SadoのSM小説 最期のSM小説家

第一幕
義姉妹と荒井枝里   
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。


 二〇十九年霜降上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 如月鬼堂は上越新幹線の古いタイプのe200系グリーン車でパソコンを叩きながら越後湯沢に着いた。配給会社と打ち合わせを終えての帰宅である。
 如月鬼堂はSM小説を書いている。半年近く前にさいたま市から此処に引っ越した。
 駅には戸籍上の娘が迎えに来ていた。駅から車で十数分の高層マンションの最上階に住んでいる。
 二人の娘が一緒に暮らしていた。どちらも養女である。
 だが娘の領域は完全に超えている。法律上の問題がないように養女として戸籍を入れているのである。
 如月鬼堂のSM小説は時代の風潮に逆風しても売れに売れている。
 マンションの部屋に戻ると既に風呂の準備がされていた。最上階で二つのフロアの高さを貫いた9LDKである。
 リビングは吹き抜け。メゾネット階に部屋が五つ洋間である。メゾネット階の下は四部屋と内湯に成っていた。
 リビングの二階分の大きな窓の中央が下半分内側に欠け込む。そこが脱衣所でその外が露天風呂である。
 妹の瀬里菜は既に全裸にバスタオル姿で待っていた。
 如月鬼堂は車を運転して来た姉の珠洲の服を脱がせる。二人とも体型は似ていた。
 華奢という言葉が自然に出る。二人の脚を揃えて並べても殆ど同じ形である。股間の隙間も変わらない。
 乳房の大きさも形もそんなに変わらない。如月鬼堂の片手にやや余る大きさである。
 違うのは姉の珠洲の乳首は鶏の鶏冠の様に赤い。妹の瀬里菜のその部分は薄い紅色である。
 どちらも美形で可愛い。どちらも小作りの顔立ちだが姉の珠洲の方が濃い顔立ちである。
 まだ黄昏時間の露天風呂に三人が全裸で入る。夕陽に若い女の肌が映えてなかなか美しい。
 先週の終わりに妹の瀬里菜の剃毛を行った。今日は姉の珠洲を剃毛する予定である。
 湯の中で妹の瀬里菜が姉の珠洲のお尻の下に下半身を滑り込ませる。珠洲の躰は押し上げられて湯に浮く。
 如月鬼堂は珠洲の股を広げる。その間に湯にしゃがんだ体を進ませる。湯の表面に股間が浮く。湯に濡れて漂う陰毛を指で抓んで剃刀を滑らせた。
 抓んだ陰毛が一気に剃刀で剃り落とされる。
 如月鬼堂は抓んだ珠洲の陰毛を桶に入れてゆく。元より濃い茂みではない。一気に薄橙の皮膚が露出する。
 毛穴が細かいので剃った後の皮膚が綺麗である。女の部分を閉じ合わせている薄小豆色のびらびらがくっきりと湯に濡れてその姿を際立たせる。
 二人はM女である。
 二人は同時に如月鬼堂に近付いた。如月鬼堂が買い物をする異なるスーパーのパートと社員である。
 歳は一つ違い。元より友人であった。
 以前から二人とも各々の店内で如月鬼堂を確認いる。そして如月鬼堂と知っていた。そのSM小説を読んでいたのである。
 綺麗な姿で五十代後半の男。二人ともそこに惹かれたのである。
 妹の瀬里菜が買い物を終えた如月鬼堂に声を掛けた。飲みに誘ったのである。
 姉の珠洲共々如月鬼堂の指定した店のカウンターで待っていた。
 「この人判ります」
 妹の瀬里菜が一緒に来た姉の珠洲の事を確認する。
 「スーパーYのレジの早いお姉さん」
 「名前は」
 「それは判らない。顔は良く覚えている。スーパーのレジでは目立ち過ぎる美人だからね」
 如月鬼堂は買い物をして大概は珠洲のレジに並んだ。顔だけではなくスタイルも好みである。
 隣のレジに並んだ時に後ろから珠洲の腰から下を良く観察した。制服のパンツに包まれても脚の綺麗さが充分に確認できた。
 美人なのに親父の客がレジの合間に話しかけても丁寧に答える。親父私に何よ。他に並べばよいのにと邪険な態度はしない。
 「私は」
 「広瀬さん。大き過ぎるネームプレートが目立つからね」
 「ああ。やっぱり彼女見ていたのですね」
 姉の珠洲がやんわり追求する。
 「あのおばさんだらけの価格破壊スーパーの中では目立つよ」
 「ああ。おばさんって言ってはいけないのよ」
 「そうらしいね。悪い時代に成った。でも君らの事をおばさんとは言ってないからいいだろ」
 「ううーーん。そうね」
 瀬里菜は可愛く納得する。
 「凄いSM小説を書く如月先生ですよね」
 「そうゆう話」
 言うをゆうと発音するのは古い世代に多少存在する。
 「私たち全部読みました」
 「そう。君たち二人はどういう関係。ただの友達。兄弟」
 「義姉妹です」
 「ほう」
 兄弟ではないが堅く結びついた義兄弟。それを女性版に義姉妹と言う。如月鬼堂は二人の関係に深い興味が湧いた。
 如月鬼堂はその日二人を自宅に誘う。
 何の躊躇も無く三人一緒に風呂に入り交互に躰を繋いだ。
 あれから半年になる。二人は養女となり如月鬼堂のマンションに移る。さいたま市のマンションも4LDKあり別々に部屋を提供できた。
 原稿は出版社にメールで送れる。越後湯沢にマンションを買って引っ越した。
 二人は同じ様に扱って欲しい希望である。Mだが痛いことはNG。恥ずかしいことは受け入れる。
 仕事上他のM嬢を責めるのは文句を言わない。
 今夜は姉の珠洲を責める順番である。
 露天風呂から出て部屋に戻る。此処ではSMルームを割り当てていた。
 珠洲の躰を高手小手に縛る。その間に妹の瀬里菜は下着を着けた。如月鬼堂もトランクスのみ履く。
 縛ったまま拷問椅子に乗せる。股間を百二十度に開いて縄で脚首と膝を固定した。珠洲は既に興奮している。
 恥ずかしい部分を広げてじっくり観察してやる。数日置きに見ている部分だが儀式のように観察する。
 「今日はそんなに赤くないな」
 「ええーー」
 珠洲は興奮している中で僅かに恥ずかしさを漂わせる。
 指をゆっくり膣に挿入する。ローション等は要らない。既に中は潤んでいた。
 二本の指を蚯蚓千条の膣天井部に侵入させる。女の敏感な部分をゆっくり局部的に押すように責めた。
 もう片方の手は乳首に手の外側を当てる。二本の指の間に乳首を挟む。それを親指で軽く撫でてやる。
 僅かな責めでも敏感に成っていた珠洲の股間は微かに痙攣していた。
 如月鬼堂の指は強く膣の奥を責める。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 珠洲は一気に潮を噴き上げた。
 一時手を休めてはまた責める。
 「ああーーはああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 また潮を高く噴き上げた。
 珠洲の表情は究極に軋んでいる。それでも美しい。
 珠洲の美しい躰から潮を噴き上げる姿は実に綺麗で艶かしさを漂わせる。何度やっても興奮する光景である。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 珠洲は荒い息遣いで膣痙攣を続けた。
 瀬里菜が横から水差しで冷やしたお茶を口に入れて水分補給してやる。
 浣腸して二穴を責めたい。でもそれは月一回位に絞っている。毎回行うとアナルが緩んでSM嬢などは早くオムツに成ってしまうからである。
 如月鬼堂は珠洲の膣が充分に濡れているので棘付きバイブを取り出す。ビニールの棘が膣の内壁を刺激する。
 痛そうに見えて気持ち良い。
 「ああーーあはああーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 珠洲の表情は妖艶に軋む。艶のある皺を眉間に刻み歪ませた。
 「うぐううーーーーー。あうああーーーーーーーーーー。あうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 珠洲は如月鬼堂の責めに官能を噛み締める。完全に受け入れていた。如月鬼堂の責めに翻弄され続ける。
 棘付きバイブを抜き取ると膣液がどろりと流れ出た。
 珠洲の股間は強く痙攣している。興奮の最中である。
 
 翌日は派遣SM嬢が来た。クラブの宣伝ルポの取材を兼ねてである。
 本来プレイ代は取材名目で取材費となる。別途に原稿料も入る。
 だが如月鬼堂の希望は特別コースのハードプレイを行う。基本プレイとの差額は如月鬼堂が支払う。
 珠洲と瀬里菜もプレイルームに立ち会う。他にクラブのマネージャーと掲載する出版社の編集も来る。
 見学人数が増えれば本来割り増しだがそっちはクラブが持つ。特別ハードの差額五十万だけ如月鬼堂が本人に払う。
 原稿料が入っても僅かに負担が残る。
 如月鬼堂はここで儲けなくても本来の原稿料の他にも収入がある。その分は遊びが半分遊興費で良い。
 女は堪らない。本来受けたくない。それをクラブに説得された。恐々怯え半分ながらやって来たのである。
 女は荒井枝里と言う。二十八歳に成る。柔らかい躰の線だがスタイルは良い。ミニスカートから出たやや細めの両脚は艶かしい。
 如月鬼堂が写真指名したハードSM嬢である。クラブに入って二週間。経験は浅い。愉しみ所である。
 身長はやや高い。百七十手前はある。目がパッチリして可愛いがやや理知性を感じさせる。
 清楚に見える事務員スタイルのスーツで来た。
 荒井絵里は先にシャワー利用を要求する。だが如月鬼堂はそのまま開始を宣告した。
 「移動して来て汚れていますから」
 「それが良い」
 「そんな」
 「羞恥を晒すのもプレイの範囲でサービスのうちだよ」
 「ええーー。お願いします」
 荒井枝里は追い詰められた表情で膝を着いてごねる様に主張する。
 如月鬼堂は何としてもこの女の局部の汚れを観察したい。
 「駄目だ」
 「お願いします」
 「マネージャーこんな事言っているぞ」
 「枝里さん。躰を傷つけるようなことではありません。羞恥はお客さんに従って下さい」
 マネージャーは強い口調である。
 荒井枝里は泣きそうな表情で如月鬼堂を見上げる。
 如月鬼堂はその躰に腋の下から両手を差し込む。腋を持ち上げて立たせる。そして瀬里菜の渡す縄で手首を縛り合わせた。
 荒井枝里はパニックを起こした表情で周りを見回す。マネージャーや編集、同姓の儀姉妹にまで見られている。
 編集も女である。汚れは同性に見られる方が辛い。
 そしてマネージャーはこの場に論外である。何でこいつに無料で見られるのか納得が行かない。
 如月鬼堂は荒井枝里の両手を上に持ち上げて縛る。縛った縄を天井のフックに通して爪先立ちに成るまで躰を引き上げた。そのままフックに固定する。
 ジャケットのボタンを外すと瀬里菜がそのジャケットを背中で絞るように細く纏めて太い輪ゴムで止めるた。
 珠洲がビデオカメラで撮影を始める。
 十二時間百万のコースでは撮影もOKと成っていた。
 汚れた局部を撮影されて見続けられるのである。理不尽で堪らない。
 僅かな借金を短期間で清算しなければ成らない。
 已むを得ない事情から受けてしまった。公開はされないと思うがそれでも辛い。そして恐ろしく不安である。
 如月鬼堂に触れられても躰は震えを止められない。
 珠洲は一台のカメラを固定してもう一台を手で持って構える。
 如月鬼堂はブラウスのボタンを外す。割れた胸から薄いピンクのブラが姿を現した。
 ボタンを外し終わったブラウスを瀬里菜がまた後ろで細く纏める。それをジャケットと一緒に輪ゴムで止めた。
 如月鬼堂は後ろに回りスカートをカメラに向けて徐々に上げて行く。
 太腿は不恰好に太くない。内腿の間には隙間がある。綺麗な細長い三角の隙間が露になりストッキングに包まれたショーツの先端が覗く。
 綺麗な股間部分の下着姿である。
 荒井枝里は堪らず膝をくねらせて躰を振るわせた。
 如月鬼堂は一気にタイトスカートを落としてストッキングに手を掛ける。これも一気にずらして降ろす。
 薄いピンクのショーツが丸出しに成る。それも丸めて降ろす。股間の黒い塊は頼りなく三角ゾーンに生え揃っていた。
 他のプレイで剃毛されて生え揃った段階である。
 肌の白さに細い陰毛が映えて美しい。毛穴も大きくない。剃毛しても綺麗なパイパンになりそうである。
 背中のフォックを外してカメラに向けてブラをゆっくり外す。
 乳房はそんなには大きくない。体型の割には標準サイズである。服に包まれているときはもう少し膨らみは小さいと思えた。
 山の形は丸く膨らみも丸みがある。綺麗な乳房と言える。
 乳首の赤さも標準的で乳輪は二センチ位これも標準的である。
 荒井枝里は躰を入念にチェックされ恥ずかしさに慄いていた。
 如月鬼堂は荒井枝里の膝に縄を掛ける。
 荒井枝里はさらに表情を曇らせた。このまま膝を引き上げられたら汚れたままの恥ずかしい部分を晒してしまう。
 如月鬼堂はその縄を天井のフックに通して引っ張り上げる。
 「ああ」
 荒井枝里はくらくらする恥ずかしさである。行き場の無い顔を斜め下に背けて泣きそうな悲鳴を漏らす。
 覚悟をして来ていても恥ずかしさに堪えられない。でもそれは一月と経たずあっけらかんと受けられるように成ってしまう。
 荒井枝里の躰は微妙に震えていた。羞恥に堪え切れない震えである。責める側には今だけ得られる貴重な愉しみとなる。
 瀬里菜が面貌と黒いプラ板を渡す。
 瀬里菜は荒井枝里の後ろに回る。そこにしゃがんで股間の下から指を伸ばす。客の正面なのでスカートの裾には気を配って片膝を着く。
 瀬里菜の指は荒井枝里の女の部分のびらびらを広げる。薄小豆色の縁が弧を描いて広がる。緋色の部分が露に成った。
 「ああーーーーーーー」
 涙声の悲鳴である。
 如月鬼堂は面貌で緋色の部分に付着している白く濁った粕を入念に採取する。
 「いやあーーーーーー。ああーーーーーーー」
 荒井枝里は腰を振って抵抗した。
 見ていたクラブのマネージャーが瀬里菜の後ろに立つ。後ろから腕を回して荒井枝里の腰をがっちり押えた。
 如月鬼堂は女の敏感な部分を面貌で刺激しながらじっくり粕を採取する。それを黒いプラスチックの板に載せた。
 如月鬼堂は脱がしたショーツの裏側を広げる。股間の当っていた部分の染みと黒いプラスチックの板を荒井枝里の目の前に晒す。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は遂に涙を溢した。
 如月鬼堂は震えるその顔を抱き寄せキスを強要する。だが荒井枝里は顔を伏せて拒絶してしまう。
 如月鬼堂はその顎を強制的に持ち上げる。顔は涙に濡れていた。その涙を舐めて唇を押し付ける。
 荒井枝里はそれ以上抵抗しないでなされるが儘になる。諦めたのである。
 ここまではまだまだ序の口以前の前相撲。これからさらなる責めを繰り広げることになる。
 荒井枝里は吊るしを解かれて拷問椅子に移された。
 拷問椅子の脚載せに脚首から脹脛を縄でぴっちり規則的に巻かれ固定される。
 腕は拷問椅子の後ろで縛られた。さらに乳房の上下をきっちり拷問椅子の背に磔に縛られてしまう。
 女の一番恥かしい股間は百二十度に開脚状態である。
 荒井枝里は顔を横に伏せて唯々震え続ける。
 如月鬼堂はスパンキングを構えた。サディストである。女躰を叩きたい衝動は滾っている。
 瀬里菜が点火した蝋燭を差し出す。パパ忘れていますと言うことである。
 如月鬼堂は荒井枝里が蝋燭は既に慣れていると推測して省略した。仕方無しに乳房に掛ける。
 「あはあーー」
 究極の悲鳴とは言えない。それでも乳房を真っ赤にする。
 次は内腿に掛ける。
 「ううーーーー。ううーー」
 こちはやや効くらしい。
 内腿も真っ赤にする。スパンキングでこれを叩き落すのが愉しみである。
 さらに女の部分のびらびらを広げた。
 「ええーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 恐怖に怯えた悲鳴である。
 容赦なく流すように緋色の部分に掛けた。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 究極の泣き悲鳴である。
 尿道の小さな亀裂を狙う。その僅かな窪みを?き出して細く蝋涙を流す。
 「ああーーーーーーーーーーーー。はああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまう。
 尿道口の蝋涙を押し退けて尿が噴流する。
 「ああはん。あはん。あっはん。あはん」
 荒井枝里は涙をぽろぽろ溢した。
 瀬里菜がドライヤーを冷風にして蝋涙を乾かす。
 如月鬼堂は乳房をスパンキングの腹で包むように叩く。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は搾り出すような悲鳴を上げた。
 乳房の蝋涙は粉々に割れて大方が落ちる。
 それをもう一発。残った蝋涙を払うように叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の表情は究極に絞るように軋む。それがまたそそらせる。
 もう片方の乳房の蝋涙を落とす前に内腿を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 口をへの字に躰を捻って悲鳴を絞り出す。この部分も強烈に痛い。
 如月鬼堂は容赦なくもう片方の内腿も叩いて蝋涙を落とす。さらにもう片方の乳房を叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 かなり効くようである。躰を捩って顔の表情は破裂している。
 さらに力を込めて乳房をスパンキングの腹で叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の顔から涙が溢れる。
 スパンキングは鞭とは別の痛みである。柔らかい革の腹で乳房を包むように叩かれると尋常な痛みではない。堪えられないのである。
 先端が縦長のチップになった一本鞭を持つ。狙いは女の部分に掛けた蝋涙である。
 「いやああーーーーーーーーー」
 荒井枝里もその目論見を察した。恐怖に縮み上がって拷問椅子の上で動く限り腰を引いて悲鳴を上げる。
 今度は瀬里菜が横から女の部分を広げる。それだけで固まりになった蝋涙が落ちる。
 それでも僅かに残った蝋涙を目掛けて鞭を振り下ろした。
 「ぐおおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子が揺れる位に躰を震撼させて悲鳴を轟かせる。
 それでも特別コースのハードプレイはまだまだこれからである。
 乳首に書類を鋏む黒いクリップを付けた。二時間先の準備である。
 「うう」
 荒井枝里はさらに怯えた。
 「安心しろとは言えないが。これは鞭で叩き落としはしない。二時間後の取る痛みが愉しみだ」
 「取る痛み。どう言う事ですか」
 荒井枝里はこのプレイをまだ知らないらしい。
 「二時間経てば解かるよ」
 次に膣にクスコを挿入する。
 「中の汚れも採取するからね」
 「ああーーーーーーー」
 荒井枝里は心底辛そうである。
 ペンライトで膣の中を照らしてカメラを呼ぶ。
 「いやああーーーーーーーーー」
 荒井枝里の躰は微妙に震えた。
 瀬里菜と一緒に両側から腰を押えてカメラに中を映させる。そのままロングスプーンで内部を掬う。
 薄橙に濁ったクリーム状の物が採取された。それを黒いプラ板に載せる。さらに奥を掻き回して採取する。
 「いやああーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーー」
 荒井枝里は泣き悲鳴を漏らした。
 黒いプラ板に載せた膣の中の物を荒井枝里の目前に翳す。
 「ああはあ。ああ。いやあ。ああ」
 荒井枝里は首を振って顔を叛け甲高い悲鳴を上げる。堪らなく恥ずかしい感情が露である。それは如月鬼堂の加虐心をさらに滾らせる。
 臭いを嗅がせるようにプラ板を鼻に近付けた。
 「いやああーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 目をきつく閉じて顔を振って拒絶する。
 また大粒の涙が溢れ出た。余程羞恥責めが辛いようである。
 如月鬼堂は膣の中を強めの水鉄砲で洗う。
 「ああーー。はあーーーーーーーーー」
 荒井枝里は医者でもまだ膣を洗われたことが無い。恥ずかしさに翻弄され続ける。
 「さあ。特別ハードのメイン。生物責めだよ」
 「ええ」
 荒井枝里は恐怖に固まる。拷問椅子の背は既にこれまでの責めで恐怖の汗にぐっしょり濡れていた。
 「蛇イレポンだよ」
 蛇は用意されていない。態と驚かせたのである。
 「だめーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーー。きがくるいますよーーーーーー。ああーーーーーーん。ああーーーーん」
 小さい子供のように泣きべそ顔になる。
 「だめーー。だめ。だめーーーーー」
 躰はぶるぶる震える。
 事前に言い渡されていても蛇がお○○こに入るとは想定していない。
 「はははは。それじゃ尿道に蚯蚓イレポンだ。それと膣に蛞蝓だ。どっちも養殖物だ。菌はない」
 「ああ。ああ」
 それでも荒井枝里はぶるぶる震える。
 如月鬼堂は尿道用に特注で作った細く小さなクスコを翳した。
 瀬里菜がブジーを渡す。
 如月鬼堂はそれを受け取る前にクスコをの螺子を緩めて一度抜く。入れなおして横に広げた。膣の天井部と底部が露に成る。
 瀬里菜がクスコを刺したまま女の部分のびらびらを広げて尿道口を?き出す。
 如月鬼堂はブジーを尿道の小さな亀裂に差し込む。
 「ああーーーーーーはあーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛いようである。
 少しピストンして遊ぶ。
 「ああーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 顔を歪めきってサイレンのように悲鳴を上げた。
 少しだけ愉しんだらブジーを瀬里菜に返して特注のクスコを持つ。
 瀬里菜は養殖蚯蚓の入ったボールとピンセントを準備する。
 尿道の部分を広げてクスコの上に小さなクスコを挿入した。かなりきつい挿入である。
 「ああーーーーーーー。がああーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーー」
 荒井枝里は顔を般若の形相に歪めて上体を震えさせた。
 編集の女性もマネージャーも体を乗り出して覗き込む。
 ピンセットでボールの中の蚯蚓を抓んだ。
 それをクスコに近付ける。
 「ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 泣き声のような細い悲鳴である。
 如月鬼堂の股間はダブルのスーツなので情況がはっきりしない。マネージャーは強くテンションを張っていた。
 珠洲も瀬里菜もこの情況にまったく動揺しない。辱めは同じように受けていた。それに興奮して悦びに繋がっている。
 彼女らは痛みを受けない約束。この女はその代用である。だが如月鬼堂が破壊はしないと分かっている。
 尿道のクスコに蚯蚓は滑り込む。
 「ああーーーーーーーん。ああーーーーーーーーん。ああーーーん。ああーー。ああーーーーーー。いやああーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 荒井枝里の目からは涙がぽろぽろ流れ出る。
 「あはん。あはん。あはん。はん。あはん。はん」
 蚯蚓はクスコの金属部分を通過して直に荒井枝里の尿道から膀胱に進入している。堪らない感触である。
 如月鬼堂は泣き崩れた荒井枝里の顔を見ながら蚯蚓を抜き取る。
 瀬里菜は別のボールに蛞蝓と小さな皿に粗塩とロングスプーンを盆に載せて待っていた。
 「解かるか。蛞蝓は塩で溶ける。お前の膣の中で溶かすのだ」
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。いやあ。いや。いや」
 荒井枝里は首を振り続ける。
 如月鬼堂はロングスプーンで蛞蝓を掬う。そしてクスコに近付ける。
 「いやああーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーー」
 荒井枝里のサイレンのような悲鳴。それを受けながら蛞蝓は膣の中に置かれてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーんああーーーーーーーーーーーん」
 荒井枝里は上体をぶるぶる振るわせた。
 続いてロングスプーンに粗塩を掬う。それを膣に近付けた。荒井枝里の悲鳴は止まったが震えながら見ている。
 殆ど理性は失われ何も考えられない情況と見えた。
 粗塩を掛けると蛞蝓は一気に溶けて萎む。溶けた液体が膣の壁に染み込むように流れる。
 「ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん」
 荒井枝里は破裂したように泣き出す。
 如月鬼堂は萎んだ蛞蝓を取り出し荒井枝里の目前に晒した。
 「いやあはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 ぽろぽろ悲痛な涙を溢す。
 「洗ってやるよ」
 如月鬼堂はクスコの中を水鉄砲で軽く洗ってクスコを抜く。
 瀬里菜がセペを用意していた。
 そのまま瀬里菜がセペで中を洗う。
 ようやく落ち着いた。それでも荒井枝里は恐ろしい仕打ちに慄きまだ涙を流し続けている。
 瀬里菜が少し水差しで茶を水分補給してやる。
 次の目論みは失神と更なる失禁である。
 ドリルバイブを準備していた。
 如月鬼堂は指で膣の中を確認する。微妙に濡れているが念のため指にローションを掛けて中を解す。
 膣壁天井部の蚯蚓千条の奥に指を這わした。その奥を責めて潮を搾り出す。
 「あはあん。あはん。あはん。あはあん。ああーーん。ああーーーーーーー。ああーーーー。ああーーーーーーーー」
 荒井枝里は官能の篭もった悲鳴を上げた。
 潮はそんなに勢いはない。軽く十センチ位上がっただけである。如月鬼堂もそんなに気合を入れてはなかった。
 内部を慣らしただけである。
 ドリルバイブを構えた。
 「ええ」
 荒井枝里はそれにまた慄く。
 如月鬼堂は先端の擬似男根にもローションを塗って膣に挿入する。
 「ああーーーーーーーーー」
 スイッチが入った。
 「あっはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 一気に顔の表情が軋む。大口を開けて声を漏らす。頭を強く振って責めに躰を震撼させる。股間部分も震撼していた。
 荒井枝里は振動しながらピストンする擬似男根を藻掻いて押し出そうとする。それを如月鬼堂は押え続けた。
 膣の周りからは濁ったゼリー状の液が噴き上げる。
 「あはあーーーーーー。だめーーーーーーーーー。だめーーーーーーー。だめーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 荒井枝里は押し寄せる官能から逃れようと藻掻く。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。うおーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。だめーーーーーーー。へんになるーーーーーーー」
 眉間の皺は三重に刻まれる。目を見開いたり瞑ったり頭を振りながら大口を破裂させて叫ぶ。
 如月鬼堂は動じない。
 「うおごおおーーーーーーーーーーー。ぐごごおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に顔の表情が破裂して躰は拷問椅子に沈む。
 目は真ん中に寄ったまま上半身は動かない。ドリルバイブが回っているだけである。
 如月鬼堂は失神を確認してドリルバイブを抜く。
 膣が微妙に痙攣していた。
 ビンタする。一発。二発。三発。女の顔にビンタは至福の悦びである。珠洲も瀬里菜も時々受け入れてくれる。
 荒井枝里が意識を回復するともう一度挿入する。
 「いやああーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 容赦なくスイッチは入った。
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。こわれるーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 いくら泣き喚いても手は緩めない。
 「ああーー。がああーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二回目も一気に沈んでしまう。
 ドリルバイブを抜くと膣口はどろどろである。今度は完全に白目を?いていた。顔にルージュで落書きする。
 すけべ女と頬から頬に掛けて書く。への字が鼻の頂点で折れる。
 意識を回復するまで乳房のクリップを取る二時間を調整して待つ。
 その間に縛った縄を解く。開放するのはクリップを取る時に苦しみのた打ち回り藻掻く姿を愉しむためである。
 如月鬼堂はスタンガンを持つ。
 時間を見て乳房のクリップに充てる。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー」
 躰が弾け悲鳴と共に起き上がる。縛りから開放されているので床に下りた。
 床はこの部屋だけ強化したゴム板張りになっている。
 「さあ。自分でそのクリップを取るのだ」
 荒井枝里はその部分の痛みがずっと気に成っていた。他の責めに翻弄されてそれどころではなかったのである。
 それでも痛みは徐々に増していた。
 震える手でクリップを掴む。外した瞬間である。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー、ぐうがああーーーーーーーー」
 床を転げる。その床を叩いて悲鳴を上げた。
 「ぐがああーーーーーーーーーー」
 「そっちも取れ」
 如月鬼堂はもう一方を指差す。
 荒井枝里は床に這いずって涙を流して如月鬼堂を見上げる。
 「ああーー」
 手はぶるぶる震えた。
 「取らないと痛みは増すだけだ」
 荒井枝里は恨みの篭もった顔を伏せてクリップを掴んで投げる。
 「ぐごおおーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーー」
 床を叩き転げまわる。そして失禁してしまう。そして号泣する。
 それが治まるのを待って少し場所をずらして小水の溜りから離す。如月鬼堂が馬乗りに成り躰を床に固定する。痛む乳房を強く揉む。
 「がああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は狂ったように叫ぶ。
 「揉まないといつまでも痛いぞ」
 荒井枝里は涙を溢れさせ顔を伏せる。
 狂乱の悲鳴を聞きながら暫く揉み続けた。
 
 総てが終わって荒井枝里は客間のシートに休ませられている。終わって足腰が立たなかった。
 回復した頃合を見て如月鬼堂が話し掛ける。
 「どうだね。いま緊急に必要な返済を確保してもその先も苦しいだろ。AVに出ないか」
 「いやです。そんなことできません。今の借金返済額ができたら普通に暮らしたいです」
 「普通に何ができる」
 「解かりません。駄目ならソフトなプレイだけで続けます」
 「多分そう成るな。その前に目標額にもまだまだ届かないのではないか」
 「ああ。解かりません。もう」
 荒井枝里はヒステリックにパニック状態である。
 「どうだ。三百万には成る。俺が主催する同好会のショーに出ないか見ているのは三十名ほどだ」
 「同好会」
 「そうだ。趣味仲間の集まりだ。俺が監修している以上消えないような怪我はさせない。クラブの特別ハードよりは安全だぞ」
 今日も想像を絶する地獄であった。それでも後遺症はないと思う。乳房はまだ感覚がない。だが時間は計ってあり安全な範囲だと説明された。
 一般の客に特別ハードを受けたらどうなるか判らない。怪我をしてもたいした慰謝料は取れないと思う。
 「今返事しなくても良い。マネージャーに後日回答してくれ」
 如月鬼堂は考える時間を与えようとした。そのまま立ち上がる。
 「待って下さい。三百万なら当面の返済が今日の分とこれまでの稼ぎでほぼ足ります。お受けします」
 荒井枝里は断腸の思いで如月鬼堂の提案を受け入れた。
 既に怖い思いをしたのである。
 真性Mハードコースは血が出るまでの鞭が含まれている。その客は剃刀で斬ろうとした。
 荒井枝里は必死で抵抗する。客は料金の内だと主張する。マネージャーを呼んで説明させると必死で説得した。
 客は自分が間違ってない。女がぼったくりとマネージャーを呼ばせた。それで何とか助かったのである。
 マネージャーの説明でプレイは中止になり金を返した。
 稀に他でも内容を勘違いする客が居る。乳房をカッターで斬られてしまったホステスも居たらしい。
 そのクラブではここまで行ったら縫わなければ成らないと時間を掛けて説明した。慰謝料を請求したとのことである。だがいくら取れたかは定かではない。
 今日のプレイは辛すぎたが無事ではある。傷つけられたら稼ぎも足りないままになる。
 ただ如月鬼堂が余りにも綺麗すぎる年配男性であった。そして二人の若い女の存在が荒井枝里を異常に惨めにさせる。
 確かに生物は堪らない。プライドが地に堕ちる想いである。後から食べても大丈夫なものだと説明されてやや安堵した。
 乳房の感覚はなく躰は鉛のように疲れきっている。それでも金を作らなければ成らない。追い詰められた究極の判断であった。
 歩けるように成ったので珠洲が車で越後湯沢駅まで送って行く。マネージャーは他の打ち合わせで編集の女性と残った。
 往復の交通費は本来如月鬼堂の負担だが取材目的なのでクラブが負担する。普通の自由席なので珠洲がグリーン車に買い換えてやる。
 荒井枝里は静かに挨拶して改札を過ぎて行く。二人の女性と如月鬼堂の関係を知りたかったが聞く事は出来なかった。
 
 如月鬼堂は出版社から出る小説以外に自主出版もしている。PDFによるダウンロード販売の他に紙の本も通販していた。
 以前に住んでいたさいたま市のマンションがその事務所である。近隣の主婦やパートだけで運用していた。
 出版社から貰う原稿料より収入に成る。
 電子書籍はクレジットカード又はコンビニ決済でどちらも自動で処理。こっちは自宅から管理できる。
 印刷による書籍の需要も大きい。それも印刷屋に出したりはしない。在庫を持たなくてもコピーで受注分を印刷する。
 コピーが印刷に劣らなくなったからである。
 コピー機が帳合いまで取れた。
 帳合いが64ページ迄なので人の手でいくつかを合わせる。それを一冊ずつバインダー(あじろ製本気)にセットしてそのまま三方断裁に流す。
 出来上がったものにカバーを巻いて発送するだけである。
 パートには内容に対して理解しなくても割り切ってもらわなければ成らない。簡単な仕事ながら時給千二百円プラス交通費を出す。
 普通の派遣なら交通費込みで千円位である。
 更に昼食を賄いにした。予算を渡して当番が買出しして昼食を作る。一食助かるのである。
 そのうえ年二回賞与を一月分位払う。
 それでも充分に儲かる。
 週に一回娘のどちらかか如月鬼堂が様子を見に行く。如月鬼堂は他の打ち合わせと一緒に済ませる。
 AV化した小説の監修も行う。
 この外にファッション喫茶も二箇所で経営していた。
 ミニスカート姿の今では死語となったウエートレスが鏡の通路を歩く。カウンターもミニスカートのウエートレスが鏡の上に立っている。
 実際覗き見るものは殆どいない。アルコールも出して客との会話が大方のサービスである。
 深夜になるとご祝儀を集めて野球拳をやる。全裸にまで成るが暗いので性器は見えない。ショーツを脱ぐときは申し訳程度にフェイスタオルを腰に巻く。
 それでも大人気で周辺から交通費を掛けて集まる。
 野球拳に参加するホステスは毎回四人くらいがノミネートされた。そこから投票で二人が決まる。投票にはチップが必要である。
 チップの合計で決まる。だが一人が一ヶ月に賭けられる金額の上限が決められていた。
 その金額の多い二人が対戦する。その対戦するホステスに投票された金額は当人に入る。
 だが当選しなかった二人分は負けて全裸に成った方が受け取るしくみに成っていた。
 ホール中央付近に設えた二つの円形の演題上で行う。
 店の制服ではつまらない。私服に着替えての対戦である。枚数は下着含めて六枚と決められていた。
 パンツ系は禁止でスカートが必須となる。
 だがチップも勝ち続けて脱がないと店に押収された。乳首露出が必須である。だからどっちかが勝ち続けると女性同士で調整した。
 調整になった場合勝っていた方が最後の負けを譲る。
 店は文句を言わない。露出度が上がって悪い事はない。サービス向上が総てである。
 どっちもショーツ一枚のトップレスになり最後の対戦になる。
 負けて総てを脱いだ方が得な野球拳である。
 最期に申し訳程度にフェイスタオルを腰に巻いてショーツを脱ぐ。下から覗けば一瞬僅かに見えるかもしれない。
 客席からはほぼ見えない前提である。
 負けてショーツを脱いだホステスが投票してくれた客の席を回ってパスワードを教えて行く。
 フェイスタオル一枚の姿である。
 乳首、乳房、太腿に触っても大概拒否はしない。次からも投票が欲しいのである。
 投票で入選すれば徐々に時給は上がった。逆に投票が低ければ時給はまったく上がらない。
 店内では女の全部を見ることは出来ない。だが海外の専用サイトにアクセスできた。負けたホステスに投票した客だけがパスワードを受け取る。
 これはSM系無修正AVを海外で販売するサイトの裏ページである。
 一般には公開されない。投票した客だけが野球拳で沸いたホステスの究極の姿が見られる。
 性器を見せるだけではない。そのホステスによって潮や、放尿、失神等が様々に放映されていた。一週間だけアクセスができる。
 無修正AVたけなわの時代に僅かな事である。それでもAV嬢ではないホステスの局部とあって大変な人気と成っていた。
 この撮影の報酬は別途である。一本がパスワードを受け取った客らに公開されると次が撮影されそのギャラが入る。
 ホステスらはプライベートのお付き合いもした。
 客は高額所得者ばかりである。キャバクラの客のように寝ればそこまでではない。銀座のクラブの客と同じように長く応援してくれる。
 この店は表向きには独立経営で社長は代表取締役という名の使用人である。
 そして店舗ごと会社の資産と成る。如月鬼堂には僅かな配当とコンサル料さらにSMショーの台本原稿料が入る仕組みである。
 クラブからの派遣でハードSMショーも行われた。こっちのバックリベートもある。
 風俗営業の許可は取っており法律の範囲だがさらに安全を考慮している。
 税金対策も余念がない。
 国税出身の税理士を頼んでいた。
 国税出身の税理士を頼むと税務調査は大方回避する。だが本来なら税金はできるだけ払った方が良い等と言われきっちり税額を出されてしまう。
 そこをSM趣味に懐柔して申告を考慮してもらう。そっちの趣味で知り合った税理士である。
 こうなると税制面では極めて有利となる。
 税理士はSM同好会の会員である。
 こっちもクラブからSM嬢が派遣される。同好会は完全に会計が公開されサークル扱いである。
 営利団体ではない。趣味の同好会となっている。表の利益はない。集めた金はガラス張りに透明である。
 だがクラブから如月鬼堂にバックリベートが入る。
 今回は荒井枝里が如月鬼堂の指名で呼ばれていた。
 内部サイトに公開された紹介ポートだけで全員期待を抱いて来ている。
 同好会だがプレイルームは如月鬼堂が長野の権藤に所持しているマンションの一室である。普段はプレイルームとして宿泊を兼ねて民泊にしている。
 会員だけが利用できた。
 他に東京に二つと熱海駅から伊東線を少し下った宇佐美にある。
 SM嗜好でプレイルームとして使うので汚れは顕著であった。二人のパートが交代で掃除に来る。
 月に一回清掃会社に依頼していた。パートが来られない場合の保険である。
 荒井枝里は暗い表情で入って来た。
 予測通りの容姿、スタイルなので全員が満足である。
 そして理知性を感じさせる。これを破壊して女の性を丸出しにする。期待は充満していた。
 珠洲と瀬里菜は末席で待機している。道具の管理と会費等の徴収やその日の生贄のケアなどを行う。
 二人の会員が両側から荒井枝里の服を脱がす。
 下着の段階で会員は気が付いた。
 「こいつ風呂に入ったばかりですよ」
 荒井枝里は前日に長野に着いて近くの格安ビジネスホテルに泊まった。其処から来たのである。
 「サービス精神が無いな」
 一同は落胆している。
 「それならこれから汚しましょう」
 如月鬼堂は次の目論見を持っている。
 「これで」
 税理士の先生が電マを持ち出す。
 「痒みと浣腸を同時に行きましょう」
 早速会員の二人が準備に掛かる。
 「相当に羞恥が辛いようですね。たっぷり辱めましょう」
 税理士も賛成した。
 会員がブラを外して乳首を丸出しにする。
 乳房の形の良さに皆『オー』と言うように無言の歓声で納得した。
 「そのまま天井から張りましょう」
 如月鬼堂が荒井枝里の腋を押えて税理士が手首を縛る。
 そのまま天井に設置されているフックに通して爪先立ちに吊るす。
 更に税理士は膝下に縄を掛けた。天井のフックにその縄を通して膝を吊るし上げる。ショーツが残っているので女の部分はまだ包まれていた。
 そこを電マで責めようと言う目論見である。
 会員の二人が珠洲から電マを受け取る。
 「下着の上から責めて下さい」
 会員は全部如月鬼堂の信望者である。その指示には無条件で従う。
 荒井枝里は電マの責めにまだまだ慣れてない。
 「ああーーー。あうああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 躰を振って逃げるように抵抗する。それを二人の会員が押えて責めた。
 瀬里菜が割って入る。ショーツを少し捲って指にマスタードを付けて膣の中に塗りこむ。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は腰を後ろに引いて逃れんとする。
 「痒くなりますよ。でも電マで責められると気持ちいいのよ」
 瀬里菜はにっこり笑って話し掛ける。
 税理士は珠洲から浣腸器を受け取った。
 二人の会員に押さえを強化してもらって一次電マを休めてもらう。税理士は下着をずらしてアナルに浣腸器の先端を挿入する。
 冷やしていない石鹸水である。じっくり時間を掛けて全部排泄させる目論見を持っていた。
 既に便は抜かれている筈である。荒井枝里はそういったことを全部準備して来たと思える。それを考慮していた。
 珠洲と瀬里菜はこの間に電流責めの準備をしている。
 二人は如月鬼堂のやりたい目論見を大方理解していた。それに興奮しながら気持ち良さを受け入れてきたのである。
 浣腸液を注入し終わると税理士はアナル栓を捻じ込む。
 荒井枝里は辛そうに表情を引き攣らせていた。抑えようと堪えながら既に大粒の涙が僅かに目尻に滲み出ている。
 観客らには悦びの情況である。
 如月鬼堂の信望者とあってM男は居ない。珠洲と瀬里菜以外は総てサディストである。
 M女の希望者も現れるがよほど容姿が良くないと受け入れない。
 これまで如月鬼堂の納得した対象者は一人もいない。如月鬼堂が受け入れたM女は二人の養女儀姉妹だけである。でもショーには出さない。
 本当のM女を虐めるより辛さを堪えるクラブ嬢の方がよりサディストの悦びを刺激する。本当に辛いのを合法的、強制的に責めたいのである。
 二人の会員は直ぐに電マの責めを再開した。
 「いやあーー。うううーーーーー。うぐううーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーー」
 痒みと浣腸の突き上げに電マの責めである。そして膣からは女の液が流れ出す。アナルも漏れた浣腸液に塗れて下着はぐちゃぐちゃである。
 荒井枝里の顔は官能より苦しみと不快感の嫌悪に歪み青ざめていた。
 本来美しくやや可愛さもある理知的な美人顔が崩れて苦しむ。その姿が加虐心を心底満足させる。
 下着の上からクリトリスへの電マの振動が官能を突き上げた。膣の中では痒みが充満して浣腸した石鹸液が腸の中を拡散して排便を強く兆す。
 それでも官能への突き上げが強い。電マの振動に躰が強く反応する。
 「ああーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の躰は吊るされ股間を開かれたまま藻掻き暴れ続けた。
 電マを操縦する二人の会員に後ろから乳房を掴まれている。乳首は会員の二本の指に挟まれていた。
 「いやあーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。あーーーーーー」
 荒井枝里は躰を右に左に藻掻き悶え続ける。
 軋み歪む表情は男性を陶酔させた。
 荒井枝里の躰は後ろに反り縄にぶら下がるように倒れる。顔の表情は破裂していた。悶絶した表情の破裂を数秒間続ける。
 そしてぶら下がったまま白目を?いてしまう。
 美人の崩れた姿をポラロイドに撮る。写真撮影はしない条件なので撮ったもには本人に返す。その為デジカメ等を使わない。
 会員が片脚の吊るしを解いて脚を開放する。汚れたショーツの上から指で更にびらびらの中を抉るように擦り付けてから脱がした。
 税理士が失神した荒井枝里をビンタする。
 「うう」
 直ぐに意識を回復した。
 直ぐに白目を?いたポラロイドを目前に見せる。
 「ああ」
 深刻に堪らない表情になる。
 「安心してください。写真はお返しします」
 珠洲が後ろから宣言する。
 白目を?いた無残な姿を見せるのが目的である。目的通り荒井枝里のショックは甚大であった。
 続いて会員がショーツの二重布の内側を翳す。
 「いやああーーーーーーーーーーー」
 涙声の悲鳴である。
 続いてアナル栓を抜く。茶色い水が噴流する。それが荒井枝里の内腿を濡らして床に流れた。不快感と絶望感が襲い続ける。
 そして膣の中の痒みがピークに成っていた。
 会員らがモップで床を拭く。雑巾で荒井枝里の脚をじっくり拭いてゆく。
 荒井枝里は痒みに腰を捩り続けた。
 「痒いだろ」
 税理士が言葉を浴びせる。
 荒井枝里は辛い顔を向け上目で見返す。
 会員の一人がドリルバイブを構えていた。
 「ああーー」
 荒井枝里は痒みに押されドリルバイブに慄きパニックに成っている。
 二人の会員が拷問椅子を荒井枝里の後ろに持って来た。
 吊るしを緩め手首を縛ったまま拷問椅子に乗せる。
 手首を縛ったまま拷問椅子の後ろに垂らす。拷問椅子の背に乳房の上と下に縄を回して胸部を固定した。
 荒井枝里の表情は青ざめ僅かに震えている。心臓は恐怖の鼓動を打っていた。
 荒井枝里はドリルバイブに懲りている。もう失神を晒してしまった。失神中に何をされるかそれが恐ろしい。
 そして痒みは徐々にではあるが確実に増している。
 後ろでもう一人ドリルバイブを構える会員が居た。擬似男根が細い。
 瞬時に荒井枝里はそれがアナル用と理解した。その為の浣腸だったのか。
 珠洲と瀬里菜は蝋燭何本かに点火して準備していた。何に使うのか物凄く恐ろしい予感がする。
 先程までは電流の準備をしていた。
 如月鬼堂が荒井枝里のアナルにワセリンをたっぷり塗った中指を挿入する。
 「ああーーーーー。いやあーーーーーーーー。い、い、いたあいーーーーーーーーーーーーー」
 叫ぶほどに痛くはない。ショックと不快感の悲鳴である。
 如月鬼堂はアナル用ドリルバイブを持った会員の方から促す。
 荒井枝里の表情は引き攣っていた。
 拷問椅子の脚載せは大きく広げられている。股間部は斜め上を向き閉じ合わせた女の部分とアナルが丸出しである。
 会員はワセリン塗れの細い擬似男根を指で抓んでアナルに挿入した。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あはあはあはあーーーーーーー」
 絶望的な悲鳴である。
 スイッチが入った。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 猛烈かつ涙声の混じった悲鳴である。
 「うおおおーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 目からは涙が溢れていた。
 もう一人の会員が膣にドリルバイブを挿入する。
 痒みに堪えられないのかこっちには余り抵抗しない。
 これもスイッチが入った。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 二本の責めに荒井枝里の躰は太腿の筋肉が怒張する。拷問椅子に縛られた躰を突っ張り強烈な責めに震撼させた。
 二人の会員はアナルに挿入している方が座り込み右に体をずらしている。もう一人が片膝でドリルバイブを押え続けるた。
 「あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の顔は大口を開け般若の表情で破裂している。
 そして一気に堕ちた。
 如月鬼堂がスタンガンを局部の近くに押し付ける。
 「う、う、うう。うおーーー。うおーーーーーー」
 次の会員が別のドリルバイブを持って膣の責めを交代する。
 失神するとまたスタンガンを使う。
 また次の会員が交代してまた責める。
 「もうやめてーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーー」
 荒井枝里は断末魔のように叫ぶ。
 如月鬼堂がストップするまで責めが続いた。
 次は鞭打ちとなる。
 床に設置された拘束具を使う。一メートル二十の鉄の棒が横に設置されている。その両端には鉄の拘束具が付いていた。
 そこに荒井枝里の脚首を拘束する。股間は百度以上に開かれていた。寝かせた頭の更に上で手首を拘束具に固定する。
 固定する器具はスライド式で身長に合わせてきっちり躰を引っ張る。
 荒井枝里は恐怖に震えていた。
 局部を叩くのである。だが全員が叩くのはかなり厳しい。籤に当った五人だけが閉じ合わせた女の部分を直撃する。
 それ以外は股間の周りの内腿を叩く。腹、特に横っ腹を叩くのは如月鬼堂が厳に禁止している。
 荒井枝里は籤引きの様子を見ながら震えていた。会員らの叩きたい願望が滾っている。その空気が突き刺さるように伝わって来ていた。
 先端が縦長の革を二枚に折って重ねたチップの一本鞭である。局部を直撃されるとかなり痛い。
 それ以外でも直ぐ近くを狙ってくる。内腿でも叩かれれば相当に痛い。
 「ぐおーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の躰は床から迫上がって震撼する。表情は破裂していた。
 次に会員二人が両側から女の部分のびらびらを引っ張って広げる。
 「いやあーーーーーーーーーー。それはやめてーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は必死に泣き叫ぶ。
 会員らはニタニタ悦んでいた。
 「おねえさん。痛いだけだよ。後遺症はない」
 税理士は簡単に言い切る。
 如月鬼堂は椅子に座って静かに見守っていた。
 「・・・・・・」
 荒井枝里は恐怖の表情で首を振る。
 如月鬼堂に一発ここを叩かれた。強烈な痛みであった。会員らの興奮情況からそれ以上に恐ろしい事が想定できる。
 籤に当った一人が構えて振り被る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴である。五十代の会員はその悲鳴の真っ只中に狙いを定めて振り下ろす。
 「うぐうーーーーーーーーーー。ぐうわあおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は躰を震撼させ縛りから藻掻くように暴れた。
 「ううおおーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーー」
 目から涙が飛び散っている。
 次の会員はドテを叩く。
 「うおーーーーーーーー」
 次は長い一本鞭に代えて乳房を叩いた。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに荒井枝里は躰を振って暴れる。顔の表情は土色である。躰には鞭の痕が赤い筋に浮いていた。
 床に磔られて局部丸出しの惨めな姿で三十人近くに囲まれ叩かれる。荒井枝里は涙に濡れた悲痛な顔で会員らを見上げていた。
 整った凛々しい顔立ちで美人の泣き濡れた顔。会員らには堪えられない興奮状態である。
 次も籤に当った会員が構えた。
 荒井枝里は驚愕する。もう堪えられない。
 だが今度はびらびらを広げない。
 振り被って狙いを定めた。
 待つ時間は荒井枝里の恐怖を掻き立てる。
 狙い通り閉じ合わせた薄小豆色のびらびらを直撃した。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また躰を揺すって暴れる。拘束具がガチャガチャ音を立てた。
 また目から涙が溢れる。
 「ううーーーーーーーー」
 荒井枝里の涙を鑑賞しながら続行する。
 荒井枝里の艶かしい内腿は蚯蚓腫れが赤くなって無残な鞭の痕だらけである。
 最期の一人にもう一度びらびらを広げた。
 更に他の会員がそれぞれ両手、両脚を確り押さえる。
 税理士が腕の戒めを外す。如月鬼堂が左脚の戒めを外した。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は振り下ろされる鞭に恐怖の悲鳴を上げる。
 悲鳴の直後にピンクの部分の膣口と尿道口を直撃した。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーー」
 会員らは一斉に手を離す。
 荒井枝里の躰はもんどり打つ。右脚だけの戒めを軸に転げ床を叩き股間を手で押さえて苦しみ藻掻く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー」
 涙はぽろぽろ零れる。
 それでも期待していた失禁はなかった。
 点火した蝋燭は消されている。鞭叩きに会員がエキサイトして蝋燭は飛ばされたようである。
 会員らは責めによる堪えられない失禁に期待していた。
 もう一度会員らの手で荒井枝里を床に固定する。
 今度こそ準備した電流責めである。
 黒い書類を鋏むクリップで乳首を鋏む。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああ。ああ」
 この責めに泣いた荒井枝里である。一週間は乳首の感覚が無かった。
 プレイ時間はもうそれ程ない。長く付ける意図はない。荒井枝里も残り時間に気付いてやや安心かと思うが恐怖は去らない。
 乳首を鋏んだクリップに電源トランスから繋いだ鰐口クリップを装着する。
 荒井枝里は恐怖の表情をで怯えきっていた。
 税理士が電源の摘みを回す。
 「ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の顔は後ろに反り一気に軋む。躰は強く硬直して迫上がった。滑らかな太腿は筋肉が怒張する。そして恍惚の表情になる。
 税理士は電流を切ってはまた入れた。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 他の会員がクリップを女の部分のびらびらに鋏み付ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。それはやめてーーーーーーーーーー。もうたえられませえーーーーーーーーーん」
 恐怖の表情を破裂させた悲鳴と抗議である。
 それでも反対側からもう一人の会員がもう片方のびらびらに鋏み付けた。
 「ううーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は瀕死の表情で躰を床から迫り上げ藻掻き悲鳴を搾り出す。
 税理士が今度は女の部分に付けた充電クリップに電流を流す。
 「ううああーーーーーーーーーーーーー。ううああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の表情は直ぐ恍惚になり悲鳴を奏でる。
 税理士は電流を何度か切っては乳首と女の部分に交互に流す。
 「さあ。もう一回行くからね」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 抗議の悲鳴は架橋に成る。
 最期に両方一気に電流を流した。
 「ああーーーーーーー。があーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 表情はほぼ恍惚である。
 それでも悶えながら四、五分は堪えた。
 「だめですーーーーーーーーーー。もれますーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー。でちゃうーーーーーーーーーー」
 美人の顔が限りなく歪み断末魔の悲鳴と共に小水が噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの如き悲鳴と共に尿は噴き上げ続けた。
 会員らから悦びの拍手が沸く。既に電流は切っていた。股間の前の床は水浸しに成っている。雫に濡れた股間が艶かしく綺麗である。
 荒井枝里は終わって躰をぐったりさせて涙を流していた。
 後ろ足に糸の付けられた蜥蜴が運び込まれる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。なによそれーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里はそれを見て消え入るような悲鳴で涙を流す。
 膣に横向きにクスコを挿入する。蜥蜴がピンクの粘膜を直に歩く部分が多いように配慮していた。
 総て如月鬼堂が指導するやり方である。
 「やめてーーーーーーーーーー。いやですーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は切羽詰った泣き悲鳴で抗議する。だが、会員らはこの表情に陶酔した。
 糸の付いた蜥蜴をクスコの入口に載せて尻尾を突いて奥に追いやる。
 「いやあーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー。ああーーーーーー。いやあーーーーーー」
 荒井枝里は膣の中で動く蜥蜴に緊急サイレンの如く叫ぶ。壮絶な藻掻きようである。
 蜥蜴は膣壁を進んで子宮口を舌で舐める。
 「いやあーー。ああーーー。いやああーーーー。いやあーーーーーーー」
 荒井枝里は腰を振って暴れた。堪えられず狂ったように泣き叫び続ける。
 さすがにこれまでである。時間も迫っていた。蜥蜴を引きずり出し戒めを解く。荒井枝里は泣き濡れた状態でぐったりして顔を伏せていた。
 珠洲と瀬里菜が浴室に誘導する。
 会員らは少しずつ如月鬼堂に挨拶して引き上げた。
 如月鬼堂は瀬里菜と長野駅まで歩く。
 珠洲はタクシーで荒井枝里を長野駅に送って行った。
 「パパ。貴女を直営するファッション喫茶のSMショーに出したいみたいよ」
 珠洲は小声で話し掛ける。
 「そうですか」
 荒井枝里はショーの辛さが覚めない状態である。そっけない返事になる。
 そして珠洲に勧められると惨めさを強く感じた。
 同じような年齢。容姿も珠洲と比べて自分の姿もそんなに遜色はないと思う。それでも珠洲は如月鬼堂の女で何も辛い事はなさそうである。
 会員らはお嬢様と言っていた。だが荒井枝里は二人とも如月鬼堂の女と決めて仕舞っている。
 「そんなにハードではないのよ。一回五十万だけど。もう纏まった物が要らなければ月一回働けばいいのじゃない」
 珠洲はやんわり説明する。
 荒井枝里に纏まった物は解決しても普通の収入ではこの先困る。これを受けるしかない。
 「はい」
 これに縋るしかない。頼りなく返事する。本音はクラブの客に対応したくないのである。
 後日マネージャーが最終確認する。
 駅に着くと今度は北陸新幹線なのでグランクラスで帰してやる。
 
 此処は都内のインターネットアダルト放送のスタジオである。
 如月鬼堂はそのニュース番組でコメンテーターを務める。AV女優の女性アナウンサーがトップレスでニュースを読む番組である。
 ショーツは履いている。毎回その生々しさを競っていた。お洒落より下着らしい生々しさが基本である。
 恥ずかしさが伝わる。これが物凄く人気を得ていた。
 二つの台風による大災害が起きる。更に沖縄では首里城が大火災を起こし消失した。
 更にテロ事件が起きる。
 犯人は老婆に化けて健康センターの女湯に突入した。
 日本刀が武器である。二本差しの小太刀を木製の柄と鞘に収めたシンプルなものである。
 老婆の姿なので警戒心が湧かない。暴れだすとそれは不気味で怖い。
 一人目が真っ直ぐ近寄られ正面から胸を横に斬られた。乳房を割って血飛沫が噴き上げる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー」
 その場に崩れるように倒れた。大量出血でタイルの上は血の海である。
 「うわああーーーーーーーーーーーーーー」
 蒼白な顔を破裂させて叫ぶ。
 スタイルも良く若い良い女である。
 見ていた数人が悲鳴を上げた。
 二人目はそこから逃げるのを後ろから刺される。
 「ぎゃあーーーーーーーーーー」
 そして更に首を斬られた。そのまま血まみれで倒れる。
 洗い場に居た女の髪を引っ張り上げた。それを洗い場のタイルに引き摺り倒す。首を斬る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま押えて乳房を斬り落とす。
 「・・・・・・・・・・・・」
 悲鳴が声にもならない。これも若い女である。
 その隣の女も立ち上がって逃げる。それを追いかけ脚を引っ掛けた。転倒したところを押さえて乳首を斬る。白く美しい肌に血が飛び散る。
 「たすけてーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若く長身で細身の美人である。
 湯から出て逃げようとする若い女の手首を掴み押し倒す。
 「いやあーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーー」
 これも馬乗りに成り乳首を斬り堕とす。胸は血で真っ赤に染まる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 金切り声の悲鳴である。
 老婆は腹の上で躰を回してクリトリスを刀の先端で裂く。
 「ひやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 これも華奢なスタイルで小作り顔の美人である。
 女性らは浴室から脱衣所に逃げた。
 老婆はそれを追いかける。この時点で老婆に化けた男性と徐々に分かりだす。
 逃げ遅れた女を捕まえ乳房を裂く。その刀を返して腹を刺す。老婆は返り血を全身に浴びていた。
 目標を定める如く若い女ばかりを狙っている。
 通報を受けた警察は後手になった。女湯の中がやや躊躇される。女性警察官を先頭に突っ込む。
 女性警察官と男性警察官で取り押さえたところで老婆は自爆した。体にダイナマイトを巻いていたのである。
 巻き添えを食って女性警察官は躰のフロント面を大火傷して重篤。男性警察官も重症である。
 爆発で粉々に成り男の顔は判別も付かない。身元の分かる所持品はない。
 犯行の直前に犯行声明文を脱衣ロッカーの上に置いていた。
 自分は痴漢冤罪者だ。その報復に来たと書かれている。具体的な内容は何も書かれていない。
 事態が収集して被害者は警察官を含む七名。
 死者二名。危篤重体二名。重症五名であった。
 死亡者二名は以下の二人である。
 松岡真由23歳。○○銀行勤務。
 後ろから刺され首を斬られた女性である。
 宇垣美里28歳。○○省専門職。
 最初に乳房を割かれ腹を刺された女性である。
 命に別状は無いが乳首を斬り落とされクリトリスを裂かれた女性は未婚でこれから先絶望である。二人が乳首を斬り落とされていた。
 また爆風で女湯と男湯の脱衣所の壁が壊れ使用不能である。壁が壊れて全裸で逃げる女性をスマホで撮影した男性もついでに逮捕された。
 居合わせた週刊誌のスクープ記者は即座にカメラで撮影しても何故か逮捕されない。
 こんな内容をトップレスのアナウンサーが大型スクリーンの両側に立って読み上げる。普通のテレビ局のスタジオと内容的には同じように読む。
 報道の観点は違うが事実内容に遜色はない。若い世代だけではなく熟年世代にも人気がある。
 如月鬼堂がコメンテーターになる金曜日は熟年世代が注目する。一部の若い女性にも人気がある。
 「これまで痴漢有罪者で行方の判らない人物を捜査していますが、まだ該当者には当らないようです」
 おっぱい丸出しのアナウンサーが捜査状況を読む。
 「鬼堂先生。これは如何なものでしょう」
 老練なキャスターが司会者席で如月鬼堂に問い掛ける。通常のワイドショーパターンである。
 「相当に怨念が深いですね。身元を判らなくしたのは身内に波及するのを避けたっかたのでしょう。それ以外にも用意周到さを感じさせます」
 「若い女性ばかりを狙っていますね」
 「冤罪と本人が書いています。痴漢被害を訴える世代を狙ったのでしょう」
 「全員を殺そうとしてなかったように思われますが」
 「何人か生かしてその苦しみを印象付けたかったのでしょう。またはこの中に冤罪の訴えをした女性が居たかもしれませんね」
 「そうですね。この状態でこの先女性としては苦しいです。恐ろしい仕打ちですね」
 男性キャスターは何とか非難を受けないよう解説を締め括る。
 「警視庁は被害者の中に痴漢事件を訴えた被害者が居ないか確認しています」
 もう一人のトップレスアナウンサーが読む。
 CMの直ぐ後には必ずサービスで潮を噴かせる場面にパンする。如月鬼堂がアナウンサーを立膝にして責めて僅かな時間で潮を噴かせる。
 もちろん国内放送である。局部は映せない。
 「あはああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 飛び散る潮とアナウンサーの藻掻く躰と軋み悶える表情だけである。
 
 スタジオが跳ねた後。如月鬼堂は東京のホテルで休んで十時過ぎの新幹線で越後湯沢に戻る。
 この日は瀬里菜が迎えに来ていた。
 「凄い事件だったね」
 「ああ。運が悪いよ。下手なことを言うとアダルト放送でも大非難を食らうからな。俺の日でなければ良かったのに」
 「パパ問題なかったよ」
 「失言に成らないか冷や汗ものだった」
 「珠洲がミニチアダックスを拾ってきたよ。超可愛いの」
 話を代え瀬里菜は嬉しそうである。
 「迷子」
 「多分そう」
 「飼い主に返さないとね」
 「ポスターとSNSね」
 マンションに戻ると珠洲が子犬にミルクを与えながら餌に苦慮していた。
 よく見ると首輪にアクセサリーの様に極小さなカプセルらしきが付いている。
 「これは何だろう」
 如月鬼堂はそれを摘み上げる。
 指で回すとカプセルは割れた。
 中から小さな紙切れが出て来る。
 『どなたかこの子をお願いします』
 女文字である。
 「この子棄てられちゃったの」
 「違うよ。この人はもう生きてないかもしれないな」
 「ええーー。どうして」
 「子供を棄てなければならない母親の感情が出ている。自分がもう養って行けないところまで追われたからこう書いているのだ」
 「此処で飼っても良い」
 珠洲が懇願する。
 「いいよ。この部屋を改造しよう」
 「うん」
 瀬里菜も嬉しそうである。
 「珠洲はこの子を見ていてくれ。瀬里菜と二人で必要なものを買出しに行こう。まずはドックフードだ」
 「この子抱いて一緒にいっちゃ駄目」
 「ならばそうするか」
 瀬里菜の運転で三人一緒に出発した。
 何故かミニチアダックスは如月鬼堂の膝の上である。
 珠洲がスマホで検索していた。
 「高崎まで行かないと店無いよ」
 「それじゃ新幹線で大宮だ」
 「でもこの子連れて乗れるかな」
 「駄目よ駕籠に入れないと」
 「湯沢のスーパーでもドックフードは買えるから。後は通販で買いましょう」
 珠洲の意見でそう決まった。
 業者を呼んで一室をプレイルームの床と同じように硬質ゴムに代える。
 餌の時間になると自動でドックフードが出る装置。ボトルを逆さまに取り付け水の飲み口が下向けに付いた設備を三本用意する。
 室内でも小屋を置きトイレも設置した。
 何故か躾られていてちゃんとトイレを使う。
 部屋の入口には柵をする。窓はサッシを閉めたままガラスに小さな扉を付け外に出られるようにした。
 それは壁面に付けられた個別の小さなベランダである。手すりに金網を張り落ちない様にする。
 「此処の他に東京と熱海にも同じ設備を作らないとな」
 十二月、クリスマスを過ぎると東京のマンションに移転する。正月を東京で向かえ一月末に熱海の少し先で静岡県の宇佐美に移る周期である。
 四月まで暖かい伊豆半島で暮らして越後湯沢に戻る。
 使わない時期はSMレンタルルームで会員にシュアされた。如月鬼堂らの部屋は鍵を掛けたままそれ以外をシュアする。
 越後湯沢はシュアしない。
 東京にはもう一つ長野と同じ専門シュアルームもある。
 毎年このサイクルを繰り返しである。そこに小犬が追加させた。
 「この子が来てパパが一番嬉しそう」
 瀬里菜が冷やかすように言う。
 「犬を飼えるのは初めてなのだよ」
 「そう。よかったね」
 珠洲も瀬里菜も歓んでいる。
 
 SNS等で如月鬼堂にやや批判が出て来た。犯罪者への非難がまったくないという批判である。
 もちろん反論する者も居る。それでも炎上の手前となった。
 アダルト放送局なので一般メデアは取り上げない。
 だが国税庁の女性職員がこれに注目した。如月鬼堂が税務申告する所轄の大宮税務署に調査指示を出す。
 この女性職員は滝本美緒里という。
 税務調査には税理士だけが対応する。
 税理士が修正申告を拒否する。大宮税務署の所得税第二部門の調査官は何らかのこじ付けで更正決定を出した。
 だが国税出身のこの税理士は逆に大宮税務署に査察を入れた。更正は取り消された。
 そして滝本美緒里に上から手が回った。さらに庁内で批判の対象となる。
 税理士はその上まだかつての部下にいろいろ要求する。
 滝本美緒里は特定機密保護法違反で懲戒解雇となった。罠に嵌められたのである。退職金もない。
 それでも如月鬼堂と税理士はこの滝本美緒里を許さない。
 そしてその容姿に目を付けた。


 第一幕 儀姉妹と荒井枝里 完

 最後のSM小説家 第一幕 儀姉妹と荒井枝里 完





 最後のSM小説家 第二幕 おんな荒井枝里と滝本美緒里

 二〇十九年冬至下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 如月鬼堂と二人の儀姉妹、珠洲と瀬里菜は東京に御座を移した。SMルームにシュアしていた豊洲のマンションである。
 最上階の6LDK。珠洲が拾った棄て犬のミニティアダックス。ペーと名付けた。ぺーも一緒に連れて来た。
 プレイルームがリビングになる。越後湯沢に比べたら一段狭い。
 リビングからは東京湾と羽田、都内の半分くらいが見渡せる。
 本日は来客予定がある。珠洲と瀬里菜は際どい姿をしないでSM愛好会を手伝う時のスタイルである。
 普段は際どい姿でも問題はない。如月鬼堂はアポ無しの来客には一切対応しない。
 本日の来客は大河内税理士である。
 既に料理と酒の準備は出来ている。
 珠洲と瀬里菜の料理には期待できない。寿司屋が大桶を二枚出前して来る。
 東京なので迎えには行かない。大河内税理士はタクシーで着いて四十七階まで上がって来た。
 「此処には囲炉裏はないのですね」
 越後湯沢では囲炉裏端で酒を酌み交わしていた。
 「此処は狭いですし、一月程しか住まないので」
 「ロケーションは素晴らしいですね」
 「角ですからね」
 「国税の女。懲戒免職に出来ました」
 「特定秘密保護法違反ですか」
 「そうです。罠にかけるには使い易い法律です。私の税務申告に調査を入れるなど許せません」
 大河内税理士は税務調査が入っただけで憤懣やるかたなきである。
 「パパの追徴金は無くなったのでしょう」
 珠洲はそっちが心配だった。
 「私が申告書を書いている以上そんな事はさせませんよ」
 「良かったね。パパ」
 瀬里菜も気に成っていた。
 「この女です」
 大河内税理士は写真を持参していた。
 「見た目は悪くないですね」
 「懲戒免職まで持って行きましたが、このまま済ませたくありませんよ」
 大河内税理士は怒りが治まらない。
 「でもこれ以上何か出来ますか」
 如月鬼堂は怪訝な表情である。
 「それが」
 大河内税理士は二人の儀姉妹に聞こえないように耳打ちする。
 如月鬼堂は難しい顔に成る。
 「大丈夫よ。私たちパパの資産を押収しようとした女に報復大賛成です」
 姉の珠洲が宣言する。
 「そうですか」
 大河内税理士はにこやかである。
 「だが、先生法律に触れては」
 如月鬼堂は警戒心が強い。
 「合法で出来ますよ。既に仕掛けはしてあります」
 大河内税理士は自信を持っている。
 その作戦は簡単な様で驚くべきものであった。
 「ところで次の生贄は」
 大河内税理士はSM愛好会のモデルの事を尋ねている。
 「この女です。岡田有美といいます」
 如月鬼堂はタブレット端末からSMクラブの会員専用ページのポートを見せる。下着姿から縛った全裸まで公開されている。
 「対応プレイが少ないですね」
 「ソフトに成ります。素材は良いですが」
 「まあ。それはそれで愉しみましょう」
 前回の荒井枝里とほぼ同レベルだが責めたい気持ちを強くそそられる。SMクラブのポートに成っても清楚に見える。尚更である。
 珠洲と瀬里菜は如月鬼堂だけのときの際どい姿ではない。それでもミニスカートである。
 如月鬼堂はこれも調教している。ミニスカートでぎりぎり見えないポーズを常に訓練させている。
 遊びなれた大河内税理士でもこの二人の股間と美脚にはどうしても目が行ってしまう。
 珠洲も瀬里菜もそれが快感である。二人は見えても構わない。だが如月鬼堂は捲るまでは見せるなと指導する。
 そしてそれが快感に繋がると知った。
 
 AV女優がアナウンサーになって全裸でニュースを読む。インターネットアダルト放送のスタジオである。
 今夜は如月鬼堂がコメンテータを務める。
 地球温暖化が話題と成っていた。
 「無理です。いくら少女が先頭になって世界に抗議しても原発は殆ど動かない。化石燃料は使うな。それでは高度経済社会が成り立たなくなります」
 如月鬼堂は既存マスコミの主流的意見を否定する発言をする。
 「しかし先生。温暖化が原因とされる台風被害は毎年拡大しています」
 メインキャスターは如月鬼堂の強固な発言が人気だが炎上を恐れている。
 「温暖化を止めるより、台風を消化することを考えるべきです。それと台風や津波に襲われても問題のない高層ビル中心の街を再編成するべきです」
 「しかし一戸建ての夢は」
 メインキャスターは反論姿勢である。
 「棄てるべきです。一軒家を廃止すべきです。三階まで水に浸かっても問題のない一階から出入りしない都市を造るべきです」
 また炎上必至の発言である。
 「日本をそういう完全都市に変えろと言うのですか」
 「禁則的に建てた大型ビル郡に集約して、その間を空中の道路を移動します。逆に余った土地を森林にします」
 メインキャスターもスタッフも冷や汗の生放送であった。
 その夜は瀬里菜が迎えにきていた。
 「パパ。やり過ぎたらまた大炎上するよ」
 「心配要らんよ。この間だって炎上と人気と半々だよ。まだ化石燃料を使いたいと発言する者もいたくらいだ。現実それしかないが」
 「でも一軒家廃止は非難轟々だよ」
 「一軒家がそんなにいいかな。これから一軒家は危険と背中合わせだ。私はマンションの最上階がいい。展望が最高だ」
 「パパ高い階の部屋が好きね」
 「来月からは伊東の梅を眺めながらの生活だ」
 今夜は瀬里菜を責める日である。
 豊洲のマンションに戻ると既に珠洲が飲む準備を済ませている。拾ってきたミニチュアダックスのペー遊んでいた。
 「少しお散歩してくる」
 入れ替わりに珠洲はペーを連れて出る。
 風呂には湯が満タンにされ準備が出来ていた。
 如月鬼堂は自分の手で瀬里菜を全裸にして一緒に入る。
 潮を噴かせてその逝き顔を愉しむのが日課である。既に瀬里菜の女の部分は潤んでいた。
 珠洲が戻って全裸である。リビングとカウンターで如月鬼堂は原稿を進めながら酒を酌み交わす。
 如月鬼堂はビールだが二人は肥る事を心配してスパークリングワインにしている。
 東京の夜景を見下ろしながらそれなりに暖房効果が行き届いた部屋である。
 「パパ。暮れのSM愛好会参加者凄いよ」
 「東京でやるからね」
 「予算でモデルを増やせるかな」
 実に素敵な夜の連続である。美しいM女二人が全裸である。二人とも前回剃毛してから三週間。黒い塊は柔らかく生え揃っている。
 痛い責めはしない取り決めである。それ以外はどんな羞恥も受け入れてくれる。
 
 次のSM愛好会の日が来た。東京開催なので会員がさらに多く集まった。百名近い人数になった。その分時間を長くした。
 本来のプレイルームではなく貸し会場を手配した。
 よくアングラ劇などに使われる観世音ホールである。
 真ん中にリングと舞台の両方を設営した。どちらも回り全体から見られる。
 さらに予算が増えたのでもう一人追加された。
 もう一度荒井枝里のリクエストもあった。だが本人がファッション喫茶のショーの収入だけという意思なので適わなかった。
 如月鬼堂は諦めてない。もう少し荒井枝里をハードに責めたい。
 二人目の女は倉科香奈と成った。歳は三十に届いているが色香は充分にある。美人かつ気丈な所が虐め心をそそらせる。
 倉科香奈は珠洲と瀬里菜を見て珠洲との視線に火花を散らした。
 「パパ。あの人私を睨むの」
 珠洲は直ぐに如月鬼堂に報告する。
 「いいんだよ。あっちは歳だからハードに出来る」
 「そうなの。大河内先生にそう言っていい」
 珠洲は悪戯っぽく笑っている。
 「そうだな」
 如月鬼堂も納得する。
 
 リングで会員と岡田有美の服を脱がすデスマッチから開始した。岡田有美は抵抗以外出来ないルールである。会員の服を脱すことはさせない。
 会員は四の字固めを掛ける。
 ミニスカート姿の四の字固めである。
 苦しみながら裾が乱れショーツの一部が歪み部分的に見え隠れする。清楚に見える女なのでエロさは際立ち刺激的である。
 「いいーーたいーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しむ表情が会員らの視線を集める。
 会員が交代してまだ責める。
 「ううーーーーーーーーーー。うううーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 会員は責めに興奮しきっている。
 「ううーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。ぬぐからーーーーーーーーーーー」
 悲鳴の様に訴える。全裸どころではない。
 それでも三人目が交代する。どうしてもやりたいらしい。
 岡田有美は這ってロープに逃げる。躰を転がしてリング下に逃げようとする。それを会員は髪を引っ張ってリング中央に戻す。
 「やめてーーーーーーーーーー。はやくぬがしてーーーーーーーーー」
 岡田有美は泣き叫ぶ。
 会員はそれを押えて四の字固めを掛ける。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー」
 苦しむ表情と割れるスカートの中が会員らを陶酔させる。これから直ぐ全裸にする女である。それでもこの姿はよい。
 痛みに苦しみ顔を究極に歪め恥ずかしい裾の乱れを隠せない。
 「ぐぐううーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 岡田有美は涙を溢している。
 適度に愉しんだところで脱がしに掛かる。全裸にして股を広げて女の部分を公開する。
 続いて倉科香奈がリングに上げられる。
 倉科香奈はリング上を逃げて暴れまわる。
 それを会員は捕まえる。さらに暴れて倉科香奈は会員の玉を蹴ってしまう。
 蹴られた会員はリングの上で崩れる。膝を抱き寄せて股間の痛みに堪える。
 若い会員が四人リングに上がって倉科香奈を捕らえる。
 大柄の会員が四の字固めを掛ける。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は一気に表情を破裂させて悲鳴を轟かせる。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。うおおおーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は躰を捻って逃れんと抵抗する。
 大柄の会員の足はまったく動かない。
 「ぐううーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈も涙を溢す。
 「この女急所蹴りやったから、女の奥の急所を突かないとな」
 一緒にリングの上で囲んでいる会員の一人が発言する。
 「そうだな」
 瀬里菜がそれを聞いてクスコとブジーをトレーに載せて渡す。
 四人で倉科香奈を全裸に?く。
 四人で両腕、両脚をきっちり押さえて玉を蹴られた会員を呼ぶ。痛みはやや治まって足を引き摺りながら何人かの手を借りてリングに這い上がる。
 局部を広げる。
 三十女の局部だが綺麗である。薄橙の粘膜が広がると縁もやや色が濃いだけでドドメ色にはまだ遠い。
 そこにクスコを挿入する。
 「ううーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は顔を顰めて羞恥に堪える。
 「穴は小さめだ。膣口の白さが周りの色に映える。尿道がくっきり見える」
 会員は女の部分の印象を態と言葉にする。
 「三十にしては使ってないな」
 会員らの言葉は倉科香奈に突き刺さる。恥ずかしさに顔をくもらせ目をきょろきょろさせる。
 螺子を回して膣口を広げる。
 「ああーーーー」
 恥ずかしさに追い詰められた悲鳴である。リング下からも沢山の目が見ている。さらにモニターにも映っている。
 珠洲が小型カメラを持って撮影している。
 「安心して録画はしてないから」
 珠洲はモニターに映しているだけと説明する。
 倉科香奈は会員の多さに慄いている。
 玉を蹴られた会員はブジーを翳す。
 「なに」
 倉科香奈に戦慄が奔る。
 珠洲が放映のためペンライトで膣の中を照らす。会員は膣の奥に見える子宮口を狙ってブジーを刺す。
 「ぐあああーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は躰を固く反らせて強烈な悲鳴を上げる。
 会員は直ぐに抜く。
 「暫く抵抗できないぜ」
 無言の興奮が満場を包んでいる。
 倉科香奈は会員四人の手でステージに移される。
 大道具である二メーター四方の鉄板に大の字に寝かされ設えた拘束具に固定された。
 抽選で会員十名が局部鞭を行う。
 「うぎゃおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は玉を蹴った会員に拘束具で広げられた局部を一本鞭の先端チップで叩かれる。
 薄橙の粘膜を叩かれて金切り声の悲鳴を上げる。涙も溢れ始めている。
 岡田有美もステージに上げられ拷問椅子に固定される。
 会員二人が電マを持ってステージに上がる。
 珠洲は岡田有美の方に移る。丸出しの女の部分をスクリーンに投影する。
 一人が岡田有美の女の部分を広げる。
 もう一人がクリトリスの真上に電マを充てる。
 「うううーーーーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーーん」
 岡田有美は躰を捩って顔を後ろに傾け堪らない声を上げる。
 「ああーーー。ああーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 岡田有美は直ぐに断末魔の状態になる。
 広げられた女の部分は尿道口が迫上がり小さな亀裂が膨らむ。そこは潮が溢れ始めている。
 「ああーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。でちゃうーーーーーーーーーーー」
 悲鳴と共に潮が一直線に噴き上げ大きな弧を描く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は架橋に成る。
 「はずかしすぎるよーー。もお、もおーーーーー」
 堪えられない叫びである。
 清楚な美人のこの姿に会員らは興奮状態を滾らせる。
 会員らはそれでも責め続ける。
 「だめーー。もおーーーーー。もおーーーーーゆるしてーーーーーーーー」
 岡田有美は泣き悲鳴で許しを請う。
 それでも会員らの手は止まない。
 「いやああーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 暴れる岡田有美の尿道の小さな亀裂からまた潮が噴き上げる。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー。ああーーーー。ああーーああーーあーーーーーーーー」
 岡田有美の表情は軋み歪み続ける。
 実に恥ずかしく美しい美女の姿である。会員らはこの姿にとことん陶酔する。
 倉科香奈を叩く会員も鞭を構えたまま見入っている。
 岡田有美の潮が治まって膣痙攣を鑑賞し終わる。
 舞台の床に敷かれた鉄板に大の字に寝かされ広げられた倉科香奈の女の部分に次の鞭が炸裂する。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 びらびらは閉じたままである。それでも究極に痛い。倉科香奈の躰は鉄板の上で震撼し続ける。
 そして激痛に顔を歪め藻掻き続ける。
 それでも次の会員が構える。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈はその鞭を見て驚愕の悲鳴を上げる。
 横では岡田有美に大型のクスコが挿入される。横向きに入れたので膣の天井部がペンライトで丸見えになる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのモニターに映った映像を見て岡田有美は悲鳴を上げる。
 恥ずかしさの極致である。
 大河内税理士が小型の電動歯ブラシの様なバイブを中に入れて膣天井部奥にある娼婦の泣き所を責める。
 「ああーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岡田有美も責めに堪られない声を上げる。
 瀬里菜が水差しで水分補給する。
 まだまだ恥ずかしい潮を噴かせる予定である。
 「ああーーーあはあん、あはんはん」
 岡田有美は大河内税理士の責めに翻弄される。
 隣では倉科香奈に鞭が振り下ろされる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は躰を振って壮絶な痛みに暴れる。躰を庇う事は出来ず行き場のない痛みにただ暴れる。
 この情況に会員らは興奮の坩堝である。大方の会員が鞭の行方と倉科香奈の表情を見入っている。
 比較すれば岡田有美の方が更に良い女である。だが会員らは倉科香奈に加虐心が沸く。
 鞭を持つ会員に大方の意識が集中する。珠洲も冷たい目付きで見ている。自ずと会員の手に力が入る。
 狙いを定めで大股開きの中央に閉じ合せた倉科香奈のびらびらを鞭の先端がきっちり叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈の滑らかな躰から筋肉が怒張する。腰を迫り上げ大口を開けて悲鳴を絞り出す。
 壮絶な光景が会員らを腹の底を抉るような快感に浮かせる。
 金蹴りをした倉科香奈に一切の同情はない。
 みな紳士である。野次や歓声こそないが無言の歓声が会場を包む異様な空気である。
 その横で岡田有美がまた潮を噴き上げる。
 「あはーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて抽選が行われた。乳房または太腿を叩く鞭の抽選である。
 その間に良く集まるメンバーが大河内税理士を中心に話し合う。本日はこれまでにないハードなショーにしたいらしい。
 抽選の間に珠洲と瀬里菜が二人の女の部分を広げてスクリーンを分割して見比べるように放映する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は比べられる恥ずかしさに悲鳴を上げる。
 指で広げられたその部分は岡田有美がやや小振りである。どちらもドドメ色感はまだない。それ程使ってない女の部分である。
 鞭打ちの為準備に岡田有美も拷問椅子から降ろされる。倉科香奈と同じ様にステージの床に大の字に磔にされた。
 鞭打ちが始まると大河内税理士と数名が如月鬼堂に提案する。
 二人をドリルバイブで失神デスマッチをやる。負けた方が追加料金でスペシャル拷問を受けさせようと提案する。
 岡田有美はソフトなので一発十万を追加して局部鞭十回。倉科香奈は蛇イレポンで追加百万である。
 「うむ。本人らに承認させられたらな」
 「押し切りましょう。倉科香奈は本日二百万。岡田有美は百五十万です。どっちも百万追加は大きいですよ」
 倉科香奈はハードコースだが年齢の分だけ割り引かれている。
 「そうしたら勝った方は何も無しで三十万追加でどうかな」
 如月鬼堂は勝った特典を追加して受け入れ易いように考慮する。
 「そんなの気が狂ってしまいますよ」
 倉科香奈は拒絶状態である。
 横で岡田有美は恐怖の表情で震えている。既に乳房と内腿に鞭を受けて全身濃く濁った赤紫の蚯蚓腫れが奔っている。
 「あと百万増えるぞ。勝って何もしなくても三十万アップだ」
 「それでも堪えられません」
 「そっちはどうだ」
 大河内税理士は次に岡田有美に聞く。
 岡田有美は強く首を振る。
 「このまま普通にプレイを続けたらその躰に全身蝋燭の上スパンキングだ。追加手当はないぞ」
 まだ充分時間は残っている。
 「ええーー」
 契約書に蝋燭、スパンキングは明記されている。性器を一本鞭で叩かないだけの違いである。
 「お前は蛇イレポンまで行かなくても鰻イレポンだ」
 「え、えー」
 「生物責めと明記されているぞ。蛇は書いてないが、鰻は記載されている」
 「ああーー」
 倉科香奈は迂闊であったことに気付いた。そこまでは考えなかったのである。どうにもこれで金を得るしかなかった。既に追い詰められていた。
 「勝てばいいんだよ。ドリルバイブの責めに失神、失禁しなければ勝ちだよ」
 別の会員が嗾ける。
 倉科香奈は自分より若い岡田有美に負けるはずはないと思った。それに岡田有美は電マとか小型バイブで責められて潮を噴いている。
 感じ易い状態になっていると倉科香奈は推測した。
 「分かったよ。百万アップね」
 倉科香奈は承諾してしまう。
 「そっちは。お前がやらなければ向こうが不戦勝で三十万。お前は蝋燭に塗れて全身スパンキングだ」
 「判ったよ」
 岡田有美も諦める。
 大河内税理士らの目論みは倉科香奈に蛇拷問である。そのために蛇を用意して来ている。
 金蹴りがなくても今回のハードに使う予定であった。そしてその内容を滝本美緒里に適用する。その予行演習である。
 ドリルバイブの前に浣腸する。二穴にドリルバイブを同時挿入するのである。
 「何で浣腸までするの」
 倉科香奈はヒステリックに叫ぶ。
 「両方に入れるんだよ」
 会員らは二本ずつドリルバイブを構えている。そのうち二本は細い。アナル様である。
 既に浣腸液は直腸に進入している。岡田有美は青ざめた表情で顔を横に伏せている。
 倉科香奈も二本挿入と聞いて慄いている。
 同じ型のドリルバイブ二挺ずつだが調節は出来る。さらにローションで膣を慣らすに倉科香奈だけマスタードを先に塗りこむ。
 それがどうなるか倉科香奈には解からない。
 最初は一人ずつ会員が電マで責める。マスタードを倉科香奈の膣内で蒸らす目的である。
 「ああーーーー。あはあーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 岡田有美の顔は既に電マに歪み声を上げる。
 会員は少し責める位置をずらして責めを緩和する。
 倉科香奈はマスタードが効いて電マの責めに腰をくねらせる。
 痒みが効いたところで双方アナルに挿入する。
 倉科香奈の痒みはさらに増加する。頃合いを見計らって膣に挿入する。倉科香奈は堪え難い痒みから痒い部分をドリルバイブに寄せる。
 一気に感度は上昇する。
 「ああーーあはあはああーーーーーーーーーーーーー。あはあはーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は狂ったようにドリルバイブに翻弄され歓喜の声を上げ始める。
 大口を開けた顔を引きつらせ悶える。
 膣に挿入したドリルバイブの速度を上げる。
「ああーーあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーああーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈の悶え方は佳境になる。そして一気に堕ちる。白目を剥いた躯状態となる。
 直ぐに布袋に入れてきた蛇が水のない水槽に出される。
 珠洲と瀬里菜は引き気味である。如月鬼堂は二人を別室に引き揚げさせる。
 金蹴りをされた会員がスネークフックを持って準備している。
 大河内税理士がスタンガンで倉科香奈の意識を回復させる。
 「白目を剥いた顔は良かったぞ」
 「ああ」
 倉科香奈は恐怖の表情に凍り付く。
 それを無視して会員二人の手で大型のクスコが挿入される。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。だめやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は狂ったように叫ぶ。
 「ばかやろーーー。承諾しただろ。お前が負けて失神したのだ。隣を見ろまだ膣痙攣の余韻だぞ」
 「いやあーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー。きいくるうよーーーーーーーーーー」
 金蹴りされた会員はスネークフックに掴んだ蛇を翳す。
 「ああーーーーーー。いれちゃあーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は若い子供のように開帳台の上で藻掻き暴れ喚く。
 それでも会員は蛇の頭をクスコに近付ける。
 「やだあーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 断末魔の叫びである。
 金蹴りされた会員はにんまり倉科香奈の醜態を愉しみながら挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は全身を振って悲鳴を轟かせる。
 会員はそれをピストンする。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー」
 倉科香奈の顔は涙が溢れ土色である。
 抜き取っても躰は震え泣き続ける。拷問椅子から解かれても床に倒れたまま泣き続ける。
 珠洲が倉科香奈を送って行くのを嫌がったのでクラブのマネージャーが迎えに来た。
 
 国税庁を懲戒免職で追われた滝本美緒里は再就職を目指して就活していた。だが派遣会社でさえ尽く断られた。
 子供は小学校に行っていて自宅で求人情報を検索する。その滝本美緒里の部屋を課長と室長が訪ねた。
 「課長の指示で二十二日の朝に銀行から降ろしてもらった三百万の事だが」
 室長が切り出す。
 「手金庫に入れて鍵の掛かった書庫の中です」
 「本来そこに入れるはずだが。そこには無い」
 「そんな」
 「此処では話しが出来ない。一緒に来てもらおう」
 滝本美緒里は庁舎に連れて行かれた。
 確かに手金庫の中は空である。
 「あの日私はここに入れて午後には呼び出されました」
 「機密漏洩の件ね」
 課長は忌まわしい顔つきである。
 「故意ではないが重大な不注意と成ったね」
 室長は追い詰める。
 「今度は横領よ。こっちは刑事問題に成るのよ」
 課長の語気は強い。
 「今からでも返さないか。そうしたらこの金の用途から不問にすると課長も仰っている」
 「でも年内に戻らないと不問には出来ない事になるのよ」
 五十代の女性課長の表情は険しい。滝本美緒里はこの金の用途を薄々知っている。
 「私は取っていません」
 「いいか、管理室全員立ち合いで課長の前で金庫を壊したのだぞ。君の机の引き出しも鍵が掛かっていた。それも数人立ち合いで開けた」
 「でもそこに有ったのは書庫のカギだけよ」
 「君以外が持ちだせないよ」
 「そんな私は盗っていません」
 「状況から金の存在も管理室の数人と私、課長しか知らない。君以外が持ち出せるはずがない。金庫の鍵も君が持ち去ったのだ」
 「そんな。やっていません」
 「そんな筈はない。此処に居る全員誰もこの金庫のカギは扱っていない。全員立ち合いで状況を確かめた。状況から滝本以外に持ち出せない」
 四十代の専門職が強い口調で決めつける。
 「そんなお金。私は持っていません。この金庫に仕舞ったまま書庫に入れて鍵を掛けたままです」
 「嘘だ」
 「絶対嘘よ」
 係長も女性の主査も決めつける。
 「滝本君とにかく金を返してくれ。それで一切不問にする」
 「持っていません」
 「使ったな」
 「使っていません。知りません」
 「年内いっぱいに戻してもらえなければ公けにするしかないわね。警察が介入するわ」
 「それは何としても防がないと」
 「室長あなたも私と一緒に責任を取ることになるわね。麻留大臣は責任の追及を受けても俺は何も知らないでお終いよ」
 「滝本君何とか返してくれないか」
 室長は困り果てた表情である。
 「どうなりましたか」
 他の部屋の土方職員も心配してやってくる。
 「おい。使ってしまったのか」
 室長の表情を見て土方職員は滝本美緒里に噛みつく。
 「なあ。滝本君今なら内部だけで済む」
 室長は頼むように説得を続ける。
 「私が話を付けます」
 土方職員は管理室に付属した応接室に滝本美緒里を招き入れる。
 「年が明ければことが公けになる。君はこの金を返さなければこの先どうなる」
 「私は何もしていません」
 「それでは通らない。警察が介入するぞ。機密漏洩は重大なミスだが、こっちは公金横領だ。息子さんはどうなる」
 「・・・」
 「ご主人を捨てたんだろ。あんた一人で息子さんを大学まで出さなければならないのだ」
 「そんなお金ありません。懲戒免職で退職金もないのです。来月の生活費も不安なのです」
 「依願退職には出来なかったからな」
 「私にはどうにも出来ません」
 「なければ稼げ」
 「風俗ですか」
 「ソープならその位は貸してくれるが。顔出しを要求される。省としてもあまり好ましくない。息子さんにもよくない」
 「・・・」
 「俺に充てがある。ちょっとハードだが公けには成らない。秘密は守られる」
 滝本美緒里は唯々諾々土方に従う羽目になった。
 土方は滝本美緒里を如月鬼堂にSM嬢を派遣するクラブに連れて行った。
 クラブのマネージャーには既に話が通っている。
 「愛好会の派遣を前借ということですね。あれならご用立て出来ます。契約書の内容を確認して消費金銭貸借証書に署名と実印を」
 滝本美緒里は契約書の内容を見て改めて驚愕する。それでも最悪の事態で逮捕されるのを免れるにはこれしかない。
 後遺症が残るまでの事はない。三十人くらいに見られるだけで公けにはならない。そう説明されたが不安と恐怖に震えるばかりである。
 
 如月鬼堂はスタジオが跳ねた後に荒井枝里の予約を入れた。荒井枝里はクラブからファッション喫茶に派遣されている。クラブで客は取ってない。
 そこを強行に交渉した。仕事を貰っている如月鬼堂では断れない。荒井枝里は承諾した。
 六本木のSM専用ファッションホテルで行う。一晩二十万の契約である。
 如月鬼堂がキープした部屋に荒井枝里は恐れながら入って来た。態と部屋を冷たくしてある。蝋燭の効果を狙っている。
 「今日はシャワーを使わないで来てくれたか」
 事前にこんなリクエストまでされていた。
 「はい」
 荒井枝里は辛そうに返事をする。
 如月鬼堂はその躰を抱き寄せ唇を貪る。躰を強く抱きしめる。そしてそのまま服を脱がしに掛かる。
 「どうして汚れた躰をみたいのですか」
 「君の恥ずかしがる顔がとことん満足させてくれた」
 「どんなに恥ずかしくて辛いか解かりますか」
 「それが悦びだよ」
 「ああ」
 荒井枝里の表情は焦点が定まらないまま如月鬼堂を見上げている。
 「あの二人の前で辱めはもう。くらくらきて。そんなに私を辱めたいのですか」
 荒井枝里の恥ずかしさ辛さの底から湧き出る抗議の言葉である。
 「そうだ。君の綺麗な躰をとことん羞恥に塗れさせたい。脱ぐだけでは本当の裸ではない。こうして恥ずかしい女の汚れの隅々が本当の裸だ」
 「あの二人はお嬢さんではないですよね」
 遂に心に刺さっていた不満から心に渦巻いていた疑問を言ってしまう。
 「養女で儀姉妹だ」
 如月鬼堂はきっぱり答える。
 「ああ。やっぱり」
 荒井枝里は惨めさの滲み出た思いを言葉に洩らす。
 その答えはさらに如月鬼堂の加虐心を滾らせる。荒井枝里をいつまでも虐めたいと確信する。
 二度も見た乳房でも正面から期待を込めて?く様にブラを外す。若い男が布に着いた乳房の蒸れを愉しむ如くである。
 最期にショーツを脱がす。
 その内側の二重布の部分を態と荒井枝里の目の前に翳してそのままその部分を上にしてテーブルに置く。
 「いや・・」
 荒井枝里のくもる表情は如月鬼堂をさらに悦ばせる。
 一日の躰の汚れのままの股間を広げる。嫌でも臭いは漂う。荒井枝里には堪えられない恥ずかしさである。
 その女の部分を広げる。
 荒井枝里は顔を叛けて羞恥にもんもんと堪え続ける。
 面貌でびらびらを広げた内側の薄橙の部分から粕を採取する。
 「お嬢さんにはこんな事しないよね」
 「いいや。素直に応じてくれるよ。恥ずかしさは強い官能に繋がる」
 「・・・・」
 荒井枝里には理解不能である。如月鬼堂に躰を弄られるのは嫌な男に弄られるよりは堪えられる。だが恥ずかしさはその極致である。
 「違いはハードがないだけだ。プレイ料金もない」
 如月鬼堂はさらりと言ってのける。
 「どうやって口説いたの」
 「自分らから近付いてきた。本人らの希望だ」
 「そんな二人までも」
 「最初から二人一緒だよ」
 そう言いながら如月鬼堂は荒井枝里の膣にクスコを挿入する。
 「・・・・・・・・・・」
 二人一緒と言う答えに荒井枝里の目は点に成る。理解の領域にない事である。返す言葉は脳裏から検索されない。
 膣の奥から滞留している分泌物を採取する。
 「私をどうしたいのです」
 「君の躰から総ての現象を愉しみたい。そして痛みにあの悲鳴を堪能したい」
 「そんな恥ずかしくて死んじゃいます」
 「恥ずかしくても躰は死なない。君の心が死ぬだけだ」
 「そんな辛過ぎます」
 「その代償は払っている。これからも金が必要ならその手段を世話する」
 荒井枝里は珠洲と瀬里菜に比べて自分の惨めさをさらに実感する。あの二人は金を稼ぐ必要はない。自分は金をもらわなくては成らない。
 如月鬼堂はそこに百万の帯封を置く。
 「二十万はプレイ代だ。残りは君の承諾次第だ」
 「何をするの」
 荒井枝里は驚愕の表情で如月鬼堂を見返す。
 「君の失神を愉しみたい。それで二十万。失神している君の女に情液を棄てたい。これで二十万」
 「嫌です。入れるのは駄目です」
 このクラブの真性Mハードコースには挿入も含まれている。だが売春になるので記載はしてない。
 荒井枝里は如月鬼堂の言い方に強く嫌悪した。入れるくらい受け入れる心算でいたが強く拒否してしまった。
 「そうか。その分は無しで残りは電流責めで失禁して二十万。膣に痒み責めで二十万。また乳首にクリップ二時間で二十万だ」
 「ああ、はい」
 荒井枝里は飲み込む様な姿勢で承諾する。
 「乳首のクリップを取る時のあの悲鳴をもう一度愉しみたい」
 「ああーーー。あれは」
 その時のどうにも堪えられずに暴れまくった痛みが脳裏に蘇る。
 痒み、失神、電気責め失禁、クリップの順に行う。クリップは最初から付ける。二時間後に取る時の痛みを拡大する為である。
 クリップで抓まれた痛みはそれだけではない。抓まれている痛みより取る時押さえつけられた肉が戻る痛みは数倍である。
 荒井枝里の表情は見ようによって変わる。あらたまって挨拶等する姿は気丈で理知的にも見える。それを追い詰めると白雉的な可愛らしさも見せる。
 荒井枝里は暫らく考えた。珠洲と瀬里菜が二人一緒に女から近付いたのは二人だから乗り越えたと理解した。
 如月鬼堂は二重の意味で近付き難い。
 一人では近付けなかった。異例過ぎるが仲が良く趣味が同じ二人だから出来た。そして異例過ぎて如月鬼堂は二人の言い分も受け入れた。
 荒井枝里は痒みに放置されながらそんな事を考えた。それから徐々に思考能力を失っていった。そして痒み責めの恐ろしさをとことん知った。
 「もうだめーー。かゆいよーーーーー。だめくるっちゃう。だめ」
 「ならばこれでかき回してくれとお願いするのだ」
 如月鬼堂はドリルバイブを構えている。
 「ああ。お、ねがい、しますーーーー」
 荒井枝里は痒みにもう堪えられない。
 如月鬼堂はローションを軽く塗って回転運動するドリルバイブを侵入させる。
 「おおーーーーーーーーーーーー」
 強烈な動きである。大きさも太い。
 それでも痒みを抉ってくれるので痒い部分をドリルバイブに寄せる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子の上で頭を後ろに反らせて暴れさせる。そのままドリルバイブの責めに追いつめられる。
 数分で頭は横に倒れ躰は痙攣し続ける。既に白目を剥いている。
 乳首にクリップは付いたままである。
 この状態で如月鬼堂は膣にクスコを突っ込む。それに電極から繋がった鰐口クリップを装着する。
 乳首をクリップで鋏む。それにも電極から繋がった鰐口クリップを装着する。
 一気に電流を流す。
 「うぐ、うう、うう、うーーーーーー」
 荒井枝里は意識を戻す。
 「ううわあーーーーーーーーーー。あ、あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに悲鳴を搾り出す。
 だが直ぐに漏らしてしまう。
 如月鬼堂は仕方なく電源を切る。
 「ちょっと早過ぎたな」
 如月鬼堂は荒井枝里が苦しみから逃れるに態と洩らしたと思った。
 「・・・・・・」
 荒井枝里は首を振っている。
 出てしまったのか逃れる為に自ら排泄したかは定かではない。だが羞恥をあれほど嫌悪していた荒井枝里が痛みに負けて排泄したのなら成果である。
 潮に濡れた荒井枝里のその部分は美しい。如月鬼堂は恥に塗れた女の美しさにやや満足した。
 「まあ。いい。次からやり方を考えよう」
 「ちがうよ。態と出したり出来ないよ」
 荒井枝里はヒステリックに否定している。
 「判った。少しゆっくりしよう」
 如月鬼堂はグラスを二個出してビールの栓を抜く。クリップを取る予定の二時間にはまだ三十分少々ある。
 荒井枝里はクリップに鋏まれた乳首の痛みに怯えている。
 「お子さんが居るね」
 「ええ。そうですけど」
 荒井枝里は静かに認めるがどうして判るのか。判る事にやや嫌悪の表情を滲ませる。
 「旦那はどうした」
 「その暴力から逃げているのです」
 荒井枝里は泣き言のように訴える。
 「何ともそれでSMでは」
 「そうだけど。お金が」
 「借金もか」
 「ええ。クラブを紹介してくれた方が暴力夫と別れさせてくれて、その条件が夫の借金の清算でした」
 「やくざか」
 「その様な感じの人でした」
 「ふうーん」
 如月鬼堂にはそのからくりが分かる。だが何も言わない。
 「SMは辛いけど無分別で要領を弁えない暴力よりは」
 「なるほど」
 「先生がファッション喫茶の仕事を紹介してくれて助かっています。先生の仕事だけなら辛くても堪えようと思っています」
 仕事と言う所で荒井枝里は一瞬やや言葉を呑み込んだ。
 「ビールを口移しで飲ませてくれるか」
 荒井枝里は乳房の痛みを気遣いながらやや笑顔でビールを口に含む。
 乳房は立ったまま容が崩れない割にボリュームがある。その乳房を如月鬼堂の目前に突き付けて上から唇を被せる。
 如月鬼堂は荒井枝里の頭に手を回して押さえ暫く唇を貪る。
 「乳首は痛かったか」
 「それはもうーー。一週間くらい感覚がありませんでした」
 荒井枝里は辛さを滲ませて訴える。少しは自分にも優しくして欲しい気持ちを篭めている。
 「そろそろ取るか」
 「取ってください」
 痛みが怖くて自分では取れない。
 如月鬼堂は本来一個ずつ取る。苦しむ姿を入念に愉しむ為である。さすがに両方一緒に?んでやる。
 「いくよ」
 「はい」
 辛さと出口の無い痛みへの恐怖を飲み込む返事である。
 如月鬼堂は同時に一気に掴み取る。
 「ううーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は如月鬼堂に躰をぶつけ肩に手を置いて藻掻く。
 「うぐううーーーーーーーーーーー」
 そのまま如月鬼堂の腰を持つ手を振り切って床に両手を叩き付ける。
 「ぐわあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーはあーーーーーーーーーーんああーーーーーーーーーん」
 床で躰を回転させ痛みに藻掻き苦しむ。
 暫く暴れる間鑑賞する。痛みの最大ピークが過ぎたあたりを見計らう。押さえて馬乗りに成り乳房を揉みしだく。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 揉むごとに激痛の悲鳴である。
 そして荒井枝里は遂に恥ずかしい気体を洩らしてしまった。音こそしないが匂いが立ち込める。
 「いやあーー」
 恥ずかしさに顔を強く逸らせる。
 「ああーーん。もうだめーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は恥ずかしさにどうにもならない表情である。
 「そんなのを洩らしたから浣腸のお仕置きだな」
 その表情は如月鬼堂を更に悦ばせた。もっと追い詰める。
 「やめてーーーーーーーーーーー。それだけは。やめてください」
 荒井枝里に便の排泄は到底堪えられない。
 「プレイには入っているぞ」
 「いやあーーーーーーーーーーー。それでもいやーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は何としても逃れようと縋る様に拒絶する。
 「ならば浣腸と剃毛どっちを受ける」
 「剃毛を受けます。ああ」
 荒井枝里は必死に浣腸を逃れようと叫ぶ。
 「では君の恥ずかしい部分を?き出しにしよう」
 「どうしてそんな言い方するのですか」
 追い詰められた抗議である。
 「言葉もプレイのうちだよ」
 「一緒にお風呂に入って剃毛して下さい」
 荒井枝里はずっとプレイ中全裸だが如月鬼堂はスーツ姿の今まである。
 荒井枝里にはそれが堪え難い。せめてもの要求である。
 要求を如月鬼堂が応じた。如月鬼堂の膝の上で荒井枝里は湯船に股間を浮かして静かに剃毛を受けた。
 「中出しの代わりにクリップはハードだったな」
 如月鬼堂は剃毛が終わって湯船でまったりしながら荒井枝里の雪の様に白い躰を抱き寄せて言う。
 「強引に入れてしまえばいいのに。どうせ訴えたり出来ないでしょ」
 如月鬼堂は静かに微笑んでいる。
 荒井枝里はその微笑に自分の心の中を透かされるような恥ずかしさに塗れた。暫く頭は真っ白となった。
 「また受けてくれるか」
 「ええ。辛いけど百万は大きいです」
 こんなに虐められなければ喜んでと言いたい。
 「稼いでおきたいか」
 「ええ。稼げるのは数年です」
 「そうだな。引退したらファッション喫茶の店長か店でもやるか」
 荒井枝里は躰がぐったりしている。クラブには戻らず如月鬼堂が別に払ってくれた車代でタクシーを呼んで帰宅した。
 
 最大期待していた滝本美緒里を招いてのSM愛好会の日が来た。大河内税理士ら主なメンバー以外は前回落ちた者優先で参加が決まった。
 六十名で打ち切った。またしても杉並観世音ホールとなった。
 滝本美緒里は如月鬼堂を見て驚愕した。大河内税理士の顔は知らなかった。場内に土方の姿もある。
 滝本美緒里に土方が会員でこの派遣に繋がったことは理解出来る。
 今回珠洲と瀬里菜は同行してない。かなりの修羅場と想定したからである。代わりにクラブのマネージャーが同行した。
 既に何をするか主なメンバーで予定が立っている。
 今日はリングを設えてない。円形ステージのみである。
 大河内税理士ともう一人会員が上に上がる。続いて滝本美緒里を押し上げる。ステージに上がる滝本美緒里の脚は震えている。
 「全部脱いでもらおう」
 大河内税理士が当然の如く言う。
 「・・・」
 滝本美緒里は返事すら出来ない。
 「脱いでください」
 大河内税理士が急かせる。
 「・・・・・」
 「まずジャケットを脱いで」
 マネージャーが脱衣籠をステージに載せる。
 縄が数本。鞭、蝋燭、スパンキング、他小道具が載せられる。
 磔る鉄板はステージに敷かれている。
 滝本美緒里は震える手でジャケットのボタンを外す。ジャケットを肩から抜き取り脱衣籠に二つ折りにして入れる。
 「次はブラウス」
 大河内税理士は命令口調で追い立てる。
 ボタンを上から外すと薄紫のブラが姿を現す。躰はぶるぶる震えている。
 脱いだブラウスを会員が受け取る。一応丁寧にたたんで籠に入れる。
 「スカート」
 大河内税理士の言葉は端的に強く突き刺さる。
 タイトスカートのファスナーを持つ手が震えてなかなか下がらない。
 大河内税理士が上から滝本美緒里の手を?んで一気にファスナーを下す。さらにスカートのウエスト部分を両手で?んで一気に落とす。
 「あ」
 「ブラジャーを外せ」
 滝本美緒里の手はぶるぶる震えてフォックを外せない。会員が後ろに回って外す。
 滝本美緒里の手は上からブラを押さえたままである。
 会員がブラを横から取り上げる。
 滝本美緒里の手は乳房を押さえて隠す。
 大河内税理士がその手を後ろから両方?んで腰に持って行く。乳房も乳首も丸出しになる。
 「体型のわりに大きさは有るな」
 「やめてーーーーーー」
 滝本美緒里は堪らず叫ぶ。
 大河内税理士はその乳房を掴み乳首を軽く弄る。
 「ああーー。いやあーー」
 滝本美緒里は初めての風俗である。瞬時に拒絶してしまう。
 「おい。契約しているのだぞ」
 会員が横から叱咤する。
 「・・・・・」
 滝本美緒里は無言で睨み返すだけである。
 大河内税理士が後ろから両方の乳房を掴んでいる。前から会員がストッキングを下す。続いてショーツも下す。
 股間には自然のままの陰毛がそれなりに密集している。そんなに濃くはない。
 会員は脱がしたショーツをステージの下で見ている会員らに回す。
 「ああーー。だめーーーーーーー」
 滝本美緒里はそれを追うように叫ぶ。
 大河内税理士と会員は滝本美緒里の躰を押さえてステージに敷いた鉄板に寝かせる。
 腕を左右に広げる。手首を二メートル四方の鉄板に埋め込まれた拘束具に固定する。
 ステージの下から二人手伝わせて脚を広げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恥ずかしい女の部分が丸出しになる。
 六十人がステージの下から囲んで見ている。如月鬼堂以外全員立ったままである。
 如月鬼堂はやや離れた高い段の観覧席に座っている。
 滝本美緒里の躰はステージの床に敷いた鉄板の拘束具に大の字に磔にされてしまった。
 股間は百二十度近く広げられている。縦に閉じ合わせた粘膜が土手の黒い塊の下にくっきり確認出来る。
 大河内税理士はその薄小豆色の部分を指で広げる。会員らの視線はそこに集中する。
 「いやあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。だめーーーーー。やめろーーーーーー」
 滝本美緒里はヒステリックに叫ぶ。
 上に上がっていた会員が滝本美緒里の頬をビンタする。
 「サービスの範囲だろ」
 滝本美緒里はまた睨み返す。
 ステージ下の会員が小型のカメラで正面ステージのスクリーンに拡大投影する。全員に滝本美緒里の開いた女の部分が鑑賞される。
 薄橙の粘膜に尿道の小さな亀裂が確認される。その下に膣が閉じられている。
 大河内税理士は指を膣に入れて内部の感覚を確かめる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー」
 また滝本美緒里は叫び上げる。
 鑑賞を続けながらステージの周り数人に点火した蝋燭が配られる。
 大河内税理士は両手の指で膣口を左右に広げる。膣の天井部が露になる。
 「やめろーーーーーーーーーーー」
 会員の一人がペンライトでそこを照らす。
 「ああーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は恥ずかしさにどうにもならない。やり場のない辛さである。
 大河内税理士が指を抜いて離れる。蝋燭を持った六人が手を伸ばして滝本美緒里の躰に流す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は熱さに強烈な悲鳴を轟かせる。
 蝋涙で滝本美緒里の全身が真っ赤に包まれるまで張裂けんばかりの悲鳴は続いた。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 蝋燭は芯を落とされない限り火傷はしない。大丈夫とクラブで言われていても滝本美緒里は恐怖の連続である。
 大河内税理士は荒い息遣いを続ける滝本美緒里の頬をビンタする。
 「ううーーーーーー」
 滝本美緒里は睨み返す。
 大河内税理士は容赦なく憎しみを込めて叩く。
 「うおーーー」
 五発目くらいで滝本美緒里は涙を溢れさせる。
 男の手で顔を叩かれる。屈辱の極致である。許せないがどうにも出来ない。
 大河内税理士は満足したように離れる。ステージ下の会員に上がるように合図する。抽選で当たった会員が二人ステージに上がる。
 蠅叩きの様な革のチップが付いた一本鞭を持っている。鞭の先端をスパンキングに近付けたものである。
 これで蝋燭を叩き割る。
 二人の会員が両側からはたく様に鞭を振り下ろす。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は般若の形相で叫び声をあげる。
 「ぐおーーーーーーーーーー」
 容赦なく会員は叩き続け交代する。
 通常の拷問だが初めての滝本美緒里には強烈かつ悲惨である。
 乳房も太腿も腹も土手の黒い塊も蝋涙に塗れていた。蝋涙が割れて破片だけになっても叩き続ける。
 土手を叩き女の部分も叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔は汗を噴き涙が飛び散っている。
 蝋涙が落とされた乳房も何回も叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は大口を開けて悲鳴を轟かせ続ける。
 「さあ。局部鞭行きましょう」
 大河内税理士がステージ下に呼び掛ける。
 滝本美緒里の顔に戦慄が走る。
 今度は一人の会員が一本鞭を持って上がる。先端が細い乗馬用の鞭である。
 ステージで叩いていた二人が滝本美緒里の女の部分を広げる。
 「いやーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 また恐怖に叫ぶ。
 会員は滝本美緒里の頭の上に立ち狙いを定めて振り下ろす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の悲鳴を叩き割るように薄橙の粘膜を鞭の先端がきっちり叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーー」
 瞬時に滝本美緒里の顔は強烈に破裂する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおおーーーーーーーーーーーーー。ごおおおーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は磔られた躰を右に左に力一杯暴れさせ悲鳴を絞り出す。
 堪えられる痛みではない。何処まで甚振られるのかいつ終わるのか恐怖と惨めさのどん底である。
 盗んでない金の濡れ衣でこんな目に遭っている。余りにも理不尽極まりない。
 その間に大河内税理士は電流責めの準備をする。
 乳首をクリップで鋏む。それにトランスに繋がった鰐口クリップを接続する。鞭で叩かれて痛みに藻掻き続ける女の部分のビラビラもクリップで鋏む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙声の甲高い悲鳴になる。
 それにも鰐口クリップを装着する。
 「さあ。電流責めだ。これはきついぞ」
 大河内税理士は冷たく言い放つ。
 滝本美緒里はそれどころではない。磔られて動けない躰を捩って行き場のない鞭の痛みに藻掻き続けている。まだ痛みは治まらない。
 「まずは乳首からだ」
 電流が入ると滝本美緒里の躰は微妙に震撼する。
 「ううーー」
 女の部分のスイッチも入れる。
 「あうううーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー」
 痛みに滝本美緒里の顔は恍惚に成りかける。
 そのレベルで電流を入れたり、切ったり何度も繰り返す。
 滝本美緒里の背中からの汗で鉄板に濡れが確認出来る。
 「一気に行くぞ」
 「ああーー。だめーーー」
 滝本美緒里の躰はぶるぶる震える。
 乳首と股間のボリュームを同時に上げる。
 「ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーー」
 滝本美緒里の躰は強く震撼している。
 「だめーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 それでも大河内税理士は電流を切らない。
 滝本美緒里の躰はさらに強く震撼する。
 「ああーー。ああーー。ああーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁した。
 股間に付けられたクリップの間から尿が弧を描いて流れ出る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿を出し終わると悲鳴も止む。電流も止める。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 滝本美緒里はぐったりして荒い息遣いで瀕死の状態である。
 「今度は屈辱的なプレイだ」
 「これ以上何をするの」
 「お前の漏らしをみんな悦んでいる。今度はな、お前の女の中で蛞蝓を溶かすのだよ」
 「なにそれーー」
 ほとんど細い鳴き声である。
 会員が滝本美緒里の女の部分をクスコで広げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ペンライトで照らして奥まで丸見えにしてスクリーンに映し出す。
 「これが蛞蝓だ」
 大河内税理士はトングで?んで滝本美緒里の目前に翳す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーー」
 クスコは横向きに入れられて膣の下の部分と天井部が剥き出しである。その薄橙の粘膜に蛞蝓を置く。
 会員がそれを指で突いて粘膜の上を這わせる。
 「いやあーーーーーー。いやあーーーーーーー。いやあー」
 滝本美緒里は顔を振って屈辱と不快感に吠え続ける。
 「さあ。溶かします」
 ロングスプーンに粗塩を載せて膣に侵入させ蛞蝓に掛ける。
 蛞蝓の体から水が染み出て萎んで行く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は堪らない気持ち悪さに強烈に叫ぶ。
 大河内税理士はトングで小さくなった蛞蝓を取り出して滝本美緒里の目前にまた翳す。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「蛞蝓の体から水がお前の膣に浸み込んだよ」
 「ああーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 滝本美緒里は泣きじゃくる。
 「次は蛇入ポンだよ」
 「・・・・・・・・・」
 滝本美緒里の顔は凍り付く。声も出ない。唇はぶるぶる震えている。
 如月鬼堂の横で待機していた看護師が呼ばれる。
 会員の繋がりで問題のない人物が呼ばれている。
 看護師は滝本美緒里に精神安定剤を注射する。
 「一応精神安定剤を打っておくよ」
 大河内税理士が説明する。
 「お願いします。それだけは許して下さい」
 「滝本君。それも三百万に入っているのだよ」
 土方職員が近付いてそう説明する。
 「ああーーー。そんなーーーーーーーーーー」
 大河内税理士は最初スネークフックでアカマタを掴む。スネークフック二本で頭と尻尾を掴む。
 掴み易くする様に他の会員が小さなサスマタでアカマタを押さえて手伝う。
 アカマタは奄美地方に生育する。凶暴な蛇でハブを食べることもある。だが毒はない。
 大河内税理士はアカマタに乳首を軽く噛ませる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴である。
 瞬時に離す。
 「今度はクリを噛ませるかな。なくなちゃうかもな」
 「そんな。契約と違いますーー。回復しない傷は付けないと書いてますよーーーーーー」
 滝本美緒里は震えた声で必死に抗議する。
 「そうだったな」
 そう言って土手の陰毛を噛ませる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それも直ぐに引き抜く。噛まれたのは陰毛だけである。
 アカマタを離して今度は縞蛇を掴む。
 「さあ。今度は待望のイレポンだ」
 「いやーーーーー。いやーーーーーー。いやーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーー」
 滝本美緒里は狂ったように叫ぶ。
 それを無視して大河内税理士はクスコに縞蛇の頭を突っ込む。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴になる。
 それでも大河内税理士はピストンする。
 「・・・・・・・・・・」
 滝本美緒里は遂にもう一度僅かに漏らしてしまう。そのまま白目を剥いて失神した。
 しばらく休憩して滝本美緒里は泣き続けていた。
 「また来てもらうよ」
 「そ、そ、そんな」
 滝本美緒里の唇は震えている。
 「滝本君。他に収入の道はないよ」
 大河内税理士はまだまだ滝本美緒里を強引にクラブに引き止める。留まらざるを得なくして虐める目算をしている。
 まだまだ許せないのである。
 普通の就業の道は機密漏洩事件で尽く奪った。工事現場か日払い派遣しか仕事はない。
 あとは風俗だがそれも子供の学校等に判ってはまずい。事件で名前がそれなりに知られてしまっている。直ぐにばれてしまう。
 如月鬼堂は滝本美緒里にそれほど食指が動かなかった。まだ荒井絵里を虐めたい衝動が沸いている。


 最期のSM小説家 第二幕 おんな荒井枝里と滝本美緒里 完





 最期のSM小説家 第三幕 全裸美人コンテスト

 二〇二十年大寒上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 如月鬼堂らは一月半ばに熱海駅から伊東線を少し下った宇佐美にあるマンションに移った。
 海が見渡せる。海岸線のやや高台にある24階。ロケーションは抜群。だが買い物とかは不便である。
 珠洲か瀬里菜の運転する車で熱海まで買い出しに出る。
 酒類は一年前に纏めて購入した。酒屋から配達されたビールとスパークリングワインが積まれたままである。
 此処も越後湯沢と同じ様に露天風呂を造った。最上階の海側に設えたのでヘリ以外から見られることはない。
 広いリビングにはカウンターキッチンと囲炉裏、テーブル席がある。
 珠洲も瀬里菜も露天風呂から出て全裸である。部屋は暖かく外は雪がちらついている。
 囲炉裏端で鍋を囲み珠洲と瀬里菜はテレビを見ている。モニターは三方の壁に設置されている。
 パソコンにもテレビにもなる。それぞれワイヤレスイヤホンで別の番組を見ている。
 如月鬼堂はノートPCに向かって執筆を続ける。
 囲炉裏はリビングの一部が床から七十センチ嵩上げされその中央に彫られている。囲炉裏のぐるりも彫られていて足を入れるスペースである。
 そこに湯を張り足湯にも出来る構造に成っている。
 如月鬼堂は横に小さなテーブルを置いてそこでノートPCを使う。
 鍋の他に刺身をつまむ。
 カウンターのリビング側は嵩上げしたままの高さで座布団を置いている。そこも足を入れるスペースが彫られ同じ構造である。
 カウンターには刺身とサラダバーの冷やせるケースが置かれている。如月鬼堂の囲炉裏端の小皿が空になると珠洲と瀬里菜が交互に補給する。
 その都度如月鬼堂は二人に女の部分と乳房を弄ってやる。
 二人は何れもその都度膝を着いて躰を密着させる。時には唇も重ねる。
 編集が催促の電話を入れてきた。
 「今読み返しています。もう少しです」
 「他の打ち合わせも御座います。伺ってもよろしいでしょうか」
 次のモデル女性の紹介ルポの打ち合わせである。
 「明日の午前でしたら」
 明日、瀬里菜はさいたま市の事務所の定期視察に向かう。珠洲はぺーの餌その他の買い出しに行く。
 続いて大河内税理士が掛けてくる。
 次の愛好会の件である。
 「滝本美緒里の件ですか。本人はクラブに拒絶しています」
 「でもクラブには出ていますね」
 「他に稼ぎができないからでしょう」
 「一見には付かないで愛好会の会員のみということで落付きました」
 土方の追い込みでそこに落ち着いた。一見客に付いて話が流れてはまずい。本人も風俗で働くことを世間に知られたくない。
 「そこでどうしても愛好会の生贄に出す作戦なのです」
 「蛇を女に直に入れてもまだ治まりませんか」
 「まだまだ。私の権威を犯したのです」
 「まあお好きなように」
 「それと次のSM愛好会ですが」
 「こちらに来られますか」
 「伺います」
 東京から新幹線で夜には付く。
 如月鬼堂は珠洲と瀬里菜に来客衣装に成るよう指示する。
 時間的に今夜は帰れないと予測して泊ルームの準備もする。角部屋の7LDKである。
 二つの区画を一つにして内装を改造した。来客用に鍵が掛かる個室を二つ用意している。其処にはユニットバスも設置した。
 珠洲が車で宇佐美駅まで迎えに行く。歩いてもさほどではないが大切な税理士先生である。
 「私の周りでは次の愛好会で倉科香奈をもう一度という意見が大勢で」
 「そっちも難しい。クラブではソフトコースにと希望を出している。岡田有美も愛好会は拒絶のようです」
 「倉科香奈の歳でそれでは客は付かないでしょう」
 美人だが顔出しはしない。スタイルは良くても顔にモザイクで年齢が判断基準と成る。ソフトではみな倉科香奈の欄を読み飛ばす。
 「少ないようです」
 「一気に蹴りをつけてもう一度とことん泣かせましょう」
 大河内税理士は作戦を耳打ちする。
 「お任せしましょう。ところで深夜インターネット放送ですが全裸美人コンテストという企画はいかがでしょう」
 「面白いですな」
 「ここ数年ミスコンの入賞者の質があまりにも落ちます。あれではミスコンはやらなくてよいのでは」
 「全くですな」
 「水着姿になっても閉じて立った脚の内腿に隙間がないのはスタイル的にはNGです」
 「仰る通りで」
 「こちらで制作して売り込もうかとも考えています」
 「局の方は」
 「問題は賞金ということです」
 「AVにして自費出版されますか。お任せください。鬼堂先生主催ならスポンサーは居ります」
 「それは助かります。なかなか会議が纏まらなくて。自費配信には無修正がちょっと個人では」
 スポンサーは大河内税理士の客である。
 
 滝本美緒里と倉科香奈が登録するSMクラブで大河内税理士はもう一人の仲間とまず倉科香奈から連続指名を行った。作戦は成功である。
 翌日同じ様に滝本美緒里を指名する。
 如月鬼堂の良くやるプレイである。
 一人目の会員は福富麻次郎と言う。風俗店チェーンの会長である。
 鞭も蝋燭も使わない。乳首にクリップを留めただけで二時間話をしていた。
 滝本美緒里も今日は楽と油断していた。
 「そろそろプレイの本番かな」
 「えーこれから」
 あと三十分足らずである。次の予約も入っている。延長は出来ない。
 「もう充分終わりつつあるよ。そのクリップだ。もう逃れられない。出口の無い痛みだよ」
 「・・・・・」
 滝本美緒里には何を言われているのか判らない。
 「そのクリップを片方ずつ取りなさい」
 これまでより強い口調になる。
 滝本美緒里は半信半疑に右の乳首のクリップを取る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 床に膝を着き転げる。乳首を押えて床を叩く。
 「うおおーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪えられない痛みに床を転げ拳で叩き続ける。
 「うおーーー。うおおーーーーーーー。いたあいーーーー。いたいいーー」
 「反対側も取れ」
 福富麻次郎は追い詰める。
 滝本美緒里はもう一つのクリップを見て驚愕の表情になる。
 「ああーー」
 「取らないともっと辛くなるぞ。安全な二時間を計っている」
 福富麻次郎は冷たく追い詰める。
 「ああーーはあーーーーーーー」
 滝本美緒里は震える手でヒステリックに喚きながらクリップを掴む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 クリップを床に転がし両方の乳首を押えて床を転げる。
 「揉んで置かないといつまでも痛いぞ」
 そう言って福富麻次郎は滝本美緒里の躰を床に押し倒して馬乗りに成る。両方の乳房を?んで揉む。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー」
 揉まれると激痛である。
 それでも十分位でほぼ痛みは去った。
 滝本美緒里は支度を整えて一度クラブに戻る。
 次の予約の客に行かねばならない。
 次の客は大河内税理士である。
 大河内税理士は滝本美緒里を全裸にして磔にしてからクリップを取り出す。
 「いやーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 クリップを見て滝本美緒里は驚愕の悲鳴を上げた。
 昨夜の倉科香奈とまったく変わらない。
 「これもプレイに入っているぞ。ピンチ、クリップと確り書かれている」
 「でもだめーーーーーーーーーー。前のお客に二時間付けられて気が狂うような痛みで」
 「前の客は関係ないよ」
 「だめですーーーーーーーーーー。乳首落ちちゃいますーーー」
 「俺は二時間しか付けない。前のは終わっている」
 「そんな。だめーーーー。乳首もげちゃいます。やめてーーーーーーーー」
 「駄目だ。あと二時間だよ。我慢しな。究極に痛いけど」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。やだーー。ゆるしてーーーーーーーーーー」
 「前の客を取っているのはお前の都合だ。おれも同じハード料金だよ」
 「お金返します。許して」
 「駄目だ。ホテル代も掛かっている。それにせっかく予約した時間の無駄だよ」
 大河内税理士は容赦なく乳首を鋏む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーー」
 この上ない驚愕の叫びである。
 それでももう一個を反対の乳首に付ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。私の乳首とれちゃうよーーーーーーーーーーーーー」
 「俺は二時間しか付けない。安全な範囲だ」
 「だから言っているでしょーーー。前の客が二時間付けたってーーー」
 滝本美緒里は半狂乱で講義する。
 「それはお前の都合だ」
 「ゆるしてーーーーーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーーーーーー。乳首なくなったらかせげないでしょーーーーーーーー」
 滝本美緒里は既に泣いている。
 「それなら代わりの条件を呑むか」
 「うん。なに」
 「SM愛好会に出て貰う」
 「えーーーーーーーー。あれに。あたしに蛇入れた。ああーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーー」
 滝本美緒里の表情は破裂している。
 「嫌ならこのまま二時間だ。それより愛好会の生贄をもう一回やって三百万だよ」
 「ああ。酷い。ひどいよ。分かったよ。やるよ」
 滝本美緒里は恨みの篭もった表情を引き攣らせて承諾した。
 直ぐにマネージャーを呼ぶ。
 既に契約書は出来ている。
 滝本美緒里はマネージャーの前で全裸である。
 大河内税理士はサインを完了するまでクリップを取ることを許さない。
 滝本美緒里は読む暇もなくサインする。
 「酷いよ。蛇におっぱい噛ませたんだよ」
 契約書の控えを畳んで滝本美緒里は抗議のようにぼやく。
 「あれはもうないよ。鬼堂先生から禁止されたから」
 大河内税理士はさらりと言ってのける。
 滝本美緒里はそのあとは鞭百条の責めを受ける。そして蚯蚓腫れの躰に溶かした蝋燭を流され驚愕の悲鳴を上げ続けた。
 それでも大河内税理士は僅かに溜飲が下がったに過ぎない。
 
 如月鬼堂は露天風呂で珠洲の躰を責める。
 そこには女躰が寝かされたまま半分湯に浸かり脚を置く檜の台まで設えてある。躰を冷やさず電マやバイブ責めを受けられる。
 珠洲の女の中には卵バイブが一個入っている。如月鬼堂は電マの球の部分を手で握って僅かな部分を珠洲のクリトリスに微かに当てる。
 「うううああーーああーーああーーーーーーー」
 珠洲は官能に翻弄され藻掻く様に躰を震撼させ続ける。表情は顔を右に左に躱して破裂状態を続ける。
 「あうーーーーーーー。ああううーーーーーーー。あうーーーーーーーーー」
 官能に反発するように藻掻き歪む珠洲の表情は美しい。
 女の部分は痙攣している。
 「あはああーー。あはあーー。あはああーーーー」
 珠洲は拳を握り締め檜に横顔を擦りつけ躰を震撼させ続ける。
 「ああーー。きもちいーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 やや開いたびらびらの内側に覗く尿道の小さな亀裂が膨らむ。そこから潮を高く噴き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 珠洲の躰は官能に燃焼している。如何なる制御もない。恥ずかしさに崩れる顔が可愛い。
 如月鬼堂のさおも怒張して起立している。
 瀬里菜は後ろに立って如月鬼堂の背中に乳房を押し付けて珠洲の官能をみている。
 瀬里菜も如月鬼堂にとことん弄られ官能の極致に何回も上り詰めた。
 いま姉の珠洲は如月鬼堂に躰を総て預けて官能に翻弄されている。瀬里菜には今の状態が躰の底から分かる。
 「またいくうーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 珠洲はまた一頻り潮を噴き上げる。
 瀬里菜は我に反って露天風呂の棚に置いた水差しを手にする。
 珠洲のアクメが落ち着いたところで水分補給させる。
 珠洲は大量の潮を何度かに分けて噴いた。露天風呂は珠洲の潮が沢山混じっている。
 美人の珠洲の潮なら問題はなさそうだが三名は内湯に移動する。珠洲はふらふらの躰を小柄なので如月鬼堂が抱き上げて運ぶ。
 
 風呂から出て珠洲はミニチュアダックスのぺーと遊ぶ。
 如月鬼堂は刺身を切って呑む準備をする。瀬里菜はサラダの野菜をサラダバーに準備する。
 夕食は生麺を茹でてのラーメンである。食事は簡略して呑む方の刺身にウエートを置いている。
 昼には編集がたずねて来て次の風俗レポートの日程が決まった。もう訪問客の予定がないので珠洲も瀬里菜もバスロープ一枚である。
 原稿は昼にUSBで編集に渡した。今夜は少しまったり出来る。
 大河内税理士から電話が入る。
 「二人とも契約書を作成できました」
 「今回宇佐美なのにかなり希望者が多くて、どうしたものかと」
 「女二人ですよ。人数が集まらないと会員一人の負担も高いですよ」
 「問題は場所です。プレイルームではとても」
 「確かにそうです。熱海のファッション喫茶を使えませんか。昼間の営業時間を貸し切りにしていただいて」
 「うーん。交渉してみないとね」
 「百人位で割ればファッション喫茶の営業保証も出せますよ。多少使用料を割り増しで払って如何でしょう」
 大河内税理士は何としても多く集めて二人に過激なショーを行いたい。その意気込みが伝わって来る。
 「それしかないかな。または東京に変更するか」
 如月鬼堂はそれほど期待感を持ってない。愛好会の人数が増えればクラブに払うギャラはやや増える。如月鬼堂のバックも少し増えるだけである。
 「お願いします。それと全裸美人コンテストのスポンサーをお連れしたいのですが」
 「こちらから伺わなくてもよろしいのですか」
 「ご安心下さい。会員で先生の信望者です」
 「それは助かります」
 「風俗業チェーンのオーナーで、そっちにもメリットがある様で。今回の二人の契約を強行に取るのもお手伝い頂きました」
 「いつお連れ下さいますか」
 「明日如何でしょう」
 「明日。大丈夫です」
 「それでは二時くらいに伺います」
 「よろしく」
 こっちは希望が湧いた。インターネットアダルト放送が渋った案件をスポンサー付きで押せる。
 無修正版は海外から自費配給でも良い。それでも局から実況は流したい。
 「大河内先生まだ怒りが治まらないのですね」
 瀬里菜はしつこいという表情である。
 「そうらしい」
 珠洲はぺーを犬の部屋から抱いたまま連れて来る。
 囲炉裏のある居間に放つ。
 気を引こうとペーは部屋を走り回る。如月鬼堂が呼ぶと駆けてくる。膝に乗り後ろ足二本で立って体に上ろうとする。
 実に可愛い姿である。
 如月鬼堂が抱き上げて肩の高さに持ってくる。その横顔をぺろぺろ舐める。
 表情を伺いながら珠洲が引き取る。
 如月鬼堂の執筆が進んでないので珠洲と瀬里菜は衣装換えをする。
 バスロープを脱いで高さの短いピンクのショーツを履く。ブラではなくテープ状の白い紐を着ける。辛うじて乳首が隠れるだけである。
 二人は如月鬼堂の両側から肩に躰を充てる。
 「パパ、進んでないよ」
 「拷問が浮かばないよ」
 如月鬼堂は拷問シーンの斬新さに苦慮している。
 如月鬼堂は瀬里菜の躰を捕まえ縛り始める。拘束性のない亀甲縛りである。
 同じ様に珠洲も縛ってしまう。拘束性はないが股間の部分に幾つも縄の団子を作る。局部に軽い刺激を与えるのである。
 二人は普段ゲームに熱中している。如月鬼堂のSM小説をゲーム化したものもある。
 二人を縛っても如月鬼堂のさおは静かに寝ている。
 常に刺激を与えようと奇抜な衣装は二人で相談して決めるのである。
 
 翌朝、朝食も二人は全裸である。
 「ストーリー出来た」
 「うん。夢にでも何か出てきてくれたらと期待したが」
 「締め切り大丈夫」
 「何とかするよ」
 如月鬼堂はもう殆ど書き上げている。過激な拷問シーンに斬新さが浮かばないのである。
 珠洲が朝食のスープをスプーンで飲ませる。態と乳首を頬に充てる。
 瀬里菜も同じ様に反対側の頬に乳首を充てる。そして千切ったパンを口に入れてやる。
 「パパ、これがパオ−ンしないから浮かばないのよ」
 「そうそう裸だけじゃもう慣れちゃったのよ。荒井枝里さんを虐めて来たら浮かぶよ」
 珠洲は弄られて気持ち良くなるだけでハードは受けたくない。だからその部分は荒井枝里に振る。
 「よいのか」
 「だってお仕事でしょ。荒井枝里さんを虐めるのが一番浮かぶでしょ。書き上げないと編集のおばさんが泊り込みで来ちゃうよ」
 瀬里菜はそっちが嫌なのである。
 「そろそろ来客だ。スーツを着なさい」
 大河内税理士が福富麻次郎を連れてくる時間である。
 
 如月鬼堂は福富麻次郎の名を知っていた。
 「そう。貴殿が応援してくだされば心強い」
 「私共でよろしければ」
 「是非お願いします」
 「それで私共からも女性を参加させて頂いて、出来ました動画を私共でも一部販売させて頂けないでしょうか」
 「販売なのですが、一括でお引き受け頂けないでしょうか」
 「それでよろしいのですか」
 「私はプロリュース料と印税の様な物を頂ければ総てお願いしたいのです」
 「本当にそれで」
 「そっちは得意ではありません。お願いします」
 「それではお引き受けさせていただきます。絶対に先生に損はさせません。足踏みしている局との交渉もお任せいただけますか」
 「そういえば局のスポンサーでしたね。是非お願いします」
 「お任せ下さい」
 福富麻次郎は満面の笑顔で珠洲と瀬里菜の脚を見る。
 二人は態と位置を変えて組み替える。
 福富麻次郎は慌てて視線を逸らす。
 「パパ。良かったね」
 瀬里菜は福富麻次郎の股間を見ている。さすがにその程度で動揺はない。
 そのあと滝本美緒里と倉科香奈を堕とした内容が語られた。
 「それなかなかいいですね。使わして貰いますよ」
 「いやあ。是非」
 如月鬼堂の原稿も完成して編集の来訪は免れた。
 
 熱海のファッション喫茶を貸し切りにして愛好会のショーは開催された。
 ウエートレスが野球拳を行う二つの円形の演台で拷問は行われる。二人同時である。
 二人には最大恐怖の一日でとなる。最早この出演料に頼らなければ成らない状況まで二人は追い詰められている。
 倉科香奈はもし金蹴りがなければここまで注目されなかった。本人の思うままでは稼ぎにならない。
 それでも本人は理不尽極まりないと思っている。
 クラブの普通のコースでは到底稼げないどころかハードでなければ年齢的に大方客も付かない。
 遊ぶ男性と一般では女性の年齢を見る目は大きく違う。若い子が敬遠するハードが出来ればということに成る。
 倉科香奈はクラブの説明にもまだ自分は良い女だと思っているから困ったものである。
 会員は各々の意思で二人のどちらかの演台に集まる。客席は本来ボックス席だが本日は設営して二つの演台を四角く三段階の高さに囲んでいる。
 如月鬼堂は一番後ろの席である。
 倉科香奈は金蹴りを受けた会員が中心で責める。滝本美緒里は大河内税理士が中心となる。
 二人は両手首を縛られ天井のフックから爪先立ちに吊るされた。プレイ用のワンピース一枚である。下着は既に着けてない。
 ワンピースは一気に切り落とされる。
 片方の脚首を縛られ天井のフックに吊り上げられる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は悲鳴を上げる。倉科香奈は唇を噛んで会員を睨む。
 股間は大きく開かれびらびらは閉じているが性器は丸出しである。
 鞭が用意される。
 電子籤で当った会員のナンバーがモニター下部に表示される。モニターは全部で六枚。三枚ずつ滝本美緒里と倉科香奈を映し出している。
 鞭打ちは一人三発ずつ三十三名が順番に行う。
 交代で行うと一人僅か三発。強力に力が入ることになる。
 福富麻次郎は如月鬼堂の隣で全裸美人コンテストの打ち合わせを続ける。こっちは商売が優先である。
 「ぐおーーーーーーーーーーーー」
 「ああーーーーーーーーーー」
 両方の演台から悲鳴が轟く。
 一本鞭99回は強烈だが序章である。その後にもっとえげつない責めが予定されている。
 会員らはまったく容赦がない。滾っている加虐心を二人の女躰に叩き付ける。
 今回も過激過ぎる内容が予測されるので珠洲と瀬里菜は同行しない。会計はクラブのマネージャーである。
 大方の会員が一発は女の局部を叩く。
 「ううおーーーーーーーーーー」
 顔は汗と涙に塗れて悲痛な悲鳴を搾り出す。
 ある会員は一つ前に終わった会員に倉科香奈の肩を後ろから押えて貰う。アナルと女の部分を一本鞭の先端で流すように叩く。
 「ううごおーーーーーーーーーーーー。うごーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈は強烈な痛みに躰を震撼させる。吊るされた縄暴れを揺すって悶え苦しむ。
 乳房と太腿は蚯蚓腫れが赤紫に浮いて悲惨である。
 その蚯蚓腫れに蝋燭の洗礼を行う。これも序の口である。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 涙声の悲鳴が会場を支配する。籤に当った五名が順番に蝋燭の芯の回りに溶けて溜まった蝋涙を流すように掛ける。
 その度に涙声の悲鳴が会場を劈く。
 会員には生唾シーンの連続である。それでもまだまだ足りない。
 二人とも顔は汗と涙に塗れ土色である。
 少しの休憩が入る。その後、演台に拷問椅子が載せられる。二人は縄で躰を完全に固定される。
 次は擽りである。ソフトな様でこれは苦しい。
 また電子籤で三名ずつ指名される。
 自分の番号を確認して演台に上がる。
 三名が一気に擽る。足の裏を擽る会員は昔の古いルームキーの先端を使う。これが効くのである。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーー。ああーーー。ああーーー」
 倉科香奈は縛られた躰を動く限り捩って堪えられない嬌声を上げる。
 滝本美緒里は苦しさに顔を真っ赤にして呻き続ける。
 「やめて。あうう。やめて。あうう。あうう。あうう」
 暴れるより虫の息である。
 滝本美緒里は失神した。倉科香奈は狂ったように暴れ嬌声を上げ続けたが終了まで失神しないで耐えた。
 暫くの休憩の後、蟻の詰まった瓶が運ばれる。
 両名とも拷問椅子に固定されたままである。会員の手にはクスコが光っている。恐ろしい事が想定出来る。
 拷問椅子が後ろに倒され股間が上に向けられる。クスコを挿入して膣口を究極に広げる。
 「ああーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は藻掻き悲鳴を洩らす。
 クスコの中に蜜が流される。
 「いやあーーーーーーーーーー」
 「うう」
 倉科香奈は気持ち悪さに顔を顰めて堪える。
 そして倉科香奈のクスコに広口瓶に詰まった蟻が投げ込まれる。
 「あーーーーーああーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 驚愕の悲鳴になる。
 会員は広口瓶を持って滝本美緒里に近付く。
 「ああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は狂ったように喚く。
 容赦なく投げ込む。
 「うあああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人の悲鳴はサイレンの如く続く。
 「いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 狂いそうな悲鳴である。
 芯の周りに蝋涙がたっぷり溶かされた蝋燭が数本会員の手に持たれている。
 「これで全部殺してやる」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は驚愕の悲鳴を上げる。
 三人がかりで一気に流し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 天井を劈く悲鳴である。
 会員が三人蝋燭を持って倉科香奈に近付く。倉科香奈は目を大きく見開いて恐怖に凍り付く。
 こっちも三名で一気に流し込む。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううおーーーーーーーーーー」
 こっちも強烈な悲鳴である。
 一旦クスコを抜いて蝋涙の塊を取り出す。別のクスコを差し込んで広げる。ピンセットで塊を拾う。
 最後は水を流して中を洗う。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 終わっても両名とも荒い息遣いである。
 水を入れてない蛇の水槽が運ばれる。両名とも恐怖にガタガタ震える。
 クスコは挿入されたままである。
 電子籤で五名ずつ選出される。
 会員は一人ずつスネークフックで蛇を掴む。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の悲鳴を愉しみながら会員は蛇を挿入する。倉科香奈も同時に挿入される。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蛇はクスコと膣の中で頭を動かす。子宮口をもろに突いている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 一人目が抜く。
 次がまたスネークフックで掴んで待っている。
 続いて挿入する。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なくピストンさせる。
 「ああああ、ああーーーーーーーーーーーーーー。あーー。ああーーーーーーーー。あーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 倉科香奈は首をめちゃめちゃに振って悲鳴を轟かせる。
 「いやあーーーーーーー。やめてーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーー。くるちゃうーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は瀕死に叫ぶ。そして失禁する。
 倉科香奈は二人目で失神した。
 それをスタンガンで起こす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーー」
 今度は失禁する。
 それが治まるのを待って三人目が挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香奈の躰はガタガタ震えている。
 滝本美緒里は三人目の挿入で失神した。
 それでもスタンガンを使って四人目が蛇を構える。
 「ああーー。いやあーー。ああーーーー。ああーーー。いやあーー」
 滝本美緒里は狂った様な状態である。
 それでも挿入する。籤で当った権利といわんばかりである。
 両名とも四人目が限界であった。さすがに五人目は挿入を断念した。
 看護師が最初に精神安定剤を投与していた。二人とも青ざめた表情で拷問椅子から解放されても床に蹲ってしまう。
 車で来た会員がマネージャー共に東京まで乗せて行く。
 
 如月鬼堂はまた荒井枝里を呼んだ。
 スタジオが跳ねた後である。東京のプレイルームを使う。
 着衣のまま抱きしめて唇を貪る。
 「今日もシャワーを浴びてないね」
 「はい。まだ私が恥ずかしがるのを見たいのですね」
 荒井枝里は堪らなく恥ずかしくても金を貰う以上要求は守った。一日履いた白い下着を着けて来た。
 「今日は浣腸もさせてくれるか」
 「だめーーー。だめです。それだけは」
 荒井枝里は猛然と拒絶する。そして縋るように如月鬼堂に抱きつく。
 如月鬼堂はその躰を抱えて前割れのワンピースを脱がす。純白のブラも外す。
 乳房を強く掴んでもう一度唇を貪る。
 ショーツも脱がして全裸にして一度ソファーに座らせる。
 如月鬼堂は百万の束を置く。
 この金額に期待して来ていることは間違いない。稼げるのは今だけである。それには応えてやる。
 今度は何をするとは言わない。
 失神させたいがその前に洩らす姿を愉しみたい。最初は小型のローターでゆっくり責める。
 指で掻き出すより強くイッて仕舞って逝き顔の限りを晒させる。そののち堪えられず漏れるのが良い。
 荒井枝里はもう官能に抵抗はしない心算である。それでも如月鬼堂が執拗に責めると躰は抵抗する。
 それをじっくり執拗に責める。
 荒井枝里の股間は痙攣している。
 「ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーー。ああ、あーーーーーーーーーーーん」
 荒井枝里の躰は強く悶える。
 軽く一回イッた様である。そのままクリを責め続ける。荒井枝里の躰は更に反り返り前以上に悶える。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 二回目にイクのは早い。それでもまだ潮は出ない。
 小型のローターをもう一個取り出し膣の奥に挿入する。更にもう一個挿入する。二つが中でぶつかり合って敏感な部分を内側から責める。
 外からは同じ様にクリトリスを責める。
 荒井枝里は膣でもクリトリスでもイク。既に淫女に開発したのである。もっともっと淫女にすべきである。
 それには電マを使って一気に追い詰める事はしない。ゆっくり官能を上り詰めさせとことん長い悦びの極地を躰に教え込むことである。
 「ああーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の首は藻掻く様に踊る。眉間には艶を秘めた皺を強く刻む。膣は震撼を続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 縛られた手で拷問椅子を掴む。躰を硬く絞って膣痙攣を続ける。
 やがて一滴潮が漏れる。
 如月鬼堂はペースを変えない。
 またやや多めの雫が漏れる。
 「ああーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー。あはあ。あはあ。あはあーーーーーーーーー」
 女の部分のびらびらはだらしなく開いている。尿道口が徐々に膨れ上がる。遂に潮が一直線に飛び出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ああーー。あはあん。あはあん。あはん。あはん」
 そんなに長くはない。数秒である。如月鬼堂はまだ行けると思う。だがここでドリルバイブと電マの責めに切り替える。
 「があああーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
 一気に表情は破裂してこれまでのねっちりした官能から一変する。
 荒井枝里の柔らかい躰から筋肉が一気に怒張する。
 「ああがああーーーーーーーーーーーーーー。ああがああーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の表情は眉間に三重の皺を刻んで汗に塗れ強過ぎる官能に押し切られている。
 「ああ、あ、あああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーがああーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の躰は一気に迫り上げ空中で破裂するように固まる。そして一気に堕ちる。
 白目を?いて躰がドリルバイブの振動に揺れるだけである。
 如月鬼堂は興奮したさおを荒井枝里の女に挿入する。情液を膣に棄却するだけである。
 決して子孫繁栄の為のSEXではない。子供を作っては成らない。ゆえに棄却である。
 意識を回復した荒井枝里にここまでの録画を見せる。
 「いやあーーーーーーーー。いやよーーーーーー」
 荒井枝里は自身の恥ずかしさの極みとなる姿がショック以上である。無様に官能に足掻く姿がどうにも受け入れられない。
 大方の女でも自分のイク姿や逝き顔など見てない。それを執拗にイカせた後である。
 如月鬼堂はその荒井枝里の躰を押さえ再び唇を貪る。
 次は床に俯きに寝かせる。背中の上で手首を縛り合わせる。続いて脚首を縛り合わせる。
 さらに縛った手首と脚首をややゆとりを持たせて縛り合わせる。そこにフックを付けて天井の滑車から吊るし上げる。
 「ぐうああーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の表情は一気に歪む。僅かな高さでも苦しい。
 躰は空中で五角形を描く。手首は背中から斜めに真っ直ぐフックに吊られている。
 脚はほぼ膝が九十度に曲がって脚首から吊るされている。腰が逆に反りドテを突き出す。
 腹から胸まで弓なりに曲がり乳房が下を向いてその形良さを見せる。頭は腕の間からベコの様にぶら下がる。
 江戸時代からの拷問、駿河問いである。
 如月鬼堂は荒井枝里の乱れた髪を避ける。自分自身の上体を斜めにして苦しむ唇を無理やり重ねる。
 荒井枝里は成されるまま堪えるしかない。
 「少し泣いてもらうよ」
 如月鬼堂は鞭を手にする。
 「ええーー。これで鞭は」
 荒井枝里は苦しい表情をくねらせて訴える。
 許されることはない。先端が二つ折りのチップになった一本鞭で斜め下を向いた乳首を叩く。
 「うおーーー」
 大口を歪め表情は破裂する。
 容赦なく乳首を交互に叩く。
 「うおーーーーーー。ぐおーーーーーーー。ぐうおーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーー」
 叩かれて荒井枝里の躰は空中に揺れる。揺れればさらに苦しい。
 次は後ろに回って局部を叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 縄を引く様に躰を迫り上げて堪えられない悲鳴を搾り出す。
 「うぐうううーーーーーーーーーー」
 相当に痛いらしい。暫く空中で表情を顰めて痛みに悶える。
 状況を見て駿河問いからは降ろしてやる。
 拷問椅子に確り縄で固定する。
 「少しだけ血を流してもらう」
 「ええ。何をするの」
 如月鬼堂は鞭を構えている。
 「鮮血鞭だよ」
 「ああ」
 クラブのメニューにも書かれている。叩いて血が滲むことである。考え違いして斬ってしまう者も居る。
 慰謝料問題となるがそれでも合わない。鞭で鮮血しても元には戻る。斬ったら縫わなければ成らない。
 如月鬼堂が馬鹿なことをする筈はない。その心配はないが相当の痛みが予想される。
 乳首に洗濯バサミを付ける。これを叩き落すのである。強い痕は付けたくない。さすがにクリップは止めておく。
 続いて股間にも付ける。
 荒井枝里にもこれを鞭で叩き落されることは想定が着く。
 如月鬼堂はまず乳房から叩き落す。
 「うおーーーーーーーーーー」
 こっちは単純に一発で落とす。
 もう片方の乳首の洗濯バサミは斜めに引くように叩く。洗濯バサミの咥えが浅くなるが堕ちない。
 「ううーーーーーーー」
 この方が繊細に痛い。
 次の一発で落とす。
 「おーーーーーーーーー」
 表情は痛みに歪むがまだ序の口である。
 次は股間の洗濯バサミである。如月鬼堂は鞭を短く持つ。
 女の部分のびらびらを抓んだ洗濯バサミを斜めに叩く。洗濯バサミは半分咥えが浅くなる。
 「ううぐうーーーーーーー」
 さらに慎重に根本を叩く。洗濯バサミの抓みはほんの僅かに成る。
 「うぐう、う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 甲高い悲鳴になる。如月鬼堂に繊細な痛さが伝わって来る。
 最期の抓みを緩く叩く。洗濯バサミは緩やかに飛ぶ。
 「あーーーーーーーーーーはーーーあーーーーーーーーー」
 さらに甲高く強烈な悲鳴である。
 さらに竹の鞭で乳房を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに蚯蚓腫れが浮かぶ。
 荒井枝里は青ざめた表情で如月鬼堂を見上げる。
 洗濯バサミを鞭打ち三段階で飛ばした女の部分のびらびらである。それを細い一本鞭の先端で叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーー。いいたいいーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は涙目である。
 もう一発叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は大口を開けて悲鳴を上げる。さらに俯いて涙を溢す。
 如月鬼堂が女の部分を指先で探ると指に血が付く。
 乳房の赤紫に腫れた蚯蚓腫れに一本鞭を短く持って叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 蚯蚓腫れが割れて僅かに血が滲む。
 「ありがとう。終わりだ」
 荒井枝里は涙目で如月鬼堂を見上げる。それでも前回ほどハードではなかったと思う。
 如月鬼堂は荒井枝里を抱き抱え熱くはない程度の湯に浸けてやる。ヒリヒリ痛むのは一時治まる。
 「今度、裏全裸美人コンテストに出て貰うよ」
 「え。駄目です。映像に出るのは」
 「違うよ。裏だ。SM愛好会の会員だけだよ。撮影も無しだ。五十万の出演料だけだが。ハードは無しだ」
 大河内税理士と福富麻次郎らと打ち合わせを勧めながら放送では局部を出せない。アナウンサーが言葉でその形状を表現するだけとされた。
 ミスコンに反論して女躰をとことん審査するが口上である。顔だけではなくスタイル及び乳房、性器、アナルまで審査する。
 海外サイト販売の録画では総て見られる。
 だが出られる女性に制限が有り過ぎる。それをもっと内容を濃くして裏でやろうという嗜好である。会員の反響は極めて良かった。
 「それならファッション喫茶のショーと変わらないから良いです」
 荒井枝里はあっさり承諾した。
 一方滝本美緒里と倉科香奈はクラブで愚痴を溢す。
 「毎日夢に出て来る。蛇に襲われる。中で動くでしょう。あの感触が去らないの」
 「私も。凄くうなされるよ」
 「訴えたら勝てないのかな」
 「無理よ。私は出来ない。何かで名前が出たら困るよ。それに会員の中に弁護士とか税理士、役人も警察も居るよ。とても勝てないよ」
 強気の倉科香奈だが泣き寝入りの方向である。
 「そうかしら。大きな賠償金取れないかな」
 「駄目よ。既にお金貰っているから。それで応じたことになってしまうよ」
 滝本美緒里はクラブに苦情を訴えた。後遺症だと主張した。
 直ぐに弁護士が呼ばれた。それぞれ愛好会の館山嘉朗弁護士とクラブの野村未来也弁護士と名乗った。
 その前に滝本美緒里は国税庁で二つ問題を起こしている。今度は名前を出すと宣告された。
 滝本美緒里も泣き寝入りしかない。
 この二人も五十万の報酬で唯々諾々裏全裸美人コンテストに出ることを契約させられてしまった。
 
 翌日如月鬼堂の宇佐美のマンションに大河内税理士と福富麻次郎、館山弁護士が集まった。
 「滝本美緒里は氾濫しました」
 「あの女はもう一度徹底的にお仕置きしないと」
 「館山先生のお蔭で治まりましたが、危険でした」
 「しかしあの女もどうにも成らなくなるでしょう」
 「どうでしょう金銭的にはそれ成りには取られるでしょう。ただ社会的にはもっと厳しくなりますよ」
 「万一訴えられたら契約書を盾に取れば内容は書かれています。あくまで合意です。軽い慰謝料で済みます」
 館山弁護士は自信を表明する。
 「やってみないと判らない裁判ですが、だんだん女性が有利になっています」
 如月鬼堂も不安を隠せない。
 「だが風俗嬢ですから。それ以前の公金横領とか機密漏洩の件もあります」
 福富麻次郎も自信持っている。
 「もう一度強くお仕置きして思い知らせましょう」
 「それより干した方が良いのではないですか。他になかなか収入の道はないでしょう」
 「しかし次の裏全裸美人コンテストは契約しています」
 「ならばその次からにしましょう」
 ビールと日本酒が出されて珠洲と瀬里菜がミニスカート姿で給仕する。もちろん誰も手は出さない。今回二人は全裸の審査にも加わる。
 「ねえパパ。裏の賞金はいくらなの」
 珠洲が気に成っていた事を確認する。
 「賞金はないよ。プレイ代金を払うのだから」
 「えーー。それはけちだよ。二百人近く集まりそうよ」
 「ほぼ全員か」
 「行きたいけど調整中が七人。あとは全部参加希望だよ」
 「おおーー。そんなに好反響か」
 「先生。女性は五人です。荒井枝里と滝本美緒里、倉科香奈そして福富会長のチェーンから二人です。表は一千万です。三百万くらいは出せますよ」
 「そうですね」
 福富麻次郎のチェーン店から出る二人は表のコンテストも出る。他に表に参加する中から選んだ代表である。
 本来の全裸美人コンテストは予選から始まる。予選のギャラは僅かである。本番は十五名で行われる。
 ギャラは契約によって違う。AV女優はどうしても高くなる。
 こっちは海外から無修正AVで売り出す。大きな収入が得られる。一回きりではなく毎年継続出来る。
 
 瀬里菜がパソコンで裏全裸美人コンテストの試算をだす。
 会費総額一千十万円。
 「会費を安くしないで賞金をアップするべきだよ。人数も増やして」
 瀬里菜は自分らの収入ではないが女の立場に成ってしまう。
 「そうよ。どうせパパは荒井さんに投票するでしょう。会員は誰も文句は言わないよ」
 珠洲は沢山虐められてくれて如月鬼堂の小説ねたに協力した荒井枝里に払うべきと主張する。
 「そうだな。その方が先に繋がるしな。だがどっちが入賞するかな。岡田有美も顔もスタイルもなかなか綺麗だ」
 「岡田有美さんはまだ出場交渉してないでしょう」
 「だが、会員の投票は」
 「結構それ成りには」
 「入れない訳には行かないな」
 「でもこれまで参加した会員の投票は荒井さんが勝っているよ」
 「大丈夫。パパと私たちで30ポイントよ」
 「パパ荒井枝里さんに小説のねたで随分身をもって協力してもらったでしょう」
 珠洲も瀬里菜も作品は全部読んでいる。
 「確かにそうだが」
 「だったら恩返ししないと駄目だよ。可愛そうだよ」
 珠洲は二回荒井枝里を送って行った。その感触を感じ取っている。
 
 裏の全裸美人コンテストは出演者があと三名追加されて八名となり、賞金も五百万にアップされた。
 杉並の観世音ホールである。
 今回は正面の舞台と丸い演台を使う。スクリーンは全部で八枚設置された。
 審査は会員が一人一票。特別審査員は一人十票。如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、福富朝次郎、AV監督稲垣七郎の五名である。
 審査ポイントごとに票を投じる。審査ポイントは以下の五点である。
 1.顔
 2.躰全体のスタイル
 3.乳房
 4.性器
 5.逝き顔
 最初八人が正面舞台に一人ずつ名前を呼ばれ入場する。
 全員同じミニワンピースである。
 八人が壇上に揃うと一人目の岡田有美から演台に移動する。
 ここで全裸に成る。
 もう躊躇いはない。五百万が稼げる可能性がある。岡田有美は見渡して自分が有利と確信している。
 岡田有美は表の全裸美人コンテストにも出ることを承諾した。既にクラブのカタログにもモザイク無しの顔出しをしている。
 今回は僅かに二百人が見ているだけである。公開されることはない。既に半数のメンバーにはとことん恥ずかしい姿を見られている。
 全裸で演台の上でゆっくり回転する。
 脚の線は珠洲や瀬里菜に似ている。引き締まった細い脚である。内腿に余分な肉はない。両膝をくっ付けても股間に隙間は出来る。
 ドテの黒い塊は長方形に剃り残している。その下に微かに閉じ合せた女の部分が見える。
 乳房はそんなに大きくはないが形の良い盛り上がりを見せている。色の白さに紅色の乳首が綺麗に映える。
 会員数人の手で拷問椅子が載せられる。審査の四つ目女の部分の公開である。
 岡田有美は拷問椅子に大股開きで確り固定される。
 女の部分が完全に綺麗に見える態勢にする。岡田有美の女の部分は拡大されさらに広げられ八枚のスクリーンに映し出された。
 その部分はびらびらの縁の手前まで薄橙でドドメ色感はまったくない。広げてもその部分はかなり小振りである。
 尿道の亀裂がある盛り上がり部分はさらに色が薄く膣口は僅かにその下に存在を表すだけである。
 稲垣七郎のプロダクションから来た男優が一人電マとローターを持って演台に上がる。
 クスコで岡田有美の女の部分を広げる。膣の奥までスクリーンに公開する。審査範囲外だがサービスである。
 そのままクスコにローターを二つ投げ込む。
 クスコに当って音がうるさい。クスコだけをローターの線を伝わらせて抜き取る。クスコはローターのリモコンに引っ掛けたままである。
 膣の中でローター二つを暴れさせ外から電マでクリトリスを責める。
 「あーーはーーー。ああーーはあーーーー」
 岡田有美は静かな逝き声を発し続ける。
 股間は濡れているが表情は息を殺すように眼を瞑り平静を装う。
 男優は電マをローターに持ち替える。膣の中のローターより手元のローターでクリトリスを確信に向けて的確に責める。
 「ああーーー。いっちゃう。ああ」
 男優はクリトリスの一点にローターの責めを集中させる。
 岡田有美は静かな逝き顔を固くして緩やかに潮を垂れ流す。股間は微かに痙攣している。
 止まってもまた溢れ出て来る。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 膣の痙攣はなかなか治まらない。
 男優はそのまま岡田有美を剃毛する。剃毛後の股間も審査の対象である。
 鋏みでカットするほど剛毛ではない。僅かに薄く陰毛がドテの皮膚が見えない程度に生え揃っている。
 男優はローションを掛けて剃刀を数回滑らせて一気に剃ってしまう。
 ホットなお絞りで拭くとその部分の皮膚は綺麗である。
 女の部分の閉じ合せた粘膜の回りに僅かに楕円形に皮膚の赤が薄っすらと濃くなるだけである。
 皮膚がきめ細かく毛穴が大きく目立つこともない。実に美しいパイパン姿である。
 
 荒井枝里は八人目となる。前の七人は既に潮吹きを晒し剃毛まで行われてステージに立っている。
 ステージに残った七人だけ見比べても表社会のどのミスコンよりもレベルは高い。スタイルを含めた容姿優先の意義がはっきりしている。
 七人の容姿はそんなに大きな差はない。中で倉科香奈がやはり美人と言えど三十代を感じさせる。
 福富麻次郎の推薦する二名は美人だが風俗嬢的玄人イメージが既にはっきりしている。
 美人をを比べるにはやや岡田有美がリードする。似ている女優といわれると難しい。そのくらい美人に特徴はない。
 小作りな顔。標準的卵型。目はパッチリ清楚さを感じさせる。日本的鼻の形良さ。口は小さい。
 荒井枝里は最期のステージながらまだ恥ずかしさにやや震えている。ファッション喫茶のショーでは自分の手で脱がないのである。
 脱ぐ時に手で隠したりするなと言う如月鬼堂の言葉が過ぎる。荒井枝里も出来たら賞金が欲しい。
 そして如月鬼堂のアドバイスに希望が湧いている。
 荒井枝里はぎこちないながら全裸に成って演台で回る。
 八人の脚を比べるとどれもスマートである。滝本美緒里が比較的やや太腿に僅かに肉を付けている。
 荒井枝里と岡田有美を比べると荒井枝里がやや身長が高い。
 岡田有美の細く引き締まった脚と比べる。荒井枝里はほんの僅かに肉が付く。体型は相対的に荒井枝里が身長の分僅かに大きい。
 だが太腿に余分な肉はない。脚の線は引き締まったというより真っ直ぐスマートである。柔らかい脚線美と言える。
 二人の内腿を見比べる。岡田有美は股間から伸びる膝までの内腿の線がほんの僅かに内腿の内側に弧を描く。
 荒井枝里は両膝を付けて股間の直ぐ下でほんの僅かに内側に出るがそこから膝までほぼ真っ直ぐな斜めの線を描く。
 股間には縦長のほぼ逆三角形の隙間が出来る。
 それは岡田有美と同程度の隙間である。荒井枝里は土手の真ん中に綺麗に整えられた陰毛がやや長く伸びている。
 この内腿の線が股間の内側に強く弧を描く。股間の直ぐ下で内腿が太くなる女性は多い。これは美脚とは言い難い。
 荒井枝里の女の部分は粘膜が鶏の鶏冠の様にぴんと立つ。二枚閉じ合せたびらびらの粘膜は薄い小豆色ながら形よく美しい。
 広げると縁は薄小豆色でピンクの部分は縁の内側から薄橙である。まったくドドメ色感がなく実に艶めく美しい女の部分である。
 乳房はそんなには大きくない。だが細い体型の割には標準サイズである。山の形は丸く膨らみも丸みがある。綺麗な乳房と言える。
 荒井枝里は男優の責めに頭を究極に暴れさせる。腰をとことん震撼させて逝き顔を晒しまくった。
 最後に女の部分のびらびらが大きく割れる。小さく頼りなく存在していた尿道の亀裂が迫上がり大きく開く。
 さらに逝き顔は強烈に破裂する。
 水飲み口にちょろちょろ出る様に尿が断続的に出る。
 男優は責めを変えない。
 尿道口は開いたままびらびらの内側でゆっくり迫上がりを繰り返す。
 やがて荒井枝里は逝き顔を極端に絞る。そして一気に潮を高く噴き上げる。
 剃毛を済ませると股間はやや濃いピンクに映える。美しい女躰を隅々まで晒して終了した。
 全裸美人コンテストの審査結果は両極端になった。岡田有美と荒井枝里が二分した。逆に残った六人には殆ど点数が入らなかった。
 福富麻次郎の推薦した風俗嬢二人は二十四歳と二十三歳。だがどちらも性器の客への提供が顕著でドドメ色感が強い。
 さらにこの二人は正真正銘の逝き顔には見えなかった。イッた振りと見られた。潮も噴き上げたがイッた振りで放尿したと見られた。
 顔の評価は岡田有美が勝った。252点中、岡田有美が108点。荒井枝里が78点残りそれ以外となった。
 性器は荒井枝里が89点、岡田有美が79点とそれ以外。
 スタイルは僅差である。荒井枝里が86点、岡田有美が85点、滝本美緒里25点とそれ以外。
 逝き顔は荒井枝里が圧勝だった。荒井枝里192点、岡田有美46点、それ以外。
 滝本美緒里は八人の中で僅かに太腿にボリュームがありヒップもそれなりには大きい。こういうタイプを好む者もあるらしい。
 乳房の評価だけ割れた。荒井枝里が72点、滝本美緒里47点とそれ以外であった。
 トータルで荒井枝里が優勝した。
 
 倉科香奈は自分に殆ど点数が入らない。このままではクラブの仕事で指名が付かないことをようやく理解した。
 顔出しは出来ないのでハードを受け入れた。
 滝本美緒里はSM愛好会の会員から完全に干された。
 もとより顔出しも一見客も取らないことに成っていた。SM愛好会の会員に限定していた。そこから干されれば収入源はない。
 当面はこれまでの収入で生活には困らない。だが職に就けない滝本美緒里はこれで稼ぐしかない。
 年齢的限界は倉科香奈より若くても直ぐそこである。
 その先は時給の安い仕事しか道はない。いま子供が大学を卒業するまでの蓄えを作るのが必須になる。
 伊東線宇佐美の如月鬼堂のマンションである。滝本美緒里のSM愛好会の計画が話し合われた。
 「今回はプレイで責めを行う会員と見ているだけの会員の参加費を分けませんか」
 「それは」
 「生物責めなど一人一プレイにしてはと思います。最初から計画して希望者が担当します。希望者が一人十万。それ以外は三万でどうでしょう」
 「滝本美緒里一人でそんなに集まりますか」
 「ショーがハードならば。熱海ならファッション喫茶で遊んで帰る者も、他で遊んで帰る者も居るようです」
 「ではまあ募集してみましょう」
 SM愛好会は如月鬼堂より大河内税理士が積極的に成っている。
 「それが良いですよ。あの女には相当なお仕置きが必要です」
 館山弁護士も後押しする。
 「私も賛成です」
 福富麻次郎も同意する。
 囲炉裏の脚を入れる掘割には湯が張られ足湯状態である。これで酒、ビールを酌み交わす。囲炉裏には石狩鍋が掛けられ煮えている。
 カウンターには珠洲と瀬里菜がミニワンピースで手前の掘割に脚を突っ込んでいる。こっちも足湯が張られている。
 立ち上がると素脚が艶かしい。
 カウンターには寿司桶が二枚とサラダバーである。
 モニターはワイドショーでイギリスのEU離脱の話題を報じている。
 「イギリスはEU離脱出来ますか」
 福富麻次郎は如月鬼堂に合わせて麒麟のクラシックラガーを飲んでいる。酒屋からケース単位で配達され三十本近く冷水ショーケースに入っている。
 「出来るでしょう。アイルランドの国境問題が解決しそうです」
 如月鬼堂は離脱に期待している。EUが纏まらない方が良いと思う。それは移民が自由に動くことに危機感を持つからである。
 「そうですね。もう一回国民投票は無いと思います。出来るでしょう」
 大河内税理士は末廣の純米酒を冷で飲んでいる。
 館山弁護士のみ来客用に若干置かれているあさひスーパードライを頂いている。同じビールでも好みの違いで拘りは大きい。
 珠洲と瀬里菜はスパークリングワインである。
 その日は館山弁護士の都合もあって三名はタクシーを呼び熱海から新幹線に間に合う時間に帰って行った。
 
