中にある島の洞窟が確認出来る。
 洞窟内は探照灯を照らして10ノットの微速で進む。直ぐに壁に阻まれる。
 「この上です」
 吉岡理穂は前回此処まで入った事で判っている。
 「そうですね」
 上から明かりが差し込んでいるので細野剛志元二等海佐も納得する。
 機関を止めてメインタンクブローで静かに上昇する。
 竹田玲奈を除いてハッチに構える。竹田玲奈は潜望鏡を伸ばして桟橋内の無人を確認する。
 静かに浮上してハッチから出ると四名は一気に出口に向かう。
 これまでの教訓から監視カメラは既に設置されている。だが警備員が常に見ている訳ではない。
 一気に走り抜ければ見つからない可能性が高いとR国の弁護士が警備員から確認している。
 まず警備員室に向かう。通風孔から催涙ガスを流す。警備室と隣の食堂のみである。
 元より警備員は収監されている女性に同情気味である。
 滝澤沙緒里らが最初に収監された時には下着だけであった。警備員らが食事を運ぶのみ困ると嘆願したのでバスロープが配られた。
 それは情報を提供した警備員だけではない。催涙ガスに非常通知等しないで簡単に眠ってしまった。
 吉岡理穂と渡辺則継元警視が警備室の鍵を探す。その間に滑谷大師元警視と細野剛志元二等海佐が通路を進んで収監されている六名を探す。
 スマホは通じないと思い無線機を用意したがスマホは通じる。
 「発見した。六号に二人、七号に三人」
 吉岡理穂らは直ぐその鍵を探す。
 倒れている警備員が腰の鍵を差し出し保管されているケースを指差す。
 吉岡理穂はそれをリングから抜き取りケースを開けて床に投げる。
 六号、七号とも四本確保して通路を走る。
 滑谷大師元警視と細野剛志元二等海佐が予め用意して背中のリックに入れて来たTシャツと短パンを配る。
 吉岡理穂が六号の二部屋を渡辺則継元警視が七号の三部屋を空ける。
 「一人足りない」
 渡辺則継元警視が情報に一人足りないと指摘する。
 「笛木祐子は隣の島の病院です」
 小倉紘子元警部が答える。
 そこまでと諦めるしかない。
 細野剛志元二等海佐が先頭で通路を突っ切る。
 だが津島も警戒を怠っていなかった。警備室に北側から確認の連絡を入れていた。応答がないのでヘリで向かっていた。
 ヘリは細野剛志元二等海佐が先導してくる正面に着陸した。
 「俺が引き付ける。俺に構わず出発しろ。敵を交わして桟橋に入れたら連絡する。母船に着くまでに連絡がなかったらそのまま行け」
 そう言って細野剛志元二等海佐は通路を逆に走る。
 吉岡理穂は他を先導して警備室の裏口から出て木立に隠れてトーチカのような海中桟橋の入口に駆け込む。
 津島らは通路を走る細野剛志元二等海佐を追う。
 津島は警備室を確認する。津島は状況から桟橋に向かう。誰も居ないが薄く水中の潜航艇の影を確認する。
 津島は直ぐに海上警備を手配する。
 細野剛志元二等海佐は外を回って木立に隠れて桟橋に近付く。そこで潜航艇の存在に気付かれた事を悟る。
 「完全に気付かれた通信を切れ。全速で逃げてくれ」
 細野剛志元二等海佐は自らを棄てて逃げるよう指示をする。
 「判りました」
 吉岡理穂もこの事態を想定していた。
 とにかく国際世論を味方にこの国にもう一度乗り込むしかない。
 「申し訳ありませんが細野さんの仰る通りにしましょう」
 吉岡理穂は沈痛な表情でそう言う。
 「この五名を日本に連れて帰れば総てが明るみに成る。それしかない」
 渡辺則継元警視もその判断を支持する。
 潜航艇は全速で母船に向かう。
 既に娼国の保有する空母二隻からヘリと索敵機が発艦していた。R国の軍港から駆逐艦、イージス艦が出港する。
 津島らは桟橋に近付いた細野剛志元二等海佐を捕らえる。そして北の島に戻り小型潜水艦で追尾する。
 
 母船の上ではヘリの接近に気付いていた。
 「ヘリが近付いている。この船に気付いているぞ」
 有栖川章仁主任検事はヘリが近付いて来て潜航艇を収容出来ないと慌てている。だが、潜航艇は潜望鏡深度でその情況を確認している。
 「母船の周りをヘリが旋回している。艇を浮上接舷するのは無理だ」
 滑谷大師元警視は情況を周りに報告する。
 「近くに無人島があります。其処まで潜航したまま行きましょう」
 吉岡理穂は事前に逃げ場所を模索していた。
 潜航艇は母船から離れて震度を下げる。
 「真っ直ぐ何も無かった様に進行しましょう。潜航艇は離れて行きます」
 山室紅葉はソナーで確認している。
 母船は予定通り進路を変えないで航行する。
 
 「小型の潜水艦が発見した船に近付くのを警戒しろ」
 津島はヘリ及び索敵機、水上艦に檄を飛ばす。
 「船は一定の進路を航行しているように思われます。潜水艦の航跡は現在確認できません」
 ヘリはまだ潜航艇の動きは捉えていない。
 津島は駆逐艦二隻でその船を拿捕する様に指令する。
 有栖川章仁主任検事と山室紅葉は慄きながら高速で近付く駆逐艦に成す術もない。停戦指令に従うしかない。
 「大阪地検特捜部有栖川章仁主任検事、元国民党衆議院議員山室紅葉だな」
 乗り込んで来た駆逐艦の乗員はそう確認する。
 「何だ行き成り」
 「この船には潜航艇が積まれていましたね。貴方々が吉岡理穂とM国新日本空輸ホテルに滞在していたのは確認済みです」
 「それがどうした」
 「それ以上説明の必要はありません」
 駆逐艦の乗員らは二名を確保して駆逐艦に移す。
 そのまま両名は水槽に閉じ込められ水温を下げて殺された。
 母船は駆逐艦が曳航して近くの環礁に座礁させる。遺体は座礁した浸水の中に投げられた。
 それ以外のヘリと索敵機、水上艦及び津島の乗った小型潜水艦は南の島に侵入した潜航艇の索敵を続けた。
 「そんなに航続距離はない。着底したか近くの島だ」
 津島は海域を絞る。
 
 潜航艇は無人島の珊瑚礁の中に出来た入り江に浮上する。
 「以前に此処にバッテリーと燃料を隠しました」
 吉岡理穂は前の調査の時隠したバッテリーと燃料をそのまま残していた。
 バッテリーも燃料も流されず其処に残っていた。
 補給して直ぐに潜航する。
 「液体燃料は使っていません。バッテリーはまだありますが次の島までは持ちません。途中で交換して次の島で浮上します」
 「そこでジーゼルエンジンを動かしてバッテリーに充電する」
 渡辺則継元警視も吉岡理穂の計画が理解出来る。
 「そうです。そしてこの無人島まで行きます」
 吉岡理穂は海図で説明する。
 「二人少ないが、予定通りならこの燃料を積んだらバラストの海水を調整しても速度が」
 「その場合は途中で浮上してバッテリーを棄てるしか有りません」
 吉岡理穂も事態がどうなるか予測出来る範囲で準備をした。それが偶然繋がったのである。
 
 その頃、事態を確認した北側NO2の指宿も潜水艦数席で追尾を始めていた。
 「このエリア内は津島が索敵する。我々は此処から出た場合だ」
 「小型潜水艦にそんな航続距離が有りますか」
 艦長は無駄と言いたい。
 「無駄でも良い。万一網を超えた場合だ。どこかの珊瑚礁に燃料を隠す事も考えられる」
 「判りました」
 艦長も指宿に従う。
 北側の索敵ヘリもTS市の基地から指宿の乗艦する潜水艦隊を追って来た。
 指宿は索敵範囲を指令する。あくまでM国に向かう航路の島だけである。
 
 潜航艇はシュノーケルの吸気弁を海上に出して潜望鏡深度で次の島まで航行を続けた。
 浮上したまま航行は危険なので入り江の奥にある岩陰に停泊して充電する。この島には上陸出来る場所はない。
 燃料とかを隠す場所もない。
 充電の間だけ交代でセイルに上がって外の空気を吸う。
 吉岡理穂らは航行中小倉紘子元警部らが娼国、R国で受けた仕打ちを確認した。それは吉岡理穂の想像を遥かに超えていた。
 四十に成るベテラン女性警察官が恐怖に怯えた体験を語る。尋常な事ではない。吉岡理穂らは青ざめた表情で聞いている。
 
 津島の連絡で急遽真紀子らは警察員及び緊縛師数名と捕らえた細野剛志元二等海佐の尋問に掛かっていた。
 警察員らは真紀子の要求で病院から笛木祐子元巡査部長を連行した。
 「いい。貴方がしゃべらないとこの女を拷問するのよ」
 真紀子は容赦しないと強い口調である。
 「・・・・・・・」
 細野剛志元二等海佐は拳を握り締めて感極まっている。
 直ぐに三角木馬が運び込まれ電流責めの準備がされた。
 「あの潜航艇は何処で手配したの」
 「俺がM国の海洋調査会社から借りた」
 「その様ね。母船は拿捕しました。船の持ち主と所属は確認できています」
 「ああ」
 細野剛志元二等海佐は絶望のため息を漏らす。
 「二人は死んだわ。問題は潜航艇の行方よ。海軍が総力で探しています。何処に隠れたの」
 「母船に戻らなければそんなに航続距離はない」
 細野剛志元二等海佐にも行方は判らない。既に絶望か島に漂着してもやがて見つかる。他の船に拾われることを期待するしかない。
 「M国に逃れる事は想定が着きます。ホテルはチェックアウトしています。何処に行く予定なの」
 真紀子はそっちを知らないとは言わせない構えである。
 「笛木さん。済まない。俺と一緒に死んでくれ」
 細野剛志元二等海佐は床に頭をこすり付けて笛木祐子元巡査部長に詫びる。残されたばかりに自分らの作戦で非道な目に遭わせてしまった。
 「いいです。細野さん。みんなが戻れたら総てが明るみに成ります」
 笛木祐子元巡査部長は覚悟が決まっている。
 「甘いよ。あんたは殺してもこの女は拷問して苦しめ続けるだけよ」
 真紀子は自信満々構えている。
 緊縛師らは笛木祐子元巡査部長を全裸にして高手小手に縛り上げる。
 細野剛志元二等海佐はそれを見ない様に目を宙に反らす。
 笛木祐子元巡査部長はまた三角木馬に乗せられて尖った金属の上で股間を斬られる。そのあとの苦しみも判っている。
 さすがに躰は恐怖に震えている。
 緊縛師らは笛木祐子元巡査部長に高さを下げた三角木馬を跨がせる。脚は完全に震え鳥肌が確認される。
 緊縛師は笛木祐子元巡査部長の躰を押えて三角木馬の先端を小陰唇で咥えさせる。
 緊縛師は高手小手に縛った背中の縄を掴む。それに天井から下がった滑車から伸びた縄に付けたフックを引っ掛ける。
 一人がハンドルを回して二人が太腿を押える。一人が滑車のロープを引き上げる。
 他の警察員らがトランスにクリップを繋いで電流責めの準備をする。
 恐ろしい事が始まるのは細野剛志元二等海佐にも判る。笛木祐子元巡査部長の全裸の上半身を見ないように上昇する木馬を追っている。
 笛木祐子元巡査部長の顔は既に痛みに軋んでいる。
 「良く見ろこの先の尖った金属に電流を流す」
 警察員は細野剛志元二等海佐の首を掴んで立たせる。強引に笛木祐子元巡査部長の女の部分が金属の先端を咥えているのを見せる。
 警察員は三角木馬の金属の両端部分に充電クリップを接続する。
 細野剛志元二等海佐は警察員の手を振り払って暴れる。
 警察員は三人で格闘の上押える。緊縛師が縄を掛ける。
 警察員は細野剛志元二等海佐の背中に足を掛けてその体を前に突き出す。そして拷問を無理やり見させる。
 緊縛師がトランスのスイッチを入れる。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は小刻みに震撼し顔は究極に軋む。大口を破裂させ悲鳴を轟かせる。
 「潜航艇は何処に行ったの。M国に入って何処に向かうの」
 細野剛志元二等海佐は床を叩いて何も言わない。
 「日本大使館なら既に手は打ってあるわ」
 真紀子は態とハッタリの様に言う。
 それでも細野剛志元二等海佐の表情は絶望に眩む。
 真紀子は平佐和がやったようにスタンガンを笛木祐子元巡査部長の乳房に充てる。緊縛師もまたスイッチを入れる。
 「ああーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長の躰は三角木馬の頂点に全部の体重が掛かっている。その躰は三角木馬の頂点を女の部分で擦る様に揺れ動く。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーー」
 やがて白目を?いて三角木馬の上で縄に吊る下がる。
 細野剛志元二等海佐は強烈な拷問に腰を抜かしかけている。
 緊縛師の手でハンドルを回し二人が支えて滑車のフックを緩めながら三角木馬を下げる。笛木祐子元巡査部長の躰は床に降ろされ寝かされた。
 股間部分は血に塗れていた。
 緊縛師はそれを細野剛志元二等海佐に強引に見せる。
 「ああーーーーーー」
 細野剛志元二等海佐は直ぐ目を瞑り堪えられない叫びを漏らす。
 