 スタジオの日。如月鬼堂はまた豊洲のプレイルームにクラブを通して荒井枝里を呼んだ。
 全裸美人コンテストの日には綺麗に治っていた荒井絵里の乳房と太腿を鞭で蚯蚓腫れにして赤紫の筋で染めた。
 その無残な躰に水を含んだ粗塩を塗る。胸部は後ろ手に高手小手に縛られている。脚首も縛り合わされている。そのまま放置である。
 「ああーーあーーーーーーん。ああーーーんああーー。ああーーーあああーーーーーーーーーん」
 荒井枝里は染みる痛みに苦しみ藻掻き涙を流して泣く。その後も暫く苦しみの嗚咽を続けた。
 如月鬼堂は脚の縄だけ解いて股を広げて挿入する。
 苦しみ続ける荒井枝里の涙を舐める。乳首の塩も舐めて落とす。
 苦しみ藻掻き嗚咽する荒井枝里に強い挿入を続ける。
 「ぐうーーーーーー。ぐぐううーーーーーー。ぐうーーーーーーーー」
 荒井枝里はさらに苦しみに藻掻き続ける。
 如月鬼堂はなかなか果てない。荒井枝里の顔は苦しみに歪み続けさらに涙を流す。
 如月鬼堂は三十分以上掛かってようやく果てた。
 荒井枝里はとことん苦しみに藻掻き続けて嗚咽状態のままである。三十分でも如月鬼堂気には早い方と言える。
 嗚咽する荒井枝里の表情が如月鬼堂の加虐心を滾らせた。その興奮から辛うじて果てたのである。
 その状態の荒井枝里の躰に蝋涙を掛ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 驚愕の悲鳴を上げる。目は飛び出すほど見開いて大口を縦に破裂させ悲鳴を轟かせる。
 それでも射精が終わった女の部分を広げて蝋涙を掛ける。
 「ああーはあーああーーああーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうわわわああーーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は高手小手に縛られ床に寝かされている。背中を軸に脚をばたつかせ躰を右に左に床を蹴って暴れる。
 如月鬼堂は取り押さえて上体を起こす。高手小手の縄を解く。
 手が開放されると垂れていた無残な鼻水を手で拭く。手で顔を覆ってさらに嗚咽する。
 如月鬼堂はその躰を抱き上げ浴室に運び湯に浸ける。
 荒井枝里は放心状態である。
 如月鬼堂はそれを抱き寄せ唇を貪る。この状態でも荒井枝里は抵抗しない。
 「今日もきつかったな」
 「はい」
 「よく堪えてくれているよ」
 「これまで沢山お金を頂きました。裏のコンテストにも賞金を頂きました」
 「うちの二人が賞金なしはせこいと」
 「・・」
 「これまで小説のねたに協力してくれた君に少しはお礼すべきと言うのだよ」
 「え。あのお二人が」
 荒井枝里は如月鬼堂の胸に顔を当ててまた泣いてしまった。
 荒井枝里は今回の賞金と何度かの如月鬼堂のプレイへの呼び出しと愛好会のショーの収入で一千万少々の預金が確保出来た。
 「そうだよ。二人が自分から協力してくれて君の入選に目処が立った」
 「・・・・・」
 荒井枝里は泣くのみである。
 如月鬼堂が自分を応援してくれていると分かっていた。でも自分が敵視していた二人が自分を応援してくれているとは思わなかった。
 「私とプレイして小説のお役に立ちました」
 「ああ。君の反応一つ一つ充分に参考になったよ」
 「そう。良かった」
 荒井枝里は如月鬼堂とのプレイのあと躰のケアにはお金が掛かった。それでも大半の金を残せるだけ稼ぐことが出来た。
 
 如月鬼堂は荒井枝里をベッドに運ぶ。
 荒井枝里の躰は湯船で癒したが赤紫の鞭の痕だらけである。それが如月鬼堂をさらに欲情させる。
 じっくり逝き顔をもう一度見たくなりローターでゆっくり責める。
 荒井枝里の躰はベッドの上で弓なりに撓る。横顔をシーツに擦り付けてじわじわ来る官能に悶え続ける。
 風俗嬢の様に声を殺す習性がついた様である。
 暫く責めを続けると荒井枝里の躰は静かに僅かな変化の起伏を示す。
 「イッたな」
 「・・・」
 荒井枝里は静かに頷く。
 如月鬼堂は膣に深く指を入れて娼婦の泣き所を押さえる。責めはローターの先端を剥いたクリトリスに断続的に静かに当てる。
 「あはあーー。はあー。あは。あは。あはーー。あーーはああーーーーーーー。あーーはあーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の股間は極端に痙攣し続ける。
 「ああーーー。ああーーはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 さらに激しく痙攣して沈む。失神したのではない。
 「今日は浣腸させてくれ」
 如月鬼堂は強く要求する。
 「どうしても」
 「君の護ろうとするプライドの破局を愉しみたいのだ」
 「私の汚い姿を見ても起たせて入れてくれますか」
 「アナルに入れたい」
 「判りました」
 如月鬼堂は極太の浣腸器を取り出す。
 荒井枝里はその大きさに慄く。
 「少し苦しくなるが冷やした石鹸水だ」
 「私の醜く破局する姿をみてもこの先応援してくれますか」
 「無論だよ。ファッション喫茶の仕事が限界になったら普通の収入の道をつける」
 荒井枝里は如月鬼堂の要求に仕方なく観念した。お尻を上にして浣腸器の進入を受け入れる。
 「あうーーーーーーーーー」
 冷たい石鹸水の浸入に悲鳴を上げる。
 一挙に腹の痛みが遅う。荒井枝里は枕を抱きかかえて苦しみ悶える。
 如月鬼堂は全部注入し終わって一時アナル栓を差し込む。
 「ううーー。うーー。うう。ううーー。うう。ううーー」
 荒井枝里は腹の痛みに絶えられない。
 如月鬼堂は何も入ってないガラスの水槽をベッドの横に置く。荒井枝里の手を引いてそれを跨がせる。
 荒井枝里は腹の苦しみにもう何の抵抗力もない。
 片手で水槽の淵を強く?んで腹を押さえてアナル栓の抜かれるのを待つ。
 表情は苦痛に歪みきっている。
 如月鬼堂は便が形を崩さないタイミングでアナル栓を抜く。
 一気に茶色い水が水槽の底に叩き付けられる。続いて十センチ位の便がそのまま飛び出す。
 「ああーはあん。ううーー。うーーーー」
 荒井枝里は苦しい腹を摩り続ける。茶色いどろどろの水が断続的にしばらく流れて治まる。
 如月鬼堂はタオルで軽く股間を拭いてやる。
 荒井枝里は堪らない表情で如月鬼堂を見る。
 如月鬼堂は荒井枝里をベッドに押しやる。
 換気扇を回して水槽に蓋をしてそれ以上臭いが充満するのを防ぐ。
 如月鬼堂は電マとローター二つを持ってベッドに上がる。
 「このまま何をするのですか」
 荒井枝里は怯えた表情で如月鬼堂を見上げる。
 「潮でアナルを洗うのだよ」
 「・・・・・・・・・」
 荒井枝里はもう返す言葉が出ない。
 如月鬼堂は膣にローターを二つ押し込む。二つともスイッチを入れる。
 「・・・・・・・」
 荒井枝里は顔の表情を歪めただけで声はない。
 電マをクリトリスに軽く当てる。
 「ううおおーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の股間は一気に震撼する。頭を右に左に捩って大口を開いて声を絞り出す。
 女の部分のビラビラは緩く開いている。
 尿道口の部分が迫上がって亀裂が広がる。直ぐに潮が流れ出す。
 如月鬼堂はその流れを電マの球で押し潰す。潮の流れが潰され股間を飛沫で濡らす。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まさにアナルを潮で洗う。
 如月鬼堂は自らのさおにローションをたっぷり塗る。
 膣にローターを入れて動かしたまま電マを一時置く。荒井枝里の腰を強く抑えてアナルに挿入する。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー」
 荒井枝里の表情は痛みに一気に軋む。
 如月鬼堂はクリトリスに電マを当ててさおをピストンさせる。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーー」
 荒井枝里は痛みに悲鳴を搾り出す。
 如月鬼堂は荒井枝里の苦しむ姿にこの上なく欲情する。短い時間で荒井枝里の直腸の中に果ててしまう。
 終わって開放されると荒井枝里は涙を溢しながら水槽の中身をトイレに流し水槽を洗う。
 ベッドのシーツに僅かに流れた茶色い染みを濡れタオルで入念に叩いて汚れを落とす。
 「私のこんな汚い姿を見て満足されますか」
 荒井枝里はベッドの上に正座の様に座って尋ねる。
 「いいよ。興奮して一気に果ててしまった。姿が好みでなければ目を背けたい。君ならとことん曝け出させたいよ」
 そう言ってもう一度荒井枝里の躰をベッドに押し倒して唇を濃厚に貪る。
 まだまだこれからも荒井枝里の躰を愉しみたいようである。


 最期のSM小説家 第三幕 全裸美人コンテスト 完





 最期のSM小説家 第四幕 女の性(さが)

 二〇二十年雨水下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 暖冬と雖もまだ寒い。空気が澄んで海の色は青く綺麗である。
 囲炉裏端に三人集まって鍋を囲む。
 珠洲と瀬里菜の下半身はガーゼで作った褌一枚。ドテの黒い塊は僅かに透けている。
 上半身にさらしを巻いている。だが苦しく成るので一反巻いたりはしない。乳房を隠しているがよく見るとこれも幅の広いガーゼである。
 何故か珠洲の乳首の赤だけが透けて見える。
 如月鬼堂はこの二人の演出にも平常心でビールを飲み鍋の他に用意した刺身をつまむ。
 「パパ。SM愛好会の入会希望者どんどん増えているよ」
 瀬里菜は事務手数が増えて大変と言いたい。
 「でも大河内先生の仰る様に責める会員と見る会員に分けて、会費を二段階にすれば人数には対応出来るかも」
 珠洲はやり方はあるかもしれないと言いたい。如月鬼堂へクラブからのバックは増える。そのあたりも計算に入っている。
 「でも責める希望も十人のところに四十人弱希望が来ています」
 「そのことも審査をしないとね」
 如月鬼堂も悩ましい。
 「クラブの樽常マネージャーはお客が増え過ぎて他のクラブから女性を借りていると言っていました」
 「体制を立て直そう」
 如月鬼堂は儲けの道は朧げに見えるが慎重に考えないと失敗すると警戒もしている。
 「パパこっちの利益大きいよ。SM愛好会だとクラブの取り分の10%。クラブの会員が利用すると5%」
 珠洲がパソコンから統計を見て利益を主張する。課税対象にならない裏の利益である。
 「会員が増えたらパパの利益も増えるのね。会員が増えるのは仕方ないか」
 瀬里菜も珠洲の意見を納得する。
 瀬里菜は忙しいと言ってもそれほどではない。如月鬼堂がくれる小遣いは裏の収入から出ている。
 「愛好会の開催は主なメンバーに参加の選定をさせよう」
 「今回の責める希望の十人の選別を大河内先生達に任せてしまおうと言うことね」
 「そうだ」
 「うん。それがいいよ。こっちは事務だけ」
 二人は僅かな仕事しかしない。それでも以前にスーパーで働いていた収入の三倍の小遣いを得ている。食事も別で家賃も要らない。
 表の収入も僅かに有る。それで健康保険と厚生年金に加入する。さいたま市で如月鬼堂の自費出版を出荷するパートと同様である。
 愛人のお手当てよりは低いが自分らから来てお手当てを要求する心算はもとよりない。
 「その都度、誰がプレイを行うかは彼らで決めてもらおう」
 如月鬼堂は面倒な部分は提案者に責任を持っていただこうという考えで自分の結論を繰り返した。
 
 一方、岡田有美はクラブで指名ナンバーワンと成っていた。
 ハードは受けない。それでも愛好会のメンバーを含めて多くの指名が有る。
 顔出しをした他に全裸美人コンテストで公開した内容と同じ動画をクラブで撮影してホームページに公開した。
 インターネットの表のサイトでは局部は見えない。だがクラブの会員登録をすれば海外サイトにアクセスして鑑賞出来る。
 整った顔である。可愛くないとは言わないが印象は美人である。スタイルもほぼ完璧と言える。絶品であって甚振っても同情は沸かない。
 だが岡田有美のメニューはバブル当時のSMクラブ並みにソフトである。
 鞭は柔らかいバラ鞭のみ。ドリルバイブ等も岡田有美が持ち込むアイテムのみと成っている。
 それでも保障された美形だけで指名は多い。
 キスは拒否しない。原則挿入は出来ない。アナルのみである。だが数回指名で来れば内緒で少しだけ入れさせる。
 全裸美人コンテストの本番では優勝候補である。
 如月鬼堂は個人的に応援する意思はないが全裸美人コンテストの定義に最適と認めている。
 如月鬼堂がSM愛好会の会員に提供する内部サイトに女の履歴書というページが有る。
 そこには本名こそないが風俗嬢の情報が克明に載せられている。
 風俗に入った要因の他に体型、女の各部分の部品評価、プレイに於ける反応が総て記載されている。失禁、失神の要因なども克明に記述が有る。
 そこに如月鬼堂の評価が記述されているのである。
 
 倉科香奈はハードに転向したが会員に金蹴りをしたことで指名が思う様に伸びなかった。
 如月鬼堂が女の履歴書に金蹴りは暴れたので偶然当たったらしい。故意ではなかったと記述したのでようやく指名が付き始めた。
 それでも生物責めだらけで泣きの毎日になった。だがそれも半月くらいで慣れてしまった。
 それでも会員を悦ばせるべく毎回強烈に悲鳴を上げる。サービス精神が身に付きようやく風俗嬢に成り切った様子である。
 
 滝本美緒里を生贄にする愛好会の前に出版社が次の取材を要求して来た。クラブの新人で本多椿という女である。
 躰の線は荒井枝里より柔らかい。美形だが柔らかい顔立ちで可愛い女である。残酷なプレイは躊躇う者もあると思える。
 東京から踊り子号で来るので瀬里菜が車で特急の止まる網代駅まで迎えに行く。編集、マネージャーらと一緒に連れて来た。
 充分スマートといえる体型なのに華奢な瀬里菜と歩くと一回り肉付きを感じさせる。むしろ柔らかいスマートさでこれも良い。
 如月鬼堂が服を脱がしに掛かるが荒井枝里の様にシャワーの要求はしない。成されるが侭に僅かににこやかな笑顔を作って受け入れている。
 いつも通り珠洲が撮影に掛かり瀬里菜がアイテムを用意する体制である。
 「浣腸から行くよ」
 「あ。はい」
 本多椿は一瞬言葉を飲んだが従う姿勢である。
 瀬里菜が冷やした石鹸水を浣腸器に注入して準備する。
 如月鬼堂は本多椿を浣腸の前に高手小手に縛る。縛ってから前に倒し膝を付いてお尻を突き出させる。
 裸にしてお尻を上にした下半身は形よく膝に向けて締まり三角形を描く。綺麗な脚の線である。
 うつ伏せに横顔を床に付けて斜め下を剥いた乳房は体型に丁度良い大きさ。夏にやや日焼けした水着の跡が乳房だけ白く残り艶かしい。
 瀬里菜の様に薄い乳首の色だが白い乳房にくっきり引き立って見える。
 「ああーーーああーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい浣腸液が注入されると悲鳴を上げる。
 一気に腹の痛みが襲ってくる。
 「ぐううーーーーーーーーーー」
 本多椿は横に床にへばり付いた顔の表情を強く歪めて苦しみ悶える。
 歪んでも可愛い顔がそそらせる。
 直ぐに出てしまいそうだがアナル栓をねじ込んで暫く苦しんでもらう。
 「うぐううーーー。ううーーーーーーーー」
 本多椿は腹の痛みに絶えられない。高手小手に縛られた胸部を捩り顔の表情を絞って苦痛を訴える。
 それでもしばらく放置する。
 瀬里菜がブルーシートを敷きその上に白い布を広げる。
 「どうだ。そこにプライドの破局する姿を晒すか」
 如月鬼堂は白い布を指差す。そこに醜い排泄物をくっきり強調して晒すことになる。
 「だめですーーーーーーーー。もう。もういたいーーーーーーーーー」
 本多椿は苦しむ顔を振り絞って叫ぶ。
 「いいのだな」
 「はやくうーーーーーーーーー」
 プライドを放棄せざるを得ない断末魔の泣き叫びである。
 如月鬼堂はゆっくりアナル栓を抜く。
 「あーーああーー」
 本多椿は焦らされて悲鳴を搾り出す。
 一挙に茶色い水は流れ出す。カレー状の便が白い布の上に飛び散る。
 「ああーー。あはあーー。ああーーー」
 高手小手に縛られた本多椿は腹を床に擦り付けて苦しさに藻掻き続ける。
 便はアナルから股間に流れている。それを白いタオルで拭いて布の上に投げる。白い布は恥ずかしさの極地である。
 高手小手の縛りを解かれると本多椿は白い布をタオルも中に入れて丸める。そのまま洗濯機に持って行き洗剤を投入して始動してしまう。
 そのまま浴室に逃れて躰を入念に洗って来る。
 「お待たせ致しました」
 本多椿はケロリとして戻って来る。
 既に準備されていた拷問椅子に乗せる。如月鬼堂が設計した特別な拷問椅子である。
 拷問椅子は円形の鉄板の上に載っている。直径十センチ高さ一メートルのアームの上に小さな座が乗っている。
 幅十センチくらいの背もたれが高く伸びてその頂点は後ろを支える二段階の鉄パイプのようなアームに接続されている。
 腰の部分は四角く設えられた四本の鉄パイプで固定する。緩みが無い様に躰に合わせて調整する。
 高く上に伸ばされ背もたれの最上部。そこに横に渡した板に手首を填め込むくり抜きがある。それに腕を填めて金属の板を充ててボルトで止める。
 九十度に開かれ鉄板から伸びた四本のアームの上に設えたフック。そこに広げた脚を乗せる。脚首と膝下をフックに固定される。
 女の部分は綺麗に丸出しである。
 陰毛がやや濃いめにその部分を包んでいる。
 如月鬼堂はそれを大雑把に鋏でカットする。
 本多椿は恥ずかしさを滲ませながら崩れた笑顔で見ている。険悪な表情で見る女性が多いのでこれは好感度である。
 カットしたドテの部分にローションを掛ける。それを掃除するようにT字剃刀で剃ってゆく。
 ドテの薄橙の皮膚が徐々に露に成って行く。ドテが全部露に成ると女の部分の周辺の柔らかく表面粗さの大きい部分を慎重に小型のT字剃刀で剃る。
 初めて剃毛を受ける様子である。
 さすがにやや警戒する表情にはなる。
 剃ってゆくうちに不安そうな表情ながら時々恥ずかしそうに崩れた笑みを浮かべる。
 剃り終わったあと如月鬼堂が暖かいタオルでドテと女の部分の周りを拭く。本多椿は恥ずかしそうな表情をさらに崩してそれを見る。
 いやーーという言葉が漏れそうな表情である。
 剃り終わった女の部分の周りは楕円形にやや赤が濃い。その赤が肌の白さに映えてなかなか美しい。
 薄い小豆色のビラビラを広げると中はさらに薄い小豆色である。
 ここまでも本多椿に抵抗する態度は無い。
 拷問椅子に腕を上に引っ張って手首を固定された乳房は体型の割に大きい。弾力がありそうでやや垂れ気味に成るはずが引っ張られてぴんと張っている。
 やや垂れ気味といっても形は良い。
 鞭で叩けば相当に痛そうである。
 アナルを抜いたのは二本挿入が目的だがその前に痛みを与える。官能に流れやすくする為である。
 「そのおっぱい少し叩くよ」
 「・・は、い」
 本多椿はやや遅れて承諾の返事を返す。叩かれることは承知で来ている。それでも鞭を見て慄いている。
 本多椿はクラブに説得されて来たのではない。客を?んで稼ごうと望んでいるのである。
 如月鬼堂は両手でバラ鞭とスパンキングを持っている。バラ鞭と雖も確りした物である。
 一発目をバラ鞭で横に薙ぐ様に叩く。
 「ううーーー」
 本多椿は顔を背けて悲鳴を漏らす。堪えようとする意志は強い。
 バシーーーン。
 如月鬼堂はバラ鞭の分強く叩く。
 「うぐうーーーーーーー」
 本多椿の表情は痛みに歪み跳ねる。
 次はスパンキングの腹で乳房をビンタする。
 「ぐうおーーーーーーーーーーー」
 本多椿の表情は搾る様にへしゃげる。
 目を細めて痛みに震える。
 容赦なく反対側の乳房をスパンキングで叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー」
 叩き続ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 本多椿は僅かに涙が零れかけている。何とか泣くことを堪えている表情である。乳房にはほんのり赤みが差している。
 さらにバラ鞭で乳房を横に薙ぐ様に叩く。
 「うおーーーーーー。うーーーーーー。うおーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 本多椿の柔らかい美形の顔が真顔で歪み痛みに跳ねる。
 如月鬼堂の鞭が止まったところで一条静かに涙が零れる。
 それでも絶えようとする表情が可愛い。
 如月鬼堂はその涙を舐め取る。そして唇を僅かに重ねる。本多椿はそれにまったく抵抗しない。唇を預ける姿勢である。
 次は一本鞭を用意する。
 如月鬼堂は本多椿の膣にローターを一個挿入する。
 紐の付いた洗濯バサミで本多椿の女の部分のビラビラを抓んで拷問椅子のアームに紐を縛り付ける。
 反対側も同じ様に抓む。女の部分の内部がレモンの形に広がる。
 一本鞭を構える。
 「一発だけ死ぬ思いで受けてくれ」
 「・・・あ・・は・い」
 本多椿は目を細めて顔を反らす様にして微かな声で答える。
 如月鬼堂は一本鞭の狙いを定める。
 ごく薄い小豆色の部分の中心に尿道の小さな亀裂が確認される。そこを一本鞭の先端がきっちり叩く。
 「ぐうーーううーーうーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 本多椿の躰は拷問椅子の上で固まる。力の限り縛られた躰を破裂させる様に暴れる。躰を右に左に強く反動させる。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに絶えられない。その躰が破裂するような勢いの暴れと搾り出す悲鳴である。そして失禁する。
 可愛かった顔はとことん歪み涙はぽろぽろ零れる。
 如月鬼堂は洗濯バサミを外してびらびらの開きを解放する。
 瀬里菜がモップで床を拭く。
 そして本多椿の膣に二つ目のローターを挿入する。さらに三つ目のローターでクリトリスを剥いてその頂点を責める。
 「・・・・・・・・・・」
 本多椿の表情は微妙に軋む。
 痛みの中の気持ち良さである。
 本多椿はやや倒錯の状態に成っている。
 如月鬼堂は一定のペースを変えないで責め続ける。
 「あうう」
 本多椿の顔は官能に軋む表情に変わる。そして股間は微妙に揺れる。
 「ああーー。だめーーーーーー。いっちゃいます」
 如月鬼堂は一切責めを変えない。
 「ああーー。でちゃいますーー」
 本多椿の股間は痙攣を続けている。上体を反らせて右左に躱す様に暴れ続ける。表情は艶のある軋みを続ける。
 「ああーーーーーーーー」
 悲鳴とともに潮が一条斜め上に流れ出す。
 「う、う、う、う、うーーーーーーーーー」
 本多椿は恥ずかしさと悔しさの混じった複雑に崩した表情を幾重にも変化させ絶え続ける。
 「いやあーー。いやあーー」
 量は少ないが潮は止まっては流れ股間も床もびしょ濡れである。
 本多椿は完全に潮が止まって放心状態になる。目は天井を向いて緩く瞑ったままである。
 瀬里菜がまた床をモップで掃除する。珠洲はカメラのレンズを拭く。
 「すみません。止まりませんでした」
 本多椿は状況に気付いて謝る。
 「大丈夫です。みんなこうなります」
 瀬里菜が言葉を掛ける。
 「直ぐに調節出来るようになる」
 如月鬼堂が助言する。
 「出さないで耐えられますか」
 「漏らしてやった方がサービスだな。それも直ぐに漏らさないでしばらく耐えて、耐える逝き顔を披露してからだ」
 「はい」
 「これからクラブで稼ぎたいならね」
 「はい」
 本多椿は素直に従う。恥を捨てても高額に稼ぐことが優先らしい。
 瀬里菜がドリルバイブ二本を持って来る。それをブルーシートの上に置く。
 ローションの瓶を取り出し自分の手に掛ける。
 本多椿の女の部分を開いてローションを掛けた指を挿入する。入念に膣内にローションを塗りこむ。
 続いてアナル用の三つに割れるクスコを滅菌袋から取り出す。
 「ちょっと痛むかもしれません」
 そう断ってアナルに挿入する。軽く開いてローションを流し込む。
 瀬里菜がアナルからクスコを抜くと如月鬼堂が指にローションを塗ってアナルを馴らす。
 「うーー。うーーーーーーーーー」
 まだ開発してないアナルである。痛みを伴う。
 如月鬼堂はじっくり責める。
 行き成りペニスを入れられたら轟音のような悲鳴になる。指先でじっくり弄るのである。
 柔らかくなったところで細いドリルバイブを挿入する。それを始動しないで瀬里菜に持たせる。
 瀬里菜は肩膝を着いてしゃがむ。スカートの裾が割れないぎりぎりである。
 もう一本のやや太い方を本多椿の女に挿入する。
 「ぐ、うーーうーーーーーーーーーーー」
 本多椿の上体はくねり仰け反る。
 アナルに細い擬似男根が入った状態での挿入である。
 如月鬼堂は膣のドリルバイブだけスイッチを入れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 本多椿の躰は一気に軋み震撼する。そしてやや恐怖に歪む表情である。
 「ドリルバイブは初めてか」
 「・・・・」
 本多椿は無言で微かに頷く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 首を捩るように右に左に躱し大口で声を上げる。
 本多椿の柔らかい美形の顔が軋み大口を開けた表情が破裂する。
 アナルの細いバイブは瀬里菜が押さえているだけで稼動してない。膣に子宮手前まで刺さったドリルバイブが振動しながらピストンする。
 「うおおーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー」
 本多椿の股間はローションと女の液に塗れてぐちゃぐちゃである。ドリルバイブの総攻撃にまったく抵抗する術はない。
 「ああーーー。ああ。ああーー。ああ。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。あーーーーーーーーーー」
 本多椿は仰向けに大口を開けた表情のまま黒目は吊り上る。大方白目状態である。
 股間部分は僅かに震え揺れている。
 完全燃焼して強くイッてしまった様子であるがまだ失神に至ってはいない。
 如月鬼堂は一度膣のバイブを抜く。濁った液がだらりと流れ出る。
 指を入れて一番敏感な部分である娼婦の泣き所を刺激する。
 「ううーーーーーー。うう」
 本多椿の目は股間を見る。股間は濡れて肌の肌理が美しい。
 再度ドリルバイブを挿入する。
 「ああーー。だめーーーーーーー。もうだめーーーーーーーー」
 本多椿はドリルバイブの強烈な責めで失神寸前の状況に慄いている。
 容赦なくスイッチが入る。
 「あうーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 本多椿の表情は一気に破裂する。
 口からは涎が流れ出る。
 「ああーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。だめえーーーーーーーーー」
 本多椿は大口を開けた顔を振って藻掻き続ける。
 「ああーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 眉間に濃い皺を究極に刻み極まった叫びを上げる。
 固定されている躰は動く限り迫上がる。本多椿の柔らかい躰の線から筋肉が張り太股は怒張する。
 「ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 切羽詰った逝き声は一頻り高く上がり次の瞬間止まる。首は垂れて躰は拷問椅子に沈む。股間だけが緩やかに震撼している。
 如月鬼堂が膣のドリルバイブを抜くと今度は先ほどより水っぽい白い半透明の液が流れ出る。
 ローションの混じってない生の女躰から出る液である。
 「ああ。はあ。はあ。はあ」
 微かに躰は反応している。失神には至ってない。
 女性編集者はしきりにスカートの裾を前に引っ張る。太股を包むように両手でカバーする。
 誰もこの女のスカートの中など見ることはない。全員の眼は本多椿に集中しているのである。
 如月鬼堂はまだもう一度挿入する。
 「もうー。むりですーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 本多椿は泣き声になって叫ぶ。
 それでも如月鬼堂はスイッチを入れる。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 本多椿の躰は直ぐに震撼する。既に頭は斜めに倒れたまま表情は究極に歪み鼓動のように震撼を続ける。
 「ううおーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 斜めに傾いた顔は完全に倒れ白目を剥いてしまう。
 ドリルバイブが虚しく回っているだけである。
 如月鬼堂は失神を確認してドリルバイブを抜き取る。膣からは何も出ない。濡れがやや引いた状態で穴が緩く開いたままである。
 しばらく休憩が入れられた。
 女性編集者とマネージャーがトイレに立とうとする。編集とマネージャーが譲り合う。だが編集がマネージャーを無言で押して強引に先に行かせる。
 トイレは二つ以上あるが珠洲も瀬里菜も敢えて案内しない。
 状況が落ち着いて如月鬼堂が本多椿をビンタで起こす。
 瀬里菜がクスコを渡す。
 如月鬼堂はそれを本多椿の膣に横向きに挿入する。
 螺子を回して鴉の口を広げる。横向きに挿入したので膣の底部と天井部が剥き出しになる。
 強く広げているが横向きに広げると天井部が下がり底部は盛り上がる。
 瀬里菜が蛞蝓を小さなボールに入れてロングスプーンと小鉢に入れた粗塩をトレイに載せてくる。
 如月鬼堂はロングスプーンで蛞蝓を掬って本多椿の目の前に翳す。
 本多椿は目が寄るくらいそれを見つめる。
 「ええーー。入れるのですか」
 「そうだよ」
 「・・・・・・」
 本多椿は目を細めて顔を背ける。大きく取り乱しはしない。
 ロングスプーンがクスコに入ると強く顔を背ける。
 「ああ」
 本多椿は膣に蛞蝓が載った感触に微かに呻いた。
 如月鬼堂はロングスプーンで潮を掬う。本多椿の膣の中の蛞蝓に掛ける。蛞蝓は膣の中で半分溶けて萎む。膣の粘膜にその水が染み渡る。
 「う・・・・・・・・」
 本多椿は究極に顔を歪める。
 如月鬼堂は膣の中から蛞蝓を取り出す。
 「ここまでするのですね」
 本多椿はショックに打たれている。
 「クラブで提供している生物プレイのネタだ。他に蜥蜴、カナブン、蛇もある。総て養殖した物だ。天然ではない」
 如月鬼堂は天然ではないから黴菌はないと言いたい。
 「・・・・・」
 これだけの事にも本多椿は取り乱しては居ない。
 「生物プレイだけで五十万。ハードとセットで百万だ」
 「判りました」
 如月鬼堂はクスコを抜いてセペで中を洗ってやる。
 「大丈夫です。私、毒が無ければ蛇を掴めます」
 本多椿はきっぱり発言する。
 「それなら充分稼げる。その様に記事も書く」
 「お願いします」
 マネージャーも編集も興奮の後に冷めた驚きを隠せない。
 編集の女性はトイレに立った。マネージャーは本多椿の発言で興奮していたさおが萎えている。
 本多椿が浴室を使って身支度を整えると瀬里菜が三名を車で送って行った。
 
 「編集のおばさん。今日も濡れていたよ」
 送りから戻ってきて瀬里菜が珠洲に向けて明るく言う。
 「うん」
 珠洲も確認していて同調する。
 「小川さんも三十を過ぎて躰はそれなりに」
 如月鬼堂は含みを持たせた言い方をする。
 「帰りしなにトイレでナプキンとかタンポン換えてもきっとストッキングまで湿っていたのよ」
 瀬里菜は本来意地悪な性格ではない。小川という編集が嫌いなのである。それは珠洲も同様と言える。
 「匂いで判るか」
 如月鬼堂は女同士匂いの違いが判るのかと思った。
 「ううん。香水が濃くなっていたの」
 瀬里菜は楽しそうに言う。
 この三人だけならどんな会話も許される。
 「あのおばさんあの後どうするのかな」
 「男は別れたばかりだし、自分で」
 如月鬼堂はあっさり現実をほのめかす。
 「パパが癒してあげたら」
 「とんでもない!撥ね付けられるよ。それも大きな怒りと共にね」
 「パパでも」
 「誰でもだよ。幾重にも段階を経ないと。直ぐに受け入れられない女は九割以上だよ」
 如月鬼堂は編集の小川綾香に興味は沸かない。口説く意思など毛頭無い。
 「そうよね」
 珠洲も同調する。
 「ねえ。あのマネージャーは濡れないの」
 瀬里菜が男の方に話を向ける。
 「それなりに濡れるだろう。ズボンは膨れ上がっていただろ」
 「見てないよ。彼女の方とおばさんに注意が行っていたし」
 「まあ。事前に抜くなり対策して来るから染みが出るほどには成らない」
 「事前に抜いて来るのね」
 珠洲もにやりと納得する。
 「それじゃ会場で責めている人達は濡れてなさそうだけど先に抜いているの」
 「いいや。責めている時はそんなには濡れない。それにハードが中心だと起ってもそんなには濡れない」
 「だから愛好会の人達は変化しないの」
 「年齢的な条件も有るのと普段から遊んでいる人達だからからね」
 如月鬼堂は人によると言いたい。
 
 その日。如月鬼堂の責めに瀬里菜の股間の痙攣は長かった。
 如月鬼堂はその瀬里菜に挿入してもう一度瀬里菜を緩慢に燃焼させその中に果てた。
 「ねえ。貴女も濡れていたのでしょう」
 珠洲が耳元で囁く。
 「うん」
 「椿さん凄い気持ち良さそうだったよね」
 「・・・」
 瀬里菜は黙って頷く。
 如月鬼堂は先に内湯に移ってビールを飲んでいた。
 瀬里菜はかなりふらついて露天風呂を出る時に珠洲の肩を借りて内湯に移動した。
 二人は内湯の淵にもたれている如月鬼堂の背中を前にずらす。そして両側から躰を滑り込ませる。そして片方ずつ乳首を背中に充てる。
 「ねえパパ。風俗のお姉さんは仕事ではイカないの」
 珠洲がねっちり乳房で背中を押しながら尋ねる。女の生の匂いが後ろから充満してくる。
 「その風俗によって違うよ。SMクラブでは大方イカされてしまう。ソープランドでは99%イカない」
 如月鬼堂はグラスのビールを飲み乾す。
 瀬里菜が棚のビールを取ってグラスに注ぐ。グラスは二重底の桶を浮かべてその中に置いている。
 「稀にイッてしまうこともあるの」
 「そのソープ嬢の体質によるが、さらにタイプの人の場合に稀にイッてしまうらしい。ラストの場合などね」
 通常は客相手にイクのはありえないが風俗嬢のプライドである。性戯のうまさだけではなかなかイカない。それも客からは殆どさせない。
 だがタイプの人だとどうしても躰が反応してしまうらしい。
 「パパイカせたでしょう」
 瀬里菜が含み笑顔で横から突っ込みを入れる。
 「ほんの僅かだよ。ソープは女性が責めるサービスがメインで客は挿入だけだ。バックだと指を使いやすいが、それもなかなかさせない」
 「それでもイカせたの」
 瀬里菜はまだ突っ込む。
 「次のときに恨み言を言われたよ」
 「えーー。なんてーー」
 珠洲も興味津々である。
 「私この間小さくイッちゃったんだよってね」
 「そんなにイキたくないの」
 「まあ。疲れるという言い分を立てるが、SM嬢はめちゃめちゃに逝き顔を晒しまくって次の仕事にも行く。客相手にイカないという意地とプライドだよ」
 「SMクラブでは大概イカされてしまうのね」
 「M嬢の場合客が責めるのが主体だからね。それにイッてしまった方が楽だからだよ」
 「ピンサロとかヘルスは」
 「両極だな。ヘルスとソープの違いは本番がないだけだ。触る程度で責められない。ピンサロも同じ口のサービスだが入念に触れて責められる」
 「ピンサロのお姉さんもイッてしまうときあるの」
 「サービスをさせないで指で責めた。声なく無言で耐えていたが、泣き所を強く押したままにしただけで表情だけでイッてしまった」
 「どうして判るの」
 「悔しいと一言漏らしたからね」
 「それが本音なんだあ」
 瀬里菜は深く頷く。
 「やっぱりパパは女の性をとことん弄って曝け出させるのね」
 珠洲は真顔で語る。
 「自分が気持ちよくしてもらいたい男性の方が世の中に多いが」
 「そうなのね」
 珠洲も深く頷く。
 
 伊東線宇佐美駅に在る如月鬼堂のマンションにSM愛好会の主なメンバーが集まった。
 「希望者四十二名ですか」
 大河内税理士も予定外である。
 「抽選だと毎回外れる人もあります。順番のルールを作りますか」
 「プレイの内容は審査しませんか」
 如月鬼堂は同じプレイが続いても面白くない。また人によってその内容も確認しないと危険もあると心配する。
 「露天風呂準備出来ました」
 瀬里菜がスクール水着姿で呼びに来る。
 全員紙の海水パンツに着替える。紙と言っても濡れても破れない材質である。
 露天風呂は檜風呂である。L字型に二つの檜風呂が設えてある。珠洲と瀬里菜は小さいほうに二人で入る。
 マンションの階の段差に出来た一つ下の階の屋上部分である。
 L字の内側にカウンターがあり生ビールのサーバーとおでん鍋が煮えている。
 二重底の桶を風呂に浮かべて生ビールのジョッキを置く。
 「先生。やっぱり入会順に候補者を審査して順番を登録しましょう。そして決まった十人でプレイを選択しましょう」
 福富麻次郎が提案する。
 「予めプレイの提案を募集します。そこからメニューを作成して誰が当たるかは希望と抽選でよろしいのでは」
 大河内税理士の意見である。
 「どちらにしてもそちらの三名で管理していただけますか。こちらは受付して文書、データの集計とその後の通知のみ行います」
 如月鬼堂はきっぱり役割分担を宣言する。
 「ではそう致します」
 大河内税理士も了解する。
 珠洲と瀬里菜がスクール水着姿で生ビールを配って空のジョッキを引き上げる。水着に包まれた股間は目の当たりに近付く。
 二人は三人の男性来客をむらむらさせることを楽しんでいる。
 「ところで皆さん。SMプレイの保険を作れませんかね」
 如月鬼堂が提案する。
 「確かに必要ですがね」
 「難しいね」
 館山弁護士は保険会社として許可を取れるか懸念している。
 「私が恐れるのはSMプレイの怪我が表沙汰に成って世論が厳しくなることです」
 「訴えられても合意のSMプレイでは傷害罪にはなりません」
 館山弁護士が断言する。
 「たいした慰謝料が取れないと民事の賠償訴訟に成らないとは言えません。その場合マスコミが騒ぐと規制強化も有り得ます」
 如月鬼堂は切実に心配している。
 「確かに高い慰謝料は取れませんね」
 福富麻次郎も同調する。
 「でも払えない人に訴訟を起こしても無駄では」
 「金持ちほど払いません。払える払えないより訴訟に成ること自体を恐れるのです。内容如何ですが最大一億くらいは保障されないと」
 「そうですね」
 また福富麻次郎が同調する。
 「そうよパパ。絶対必要だよ」
 珠洲もおでんをよそって露天風呂の淵に僅かに設えたカウンターに置きながら強調する。
 如月鬼堂の家に取材のプレイに来て自分らが送迎した女性らが理不尽なことに成らない様にと思っている。
 「海外から保険を適用してはどうでしょう」
 「交渉出来ますか」
 「やってみましょう」
 福富麻次郎が引き受ける。
 「ただ保険が掛かったことでハードなプレイが増えませんか」
 「そこはもし保険が適用されたら次からは保険金額を格段に上げるのです。そして保険なしのプレイは総てのクラブで断るのです」
 「その連携も必要ですね」
 福富麻次郎はやや難しさを懸念する。
 「闇営業とは言えませんが、保険に提携しないクラブをどうするかですね」
 館山弁護士も問題点を突く。
 「個人が入っていれば何処のクラブでも適用されます」
 「問題は保険なしでプレイさせるクラブです」
 「働く女性に保険に提携するクラブで働くようアピールするしかありません」
 如月鬼堂もここが苦しい。
 「いやあ。保険が始まってそれ無しで遊ばせるクラブは殆どないのではないですか」
 福富麻次郎は風俗オーナーである。自分の見解に自信はある。
 SMクラブは一人の客よりハードなプレイで人気のホステスが潰れることを警戒する。女を護る方に神経を使っている。
 福富麻次郎中心に保険の話を進める方向で纏まった。
 
 如月鬼堂はAV女優二人と混浴巡り旅のロケから戻って来た。珠洲が熱海まで車で迎えに来た。
 如月鬼堂は名古屋行きのこだま号で戻って来た。さすがに疲れ切っていた。
 部屋のドアを開けると放し飼いになっていたぺーが出迎えてくれた。
 如月鬼堂が玄関を入って板の廊下に膝を着いて腰を下ろすと膝に乗ってくる。そこに二本足に成って立ち前足で胸を登ろうとする。
 持ち上げて頬を付けるとぺろぺろ舐める。
 適度なところで珠洲が引き取る。
 「パパ。今度の愛好会で美緒里さんを虐める超残酷拷問の提案だらけよ。もう凄い内容だらけ」
 瀬里菜はもうとんでもないと言いたい口調である。
 「全部使うわけではない。提案でも修正もする」
 如月鬼堂は疲れを癒すが先である。
 珠洲と瀬里菜はまた際どい姿になる。
 如月鬼堂は湯が入っていた内湯に浸かる。
 珠洲と瀬里菜が二つの桶に手分けしてビールとスパークリングワイン、グラスを運んで来る。
 その姿はほぼ全裸なのだが縄で縛ったのではない。縄で作った下着とも言えない。胸は高手小手の縛りを乳房だけに掛けた縄の枠だけのブラである。
 股間も二本の縄が縦に通っている。腰は一本の縄である。これも枠だけの下着姿である。
 二人は湯船に浸かっている如月鬼堂の両側の湯にぴったり躰を付けて座る。
 「ぜんぜんパオーンしないね」
 珠洲は如月鬼堂のさおが起たない事に不満である。
 「パパそれ起たないと小説が進まないよ」
 瀬里菜もそっちに気を使っている。全裸と変わらないのにさらに奇抜な姿で性感をくすぐりたいのである。
 「今日はそれどころではない。疲れたよ」
 「お姉さん達にたくさん抜かれたの」
 「抜かれはしないが、指で潮をたくさん噴かせてくたくただよ」
 そう言いながら瀬里菜が注いでくれたビールを一気に飲み乾す。
 「近日中にあの三人を呼んで検討させよう」
 如月鬼堂は今夜はまったりしたい。
 「ねえ。いつ放映されるの」
 瀬里菜は混浴巡りの旅をインターネット放送で放映する時期を確認している。
 「全裸美人コンテストの本番放送の後じゃないかな」
 
 今回はプログラムを練りに練ってSM愛好会の日が来た。
 プログラムが作られたのは今回がはじめてである。全員に配られている。内容を知らないのは生贄の滝本美緒里だけである。
 プログラムは大河内税理士と風俗業チェーンオーナーの福富浅次郎、館山嘉郎弁護士の三名が徹夜で議論して作られた。
 如月鬼堂、珠洲、瀬里菜は部屋に戻って眠ってしまった。
 滝本美緒里は一回三百万の手取りである。愛好会の会員から指名を干された現状では断る訳には行かない。
 本多椿も参加している。自らの宣伝を兼ねてである。
 観客席は後方が鉄パイプで設営されている。大相撲の名古屋や福岡開催時の升席の様に作られている。逆に前列は砂かぶりと同じで座布団である。
 升席はビールを飲めてつまみも持ち込める。後ろに階段がありそこから下に下りる。
 升席の後ろに販売コーナーがありガラス張りの冷蔵庫数台につまみが準備されている。店長ともう一人が会計をする。
 砂かぶりは飲食禁止である。
 場内は二百六十名の入場者で満杯になっている。
 審判長の座る正面と東西三方に砂被りと後ろに升席がある。向こう正面赤ふさ下行司溜まりにあたる場所は何もない。
 正面は全体から見える高さに大型スクリーンである。
 円形ステージは予備を含めて四台をT字に置いている。
 土俵と違って空間は開いている。
 大河内税理士は審判長の位置に座っている。館山弁護士が東、福富麻次郎が西の審判の位置である。
 カメラ担当はそれぞれの横に一人ずつ座る。これも会員である。
 本多椿は大河内税理士の横で待機している。
 滝本美緒里は控え室に待たされている。
 先に本多椿がステージに上がる。
 「本多椿と申します。真性奴隷女の館にこの度登録されました雌奴隷です。どうぞお見知りおきください」
 挨拶をして本多椿はジャケットを脱ぎブラウスのボタンを外す。脱いだジャケットは籠に落とす。
 スカートも落として下着姿となる。
 「私のブラを外して買って頂ける方」
 競りが始まる。そしてぶらもショーツも売ってしまう。
 「私は生物プレイまで出来ます。クラブでお待ちしております」
 そう挨拶して本多椿はクスコを取り出す。
 蛇の入った水槽を大河内税理士が演台に上げる。
 本多椿は自分の手で膣にクスコを挿入する。そして水槽から蛇を掴み取る。むろん毒の無いおとなしい蛇である。
 それをそのままクスコに首から入れてしまう。
 満場から拍手が沸く。
 このシーンは敢えて滝本美緒里には見せない。
 ステージを片付けて会員が控室から二人で滝本美緒里を引き連れて来る。
 「何で三時間も監禁するの」
 「尿を溜めて下着を汚すためだよ」
 「そこまでして」
 滝本美緒里は憤慨しながらも恐怖の坩堝である。躰は微妙に震えている。
 「さあ。ステージに上がって全裸になれ」
 会員の男は横柄に命令する。
 足元が震える滝本美緒里を演台に押し上げる。
 滝本美緒里は演台に上がっても会員の多さに慄いたままである。
 「どうした初めてじゃないだろ。美人コンテストではすらすら脱いだぞ」
 この会員は倉科香奈から金蹴りを受けた会員の代わりに倉科加奈を四の字固めにしたガタイの大きい男である。
 「・・・・・・・」
 滝本美緒里はジャケットを脱いだが震える手でブラウスのボタンを外す。これまでにも見た光景である。
 裏の全裸美人コンテストで何人もの間に脱ぐのと演台に一人だけの違いかもしれない。
 既に拷問椅子が後ろに用意されている。
 スカートを落としてストッキングとショーツを重ねて脱いで丸める。
 膝を突いて座る。手で隠しながらブラを外す。正座して乳房を手で押さえたまま演台の上で固まる。
 会員二人が躰を両側から持ち上げて拷問椅子に乗せる。
 「・・・・・・・」
 滝本美緒里は無言で堪えている。
 拷問椅子の上で股を百二十度に開かれる。その全裸をスクリーンに拡大して投影する。
 大型スクリーンは滝本美緒里の真後にある。さらに真正面にも左右にも従来のスクリーンが吊るされている。
 滝本美緒里は大人数の中にこれ以上ない恥ずかしい姿に置かれてもう思考能力さえない。顔を横に伏せて恥ずかしさに曇らせて堪え続ける。
 一人目の担当が演台に上がる。
 膣用とアナル用のクスコが用意されている。他小道具がワゴンに乗せて演台の後ろに運ばれる。
 会員はアナルからクスコを挿入する。アナル用の先端が丸く十五ミリくらいの口を突っ込む。螺子を回して三つに割り肛門を開いて中を広げる。
 懐中電灯で照らして内部を拡大する。
 指を入れて便が確認されるので浣腸の準備をする。
 滝本美緒里は堪らない。便は出して綺麗にしてきたつもりである。この人数の前で浣腸はどうにも堪えられない。
 「どうして浣腸するの。綺麗にしてきたのよ」
 無駄と解っていても講義するのが滝本美緒里である。
 「浣腸もプレイメニューの範囲だ。クラブのホームページを見ろ」
 会員はきっぱり言って退ける。
 「・・・・・・」
 滝本美緒里もそう言われてしまえば言い返しようもない。SMメニューの基本である。
 冷やした浣腸液の入った極太の浣腸器を他の会員が持って来る。それをステージの会員が受け取る。
 冷たい液であることは一目で判る。滝本美緒里はそれを直腸に受ける恐怖に慄く。
 既にその表情は凍っている。
 それを横目に会員はアナルに浣腸器を差し込む。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい液が進入してきた悲鳴である。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腹の痛みは一気に襲う。
 滝本美緒里は固定された拷問椅子の上で藻掻く。
 会員は浣腸器を必死に押さえてシリンダーを押し続ける。
 「うぐぐうううーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の顔は究極に歪み切っている。
 この表情は大河内税理士の溜飲を下げる。
 会員は浣腸液を注入し終わると苦しむ滝本美緒里を一瞥してアナル栓を捻じ込む。
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。い、いたいよーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は泣き叫ぶ。もう恥ずかしさどころではない。
 それでも会員は演台を降りてしまう。
 「だあめーーーーーーーーーーーーーー。い、いたいいーーーーーーーーー。とってーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は苦しみに藻掻きさらに泣き叫ぶ。
 それを見ながら高い段の升席では料理をつまみながらビールを酌み交わす。
 みな滝本美緒里が苦しみぬいた後に究極の恥の姿を待っている。
 滝本美緒里を磔にした拷問椅子の真下に大きな透明なボールが置かれる。
 「どうだ苦しいか」
 「ううぐううーーーーーー。苦しいに決まってんだろ」
 「うんこしますと言え」
 滝本美緒里は恨みの篭った目で会員を見返す。そして苦しみにさらに顔を歪める。
 「うんこーー。し、ま、すーー」
 滝本美緒里はどうにも痛みに絶えられない。プライドを放棄せざるを得ない台詞を吐き出す。
 「よし抜いてやる。よくスクリーンを見ろ」
 会員はアナル栓を捻る様に抜き取る。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ズウウーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 水と便がほぼ同時にボールに叩き付けられる。
 「うううーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は苦しみ藻掻きうめき声を搾り出す。そのままどろどろの便をアナルから断続的に流しだす。
 そして堪えられず溜まっていた小水も漏らしてしまう。
 満場から拍手が沸く。
 アナルの周りも便でぐちゃぐちゃである。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いは止まらない。
 会員は股間をタオルで拭いて次の準備に掛かる。滝本美緒里は悔しい顔を顰めて堪え続ける。
 ここまで羞恥を晒すとは思ってもいなかった。滝本美緒里には殺される以上に辛い羞恥である。女のプライドは地に堕ち精神は死んだも同様である。
 だが死ぬわけには行かない。息子の将来を守らなければ成らない。
 会員はもう一度アナル用のクスコをアナルに挿入して広げる。さらに膣用も挿入する。こっちも螺子を回して広げる。それを懐中電灯で中を照らす。
 滝本美緒里の二つの穴が内部まで公開された。
 場内からは拍手が沸く。
 滝本美緒里は恥ずかしくてどうにもならない。顔を横に逸らせて堪え続ける。堪える表情は本来気丈な芯を宿す顔が恥ずかしさに崩れきっている。
 会員は電動歯ブラシのような形のバイブを二本持ち出す。
 電動歯ブラシのL字のブラシの部分が小型の卵バイブである。
 これをアナルと膣の内側から双方中で粘膜を挟んで当たる様にする。そのまま卵バイブの電流を入れる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これも強烈な責めである。
 会員は一人では難しい様子で仲間を呼ぶ。
 あと一人加わって滝本美緒里の膣下壁と直腸の上壁が重なる薄い部分を両側から責め続ける。
 「ああううーーーーーーーーーーーーー。あうううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 二人になったので責める部分はペンライトで照らされスクリーンに拡大されている。
 滝本美緒里には限りなく不本意な官能である。責めに反応したくはない。だが責めが強力であれば感じてしまうのが女の性である。
 「ああーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 遂に滝本美緒里は逝き顔を晒してしまう。
 初期の責めなので逝き顔までで終了する。
 滝本美緒里の陰毛は全裸美人コンテストの時に剃毛された。それから既に生え揃っている。
 会員はそれを鋏でカットする。もう一人がローションを掛ける。T字剃刀であっさり剃ってしまう。
 剃毛までがこの会員の担当であった。
 剃毛された女の部分の周りは楕円形に紅が濃い。白い肌に艶かしくその部分を強調する。
 滝本美緒里は太股に僅かに肉を着けている。腰もややボリュームがある。だが太ったイメージはまったくない。
 ややスポーツ選手的ヌードとも取れる。そこが鞭で叩くことに罪悪感を感じさせない。虐めるに最適と言える。
 次の会員二人が交代して演台に上がる。
 滝本美緒里は一度拘束を解かれ拷問椅子から降ろされる。拷問椅子も演台から下ろされる。
 滝本美緒里は立ったまま手首を縛り合わされる。その縄を天井から吊るしたフックに通して引っ張られる。
 続いて片方の脚首に縄を掛け後ろ方向に持ち上げ手首の縄を引っ掛けたフックに引っ掛け引っ張り上げる。
 もう片方の脚首にも縄を掛け背中方向に持ち上げ同じ天井のフックに引っ掛け引っ張り上げる。
 滝本美緒里の躰は空中に一つのフックに三本の縄で吊るされている。
 体勢は日本古来の縛り駿河問いに似ているが手首と脚首が纏めて縛り合わされてない。
 滝本美緒里の躰は手首の吊るしから腰まで空中に弓の字に下がっている。
 躰は腹と腰で曲がる。太股が真後ろに伸び膝から下が上に九十度に跳ねる。その脚首が二本の縄に吊られている。
 体型の割にやや大きめの乳房は肩が上に引っ張られても平らに崩れない。その弾力と乳輪の赤さを誇示している。
 五十年配の細身の会員が滝本美緒里の乳房を両手で持つ。乳房を掴んだまま躰を回し正面に対して横向けにする。そのまま乳房を持って躰を押さえる。
 もう一人やや太めの会員が両脚の後ろに立つ。そこで鞭を構える。先の細い一本鞭である。
 滝本美緒里は叩かれることを察して縮み上がる。目は釣り上がって後ろを警戒している。
 会員の一人が乳房を持って躰を押さえている状態でもう一人が股間をめがけて鞭を振り下ろす。
 「ぐうおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端はアナルから閉じ合わせた女の部分の粘膜を叩く。
 「おおおおーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里はがくがくと硬い動きに躰を振って痛みに悲鳴を搾り出す。
 客席は静まり返っている。壮絶な痛みが迫るように感じ取れる。
 今度はいま叩いた会員が両方の脚首を持って滝本美緒里の躰を押さえる。
 乳房を持っていた会員が六条鞭を持つ。叩く部分は分厚いテープ状の革で作られている。バラ鞭と雖も強力である。
 横から乳房を薙ぐように強く叩く。乳房は両方とも歪みひっしゃげる。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の躰は後ろに仰け反る。
 もう一発叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーー」
 大口を縦に破裂させて悲鳴を轟かせる。
 さらに叩く。
 「うおーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の躰は痛みに空中で震える。
 本多椿は大河内税理士の横で真剣な目で見ている。
 如月鬼堂は中央の最上段でビールを飲みながら見ている。この枡だけ二人である。珠洲も瀬里菜も来ていない。横に居るのは荒井枝里である。
 荒井枝里は近い将来このファッション喫茶の店長になる。それでも如月鬼堂の要求があればプレイには応じることに成っている。
 今の店長は大阪に行く。南に新店舗を出す計画である。愛好会も大阪から会員の参加が顕著になっている。
 珠洲と瀬里菜はさいたま市の事務所に向かった。本の発送が停滞しているので応援である。
 演台では滝本美緒里が乳房を数十回、女の部分を五回叩かれて驚愕の悲鳴で終了して吊るしから降ろされた。
 ここで休憩が入れられた。
 滝本美緒里はシャワールームに逃げ込んだ。泣きながら躰を洗いアナルを洗う。局部にシャワーを当てて痛みを癒す。
 演台の上には一メートル四方の鉄板の台に建てられた柱が設置された。
 鉄板の台に建つ柱の根元には平たい板が脚枷用に横に渡されている。その板に脚首を入れるくり貫きが三つある。
 金属の板で蓋をする構造に成っている。
 時間になって滝本美緒里はシャワールームから一応バスタオルを巻いて出て来た。
 交代した二人の会員にが待ち構えていた。
 バスタオルは剥ぎ取られ柱の前に立たされる。そのまま柱の後ろで両手首を縛られ柱に固定される。
 脚を広げて板の両サイドの穴に脚首を押し込まれる。
 金属の蓋をしないで縄で脚首を縛る。板のくり貫かれた奥の一番浅い部分に縄が掛けられる。
 蓋で固定しないのは鞭で強く叩いた場合に反動で脚が跳ねる。その時予定外の痛みと軽い怪我が発生する。それを避けるためである。
 予め大道具の使用に如月鬼堂から注意が出ていた。
 滝本美緒里は全裸で躰のフロントを晒した状態で躰を躱すことが出来ない。
 片方の会員の持っている鞭は七十センチ位の六角棒の先に五十センチ位の平たい厚めの革の先端部が付いている。強力な一本鞭である。
 もう一人は教鞭の様な細い竹の棒を持っている。これで叩かれると間違いなく蚯蚓腫れになる。
 滝本美緒里はさらに恐怖に震える。シャワー休憩前の鞭はこれまでより回数が少なかったが第二段があるとは思ってなかった。
 一本鞭の会員が滝本美緒里の乳房を叩く。
 今度は二つあわせて薙ぐのではなく片方ずつ強く叩く。
 「ぐうーーーーーーーー」
 もう片方も叩く。
 「うごーーーーーー」
 鞭の痕が直ぐ乳房に赤い筋と成って浮いてくる。近くで見ないと判らない程度だがスクリーンに拡大すると確り確認出来る。
 今度は太股を叩く。
 「うおーーーーーー」
 太股は乳房より鞭の痕の赤がくっきり見える。
 「うおーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーー」
 数発叩かれて乳房も太股も赤い鞭の筋が無数に奔っている。
 竹の棒鞭を持った会員がその鞭の痕をなぞるように叩く。
 「うーーーーーーーーー」
 直ぐに蚯蚓腫れが浮き上がる。
 「うぐうーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の躰全体から叩かれた後の痛みが強く襲っている。その表情は苦しみに歪み切っている。
 竹の鞭を持った会員は太股に数本蚯蚓腫れを作って乳房を叩く。
 「ぐわああーーーーー。ああはあーーーーーーん」
 痛みに滝本美緒里の顔から涙が流れ落ちる。
 それでも叩く。
 「ぐううーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーん」
 既に滝本美緒里の躰は鞭の赤い筋に蚯蚓腫れが浮く。それが徐々に赤紫に変色している。
 一本鞭の会員がその上から叩く。
 「うごおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は躰を振って痛みに泣き喚き悶える。
 竹の鞭を持った会員がその上から蚯蚓腫れを狙って叩く。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーー。あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の顔から溢れる様に涙が流れる。尋常な痛みではない。
 一部蚯蚓腫れが割れて血が滲んでいる。
 ここで脚首の戒めを一度解かれる。
 柱の下に横に渡された脚枷の真ん中のくり貫きに右の脚首を押し込まれて同じ様に縛って固定される。
 会員二人で左足を持ち上げる。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 緩く閉じ合わせた女の部分が丸出しになる。
 一人が太股を抱きかかえ一人が脚首に縄を掛ける。そのまま天井から釣り下がったフックに引っ掛け強く引き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の脚は引っ張れる限り持ち上げられ躰は弓なりに曲がって手首を縛った縄にぶら下がっている。
 太股の筋肉は怒張して滝本美緒里らしい脚が強調される。
 まだ鞭の痕が付いてない白い内腿を叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー」
 上に引っ張れた左脚の内腿を強く叩く。
 「ぐうおお、おーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の躰は強く震撼する。
 顔は涙と涎にぐちゃぐちゃである。
 一本鞭の会員が鞭を腋に挟んで滝本美緒里の右脚の後ろにしゃがむ。そこから女の部分のビラビラを広げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。やめてーーーーーー」
 滝本美緒里は涙声を振り絞って許しを訴える。
 「動くな!クリに当たらない様に叩くのだ!動くとクリが割れるぞ」
 滝本美緒里は恐怖に縮み上がり壮絶な表情で会員を見返している。
 会員はきっちり狙いを定めてピンクの尿道口付近を力の限り叩く。
 「ぐぐぐぐううううーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は強く腰を振って押さえている会員を押し離す。
 「がああああああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがあーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴が搾り出す様に轟きまた涙が噴出す。
 「おおおおーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な状態はしばらく治まらなかった。
 滝本美緒里の驚愕の悲鳴と号泣がようやく治まる。そこで縛りから開放されて再び拷問椅子に移された。ここで会員は次の四人に交代する。
 隣の演台に数本の蝋燭が立てられ点火された。
 滝本美緒里は今の蚯蚓腫れだらけの躰に蝋涙が掛けられると察しが付く。恐ろしい拷問である。
 どんなに泣き喚いても許されないと理解している。唯々恐怖に縮み上がるのみである。
 会員らは蝋涙が芯の周りに溶けて溜まるのを待っている。
 升席では滝本美緒里の悲鳴が上がる度にあちこちで歓迎の乾杯が起こる。
 会員には自営業者や会社経営者が多い。元国税庁職員の滝本美緒里にはまったく同情することはない。
 如月鬼堂に税務調査を入れて元国税の大河内税理士の怒りを買ったことも知れ渡っている。
 一人ずつ蝋燭を持つ。
 「ああーーーーーーー。だめーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は無駄と分かっていながら唯々喚く。
 一人目が乳房に掛ける。一気に乳房は蝋涙に包まれる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 掛けられた瞬間滝本美緒里の顔は大口を空けて般若の形相に凍り付く。
 「あはあ。あはあ。あはあ。はあ。はあ」
 滝本美緒里の躰はぶるぶる震える。
 それでも次の会員が滝本美緒里の表情を充分に堪能してからもう片方の乳房に溶けて溜まった蝋涙を掛ける。
 「うおーーおーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は地獄の真っ只中である。
 両側から二人の会員が各々太股の蚯蚓腫れを狙って掛ける。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の顔は大口を開け般若の表情に破裂している。
 最初の一人が最後の一本を手に取る。
 残る三人のうち二人が左右から女の部分のビラビラを広げる。
 「ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーー。もう。もう。ゆるしてーーーーーーーー」
 滝本美緒里は無駄と理性で分かっても恐怖から泣き叫び続ける。
 幾つかの升席でまた乾杯が起きる。紳士ばかりなので相撲や国会の様に野次は飛ばない。
 蝋燭を持った会員はじっくり至福の構えである。
 蝋燭が真上に来る。芯の周りに溶けた蝋涙が溜まっている。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の甲高い悲鳴が場内を劈く。
 その悲鳴を噛み締めて会員は至福の蝋涙を構える。滝本美緒里のピンクの粘膜に飛ばす様に投げ掛ける。
 大方は床に落ちる。一部が到達してピンクの粘膜を包む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里の眉間が究極に軋みさらに甲高い悲鳴が全員の耳を突き刺す。
 「あーーーーーーー。はあーーーーーーーーー。はあーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 滝本美緒里の荒い息遣いはなかなか治まらない。
 如月鬼堂の横で見ている荒井枝里は事情を知っていても深刻な表情である。責めの辛さを充分に分かっている。
 そしてこの状態で女を責められたら間違いなく百パーセントの逝き顔を晒して失神してしまう。
 荒井枝里は如月鬼堂の表情を窺いながらビールを注ぐ。
 如月鬼堂は無表情で演台を見ている。荒井枝里が責められて泣き悲鳴の後に唇を貪られる。その時の様な興奮している様子はまったくない。
 会員らは滝本美緒里に被せた蝋燭を剥がして躰を軽く掃除する。
 次のメンバー三名が交代する。
 ドリルバイブ三本、電マが二本用意されている。
 滝本美緒里は拷問椅子に乗せられたままである。
 ドリルバイブも恐ろしい責めだが滝本美緒里はやや安堵してしまった。不本意な逝き顔を晒されるのは限りなく理不尽だがそれどころではない。
 会員はローションの瓶を手にする。そしてまず膣に指を入れる。
 「この女この状態で濡れているよ」
 会員の露骨な言葉が滝本美緒里の神経を劈く。責められると分かると躰は自然に濡れてしまう。
 どんなに不本意でもイッてしまえばその官能は強く残っている。躰が自然に反応するのが女の性である。
 会員は一応膣をローションで濡らしてアナルにローションを指で入念に塗り込む。
 「ああーー。いやあーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は指の進入に嫌悪する。
 容赦なく膣にドリルバイブの先端が進入する。
 「ああーーーーーー」
 スイッチが入り一気にドリルバイブのピストンと振動の責めが襲い掛かる。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 まったく抵抗は出来ない一気に上り詰める。
 アナルにも挿入する。
 「おおーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーー」
 両方一気に責める。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 滝本美緒里は究極の逝き顔になる。
 そして一気に堕ちる。
 「あはあ。あは。はあ。はあ。はあ。はあ」
 既に白目を剥きかけて荒い息遣いに戻った。
 「そんなに時間はない。メインで行こう」
 それは極太の擬似男根を付けたドリルバイブである。
 「やめてーーーーーーーーーー。そんなの。こわれるよーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーー」
 また滝本美緒里は泣き喚く。
 それでも挿入される。アナルの細いのは入れたままである。
 「あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だ、あめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は断末魔の表情である。
 それでもスイッチが入る。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 一気に白目を剥いて首は横に倒れてしまう。
 ドリルバイブの動きに反応はなくなる。
 直ぐに抜いて次の準備に掛かる。
 蛇を入れた水槽が運び込まれる。最初に本多椿が膣に入れた蛇である。
 クスコが挿入される。滝本美緒里は失神したままである。
 大河内税理士の指示で本多椿が演台に上がる。
 蛇を手で掴んで滝本美緒里のクスコで大きく開いた膣に挿入する。
 適度にピストンさせて抜く。
 交代で会員の医師が演台に上がって精神安定剤を注射する。
 意識を回復した滝本美緒里に本多椿が蛇を持って近付く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里はそれを見て悲鳴を上げる。
 「さあお姉さん。今度は蛇イレポンでイッちゃいましょう」
 本多椿は明るく言う。
 「なに考えているの!やめてーー。こないでーーーーーー」
 滝本美緒里は恐怖に必死に叫ぶ。
 「大丈夫よ。私も入れたよ」
 そう言って演台にお尻を降ろす。本多椿は自らクスコを挿入して蛇の頭を挿入する。
 「ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里には恐怖の光景である。
 「もう既にここに入ってしまったのだよ」
 ステージに居た医師の会員はスクリーンを指差す。
 そこにはたった今の失神したままの滝本美緒里に本多椿が手で蛇を挿入するシーンが放映される。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里は驚愕の悲鳴である。
 本多椿が自分のクスコを抜いて手で掴んだ蛇を滝本美緒里のクスコの奥に挿入する。
 「ああああ、ああーーーーーーー。あああーーーーーーーー。あわわあーーーー」
 滝本美緒里は口から泡を噴いてしまう。
 会員の医師はここで中止を宣告した。
 この後に駿河問い虫拷問が予定されていたが中止になった。
 気狂いにしてしまうといろいろ支障がある。
 「まだ時間が残っているぞ」
 最後に大河内税理士が演台に上がる。
 「まだ何をするの」
 滝本美緒里は恐怖に震えている。
 「責めは終了だ。ここからは心を責める尋問だ」
 「・・・」
 「随分気持ちよくなっていたが」
 「あんな物で強制されたら誰でもおかしくなっちゃうでしょう。こんなところで裸にされて見世物で、イキたい分けないでしょう」
 「その割には濡れていたらしいが」
 「責められると分かって躰が防衛するのよ」
 「もっと素直にならないとな。クラブの仕事はこれまでだ。あとは指名を取らないと収入に成らないぞ」
 「あんたが抑えているのだろ」
 「本多椿は今日どんどん指名予約が入っているぞ」
 「・・・・・」
 滝本美緒里は黙ってしまう。
 「感じてしまいました。私は淫乱女ですと認めろ」
 「あんたらが強制的に淫乱にしているんだろ。もうーー」
 「もっと素直にイクのだ。そして生物責めを受け入れろ」
 「そんなーー。夢に蛇が出てきておかしく成っちゃうよ。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 滝本美緒里はヒステリックにぼろぼろ涙を溢す。
 「蛇以外はどうだ」
 「どうして子供が出てくるところにあんな酷い事をするの。人間じゃないよ」
 「それじゃアンケートを取って見ような。お前と生物プレイ無しで個人プレイしたいか。愛好会のショーが良いか」
 「判ったよ」
 本多椿の予約は既に会員への宣伝だけで一ヶ月以上先まで埋まってしまった。
 
 全裸美人コンテストの第一回本番は華々しく行われた。インターネット放送では肝心な部分はモザイクが掛けられ言葉の表現に留められた。
 録画は海外サイトで無修正のまま販売される。如月鬼堂に多大なロイヤルティがある。しかも毎年行われる。
 一回目は予定通り岡田有美が優勝した。


 最期のSM小説家 第四幕 女の性 完





 最期のSM小説家 第五幕 堕とされた女の人生

 二〇二十年春分下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 コロナの感染騒ぎの自粛たけなわであった。
 伝染病は観光ばかりか風俗業の集客を究極に減らす。
 如月鬼堂がサポートする真性奴隷女の館ではSM愛好会の会員は安全と暫く愛好会の会員に限定して営業した。
 クラブにどう責めても逝かない女が入ったと噂に成る。そして会員らから如月鬼堂に報告が上がった。
 暦より季節的に春まだ浅い。如月鬼堂らはもう少ししたら伊東線の宇佐美から越後湯沢に移る予定である。
 今年は雪に閉ざされることがなかった。スキー場は大打撃だが早く戻っても支障はない。雪さえなければ越後湯沢の設備が良い。
 如月鬼堂は東京に立ち寄ってクラブのプレイルームに飯豊真里菜を呼んだ。
 美人というには顔の均整にややずれを感じる。それが特徴で柔らかい表情で可愛い女である。
 滝本美緒里の様に気丈には見えない。ハードに責めるにやや躊躇いが生じる。
 それでも今回は責めることにした。
 究極の辱めから行う。
 シャワー室に行こうとする飯豊真里菜の腕を掴んで止める。
 飯豊真里菜も既に会員らが如月鬼堂と同じやり方を強制するので止められたら仕方ないと諦める。
 肩を掴んでグレーの清楚なジャケットを脱がす。続いて純白のブラウスのボタンを外して行く。
 直ぐにブラが姿を現す。ブラは白のブラウスに透けないように薄橙である。
 クラブでは白を指定していた。
 それに従えないこの女のハニカミ体質が良く判る。
 肩の後ろから腕を回して躰を抱える様にブラの上から乳房を掴む。もう片方の手でタイトスカートの横のファスナーを下げる。
 軽く引いて下げるとスカートは一気に床に落ちた。
 やや色の濃いバーモンブラウンのストッキングの下はベイジュで水着に近いインナーショーツである。
 飯豊真里菜は脱がされたときの恥ずかしさを強く意識していると思える。
 如月鬼堂は飯豊真里菜を後ろ手に縛ってその躰を壁に押し付ける。そこでフロントフックのブラを外す。
 掌にやや余るくらいの大きさで形の綺麗な乳房が露に成る。乳倫は小さい。乳首はそれなりに突起している。色はそれほど濃くない。
 飯豊真里菜を壁に立たせたままショーツを残してストッキングを脱がせる。白い綺麗な脚が丸出しに成った。
 ストッキングの色がやや濃いので脱がした白さが逆に艶めく。
 柔らかい太腿の感触を確認して最後のショーツを脱がせる。その部分は既に剃毛されて陰毛があった部分の赤い皮膚が露出していた。
 飯豊真里菜は恥ずかしさに顔を叛けたままである。表情に赤みが差しているのが確認出来た。
 この表情は事に慣れた如月鬼堂でも官能の満足を直撃されてしまう。
 後手に縛ったまま産婦人科診察台に上がらせた。
 脚乗せ台に脹脛を掴んで乗せる。短時間なので厳重に縄で縛らずベルトで固定する。
 もう片脚を掴んで股間が開くと飯豊真里菜は顔を叛けてしまう。
 生身の女の躰である。綺麗な裸でもそれなりに汚れ、変形、染み、黒子他特徴はある。それをこれから一つずつ指摘する。
 恥ずかしい部分をモニターに拡大して見せる。いちいち指摘する事が羞恥心の奥まで弄くることになる。
 「さあ。じっくり躰を監察するからね」
 「ええーー。洗ってないのです」
 「それが良いのだ」
 「ええー。やめましょう。せめて洗ってからにしましょう」
 「女躰の汚れを確認したいのだよ」
 「ええーー」
 飯豊真里菜は嫌悪するより表情を崩しきって堪らない様子である。
 「綺麗な乳首だ。乳房に黒子が二箇所」
 乳首をモニターに拡大する。
 「・・・・・・」
 飯豊真里菜は顔のバランスではやや開き気味の眉間に浅く皺を寄せて如月鬼堂を見返す。
 如月鬼堂は態と躰の匂いを嗅ぐ。
 「・・・・・・・・・・」
 飯豊真里菜は言葉なく首を振っていた。
 如月鬼堂は容赦なく女の部分のびらびらを広げる。
 「いやあ。いまは臭いですよーー」
 「それをじっくり確認するのだよ」
 一番恥ずかしい薄橙の内部をモニターに拡大する。
 「・・・・・・・」
 飯豊真里菜は顔を強く横に逸らせて目を細めて恥ずかしさに固まる。
 「周りはまだ薄小豆色だ。数年経てばドドメ色になる。内部は綺麗な薄橙だ」
 態と言葉で指摘する。
 「いや」
 飯豊真里菜は言葉にされいっそう恥ずかしさに固まる。
 如月鬼堂は面貌を取り出す。
 「有る。有る」
 粕を見つけて採取する。それを黒いプラスティックの板に擦り付けた。いつもの如月鬼堂のやり方である。
 それを飯豊真里菜の目前に翳してやる。
 「そら」
 一瞬それを見て強く顔を逸らす。
 「いや。いや。どうしてーーですか」
 飯豊真里菜はとても堪えられないと目を細めて首を振る。皮膚の乾きでも部分によっては指摘されると恥ずかしい。粕など到底堪えられない。
 「モニターを見ろ」
 女の部分を広げたとき大陰唇とクリトリスを包む包皮が広がる。小陰唇の間に普段空気の触れない重なった部分である。
 その部分に分泌物が白く乾いて薄く残る。これをピンセットで抓む。大方が壊れてしまうが僅かにプラスティックの板に載る。
 「どうだ」
 飯豊真里菜は警戒心から一瞬目を合わせる。
 「いや。もうーーお。だあめーーーーーーーーーですーーーーーーー」
 飯豊真里菜は顔を逸らせ表情を崩す。
 「女が恥ずかしさに堪えられない。その姿が最高に熱くなる。これが羞恥責めの悦びだ」
 「・・・・・」
 飯豊真里菜にもSMプレイである以上は羞恥責めと言われれば受け入れざるを得ないことは分かる。だが恥かしさに堪らない。何も言葉が出ない。
 浣腸の準備をする。今回は苦しめるより辱めることである。苦しめるのは鞭や電流の痛みの方が効果を期待できる。
 早急に掃除するべくイチジク浣腸を使う。連続で五本くらい注入した。
 飯豊真里菜は踏ん張り続ける。
 如月鬼堂は腹を擦りながらさらに注入する。
 九本まで注入してようやく決壊した。
 だが受けたボールに出たのは柔らかめのカレー状の茶色い水だけである。クラブに出勤する間際に綺麗に抜いて来たと思える。
 それでもガーゼでアナルの周りを拭いて透明なボールに堕ちた水を翳す。抜いてきたとはいえ軽微ながらそれなりに匂いは充満していた。
 飯豊真里菜は顔を逸らせて目を細めたまま首を振る。
 「浣腸は何回か受けているだろ」
 「ええーー。それでも」
 恥かしさに眩むように視線を逸らせる。
 如月鬼堂はクスコを手にする。
 飯豊真里菜は目を細めて顔を叛けたまま羞恥の顔色で固まったままである。
 あまりにも濡れていないのを推し量ってワセリンを塗る。
 「うう」
 飯豊真里菜は冷たい金属が膣に進入して僅かに呻き声を漏らす。
 螺子を回して内部を広げた。ペンライトで照らして子宮口を確認する。
 「女の奥まで綺麗に見えるよ」
 「いや」
 飯豊真里菜は堪らず眉間に強い皺を作って一言漏らす。
 二本のクスコを使う目論見である。
 続いてアナル用を手にする。こっちはキシロカインゼリーを塗る。キシロカインゼリーは皮膚表面麻酔である。
 「ああーー。ええーー。そっちも」
 飯豊真里菜は泣きべそ顔で辛さを訴える。
 容赦なくアナル用クスコを挿入して三方に金属の嘴を広げてアナルの内部を露にしてしまう。
 ペンライトを数本立てられる金属のポールが用意されている。それを診察台の前に持って来る。二本のペンライトで膣とアナルの中を照らす。
 その状況はモニターに投影されている。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は一瞬それを確認して悲鳴を漏らす。
 飯豊真里菜は恥ずかしさにどうにもできない。何も言葉は返せない。唇はぶるぶる震えている。精神が麻痺して中に浮いた状態である。
 「見ろ」
 飯豊真里菜は目を細めて堪らない羞恥に崩壊した表情で震えるように首を振る。
 「見て辱しめられるのもSMプレイのサービスだぞ」
 飯豊真里菜は限りない惨めさの頂点に突き上げられた断末魔である。涙を溢す。そして仕方無しに目を開けてモニターを見る。
 「はい」
 躰は高熱に犯されたように震えている。
 「どうだ」
 飯豊真里菜は涙目を振り飛ばす。
 「もう充分に恥ずかしさに・・・くらくら・・・困惑しています。・・・恥ずかし過ぎます。・・・もう無理です」
 飯豊真里菜はさらに涙をポロポロ溢す。実に可愛く愛おしい泣き顔である。
 もう女の総てを女の奥まで剥かれてしまった。もう隠すものは何も無い。恥ずかしさに堪えられない崩壊した感情も丸出しにされた。
 これ以上の裸は無いと思う。
 それも親父と雖も汚い親父ではない。こんな事をされなければ若い男より魅力すら感じたかもしれない。
 如月鬼堂はドリルバイブと鞭を用意している。
 アナルの開口器を抜き膣のクスコにローションとマスタードを流し込む。静かにクスコを抜き取る。
 如月鬼堂は飯豊真里菜の躰を開帳台から降ろして拷問椅子に移す。今度は縄を使って厳重に縛る。
 ドリルバイブを載せる台を運ぶ。ドリルバイブの本体を固定する専用の大道具である。
 台と拷問椅子をアームで螺子を使って接続する。
 飯豊真里菜の膣にドリルバイブの先端に接続した擬似男根を挿入する。そしてドリルバイブの本体を台に固定する。
 腰が逃げないように拷問椅子に腹と太腿二箇所を厳重に縛り付ける。
 飯豊真里菜の膣にはドリルバイブの先端に接続した擬似男根が三分の二位めり込んでいる。飯豊真里菜は動かないでじっとその装置を見ていた。
 如月鬼堂は一本鞭を構える。
 「叩くぞ」
 「はい」
 「首を動かすな」
 如月鬼堂の言葉で飯豊真里菜に緊張が奔る。
 右の乳首の内側を縦一文字に乳房を狙っていた。
 振りかぶって強く振り下ろす。
 ビシーー。
 狙い通り乳首の内側から乳房を縦に割る様に叩く。瞬間乳首が内側に折れて跳ねる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 縛られた躰が微動する。拷問椅子を押すように僅かに跳ねる。
 「うぐううーーーーーーーーーー」
 如月鬼堂は拷問椅子の右に回る。
 振り被って右の乳房を横に薙ぐ。乳房が強くへしゃげる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 縄に閉じ込められた躰が力強く微動に跳ねる。
 「うぐううーーーーーー」
 如月鬼堂は正面に戻って叩いた部分を見る。赤い筋が十文字に浮いていた。
 飯豊真里菜は強張った表情で如月鬼堂を見ている。
 「中は痒くないか」
 「少し痒いです」
 「ならばドリルバイブの責めを受け入れろ」
 「はい」
 飯豊真里菜はこの責めを恐れない。それどころか恥ずかしさ以前に気持ちよくなる期待もない。いまは痒みを癒したいだけである。
 特注のドリルバイブである。回転中にローションを膣内に補給する。ピストン、回転、振動の総てができる。
 乾いてしまっては痛いだけである。
 先に鞭でもう片方の乳房を縦一文字に叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の表情は一気に破裂する。
 その痛みの中ドリルバイブを始動する。
 「ううおおーーーーーーーーーーーー」
 回転運動で一気に膣の中を掻き回す。
 「うおおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は膣内を強く掻き回されて大口を開けて声を上げ続けた。
 如月鬼堂はそのさ中に一本鞭をきっちり乳房に叩き付ける。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の顔はさらに強く破裂した。
 如月鬼堂は一時ドリルバイブをローにする。そして頃合を見てハイに戻す。
 「ぐおおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 また一本鞭を構える。
 的確に狙いを定めて左の乳首を鞭の先端で直撃した。
 「ごおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ひいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブはハイで回り続ける。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声と共に飯豊真里菜の躰は拷問椅子に沈む。ドリルバイブはただ回っているだけである。
 飯豊真里菜の顔は横に倒れ白目を剥いていた。
 暫くそのまま放置する。
 飯豊真里菜の乳房には何本も鞭の赤い筋が浮いている。無残な状態である。
 「イッちゃいました」
 正直に告白した。
 「ずいぶん梃子摺らせたな」
 「はい。ずっとイケなかったのです」
 「強姦とか、大きな災難に遭ったか」
 「強姦なんてものでは。それでも犯罪には成らないようです」
 それは大阪に上京して大学を卒業後に初めて勤めた会社の社員旅行の出来事が始まりであった。
 今にして思えば最初から罠だったのかも知れない。
 飲み比べ大会が始まった。
 優勝者は芸者と呑み比べて賞金が貰える嗜好である。
 この会社の伝統として受け継がれている大会だと言われた。女子のみである。先輩女子社員から私達もやってきたと言われてやらざるを得なかった。
 飯豊真里菜は二回戦目で倒れてしまったのである。
 芸者に注意され指を突っ込んでも出してらっしゃいと言われた。
 その通りにしたがそこから記憶がない。
 翌朝気が付いたときは布団の中に全裸であった。それも課長らの居る男子の部屋である。
 四人とも既に目を覚まして自分を観察していた。
 「やっと気付いたか。お前夕べ此処でストリップやったんだぞ」
 課長の言葉に全身の血が引く。
 「今日はこっちの若い奴の童貞終了を手伝ってもらう」
 何を言っているの。いったいどうなっているのか恐ろし過ぎる現状に当惑どころかどうしたらよいのか思考が止まった。
 「真里菜さんいいですね」
 若い男は裸で寄って来る。当たり前の様に言われて首を振るのがやっとだった。課長と主任が後ろから嗾けて若い男は挑んで来る。
 自分が抵抗する力を失っていたが若い童貞はなかなか挿入が出来なかった。三人が横からサポートする。
 いつか自分の躰は押さえられ童貞のペニスは入って来た。
 それから残る三人にも輪姦されてしまう。
 それだけでは済まなかったのである。
 三人に縄で縛り上げられた。女の部分を玩具で責められ漏らすまで続けられる。課長の指で潮も噴かされてしまう。
 それからも潮吹きの練習と言って三人に散々指を突っ込まれた。
 最後は剃毛と言って股の毛を殆ど抜かれてしまう。泣き喚き続けた。
 そして痴態をとことん写真撮影されてしまう。
 まだそれだけで済まなかったのである。
 会社に退職を願い出したが規定で十五日は待たされた。その間に四人はアパートに乗り込んで来てしまう。毎日のように輪姦されたのである。
 「こいつの逝き顔を見よう」と言って散々責められた。気持ち良くなる筈などない。嫌悪の連続である。完全に玩具だった。
 さらに人数は増える。同じフロアの殆どの男たちにやられてしまう。
 会社を辞めて逃げるように関東に移った。
 それから感じない女になってしまったのである。
 「どうしてSM嬢に成った」
 「それは。こうなってしまって。せめて男から金を稼ぎたかったのです。それに・・・・」
 「それに」
 「他にまともな就職ができませんでした。どの企業も前の会社に問い合わせます。あいつ等の都合のいいように私だけ悪く言われたに違いありません」
 「それで」
 「それなら同じ事をされても金を取るしかないと」
 「それは正しい考えだ。協力しよう」
 如月鬼堂はこの女が訴えていれば活路はあった筈だと思った。だが余計なことは言わない。
 
 伊東線宇佐美の如月鬼堂らの暮らすマンションの大きな窓からは空気が澄んで海が綺麗に見える。
 まだ気候は冬場なので海岸には人一人居ない。
 カウンターキッチンで如月鬼堂は刺身を切る。瀬里菜はサラダバーの準備をしていた。
 如月鬼堂の指導する通りにドレッシングを作る。摺って袋詰めの大根おろし、胡麻油、ゆずポンのミックスで和風ドレッシングである。
 珠洲は如月鬼堂に合わせて同じものを使う。瀬里菜は市販のフレンチドレッシングを掛けた。
 珠洲は湯を沸かしラーメンを茹でる。
 市販の生ラーメンである。どんぶりを三つ並べて生麺に付属のタレを入れる。
 そこに湯をさす前に長ネギをスライサーでスライスした薬味を落とす。
 如月鬼堂は包丁も研げる。それでもラーメンの薬味だけはどんぶりの上からスライサーで落とす。
 まな板で切るとネギのエキスをまな板に流してしまう。どんぶりの上からスライサーで落とせばエキスがタレに混じる。
 如月鬼堂の拘りである。
 その上から湯を掛ける。
 メンマと茹もやし、海草、ボイル雲丹を乗せる。チャーシューは無い。如月鬼堂が食べないからである。
 如月鬼堂はビールを抜く。珠洲と瀬里菜はスパークリングワインである。
 テレビ関東では年配女性キャスターが司会でコメンテーターの大学教授が消費税値上げ後の消費低迷を解説していた。
 充分に対策したが駆け込み需要は伸びず増税後に売れ行きは下がった。そこにコロナウイルス騒動だと言う。
 「充分対策をした。違うな。電子決済だけポイント還元と言うやり方が違う」
 「パパ昨日言っていたよね。ポイント還元より非課税レベルを上げて低所得層の直接税を減らした方が良かったって」
 瀬里菜が昨夜のインターネットアダルト放送に於けるニュース番組のコメンテーターとしての如月鬼堂の発言を復唱する。
 「そう低所得層の直接税を減らして給料からの天引きを無くせばそのまま消費性向に回るって。ポイント還元では預金に回す層に撒くようなものと」
 珠洲が如月鬼堂のグラスにビールを注ぎながら続きを継ぎ足す。
 「それだけではない。電子決済は低所得層に縁が薄いだけではない。税金を根こそぎ取ろうと言う魂胆だ」
 「韓国の様に総てが電子マネーになればお金の流れが完全に掌握出来るからでしょう。それが景気対策に逆の影響するわけ」
 「アングラマネーが無くなる」
 「それが」
 「税金を払ったお金は天下晴れて預金できる。これは貯蓄性向だ。アングラマネーは使うしかない。消費性向に成る。腐敗混濁した社会ほど景気は良い」
 「パパ。それインターネット放送で言っちゃ駄目だよ」
 珠洲がすかさず注意する。
 「そうよ。表の社会はパパの敵だらけだよ」
 瀬里菜も同調する。二人は如月鬼堂の事を本当の娘以上に心配している。
 「そうだな」
 如月鬼堂もやんわり納得の返事をする。
 
 また陰湿な事件が起こった。
 それは新型コロナ肺炎の流行を利用した犯罪であった。防護服を着た男の一団が若いバスの女性運転士を集団強姦した。
 内容は強姦だけではない。それは凄惨なものであった。
 男らは最初からこの女性運転士に目を付けている。勤務日程など確認して路線の人の乗らない部分を選んでいた。
 路線バスは終点に向かって林道を走り続ける。客は防護服の六人だけと成った。人が居ないと判った停留所の寸前で停止ブザーを押す。
 バスが停留所で停車したところで降りるふりをして運転席に近付き女性運転手を確保する。
 「なにするのーーーーーーーー」
 抵抗するのを四人で座席に引っ張り出す。
 「やめてーーーーーーーーーー」
 暴れるのを四人で手足一本ずつ押さえる。
 一人が運転席に入りバスを出す。民家が無い横道の途中で止める。
 総ての窓の日除け幕を下ろす。
 二人が見張りに立ち残り四人で女性運転士の服を脱がせる。
 女性運転士の名前は原直子と運転者氏名の欄に札が填め込まれていた。
 小柄で細面の二十代後半の美人である。
 左手を押さえている一人が片手で制服のボタンを外す。
 「やめてーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーー」
 ブラウスのボタンも外す。薄紫のブラが丸出しになる。
 「やめろーーーーーーーーーいやだあーーーーーーーーー。いやあーー。いやーー」
 背中に手を回してフォックを外してブラを上に退かす。真っ赤な乳首が丸出しになった。乳房のふくらみもそれなりにある。
 やや垂れ気味が残念と言える。
 「ちくしょう」
 原直子は四人を見回す。どれも防護服に包まれマスクとゴーグルで顔は判別付かない。
 脚を押さえた一人が制服のスラックスのベルトを緩める。腰から引っ張り下げて足から抜き取る。ストッキングは履いていない。
 「ああーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 構わずブラを外した一人がショーツを毟るように股間から引っ張り下ろす。
 「ああーー。だめーーーーーーー。やめろーーーーーーーー」
 原直子は叫び藻掻き抵抗する。
 脚を押さえている方の一人がそれを引き取り脚首から抜き取てしまう。原直子は脚で蹴ろうと藻掻くが押さえは頑丈である。
 「ちくしょーーー。やめろーーーーーーー。いやだあーーーーーーー」
 腕を押さえていた一人が離れる。もう一人が肩の後ろから両腋に腕を突っ込む。そして自分の足の間に原直子の躰を抱きこみ腕で肩を確り押さえる。
 「やめろーーーーーーー。いやだあーーーーー。やめろーーー」
 押さえる事から解放された一人がカバンからバーナー、焼印を取り出す。
 バーナーに火を点け焼印を焼く。
 「・・・・・・・・・」
 それを見て原直子の表情は恐怖に凍り付く。
 「よく見ろ騒ぐと顔に焼印押すぞ」
 「・・・・・・・」
 その男は原直子の太腿に焼印を押し付ける。
 「ううおおーーーーーーーーーー。ぎゃああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 原直子は破裂した表情で悲鳴を上げる。
 焼印の文字は『淫女』と押されていた。
 「次は顔だぞ」
 「うう。うーー。うーー」
 原直子は痛みに呻き続ける。
 脚を押さえている二人が股間を広げるように脚を左右に引っ張った。
 「ああーー。いやああーーーーーーーーー」
 女の部分は全開になってしまう。
 「やめてーーーーーーーー」
 太腿に焼印を押した男がデジカメで写真を取る。スマホは使わない。
 「騒ぐなと言ったぞ。顔に焼印だぞ!」
 怒鳴っては居ない。鋭い口調である。
 社会の窓のファスナーを下げる。さおを出してスキンを装着する。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーー」
 スキンを装着した男は座席に置いた焼印をもう一度手にする。
 原直子の表情に恐怖の旋律が走った。そして叫びが止まる。
 男はローションを指に付けて膣口からめり込ませてきた。
 「うぐうーーーーーーーーー」
 中を?き回す。
 「ううーー。ぐううーーーー」
 眉間に強い皺を刻み目は細めて呻く。
 男は体を被せて挿入する。
 「うう。ああ」
 原直子は顔を反らせ目をきつく瞑る。
 六人が交代で行為を終えた。
 三人が押さえ二人が見張りに付いたまま最初の男が原直子のドテに強い粘着テープを貼る。
 震え泣いている原直子のドテを上から強く押さえて一気に剥がす。
 「うおーーーーーーーーー」
 陰毛が粘着テープに貼り付いて一気に毟り取れる。
 何度か繰り返してドテを大方無毛にしてしまう。
 「最後の仕上げだ」
 焼印をもう一度バーナーで焼く。
 原直子の唇は震えていた。
 ドテに『淫女』と焼印する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーー」
 原直子の顔の表情を破裂させた悲鳴が轟く。
 まだ納得しない男がその焼印をひったくる。
 バーナーでまた焼く。
 それを乳房に押し付ける。
 「うおおーーおーーおーーーーーーーーーーーーーー」
 原直子の美しい顔がこれ以上ないくらい醜く破裂する。歯を剥き出し般若の形相である。
 まだ欲情した別の男が焼印の角を焼く。
 「押さえて」
 皆に要求する。
 男は指でクリトリスを剥き出す。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 焼いた焼印の角を剥き出したクリトリスに押し付ける。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 原直子の断末魔の悲鳴が空気を強烈に震撼した。
 終わった瞬間、原直子は目を剥く様に全身の力が抜けて床に崩れてしまう。
 その後バスの中を掃除して証拠が残らないようにする。原直子の躰を自分で縄を解ける程度に縛って立ち去る。
 予め用意していた乗用車で走り去った。
 原直子はバスを回送にして警察署に直行する。その後病院に運ばれた。当然の如くバスの車内は鑑識の手で検分された。
 六人は用意周到に行った筈である。
 だが熊谷駅で公衆トイレに入って防護服で出て来るまで防犯カメラに捕らえられていた。
 警察の手は直ぐに回る。
 六人はアリバイを主張した。
 自分らは熊谷から秩父鉄道で寄居に向かったと主張する。
 寄居駅と熊谷駅の防犯カメラにも防護服が確認された。電車内での目撃証言も有る。
 原直子が運転する熊谷発東松山行のバスの発車時刻とほぼ同時刻に出る電車である。
 それでも警察はこの六人を逮捕した。
 バスの車内から採取した毛のDNAが内の一人に一致したからである。
 
 如月鬼堂にアダルトチャンネルの放送出演日がやってきた。
 埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件が放送内容となる。
 AV女優のアナウンサーが二人スクリーンの横に立ってトップレスでニュース内容を読んで解説を行う。
 「その容疑者は以前にこのバス路線に何度も乗ったからだと主張しました」
 右側のAV女優が解説する。
 「被害者の原直子さんもそれ以外の乗務員もその容疑者が何度かバスに乗った事は認めています」
 左側の女優が読む。こっちは岡田有美である。如月鬼堂の提案でこっちにも出演が決まった。
 「でも埼玉県警はこの六人を容疑者と見て取調べを続けています」
 右のAV女優が読上げる。
 「鬼堂先生。この六人が犯人と決める材料は髪の毛一本だけですね」
 メインキャスターは如月鬼堂に意見を求める。
 「そうです。この六人が犯人の六人なのか、電車に乗っていた六名なのか確証はありません。ですがこの六人が犯人なら防護服で電車に乗っていたと言えますか。両方の六人に共犯関係がなければこの主張ができません」
 如月鬼堂は当たり前の盲点を言う。
 「そうですね。この六人が犯人であればアリバイを作る共犯でなければ有り得ません。その時間に防護服を着て六人が電車に乗ると知り得ません」
 メインキャスターは如月鬼堂の解説を噛み砕く。
 「同じ六人と言う一致を警察は疑っているのでしょう。そしてバスは毎日掃除しているから以前に落ちた毛ではないという見解でしょう」
 「それだけで立件出来ますか」
 「状況証拠で進めるのが今のやり方です。疑わしきは罰せずの精神は有りません」
 「しかし電車に乗っていた六人が共犯でないなら名乗り出る筈ですね」
 「名乗り出ないのは共犯か逮捕された六人がこの電車に乗っていたかです」
 「先生はどちらと思われますか」
 「この手の犯罪になりますと強行に逮捕立件に成ります」
 「女性、特にフェミニスト層が煩いですからね」
 「私はこれだけでは送検、起訴以前に逮捕もされるべきではないと思います」
 「では先生はこの六人の容疑者は犯人ではないと」
 如月鬼堂は分からないと建前論を先に述べて次に付け加えた。
 おそらくこの六名が犯人で当初からアリバイ工作に別の六人を同じ防護服で電車に乗せたのでしょうと付け加える。
 それでも司法は状況証拠だけで動くべきではないと最後にさらに付け加えた。
 この六名は消毒会社の社員である。このバスを普段から営業所間の移動に時々使っていた。
 原直子はバスのドライバーにしては美人すぎる。そして乗客に細かく注意するのが犯人らに気に入らなかった。
 防護服を着せて電車に乗せたのは日払いのアルバイトである。
 寄居まで移動させダミーの消毒現場に行かせた。倉庫に待たせて総てが終わってから合流して給料を現金で渡す。
 電車に乗った六人全員が生活保護者の内緒のアルバイトであった。名乗り出れば保護が停止になる。そこを利用したのである。
 
 SM愛好会の主なメンバーと倶楽部のマネージャー、編集長と担当編集が如月鬼堂の宇佐美のマンションに集まった。
 囲炉裏端におでん鍋を掛けてビールを酌み交わしながら雑談会議である。
 囲炉裏と言っても灰は敷かれているが熱源は炭火ではなく電気で出来ているので煙などは出ない。
 「鬼堂先生。インターネットテレビとは雖も発言にはくれぐれも」
 館山弁護士は埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の発言に周りの非難を警戒している。
 「館山先生。あのテレビはフェミニスト系の人はおろか一般の人も見ません。むしろ受けて応援する人が多いと思います」
 SM雑誌の編集長雨蔵四十朗は問題ないとの見解である。
 珠洲と瀬里菜は生ビールを配りながら心配そうに参加者の発言に神経を尖らせる。
 「私は鬼堂先生の様な小説を書く作家がローカル半分とはいえテレビで警察批判が危険と申し上げているのです」
 館山弁護士はあくまで弁護士として警察を見ている。
 「そうよパパ。フェミニストの小母さんは見なくても警察官はエッチな番組好きよ。危険」
 「成程。先生の仰るのは警察批判は危険と言うことですね」
 「まあ。文章ではまず取り締まりはありませんが、他にもやってらっしゃますので」
 「その時は先生のお力で」
 大河内税理士は闘えばという考えである。
 「もちろん全力で闘います。でもそんな私の出番が来ないことが一番です」
 館山弁護士はあくまで用心深くである。
 「まあ。先生の仰る通りと言う事で。次の愛好会のメニューは」
 大河内税理士はそっちに話を進めたい。
 「今回は如月先生のレポートを兼ねてとお願いしております」
 如月鬼堂担当の編集小川綾香である。
 「それで生贄は」
 「飯豊真里菜さんです」
 編集が写真を見せる。
 「あの不感症女か」
 大河内税理士がややがっかりという表情である。
 「それがですね。鬼堂先生の強烈な責めで逝くように成ったのですよ」
 クラブの樽常マネージャーが説明する。
 「今回は二人体制にしませんか。会員も二百人をかなり超えたのでしょう」
 大河内税理士の意見である。
 「まだ滝本美緒里を責めますか」
 福富麻次郎は滝本美緒里をもう飽きたと言いたい。
 「いいえ。さすがにもう皆さん飽きたでしょう」
 「では他にもう一人」
 「そうです」
 「候補は」
 「それは」
 大河内税理士は候補を持っていない。
 「居ますよ。今度入った新人で」
 樽常マネージャーが提示する。
 
 SM愛好会の開催は政府の催し物等の自粛要請を無視して開催された。
 前回と同じ熱海のファッション喫茶である。
 前回は名古屋市体育館や福岡国際センターの大相撲を真似て鉄パイプで升席を組んで設営された会場であった。
 ファッション喫茶を愛好会の会員にも受けの良かったその構造に改装したのである。
 ファッション喫茶はショーとホステスとのスキンシップが主体となる。升席の構造はどの客席からもショーが臨場感を持って見られる。
 そして升席の構造から接客はホステスがミニスカートでしゃがんで接客する。艶かしさが増すのである。
 四段の客席構造が作られた。逆に砂被りは店舗のときは使わない。今回から演台下の通路に一列だけと成った。
 演台は正方形である。その真ん中が相撲の俵の内側くらいの円形の回転テーブル構造に成っている。
 俵を迫り上げる事も出来る。野球拳だけではなくミニスカートの女相撲もショーとして行う。
 升席の左右は肘掛のような柵で仕切られている。後ろは段差だけ。前は幅五十センチの通路。席との境は席に二メートル四方の特注で作らせた畳を置いただけである。
 参加者は三百五十名を越えた。
 今回からホステスが配膳をする。相撲のとき御茶屋が升席に配膳するのをホステスが行う。ファッション喫茶側のサービスである。
 これまでも愛好会の会員の利用が多い。客として会員を呼び込む目的である。
 相撲と同じで志は当然気遣いされる。
 升席を回るホステスは白のスクールタイプのフレアミニまたは白のミニタイトである。
 タイトの方がフレアよりやや長いが前割れスリットに成っている。
 臍は丸出し。上半身は乳房の上で巻かれた紐にスカートの様に布がぶら下がっている。それも谷間は割れて乳房を僅かに隠すだけである。
 客が捲っても文句は言わない。名刺を差し出しファッション喫茶のシステムを紹介して営業する。
 さらにSM愛好会の前座としてファッション喫茶のショーも見せる。
 これも店長の宣伝目的である。愛好会の会費からは一切出費しない。
 ホステスもこの日は無給だが志の収入が時給より大きい。かつ顧客獲得には出勤が必須である。
 前座の野球拳で負けた方のホステスが全裸にフェイスタオル一枚でシステムを説明する。
 「此処では全裸に成ったとは言え私の本当の総てをお見せ出来ないのです。でも私に投票して下さったお客様には海外サイトで本当に恥ずかしい私を」
 そこで一瞬顔を伏せて言い澱む。だが直ぐ表情を崩しながら続ける。
 「私の・・姿を一週間閲覧できます」
 「ダウンロードはできますか」
 店長がマイクで促す。
 「はい。できます」
 「あのうくれぐれも投票された方だけです。AVなどまったく出ていないここだけの私たちの本当に恥ずかしい動画です」
 勝った方のホステスが付け加えて説明する。
 その次はミニフレアスカートの女相撲である。
 上半身は生下着のブラ一枚。東方は青で西片は赤である。
 行司も呼出もホステスが行う。
 行司の衣装はレースで出来ていてスケスケである。上はブラを着けていない。乳首はやや透けて見える。
 下はガーゼの褌だが黒い塊は僅かにその位置が濃くなるだけである。
 呼出もスケスケの浴衣姿で行う。
 「ひがあしーー。ゆみえーーーーーーー。にいしーーーーーーーー。まりーなーー」
 懸賞も回るがモニター表示である。実際に客が懸賞を掛ける。後ほどその席を回ってお礼の奉仕をする。
 投げなどはない。殆どが押出しである。ブラの掴み合いになり取れないまでも引っ張られて瞬間乳房が丸出しになる。
 大してハードなエロではない。だが酒を飲みながらホステスと会話して暗黙の了解のお触りもある。
 贅沢な娯楽時間となり高額所得者には評判が良い。
 宣伝の為の前座ステージの間にもビールやつまみはキャバクラ料金で売れる。
 ようやく本番のSMショーとなった。
 なんと大河内税理士が行司の軍配だけ持って背広姿でステージに上がる。
 「本日の生贄は牧野茉莉亜さんと飯豊真里菜さんです。二人に対戦していただきます。その都度拷問が提示されます」
 二人が腰縄で縛られた状態で会員二人が引いて入場してくる。
 拷問のメニューは配られていた。牧野茉莉亜と飯豊真里菜の二人には配られてない。
 二人とも観客席の多さとそのスケールに怯えている。とくに飯豊真里菜は震えているた。
 この人数の前で全裸以上の辱めをとことん受けるのである。
 「対戦は様々な角度から行います。例えば潮噴きを堪えた方が勝ち。逆に早く噴いた方が勝ちと言う様にパターンを変えて行います」
 既にプログラムに書かれていた。
 「それでは第一戦は野球拳からです」
 これも店舗のホステスが行司衣装で合わせる。
 このファッション喫茶オリジナルの野球拳メロディが流れた。
 行司に合わせて踊るのだが二人とも震えてぎこちない。
 『わたしは熱海のお枕芸者。
 朝までお時間一本でご奉仕します。
 腰巻脱いだら全裸でございます。
 この小股でおさおをお迎えいたします』
 ここで行司軍配が返った。
 震えながらじゃんけんをする。
 じゃんけんの結果は西方飯豊真里菜の勝ち。行司役のホステスのスケスケ衣装の下の乳首が西に跳ねて行司軍配が西に上がる。
 牧野茉莉亜はこの人数に見下ろされて自分では脱げない。連れて来た会員がジャケットを脱がせて籠に入れる。
 同じ音楽が流れる。
 舞踊を踊るのは行司だけ。二人はぎこちなく手を少し動かすだけである。
 行司軍配が返ると恐る恐る手を出す。
 飯豊真里菜の勝ちである。だが行司の軍配は東に上がる。ファッション喫茶のときは店長がマイクで物言いをする。
 今日は大河内税理士が上がる。
 行司差し違えである。
 ホステスの行司は袴を残して上半身を脱ぎ去る。乳首丸出しのトップレスになってしまう。
 ファッション喫茶の野球拳ではこのサービスが良く行われる。
 あくまで行司役のホステスが自らをアピールする為である。
 如月鬼堂らは最上段の中央に来ていた。
 本日は珠洲と瀬里菜も同伴して荒井枝里も一緒である。
 配膳するホステスは忙しく動き回っている。オーダーだけで充分な売り上げになる。
 この改装とコーディネイトは如月鬼堂が行っている。
 野球拳は牧野茉莉亜が会員に最後のショーツを脱がされ全裸に成って終了した。飯豊真里菜はまだ下着姿である。
 それも会員が脱がして全裸にしてしまう。そのまま飯豊真里菜は西の砂被りに座る。福富麻次郎の隣である。
 負けた牧野茉莉亜の一つ目の刑は羞恥責めである。
 産婦人科診察台が演台に載せられる。
 牧野茉莉亜は会員二人の手でその上に乗せられた。脚を開いて脚載せ台に乗せられると半べそ顔になる。
 顔が見えるように背もたれは少し斜めに上げられていた。
 牧野茉莉亜は背もたれに横顔を押し付けて羞恥に震えている。
 スクリーンに映る恥ずかしすぎる姿を一瞬見て目を逸らせてしまう。
 一度女の部分を広げてスクリーンに公開する。ドテには黒い塊が密集していた。剃毛から行う。
 会員が鋏みで陰毛をカットする。
 牧野茉莉亜は剃毛よりワゴンに載せられている器具類に慄いていた。
 砂被りに座っている飯豊真里菜は躰を丸くして恥ずかしさと演台の上の拷問器具に怯えている。
 この人数の客席に囲まれてあの恥ずかしい責めを行われる。恥ずかしさにどうにも堪えられない。
 牧野茉莉亜は整った顔立ちで美人顔である。外からは細身に見えるが太腿にやや肉を付けている。肌の色はかなり白い。
 剃毛すると陰毛の下の皮膚は赤が濃いと思われたがやや色が濃くなるだけである。びらびらは複雑に絡んで閉じ合わせている。
 びらびらを広げると縁は小豆色で内側は緋色である。尿道の亀裂がやや大きく真ん中に噴火口の様に存在感がある。膣口はその下に小さく閉じている。
 会員はクスコを手にする。
 牧野茉莉亜の躰は恥ずかしさに震える。
 正面の席から大河内税理士がスタンドに接続した小型ライトで部分照射した。
 会員はクスコを挿入する。
 「ああ」
 牧野茉莉亜は表情を崩して呻く。
 螺子を回して鴉の口を広げると中がライトに照らされて子宮口まで克明にスクリーンに映し出された。
 牧野茉莉亜は恥ずかしさに火照って崩れた顔を視線から逃れんと斜め上に逸らせて堪え続ける。
 会員は次に医療用手袋を付けて尿道カテーテルを滅菌袋から取り出す。尿道口は横向きに挿入した金属の嘴の谷間に食い込んでいる。
 そこに尿道カテーテルの先端を挿入する。
 「うぐうーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は崩れた顔に皺を寄せて呻き声を漏らす。
 会員がカテーテルを抓んだ指を離すと下に受けた透明なボールに小水が流れ落ちる。
 牧野茉莉亜は既に泣いてしまっていた。
 国会と違って野次は飛んで来ない。プレイ中の野次は如月鬼堂が厳に禁止している。責める担当が言葉で詰るのは別である。
 会員はもう一本クスコを手にする。アナル用である。
 先に指でアナルにキシロカインゼリーを塗り込む。
 「ううーー」
 また呻く。
 会員はアナル開口器を挿入する。
 「あはあーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は堪えられず悲鳴を上げる。
 構わず開口器を開く。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は一瞬スクリーンを見て泣き声を上げる。
 この上なく恥ずかしい二つの穴が強制的に広げられ内部が照らされ丸見えである。
 大河内税理士の手でスタンドに固定された二本のペンライトの照準がぴったり二つの開口器の中に合わされていた。
 砂被りで見ている飯豊真里菜は両手で顔を覆ってしまう。
 点滴スタンドが設置され腸カテーテルが準備される。
 腸カテーテルの先端がアナル開口器の中を通して奥に突っ込まれた。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 それほど痛い訳ではない。ショックが大きいのである。
 さらにカテーテルからはグリセリンが流れ込む。
 牧野茉莉亜は苦しみだす。そして羞恥より苦しみが上回る。
 開口器で開かれたアナルから腸カテーテルで流し込んだ液が茶色い色に成って周りから逆流してしまう
 牧野茉莉亜は苦しみに藻掻き続ける。腹の痛みである。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーー」
 顔の表情は歪みきって客席の上段から見下ろしても判る。
 野次こそないが観客席から見下ろして来る無言の圧迫感に包まれた。牧野茉莉亜は羞恥と痛みの坩堝である。涙を流し藻掻き続けた。
 適度なところで会員は確認する。
 「どうだ。もう諦めて垂れ流すか」
 牧野茉莉亜は断末魔の表情で会員を見る。
 「どうだ」
 「もうだめです。だめ」
 「抜くぞ」
 「はい」
 牧野茉莉亜はさらに目から涙を溢れさせて答える。
 腸カテーテルが抜かれると便の混じった茶色い水が一気に流れ出る。匂いも一瞬充満する。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 牧野茉莉亜は荒い息遣いで羞恥のどん底を噛み締め泣き続けた。
 牧野茉莉亜は会員二人に産婦人科開帳台から降ろされ東側の砂被りに座る。そのまま顔を膝に付けて蹲る。
 ここで代理対戦が入る。
 白い褌姿のホステスが二人土俵に上がる。今度はトップレスである。
 立っている行司をよく見ると会員が見た顔。クラブのSM嬢本多椿である。
 会員らから何処となく拍手が沸く。
 クラブで大人気者である。指名数は少ないがなかなか予約が取れない。一人が長時間買い取ってしまうからである。
 ハードプレイは一時間ぐらい。あとは食事やつまみを取って飲み明かすらしい。朝まで二十万以上のプレイになる。
 代理対戦は東が勝った。飯豊真里菜に罰が下った。
 恐怖に震える飯豊真里菜を会員が演台に引っ張り上げる。
 漏らすまで電流責めである。
 拷問椅子が運ばれる。スタンガンも二台運ばれた。
 飯豊真里菜はステージの片隅に待つ。股間と乳房を押さえて膝を閉じて膝をやや曲げたぎこちない姿である。
 会員は飯豊真里菜の躰を引っ張り拷問椅子に押し付ける。
 「あはーーん」
 飯豊真里菜は既に泣きべそ顔である。
 その姿が観客席の会員らを加虐心の坩堝にする。S心が無ければ庇いたくなる女だが全員がサディストである。
 如月鬼堂の隣に座る荒井枝里だけがこの辛さ行き場の無い恥ずかしさを噛み締めている。
 天井から吊るされたフックに飯豊真里菜の手首を縛り合わせた縄を通して引く。拷問椅子の上で上半身が真っ直ぐに成るまで引っ張った。
 会員二人で両脚を持ち上げ脚乗せに縄で厳重に固定する。
 既に飯豊真里菜は疲弊していた。判っていてもこの人数の前で女の見られてはいけない部分を裂かれる。思考能力はまったく無い。
 金属の冷たい感触でクスコが差し込まれる。態と横向きに挿入した。
 「ううーー」
 螺子を回して広げられると飯豊真里菜はどうにも堪えられない表情を崩しきって葛藤するように藻掻く。
 大河内税理士がまたペンライトをスタンドにセットして照準を合わせる。飯豊真里菜にはスクリーンを一瞬見ることさえできない。
 恥かしさを表情に露にして悶々と堪えるだけである。
 会員はクスコの螺子と縁に一本ずつトランスの端子に繋がった鰐口を接続する。
 さらにクスコの上。クリトリスの直ぐ下。小陰唇のビラビラ上部。そこに二本スタンガンの端子に繋がった鰐口を鋏み付けた。
 もう一台のスタンガンの端子に繋いだ鰐口二本で両方の乳首を抓む。
 「あ、ああーーーーーー」
 飯豊真里菜は辛そうに悲鳴を漏らす。
 膣とびらびらを別に責める目論見。痛みに絶えられず漏らさせるのが目的である。
 会員二人は嬉々として責める気満々に加虐心を滾らせていた。
 会員は乳首に繋いだスタンガンの電流から入れる。
 「ぎゃああーーーー。ぐぎゃあーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は顔を真後ろに反らして大口を破裂させて悲鳴を上げる。
 躰は震撼し眉間に強い皺を三重に刻んで目をきつく瞑る。頭を振って藻掻き続けた。
 会員らは随所で悦びの乾杯をする。
 会員は一度電源を切る。
 続いてクリトリスの直ぐ下に繋いだスタンガンの電源を入れる。
 「うおーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーー。ううーー。ううーー」
 飯豊真里菜の躰はぶるぶる震える。顔を斜めに反らせて頭を振って悲鳴を漏らす。
 これも適度に切る。
 アームに立てた簡易ルーレットが演台に載せられた。
 そのスイッチを飯豊真里菜に握らせる。
 「いいか。お前がそのスイッチを押すのだ。そのルーレットで止まった刑を受ける」
 「・・・・」
 飯豊真里菜は怯えるだけで答えられない。
 「スイッチを入れないと強制的に一番きついのに成る」
 乳首十五秒、膣三十秒、クリトリス下三十秒、乳首+クリ下三十秒他、総て百八十秒が最高である。
 「さあ。十秒以内に押さないと最高刑だ」
 飯豊真里菜は観念してスイッチを押す。
 ぴ、ぴ、ぴ、ぴ、ぴ。電子ルーレットは膣三十秒に止まる。
 クスコに電流が送られる。
 「うぐううーーー。・・・・うーーーーーーーーー。・・・・・うーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の柔らかい躰の全身の筋肉が怒張する。拷問椅子の上で躰を捩って顔を振って苦しみ続ける。
 会員は三十秒で切る。
 全身捩って苦しんだがスタンガンよりは軽微な様子である。
 「三十秒待ってやる。前のモニターを見ろ。タイムを刻んでいる。ゼロに成る前に押せ」
 そこには飯豊真里菜の大股開きの全身ヌードが映っていた。飯豊真里菜は見ないで済まそうと数字だけに視線を合わせる。
 このルーレットは飯豊真里菜がスイッチを押してスタートする。だがスタートだけである。止まる位置は最初からプログラムされている。
 飯豊真里菜は1秒のところでスイッチを押す。
 乳首六十秒である。
 飯豊真里菜は辛そうな表情で口を緩く開けて結果を見ている。
 会員の手で嬉しそうにスイッチが入る。
 「ううおおーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の躰はまたぶるぶる震える。顔を真上に反らせて頭を振って小刻みに悲鳴を漏らす。
 この二人の会員はこの極めて羞恥に堪えられない飯豊真里菜に失禁の屈辱を愉しみにしている。
 「ううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 二人してスタンガンを握って下から飯豊真里菜の苦しみ小刻みに震える表情をじっくりとさおを起てて観察している。
 六十秒をやや過ぎてゼロが点滅し始めてようやくスイッチを切る。
 「ううーーー。あはあーー。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 スイッチが切れても飯豊真里菜は苦しい表情で荒い息遣いを続ける。
 「今度は一分以内に押せ」
 スクリーンにカウントが始まる。
 「え、え」
 飯豊真里菜はまだこれ以上続くのかと辛いぼやきを漏らす。
 スイッチを持つ手が震えている。
 「彼女、此処で漏らしちゃったら今夜眠れないね」
 如月鬼堂の横で見ている荒井枝里は人事ではない。羞恥の破局する姿をあっけらかんと晒せられないのは荒井枝里も同じである。
 飯豊真里菜はゼロの点滅に陥ってしまってからスイッチを押した。
 「これはフル責めだな」
 ルーレットは自動的に乳首、クリ下、膣百八十秒を表示する。
 「えーー」
 飯豊真里菜は真っ青な表情でそれを見ている。
 逃げ道は無い。数秒間の後トランスのスイッチが入り、乳首のスタンガンもスイッチが入る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。ごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあおーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は縛り合わされて吊るされた手を力の限り引っ張って暴れ藻掻く。
 「うおーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーー」
 砂被りで待機している牧野茉莉亜は顔を手で覆っている。荒井枝里も顔を覆ってしまう。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の表情は恍惚になる。弧を描くように頭を大きく揺らしやがて堕ちてしまう。失神したのである。
 百八十秒に至らないが全部スイッチを切られる。審判として砂被りに見ている福富麻次郎からストップの指示が掛かったからである。
 二人の会員は失神より失禁に期待していた。残念がっている。
 片方がビンタする。もう一人がスタンガンでクリトリスを突いて起こす。
 これが功を奏したかは定かではない。
 飯豊真里菜の膣に刺さったクスコの上あたりから小水が流れ出す。
 「ああはああーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーー。だめーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は藻掻く。だが失禁が止まらない。
 満場から拍手が沸く。
 飯豊真里菜の神経は堪えられない。
 「あはああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。ああん。ああん。ああん」
 失禁が終わっても涙をぽろぽろ零し泣き続ける。
 少しの休憩が入れられた。
 客席のあちこちで乾杯が起こる。ホステスらの配膳は忙しく動き回る。
 店長の計画は大当たりである。ビールは五十ケース発注してあった。水温で急激に冷やす冷水ショーケースも増強した。
 スーパーで250円の中瓶を居酒屋で三百六十円、寿司屋で六百円、超ミニスカートのホステスが運べば一本千円である。
 再び行司姿の本多椿が演台に上がる。
 今度は拷問椅子が二台載せられる。
 「次は鞭染み渡りの刑です。潮を堪えた方が勝ちです。負けた方に刑が下ります」
 次の担当する会員二人が上がる。
 「ちょっと待って下さい。今漏らしたばかりのそっちが有利じゃないですか」
 牧野茉莉亜は苦言を呈する。
 「潮は一滴でも先に出した方が負けです。まったく問題ありません」
 福富麻次郎が宣言する。
 牧野茉莉亜は不満でも諦めるしかない。
 潮吹きは片方の会員が担当する。技術の差と言われない配慮である。
 飯豊真里菜から行い本多椿がタイムを計る。
 飯豊真里菜は十八秒で数滴漏らしてしまった。気持ち良くなった訳ではない。膣の奥から膀胱を押し上げて絞り出したのである。
 牧野茉莉亜は十八秒と聞いて楽観した。
 だが牧野茉莉亜も直ぐに噴いてしまう。
 「あ、ああーーーーー。あ、ああーーーーーー。あーーーーーーーー」
 こっちは多量に噴き上げる。本多椿のタイム判定は十二秒であった。
 飯豊真里菜が刑を逃れた。
 牧野茉莉亜は手首を縛り合わされ天井から吊るされたフックに通して引っ張られらる。爪先立ちに吊るされて縄はフックに固定された。
 左の脚首を縛られ床に埋め込みのフックを出して固定される。
 一人の会員は乗馬用の一本鞭を構えていた。もう一人は強めの六畳鞭である。
 二人とも叩きたい願望が滾っていた。
 一本鞭の会員が乳房を斜めに直撃する。強い叩き方で乳首をもろに直撃していた。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 頭と躰が後ろに反り固定されてない右脚の膝が跳ね上がる。
 乳房はそれなりの大きさがある。弾力がありピンと乳首が上を向いていて形も良い。乳輪は二十五ミリくらいある。その割に乳首は小さく突起している。色はそれほど濃くない。
 この乳房では毎回SMクラブで叩かれ続けると一、二年で垂れてしまうかもしれない。
 六畳鞭の会員が乳房を横に二つ揃えて薙ぐ。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房が強烈にへしゃげる。顔を振って悲鳴を上げる。
 二本の鞭合わせて三十回くらい叩かれた。乳房は無残に蚯蚓腫れに赤紫の筋が何本も奔っている。
 次は自由に成っている右脚を掴んで膝下に縄を掛けた。さらに脚首を縛る。その縄を天井から下がった別のフックに通して脚を引っ張り上げた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 股間が大きく割れ女の部分が丸出しに成る。
 「いやあ。いや。いや」
 牧野茉莉亜は無理な体勢によろけながら躰を回転させバランスをとる。
 一本鞭が内腿を叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜の躰は悲鳴を上げながら半回転する。
 目標は局部だが内腿も蚯蚓腫れにしたい。
 二発目は引っ張り上げられた右脚の内腿を叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は強烈に一本鞭の会員を睨みながら悲鳴を轟かせる。
 さらに一本鞭の会員が続けて叩く。
 「うおーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜の躰は強くひねって震撼する。
 これも二十回叩いて次は局部を狙う。
 牧野茉莉亜は一本鞭の会員の目付きが局部を狙っていることを悟る。逃げるように不安定に吊るされた躰を躱す。
 それでも鞭は女の部分の閉じ合わせたびらびらを叩く。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は一度固まった躰を反動して膝を強く折って脚を逆さに空中に蹴り返す。
 強烈な痛みに庇いようのない反動である。
 一本鞭の会員は容赦なく次を叩く。斜めに粘膜を叩いた。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに叩く。真っ直ぐ直撃する。
 「ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は吊るされた躰を暴れまくる。膝を曲げては蹴って行き場の無い股間の痛みに暴れた。
 壮絶な光景である。
 「こんなものでいいかな」
 一本鞭の会員はもう一人に確認する。
 「充分効き目はある」
 もう一人の会員も自信たっぷり答えた。
 会員二人で牧野茉莉亜の躰を吊るしから降ろして拷問椅子に磔にする。
 腕と太股を縄で固定するがやや動く余地を残す。
 金柑の大きな瓶が二本持ち込まれた。
 一本鞭を持っていた会員が太腿の蚯蚓腫れに塗る。さらに六畳鞭を持っていた会員が乳房の蚯蚓腫れに塗った。
 染みの痛みを感じるに数秒はある。構わず塗る。
 「ううううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いいたあいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも全力で押さえて塗り続けた。
 「うおおーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーー。だめえーーーーーーーーーーー。いいたいいーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜は躰を揺すってめちゃめちゃ暴れる。強烈に染みてじっとしていられない。
 「うおおーーーーーー。だめえーーーーーーーーーー。たえられないよーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーー」
 強烈に暴れまくる。顔の表情は究極に軋み歪み大口を開けて叫び続けた。
 それでも容赦しない。女の部分のびらびらを叩いた上に塗る。
 「おごおおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。いいたあいいーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーー」
 拷問椅子をがちゃがちゃ揺すって暴れ続けた。
 割れた蚯蚓腫れに金柑は予想以上の効果である。
 余りの暴れ様にみな見入って無言の圧迫感が演台を包んでいる。
 「あおおおーーーーーーーーーーーーーーー。おおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーー。たすけてーーーーーーー」
 遂に失禁してしまう。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜の表情も躰も崩壊していた。
 だが痛みは数分のことである。
 「うはあ。はあ。はあ。うはあ。はあ。うわあ。はあ」
 まだ荒い息遣いで藻掻き続ける。
 そしてぼろぼろ涙を溢す。
 漏らしまくって泣きじゃくって終了である。
 ようやく客席は興奮から平穏に戻って拍手が沸く。
 牧野茉莉亜は無情な拍手にさらに涙を溢れさせた。
 担当した二人の会員は加虐心をとことん満足させて演台を降りて席に戻る。
 暫く会場は興奮の余韻に包まれたまま休憩状態に成った。
 牧野茉莉亜は堪えられず本多椿に手を引かれてシャワー室に飛び込む。
 牧野茉莉亜も飯豊真里菜も三百万の出演手当てだけではない。愛好会の会員に売り込んでこの先の指名を取りたい。
 飯豊真里菜には切羽詰ったまでの状況は無い。だが他に勤めようが無い。派遣なら行けるかもしれないが将来性が無い。
 覚悟を決めて稼ぎにきているが今日は三百万の重みに堪えかねている。如月鬼堂のレポートで売り込んで貰う一環として出て来たのである。
 それでも余りの内容にかなり疲弊していた。
 牧野茉莉亜はこのクラブで覚悟以前に稼がなければならないところに追い詰められている。
 牧野茉莉亜は高卒で就職した。それまでは養護施設に居たのである。幼いころから父親は居ない。母子家庭に姉と二人であった。
 母親は借金をしていて子供のころ何度も借金取りが押しかけて来る。ある日母親はその借金取立人を刺してしまった。母親も重傷を負う。
 そして数日後に病院で死亡した。
 姉は二年早く施設を出て就職し結婚する。
 牧野茉莉亜が施設を出て就職したとき姉は二人の子供の母である。
 数年は平穏が続いていた。
 姉の家にNHKの担当者がしつこく来訪する。姉の夫はNHK嫌いである。その担当者は五年遡って加入を言い渡してきた。
 昔の様に簡単に追い返せなくなっている。裁判にNHKが勝ったからである。
 姉の夫は逆上してその担当者を殴り殺してしまう。
 逮捕され実刑で収監された。
 直ぐに離婚をしたが姉も会社を追われてしまう。
 子供を養う為にスーパーのパートと夜勤の警備員を掛け持ちする。牧野茉莉亜も僅かに援助した。
 施設でいつも自分を庇ってくれた優しい姉を見捨てることは出来なかったのである。
 ある日姉はとうとう倒れてしまう。がん細胞が躰を蝕んでいた。
 牧野茉莉亜は姉の借金の保証人に成る。さらに姉の子供二人も引き取らざるを得なかった。
 そして手術の甲斐も無く姉は死亡する。
 保証人になった借金が牧野茉莉亜に残った。
 町金の一括返済要求に牧野茉莉亜は会社の金を使い込んで返済してしまう。直ぐにばれてしまった。
 その社長が警察沙汰にはしない代わりに今のクラブに紹介する。今日の三百万は一括返済に充てられた。
 社長は訴えて刑務所に送るより回収を優先したのである。
 その後もクラブで働いて稼いで行くしかない。
 牧野茉莉亜は本日の稼ぎをどうしても得なければならなかった。
 辛い躰で演台横の待機席に戻る。
 牧野茉莉亜が戻るまで本多椿が蛇を使ったショーで場を繋いでいた。
 飯豊真里菜も演台の反対側の席で震えている。
 最後の刑になった。
 「女躰屈辱刑です。箱を選んで頂きます。箱の中身を当てて貰います。当てられないと箱の中身を女に受け入れて貰います」
 本多椿がマイクで説明する。
 二人とも恐怖に凍り付く。
 何が入っているか解らない。この企画の嗜好から生き物であることはほぼ間違いない。それを膣の中に入れられてしまう。
 本多椿は時間繋ぎに蛇を自らクスコで広げた女の中に入れる。いくら本人の指名稼ぎの宣伝でも恐怖に震え上がった。
 「前のスクリーンの下の方に番号が表示されます。その中から三人までヒントを貰えます」
 拷問椅子が二台演台に上げられる。二人は先に拷問椅子に大股開きで磔にされた。クスコも挿入される。
 拷問椅子の後ろにパネルが置かれた。後ろのスクリーンを振り返っても見えなくしたのである。
 箱が六個運ばれた。中身は後ろのスクリーンに投影される。
 一つ目が蛞蝓と塩、二つ目が蜥蜴、三つ目がカナブン、四つ目が蛇、五つ目はイグアナ、最後は瓶に詰まった蛆虫の大群である。
 スイッチボックスが飯豊真里菜に渡される。
 飯豊真里菜は観念して3を選ぶ。
 会場からはなんとなく落胆の無言の空気が流れる。飯豊真里菜にも一番きついのは避けられた気がした。
 続いて牧野茉莉亜に渡される。
 3はもう選べない。牧野茉莉亜は6を選ぶ。端が安全かと思った。
 会場は落胆とも悦びとも言えない。期待するものは外れた様子である。
 「真里菜さん。番号を選んでヒントを貰って下さい」
 本多椿が促す。
 「3番の方お願いします」
 箱と同じ番号を選んだ。
 「館山先生」
 本多椿が飯豊真里菜のサポートリストから館山弁護士を指定する。
 「小さいよ」
 「ええーー。それだけじゃ」
 「ヒントは一言。あと二人あるから」
 「次の番号を選んで下さい」
 「9番の方」
 「山元会長」
 「うーん。夏に居るかな」
 「えー。虫ですか」
 「ヒントは一言。貴女の女にそれが入るのみんな期待しているから」
 「えーー。助けて下さい」
 「次、次」
 山元会長は次の人に聞けと言う。
 「はい。最後の番号を選んで下さい」
 「1番の方お願いします」
 「瀬里菜さんお願いします」
 「それはある時期よく道に落ちています」
 瀬里菜は如月鬼堂と会員に気を使いながら少しヒントを出したつもりである。
 「・・・・・・・」
 飯豊真里菜は悩む。
 「蝉ですか」
 「残念こちらです」
 モニターにカナブンが投影される。
 「ええーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は悲鳴の様な表情に成った。
 続いて本多椿は牧野茉莉亜にヒントの選択を確認する。
 「同じ番号は同じ人ではありません」
 「1番の方」
 それでも牧野茉莉亜は瀬里菜に期待する。
 「大河内先生」
 牧野茉莉亜は唖然とした顔に成る。
 「白に近い色だな」
 「ああ」
 牧野茉莉亜はがっかりした。
 「次は」
 「10番でお願いします」
 牧野茉莉亜は何とか瀬里菜に当たってほしい。
 「荒井枝里さん」
 荒井枝里はどうすべきか如月鬼堂を伺う。
 如月鬼堂はメモを渡す。
 『この人はもう今日は限界です。次のように教えて下さい。あなたのクスコに小さいものがたくさん入ります。小さく這って動きます』
 荒井枝里はそれを読み上げる。
 三人目のヒントは簡潔に新井さんの通りですで終わった。
 「ええー。蚯蚓の短い白い虫」
 牧野茉莉亜は蛆虫の名前を知らなかった。
 本多椿は判定に困る。
 荒井枝里が席を立って階段を駆け下りて演台に上がる。
 「彼女今日はこれで限界です。ここで許してください。今日潰さなければこの先この綺麗な彼女をクラブでたくさん愉しめます」
 荒井枝里は判定を出す本多椿の前に立っている。
 「そうです。前のプレイでかなり厳しい状態でした。私が代わりに受けてもいいです。でも彼女今日のお金が絶対必要です」
 「鬼堂先生もその様にメモを下さいました」
 荒井枝里は如月鬼堂の方に拝むポーズで許しを請う。
 如月鬼堂は頷くように二回首を縦に振る。
 「椿さん判定して。物言いが付かなければ問題ない」
 「これで正解とします」
 本多椿は如月鬼堂の言葉できっぱり判定する。物言いが付く筈はない。
 牧野茉莉亜の膣からクスコが抜かれる。拷問椅子から降ろされ砂被りの席に戻る。
 飯豊真里菜の刑だけが残った。
 「大丈夫よ。これ養殖で作ったカナブンだから。私が横に居るからね」
 担当の会員がケースに入ったカナブンを持って来る。
 飯豊真里菜は怯えた表情でそれを見た。
 会員は抓んで飯豊真里菜の膣を広げているクスコに投げ込む。
 カナブンは中で這いずり回る。
 「あはん。あはあああーーーーーーーーーーん。あはあん。あはん。あはん」
 飯豊真里菜は泣きべそ顔の悲鳴を上げる。
 「大丈夫よあのカメレオンが食べてくれるから」
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやあーー。いや。いや」
 飯豊真里菜はカメレオンを見て恐怖に怯える。
 会員はカメレオンを近付ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜は断末魔の表情で怯え悲鳴を上げた。
 カメレオンは舌を伸ばしてクスコの中に侵入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 カメレオンは中で舌を嘗め回す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 飯豊真里菜の可愛い顔は大口を開けて涙を飛ばして破裂状態である。
 カメレオンはカナブンを舌に絡めて抜き取る。
 「ああ、あはん。あはん。あはん。あはん」
 涙をポロポロ溢す。
 「大丈夫。毒もばい菌もないから」
 本多椿は飯豊真里菜の肩を抱いて宥める。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 飯豊真里菜の躰はぶるぶる震えていた。
 牧野茉莉亜も飯豊真里菜も本日クラブの指名予約はどんどん入っている。飯豊真里菜の泣き顔は会員らを陶酔させた。
 「すみませんでした」
 荒井枝里は席に戻って如月鬼堂に詫びる。
 「いいんだよ。メモで渡した通りだ」
 会場はお開きになった。このあとファッション喫茶は営業に入る。残って飲み続けるグループもある。
 牧野茉莉亜と飯豊真里菜、本多椿は控室に引き上げる。
 シャワーを使って身支度を整えた三名を珠洲が送って行った。
 
 瀬里菜の運転で如月鬼堂と荒井枝里は宇佐美のマンションに引き上げる。
 囲炉裏端で飲む支度をして珠洲の戻りを待つ。
 「飯豊さんは後悔しているでしょう」
 荒井枝里は飯豊真里菜がどうしてもSMクラブで働かないといけないわけではないと思っている。
 「方法が無かった訳ではないが。今と成っては稼いで財産作るしかないよ」
 「どうすれば良かったのですか」
 「会社を退職する前に弁護士に相談して訴えれば活路は有った」
 「でもその会社には居たくないですね」
 「そうだな。そうなると訴えて勝っても就職は難しいな」
 「そうですね」
 荒井枝里は悲しそうな表情で納得した。
 瀬里菜はサラダバーの準備を終えて如月鬼堂にビールを出し荒井枝里にスパークリングワインを勧める。
 「牧野さんはどうですか」
 「あの人はお姉さんの借金が一括返済になったとき会社のお金に手を付けないで弁護士に相談して任意整理に持ち込むべきだった」
 「そうですか。一時の判断ミスで地獄に堕ちてしまったのですね」
 「そうだな。真性奴隷女の館でクラブの会員から稼いで資産だけ作って貰う事だよ」
 「そうですね」
 荒井枝里はどちらも人事ではない。
 珠洲が戻って来た。
 「牧野さん。かなり疲れていましたので熱海のビジネスホテルにチェックインさせました」
 珠洲が報告する。
 「やはり。かなり辛そうだったからね」
 如月鬼堂は潰してしまえばまったく意味が無いとかなり警戒していた。地味なプレイだったがダメージが大きいと見ていたのである。
 「荒井さんが止めてくれて良かったよ」
 珠洲は飯豊真里菜を新幹線で帰して本多椿と一緒に牧野茉莉亜をツインルームに寝かせて来た。
 本多椿は一緒に泊まってくれたのである。
 「あの二人はやり過ぎです」
 瀬里菜も少し批判してしまう。
 荒井枝里はそれ以上何も言わない。
 「明日様子見に行ってくれるか」
 如月鬼堂は珠洲に要求する。
 ここに関わってきた以上はとことん女躰を提供してもらいたい。その代わり目標額を達成して若いうちに資産を作れるよう応援する。
 会員が集まることで高額のプレイ代が捻出できた。それによって普段のクラブのコースでもできないプレイが可能になる。
 それによって会員からの指名が確保できて女性も稼げてクラブも潤い如月鬼堂にも僅かずつ幾重にも利益が入る。
 だが女性を潰しては大損害である。SM嬢の成り手は少ない。如月鬼堂は愛好会のショーのやり方にもっと介入しなければならないと思った。
 痛みは与えても破壊はしない。何回も美しい躰を責めて愉しませて貰いまた回復して何度も責めて愉しみたい。
 
 牧野茉莉亜は八時を回ってやや動けるくらいに回復した。クラブの運営する託児所に連絡を入れる。
 二十四時間体制だから問題は無いがお迎えを明日にしてもらう。
 牧野茉莉亜は姉の子供をなんとしても護らなければ成らない。自分と同じ養護施設には送りたくない。
 恐ろしい一日であった。クラブの仕事はここまできつくないよと本多椿が説明してくれてやや安堵する。
 牧野茉莉亜は辛い人生に鞭打ちなんとしても金を稼がなければならないと覚悟を決めるのであった。



 最期のSM小説家 第五幕 堕とされた女の人生 完





 最期のSM小説家 第六幕 SM嬢が宿命の女

 二〇二十年清明上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 コロナウイルスに政府の要請で休校、イベント自粛真っ最中である。
 東京五輪開催も危ぶまれていた。経済は低迷してコロナ恐慌にまっしぐらの状況である。
 如月鬼堂がサポートする真性奴隷女の館ではコロナウイルスが治まるまでSM愛好会の会員のみの営業が続いていた。
 愛好会のショーに前回来場した会員の一人に牧野茉莉亜を指名した順番が回ってくる。
 牧野茉莉亜はショーのあと数日休養した。そのため予約が後ろ倒しに数日ずれていたのである。
 会員は杉下一行という。ポルノショップを新宿、池袋、難波、今池に持ち通販サイトを経営するオーナーである。
 今日は生物プレイOK真性Mハードコース。だが蛇を除くと条件付。条件付なのでプレイ代は七十五万とやや割引になる。
 杉下一行は牧野茉莉亜を全裸にして一緒に湯に入る。
 「この間はそんなに辛かったの」
 「染みる痛みが鞭どころではなくて。短い時間で究極の痛みは消えたけど。もう躰から力が抜けて熱海のホテルで倒れていました」
 「そのプレイは今までやったことはない筈だよ」
 「そうなの。私が実験台ね」
 「今日やっていいかい」
 「駄目。それは駄目」
 牧野茉莉亜は表情を一変して否定する。
 「あれは禁止になったからもうショーではできない。クラブのプレイでやるしかないのだよ」
 「何で禁止になったのがクラブでできるの。おかしいでしょ。駄目よ」
 牧野茉莉亜は慌てる。
 「鬼堂先生が禁止してもクラブのルールは影響しない」
 「そんな。貴方は会員でしょう」
 牧野茉莉亜は必死に否定する。
 「そういう場合はこう言うのだよ。クラブのメニューは何でもOKではない。鮮血鞭はできても、金柑塗りの項目は無いと」
 「そうか」
 「焦った」
 杉下一行は楽しそうに笑っている。
 「もう。焦ったよ」
 牧野茉莉亜は文句を言いつつも甘えた表情に戻っている。
 杉下一行は牧野茉莉亜の股間に手をやる。ショーで剃毛されたドテは僅かに生え始めてブラシ状態である。
 「これも痛くなかったかい」
 「痛かった。一日歩けなかったよ」
 「今日は生物プレイはやるよ」
 「それは。・・・はい」
 通常の真性Mハードに二十五万も上乗せされている。
 「蛇も受ければ百万だったよ」
 「むりいーーーーーーー。無理です」
 また強烈に否定する。
 「ショーの時、四番引いたら蛇だったのだよ」
 「ええーーーーーーーー。それで場内から落胆の空気が流れて来たの」
 「そうらしい」
 「ええーーーーーーー。怖い」
 牧野茉莉亜は怯えの表情である。
 風呂から出てしばらく暖房を強くする。
 杉下一行は牧野茉莉亜を縦長でX字の磔柱に磔る。両手首がXの字の一番上に固定され脚首がXの根元に固定された。
 適度に股間は広がっている。
 自社オリジナルの擽りバイブを二本取り出す。
 「ああーーははん。うわーーははん。あーはあーーははん」
 牧野茉莉亜は擽りに堪えられず悶え叫び続ける。
 「ああーーははん。ああーーーはーーははん。あはははーーーん」
 磔柱にぶら下がり暴れ続ける。顔は笑みが破裂して狂った様に悶え続けた。痛みこそ無いがこれもきついプレイである。
 杉下一行は失神するまで続けた。
 失神を確認して磔柱から静かに外して拷問椅子に移す。縄で厳重に固定してしまう。それでもまだ意識は回復しない。
 少しだけ挿入して女の味見をする。軽く挿入するだけである。果てはしない。
 適度なところでビンタして起こす。
 「うう。ううーー。うぐ」
 牧野茉莉亜はようやく目を開ける。
 「次は鞭打ち蚯蚓腫れに蝋燭だ」
 「いやよ。蚯蚓腫れまでやったら明日の分しかプレイ代に休業補償されてないよ。鞭、蝋燭までだよ」
 「それは難しいなあ。鞭の加減次第かなあ」
 杉下一行はかなりふざけている。
 「どうしてもやるのなら一週間補償してよ。あと五十万」
 「払えばいいのだな」
 「うーーん。はい」
 「一週間休めるのに嫌そうだな」
 「だってーー。あれ相当辛かったよう」
 「金柑じゃないよ」
 「蚯蚓腫れだけで。堪えられないよ。金柑は気狂いだよ」
 「その前に何か忘れてないかい」
 「ええーー」
 「クラブの了解を取らないと。次の予約が」
 「そーだよーーーーーーー。そう。予約が入っているから。だーーめと」
 牧野茉莉亜は一気ににこやかになる。
 「まだまだ危ないな。蝋燭が先で鞭だな」
 「うん。それなら仕方ないね」
 それでも牧野茉莉亜は蝋燭に泣きに泣いた。慣れてしまえば無言で受けられるプレイである。
 蝋燭を鞭で割る。これにもわんわん泣いた。これならば当分客を悦ばせてくれる。
 「さて。生物プレイだ。この間の籤の通り蛆虫を膣で蝋燭殺しか、蛞蝓を膣で溶かすかだ」
 「ええーーー。どっちも辛そう」
 「それは逃れられないぞ」
 「だよね」
 杉下一行は牧野茉莉亜を拷問椅子に固定する。
 「さあ。どっちを選ぶ」
 「ええーー」
 牧野茉莉亜は選ぶことさえできない。どっちもその気持ち悪さは言語を絶する。どっちも堪えられそうもない。
 「選ばないと両方やるよ。あと二十五万払うけど」
 「そーんな」
 「休業無しで稼げるぞ」
 「そんなの。むりだよーーーーーーーーー」
 「ではこちで決める。蛞蝓だ」
 「・・・・・」
 牧野茉莉亜は何も言葉を返せない。
 杉下一行は蛞蝓を選んだ。
 クラブの部屋担当がお盆に載せて蛞蝓と粗塩を運んで来た。
 大きなクスコを態と横向きに差し込み膣を大きく広げる。
 牧野茉莉亜の表情は恐怖に歪み青ざめていた。
 杉下一行はロングスプーンで蛞蝓を掬い牧野茉莉亜の目前に翳す。
 牧野茉莉亜の表情は恐怖に固まる。
 杉下一行の手にしたロングスプーンは膣の中に進入して止まった。
 牧野茉莉亜の顔は究極に歪み軋んでいる。
 杉下一行はそろりと蛞蝓を膣に落とす。
 「ううーーー。うわああーーーーーーーーーーん」
 牧野茉莉亜の泣きべそ顔の悲鳴はとことんそそらせる。
 蛞蝓は僅かにしか動かない。冷たく張り付いた感触が牧野茉莉亜を鳥肌以上に震え上がらせる。
 杉下一行は塩を掬うがなかなか膣に持って行かない。
 「ああーーーーーーーーーー。あははーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 牧野茉莉亜のなきべそ顔は架橋である。
 杉下一行はじっくり塩を蛞蝓に掛ける。
 「ううーーーーーーーーーー。うううーーん」
 牧野茉莉亜は気持ち悪さに唸り続ける。
 蛞蝓はゆっくり溶ける。その感触は最悪である。
 蛞蝓は半分くらいの大きさに縮む。
 杉下一行はそれをロングスプーンで掬って取り出す。
 それを見た牧野茉莉亜は目をきつく瞑って涙を滲み出す。
 「どうだ。たいしたこと無いだろ」
 「そ、そんなことないよーーーーーーーー」
 「でもこれやら無いと稼げないよ」
 「ううーーーん。そうだけど」
 「これ養殖した蛞蝓だよ。まったく害は無い。屈辱だけだよ」
 「うん。それは割り切らないと。分かっている」
 「目標額大きいんだろ。もう少し確りしないと。鬼堂先生が心配していた」
 「だったら。少しだけ助けてよ」
 「甘え方だけは知っているな」
 「だって。辛いこといっぱい舐めてきたよ。甘え方くらい嫌でも身に染み付いたよ」
 牧野茉莉亜は自分の言葉に涙を溢れさせる。
 
 如月鬼堂がコメンテーターを務める土曜日のインターネットアダルト放送のニュース番組スタジオである。
 コロナショックで世界の経済は崖っ淵。各局ともワイドショーでは消費税減税か一定期間非課税にする。又は給付金かの議論酣である。
 「中国はコロナウイルスに日本の治療薬を使用すると決定しました」
 スクリーンの左に立つトップレスのアナウンサーが解説する。
 「コロナの治療薬に急性膵炎などの既存薬で、ウイルスが細胞に進入するのを阻止する見込みがあると東京の大学のグループが発表しました」
 左側のトップレスのアナウンサー岡田有美が読む。真性奴隷女の館から派遣のSM嬢である。
 「鬼堂先生。新型コロナによる経済の低迷対策で消費税減税又は非課税、消費税はそのまま一律給付金の議論が各局で行われています」
 メインキャスターが如月鬼堂に発言を促す。
 「消費税の減税、一定期間撤廃などは直ぐ出来ません。そしてシステムの改正など小売業者に負担が大きいです」
 如月鬼堂はその様に前置きして次のように説明した。
 とにかく現状は一刻も早く手当てすることです。でも給付金だけでは足りないでしょう。一万二千円では足りません。五万円でもまだ足りません。
 年所得三百万以下に限定して十万くらい支給します。
 消費税はそのままで短い期間でシステムの変更はしません。年商五億円以下の零細企業に限って消費税納税だけ免除します。
 消費税導入当初は私の記憶が間違って無ければ三千万以下納税免除でした。
 できれば所得の低い層の直接税を一定期間免除します。所得税だけではなく住民税も免除します。
 さらにNHKの受信料も大型タワーマンションを除いて建物ごとに一件とします。大家が払って終わりです。大家は経費で落ちます。
 所得の低い層それも月収十八万位で非正規ですと住民税だけで五万少々。NHKが年間約二万五千。所得税合わせて十万位浮きます。
 さらに年金の免除。社会保険料の期間的免除です。
 その位の所得の層ならほぼ全額消費性向に回ります。そして該当する人口はまさに日本の裾野一帯です。
 「しかし先生。住民税を減らしては自治体が成り立たないのでは」
 「まあ。国が補填でしょう」
 「総て赤字国債ですか」
 「この場合赤字国債は止むを得ません」
 「給付金だと預金に回ってしまうと言う意見があります。商品券の方が確実に使われるとの見解です」
 「それは同じです。商品券で買った分、手持ちの現金を使わないで預金に残します。低所得層にだけ金額を増やして給付すべきです」
 
 その日は東京のホテルに泊まった。翌日。熱海まで戻った如月鬼堂を瀬里菜が迎えに来た。
 「パパ。昨夜は問題なさそうだったね」
 「ああ。君らが原稿をチェックしてくれたからね」
 戻ると珠洲がバスタオル一枚で内湯に湯を溜めて待っていた。
 「昨夜はうまく出来たから今日は私たちがパパを洗ってあげる」
 珠洲と瀬里菜は如月鬼堂を全裸で浴室に立たせる。全裸の二人が前と後ろから乳房にボディシャンプーを付けて女躰で体を洗う。
 「パパ。なかなかパオーンしないね」
 珠洲が虚しそうにぼやく。
 「館山先生でさえ私たちのスク水でばっちりなのに」
 瀬里菜も同じ意識である。
 「君らがあの姿で近付いたら誰でもそう成るよ」
 「パパはどうして。いつも水飲み象さんだよ」
 珠洲が正面にしゃがんで如月鬼堂のペニスを目で指しながら言う。
 「見慣れているからさ」
 「そうか新しい躰には起つのだねー」
 瀬里菜はしみじみと言う。
 
 恐ろしい事件が勃発した。
 埼玉県の奥に入った地域である。
 夜間コンビニの駐車場付近だった。五台の車が待機している。コンビニの店内以外に付近に防犯カメラは無い。
 あたりは田圃、畑と森林地帯の繰り返しで民家はごく僅かである。
 男らは充分に下調べをしている。松岡真由の毎日の行動も確認済みである。
 そのコンビニの駐車場に松岡真由の車が止まった。此処で買い物をして帰るのがいつもの日課である。病院の手術室周りの看護師をしている。
 五台の車はその周りに駐車した。中に六人の男が防護服姿で隠れている。二台が車高の高いキャンピングカーでワンボックスカーが三台である。
 松岡真由はコンビニで買い物を終えて出て来た。
 男らは車の陰で自分の車に向かう松岡真由にクロロフォルムを嗅がす。
 松岡真由の躰を確保してキャンピングカーに連れ込む。中で雁字搦めに縛って目隠しをする。
 松岡真由の躰から車のキーを奪い取る。内一人の男が松岡真由の車を運転して六台で出発する。
 近くの横道に入る。其処で松岡真由の車のナンバープレートに別のプラスチック製のプレートを被せてナンバーを変える。
 そのまま六台は別々にコースを変えて出発する。
 合流点は決まっている。
 六台とも別の経路を走って山荘に着く。
 山荘の横に設営した大広間テントに車を全部収容する。
 六人とも防護服姿のままである。眠らせてある松岡真由を山荘に運び込む。
 窓の無い地下室に降ろす。
 麻酔が抜けるのを暫らく待って起こす。
 既に全裸に剥いて拷問椅子に磔にしていた。写真もバチバチ撮っている。
 「なによーーーーーーーー。ここはーーーーーーー。これはなに」
 意識を取り戻した松岡真由は衝撃に叫ぶ。
 「いやあーーーーーーーー。なに。なんでーー」
 松岡真由は全裸で椅子に磔られていると気付く。恐怖と恥かしさと怒りに半狂乱である。
 「これからお前を輪姦して拷問する」
 音声を変換した声である。
 不気味な声がさらに恐怖心を煽る。
 「な・・ん・・・・・で・・・・」
 松岡真由は恐怖に殆ど声が出ない。
 防護服が六人。さらに松岡真由を恐怖に追い込む。
 三週間前の事件の報道が頭を過ぎる。埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の事である。
 逮捕された六人が冤罪でこいつらが本当の犯人なのではないか。
 既に全裸で大股開きにされていて椅子にきっちり縄で縛られている。殆ど躰は動かない。これでは強姦からは逃れられない。
 男二人は鞭を持っている。さらに戦慄が奔る。叩かれるに違いない。防護服の中の顔や表情はまったく判らない。
 躰にも障害を受けていたと報道されていた。その内容は報道されなかった。
 鞭が行き成り飛んで来る。太腿を直撃する。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一瞬松岡真由の躰が拷問椅子の上で震撼する。
 もう一人の男が乳房を斜めに叩く。
 「うう、お、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 かなり力が入っている。乳房は強くへしゃげる。
 松岡真由は頭を斜めに跳ね上げる。口をロの字に悲鳴を搾り出す。
 次の男はスパンキングを持っている。卓球のラケットの様な革の平面で右の乳房をビンタする。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーー」
 松岡真由は歯を剥き出し悲鳴を搾り出す。
 容赦なく反対側も叩く。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに男は叩き続ける。乳房を交互にスパンキングで包む様に叩く。内腿も叩いた。乳房と内腿の皮膚には薄っすらと紅みが浮いてくる。
 「うぐうおおーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーー」
 一本鞭を持った二人が拷問椅子の両側から乳房を叩く。
 「うぐぐぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松岡真由の躰は拷問椅子の上で固定されていながら暴れ藻掻いた。
 さらに一本鞭で叩き続ける。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
 松岡真由の目からは涙が流れ顔は汗を噴いている。躰は乳房と太腿に蚯蚓腫れが何本も奔っていた。
 その蚯蚓腫れは赤紫に変化して一部皮膚が割れて血が滲んでいる。
 残った三名が蝋燭を持つ。蝋燭の芯の周りが溶けて抉れて蝋涙が湯の様に溜まっている。
 二人が拷問椅子の左右から乳房に。一人が正面から内腿に一気に掛けた。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松岡真由の表情は究極に破裂してこれ以上ない大口で悲鳴を轟かせる。
 「あはああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー。ああ。ああ。あはん。あはん」
 涙はポロポロ零れた。
 松岡真由の躰は蚯蚓腫れの上に蝋燭を被って無残な状態である。
 男らは阿弥陀籤で順番を決める。防護服から一物だけ出して一人目が挑む。スキンは着けてない。
 松岡真由の女の中に果てる。生中出しである。一人が終わるとセペで中を綺麗に洗う。
 乳房に被っていた蝋涙は男らが掌で揉むので殆ど剥がされた。内腿も殆ど蝋涙がそぎ落とされている。
 随所に無残な蚯蚓腫れが青紫に変色した筋だらけである。
 六人とも中出しで果てた。だがそれだけでは済まさない。
 浣腸してアナルと直腸を綺麗にする。
 拷問椅子の磔から松岡真由の腕を外して手首を縛り合わせる。
 続いて両方の脚首にそれぞれ縄を掛けた。拷問椅子から縛りを外して床に立たせる。床には既にフックが埋め込まれていた。
 四人が躰を押さえている。松岡真由に抵抗力は殆ど無い。
 腕を上に押し上げ縛った縄を天井から下がった滑車のフックに引っ掛ける。滑車の縄を引いて引っ張りあげてしまう。爪先が辛うじて着く状態まで引っ張った。
 両脚とも脚首の縄を床のフックに引っ掛ける。大きく動かないように股間を三十度以上開いて縛ってしまう。
 松岡真由の躰は完全に宙に浮いている。手首の縄だけで吊るされた苦しい姿勢である。
 一人が後ろから立ったままアナルに挿入する。こっちはスキンを着けていた。
 正面から一人が女に挿入する。こっちはまた生である。
 前と後ろから躰を押さえて腰を上下して両方からピストンする。
 松岡真由は二組目くらいから不覚にも逝き声をがんがん上げた。そして数回イカされてしまう。
 終わってもう一度拷問椅子に寝かされ固定される。松岡真由にまったく抵抗力は無い。
 手術用の麻酔装置が運ばれ麻酔を掛ける。
 男らは松岡真由の子宮を摘出してしまう。DNAが残らないように中を綺麗に洗い消毒する。
 さらにまったく関係ないDNAを流し込んで終了する。
 この情液は仲間の一人がラブホテルの出したごみから拾ったものである。
 松岡真由を拉致したコンビニ。其処からやや離れたナンバープートにカバーをした横道に入る。ナンバープレートの偽装を戻して其処に放置する。
 意識を回復したのは朝である。
 松岡真由は勤めている病院に連絡をして事情を話して警察に向かう。
 病院で長い検査を受け子宮を撤去された事を知る。泣きながらさらに警察の事情聴取を受けた。
 まったく何処に連れて行かれたか防犯カメラの情報も無い。松岡真由は一切顔も見ていない。
 医師の診断結果では体内に残されていたDNAは偽装ではないかとの見解が示される。
 六人と言う人数と防護服が大きな議論を呼んだ。
 
 インターネット放送に如月鬼堂が出演する土曜日の昼である。
 宇佐美のマンションに館山弁護士が訪れた。
 事件の内容をよく検証して解説の打ち合わせを詳細に行う。
 本来寿司の出前を取るが世界状況から冷凍でストックの寿司で済ませる。握った状態で冷凍されていて解凍して下駄に乗せるだけである。
 原稿をチェックして如月鬼堂は珠洲の運転で熱海に向かった。
 
 「野崎卓郎弁護士を座長に埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の無罪釈放を求めて弁護団が埼玉地検に抗議しました」
 トップレスのAV嬢アナウンサーが読む。
 「検察は同じ六人、かつ防護服でも模倣犯と決めています。微細なところで手口が違うと言うのです」
 岡田有美が続きを読む。
 「先生。髪の毛一本のDNAだけで検察は裁判を続行するのですね」
 メインキャスターが如月鬼堂に振る。
 「どこかに勝算があるのでしょう。起訴した以上は引っ込めません。裁判の結果を待つしかないですね」
 「先生は同じ犯人ではないとお考えですか」
 「そうです。模倣犯以上の知能犯です。こっちの逮捕が難しいです」
 如月鬼堂の見解は予想外であった。
 
 如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、そして犬のペーは4月1日で越後湯沢に戻った。
 中央のリビングで囲炉裏を囲んでおでんとビール、日本酒で会合が行われていた。次のSM愛好会の検討とその会場の改装である。
 今度は長野のファッション喫茶を使う。
 「今度は長野と言う条件で関西からの参加者は減っています。コロナの件もありまして見合わせている方も多いです」
 瀬里菜が説明する。
 「現在何名です」
 いつもながらに大河内税理士は急進的である。
 「まだ百名を割っています」
 「それでは百五十くらいだな」
 「そんなところでしょう」
 福富麻次郎と大河内税理士は楽観的である。
 「長野も同じ様に改装しますか」
 会場造りをどうするかである。福富麻次郎はこっちに関心がある。
 「客席は熱海が好評でしたから同じ様に改装します。ただ今回はどうかと」
 如月鬼堂は熱海と同じ改装を予定している。だが改装は今ではない方が良いと考えている。
 「長野はスペースが有ります。でも集客は普段熱海ほどではないでしょう。もっとスペースにゆとりを持たせてはどうですか」
 福富麻次郎はそっちに物慣れている。
 「杉下さんはどうでしょう」
 「同意見です。長野で熱海並みの集客は難しいです。地価は安いのでゆったりで良い思われます」
 杉下一行も福富麻次郎に同調する。
 大河内税理士と福富麻次郎は前回の失敗で話し合った。会員から希望を聞いてノミネートしながら審判に付いても事故は防げないかもしれない。
 もし事故になって警察、マスコミ沙汰に成ったら大河内税理士は正業の方まで危うくなる。愉しみに徹したい。
 もっと指導が出来るプロが必要との見解になった。
 福富麻次郎が杉下一行を会員の中から如月鬼堂に紹介した。古くから知り合いで緊縛師の経験が有る。
 杉下一行は若い頃にストリップ劇場で幕間のコントをやっていた。さらに所属劇場の要請で白黒ショーを担当したのである。
 SMショーの人気が上がり白黒ショーがSMショーに代わる。十年近く全国を回り緊縛師を生業とした。
 新風俗営業法をきっかけにストリップ自体が下火になる。緊縛師の需要も無くなった。その後ポルノショップを開業するに至っている。
 「今回は仮設で試してみましょう」
 如月鬼堂は慎重である。
 「ところで次の生贄は」
 大河内税理士はそっちに関心が強い。
 「今回は他のクラブから」
 如月鬼堂担当の編集小川綾香がマネージャーを促す。
 「他所のクラブの女の子ですが、うちを通して愛好会の予約が取れればと。結構いい子なのですが」
 「引き抜かないの」
 「いいえ。長野の子でして」
 「そう。クラブの方は種切れ」
 「いやそうではないのですが。ちょっといい子でして」
 「編集さん。長野の子を雑誌に」
 「そうです。今回はTOPグラビアで扱います」
 「そんなに良い子ですか」
 「アイドルには向きませんがM女として辱めるにはなかなかその姿が」
 如月鬼堂も乗り気である。
 「それと荒井さんが近々引退されて熱海の店長になります。その後任にお店の子をショーに使います。そちらも」
 「しかし人数は少ないのに一人当たりの負担が」
 大河内税理士はやや心配である。
 「いいえ。取材を兼ねていますので前回同様お店の子はお店で半分。長野のクラブの子はクラブで半分負担します」
 樽常マネージャーが説明する。
 