 津島は万一を考慮してM国の総ての港に工作員を展開させていた。津島にも指宿にも必ず確保出来る自信はある。
 
 潜航艇は次の島に向かって深度を下げて航行していた。
 「途中シュノーケルを出して来ましたが、もうじきボンベは限界です」
 操縦している竹田玲奈が報告する。
 「次の無人島に交換のボンベとバッテリー、燃料を隠しています。これでM国まで航行可能です」
 次の島には上陸が出来る。吉岡理穂も敵は此処までは捜索範囲を広げないと見ていた。
 「クルーザーも用意しています。冷凍ですが食料とビールサーバーもあります。充電の間にクルーザーの中で食事を摂りましょう」
 吉岡理穂は収監されていた女性らをもてなす事も考えていた。母船に戻れたらもっと早く食事を提供できる予定であった。
 最悪の逃亡コースを考えて準備した内容がいま役に立っている。
 五人の中では一番前から収監されていた岡村一美からこれまでのことが語られた。
 岡村一美は新井絵里がT市に内山莉緒警部補や木村史乃警部補と一緒に居ることは知らなかった。
 五名から娼国、R国で受けた恐ろしい拷問が次々に語られた。
 島の影に潜水艦を隠してクルーザーの中で焼肉を焼いてビールで乾杯する。飲みながら五人からこれまでの情況を確認する。
 話題が滝澤沙緒里、市江廣子に至ると岡村一美からは完全に向こう側に成ったのではないかと見解が出された。
 「確かに得ている資産が大き過ぎる」
 「弁護士の見解も同じです」
 「そう成ると吉岡さんの情報も滝沢沙緒里さんから流れていますね」
 岡村一美は出水茉里元巡査部長が捕らえられた時、鉄格子の外に立つ滝澤沙緒里から受けた印象を受け継いでいる。
 「確かに売春まで提供する日本人向けホテルの経営まで行っているようです。でも葛城元総理がお金を預かって内山さん達に届けている情報もあります」
 吉岡理穂はまだ滝澤沙緒里を信じたい意向である。
 「アルコールは久しぶりでしょう」
 「そうでもないです。食事の希望とアルコールも提供されました」
 竹田玲奈の言葉に小倉紘子元警部が答える。
 「鉄格子の中にバスタブとトイレも有ったね」
 渡辺則継元警視は鉄格子の中を確認して驚いた。
 「テレビも日本の放送を見せてくれます。国営放送が民法に成ってテレビ太陽が旭放送に変わって驚きました」
 岡村一美らはその放送内容を見て絶望に暮れていた。民事党が四百議席を超えた事が最大の絶望であった。
 「潜航艇の充電が終わったら二手に分かれるか」
 渡辺則継元警視はクルーザーと潜航艇に分かれてM国に入るべきと考えている。リスクの分散である。
 「そうです」
 吉岡理穂もその予定でいた。
 「駆け込む大使館もM国とその奥のS国に分散した方がよい」
 「そうですね」
 滑谷大師元警視も賛成する。
 渡辺則継元警視、竹田玲奈、小倉紘子元警部、岡村一美、小林由美子が潜航艇でS国日本大使館に向かう。
 滑谷大師元警視、吉岡理穂、滝本美緒里巡査部長、辻沙緒里巡査長はクルーザーでM国日本大使館に向かうと決まった。
 充電が終わって十九時を回って出発となった。
 収監されていた五名は抱き合って一時の別れを噛み締める。或いは永遠の別れに成るかもしれない。
 小倉紘子元警部には病院に残してきた笛木祐子元巡査部長のことが気がかりである。
 
 細野剛志元二等海佐は縛られ床に蹲ったまま恐ろしい事態を噛み締めていた。
 「あんたは死んでもらうよ。最期にその女抱かせてやるよ」
 真紀子は恐ろしい事を淡々と言う。
 「なに!」
 細野剛志元二等海佐は怒りと驚きの混じった表情である。
 「彼女じゃ嫌なの。死ぬ前最期の女よ」
 「ふ、ふふ、ふざけるなーーーーーーーーー。できるわけないだろーーーー」
 細野剛志元二等海佐は怒りの限り叫んだ。だが声は掠れ威厳は片鱗もない。
 「じゃあ。私が抜くよ」
 「なに」
 細野剛志元二等海佐は守りの構えになる。
 「心配しないで。ちゃんと私の娘に入れてあげるのよ」
 真紀子はからかっているのではない。それ以上に残酷である。
 緊縛師は細野剛志元二等海佐の足首を縛り合わせる。
 警察員と緊縛師は部屋から出て行く。真紀子の残忍な思い付きが理解出来るのである。
 真紀子は躊躇い無く服を脱ぐ。ブラも外す。
 細野剛志元二等海佐は顔を背ける。
 「見なさいよ」
 真紀子は細野剛志元二等海佐の横面を平手で叩く。
 「ああ」
 細野剛志元二等海佐は朦朧とした目で真紀子の乳首を見る。
 真紀子はスカートも脱ぎショーツも取る。細野剛志元二等海佐の顔を跨いで女の部分を広げてみせる。
 「ああ」
 細野剛志元二等海佐はじっくり見てしまう。
 「ふふ」
 真紀子は薄ら哂いを浮かべる。
 真紀子は細野剛志元二等海佐のズボンを下げブリーフも下げる。さおを?んで扱く。男を起たせる極意は充分心得ている。
 「簡単に起ったじゃない」
 細野剛志元二等海佐は言葉も返せない。
 真紀子はスキンを被せて躊躇い無く勃起した細野剛志元二等海佐のさおを膣で咥える。
 じっくり捻り回す様に刺激を繰り返す。そして時間を掛けて一回目を抜く。
 笛木祐子元巡査部長は緊縛師が局部麻酔を打って行ってくれたので痛みは抑えられている。この忌まわしい光景を嫌悪の限りを噛み締めて見ている。
 自ら危険を省みず救いに来てくれた一人が今犠牲に成ろうとしている。
 自分もどうなるか判らない。他のメンバーが助かってこの国の情況を国際社会に明らかにしてくれればと思うだけである。
 真紀子はスキンを外して細野剛志元二等海佐のさおを直に握る。掌で亀頭の先端を強く刺激する。
 細野剛志元二等海佐は鈍痛に顔を顰める。
 やがて亀頭の先端から潮を噴く。
 「やめてーーーーーーーーー」
 あまりの事に笛木祐子元巡査部長は泣き叫ぶ。
 「貴方の仲間は日本大使館に向かうのね。亜細亜の日本大使館は中国、韓国以外は娼国から副収入を受ける大使館員が何人も居るのよ」
 真紀子は勝ち誇った様に言い渡す。
 「・・・・・・・」
 細野剛志元二等海佐は絶望から言葉もない。
 「どうする。安楽死。それとも私に抜きまくられて死ぬ。八回くらい果てたら死ねるよ」
 真紀子は完全にからかっている。
 「やめてーーーーーーーーーー」
 笛木祐子元巡査部長は悲痛に叫ぶ。
 「あん・らく・し」
 細野剛志元二等海佐は既に体力は消耗している。これ以上の屈辱には堪えられない。
 「これを呑んで。十分位で楽に成るよ」
 真紀子は細野剛志元二等海佐の口にカプセルを含ませる。ペットボトルの水を静かに口に流してやる。
 細野剛志元二等海佐は何の反応も無く静かに目を閉じた。
 
 吉岡理穂が操縦するクルーザーは真っ直ぐM国の桟橋に向かう。日はとっぷり暮れて前方をレーダーで警戒しながら航行する。
 潜航艇は二つのバッテリーに充電した。S国の漁港までは何とか行ける。不法入国に成るが大使館に事情を話せば問題ないはずである。
 M国よりかなり安全と吉岡理穂は考えている。
 吉岡理穂はクルーザーを借りた桟橋に戻し駐車場に止めた車に乗る。これもレンタカーである。
 娼国の工作員もそれを確認している。
 M国の中で計画性のない不穏な行動は避けたい。静かに追尾する。追尾も途中で別の桟橋を見張っていた工作員の車と代わる。
 行き先は日本大使館以外考えられない。明らかにそのコースを取っている。
 他の工作員を日本大使館に向ける手筈をする。
 それを津島に報告する。
 「車一台分では人数が足りない。潜航艇はどうした」
 指宿から異論が入る。
 「判っている」
 津島も手は打っている。
 「M国沿岸にはこっちの工作員が残っている。俺はS国の港を見張る」
 「了解」
 津島も二手に分かれたことは想定している。
 燃料やバッテリー、クルーザーを隠した島は直ぐに解明した。そして航続距離がS国の漁港とほぼ割り出している。
 指宿も同じ計算をしていた。
 
 潜航艇はボンベの酸素が切れていた。潜望鏡深度でシュノーケルを海上に出して航行する。暗闇なので発見されることはない。
 「漁港は危険ではないか」
 渡辺則継元警視は海図を見ながら敵が立てる予想を考えてみる。
 「バッテリーはそんなに遠くまでは」
 竹田玲奈はバッテリーの残量を見ながら答える。
 渡辺則継元警視は海図を見ながら考える。
 「海水浴場の先に磯浜がある。ここに停泊して山を登ろう」
 竹田玲奈も納得する。
 「歩けますか」
 渡辺則継元警視は小倉紘子元警部らに確認する。
 「大丈夫です」
 三人とも頷く。
 四人を降ろして竹田玲奈は潜航艇に注水する。浅瀬だが沈めておけば見つかりにくい。近くに人影も車両も見当たらない。
 一行はとにかく岩場を進んでその先の山を登る。
 この小高い山を越えたら近くにホテルがあります。
 「一度そこに落ち着くか」
 「はい。理穂達が大使館に着いたら連絡をくれると思います。それを確認してから明日向かいましょう」
 竹田玲奈は用心深い。
 「日本大使館に手が回っている可能性もあるな」
 「ええ」
 五人は山を越えて小さなホテルに落ち着く。渡辺則継元警視がコンビニを探し買い物をして食事を提供する。
 
 吉岡理穂らは日本大使館に駆け込んだ。
 「あいにくでしたね。私どもは娼国にお世話に成って居りまして」
 中に招いた大使館員の口から出た露骨な言葉は四人を驚愕させた。
 既に工作員が大勢来ていて囲まれてしまった。
 吉岡理穂は事前に用意したメールを発信する。
 
 「理穂達捕まった」
 竹田玲奈は絶望に暮れながら吉岡理穂からのメールを見せる。
 『大使館は危険』
 「そうか日本大使館は総てR国か娼国の傀儡なのだ」
 渡辺則継元警視も事態の恐ろしさを悟る。
 ホテルはツインが三つである。五名が渡辺則継元警視の部屋に集まっていた。
 「この国に亡命したら」
 「いや日本大使館が傀儡ならそれも駄目だ」
 渡辺則継元警視も困り果てる。
 「もしかして中国に逃れるべきだったのかしら」
 「ここからは無理だな」
 「でも此処はスマホの電波が繋がる」
 「日本に救援を求めたいが大使館が敵の手中では」
 渡辺則継元警視は帰って危険と言いたい。なんとか日本のマスコミを騒がせるしかない。
 
 M国に飛行許可を取って沖合いの空母からヘリが迎えに来る。
 ヘリは吉岡理穂ら四名を乗せて空母に着艦する。そのまま別のヘリに移され娼国に向かう。
 絶望に打ちひしがれながら渡辺則継元警視らがうまく逃れてくれる事を祈るばかりである。
 吉岡理穂は日本に向けてもSOSのメールを送っていた。
 詳しい状況は既に仲間に伝えてある。
 だが日本にも既に手は打たれていた。
 娼国に日本人が不法侵入して収監者を連れ出したと日本の警察に通達された。
 娼国系マスコミがいち早く報道してしまう。既存のマスコミも警察の情報に従う。
 娼国による日本のマスコミへの影響力は以前より強くなっている。フェミニスト仲間が多少騒いでも国に関わる報道は抑えられる。
 渡辺則継元警視らはS国に潜水艦で不法入国した疑いありと報道されてしまった。完全に犯罪者扱いである。
 さらに日本大使館は娼国に四名の身柄を引き渡したと報道された。
 SNSにも書き込みが成されたがアカウントが即座に停止される。
 
 指宿も津島も潜航艇が漁港に現れないことに苛立っていた。
 娼国の旗艦となる空母に司令部を移して指宿も合流する。
 「S国は工作員に任せるしかない」
 「向こうは大使館に行かないのか」
 「吉岡理穂という女が捕らえる寸前に連絡したのだろう」
 「燃料もバッテリーもそんなに持たない。M国かS国に上陸している」
 「どう考えてもS国だろう。寸前にM国に舵を切っても工作員の網に掛かる」
 「工作員は町のホテルを当っていますが、現在のところそれらしき宿泊客は見つからないという報告です」
 少将の徽章を付けた参謀が二人に報告する。
 「おそらく潜水艦から潜水服で脱出して海岸辺りに上がったのだろう」
 「その可能性だな。潜水艦も見つからないから」
 
 「こうなると日本に戻れても娼国の息の掛かった日本の警察に逮捕されるな」
 渡辺則継元警視は娼国の恐ろしさを実感し始めた。
 「でもこの三名が居ればマスコミには理解してもらえます」
 竹田玲奈はマスコミが正しく報道してくれると信じている。
 「そうだが。敵は日本に着く前に収監しようとしているはずだな」
 「日本に着けば警察もそう無謀な処置は出来ません」
 「入国前に引き渡されなければ何とか成るか」
 「そのまえに此処も危険では」
 さらに渡辺則継元警視のスマホも竹田玲奈のスマホにも仲間から厳しい情況のメールが届く。
 だが、その時渡辺則継元警視のメールに仲間から事情を理解してくれるS国在住の日本人の存在を知らせて来た。
 「トラックで迎えに来てくれるらしい」
 近くに住んでいるらしくホテルの裏の駐車場に出るよう指示して来た。
 五人は荷物を纏めて直ぐ出発する。ホテルは敢えてチェックアウトしない。
 「宇垣美佐都と申します」
 「本当にありがとう御座います。元警視庁の渡辺です」
 「元テレビ太陽の竹田です」
 「元北海道警の小倉紘子警部、元テレビ太陽の記者小林由美子さん、そして同じく元テレビ太陽スタッフの岡村一美さんです」
 宇垣美佐都には岡村一美の名前に聞き覚えがある。
 「私はS国で結婚してこの町に住んでいます。此処では直ぐに知れてしまいますので山間部の別荘にご案内します。主人の了解は取っています」
 「ありがとう御座います」
 配達用のトラックである。怪しまれる心配はない。五人は荷物の奥に隠れるように乗り込む。
 トラックは縦に長いS国を内陸部の道を何処までも進む。
 
 ヘリが娼国の南の島に着くと滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長は元の鉄格子に戻された。
 滑谷大師元警視と吉岡理穂は四階の拷問室に連行される。
 そこには死体と成った細野剛志元二等海佐が放置されていた。
 「ああ。細野さん」
 吉岡理穂は悲痛に叫ぶ。
 笛木祐子元巡査部長は一人七号の鉄格子に戻され医師と看護婦が手当てをしていた。麻酔で寝かされているがかなり重症である。
 警察員数人が入って来る。真紀子も最期に現れる。
 警察員らは拷問部屋に鉄格子を組み立てる。元よりユニットで組み込める造りになっている。
 警察員らは二人を押えて服を脱がす。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 「止めてーーーーーーーーーー。いやあーー。いや」
 いくら叫んでも一人に六人掛かりである。全裸にされて鉄格子に押し込まれてしまう。
 「中で一晩考えて。明日から女は拷問よ」
 真紀子はそう言い置いて引き上げる。
 今夜はそれどころではない。逃げた五人が問題である。
 
 渡辺則継元警視らは宇垣美佐都に海が望める小高い山に在る山荘に案内された。非常に見晴らしが良いらしい。
 「此処なら夜でも近付いて来る人や車は確認できます。昼間は海も遠くまで見渡せます」
 「そうですね。助かります」
 「食料は近くに買い物が出来ませんので地下に冷凍で保管しています」
 「でも」
 「ご自由にお使い下さい。必要経費は大高様からお振込み頂いております」
 「いやあ。それは助かります。申し訳御座いません」
 「いいえ。ご事情は充分理解しております。私も娼国には怒りを覚えております。それより外出は危険です。此処に有る物をお使い下さい」
 「ありがとう御座います。何とお礼を申し上げてよいやら」
 五人全員が頭を下げる。
 渡辺則継元警視の理解者大高貞夫元警視からもメールが入っていた。
 『必要経費はこっちで振り込む。安心して身を隠してくれ』
 宇垣美佐都は山荘内の説明を一通り済ませて帰って行った。
 渡辺則継元警視らはクルーザーで食事をした。全員相当に疲れている。その日はとにかく休むことにした。
 女性四人がゲストルームのベッドを使い渡辺則継元警視は二階の和室に布団を敷いた。
 
 翌朝真紀子は葛城義和と湯野中を伴って空母の長官公室に現れた。
 今回の逃亡劇に関連したメンバーの知人関係全部に見張りが付いた。工作員だけではなく日本の警察も娼国、R国から息の掛かった幹部の指示で協力した。
 メールや通信も監視出来る体制となった。
 「目標を絞った漁港から十キロ位離れたホテルに五人らしき存在が確認されました。ですがチェックアウトしないで姿を消した様です」
 少将の徽章を付けた参謀が報告する。
 「S国に入ったことは確かだな」
 「地元に協力者が居て匿われたら発見は難しい」
 指宿も難しい表情である。
 「だが、S国を出るのも簡単ではない」
 「外から協力者が来なければ不可能でしょう」
 真紀子も一行はS国に閉じこもったまま直ぐに何か行動は起こしにくいと考えている。
 「とにかく逃亡劇に関連したメンバーの知人関係を手繰ってS国内の協力者を突き止める事だ」
 「そうだな」
 指宿も津島の考えに同意する。
 「計画したのはこの吉岡理穂ですね。ここまでも無人島に燃料を隠して巧みに計画を立てています。この女を拷問したら何か解かりませんか」
 葛城義和は総て吉岡美穂の計画と見ている。
 「S国の逃げ場所も予め準備」
 真紀子は考えこむ。
 「でも細野は二手に分かれることすら知らなかった」
 真紀子は手応えが違うと言いたい。
 「あの二人を拷問するだけしてみれば良い。両面作戦や」
 湯野中は葛城義和の意見を支持する。
 「いやあ。それ以前です。S国に吉岡理穂の知人は居ません。接触したR国の弁護士も尋問しました。S国に入ったのは渡辺則継元警視の判断です」
 少将の徽章を付けた参謀が報告する。
 真紀子と葛城義和は顔を見合わせる。
 「それでもやってみます」
 真紀子は葛城義和の意見を確認する。
 「先生と俺で行くよ」
 湯野中が強行する。
 「無駄かも知れませんが一応」
 葛城義和は湯野中と娼国に引き返す。
 「関連者全部通信は監視していますが相手先は特定出来ません。またS国の他の日本人と日本からの通信も見つかりません」
 また参謀が報告する。
 「無いだろう。幾つものサーバーを経由している。予め吉岡理穂が仕組んでおいたのだ」
 「偶然現地のS国人に匿われてしまったら」
 「S国の警察に協力依頼も出来るが余計な事も推測される。そっちの可能性は極めて低い」
 津島はS国を巻き込みたくない。
 「そうだな」
 指宿も納得する。
 
 翌朝、渡辺則継元警視らはややゆっくり起きて朝食を摂っていた。
 「理穂たちどうなるのかしら」
 竹田玲奈は盟友で女の身である吉岡美穂を心配している。
 「拷問は避けられません」
 小倉紘子元警部も自分らの体験から否定のしようはない。他の二人も沈痛にそれを肯定する。
 「男性は殆ど確実に殺されます。女性は幹部の満足と接待に使われます」
 小林由美子は何度も受けたSM拷問を語る。
 「SM拷問が奴らの嗜好なのか」
 渡辺則継元警視は憤懣やるかたなき表情である。
 二人の女性警察官も心配である。だがここまで協力し合ってきた吉岡理穂が理不尽に拷問される事が受け入れられない。
 そして今は吉岡理穂に拷問が集中することは否めない。
 「此処が見つかる可能性は低いが、この国から出るのは極めて難しいな」
 渡辺則継元警視は寝ながら考えたが脱出方法はない。理解者大高貞夫が何か手を打ってくれる事も非常に困難である。
 「大高さんに危険は及ばないのですか」
 竹田玲奈は大高貞夫を突き止められないかと心配する。
 「それは大丈夫だ。やつは用心深い。通信が掴める事はしない」
 渡辺則継元警視は元警察官で鑑識に居た大高貞夫を信頼している。
 朝に成って外が明るくなるとこの山荘まで来る道も海上も綺麗に見渡せる。理想的なリゾートで隠れ場所としても良い。
 
 湯野中と葛城義和は娼国の南の島に着いた。
 二名を監禁してある拷問部屋に向かう。以前葛城義和が出水茉里元巡査部長を散々玩具にした部屋である。
 葛城義和は男女が背中合わせに鉄格子に入れられている姿に苦笑した。
 警察員と緊縛師が呼ばれ吉岡理穂だけが引きずり出される。
 吉岡理穂は全裸で大勢の男性の前に出される。顔を下に向けて恥ずかしさに堪えられない。
 警察員が頭を持って強制的に葛城義和の方を向ける。
 「ああ。おのれ元総理」
 吉岡理穂に葛城義和が現れることは成り行きから想定が付かないわけではない。それでも目の前に立つ葛城義和に驚愕の表情である。
 葛城義和は吉岡理穂の躰を上から下まで目で追う。こんな事に加担しなければ可愛い女である。
 スタイルはやや腰が大きく太腿にそれなりに肉は付けている。この体型を好む男性も居るが葛城義和の好みではない。
 「もう一つの一行は何処に行った」
 無駄と承知しながら葛城義和は問いかける。
 「知りません」
 「あんたが島に燃料やクルーザーを隠して退路を詳細に計画した。S国の行き先も事前に用意されていただろう」
 「いいえ。二手に分かれてM国とS国の大使館に向かう予定でした。私が捕まった時に送った咄嗟のメールで行き先を変えたのです」
 吉岡理穂は正面から否定する。
 「その行き先に心当たりがあるだろう」
 湯野中が問い詰める。
 「解かりません」
 ややヒステリックな表情で否定する。
 葛城義和はその乳房を見る。全体に丸く大きさもそれなりである。垂れてなくて良い。乳首は綺麗に真っ赤である。
 葛城義和は緊縛師に拷問椅子を要求する。
 躰を突っ張らせて抵抗する吉岡理穂を緊縛師らは拷問椅子に縄で縛って磔る。
 脚を広げられるのに吉岡理穂は力の限り股を閉じて泣き叫び抵抗する。
 「やめろーー。じんけんしんがいだーーーー」
 鉄格子から滑谷大師元警視が叫び続ける。
 警察員が麻酔銃を撃つ。
 「ぐうおーーーーー」
 滑谷大師元警視は倒れこむ。
 「滑谷さあーん」
 緊縛師らは叫ぶ吉岡理穂の膝に縄を掛ける。足の裏を擽り拷問椅子に力づくで固定する。
 拷問椅子を後ろに倒して躰を真っ直ぐ引っ張り胸部を高手小手に縛る。腹をベルトで止めて上体を後ろに倒して磔が完成である。
 「先生。どう責めます」
 湯野中は葛城義和に拷問を任せる心算である。
 葛城義和はクスコで膣を広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 蜂蜜と蟻が広口瓶に詰めて運ばれる。
 「あんたのドテと膣に蜂蜜を流す。そこに蟻を大量に放つ。どうだ堪えられるか」
 葛城義和は淡々と説明する。
 「私は知らないのです」
 吉岡理穂は恐怖に慄きながら抗議する。その表情は怯え引き攣っている。
 葛城義和は容赦なく蜂蜜を流す。膣の中はブラシで塗る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は泣き悲鳴である。
 「さあ。蟻を行くよ」
 葛城義和の声は限りなく冷たい。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー。私はしらないよーーーーーーーーーー」
 葛城義和は容赦なく蟻の大群を広口瓶から落とす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンのように悲鳴が轟く。
 蟻はドテの陰毛に群がり膣に刺さったクスコに侵入する。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は狂ったように叫ぶ。
 目の大きく可愛く柔らかい表情がここまで崩れるかという破裂状態である。
 「たすけてーーーーーーーーーーーーー。きがくるうよおーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように叫び続ける吉岡理穂のドテから腹、乳首まで刷毛で蜜を伸ばす。
 蟻もそれを伝ってくる。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。うわああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を小刻みに震撼させ腹とドテを迫り上げて狂った様に暴れ喚く。
 葛城義和はこれまで限界とシャワーで温度を調整した湯を掛ける。
 「あわあーーーーーーーーーー。ああーー。ああーー。ああ。ああ」
 膣の中も洗い流す。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 吉岡理穂は荒い息遣いを続けながらも落ち着き始める。
 「知らないのかな」
 湯野中も諦め始める。
 「そっちは駄目でも。スマホをどう迂回しているかです。逃亡している奴等はこいつが用意したスマホを使っている」
 「それでしたら押収したこいつのとあっちの親父のスマホを調べています」
 警察員が背後から説明する。
 「まあ。無駄と言えば無駄ですが」
 葛城義和もそっちを追求して白状させても追跡には至らないと見当は付く。
 「先生。どうします」
 「戻りましょう。空母に」
 「そうしますか」
 「そうだ。押収した携帯から向こうに通信は出来ますね」
 「出来ますが居場所は突き止められません」
 「それは解かります。この女の拷問を動画で送信して逃げている五人を動揺させましょう」
 「それは良い考えで」
 湯野中も賛成する。
 「では行きましょう」
 「何処へ」
 「空母の上でやりましょう」
 「なるほど」
 湯野中もにんまり納得する。
 全裸で拷問椅子に乗せたままタオルをかけてヘリに積込む。
 「何処へ連れて行くんだよ」
 吉岡理穂は抗議する。
 「航空母艦の甲板の上であんたの拷問を収録してあんたのスマホから逃げている連中に送るのだよ」
 「なんですって」
 吉岡理穂は怒りを破裂させながら追い詰められた表情になる。
 「さっきの拷問も録画されていますよ」
 「ああーーーーーーーー」
 吉岡理穂は悲鳴を上げる。あの姿を仲間に見られる。堪らない羞恥のどん底である。
 「でも先生。それを日本のマスコミに送られては」
 「大丈夫です。メールを開いたら自動的に起動して終わったら消滅するように作れます。複写も出来ないようにします」
 「そうですか」
 葛城義和に抜け目のないことを湯野中は充分承知している。確認しただけで充分な回答がもらえた。
 葛城義和は真紀子に連絡して空母の甲板で拷問を行う準備をしてもらう。
 外から他の艦船や航空機に見られてはならない。艦載機を発艦して上空警護を行う。
 駆逐艦、イージス艦、軽巡洋艦が周りを防空輪陣隊形で囲む。
 ヘリはその度真ん中の空母に着艦する。
 既に護衛の駆逐艦の乗員も含めて甲板に集まっていた。
 吉岡理穂は見物人が集まって晒し者にされると慄く。
 娼国は空母と雖もハイテク化が進んで百五十名ほどしか載っていない。百名は搭乗員である。そして駆逐艦、イージス艦は二十数人しか乗艦しない。
 