 長野のファッション喫茶も直ぐに仮の設営が行われた。一つの升席が二メートル四方でレンタルの畳二畳が敷かれる。
 演台は熱海と同じである。
 日常のファッション喫茶でも熱海と同じ営業が行われた。
 今回の参加者はコロナの影響も含めて百二十三名で止まっている。大阪から長野は不便なども原因していた。
 熱海に比べて女性のレベルが落ちる。如月鬼堂はそれを懸念して募集範囲を広げて温泉コンパニオンの転職を呼び込む作戦を指示した。
 参加者が少ないと言っても前に長野で行ったときの三十名は大きく躍進している。僅か半年で愛好会の会員数が一気に増えたのである。
 今回の生贄は椋木美弥三十歳である。
 長野のSMクラブでは結構な売れっ子と言っても所詮長野である。ピンクサロンやキャバクラはたくさん有る。SMクラブまで行く客は少ない。
 線の細い顔立ちで視線に鋭さがある。虐める願望が滾ってくる。
 さらに顔や躰の線に艶かしさがある。
 今回は杉下一行が如月鬼堂の台本通りに行う。よって審判席は無い。カメラはドローンがホバリングしてスクリーンに映し出す。
 如月鬼堂は中央の最上段である。珠洲、瀬里菜、荒井枝里が同席している。
 椋木美弥が一人で演台に上がる。
 「長野のSM倶楽部黒の館に在籍します美和でございます」
 椋木美弥は源氏名で挨拶する。
 杉下一行が篭を持って来て演壇に上がる。
 会員の手で後ろから拷問椅子が演台に載せられる。
 杉下一行の手で椋木美弥の衣服を脱がす。
 下着姿が既に艶めいて見える。躰に密着した下着である。下着の輪郭を縁取ったテープ状の布が細身の躰の線に綺麗に密着している。
 躰の色が白いので赤の下着が映える。
 ショーツも腰にぴったりスリム感を醸し出していた。
 ブラを外すと乳房はまだ弾力を宿している。乳倫は大きくも小さくも無い。乳首はやや色が濃い。
 乳首を拡大すると綺麗な円筒形に突起している。
 ショーツを脱がすと股間の黒い塊はこぢんまりと纏まり先端が女の部分を僅かに隠している。
 股間には隙間が有った。脚の線は内腿が太くならず綺麗に流れている。
 「剃毛から行います」
 会場はその期待感に無言の息を呑む空気が流れていた。
 椋木美弥の躰が拷問椅子に乗る。脚を広げて脚乗せ台に踵を上げると股間がゆっくり広がった。閉じ合わせた女の部分が姿を現す。
 閉じ合わせた粘膜は三十女の割に濃くない。薄小豆色である。
 杉下一行は指先でその粘膜の蕾を広げる。ドローンの映像が拡大された。
 内部は一面に綺麗な緋色である。尿道の亀裂は小さい。僅かに窪みの穴が判る程度である。
 膣口は薄い色の粘膜が重ね合わせて閉じている。
 椋木美弥は拷問椅子の背に顔を叛けて恥かしさに堪えていた。やや表情に赤みが差して見る者をいっそう愉しませる。
 杉下一行は綺麗に靡いた陰毛を鋏みでカットする。
 カットした陰毛は小さなタッパンに入れる。
 ローションではなくジェルを塗る。シェービングだと剃っている部分が見えない。ローションだと陰毛を採取しにくい。
 ジェルを塗って塗して一枚刃の剃刀で皮膚に沿って剃る。陰毛はある程度塊で剃刀の上に浮く。それをタッパンに採取した。
 綺麗に成ったところで暖かいお絞りで拭き取る。
 陰毛の下のやや赤い皮膚が照明に映えていた。くっきり閉じ合わせた粘膜が強く存在感を持ってその部分がひときわ艶かしい。
 もう一度閉じ合わせた粘膜を広げてスクリーンに拡大する。
 「ああ」
 椋木美弥は顔を眩ませて恥かしさに小さく呻く。
 剃毛した椋木美弥の陰毛を競に掛けた。
 ホステスらは配膳に忙しく升席を動き回る。レースの着物姿で下着は着けてない。
 客の席の前に膝を着くと黒い塊と乳首が透けて見える。
 演台では杉下一行が椋木美弥に大型のクスコを挿入した。拡大して奥の子宮口をスクリーンに見せる。
 アナルにもクスコを挿入した。杉下一行は内部を確認する。
 「便が見えないので洗います」
 クスコを一度抜いて水で浣腸する。
 茶色い水が出るだけである。それでも理知的に見えて艶のある女に排泄させる。屈辱を与える悦びは充分に得られていた。
 椋木美弥には内容物が無いことが救いである。
 杉下一行はまたアナルにクスコを挿入する。
 二つの穴がライトに照らされ奥までくっきりスクリーンに拡大されて隠微な姿を満喫した。
 会員らは無言で乾杯する。
 その圧迫感が椋木美弥を包む。恥かしさに顔を赤らめてじっと固まって堪え続けている。
 「内部を責めます。二人手伝って下さい」
 杉下一行は正面前列の二人組みを指名する。
 一人にドリルバイブを手渡す。アナルにローションを流し込んでアナルのクスコは抜いてしまう。
 「この奥に娼婦の泣き所が有ります。これとその反対側の奥を責めます。これは特注のバイブで舌の先で敏感な部分を舐める様な運動をします」
 もう一人に特殊バイブを渡して膣の中を指差して説明する。
 聞いている椋木美弥は恥かしさと責めの恐ろしさに震えていた。恥かし過ぎる逝き姿を晒してしまうことは避けられない。
 だが恥かしさを晒さないと指名は取れない。此処に居るのは全部金だと自分に言い聞かせる。それでも恥かしさに躰も意識も火照っていた。
 杉下一行はまずアナルに細いドリルバイブを挿入させる。
 続いてもう一人の会員に膣の上を指差し自分は奥の下の部分に爬虫類の舌の様なバイブをあてがう。
 アナルからスイッチを入れた。
 「うぐううーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー。ううぐぐううーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は大口を割って声を上げる。美人の顔に眉間の皺が一気に深く刻む。
 一旦アナルを止めて膣の上のバイブを動かす。
 「ううあはあーーーーーーーん。いやああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやよ。いや。いや」
 椋木美弥は泣き顔で叫ぶ。受けたことの無い責めにどうにも収まらない。
 「いやあーーーーーーー。いやよ。だめ。だめよ。だめーーーー」
 究極に崩れて赤く火照った表情で叫ぶ。
 杉下一行は自分のバイブも始動する。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーー。だあめーーーーーーーーー」
 崩れた表情で顔を左右に暴れさせる。究極の責めに躰を迫り上げて藻掻き続けた。
 揺れ動くクスコ。その中で二本のバイブの先端に延びた舌の様な部分が動く。これが隠微なことこの上ない。
 会場からは無言の乾杯が沸く。
 全員の目が自分の恥かしすぎる部分に集中している。それを椋木美弥は全身に受けていた。この雰囲気に包まれてもう思考能力すらない。
 会員らは椋木美弥の赤達磨の表情に事の外満足している。この女を責めるなら長野まで来ても良いと思う者が何人も出始めた。
 アナルも始動する。
 「ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の躰は一気に堕ちる。拷問椅子に沈んで動かない。
 簡単に失神してしまった。
 ドローンのカメラはその表情を克明にスクリーンに拡大する。あの理性的な美人顔が崩れて白目を剥いている。
 その姿は会員らの加虐心を異常にそそらせた。
 次の準備まで休憩が入れられた。椋木美弥はこの姿のまま暫く鑑賞である。
 間繋ぎにホステス二人が野球拳を披露する。
 『わたしは信州の温泉芸者。
 朝までゆったり一晩ご奉仕します。
 腰巻脱いだら全裸でございます。
 この小股でおさおをお迎えいたします』
 熱海と同じメロディでやや違う歌詞が流れる。
 脱いだホステスは一人がショーツ一枚。一人はフェイスタオル一枚で升席を回る。
 椋木美弥は拷問椅子に固定されたままである。
 杉下一行はロングスプーンで椋木美弥の膣の奥からドロドロになった膣液を掬いだす。
 それを黒いプラスチックの板に載せる。
 ビンタして椋木美弥を起こす。
 「これは君の膣の奥に溜まった女の液だ」
 杉下一行はプラスチックの板を翳す。
 「ひぃえ、ええーーーーーーーーー」
 椋木美弥は悲鳴を上げる。
 「これを競に掛ける」
 「ええーーーー。何でそんなこと。いやあーーーーーーーーーー。いや。いや。いやよう」
 一気に泣きべそ顔に崩れた。首を振って悲痛な目付きで嫌がる。
 競はそれ程沸かなかった。五万で落札する。長野までプレイに来れば自分で採取できる。無理に買う必要は無い。
 それよりも椋木美弥の拒絶する羞恥極まった表情が会員らの加虐心をさらに滾らせた。なんとしても指名して虐めたくなる。
 まだまだこれからである。椋木美弥を叩く悦びは会員らに計り知れない。
 ショーは徐々に成功しつつある。そしてこの女が売れることは如月鬼堂に二重の利益になる。
 愛好会の会員という事でクラブからバックリベート五パーセント。その他に今一稼働率が緩慢な長野のプレイルームの稼働率が上がる。
 水の無い水槽に蛇を入れて運び込む。
 今回は本多椿が来ていない。杉下一行は蛇を手で掴む。
 頭の下と尻尾を持って椋木美弥の両方の乳房に近付ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はまた泣き叫ぶ。実に美しくそそらせる泣き顔である。
 両方の乳首の上に軽く載せる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が会場を震撼する。
 「これをあんたの女に入れてち○○の代わりをして貰う」
 「ええーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。だ、だ、だあー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目も口も顔の表情も破裂させて断末魔の悲鳴である。
 それでも杉下一行は蛇の頭をクスコに近付ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横向きに挿入して膣口を大きく開いたクスコ。その鴉の嘴の割れた谷間に嵌まり込んだ尿道の亀裂が広がり小水が噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。はあーーーーーーーーーーーん」
 椋木美弥は失禁しながら泣き喚く。
 会場からは拍手が鳴り止まない。
 杉下一行は蛇を水槽に戻して失禁の濡れを拭き取る。アシスタント役の会員が演台の濡れをモップで拭く。
 杉下一行はもう一度蛇を掴む。
 「一回は入れないとね。毒は無い」
 「・・・・・・・・・・」
 椋木美弥は声なく首を振るが目をきつく瞑って顔を叛ける。覚悟はしたようである。
 クスコの口から蛇の首をそろりと入れる。
 椋木美弥の躰は固まったままぶるぶる震えていた。
 さすがに直ぐに抜いてやる。
 椋木美弥は涙を溢れさせ顔を横に叛けて震え続けた。
 会員らの興奮は絶頂である。荒井枝里は顔を覆って見られない。珠洲も瀬里菜も抱き合って演台を見ないで凌ぎ続ける。
 「終わりましたよ」
 杉下一行が椋木美弥に声を掛けた。
 「はい。大丈夫です」
 椋木美弥は涙を振り払って頷く。
 ここで休憩が入れられた。
 椋木美弥は拷問椅子から開放され一度休憩室に引き上げる。
 椋木美弥は長野の権堂で貧しい母子家庭に育った。生活保護と奨学金で高校まで卒業する。
 就職に就いてもうまく行かなかった。男性からは執拗に誘われる。男性の性欲を誘い過ぎるのである。
 清楚な姿をしてもまったく効果は無かった。女性からはグループで苛められる。会社を辞めて派遣になったが結果は変わらなかった。
 キャバクラで働くが其処でも苛めに悩まされる。風俗に堕ちた。さらに行き着くところは長野のSM倶楽部黒の館となってしまう。
 母は椋木美弥が高校を出るとまもなく病死する。2Kの貧しいアパートに二人暮らしであった。
 風俗の稼ぎでやっと母のお墓を建てる。
 なんとしても自分の家を持ちたい。そして将来楽に暮らせる蓄えと資産創りをしたい。
 結婚は考えてない。男の本性は充分に思い知った。金の為にだけ躰を提供する。男は一時の金と考えている。
 休憩時間の樽常マネージャーの仕事は忙しい。会員から送られて来る椋木美弥の予約注文を処理する。既にメールは溢れかけていた。
 その内容に合わせて予定を配分する。
 演台に小湊雄二が白石聖子を全裸で牽いて来た。小湊雄二はファッション喫茶専属の緊縛師見習いである。
 白石聖子は熱海店のホステス。引退する荒井枝里に代わってファッション喫茶のSMショーに出演する。
 行われるのは簡単なショーになる。余り過激では一般客が引いてしまう。
 手首を縛り合わせその縄を天井から下がったフックに通して引っ張る。脚の裏が着いているぎりぎりでフックに縛り付け固定した。
 白石聖子は手を上に上げた一本字の状態で軽く吊られている。
 小湊雄二は乳首を洗濯バサミで抓む。さらに一本ずつその両側の乳房の皮膚を抓む反対側の乳首と乳房も同じ様に三本で抓んでしまう。
 小湊雄二は一本鞭を手にする。一本鞭と言えばハードにも聞こえる。だが柔らかい革を編み合わせたもので濃い痕にはならない。
 最初は太腿を叩く。
 「あはあーーん」
 それでも白石聖子は悲痛に表情を歪めて悲鳴を漏らす。
 内腿を一本鞭の先端がはらうように叩く。
 「ああ、あはあーーーーーーーーーーん」
 目を細めて眉間に二重に皺を刻んで歯を剥き出す。
 さらに太腿を合わせて薙ぐ。
 「ううああーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 次は土手に入る。
 「あはあーーーーーーーーーーーん」
 顔を後ろに反らして天井を向けて大口の悲鳴を上げた。
 小湊雄二は鞭の構えで乳房の洗濯バサミを叩くことを示す。
 白石聖子は顔を後ろに逸らせて身構える。
 鞭は斜めに左の乳房の内側の一本の根元を掬う。洗濯バサミは飛ぶ。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 白石聖子の躰は震える。目をきつく瞑って大口を開けての悲鳴である。
 さらに左の乳房を狙う。
 白石聖子は頭を後ろに逸らして顔に当たるのを避ける。躰は微妙に震えていた。胸元から鞭は斜めに左の乳首の洗濯バサミを掠める。
 「うおおーーーーーーーーーーーーー」
 反動で膝を蹴り上げる。
 乳首の洗濯バサミは斜めに咥えがずれた。左の一本は弾けて揺れるが咥えは動かない。
 さらに左の乳首を抓んだ一本の根元を浚う様に流す。
 「うおーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 乳首の一本は飛ぶ。左の一本は咥えが僅かに残って抓まれた肉が繊細に痛そうである。
 さらにそれをはらう様に薙ぐ。
 洗濯バサミは軽く飛ぶ。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーー」
 目を瞑って眉間に強い皺を三重に刻んで悲鳴を搾り出す。
 まだ右に三本残っている。それも白石聖子の泣き悲鳴を繰り返して終了した。
 白石聖子はどこか陰りを見せる表情でM役には適任かもしれない。
 演台の上に十露盤板が置かれた。平たい表面をつるつるに加工した厚さ五センチくらいで六十センチ四方の石の板が台車で運ばれる。
 アシスタント役の会員が二人台車の横に待機する。
 杉下一行は椋木美弥を台車に乗せて運んで来る。椋木美弥は台車にお尻を着いて腕を廻して膝を抱いた姿勢で乗っていた。
 この姿でもスタイルの良さと艶かしさを感じさせる。
 杉崎一行は椋木美弥を高手小手に縛った。そのまま十露盤板に押しやる様に正座させる。
 十露盤板は六本の角材が角を真上に向けて並べて打ち付けられていた。その角の上に脛が乗る。
 座るだけでも痛い。
 既に顔の表情は痛みに歪んでいる。
 杉下一行はアシスタントの会員に合図した。
 ラバー軍手を掛けて二人係で一枚の石を持ち上げる。椋木美弥は恐怖に慄き石を睨む。
 「ええーー」
 会員二人が両側から腰を落として椋木美弥の艶かしい膝にそろりと載せる。
 「ううーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は堪えられない表情を搾って唸り声を搾り出す。
 「ううっぐうーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーー」
 躰は痛みに揺れる。顔の表情は究極に軋んでいるた。
 それでもアシスタントの会員二人は二枚目の石を持ち上げる。
 「・・・・・・・・・」
 椋木美弥は恐怖の表情を引き攣らせた。
 会員らは椋木美弥の膝に載せた一枚目の石の真上に持って来る。
 「だあめーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は首を強く振って堪えられないと訴えていた。
 それでも二枚目の石を載せる。
 「だあめーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーー。ぐうあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうううううーーーーーーーー」
 椋木美弥は表情を引き攣らせ苦しみ藻掻く。
 「ぐうううーーーーーーーーーー。うぐうううーーーーーー」
 椋木美弥は苦しみ藻掻く表情である。それはこれ以上そそらせることはないくらい艶めいていた。
 顔は汗を噴き涙は瞼に大粒に溜まり溢れかけている。
 二人のアシスタント会員は三枚目を取りに行く。
 「もう。もう。むりいーーーーーーーー。だめーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は泣き叫ぶ。
 それでも真上に持って来る。
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 涙を飛ばして断末魔の叫びを轟かせた。
 それでも降ろす。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の表情は破裂している。これ以上開くかと言う位の大口で顔全体を圧して泣き叫ぶ。
 杉下一行は直ぐ降ろす指示を出している。
 アシスタント会員は一枚を持ち上げて横に下ろす。
 二枚目をどうするか杉下一行の合図を確認する。無反応なので床に下ろした石を持ち上げ直して台車に載せる。
 杉下一行はこの状態で乳首をクリップで抓む。黒い鉄板を三角に曲げた書類を挟むクリップである。横幅二センチ。相当に痛そうである。
 高手小手に縛られやや突き出した乳房。その先端に突起した乳首をクリップが包んで突き出ている。
 杉下一行は先端に長方形にチップの付いた鞭でそれを叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー」
 躰は揺れ藻掻き膝を圧迫している石は軋む。顔は歪み涙と汗を飛ばす。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーん」
 椋木美弥は顔の表情を究極に歪めて歯を剥き出し悲鳴を搾り出す。
 杉下一行はそれでもクリップを叩き続ける。
 「うごおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は狂った様に悲鳴を上げる。鞭の痛さだけではない。石の圧力で十露盤板の角材の頂点が脛に下から刺さり痛みが襲っている。
 折り重ね合わせて上に石の載った膝の圧迫も苦しい。そこに鞭の反動が総ての痛みをさらに強く刺激させる。
 杉下一行は先端が三センチくらいL字に曲がった細い鉄の棒を持ち出す。
 それをV字に二本突き出たクリップの取っ手に上から差し込む。下の取っ手をL字に引っ掛けて引っ張る。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああはーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん」
 椋木美弥は大口を破裂させ顔から涙が溢れ出た。
 杉下一行は乳首を損傷しないように取るコツを心得ている。ゆっくり捻る様にじわじわ引き抜く。
 「ああはんはああーーーーーーーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈な甲高い悲鳴である。そして涙は見ている会員らを加虐心の極地に押し上げる。
 もう一度失禁した。十露盤板の横から尿が流れ出る。
 杉下一行はもう片方も引き抜きたいがさすがに手で外す。
 「うわああーーーーーー。ああーーーーーーーーーん。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 アシスタント会員に合図して石を退かせる。
 アシスタント会員二人が最後の石を持ち上げると椋木美弥は演台に肩から倒れこむ。脛には角材の痕が真っ赤な筋と成ってくっきり減り込んでいた。
 「あはあん。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 椋木美弥は脚の痛みと痺れに藻掻き続ける。
 杉下一行は椋木美弥の躰を腰から上を起こして脚は前に流す。高手小手に縛った背中と腕の間に竿を一本通した。
 縄で竿を腕に縛り付ける。
 竿と高手小手に縛った縄を合わせてフックを引っ掛けた。さらに竿とフックに縄を通して一度縛る。
 その縄を天井から下がったフックに通す。それを背中のフックにもう一度通して引っ張る。
 そのまま椋木美弥の躰を竿共々吊るし上げてしまう。
 椋木美弥は脚が痺れて立てない。脚を折り曲げ暴れさせながら空中に不安定な姿勢でぶら下がる。
 その宙に不安定に浮いた太腿を竹の鞭で叩く。
 「ぐおーーーーーーーーー」
 直ぐに蚯蚓腫れが浮かぶ。
 立て続けに叩く。
 「うおーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー」
 蚯蚓腫れは赤紫に変色する。
 色白で綺麗な太腿が無残な鞭の痕だらけになる。
 会員らは興奮と生唾の極地である。
 配膳するホステスだけが升席を忙しく動き回る。
 杉下一行は吊るしの高さを調節して椋木美弥の膝が演台に付く高さに下げた。
 今度は乳房を叩く。
 「うおーあはあーーーーーーーーーん」
 乳房がへしゃげるくらい強く叩いた。
 「うおあはああーーーーーーーーーーん」
 蚯蚓腫れには成らないが赤紫に滲んだ筋が浮いてくる。
 椋木美弥は瀕死の表情で泣き喚き続けた。
 吊るしから下ろして高手小手に縛った縄も解く。
 もう一度拷問椅子が演台に載せられた。
 椋木美弥の躰を再び拷問椅子に磔る。
 二人のアシスタント会員は蝋燭数本に点火していた。
 蝋燭の芯の周りに溶けた蝋涙が溜まっている。
 杉下一行は一本を手にした。それを椋木美弥の太腿の蚯蚓腫れ数本の上から流す様に掛ける。
 「ああーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は躰を一瞬硬直させる。それから藻掻く様に暴れた。
 「あはああはあーーーーーーーーーーーーーーーん。いたああいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いてもう一本を乳房に掛ける。
 「あわああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は狂った様に喚く。
 「ああ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥は荒い息遣いで天井を見上げている。
 「い、いたい。いたい」
 辛そうに痛みを訴える。
 「金柑ほどには染みないですよ」
 杉下一行は少しからかう。
 「ええーー。そんな」
 椋木美弥はまだこの上が有るのかという拒絶反応である。
 「ちょっとだけ隅っこに塗ってみません」
 杉下一行はそれでも押してみる。
 「ええーー。どうなるのですか」
 「相当に染みますのでほんの少しだけ」
 杉下一行は椋木美弥を拷問椅子から降ろす。
 椋木美弥の躰を開放して床に尻を着かせ脚を前に投げ出させる。
 後ろに立って手を上から前に廻す。軽く乳房に浮いた蚯蚓腫れ三センチ位に指先で塗る。
 「・・・・・」
 直ぐには効かない。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は乳房を両手で押さえて演台の上で転げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。い、いたああーいいーーーーーーー」
 猛烈に染みるのを堪えられず暴れまくった。演台を転げて苦しみ藻掻き号泣する。苦しみ顔がまた何ともそそらせる。顔も躰も美人である。
 「ああーー。はあーーー。はあ。はあ」
 染みるのは数分でしかない。牧野茉莉亜は全身に塗られたのでそれが順次効き堪えられなくてシャワールームに飛び込んだ。
 「全身に塗られたらどうだ」
 「・・・・・・・・」
 椋木美弥は猛然と首を振る。
 「蝋燭の方が軽いだろ」
 杉下一行は当然のように言う。
 「ええーー。軽くは無いけど。これは凄過ぎよ」
 杉下一行はアシスタントの会員二人に合図する。
 椋木美弥はお尻を着いてしゃがんでいた。二人は椋木美弥の脚首を片方ずつ持って股間を広げる。椋木美弥は後ろに手を着いて体制を保つ。
 杉下一行は細い一本鞭を持ってその後ろに回る。
 椋木美弥は怯えながら目をぱちぱちさせ気配を窺う。
 先ほど剃毛した女の部分のやや赤い皮膚。杉下一行はその真ん中にくっきりと割れ目の間から突起した小豆色の粘膜を叩く。
 「あおあわあーーーーーーーーーーー」
 顔を逸らせて怯えた表情を震えさせて悲鳴を上げる。
 さらに太腿の付け根を叩く。
 「あわああーーーーーーーーーーー」
 乳首をピンポイントに叩いた。
 「うおおーーおーーーーーーーー」
 椋木美弥は躰を横に倒して逃れんと藻掻く。二人のアシスタント会員の押さえは振り解かれていた。
 さらに横になったまま乳首を叩く。
 「あわああーーーーーーーーーーーーー」
 横に倒れたまま脚を暴れさせ大口の悲鳴を上げた。そして乳房を押さえて演台に蹲る。
 これで終わりではない。もう一つ最後の悲鳴を聞きたい。
 「今度の一発で最後だ。股を広げて自分で女の部分を開いてくれ」
 杉下一行は究極の要求をする。
 「ここを叩くの」
 椋木美弥は驚愕の表情で杉下一行を振り向く。
 「これで最後だ」
 「はい」
 椋木美弥は恐怖極まりながら観念する。
 脚を広げて会員に後ろから背中を支えてもらって躰を後ろに反らせて両手で女の部分を開く。
 躰はぶるぶる震えている。表情は悲痛に固まっていた。
 杉下一行は斜め後ろに立って狙いを定める。
 この体制の鞭は加虐心をいっそう刺激すた。強く躰を戒めないのは藻掻く姿を堪能する目論見である。
 鞭を振り下ろす。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は両手で股間を押さえて前に倒れる。手で演台を叩いて転げた。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙を振り飛ばしながら躰を右に左に転がして痛みに悶え続ける。
 杉下一行は椋木美弥の躰を脚と背中を持って持ち上げた。抱かかえてそのまま一度控室に引き上げる。
 白石聖子が升席の配膳から演台に戻って来た。間繋ぎである。
 小湊雄二が拷問椅子を演台に載せる。
 白石聖子がその上に乗って女の部分を公開する。愛好会だけのサービスである。通常の営業では局部は見せない。
 小湊雄二は簡単に太腿だけベルトで拷問椅子に固定する。
 女の部分に指を入れて解す。
 「あはあはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 僅かな時間で潮を噴かせる。
 それでも潮を噴いたまま掻き回し続ける。
 「ああーー。あはあーーーーーー。ああーーーー」
 まだ僅かに潮は流れ出てくる。
 手頃なところで卵バイブを突っ込む。一個奥に指で押し込み二個目を入れる。
 「ああーー。あはあーー」
 三個目を手に持ってクリを包皮の上から責めた。
 「はあ、ああーーーーーーーー。はあーー。はああーーーーーーーーー」
 股間は微妙に震えだす。
 「ああーーー。はあーー。あはあーーーーーーーーーー」
 小湊雄二の持つ卵バイブから逃れるように股間は上下に動く。
 「ああはあーーーー。ああーー。ああはあーーーーーーー」
 股間は微妙に震え続けた。ベルトで止められた太腿に力が入る。股間が閉じようと自然に藻掻く様に動く。
 「ああーーーー。はあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に小水が僅かに零れ出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に小水が弧を描いて威勢よく噴出する。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 断続的に何回か噴出す。
 「ああ。はあ。はあ。はあ」
 小湊雄二は卵バイブを抜き取る。
 
 演台の上が片付けられて普通のパイプ椅子が二つ置かれた。
 杉下一行と一緒に全裸のまま椋木美弥が出て来る。シャワーで躰を一応整え化粧を直していた。
 「お疲れ様でした」
 「ありがとうございました」
 二人がマイクを持って挨拶をする。
 「きつかったですか」
 「ええ。もう」
 「何が一番辛かったですか」
 「ええーー。何がと言われても。全部辛かったですよ。あの突き出た板の上で乳首から黒いクリップを引っ張られたとき」
 「物凄い泣き方でしたね。号泣そのものですか」
 「脚の痛みの上に乳首の物凄い痛みと?ぎ取れるのじゃないかと恐怖で」
 「大丈夫です。そう成らない様に痛みだけ与える工夫をしています。蛇よりそっちでしたか」
 「蛇は物凄い恐怖だったけど。あれをやらないと稼げないと思い。毒はないと言う言葉に覚悟決められたの」
 「強いね」
 「ええーー。だって」
 「蛇はそんなにやる人は居ないです。会員の方もそこまではなかなか。それ以外の生物が多いです」
 「例えば」
 「蜥蜴、カナブン、カメレオン、蛞蝓が多いかな」
 「ええーー蛞蝓。ええーーーーー」
 「そっちがいやですか」
 「うーん」
 「今日は良く頑張ったよね」
 「これで会員の皆さんは興奮して虐め心を満足してくれたのかな」
 「満足したでしょう。なかなかハードでしたから。どうですかーー。まんぞくですかーー」
 杉下一行は後半を会場に向けて確認する。
 全体から大きな拍手が沸く。
 「どうでしょう」
 「・・・」
 椋木美弥は無言で頷く。
 指名は一ヶ月近く確保されたらしい。
 
 荒井枝里は北陸新幹線で帰った。
 如月鬼堂は帰りしなに編集から声を掛けられた。
 「先生。今日のレポート明日一杯で頂けます」
 椋木美弥をグラビアに使ったからである。
 「ええーー。明日。まあこれは書きやすいから何とか成るが」
 如月鬼堂は不機嫌に答える。
 長野から越後湯沢は直線なら五十キロ足らずだが車でも電車でも時間が掛かる。新幹線高崎乗換えも早くない。
 かがやきはもとよりはくたかも大方高崎に止まらない。あさまのみで本数がこっちも少ない。
 去年の台風十九号の影響で車両が足りなくさらに本数が減っている。
 十日町乗換えでほくほく線はまあまあだが飯山線は論外に遅い。本数も少ない。
 今回は荷物の搬入が要らないので車ではなく新幹線乗換えで来た。
 如月鬼堂は荒井枝里の横でショーを見ながらあらましパソコンに入力していた。この程度は新幹線の中で仕上げてしまう目算である。
 
 椋木美弥は権堂のワンルームマンションの自宅に戻った。今は余計な金は使いたくない。ワンルームで良い。
 それでも2Kのカビの匂いの消えない古いアパートからは脱出した。浴槽に湯を張り鞭の蚯蚓腫れを癒す。
 会場の浴室でも白石聖子のショーの間に出来るだけ癒した。辛いのはほぼ今夜だけである。
 大きな会場でたくさんの目に見られるのが堪らなく恥かしかった。あそこまで広げられるとは思ってなかったのである。
 当たる空気と照明、視線に包まれて何も考えられない。
 あの変わったバイブに責められて不覚にも感じてしまった。どんなに気持ち良くても悔しい。もっと堪えられる様に成らないといけないと思う。
 
 如月鬼堂らは越後湯沢のマンションに戻った。原稿は明日の朝読み返して纏める。今夜は外出の疲れを癒す。
 露天風呂に湯を張った。
 珠洲と瀬里菜も一緒に生ビールを飲みながら浸かる。
 「今日は凄かった」
 珠洲にはこの前の危険なショーより今日の方がハードに見えた。
 「でもあの人あんなに号泣しながら最後はケロリとしていたね。強いよ」
 瀬里菜は椋木美弥の強さに唖然としている。自分なら入院になるかもしれないと思っていた。
 「一応事前にあらましの台本を提示している。実際に行うのと箇条書きでは大分違うが大筋では承認していた」
 「でもあの泣き方は」
 珠洲はあのマジな号泣が嘘とは思えない。
 「乳首のクリップに鞭としか書いてない。あの乳首をぐりぐり引っ張るところは流れだ」
 「あれで乳首千切れたりしないの」
 「素人が下手にやれば分からないが、杉下氏には手応えで分かるのだろう。危なければ途中で止めて手で取る」
 「千切れる事もあるの」
 「まず無いよ。強い傷を付けたりする危険だけだ」
 「ふーん」
 瀬里菜は露天風呂に備え付けの電子レンジで冷凍解凍の刺身を桶に載せる。生ビールは二重底の桶で湯に浮かべていた。
 「荒井さんは今回の方がまだ安心して居られたと言っていたけど。目を覆っていたね」
 「パパ、これからもこのやり方になるの」
 「いいや会員にやらせない訳には行かない。杉下氏が今後判定に加わる」
 「プロにきっちり確認させると」
 「そうだ」
 いつも露天風呂に浸かり極上美女と全裸で飲みながら入浴。普通では有り得ない如月鬼堂の贅沢である。


 最期のSM小説家 第六幕 SM嬢が宿命の女 完





 最期のSM小説家 第七幕 続SM嬢が宿命の女

 二〇二十年穀雨上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 遂に緊急事態宣言が出された。しかし保障は何ともハードルが高く到底救済とは言えない。
 新しい関西のファッション喫茶は奈良県生駒に新規オープンの準備が完了した。店舗としてのオープンは緊急事態宣言が解除されるのを待つ。
 大阪ではないのでその対象にはならない。それは熱海、長野も同様である。
 だが面倒なトラブルや指導は避けたい。
 一時的にオンライン店舗に切り替えられた。
 女の子は出勤する。急遽テレビカメラ付き個室が設営された。インターネットを通しても客と二人だけである。
 完全に合法なサービスが出来る。触れないのが今は我慢である。
 その代わり一対一なので濃厚な会話と局部まで公開出来る。
 売り上げは下がるが女の子の給料が出れば良い。店舗は如月鬼堂の所有なので家賃は先送りにする。
 
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 今夜はアナウンサー役だが真性奴隷女の館から派遣された岡田有美がM奴隷役も行う。
 責めるのは如月鬼堂。スーツ姿のままである。
 岡田有美は天井から下がった滑車に駿河問いで吊るされている。
 手首を縛り合わされ脚首も縛り合わされている。その手首と脚首を背中の上で縛り合わされその部分が滑車から下がったフックに吊るされている。
 スリムな岡田有美である。吊る下げられた躰は空中で五角形を描く。
 腹の部分が一番下である。腰は斜め上に向き膝で折れ曲がって脚首から吊られている。
 手首から吊るされた肩に首がぶら下がって乳房は斜め下を向いている。
 ぶら下がった首はべこのように外にはみ出ている。
 苦しい縛りである。
 岡田有美の顔は被さった髪の毛に大方隠れているが歪み苦しんでいる。
 如月鬼堂は岡田有美の肩から下がった首を顎に竹刀を充てて上に跳ね上げる。その下から竹刀で乳房を薙ぐ。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 吊るされた岡田有美の躰は空中に歪んで迫上がる。
 元の位置に下がるタイミングに合わせてもう一発薙ぐ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房の竹刀叩きはかなり痛い。さらに駿河問いに吊るされた苦しい体制である。岡田有美の躰は五角形の内側に引くように胸が迫上がる。
 数発叩かれて岡田有美の美しい顔から涙と涎が垂れ飛び散る。
 実に加虐心が熱くなる姿である。
 如月鬼堂は電極の準備をしている。
 駿河問いの吊るし状態で電流責めはかなり厳しい。乳首を小さい黒い書類を挟むクリップで鋏む。
 それだけではない。先端を半球状に丸くした円筒形の金属棒を膣に挿入する。膣はやや上を向いている状態なので落ちる事はない。
 電極のトランスからは四本の単線が接続されている。その二本の先端は小さな鰐口クリップ。あと二本は充電クリップである。
 まず乳首の黒いクリップに小さな鰐口クリップを接続する。膣に突き刺した金属棒には充電クリップを並べて接続する。
 岡田有美は悲痛な表情でその作業を目で追っている。
 如月鬼堂は乳首の電流から入れる。
 「あおおおおーーーーーーーーーーーーーーーー。あおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吊るされた腹と胸を迫り上げて苦しみに藻掻く。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 電源を切っても暫く藻掻き続ける。
 この美人の苦しむ顔は実にそそらせる。
 次は膣の電流を流す。
 「うおおーーーーーーー。おーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー」
 顔は引き攣るように歪み躰はがくがくと小刻みに震撼する。
 「あーー。あはあーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岡田有美は蒼白な顔を振って苦しみを全身で訴える。
 それでも同時にスイッチを入れる。
 「ああーーー。がああーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーー。ああーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーー」
 岡田有美の躰は空中で固まりながら小刻みに震え続ける。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もれるーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は断末魔の悲鳴に成る。
 膣に刺さった金属棒の周りから小水が流れ出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 直ぐに電流は止める。
 岡田有美はぶるぶる躰を震えさせながら小水を垂れ流す。スレンダー美人のお漏らしに視聴者は大満足である。
 吊るしから降ろされて岡田有美はぐったり床に座り込む。涙と小水に顔も躰も濡れた。この姿は性欲をそそらせ男根を起立させる。
 実に美しく艶かしい姿である。
 岡田有美の調整の為CMが入る。さらに如月鬼堂の経営配下にあるファッション喫茶のオンライン営業のお知らせも行われた。
 ニュースの時間になる。
 「給付金を貰える人のハードルが高いことと休業要請に休業補償がどうなるかが争点になっています」
 メインキャスターが呼びかける。
 「個人の給付金が一世帯三十万と提示されました。その条件が世帯主の所得が半減、又は住民税非課税世帯とのことです」
 金曜日担当のトップレスAV女優のアナウンサーが読む。
 「鬼堂先生この基準はやはり厳しいでしょうか」
 「厳しい以前。所得の半減という基準はまだともかくです。住民税非課税基準がそもそも低過ぎます。こんなの生活出来ません」
 「単身世帯の場合で年間百万以下が非課税ラインですね」
 「生活保護費以下の非課税ラインがおかしいのです。完全扶養家族以外住民税を払えと言う制度です。非課税ラインそのものを見直すべきです」
 「ではこの制度では意味がないと」
 「二階から目薬の給付金です。まったく意味がありません」
 「中小企業、個人事業向け給付金はいかがでしょう」
 「凌げる場合とそうでない場合が様々でしょう」
 そう前置きして如月鬼堂は次の様に述べた。
 緊急事態、営業停止、失業なら居住権保障、営業権保障で家賃停止命令も出してほしいです。その代償に大家は税金免除するのです。固定資産税、所得税、法人税、住民税を免除すればよいです。
 ネットカフェ営業停止で難民を出すなら感染者と別にホテルを借り上げとネットカフェとの差額補助をすべきです。
 
 越後湯沢の如月鬼堂のマンションではテレビ会議が行われていた。四十八インチの画面に駒割して参加者全員が表示される。
 発言者を拡大するときはマルチモニターで別途に横の一台に表示する。
 各参加者もモニターが二台あれば大きさは別つにして同じように見ることが出来る。
 画面に映るのは如月鬼堂だけである。珠洲も瀬里菜も露天風呂から戻って全裸のままバスロープ姿である。時刻は二十時を回っている。
 何処も酒を酌み交わしての会議である。
 「先生。次の開催を見合わせるのですか」
 大河内税理士は不満を漏らす。
 「大河内先生それは駄目ですよ。鬼堂先生もファッション喫茶をオンラインにされています。私共も多少真似して自粛営業です。売り上げは半減以下です」
 福富麻次郎が宥める。
 「半減でやって行けますか」
 「鬼堂先生とも話し合いまして女の子の生活を繋ぐ収入だけ稼ぎましょうと言うところです」
 「店は赤字で」
 「幸い私共には家賃支出は殆どございません。固定資産税が重いだけです。こっちは時勢から延滞できるでしょう」
 福富麻次郎のチェーンは大方が自社物件である。一部賃貸でも福富麻次郎の経済力でカバー出来る。
 女の子は他所に行き様が無い。一部の収入でも生活は出来る。借金の子は福富麻次郎が何らかの救済手段を取る。
 所属する女の子を繋ぎとめればよいのである。
 「ところで鬼堂先生。愛好会もオンラインで行けませんか。イベントにならなければ良いのでしょう」
 「まあオンラインなら放映する側はテレビのスタジオと一緒ですね」
 館山弁護士もそこまでは認める。
 「問題はそれで会員から分担金が取れますか」
 クラブのマネージャー樽常である。
 「そこはどうでしょう。いつもの取材レポートの公開ということでは」
 SM雑誌の如月鬼堂担当編集小川綾香である。
 「いま宣伝費を出しても」
 樽常はクラブの宣伝費を出したくない。
 「会員から幾らかは集められるでしょう。残り負担では」
 「樽常さん。クラブの予約は入っているでしょう」
 「けっこうキャンセルもございまして」
 確かに自粛するものはある。
 「長野はどうでしょう」
 如月鬼堂が疑問を持って少し突っ込む。
 「あっちはけっこう行けています」
 「そうだよな。プレイルームがずっと埋まっている」
 「女の子を長野と熱海のホテルに滞在させては」
 大河内税理士の意見である。
 「いやあ。椋木美弥だけですよ」
 「そんなに人気ですか」
 「殆どキャンセルもありません」
 「一度オンラインでやってどうか全体の意向を聞いて見ましょうよ」
 杉下一行はまだやる気である。
 「もう一度椋木美弥という意見が結構来ています。前回出参加しなかった人からも要望が上がっています」
 瀬里菜が横から発言する。バスロープ姿なのでカメラには映らない位置に逃げている。
 「そうですね。グラビアも再リクエストがあります。その撮影も含めてどうでしょう」
 雨蔵編集長である。
 「会員だけなので長野に集まってしまえばどうかな」
 大河内税理士は暴走を始める。
 「それは駄目です。いまの会員数では情報は漏れます。即刻中止命令が出る」
 館山弁護士が即刻諌める。
 「オンライン会合は止むなしか」
 大河内税理士も諦める。
 「待って下さい。椋木美弥を使ってもらえたら長野のSM倶楽部黒の館が半分持つとのことです」
 マネージャーの樽常が電話で確認したようである。
 「けっこう反応返っています。椋木美弥さんならオンラインでも見たいと。一人一万でOKの方が殆どです」
 珠洲が報告する。珠洲は少し画面に顔を出してバスロープで包んだ胸の谷間まで見せる。
 「それなら行けそうですな」
 大河内税理士は満足そうである。
 「録画が出来るかの質問が多いです」
 珠洲がもう一度口を挿む。
 「そこは難しいです。一定期間再度の視聴が出来るまででしょう。あとは本人と話し合いです」
 樽常マネージャーは否定的である。
 概ね結論は出た。この先は本人と話し合ってからと成った。
 
 会議が終わって丁度良い寒さの露天風呂に向かう。テレビ会議を終了すれば三人とミニチアダックスのぺーだけである。
 瀬里菜が生ビールを注いで二重底の桶に浮かべる。如月鬼堂の分である。珠洲と瀬里菜はスパークリングワインを桶に載せる。
 皿に盛り付けた既製品のオードブルを別の桶に浮かべる。時間的に軽いつまみで充分である。
 「パパ。あの人大人気だね」
 瀬里菜には他の女性とどう違うのか分からない。
 「うーん。この仕事にだけ合っているのかな。この情勢でなければあっという間に稼げるのに」
 「いまのペースじゃ駄目なの」
 「目標額が大きいからね。年齢的に持って数年だな」
 「えー。どうして」
 「あのタイプは老けるのが早い。今がピークだよ」
 「えーー。そうなの」
 珠洲にはややショックな話である。
 
 新型コロナ肺炎で医療崩壊寸前。非常事態宣言の真っ只中に過去の陰湿な事件のどんでん返しが起きた。
 それは警察の捜査、裁判まで覆す取り返しのつかないどんでん返しであった。
 コロナ肺炎で死に直面した真犯人がSNSに証拠と犯人しか知りえない情報を提示して告白した。
 その事件は裁判で被告が有罪判決を受け既に死刑が執行されていた。それだけではない。その兄弟が職を失って自殺していた。
 それは母子強姦殺人という陰惨極まりない事件であった。夫の出張中に起きた。母親は三十歳。娘は十二歳であった。
 連絡が取れなくて夫は会社の部下に確認を依頼した。施錠されてなかったので遺体は発見された。
 だが死後六十時間以上経過していた。
 全裸強姦の上に遺体はあくどい悪戯をされていた。絞殺された後に戒めを解かれた形跡があった。縛って強姦して悪戯したと思われた。
 あくどい悪戯の内容は公表されなかった。
 決め手は被害者の体内のDNAであった。
 容疑者はアリバイを主張した。証人もあった。だが警察の強引な捜査で証人は記憶違いかもしれないと曖昧な供述に成った。
 そして強固な取調べで自白に追い込まれた。
 余りの凶悪犯に社会のバッシングは強かった。そして女性の法務大臣が直ぐに判を押した。刑は執行された。それから六年が過ぎた。
 犯人が新型コロナ肺炎で重篤に成る前に作成した動画で告発した。
 それは公表されなかった悪戯の内容と被害者の躰に残した情液の入手方法であった。
 冤罪者のDNAは痴漢冤罪事件で以前に採取されたものである。その事件では被害者の体内のDNAと一致しないで容疑が晴れた。
 母子強姦殺人の本当の犯人はこの冤罪者を知っていた。
 集団夫婦交換の会場で出会ったのである。夫婦交換と言っても総てが本当の夫婦ではない。ペアで行けば良いのである。
 全員がスキンを着ける。その時冤罪者の捨てたスキンを取得しておいたのである。
 犯行は強姦が目的ではなかった。被害者二人の夫への復讐が目的である。強姦はその痛みを幾重にも深くしたい一念であった。
 被害者の夫は本当の犯人の同業者。どちらも文京区に従業員数人の工場をもつ印刷会社の社長であった。
 本当の犯人は官庁の仕事を大口で取っていた。被害者の夫はそれを政治家の力を借りて奪い取ってしまった。
 本来入札と思われるがそこには裏がある。予算会計令九十九条七項では百万円以下は二社見積もりでよい。
 実質役人は毎回二社見積もりなどしない。合見積もりまで納品者に要求するのが常套である。
 大方が一件の仕事は百万以下。案件が違えば別の仕事となる。それを政治家の力で切り替えられてしまったのである。
 本当の犯人の印刷会社は売り上げが激減して従業員を減らした。
 冤罪者はこの恨みに関係ない。まったくのとばっちりである。さらにその弟はもっととばっちりである。
 
 野崎卓郎弁護士は十年前に裁判で被告人を弁護した。冤罪であったと幾つものワイドショーで語る。
 起訴の経過と警察のずさんな捜査。そして強硬過ぎる取調べの実態が明らかになる。
 帝銀事件、白鳥事件、財田川事件など数々の冤罪事件と並べて解説される。
 そして世間のバッシングと犯罪者同然に追い詰められて自殺した冤罪者の弟の悲劇が大きく語られた。
 コロナウイルス感染以外大きなニュースは選挙違反くらいである。このニュースは沸点に達した。
 週刊誌のタイトルは「警察と検察は二人の冤罪者を処刑した」と列挙された。
 
 如月鬼堂のインターネットアダルト放送出演日となった。今夜は館山弁護士の説得で野崎卓郎弁護士も出演した。
 如月鬼堂が過激な発言をしそうな部分は野崎卓郎弁護士が正面切って述べてしまった。こっちは弁護士なので全く問題はない。
 如月鬼堂は野崎卓郎弁護士の発言に同調するだけで済ませた。
 そして最後に付け加えた。
 「この真犯人の恨みによる犯行よりまったく関係のない冤罪者を自身の都合だけで巻き込んだことが一番許せない。夫本人と政治家にこそ復習すべきだ」
 
 翌朝、誰も乗らない上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に戻った如月鬼堂を珠洲が迎えに来た。
 如月鬼堂はまた意見されてしまった。
 「パパ。あの発言も拙いよ。あれじゃ冤罪者だけがとっばっちりに聞こえちゃうよ。奥さん。それ以上に娘はとばっちりだよ。そこが反感を買うよ」
 「事業とは全くの関係ない家族や冤罪者というべきだったか」
 如月鬼堂も珠洲や瀬里菜に言われれば少しは反省する。
 「そうだよ。風俗のお姉さんの安全を考えるのと同じ様にそっちにも配慮しないと絶対危険だよ」
 珠洲は強く念を押したい。
 
 椋木美弥が如月鬼堂の越後湯沢のマンションを訪れた。
 樽常マネージャーと編集小川綾香も同席した。
 「映像にされるのでしたらいっそAVにして後日売れないでしょうか」
 椋木美弥はそれ以上稼ぎたい希望である。
 「そう成ると会員から一人一万は取れなくなる」
 如月鬼堂は難色する。
 「AVにしていくらで売れるのですか」
 「一本二.三千円ですが、この手は海外サイトで一定期間のダウンロード料で無制限ダウンロードになります」
 「そうですか」
 「でも椋木さん最初からAVでも今の段階では三百万はやっとです。会員から約三百万で会員にしか流通しないのでこっちがお得ですよ」
 編集の小川綾香が説明する。多少の冷血さと意地悪は含まれている。
 「そうですか」
 椋木美弥はやや不満だが納得せざるを得ない。小川綾香の顔を見ないで返事した。
 「別にAVの製作もしますか」
 樽常マネージャーが確認する。
 「いいえ。それでしたら会員の方だけで。あとはクラブで稼ぎます」
 椋木美弥は不満でも従うしかないと判断した。愛好会の関係がプレイ代も高く指名もたくさん取れた。
 そして態々社会に全裸以上の恥かしい姿を晒す事はないと考えた。
 長野で如月鬼堂の所有するプレイルームではキャンセルが出ても他の者が割り込む。椋木美弥は自粛が酣でもそれなりに稼いでこられた。
 
 営業停止に追い込まれた埼玉県大宮区の風俗店で事件は起こった。
 一ヶ月前に起こった松岡真由の事件と同じ六人の犯行と思われる。
 田中一美は店のオーナーと名乗る人物に呼び出された。未払いの給料を精算するということであった。
 オーナーが店に来る日と時間を指定されていた。それで田中一美はその時間に訪問した。
 営業してない店の従業員入口から入った。
 次の部屋に侵入した瞬間後ろと前から身柄を押さえられて麻酔を嗅がされた。
 本来繁華街だが夜は殆ど人通りが無い。十一時を回って田中一美はスーツケースに入れて搬出された。ナンバーを偽造したキャンピングカーである。
 松岡真由と同じ山荘に連れ込まれる。
 窓の無い地下室。
 田中一美は松岡真由と同じ様に全裸で拷問椅子に磔られた状態で意識を回復した。
 男六人は防護服姿である。顔はまったく判別つかない。
 状況から置かれた事態の危機は直ぐに分かった。
 踏み倒されたと思っていた給料が貰えると思って来た。それがとんでもない事態に成ってしまった。
 「回春性感エステのお姉さん。今日はあくどい稼ぎの報いだ」
 「給料払うと聞いたから来たのよ。何があくどい稼ぎよ」
 田中一美は震えながら怒りをぶつける。
 「あの店長は夜逃げしたよ。オーナーなんか元から居ないよ。奴が経営者らしいな」
 声は音声を変換している。
 「あんたらは」
 「店には関係ないよ」
 「どうする気よ」
 「もう分かっているだろ。テレビで散々騒がれたからな。六人の組防護服姿とね」
 田中一美は絶体絶命である。輪姦されるだけでは済まないらしい。驚愕の事態に躰は震える。
 このリーダー格は回春性感エステに怒りを持っている。
 風俗は最後までサービスするソープとそうでなければ全身奉仕のSMクラブであるべきという主義である。
 回春性感エステはたいしたサービスはしない。それでも女性は高額に稼ぐ。これが許せない。お仕置きの意識である。
 「お前の様なたいしたサービスはしない。それで高額に稼ぐ。やらずぼったクリ女に真のサービスをさせるのだ」
 「なんでよーーーーーーーー。なんで回春エステがいけないのよ」
 田中一美は標的にされた怒りに抗議する。
 最初は六人が籤で順番を決めて泣き喚き抗議する田中一美を松岡真由のときと同じ様に生中出しで輪姦した。
 拷問椅子に磔にしたままである。一人ずつ終わったら洗浄する。
 田中一美は輪姦されて既に躯状態である。拷問椅子から一度外される。
 手首を縛り合わされる。それを天井から下がったフックに引っ掛けられて真一文字に吊るされる。
 左の脚首に縄を掛ける。それを床に埋め込まれたフックに縛り付ける。これで片脚は動かない。その体勢で強姦を続けた。
 今度はアナルには太めのバイブを深く挿入した。全員前から挿入して二穴もどきの強姦を行った。
 田中一美は不覚にも三人目からイキ声を漏らしてしまった。その先は無抵抗で何度も上り詰めさせられた。やがて思考能力は無くなり失神した。
 天井から一文字に吊る下げたままビンタで起こされる。
 「これからお仕置きです」
 「・・・・・・」
 顔に透明なお面を被せる。さらに目の部分は上からゴーグルも被せる。
 一応表面に見える部分は潰さない配慮である。
 「女。良いかこの銃の弾丸は蝋燭だ。玩具の弾か銀玉が当っても小さな蚯蚓腫れ程度だ。これは蝋が熱くなって当たる。どうなるかな」
 男は態と脅かす。
 輪姦された上に躰を傷つけられる。田中一美は絶望に震える。
 真一文字に天井から吊られた田中一美を狙って蝋燭の弾丸を込めた銃を撃つ。
 一発目が左の乳房を直撃する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蝋燭の弾丸は半分溶けている。だが芯は硬いまま当る。体内にめり込みはしないが皮膚を僅かに破る。
 「うおおーーーーーーーーーーー」
 田中一美は縄にぶら下がって痛みに藻掻き暴れる。
 被弾箇所から血が流れる。何度も実験して強度を調整している。
 次の男が代わる。
 二発目は太腿の艶めいた部分を直撃する。
 「うお、お、おーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度も痛みに強烈に藻掻きガタガタ暴れる。
 「うううーーーーーーーーーー」
 三人目が代わる。股間を狙う。
 蝋燭の銃弾は割れ目を掠って後ろに流れる。
 「ううーーううーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 田中一美の片方の脚首は縛られてない。その脚を烈しく曲げたり伸ばしたり大きく動かして痛みに悶える。
 股間から滴が落ちる。ぽたぽた落ちる。やがて流れ出す。失禁したのである。
 それでも四人目が代わる。
 今度は左の乳首ぎりぎり乳輪の隅に当る。
 「うう、ううーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また乳首の下から血が流れる。
 「あーー。あはーー。ああーーー。ああーー」
 田中一美の躰は弓なりにぶら下がり痛みに虫の息である。
 五人目が代わる。
 もう一度股間を狙う。
 今度は見事に割れ目にめり込む。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中一美は手首の縄にぶら下がったまま腰を振って藻掻く。そのまま失神した。目は軽く開いたまま白目状態である。
 そのままクロロフォルムを顔に当てる。そして手術台に寝かされた。
 
 田中一美は誰も居ない公園で朝早く目を覚ました。既にあたりは明るくなっていた。
 直ぐに交番を探した。そして病院に運ばれた。
 子宮を摘出されたと聞いて泣き崩れた。
 店長は実質オーナーで既に九州に帰っていた。家族以外の証人もあった。コロナウイルスの件が終息したら戻って再開する予定でいた。
 女性の給料は一部未払いであったがそのままにしていた。
 あと一人の男子従業員は深夜の倉庫で出荷業務に就いていた。こっちも何人も証人が居る。
 六人の中にこの店に来た客が居ると想定されたがまったく手がかりは無い。
 あと一つ六人の中に医者らしきが一人は居るという事である。
 店の関係者ではないと結論になった。
 
 インターネットアダルト放送で如月鬼堂がコメンテーター出演の金曜日が来た。まずは防護服六人組連続拉致強姦事件からである。
 トップレスのアナウンサー二人がスクリーンの両側でニュースを読む。
 「また恐ろしい拉致強姦傷害事件が起きました。一ヶ月前と同じ犯人と思われます」
 今回から左側が岡田有美である。
 「全く手がかりが無く捜査は一向に進展していません」
 今回から右側は本多椿に代わった。遂にAVも出して稼ぎにまっしぐらである。
 「鬼堂先生。この犯人像はどうでしょう」
 「一つは相当に財力のある人物が主犯と考えられます。そして何処か山間部など周りと接しない場所に別荘などがある人物が考えられます」
 如月鬼堂はこの件は無難に語りたい。
 「コンビニ駐車場にキャンピングカーと言う情報がありました。警察はNシステムや防犯カメラで追っていますが手がかりに結びつきません」
 岡田由美が読む。岡田有美のスタイルは絶品である。乳房はそんなに大きくはない。だが形の良い盛り上がりを見せている。
 色の白さに紅色の乳首がピンと起ち綺麗に映える。その綺麗な乳房丸出しで読んでいる。
 「警察は埼玉県を重点的にその周辺も山荘を任意で捜査しましたが何も検証されていません」
 本田椿は可愛いと言う言葉が適当である。
 スマートな体型だが岡田有美と並べばやや全体に肉を着けている。余分な肉はないが柔らかい女躰の線である。
 「鬼堂先生。この犯人は捕まらないのでしょうか」
 「簡単には行かないでしょう。ですが警察が長期戦でじっくり捜査して行けばどこかに手掛かりは有る筈です」
 如月鬼堂は捕まる可能性は低いと見ているが問題ない様にそう発言した。如月鬼堂にしてはかなり気を使ったつもりである。
 「埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件とは別と思われますか」
 メインキャスターは抑える姿勢を見せながら如月鬼堂に過激な意見を引き出したい。
 「別でしょう。計画性といいますか、その規模が違い過ぎます。被害者の窓の無い部屋と言う共通の供述から路線バス内の事件とは違い過ぎます」
 「野崎卓郎弁護士は無罪を主張して釈放を求めています」
 メインキャスターは前回一緒に出演した野崎卓郎弁護士の見解と比較して如月鬼堂の見解を求める。
 「どちらとも言えないが正直な見解です。但し路線バスの事件はどっちも六人というのが私には用意されたアリバイに思えます」
 如月鬼堂はあくまでどちらとも言えないと前提条件を付けている。
 「給付金が著しく所得が低い人に三十万から全国民に十万と急遽変更になりました」
 岡田有美が読む。ショーツを脱いで片手で手ぬぐいを腹の位置で押さえて股間まで隠している。
 「こんぺい党の意見で押し切られた形になりました」
 本多椿は腰にフェイスタオルを巻いてクリップで留めている。短いので股間の内部がぎりぎり見えない際どさである。
 脚が全部丸出しなのでショーツ一枚よりそそらせる。
 「鬼堂先生。これは良くなったと見てよろしいのでしょうか」
 「押し切って貰ったお陰で少しまともに成りました。ですがスピード感がなんとも。さらにマイナンバーカードだけWebで優先と言うところも」
 「マイナンバーカードはかなり普及率が悪いようですね」
 メインキャスターはまた如月鬼堂を過激な意見に誘導する。
 「そうです。将来の低所得層まで根こそぎ税金徴収の強い意図が隠れています。ここはもっとすんなり目論み無しに支給をやって頂きたいです」
 「この十万で足りますか」
 「いやあ。焼け石に水です。あと数回必要です。二回目以降は条件を付けても良いですが、三十万の案より緩和しないと駄目ですね」
 「事業者への給付の受付が始まりました。また東京都を始め各自治体も休業支援手当てを発表しています」
 岡田有美が隠している腰をじわじわくねらせてセクシー度をさらにアップさせながら読む。
 「でも申請が非常に難しく。必要な書類なども多く受付開始日には申請が難しい様です。またサイトに非常に繋がりにくいと言われています」
 本多椿も片脚をくの字に動かしてセクシー度を主張して読む。
 「廃業を決める経営者もたくさん報じられています。この支援金はどうなのでしょう」
 メインキャスターがまた如月鬼堂に問う。
 「焼け石に水と言うより焼け石に水滴ですね。とてもこんな金額では凌げません。コロナは静まっても借金を抱えた倒産、廃業の嵐です」
 「それでは自殺者も」
 「はい。自殺者がコロナを上回る危険もあります。財政や将来に残す借金など考えている場合ではありません。御札を刷っても抜本的救済をすべきです」
 「休業要請に応じないパチンコ店などが問題視されていますが」
 「確かにパチンコ店と通勤電車が危険です。でも休業要請で充分な補償がなければ社名を公表されても倒産よりましと考えても仕方ありません」
 「やはり補償がネックですね。どんな補償なら良いのでしょう」
 「前にも述べましたが家賃の完全停止です。大家は総て税金免除。さらにローンや設備の固定費を補償しないと難しいです。出来れば売上補償です」
 「では国は破綻しても補償し続けなければならないですか」
 「リーマンショックの数倍の倒産の嵐になれば税収など風前の灯です。治まって経済を安定させて国家の体制そのものを立て直すしかありません」
 「なるほど。そう言う事態ですね」
 「スーパーの三蜜が問題視されていますが」
 「電車ほどでは在りません。一定の地域からしか来ないスーパーと地域を大きく跨ぐ電車では大違いです。まず役所からテレワークにすべきです」
 「機密事項などが多くてデータの持ち帰りが出来ないと言われていますが」
 「それはシステムの問題です」
 如月鬼堂はそう発言して次の様に付け加えた。
 私はアダルト小説で立ち上がるまで派遣であちこちの公的機関で働いていました。
 データーセンターが二箇所以上あって冗長化が行われている機関。これらは各自のクライアントに文書などを置かない仕組みが出来ています。
 逆に部署ごとにサーバーが別々でさらに担当ごとにばらばらに管理されている機構もあります。
 入札システムと一度確保した予算人員を減らしたくない役所の通例の考え方が強く根付いています。
 こういった所は民間の大手企業と比べて三十年くらいタイムスリップしたオフィスが殆どです。
 このあたりの問題が根本原因です。
 ようやく時間切れで如月鬼堂はコメンテーターを解放された。恐々腹を撫でながら背中に汗を滲ませての退席である。
 
 翌日、やはり一人しか乗ってない上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰った如月鬼堂を瀬里菜が迎えに来た。
 「パパ。昨日は無難に逃げたね」
 瀬里菜はにこやかに迎えてくれた。
 「昨夜は冷や汗ものだった。あっちの話題がコロナの補償で短く終わってくれて良かった」
 如月鬼堂は瀬里菜に言われてやっと安堵した。
 その日も珠洲と瀬里菜に全裸で女躰のサンドイッチにされて乳房で体を洗って貰った。無事に終わった嬉しいご褒美である。
 
 椋木美弥を生贄に愛好会インターネット会合の日と成った。
 スタジオは如月鬼堂の長野のプレイルーム。一度SM系AVの配信会社のシステムを借りて海外サーバーから配信する。
 プレイルームには杉下一行と椋木美弥、本多椿、カメラマンと医師だけである。医師は別室でモニターから見ている。
 如月鬼堂らは越後湯沢から見ている。
 「会員の皆様。こんばんは杉下一行です。本日の生贄は皆様ご指名の椋木美弥嬢です。本日は皆様のリクエストを実行して参ります」
 杉下一行が挨拶する。
 「ドミナのアシフタントは皆様お馴染みの本田椿さんです」
 椋木美弥と杉下一行、本田椿、カメラマンは簡易検査キットで陰性検査済みである。それでもカメラマンは距離をとる。
 リクエストがパソコンにロードされる。杉下一行がやり易いのを選ぶ。
 リクエストを実行する前にまず脱ぐところからである。
 椋木美弥は自分で脱ぐのを態と躊躇う。
 杉下一行が肩を抱き寄せてスーツのボタンを外す。
 肩から白いジャケットを落とす。
 ジャケットの下は白のタンクトップである。ブラの形が僅かに透けて見える。色の濃い下着を着けている様である。
 タンクトップの肩紐を肩から外してタンクトップを落とす。ばら色のブラが姿を表す。タンクトップは腰に引っ掛かったので杉下一行が手で落とす。
 タイトスカートはバラと白の千鳥格子である。杉下一行はそれを股間の近くまで一度捲る。
 椋木美弥は僅かに恥かしさの混じった笑みを崩す。
 杉下一行はそのまま手を離してフォックを外す。横のファスナーを下げてスカートを落とす。
 スカートの下はバラ色の丈の短いショーツ一枚である。
 内腿に余分な肉は無く綺麗な女の腰の部分である。
 ブラを外す。乳房はまだ弾力を宿している。下半分が綺麗な弧を描き膨らみはやや下に寄っている。
 垂れ気味とまで行かない。体型の割に大きく存在感があり白さが映えて美しい乳房である。
 乳倫は大きくも小さくも無い。乳首はやや色が濃く綺麗な円筒形に突起している。
 杉下一行は乳房、女の部分と一通り触るシーンを演じる。
 そのあと高手小手に縛り拷問椅子に磔る作業に掛かる。
 その間にスクリーンは本多椿に代わる。
 自ら脱ぐストリップショーである。
 そして全裸に成ったら自ら縄を手にする。
 「最初に本多椿ちゃんの自縛ショーをお送りいたします」
 杉下一行が椋木美弥の躰を抱き寄せながら紹介する。
 本多椿は自らを亀甲縛りにする。亀甲縛りは何の拘束性も無い。躰に衣服の様に縄を掛けただけである。
 お尻を床に着いて膝を縛り合わせる。天井から滑車に吊る下げた縄の先端に付けたフックを下げる。それを膝で縛り合わせた縄に引っ掛ける。
 もう一度お尻を着いて膝を上げて滑車からもう一本伸びた縄を引っ張る。縛り合わせた膝が脚を折ったまま吊るし上がる。
 自ら滑車の縄を引っ張って逆さ吊るしになる。躰を折って引いた縄を膝のフックに通して縛る。
 吊るしが固定されたところで手を離す。
 手を伸ばせば何とか床に指の腹まで着く高さである。
 本多椿は本日アシスタントである。主役ではない。自縛を見せるだけで終了する。
 降りるときは杉下一行が膝のフックに縛った滑車からの縄を解く。そしてお尻からゆっくり落ちる。
 カメラは拷問椅子に高手小手に縛られ大股開きで磔られた椋木美弥に移動する。最初は擽り責めである。
 だがその前にオープンサービスを行う。
 本多椿が椋木美弥を磔た拷問椅子に四つんばいに成って乗る。
 二人の女の部分が上下逆さまにカメラに向いている。
 杉下一行が指で二人の女の部分を開いて比較させる。
 いよいよ擽り責めである。単純に擽るだけではない。
 本多椿が電マを持っている。擽るのは杉下一行である。杉下一行は拷問椅子の横に立っている。本多椿は正面に座って下から電マを股間に当てる。
 杉下一行が両手の指を巧みに動かす。拷問椅子に磔にした椋木美弥の脇の下から腹の横までを擽る。
 「いやあ。あは。ああ。あはあ。あは。ああ。あはあ。いやあ。いや。ああーー。ああーー。あは。あはあ。ああーー」
 椋木美弥は躰を暴れさせ擽りに堪えられず喚き続ける。
 本多椿は椋木美弥が暴れ股間が動くのを追い掛ける様に電マの位置を動かす。
 「いやあーー。ああーー。あは。あは。ああ。ああ。あは。あは。ああーー。いやあーー。ああ。いやあーー。ああ。あは。ああ。あは」
 椋木美弥は大口を開けて笑み崩れた表情を暴れさせ喚き続ける。躰もぐらぐら暴れる。拷問椅子はガタガタ揺れる。
 「ああーー。あーーーーーーーーー。ああーー。はひゃあーー。ああーーーーーーーーー。ああーー。はひゃーー。ああーーーーーーーーーー」
 実にエロくそそらせる藻掻き姿である。
 杉下一行が手を休めると電マの責めが一気に効果を表す。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は一気に潮を噴流させる。電マの裏から溢れる様に潮が流れ出す。
 本多椿は少し顔に被ってしまう。
 状況を見て杉下一行が擽りを再開する。
 「ああ。あは。ああ。あは。ああ。はひゃーー。ああーー。あは。ああ。あは。はひゃーー。はあ。ああ。だめーー。ああ。ああーーー」
 椋木美弥はまた狂ったように暴れる。
 「いやあーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー」
 「まだまだ。笑っているじゃないか」
 「ちがうよーーーーーーー。くるわされているよーーーーーー」
 「みなさん美弥ちゃんのおかしくなるの愉しみにしているのだから」
 杉下一行は平然とからかう。
 「だめーーーーーーーー。もう充分おかしく成ったよ。漏らしたよ」
 そう言いながら椋木美弥にはまだ余裕が見える。
 「ならば責め方を変えよう」
 「ええーー」
 拷問椅子の左右と正面に台が置かれる。
 杉下一行は籠車に入れた子豚を押してくる。
 「なにーー」
 それを見て椋木美弥は悲鳴を上げる。
 杉下一行は椋木美弥の左右の腋から横腹に蜜を塗る。さらに股間の真ん中女の部分の回り全体に塗る。
 「いやあーー。その豚」
 椋木美弥は泣きべそ顔である。
 本多椿は豚を抱いて台に載せてゆく。豚は直ぐに椋木美弥の躰に塗った蜜を鼻か口か分からない部分で舐める。
 「い、い、いやああーーーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は子豚の責めに大声で表情を破裂させて喚く。
 杉下一行はまだ蜜を追加で塗って子豚を嗾ける。
 「いやあーーーーーーー。もう。もう。だめーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は禁断の症状のように叫ぶ。
 それでも暫く画面に椋木美弥の苦しむ表情を焼き付ける。
 「ああはああー。あはん。ああ」
 椋木美弥は女の部分を子豚に舐められ横っ腹を両側から子豚の舌に襲われている。どうにも平常心を持てない。
 屈辱も去るもの。くすぐったさに堪えられない。
 「もう少し行けますよね」
 杉下一行はまだ責めたい。
 「・・・・・」
 呻き続ける椋木美弥から返事は無い。
 「もう駄目ですよ」
 本多椿は子豚を一匹ずつ籠に戻す。
 杉下一行もなんとなくそれに従う。
 椋木美弥は放心した様に拷問椅子にだらりと沈んでいる。
 杉下一行は浣腸の準備をする。まず拷問椅子を天井の換気扇の真下に動かす。
 浣腸器ではなくイチジク浣腸を使う。
 杉下一行はイチジク浣腸を椋木美弥の顔の前に翳す。
 「イチジク浣腸だ。崩さないで出してくれと言う要望なのです」
 「ええーーーーー」
 十個ぐらい用意している。注入は本多椿がやる。最初は五個だけ入れて状況を見る。
 椋木美弥は直ぐに腹を捩って苦しみだす。
 「痛いですか」
 「痛いよ。それにそんなに溜まってないよ」
 椋木美弥はこっちのスカトロはどうにも堪え難いらしい。プレイした会員からその破局の羞恥を愉しめないかと要望が出された。
 「それでは五本で充分だな」
 「うう」
 頃合は難しい。薬だけ出てしまってはやり直しである。
 本多椿は冷えた生ビールをピッチャーで持って来る。
 量を飲ます為ではない。椋木美弥が拷問椅子に磔状態なのでピッチャーの注ぎ口から飲ますのである。
 やや拷問椅子の角度を変えて飲みやすくする。腹を冷やすのが目的である。さらにこの先のプレイの為に水分補給も兼ねている。
 椋木美弥はビールを見て一瞬だけ躊躇うが受け入れる。
 「もう冷やさなくても」
 椋木美弥はもう出ると言いたい。
 「そのあとタンクに溜めておかないとね」
 「もう潮は」
 「まだまだ。そっちのリクエストが沢山有りまして」
 「えーーえー。みんなプレイに来て私の持って帰るのですよ」
 椋木美弥はプレイの一部を暴露してしまう。
 「さあ。いよいよ行きますか」
 アナル栓を抜くのは杉下一行である。
 本多椿が透明なボウルを正面に置く。
 ブオーーーーーーーーーーーン。
 ガスが一瞬噴射して千切れ千切れの便が透明なホウルに落下する。塊がくっきりとスクリーンに映し出される。
 杉下一行は排泄のあとアナルを純白のガーゼで念入りに拭く。それをチャック付きストックバックに納める。
 「えーー。どうするの」
 「希望者に抽選でプレゼントです」
 さすがに便そのものは廃棄らしい。
 「ええーー。もういやあーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はやはりこっちが嫌な様である。
 だがそれだけでは済まさない。アナルに大型の開口器を突っ込み開く。さらにクスコを膣に突っ込み膣の奥も開く。
 子宮口がペンライトに照らされてくっきりと画面中央に浮かぶ。
 ロングスプーンで膣の中を探る。ドロドロの液を掬い出して黒い板に摺り付ける。
 「ええーー。またーーーーーーーー。前やったときそんなに売れなかったよ」
 椋木美弥は前回の競の低さを言っている。確かに盛り上がらなかった。
 「今回は違うよ。プレイに長野まで行けないから価値はある」
 「コロナが終わったら」
 「今は終焉が見えない。中国の最強力細菌兵器だからな」
 「えーー。中国が軍事利用したみたいじゃない」
 「私はそう言ういう考えだな。アメリカもフランスも空母がやられた」
 「もう。ジョークにならないよ」
 「まあ。まあ。今度は需要がある」
 そう言いながら杉下一行は小さなタッパンにプラスティックの板を仕舞う。
 「さあ。今度は此処だけの生物兵器です」
 杉下一行は嬉しそうに言う。
 「ええーー。なにそれ。だめよーーーーーーー」
 椋木美弥は次に何が来るかなんとなく予測がつく。
 「前回蛇より嫌というご回答がありました。そこにリクエストが集中しています」
 「ああーーー。だーめーーーーー」
 「大丈夫です。養殖した蛞蝓です」
 「大丈夫じゃないよ」
 杉下一行は膣のクスコを一度抜いて横向きに入れ直す。膣の天井部と底部の粘膜が剥き出しになる。
 トングで蛞蝓を掴んで膣底部の粘膜に置く。
 「ああーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーー。いやあーー。いや」
 杉下一行はロングスプーンで粗塩を掬う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は膣の中で蛞蝓を溶かされると瞬時に分かる。驚愕の悲鳴になる。
 それでも膣の中に差し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく粗塩は蛞蝓に被さる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥には堪らない溶けた感触である。
 杉下一行はそれをロングスプーンで掬う。
 「ああーーー」
 それを椋木美弥の目前に翳す。
 「えーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は小さく萎んだ蛞蝓に悲鳴を上げる。これが膣の中で溶けたのである。気持ち悪さにぶるぶる震える。
 「もう一つ行きますよ」
 「ええーーー。もうむりですーーーーーーーー」
 椋木美弥は悲痛に訴える。前回膣に蛇を受け入れたが相当この責めが苦手らしい。
 「リクエストに応えてください」
 杉下一行はどうあってもやる意思である。
 本多椿が沢蟹を水の無い水槽に入れて運んで来る。ボウルに金魚の餌も入っている。
 椋木美弥の股間には二本の開口器が挿入されている。子宮口と直腸の奥まで見えている。
 金魚の餌をロングスプーンで直腸に入れる。大型の開口器なのでかなり奥まで開いている。
 膣にも入れる。蛞蝓が溶けた部分である。
 椋木美弥の表情は悲痛に歪み眉間に皺を震えさせている。
 アナルに入れる沢蟹は本多椿がテグスで縛っている。回収を考えてのことである。
 まずは膣に入れる。
 「ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーん」
 粘膜の上を沢蟹が歩く。堪らない感触である。
 「いやああはん。あはん。あはん。ああーー。ああーー。ああーー」
 椋木美弥は躰を揺すって藻掻き喚き続ける。
 沢蟹が餌を食べると直ぐトングで取り出す。
 次はアナルに投げ込む。
 「いやあーー。いやあーー。いやあーー。いっやあーー。いや。いやあーー。いやあーー。だめーーーー。たすけてーーーー。もう。だめーーーーーーー」
 椋木美弥はとても堪えられず泣き喚き暴れる。
 本多椿は杉下一行に目で合図してテグスを引っ張る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 沢蟹を直腸から引っ張る感触にも悲鳴を上げる。
 直腸に腸カテーテルを挿入して中を洗う。
 椋木美弥はポロポロ涙を溢している。
 膣はクスコを抜いてセペで洗う。
 ここで椋木美弥をシャワー室に一度引き上げさせる。
 「暫し休憩を入れさせていただきます。メールがたくさん来ていますので読ませていただきます」
 『やはり直に見たいです。パチンコ屋は休業要請でも営業しています。罰則は無いので社名を公表されても営業しています。
 SM愛好会は公開営業ではないので長野に集って出来ないでしょうか。パチンコ屋に比べたら充分に三蜜を避けたスペースです』
 「鬼堂先生。こんなご意見なのですが」
 如月鬼堂の越後湯沢のマンションにテレビ会議は繋がっている。
 「それは危険です。会員全員の検査キットは用意できません。今の人数では情報は漏れます。中止命令が出されます」
 「営業ではないから中止勧告ですね」
 「パチンコ屋は休業要請されても今営業すれば収益が大きいです。逆に大手以外は休業すれば今の補償では倒産必至です」
 「店名公表になっていますがそのダメージはどうなのでしょう」
 「現時点で開いているパチンコ屋に行く人は確信犯です。店名を公表されたら開いている店を宣伝するようなもの。さらに客は増えます」
 「それでは政府自治体はどうするべきなのでしょう」
 「売り上げを補償するしかありません。税金ではなく時限立法で御札を刷って補填しかありません」
 「このままではどうなるでしょう」
 「コロナが終息しても経済的瓦礫の山です」
 ようやくシャワーから椋木美弥がプレイルームに戻って来た。
 また杉下一行がメールを読む。
 『前回椋木美弥さんの乳首を鋏んだクリップを取る時の号泣が忘れられません。再リクエストをお願いします』
 「どうでしょう」
 杉下一行は椋木美弥に確認する。
 「ええーー。あれを」
 椋木美弥は驚愕の表情である。
 「今日は二時間着けてから取る時の激痛を演出したいと思います」
 「ええーー」
 本多椿が一メートル四方の鉄板の台に建てられた三角木馬を引き摺って来る。
 三角木馬は鉄板の台座に高さ一メートルのアームが立っている。アームの上に三角の乗座が載っている。
 三角の乗座は底辺の幅二十センチ。高さも二十センチ。奥行きは一メートル。木製だが上部は一センチ程金属で先端は尖って一ミリだけ鑢で丸めてある。
 杉下一行は再び椋木美弥を高手小手に縛る。そして乳首をクリップで鋏む。
 三角木馬のハンドルを回して乗座を下げる。
 椋木美弥の女の部分のビラビラで三角木馬の頂点を咥えさせる。
 椋木美弥の表情は悲痛に歪んでいる。収入の大きさだけが折れそうな精神を支えている。
 天井から下がった滑車のフックを下げる。それを高手小手に縛った背中の縄に引っ掛ける。
 本多椿が滑車のもう一本の縄を引く。
 それに合わせて杉下一行がハンドルを回して三角木馬を上昇させる。
 「ううーー」
 上昇するだけで股間に衝撃が来る。
 「三角木馬電流責めです」
 本多椿がトランスを台車に載せて運んで来る。
 四つの海式ターミナルに先端が鰐口クリップになった単線が二本と充電クリップになった単線が二本出ている。
 充電クリップを三角木馬の金属部分に接続する。鰐口は乳首のクリップに接続する。
 椋木美弥は恐々としている。
 三角木馬に乗っているだけで辛い。総ての体重が股間に掛かる。
 乳首の電流を入れる。
 「おおーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に躰は三角木馬の上で震撼する。
 「うおおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーー」
 電流だけでもかなり痛い。それが三角木馬の上で辛い状態である。
 杉下一行は三角木馬の金属部分に流す。
 「お、おおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の躰はさらに強く震撼する。股間の部分が揺れてかすかにバウンドする。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。きれちゃうよーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は泣き悲鳴で訴える。
 「だめーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。とめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杉下一行が切ろうとするのを本多椿が先に切る。
 「あおーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 杉下一行が椋木美弥に何か言おうとするのを本多椿が遮る。
 「駄目ですよ。一回降ろしましょう」
 滑車の縄を緩めながらハンドルを回して三角木馬を下げる。
 「先端は丸めているから斬れるには至らないと思うが」
 杉下一行が抱き上げて拷問椅子に乗せる。
 脚を持ち上げて脚載せ台に固定する。股間の部分を見ると会陰が赤くなっている。皮膚が剥けているのである。
 「斬れているでしょう」
 椋木美弥は悲痛に訴えている。
 杉下一行は女の部分のびらびらを開く。
 「斬れてはいない。会陰の部分だけ皮膚が剥けて赤くなっている」
 杉下一行には予想外であった。かなり皮膚が弱いか電流に過剰に藻掻いたと思われた。
 とりあえずバスタブを運び込んで一度湯に浸ける。乳首のクリップは鋏んだままである。
 杉下一行はドリルバイブの準備をする。
 膣用はかなり太めでさらにバリアブル機能も付いている。アナル用もそんなに細くは無い。標準サイズの男根の太さはある。
 「少しサービスをして貰える」
 杉下一行は本多椿に時間稼ぎのプレイを要求する。
 「いいよ」
 本多椿は簡単に承諾する。
 本多椿はアシスタントである。時間分のギャラしか出ていない。自身の宣伝を兼ねて出て来ている。
 杉下一行は本多椿を開帳台に寝かせる。
 滅菌梱包から新しいクスコを取り出す。
 「蛇」
 「用意して無いよ。少し漏らしてくれ」
 マイクに入らないよう小声で会話する。
 「気持ち良くして」
 クスコを挿入して内部を公開してから小さな袋に入れて持って来た山芋のすり汁を奥の天井部に塗る。
 「どうするの」
 本多椿はこの効果を知らない。
 「痒み併用だ」
 杉下一行は直ぐクスコを抜いて卵バイブを二個膣に挿入する。二つともスイッチを入れる。
 「あはあーーーーーーーーー」
 膣の中で山芋の汁は卵バイブに拡散されて痒みを生じる。
 「あはあ。あは」
 本多椿は表情をくもらせて責めに堪える。
 杉下一行は三個目の卵バイブと小型の電マを持つ。
 電マをクリトリスに軽く当てて三つ目の卵バイブを膣の入口に軽く押し込む。中に二つ入っているので入口付近で動く。
 三つ目の卵バイブのリモコンに繋がった線を軽く引いたり押したりして膣口で出たり入ったりさせる。
 薄橙の粘膜が開いて卵バイブを咥える様にひくひく動く。なんとも隠微な光景である。
 「あはあーーー。ああ。あは。ああ。あは」
 本多椿は表情を強く曇らせ首を暴れさせて藻掻く。
 やがて股間が震撼し始める。大陰唇の両側で股の付け根が微妙に動く。
 「あは。ああ。あは。ああ。あは。ああ」
 本多椿は大きな逝き声は出さない。顔は静かな逝き顔に変化しつつくもらせている。
 「あう。ああ。あは。ああ。ああ。ああーーーーーーーーーーーーー」
 遂に潮が弧を描いて噴き上げる。僅かな時間に潮を噴かせる杉下一行のテクニックである。
 「ああ。ああーー。ああ。ああーー」
 本多椿は表情を強く崩して断続的に潮を噴き上げる。
 出し終わったところで股間を強く震撼させる。
 杉下一行は状況を見て卵バイブを一つずつ取り出す。
 「はあ。・・はあ。・・はあ。・・はあ」
 本多椿は余韻の息遣いを続ける。
 次は休息をとらせた椋木美弥を拷問椅子に戻す。乳首にはクリップが確り付いている。
 椋木美弥は台に準備されているドリルバイブを見て驚愕する。
 「大き過ぎない」
 「これはさらに中で大きくなります」
 杉下一行は膣用のバリアブルタイプを指して言う。
 「ええーー」
 椋木美弥は疲弊した表情である。
 杉下一行はアナルにローションを塗る。
 その間にローターの責めから回復した本多椿が横に付く。
 杉下一行は膣に入れるドリルバイブにローションを塗る。
 先に本多椿がアナルにドリルバイブをゆっくり挿入する。最初こじ開けるように入れてそこからゆっくり出したりやや戻したり少しずつ進入する。
 既に椋木美弥のアナルは開発されている。
 アナルからじっくり責める。
 「ああおおーーーーーーーー。あおおーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は直ぐに反応する。
 杉下一行は膣に太い方のドリルバイブを挿入する。入らないように思えてズブリと進入する。
 「あおおおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーー」
 二穴挿入。さらに二本とも稼動する。
 「ううおおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の表情は大口を開けきって破裂している。
 膣の周りからドロドロに成った膣液が飛び散る。椋木美弥の股間部分はガクガク揺れる。
 杉下一行が体を躱してドリルバイブを引っ込める。本多椿もドリルバイブを持ったまま横に躰を躱す。
 一条高く潮が吹き上げる。
 「あおおーーーーーーーーーーーーーーー。ああおおーーーーーーーーーー。あおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 収まると杉下一行はもう一度挿入する。
 「ああおおーーーーーーーーーーーーーーー。あおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああおおーーーーーーーーーーーー」
 また潮を噴き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は抜かない。二人が左右に体を躱すだけである。
 収まればさらに責める。そしてバリアブル機能を使う。
 ドリルバイブは膣の中で大きく膨らむ。椋木美弥の躰はまたがくがく揺れる。
 「ああーーーーーーー。だめーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は遂に白目を剥いた。
 杉下一行は失神したままの椋木美弥を駿河問いに縛り吊るす。
 椋木美弥は駿河問いの苦しさに直ぐ意識を回復する。
 杉下一行は本多椿に手伝って貰ってバスタブを真下に持って来る。その中に重曹を投げ込む。
 さらに椋木美弥の女の部分からアナルまで養生テープで保護する。
 蜂蜜と広口瓶に入った蟻が運ばれる。
 本多椿と一緒に両側から蜂蜜を背中から腹に塗る。
 「ああーー。なにーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は蟻を見て恐怖に泣き叫ぶ。
 二人は黙々と蜜を塗る。
 「だめーーーーーーーーー。だめよう。だめ」
 椋木美弥はごね続ける。
 杉下一行は一切動じない。もう時間が無い。乳首を抓んだクリップを取る二時間が迫っている。
 「行くよ。一瞬だからな」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は三十女にも関わらず泣き叫ぶ。
 杉下一行は広口瓶から蟻を駿河問いの吊るしで下にU字に曲がった背中に掛け流す。
 「あわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は驚愕の悲鳴である。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー」
 躰を揺すり暴れ泣き叫ぶ。
 直ぐに吊るしを下げてぬるま湯に溶いた重曹に浸ける。重曹で蟻は大方死滅する。
 二人掛りでやわらかい毛のブラシで蜜を落とす。
 やや持ち上げて蟻が躰に居ないのを確認する。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥はまだ荒い息遣いを続ける。
 二人掛りで浴槽を横にずらして駿河問いから開放する。
 「これで最後です」
 杉下一行はそう宣告する。椋木美弥は床にお尻を着いたままである。その椋木美弥の乳首のクリップ。その針金を曲げた持ち手に竹の棒を差し込む。
 一気に引っ張る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 じりじり少しずつ上下にずらしながら引っ張る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥から涙が溢れ出る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ようやくクリップは乳首から弾ける。本多椿が間髪置かず横から反対側の乳首のクリップを取る。
 「ぐうおおーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は床を転げ乳首を押さえて床を叩く。もんどり打っては繰り返し狂乱の悲鳴を張り上げる。
 杉下一行が椋木美弥の躰を押さえる。
 本多椿が乳房を揉む。
 「うおおーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の悲鳴は暫く続いた。
 クリップで鋏まれていた肉が解放された痛みである。
 揉めば激痛が襲う。揉まないと出口の無い痛みが続く。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥はようやく禁断状態から治まりつつある。
 「ああ。きつかった。凄いハードだよ」
 椋木美弥は起き上がっても床に尻を着いてへたった侭である。
 樽常マネージャーからメールが入る。
 『椋木美弥さんの予約は順番指定ということで日にちは未定で四十二件入りました。今回は二十万以上のプレイに限定しました』
 新型コロナ肺炎の感染流行が収束するまではお預けである。
 本日の動画は会員限定で明日からシカゴのサイトよりダウンロード可能となる。一会員番号に一回限りである。複写も出来ない。
 
 「今回も凄かったね」
 珠洲は他人事なのに終わってほっとしている。
 「会員が納得するリクエストを選ぶと制御してもこんなものだな」
 如月鬼堂もコントロールが難しいと思っている。
 「最後が凄かった」
 瀬里菜も過激さに慄いている。
 それでも鞭が無かったことに一部会員から不満メールが流れていた。
 「パパ。あんな事言って休業補償にお札刷ったらインフレに成らないの」
 珠洲から注意半分の質問である。
 「今の世界情勢では何とも言えない。円が弱くなるがそれも何とも言えない。その後の政治対策次第だよ」
 「会員しか聞いてないから問題ないか」
 珠洲もそれ以上追求しない。
 
 椋木美弥は長野でいつも使っているプレイルームなので終わってバスルームで体調を整えて歩いて帰った。
 医師は車で帰った。
 杉下一行とカメラマン、本多椿は飲みながら朝までプレイルームで過ごした。


 最期のSM小説家 第七幕 続SM嬢が宿命の女 完





 最期のSM小説家 第八幕 SM嬢で一時凌ぎの女

 二〇二十年穀雨上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 自粛延長で如月鬼堂の越後湯沢のマンションではテレビ会議が行われていた。四十八インチの画面に駒割して参加者全員が表示される。
 飲みながらのつれづれな会議である。
 リビングに居るのは如月鬼堂の他に珠洲と瀬里菜。そしてミニチュアダックスのぺーである。
 「いつまで延長しても解決にならないぞ。この際アビガン市販して集団免疫に切り替えたらどうかな」
 大河内税理士は愛好会のショーが出来ないのが不満である。
 「でもオンライン店舗。結構好評です。女の子の収入が通常営業の八割前後まで確保出来ます」
 荒井枝里も参加している。今は熱海の店長である。
 女の子は出勤する。テレビカメラ付き個室が升席の裏側に設営された。インターネットを通しても客と二人だけである。
 完全に合法なサービスが出来る。触れないだけが今は我慢。一対一なので濃厚な会話と局部まで公開出来る。
 「ほう。あんたの給料も出るのか」
 「えー。私とボーイさんは先生から生活保護されています」
 荒井枝里は控えめに柔らかく言ったつもりである。
 「単身者の生活保護は十三万だよ。あんた足りないだろ」
 大河内税理士は知らないが荒井枝里は単身者ではない。
 「えーー。もう少し戴いています」
 荒井枝里はつい発言が緩んでしまった。
 「そうか。わしらはこのまま自粛が続いて客が倒産したら税金はそれまでだが、わしらは売り上げ激減だよ」
 大河内税理士は荒井枝里に八つ当たりである。
 会社が倒産したら税務署はあっさり諦める。だが大河内税理士の報酬も無くなる。
 「大河内先生収入が減るのはお互い様ですよ」
 館山弁護士が宥める。
 「先生それは違います。倒産が増えても破産手続きとか逆に儲かりませんか」
 館山弁護士もとばっちりと黙ってしまう。
 「人気お笑いタレントが言うてましたな。コロナの自粛が治まったら可愛い子が一時的にお嬢に成る。期待できますか」
 「そんな余地は有りません。自粛が解除に成っても売上は直ぐ回復しません。在籍の女の子だけでも収入確保が難しいです。新人の余地は有りません」
 今度は荒井枝里が怒り反論する。
 「でも自粛解除したらお客は怒涛の如くでしょう」
 大河内税理士は他人の職業には見解が甘い。
 「そんな事ありません。先生のお客が倒産と仰る様に今は収入の高い人まで破綻しています。お客はコロナ自粛以前より減ると見なければなりません」
 荒井枝里はさらに怒り反論する。
 「その通りですね。一般女性の非難とは違いますが、風俗業界として一時的に一般の女性がお嬢に成る余地は無いです。現実にそぐわない発言です」
 福富浅次郎も荒井枝里と同じ見解を示す。
 「コロナの感染で有名人の死者も出た。だが月ごとの例年の死者数は増えてない。やや少ない位だ。だがこの先に恐慌が来る。その自殺者は膨大だよ」
 如月鬼堂が見解を示す。
 「そうですね」
 館山弁護士も認める。
 「それでは鬼堂先生。愛好会の参加者もSMクラブの営業も減りますか」
 「愛好会はショー以外の会費が無いので会員数は即座に減らないです。でも愛好会の当日参加者は減ります」
 如月鬼堂もきっぱり予測している。
 「このまま行くと世界恐慌ですか」
 大河内税理士が追求する。
 「それは確実に来ます」
 如月鬼堂は断言する。
 「どうしたら回避できたのでしょう」
 館山弁護士の問いかけである。
 「国が売り上げベースで保障をするしかなかったのです。風俗業に至るまで全部前年度実績での保障です。それに個人の給付十万を数回です」
 如月鬼堂はこのグループの範囲ならと構わず語る。
 「でもそれは国が未来に大きな借金を作る。後の世代に借款を残すのが良くないと言われています」
 これも館山弁護士である。
 「税金は使わないのです。フランクリンはニューディールの時、新規増紙幣を制限しないと宣言しました。これは増紙幣で賄うべきです」
 もとより税金で賄える範囲は超えている。
 「それでは日本円の価値が一気に下がりますよ」
 今度は大河内税理士である。
 「どうせ世界恐慌に成ります。今なら問題ないです」
 なんと如月鬼堂は断言してしまう。
 「そうかもしれないですね。日本の事しか考えない結果になりますが」
 大河内税理士も納得する。
 「どっちにしても大方の倒産、廃業が目前です。廃業と言っても多額の借金は残ります。そう言う政府の決断が欲しかったですね」
 福富麻次郎も同調する。
 「ところで月明けには愛好会を開けませんか。もう自粛も終わるでしょう」
 大河内税理士はなんとしても開きたい。
 「長野でも店舗での開催はまだ無理でしょう。前回同様に成りますよ」
 如月鬼堂は乗り気では無い。
 「鬼堂先生のプレイルームで十人位は参加できませんか。残りは前回通りスタジオから動画配信です」
 大河内税理士の提案である。
 「椋木美弥さんの様に皆がオンラインで納得してくれたらですね。女性をノミネートしてから参加の確認を取りましょう」
 「お願いします」
 他のメンバーも納得した。
 主力メンバーで行って撮影も兼ねる事になる。医師もメンバーに入っている。
 あとは樽常マネージャーが生贄となる女を探すだけである。
 
 恐ろしい立て篭もり事件が起こった。
 コロナ自粛で収入を失った。その上ステイホームの不満が溜まった花火師の犯行であった。
 自粛警察と報道されやり過ぎをマスコミが咎めている。だがそれは自粛を守ろうと言うのではない。鬱憤の溜まった輩の暴走なのである。
 この事件は自粛警察などではない。補償が無い自粛への怒りの暴発で有る。
 勤めていた煙火店がイベントの自粛要請で花火の膨大な在庫を抱えて廃業した。この花火師はその在庫の一部を持ち出した。
 どこかで大量に取得したメールアドレスに配信された。それはSM拷問動画の配信であった。
 女はローカルなグループアイドルの一人である。鵜内理紗という。鵜内理紗は自粛中コンビニの帰りにミニバイクを倒されて拉致された。
 車の通行の少ない法面の切れたところで幅寄せされて畑に倒された。
 花火師は鵜内理紗にクロロフォルムを嗅がせる。そのままキャンピングカーに乗せて運んだ。
 殆どの者がメールを開かない。メールを開いても動画はクリックしない。それでもSM拷問動画と判って開いてしまう者も居る。
 それでも大概は内容を犯罪の中継動画と知っても通報まではしない。
 僅か数人の通報者が居た。それは常識的な人間ではなく何処かずれた人間の場合が多い。だがこの場合は正しく役割を果たした。
 結果は如何ともしがたいが通報者らに責任はない。
 既に仕掛けは作られ警察の突入に備えて充分に準備をしていた。
 送られて来たメールにはURLが三本掲載されている。
 一本目は『動画をダウンロードして下さい』と記載がある。これは動画ファイルの録画であった。
 二本目は『これは中継です。二〇二〇年五月十五日十九時に始まります。』と書かれている。メールの配信から三時間後である。
 三本目は『総て終わったら見て下さい』と書かれている。
 動画は拷問から始まる。
 花火師はマスクとサングラス。黒いズボン黒いシャツ。概観から人物を特定するのはやや難しい。
 花火師は最初に以下の様な文言を流していた。
 『これは立て篭もりだ。俺が誰か分かるか。此処が何処か判るか。早く救助しないとこの女は死ぬ。
 女は鵜内理紗と言う。ローカルなアイドルグループの一人だ。
 警察はこの拷問場所を見つけて突入しないと次の動画中継の三十分後にこの女は死ぬ。
 俺の逮捕も不可能になる。』
 テロップの後ろは鵜内理紗が全裸で眠らされたまま縛られている。
 花火師は鵜内理紗をビンタする。
 「ううーー」
 さらに叩く。
 「なに。何処。此処は」
 意識を戻した鵜内理紗は辺りを見回し疑問を投げ掛ける。
 「どこだろう。お前を拷問する」
 花火師の声は抑揚がない。
 「何でよ。これを解きなよ」
 鵜内理紗は強く抗議する。
 花火師はそれを無視して鞭を手にする。乗馬用の一本鞭である。竹刀も壁に立掛けてある。
 丸出しの乳房を薙ぐ。
 「うおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー。こらーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は痛みに悲鳴を上げ怒りに叫ぶ。
 花火師は乳首に狙いを定めて乳房を薙ぐ。乳首もろとも陥没する様に鞭がめり込む。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめ、ろおーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は痛みの強烈さに顔を強く振る。口を斜めに破裂させて声を絞り出す。悲鳴から叫び抗議になる。
 鵜内理紗の躰は壁からやや離れた柱に縛られている。内部は古い民家の様である。床は板張りではなく絨毯が敷かれている。
 花火師は容赦なく乳房を薙ぐ様に叩き続ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は髪を振り乱し顔は脂汗に塗れる。
 乳房は既に鬱血が数箇所に滲んでいる。動画からもそれが鮮やかに確認出来る。動画の解像度は高い。
 腰から下は膝と脚首の二箇所で柱に磔状態である。腕は柱の後ろで手首と肘で縛られている。
 ウエストにも縄が掛けられている。股間は膝を揃えても隙間が出来る。土手の黒い塊の下に閉じ合わせた女の部分の粘膜の先端が僅かに覗く。
 花火師は竹刀に持ち替える。
 今度は太腿を薙ぐ。肌理細かい白い肌が艶かしい。綺麗な太腿である。竹刀は強烈に叩き付けられる。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は縛られた膝を揺すって大口で悲鳴を轟かせる。
 花火師は竹刀も十数回叩いて鵜内理紗の太腿を鬱血だらけにした。
 警視庁が捜査に入っているが日本の何処かは判らない。女性の生命に危険が迫っている事だけは確実である。
 あちこちの局で臨時ニュースとなった。
 花火師は鵜内理紗の躰に点火した爆竹を投げる。爆竹は弧を描いて飛ぶ。
 「あ、あーーーーーーーーーーーー」
 バアーーーーーン。
 鵜内理紗の乳房の手前で破裂する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は爆風を躰に受けて悲鳴を上げる。
 恐ろしい拷問である。
 さすがに目はメガネを被せている。
 二発目は股間と太腿の手前で破裂する。
 「あーーあはーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は恐怖に躰を震えさせる。そして甲高い悲鳴を上げる。さらに抗議する。
 三発目を投げる。
 バアーーーン。
 顔の直ぐ手前で破裂した。
 「・・・・・・・・・」
 鵜内理紗は恐怖に声も出ない。
 さすがに三発で終了した。
 縄を解くと鵜内理紗が暴れそうなので花火師はクロロフォルムを嗅がせる。
 ここで画面は切り替わった。明らかに時間の誤差が有ると見える。
 鵜内理紗はまだ柱に磔にされている。
 前と違うのは両方の脚がV字に開脚された状態である。膝、脹脛、脚首に縄を掛けられている。
 その縄で鵜内理紗の脚は天井のフックから引っ張られ吊るされている。
 胸部の縛りも強化されている。乳房の上と下をぎっちり縛られて後ろで柱に磔状態と見える。
 薄紅色で小さめの乳輪と乳首が縄の間に突き出されている。
 腕は上から手首を縛り合わされ天井のフックから吊るされた状態である。
 両脚が広げられているので股間が大きく広がる。女の部分もアナルの蕾も丸出しに成っている。
 鵜内理紗は眠らされたままである。
 花火師は女の部分のびらびらを広げる。動画に残す目的である。小豆色のびらびらが大きく捲れる。
 内部はローズ色に広がる。尿道の亀裂がくっきり窪んでいる。膣口は下の方に粘膜の重ねからその窪みが感じ取れる。
 花火師は指を突っ込む。奥まで指を伸ばして探る。膀胱に充分溜まっている事を確認した。
 両手の指先を入れて左右に膣を大きく広げる。変形した膣の天井部。その粘膜の奥まで露になる。
 花火師は掌で鞭の痕が残っている乳房をビンタする。
 何回も叩く。
 「うぐう」
 鵜内理紗はやっと意識を取り戻して目を開ける。物凄い姿に縛られ吊るされている事に気が付く。
 「ああーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗はさらに酷い状態にされて取り乱し喚く。
 そして尿意に堪えられない事に気が付く。
 「ほどけよーーーーーーー。トイレいかせろーーーーーーーーーー」
 花火師は民家に残されていたような古い金盥を股間の下に置く。そして無言でそれを指差す。
 「ふざけんなーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は叫びながら躰を捩る。既に限界である。
 「トイレーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫ぶが既に断末魔である。
 小水はびらびらを突き抜けて流れ出す。花火師はそのびらびらを広げる。尿道の亀裂が開いて尿が流れ出るのがくっきり画面に焼き付く。
 「ああーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 それでも小水は止まらない。
 それだけではない。長い放尿が終わりかけるとアナルが広がって便が飛び出す。この体制では制御が出来ないようである。
 動画は此処で終了している。
 
 このメールは杉下一行にも届いていた。杉下一行は愛好会の主なメンバーに転送した。
 これをネタにテレビ放送を見ながら飲み会を兼ねたテレビ会議となった。
 さらに如月鬼堂のインターネットアダルト放送のコメンテーターもオンライン出演となった。スタッフがカメラを設置しに来ていた。
 離れた別の部屋に設置してもらう。設置するだけでスタッフは帰る。後は出演者任せの様である。
 「二つ目のURLも三つ目のURLも何も表示されないよ」
 如月鬼堂は杉下一行に確認する。
 「時間に成るまで接続されないようですね。そのURLは海外です。幾つものカメラをリンクしたサイトです」
 杉下一行も確認した様である。
 「カメラの電源が入らないと何処に有るかも判らないのだな」
 セキュリティの掛かってない監視カメラ等の映像を盗み取って公開しているサイトである。
 「そうでしょう。三つ目も無料のレンタルサイトです。その時に成ったらアップロードされるのでしょう」
 「なるほど」
 如月鬼堂も犯人の巧妙な手順を理解する。
 
 時間になったので二番目のURLにアクセスする。同じ場所の様である。画面では鵜内理紗は逆さに磔られている。
 右脚は上から脚首、膝まで縄でぐるぐる巻きに柱に縛り付けられいる。
 左脚は太腿と脹脛を密着させてぐるぐる巻きに縛り合わされている。そのまま左に投げ出された状態になる。女の部分は丸出しである。
 花火師はびらびらを指で広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに花火師は女の部分にクスコを挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめろおーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は怒りどこまでも喚き抗議する。
 特別なクスコである。四枚の金属の嘴が鵜内理紗の膣を強く広げる。
 薄橙の粘膜が広がり奥には紅色の子宮口がくっきり見える。これが動画に拡大される。
 花火師は膣の内側の粘膜に注射針を刺す。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いいたいいーーーーーーーーーーーー」
 逆さまになった鵜内理紗は泣き喚く。
 それでも二本目を指す。
 「うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。鵜内理紗は磔にされた躰を揺すって悲鳴を絞りだす。
 その針に注射器を接続する。
 「いやーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗からは見えない。
 「麻酔だ」
 花火師は一言だけ言う。
 膣の中に麻酔を打ってさらに大陰唇にも両側打つ。クリトリスにも刺す。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 注射器は剥き出したクリトリスのど真ん中に突き刺さっている。
 直ぐに麻酔は効く。
 「なんでーー。何で麻酔なの」
 鵜内理紗は何をされるのか警戒している。
 花火師は鵜内理紗のクリトリスをメスで斬り堕とす。一瞬血が飛ぶ。そして一条土手から腹に流れる。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鵜内理紗は血を見て大声で叫ぶ。
 花火師は上から止血パットを貼る。
 さらに小陰唇を斬り堕とす。一気に左右両側斬り堕とす。血が一気に流れ出る。直ぐに止血パットを当てる。
 警察はカメラに繋がった時点で場所を特定した。埼玉県秩父郡小鹿野町付近と判った。
 埼玉県警が特殊犯捜査係の部隊を急行させた。だが発信元の民家は無人家屋であった。
 警察は暫らくからくりを調べる。パソコンが遠隔操作されていることが判る。
 其処から有線で山を越えて繋がっていた。
 それでも警察は三十分くらいで対象の民家を囲んだ。
 中を覗ける所は防弾ガラスが遮断していた。その奥に鵜内理紗が柱に逆さまに大股開きで縛られている。
 腰には発破が何本も繋いで帯状に一まわり巻いてぶら下がっている。花火師は自分も躰に巻いて発破のスイッチを持っている。
 花火師の座った椅子の横に机が置かれでいる。その上にノートパソコンがある。それでコントロールしている様に見られる。
 交渉人が入る余地は無い。
 良く見ると後ろの板壁に時間を刻んでいる。URLの画像にも確認出来る。
 時間で爆破すると見て警察は突入の判断をした。
 防弾ガラスらしきを退けて防護服の部隊が突入する。
 その瞬間鵜内理紗の脚が閉じられた。上から打ち上げ花火の太い筒が下りて来てその躰を包んでしまう。
 次の瞬間。家の床下に仕掛けられた打ち上げ花火に一斉に着火された。完全に家を壊して爆発する。花火が地上で何十個も炸裂したのである。
 盾を持って家を取り巻いていた隊員らの後ろからも花火が暴発した。
 隊員らの殆どが炎に包まれた。
 家は完全に吹っ飛んでいる。鵜内理紗は花火の大筒の様な中に発見された。一命は取り留めた。だが悲惨な状態で有る。
 躰に巻かれていた発破はダミーであった。逆に花火師は完全に肉片となっていた。
 警察隊員も大方が殉職または負傷した。
 三番目のURLに犯行声明が自動でアップロードされていた。
 警察官の殉職者は八名。重篤七名。負傷十九名であった。
 犯行声明には政府は僅かな補償しかしない。都合の良い自粛要請に怒りが述べられていた。
 花火師は勤めていた煙火店が倒産して職を失った。花火のコンクールにも出られなくなった恨み言が綴られていた。
 この先の絶望からの犯行であった。
 鵜内理紗を選んだのは彼女が発信したSMSであった。業者の損害を考えない一方的自粛のコメントに怒ったからである。
 花火師は政府への怒りの表明に突入する警察官らを狙った。鵜内理紗は苦しんで生き続けさせる目論見であった。
 鵜内理紗は動画がたくさんばら撒かれて社会的にも身体的にも絶望である。ただ顔に損傷が無いのでアイドルは続けられる。
 逆にばら撒かれた動画はいつまでも蔓延り続ける様である。闇販売すれば買うものは多々居る。
 
 「これは警察隊員の大量殉職を狙ったのですか」
 館山弁護士がテレビ会議で見解を述べる。
 「紛れも無くそうでしょう。政府への抗議です」
 如月鬼堂もはっきり見解を述べる。
 「それでは彼女は警察を誘き寄せる囮ですか」
 荒井枝里は悲痛に訴える。
 「さすがにそれだけではないでしょう。SNSで自粛だけ呼びかけ補償されない業者の破滅を押し付ける発言への反動ですよ」
 福富浅次郎が犯人の僅かな妥当性を拾って弁明する。
 どうしてもマスコミ報道では自粛をしない業者が一方的に悪いとされる。
 営業してもこの状況で成り立たない者は泣く泣く自粛または廃業する。
 だが営業すれば客が入る者は何としても生き延びたい。補償の無い自粛要請では倒産して破産しかない。
 そこへ『いけないんだもん』的なアイドルの一方的自粛当然発言に犯人の怒りが沸騰した。確かに発言だけでここまでの被害は恐ろしい犯罪である。
 「自粛要請と言う都合の良いやり方が問題なのだ。きっちり休業命令及び完全補償が妥当だった。そのやり場の無さがこんな犯行を生んだのだ」
 如月鬼堂は断言する。
 「このまま日本は経済的瓦礫の山ですか」
 大河内税理士の確認である。
 「その通りです。最早フルスロートでそっちに向かいます。今は世界恐慌前夜です」
 これも如月鬼堂が断言する。
 「一般市民より警察官を狙うのはやや判りますが、何故彼女一人がこんな犠牲にされるのですか」
 荒井枝里は怒りに煮え滾っている。
 「この犯人の死を選んだ最後の悦びと事件を永久に風化させない象徴です。そして政府への非難を強烈に印象付ける目的です」
 杉下一行が如月鬼堂の発言を遮って説明する。
 「確かにそうですね。これは浅間山荘事件並みに歴史に残ってしまいます」
 福富浅次郎が補足する。
 「このままでは彼女は自殺します」
 荒井枝里は慟哭の様に叫ぶ。
 「それも出来ません。こうなったら警察や行政の監視が付いて何としても自殺は留まらされます」
 これも杉下一行が説明する。
 「そんなの酷過ぎますよーーーーーーーー」
 荒井枝里は鵜内理紗の犠牲に怒りが収まらない。
 
 その日のインターネットアダルト放送のニュース番組の時間になった。補償の薄い政府のやり方を如月鬼堂は今夜こそ強く非難した。
 その内容はテレビ会議の話と変わらない。税金を使わず増紙幣での対応に行き着く。
 
 如月鬼堂のコメンテーターオンライン出演は三十分で終わった。テレビ会議飲み会はそのまま続いた。
 館山弁護士も今夜の如月鬼堂の発言を咎めなかった。
 「私は一年以上厳しい経済状態が続くと見ています」
 如月鬼堂はビールを飲みながら語る。
 時間的に全員酒が入っている。
 瀬里菜は冷凍の寿司を解凍して三人分囲炉裏のカウンター部分に置く。今夜は珠洲と二人シャンパンを飲んでいる。
 他のつまみはサラダバーと乾き物である。
 「そうですね。特に風俗業には多難の時代に成ります」
 福富麻次郎も沈痛に語る。
 「福富さんはこの先どうですか」
 大河内税理士が確認する。
 「今まで通りには行きません。店舗ごとに在籍を減らして売れる子に絞るしかありません」
 福富浅次郎は苦しい選択に入っていた。
 「杉下さんはどうですか」
 「うちは通販で補っています。そんなに売り上げは落ちていません。通販が増えて店舗は減って一割減ですかな」
 杉下一行はあまり困っては居ない。
 「そうですか。一割で済めば羨ましいです。しかし私も鬼堂先生の全裸美人コンテストの件でAVに進出出来て助かっています」
 福富浅次郎も苦しいながら何とか成りそうである。
 「樽常マネージャーそちらはどうですか」
 今度は館山弁護士がSMクラブの樽常氏に振る。如月鬼堂がサポートする真性奴隷女の館のマネージャーである。
 「うちはもう閉店休業同然です。内緒で長野の先生のプレイルームに振るのと東京も本多椿に常連さんがプレイルームで入ってくれるくらいです」
 「大分厳しい」
 大河内税理士が伺う。
 「まあ。補償はしませんし。固定費は事務所だけですから。後は愛好会の分とアダルトチャンネルへの派遣だけです」
 樽常の説明はかなり控えめである。実際にホームページは営業している。女性は自宅待機で派遣する。
 確かに一般客は減っている。愛好会の会員が七割方である。
 「何とか凌げそう」
 「ええ。鬼堂先生関連のお陰で」
 樽常マネージャーも広告を止めているので事務所の家賃だけで済む。樽常の給料が精一杯でオーナーは無収入と表明している。
 長野のSM倶楽部黒の館を通して椋木美弥の営業が大きい。本多椿には常連が付いている。どっちも内緒である。
 SMクラブは路面店でないところのうま味と言える。
 アダルトチャンネルへの派遣は岡田有美と本多椿の二人。トップレスでニュースを読むアナウンサーの派遣である。
 「荒井さんはどうですか」
 館山弁護士が荒井枝里に振る。
 「緊急事態宣言が解除に成れば店舗は感染者の少ない地域です。再開できますが東京と大阪からの移動が回復しません。これだと今の体制半分でしょうね」
 荒井枝里はまだ見通しが立たない。いまの体制とはオンライン営業である。
 「今回解除に成っても第二派とか言っていますよ」
 大河内税理士はワイドショーの内容からの切り取りで発言する。
 「それをまた緊急事態宣言発令で自粛要請と言ったらもう社会が成り立たないでしょう」
 如月鬼堂はもうそれは論外と言いたい。
 「編集長はどうですか」
 「こっちは本の売上は変わりません。でも広告収入が激減ですよ」
 大方が営業自粛でクラブは広告を出さない。
 「心配なのはこれでソープ、SMクラブが激減しないかと言う事です」
 杉下一行が懸念を表明する。
 「それが問題だ。SMクラブは廃業してもまた涌く。ソープはいま有る店舗限りだ。これが心配だ。何としても売防法は廃止したい」
 如月鬼堂は珍しく不安と怒りに語気を強める。
 「しかし。自粛解除で一時的なリベンジは無いのですか」
 大河内税理士の問い掛けである。
 「一斉解除でなく段階的かつ慎重な解除をされるとそれも期待出来ない。こういう事態こそ本来売春が経済を支えるのだ」
 如月鬼堂はこれにも煮え滾っている。
 その後はみな政府とマスコミへの不満で滾った。
 何故かボートと競馬は無観客という以外通常の通りで有る。公営のこっちにも非難が飛ぶ。
 なかなか自粛の夜は長い。
 
 翌週。真性奴隷女の館の樽常マネージャーから提案が出された。
 二十時にテレビ会議が招集された。
 「どうしても二百万必要な一回限りの女性です」
 樽常マネージャーはこう切り出す。
 全身のポートはメールで送信された。ミニワンピース姿である。体型と顔は分かる。
 小作りな顔で美人かつ可愛い。スタイルも細めで華奢と言える。
 「実は動画での配信は出来ないのですよ」
 「ルームだけ」
 「そうなのです。内容のハードは了解しています」
 樽常マネージャーとしては条件をそのまま提示して愛好会に頼るしかない。
 全員考え込んで反応は無い。
 「難しいよ。十人参加して一人二十万だ」
 大河内税理士でさえ乗り気ではない。
 「東京が上手く行けばもうじき解除に成ります。それから十人連続客を取らせてどうでしょう」
 福富浅次郎である。
 「それでは間に合わないのです」
 「もう少し考えてもらいましょう」
 杉下一行は結論の姿勢である。
 「東京が解除に成ってもあの段階的姿勢ではイベントは難しい。一回きりの女では雑誌もクラブの宣伝費も対応出来ない。無理です」
 館山弁護士も論外の発言である。
 「何とか十人で二十万ずつと行けませんか」
 樽常マネージャーはこの線で押し切りたい。
 「クラブの利益は見ているの」
 「はい」
 「オンライン配信。会員のみ動画ファイル提供。これ以下は無理だよ」
 大河内税理士もきっぱり否定する。
 「それもどうでしょう。オンラインで一人一万は椋木美弥さんだからです」
 瀬里菜が横から口を挟む。
 「そうだな。人数は減っても五十人は集めないと」
 大河内税理士である。
 「二十四日まで待とう。状況が変わるかもしれない」
 杉下一行の見解である。
 「そうだな」
 如月鬼堂も納得する。
 樽常マネージャーには本人にそう告げる以外に術は無かった。
 仕方なく樽常マネージャーは一度テレビ会議を外れた。
 「あのう。熱海で五十人くらいは駄目でしょうか。他府県ナンバーが止まっても駐車場は地下です」
 荒井枝里の提案である。
 無論熱海の使用料は入っている。
 「うーん。絶対他言しない奴を口コミで五十人集められて、外から店を空けてないのなら可能かな」
 大河内税理士が乗ってくる。
 「一人五万で五十人。熱海の使用料が五十万ですね。鬼堂先生。荒井さんもこう仰ってます」
 福富浅次郎が提言する。
 「いいでしょう。今ここに繋がっている人からの一次口コミで五十人になればですが」
 如月鬼堂も条件を付けて納得する。だが如月鬼堂自身二十名はアタック可能である。
 だが荒井枝里の計算は違う。口コミの五十人なら口を硬く出来る女の子数名で飲み物を出して営業する。在庫のビールで充分である。
 前の店長より女の子との距離は短い。それは荒井枝里が風俗経験者だからである。
 結果は荒井枝里が樽常に連絡する。元マネージャーである。
 「ありがとう。申し訳ない」
 樽常は喜んだ。女性の為よりクラブの為である。
 
 五月三十日と決めて荒井枝里は店舗の準備に掛かった。
 熱海の店舗は廃業したスーパーを買い取ったものである。地上と地下に駐車場が在る。地下だけで百台は入る。
 オンライン営業は二十二時からにした。
 地上の駐車場はトラテープで封鎖する。
 集った会員は諸々の事情により五十八人と成った。
 在庫のビールがやや足りないのでスーパーを回って補給した。酒屋に頼んで営業再開と疑われない様に配慮したのである。
 
 大阪から二名でこだま号に乗って熱海に着いた会員も居る。さすがにタクシーに乗る。
 「あそこは営業して無いですよ」
 タクシー運転手は行き先を聞いてそう告げる。
 「分かっている。改装の打ち合わせだ」
 適当に言い訳する。
 「あそこはまだ営業をするんで」
 「バックが大きいからな」
 「そうなんで。私なんかはああいう店が今度の自粛で全部なくなってくれればと思いますよ」
 運転手はそっちの市民感情である。
 「おい。俺たちの仕事が無くなった方がいいというのか」
 「いえいえ。ただ庶民の意見を」
 「もういい。止めろ」
 初乗り料金を小銭で叩き付けて乗り場に戻る。
 だがそれだけでは済まさない。知り合いを通してタクシー会社に文句をつける。タクシー会社もいまは運転手を減らしたい。
 みな倒産に泣いている。この状況で不用意な発言と言うクレームである。
 
 来島結奈は樽常の車で熱海に着いた。
 相当の覚悟をしなければ成らないと緊張している。
 如月鬼堂と言うSM作家の主催する愛好会と聞いて一縷の安心感に支えられていた。
 既に場内に着いた会員らはコンパニオンの配膳で飲み食いに入っている。親しいもの同士同じ升席に入ってしまった。
 社会的距離はまったく護られてない。ホステスも四人だけだが躰を密着させてオーダーを取る。当然チップの収入も有る。
 店長の荒井枝里は会場に出ない。厨房で男性スタッフと二人でオーダーを出す。今回は過激に成ると感じ取っている。出たくはないのである。
 杉下一行は忙しい。SMのオーダーを聞いていまプログラムを編集している。
 相変わらず過激な要求が多過ぎる。どう裁くかである。
 嫌な女である。
 金の必要な理由は聞いてない。
 館山弁護士の調査で国税庁に就職が決まって四月から登庁している。キャリアである。
 直ぐに大河内税理士に話を通す。
 会員には財務省の現役官僚も居る。この先来島結奈の行動を監視する。
 今回に限りスクリーンに投影するだけではない。録画も残す。クラブで金を受け取るところまで確り録画する。
 会員は時間差で地下駐車場に入って内部の階段から会場に入る。
 殆どが正面の席に着いている。東西は最前列のみである。
 来島結奈は既に全裸で高手小手に縛られ腰縄を付けて牽かれて来る。牽いて来るのは杉下一行と福富浅次郎である。
 演台の上には開帳台が置かれている。
 最初はいつもの通り躰の公開から行う。
 剃毛の準備をしている。担当する会員が演台の下で待っている。
 来島結奈の躰を開帳台に横たわらせて各部を固定する。
 如月鬼堂は最上段でビールを飲んでいる。今日は風俗嬢ではない。保護する必要は無い。会員に好きなようにやらせる。
 珠洲と瀬里菜は同行してない。如月鬼堂は杉下一行の車に同乗して来た。
 会員の医師が一人最前列でアルコールを飲まずに待機している。精神安定剤を投与する準備も出来ている。
 カメラがスクリーンに接続された。剃毛担当の会員は来島結奈の女の部分を広げてスクリーンに公開する。
 縁は小豆色だが中は緋色である。濡れは全く無い。厳重に洗ったのか汚れも見当たらない。
 洗って拭いたばかり。僅かに湿り気を含んだ陰毛を剃刀の刃で削ぎ落とす。剃った陰毛はこれまで通り小さなタッパンに確保する。
 来島結奈は神経質そうな目でその部分を凝視している。
 陰毛は競にはかけない。剃った会員が持ち帰る。
 一枚刃の剃刀で大方を削り取ってローションを掛ける。残りはT字剃刀で入念に剃る。
 来島結奈は剃られていく皮膚と会員の顔を交互に見る。そして自分の恥ずかし過ぎる姿の映ったスクリーンにも目をやる。
 大陰唇の周りも入念に剃る。赤が濃くなった皮膚が露出して隠微さを増して行く。
 全員の目が集中している。来島結奈はその部分を凝視しながら顔を紅に染めている。
 何故か恥ずかしさの中で乳首が起っている。標準サイズの乳房に紅色の濃い乳輪と乳首である。
 剃り終わってガーゼで拭き取る。
 楕円形にくっきりと赤い皮膚が強調される。その真ん中に女の部分が露である。クリトリスは包まれてその下にびらびらが二枚閉じ合わせている。
 会員はそのびらびらをもう一度広げて緋色の部分を公開する。
 来島結奈は目をきつく瞑って堪える。
 さらに会員は尿道カテーテルを取り出す。
 ここで杉下一行から待ったが掛かる。堪えられず漏らす姿が効果的だからである。
 次の会員と交代する。
 開帳台から一旦降ろす。開帳台を後ろに降ろして拷問椅子が上げられる。診察台よりきっちり躰を固定する為である。
 来島結奈は拷問椅子に脚を開いて固定される。拘束具は使わない。膝から下を縄でぐるぐる巻きにする。
 手首を縛り合わせる。かなり後ろの方に天井から下がったフックがある。それにその縄を引っ掛ける。強く引っ張って固定する。腋が丸出しになる。
 乳首の下と腰に縄を掛けて拷問椅子にきっちり縛り付ける。
 会員はボウルに入れて来た釣りで使う赤虫を躰にばら撒く。
 「ええーー。なにーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖の表情を歪めて叫ぶ。
 少しだけ浅く水の入った水槽に沢蟹を多量に入れて運ばれる。
 「いやあーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は驚愕の悲鳴になる。
 だがこの会員と次の二段構えである。この次の更なる過激な責めまで予定している。
 赤虫は乳房にふりかけの様にばら撒かれている。さらに胸の谷間から真っ直ぐ臍を通って土手から太腿までまばらに繋がっている。
 会員は小さいスコップで沢蟹を掬って腹から胸の上に載せる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈はサイレンの様に喚き散らす。
 沢蟹は来島結奈の白い肌の上を歩く。そして肌に載った赤虫を食べる。
 「いやあーーーーー。ああーーーーーーーああーーーーーーーああーーーああーーーああーーーーああーーーー」
 来島結奈は躰を振って緊急サイレンの如く悲鳴を上げ続ける。
 腋にも赤虫が撒かれている。沢蟹はそっちにも移動する。
 「ああーーああ、ああーあーーああーあーーあーーあーー」
 来島結奈は狂ったように泣き叫ぶ。
 会員は適度なところで腋からスコップで沢蟹を掬って水槽に戻す。
 「ああーー。いやあーーーーーー。ああーーーー。ああーーああーーああーーああーーああーー」
 まだ躰にたくさん残っている。来島結奈のヒステリックな悲鳴は続く。
 腹と胸から一気に掬う。
 「ああーーーー。ああーーーーーああーーああーーああーあーあー」
 最後に土手の上を掬う。
 「あー。あー。あー。あー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 沢蟹が躰の上から無くなった。来島結奈はようやくサイレンから荒い息遣いに変わる。
 目からは僅かに涙が滲んでいる。
 次の会員は浣腸の準備をして待機していた。水槽に戻った沢蟹に糸を巻きつけている。
 バケツに石鹸液が作られ板氷が入れられている。その冷たい石鹸水を極太の浣腸器に吸い上げる。
 浣腸器のガラス面が白く濁って冷たさが客席からも判る。
 交代した会員は来島結奈のアナルに浣腸器を差し込む。
 「ああーーーーーーーーー」
 来島結奈は冷たさに悲鳴を上げる。
 「ああーーーーーーー。だめーーーーーーー。いたいーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが襲う。
 一時的にアナル栓を差し込む。
 別の会員が透明で大きなボウルをアナルの真下に設置する。
 「ううーーー。いたあいいーーーーーーーーー」
 来島結奈は腹の痛みに堪えられない。
 会員は中を洗えば良い。時計を見て五分くらい待つ。
 「どうだ。抜くぞ」
 会員は排泄宣言をする。
 「ああーーー。だめーーーーーー。もうだめーーーーーーー」
 来島結奈は完全に痛みに堪えられない。
 会員はアナル栓を抜いて後ろに下がる。
 ずぶーーーーーーーーーー。
 茶色い水が流れ出る。殆ど固まりはない。僅かに溶けた残りがボウルの下に沈んでいる。
 匂いもそれ程強くない。それでも一応天井の換気扇は回す。
 会員は来島結奈にアナル開口器を差し込む。
 点滴スタンドから腸カテーテルで水を流し込む。何回も洗浄して綺麗にする。
 膣をクスコで広げる。クスコは態と横向きに入れる。サイズの大きいクスコである。膣を大きく開く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の女の奥が広がってスクリーンに拡大される。
 「いやあ。いや」
 来島結奈は顔を歪めて首を振る。
 さらにアナル開口器を挿入してアナルも大きく広げる。
 「ああーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーー」
 来島結奈は首を振って表情を崩して拒絶する。
 スクリーンには膣とアナルの奥がペンライトに照らされて鮮明に拡大された。
 来島結奈は目をきつく瞑って顔を逸らす。堪らない羞恥に顔を火照らせて堪え続ける。
 会員は目的の責めに掛かる。
 ロングスプーンで赤虫を膣に投げ込む。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は強烈に叫ぶ。
 それでも会員はアナルにも赤虫を投げ込む。
 「いやあーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーー。それはむりーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子にきっちり固定された躰を揺すって泣き喚く。
 それでも会員はトングで沢蟹を掴む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。だーあーめーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも会員は沢蟹を来島結奈の膣を広げたクスコに投げ込む。
 「ああーーーーーーーー。いやあーー。いや。いや。いや。だめ。だめ。だめ。だめ。ああーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 来島結奈は泣き喚く。
 それでも会員はアナルのクスコに糸を縛った沢蟹を投げ込む。
 「あはあん。あはん。あはん。あはん。ああん。ああ。ああ。ああーーああーーああーーああーーああ」
 来島結奈のサイレンの如き悲鳴は収まらない。躰はガタガタ暴れさす。
 「ああーーああーーーああーーーああーーああーーー」
 狂った様に泣き喚き続ける。来島結奈の小作りで目のパッチリした表情がここまで崩れるかと言う壊れようである。
 客席は静まり返って全員がこの姿を凝視している。会員らは生唾を拡散させて興奮の坩堝である。
 「やめてーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。ああーーああーーああーーああーー」
 来島結奈の顔から涙はポロポロ溢れる。
 会員は膣の沢蟹を取り出す。
 「ああーーーーーーー。はやくーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー」
 来島結奈は半狂乱である。この表情は会員らを陶酔の限り満足させた。
 配膳のホステスも手を休めて見入っている。
 会員はもう少し愉しみたいが限度をわきまえて糸で沢蟹をアナルから引っ張り出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沢蟹の爪がアナルの粘膜を引き摺る感触に究極の悲鳴になる。
 「あはん。あはん。ああはん。あはん。あはん」
 来島結奈はポロポロ涙を溢して泣き続ける。
 ここで僅かに休憩が入れられた。まだまだプレイは前半である。
 会員の医師がここで精神安定剤を打つ。そのまま一回シャワールームに引き上げさせた。
 如月鬼堂が樽常の横に来る。
 「あの子はどうして金が居るのだ」
 「それが言いません」
 「ふーん」
 「キャリアが何で百五十万くらい。変だね」
 「そうですが。本人は今月中がリミットで切羽詰っているようでした」
 「そうか」
 如月鬼堂もそれ以上は追及しない。
 ショーが一時休憩になったのでコンパニオンらは忙しく配膳を続ける。
 コスチュームは一人ずつ違う。一人は和服だが布地はレースである。乳房も乳首も透けている。
 下はレースの褌である。黒い塊はやや透けている。だがさすがに女の部分は見えない。後ろから透ける危険が有るので何らかの対処はしている。
 一人は単純に膝上二十三センチのミニスカート。座ると生下着の先端を覗かせる。上はビキニのブラだけの様な姿である。やや生地から赤が透けている。
 一人は乳房の上に紐を巻いている。前だけその紐に小さな前掛けの様な布が下がっている。布は左右にスライド出来る。
 下はフレーヤースカートだがひだ一本ずつが切り離されている。座れば割れて生下着が覗く。
 残る一人の上半身はレースの晒し。下は通常の褌である。さすがに透けてはいない。
 この四種類で全員が順次日替わりで替える。とにかくソフトなサービスで諸氏を刺激して通わせようと言う戦略である。
 次の会員がステージに吊るしの準備をしている。
 杉下一行が其処へ来島結奈を連れて来る。
 会員は来島結奈をまず高手小手に縛る。そのまま来島結奈の躰を演台に倒して寝かせる。
 脚を広げて太腿の付け根に三重に縄を掛けて強く縛る。その縄を大き目のフックに通す。さらに太腿の縛りに通す。それをフックから二重にして縛る。
 もう片方も同じ様に太腿の付け根を縛ってフックに通す。こっちもフックとの間を二重にして縛る。
 天井から吊るした滑車のフックを下げる。太腿を縛って繋いだフックに滑車のフックを引っ掛ける。
 会員二人が手伝って来島結奈の脚首を左右から持つ。
 その状態で滑車のもう一本の縄を引いて来島結奈の躰を吊るし上げる。
 来島結奈の躰は逆さまに股間を大きく開いている。脚を逆ガルに広げた状態に吊り下げられる。
 会員が手伝って押さえている脚首に縄を掛ける。そのまま引っ張ってかなり離れた位置に天井から吊るされたフックに縛り付ける。
 もう片方も同じ様に引っ張る。
 来島結奈は股間を大きく広げて逆さ吊るしになった。女の部分は丸出しの上引き裂かれてしまった。
 高い席から見下ろすとびらびらがやや広がっている。その中に緋色の部分が剥き出す。上から見るとなかなか隠微である。
 会員は手伝った二名も含めて鞭を持つ。乗馬用の一本鞭である。
 二人の会員が両側から高手小手の縛りから突き出された乳房を叩く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は強烈な痛みと苦しさに悲鳴を絞り出す。
 縛った会員は正面から股間を叩く。女の部分にもろに当る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 鞭は他の会員の担当なので一発ずつで止める。
 一発でも来島結奈の躰は逆さ吊るしのままぶるぶる震えている。
 手伝いの二人は下がる。担当の会員一人になる。
 蝋燭を何本か出してテーブルの上に並べて点火する。
 会員は来島結奈の女の部分に上から指を突っ込んで中を探る。女の奥の味見である。
 じっくり敏感な粘膜を弄って濡れを見出す。
 「ああっはあーー。いやあーーーーーー。いやあ」
 来島結奈は拒絶姿勢である。
 会員は弄くりながら蝋涙が溶けるのを待っている。
 強化プラスチックのクスコを来島結奈の膣に挿入する。そして広げる。
 来島結奈は異常に苦しい姿勢を堪え続けるしかない。
 会員はクスコの中に一本糸を垂らす。蝋燭の芯の周りに溶けた蝋涙を一本ずつ流し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は膣に溶けた蝋涙を流されて強烈に悲鳴を轟かせる。
 容赦なく一本ずつ流し込む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は躰を揺すって暴れる。
 さっきの二人がまた手伝って両側から太腿を押さえる。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クスコが蝋涙で満タンになるまで泣き悲鳴は続いた。
 暫らく固まるのを待つ。
 升席では忙しくコンパニオンが配膳する。ビールも料理もどんどん売れている。ビールは在庫が売り切れて追加で仕入れた分に手が付いている。
 「今日の店舗使用料とこの売り上げだ。荒井に確り儲けられましたな」
 大河内税理士はやや苦々しい。
 「みんな久々に此処で飲めて満足でしょう。荒井さんを批判したりすると鬼堂先生の店ですよ」
 福富浅次郎がやや嗜める。
 演台では会員がマッチに火を点ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。もうなにするのーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖にわなわな震える。
 会員はクスコに流し込んだ蝋涙の中央に垂らした糸に火を点ける。蝋燭に点火するようなものである。
 「いやあーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー」
 来島結奈は半狂乱に騒ぐ。
 「スクリーンを見ろ」
 会員は正面のスクリーンを指す。
 「いやあーーーーーーーーーー。お○○こもえてるーーーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖にぶるぶる震える。震えるとクスコの中の蝋涙が周りに飛び散る。
 「ああーーーーーーーー。うがあーーーーーーーーー。ぎゃーーーーーーーーーーーーー。あついーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は狂ったように暴れ泣き喚く。
 会員は適度に火を消す。クスコも抜いてしまう。
 脚首の縄から解く。吊るしを下げて来島結奈の躰を演台に降ろす。
 「ああーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーー。ひどすぎるよーーーーーーーーーーー」
 「膣灯篭と言うのだ。このクスコの中で燃えているだけだ」
 「うそーーーーーー。しんじられない。お○○こだめになっちゃうよ」
 来島結奈はポロポロ涙を溢す。
 「暫らくヒリヒリするだけでなんとも無いよ」
 会員は淡々と語る。そしてセペで膣の中を洗う。
 洗浄が終わって次の会員と交代する。
 来島結奈はもう一度拷問椅子に乗せられる。
 今度は電流責めの準備である。
 今度も縄で固定するが先程より簡易である。脚は脚載せに膝だけ縛っている。腕は拷問椅子の頭の上で背もたれに縛っただけである。
 腹は拷問椅子のベルトで固定している。股間だけ大きく広げられている。
 今度はクスコではない。金属のこけしの様な物を挿入する。それから単線が二本延びている。それはやや大きめのスタンガンの様な器具に接続されている。
 来島結奈に電気で責められる事は充分に判る。
 「さっきのヒリヒリに今度は電流責めだ。とことん泣いてもらうよ」
 会員は普通の事の様に宣告する。
 「ええーー」
 来島結奈の表情は悲痛に歪む。目は怯えきっている。
 「行くよ」
 「ああーーーーー」
 既に背中に脂汗を流した悲鳴である。
 スイッチを入れる。
 「ひゃああーーーーーーーーーーー。ふあああーーーーーーーーーー。ひゃああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーー」
 躰は強く震撼する。首を回して口はへの字に悲鳴を漏らす。
 適度に一時切る。
 何回か繰り返して来島結奈の顔は蒼白である。
 会員は電圧を上げる。
 「ああーーーーーーー。だめーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖に追い詰められ喚く。そして拒絶の抗議をする。
 それでもスイッチが入る。
 「ぎゃはああーーーーーーーーーーーー。ひゃあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。だめーーーーーー。でるーーーーーーーーーー」
 次の瞬間。来島結奈の膣の直ぐ上から潮が流れ出す。
 会員は直ぐ電流を切る。
 「ああーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーん。だあめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の泣き悲鳴が一頻り続く。
 会場からは拍手が沸く。来島結奈には堪えられない拍手の渦である。来島結奈の羞恥心の底を抉る。
 会員らの心底の悦びは来島結奈には堪えられない屈辱の極地である。
 「あはあ。ああ。あはん。あはん。あはん」
 来島結奈は漏らしてしまってポロポロ泣き続ける。
 次の会員はドリルバイブを準備している。
 「次は逝き顔を見せて貰うよ」
 交代の会員が待機している。
 「なにそれーーーーーーーーー。普通のバイブレーターじゃないよ」
 来島結奈は泣き顔になって拒絶する。
 ブルン。ブルン。
 会員は威嚇で始動する。
 「だあめーーーーーーーーーー。私のお○○こ壊れるよーーーーーー」
 来島結奈は泣き叫ぶ。
 「壊れない。大丈夫。失神するだけだよ」
 会員は簡単に言う。
 失神と聞いて来島結奈は怯えの表情を凍らせる。
 会員はドリルバイブの先端に付けられた擬似男根にローションを塗って入れる準備をしている。
 「だめよーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーー」
 来島結奈は泣き声で訴える。
 それでも会員はドリルバイブを挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は悲痛に恐怖の泣き顔を歪めて許しを訴える。
 会員は腰をがっちり構えてスイッチを入れる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の表情は強烈に軋む。
 振動しながら回転するタイプである。擬似男根部分を持つことは出来ない。的確に膣に押さえ込むしかない。
 「あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の表情は大口を破裂させ究極に追い詰められている。
 二人会員が横から加勢する。暴れる来島結奈の太腿を左右からがっちり押さえる。それでも外れかける擬似男根を会員は必死に押される。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が会場を震撼する。
 次の瞬間来島結奈の首は倒れて一気に白目を晒す。
 「早いな」
 実に早い失神であった。
 次の会員がスネークフックとクスコを持って待機している。水の入ってない水槽には蛇が蠢いている。
 「もう一度やろう」
 一度ドリルバイブを抜く。膣液がローションに混じって流れ出る。
 「凄い濡れだな」
 押さえを手伝っていた会員もそれを見て感嘆している。
 もう一度ローションを塗って挿入する。
 押さえていた会員がスタンガンで起こす。
 「ううーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は状況に悲鳴を上げる。
 スイッチが入る。
 「おーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は目を大きく見開いて恐怖に表情を破裂させる。大口を開けた悲鳴が会場を劈く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 逝き声は一気に架橋になる。そしてそのまま堕ちてしまう。再び白目を剥いた失神状態である。
 表情を確認して次の会員が交代する。
 失神したままの来島結奈の膣にクスコを挿入する。手伝っている会員がスマホで録画する。
 会員はスネークフックで蛇を掴む。
 会場は完全に静まり返っている。配膳のホステスも座って見ている。
 会員はクスコに蛇の頭を突っ込む。
 暫らくピストンして抜く。
 クスコをそのままにして今度はビンタで起こす。数回叩く。叩く会員は気持ち良さそうである。
 「う、ううーーーーーーー」
 来島結奈は目を見開く。
 手伝っていた会員がスマホの録画を見せる。
 「えーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖に目を見開いてぶるぶる躰を震えさせる。
 「ああーー。ああーー。だめーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 来島結奈は涙をポロポロ溢す。
 大河内税理士が如月鬼堂の隣に移動して来た。
 「どうやら緊急事態解除が早まったのですが、政府はこれ以上補償に予算を出せない事情の様です」
 大河内税理士は財務省内部からの情報である。
 「でしょうね。税金や国債からは無理でしょう」
 如月鬼堂も当然と受け止めている。
 最後の担当会員がステージに上がった。
 拷問椅子から戒めを一旦解く。前の担当会員が抜き忘れたクスコを抜く。白いクリーム状の液が乾いて付いている。
 それをカメラに翳す。
 「・・・・・」
 来島結奈は悲鳴すら出ない。
 手首を縛られ天井のフックに引っ掛けて吊るし上げられる。脚の裏が着く高さに調整する。
 別の会員が磔柱を持って来る。一メートル四方の鉄板に十センチ四方の柱が立っている。
 柱の高さは約二メートル。
 来島結奈の躰を鉄板の上へ柱の根元に押し付ける。そして右の脚首を柱の根元に縛り付ける。
 左脚を引っ張って左の脚首に縄を掛ける。
 「ああーーー。いやあーーーーーーーー」
 来島結奈は股間が丸出しになりどうしても抵抗する。
 脚首を縛った縄を柱の天辺に埋め込まれたフックに通す。そのまま脚首を引っ張り上げる。
 「ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は無理な姿勢に抵抗する。
 来島結奈の躰は右に弓なりになる。引っ張れる限り引っ張って柱の天辺のフックに縛り付ける。
 「うおーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 来島結奈はかなり苦しい。
 会員は二人鞭を持っている。皆が特別に見覚えの有る二人。
 牧野茉莉亜に鞭打ちの挙句金柑を塗って倒れさせた二人である。今夜は杉下一行の許可を得ている。
 二人とも一本鞭である。
 先端を的確に乳房を薙ぐ。
 「うおーーーーーーーーーーーー」
 吊り上げられた左脚を蹴って躰を震撼させる。
 構わずもう一人が叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーーー」
 乳房が鞭で陥没するくらい強い叩きである。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに真っ赤な筋が浮いてくる。
 股間を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は悲鳴を絞りだす。相当な痛みである。躰を強い力で暴れさせて震撼させる。
 次は右脚の太腿内側に炸裂する。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー」
 また乳房に炸裂する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーー」
 もう一人が股間にきっちり叩き込む。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーー」
 来島結奈は大きく反動で左脚を蹴り上げる。力いっぱい痛みに躰を弾く。そのまま強く震撼する。
 来島結奈の躰は鞭の蚯蚓腫れから真っ赤な筋が浮いて無残極まりない。あちこちに鬱血も確認出来る。
 会員はここまでで鞭を置く。
 左脚の縄を解いて開放する。続いて柱の根元の右脚も解く。手首の吊るしも降ろす。
 一人が後ろから来島結奈の躰を両肩に下から手を入れて押さえる。
 一人が金柑の液を手に付ける。それを乳房に被せる。
 もう一度金柑液を素早く手に掛ける。太腿を撫でる様に塗り付ける。
 二人はそのまま来島結奈の躰を開放する。
 数秒で染みてくる。染みる痛みは異常にきつい。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は演台に仰向けに倒れて乳房と太腿を押さえる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。いいたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は演台に蹲る。
 「うおおーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 七転八倒なかなか狂乱の状態は治まらない。
 「シャワー室行け」
 杉下一行が叫ぶ。
 来島結奈は泣きながらシャワールームに駆け込む。
 会合はお開きになった。
 来島結奈は暫らく躰を湯に浸けて収まったら樽常から金を受け取る。そのまま樽常の車に死んだ様に倒れて帰宅した。
 館山弁護士は来島結奈に見張りを付けた。
 
 翌日五月三十一日日曜日である。来島結奈はタクシーで新宿に向かった。
 歌舞伎町の人気の無い公園でホストらしき男が待っていた。片脚を怪我して松葉杖をついている。
 来島結奈は金を渡す。
 「これだけじゃね。と言って追徴とは言わないよ。毎月俺の店に来てくれ。公務員続けたいよね。轢き逃げは黙っているよ」
 そう言ってホストらしき男は名刺を渡す。店の名刺である。
 来島結奈はそのまま帰った。百五十万では済まない悲劇が待っていたのである。
 館山弁護士に報告が入った。
 
 翌日国税庁で来島結奈は直属の室長に会議室に呼ばれた。
 其処には大河内税理士、愛好会会員で財務省の官僚、同じく会員で国税庁の職員、館山弁護士が居た。
 来島結奈は瞬時に事態を悟った。もうどうにも成らない。
 「我々は事を荒立てたくは無い。館山先生」
 室長は館山弁護士を促す。
 「弁護士の館山です。貴女は当り屋に狙われたのです。逃げたのは確かに拙かった。そっちは私がけりを付けます」
 「ええーー。当り屋」
 来島結奈は驚愕の表情である。
 「そうです。前も有ります」
 館山弁護士が断言する。前科もあるという意味である。
 「まあ。それはもうどうにも成らない。払った金も返って来ない。だがそれ以上揺すられるのは何としても防ぎましょう」
 室長が説明する。
 「どうでも逃げたのは拙かった。出るところに出れば済んだ。それでね。この先なのだが何も事は表にしないで退職してくれないか」
 会員で財務省官僚が宣告する。
 「はあ」
 来島結奈は最早何も言えない。
 「樽常のクラブで暫らく稼いで店でも始めた方が良い」
 ここは大河内税理士が説明する。
 来島結奈は何も反論しないで従うしかなかった。
 結果は館山弁護士から如月鬼堂に報告された。
 「そうですか。売れる様に支援しましょう。あれは良い素材です」
 如月鬼堂は先の見込みを立てた。一年位経てば売り出せる。


 最期のSM小説家 第八幕 SM嬢で一時凌ぎの女 完






 最期のSM小説家 第九幕 世界恐慌前夜のSM愛好会
 この物語はフィックションであり、実在の人物機関とはなんら関わりがありません。

 二〇二十年小満上元。太陰太陽暦閏4月である。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 六月まだ関東は梅雨入りしてない。
 新型コロナの自粛。その挙句大型台風大雨さらに猛暑の予測である。
 如月鬼堂のマンションでは太陽光発電。電気料金の掛からないクーラーがドライで稼動している。
 マンションから双眼鏡で越後湯沢の駅を見ても人影は殆ど無い。
 日本料理店がミニ会席の出前を運んで来た。三人前で七千五百円を払って瀬里菜が受け取る。
 火の無い囲炉裏端で足湯を入れてビールを飲みながら食事をする。
 テレビ会議に連絡が入る。如月鬼堂の編集担当である。
 「原稿はメールで転送したよ」
 「はい。ありがとうございます。一人取材と撮影をお願いします」
 「取材で撮影もやってしまうの」
 「いいえ。古民家を借り切っています。今回からスタッフの緊縛ではなく。鬼堂先生の取材とセットにします」
 「誰が決めた」
 「社長と雨蔵です」
 「経費節減ですかな」
 「いいえ。鬼堂先生監修にして人気を加速しようと言うことで。今回からプレイ代差額もありません。撮影で総てお持ちします」
 「判った。何時やる。場所は」
 「飯山市内で千曲川の見える古民家です。日にちは調整中です」
 編集の小川綾香は如月鬼堂の了解をほぼ強引に取り付ける。そのままテレビ電話を終了した。
 「大宮の方は落ち着いたか」
 如月鬼堂は珠洲と瀬里菜に確認する。
 「臨時増員で落ち着いたよ」
 「そうか」
 「パパこっちの売上は伸びているよ」
 「そりゃあ。増員したのだ伸びないでどうする」
 「ううん。もっと儲かっているよ」
 「その分。熱海と長野、生駒に消えているよ」
 「でも、もう営業再開したでしょう」
 「そりゃ再開しても」
 「荒井さん。前と違って愛好会の会員が増えたからそれだけでも違うって言っていたよ」
 「熱海はな」
 「そうおうー。大丈夫よパパ」
 瀬里菜は楽観している。それも一理ある。新型コロナ自粛で書籍の販売が増えた。瀬里菜はその数字をいち早く見ている。
 電子書籍も伸びている。だがそれだけでは駄目である。紙の需要はシニアにまだまだ根強い。
 
 如月鬼堂は原稿が渡し終わったので長野に向かった。珠洲と瀬里菜も一緒である。
 如月鬼堂が思ったより長野でさえ客が入っていた。見た事がある会員が何人か仲間を連れて来ている。
 目が合えばどの席も向こうから挨拶する。
 店長が席に来る。
 ホステスは珠洲と瀬里菜が居るので如月鬼堂の席は配膳だけで長居はしない。
 「どうだね」
 「結構回復ぎみです。会員の方が増えました」
 「熱海もそうらしい」
 「ところで大河内先生からですが。私らの給与が足りない分と家賃の貸付分は先生の方で放棄と言うことらしいですが」
 「そうらしい。店が赤字なので借金が減っても税額は出ない。こっちは損金処分が出来る。税金面ではそれで問題ないらしい」
 「左様で」
 「まあ。いろいろ我侭な人だが大切に扱って下さい。税金面では大変お世話に成っています」
 「かしこまりました」
 「まったく住民税が一番馬鹿らしい。自治体から我々の恩恵はゴミの処理しかない。それがゴミ袋有料では合わんよ」
 如月鬼堂の愚痴である。そしてアメリカの州一個分の国に態々自治体は要らないと思っている。
 もちろん区役所、市役所は要る。国の直轄で良いと言う究極の合理的な考えである。
 そのまま三名で熱海に向かう。新幹線東京乗換え一時間半で着く。
 瀬里菜の聞いていた通りこっちもそれなりに盛況である。
 その日は久々に宇佐美のマンションに泊まった。翌日は生駒まで行く。
 「どおパパ。それなりに儲かっているでしょう」
 「そうだな。愛好会は利益無しだが。えらい宣伝効果だ」
 「パパ成功しているじゃない。良かったね」
 珠洲が安堵を確認する。
 「そうだな。みんな応援してくれているよ」
 如月鬼堂も海の見える露天風呂でビールを飲みながら安堵する。
 雨蔵編集長から取材と撮影の日を6月7日と言って来た。
 「全く中国の細菌兵器で大損を食った」
 「パパ。駄目だよ。それ言っちゃ。トランプって言われちゃうよ」
 「トランプ大統領をそう言ってしまうのも問題だぞ」
 「うーーん」
 珠洲は首を傾げる。
 「それにパパは損害と利益がどっちもだよ。パパはそんなに損してない」
 瀬里菜ははっきり言い切ってしまう。
 翌日は熱海から新幹線で新大阪に降りてタクシーで難波に出る。近鉄快速急行で生駒に向かう。
 生駒を大阪奥座敷と言う者もある。だが生駒新地とも言う。ケーブルの途中駅を降りて観光生駒のゲートを入った旅館街の事である。
 如月鬼堂の店は生駒駅からやや離れた街の中にある。大型スーパーの店舗を買い取った。建物はそのまま中を改造しただけである。
 熱海の前の店長が此処に移った。もとより関西人である。こっちの土地柄が合っている。
 SM愛好会に大阪の会員が増えてこっちもそれなりに盛況である。
 如月鬼堂は新型コロナの損害が最小限に済んだ事で安堵した。
 「ねえ。パパ。感染がぶり返してもう一回緊急事態宣言が出て自粛に成ったらどうなるの」
 珠洲が厳しい疑問を突く。
 「今度は補償無しで従わない店舗は増える。こっちも自粛では従わない。売上全額補償を主張する」
 如月鬼堂の腹は決まっている。
 
 7日朝。珠洲と瀬里菜を連れて飯山に向かった。大道具は前日出版社が搬入している。
 高崎乗換え北陸新幹線あさまで向かう。
 女は芳原亜美と言う。今回は真性奴隷女の館の所属の女ではない。六本木ジギルの館所属である。
 古い日本家屋である。柱や鴨居に吊るしの出来る場所はない。天井に鉄パイプを組む。
 グラビア、レポート兼用。グラビアには縛りの妙技が求められる。性器を出さないでどこまで痴態を表現出来るかである。
 既に全裸で撮影スタートする。躰を見て縄映えはしそうである。
 いくつか撮影用の縛りを行った。そこまでは責めは無い。縛りだけである。
 続いてレポート用のプレイを兼ねた撮影に移る。
 今度は土間全体に渡した鉄パイプと壁に吊るす様に磔る。太腿が細く股間に隙間があるので縛り易い。
 パイプ椅子に座らせて手首と肩で鉄パイプから吊るす。脚首、膝、太腿に縄を掛けて鉄パイプからV字開脚に吊るす。
 その段階でパイプ椅子を退かす。
 女の部分もアナルも丸出しに成る。
 ドテの黒い塊は僅かに股間に咲いている。
 如月鬼堂は腰にミニ褌の紐を巻く。ミニ褌は幅五センチ長さ十五センチくらい。僅かに局部だけを隠す。後ろに巻かず吹流しである。
 この体勢で浣腸する。
 「ええーー」
 芳原亜美は浣腸器を見て拒絶気味である。浣腸されるのはSMでは仕方ない。だがこの体勢では辛い。
 如月鬼堂はスタッフに浣腸器とアナル栓を渡す。
 氷を入れて冷やした石鹸液が運ばれる。
 芳原亜美の表情は恐怖に凍り付く。
 スタッフは褌を避けてアナルに差し込む。目的は浣腸ではない。ローターの二穴責めである。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーー」
 芳原亜美は究極の腹の痛みに悶え苦しむ。
 それでもスタッフは浣腸液を入れ終わるとアナル栓を捻じ込む。
 「ああーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は既に痛みの限界である。
 吊るされている腕で掴んだ縄を強く引っ張る。そして躰を捩って藻掻く。
 スタッフは透明な大きなボウルを芳原亜美のアナルの真下に置く。
 「もういいでしょう」
 如月鬼堂の指示でスタッフはアナル栓を抜く。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 一気に茶色い水が流れ出す。便は殆ど出ていない。腸カテーテルを使って中をもう一度洗う。
 「うぐうーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 苦しむ芳原亜美の表情を散々納めて次のプレイに移る。
 アナルにローターを一つ入れる。如月鬼堂が膣から指を入れる。リモコンの線を調整して膣側から位置を決める。
 膣には二つ入れる。
 如月鬼堂は褌の上から四つ目のローターでクリトリスを責める。
 「ああーー。ああーーーーー」
 芳原亜美は直ぐに反応する。
 逝きかけて眉間にやや皺をひくひく刻む。口を開けて官能の声を漏らし続ける。女の顔の一コマごとの表情を取る。グラビアはその中から選ぶ。
 股間はひくひく揺れている。やがて褌の内側から潮が流れ出す。褌に当って褌の先端から流れ落ちる。なかなか隠微な光景である。
 これもグラビアページと成る。
 蝋燭が準備されている。太めの真っ赤な蝋燭だがSM用でそれ程熱くは無い。それを口径の丁度良いグラスに入れて中で溶かす。
 ローターを抜き取ると膣液が一緒に流れ出す。芳原亜美には効果が強かったようである。
 如月鬼堂は褌を解く。
 股間の黒い塊は大方が処理されている。電気剃刀で一気に僅かな塊を剃ってしまう。
 芳原亜美の股間部分の皮膚に大きな色の変化は無い。
 如月鬼堂は閉じ合わせたびらびらの上から溶けた蝋涙を流す。女の部分のびらびらは真っ赤な蝋涙に包まれる。
 「ああーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は一気に甲高い悲鳴を上げる。眉間に強い皺を刻む。大口は縦に破裂する。
 二本目は右の乳首を狙って乳房全体に流す。乳房も真っ赤な蝋涙を被る。
 「ああーー。はあーーーーーあーーーーーーーーーー」
 目を瞑って顔を叛ける。
 「はあ。はあ。はあ」
 腹をひくひくさせて荒い息遣いを続ける。
 如月鬼堂は三本目を手にする。
 芳原亜美は悲鳴を上げる寸前の様な表情でそれを見る。
 左の乳房に流す。
 「あーーーー。ああーーーーーーーー。はあーーあーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を漏らして辛そうに顔を叛ける。
 「はあ。はあ。はあ」
 腹をひくひく躰を震撼させる。
 四本目をドテに被った蝋涙の上から流す。
 「ううーーー。あはあーーーーーーーーーーーん。はあ。はあ。はあ」
 芳原亜美は泣きそうな表情を叛けて堪える。
 蝋涙が性器の周りを覆ってもう修正は要らない。蝋涙はドテから会陰まで被っている。
 五本目をV字に広げられた艶かしい太腿に流す。
 「あーーああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーー。はあ。はあ。はあ」
 芳原亜美は泣きそうな顔を振って悲鳴を漏らす。
 もう片方の太腿にも流す。
 「はあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。はあーー。はあ。はあ。はあ」
 躰を震撼させて辛そうな表情を曇らせて悲鳴を漏らす。悲しそうで実に美しい悲鳴である。
 如月鬼堂は鞭を持つ。先端が四角いチップの付いた一本鞭である。
 右の乳房の蝋涙を一気に小刻みに連打して割る。
 「ううーーん。ううーー。ううーー。あーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 泣きそうな表情で強く口を閉じて震えながら身を硬くする。その口を割って悲鳴を轟かせる。
 股間を叩く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は首を擡げて目を見開いて眉間に皺を刻む。豊麗線を強く刻み口を縦に割って甲高い悲鳴を上げる。
 さらに強く叩いて蝋涙を割る。粘膜も強く叩かれる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は震撼して強く藻掻いて悲鳴を絞りだす。
 まだ蝋涙は残っている。それを叩く。
 「ぐう。う。うーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 細く瞑った芳原亜美の目尻に涙が滲み出る。
 「あは。はあ。はあ」
 女の部分のびらびらを鞭の先端の部分で覆う様に叩く。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 悲鳴と共に涙が一条流れ落ちる。
 芳原亜美の涙と悲鳴の坩堝を繰り返して蝋涙を総て叩き落とした。
 一度吊るしから降ろす。シャワーを使って躰を調整してもらう。古い民家なのでシャワーは外付けを持ち込んだ。
 肌理の細かい肌を濡らして拭くとその美しさが際立つ。
 今度は高手小手に縛って板の間に寝かせる。
 縄を二本に折り二重にして太腿の付け根を縛る。その縄に同じ様の二重にした縄を通す。その縄を五十センチ位の辺りで一回縛り合わせる。
 天井から下がった滑車のフックを下げる。その縄をフックに掛けて少し下で縛り合わせる。
 反対側も同じ様にする。
 左脚は脚首に縄を掛ける。右脚は太腿と脹脛を重ねて縛り合わせる。
 太腿を吊るした二系統の縄は一個のフックに引っ掛かっている。
 スタッフが二人で芳原亜美の躰を抱える。如月鬼堂が滑車を引き揚げる方の縄を引く。芳原亜美の躰は股間を大きく開いて逆さ吊るしになる。
 左の脚首の縄を壁のフックに引っ掛け縛る。左脚は逆さ吊るしのままくの字にやや折れて横に伸びる。
 右脚は縛り合わされたまま横にぶら下がる。
 股間は大きく広がっている。女の部分のびらびらはやや唇を開く様に広がる。ピンクの部分が露出する。
 女の伸ばした脚と折った脚の脚線美がそれぞれ美しい。
 高手小手に縛られて突き出された標準サイズの乳房。これも下からその艶かしさを見せている。
 この状態で女の部分にクスコを上から差し込む。
 「あ、ああーーーーーーー」
 アナルも開口器で広げる。
 「ええーーーーーー」
 生花が水槽で運ばれる。
 スタッフが長さを整えてクスコとアナル開口器に挿してゆく。
 逆さ吊るしの芳原亜美の股間に生花が飾られる。実に美しく隠微極まりない逆さ吊るしである。
 撮影はこれでOKだが如月鬼堂はこれだけでは赦さない。
 逆さに成った内腿に毛虫を載せる。
 「いやあーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は皮膚に載った感触だけで悲鳴を上げる。
 如月鬼堂はしゃがんでピンセットで抓んだ毛虫を見せる。
 「いやあーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は狂った様に叫ぶ。
 でも如月鬼堂は赦さない。
 次は蛭を抓む。
 「あーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は恐怖の表情を破裂させて叫ぶ。
 如月鬼堂は蛭に会陰の血を吸わせる。
 「あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。いーーやあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美はサイレンの如く叫ぶ。
 「ああーーああーーああーー。いやあーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー」
 躰はぶるぶる振るえ涙をポロポロ溢す。
 これで終了である。プレイよりは短い。
 
 越後湯沢の如月鬼堂のマンションである。
 愛好会の主なメンバーの集会に成っていた。二フロア分の高さぶち抜きのリビングである。囲炉裏端の足湯に浸かって酒を酌み交わす。
 市内の割烹店からミニ会席が人数分届けられた。囲炉裏端は完全に三蜜状態である。だが全員怒りに滾っていた。
 如月鬼堂はカウンターに離れている。珠洲と瀬里菜はカウンターの内側に入っている。
 本日は会員の医師もいる。
 「先生。もういい加減にしてもらいたいですな。まだ夜の街に休業要請を掛けようとしていますよ。これじゃ風俗と夜の街が壊滅だよ」
 大河内税理士は怒っている。
 日本酒の瓶を抱いて冷酒で少し酔っている。
 大河内税理士の怒っているのは愛好会の自粛だけではない。風俗業や夜の店の倒産、廃業による客の減少である。
 「大河内先生。うちはもう休業要請に応じませんよ」
 如月鬼堂はきっぱり断言する。だが都内や大阪、神奈川、千葉、埼玉ではない。休業要請は解除されている。
 「私もそのつもりで行きます。一ヶ月でも苦しいのに僅かな補償でそれもなかなか振り込まれない。これ以上は休業要請ではない。実質廃業要請です」
 福富麻次郎も断言する。
 「館山先生。集団訴訟出来ませんか。2月に遡って売上の前面補償です」
 大河内税理士は怒りの限りぶちまける。
 「いつでも対応しますよ。たくさん集れば弁護団を組織します」
 館山弁護士はやぶさかではない。
 「樽常さん。あんたのところもやるだろ」
 「いいえ。うちは無理です。実質営業していましたから」
 「そう言えばそうか」
 大河内税理士もさすがに無理と諦める。
 「廃業、倒産した店にも損害賠償の訴訟を呼びかけませんか」
 福富麻次郎の提案である。
 
 これはもう。此処は日本なのかという事件が起きた。
 香港、アメリカのデモ暴動のようなことは日本では起こらない。
 小さなデモは形だけ起きてもマスコミ報道が過剰なだけである。略奪、暴動など無縁と言える。
 これは陰湿そのもの。闇社会が突然発生した事件である。
 それは本来から風俗嬢ではない女性を騙して行われた。異なる風俗業の従業員、スカウト、オーナーが集って計画された。
 今から四十年少し前ソープランドをトルコと言った。それにちなんでマンショントルコと言うのも有った。
 その名称を応用した。七十を超えたオーナーである。
 全員が風俗業で職を失った者ばかり。新型コロナ自粛要請で客が激減または休業要請で倒産した犠牲者である。
 新型コロナの影響で金が必要になった女を誘った。
 マンショントルコと説明した。少しハードにさせる。高い金になる風俗と持ちかけている。名前の通りマンションで行う。
 客は極秘作成のリストから営業した。
 本来風俗業に客のリストは無い。だが携帯、スマホから予約連絡が入る。極秘にリストは作れる。
 経済力が高く遊び好きなマニアの客だけをコレクションして来た。それが今回効果的に使われた。
 営業そのものが違法、極秘である。そして売春以上の内容となる。客の営業勧誘も女性の確保もその道の猛者であった。
 最終的に女に金は払わない。最初から証拠隠滅処分が予定されていた。三名は一挙に稼いでコロナの渡航禁止が明けたら海外逃亡を予定していた。
 まずスカウトが行き詰まった女を見つけ出してスカウトする。一回限りの風俗である。
 客はそれぞれが連れて来る。選りすぐった異常快楽主義者である。
 メニューからハードプレイを選ばせる。
 SEX、SMは当然。身体の一部を破壊するプレイを含んでいる。
 医者が居て整形して直す前提と成ってはいる。一回五百万である。それでも異常思考が滾っている輩には安い。
 そんな輩を探すのはこの連中には正に蛇の道は蛇である。
 お客に女は選ばせない。この女でどうですかと持って行く。この方が確実なのである。もとより嗜好は理解している。当らずとも遠からずである。
 八人までスカウト出来た。
 一人準備して客に営業する。始めたのはGW空けである。
 スカウトは風俗業の自粛で収入を失った。それまでにも借金している。自宅を夜逃げして来た。
 そのままオーナーが買い取ったマンションに逃げ込んだ。
 オーナーは店舗の維持が困難に成った。ソープを何店舗か持っていた。地べたを持っている会社に返すしかなかった。
 店舗ごとに別会社にしていた。店長は代表取締役という名の使用人である。バンスを多額に働く女性に貸し出していた。
 二月以来その元が取れない。
 地べたを持つ会社に待って貰えていた。だが従業員の維持はおろか女性も維持できない。その他諸々に大きな出費もある。
 一月には門松一店舗三百万支払っている。その手の出費が賄えない。
 オーナーは無期休業として店舗を返還した。建物、設備、看板も借りていた物である。
 残る一人は樽常の様なSMクラブのマネージャーである。SMクラブを解雇された。その先はママが一人でやるとの事である。
 温泉地の捨て値で売り出していたリゾートマンションを二つ買い取った。登記はまだ行ってない。稼ぎが済んだらこれも放棄する。
 登記しなければ数十万である。持主は早く手放して固定資産税から逃れたい。
 一つの部屋がプレイルーム。一つは控室件手術室で三人とも期間中此処に寝泊りする。
 客はオーナーとマネージャーが持ち寄った。女はスカウト任せである。
 医療設備は自宅であった医院から運び込んだ。外科医であった事が幸いした。
 切羽詰った女性である。レディース金融が貸さなかった者ばかり捕まえてスカウトした。
 医療設備を見せて女を安心させる。直ぐにリストから客に営業する。客とはオーナー又はマネージャーのどちらかに面識がある。
 客の情報は終わり次第処分する。
 全部終わって逃げる段階ではパソコンも営業携帯の磁気デスクも処分する。
 まずゴーストと言うソフトでデータを消去する。
 さらにそれを溶解処分する。
 客を護らなければ成らない。そして自分らも客から足が付かない為である。
 八人目の客を元SMクラブのマネージャーが駅まで迎えに行く。
 女は先にスカウトが連れて来た。プレイルームで待機させている。
 客は女を見てそこそこ満足した。
 マネージャーはトラブル防止にプレイルームの小さな部屋で待機する。
 SMの道具は拷問椅子、三角木馬、X字の磔柱が用意されている。防音は不安だが殆ど居住者は居ない。
 池太弘恵は指示された通り床に座って挨拶する。マントルの制服姿。オーナーのソープランドから流用したピンクのミニスカスーツである。
 床に座ったミニスカートから出た太腿。それは標準的な女の艶かしさ。太くは無い。極端に美脚とも行かない。
 この女の局部を焼ける。客は加虐心に滾っている。街の中で見れば可愛い女である。
 客は手を引いてベッドに座らせる。無造作に服を脱がせて押し倒す。
 ブラをずらして乳房を丸出しにする。それなりの大きさがある。乳首は薄紅色で小さい。乳輪も僅かである。
 強く揉んで感触を味わう。ショーツも脱がす。
 膝を抉じ開けて女の部分を鑑賞する。びらびらは二枚閉じ合わせて縦に伸びている。それを広げる。
 池太弘恵は顔を叛けて堪える。びらびらの内側はやや薄い小豆色。内部はローズ色に広がる。やや濃いと言える。
 此処を焼ける。客は興奮度の高いまま一回目の挿入を行う。唇を貪りながら果てる。興奮度が上がっていて年甲斐も無く一気に果ててしまった。
 完全に生射精である。
 X字の磔柱に立たせる。手首と脚首をそれぞれXの字の上端と脚元に固定する。単純に革の拘束具に止めるだけである。縄などは使わない。
 鞭を持つ。一本鞭が用意されていた。客にバラ鞭を持たせて乳房を叩かせると目に当る危険が高い。だから一本鞭を用意している。
 どうせ処分する女だが金を受け取るまではスムーズに進めたい。
 客はその鞭で乳房、太腿、腹をもろ叩きする。池太弘恵の躰は直ぐに痣だらけになる。
 既に涙を溢している。マスカラが溶けて黒の混じった涙である。
 客は磔にしたままもう一度挿入する。また涙に濡れた顔を押さえて唇を貪りながら今度は長い挿入に成る。池太弘恵は辛い状態を堪え続ける。
 また中出しで果てる。
 池太弘恵もピルは飲んでいる。
 客はそのまま池太弘恵のドテの黒い塊を鋏みでカットする。入念に弄りながらT字剃刀で剃毛する。
 さらに入念に自らが挿入した部分を丸裸にして鑑賞する。
 池太弘恵は嫌悪の目で行為を睨み続けるだけである。
 客は磔から外して池太弘恵の背中で手錠を掛ける。
 三角木馬を跨がせる。一メートル四方の鉄板の台にアームが建っている。そのアームに底辺二十。高さ二十。奥行き一メートルの台座が載っている。
 台座の高さはハンドルで調整する。一メートル二十まで上昇する。
 台座は木製である。その頂点が金属で出来ている。頂点は僅かに丸めてある。これを女の部分で咥えさせる。
 ハンドルを回して脚の着かない高さまで上げる。
 「ううーーぐううーー」
 股間に池太弘恵の全体重が掛かる。これだけで異常に苦しい。池太弘恵は表情を究極に歪めて藻掻く。
 天井から下がった縄の先端にぶら下がったフック。それに背中の手錠を引っ掛ける。これでも安定はしない。
 さらに三角木馬の下で脚首を縛り合わせる。これで落ちる事は出来ない。
 客はスタンガンを取り出す。二台持っている。それをドテとクリトリスの包皮の間に一台。乳輪の両側乳房の白い肌にもう一台の二本の端子を当てる。
 「うぐううーーーーーーーーーーー。いいたいいーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーー。ぐうううううーーーーー」
 池太弘恵は三角木馬の上で躰を捩って藻掻く。膣の口と会陰の部分が三角木馬の上でスライドする。
 「ぐううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーむりーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 池太弘恵は泣き声で訴える。
 スタンガンを離してもガクガクと躰は揺れる。脚首の縄を解いて背中のフックを外す。ハンドルを回して三角木馬を下げる。
 池太弘恵は脚が付くとそのまま床に倒れこむ。股間の当っていた金属部分には血が付いている。
 客は苦しむ池太弘恵をそのままベッドに運ぶ。背中の手錠はそのままである。
 血に濡れている股間を広げて太腿を押さえる。そのまま強引に挿入する。
 「ああーーーーー。まってーーーー。駄目よいまは。いまはだめーーーー」
 池太弘恵は泣きながら抗議する。
 サディストと言うより残忍な本性の持ち主である。表面は紳士だが金を積んだ時点から理性は無い。加虐心に滾る興奮の坩堝である。
 「あがああーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーー」
 池太弘恵は激痛に藻掻き暴れ悲鳴を絞りだす。幸い客は興奮度が上がって直ぐに果てた。
 泣いている池太弘恵を拷問椅子に運ぶ。
 「もうーー。なにするのーーーーーーーー」
 池太弘恵は泣き叫ぶ。
 「契約の通りだろ。これで最後だ」
 客は当然の如く宣告する。大金を投じたのである。
 「ええーー。これでまだーーーー」
 「どうせ医者が全部直す約束だろ。隣に設備がある」
 「ああ」
 池太弘恵は恐怖にぶるぶる震える。
 既に蝋燭数本に点火している。
 客は大型のクスコを手にする。
 池太弘恵の膣を指で開いて膣口を確認して捻じ込む。
 「ううーーーーーーーー」
 池太弘恵が痛みに漏らす悲鳴を無視してクスコの螺子を回す。
 「あ、ああーーー」
 ペンライトで照らすと真っ赤な子宮口まで良く見える。
 客は火の点いた蝋燭を手にする。
 池太弘恵は顔を引き攣らせ強く叛ける。
 先に溶けた蝋涙をドテに掛ける。剃毛したドテの皮膚に真っ赤な蝋涙が被る。
 「ああーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 素人の池太弘恵には通常の蝋燭も衝撃である。
 「あはあ。いやあ」
 その蝋燭を火の点いたままクスコの中に入れる。
 「ああーーーーー。あーーーーあーーーーーあーーーーーあーーーーあーーーーあーーーー」
 火はやがて消える。
 客は次の蝋燭を手にする。
 「えーーーーー。もうやめてーーーー」
 池太弘恵はヒステリックに拒絶する。
 客はそれでも乳房に掛ける。乳房が乳首共々真っ赤な蝋涙に包まれる。
 「あーーはあーーーーーーーはあーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 池太弘恵は躰を迫り上げ熱さに藻掻く。そしてぶるぶる震撼する。
 客はそれをまた火の点いたままクスコに突っ込む。
 「ああーーーーーあーーーーあーーーーあーーーーあーーーーあーーーー」
 大口を開けて表情は破裂する。サイレンのように悲鳴を上げ続ける。
 やがて意識を失った。
 客から終了の連絡でオーナーとマネージャー、スカウトが入って来る。
 「後はこちらで処理します。こちらの連絡先などは総て消去して下さい。お客様のリストも消去します」
 そう言ってオーナーは契約書を渡す。何か有った場合の合意の証明である。
 池太弘恵の躰をベランダ伝いに隣に移動する。
 ベランダには予めマスクの覆いが掛けられている。さらに境目のボードは外してある。
 手術台に乗せて麻酔を掛ける。そのまま空気注射で殺してしまう。
 あとは下水パイプの詰まりを溶かすジェルに浸ける。布団を収納する大きさのプラスチック容器に入れて密封する。
 全部溶けたらトイレに流す。
 以前に風呂場で遺体を溶かして歯に使うインプラント金属が残った。それを根拠に自白から立件された。その事例に警戒しての配慮である。
 稼いだ金四千八百万を三等分した。お互いに行き先は言わない。
 だが池太弘恵から足が付いてしまった。池太弘恵は新型コロナに感染していた。池太弘恵の接触者何人かから接触経路が判明した。
 そして池太弘恵の痕跡がマンショントルコに使った問題のマンションで途絶えていた。
 マンションの防犯カメラで確認された。
 さらに同じ部屋に出入りした他の七人の女性も徐々に身元が判明して行方不明が確認された。
 客にも感染していた。客は任意の取調べで契約書を見せて合意であると主張した。違法風俗の存在が明らかになった。
 しかし客は重篤に成り警察病院で死亡した。
 違法風俗で八人が行方不明の実態だけが残った。オーナーも新型コロナに倒れた。已む無く入院した為警察の手が伸びた。
 
 インターネットアダルト放送のニュース番組スタジオ。如月鬼堂がコメンテーターを務める土曜日である。
 「女性たちは全員殺されてしまったのでしょうか。何人もの女性の行方が判っていません」
 岡田有美がトップレス姿で大きくは無いが形の良い乳房を丸出しで読む。
 美しい女が読めば良い。アナウンサーが意見を言う必要な無い。
 アナウンサーが意見を言っても鵜呑みにしてはならない。大衆はとかくそこに陥る。
 マスコミが意見を言えばそれはマスコミの都合も含まれている。そう考えるべきである。
 「まだ風俗嬢ではありませんでした。騙されて売春に従事したと思われます。その報酬も得られてなかったのではないでしょうか」
 本多椿が読む。こっちもスタイルは良い。だが岡田有美と並べばやや肉はつけている。乳房も一段と大きい。
 全体的に柔らかい女の線を描いている。好みはそれぞれである。それでもこの二人なら両方愉しみたくなる。
 「逮捕された枝野幸正は自称オーナーで医師と言っています。共犯の二人に関しては黙秘しています」
 岡田有美のショーツはほんの僅かな布が股間を隠している。腰の形は小股の切れ上ったと言う昔の言葉が良く似合う。
 「枝野幸正はどうせ死ぬしかないなら一発花火を上げて一か八か稼ぐことを考えた。国と東京都知事に幾重にも恨みがあると語りました」
 本多椿が読む。愛好会の会員には強い人気がある。
 「枝野幸正も重篤になりその後死亡しました」
 岡田有美がショーツを脱いで股間を隠しながら読む。
 「枝野幸正の所持金は二百万少々でした。所持金からは契約書と料金設定の内容から女性は五百万を取得した可能性もあります」
 本多椿もショーツを脱いで股間を隠しながら読む。
 「どうでしょう。鬼堂先生。女性はいったいどうなったのでしょう」
 本日のメインキャスターは如月鬼堂に過激な意見を求める。
 「女性は全員殺されたのではないでしょうか」
 誰がどう見ても八人が八人とも行方不明はおかしい。殺されて死体が遺棄されたと見るべきである。
 「残る二人が逮捕されてからですか」
 「その二人の名前も似顔絵も無いのですから捜査は難航するでしょう。契約書の内容が一人歩きするのが怖いです」
 「それはどういう事でしょう」
 「困った犯罪です。自分らが追い詰められてやったのでしょうが。SMと言う風俗に風当たりが強く成ります。悪いのは補償なき自粛要請ですが」
 「今回の新型コロナは風俗業に大打撃ですか」
 「そうです。東京都知事などはオリンピックの前にこれに乗じて一掃しようとしています」
 「風俗が衰退しますと一気にアングラマネーが一掃されます。そっちの狙いもあるのでしょうか」
 「風俗が衰退してアングラマネーが無くなれば韓国と同じ厳しい経済に陥ります。税金を払ったお金は預金に止まります」
 「アングラマネーは使うしかないですね」
 最後に如月鬼堂は語る。
 休業要請による犠牲者を出したのは国及びいつまでも休業要請を解除しない東京都にある。
 総ての業種に国はお金を増刷して二月に戻って補償すべき。倒産した業者が回復できる補償を政策と補償の両面で行うべきである。
 日本が恐慌を逃れ経済を正常化するには風俗売春の復活が不可欠。
 最早、善悪、公序良俗は関係ない。風俗売春が日本経済の底を支えて来た。理想も綺麗事も一切要らない。
 それが末端まで経済を行き渡せる方法である。
 そして最後にもう一言付け加えた。
 こういった犯罪は被疑者が何処までも悪人視される。しかしこう言った状況では善良な人間ほど前後の見境がつかなくなる。これが一番怖い。
 東京都知事はこの機会に便乗して風俗、ホスト、ソープを撲滅しようとしている。
 これは日本の経済体質から絶対に良くない。資金力のある人が是非介入してほしい。
 