 渡辺則継元警視はメールを開いた瞬間驚愕した。
 「何だこれは」
 そこには全裸で大股を開いて拷問椅子に磔られている吉岡理穂の動画が展開されている。
 竹田玲奈がそれを受け取る。
 「ああーー」
 竹田玲奈も悲鳴を上げる。
 「これは敵が理穂のスマホから送っているのよ」
 竹田玲奈は瞬時に事態を把握した。
 「酷い拷問」
 女性四名は吉岡理穂の股間部分に蟻が群がり狂った様に悲鳴を上げ続ける姿に驚愕する。
 「酷い。ひどいよーーーーーーーー」
 竹田玲奈は泣き叫ぶ。
 終了すると動画は自動削除され空のメールだけが残る。
 渡辺則継元警視は床を叩いて行き場のない怒りに懊悩する。
 「他に転送させないように自ら物理削除する様に出来ているのよ」
 竹田玲奈はテーブルを叩いて悔しがる。
 
 吉岡理穂は空母に着艦したヘリからタオルを掛けられただけの全裸のまま降ろされる。
 そして乗員らが幾重にも囲む中でタオルを取られ大股開きの全裸を公開されてしまう。
 「ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 三十手前の吉岡理穂が少女の如く叫ぶ。
 甲板の乗員らから一斉に拍手が沸く。
 吉岡理穂は怒りより既に何も考えられない。
 「皆さんこの女を好きなだけ触って弄り回してください。順番に並んで二人ずつ五分交代です」
 そう言い残して葛城義和はそこを離れる。
 艦首では磔柱と吊るしの準備が行われていた。
 葛城義和は艦橋に入り長官公室に向かう。
 津島と指宿、真紀子がS国の地図を広げて会議中である。
 窓から眼下は甲板である。乗組員らが作る人垣の真ん中で吉岡理穂が躰を弄くられ悲鳴を上げ続けている。
 「現在S国に在住する日本人を確認しています」
 「それってかなりの人数では」
 「はい。二万四千人を超えます。ですが住居等の情況から匿える施設が有力なところから当っています」
 「それでも」
 「はい。近隣の四国から工作員を移動させて当っています」
 「判りました」
 葛城義和も難しい情況と思いながら懸命な努力を認めざるを得ない。
 「葛城先生。あの女を拷問して出て来ざるを得ない様にしようとお考えですね」
 「そうですがこっちも望みは低いです」
 「とにかくやりましょう」
 真紀子は葛城義和の作戦を手伝う。
 五人が降伏して出てくるまで吉岡理穂の拷問を続ける宣告を行う。卑劣極まりない作戦である。
 「もし奴らが日本に入れば逮捕出来ますね」
 「ええ。もちろん手は打って在ります。ただ先にフェミニスト仲間が蔓延るマスコミに接触されると逮捕しても危険です」
 「娼国、R国で逮捕理由がない三名が問題ですね」
 「一番問題なのは小林由美子。岡村一美と小倉紘子元警部はAVを出しましたけど微妙です」
 「逆に外から進入した二人は監視カメラの映像が残っていますね」
 「そうです」
 「逆の四人だと片付けやすかったですね」
 「そっちなら違法捜査と不法入国、監獄破りマスコミも突っ込みようはありません」
 「最悪は北朝鮮、中国、韓国の姿勢で行くしかないか」
 「そうなるよ」
 「とにかく捕まえるかS国から出さないことだな」
 「先生がここまで進めて来られて、こっち側の経済体制が強く確立した。それが相当に瓦解する危険が高いわね」
 真紀子らしからず動揺している。
 「そうでもありません」
 「何故言える」
 湯野中も大きく懸念している。
 「確かにフェミニスト、リベラルは大きく騒ぐでしょう。それでも選挙で大敗はありません。大半の利害が勝ちます」
 葛城義和の論理では既に日本の上部構造は娼国、R国に経済的準拠している。
 非正規層の収入と生活が格段に葛城義和の経済改革により上昇改善した。これにより民事党の支持率は概ね下がらない。
 既存のマスコミがリベラルを押してとことん国民にメデア的洗脳を続ける。だが娼国系メデアも逆のマスコミ的教育を行う。
 そして中国も韓国も日本と娼国の問題に介入する余裕はない。アメリカのマスコミが多少批判しても国は何もしない。
 「でも、イメージは大きく後退よ」
 「そうです。だから逮捕かS国全体監視のまま今のところに押し込めるしかないです」
 「ううーーん。そうだな」
 「とにかく拷問に賭けましょう」
 次は吉岡美穂が空母他の乗員に囲まれ女をとことん辱められ狂乱の悲鳴を続ける姿を動画で送りつける。
 葛城義和はこの程度の内容でも渡辺則継元警視と竹田玲奈にはかなり応えると見ている。
 
 「ひどいいーーーーーーーーーー。こんなの集団強姦よーー」
 送られてきた動画で竹田玲奈が悲鳴を上げる。
 渡辺則継元警視はスマホに触れようとすらしない。
 小倉紘子元警部らも娼国のやる事とは思いながらも目を覆い非難する。
 さらに字幕でメッセージが流れる。
 『貴方たち五人が娼国大使館に出頭するまで拷問は続きます』
 「ああーー。理穂ーー。ああーー。ころされちゃうよーーーーーーーー」
 竹田玲奈は泣き悲鳴である。
 「そんなに甘くないです」
 「ええ」
 竹田玲奈は悲痛な表情で小倉紘子元警部を見返す。
 「やつらは殺さない。何処までも毎日拷問を続けるよ」
 「ああーー」
 竹田玲奈は恐怖に眩む目で辛うじて立っている。
 
 吉岡美穂への乗員らの凌辱が一通り終わった頃。それを見計らって真紀子は警察員と緊縛師を伴って甲板に出る。
 緊縛師らが吉岡理穂の縄を一度解く。警察員らが拷問椅子から降ろして甲板に捻じ伏せる。
 緊縛師らは各々手首どうしと脚首どうしを左右合わせて背中の上で縛る。
 脚首を縛り合わせた縄と手首を縛り合わせた縄を寄せてそこに金属にフックで接続する。
 金属のフックにクレーンのフックを下げて引っ掛ける。
 そのままクレーンが吊るし上げる。
 「ああーーーーーーーーーーー。ぎゃあ、あーーーーーーーーーーーー。ぎやあああーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は苦しみ藻掻きサイレンの如く甲高い悲鳴を続ける。
 二メートルくらいの高さに上げられ恐怖と苦しみに顔を悲痛に歪める。
 駿河問いを空母の甲板で行う。それだけでも恐ろしい責めである。
 吊る下げられた吉岡理穂の躰は横から見ると電車のパンタグラフの様に空中に五角形を描いている。
 真紀子は柄を長くしたスパンキングを持ち出す。
 それでぶら下がった乳房を下から叩く。
 「うおーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の腰が一瞬迫上がる。
 真紀子はさらにスパンキングの腹で乳房をビンタする。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は腰が引くように迫上がり空中で揺れる。
 乳房全体を平たい革でビンタされる痛みに顔は歪み軋む。恐怖と羞恥と苦しみに吉岡理穂の顔は土色である。
 叩かれた乳房は両方とも真っ白い皮膚に薄い紅色が広がる。
 真紀子は容赦なく叩き続ける。
 「ぐうおーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーー」
 叩かれ吉岡理穂の躰は空中で揺れ太陽光と風に当てられている。解れ張り付いた髪の毛と汗と涙で顔はぐちゃぐちゃである。
 真紀子はその顔をスパンキングでビンタする。
 「があうううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の顔は唾液を飛ばし瞑った目から涙が零れる。
 「うぐううーーーーーーーーーー」
 軋んだ表情は相当に苦しそうである。
 それでも真紀子は容赦なく乳房をスパンキングの腹で叩き続ける。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛烈な痛みに絞り出すような悲鳴を上げ続ける。叩かれる度に軋み歪む表情が甲板で見ている乗員を刺激し陶酔させる。
 真紀子は吉岡理穂のお尻側に回る。スパンキングを甲板に置いて一本鞭に持ち替える。
 脚首を縛られ吊る下がってやや斜め上を向いた股間を狙う。鞭の先端は太腿の間を掠めて無防備に斜め上を向いた女の部分を直撃する。
 「ぐうううううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は一瞬前に揺れ腹が迫上がる。そのまま空中で一瞬固まる。そして力の限り暴れる。
 「ぐうおおおおーーーーーーーーーーーーー。ぐごごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴を搾り出す。
 ?き出しの細く閉じ合わせた粘膜を直撃されたのである。
 「あううーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は痛みにやり場のない躰を震撼させ悲鳴と涙を飛ばす。
 痛みに堪えられない。苦しみの行き場が無い表情である。
 真紀子はその表情ににんまり笑みを浮かべ同じ角度でもう一発叩き込む。
 今度も綺麗に直撃する。
 「ぐううううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は空中で固まり破裂するように暴れ震撼する。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして失禁する。
 空母の甲板に飛び散るように小水が落ちる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げながら飛び散る小水に甲板の乗員は満足の表情で見入る。
 「あーーーーーはあーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーん」
 吉岡理穂はどうにも堪えられないと泣き喚く。
 痛烈かつ悲痛極まりない光景である。
 甲板にビニールのマットを敷いて一度クレーンが降ろす。
 緊縛師が縄を解いて手が開放されると、吉岡理穂は横に倒れたまま手で股間を押さえる。
 真紀子にしてみればまだ僅かな拷問である。だが今日はそこまでにした。毎日悲痛な映像を送りつける方が効果を期待出来る。
 衛生兵が呼ばれ痛みを訴える吉岡理穂の局部にキシロカインゼリーを塗る。
 たいした障害はない。恐怖のよるヒステリーが大方を締めている。
 そのまま車椅子に乗せられ艦内の鉄格子に運ばれる。娼館島の鉄格子と同じ様にバスタブと便器はセットされている。
 駕籠に入れてバスロープ、バスタオルとフェイスタオル、ショーツが搬入される。
 主計課の水兵が食事の確認に来る。
 「要りません」
 吉岡理穂は拒否する。
 衛生兵が数人連れ立って点滴のセットに来る。
 吉岡理穂はそれも拒絶する。
 「点滴を受けるか食事を摂って下さい。どっちも拒否されると縛って朝まで束縛して点滴になりますよ」
 衛生兵は勝手を許さない口調である。
 「では食事」
 「その方が良いと思います」
 衛生兵は主計課の水兵に代わる。
 「艦内にある範囲ですが出来るだけお好きな物をご用意します」
 主計課の水兵はもう一度注文を確認する。
 「ではハンバーグとポタージュスープを」
 「ライスかパンは」
 「パンで」
 「お茶もお持ちしますが、お酒もご用意できます。ビール、日本酒、ワイン、焼酎、ウイスキーがあります」
 「ええ。お酒も」
 「娼館島でも今と同じです。日本の刑務所とは違います」
 「それではビールを」
 「判りました。暫くお待ち下さい」
 主計課の水兵らは立ち去って言った。
 水兵二人がワゴンに載せて食事を運んで来た。鉄格子の搬入口は二重構造である。ワゴンを二重扉の中に入れて外から閉めると中から取り出せる。
 「明日の昼食までは何もないです。ゆっくりして下さい」
 そう言い置いて水兵らは去っていった。
 吉岡理穂は複雑な気分である。さっきまで甲板で自分の全裸を見た連中である。さらに全身を弄られた。
 今の情況では丁寧に接してくれるのがむしろ驚きである。
 
 「ああーー。また」
 吉岡美穂が駿河問いで甲板に吊るされてスパンキングと鞭で責められる拷問に竹田玲奈が悲鳴を上げる。
 「ああ。副主席」
 「え。副首席?」
 竹田玲奈は岡村一美の言葉に振り返る。
 「そのスパンキングで叩いている女です。北嶋真紀子娼国副首席です」
 岡村一美はその恐ろしさに震える。
 「副首席自らこんな拷問まで」
 渡辺則継元警視は怒りを篭めている。
 「恐ろしい敵は北嶋副首席、日本を抜本的に変えた葛城元総理、湯野中よ」
 小倉紘子元警部は断言する。
 「安形主席は」
 「まったくこういう事には出て来ません」
 「吉岡の調査では村上首相は名目上の首相で北側と娼国の支配する南の議員は半々。実際は両勢力のトップの話し合いで決まり議会は満場一致とのこと」
 渡辺則継元警視は出撃前の会議で行われた吉岡理穂の解説を思い出す。
 「その娼国及び南側の実質的TOPが北嶋真紀子です」
 「何故日本の元総理がその三人に並ぶ」
 「居なくなってしまった出水元巡査部長の話では葛城氏はこの二つの勢力に日本及び亜細亜から利益を吸い上げるシステムを確立したとの事です」
 「日本で力を持ったからではないのか」
 「一介の業務SEを日本の元総理平佐和が紹介したのです。この人物の加入でこれまでも経済進出の大きかった両勢力の進出を拡大しました」
 「日本を経済回復させて非正規層の収入を拡大したのはその為か」
 「出水元巡査部長が葛城にSM拷問されながら聞いた内容はそうです」
 「その出水さんはどうなったのです」
 「いつも葛城に呼び出されて拷問部屋で玩具にされていたようです。ある日そのまま戻らなくなりました」
 「ふうーーん」
 渡辺則継元警視は情況を噛み締める。
 「葛城元総理はR国から唯一日本に戻った滝澤沙緒里と一緒に居ると聞いているが」
 「私たちの事が克明に敵に解かっているのは滝澤沙緒里の情報です」
 岡村一美はきっぱり言い切る。
 「出水元巡査部長もそういう見解でした」
 「あの鉄格子に居た五人の見解は同じです」
 小林由美子も同意する。
 「このまま理穂をどうすることも出来ないよね」
 竹田玲奈は親友吉岡理穂がどうにも心配である。
 「名乗り出たいが。我々を救ってくれた人達にも被害が及ぶ」
 「ああ」
 竹田玲奈は絶望の表情に沈む。
 
 空母の長官公室では真紀子と葛城義和、湯野中が運ばれた料理で酒を酌み交わしながら津島、指宿らの集計情況に目をやる。
 「結構豪邸に住んでいる日本人は多いです。マンション他集合住宅は除外しています」
 「五人を周りに知られずに匿うにはそれだけのスペースがいる」
 津島もその見解に異論はない。
 「その通りだな。都心部なら工作員が日本のマスコミに化けたり探偵を使ったりして何か出る」
 指宿も見解は変わらない。
 「郊外に住むか別荘を持つ人。現地人と結婚した人も当るべきです」
 葛城義和が見解を述べる。
 「難しいですがそれも考慮しています」
 少佐の徽章を付けた参謀本部の将校が答える。
 「拷問を過激にするしかないよ」
 真紀子は調査で見つかるならもう出て来ていると見ている。
 
 昼を過ぎて真紀子らは拷問の準備に掛かる。
 警察員と緊縛師を伴って居住区の手前にある鉄格子の部屋に向かう。
 吉岡美穂は真紀子らに気付いて緊張と動揺が奔る。
 「食事は摂ったようね。今日はとことん気持ち良くなって貰うよ。嫌でも強制アクメよ。素直に逝き顔を晒してくれたら楽に済むよ」
 真紀子は昨日よりは穏やかな口調である。
 「そんな」
 吉岡理穂は嫌悪の表情で首を振る。
 「痛みも我慢しないで泣き喚いて。その方が深く責めないから。強がると何処までも痛い事に成るよ」
 「・・・・・・」
 吉岡理穂は怒りの籠もった眼つきで真紀子を見返す。
 「始めましょう」
 真紀子は警察員らに号令する。
 警察員が吉岡理穂を押えてバスロープを剥ぎ取る。緊縛師がショーツを脱がせる。
 キャスターの付いた拷問椅子に乗せて艦内の駐機スペースを過ぎて機材を甲板に上げるエレベーターに全員が乗る。
 そのまま甲板に上昇する。
 外は乗組員の輪が囲んでいる。吉岡理穂はまた全裸で晒し者である。
 既に産婦人科の開帳台並みの大股開きで拷問椅子に乗せられている。明るい太陽の真下に晒される。その恥ずかしさは尋常ではない。
 吉岡美穂は顔を横に逸らして気の狂いそうな羞恥に堪え続ける。
 警察員らが拷問椅子を押してクレーンの下まで来る。
 緊縛師らは警察員に押えて貰って手首を二本揃えて縛る。そこにフックを付けてクレーンのフックに引っ掛ける。
 吉岡美穂が爪先立ち出来るぎりぎりの高さに吊り上げる。
 真紀子は長い牛追い鞭を緊縛師に任せる。
 吉岡美穂は恐怖の表情で震えながら身構える。
 真紀子は先に傷みを与えて苦しめ続けて官能を受け入れざるを得なくする目論見である。
 既に棘付きバイブ、電マ、ドリルバイブを用意している。
 緊縛師は鞭を振り被る。
 鞭は空中を流れて吉岡理穂の腰に巻きつく。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡美穂は衝撃に膝を蹴り上げて悲鳴を搾り出す。
 南洋の熱さを甲板の風が中和する。外に居られない状態ではない。
 緊縛師の鞭は下から伸びてくる。今度は綺麗に乳房に巻きつく。
 「ぐううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 また膝を蹴り上げて悲鳴を搾り出す。
 もう一人緊縛師が近い位置の左側に構える。
 一本鞭を振り被って乳房を横に薙ぐ。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 次に牛追い鞭が腰に巻き付く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二十発位を数えて真紀子はストップする。
 クレーンを五センチ位下げる。吉岡理穂は足の裏が甲板に付く。もちろんマットは敷いている。
 緊縛師は左脚首を縛る。その先端をクレーンのフックに通して引っ張り上げる。吉岡理穂の股間は一気に広がる。
 吉岡理穂は上がった脚のバランスにくねりながら左脚をくの字に曲げて重心を転々と動かす。
 緊縛師二人がその腰を押えて吉岡理穂の躰を固定する。
 真紀子が棘付きバイブを持って近付く。
 吉岡理穂はその棘に慄く。
 真紀子は手にローションを塗って吉岡理穂の膣を掻き回す。
 「ああーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は躰を反らせて暴れる。
 真紀子は間髪を置かず棘付きバイブを挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーー」
 恐ろしいものが入って来る慄きである。
 真紀子は容赦なくそれを動かす。バイブのくねる動きに真紀子の手でピストンが加わる。
 真紀子は指で掻き回した時に敏感な部分を確認している。娼婦の泣き所を狙って一気に責める。
 「いやああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は腰を引き逆に反り返りくねり続ける。真紀子の手はそれを追って責める。
 吉岡理穂に逃れる術はない。ずっと娼国、R国の調査に専念してきた。そんなには男を知らない。
 真紀子の壷を心得た責めに自制心はまったく利かない。
 「ぐちょぐちょよ」
 真紀子は態と手の濡れを見せる。さらに棘付きバイブを抜いて膣の中の濡れを流す。
 「ああーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は驚愕の濡れに悲鳴を漏らす。
 真紀子は緊縛師に潮を要求する。真紀子は爪が長い。
 緊縛師の指の責めに吉岡理穂は悶え顔に皺を絞り足掻く。
 潮は飛沫のように飛び散る。
 「あはあーーーーーーー。ああはああーーーーー。あはあーーーーーー」
 吉岡理穂は驚愕の表情を歪め続ける。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 治まっても洗い息遣いは続く。
 脚元のマットは濡れその先の甲板も飛沫が散っている。
 真紀子は吉岡理穂の頭を掴んで飛び散った飛沫の跡を見せる。
 「ああ」
 吉岡理穂は恥ずかしさに目が眩む表情である。
 緊縛師らは警察員の協力を得てクレーンを下げながらもう一度吉岡理穂の躰を拷問椅子に戻す。
 恥ずかしさの極致でも吉岡理穂に股間を閉じようと抵抗する気力はもう無い。
 緊縛師は拷問椅子のハンドルを回して吉岡理穂の躰を甲板に水平に寝かせ膣口を横に真っ直ぐにする。
 緊縛師はドリルバイブを吉岡理穂の目の前に翳して始動する。
 「いやあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は驚愕の表情で見た事も無い恐ろしい器具に目を叛ける。
 「失神するかもしれないけど女は死なないから大丈夫よ」
 真紀子は嘲るように言い放つ。
 緊縛師二人が両側から吉岡理穂の女の部分を強く広げる。撮影しているスタッフはアップでそれを収める。
 ドリルバイブを持っていた緊縛師がローションをたっぷり塗って先端に装着された擬似男根を吉岡理穂の膣に捻じ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は挿入の衝撃に悲鳴を上げる。
 緊縛師は膝を着いて腹で確り押えて最初はローでスイッチを入れる。
 「ああーーーああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あああーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の表情は一気に軋む。眉間に斜めに皺を寄せてほうれい線を強く刻む。そして口を半開きに押し上げる様に悲鳴を上げる。
 腰は迫上がり股間は震撼する。
 膣が押し出そうとするのを緊縛師は懸命に押える。
 「あわあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂はドリルバイブの責めに押し捲られる。
 真紀子は電マでクリトリス刺激する。ダブルの責めである。
 吉岡理穂は頭を後ろに大きく反らし眉間に二重の皺を強く刻む。大口を縦に開けて腹を強く迫り上げ太腿の筋肉を怒張させて逝き顔を晒す。
 「あはあーーーーー。あはああーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断続的に上り詰め数回逝き顔を晒し失禁する。
 それでも真紀子も緊縛師も手を休めない。
 「ああはああーーーーーーーーーーー。あああはあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は一頻り大きく躰を迫り上げる。そして静かに沈む。頭を右に倒して白目を?く。
 緊縛師はバケツの水を取りに行く。
 だが真紀子がそこでストップを掛ける。
 「一回に慣らし過ぎない方がいいよ」
 真紀子は今回送る動画としては充分なショック度と見ている。
 
 山荘では夕食の準備に掛かっていた。
 宇垣美佐都が情況伺いを兼ねて生ビールの樽を持って来てくれた。輸送トラックなので配送と言うカモフラージも兼ねている。
 空の樽を積んで帰る予定が一つしか空いてない。もっと呑むよう勧められた。
 大高貞夫からの伝言で危なくなったらもう一箇所あてがあるので常に状況を知らせて欲しいと伝えて行った。
 食事の準備が整って生ビールで乾杯したところで吉岡美穂より押収されたスマホからメールが届いた。
 「ああ。また酷い強姦以上よ」
 竹田玲奈がまた悲鳴を上げる。
 残る三名の女性がそれを確認する。
 憤懣やるかたなき。
 渡辺則継元警視は話を聞くだけで一切見ない。
 「私が出て行けばこれが終わるのね」
 竹田玲奈が堪えられずそう呟く。
 「立て続けの拷問は止まると思います。でも、その後は私たちと同じです」
 小倉紘子元警部が答える。
 「そうです」
 岡村一美も同意見である。
 「岡村さん達が戻るのは吉岡も本意ではないと思う」
 渡辺則継元警視は娼国に収監されていた三名は行かせたくない。
 「行けば男性は完全に殺されます」
 「では滑谷さんや細野さんは」
 「既に絶望だと思います」
 「確実に殺すと」
 「これまではそうだったと聞いています」
 岡村一美が鉄格子の中で見たのは検察庁捜査事務官合原朋子と栗山主任検事の処刑だけである。後は鉄格子の中で得た情報を述べている。
 「接待や幹部の満足に適さない者は処刑という事ね」
 竹田玲奈は娼国の在り方をそう理解する。
 「そう成ると連絡の付かない有栖川検事と山室さんも殺された」
 渡辺則継元警視が驚愕したように推察する。
 「南の島に無断進入したとして合法化されます」
 小倉紘子元警部は堂々とやられてしまうと言いたい。
 確かに主権国家である。正規ルートで交渉しないで奪還は非合法となる。だが吉岡理穂らには自らの正義を全うする手段が他にない。
 「渡辺さん。三人を連れて次の隠れ場所に逃げて下さい。私は理穂を今の状態から救いたいです」
 竹田玲奈は半分ヒステリー状態である。
 「私は行きません。笛木も残ったままです。私は一緒に戻ります」
 小倉紘子元警部は日本に帰っても良い結果に成らないと悟っている。
 そして小林由美子が日本に戻れば娼国の実体が国際社会に明らかになる。そうしたら自分らが行った捜査の正当性も主張出来ると考えている。
 小倉紘子元警部らは捜査に失敗して行方不明。その後AVにされてしまった。小林由美子は日本で捕らえられ娼国に居る理由はない。
 小倉紘子元警部は全部の話を総合すれば娼国の体質は明らかにされると考えている。
 「俺は逃げない。二人だけ逃げてもらおう」
 「それでは危険です」
 「いいえ。一人でも行けば必ず白状させられます」
 「そんな」
 「痛みは堪えられても痒みで責められたら駄目です。竹内優子さんたちも同じでした」
 岡村一美は娼国の非常なやり口を語る。
 「行き先を知らなければ」
 「とにかく二人が早く日本に着いてメデアの力を借りることだ。大高にもう一度相談してみる」
 渡辺則継元警視は二人だけでも何とかして日本に帰したい。
 迂回メールを送って待つ。
 小林由美子が生ビールを配る。小倉紘子元警部は肉の他に烏賊とホタテを焼く。冷凍の野菜も解凍して焼く。
 小一時間くらい待って大高貞夫から折り返しのメールが届いた。
 内容は以下の通りであった。
 『日本のマスコミをS国に向かわせるように手配する。その時点で迎えを出す。状況は理解出来ますが投降は出来れば避けて下さい。
 其処での撮影は迷惑を掛けますので、マスコミの方で場所を用意して迎えに行って貰うよう手配します。
 どうしても堪えられない様でしたら一度に三人は行かずばらばらに投降して下さい』
 「確かに一挙に行って三人より一人ずつバラバラに捕まる方が時間を稼げる」
 「そうですね」
 小倉紘子元警部も同調する。
 「私が先に行く」
 竹田玲奈は吉岡美穂が相当に気に成っている。
 「しかし此処に居る五人と吉岡と滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長以外は最悪全員殺されたと言うことだな」
 渡辺則継元警視は怒りと恐ろしい情況に嘆く。
 「滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長は何れ米軍の接待に出されて戻って来ないと思います」
 岡村一美はこれまでの情況でAVに出来ない者はそう成ると言いたい。
 「戻って来ないとは」
 渡辺則継元警視はその真意をさらに問う。
 「多分」
 岡村一美は難しい表情で答える。
 「でも理穂の依頼したR国の弁護士の調査では内山莉緒警部補と木村史乃警部補はT市に居て刺青をされているとの事でした」
 竹田玲奈はどこかで生きている信じたい。
 大高貞夫からメールが来てやや先に明るみが見えた。五人はとにかくその日は飲み明かした。
 翌朝早く竹田玲奈は一人で出発した。
 メモと吉岡理穂から預かった逃走資金日本円で三百万から十万だけ抜いて二百九十万を残した。
 八年前吉岡理穂が米倉礼子から託された活動資金の一部である。
 竹田玲奈はS国日本大使館に向かった。結果は充分に承知している。
 暫く歩いてバスで街に出る。そこからタクシーで途中まで行きタクシーを乗り換える。大使館のある町で降りる。其処から徒歩で向かう。
 四人の居る場所に簡単に繋がらない配慮である。
 飛行許可を取って娼国の空母からヘリが娼国不法侵入手配犯として竹田玲奈を回収に向かう。
 