 如月鬼堂は東京に一泊して翌朝。空席の多い新幹線e200系ときのグリーン車で越後湯沢に戻った。
 瀬里菜が迎えに来ていた。昨夜のインターネット放送の過激発言には何も言わない。最早、日本の状況が違う事も察している。
 マンションに戻ると珠洲はバスタオル一枚で待っていた。今日は珠洲を責める順番である。
 瀬里菜を脱がせて如月鬼堂も脱ぐ。そのまま露天風呂に向かう。最上階なので空から何か来なければ見られる事は無い。
 露天風呂には淵に頭を乗せて腰を置く位置に台が設えてある。檜の淵にタオルを置いて珠洲が頭を乗せる。
 珠洲の腰は半分湯に浸かっている。離れたところに脚を広げて置く台がある。固定はしない。
 女の部分が丸出しに成る恥ずかしい姿だが珠洲は躰を任せる。
 細く閉じ合わせた女の部分は半分湯に浸かっている。濡れたドテの黒い塊は僅かにその部分に咲いている。
 美しい股間である。珠洲も瀬里菜も腰から下の女躰の形状は似ている。岡田有美もそれに近い。
 だが三人三様。女の味は違う。
 昨夜の放送で岡田有美の女の部分に深く指を入れて潮を噴かせた。その指でいま珠洲に潮を噴かせる。
 女の部分のびらびらを開いてピンクの粘膜を広げる。湯に浮いた膣口に如月鬼堂の指は深くめり込んでいる。
 尿道の小さな亀裂が広がって潮が断続的に飛び出す。
 この責めでは珠洲の満足度はまだ低い。如月鬼堂の愉しみである。これまで何度もやっているが飽きることは無い。
 「ああーー。あーーーー。あはあーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 それでも珠洲は表情を歪めて声を絞り出す。実に可愛い女の姿である。
 多くは噴かせない。
 そのまま膣にローターを三つ入れる。三つ入る大きさを選んでいる。クリトリスの包皮を剥く。四つ目のローターの先端を僅かに充てる。
 「あうーー」
 珠洲は微かに呻き声を漏らす。
 股間は徐々に揺れる。広げている太腿の付け根がひくひく動く。
 「ああーー」
 珠洲の躰全体が捩る様に動く。
 「あ、ああーーーー」
 珠洲の表情がやや軋む。
 股間の閉じ合わせたびらびらから小水が流れ出す。如月鬼堂は流れが止まったタイミングでびらびらを開く。
 ローターは責め続ける。
 「ああーー」
 珠洲の股間が微妙に震撼する。如月鬼堂の指で広げた尿道の亀裂が広がる。粘膜が微妙に膨らみ小水が流れ出す。
 「ああーー」
 何回か繰り返す。珠洲は先程の潮噴きより気持ちは良い筈である。
 「ああーー。はあ。はあ」
 潮が出終わっても暫らく股間の痙攣は続いた。
 起き上がった珠洲はバスタオルを巻いて如月鬼堂をベッドに促す。まだ足りないのである。
 今度は如月鬼堂を寝かせてさおを口に含む。起ち具合を確認して珠洲が上になって股間を被せる。
 如月鬼堂は下から手を伸ばして乳首を弄ってやる。下から押し上げることはしない。
 如月鬼堂は女が上ではまずイカない。珠洲が満足するまで動いて逝き顔を絞り続ける。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いのまま横に倒れこむ。
 瀬里菜はその間に露天風呂の湯を抜いて洗っていた。
 今度は三人で内湯に向かう。
 今度は湯船に立ったまま如月鬼堂を真ん中にする。珠洲が前から瀬里菜が後ろから乳首を当てて躰を洗う。
 如月鬼堂も極楽だが珠洲と瀬里菜も気持ちが良い。
 「あーー。パパ今日はパオーンしてる。小説ねた浮かんだの」
 珠洲が起っているのを発見して騒ぐ。
 「うん。一気に行けそうだ」
 珠洲は浴槽に座る。
 「パパ。まだ出してないから抜いちゃうよ。飲ませて」
 珠洲は如月鬼堂のさおを咥える。ゆっくり舐め続ける。瀬里菜は後ろから乳房で背中を責める。
 浴室の扉を開けて換気扇で換気している。
 三十分以上経って如月鬼堂は珠洲の口に果てた。珠洲は情液が口に流れて来ても舐め続ける。
 果ててもほんの少しは気持ち良い。
 ようやく今日の性戯が終わって内湯から出る。瀬里菜が湯を入れ替えた露天風呂に移る。
 
 如月鬼堂と福富浅次郎はオンライン風俗を試験的に立ち上げた。マジックハンドを使ったサービスである。
 かなりの高性能である。如月鬼堂の長野のファッション喫茶と福富麻次郎の規制解除された目処の立たない歌舞伎町の店舗で行われた。
 マジックハンドで女躰を責めるオンライン風俗である。実際にお客の側で映像だけではなく手を動かす。
 客の手の動きのままマジックハンドが動く。お客の側にダッチワイフの様な物を高性能化した女躰人形が用意される。
 手の動きに合わせてマジックハンドが風俗嬢を責める。
 SMで縛りまで行うもの。風俗で弄るだけのもので客側の設備は変わる。当初はレンタル、または一時貸し出しで行う。アイテムは宅配便で往復する。
 開発は杉下一行の依頼でSM愛好会の会員の会社が行った。
 設備投資は如月鬼堂、福富麻次郎、杉下一行の共同独自運営のクラウドファンティングで集めた。
 福富浅次郎の歌舞伎町の店舗では個室に女性だけが待機する。客はオンラインで女性を指名する。
 この場合女躰人形は使わない。パソコン、インターネット環境がある前提となる。
 マジックハンドを操作するパソコンにUSBで接続するリモコン。感触を伝える専用の手袋のみである。
 コスチュームは女性が自分で脱ぐ。下着だけマジックハンドで取らせる。弄くりながら女の部分を広げる。
 手袋の中にマジックハンドのセンサー温度、感触が伝わる。
 ここにお店ではなかなか出来ないサービスもある。
 潮吹き工程をマジックハンドが自動で行う。女性の躰には心電図の様なセンサーが着けられる。
 責める感触が客の指に伝わる。システムが女躰の反応を判定して自動で責めを調整する。
 数分で風俗嬢の潮噴きを愉しめる。
 口のサービスも別のアイテムがある。ペニスにスキンを付けてその上から専用の装置を被せる。
 風俗嬢が専用の擬似男根を舐める。膣に入った指の感触も同時に味わう。さらに客のペニスに風俗嬢が責める感触が伝わる。
 高度なオンラインサービスである。
 長野のファッション喫茶ではマジックハンドだけである。もとよりピンクサービスまでは行ってない。指を入れてその感触が伝わるまでである。
 だがSMショーを担当する白石聖子だけは別途になる。
 身体を人の動きに合わせて曲げられる女躰人形を使う。客の部屋をプレイルームと同条件にする。
 部屋に付けたセンサーと指のセンサーで客の動きを捉える。システムがM嬢の躰に合わせて同じ縛りをマジックハンドが行う。
 鞭も使える。
 実際に客が女躰人形を叩く。それに合わせて白石聖子がマジックハンドに叩かれて悲鳴を上げる。
 蝋燭も使える。女躰人形に蝋燭は落とさない。客は火の点いてない蝋燭を持つ。白石聖子の躰には実際に蝋涙が落ちる。
 白石聖子が多少嘘の悲鳴を聞かせて客を悦ばせる。
 これらのシステムは二つの目的である。一つは補償の無い理不尽な自粛要請対策。風俗業が生き延びその火を絶やさない為である。
 それは経済の活性化安定と性犯罪の大方の抑止に成る。
 もう一つは実際に風俗店になかなか入れない客への新規アピールである。店に行くのはなかなか躊躇うが自宅ならと言う輩も多々いる。
 ソープランド用にも考案された。だがソープランドは大方が今は休業して無い。逆に既に潰れている所もある。
 吉原は完全に閑散としている。自粛以前からである。昔は敬遠されていた中国人がいつかお得意様に成っていた。それが激減した。
 これも世界恐慌前夜と言える。
 このシステムで遠隔性交も出来る設計が考えられた。実際にソープにも転用可能である。だが見合わされた。
 白石聖子だけ熱海在籍のでままショーの時間以外にプレイルームで行われている。
 このシステムはSM愛好会の会員を第一対象に提案された。提案したのは杉下一行である。
 だが愛好会の会員は既に直接店舗に来店している。またはクラブでもホテルやプレイルームに呼ばれている。
 結局新規顧客獲得と福富麻次郎のチェーンに主力運用された。このシステムは海外からも利用出来る。
 杉下一行は健在な風俗店に売込む。世界恐慌前夜に新たな開拓である。どんなに恐慌に成っても金の有る者はそれなりに存在する。
 そこを上手く紐付ける事が生き延びる手段である。
 
 如月鬼堂はジギルの館で芳原亜美を指名した。如月鬼堂の東京のプレイルームに出張してもらう。
 芳原亜美は如月鬼堂に緊張している。VIPコースで呼ばれている。プレイルームの設備を見てさらに緊張が高まる。
 強い動悸を打ちながら床に正座する。三つ指を突く。
 「あいみで御座います。本日はご指名いただきありがとう御座います」
 やや震える声である。源氏名で挨拶する。
 「貴女は何日目ですか」
 「撮影を入れてこれで七回目です」
 芳原亜美は如月鬼堂を見上げて答える。
 「お客さんが保険に入っているか確認していますか」
 如月鬼堂は静かな口調で確認する。
 「いいえ。そんなものが有るのですか」
 如月鬼堂の恐れている答えが返って来た。
 「困ったね。クラブがきちんと管理してくれないと」
 「そうですね」
 芳原亜美にも言われている事にそれなりに理解は行く。そしてそう言う保険の存在をいま知った。
 如月鬼堂は百万の帯封から一部を抜いて二十万を数える。芳原亜美にそれを渡す。
 帯封の残りはテーブルに置く。
 芳原亜美はそれに目をやって訝しがる。
 「SMだ。痛みはとことん受けてもらわねば成らん。数日で消える痕も感受して貰う。心以外に傷は残さない」
 「はい」
 芳原亜美は震える唇で答える。そして残った八十万の束に目をやる。
 「今日の予算だ」
 「・・・・・・・・・」
 芳原亜美は何と答えて良いか分からない。
 「どんな事をしたいのですか」
 芳原亜美に関わらず誰でもそれを確認する。怖いのである。
 「痛みは感受してもらう。泣いても叫んでも良い。モラル口調で拒絶しなければ。協力的受け入れ姿勢なら良い」
 「はい」
 芳原亜美はそれ以上追及できない。相当の痛みが予測されるがクラブのメニューの範囲である。
 それ以上に本来のプレイ代の五倍である。貰える金を引っ込められないうちに貰いたい。既に責められた相手でもある。
 如月鬼堂は残った八十万の束を押しやる。
 芳原亜美は頭を軽く下げてそれを貰い受けてバックに仕舞う。
 「こっちに正面を向けて服を脱いでくれ」
 如月鬼堂は淡々と要求する。
 芳原亜美も一度躰の隅々まで弄られた相手である。躊躇わず従う。
 如月鬼堂は生物をかなり準備した。芳原亜美の生物責めの効果がなかなか良かった。
 芳原亜美が全裸に成ったところで唇を貪る。一通り触って躰の感触を味わう。
 まず高手小手に縛る。
 縄を二本に折る。U時の部分を手首に引っ掛ける。背中で手首を縛る。
 その二本の縄を肩から胸の谷間に廻す。そこで縄を指で押さえて乳房の下から背中に廻す。
 そこで手首の縛りに引っ掛ける。それを肩から胸の谷間に下ろす。
 胸の谷間のところに指で押さえた縄にクロスする。縄は首からV字になる。反対の乳房の下を背中に廻す。もう一度手首の縛りに通して反転する。
 その縄を腕の外を廻して胸の谷間のクロスに引っ掛ける。そのまま反対側の腕の外を廻す。もう一度手首の縛りに通して反転する。
 腕の外を廻した縄に腋から前と後ろを一巻きする。背中に戻して手首の縛りに通す。反対側の腕の外を回した縄に腋から前と後ろを一巻きする。
 これで最後に手首を縛った縄の上から縛る。
 芳原亜美は手首を背中に縛られ乳房を縛った縄で突き出されている。
 そのまま床に寝かせる。脚を四十度くらいに開いて竿を当てて脚首を縛る。竿の中心にフックを縛り付ける。
 天井から吊るした滑車から伸びたフックを下げる。竿のフックに引っ掛け滑車を回す。
 如月鬼堂が自分の足を芳原亜美の頭の下に入れてクッションになる。そのまま滑車の縄を引き続けて逆さ吊るしにする。
 股間が広がった逆さ吊るしである。ドテの黒い塊は以前に剃られたままでまだ伸びてない。
 膣に蝋燭を立てる。白いなつめ蝋燭である。そのまま点火する。SM用の和蝋燭よりは熱い。
 だがこの状態で躰が揺れて垂れる蝋涙は然程熱くない。
 躰を揺らすと蝋涙が蝋燭の背面を伝って小陰唇に流れ着く。
 「ああん。ああ」
 芳原亜美はそれでも僅かに悲鳴を漏らす。
 「熱くないだろ」
 そう言ってもう一本に膣に立てた蝋燭から点火する。
 「こうすると熱いのだよ」
 もう一本の蝋燭で火を斜め下にして乳房に掛ける。
 「あ、あーーーー。ああーーーーーーー。あ、ああ、あーーーーーーー」
 強い悲鳴になる。
 如月鬼堂は哂っている。
 「どうして」
 芳原亜美は熱さの違う理由が分からない。
 「この蝋燭はSM用より若干熱い。だが水平か上向けて垂らせばそんなに熱くない。斜め下を向けると熱い。高さより角度なのだ」
 如月鬼堂もこの程度は知識を与える。堪えられる確認が出来たので容赦なく乳房に垂らす。
 「あ、ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 逆さ吊るしで乳房に蝋燭である。芳原亜美はこの体勢では異常に怖い。
 如月鬼堂は膣に蝋燭を立てたまま鞭を持つ。一本鞭である。
 「えーー。まってーー」
 芳原亜美は股間に立てられた蝋燭が飛び散るだけで恐怖である。まだ七回目充分に悲鳴を愉しめる。
 アンダーハンドで乳房を叩く。一本鞭の先端は四角いチップである。長さ五センチ幅三センチ。ピンポイントを叩き易い。
 この場合バラ鞭の方がむしろ危険である。
 「うおーーーーーーーーー」
 躰は右に左に斜めに揺れる。蝋涙は腰に飛び散る。
 内腿を叩く。
 「ううーーぐううーーーーーー」
 蝋涙は飛び散る。崩れきった顔を絞って悲鳴を漏らす。
 乳房に垂らした蝋涙を叩き割る。
 「ぐうーーーーーーーー。ううーううーー」
 実に綺麗な声の悲鳴である。益々甚振りたくなる。歪み苦しみ恐怖に怯える表情が良い。
 蝋涙が落ちた乳首を直撃する。
 「うぐうーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー」
 躰は反り返り揺れる。蝋涙はさらに飛び散る。
 如月鬼堂はさらに内腿、乳房、ドテを叩いて狂乱の悲鳴を愉しんだ。
 短くなった蝋燭の火を叩いて消す。股間に蝋涙が飛び散り被る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美の目を見開いた悲鳴が如月鬼堂の加虐心に染み渡る。
 火を消した蝋燭を抜き取る。
 蝋涙を被った女の部分を叩く。
 「ううおおーーーーーーーーーーー」
 割れた蝋涙が砕け落ちる。
 何発も叩いて絞り出す悲鳴を愉しんだ。
 逆さ吊るしから開放する。一度中間でシャワーを使わせる。
 如月鬼堂はその間に次の準備をする。
 芳原亜美のシャワーで洗った躰から蝋涙は綺麗に落ちている。濡れを拭いたあとの肌理の細かい皮膚が艶かしい。
 それは甚振り汚したい衝動を刺激する。
 暫らく抱きしめて唇を貪る。芳原亜美は全く抵抗しない。成されるが侭に唇を預けている。
 濡れたあとの躰の感触を一通り触って愉しむ。
 そのまま拷問椅子に倒す。腕は拷問椅子の後ろに回して縛る。それを椅子のアームに固定する。
 腹の部分を拷問椅子に三重巻きに縄で縛る。
 拷問椅子の脚載せ台を外す。両脚ともそれぞれ膝、脹脛、脚首の三箇所を二重にした一本の縄で縛る。
 壁から引っ張った縄の先端にフックだ付いている。そのフックに脚を縛った縄を通しす。
 強く張ってもう一度脚首に廻す。そこで二本で来た縄を縛り合わせる。
 両脚とも同じ様に処理する。
 芳原亜美の躰は拷問椅子の上でV字開脚に磔にされている。
 乳首の下に注射針を通す。
 「う」
 注射針は乳輪の下で乳房を貫通している。
 その注射針の根元に太い凧糸の先端に縛りつけたリングを引っ掛ける。その凧糸を天井から吊るしたフックに縛り付ける。
 芳原亜美の乳首は軽く凧糸に引っ張られている。注射針の片側に引っ掛けたので乳首が曲がる。刺さった注射針の先端が皮膚を掠る。
 微妙な痛みである。
 透明で空気穴の開いた筒に蜥蜴が入っている。スイッチを押すと蜥蜴が先端の出口から飛び出す。
 如月鬼堂は乳房から張った凧糸の上で筒を開く。蜥蜴は凧糸を伝って乳房の上に降りる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は溜まらずサイレンの様な悲鳴を上げる。
 如月鬼堂はその蜥蜴を鞭の先端で突く。蜥蜴は芳原亜美の首の後ろに回る。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美の狂乱の悲鳴は収まらない。
 如月鬼堂はそれを鞭の先端で追い出す。
 蜥蜴は拷問椅子から床に走り去る。
 「ああーー。はあーーー。あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 芳原亜美は荒い息遣いで震え続ける。目からは涙が溢れている。
 如月鬼堂はもう一本筒を取り出す。それを目の前に翳す。
 「ああーーーーーーーーーーーー」
 「もう一回やらせてくれ」
 如月鬼堂は芳原亜美の悲鳴を他所に宣告する。
 「・・・・・・」
 芳原亜美は歯をガチガチ鳴らして首を振る。そのまま静かに失禁した。
 サディストには堪えられない至福である。
 如月鬼堂は漏らした股間をガーゼで拭く。そこにクスコを差し込む。
 「ああーーーーー」
 芳原亜美は辛そうな呻きを漏らす。
 如月鬼堂はそのクスコにトランスから繋いだ鰐口を接続する。
 もう一度筒に入った蜥蜴を取る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美の劈く悲鳴を他所に蜥蜴を膣に放つ。
 「ああーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーー」
 蜥蜴はクスコの奥で暴れる。芳原亜美は躰を暴れさせサイレンの如く悲鳴を上げ喚き続ける。
 如月鬼堂は電流のスイッチを入れる。
 「ああーーー。があーーーーー。がああーーーーーーー。が、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蜥蜴は直ぐに飛び出す。床に落ちて動かない。電流は直ぐに切る。
 「ああ。あはあ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 芳原亜美は躰を震撼させ続ける。荒い息遣いで涙をポロポロ溢す。
 暫らく興奮の収まるのを待つ。
 「蛇とセックスしよう」
 如月鬼堂はポロリと言う。
 「・・・・・」
 芳原亜美の目は点に成る。
 如月鬼堂は悪戯っぽく笑う。
 「だめーー。気い狂います。だめーー」
 芳原亜美は怯え歪んだ表情で拒絶する。
 「はっはっは。最初からそれは無理だな」
 如月鬼堂は怯える芳原亜美の顔をじっくり覗き込む。
 「だめ。だめ」
 芳原亜美はまだぶるぶる震えている。
 「それじゃ。その代わりに君の大事なところを広げてくれ」
 如月鬼堂は鞭を構えて言う。
 「叩くのですか」
 「そうだ。死ぬほど痛い。二発だけだ」
 如月鬼堂は真顔で真剣な口調で言う。
 「あ、はい」
 芳原亜美は震える声で答える。仕方ない。蛇は堪えられない。痛みを受けるしかない。貰った金が大き過ぎる。
 如月鬼堂は拷問椅子の後ろで縛った手首の縄を解く。
 少し考えて脚の磔も外す。腹の縛りも解いて拷問椅子から開放する。
 床にお尻を着かせる。
 開放して痛みに藻掻き苦しむ姿を堪能したいのである。
 芳原亜美は恐怖に怯えた表情を如月鬼堂に向ける。膝を外に開いて女の部分を丸出しにする。
 恐る恐る太腿の裏から手を廻して女の部分のびらびらを広げる。
 「もう少し広げて」
 「は、はい」
 芳原亜美は辛そうな目を上目遣いに見上げる。そのまま指に力を入れて強く広げる。
 芳原亜美は怯えた表情をさらに怯えさせて身構える。
 如月鬼堂は斜め後ろに回る。
 肩越しに鞭を振り下ろす。
 ピンクの粘膜にピッシャリ被る。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美の躰は横に倒れる。両手で股間を押さえて床で堪えられない痛みに悶える。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーー」
 涙を溢し床に手を着き半身を斜めに持ち上げる。痛みに歪めた顔を振って床を叩く。
 強く股間を押さえて床を転げる。
 暫らく悶えてから躰を起こして床に座る。
 「もう、一回ですね」
 芳原亜美は辛い表情で見上げる。許しを請う眼差しである。
 如月鬼堂は黙って後ろに立っている。
 強烈な痛みだったが貰った金額から仕方ない。元に戻らない傷にはならない。もっと出鱈目をやる客は居た。
 芳原亜美は痛みが治まったところでお尻を着いて脚を広げる。
 悲痛な表情で身構える。
 如月鬼堂はチップの部分がもう一段小さめの一本鞭に持ち替えている。芳原亜美の広げたピンクの部分にその先端を当てて目測を計る。
 何回か軽く当てて目測を定める。
 一気に振り被って叩く。鞭の先端はキッチリ尿道の亀裂の真上を叩く。
 「ううぐうううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーー。ぐううーー」
 芳原亜美はそのまま失禁する。涙をポロポロ溢して床を転げる。
 「湯を溜めてある。浴室に行け」
 芳原亜美は股間を強く押さえて浴室に飛び込む。湯に浸かれば痛みは和らぐ。適度な温度にしてある。
 芳原亜美は十数分湯で躰を癒した。バスタオルを巻いて出てくる。
 如月鬼堂はバスタオルを取る。
 芳原亜美のショーツを手に取る。それを脚元に持って行く。片脚を突いて上げさせる。ショーツを履かせる。
 ブラも被せる。そこからは自分で着る様に促す。
 冷蔵庫からビールを出す。グラスを二つ出して注ぐ。
 一個を芳原亜美に勧める。
 芳原亜美はそれを受け取る。
 「この後は」
 芳原亜美はまだ怯えている。
 「今日は終わりだ」
 如月鬼堂は柔らかく告げる。
 「すみません」
 芳原亜美は安堵する。辛かったが他の客の二十万と比べる。金額にしてはずいぶん楽をした事になる。
 如月鬼堂も楽をさせたつもりである。そして教育もした。これからこの女を売り出す。元はバックリベートで充分取れる。
 「SM愛好会のショーに出ないか。一回三百万に成る」
 如月鬼堂は芳原亜美と来島結奈を次のショーに出そうと考えている。一人二万に成るが成功すると思う。
 どちらも岡田有美と体型は似ている。来島結奈がやや小柄である。
 「三百万」
 「そうだ。愛好会の会員から指名も取れる。だが今のクラブから真性奴隷女の館を通しての派遣になる」
 そうでないと如月鬼堂のバックリベートがない。
 「でしたら私。クラブを移ります。保険がきちんとしている方がいいですから」
 芳原亜美はあっさり移転を決めてしまう。
 
 如月鬼堂の越後湯沢のマンションである。愛好会の主なメンバーが集った。令和違法風俗女性行方不明事件が議題である。
 如月鬼堂のSM愛好会の提案を東京アラート解除後に行う事に全員賛成した。会員数は自粛中も徐々に伸びている。
 参加出来なくなった者が居ても熱海ならば三百人確保は出来そうである。
 「鬼堂先生。世界恐慌は来ますか」
 福富浅次郎の確認である。
 「倒産、破産、自殺者はたくさん出るでしょう。でも世界恐慌はアメリカが回避すれば回避するでしょう」
 「そうしますと日本経済も徐々に回復しますか」
 「するでしょう」
 「アメリカは経済回復出来るのですか」
 「いまトランプが追い詰められています。それが起死回生に出るはずです」
 「これまで共和党の大統領は景気回復が出来ていませんよ」
 館山弁護士である。
 「そこがトランプは特異です」
 「そう言う見解ですか」
 福富浅次郎もやや納得する。とにかく売上回復に邁進したい。


 最期のSM小説家 第九幕 世界恐慌前夜のSM愛好会 完





 最期のSM小説家 第十幕 SM愛好会潮噴き対決

 二〇二十年夏至上元。太陰太陽暦五月十六日。
 (この二十四節気は平気法太陰太陽暦によるものです)
 七月七日。大雨警戒レベルが五に成った。今年だけではない。九州の至る所で河川が氾濫した。このところ毎年同じ状況になる。
 温暖化が原因だと言われるが雨を止めることはできない。
 ハザードマップが作成されている。そして警報が出る。命を護る行動を取って下さい。何度聞いた事か。あとは避難所の開設それだけである。
 戦争でも地震でもない雨で人が何人も死ぬ。驚愕の事態である。
 住居、車が冠水する。毎年住宅や車が流される。土砂崩れで生き埋めになる。
 なんら対策はされてない。
 温暖化の対策など騒いでもできる事ではない。
 温暖化対策を行なうにはもう文明を捨てるしかない。そんな不便な社会には戻せない。
 危機が迫っているからCO2を減らす。無理なことである。
 火力発電、ガソリン車は近々廃止される。だが飛行機は無くならない。工場も廃止できない。温暖化を戻すなど不可能である。
 如月鬼堂は越後湯沢のマンションで居間の囲炉裏端でぼやく。テレビ会議は繋がっている。珠洲と瀬里菜も参加している。
 いつまで平地の一軒家に住み続けるのか。街の構造を変えるべきである。
 「自然を守るのではない。自然の猛威に耐える街を造るべきだ」
 如月鬼堂は原稿を編集に送って昼からビールに浸っている。
 囲炉裏端には刺身の盛り合わせ。海栗、いくら、鮪、平目の薄作りが並べぶ。カウンターにはサラダバーが用意されている。
 珠洲と瀬里菜はスパークリングワインである。
 「鬼堂先生。どんな街にすればよろしいので」
 テレビ会議の中から福富麻次郎である。
 如月鬼堂は規則的な高層ビル群の街にしたい。五階くらいまで水に浸かっても影響のない街。一階から出入りをしない。高層ビル群が空中で繋がる。
 そんなビジョンを理想の如く述べる。如月鬼堂の小説にはそんな未来の街が表現されている。
 「先生。何処の行政にもできませんよ。予算が在る自治体には場所が無い。場所が在る自治体には金が無いです」
 大河内税理士が否定する。役人出身の言い分である。
 「自治体も廃止して国一個の経済にすれば良い」
 このところ如月鬼堂は暴言が目立つ。コロナの自粛要請にインターネットアダルト放送で過激な発言をして以来である。
 「パパ。駄目だよ。無謀な発言し過ぎちゃ」
 珠洲が警戒して忠告する。
 「このテレビ会議だけなら問題ないでしょう」
 館山弁護士もそう言いながらインターネットアダルト放送では言わないよう暗に嗜める。
 自治体、NHK、直接税は廃止してほしいが如月鬼堂の悲願である。小説の中では売春防止法、風俗営業法も廃止を訴えている。
 「ところで先生。緊急事態宣言も自粛要請も解除されましたが。また東京だけ感染者が増えて雲行きが怪しいです」
 大河内税理士は懸念している。
 「自粛要請より感染拡大の放送が問題です。どうしても客が激減します」
 福富麻次郎は困っている。
 「集団免疫に切り替えるか。でなければ新規増紙幣で病院スーパー以外完全休業にして売上全面保障にしてもらいたい」
 如月鬼堂は不満を爆発させている。
 「パパ。集団免疫は駄目だよ」
 珠洲がまた心配になって嗜める。
 「でも日本は感染しても重篤に成る人は少ないです。無症状で終わる率が高いので行けるのでは無いですか」
 大河内税理士も賛成して過激発言になる。
 「間違ってないが日本のモラルでその発言は拙い。重症になってエクモ投入の例もたくさん有る。亡くなった芸能人も居る。問題発言に成る」
 館山弁護士が強く戒める。
 「雲行きが怪しいのでそそくさと今月の愛好会開いてしまいましょうよ」
 大河内税理士はもう待てない。
 「そうだ。長野はちょっと雲行きが怪しい。熱海で二人呼んでやろう。お一人様二万のご負担になるが」
 如月鬼堂はほぼ次の候補を決めている。
 一人は前回出演させた来島結奈である。開催まで揉めたが熱海に呼ばれた会員からは後日好評価が幾つも届いた。
 あと一人は先月如月鬼堂がプレイに呼んでSM愛好会の出演承諾を取った芳原亜美である。
 既にジギルの館から真性奴隷女の館に移籍している。
 「パパ。会員数四百を超えそうだよ」
 瀬里菜が横から現状をパソコンの集計から報告する。
 「先生。波に乗っていますよ。状況が変わる前に進めましょう」
 大河内税理士は直ぐ乗ってくる。
 「そうですよ。もう自粛はしません」
 杉下一行も賛成する。
 熱海と決まって荒井枝里は喜んだ。
 樽常もクラブの営業に繋がる。ほっと一安心である。真性奴隷女の館はまったく自粛もPCR検査も行なってない。
 だが関連から感染者もいまのところ出ていない様子である。
 
 来島結奈は素直に国税庁を退職してしまった。辞めなくても良かったのではないか。何とか留まる事はできなかったのか。
 SM愛好会に参加していた官僚、職員は問題なし。なのに出演した自分ではそんなに違うのか。自分だけ辞めなければならないのか。納得は行かない。
 もう闘う事もできない。退職は国税庁として処理されてしまっている。
 闘えば仕事も貰えない。館山弁護士には当り屋を処理して貰った。こっちとは闘えない。
 二か月分の給料を得ただけで今収入の充ては無い。クラブで顔出しはできない。愛好会の会員からリクエストが有ればと言われていた。
 他に勤めることも控える様に言われた。派遣なら問題なかったかもしれない。だがそれも仕事が無かった。コロナのせいである。
 大河内税理士から言われるまま従ってしまった。
 『樽常のクラブで暫らく稼いで店でも始めた方が良い』
 確かに派遣で仕事に就いても将来性は無い。マスコミ報道でそんな現状を何度も耳にした。
 民間企業に勤めるのが難しいのは良く判る。ハローワークで中小、零細企業の就職は有るかもしれない。
 それも将来は派遣と変わらない。それなら稼いで店でも始めた方が良いかもしれない。
 そんな矢先。如月鬼堂からSM愛好会の再リクエストが来た。今度は三百人くらい来る。一度やれば愛好会の客で稼げると言われて承諾した。
 
 瀬里菜が愛好会の会員に七月十八日で打診した。四連休に入らない方が集まりると考えた。さらにコロナ自粛の雲行きが怪しい。
 反応は良かった。その日に二百人以上の確認が取れた。
 人数に成り次第打ち切りと記載している。熱海でも四百人は増設しないと入れない。
 「パパ。オーバーに成ったら断るの」
 「仕方ないよ。熱海以上に入れるところは無い。観世音ホールにするのはいま宜しくない。都知事の発言もある」
 「国の発言と違って都道府県を跨いで移動するな」
 瀬里菜も国の大臣、官房長官の発言と東京都知事の矛盾する発言がどっちに転ぶかは怪しく思う。
 「いつまであの都知事が続くのか。他の候補も嬉しくないが。反NHK党が入ってくれればと思ったがあの得票では」
 如月鬼堂は女性都知事が嫌である。接待を伴う飲食店という言葉に強い警戒を抱く。これを機に風俗共々衰退させるのではないかと心配している。
 如月鬼堂が一番心配するのはソープランドである。
 SMクラブは廃業しても経済が戻ればまた涌く。ソープランドが廃業すると新規店舗が造れない。
 テレビのワイドショーは埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の一審判決を報じていた。
 (最期のSM小説家 第五幕 堕とされた女の人生 参照)
 「埼玉地裁は六人の被告に無罪を言い渡しました」
 女性キャスターは納得が行かないような表情でそう読み上げた。
 バスに残った髪の毛は証拠として疑う余地が残る。被告らは常時この路線を利用していて前日も同車両が運行していた。それが判決内容である。
 野崎卓郎弁護士の会見になる。女性キャスターは不本意でもこの会見を報道しなければならない。
 「検察は直ちに控訴の方針です」
 女性キャスターはそう強く唱える。
 「パパこれは」
 珠洲が如月鬼堂の意見を確認する。
 「判決は当然だろ」
 「だってパパ。六人が犯人に違いないって言ってなかった」
 珠洲は不満である。
 「それは俺の見解だよ。判決は疑わしきは罰せずが妥当だ」
 「でも。あの女の運転手さん可愛そう」
 珠洲は被害者が気の毒で納得が行かない。
 「確かにあれは酷い事件で極めて計画的だ。だが警察の捜査がずさんだ。もっとキッチリ証拠固めをするか。秩父鉄道の聞き込みを詰めるべきだった」
 「警察が横着だったの」
 「そうだよ。野崎先生は秩父鉄道の中に居た防護服姿の似顔絵を作成した。それが防犯カメラと一致した」
 「秩父鉄道には防犯カメラは無いの」
 「無いだろう。あんなローカル線」
 「アリバイ作りの防護服なら一致するよね」
 「それでも被告人に有利に成ったのだよ。野崎先生が執拗に協力者を探したからだよ。防護服は六人がトイレで着替えたという熊谷から乗っていた」
 「警察がダミーで乗った協力者を突き止めるしかないのね」
 「そうだった。いまさら遅い。この六人が何処からバスに乗ったか熊谷からの足取りを追うべきだった」
 「そうか。被害者側は判決に怒っているから。この六人が犯人と信じているんだよね」
 「それ以上だ。何回も乗車した客だ。それが強姦してきた。証拠にできなくてもそれなりにこの客らに違いないと分かっているだろう」
 「それが証明できなかったの」
 「そうだろう」
 「二審で変わらないの」
 「それも何とも言えない。日本の裁判は極めて裁判官次第だ」
 如月鬼堂は建前の正論より裏の真実を追究する。表面に現れる報道内容と現実はかけ離れている場合が多い。
 そして世論の正論に乗ってしまった側が勝ちと言う現代である。
 九州だけではなく岐阜県、長野県でも河川の氾濫状況が次々と報道される。梅雨前線が長く停滞している。如何ともし難い災害である。
 去年は北陸新幹線が水没した。未だに運行状況は回復してない。だがコロナの自粛でそれも影響ない。
 コロナの収束は見えない。災害も毎年である。世界恐慌は何とか抑えられそうだが経済の疲弊は当分回復しない。
 先の見えない日本列島と日本経済に如月鬼堂も不安を隠せない。
 そんな矢先。熱海の店長荒井枝里が翌朝の訪問を打診してきた。三百名収容は問題が有ると言うのである。
 
 如月鬼堂の朝は遅い。珠洲と瀬里菜は殆んど朝食を取らない。自分で蕎麦を茹でて冷やす。
 ひきわり納豆に叩いた薬味を載せる。それに冷やしたタレを掛ける。
 風呂には浸からない。軽くシャワーを浴びただけである。
 珠洲が身支度を整えて越後湯沢の駅まで荒井枝里を迎えに行く。
 「枝里さん新幹線が遅れて東京駅の乗換えでホームに待たされて汗掻いたのだって。露天風呂会議にする」
 珠洲は明るく提案する。三人だと如月鬼堂のさおがどう変化するか。そこに興味が涌いている。
 「私もいいですよ」
 荒井枝里も了解して露天風呂に湯を張る。
 他には絶対に無い人間関係である。
 本来荒井枝里の躰はスマートスリムである。だが珠洲と瀬里菜が一緒に立つと一回りボリュームが感じられる。
 珠洲と瀬里菜が骨ばって痩せている訳ではない。僅かな差である。珠洲と瀬里菜は華奢である。荒井枝里に華奢と言うイメージは涌かない。
 如月鬼堂はどっちの裸も愉しみたい。
 ここのところ剃毛はしてない。三名とも黒い塊が湯に透けて綺麗である。
 如月鬼堂は目を逸らすことは一切しない。じっくり見比べる。三名ともそれを笑顔で受け止める。
 「まだ熱海で升席の合席は拙いと思います。升の左右と後ろはビニールを吊るしています」
 「あれは上まで遮断しているのがいいね」
 「女の子はフェイスシールドを被って透明なワンピースです」
 「触れないのか」
 如月鬼堂は暗黙のサービスが下がった事を嘆く。
 「いまは仕方ないです」
 「だよな。それより人数を減らすのは成り立たない」
 「二人ですよね。生駒と二元開催にできませんか」
 「今夜テレビ会議で話し合おう」
 「それといま升席は三面ですが。仮設で四面にして大相撲と同じにします」
 「そうだな」
 珠洲と瀬里菜は荒井枝里に経営能力があるのに驚いている。堅実に事態を考え対処する。
 少し前は暴力夫に怯えていた。
 それから逃げて子供を抱え借金を返すSM人生。それが一皮剥けてこんな確りした女だったのである。
 荒井枝里はSMプレイ、取材、愛好会のショーでは虐められた。それでも如月鬼堂と出合って地獄から脱出できた。
 如月鬼堂も荒井枝里に躰で小説に協力してもらった。さらに熱海の店長にして売上も増えた。
 
 割烹料理店からミニ解析の出前が届いて昼食を摂る。そこへ館山弁護士から明後日のインターネットアダルト放送のスタジオ入りについて電話が入る。
 埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の件である。犯人の味方をし過ぎると一般の反感が拙い。と言って野崎卓郎弁護士と対立も今後に宜しくない。
 そこを館山弁護士は詳細に執拗に注意する。如月鬼堂も気に成っていたことである。珠洲と瀬里菜も強く聞き耳を立てていた。
 
 また性犯罪を伴う事件が起こった。インターネットアダルト放送で如月鬼堂がメインキャスターから執拗に意見を求められる内容に成っている。
 そして今週は如月鬼堂の発言を執拗に煽るキャスターの担当である。
 犯人は来島結奈に当り屋を仕掛けて脅迫。来島結奈を示談金稼ぎに愛好会のショー出演に至らしめたホストであった。
 館山弁護士の内容証明で来島結奈へ以後の脅迫は断念した。その後日勤める店舗のホスト及び女性客が集団感染。店は当分営業自粛に追いやられた。
 しかも武州市の市会議員広中彩華がワイドショーで店の批判を展開した。それはSNSの書き込みから始まりマスコミネタと成った。
 広中彩加立憲国民党市会議員は昨夜池袋二十時五十分発の武州鉄道快速急行下久保行きに乗った。
 それが本日の朝である。長瀞で変死体と成って発見された。
 (これは架空の鉄道です。実在しません)
 それは猟奇に満ちた内容であった。
 麻縄で縛られたまま荒川の大きな中州に漂着していた。
 概ね近くから流して中州に乗り上げたものと思われた。
 武州市役所の職員が広中彩加と武州町まで一緒に来た。
 広中彩加は実家が神川町。昨夜はそっちに帰る予定であった。下久保ダムの在る神流湖の近くである。
 武州鉄道は武州寄居が終点。近年武州小川町から支線が延びて下久保まで行く。将来高崎まで延長の予定である。
 途中駅新長瀞付近で下車したと思われる。
 快速急行は武州小川町を出ると新長瀞まで止まらない。
 殆んどトンネルの中を直線で百五十キロ走行する。新長瀞には二十二時丁度に着く。終点下久保着が二十二時十八分である。
 犯人に途中で降ろされたか。ついて行ってしまったか。本来途中で降りることは無い。
 武州鉄道は下久保と新長瀞に宅地造成してマンションも建設していた。犯行現場は直ぐに確認された。
 建設中の建物の中であった。殆んど完成している状態である。
 「腰から下が火傷をしています。シャワーの湯を温度の高いまま使ったと思われます」
 埼玉県警第三機動捜査隊の隊員である。犯行現場も直ぐ規制線が張られた。既に静かな町にマスコミが押し寄せている。
 「広中彩加は長瀞で電車を降ろされたか。何らかの方法で運び出されたと考えるべきでしょう」
 新長瀞は無人駅である。島型のホームだが上り下り単線区間で交換ができる。駅での目撃証言はまったく無い。
 快速急行は武州小川町で後ろ四両を切り離す。そこから六両編成でこの区間はワンマン運転となる。車掌は乗ってない。
 新型コロナの移動自粛も手伝って乗客も殆んど居ない。
 「遺体は橋から投げ捨てたのでしょうか」
 「その可能性が高いね」
 「犯人は快速急行に乗っていたか。駅で待っていた」
 「騒ぎが有ったとは思えない。乗っていた可能性が高いな」
 埼玉県警第三機動捜査隊の捜査官同士の会話である。ワイドショーでもその様な現状が報じられた。
 
 福山哲夫はホストクラブ艶城のホスト。その店は池袋美久仁小路の入口近くに在る。最近人気が上がり始めていた。
 広中彩加は市会議員ながら福山哲夫の客であった。
 広中彩加はホストクラブ艶城の新型コロナ対応の問題点についてSNSに書き込みを行なった。
 さらにワイドショーのリポーターインタヴューも受けた。
 ホストクラブ艶城は已む無く自主休業した。
 さらに広中彩加は福山哲夫の当り屋をした強引な営業についても脅しを掛けてきた。
 福山哲夫は同じ日。池袋二十一時丁度発特急寄居行きに乗っていた。
 この特急は十分前に発車した快速急行下久保行きには追いつかない。武州小川町には二十二時二分に着く。
 先に発車した快速急行は武州小川町に二十一時五十分に着く。切り離しと乗務員交代で二十一五十七分に出る。
 特急から快速急行に乗り換えは本来できない。
 福山哲夫は当り屋で脅迫していた女に手伝わせた。その女は福山哲夫の指示で一つ手前の停車駅で開いている扉にパチンコ玉を詰まらせた。
 車掌から遠い前から二両目である。
 これで発車が八分遅れた。それでも後ろの特急の運行に影響は無い。
 快速急行は武州小川町で二番ホームに着く。特急は隣の三番ホームである。連絡橋を渡って乗り換えることになる。
 福山哲夫は快速急行に乗って来た女と乗車券を交換する。
 さらに女に持って来させた大型のキャリーバックを快速急行の座席で引き継ぐ。
 女はそのまま八高線に乗り換えて高崎まで行く。
 福山哲夫は特急券と別に高崎までの乗車券を繋ぎで買っていた。さらに特急の車内で巡回してきた車掌に高崎の最終接続を確認した。
 本来指定席に座れば車内改札は行なわない。車掌に態と印象付けたのである。
 女は新長瀞までの乗車券を買っていた。
 武州小川町では特急の車掌から快速急行が発車したか遅れているかは一目では判らない。切り離した後ろ四両が残るからである。
 この四両は上りの池袋行き快速急行の前方に接続する。下久保を発車して単線区間を新長瀞で待つ。此処で切り離した下りと交換して来る。
 快速急行は七分遅れで武州小川町を発車した。新長瀞で上りが先に着いて待っている。信号が既に開いているので下りは直ぐ発車する。
 終点下久保にはほぼ定刻で着いたのである。
 福山哲夫は下り快速急行が武州小川町を発車すると直ぐに広中彩加を確保した。後ろから近付いてタオルでクロロフォルムを充てる。
 先頭車だが運転席は幕で塞がれている。
 夜である。さらにトンネル区間になる。客室の照明がフロントガラスに反射する。だから後ろのガラスを遮断するのである。
 車内で広中彩加をキャリーバックに詰めて新長瀞で下車する。
 駅に止めてあった軽トラックで運び出す。予め確認してあったほぼ完成している建設中の住宅に運び込む。
 軽トラックが其処に止まっていても不自然さは無い。
 福山哲夫は広中彩加を全裸にして高手小手に縛る。更に脚首と太腿を重ねて左右両方縛り合わせる。
 鞭で叩き起こす前に強姦してしまう。スキンは着けている。終わった後中は良く洗う。
 スマホ、キャッシュカード、クレジットカード、現金を確保する。
 一本鞭で乳房を叩く。
 乳房にバツの字の蚯蚓腫れの痕を付ける。
 何発も叩く。太股もバツの字に赤紫の痕だらけである。
 「うう」
 ようやく意識が戻った。
 「おのれ。何する」
 容赦なく顔を叩く。鞭は口元に炸裂する。
 「やめろーーーーーーー」
 広中彩加は福山哲夫をみる。さらに置かれた状況に驚愕の叫びを上げる。
 武州小川町を電車が発車して少し。行き成り後ろから捕まえられた。いつの間にか此処に運ばれた。広中彩加は事態の恐ろしさを直感する。
 乳房も太股も強烈に痛みを発している。
 福山哲夫はまだ鞭を振り上げる。
 「ああーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 容赦なく乳首を直撃する。先端が細く成った一本鞭である。
 「ぐうーーーーー」
 広中彩加は唾液と涙を飛ばして悲鳴を上げる。大口を縦に破裂させ般若の形相である。
 頬を叩く。
 「ぐう、うーーーーーーーーーー」
 目を見開いて天井を見上げて大口の悲鳴を絞りだす。
 「やめろーーーーーーーー。けいさつよぶぞーーーーーーーー」
 広中彩加は状況を考えず叫ぶ。
 「どうやって呼ぶのだ。えーーーーーー」
 福山哲夫は構わず鞭で内腿の柔らかい皮膚を叩く。
 「ぐう。うー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 尋常な痛みではない。そして直ぐに蚯蚓腫れが盛り上がる。やがて赤紫に筋が浮く。
 それが全身痛みを発している。
 「やめてーーーーーーー」
 広中彩加は涙を流して訴える。
 「このSNSを削除する。パスワードを言え」
 福山哲夫は広中彩加のSNSに投稿した店に係わる書き込みを削除したい。
 「嫌よ」
 「そうか。言わないなら」
 福山哲夫は軽トラに用意していた荷物から蝋燭を探した。だが直ぐ出てこない。シャワー設備が完成しているのを確認する。
 広中彩加を縛ったまま浴室に引き摺って行く。
 シャワーの温度を最大にして鞭の蚯蚓腫れだらけの躰に掛ける。
 「ああーー。ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴になる。
 一度止める。
 「あはあ。はあ。ああ。はあ。ああ。はあ」
 広中彩加は荒い息遣いで痛みに藻掻き続ける。
 「さあ」
 広中彩加は堪えられず白状した。
 福山哲夫は自分の店に係わる書き込みを全部削除する。さらにパスワードを変更した。
 「次はこのクレジットカードとキャッシュカードの暗証だ」
 広中彩加はこれも恐怖に震えながら白状する。
 福山哲夫はそれをATMなどで出金したりはしない。
 広中彩加のクレジットカードからキャッシングとローンの借り入れを行なう。
 全部の金額を広中彩加の一つの講座に集める。
 予め換金会社を調べてある。連絡を取り入金講座を確認してそこに全額を入金する。
 あとは受け取り番号、建物に入る暗証を確認して明日取りに行く。
 換金会社はマネーロンダリングを代行する。闇会社である。池袋の古いビルの十何階に在る。其処は換金会社の窓口になる闇金である。
 マネーロンダリングして換金した金額から手数料を引かれる。
 何回も取引できるが同じ人物が二度行く事はできない。これにも受け子を使わなくてはならない。用心深い闇営業である。
 福山哲夫は初めてなので明日自分で取りに行く。
 そのあと福山哲夫は怒りの限り広中彩加に拷問する。
 用意してきた半田鏝を暖める。
 それで乳首を焼く。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに膣を広げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 広中彩加のサイレンの如き悲鳴を味わいながら半田鏝の先を膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーーーーー。ぐあ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広中彩加は縛られた躰を藻掻き暴れさせる。それでも福山哲夫は半田鏝を掻きまわす。
 「あーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーー」
 広中彩加は遂に失禁してそのまま失神した。
 福山哲夫は広中彩加を縛った全裸のまま武州鉄道の鉄橋から投げ捨てる。高さがあるので死亡は間違いない。
 福山哲夫はそのまま高崎に向かった。
 昨夜チェックインしたホテルである。三泊で取っている。このホテルはカードキーでフロントに預けなくて良い。
 さらにフロントの有る一階ではなくコンコースに繋がった二階から出入りができる。
 武州小川町で乗車券を交換した女にこれも代行させた。カードキーを渡して部屋に滞在してもらう。
 女に幾らか手数料を払って帰す。
 そしてアリバイは完璧にできた。
 
 その日の午後には埼玉県警第三機動捜査隊も福山哲夫に目を付けた。
 福山哲夫は出頭を要求されたがアリバイを主張した。
 捜査員は特急の車掌に確認を取った。
 確かに特急に乗車していた。高崎までの連絡乗車券を見せられた事。前を走る快速急行には乗り換えられないことが確認された。
 そしてその乗車券が高崎駅で回収されている事も確認された。その乗車券には福山哲夫の指紋しか採取されなかった。
 さらに高崎のホテルで滞在も確認された。カードキーの差込で在室の確認がされただけである。
 埼玉県警第三機動捜査隊は福山哲夫に犯行は不可能と断定した。
 さらに武州駅から乗った乗車券一枚が確認された。これだけが新長瀞で快速急行の発車時間に出場されている。
 この乗車券から指紋は採取できなかった。この乗車券を使った人物が犯人と限定された。
 
 如月鬼堂の越後湯沢のマンション。リビングの囲炉裏端には如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、荒井枝里が飲みながらテレビ会議となった。
 「今日の事件。逮捕前にアリバイが証明されましたが。来島結奈を恐喝していたホストが容疑者にされていますね」
 館山弁護士のテレビ会議に入って最初の発言である。
 「あの当り屋ですか」
 「容疑者に上がった人物は確実なアリバイが有るとの事でしたが」
 如月鬼堂もこのニュースを追っていた。
 「確かに快速急行が武州小川町を発車するのと。特急が武州小川町に着くのに五分差があります」
 瀬里菜がパソコンで時刻表を調べて言う。
 「快速急行が終点下久保と特急も寄居に定時に着いているそうです」
 館山弁護士はそこまでニュースをチェックしている。
 「完全にアリバイありですか」
 如月鬼堂もこのときは納得した。
 愛好会の主なメンバーがテレビ会議に揃った。それで事件の話題はそこまでと成った。
 荒井枝里から改めて全員に提案が成された。
 「二箇所だと一人はスクリーンだけだから。一人一万五千にしても二百人ずつなら三百万集る。プレイを行なう者が別途負担で賄えるのではないですか」
 大河内税理士の勘定である。
 「正面に追加して七十五升席を百にしても一升二人席は避けられません。簡易検査は行なうべきでは」
 「それは考えています」
 杉下一行の意見に荒井枝里がきっぱり答える。
 「でも医師は一人では」
 「いいえ。今は四人です。葛和先生の紹介です」
 瀬里菜が答える。
 「二人以上で来る升席は問題ないです。相席に成る升だけ検査しましょう」
 荒井枝里の結論だが誰も異論はなかった。
 生駒の店長は喜んだ。まだ客足がいまいちである。今後の営業に展望が開けた。さらに関西は新型コロナの感染が拡大してない。
 
 土曜日インターネットアダルト放送のスタジオ。如月鬼堂の担当するニュース番組の時間である。
 「全裸美人コンテストの第二回目はいつかと多数お問い合わせを頂いております」
 トップレス姿の岡田有美が読む。本日の下半身は褌姿である。
 「自粛要請が解除には成りました。それでも雲行きは怪しいです。東京だけで連日二百人を超える感染者が出ています」
 本多椿が読む。下半身は股間を僅かに隠す小さなスキャンティである。
 「当面。番組としては未定です。東京オリンピックが開催できる状況になりましたら検討を進めたいと思います」
 メインキャスターが状況説明を行なう。
 「鬼堂先生。先生主催のSM愛好会では裏のコンテストを行なっていますね」
 「そうです」
 「そっちは如何でしょう」
 「会合が精一杯ですよ」
 「ところでそのSM愛好会ですが。紹介者がないと入れないと伺っております。そうなのでしょうか」
 「はい。その様にお願いしております」
 如月鬼堂は余計なこと聞いてくれるなと思いながら答える。
 番組にその様な質問も来るのである。
 「荒川の中州。新長瀞付近に縄で縛られた全裸女性死体が遺棄されました。事件は昨日深夜の犯行と思われます」
 岡田有美が褌の紐を解きながら読む。
 「埼玉県警は池袋のホストクラブ従業員を容疑者と見立てました。ですがこの人物には完全なアリバイがありました」
 本多椿もスキャンティを下ろしながら股間を押さえて読む。
 岡田有美は全裸美人コンテストの初代優勝者である。それでも今は本多椿の人気が上回っている。
 既に本多椿はクラブのホームページに顔を出してない。愛好会の会員十数人で予約が全部押さえられている。
 「鬼堂先生。このホスト以外が犯人なのでしょうか」
 メインキャスターは確信を如月鬼堂に振る。
 「本当に快速急行に乗り移れなかったのでしょうか」
 「しかし時刻表では。特急の車掌も乗り換えはできないと証言しています」
 メインキャスターは情報通りの内容を繰り返す。
 「誰か協力者が居て快速急行を僅かに遅らせたとしたら。または武州小川町で発車を遅らせる行為をしたとか」
 「でも終点には定時に着いています」
 「新長瀞で単線区間の列車交換に七分停車します」
 「その間に調整ができた可能性があると言うことですね」
 「可能性はあるということです」
 「このホストクラブ従業員が犯人と思われますか」
 「可能性は否定できません。共犯者が快速急行を遅らして乗り継ぎ時点で乗車券を交換と言う可能性はあります」
 如月鬼堂が本多椿の躰を高手小手に縛る。両方の脚も太股と脹脛を重ね合わせて縛る。
 広中彩加立憲国民党武州市市会議員が荒川に遺棄された姿を再現する。
 女の部分だけは生放送なのでタオルを掛けている。
 数分コマーシャルが入る。
 「また夜の街に休業要請の対策が持ち上がっています」
 岡田有美が全裸で股間をやんわり押さえて読む。柳の様にしなやかで艶めいた姿である。
 「補償という部分がどうしても着いて行かない休業要請です。罰則まで検討されています」
 本多椿も全裸で股間を押さえて読む。まだ縄の痕が躰に残ってなかなかそそらせる。
 「鬼堂先生如何でしょう」
 メインキャスターは如月鬼堂の過激発言の引き金を引こうと促す。
 「とんでもない事です。感染が広がる報道だけで客足が減ります。経済が駄目になる元凶です。補償は御札を増刷して売上補償が必須です」
 「鬼堂先生は集団訴訟を呼びかけていますね」
 「それは弁護士が弁護団を組みます」
 「感染対策はどうすれば宜しいのでしょう」
 メインキャスターはさらに回り込む様に過激発言をキックする。
 「感染者は再び増え始めていますが重傷者は減っています。殆んどが無症状です。もう従来インフルエンザ扱いの宣言をしても良いと思います」
 「集団免疫ですか」
 「重傷者だけ対応で良いと思います。しかしその前に経済的破綻しかけているまたは破綻した企業、商店に完全補償を行なってほしいです」
 「感染者が増えても仕方ないとそう思われますか」
 「海外は違いますが。重傷者が例年のインフルエンザと代わらないのでしたら経済破綻の自殺者が格段に大きいと思います」
 如月鬼堂は政府、マスコミの対策に怒っている。
 「GoToキャンペーについて賛否両論ですが」
 「二階から目薬対策です。補償を完全にするべきです」
 ここでまたコマーシャルが入る。
 杉下一行が開発したオンライン風俗のCMである。
 本多椿がオンライン個室でサービスを行なう。
 お客役の男優は自宅のソファーに寝転んでアイテムを体に装着する。
 手袋を付けた指をダッチワイフの性器に突っ込む。オンライン個室ではマジックハンドが本多椿の膣に侵入する。
 精密なセンサーからオンラインで感触が伝わる。
 男優の男根にスキンを被せてさらにアイテムを被せる。
 本多椿は擬似男根を口に含む。
 ダッチワイフの口は宙に浮いている。男優の手は乳房だけを弄る。
 男優が果てるまで続けられた。
 「どうでしょう。感触は得られますか」
 「本当に女の舌で舐めて貰っている感触です。それと生の乳首の感触が指に伝わって気持いいです」
 「何とかこれで乗り切れると良いですね」
 特別なCMである。
 「風俗は閉店しても経済が戻ればまた涌きます。問題はソープランドです。それ以上に問題はスナックの様な小さな店舗です」
 「小さな店舗ですね」
 メインキャスターは相槌だけ打つ。
 「貯蓄性向に流れるお金を消費に廻す最大の経済の底辺です。これが大きく廃業することで経済の疲弊は莫大です」
 「はい」
 メインキャスターはまた相槌だけ打つ。
 「特に小さなスナック飲食店は預金などを積み上げてきて一生ものの商売です。それが政府の補償の極めて薄い休業要請や感染報道で潰されます」
 「それが自殺者、失業者を招いて経済を底から疲弊させると言うことですね」
 「その通りです」
 「小さな旅館、ホテルも同様です」
 「病院はどうでしょう。コロナ対策で大赤字です」
 「それはこのまま事態の成り行きで政府が補償せざるを得なくなるのではないでしょうか」
 如月鬼堂は何とか終了時間に漕ぎ着けた。既に怒り沸騰して自分が危険なことを認識している。終わってほっと安心する。
 
 七月十八日が来た。
 如月鬼堂は芳原亜美、樽常マネージャーの代理を務める本多椿を伴って新幹線こだまで熱海に向かう。
 珠洲と瀬里菜は留守番である。如月鬼堂は大事を取って行かせたくない。
 杉下一行、福富麻次郎、来島結奈、樽常マネージャーが生駒に向かった。
 四百人ぴったりで打ち切りに成った。熱海が先に二百人に達した。生駒で遅く申し込んだ数人が抽選で落ちた。
 落ちた数人の中から希望者は熱海の個室で観戦となった。
 二元開催である。
 熱海は如月鬼堂が中央の正面下段に座る。審判の為である。司会は本多椿が担当する。生駒は杉下一行が司会と審判を兼ねる。
 審判は会員のやり過ぎを止めて事故を防ぐ。
 如月鬼堂の升には葛和医師が同席する。
 最初は剃毛から始める。熱海、生駒同時に行なう。大型スクリーンが二枚並べてステージの四面に天吊りで配置されている。
 土俵の吊屋根に下がった幕の様な位置である。
 二枚のスクリーンは片方が熱海。もう片方が生駒である。
 それぞれ剃毛の権利を貰った会員がステージに上がる。
 生駒も熱海も演台に拷問椅子が載せられる。
 どちらも生贄が演台に上がってくる。剃毛の担当は服を脱がすところから始める。
 来島結奈が全裸で拷問椅子に乗せられる。
 股間を広げて脚乗せ台に固定される。腰をベルトで止め腕は縛ってない。
 来島結奈の股間には長く細く僅かに盛り上がった縦筋が閉じ合わせている。
 最初のサービスで女の部分を広げる。
 縁は小豆色だが中は緋色である。濡れは全く無い。また厳重に洗ったのか汚れも見当たらない。
 尿道の亀裂は僅かに小さく切れている。膣口は細かい粒が口を閉じ合わせている。
 芳原亜美も開帳台に固定される。こちらは手を背もたれの後ろで縛られている。股間を広げられて脚乗せ台に膝と脚首を固定される。
 縦筋はびらびらが薄く突起して二枚張り合わせている。広げると中は薄いローズ色である。尿道の亀裂はくっきり中央に確認出来る。
 膣口は粘膜が巻き付く様に絡み合って閉じている。
 二人のアップは顔が見える様にスクリーンに納められている。暫らく女比べである。
 熱海ではコンパニオンは薄い透明なワンピース一枚で歩く。フェイスシールドは被っている。本日に限り下着は付けてない。
 全員黒い塊が丸見えである。
 葛和医師の判断でコンパニオンを含めた全員の簡易検査を行なった。陽性者は居なかった。
 「葛和先生。そんなにコロナは拡大して無いですね」
 如月鬼堂は検査結果が全員陰性で安堵している。
 「それ以前です。通勤電車に乗る人や大衆が集る盛り場に出入りする人が少ないです。アンケートで確認したのです」
 「皆それなりの年齢ですから用心してSMクラブ以外は危険なところに行かないのですね」
 「そうでしょう。年齢的に感染は怖いです。樽常さんのクラブの女性は私が検査しております」
 「そうでしたか。皆安全圏に動いているのですね」
 「先生の仰る通り確かに重傷者は減っています。でも年配者がかなり用心して自粛している面もあります」
 葛和医師はやんわり如月鬼堂の暴言気味の意見に反論する。
 「そうしますと。じわじわ重傷者も増え始めますか」
 「一気には行かないと思います」
 熱海、生駒とも剃毛が終わって公開している。
 生駒も熱海と同じ制服を採用している。やはり感染対策が優先らしい。
 「それでは熱海からまいります。最初からちょっとハードです」
 熱海は本多椿が司会である。
 従来とは少し改造された大道具がステージに上げられる。
 一メートル四方の鉄板の台。真ん中に垂直に一本の鉄柱。その先端は擬似男根が真上を向いて突き上げている。ここまでは従来通りである。
 擬似男根を被虐役の女性に跨がせる。膣にめり込ませて高さを調節。抜けない様にして下からピストン運動をする。
 この擬似男根は回転運動と振動をさせる。ピストン運動はしない。その両脇から刺股の様な半円形の枠が腰を押さえる。
 下からアームが伸びてアームの先端に横向きにその刺股の様な枠が付いている。高さ、角度を調節して腰を掴む。
 さらにもう一本後ろから斜めにアームが立っている。先端はアナル様バイブである。これも角度と高さを調整できる。
 担当の会員は本多椿の手を借りて芳原亜美を高手小手に縛る。
 擬似男根にローションを塗る。芳原亜美にそれを跨がせる。踵が台に密着した状態で膣の奥に挿入して高さを調節する。
 子宮にはぎりぎり届かない位置で固定する。
 左右から刺股の様な金具で腰を押さえる。これで腰は上に逃れない。
 最後に会員は芳原亜美にローションを塗った指を入れて慣らす。
 「ああ。いやあーー」
 アナル用の擬似男根にもローションを塗って挿入する。
 「ううーー」
 会員はアナルからスイッチを入れる。
 「うう。おおーー。うおおーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は回転運動に衝撃の悲鳴を漏らす。
 「うおおーーーーーーーー。ううおおーーーーーーー」
 芳原亜美は状態をくねらせて悲鳴を奏でる。
 会員は膣の擬似男根もスイッチを入れる。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーー。ああーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は躰を強く捩り藻掻き大口を破裂させて悲鳴を轟かせる。
 前も後ろも回転運動に振動が加わっている。強烈な責めである。
 「あ、ああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 膣とアナルから濁った液が飛び散る。標準サイズの乳房も躰が藻掻くと艶かしさを奏でる。乳輪は大きくないが色は濃い。
 普段高くない乳首が起っている。その存在感が高手小手に縛った縄の間で艶かしさを強調する。
 「ああーー。ああーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーー」
 芳原亜美は爪先立ちになり膝にやや左右交互に力が入る。ボルチオの手前で回転する擬似男根追い詰められて断末魔である。
 「あ。ああーーーーん。ああーーー。あはあーーーー。だめーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーー」
 芳原亜美は目を見開いたり閉じたり大口を歪めて悲鳴を絞りだし続ける。
 唾液は飛び散る。股間部分は白く濁った膣液にローションが混じってぐちゃぐちゃである。
 芳原亜美の躰は何度も登り詰めて逝き顔を晒す。
 「あーーーあーーーああーーーああーーーあーーーん。ああーーーあああーーーーああーーーああーーーー」
 芳原亜美のイキ声は緊迫する。
 股間は擬似男根を咥えたまま痙攣する。腰も震撼する。首は後ろに反り斜めに反る。目は白目と見開きを繰り返す。
 「ああーあーああーあーああーあーああーあーああーあーああーあーああーあー」
 芳原亜美は大口を破裂させたまま緊急サイレンの如くイキ声を絞り出す。
 会員はスイッチを持って後ろに立つ。
 「ああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにイキ声は急激に成る。次の瞬間止まる。
 会員は後ろから支えてスイッチを切る。
 躰を抱いたままビンタする。反応は無い。
 本多椿が擬似男根のハンドルを緩めて高さを下げて抜き取る。濁った液が流れ落ちる。
 アナルも緩めて抜き取る。
 次の担当会員が拷問椅子をステージに上げて待っている。
 本多椿が刺股を緩めて腰から外す。
 次の会員と一緒に芳原亜美の躰を拷問椅子に乗せる。芳原亜美は失神したままである。
 生駒では来島結奈がステージに寝かされている。腰を折られて股間をV字開脚にされ脚首は頭の横に押さえられている。
 会員二人が左右の脚首を押さえている。
 別の会員二人は手前から斜めにステージに伏せている。伸ばした腕の先は来島結奈の女の部分を責めている。
 来島結奈の女の部分には大型の開口器が挿入されている。開口器は四つに割れる。女の奥を強く開いて薄橙の粘膜が広がっている。
 これを広げたとき来島結奈は驚愕の悲鳴を上げた。
 それには舌先を伸ばしてくねるバイブが四本突っ込まれている。来島結奈の敏感な女の内部を執拗に責める。
 「あはあーーーーーーーーん。ああーーーーーん。ああーーーーーー。あーはあーーーああーーーーーーーーーん」
 会員二人に脚首と内腿を押さえられた股間は震撼している。
 来島結奈は顔をステージに擦りつけ反らせて藻掻き続ける。
 眉間には八の字の皺を刻む。口は縦に開ききっている。膣口からは半透明の液が流れ出ている。それは長い舌の様なバイブの先で掻き出されてくる。
 剃毛された女の部分。その周りの赤い皮膚がみだらに濡れる。隠微極まりない姿がスクリーンに拡大されている。
 「ああーー。ああはあーーーー。ああーー。ああはあーーーーーーーーー」
 来島結奈の小作りな顔が究極に崩れ歪む。
 こっちの会員らも失神を狙っている。
 熱海では芳原亜美が失神したまま拷問椅子に磔にされている。膣には開口器が刺さっていて大きく女の奥まで広げられている。
 薄橙の粘膜の壁が広がりその奥に紅い子宮口がアップで公開されたばかりである。
 「野次は禁止されています。暫らく拍手も抑えてください」
 本多椿が緊張した声で放送する。
 本多椿が素手で水の無い水槽から蛇を掴みだす。それを二人目の会員は素手で受け取る。
 館山弁護士が録画を撮影する。愛好会のショーは録画撮影しない契約である。この録画は後から本人立会いで消す。
 芳原亜美の膣を広げた開口器に蛇の頭を挿入する。
 無言のざわめきが会場を支配する。コンパニオンも動きを止めてそれを見る。見ていないのは生駒で責められている来島結奈だけである。
 会員は蛇を少しピストンして抜き取る。そのまま水槽に戻す。
 コンパニオンは何もなかった様に升席を移動する。会員らは拍手の代わりに乾杯する。
 会員はまた芳原亜美にビンタする。
 今度は意識を戻す。
 「ああ」
 会員は芳原亜美にスクリーンを示す。
 「熱海の映像を見ろ。あんたの失神中の出来事だ」
 スクリーンには芳原亜美の姿が映っている。拷問椅子に失神したまま磔られる。今乗っている拷問椅子である。
 本多椿の注意放送が流れる。
 本多椿が蛇を掴んで会員に渡す。
 「ああーーーーーー」
 その蛇が芳原亜美の股間に刺さっているクスコに挿入される。
 「あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 芳原亜美は泣き喚き号泣する。
 「いやあーーーーー。いや。いや。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーーー。ああ。ああ。あはん。あはん」
 芳原亜美の躰はぶるぶる震える。
 熱海は暫らく休憩と成った。
 生駒では来島結奈もステージの上で失神してしまう。
 こっちも蛇が準備されている。
 杉下一行が水の入らない水槽から蛇を取り出す。
 会員は四人でステージにV字開脚のまま失神状態の来島結奈の躰を押さえている。
 杉下一行は片手に縞蛇を掴んだままクスコを手にする。
 太腿を押さえる二人の会員が来島結奈の女の部分を広げる。緋色の部分が綺麗に広がる。
 僅かに小さく切れている尿道の亀裂。その下に細かい粒が口を閉じ合わせた膣口。杉下一行はそこにクスコの先端を差し込む。
 杉下一行は螺子を回してクスコを広げる。薄橙の粘膜が広がる。奥に粘膜の壁に紛れて子宮口が確認できる。
 杉下一行は蛇をゆっくり挿入する。
 「こいつは前回録画を見せている。スタンガンで意識を戻して下さい」
 杉下一行は升席の正面下の段中央に居る福富麻次郎に要求する。
 福富麻次郎が席を立つ。ステージに置かれた小さな小物籠からスタンガンを取る。来島結奈の土手に充てる。
 「ああーーーーーーーー」
 来島結奈は直ぐに目を開く。次の瞬間。腰で二つ折りにされてV字開脚された股間。それは目の前に広がっている。そこに蛇が挿入されている。
 「ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 緊急サイレンの様に叫び声が場内を震撼する。
 休憩中の熱海も生駒に音声を切り替えていた。熱海の会場にもこの悲鳴が充満した。
 熱海でも生駒でも恒例の乾杯が行なわれる。
 来島結奈は目を見開いて躰は恐怖にわなわな震える。蛇の頭は子宮口に当っている。
 「・・・・・・・・・・」
 大口を縦に破裂させている。だが声は出ない。表情は恐怖に歪みきっている。
 精神安定剤を用意して葛和医師の紹介会員で来ている医師が立ち上がる。
 杉下一行は医師の姿を見て蛇を抜き取る。
 「ああ。ああーー。あーーー。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 来島結奈は荒い息遣いで涙をポロポロ溢す。
 医師は横から精神安定剤を注射する。
 「ああーーあーーーん。ひどいよーーーーーーーー。ひとじゃなくなちゃうよーーーーーー。ああーーはん。はん。はん」
 泣き崩れてしまう。
 録画ではない。今度は実際に蛇の入っている感触を受けている。
 来島結奈はポロポロ涙を溢し続けている。躰は震えが止まらない。
 それでも状況から問題はなさそうである。
 こっちも休憩と成った。
 透明なワンピースとフェイスシールド姿のホステスだけが忙しくビールと料理を配膳する。
 葛和医師が簡易検査を行なっているが触る者は従来より少ない。
 「GoToキャンペーンをどう思われますか」
 両方の会場が休憩になったので葛和医師が如月鬼堂に話し掛ける。
 「知事らは賛否両論ですが。私は行なうことには反対しません。ですが意味の無い対策です」
 「いま行なうことに反対はしないと言う事でしょうか」
 「そうです。先生の仰る通りでいまは年配者が動かないでしょう。だからやっても危険は小さいです。効果もそれより小さいです」
 「確かにそうですね」
 「私はあのキャンペーンより完全保証をすべきだと思います」
 「税金から出さず増紙幣でですか」
 「そうです。増紙幣で補償とベーシックインカムをこの際行なうべきと思います」
 「最低生活費を全国民に配るのですか」
 「コロナの収束は何処までも見えません。感染防止を続けられたらこっちの業界は壊滅です」
 「でも補償をするからには休業要請に成ります」
 「いいえ。経済回復には移動の自粛なく補償及びベーシックインカムです」
 「そんな。感染は防がないのですか」
 「補償とベーシックインカムで自粛する店や企業、個人は自粛します。動きたい人は動きます。どの店に入るかは自由です」
 「でも医師としては感染を見過ごす事はできません」
 「しかしコロナの死者は熱中症の死者より少ないです。例年のインフルの死者と変わらないのではないですか。私は集団ヒステリーと思います」
 「うーん。日本ではいまのところそうですが」
 「私は経済破綻の自殺者が増える事の方が問題と思います。このままでは自殺者が絶対に上回ります」
 「しかし先生。確かに集団ヒステリー的要素は原発と同じです。でも集団免疫的発言をすれば今は叩かれますよ」
 葛和医師は何としても如月鬼堂の暴走を抑えたい。
 「確かに集団免疫自体が怪しく成っています。ですが発病しない人や重篤には成らないケースが多いです。日本、亜細亜では」
 「確かにそうですが」
 「日本を正常化するには補償、ベーシックインカムは必要条件です。経済活性化が充分条件です」
 「無症状の人が動けば感染は拡大しますよ」
 「これまでのインフルエンザも同じではないですか。指定感染症を外して従来レベルに戻してこれまでの経済疲弊を戻すべきと思います」
 「では検査もすべきではないと」
 「今回先生の行なって下さった守りの検査で良いのではないですか」
 「それでは市中に感染者が」
 「これまでのインフルエンザもそうではないですか」
 「数字がそうでも。集団ヒステリーでも。それが世論の主流です。その発言はよっぽど注意されないと危険です。先生は無言で集団訴訟を進めるだけでは」
 「そうですよ。葛和先生が検査して下さって護られていますが。万一此処で集団感染が出たら。大変な矢面です」
 館山弁護士はビニールのカーテンに仕切られているので通路に出て意見する。
 「確かにそうです」
 如月鬼堂もその警戒はしている。
 「私は先生の敵では有りません。何とか守ろうとして検査を行なっています。補償、ベーシックインカム迄で発言を抑えてください」
 「分かりました」
 如月鬼堂も納得せざるを得ない。
 大河内税理士だけ館山弁護士の隣で不満な表情である。
 如月鬼堂の会話の最中にもプレイは進んでいた。
 現在ステージでは鞭打ちが順番に行なわれている。芳原亜美の疲弊した悲鳴が悲しく響き渡り続ける。
 芳原亜美は股間を三十度に開いて逆さ吊るしに成っている。
 予約した会員らの加虐心は滾っている。
 女の部分か乳房を一本鞭で叩く。
 芳原亜美は涎と涙を流したまま震えている。
 「ううーーー。うおーーーーーーーー」
 剥き出しの乳房を斜めに薙いでいる。
 芳原亜美の躰は震撼して首が背中で曲がって強く後ろに反る。反動で前に戻る。さらに安定を失って躰を震撼させる。
 来島結奈も同じ様に逆さに吊るされている。こっちも局部を叩かれ躰は強く揺れ震撼している。
 アップに成った顔の表情から強烈な悲鳴が窺える。
 この鞭打ちは失禁を狙っている。その先に潮噴きに繋ぐ前哨戦である。
 両名とも鞭打ちが一通り終了して一度吊るしから開放される。顔が涙と涎、汗でぐちゃぐちゃなので休憩が入れられた。
 その時間は潮吹きサービスになった。会場のコンパニオンから指名投票を行なう。
 熱海は本多椿が生駒は杉崎一行が潮噴きを担当する。
 投票には志を伴う。熱海と生駒で対戦となる。先に噴いた方が負けである。負けた方が志を出した会員の写真撮影に応じる。
 志は負けたコンパニオンが全部貰うシステムである。
 熱海、生駒共に四人ずつノミネートされている。
 芳原亜美と来島結奈は数回失禁するまで叩かれてしまった。粘膜から血が滲んでいる。シャワーとバスで体調を整えた後に医師が処置する。
 ステージでは本多椿の責めが杉下一行に勝った。熱海の女性が先に潮を噴いたので熱海が撮影と成る。
 もちろん普通の撮影ではない。全身の全裸から性器のアップ。さらに女の奥まで広げて撮影できる。
 撮影できるのはそのコンパニオンに投票した会員だけである。
 「ところで先生」
 館山弁護士が通路に出て来る。
 「はい」
 「福山哲夫の件ですが。先日警察にもう一度プッシュしました。武州小川町で快速急行は七分送れて発車していました」
 「乗り継げますね」
 「そうです。でも福山哲夫は任意出頭を拒否しました。逮捕状を取るには無理があるようです」
 「そうでしょうね。乗れたというだけでは。福山哲夫に関する証拠は何もないですから」
 「広中彩加のスマホから振り込まれた金の行方も掴めません。マネーロンダリングされたようです」
 「それではね」
 「福山哲夫に弁護士は」
 「いまのところ就いていません。野崎卓郎先生には受けないよう注意しておきました」
 「そうですね。困った奴です。この男以外に犯人は居ないでしょう。快速急行が遅れた原因は何でしょう」
 「ドアにパチンコの玉が嵌っていたと言うのです。何処で入って偶々引っ掛かったかという事に成ってしまいます」
 「共犯者はいないのですか」
 「それを警察が解明しないと無理でしょう。ドラマの刑事ものならこの程度で逮捕ですが」
 熱海、生駒共にステージに拷問椅子が載せられた。
 芳原亜美、来島結奈共に出て来る。
 両名とも膀胱を空にしてきている。
 担当の会員が二人ずつステージに上がる。
 杉下一行のマイクが熱海、生駒の両方に説明する。
 「このショーの間はお静かに願います。野次、拍手は絶対にお止め下さい。また万一潮が掛かったお客様は御赦し下さい」
 「そんなに飛ぶのですか」
 熱海でマイクを持っている本多椿が台詞通り確認する。
 「出方が違うのです。気持ち良くなって尿が出てしまうのではありません。完全に女の躰が燃焼して放水銃の様に噴出すのです。色が違います」
 「どう違うのですか」
 「普段潮と言っているのは膀胱から出るおしっこです。潮は名前の通り白く濁っています」
 両名とも高手小手に縛られて拷問椅子に乗る。太股、脹脛、脚首に縄を掛ける。股間を百二十度くらいに開かれて縛って固定された。
 使う道具は棘付きバイブ、ローターのみである。
 僅かなローションで棘付きバイブを挿入する。
 熱海も生駒も女躰責めになれた会員である。じっくり時間を掛けて責める。
 来島結奈の膣口からバイブの動きに微量に液が流れ出す。棘付きバイブが手前に引かれるごとに股間が徐々に僅かずつ濡れて行く。
 来島結奈はまだ声を殺している。
 館山弁護士がまた通路に出て来る。
 「鬼堂先生。警察に情報を流しました。当り屋の容疑の件です。広中彩加殺人罪で指名手配して別件逮捕する手段で進める方針に成りました」
 「それは良いですね」
 如月鬼堂も納得する。
 芳原亜美の股間はかなり濡れている。クリトリスには包皮の上からしか刺激を与えてない。芳原亜美の躰は微妙に捩るように動いている。
 芳原亜美も声はまだ殺して堪えている。
 大型スクリーンなので顔の表情も股間の濡れもくっきり確認できる。
 会員らはスクリーンを凝視しながらビールを飲む。酒も料理も大盛況である。熱海も生駒もフル出勤している。それでも大忙し。厨房は修羅場である。
 荒井枝里は自粛で客足がやや緩慢でも本日の売上で起死回生する。日常も会員が来てくれるので大きくは落ち込んでない。
 来島結奈の表情は官能の断末魔である。眉間に八の字の皺を強く刻む。口は半開きになる。躰全体が捩るように藻掻く。
 女の部分のびらびらを広げられ緋色の部分が剥きだされ濡れている。その膣口は広がり棘付きバイブが出入りする。
 会員の指でクリトリスは剥かれている。ローターは直には充てない。剥いた包皮の剥き出したクリの直ぐ手前に当てられている。
 クリと股間全体が隠微に動く。ローターの責めにクリはせつない。
 高手小手の縛りに突き出された標準サイズの乳房。紅色の濃い乳輪と乳首。その乳首が起っている。会員は敢えて乳首には触れない。
 普通に立てば少女の様な清純な表情を残す来島結奈である。それが大人の女の艶に変化している。
 顔の表情は限りなく軋んでいる。少し前の拷問で痛みに軋む表情とは違う。限りなく艶に塗れた幸せな女の表情である。
 来島結奈はさらに首を藻掻く様に暴れさせ股間は強くせつなく震撼する。それがさらに一気に強い震撼を破裂させる。
 顔の表情は静かになる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いである。
 会員はそれをさらに押し切るようにクリトリスを今度は直に責める。
 来島結奈の表情は一気に軋み躰は強く反り返って震撼する。
 イッてしまった事を確認しながら責めを強める。気持良さはさらに増している。そこを追い詰める。
 来島結奈は蛇の感触に恐怖と限りない不快感に堕ちた。それを鞭の痛みで泣き喚いた。今まったく思考能力は無い。
 潮を噴いてしまえばこの先もっと恐ろしい拷問が待っているかもしれない。それでも躰は悦びに引っ張られ成されるが侭に登り詰める。
 何度か沈み登り詰める状況を繰り返した。
 来島結奈の膣口を棘付きバイブが出入りする。女の部分を包むびらびらは緩く広がっている。
 「ああん。ああん。ああん」
 棘付きバイブの刺さった真上。尿道の亀裂付近がさらに押しあがる。
 「ああはん。ああ。ああはん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 会員は棘付きバイブを引く。
 尿道の亀裂付近が膨れ上がったまま揺れる。その亀裂が広がる。
 「ああん。はあーー」
 次の瞬間。白く濁った液が消防のホースから噴射する様に飛び出す。
 潮は三メートル近く放水の様に飛ぶ。
 「ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 来島結奈の躰はぶるぶる震撼しながら荒い息遣いを続ける。
 会員はさらにクリトリスだけを責める。何回か残りの潮を絞り出す。
 
 芳原亜美の首はガクガク揺れる。
 「ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーん」
 目を瞑り口はロの字を歪めて顎をひくひくイキ声を上げる。
 「ああーーはは。ああーー。ああーーはは。ああーーー。ああーーはあ」
 腰は強く震撼している。会員は片手で無毛のドテを押さえてローターを押し付ける。
 もう一人は体を躱しながら左下から棘付きバイブをピストンする。
 「ああーーああーーーーーーーーーーー。ああーーああーーーーーーーーー」
 芳原亜美は断続的にイキ声を上げる。
 「ああーー。ああーー。ああーー。ああーー。ああーー」
 大口を破裂させ首を震撼させて悲鳴はサイレンになる。
 一気に潮が噴き上げる。一メートルくらい弾道の様に飛び散る。
 それでも会員は責め続ける。
 芳原亜美は何回か断続的に潮を噴き上げて躰は沈む。失神していた。
 壮絶な逝き顔であった。
 最後の拷問は来島結奈と成った。
 さらなる屈辱が来島結奈を待っていた。
 来島結奈は拷問椅子に強力に磔にされている。その前にテーブルが置かれる。
 水の無い水槽にカメレオンが二匹運び込まれる。
 二枚に分かれていたスクリーンは一枚になって生駒のステージだけを放映している。
 黒カナブンもケースに入れて用意されている。
 来島結奈の膣に大型のクスコが挿入される。四つに割れる強化型のものである。またも来島結奈の膣の奥は子宮口までくっきり公開された。
 さらにアナルにも大型の開口器が挿入される。
 「いやあーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーー。はずかしすぎるよーーーーーーーーーーーーー」
 スクリーンに広がったあまりの姿に喚いてしまう。
 来島結奈は既に涙を流している。幼さも残るが美人顔である。それが崩れる。サディストには堪らない悦びである。
 テーブルにカメレオンが載せられる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈はそれを見て今更ながら悲鳴を上げる。
 会員は黒カナブンを膣に投げ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 黒カナブンは来島結奈の膣の奥を暴れまわる。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 来島結奈は壮絶な表情を破裂させて喚き続ける。
 会員は二人両側からカメレオンを嗾ける。
 カメレオンの舌が伸びて来島結奈の膣の中で黒カナブンを奪い合う。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。たすけてーーーー」
 来島結奈は磔に縛られた躰を動かさんと力の限り藻掻く。顔の表情は大口を縦に大きく破裂している。
 涙は映像にもくっきり飛び散る。
 左のカメレオンが黒カナブンを奪い取る。
 ようやく黒カナブンとカメレオンの舌は来島結奈の膣の中から出た。
 「ああーーー。あはあーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 来島結奈は荒い息遣いで涙をポロポロ流す。
 これで終わりではない。
 「この次に賭けて貰います。左右どっちのカメレオンが黒カナブンを取るかです。一人一万円左右六名ずつです」
 杉下一行がマイクで宣告する。
 「二回勝負です。勝ち残った方が彼女のクラブでのプレイ代を獲得します」
 本多椿が熱海から放送する。
 熱海、生駒の両方から賭けられる。
 次はアナルの開口器に糸で繋いだ黒カナブンが投げ込まれる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰が究極に軋む。
 カメレオンの舌が一気に伸びる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度も左のカメレオンが黒カナブンを巻き取る。
 次は勝った六人が自由にどちらかに賭ける。
 「これで決まらないときはコンパニオンの女相撲で決めます」
 一人だけが右のカメレオンに賭けた。五対一である。
 また膣に投げ込む。
 「あーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 カメレオンの舌も一斉に伸びる。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーー」
 今度は右が勝つ。
 「ああはああーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 来島結奈は当分泣き止まない。
 勝負は決まった。
 コンパニオンの相撲はコンパニオンの極秘ビデオを賭けて行なわれた。この賭け金は負けたコンパニオンの収入となる。
 このファッション喫茶の平常ルールである。
 今回は野球拳ではなく褌一枚のトップレス相撲とされた。この会だけの特別ルールで相手の褌を先に取った方が勝ちで行なわれた。
 来島結奈は一度シャワー室に引き上げ戻って来た。
 芳原亜美と来島結奈がそれぞれステージで挨拶してお開きと成った。
 その日は如月鬼堂と館山弁護士、荒井枝里は如月鬼堂の宇佐美のマンションに泊まった。
 
 翌日。来島結奈と樽常マネージャーが生駒から戻って来る。真っ直ぐ帰らず宇佐美に立ち寄った。
 珠洲と瀬里菜も朝早く越後湯沢から着いた。
 来島結奈は福山哲夫が指名手配になったと聞いてやや安堵の表情を和やかにした。
 館山弁護士の配慮に深く例を述べた。
 囲炉裏端で出前の昼食を摂りながらテレビを見る。ニュースがアラームを告げた。
 「広中彩加立憲国民党武州市会議員殺害容疑者で指名手配中の福山哲夫を遺体で発見」
 「ええーーーーー」
 来島結奈が驚きの声を上げる。
 館山弁護士は埼玉県警鬼堂捜査隊に連絡を取る。
 「どうやら広中彩加の口座から奪った金の換金に闇組織を使ったのでしょう。そっちの組織が警察の手が回る前に殺害したのではないかとの見解です」
 館山弁護士が警察の見解を座に説明した。


 最期のSM小説家 第十幕 SM愛好会潮噴き対決 完





 最期のSM小説家 第十一幕 銀行襲撃SMバイオレンス
 二〇二十年夏至下元。太陰太陽暦五月三十日。
 (この二十四節気は平気法太陰太陽暦によるものです)
 七月二十日。新型コロナの感染者は増え続ける一方である。東京の感染者が断トツで多い。
 GoToキャンペーンは東京抜きで始まる方向である。
 当面しばらくは効果が薄いことは間違いない。団体旅行はNG。金を使った旅行をする年配者は警戒して動かない。
 倒産は徐々にではあるが確実に数字に表れ続けている。
 感染者は増えても重傷者は少ない。いま経済の手を打つことが最善である。
 しかし世論は感染防止に傾いている。
 感染症が終息しないうちに経済対策を優先して死者が出ても良いのかというワイドショーのコメンテーター。
 リベラルに強く傾倒したコメンテーターである。
 使者が出てよいかイエス、ノーで答えろと言う。野党の謀略的質問の典型である。
 ただ現政権を叩けば。自分らが政界に蔓延りたいだけの戦法と言える。そしてこれまで限りなく経済の足を引っ張ってきた。
 しからば経済疲弊で倒産が続出してコロナの死者以上に自殺者を作って良いのか。イエス、ノーで答えろと言いたい。
 中小零細企業、中小零細のホテル、旅館、店舗は一生かけて築いてきた。それが雀の涙以下の協力金で自粛要請の一言で潰される。
 集団訴訟するべきである。
 夜の街関連というが風俗業はもっと厳しい。これが疲弊すれば経済及び秩序を底辺から崩す。
 明るい話題は将棋だけである。
 
 如月鬼堂の越後湯沢のマンションに館山弁護士と荒井枝里、福富麻次郎が訪れていた。
 「いつまで税金と国債で賄おうとするのかな。いまこそニューディールのフランクリン発言の様に紙幣の増刷を制限しない対策が必要だ」
 如月鬼堂は怒りに滾っている。
 「無理ですよ。与党はこのままなし崩し。ある程度根幹を救って。ある程度は已む無し。財政の健全化優先です。野党は感染対策一辺倒です」
 福富麻次郎も苦しい。不満は如月鬼堂以上である。
 感染集中地域には置かれてない如月鬼堂のファッション喫茶。それでもいつまた自粛の波が襲ってくるとも限らない。
 現在もオンライン営業と半々体制である。
 瀬里菜が熱海まで野村未来也弁護士、野崎卓郎弁護士を迎えに行き送迎してきた。
 館山弁護士を座長に集団訴訟の打ち合わせである。
 既にお茶、コーヒーではない。珠洲と瀬里菜がビール、日本酒を好みに合わせて置いてゆく。
 本日は際どい衣装を一歩後退して赤系のミニワンピースである。
 それでもこの二人は充分に悩殺する。ストッキングは履いてない。
 そして二人とも悩殺を愉しんでいる。
 集団訴訟はもっと参加店舗を集めてからと成った。その後はデリバリのミニ会席で食事を摂り飲みながら雑談である。
 「本来一審無罪となったら釈放のままなのだが。再拘留となった。何とも交渉が大変だよ」
 野崎卓郎弁護士がぼやく。
 「検察にそんな権限が有るのですか」
 如月鬼堂の質問である。
 「検察ではなく。二審の裁判所が決めます。『被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由』と言う事です」
 館山弁護士が説明した。
 聞いていて珠洲は密かに納得する。
 館山弁護士の忠告よろしく如月鬼堂も珠洲も余計な意見は言わない。
 瀬里菜が熱海まで野村未来也弁護士、野崎卓郎弁護士を送って行った。
 この後はSM愛好会主力メンバーのテレビ会議となる。本日は囲炉裏端にカメラが四台設置されていた。
 まだテレビ会議には時間が有る。
 「野崎先生は六人を無罪と信じているのですか」
 他の弁護士が居なくなって如月鬼堂が疑問点を正す。
 「思ってないですよ。野崎先生は無罪請負人という立場です。怒っていたのは無罪にした威信ですよ」
 「左様で」
 「埼玉県警が杜撰すぎる。今回の広中彩加市会議員の件もそうです」
 「そうですね」
 「非常に危険な人間でした。当り屋で稼ぐに女を風俗に売る。その程度の小物では済まないと思いました。案の定でした」
 館山弁護士は当初から警戒していた。
 「でも闇金の様な組織に始末されたのでしたら。それ以上被害者は出ないでしょう」
 如月鬼堂はこっちの件は解決の意識である。闇の換金組織などどうでも良い。
 「あの六人。出て来たらまた同じ様な犯罪を犯すのかな」
 珠洲がぼやく。
 「同じ事はしないでしょう。用心深い犯人です。アリバイがあっての逮捕にはかなり懲りたでしょう」
 館山弁護士はこの場だけと構わず犯人と言ってしまっている。
 珠洲がつまみとビールを補給する。
 「でももっと巧妙になって再犯しないのですか」
 珠洲はこの六人が社会にそのまま戻ることに不安を持っていた。
 「この犯人はこの女性運転手に怒りを持っていたのではないかと思われる。だからやたらには動かないのじゃないか」
 「そうですね」
 如月鬼堂の見解に福富麻次郎も同意する。
 大河内税理士と杉下一行が接続したのでテレビ会議が始まった。
 「先生。盛況でしたね」
 一昨日行なわれた愛好会の熱海、生駒二元開催のショーのことである。
 「ありがとう」
 「今回はほんとに大々的にできました。来島結奈はショックが大きかったようですが」
 杉下一行は昨日熱海まで一緒に戻って来た。
 「しかし鬼堂先生感染者の数が何とも言えません」
 大河内税理士は危機感を強くしている。自分の客が倒産するのと愛好会が自粛になることの心配である。
 「占い師に聞いてみました。コロナはもうじき終息するそうです。経済もこのまま回復にゆっくり向かうとの事です」
 如月鬼堂がまた爆弾発言する。
 「その鑑定充てになるのですか」
 大河内税理士は懐疑的である。
 「私はその判断でやってきたのだが」
 「どちらにせよ先生。アダルト放送で話題になっていましたね。裏の全裸美人コンテスト。二回目をやりましょう」
 大河内税理士の提案である。
 「大河内先生。私もやりたい。でも場所がない」
 「充分タレントは揃いました。場所は観世員ホールでも入りません。三つの会場でどうでしょう」
 「この二元、三元開催は難しいです」
 如月鬼堂は難色を示す。
 「三箇所に分かれても同じ型のステージです。スクリーンではなく。バーチャルステージでどうでしょう」
 杉下一行が提案する。こっちも乗り気である。
 「それなら全部オンラインでどうでしょう。今回開発のアイテムを使って」
 福富麻次郎である。
 「それも良いですね。いっそ先生の居間で開催したらどうでしょう」
 大河内税理士が一気に押す。
 「では出演者と会員の皆様の負担額の了解を取ってから検討します」
 如月鬼堂はそこで保留する。
 その日はお開きになった。
 
 翌日。功名かつ大胆、陰惨極まりない事件が起きた。
 関東帝国銀行さいたま支店。三時の少し前。裏口にスーツ姿の男性が二十人以上集っていた。皆大きなリュックかカバンを持っている。
 パソコンの移行作業を行なう。販売会社からアウトソーシングされた派遣会社のスタッフの点呼が行なわれていた。
 何人かが給料を渡されて帰されている。人員オーバーで会社のアサインミスと言う説明がされていた。
 全員がマスクにメガネを掛けている。
 銀行の閉店と同時に中に入場する。来客用のセキュリティカードが全員に配られていた。
 既に交換用のパソコンは通用口の中に搬入されている。
 通用口が中から開いて二十数名がパソコンの箱を持って店舗内に入った。
 男性行員が荷物を持ったままなので控え室に置く様に注意する。
 次の瞬間男性行員は射殺された。
 奥の男性行員が居る部分に一気に機銃掃射する。
 全員マスクにメガネだった。だがメガネはサングラスに変わっている。
 二十数名が散ばって出口、通信回線、非常通報を押さえる。
 支店長を含めた男性行員の殆んどが射殺された。店内は悲鳴と怒号が飛び交っている。
 「しずまれーーーーーーーー」
 リーダーらしき男が大声で叫ぶ。
 二十数名が自動小銃を構えていた。
 数人が男子行員を探して射殺する。
 「全員こっちに出ろ」
 女子行員を客のスペースに集める。数人が店内の他の部屋に残ってないか確認に回った。トイレ、給湯室、更衣室を調べる。
 「全員服を脱げ。そして携帯、スマホを出せ」
 女子行員らは恐怖に震えながら仕方なく脱衣する。携帯、スマホはソファーの上に出された。
 誰も下着を取ろうとはしない。
 「下着も全部取れ」
 自動小銃を構えたまま命令する。
 全員動揺した表情で身構えた。誰かが取るまでブラのフォックを掴んだままである。
 「何で裸にするのよーー」
 四十近い女子行員が抗議した。
 「逃げられない様にだ」
 一人の男が答える。
 「それなら下着はいいでしょう」
 四十近い女子行員は下着を取ることを拒否した。
 見ていた別の男がその女子行員を射殺する。
 「下着も全部取れ」
 自動小銃を構えた男の怒号が飛ぶ。
 女子行員らは乳房を震える手で隠しながらブラを外した。乳房を押さえたままショーツを下ろす。
 「現金を集めろ。硬貨とATMを除いて全部だ。現金輸送車に積む準備をしろ」
 女子行員らは全裸で現金をジュラルミンケースに詰めた。
 「手の開いたものからこっちへ来い」
 一人ずつ待合シートに座らせて高手小手に縛り上げる。縄ではない。すずらんテープで縛る。脚首も縛った。
 「良さそうなの四人だけ持って行こう」
 四人選んで離れた席に抱き上げて移動させる。
 「現金輸送車が来ました」
 見張り担当が報告する。
 扉の影に銃を構えて中に入れた。二名入って扉が閉まった段階で射殺する。
 ピストルを持った一人が外に出た。現金輸送車の運転席に残った一人を脅して中に入れる。
 その一人も扉が閉まった瞬間に射殺してしまう。
 ガードマンの服を剥ぎ取り二人が着ける。
 二人は女子行員が現金を詰めたジュラルミンのケースを現金輸送車に積み込む。その二人が乗ってそのまま出発する。
 殆んど全員が鞭をカバンから取り出した。残った女子行員に片っ端から鞭打ちする。細い一本鞭である。持つところ以外がワイヤーロープに成っていた。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叩けば一発で肌に傷がつく。
 「ぐううおおーーーーーーーーーーーーーー」
 容姿やなく顔を叩く者もいた。
 「やめろーーーーーーーーーーー」
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 「ぐうわあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーん。あはん。あはあん。あはん。あはん」
 狂乱の悲鳴が店舗に響き渡る。
 一人が給湯室に行く。包丁を持ってきて乳首を斬り堕とそうとした。
 「いやあーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 だが引いても切れない。傷ついて出血するだけである。
 「ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。うおおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 斬られた女子行員は狂った様に悲鳴を上げた。
 バスが迎えに来る。
 「みんな離れろ」
 避けておいた四人を除いて自動小銃で一気に射殺する。
 バスからガソリン携行缶を下ろすした。続いてキャリーバックも下ろす。
 残した四人に麻酔をかけて口をガムテープで塞ぐ。キャリーバックに詰めてバスのトランクに積む。
 二人を残してバスに乗り込んだ。残った二人がガソリンを撒き死体に掛ける。無線点火装置と発破を中央付近に積んでゆく。
 バスが発車して暫らく走って無線で点火した。銀行の建物は一気に炎上して爆発する。
 現金輸送車で出発した二人は人通りの少ない新幹線のガード下で待っていた。
 バスにジュラルミンケースを積み替えて現金輸送車を乗り捨てる。
 バスはそのまま中津川林道に入った。
 途中の空き地に止めてあったキャンピングカーにうち二名が乗り移る。
 バスのトランクから現金ケースの一部。女子行員を入れたトランク二つ。これだけを積み替えた。
 キャンピングカーは中津川林道を引き返す。
 バスは山梨県に入る。キャンプ場が有った。そこにキャンピングカーがもう三台。ワンボックスカー二台が止めてある。
 バスは此処で乗り捨てた。ナンバープレートは外す。かなりの中古車である。
 ワンボックスカー一台に女子行員を入れたキャリーバック一つを積む。もう一台に現金ケース一個も積んだ。
 ワンボックスカー二台に四人が分乗する。これも中津川林道を戻って行く。
 最初に銀行に入った二十人が残った。此処で十九人に現金が五百万ずつ配られる。
 十九人は二台のキャンピングカーに分乗して一台は静岡に。一台は名古屋に向かった。
 残る一台にジュラルミンケースと女子行員を入れたキャリーバックが積まれた。こっちは最後の一人が乗って奈良県の山奥に向かう。
 この人物のみ今回正体がばれてしまっている。
 
 夜になって如月鬼堂の越後湯沢のマンションである。
 緊急速報からワイドショーの予定が変更に成った。
 四時二十分頃。銀行が建物ごと火災を起こして倒壊した。被害者の遺体は殆んど黒こげでばらばらに飛び散っている。
 火は消防によって鎮火された。倒壊したので周りの建物には概ね影響はない。だが遺体から殆んど誰であるか特定するにも相当難しい。
 「現在ガソリンが撒かれて発火したことが確認されています。建物の倒壊も発破を使ったと推定されております」
 男性キャスターが分かったばかりの情報を伝えていた。
 「パパ。この銀行大宮のマンションの近くだよね」
 珠洲の言っているのは如月鬼堂の昔の住まいである。現在はパートが来ていて自費出版の本をコピー機で印刷、製本して発送していた。
 「そうだな。ATMを利用したことも有る」
 如月鬼堂が取引しているメインバンクでは無い。同行の口座くらいは持っていた。
 「銀行が閉まってから。残業していた人が被害に遭ったの」
 瀬里菜は銀行が閉まっても行員は十九時くらいまで帰れないことを知らない。
 「店頭は閉まっても行員の勤務は一般企業より長い」
 如月鬼堂は執筆中である。珠洲が切って冷凍した刺身を解凍した。瀬里菜はサラダバーを準備する。
 今夜のテレビ会議は無い。如月鬼堂は刺身とサラダでビールを飲みながらパソコンを叩く。
 今日中に送ってしまいたい。明日は裏全裸美人コンテストで候補者の六人と話し合う。
 今夜は来客が無いので珠洲と瀬里菜は下着姿である。二人とも如月鬼堂の執筆作業を妨害する心算は無い。協力している心算である。
 「パパ。露天風呂溜まったよ」
 珠洲と瀬里菜は下着も取る。先に露天風呂に向かう。如月鬼堂もバスロープを脱いでトランクスも脱ぐ。
 露天風呂では珠洲と瀬里菜が如月鬼堂をサンドイッチにして体を洗う。さらに湯に浸かったらさおを交代で舐めて洗う。
 如月鬼堂は作業中なので二人に体を拭いてもらって囲炉裏端のパソコンに向かった。
 珠洲と瀬里菜は躰を拭いて全裸のまま囲炉裏端に座る。
 「パパ。終わりそう」
 珠洲がやや心配していた。
 「明日の未明くらいには送れるよ」
 女の子らが来るのは午後だから十時くらいまで寝られる計算である。
 ニュース番組では銀行内のパソコンの移行作業に向かった派遣会社の責任者が帰らないことが確認された。
 また現金輸送車のガードマン三名と現金輸送車が行方不明と報じられている。
 
 奈良に向かったワンボックスカーは一昼夜走って奈良県天川村の奥に建つ古い古民家に着いた。
 女子行員をキャリーバックから出す。縛りを強化して麻酔を追加した。
 そのまま一眠りする。
 自分一人大きなリスクを負った。だが一億を超える利益を得ている。集めた十九人は全員マスクを掛けてメガネも掛けていた。
 店内に入ってからはメガネがサングラスに変化する。最初から配られたアイテムである。
 話を持ちかけたグループは後から安全な状況で入って来た。防犯カメラも記録媒体を抜いて全部破壊している。
 事前に何回か移行作業に入った。防犯カメラの位置はチェックしている。
 自分以外に危険は無い。
 防犯カメラが外から監視されていれば犯行途中で警察が介入している。
 夕方迄眠ってそれから女子行員をSM拷問して愉しむ。
 この古民家の登記は別の名義で持っている。ホームレスの戸籍を使ってマイナバーカードは自分の写真で作った。
 それは過去に住其ネットカードで作ったものである。住其ネットカードを作る時点では写真付き身分証がなくてできた。
 
 中津川林道の空地とキャンプ場から引き返した六名は山荘に着いていた。大広間テントに車を仕舞う。
 その日の内に着いた。そのまま地下室に三人の女子行員を監禁する。
 「お前らにニュースを見せてやる」
 キャリーバックから出された三名はなんとなく感じるものがあった。
 窓の無い地下室らしき場所。六人の防護服姿の男。途中で車を積み替えられた。銀行から運び出した金の一部がそこにある。
 残されたのは四人。それ以外は目の前で射殺された。その内一人田村摩子が居ない。
 金を山分けしてグループが分かれて逃亡したのだ。二十人以上居た。此処に居るのは六人の男と金の一部である。
 テレビは二十三時からのワイドショーを放映していた。
 銀行が放火炎上して爆破され倒壊したと報じられている。現金輸送車は新幹線の高架下で発見された。
 この支店に存在したであろう現金が総額で五億円前後と報じられる。
 パソコンの入れ替え作業を請け負ったアウトソーシング会社が二十名で閉店後に入場した事が判明した。担当者の行方が判らない。
 さらに派遣会社がアサインしたスタッフが人員オーバーで帰された事も判明した。
 三名の女子行員は計画の大きさと綿密さに驚くばかりである。そして自分らも生かして帰してはもらえないと怯え続ける。
 生駒莉那を残して二人は鉄格子の部屋に別々に押し込められた。縛りは解かれたが脚首に鉄の重りが付けられている。
 「さあてお前は拷問だ」
 六人が囲む。
 「いやだあーーーー。いやあーーーーー。ああーーーーーーーー」
 生駒莉那はヒステリックに泣き叫ぶ。
 押さえつけて現場で縛ったビニール紐の戒めは解く。
 拷問椅子に叩きつける。
 「あおーーーーーーー」
 拷問椅子の背の後ろで手首を縛る。脚載せに脚首と膝を縛った。
 まずは全員で輪姦す。輪姦す間は厳重な目隠しをつける。
 唇を貪るときはスタンガンを持つ。噛み付いたときの予防である。
 泣き叫び続ける生駒莉那を六人が局部を一回ずつ洗って輪姦した。
 輪姦しが終わったら次は玩具である。
 目隠しを取る。
 胸部の縛りを強化した。乳房の上と下で拷問椅子に縛り付ける。太股も拷問椅子に縄で規則正しくぐるぐる巻きに固定した。
 浣腸器とバケツに氷の入った石鹸水が運ばれる。
 「浣腸してじっくりお前の躰で愉しんでやるからな」
 男の顔は分からない防護服を着てマスクにサングラス。以前に拉致されて強姦されて開放された女性の供述通りである。
 アナルに浣腸器が挿入された。
 「ううーー」
 一気に冷たい水が直腸から入って来る。
 「ぐううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 生駒莉那は堪らず声を上げてしまう。
 容赦なく冷たい液は生駒莉那の躰に入って行く。
 「ぐううーーーーーーーーー。いいたいーーーーーーーーーー」
 生駒莉那は涙声になる。冷たい石鹸水で腹が究極の痛みである。
 水の無い水槽に蓋をして蛇が運ばれた。
 「ああーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーん。なにーーーーーーーーーーー」
 生駒莉那はそれを見て泣き悲鳴を上げる。
 此処で写真撮影する。大型のデジカメである。さらに一人録画も取っていた。
 注入し終わってアナル栓を挿入する。生駒莉那の躰は痛みと恐怖にぶるぶる震えていた。
 一人の男が腹を摩りながら乳首をクリップで鋏む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーん」
 もう一つ反対側にも鋏んでしまう。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いいたいよーーーーーーーーーー」
 さらに腹を捩って藻掻く。
 「ううーーーーーーーー」
 「そろそろ腹が激痛だな」
 「いーいたいよーーーーーーーーーーーーー」
 「うんこ出しますと言え」
 「ちくしょーーーーーーーー」
 「言わなきゃ。圧力でアナル栓が飛ぶまでそのままだ」
 男は無謀な一言を嘲る様に言う。
 「おのれーーーーーー」
 男は顔をひっぱたく。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 生駒莉那は瀕死の形相で睨み返した。
 もう一人が細い竹の棒でクリップに鋏まれた乳房を叩く。クリップの直下の白い皮膚を直撃していた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉那の躰は震撼する。
 「どうだまだ我慢するか」
 「うんこでるよーーー」
 生駒莉那は恨み顔を引き攣らせて叫んだ。
 「ばかやろーーーー」
 最初の男がまたビンタする。
 「ごおーーーーーーーーー」
 「うんこしますだろ」
 「くそーー。うんこし、ま、すーーーー」
 「よし。では取ってやろう」
 拷問椅子の下にボウルが置かれた。直径五十センチは有る。
 「ううーーーーーーーーー」
 ズズズーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぶうおーーーーーーーーー。
 大音響と共に茶色い水が飛び出す。続いて塊が断続的に出る。
 「うーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー。うーーーーーーー」
 出しながらも相当に苦しい。
 もう一度石鹸水を注入する。中を洗うだけである。
 「ううーーーーーーーーーー。もう、やめてーーーーーーーーーーー」
 容赦なく洗っては腹を摩って流し出した。
 「さあ。綺麗に成ったところで前と後ろに蛇イレポンだ」
 「やだーーーー。なにそれーーーーーー」
 生駒莉那の声は恐怖に震えている。
 二人床に膝を着いて一人が膣にクスコを挿入した。
 「あーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 さらにアナル開口器も挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 「よーくみろ。お前の女の奥だ」
 「いやあーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 「これが世界に撒かれるのだ。録画を公開するからな」
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 「お前。同僚は全部どうなった」
 「ああーーーーーー」
 「全員銃殺されて建物もろとも黒焦げの灰になって粉々だ」
 「・・・・・・・・・」
 生駒莉那はぶるぶる震えた。
 「良いか。意識を確り持って堪えろ。終わったらどっかに開放してやる。気が狂ったら何も言えないぞ」
 「開放。ほんと」
 生駒莉那は一瞬喜びの表情になる。
 「そうだ。これまでの事。店内での経過。総て話すが良い。それとな無罪に成って控訴された六人だが我々の身代わり冤罪だ」
 身代わり冤罪は全部嘘である。更に社会を混乱させる目的で態と言っていた。
 二人の男がスネークフックで蛇を掴む。
 一人目がアナルに入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が膣に入れる。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 生駒莉那は大口を開けて叫ぶが声は出ない。
 容赦なくクスコの中で蛇をピストンする。蛇の頭は子宮口に当っていた。
 生駒莉那は口から泡を噴く。
 さらにだらしなく白目を剥いてしまう。膣のクスコとアナルの開口器を抜く。
 乳首のクリップは鋏んだままである。
 クリップを鋏んでから二時間を計った。
 酒を飲みながら待つ。さすがにニュースは放映されて無い。
 男二人が連れ立って鉄格子を見回る。女子行員らは二名とも死んだように眠っていた。
 鉄格子は二つしかない。三人比べて一番落ちるのが生駒莉那であった。生駒莉那はあす河川敷に放置して開放する。
 世間を騒がせる第二段である。
 二時間が経過したので生駒莉那を鞭で叩き起こす。
 乳房をクリップで鋏んだ部分をややずらして叩く。
 「う」
 次は内腿を叩く。
 「うぐ」
 続いて顔を叩く。
 「うおーーーーーーーーーー。やめろーーーーーー」
 生駒莉那はようやく意識を回復した。
 既に戒めは開放してある。
 「乳首のクリップを取れ」
 生駒莉那はその痛みに直ぐ目が行く。そして手が開放されていることに気付いた。
 左の乳首のクリップを掴む。
 「あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 生駒莉那は乳房を押さえて床を転げる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 床を叩き太股の肉を掴み痛みに堪えられず藻掻き続ける。
 右側のクリップも掴む。手はぶるぶる震えていた。それを両手で掴んで投げ捨てる。
 「ううぐううーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーー」
 痛みに床を叩きさらに暴れる。右に左に躰を躱し堪えられない痛みに藻掻き続けた。
 四人がかりで押さえて麻酔を嗅がす。
 直ぐに静かに躰が沈む。
 手術台に運ぶ。そこでさらに麻酔を掛ける。
 そのまま子宮摘出手術を行なった。
 
 深夜のうちに荒川の人気の無い上流から生駒莉那を眠らせたままゴムボートで流す。
 「このボート足が付かないか」
 「これは海岸に漂着していた。そこで空気を抜いてたたんで回収したものだ」
 「成程」
 念の為車のナンバーは偽装している。
 
 翌朝。如月鬼堂は十時少し前に起きて自分の食事を作る。珠洲と瀬里菜は朝食を食べない。
 如月鬼堂はテレビのワイドショーを観ながら原稿をチェックしていた。
 珠洲と瀬里菜は支度をする。越後湯沢の駅まで六人の女性と樽常マネージャーを迎えに行く。
 銀行の火災倒壊現場で遺体の回収が難航していると報じられていた。
 行方不明の派遣会社アンビション社員で現場SVの大田正勝が主犯では無いかと見られている。
 アンビションがアサインした十九名を全部帰している。別の十九名を用意して入場した。この点からほぼ間違いないとの見解である。
 一時間と少しで総ての犯行が行われた。銀行店舗内の行員は全員犠牲になった可能性が高いと見られている。
 如月鬼堂は原稿をチェックし終わってメールで送信した。冷やしうどんに温泉卵乗せの朝食を摂る。
 内湯でシャワーを使って身支度を整えた。
 ドリップで客に出すアイスコーヒーを纏めて落とす。
 全裸美人コンテスト出演者のノミネートは来島結奈、芳原亜美、椋木美弥、飯豊真里菜、牧野茉莉亜、本多椿である。
 福富麻次郎が先にタクシーで着いた。越後湯沢まで東京から車ではやや辛い。それに駐車場が無い。
 六人と樽常マネージャーが着いて福富麻次郎が説明する。
 囲炉裏端が満席なので如月鬼堂はカウンターに引く。珠洲と瀬里菜はカウンターの内側に入った。
 既に瀬里菜が会員から内諾を取っている。殆んど全員が提案通り承諾した。
 会費一人五万円。
 熱海、生駒、長野の三箇所に分散。
 各会場百五十名まで。
 出演料一人二百万。
 録画は全員に配給。会員のみで複写できない設定。
 優勝者は賞金五百万。
 敢闘賞は賞金三百万。
 各会場二名ずつ。残りはバーチャル映像とした。
 納得するか否かは録画を配給するところである。
 芳原亜美、椋木美弥、飯豊真里菜、牧野茉莉亜、本多椿はほぼ問題無しであった。
 「私は稼がなければ成らないよ。財務省の官僚が持っていて問題ないなら良いです」
 来島結奈は納得せざるを得ない。
 椋木美弥は若干ギャラが不満だが納得する。
 瀬里菜が一回のアンケートで会員の動向を概ね定めた。
 その結果参加申し込みは順調である。会員も出演者も殆んど反対や不参加はなく如月鬼堂の筋書き通りに進んだ。
 出演場所の抽選となった。
 椋木美弥だけは長野と限定した。他に長野の希望者は居ないので五人で抽選となった。
 結果は長野が椋木美弥と来島結奈。生駒が牧野茉莉亜と本多椿。熱海が芳原亜美と飯豊真里菜と決まる。
 四連休は参加できない会員もやや居るのでお盆前の八月頭と決められた。
 
 荒川に流されたゴムボートが回収される。
 全裸の女性が流れて来た。
 発見されたのは河川敷に飛行場のあるホンダエアポートの上空からである。
 通報で警察ヘリが出動する。
 埼玉県警の手で回収された。回収は入間川と合流してやや下流さいたま市に入った辺りである。
 女性は麻酔で眠らされていた。命に別状は無い。
 意識を回復して恐るべき事が語られる。
 子宮が摘出されていると聞いて泣き続けた。
 警察が来て病院で事情聴取になる。
 関東帝国銀行さいたま支店三時閉店後に生駒莉那が見た事。受けた事。総てが語られた。
 
 大相撲の始まる三時過ぎ。民放では番組内容変更。関東帝国銀行事件の特別報道番組と成った。
 来客の帰った如月鬼堂の越後湯沢のマンション。
 福富麻次郎だけ残っていた。
 四人とミニチュアダックスのペーだけである。
 囲炉裏端で大型スクリーンを見ながら報道番組に注目していた。
 生駒莉那以外に三名の行員がまだ拘束されていることが判明したと報道される。田村摩子、真野枝里、加東彩子の三名で窓口のテラーと報じられた。
 そのうち田村摩子は別の場所に連れて行かれたもよう。行方不明の派遣会社アンビション社員で現場SVの大田正勝が連れて行ったものと推測される。
 生駒莉那の証言から無罪再拘留の六名の話になった。
 一審無罪で再拘留を非難するコメンテーター意見も出される。
 生駒莉那から六人の防護服のアジトに関する手がかりはまったく得られなかった。
 別のモニターが館山弁護士と繋がる。
 土曜日のインターネットアダルト放送の注意とサポートであった。
 「野崎先生が出方を変えた。六人の保釈請求はしないと仰っています」
 「どういうことでしょう」
 「世論の成り行きに任せようと言うことです。さらに二審が無罪に成るか。連続拉致強姦傷害事件の六人が捕まるのを待つ方針です」
 「野崎先生も釈放が危険と考えたのでしょうか」
 「恐らく。今週はこの件のコメントは出来るだけ避けて下さい」
 「そうしましょう」
 如月鬼堂も複雑かつ面倒な事態を理解して納得する。
 館山弁護士はそこでテレビ電話を終了した。
 珠洲と瀬里菜は残った福富麻次郎に酒を勧める。膝上二十三センチのミニスカートである。
 此処の囲炉裏端はリビングの中央部が床から七十センチ嵩上げされていた。
 囲炉裏は中央に掘られ淵のカウンター部分は更に二十センチ高くなる。その周りに溝が掘られ足を入れられた。
 その部分は足湯にもできる。カウンターキッチンも併設されその手前も掘られていた。カウンターの内側は床の高さである。
 珠洲と瀬里菜は嵩上げした囲炉裏端の上で後ろから膝を着く。下着は見えないが剥き出しの太股が直ぐ横に来る。
 風俗嬢の全裸をたくさん見ている福富麻次郎。それでも珠洲と瀬里菜にはさおに圧力が掛かる。
 「ねえ。そんなに男を悩殺して危険じゃないか」
 「大丈夫。みんなパパを裏切らないから」
 「外では」
 「外で店とか入るときはパパの云い付けを守って体型の分からないのを着て行きます」
 「そうか。それが良い」
 「どんどん飲んで下さい。駅までお送りしますから」
 瀬里菜は明るく笑って福富麻次郎の股間を観察する。
 「ところで先生。敢闘賞は何を基準にしますか」
 「どうしましょう。何かアイデアは御座いますか」
 「それじゃ何も」
 「ええ。皆さんのご意見を伺おうと思います」
 「ううーん」
 福富麻次郎はやや考え込む。そして深酒にならないうちに辞する。瀬里菜に送ってもらった。
 
 大田正勝は三時を回って目を覚ます。
 関東帝国銀行さいたま支店テラー田村摩子は麻酔が覚めて意識を回復していた。縛られたまま尿意に苛まれている。
 大田正勝は田村摩子の状況を確認した。
 「トイレ行かせて下さい」
 田村摩子は横倒しにされたまま人の動きを悟って要求する。
 「そこでしろ。どうせ真っ裸だ」
 「・・・・・・」
 田村摩子は怒り沸騰してもどうにも出来ない。
 大田正勝は田村摩子を壁まで引き摺って行く。縄を掴み上げて半身を起こして壁に凭れさせる。
 テレビのスイッチを入れる。
 開放された生駒莉那の供述内容が語られていた。右上のコメントだけで生駒莉那が解放されたことが判る。
 田村摩子はもう尿意が堪えられない。そして喉は渇きが襲っていた。
 大田正勝は簡易便器を持って来る。
 高手小手の縄を掴んで尻の下に入れた。
 尿が簡易便器に威勢よく当る音。そしてアンモニア臭が漂う。
 「お前の同僚が一人解放されたな」
 「あとの二人は」
 「俺も知らない。今回の依頼主が持って行った」
 「私だけ此処にいるの」
 田村摩子は一人此処に連れて来られたのが限りなく恐怖である。
 「そうだ」
 「私をどうするの」
 「さあ。どうするかな。俺の分け前は二億とお前だ。その内九千五百万は集めた十九人に払った」
 「残りの紙幣と真野と加東は依頼主が連れて行ったの」
 「そうだ。名前も何処に居るかも判らない」
 「連続拉致強姦傷害事件の犯人グループなのね」
 「俺も今に成って判った」
 「貴方も危険でしょう」
 「いいや。俺の危険は無い。逮捕されることも無い」
 「貴方何度も店に来ていたでしょう。顔割れているよ」
 警察が大田正勝を逮捕して自分が救出されるかもしれない。可能性を抱いてつい言ってしまった。
 「それでも問題は無い。捕まることは無い。やつらが来る事もない」
 「私をどうするの」
 「乗って来たキャンピングカーに監禁する。そして玩具だ。その後はお前次第で考える」
 強姦は免れない。それでも生きて帰りたい。刺激してはいけない。田村摩子は怯えながら生駒莉那が解放されたことに一縷の望みを抱いた。
 
 依頼者そして連続拉致強姦傷害事件の犯人グループの隠れる山荘。
 今夜は関東帝国銀行テラー加東彩子が生贄にされている。
 加東彩子は六人に輪姦されて泣き喚いた。いまは泣き崩れて床に突っ伏している。輪姦す前に剃毛が行なわれた。
 躰の隅々まで撮影され輪姦されたところ以外動画も撮られている。
 男らは浣腸の準備をしていた。
 地下室だが暑くならない様に強い冷房を掛けている。
 全裸にされた加東彩子は寒くて鳥肌が立っていた。
 四人で持ち上げて拷問椅子に乗せる。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 膝から下を三箇所キッチリ固定した。手首を拷問椅子の後ろに廻す。手首を互い違いに縛る。その縄を拷問椅子の下のアームに縛って固定した。
 腰に縄を廻して椅子の背と台座の間のアームに縛り付ける。
 加東彩子の細くしなやかな躰も僅かにしか動かない。
 「なにするのよおー」
 四人がかりで手脚を四方から押さえられて交代で強姦された。生中出しで一人ずつ洗って輪姦されたのである。
 今度は縛ってどうしようと言うのか。喚かずには居られない。
 氷水に溶いた石鹸水を太い浣腸器のシリンダーに注入する。ガラスの表面は白く濁って冷たさを感じさせていた。
 「ああーー」
 加東彩子は冷やされた浣腸液に慄く。
 一人が拷問椅子の正面に膝を着いてアナルに浣腸器を差し込む。
 「う」
 シリンダーを一気に押し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーー」
 冷たい浣腸液が進入して痛みが襲う。
 二人が左右から太腿を掴んで押さえた。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 一人がボウルを持って待機している。
 後ろで二人が蝋燭を立てて点火した。
 浣腸器を抜くと横から別の男がアナル栓を差し込む。
 「ああーーううーーーーーー」
 加東彩子は痛みに藻掻き苦しんでいる。
 ボウルは拷問椅子の正面で股間の真下に設置された。
 二人が火の点いた蝋燭を持って近付く。芯の周りには透明に溶けた蝋涙が溜まっている。
 「あーーーーーーーーー。だめえーーーーーーーーーー」
 加東彩子は恐怖に叫ぶ。
 縄の掛かってない膝上から腰に向けて太股に流す。二人で左右同時である。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 縛られた躰を動く限り暴れさせ大口の悲鳴を上げた。
 剃毛したドテに掛ける。
 「あーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 乳房にも掛けた。
 「あーーーーーーはあーーーーーーーはあーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーん」
 加東彩子は首を捩り藻掻く。顔を引き攣らせて泣き悲鳴を奏でる。
 躰のフロント面が白い蝋涙に包まれるまで続けられた。
 加東彩子の躰は蝋燭の白い塊が幕を張りそれが部分的に粉々に割れている。
 「そろそろ抜くか」
 「固まりで出た方が恥ずかしいからな」
 「やめてーーーーーーーー」
 加東彩子は考えられない羞恥に叫ぶ。
 既にボウルは下にセットされている。直ぐにアナル栓を抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 ずずーーーーーーーーーーーーーー。
 加東彩子の断末魔の悲鳴と共に茶色い水が流れ出た。続いて太い便が繋がって落ちる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。いやはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 ウオシュレットの代わりにポットの水でアナルを洗う。
 「こんなことしてどうするのよーーーーーーーーーー」
 加東彩子はヒステリックに叫ぶ。
 「これからお前の膣とアナルで遊ぶのだ」
 「・・・・・・・」
 加東彩子は堪えられない表情を崩す。言葉は無い。
 水の無い水槽に入れてカメレオンが二匹運び込まれた。
 「あ、あーーーーーーーー」
 加東彩子は恐怖の悲鳴で表情を引き攣らせる。
 「解放した女には蛇を入れたよ」
 男は淡々と言う。
 「えーーーーーーー」
 加東彩子は更に表情を引き攣らせた。加東彩子の柔らかい美形の表情が歪む。その恐怖に怯え崩れる表情が男らを堪能させる。
 その時警報が鳴った。一人の男のスマホがバイブレーター運動する。
 「何か近付いている」
 声なく全員に合図する。
 麓に潜入者を検地するセンサーが設置されていた。
 スマホの鳴った一人だけエレベーターの手前で防護服を脱いで上の階に戻る。
 そのままエレベーターを下に戻す。エレベーターの軌道に水を注入する。
 そこは上半分が井戸になる仕組みであった。
 男は防護服を脱ぐと頭は白髪である。マスクを取って新しいマスクに替えた。
 サングラスは度の強い老眼鏡に代える。
 七十を過ぎた老人に見える。死んだホームレスの戸籍でこの山荘を持っていた。マイナンバーカードもある。
 三百ヶ月に達しない年金も受給していた。
 刑事が二人訪問する。
 これで三度目である。
 「またですか」
 「申し訳ありません。ご協力を」
 「どうぞお好きなように調べて下さい」
 刑事は二人である。赤外線感知器を持っていた。
 「この下は岩盤ですね」
 赤外線センサーでも地下室は確認できない。
 「そうです。前に来られた方もそう確認されました。入って来る道からも分かりますよ」
 「そうですね。お車も確認させていただいて宜しいですか」
 男はキーを持って立つ。
 大広間テントの中にキャンピングカーとワンボックスカーが一台ずつ止まっている。
 二台とも鍵を開けて開放する。
 「泊まる設備とか。充実していますね」
 「コロナがなければそれなりに来客が。バーベキューもできます。花火も時々」
 「そうですか。また他の者がお尋ねするかもしれません。ご協力をお願いいたします」
 「ええ。ええ。どうぞ」
 刑事はそのまま帰って行った。
 麓のセンサーを通過するまで確認する。
 加東彩子に警報が鳴った事は分からない。五人で拷問を続けたが何も気付かない。
 「さあこれからお前の膣と直腸でカメレオンの餌付けだ」
 男はさらりと言う。
 「えーーーーーーーー」
 加東彩子は恐怖の表情を破裂させた。到底堪えられると思えない。恐ろしい話である。
 男がクスコを挿入した。
 「ああーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 女の部分を丸出しにされ見せ物にされている。更にその中まで抉じ開けられた。堪らないこれまでの常識にありえない悲鳴である。
 それでも続いてアナル開口器が挿入された。
 男が加東彩子に鏡でその部分を見せる。容赦なく録画は撮影を続けていた。
 「いやあーーーーーー。どうしてーーーーーー」
 加東彩子は目を瞑って顔を逸らす。
 「穴の奥までくっきり見えるぞ」
 拷問椅子の正面にテーブルが置かれた。
 男二人がカメレオンを掴んで台の上で構えさせる。
 「いやあーー。いやあ。いや。いや」
 加東彩子は泣きべそ顔で首を振って拒絶する。
 男はアナルに赤虫をロングスプーンで落とす。
 「ああ、あーーーーーーーーーーーん」
 泣き悲鳴になる。
 膣に挿入したクスコにコオロギを投げ込む。
 「あーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー。あーーーーーあーーーあーーーーあーーーーあーーーーあーーーー」
 コオロギは膣の中を暴れまわった。
 加東彩子は躰を揺すって緊急サイレンの如く悲鳴を上げ続ける。
 二匹のカメレオンが一斉に舌を伸ばす。
 「ううおーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 一瞬でコオロギはカメレオンの舌に巻き取られた。
 「ああーーーーー。あはん。あはん。あはん。あはん」
 続いてアナルの赤虫にも嗾ける。
 一気に舌は伸びた。
 「うおおーーーーーーーーーー。おおーーー。あはん。ああーー。あはん。あはん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 カメレオンの舌は何度も侵入する。
 「ああーーん。ああーーん。ああーーああーーああーーああーー」
 加東彩子は泣き喚き背中は汗が拷問椅子を塗らしていた。
 男はハンドルを廻して拷問椅子の背を立てる。
 涙を流している加東彩子の顔をビンタした。
 「うおーーーーーーーーー」
 「この女叩くの気持ちいいぞ」
 叩き続ける。
 「ううーー。うおーーー。うおーー。おーーー。おおーー」
 加東彩子は顔を叛けて更に涙を流す。
 交代で更に叩き続けた。
 躰に掛けられた蝋涙は既に粉々に割れて部分的に落ちている。それでも残った蝋涙の膜を鞭で叩く。
 蝿叩きを革にした様な鞭である。
 乳房の蝋涙を上から被せるように叩く。
 「うぐううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 加東彩子の表情は微妙に軋む。顰める表情がまたそそらせる。
 ドテの蝋涙を叩く。
 「ううーー。ううーー」
 加東彩子は微妙な痛みに歪み悶える表情から悲鳴を絞りだす。全身が堪えられず縄を押して暴れる。
 これを愉しみながら蝋涙を概ね叩き落した。
 残りは肌の感触を愉しみながら手で払い取る。
 「次は苦しみに藻掻いて貰おう」
 男はレモンを絞る。それを掌に掛けて太股の鞭の蚯蚓腫れに塗りつけた。
 もう片方も塗る。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーがあーーーーーーーーぐがあーーーーーーーー」
 数秒後に強烈に染みてくる。
 「ぐうううーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーー」
 躰を藻掻き突っ張り暴れさせ悲鳴を絞り出す。
 「あーーーーーーーー。だめーーーーーー。たすけてーーーーーーーー」
 堪えられない。目を剥き表情は破裂していた。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーー。あーーーーーー」
 やがて痛みは引いてくる。
 「さあ。最後の取引だ」
 「なによーーーーー。もうやめてーーーーーーーー」
 加東彩子は半狂乱である。
 「いいか良く聞け。明日の早朝にお前を解放したい。それには条件がある」
 「なによ」
 加東彩子は怯えきった表情で聞き返す。
 「要求は二つだ」
 「ええ」
 加東彩子は生きて帰れる望みが出て来た。
 「一つはお前の手で女を広げたシーンを録画に撮らせろ」
 「ああ」
 加東彩子は絶望的な思惑を理解する。
 「昨日開放した女の動画は誰でもアップロードできるサイトに流した。もちろんアップロード元は解明できない」
 マネーロンダリングと同じようにデータを幾つものサーバーに介在させる。
 加東彩子はそれでも生きて帰るしかない。
 「次だ。お前の躰の一部を斬らせろ。乳首、クリトリス、子宮の何れかだ。前の女は子宮を撤去した」
 「ひーいーどい。なんでそこまでーー」
 「お前の同僚はみんな死んだぞ」
 「うおーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーーん」
 加東彩子は号泣する。
 それでも自ら女の部分を開いて撮影させた。
 「三つのどれにする」
 「そんな。赦してよ」
 「子宮なくなってもセックスはできるぞ」
 「そんな子供生めないよ」
 「生めなくていいじゃないか。その美しさが長持ちするぞ」
 「ひどいよーーーーーーーーーーー。ああはん。あはん。あはん」
 また泣きじゃくる。
 「クリがなくなったら一番感じるところが無い」
 「いやだあーーーーーー」
 「乳首なら整形できる。母乳は出ないが」
 「整形で乳腺も繋げる。乳房の高さが変わるだけだ」
 別の男が否定する。
 「じゃあ。それにするか」
 「やめてーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー。私のこと輪姦したじゃない。ゆるしてよーーーーーーーーーーー」
 どんなに加東彩子が頼んでも聞き入れられない。
 もう一度乳房を突き出すように縛り上げる。
 四人で躰を押さえた。
 高枝斬りバサミで乳首を掴む。一気に鋏んで斬り堕とす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が吹き飛ぶ。
 そのまま麻酔を掛けた。動画はここで終了している。
 
 加東彩子は全裸でゴムボートに乗せられて入間川を流れた。武州線のガード下に引っ掛かっているところを発見される。
 片方の乳房が縫い合わされて糸が剥き出しであった。
 病院で手当を受けて警察の事情聴取になる。これまで通り何も犯人に行き当たる情報はなかった。
 ただ加東彩子の悲惨な仕打ちがワイドショーのネタに長時間何度も各局で放送された。もちろん具体的な拷問、躰の被害などは紹介されない。
 そして流された生駒莉那と加東彩子の動画も静かに浸透して多くの人を満足させた。口では綺麗事を言っても密かに隅々まで見てしまう。
 如月鬼堂のマンションでも検証目的で会議の席で閲覧した。
 翌日は土曜日である。
 如月鬼堂のコメンテーター出演の打ち合わせに館山弁護士とテレビ会議で繋がっている。
 そして全裸美人コンテストの三会場開催の打ち合わせに主なメンバーが囲炉裏端を埋めていた。
 如月鬼堂と珠洲、瀬里菜はまたカウンターに逃れている。
 ニュースは銀行爆破関連とコロナの東京、大阪の感染者拡大の放送ばかりである。
 如月鬼堂の予想を反して観光地のGoTo効果は甚大であった。業者も代理店も滞っていた売上確保に慢心している。当然の事である。
 コロナの外出自粛など一部の年配者以外は我感ぜず。観光地は人が集って一部密集さえしている。
 デリバリの寿司がカウンターに並べられバイキング式に振舞われていた。酒、ビールも冷蔵庫からセルフである。
 「しかしこの犯人は巧妙ですな」
 大河内税理士は一升瓶を抱いている。冷やでコップ酒スタイルである。
 瀬里菜の説明と八月一日の役割分担が決まって話題はさいたま銀行爆破強奪事件と連続拉致強姦傷害事件に移った。
 「館山先生。どうしたら犯人は捕まるのでしょう」
 館山弁護士も答えようが無い。
 杉下一行も面白半分である。
 「二つのグループが関与して入るのですな。そのうちアンビション社員の大田正勝は所在が分かっていますからその辺りから一気に解決しそうですが」
 「いや。太田正勝は捕まっても六人の防護服はむずかしいのでは」
 「太田正勝すら行方不明だ」
 誰も興味本位の他人事である。
 「しかしこんなSM動画を公開しても動画から何も掴めないようですな」
 「まったく用心深いですな」
 福富麻次郎も感心しているのみである。
 明日どうしゃべるか如月鬼堂は悩ましい。
 「ところで拉致されて開放された二人。銀行から補償はどうなるのでしょうね」
 「亡くなった方達は当然殉職でしょうが。こっちの補償は何ともむずかしいですな」
 樽常マネージャーも呑気なものである。
 館山弁護士は如月鬼堂に今回は犯人非難に徹するように指導した。
 如月鬼堂には週刊誌の吊り広告のSMバイオレンスの一言が気に成る。SMと暴力、猟奇をくっ付けてほしくない。
 「コロナ対策はなし崩し。僅かにピンポイントに休業要請が出て雀の涙の補償が形だけ支払われる。経済もやんわり回復だろう」
 如月鬼堂は諦め口調に気だるそうに淡々と述べる。どうして国は紙幣を増刷して経済を救わないか。不満は沸騰し掛けているが沈めた。
 
 天川村山奥の一軒家である。
 太田正勝はキャンピングカーで戻って来た。麓の家の宅配ボックスに届いた荷物を持ってきたのである。
 変装も何もしていない。
 麓の家も山の中の家も死んだホームレスの名義と戸籍で取得している。村役場でマイナンバーカードは作成した。
 その後ホームレスの名義で運転免許証を太田正勝と別にもう一度取得している。
 太田正勝が太田正勝に似ていることは役所も認識している。別人であることもシステム上は確認されていた。
 太田正勝がアンビションに就職する時マイナンバーカードを提示して本人確認を行なっている。
 マイナンバーカードは太田正勝の戸籍と一致していた。
 その前の職場では運転免許証と確認していた。
 天川村に住む住人が太田正勝でないことは証明されていることになる。
 それでも警察は天川村に住む住人のキャンピングカーをNシステムで追う。関東圏に入った形跡はなかった。
 そして太田正勝と関東帝国銀行さいたま支店に入った十九人の手掛かりもまったく無い。
 太田正勝は中津川林道のキャンプ場から走ってきたキャンピングカーを山の中に隠した。
 僅かな畑とビニールハウスがある。その奥に通常では車は入って来ない。田村摩子はそのキャンピングカーに移した。
 テレビのニュースから警察の捜査を聞いて山の中の一軒家も危険と考えたからである。
 キャンピングカーの中に拷問設備を作った。
 食事を与える。飲み物とパン、おにぎりの類である。食べようと食べまいと構わない。
 金もこっちのキャンピングカーに隠した。
 車の中を仕切ってある。運転席には入れない。横の扉は開かないようにした。全裸のまま監禁である。
 麓の家の方から侵入者があれば直ぐに警報がスマホに届く。
 天井のフックに片手ずつ幅を取って手首の縄で吊るす。
 あっちの六人とは違う。犯すのと鞭で叩くだけである。
 鞭とスパンキングが一本ずつあるだけであとは縄が数本。まだ道具も買い揃えてない。
 田村摩子は立ったままキャンピングカーの天井から手を上に広げて吊るされている。脚は拘束されてない。
 一本鞭で乳房を叩く。
 大きな乳房ではない。掌に少し余る程度の大きさである。その膨らみを強く薙ぐ。
 「ぐおおーーーーーーーーーーー」
 左脚が跳ねて膝が腹に付く寸前まで跳ね上がる。
 「い、い、いーたあーーーーーーーーーーーい」
 田村摩子は背を後ろにやや丸めて躰を振った。硬い皮の一本鞭である。
 次は太腿を股間の直ぐ下辺りを横に薙ぐ。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子の躰は後ろに逃げる。
 動きが落ち着くのを待って股間に当てた。
 「ぐうおーーーーーーーーーーー」
 躰を振って痛みに藻掻く。
 やはり乳房を何回も叩く。田村摩子の胸と太股に何本も紅い筋が浮いていた。蚯蚓腫れも何箇所か確認できる。
 「い、い、たいよーーーーーーーーー」
 田村摩子は涙をポロポロ溢す。
 太田正勝の叩きたい願望が癒える頃には田村摩子の躰は鞭の紅い筋と痣だらけである。
 
 如月鬼堂のインターネットアダルト放送コメンテーター出演日が来た。
 土曜十時のスタジオである。
 「さいたま銀行爆破強奪事件は二人の女性行員が大きな障害を負って解放されました。その供述から犯人の手がかりはまったく掴めません」
 毎週恒例で岡田有美がトップレスでニュースを読む。視聴率は徐々にではあるが確実に上昇している。
 月千円と安くブラウザで視聴できる。民放と視点が違うのでこの時間は人気度が高い。
 「開放されたテラーの供述から連続拉致強姦傷害事件の犯人がさいたま銀行爆破強奪事件にも加担しているとの疑いが出ています」
 同じくトップレスの本多椿が読む。
 「太田正勝を容疑者として手配していますが行方は判っていません。また派遣会社アンビションの派遣社員と代わって店内に入った十九人の手掛かりも無い状況です」
 カメラはニュースを読む岡田有美の足許から胸さらに上半身のアップに移動してゆく。
 「開放されたテラー二人の供述から二人は連続拉致強姦傷害事件の犯人に連れて行かれた模様です。こっちに現金ケース三個が確認されています」
 カメラは本多椿の乳房をアップにして徐々に全身に広がる。その後上半身のアップに切り替わった。
 「鬼堂先生。これは連続拉致強姦傷害事件の犯人が太田正勝を使って銀行爆破強奪事件を起こしたのでしょうか」
 「そうでしょう。太田正勝が主犯なら自分の姿を現したりしないでしょう」
 「太田正勝は捕まりますか」
 「捕まりそうで難しいでしょう。連続拉致強姦傷害事件の犯人が依頼側なら太田正勝が捕まる危険は回避するでしょう」
 「それでは連続拉致強姦傷害事件の犯人を捕まえるのはもっと難しいでしょうか」
 「難しい以上でしょう。普通の犯人ならとっくに逮捕されています」
 「そうですね。警察は関東一帯検問を掛けています。行動範囲から関東県内と見て良いでしょうか」
 「警察は関東圏と見ているのではなく。犯罪に関連して関東に入ってきますからそれを検問しているのでしょう」
 メインキャスターは如月鬼堂の過激な意見と特異な見解を引き出そうと質問の角度を様々にする。
 「犯人の目的は拉致強姦から現金強奪に変わりました。この辺は如何でしょう」
 「どっちも支線ではないですか。目的は社会混乱だと思います」
 「これはテロですか」
 「日本社会への不満から起こす特異なテロです」
 「どういうところに原因があるのでしょう」
 「マスコミ主導でリベラル一辺倒な社会です。アメリカでトランプ大統領の支持が四割近くある現状です。様々な不満のごく一部パターンと思われます」
 「では現金強奪はどのような不満でしょう」
 「アングラマネーが減っているからではないでしょうか。あぶく銭が大量に無いと遊びに使う資金が激減します」
 「拉致強姦はどうでしょう」
 「やることが徹底的に残虐です。生かして帰すところがその奥深い残虐性を感じさせます。やはり現代の女性の考え方と女性優遇社会への不満です」
 「この先はどう出ますか」
 「何とも言えませんが大きな衝撃を社会に撒き散らす方向と思われます」
 「この六人はどういった人種なのでしょう」
 「そんなに若い人ではないと思います。かなりの経済力と資産を保有しています。拠点は一つではないかも知れません」
 「この六人は捕まりますか。以前先生は警察が入念に捜査してゆけば何れは捕まるとの見解でした」
 「この犯人はあの時の判断以上ですね。追い詰められ始めたら自決をすると思います。それに自決にも大きな被害を伴う恐れがあります」
 「コロナ感染が再び緊急事態宣言解除以前より拡大しています。GoTo推進の国と感染対策優先の自治体と方針が割れています」
 岡田有美が局部に手を当ててゆっくりショーツを脱ぎながら読む。
 「マスコミはこぞって自粛を唱えます。経営が破綻すると悲鳴を上げる業者が大多数です。そんな中で国は直ちに緊急事態宣言には至らないとの見解です」
 本多椿も股間を押さえてショーツを脱ぐ。
 アシスタントが小さな前布を渡す。腰に紐を廻して縛る。前布は僅か幅十センチ長さ十五センチくらいである。
 辛うじて股間をぎりぎり隠していた。視聴者は画面に釘付けにならざるを得ない。
 本多椿を何回も指名してプレイで総て見ている会員でもそこに目が集中する。
 「鬼堂先生。こっちに対する先生のご見解は」
 「これで補償なき営業自粛を呼びかければ倒産してくれと言うようなものです。自治体はそっちの点で無責任です」
 「では先生は感染拡大しても自粛には反対ですか」
 如月鬼堂はもう感染拡大は防げないと強く主張する。そして以下の様に締めくくった。
 これ以上部分的でも営業自粛を要請すれば経済の疲弊と連鎖倒産は防げない。
 新規無制限な増紙幣を行なって完全な売上ベースの補償を収益の落ち込んだ全業者、企業に行なえば経済は守れる。
 そこまでやっても感染は一時的に治まっても自粛要請を解除すれば再度感染は拡大する。
 政府のように中途半端なキャンペーンや経済対策では蛇の生殺しである。
 中途半端に感染対策を行なえば収益が激減したまま営業していても倒産に向かって確実に堕ちてゆく。
 二月から遡って足りない売上の補填補償は必要。
 感染は拡大しているが通常のインフルエンザの死者とそんなに変わらない。これまでもインフルエンザで死者はたくさん出ている。
 感染問題を煽れば何処までも経済は疲弊する。これは集団ヒステリーと風評被害に近い。
 このままのろのろと完璧な治療薬ができるまで蛇の生殺し状態が続いて自殺者の山を築く。
 対策の無いままリーマンショクの後のように何年もだらだらと自然回復に委ねられると思う。
 微数野党はせめて足を引っ張って経済を疲弊させることは止めて貰いたい。
 「鬼堂先生。裏の全裸美人コンテストの話がどうなっているか質問が来ています」
 「今それどころではありません。それに裏の全裸美人コンテストは会員内部にしか公開しません」
 かなりの爆弾発言を連発して如月鬼堂は番組出演を終えた。
 
 翌朝日曜日。越後湯沢の駅に珠洲が迎えに来た。
 如月鬼堂は叱られる事は覚悟している。
 「大河内先生達が先に見えています」
 「アポなしか」
 「とにかく待たせて貰いたいと仰って」
 如月鬼堂が越後湯沢のマンションに戻ると大河内税理士、館山弁護士、福富麻次郎、杉下一行、樽常マネージャー、雨蔵四十朗編集長が待っていた。
 編集長は今回全裸美人コンテストを特集にするため協賛してきたからである。
 「先生。八月一日は予定通り行なえますか。一気に自粛傾向に傾いています」
 「まだ政府は何も言ってないでしょう。東京、名古屋、大阪だけでしょう」
 「先生。インターネット放送のあの発言は」
 「愛好会内部の問題で公開はしていないと説明しただけです。会員の方々に情報漏えいしないよう暗にお願いしました」
 「予定通り行ないますね」
 「当然です。出演者はギャラを充てにしています」
 「良かった」
 「周知メールを全員に送信しましょう」
 一同は安心して飲み会となった。

 最期のSM小説家 第十一幕 銀行襲撃SMバイオレンス 完



 最期のSM小説家 第十一幕 銀行襲撃SMバイオレンス 完





 最期のSM小説家 第十二幕 続銀行襲撃SMバイオレンス

 二〇二十年小暑中元。太陰太陽暦六月七日。
 (この二十四節気は平気法太陰太陽暦によるものです)
 七月二十七日。新型コロナの感染者は東京だけで一日三百人を越えた。日本全国では千人の前後に迫った。
 感染ばかり騒ぐがいくら自粛を要請して小さな居酒屋、スナックを追い込んでも治まるものではない。
 雀の涙以下の補償しか提示しない。
 感染者数を騒ぐが重傷者は少ない。
 コロナで死者が出るのは自然の災害である。補償なき自粛要請で自殺者が出るのは完全な人災と言える。
 国は二月に遡って売上ベースの補償をするべきである。
 売上ベースの完全な保障をして営業を休止してもらってもコロナの完全収束はありえない。
 新規増紙幣で完全補償及び時限的ベーシックインカムは急務である。
 これに乗じて知事らは風俗業を根絶やしにしたいのか。休業要請、さらに自治体ごとの緊急事態宣言の雲行きでもある。
 与党幹部が慎重な姿勢なのがせめてもの救いと言える。
 如月鬼堂のマンションに集った面々はワイドショーの報道に怒りながら昼酒三昧である。
 樽常マネージャーと雨蔵編集長は飲まないで帰った。
 八月一日までこれ以上強引な自粛が強化されなければ。さらにGoToキャンペーン続行なら問題ない。
 全裸美人コンテストは予定通り三会場で行なう。
 会員には如月鬼堂からメールで緘口令が敷かれた。
 大河内税理士は怒りに日本酒の瓶を抱かかえている。小さな飲食店、居酒屋、スナックが潰れれば仕事が一気に減る。大幅収入源である。
 館山弁護士も浮かない表情に成っている。補償薄き自粛要請の集団訴訟に参加する企業、商店が意外と増えない。
 日本人は我慢強いのか従順なのか。リベラル系が自粛一本槍なので動けないのかもしれない。
 リベラルは決して多くは無い。リベラルばかりが強く発言してマスコミが後押しするからである。
 選挙は支持率が下がったと雖も今の与党が大方である。リベラルは微数野党状態と言える。
 デモを行なっても報道は華やかだが僅かな人数である。
 大昔。与党と野党が拮抗していたころ小選挙区比例代表制に反対するデモは十万人を超えた。今は二.三千しか居ない。
 館山弁護士は如月鬼堂らの要求に乗った。だが弁護団を組むにはいまいち振るわない。
 福富麻次郎は感染拡大放送が盛んに成るに連れて風評被害の影響大である。オンライン営業を併用しても収入減は著しい。
 集団訴訟の主力が風俗業ではイメージが上手くない。悲鳴を上げている商店に多く参加してもらいたい。
 「いくら自粛を要請したって感染は一時的に自粛中だけ減るだけだ。特効薬が出来るまで解決は無い」
 大河内税理士は不満をぶちまける。
 珠洲と瀬里菜は状況からカウンターの内側に退避している。如月鬼堂もカウンターに腰掛けての対応である。
 如月鬼堂は昨夜インターネットアダルト放送で言うだけ言った。本日は他のメンバーに勝手にしゃべらせている。
 瀬里菜は会員から戻ってくるメールのチェックに掛かりきりである。
 珠洲も酒はセルフにしてもらう。乾き物と冷凍食品のつまみだけ出す。
 
 大田正勝は田村摩子の躰を愉しみつつもそろそろその処分に困り始めていた。
 犯すのと甚振るだけ。そろそろ良い躰でも飽きてきている。
 殺して焼却もできる。それには不安があり過ぎる。毎日幽霊が出そうで怖いのである。
 同じ様に川に流したい。付近に流せば自分に疑いが濃くなる。関東まで輸送は今の段階では危険である。
 熱りが冷めるまで待つしかない。
 此処に置いて危険はないか。万一逃がしたら終わりである。
 そんな悩みの最中に依頼人から連絡が入った。
 「はい。酒井です」
 大田のホームレスから引き継いだ偽名である。
 「もう連絡はしない約束ですが。心配になりまして。持って行ったテラーの始末は大丈夫ですか」
 紛れも無く依頼人の声である。
 「実は。開放するに無理がありまして」
 「こっちで引き取りましょうか」
 「近いのですか」
 「いいえ。いくつか拠点があります。それごとに形を変えて移動します」
 天川村からは廃棄物収集運搬車で運び出す。
 大田正勝は田村摩子を最後に一回遊んで眠らせて待つ。
 カプセルに入れてパッカー車の奥に積み込む。
 山中に不法投棄された廃棄物をさらに上から積み込む。山の持ち主の依頼による不法投棄回収の名目である。
 許可区域外輸送だが検問でそっちの確認はしない。
 仲間の一人が経営する静岡の工場に運び込む。
 此処で病院出しの霊柩車に積み替える。既に棺は用意されている。死化粧をして死体と同じ様に棺に詰める。
 これまで検問で棺を開けたことは無い。
 一人が僧侶に変装している。運転手はスーツに喪章である。
 前路警戒にワンボックスカーが前を走る。それでも検問は避ける。
 廃棄物収集運搬車に積んだ不法投棄の産業廃棄物は別の工場に持って行く。マニュフェストも作成されている。
 山小屋に向かう近くに仲間の一人が経営する葬儀会社が在る。其処で山小屋のキャンピングカーに積み替える。
 この先は侵入者があれば検知される。
 棺ごと山小屋の地下に運び込む。
 真野枝里とは対面させない。早朝に到着して昼過ぎから拷問を開始する予定である。
 「大田正勝はこのまま生かしておいて大丈夫か」
 「大丈夫だ。もう一度表に止まっているキャンピングカーの捜査くらいは入るだろう」
 「大丈夫か」
 「あれでは何も出まい」
 「これまでの勤務先からDNAは採取されないのか」
 「されない。そこは厳重にヒヤリングした。健康診断はやってない。机や契約書からは無理だ」
 「まあ。奴に手が回っても我々に至る事は無いな」
 「中津川から運んだキャンピングカーは回収した。海の底だ」
 「唯一危険なのは派遣会社の契約書に付いた指紋だな」
 「大丈夫だ。どっちもWEBで処理している。登録はオンラインだ」
 「指紋は残らないか」
 「そうだ」
 産業廃棄物を処理に持って行った仲間が戻って来た。
 棺から出して床に磔る。両手首、両脚、腰にU字金具を充てて床にボルトで止める。
 目隠しを厳重にして六人で輪姦す。
 田村摩子は場所が代わったことだけが分かった。そして六人らしきに輪姦されたと思った。
 連続拉致強姦傷害事件の六人に引き渡されたのではないか。それならこれまでの例から開放してくれるかもしれない。
 此処が地下室らしきとなんとなく分かる。
 大田正勝は自分の安全を考えてこっちに引き渡したのだと思った。
 場所が近いのか遠いのか。生駒莉那は関東で解放された。運ばれた距離が判らない。完全に眠らされていた。
 でもその前にどんな躰にされるのか。まともには帰してもらえないと思う。
 防護服、マスク、サングラス、被り物、フェイスシールド。まったく顔は判らない。男らは田村摩子を床に磔た周りに柵を立てる。
 一人が網袋に入った蛇を持って来る。
 「ああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子はそれを目にして強烈な悲鳴を上げる。
 固定された躰は動く限り迫上がり強く震える。
 「いやあーー。いやあーー。だめ。だめ」
 田村摩子は恐怖にぶるぶる震える。
 男は網袋を開けて蛇を柵の中に放つ。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あ、ああ。ああ。ああ。ああ」
 田村摩子は狂った様に喚く。
 蛇は田村摩子の脚元から太股、股間に向かって進む。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 さらに悲鳴は狂ったサイレンの様に轟く。
 一人の男が田村摩子の股間に接近した蛇をボウガンで撃つ。
 蛇の頭のやや手前に突き刺さる。
 「あーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 蛇は暴れる。他の蛇が一匹田村摩子の内腿に噛み付く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子に表情は恐怖に破裂して半狂乱に喚き続ける。
 ボウガンを構えた男はもう一匹近付いた蛇を撃つ。
 「あーーーーーー。はーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子はぶるぶる躰を揺すって暴れる。
 「その蛇。毒は無いぞ」
 「いやーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーー」
 田村摩子はうわ言の様に叫ぶ。
 男らは蛇をスネークフックで掴んで水槽に投げ込む。
 蛇は赤楝蛇である。
 だがそれだけでは許さない。
 まず徹底的に逝き顔を晒させる。
 噛まれた内腿は軽く消毒する。
 ドリルバイブ二本が用意された。
 「浣腸が先では」
 「乳首とクリトリスを感じなくさせる。ボルチオの開発だけで良い。膣挿入の官能なしで生きられない淫乱女にする」
 「何言っているのーーーーーーーーー」
 田村摩子は恐怖に怯えながらそれでも抵抗すべく叫ぶ。
 男が四人掛かって片脚ずつ二人で縛り直す。脹脛と太股、脚首と太股の二箇所を縛り合わせる。その縄を床のフックに通してキッチリ縛り付ける。
 田村摩子の股間はほぼ百五十度前後に広がる。
 「ああーーーーーーーーー」
 膣にスポイトでローションを流し込む。暫らく指で責めて慣らす。
 ブルン。ブルン。
 他の男がドリルバイブを始動する。回転はしない。ピストンと振動のタイプである。
 「如月鬼堂とかいうSM作家がインターネットテレビでやっていた。あれで行こう」
 二人掛りで田村摩子の膣口を広げる。一人がドリルバイブを捻じ込む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子は顔を引き攣らせる。
 スイッチを入れる。ローでゆっくり振動とピストンをさせる。擬似男根はボルチオまで進入している。
 「ううーー。おおーーーーーーー。うおーーーーーーーー。ううーーーおおーーーーー」
 田村摩子の顔は一気に軋み後ろに反り返る。口を歪めて割って歯を剥きだす。
 「ううおおーーーーーーー。ううーーーーー。ううおおーーーーーー」
 股間は揺れ震撼する。
 田村摩子はこの責めにまったく抵抗できない。
 「うおおーーーーーーーーー。おーーーーーーーーー。うおーーーーー。おーーーーーーーーー」
 田村摩子は斜め後ろに反り返った顔を究極に軋ませる。大口を破裂させて責めに堪えられない声を絞り出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 登り詰めそうなところで一旦抜く。寸止めである。
 「おーーーーーーーーー。おーーーーーーー。おお。おお。おお」
 股間はがくがく震撼を続ける。顔を縦に振って声を噴出す。
 治まり始めたところでまた挿入する。
 「うおーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子は一気に震撼する。股間は上下に動く限りに揺れる。
 何度か寸止めを繰り返して何度も失禁した。最後に深い失神に堕とす。
 それを更に繰り返す。
 「やめてーーーーーーーー。もうじんじゃうーーーーーーーーー」
 田村摩子は泣き喚いて許しを請う。
 それでもあと一回失神させた。
 次に意識を回復したところで高枝斬りバサミで乳首を挟む。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その断末魔の悲鳴が轟く。その最中に乳首を斬り堕とす。
 血が飛び散る。直ぐに止血パットを充てる。
 「うああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう片方も斬り堕とす。
 麻酔が掛けられここで動画は終了していた。
 
 七月三十日越後湯沢の如月鬼堂のマンションである。
 二日後に迫った裏全裸美人コンテストの準備に忙しい。極めて怪しい雲行きながら規制や自粛要請は何とか回避している。
 ファッション喫茶三店舗は金曜日の二十二時で閉店して土曜日は休業する。
 今朝速報が入った。銀行爆破強奪事件で現金と一緒に拉致されたテラー四人の内三人目が解放された。
 越辺川と小畔川の合流する段差にボートは引っ掛かっていた。田村摩子も全裸で縛られて眠らされていた。
 凄惨な拷問の痕が有ると報道されたが内容は伏せられた。
 これまでの中でもっとも悲惨である。
 ゴムボートはかなり古く修理箇所だらけで周りに発泡スチロールの浮きが付けられていた。
 一番悲惨なのは両方の乳首が斬り落とされ乳房が縫い合わされていた。
 抜糸はしてない。縫った糸がそのままであった。
 入院したまま警察は事情聴取した。
 最初地下室の様な暗い部屋でテレビを見せられた。それ以後はキャンピングカーの中だった。外は見えなかった。ずっと大田以外居なかった。
 その後地下室に運ばれた。其処に大田は居なかった。
 其処で拷問された。
 どっちの場所も大田正勝に関してもこれまで以上の情報は得られなかった。
 医者と思しき手で子宮も摘出されていた。今回も病院でDNAは採取できなかった。
 如月鬼堂はニュースを聞き終えて明後日のコメントに困った。土曜日は裏全裸美人コンテストの終了後にスタジオに入る。
 土曜日は珠洲と瀬里菜を伴って長野の会場に行く。
 熱海は荒井枝里が司会をやる。生駒には杉下一行と福富麻次郎が行く。
 そんな夕方東京都知事が営業時間短縮を要請した。
 如月鬼堂の裏全裸美人コンテストの開催にもファッション喫茶の営業にも現時点では影響しない。
 
 八月一日。裏全裸美人コンテストは三会場に分散して十三時に開始となった。
 一番人気の無い長野を最後に順次配分してほぼ埋まっている。他の会場は感染防止対策で一升二名に制限しての満席である。
 ステージには六人が並ぶ。来島結奈、芳原亜美、椋木美弥、飯豊真里菜、牧野茉莉亜、本多椿の六人である。
 長野が椋木美弥と来島結奈。生駒が牧野茉莉亜と本多椿。熱海が芳原亜美と飯豊真里菜。
 審査は会員が一人一票。特別審査員は一人十票。如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、福富朝次郎、大河内税理士、AV監督稲垣七郎の六名である。
 審査員席もステージもその店舗に居ない場合はバーチャル映像でステージと席に表示される。精度はかなり良い。
 オンライン風俗を立ち上げた。マジックハンドを使ったサービスこれと連携して触る感触と映像の両方を提供する。
 終わりの見えないコロナ感染の中で何としても風俗業を生き残らせる手段である。
 既にソープランドのオンライン挿入まで可能にした。
 女の子には擬似男根が入る。客の動きのまま擬似男根が中で動く。男性には感度を伝えるコンドームの様なカバーを被せる。
 両方に感度が伝わる。その上にバーチャル画像を被せる。モニターより実感は近い。
 福富麻次郎は既に廃業を決めたソープランドを買い取ってこの方式で営業を行なっている。
 それを見習って一部その営業方式を取り入れているソープも出て来た。杉下一行の営業戦略も順調と成りつつある。
 本日の司会は荒井枝里が行なう。熱海の店長で前回優勝者である。
 審査基準は以下の通り。審査ポイントごとに票を投じる。審査ポイントは以下の六点である。
 1.顔
 2.躰全体のスタイル
 3.乳房
 4.性器
 5.美脚
 6.逝き顔
 最初六人が正面舞台に一人ずつ名前を呼ばれ入場する。
 全員同じミニワンピース姿。スカートは下着をぎりぎり隠している。美脚がほぼ丸出しである。
 六人が壇上に揃うと一人目の椋木美弥から演台に移動する。
 自分の手で全裸になる。
 ワンピースを脱ぎ捨てる。
 「長野のSM倶楽部黒の館に在籍します美和でございます。真性Mコースに出ています。クラブのメニューは殆んどNG無しです」
 椋木美弥は源氏名で挨拶して純白のブラを外してトップレスになる。
 乳房は三十代で充分弾力を宿している。乳倫は大きくも小さくも無い。乳首の色はやや濃い。拡大すると綺麗な円筒形に突起している。
 「全身奉仕と書かれております。その言葉通りその責めを私のこの躰に行なってお愉しみ頂けます」
 椋木美弥はショーツを下ろして爪先から抜き取る。
 「私の剃毛に当った方。どうぞステージへ」
 椋木美弥は開帳台に上がって躊躇無く股間を広げて脚載せ台の各々脚を置く。
 一人の会員がステージに上がる。
 「先に私の恥ずかし過ぎる女の部分をご開帳下さい。どうぞ皆様で存分にご検分下さい」
 複雑に閉じ合わせた粘膜は歳の割に濃くない。薄小豆色である。
 会員は指先でその粘膜を広げる。スクリーンの映像が拡大される。
 内部は一面に綺麗な緋色。中央に尿道の亀裂は小さい。僅かに窪みの穴が確認できる程度である。膣口は薄い色の粘膜が重ね合わせて閉じている。
 ドテの黒い塊はそれなりに生え揃っていた。
 「ご指名いただけましたら私にこの部分を叩かれて究極の悲鳴を堪能していただけます。でも少しだけ手加減をお願いいたします」
 椋木美弥の陰毛は生え揃ったばかり。まだ柔らかいので会員はそのままローションを掛けてT字剃刀で剃る。
 剃り終わって陰毛の下になっていたやや赤い皮膚が照明に映える。閉じ合わせた粘膜がくっきり強く存在感を際立たせる。なかなか艶かしい。
 会員はもう一度閉じ合わせた粘膜を広げてスクリーンに拡大する。
 さらにクスコを挿入して女の奥まで公開した。
 次の会員がドリルバイブを持って演壇に上がる。
 ドリルバイブは統一されている。回転、ピストン、振動するタイプ。幅は三十五ミリかなり強力である。
 最初だけスポイトでローションを流す。
 ゆっくりそろりとドリルバイブの先端に付いた擬似男根を挿入する。
 腰で支える様にして擬似男根の手前を持ってスイッチを入れる。
 「うぐううーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー。ううぐぐううーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は大口を割って声を上げる。美人の顔に眉間の皺が一気に深く刻む。
 「ああはああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 頭を後ろに強く反らし大口を縦に破裂させて真上に逝き声を上げる。
 会員は回転運動を加える。
 「だめーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の股間は濁ったドロドロの液を噴き飛ばす。その股間は大きく震撼する。首は藻掻く様に左右に突き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強く躰を迫り上げ大口の逝き声と共に沈む。
 暫らくドリルバイブは虚しく回る。
 会員はこれで完成とドリルバイブを抜き取る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥は荒い息遣いである。失神には至ってなかった。逝き顔は披露したので終了である。
 熱海に移り生駒に移る。最後に長野に戻って来てラストが来島結奈の順番なった。
 六人の中で一番小柄で細身である。
 躊躇いながらワンピースを脱ぐ。これが録画になって四百人を超える会員に配られる。来島結奈には不本意だが稼がなければならない。
 「熱海と生駒でハードなショーに出演しました優花です。まだ指名がそんなに取れていません。是非来て頂きたいのでよろしくお願いします」
 震える手でブラを外しながら片手は乳首を押さえる。まだ媚びる事はできないのか棒読みの台詞である。
 本多椿の直ぐ後である。本多椿は決して太ってはいない。股間に隙間もある。脚の線も出っ張ったりしてないスマートと言える。
 それでも六人の中では一番太股にボリュームがある。
 その直ぐ後で脚の細さが際立つ。
 この二人の差ならばどっちを選ぶかは好みである。
 ショーツを腰から堕とす。脚をくの字に曲げてそれを抜き取る。
 まだ少女のイメージが残る。大人に成り掛けの女の荒削り感がそれなりに良いかもしれない。
 「私のて、い、も、う、担当の方」
 顔を紅く染めて辛うじて剃毛担当の会員を呼ぶ。
 来島結奈自ら開帳台に上がらない。会員が躰を押してやっと御尻を乗せる。会員の手で脚を広げて固定する。
 前のショーから二週間。陰毛は頼りなく生えている。
 「開くよ」
 来島結奈の女の部分はやや小豆色のびらびらが細く閉じ合わせている。会員が広げると中は緋色である。
 まだ堪えられないのか恥ずかしそうに顔を叛けている。
 六人の中で一番恥ずかしさに免疫が無い。
 剃毛を終えてその周りの皮膚は大きな変化がない。肌の色は六人の中ではやや濃い。外人の様に剃ったその部分は綺麗である。
 クスコで中を広げて公開すると微かに悲鳴を漏らす。
 来島結奈の恥ずかしさに眩む表情が会員らを陶酔させる。
 ドリルバイブの会員が交代する。
 来島結奈は既にドリルバイブの太さに慄き怯えている。
 二〇二十年小暑中元。太陰太陽暦六月七日。
 (この二十四節気は平気法太陰太陽暦によるものです)
 七月二十七日。新型コロナの感染者は東京だけで一日三百人を越えた。日本全国では千人の前後に迫った。
 感染ばかり騒ぐがいくら自粛を要請して小さな居酒屋、スナックを追い込んでも治まるものではない。
 雀の涙以下の補償しか提示しない。
 感染者数を騒ぐが重傷者は少ない。
 コロナで死者が出るのは自然の災害である。補償なき自粛要請で自殺者が出るのは完全な人災と言える。
 国は二月に遡って売上ベースの補償をするべきである。
 売上ベースの完全な保障をして営業を休止してもらってもコロナの完全収束はありえない。
 新規増紙幣で完全補償及び時限的ベーシックインカムは急務である。
 これに乗じて知事らは風俗業を根絶やしにしたいのか。休業要請、さらに自治体ごとの緊急事態宣言の雲行きでもある。
 与党幹部が慎重な姿勢なのがせめてもの救いと言える。
 如月鬼堂のマンションに集った面々はワイドショーの報道に怒りながら昼酒三昧である。
 樽常マネージャーと雨蔵編集長は飲まないで帰った。
 八月一日までこれ以上強引な自粛が強化されなければ。さらにGoToキャンペーン続行なら問題ない。
 全裸美人コンテストは予定通り三会場で行なう。
 会員には如月鬼堂からメールで緘口令が敷かれた。
 大河内税理士は怒りに日本酒の瓶を抱かかえている。小さな飲食店、居酒屋、スナックが潰れれば仕事が一気に減る。大幅収入源である。
 館山弁護士も浮かない表情に成っている。補償薄き自粛要請の集団訴訟に参加する企業、商店が意外と増えない。
 日本人は我慢強いのか従順なのか。リベラル系が自粛一本槍なので動けないのかもしれない。
 リベラルは決して多くは無い。リベラルばかりが強く発言してマスコミが後押しするからである。
 選挙は支持率が下がったと雖も今の与党が大方である。リベラルは微数野党状態と言える。
 デモを行なっても報道は華やかだが僅かな人数である。
 大昔。与党と野党が拮抗していたころ小選挙区比例代表制に反対するデモは十万人を超えた。今は二.三千しか居ない。
 館山弁護士は如月鬼堂らの要求に乗った。だが弁護団を組むにはいまいち振るわない。
 福富麻次郎は感染拡大放送が盛んに成るに連れて風評被害の影響大である。オンライン営業を併用しても収入減は著しい。
 集団訴訟の主力が風俗業ではイメージが上手くない。悲鳴を上げている商店に多く参加してもらいたい。
 「いくら自粛を要請したって感染は一時的に自粛中だけ減るだけだ。特効薬が出来るまで解決は無い」
 大河内税理士は不満をぶちまける。
 珠洲と瀬里菜は状況からカウンターの内側に退避している。如月鬼堂もカウンターに腰掛けての対応である。
 如月鬼堂は昨夜インターネットアダルト放送で言うだけ言った。本日は他のメンバーに勝手にしゃべらせている。
 瀬里菜は会員から戻ってくるメールのチェックに掛かりきりである。
 珠洲も酒はセルフにしてもらう。乾き物と冷凍食品のつまみだけ出す。
 