 竹田玲奈のメモと残された現金を見て全員落胆した。
 「玲奈さんが戻っても理穂さんの拷問が終わりはしないよ」
 小林由美子は嘆いている。自分も何れ恐ろしい接待に使われると推測している。そして吉岡理穂と竹田玲奈もそうなる確率が高いと思える。
 
 葛城義和は拷問に参加しないで日本での動きを探っていた。完全にマスコミの動きを注視している。
 日本の警察幹部、娼国の工作員と連絡を取り合うが指宿の直下である柿崎一行を充てにした。
 日本のマスコミが海外に来て直接コンタクトを懸念していた。柿崎一行のチームは出国するマスコミ関連者の行き先をチェックする。
 S国の二つの国際空港にも見張りが付いた。
 
 空母の中に鉄格子が追加された。
 吉岡理穂は竹田玲奈が捕まって来た事に落胆した。
 鉄格子の中でも竹田玲奈は全員バラバラに他の国の大使館を目指したと報告した。
 鉄格子は監視している。
 真紀子と葛城義和も見ている。
 「小林由美子をマスコミの手に渡すという可能性は有るでしょう」
 「そうだけど。あの女は何故のこのことS国日本大使館に来たの」
 「拷問の結果です。残りは何処かに隠れていて日本からマスコミを呼んで取材させる危険が考えられます」
 「先生。その危険性はあるけど。彼らが呼ばなければ」
 「そこには仲介者が居るでしょう」
 「あれだけ見張っていて何も掴めないのね」
 「小林由美子、岡村一美、竹田玲奈の三名とも元テレビ太陽の関係者ですがその線からではないでしょう」
 「それでは渡辺則継元警視」
 「多分。携帯や通信履歴で出て来ない古い関係も有るでしょう。年齢の違いです」
 「それでS国内に潜んで居ると断定して、空港に来る日本のマスコミを監視するの」
 「俺はその線で追ってみます」
 「一つ気に入らないのはあの女がS国日本大使館に来た事よ。他の仲間が安全圏に逃げるのを見計らって出て来たかもしれない」
 「どうであれ押えられるでしょう」
 「判った。私は拷問を続ける」
 「そうですね」
 
 今回は甲板ではなく艦内の格納庫の空いた部屋を利用した。
 真紀子は緊縛師と警察員の手を借りて吉岡理穂と竹田玲奈を引きずり出す。
 「残りの四人がバラバラに逃げたというのは信じられない。何処に居るか白状してもらいます」
 真紀子は緊縛師らに二人を対面にして拷問椅子に磔を要求する。
 吉岡理穂はもう無駄な抵抗は止めて成されるがままである。
 「やめろーーーーーー。何で男がこんなこと出来るんだよーーーーーーーーー。やめろーーーーーー」
 竹田玲奈は暴れ抵抗する。
 警察員が押さえ込む。
 緊縛師は竹田玲奈が掴んで押えるショーツを切り落とす。
 六人がかりで大股開きにして拷問椅子に磔る。
 それでも竹田玲奈は暴れ続ける。
 緊縛師はビンタする。
 「ぐおーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は強気で怒りを破裂させる。
 緊縛師は構わずビンタする。
 「ぐおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーー」
 竹田玲奈は悔し涙を飛ばして悲鳴を搾り出す。
 「どうします。痒み責めで白状させますか」
 緊縛師が真紀子にお伺いを立てる。
 「無駄よ。その拷問方法は脱走させられた連中が既に教えている。この女の知らないところに行ったのよ」
 「では」
 「蛇よ」
 「はい」
 「最初は脅すだけ。糸の付いたカナブンで泣き喚かせてそれから蛇よ」
 「それで白状しますか」
 緊縛師は不動の姿勢になる。
 「しないよ。残った連中にメールで送って揺さぶるのよ」
 真紀子は葛城義和に拷問を続けると言ったが葛城義和の作戦が確実と思っている。拷問の揺さぶりは援護である。
 水兵が蛇の入った水の無い水槽を運んで来る。
 別に糸を付けたカナブンも持っている。
 カナブンは扇型のケースに一匹ずつ扇の先端に分割した枠に詰めてある。その扇の要に糸を繋いだリングが重ねられている。
 緊縛師は蛇を掴む。
 それを竹田玲奈の顔の前に突き出す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 驚愕の表情で震えながらの悲鳴である。
 続いて吉岡理穂に近付ける。
 「いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 こっちも強烈な悲鳴になる。
 真紀子はクスコを掴んでいる。
 「どうするか解かる」
 真紀子は真顔である。
 緊縛師と警察員が竹田玲奈の躰をがっちり押える。拷問椅子のハンドルを回して股間部を上に向ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は泣き声交じりの悲鳴になる。
 真紀子はクスコを膣に差し込む。通常の角度ではない。クスコの閉じた金属の嘴を縦にする。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーん」
 真紀子は竹田玲奈の怯えきった悲鳴を冷たい横目であしらいながら螺子を回して膣を左右に広げる。
 女の内部の敏感な部分である薄橙の粘膜が丸出しに成る。
 「ああーーーーーーーーーーん。いやよーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は完全に泣いている。
 「さあ。蛇を」
 真紀子は淡々と宣告する。
 緊縛師は真紀子の意図を承知して蛇を掴んで竹田玲奈のクスコに近付ける。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は狂ったような悲鳴になる。
 真紀子は緊縛師を手で制する。
 「じゃあ。カナブンで許してあげましょう」
 態とねっちりした口調で言う。
 緊縛師が膣の中に筆で蜜を塗る。
 「いやああーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は筆の動きにも悲鳴を上げる。完全にヒステリー状態に成っている。
 そのクスコにカナブンを放つ。糸に繋がったリングをクスコの螺子棒に引っ掛ける。
 「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー」
 カナブンが膣の中で動く。堪らず腰を揺すって驚愕の悲鳴は止まない。
 緊縛師は適度に糸を引っ張ってカナブンを取り出す。
 「ああーーーー。あはあーーーーー。ああーーーーーー。ああーーー」
 竹田玲奈は荒い息遣いで恐怖の余韻に崩壊状態である。
 見ていた吉岡理穂も悲鳴を上げながら泡を噴いている。
 真紀子はその吉岡理穂の膣にもクスコを挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 吉岡理穂も震えている。
 「蛇行くか」
 吉岡理穂は首を振って恐怖に躰を震撼させる。
 「いや。いや。いや。いや」
 顎が振るえ声も震えている。
 そう言って真紀子は筆で膣の中に蜜を塗りこむ。
 「いやあーー。いやあ。いや。いや」
 吉岡理穂は恐怖に縮み上がっている。
 緊縛師がカナブンを投げ込む。
 「ああーーーー。あはあーーーーー。あはあーーーん。あはあーーーん。あはあーーーーーーー」
 吉岡理穂も腹を迫り上げ腰を揺すって喚き続ける。既に涙が飛び散っている。
 緊縛師はこっちも適当に引っ張り出す。
 「あはあーーーー。あはあーーー。ああーー。ああ。ああ」
 吉岡理穂も放心した様に荒い息遣いを続ける。
 緊縛師はもう一度蛇を掴む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 見ただけで吉岡理穂は悲鳴を上げる。
 緊縛師は吉岡理穂に挿入されたクスコに蛇の頭を突っ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の悲鳴は艦内を劈く。目を見開いて顔は究極に破裂している。
 次の瞬間吉岡理穂は失禁した。
 瞬時に緊縛師は蛇を持った手を離す。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 吉岡理穂は震えながら声の出ない悲鳴状態である。
 失禁が治まって緊縛師は蛇を抜き取る。
 吉岡理穂は小刻みに躰を震わせながら天井を見ている。完全に飽和状態である。見ている竹田玲奈も恐怖にガタガタ震えている。
 緊縛師は別の蛇を掴んで竹田玲奈に向かう。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は悲鳴とともに失禁してしまう。
 緊縛師は蛇を構えて待つ。
 「ああ。ああ。ああ。ああ」
 竹田玲奈は漏らしながら恐怖に震え続ける。
 緊縛師は失禁が終わったところで蛇を突っ込む。
 「・・・・・・・・・・・・・・」
 大口を開けるが声は出ない。
 震えながら白目を?く。
 緊縛師はそこまでと蛇を抜いて水槽に戻す。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 竹田玲奈は朦朧とした表情で天井を見上げながら荒い息遣いで震え続ける。
 真紀子はこれまでと吉岡理穂から押収したスマホで動画を送信する。
 
 山荘では夕食の準備に掛かっていた。竹田玲奈が行ってしまって四人である。
 大高貞夫からまだ連絡がない。
 渡辺則継元警視は焦れて落ち着かない。
 そこに真紀子のメールが飛び込む。
 岡村一美が開いて暫くして悲鳴を上げる。
 「どうなの」
 小倉紘子元警部が覗き込む。
 「へ・ビ」
 岡村一美は恐ろしい。自分らも寸前まで遣られかかった。そのときは脅しであった。今も脅しと見ていたが本当に遣られてしまった。
 「この手で来たのね」
 小倉紘子元警部は驚かない。自分らが散々受けた仕打ちである。
 小林由美子は青くなっている。お座敷でやられそうに成った。出水茉里元巡査部長が庇って身代わりに成ってくれた。
 小林由美子は自分がやられたら確実に気が狂ったと思った。
 「俺が行く」
 渡辺則継元警視は突然立ち上がる。
 「駄目です。あなたが行ってもただ殺されるだけ」
 小倉紘子元警部は正面に立ちはだかる。
 「このまま見ていられない。隠した潜水艦で行く。俺一人なら娼館島までの燃料を積める」
 「私が行きます。私なら奴等は殺しません。私は日本の現副総理平佐和の玩具にされていました。他からは何もされません」
 「だからと言って。貴女が日本に戻った方が。マスコミへの証言も」
 「いいえ。笛木を一人残せません。私が戻ります。貴方は二人を護って日本のマスコミに対応してください」
 小倉紘子元警部は一歩も譲らない姿勢である。
 「いま娼国は手薄だ。潜水艦で乗り込めば滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長をもう一度救出することも出来る。その方が証言は有力だ」
 「無理です。貴方が殺されて終わるだけです」
 小倉紘子元警部は何としても止める意思である。
 「・・・・・・・・・」
 渡辺則継元警視は小倉紘子元警部の強い勢いに慄く。
 「確かに燃料をポリタンクで積んで行けば行くことは出来ます。帰りはどうします」
 「娼国の潜水艦で戻る」
 「無謀な作戦です。とにかく次は私が行きます。貴方は大高さんの連絡を待ってください」
 小倉紘子元警部は一切動じない。
 小林由美子も岡村一美もじっと二人を見ている。
 「もう誰も捕まらなくても良いし、さらに乗り込むのも無謀です」
 小林由美子はヒステリックに二人の会話を否定する。
 「そうです。報道を流してもらって大使館を納得させ日本政府から娼国に交渉させるべきです」
 岡村一美も小林由美子に同調する。
 「そんなに順調には行かないと思う。吉岡の作戦に乗ったが我々の考えている以上に娼国は日本の政府官僚を掌握している」
 「それでは報道してもらっても」
 「娼国は認めないだろう。結果は疑惑が広がる程度かもしれない」
 「捕らえられている人達は帰して貰えないと言うのですか」
 「娼国から奪還して此処まで来られなくても無人島にでも漂流していた方が助かる可能性は高い」
 「娼国の南の島にもう一度乗り込んで近くの無人島で待つと言う事ですね」
 「そうだ」
 「マスコミが報道すれば世論の建前形だけ交渉しても実質は娼国と馴れ合い。不法侵入及びスパイ容疑を主張されるだけかもしれません」
 小倉紘子元警部も渡辺則継元警視の言い分を理解する。
 「どうやってあの浜まで行きます。燃料も。潜水服が無ければ潜航艇を浮上させられません」
 「宇垣美佐都さんによく説明して運んでいただくしかないです」
 「そうね」
 小倉紘子元警部も納得する。
 その後大高貞夫元警視正からマスコミの手配が付いたと連絡が入った。
 その夜も別れを兼ねて九時位まで四人で飲んだ。
 渡辺則継元警視が二階の寝室に引き上げると小倉紘子元警部も後から上がって来た。
 「明日、私も浜まで行って手伝います。三日待って貴方から連絡がなかったら私は奥のG国に向かってG国日本大使館に行きます」
 小倉紘子元警部から躰を重ねる。渡辺則継元警視も何も言わず応じる。
 
 翌日、宇垣美佐都はポリタンクに燃料と自宅にあった潜水服を積んで迎えに来てくれた。渡辺則継元警視らが調達するのは危険と配慮したのである。
 磯浜に潜航艇のセイルだけ浮上させて燃料と食料を積込む。
 渡辺則継元警視は潜水服を返そうとしたが、宇垣美佐都から持って行くよう勧められた。
 夜間を狙って出発である。潜望鏡深度でシュノーケルの吸気弁を海上に出してエンジンを動かしバッテリーにも充電する。
 翌日。昼近く座礁した自分らの乗ってきた母船を発見した。島まで行かないでこの母船に隠れるが良いと考えた。
 一周回って確認した。座礁以外に破損はない。
 そのまま震度を下げて娼国の南の島に向かう。
 本国は鄭淑徳少将が護っていた。他のマスコミや協力者の接近も警戒していた。海底に着底した小型潜水艦が渡辺則継元警視の潜航艇の接近を確認する。
 鄭淑徳少将は津島に連絡をする。そして警備員に持ち場を離れて他の棟に行くよう指示する。
 敢えて五号棟に収監する三名を奪還させる作戦である。
 渡辺則継元警視は潜航艇をセイルだけ出して桟橋に乗り込む。一気に駆けて五号棟に向かう。
 前回追われて脱出した警備室横の通用口から中を覗くと一人も居ない。罠かもしれないが引き下がれない。
 一気に鍵を奪い鉄格子の在る廊下を突っ込む。
 六号に滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長を発見して鍵を外して繋ぎを着て潜航艇に向かうよう指示する。
 七号に笛木祐子元巡査部長を発見して繋ぎを着てもらい廊下を駆け抜ける。
 潜航艇には滝本美緒里巡査部長と辻沙緒里巡査長が降りていた。
 渡辺則継元警視がハッチを閉めて直ぐに潜航する。
 用心して海底スレスレに進む。
 娼国の小型潜水艦も海底スレスレに追尾する。どっちもソナー音は出さない。
 娼国の小型潜水艦は雷撃の準備をしている。
 津島の指令は潜航艇ごと全員葬れである。
 渡辺則継元警視が母船の近くに来て上昇した瞬間。小型潜水艦はフォーミング魚雷一本を発車する。
 渡辺則継元警視らも魚雷の推進音に気付くが間に合わない。
 ごおーーーーーーーーーーーーん。
 爆発音と共に潜航艇は木っ端微塵になる。
 小型潜水艦はその上を通過して爆雷を投下する。残骸をさらに破壊して引き上げなど出来ない様に念を入れる。
 その三日後日本から二つのクルーがS国に向かった。大高貞夫は二社のマスコミに手配した。
 柿崎一行のグループはこれをキャッチして到着空港に待機する工作員に連絡をとる。
 その朝、渡辺則継元警視に連絡が付かないことを確認して小倉紘子元警部は山荘に有った古い自転車を整備して出発した。
 柿崎一行は既にS国警察の協力を本国経由で要請していた。湯野中派の息の掛かったS国警察が待機する。
 S国に着いた日本のクルー二組は合同して岡村一美と小林由美子を待ち合わせ場所に呼び出す。
 ホテルの会議室を予約して会見の準備をしていた。
 岡村一美と小林由美子は徒歩で山荘を出発した。町に出てタクシーを拾い指定されたホテルに向かう。
 工作員は会話から既に行き先を特定した。別部隊がS国警察を伴ってホテルに先回りする。
 タクシーを降りてホテルに向かう岡村一美と小林由美子をS国警察官が逮捕する。既に逮捕状も用意されていた。
 日本から来たマスコミクルーはその現場を撮影して引き上げる。本来抗議するところだが事前に情況から引き下がるべきと判断がなされていた。
 
 それから四日後。小倉紘子元警部を乗せた娼国のヘリはD市の日本旅館滝亭のヘリポートに着いた。
 待っていたのは平佐和、葛城義和、真紀子である。
 「お疲れさん」
 小倉紘子元警部には平佐和の言葉が限りなく皮肉に聞こえる。
 「馬鹿なことしてくれたな。あんたの部下は死んだぞ。潜水艦でもう一回乗り込んで三人乗せて逃げるところを見張っていた艦が撃沈した」
 「・・・・・」
 小倉紘子元警部は落胆して腰を落とし声も出ない。
 「岡村一美と小林由美子はS国警察が逮捕して娼国に引き渡されたよ」
 今度は真紀子が説明する。
 小倉紘子元警部は上目遣いに一瞬真紀子を見る。
 「余計な奴らが来なくて、この間のように従順にしておればもう少し楽なところに移してやれたのに」
 平佐和は真紀子の注いだビールを飲みながらそんな事を言う。
 「葛城先生。千葉県警の女刑事どうしている」
 平佐和は葛城義和に話を振る。
 「今この街の日本人居住区に住んでいます。今度私の建てた温泉の女将をやらせます」
 小倉紘子元警部はどうしてと事態を把握出来ない。
 「でも。監視は付いています。この先生の玩具だけど。それ以外日本に連絡を取ったり何かを発信したりしなければ自由よ」
 続きは真紀子が説明する。
 「どうして」
 小倉紘子元警部には事態が判らない。出水茉里巡査部長が裏切った。もしかして自分も裏切る方に傾くのか。そんな疑念が過ぎる。
 「提案したのは私よ。でも出水茉里巡査部長は先生に頭をこすり付けて頼んだわ」
 「温泉旅館の女将にと」
 「いいえ。そこまでは。ただ少しでも楽に成りたかったのよ」
 「その後は協力次第です」
 葛城義和はきっぱり言う。
 「私にどうしろと」
 小倉紘子元警部は事態を計りかねている。
 「あの二人がどうなったかゆっくり見て頂きましょう」
 平佐和はじっくり責める構えである。
 「吉岡理穂と竹田玲奈がどうなっているかよく見て」
 真紀子は大型モニターの電源を入れる。
 この温泉日本旅館の別棟に作られたバンケットである。
 アメリカ海軍第六艦隊長官ベイソン中将以下司令部関係者のパーティが行われている。スポンサーはR国北の影の実力者湯野中である。
 出席する将校一人にR国で造られた日系人女性が一人提供される。性器未使用の処女である。
 そして究極の性拷問を受ける生贄が提供されている。
 今回は吉岡理穂と竹田玲奈が充当された。
 娼国の空母からそのままヘリで運ばれた。バスロープとショーツ一枚の姿である。
 「今回も湯野中様のご好意で二人の生贄を頂きました。娼国の死刑囚です。本日がその執行に成ります」
 少佐の徽章を付けた女性司会者が紹介する。
 「今回は全員に一人ずつ女性をくれました。そっちはお部屋に戻ってからお愉しみ下さい」
 ベイソン中将が説明する。
 退役したベイソン中将が第六十任務部隊長官時代の前任者モントゴメリー少将も呼ばれて接待されている。
 ベイソン中将、モントゴメリー元少将、空母アイゼンハワー艦長スコット大佐が話し合って拷問の手順を決める。
 三名は二人の女の躰を見ながら話し合う。
 女性司会者がバスロープを剥ぎ取る。
 連れて来たR国の警察員は控えの間に引き上げた。下士官一人と若い将校三名が躰を押えている。
 吉岡理穂も竹田玲奈も女性司会者を睨み返すが何も言えない。二人にはこれまで空母の上で受けた以上の拷問が予期される。
 大道具が運び込まれる。特注の拷問椅子である。お尻を乗せる小さな座と細い背もたれ以外は金属のパイプを組んで出来ている。
 若い将校らが吉岡理穂を拷問椅子に乗せようとする。
 「いやよーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は猛然と抵抗する。
 押える人数が増える。
 「無駄なことは止めなさい。どうせ死刑囚よ」
 女性司会者が宣告する。
 「なんですって」
 「お前らは娼国に不法侵入してスパイ行為と刑務所破りだ。裁判も何もない加重死刑囚だ」
 ベイソン中将が湯野中の代わりに宣告する。
 「何でアメリカ軍がそんな事すのですか」
 吉岡理穂は抗議姿勢である。
 「アメリカ軍ではない。湯野中氏と協力関係にある我々が行うのだ」
 ベイソン中将は限られたメンバーだけだと言いたい。
 女性司会者の指示で五十年配の下士官が二人に麻酔を掛ける。
 若い将校らが拷問椅子で剃毛を行う。
 ローションを流して陰毛にまぶす。椅子を四十五度に倒してドテを迫り上げてT字剃刀で剃る。
 横に付いている将校が吉岡理穂のその部分をスクリーンにアップする。
 若い将校はやや厚めのびらびらを閉じた女の部分を掴んで周りの陰毛を剃り落とす。
 性器の周りのきわどい部分から剥いでゆく。
 ドテの部分を剃ると陰毛の下と周りの皮膚の色の違いが鮮明になる。陰毛は柔らかいので剃った後は紅いながら滑らかな皮膚である。
 剃り終わって若い将校は吉岡理穂の女の部分のびらびらを広げる。びらびらは既にドドメ色が強いが内部はローズから中核部分は薄橙に成る。
 色の変化がその部分の生々しさを感じさせる。
 
 座敷でモニターからこの拷問を見ている小倉紘子元警部は様々な不安に頭は錯乱している。
 「アメリカ軍が湯野中氏と協力関係とは」
 小倉紘子元警部は誰と特定しないがポツリと聞いてしまう。
 「湯野中氏はアメリカから軍備を買っている。米軍が駐留する事で国際的立場が安定する」
 平佐和が答える。
 「それは他でもある普通の話ではないですか」
 「湯野中氏はアメリカから買わなくても軍備を作れる。アメリカはアイゼンハワー大統領の退任演説の通り軍需産業が支えている要塞国家だ」
 「それが協力関係ですか」
 「湯野中氏は自国で一から造るより原型だけ買う方が効率も良く価格も安上がりだ」
 「そんな」
 「まあ。日本が買うのとは違う。それだけではない。改造も出来る便宜を計らっている」
 「その見返りがこの生贄ですか」
 「基本は金だよ。こっちの方が悦ばれているかもしれないが。湯野中氏がこの様に餌付けしたのだよ」
 「秘密を共有する協力関係ですか」
 「あの三名以前から代々あの司令部は日本人女性に刺青がお好きだ」
 「・・・・・・・・・・・」
 小倉紘子元警部は恐ろしさにこれ以上言葉がない。
 