 大田正勝は田村摩子の躰を愉しみつつもそろそろその処分に困り始めていた。
 犯すのと甚振るだけ。そろそろ良い躰でも飽きてきている。
 殺して焼却もできる。それには不安があり過ぎる。毎日幽霊が出そうで怖いのである。
 同じ様に川に流したい。付近に流せば自分に疑いが濃くなる。関東まで輸送は今の段階では危険である。
 熱りが冷めるまで待つしかない。
 此処に置いて危険はないか。万一逃がしたら終わりである。
 そんな悩みの最中に依頼人から連絡が入った。
 「はい。酒井です」
 大田のホームレスから引き継いだ偽名である。
 「もう連絡はしない約束ですが。心配になりまして。持って行ったテラーの始末は大丈夫ですか」
 紛れも無く依頼人の声である。
 「実は。開放するに無理がありまして」
 「こっちで引き取りましょうか」
 「近いのですか」
 「いいえ。いくつか拠点があります。それごとに形を変えて移動します」
 天川村からは廃棄物収集運搬車で運び出す。
 大田正勝は田村摩子を最後に一回遊んで眠らせて待つ。
 カプセルに入れてパッカー車の奥に積み込む。
 山中に不法投棄された廃棄物をさらに上から積み込む。山の持ち主の依頼による不法投棄回収の名目である。
 許可区域外輸送だが検問でそっちの確認はしない。
 仲間の一人が経営する静岡の工場に運び込む。
 此処で病院出しの霊柩車に積み替える。既に棺は用意されている。死化粧をして死体と同じ様に棺に詰める。
 これまで検問で棺を開けたことは無い。
 一人が僧侶に変装している。運転手はスーツに喪章である。
 前路警戒にワンボックスカーが前を走る。それでも検問は避ける。
 廃棄物収集運搬車に積んだ不法投棄の産業廃棄物は別の工場に持って行く。マニュフェストも作成されている。
 山小屋に向かう近くに仲間の一人が経営する葬儀会社が在る。其処で山小屋のキャンピングカーに積み替える。
 この先は侵入者があれば検知される。
 棺ごと山小屋の地下に運び込む。
 真野枝里とは対面させない。早朝に到着して昼過ぎから拷問を開始する予定である。
 「大田正勝はこのまま生かしておいて大丈夫か」
 「大丈夫だ。もう一度表に止まっているキャンピングカーの捜査くらいは入るだろう」
 「大丈夫か」
 「あれでは何も出まい」
 「これまでの勤務先からDNAは採取されないのか」
 「されない。そこは厳重にヒヤリングした。健康診断はやってない。机や契約書からは無理だ」
 「まあ。奴に手が回っても我々に至る事は無いな」
 「中津川から運んだキャンピングカーは回収した。海の底だ」
 「唯一危険なのは派遣会社の契約書に付いた指紋だな」
 「大丈夫だ。どっちもWEBで処理している。登録はオンラインだ」
 「指紋は残らないか」
 「そうだ」
 産業廃棄物を処理に持って行った仲間が戻って来た。
 棺から出して床に磔る。両手首、両脚、腰にU字金具を充てて床にボルトで止める。
 目隠しを厳重にして六人で輪姦す。
 田村摩子は場所が代わったことだけが分かった。そして六人らしきに輪姦されたと思った。
 連続拉致強姦傷害事件の六人に引き渡されたのではないか。それならこれまでの例から開放してくれるかもしれない。
 此処が地下室らしきとなんとなく分かる。
 大田正勝は自分の安全を考えてこっちに引き渡したのだと思った。
 場所が近いのか遠いのか。生駒莉那は関東で解放された。運ばれた距離が判らない。完全に眠らされていた。
 でもその前にどんな躰にされるのか。まともには帰してもらえないと思う。
 防護服、マスク、サングラス、被り物、フェイスシールド。まったく顔は判らない。男らは田村摩子を床に磔た周りに柵を立てる。
 一人が網袋に入った蛇を持って来る。
 「ああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子はそれを目にして強烈な悲鳴を上げる。
 固定された躰は動く限り迫上がり強く震える。
 「いやあーー。いやあーー。だめ。だめ」
 田村摩子は恐怖にぶるぶる震える。
 男は網袋を開けて蛇を柵の中に放つ。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あ、ああ。ああ。ああ。ああ」
 田村摩子は狂った様に喚く。
 蛇は田村摩子の脚元から太股、股間に向かって進む。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 さらに悲鳴は狂ったサイレンの様に轟く。
 一人の男が田村摩子の股間に接近した蛇をボウガンで撃つ。
 蛇の頭のやや手前に突き刺さる。
 「あーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 蛇は暴れる。他の蛇が一匹田村摩子の内腿に噛み付く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子に表情は恐怖に破裂して半狂乱に喚き続ける。
 ボウガンを構えた男はもう一匹近付いた蛇を撃つ。
 「あーーーーーー。はーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子はぶるぶる躰を揺すって暴れる。
 「その蛇。毒は無いぞ」
 「いやーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーー」
 田村摩子はうわ言の様に叫ぶ。
 男らは蛇をスネークフックで掴んで水槽に投げ込む。
 蛇は赤楝蛇である。
 だがそれだけでは許さない。
 まず徹底的に逝き顔を晒させる。
 噛まれた内腿は軽く消毒する。
 ドリルバイブ二本が用意された。
 「浣腸が先では」
 「乳首とクリトリスを感じなくさせる。ボルチオの開発だけで良い。膣挿入の官能なしで生きられない淫乱女にする」
 「何言っているのーーーーーーーーー」
 田村摩子は恐怖に怯えながらそれでも抵抗すべく叫ぶ。
 男が四人掛かって片脚ずつ二人で縛り直す。脹脛と太股、脚首と太股の二箇所を縛り合わせる。その縄を床のフックに通してキッチリ縛り付ける。
 田村摩子の股間はほぼ百五十度前後に広がる。
 「ああーーーーーーーーー」
 膣にスポイトでローションを流し込む。暫らく指で責めて慣らす。
 ブルン。ブルン。
 他の男がドリルバイブを始動する。回転はしない。ピストンと振動のタイプである。
 「如月鬼堂とかいうSM作家がインターネットテレビでやっていた。あれで行こう」
 二人掛りで田村摩子の膣口を広げる。一人がドリルバイブを捻じ込む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子は顔を引き攣らせる。
 スイッチを入れる。ローでゆっくり振動とピストンをさせる。擬似男根はボルチオまで進入している。
 「ううーー。おおーーーーーーー。うおーーーーーーーー。ううーーーおおーーーーー」
 田村摩子の顔は一気に軋み後ろに反り返る。口を歪めて割って歯を剥きだす。
 「ううおおーーーーーーー。ううーーーーー。ううおおーーーーーー」
 股間は揺れ震撼する。
 田村摩子はこの責めにまったく抵抗できない。
 「うおおーーーーーーーーー。おーーーーーーーーー。うおーーーーー。おーーーーーーーーー」
 田村摩子は斜め後ろに反り返った顔を究極に軋ませる。大口を破裂させて責めに堪えられない声を絞り出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 登り詰めそうなところで一旦抜く。寸止めである。
 「おーーーーーーーーー。おーーーーーーー。おお。おお。おお」
 股間はがくがく震撼を続ける。顔を縦に振って声を噴出す。
 治まり始めたところでまた挿入する。
 「うおーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー」
 田村摩子は一気に震撼する。股間は上下に動く限りに揺れる。
 何度か寸止めを繰り返して何度も失禁した。最後に深い失神に堕とす。
 それを更に繰り返す。
 「やめてーーーーーーーー。もうじんじゃうーーーーーーーーー」
 田村摩子は泣き喚いて許しを請う。
 それでもあと一回失神させた。
 次に意識を回復したところで高枝斬りバサミで乳首を挟む。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その断末魔の悲鳴が轟く。その最中に乳首を斬り堕とす。
 血が飛び散る。直ぐに止血パットを充てる。
 「うああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう片方も斬り堕とす。
 麻酔が掛けられここで動画は終了していた。
 
 七月三十日越後湯沢の如月鬼堂のマンションである。
 二日後に迫った裏全裸美人コンテストの準備に忙しい。極めて怪しい雲行きながら規制や自粛要請は何とか回避している。
 ファッション喫茶三店舗は金曜日の二十二時で閉店して土曜日は休業する。
 今朝速報が入った。銀行爆破強奪事件で現金と一緒に拉致されたテラー四人の内三人目が解放された。
 越辺川と小畔川の合流する段差にボートは引っ掛かっていた。田村摩子も全裸で縛られて眠らされていた。
 凄惨な拷問の痕が有ると報道されたが内容は伏せられた。
 これまでの中でもっとも悲惨である。
 ゴムボートはかなり古く修理箇所だらけで周りに発泡スチロールの浮きが付けられていた。
 一番悲惨なのは両方の乳首が斬り落とされ乳房が縫い合わされていた。
 抜糸はしてない。縫った糸がそのままであった。
 入院したまま警察は事情聴取した。
 最初地下室の様な暗い部屋でテレビを見せられた。それ以後はキャンピングカーの中だった。外は見えなかった。ずっと大田以外居なかった。
 その後地下室に運ばれた。其処に大田は居なかった。
 其処で拷問された。
 どっちの場所も大田正勝に関してもこれまで以上の情報は得られなかった。
 医者と思しき手で子宮も摘出されていた。今回も病院でDNAは採取できなかった。
 如月鬼堂はニュースを聞き終えて明後日のコメントに困った。土曜日は裏全裸美人コンテストの終了後にスタジオに入る。
 土曜日は珠洲と瀬里菜を伴って長野の会場に行く。
 熱海は荒井枝里が司会をやる。生駒には杉下一行と福富麻次郎が行く。
 そんな夕方東京都知事が営業時間短縮を要請した。
 如月鬼堂の裏全裸美人コンテストの開催にもファッション喫茶の営業にも現時点では影響しない。
 
 八月一日。裏全裸美人コンテストは三会場に分散して十三時に開始となった。
 一番人気の無い長野を最後に順次配分してほぼ埋まっている。他の会場は感染防止対策で一升二名に制限しての満席である。
 ステージには六人が並ぶ。来島結奈、芳原亜美、椋木美弥、飯豊真里菜、牧野茉莉亜、本多椿の六人である。
 長野が椋木美弥と来島結奈。生駒が牧野茉莉亜と本多椿。熱海が芳原亜美と飯豊真里菜。
 審査は会員が一人一票。特別審査員は一人十票。如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、福富朝次郎、大河内税理士、AV監督稲垣七郎の六名である。
 審査員席もステージもその店舗に居ない場合はバーチャル映像でステージと席に表示される。精度はかなり良い。
 オンライン風俗を立ち上げた。マジックハンドを使ったサービスこれと連携して触る感触と映像の両方を提供する。
 終わりの見えないコロナ感染の中で何としても風俗業を生き残らせる手段である。
 既にソープランドのオンライン挿入まで可能にした。
 女の子には擬似男根が入る。客の動きのまま擬似男根が中で動く。男性には感度を伝えるコンドームの様なカバーを被せる。
 両方に感度が伝わる。その上にバーチャル画像を被せる。モニターより実感は近い。
 福富麻次郎は既に廃業を決めたソープランドを買い取ってこの方式で営業を行なっている。
 それを見習って一部その営業方式を取り入れているソープも出て来た。杉下一行の営業戦略も順調と成りつつある。
 本日の司会は荒井枝里が行なう。熱海の店長で前回優勝者である。
 審査基準は以下の通り。審査ポイントごとに票を投じる。審査ポイントは以下の六点である。
 1.顔
 2.躰全体のスタイル
 3.乳房
 4.性器
 5.美脚
 6.逝き顔
 最初六人が正面舞台に一人ずつ名前を呼ばれ入場する。
 全員同じミニワンピース姿。スカートは下着をぎりぎり隠している。美脚がほぼ丸出しである。
 六人が壇上に揃うと一人目の椋木美弥から演台に移動する。
 自分の手で全裸になる。
 ワンピースを脱ぎ捨てる。
 「長野のSM倶楽部黒の館に在籍します美和でございます。真性Mコースに出ています。クラブのメニューは殆んどNG無しです」
 椋木美弥は源氏名で挨拶して純白のブラを外してトップレスになる。
 乳房は三十代で充分弾力を宿している。乳倫は大きくも小さくも無い。乳首の色はやや濃い。拡大すると綺麗な円筒形に突起している。
 「全身奉仕と書かれております。その言葉通りその責めを私のこの躰に行なってお愉しみ頂けます」
 椋木美弥はショーツを下ろして爪先から抜き取る。
 「私の剃毛に当った方。どうぞステージへ」
 椋木美弥は開帳台に上がって躊躇無く股間を広げて脚載せ台の各々脚を置く。
 一人の会員がステージに上がる。
 「先に私の恥ずかし過ぎる女の部分をご開帳下さい。どうぞ皆様で存分にご検分下さい」
 複雑に閉じ合わせた粘膜は歳の割に濃くない。薄小豆色である。
 会員は指先でその粘膜を広げる。スクリーンの映像が拡大される。
 内部は一面に綺麗な緋色。中央に尿道の亀裂は小さい。僅かに窪みの穴が確認できる程度である。膣口は薄い色の粘膜が重ね合わせて閉じている。
 ドテの黒い塊はそれなりに生え揃っていた。
 「ご指名いただけましたら私にこの部分を叩かれて究極の悲鳴を堪能していただけます。でも少しだけ手加減をお願いいたします」
 椋木美弥の陰毛は生え揃ったばかり。まだ柔らかいので会員はそのままローションを掛けてT字剃刀で剃る。
 剃り終わって陰毛の下になっていたやや赤い皮膚が照明に映える。閉じ合わせた粘膜がくっきり強く存在感を際立たせる。なかなか艶かしい。
 会員はもう一度閉じ合わせた粘膜を広げてスクリーンに拡大する。
 さらにクスコを挿入して女の奥まで公開した。
 次の会員がドリルバイブを持って演壇に上がる。
 ドリルバイブは統一されている。回転、ピストン、振動するタイプ。幅は三十五ミリかなり強力である。
 最初だけスポイトでローションを流す。
 ゆっくりそろりとドリルバイブの先端に付いた擬似男根を挿入する。
 腰で支える様にして擬似男根の手前を持ってスイッチを入れる。
 「うぐううーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー。ううぐぐううーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は大口を割って声を上げる。美人の顔に眉間の皺が一気に深く刻む。
 「ああはああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 頭を後ろに強く反らし大口を縦に破裂させて真上に逝き声を上げる。
 会員は回転運動を加える。
 「だめーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の股間は濁ったドロドロの液を噴き飛ばす。その股間は大きく震撼する。首は藻掻く様に左右に突き上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強く躰を迫り上げ大口の逝き声と共に沈む。
 暫らくドリルバイブは虚しく回る。
 会員はこれで完成とドリルバイブを抜き取る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥は荒い息遣いである。失神には至ってなかった。逝き顔は披露したので終了である。
 熱海に移り生駒に移る。最後に長野に戻って来てラストが来島結奈の順番なった。
 六人の中で一番小柄で細身である。
 躊躇いながらワンピースを脱ぐ。これが録画になって四百人を超える会員に配られる。来島結奈には不本意だが稼がなければならない。
 「熱海と生駒でハードなショーに出演しました優花です。まだ指名がそんなに取れていません。是非来て頂きたいのでよろしくお願いします」
 震える手でブラを外しながら片手は乳首を押さえる。まだ媚びる事はできないのか棒読みの台詞である。
 本多椿の直ぐ後である。本多椿は決して太ってはいない。股間に隙間もある。脚の線も出っ張ったりしてないスマートと言える。
 それでも六人の中では一番太股にボリュームがある。
 その直ぐ後で脚の細さが際立つ。
 この二人の差ならばどっちを選ぶかは好みである。
 ショーツを腰から堕とす。脚をくの字に曲げてそれを抜き取る。
 まだ少女のイメージが残る。大人に成り掛けの女の荒削り感がそれなりに良いかもしれない。
 「私のて、い、も、う、担当の方」
 顔を紅く染めて辛うじて剃毛担当の会員を呼ぶ。
 来島結奈自ら開帳台に上がらない。会員が躰を押してやっと御尻を乗せる。会員の手で脚を広げて固定する。
 前のショーから二週間。陰毛は頼りなく生えている。
 「開くよ」
 来島結奈の女の部分はやや小豆色のびらびらが細く閉じ合わせている。会員が広げると中は緋色である。
 まだ堪えられないのか恥ずかしそうに顔を叛けている。
 六人の中で一番恥ずかしさに免疫が無い。
 剃毛を終えてその周りの皮膚は大きな変化がない。肌の色は六人の中ではやや濃い。外人の様に剃ったその部分は綺麗である。
 クスコで中を広げて公開すると微かに悲鳴を漏らす。
 来島結奈の恥ずかしさに眩む表情が会員らを陶酔させる。
 ドリルバイブの会員が交代する。
 来島結奈は既にドリルバイブの太さに慄き怯えている。
 膣にローションを流し込む。ドリルバイブの擬似男根にも塗り付ける。
 確実に穴の位置を確認して強く押し込む。
 「ううーー。おーーーーーー」
 来島結奈は擬似男根の太さに呻く。
 「いくよ」
 「いやあーーーーーーー」
 スイッチが入る。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐっがあーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰は一気に迫上がる。開帳台に固定された躰全体を捩りまわす。
 「ああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪えられず拒絶状態に成る。
 それでも会員は押さえ続ける。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーおおーーーーーーーーーー」
 来島結奈の顔は泣き顔に破裂して強く振り涙を振り飛ばす。
 「あおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は藻掻き暴れ続ける。顔は醜く歪みきっている。それでも観ている会員をそそらせる。
 会員は更に回転運動を加える。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一頻り大きな逝き声が轟く。そのまま躰は開帳台に沈む。目は白目を剥いている。会場全体の目がその白目を見据えている。
 何処が一番逝き顔の良いショットなのか。難しい展開であった。これで終了である。一気に採点になる。
 
 全裸美人コンテストの採点は以下の通りであった。
 顔、来島結奈88芳原亜美85椋木美弥99飯豊真里菜69牧野茉莉亜75本多椿84。
 スタイル、来島結奈98芳原亜美77椋木美弥92飯豊真里菜78牧野茉莉亜77本多椿78。
 乳房、来島結奈79芳原亜美78椋木美弥87飯豊真里菜87牧野茉莉亜80本多椿89。
 性器、来島結奈95芳原亜美77椋木美弥81飯豊真里菜78牧野茉莉亜76本多椿93。
 美脚、来島結奈94芳原亜美84椋木美弥89飯豊真里菜88牧野茉莉亜75本多椿70。
 逝き顔、来島結奈80芳原亜美85椋木美弥85飯豊真里菜85牧野茉莉亜80本多椿85
 かなりの接戦であった。
 結果は来島結奈534椋木美弥533本多椿499芳原亜美486飯豊真里菜485牧野茉莉亜463の合計である。
 一ポイントの差で来島結奈が優勝した。
 一位から六位まで71ポイントしか差が無い。もう一度やったら順位はがらりと変わるかもしれない結果である。
 災難続きだった来島結奈は泣いて喜んだ。椋木美弥は一点差で敢闘賞は納得が行かない。
 
 関東帝国銀行さいたま支店襲撃より拉致されたテラー四人の最後の一人真野枝里は三日続けて輪姦された。都合五回になる。
 真野枝里は自分だけ解放されないで残されたのではないか。不安に苛まれていた。
 真野枝里にも此処が地下室と思える。床には板が貼ってある。そこにフックが埋め込まれて脚首、手首を固定されている。
 冷房が強く効いていて躰が冷えて辛い。
 目隠しを取られた。六人が防護服に身を固めて囲んでいる。手にはそれぞれ鞭を持っている。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 真野枝里はとっさに叩かれると悟って悲鳴を上げる。
 一人目が蝿叩きの様な鞭で顔をビンタする。
 「うおーーーーーーーーー。やめろーーーーーーー。やめてーーーーーーー」
 真野枝里は目を大きく剥いて大口で悲鳴を上げ抗議する。
 次の男が同じタイプの鞭で乳房を引っぱたく。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。躰を迫り上げ悲鳴を轟かせる。
 次の男が真野枝里の頭の後ろから一本鞭で股間を叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里の躰は強烈に震撼する。痛みに堪えられず動く限り躰を暴れさせる。
 鞭は閉じ合わせた二枚の粘膜を直撃していた。
 「うおーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー」
 手加減の無い叩きである。なかなか痛みは引かない。真野枝里は腰を右に左に強く揺すって暴れ続ける。
 次が乳房を並べてワイヤーでできた鞭で叩く。
 「あぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は躰を震わし涙を飛ばす。
 頭の上に立っている男がもう一度股間を直撃する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーはん。はん。あはあーーーんあはん。ああーーはあーーーーん」
 真野枝里は狂った様に泣き喚き暴れる。
 「やめてーーーーーーーーー。い、い、たいよーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーー」
 真野枝里は泣き声で許しを請いながら失禁した。
 男らはその失禁を撮影している。
 たった二発で既に粘膜に血が滲んでいる。そこを広げる。中はローズ色の粘膜が失禁尿に塗れている。
 一人が指でびらびらを押さえる。もう一人が開いた小豆色の縁の内側に針を刺す。上から縦にびらびらの下の大陰唇の皮膚まで突き刺す。
 「あはーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 泣き声以上に甲高い悲鳴を上げる。
 男は構わずびらびらを開いたまま留める様に何本も並べて刺してゆく。
 「あーーーーーーーーー。あはーーーーーーー。あーーーーー。あはあーーーーーーあーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー」
 真野枝里の泣き悲鳴はサイレンの如く甲高い声で泣き続ける。
 その上から蝋燭の芯の周りに溶けた蝋涙を流す。
 「あーーああーーーああーーああーーーああーーーああーーああーー」
 真野枝里の泣き悲鳴は更に究極のサイレンとなる。
 暴れる真野枝里の広げられた太股に左右一人ずつ男が乗って押さえる。
 「あはーーーーー。あーーーーー。あーーー。たすけてーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーー。ああーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 真野枝里は涙をポロポロ溢す。
 男らは次に焼印を用意している。
 「いやあーーーーーーーー。やだよーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 それで躰に押し付けられると気付いて真野枝里は更に泣き叫ぶ。
 「お前!これ受けないと帰れないぞ」
 男の言い方はじんわり響く。
 「ひどいよーーーーーーーーー。そんなのーー。いきていられないよーー。やめてーーーーーーー」
 「自殺もできない」
 男の言葉は厳しく刺さる。
 「なんでよ」
 真野枝里の言い返す言葉は引いている。
 「自殺の危険のある被害者にはサポートとして監視が付く」
 男は淡々と語る。
 「それで今撮った動画が無修正でばら撒かれる。他の三人もばら撒いたよ」
 別の男が付け加える。こっちはざっくばらんな口調である。
 「ええーー。表歩けないよ」
 「まあ。そこまでは行かない。アダルトサイトに良くアクセスする人くらいだ。妻帯者は取得しないよ」
 「じわじわいつまでも残るけどな」
 やはりこっちの男の言うことが口調共々怖い。
 じっくり焼いた一本目の焼印を男が持って来る。それを乳房に近付ける。淫女と彫られている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫び声をものともせず白い乳房に押し付ける。
 「ううおおーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 真野枝里の気丈そうな美人顔は崩れきって号泣状態である。
 あと三本焼いている。
 更に一本を抜き取る。
 「やめてーーーーーーーー。いくつも整形できないよーーーーーーー」
 「整形できない様に幾つも焼くのだよ」
 「やめてーーーーーーーーー。なんでそこまでーーーーーーー。さんざんなことしたよーーーーーー。輪姦すだけでゆるしてよーーーーーー」
 「もう飽きたのだよ」
 「やめてよーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーー。しぬしかないよーーーーーーーーーー」
 「気の強そうな顔してそんな泣き言言うか」
 「つよくないよーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 「どうだ。開放されたらAV女優になるか。それなら許してやる」
 「わかったよーー。だからゆるしてよお」
 「開放してもしAV嬢にならなかったら。今度わしらに捕まったら。その綺麗な顔を硫酸で潰すぞ」
 「わかったよーーーーーーーー。だからもうゆるしてーーーーーー。ああん。あはん。あはん。あはん」
 「最後に逝き顔を晒してもらう」
 男らはドリルバイブと電マを持ち出す。
 何度もイクまで責められ失禁して失神した。膣液が流れ出た女の部分を入念に撮影されて終了した。
 そこで麻酔が掛けられた。録画も終了している。
 手術で子宮を取り出しDNAが残らない状態にされたことは言うまでもない。
 
 翌朝。養老川の一部。高滝ダムの駐留ボートの中に全裸で縛られた真野枝里が発見された。
 今度も目撃証言一つ無い。
 投棄するのに前路警戒車が走る。後方も警戒車が走る。各々その上空にはドローンが飛びレーダーで確認している。
 もちろん三台とも車のナンバーは偽造である。
 
 八月三日月曜日。越後湯沢の如月鬼堂のマンションである。
 来客は無い。如月鬼堂はパソコンに向かっている。広いリビングに珠洲と瀬里菜、ミニチュアダックスのぺーだけである。
 珠洲と瀬里菜は全裸である。
 二人交互にビールを注いでつまみを入れ替えてゆく。その都度軽く躰を密着させる。適度に刺激を与えて執筆を援護する。
 テレビのワイドショーは真野枝里の解放された一部始終が解説された。これまでの三名との比較を詳細に数人のコメンテーターの解説で行なっていた。
 如月鬼堂は土曜日のスタジオ入りに備えて執筆を進めながら内容も聞く。
 珠洲と瀬里菜も如月鬼堂の見落としをカバーするべく視聴している。
 「パパは今回誰を押したの」
 珠洲が興味深く聞く。全裸美人コンテストの件である。
 「六人に平均して入れたよ」
 「でも意外だったね」
 「みんなで決めた結果だ」
 「結奈さん指名少ないのだって」
 「殆んど無いみたいだ。NGプレイが多過ぎる」
 「そんなにみんなハードなの」
 「そうでもない。でもNGが多いと引いてしまうのだよ」
 「指導してあげないの」
 「その内本人が考えるだろ。私以前にマネージャーがやることだ」
 割烹店がミニ会席の出前を持って来た。瀬里菜がワンピースを上から被って受け取る。三人前七千五百円である。
 夕食の時間となった。外はまだ暮れてない。
 原稿も完成してない。
 明日になると編集が何か言って来る。如月鬼堂はやや焦っている。
 
 太田正勝の天川村の家に警察が任意で捜査に入った。
 麓の家から警察は上がって来た。
 「キャンピングカーと家の中を確認させて下さい」
 捜査令状は持ってない。
 「どうぞ。代車をお貸しいただけでばお持ち下さっても」
 「いえ。そこまでは」
 太田正勝は車のキーを空ける。
 「どうぞ」
 「お宅の中もよろしいですか」
 鍵を開けて中に入れる。
 「地下室とかはありますか」
 「いいえ」
 鑑識は赤外線センサーで床を調べる。
 「何も無いですよ」
 「まあ。そうですよね。埼玉県警からの依頼でどうしても可能性を全部潰さないとなりませんので」
 「部長。内部の構造が田村摩子の供述と違います。このキャンピングカーでは天井から吊るすと言うのは」
 巡査長が上司の巡査部長に説明する。
 「無理だな」
 巡査部長も納得する。
 「トイレは付いていますが。位置が供述とは」
 「このタンクは暫らく掃除して無いな。便器も」
 「そうですね。田村摩子はこのトイレを何回も使ったと供述しています」
 「この状態でここから被害者のDNAが出なければ無関係だな」
 巡査部長がほぼ結論を出す。
 「このタンク外せるか」
 「外せます。外した形跡はありませんが」
 「このタンクと便座だけお借りできませんか」
 「いいですよ。コロナのこの状況下で遠出はしませんし。上と下を移動するだけでトイレは使いません」
 「申し訳御座いません。それとしたの家も一応」
 「ええ。いいですよ。行きますか」
 「お願いします」
 太田正勝がキャンピングカーで先導して山道を降りる。下の家から何かが出る筈は有り得ない。
 巡査部長は丁寧に挨拶して借用証を書いて帰った。
 埼玉県警も酒井俊克が太田正勝でないと結論付けた。
 
 防護服六人のアジトである。
 「埼玉県警が酒井俊克を太田正勝でないと結論付けた様だ」
 「あと現場に残った銃弾だな」
 「それも問題は無い。銃は特別な秘密工場で自衛隊の銃をコピーした。昔横流しした物だ」
 「そこから足は付かないか」
 「付かない。ライフルマークからの特定はできない。自衛隊の銃と判ってそっちを調べれば時間の無駄だ」
 「銃はキャンピングカーと一緒に指紋を拭き取って全部処分したな。海の底だが。銃弾は」
 「自衛隊の銃弾としか判らない」
 「そうか」
 どっちも六十代後半の男である。
 「まあ。大田が万一逮捕されても我々に至らない。十九人の中から誰かが捕まっても我々どころか大田にも至らない」
 「そうだな」
 「当分お愉しみも終わりだ。しばらくは遊びまくることもできない。静かに待つしかない」
 「そうだな。警察も深夜のパトロールを強化している」
 「今度の遺棄で範囲が広がったからな。ところで銃は何処で作る」
 「案内してやろう」
 残りの四人は既にこの山荘に居ない様である。
 大広間テントにキャンピングカーとワンボックスカーが止まっている。ワンボックスカーに乗り込む。
 その時スマホに警報が鳴った。
 そのまま出発しないで山小屋の前の小道で待つ。
 警察車両が二台上がって来たのでバックしてテントに戻る。
 「お出かけでしたか」
 「ええ。車が見えたものですから」
 「度々申し訳ないのですが。キャンピングカーのトイレのタンクと便座をお借りして行きたいのでですが」
 以前にも来た刑事である。
 「えー。キャンピングカーのトイレタンクと便座ですか」
 前に一人で対応した男である。
 「埼玉県警からの依頼で捜査上。その部分が」
 「いいですよ。外せるのですか」
 「外せます」
 「どうぞ。お持ちください」
 やれやれという顔つきである。
 若い刑事と鑑識が作業に掛かる。
 「人を吊るせる天井のフックは無いです。中の構造も違います。トイレのタンクも外した形跡も使った形跡もないです」
 「一回も洗っても無い」
 「そうです」
 「まあ。そう言う事ですが一応お借りして行きます」
 「はい。はい。どおーぞ」
 刑事らはそれを持って引き揚げた。
 「暫らくこっちの車で動くか」
 「そうだな。車検のあるキャンピングカー全部当るのだろう。検問も多いしな」
 「太田正勝の関東の住所は危険無いのか」
 「無いよ。本人が放火した」
 「リモコンでか」
 「そうだ。キャンピングカーはそこの住所で車検取っている」
 二人は麓の葬儀会社に入った。そこからもう一人の運転で埼玉に向かう。
 着いたのは川口の工場密集地である。
 工場が稼動しているので従業員が帰る時間まで待つ。近くの居酒屋に入る。
 「今の工場は」
 「息子がやっていた。親から引き継いだものだ。奥に俺の会長室がある」
 「今は息子さんが社長で」
 「新型コロナに感染して死んだ。エクモ投入が間に合わなかった」
 「それはご愁傷様です」
 「そんな訳で一ヶ月休業した。今は昔から居た従業員に工場長として管理してもらっている」
 「ひょっとしてその一ヶ月で」
 「そうだ」
 「ところであんたはコロナに感染しなかったのか」
 「したんじゃないか。多分抗体ができていると思う。俺は重症化することはない。BCGでツベルクリン反応二回陽性に成った」
 「ほう」
 「これまでもインフルエンザで重症に成ったことは無い。俺からうつった奴は死の淵を彷徨うらしい」
 二人は夜の七時を回って工場に入った。
 会長室の奥の書類棚を動かすと地下への入口がある。
 「戦中に作られた防空壕の代わりだ。シェルターの様な考えで造ったらしい」
 中には四種類くらいの機械とパソコンにはCADがインストールされていた。
 「砲身はこのNC旋盤という機械が作る。本体の部品はそっちのマシニングセンタという機械で作る」
 「CADで図面を書くのか」
 「そうだ。紙の図面をCADでトレースする。それをGコードに変換してその二つの機械で旋盤する」
 「スリーDプリンターではないのだな」
 「あんなもので造っても使えないよ」
 男は笑っている。
 「さて今日は車には乗れない。隠れ売春で遊んで帰ろう。貸し切り旅館をキープしている」
 それは営業してない旅館を民泊の様に建物後と貸し出す。其処に派遣の女を呼ぶ。
 建物を貸すのも女を派遣するのも同じ闇業者である。新種の隠れ売春で何をしても大概は許される。
 縄、滑車、拷問椅子、十字架、鞭、電マ、蝋燭、ピンチ、針、浣腸器その他一式用意されている。
 板の間がプレイルームもどきである。
 その隣の間に仕出しから運ばれた料理が並んでいる。
 女将と言うべきか。初老の和服姿の女性が会計に入って来た。
 「お部屋代、お料理お飲み物でこちらにてお願いいたします」
 形式だけの領収書を出す。
 山小屋の持ち主の男が百万の帯封から二十万を数えて渡す。
 女将らしきは数えて丁寧に受け取る。
 「お風呂は隣に準備できております」
 「失礼いたします」
 女が二人入って来る。どっちも三十手前。芸者とは違う和服姿である。
 「この二人になります。因果は含めて御座います。一人五十万お願いします」
 また山小屋の持ち主の方が百万の帯封から五十万を数えて片方に渡す。残りをもう片方にそのまま渡す。
 女将と思しきは旅館から立ち去った。
 「どっちにする」
 「あんたが選んでくれ」
 「俺はどっちでも良い」
 どっちを選んでも甲乙は付かない。躰つきは似ている。背丈も変わらない。顔はどっちを選んでも綺麗めのスポーツ選手程度である。
 自然に自分が座っている側の女を掴む。
 美人とは言わないがどちらも抱ける範囲である。
 帯紐を解く。二本の紐だけでお太鼓を結んでいる。帯締めを解き帯も解く。着物を脱がして肌襦袢も取る。
 「自分で着付けるのか」
 「いいえ。帰りは持って来た服で」
 着付けまでしてもらったらしい。
 肌襦袢を解くと下着は着けてない。体型に比べて大きめの乳房が姿を現す。和服なのでその大きさは締め付けられていたのである。
 二布の下もショーツは着けてない。腰は大きくない小股の切れ上がったという表現に該当する女の腰である。
 確り抱きしめ躰の感触を味わって唇も貪る。躰は微かに震えている。
 畳に寝かせて股間を広げる。洗う前の女の部分を広げて確認する。女は顔を叛けて恥ずかしさに堪える。
 「名は」
 「蓮美です」
 声は震えている。一度限りの源氏名かもしれない。
 そのまま背中と膝を持ち上げて風呂に連れて行く。先に湯船に浸けて自分の服を脱ぐ。
 湯の中で躰を一通り触って挿入する。
 蓮美の頭を湯船の淵に乗せて脚を後ろに流す。片手を背中に廻して片手で乳房を掴む。もう片方の乳首を咥える。
 膣の中でさおをイキませてゆっくり動かす。
 女は堪えるほど慣れていないらしい。辛く不本意な逝き顔を歪めて斜め後ろに叛ける。
 男はじっくり責める。
 「ううあはあーーーーーーーーーーーーーん」
 他の部屋からもう一人の女の悲鳴が聞こえる。鞭で叩かれているようである。
 「ああーーーはんはあーーーーーーーーーー」
 蓮美は静かに堪え続けているが股間は僅かに痙攣している。
 もう一人は別室で柱に磔にされている。
 柱の後ろで手首を縛られている。更に乳房の上下で縄を掛けられて乳首は突き出す。こっちもやや垂れ気味と思えるが体型の割に大きさはある。
 左脚は脚首と膝で柱に縛られている。綺麗に細く余分な肉は無い。
 右脚は強く斜めに跳ね上げられている。脚首と膝を縛った縄で鴨居に付けたフックに引っ張られて吊るされた状態である。
 こっちの女は優乃と名乗った。
 男は蝿叩きの様な鞭で優乃の顔を叩いている。地下室でも真野枝里に同じ事をやった。
 「ああーーー。あはあん。はんはん」
 優乃はまだ三発なのに涙を流す。一部マスカラが解けて流れている。
 今度は平手で叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー」
 優乃は更に涙を溢れさせる。
 それでも反対側のほっぺたを叩く。
 「ううぐうーーーーーーーーーー」
 涙はポロポロ零れる。
 男は鞭を取り替える。替えたのは蝿叩きの様な先端が縦に半分位の物である。
 左脚が斜めに上がっている。広がった股間に女の部分の閉じ合わせた粘膜が丸出しである。そのびらびらを叩く。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を揺すって強烈な悲鳴を上げる。
 角度を違えて更に叩く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瞼が下がって大口を破裂させる。脚を強く蹴って縛られた躰は動く限り仰け反る。
 背中をやや丸め腰を引いて構える。そこにもう一発叩き付ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顎を前に突き出し顔を後ろに逸らして左脚を強く蹴る。更に躰を捩って堪えられない痛みに暴れる。
 次は突き出した乳房を乳首もろとも叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 更に続けざまに叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に畳みの上に失禁してしまった。
 治まるのを待って男は漏らした股間をタオルで拭く。畳の濡れも雑巾を数枚投げて足で拭く。
 男はズボンのファスナーを開けてさおを取り出す。柱に磔たままの優乃に挿入する。
 涙を流している唇を抉じ開けて貪る。
 山荘の持ち主の男は湯船で蓮美に中出しして湯から上がった。蓮美を床に寝かせて脚首に竿を渡して脚を三十度に広げて縛る。
 竿の中央にフックを付けて天井から吊るした滑車で引っ張り上げる。蓮美の躰は逆さ吊るしに成る。
 高手小手に縛ってないので手は床に着く。
 こっちも鞭を持つ。先端は細い革の一本鞭である。
 最初は内腿を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 手で床を動いて逃れようとする。
 こっちも容赦なく叩き続ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。ぐごーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 手で床を蹴って蓮美の躰は暴れる。
 数発目に真上を向いた女の部分の粘膜を直撃する。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を強く震撼させる。手で床を右に左に回る様に歩いて痛みに悶える。
 もう一発直撃する。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 手で床を歩いて逃れんと狂った様に暴れる。
 数発続けて叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーー」
 暴れまわって両手で男の腰にと足にしがみ付く。
 男は叩けないので体を揺すって振り解く。そして容赦なく顔を叩く。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーー。あがあーーーーー。あがーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー」
 蓮美は狂った様に涙を撒き散らし暴れて泣き喚く。
 「あはあん。あっはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 躰は震えて涙はポロポロ零れる。
 もう一人は優乃の躰を柱から外して床に寝かせる。竹竿に両手を広げて各々肩、肘、手首を縛る。
 脚首を跳ね上げて手首の上から縛る。もう片方も同じ様に手首の上から縛ってV字開脚にする。
 閉じ合わせた女の部分の粘膜はやや小豆色である。
 そのびらびらを指で広げて上から注射針で刺す。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーー」
 優乃は痛みに悲鳴をあげている。
 地下で真野枝里に行った様に次々と注射針でびらびらを刺して股間に磔る。
 「うぐああーーーーー。ぐあーーーーーー。ああーーーーーー。ぐああーーーーーーー。ああーーーーーー。ぐああーーーーーーーーー」
 優乃は泣き喚き続ける。
 男は蝋燭をグラスの中で溶かしている。
 「あはん。あはん。あはん。あはん」
 優乃はポロポロ涙を溢す。
 男はグラスの中に溶けた蝋燭を掲げる。
 「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 優乃は首を震撼させ泣き叫ぶ。
 それでも男は流し込むように薄橙の粘膜に掛ける。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴がサイレンの如く鳴り響く。
 「ああーーー。ああーーー。だめーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 優乃は半狂乱である。
 「たいした事は無い。風呂に浸かって数日すれば治る」
 男は淡々ときつく言う。
 「うそだよーーーーーーーー。火傷しているよーーーーーーーー」
 優乃は泣きべそ顔で取り乱している。
 「蝋燭では火傷まで行かない」
 「ええーー。本当」
 男は乳房に掛ける。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 数滴落として赤く染める。
 「でもお○○この内側は大丈夫」
 「暫らくヒリヒリするだけだ。何人もやっている」
 「ううん。ううん。うう」
 優乃はそれでも辛そうである。
 蓮美の方は躰中逆さ吊るしのまま鞭の痕だらけにされていた。
 男は真上を向いた女の部分に触る。軽く血が滲んでいる。びらびらは薄小豆色の粘膜が閉じ合わせている。
 それを広げる。中は緋色である。尿道の亀裂はくっきり確認できる。膣口はすっきり開いてやや中が見える。
 男はそこにクスコを差し込む。螺子で大きく広げる。
 こっちもグラスに溶かした蝋涙を流し込む。クスコの中に直接である。
 「あーーーーーーーーーーーー。あぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 こっちも強烈な悲鳴になる。そして失禁した。噴水の様に失禁尿が噴き上げる。蓮美は躰をぶるぶる振って泣き喚く。
 適度なところで男は蓮美を吊るしから下ろす。
 優乃の横に並べて同じ様に縛る。二人のV字開脚が並ぶ。
 活きた鰻が搬入された。
 優乃にもクスコが差し込まれる。こっちも奥まで広げる。
 「さあ。お前らのま○○こに鰻イレポンだ」
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 「あはあーーーーーーん。あはあーーーーーーーーん」
 「しずまれ!これで終わりだ」
 「ああ」
 「・・・」
 優乃も蓮美も仕方ないと思った。
 更にアナルにも開口器が挿入される。
 男二人は鰻を掴む。どっちも成れたものである。
 まずはアナルに入れる。
 「あーーああーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 「あはあーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー」
 もう一匹ずつ掴んで膣に入れる。
 「うわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー」
 「あーーはあーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん」
 二人の狂乱の悲鳴を愉しんで抜いて桶に戻す。
 縄を解いて開放する。
 「風呂で躰洗って服を着ろ」
 「ああーーーーー。おわったよーーーーーーーーーー」
 「ああーーーーーーーーーーーーーん。たすかったーーーーーーー」
 「帰るだけださっさとしろよ」
 「はあーーーーーーい」
 「はあい」
 何と異口同音に明るい返事である。
 葬儀会社の男が山荘の男に自分の分を払う。
 巷のSMクラブではハードな内容である。山荘の拷問を考えればプレイの領域は超えてない。そこはキッチリ線を引いている。
 優乃も蓮美も浴室で躰を洗いながら抱き合って泣いていた。
 「良かったね。何とか無事で」
 一人百万の予算で来た。優乃と蓮美にあと四十万ずつ渡す。
 「えーー。ありがとう御座います」
 「ありがとう御座います。無事終わりました」
 「だって他の子。凄い事されていたもの。躰斬られたり。クリ潰されたり。火傷。タバコの火押し付けられたり。爪剥がされた子も」
 優乃は安堵したのか泣きながら吐き出すようにしゃべりだす。
 「おい。五十万でか」
 「そうです。みんな警察沙汰を免れる示談金だから。何でも泣き寝入り」
 蓮美も涙を溢す。
 「そんな悪い事したのか」
 「私達は自転車事故です。保険に入っていませんでした」
 「足りるのか」
 「入院費だけでも払えば相手の弁護士が示談にしてくれますから。逮捕起訴は免れます」
 被害者は事故の場合治療費に保険は利かない。加害者が払えないと全額自分で病院に払って後請求になる。延々と掛かる。
 恐らく二人の弁護士は同一人物かもしれない。その通り館山弁護士であった。
 男らはそのままホテルに引き揚げた。
 
 八月十三日沖縄県は独自の緊急事態宣言を延長した。幅広い休業要請に協力金などは無い。
 そして政府のGoTo強行に強い批判をした。これを政府が強行したから沖縄で感染が拡大したというのである。
 だがこれでやや生き延びた業者も多々ある。
 倒産した風俗業やキャバクラがゴミの不法投棄を責められている。倒産は緊急事態宣言と補償なき自粛要請が抜本原因である。
 倒産、廃業に追い込まれた店がゴミの処分費を出せないのは理の当然である。倒産すれば大方経営者は破産宣告となる。
 感染症は自然災害でもこっちは人災である。そして自粛要請する自治体には多大な責任がある。自治体など要らない。国一個の行政で良い。
 政府は倒産を賠償すべきである。
 税金からは支援、賠償できない。既に世界恐慌直前と言える。ニューディールのフランクリンの如く新規増紙幣で賄うべきである。
 感染症対策に営業自粛を強行する微数野党が国会を開けと騒ぐ。リベラルは経済を潰して失業者を増やすことを何とも思わないのか。
 自分らが国会で強い発言をして政界に蔓延ることが総てと思える。
 マスコミ、リベラル、知事らの自粛要請に泣く人たちは甚大である。
 もう感染者をカウントすること自体止めるべき。無症状の陽性を隔離も必要ない。通常のインフルエンザの様に重傷者のみ病院に収容すべきである。
 スウェーデンで集団免疫が無理でも日本では可能性が高い。
 金曜日。如月鬼堂の越後湯沢。リビングの囲炉裏端には主なメンバーが集っていた。
 「もう感染症はあきらめろーーーーーーーーーーーー」
 福富麻次郎はいつもに無く怒り狂っている。損害が甚大なのである。
 館山弁護士は苦い表情でそれを見ていた。
 大河内税理士は一升瓶を抱いてほぼ眠っている。
 如月鬼堂はカウンターに肘を着いて足を投げ出す。珠洲と瀬里菜はカウンターの内側に引き下がってカウンターのテレビを見ている。
 「オンライン営業で何とか成りませんか」
 杉下一行は自社の商品で何とか営業を繋いでもらいたい。
 「多少は何とか成っています。それでも自社物件でない店舗から閉鎖して行くしかありません」
 普段冷静な福富麻次郎だがもう怒りが収まらない。それより途方に暮れているのである。
 「先生。局に交渉して表も全裸美人コンテストを開けませんか。局が賞金に難色を示すなら視聴者からクラウドファンティングをして」
 館山弁護士が突然提案する。
 「そうですよ。局では二回も先生に裏の全裸美人コンテストの開催確認をしていました。一気に押しましょう」
 杉下一行も賛成する。
 「判った。明日早めに出て話し合うよ」
 如月鬼堂も納得した。
 「そうです。出演者を増やして動画販売の効果を一気に拡大しましょう」
 福富麻次郎も急に元気になる。
 コロナ感染症自粛でも映像を売る最後の手段が残っている。無修正版の販売は福富麻次郎が独占販売となる。
 如月鬼堂は出演者を確保しなければならない。裏の面々からは三人しか出せない。
 怒りの夜はやや和らいで静かな飲み会と成った。もう帰りの新幹線はない。珠洲と瀬里菜は客を泊める部屋を準備する。


 最期のSM小説家 第十二幕 続銀行襲撃SMバイオレンス 完





 最期のSM小説家 第十三幕 究極の隠れ売春
 二〇二十年大暑下元。太陰太陽暦六月二十七日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 八月十六日。厳しすぎる残暑。熱中症の危険と搬送。新型コロナの感染さらに酣である。
 連続拉致強姦傷害事件と銀行爆破強奪事件は現金と一緒に拉致されたテラー四人が解放されてから捜査の進展はまったく無い。
 如月鬼堂らの全裸美人コンテストの企画は待っていましたと言うように受け入れられた。
 如月鬼堂は乗客がまばらな上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着く。瀬里菜が迎えに来ている。
 「皆さんお待ちです」
 リビングには福富麻次郎、杉下一行、館山弁護士が待っていた。
 「先生。どうでした」
 開口一番福富麻次郎が確認する。
 「待っていましたとばかりOKでした。この先は福富会長の方で進めていただきます」
 「ありがとう御座います」
 「確かに局では賞金は出せないので海外サイトからクラウドファンティングで集めるそうです。広告収入が期待できないですから」
 「それで特典は」
 「出資してくれた人の投票権を五倍にします。さらに海外から販売するものとは別にノーカット版を出すとのことです」
 無修正版を後日販売する為に投票も販売も海外サイトからとなる。
 ノーカット版は局の海外サイトから。通常の無修正版は福富麻次郎の海外事務所からである。
 「ああ。成程そう言う手で」
 「無修正にも出られるAV女優ほか出演者の確保が大変です。私は台本も書かなければ成りません。そちらのご協力をお願いします」
 「裏に出た方は三名だけですか」
 「来島結奈以外は交渉次第です」
 「判りました。予算の打ち合わせを行ってから掛かります。私もこれを成功させないと厳しいですから」
 福富麻次郎はこの企画が起死回生である。コンテストのAVを海外サイトから販売して今の急場を救わなければ成らない。
 樽常マネージャーと雨蔵編集長が駅に着いたので珠洲が迎えに行った。
 来てもらった用件は出演者の確保である。
 「ところで先生。この先どうなりますか。感染拡大は止まりません。野党もマスコミも営業自粛感染対策一辺倒な方向で国会を開けと迫っています」
 福富麻次郎は不安で堪らない。
 「このまま僅かな支援金だけで自粛要請。更に特別借地法改正して強制すれば日本経済はどうにも成らないですよ」
 杉下一行も同意見である。
 「補償はなかなか慎重ですが。官房長官はもう少し経済破綻寸前の現状を見極めて慎重なのが救いです」
 如月鬼堂は不満だが野党よりは慎重な考えをすると見ている。
 「今のリベラルは本来の個人の権利は守ろうとしてない。先生の嫌いな多様な価値観は尊重していますが概ね共助、共生を強制する勢力になっています」
 館山弁護士が解説する。
 「そうです。リベラルと言う国民に聞こえの良い美名を利用して与党の僅かな問題を叩いて少しでも議席を蔓延らせたいだけです」
 福富麻次郎はこの時とばかり溜まっていた不満をぶちまける。
 「アメリカ程ではないが、日本のマスコミもリベラルを掲げて完全に野党応援に回っている。とくにテレビ太陽だ。テレビ関東は中立だが」
 如月鬼堂もこれまでの不満を更に爆発させた。
 「国会など開かないで特別借地法も廃止して一切の強制を止めてほしい。そして二月に遡って完全補償と言うか賠償をすべきだ」
 「そして医療費を抜本的補填して重傷者のみ対応すべきだ。検査拡充はもう要らない」
 全員が不満をぶちまけている。その間に珠洲が樽常マネージャーと雨蔵編集長を出迎えて案内して来たので話は中断した。
 樽常マネージャーも雨蔵編集長も女優の推薦、売込みに余念が無い。如何に盛り上げるかである。
 そして刑法百七十五条猥褻図画等販売目的所持と言う日本の要らない法律。これにより公開できない重要な部分を海外から提供する。
 それによって大きな利益が期待できるのである。
 
 埼玉県警は酒井俊克が大田正勝の線を捨てきれない。奈良県警に酒井俊克の指紋提出を任意で依頼する要請が出される。
 太田正勝は弁護士を通して拒否した。対応したのは野崎卓郎弁護士である。
 埼玉県警は大田正勝が寸前まで勤務していたアンビションで採取した指紋と照合しようとしていた。
 実際パソコンは本人持込で事前に回収。LANケーブルや机の指紋は綺麗に拭き取られている。
 それでも事件当初令状を持ってオフィスから取れるだけ指紋を採取した。既に事件以来アンビションはオーダーが激減して大方機能していない。
 奈良県警も弁護士から任意提出を断られて了解せざるを得なかった。指紋押捺と同じと言う主張である。
 それで任意提出された便座とタンクから採れた指紋を埼玉県警に渡す。その照合では一致する物は無かった。
 
 大田正勝も強く不安を感じてしまう。もう一度連続拉致強姦傷害事件の首謀者に相談した。
 機関銃の製造に応じてもらう。
 ブルドーザーをレンタルして上の山荘の裏を耕し平らにした。川口付近の鋳物工場に分割して山小屋の壁を手配する。
 鉄板八枚に囲まれたトーチカ小屋を造った。
 山ごと自爆ができる発破も用意する。
 手が回ったら逃れられない。間違いなく死刑である。覚悟を決めた準備であった。
 絶対に逮捕はされたくない。自分を追い詰めた警察官を一人でも多く道連れにする目論見である。
 
 埼玉県警は解放された四人のテラーに何度も執拗に事情聴取を進めた。だがそれは犯人への手掛かりが何処までも無い事の塗り替えである。
 その内容がワイドショーで繰り返された。
 関東帝国銀行埼玉支店三時閉店後。パソコンの入れ替え作業を予定していたアンビションのスタッフ二十名がセキュリティカードをぶら下げて入る。
 それは入れ替えられたスタッフであった。
 先導者の大田正勝以外全員入れ替わっていたのである。
 荷物を背負ったまま店舗に入った。近くに居た男性行員が控室に置くよう注意する。男性行員は行き成り後ろから射殺された。
 田村摩子の証言では射殺したのは大田正勝であったとされている。
 更に大田正勝が先頭で男子行員に向かって発砲した。この時既に最初の二十名と姿の違う四人が後ろから入っている。
 この四人はセキュリティカードを付けてなかった。
 最初に入った大田正勝以下十九名はサングラスにマスク。白ワイシャツネクタイ。下も黒のスラックスであった。
 人数は確認してない。セキュリティカードの枚数からである。
 後から来た四人は防護服に付ける頭の部分を被っていた。
 このうち二人が内部を確認に回る。
 男性行員の射殺は大田正勝と後から来た四人の内二人が行った。
 女子行員にスマホを出させて服を脱ぐように命令したのはサングラスにマスクの十九人のうち一人である。
 大下洋子係長が裸にする理由を確認した。
 「逃げられない様にだ」
 サングラスにマスク。白ワイシャツネクタイの一人が説明する。
 「それなら下着はいいでしょう」
 大下洋子係長が下着を取ることを拒否した。
 後から来た四人の内一人が大下洋子係長を射殺してしまう。
 田村摩子ら四人を別にしたのも後から来た四人であった。
 現金輸送車が来た時点で後から来た二人が店舗から消えてしまう。ガードマンの射殺は通用口付近で行われたと思われる。
 それから拷問が始まった。
 拷問には後から来た四人は参加してない。
 その後に他の女子行員を射殺したのは後から来た四人の内二人であった。
 あと二人加わりキャリーバック、ガソリン携行缶その他が運び込まれる。その時点でテラー四人は麻酔を嗅がされて意識がない。
 意識を戻した時。生駒莉那、加東彩子、真野枝里の三名で地下室の中である。田村摩子だけ姿がなかった。その後開放されるまで三人とも見てない。
 田村摩子も最初地下室の様なところで太田正勝だけが居たと供述している。その後キャンピングカーに移された。
 地下室の床が板張りで窓が無いなど供述は一致している。
 この時。田村摩子は尿意に堪えられず床に失禁したことは話さなかった。
 加東彩子、真野枝里はトイレが鉄格子の中に付いていたと供述している。生駒莉那の供述では地下室にトイレが有ったと成っていた。
 生駒莉那は鉄格子に入れられてない。
 田村摩子がキャンピングカーに移されるまでのトイレの供述はなかなか取れなかった。
 眠らされていたの一点張りを続けているのである。
 年配の女性警察官がやんわり確認して尿瓶にさせられたと供述した。
 最初にテレビを見せられた地下室と六人から拷問された地下室。これは同じ場所であったかを田村摩子に問い質す。
 これには違うと思うという供述であった。だがはっきり示す根拠は無い。
 移動させられたかどうかも先入観だけで定かではない。
 奈良県警は大田正勝と防護服の六人が同じ場所に居るとの見解である。そしてそれは天川村ではなく関東と指摘した。
 
 連続拉致強姦傷害事件の防護服六人のアジトである。
 報道内容をテレビで確認していた。
 今アジトに居るのは川口の旅館でSM三昧した二人だけである。
 「大田の奴いろいろ準備したが警察はまだ天川村の太田を捜査するのか」
 「多分しないだろうと思うが。今度は弁護士も付いた」
 「我々と大田が一緒に居るとは何とも誤捜査だ」
 「ふぁあふぁあふぁははっは」
 「機関銃を渡したのか」
 「そうだ。奴は死ぬ気だ」
 「警察がこれ以上捜査に入らなければ良いのだろう」
 「そうだ」
 「指紋は一致しなかったな」
 「会社は上手に拭き取ったらしい。会社側に残ってなかったから一致しなかったのだろう」
 「しからば安全だろう」
 「そうとも言えん。危険を感じて放蕩三昧だ。警察は他に当てが無いから大田に迫る」
 「警察は太田の監視を続けるか」
 「そうだ。金遣いが荒ければ尚だ」
 「見切りで任意出頭か」
 「その可能性はある」
 「弁護士が抵抗するだろ」
 「その前に奴が切れる」
 「うーん。こっちも危険か」
 「いいや。奴はこっちを知らない。奴との連絡携帯を処分すればそれまでだ」
 「白ロムから外したSIMだから問題なしか」
 「それがこんなに長く使えるか。せいぜい一ヶ月だ」
 「だったら料金は」
 「持ち主は海外に住んでいる。引き落とし口座はある組織が管理している。今回の資金洗浄もその組織が行った」
 「しかし携帯の位置情報は残る」
 「それも問題ない。日本の捜査が及ばない海外の拠点幾つかを通している」
 「と言う事は大田の会話は海外と行った事に成るか」
 「そうだ。そしてその持ち主は別の国に居る。その前に大田は携帯を処分する筈だ」
 「本当にお主は抜かりが無いな」
 「どうだ。また川口で遊ぶか」
 「いいな」
 男はあの時の女が吐いた『みんな警察沙汰を免れる示談金だから。何でも泣き寝入り』の言葉が熱く去来して忘れられない。
 
 越後湯沢。如月鬼堂のマンション。中央の居間である。
 連続拉致強姦傷害事件の防護服二人と同じワイドショーを視聴していた。
 珠洲と瀬里菜は全裸に乳房と腰をぎりぎり隠すエプロン一枚である。
 如月鬼堂はワイドショーを観ながら執筆があまり進まない。珠洲と瀬里菜が交代で時間を置いて躰を密着させた。
 如月鬼堂は指で女の部分を柔らかく弄る。顔を引き寄せて唇を強く重ねた。
 「しかし捜査は何も進展しないらしいな」
 「連続拉致強姦傷害事件からずっと捕まらないのでしょう」
 「大概の犯罪は直ぐに割れる。犯人が狡猾だとこうなる」
 「大田正勝と判っている人も捕まらないのね」
 「連続拉致強姦傷害事件の六人がアジトに匿っているのでしょう」
 瀬里菜が付け加える。
 「さっきの放送内容ではそうも考えられる」
 「パパ大丈夫。もうじき土曜日だよ」
 「言うな」
 如月鬼堂は興奮度が一瞬上がったのか。珠洲の膣に入れた指を強く?きだす。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーー」
 珠洲の尿道口から高く潮が噴き上げた。
 囲炉裏端はびしょ濡れである。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。駄目よパパ。此処でやっちゃ。びしょぬれーー」
 珠洲は荒い息遣いが治まりかけて苦情を言う。
 瀬里菜が雑巾を束で持って来る。
 珠洲はそれで濡れを拭き取って雑巾を洗濯機に投げ込んで回してしまう。
 「パパは土曜日お休みしたいのね」
 「コロナに成った事にするか」
 「そうしたら隔離されちゃうよ」
 「それも困るな。熱中症にするか」
 「駄目だよ。取材されちゃうよ。それで編集の叔母さんが見舞いに来てしまったらどうするの」
 「うーーん。困ったな」
 そこに館山弁護士からテレビ電話が入る。
 「たいへんですよ。この暑い中検問だらけで。警察官が熱中症で救急搬送されていました」
 「無駄な検問ですね」
 「それしか手段が無いのでしょう。あちこちでキャンピングカーのトイレを回収してDNA検査していますよ」
 「それも膨大な無駄ですな」
 「他に手掛かりが無ければそんな事に成ります」
 「ところで太田正勝と判っていて捕まらないのですか」
 「指紋も採取できていません」
 「ニュースでは照合したとか。奈良県に住む似ている人と」
 「事務所から出た指紋のどれかとその人が一致すればです。押捺は拒否されたようです。野崎先生が拒否しました。そこまでの義務はありません」
 「当然ですね」
 「照合したのは任意で回収したキャンピングカーの便座とタンクに付いた指紋です」
 「完全に否定する決め手には成って無いと」
 「そうですね。それと遊び歩いていると言う噂があります」
 「警察がまだ張り付いているのですか」
 「そのようで。資金は一部山を売却しています。それなので強奪した資金とは言えません」
 「そうですか」
 「明日は大丈夫ですか」
 館山弁護士は明日土曜日のインターネットアダルト放送のコメンテーター出演の事を警戒して連絡をくれたのである。
 「いま頂いた情報で何とか切り抜けます」
 
 大田正勝は生駒の旅館街に入った。其処は知る人ぞ生駒新地とも呼ぶ。
 通常は宿泊込みで六万と安い。だから女性の年齢は若くない。
 其処に特別なコースができた。紹介したのは機関銃を作った鋳物工場の会長である。
 刑事二人が行動を尾行している。
 「いつまで酒井俊克を尾行するのですか」
 「仕方ない。無駄だが埼玉県警の依頼だ」
 「どう見ても酒井俊克の周りに連続拉致強姦傷害事件の六人が居るとは思えません」
 「酒井俊克が大田正勝なら事件後は別行動ということだな」
 「そうなると地下室が二つ必要です。麓の家も山奥の家も赤外線センサーで確認しました。地下室はあり得ません」
 「そうだな」
 「野崎弁護士から猛然と抗議が有ったらしいですね」
 「埼玉県警にも強く抗議したらしい。全部向こうに抗議してもらいたいものだ」
 「マイナンバーも戸籍も住民票も別人です。ただ似ているだけですからね」
 「大田正勝が何処にも確認できない。だからそういった疑いを掛けるのだろう。まったく見込み違いだ」
 大田正勝は旅館の部屋に通された。旅館は一組だけの使用である。
 「お部屋代とお料理、お飲み物でこちらになります」
 女将らしき中年の女が伝票を差し出す。収入印紙が貼られて領収とスタンプが押されているので領収書兼用である。
 大田利勝は二十万を帯封から抜いて支払う。
 もちろん帯封の刻印に関東帝国銀行等とは記されて無い。
 「女の子お呼びします。女の子にはお約束の通り五十万をお願いいたします」
 「うん」
 女はミニスカスーツで入って来る。
 横に座ると太腿はほぼ丸出しである。乳房もそれなりに有りそうに見えた。スタイルは悪くない。
 だが美人とは言えない。それでも美人の役をやっているがどうにも美人とは言えない七光り個性派女優よりは良い。
 歳は三十やや手前に見える。充分に大人である。
 性行為を浴する対象と成る女の範疇とは言える。
 「枝里菜です。本日はありがとう御座います」
 一夜限りの源氏名を名乗った。
 五十万を渡す。
 枝里菜はそれを数えないでバックに仕舞う。
 大田正勝は行き成り女の手を引っ張り立たせる。
 ジャケットを脱がす。カット層を捲り上げて首から抜く。方紐の無いピンクのブラが丸出しに成った。
 ブラは乳房を斜め半分隠している。乳首は辛うじて納まっているだけである。
 大田正勝は傷付けたい衝動に強く駆られた。
 ブラのフロントフォックを外して乳房を丸出しにする。
 やや垂れ気味だが柔らかく大きさもそれなりにあって形も良い。乳輪は二.五センチくらい。色は濃い。逆に肌の色は薄い。
 乳首は丸くやや出ているだけである。
 片方の乳房を手で掴んで顔を寄せて唇を貪る。
 スカートを捲り上げた。内腿を触って余分な肉が無いことを確認する。
 太田正勝はこの女を破壊したい衝動に強く駆られていた。
 田村摩子を自分で破壊しなかった事に未練を感じる。あのように乳房を斬りたい。だがそこまではできないと思う。
 契約には服からはみ出す部分に治らない傷を付けないとされていた。また再生できない躰の一部を切り取るのは禁止されている。
 スカートの後ろのファスナーを下ろしてスカートを畳みに落とす。
 ピンクのショーツの上から女の部分を強く刺激して膣液を滲み出す。
 汚れたショーツを掴んで下ろすいた。それを裏向けて股間の二重布を翳す。
 「ああ」
 枝里菜は恥ずかしさを飲み込む溜息を漏らした。
 そのまま風呂に連れて行く。男湯にだけ湯が張られていた。
 枝里菜を湯に浸けて太田正勝は脱衣する。
 湯の中で挿入して中出ししてしまう。条件の範囲である。
 中出ししても太田正勝の興奮度は下がらない。
 そして警察が幾度も捜査に来る事で精神的に追い詰められていた。
 警察の捜査へのさかしまな怒りを枝里菜にぶつけようとしているのである。
 枝里菜は相当の因果を含められていた。それでも軽いことで済ませてほしい。恐々と怯えながら逆らって刺激しないように身構えている。
 湯から出した枝里菜の躰を入念に拭く。ドテの黒い塊をドライヤーで乾かす。
 蝋燭に点火する。
 金属の櫛で陰毛を持ち上げる。蝋燭の火でそれを焼く。陰毛は瞬時に燃えて縮れる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 何度も持ち上げて焼く。
 「ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 縮れて僅かになった陰毛に強力な粘着テープを充てる。
 それを一気に剥がす。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーはあーーーーーーーーん。抜いたらなくなちゃうーーーーーーーーー」
 枝里菜は泣きべそ顔で抗議する。
 「何言ってる。ルールの範囲だろ」
 「ああーーーーーーーーーー」
 更に抜けてない部分に当てる。
 「ええーーーーーーー」
 また一気に剥がす。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
 完全には抜ききらない。何度も繰り返した。
 「あ、ああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー」
 枝里菜はポロポロ涙を溢す。
 薄っすらと紅い皮膚が丸出しに成った。綺麗なパイパンである。
 鏡を当てて見せる。
 「綺麗だよ」
 「いやあーーーーーーーーーー。いや。いや。ああん。あはん。あはん」
 枝里菜は泣き続けた。
 だがこれだけでは許さない。
 床に寝かせる。両手を広げて竹竿を当てた。短い縄六本で一箇所ずつ手首、肘、二の腕を縛る。
 脚首に革の拘束具を付けた。それにはフックが付いている。天井から滑車が下がっていた。滑車から下がったフックを下げて脚首のフックに引っ掛ける。
 滑車の縄を引いて脚を引っ張り上げた。お尻がやや浮くところで止める。
 枝里菜の躰は床に両手を広げて寝かされ脚がV字開脚に吊るされている。閉じ合わせた女の部分は真上を向いて丸出しである。
 大田正勝は何本も蝋燭に点火した。
 枝里菜は恐々とそれを見つめる。
 最初は乳房に流す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 溶けた蝋涙が乳房を包む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は強烈に悲鳴を上げ続けた。
 乳房は真っ赤な蝋涙に包まれる。
 太田正勝は臍に掛けた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 続いて充分に芯の周りに溶けた二本を両手に持つ。
 丸出しにされ閉じ合わせた女の部分の粘膜。そこに流すように掛ける。
 「あーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈にサイレンの様な悲鳴が轟く。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。ああはん」
 枝里菜は顔を振って涙を飛ばして恐怖の形相で泣き続けた。
 大人の女。その子供のような泣き方。それが太田正勝を熱い満足に包む。
 太田正勝は鞭を構えた。
 枝里菜の頭越しに乳房を叩く。先端が四角い塊の一本鞭である。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜の躰は強く震撼する。表情は一気に破裂した。乳房の蝋涙は割れて大方が砕け落ちる。
 次の一発が残った残骸を叩く。
 「ぐううおおーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は痛みに躰を揺すって震撼させた。
 また涙が溢れる。
 もう片方も叩き割ってしまう。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 次は股間の蝋涙である。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 一番弱く敏感な部分を叩かれると判って恐怖の悲鳴である。
 太田正勝は鞭の先端を女の部分を包んだ蝋涙の上から叩き付ける。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 一発目は蝋涙が分厚いのでそんなには痛くない。それでもヒステリー状態の枝里菜は悲鳴を上げた。
 割れた中心に二発目を叩き付ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は直に当っていた。V字開脚の脚を強く振り払って躰を震撼させる。
 「い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜はまた涙を噴出すように流す。
 痛みに苦しみ歪む表情から流れる涙。太田正勝の加虐心をとことん陶酔させる。悦びの極地である。
 それでももう一発叩く。剥き出しになった粘膜を直撃する。
 「ぐうおーーーーーーおーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーー。ううーーーーーーーー。あはあん。あはん。あはん」
 更に脚をガタガタ揺すぶった。躰を固く硬直させ一気に脚を蹴り上げる。
 「ぐううーーーーーーーーー」
 もう一度躰を硬直させ反対方向に一気に蹴った。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は堪らない痛みに躰を動く限り暴れさせる。
 「ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いで涙はポロポロ零れた。
 大田正勝は乳房の蝋涙を綺麗に手で払って取る。もう一度綺麗な乳房をじっくり眺めた。
 立ち上がってタバコに火を点ける。
 枝里菜の胸の横に座った。
 タバコを右の乳首の直ぐ上に近付ける。
 「はあーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴を漏らし枝里菜の目が乳首に集中していた。
 「はあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。あーーーーーーー。あーーーーーー。うわあーーん。うわあーーん」
 タバコの火は乳房に押し付けられて消える。
 黒い煤の塊が乳房に残った。
 「いやあーーーーーーーーー。だめだよーーーーーーーー。これはあーーーーーーーーーー。ああーーん。ああ。ああ」
 枝里菜はデスペートに拒否を訴え泣き喚く。
 「黙れ。他の女もこの位されているだろ」
 「ええーー」
 「こんなのじゃ済まないぞ」
 「え、ええーーーーーー」
 驚愕の表情で涙を溢す。
 それでも立ってもう一本タバコに火を点ける。
 「やめてーーーーーーーー。おねがあーーいーーーーーーーーー」
 もう一度胸の横に座った。
 上から火を下にしてタバコを近付ける。
 「あはあーーーーーーーーー」
 枝里菜は肩を捩って床を反対方向に逃げるように退る。
 同じ右の乳房に乳首の直ぐ下を狙って押し付けてしまう。
 「あーああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーー。あはあーーーーーーん。あはーーーーーん」
 同じ様に黒い煤の様な痕が残った。
 枝里菜はポロポロ涙を溢す。
 右の乳房だけに痕を付けた。態と片方を綺麗に残す。
 大田正勝はまだ許さない。今度は半田鏝を暖める。
 「ああーーー。もうーー。それでなにするのよーーーーーー」
 枝里菜はヒステリックに喚く。
 「お前のクリトリスを焼く」
 「やめろーーーーーーーー。そんなのやりすぎだよーーーーーーーーーー。やめろおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は躰をばたばた暴れさせ半狂乱に喚く。
 太田正勝は枝里菜の右脚の太腿を片腕で巻くように掴む。その指先でクリトリスの包皮を捲る。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーー。だめーーーーーー」
 枝里菜は泣き叫び続けた。
 太田正勝は半田鏝の先端を剥き出したクリトリスに当てる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 半田鏝の先端を廻すように焼く。
 「ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は号泣の涙を流した。
 太田正勝はクスコを手にする。
 痛みに震え泣き続ける枝里菜の女の部分に挿入して抉じ開けてしまう。奥には子宮口が確認できた。
 「ああーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は断末魔のように切羽詰って許しを請う。
 「お前の女の奥が丸見えだ。この一番敏感な天井部を焼くからな」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は狂ったように猛然と叫ぶ。
 それでもまったく動じない。これで最後かもしれないと思う太田正勝である。
 とことんやらないと悔いが残ると思った。
 先にブジーを取り出す。
 奥の子宮口にその先端を押し込む。二センチ位差し込んでしまった。
 「ぐうああああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間を引いて痛みに泣き叫ぶ。
 「あわあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 太田正勝は半田鏝を取る。左腕で太腿を掴む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめえーーーーーーーーーーーーーーー」
 枝里菜は力の限り叫ぶ。
 それでも太田正勝は焼けた半田鏝の先端をクスコの中に突っ込む。膣天井部を撫でるように手前から奥に擦る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの様な枝里菜の悲鳴が轟いてそのまま失禁してしまう。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーん。ああーー。ああーー。ああーーああーーーああーーーああーーー」
 枝里菜は狂った様に泣き叫び続ける。
 太田正勝は自分の服を着けた。
 枝里菜の戒めを脚から外して行く。
 枝里菜はどうにも成らない痛みに暴れ続ける。
 枝里菜は泣き続けたまま動けない。
 「風呂に浸かって痛みを癒せ」
 そう言われても枝里菜は立てない。
 医者が呼ばれた。
 女将は枝里菜の躰を確認する。
 タバコの痕にはほぼ動じない。
 泣きじゃくる枝里菜の身振りと僅かな言葉。それでも行われた事はほぼ女将に伝わった。
 女将が医者にそれを伝える。直ぐに局部麻酔が打たれた。
 「酒井さん。これはちょっとやり過ぎです。咎める訳ではありません。お金の方もう少しどうにかしていただけません」
 太田正勝は帯封から残った三十万を出す。
 女将は首を振る。
 太田正勝はカバンの中から帯封を二つ置く。
 「そうですね。そのくらいは」
 女将もそれで仕方ないと収める。
 枝里菜はそのまま別の部屋に寝かされた。太田正勝はまだ電車があるのでそのまま帰る。
 大田利勝が生駒の駅に向かって降りて行く。それと入れ替わりに見張っていた刑事二人が旅館に入る。
 「奈良県警の大村です」
 「同じく河田です」
 「どのような事でしょう」
 女将は険しい表情で刑事二人を見上げる。
 「風俗の取締りではありません。此処から出て行った酒井俊克氏の件で」
 「はい」
 「念の為ですが。大田正勝に似ていまして。触れた物をお借りして指紋を採らせて頂きたいのですが」
 女将は暫らく考える。
 「料理には手を付けていません」
 ビールは女将が注いだ。
 「このグラスでは」
 まだ洗ってなかったビールグラスの中身を捨てて布巾で掴んで渡す。
 「ご協力ありがとう御座います」
 「いいえ」
 「あの。酒井俊克は戸籍上別人の確認が取れています。あくまで念の為ですのでご理解下さい」
 刑事二人はそう断って立ち去る。
 
 連続拉致強姦傷害事件六人の内の二人は川口に着いていた。
 居酒屋で時間を潰す。この後に女を予約した旅館に向かう。
 居酒屋の席は感染防止に距離を取っている。その上強化ビニールのカーテンで対策している。会話は他の席に聞こえない。
 「大田の奴を護るか」
 「いいや。成り行きだ」
 「逮捕されたらどうする」
 「それでも影響は無い」
 「逮捕して山をとことん調べるのではないか。山から金は出てこないのか」
 「資金を洗浄した組織が預かっている。いま奴が使っている金は山を一部売った金だ」
 「自爆したら金はどうなる」
 「その時は組織が押収だ。だが逮捕されて出て来た場合は帰してもらえる。引渡し方法は制約されるが」
 「ところで今日はどう責める」
 「女を丸坊主というのはどうだ」
 「良いな。衝撃的な顔が愉しみだ。今は女が強くなり過ぎた。お仕置きは是非必要だ」
 「そうだ。物足りないがしばらくはこっちで辛抱だな」
 「これまで六人お仕置きした。その後が見たいな」
 「近付くのは危険だ」
 「分かっている」
 二人はそのまま前回と同じ旅館に向かう。
 部屋に通され料理は並べられていた。
 女将らしき前回と同じ和服の女性が座って手を着いて挨拶する。
 「本日はお越し頂いてありがとう御座います。誠に申し訳ございません。女性の事情が急に変わりまして本日のご提供ができなくなりました」
 年配女性は畳みに頭を擦り付けて詫びた。
 「判ったよ」
 そう言って川口の会長は二十万を置く。
 「いえいえ。それは頂けません」
 「いいよ。少しのんで料理頂いて帰るから」
 「とんでも御座いません。お料理、お飲み物はサービスさせていただきます」
 「いいよ。次で埋め合わせてよ。良い女を頼むよ」
 「それはもう。最優先でご連絡いたします」
 「じゃこれは。納めてよ」
 「いえいえ。とんでも御座いません」
 「いいよ。出したものは引っ込めんよ」
 川口の会長の言葉はやや強い。
 女将らしき女性は幾重にも詫びてその金を納めた。
 
 枝里菜。本名篠田茉莉は太田正勝から合計二百八十万を受け取ったが納得行かなかった。
 あまりにも酷いプレイ内容である。
 喧嘩をして怪我をさせた相手に慰謝料五十万を払って示談にした。
 自分の手元に二百三十万が残る。
 篠田茉莉が悶々としているところへ刑事が尋ねてきた。
 「篠田茉莉さんですね。奈良県警の大村です」
 「同じく河田です」
 「何ですか」
 篠田茉莉は怯えている。
 「ちょっと酒井俊克の事でご協力頂きたいのですが」
 大村巡査部長が写真を見せる。
 「知りません」
 「風俗の取締りではありません。我々は捜査一課です。あそこの女将さんにも協力してもらいました」
 「酒井俊克が大田正勝でないか調べる為に別件で逮捕したいのです」
 「ええ。あの人が銀行爆破強奪事件の犯人ですか」
 「そうと決まったわけでは有りません。戸籍上は別人のようです。真相を確かめる為貴方への傷害罪で一時別件逮捕したいのです」
 「ええ。あいつ逮捕されるのですか」
 「一時的にですが。その為に篠田さんの受けた傷の写真を取らせていただきたいのです」
 「ご協力願えませんか」
 「私はどうなります」
 「被害届を出してもらうだけです」
 「判りました。そう言うことでしたら」
 篠田茉莉は奈良県警に同行した。
 
 八月二十二日朝十時過ぎ。如月鬼堂は上越新幹線の誰も乗らないグリーン車で越後湯沢に着く。
 改札には珠洲と瀬里菜が迎えに来ていた。
 さらに普通車で着いた樽常マネージャーと編集の小川綾香。新人SM嬢の杉浦瑞樹が合流する。
 杉浦瑞樹は雑誌の撮影。記事の取材プレイ及び全裸美人コンテストの出演準備である。
 如月鬼堂のマンションに戻りプレイの準備に掛かる。
 撮影の機材とカメラマンは後から着いた。駐車場が無いので機材を降ろして駅近くの駐車場を利用する。
 既に撮影の準備はできていた。ゴム床に内装を変えたプレイルーム専用の部屋である。
 杉浦瑞樹は珠洲より僅かに身長は高い。細身でスマートである。脚の線も美しい。内腿に余分な肉はない。
 美人と言うより可愛いポチャである。
 醜婦を申し訳程度にカバーする言い方のポチャではない。小作りで実に可愛い顔である。
 初めての女を脱がす感動はいつやっても悦ばしい。杉浦瑞樹には綺麗なヌードが期待できた。
 手首を縛って天井のフックから引っ張る。脚の裏は床に着いている。
 Vネックノースリーブのカットソーを捲りあげた。薄いグリーンのブラが丸出しに成る。乳房は確り中に納まっていた。
 頭の上までカットソーを捲り上げて後ろから瀬里菜がピンチで留める。
 如月鬼堂はブラの肩紐を前から外した。
 瀬里菜が後ろからブラのフォックを外す。
 如月鬼堂が外れたブラを掴んで籠に投げる。
 僅かに腰を包んでいる白いデニムのミニスカートの後ろに手を回す。
 「すいません。捲って下さい」
 編集の小川綾香がパンチラを要求した。
 珠洲と瀬里菜は僅かに表情を強張らせる。
 躰にぴったりのデニムなので裏返しに成るように捲った。
 ショーツも薄いグリーンである。ストッキングは季節柄履いてない。露になった股間部分の形は良い。
 脚が美しく股間に適度な隙間がある。実にそそらせるパンチラと言えた。
 スカートを脱がす。躰に密着するデニム生地なのでスリムな太腿から引き摺るように下ろした。
 ショーツ一枚の綺麗な女の腰が露になる。
 そのショーツも如月鬼堂の手で下ろした。
 杉浦瑞樹のドテの塊は多くない。濃い色の陰毛が靡いている。股間の隙間には割れ目が線で見えるだけである。
 びらびらは外に出っ張ってない。
 如月鬼堂は杉浦瑞樹の左の膝に縄を掛ける。その縄を脚首にも掛けた。その先端を天井から下がったフックに引っ掛け脚を引っ張り上げてしまう。
 杉浦瑞樹の股間は一気に広がった。
 「いや」
 杉浦瑞樹は僅かに声を漏らし恥ずかしさに表情を崩してしまう。
 如月鬼堂はフックにその縄を固定する。
 丸出しに成った女の部分。そこには大陰唇に挟まれた細く長いクリトリスを包む包皮が僅かに姿を現す。
 そこから細く長くびらびらの僅かに覗き出た部分が二つに切れている。
 ドテ以外の陰毛は綺麗に剃られていた。
 女の部分の両側の盛り上がった皮膚が周りより僅かに紅さを際立たせる。そんなに紅い訳ではない。周りが白いのである。
 如月鬼堂は儀式のように女の部分を開帳する。
 びらびらは細く僅かな縁が薄紅色にその輪郭を形成していた。内部は薄紅から薄橙にグラデーションを描く。
 中央部分は粘膜の皺が幾重にも並びその中に僅かな尿道の亀裂が確認できた。
 膣口は粘膜の塊が三つに割れる。
 僅かに覗く膣天井部も粘膜の塊がでこぼこに連なっていた。
 杉浦瑞樹は恥ずかしさに染まった顔を斜め下に逸らして堪え続けている。実に可愛い女の辛苦の表情である。
 「実に綺麗だ。その表情の紅さも可愛い」
 「いや」
 杉浦瑞樹は恥ずかしい表情を更に眩ませ顔を逸らす。
 躰は羞恥に微妙に震えていた。
 「私のお○○こをご鑑賞下さいと言って」
 編集がまた正面の席から口を出す。
 杉浦瑞樹は泣きそうな表情を堪える。
 珠洲と瀬里菜はこれに露骨な不快感を顔に出す。二人とも如月鬼堂はもとより男性にはこの表情を滅多に示さない。
 「わ、た、し、の、お、○_、こを、ご、かんしょう、ください」
 杉浦瑞樹は辛うじて涙を堪えて台詞を復唱した。
 「恥ずかしいね」
 「うん」
 杉浦瑞樹は如月鬼堂の肩に顔を押し付ける。
 「おしっこ出して頂いて宜しいですか」
 編集は更に要求をエスカレートさせた。グラビア部分は編集の要求が入るが今回は強すぎる。
 美人では無い。だが異常に可愛いから売り出したい。だが同時に苛めたいらしい。
 「だせるか」
 如月鬼堂は庇うように聞く。
 「え、え、できないですよ」
 杉浦瑞樹は小声で答えた。躰は更に恥ずかしさに震える。
 「このタイミングでは無理だ。後でさせる」
 如月鬼堂がきっぱり否定してしまう。
 如月鬼堂は人差し指と中指を裏向けに杉浦瑞樹の乳首を挟む。親指を微かに乳首に被せる。
 暫らく静かな愛撫を続けた。そして耳に僅かに唇を触れさせる。微妙に息を掛けた。
 もう片方の手で女の部分にゆっくり指二本を入れる。
 僅かに濡れ始めていた。それを柔らかく責めて拡散する。
 クリトリスと膣天井部を同時に責めた。
 乳首に充てた指は軽く押さえている。耳に息は送り続けた。
 膣からは濡れが流れて出る。それは内腿まで流れた。更にゴムの床に落ちる。半透明と白の斑な溜りができていた。
 「はあ。ああ。ああ」
 杉浦瑞樹は微かに女の声を漏らす。
 そのあと駿河問いに吊るしを行う。杉浦瑞樹のスマートな躰が空中に綺麗な五角形を描いていた。
 さらにドリルバイブの責めで失禁と失神を披露してしまう。
 生物責めや究極の痛みは無理そうなので今回はカットした。徐々に慣らせば良いのである。
 編集の小川綾香は不満そうだが自分の濡れをいち早く処理する。樽常マネージャーを制して先にトイレに飛び込んだ。
 珠洲と瀬里菜は顔を見合わせて笑う。
 杉浦瑞樹は全裸美人コンテストの有力候補だがまだまだ訓練が必要となる。
 
 奈良県警は逮捕状を持って鳥海警部と大村巡査部長他二名が天川村に向かった。
 警察車両二台である。
 大田正勝は麓の家のセンサーでこれをキャッチした。
 建設したトーチカに入る。
 トーチカから見える山道の途中に発破を埋めていた。
 途中数箇所にセンサーを追加している。
 双眼鏡で確認した。警察車両二台。警察官四人である。見た事のある刑事たちだ。このくらいは機関銃だけで良い。
 二台目を狙う。フロントガラスに見える二人を射殺した。
 直ぐ前の一台に照準を合わせる。一人を射殺した。一人は車から出る。
 一気に掃射した。
 ズズズズズズズズズズズ。
 最後の一人は銃弾を食らって崖から転落する。
 太田正勝は住居に食事を取りに帰り食料を運び込んで持久戦に備えていた。
 上って来た最後の一人が銃撃されましたと通信しただけである。それで警察は機関銃までは想定しなかった。
 それでも特殊事件捜査係SITが出動する。
 警察車両四台が山道を進んだ。合計二十名である。
 大田正勝はこれをキャッチしていた。
 機関銃を作った川口の会長と通話した携帯は床の下の発破の中に入れてしまう。
 警官隊SITは警察車両二台が置き去りに成った所まで来る。
 SITは二台の車両が機銃弾でやられている事を確認した。
 それ以上車両では進めない。ジュラルミンの盾を持って隊列を整える。発破はSITの隊員の真下である。
 大田正勝は今がタイミングとスイッチを入れた。
 グオーーーーーーーーーーーン。
 崖の道ごと一気に崩落する。車両もSITの隊員も谷底に落ちてしまった。
 太田正勝はその上から機関銃を浴びせる。
 既に上空にヘリが監視していた。
 ヘリに狙いを定める。
 ズズズズズズズズ。
 機関銃を掃射した。
 プロペラに命中してヘリも谷底に墜落する。
 既に各局臨時ニュースとなった。
 マスコミは山の麓まで来ている。報道のヘリは接近を抑制された。
 
 八月二十五日夕方。越後湯沢の如月鬼堂のマンション。その囲炉裏端である。
 全裸美人コンテストの打ち合わせで集っていた。
 福富麻次郎、館山弁護士、杉下一行がビールを飲みながらの打ち合わせである。如月鬼堂は麒麟のクラシックラガーを飲む。
 福富麻次郎、杉下一行もそれに合わせていた。
 館山嘉朗弁護士だけアサヒのスーパードライである。クラシックラガーが濃すぎて受け付けないらしい。
 「普通のラガーがニューに成って私は受け付けないものに成りました。もう飲めるビールがクラシックラガーだけですよ」
 福富麻次郎の言い分である。
 三十数年前麒麟ラガーが市場の半分以上を独占していた。その世代にはいまのライトなビールは受け付けない。
 「そうです」
 如月鬼堂も同じである。
 「ビールは缶より瓶が良いですね。冷蔵庫で冷やすより氷水で冷やす方が美味いですね」
 杉下一行である。やはり年配者の好みは一致しているらしい。
 そんな場面に臨時ニュースが入った。
 「ええーー。まさかあの人が大田正勝だったの」
 瀬里菜がつまみを運びながら驚きの声を上げる。
 「それはないだろう。完全に別人の戸籍、住民票が確認されていた」
 館山弁護士は受け入れない。
 珠洲はカウンターの中のテレビに釘付けである。
 「しかし戦闘準備をしていたとは」
 「意外ですな」
 「しかし何とも疑問だ。抵抗したのは太田正勝一人。戸籍も指紋も幾つも疑問が残ったままだよ」
 如月鬼堂も目の前の現実に懐疑的である。
 「そうです。野崎先生に詳しく確認しないと分かりませんが。何故戦闘準備をしていたかです。警察は何処で太田正勝と決めて逮捕に行ったのでしょう」
 館山弁護士は強く疑問を呈した。
 テレビ画面は奈良県警の正面から実況アナウンサーに代わる。
 「警察は確認漏れ事項が有ったのでその確認に捜査員が向かったら行き成り機関銃で発砲して来たと説明しています」
 どうやら別件逮捕の件は伏せられていた。
 「警察側の被害はどのような状況ですか」
 臨時キャスターが実況に確認する。
 「まず捜査に向かった四名の刑事です。その後SITの隊員二十名が向かいましたが発破が仕掛けられていて谷底に落とされました。また視察に向かった警察ヘリが撃墜されています」
 「撃墜?・・。発破は山道に仕掛けてあったと考えられますが。自動小銃でヘリを落としたのですか」
 「いいえ。機関銃の様な物と考えられています。トーチカの様な鉄板の建造物が作られていてその中からプロペラを狙われたようです」
 
 太田正勝はSITがパラシュート降下する事を想定していた。機関銃をヘリに向けるべく準備している。
 だが警察は山越えの作戦に出た。
 谷底の隊員の救出にドローンを飛ばす。更にトーチカの監視にもドローンを飛ばした。
 太田正勝は谷底を探るドローンに機銃掃射して撃墜する。上空のドローンも撃墜した。
 予測に反して警官隊が山越えして来るのは察知している。態と焦って見せて近寄らせた。
 SITは太田正勝の山頂の家の裏まで来る。
 地下の発破で一気に飛ばせると思う。こっちは全部上に集らせるまで撃たない。
 ヘリは飛んで来ないようである。
 交渉人がメガフォンで話し始めたら機銃掃射する構えでいた。
 太田正勝はSITではなく一課の捜査員らしき私服が山頂の家の中に入るのを確認する。前に来た警察官もいた。
 機銃でSITの隊員に向けて一斉射する。機銃はジュラルミンの盾を貫く。
 SITの隊員数名が倒れた。家の裏に引こうとする瞬間発破を掛ける。家ごと山頂部分が崩壊した。
 トーチカも下から崩れる。
 誤算が有ったのである。太田正勝は自分も吹っ飛ぶ計算で居た。トーチカが頑丈過ぎて中で頭を打って気絶しただけである。
 SITと奈良県警捜査一課に大被害を出して終息した。
 
 夕方の報道番組が引き継いで放送する。その内容に如月鬼堂の居間は更に懐疑的になった。
 「山の上の酒井俊克の住居とその奥のトーチカの様な建造物共々山の中腹一帯が発破で吹き飛びました。まだ詳しい状況は判りません」
 現地実況のアナウンサーが報道する。
 山の中腹が抉り取られた状況が放映された。
 やや離れた所から報道ヘリの映像が入る。山の頂上手前が擂鉢状に抉られ瓦礫の中に赤い鉄板で作られたトーチカが斜めにひっくり返っていた。
 「酒井俊克が太田正勝とまだ確認はされていませんが、酒井俊克は自殺を図ったのですね」
 メインキャスターから実況担当への確認である。
 「はい。山ごと自爆をしたという状況です」
 実況アナウンサーが答えた。
 「機関銃に発破。こうなると酒井俊克が太田正勝ですかな」
 如月鬼堂の見解が傾く。
 「日本に二つの戸籍、住民票、マイナンバーまで。有り得ない。そんな事はないです」
 館山弁護士は認めない。
 「銀行爆破強奪事件の時もこの立て篭もり抵抗にも相当のバックがないとできない。何か共通点が有ると思う」
 如月鬼堂は更に疑問内容を深めた。
 「自爆してしまえば何も分からないままですね」
 珠洲がカウンターから発言する。
 「野崎先生と話してみましょう」
 館山弁護士が連絡を取った。
 「いやあ驚いた。あんな物まで造っていたとはね。酒井俊克は警察に犯人に仕立て上げられると異常に恐れていた」
 「それでは酒井俊克は太田正勝ではないのですね」
 「ありえない。酒井俊克は今々現れたわけではない。以前からあの山奥に住んでいて役所も確認している」
 野崎卓郎弁護士はきっぱり否定する。
 「別人で銀行爆破強奪事件には本来無関係であったと言う事ですか」
 「そうだよ。だが武器を提供したのは連続拉致強姦傷害事件のグループの可能性はある。向こうから酒井俊克にアプローチした可能性は考えられる」
 「それは有り得ますね」
 「酒井俊克の父親も冤罪で長く収監されて獄中死している。酒井俊克はホームレスから這い上がったらしい」
 「警察に恨みを持って更に自分も冤罪で潰される。そう思ったのですね。それであそこまでの抵抗を」
 館山弁護士はそれなりにやや納得した。
 「先生。土曜日が遠くて良かったですね」
 「そうだな」
 如月鬼堂も安堵する。四日後には事態ははっきりすると思う。色々な意見も出尽くす。それからなら問題ない発言ができる。
 
 SITは状況確認と捜索にヘリから爆破地点に降りた。
 トーチカの確認。爆破に巻き込まれたSITの隊員と捜査一課の数名。更に谷底に埋まったSITの隊員及び刑事四人の捜索も始まった。
 大田正勝は身柄を確保されて病院に運ばれてしまう。だが軽症なので県警に輸送して取調べが始まった。
 太田正勝は黙秘しますの一点張りである。野崎先生を呼べそれだけしか言わない。
 野崎卓郎弁護士が面会した。
 大田正勝の言い分は以下の通りである。
 自分は酒井俊克。太田正勝ではない。警察が強引に犯人にしようとしているので防衛手段を講じた。
 自分の父も冤罪で死亡したと言う。一人でも多くの警察官を道連れに死ぬ心算であった。死刑は承知している。
 警察の捜査には一切協力しない。
 黙秘権を貫く。
 先生には警察が拷問しないように常時面会をお願いしたい。費用は五百万を追加で振り込みました。
 山を売った資金ですと付け加えたのである。
 以上であった。野崎卓郎弁護士はその通り報告する。
 野崎卓郎弁護士はテレビのワイドショーに出演して状況を語ったのである。
 
 杉浦瑞樹は如月鬼堂の東京に在るプレイルームに呼ばれた。
 まだ極端にハードはできない。如月鬼堂は二十万を渡す。
 杉浦瑞樹は浅黄色のレースで透明度の高いワンピース姿である。ブラとショーツは影だけ透けていた。
 如月鬼堂は躰を引き寄せる。
 強く抱きしめて唇を貪った。
 その体勢で背中のファスナーを下ろす。
 前からワンピースを剥がしてしまう。肩を抜いて床に落とす。
 純白のブラとショーツだけの姿に成る。
 ブラは乳房を大方包んでいた。そのブラを剥がす。これも片手に納まる乳房だが綺麗である。
 三角形の盛り上がりの先端に十五ミリくらいの乳輪。それに小さな乳首が尖っている。色は日本人離れした薄橙である。
 下着の上から股間を執拗に責めた。乳首も同時に指三本で抓んで刺激する。その体勢でまた唇を貪ってしまう。
 杉浦瑞樹は嫌がってない素直に受け入れていた。
 ある程度股間が濡れたところでショーツを脱がす。
 股間の当っていた部分を表に反した。それを杉浦瑞樹の顔の前に翳す。
 「いやあーーーーーーー。だめーーーーーーーー。いや。はずかしい」
 杉浦瑞樹は首を振っていやいやをする。
 「恥ずかしさを噛み締めろ。それが感度に繋がる」
 「ええーー」
 杉浦瑞樹は堪らない表情で如月鬼堂を見上げた。
 月曜日に綺麗に剃毛したばかりである。
 女の部分の周りの皮膚がやや薄い紅色に映えている。びらびらは割れ目の中に納まっていた。綺麗な縦筋である。
 如月鬼堂は杉浦瑞樹を拷問椅子に乗せた。
 脚載せ台に片脚ずつ乗せて脚首から膝まで厳重に縛る。股間はアナルまで丸出しである。
 両腕を背凭れの裏に廻す。手首を縛り合わせてアームに縛り付ける。肩と乳房の下に縄を掛けて背凭れに縛り付けた。
 乳房は上下の縄に挟まれてやや突き出す。
 如月鬼堂は蝋燭に点火した。色は中まで真っ赤だがSM用の熱さの軽いものである。
 杉浦瑞樹の表情は恐怖に縮む。
 最初は太腿の表面に掛ける。
 「あーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーー」
 固定された脚を力の限り蹴り上げて悲鳴を漏らした。
 更に内腿に流す。
 「あー。あはん。あはんあはんはん」
 火傷するほど熱いわけではない。恐怖感からの悲鳴である。
 余分な肉は無く綺麗な脚の線。艶かしさを奏でている。その白く肌理の細かい皮膚が真っ赤に染まった。
 太腿を真っ赤にして次は乳房を狙う。
 「ああーーーーーーーー。あはん。はん。はん」
 拷問椅子が軋むくらいに躰は揺れた。責める如月鬼堂が陶酔する綺麗な泣き声である。
 更に乳房に掛ける。今度は芯の周りに溶けた液状の蝋涙である。
 「あーあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は強く躰を暴れさせ強烈な悲鳴を上げる。
 恐怖の目を見開き涙が溢れかけていた。
 直ぐ蝋涙を鞭で割るところだが少し間を入れる。
 如月鬼堂は杉浦瑞樹の膣を広げて指を入れた。まだ濡れが足りないのでクリトリスを暫らく責める。
 更に尿道口付近を人差し指を折った角で力を入れないで刺激した。
 膣口が柔らかくなったら膣の奥まで指を入れる。膣天井部の敏感な奥を強く?きだす。
 「ああーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーー」
 尿道口から潮が断続的に噴き上げた。
 如月鬼堂はローターを三つくらい持ち出す。
 二つまで膣に押し込む。
 「ああーー。あはあーー」
 杉浦瑞樹の股間は怪しく揺れた。
 更に三つ目のローターでクリトリスを包皮の上から責める。
 「ああ。・・・・・ああ。・・・・・・ああ」
 杉浦瑞樹の股間が上下に硬い動きで揺れた。気持ち良さから微かな声を絞り出す。
 「あ、ああ。ああ。ああーーーーーーー」
 細く閉じ合わせた割れ目から潮が弧を描いて流れ出ていた。
 「ああーーーーーー。あはあーーーーーーー」
 股間は強く震撼する。断続的に止まってはまた流れ出す。
 「ああーー。ああ。ああ。ああ」
 躰は硬い動きで揺れる。静かな逝き声が暫らく続く。
 適度なところでローターを取り出す。
 如月鬼堂は鞭を持つ。先端が小さな蝿叩きの様な一本鞭である。
 まずは太腿に先端を這わせる。乳房と太腿に被った蝋涙を叩き割った。柄の長いスパンキングの様な物である。
 平たい面を太腿に被った蝋涙に叩き付けた。
 「ううーー。おおーー」
 厳重に縛られた太腿がやや上に跳ねる。
 蝋涙は半分くらいが割れた。
 更に上から連打する。
 「ああ。ああーー。ああーー。ああ。ああ」
 杉浦瑞樹は痛みに目を細め顔に科を作って悲鳴を奏でた。なかなか艶めいた苦しみの表情である。
 内腿に残った蝋涙を掃うように叩く。
 「ああーーううーーーーーーーーーーーー」
 腹の奥から悲鳴を絞りだす。そして躰全体が強く震撼した。
 叩いた太腿は白い肌に紅が滲んでいる。
 次は乳房の蝋涙を叩く。
 「ぐうう。おおーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹の表情が一瞬強く軋む。更に躰は迫上げんと浮く様に震撼する。
 また鞭の平たい腹で掌に収まる乳房を連打した。
 「あ、あーーーーー。ああーーーーー。ああーー。ああーーあはあーーーーーーー。ああーーー。ああ。ああ」
 杉浦瑞樹の表情は大口を破裂させ悲鳴を絞りだす。痛みに藻掻き暴れるので拷問椅子ごと震撼してしまう。
 蝋涙が全部綺麗に成る頃には杉浦瑞樹の顔に涙が滲んでいた。
 如月鬼堂は一度杉浦瑞樹を湯に浸ける。自分も中に入った。湯の中で躰を抱き寄せて女の部分に指を入れる。
 唇を貪りながら女の奥にゆっくり静かな刺激を与えた。
 「あ、あーーーーー。あ、ああ」
 杉浦瑞樹は抵抗しない。責めを受け入れる。
 湯に腰を浮かせて潮を噴き上げてしまった。湯と責めに赤ら顔になっている。それもまた可愛い。
 如月鬼堂は一度杉浦瑞樹を浴室から出して躰を拭く。
 棒の先に付けられたスタンガンを用意している。長さ一メートルはある。その先端は金属で二股に成っていた。
 全裸美人コンテストが近付いている。生の一本鞭叩きは宜しくない。肌理の細かい綺麗な肌なので鞭の痕を付けたいが今回は見送る。
 右の脚首だけ縛った。それを床のフックに縛り付ける。
 「正座して」
 如月鬼堂は杉浦瑞樹を床に座らせた。膝を揃えて座った姿も綺麗である。
 腰にスタンガンを当てる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に仰け反って膝を崩す。脹脛に乗っていた太腿が横に倒れる。
 反対側の腰に当てた。
 「あーーーー。はあーーーーーーーーーー」
 後ろに仰け反った。そのまま後ろに手を着いて躰を支える。
 「はあ。はあ」
 痛みの余韻が辛い。
 今度は太腿に直に当てる。
 「あーーーーー。はあーーーーーーー。はあーーーーーーーーー」
 膝を跳ね上げて御尻を着く。
 「あは。はあ。はあ」
 「乳房に行くぞ。動くな」
 「ああ。ああ。ああ。ああ」
 後ろに手を着いて上体が少しずつ後ろに倒れた。
 右の乳首の両側にぴたり充てる。
 「ああ。ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は後ろに倒れた。
 今度は左の乳首に近付ける。
 「あはあ。はあ。ああ。はあ。ああ」
 恐怖に首を振って微妙に躰は後ろに後退りした。
 如月鬼堂は杉浦瑞樹の肩を踏む。左の乳房に乳首を外してその両側に押し付ける。
 「うおおーーーーーーーー。おーーーーーーーーー」
 躰を捩って藻掻き肩の押えから逃れる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 杉浦瑞樹の躰は縛られた片脚を軸に扇状に退るように逃げた。
 如月鬼堂は片方の膝に腰を乗せる。長いスタンガンを短く持つ。
 「ああーーーーーー」
 杉浦瑞樹は既に涙を流している。
 腹を押さえて股間に近付けた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 紅がやや濃くなった部分に当てる。
 「があはああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁した。小水は如月鬼堂の足元に流れた。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 荒い息遣いと失禁は暫らく続いた。
 如月鬼堂は杉浦瑞樹の脚首の戒めを解いて抱き上げる。そのまま浴室に連れ込む。
 「もう少し慣れてくれ。全裸美人コンテストのあとSM愛好会のショーに出てもらう」
 「はい」
 「一回三百万になる。出ればその後に会員の客も付く」
 「はい」
 「入れるよ」
 如月鬼堂は行き成り挿入を宣告する。
 「はい」
 杉浦瑞樹は拒絶しない。メニュー外だが如月鬼堂に言われては拒否できない。受け入れた。
 入れるだけである。中で果てたりはしない。ただの味見である。
 
 酒井俊克の山荘にトーチカの壁を搬入した業者は四社とも名乗り出た。四社にCAD起こしした図面を送ってばらばらに製造された物である。
 機関銃の部分は四社とも何も知らない。
 一応の捜査は入ったが無関係が証明されただけである。
 酒井俊克は太田正勝とは名乗らず黙秘権を続けている。
 執拗に取り調べは続けられた。それでも黙秘のままである。
 どんなに情状酌量されても死刑以外ありえない。何も話す必要は無い。また死刑以外にされては堪らない。
 そんな矢先総理が辞任を発表したのでニュース、ワイドショーの焦点は移ってしまった。
 野崎卓郎弁護士は頻繁に面会する。
 服を脱いで躰を確認した。さすがに拷問までは行ってない。
 「このまま君は銀行爆破強奪事件まで被って刑に服するのか」
 「どうでも死刑です。私一人で被ればあれだけ警察官を殺したのです。充分にお釣りが来ます」
 「機関銃の出所だけでも話すつもりはないか」
 「それを言いたくないから黙秘しています」
 「なぜ」
 「今後に役立てて欲しいからです」
 「それが君の社会への恨みか」
 「いいえ。警察の強引な捜査に対する恨みです」
 「相手から提案して来たのではないのか」
 「そうです。通信用のスマホが送られて来ました」
 「それはどうした」
 「発破と一緒です」
 野崎弁護士は微かに哂った。
 「例え出て来ても通話は海外を経由しているな」
 「私はそこまでは」
 「機関銃はどうやって届いた」
 「部品ごとに下の家に。銃弾と砲身は直接夜中に置かれていました」
 「トーチカはどうした」
 「図面がUSBに入れてデータで届きました。それをリストの中から四件に分けて発注しました」
 「なるほど」
 「自分で図面は書かなかったのだな」
 「私には書けません」
 「今のことは話してよいか」
 「先にマスコミに」
 「そうだな」
 野崎弁護士は引き揚げた。
 内容を先に館山弁護士に報告する。そしてマスコミ出演で公開した。
 さらに如月鬼堂と一緒に八月二十九日土曜日のインターネットアダルト放送で解説した。


 最期のSM小説家 第十三幕 究極の隠れ売春 完 完





 最期のSM小説家 第十四幕 戸籍を持たない村


 二〇二十年立秋下元。太陰太陽暦七月十二日。
 (この二十四節気は平気法太陰太陽暦によるものです)
 二〇二十年八月三十日。総理退陣表明二日後。民事党内部でほぼ次期総理候補は派閥の支援構成で確定した。
 民事党本来のやり方に戻ったのである。
 越後湯沢。マンション最上階。二フロアをぶち抜いた如月鬼堂の居間である。
 囲炉裏端には昼間から如月鬼堂主催SM愛好会の主力面々と野崎卓郎弁護士が集ってビールを酌み交わしていた。
 「しかし国民に人気がやや有るが野党に近い候補が弾かれた。今回は良かったですよ。これ以上特措法強化は絶対に止めて貰いたいです。」
 福富麻次郎が首相の座を官房長官に決まって安堵の発言である。
 「官房長官が引き継いでひと安心ですが。特措法は撤廃してもらいたい。完全補償なき休業要請はもう御免だ」
 「そうです。いままでの特措法、休業要請の弊害を賠償して貰いたい」
 「補償ではなく賠償ですか」
 「スウェーデンをいま見たら何の問題もなかった。日本は死者が少ないからもっと上手く行って経済の低迷も最小限で済んだ筈だ」
 「まあ。物事七割方。これで問題なしと考えましょう」
 館山弁護士はこの話題を長引かせたくない。
 「いやあ。潰れた店は多い。特に特浴、風俗、接待を伴う飲食店だ。私の客は激減だよ」
 館山弁護士の意見に大河内税理士は食い下がる。
 「何処よりも先に経済回復してもらいたい。GoTo止めるなど論外だ」
 如月鬼堂も強く不満を持っていた。
 「とにかく経済対策。ベーシックインカムも必要では」
 大河内税理士はかなり酒が回っている。珠洲と瀬里菜には酔っ払い叔父さんのイメージが定着していた。
 「給付金もう一回が精一杯でしょう」
 館山弁護士の見解である。
 「官房長官横滑りではそっちは期待できませんな。GoToとイートはこのまま継続されるでしょうけど。風俗には回りません」
 福富麻次郎は期待薄と言いたい。
 「ところで野崎先生。警察は酒井俊克が大田正勝ではなかったと認めたのでしょうか」
 杉下一行が野崎卓郎弁護士に確認する。
 「永久に認めないよ。認めたら警察の過剰捜査が酒井俊克を犯罪に追い込んだ事になります。もりかけ桜の様に追求される事もない」
 野崎卓郎弁護士は憮然と答える。もりかけ桜も小さい問題である。野党が食い下がって国会の時間を無駄に使ったに過ぎない。
 佐川、リクルートに比べたら献金などは無い。微数野党が政界にしがみ付く為に騒ぐ。それをマスコミが応援すればいつまでも騒ぐのである。
 「この先は」
 「容疑者が拷問を受けないこと。その確認程度に面会だけ続けて起訴まで行きます」
 「黙秘権のまま起訴ですか」
 「そうなる予定です」
 「弁護も行いますか」
 「もちろん。私一人では無理なので館山先生と野村先生にもご協力いただきます」
 「弁護団になりますか」
 「そうなります」
 「酒井俊克が大田正勝と言う事は絶対ないのでしょうか」
 如月鬼堂は此処だけの質問をする。
 「絶対ないとは言えないです」
 「それは」
 「日本の戸籍や住民票とて数年前まで現在ほどには厳重ではなかったです。ホームレスか何かの戸籍をかなり前に引き継いだ可能性はありますよ」
 「かなり以前にもう一つ戸籍を持っていたと」
 「ひょっとしたら大田正勝が他人の戸籍かもしれません」
 「そうですね。その方が山の所有など現実性が高いですね」
 館山弁護士も同意する。
 「でなければやはり警察の過剰捜査で別人だった」
 「私はそっちへ持って行きたいです」
 野崎卓郎弁護士は冤罪防止が優先である。疑わしきは罰せずの精神で戸籍の通り別人で通したい。
 「先生のお考えはやはり冤罪撲滅ですか」
 「そうです。私は千に一つならば通常の事なら例外と思います。それでも私は九百九十九人の有罪の犯人が法を逃れてもたった一人の冤罪が許せません」
 野崎卓郎弁護士はきっぱり言い切る。
 「ところで先生。この銀行爆破強奪事件はどっちが主犯でしょう」
 如月鬼堂は自分の関心事を問い掛ける。連続拉致強姦傷害事件のグループが主犯か大田正勝が主犯か疑問である。
 「私は連続拉致強姦傷害事件の犯人だと思います」
 これも野崎卓郎弁護士はきっぱり言い切る。
 「他の十九人をどっちが集めたのでしょう」
 「私は連続拉致強姦傷害事件の六人が集めた中に大田正勝が居たと思っています」
 「私もそう思います」
 野崎卓郎弁護士の見解に館山弁護士も同調する。
 「警察は機関銃が残っていたのでその製造元を捜査しているでしょう」
 「本人の指紋は」
 「指紋は本人のものも機関銃から取れたものもアンビションの事務所で採取したものとは一致しません」
 「別人で押し切れるのでは」
 「押し切ります。館山先生もご協力下さい」
 「良いですよ」
 野崎卓郎弁護士を瀬里菜が駅まで送って行く。その後はつれづれな飲み会が夜晩くまで続いた。
 
 九月四日。台風九号が通過して次の台風が日本に近付いていた。これまでになく強力ということである。
 私鉄西東京鉄道下り快速急行宇都宮行き最終電車は川越本町を二十三時四十分に発車した。以前は此処が終点であった。
 (これは架空の鉄道です)
 この駅のホームが地下に移されて此処から単線で宇都宮まで行く。
 此処まで十両編成で来る。この駅で切り離して四両編成となり此処からワンマン運転になる。
 この先新鴻巣、東羽生、西栃木に止まって宇都宮に二十四時三十分に着く。本日は戸田枝理名という女性運転士である。
 西東京鉄道新宿駅を発車してから六人のグループはばらばらに乗り込んだ。女性運転士は予定通り新所沢から交代した。
 目標は西栃木である。六人は白ワイシャツ、黒ズボン、マスク、メガネで乗り込んだ。
 東羽生を発車して六人以外乗客は居ない。六人は上から防護服を着る。車両に防犯カメラが無い事は確認済みである。
 メガネはサングラスに変化する。
 夜間の走行なので運転席の後ろの幕は下ろしている。
 六人の一人が乗務員室の鍵を取り出す。マスターは簡単に取れる。
 西栃木駅に停車すると同時に二人が先頭車から出て乗務員室の外に回る。
 乗務員室の中の扉の鍵を開けて二人が飛び込む。
 無線を押さえて戸田枝理名運転士を確保する。
 一人が電車をそのまま発車する。三ノッチに入れたままその男は乗務員室からホームに飛び出す。
 戸田枝理名運転士をキャリーバックに詰める。
 用意した車で宇都宮市内に飛ばす。市内の防犯カメラはチェックしてある。用意した市街からやや外れた一軒家に逃げ込む。
 其処で車のナンバープレートを換える。
 電車はそのまま一分遅れて宇都宮駅に入った。途中スピードがオーバーすれば制御が掛かる。だがノッチが入ったままなのでまた加速してしまう。
 終点駅なのでホームの手前で十五キロに制御が掛かる。先端の車両止めの手前で制御装置が停止した。
 ドアは開かないし誰も降りない。
 ホームに駅員は配置されてない。
 改札横の事務室の担当が異常に気が付くのに更に数分掛かった。
 戸田枝理名運転士が居ない事が確認されたのは更に数分後である。運輸指令所に連絡をして警察に通報となった。
 事態を分析して直ぐに非常線が張られたが手遅れである。
 
 この六人は山荘に住む川口の鋳物工場の会長以下の五人ではない。銀行爆破強奪事件に加わった十九人の内の六人である。
 彼らは静岡から来た。
 地下室に見せかけた拷問部屋を造り床はもとより板張りである。
 キャリーバックから戸田枝理名運転士を出す。
 眠らせてあったまま全裸にしてしまう。下着が濡れているのを確認して一人がにんまり納得する。
 全裸のまま脚を九十度に開いて床に埋めこんだナットにU字金具で手首、脚首を固定してしまう。
 戸田枝理名運転士は全裸で床に大の字に磔にされた。
 白く艶かしい全裸である。これが運転士かと言うような綺麗な躰。あまり化粧をしてないのに美しい顔である。
 その状態で水を掛けて起こす。
 一回では起きないらしい。二回目で顔を振って目を微かに開く。
 躰を強く揺すぶる。
 「ああーー。なにーーーー。いやあーーーーーーーー」
 防護服、サングラス、マスク姿が六人自分を見ていた。
 「ああーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は恐ろしい事態を瞬時に悟る。
 撮影もされている。女の一番恥ずかしい部分まで躰は総て丸出しである。床に躰が磔られていて隠す事もできない。
 黒い塊はそれなりの規模で女の部分にやや被っている。大陰唇の周りはそれ程濃くない。閉じ合わせたびらびらは存在感を強く表現していた。
 二人の男が両わきに膝を着く。
 戸田枝理名運転士の女の部分を指で強く広げた。
 広げるとびらびらの内側の縁は紅から上の方に小豆色になる。内側は綺麗に薄橙である。
 尿道の亀裂が確認できてその下に膣口が薄橙の粘膜で閉じ合わせていた。
 「あーあーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は堪らず叫ぶ。
 「綺麗なお○○こだぜ。こういうものは社会に公開すべきだよ。皆様ご満足される」
 「ふざけるなーーーーーーー。私の人権はーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士はお尻に力を込めて肩を迫り上げ首を擡げて抗議する。
 「お前は運転士には向かない。無修正AV嬢に成れ」
 防護服、サングラス、マスク姿で顔の上に追い被さる様に言う。
 「なんだとーーーーーーー。女性の人格無視だよーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は振るえと怒りに塗れて睨み返して叫ぶ。
 「諦めろあと数十分でお前の全裸とま○○は全世界に公開だ」
 別の男が抑揚のない声で宣告した。怒鳴られるより確りと恐ろしい言葉が浸透する。
 「やめろーーーーーーーーー。何で私がこんなめに遭うのーーーーー」
 それでもあまりの理不尽さに喚き叫ぶ。
 「俺たちの目に止まったからだよ」
 男は当たり前の様にさらりと言う。
 「そんなのないよーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は泣き声である。
 「諦めろ」
 「お前らそのうち捕まるよ」
 戸田枝理名運転士は無駄でもそう言い返さないで居られない。
 「そうだな。でもいつ捕まっても良い。もうお釣りが来るよ」
 男はやり尽くして勝ち誇ったように言う。
 「なんてこと」
 「ふぁははっはっはっはっは」
 男らはあざけ哂っている。だが愉快に哂っているようにも聞こえない。
 交代して二人の男がラジペンを持って左右に座り込む。
 戸田枝理名運転士の陰毛を掴んで引き抜く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は堪らず叫ぶ。
 男らは構わず何度も繰り返し抜いてゆく。
 「ああーーーーー。いやあーーーーーー。ああーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は泣き喚き続ける。
 なかなか手間の掛かる作業である。
 後ろから二人が交代して残った陰毛に粘着テープを貼り付ける。それを一気に引っぺがす。
 「ああーーはあーーーーーーーーーーー」
 何度も繰り返してほぼ無毛にしてしまった。
 最後にラジペンの二人が僅かに部分的に残ったのを抜く。
 「ああーーはあーーーーーーーん」
 戸田枝理名運転士は酷い仕打ちと痛みに涙を流している。
 無毛になったドテに溶かしてあった蝋涙を流す。
 「あーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が轟く。
 戸田枝理名運転士はこのあと目隠しをされて六人に輪姦された。
 六人が果てるだけでは許さない。
 六人が果てても戸田枝理名運転士は表情を歪めて堪え続けただけである。六人は女の性を晒しものにしたい。
 一人が戸田枝理名運転士の目隠しを取る。
 「良いか。これは自動で潮を噴かせるマシーンだ」
 「・・・・」
 戸田枝理名運転士に反論する気力はない。無言で首を震撼させる。
 大型のクスコから器具が出ている。
 クスコにローションを塗って戸田枝理名運転士の女に挿入する。
 「ああーーーーーん」
 ペンライトで中を照らす。
 「ああーー。いやあーーーーーーー」
 クスコは横向きに挿入していた。薄橙の膣内部が広がる。奥には子宮口も確認できた。かなり嘴の長いクスコである。
 クスコの先端から膣天井部にアームが伸びる。膣天井部奥の女の一番敏感な部分に刺激を与える。アームからL字に付いた小さなローターが回る。
 自動でローションも先端から噴出す。
 「ああーー。ああーーああーーああーーああーーああーーー。やめてーーーーーーーーー。ああーーああーーああーーああ」
 戸田枝理名運転士は顔を後ろに逸らし究極に歪める。大口で堪えられない声を漏らし続けた。
 「ああーーああーーーああーーああーーー。止めてーーーーーーーー。やだあーーーーーー。ああーーーああーーーああーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は不本意極まりない官能でも耐えられない。
 クスコで広げられ金属の嘴の谷間に垂れ下がった尿道口から潮が飛び出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 どうにも止められない。
 戸田枝理名運転士の表情は目が天井を向き斜め後ろに目を大きく剥く。さらに大口を破裂させている。そしてサイレンの様に逝き声を上げ続けた。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 躰を震撼させ股間は上下に痙攣する。さらに荒い息遣いが続く。
 「びしょ濡れだぞ。これが世界に公開だ」
 「ああーー。ああーーーーーーーーーーーーん。ひどいよーーーーーーーー。こんなの耐えられないよーーーーーーーーー」
 「お前の女の性が丸出し。大公開だ」
 「やめろーーーーーーーー」
 「もう外歩けないな。電車の運転席に着いたら。あの女だってみんな視線で躰舐めまわすぞ」
 「やめてーーーーーーーーーー。なんでわたしがこんなことされるのーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は泣き喚き抗議する。
 「まだ序の口だ。子宮取っちゃうからな」
 「やだあーー。ああーー。やめてーー。やだーーー。やだあーーーーー。やめてーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士はぶるぶる震えながら泣き喚いた。
 「無理だ。我々では子宮摘出はできない」
 他の男が制する。
 「そうか何する」
 「蜥蜴は用意してある」
 男は潮噴きに使った器具の付いたクスコを抜く。代わりに通常のクスコを挿入する。これも横向きに入れた。
 「いやーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーー」
 別の男がミルワームを奥に投げ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーー。なにいれたのーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士はヒステリックに叫び抗議する。
 「ミルワーム。蜥蜴の餌だ」
 「やだーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ戸田枝理名運転士を見ながら後ろ足に糸を引いた蜥蜴を戸田枝理名運転士の大股を広げた手前に置く。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーー。そんなのだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は恐怖の表情を破裂させて拒絶の悲鳴を轟かせた。
 男は蜥蜴を膣の奥に投げ込んだ餌のミルワームに嗾ける。蜥蜴は瞬時に突進した。
 「ああーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士の悲鳴はサイレンとなる。
 蜥蜴は餌を食して直ぐに出て来た。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。あはん。あはん。ああはん。きいくるちゃうよーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士は荒い息遣いのあと涙をポロポロ溢す。
 男はおまけとばかりミルワームを戸田枝理名運転士の胸の谷間に落とす。
 「いやあーーーーーーーん。いやあーーーーーー」
 蜥蜴を臍の上に置く。
 「あーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士の泣き悲鳴の最中。蜥蜴は瞬時に餌を食する。そのまま戸田枝理名運転士の腋を通って床に降りてしまう。
 「あーーーーーーはんはんはーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 戸田枝理名運転士は泣き続ける。
 別の男が注射器を持って近付く。
 「なによーーーーーーーー」
 「これから鞭打ちだ。せめて痛み止めにな」
 「痛み止め」
 「麻薬のアンプルだ。末期癌の痛み止めにも効く」
 ハッタリである。ただの痛み止めに過ぎない。
 「やだあーーーーーーーーーー。ちゅうどくになるよーーーーーーー」
 「そうだ」
 容赦なく男は注射を打つ。
 「あーーああ」
 戸田枝理名運転士は辛そうに表情を崩す。
 他の男が戸田枝理名運転士の膣を広げたクスコを抜き取る。そして皆に鞭を配った。先の細くなった硬い一本鞭である。
 一人めの鞭を持った男は床に大の字に磔られた戸田枝理名運転士の顔の横に立つ。
 九十度に開いた股間を狙う。
 戸田枝理名運転士は怯えた横目で男の鞭を見る。
 男は狙いを定めて振り被る。強く振り下ろす。
 「ううぐうううおおーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端はドテから女の部分に命中していた。
 戸田枝理名運転士の躰は痛みに震撼する。
 二人目が同じ位置で構えた。
 戸田枝理名運転士は恐怖に床に磔にされた躰を斜め反対側に捩る。
 同じところを狙った。
 鞭の先端はドテより先に回り込む。
 「ううぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士の躰は強く震撼する。
 先端は女の部分のびらびらの突起ぎりぎりに大陰唇を流れた。皮膚の赤い部分なので痕は浮いてこない。
 次の一人が腰の横に立つ。
 閉じ合わせた粘膜を斜めに叩く。
 「ううぐぐおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰が迫上がって一瞬固まる。そして震撼しながら床に沈む。
 既に涙を溢している。
 四人目は頭の真上に立つ。
 縦筋目掛けて上から真っ直ぐ振り下ろす。
 「うごおおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 戸田枝理名運転士の躰は更に強く震撼した。大口を破裂させて悲鳴を上げる顔から涙が溢れる。
 このあと六人が二回ずつ都合一人三回合計十八回局部を叩かれた。股間部分の皮膚は真っ赤に鬱血している。
 戸田枝理名運転士は一夜通して朝まで輪姦され虐め尽くされた。
 男らは半田鏝を準備する。
 「銀行口座とクレジットカードのパスワードを言え。さもないとこいつで乳首焼くぞ」
 「ああ。分かったから」
 戸田枝理名運転士は簡単に教えてしまう。
 男らはクレジットカードからキャッシングとカードローンを借りまくる。それを戸田枝理名運転士の口座に集めてそこから一括で振り込む。
 マネーロンダリングをサービスする闇組織の口座である。
 男らは後日洗浄した金を受け取る。
 男らはスキンを使っていたがDNAが残らないようによく膣内を洗浄した。
 「さあ。俺たちが此処を出て安全な所に着いたらこの動画を公開する。そうしたらこの場所が誰にでも分かる。それを見て警察が来る」
 「・・・・・」
 戸田枝理名運転士は何かいう気力すらない。
 「それまで我慢しろ。早く気付いてくれたら二時間くらいだ」
 「はっはっはっはっは」
 男らはあざけ哂う。
 最後に両方の乳首をクリップで鋏んでゆく。痛みの置き土産というところである。
 朝の九時過ぎ。六人の内二人が周りを警戒しながら巡回が居ないのを確認して外に出た。二人の確認で次の二人が車で出発する。
 車は静岡に向かう。
 残った二人は外に巡回が居ないとの報告のまま外に出る。そのまま宇都宮市内のビジネスホテルにチェックインする
 最初の二人も別のホテルにチェックインした。
 ホテルにチェックインした一人が戸田枝理名運転士の拷問動画を静岡に送る。静岡で仲間がアップロードしたのである。
 
 十時を回って。越後湯沢。最上階如月鬼堂のマンション。その居間の囲炉裏端である。
 如月鬼堂は執筆中。珠洲は大宮の事務所に向かった。瀬里菜は新規会員申し込みの事務処理を行っている。
 珠洲も瀬里菜も朝食は摂らない。如月鬼堂は自分でうどんを茹でる。それを冷やしうどんにして食べていた。
 テレビのワイドショーは戸田枝理名運転士が電車運転中行方不明を伝えている。六人の防護服姿が西栃木駅の防犯カメラに確認された。
 警察は栃木県山間部の山小屋と当たりを付けていると報道される。
 宇都宮市内も巡回を強化していた。
 「ずいぶん早く動き出したね」
 如月鬼堂らが当分連続拉致強姦傷害事件の六人は動かないと見てる。それで瀬里菜は早くと反応した。
 「うん。用心深く動かないと思ったが」
 如月鬼堂も腕組みして唸る。
 「電車の運転中狙うの。最初にバスの女性運転手襲ったのと似ているよね」
 瀬里菜はいま二審になっている埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件と似ていると言いたい。
 「宇都宮の手前。もし山小屋に逃げ込むなら範囲を絞れる。これまでの犯人ならそんなミスはしない」
 如月鬼堂は半信半疑である。
 そんな時。杉下一行からメールが入った。
 六人のグループがアップロードしたファイルをいち早くダウンロードして送って来たのである。
 
 警察も素早くそれを取得して戸田枝理名運転士を救出に向かう。
 だが発破を警戒して直ぐには飛び込めない。
 安全確保に一時間近く掛かった。それから女性警察官三名で飛び込む。
 床に大の字に固定された戸田枝理名運転士を確保する。小水から便まで垂れ流しの悲痛な状態であった。
 戒めから外すと乳首のクリップを戸田枝理名運転士が自分で外す。
 「あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの様な悲鳴を上げて床を転げて痛みに暴れた。
 直ぐに救急隊員が局部麻酔を打つ。
 戸田枝理名運転士はそのまま救急車で搬送される。
 眠ってしまい病院でまる二日も目を覚まさなかった。
 
 九月六日の朝。如月鬼堂はいつも通り上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着いた。
 迎えに来ていた瀬里菜の運転でマンションに戻る。
 予定通り愛好会のメンバーと樽常マネージャー、編集が待っていた。
 全裸美人コンテストの出演者は予定の二十名をノミネート。本日は次のSM愛好会の開催をどうするかである。
 もう何処の会場にも入らない。三会場使っても感染対策で五十パーセント使用では足りない。
 「先生。今度の犯人は昨夜の解説通り別のグループかもしれません。指紋が一つ検出されました。前が有るそうです」
 如月鬼堂が居間に戻ると館山弁護士は開口一番今朝得た情報を話す。
 「それじゃ犯人に一気に」
 「いいえ。指紋は八年前の強盗殺人事件のものですが。指紋の人物は特定されていません」
 「うーーん」
 「それから戸田枝理名運転士の証言で犯人らは『自分らでは子宮摘出はできない』と話していた様です」
 「これまでの六人には医者が紛れていたようですね」
 如月鬼堂もそこの違いは頷ける。
 「それと今回犯行に使われた家ですが、長く行方不明で捜索願が出ていた人物の名義だそうです。それと登記に使われた印紙が偽造でした」
 「何か共通パターンが見えましたね」
 「それと田村摩子が今頃思い出して追加の供述をしました」
 「おや。どのような」
 「地下室で田村摩子とテレビを見た時だそうです。大田正勝は六人が連続拉致強姦傷害事件の犯人とその時知った様です」
 「田村摩子はそんな事を話したのも忘れていたのですね」
 「まあ。無理も無いでしょうあんな目に遭っていれば」
 館山弁護士もいま思い出しても無理もないと思う。
 「ところで次の愛好会の開催はどうしますか」
 杉下一行が本題に入ろうと促す。
 「全裸美人コンテストの後にはなります」
 「問題は会場。五百人超えているよ」
 瀬里菜は会員の入会が進み過ぎていると言いたい。
 「そろそろ入会受付を止めるか」
 「先生それは困ります」
 SMクラブ真性奴隷女の館の樽常マネージャーが異議を申し立てる。
 「そっちの営業に影響するか」
 「それは絶大です」
 「うちも困ります」
 編集担当も申し立てる。
 愛好会の会員が年間固定購読してくれるからである。
 「しかし何処まで伸びるかな。コロナで逆に伸びたかもしれないがもうじき頭打ちじゃないか」
 如月鬼堂はSM愛好者などもうそんなに伸びないと見ている。
 「先生。熱海に二百入れれば今回は行けますよ」
 大河内税理士が現状打開策を提案する。
 「あそこだけ四面使うか」
 一番人気のある熱海に多少見辛さを容認してもらう。
 「先生。女性は杉浦瑞樹だけでは」
 大河内税理士が更に問題を定義する。
 「それでお二人に来ていただいた」
 如月鬼堂は樽常マネージャーと編集担当の小川綾香の事を言っている。
 「価格を上げても時間を長くした方が今後に良いですよ」
 杉下一行の希望である。
 樽常マネージャーは二人の画像をインターネットでクラブのサイトから紹介した。
 通常は顔を出してないので裏ページから閲覧させる。
 一人目は倉科香李名三十一歳。細身で小作な美人顔。一見可愛いが気丈さも宿している。躰の白さが良い。
 究極に辱しめ甚振ってしんねり泣かせたいタイプである。愛好会のショーには最適と言える。
 二人目は大路江美三十二歳。こっちは椋木美弥の紹介である。
 同じように華奢な体型。細面の美人顔で色も白い。倉科香李名が華奢な脚の線を描いているのに対してこちらは真っ直ぐな脚の線である。
 どちらもそそらせる躰と言える。
 「どっちもNGプレイが多いですな」
 杉下一行の指摘である。
 「愛好会のショーは別です。因果を含めています」
 樽常マネージャーは弁明した。
 「それなら良いけど。せっかく愛好会に出ても来島結奈の様に指名が付かないよ」
 「そうですね。来島結奈は安いソフトコースで一般ばかりです」
 「マネージャーが指導しないと」
 「はい。徐々に。なかなか本人が」
 樽常マネージャーは歯切れが悪い。
 何処でもそうである。ショーがハードでも如月鬼堂が監修している。一般客のハードは恐ろしい。
 「まあ。顔出しできるようになったらAVで行こう」
 如月鬼堂はそっちに持って行きたい。
 
 同じ日。連続拉致強姦傷害事件の防護服六人のアジトである。
 「俺たちの真似をされたな」
 この山荘に住んでいる川口に鋳物工場を持つ会長である。
 「大田の連れて来た十九人の内六人だろう」
 麓に葬儀会社を経営する社長が断定した。
 「危ないな」
 他の者も心配する。
 「危険は無い。日本人でありながら生まれてから戸籍の無い者の部落だ」
 川口の会長が銀行爆破強奪事件に協力した十九人の正体を明かす。
 生まれた時に何らかの事情で親が出生届けを出さなかったのである。
 「大田もそうなのか」
 「あそこの出身ならそうかもしれない。定かでは無い」
 「大田正勝も酒井俊克も他人の戸籍か」
 「その可能性もある」
 「一万人くらいといわれているがそのごく一部がその部落出身だな」
 「そうだ。静岡と名古屋から来ていた」
 「警察に其処へ踏み込まれたら」
 「簡単に入れる部落ではない。役所も大概は警察も近付かない。入り方も通常分からない。入って帰って来た者もいない」
 「こういった事件に係わればオウムの時のようにSITやSATが部隊で突入しないか」
 「その時は大田の山荘と同じ事に成るな」
 「武器も有るのか」
 「有ると思う。関東帝国銀行さいたま支店襲撃はこっちで武器提供が条件だった」
 「ところで大田が捕まって機関銃の出所を警察が追っている。製造した機械の機種を割り出されたがそっちは問題ないのか」
 「ない。プレートを下取りしてさらに本体を下取りして処分された機械だ。中古屋がパーツを組み直して販売した」
 「その中古屋は問題ないのか」
 「既に廃業して年金生活だったが七十手前で亡くなった」
 「成程。それでは走査線に乗らないな」
 全員が当面の安全を確認した。
 山荘の地下ではない。外に出た階で生ビールを飲みながら普通の叔父さん連中のような長閑な会合であった。
 
 九月七日。台風は去ったがあちこちで雷雨が起きる。
 愛知県名古屋市中区栄。極東日本銀行錦通り支店である。
 閉店間際の二時五十五分。
 六人の男がばらばらに入って待機していた。メガネ、マスク、ワイシャツ、ネクタイ普通のビジネスマンスタイルである。
 六人がばらばらなら何の違和感もない。
 この六人は戸田枝理名運転士を拉致強姦した防護服メンバーである。
 全員が中に揃ったら二人が一気にリックから出した自動小銃を撃ちまくる。
 男性行員は全員撃たれた。男性の間に混じっていた席の女性行員も射殺されてしまう。自動小銃なので一人に数発の弾丸が撃ち込まれていた。
 二人がシャッターを降ろして回る。
 数人の客がカウンター付近に寄せられた。行員は女性四名が残っただけである。あとは銃弾で床に倒れて多量に血を流していた。
 この間に離れた窓口のテラーが非常通報を押す。
 射殺した男がこのテラーをカウンターから引っ張り出した。そのままビンタする。服を引き破る。
 「全員服を脱げ」
 男は自動小銃を構えていた。
 シャッターを閉めて回った二人が通用口からガソリン携行缶と発破を運び込む。通用口裏の駐車場に車を止めていた。
 二人は建物の内週にガソリンを撒く。発破をカウンターの裏に置いた。
 まだ警察が来ないうちに客を外に出す。
 「この口座に五十億振り込め」
 「そんなお金。この支店に有りません」
 「有っても無くても此処の口座に入金処理をして其処から振り込め。直ぐだ」
 テラーの顔に自動小銃を突きつけた。
 仕方なく作業に掛かる。
 「振り込みました。でも振り込んでも使えませんよ」
 「直ぐにマネーロンダリングシステムが動く。五十億はこの支店の負債になるだけだ」
 「ああ」
 テラーは驚愕の表情になった。
 「お前らその発破の横に座れ。俺の心臓の鼓動が止まるとその発破のスイッチが入る。ガソリンと同時に点火だ」
 既に警察が到着してSITの隊員が外周を囲んでいる。
 先にリモコンで自分等の乗って来た車を爆破した。
 確認していた警察官二人が犠牲になってしまう。
 一人が自動小銃を構えて店舗内部と全裸の女子行員四人を撮影している。
 「通報ボタンを押した女。警察に電話で状況を説明しろ」
 テラーは全裸のまま震えた手で電話をプッシュする。
 「極東日本銀行錦通り支店です。内部一周ガソリンを撒かれています。あと爆発物が。犯人の心臓の信号が止まったら点火して爆発します」
 「判りました。犯人の人数は」
 警察官が確認する。
 「六人です」
 「もう切れ」
 テラーは電話を切った。
 「お前の名は」
 撮影している男が確認する。
 「・・・・・」
 テラーは震える口で何か言っている。
 「近藤奈津子だな」
 男はカウンターのプレートを確認した。
 「そこのソファーに御尻を乗せろ」
 近藤奈津子は恐々後ろに下がってソファーに座る。
 「脚をソファーに上げろ。そして股を広げろ」
 「・・・・」
 近藤奈津子の唇は震えていた。
 「広げろ」
 近藤奈津子は震えながらソファーの上でM字開脚に成る。
 「女を広げろ」
 「え、え」
 近藤奈津子は分からないと言う表情である。
 「お前のま○○こを両手で広げて中を見せろ」
 「あ、ああ」
 近藤奈津子は仕方なく震える手で女の部分の閉じ合わせた粘膜の横に左右から指を当てる。それを震えながら左右に引く。
 びらびらはやや小豆色からドドメ色である。内部はローズ色に広がった。尿道の亀裂も膣口もくっきりその存在感がある。
 「大分使ったな」
 「やめて」
 近藤奈津子は泣きべそ顔で訴える。
 「お前子供も生んでいるな」
 男は近藤奈津子の会陰の縫った痕を見て言う。
 「そうです。母子家庭なのです。たすけてーーーーーー」
 「そうだな。生きて帰らないとな」
 別の男が指を突っ込んで?き回す。
 クスコを取り出して挿入した。
 「ああーー。いやあーーん」
 近藤奈津子はまた泣きべそ顔に成る。
 ペンライトで照らして内部をカメラに一分くらい収めた。
 「剃毛しよう。どっかに剃刀は」
 カメラの男が提案する。
 「其処に強力なガムテープが有るぞ」
 「それでパイパンにするか」
 ガムテープを千切ってドテの黒い塊の上から貼り付けて強く擦った。
 一気にガムテープを剥がす。
 「あーーあはあーーーーーーーーーーん」
 近藤奈津子は表情を究極に歪めて悲鳴を上げた。
 一気に沢山の陰毛がガムテープにくっついて抜け取れている。
 続いてもう一枚貼り付けた。
 近藤奈津子は堪らない表情を崩して自分の股間を見下ろしている。
 「あはあーーーーーーーん。いや。いや。いやーー」
 近藤奈津子は痛い上に抜かれたらこの先パイパンである。堪らず躰を振って喚いていた。
 それでも泣き叫ぶ近藤奈津子を押さえてガムテープで抜き続ける。
 「あーはんあはん。あはん。あはん」
 近藤奈津子は泣き続けた。
 「よく見ろ。これは自動で潮を噴かせる器具だ。分かるなお前のそこから潮を噴き上げるのだ。ばっちり撮影だ」
 戸田枝理名運転士に使ったのと同じものである。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 近藤奈津子はあまりの仕打ちに涙をポロポロ溢す。
 それでも構わず先端がクスコに成った部分を近藤奈津子の女に挿入してしまう。
 「あは。あはん。あはん」
 螺子を回して左右に膣を広げた。
 クスコの中に仕込まれたアームが伸びる。膣天井部奥の敏感な部分にL字の先端に付いた小型のバイブを押し付けた。
 それが回り膣天井部奥の敏感な部分を刺激して更にピストンする。
 「ああーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーん。いやよーーーーーーーーー」
 近藤奈津子は耐えられない刺激に拒絶しながら逝き声を抑えられず叫び続けた。
 「いやあーーーーーー。いやああーーーーーーー。ああーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 顔は真上を向いて破裂させている。口からは涎が飛び散った。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 近藤奈津子はソファーの背凭れに手を廻して掴む。躰を迫り上げて耐えられず潮を噴き上げてしまう。
 「ああーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの如く逝き声を上げて潮を噴き続ける。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 潮が噴き止んでも荒い息遣いが止まらない。
 男らは器具を近藤奈津子の膣から抜き取る。
 「此処までだ。金は届いている。皆スマホをガソリンの上に置け」
 リーダーらしき男が叫ぶ。
 「近藤。お前の録画は既に公開された」
 「いやあーーーーーーー」
 「助かりたければ言う事を聞け」
 男は行き成り真顔になる。
 「・・・」
 近藤奈津子は無言で頷く。
 「その扉のぎりぎりに立て」
 近藤奈津子はシャッター横の非常扉の前に立つ。全裸のままである。
 「鍵を静かに開けろ」
 近藤奈津子は震える手でゆっくり扉の錠を廻す。
 「ノブに手を掛けろ。三つ数える。ゼロに成ったら飛び出せ。一秒ぐらいしかないぞ」
 近藤奈津子はドアノブを握る。
 「3.2.1.行けー」
 近藤奈津子は全裸のままSATの隊員が盾を構える方に走る。後ろはマスコミのカメラである。
 残った三人の女子行員も走り出した。
 ドアは反動で閉まる。
 一気にガソリンが燃えた。店舗は内側から火に包まれる。三名は其処で煙に倒れてしまう。
 次の瞬間発破が飛ぶ。大爆発が起こって天井が吹っ飛んだ。建物全部が火に包まれる。SATの隊員の前に爆風と共に瓦礫が飛ぶ。
 銀行の建物は完全に倒壊する。
 近藤奈津子以外誰も助からなかった。
 通報からマスコミ各局は臨時ニュースになる。
 近藤奈津子が逃げ出すシーンもとっさに報道に入ってしまった。
 
 越後湯沢。如月鬼堂のマンション。居間の囲炉裏端である。
 「今度は失敗したのね」
 珠洲は状況からそう呟く。
 珠洲と瀬里菜は客が居ないのでコバルトブルーのショーツ一枚にスケスケのワンピース姿である。
 乳房も乳首もくっきり透けていた。
 「同じ犯人だな。でも人数が少ない。それに進入の仕方がお粗末だ」
 如月鬼堂は訝しがる。
 「そうだよね。この人達。貰った分け前が足りないから追加でやったのかな」
 瀬里菜の想像である。
 「西東京鉄道の女性運転士を襲った連中だな」
 如月鬼堂は連続拉致強姦傷害事件の六人ではないとほぼ確信していた。
 「あっちは凄く計画的だったよね」
 「そうだな」
 如月鬼堂は締め切りが近いのに手を休めて観ている。
 「たった今入った情報です。犯人らはこの支店から五十億円を振り込ませてその後に自爆したとの事です」
 アナウンサーが報道スタジオから割り込みで状況を説明した。
 「銀行から一人脱出できた女性銀行員の証言です。これだけ証言して女性銀行員は意識を失い病院に搬送されました」
 更に続いてテロップを読む。
 そのタイミングで杉下一行からメールが届く。ばら撒かれた近藤奈津子の動画を添付してきたのである。
 「これでは完全にテロ組織だな。最初から逃げることは考えてなかったのだ。日本赤軍に始まるような恐ろしい自爆テロだ」
 如月鬼堂は予測になかった現実に唖然としていた。
 「自爆テロって中東じゃないの」
 「違うよ。日本赤軍が最初だ。それをイスラム過激派が真似たのだ。もとより特攻隊は日本的発想だ」
 「ねえパパ。この連中お金何に使うの」
 珠洲が一番の疑問を口にする。
 「それはな。武器を買うと考えるが。発破や銃は自分らで作っている。ミサイルを買うわけには行かない。ヘリとかも分かってしまう」
 如月鬼堂も想像がつかない。
 「使う目的はテロなの」
 珠洲はギクッとしている。
 「その可能性が高い。当分の間人の多く集る所、飛行機、混んでいる新幹線も危険だ」
 如月鬼堂はかなりの危険を予期していた。
 
 同じ日。連続拉致強姦傷害事件の防護服六人のアジトである。
 「奴らは決死隊だったのか」
 川口の会長である。
 「しかし自分が死んで仲間に金を渡して何に成る」
 「その金の使い道。恐ろしい事に成る」
 川口の会長はその面々の怨念の深さを感じ取っていた。
 「強盗に入った六人はその金を仲間に託したと言うのか」
 「それ以外に決死隊に成るか」
 「すると大田の持っていた一億も仲間に渡ったのか」
 「そうだ。洗浄する組織を通して託したのだろう」
 「だが銀行を襲う前に何故女運転士を襲った」
 「銀行送金の予行演習だよ。決死隊で銀行を襲って送金できなければ全く無駄死にだ」
 「女を輪姦して甚振ったのはカモフラージュか」
 「死を覚悟して最後の女躰満足にあの美人女性運転士を選んだのだろう」
 「益々我々は動けないな」
 「そうだな。川口の旅館に行くか。一人女が手配できたらしい。二人で一人だが」
 「行こう。欲求不満だ」
 二人は犯罪には使ってないワンボックスカーで川口に向かう。
 
 既に時間が遅いので旅館に直行した。
 女将らしき女性は前回の事があるので極めて丁重に案内する。
 料理は並べられビールも準備されていた。
 川口の会長の方が二十万を渡す。
 女性は既に下座に待っていた。
 二人はビールで乾杯して直ぐに近くに女性を呼ぶ。
 此処では和服姿が定番のようである。
 「波琉で御座います」
 両手を突いて一度限りの源氏名で挨拶する。
 細面、華奢な体型である。
 川口の会長が五十万を渡す。
 「ありがとう御座います」
 礼を述べて波琉はそれをそのままバックに仕舞う。
 「床柱の前で躰をこっちに向けて脱いでよ」
 「はい」
 頼りない返事で立ち上がった。
 帯を抜き取る。着物を脱ぐ。肌襦袢姿に成ると腰のくびれ乳房の大きさがくっきりして躰の線が分かった。
 肌襦袢も脱ぎ捨てる。二布一枚に成った。細い体型の割に大きさのある乳房は丸出しである。
 更に二布の紐に手を掛けた。
 「もっと近くで」
 葬儀会社の社長の方が要求する。
 「はい」
 波琉は素直に従って二人の直ぐ手前まで来た。
 そこで二布の紐を解いて腰を包んでいる布を取り払う。波琉はまったく恥ずかしがってはいない。
 「綺麗な乳首だ。乳房の容も良い」
 二人で片手ずつ波琉の乳房を包むように触る。男の手に余る大きさはあった。乳首は適度な紅色である。
 丸い容がやや垂れる。適度な垂れ方である。
 二人でそのまま畳みに押し倒して寝かせた。
 黒い塊は長方形にほど良く処理されている。
 脚を広げた。波琉は抵抗しないで開かせる。
 女の部分はびらびらが鶏の鶏冠を二枚合わせた様に綺麗に突き出して閉じ合わせていた。
 色は紅からやや小豆色に成りつつある。
 それを指で広げてしまう。
 中は綺麗な緋色である。
 葬儀会社の社長が綿棒で粕を採取した。
 「・・・」
 波琉は表情を歪めて顔を逸らせる。さすがに恥ずかしいらしい。
 川口の会長がドテの黒い塊にローションを流す。
 葬儀会社の社長が床屋で使う剃刀を取り出した。陰毛を一気に剃ってしまう。
 波琉は観念していた。
 剃り終わると周りの肌理細かい皮膚の中から紅の掛かった皮膚がくっきりする。その中心にびらびらが突き出していた。
 綺麗な女の部分である。
 「先に風呂に浸かっていてくれ」
 「はい」
 波琉は全裸のまま風呂に向かう。後姿も綺麗である。
 「今回は当りだな」
 「うん」
 葬儀会社の社長は先を譲った。川口の会長はそれを強引に先に行かせる。
 二人は交代で湯の中で波琉に挿入して中で果てた。波琉がピルを飲んでいる前提である。
 波琉の躰を拭いて座敷に戻す。
 両腕を縛り合わせた。それを天井から下がった滑車のフックに引っ掛ける。そのまま吊り上げてしまう。
 波琉は吊るされて爪先立ちである。
 電流責めの準備をする。
 「スタンガンが四つだ。これしかない」
 「注射針、鰐口クリップ。これだけ有れば安全に出来る」
 波琉はそれを見て怯えていた。
 川口の会長は波琉の乳首の下から注射針を横に貫く。
 「ううーーーーーー」
 波琉は恐怖の表情を顰める。
 反対側にも刺す。
 「う、ううーーーーー」
 葬儀会社の社長が乳房を貫いた注射針に鰐口を接続した。乳首の左右両側に鋏み付ける。
 波琉は怯えた表情でそれを下目使いに見ていた。
 反対側のクリップをスタンガンの端子に接続する。
 左右の乳房に別々のスタンガンに接続した。片方を川口の会長に渡す。
 波琉は悲痛な表情を究極に歪めて後ろに退る。
 「いくよ」
 「・・・・・」
 波琉は怯えた表情を振って拒絶していた。
 川口の会長のスイッチが入る。
 「があああーーーーーーーーーぐがああーーーーーーー。がああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 波琉の躰は後ろに仰け反り口をだらしなく緩めて緊迫した悲鳴を絞りだす。
 苦しむ顔がまた美しい。
 葬儀会社の社長もスイッチを入れる。
 「ああーーがあーーーーがあーーーーがあーーーーーーががあああーーーーーーーーーーーー」
 波琉は仰け反って半分白目を剥いていた。
 適度に一回止める。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 止まっても波琉の躰はぶるぶる震えた。息遣いは荒く続く。
 「まだいくぞ」
 「あ、ああーーーーーーー」
 波琉は恐怖の表情を破裂させて仰け反った。
 二人同時にスイッチを入れる。
 「ぐががああーーーーーーーーーー。ぐぐがががあーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐがあああーーーーーーーーーーーーー」
 波琉は直ぐに究極に仰け反って白目寸前に成った。だらしなく開いた口からは涎が垂れている。それでも男をそそらせる女である。
 「あがあはあーーはあ。はあ。はあ。ぐはああーーーーーーーーーーーーー」
 波琉の躰は究極に歪み震えた。
 今度も適度に切る。
 川口の会長は珠洲の左の膝に縄を掛けた。それを天井の別のフックに通して引っ張る。
 「あーーはん。はん」
 右脚も床から離れた。手首に究極に負担が掛かる。
 葬儀会社の社長が腰を持ち上げて珠洲の躰を支えた。
 右の膝にも縄を掛ける。これもやや離れた天井のフックに通して引っ張り上げた。
 波琉の躰は空中に三本の縄で吊るされてしまう。股間は四十五度に開いた。
 股間は肩よりやや低い位置で波琉の胴は斜めに空中に浮いている。
 川口の会長は女の部分の突き出したびらびらを指で抓む。それを二枚合わせて注射針で貫く。
 「ううぐうああーーーーーーーーーー」
 その針の両側に充電クリップを装着する。
 「おっぱいのは取って下さい。これでは」
 波琉は悲痛を訴える如く抗議した。
 「三箇所同時は最後だ」
 「おしっこ漏れちゃいます」
 波琉は座敷を汚す危険を訴える。
 「それが見たい」
 「ええーー。はい」
 波琉は仕方がないと諦めた。躰は恐怖に微かに震え続けている。
 乳房のスタンガン二つを川口の会長が持つ。葬儀会社の社長が股間に繋いだスタンガンを持った。
 股間のスタンガンからONにする。
 「あぐがあああーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 波琉の表情は究極に悲痛に歪む。
 股間はびりびり震撼している。
 「あがああーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーー」
 波琉の背中は恐怖の汗に塗れていた。
 一度切る。
 「ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いのまま波琉の表情は恐怖体験の直後である。
 葬儀会社の社長と川口の会長は顔を見合わせた。
 二人一斉にスイッチを入れる。
 「ああーーあ。ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーはあ。はあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。はあーーーーーーー」
 波琉の躰は空中に迫上がって強く震撼する。藻掻き究極に苦しむ。
 電源を切っては合図して繰り返す。
 「ああーーはあーーーーーー。あはあーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああはあーーーーーー。あはあーーーーーーーー」
 何処までも悲鳴を上げながら躰は迫り上げて突っ張り震撼した。
 そして躰が震えながら股間から尿が断続的に震える弧を描いて飛び散る。
 可愛い美人。スタイルも申し分ない。良い女の究極の羞恥の姿である。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ。あはあ。はあ。あはあ。はあ」
 電源は切っている。迫上がった躰は沈む。それでも躰はいつまでも震えた。荒い息遣いも暫らく止まらない。
 堕ちつくのを待って吊るしから降ろす。
 ブルーシートを敷いた畳に正座させた。バリカンを二個取り出す。
 「何をするのですか」
 「坊主にするのだよ」
 「ええーーーー。そんなーーーーーーー」
 波琉は腰を崩して後ろに退る。
 「何だ!ここまでじゃ普通の十万くらいのハードだぞ」
 「そうだよ。ここの座敷で乳首斬られたりま○○こ焼かれたり。もっとハードな障害まで受けているぞ」
 「ああーー」
 「良いか。髪を坊主にしてもまた生える。戻らない事の方が良いか」
 「ああ。はい。はい。判りました」
 波琉は観念した。
 「ちゃんと蔓買って来てあるよ」
 「ああ。はい。はい」
 波琉は諦めて膝に手を置いて座る。
 二人が両側から女の黒髪をバリカンで剃り落としてゆく。ショートカットなので早い。生え揃うのもそんなに掛からない。
 バリカンの後はローションを頭髪に塗して数ミリ残った毛を剃ってゆく。波琉は一糸一毛なしの完全な全裸に成ってしまう。
 葬儀会社の社長が鏡を見せた。
 「ああ」
 「坊主に成っても美人尼僧だぞ」
 「・・・・」
 波琉は無言で首を振る。
 川口の会長が鬘と帯封の残り三十万を渡した。
 「ああ。ありがとう御座います」
 波琉は我に返って一応の礼を述べる。
 二人は予約したビジネスホテルに引き揚げた。
 
 九月十日。台風が完全に去って残暑は厳しい。
 四台のタンクローリーが各々東京を向けて出発した。ガソリンを満タンに積載している。
 四人の運転手は総て銀行爆破強奪事件の十九人の一人。そして極東日本銀行錦通り支店襲撃の仲間である。
 その内二台の目標は立憲国民党本部。残る二台はテレビ太陽本社である。
 未明に静岡市内の各所から出発した。
 八時丁度。静岡県の山奥。立ち入り禁止の村である。
 太平洋戦争の時期。戦艦や巡洋艦の艦尾から偵察機が発艦した。飛行甲板などは無い。カタパルトというものから発艦する。
 同じような設備が山の山頂付近に造られていた。此処から小型機が二機発進する。行き先は立憲国民党本部とテレビ太陽本社である。
 発破を大量に積んでいる。
 二機は超低空で東京に侵入する。
 九時丁度。先にタンクローリー二台が各々建物の一階に突入する。直ぐにガソリンを流す。
 自ら点火してタンクごと暴発させる。
 それを目掛けて小型機が突入する。建物は爆発。火に包まれ一気に倒壊した。
 どちらも犠牲者は膨大である。
 
 同時に幾つかのSNSに大田正勝の名で犯行声明が公開された。
 これは大田正勝以下十二名の報復です。
 我々に親兄弟は居ない。日本人だが戸籍を持って無い。名前も無い。
 それでも我々は徐々に死んだホームレスなどの戸籍を貰って少しずつ市民権を得ました。
 静岡市内に工場を立ち上げ入札で仕事を取れるようになったのです。山奥の村の暮らしも徐々に良くなりつつありました。
 だが政権交代。その事業仕分けで工場は倒産したのです。我々の長である社長は自殺しました。
 苦しい中で数年掛かって飲食店をチェーンで立ち上げたのです。それもコロナの営業自粛要請で閉店せざるを得なく成ってしまいました。
 そんな矢先に老練なグループから誘われ銀行を二回襲って資金を得たのです。
 我々はこの資金を報復に使います。
 報復先は事業仕分けを行った元国民党の主力政党本部とそれを世論で一番強く後押しするテレビ太陽とする。
 
 恐ろしい事件であった。微数と雖も野党第一党の国会議員。その三割が犠牲に成ったのである。
 微数野党が合流して少数野党になる直前であった。あと数日遅く襲撃されたら壊滅的打撃と成っていたかもしれない。
 さらに放送局が一局四十八時間機能不能に成る。その後も臨時スタジオで放送。フリーアナの大量起用も行われる状況である。
 だが古い録画、フイルムなどは総てデジタル化されており冗長化によりその被害は僅かであった。
 
 九月十三日。朝のニュース番組の途中で実況に成った。
 警察部隊が大掛かりな人数で静岡県の山奥に入って行く。
 「愛知県警と警視庁は犯行声明の有った九一○事件と極東日本銀行錦通り支店襲撃事件の犯人らのアジトがこの山奥に有ると断定しています」
 「断定された理由は何でしょう」
 「はい。警察はタンクローリー四台の走行を防犯カメラで追っていました。乗っていた人物らがこの山奥に入って行く行動が確認されています」
 「銀行爆破強奪事件は関係ないのですか」
 「そちらは主犯が別に居ると考えられています」
 「連続拉致強姦傷害事件の犯人グループですね。宇都宮の女性運転士拉致暴行の件はどうですか」
 「そっちの見解はまだ出されていません」
 
 警察部隊は朽ち果てた廃墟の村を何処までも進んだ。完全に木造家屋が朽ち果てて無人である。
 今の日本には珍しくない光景と言える。
 更に細い山道を一列の縦隊で進んで行く。
 幾つかの廃墟とまで行かない家が存在した。どれも中は綺麗に整頓され人の気配はない。遺留物も殆んど無い。
 最後に神社でも寺でもないが日本の宗教上の建物に至った。
 僅かに煙が上がっている。人の存在を示していた。
 警察部隊はその社らしきを囲む。
 中から巫女姿の老婆が出て来る。
 「何じゃお前らは」
 「静岡県警です」
 「それが何じゃ。この村は立ち入り禁止じゃ」
 「お婆ちゃん。日本全国警察権が及ばない所はないのだよ」
 「日本に戸籍のない人におまえらの法律が及ぶのか」
 「なに」
 「此処に大田正勝が居たはずだ」
 「知らんな。此処に居た者は五日前と八日前に決死の覚悟で出て行った。わしに供養を頼んでな。あれが位牌じゃ」
 老婆は後ろの本殿を体ごと指差す。
 其処には十三の位牌が並んでいた。
 「大田正勝はあの中の誰かが他人の戸籍を引き継いだのじゃろう」
 「・・・」
 「あと七人此処に居るか」
 「いいえ。もう私だけです。何処でも探されるが良い」
 「真ん中の位牌は」
 「赤文字で書いてある。私の戒名だ。逮捕して死刑にするなり好きにせい。私から何を聞いても答えようは無い」
 「太田らが何をしたか知らないと言うのか」
 「知らん。此処はテレビもラジオも通じない。八日前に六人が出て行った。まるで特攻隊が出て行くようじゃッた」
 「それが何故死んだと判った」
 「巷に出て残った六人が結果を知った。その死は無駄にせんと言うてた。その二日後の夜と三日後の朝に出て行った。そして皆私に供養を託した」
 巫女姿の老婆は一切臆びれることはない。
 「この十二人の中にこの人物が居たな」
 警察官は大田正勝の写真を見せた。
 「いいえ。こんな人は此処に居ませんでした」
 巫女姿の老婆はきっぱり否定する。
 防犯カメラが捕らえたこの山に入った人物の画像を見せると総て認めた。
 「金属加工工場が在るぞ」
 銃機類を製造したと見られる工場が発見される。
 「火薬工場もある」
 発破の製造工場も見付かった。
 「お婆ちゃん。此処にどうやって荷物を上げる」
 「分からんよ。私は此処を出た事がない。物心付いた時この部落に居た」
 「お婆ちゃんの名前は」
 「名前など無い。昔は姫。いつか星霜お婆と呼ばれていた」
 「あの十二人はいつから此処に来た」
 「二代目の長が皆を何処からか連れて来た。二十三人居た。その中の生き残りだ」
 「長はどうした」
 「十年位前。巷でやっていた工場が倒産した。その時死んだ」
 警察は金属加工工場を全部検証した。CADが入っていたと思われるパソコンは存在した。
 パソコンからハードデスクは既に玉抜きされ溶解までされている。一切データは取り出せない。(玉抜き=ハードデスクを取り出す)
 ハードデスクは僅かな埃が入っても読み取れなく成ってしまう。それでもプロの手では復旧できる。
 ゴーストやブランコの様なソフトを使っても完全には消せない。破砕処理が一番有効だが完全とは言えない。溶解すれば完全である。
 金属を加工した破片は確認された。また自動小銃らしきの製造も確認される。だが機関銃の製造は確認できなかった。
 飛行機が発進したカタパルトは発見されがどうやって此処に運んだかは不明である。
 ガソリンも燃料も使い残りと空き缶が発見された。これも運び上げた方法は謎である。
 巫女姿の老婆にはまったく分からない。
 十九人の内残り七人の行方も判らない。そして大田正勝がどこかで生きているのか酒井俊克が大田正勝か定かではない。
 更に奪われた資金の行方は皆無である。
 連続拉致強姦傷害事件の六人はまったく捜査線上に何も乗らない。
 
 九月十九日。インターネットアダルト放送のスタジオである。
 いつものようにトップレス姿のアナウンサー岡田有美と本多椿が交互にニュースを読む。
 如月鬼堂は事件の内容を次の様に解説した。
 これは日本赤軍に始まるような恐ろしい自爆テロである。そして戸籍を持たないで生まれて差別された人達の報復と言える。
 彼らは山奥に隠れて暮らしながら違法にそれぞれホームレスなどから戸籍を得た。そして街の中に零細企業を築いたのである。
 それが国民党政権下の事業仕分けで倒産に追い込まれた。その指導者だった長が自殺しってしまう。
 更に新型コロナで再び巷に進出した店を失った。
 日本社会に向けてテロと言う形で報復に出る。差別化された集団ゆえに一般の日本人を殺傷する事も陵辱する事もなんら罪悪感を持ってない。
 差別に対する恨みが総てを支配していた。
 その報復行動に点火したのは連続拉致強姦傷害事件の六人である。
 そしてまだ十九人の内七人が残っている。他に隠れ場所があると思われた。早急に対処しないと首都圏他大都市に危険が及ぶ。
 そしてこの事態を招いたのは日本社会にも多大な問題がある。
 日本は直接他人に迷惑を及ぼさない事に規制が多すぎる。
 その取締りに警察は多大な動力を使っていた。医療用はもとより自宅で大麻なら飲酒運転の方が問題は大きい。
 猥褻図画など日本でなければ先進国では問題ない。こんなところに取締りを掛けるより他に動力を使うべきである。
 戸籍を持たない人の対処。そればかりではない。住居を持たない貧困にはセーフティラインがない。
 危険に晒されて救済を求める個人への保護、警護は殆んど対処に至らない。


 最期のSM小説家 第十四幕 戸籍を持たない村 完





 最期のSM小説家 第十五幕 怨念の挽歌


 二〇二十年白露上元。太陰太陽暦八月四日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十年九月二十日。
 如月鬼堂は珠洲と瀬里菜を伴って最終の上越新幹線グリーン車で越後湯沢に着いた。
 全裸美人コンテストのスタジオ収録が終わっての帰宅である。全裸美人コンテストは本多椿が優勝した。
 東京から僅かな距離だが駅でビールその他を購入した。珠洲と瀬里菜も飲んでいるので駅から運転代行を頼んである。
 愛好会のショーは来週二十五日にした。四連休はパスしたのである。金曜日の夜に始めて土曜日の朝まで続ける。
 土曜日にやりたいが如月鬼堂の都合が開かない。
 如月鬼堂がインターネットアダルト放送の出演が土曜日の夜だからである。これを如月鬼堂が欠席すると視聴率が一気に下がる。
 大方のマスコミがリベラル寄りに報道する。
 アメリカのマスコミは一部を除いてその傾向がもっと強い。それでも共和党の中でも特異なトランプ大統領が半数前後の得票を得る。
 支持率で民主党有利でも選挙結果は僅差か逆転する。
 仕方なくリベラルの振りをする者は多い。社会の為、環境の為と言う。だが本音は個人主義である。
 日本にはアメリカでトランプ大統領寄りに報道するようなマスコミが無い。良くて中立である。その受け皿が如月鬼堂の時間となる。
 もちろん非難する人は多々ある。アダルト放送ゆえそんな層はもとより見ることさえない。
 個人主義とのギャップが人種差別問題である。
 アメリカでは反トランプが人種差別と一体化されてしまっている。
 日本に人種差別は戦後になって概ね無い。
 アメリカに人種差別が無いとは言えない。だが警察官の過剰を超えた取り締まり行動は人種差別とはやや違う。個人主義ならこれも許されない。
 警察官の権力に従わない者に対しての強硬な職権力の行使である。そして銃使用の基準の問題でもある。
 日本でも上級国民なら取り締まりに強固な取り押さえはない。中級、一般と一気に対応は変わる。
 アメリカでも白人の犠牲者が無いわけではない。少ないのである。黒人でも上級は存在する。だが中級、一般と下がるに黒人が圧倒的に多い。
 そこで黒人の犠牲者が多くなるのである。
 共和党支持者に警察が多い。さらに銃社会の維持を唱えるのも共和党支持者。それを民主党に傾倒するマスコミが上手く利用するのである。
 
 如月鬼堂らはマンションに戻って三人一緒に露天風呂に入る。
 ようやく夜はやや涼しくなって露天風呂は気持ち良い。高層階の露天風呂。空気が澄んで星空が綺麗である。
 珠洲も瀬里菜も疲れている。いつもの様に如月鬼堂を湯に立たせて前後ろから躰で洗ったりはしない。
 如月鬼堂は静かに生ビールを飲む。珠洲と瀬里菜は既に冷たいお茶である。
 此処は露天風呂からもテレビが見られる。
 九一○事件と極東日本銀行錦通り支店襲撃事件に関する警察の捜査は一行に進展しない。連続拉致強姦傷害事件の捜査は皆無である。
 静岡県奥地の部落からはそれ以上何も出て来ない。巫女の老婆は保護され市内のアパートを斡旋され生活保護となった。
 その後はコメンテテーターの見解と意見が延々と続いた。
 「全員特攻隊の様に自爆とかしたのでこれで打ち切りなの」
 珠洲がニュースを見ながらぽつりと言う。
 「まだ十九人の残りが居る。あの部落に居ないならどこかに潜んでいるか同じような部落があるかもしれない」
 十二名という数字からまだ何か起こると見ている。コメンテータも同じような発言をしていた。
 「連続拉致強姦傷害事件も捜査は進まないね」
 瀬里菜は九一○事件と極東日本銀行錦通り支店襲撃事件が強烈過ぎて前の事件が追いやられていると気に成っていた。
 「犯人が狡猾過ぎる。次に何か起こさない限り無理だな」
 如月鬼堂はこっちの話題が世論で大きくなってほしくない。
 女性の被害者が増えれば性暴力に対する女性側の一方的訴えが強引に通る風潮が拡大される。
 虚偽誣告に社会で男性は更に怯える事になる。
 アダルト動画を見る。ソープランドに行く。更にSMクラブに行くなどの男性が痴漢や生暴力では犯罪者と決め付けられてしまう。
 ソープランドやSMクラブに行く男性はそっちの犯罪には走らない。あくまで合法で遊んでいるのである。
 そして新型コロナで追いやられる風俗、売春が更に追い詰められる事を恐れる。如月鬼堂にとって風俗売春は社会秩序に必要不可欠な存在である。
 この手の犯罪は解決ではない。小説、ドラマの中以外に絶対に起きてほしくないのである。
 埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件ではいま起訴されて控訴審中の六人。これが犯人でないとは如月鬼堂には言えない。
 だが一審無罪。本来一審無罪となったら釈放のままなのである。だが再拘留となった。野崎卓郎弁護士はこれに強く怒っている。
 被害者の原直子運転手から顔が見えず確たる特徴の指摘もない。それながらもこの人達だという供述がなされた。本人の思い込みが総てである。
 それだけで起訴され一審無罪でも再拘留となった。疑わしきは罰せずの法律の根本精神はまったく無視である。
 
 此処は名古屋市千種区今池。錦、東新町と下り更に場末である。
 居酒屋の二階を借り切っての宴会らしきが行われている。全部で十一名である。内七名は銀行爆破強奪事件に加担した。
 「もう山に帰れなくなったな」
 四十くらいの男である。
 「いつ踏み込まれるか分からない」
 三十代くらい痩せ型インテリ風の男である。
 「奴等は三十三億残してくれた。どう闘うかだ」
 一番年嵩な男の発言である。
 「大田が残した一億だけだったのが一気に増やしてくれた」
 「随分派手にやってくれたな」
 「次は難しいよ」
 「金を作る必要はない。何処をどう狙うかだ」
 年嵩な男の発言である。
 「何処を狙う」
 「今度は大田の意志を次いでやろう」
 年嵩な男の発言である。
 「そうだな。他に妥当な報復は無い」
 「ならばこの作戦でどうだ」
 年嵩な男の発言で全員の意見が一致した。
 
 十一人はそのままラブホテルに移った。
 団体で使えるバンケットルーム。SMにも対応する造りである。
 其処に二人の女が待っていた。部落を出て来た。二人とも二十代半ばくらいの容姿である。どちらも小柄で可愛い。
 「真帆、瑞帆。今日で最後だ」
 年嵩の男が宣告する。
 「お前らの戸籍も買い取った。このホテルも居酒屋もこれから二人の共同経営だ。法人ごと買い取った。家も用意した。総て名義も書き換えてある」
 四十代くらいのサラリーマンタイプが説明する。
 「年齢は三つくらい上になる。これがその謄本だ。運転免許証とパスポート。転出を重ねて用意したものだ」
 三十代くらいの痩せ型の男が続いて説明する。
 「ありがとう」
 瑞帆が小さな声で礼を言う。
 「うん。ありがとう。嬉しい」
 真帆である。
 「これからは二人で力を合わせて此処を経営して行け。俺達の事は今後一切触れるな」
 「一億ほど現金は残してある。確り洗浄して会社の口座に入れた」
 二人は静かに頷く。
 「今日は最後にわしらに愉しませてくれ」
 「うん。良いよ」
 「良いよ」
 女二人は了解する。
 これまでも部落の中で太田を含む十二人の性処理の相手をしてきた。
 真帆からホテルルーム備え付けの拷問椅子に磔る。真帆は部落での通称である。生まれて間もなく部落に収容された。
 その時に居た巫女が育て仮の名を付けたのである。
 全裸で股を百二十度に開かれている。
 「今日が最後だ。お前の美しい部分を皆に見納めさせてくれ」
 一番年嵩の男が指で真帆の女の部分のびらびらを広げる。
 「ああ」
 「綺麗だぞ。縁はまだドドメ色に成ってない。紅がやや小豆に成っているが中は綺麗な緋色だ。尿道の亀裂も可愛い」
 「いやああ」
 真帆は泣きそうな表情を硬くして堪える。
 更にクスコを挿入する。
 「皆。姫の奥の院を見納めだぞ」
 年嵩の男はクスコの螺子を回して中を広げる。それをペンライトで照らす。
 「あ、ああ、ああ」
 真帆は目を強く瞑り顔を火照らせて堪える。
 次はクスコを抜いて十一人が一人ずつ挿入だけする。
 年嵩の男がドリルバイブを取り出す。それを若い男に渡す。これもルームの備え付けである。
 「今日はお前らにとことんイッて貰う」
 一番年嵩の男が宣告する。
 「はい」
 真帆はまったく逆らわない。全員の目がスポットライトに照らされた全裸の躰を隅々まで見ている。
 年嵩の男が真帆の女に指を入れて濡れ具合を確認する。
 「良し」
 既に真帆のその部分は充分に塗れていた。
 若い男がドリルバイブの先端に装着した擬似男根を挿入する。
 「ああ」
 スイッチが入る。
 「あはあはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 真帆は躰を拷問椅子の上で突っ張り迫り上げた。顔の表情は大口を開けて破裂している。
 「ぐおおーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 真帆は躰を突っ張ったまま首を右に左に捩って唸り声を上げ続けた。
 更に電マでクリトリスを刺激する。
 「ああーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーーー」
 それでも追い討ちを掛けるように責め続けた。
 「あはあーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。もれますーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真帆は断末魔の言葉を絞り出す。
 「出せ!みんな見たいのだ」
 「ああーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真帆はサイレンの様な悲鳴を上げ続ける。そして潮が弧を描いて空中に噴き上げた。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。とまらないーーーーーーーーーーーー」
 電マを充てていた男もドリルバイブを持つ男も体を交わして責め続ける。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。またいくーーーーーーーーーー。いくうーーーーーーーーーーー」
 真帆は女の性をとことん曝け出して逝き顔を皆に焼き付けて失神してしまう。
 瑞帆もこの後同じ様に責められた。
 現在十一人は名古屋市内のアパート、マンション、ビジネスホテルに居住地を点在している。
 