 吉岡理穂に続いて竹田玲奈も剃毛された。
 竹田玲奈は吉岡理穂より陰毛の下の皮膚は紅が薄い。周りよりその部分がやや濃いだけで美しい股間である。
 こっちも将校はびらびらを指で広げる。中は綺麗に緋色である。縁も粘膜の厚みは無くドドメ色感も無い。薄い小豆色である。
 五十年配の下士官が将校に小型の消化ホースを渡す。先端は簡易な放水銃が付いている。
 バンケットの床は絨毯だが予め拷問するスペースには大きなバットが敷かれている。そしてそのまま排水まで繋がっている。
 若い将校らは一人ずつ拷問椅子の上に麻酔で眠っている吉岡理穂と竹田玲奈に水を掛ける。
 「ううーーーーー」
 竹田玲奈は直ぐ気が付く。
 将校は吉岡理穂の股間を洗って顔に掛ける。
 「うう」
 吉岡理穂も目を覚ます。
 「うわああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「うおおーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 相当に冷たい。両名とも悲鳴を上げる。
 水は直ぐに止まる。
 五十年配の下士官は次にモップを将校に渡す。将校らはモップで顔から二人の躰を拭く。さすがにT字の部分は木ではない。柔らかい物質で出来ている。
 「おおーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーー」
 モップで顔から躰を拭かれる。屈辱感は大きい。
 さすがに仕上げはフェイスタオルで拭く。
 下士官は二人の膣にクスコを挿入する。そのクスコにトランス電源から繋いだ鰐口クリップを接続する。
 もう一方の充電クリップは拷問椅子の鉄パイプを鋏む。
 「最初はクスコだけで」
 女性司会者が変更を要求する。
 下士官は大きなクリップを小さな鰐口に交換してクスコに接続する。
 ベイソン中将とモントゴメリー元少将がトランスの前に座る。
 吉岡理穂も竹田玲奈も何をされるか理解は出来る。
 両名とも恐怖に縮み上がる。
 モントゴメリー元少将が先に竹田玲奈のスイッチを入れる。
 「ぐうーーーーーーーーーー」
 竹田怜奈の全身が一気に強張り腰が迫上がる。眉間に強く皺を刻み大口を開けて顔は反り返る。
 「ぐううーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃああーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みは一気に竹田怜奈を襲う。
 竹田玲奈が白目に成るところでモントゴメリー元少将は電源を切る。
 「ぐおーーーー。おおーーー。おお。はあ。はあ」
 竹田怜奈は苦しそうに荒い息遣いを続ける。
 次はベイソン中将が吉岡理穂に繋いだトランスの電源を入れる。
 「うおーーーーーーーーーー」
 一気に表情は軋む。
 吉岡理穂は鉄パイプで固定された腕で鉄パイプを掴んで踏ん張る。太腿の筋肉が怒張する。脚を突っ張り堪え続ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーー」
 眉間に三重に皺を寄せ大口を開いて悲鳴を漏らす。
 ベイソン中将は電源を入れたり切ったり責めを愉しむ。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ぐううおおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 電流が切れると吉岡理穂の躰は拷問椅子に沈む。電流が入ると躰を突っ張らせる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂は失禁してしまう。
 責めは失禁してない竹田玲奈に集中する。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田怜奈は顔を斜め後ろに反らして眉間の皺を強く刻んだ状態で固まる。
 「ぐぐううううーーーーーーーーーーーーーー。ぐぎゃあーーーーーーーーーーーー。ぎやああーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は狂ったような悲鳴を続ける。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は白目を?いてしまう。
 期待する失禁はしない。代わりに今度は完全に失神している。
 モントゴメリー元少将がビンタで起こす。
 「刺青を行います」
 女性司会者が宣告する。電流責めの効果が有り過ぎたので次に進める。
 「成程。躰を傷付ける前に刺青を綺麗に」
 湯野中が感心した様に呟く。
 「刺青の原画はあちらです」
 壁に原画が三枚描写される。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂も竹田玲奈もそれを見て驚愕の悲鳴を上げる。
 一枚は烏が三羽。上の二羽は嘴で乳首を噛もうとしている。もう一羽はクリトリスを嘴で突こうとしている。
 次の一枚はお岩さんが乳首を舐めて御岩さんの脚が腰に絡む。その太腿に蛇が巻きついてその口を開いて舌が女の部分を舐めようとしている。
 最期の一枚は二匹の大蛇の尻尾が乳房に巻き付く。頭は左右から舌を伸ばしてドテを舐めている。
 女性司会者の指示で麻酔医が二人に麻酔を掛ける。
 ベイソン中将らの話し合いで吉岡理穂がお岩さん。竹田玲奈が烏と決まった。
 レザーの寝台に脚を閉じて躰を固定される。
 寝台の横にギャーのレールが走っている。其処をボックス状のプリンターが走る。印字部分が六本の針である。
 パソコンから画像を読み込んで始動する。
 刺青が終わるまでゆっくり酒盛りとなる。
 
 「ああ。あの刺青。後はどうなるのですか」
 小倉紘子元警部には堪えられない。涙をぽろぽろ溢している。
 「あっち次第だな。奴ら残酷だから。あの悲惨な刺青で何処かに生き残らせる場合が多い」
 「殺された事はないのですか」
 「一人居たかな」
 「河口晴奈は刺青の前に発狂して自分から殺せと言ったのよ」
 真紀子が数年前の記憶を辿って説明する。
 「自分の事を心配するのだな」
 平佐和は何か目論見がある。
 「ええ」
 小倉紘子元警部は自分の事も心配である。
 「岡村一美と新井絵里はああいう事には成らないよ」
 真紀子が横から説明する。
 「え」
 小倉紘子元警部は真紀子の表情を伺う。
 「AVが売れているから今のままよ。二人の居場所は違うけど」
 「その先はどうなるのでしょう」
 小倉紘子元警部はAVに用がなくなったらどうなるか不安である。
 「その心配はないよ。日本に帰ったり自由に発言したりは出来ないけど。AVのギャラで家は与えられる。街の中は自由よ」
 「・・・・・・・・」
 小倉紘子元警部は事態が判らない。
 街の中の自由がどういう事なのか。絶対に逃げられないそんなセキュリティが有るのか。岡村一美は逃げたばかりである。
 「もちろん体内にGPS発信機は飲んでもらいます。PCも発信は出来ません。仮想ディスプレイです」
 「他の町の日本人と交流してしまえばどうなのでしょう」
 「駄目よ。不穏な話をしたら全員があなたの敵です。そしてスーパーやコンビニの販売員は街の中で其処の日本人を護る役目を負っているの」
 「ああ。はい」
 小倉紘子元警部はこの国の内情を含めて情況が理解出来てきた。
 「貴女の監視もするのよ。街からは出られません」
 「わたしのですか」
 「そうよ。貴女次第よ。貴女のAV叔母さんのわりに結構売れるのよ。もう一本物凄く猥雑なの撮ったら家を買って移してあげる」
 小倉紘子元警部は今の状態から逃れられる。それでも素直に喜べはしない。それでも従って逃れる方に意識は行く。
 
 二人の刺青が終わってプリンターが被虐者の頭の上に退避する。
 将校らが出来映えを見ながら麻酔医が麻酔を外す。スタンガンで意識を回復させる。
 姿見が二台用意されている。そのまま若い将校が二人ずつ竹田怜奈と吉岡理穂の躰を引っ立てて姿見の前に立たせる。
 ベイソン中将らは後ろでほくそ笑んでいる。
 「あああはあん。あはん。あはん」
 吉岡理穂はその場に泣き崩れる。
 竹田玲奈は声も出ない。力なくその場にうつぶせに倒れる。
 
 スクリーンから見ている小倉紘子元警部も顔を覆って泣き崩れる。
 「出水も葛城先生が玩具にしなければああ成っていたのよ。あの二人は絶対に許されないよ」
 「見ているが良い。この先も酷い拷問だ。さらにその先も毎日悲惨だよ」
 「何故。この国に外から乗り込んだからですか」
 小倉紘子元警部は泣き声交じりである。
 「そう。一つは。後はAVに出来るかどうか。娼国かR国に収監されるに関連する事情からAVに出来ない場合よ」
 真紀子の口調は厳しい。この二人への怒りは相当に強いと見える。
 「その先どうなるのですか」
 「明日ぐらいに映像を見せてあげるわ」
 真紀子の表情に今回は含み哂いはない。
 
 竹田玲奈は笛木祐子元巡査部長が二回に渡って乗せられ拷問された三角木馬に乗せられる。
 胸部は高手小手に縛られている。背中と背中に回した腕の間に鉄パイプが一本横に通される。
 その鉄パイプに天井から下がった滑車から伸びた鎖の先端に付いたフックを引っ掛ける。
 鉄パイプは竹田玲奈の躰を吊ってはいない。
 倒れない程度に平衡を保っている。それは三角木馬の頂点を咥えた女の部分に全部の体重が掛かっているからである。
 三角木馬は竹田怜奈の脚が着かない高さに上げられる。
 もう一人吉岡理穂は開帳台に大股開きで固定されている。
 ドテを一番高く正面を向けて女の部分は丸出しである。
 「それでは処刑に掛かります」
 ベイソン中将とモントゴメリー元少将が鞭を構える。
 「処刑と言っても命は取りません。女として人としては終わっていただきます。刺青で大方終了していますが最後の仕上げです」
 竹田玲奈は三角木馬の上で震えるだけである。女性司会者の言葉の限りない理不尽さを噛み締める。
 ベイソン中将の鞭が乳房に飛ぶ。標準サイズの竹田玲奈の乳房を鞭の細い部分が横に薙ぐ。
 「ぐおーーーーーーーーーー」
 三角木馬の上で竹田玲奈の躰がローリングする。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううううーーーーーーーーーーー」
 眉間の皺を深く強く刻み大口を開けた顔が縦斜めに歪む。
 顔は汗を噴いている。
 鞭の痛みより三角木馬の頂点で女の敏感な粘膜を擦った痛みである。
 反対側からモントゴメリー元少将が腰の辺りを叩く。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーー」
 さらに竹田玲奈の腰の部分が揺れる。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 切羽詰った泣き悲鳴がバンケットを震撼させる。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は堪らない痛みに苦しみ藻掻く。既に三角木馬の頂点は血が滲んでいる。
 「うぐぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田怜奈は引き攣った表情で藻掻き続ける。
 たった二発だがこれが限界である。
 将校二人で竹田玲奈の躰を押えて背中の鉄パイプを抜く。そのままハンドルを回して三角木馬を下げる。
 三角木馬の頂点が股間から外れると竹田怜奈は将校に支えられながら床に倒れこむ。
 股間部分は血で濡れている。
 衛生兵が来て局部麻酔を掛ける。
 「それではもう一人の処刑です。彼女の女を射殺します。と言っても弾丸は蝋燭です。蝋燭で同じ形に作った弾丸です」
 女性司会者のアナウンスに吉岡理穂は縮み上がる。蝋燭と雖も銃で撃った塊が膣に当る。子宮までめり込むのではないか。恐ろしい恐怖である。
 スコット大佐が銃を構える。
 吉岡理穂の頭の位置からそれは見えない。
 衛生兵が麻酔の準備をして待機している。
 「ああーー。あ、ああーー。ああーーー」
 吉岡理穂は堪えられなくなってヒステリックに喚きだす。
 スコット大佐は狙いを定める。
 固定されていても吉岡理穂の躰は微動している。
 スコット大佐は息を止める。静かに引き金を引く。
 ブスーーン。
 蝋燭の銃弾は吉岡理穂の閉じ合わせたびらびらに突き刺さる。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は一瞬固まる。一瞬置いて破裂したように悲鳴を上げる。
 「うおおおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉岡理穂の躰は迫上がって固まりまた沈む。そのまま失禁してしまう。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーー」
 痛みに暴れる。
 衛生兵が麻酔を掛ける。
 
 小倉紘子元警部はその日旅館にそのまま泊まった。平佐和と一緒の部屋である。唯々諾々平佐和に躰を預けた。
 真紀子と葛城義和は別々に帰った。
 
 翌朝真紀子はT市奥地に向かった。
 其処はR国兵士、駐留米軍相手の格安歓楽街である。昔の沖縄の様に兵士の給料で遊べるよう十分千円の売春から存在する。
 もちろん現地女性でもこれでは成り立たない。市から補助金が出ている。
 その街の中に日本の温泉街に時々見かける秘法館の様な施設が在る。堂々とT市の市営である。
 其処に吉岡理穂と竹田玲奈が送られて来た。
 彼女らは売春に使われるのではない。展示品である。
 過去に刺青を施された田中道子と竹内優子はドリルバイブコーナーに交代で出されている。本日は田中道子の出番である。
 吉岡理穂と竹田玲奈の追加で明日からは交代で二名ずつ出る。
 本日は娼国の若い男性警察員が三名見学に来ていた。
 若い警察員らは事情を充分に理解している。潔癖だった日本の女を玩具に出来るので嬉々として湧いている。
 田中道子には毎日堪えられない屈辱と羞恥である。
 田中道子はガラス張りの部屋の中で全裸で拷問椅子に寝かされて固定されている。
 直接触る事は出来ない。マジックハンドを操作して躰を弄くる嗜好である。
 警察員らは拷問椅子をリモコンで操作して田中道子の股を広げる。
 左右に割られた脚はその曲線の艶かしさを股間部分の膨らみまで晒す。ドテの黒い塊は剃られて無い。綺麗な細い縦筋が露わにされる。
 田中道子の剃毛された部分は皮膚の紅さが調度好い。周りの白い肌に僅かな紅が美しい。
 人間の手代用として精巧に出来たマジックハンドを警察員二人で一本ずつ操作する。
 マジックハンドを操作して二人が左右からその指先でビラビラを掴み田中道子の女の部分を広げる。
 田中道子は何回やられても堪えられない。顔を逸らして必死に恥ずかしさに堪える。若い彼等に玩具にされるのは心底辛い。
 更に局部をモニターに拡大することが出来る。
 左右の太股と腰を二人のマジックハンドが?んで押さえる。人間の手より力がある。
 ドリルバイブを遠隔操作で近付ける。その先端を人間の手型に作られたマジックハンドが?んで田中道子の膣口に充てる。
 そこに遠隔操作でスポイトからローションが流される。
 田中道子はどんなに口惜しく恥ずかしく堪えられずに藻掻いてもこのシステムから逃れることは出来ない。
 ドリルバイブの先端は人間の手代用のマジックハンドが手伝って田中道子の膣に挿入される。
 田中道子は顔を横に強く逸らせて堪え続ける。
 警察員らの手でスイッチが入りバイブが強力な回転ピストン運動を開始する。
 回転とピストンのダブル責めである。
 田中道子の躰は拷問椅子に固定されさらにマジックハンドに押えられたまま力いっぱい固まる。
 羞恥に堪えられず逸らす顔はさらに眉間に皺を強く刻み歪む。
 どんなに不本意でも躰が反応することは制御出来ない。声は殺しても太腿にに力が入り筋肉は怒張する。腰は固定されながら拷問椅子から迫上がる。
 ドリルバイブを止めたり速度を上げたり警察員らは遊び放題である。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 田中道子は殺していた声を遂に上げてしまう。そして声と同時に失禁する。展示中トイレに行かせてもらえないので小水が溜まっていたのである。
 そのまま垂れ流しが終わるまでサイレンのような悲鳴を上げ続けた。
 
 平佐和は真紀子からオンラインで送られてきたこの情況をモニターで小倉紘子警部に見せる。
 そしてその場所の説明と吉岡理穂と竹田玲奈のこれからをゆっくり聞かせた。

 女躰拷問挽歌滾る 完



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