 警察もここまで事態が深刻に成ると捜査はそれなりに進展した。愛知県の山奥に立ち入り禁止の部落を発見してSITの部隊が捜査に進行する。
 愛知県と雖も奥は深い山林である。
 静岡県との境にやや近い。
 車で入れない山道を二時間以上進む。廃墟の集落を幾つも過ぎる。殆んどが朽ち果てていた。
 江戸時代から存在した様な集落である。途中は最近人が通ったとは思えない道が続いていた。
 更に奥に進んで朽ちているが鳥居らしきを幾つか潜る。最近まで人が居たと思える集落に着く。
 どの家も綺麗に整理されていた。静岡と同じ状況である。
 パソコンも発見された。同じように玉抜きされている。HDDの中身は溶解処理されていてデータは読めない。機械類は運び出されている。
 この部落を捨てた事は明らかである。
 巫女らしき女性の衣装及び女性が暮らしたと思える住居も見付かった。社らしきも存在する。今度は女性の姿は無い。
 またもや機械をどのように運び出したか。この部落からどのように出入りしていたか謎である。
 
 九月二十四日木曜日。越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 明日の夕方からの愛好会のショーの打ち合わせで主なメンバーが集っていた。
 大河内税理士、館山弁護士、福富麻次郎、杉下一行、本多椿、熱海の店長荒井枝里である。
 今回杉下一行が生駒で福富麻次郎が長野で如月鬼堂が熱海でプレイを担当する。本多椿が熱海で全体の司会である。
 他は館山弁護士が生駒に大河内税理士が長野に行く。
 裏の全裸美人コンテスト同様三箇所の店舗のステージに三名が登場する。一人を除いて他からのバーチャルである。
 杉浦瑞樹が熱海、倉科香李名が生駒、大路江美が長野と決まっていた。
 「五百二十三名。なんとか生駒に一列増やしてOKですね」
 「この先どうするかだ」
 大河内税理士の安堵の発言に如月鬼堂は増える会員を心配している。
 今回これでも欠席者が二十一名居た。
 既にビールが注がれている。昼は仕出し屋がミニ会席を運んで来た。割烹料理店は休みである。
 テレビのワイドショーでは銀行爆破強奪事件に加担した残り七名が隠れ住む集落を警察が発見して進行した状況を報じていた。
 「次は何を狙ってきますかね」
 如月鬼堂が考えていた疑問を投げ掛ける。
 「部落を離れていれば何か計画があるのでしょう」
 館山弁護士も直ぐに動くと予期していた。
 「もう金を確保する必要は無いですね。直ぐに動くのでは」
 大河内税理士も同意見である。
 「近日中に何が起こるか」
 如月鬼堂もそれを予想していた。
 「もしかして新幹線。危険では」
 大河内税理士は明日の移動を心配する。
 「それは低いでしょう。この犯人は不特定多数を目的にはしていません」
 館山弁護士はそれを否定した。
 「その前にまた女性を襲うかもしれない」
 珠洲が懸念を持って意見を差し挟む。
 「またやりそうですね」
 荒井枝里もそっちに懸念を示す。
 本日は全員が此処に泊まる。
 翌朝高崎と東京で分かれて三つの店舗に向かう。
 
 二十五日金曜日。二十時を過ぎて静岡県警捜査一課の竹田玲奈巡査長は勤務を終えて帰路についていた。
 一人が後ろから接近して胸を触って逃げる。
 「こらあーー」
 竹田玲奈巡査長は直ぐ追いかけた。
 男は路地に逃げ込む。竹田玲奈巡査長はそれを追う。捕まえる自信は有った。
 二つ目の路地を曲がった所で六人が囲む。クロロフォルムを嗅がせてしまう。一瞬で竹田玲奈巡査長は意識を失う。
 直ぐ其処は空き家である。其処に連れ込む。麻酔を強化して着衣のまま高手小手に縛る。さらに脚首を縛り合わせ膝も縛り合わせた。
 そのまま竹田玲奈巡査長をキャリーバックに詰める。
 後からパッカー車が迎えに来た。その中にキャリーバックを突っ込んでしまう。上から空き家に先に用意してあったゴミを投げ込む。
 静岡側から警察が踏み込んだ山奥の集落に向かう。警察が進行した逆の道からである。
 前路に二台。後方に一台ワンボックスカーが警戒しながら進む。
 パッカー車が辛うじて通れる林道を山奥に進んだ。
 行き止まりに民家が一軒建っている。後ろも正面も崖である。
 パッカー車の他にその前後を走っていたワンボックスカー二台が民家の裏に止まる。
 民家だが地下室が存在した。その地下室は山の中の鍾乳洞に繋がっている。
 此処で竹田玲奈巡査長をキャリーバックから出す。そのまま全裸にして躰をもう一度高手小手に縛る。
 蹴りができないように脚首と脚首を五十センチの棒で繋いだ足枷を履かせた。
 スタンガンで竹田玲奈巡査長の意識を回復させる。
 「うおおーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は意識を回復して叫ぶ。囲んでいる全員を見回す。直ぐに全裸で縛られている事を悟る。
 「何よこれ」
 竹田玲奈巡査長は自分の躰を視線で指す。
 「立て。これから俺たちの部落に案内する」
 「服の上からおっぱいに触られたくらいで追いかけなければこんな事に成らなかったのにな」
 男は嘲笑っている。
 「部落」
 竹田玲奈巡査長はその一言で恐怖に包まれた。
 「お前ら警察の機動隊が侵入した部落だよ」
 「ああ」
 竹田玲奈巡査長は事態を完全に悟って驚愕の表情になる。
 「警察機動隊が進入したのとは別の入口からな」
 「貴方たち何でマスクとかサングラスしてないの」
 竹田玲奈巡査長はこの連中は自分を殺すと確信した。
 「よく気付いたな」
 「私を殺すの」
 「いいや。お前は生き証人に成ってもらう。死ぬのは俺たちだ。お前を人質に沢山の警察官を道連れにな」
 「な、なんと」
 竹田玲奈巡査長は計画の恐ろしさに驚愕する。飛行機とタンクローリーで建物に突入したテロ集団である。
 「さあ。立て。ゆっくりなら歩ける筈だ」
 若い男が移動を促す。
 「移動しながらお前の知りたい事をゆっくり説明してやる。深い傷心を抑えてテレビの前で語れば良い」
 年嵩の男が宣告する。その静かな言葉は竹田玲奈巡査長を恐怖のどん底に落とした。
 恐ろしい拷問が目の前に迫っているのである。
 地下室から鍾乳洞の入口に入る。其処に大きなタイヤを履いた装甲車の様な車両が止まっていた。
 後ろに箱車を繋いでいる。
 運転者以外そっちに乗った。
 かなり大掛かりな洞窟である。装甲車は蛇行しながらその中を進む。
 大きな池の辺を更に奥に進み続ける。
 「これがこの部落の水源だ。警察はただの湧き水か井戸と見ていたようだ」
 年嵩の男は淡々と解説して行く。
 やがて大きく天井部が開いて夜空が見えるところに来る。
 「見ろ。あそこから大きな荷物を部落に上げるのだ」
 「どうやって」
 「まあ。後でお見せするよ。大きなクレーンが有るのだ」
 「そんな物。警察は発見してないですね」
 「警察が踏み込んだところには無い」
 そのまま装甲車は奥に進む。やがて行き止まりに達した。装甲車で行けるのは此処までである。
 其処には同じ装甲車がもう一台止まっていた。
 チェーンで吊るされただけのエレベーターの本体。そのように見える鉄の箱が止まっている。
 「あれで上に上がるのや」
 「荷物は」
 「大きな荷物は殆んどこっちには上げない」
 「なら人だけ」
 「人も殆んど上がらない。此処は監視所だ。通常はさっきの穴から吊るしのケーブル車で出入りする」
 「だから警察が通った道に人が通った形跡がなかったの」
 「あれは獣道だ。まったく使ったことは無い」
 「静岡はどうやって上げたの」
 「あれは此処より単純だ。カタパルトが有った筈だ。あれがクレーンにもなる。真下の行き止まりの道から吊り上げる」
 そんな間に箱は頂上に着く。
 降りると其処はトーチカである。五十ミリくらいの大型の機関銃が三機設定されている。
 其処には拷問部屋も準備されていた。
 其処から部落の全容が見下ろせる。更にその先には部落を囲む連山と渓谷や峠が見渡せた。
 「これは五十ミリ機関砲だ」
 既に人を狙う機関銃ではない。B17やB29に搭載したクラス。ジュラルミンの盾など無力である。
 此処から登って来た警察部隊を狙えば完全に殲滅できる。
 「よく見ろ。二つ此処と変わらない山が在る。あっちにもトーチカが有る。警察は相当の部隊を失う」
 三方の山から部落を銃撃すれば殆んど殲滅されてしまう。
 「あ、ああ」
 竹田玲奈巡査長は驚愕の表情を凍らせていた。奈良県で警察官が何人も殉職したばかりである。
 「あの飛行機は」
 洞の奥に飛行機が格納されていた。
 「よく気付いたな。あれは最後に此処から都庁に向かう。爆弾を抱いて」
 「ああ。いったい何の為に」
 竹田玲奈巡査長は恐怖に慄きそう叫ぶ。
 「大田が声明した通りだ」
 「あの時突っ込んだのが大田。それじゃ奈良は」
 「知らんよ。お前ら警察の過剰捜査が犯罪者を増やしたのだ」
 年嵩の男は嘲る様に静かに非難の篭った口調で言う。
 「そんな」
 竹田玲奈巡査長は驚愕の震えが止まらない。
 
 愛好会のショーは熱海を中心に三会場で進められていた。
 熱海のステージには杉浦瑞樹が居る。
 三会場とも同じ状況である。
 「これからドリルバイブデスマッチです。早く失神した順に重い罰が下ります。内容は後から投票で決定します」
 本多椿が熱海のステージで三会場にアナウンスする。
 本多椿はバスロープを脱ぎ捨てて全裸である。先週の全裸美人コンテストで剃毛されてドテの黒い塊は無い。
 杉浦瑞樹はドリルバイブを見て驚愕の表情に成る。
 「会場ごとに当った席番号のお二人が担当です。モニターのルーレットが回ります。停止は被虐の女性が行います」
 当った升席の会員が二人ずつステージに出て来た。
 杉浦瑞樹のピンクのワンピースを後ろのファスナーを下げて肩から落とす。純白のブラとショーツ姿が眩い。
 倉科香李名と大路江美も同じワンピースを脱がされて純白のブラとショーツ姿である。
 バーチャル映像を並べて三人の脱ぐ姿が展開される。
 生駒の倉科香李名から会員の手でブラを外された。片手に納まる大きさだが綺麗な小高い膨らみが容良い。
 乳輪は二十五ミリくらい。薄紅の小さな乳首が尖っている。
 続いて長野の大路江美のブラを外す。
 倉科香李名より大きさは有るがやや垂れ気味。柔らかい弾力感がありやや垂れているのが逆にそそらせる。叩かれると痛そうな乳房である。
 乳輪も赤く三十ミリくらい。乳首も存在感がある。色の赤さが肌の色に調和して強くエロさを感じさせた。
 最後に熱海の会員が杉浦瑞樹のブラに掛かる。ブラは乳房を大方包んでいた。そのブラを剥がす。これも片手に納まる乳房だが容が美しい。
 胸の盛り上がりの先端に十五ミリくらいの乳輪。それに小さな乳首が尖っている。色は日本人離れした薄橙である。
 次は一斉にショーツを下ろす。杉浦瑞樹は全裸美人コンテストでパイパンにされていた。近付くと僅かに生え始めた陰毛の頭が見える。
 大路江美は長方形に倉科香李名は丸みのある三角形に黒い塊を整えている。
 拷問椅子がステージに載せられる。
 三人とも会員の手で脚首、膝、腰、手首を拷問椅子に縄で固定する。
 ハンドルを回して脚を開いて股間を広げてしまう。拷問椅子を後ろに倒して腰の部分を迫り上げる。
 三人とも股間部分が斜め上を向いて丸出しに成ってしまった。。
 女の部分がモニターに拡大されて見比べられる。それを会員が指で広げてピンクの内部を公開してしまう。
 十人十色の部分で女のもう一つの顔である。
 三人とも大人数の客席からその部分を見られることに堪えられない。顔を叛けて目を瞑り表情を火照らせて堪えられない時間を堪え続ける。
 この表情が客席の面々を堪能させた。無言の視線の集中した圧迫感が三名を羞恥のどん底に堕とす。
 三人とも始めたばかりの新人SM嬢である。恥ずかしさは尋常ではない。微妙に躰は震えていた。
 ストリップ劇場のステージで新人ストリッパーが女の部分をオープンする。その時熱病に侵されたように躰が震えてしまう。その状況である。
 今が一番新鮮な女の羞恥の姿と言える。これが愛好会ならではの毎回の愉しみと成っていた。
 女の部分の縁はどれもドドメ色感は無い。
 杉浦瑞樹のびらびらは細く僅かな縁が薄紅色の輪郭を形成する。内部は薄紅から薄橙にグラデーションを描いていた。
 倉科香李名はその部分が更に小さい。僅かなびらびらの縁が薄小豆色である。中は綺麗な薄橙に広がる。尿道の亀裂は小さい。
 膣口は粘膜がすっきり小さな亀裂を開けている。
 大路江美は薄いびらびらを重ね合わせて突起している。それが広がると縁の内側は紅から小豆色だが内部は綺麗な緋色である。
 尿道の亀裂はくっきり切れて膣口は粘膜が複雑に閉じ合わせている。
 倉科香李名も大路江美も三十を過ぎている。それでもこれまでが素人である。
 SEXを重ねるとその部分がドドメ色に成るという考え方は間違いと時々医学書になどに書かれている。
 だが風俗嬢になって強力な大人の玩具で常時刺激を長時間受ければその限りではない。
 美しさは新人の僅かな間である。
 ここで更なる屈辱を加える。
 ステージの会員に黒いプレートと麺棒が渡された。
 「これから三名の女性の部分から汚れを採取します。プレートは競に掛けます」
 本多椿が三会場にアナウンスする。
 「なんで」
 杉浦瑞樹は堪らず全裸美人コンテストに一緒に出た本多椿に小声で抗議する。
 「サービスよ。私もやったの」
 会場に入ってトイレでヒデを洗っているがそれでも粕は付着していた。
 競はドリルバイブの責めの最中に行う。
 更に女の部分に会員の手でクスコが挿入される。
 ペンライトで照らされた女の部分の奥がモニターに拡大表示された。
 これでようやく女の部分の公開は終了である。
 熱海で当った会員はモニターで二人と見比べている。杉浦瑞樹は美人と言うより可愛い女である。
 生駒の倉科香李名の方が虐めたい衝動が強く刺激された。責めを弱くして長持ちさせようと打ち合わせる。
 二人の意見は一致した。
 「それではドリルバイブをお○○こに挿入して準備して下さい」
 本多椿は悪びれず三会場に号令を掛ける。
 一人がドリルバイブにローションを塗る。一人は膣に指でローションを塗りこむ。
 「ああ」
 杉浦瑞樹は既に慄いている。
 他でも同じ様に準備が整っていた。
 「それでは。・・・スタート」
 司会の本多椿の合図で一斉にスイッチが入る。
 「ううぐうううーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーー。うっぐうーーーーーーーーーーーー。ううぐうううーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は拷問椅子の上で躰を暴れさせ藻掻く。
 他の二人も同じ様に躰を暴れさせ藻掻き続けている。倉科香李名を責める二人は気合が入っていた。
 大路江美を責める二人はやや力が入っているというところである。

 トーチカの後ろから鉄塔の様な物が空に向かって伸びて来る。
 竹田玲奈巡査長はトーチカの天井の小さな窓からそれを見上げていた。
 かなりの高さまで上がって行く。
 クレーンの根元の折れる部分が外に出て来る。そこでクレーンは部落の方にゆっくり倒れる様に横たえて行く。
 更に先端の三メートルくらいが九十度下に折れる。その先端はゆっくり山の斜面に着地した。
 トーチカの中に箱が有る。男が二人乗って竹田玲奈巡査長を乗せた。
 トーチカの天井が一部開いてクレーンのフックが下がって来る。
 クレーンが箱を持ち上げてトーチカの上に出た。箱の窓から部落が見渡せる。
 箱は横に渡された鉄塔にぶら下がっていた。鉄塔のレールを進んで渓谷を渡って部落の裏の斜面に来る。
 眼下に大きな穴が確認された。鍾乳洞の天井に開いた穴である。
 「これで分かっただろ」
 「はい」
 「良し戻ろう」
 竹田玲奈巡査長に戦慄が奔る。いよいよ拷問される。
 
 生駒で倉科香李名は十分と持たないで失神した。
 強引に責めなくても元よりドリルバイブでは殆んど素人に抵抗力は無い。
 倉科香李名の失神を確認した長野の会員は踏ん張ろうとする大路江美を一気に堕とす。こっちも十五分と持たなかった。
 杉浦瑞樹は何度も失禁したが失神にはまだ至らない。
 司会の本多椿からストップが掛かる。潮を断続的に何度も噴き上げて恥ずかしい姿を晒した。これで時間切れとして次のプレイに移る。
 「では一番先に失神した生駒の倉科香李名さんのプレイから投票してゆきます」
 会員はスマホから店のサイトにリクエストを送る。多い順にモニターに上から表示された。
 1.蛇拷問
 2.局部鞭
 3.爬虫類拷問
 4.全身ピンチ
 順序は投票が進んで何回も入れ替わる。
 熱海の客席で動き回るコンパニオンは本日半透明の水着姿である。ビールは飛ぶように売れていた。
 コンパニオンが升席の前に膝を着くと女の部分と黒い塊が大方透けて見える。乳首は完全に透けていた。
 隠微極まりない給仕である。
 本日のみのサービスとなる。愛好会の貸しきり以外はこのコスチュームは使えない。
 「倉科香李名さんは投票された候補の中から一つだけ拒否ができます」
 司会の本多椿が熱海から生駒の倉科香李名に声を掛ける。
 バーチャル映像が直ぐ其処に有るのでその場で話している間隔である。
 「えー。ひとつだけーーー。ぜんぶ。だめーーーーーーー」
 倉科香李名は思わずごねる。
 「だーめ。ひとつだけよ」
 本多椿も態と可愛く言う。
 「へび。へびはだめーーーーーー」
 倉科香李名は泣き叫ぶような声で言う。
 最終的に爬虫類姦が二位で決定となった。
 「ええーーーーーー。たえられないよーーーーーーーー」
 倉科香李名は恐怖に震えている。
 「大丈夫私もやったのよ。NG多いと指名付きませんよ」
 「えーー。一億は稼げると聞いたのですよ」
 「頑張らないと無理よ。私は年内にできる」
 「そう」
 倉科香李名は一度やや観念する。
 籤に当ったドリルバイブ責めの会員と代わって生物責め担当の会員二人がステージに上がった。
 その会員の手でもう一度クスコが挿入される。
 会員はミルワームをボウルに用意していた。
 「いやだーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香李名はミルワームを見て強烈な悲鳴を上げる。
 会員は容赦なくクスコで広げた倉科香李名の膣の奥にピンセットで抓んだミルワームを投げ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香李名は虫が膣の奥に入った感触に涙を飛ばして悲鳴を上げる。
 「直ぐに蜥蜴さんが食べてくれる」
 会員はあっさりと言う。
 「えーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科香李名は蜥蜴がクスコに入ると知って更に強烈な悲鳴に成った。
 会員は水槽から糸を結び付けた蜥蜴を取り出して掌に乗せる。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーー」
 倉科香李名はヒステリー状態に成り拒絶していた。
 「食べてもらわないとミルワームが入ったままだよ」
 「うわあーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 泣き喚く。倉科香李名のこの姿は会員らを深く堪能させる。
 「すいません。カメレオンに換えて下さい。それなら舌だけで済みます」
 本多椿が変更を要求した。
 「不満だけど椿さんの要求なら仕方ない。おい。それならいいか」
 会員は後半を倉科香李名に言う。
 「・・・・・」
 倉科香李名は何も答えられない。
 「大丈夫。舌が入るだけで直ぐ終わるから。それだけ我慢しよう」
 年下の本多椿が年上の倉科香李名に対して子供を宥めるように宥める。
 「うん」
 倉科香李名も貰っている金額から聞くしかない。
 直ぐにカメレオンが運ばれる。
 カメレオンは会員の腕に載せられた。ペンライトでクスコの中を照らす。近付けるとカメレオンは舌を伸ばす。
 カメレオンの舌は倉科香李名の膣の壁を舐めて進む。
 「いいやあーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 倉科香李名は堪らない感触に甲高い悲鳴を上げる。
 それでもカメレオンはミルワームを舌で絡め取った。
 「ああーーん。あはん。あはん。あはん」
 倉科香李名は泣きじゃくる。
 会員はもう一回カメレオンを嗾けた。まだミルワームは二匹残っている。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 また泣き悲鳴に成ってしまう。
 カメレオンの舌は倉科香李名の膣の中を嘗め回す。
 「あーーーーあん。あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーー」
 倉科香李名は大人の女のプライドも脱ぎ捨てて号泣する。
 会場はどこも悦び乾杯の嵐である。
 次の投票が始まった。
 1.局部鞭
 2.虫責め
 3.電流責め
 4.クリップ責め
 5.全身ピンチ
 モニターを見て大路江美は一番早く失神した倉科香李名と変わらないじゃないかと思った。
 ハードで外されたのは倉科香李名が拒否した蛇拷問と彼女が受けた爬虫類姦が無いだけである。
 「さあ。大路江美さんも一番嫌なもの一つは拒否できます」
 虫責めを外せば局部鞭が待っている。いま倉科香李名が生物責めに泣きに泣いた恐怖の場面を見たばかりである。
 「ああ。虫」
 それを防ぐしかない。
 大路江美は更に年上である。それでもモニターに表示されたプレイ内容には悲鳴を抑えられない。
 集計結果は局部鞭と全身ピンチが上昇して接戦と成る。
 長野の会員が多く局部鞭を選択している。抽選に当れば自分らが叩く事ができる。
 局部鞭は強烈な悲鳴を繰り返す。
 全身ピンチは紐で繋いだ洗濯バサミを躰全体に何系統か付ける。それを一気に引っ張るのである。
 または駿河問いに吊るして床から紐で繋いだ洗濯バサミを百個ぐらい付ける。駿河問いの高さを引き揚げて全部一気に飛ばす。
 こっちは壮絶な悲鳴で痛みに堪えられず狂ったように暴れる。
 この二択なのである。
 局部鞭と全身ピンチが同数一位で終了した。
 「同数一位なので大路江美さんに選んで頂きます」
 「えーーーーー。この二つ。無理」
 「駄目ですよ。拒否は一つだけです」
 「ああーーーーー」
 大路江美はどっちも辛い悩み続ける。
 「決めないと両方に成ります」
 「そんなーーー。どっちも半分だよーーーーーーー」
 「決まりました。局部鞭二十回が十回。ピンチ百本が五十本です」
 「えーーーーー。そんなーーーー」
 大路江美はプレイが二つに成って抗議する。
 「それが無難ですよ」
 本多椿はマイクを離して小声で言う。マイクを離すとバーチャルなので聞こえない。それでも大路江美は本多椿の口の動きで察する。
 会員が二人ステージに上がった。
 全身ピンチ五十本から行う。
 この間に局部鞭十回。一人二回五人の抽選を行う。
 会員二人は大路江美を駿河問いに吊るす。
 大路江美の華奢な躰は空中に全裸の五角形を描く。
 手首と脚首が背中の上で四本纏めて縛られその縛った部分で吊るされている。腹が一番下になり乳房は斜め下を向いて尖っていた。
 糸に二十五個のピンチを付けたものが二系統用意されている。
 乳房の上から鋏んでゆく。三つ目が乳首を鋏む。更に乳房に二つ付けて五センチ置きに付けて下がってゆく臍の両側を通って股間に向かう。
 びらびらに三つ付けて内腿まで付けてゆく。
 これが左右二系統である。
 「お○○こは次で叩かれるから。そこは許してあげて下さい」
 司会の本多椿が修正をお願いする。
 だがこの二人は本多椿を指名してない。希望は無視された。
 二人が大路江美の躰の右側を流している糸の先端を片方ずつ持つ。駿河問いの縄を引き上げるのは福富麻次郎に依頼した。
 一本ずつ二回悲鳴を愉しもうという目論見である。
 福富麻次郎が合図して駿河問いの吊るしを引き揚げる。
 二人が一気に引く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがおおーーーーーーーーーー」
 大路江美は空中で躰を迫り上げ一瞬固まる。それから猛然と躰を振って暴れる。腹の底から悲鳴を絞りだす。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 痛みに躰を捩って空中で藻掻き続けた。
 一度吊るしを下げる。
 会員二人はもう一本の糸の両側を持つ。
 「ああーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーー」
 会員の一人が福富浅次郎に顔を縦に振ってお願いしますと合図する。
 福富麻次郎が縄を引いて吊るしを引き揚げた。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 会員二人が一気に引っ張る。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーー」
 大路江美は躰を空中で硬くする。それを弾くように暴れた。それを藻掻くように何度も繰り返し悲鳴を腹から絞りだす。
 涙が溢れた。それを振り飛ばし号泣する。
 「ああーー。あはあーーーーーーーん。あはん。あはん。うあはん。はん。はん。はん」
 そして空中で失禁してしまう。
 ポロポロ涙を溢して小水を流し続けた。
 失禁が治まったところで福富麻次郎は大路江美を吊るしから降ろす。
 福富麻次郎は司会の本多椿に休憩を要求した。
 「それでは大路江美さんに少し休憩時間をとります。その間に熱海の杉浦瑞樹さんの投票を行います」
 本多椿も充分に休憩を納得して進行を切り替えた。
 モニターに杉浦瑞樹のプレイ内容の投票が表示される。
 1.爬虫類責め(蛇を除く)
 2.逆さ吊り鞭
 3.牛追い鞭
 4.真性潮噴き
 「ええーー。爬虫類は無いのではないですか」
 杉浦瑞樹も内容に抗議した。
 「爬虫類は前者のプレイからランク落ちしたので消えていません。一つだけ拒否ができます」
 その間にも順位は変わる。
 真性潮噴きが一位になるがまた爬虫類責めが逆転する。
 杉浦瑞樹にハードにしたくない者が庇い表を入れているようである。
 「どれを拒否しますか」
 「確定してからでは駄目ですか」
 「ふふ。いいよ」
 結果は逆さ吊り鞭、真性潮噴きの順に成った。
 「真性潮噴きって何ですか」
 「それが無難よ。恥ずかしいだけだから」
 杉浦瑞樹は本多椿を信用するしかない。
 「逆さ吊り鞭を外して下さい」
 「そうそう」
 本多椿は納得するように首を縦に振る。
 プレイは真性潮噴きと決まった。
 如月鬼堂が責める。
 一方長野では湯で躰を癒していた大路江美がステージに戻った。
 籤に当った会員五人がステージ横に腰を下ろして待っている。
 大路江美はもう一度拷問椅子に磔にされた。脚首を片方ずつ天井のフックから吊るされV字開脚にされる。股間はアナルの蕾まで丸出しに成った。
 叩く会員が正面に立つ。
 一人目の鞭は掴む部分の先に幅二センチ長さ五十センチくらいのベルト状の革が付いていた。
 拷問椅子の背凭れが四十五度なので真っ直ぐ大路江美の顔が合う。
 会員は振り被った。
 大路江美は恐怖に縮み上がった表情で身構える。
 つい少し前にピンチに鋏まれていた部分。それを毟り取られて繊細な痛みに泣かされた。その部分を叩かれるのである。
 泣き泣いて失禁した。その痛みはまだ生々しく感覚に残っている。
 鞭の先端は閉じ合わせた女の部分のびらびらをもろに叩く。
 「ぐうわあああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 大路江美の股間は痛みに強く震撼した。手で拷問椅子のアームを強く握って堪える。
 二発目を叩く。
 「うおおーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 二発で既に涙が溢れていた。
 横で杉浦瑞樹が如月鬼堂にバイブ一本で責められている。
 執拗な責めで何回も登り詰めさせた。
 二人目が大路江美に鞭を構える。
 今度は先が長方形のチップになった一本鞭である。
 振り被る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端はクリトリスの上から直撃した。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー。いいたいーーーーーーーーーーー」
 股間が上下に大きく揺れる。顔からは涙が溢れ出た。
 「だめです。クリ潰れます」
 大路江美は堪えられず真顔で訴える。悲痛な表情である。
 福富麻次郎が確認する。
 「大丈夫」
 問題ないと表明してしまう。
 会員はもう一発振り被った。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美は怯えきった表情で視線を逸らして身構える。
 今度はクリを外してびらびらの真上を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐおおおーーーーーーーーーーーーーーー。うごーーーーーーーーーー」
 顔の表情を顰めきって躰を硬くして震撼させる。大口を破裂させて悲鳴を絞りだした。
 福富麻次郎は三人め以降に並ぶ会員の鞭を点検する。強すぎる物は交換させた。それでも限界は近い。
 その間に杉浦瑞樹が濁った白い液をステージから客席に向けて噴き上げてしまう。
 長野担当の医師が立ち上がって大路江美の股間を確認する。医師はここでストップを掛けた。
 
 男らは竹田玲奈巡査長を輪姦す事から始める。
 同時に動画の撮影も始まった。
 二穴挿入の為に前段階の浣腸を行う。
 竹田玲奈巡査長は高手小手に縛られ脚首を足枷と金属の棒で繋がれている。
 「お前。空手三段らしいな」
 四十代の細身の男である。
 「そうですけど」
 竹田玲奈巡査長は唇を噛んだような対応で答えた。
 「厳重に縛らないとな。明日死ぬ者に怪我人は出したくない」
 年嵩の男は不気味に哂っている。
 「こんなことしなきゃいいじゃないか」
 竹田玲奈巡査長はぶち切れた。
 高手小手に縛った背中で左右あわせて縄の掛かった手首の上からフックを被せる。
 そのフックを天井に設えた滑車から下がったフックに引っ掛けた。床に爪先が着く高さに引き揚げる。
 その左右にも滑車が下がっていた。そのフックを下げて脚首の足枷のフックに引っ掛ける。
 左右一緒に両側から引っ張り上げてしまう。
 「いやあーーーーー。やめろーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は無駄でも叫ばずに居られない。
 その時点で足枷に接続した金属棒を外す。さらに滑車のロープを引いて股間の開きをさらに広げる。
 「ああーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は婦人警察官。さすがに気性が強い。
 女の部分はその後ろの蕾共々丸出しである。
 若い男と若目の男が左右からびらびらを広げた。
 「ああーー。いやあーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 内側は一面ローズ色である。尿道の亀裂も膣口もくっきり確認できる。
 「ダウンロードした人にサービスしないと。婦人警察官もま○○こはこんなものですと」
 「おのれーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は顔を震撼させて怒りの言葉を絞り出す。
 「お前の上司や愛知の捜査官がじっくり証拠物件として鑑賞してくれる」
 一番年嵩の男が低い声で淡々と言う。
 「・・・・・・・・・」
 竹田玲奈巡査長は怒りに言葉すら返せない。
 その間に他の数人が浣腸の準備を進めていた。点滴スタンドにグリセリンの代わりに濃い石鹸水が冷やして入れてある。
 腸カテーテルをアナルに挿入した。
 「うおーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 若目の男が正面からビンタする。
 「うおーーーーーーーーーーー。やめなさい!」
 竹田玲奈巡査長はこの姿にされてもまだプライドを宿していた。
 浣腸液はじんわり直腸から入る。冷たさから腹の痛みは一気に襲って来た。
 「ううーーー。ううぐううーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長の顔は一気に軋む。痛みに躰は震え藻掻く。
 若い男が吊るされた竹田玲奈巡査長のお尻の真下に透明なボウルを置いた。
 録画を撮られている。これから今の体勢で便を垂れ流す姿が上司や同僚に見られてしまう。
 表面は怒りを示してくれても心の内は悦ぶのが充分に分かる。
 「ううぐう。うぐうう。うぐううーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長の苦しみ藻掻く姿は架橋に成ってゆく。
 「婦警さん。うんこ出させて下さいと言わないといつまでもこのままだよ」
 四十ぐらいの男が嘲るように言う。
 「ううーー。うぐうーー。くそーーーーー。おまえあらーーーーー。地獄にゆけーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は怒りに煮え滾り苦しみには堪えられない。羞恥の断末魔である。
 「うんこださせろーーーーーーーー」
 ぐううーーーーーーーーーー。腸が悲鳴を上げていた。
 今度は四十男が竹田玲奈巡査長をビンタする。
 「ばかやろーーーーーーーー。うんこ出させて下さいだ」
 憎しみを込めて怒鳴りつけた。
 「ううぐううーーーー。おのれーーーーーーーーー。」
 男はもう一度ビンタした。
 「婦警にビンタ。最高だ」
 「おのれーーーーー。ううぐううーーーーーー。うんこ。・・・だ・さ・せ・て・・・・・・・・・く・だ・さ・いーー」
 竹田玲奈巡査長は苦しみに藻掻きながら怒りと悔しさを飲み込む。そして言うわけに行かない台詞を絞り出してしまう。
 若い男が躰を躱しながら腸カテーテルを抜く。
 ぶうおおーーーーーーーーーーーーー。ぶぶおおおーーーーーーーーーーーー。ぶぼおーーーーーーーーーーーーーー。
 ちゃいろい水がボウルに叩きつけられ断続的に塊が落ちる。
 総て録画されていた。堪らない羞恥の坩堝である。
 「ちくしょーーーーーーーーー。うう。うう。ううーー」
 竹田玲奈巡査長は恐ろしい姿を晒している実感に悔し涙を抑えられなかった。目から溢れた涙は顔を振って流れ落ちる。
 「婦警さん。まだ泣いちゃ。これからですよ」
 若い男が揶揄う。
 「おのれーーーーーーー。ひとじゃないよーーーーーーーーー。いくらけいさつかんだって。こんなの撒かれたら生きてゆけないだろ」
 竹田玲奈巡査長は泣き声で訴える。
 「此処の秘密を公開するまで生きていれば良い。その先は死のうと生きようとご自由に」
 今度は年嵩の男が淡々と冷たい口調で言う。
 既に若い男らが竹田玲奈巡査長の躰を拭いてアナルから挿入に掛かる。
 「ううおおーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長はアナル挿入に悲鳴を絞り出す。
 口には猿轡を噛ませる。噛み付かれない配慮である。
 前から別の男が挿入する。
 「うおおーーーーーーーーー。ちくしょうーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は二穴挿入の屈辱に痛みの悲鳴と怒りの叫びを上げた。
 膣に入っていた者が後ろに挿入し直す。
 十人が全部前から後ろに挿入し直した。全員がアナルに果てる。DNAが残るのは防がなかった。だが種は残したくないらしい。
 竹田玲奈巡査長は二穴挿入に免疫は無い。衝撃の刺激に何回も壮絶な逝き顔を晒してしまったのである。
 一番年嵩の男は竹田玲奈巡査長に入らなかった。
 まだこれだけでは済ませない。
 「お前は警察官であり生命の危険を顧みず国民に尽くす公務員だ。子宮はいらない。結婚の必要もない」
 三十代の細身の男である。
 「どうしようというの」
 竹田玲奈巡査長は余りにも理不尽な言葉に懊悩しながら反論に成らない。泣き悲鳴の手前である。
 「子宮を撤去したいが我々では手術はできない。使えなくするだけだ」
 「・・・・・・」
 竹田玲奈巡査長はいったい私の子宮をどうしようと言うのと言いたいが言葉に成らない。
 男らが拷問椅子を引き摺って来る。
 それを竹田玲奈巡査長の躰を吊るした下に置く。
 脚の吊るしから下げる。
 タイミングを合わせて躰も下げた。
 拷問椅子に腹部、太腿、脚首をがっちり固定する。
 もう一回クスコを挿入した。
 竹田玲奈巡査長に抵抗のしようはない。怒りの篭った目で睨み返すだけである。
 一人がペンライトで中を照らす。
 子宮は要らないと宣告した三十代細身の男が咽喉綿棒を取り出した。小さな薬瓶から何かを採取する。
 「クラミジア菌だ」
 「・・・・・・・」
 ペンライトで照らされクスコの奥に見える子宮口にその先端を捻じ込む。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は強烈な痛みに表情を究極に破裂させる。固定された躰を強く震撼させ大口で悲鳴を絞りだす。
 「ううおおーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーー」
 尋常な痛みではない。
 口からは涎を流し目から涙が滲み出ていた。
 それに構わず男らは竹田玲奈巡査長の乳首をクリップで鋏む。
 「二時間はこのまま放置だ」
 「・・・・・・」
 乳首を抓まれている。その痛みが二時間。子宮を突かれた痛みも消えてない。竹田玲奈巡査長はこのまま意識を失いそうである。
 「寝かせてはやらないぞ。十分置きに電流責めだ」
 「なんだって」
 この状態で電流を流されたら失禁は免れない。
 男らは電流の準備をする。
 乳首のクリップにトランスに繋いだ鰐口を接続した。さらに女の部分のびらびらにも左右一つずつ鰐口を接続する。
 トランスのダイヤルつまみを回して電流を流す。
 「ぐうわーーあはああーーーーーーーーーー。ぐがああーーひゃあーーーーーーーーー。ひゃあーーぐうううーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長の表情は恐怖と苦しみに歪み震撼する。顔をガタガタ振って大口を破裂させて悲鳴を絞り出した。
 暫らく愉しんで電流を止める。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 竹田玲奈巡査長は躰を震撼させて荒い息遣いを続けた。
 そのまましばらくは放置である。トランスに繋がった四本の鰐口は一度外された。
 
 熱海では三度目の体力調整の休憩時間を終えて最後のプレイが始まる。
 三人ともここで浣腸された。
 ステージに四つん這いのままである。浣腸液を注入され苦しみ悶える姿を暫らく鑑賞して同時に排泄させる。
 透明なボウルに排泄した便と茶色の液がステージに並べられた。これもバーチャルで比較できる。
 最後の責めは二穴ドリルバイブ責めである。
 
 二時間経って意識朦朧状態の竹田玲奈巡査長の縄が解かれた。そのまま拷問椅子から引き摺り下ろす。
 「さあ。クリップを自分で取れ」
 男はこの先の驚愕の苦痛を愉しみに冷たく言い放つ。
 「ああ」
 竹田玲奈巡査長は無造作に左の乳首を鋏んでいたクリップを掴む。
 「あ、ああーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー。なによこれーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は床に拳を強く歪め痛みに藻掻く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「もう片方も取れ」
 「ううぐうーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長は右のクリップも掴んで投げ捨てる。怒りに男らを猛然と睨む。だが竹田玲奈巡査長は躰に力が入らない。立ち上がれない。
 子宮の責めが効いているのである。
 そして遂に床に失禁してしまう。
 「いいものが撮れたな」
 撮影している男は悦んでいる。
 男らはもう一度拷問椅子に磔る。そのままマッサージする。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 男はまた平手で顔を殴る。
 「揉まなきゃ痛みは取れない。激痛で揉んで痛みが治まる。それ以外出口のない痛みだ」
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー。ごおーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長はまた意識を朦朧とさせてしまう。
 若い男二人が焼印の準備をしていた。
 焼印は『冤罪警官』と彫られている。
 それを太腿に押し付けてしまった。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 次は胸の谷間に押し付ける。
 「ぐおおーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 竹田玲奈巡査長の表情は痛みに崩れ涙を溢していた。
 もう一度左の乳首にクリップを付ける。その上からプラ粘土を被せた。そしてブラを被せる。
 竹田玲奈巡査長は痛みを堪えて睨み返す。
 「良いか。これはもう取らない。警察の救出が早ければ助かる。時間が掛かれば乳首は壊死して堕ちてしまう」
 一番年嵩の男である。淡々と静かに語る。竹田玲奈巡査長に言っているだけではない公開する録画にも残す。
 警察部隊を救出に焦らせる目論見である。
 
 九月二十六日早朝。竹田玲奈巡査長の動画は公開された。
 最後に鍾乳洞の天井の穴を抜けて大空に聳える二本のアーム。その先端一メートルくらいが弧を描いて曲がる。
 ワイヤーで下から引っ張って先端を曲げているのである。
 その部分は二本がクロスする。竹田玲奈巡査長はその二本の先端に片方ずつ脚首を接続されている。
 逆さ吊るしだが長時間は持たない。アームからハンモックが吊るされている。背中から頭を寝かせるようにそのハンモックに乗せられている。
 ワイヤーを放すとアームは跳ねて真っ直ぐ伸びる。
 二本の距離は二メートルと少しあった。竹田玲奈巡査長の股間は裂かれ片脚が?げるか躰が二つに裂かれてしまう。
 鍾乳洞の穴はヘリから確認できないように木の枝で塞いでいた。
 『愛知県警に告げる。我々は警察部隊が侵入した部落に戻っている。戦闘準備もできている。
 竹田玲奈巡査長は動画で見ての通りの状況だ。部落に戦闘態勢で構える我々を全部倒さないと救出できない。
 竹田玲奈巡査長はこの部落のからくりを全部知っている。無事救出すれば証言してくれる筈だ。
 無駄を省く為に宣告しておく。部落の下や途中の道に発破は仕掛けてない。途中の道を破壊すると我々も谷底に崩れてしまう。
 だが部落まで突進して我々を逮捕しようとすれば我々は発破を巻いている。竹田玲奈巡査長を救出できないと警察の威信は地に落ちるだろう』
 恐ろしい挑戦状である。そして鉄柱のアームに吊るされた竹田玲奈巡査長の救出に長い時間は掛けられない。
 
 杉下一行は直ぐに動画ファイルをダウンロードして如月鬼堂に送る。
 愛好会のショーは朝五時にお開きに成った。
 如月鬼堂らは越後湯沢まで戻らずに宇佐美のマンションに帰る。動画を閲覧したら如月鬼堂は一度眠ることにした。
 テレビの実況が始まったら珠洲と瀬里菜のどっちかが起こす。
 本多椿も一緒に来ていた。彼女は今夜如月鬼堂と一緒にスタジオに入る。その為本多椿も一度眠った。
 
 愛知県警SITの部隊は百人を超える人数で部落に進行した。爆発物処理班が先行する。
 ジュラルミンの盾は強化されていた。
 部落側は部落内に三名構えている。態と銃撃戦を行う囮である。さらに三つの山のトーチカに三名ずつ構えていた。
 部落の三名は一人で四挺の機銃を動かす。他に高角砲が有る。部落に機銃は二十ミリを配置していた。SITの部隊を油断させる為である。
 二十ミリでも上空から来るヘリに対応できる。
 配置は籤引きで決めた。
 警察ヘリが偵察に来る。部落の機関銃が一斉に掃射する。
 ヘリから竹田玲奈巡査長がアーム二本の先端に大股開きで吊るされているのが確認された。
 ヘリは直ぐに引き返す。
 高角砲がそれを狙う。
 高角砲の至近弾が炸裂する。弾幕が花火の様に広がった。
 ヘリは被弾して谷底に落下する。
 ヘリが墜落前に撮影した竹田玲奈巡査長の状況が画像で取得できた。
 「恐ろしい吊るし方です。これでは長くは持ちません」
 「ハンモックに上半身が乗せられている。これは血が下がらない対策ですな」
 「態とやっているのでしょう」
 「水のボトルが下がっています。水分補給ができる様にですね。この横に糸でたらしている物は何でしょう」
 「拡大して」
 「これ薬のカプセルでは」
 「動画で躰に焼印を押されていた。痛み止めを飲めるようにしたのだ」
 「警察に挑戦しているのか」
 「山で銃撃戦に持ち込みたいのだ」
 SITは状況を判断して応援を依頼する。
 自衛隊の応援は要請しなかった。
 登るのは獣道一本しかない。他に二箇所登れそうな箇所を杭とロープを繋ぎながら進行する。
 さすがに発破は使わないと判断したようである。
 そして竹田玲奈巡査長の救出を最優先と判断された。
 マスコミはドローンを使ってSITの動きを後ろから中継する。警察もドローンを偵察に使うが部落に近付くと機関銃で撃墜されてしまう。
 三箇所のトーチカに隠れる九人はじっと待ち構えている。
 SITはジュラルミンの盾で崩れた鳥居の一番上まで来た。部落の入口の塀に構える三名が機銃十二挺を一気に撃ちまくる。
 鳥居の正面とその左右の斜面をジュラルミンの盾でじりじり進む。
 二十ミリ機銃が盾の足許を狙って撃って来た。
 SITの動きは一気に止まる。後ろの部隊が徐々に間を詰めた。三百人近い部隊が部落の手前に展開する。
 正面の部落に構える機関銃は撃ちまくる。ジュラルミンの盾は徐々に銃弾で崩された。
 先頭を二列目が交代して距離を徐々に詰める。
 部落の機関銃は狂ったように撃ちまくってきた。
 SITは機関銃の角度の外側から距離を詰める。機関銃がそっちを狙うと正面の銃弾の来なくなった列から前へ詰めた。
 SITは部落の横の斜面から接近する。塀の横から回り込む。
 その時点で部落の三名は一気に自爆する。
 SITは一気に突入した。
 それを正面の奥の山から五十ミリ機関銃が掃射した。
 先頭の部隊は盾を貫通され殲滅する。
 SITの部隊は後退して山の斜面に伏せた。
 それを斜め後ろの山の斜面に造られたトーチカから一気に射撃する。
 SITの部隊は盾を被って防ごうとするが盾を貫通して殲滅されてしまう。
 正面の山からクレーンのアームが伸びる。
 クレーンは部落の上空で先端が下に折れた。鍾乳洞の穴に合わせて下がる部分が部落の地上に着く。
 クレーンの先端がL字に折れて平行に延びた部分をクレーンのフックが移動する。そのフックには一トン爆弾が吊るされていた。
 部落の建物に隠れるSITの部隊の上から一トン爆弾が落ちる。
 部落全体が一発で炎と煙に包まれてしまう。
 次に後ろの山二つが発破で爆発した。SITの退路に雪崩の様に土砂を被せる。ドローンと警察ヘリが状況把握に接近した。
 それを正面奥の山から高角砲が撃墜する。
 高角砲は一発撃つだけで空中に二段開き花火の様に弾幕を張る。命中精度はかなり高い。
 最後の仕掛けがカタパルトである。
 小さなクレーンが山の中に隠してあった飛行機をカタパルトに載せる。飛行機は二百五十キロ爆弾を一発ぶら下げていた。
 この間も高角砲はオート射撃を続けている。
 飛行機はカタパルトから発進した。超低空で真っ直ぐ東京に進路を取る。
 飛行機が発進すると正面の山が発破ですっ飛ぶ。クレーンは倒れた。
 鍾乳洞から伸びたアーム二本だけが其処に残る。竹田玲奈巡査長は吊るされたままである。
 戦闘が終わったのでドローンで偵察してヘリが上空から竹田玲奈巡査長を救出に向かう。
 警察ヘリで救出が難しいので消防庁のレスキューヘリを呼ぶ。
 東京に向かった飛行機は自衛隊が予測していたようにスクランブルを掛ける。
 警告を掛けても飛行機は無視して進行する。
 都心部に入れてしまえばまた大被害が出てしまう。已む無く撃墜した。
 何処に向かっていたかは不明である。三名が搭乗していたことは確認されている。
 飛行機は山に墜落した。搭載していた爆弾が破裂して機体は粉々に成る。遺体も判別つかない。
 甚大な被害を出したが犯人グループの最後の目的だけは阻止された。
 犯行声明は公開されない。
 竹田玲奈巡査長は救出され病院に運ばれる。かなり衰弱していた。緊急手術が行われろ。だが本人の強い要望で事情聴取が始まった。
 九月二十六日午後。愛知県警が記者会見する。竹田玲奈巡査長の拉致から部落の構造まで公開された。
 そして飛行機は都庁を狙っていたと公表されたのである。
 
 如月鬼堂は珠洲に起こされてワイドショーを閲覧する。一部録画しておいてくれたものも視聴した。
 五時に成って本多椿を伴って四人で東京に向かう。珠洲と瀬里菜はそのまま越後湯沢に乗り継ぐ。
 番組で如月鬼堂は事件については一般と変わらない非難のコメントをする。そして連続拉致強姦傷害事件の犯人へ怒りをぶつけた。
 この一連のテロ事件の引き金を引いたのはこの連中である。
 逮捕ができないならこれ以上何も起こせないように天誅でも起きてほしい。もう何もできずどこかで死んでもらいたいと締め括った。
 それは強く怒りの感情が篭っている。これ以上風俗業や自分等の仕事を妨害して欲しく無いと言う意思からである。
 メインキャスターは最後に如月鬼堂のアメリカ大統領当選予想を確認した。
 「私はトランプ大統領再選と見ています」
 「今の支持率でもそうですか」
 「アメリカのマスコミの出す支持率は充てに成りません。あくまでリベラル寄りに報道が偏っています」
 「日本のマスコミも中立寄りかリベラル一辺倒です」
 「でも支持率まで脚色しません。そして熱狂的な共和党支持者以外簡単にトランプ大統領支持を表明しません」
 「どんな理由でトランプ大統領支持に回るのですか」
 「リベラルが社会の為を強く訴えます。結果的にトランプ大統領が個人の利益を護ります。移民拒否や国境の壁がその例です」
 あと一ヶ月と数日。日本にも大きく影響する問題。あくまでアメリカが共和党の方が日本には有利である。
 民主党クリントン大統領の様にジャパンバッシングをする大統領が現れて欲しくないと如月鬼堂は締め括った。


 最期のSM小説家 第十五幕 怨念の挽歌 完





 最期のSM小説家 第十六幕 陰湿拷問そして恨み逆恨みの連鎖


 二〇二十年白露下元。太陰太陽暦八月十五日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 十月一日。
 越後湯沢のマンション最上階。如月鬼堂はビールを飲みながら執筆を続ける。
 ワイドショーはアメリカ大統領選挙に集中していた。
 どの局もバイデン氏が優勢の支持率を数字で公開する。それでも当選の行方は曖昧に報道していた。
 珠洲は埼玉の事務所に向かった。瀬里菜は愛好会の事務処理に追われている。
 「パパ。あの支持率の開きでもトランプ大統領が勝つの」
 瀬里菜は先週放送されたインターネットアダルト放送での如月鬼堂の解説と比較して追及する。
 「あくまで予想だが。アメリカのマスコミが出す支持率には二つの大きな誤差がある」
 「どういう誤差なの」
 瀬里菜はミニワンピース姿である。下着は着けてない。先程までは全裸であった。
 割烹料理店がミニ懐石の出前を届けて来たのでワンピースを被って出る。
 僅かなスカート一枚の股間。見えないが躰を透かすような男の視線がその部分に当る。その優越感が気持ち良いらしい。
 「一つは番組で解説した。熱狂的な支持者以外簡単にトランプ大統領支持を表明しない」
 「あとはリベラル寄りのマスコミが脚色するから」
 「あれは少し言い過ぎだった。脚色というより極めてリベラル寄りに報道するということだ。数字が充てに成らない事に変わりないが」
 「またパパの言い過ぎ。それでもう一つの理由は」
 「アメリカで投票するには有権者登録が必要だ。有権者登録をしてない人も支持は表明する」
 「共和党支持者に有権者登録のない人は居ないけど。民主党はそうでないという事」
 「そうだ」
 「ふーん。ところで愛好会。入会希望の人で溢れているよ」
 「そんなに今の日本にサディストが多いか」
 「そこまで行かないよ。年配者の参加が多いから。現代の社会と女性に不満を持っている人がパパの会に興味を持つみたい」
 瀬里菜は入会希望者のコメントも見ている。
 「そうか根っからサディストではないが不満の捌け口という場合もあるな」
 如月鬼堂はこっちを警戒している。こういった連中に遊ばせると馬鹿な事をしかねない。
 「七百人を超えるよ。どうする」
 「もうじき野球場などの五十パーセント制限が解禁される。そうすれば当分問題ないよ」
 「解禁されるの。危険を指摘する専門家も居るよ」
 「リベラル系は感染さえ抑えれば良いと考えているからな」
 「大丈夫パパ」
 「増やしたくないなあ」
 「無理だよ。公募じゃなくて紹介なのに紹介者が強引に紹介して来るよ」
 「募集打ち切りは有りだがな」
 「無理だよ。紹介を止めても紹介者がその前の紹介者にエスカレーションして最後は大河内先生とかまで回ちゃうよ」
 「うーん。困ったな。樽常氏からも直訴されるしなあ」
 「どうするの〜」
 「明るく言うなよ」
 如月鬼堂の手は瀬里菜のスカートの中に入っていた。瀬里菜の顎は如月鬼堂の肩に乗っている。
 さらに如月鬼堂の指は瀬里菜の女の奥に進む。
 瀬里菜は腕を廻して抱き付いていた。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 今日は地下室ではない。テラスから下の町と向こうの山まで見渡せる。素晴らしいロケーションである。
 「派手に総て終わったな」
 バーベキューを囲んで生ビールを飲みながら一見は田舎の暇人の長閑な集まりと見える。
 「当分油断はできないよ」
 「俺たちが捕まったらどうなる」
 「関東帝国銀行さいたま支店の件だけで全員死刑だよ」
 この山荘の持ち主で川口の会長である。
 「それがなければ」
 「拉致監禁暴行障害。二十年は硬いな」
 「俺たちは寿命の方が短いか」
 「逆だよ。刑務所じゃ長生きする。死刑なら懲役は無い。そっちがいいな」
 「金は有るのだ。捕まりたくはないな」
 「そうだな」
 麓の葬儀会社の社長である。
 「俺たちで闇SNS立ち上げないか」
 「やりたいが。それだけの知識は無い」
 「資金力もそこまでは無いのじゃないか」
 「そうだな」
 「クラウドファンティングで集めてどうかな。煩い制約のないSNSとして」
 「止めた方が良い。直ぐに反社会的と叩かれて終わる」
 「SNSの規制には一々腹が立つ。意義は感じる。だがそんなのをやっても直ぐ捕まる馬鹿な奴らの犯罪に使われて逆効果だ」
 川口の会長がきっぱり宣言する。
 「そうだな」
 これも葬儀会社の社長が頷く。
 「何か鬱憤が溜まるな。スカッとする事やりたいよ」
 「ところで制裁した女達のその後が見たくないか」
 「それは一番危険だ」
 「詐欺の受け子を募集する様に実行役を募集して追加のお仕置きをさせてどうかな」
 「面白い」
 「闇サイトを使って報酬五百万くらいでやるか」
 「誰を標的に」
 「俺達がやったと嘘のリークをしたのにまだ真犯人が釈放されない。あの女運転手を狙おう」
 「それは良い。顔も見えない。確固たる根拠もないのにこの乗客が犯人と言い張る。こういう奴が痴漢冤罪を作る。お仕置きは必要だ」
 「じゃあ。やるか」
 「そうだな」
 
 十月五日。原直子は一度運転手に復帰した。だが心無い客の視線に堪えられず数日前に退職してしまう。
 その日はスーパーで買い物をして帰る途中であった。
 原直子の住居を防護服の六人が突き止める。
 SNSの心無い人物の簡単な書き込みから範囲を特定できたのである。
 裏サイトで雇った人物には前金二十万。後金四百八十万を提示した。何の目的か。唯の資産を投じた遊びなのだろうか。
 応募して引き受けたのは寺門一、玉川亮、東秀雄の三名。命知らずは多い現代である。
 三名は指定された防犯カメラのない人目もない場所で集合した。其処に二トントラックとスーパーデッキを積んだ二トン車が置かれている。
 指示書の他必要な物はその座席及び荷台に有った。
 そこで指示書に書かれたやるべき事の総てを読みながら確認する。言わなければいけないセルフは総て書かれていた。
 受け取る成功報酬が高い。成果が認められなければ減額又は前金のみと成ってしまう。
 失敗して逮捕された場合も前金で終了である。
 
 十月十五日。埼玉県東松山市。
 駅を離れると完全に田舎町である。
 小さな三階建て賃貸マンション。その二階の一室に引越し屋と思しき作業服姿が向かった。玉川亮である。
 鍵穴から催眠ガスを注入する。原直子は部屋の中でまだテレビを見ていた。そのままベッドの横に静かに倒れる。
 寺門一、東秀雄の二人が下の路上に止めたトラックからスーパーデッキを窓に接続する。
 ガラスを切り抜く小型の機材で鍵穴の近くに穴を開けた。
 窓から入って玄関の鍵を開けて外に居る玉川亮を中に入れる。
 マニュアルを見ながら原直子の躰を縛ってしまう。そのままキャリーバックに詰めて運び出す。
 そしてマニュアルの地図を見ながら山の中の一軒家に向かう。
 三名は原直子をキャリーバックに入れたまま居間に降ろした。
 作業着の上から防護服を着けて大き目のマスクを掛ける。マスクの裏面には両面テープが貼り付けられていた。
 裏紙を剥がして顔にぴったり貼り付ける。
 その家は持ち主が近くに居ない。放棄され始めた空き家である。
 地下室は存在しない。加工してコンクリらしき壁で囲んで地下室に見せかけている。
 床には筵が敷かれその外側にフックが四つ埋め込まれていた。
 原直子をキャリーバックから出して一度縄を解く。床に大の字に寝かせて手首脚首を床のフックに縄で固定する。
 股間は閉じられないように百二十度に開かれてしまう。
 原直子の太腿には淫女と焼かれた焼印の痕が残っている。やや垂れ気味の左の乳房にも焼印の痕があった。
 ドテに黒い塊は殆んどない。抜かれてしまって僅かに抜き残した部分が残っているだけである。
 そのドテにも焼印の痕が確認された。
 綺麗でスタイルの良い女である。だが全裸にした躰は無残に潰されている。
 だがその無残な躰は三人の男を逆に欲情させた。
 三人は原直子の女の部分を広げる。薄橙の粘膜と膣口、尿道の小さな亀裂をじっくり鑑賞あいた。
 更に綿棒を取り出す。
 「こうやって粕を採取して本人に見せる。これも羞恥責めとSM小説に書いてあったな」
 東秀雄である。
 「如月鬼堂か」
 玉川亮が自分も知っていると作者名を指摘する。
 「そうだ」
 「そろそろ始めるか」
 寺門一が始めようと促す。時間は限られている。
 「おう」
 「そうだな。早いとこやっちまおう」
 玉川亮が道具を入れた箱からスタンガンを出して原直子の肩に充てた。
 「あはあーーーーー」
 意識を回復した原直子は驚愕の表情で三人を見る。
 「あんたらは」
 「久しぶりやな」
 「遣り残した事があってな」
 「えーーーーーーーーー。そんな」
 原直子は狼狽する。
 どうして六人は逮捕された。
 「脱走したの。ああーー。保釈」
 原直子は事態を戸惑い一気に憶測を駆け巡らせる。
 「違うよ。あんたの訴えた冤罪者は気の毒に拘置所の中だよ」
 東秀雄が諭すように言う。
 「そ、そんな。そんな」
 そんな筈は無い。あの中の一人は私の注意を聞かなかった奴に違いない。声色、腕の雰囲気、何とない空気。絶対に違いない。
 「納得行かないか」
 「何で三人なの」
 それなら他の事件も全部六人であった。原直子は放送内容で確認している。
 「あんたが最初の標的だった。あの時はまだ計画が浅かった。それを追加するだけだから」
 東秀雄が覚えた台詞で宣言する。
 「ああ。そ、そんな。あの六人が冤罪。嘘よ」
 「嘘じゃない」
 「あ、あたしをこんな躰にして。まだ何するの」
 気丈に反論しても原直子の声は震えている。
 「子宮の撤去だよ」
 「止めてよ。何でそこまで」
 「後の女達と公平にしないとな」
 これも東秀雄である。
 「それに冤罪を晴らしてやらないといけないから」
 玉川亮が付け足たすように言う。
 「あんた方が自首すればいいのよ」
 言うだけ無駄な正論である。原直子はそれを怒りのまま吐きつける。
 「馬鹿も休み休み抜かせ。警察が逮捕できないのを誰が名乗るか。お前をもっと苦しめれば良いだけだ。生意気な女はお仕置きだよ」
 玉川亮が強い口調で詰るように畳み掛けた。
 「ふざけるなーーーーーーーーーー」
 原直子は力の限り怒りを破裂させ叫ぶ。
 「お前のま○○こから採った粕だ」
 東秀雄が綿棒で採取してガラス板に載せた粕を見せる。
 「やめろーーーーーーーー」
 原直子は堪らず叫ぶ。
 後ろにはカメラが設置されていた。更に自分は屈辱に堕とされる。
 それでも男らは原直子にアイマスクをさせる。順番に生挿入である。一人終わればセペで洗う。マニュアル通りに行うのである。
 ここだけは後でカットする。
 男らの体。特に防護服を一部外す部分は画像に残さない。
 二穴挿入は諦めてアナルにバイブを挿入する。縛り直しを数回やらせると襤褸が出る危険がある。マニュアルはそれを避けて作成されていた。
 バイブにはたっぷりローションを塗る。
 「い、いっやあーーーーーーーーーーー」
 それでも原直子は強く藻掻く。
 「抵抗すれば痛いだけだぞ」
 「やめろーーーーーーーーー」
 原直子は叫び抵抗する。
 「うう、ぐうう。ううーーーーーーーーーーー」
 男らは強引にアナルにバイブを捻じ込む。抵抗を押し切られる原直子の呻き声が悲痛である。
 男らは擬似二穴挿入で輪姦す。抜いたあと原直子の膣口から流れ出る情液だけが三回撮影された。
 乳房やドテの焼印の痕も確り動画に収める。
 ここから拷問開始である。
 「どんなに堪えようとしても逝き顔を晒す事になる」
 寺門一はドリルバイブを構えている。
 アナルに入れたバイブは入ったままである。
 「お前とすれ違う人間は嫌でもそれを思い出す。そして避けようと理性が有っても見てしまう」
 玉川亮が態と詰る。
 「どうしてそこまでするのよ!」
 「お前のような女へ天誅だ」
 玉川亮が強い口調で言う。
 「何の為にそんな事をやり続けるのよ。被害者を沢山出して」
 「女性の地位を叫び過ぎて今では女が神以上に扱われてしまっている。それに対する天誅だよ」
 この玉川亮のセルフはなかなか依頼者の意に適っていた。
 「そんな」
 「俺達は下手な犯罪で直ぐ捕まる馬鹿どもにやり方を教えているのだよ」
 また東秀雄がふざけた台詞を真顔で言う。
 「何の為にそんな事するのよ」
 「お前はそこまで知る必要は無い」
 玉川亮が強い口調でばっさり斬る。
 寺門一は膣に一気にドリルバイブを挿入した。今度はアナルのバイブとの二穴挿入である。
 ローションをたっぷり塗っていた。強引に濡らされた膣は僅かな時間で乾いている。
 「やめろーーーーーーーーー」
 「お前。騒いでも中はさっきまでぐちゃぐゃだったよ」
 「ちくしょーーーーー」
 構わずスイッチが入った。
 「ううおおーーーーーーーーー。やめろおーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 原直子の表情は堪えられず一気に破裂する。
 強姦した後の二穴挿入である。膣に入ったドリルバイブはピストンと回転運動をして更に振動もする。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 原直子は躰を固くして壮絶な表情で必死に抵抗していた。
 「ううおおーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 腰は動く限り迫上がる。顔を右に左に動かし抉られるように襲い来る官能を跳ね返そうと藻掻き続けた。
 目からは涙が流れている。
 「ぐうおおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 股間は完全に震撼していた。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間原直子の躰は沈む。目は白目を剥いている。
 その姿を克明に動画に撮影した。
 ドリルバイブは虚しく回っている。
 ドリルバイブを抜いてアナルのバイブも抜く。やや便が着いていたのでそれも確り撮影する。
 極太の浣腸器に冷やした石鹸水を準備していた。
 失神したままの原直子のアナルに浣腸器を挿入する。
 浣腸器のシリンダーを押して冷たい液を注入してゆく。
 「うう、ううーーーーーーーーーー、うーーーーーーーーーーーー」
 原直子は直ぐに意識を回復した。今度は腹の痛みに藻掻く。
 「ううーー。浣腸!!」
 原直子は怒りの視線を強くして叫ぶ。
 「そうだ。お前の漏らす姿をばっちり」
 寺門一が愉しそうに言う。
 そう言いながらアナル栓を捻じ込む。
 「・・・・・・・・・」
 原直子は苦しみながら恨みを込めて睨み続ける。
 「う、ううーーーーーー。ちくしょーーーーーーー」
 原直子は腹を迫り上げ股間に力を込めて悶える。
 「出したいか」
 「ちくしょうーー。こんなことして」
 「出したいか」
 「苦しめ」
 「おのれーーーーーーーーー」
 腹の痛みはどんどん増してゆく。
 「苦しむ顔も悪くないな」
 「はっはっはっはっは」
 「ちくしょーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーー」
 原直子がどんなにぶちきれても痛みは強烈に浸透する。
 「ううぐううーーーーーーーーー」
 腰を捩って醜く藻掻き続けた。
 「これを抜くとうんこ塗れの姿が撮影される。抜かないといつまでも苦しい」
 東秀雄はじっくり嬲る姿勢である。
 「やめろーーーーーー」
 原直子の表情は苦しみに歪みきっていた。
 
 十月十六日。越後湯沢。如月鬼堂のマンション。
 原直子の動画は公開された。杉下一行は直ぐに如月鬼堂に転送する。
 翌日土曜日はインターネットアダルト放送。如月鬼堂のコメンテーター出演日である。
 テレビ会議で館山弁護士と打ち合わせを行う。
 双方で動画を別の画面にアップしている。
 「態々膣の奥をAVの様にクスコで広げてアップしていますね」
 「この原直子という運転手なかなかの美人だ。へたなAV嬢ではここまでしても保存版にならない。表情に恥ずかしさと怒りが篭っていて受ける」
 「この排泄シーンに藻掻き抵抗する。この真迫さはこれまでのばら撒き動画以上の内容です」
 館山弁護士は内容に見入ってしまっていた。
 「そうだな」
 「AV嬢が稼ぎの為にやる演技とは緊迫感が違い過ぎます。どんなに人の良心とかに訴えても独身者は保存します。そのうえやくざが販売します」
 館山弁護士は次の危険を予知する。
 もちろん如月鬼堂も館山弁護士も動画は直ぐ処分する。危険極まりない。
 「前回は動画が公開されてない。公開されなかった拷問が躰に残っている。それが限りなくそのマニアを陶酔させる。こっちの業界収入にも影響するな」
 如月鬼堂は業界の収入を心配する。
 「この原直子の諦められない藻掻きがサディストを陶酔させます。気性の確りした性格を滲み出す女だけにこの羞恥は最高ですな」
 館山弁護士はここだけの話と本音を言ってしまう。ご他聞に漏れず如月鬼堂のSM愛好会に参加するメインメンバーである。
 「この排泄の破局の表情はこれ以上ないな」
 「ところで鬼堂先生。明日の件ですが。完全に非難しないと駄目ですよ」
 「そうだな。これからあっちこちのニュースでコメンテーターが非難する。それを聞いてアレンジしよう」
 「そうです。そこに時間は掛けられません。この事件に関するオリジナルな見解が重要です。私は資金力の有る集団の犯行と思います」
 「そうだ。資金力がないと難しい犯行だ」
 「今回子宮を取る場面まで入っています。残酷性が極限です。事故などで保険に入ってなかった人の賠償で使う隠れ売春があります。それを超えています」
 それは川口の会長や大田正勝が遊んだ川口や生駒の旅館である。
 保険に入ってない事故の示談が難しい。起訴をしてしまっても賠償は当面取れない。
 それを示談に持ち込み被害者を救う。その為加害者には金を作ってもらわないとならない。
 出張で使う様な安旅館はコロナの影響で客が無い。
 そこで始めた闇商売である。
 もちろん売春だけではない。極ハードSMである。服からはみ出る部分の躰に再生不可能な傷を負わせない。そのルールの範囲で相当の事が許される。
 「この犯人らの資産を投じた遊びかな」
 「それだけとは思えません。銀行も襲っています。でもあれは大田正勝のグループへの支援ですかね。でも今回は何故三人なのでしょう」
 「多分ヒットマン。受け子の様なものかな」
 「金で雇って。自分等の正体は見せない。捕まえても何も出て来ない。詐欺の受け子を使う連中より厳重でしょうね」
 「どうも遊び的満足が強い気がする」
 如月鬼堂はそっちで纏めたいようである。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「上出来だったな」
 「これまでのどの海賊AVより上出来だ」
 「女が良過ぎたな」
 「そうだな」
 「闇サイトでさっさと売ってしまおう。闇オークションで高くなるぞ」
 「止めとけ。そんな危険を冒すことは無い。ばら撒かれればそれで良いのだ」
 川口の会長である。
 「そうだな。拡散している奴らがいくら捕まってもこっちに影響は無い。僅かな利益で我々が危険を冒すことも無い」
 「そうだな」
 葬儀会社の社長も同意する。
 「暫らくは拡散状況を見てこの先原直子の苦しみを愉しもう。後金振り込んだら実行役を見張らないと逮捕されては今後が動きにくい」
 何処までも用心深い川口の会長である。
 
 時間軸を少し前に戻す。昨夜の状況の続きである。
 「どうする。いつまでも苦しむか」
 「おのれーーーーーーーーー。ぬけーーーーー。そんなに私の恥をみたいかーーーーーーーーー。いつかころしてやるーーーーーーーーーーー」
 原直子は怒りの限り叫びながら涙をポロポロ溢す。
 「抜いて下さいお願いします。どうしたあ」
 玉川亮が強い口調で怒鳴ってしまう。
 「ちくしょうーーーー。いえるわけないだろーーーーーーーー。ころせ。ころせーーーーーーーーーー」
 「殺す予定は無い。生きていつまでも屈辱を噛み締めてもらう」
 東秀雄がしんねり詰る。
 まだ言い方に暗い静かな迫力とは言えない。だが雇われたアルバイトとしては上出来である。
 「さあ抜くぞ」
 男らは強情な原直子の屈服は諦める。恥を晒させればそれなりと考えた。
 「ううおおーーーーーーーーー」
 アナル栓を抜く。
 すううーーーーーーーーーーー。
 大きな音は無い。茶色い水が流れる。
 ぶっぼーーーーーーーーーー。ぶぶぶーーーーー。
 便が溶けながら断続的に出ていた。
 原直子は痛みに腰を藻掻き続ける。
 カメラが破局の表情と情けなく目を逸らす表情をじっくり映す。原直子は火照った表情を硬くして堪え続ける。
 このあと麻酔が掛けられ子宮を摘出された。
 数時間後原直子は廃棄物処理場で目を覚ます。携帯は拉致された時点で持っていなかった。
 仕方無しに歩いて彷徨う。何度も倒れる。廃棄物収集運搬車が通って事態を見て救急車を呼んでくれた。
 
 十月十六日。
 午後のテレビのワイドショーで原直子の事件に関する放送が始まった。
 模倣犯なのか。連続拉致強姦傷害事件の六人の内の三人なのか。今公判中の六人は冤罪だったのか。これが焦点である。
 コメンテーターは一通り犯人を非難しながら憶測を述べた。
 如月鬼堂のマンションでは珠洲と瀬里菜がこれをチェックして要点をメモする。明日のインターネットアダルト放送の発言のためである。
 原直子は部屋からどう拉致されたかは覚えてないと言う。眠ってしまったのかスタンガンで起こされて痛みが走った。
 気付いた時には既に地下室に全裸で床に磔られていたと言うのである。
 まったく何処に運ばれたか分からない。
 そんな供述しか得られてなかった。
 開放されたのは静岡県。埼玉県の東松山からかなりの距離がある。
 Nシステムで怪しい車両を当るが該当する車両は見当たらない。
 前回襲った六人の内の三人と思うかという捜査員の質問に原直子は曖昧な答えしか返せなかった。
 『私がこの人だと証言した人は居ませんでした。全員に印象があるわけではありません』
 まだ公判中の容疑者が犯人と思うかの質問にはきっぱり答えた。
 『そう思います』
 
 連続拉致強姦傷害事件。防護服六人のアジトである。
 「強情な女だな」
 「まったくだ。だが今回は真犯人かもしれない六人に無罪に成ってもらわなければならない」
 「恐らく真犯人だろうがその通りだ」
 川口の会長である。
 「しかし。マニュアルで手術はちょっと上手くなかったな。撤去は成功したが病院で再手術だろう」
 「そうだなこれからは部落の連中が宇都宮でやった方法が良い」
 「そうだな」
 「次は誰をやらせる」
 「いいや。暫らく休戦だ」
 「どうして」
 「暫らくあの三人を見張る」
 「そうだな」
 
 十月十七日。
 如月鬼堂がコメンテーターを務めるインターネットアダルト放送のスタジオである。
 「連続拉致強姦傷害事件の犯人らしき三名が強硬な犯行を繰り返しました」
 岡田有美がミニスカスーツを脱ぎながらニュースを読む。
 着衣から脱いで行くのは今回からの嗜好である。
 「あまりにも卑劣過ぎる犯行の繰り返しでした。犯人は冤罪者を解放するためと豪語しています」
 本多椿はなんとパンツ姿である。だが本多椿の腰のイメージが綺麗に出てこれも美しい。
 「いったい埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の犯人はどっちの犯人グループなのかと疑問が投げ掛けられます」
 岡田有美は純白のブラウスを脱いで真っ赤な下着姿に成る。
 「その中で理不尽過ぎる被害者はいま公判中の被告らを犯人とまだ断言しています」
 本多椿もタンクトップを脱ぐ。スカート代わりになっていたタンクトップの裾に見えそうで見えないショーツが丸出しに成って薄紫の下着姿である。
 「野崎卓郎弁護士は再度被告六名の保釈請求をしました」
 岡田有美は下着姿からブラを外してトップレスに成る。
 「二審も無罪と成るとこの事件の問題性は別の意味でも大きくなって来ます」
 本多椿もブラを取る。こっちももう見慣れた容も色も艶かしい乳房と乳首を公開してトップレスに成る。
 「鬼堂先生。この犯人はどっちでしょう」
 メインキャスターは一番難しい見解を最初に突いて来た。
 「どっちが真犯人とも申し上げかねます。それでもこの現状で世論に押されずアリバイもある六名を疑わしきは罰せずの根本原則に従うべきです」
 如月鬼堂は無罪にすべきと断言する。
 「犯人の可能性も有るという事ですか」
 メインキャスターは突っ込む。
 「無いとは申し上げられません。それでも可能性があるから犯人では駄目です。確証が必要です」
 「今回の三名は連続拉致強姦傷害事件の六人の内の三人でしょうか」
 「それも何とも言えません。私は連続拉致強姦傷害事件の犯人に雇われた詐欺の受け子や強盗の実行犯の様な存在の可能性もあると思います」
 「犯人グループの中に医者が居て被害者の子宮を摘出したという事が明らかになっています。そして今回も行われています」
 「その手術の痕が悪く再手術に成っています。マニュアルを作成して素人にやらせた可能性も有ります」
 「そうですね。それにしても猟奇過ぎる犯行の連続です。いったい連続拉致強姦傷害事件の犯人像と犯行目的はどうなのでしょう」
 如月鬼堂はこれまで収集した一般コメンテーターの非難をアレンジしてそれなりに一様の非難を述べた。
 それから以下の様に自身の見解を付け加えた。
 この犯人像はかなり経済力の有る年配者の集りだと思う。そして主犯は非常に用心深い。
 主犯は占いもするのではないか。非常に危険な行動を上手に逃れている。
 恐らく六十前後の人たちで若い頃の社会での男女関係と比べて現代社会に強い不満を持つ世代の犯行と思われる。
 この世代には現代の女性に対するモラルが認められない者が多々いる。
 五十年前ミニスカートで女性が動きに失敗してスカートの中が見えてしまっても恥ずかしがるだけで怒ったりはしなかった。
 現代では自分のミスで見えてしまっても目を逸らさない事で自然に強い怒りの視線が返ってくる。
 セクハラなんて言葉は無かったのです。それに該当する事も仕事の内という上司も多々居ました。
 それでもどんな時代でもこの犯行は許されない。何としても逮捕してほしいと付け加えた。
 「アメリカ大統領選挙は相変わらず僅差でバイデン氏が優勢です。トランプ大統領も強力に追い上げています」
 岡田有美が膝を曲げて片手で局部を押さえながら最後のショーツを脱ぐ。
 「それでも各マスコミはトランプ大統領の四年前の逆転を警戒しています」
 本多椿も片手で股間を押さえながら膝を大きく曲げて片手でショーツを抜き取る。
 「鬼堂先生。先生はトランプ勝利を予測されています。現状でもそれは変わりませんか」
 如月鬼堂はトランプに勝ってほしいと発言した上で以下のようにコメントした。
 四年前はヒラリーの不人気がかなり影響した。
 バイデンは取り立てた人気は無い。オバマ人気の余韻が大きい。
 それでも民主党は一番無難な人物を選択した。これはバイデン対トランプではない。トランプ対アンチトランプの戦いと言える。
 絶対にトランプが勝つとは言えないがマスコミはリベラルを強く押す。既にリベラルでないと正当でない雰囲気である。
 その中で世論調査にトランプ支持は表明しにくい。そこに大きな世論調査の誤差が隠れている。
 
 十月二十日。埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の容疑者六人は保釈が認められた。二審の判決も恐らく無罪という見解が濃厚である。
 六人は保釈に成ってマスコミに逮捕の不満をぶちまける。
 さらに原直子の闇動画を取得した。態々提供する者がどこかに居ても不思議は無い。
 更に会社は六人の仕事復帰を認めた。
 「六人は会社の仕事で熊谷から寄居の倉庫の消毒に向かう予定でありました。その仕事はきちんと終えていました。絶対に犯人では有り得ません」
 社長は六人を仕事に復帰させた正当性を堂々とマスコミの前で語る。
 六人のうち一人。原直子が犯人と決めた人物が原直子の闇動画を闇サイトで販売し始める。
 更に知人にもどんどん配布した。
 
 同じ日。福山哲夫は川口の旅館で女を予約した。
 以前に川口の会長や大田正勝が遊んだ旅館である。川口も生駒も同じ経営者がやっている。
 福山哲夫は如月鬼堂の愛好会入会を断られた。知り合いに紹介者が居なかったのである。
 日常から溜り続けた不満がこの風俗に行き着いた。
 女は酒井美紀子という。深雪と源氏名で挨拶する。三十を僅かに過ぎていた。それでもまだ躰は若さを湛えている。
 福山哲夫は女を見て顔はそれなりに良い。躰も充分に女を感じさせる。これを潰せると猟奇な加虐心が滾ってしまった。
 まずは約束の五十万を封筒に入れたまま渡す。酒井美紀子も受け取ってバックにそのまま仕舞う。
 福山哲夫は酒井美紀子を一気に後ろから倒して閉め技で落としてしまう。
 酒井美紀子はこの時点で漏らしてしまった。
 スカートから染みが広がり畳はびしょ濡れに成る。
 その服を強引に脱がす。
 「ああーー。いやあーーーーー」
 酒井美紀子は直ぐに意識を回復して失禁に慄く。
 福山哲夫は容赦なく服を剥ぎ取る。
 「ああーーーー。あーーーーーー」
 酒井美紀子は成されるが侭にするしかないが躰はうろたえている。
 ブラを外すと柔らかい乳房がそれなりの大きさである。乳首は鶏の鶏冠の様に赤い。
 福山哲夫はこれを責め続けて血まみれにしたい衝動に駆られた。
 触って掴み乳首を強く抓む。
 「あううーー。うーー」
 酒井美紀子は痛みに顔を歪める。
 ショーツはびしょ濡れである。それをじっくり脱がす。股間も太腿も濡れて艶かしい。
 それをフェイスタオルで拭いて肌理の細かい肌に鳥肌の立った感触を愉しむ。
 首を押さえて唇を奪う。
 ビンタする。
 「ああーー」
 更に濃厚に唇を貪る。
 女の部分に指を入れて広げた。びらびらではなく膣口を広げるのである。
 「あ、あーー。ああーーー」
 酒井美紀子は辛そうな表情で顔を後ろに逸らす。
 福山哲夫は一通り酒井美紀子の女を弄ったら高手小手に縛ってしまう。
 脹脛を密着させて脚首と太腿を縛り合わせる。両脚同じ様に縛った。
 鉄パイプでできた大道具を持ってくる。四本の鉄パイプが一メートル四方の正方形に組まれていた。
 酒井美紀子を縛ったままその中に寝かせる。膝の内側に縄を通す。鉄パイプを組んだ角にその縄の先端を廻して縛り付ける。
 左右とも一本の鉄パイプの両側の角に縛り付けた。
 この体勢で酒井美紀子は縛られた腕と腰を捩って僅かに動く。股間を閉じることはできない。
 既に蝋燭四本に点火してあった。縛っている間に芯の周りに解けた蝋涙が溜まっている。
 その蝋燭を乳房の上に持って来た。
 「いやああーーーーーーーーー。だめーーーー。ああーーーーーーーー」
 近い高さで流すように掛ける。
 「あーーはあーーーーーああーーーーーあーーーーーーーあーーーーーーー」
 強烈な悲鳴がサイレンの如く上がった。
 二つ目を持つ。
 「いやあーー。あーー。あーーあーー」
 もう片方の乳房に掛ける。
 「あーーーーーーー。はあーーーーーあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子は恐怖の表情を破裂させて悲鳴を上げ続けた。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 目を見開いて表情は破裂している。躰はぶるぶる震えていた。
 福山哲夫は興奮度が上がったのでズボンのファスナーを下げペニスを飛び出させる。
 そのまま酒井美紀子の女に挿入してしまう。
 興奮度が高いので僅かな時間で果てた。
 酒井美紀子は顔を逸らせて如何にも嫌そうに堪えている。
 福山哲夫は一度興奮をやや落ち着かせて鞭を選ぶ。更に小さなローソクを手に持つ。直径五ミリ長さも十ミリは無い。
 それを乳房に被った蝋涙に刺し込む。
 それに点火する。
 「あ、ああーーーーーーーー。いやあーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子は恐怖に躰を震えさせて喚き拒絶した。
 乳房の蝋涙が溶けて燃え始める。
 「ああーーー。あはあーーーーーーん。あーーーはあーーーはん。はあーーーーーー」
 半狂乱に喚き続けた。
 福山哲夫は鞭でその炎の上から叩き付ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃあーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 火は大方消えた。残りの炎を狙って叩く。
 「あーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子は叩きつけられる鞭に悲鳴を上げる。
 鞭は乳房の蝋涙を叩き飛ばす。小さく残っていた炎は煙と成って消える。
 福山哲夫はもう一つ小さな蝋燭を取り出す。
 「もうーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子は半狂乱で拒絶した。
 「だまれーーーーーー。こういう契約だーーーーーー」
 福山哲夫は怒鳴りつける。
 小さな蝋燭を右の乳房を包んだ蝋涙に刺し込む。
 「いやあーーーーーーーーーー。おっぱい火傷したあーーー。ああはああーーーーーーーーーん」
 酒井美紀子は喚き涙声で抗議する。
 「煩い。プレイのうちだろ」
 福山哲夫は容赦なく蝋燭の僅かな芯に点火した。
 「あーー。あはん。あはん。あはん」
 福山哲夫は少し燃えるのを見定めて酒井美紀子の狂乱の悲鳴を切り裂くように鞭を振り下ろす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭は斜めに蝋涙に広がる炎を叩く。
 「うおおーーーーーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 燃え広がるので続いて叩いた。
 「うううわあーーーーーーーーー。あーーはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 火が消えても叩く。
 「うおーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子の悲鳴はなかなか止まない。狂った様に泣き喚き続けた。
 「ああーー。あはあーー。ああーー。ああん。あはん。あはん」
 「三十女がそんなに泣き喚くか」
 福山哲夫は嘲るような言葉を吐き付ける。
 「こんなの堪えられないよーーーーーーーー」
 涙声で抗議していた。
 「大丈夫だ。火傷には成ってない」
 「そんな。ヒリヒリする」
 福山哲夫はそれを黙殺してバルーンカテーテルを取り出す。
 「なにそれ」
 「バルーンカテーテル。お前のしょん便を抜くのだ」
 福山哲夫はカテーテルの先端にキシロカインゼリーを塗る。
 女の部分のびらびらを開いて尿道の小さな亀裂を剥き出す。
 「え、えーーーーーーーーー」
 強行にカテーテルを尿道に捻じ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん。い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 細い尿道に太いバルーンカテーテルである。太腿の筋肉は突っ張り怒張する。
 奥まで突っ込んでも膨らませる液は注入しない。尿瓶に尿を抜いて終わりにする。
 女の排泄を玩具にするのとバルーンカテーテルの痛みに泣く姿を愉しみたかっただけである。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 酒井美紀子は荒い息遣いで恐怖の表情を凍らせて福山哲夫を見ていた。
 福山哲夫はまた鞭を取り出す。
 「ああーーーーーー」
 酒井美紀子は恐怖に縮み上がった表情でそれを見る。
 「今度はま○○こに鞭だ」
 福山哲夫は虐める気を滾らせた表情をあからさまに言う。
 「え、ええーーーーーーーー」
 酒井美紀子は恐怖に怒りの混じった表情である。
 一本鞭の先端には長方形の革のチップが二枚重なっていた。これがなかなか痛みを与える。
 鞭の先端で広がった股間に閉じあわせたびらびらを触る。
 「いやあーーーーーーーー」
 振り被った。
 「あ、あーーーーーー」
 きっちり盛り上がった大陰唇の谷間に挟まってやや突き出た女の部分を叩く。
 「うおーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーーーん」
 更に構えた。
 「ああ。ああ。ああーーーーーーーーー」
 振り下ろす。ぴったりクリトリスを包んだ包皮を叩いている。
 「はああーーーーーーーーーーーーーーーん。うわああーーーーーーーーーーーーーーん。はあーーーーーーー。はああーーーーーーーーん」
 続けて振り下ろす。
 「うわわああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あはん。ああ。ああ」
 痛みと衝撃に腰は僅かに迫上がった。太腿は強く震撼する。
 「あわあーーーーーー。はあ。はあ。はあーーー」
 躰全体が荒い呼吸に震える息遣いに膨らみと収縮を繰り返す。女の一番敏感な局部を叩かれる。壮絶な痛みである。
 SMクラブでやらせてくれても一発一万。一発限りとされる場合が多い。
 まだ振り被る。
 「ああーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーー」
 それでも福山哲夫は振り下ろす。
 「あーーーーーーーーーーー」
 きっちり縦筋の真上を叩く。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。あはあーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 酒井美紀子の縛られた躰は震えるように股間を迫り上げる。太腿の筋肉が怒張して躰全体が痛みに暴れ震撼した。
 「あはあーーん。あはあーー。ああーー。あはん。あはあん」
 酒井美紀子は涙をポロポロ溢す。
 福山哲夫は三十回ぐらい叩いて酒井美紀子の号泣悲鳴をとことん堪能した。
 酒井美紀子の股間は鞭で真っ赤に染まっている。
 今度は酒井美紀子のドテの黒い塊を櫛で掬う様に持ち上げる。それを蝋燭の炎で焼いてしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 更に持ち上げて焼く。
 「はあーーーーーー。ふぁあーーーーーーーーー」
 酒井美紀子の表情は恐怖に凍り付いた。福山哲夫には至福の悦びである。
 大方ちりちりに焼いてからローションを流して剃毛する。
 「はああ。はあ。ふぁあ。はあ」
 酒井美紀子の恐怖に凍った息遣いは何処までも荒々しく続く。
 福山哲夫はまた蝋燭を持つ。今度は大陰唇の周りの鞭で叩いて赤くなった皮膚とびらびらを狙っていた。
 酒井美紀子にもそれが分かる。
 「いやあーーーー。いや。ああ。だめ。もうだめーーーーーーー。ゆるしてーーーー。ゆるしてくださあーーーーーーーーい」
 酒井美紀子の躰はぶるぶる震えた。
 それでも福山哲夫は加虐心が滾っている。そして予定した虐めはまだ残っていた。
 今度は芯に溜まってない。蝋燭を斜め下に向けて落とす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 酒井美紀子から今度は甲高い悲鳴が上がった。
 福山哲夫は分からず蝋燭を斜め下に向けている。蝋燭は斜め上か水平に持てば熱さは柔らかい。斜め下に向けると一気に熱くなる。
 ある程度までは距離より角度と言える。
 糸の芯が燃えて落ちると火傷する場合もある。
 鞭の痕に落とせば痛みと熱さが染み渡る。
 福山哲夫は酒井美紀子の空気を劈くような悲鳴を愉しみながら股間に蝋燭の雫を落とし続けた。
 酒井美紀子の股間は蝋涙の溶けた雫で真っ赤に埋め尽くされている。
 「さあ。これで最後だ。泣き喚いて愉しませてくれ」
 福山哲夫はやや落ち着いた声になっていた。だがその陰湿な言い方は酒井美紀子の恐怖心を抉る。
 「まだ何をするの」
 酒井美紀子の声は抗議の口調ながら震えている。
 福山哲夫は拳銃を取り出す。
 「ああーーー。なにーーーーー」
 「騒ぐな。これは玩具の銀玉ピストルだ」
 バキューーーーーーン。
 福山哲夫は一発壁に撃って見せた。
 酒井美紀子に玩具の銀玉でも皮膚に当れば相等に痛いと分かる。既に乳房も股間の敏感な部分も鞭の痕で無残極まりない。
 だが次の瞬間もっと恐ろしい事態に酒井美紀子の心臓は凍り付く。
 福山哲夫はクスコを取り出す。股間に被った蝋涙を割って女の部分をひろげる。容赦なく膣にクスコを挿入して螺子を回して広げてしまう。
 薄橙と紅が混じった内部が奥まで広がった。
 福山哲夫は銀玉ピストルの銃口をクスコの口に付ける。
 「あーーあ。ああーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 酒井美紀子の恐怖の悲鳴が轟く。その真っ只中。福山哲夫はクスコの口で銀玉ピストルの引き金を引いた。
 ブオン。鈍い音が響く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 福山哲夫はまだ引き金を引いてしまう。
 ブスン。
 「うッぐぐぐぐーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ引く。
 バスン。
 「ぐ、う、う、うわあーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー」
 三発目は相当な痛みであった。
 福山哲夫もさすがに三発で終了する。
 クスコで広げた膣内をペンライトで照らして銀玉をピンセットで取り出す。出てきたのは二発だけである。
 一発は福山哲夫の目的通り子宮に減り込んでいた。
 縄を解いても酒井美紀子は動けない。意識ははっきりしているが倒れたままである。
 直ぐに契約している医者が呼ばれた。
 酒井美紀子は已む無く一晩泊まって帰る。
 医者は明日自分の医院に来るよう指示した。その日は応急処置だけである。
 福山哲夫はそまま帰ってしまう。
 酒井美紀子は乳首に軽い火傷をした。痕が残りそうである。子宮の痛みが酷い。医者は局部麻酔を打って痛み止めを処方して行った。
 翌日は火傷の処置だけ行う。整形まではして貰えないらしい。
 酒井美紀子は館山弁護士に示談金を渡した。
 その数日後あまりの痛みに処置してもらった医院を訪れる。その場で子宮摘出手術と成った。
 子宮に減り込んだ銀玉から毒素が回ってしまったのである。
 手術費も請求された。
 後日旅館の女将から福山哲夫に手術費とやり過ぎの慰謝料として追加支払いの要求が為される。
 福山哲夫は拒否した。
 女将は交渉の末。手術費だけなんとか強固に徴収する。
 酒井美紀子は泣き喚き怒りに煮え滾ってしまう。
 何日か悶々とした日々が続いた。示談の方はプレイの金で片付いて起訴は免れたのである。
 だが酒井美紀子は福山哲夫を許せなかった。
 合意のプレイなので傷害罪などにはならない。ここまでされて泣き寝入りは堪えられなかった。
 大人しく成されるが侭だった自分が歯がゆい。
 復讐心が強く涌いて治まらなかった。
 
 十月二十八日。埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の容疑者六人の一人が原直子の闇拷問動画を闇販売している。
 これを悪戯男が原直子にリークした。
 この事実に原直子は激情する。
 原直子の拷問動画を販売していたのは原直子自身でこいつが犯人の一人に違いないと決めた男である。
 確かに闇拷問動画を撮影したのも二回目の強姦、拷問をしたのも拘置所にいたその男ではない。
 それでも強姦事件が無罪に成り掛かっている。原直子にはこいつ等が無罪に成るなど絶対に許せない。
 さらにあの狂気の動画だ出回る。さらに販売された。それはもうどうにも堪えられない。
 自分がこのような酷い状況に堕とされたのもこいつ等が発端である。
 九人全員を殺してもまだ自分は収まらない。この男が一番許せない。原直子は懊悩した。この男一人だけでよいのか。全員に報復したい。
 だが正体に分からない三人は警察でさえ捕まえられないかもしれない。
 とにかく六人に報復する。原直子はそう決意した。
 
 酒井美紀子は福山哲夫を探し続ける。
 忘れるはずのない顔を似顔絵に書いた。それを持って聞き込みをして回るが直ぐに埒が明かないことを悟る。
 その似顔絵をSNSに公開した。人探しと言う名目だけである。
 女性が男性を探していたので情報は警戒なく集った。
 福山哲夫の家が特定できたのである。
 それは川口からそれ程遠くない浮間船渡であった。
 その板橋側と分かる。浮間船渡は北区浮間と板橋区船渡から成っている駅名である。
 酒井美紀子は福山哲夫が一軒家に独りで住んでいる事を突き止めた。
 家の周りを調べて夜でも簡単に進入できる事を確かめる。そのまま商店街を探した。柳刃を一本購入する。
 それを包みから出して大きなハンドバックに仕舞った。
 少し考え直してさらにガスマスクと催眠スプレーも手に入れる。その日は一度帰宅した。
 生駒と川口に闇SMクラブを経営するオーナーである。
 この酒井美紀子の行動を旅館のオーナーも見張っていた。酒井美紀子が福山哲夫の似顔絵をSNSに投稿した時からである。
 酒井美紀子が事件を起こした場合。闇SM営業が露見しないように酒井美紀子を処分する覚悟であった。
 
 十月三十一日。酒井美紀子は準備を整えて翌日三時を回って赤羽のホテルにチェックインする。一時逃げる場所の確保である。
 酒井美紀子は福山哲夫を唯刺し殺すだけでは気が済まない。
 夜まで待って在宅を確認して裏口から進入する。
 福山哲夫はビールを飲みながらパソコンゲームに夢中であった。
 六畳間である。
 酒井美紀子はガスマスクを被る。
 六畳間に向けて一気に催眠ガススプレーを噴射した。
 福山哲夫は睡魔に目を閉じかける。
 酒井美紀子は金属を混ぜた手袋を右手にかけていた。
 一気に部屋に飛び込む。やや意識朦朧としている福山哲夫の股間に手を伸ばして玉を掴む。一気に握り潰す。
 「うううーーーーーーーーーーー」
 福山哲夫は失禁して意識を失った。
 ズボンを脱がしてブリーフも脱がす。
 風呂の湯を出した。
 湯が溜まるのを待って福山哲夫の体を引き摺って湯に投げ込む。
 福山哲夫は意識朦朧としながら目を開く。
 酒井美紀子はその横面をビンタする。
 「おまえは」
 福山哲夫は驚愕の表情で酒井美紀子を見る。
 「お前のお陰で子宮を無くしたよ。だから復讐に来た」
 「俺はプレイ代を払ったぞ」
 「ふざけんな!五十万で子宮取られて!ゆるせないよーーー」
 「まて」
 「待たないよ!あれはやり過ぎだ。お前は気狂いだ!死ねーーー」
 福山哲夫は殆んど動けない。
 酒井美紀子は福山哲夫のさおを掴んで引っ張り上げる。
 「な、なにする。金なら有る」
 福山哲夫はあせっても抵抗力がない。
 「うるせーーーーーー。いまさらおそいよ!」
 それを柳刃で一気に斬り落とす。
 「うおーーーーーーーーーー」
 福山哲夫は風呂の中で藻掻くが殆んど動けない。湯に血は流れ出る。
 「そのまま死んでいきな」
 酒井美紀子は捨て台詞で風呂場から離れる。
 六畳間に有った財布に五十万くらいの現金が入っていた。それを抜いて持ち去る。
 酒井美紀子はそのままチェックインしたホテルに戻った。
 
 同じ日。土曜日如月鬼堂がコメンテーター出演するインターネットアダルト放送ワイドショー番組のスタジオである。
 「二度災難に遭われた元女性運転手さんです。警察は未だに二回目の犯人三人の捜査は進んでいません」
 今夜の岡田有美は和服姿である。その帯を解きながらニュースを読む。
 和服を解いても長襦袢姿である。これも岡田有美なら艶かしい。
 「先週でした。公判中の埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の被告六人が保釈されました」
 本多椿は真っ赤なワンピースだが下は態と何枚も着ている。そのワンピースを脱ぎ捨てて複雑な下着姿を公開する。
 「鬼堂先生。この六人が保釈になって何か問題が起きる危険性はないでしょうか」
 メインキャスターは視聴率を考えて如月鬼堂から過激な意見を引き出そうと誘導していた。
 スタッフの中には炎上させた方が加入者を増やせるという見解もある。実際今年に成って加入者は三倍に増加した。
 「無いとは言えません。この女性運転手ももう何も許せない状況に追い詰められています。そして逮捕された六人にも怒り恨みが募っています」
 「そうですね。保釈は正しかったのでしょうか」
 「はい。人権上は極めて当然です。ですが野崎卓郎弁護士も一時保釈請求を見合わせました。大きな危険は否めません」
 「この六人が何か報復に出ますか」
 「以前に紹介されたバスの中での乗客としての言動ですが。もちろん法律で罰される内容ではないですが客としても横柄です」
 「そういった性格から大人しく黙っては居ないですね」
 「もちろんこの女性運転手の注意は客と乗務員の範囲では行き過ぎです。乗務員も客商売ですからこの程度の言動は許容すべきでした」
 「この運転手はマナーとかより女性に対する言動という観点で注意していますね」
 「それが認められてしまっているのは大企業の社内くらいです。いくらなんでも客対乗務員でそれは無いです」
 「この六人は冤罪と仮定してですが、怒りを爆発させて行動に出る可能性がありますか」
 「五十パーセントですね。唯この女性運転手も黙っていられないかもしれません」
 「マスコミのインタヴューには猛抗議の姿勢ですね」
 「それだけで済めば良いですが」
 この後はアメリカ大統領選挙の話題と成った。バイデン優性。それでもまだ分からないという見解から一歩も進まない。
 岡田有美の和装と本多椿の昔の洋装姿。その脱ぎ比べの方が注目された。
 
 闇SMクラブを経営するオーナーも同じホテルにチェックインしていた。古いホテルで宿泊階の廊下に防犯カメラは無い。
 深夜は宿直のフロントが一人だけである。それも門限が設定されていて寝てしまう。それでも出入りはできる。
 酒井美紀子は態とこういうホテルを選んでいた。
 闇SMクラブを経営するオーナーは酒井美紀子が福山哲夫の家に裏口から忍び込むまで確認している。
 酒井美紀子は疲れて部屋でぐっすり眠っていた。
 闇SMクラブを経営するオーナーは酒井美紀子の部屋のドアの下の隙間からノズルで毒ガスを注入する。
 酒井美紀子が福山哲夫殺しで逮捕されてはならない。殺してしまえば捜査の手は回らない。
 翌朝闇SMクラブを経営するオーナーは八時代にチェックアウトして川口の旅館に向かった。
 十時半を回って酒井美紀子の部屋からチェックアウト時間を過ぎて応答が無い。その時点でフロントが動く。
 警察は自殺か他殺か判断に迷った。検視官はなかなか結論を出さない。
 内側から鍵は掛かっている。チェーン錠は完全に引っ掛かっていた。窓は嵌め殺しである。
 ドアの隙間からガスを注入したとほぼ断定されて殺人事件として捜査本部が設置された。
 宿泊客の犯行と断定できない。このホテルにはフロントを通さなくても入れる。カードキーで持ち出しも可能である。
 機動捜査隊の捜査で宿泊客に酒井美紀子に接点のありそうな人物は見当たらなかった。
 躰の小さな火傷。子宮の摘出手術を受けているなどから医者に掛かった経緯を捜査されたが該当は無かった。
 子宮の摘出手術から連続拉致強姦傷害事件の犯人関与も疑われたのである。
 
 十一月二日。原直子は計画を練った。
 埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の容疑者六人の一人を呼び出す。
 原直子の闇拷問動画を闇販売している事実を原直子にリークした悪戯男の名前を使った。
 動画と販売権を高く買いたいという用件である。
 この容疑者は今井正仁という。
 今井正仁は寄居の倉庫に向かった。
 原直子は駅前に車を止めて倉庫の建物の間で待ち伏せる。一対一ならバスの中で押さえられたような事にはならない。
 原直子は空手二段である。
 バスの狭い中では押さえられたが外なら押さえられる事は無い。
 今井正仁も車で正面に着く。
 「今井」
 暗闇の中から原直子が現われた。黒ジーンズの上下でジージャンの下は黒のニットパーカー姿である。
 「あんたはあの運転手」
 今井正仁は一瞬狼狽する。目の前に現われるとは思ってなかった。
 「そうだよ。お前らに輪姦されて躰に焼印押されたよ」
 原直子はやり場のない今の自分を言葉に込めている。
 「俺は冤罪だぞおーーーーーー」
 今井正仁はあくまで胸を張って白を切り通す。
 「ちがう!あの時バスに居たのは絶対にお前だ!」
 原直子は確信を持ったように断言する。
 「ちがう。あの日俺達は秩父鉄道でこの倉庫の消毒に来たんだ」
 今井正仁は一切悪びれない。これまでの主張を繰り返す。
 「何で私の不当に撮影された動画を販売するの。それは違法でしょう」
 「お前の身勝手な供述で何ヶ月も拘留された。せめてもの報復だ」
 「うそよ。お前が主犯よ」
 「何を証拠に言うのだ」
 今井正仁は証拠の無い事に自身がある。
 「声色、腕の雰囲気、何とない空気。絶対に違いないよ」
 原直子はどんなに物的証拠が無くても自分の核心を主張する。
 「何も具体的証拠は無いじゃないか。あんたの思い込みだ!」
 今井正仁は腹の底から逆転するように叫ぶ。
 「違う絶対にお前に間違いない」
 原直子は突撃の構えである。
 「根拠の無い思い込みだ」
 今井正仁は原直子に相等の戦闘能力のあることを徐々に感じていた。後退りする。
 「思い込みと言われても私にだけは分かっている」
 原直子は突き進む。
 今井正仁はさらに退る。
 原直子はさらに退る今井正仁を掴もうとする。
 今井正仁は逃げ掛ける。原直子はそれに下段を叩き込む。
 「うおーーーーーー」
 今井正仁の躰は空中に斜めに跳ねる。原直子は恨みの限りを込めてその股間に反則の急所蹴りを入れた。
 今井正仁はお尻から地面に砕けて股間を手で押さえて苦しむ。
 原直子は今井正仁の首に腕を回す。絞め技ではない。完全に首を絞めた。
 「お前の無罪は許さない。命で償え」
 原直子の躰は怒りの塊となって絞める。
 五十を過ぎた今井正仁にある程度のがたいは有ってもたいした体力は無い。原直子の絞めるまま息絶えた。
 原直子はそれでも許せない。スラックスを脱がしてトランクスも抜き取る。性器を用意したアイスピックで突き刺す。
 静かな場所で目撃者は無い。
 
 十一月三日。原直子はそのまま以前に勤めていたバス会社の車庫に向かう。
 夜間の人の居ないうちに事務所に入った。以前から持っていた鍵は返している。予備に偶然作ったそのマスターが残っていた。
 クリーニングした制服一式を入れているロッカー。そこから制服を一着盗み出して着る。
 四時を少し回っていた。一台のバスの鍵を持ち出して燃料を満タンにする。
 会社の建物に向かって申し訳御座いませんと詫びる気持ちで一礼した。
 そのままバスを盗んで出発する。熊谷行路線バスの進路である。回送字幕を出して走行する。
 途中で原直子がバスの中で強姦された横道に入った。
 其処に隠れて時間を潰す。其処で自分が受けた怒りを確り噛み締めて決意を強く確認する。その怒りを自分の躰にきっちり焼き付けた。
 六人の残り五人が勤務する会社は熊谷の市内に在る。
 始まりは工事会社と同じで八時。その時間を狙って行く。
 原直子は止めているバスの中で興奮度が頂点に上がっていた。二回目の三名に天誅を下せないのが心残りになる。
 時間を見て走行時間を三十分と計算した。この先はバス路線を外した道を進む。仲間にすれ違うと止められる危険がある。
 一台足りない事に気付くに一時間ぐらいであると推定していた。自分が強姦された車両である。あれからあまり使われてない。奥の方に置かれていた。
 だが営業所で一台足りない事に気付いたのは事件の後と成ったのである。
 原直子は営業所で補給用のガソリン携行缶を積んで来た。
 会社の駐車場を回って裏の塀のないところから速度を上げて一気に突っ込む。
 壁を破って事務所の中に突入する。
 残る五人は暫らく現場には出ない。内勤で事務所内に居た。
 その内一人を目掛けでハンドルを切る。既にフロントガラスは粉々に割れて殆んど枠だけである。
 アクセルを離してガソリン携行缶を持つ。バスのフロントから五人の内確認された二人り位を狙って撒き散らす。マッチに火を点けて投げる。
 原直子は無罪に成るなら私が殺すとの思いを込めた。
 辺りは火と煙に包まれる。
 原直子は後ろの非常口から脱出した。
 そのまま走って熊谷警察に向かう。自決しないで自首したのはこの後の事件の捜査と裁判の結果を見届けたかったのである。
 
 既に九時のワイドショーで事件の報道は過熱した。
 「社長はまだ出勤していませんでした。犯行に及んだ原直子は熊谷警察に自ら出頭しました」
 火災は既に消されている。
 救急車で七人が搬送された。既に五人の死亡が確認されている。その内埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の容疑者は二名だけであった。
 残る三人の死者は関係の無い女性社員が二人。男性社員が一人である。
 社長はその時点で出勤してなかった。出先から急遽戻ってマスコミのインタヴューに答えたのである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂のマンションの居間。
 本日は愛好会の主なメンバーが集っていた。放送は全員に驚愕の内容である。原直子がとんでもない暴挙に出た。
 ワイドショー、ニュース番組のアナウンサーは口々に言う。
 『原直子は何故裁判の結果を待たなかったのでしょうか』
 「鬼堂先生。先週仰った先生の懸念通りに成りましたね」
 大河内税理士である。
 「これで裁判はどうなるのか」
 「もう一人殺されていたのですね」
 テレビを観ていた館山弁護士が呟く。
 ニュースのキャスターが今井正仁の遺体が寄居の倉庫の建物間の空地に発見された事を報道する。
 出頭した原直子の供述からパトロール中の警邏が向かって確認された。
 「六人中三人が報復されたのですね。しかしこの女。復讐とはいえ関係ない事務員を三人も殺して七人怪我させています。うち二人は重態です」
 館山弁護士は呆れる。
 「どうであれ関係ない人を一緒に殺すのは暴挙だ。これじゃ京都のアニメスタジオを放火した男と変わらない」
 如月鬼堂も強い非難の言葉を発した。
 そんな中である。浮間船渡の自宅で福山哲夫が猟奇的に殺されていた報道が行われた。
 館山弁護士はこの事件と数日前に報道されたホテルで殺害された酒井美紀子の事件。この二つに思い当たるものがあった。だが発言は控える。
 「ところで先生。次の愛好会はどうしますか」
 大河内税理士の質問と言うより要求である。
 「そう。パパ。その質問がもう沢山溜まっているよ」
 瀬里菜はメールの回答を保留していた。
 「コロナは一進一退。入場を制限すると収まらない。何かアイデアはありませんか」
 如月鬼堂も困り果てている。


 最期のSM小説家 第十六幕 陰湿拷問そして恨み逆恨みの連鎖 完





 最期のSM小説家 第十七幕 お仕置き


 二〇二十年霜降中元。太陰太陽暦九月二十一日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 十一月六日。
 アメリカ大統領選挙は決着を見ない。
 マスコミの事前予想の支持率報道とは大幅違ってトランプ大統領は善戦した。だが疑わしいといわれていた郵便投票でバイデン候補が追い上げている。
 投票所では本人確認を行う。郵便投票では選挙に行かない人の票を買い取る事ができる。
 本人確認は事前登録のサインだけである。お金になるならサインした投票用紙を売る者が多く居ても不思議はない。
 今回選挙資金を多く集めたのはバイデン陣営である。
 日本でも昔は票を買うのは良くあった。それも毎回同じ人から集める。日本では投票所で本人確認はしないのである。
 この選挙で人気の有るのはトランプ大統領。バイデン候補にあまり人気は無い。反トランプの人が大方である。
 何故トランプ大統領は人気があるのか。
 マスコミ、文化人、知識人系にリベラルが多い。又はリベラルを装っている。
 日本などマスコミモラル=リベラルである。リベラルに合わない意見を行っただけで猛叩きされるてしまう。
 リベラルに対抗する旗など到底上げられない。
 トランプ大統領は堂々とリベラルに反対する政策を打つ。
 まだ半数前後の国民は社会の為より自分の利益を優先したい。
 それでも周りの批判を気にして建前社会に従うしかない。
 トランプ大統領は反リベラルで保守を死守する指導者の様な存在と言える。
 蓋を開ければ半数前後のアメリカ人がこれを応援しているのが現実である。
 アメリカのマスコミは完全に片方の政党を応援する。それが許されている。それでも微力ながら共和党寄りの局もある。
 日本では応援を表明はしない。しかしマスコミはジャーナリスト、文化人、知識人系で固まっていた。
 政策批判、社会現象には圧倒的にリベラル寄りのモラルを基準に報道する。
 マスコミは政党の応援を表面化しないまでも既にリベラルをモラルとして国民を洗脳していた。
 それでもリベラル政党の色の濃い立憲国民党は微数野党である。
 リベラルに反論はしない。リベラル的な政策もスローガンには掲げる。現実はスローガンだけで進まない。その民事党がアメリカと違って巨大与党である。
 如月鬼堂は金曜日のインターネットアダルト放送の特別番組でこんな事を語った。
 
 翌朝。十一月七日。
 如月鬼堂は上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着く。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「館山先生と野崎先生がお待ちです」
 珠洲の報告に如月鬼堂はなまむつかしと表情に表す。
 「どうしたの。パパ」
 珠洲はその表情の内側を瞬時に理解した。
 アポぐらい取ってほしいと言いたいが言うだけ無駄である。
 最上階如月鬼堂の居間。
 館山弁護士も野崎卓郎弁護士も瀬里菜にビールを注がれて飲みながらワイドショーを観ていた。
 原直子の事件は圧倒的にマスコミがこれを擁護し始めたのである。
 当然の如く関係のない被害者を数人出した事は最初に一言非難された。その先多くのコメンテーターは原直子擁護に徹底する。
 アニメーションスタジオ放火犯とは大きな違いである。
 二審で無罪に成り掛けている六人は犯人扱いとなった。もちろん犯人で無かったかも知れないと一応の前置きは付ける。
 「何ともやりにくくなったな」
 野崎卓郎弁護士もなまむつかしの表情である。
 「殺された三名を含めて無罪にできないと言うことですか」
 如月鬼堂もそこが微妙に思える。
 「報道に裁判が影響されてはいけないのですがね」
 現代でも政治はともかく司法に本来それは無い。だが野崎弁護士は報道に流される懸念を強く持っている。
 「疑わしきは罰せずであるべきですね」
 館山弁護士も野崎弁護士の言葉に同調する。
 「ところで鬼堂先生。今夜ですが野崎先生と同伴でお願いできませんか」
 館山弁護士から依頼して来た。
 「私から局に交渉しろと」
 如月鬼堂は瞬時やや面食らってしまう。
 「ええ。お願いして宜しいでしょうか」
 館山弁護士は丁寧に押す。
 「ちょっと交渉してみます」
 如月鬼堂は通話の為に居間を離れて吹き抜けでない部分の上の階に上がる。
 「ところで鬼堂先生は次の愛好会の予定考えていますか」
 館山弁護士は瀬里菜に訪ねた。
 「いいえ。今のところは何も。もう催促のメールどんどん来るのですよ」
 瀬里菜は対応に困っている。
 「コロナがまた怪しい雰囲気だしな。アメリカは酷いらしいね」
 「もう会員数七百人を超えているのですよ」
 「東京、埼玉を外したらそんなに煩くは無いです。大きな会場を探しますか」
 「またオンラインかなって言っていましたけど」
 「オンラインではね。集る事も意味が有るから」
 如月鬼堂は電話が繋がったまま固定電話の子機を持って階段を下りて来た。
 「野崎先生。部長が少し早い時間から出て頂いて特集を組みたいとの事です」
 そう言って如月鬼堂は子機を野崎弁護士に渡す。
 今度は野崎弁護士が広い居間の入口近くの隅に移動した。
 「ねえパパ。もうどっちにしても三つの店舗に収まらないよ。開催回数を増やして店舗ごとに抽選にしてオンライン併用にしたら」
 「要するに会場参加者はその店舗だけ。後はオンラインで録画可能。店舗ごとに頻繁に開催してその都度抽選を行うのですね」
 館山弁護士が内容を確認する。
 「そう。それで今までに出た女の子もまた出すのよ」
 「そうですね。それでショーに出た女の子は数日店舗に出すのですよ。会員ブロックを決めて会員だけの担当にしましょう」
 館山弁護士は瀬里菜の案にさらに内容を強化した。
 「そうだな店舗の一般客はコロナで芳しくない。会員を分散して呼ぶか」
 「そうよ。それ以外会場問題は解決しないよ」
 「そうだな。主なメンバー集めてその方式で検討しよう」
 如月鬼堂も他に手段は無い。人数が増え過ぎては会場を広くしても上手くはない。
 「そうよ。全裸美人コンテストだけコロナが治まったら大きな会場でやるのよ」
 「そうですね。毎回会場とオンラインで繋がれば会員の特典はあります。店舗で集まれる会員ブースがあればそれなりに問題は有りません」
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「バスの運転手さん随分派手にやらかしてくれたな」
 「原直子。相当怒りに滾ったな」
 「どっちみち死刑は免れまい」
 「当然だ。関係ない人を三人以上殺して重傷者も出している」
 「真犯人は二審も無罪に成るかな」
 「微妙に成ったな」
 「あの社長のインタビュー。あの言葉も凄かったな」
 「あの日あの六人は熊谷から寄居に向かう予定でした。バスで東松山周りでは間に合いません。ちゃんと現地の仕事は終わっていました。だったな」
 「状況証拠は無罪のはずだ」
 「髪の毛一本と原直子本人の主張だけだな」
 「今井正仁が絶対に犯人という思い込みだな」
 「だがそれが判決にどう影響するかが微妙だ」
 「だが六人も電車に乗っていて別人なら何故一人も名乗り出ない」
 「だから頼まれた共犯だよ」
 「この時点でも名乗らないか」
 「名乗れない人物らを使ったのだろう」
 「こっちに危険は」
 「あの実行犯三人が捕まっても無いよ」
 実行犯とは彼らが前金二十万後金四百八十万で雇った三名である。
 「そうだな」
 「次はどうする」
 「板橋の猟奇殺人がはっきりするまで動かない方が良い」
 「あれは女の犯行じゃないのか」
 「多分そうだな」
 「板橋の男は俺達の仲間と間違えられたか」
 「その可能性はある」
 「赤羽のホテルで殺された女か」
 「その女の復讐か。子宮取られていたからな」
 「だが監察医は俺達の手術とは別の医者の処理だと鑑定していたぞ」
 「益々状況が複雑になったな」
 「何か拡散したいな」
 「じっくり作戦を練ろう」
 川口の会長である。
 
 インターネットアダルト放送。トップレスのセクシー女優がニュースを読む番組である。
 この前の時間に野崎卓郎弁護士が出演して埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の解説を行った。
 その後も野崎弁護士は如月鬼堂の出演番組まで出演を続ける。
 原直子の思い込みが強い。痴漢冤罪事件でよくあるパターンである。原直子は以前からこの客に批判的で自らのモラルを強く押し付けていた。
 そして女性に態度の悪い客と決めてしまっている。
 身体、声など少しでも似た部分が有ればこいつが犯人と決め付けてしまう可能性は多分にある。
 野崎弁護士は一貫してそう語る。
 「一体この事件の真犯人はどっちなのでしょうか。原直子容疑者が殺したのは冤罪者なのでしょうか。真犯人なのでしょうか」
 今夜の岡田有美は最初からトップレスである。
 脱ぐシーンの刺激が人気を呼んでいたが今夜は刺激を控えた。
 「関係の無い人を殺したことや判決を待たなかったことに一応非難をしながら原直子容疑者を擁護する声が静かに沸いています」
 本多椿もトップレスでややボリューム感のある乳房を丸出しで読む。
 このインターネットアダルト放送主催の全裸美人コンテスト。その優勝者二人のトップレスステージである。
 教上主義的な条件を付けない真の全裸美人によるヌード比べと言える。
 「鬼堂先生。これは原直子の思い込みでしょうか」
 メインキャスターは問題の核心から強引な意見を期待していた。
 「何とも言えません。思い込みの可能性も有ります。寄居に向かう予定とその仕事結果は状況証拠的アリバイです。逆に検察は同じ防護服を指摘します」
 如月鬼堂は慎重な姿勢を崩さない。
 「同じ防護服、同じ人数がアリバイ作りをしたという検察の言い分ですが」
 メインキャスターはさらに追い込む。
 「どちらにしても車内に残った髪の毛一本と原直子の確証を示せない供述だけです。防護服は同じと言っても市販品です」
 「野崎卓郎先生はあの防護服から髪の毛は簡単には落ちないとご指摘されます」
 メインキャスターは野崎弁護士の見解を付け加える。この番組の視聴者からはどうしても容疑者六人が無罪という意見が期待されてしまう。
 「そうです。殺害された今井容疑者は常時このバスに乗車していました。髪の毛の証拠価値は無いと思います。あくまで疑わしきは罰せずで無罪判決が当然です」
 如月鬼堂は一貫した見解を言い切った。
 その後も野崎弁護士は原直子の思い込みであると主張する。
 これまでに批判していた男性に似た部分があった。それでこういう人が悪人と決めてしまっている。
 非常に危険な思い込みでその結果による無謀な殺人である。殺された全員が純然たる被害者と言い切ってしまった。
 元より原直子の注意は運行上の安全などではない。
 女性に対する男性の言葉遣いに対する注意である。今井容疑者はお客。客と乗務員の関係でこの注意は行すぎであると表明した。
 
 翌日十一月九日。
 如月鬼堂は上越新幹線で十時過ぎに越後湯沢に帰り着く。駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「編集のおばさんと他の皆さんお待ちですよ」
 瀬里菜は如月鬼堂担当の女性編集者が嫌いである。居ないところでは堂々とおばさんと言う。
 「樽常氏も来ているか」
 「おいでになっているよ。ちゃんと女の子のリスト持って」
 瀬里菜は笑っている。
 樽常マネージャーは新人三名のリストを持参していた。コロナ渦で逆に応募者は増えている。
 SMクラブは少ない接客人数で稼ぐ事ができたからである。
 佐藤栞李二十九歳、佐東詩織二十四歳、武井里美二十七歳の三名。
 武井里美が一番色香を強く感じさせる。逆に弱々しさも感じさせた。他の二人もそれ程気丈さは感じさせない。
 佐藤栞李は二十九歳ながら顔にやや幼さを感じさせる。だが奥に気丈さも宿していた。
 佐東詩織が一番若くて可愛い。だが我侭さも感じさせる。
 全員全裸の立ちスタイルは綺麗である。どうしても脚の美しさ、股間部分の形の良さ、乳房の形が良い事は必須でとなる。
 そこは三名とも申し分ない。
 「一回目はどうします」
 「平日の熱海で人数を絞りましょう」
 如月鬼堂は直接参加者を減らしたい。
 「誰から行きます」
 大河内税理士は何としても早く進めたい。
 「お勧めはこっちの佐藤栞李です」
 樽常マネージャーが答える。
 「二十九歳の方ですか」
 佐藤栞李と佐東詩織で字は違うが同姓同名である。イメージはまったく違う。
 「こっちの方がハードを観念しています。稼がなければ成らない事情が大きいです」
 「それでは佐藤栞李に決めて熱海百五十名で抽選しますか」
 大河内税理士は一気に進めようとする。
 「すみません。22.23と二箇所開催できませんか。佐藤栞李と武井里美で如何でしょう」
 樽常マネージャーーは営業に徹底していた。
 「いいですね」
 杉下一行も賛成する。
 「月曜日は生駒に武井里美を出張させます。ただ。二日とも三店舗会員営業にできませんか。スクリーンだけでも。そしてショーでない二人もホステスで」
 「成程。一週間店に出るのをその日から出すか」
 「そうです。会費無しの通常営業で」
 「いい考えだ。会場二万。動画一万。店舗はオーダーのみでプレイの予約は取る」
 如月鬼堂もようやく納得に行くペースになったという口調である。
 「その方法で当面は完成ですよ」
 福富麻次郎も納得する。
 僅か一年。三十名が七百名に成ってしまった。それは樽常マネージャーの真性奴隷女の館も繁盛させている。
 もっとも如月鬼堂には一人当たりクラブの取り分から5パーセントのバックが入った。課税対象にならない収入である。
 熱海、生駒、長野の店長も納得した。元より店舗の客は会員が七割である。影響はまったく無い。
 
 弦葉浩一郎はハードコースのSMクラブを選んでいた。SMクラブはコロナ自粛など無視して営業している。
 樽常マネージャーの真性奴隷女の館は如月鬼堂の主催する愛好会の会員だけに絞っていた。会員の医師が検査も行なう。
 普通のSMクラブではまったく行っていない。
 弦葉浩一郎は真性M女コースを選んだ。女は山本恵理華という。まなみという源氏名で挨拶した。
 そのSMホテルの中では設備ランクの高い部屋を選んでいる。ハードができる設備である。
 山本恵理華はゆっくりシャワーを浴びて時間稼ぎをする。三時間十万のプレイである。
 弦葉浩一郎は怒って急かす。
 それでも緩慢に出て来る。
 弦葉浩一郎は山本恵理華が巻いて来たバスタオルを取り上げて股間を乱暴に拭く。
 床に尻を降ろさせて膝を縛り合わせた。そこにフックを付ける。そのまま天井から下がった滑車のフックに接続した。
 滑車の縄を引いて逆さ吊るしに引っ張り上げる。
 「あ、あーーーーー。いきなりなによーーーーーーーーーー。らんぼうだよーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は慌てふためいて抗議してしまう。
 「なに言ってる!真性M女ハードコースだろ!」
 弦葉浩一郎はシャワーの時間稼ぎに怒っていた。
 手が開放されているので手首を縛り合わせて背中に廻して滑車のフックに縛り付ける。
 山本恵理華の躰は胸を突き出しやや背中に反る形の逆さ吊るしに成った。乳房を叩き易い状態である。
 「なによーーーーー。駄目よこんな乱暴なの!」
 山本恵理華は慄きながら怒りの言葉を発してしまう。
 弦葉浩一郎は鞭を構える。
 一本鞭と長い柄の付いた蝿叩きの様なスパンキングを用意していた。
 「なに。この状態で鞭。むりーーーーー。無理です」
 山本恵理華は緊迫した声で拒絶する。
 弦葉浩一郎は無視してスパンキングで乳房を叩く。
 「うわああーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーー」
 山本恵理華は恐怖の表情で睨み返す。
 「真性ハードM女。ハードコースだ。スパンキング、一本鞭、吊るしは標準メニューだ」
 弦葉浩一郎は強気で畳み掛ける。
 「それだってーーーーーー」
 山本恵理華は抵抗する。
 「お前はそうやってメニューの半分もプレイをさせないのか」
 弦葉浩一郎はさらに乳房を叩く。
 「うう、お、おおーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに乳房に平たいスパンキングを叩き付ける。
 「あ、あ、あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華の逆さ吊るしの躰は空中で跳ねてまた戻る。さらに強く前後ろに振られて揺れた。
 弦葉浩一郎はその反動を狙って鞭を叩き付ける。
 「ぐう、う、う、お、おお、おーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華の躰は空中で振り子状態である。
 弦葉浩一郎は腰を低くして乳房を横から狙って構えた。
 「もう。もうやめてーーーーーーーー」
 その声に怒りを込める。振れて反動で前に突き出た乳房を振り被った力を込めて叩く。
 「う、うう、おーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げる山本恵理華の顔は歪み大きく口を破裂させていた。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は痛みに躰を揺すって藻掻く。
 弦葉浩一郎はその乳房の弾力をへしゃげる様に叩いた。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華の顔は汗を噴き目から涙が溢れている。
 弦葉浩一郎にはまだまだ序の口以前である。
 次の鞭は先端のチップが小さい長方形の革。それを二枚縫い合わせて中に芯が入っていた。
 狙うのは女の部分である。内腿の間は長い三角に開いでいた。
 「やめてーーーーーーーーーー。それはやり過ぎよーーーーーーーーー」
 山本恵理華にも弦葉浩一郎の持つ鞭の先端が女の敏感な部分を狙っていると判る。強烈に叫び拒絶した。
 弦葉浩一郎は先端に狙いを定める。やや力は弱くなるが確実に直に突き出し閉じ合せた粘膜の筋を叩く。
 「ぐおーー。おーーーーー。おーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は涎を飛ばして悲鳴を轟かせた。
 それでも加虐心を滾らせて生唾を飲み込んで次の一発を中段に構える。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は瀕死の形相を破裂させて涙を飛ばして叫ぶ。
 弦葉浩一郎は女の部分を包皮で包まれたクリトリスから複雑に閉じた粘膜の唇まで縦一筋に狙う。それをチップの先で強く叩く。
 「うごー。うご。うごおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううがあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーー」
 山本恵理華は首を複雑に振って悶えながら腹の底から悲鳴を絞りだす。
 弦葉浩一郎のさおは更に刺激で固くなる。久々に濡れがトランクスの中に広がっていた。
 「ああーーーーーーー。あは、あ、あーーーーーーーーーーん。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は痛みに逆さまの上半身を藻掻き捩り苦しむ。
 弦葉浩一郎はクスコを取り出す。逆さ吊るしの体勢で強引に鴉の嘴を膣に挿入する。
 「降ろしてからにしてーーーーーーー」
 山本恵理華は顔の表情を究極に歪めて抗議していた。
 螺子を回して広げる。中をペンライトで観察してからブジーを手にする。
 「痛いぞ」
 弦葉浩一郎はブジーの先端を子宮口に捻じ込む。
 「あ、があーーーーーーーーー。ぐううわああーーーーーーーーーー。あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は強烈に苦しむ。これ以上ない苦しみの極地を甲高い悲鳴で叫び続けた。
 弦葉浩一郎は手首の縛りを開放してからゆっくり吊るしを降ろす。
 山本恵理華は痛みで動けない。
 クスコは抜いてない。
 弦葉浩一郎は苦しむ山本恵理華に手錠を掛けて更に腕を縛り合わせる。
 山本恵理華は動けない。抵抗能力もない。
 床から抱き上げて開帳台に乗せた。
 「まだなにするのーーーーーーーーーー」
 腹をベルトで固定して脚首と太腿を脚載せ台にきっちり縄で固定する。
 「後二時間半だぞ」
 「そんなーーあ。目いっぱいハードは」
 山本恵理華は泣き声で抗議する。
 縛り合わせた腕を頭の上に引っ張りその縄を開帳台の背の裏側に縛り付けてしまう。
 乳首に書類を挟む黒い三角のクリップを付ける。
 「いやあーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーー」
 山本恵理華は躰を揺すって藻掻く。
 「二時間後のお愉しみだ」
 「なにーーーーー。二時間もつけるのーーーーーーーー」
 「そうだ。取る時のお愉しみには二時間必要だ」
 「うそーーーーー。乳首ちぎれちゃうよーーーーーーーーー」
 「取れない。それには三日は必要だ」
 「ほんとう」
 「如月鬼堂の小説にそう書いてあった」
 「そんなのほんとかどうか判らないでしょ」
 「何回もやっている。床を転げ回って苦しむけど。乳首が落ちたりはしない」
 「酷い」
 弦葉浩一郎はカバンからミールワームの入ったガラス瓶を取り出す。
 「えーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華はそれを見て驚愕の悲鳴を上げてしまう。
 弦葉浩一郎はクスコの螺子を緩めて入れる角度を変えた。膣を横に強く広げる。下の粘膜は持ち上がって上は蚯蚓千条の部分が垂れ下がってしまう。
 「ちょとおーーーーーーーーーー。まさかそれーーーー」
 山本恵理華はクスコを抜くのではなくミールワームを入れるためと判って抗議する。
 弦葉浩一郎は抗議を無視してミールワームを箸で抓む。
 「だめーーーーーーー。駄目。駄目。だめーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は恐怖の表情を凍らせて拒絶する。
 弦葉浩一郎はそれを無視してクスコの奥に箸で運び込む。
 「あ、あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弦葉浩一郎は強烈な悲鳴を愉しみながら膣の奥に落とす。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は恐怖の表情を破裂させた。その顔を振って悲鳴を上げ続ける。
 「いやよ。いや。だめ。だめ」
 山本恵理華の躰はぶるぶる振るえて目から涙を流していた。
 「いやあーーーーーーーー。とってーーーーーーーーー。とってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は更に泣き叫ぶ。
 弦葉浩一郎はビールを出して乾き物をつまみながら飲み始めた。
 「おねがいーーーーーーーーーー。だしてーーーーーーーーー」
 山本恵理華は泣き声で要求する。
 「もっと入れて満タンにしたいな」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。きいくるうよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 満タンにしたいなと言いながらも弦葉浩一郎は山本恵理華があまり煩いのでミールワームは取り出した。
 暫らく泣き続けるのを無視してビールを飲み続ける。
 山本恵理華は開帳台に磔状態のままである。いつもなら乳首のクリップを取らない約束で開放してビールなりを飲ませる。
 本来は雑談時間である。この女はその様には行かない。上手に逃れて僅かなプレイで済ませようという狡さが丸見えである。
 この先の痛みは尋常ではない。この女にこの程度はまだ足りないもっと強力なお仕置きをしたい。だがクラブのメニューの範囲はここまでである。
 冷蔵庫のビールが全部で三本。SMビデオを見ながら時間を潰す。山本恵理華に態と海外のハードSMを見せる事も考慮していた。
 二時間丁度で弦葉浩一郎は開帳台の戒めを解く。
 「自分でクリップを一個ずつ取ろう」
 「ええ」
 山本恵理華の手は震えていた。取る時の脅しを既に掛けてしまったからである。
 それでも取るしかない。片手で乳房を持って片方のクリップを一気に掴む。
 「あーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーー。あーーはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうああーーーーーーーーー」
 山本恵理華は床に背中から倒れて拳で床を叩く。半回転して床に四つん這いに成って痛みに藻掻く。
 「ぐうおおーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 半狂乱に悲鳴を上げ続ける。
 「もう片方残っているぞ」
 弦葉浩一郎にはこの一言が至福である。
 「いやあーーーーーーーーーー。とってーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。とってーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は自分で取れない。半狂乱に泣き叫ぶ。
 「うおーーーーーーーん。うおーーーーーーーーー。い、い、たいよーーーーーーーー」
 弦葉浩一郎は片手で山本恵理華の肩を掴んでクリップを外す。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー」
 弦葉浩一郎は山本恵理華を床に押し倒した。腰に馬乗りになる。そのまま乳房を?んで揉みしだく。
 「うおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーー。ぐがああおおーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は狂った様に悲鳴を上げた。弦葉浩一郎のお尻の下で藻掻き暴れ泣き叫び続ける。
 三十分近く経ってようやく治まった。
 「ひどいよーーーーーーーこんなの」
 「だったらソフトだけにしろ」
 「それじゃ安いんだよ。他で女の子弄れないからSMに来るんだよ。皆私には弄る程度で終わりなんだよ。ブスな女の子と違うんだよ」
 山本恵理華は勝手な言い分を言い続けて帰ろうとする。
 弦葉浩一郎は横面を叩く。
 「馬鹿やろーーーーー。それじゃ詐欺だぞ」
 強く怒鳴りつけた。
 山本恵理華は泣きながら先に立ち去る。
 
 後日。弦葉浩一郎は前回カタログで選んだ山本恵理華をまた指名した。山本恵理華は弦葉の指名と聞いて拒絶する。
 弦葉浩一郎はマネージャーに真性M女ハードコースでの山本恵理華の対応を説明した。
 「それでもまなみをご指名されますか」
 「みてくれは大切だ。顔とスタイルが良くなければ駄目だ。このコースに出ているのだからクラブが言い聞かせて教育すべきだな」
 行ったプレイは全部列挙してある。そのプリントアウトを見せる。
 「この内容なら通常のハードです。コースに詠った通りですね」
 初老の女性マネージャーは強く受けるように山本恵理華を説得した。
 それでも山本恵理華は拒絶する。
 「この人。入れようとするのです」
 遂に虚偽を言ってしまう。
 「駄目よそんな嘘。このお客様は前に他の女の子と何度もプレイしています。そんな苦情は有りません」
 女性マネージャーは嘘を簡単に見破る。
 「貴女。他のお客さんからも苦情が有るわね」
 女性マネージャーはさらに付け加えた。
 「すいません。今日は休ませて下さい」
 山本恵理華は帰ろうとする。
 「申し訳御座いません。今日は他の女の子でお願いできないでしょうか」
 「判った。今日は帰るよ。もっと良い女が入ったら連絡してくれ。他の女はみな腰と太腿が太い」
 「申し訳御座いません」
 女性マネージャーは弦葉浩一郎の好みに対応できてないので引き下がってしまう。
 
 弦葉浩一郎は山本恵理華の身辺を調査した。どうしてもこの女のプレイを緩和しようとするやり方が許せなかったのである。
 三時間十万。クラブの取り分を除いても三人の客に付けば若いOLの一月分の手取りに成る。
 黙って山本恵理華のペースなら超ソフトにハード料金を払うことになってしまう。
 そして弦葉浩一郎は山本恵理華を徹底的に虐めたい加虐心が堪っていた。
 弦葉浩一郎は自営の私立探偵である。私立探偵というよりは事件屋というべきかも知れない。
 山本恵理華の素性を調べるのは難しくない。
 それは簡単に判明した。
 弦葉浩一郎は山本恵理華に脅しを掛ける。
 『指名に応じろ。お前が外務省職員と判っている。応じなければクラブで働いているとばらす』
 そんなメールを送った。アドレスも調べた。それも外務省のアドレスである。
 弦葉浩一郎は訴えられたら逮捕される。だが山本恵理華は訴えないと確信を持っていた。そこは事件屋である。
 山本恵理華は脅迫と訴える事すらできない。メールが関係者全員に送られたら終わりである。
 訴えないでこの男を何とかしなければならないと悩み続ける。
 
 十一月十五日。
 如月鬼堂はゆっくり越後湯沢に戻る。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「皆様お待ちですよ」
 来週の打ち合わせである。
 コロナの感染拡大による規制、自粛要請の懸念が出始めた。これに対する不満が爆発しかけていたのである。
 「まだ政府も自治体も北海道以外何も動いてはいません。でも医療関係者が騒ぎ始めています」
 福富麻次郎はコロナより自粛要請を警戒していた。
 「今週中に何か動きそうな気がします」
 館山弁護士である。
 「これ以上雀の涙以下の協力金とかで休業要請は納得できない。どんどん店を廃業に追い込むだけだ。自殺者が増えている」
 大河内税理士は倒産で客を失って怒りに滾っていたる。
 「マスコミは感染者と重傷者、死者だけ報道して自殺者は殆んど報道しない」
 館山弁護士はマスコミにも怒っている。
 「感染症より休業要請と感染報道による風評被害が大きい」
 福富麻次郎は憤懣やるかたなきである。
 そんなところに如月鬼堂は戻って来た。
 「先生。徐々に厳しくなっています」
 「今のところGOTOだけだ。休業要請が出ても札幌、東京、大阪だけだ。二日間は看板消して貸し切り扱いだ。予定通り行う。入口で簡易検査も行なう」
 如月鬼堂は毅然としている。
 「瀬里菜さん。参加者のキャンセルは有りますか」
 杉下一行は会員の動揺を心配していた。
 「ゼロです」
 瀬里菜はきっぱり答える。
 「なら心配は無いですね」
 杉下一行も安心する。今回は杉下一行がプレイを代行する。
 
 山本恵理華はクラブに弦葉浩一郎の指名があったら泊まりコースで交渉してくれるように申し出た。
 十一月十九日。弦葉浩一郎は山本恵理華を指名する。
 山本恵理華は事前に弦葉浩一郎にメールを送って翌日外務省の仕事は休みを取った。
 弦葉浩一郎は二十三時から五時の予約で入る。
 弦葉浩一郎のやる事は殆んど変わらない。毎回同じ様な責めを行う。
 今夜は逆さ吊るしではなく拷問椅子に磔る。
 何度もこんなプレイ受けられない。その内直接呼び出されるかもしれない。
 山本恵理華は隙を見て縄で絞め殺したい。それには玉を握るのが最善である。
 此処に騙されて連れ込まれて行き成りSMに成った。恐怖感で絞め殺したで正当防衛に持ち込めないか。
 山本恵理華は単身である。普通に交際までは咎められる事は無い。クラブも事を公にはしない。
 山本恵理華は弦葉浩一郎の鞭打ちに悲鳴を上げながら考え続けた。
 また黒いクリップを付けられる。まったく同じ事をするようである。自分で取らされるか取りに近付いた時に一気に玉を掴もう。
 乳首にクリップが付いたまま警察を呼べば信じて貰える。
 山本恵理華はそう考えて堪え続けた。
 今夜はミールワームではない。蛞蝓を持ち込んでいた。それをクスコで広げた膣の中に入れる。
 「い、い、いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。だーーーーめーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 弦葉浩一郎は膣の粘膜の上に置いた蛞蝓にロングスプーンで粗塩を掛けた。
 「うう、ああーーーーーーー。う、う、うーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 山本恵理華は堪らない感触に喚き散らす。
 弦葉浩一郎は萎んだ蛞蝓をロングスプーンで取り出して目の前に翳した。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああん。ああ。ああん。ああ。ああん。ああ」
 山本恵理華は顔を振って泣き悲鳴を上げ続ける。
 二時間が経つのを弦葉浩一郎はそのまま待つ。
 縄を解かれた瞬間を待つ山本恵理華には殺気が漲っている。弦葉浩一郎が興奮してなければこれに気付いた筈である。
 二時間丁度で弦葉浩一郎は拷問椅子の戒めを解く。
 山本恵理華は床に降ろされた。
 今だ。山本恵理華は弦葉浩一郎の股間を掴む。
 「ぐう」
 山本恵理華は縄を掴む。首を縛ってフックを付ける。それを天井から下がった滑車のフックに引っ掛けて滑車を巻き上げる。
 「ううおおーーーーーーーーーー」
 五分待てば良い。だが念の為十分待つ。
 床に降ろす。弦葉浩一郎は死んでいた。
 滑車を上に戻して警察に電話する。
 「人を殺しました。誘われてホテルに入ったら行き成りSM拷問されたのです。怖くて首を絞めました」
 「場所はどこです」
 「判りません。怪しいホテルの中です。スマホのGPSで見つけてください」
 山本恵理華は全裸のまま警察官を迎え入れる。
 弦葉浩一郎の遺体を指差しながら言う。
 「これが怖くて取れないのです。二時間付けられました。取る時猛烈に痛いって言われたのです」
 山本恵理華はぶるぶる震えて床に蹲る。
 警察官は救急車を呼ぶ。
 病院では局部麻酔を打ってクリップを外す。山本恵理華はそのまま倒れて翌朝まで寝込んだ。
 警察の事情聴取に予定した通りに答える。
 そこまでは正当防衛になりそうな雰囲気であった。
 だが警察は弦葉浩一郎の自宅を家宅捜査する。メールから山本恵理華がSMクラブでも働いていたと判明した。
 そして脅迫されていた事実が浮かび上がる。
 SMクラブも警察の追及に協力せざるを得なくなってしまう。
 山本恵理華は殺人罪で逮捕された。そして外務省にも総てが伝わってしまったのである。
 
 十一月二十一日。インターネットアダルト放送のスタジオ。
 「逮捕された外務省職員山本恵理華容疑者はSMクラブでアルバイトをしていました。烈しいプレイをする客の弦葉浩一郎に脅迫指名されて堪えられず殺害しましたと供述しています」
 岡田有美はブラを外しながら読む。その躰には鞭の筋が奔っていた。
 ブラを外すと片方の乳房に十文字に付けられた鞭の痕がくっきり残っている。
 「今日は撮影でした。鬼堂先生から責めを受けました。強烈な動画です。鞭に悲鳴を上げて潮も噴いています。少しだけ見ていただきます」
 動画では岡田有美が潮を噴きまくっていた。駿河問いに岡田有美のスマートな躰が空中で五角形を描く。
 「山本恵理華容疑者は外務省にSMクラブのアルバイトがばれる事を恐れたと思われます」
 本多椿の太腿は鞭の筋だらけである。ブラを外すと形の良くボリュームの有る乳房が現われた。こっちにも十文字の鞭の筋が入っている。
 二人のビデオを同時に発売した。
 「鬼堂先生。山本恵理華容疑者はまともにクラブのプレイメニューをさせなかったのですね」
 「そうです。とことんずるい女です。正当防衛で逃れて公務員を続けたかったのでしょう。被害者の弦葉浩一郎も強硬過ぎました」
 如月鬼堂はこの事件に興味が無い。それ以上に大きなニュースにしたくない。
 「医療関係者はことごとくGOTO停止を表明します。総理は遂に感染拡大地域のみ一時停止の判断をしました」
 岡田有美はショーツを脱ぎながら読む。
 「また時短や休業要請は出るのでしょうか。あまり報道されませんが自殺者も増えています」
 本多椿もショーツを脱ぐ。
 「鬼堂先生。また休業要請が出るのでしょうか」
 メインキャスターはそっちに進行する。
 「出ても今度応じたら今のところ無事な店も潰れます。自治体に判断を振って僅かな金額で休業要請を掛ける。国は補償しない。酷いやり方だ」
 如月鬼堂は怒っていた。
 あくまで感染を封じろと言うが集団免疫が良い。重傷者はそんなに多くない。無症状者が多い。
 重傷者だけ病院に収容する。あとは無症状者を逆に増やして免疫を増やすべきである。
 死者は毎年のインフルと変わらないか少ない。自殺者は増えている。
 マスクや消毒は必要だが無理に感染を抑えても限界はある。スエーデンを見習って集団免疫で対処すべき。
 GOTOも止めない。隔離もしない。重傷者だけ対処する。ワクチンが早いか集団免疫が早いかです。
 如月鬼堂の過激過ぎる意見にメインキャスターも早めに話題を変えてしまう。
 
 十一月二十二日。
 如月鬼堂は宇佐美のマンションに戻った。夕方には熱海に入る予定である。珠洲と瀬里菜も昨夜から宇佐美に移動している。
 主なメンバーも午前中に宇佐美に着いていた。
 「昨日はかなり過激に出ましたね」
 「ええ。ちょっと怒りが蓄積していました」
 如月鬼堂は怒りを破裂させて発言したがまだ覚めていない。
 「よく言って下さいました。本当に感染拡大。感染を押さえろ一辺倒です。私らには感染どころではありません」
 福富麻次郎も憤懣が堪っている。
 「会長も随分事業縮小ですね」
 「そうですよ。先生の仰る通り無症状の感染者で免疫の壁を作るべきですよ」
 「せめて政府が新規増紙幣で全面補償してくれれば良いのですが」
 「集団訴訟も集められませんでしたね」
 館山弁護士も悔しい。
 「訴訟の前に既に息を絶たれた業者が多かったのですよ」
 また福富麻次郎が不満を噴出した。
 「それは言えます」
 大河内税理士もきっぱり同意する。
 此処のメンバーならではの会話である。
 「しかしトランプ大統領もあそこまで善戦しながらいよいよ駄目ですね」
 「ワクチンが少し早ければ違ったでしょうけど。事前の支持率とは大違いで僅かな差でした」
 館山弁護士の見解である。実際に製薬メーカーが態と発表時期を遅らした可能性は高い。
 「ところでホテルで男を殺した女。騙されてホテルに連れてこられて行き成りSM拷問されたと供述していますが、結局SMプレイのハードに怒って殺したのですか」
 「クラブに確認したのですが。以前から揉めていたようです。山本恵理華はハードコースで出ていてハードを殆んどさせなかったようです」
 如月鬼堂は杉下一行の疑問に一応の答えを返す。
 「それじゃ殺された客は完全に被害者ですか」
 杉下一行は興味があるらしい。
 「こいつも曲者です。私立探偵を名乗っていますが事件屋のような存在です」
 「それで山本恵理華が外務省に勤めている公務員と突き止めたのですね」
 「どっちにしてもあまり大きなニュースに成ってほしくありません」
 如月鬼堂には封じ込めたいニュースである。
 そのあと一同は珠洲と瀬里菜が運転する二台の車で熱海に向かった。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「俺達にAV女優に成ると約束した女が居たな。あれどう成った」
 「そのままAV嬢には成ってないな」
 「それではお仕置きしないと」
 「そうだ。示しが付かない」
 「やるか」
 「またヒットマンを雇おう」
 「また。前金二十万。後金四百八十万。合計千五百五万か」
 「そうだが。どこかで受け渡して貰おう」
 「拉致だけに使うか」
 「それで行こう。こっちで確りお仕置きだ。真野枝里あの気丈そうな顔が恐怖に泣き叫ぶ。愉しみだ」
 
 熱海のファッション喫茶は看板を消していた。予約の会員だけが地下の駐車場から入る。生駒も長野も予約の会員だけに成っていた。。
 二十三時に開始して朝までである。
 佐藤栞李はスーツ姿で演台に上がった。
 対応するのは杉下一行である。
 佐藤栞李は受身である。このステージに立って自分で服は脱げない。それどころか脚の先まで震えていた。
 杉下一行が脱がせる。
 佐藤栞李は清楚にも見えた。派手でない一般的なOLのグレーのスーツ姿である。
 観ているのは会場の百五十人だけではない。七百人あまりの会員にオンラインが繋がっている。
 そして録画ファイルも配給された。複写転売はできない構造に成っている。会員だけの特典である。
 佐藤栞李が杉下一行の手でスカートを下ろされる。タンクトップはショーツを隠してない。
 生のショーツが半分姿を現している。脚の線は綺麗である。
 股間を包んだショーツの先端の横一文字から内腿の線は真っ直ぐ伸びている。内腿に膨らみは無い。
 膝を付けると下着の線から膝まで綺麗な縦長の逆三角形を描く。
 杉下一行はタンクトップを脱がして後ろに回る。後ろでフォックを外して後ろから手を前に出す。隠さないように純白で生下着感の強いブラを下げる。
 乳房は格別に大きくは無い。適度な膨らみだがやや外向きに小高い山が二つ存在する。乳首が薄紅色である。
 乳輪も小さく豆の様な乳首が尖っていた。
 最後のショーツを下ろす。
 陰毛の黒い塊は僅かにドテに咲いている。僅かでもすっきりした股間に僅かに見えるはずの女の部分の唇を隠していた。
 会員の手で産婦人科診察台が演台に載せられる。
 スクリーンにルーレトが回って二人の会員が抽選に当った。
 杉下一行は診察台に佐藤栞李を乗せる。診察台のベルトだけで固定した。
 女の部分を開いて薄橙の粘膜と尿道の亀裂、更に複雑に閉じ合わせた膣口をアップで公開する。
 抽選に当った会員の手でローションが掛けられた。
 先にカットをしなかったのでT字剃刀に陰毛が絡み付く。じっくり時間を掛けての剃毛になった。
 如月鬼堂は最上段に珠洲と瀬里菜を伴っている。二つの升席を使用して店長の荒井絵里も此処に同席していた。
 珠洲と瀬里菜が隣の升で如月鬼堂の席には荒井絵里が座って酌をする。
 「この先感染が拡大するとどうなるのでしょう。オリンピックは開催できるのでしょうか」
 「感染防止を繰り返していても無理でしょう。一時押さえても感染は止まらない。ワクチンは日本ではオリンピックに間に合わないらしい」
 「それではオリンピックは中止になるの」
 「それより経済だ。感染防止を諦めて無症状者の壁で防止するのが最善だよ」
 「そんな」
 荒井絵里は世間的非難の表情である。
 「スエーデンは概ね成功した。重傷者は感染者の割に少ない。無症状と軽症を隔離しないで国民の六割が無症状で感染すれば抗体の壁で収まる」
 「そんな重傷者は」
 「仕方ないそれで総ては止められない。それでも死者は医療の対策がかなり考慮されて第一波の頃よりは抑えられている」
 「まだあのインターネットテレビで発言するの」
 「いいや。もう抑えるよ」
 「そうよ。凄く心配。でもこのまま感染が拡大して休業要請が続くと倒産も凄いね」
 「そっちが問題だ。大手企業は報道されるが中小零細はまったく状況が隠れている。いくら株価が上がっても経済的瓦礫の山は目前だ」
 「自殺者が増えるね」
 「それだけではない福祉もパンクする。いまお札を刷って補償を完全にして恐慌を防ぐべきだ」
 「インフレは心配ないの」
 「恐慌目前にしてインフレは無い。そしてコロナの影響で倒産した企業も復活出来る支援をすべきだ」
 剃毛が終わって佐藤栞李は診察台の上で躰のあちこちを拡大してスクリーンに投影された。
 小さな乳首だが照明に照らされた中でくっきりと起っている。二十九歳なのに少女の色である。
 剃毛されたドテと大陰唇の僅かな赤みが肌理の細かい肌の美しさを奏でている。スタイル躰は申し分ない。
 「これから佐藤栞李二十九歳の女の感度を検証します」
 杉下一行が襟のマイクで宣言した。
 佐藤栞李の表情は恥ずかしさの極地に赤みを滲み出し火照っている。典型的な美人ではない。地味な表情ながら整ってはいる。
 静かに咲く花。派手さはない。その清楚さを羞恥に晒す悦びが期待される。
 女の部分を指で広げた。
 さすがに中は乾いている。薄橙の粘膜が広がると佐藤栞李はいっそう顔を火照らせて恥ずかしさにじっと堪え続けた。
 この表情が会場全体を陶酔させる。観ているほぼ全員が恥ずかしさに頭が真っ白になり赤達磨の表情の佐藤栞李の心の奥を愉しんでいた。
 杉下一行はクスコで更に女の奥を広げる。
 佐藤栞李の表情は恥ずかしさに崩壊しそうである。心が宙に浮いたような表情で堪え続ける。
 佐藤栞李は数ヶ月前まで若くして会社経営者だった。
 飲食店に女性調理師スタッフを派遣する派遣会社を経営していたのである。コロナで真っ先に煽りを食った。
 派遣会社は休業。自ら経営する店舗は席数を減らして二人だけで営業している。派遣会社のスタッフから直アルバイトに成った一人だけである。
 五千万弱の借金を残していた。総て一挙に返済ではない。自分の店舗も購入した。そのローンは復活してから反せば良い。今は利息だけ納めている。
 いま必要なのは一千五百万である。
 本日だけで六白万に成る。もう一回できないか交渉した。会員の反応次第と言われた。
 恥ずかしさはどうにも堪らない。これも金を得てコロナが治まったら事業を回復する為である。
 SM系AVを紹介されたが将来に影響するので辞退した。
 杉下一行はロングスプーンを膣の奥に入れる。
 会場は歩くホステスの足音しか聞こえない。全員が無言で佐藤栞李の膣の奥を見ていた。無言の圧迫感が佐藤栞李を締め付ける。
 杉下一行はロングスプーンで採取した白く濁った半透明の滑りを黒いプラスチック板に載せて見せた。
 「い、いやあーーーーー。いやあ。ああ。あ、ああ、あーーーーーーー」
 佐藤栞李は堪らず首を振って拒絶する。
 会員らにはこの瞬間が限りなく嬉しい。
 佐藤栞李には心が宙に浮き何も考えられない。恥かしさに麻痺している。
 そこで浣腸である。
 氷で冷やした石鹸液が極太の浣腸器で注入される。
 「ぐうう、うーーーーーーーー。ぐううーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーー」
 佐藤栞李は冷たい浣腸に開帳台の上で恥ずかしすぎる姿を晒した。それを藻掻いて苦しみ続ける。
 佐藤栞李は金の為、事業再開の為やらなければ成らないと割り切っていても今日のショーに怯えていた。
 殆んど下痢状態が続いていたのである。
 アナル栓を抜くと茶色い水が一気に流れ出る。それを透明なボウルで受けていた。
 「ううーー。ううーーーーー。うーーーーーー。ううーーーーー」
 茶色い水は流れ出たが塊は無い。
 「抜いてきましたね」
 杉下一行は咎めるように確認する。
 「違います。ここ数日下痢で」
 「そうですか。それは残念ですね」
 杉下一行は仕方ないと諦めた。
 「こんな汚いもの見て何に成りますか」
 佐藤栞李はつい疑問と不満を漏らしてしまう。
 「こんな事を言っています。何方か説明してください」
 杉下一行は会場に確認する。
 大河内税理士を始め数名が手を上げた。
 「大河内先生」
 杉下一行は大河内税理士を指名する。
 「うんこがが見たいのじゃないよ。貴女の恥の破局の姿が羞恥責めの悦びなのだよ。恥に塗れて羞恥に堪えられず崩壊する姿がいいんだよ」
 大河内税理士は情け容赦なく願望を込めた言葉を浴びせてしまう。
 「ああ」
 佐藤栞李は自分を人以下に扱うような言葉に蹴られた意識である。そしてその現実の真っ最中の辛さに呆然としてしまう。
 杉下一行はアナルにも開口器を挿入する。
 「ええーー」
 佐藤栞李は受け入れなければ成らないと判っていても悲痛な声になる。そしてそこまでの羞恥がこのギャラの代償と知って涙を溢す。
 会員らにはそれが嬉しい。
 膣とアナルの奥が並べてスクリーンに公開されている。
 佐藤栞李には堪らない羞恥である。
 杉下一行は蛇を取り出す。既に水槽に入れて運ばれていた。
 一度腹の上に載せる。
 「・・・・・・・・・・・・・・」
 佐藤栞李は恐怖に声も出ない。
 直ぐに失禁してしまった。
 これでは膣とアナルに入れる予定が果たせない。
 
 松原仁人は闇サイトから仕事を引き受けた。
 前金二十万。後金三百八十万である。三名のオーダーだったが一人でやって二人分要求した。
 拉致と強姦だけなので今回はレートが下がった。
 真野枝里は銀行に復帰しなかった。保証金で生活する。コロナ過もあって買い物以外は外に出ない毎日である。
 松原仁人は真野枝里を一週間観察する。自宅に戻ったところを狙うが最善と考えた。
 深夜二時。寝静まった時間を狙う。二トントラックの屋根から二階のベランダに侵入する。
 雨戸は簡単に開く。窓のガラスを器具でくり貫いて催眠ガスを注入する。状況を確認して窓から侵入した。
 真野枝里をキャリーバックに詰めて運び出す。
 行き先は宇都宮。其処は戸田枝里名運転士が連れ込まれた家である。
 松原仁人の役割は強姦までとなっている。
 床のフックは以前のままである。警察が検証はしたが撤去はされてない。
 そこに戸田枝里名運転士と同じように磔る。
 松原仁人は真野枝里をスタンガンで起こす。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は事態を瞬時に悟る。
 警備会社と契約していたのに効果は無かった。
 松原仁人は防護服、サングラス、マスクスタイルである。
 真野枝里は恐怖に凍り付く。
 「どうして浚われたか判るな」
 「・・・・・」
 真野枝里は恐怖に言葉が出ない。
 真野枝里の躰は床に大股開きの大の字状態である。
 「一人なの」
 真野枝里は不思議に思う。
 「俺はお頭の指令でお前を拉致した。約束を守らないお前を担当の六人に引き渡してお仕置きをやらせる役目だ」
 真野枝里は犯人組織が更に大きい事を悟る。これまでニュースを逐一確認していた。残りは自分を拷問強姦した六人だけと思っていたのである。
 松原仁人は唯犯すだけではもったいない。鞭を持ちだす。
 乳房を見ると淫女と焼印の痕が微かに確認できた。整形はしてないようである。その上から鞭を叩き付けてしまう。
 先端が長細い一本鞭である。
 「う、う、おおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は顔を破裂させて大口で悲鳴を上げる。目を見開きサングラスの奥を刺す様な視線で見返す。
 次は乳首を直撃した。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 更に女の部分を叩く。
 「う、う、うう、うーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は強烈な痛みに躰を振って悲鳴を絞りだす。
 松原仁人はインターネットアダルト放送で如月鬼堂が岡田有美を叩いた十文字の鞭の痕を思い出した。
 同じ事をやりたくなる。
 まずは乳房に真横に鞭を一本叩き入れた。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 次は正面に立つ。
 鞭を構えて手で首を除けるよう合図する。
 真野枝里も危険を察知して顔を強く除けた。
 乳首の直ぐ横に鞭の先端で縦一本筋を叩き付ける。
 「う、う、ぐううーーーーーーーーーー」
 松原仁人は真野枝里の女の部分を数回叩いて加虐心を満足させ興奮したところで目隠しを顔に被せた。
 興奮に滾って怒張したさおを真野枝里の女に突っ込む。もう子宮は無い。妊娠の恐れは要らない。
 終わったらもう一度麻酔で眠らせる。
 戒めを解いてもう一度縛り直す。そのままキャリーバックに押し込めた。床を入念に掃除してDNAを残さない様にして其処を去る。
 腰の下にはタオルを敷いたので情液が垂れた危険は少ない。
 指示された携帯番号に連絡する。
 「判った早急に其処を去れ。金は火曜日に入金される」
 「すみません。少し鞭の痕を付けました」
 「いいよ。強姦は間違いなくやったな」
 「はい」
 「よしそれで良い。金は既に送金処理されている。早急に逃げて金を入金したら何も無かったように振舞え」
 「判りました」
 六人の一人廃棄物収集運搬業者の社長がキャリーバックをパッカー車に積んで近くにある仲間の経営する葬儀社の支店に運びこむ。
 待っていた葬儀社の社長は真野枝里を棺に積み替えてさらに麓の葬儀社の支店に運ぶ。
 其処からキャンピングカーで山荘に運び込む。
 
 佐藤栞李はドリルバイブ二本で責められた。会員四人が乳房や太腿に触りまくる。会員二人がドリルバイブで責め続けた。
 「ああ。あ、ああ、ああーーーーー。あーーーーーーーー。ああーーーーーー。あ、ああーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は強烈な逝き声を上げ続ける。
 膣液は白いとろみ状になって飛び散った。股間は烈しく震撼する。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーー。ああ、あはあーーーーーーーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。あはーーーーーー」
 佐藤栞李は逝き顔を晒し続けた。
 ドリルバイブは止まらないが何度もイキ続けている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁した。蛇の時と同じである。
 会場から拍手が沸く。
 どうやら佐藤栞李は失禁しやすい体質らしい。
 やがてそのまま白目を剥いてしまう。
 杉下一行は佐藤栞李の股間と太腿に飛び散った膣液を採取する。そしてもう一度クスコとアナル開口器を挿入した。
 蛇の触れる会員に手伝ってもらう。
 別に録画を回す。
 会員が先に膣に挿入する。
 続いて杉下一行がアナルに挿入した。
 二人でタイミングを合わせてピストンする。
 また会場からは拍手が沸いた。
 佐藤栞李が意識を戻さないうちに抜く。
 杉下一行は佐藤栞李をビンタで起こす。強く数発叩く。役得である。
 「あ、はあ」
 佐藤栞李は一気に意識を戻した。
 杉下一行は別に取った録画を見せる。
 「あ、ああ、あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。いや。だめ。だめ」
 佐藤栞李はまた涙を溢す。
 「いやあーーーーーーー。へびだめーーーーーー。いやあーーーーー。ああーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は暫らく狂ったように泣き喚き続けた。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 真野枝里は地下室の床に磔にされた。防護服の男はスタンガンで起こす。
 「あ、ああーーーーーー。ろ、く、に、ん」
 真野枝里にも先程とは場所が違うとなんとなく判る。だが確証は無い。
 良く考えると暖房が付いていた。その違いかもしれない。
 「判っているな」
 「ああーーー。たすけてーーーーーーーーーーー」
 「そうは行かない。お頭から指令が出た」
 「きちっとお仕置きしろとな」
 「ああーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 真野枝里は気丈そうな顔に似合わず泣き悲鳴を上げる。
 「乳首は斬り落としだ。その綺麗な太腿は焼印だらけ。顔は硫酸で痘痕だ」
 「やめてーーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーーーーー」
 「だめだ」
 「それから動画も第二段を流す」
 「いやあーーーーーーーーーー」
 「じっくり時間掛けてお仕置きだ」
 「そうだ。まず動画にま○○この奥とクリトリスを公開だ」
 「やめてーーーーーーーーー。結構見ている人いるよーーーーーー」
 「何で判る」
 「みんな男の人も時には女の人まで私の躰透かしてみるよーー」
 「なかなか感じるやろ」
 「ふざけるなーーーーーーーーー」
 真野枝里は六人を刺激してはならないのに怒ってしまう。
 「真面目にお仕置きや。AV女優に成っておけばそんなの当たり前だ」
 「そんなーーーーーー」
 「はっはっはっは。無料で思ったより普及したからな。大ヒットや」
 「やめてーーーーーーーーーーー。外あるけないよーーーーーーーー」
 真野枝里は泣き悲鳴混じりである。
 「もっと歩けなくなるぞ」
 「そうだよーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーー」
 「だめだ」
 「殉職だろ。銀行に整形してもらったらいいじゃないか」
 「それでもーーーーーーーーーー」
 真野枝里は泣きべそ状態で訴えた。
 撮影は始まっている。女の部分を広げ更にクスコで奥まで開く。
 「ああーー。それ。前に撮ったよーーーーーーー」
 「撮るタイミングで微妙に変化する。そのローズ色の粘膜が濃くなったり薄くなったりな」
 「ちくしょーーーーーーーーー。そんなものくらべてーーーーーー」
 真野枝里はうかうか外も歩けない。じっくり見る者はさすがに少ない。だが何気ない視線が常に刺さっていた。
 本人の意識過剰もある。
 輪姦すのは映像にできない。ドリルバイブで責めた。アナルにも入れるので浣腸もする。
 便を漏らすシーンまで撮影されてしまった。
 ドリルバイブでどこまでも責められ失禁、失神する。白目を剥いた顔も撮影された。
 既に焼印の準備をしている。
 真野枝里の脚は長く形も良い。そして艶めいている。その太腿を焼印で潰す準備である。
 色の濃いストッキングを履かないとミニスカートは履けない。
 両脚は潰さない。その無残さ無念さをはっきり確認させる為に片方は綺麗なまま残す。
 乳首も片方だけ斬り落とす。
 「うおおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 焼印は太腿の中程の表面に真上から押し付けられた。
 「ぐ、う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は躰を震撼させ藻掻き苦しむ。
 直ぐに局部麻酔を打つ。
 医師資格の有る一人が火傷の処置に掛かる。
 真野枝里は涙を流していた。
 別の一人が高枝切りバサミを準備している。
 「あーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里はそれで乳首を斬られると瞬時に悟った。
 「やめてーーーーーーーーーーー。おねがいいーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は断末魔の叫びになる。
 高枝切りバサミを持った男は刃先を酒で洗う。真野枝里を怯えさせる儀式である。
 「おねがいーーーーーーーーーー。それだけはやめてーーーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は必死に叫ぶ。
 「お前。他の三人と比べろ。公平なお仕置きだよ」
 男は高枝切りバサミを開閉して威嚇する。
 「何故。AV女優に成らなかった」
 「やめてーーーーーーーーー。これからなるから」
 それでも躰を暴れさせ藻掻き叫ぶ。
 「おそーーい」
 「いやあーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーーーーー」
 それでも男は高枝切りバサミを開いて乳首を鋏む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 軽く鋏んで乳首を持上げた。
 「いやあーーーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま掴みを乳輪のぎりぎりまで狭めてしまう。
 医者の男は待機する。麻酔の準備もできていた。
 「だめーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 真野枝里は叫びまくる。
 男は一気に鋏む。血が噴き上げて乳首が転がって落ちた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに麻酔を当てる。
 最後に乳首を斬った部分を縫い合わせた姿をもう片方の乳首と比較して撮影して動画を終了した。
 
 熱海の会場である。
 佐藤栞李は蛇のショックが酷すぎた。
 会員に順番に躰を触らせて潮を噴かせたり、スキンシップを提供したりして朝までサービスを続ける。
 膣の奥を先端がL字に成った小型のバイブで弄る責めでイキまくり一時のヒステリー状態は治まった。
 朝も空け始めてお開きである。
 
 十一月二十二日深夜。
 真野枝里は前回と同じ養老川の一部。高滝ダムの駐留ボートの中に全裸で縛られたまま開放された。
 発見には暫らく掛かる。
 今度も目撃証言一つ無い。


 最期のSM小説家 第十七幕  完





 最期のSM小説家 第十八幕 正体不明の拷問


 二〇二十年立冬中元。太陰太陽暦十月九日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 十一月二十三日
 如月鬼堂らは早朝に宇佐美のマンションに戻って数時間眠った。
 昼過ぎに熱海から新幹線こだまで名古屋に降りる。近鉄を乗り継いで生駒に向かう。
 二日目の生駒のイベントに向かうのである。
 生駒には瀬里菜だけが同行した。珠洲は越後湯沢に帰った。部屋に残してきたミニチュワダックスのペーが心配だからである。
 餌は時間になったら自動で出る。水もボトル三本は満タンにして来た。それでも心配に成る。
 杉下一行から真野枝里の二回目の拷問動画がアップされた連絡が入る。
 更にスマホでニュースを見ると真野枝里が前回と同じ場所で発見され病院に運ばれたと報道されていた。
 「また動いたな」
 如月鬼堂にとっては好ましい事ではない。こんなきっかけで規制が強化されることもある。
 如月鬼堂は早く生駒に着きたい。動画とニュースを検証する必要が出た。
 大和八木からタクシーに乗る。
 これが早いか気休めか良く判らない。運転手は嬉しい仕事である。
 館山弁護士から連絡が入る。
 「真野枝里の事件はそんなに大きく報道されていません。むしろコロナの自粛要請が大方を締めています」
 「そうか」
 如月鬼堂は少し安堵する。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「あまり派手に行かなかったな」
 「うん」
 「コロナの報道に大方消された」
 「うんそうだな」
 「いっそ。コロナばら撒いて脅迫できないかな」
 「全銀行に金を振り込めとか」
 「地下鉄サリン事件ならず地下鉄コロナクラスター事件か」
 「そうだ」
 「そんなのできるか」
 「できる。闇組織にあの国から入手した物がある。やり過ぎると自然ワクチンになってしまうがな」
 「おお。それは」
 「地下鉄一両クラスターにしても死者は一人出るかでないかだ」
 「どうしてだ」
 「もとよりそうだ。殆んどが軽症か無症状だ。感染を騒ぐだけだ。さらに重症化を弱くする培養法もある。所詮KT国が開発してT国に売った細菌兵器だ」
 「やっぱりそうなのか。だがT国も犠牲者を沢山出した」
 「それで統制が取れた」
 「やるか」
 「やろう」
 
 二日目のSM愛好会のショーは開始された。
 武井里美は純白のワンピース姿でステージに上がる。佐藤栞李の清楚とは逆のタイプである。
 武井里美は堂々と百五十人が見下ろすステージで脱ぐ。
 ブラの外からも乳房の大きさは判る。武井里美はあっさりブラを外して自慢の乳房を剥き出しにする。
 ショーツも脱ぐ。
 運び上げられた開帳台にも自分で乗る。
 「中まで広げるのよね」
 「昨日と同じだ」
 杉下一行は武井里美の往生際が良いので淡々と作業する。
 如月鬼堂は正面の最上段に瀬里菜と二人で座っている。生駒でもコンパニオンが下着姿で通路を配膳して回る。
 店長が如月鬼堂の升席に来る。
 「大阪はコロナでもうどうにも成りません。こっちも営業自粛になるかもしれません」
 店長は状況を告げる。
 「そうしたら会員だけ貸し切りにして看板消せ」
 如月鬼堂は強気で営業を続ける意思である。
 「そうしますか。それでもそんなには変わりませんね」
 「まさか警察が踏み込むことは無いだろう。協力金とかは申請しても価値がない。あくまで自粛要請だ。協力金を申請しなければ咎められる事は無い」
 「かしこまりました」
 「客は減っているのか」
 「大方が会員です。当初と客数はそんなに変わりません」
 ステージでは武井里美が抽選に当った会員二人から剃毛を受けている。
 
 少し時間軸は前に戻る。その日の夕方である。
 川口の会長に川口の旅館の女将から連絡が入った。
 五十万では足りない女が出たと言うのである。四人くらい集って二百万でお願いできないかと打診してきた。
 「相当のことは感受するそうです。至急でお願いしたいのです」
 「呼びかけてみます」
 川口の会長はそう回答して葬儀社の社長を外して四人を行かせる事にした。
 川口の会長は女将にずばり確認した。赤羽のホテルで殺された酒井美紀子のことである。
 「仰る通りです。こちらでプレイを斡旋いたしました」
 女将は内容を認めた。自宅で猟奇殺人事件の被害者福山哲夫が客であった事。殺したのが酒井美紀子である事。ここまでを説明した。
 酒井美紀子殺害については自殺でしょうで済ませた。
 「適切な対応です」
 川口の会長はそう評価した。
 
 四人は加虐心を滾らせて川口に向かった。
 「服から出ないところなら良いのですね」
 この四人は浚った女と同じ様にする心算である。
 四人を行かせた後で川口の会長と葬儀社の社長はコロナを拡散する準備に掛かる。
 「これを何処で手に入れた」
 「KT国から日本の組織へ直送だよ」
 「それ」
 「危険は無いよ。相手は誰に売ったか知らない。日本の組織が買い取って盥回しだ」
 「どうやって使う」
 「これを二時間くらいで解凍する様に調整する。朝の始発で仕掛けて通勤時間に拡散する」
 「電車で感染したと判るのか」
 「一車両の中に数人は接触確認アプリを持っている。遂に電車でクラスターとなる」
 「殆どの人がマスクをしているぞ」
 「そんなものでは防げない。まさか医療用は着けてないよ」
 「それでテレビで報道されたら犯行声明と強迫状を出すか」
 「そうだ。多分一回では応じまい。何回かやってパニックにする」
 「わくわくするな」
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人四人は二十三時の少し前に川口の旅館に着いた。
 既に仕出し料理が四人分出されている。
 女は既に別室で待機していた。
 女将に料理代と宿代で四十万とプレイ代二百万を二つの封筒で渡す。
 「こちらはいま参りますので」
 女の子の分は直接渡すよう促された。
 女は広瀬美香という。二十八歳に成る。さおりと一回限りの源氏名で挨拶した。やや気丈そうな表情だが美人である。可愛いとは表現しない。
 二百万の封筒を渡す。帯封が付いた二束なのでそのままバックに仕舞う。
 広瀬美香の胸は鼓動を打っている。
 畳に座るとスカートから出た太腿はややボリュウムを感じさせる。
 二人が左右から腕と肩を押さえて二人が脱がす。
 躰に触れるだけで広瀬美香の震えが感じ取れる。女の震えはこのメンバーを更に悦ばせる。
 ブラを外すとそれなりの大きさの乳房が露に成る。乳首は鳥の鶏冠の様に赤い。おっぱいのイメージは強い。
 ショーツを下ろすと陰毛は処理されてない。
 畳に寝かせてカットする。陰毛の大方を袋に入れて確保した。それからローションを塗って剃毛と成る。
 広瀬美香は顔を逸らせて堪え続けている。
 女の部分のびらびらを広げると中の色は濃い。グレーの混じったローズ色である。粕も残っている。
 それを面貌で採取して顔の前に翳す。
 「いやあーーー。なんで」
 広瀬美香は拒絶の表情を強く振る。
 男らは大きめのローターを二個膣に挿入する。
 「ぐうーー。ううーーーーー」
 広瀬美香の反応から効果は早そうである。
 更に別の男が電マを持つ。
 クリトリスを包んだ包皮の上から刺激する。
 「いやあーーーーー。あーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん」
 広瀬美香はまったく押さえようとしない。
 イキ声を上げ続ける。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。でちゃうーーーーーー。まってーーーーー」
 「出して良いよ」
 「いやあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 電マの下から潮が跳ねるように噴き上げる。
 広瀬美香は潮が止まらない恥ずかしさに悲鳴を上げ続ける。
 一人が風呂の湯を確認に行く。既に大きな浴槽に満タンである。
 四人で広瀬美香を抱き上げて浴槽に担いで行く。
 浴槽は広い。一気に投げ込む。
 広瀬美香は慌てて立ち上がって顔の湯を手で払う。
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 四人で湯船の中で躰を広げて鑑賞する。
 さらに順番に味見の挿入をする。一人を残して一旦出て行く。順番に湯の中で一人ずつ洗いながら広瀬美香の膣の中に果てた。
 広瀬美香はうまくしてこれだけで済ましてくれるかと甘い望みを抱く。だがこの先が本番である。
 男らは輪姦すのが終わって広瀬美香の躰を拭いて手首を縛り合わせて天井のフックに吊るす。
 爪先は畳みに着いている。
 暫らく鞭叩きで広瀬美香の金切り声の悲鳴を愉しむ。
 二人が叩いている間に残った二人が洗濯バサミの小道具を用意する。
 広瀬美香の躰は鞭叩きの拷問で細い鞭の痕が無数に奔っている。
 既に無残な姿である。
 その躰に紐で繋いだ洗濯バサミを乳房の上から付けて行く。
 乳首とその上下の乳房の柔らかい皮膚を鋏んで三センチ置きに臍の横を通って太腿を膝の上まで付ける。
 反対側も同じ様に平行して乳房から乳首、太腿まで付けて行く。
 「さあ。これを一気に取るからな。いたいぞーーーー」
 「え、えーーーーーーーー」
 広瀬美香は緊迫した表情で目を細めて見返す。
 二人で洗濯バサミに繋がった紐をピンと張る。
 一人が後ろから肩を掴む。そして一気に後ろに引く。
 洗濯バサミはドミノ倒しの様に続けざまに飛ぶ。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香はサイレンのような悲鳴を上げて躰をぶるぶる振るわせ暴れる。
 「いたあーーーーーーーーーい。い、いたあいいーーーーーーーーー」
 広瀬美香は強烈に暴れ藻掻く。
 「あ、あーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 涙はポロポロ零れる。
 「さあ。次はもっと痛いぞ」
 「え、ええーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー。い、い、たいよーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は顔を振って泣く。
 それでも取り押さえて二人で付けて行く。
 既に洗濯バサミが弾けて咥えた痕はくっきり付いている。一部皮膚が剥けて微かに血が滲んでいる。
 今度は直ぐに取らない。
 「さあ。今から二時間だ」
 「その前に坊主にするからな」
 「えーーーーーーー」
 「ちゃんと鬘は用意してある」
 「あ、ああーー」
 広瀬美香は泣きべその表情でそれを見る。
 天井からの吊るしを下げて広瀬美香に膝を付かせる。膝と脚首を縛り合わせて動きは封じる。
 まずは鋏みで長い髪をカットする。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 広瀬美香は肩を包む長さの髪が一気に切り落とされて悲鳴を上げる。
 大方五部刈りにしてバリカンを使う。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーん」
 広瀬美香は涙をポロポロ溢す。
 バリカンで刈って更にローションを塗って剃刀でつるつるにする。
 鏡を見せる。
 「あーーーーーーーーー。あはん。あはん。はん。あはん」
 広瀬美香は吊るされたまま泣き崩れる。
 四人にとってはまだまだ序の口である。
 二時間の調整の為広瀬美香は膝を付かせた吊るしのまま放置した。
 せっかくの仕出し料理なのでとりあえず手を付けてビールで乾杯する。
 
 生駒のファッション喫茶。SM愛好会の会場である。
 武井里美は羞恥にはあまり動揺がない。
 浣腸には腹の痛みに苦しみ藻掻いた。
 便を垂れ流してさすがに表情は恥ずかしさに崩れきった。
 「綺麗な躰だけ見てほしい」
 そんな発言をして会場を和ませた。
 ドリルバイブと電マの責めにも綺麗な逝き声を上げ続けてくれた。
 やはり会員らの満足には痛みによる金切り声の悲鳴が最高となる。
 武井里美はステージの天井から逆さ吊るしにされた。
 美しい裸である。脚首と膝に縄を掛けられ股間は三十度に開かれている。高手小手には縛らず手はステージに着いている。
 杉下一行の手で真上に向いた女の部分にクリップが二個付けられた。
 さすがに武井里美の表情は強張り緊迫している。
 籤に当った会員五人が鞭を持ってステージに並ぶ。
 武井里美は局部に付けられたクリップに怯えの表情を強くする。警戒の目で会員らを見ている。
 ドリルバイブの時は笑顔で愛嬌を撒いていた。弄られキャラに成って沢山会員の指名が欲しいのである。
 一人目の会員は先端が蝿叩きの様な平たい革の鞭を持つ。
 巨乳では無いがボリュームの有る乳房を叩く。
 「あーーはあーーーーーーーーーーーーん」
 武井里美は首を振って痛いという表情で会員を見る。さらに表情で会員に手加減を甘える。
 それでもこの会員はおっぱいが叩きたい。
 もう一発乳房を叩く。
 「うう、うーーーーーーーーーーー」
 武井里美は表情を歪めて首を振る。佐藤栞李とは状況がかなり違う。だがどっちを選ぶかは会員による。
 根っからのサディストには佐藤栞李の悲痛な表情が悦ばれる。
 「SMクラブで客が殺される事件が起きました。山本恵理華はハードコースに出ていて殆んどハードをさせませんでした」
 杉下一行はマイクで語り始める。
 「そこまで行かなくても抵抗して料金に見合うプレイをさせないSM嬢は多いです。せっかくいい女に当ってもがっかりします」
 SMクラブで大金を投入しても女性は料金に見合う以前の抵抗をかなりする。なかなか思う様に責めさせてはくれない。
 「愛好会に出た女性はその点保障されています」
 愛好会のショーに出た女は山本恵理華のような事はしない。愛好会全体から干されて指名がまったく取れなくなる。
 武井里美はステージで大きな悲鳴を上げながらも会員を睨む事は避けている。どうあっても指名を沢山取って稼ぎたいのである。
 
 川口の旅館では連続拉致強姦傷害事件の四人が立ち上がった。広瀬美香の究極の悲鳴を愉しむのである。
 「これ取ったらどうなるかな」
 「ふっふっふ」
 この先の驚愕の悲鳴が愉しみである。
 畳の上に鉄板を敷いてやや細めの鉄パイプのフックを取り付ける。きっちり大の字に手首、脚首を磔る。
 「まず両腋の二本からだな」
 二人ずつ両方の先端を持つ。
 「さあ。覚悟しろ。今度は相当に痛いぞ」
 「え、えーーーーーーーーーー」
 広瀬美香はもう堪えられない。恐怖の限りの表情を振って怯える。
 「行くぞ」
 「おう」
 二本同時に上と下から引っ張り取る。
 「うおーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香の顔を破裂させた強烈な悲鳴と共に洗濯バサミが空中に飛ぶ。
 「ぐぁあーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーー」
 猛烈な痛みが躰を襲っている。
 「うごーーーーーーーーー。うごーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は堪えられず暴れまくる。
 そして失禁した。
 その尿を撒き散らして痛みに堪えられず磔られた躰を迫り上げて藻掻く。
 「うごおーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー。ぐうががああーーーーーーーーーーーーー」
 唾液と涙と汗を飛び散らして壮絶な形相で泣き叫び痛みに藻掻き続ける。
 「あと二本だ。もっと痛いぞ。取って欲しいか」
 男は残酷な言葉を浴びせる。
 「あがあーー。あっがあーー。ああーー。ああーーー」
 広瀬美香は答えるどころではない。痛みに狂った様に泣き叫ぶ。
 尿は断続的にまだ出る。おならも漏らしてしまう。
 「いくぞ」
 「あ、ああ、ああーーー。あはあーーーーーーー」
 広瀬美香は泣き顔で顔を振る。
 「どうする」
 「あと一回が限度だ」
 「よし。やるぞ」
 「おう」
 「あーー。あーーーーーーー」
 広瀬美香は恐怖に歪み切った表情で見ている。
 四人が両端から一斉に引く。
 洗濯バサミは一気に空中に飛ぶ。
 「あおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーー。ぐぐううおおーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は躰を右に左に固く力の限り振って痛みに藻掻く。
 「うおおーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たあーーーーすけてーーーーーーーー」
 三人が一斉に痛そうな部分を揉む。
 「ううおおーーーーーーーーー。うおーーーー。ううーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーー。ううーーーーーー」
 揉めばが激痛する。泣き喚く広瀬美香を押さえて三人が揉み続ける。
 一人は膣にドリルバイブを挿入する。
 痛みから官能に逃す手段である。
 振動と回転運動で始動する。
 「ううおお、おーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーー。ううおお、おーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーー」
 広瀬美香の顔は大口の破裂と軋みを繰り返す。
 何度か失神と失禁を繰り返して徐々に痛みは治まった。
 四人は泡を噴いて失禁に濡れた広瀬美香を浴室に運ぶ。
 湯に浸けて暫らくは躰を癒してやる。
 広瀬美香は湯に浸けられて泣き顔ながらようやく痛みが治まった。
 四人は広瀬美香を担いで座敷に戻す。
 もう一度鉄板に磔にする。
 「えーーーー。まだ虐めるのーーーーーーーーー」
 広瀬美香は泣き声で訴える。
 「今日の印を付けないとな」
 男の一人は恐ろしい言葉を吐く。
 「えーーーーーーー。なにーーーーーーーーー」
 広瀬美香は驚愕の表情で四人を見る。
 四人は煙草を配る。
 一斉に火を点ける。
 「あ、あーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香にも何をされるかは想像が付く。
 男の一人が乳房に煙草を近付ける。
 「あ、あーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 一気に押し付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香の悲鳴は破滅の表情に崩れる。
 二人目は内腿に押し付ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三人目はクリトリスを剥く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は泣き叫ぶ。
 男はやや外してクリトリスの上に押し付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は泣きべそ顔でそれを見る。
 最後の一人は膣をクスコで大きく広げる。クスコは横に膣内部を開いている。
 「お前の一番感じるところだ」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は悲痛な泣き声で表情を破裂させる。
 男は煙草をパイプに付けて長くする。他の三名が腰を上に向けて持上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香の目を見開いた恐怖の表情は破裂した。
 男はGスポットに煙草を触れさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は旅館の天井を劈く。
 「これで最後だ」
 男二人が電磁棒をトランスに接続して構えている。
 「いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は更に泣き喚く。
 電磁棒の先端をクスコの奥へ子宮口に差し込む。
 「ぐあ、あ、あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広瀬美香は強烈な痛みに躰を震撼させる。とても堪えられない。藻掻き続ける。痛みに立ち上がる事はできない。もう躰の力が入らない。
 男らは淡々と戒めを解く。
 「これで終わりだ。整形以外の医療費は払ってやる。女将に言え。そうしたら俺たちの紹介者を通して払ってやる」
 男の一人が倒れて動けない広瀬美香に説明する。
 「それからこれは俺達からご祝儀だ」
 百万の束を二つ置く。四人は最初から百万ずつ持って来たのである。
 「間違えるなよ。そっちからの要求で来たのだ」
 「はい」
 広瀬美香は辛うじて苦しい声で返事だけする。
 「動けない筈だ。二、三時間此処で休んで帰れ」
 男らはそう言い残して帰る。
 この男らは筋金入りの悪党である。広瀬美香が復讐に出ることは考慮した。傷も僅かに煙草の痕が残る程度である。
 広瀬美香が復讐に出ることで自分等の本来の正体が割れることは警戒する。
 
 生駒の会場である。
 武井里美はY字に逆さ吊るしにされている。高手小手に縛られ垂れた髪の毛の先端がステージを掠る。
 股間部分は強く広げられT字に近いY字である。
 段の高い客席からも女の部分はくっきり見える。
 籤で当った会員の手でその部分を一本鞭の先端のチップで叩かれている。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 武井里美の躰は痛みに強く揺れる。美しい武井里美の声が弩声の悲鳴に成る。尋常な痛みではない。
 客席も配膳のコンパニオンが乱れに乱れていた。
 普段のファッション喫茶では野球拳や女相撲が開催される。オンラインでの指名個室サービスもある。
 コンパニオンらはその投票と指名を取りたい。
 客の升席でブラを外してトップレスになったり躰に触らせたりサービスに余念がない。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーー。ぐうあああーーーーーーーーー」
 武井里美の悲鳴が会場中を震撼する。
 会員らは武井里美の表情に息を呑む。その股間と悲鳴を上げる姿を観ている。
 杉下一行の手で叩かれた逆さ吊るしの股間に指が突っ込まれて潮が飛び散る。
 「あーー。はあーーーーー。あはあーー。ああーー」
 今度は綺麗な泣き声である。
 会場から拍手が沸く。
 「いま自分で出せるか」
 杉下一行はしゃがんで逆さ吊るしの武井里美に声を掛ける。
 「えー。はい」
 武井里美は躰の力を抜いて努力する。
 暫らく沈黙が続く。
 やがて嗽機の水の様に僅かな噴水が股間から上がる。潮はそのまま腹から首に流れる。
 会場からは拍手が沸き無言の乾杯が起こる。
 野次は如月鬼堂が禁止している。拍手と乾杯がその代わりである。
 
 川口の会長と葬儀社の社長は未明に山荘を出発する。新型コロナの菌を拡散する為である。
 地下鉄の始発駅に向かう。一両ずつ二編成の先頭車の荷物棚の上に仕掛ける。
 時間が経てば暖房で溶けて通勤ラッシュの時間に拡散する。
 そして川口の会長はこっちのテロに警察の目を向けて他のテロを計画している。恐ろしいテロリストである。
 
 生駒の会場である。
 武井里美は最後に拷問椅子に乗せられた。
 再び膣にクスコがアナルに開口器が挿入されて蛇が水の無い水槽に運び込まれる。
 「それはだめーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーー」
 武井里美は泣き声で叫ぶ。
 「これ受けたら指名が増えるぞ」
 「えーー。みんな蛇使うの」
 武井里美は悲痛な声になる。
 「使わないよ。このくらい受けられる子だという事が指名に繋がる」
 「えーー」
 武井里美は首を振る。
 「どうだ。眠っている間に」
 「・・・・・・・・」
 会場からは拍手が沸く。
 「うん」
 武井里美は静かに返事をする。
 昨夜の佐藤栞李を見ている。自分ならあれは堪えられると思った。
 だがそれは失神する様なドリルバイブの強力な責めが待っていた。その失神のなかで蛇は挿入された。
 
 十一月二十四日。
 如月鬼堂らは越後湯沢に戻っていた。
 新型コロナの感染者は徐々にではあるが確実に増えている。
 如月鬼堂は締め切りに向けて執筆に忙しい。
 そんな囲炉裏端のテレビでは地下鉄でクラスターが発生した可能性が出てきましたと報道されていた。
 如月鬼堂の執筆の手は止まった。
 館山弁護士とテレビ会議が繋がる。
 「そうだな。コロナは感染防止をいくらやっても止まらない。六割が感染して集団免疫かワクチンを待つしかない」
 「鬼堂先生の関連に影響はどうですか」
 「絶大だよ」
 「でも鬼堂先生。会員オンリーにして躱していませんか」
 「そんな事をしなければいけない事が腹立たしい。何れマスコミの誘導で支持率が下がれば規制を避けようとする今の総理でも規制が掛かる」
 「そうなりますね」
 
 それからコロナの拡大が続きながら平穏に二週間余りが過ぎた。
 十二月七日。
 如月鬼堂は越後湯沢のマンションから豊洲のマンションに移動していた。大雪を予測して早めに移動を決めた。
 信頼する占い師のアドバイスからである。
 最上階の6LDK。越後湯沢に比べたら一段狭い。如月鬼堂の所有するマンションで一番高い。東京湾と都内が別の窓から一望できる。
 
 十二月十七日。予定通り大雪が越後湯沢を襲った。
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「雪に高速が閉ざされて車ごと閉じ込められるか」
 「真っ平だな」
 「ところでどのくらい稼ぐ予定だった」
 「百億だ」
 「まあ。銀行はクラスターで一店舗休業してもたいした事は無い」
 「多分。だが企業は死活問題だ」
 「それでも今は断念する。状況が悪化し過ぎている」
 「ならばそろそろ本題に掛かるか」
 「うん」
 「誰を狙う」
 「アナウンサーがいいな」
 「キャスターと言え」
 「何が違うのだ」
 「さあ。昔エアーホステス。それがスチュワーデス。そしてキャビンアテンダント。それからどう成ったか判らん。キャスターもそれと同じだ」
 「誰にする」
 「荒川枝里菜でどうだ」
 「イメージが柔らかい。反感が涌き過ぎる」
 「なら森川優希だ」
 「なかなか生意気だな」
 「一人目はそれで調査に掛かるか」
 「やろう」
 
 十二月二十七日早朝。
 タクシーのドライバーは眠ったまま発見された。タクシーごと催涙ガスに包まれたのである。
 客を乗せた時のメーターが入ったままであった。発見したのはパトロールの警察官である。
 「女性のお客さんを乗せていました。チケットで西麻布から乗ってもらいました。何回か乗せています」
 「名前は」
 「前に乗ってもらった時チケットのサインは森川でした」
 タクシードライバーはそんなに森川優希を判ってない。その時間は仕事中である。テレビは見ていない。
 森川優希の行方不明は即日報道された。
 森川優希の拷問動画が公開されたのはその翌々日である。そして井の頭公園の池に貸しボートに寝かされて発見された。全裸であった。
 
 其処は同じ山荘の地下室である。だが室内は大きく様変わりしていた。完全に手術室のイメージに成っている。
 森川優希はその中で目を覚ました。
 「ああ。此処は。私は事故に」
 「いいえ。貴女は五体満足です」
 「では。どうして」
 「それは実は拉致されたのです」
 「え、ええーーーーー」
 森川優希は辺りを見回す。全員が防護服を着た医者の姿である。躰の上には大きな手術室の照明が輝いている。
 「え、ええ。どういう・・・・・・あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は驚愕してその表情を破裂させた。
 「我々は連続拉致強姦傷害事件の当事者です」
 「ああ」
 森川優希は絶望に沈む。
 「これから貴方の全裸で恥ずかしい姿を動画で全世界に公開します」
 「どうしてこんな事するの」
 森川優希の声は震えている。
 「貴女が生意気だからです」
 「そんな」
 「今日の最後には貴女の女を終了してもらいます」
 「大丈夫ですよ。顔には傷を付けません。悲劇のアナウンサーは続けられます」
 別の男が付け加えて宣言する。
 「そんな」
 「貴女は志向の高い社会派アナウンサーです。結婚できなくてもSEXができなくても仕事は続けられます」
 「いやよーーーーーーーーーーーー。そんなのーー。セックスできないなんてーー」
 「社会派アナウンサーにそんな低俗なものは要りません。それは痴漢に触られても感じてしまう様な女に必要なのです」
 「そんな。酷過ぎるよ」
 「いいえ。穏健妥当で御座います」
 「うそよ。陰険不当よ」
 「おやおや。アナウンサーがそんな間違いを。穏健の反対は陰険ではありませんよ」
 そんな言葉と共に手術台に掛けられていたシートが剥がされる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は全裸で手術台に固定されている。
 じっくり手術台の脚載せ部分を広げて女の部分をカメラに公開する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 「さあ。社会派アナウンサーの女の部分を全世界に公開です」
 「あ、あはあーーーーーーーーーーーーーん。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「まだ序の口ですよ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 早速儀式の如く女の部分のびらびらを広げる。
 薄橙の粘膜が丸出しに成る。
 それを正面の大型スクリーンに拡大する。
 「如何です。貴女のお○○この一番美しい部分です」
 「やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希はそれを見る事さえできない。
 「みてくださいよーーーーーー」
 「ふざけるなーーーーーーーーーー。みられるわけないよーーーーーーーー」
 はっはっはっはっは。
 全員の笑いが炸裂する。
 「更に女の奥を見せてもらいます」
 「なに」
 森川優希は恥ずかしさにもう思考能力が薄れている。
 クスコを膣に挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーー」
 冷たい金属の感触に悲鳴を上げる。
 男はクスコの螺子を廻して膣口を広げる。
 「どうぞ見てください。貴女の女の奥です」
 男はペンライトでクスコの中を照らしてスクリーンに映した膣の奥を指差す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希はヒステリー状態である。
 「それでは最後の女の悦びを差し上げます」
 男らはドリルバイブを構えている。極めて残酷な発想である。
 「いやだ。そんなの突っ込むの」
 「気持ち良く成りますよ」
 「やめてーーーーーーーーー」
 男らはドリルバイブの擬似男根にローションを塗っている。
 ぶるるるるーーーーーーーーー。ぶるうるるーーーーーーーーーー。
 ドリルバイブを始動するとローションが飛び散る。
 二人の男が森川優希の女の部分に指を突っ込む。
 ローションで中を?き回す。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーー」
 膣にドリルバイブを差し込む。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ動いてない。
 「おいおい。お○○○んがお○○こに入った訳じゃないですよ。そんなに悲鳴を上げて」
 「そうこれはシリコンです」
 「はっはっはっは」
 「いやよーーーーーーーーー」
 森川優希にはそう言う問題では無い。女の部分に異物が入っただけでショックである。
 スイッチを入れる。まだローである。
 「いやあーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は膣の中で回転して振動する異物に既に堪えられない。
 「あ、あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーはああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 男らは一度スイッチを切る。
 「あはあーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 これだけで森川優希は荒い息遣いである。
 「浣腸しますよ。うんこを漏らすシーンも社会に公開させていただきます」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめもーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希はもうヒステリー状態である。
 「困りましたね。もっと気丈に振舞っていただかないと」
 「あはあー。ああ。あはあ。ああ」
 森川優希に反論する気力は既に無い。
 イチジク浣腸が十個くらい用意されている。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。それやめてーーーーーーーーーーー。テレビでられないよーーーーーーーーーーーー」
 「あんたは社会派でしょ。こんな酷い目に遭いましたとしんみり語れば良いのですよ」
 「やめてーーーーーーーーー。生きていられないよーーーーーーーーーー」
 「詰まらない事で皆さん自殺されます。お金に追い詰められた方は気の毒です。でもナルシーは頂けません。貴女もナルシーですか」
 「そんなんじゃないよーーーーーー」
 それでもイチジク浣腸は一人一個ずつ注入する。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーー」
 「おやおやいつもの気丈な姿はどこに行ったのでしょう」
 「いやよーーーーーーーーーー。そんな気丈じゃないよーーーーーーーー」
 「貴女のおっぱい大きいですね。その乳首も今夜が最後です」
 「え、えーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー」
 「駄目です。あなたの悲劇を社会に公開して見せしめです」
 「なんでーーーーーーーーーーーーーー。わたしがなにしたのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は半狂乱である。
 一人が手術用カテーテルを用意している。浣腸とドリルバイブの次に責める目論見がある。
 その間にもイチジク浣腸は次々と注入されて行く。
 「あははーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーー」
 「浣腸したらアナルとま○○こに同時挿入です。気持ち良いですよ」
 「やめてーーーーーーー。壊れるよ。ゆるしてーーーーーーーー」
 「これが最後の悦びですよ。じっくり味わいましょう」
 男は静かな口調で諭す様に言う。
 「いやよ。お願いゆるして。許してください」
 森川優希は必死に許しを訴える。
 「駄目だ。お前の逝き顔を世界に晒す事は決まっている」
 「そんなーーーーー。私が皆さんに何をしたの」
 「お前の存在が気に入らない。見せしめにぴったりだ」
 「何の為にそんな事するの」
 「お前はそこまで知る必要は無い。唯犠牲に成ってその存在を社会に曝すのだ」
 「酷い。酷過ぎる」
 森川優希はあまりの理不尽さに懊悩する。
 男らはイチジク浣腸を十個注入し終わる。
 一時的にアナル栓を挿入する。
 「あ、ああーーーーーーーー。いやあーーーーーー。何で私だけこんな目に。ひどいよーーーーー」
 腹は既に苦しみが襲っている。
 「諦めろ。目に付いたのだよ。気丈に見えて動画にするにほぼ良い範囲の年齢だ」
 「そんなあーーーーー」
 「さあ。諦めろ。排便の公開だ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を無視してアナル栓は抜かれる。下には透明なボールが置かれている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希の悲鳴と共に便が飛び出す。
 ぶすーーん。ぼすーーん。ぶすーーん。
 機関銃の様に断続的に五センチ位の塊が飛び出す。
 「ああーー。だめーーーーーーーーーーー」
 森川優希が悲鳴を上げても止まらない。醜いものが録画されてしまった。
 これが社会に撒かれる。自分の周囲も見る。もう生きて行けないのではないか。最早どうにも成らない。
 男らはガーゼでアナルの周辺を拭いている。
 「さあて。逝き顔も撮影させてもらいますよ」
 男はアナルと膣にローションを流し込む。
 二人の男が太さの違うドリルバイブを始動する。
 森川優希はそれを見て慄く。こんなもので強烈に責められたら到底堪えられない。逝き顔を晒しものにされてしまう。
 アナルから先に挿入する。
 「うーーうーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げて叫ぶ森川優希を無視してスイッチが入る。
 「あーーあーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希の表情は究極に軋む。
 さらに膣に太い方が挿入される。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希に二本の挿入は狂気である。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。さけるーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は堪らず恐怖に猛然と悲鳴を上げる。
 男らはこっちも容赦なく始動する。
 「あは、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希の躰は究極に震撼する。
 既に股間の周りはローションに混じった膣液が匂いを放って飛び散る。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー」
 森川優希は二本のドリルバイブの責めに悶え続ける。
 既に官能に追い詰められて思考能力は無い。
 「だめーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 僅かな時間で白目を剥いてしまう。
 男らはビンタで起こす。
 「あ、ああーーーーーーーーー」
 「どうだ。気持ちよかっただろ」
 「いやあーーーーー。いや。いや」
 森川優希には嫌悪そのものである。
 「潮も噴いて貰いますよ」
 「私は潮吹きでは有りません」
 森川優希は良く分かってない。自分はそんな女ではないと言いたい。
 「潮は誰でも噴くのですよ。唯開発されて無いだけです」
 男は正論の様に語る。
 「やめてーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーー」
 森川優希は半分泣き声である。
 それでも男らは燃焼した後の森川優希の膣にローターを二個入れる。そのスイッチが入る。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 森川優希は責めの衝撃に声を上げる。
 更に男二人が両側からクリトリスにローターを充てる。
 「あーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーー」
 感じて敏感に成った躰への更なる責めである。森川優希はまったく堪えられない。これまで味わった事のない異常な刺激である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。いっちゃうーーーーーーーーーー」
 遂に堪らずとんでもない言葉を吐いてしまう。
 まずい。仕舞ったと思ったがもうどうにもならない。気持ちは更に追い込まれる。
 「やめてーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして遂に尿が飛び出す。それは断続的に弧を描いて流れ出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 尿は止まらない。森川優希は緊迫した悲鳴を上げ続ける。
 これがインターネットにばら撒かれ直ぐに更なる拡散が起こる。
 責めにイッて仕舞ったと誰もが思うに違いない。
 自分は一体どうなるのか。頭は錯乱してもう殆んど思考能力が無い。
 潮吹きの真似事が一通り終わると教鞭の様な細い竹の鞭を構えている。
 「次は痛みです」
 男は左右から竹の鞭で森川優希の太腿を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 竹の鞭で叩くと瞬時に蚯蚓腫れが浮く。
 「う、ううおーーーーーーーーーーー」
 森川優希は表情を引き攣らせて悲鳴を絞りだす。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー」
 男らは容赦なく太腿にメモリを刻む様に蚯蚓腫れを浮かせて行く。浮いた蚯蚓腫れはやがて赤紫の筋になる。
 白く艶かしかった太腿が赤紫の痕だらけで無残である。
 片側の乳房も叩く。
 「う、ううおおーーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希の目からは涙が流れている。
 次は無残に濡らされた女の部分を叩く。
 「ぐうううーーーーーーーーーー。ううお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。更に腹の底から悲鳴を絞りだす。
 「ううーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 涙はポロポロ零れる。
 男らは左右から女の部分を広げる。
 正面の男が細い革の一本鞭を構える。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 森川優希はヒステリックに泣き喚く。
 それでも狙いを定めて鞭を振り下ろす。その先端はきっちりピンクの部分を叩く。
 ぐうおおーーーーーーーーーー。ぐう、お、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあん。あはん。あはん」
 躰はぶるぶる震撼する。更に涙は溢れる。
 そして僅かに残った尿で失禁した。
 その僅かに失禁する姿も確りカメラに収録した。
 「さあ。最後に何を失います。膣の感度。子宮。乳首。そのうち一つは免除します」
 男はゆっくり詰る様に言う。
 「う、う、わああーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー」
 森川優希は半狂乱である。
 「さあ。どうします」
 「ぜんぶだめーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 「駄目だ。選ばないとこっちで決める」
 「あ、ああーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 森川優希は号泣状態である。
 「一つだけ助かる方法がある。AV女優か風俗で働けば許してやる」
 「そんなーーーーー。そんなのしぬしかないよーーーーーー」
 「もう。これが公開されたらAV以上だ。マニアは違法でもAVよりこっちを見る。そして高値で闇販売とコピーがおっそ分けされる」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は日本刀に酒を掛ける。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 森川優希は白刃を見て更に悲鳴を上げる。
 さらにメスと手術道具を前に出す。麻酔の準備もできている。
 「どうだ。AVに成れ。お前なら売れる」
 「それもSM系だ。抜群に人気が出るぞ」
 「やめてーーーーーーーーー。もう生意気な発言しないよーーー。許してーーーーーーーーーー」
 それでも白刃の先が森川優希の真っ赤で印象の強いな乳首を掠める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳首の先端が僅かに飛ぶ。血が噴き出る。
 森川優希はまた微量に失禁する。
 「だめだよーーーーーーーーーー。このあいだ。あの銀行の。ああーー。だめーーーーーーーーー」
 もう一回乳輪ぎりぎりに流す。すっぱり斬れた乳首は宙に浮く。それが腹に堕ちて腹に血が飛び散りる。
 「あ、あ」
 森川優希の悲鳴は声にならない。
 直ぐに止血パットが充てられる。そして麻酔も充てられる。そのまま子宮摘出が行われた。
 
 十二月二十八日。
 杉下一行はいち早く森川優希の動画を取得して如月鬼堂他主なメンバーにメール添付した。
 そして十時のテレビ番組は放送内容変更と成った。森川優希は病院で意識が戻ったがまた昏睡したと報じられた。
 マスコミ全体が震撼した。コメンティターは徹底的に非難する。マスコミが憶測すればするほど拷問の目的、犯人像が浮かんでこない。
 
 一月二日。新型コロナの感染報道は確実に深刻になりつつあった。
 如月鬼堂は豊洲のマンションである。オンラインで新年会を行っていた。一月の末まで此処で過ごす。
 豊洲には囲炉裏は無い。カウンターに形ばかり仕出し屋から届いたおせち料理が置かれている。
 如月鬼堂は相変わらず刺身におでん。それにビールである。
 珠洲と瀬里菜は着物姿と言いたいが着物の裾は短くさらに祭り衣装の様に後ろにたくし上げている。
 あくまで二人で如月鬼堂に刺激を与える目的である。
 「いよいよ二回目の緊急事態宣言が出ますね」
 館山弁護士は確信している。
 「年末にGOTOが一時停止に成っていよいよ免れないな」
 如月鬼堂は既に三店舗ともオンライン営業に切り替えている。
 「愛好会はまたオンライン開催ですか」
 大河内税理士はそっちが関心事である。
 「それしかない。こう成ると風俗系はとかく風当たりが強い。さらに検問だらけだ。店舗も会員だけ営業しても問題が起きかねない」
 「先生。連続拉致強姦傷害事件が問題ですか」
 「そうだ。コロナ過にさらに検問の網だらけだ。詰まらない事で槍玉に上がりかねない。まったく迷惑な連中だ。早く捕まってほしい」
 如月鬼堂は怒り沸騰している。
 「まったくです。こっちも同じ心配をしています」
 福富麻次郎である。
 「会長も自粛ですか」
 「仕方ないですよ。こっちもオンラインのみです」
 福富浅次郎も怒りが篭っている。
 「こいつらの拷問の目的が分からない。正体不明の連中だ」
 「先生。こっちで捜査しますか」
 館山弁護士が爆弾発言する。
 「館山先生。ご冗談でしょう。我々が報復でもされたら堪りません。そんなことは女刑事を殉職させても囮捜査でもして警察が片付けるべきです」
 如月鬼堂はかなり不満を蓄積している。逮捕の難しさを充分わかっての発言である。
 「先生。アダルト放送でもその発言は抑えてくださいよ」
 館山弁護士は如月鬼堂の暴走を恐れている。
 「分かっている」
 此処だけの発言である。
 「先生。それより次の愛好会を」
 大河内税理士は本題に戻そうとする。
 「枝里さん。どうしましょう」
 如月鬼堂は行き成り荒井枝里に振る。
 「オンラインでしたらプレイルームを使った方が宜しいのでは」
 荒井枝里も如月鬼堂の懸念を見抜いている。そしていま店舗で大きく人を集めたくない。オンライン開催でも外に情報が流れる。
 「そうですね。それが宜しいかと」
 杉下一行も賛成である。
 「ところで瀬里菜さん。いま会員数は」
 大河内税理士の質問である。
 「七百八十二名です」
 瀬里菜はすんなり答える。集計したばかりである。
 「オンラインなら録画配給で一人一万ですか」
 「そんなところだな。月二回くらいやるか。今度は感染拡大が当分治まるまい」
 如月鬼堂は長期絶望と見ている。
 感染者も死者も増えてマスコミはもう経済より感染防止一辺倒である。そして医療崩壊が叫ばれる。重傷者の対応ができない。
 さすがにもう集団免疫とは言えない。
 だがそう言っても如月鬼堂は対策はないと見ている。このままずるずる拡大して自然免疫かワクチンの普及しかないとの見解である。
 店舗はオンライン経営でも維持できる。
 福富麻次郎もかなり業務改善した。出張宅配とオンラインが中心に成っている。縮小するところは縮小した。
 如月鬼堂は中古マンションを確保して民泊形のプレイルームを増やした。樽常マネージャーの真性奴隷女の館は殆んど其処に派遣する。
 そして大宮の事務所でコピーから製本する直接販売の小説は売上が伸びている。パートにもそれなりに年末一時金を払った。
 「では先生。今回は二十四歳の佐東詩織で三連休の三日目でどうでしょう」
 大河内税理士は一気に進めようとする。
 「それで行くか」
 前回から既に一ヶ月以上過ぎている。それに応じるしかない。
 「先生。次の提案も」
 樽常マネージャーである。
 「二回分撮影を致しましたが次の撮影を三連休にお願いできませんか」
 編集担当の小川綾香である。
 「この先緊急事態宣言で更に動きにくくなります。やれる事は早くやってしまいましょう」
 樽常マネージャーも早く進める提案である。
 直ぐにメールで新しいモデルのポートを添付する。
 「先生。以前にグラビア掲載した中から最リクエストの多い三名からも撮影をお願いします」
 編集はグラビアの撮影をストックしたい様である。
 「先生。候補者は増えています。それと佐藤栞李がもう一回希望しています」
 樽常マネージャーも営業に必死である。
 
 一月四日。
 年が明けて森川優希はテレビ太陽のインタビューに応じた。深い傷心でもジャーナリストである。自ら願い出た。
 何と三十分に渡って悲痛なインタビューが流された。
 森川優希は受けた障害を気丈にも全部語った。涙をポロポロ溢した。そしてアナウンサーを続ける決意を表明した。
 それでも当分は休業である。
 だがこのインタビューは森川優希の闇動画を更に拡散させる結果と成った。コピーによる譲渡拡散を始め闇販売が拡大した。
 怒りを示し深く同情する者が多い反面水面下ではどうしても見たい衝動が沸騰したのである。
 社会の表面が綺麗に成っただけでこの意識は永久に変わらない。
 
 一月十一日。SM愛好会当日と成った。
 今回は如月鬼堂が毎年一ヶ月だけ住む豊洲のマンションに近い京浜島の如月鬼堂が所有するマンションのプレイルームで行われた。
 担当するのは杉下一行と大河内税理士である。
 大河内税理士は画面に出ない。葛和医師と一緒に裏方である。
 「本日は長くお待たせした佐東詩織さんです。今夜はオンライン開催となりました。佐東詩織さんにはややハードをお願いしています」
 佐東詩織がプレイルームの中央でアップに成る。
 態と清楚な紺のリクルートスーツ姿。これから普通の新人OLがこの上も無い恥ずかしい姿にされる期待感の演出である。
 見せ下着などは履かせない。オーソドックスなOLの日常が剥かれる。こっちが会員を悦ばせる。
 「今夜はたっぷり泣いていただきます。どうですか」
 杉下一行は佐東詩織の決意を聞く。
 「はい。既に会員の方からご指名を頂き始めています。今夜は頑張ります」
 佐東詩織は震える声でやる気を表明する。それは会員に高感度である。今夜はかなり泣き悲鳴が期待できる。
 今回は会費一人七千円と成った。五百万が本人に支払われる。動画を会員に配給する分が加算されている。
 こっちは闇動画と違って複製ができない。完全に会員のみの公開である。
 「リクエストが集ってきました」
 杉下一行はパソコンのモニターにロードする。会員から送られて来る拷問のリクエストである。
 「いやあーーー。ハードなのばっかり」
 「それでは躰が痕だらけにならない内に電流責めといたしましょう。早速脱いで全裸をお願いします」
 佐東詩織はジャケットを脱ぎ捨てブラウスも脱ぐ。その下にはタンクトップも着けていた。
 スカートを脱いでもタンクトップがミニスカートの長さがある。それを脱ぐとやっと下着姿だがショーツをストッキングが包んでいる。
 この姿も悪くない。腰は括れ股間にはすっきりと隙間がある。内腿に肉が余分に出る事は無く股間の下は膝まで真っ直ぐな線である。
 小柄で華奢な女躰。ブラは完全に乳房を包んでいる。そのブラを外すと体型の割にそれなりの大きさがある。形も良い。
 乳首、乳輪の色は薄い。
 「開帳台に乗ってください」
 「はい」
 佐東詩織は躊躇い無く開帳台の上で脚を広げる。股を開いて女の部分をカメラに晒す。
 薄小豆色の粘膜が閉じ合わせている。
 「ご自身で開けますか」
 「はい」
 これも躊躇い無く両手の指先で粘膜を広げて薄橙の内部を晒す。
 若さを感じさせるその部分である。
 佐東詩織は昨日土曜日の深夜スタジオから戻った如月鬼堂のマンションでSM雑誌の撮影を終えたばかりである。
 縛り易い体型。かなり数種類の縛りが行われた。中でも吊るしがメインとなった。
 放尿や潮吹きシーンも僅かな修正を前提に生々しく撮影された。
 「ご自身で放尿できますか」
 「ええ。はい」
 頼りない返事ではあるが出す姿勢を示した。
 杉下一行は透明なボウルを斜めに持って構える。
 沈黙の時間が続く。
 昨日の撮影でも時間が掛かった。オンラインの向こう側を意識してなかなか出ない。
 「潮にしますか」
 「はい」
 杉下一行は更に広く佐東詩織の女の部分を広げる。ピンクの色が濃い膣壁を広げて公開する。
 暫らく膣内部を開いた角度を変えて入念にスクリーンに公開する。
 更に杉下一行の指は佐東詩織の膣の奥に侵入する。クリトリスを弄りながら膣の奥を強く責める。
 「あはあーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あははあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 潮は杉下一行の指の動きと佐東詩織の声に合わせて機関銃のように飛び散る。
 杉下一行はクリの責めを止めて女の部分をもう片方の指で開く。尿道口から直に出るところがスクリーンに公開される。
 無修正AVでもここまで出してくれる女優は少ない。
 「昔のストリップでは過激なショーが沢山ありました。でも潮吹きはAVに成ってからです。潮吹きは殆んど有りませんでした」
 杉下一行は昔の仕事であるストリップショーの時代を語る。その間にも佐東詩織の股間は潮に濡れて隠微な姿と成っていた。
 トランスに繋いだ電磁棒と金属のこけしが用意されている。
 杉下一行は佐東詩織の躰を開帳台に縄で縛り付ける。太腿、脚首、腹、胸を手際よく縛って固定する。
 まずは金属のこけしを佐東詩織の膣に挿入する。濡れはガーゼで入念に拭いた。トランスに二本の単線を繋ぐ。
 一度軽く電流を流す。
 「あ、あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織の躰は開帳台の上で震撼する。
 直ぐ電源を切る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 佐東詩織の躰は震え表情は衝撃を物語っている。荒い息遣いと震えた状態が暫らく続く。
 佐東詩織に電流責めは始めて。荒い息遣いが治まっても暫らく心臓は鼓動を早めたままである。
 今度は電磁棒を乳房に近付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織の顔は恐怖に究極に歪み顔を仰向けに叛ける。
 杉下一行はじんわり乳房に近付ける。
 「あーー。いやあーーーーー」
 一気に押し付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴になる。
 直ぐに離して股間に移動する。
 「あーーーーー。ああ。だめーーーーーーーーー」
 佐東詩織は恐怖に震える。
 まずはドテに充てる。まだ剃毛は行ってない。
 「ぐううーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 反り返った佐東詩織の顔は痙攣している。
 また直ぐに離す。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 佐東詩織の躰は震え続けている。
 また膣に挿入したこけしに電流を流す。
 「うう、おおーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに電磁棒を内腿の付け根に充てる。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織の躰はガタガタ震えている。顔の表情を究極に絞って震撼する。その表情はやがて恍惚になる。
 電流を止めると佐東詩織は動かない。
 杉下一行は先に剃毛をしてしまう。
 
 如月鬼堂は豊洲のマンションで珠洲と瀬里菜の二人と飲みながら見ている。執筆も進めなくてはならない。
 「ねえパパ。以前に連続拉致強姦傷害事件の犯人は経済力の有る年配やじゃないかと言っていたよね」
 「そう思っている。かなりの資金力が証拠を掴ませない。そして資金洗浄のできる大きな闇組織と繋がりが有る」
 「目的は」
 「それが解らない。現代の社会に大きな不満が有ることは確かだ。単に愉快犯ではないと思う」
 オンライン開催の画面では剃毛の終わった佐東詩織の色白で綺麗な股間に薄らと陰部に紅が映えた姿が公開されている。
 「目的があって計画的に行っているの」
 「その可能性が高い。もっと恐ろしい事を起こすのではないか」
 「あくまで女の子がターゲットなの」
 「そうだ。金も狙って来るがそっちは枝葉だ」
 オンライン開催の画面は佐東詩織の小柄で美しい躰が真っ赤な蝋涙に塗れて開帳台の上で暴れくねっている。
 実に美しく艶めいた蝋燭塗れの若い女の姿である。
 スタイルは珠洲や瀬里菜と比べても見劣りはしない。
 そこに鞭打ちが加えられる。
 「恨み」
 「違う。相手は集団だ。同じ恨みを持つ金持ちが集ったとは考えられない。戸籍を持たない部落の十数人を動かしたのも目的の一環だ」
 「大田正勝の特攻作戦」
 「恐ろしい作戦だったが無差別ではない。そして大田正勝らの犯罪はこのグループの目的の一環だと思う」
 「この連中の計画はまだまだ成功するの」
 「小さくは成功する。大きく何かを計画したらその時は潰れると思う」
 「でも大田正勝は大きな」
 「あれは特攻作戦だ。こいつ等は自分の身を護っている」
 謎は何処までも深まる。
 佐東詩織は鞭打ちを受けての強烈な悲鳴と悶え歪み切った表情を画面に焼き付ける。愛好会の深夜は深まって行く。
 

 最期のSM小説家 第十八幕 正体不明の拷問 完





 最期のSM小説家 第十九幕  若く独立した女社長の苦難


 二〇二十一年大雪上元。太陰太陽暦十二月四日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 一月十六日
 新型コロナの感染拡大はまったく終息の目処が無い。政府は法律改正に踏み込み始めた。
 如月鬼堂は感染拡大の終息もオリンピックもまったく無理と見ている。ワクチンすら充てに成らない。
 そして医療崩壊も防げないとの見解である。
 如月鬼堂はGOTOも経済対策もそのまま押しきってほしかった。
 総理は世論に推しきられて反って支持率を落としたとも考えられる。
 しかしスタジオでは館山弁護士のアドバイスに従って補償の不十分過ぎる事にだけ発言した。
 何故政府は新規増紙幣で対応しないか不満を投げ掛ける。
 コロナは自然災害だが休業要請や世論の批判は人災と言える。政府が充分以上の補償をすべきであるとだけ発言した。
 これでも如月鬼道にはおとなしい発言である。もうメインキャスターも煽りはしない。
 状況が著しく如月鬼道側の発言に不利だからである。
 
 如月鬼堂は土曜日のインターネットアダルト放送の収録が終わってその後プレイルームで佐藤栞李と待ち合わせた。
 佐藤栞李は何とか金を作らなくてはならない。愛好会のショーをもう一回取りたい。
 愛好会の指名はそれなりに入っている。それでは足りないのである。
 佐藤栞李は全裸でバスタオルを巻いて浴室から出て来る。
 「よろしくお願いいたします」
 佐藤栞李は立ったまま挨拶する。
 「駄目だなそれじゃ」
 如月鬼堂は叱咤する。
 「ええ」
 佐藤栞李は解ってない。
 「ちゃんと正座して手を着いて挨拶しないと駄目だよ」
 「はい」
 佐藤栞李はやや不満である。如月鬼堂は佐藤栞李がまだプライドを宿しているのを感じ取っている。
 それでも佐藤栞李は如月鬼堂に叱られては従うしかない。床に座って手を着いて挨拶し直す。
 如月鬼堂は佐藤栞李の腕を引っ張る。バスタオルを剥ぎ取って投げる。そのまま膝を着かせて高手小手に縛ってしまう。
 「ああ。はあ」
 佐藤栞李は縛りの早さに慄いている。
 そのまま床に倒して太腿に左右別々に縄を掛ける。縄が外に逃げない様にその二本を後ろで繋ぐ。
 太腿を縛った縄に左右それぞれ別の縄を通してそれを天井から下がった滑車のフックに通す。
 滑車の縄を引っ張って逆さ吊るしの体勢である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 一気に引っ張り上げて逆さ吊るしに固定する。
 股間はかもめが羽を開いた形に百四十度くらいに広がっている。下は頭が床から十センチくらいの位置になる。
 股間は如月鬼堂の肩の高さに調整した。
 如月鬼堂は佐藤栞李の膣に蝋燭を一本挿入して立ててしまう。
 蝋燭には点火しない。バーナーを取り出す。膣に立てた蝋燭をバーナーで焼く。蝋燭は溶けて一気に股間に流れる。
 「あ、ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李から悲鳴が上がる。
 蝋涙は股間からドテの黒い塊に流れる。
 「あはあ。ああーーー。あはあーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 佐藤栞李は蝋涙の熱さに藻掻く。
 やがて陰毛を全部覆い尽くす。
 蝋燭を大方溶かすと股間部分は全体が真っ赤に蝋涙を被っている。
 如月鬼堂は膝を着いて鞭を持つ。
 高手小手に縛られて縄の締め付けで突き出された乳房に狙いを定める。一本鞭の先端で強めに叩く。
 「ううおおーーーーーー。ぐうおおーーーーーーー」
 一本鞭で薙ぐ様な叩き方である。佐藤栞李は逆さ吊るしの躰を揺すって悲鳴を上げる。
 叩きながら如月鬼堂は床に蝋燭を立てて点火する。
 一本鞭で乳房を叩かれれば相当に痛い。
 如月鬼堂は容赦無く乳首の先端に狙いを定めて叩く。
 「ううおーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は堪えられず悲鳴を轟かせる。既に涙が飛び散っている。痛みに躰は振り子の様にぶら下がったまま揺れる。
 佐藤栞李は事業を繋ぐ為だけにこの仕事で稼ごうとしている。コロナで売上の究極な減少と自粛要請がなければ関わらない世界である。
 如月鬼堂は細い竹の鞭と持ち替える。
 それで吊るされて揺れる佐藤栞李の乳首に狙いを定めて叩く。
 「うーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は逃れんと躰を揺すりながら悲鳴を上げる。
 更に反対側の乳首も叩く。
 「うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李から大口を縦に破裂させた悲鳴が轟く。
 「い、いたいーーーーーーーーーー。まってくださーーい」
 佐藤栞李は早くも音を上げる。
 「そんな事じゃ稼げないぞ。君は会員から評判が悪いらしい。この女は外れという評価が何人か出ている」
 如月鬼堂は厳しく言う。
 佐藤栞李は黙ってしまう。
 如月鬼堂は股間に刺した蝋燭の燃え残しを引き抜く。溶けて流れた蝋涙の真ん中に空洞ができる。
 如月鬼堂は点火してあった蝋燭を持つ。その空洞に成った部分に蝋燭の芯の周りに溶けた蝋涙を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 佐藤栞李はまたさらに躰を小刻みに揺すって強烈に悲鳴を上げる。堪えられないほど熱くはない。
 衝撃が大きいのとプライドの反発である。これまで佐藤栞李が生きてきた世界とはモラルがまったく違う。
 如月鬼堂は大きく広がった内腿を叩く。白く艶めいた皮膚に瞬時に蚯蚓腫れが盛り上がる。
 「ああううーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 内腿は強烈に痛い。
 佐藤栞李は涙をぽろぽろ溢す。
 それでも如月鬼堂は内腿を叩いて蚯蚓腫れの痕を付ける。蚯蚓腫れは最初皮膚の色の膨らみだがやがて真っ赤な筋が浮く。
 「ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 佐藤栞李は悲痛な表情を歪めきって荒い息を吐く。
 如月鬼堂は続いて股間の蝋涙を叩く。
 「うおーーーーーーー」
 如月鬼堂は一気に連打して股間の蝋涙を叩き割る。
 「ううおおーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーー」
 佐藤栞李はオーバーに悲鳴を上げる。
 「少し抑えろ。このくらいは声を抑えられる」
 如月鬼堂は厳しく注文を付ける。
 「あ、はい」
 佐藤栞李は答えてはいる。だが意識は強く敬遠している。
 如月鬼堂は左右の乳首を黒いクリップで鋏む。
 「あ、あっああーーーーーーー」
 鋏まれただけで相当に痛い。
 如月鬼堂は的確にピンポイントで叩いている。蚯蚓腫れの痕は赤く腫れる。叩いた痛みだけではない。その後ひりつく痛みが数時間は残る。
 如月鬼堂は股間の蝋涙を綺麗に掃って落とす。膣に指を二本突っ込む。Gスポットの反対側を強く刺激する。
 もう片方の手はクリトリスを剥いて指先で刺激する。
 佐藤栞李の表情は究極に軋む。眉間に三重に皺を寄せ豊麗線を強く刻んで藻掻く様に頭を動かす。
 「ああーーーーーーーー。あはん。ああーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああはあん」
 如月鬼堂の指の動きのまま潮が断続的に噴く。弧を描いて飛ぶ。
 「ああーーーーーはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李の股間は潮の雫に濡れて艶かしい。
 このルームには浴室の他にプレイ用の透明なバスタブが設えて有る。そこに湯を流す。
 潮に濡れた股間にクスコを挿入する。透明な強化プラスティック製である。広げた内部を小型カメラでパソコンのモニターに映し出す。
 「よく見ろ。お前の恥ずかしい部分の内部だ」
 「え、ええー」
 佐藤栞李は首を振って拒絶している。
 「恥ずかしさに堪らない表情はむしろ良い」
 本当に恥ずかしくて堪えられないのは会員を悦ばす。こっちは評価する。
 如月鬼堂は溶かしてあった蝋燭を膣に流し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は堪らず強烈な悲鳴を上げる。
 「そのどうにも堪えられない悲鳴に会員は期待している。会員は大方素人ではない。その違いは見分ける」
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はい」
 佐藤栞李は荒い息遣いでなかなか返事ができない。
 如月鬼堂はここで吊るしから降ろす。
 「一度湯に浸からせる。だがそのクリップは取ってはならない」
 「はいぃ」
 佐藤栞李は不安そうに辛さを滲ませた返事をする。
 縄を解かれると直ぐに湯に逃げ込む。心配そうに膣に指を入れて中を洗う。蝋燭の塊を辛そうに取り出す。
 「愛好会のショーの収入をもう一回希望しているらしいが。・・・・・・今のままでは無理だ」
 如月鬼堂の途中に沈黙を数秒鋏んだ言い方は佐藤栞李の甘い目論みを強く絶望に押さえ付ける。
 「駄目ですか」
 「会員複数から悪い評価を出されては無理だ。樽常マネージャーも難しいと言わなかったか」
 「はい」
 佐藤栞李は樽常マネージャーに推薦を断られて如月鬼堂に営業を掛けて来たのである。
 営業して交渉する能力は長けている。だが身を提供した全身奉仕で稼ぐ事はなかなかできないらしい。
 経営者である。社長である。言葉の責めでもプライドが滲み出る。現代社会の女のプライド。さらに人を使って来た社長のプライドが追加されている。
 本人は殺して堪えている心算でも会員はそう受け取らない。
 「さあ。湯から出て躰を拭け」
 佐藤栞李は渡されたバスタオルでゆっくり躰を拭く。
 「そのクリップを取ろう」
 「自分で取って宜しいですか」
 「そうだ。激痛がするが取れ」
 「はい」
 佐藤栞李は左からクリップを掴む。
 「あ、あはああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は広げたクリップを床に落として悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーー。はああーーーーーん。ああ、ああ、ああ、ああーーーーーーーーーーー」
 そのまま手で乳房を押さえて座り込む。痛みに藻掻き苦しむ。
 「もう片方も取れ。激痛だが揉んでやる」
 佐藤栞李は如月鬼堂の言葉に悲痛な表情で見上げる。
 痛む左の乳房を押さえて震える指でクリップを掴む。なかなか取れない。上目使いに如月鬼堂を見上げる。
 恨みと辛さが表情に滲み出ている。
 如月鬼堂は佐藤栞李の躰を床に押し倒す。腰に乗って躰を押える。右のクリップを掴んで取る。
 「うう。ぐうわああーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は痛みに藻掻き悶える。
 如月鬼堂は両方の乳房を鷲掴みにして揉みしだく。
 「おーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐううおおーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は強烈に表情を破裂させる。大口を歪めて悲鳴を上げ続ける。
 「ああーーーーーーーはあーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 佐藤栞李の泣き悲鳴はなかなか収まらない。
 「良いか。俺が注意したと会員サイトに書く。この先苦情が出なければまだ稼げる可能性はある」
 「はい」
 佐藤栞李はここまでしなければと難しさを噛み締めながらとにかく返事はする。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「なかなかの反響だったな」
 「我々の希望通りインタビューに応じてくれた」
 六人は拷問動画の効果と森川優希のインタビューでの怒りの篭った告白に満足している。
 「次はどっちに行く」
 「アイドルかな」
 「女優でも良い。中堅ぐらいが好ましいが人気が有ると警戒が強い。専門の会社が警備に付いている」
 「そうだ。○○芸能とかな」
 「アイドルやミュージシャンより女優が一人で居る場合が多いのではないか」
 「どうでもロケ中を狙う」
 川口の会長が断言する。
 「そんな。沢山スタッフが居るぞ」
 「ロケによる。旅番組系だ。地方で行い少ない撮影人数だ」
 「そこが盲点だな」
 
 佐藤栞李は部屋に帰って懊悩し続けた。
 若くして独立した女社長が事業不振で運転資金稼ぎに風俗で働く事はよくある。佐藤栞李もそれを已む無しと考えた。
 しかし従来とは違う。風俗業は完全に低迷である。事業を救済できる手段はこれしか無かった。
 こんなにプレイ内容がハードとは思っていなかった。緊過ぎる。あれでもはずれと言われてしまう。
 態度を注意されたのがどうにも受け入れられない。
 それでも続ける以外破産宣告しかない。
 他にもSMクラブは営業している。それでも如月鬼堂の関連以外は低迷らしい。新規入店も無い。
 何としてもあと一回ショーに出してもらって五百万獲得したい。
 緊急事態宣言で今度は時短すれば一日六万が国から入って来る。あと五百万有ればそれで何とかやって行けるかもしれない。
 しかしコロナがいつ治まるか。如月鬼堂の見解は厳しかった。
 そうであればクラブの指名を確保して事業を護る資金を得なければならない。
 佐藤栞李はどうにも客の人格を踏みにじった虐めが堪えられない。会員だけなら躰を致命的に損傷する危険はないと思われる。
 それなのにどうしても気持ちが割り切れないのである。
 
 一月十七日。
 二つのチームで異なる出発点から同じゴールを目指す番組であった。限られた電車とバスの使用回数である。それ以外は徒歩となる。
 タレント三名と撮影チーム数名でのロケである。
 この撮影中に女優の江田百合愛が行方不明になった。
 全員が山道を移動中に催涙ガスで眠らされた。スタッフが回復した時には江田百合愛の姿は無かった。
 報道は一気に流れた。
 
 江田百合愛を拉致したのは闇サイトで請け負った三名である。前金二十万後金二百万が提示されていた。
 応募して引き受けたのは寺門一、玉川亮、東秀雄の三名。原直子の拉致を引き受けて暫らく拷問した面々である。
 川口の会長は少し迷ったが他に良い候補が無かったので任せた。
 今回は拉致だけである。
 現場からは催涙ガスが入っていたと推定されるボンベが見付かった。それ以外に何も出なかった。
 Nシステムなどに引っ掛かる車両も無かった。
 三名はリレーで江田百合愛をキャリーバックに詰めて列車で運んだ。
 予めビジネスホテルを二箇所二部屋ずつ用意していた。
 現場から一人がキャリーバッグで麻酔を強化して運びだす。
 キャリーバックはホテルにチェックインした時に部屋に入れておく。其処で二回詰め替えて最後の一人が所定の空き家まで運ぶ。
 其処から産業廃棄物収集運搬車で川口の会長が指定した場所に置き去る。
 その時点で状況を報告した三名に後金が振り込まれた。
 
 江田百合愛が意識を回復したのは古民家を改造した手術室である。いつもの山荘の地下室では無い。
 周りを見回して江田百合愛は恐ろしい事態を直ぐに理解した。
 驚愕して悲鳴を上げる。手術台の上で暴れ藻掻く。女優に成るまでは空手の選手であった。
 だがそんなものはこの事態に何の役にも立たない。
 試合の時の冷静さすら維持できない。
 それに空手もそんなに強くはなかったのである。
 「静かにしろ。これからカメラが回る。大人しく従えばこれまでの奴らよりは軽減してやる。お前は可愛い。だから大人しくしろ」
 「やめてーーーーーーー。何で私がーーーーー」
 江田百合愛は半狂乱である。
 「良いか抵抗すれば性器と乳首、子宮を失う。抵抗しなければ辱めだけで済ませてやる」
 「そんな」
 江田百合愛は涙をポロポロ溢す。
 連続拉致強姦傷害事件の六名は反響を考慮しているのである。
 江田百合愛は既に全裸で開帳台に乗せられていると判る。恥ずかし過ぎる姿が限りなく公開されてしまう事は逃れられない。
 「判ったよ。本当に斬ったりするのは無いよね」
 江田百合愛は観念して確認する。
 「そうだ。お前の恥ずかしい姿をとことん公開させろ逝き顔を沢山晒してくれたら許してやる」
 江田百合愛は躰の損傷を免れる事が最善と考えるしかなかった。これまでの報道からこの犯人らの恐ろしい仕打ちを充分に理解している。
 森川優希の完全に開き直って立ち向かう意志から行ったインタビューはその危険を大きく警告した。
 これまで被害者の人権に考慮して具体的な内容は報道では伏せられていた。違法AVの流通で巷には流れていたものが報道でも具体化された。
 江田百合愛はそれではじめて知ったのである。
 開帳台に被せられていたシートが外される。
 大きな手術用の照明が躰の上から照らしている。ピンクの乳首からドテの黒い塊まで丸出しである。
 江田百合愛は全裸が公開されて新たに恥ずかしさが去来する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 思わず叫んでしまう。
 男らは防護服、医療用マスク、特殊なメガネで顔はまったく分からない。標準な体形なら殆んど区別が付かない。
 開帳台の操作が行われて股間が大きく広げられる。膝、脹脛、脚首の三箇所が固定されている。
 女の部分が丸出しに成る。会陰からアナルまで克明にスクリーンに映る。
 「ああーーーーーーーー。ああーー。いやあーーーーーーー。はずかしいーーーーーーー」
 江田百合愛は表情を崩しきって恥ずかしさを訴える。この表情も可愛い。顔は真っ赤に紅潮している。
 医師の姿をした男らが左右に床に膝を付いて江田百合愛の女の部分を広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あっはん。あはん」
 江田百合愛は羞恥を実感して泣き出す。
 女の部分を閉じ合わせたびらびらは薄い小豆色。内部は薄橙とピンクである。膣口は粘膜が複雑に閉じ合わせている。
 尿道の小さな亀裂はくっきりピンクの粘膜の中心に確認できる。
 江田百合愛の正面にモニターが有る。そこに拡大されている通りに動画に収録される。
 江田百合愛はAV女優に堕とされた心境である。
 これが社会に流通しても普通に女優を続けられるのか悶々と苦しむ。そして今は身体の安全を護って身体だけでも無事で帰して貰うしかないと自分に言い聞かせる。
 男らは広げたピンクの粘膜から麺棒で粕を採取する。それを黒い布に載せて翳す。
 「いやああーーーーーーーーーん」
 「これから江田百合愛の総て保存版を作成するのだ。みな人気の出たお前の非公開部分として保存していつまでも見比べてくれる」
 「そんなーーーーーー。私続けて行けないよーーーー」
 「大丈夫だみんな悦ぶ」
 「そんな。私そんなに人気ないよ。有名じゃないよ。主演もやってないし。CMも脇役一本だけだよ」
 「それがな。これが公開されると人気が出るのだよ」
 男はやんわり子供を諭すように言う。
 「うそだよーーーーーーーー」
 「嘘じゃない。今回の悲劇をインタビューで語れば人気が集る。半分は総てが公開されたアイドルだがな。女優だったか」
 「そんなーーーー。それじゃーーーAV女優にされちゃうか。脱ぎ役だよ」
 江田百合愛は怒りを買わないよう甘える様に言う。
 男はクスコを取り出す。
 「やるな。AVも脱ぎ役もやるな。良いか。今回の悲劇を告発したら清純派を通せ。必ず人気が出る」
 クスコを膣に挿入して広げる。透明な強化プラスティック製である。
 ペンライトで拡大してスクリーンに投影する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 「江田百合愛の女の奥を公開だ。これも永久に見続けられる」
 江田百合愛は堪らない。それでも今は身を護らなければ成らない。
 「何でこんなことするの」
 江田百合愛はうっかり突っ込んでしまう。怒らせては拙いと後悔する。
 冬なのに暖房が付いているとはいえ背中に汗をかいている。
 「そのうち分かるよ。俺達の社会に向けたメッセージが」
 アナル開口器も用意されていた。
 男はキシロカインゼリーを指でアナルに塗りこむ。
 「ああーー」
 江田百合愛は表情を歪める。
 「心配するな皮膚表面麻酔だ」
 アナル開口器が挿入される。
 「あ、あ、あーーーーーーーーーーん」
 江田百合愛は怯えた表情の悲鳴を上げる。
 「便が有るな。浣腸だ」
 「いやあーーーーーーーーー」
 直ぐに浣腸器にグリセリンが注入される。
 江田百合愛は蒼ざめている。顔も躰も震えている。排泄まで公開されてしまう。拒否すれば乳首か子宮を失う。
 いいやどっちみち拒否も聞き入れられない。
 アナルに浣腸器が挿入される。
 「あ、ああーーーーーーーー」
 泣きそうに声が震えている。でもその表情は非常に可愛い。大方の人が江田百合愛に同情する。
 それでもその羞恥の姿は誰もが一応見たい。見てしまう。美人、可愛い女でなければ目を背ける。
 「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーー」
 江田百合愛は浣腸の痛みに苦しみ始める。
 「ううーーーーーーー。い、い、たいいーーーーーーーーー」
 表情は顔を強く顰めて苦しむ。診察台に固定された腰と腹、太腿は強く捩る様に震撼する。
 「ううーーーーーー。ぐううーーーーーーーーー。い、い、たいーーーーーーーーーーーーーー」
 江田百合愛は痛烈に苦しみを訴える。
 「もういくか」
 「崩れないうちに出そう」
 「どうだ。抜いてほしいか」
 「う、ううーーーーーーん。くるしいーーーーーーー」
 「うんこしますと言え」
 「いえないよーーーーーーー。くるしいーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 「もう少し苦しむか」
 「だめーーーーーー。おねがいーーーーーーーーー」
 「うんこするな」
 「うん。ううーーーーーーーーーー」
 アナル栓は抜かれる。
 ずぶーーーーーーーーーー。
 茶色い水と共に便が繋がったまま流れ出る。映像としての浣腸は成功である。
 江田百合愛は苦しみながら涙を流す。痛みよりこの上ない羞恥に外聞の総てが破綻した涙である。
 江田百合愛はこんな姿が公開された事を思いながらスクリーンに出られるのか。とても人前に出られない。悩み続ける。
 「良いか。必ず記者会見かインタビューに答えて泣け。やらないで篭っているともう一度拉致して乳首と子宮を斬るぞ」
 男は静かな声で宣告する。その恐ろしさは尋常ではない。
 「あ、あはあーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーん。あはあん。あはん。あはん」
 江田百合愛は号泣してしまう。
 男らは排泄が終わった股間を良く拭く。
 卵バイブをアナルに入れる。
 「いやあーーーーーーーーー」
 膣には三つ入れる。
 「ああ。ああーーー」
 江田百合愛は目を硬く閉じて顔を横に逸らす。
 更にクリトリスを刺激する。一気にスイッチが入る。
 「あ、ああ、はあーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。あっはーーーーーー」
 江田百合愛は直ぐに悶え始める。
 「あ、ああーーーーーん。ああーーーーー。ああーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 江田百合愛は抵抗する術もなくアクメの表情をたっぷり晒してしまう。
 股間は小刻みに震撼する。
 「ああ。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 究極の逝き声は強くなる。一気に潮が弧を描いて流れ出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 止めることはできない。
 断続的に何度も排泄する様に流れ出る。
 その後もドリルバイブなどで散々責められ失禁と失神を繰り返した。
 男らは設備を全部撤去した。内装の偽装はそのままである。
 この民家に電気は来てない。
 「良いか。お前の海賊AVが公開されたら警察に此処を知らせるヒントが含まれている。それを見て警察が来るまで冷蔵庫の食料で凌げ」
 江田百合愛は足枷を付けられ部屋に残された。冷蔵庫だけバッテリーに繋がれている。
 食料、飲料三日分が残された。
 
 一月二十四日。
 如月鬼堂の豊洲のマンションではテレビ会議が繋がっていた。
 次の愛好会の打ち合わせである。
 樽常マネージャーは何人か候補を出したが今一女のレベルが落ちる。
 美形でもスタイルが悪い。スタイルが良くても顔が虐めをそそらせない。
 倶楽部には登録するが客の付かない女もある。
 ソープランドの様に指名以外順番で付ける昔のキャバレーの様な本番は無い。総て写真指名である。
 愛好会のショーに出ないと会員の指名はなかなか付かない。
 「樽常さんどれもいけないよ」
 大河内税理士は渋面である。
 編集の小川綾香からもグラビアの指名が掛からない。グラビアは数か月分撮り貯めをしている。
 「瀬里菜。会員の再リクエストに二十九歳の方の佐藤栞李はどうだ」
 如月鬼堂は一応確認する。
 「十七人居ます」
 「悪い評価をしたのは」
 「八人です」
 「うーん」
 如月鬼堂は考え込む。
 「先生。倶楽部のプレイで評価の悪かった佐藤栞李を使いますか」
 杉下一行である。
 「どうかな」
 「先生。会員サイトに注意したと書きましたね」
 今度は大河内税理士である。
 「書いたよ」
 「それで今回はやってみてどうでしょう。個人のプレイとショーは違います」
 「うーん。但し会員の評価を無視してどうかな」
 「ならば私がプレイに呼んで再評価しましょうか。またはハードなショーで調教するとか」
 大河内税理士はむしろこの女を虐めたい。
 「大河内先生がやって見て下さい。そしてNGを表明した会員に確認を取っていただけませんか」
 「判りました。やってみましょう」
 その時杉下一行がメールを発信した。
 闇サイトから取得した江田百合愛の拷問動画が添付されていた。
 江田百合愛が撮影中姿を消して一週間である。
 『動画を最後まで見ろ。江田百合愛の居場所のヒントが有る。警察はそれを見て救出に向かえ』
 江田百合愛は今回拷問場所に放置されていた。
 拷問内容はソフトだったが執拗に何度も強制アクメを晒させていた。
 「やり方を変えたな」
 如月鬼堂が呟く。
 「そうですね。これまでは川に流したり、池に流したりでした」
 館山弁護士も犯人の変化を認める。
 犯人は動画の中で拷問場所を示唆していた。
 拷問場所は毎回同じ地下室に見える。それは故民家の中に内装で造作されたものであった。
 栃木県の山間部に持ち主が放置していた一軒家と思われる。
 如月鬼堂の居間のテレビ会議ではその場所の追求を行った。栃木県の山間部と解るまで二時間掛かった。
 調度その頃テレビの字幕に江田百合愛救出の字幕が出た。ニュース番組のチャンネルを探すと救出の映像が放映されていた。
 江田百合愛が行方不明になり拉致されたと推定されたのは愛知県。その後検問に引っかからずどの様に栃木県まで移動したか謎である。
 「先生。日曜日で良かったですね」
 館山弁護士である。如月鬼堂の出演するインターネットアダルト放送は土曜日の夜。それは一週間先となる。
 「そうだ。ゆっくり検証できる」
 如月鬼堂も安堵している。
 
 その日の夜。大河内税理士は佐藤栞李をプレイルームに呼び出した。
 「今夜のお前次第で俺が会員に説明する。会員らのNGが無ければ次の愛好会に出して貰える」
 大河内税理士はそう宣告した。
 佐藤栞李は大河内税理士が究極に虐める人物と聞いている。重たいハードルである。
 それでもここは事業を維持する資金を確保しなければならない。総てはコロナと緊急事態宣言による疲弊である。
 だが如月鬼堂の見解は一番煩く執拗に虐める大河内税理士が納得すれば殆ど会員は何も言わないと見ている。
 
 佐藤栞李はプレイの時間まで懊悩し続けた。恐怖を待つ辛い時間である。
 汚れた下着で来いとまで指定された。
 店は数時間営業しても殆ど売り上げに成らないので自粛要請に対して休業した。ただ一人残ったアルバイトには給料を保証している。
 派遣数ゼロでも調理師派遣会社の事務所は維持したい。
 如月鬼堂の虐めでもかなり辛かった。究極の痛みが襲う乳房をマッサージされながら泣き続けた。
 もう女のプライドは地に堕ちて更に地中深く埋没されてしまった心境になる。辛い中で想いは約一年前の自分の姿である。
 過去の融資は返済猶予に成っている。その分の利息補填。直営の店と事務所の家賃。それ以外にも細かい維持費が掛かる。
 SM系AVを薦められたがそれはできない。グラビアも断った。こっちをやればここまで辛くは無い。
 でもそれを請けてしまえば自分の将来は無い。
 
 大河内税理士は二十二時少し前に豊洲のプレイルームに着いていた。
 佐藤栞李は時間の二分前に来た。
 怯えた表情が十分に汲み取れる。
 それでも如月鬼堂に指導されたまま床に座って両手をついて挨拶をする。
 心臓はバクバクと強い鼓動を続けている。
 汚れた下着でシャワーも使わないで来いと指示されている。堪らない辱めが待っているに違いない。
 「良いか。今日のプレイはテレビ会議を繋ぐ。鬼堂先生と主な主催側メンバーが見ている」
 大河内税理士は一方的に宣告する。
 それでも佐藤栞李には愛好会のショーの出演で五百万の収入に繋がる。拒否は有り得ない。
 むしろ収入に近付けたとやや期待する。
 「早速自分で脱いでよ」
 「はい」
 佐藤栞李は震える脚でややよろめきながら立つ。
 大河内税理士は椅子に座って鑑賞する。
 如月鬼堂に注意されたので今夜はブランド物のスーツは着ていない。奴隷に相応しくない物は着るなという指導である。
 大河内税理士は汚れた下着を取り上げる。染みの部分をテレビ会議のカメラに晒す。
 佐藤栞李は全裸より恥ずかしい。
 大河内税理士は全裸に成った佐藤栞李を拷問椅子に乗らせる。
 「何時までに金が要るのだ」
 「既に待って貰っています。一日も早く。国の協力金とかはすごく遅くて間に合いません」
 「早ければ今月末にも入れてやれるぞ」
 会員は金曜日までに入金する。月曜日の朝には本人の口座に入金される。または現金で手渡しする。
 「お願いします」
 「今日のあんた次第だ。俺は先生の注意だけで押し切ろうと言ったのだが。八人NGは大き過ぎる。先生は俺から八人に説明してくれと仰るのだ」
 「申し訳ございません」
 「まあ。今月末日曜日に行う方向ではあるよ」
 大河内税理士は洗ってない佐藤栞李の女の部分を広げて言う。
 「お願いします」
 佐藤栞李は神妙に頼み込む以外に術はない。
 「あんたの様な女を屈辱することを悦ぶ奴も結構居るけどな。付いた会員に初心者が多かったのだな」
 「服装、挨拶は鬼堂先生から注意を受けました。他にどの様な事がいけないのでしょう」
 「うーん難しいな。一緒に出た二人。あんたと大きく違うやろ。悪く言うと馬鹿っぽくて可愛い。あんたはそういう女を批判的立場で見ている」
 「ああ。はい」
 佐藤栞李に否定はできない。
 「現代社会の社会派モラルに立ったものの言い方をスマートにする。現代社会の知識層のモラルに立っている。それが嫌われる」
 「・・・・・・・・・・」
 大河内税理士は抜本的に佐藤栞李のモラルを否定する。
 「次のショーは館山先生と俺が担当する。あんたのモラルを破壊するプログラムで行く。それを悦ぶ会員もかなり居る」
 「あれだけ屈辱的な姿に成っても不十分なのですか」
 佐藤栞李の質問は抜本的な差を明確にしている。まったく違うこの世界の有り方を理解できない。
 「それは少し時限が違う」
 「杉下さんは私にお怒りですか」
 佐藤栞李は担当が代わったことにそう思ってしまう。
 「いや。そうではない。杉下氏はあの発言をした。あれが原因だ」
 「あれとは」
 「他のSMクラブでハードに出ていながらハードをさせない女の話だ。あれが会員に今回のあんたへのNGを呼んだ」
 「あの客を殺害したSM嬢。実は公務員だった人」
 「そうだ。それをこの愛好会と比較した。そこに会員らの真性M奴隷の館の女を評価する高いハードルができてしまった」
 「受け入れ方が足りないということでしょうか」
 「丁寧でも表社会のモラルを強く含んでいる。姿勢そのものだよ。それを叩く悦びも有るのだが」
 「はあ」
 佐藤栞李にはどうして良いか分からない。これまで積み重ねて来た自分の総てを否定されている様に聞こえる。
 「あの蛇を入れられた時にも。どうすればよいのでしょう」
 「泣き喚き堪えられないのは良いよ。言い方だ。それでは私は気が狂ってしまいます。他の二人はいやあーーん。わたしきいくるちゃううーーだ」
 「ああ。そこまで人格を変えないと」
 「まあ。それはいいよ。拒否だけはするな」
 「は、・・・い」
 佐藤栞李は辛さを飲み込む返事である。
 「まあ。こっちで会員の動向をその嗜好に合わせて選ぶように持ってゆくよ」
 そう言いながら大河内税理士は佐藤栞李の女に指を入れる。強く奥を刺激して潮噴きを試みる。
 「あーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 佐藤栞李は逃れ様と藻掻いてしまう。
 「制御するな!女の性を晒せ」
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん。あーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李の顔は究極に歪む。
 大河内税理士は執拗にとことん責め続ける。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーー」
 大河内税理士の指が猛烈に動いてようやく僅かな潮の雫が飛び散った。
 「あはあん。あはあ。ああ。あはあ。ああ。ああ。はあ。はあ」
 佐藤栞李は荒い息遣いで藻掻き、喘ぎ続ける。
 「今のはまだ潮ではないのいだ。潮はあんたの躰がもっと官能に燃焼しきってその果てに出てくる」
 「ええーー」
 「この世界では女性ではない。女だ。サディストはその女の性をとことん玩具にしたい」
 「はい」
 佐藤栞李にはとても堪えられる世界ではない。それでも返事はする。本来の自分を護る金がどうしても必要である。
 「期待しているのは芝居ではない。羞恥を諦めてその性の奥を晒す事だ」
 「はい」
 佐藤栞李は返事するのも怒りを強く抑えなければ成らない。
 現代女性は強いプライドを持って生きている。自分の周りは皆そうである。その世界に生きていて自分だけプライドを捨てる辛さを堪えねば成らない。
 叩かれるより大河内税理士の言葉は佐藤栞李の人格の奥に突き刺さる痛みである。
 大河内税理士の言う通りに成るなら肉体も心も人格も玩具である。
 全身奉仕。この言葉の理不尽さを強く感じて懊悩した。こんな世界があって良いのかと思う。でも自分はそれに縋るしかない。
 大河内税理士はその全身奉仕よりもっと辛い事を求めている。
 それでもショーを一回だけ堪えろと自分に言い聞かせる。
 「良いか。鬼堂先生を始め此処の会員はリベラルを嫌う。先生はトランプ擁護だ。会員はそれを指示する」
 「それがどう」
 「性的マイノリティと言うだろ」
 「はい」
 「この世界は同性愛、ホモ、バイを認めない。性的マイノリティならSMも認めろと言う考えだ」
 「ええ」
 「ほらその対応が駄目だ」
 「はい」
 佐藤栞李は答えるだけでも辛い。認めたくない世界である。今はどうしても纏まった金を得なければならない。
 それどころか他の落伍者の様に社会の流れに従って正当に衰退を受け入れるのが現代の正義とすら考えてしまう。
 ならば毒を食らわば皿までと開き直ることは到底できない。
 如月鬼堂の出演するアダルト放送のニュース番組を見た。
 出ている本多椿と岡田有美は指名が多くて新規はまったく取れないと聞いている。
 でも佐藤栞李はこの二人の様な存在が女の地位を下げていると憤っていた。
 大河内税理士は浣腸器を取り出す。
 「良いかうんこが見たいのではない。あんたのプライドの破綻に泣く姿を愉しみたいのだ。女のプライドを地に堕す一番のプレイだ」
 ショーの時。この税理士に同じことを言われた。あの時杉下一行に便を抜いてきたことを非難された。
 そして大河内税理士の今の言葉。佐藤栞李は短刀で胸を刺し貫かれた衝撃である。
 それでも大河内税理士は石鹸水の浣腸をアナルに注入してくる。
 佐藤栞李は魂が離脱してどこかに逃げたい心境である。
 究極に恥ずかしい責めをされるに違いない。鞭で叩かれる方がまだましかもしれない。
 それでもこの税理士が自分を虐める方に興味を持ってくれて苦しい資金繰りが助かるかもしれない。
 だがその内容は如何ともしがたい。
 大河内税理士は浣腸液の注入が終わって佐藤栞李のアナルに栓を差し込む。
 話からショーの内容も相当に辛くなりそうである。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 痛みが腹を締め付けてくる。
 大河内税理士は佐藤栞李の腹をゆっくり摩る。
 「私の排泄する姿を見てくださいと言うのだ」
 佐藤栞李には想像以上の要求である。
 「・・・・・・・・・」
 言葉すら出ない。
 「言うまでこの栓は抜かないぞ」
 佐藤栞李は今これを見るのはこの男とSM愛好会の幹部だけだと自分に言い聞かせる。
 逃れる道は既にない。トイレで排泄は絶対に許されない。苦しむだけである。早く言うしかない。
 それでも佐藤栞李はなかなか言葉が出ない。
 逆に大河内税理士には佐藤栞李のこういう性格と奥深く硬いプライドを弄るのが来週の愉しみである。
 「どうした。来週の件を進められないぞ」
 佐藤栞李は今以上辛い当日を迎える為に今辛い言葉を吐かねば成らない。その二つを乗り越えないと自分の将来への救いはない。
 「わたしの・・・排泄・・・・う、うう・・・する・・姿をみてください」
 佐藤栞李は最後の部分は早口になったが辛い言葉を吐いた。
 「よくぞ言ってくれた。我々もプレイでは虐めても躰を提供してくれたあんたらの資金苦は救ってやりたい」
 大河内税理士は本心を言ったまでである。
 佐藤栞李は悔しさに涙を滲ませる。札束でビンタされる悔しさである。集団の金の力で女を蹂躙したいだけだろと叫びたい。
 それでも佐藤栞李は涙を滲ませるだけで何とか抑える。
 アナル栓が抜かれる。
 ずぶうーーーーーーーーー。
 拷問椅子に接続した診察台では本来金属の汚物箱がセットされる。これには透明な物が接続されている。その中に排泄した。
 茶色い水の直ぐ後に緩くなった便が流れ出る。
 便は腹の痛みと精神の痛みを絞り出す様に流れ出てゆく。
 痛烈な臭気が立ち込める。
 佐藤栞李には性器を鞭打ちされるより辛い。
 大河内税理士は佐藤栞李のアナルに浣腸器で湯を流して洗浄する。
 佐藤栞李は恥ずかしい部分を何処までも弄られる。その辛さに堪え続けるしかない。
 大河内税理士は佐藤栞李にクスコとアナル開口器を挿入する。
 広がった膣と直腸をペンライトで照らしてモニターに拡大して見せる。
 「・・・・・・・・・・・」
 佐藤栞李は心の中で辛い悲鳴を上げる。
 大河内税理士は言葉の代わりにペンライトを動かしカメラを動かし内部を詳細に見せる。
 それでも辛い中で何を見られているのか自分の目で確かめずに居られない。
 女のこんな恥ずかしい部分まで見る。心以外隠す部分はない。いや心すら晒し者にされている。
 佐藤栞李はこの日を生涯忘れないと思う。いや忘れる事ができないと思う。これ以上の屈辱はない。
 「よおく見ておけ。めったに見られない部分だ」
 佐藤栞李には爬虫類で躰を舐められた心境である。
 大河内税理士は拷問椅子の高さを下げる。股間を上に向ける。さらに佐藤栞李の口に開口器が挿入された。
 「あ、う、あう」
 佐藤栞李は何をされるか恐ろしい。
 大河内税理士は佐藤栞李の顔にアイマスクを載せる。
 「ああ」
 大河内税理士はズボンの社会の窓からペニスを取り出す。
 佐藤栞李の顔に小水を掛ける。
 「うう」
 さらに口に流し込む。
 SMでは良くある事だが佐藤栞李には恐ろしい仕打ちである。
 喉から口の中の尿を押し出して外へ流して堪える。
 そのあと残りを膣とアナルの開口器に流し込む。
 五分その状態で放置された。この状態で五分は膨大な時間である。口の中には流しだせない尿が入っている。
 喉と舌で押し出しても全部は出せない。躰は固定されている。僅かに飲んでしまった。佐藤栞李には有り得ない恐ろしいことである。
 いま人間としての自分が地の底に堕とされている。
 「十五分時間をやる。嗽して躰を洗え」
 大河内税理士は縄を解きながらそう指示する。
 ショーの時も同じである。シャワーの時間はくれる。如月鬼堂のルールらしい。
 佐藤栞李は他の倶楽部では飲むことを強要されるコースも有ると聞いて驚愕した。
 何で黄金というか知らないが全身に便を塗られてしまうらしい。
 愛好会の会員は如月鬼堂の禁止事項は行わない。
 此処のプレイはハードながらも制約されているらしい。
 何度も嗽をして躰を洗って不快感を取り去った。
 その後は鞭打ちだがショーの前に躰に痕を残せない。スパンキングで乳房と内腿、さらに女の部分を叩かれた。
 ショーの一週間前なので樽常マネージャーの真性奴隷女の館では佐藤栞李の予約を停止した。
 ショーは倶楽部からの派遣である。
 
 一月二十六日。
 如月鬼堂らは豊洲から宇佐美に移転した。
 毎年同じ行動である。越後湯沢の雪が解けるまで此処で過ごす。豊洲よりは間取りが取れている。
 遠くまで海が見渡せる。海岸線のやや高台にある24階。ロケーションは抜群である。
 此処も越後湯沢と同じ様に露天風呂を造った。最上階の海側に設えたのでヘリ以外から見られることはない。
 広いリビングにはカウンターキッチンと囲炉裏、テーブル席がある。リビング全体の面積は越後湯沢より狭いがこの部分は変わらない。
 本日は愛好会の主要メンバーが集まっていた。飲食店などではないが会食以上である。
 本日は葛和医師も来て居る。簡易検査も行った。
 次の愛好会もオンライン開催である。どの様に佐藤栞李を虐めて会員の溜飲を下げるかの打ち合わせが行われていた。
 「泣かせよう。痛みより恥ずかしさに泣かせよう」
 大河内税理士の方針は一定している。
 「今回NG出した会員のリクエストを優先でどうでしょう」
 杉下一行である。
 「大河内先生が佐藤栞李の虐め方を解説してからリクエストを実行の方向では」
 福富麻次郎は大河内税理士の解説をたっぷりして佐藤栞李の虐め方を確立して行うべきと発言する。
 「そうだな」
 如月鬼堂も納得する。
 「緊急事態宣言に成って野党と与党の立場が反転した。GOTO停止だけでなく一気に罰則に出て補償は雀の涙だ」
 福富麻次郎がぼやく。
 「先生。静岡は緊急事態宣言が出ていません。会員の一部を交代で呼ぶのはどうでしょう」
 大河内税理士はそっちに押したい。
 「抽選で順番にか。奈良、長野、静岡どれも静かだが。集まる人数が大きいと休店状態での貸し切りでも噂に成る」
 「先生。緊急事態宣言が終わるまで待ちましょう」
 館山弁護士は反対である。
 「プレイルームが無難です」
 葛和医師も同意見である。
 「NGの八人だけプレイルームに呼んだらどうかな」
 「いや。そんなに得点を与えると今後も構わずNGが出ます」
 館山弁護士はこれも反対する。
 「では抽選で十名だけ呼びますか」
 福富麻次郎が折衷案を出す。
 「それが良いです」
 館山弁護士も納得する。
 「しかし受験生の鼻出しマスク失格は厳しいな。俺なんかメガネ曇って受験に成らないよ」
 大河内税理士が試験に出ることはない。
 「曇り止め使っても駄目ですか」
 「あんな物役に立たないよ。一回息を吐くだけで霜をかぶった状態だよ。口だけなら何ともない」
 「まあ口を覆っていれば飛沫は抑えられます。ご自身の感染防止にならないだけです」
 葛和医師もここは反論しない。
 「また自粛警察が増えますな」
 「あれ自体テレビ局がいけない。注意する立場でないのに態々カメラが注意しに出て行く。あれが自粛警察生んだのだ」
 大河内税理士は何事にも文句を言いたい。
 コロナの自粛で客が倒産して売上が激減してそっちの不機嫌も手伝っている。
 「ところで今回は佐藤栞李で行くとして先はどうしますか。本来オンライン併用で回数を増やす計画でした」
 杉下一行である。
 「後の二人ももう一回出して。過去の中からリクエストの多いのを使いましょう。そのうち新しく良い子も出るでしょう」
 福富麻次郎がまた妥協案を出す。
 「福富さんのところに居ないの」
 「いやあ。風俗嬢は一ランク落ちるよ。こっちのレベルなら私らの店の収入では満足しないよ」
 
 そんな最中。江田百合愛の涙のインタビューが始まった。
 江田百合愛は救出から二日で退院した。犯人を非難してインタビューで泣き続けた。
 「ロケ中に意識を失って気が付いたら診察室でした。最初は病院に運ばれたと思いました」
 「事態が分かってどうでしたか」
 「もう終わりだと思いました」
 「犯人の目的は何だと思われますか」
 「解りません」
 「犯人像はどうでしょう」
 「六十位の男性。体形は水色の白衣の上に防護服から全員同じ様に見えて区別が付きませんでした」
 「まったく顔とかは見えなかったですか」
 「ええ。私に足枷を付けて引き上げるまで同じ姿でした。冷蔵庫に食料だけ残してくれました」
 「その古民家に電気は来ていたのですか」
 「いいえ。古い車から外したようなバッテリーに繋いで行ってくれました」
 その様な状態で何も犯人に繋がる情報はなかった。
 「インタビューに応じたのは犯人の脅しからですか」
 「脅し。そんな生易しいものでは有りません。実際にもう一度拉致されると思いました。恐ろしい。ああーーーーーーーーーー」
 また号泣した。
 「女優を続けられますか」
 「はい」
 江田百合愛は涙を滲ませた顔を覆ったまま小さく答えた。
 
 江田百合愛の闇動画は一気に拡散された。インタビューはそれを促進したに過ぎない。
 ワイドショーでコメンテーターらは口々に削除を呼び掛けるが空しい。
 
 「先生。この犯人は何を考えているのでしょう。我々にもまったく迷惑な存在です」
 福富麻次郎が如月鬼堂に意見を求める。
 「目的はまったく解らない。ただ途轍もなく恐ろしい事が起きる気がする」
 「もう。起こっていますよ」
 戸籍を持たない部落の人達を嗾けて銀行強盗とその資金で破壊活動を行った事件である。
 「あれに匹敵するかそれ以上だ」
 「我々の商売と活動に影響しますか」
 「するだろう。どこかでミスをして捕まってくれないと。今は六十以上でかなり経済力がある集まりという以外は解らない」
 
 佐藤栞李は二月一日に五百万の入金は約束された。
 ショーの内容の恐ろしさに怯え続ける毎日である。
 やんわり支払いの催促も来る。プレイの収入だけでは足りない。公的協力金はなかなか振り込まれない。
 それでも休業中のアルバイトの補償給与は振り込んでいる。
 如月鬼堂の吊るしを思い出す。太腿の付け根に縄が掛かって大股開きで吊るされた。あれを録画に載せられてしまう。
 浣腸による排便も失禁も総て残ってしまう。
 会員だけでも七百人以上。恐ろしい羞恥である。
 この先店とか派遣スタッフを送る先とかで会員に遭ったらと思うと身が縮む思いである。
 事業を護るのに高い代償を払ってしまった。借金が残らないのがせめての納得である。
 人の苦しみを知らないで正論を唱える人は何故一度事業をたたんでやり直さなかったのかと言うに違いない。
 途中で辞めたら莫大な借金が圧し掛かる。破産すれば立ち上がるのはもっと難しい。
 思い出すだけでも忌まわしい一つ一つのプレイが何度も脳裏に過ぎる。夢でうなされる。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 「効果抜群だな」
 「インタビューを強制して更に拡散だ」
 「そして有名に成った」
 「適度に拡散したらノーカット版をばら撒こう。それで更に拡散強化できる」
 「二段構えだったか」
 「次はこの逆をやろう」
 「誰を狙う」
 「生意気な奴だ。ナルシーを自殺に追い込む」
 「誰を」
 「田中七海を潰そう」
 「フリーか」
 「そうだ」
 「どうやって拉致する」
 「女を雇おう。警察官の身分証を偽造する。前金五十万。後金四百五十万だ。他に男を二人」
 「家宅捜査礼状も作成するか」
 「無論」
 「だがその女。顔を見られるぞ」
 「問題は無い。ちゃんとメイクの仕方を知っている女を見つけてある。アリバイも作る。金に行き詰まっている女社長だ」
 「それでは会長との繋がりが」
 「それも間接的だ」
 「ほう」
 葬儀社の社長はやや懐疑的だが納得する。
 「アリバイはどう作る」
 別の男が確認する。
 「小さな離れた地方のビジネスホテルにチェックインする。其処の防犯ビデオにも細工する。夜間フロントは一人だけだ」
 「その男も買収か」
 「経営に行き詰まったオーナーだ。既に仕掛けてある」
 どういう目的か六人はまた動き出した。
 
 無謀な復習を行った原直子の裁判に判決が下りた。死刑である。裁判員は全員一致していた。
 猟奇な犯罪の被害者であることは深く同情されるも犯人の決め付け方の短絡さ、また関係の無い被害者を多数生んだことを強く非難された。
 原直子から無関係の人を巻き込んだことは深く反省の言葉が述べられた。だが六名の容疑者のうち三名の殺害は肯定した。
 「私に自殺以外道はありません。それ以前に報復しかありませんでした」
 その主張を一切撤回しなかった。
 
 一月三十一日。
 愛好会当日である。
 如月鬼堂らはプレイルームに行かない。大河内税理士と館山弁護士、葛和医師、そして抽選に当たった会員十名のみが入る。
 如月鬼堂と杉下一行、福富麻次郎は宇佐美の囲炉裏端で鑑賞である。
 珠洲と瀬里菜はカウンターの中に引いている。
 最初のリクエストは逆さ吊るしにして浣腸である。
 如月鬼堂と同じ様に縛る。
 高手小手は大河内税理士と館山弁護士で完了する。吊るしは会員の手を借りてかなり手間を食った。
 佐藤栞李は更に屈辱感と恐怖を味わう。
 吊るすのもぎこちない。何人か手伝って滑車の縄を固定する。
 会員が佐藤栞李の背中側から踏み台に乗って浣腸器を挿し込む。
 「・・・・・・」
 佐藤栞李は悲鳴を上げたいが何とか声を抑える。
 これでは逆噴射の様に便を噴き上げる。それだともろに頭まで被ることに成ってしまう。
 既に大河内税理士の手で部屋に備え付けの透明な浴槽に湯が張られた。
 佐藤栞李には普通の吊るしや開帳台以上に屈辱的である。女の部分が真上を向いて広げられる。
 逆さ吊るしの苦しさの上に浣腸される。やがてその痛みも襲ってくる。
 最初からかなりのハードである。
 二人の会員が逆さ吊るしの太腿を下から支えてアナル栓を挿入する。
 また暫く苦しめる目論見である。
 カメラは上に向けて晒された股間をアップにしている。
 佐藤栞李の目前にもモニターが映像を映している。本人もその姿を見ることができる。
 堪え難い恥ずかしさに目を背けるが究極の不安から時々確認せざるを得ない。
 会員らはアナル栓を入れたまま土手と女の部分の周りにローションを塗る。
 籤引きで当たった会員が剃毛を始める。
 既に佐藤栞李は浣腸の痛みに腰を捩る様に藻掻いている。
 「動くな。動くと斬れるぞ」
 剃毛している会員はこの時の定番の台詞を吐く。
 「むりーーーーですーーー。い、いたいいーーーーーーー」
 佐藤栞李は苦しみを訴える。
 あと二人会員が加勢して押さえを強化する。
 佐藤栞李はその部分を自分で形を整えている。陰毛の量は僅かである。土手に形良く残して大陰唇の周りは綺麗にしている。
 雪の様に白い皮膚に性器の周りの紅を差した部分が艶かしく綺麗である。その部分は大方露出している。
 土手に三角形に残された黒い塊を会員は剃って入念に仕上げをする。
 余禄と佐藤栞李の女に指を入れる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は拒否の悲鳴を上げる。
 会員は更に指を奥に進入させる。
 「ああーーー。ああーーー。ああーーー。あはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーー」
 この状態で潮を噴かせる。
 潮は大方が床に飛び散るが一部股間と土手から腹を濡らす。
 股間の肌理の細かい皮膚が潮の雫に濡れて艶かしさを増す。
 「さあ。もう一度言え。私の排泄する姿を見てくださいと」
 大河内税理士がまた残酷な命令をする。
 佐藤栞李は恐れていた台詞を要求されて涙を零す。
 言うしかない。既に痛みに堪えようがない。今夜を乗り越えたら自分は救われる。
 「わ、た、し、の、排泄・・・姿をみてください」
 佐藤栞李は涙声を搾り出す。
 もう一台のモニターには会員と繋がっている。そのうち佐藤栞李にNGを出した八人と如月鬼堂がコマ割に表示されている。
 八人は悦びの乾杯を示す。
 佐藤栞李は真紅の表情で屈辱に堪える。
 踏み台に乗った会員の手でアナル栓が抜かれる。
 やや濁った水が嗽器の水飲み口から出る様に噴き上げる。
 「う、うううーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は苦しみに躰を急縮する様に藻掻く。
 便の溶けた水は首まで流れて髪の毛にも流れる。
 水だけで便は出ない。佐藤栞李は藻掻き苦しみ続ける。
 「お前また抜いてきたな」
 会員が叱咤する。
 「ちがううーーーーー。くるしいーーーーーーー」
 佐藤栞李は藻掻き叫ぶ。
 館山弁護士の指示で会員四人が吊るされた佐藤栞李の躰のフロント面を上にして持ち上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李の躰は空中で横になる。股間はカメラに向いている。
 「あ、はあーーーーーーーーーーーーー」
 便が一気に飛び出す。
 また会員から乾杯が起こる。
 「あ、あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 会員らは涙を流し苦しみ続ける佐藤栞李を吊るしから開放する。
 浴槽に投げ込むが高手小手の縛りのままである。
 躰は湯に浸かって洗われたが髪は汚水に塗れている。
 館山弁護士と大河内税理士がその縄を解く。
 そのまま浴室に促す。
 如月鬼堂の居間ではこの観戦の他にテレビ会議とワイドショーも放映されている。
 そちらでは緊急事態宣言の延長の議論が酣である。如月鬼堂は怒りを込めてそれを見ている。
 集団免疫が達成されるまでいたちごっこと言いたい。昨夜もインターネットアダルト放送で無駄な発言は抑えた。
 ファッション喫茶三店舗はオンライン営業のみである。
 さらに風俗売春が衰退しかねない。ソープランドの激減が如月鬼堂の心配事である。
 珠洲と瀬里菜は佐藤栞李にまったく同情しない。嫌な女との認識を持っている。地位のある女と言う振舞い。知識人じみた動作が嫌いである。
 如月鬼堂は佐藤栞李の二回目の起用をあまり進める意志はなかった。
 急場凌ぎに来た女である。資金を確保したら去って行く。とことん躰を呈してくれてこの世界に染まる女を優遇したい。
 大河内税理士の要求を受け入れたのである。
 いろいろ言動に問題が有る人物ではある。
 だが国税出身。そして如月鬼堂の節税に最大限に貢献してくれる。この税理士が申告する限り余程の事が無ければ税務調査は入らない。
 SM愛好会は会計上完全に透明で商売ではない。
 それでもSM愛好会を運営するにも大河内税理士の存在は必要不可欠。そしてSM愛好会は直接の収入にならなくてもその効果は絶大である。
 今回は大河内税理士の要求に任せる。
 
 二月六日。
 村井美紀子は女性刑事の様な服装で田中七海のマンションを訪れた。後ろに体を見られないよう配慮しながら二人の男が待機する。
 マスク、メガネ姿で完全な似顔絵は難しい。
 村井美紀子は身分証を提示して田中七海にドアを開けさせる。
 家宅捜査令状を突きつける。
 「覚醒剤不法所持の容疑です」
 ドアから一気に進入する。クロロフォルムを顔に充てる。一瞬で確保した。
 二人の男が後から入って縛って麻酔を強化してキャリーバックで運び出す。
 そのまま指定されたマンションの空き家に運んで終了である。
 奈良県の小さなビジネスホテルのフロントで前日チェックインした。その防犯カメラの映像を細工してアリバイが作られている。
 村井美紀子は化粧品販売店の社長である。コロナでマスク需要が増えて売上が減少していた。
 闇サイトの運営者から橋渡しされた仕事である。成功報酬で合計五百万の運転資金を得た。
 風俗、SMも含めて働くことを考えたが年齢的に安くなる。これしか手段は無かった。
 メイクには自信が有る。簡単には自分に辿り着かないと自信を持っている。
 佐藤栞李に比べたら危険を犯したが僅かな手数で同じ資金を得た。これからが不安だがアリバイは完璧である。
 

 最期のSM小説家 第十九幕 若く独立した女社長の苦難 完





 最期のSM小説家 第二十幕 風俗に流れる女たち


 二〇二十一年大寒下元。太陰太陽暦十二月二十六日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年二月七日。
 緊急事態宣言は一ヶ月延長された。倒産件数はどんどん増えている。失業者はさらに増加する。
 最早こっちが緊急事態と言うべきかもしれない。
 静岡県宇佐美。如月鬼堂のマンションその居間である。
 如月鬼堂は珠洲の送迎で熱海駅から戻ったばかり。テレビ中継が始まっていた。拉致された田中七海のマンションからである。
 連続拉致強姦傷害事件。防護服姿六人の犯行と推定されている。
 田中七海は生放送に来なかった。まったく連絡は付かない。失跡の可能性は無いとされていた。
 館山弁護士他SM愛好会の主なメンバーとテレビ会議も繋がっている。
 居間には珠洲と瀬里菜の他に熱海のファッション喫茶の店長荒井枝里が来ている。
 田中七海は自宅マンション内から拉致されたと推定されていた。六日の夜二十二時の前後まで知人との通話でマンションに居たと確認されている。
 如月鬼堂には田中七海は江田百合愛より酷い拷問が行われると推測が付く。
 それは如月鬼堂の様な世界観の持ち主ならあたりまえに感じる事である。
 江田百合愛はおとなしい表情の美人顔で可愛いと言える。そして知識人的発言はしない。
 その反対に田中七海は女性優位な観点から強く意見を押し出す。
 派手な表情の目立つ典型的な美人である。如月鬼堂はこういう女を好まない。
 何故かこの犯人グループも同じ意識に思える。
 「この人。相当酷い事されちゃうね」
 荒井枝里は如月鬼堂の意識を見透かすように言う。
 「そうだよ。そんな気がするよね」
 珠洲も同じ様に感じとっている。
 「緊急事態宣言の最中だ。視聴者が増える事を計算している」
 「そうよ。これ相当凄い内容に成りそう」
 瀬里菜も周りに同調する。
 「先生。それより江田百合愛のノ-カット版が流れ出しています」
 杉下一行がテレビ会議で通知してメールで添付して来る。
 「驚いたな。この女の人気をアップしようという策だ」
 如月鬼堂は思った以上と言いたい。
 「でも何の為にこんなことするの。部落の人達と銀行襲ったのと比べると意味が解らないですね」
 荒井枝里も犯人の目的に疑問を強くいだく。
 「パパもっと大きな事件になると言っていたよね」
 瀬里菜は如月鬼堂の先週の発言を思い出す。
 「そんな予感がする」
 「違うよ。パパもっとはっきり言っていたよ」
 「何が起こるかは解らないよ」
 「パパの小説ネタに成りそう」
 「それ以上だよ」
 憶測だけで何処までも謎は深まる。
 
 東京都世田谷区に在る賃貸マンションである。
 このマンションは既に家主は建て替え方向で居住者の契約期限切れを待っている。
 大方が空き部屋である。
 引越し会社の四トン車が止まっていた。夜間の通行量が少ない地域である。
 村井美紀子らが運びこんだ一つ下の階。連続拉致強姦傷害事件。その防護服姿の六人は地下室同様の偽装を行った。
 田中七海は全裸にされ床に埋め込んだ金属の拘束具で脚首、手首、腹、膝を固定されて大の字に磔られていた。
 「この女は潰す。この女の自殺が社会に報じられて目的達成だ」
 川口の会長が決意を述べる。
 眠ったままの田中七海の躰に溶けた蝋涙を掛ける。
 あーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海から強烈な悲鳴が上がり一気に意識を回復する。
 「なにーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海は防護服姿を見て更に悲鳴を強く上げる。
 最早絶望である。
 気が付いて既に全裸で固定されている。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーー」
 蝋涙は容赦なく躰に流される。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既にカメラが回っていると判る。
 「お前は許さない。江田百合愛の様には済まさないぞ」
 男らの一人が宣告する。
 「なんでよーーーーーーーーーーー。私が何をしたの」
 田中七海は有り触れた台詞を言い返す。
 「お前のメディアでの存在が気に入らない」
 「なんでよーーー。みんなおうえんしてくれているよーーーーーーーー」
 「みんなではない。お前は自分のファンだけ見ている。お前を嫌いな奴もたくさん居る」
 「そおんあーーーーーーーーーーーー。それでも出演依頼もグラビアも来るのよ」
 田中七海はこれだけ反論するがやっとだった。
 「それでもこれからお前の無修正AVを作る」
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 田中七海の声は恐怖に震えている。
 「お前は何も残してやらない。クリトリスも膣も焼く。乳首は斬り堕とす。子宮は撤去だ」
 「・・・・・・・」
 田中七海は恐怖で声も出ない。
 「諦めろ」
 「ああーーーーーーーーーーん。あきらめられないよーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海は半狂乱である。
 「どうせ御歳三十路余りだ。お前はもうじき一気に崩れる。辱めるのは今が最後の時期だ」
 「勝手に決めないで」
 田中七海はまだまだ自分の美貌は続くと自信を持っている。
 「最後の美貌崩壊シーンの永久保存版作成だ」
 別の男が宣告する。
 既に大股開きで固定されている。女の部分も丸出しである。
 男は性器を広げる。
 「随分使ったな。ドドメ色だよ。遊びまくったな」
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 「これを公開したらみんなスケベ女と思うぞ」
 「はっはっはっはは」
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーー。そんなじゃないよーーーーーーーーーーーー」
 田中七海は堪らず叫ぶ。
 確り撮影してカメラに収められた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。撮るなーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海は無駄と判っても叫ばずに居られない。
 「尿意も便意ももう直ぐだな」
 「何よ」
 醜い排泄を録画されるのは田中七海にも充分に想定できる。
 男らは田中七海の股間の下に白いバスタオルを敷く。
 「排泄物が良く見える様にな」
 このまま排泄すれば白いタオルの上でくっきり映像に浮かぶ。
 「利尿剤だ」
 男は注射器を持っている。それをお尻に注射する。
 田中七海は利尿剤を打たなくても尿意はそこまで来ている。長くは持たないと思っている。
 田中七海にここで何を言っても逃れられないことは判る。どうにも成らない恥ずかし過ぎる排泄が社会に公開されてしまう。
 田中七海はこれまでばら撒かれた闇動画を見てない。流れて来る噂やSNSの投稿からその恐ろしさは充分に理解できる。
 次に別の男が浣腸器を持ち出す。僅か二百CCである。
 「分かるか。沢山投入はしない。便が壊れないようにな」
 男は目的を態々説明する。
 アナル栓は挿入しない。
 このまま自然に排泄するのを待つのである。
 暫く放置して男らは酒盛りに入った。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 リビングを嵩上げして造られた囲炉裏端には如月鬼堂と荒井枝里、珠洲と瀬里菜がテレビ会議と報道番組を視聴していた。
 囲炉裏の周囲はミニカウンターになっている。その周りが掘られてそこには湯を張っていた。
 足湯をして酒を飲む。
 ビール、ワインはコーナーに冷たい水を張って冷やす桶が設えてある。
 如月鬼堂は麒麟クラシックラガーの瓶をケース単位で取り寄せている。三十年少し前には日本の半分以上のシュアを占めていたビールである。
 現在は殆どのスーパーの店頭に無い。酒屋もケース単位の注文となる。
 珠洲と瀬里菜はスパークリングワイン。荒井枝里もそれに合わせている。
 如月鬼堂は囲炉裏端のミニカウンターにノートパソコンを置いて執筆を続けていた。
 寿司屋から出前の大きな桶が届けられキッチンのカウンターに置かれ珠洲と瀬里菜が時々交代で皿に取って如月鬼堂の横に運ぶ。
 二人ともミニワンピースで素足のままである。テレビ会議が繋がらなければ全裸か際どい下着姿になる。
 報道番組では田中七海がマンションから拉致された事件が検証されていた。
 マンションの防犯カメラには犯人と思われる人物は無かった。
 カメラに映っていたのは居住者か訪問先の分かる訪問者だけであった。
 非常階段から防犯カメラを避けて入ったものと思われた。
 付近に怪しい車両も無かった。
 この犯人が長距離を移動する方法が判らないと伝えていた。
 「江田百合愛の時も移動方法が謎でした」
 キャスターはその様に締めくくった。
 その後はコロナ関連の報道になった。同じ内容の繰り返しなので如月鬼堂らはテレビ会議の方に対応する。
 樽常マネージャーが新しい女性のリスト四名を公開した。
 その内三名は大河内税理士と杉下一行が却下した。
 残ったのは市川沙耶香。二十九歳。長身で細身。美形の顔である。
 「実はこの女もアパレル系の女社長なのです。在庫を処分して休店中です。会社と倉庫の維持費の必要から入店しました」
 樽常マネージャーは佐藤栞李の様に一時凌ぎに来ていると断っている。総てコロナの緊急事態宣言の影響である。
 来週の予定は武井里美と決まっている。
 「どうしましょう。佐東詩織は予約が沢山入っています。間に入れてやってどうでしょう」
 樽常マネージャーは資金を急いでいる市川沙耶香を薦める。
 「先生。新しい女性の方が会員は期待します。来週を変更しませんか」
 大河内税理士はこっちが虐めたいらしい。
 「樽常さん。どうでしょう」
 「調整します」
 「先生。みんな外出制限です。十二日の夜に入れませんか」
 確かに飛び石連休だが休んでしまう人は多い。
 急遽予定は追加されることになった。
 
 田中七海はアナルに力を入れて踏ん張る。尿意も限界だがまだ出ない。
 男らは飲みながら苦しむ田中七海を愉しむ。
 アナルから徐々に浣腸液が滲み出る。
 すぶーーーーーーーー。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 突然一気に便が飛び出す。更に浣腸液がずるずる流れ出る。
 猛然と臭気が立ち込める。換気扇などは回せない。それでも六人は強力なマスクを着けている。
 臭いは田中七海を辱めただけである。
 更に小水も噴き上げる。かなり溜まっていてなかなか止まらない。
 「あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 田中七海は自分の取り返しの付かない姿が公開されてしまう。それをどうする事もできない。絶望を目前に懊悩する。
 女刑事を装って来た。あの女はどうしたのか。後ろに男が居た様に思えた。顔は見なかった。
 女刑事を装った女の顔も半分しか見えてない。コロナで皆大きなマスクをしている。似顔絵も難しいのではないか。
 あの時立っていたのが女性だったのでドアを開けてしまった。
 開けなくても警察と言われて強引に入って来た。それを拒絶はできなかったと思う。
 どうしても自分は逃れられなかった。
 犯人らは遊びや性的満足だけとは思えない。
 何の為に自分は犠牲にされたのか。この先今の排泄が公開されたら。それ以前に性器が公開されただけでもどうにもならない。
 男らは排泄物を撮影してその場から退かせる。
 田中七海の視界にドリルバイブ、電マ、バイブレーター、ローターが入ってくる。
 あれで責められたら。これ以上更に恥を晒す。
 男らはクスコを手にしている。
 股間一帯をタオルで拭いて更に周りを綺麗にする。
 田中七海には気が遠くなる恥ずかしさである。
 男らはクスコを膣に挿入する。
 「さあ。お前の女の奥も世界に公開だ」
 男は螺子を回してクスコで膣を広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 更にアナルにも開口器を入れられてしまった。
  定番通り二つの穴がペンライトで奥まで照らされて録画される。
 「入口は遊びまくって使い古しだが。中は薄橙で綺麗だ」
 男は態と詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーー。勝手に決めるなーーーーーーーーー」
 田中七海はそんなに沢山に許した覚えはない。自分で慰めた方が多い。色が強くなっているのは自分自身でも分かっている。
 こんなのを公開されたら。マスコミに出られないだけでは済まない。もうどうにも生きていられない。
 何としても阻止しなければならないがこの状況ではこれまでの被害者と同じことになってしまう。
 次は男らの手で膣にローターが挿入された。
 中でスイッチが入る。この程度は田中七海にも何とか抑えられる。
 男はローターをリモコンに繋がった線を引っ張って入口まで引き出す。それを膣口付近で出し入れする。
 「う、ううーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーー」
 この責めの方が厳しい。田中七海は抑えようと踏ん張ったが声が漏れてしまった。
 男らは更にローターを追加する。
 一人がクリトリスの包皮を剥いて責める。
 膣を責めていた男は膣口のローターを指で押し込む。もう一つローターを膣に押し込む。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー」
 田中七海はクリトリスの責めと合わせてとても抑えられない。
 更に膣口にもう一個追加する。
 「あーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー。あーーーはあーーーーーーーーーー」
 田中七海は顔を右に左に藻掻く様に躱して逝き声を搾り出す。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 女の部分のビラビラは男の指で広げられ三個目のローターが膣口で振動している。尿道の亀裂もやや開いてくる。
 一気に潮が噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴と共に潮が断続的に何回か噴き上げる。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 田中七海はローターのスイッチが切れて潮が止まっても暫く荒い息遣いを続ける。
 「余り時間が無い。手術に掛かろう」
 一人の男が半田鏝を持って来る。
 もう一度クリトリスを包んだ包皮を指で剥く。
 「い、いいやああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海はクリトリスを焼かれると分かってまた強烈に叫ぶ。
 男らはクリトリスに半田鏝の先端を押し付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 田中七海の顔からは涙が溢れ出る。
 一人が局部麻酔を注射する。
 一人がメスを持っている。乳首を抓み上げる。
 「いやあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一人が止血パットを滅菌袋から出して構えている。
 注射器を持った男が局部麻酔を打つ。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 田中七海は涙声で泣き叫ぶ。
 メスを持った男が乳輪の境目からメスを入れる。血が噴出すのを一気に斬り落とす。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはああーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 田中七海は号泣する。
 直ぐに止血パットを被せる。
 最後に子宮を摘出してホルマリンの入ったガラス瓶に入れて横に置く。
 局部麻酔だけで全身麻酔は掛けない。床にベルトで固定したまま放置する。
 男らは便の載ったバスタオルと田中七海を固定したベルトと床に打ち込んだ螺子以外全部回収する。
 運送トラックのカメラが周囲を見張っている。
 安全を確認してマンションを出る。裏道から運送会社を偽造したトラックで引き上げる。東京を出たところで偽造ナンバーを交換する。
 Nシステムを避けて帰還した。
 直ぐに田中七海の動画を闇サイトからアップする。
 それが短い間に瞬く間にダウンロードされる。
 今回はマンションから拉致されたらしいとの報道で待ち構えている者も多かった。
 蛇の道は蛇で杉下一行も直ぐに取得して主なメンバーに転送した。
 今回は動画に田中七海の居場所がはっきり最後に表示されている。
 そしてさらに今回は動画の最後に『社会に報復お手伝いします』とロゴが流れた。
 早朝なので警察が内容を確認するに時間が開いた。
 先に少年らがその場所を知って進入した。
 全裸で床に固定さ田中七海の前に少年三人が立つ。少年らは窓を開けて外の光を取り込む。
 田中七海の恥ずかし過ぎる姿が白昼に晒された。
 少年といっても十八くらいにも見える。
 少年らは構わずスマホで写真を撮る。
 「だめーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。これを解いて」
 さすがにそれ以上はできなかったのか少年らは写真を撮っただけで出て行く。
 警察はそのあと暫くして到着した。
 少年らは既に写真をSNSにアップしていた。
 場所が世田谷のマンションというだけでまた衝撃が奔った。
 
 翌朝十時を過ぎて如月鬼堂は杉下一行からのメールを確認した。
 既に館山弁護士からテレビ会議のコールが入っていた。
 「犯人は遂に目的を示しましたね」
 「そうか」
 如月鬼堂は直ぐに動画を開く。
 ワイドショーでもこの部分が取り沙汰されていた。
 「この犯人らは自分らの趣味や満足ではないな。この女を潰すだけの作業だ。そして社会に衝撃を与える狙いだな」
 如月鬼堂は動画の内容からそう思う。
 「犯人らは大田正勝の様な報復目的を探しているのですね。今は標的が無いから社会を騒がせているのでしょう」
 「しかし。この女に恨みが有る様なやり方だ」
 「犯人らの音声は消されています。被害者から犯人らの会話の証言も無いのでしょうかね」
 館山弁護士は証言が有って警察が出さないと見ている。
 「警察は何も掴んでないと思うがな」
 如月鬼堂はまったく捜査の進展が無いと見ている。
 「今回、埼玉、群馬、奈良、本庁まで捜査に加わります」
 「東京都内でやったからな」
 「本庁を合同捜査に巻き込まないようにしていると思っていましたが。堂々と東京でやりました」
 「警察への挑戦とも思えないが」
 如月鬼堂も犯人の真意はまだ読みきれていないらしい。
 だが『社会に報復お手伝いします』の文言から何か大きな事件を狙っていることは如月鬼堂の想定通りである。
 
 田中七海は救出され病院に搬送され入院した。何とか女性の似顔絵だけ作成されそっちの捜査が開始された。
 似顔絵はマスコミに公開されたが付近の防犯カメラなどからは該当者が見つからなかった。
 田中七海はマスコミからのインタビュー要請は拒絶した。
 コメンテーターらは組織が大きいという見方は否定しないが、刑事に扮した女を詐欺の受け子のような存在と推定する。
 これまでも何回か使われているのではないかとも憶測された。
 如月鬼堂も同じ考えである。
 
 市川沙耶香のオンラインによる開催は十二日と決まったが、市川沙耶香はさらに一回分の急場資金を希望した。
 ショーの前に会員には付けられない。大河内税理士が引き受けることと成った。
 如月鬼堂は業界で長く働く意志のないこの女にまったく興味が沸かない。
 市川沙耶香は豊洲のプレイルームに二十二時に来た。
 樽常は佐藤栞李の失敗を考慮して市川沙耶香を厳重に教育した。
 市川沙耶香は他のクラブに行っても稼げないことを知っている。他に自分の会社を救う手段は無い。
 緊急事態宣言は何時まで続くか分からない。解除になっても直ぐに経済は回復しない。
 会社を存続するだけで一千万くらい投入しないと追いつかない。
 在庫はバッタ売りと通販で運転資金に換えている。通販も赤字販売するしかない。旬な時期にコロナの影響で売れなかった商品である。
 銀行融資の返済は利息のみ。元本は据え置きになっている。
 従業員は殆ど解雇した。残したのは通販に必要な二名だけである。
 今夜は風俗に始めて出る初日。覚悟を充分に決めて来たつもりだが躰も心も震えている。
 樽常マネージャーから注意を受けて更に不安になった。佐藤栞李の話は他人事で済まない。
 市川沙耶香はそれ以上に仕入れ資金も作らねばならない。在庫をバッタ売りで掃いてしまえば企業は倒産に向かう。
 コロナが終息して経済回復に向かう時点までには必要である。
 いま目の前に居るいかにも女性を嫌らしく乱暴に扱いそうな五十男。愛好会の幹部らしい。
 万一この人物を怒らせたらこの会から資金は得られない。
 市川沙耶香は教えられた通り床に両膝揃えて正座する。土下座する様に前に三つ指を突く。
 教えられた台詞で挨拶する。
 「本日はハードSM嬢といたしまして私の全身でご奉仕申し上げます。どうぞこの躰をご存分に虐め辱めてご主人様の気が済むまでお遊び下さい」
 当初市川沙耶香には耳を疑うくらい衝撃的な内容であった。
 「良く端折らないで言えたね。ちゃんと言わない奴が多いのだ」
 「よろしくお願いいたします」
 市川沙耶香はそう言って立ち上がる。
 「全部そこで脱いでくれ。俺の方を向いて」
 「はい」
 市川沙耶香は躰を大河内税理士に向けているが顔を下向きに反らして服を脱ぎ始める。
 手は震えている。
 市川沙耶香は佐藤栞李の様な高級スーツは着てない。在庫処分残りのスーツを着て来ている。
 下着も通販で安く買った。脱ぐ時の恥ずかしさを考慮して真新しいものを着けて来た。
 大河内税理士はショーを今週に控えている市川沙耶香に鞭の痕は付けられない。剃毛も遠慮する。
 鞭系で使えるのはスパンキングだけである。
 これからの会員のプレイを考えると軽くしてはならない。ギャラに見合うプレイをする必要はある。大河内税理士はそう考えた。
 拷問椅子に乗らせる。
 「自分で女を開け」
 市川沙耶香は屈辱的な意味を理解した。
 震える指であっさり女の部分のびらびらを開いた。だが表情は顔を赤く染めて恥ずかしさに逸らせている。
 綺麗な女の部分である。
 「恥ずかしいな。ショーの時はその表情で良い。会員とのプレイではリラックスして笑顔を作れ」
 「はい」
 市川沙耶香は堪らない恥ずかしさその上さらに怒りが去来する。だが逆らわず返事をした。
 これが会場で多くの人が見ている前でのショーなら堪えられるだろうか。
 コロナでオンラインの開催でここだけは助かったと思う。もっともコロナが無ければ関わる事はなかった世界である。
 大河内税理士は蝋燭数本に点火する。
 蝋燭なら痕にはならないはずではある。だが比較的問題の無い足の指手前付近に掛ける。
 「あ、ああーーーーーーー」
 それほど熱くは無いはずである。衝撃と恐怖で悲鳴が上がる。この悲鳴なら大丈夫。大河内税理士はそう判断した。
 市川沙耶香は気性が強そうな女だが肌が雪の様に白い。稀にこの蝋燭でも火傷になる場合がある。
 そういう人は皮膚がそういう体質でその火傷の痕は消えない。
 問題なしと見て美しい太腿にぶっ掛ける。既に芯の周りに溶けて溜まった液状の蝋涙を一気に掛ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん」
 市川沙耶香から強烈な悲鳴が上がる。
 十回くらいプレイに慣れたら無言で堪えられることである。
 乳房にも被せる様に掛ける。
 「はあ、あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は恐怖の表情を引き攣らせて悲鳴を上げる。恐怖に歪む表情は実にサディストをそそらせる。
 蝋燭は序の口である。
 大河内税理士は市川沙耶香の躰のフロント面を蝋涙で真っ赤にする。それでもここまではソフトなプレイの範囲である。
 大河内税理士は女の部分を指で広げる。
 「えーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 ピンクの粘膜に流す。
 「はああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は剥き出した歯を食い縛って顔を振って悲鳴を上げる。硬派な美人顔が強烈に崩れる。
 「いやあーーーーーー。いやあーーーーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 市川沙耶香は恐怖の表情で荒い息遣いを続ける。
 「蝋燭は痕に成らない。芯を落とさなければ火傷にもならない。ま○○こは暫くひりひりするが問題は無い」
 「え、ええーー」
 そう説明されても市川沙耶香の表情は引き攣っている。
 大河内税理士はスパンキングを取り出す。卓球のラケットよりやや大きい。
 スパンキングの平面で乳房に被った蝋涙を叩き割る。
 「うぐーーーーーーー」
 さらに叩いて掃除する。
 「う、う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は悲鳴を搾り出す。
 大河内税理士は叩き続けて蝋涙の欠片をとことん掃除する。凄惨な鞭の痕や蚯蚓腫れにはならないが乳房を革の平面でビンタされるのは強烈に痛い。
 市川沙耶香は涙を滲ませている。
 覚悟はしていたが実際に男に躰を叩かれる。その屈辱感が身に沁みる。
 大河内税理士は浣腸の準備をする。
 市川沙耶香はそれを辛い表情で見る。SMにこれが有る事は分っている。それでもいざやられるとなるとここまで堕ちたと辛さを抑えられない。
 ショーでもやられるに違いない。自分の排泄の姿が映像で千人弱の会員の元に残ってしまう。
 一発五百万でも途轍もない代償だと思う。
 大河内税理士は明日の予定から今夜のプレイは早く済ませたい。
 冷たい水に濃い目の石鹸水を溶く。量は少なくて良い。冷たさで一気に苦しめて抜く。
 アナル栓はしない。
 拷問椅子の股間の真下に接続した透明な容器に受ける。
 市川沙耶香は直ぐに腹の痛みに苦しむ。無駄と判っていても躰を突っ張って便意に藻掻く。
 大河内税理士は既に換気扇を回して待機している。
 「ううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は断末魔の悲鳴を上げる。
 透明な容器に便が一気に流れ出る。
 強烈な臭いは市川沙耶香を羞恥のどん底に陥れる。
 大河内税理士は医療用マスクで防御している。
 大河内税理士は先を急ぐ。股間部分をタオルで拭いてクスコを挿入する。
 「ああ」
 女の奥まで抉じ開けられてしまう。何もかも晒しものである。プライドも自尊心も総て剥ぎ取られてしまった。
 もう隠すものは何も無い。
 アナル開口器でアナルも広げられスクリーンに投影された。
 子宮口も腸の内部も丸見えである。ショーの当日もこれをやられてしまう。何処までも奥深く陥れる責めが続く。市川沙耶香の想像以上である。
 しかし市川沙耶香にはさらに恐ろしいものが待っていた。
 逆に大河内税理士は会員にこの女を提供する為にここまではやって置かないとならないと考えていた。
 大河内税理士は市川沙耶香にアイマスクを被せる。
 「口を開け」
 大河内税理士はそう言って社会の窓を開けて一物を取り出す。
 「少しは飲まないと許さないぞ」
 そう宣告して小水を開いた口に流し込む。
 口の中に小便。市川沙耶香あまりの衝撃に流しだしてしまう。
 大河内税理士はクスコにもアナルにも流し込む。
 佐藤栞李の時よりハードに飲む事を強制した。
 膣に小便。市川沙耶香には到底想定もできなかった屈辱である。何処まで堕とされるのか。もう堪える限界は超えている。
 大河内税理士はさらに口の中に流し込む。そして口を押さえる。
 「飲め」
 さらに顔に掛けられる。
 「ぐおほーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐほーーん。ぐほん。ぐほん。ぐほん」
 やや飲んだものの気管に入ってしまった。激しい咳が続く。
 市川沙耶香にはもう気持ち悪さの極致である。
 アイマスクを取られても目を開けられない。
 拷問椅子の戒めを外される。
 「シャワーで洗え。十五分以内だ」
 市川沙耶香は浴室に飛び込んでドアを閉めると泣き崩れた。堪らない不快感にとにかくシャワーを被る。
 嗽薬が置かれていたのでそれを口に含んで消毒する。
 これから何回これをやらなければならないのか。涙がぽろぽろ零れる。
 それでも十五分で戻らなければ成らない。涙を入念に拭く。躰を拭いてタオルを巻いて出る。
 大河内税理士は市川沙耶香を全裸で床に正座させる。
 手を後ろに回して手首を縛る。
 前に回って髪を掴む。平手で左の頬を叩く。
 「むう、うーーーーーーーー」
 市川沙耶香は悔しさを噛みしめた表情で大河内税理士を見上げる。
 大河内税理士はハードにするに痕を残さないブレイはこのくらいしか思い付かない。
 女の顔にビンタは堪らない悦びである。
 大河内税理士は嬉々として叩き続ける。
 市川沙耶香は余りの悔しさにもう涙を抑えられない。大粒の涙が滲み出て流れ落ちる。
 大方の女が悔し涙を滲ませる。割り切ったつもりでも許せない怒りがこみ上げる。
 現代女性の自尊心が異常に高くなった象徴である。二つぐらい昔なら顔を叩いても金をもらったプレイと甘受していた。
 三十年ぐらいで大きく認識が変わってしまった。
 市川沙耶香は堪えられず号泣した。
 大河内税理士はそれでも許さない。
 何かさらなる責めを考えるがなかなか思い付くブレイが無い。
 大河内税理士は市川沙耶香をもう一度拷問椅子に乗せる。
 ブジーを二本取り出す。
 市川沙耶香はそれがなんだか解る。
 大河内税理士は市川沙耶香の女の部分を指で開く。尿道の小さな亀裂を見出だしそこに刺し込む。
 「ぐうおーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は甲高い声の悲鳴を上げる。強烈に痛そうである。
 大河内税理士は更に市川沙耶香の膣にクスコを挿入する。
 尿道にブジーが刺さったままである。
 「ええーーーーーー」
 市川沙耶香は堪らない悲鳴を漏らす。
 大河内税理士ネジを回して大きく広げる。
 「ああ」
 市川沙耶香は涙目で大河内税理士を見上げる。
 大河内税理士はペンライトで奧を確認して子宮口にもう一本のブジーを刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は堪えられず満身に力が入る。躰を硬くして叫ぶ。強烈な悲鳴である。
 尿道と子宮に異物が入り壮絶な痛みを奏でている。
 市川沙耶香は顔から汗を噴き目に涙を滲ませ藻掻く。
 大河内税理士はこれで充分な効果と確認する。
 朝までのプレイ時間だが大河内税理士の都合で終了を説明された。そして本来会員とのプレイがもっとハードなことを伝えられた。
 市川沙耶香は部屋に戻って玄関から中に入ると倒れてしまった。
 
 二月十一日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーと如月鬼堂担当の編集も参加してテレビ会議が繋がっていた。
 一日中オリンピック委員会会長辞任のニュースである。
 「先生は何もコメントしたくないでしょうがアメリカの局がダメ押ししてくれて引きずらずに済みました」
 館山弁護士は総理も降ろせる民事党のドンの様なこの人物に引導を渡せないと言いたい。
 そして如月鬼堂が元総理に御意などと言わない様に釘を刺している。
 「嫌な時代になった」
 如月鬼堂はそう嘆く。
 真性奴隷女の館の樽常マネージャーが新しい女性を紹介して来た。
 「グラビアの対象が無いわね」
 編集の小川綾香は不満である。
 樽常が何人か名前を挙げるが食指は動かない。
 「グラビアには出られない若い女社長以外いい子が居ないよ」
 ベテラン編集の小川綾香の目は厳しい。
 新しいグラビア女性を求めて会議に割り込んでいた。だが見つからず落胆している。
 真性奴隷女の館に応募者は多い。倒産を免れようと駆け込む女社長が圧倒的である。
 今回は大河内税理士と館山弁護士が一致して全員NGと成った。全員スタイルが良くない。
 
 二月十四日。
 クラウドファンディングを悪用した詐欺事件が起こった。それは詐欺事件だけでは済まなかった。
 犯人らは嘘の企画でクラウドファンディングを悪用してテロの資金を作ったのである。
 一本のビルを丸ごと使った立て篭もり事件。もとより破滅承知で決行したと思われる。
 五人の女性を人質にしている。
 犯人らの要求は違法アダルトビデオ販売で逮捕起訴されたオーナーの釈放であった。
 犯人らは強力な武器を持って立て篭もっている。
 武器を提供したのは連続拉致強姦傷害事件の防護服姿六人である。
 武器そのものを提供したのではない。武器の製造方法と製造手段を提供したのである。
 犯人らは巨額の資金を手に入れている。
 ビルの最上階では人質女性五人が全裸にされて次々と拷問されている。その内容を動画にして大量に取得したメールアドレスに順次配給する。
 配給ごとに違うサーバーから配信される。
 屋上には機関銃と迫撃砲が設置されていた。
 人の手で撃つのではない。室内から有線で遠隔操作である。
 小型のロケット弾も用意されていた。
 警察ヘリが上空から近付くと機関銃の対空砲火が飛んでくる。遠巻きに監視するしかない。
 犯人は五名。まだ三十代ばかりである。
 付近の建物から人は全員避難した。ジュラルミンの盾を構えた警察部隊が周囲を取り囲んでいる。犯人らは警察の呼び掛けにはまったく対応しない。
 この建物に繋がる道路は全て通行止めにされている。
 警察の囲みは犯人らの機関銃掃射で何度か後退させられた。
 迫撃砲まで撃ってくる。
 既に警察部隊に死者、負傷者が数人出ている。
 犯人らは警察が要求に応じないので人質一名をめった刺しにして殺害した。
 その遺体をビルの屋上から全裸のまま吊るしている。
 犯人らが建物から機関銃と迫撃砲で狙って来るので警察は遺体の回収もできない。
 警察庁長官の判断で逮捕者の釈放検討会議が開かれた。
 犯人らはヘリによる輸送での釈放を要求している。
 ヘリの乗員は一名と限定。十二名以上乗れる機材を指定している。
 羽田空港から逃亡用の機材も要求してきた。
 それらの検討にまだ時間を要している。
 犯人らはその間にも人質の拷問を続けていた。
 犯人らは連続拉致強姦事件の犯人六人の拷問を完全に真似ている。
 違いは小刻みに動画を配信する事である。
 武器はこの建物の中で製造した。
 犯人らは金属の材料と火薬、NC旋盤、マシニングセンタを中古で購入して運び込んだ。
 スリーディキャドで図面を作成してスリーディプリンターでも作成できるが現実役には立たない。
 Gコードに変換する。NC旋盤が砲身を造る。それ以外の部品をマシニングセンタで製造する。
 女性五人の拉致は強引に行われた。この犯人は足が付くことを恐れなかった。篭城するからである。
 既に犯人五人の名前は捜査線上に上がっていた。
 女性五人の姓名も判っている。動画に運転免許証かマイナンバーカードが表示されていた。
 社会的の殺すのは連続拉致強姦傷害事件の六人と同じである。
 警察は一階から建物内への侵入を試みたが一階にも無人の機関銃が設置されていた。銃撃で入口に近付けない。
 屋上からも迫撃砲と機銃弾が飛んで来る。
 犯人らは五階に居る。人質は全裸で柱にそれぞれ磔にされていた。
 トイレに行かしてもらえない。脚元にガラスの水槽が置かれている。小水はその中に垂れ流しである。
 犯人らは交代で二時間ずつ眠る。最初から持久戦の構えでいた。
 屋上の機関銃が一斉に対空砲火を開始した。
 警察ヘリが近付いたので攻撃が開始されたのである。レーダーが敵を捉える。一定の距離に近付くと自動でレーダー射撃が開始される。
 このシステムは犯人らが作った。逆に連続拉致強姦傷害事件の六人にも提供した。
 一階周囲にもセンサーが張り巡らせてある。
 女性五人は既に全員輪姦されている。それも生強姦である。
 四人の女性は恐怖に怯えきっていた。既に一人が目の前で殺されている。
 犯人らは二人めの犠牲者の拷問を開始した。
 女の脚元の水槽が避けられる。両腕を左右に広げられて壁の杭に短い縄で手首を固定された。
 それまでは他の三名と同じ様に腰の縄だけで壁に磔られていたのである。
 その隣に磔にされているのは殺されて屋上から吊るされている女の妹で広末鈴夏と言う。
 殺害された姉は広末明日香。既に殺害されたことと実名が報道されている。そして家族らから悲痛な訴えが繰り返されていた。
 福島沖地震の報道とこっちの報道が忙しく交互に行われている。
 広末鈴夏は恐怖に引き攣った表情で拷問されようとしている隣の女性を不安そうに覗き見る。
 犯人らは容姿で選んで女性を浚っていた。どの女もそれなりに可愛か美人である。
 いま拷問に晒されているのは東野静香。長身の美人である。
 犯人らは入念にこの女を輪姦した。
 二人の男が鞭を構えている。どちらも一本鞭である。先端は蝿叩きの様な形をしている。
 それを振り被って乳房を上からびんたする様に叩く。
 「ぐうお---」
 東野静香は反動で片脚を蹴り上げて悲鳴を上げる。
 もう一人は内腿を叩く。
 「ううーーーーーー」
 腰を横に引く様に仰け反る。
 次はまた一人目が反動をつけて乳房を横からひっぱたく。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー」
 二人目が顔を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 東野静香は怯えた目で睨み返す。
 それをカメラは自動で撮影している。
 男一人はモニターを監視して警察の動きを見張る。一人は報道をチェックしている。
 「おい。叩くくらいじゃ警察はびびらないぞ。マスコミが騒いで家族が政府に泣き込むくらいに責めないと」
 「性器も公開したし。剃毛もした。あの親父たちの様に乳首斬るか」
 「ばかやろー。俺たちじゃ処置ができないだろ。一人見せしめに殺した。これ以上人質は減らせない」
 「ならばどうする」
 「これだけでも親は泣き喚いているぜ」

 そう言って一人目の男は加虐心を滾らせ東野静香を叩き続ける。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房のビンタは見た目より痛い。東野静香は顔に汗を噴き目に涙を滲ませている。
 また蝿叩きの様な先端で顔をビンタする。
 「う、ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 東野静香は睨み返す。同時に涙が溢れる。
 男は女をビンタする悦びに浸り加虐心をさらに満足させる。
 またさらにビンタする。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 東野静香は遂に号泣してしまう。
 痛みと女の顔を叩かれる悔しさ理不尽さからである。
 「こんな美人をビンタできるなんて最高だぜ」
 男は嬉々と悦んでいる。
 「アクメに持って行け」
 報道をチェックしていた男が命令する様に言う。
 叩いていた男はもう一発と平手で叩いて感触を愉しむ。
 男らはやり方を話し合う。電マ、ドリルバイブ、ローター、バイブなどは有るが拷問椅子などは準備してない。
 壁に更に杭を打ち込む。
 東野静香の左の脚首を持ち上げる。
 「あーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 股間はもっと丸出しになる。
 打ち込んだ二本の杭の間に脚首を填め込む。U字金具を杭に填め込み脚首に被せてボルトで止める。
 東野静香は悲痛な表情でそれを見ている。
 更に右脚も持ち上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーー」
 股間は完全に開いてオープンである。東野静香だけこれまで以上に恥ずかしさが強化された。堪えられず拒絶を訴える。
 右脚もU字金具とボルトで完全に固定された。
 苦しい吊るしである。
 お尻の下に椅子を持って来る。高さの調節できる椅子なので高さを上げて調節する。とりあえず下から体重を支える。
 丸出しに成った女の部分を指でびらびらを引っ張って広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 東野静香は堪らない屈辱に強烈に泣き叫ぶ。
 これまでテレビなどでこの様な犯罪が最近何度か報道される。SNSなどでも恐ろしい内容を読んで知ってはいた。
 それでも自分には無縁なものと思っていた。東野静香は普通に歩道を歩いていて拉致された。
 自宅のすぐ近くである。高速の入口に近い場所であった。
 行き成り後ろから掴まれた。ワンボックスカーに連れ込まれ麻酔を嗅がされた。車が高速に上がった迄は確認した。その先は意識がない。
 東野静香に我慢していた尿意が迫っている。カメラが他を向いたときにこっそりやろうと考えていた。
 今の体制ではさらに恥ずかしい。
 「お願いトイレ」
 東野静香は小声で要求した。
 「いいぞ。いましろ」
 男は待っていましたとばかりに切り返す。そしてまた女の部分を両側から男二人が広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー」
 東野静香はもっと恥ずかしい状態にされて喚き散らす。
 「尿道口から直に出るところを公開だ」
 男はからかう様に宣告する。
 「いやあーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーー。あーーはあーーーーーーーーん」
 気丈そうな美人が小娘の様に泣き叫ぶ。
 東野静香は股間に神経を集中させて尿意に堪える。
 男らは電マを取り出す。それを微かにクリトリスに充てる。
 「あーーーーーーーー。あはーーーーーーーーー。い、い、やーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 東野静香は眉間に濃い皺を刻んで泣き声を漏らす。
 男らは東野静香の躰を嘗め回しながら責め続ける。
 「あーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 東野静香は断末魔に強烈に叫ぶ。
 もう堪えられない。
 尿は電マの下から溢れ出る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男らは電マを離す。
 尿は勢い良く弧を描いて流れ出る。男らがびらびらを引っ張っているので尿道の亀裂から直に出るシーンが撮影された。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。とまらないよーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 東野静香は藻掻き泣き喚く。
 それでも大股開きで尿道口を露出した放尿シーンは最後まで撮影されてしまった。
 排尿が終わって東野静香は泣き続けた。
 この現状から開放されてもこの先どう生きて行けば良いのか。
 「このくらいで一度配信するか」
 「そうだな」
 犯人らは動画の配信準備にかかる。
 「やめてーーーーーー。やめて。いやよ。だめ。だめ。」
 東野静香は自分の排泄動画がばらまかれると知って喚き散らす。
 「お願いやめてーーーー。おねがいーーー」
 東野静香は号泣して訴える。
 「駄目だ。警察と政府が要求に応じない。お前の排泄シーン皆が悦ぶぞ。取得した奴が海賊版で闇販売するよ」
 「止めて下さい。私はこのさき生きて行けません。私が何でこんなめに遭わされるの。私が貴殿方に何をしたのですか」
 東野静香は態度を改めて抗議する。
 「お前が美人で俺たちの罠を張ったところに出てきたからだよ」
 その犯人の男はさらりと言う。
 「恨んで化けて出てやる」
 東野静香の声は既に怨念が籠められている。
 「あんたがお化け。それは歓迎するよ」
 犯人らはあざけ笑っている。
 「畜生!呪い殺してやる」
 東野静香は本気でそう思っている。
 「人を呪えば穴二つ。あんたも死ぬぜ」
 「ばかやろう。死ぬ覚悟で言っているんだよ」
 東野静香は怒り狂っている。
 「まあ。あんたに呪いなんてできないよ。諦めて風俗に勤めな」
 「ふざけるな。畜生!」
 いくら吠えても無駄である。犯人らは動じない。
 その間にも動画は配信された。
 「お、おのれえ。絶対許さない」
 東野静香は自らの人生がここで壊された怒りに如何ともしがたい。戒めがなく自分が武道家だったら全員叩き殺していた。
 それが適わないまでも赦す事は永久にできない。
 
 二月十五日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 露天風呂に湯を入れて三人で入ったあとくつろいでテレビ画面を見ていた。
 如月鬼堂はバスロープ一枚。珠洲と瀬里菜は全裸で遅い朝食を摂っている。
 ビルを要塞にして立て篭もった事件は膠着状態である。
 犯人らは東野静香を放置して三人目の拷問に掛かっていた。
 昨夜の愛好会のショーもオンラインで盛況に終わった。
 最後に洗濯ばさみで両方の乳首を二時間鋏まれるプレイが行われた。市川沙耶香は取る時に究極に藻掻き暴れた。
 洗濯ばさみに鋏まれた痛み。これが二時間続くが堪えられない程ではない。
 それを取る時に押えられていた肉が戻る痛みが尋常ではない。
 市川沙耶香は失禁を晒した上に便も漏らしてしまった。会員らの加虐心を究極に満足させたのである。
 『最高の永久保存版です』
 こんな会員のコメントが多量に寄せられた。
 市川沙耶香には取り返しの付かない災難であった。会員のコメントの鞭に叩かれ泣き崩れた。
 逆に市川沙耶香の倶楽部での指名は一挙に入った。その状況をみて樽常マネージャーは価格を上乗せした。
 市川沙耶香はショーが終わって立ち上がれなかった。そのまま朝までプレイルームに残った。
 如月鬼堂らより遅い時間にやっと目を覚ました。
 プレイの辛さが目前に蘇ってくる。スマホで入金を確認する。本日は事務所に戻って約束の支払いをしなければ成らない。
 急いで支度をする。シャワールームに入るとまた涙が溢れ出た。乳首の感覚はまったくない。
 プレイの予約が沢山入って資金繰りに貢献した事だけは確かである。
 如月鬼堂は自宅の居間で監修しただけで総て大河内税理士と館山弁護士任せであった。
 報道番組は人質解放の訴えと現状分析の繰り返しである。
 杉下一行から送られた動画を開く。犯人らは三人目の拷問を東野静香の隣に磔にされていた広末鈴夏ではなく一番右端の女を選んだ。
 「警察はまったく手が出ないのね」
 珠洲は人質にされた女性だけを心配している。
 「無理だろう。ビルが機関銃に護られた要塞だ。上空からも一階からも入れない」
 如月鬼堂の意識はこのビル自体が要塞である。
 「超法規的処置は行われないのね」
 瀬里菜も早く人質を解放してやるべきと思っている。警察の威信などどうでも良い。犠牲者をいち早く助けるべきである。
 「ダッカ事件のようには行かない。例え被告人を引き渡しても行く先が問題だ」
 「犯人が逮捕から完全に逃れられる国なんて現代社会に有るの」
 「そこが問題だ。犯人は目的地に着いても人質を帰す保証がない」
 「イスラム国は崩壊したでしょう」
 「トランプ前大統領の宣言通りではない。そうなると女性四人は土産物だ。警察も政府もそれを考慮している」
 「ああ」
 「日本政府はトランプ大統領の宣言を信用しないのね」
 「それはそうだ。人気は有るがやる事は表面的で不完全だ。まったく根回しができない。本来なら勝てる選挙に民主党とマスコミに上手に嵌められた」
 「このまま犯人らは篭城したまま」
 「チャンスは被告人を解放する時だが失敗すれは犠牲者が出て逃走させてしまう結果になる」
 「地下から掘って突入できないの」
 「それも検討しているだろ。だがこの様子ではその対策もできているだろう」
 「どうする事もできない状況なのね」
 「銃弾まで製造している。食料もかなり備蓄されていると思う。五人居れば交代で睡眠も取れる」
 「人質になった女の子。どうなるの」
 瀬里菜は悲痛な表情である。
 如月鬼堂は今度の土曜日のスタジオを含めて回答に困る。
 
 愛知県名古屋市千種区。犯人らの立て篭もるビルである。
 四人目の女も両腕を広げて壁に固定された。
 東野静香と同じ様に左脚から持ち上げられる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 堪らず喚く。
 それでもV字開脚に壁に吊るす。東野静香のお尻を乗せていた椅子がこっちに適用される。
 「こっちは吊るしだけでも問題なさそうだぜ」
 男は小柄な体形からそう判断する。東野静香は太ってはいないが長身である。その分体重は有る。
 女は倉科果莉菜と言う。
 犯人らは躰にボリュームが有って美人の東野静香に群がって輪姦した。だがこっちの女も悪くない。
 小作りの美人顔。こっちの羞恥の姿も公開したくなった。
 「まずはローターからだ」
 「三つくらいぶっこめ」
 「やめろーーーーーーーーー」
 一人が倉科果莉菜の女の部分を広げる。
 「これを公開してからだ」
 「やめろーーーーーーーー。ひろげるなーーーーーーーーー」
 こっちはなかなか気象が強い様である。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。はんざいだーーーーーーー」
 「もとより犯罪だよ。今更だ」
 犯人らはあざけ笑っている。
 広げた女の部分を撮影しながらローターを突っ込む。
 「やめろーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜はローターを押し出そうとする。強行に突っ込む。
 「おのれーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 二個目三個目を強引に突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーー。だせーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は般若の形相で抵抗する。
 三個とも一気にスイッチが入る。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーん。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は藻掻き抵抗する。
 「あ、ああ、ああーーーーーん。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーー。やめろーーーーーーー。ああーーー」
 犯人らは膣口をガムテープで塞ぐ。
 「ああーー。やめろーーーーーーーーーー」
 二人が左右からクリトリスをローターで責める。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は襲い来る官能に藻掻く。
 既に股間全体が震撼している。
 「あはん。あはん。あはあん。ああーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー」
 倉科果莉菜は数分藻掻いたが堪えられない。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 潮が押えたガムテープの内側から噴出す。潮はガムテープを押しのけ剥がしてしまう。
 女の部分全体から溢れる様に噴出する。
 そして股間はぶるぶる震撼している。
 「だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 やがて潮は出尽くして止まる。
 犯人らは二人で左右から倉科果莉菜の女の部分をもう一度大きく開く。
 「見ろ。お前の膣口。感じて痙攣しているぞ」
 犯人の一人がモニターを指差す。
 「ああ。ああ。ああーー。やめろーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は号泣してしまう。
 犯人らはそれでも許さない。
 「浣腸だ。二つの穴一緒に責めてやる」
 「やめろーーーーーーーーーーー。きょうせいわいせつやめろーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜はそれでも怒りの限り叫ぶ。
 冷たい水を浣腸器に注入する。連続拉致強姦傷害事件の六人のやった動画を真似ている。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーー。やあめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーぐうーーーーーーーーーー」
 冷たい水が強烈に直腸を襲う。腹の痛みは一気に来る。
 「アナル栓をして三十秒待つ。中身を綺麗にしてくれるぞ」
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜はもうどうにも成らない。苦しみから逃れるには排泄しかない。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーー。このにんぴにんーーーーーー。こんなことしてーーーーーーーー。なんになるんだよーーーーーー」
 倉科果莉菜は冷たい浣腸液に苦しみ藻掻きそれでも怒りの言葉を吐き出す。
 「警察と政府が要求を呑まないからだよ」
 「ちくしょーーーーーーーーーー。なんとかしてーーーーーーー」
 倉科果莉菜は政府と警察に向かって叫ぶ。
 「交渉人が何度も俺たちにコンタクトを要求している。こっちは要求を呑むまで対応せずだ」
 「ううーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーー。もうじきたいほ。ぐうーーーーーーーー」
 犯人らはアナル栓を抜く。
 ぶおーーーーーーーーーーーーー。ずううーーーーーーーーー。ずぶずぶずーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 茶色い水が流れ出て断続的に便が千切れて飛び出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーはん。あはんはん」
 倉科果莉菜は取り返しのつかない羞恥に号泣する。
 犯人らは便の入った水槽を片付けて倉科果莉菜のアナルと股間を入念に拭く。
 倉科果莉菜は怒りの表情のまま顔を逸らせている。
 犯人ら二人がドリルバイブを一本ずつ構えている。
 「さあてこれで失神してもらうか」
 犯人らは詰る表情で構えている。
 「えー!!」
 倉科果莉菜はドリルバイブの姿に慄く。
 犯人の一人が指にローションをたっぷり塗って膣とアナルに指を突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は躰を捩って抵抗する。
 犯人らはそれを押え付けてアナルからドリルバイブを押し込む。
 「うっぐううぐううーーーーーーー。ううっぐうーーーーーーー」
 それでも藻掻く倉科果莉菜の力を押し切ってドリルバイブは奥に入って行く。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーー」
 犯人らは倉科果莉菜の膣口を押し広げる。
 「ぐおーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 膣にも強引にねじ込まれる。
 「うう。おおーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は目を剥き右に左に顔を振って抵抗する。
 「美人の般若の形相。うけるぜーーーーーー」
 「知っているか配信するメールは五十万件以上だ。それもアダルト系が出所だ。みんな大事に保管してくれるぞ」
 「おおーーのれーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は最早解決のない怒りに唇を噛む。
 「エンジン始動だ」
 一気にスイッチが入る。
 「ぐうあああーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうあああーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜の表情は一気に破裂する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間は二本のドリルバイブに押えられながら微かに震えている。膣からはローションに混じった膣液が飛び散る。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 犯人らはアクメの表情を絞り上げる倉科果莉菜を観察しながら責め続ける。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は顔を右に左に振って官能から逃れんと藻掻きながら押えようない逝き声を搾り出す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に甲高い逝き声が部屋の中を震撼する。
 倉科果莉菜は僅か数分で失神してしまった。
 直ぐにドリルバイブは外され一人が壁と倉科果莉菜の間に入り込む。肩を掴んでアナルに挿入する。
 一人が前から膣に挑む。
 あと一人が横からスタンガンで起こす。
 「ああーーーーーー。なにーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は既に挿入されていると判って慌て喚き散らす。
 二人は構わず責める。
 「やめろーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は藻掻き抵抗する。それでも既にイッてしまった躰は直ぐに上り詰める。
 「ああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は抵抗できず官能に蹂躙される。
 「あはあ。ああ。ああ。あ、ああーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 倉科果莉菜からしばらく荒い気遣いが続く。
 男らは生で倉科果莉菜の中に果てる。
 「これで完璧だ。二穴挿入。生で逝き顔晒して。もう誰にも貰ってもらえない。付き合ってももらえない。汚れ女だ」
 犯人の一人が死刑の如く宣告する。倉科果莉菜には死刑の数十倍酷い仕打ちである。
 いつまでも嗚咽して泣き続けた。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 数人の愛好会幹部と真性奴隷女の館マネージャー樽常とテレビ会議が繋がっていた。
 杉下一行から取得した倉科果莉菜の動画が届いて確認した。
 「もう絶望だよね」
 瀬里菜は悲痛な表情である。
 「ねえ。電気とかインターネットとか切れないの」
 珠洲が疑問を呈する。
 「そんな事。とっくにやっているよ。犯人らはそれを見越している。発電機が中に有るのだろう。回線など強力なアンテナで飛ばせばどうにでもなる」
 「そうですね。専用回線が他の拠点まで繋がっている可能性もあります。近付けないので確認の方法も有りません」
 館山弁護士が補足する。
 その最中速報がテレビに入る。
 田中七海の自殺報道であった。
 「ああーー。あ」
 珠洲が落胆の声を漏らす。
 樽常マネージャーは事件より次の女のリストを公開した。
 それを聞いて編集の小川綾香も参加した。
 だが今回も大河内税理士と館山弁護士、杉下一行が一致して却下と成った。小川綾香も落胆してテレビ会議を終了した。
 「この事件いつ終わるの」
 瀬里菜がぼやく。
 「十九日までに片をつけてほしいな」
 如月鬼堂はインターネットアダルト放送の日が心配である。
 
 警視庁は村井美紀子に辿り着いた。だが奈良県の小さなビジネスホテルの証言で間違いと確認してしまった。防犯カメラの映像も確認した。
 結果はそれを裏付けるだけと成った。
 またも連続拉致強姦傷害事件の六人の作戦通りと成ってしまった。
 
 市川沙耶香は事務所で支払いを済ませてまた倒れてしまった。
 精神的なダメージである。それでも会社を継続するため続けるしか手段はない。やめる選択は破産宣告を伴う。
 
 
 最期のSM小説家 第二十幕 風俗に流れる女たち 完





 最期のSM小説家 第二十一幕 篭城事件


 二〇二十一年立春中元。太陰太陽暦一月九日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年二月二十日。
 緊急事態宣言はまだ解除されない。また名古屋市千種区東条ビル篭城事件も解決しない。
 浅間山荘事件以上の篭城事件と言える。
 ダッカ事件の様な超法規的処置もできない。
 犯人ら五人は交代で睡眠をとる。食料も備蓄されている。電気は建物内で発電する。用意周到な犯人らである。
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間。館山弁護士とテレビ会議が繋がっていた。
 本日はインターネットアダルト放送のニューススタジオに入る。
 コメントに備えて館山弁護士と見解をすりあわせる。
 「人質奪還のチャンスはヘリで容疑者を解放して空港で飛行機に乗り移る時でどうだ」
 「そうですね。それはもう少し考えた方が」
 館山弁護士は疑問を呈する。
 「万一奪還に失敗すると犯人らが逃亡後人質は帰って来ない可能性が高い」
 「そうです」
 ここは一致する。
 「今回は奪還のチャンスには触れないで行くか」
 「そいですね」
 館山弁護士の検証を受けて如月鬼堂は瀬里菜の運転する車で宇佐美の駅まで向かう。伊東線から新幹線に乗り換えてスタジオに入る。
 
 市川沙耶香は張り裂けそうな心臓を抑えて豊洲のプレイルームに来た。
 一人目の会員からの指名予約である。
 ショーのラストハプニングで一気に指名が入った。それが気分を重くしている。最悪の姿を晒してしまった。それが悦ばれたらしい。
 一晩二十五万。客は三十万払っている。通常のハードコースでは客から八万。手取りは五万である。
 会員はプレイルーム使用なので一晩二十五万で入ってくれる。四人付けば百万である。あと五百万くらいは得たい。
 指名はそれを達成するにほぼ足りる程度に入っている。それなのにそれは限りなく遠い事に思える。
 部屋に入って正座して両手を着いて挨拶する。
 「本日はハードSM嬢といたしまして私の全身でご奉仕申し上げます。どうぞこの躰をご存分に虐め辱めてお遊び下さい」
 同じ台詞だがやや端折った。
 本当に言いたくない台詞である。ソープランドで高級店に勤めてもこの半分も稼げない。どうしてもこれしかないのである。
 直ぐに全裸を要求された。先にシャワーは使わせない。
 男はブラを外すところから自分の手を出す。従うしかない。下着も新しい物で着替えて一時間と経ってない。
 男は四十代。公務員にも見える。接待かと疑うが愛好会の会員である。賄賂で潤っているのかもしれない。
 現代でそんな事はと思うが真相は分らない。
 市川沙耶香は拷問椅子に固定された。動画で鮮明に公開された女の部分を改めて執拗に鑑賞される。
 男は大量にピンチを用意している。
 「クリップにしたいが鬼堂先生がピンチまでと決めてしまった」
 男は物足りない様子だがピンチでも充分に効果がある。
 男の残忍さがずさりと市川沙耶香の心に刺さる。
 皮膚を小さめに鋏む。痛みの効果を考慮している。乳首だけ深く鋏む。慣れたやり方である。
 市川沙耶香は男が自分の失禁を期待していると思う。二人だけである。失禁だけならさっさと応じて見せて楽をした方が良いとさえ思う。
 だが男は何回か愉しむ構えである。
 どうしても経歴、気丈に見える市川沙耶香の容姿。資金繰りという目的から今だけ玩具にできる女と男らの加虐心は滾っている。
 男は鞭を手にしていながら蝋燭に点火する。
 虐め心が軽くないことが市川沙耶香にも強く感じ取れる。
 ピンチを付けた躰に蝋涙を流す。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目論見があるのか。良く解らないやり方である。
 男は蝋涙が固まるのを待つ間暫く市川沙耶香の唇を貪る。
 ショーではディープキスはなかった。これも堪えなければ成らない。
 鞭の先端でピンチが抓んだ根元を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯ばさみは直ぐに飛ぶ。
 市川沙耶香から甲高い悲鳴が上がる。涙は無いが顔の表情は強烈な泣き顔である。
 次は乳首のピンチを叩く。
 「うおお、お、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ピンチの咥えがずれて浅くなる。繊細な痛みが沁み渡る泣き顔の表情である。まだ涙は無い。
 男は市川沙耶香が痛がる乳首の先端を浅く抓んだピンチを後にしてもう片方の乳首のピンチを叩く。
 「うーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 こっちも咥えが僅かにずれる。
 市川沙耶香の半べその表情は更に軋む。
 男は残忍さを強く秘めた悦びの表情を微かに崩す。
 乳首に被った蝋涙が半分崩れて部分的に残った。その部分でピンチが飛ぶのを遮っている。
 次は乳房のピンチを飛ばす。
 「ううーーー。うーーーーーーーーーー。うーーーーーーー」
 蝋涙と一緒にピンチは飛ぶ。咥えが僅かなので繊細な痛みが沁みる。
 市川沙耶香は目を強く閉じて次の叩きに身構える。
 乳房を抓んだピンチの根元を掃う様に二つまとめて飛ばす。
 「あううーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 痛みに市川沙耶香の悲痛な泣き顔は強く暴れる。甲高い悲鳴を幾重にも搾り出す。
 これには男の怒張した一物を格段に刺激した。
 男は一物を取り出す。
 市川沙耶香は直ぐに入って来ると判った。
 文書の何処にも書いてないが暗黙で認めるしかない。
 「いいよな」
 男は了解を取って来た。だめと言えば何か稼ぎに影響すると思った。SMに比べればこの際やらせるくらい何ともない。
 「ええ」
 市川沙耶香は仕方なく小声で了解する。
 男は鞭を持ったまま挿入して来る。
 市川沙耶香は顔を叛けて受け入れる。
 男はさおを強く動かしながら鞭を短く持って僅かに乳首を抓んだピンチを飛ばす。
 「あはーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男の刺激は一気に上がる。
 続いてもう一個を飛ばす。
 「うおーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香の甲高い悲鳴。更に痛みに軋む泣き悲鳴を噛み締めて男は果てる。
 情液は市川沙耶香の女の奥に流し込まれた。
 市川沙耶香は警戒してピルを飲んでいた。もとよりソープで働く事を考えた。こっちだけで済めばとさえ思う。
 男は残った蝋涙を一気に鞭で叩き落とす。
 「うおーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーー」
 先ほどの悲鳴ほどではない。
 男はバスに湯を張る。自分も服を脱いでシャワーを浴びる。そしてここで市川沙耶香を拷問椅子から開放する。
 男は市川沙耶香をバスタブに引っ張る。
 男は殆どしゃべらない。興奮度は覚めてない様子である。浴槽の中で市川沙耶香の躰を満遍なく触って躰に残った蝋涙を剥がす。
 無言で唇を要求する。
 市川沙耶香も抵抗はしない。
 男は暫く市川沙耶香の唇を貪って湯から引っ張り出す。
 まだ時間はたっぷり有る。
 市川沙耶香は早く終わってほしい。
 今度は手首を縛り合わせる。それを天井のフックに引っ掛け踵が床に着いた状態で張る。
 左脚を引いて脚首に縄を掛ける。そのまま天井の離れたフックに通して引っ張り上げる。
 市川沙耶香の躰は弓なりに成る。股間は広がり女の部分は丸出しに成った。
 男はもう一度ピンチを持ち出す。
 今度は剥き出しの銅線と電源トランスも持ち出す。
 高く上がった左脚の内腿の柔らかい部分を膝下から股間に向かって銅線と一緒に鋏んでゆく。
 女の部分のびらびらを片側だけ三本鋏む。更にクリトリスを剥く。
 「え、ええーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は悲痛な声で叫ぶ。
 男は構わずクリトリスに銅線を巻く。
 「え、えーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は恐怖に縮み上がる。これを引っ張って飛ばす事は容易に想像が付く。
 ここで男は若干考えてさすがに撒き付けるのは止める。クリトリスをピンチで鋏んでその外側に銅線を回す。
 そこから折り返して反対側のビラビラにも三本鋏み付ける。
 そのまま右脚の太腿の内側を膝上まで五センチ置きに鋏んできた。その先端をトランスの端子に接続する。
 更にピンチのバネとなる円形の金属の中に左脚の膝下から順に凧糸を通す。
 更に残ったピンチで乳首を鋏む。乳輪の根元を両側から二本で鋏む。ピンチは乳首の両側から四十五度の角度にぴんと立っている。
 左右同じ様に鋏まれる。
 「はあ」
 市川沙耶香は辛い息を漏らす。
 男はトランスのスイッチに手を掛ける。
 「スイッチONと言ってくれ」
 男は市川沙耶香自らスイッチを入れる要求を強要する。
 市川沙耶香は暫く躊躇した。
 抵抗しても無駄とは分っている。
 「スイッチ・・・・ON」
 辛さと恐怖を飲み込む様に言葉を発する。
 男の指がゆっくりつまみを回す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香の躰は一気に硬直して震撼する。目を見開き大口を破裂させて悲鳴を轟かせる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 頭を後ろに反らせて恍惚の表情で断続的に悲鳴を搾り出す。
 バスタオル一枚の男のさおはその内側で強く怒張している。
 男は一度電流を止める。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 市川沙耶香は暫く荒い息遣いを続ける。
 男は暫く間を置いて同じ要求をする。
 市川沙耶香は痛みを思うと胸に重圧が掛かる。
 それでも覚悟をする。終わらせるしかないと自分に言い聞かせる。
 「スイッチ。ああ。・・ON」
 男は低めにスイッチを入れる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 それでも市川沙耶香は眉間に三重に皺を刻んだ顔を振って悲鳴を漏らす。
 市川沙耶香の苦しむ姿を愉しみながら徐々に電圧を上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香の躰は強く震撼して一気に恍惚の表情になる。顔の表情を究極に軋ませて頭を振って藻掻く。
 男はそれを暫く愉しむ。
 なかなか切らない。食い入る様に市川沙耶香の苦しむ表情に見入る。だが緊張した表情で状況を観察しながら諦めて電流を止める。
 「あは。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 市川沙耶香は縄にぶら下って荒い息遣いを続ける。
 男は暫く間を置く。
 「この糸を引っ張るからもう一度スイッチONと言って」
 男は恐ろしい要求をする。
 「・・・・・」
 市川沙耶香は言葉も返せない。恐怖に震える。
 男は糸を手で握ってスイッチに手を掛けて待つ。
 市川沙耶香も時間が経たない方が良いと分っている。恐ろしさに躰が震える。それでも仕方なく覚悟を決める。
 「スイッチON」
 一気に言ってしまう。
 電流が一気に上がる。
 「うう、おおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーがあーーーーーーーーーー」
 男は直ぐに糸を引かない。
 まだ恍惚の表情で藻掻く市川沙耶香を愉しむ。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 市川沙耶香はもう堪えられない。
 男はまだ愉しみたいがここで糸を一気に引っ張る。
 「うおおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーー」
 糸は左脚の内腿が一気に飛び股間のところで一度止まる。
 男は股間のびらびらを鋏んだ三本を市川沙耶香の強烈な悲鳴を愉しみながら一本ずつ飛ばしてゆく。
 「う、う、おお、おーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 続いて一気に右脚の内腿から飛ぶ。市川沙耶香から何度も強烈な悲鳴が轟く。
 「ああはん。あはあーーーーん。ああーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は堪らない痛みに藻掻き暴れ悲鳴を叫び続ける。
 そして遂に失禁した。
 「ああーーーーーーー。あはあーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 市川沙耶香は荒い息遣いで躰の震えは止まらない。床に着いた右脚もその下の床もびしょ濡れである。
 堪えられず涙が溢れ出ている。
 暫くして落ち着いてもまだ終わりではない。乳房のピンチに目をやる。市川沙耶香には恐怖の地雷と同じである。
 愛好会のショーで起きたラストの恐怖が蘇る。これでショーの時とんでもない醜態を晒して会員を悦ばせてしまった。
 まだ二時間には一時間近くある。
 男は冷蔵庫からビールを出して料金箱に千円札を入れる。モニターをつけてそれを観ながら飲み始める。
 それは市川沙耶香のショーの録画である。
 カーソルを最後のシーンまで送る。
 市川沙耶香には堪えられない意地悪である。
 そしてこれを見せられながら同じ恐怖を待たされるのである。
 録画から市川沙耶香自身の狂った様な悲鳴を聞きながら同じ恐怖の時間を待つのは如何であろうか。
 男は虐めに酔いしれ満足を満喫している。
 三十万の価値は充分であった。
 二時間ぴったり計って左脚を開放する。続いて腕も開放する。
 「さあ。自由に取っていいよ」
 男は突き放す。
 「ああ」
 市川沙耶香は両方のピンチを見比べて震える手で掴もうとするが怖くてなかなかできない。
 「早くしないと痛みはどんどん増すぞ」
 男は追い詰めて愉しむ。
 「あ、ああ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 市川沙耶香は狂った様に叫んで四本を一気に掴んで空中に離す。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 床を転げまわる。
 男は暫くそれを鑑賞する。
 市川沙耶香は自分で乳房を揉んで涙をぽろぽろ零す。
 男は電マを二本渡す。そして自分だけ服を着け始めた。
 市川沙耶香は悲鳴を上げ泣きながら二本の電マを持って乳房をマッサージする。軋む表情が強烈な痛みを物語っている。
 男はよく自分でマッサージできると感心しながら出て行く。
 
 二月二十四日。
 警察は穴を掘って地下のピットの水を抜いて地下から進入した。だが犯人らは既にこの行動をキャッチしていた。
 「警察部隊が地下のピットから入って来る。ピットの水を抜いた」
 監視していた犯人の一人が報告する。
 「予定通りだ」
 広末鈴夏を鞭で叩いていた犯人が断言する。
 四人の女性は一瞬期待を掛けたが恐々としている。
 「警察部隊が地下のピットから全員上がった時点で掛かれ」
 「おう」
 警察部隊は警戒してピットに数名残り掘ってきた穴にも何名か残った。
 地下室の床は鉄板に成っていた。歩くと音がする。静かに動くしかない。
 「階段は壊されてエレベーターは電源が切られています。地下室は完全に上と遮断されています」
 隊長らしきが本部に報告する。
 警察部隊はエレベーターの軌道を登る判断をした。
 一部のスプリンクラーから液体が飛び出す。
 「ガソリンの臭いだ」
 警察隊員が叫ぶ。
 次の瞬間。天井の端子から火花が飛ぶ。
 空中に撒かれたガソリンに着火する。
 「あーーーーーーーーー」
 「退却しろ」
 僅かなガソリンでも煙が充満する。
 足元の鉄板が一気に熱くなる。
 「うおおーーーーーーーーーー」
 下から強い熱が上がってくる。僅かなガソリンが油代わりとなる。フライパンの上に居る状態である。
 ピットの中もガソリンが流され着火される。一気に煙はピットに充満する。
 警察部隊は一気に退却する。
 それでも地下室に上がった全員が倒れた。ピットも同様で大方が逃げ遅れた。
 犯人らは暫く待って煙を抜く。
 焼け焦げた警察隊員の遺体が転がっている。
 四人の女性はその映像に悲鳴を上げる者。泣き出す者。みな犯人らの防備に驚愕して絶望する。
 テレビでは臨時ニュースで状況を伝えていた。
 警察部隊の作戦失敗は社会に深刻に重い衝撃を与えた。
 その後犯人らは広末鈴夏の拷問動画を配給した。
 『あと二十四時間以内に回答しないと次の犠牲者が出る』
 動画にこの字幕が入っていた。
 更に報道は震撼した。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間の囲炉裏端である。足湯を張ってくつろぎながら炉端焼きを焼いてビールを飲んでいた。
 テレビは速報からニュース番組に切り替わって状況を伝えていた。
 「いったいどうなるの」
 珠洲は深刻な表情で画面に釘付けである。
 瀬里菜も黙って画面を見ている。囲炉裏に載せた網には烏賊が焼けている。烏賊の他に帆立も焼こうとしていた。
 カウンターにはマグロの刺身が載っている。
 「どっちにしても警察も政府も非難は免れない」
 如月鬼堂は断言する。
 館山弁護士からテレビ会議のコールが入る。
 珠洲と瀬里菜は全裸であった。直ぐにワンピースを被る。
 「大変な事態になりましたな」
 館山弁護士も驚いている。
 「もう超法規的処置以外ないだろう。日本政府は身代金を出さないことになっているが、この犯人は金を要求してない」
 だが館山弁護士は如月鬼堂の見解にやや首を傾げる。
 「決断しなければ見殺しだ。非難は限りない。警察も相当犠牲を出した」
 如月鬼堂は更に強気で発言する。
 「それが問題では」
 館山弁護士は警察の犠牲の部分を見ている。
 「最終的には内閣の判断だ。ヘリから飛行機に乗り換える時に最後のチャンスがある。もう一人犠牲者を出すのはさすがに不味い」
 如月鬼堂は自分の見解を強く主張する。
 「その作戦は危険過ぎます。土曜日までには結果は出るでしょう」
 館山弁護士は含みを持っているがそれ以上言わない。
 「そうだな」
 「この先の愛好会の予定が決まっていません」
 館山弁護士は話題を変える。
 「まだ難しいだろ。もう暫くオンラインだな」
 「そうですか」
 館山弁護士は引き下がる。

 二月二十五日。
 緊急事態宣言は東京都と首都圏三県を除いて六府県で前倒し解除と成った。
 倒産件数と廃業件数は膨大である。見切りを付けた廃業でも緊急事態宣言が原因と言える。国の補償が一日六万と無いに等しい。
 名古屋市千種区東条ビル篭城事件の現場である。
 超法規的処置は決断されない。
 犯人グループは五人目の拷問を始めた。
 秋元茉那三十歳。株投資家である。
 家族が一番騒いでいる広末鈴夏が殺害されると見られていたがこっちに変えられたのかもしれない。
 秋元茉那は東野静香の様に壁に杭を打たれ脚首を縛ってV字開脚にされている。犯人らはこれまで通り女の部分を広げて公開する。
 
 背後で警察と自衛隊が新たな行動を準備していた。
 ヘリにロボットを積んだ。これをパラシュートで降下させる。
 更に自衛隊は防弾板の強い装甲車を準備した。
 一階と上空から突入する作戦である。
 ヘリが高い高度から火炎弾を落とす。屋上の火器を破壊してそこにロボットが降下して進入口を作る。
 続いてパラシュート部隊が降下する作戦である。
 一階からは装甲車で突っ込みエレベーターの坑道から登って突入する。
 警察と自衛隊は一気に行動を開始した。
 だが犯人らは高空から来るヘリにロケット弾を飛ばす。ヘリは火炎弾を落とす前に墜落した。
 装甲車にもロケット弾を飛ばす。
 装甲車には命中させず道路を陥没させる。近付ける道は二方向。両方破壊した。
 二機目のロボットを乗せたヘリもパイロットが危険を感じて引き返そうとするが手遅れでロケット弾が命中する。
 パイロットとロボット数体がパラシュートで脱出する。
 犯人らの籠城する建物から通り一つ離れている。
 「おい。あれはロボットだ。五十ミリを撃て」
 屋上の五十ミリ機関銃がオートで降下してくるロボットを攻撃する。
 それなりに破壊力はある。ロボットは空中で部分的に飛ばされ破壊される。
 機関銃で対応できることを確認した。
 建物の中では五人目に拷問されていた秋元莉那を処刑に掛かる。
 両手を広げて壁にがっちり磔にして固定し直す。
 犯人らはボウガンを持ち出す。
 「あーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 二人が狙いを定める。
 「うわあーーーーーーーーーーーー」
 秋元莉那は恐怖に失禁する。
 「ああはああんーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一本目が左の乳首を貫く。狙いは正確である。
 「うぉーーーーーーーーーーー」
 見ている他の三名も悲鳴を上げる。
 二本目が右の乳輪を貫く。
 「ぐうーーー」
 間髪を入れず三発目が心臓を貫いている。
 秋元莉那は壁に磔にされたままぶら下がってしまう。即死である。
 犯人らは直ぐに動画を配信する。
 以下のコメントが字幕表示されていた。
 『これが警察の攻撃に対する答えだ。次の犠牲者が出るまで二十四時間』
 残った三名の女性は泣き続けている。
 犯人らは秋元莉那の遺体をボウガンの矢が刺さったまま広末明日香と並べて屋上から吊るした。
 
 その夜。静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。愛好会の主なメンバーが集まった。
 秋元莉那の動画を閲覧する。
 「犯人は焦っているのでしょうね」
 福富麻次郎が口火を切る。
 「怒っているのだ。焦っては居ない。そんな甘い連中ではない」
 如月鬼堂は強く断言する。
 「やはり警察も政府も超法規的処置は行いたくない様です。警察の犠牲者が多過ぎます」
 「威信か」
 「そうです。そして超法規的処置を行って容疑者角田六郎を引き渡しても目的地に着いて人質を帰す可能性は低いです」
 昨夜と違って館山弁護士が強く意見を述べる。
 「確かに戻ってくる可能性は皆無だ。だがどっちにしても非難は免れない」
 「もう方法は無いのね」
 珠洲は人質にされた被害者を哀れんでいる。
 「催涙弾を大量に撃ち込んだら何とか成らないかな」
 大河内税理士である。
 「ガスマスクくらい用意している。それに異常に換気が良いのでは。地下室とピットと雖も相当に危険なガソリンに点火するくらいだ」
 如月鬼堂はあくまでヘリと飛行機を乗り換えるタイミングだと考えている。
 しかしそれは賭けである。リスクが高過ぎる。
 「二十七日の朝まで様子を見ましょう」
 如月鬼堂の心配は土曜日のインターネットアダルト放送のニュース番組コメンテーター出演である。
 SM小説の売れ行きには大きなメリットだが批判も沸く。デメリットが常に心配である。
 タイミングを待って樽常マネージャーが新しい女性の候補を提示する。
 編集の小川綾香はテレビ会議から参加した。
 照会されたのは一人だけである。
 またも会社経営者でグラビアNG。小川綾香は直ぐテレビ会議を離脱した。
 南七香。三十四歳。年は三十路余りだがスタイル良く顔の表情が虐め心をそそらせる。
 「短期間だけの女ですがこれは良いです」
 大河内税理士は直ぐに納得する。フリーに成った人気アナウンサーに似ていて気丈そうな表情が虐めても罪悪感を沸かせない。
 小柄だが脚の線のバランスが良い。
 「まだ店舗での開催はできませんか」
 また大河内税理士が要求する。
 「全裸美人コンテストはどうでしょう」
 福富麻次郎が要求する。
 みな不満が募っている。
 「もう。現内閣を本気で支持しません。と言って指示できる政党はありませんが」
 杉下一行である。
 「リベラルよりましだが。緊急事態宣言と特措法改正が良くない。そしてNHK受信料の未払い割増閣議決定だ。不支持を表明したいな」
 如月鬼堂も強く同調する。
 「首都圏の緊急事態は終了しますかね」
 館山弁護士はこっちが心配である。
 「オリンピックなどこの際どうでも良い。緊急事態宣言と特措法の影響で倒産、廃業する業者、個人の事を考えるべきだ」
 如月鬼堂の語気は荒い。
 市川沙耶香は次の指名をキャンセルした。体調が優れないとのことである。
 そして資金繰りが苦しいので愛好会のショーにもう一度出して欲しいと要求してきた。
 樽常マネージャーはその報告をする。
 一回で済ませたい目算は分かる。だが認めて良いかである。
 「先生。どうします」
 大河内税理士が如月鬼堂の意向を確認する。
 「皆さんで決めて下さい」
 如月鬼堂は一時稼ぎの女には関心が無い。
 「せめて会場でやりたいです」
 杉下一行はオンライン開催二回では意味が無いと言いたい。
 「そうだよな。佐藤栞李は一回会場でやっている」
 大河内税理士も同じ意見である。
 「大河内先生は一度プレイされています。どうでしたか」
 福富麻次郎の質問である。
 「ショーの時と変わらない。樽常氏の教育よろしく態度に問題は無かった。相当厳しくやったよ」
 「一人目の内容が問題では」
 館山弁護士である。
 「それ以前に俺と同じプレイを二人続けたら相当辛いな」
 大河内税理士は自信を持っている。
 「やはり会員十人以上はやって貰わないと。それと一回生駒の店舗でできませんか」
 杉下一行である。
 「関西は緊急事態が解除されている。こっちなら会員四百人だけなら」
 大河内税理士もそこを押す。
 「いいえ。営業時間の制限が残っています」
 館山弁護士は慎重である。
 「そうだ。会場はまずい」
 如月鬼堂も慎重である。
 「そうですね。今やったら完全に矢面に立ちます」
 福富浅次郎も慎重意見に賛成する。このところオンライン営業で何とか売上の横這いを維持している。
 如月鬼堂の三店舗も同じである。
 「首都圏の緊急事態解除の三月七日を待って考えましょう」
 館山弁護士はそれを強く押す。
 「その前に会員の予約十人はこなして貰いましょう。そうでなければ金だけ払って終わりです。会員の予約が優先です」
 杉下一行が更に厳しい見解を出す。
 ほぼ見解は一致した。
 会場開催は緊急事態宣言が首都圏で解除されてから日曜日の昼に生駒で開催。
 抽選で五十人に絞ってオンライン併用。
 市川沙耶香の二回目は会員十人の指名をこなしてから検討。
 新人の南七香は三月七日にプレイルームでオンライン開催。
 それまでに大河内税理士がサンプルプレイを行うと決められた。
 
 名古屋市千種区東条ビル篭城事件の現場である。
 犯人らは膠着状態のまま三名の人質女性を壁にV字開脚にしたまま二穴強姦を繰り返す。
 その内容を一時間置きにメール配信する。
 何故かメールの数は増えてゆく。
 
 連続拉致強姦傷害事件。防護服姿六人の山荘である。
 「なかなかやってくれるじゃないか」
 「五十ミリ機関銃があんなに威力があるとは」
 「自衛隊や軍のよりは性能は低いだろ」
 「そりゃそうだ。我々が作ったのだ」
 「警察はもう打つ手なしか」
 「そうでもあるまい。まだ手を尽くして来る。人質を取っての要求には対応しない姿勢だ」
 「これで人質にされたら助からないと社会に宣言された」
 「要求を呑んでも海外に連れ出されて帰ってくる可能性は低い。超法規的処置には踏み込めない」
 「あの五人はどうなる」
 「玉砕だな」
 「どういう風に」
 「警察が突入したら建物ごとガソリンに包まれる仕掛けだ」
 「そう指導したのか」
 「女は最低一人以上解放しろと指導した」
 「五人は死を覚悟しているのか」
 「もとよりその覚悟を確認の上だ」
 川口の会長の悪党ぶりは周到である。
 「五人が逮捕される可能性は無いのか」
 「無い。例え有っても我々には結びつかない」
 
  膠着状態のまま土曜日を迎えた。
 インターネットアダルト放題のスタジオである。
 籠城事件の犠牲者に配慮したのか今夜はAV女優のアナウンサーはトップレスではなくミニワンピース姿である。
 本多椿が現状を概説する。
 解っている範囲で建物の構造模型が造られている。
 如月鬼堂は宇佐見の会議の内容の通り解説した。
 そして緊急事態宣言や公共放送さらに籠城事件に対する対応のまずさなど詳細に語り現内閣の不支持を強く表明した。
 「名古屋市千種区東条ビル篭城事件でどういう結末が考えられますか」
 メインキャスターはまた過激な意見を期待している。
 「連続拉致強姦傷害事件の六人の指導なら籠城玉砕が考えられます」
 「人質の女性は全員助からないのでしょうか」
 「これも連続拉致強姦傷害事件の指導から一人は残すと思われます」
 「誰が残されると思われますか」
 「広末鈴夏です。」
 「何故でしょう」
 「一番自殺の可能性が低いからです」
 
 如月鬼堂は正午に東京のホテルをチェックアウトして宇佐美に帰り着いた。駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「少し問題が起きたの。館山先生達がお待なの」
 瀬里菜は改札で如月鬼堂を迎えるなりそう切り出す。
 「どうしたのだ」
 「市川沙耶香の指名で入った会員にやや問題が」
 「誰の紹介だ」
 「館山先生。直接ではないの。何人か紹介をエスカレーションして」
 「君の言っていた入会を止めても上の会員にエスカレーションか」
 「そうなの。でも。市川沙耶香のプレイの中で出た話が」
 問題は館山弁護士の間接紹介した会員がプレイ中に市川沙耶香に話した内容である。
 その日のプレイは一回目の会員とほぼ変わらなかった。市川沙耶香にはきつい一夜であった。
 調査では一回目の会員と知り合いらしい。
 報告して来たのは樽常マネージャーである。
 樽常マネージャーは大河内税理士から連絡を受けた。
 市川沙耶香は大河内税理士に相談した。
 二回目の会員は一回目の会員のプレイ内容を執拗に繰り返した。
 躰全体を蝋涙まみれにされ鞭で叩き落とす。ヒリヒリする躰に凧糸で繋いだピンチを銅線と一緒に沢山鋏まれた。
 やり方や道具はまったく同じである。
 左脚を脚首と膝で縛り吊し上げ股間を広げられ膝下から内腿を通して女の部分の片側を三本のピンチで鋏む。
 そこから腹の左を通って左の乳房、乳首を鋏む。
 乳房の裾野から谷間を鋏み右の乳房、乳首を鋏む。さらに右の腹の横を通して女の部分の右側も三本鋏む。
 そのまま右脚の内腿を膝上まで鋏む。
 銅線を電源トランスに繋ぐのは同じである。
 電流で三回執拗に責められ一気に糸を引く。究極に痛い部分で止めながら引っ張り陰湿に責めるやり方も変わらない。
 このプレイを三回繰り返された。
 倒れたまま話しを聞かされた。その内容がもっと過激な旅館で呼ぶ置屋の話であった。
 市川沙耶香は躰の一部を破壊する内容に驚愕した。
 そしてその会員の男が行ったプレイ内容に恐怖に震えた。
 その男は女を丸坊主にしてタバコの火を押し付けた程度である。だが乳首を斬られた女。子宮を焼かれた女も居たらしい。
 市川沙耶香は自分よりも悲惨な目に遭う女性らに驚きながらもこんな事に関わる会員が何人かいて良いものなのか密告した。
 大河内税理士もプレイ内容は問題視しなかった。だがその旅館で遊ぶ者が会員にいて良いかは如月鬼堂に確認するべきと考えた。
 館山弁護士と話したところ金を必要とする女たちに関わりがあった。
 直接そこに館山弁護士が斡旋した訳ではない。
 館山弁護士は杉本金融を紹介する。杉本金融はその融資を断る。
 店を出た女性を別の金融会社が呼び止める。借りられなかった人に営業する。
 杉本金融の無籍社員である。
 本来高利で貸すのだが一時建て替えで高額の仕事を斡旋する。
 館山弁護士の担当する事故等の被害者に弁済をさせる為である。
 愛好会に紹介すればもっと効率がよいが関わりを繋げたくなかった。
 「申し訳ございません」
 如月鬼堂が戻り次第館山弁護士が詫びを入れる。
 「館山先生。実際どのような問題があるのですか」
 如月鬼堂の態度はやや改まっている。
 「いま野崎先生と野村先生をお呼びしています。その後に検証いたします」
 「館山先生の懸念は」
 「何かその旅館が摘発された場合。会員が其処でも遊んでいた事ですね」
 「摘発の可能性はそれほど無いのでは。それに会員の関連まで繋がりますか」
 「確かに。落ち目の活字文化を維持するため芸能人の不倫を暴いて稼ぐ汚い週刊誌が騒がなければ」
 「まったく。あの週刊誌には反吐が出る」
 大河内税理士が怒りを示す。
 「まったくだ」
 杉下一行も同調する。
 そこに野崎卓郎弁護士と野村未来也弁護士が到着する。
 「その市川沙耶香とかが週刊誌に持ち込むと面倒だな」
 「それはないです。本人が隠れてやった資金稼ぎを公にしてしまいます」
 「それは何とも。週刊誌はそっちの立場は護ります」
 「そうだな」
 「でもそういった事が公に成ったら出所は市川沙耶香と判ります。こっちには担保があります」
 「そうです。動画は一般公開しない。その代わり愛好会の内容は外で話さない契約が交わされています」
 「一度市川沙耶香と先生方三人でお話いただけませんか」
 「判りました」
 野崎卓郎弁護士が了解する。
 そのあと杉下一行が取得した秋元茉那の動画を視聴した。
 何本も配信されていた。見ていなかった分を杉下一行が見つけ出して視聴した。この一本が問題なのである。
 浣腸されたり女の部分の公開はこれまで通りで躰中に溶かした蝋涙を掛けて鞭で剥がす。ここから問題が始まった。
 男らはトランスを持ち出す。
 クリップには凧糸と銅線が巻き付けられている。市川沙耶香の話の通りである。ピンチがクリップに替わっているだけが違う。
 愛好会がクリップの使用を禁止しているからである。
 秋元茉那はこれまでの拷問の通り壁にV字開脚に磔にされている。
 左の膝下から内腿の肌理の細かく柔らかい皮膚を鋏んで行く。股間で向きを変えて女の部分にくる。びらびらの片側を三本で鋏む。
 そのまま腹の左側を通って乳房を鋏み乳首を鋏む。
 もう一度乳房を鋏み反対側の乳房、乳首を鋏んで股間まで降りてくる。
 びらびらの右側も三本鋏む。女の部分は広がってピンクの粘膜が丸出しに成る。そのまま右脚の内腿を膝下まで鋏む。
 犯人の一人がトランスの端子が四本有るので両方の先端を繋ぐ。そして乳房の谷間で糸と銅線を切ってしまう。
 態と二系統にしたのである。
 既に秋元茉那はクリップに鋏まれた痛みに涙を零している。
 左の銅線に電流を流す。
 「う、うぐうう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 しなやかな躰全体の筋肉が怒張する。躰全体に力が入って藻掻き苦しむ。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 犯人らは小気味良く見ている。
 一度電源を切る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 秋元茉那の躰はブルブル震えて荒い気遣いを続ける。
 「これを引っ張って飛ばす時が愉しみだ」
 「その前にこの女の苦しむ顔。なかなかそそる」
 
 如月鬼堂の居間ではこの動画を深刻な表情で見ている。
 「まさか会員が連続拉致強姦傷害事件六人の一人では」
 杉下一行が内容に戦慄する。
 「その近い関係に居る可能性もある」
 如月鬼堂は核心ではない可能性にも含み持たせる。
 「どっちにしても早く対応しないと」
 大河内税理士も警戒心を強める。
 「その人は大庭信一郎。大庭祭典社長です。全国十四箇所に支店があります。紹介したのは最初に市川沙耶香さんとプレイした田中仁さんです」
 瀬里菜がパソコンから情報を引き出す。
 「その人の職業は」
 「外務省会計課長です」
 「うーーん」
 「とにかく大庭祭典社長には会を抜けて貰いましょう」
 「そうですね」
 
 犯人らは秋元茉那の躰を鋏んでいるクリップに左右交互に電流を流す。
 「うう。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那は眉間に強い皺を刻み顔は円を描く様に空中で強く振って藻掻き苦しむ。
 「やめてーーーーーーーーーー」
 「ふふ。両方行くぜ」
 「ああーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那の躰はブルブル震えている。
 「行くぞ」
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。ううーーがああーーーーーーーーーーーーー。うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那の表情は一気に軋む。目をきつく瞑り眉間に皺を破裂させて頭を捩って藻掻く。
 「ううーーー。ぐううーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那は涙を溢れさせどこまでも痛みに藻掻き苦しむ。
 犯人らは一度電流を切る。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 
 「市川沙耶香はこんなのを三回やられたのか。良く堪えたな」
 大河内税理士でさえ慄く。
 「洗濯ばさみとクリップの差はある」
 「それでも電流は」
 「それも圧を調整すれば違う」
 杉下一行は違いを想定できる。
 
 もう一度電流が流れる。
 「ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 秋元茉那は強烈に泣き悲鳴を上げる。
 今度は犯人ら二人が糸の先端を持って飛ばす構えである。  「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那はそれに気付いて更に悲鳴を上げる。
 犯人らは苦しむ姿を暫く愉しむ。
 まず右が引っ張る。
「ううお、おーーーーーーーーー。ううお、おーーーーーーーーー」
 秋元茉那は狂った様に躰を暴れさせる。
 「あおーーーーーーーーーーーー。ぐあおーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおおおーーーーーーーーー」
 秋元茉那は涙と汗を飛ばして暴れまくる。
 続いて左が引っ張る。
 「ぐぁああーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那の表情は破裂している。
 「うおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーー」
 堪えられず失禁してしまう。
 「あーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん」
 秋元茉那は泣きながら漏らし続ける。それだけでは済まなかった。続いて便も漏らしてしまう。
 「あ、ああ、ああ、ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 秋元茉那は痛みと究極の醜態に堪えられず狂った様に泣き喚く。
 これだけでは許されなかった。犯人らは同じ責めを繰り返す。
 全身の痛みに意識朦朧としているのを電流で責める。
 秋元茉那はそれからも僅かな失禁と垂れ流しを繰り返した。
 悲痛極まりない姿である。
 秋元茉那はそのまま放置され拷問は広末鈴夏に移った。
 その直後に警察の攻撃が始まった。
 秋元茉那はここまで悲惨な姿にされたままボウガンの矢三本で殺されたのである。
 
 如月鬼堂の居間では大庭信一朗と市川沙耶香には三人の弁護士で対応すると決められた。
 警察に情報などは流さない。
 愛好会の安泰を護るとの意見で一致した。
 
 三月五日。
 首都圏の緊急事態宣言は二週間の延長が決められた。
 篭城事件はまだ解決の目処すら立たない。
 そして愛好会の店舗での開催はまだまだ難しい。
 関西で店舗の時短要請が解除されてから生駒、熱海の順に開催する方針が確認された。
 館山嘉朗、野崎卓郎、野村未来也の三名の弁護士は市川沙耶香の事務所を訪問した。
 「大庭信一朗氏にはやんわり交渉して脱会して頂く方向でいます」
 そう館山弁護士が切り出す。
 「そうですか」
 「貴女はこの件を週刊誌に話したりしますか」
 野崎卓郎弁護士でやんわり切り出す。
 「とんでもありません。私はお金を得られたらこの一連の件には永久に触れたくありません」
 市川沙耶香はきっぱり答える。
 「貴女との契約は双方秘密を漏らさないことに成っています」
 「はい」
 「会員に配給する動画にはガードが掛かっていて複写はできません。貴女も会員のプレイに来たなど個人の情報を漏らさない契約です」
 「判っています」
 「貴女の希望されるもう一回の愛好会のショーには緊急事態宣言が解除しないとできません。それ以外は会員個人のプレイのみです」
 「一回目で会社を維持する事はできました。次の仕入れ資金が早くほしいのです。その後は此処での事は無かった事にしたいのです」
 「緊急事態宣言で関西地区の時短要請が解除され次第に生駒の開催を予定しています」
 「熱海は静岡で制限は無いのでは」
 「関東に近く。何かあれば一気に槍玉に上がります。そう成りますと貴女も大変困る事に成りませんか」
 「そうですね。判りました」
 市川沙耶香も現実を仕方なく飲み込む様にそう答えた。
 「三月中にできなければ必ずやると言う約束で私が建て替えてお貸しします。五百万ですね。開催日まで無利息で」
 「はい。お願いします」
 市川沙耶香はどうにも縋ってお願いしなければならないという態度である。
 「大丈夫ですよ」
 館山弁護士はきっぱり答える。
 「会員十人はどうしても」
 「はい。でもあそこまでハードな人は殆ど居ません。大河内先生が最大です。運が悪かったのです」
 「はい」
 市川沙耶香は辛そうである。
 「コロナがいつ終息するか見込みは立っていません。いまは稼いでおいた方が良いですよ。五百万近い予約が入っているのでは」
 「でも。とても辛くて」
 「大丈夫です。大河内先生ほどの事もありません。あの二人は例外です。そうでなければ誰も続けられませんよ」
 「はい」
 「会員は社会的基盤のある人ばかりです。絶対に事故は起こせません。万が一の賠償に保険も入っています」
 「判りました」
 館山弁護士らの説得は概ね成功した。
 
 三月六日。
 名古屋市千種区東条ビル篭城事件の現場である。
 犯人らは更に過激な拷問を公開しようと倉科果莉菜の拷問を始めた。
 だが二ユース番組は意外な情報を発表した。
 犯人らが要求している角田六郎容疑者は解放と国外逃亡を希望して無いと伝えた。
 「五人の仲間の行き過ぎで予期してなかった事態です。自分は解放と逃亡を希望しません」
 角田六郎はマイクに向かってきっぱり断言した。
 異例の事であるが録画が公開された。
 だが犯人らの拷問も止まらない。さらに交渉人の呼び掛けにも対応しない。
 要求が逃亡のヘリと大型機材での出発と変更されただけである。
 倉科果莉菜は逆さ吊るしにされた。
 壁に杭を四箇所打ち込んで大股開きにされ逆さ吊るしの磔である。
 辛うじて手は床に着いている。
 だが股間は百六十度くらいに広げられ内腿と女の部分は正面斜め上を向いてその艶かしい姿をカメラに晒している。
 華奢な躰なので綺麗な磔姿である。
 その態勢でまず剃毛が行われた。
 剃毛を行っている犯人の男とは別の男二人が片方ずつ乳房をクリップで鋏んで行く。円形に乳房を囲む様に付ける。
 最後に乳首を鋏む。
 倉科果莉菜の逆さにされた悲痛な表情が動画に焼き付く。
 剃毛が終わるとやや赤みの掛かった皮膚が丸出しに成った女の部分を詳細に公開する。
 クスコを使わず四人の指で強烈に広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜の泣き悲鳴が轟く。
 犯人らはこれで最後と可逆心が滾っている。残忍さが更に露骨になる。
 倉科果莉菜もそれを強く感じとっていた。拷問の挙げ句に殺害されると恐怖に怯え続けている。
 前回の拷問のときの様な歯向かう姿勢は無い。
 犯人らはグラスの中に立てた蝋燭を溶かして蝋涙を溜めている。
 四人で指先を膣口に突っ込んでもう一度広げる。うちの一人がそこに蝋涙を流しこむ。
 「うう、うう。ううー。ううぐうう。ううーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は躰を振って猛然と藻掻き暴れる。
 「うおー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 更に躰に入った熱さに堪えられず暴れる。躰を強く突っ張り腰を揺すって
藻掻き苦しむ。
 それでも犯人らは容赦しない。
 やや苦しみが治まったのを確認して鞭を取り出す。
 狙うのは逆さにして広げた女の部分である。
 先端が二枚の長方形のゴムでできた一本鞭を構える。
 倉科果莉菜の小作りな美人顔が究極に苦しみに歪む。犯人らはこれに陶酔していた。
 どこまでも虐めぬく可逆心が滾り続けているのである。
 上を向けて丸出しの女の部分のビラビラを左右三本ずつのクリップで鋏む。
 「ああーーぐうぅ。うぅうーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は敏感な部分の痛みに甲高い声で悲鳴を上げる。
 ビラビラの粘膜は左右に広がりピンクの内部が膣口まで丸見えである。
 鞭を持った男はその艶かしく露出させられたピンクの内部を狙い撃ちする。
 「あっ、あ、あーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜の腰は小刻みに震撼している。壮絶な痛みである。
 静かに溢れるように失禁尿が流れ出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 倉科果莉菜の表情は痛みに引き攣る。その顔を強く振って藻掻く。SMクラブでは到底できないプレイである。
 犯人らは次の男に鞭を引き継ぐ。二発目を構える。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は躰を揺すって泣き叫ぶ。
 男は加虐心を籠めて叩き降ろす。
 「うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴のあと倉科果莉菜の躰は狂った様に暴れる。それでも生コンの壁はびくともしない。
 その表情を愉しみながら三人目に鞭を引き渡す。
 この時。交代で睡眠を取っていた男が起きて来る。最初に倉科果莉菜の股間を叩いた男が代わりに休息に向かう。
 「あわーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーー。ああーーーーー」
 倉科果莉菜は痛みに藻掻き苦しみ続けている。
 三人目は斜めに鞭を振り下ろす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 女の部分の粘膜のびらびらを鋏んだクリップが一つ飛ぶ。一つがずれて鋏が浅くなる。
 「うぅ、うぅうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぅうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 粘膜に繊細に沁みる痛みに甲高い悲鳴を搾り出す。倉科果莉菜の美人顔が究極に悲痛に歪みきる。
 それは犯人の男らの加虐心を究極に癒す。
 四人目が構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜は涙を飛ばしながら泣き悲鳴で訴える。
 犯人らはもう最後を覚悟している。いっさい容赦は無い。
 四人目はもう一度クリップで広げられ剥き出しに成った膣口と尿道口を的確に強く叩く。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううう、おお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科果莉菜の躰の震撼と共にまた僅かに失禁尿が流れ出す。さらにアナルからガスが噴き上げる。
 「こんな美人のおなら。みんな悦ぶぞ。永久保存版だ」
 犯人の一人が喚起して悦ぶ。
 「・・・・・・・・・・・・・・」
 倉科果莉菜は何かを叫ぶが声にならない。
 「あはん。あはあん。あはん。あはん。あはん」
 倉科果莉菜は狂った様に泣き喚き続ける。
 「あはん。ああ。たすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 無駄と知っていても警察に向けて叫ぶ。
 五人目が斜めに叩いてクリップを二つ飛ばす。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 おまけに引っ掛かっていた右の一個を狙って飛ばす。
 「くうぅおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。くうぅうぅおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 頭の芯から搾り出すような悲鳴である。
 顔は汗を噴き涙は飛び散って更にその本流が頭に流れている。
 小顔で色白の美人。それが崩れきって悲痛極まりない姿にされている。それでもとことん男を起たせる女である。
 犯人の男らは続いて乳房のクリップを飛ばしに掛かる。
 
 警察は機関銃弾が届かない範囲で周囲を囲んで何もできない。周囲に大きなビルは無い。犯人の側は屋上の一つ下の階から全部見渡せる。
 警察は遠く離れてドローンを飛ばして監視だけ行っている。マスコミも同じである。少しでもドローンが射程内に入ると機関銃が火を噴く。
 警察官の被害は殉職者五十人を超えて五十六名と発表されている。
 それでも自分らで対策すら思い付かない市民が何処までも警察を避難する。どうにもできないと分っていても非難を続ける。
 徐々に理性的良識的に表面はモラルに固くなった社会。それがこの事件ではそのモラルの根本から崩れ始めている。
 これが犯人らを教育して協力した六人の意向かもしれない。
 
 館山弁護士らは大庭祭典を訪問して大庭信一朗と対面した。
 話の大筋は野崎卓郎弁護士が切り出す。
 「仰います通り身近にその関連が居るのかもしれません」
 大庭信一朗の言葉は落ち着いている。
 「田中仁さんも同じ様なプレイを行いました。今プレイのやり方がどのように伝わったかです」
 「田中仁は私と一緒に川口で遊んだからですよ」
 「名古屋市千種区東条ビル篭城事件の犯人らは何処でこのプレイのやり方を見たのでしょう」
 「私はこの連中をまったく知らない」
 大庭信一朗はきっぱりとした言い方で否定する。
 「しかしやり方がここまで酷似していますと」
 「警察は何と」
 「我々はそれを避けたい」
 野崎卓郎弁護士が断言する。
 「私が会を抜けたらどうでしょう」
 「そうなれば市川沙耶香もお金を手にしたらこの件も会の事もいっさい無かった事にしたいと言っています」
 「会は警察の捜査に協力は避けたいと」
 「そうです」
 「真性奴隷女の館で私がプレイするのはどうでしょう」
 「それは樽常氏次第です」
 「判りました。ともかく私が会から手を引きましょう。二度と同じやり方でプレイはしません。何か判ったら報告はいたします」
 「ありがとうございます」
 館山弁護士は引き上げた。
 そして大庭信一郎が連続拉致強姦傷害事件。防護服姿六人の一人とほぼ核心を持った。
 その足で外務省会計課長田中仁を訪ねた。
 田中仁課長は驚愕の表情に成った。
 大庭信一郎が連続拉致強姦傷害事件の一人とは一切口にしない。
 「貴方はこの件を公にされますか」
 「い、いいえ」
 田中仁も怯えた様に否定する。
 「市川沙耶香もお金を手にしたらこの件も会の事もいっさい無かった事にしたいと言っています」
 「そう願いたいです」
 田中仁は胸を撫で下ろす様に納得した。
 これで館山弁護士は事態の封じ込みに概ね成功した。
 「川口の旅館はどうしましょう」
 館山弁護士の足元の懸念である。
 「そっちは触らない方が良い」
 野崎卓郎弁護士が断言する。
 「そうです」
 野村未来也弁護士も同じ意見である。
 三時少し前に館山弁護士は如月鬼堂に問題が解決した報告を行った。
 
 このあと名古屋市千種区東条ビル篭城事件は急転直下した。
 その現場である。
 東野静香と広末鈴夏は床に座って片脚だけ壁に繋がれた状態である。
 倉科果莉菜は全身鞭の赤い筋とクリップが飛んだ傷痕だらけで無残な姿を晒している。
 長椅子に寝かされ尿道にはカテーテルを挿入されて痛み止めを飲まされて眠っていた。
 股間は半開きで長椅子の脚に脚首を縛られている。
 女の部分は丸出しで小水は下に置いた水槽にバルーン型カテーテルから垂れ流しである。
 犯人五人は全員起きていた。
 広末鈴夏を立たせて脚首の戒めを外す。
 広末鈴夏は怯えきった表情で犯人らを見ている。
 「これからお前にビルの中を案内する。良く見て記憶に刻んでおいて貰いたい」
 一人の男がそう宣言する。
 「もう拷問は無い。安心しろ」
 別の男がそう補足する。
 まずは屋上の銃器から案内する。
 犯人らはこれまでの態度と打って変わって柔らかい姿勢に成っていた。
 「事件を終結させる。我々はやるべき事はできるところまでやった」
 静かに心の底に染渡らせる言い方である。
 「・・・・・」
 広末鈴夏は心臓の鼓動を強く打ちながら犯人らを見る。
 「お前には生き証人として生き続けて貰いたい」
 「えーーーー。助かるの」
 広末鈴夏は怯えながらも表情を和らげる。
 決して喜びに弾んだ声ではない。
 「角田六郎の奪還が本来の目的ではない。我々の戦闘能力を有る国の人達に見せる事が一番の目的だ」
 「ええーー」
 「警察が応じない事は半分予期していた。この戦闘能力を示せば次に繋がる」
 「いったい何処に行く予定だったのですか」
 「それは言えない。成功すればその国で戦闘の主力になる心算だった」
 「そうなった時の私たちはどうなったのですか」
 「どうであれ一人以上は帰す予定だった」
 「目的地に行ってからは」
 「全員帰す予定だった」
 犯人らはここを強調したかった。
 それから犯人らは広末鈴夏に新しい純白の下着とセーラ服の上下を渡した。
 其処で服を着けさせる。
 犯人らは広末鈴夏に屋上の設備をみせた。
 「機銃弾は此処で製造した。ロケット弾もだ」
 「それではいつまでも篭城」
 広末鈴夏はそう言いかけて震える。
 「食料に限界がある」
 「篭城してからは弾丸の製造は行ってない。機銃弾はまだ有るがロケット弾はあと数発だ」
 犯人らは階段で二階まで下がる。
 「エレベーターは動くが蓄電池と発電機では限界がある。警察が送電を止めたからな」
 二階はフロア全面が水のタンクに成っていた。
 「警察が地下のピットから進入するのを考慮して此処に水をストックした」
 「水はまだ充分に」
 「飲料やシャワー以外にも使うからな」
 犯人らは広末鈴夏を三階に誘導する。
 今度は武器工場である。
 「ああ。此処で武器を」
 広末鈴夏は製造設備の凄さに慄く。
 戦争ができる設備である。
 「三次元CADで書いた図面から自動で製造する機械だ」
 犯人の一人が誇らしげに言う。
 「此処をどうするのですか」
 広末鈴夏は犯人らの対応が和らいだのにやや緊張が緩んで質問を掘り下げてしまう。
 「警察を引き込んで火に包み込む。それから爆破する。その前にお前をクレーンで外に出す」
 広末鈴夏は安堵の表情になる。
 犯人らは広末鈴夏を連れて五階に戻った。パソコンの画面から辺りの地図を見せる。
 「屋上からクレーンでこの位置に降ろす。この民家の間の道から警察の囲いの後ろに逃げろ」
 犯人らは正面ではなくその左の民家と民家の間の狭い道を指示する。
 「はい」
 広末鈴夏はとにかく今は助かりたい一心である。
 猥褻動画がばらまかれても今は助かりたい。
 「警察に保護されたら二つの事を頼め」
 「は・・い」
 広末鈴夏にまた緊張が奔る。
 「一つは二人の女の遺体だ。武器をもたずに二名だけで引き取れと伝えろ」
 一人は広末鈴夏の姉である。
 一気に感情が広末鈴夏を襲うが今は犯人を刺激しては成らない。感情を押えて話を聞く。
 「はい」
 「お前の次に二人を降ろす。救急車を待たせて警察は動くなと伝えろ。さもないと犠牲者がまだ増える」
 広末鈴夏は何としてもこれは警察に言わなければ成らない。姉の遺体の回収。残った二人の安全である。
 犯人らは死を覚悟していながらまだ何か含みを持っている。
 

 最期のSM小説家 第二十一幕 篭城事件 完





 最期のSM小説家 第二十二幕 篭城事件その傷痕

 二〇二十一年雨水中元。太陰太陽暦一月二十三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年三月六日。
 名古屋市千種区東条ビル篭城事件の現場である。
 警察は犯人らの食料、水が尽きるのを待つしか手段は無い。あくまで犯人らの要求には屈しない方針である。
 「良いか。このクレーンに掴まれ。万一落ちた場合に備えて安全帯を着ける。下に着いたらこのフックを押して外せ」
 犯人らは一応の説明をして広末鈴夏をクレーンに捕まらせる。
 広末鈴夏は犯人らから与えられたのがセーラ服なのでスカートの裾を下着の中に挟みこんで広がって丸見えに成るのを防ぐ。
 クレーンが伸びて広末鈴夏の躰は空中に吊るされた。正面の道はロケット弾で大きく抉れている。
 正面の民家の前の僅かな崩れていない部分に照準を合わせて降ろす。
 下着に挟み込んだがスカートは下降と共に風が入って一気に広がる。
 中のショーツは丸見えに成る。それどころではない。降りたらフックを外して民家と民家の間の私道の様な細い道を一気に走らなければならない。
 警察に言うべき事を頭の中で復唱しながらクレーンから降りてフックを解除して安全帯を外し一気に走る。
 犯人らは上からそれを確認して建物の窓から吊るした広末明日香と秋元茉那二人の遺体を地上に降ろす。
 マスコミはスクープに向けて色めき立つ。
 「大丈夫か」
 警察官らが広末鈴夏に駆け寄る。
 「犯人達は姉ともう一人の遺体を降ろすから武器を持たない二名だけで引き取れと言っています」
 広末鈴夏は息を整えてそこまで言う。
 暫くまた息を整える。
 「それから後の二人を降ろすので救急車を待機させろと」
 警察隊員は既に報告に走る。
 広末鈴夏はそこまで言うとお尻を地面にべったり着いてぐったりする。
 救急車は既に待機していた。
 広末鈴夏はその一台に乗せられる。刑事が二人一緒に乗り込む。
 刑事らは広末鈴夏から内部の状況を確認しながら病院に向かう。
 犯人らは残る二人を降ろす前に最後に二組に別れて輪姦す。
 二人はもう泣かない。諦めた様に躰を任せる。
 犯人らは東野静香から全裸のままクレーンで吊し上げて伸びる限りアームを伸ばして建物の正面からやや外れた広い道の真ん中に降ろす。
 犯人らは発光信号で指示する。
 「直ぐに引き取れ。クレーンを回収する」
 警察部隊はジュラルミンの盾で囲みながら東野静香を回収する。
 ブルーシートを被せて救急車に運び込む。
 犯人らは倉科果莉菜を担架に乗せて縛りつける。その担架ごと吊し上げた。
 そのまま警察部隊の待ち構える上に降ろす。地上一メートル位で警察部隊が受け取ったところでクレーンを離す。
 クレーンは一気に屋上に回収される。
 倉科果莉菜が救急車に乗せられ発車すると屋上の機関銃と迫撃砲が一斉に火を噴く。
 警察部隊は一気に退く。
 ロケット弾が警察部隊に向けて発射される。
 固まった集団の真上に飛んで来る。
 屋上のクレーンはカタパルトにもなる。その上に小型の飛行機が乗せられた。その翼には八百キロの爆弾が装着されている。
 五人乗るにはスペース、重量ともかなり無理と思われる。それでも操縦席の後ろに四人乗り込む。
 機関銃と迫撃砲はオートで撃ち続けている。
 操縦席の男はエンジンをフル回転する。八百キロ二つぶら下げて五人乗ってはカタパルトを使っても一キロ飛ばすのが精一杯である。
 ブレーキを踏んだまま出力を上げる。
 五分くらい溜めて一気にジャンプする。
 「飛行機だ。逃げたぞ」
 「あ、ああーーー。墜落する」
 警察部隊は慌てる。
 その中枢が居そうな部分に突っ込む。
 大爆発とともに辺りは大火災になる。
 民家、商店が火に包まれる。大被害である。
 八百キロ爆弾は大戦中の正規空母一隻大破させる威力があった。それが都市部を破壊したのである。
 警察部隊の犠牲者は甚大な上に中継に入っていた報道関係者にも大きな被害が出ている。
 報道は震撼した。
 人質の女性三名が解放されて報道が沸き立っていた矢先である。
 犯人らの特攻攻撃はそのスクープに乗り出す記者らを直撃した。
 最早全世界を震撼させる出来事である。
 「人質の解放は犯人らの最後の特攻攻撃を成功させる手段だったのです」
 ニュース番組のキャスターは怒りを込めてそう報道した。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 それは如月鬼堂がスタジオに向けて出発する寸前であった。
 報道を確認してぎりぎりに出発する。
 まだ名古屋市内の大火災は治まってない。二発の爆弾の被害は警察が避難指示を出した地域を越えて被害をもたらした。
 そして中東のある地域から今回の犯人らの戦いぶりを高く評価する声明が出された。
 
 インターネットアダルト放送。ニュース番組のスタジオである。
 今夜も岡田有美と本多椿はトップレスではなくミニスカスーツで登場する。事態に配慮して脱がないのは苦情が出ると思われたがそれは無かった。
 「遂に事件は国際問題に発展しかねない状況です」
 コバルトブルーのスーツ姿で岡田有美が読む。
 「名古屋の火災は収まっていません。消火活動は難航しています」
 本多椿はワインカラーのスーツである。
 「二月十四日から何日も続いた篭城事件です。人質が解放されてやや安堵に見えた矢先途轍もない結果と成りました。鬼堂先生。恐ろしいですね」
 メインキャスターも突っ込むより発言に細心の注意を払っている。
 「今回は女性の人質を最大限に悪用されました。一部を殺害までして警察の突入を抑止してさらに死を覚悟した行動の代償に凄惨な犠牲にされました」
 「やはり武器の製造が自給だった事が大きいのでしょうか」
 「そうです。それがこの犯罪の恐ろしさです。そして協力した連続拉致強姦傷害事件の六人より犯人らの組織も規模も目的も大きかったと言う事です」
 「犯人らの目的は戦闘能力をゲリラ組織にアピールしてその中心に立つこととの広末鈴夏さんの証言ですが目的が今一解明されません」
 「判らないのは最初から死を覚悟して犯罪に望む。その根本にあるイデオロギーが解明できません」
 「そうです。ゲリラの中心に日本人の若い青年が立つことにその意味が理解できませんね」
 「今回金は先に得ていました。金銭目的ではまったくありません。中東のゲリラに認められる目的です。それが日本赤軍などとは時代も次元も違います」
 「連続拉致強姦傷害事件の六人は武器製造の指南をしただけでしょうか」
 「そうでしょう。連続拉致強姦傷害事件の六人の目的にどこか一致していたのでしょう。両者の思想は必ずしも一致してはいないと思います」
 如月鬼堂は喋り過ぎに警戒している。
 「犯人らの異常なSMプレイでした」
 「SMプレイでは有りません。死の最後の代償に得た女躰に性的満足の限りを追及した虐待暴力行為の典型です」
 如月鬼堂はSMと呼ぶには強く反論する。
 「何故。公開までしたのでしょう」
 「一つは社会への威嚇と人質の悲惨さを公開して警察の判断を揺する事です。あとは協力した連続拉致強姦傷害事件の六人の要求に従ったのでしょう」
 如月鬼堂はだらだらと解説しながら問題発言に成らない様に切り抜けた。
 
 三月七日。
 如月鬼堂は翌朝早くホテルをチェックアウトして宇佐美に戻った。
 愛好会の主力メンバーも既に押し寄せていた。
 「なかなか愛好会を開きにくい材料を作ってくれる事件でしたね」
 福富麻次郎である。
 「早くあの六人を捕まえてくれないと」
 大河内税理士もそう呟く。それでも得た情報を警察に提供して愛好会をもっと開催しづらくなる事は避けたい。
 ニュース番組は五割方篭城事件の報道である。
 名古屋市内の火災は沈下した。まだ警察部隊は建物を囲んだままである。
 二人の女性の遺体は回収したが建物の中には突入した警察部隊の遺体が残っている。そして事件の解明にも捜査が必要である。
 広瀬鈴夏は病院に着くまでの救急車の中で刑事らのやんわりした確認に犯人らの漏らした言葉を思い出した。
 勝ち誇っていた犯人らは警察を誘い込んで火災を起こして爆破すると広末鈴夏に公言したのである。
 その為警察部隊の行動は更に慎重に成った。
 機関銃の自動射撃が止んだ屋上からヘリで降下する。
 まずは犯人らの居たと思われる五階から捜査する。
 パソコンは一台を除いてハードデスクが外されて溶解までされていた。データを完全に抹消したのである。
 残った一台が建物の起爆装置と思われた。そこでも慎重に議論が行われた。
 警察部隊は起爆装置の解除を試みた。
 パソコンを捜査すると建物は一気に火に包まれた。
 それでも警察部隊はヘリに戻って待避できた。
 証拠は総て破壊された。
 さすがに犯人らはそこまで準備してなかった。連続拉致強姦障害事件の犯人らが遠隔捜査で火災を起こして爆弾を誘発したのである。
 
 如月鬼堂らは事件より今は今夜予定している愛好会のショーの打ち合わせが重要である。
 「あの動画が撒かれたあとだ何か斬新さが欲しいものだ」
 大河内税理士は考え込む。
 「年齢とかけ離れて躰は綺麗です。羞恥責めに撤しませんか」
 福富麻次郎である。
 「ショーではあれに準じても良いのではないですか」
 杉下一行はハードで行く意志である。
 「あくまでも内部のショーです。年齢も行っています。ある程度覚悟して頂いて問題はないと思われます」
 館山弁護士も認める。
 最終的に今夜の南七香のショーはハードで行くと結論が出された。
 
 連続拉致強姦障害事件の犯人六人のアジトである。
 「危なかった。遠隔起動を仕込んでおいて良かった」
 川口の会長は安堵の表情で語る。
 葬儀会社の社長は浮かない表情で話の輪からやや離れぎみである。館山弁護士らの来訪は仲間に話してない。
 愛好会の面々がそれ以上動く筈はない。名前の通った弁護士らの来訪だったのがやや懸念に残る。
 「遠隔起動を仕込んで危険は無いのか」
 「確実に破壊すれば問題はない」
 「しかしこの前の連中より派手にやってくれたな」
 「機械の中古は中国から渡る。そっちは我々に関係ない。武器の図面はデータだ」
 「あの五人は行かないでアラブ系だけか」
 「以前から一チームが渡っている。あの五人は合流するだけだったのだ」
 「金は」
 「クラウドで集めた資金だ」
 「そんなに有ったのか。五億貰ったのだぞ」
 「一つのクラウドだけではない。あの五人は宣伝と囮だよ」
 「なんと。それであの最後か」
 「首謀者は国際手配されていたテロリストの孫娘だ」
 「そ、そいつが自爆まで指導したのか」
 「そうだ女は怖い」
 
 南七香は覚悟を決めて新幹線で大阪に向かった。五百万は月曜日の朝には入金して貰える約束である。
 殆ど食事は摂ってない。携帯食と栄養材で済ませた。
 今回愛好会の都合で生駒の店舗にてオンライン開催となった。招待会員十名を招く。それを関西の会員から抽選したからである。
 店舗は営業しない。
 次の開催を行う様子見を兼ねている。緊急事態宣言が解除され次第定員の半分二百名で開催する。
 それも新型コロナの変異型の発生で微妙に成りつつはある。それでも愛好会の開催を皮切りに店舗を正常営業に戻したい。
 南七香は難波に出て近鉄に乗るとさらに緊張感を強めた。
 コロナより日本政府と東京都知事が憎い。完全な補償を付けて緊急事態宣言して欲しい。
 自らの経営不振ではない。緊急事態宣言が原因である。会社を救わなければ自分の一生は破滅となる。
 今資金繰りが繋げなければ莫大な借金が残る。そうなれば行き着くところはあまり変わらない。
 借金を返しながら普通に勤めるなど成り立つ筈はない。
 破産宣告してもソープかSMクラブくらいしか開業資金を作る方法はない。
 それならばいま究極の恥ずかしめと傷みを受けても限られた会員だけである。
 双方秘密を守らなければ成らない関係というところが安心できる。
 樽常マネージャーからは究極に辛いとは聞かされている。
 それでも今回のショー以外に当分は運転資金を稼がなければ成らないと思う。
 緊急事態宣言がいつ解除されるか。されても客の需要が何処まで戻るか。先の見通しは立たない。
 また数ヶ月後に緊急事態宣言に突入の危険性すらある。
 樽常マネージャーからは年齢の事も言われた。会員らの要求を相当に受け入れないと指名に繋がらないらしい。
 容姿と躰の線を見て愛好会の推薦に踏み切ってくれた。
 他の業種では場末になると言われた。
 今夜のショーが終わって会員からいくつか指名が入れば暫くは稼げるだろうとのことであった。
 
 南七香は空中に躰のフロント面を真下に泳ぐ様な体勢で吊るされている。
 腕は左右に広がって手首に巻いた縄を自らの手で掴んで体勢を保っている。
 腰に巻いた一本の縄が吊るしの主力である。
 膝から脚首を縛った縄は股間を大きく広げて開放する。
 完全に全裸の躰を開き切った状態で吊るされている。スタイルが良くこの年齢でも躰の綺麗さが充分に表現されているのである。
 現代では女性の躰の美しさは格段に長く保てる様に成った。限界は有るが南七香の場合二十代と偽ってもばれないくらいである。
 好みに煩い大河内税理士が認めただけに価値は高い。
 この状態のまま空中で浣腸と尿道責めを行う。
 その前に女の部分とアナルの内部の完全公開を行った。閉じ合わせた粘膜を広げる。薄橙の綺麗な粘膜が広がる。縁もドドメ色感はない。薄小豆色である。
 尿道の小さな亀裂とたくみに閉じ合わせた膣口が確認される。
 クスコを挿入して内部をペンライトで照らして子宮口まで公開する。
 南七香は堪らない恥ずかしさに目を閉じて顔を赤く染めて堪える。
 次は尿道の小さな亀裂に尿道カテーテルを挿入する。
 「うはああーーーーーーーーーーん。い、い、たいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーー」
 南七香は痛みに藻掻き暴れる。
 太いバルーンカテーテルである。
 尿が出始めた状態でカテーテルの途中をクリップで挟んで流れ出るのを止める。この状態でこっちは放置する。
 特注の透明なバルーンカテーテルを使用している。
 尿が途中まで出ているのが確認できる。
 苦しい状態である。
 四人がかりで躰を押える。そのうち二人の片手は確り乳房を掴んでいる。片手に収まらない。体系の割には掴みがいのある大きさである。
 真っ赤な乳首は強い印象を与える。
 続いて浣腸を行う。こちらも冷たく冷やした水だけである。千CCくらいを注入する。
 直ぐにアナル栓を挿入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー。うううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 冷たさが一気に直腸から腹を襲う。
 南七香は空中で藻掻き苦しむ。躰を動く限り斜めに捩り右に左に動かし悶え続ける。
 歪み苦しむ表情は実に艶かしく欲情をそそらせる。
 
 如月鬼堂らは静岡県宇佐美の自宅マンションの居間の囲炉裏端で見ている。
 生駒には大河内税理士と杉下一行が行った。生駒の店長と抽選で呼ばれた会員十名だけである。
 相変わらず珠洲と瀬里菜はミニワンピース姿で客人を挑発することを愉しんでいる。
 「この先順調に開催できますかね」
 福富麻二郎は緊急事態宣言の行方が心配である。
 「緊急事態と時短要請が解除されなければどうしようもない」
 「全裸美人コンテストはまだまだ無理ですね」
 福富麻二郎はこっちの臨時収入が欲しい。
 「いくら緊急事態宣言を発令しても時短要請で業者を破滅させても解決はしない。悪戯に裾野の経済を破綻させるだけだ」
 如月鬼堂はスタジオで言えなかった不満をぶちまける。
 
 空中で浣腸と尿道カテーテルの責めに苦しむ南七香は頭のなかで怒りを爆発させていた。
 自分がスナイパーと成って総理と東京都知事を殺す回想を続ける。
 自分が今こんな酷いことを受け入れなければならないのは大池都知事と菅原総理のせいである。
 特に東京都知事が憎い。
 そして次はいつも経済の足を日っ張る野党である。
 数ヶ月前立件国民党の建物に自爆攻撃をしたある部落出身者達が居た。
 都庁は到達できなかった。
 もしも自分が破綻するなら自分が実現したいとさえ思う。
 自分が男なら既に破綻していると思われる。女だから最後の手段があった。
 南七香を樽常マネージャーに紹介したのは佐藤栞李である。
 南七香はその同業であり客でもあった。
 佐藤栞李の派遣会社から従業員を入れていた。
 佐藤栞李の会社に残債務もある。だから佐藤栞李は自分の受けた辛さは言わなかった。
 回収目的を兼ねて紹介したのは分かっている。それでも総てを救う為にはやるしかなかった。
 南七香は女性向けの焼き肉店を七店舗経営している。
 家賃の高い都心の二店舗は閉店した。
 全店舗で高い派遣は解約して社員とアルバイトのみで残る五店舗に配分して時短要請のない地域重点になんとか運営を続けている。
 時短の掛かっている店舗は赤字になる。時短の掛かってない地域は黒字でも全体の赤字は補えない。
 銀行融資は据え置きだが利息は払わなくてはならない。
 待ってもらっている仕入れの残債務を払わなくては追加の仕入れができない。
 今夜の五百万だけでは足りない。なんとか会員からの指名を取らなくてはならない。
 樽常は何人も断られている愛好会に通っただけでも幸運という。
 年齢的に難しいらしい。
 あるSM系の映画には四十越えた大女優が出ているのにと思う。だが愛好会では駄目らしい。
 一般客でも三十を過ぎるとよほどハードなプレイ内容を受け入れないと難しいと言われた。
 それでも愛好会のメンバーは自分を見て落胆はしていなかったと思う。
 南七香は浣腸の苦しみと尿道責めに苦しみながらも金の心配が頭を離れない。
 南七香は顔から脂汗を噴いて苦しみ続ける。
 「さあ。苦しいだろ」
 杉下一行が声を掛ける。
 「うう。はい」
 南七香は顔を歪めて答える。
 「私の汚い排泄を隅々まで見てください。そう言うのだ」
 杉下一行はそう命令する。南七香はそう意地悪をしたくなる女である。
 虐められ辱められるだけでは済まして貰えない。この発言も保存版に残ってしまう。
 「どうした言わないといつまでも苦しいぞ」
 杉下一行はやんわり追い詰める。
 従うしかない。ここまで堕とされるとは。それでも従うしかない。
 「私の排泄を。・・みてください」
 声は乾いて無理やり押し出している。
 「隅々までが抜けている」
 「・・・」
 南七香は藻掻き苦しむ。
 「ああーー。私の・・排泄を・・隅々まで。・・・・・みてください。ああーーーーーーーーん」
 南七香は辛そうである。
 会員二人がマジックハンドで両側から手を伸ばして南七香の女の部分を抓んで広げる。
 カテーテルが尿道口に刺さっている部分が露になる。
 先に針のない注射器でバルーンの水を抜く。そしてそのままカテーテルを抜いてしまう。
 「あーーーーーーーーー」
 尿は強く飛び散るよう噴出す。
 「あ。ああ。ああーーーーーーーーー」
 恥ずかし過ぎる放尿が公開されてしまった。
 続いてアナル栓を抜く。
 茶色い水が噴出す。続いて便が繋がったまま出てくる。猛烈な臭いが一気に充満する。
 大河内税理士が天井の大型換気扇を回す。
 脳を劈く程の臭いである。南七香の羞恥心を究極に傷付ける。
 もろに股間が広がっていてアナルから流れ出るところが動画に残ってしまった。臭いだけは動画に残らない。これだけが救いである。
 ここで南七香は吊るしから下ろされてシャワータイムに入った。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 囲炉裏端で魚を焼きながら酒とビールを好みで飲みながら生駒のショーを観戦していた。
 立て篭もり事件は悲惨ながら終了した。
 それにも拘らず動画がスパムメールで配信された。
 杉下一行が直ぐに気付いて転送してきた。
 同じ場所ではない。日本の建物ではなさそうである。日本人らしき女性が三人着衣のまま縛られて壁に磔にされている。
 『これからこの三名を一人ずつ順番に拷問します。三名とも海外在住の日本人です』
 日本語で日本向けに配信されている様である。
 二人の日本人の若い男が右側の一人に掛かる。
 女の姿は南国で拉致されたのか薄着になっている。上はカットソー。下はデニムのスカートで素脚のままである。
 小柴風香と言う。
 男らはカットソーの肩を切り落とす。薄いクリームのブラが丸出しになる。何故か乳首の赤さが僅かに透けている。
 「いやあーーーーーーーーーー」
 小柴風香は表情を強く歪めて叫ぶ。
 男らは両側からスカートも下から切って落とす。クリーム色のショーツ一枚になる。
 「あーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香は理不尽に下着姿にされて猛然と叫ぶ。
 カメラは真正面から撮影している。
 小柴風香も日本で起きた篭城事件を海外に居てもニュースで報道されて知っていた。
 その仲間と大体検討をつけている。
 片方の男が行き成り小柴風香をビンタする。
 「うおーー」
 もう一人がブラを切り落とす。
 「やめろーーーーーーーーー」
 真っ赤な乳首が丸出しに成る。乳房は片手にやや余る。円形で形は良い。
 片方の男がもう一度小柴風香をビンタする。
 「ううーーーーーー。やめろーーーーーーーー」
 もう一回叩く。
 「ぐおーーーーーーーー」
 小柴風香は涙を滲ませる。
 構わずもう一人がショーツを切り落とす。
 股間は完全に黒い塊が覆っている。
 左脚の戒めを解いて脚を持ち上げる。
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 小柴風香は藻掻いて脚を暴れさせる。二人加勢して脚首の縄を壁のフックに縛り付ける。
 「いやだあーーーーーーーーーー」
 小柴風香の女の部分を覆っている陰毛をはさみでカットする。
 「うう。いやあーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや」
 小柴風香は泣き叫ぶ。
 五ミリくらい残った陰毛を剃刀で剃る。
 「いやあーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 男らは泣き喚く小柴風香をがっちり取り押さえてカメラに拡大しながら剃毛を完成する。
 性器の周りの赤い皮膚が露になる。
 びらびらを指で広げる。中は緋色である。
 そのあと男らは七人で小柴風香を輪姦した。
 動画はそこで一旦止まっている。
 『一人目の生贄はテレビ太陽記者小柴風香。次の配信をお楽しみに』
 個人名を公表するところや届くメールアドレスは同じである。
 「どんな目的なのですかね。海外から日本に送って」
 館山弁護士も懐疑的である。
 如月鬼堂の居間では生駒の会場のテレビ会議で中継を確認しながら動画も確認した。
 「困ったな。緊急事態と営業自粛要請が早く終わってほしい」
 如月鬼堂の関心はそっちにある。
 「まったく医療だけ助かれば良いというものではないですよ」
 福富麻次郎は不満で堪らない。オンライン営業で何とか経営が持っているが苦しい。
 風俗業が壊滅するのではないかと言う危機である。
 
 生駒の会場である。
 南七香は立って吊るされたまま二人に鞭打ちされた。
 太腿、乳房、腹、お尻、更に股間まで一本鞭の蚯蚓腫れが真っ赤になり悲惨極まりない姿である。
 南七香はシャータイムを貰ってバスタオルを巻いて出て来た。
 そのまま演台に俯きに倒される。手首と脚首をそれれ縛り合わされる。さらにその手首と脚首を纏めて縛られる。
 その部分を天井から下がったフックに吊るされて南七香は駿河問いにされてしまった。
 苦しい吊るしである。既に空中で呻き声を上げて藻掻いている。
 その膣にクスコが突っ込まれる。女の部分も鞭で叩かれやや血が滲んだばかりである。
 そのクスコには鰐口クリップでトランスから電源が繋がれた。
 さらに凧糸で繋いだピンチ二系統を乳房から太腿まで五センチ置きくらいに鋏み付けられる。
 南七香は痛みに蒼白な表情で堪え続けている。
 更に床から繋いだ糸に付けられたピンチ六本。これを三本ずつクスコが挿入された女の部分のビラビラに鋏み付けられてしまった。
 糸に弛みを持たせているので多少暴れても飛ばない。
 「さあ。行くよ」
 杉下一行が声を掛ける。
 「ええーー」
 南七香は辛そうである。
 クスコに繋いだ線にトランスから電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 南七香が空中で藻掻き究極に歪めた表情で喚き続ける。
 「だめーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 電流が止まっても苦しそうである。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 苦しさに荒い息遣いを続ける。
 また電流を流す。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 南七香の躰はブルブル震撼する。
 何度も電流を流す。漏らすまで許さない構えである。
 南七香は七回まで堪えた。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまった。
 杉下一行は直ぐに電流を切る。
 「あはあ。ああ。あはあ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南七香は苦しそうな顔を歪め続けて藻掻きながら荒い息遣いである。
 「ああ。あはん。ああ。あはん」
 涙をぽろぽろ零す。遂に恥ずかし過ぎる失禁が映像に成ってしまった。
 これだけでは済まされない。
 躰に付けられたピンチを繋いだ糸の先端を四人の会員が持つ。
 南七香は恐怖の表情で身構える。
 杉下一行の合図で四人が一斉に引っ張る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーー」
 南七香は駿河問いの吊るしのまま空中で躰を揺すって暴れまくる。苦しさに力の限り脚を動かし藻掻く。
 膣に挿入されていたクスコを抜き取る。
 女の部分のびらびらを鋏んだピンチの糸を杉下一行が掴んでピンと張る。
 「いくよ」
 大河内税理士が駿河問いの吊るしを上昇させる。
 「あ、あーーーーーーーーーー」
 女の部分のびらびらを鋏んだピンチ六個が一気に抜けて飛ぶ。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー」
 更に壮絶な痛みが南七香を襲う。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の悲鳴はなかなか治まらない。
 適度に駿河問いから下ろす。
 南七香は縛りを解かれても震え続ける。
 「あはん。あはん。あはん。あはん」
 三十を大きく過ぎた大人の女が子供の様に泣き続ける。
 そのまま大河内税理士と杉下一行に支えられてシャワールームに入る。
 出て来たところで大河内税理士が命令する。
 「最後に挨拶だ。タオルを取ってお○○こを開いて会員に私を奴隷としてお買い求めくださいとお願いするのだ」
 南七香は泥水を浴びせられた様な言葉に一瞬逆上しそうに成る。だが直ぐに考え直す。
 指名を受けなくてはならない。
 言われた通りにバスタオルを外してもう一度全裸に成る。
 散々公開されてしまった躰でも震えながらお尻を下ろして脚を広げる。
 手も震えているがなんとか女の部分を広げる。
 暫く公開してから正座する。
 「会員の皆さま。どうか私を奴隷としてお買い求めください」
 南七香は震える声でなんとか挨拶を納める。
 控え室に戻るとそのまま倒れてしまった。
 樽常マネージャーは会員からのメールを二十本以上受信した。
 まずまず成功である。
 大河内税理士もその中に含まれていた。
 
 篭城事件の組織から動画の続きはなかなか配信されなかった。
 三月十八日。
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 「政府は緊急事態宣言を解除したが飲食店の時短要請は知事連中の話し合いで継続するらしい」
 福富麻次郎は憤懣やるかたない。
 「いくらやってもリバウンドは来る。無意味に企業を潰すだけた。都知事は企業や商店を潰してもオリンピックはやりたいのだ」
 如月鬼堂も政策のあり方に大きく不満を持っている。
 「まだ。強力金は払われてないのだろう」
 大河内税理士の指摘である。
 「もう五ヶ月だ。倒産を増やして支払い件数を減らす巧みじゃないのか」
 杉下一行の間違いではない指摘である。確かに倒産、廃業したら協力金の支払いは無い。
 「待ちきれない業者はその気持ちだろう」
 「一番悪いのは都知事だよ。他の知事を上手く取り込んだ」
 「福富さんはまだなんとかなりますか」
 如月鬼堂は福富麻次郎を心配する。
 「杉下さんの強力でオンライン営業ができて縮小しながらなんとか繋いでいます。早く全裸美人コンテストをやって欲しいです」
 「まず生駒の開催に踏み切りますか」
 「市川沙耶香。約束しているよな」
 大河内税理士も要望を聞いた事を覚えている。
 「当面。私が五百万用立てますよ」
 館山弁護士は三月いっぱいにできなければ実行するまで貸付する約束をした。
 「とにかく大阪が解除のままなら生駒からだ。次は熱海だな。店舗の再開より先にやろう」
 如月鬼堂もかなり焦れている。
 「このままリバウンドがくればいつまでも時短要請が続く危険性もある。それなら緩んだ時にやるしかない」
 大河内税理士は命令にならない限りやるべきとの意見である。
 「どの店舗も緊急事態宣言にも時短要請にも引っかかっていません。緊急事態宣言さえ解除したらやってしまいましょう」
 館山弁護士も慎重姿勢からやる方向に考えはじめた。
 「三月二十八日で行きましょう」
 大河内税理士が押し切る。
 「大河内先生の言う通りだな。今やらないと当分できないかもしれない。五割の二百名で生駒、熱海の順で行こう」
 如月鬼堂も今度は決断する。
 
 緊急事態宣言は解除されたが自粛要請はそのままである。閉店時間を一時間遅らせて協力金が下げられた。
 篭城事件の組織からはそれ以上何も配信してない。
 捜査も進展しない。何処の国から配信されたかも不明である。
 三月二十八日。
 生駒の開催が実行された。
 生贄は市川沙耶香である。
 生駒の店舗に二百名が入った。如月鬼堂も正面の最上段に熱海の店長荒井枝里と観戦している。
 珠洲と瀬里菜は宇佐美に残った。
 緊急事態宣言で会員の増加が顕著である。
 本日はオンライン営業に出ている女性コンパニオンも久々にサービスと配膳を担当する。
 会員だけで店舗の看板は消している。
 コンパニオンは褌一枚のトップレスである。客席ごとに注文を聞く際に触らせるサービスに余念が無い。
 市川沙耶香は紺のリクルートスーツ姿である。
 三十手前だが違和感は無い。杉下一行は清楚に見せてそれを崩す悦びを演出したかったのである。
 この姿でコンパニオンと順番にレスリングをさせる。褌一枚のコンパニオンと服を脱がすレスリングである。
 市川沙耶香が全裸になるまでコンパニオンは交代する。褌を取られたコンパニオンは暫く全裸で配膳する。
 でも市川沙耶香はそんなに強くない。ジャケットもスカートも破られタンクトップは簡単に抜取られた。
 三人目でブラを毟り取られて既にショーツ一枚である。
 コンパニオンはショータイムで充分に慣れている。
 「随分ショータイムが過激になったのですね」
 荒井枝里はショータイムが熱海より過激なのにやや驚いている。
 オンライン営業でも客の居ないステージでショータイムが行われ有料で接続ができる。
 そこから指名して個室のオンラインプレイと成る。福富麻次郎もこの部分は取り入れている。
 「関西は過激に成ったよ」
 如月鬼堂も生駒を開業してから関西の客が過激になったと認識した。SMクラブも関東と比べてハードのレベルが上がっている。
 「明日から会員だけで営業ですか」
 「そうだ。一般を入れるのはもう少し様子を見る。会員だけで充分に営業になる」
 会員だけで簡易検査も行う。
 本日も葛和医師の協力で全員検査を完了している。
 市川沙耶香は逆さ吊るしにされた。太腿を股間近くに左右とも縄を掛けられた。そこにフックを付ける。
 更に脚首を縛る。脚首の縄は離れたフックから引っ張る。
 太腿の二本の縄に掛けたフックを天井から吊るした滑車で引き上げる。
 脚首の縄は股間を広げる役割をする。
 市川沙耶香は女の部分を斜め上に向けて丸出しの状態で吊るされたのである。
 如月鬼堂の隣に座る荒井枝里はまだ自分の事の様に恥ずかしそうに顔を伏せている。
 過去に何度か如月鬼堂に同じ事をされた。その恥ずかしさと甚振られる恐怖を今また噛み締める。
 それでも荒井枝里は文句を言うどころではない。如月鬼堂にかなり助けられている。
 逆さ吊るしの市川沙耶香に大型のクスコが挿入される。
 荒井枝里は更に表情を崩して堪え続けている。
 最初からハードである。
 水を入れてない水槽に蛇を入れてステージに運ばれる。
 「え、えー」
 荒井枝里は堪らず呟く。
 「いやあーーーーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーー。だめーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は強烈に喚き叫ぶ。
 「それはだめーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーー。あ、あーーー。あ、あーーーああーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は猛然と拒絶を続ける。
 それでも杉下一行は蛇を掴んで翳す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーー。あ、あーーー。あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 どうにも堪えられそうにない。
 杉下一行は蛇の頭を強行にクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香の強烈な断末魔の悲鳴が会場の空気を震撼させる。
 杉下一行はそれをピストンさせる。
 「あおーーーーーーーーーーーーーーーー。あ。おーーーーーーーーーーーーーーーー。うお、おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は狂った様に泣き叫び続ける。そして逆さ吊るしのまま失禁した。
 会場から拍手が沸く。
 市川沙耶香は涙を流し涎も垂れ流して顔は汗を噴いている。
 杉下一行は適度に蛇を抜く。
 「あはあー。あはあー。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 市川沙耶香は瀕死の息遣いである。
 蛇の次は生きたカナブンをクスコに投げ込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は躰を暴れさせ金切り声の悲鳴を上げる。
 生きたカナブンの上から溶けた蝋涙を流しこむ。
 「う、う、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は更に暴れ強烈な悲鳴を上げる。
 会場は静まりかえって全員の目が市川沙耶香の股間と表情に集中している。
 「助けてーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は泣き叫ぶ。
 それでも誰も動揺しない。
 杉下一行は中の蝋涙を取り出す。クスコも抜き取る。
 新しいクスコを挿入して内部をカメラに公開する。
 「どうでしょう。内部はなんともございません」
 杉下一行は淡々と表明する。
 「うそーーーー。酷いことになっているよーーーーー」
 市川沙耶香は衝撃にヒステリックになっている。
 杉下一行はまったく動じない。
 葛和医師が演壇に上がる。
 「ぜんぜん大丈夫です」
 葛和医師はまったく問題にしない。
 杉下一行は火傷にならない温度を管理している。
 葛和医師はステージにしゃがむ。逆さ吊るしの市川沙耶香の目の前で同じ蝋涙を手に掛ける。
 「どうですか」
 市川沙耶香は涙を振って納得する。
 本日終われば明日の午前中に五百万が入金される。国や自治体の支援金とは大違いである。
 一人五万円。SMクラブのソフトプレイ一回の料金である。
 ハードに成るのは仕方ない。
 更にここから鞭打ちが開始された。抽選で五名だけだがこの体勢での鞭打ちである。
 女の部分を叩いてくるのは当然予想が付く。
 一人目がクリトリスを直撃する。先端が長方形の革二枚重ねの一本鞭である。
 「う、う、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香は強烈に躰を振って表情を歪め切って悲鳴を上げる。
 「あーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーー」
 一発で既に涙が溢れる。
 二発目は白く肌理が細かく艶かしい内腿を叩く。
 「う、う、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 市川沙耶香に躰は縄を揺すって震撼する。
 荒井枝里は痛そうでとても見られない。
 「熱海はいつから直接営業します」
 「来週予定者が居る。それから会員だけの営業だ。オンラインも続ける」
 如月鬼堂はもう自粛したくない。そして会員だけで充分に運営が可能である。
 「長野は」
 「同時に開ける」
 「女の子を増員しますか」
 「いいや。どうせ直ぐまた自粛に成る。政府と都知事はオリンピックができれば良いだけだ」
 「そう。ワクチンが普及するまで駄目なのね」
 「それも充てに成らない。変異種に見舞われる可能性も高い。治療薬とワクチンの両方が必要だ」
 「まだまだね」
 「早く政府が自粛をしてその時だけ減っても直ぐリバウンドする無駄と分ってほしい。その度に廃業、倒産が増えて失業も増加する」
 「当分正常営業は無理ですね」
 荒井枝里も仕方ないと言う表情である。
 
 三月二十九日。
 感染者のリバウンドが徐々に表面化した。大阪の感染者が一気に拡大した。知事は蔓延防止等重点措置の適用を政府に申請する意向を表明した。
 篭城事件のテロ組織は遂に二回目の配信をした。
 今回は内部の戦闘設備が公開された。全裸で人質を歩かせてロケット弾。機関銃、迫撃砲、レーダー設備を見せる。
 人質は五人に増えていた。
 だが此処が何処の国かは分らない。
 
 三月三十一日。
 如月鬼堂らは宇佐美のマンションから越後湯沢のマンションに戻った。夏から秋の間此処に住む。
 テレビ会議が繋がっていた。
 部屋には珠洲と瀬里菜、ミニチュワダックスのペーだけである。
 「早いですね。大阪から一気に来ました」
 館山弁護士である。
 「先生。どうします。四日ですよ」
 杉下一行である。次の開催の件を確認する。
 「まだやれるだろう。熱海は静岡県だ」
 「店舗営業はどうするのですか」
 福富麻次郎はそっちが気になる。
 「会員のみで簡易検査入店だ。一般はオンライン営業のみで看板は点けない」
 如月鬼堂は再びすれすれまでやる考えに変わったようである。
 「今回は新規入会者優先ですね」
 大河内税理士の確認である。
 「そうだ。来島結奈が二回目だ。二百名の枠に新規入会を優先する」
 「今回からですか」
 「いいや。来島結奈に指名が緩慢に成ったと言うからショーに出す。だから新規入会が優先だ」
 「あちこちで金が不足していますね。先日プレイしました南七香ももう一度出せと言っています」
 大河内税理士は態度のはっきりした南七香の涙が嬉しい様である。
 「では大河内先生の意見を採用してその次を長野でやってしまうか」
 「そうですね。是非」
 「大河内先生随分虐めたでしょう」
 杉下一行の指摘である。
 「はい」
 大河内税理士は如何にも満足な表情で答える。
 
 南七香は佐藤栞李から自社の分を優先して払ってくれと強く要求された。
 佐藤栞李は入金を知っている。自分が紹介したからである。
 南七香は当分派遣を使う心算はない。できれば仕入先を優先したい。そちらに先に払ってしまったと断った。
 佐藤栞李はもう一回ショーの出演が取れると言い出して大河内税理士に代わって交渉した。
 佐藤栞李に支払うのは百五十万だけである。現状の感染状況や蔓延防止等重点処置の適用などを見ているとまだまだ資金が必要である。
 大河内税理士の情け容赦ない要求で『奴隷としてお買い求め下さい』と挨拶したお陰で指名はそれなりには取れた。
 それでもこの先不安では有る。
 大河内税理士からプレイの時に確認されてお願いしてしまった。
 ここまで辛い仕事は無いと思う。それでも今これだけのお金を借金以外に得られる手段は無い。借金すら難しい。
 国の支援金はまったく入金されない。
 感染対策を飲食店に押し付けるだけで支援金は貰いにくい条件に成って行く。更に待たせるだけでいつまでも入金されない。
 
 篭城事件のテロ組織は三回目の動画配信を行った。
 驚きの人物が人質に加わった。
 モントゴメリー氏七十二歳。アメリカのCSCテレビ局CEOである。
 『日本政府に要求する。モントゴメリー氏の身代金として五十億円を要求する。応じない時は段階的に執行する。
 まずはこの人質の女らを一人ずつ毎日拷問する。
 それで五日だ。
 次はモントゴメリー氏に究極の辱めを行う。
 最後はもっとも残酷な方法で処刑だ』
 遂に世界が震撼する宣告である。
 『これから一人目の拷問を開始する。残酷さにご期待あれ』
 テレビ太陽記者小柴風香がまた引き出された。三名を順番に拷問は行われてない。
 如月鬼堂の居間でのテレビ会議は全員がこの動画に集中と成った。
 興味や満足ではない。愛好会の会合としてのショーと同じ内容が無いかのチェック体制である。
 小柴風香は床に大股を九十度に開かされて躰を大の字に広げられ磔にされている。
 脚首、手首に一本ずつ縄を掛けられ板の床にボルトで止めたフックに縛り付けられている。
 股を閉じることはできない。女の部分は丸出しである。
 最初は五人の男に順番に輪姦された。
 男らは小柴風香の上に乗り床にまっすぐ足を伸ばして乳房を鷲づかみにして強い力で押しまくる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーー。あうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香の白く細身の躰に太い肉棒を突っ込んだまま強力に腰を振り続ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー。う、ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 小柴風香は堪えられない悲鳴を上げ続ける。
 凄惨な強姦シーンである。
 「うう、おおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーー」
 小柴風香は涙を溢れさせながら悲鳴を上げ続ける。まったく痛いだけの様子である。
 顔を歪めて痛みに藻掻き続ける。
 男は勝手に果てると膣に指を突っ込む。奥まで指を伸ばして情液を流しだしてグラスに受ける。
 五人が輪姦し終わると集めた情液をぐちゃぐちゃに成った土手の陰毛に掛ける。
 二人の男が両側から一枚刃の剃刀で剃毛する。
 「悲惨なだけの強姦シーンです。AVの様に鑑賞には成らないですよ」
 「それでもAV購入者のリストで配給していれば一通りは見る。女は悪くない。そして犯人の目的は悲惨なものを焼き付けることだ」
 如月鬼堂は何度も見たくなるものではないが一通りは見るという見解である。
 「先生。長野に時短要請です」
 突然。福富麻次郎の報告である。
 「時短は九日までだな。十一日だが昼間に行う。日曜なら問題ない」
 如月鬼堂は一歩も引かない。
 既に南七香には伝えてある。
 瀬里菜は会員に案内を送っている。その時間を変更する。
 動画は長々とねちねちした剃毛が終了した。
 テロ組織の男らは剃毛の終わった小柴風香の女の部分を広げたりあらゆる形でカメラに公開する。
 「やめろーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。みないでーーーーーーーー」
 小柴風香はカメラと男らに泣き叫び続ける。
 男らは鞭を構える。
 三人が一本鞭を持っている。先が長細くなったものである。
 二人が小柴風香の躰の左右に立ち一人が股間の正面やや左に立っている。
 カメラは天井からと股間の正面の二箇所である。
 右の一人が左の乳首を狙って乳房を横に薙ぐ。
 「う、うう、おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香は腰を迫り上げて躰を振って悲鳴を上げる。
 鞭は乳房に横一文字に当たっている。直ぐに蚯蚓腫れが浮く。
 左の一人が反対側から乳房を薙ぐ。強い叩き方である。
 「ぐう、お、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香の痛みに目を吊り上げた悲鳴が画面に焼き付く。
 一発目に叩いた痕は真っ赤な筋に成っている。
 正面の一人が女の部分を狙って振り下ろす。
 「あーーーーーーーー」
 小柴風香は振り下ろされる鞭に悲鳴を上げる。
 一本鞭の先端は無毛にされてやや赤みの掛かった土手から包皮に包まれたクリトリスをきっちり叩く。
 「ぐうーーーおおーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香の股間は迫り上がって空中に一瞬固まる。それを強烈に振って悲鳴を轟かせる。
 男らは小柴風香を叩き続ける。
 躰は真っ赤な鞭の筋だらけになる。涙を流し汗も涎も垂らしている。無残な表情で躰を床に晒している。
 男らは三人で小柴風香の躰を磔の状態から更に押える。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーー。あーーーーーー。があーーーーーーー」
 小柴風香は藻掻く。
 それでも男らは強く押え続ける。
 他の一人がやや長めのブジーを持つ。
 押えている三人の男らは小柴風香の膣口に指を入れて抉じ開ける。
 「うおーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。う、う、おおーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーー」
 それでも膣口は大きく広がる。薄橙の膣壁が広がりその奥に亀頭の先端の様な子宮口が確認される。
 ブジーを持った男がペンライトで照らして三名が広げた膣の中にブジーを突っ込む。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香から強烈な悲鳴が上がる。
 ブジーは子宮に減り込んでいるらしい。画像からそこまでは確認できない。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香は痛みに躰を微かに震撼させ続けている。
 男はもう一本取り出す。
 今度は尿道の小さな亀裂に刺し込む。
 「うう、おおーーーーーーーーーーーーー。う、うううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香の痛みに破裂した表情から涙が溢れる様に流れる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香は泣き叫ぶ。
 そのブジーにスタンガンを充てる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香から甲高い悲鳴が轟く。
 子宮に電流を流されたのである。
 更にもう一本スタンガンを取り出して尿道に刺したブジーにも流す。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、おおーーーーーーーーーーーーーーー」
 小柴風香は蒼白な表情を崩しきって震え続ける。
 ブジーを抜くと失禁した。
 「う、う、うーーううーーーーーーーーーーーーーー」
 失禁尿が尿道内で沁みるのである。
 「あはあーーん。ああーーーーーー。ああーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 小柴風香は涙をぽろぽろ零す。
 動画はそこで終わっている。
 その後メッセージが表示されて止まる。
 身代金の振込先が何行か表示され金額の詳細が出る。犯人は振込を要求している。
 その存在も犯行声明も無い。
 「しかしアメリカのVIPを人質にされると厄介な問題ですね」
 館山弁護士が危惧する。
 「それでも日本政府は払わないでしょう」
 大河内税理士はそれが日本政府の方針と言いたい。
 「アメリカはどう出るかな」
 「日本に解決を要求するでしょう」
 館山弁護士の見解である。
 
 連続拉致強姦障害事件の犯人六人のアジトである。
 今日は地下室ではない。テラスに座れる気温である。そこから下の町と向こうの山まで見渡せる。素晴らしいロケーションが広がっている。
 バーベキューを焼きながら生ビールを飲みながら会合である。
 「まだ追加の設計図を要求してきたのか」
 「また五億払ってくれた」
 「あの身代金の一部ではないのか」
 「既に入金されている」
 「身代金より先に金が有るのか」
 「奴らもあの身代金は振り込まれないと分っているだろう。本来の資金稼ぎはクラウドファンティングだ」
 「この肉は」
 「三重牛だ」
 「活きた帆立か」
 「焼き牡蠣もできるぞ」
 川口の会長は働かなくても金は入って来る。年金も有る。更に金は入って来る。気に入らないのは現代社会である。
 「なんかまた犠牲者を愉しみたいな」
 「今やっても注目されない」
 「そうだが」
 「奴らの目的は金稼ぎではないのか」
 「違うよ。どこかに自分らの国を創ろうという野望だ」
 「しかしクラウドファンティングで金集めていずれ限界が来ないか」
 「事業もやるのだよ」
 「日本から金を動かして国家を運営か」
 「そんな計画らしい」
 「成功するのか」
 「しない。ただの娯楽番組で終わる」
 川口の会長はしないと断言してしまう。
 「娯楽番組か。正しい見解だな」
 「それで死んだ男らは何を信じてあの選択をしたのだ」
 「一つは現代日本への抵抗だ。あとはリーダーの女にうまく丸め込まれただけだよ」
 「それで女は怖いか」
 「そうだ」
 六人は優雅に黄昏た平野を眺めながら肉を焼いてビールを酌み交わす。
 
 四月三日。
 インターネットアダルト放送。ニュース番組のスタジオである。
 「立て篭もり犯は何処の国に居るか判りません。アメリカのCSCテレビ局CEOの身代金を要求してきました」
 本日の岡田有美は下着スタイルである。真っ赤なブラを外しながらニュースを読む。
 「菅原総理はテロに身代金の支払いはしないと宣言しました」
 本多椿は純白の下着姿である。こっちもブラを外しながら読む。
 二人は従来通りのトップレス姿に成った。
 「アメリカのマスコミはテロに身代金は払うべきではないと明言していますが、人命尊重の解決を日本政府に求めています」
 岡田有美は真っ赤なショーツを脱ぎながら片手で股間を隠して読む。
 「犯人はその所在すら解りません。口座への振込みは大規模なマネーロンダリングを敷いていると考えられます」
 本多椿も同じ様に純白のショーツを脱ぎながら読む。
 「鬼堂先生。名古屋だけでも大変な事件でした。海外で同じ組織の犯人が拉致を始めて暫く沈黙していました」
 「一月弱ですね」
 「行き成り拷問が始まって身代金要求です。犯人の狙いは何でしょう」
 「途轍もなく大きな目論見に思えます。いま居る面々が総てではないと思います。身代金を要求していますが支払われないと承知しているでしょう」
 「それでは目的は何でしょう」
 「いまの段階では何も解りませんね。今やっている事は自分らの戦闘能力を誇示しているだけとしか思えません」
 「これだけの事をして戦闘能力を誇示するからには相当の計画があるのでしょうね。どんな犯人像が考えられますか」
 メインキャスターはまだこの番組らしい見解を如月鬼堂から引き出そうとしている。
 「この犯人の死を覚悟しての犯行理由すら謎のままです。唯一連続拉致強姦傷害事件の六人の関わりが明白です」
 「そうですね。武器に関しましてはさいたま銀行爆破強奪事件に始まる一連の事件と同じ内容です」
 「マネーロンダリングを含んだ身代金要求もこの六人のパターンです。こっちを逮捕する事が一番の近道です」
 如月鬼堂はのらりくらり逃げ切った。
 「感染拡大は一気に進んでいます。五日から蔓延防止等重点措置が大阪、兵庫、宮城の三府県に適用が決定されています」
 岡田有美は真っ赤な褌を股間に巻いている。
 「大阪の感染者は本日六百六十六人と成りました。蔓延は何処まで続くのでしょう。そして時短要請に何処まで堪えられるのでしょう」
 本多椿も白い褌を巻いている。
 本多椿の太腿は綺麗なスタイルながらむっちり感も有る。岡田有美は長身で完璧スレンダーである。
 人によって好みは違うが二人を並べると美しさの違ったパターンの比較ができて美の二つのサンプルと言える。
 「鬼堂先生。時短要請の連続で倒産、廃業が加速しています。いったいどうしたら修まるのでしょう」
 遂にメインキャスターは如月鬼堂の過激な意見を煽りに出た。
 「全部無駄な対策です。何をやっても感染は一時的にしか止まりません。感染対策を諦めて経済を重視すべきです」
 如月鬼堂は遂に箍を外した。
 「しかし。医療崩壊が迫っています」
 「政府のやるべき事は完全かつ充分な補償と治療薬の早期開発、、ワクチンの確保です」
 「日本のワクチン接種は殆ど進んでいません」
 「これは政府の責任です。治療薬さえ確立すれば時短要請など必要ありません。どうやってもこのままでは医療崩壊します」
 如月鬼堂は遂に言いたいだけ言ってしまった。
 
 四月四日。
 熱海の開催は種々の状況により正午から開始された。
 本日の生贄は来島結奈である。
 如月鬼堂は倒産防止の稼ぎに来る女性社長より長くSMで働いてくれる来島結奈を優先したかった。
 希望者が多かったのでオンライン開催併用と成った。稼ぎたい来島結奈は唯々諾々それを承諾した。
 SM愛好会の開催に対抗するように立て篭もり犯に始まるテロ組織の動画が配信された。
 五人目の人質であり犠牲者の拷問動画である。
 如月鬼堂は熱海の升席正面最上段に居た。横には店長の荒井枝里が随伴する。珠洲は大宮の事務所に向かい瀬里菜は越後湯沢に留まった。
 十一日の変更受付と本日の後処理が溜まっていたのである。
 如月鬼堂は前にノートパソコンを置いて動画の内容を確認する。
 横山結依。テレビ関東海外駐在記者である。
 典型的な美人ではない。可愛いとも言わない。だがこれはこれで良い女である。全裸で磔の姿はスレンダーで綺麗なスタイルである。
 全身の体形は岡田有美に近い。乳房の容は更に印象が強く本多椿タイプである。なかなかそそらせる女躰と言える。
 モントゴメリー氏が一瞬画面に映る。鉄格子に入れられた状態でこの拷問を見せられている様子である。
 男らは一人が自動小銃を構えている。
 二人の男が横山結依の左脚の戒めを外して持ち上げようとする。
 「おのれーーーーーー」
 横山結依は蹴り上げようと藻掻く。
 「うごくなーーーーー」
 自動小銃を構えた男が威嚇する。
 「ころせーーーーーー」
 横山結依は真紅の表情を歪めて叫ぶ。
 それでも暴れる。
 残る二人が加勢する。無理やり股間を広げて壁に設えた金属具に脚首を嵌め込んで金属のカバーで押え付けてボルトで固定する。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。はんざいだぞーーーーーーーーーーー」
 「もとより犯罪以上だ。今更言うな!」
 「こんなことしてーーーーーーーー」
 横山結依は怒りにわなわな震える。
 横山結依の右脚を二人が持つ。一人が脚首の戒めを外す。それを三人で持ち上げる。
 「うーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 横山結依は脚を力の限り揺すって抵抗する。
 四人で押えて壁の金属具に押し込む。
 ボルトで止めて完了である。
 五人の中で横山結依が一番抵抗した。
 股間を広げたが女の部分は自然なままの陰毛に覆われている。閉じ合わせた粘膜は色の濃い部分がない。ほぼ薄橙のままである。
 その粘膜を男が広げる。
 「こらーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は顔を真紅に染めて叫ぶ。
 カメラはアップで捕らえる。
 男らは土手にローションを掛ける。
 左右から二本の一本刃剃刀で剃毛を始める。
 「やめてーーーーーーー。かってにそるなーーーーーーーー」
 「動くな。斬れるぞ」
 当たり前過ぎた台詞である。
 「おのれーーーーーーー」
 横山結依は顔に汗を滲ませている。
 まるで時間を合わせたように熱海のステージでも来島結奈の剃毛が始まった。
 「このテロいったいどうなるの」
 「やり放題だな」
 荒井枝里の質問に如月鬼堂も答えが無い。
 「人質はヨーロッパから拉致されたのでしょう」
 「どのように運んだかだな。地域がまばらだ」
 「企業の駐在員が一人。留学生が一人。放送局の海外駐在記者が三人。何かこの辺に意味があるのですか」
 「どうかな。コロナで旅行者が少ないからな。偶然かもしれない。この連中は容姿だけで選んでいる」
 「そう」
 「目的が見えないけど恐ろしい予感がするよ」
 如月鬼堂はこのテロよりこの先の開催が心配である。コロナの不本意な自粛に我慢できない。
 

 最期のSM小説家 第二十二幕 篭城事件その傷痕 完





 最期のSM小説家 第二十三幕 女社長南七香羞恥責め

 二〇二十一年春分中元。太陰太陽暦二月二十三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年四月四日。
 如月鬼堂の経営する熱海のファッション喫茶では愛好会の貸し切りで来島結奈のSMショーが続けられていた。
 如月鬼堂はショーを確認しながらテロ組織の配信した動画を確認している。
 横山結依の剃毛は終わった。
 男らは横山結依の躰に裸の銅線を充て始める。如月鬼堂の表情が硬くなる。
 大庭信一郎が市川沙耶香に行ったプレイである。
 SM動画などに出て来るプレイではない。
 男らは四人掛かって銅線をテープで留める。その上から五センチ置きにクリップで留めてゆく。そのクリップが凧糸で繋がれている。
 「いーーたいーーーーー。やめろーーーーーー」
 横山結依は騒ぎ暴れようと藻掻く。
 乳房の上から乳首、乳房の下、臍の横を通って女の部分のびらびらを片側だけ二つ鋏む。
 「やめろーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 横山結依は喚き続ける。
 そのまま上向きにV字開脚された内腿に膝の手前まで鋏み付ける。
 左右二系統である。
 一人の男がトランスを操作する。
 左側に電流を流す。
 「あ、があーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依の表情は究極に歪む。躰は震撼する。
 「これを大庭信一郎は市川沙耶香に一時間ぐらい続けた。その後でピンチを引っ張って飛ばしたのだ」
 如月鬼堂は隣に座る荒井枝里に小声でそう説明した。
 「えーーーーーーー。それじゃ全身痛みで。もう・・・」
 荒井枝里は悲痛な表情に成る。
 荒井枝里は如月鬼堂に撮影で二時間乳首をピンチで鋏まれて出口の無い痛みに藻掻き泣き喚いた。あれが全身ではとても堪えられない。
 「恐ろしいプレイだよ」
 「でも。連続拉致強姦傷害事件の六人の動画であれは無かったのでは」
 「そうだ。奴らはそこを分けて使っていた。それがこの立て篭もりとテロ事件で我々の表面に出た」
 「あはあーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 横山結依は電流が切れても恐怖の表情で躰を震えさせ荒い息遣いを続ける。
 「連続拉致強姦傷害事件の六人はどこかでこのテロ組織に接触したの」
 「いや。それはないと思う。これまでの六人の用心深さから接触は避けると思う。何処かにプレイが伝わる何かが有る」
 「それがこの会に関係しているの」
 「そうでなければ良いのだが。それを警戒して確認している」
 ステージでは来島結奈の剃毛と浣腸が終わってシャワータイムに入った。
 コンパニオンは半透明のミニスカスーツで下着を着けないで給仕している。升席の前に座るだけだが触ることは拒否しない。
 スカートの中に手を入れるのは恒例である。
 来島結奈がシャワータイムの間に別の女性がステージに上がる。
 「紹介します。SM愛好会の唯一紅一点の会員で田中美玖さんです。M女性です。会員の方複数とソフトプレイを希望しています」
 杉下一行が紹介する。
 顔はまあ可愛いかなと言う範囲である。
 下着を取ると乳房の形は良い。やや腰にボリュームがあって太腿はやや太い。こんな体系のヌードモデルが時々存在する。
 田中美玖も本業はヌードモデルである。
 ショーツも取って全裸に成る。
 女の部分を公開するがややドドメ色感が強い。
 如月鬼堂は興味が沸かない。一瞥しただけで動画の確認に専念する。
 動画では横山結依がクリップで躰に鋏みつけられた左右二系統の銅線に交互に電流を流されて失禁を繰り返した。
 一回失禁しても暫く時間が経つとまた僅かに失禁する。完全に玩具である。
 上手に失神しない程度に電流を調整している。
 クリップを鋏んで一時間半くらいになる。
 「これは引っ張り取ったら相当な痛みだぞ」
 「・・・・・・・・・」
 荒井枝里は驚愕して言葉も出ない。
 男らは遂に今度は左右二系統一気に流す。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 同じ様に躰が振るえ藻掻くが顔は恍惚になる。
 また僅かに失禁する。そしてそのまま一気に白目を剥いてしまった。
 字幕が流れる。
 『これから四人で一斉に糸を引っ張ってクリップを一気に飛ばします』
 四人がそれぞれ糸の先端を片方ずつ持って構える。
 横山結依は失神して白目を剥いたままである。
 「いけーーーーーーーーー」
 一気に二本の糸が両端から引っ張られる。クリップが全部ドミノ倒しのように順番に瞬時に飛び散る。
 「ぐうわおーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は表情を破裂させ躰を力の限り暴れさせる。
 「ぐおーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は狂った様に暴れるまくる。僅かに失禁して直腸から便を垂れ流してしまう。
 「ああーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー。あおあーーーーーーーーーーーーーーー。あおーーーーーーーーーーーーーー」
 どうにも堪えられない。狂った様な悲鳴が続く。
 さすがに男らは麻酔を当てる。
 「恐ろしい拷問だ。そして大庭信一郎のプレイを思い切り強化している」
 「ねえ。どうして真似するの」
 「元から自分らのやり方がないからだろ」
 「これが問題に成る事が有るの」
 「今のところはない。市川沙耶香が何か騒がなければ」
 確かに危険は薄い。如月鬼堂は僅かな危険を綿密に追及している。
 
 三月五日。
 テロ組織はエロ親父でさえ不快極まりないと思う動画を配信した。
 モントゴメリー氏は下半身だけ裸にされ仰向けに十字架の形で床に固定されている。
 女の人質三人が床に四つん這いにされ首輪を着けられて鎖に繋がれている。
 「その爺さんを起たせろ」
 鎖を持った男が命令する。
 四つん這いの女は昨夜散々甚振られた横山結依である。
 横山結依は動かない。
 男は鞭を振り上げる。
 四つん這いのお尻の間に見える女の部分を叩く。
 「う、うう、お、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は躰を横に倒す。手で股間を押える。
 男はその手を叩く。
 「あーーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 横山結依は更に床に躰を伏せる。
 更にお尻の谷間を狙って股間を叩く。
 「うーーーーーー。おーーー。おーーーーーーーーーーー」
 横山結依は躰を強く振って藻掻く。
 「そいつの棹を起たせろ」
 男はもう一発股間を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーー。おーーーーーーー」
 横山結依は涙を流しながら這ってモントゴメリー氏に近付く。
 「さあ。その棹を手で持って。舐めるのだ」
 男はもう一発太腿の裏側を叩く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依の躰は痛みにぶるぶる震える。
 頼りなく横たわったモントゴメリー氏の棹を手にする。それを躊躇いながら口に当てる。
 仕方なく舐める。
 堪えられず嘔吐して唾液を吐き流す。
 「ぐうおーーー」
 男は横山結依の後頭部を鞭で叩く。
 「あ、うーーーーーーーーーーー」
 さらに内股を叩く。
 「ううーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は仕方無しに舐め続ける。
 数分その状態が続いた。モントゴメリー氏の棹が起つことはない。横山結依が手で持ったまま亀頭を舐め続けている。
 やがて起たないままモントゴメリー氏は果てた。
 横山結依が直ぐに口を離して避けたので僅かな情液が手に流れた。
 「よーし次だ」
 別の男が小柴風香の首輪を繋いだ鎖を引っ張る。
 小柴風香も鎖に引っ張られてモントゴメリー氏の腰の辺りまで這って近付く。
 「舐めろ」
 男は鞭を振り上げる。
 小柴風香はモントゴメリー氏の棹に唾液を掛ける。それを手で洗う様に扱く。
 仕方無しに口に咥える。
 男は鎖を握ったままいつでも叩く体勢である。
 今度はいくら舐めても終わる見込みは無い。
 男らはモントゴメリー氏に注射を打つ。
 モントゴメリー氏の棹はそれなりに起つ。
 「入れろ」
 鎖を持っている男が小柴風香を促す。
 「ええ」
 「上から被さってお前のま○○こにそのしなびたち○○を入れるんだよ」
 男は小柴風香に強く命令する。
 小柴風香は鞭を構えられて仕方無しに手で棹を持って膣を上から被せる。
 「ゆっくり動け」
 鎖を持っている男がまた指示する。
 「爺さん。末期のSEXだ」
 他の男が宣告する。
 「やめろーーーーーー」
 モントゴメリー氏は掠れた声で何とか日本語で言葉を発する。
 鞭を突き付けられた小柴風香は言われた通りゆっくり辛うじて起っているモントゴメリー氏の棹の上で腰を動かす。
 唾液でたっぷり濡らしたので滑りは良い。
 小柴風香が鞭を警戒して震えながら責めるのがモントゴメリー氏を徐々に刺激している。
 薬が効いて若い女。二回目を僅かに果てた。
 男らは協議したが終わったと判断した。
 「さあ。爺さんいよいよ明日が命日だよ」
 「CSCテレビに交渉させてくれ。直接払わせる」
 モントゴメリー氏は命乞いになる。
 「駄目だ。日本政府が払わないと認めない」
 動画はここまでで終了していた。
 最後に字幕が流れる。
 『いよいよ明日は処刑です』
 
 四月六日。
 感染状況は大阪を筆頭に悪化の一途を辿っていた。
 日毎に変異種が徐々にではあるが確実に既存種から置き換わっている。
 経済は無視されて大勢は医療側の言い分一辺倒である。
 如月鬼堂はファッション喫茶三店舗の利益を緊急事態宣言や時短営業で圧迫されている。だが業種的に補償はない。
 憤懣やるかたなきである。
 如月鬼堂は早めに朝食を済ませて風呂に入った。
 本日は愛好会の主な面々が来る。
 珠洲と瀬里菜が二台の車で駅に迎えに行った。
 政府も都知事も感染症拡大でもオリンピックは何としてもやる意向らしい。オリンピックこそどうでも良い。
 徐々に名乗りを上げる都市も減っている。日本がコロナの影響で大損害を出したのだからこれを機に永久廃止で良いと思う。
 経済効果になるスポーツだけでそれごとに世界大会を行えば良い。
 「人の動きはまったく減っていません。もうそろそろ自粛と言っても無駄ではないでしょうか」
 大河内税理士は着くなり開口一番この発言である。
 「役人が何度も会食でマスコミを騒がしてくれますから。庶民も自粛は無意味と感じて構わず動き回ります」
 杉下一行も自粛はばかげていると言いたい。
 「先生。何とか打開策は有りませんか」
 福富浅次郎は全裸美人コンテストがやりたい。
 如月鬼堂は難しい表情を固くしている。
 「今度は治まらないぞ」
 如月鬼堂は占い師と打ち合わせをした。
 「感染拡大がですか」
 「そうだ。オリンピックも無理かもしれない」
 如月鬼堂は占い師の見解を説明した。
 「その先生は当たるのですか」
 「トランプ大統領の当選は外れたが。大概はこれまで当たっている」
 如月鬼堂は真顔で厳しい表情である。
 「今度の日曜日は」
 「先週、四日と同じだ」
 本日は荒井枝里と樽常マネージャーも来ている。
 「その先はどうします」
 杉下一行が確認する。
 「やり方を変えるしかない」
 「さて。どの様に」
 「全裸美人コンテストはオンライン形式で可能と成った。問題は女性が足りない」
 「インターネットテレビと雖も顔出しできない女社長がこのところ多いですからね」
 大河内税理士は自分が選んでおきながらそんな発言をする。
 「荒井さん。何人か候補はいませんか」
 「判りました。長野と生駒とも相談して検討します」
 荒井枝里はやや可能性を持っている様である。
 「先生、ありがとございます」
 福富麻次郎は蘇った様な表情で礼を言う。
 「それと会長。いっそのこと宅配風俗を併用した方がよろしいのでは」
 「確かにそれも考えておりました」
 福富麻次郎も検討はしていたもののまだコロナは終息すると考えていた。
 「早く手を打った方がよろしいでしょう」
 「判りました」
 「先生。私たちは会員営業を行けるところまで行って女の子にその先のオンライン営業をアピールさせます」
 荒井枝里は如月鬼堂の心を先回りする。
 「そうだね」
 如月鬼堂は苦笑いで答える。
 タイミングを見張らったところで樽常マネージャーが割り込む。
 「二人ご用意致しました」
 樽常マネージャーは画像を公開する。
 「うむ」
 大河内税理士はやや不満を顔に出す。何も言わずに館山弁護士に渡す。
 館山弁護士も一瞥して杉下一行に渡す。
 「いま八百五十人として二百集まるかな」
 杉下一行は乗り気に成らない表情である。
 樽常マネージャーは案を引っ込める。
 やはり腰が安産形に近い女は此処では駄目らしい。
 樽常マネージャーは熱海の会場で紹介された会員でヌードモデルの女を見てこのクラスぐらいは行けるかと思ったのである。
 愛好会の要求は厳しいが此処でパスしない者を店に出しても指名は付かない。
 昨今の現状でも風俗に流れる女は多い。だが顔、躰ともに良い女はなかなか居ない。
 樽常マネージャーの所に来る女は多いが風俗全体は低迷である。
 切羽詰まった女が何段階も覚悟を重ねて樽マネージャーのクラブ真性奴隷女の館を尋ねる。
 だから此処だけは買い手市場である。
 樽常マネージャーは愛好会にもう少し範囲を広げて欲しいと思うがなかなか難しい。
 その日は囲炉裏端で炉端焼きを楽しみながら夜は更けてゆく。露天風呂に湯を張り珠洲と瀬里菜も超ビキニで入る。
 また二人は大人の親父を悩殺するのを愉しんでいる。
 親父らはじっと我慢するしかない。堪えながらその報いは来週の南七香に向く。
 その日はテロ組織が次の動画を配給するのを警戒しながら宴会を続けていた。
 だがテロ組織は宣言しながら何も配信しなかった。
 海外からもマスコミが騒ぐ。
 アメリカのCSCテレビはモントゴメリー氏の身代金を肩代わりする申し出をして来た。
 日本政府は日本政府の名目で払う事を却下した。あくまでテロに身代金は払わない。例外はないという言い分である。
 だが日本政府に何の対策も無い。テロ組織の連中が何処の国に居るかも判らないままである。
 
 四月十一日。
 南七香は昨夜から長野に泊まっている。
 本日のショーはどうしても受けて入金が必要である。その内容は恐ろしい。
 性器を鞭で叩かれた。さらに小陰唇を広げて中の粘膜を叩かれた。強烈な痛みに失禁して涎を垂れ流してしまった。
 恥かしい画像が会員だけと雖も撒かれてしまった。永久に残ってしまう。なんとも堪え難い。
 自信の有る乳房だけでも堪らなく恥ずかしい。性器のアップまで残ってしまった。それでもこれ以外に手段は無い。
 痛みだけなら泣き喚いても堪える。
 それでも大河内税理士らは自分が心の底から傷ついて泣き喚くのに期待している。
 それでも恨むのは都知事、総理、そして佐藤栞李の順である。
 時短、休業要請、緊急事態宣言、少な過ぎる上に支払われてない支援金である。支援ではなく賠償金であるべきだと思う。
 浣腸を公開された。そのとき自分は死んだと思った。
 大河内税理士は『恥ずかしくても肉体は死なないよ。心が死ぬだけだよ』と言っていた。
 それならば心が死んだ屍と成っても金を稼いで事業を成功させたい。
 会場に行く時間が刻々と近付いていた。
 躰全体が恐怖に鼓動している。
 それでも行けば翌日入金される。今回は八百万になる。会場プラスオンライン開催だからである。
 
 如月鬼堂はインターネットアダルト放送の翌朝である。宿泊した東京から真っ直ぐ長野に向かった。
 新幹線の席で荒井枝里と合流した。
 「テロ組織は処刑を躊躇っているの」
 「違う。態と焦らしているのだ。日本政府を苦しめるためマスコミが騒ぎ続けるように時間を引き延ばしている。巧妙なやり方だ」
 「何故。昨日の放送で言わなかったの」
 「あまりこの件に深入りしたくない」
 「大庭信一郎氏の事が有るから」
 「そうだ」
 「コンテストの出演。三店舗で十一人取れたよ」
 「そうか。あとは樽常氏だな」
 何とか全裸美人コンテストの出演者は確保できそうである。
 
 南七香のショーは正午に開始された。
 社長なのに屈辱的なリクルートスーツで演台に上がった。全方向から二百名が見ている。
 オンラインで五百名以上が視聴しているのである。
 自分で全裸に成るよう指示された。
 SM拷問を担当するのは杉下一行である。
 毎回の手順通り拷問椅子に乗せられて女の部分をアップで会員の指で広げて公開される。
 更にクスコが挿入され女の奥まで公開された。
 前回の様なプレイルームではない。二百人がその場で見ている。南七香の恥ずかしさは極地に達して何も考えられない。
 抽選で当たった会員二人に剃毛された。
 「これから御歳三十路余りでこの美人かつスタイルの綺麗な七香さんの自然排便です。浣腸はしません。お腹を冷やします」
 手首を縛り合わせて天井から下がった滑車に吊るされる。膝に縄を掛けられ膝も吊るし上げる。
 南七香の躰は天井から三本の縄でM字開脚に吊るされてしまった。
 腹から腰を冷やす特注の帯の様な物を着けられた。電気で冷やす。
 南七香の躰はステージから腰が一.五メートルの高さに吊るされている。下には透明で大きなボウルが受けている。
 「それではじっくり大人の女の羞恥の極地をお愉しみ下さい」
 杉木一行の説明に全員で乾杯する。
 昨夜から大河内税理士と杉下一行で話し合って南七香が一番嫌がる羞恥責めが考案された。
 南七香は震え上がるでは済まない。
 冷やして腹が痛くなって排便せざるを得なくなるまで苦しめられる。恐ろしい拷問である。
 そして自ら垂れ流すことに成る。
 腰に巻かれた帯は既に冷たく成っている。
 「暫く南七香さんの苦しむ姿を愉しみながら当店から全裸美人コンテストに出演する女の子を紹介します」
 杉下一行が待ち時間のプログラムを紹介する。
 一人目がステージに上がる。
 「恋菜でございます。私を隅から隅まで見てください」
 スーツ姿でステージに正座して手を着いて挨拶する。挨拶のあと立ってストリップショーから始める。
 正面最上階には如月鬼堂と荒井枝里が座る。
 更に隣の枡に福富麻次郎が来ている。
 その間はビニールのカーテンが遮っているが会話はできる。
 「どうぞ私の女を見てください」
 恋菜は全裸に成って股間を開く。それは四面に設置されたモニターに拡大表示される。
 「先生。此処の女の子が出てくれると一挙に質が上がりますね」
 「下を使ってないからな」
 「先生の仰る通りオンライン営業と宅配風俗を併用するのが良さそうです。オンラインで入った客を宅配指名に繋げます」
 「独身男性一人の自宅派遣には問題はあるのでしょうね」
 どうしても女の子の危険が伴う上に住居の規模設備も問題になる。
 輸送手段も確保しなければならない。
 「外国人が来ないので民泊を借り切ることができました」
 「それは良い方法です。福富さんなら風営法は対処できているでしょうから」
 「全裸美人コンテストはいつやるの」
 荒井枝里が話しに割り込む。
 「GWが多分緊急事態か蔓延防止等重点処置でみな外出しない。そこでやる」
 「そうですね。それだと視聴率が上がります」
 福富浅次郎は大きく期待を持っている。
 南七香は苦しみに引き攣った表情で吊るしの縄にぶら下っている。
 「う、うう、うーーーーーーーー」
 南七香の太腿の筋肉に力が入っている。苦しさにさらに藻掻き始めた。
 杉下一行は鞭を持つ。
 女の部分を狙う。
 一気に強く叩く。
 「ぐう、ううーーーーーーーーー。うぐぐぐーーーーーーーーー」
 股間は強く震撼する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に便が飛び出す。
 南七香の目から涙が溢れる。
 長く繋がった便がボウルに落ちる。
 続いて柔らかい水便が流れ出る。
 「あ、ああーーん。あはあ。はあ。はあ」
 南七香は涙をぽろぽろ零す。躰は冷たさと腹の痛みに震えている。
 「あ、ああーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 小水が流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰が冷え過ぎて尿意も促進してしまった。
 バスタブが演台に運び込まれた。長野ではショーで使用している。
 南七香の躰をゆっくり下げて吊るしのままバスタブに浸ける。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南七香は湯に浸かってようやく震えが治まった。
 杉下一行は柔らかめの大きなブラシで南七香のアナルを洗う。
 「え、えー。いやあーーーーーーーー」
 南七香にはこのやり方も極めて屈辱である。
 次は会員四人が抽選でステージに上がる。
 再び南七香の躰が吊るし上げられる。左右の膝と手首の三本の縄で吊るされている。
 その下に拷問椅子が置かれる。
 南七香のお尻が拷問椅子に着くところまで吊るしを下げる。
 吊るしはそのままで腰だけ拷問椅子に固定する。
 特別な開口器が取り出された。
 手元の枠は直径五センチくらいある。嘴が四つに割れる。かなり大型である。嘴の真ん中はくり貫かれている。
 膣に挿入して広げると薄橙の粘膜が大きく広がる。
 四面のスクリーンに拡大される。
 「良く見ろ」
 杉下一行が南七香にスクリーンを指差す。
 南七香は首を振って目を叛ける。
 「見て恥ずかしさを噛み締めろ。それもサービスだ」
 杉下一行は容赦ない言葉を投げ掛ける。
 一瞬見て南七香は涙を零して顔を振る。そしてまた目を叛ける。
 三十半ばの女が充分に覚悟を決めて来ている。それでも社会の常道を大きく外れた仕打ちが南七香を責めている。
 杉下一行はアームの先端に子犬の小さな舌の様なシリコン質の物が付いた自社製のアイテムを取り出す。
 たっぷりローションを掛けて大きく広げられた南七香の膣の奥に差し込む。スイッチを入れると舌は舐める様に動く。
 南七香は目を瞑って顔を歪めて藻掻く。吊るされた股間は右に左に拷問椅子から浮きながら捩る。
 「あはあーーーーーーーーーー。いやだやめてーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は堪えられない刺激に悲鳴を上げる。
 もとより性戯に長けた女ではない。
 事業に専念してこの歳まで来た。パートナーがずっと居なかったわけではない。だが選ぶ相手は性戯をとことん愉しむような相手ではない。
 風俗嬢やAV嬢ならたいした事ではない。
 杉下一行はねちねちと責めて会員にやり方を見せる。
 「あーーーーーーー。はあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に南七香は崩れきった顔を後ろに倒して股間は痙攣している。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 適度に抜いて会員に同じ物を一本ずつ渡す。
 南七香は四本を見て驚愕する。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 南七香は堪らず叫んでしまう。
 「お前の女の性をとことん見せろ。それがサービスだ」
 杉下一行は構わず叱咤する。三十路女で社長である。屈辱極まりない。
 「ああ。あ、ああ」
 南七香は堪えようとした涙を耐え切れず滲ませてしまう。
 目の輝きと表情にしまりの強い女である。表情に思想感が強く出ている。官能や悦びそして男に溺れる可愛いだけの女ではない。
 杉下一行も大河内税理士もそこに虐め甲斐を持っている。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は躰を震撼させながら甲高い悲鳴の様な逝き声を上げ続ける。
 これが稼ごうと思うAV嬢ならば縛って吊るさなくても藻掻きながらも逝き顔を公開してくれる。
 だがそんな逝き顔の何倍もの悦びを感じさせてくれるのである。
 「あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は涙を零した逝き顔を振って藻掻き躰を震撼させる。
 膣から液は流れ出ている。拷問椅子の股間の開いた下には透明なボウルが受けている。
 「あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーまってーーーーーーー」
 南七香の躰は更に大きく震撼する。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に潮を噴き上げてしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああん。ああん」
 南七香は堪らない羞恥に泣き喚く。
 杉下一行はまだまだ許さない。
 「これが南七香社長の膣から出た液です」
 杉下一行は南七香の顔の前で会場と両方に翳してカメラに拡大する。
 「いやあ、あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーん」
 南七香は悲痛な表情を破裂させて顔を叛ける。
 ここで一度吊るしから開放してシャワータイムを与える。
 南七香はシャワールームに入るなり号泣した。
 時間が限られているので泣きながらもシャワーを被る。余りにも酷い姿を公開されてしまった。叩かれる方がまだましである。
 「ねえ。この人これで何とか成るの」
 荒井枝里もショーの内容は本人の承諾だから何も言わない。本日の収入で本当に救われるかが気になる。
 「国と要らない自治体のやり方次第だな」
 如月鬼堂は日本の三段階の行政の無駄に反対である。自治体を廃止して区役所、市役所を国の直轄にして無駄な税負担を無くして欲しい。
 だから要らない自治体と言う。
 「それ次第でもう一回必要になるかもしれないの」
 「それはできないよ。二回がこちらも限度だ」
 「それでは彼女はここまでやって救われないの」
 荒井枝里は自分も苦労してきた。他人事とは思えない。
 「国と要らない自治体の政策の責任だ」
 如月鬼堂は言葉に強く怒りを籠める。
 「この先は指名を取ってこつこつ稼ぐしかないのね」
 「そうだ。暫くは取れる」
 「助けてあげないの」
 「社長ではね」
 如月鬼堂は南七香に関心がない。
 シャワータイムが終わってタオルを躰に巻いて南七香がステージに出てきた。
 杉下一行が南七香を高手小手に縛る。
 縛ってそのまま拷問椅子に乗せるが腹だけベルトで固定する。
 膝に縄を掛けて天井の滑車から吊るしてM字開脚にする。アナルがくっきり見える角度まで引っ張る。
 「今度はクリトリス責めです」
 そう宣告する杉下一行の腕にはカメレオンが乗っている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香にもカメレオンに舐めさせようとしている事は見当が付く。
 杉下一行は南七香のクリトリスを剥いて女の亀頭に蜜を塗る。
 「あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 南七香は既に泣いている。
 杉下一行はカメレオンを嗾ける。
 カメレオンの長い舌は南七香のクリトリスを舐める。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いや。いやあ。いやよーーーーーーーーー」
 南七香は泣き叫ぶ。
 大河内税理士が演台に上がってクリトリスの蜜を横から追加する。
 「あーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は堪らない。カメレオンの舌でも敏感な部分は感じてしまう。
 「あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーん。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 股間は既に痙攣している。
 店内は静まり返って給仕するコンパニオンの足音しか聞こえない。
 ステージで脱いだコンパニオンは全裸のままで給仕している。会員の要求に女の部分を開いて見せたり少し触らせたりしてサービスしていた。
 いまは全員の目が南七香のクリトリスに集中している。
 「あーーーーーーー。あはん。あはあん。ああーーはん。ああーーーーーはあん。ああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー」
 南七香はもうどうにも成らない。
 やがて濡れが拷問椅子の下にセットしたボウルに流れ落ちる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の泣き悲鳴は治まらない。
 杉下一行は次のレベルにエスカレートする。
 もう一度先ほど使った四つに割れるクスコを南七香の女に挿入する。
 更にアナル開口器も挿入する。
 南七香は悲鳴を堪えてそれを見下ろす。
 「あっちを見ろ」
 杉下一行はスクリーンを指差す。
 「ああ、あーーーーーーーーーーーーー」
 下からライトに照らされて二つの穴の奥がくっきり色の段階まで確認できる。
 南七香の躰はぶるぶる震えている。羞恥に堪えられない。
 「これから南七香さんの各部の感度をテストします」
 「え、ええーーーーーーーー」
 葛和医師が演台に上がる。
 「これから南七香さんに心電図を着けます。躰を弄ってどの位感じているか表情とグラフで確認していただきます」
 南七香は更に驚愕する。これまでも不本意に躰は感じてしまい抵抗できてない。それをやられたら恥ずかしくて生きて行けない。
 女としては死んでも事業は殺せない。事業で大成して今を見返すしかない。南七香は自分に言い聞かせる。
 ここまで非道な仕打ちに堪えて羞恥極まりない女の性を白日に晒した。何としても財力を掴まなければならない。
 心電図のグラフと南七香の表情。これを一枚のモニターを二等分して表示する。もう一枚のモニターは股間部分のアップである。
 葛和医師の手で小さな卵バイブを使ってクリトリスから責め始める。
 「あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香はまったく堪えられない。
 完全に南七香の女の性がデータと共に録画に残って配給される。
 「この人。甚振られるより辛いのじゃない」
 「だろうな。大河内と杉下が話し合って葛和先生まで動員したのだ」
 「どうしてここまでするの」
 「大河内はこの手を虐めるのが好きらしい。俺だけで決めたら彼女はオミットだ」
 「好みじゃないの」
 「一時凌ぎに来る女を宣伝しても意味が無い。そんなに良い出演者も居なかったから大河内が良いと言う以上反対はしなかった」
 「ああ」
 荒井枝里もそこまでは考えてなかった。
 葛和医師と杉下一行は南七香のアナルの奥と膣の底部を上と下で位置を合わせて責める。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これも反応は早い。
 「だめーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間。南七香は潮を噴き上げてしまう。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香はどうにも抑えられないくらい上り詰めている。
 崩れた逝き顔もなかなかそそらせる。美人でも崩れた逝き顔は醜婦のパターンも良くある。
 「この女。この歳でも充分グラビアに使えた。社長など辞めてSM嬢になってくれれば良いのだが」
 「陥れたいの」
 「そこまでは」
 「熱海に稼ぎたい子は居るよ。パパのOK出そうな」
 「そうか」
 杉下一行と葛和医師が二人で南七香の膣天井部を責める。
 演台では南七香が涙をぽろぽろ零して三回目の潮を噴き上げた。
 涙を零した逝き顔が異常に色っぽい。濡れた女の部分の周りが艶かしい。
 終わって戒めを解かれると南七香は号泣した。
 その後も鞭のサービスが行われた。抽選で当たった会員五名が順番に行ってそのままシャワータイムと成った。
 「みなさん今日は南七香さんにとことん完成した女の性を愉しませてもらいました」
 杉下一行が会員に呼びかける。
 会員は拍手と乾杯で答える。
 「本日の録画は今の会員だけの永久保存版です。その中でもクオリティが高いです」
 又拍手と乾杯が起こる。
 シャワールームの中で聞いている南七香は堪らなく辛い。
 「此処に南七香さんを紹介したのは佐藤栞李です」
 杉下一行は南七香が佐藤栞李の派遣会社からスタッフの派遣を受けていて佐藤栞李がその債権回収に南七香を紹介した経緯を説明した。
 「柏崎さんどうですか」
 杉下一行は佐藤栞李にNGを出した会員に振る。
 「そりゃ酷いよ。みんな緊急事態宣言と時短で大損害を蒙っている。自分のところの分は自分で稼ぐべきだ。佐藤栞李をもっとお仕置きしましょう」
 割れんばかりの拍手が起きて続いて乾杯が起こる。
 「今の感染状況と国や自治体の薄過ぎる補償では南七香さんはこれからも苦しいです。今日の永久保存版に感謝して一口一万のカンパをお願いします」
 また拍手が沸く。
 カンパ。古い言い方である。今は使われなくなった言葉である。むかし学生運動でもやったのかという存在かもしれない。
 杉下一行はそんな世代の少し後である。そして表社会から外れて生きてきた。そんな男の郷愁さえ感じさせる。
 直ぐに座席表を持ったコンパニオンが客席を回る。
 驚いたのは南七香である。シャワールームから着替えて出て来て涙を拭きながら客席四方に頭を下げる。
 一口一万。二百名だが三百万をやや超えるカンパが集まった。
 南七香はまた号泣した。
 
 四月二十二日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 GWに行う全裸美人コンテストの打ち合わせが行われていた。
 参加人数が多いので囲炉裏端ではなく広い部分にテーブルを出しての会議と成った。
 インターネットアダルト放送局との打ち合わせは福富麻次郎が代表して行う。本日は愛好会内部の打ち合わせである。
 テロ組織は日本政府に身代金を要求した。その人質アメリカのCSCテレビ局CEOモントゴメリー氏の処刑を発表してから未だ何も発信していない。
 大阪府も東京都も遂に蔓延防止等重点処置から緊急事態宣言の発令要求に至った。
 補償の事は何も表明しないで更に理不尽な規制を掛けようとして来た。
 マスコミは規制ありき一辺倒である。
 申し訳程度に充分な補償をして完全に人の流れを停止すべきと言う。
 「今回のイベントは完全に無観客イベントです。特別審査員もオンラインです。出演者ごとに個室で撮影を行います」
 内容の説明は福富麻次郎が行う。
 今回は愛好会のショーに出た出演者が少ない。
 総勢二十名を辛うじて集めた。
 「今度のゴールデンウイークは緊急事態宣言で押え付けられて、さすがに自宅に居る人が大方です。視聴率は期待できます」
 福富浅次郎はこの一発に賭けている。自社の店舗からは二名アサインした。二人とも殆ど新人でオンライン営業にしか出ていない。
 全裸美人コンテストでは顔、スタイルだけではない。女の部品を総て審査する。女の部分の美しさは重要である。
 そこで福富浅次郎はこれまでの惨敗を考慮して直接接客してない新人から選んだ。だが惨敗でも福富浅次郎の利益には影響ない。
 「今回は一般審査員も特別審査員も海外サイトから動画を確認してもらいます。後に編集して販売する一部分に成ります」
 一般審査員は動画の事前購入者である。
 ここが福富浅次郎と如月鬼堂の利益と成る。そして製作料は総て福富浅次郎に入る。
 一通り福富浅次郎の報告が終わり出演者一人ずつモニターで詳細に確認した。会議はほぼ終了で酒と仕出屋からから取り寄せた料理で乾杯と成った。
 「先生。今度の緊急事態宣言は短期間で効果を出そうとかなり厳しい内容で提案されていますよ」
 酒が入って大河内税理士が口火を切る。
 「無駄な抵抗だ。勝てはしない。無駄に経済を疲弊させて個人の資産を奪うだけだ。世界は既にウイルスに充満されている」
 「飲食店に酒を提供するなと言っています。提供すれば休業。しなければ八時までの時短です」
 「ならば休業で完全補償して欲しい」
 如月鬼堂は怒り心頭である。
 「補償は営業規模で四万から二十万です」
 館山弁護士が最新情報を説明する。
 「雀の涙以下だな。支援金とは何だ。ふざけるな!!。賠償金を払えといいたい」
 如月鬼堂の怒りは沸騰している。
 「しかし政府が期間を切るのは経済の疲弊と補償金の限界です」
 館山弁護士は国にはもう金を出せないと言う。
 「もとより税金では無理だ。出すべきでもない。二ユーディール政策でフランクリンは何と言った」
 「それは」
 そんな事は館山弁護士でも覚えていない。
 「新規増紙幣を一切制限しないだ」
 「その判断はまだまだです。政府は検討もしないでしょうね」
 「先生。もし効果がなければどう成ります」
 「まあ。ワクチンプラス自然免疫が行き渡るまで駄目だな。オリンピックはまったく無理だ。中止で問題ないが」
 「ワクチンプラス自然免疫。感染の拡大とワクチンの普及が競争ですか」
 「俺はワクチン二割。国民の感染四割で終息し始めると見ている。最初からスエーデンを見習えば良かったのだ」
 「それで無駄な抵抗だったのですね」
 杉下一行も茶化す様に言いながら哂う。
 その日は怒りの宴会と成った。
 
 四月二十四日。
 南七香は如月鬼堂を訪ねて越後湯沢に来た。
 如月鬼堂は断る訳にも行かないので予定を入れた。
 囲炉裏端ではなく横の簡易応接シートで対応する。
 南七香はブランド品とまで行かないそれなりのスーツ姿で現われた。
 カンパの礼を述べて直ぐに本題に入る。
 「先生が去年考えていらっしゃいました集団訴訟ですが」
 「失敗したな。集まらなかった。私や福富氏が中心でやれば勝てるものも悪い方向に捻じ曲げられてしまう」
 「私にやらせてください。何軒かは集めます」
 「そういう話か。事前に言ってくれたら館山氏を呼んでおいたのだが」
 如月鬼堂は矢面には立ちたくない。それでも進めることはやぶさかではない。
 「そうですね。出直しましょうか」
 「GWが開けても感染拡大は収まらない。その頃に集めましょう」
 「判りました」
 南七香は帰った。
 早速館山弁護士とテレビ会議が繋がる。
 「私も良いと思います。去年よりは反感が高まっています。それに飲食チェーンだから仲間は集められます」
 「そうだな」
 「それと先生。そろそろ埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の判決が出ます。緊急事態宣言で少し延期には成りますが」
 「無罪か」
 「その可能性が高いです」
 「そうだな。今の状況では無罪でなければならない。極めて有罪に思えるが強引に有罪にするあり方は冤罪を助長する」
 如月鬼堂の基本的な考え方である。
 
 四月二十八日
 佐藤栞李は三度目の緊急事態宣言で直営の店を閉めた。派遣会社は休業のままである。
 直営の店で最後に残したスタッフ一名を南七香に派遣で使ってくれと営業して来た。南七香はもう派遣は使わないと断わった。
 佐藤栞李は最後のスタッフを解雇した。直営の店は家賃を払ったまま閉店とした。時期を見て再開する予定である。
 住んでいるマンションを解約して店に住むことにした。
 南七香は都心の二店舗を既に閉めている。残る店舗に緊急事態宣言の直撃はない。
 それでも時短が響いている。
 予定より六百万ほど多めに得て一安心したが束の間である。
 もしも緊急事態宣言が首都圏に及べば更に苦しくなる。いま取れている指名はこなすしかない。この収入が必要である。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のアジトである。
 外で飲むに丁度良い陽気。テラスでバーベキューを焼きながら生ビールで乾杯する。
 この場所では緊急事態宣言も感染も殆ど影響ない。
 「あの六人の判決はまだ出ないのか」
 「東京高裁だからな。緊急事態宣言で延期だろ」
 「今度はかなり不満だらけだな」
 「廃業、倒産がまだまだ増えるな」
 六人の誰も緊急事態宣言の影響はない。
 「川口の旅館。ここの所何も言って来ないな」
 「対象者が居ないのだろ」
 「館山とか言う弁護士。他に切り替えたのでは」
 「他にそんな話に乗るところがあるか」
 「生駒にも」
 「関東になければな。SM愛好会に紹介するか。それならあの川口の旅館の方が無難だ」
 「そうか」
 「今度は何処の肉だ」
 「十勝牛だよ」
 「しかし。女を甚振りたいな」
 「川口も駄目。拉致もできない。むしゃくしゃするな」
 「海外に渡ったテロの奴等あれっきり何もしないな」
 「動けないのだ。感染症拡大でロックダウンらしい」
 「いったい何処の国だ」
 「それはこっちにも言わない」
 当分テロ組織の動画配信はなさそうである。
 
 南七香は大宮の南銀座に在る店舗に立ち寄り長野に向かった。長野のプレイルームで指名が入っている。
 大宮は本日から酒の提供が自粛に成った。約二週間の休業になる。協力金がちゃんと払われても家賃を払い給料の六割補償すれば赤字になる。
 プレイルームに入る前に客から請求する交通費を流用して長野の権堂に在る店舗に寄る。
 約束の二十二時五分前にプレイルームに着く。嫌な思い出のプレイルームである。
 明日の昼にも一人入っている。今夜は此処に泊まる。
 二人から交通費をグランクラスで貰って自由席で往復する。更に高崎までは在来線である。
 この二日で大宮店の二週間分となる赤字は補える。
 一人目の客は外務省会計課長田中仁である。
 南七香は樽常マネージャーの指導の通り床に座って手を着いて挨拶する。
 「本日はありがとうございます。ハードSM嬢といたしまして私の全身でご奉仕申し上げます。どうぞこの躰をご存分に虐め辱めてお遊び下さいませ」
 南七香は丁寧に言った心算である。
 田中仁はその南七香の頭を爪先で上から押える。
 「頭が床に着いてないぞ」
 「はい」
 田中仁は直ぐに足を離す。
 「約束の金子だ」
 裸でお札の束を渡す。
 「ありがとうございます」
 南七香は数えないで仕舞おうとする。
 「一応数えろ」
 南七香は気を使って数えることを躊躇ってそのまま仕舞っていた。
 「はい」
 許可を得たので数える。
 数え方は銀行員に近いくらい慣れている。
 一回目は一枚ずつ数えて最後の一枚を指で弾く。二回目は三、三、四を繰り返して一回目との一致を確認して仕舞う。
 「確かに。ありがとうございます」
 頭を踏まれてややムラムラ感は有るが抑える。
 「こっちを向いて脱いでくれ」
 田中仁は南七香にストリップを要求する。
 ジャケットを脱ぎブラウスを脱ぐ。
 「スカートを捲り上げろ」
 「はい」
 南七香は言われた通りスカートの裾を両手で持って捲り上げる。
 「ストッキングを脱げ。スカートを上げたままだ」
 「はい」
 南七香はこのように命令されるとその姿の恥ずかしさを強く感じる。仕方なくスカートを捲り上げてストッキングの下のショーツを丸出しにする。
 「その下着は何色だ」
 田中仁は敢えて言わせる。
 「白です」
 ストッキングの下のショーツにスカートの裾を挟んでストッキングを脱ぐ。南七香には今の段階が堪らなく恥ずかしい。
 「近くに来て俺の目の前でブラを外せ」
 「はい」
 南七香は躊躇う脚をゆっくり進めて座っている田中仁の顔の前に胸を晒す。後ろに手を回してブラのフォックを外してブラを下げる。
 田中仁は片方の手の指三本ずつで乳房を掴む。
 屈辱的な掴み方である。
 田中仁は乳房ごと乳首を捻る。
 「い、い、いたああーーーーーーーーーーーい」
 南七香は強く捻られて悲鳴を上げる。
 田中仁は直ぐに離す。
 「あーーーーー。あはあ。はあ」
 南七香は衝撃にやや後退りする。
 田中仁は太さ三センチくらいのテープ上の布を乳首に充てて後ろで結ぶ。
 布を被せた乳首を洗濯バサミで鋏む。かなり大きめで力も強い。
 「クリップでやりたいが鬼堂先生が許可しない」
 残念そうに言う。その言葉には唯でさえ怯える南七香を突き刺すような残忍性が宿っている。
 「スカートを脱げ」
 南七香はスカートのフォックを外してファスナーを下げる。そのまま落として脚から抜き取る。
 それを他の脱衣を置いた椅子に投げる。
 田中仁は南七香をショーツ一枚残したまま亀甲縛りにしてその上から高手小手に縛る。
 乳首は白い布で縛られ赤い乳首が透けてその上から竹とはいえ力強い洗濯バサミが鋏んでいる。
 田中仁は恥ずかしい姿に加工したミニスカートをリックから取り出す。
 前半分が簾の様に細く切られている。
 それを田中仁の手で南七香の腰に巻き付ける。
 動くと下着が見えるだけだが南七香には異常に恥ずかしい。それよりもさらに屈辱感が強い。
 田中仁は南七香の躰を壁のフックに押し付ける。高手小手に縛った後ろの部分の縄をフックに引っ掛ける。
 南七香の正面の壁は大きな鏡である。恥ずかしい姿が正面に見える。
 田中仁は鞭を持つ。長い一本鞭である。
 南七香の太腿を狙って流す様に叩く。
 「ううーーーーーーーー」
 痛みに片脚を振り上げる。下着が簾状のスカートから覗いて鏡に映った姿が惨めで恥ずかしい。
 田中仁は何発か太腿を叩いて南七香のスカートが揺れる姿と悲鳴を愉しむ。
 次に鞭を取り替える。短い物で先端が長方形のチップに成っている。
 田中仁は乳首の洗濯バサミを狙う。
 鞭を短く持って先端で叩き落す。
 「う、うおーーーーーおーーーーーーーーーーー」
 もう片方も叩く。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーー」
 反動で片膝が蹴り上がる。
 田中仁はその膝を叩く。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は既に涙を滲ませる。
 乳首を鋏んだ洗濯バサミを鞭で叩き落されたのが衝撃である。
 田中仁は落とした洗濯バサミを拾う。
 南七香の乳首を指で抓む。もう一度洗濯バサミを深く鋏み付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は悲痛な表情で悲鳴を上げる。
 もう片方も指で抓んで捻ってから鋏み付ける。
 「う。ううーーーーーーーーーーー」
 南七香は涙顔の眉間に強い皺を寄せている。
 田中仁はもう一度乳首を鋏んだ洗濯バサミに狙いを定める。
 「え、えーーーーーーー」
 南七香は怯えた涙顔で田中仁を見る。
 田中仁は容赦なく叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯バサミは一発で飛ぶ。
 南七香は恐怖の表情で目を見開いて震える様に顔を振る。
 田中仁は更に短く鞭を持つ。
 洗濯バサミを横に薙ぐ。
 「う、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯ばさみは落ちない。咥えがずれて僅かに乳房の皮膚を鋏んでいる。
 田中仁はまだ構える。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は恐怖の悲鳴を上げる。
 残りを強く叩いて飛ばす。
 「う、うう、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の悲痛な涙顔が縦に破裂する。甲高い悲鳴が部屋を劈く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛そうである。
 田中仁はもう一度洗濯バサミを拾う。
 白いテープ状の布は外れて乳房の下の縄に絡んでいる。
 田中仁はそれを抜き取る。
 もう一度洗濯バサミを深く鋏む。
 「あ、ああーーーーーーーー。もうーー。むりですーーーーーーーー」
 南七香は泣き悲鳴で訴える。
 「今度は叩かないよ。付けたまま取る時の痛みを愉しませてもらう」
 田中仁は含みを持たせて言う。
 「・・・・・・」
 南七香は恐怖を覚えるがどうにも成らない。一晩二十五万と交通費を貰っている。
 田中仁は南七香の背中の縄に引っ掛けたフックを外して拷問椅子に座らせる。
 高手小手の縛りもその下の亀甲縛りもそのままである。
 脚を広げて脚乗せ台のベルトで固定する。拷問椅子のハンドルを回して股間を限界まで広げる。
 ショーツはまだ脱がしてない。
 田中仁は電マを手にする。
 ショーツの上から股間を責める。
 クリトリスからアナルの手前まで電マの先端をスライドさせる。
 南七香が無表情でもじっくり続ける。
 ショーツには充分な湿りが感じ取れる。南七香は意地でなかなか声を出さない。徐々に慣れ始めたのかもしれない。
 感じていても有る程度までは声を殺せる。
 既に顔の表情は歪んでいる。
 田中仁の目的は下着を汚すことである。
 そして乳首の洗濯バサミの時間を稼ぐ。
 「濡れてきたぞ」
 「・・・・・」
 南七香は何も答えられない。
 田中仁は南七香の脚の戒めを解く。脚を一度開放してショーツを脱がす。
 裏を向けて股間部分の染みを見せる。
 「いやーーーーーーーーー」
 南七香は泣きそうな表情で首を振る。
 それを裏面が見えるようにテーブルに置く。
 「え、えーーーーー」
 南七香は堪らない。慣れた風俗嬢なら呆れて笑う程度で済む。田中仁は南七香が笑って済まないと分かってやっている。
 田中仁はもう一度今度は縄で脚乗せ台に南七香の膝と脚首を固定する。
 卵バイブにローションをたっぷり掛けて膣に挿入する。指で奥まで押し込んで余裕を探る。あと二つ入ると見做して続けて挿入する。
 「あ、ああーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 さすがにこのレベルはまだ南七香には無言では堪えられない。
 田中仁はさらにクリトリスを電マで責める。
 「うおおーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は遂に藻掻き始める。
 乳首の洗濯バサミは痛み続けている。南七香の神経は気持ちの良い方に逃げる。一気に官能が南七香を襲う。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 南七香は切迫した様な官能の声を上げ続ける。
 ドリルバイブも数種類有る。だが南七香には使用しない。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 南七香は顔を歪めきって口から涎を飛ばして顔を右に左に躱して強過ぎる官能に藻掻く。
 「だめーーーーーーーーーーーーー。もう・・・だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は潮と言うより小水を流れる様に弧を描いて断続的にかなりの量を流し出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の躰は漏らしながら震撼し続けている。
 こんな女の羞恥のどん底の姿を愉しまれる。心底辛い。
 コロナが終われば一時的に滞っていた需要が一気に戻ると言われているが潰れた企業は戻らない。
 申し訳程度。支援金は雀の涙以下。政府や自治体のやることは飲食店を規制するだけ。
 倒産すれば支援金も貰えない。借金は消えない。破産しかない。
 南七香には認めたくない人物だが如月鬼堂の言う通りである。
 そしてその影響下でこんな人ではない仕打ちを受け入れて会社を護っている。
 いま目の前で自分のあられもない以上の姿を愉しんでいるこの男も憎い。
 でもそれ以上に都知事、総理、総理を緊急事態強化に責める野党、そして佐藤栞李が憎い。
 佐藤栞李が力尽きてやや溜飲が下がった。
 それでもこの男より佐藤栞李が憎い。
 この事態に堕ちざるを得ない自分を堕として自分から債権を回収した佐藤栞李が憎い。
 それ以上にできない負担を飲食店に押し付けて形だけの支援金しか提示しない政府が憎い。
 それ以上に飲食店にだけ厳しい対策を求めて支援金は延々と払わない都知事を筆頭に自治体が憎い。
 南七香は恥の極地に塗れながらそんな事を思い続けた。
 「凄い。お漏らしだったよ」
 田中仁は満足そうに詰る。
 南七香は堪らず涙を流す。
 田中仁はその涙を舐める。
 堪らず南七香は顔を振る。
 田中仁は怒って南七香をビンタする。
 「うおーーーー」
 南七香はさらに悔しさに涙を溢れさせる。
 「反抗したな。気持ち良くさせようと思ったがお仕置きだ」
 田中仁は凧糸で二十個くらい繋いだ洗濯バサミを取り出す。
 南七香に戦慄が奔る。
 それを躰中に付けて一気に引っ張ることは想像が付く。
 田中仁は嬉々として洗濯バサミを南七香の躰に付けてゆく。
 本来乳首、乳房から付けるが既に他の目的での二本が強力に鋏んでいる。腋から腹の横に下がって股間の粘膜を片側鋏んで内腿から膝まで鋏み付ける。
 左右同じ様に付ける。
 女の部分のビラビラには左右合わせて六本が鋏み付いている。
 南七香は恐怖に震える。鞭叩きでは済まない。強烈な痛みに成りそうなことが想像できる。
 田中仁は凧糸の先端を持って構える。
 「行くよ。覚悟は良いですと言ってくれ」
 「そんなーーー」
 南七香は涙の乾いた泣き顔を歪める。
 「言わないとそのまま放置して時間のぎりぎりに引っぺがすぞ。時間が経てば弾く時の痛みはどんどん増す」
 「えーーーーーーーー。それじゃ乳首は」
 南七香は悲痛な表情をさらに歪めて確認する。
 「それはもう気が狂うくらいの痛みだ。鬼堂先生の言葉で出口の無い痛みと言うらしい」
 「えーーーーーーー。痛みが止まらないの」
 「揉めば激痛だがやがて治まる」
 「・・・・・・・・・・」
 南七香は恨みの篭った目で上目遣いに田中仁を見る。
 「どうする」
 「あ、あ。かくごします」
 南七香は震える言葉を吐き出す。
 田中仁は一気に二本の凧糸を引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は固定された脚をバタつかせ躰を揺すって暴れ拷問椅子を震撼させる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 涙を溢れさせ鼻水を垂らす。
 無残な顔である。
 田中仁は南七香の目の前に鏡を近付けて見せる。
 「ううーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーー」
 南七香は痛みにそれどころではない。
 田中仁は四時間をカウントして南七香の戒めを全部解く。
 プレイ時間はあと一時間である。
 「さあ。どっちから行こうか」
 田中仁は虐め心に滾っている。
 「やめてーーーーーー。片方ずつ取ったら二回痛いよーーー」
 南七香は悲痛に訴える。
 「二回愉しませてくれないか」
 「そんなーーーーーーーー」
 「ならば自分で取れ」
 南七香は覚悟を決めて洗濯バサミを掴む。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーー」
 南七香は拷問椅子に躰をぶつける。寄りかかったまま膝を着く。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 絨毯に膝を落として床に手を着いてさらに転げる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は乳房を両手で片方ずつ押えて絨毯の上を右に左に転げ藻掻き続ける。
 田中仁が馬乗りに成って乳首を揉む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は泣き喚き続けた。
 田中仁は満足して朝五時に帰った。
 南七香は睡眠薬を飲んで次のプレイの時間まで眠った。
 二人目の客にも乳首を洗濯バサミで鋏まれた。
 南七香は執拗に許しを願った。だが金を払っている条件は同じだと何処までも主張された。
 殆ど強引に縛られ洗濯バサミで鋏まれた。
 今度はドリルバイブで責め続けられて逝き捲くってしまった。
 終わった後で葛和医師に相談した。普通の病院には行けない。SMプレイなど医者に話して大事に成っては堪らない。
 内分に済ませたいので葛和医師を選んだ。
 葛和医師はもう少しで壊死するところだと言っていた。そのまま暫くリハビリが続いた。
 
 四月三十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 「もう少し待ちましょう。完全に緊急事態宣言では治まらないと事態が明らかに成ってからです」
 館山弁護士は逸る南七香を抑える。
 「そうだな。丁度良いタイミングがもうじき来る」
 訴訟を起こすのはやぶさかではない。南七香はそれなりに仲間を集めた。渡りに舟である。
 「それはいつ来るのでしょう」
 「いつとは言えない。だが日本政府は感染拡大がこのまま収まらなくても緊急事態は解除せざるを得ない。その時がタイミングだ」
 「判りました」
 「君はそれまで此処に泊まれ。会社は此処から指揮できるだろう。プレイも此処から行け」
 館山弁護士が横から指示する。自分も泊まる。良いタイミングで行いたい。
 「私。玩具ですか」
 「良く見ろ。先生のお嬢さんが二人居る」
 館山弁護士は珠洲と瀬里菜の存在を示す。
 「ああ」
 南七香は納得した。

 
 最期のSM小説家 第二十三幕 女社長南七香羞恥責め 完





 最期のSM小説家 第二十四幕 集団訴訟

 二〇二十一年穀雨上元。太陰太陽暦三月二十日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年五月一日。
 愛好会の会合はさすがに暫く見合せとなった。
 三つのファッション喫茶はオンラインと会員のみの営業を続けている。
 三店舗とも緊急事態、蔓延防止の対象地域ではない。それでも目立てば叩かれると言うことである。
 如月鬼堂は怒りに滾りながら自粛を決めた。
 唯一行われるのはインターネットアダルト放送の全裸美人コンテストである。裏は今回行わない。
 如月鬼堂はスタジオに入っていた。
 全裸美人コンテスト三日前のスタジオである。
 「感染拡大は一向に収まりません。緊急事態宣言も人の出は去年のGWに比べて格段に増えています」
 スクリーンには各地域の人出の倍率が表示されている。
 岡田有美は読みながらブラを外してトップレスに成る。毎回見ていてもこのシーンはそそらせる。
 「徐々にオリンピック開催を行うべきか。中止すべきか議論すべきとの意見が出始めました」
 本多椿も同じ様にばら色のブラを外してトップレスに成る。
 「鬼堂先生。緊急事態宣言は解除できますか」
 メインキャスターは核心を聞いて来る。
 「予定通りは無理でしょう。と言っていつまでも緊急事態を続けられません」
 如月鬼堂は最初から分かり切った結果に成ると言いたい。
 「それでは先生は感染状況が暫く引かないと仰いますか」
 メインキャスターは如月鬼堂の悪役的発言を引き出したい。
 「引かないでしょう。ワクチンの普及以外出口はありません」
 「それではオリンピックは」
 「恐らくどこかで断念するしかないでしょう」
 如月鬼堂は言い過ぎと思いつつも言葉が走ってしまう。
 「補欠選挙は民事党の全敗に終わりました。三選挙区で立憲国民党が勝利しました。どこも少ない投票率でした」
 岡田有美は片手でドテを押えて薄紫のショーツも脱いでしまう。
 美しい股間の体形である。さらに隠しながらの美脚の動きは見るものを凝視させる。
 「与党のこの敗北は政権への影響は無いのでしょうか」
 本多椿も股間を押えてショーツを抜き取る。艶かしさが漂う光景である。二人は完全に全裸に成っている。
 立ち姿の全裸はスタイルが良くないと醒める。同じ女の躰でも日によって顔立ちも違う様に微妙に違う。
 毎回二人の立ち姿の全裸を画像で取得する者も居る。
 インターネットアダルト放送は録画を取ることはできない。その代わり幾つかのポートがダウンロードできるように提供されている。
 「鬼堂先生。次の総選挙では与党が三割とか、四割減らすとかの見解も出されています」
 「それはないでしょう」
 如月鬼堂は言下に否定する。
 そして以下のように説明した。
 補欠選挙はよく与党が敗退する。それでも総選挙は与党が勝っている。こんな事は何度も有る。
 投票率は極めて低く立憲国民党が伸びたのではなく与党の支持者が投票に行かなかっただけである。
 総選挙では政党を選ぶ意味合いが強く従来のレベルは確保される。減っても与党一割減くらいと思われる。
 
 五月四日。
 インターネットアダルト放送。待望の全裸美人コンテストの生放送である。
 地上波のニーススタジオの様に審査員一人ずつアクリル板で遮られた席に着いている。メインキャスターは離れた場所で司会進行する。
 「本当に美しい女性を選ぶ全裸美人コンテストです。性格、知性などの容姿以外の不純な評価は入れません」
 メインキャスターによる定義の宣言で始まる。
 出演者はミニワンピース姿で二十人が一人ずつ出て来る。そして一人ずつ控え室に引き上げる。
 今回は二人ずつ別室で野球拳を行って一枚ずつ脱ぐ。勝っても負けても最後まで公開することは変わらない。
 一組目は田中美玖と田川恋菜である。田中美玖はソフトAV女優。田川恋菜は長野のファッション喫茶のコンパニオンである。
 南七香のショーの途中で紹介された一人でこれからは店舗のソフトSMショーも出演する。
 熱海のファッション喫茶の曲が流れる。
 『わたしは熱海のお枕芸者。
 朝までお時間一本でご奉仕します。
 腰巻脱いだら全裸でございます。
 この小股でおさおをお迎えいたします』
 野球拳は両方が全裸に成って剃毛するまで続く。
 田川恋菜が先に全裸に成って女の部分を自分の指でオープンする。さらに負けて女の奥をクスコで公開した。
 放送では性器を公開できない。一般審査員は海外サイトから事前にアップロードされた動画で確認する。
 これが最終編集されて全裸美人コンテスト一本の無修正AVとなる。これを事前購入した者が一般審査員である。
 この無修正AVは福富麻次郎が販売できる。これが緊急事態宣言に潰されかかった一大風俗チェーンの経営を救済する。
 田中美玖はまだ全裸に成ったところである。
 田川恋菜が剃毛されまた負ける。
 ここから負けた方に罰則が下る。男優が出て来て生姦されてしまった。
 さらに負けると二穴挿入と成る。二段階目では田川恋菜は男優二人に犯されてしまった。
 まだ田中美玖は女の奥までクスコで公開したが剃毛が残っている。
 田川恋菜は次に負けると蝋燭拷問である。
 だが田中美玖が負けて剃毛されて終了した。
 全裸美人コンテストは荒井枝里が熱海店のコンパニオンから特別に紹介した高島波瑠が優勝した。
 本人も如月鬼堂関連のSMで大稼ぎしたいと希望している。
 この先SM愛好会のショーに出てグラビア撮影。SM系AVにも進出する。
 
 五月五日
 全裸美人コンテストに対抗するようにテロ組織の動画配信が始まった。
 五人の人質の女を強制的に競わせようと言うのである。
 相変わらず海外で拉致された人質の女性五人は壁に磔にされている。
 それを一人ずつスタイルが比べられるようにカメラが流してゆく。
 『五人を比べて投票していただきます。投票にはメールに記載された女性の名前に続いたURLをクリックして下さい。
 一人一回しか有効では有りません。
 一位に成った女を明日拷問します』
 今回は一人目が杜河あおいから始まった。
 男二人が掛かって杜河あおいの片脚を持ち上げる。
 「やめなさいーーーーーーーーーー」
 杜河あおいは強烈に叫ぶ。録画されていて公開されることは分かっている。
 細身の躰かつ細面の顔で美人。いかにもインテリ的な女。無駄でも叫ぶのは抵抗の意志と被害者である訴えを閲覧者に強く示す目的である。
 さらに男らはもう片方の脚を持ち上げる。
 「やめなさあーーーーーーーーーい」
 叫ぶ杜河あおいの表情は気丈に仕事で男を抑えて上に立つ女性上司。それが部下同僚の男子を叱るそのままである。
 男の一人がビンタする。
 「うおーー」
 杜河あおいの顔が強く歪む。
 「女を叩いて良いと思っているの」
 杜河あおいはこの事態で強がって叫ぶのではない。自然にいつもの男子を叱る口調である。
 「あんたらの常識やモラルは通用しない。此処は俺たちの世界だ。そしてあんたは捕虜だ」
 男は淡々と抑揚の無い口調で言う。
 「何が捕虜よ。私が寝ている間にアパートに侵入して拉致したのよ」
 杜河あおいは怯まず言わなければ成らない反論をする。
 「我々はお前らの腐った民主主義社会と戦争している。何人たりとも捕虜だ」
 「私は軍人じゃないの。一般市民なの」
 「それもあんたらのモラルだ。我々はそれに従わない」
 その間にも男らは杜河あおいの女の部分を広げる。
 「やめなさーーーーーーーーい。こんな事をして成功すると思っているの」
 「成功する。我々はイスラム国以上の戦闘能力を持っている。武器を製造できる。小型の核弾頭も作っている」
 一人の男が杜河あおいに対応して後の四人は作業に掛かる。
 杜河あおいの膣にクスコを挿入する。
 「やめなさいーーーーーーーーーー」
 杜河あおいはまた強烈に叫ぶ。
 容赦なくペンライトで照らして内部をアップで撮影する。
 男の一人がフォーリーカテーテルを滅菌包装から取り出す。
 「なにするのーーーーーーー」
 杜河あおいにそれが医療用具と解る。物凄く恥ずかしい導尿に使われる。それに関する知識もある。
 男の一人がクスコを抜く。
 導尿用の細いカテーテルを持った男が杜河あおいの女の部分を開く。
 「やめなさいーーーーーーーーーーー。そんなものをーーーーー医者じゃない人がみだりにやっちゃだめーーーーーーー」
 杜河あおいはこの姿に成ってもインテリ女性の態度は変わらない。上から目線で男に普段からものを言う習性である。
 男はフォーリーカテーテルを杜河あおいの尿道の小さな亀裂を確認して指先で強く挿入する。
 「やめなさ・・・・ああーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道カテーテルは杜河あおいの膀胱に侵入した。管を男の指が挟んでいるところまで尿が流れ出す。
 「なんてことするのーーーーーーーーーーー」
 杜河あおいは怒りに猛る。
 他の男が尿瓶を構える。カテーテルを抓んだ男は少しだけ尿を流し出してカテーテルを抓み直す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 また少し出す。
 「やめろーーーーーーーーー。あーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 杜河あおいの様な人種には医療以外で人生に絶対にない。あってはならない強烈な辱めである。
 男らは何回か微量の強制排尿を繰り返してカテーテルを抜く。
 「あ、ああ、ああーーーーーー」
 杜河あおいは堪えられず藻掻く。閉じ合わせた女の部分のびらびらから小水が僅かに流れ出す。
 男らは次の女に掛かる。
 五人分撮影してそれぞれの究極に恥ずかしい姿を動画に編集して配信したのである。
 社会を強く震撼させたのは言うまでもない。だが取得しようと水面下で努力する者も多く居る。
 
 五月六日。
 越後湯沢。如月鬼堂のマンション。プレイ用にゴムで床張りした部屋である。
 高島波瑠が来てグラビア撮影が行われていた。
 今日は雨蔵編集長と如月鬼堂の編集担当小川綾香。そしてクラブの樽常マネージャーも立ち会っている。
 高島波瑠はSM嬢としてのクラブの仕事はやらない。
 だが樽常マネージャーのクラブ所属でSM系AV、グラビア撮影などの仕事に出る契約である。
 撮影は服を脱ぐところから始める。
 高島波瑠はコバルトブルーのスーツ姿で来た。
 着衣姿から撮影する。
 立ち姿。歩く姿。ミニスカートで片膝を上げる。ストッキングは履いてない。立ち姿とは違う脚の美しさが表現される。
 プロゴルファーが目測を定めるためしゃがむ様にポーズする。スカートの中が撮影用の証明に照らされて下着を覗かせる。
 綺麗なパンチラである。
 高島波瑠はジャケットを脱ぎタンクトップも脱ぐ。スカートも脱ぐ。ワンショットずつコマ割で掲載するようである。
 如月鬼堂は敢えて下着姿で亀甲縛りにして駿河問いに吊るす。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 滑車に掛かった縄を引いて吊るしが上昇すると苦しい呻き声を上げる。
 高島波瑠には初めての吊るしである。
 さらにその中で一番苦しいのが駿河問いと言える。
 吊るしのまま亀甲縛りを解く。如月鬼堂の手でブラを外す。
 柔らかい乳房が開放されて真っ赤な乳首が美しい。
 乳房は綺麗な球形の膨らみが柔らかい分やや垂れる。細身の割に膨らみは有る。白く艶めいた美しい乳房である。
 乳輪と乳首の赤さがその部分をさらに艶かしく際立たせる。
 乳輪は二センチくらい。乳首は標準型の突起である。如月鬼堂に躰を触られただけで起ってしまっている。
 如月鬼堂は計算して起たせている。その方がグラビアは映える。
 駿河問いから高島波瑠の躰を下ろしてショーツも脱がす。
 股間の黒い塊まではグラビアでも公開可能である。
 そのあと性器のアップも撮影する。この撮影は動画も撮っている。海外サイトで販売する。
 SMとしては初歩的なソフト内容だがそれでも充分に売れる女優である。
 股間を広げた女の部分は陰毛に包まれてしまっている。
 如月鬼堂は高島波瑠を拷問椅子に乗せる。敢えて固定はしない。縛らなくても行為に従う女の姿を表現する。
 剃毛までは行わない。大陰唇の部分を剃りドテの部分の形を整える。
 剃り終わると女の部分のびらびらは細く長く大陰唇の間に挟まれている。綺麗な縦筋である。
 広げると中は綺麗な淡いピンクの粘膜が広がる。
 尿道の亀裂は中央の盛り上がった部分の下半分に小さく確認できる。膣口は複雑な閉じ合わせはなく単調な窪みである。
 如月鬼堂はそれを両手の指で広げる。
 膣壁が中まで露に成る。
 若い女の綺麗な内部である。
 躰に余分な肉がなくスレンダーで色白で肌理が細かい。その躰の隠微な部分は異常に美しく感じる。
 見る男性を一発で悩殺させる。
 如月鬼堂は膣口とクリトリスを剥いて弄りながら徐々に膣天井部の奥に侵入させて行く。
 高島波瑠は既に表情に艶を持った歪みを強くしている。官能に軋む表情も綺麗である。
 如月鬼堂はある段階から一気に強く責める。
 高島波瑠の躰は突っ張り震撼する。
 「あはあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 潮を噴き上げてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 潮はなかなか治まらない。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 ゴムの床はびしょ濡れである。
 「すみません。先生。浣腸もお願いできますか」
 編集の小川綾香が要求する。
 「いや。そんなに一気にやらない。この子は長く売れる。ソフトで徐々に小出しでも充分商品に成る」
 如月鬼堂は高島波瑠の商品価値を高く見ている。
 「その通りだ」
 雨蔵編集長も如月鬼堂の考えに賛成する。
 珠洲と瀬里菜はそれを聞いて互いに顔を見合わせてにんまりする。二人はこの編集の女が嫌いである。
 高島波瑠の潮に濡れた股間部分は実に艶かしく映えている。
 如月鬼堂は次に逆さ吊るしにする。
 幾つかの吊るしを撮影してその日は終了した。
 高島波瑠の全裸美人コンテストの優勝は圧倒的であった。これから超人気のSM系AV女優として大きく期待ができる。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のアジトである。本日もバーベキュー日和となってテラスで酒を酌み交わす。
 「遂に奴等動いたな」
 葬儀会社の社長である。
 「いいや。繋ぎだ。忘れられない程度に騒がそうと言うところだろう」
 川口の会長は事態を冷静に見ている。
 「アメリカの局は本当に身代金を払う気だったのか」
 一人が肉を焼きながら疑問を呈する。
 「奔走努力をしていますと言うパフォーマンスだろ」
 別の男が馬鹿にしたように言う。
 「そうだな」
 川口の会長も頷く。
 「あの爺さんはどうなるのだ」
 「そのうち状況を見て開放だろ」
 「女は」
 「いつまでも玩具だ」
 「緊急事態は終わるのか」
 「終わらないよ。今の総理は総て後手だ」
 「あまりお利口ではないのか」
 「ないな」
 「俺たちはいつに成ったら遊べるのだ」
 女の躰をとことん責めたい欲望が滾っている。
 「それだが。川口から連絡があった。三百万ほど見て欲しいらしい」
 「やろう。一人五十万だ」
 「いや。四人で行ってもらう。おれと社長は残る。来週もう一人出るらしい」
 「一人七十五万か。ご祝儀合わせて五百もやれば良いな」
 「そうだな」
 凶悪以上の犯罪者でありながら風俗ではとことん傷つけてもそれなりの事はする。この連中のモラルらしい。
 それがこの連中の異常な狡猾さの原点かもしれない。
 
 撮影が終わって如月鬼堂の居間である。
 南七香は提供された部屋に篭っている。営業しているのは二店舗だけで此処から必要な指示は出している。
 館山弁護士はまだ訴訟に踏み切らない。
 瀬里菜は拡大する会員の処理に忙しい。珠洲もそれを手伝っている。それでも合間をみて如月鬼堂を刺激することは忘れない。
 愛好会の会員はコロナ自粛が手伝って拡大を加速する。既に千人を超えてしまった。
 紹介者に確認を取りその人脈の経路を辿る作業も膨大となる。
 如月鬼堂はビールを飲みながら執筆を急いでいた。
 そこへ杉下一行がテロ組織の動画を転送してきた。
 投票の数字を見て如月鬼堂は唖然とした。
 館山弁護士とテレビ会議を繋ぐ。
 意外なことに一位は横山結依であった。
 「みな見ていて投票しますね」
 「まあ。海外サイトから無修正AVをダウンロードする人のリストから撒いているからな」
 「それでもトップが十五万票ですか。これでは選挙です」
 「驚いたね」
 
 五人の得票を紹介した画面から横山結依の鞭打ちで始まる。
 横山結依は股間を五十度くらいに開かれた逆さ吊るしである。
 腕は縛られてない。だが床に手は着かない。
 二人の男が離れて鞭を構えている。
 横山結依の全身は恐怖に戦慄している。
 一人めの男が鞭をやや短く持って乳房を二つ並べて狙って横に薙ぐ。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依の躰は空中で揺れ背中方向に頭を反らせてさらに震撼する。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依は数週間前全身に鞭叩きを受けて赤紫の痣の筋だらけにされた。
 さすがにその夜は痛み止めを飲ませて貰えた。それでも全身の痛みに藻掻き苦しんだ。
 二人目は鞭を振り被って構えている。
 横山結依の躰の揺れが収まった瞬間。力を入れて振り下ろす。
 鞭の先端は閉じ合わせたびらびらに斜めに当たる。大陰唇の僅かな盛り上がりまでを叩いている。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山結依の躰は一瞬固まる。首を前に強く折ってそれが後ろに弾けて反る。
 「うぐうーーーーーーーーー。うーーーーーーーー。うーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 強烈に躰を震撼させ藻掻き暴れる。
 尋常な痛みではない。
 一人が撮影して後の二人は次の残酷な刑の準備をしている。
 
 川口。営業してない旅館である。
 女は高田麻友と言う。相当の覚悟をして客を待っている。二十九歳銀座のクラブママである。
 三回目の緊急事態ではまったく営業することができない。協力金は振り込まれない。貰っても雀の涙である。
 今ここで店を閉店したら開業に掛かった費用と仕入れは水の泡である。
 ワクチンの提供が早ければ今度の緊急事態は無かった。治療薬がいまだに確立しないのも政府の責任である。
 水商売だけ強引に規制を掛けるのは何としても我慢ならない。それでもマスコミは感染防止一辺倒で医療側の言い分優先である。
 南七香が集団訴訟を誘って来た。加わることにした。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人の内四人はタクシーで着いた。
 料理は六人前用意されていた。
 「四名様ですか」
 女将はやや当てが外れている。
 「六人分払うよ」
 最後に座敷に上がった男が女将に六十万を渡す。二人まで二十万。それ以上一人十万追加となる。
 仕出し屋から料理が運ばれて酒は飲み放題である。
 高田麻友も六人分を充てにしていた。
 「心配するな。金は用意してある」
 男が鞄から帯封を三束出してテーブルに置く。
 「その前に躰を見せて貰う」
 もう一人が要求する。
 「駄目な時は」
 高田麻友は一気に不安に成る。
 「まあ車代くらいは置いて行くよ」
 札束を前に出した男がそう言う。
 「其処に浅く座ってスカートの中を見せて胸を出してくれ」
 「はい」
 従うしかない。
 高田麻友は上を白のブラウス。下は黒のミニスカートで来た。高価な服は避けた。
 スカートを浅く捲ってやや背中を後ろに倒す。純白のショーツに包まれた股間部分が覗いて太腿は丸出しに成る。
 ブラウスの前を開けてブラを下げる。
 瓢箪の下半分の様な乳房が露になる。容よく円形の膨らみがやや外を向いている。綺麗な皮膚である。
 薄紅色の小さめの乳輪に乳首が小さく突起している。
 「いいだろう」
 札束を置いた男が納得する。
 「うん」
 もう一人も同意する。
 高田麻友はほっとして椅子から降りて座敷に座る。
 「俺たちはOKだ。でもあの如月鬼堂のSM愛好会ではNGかもな」
 一人の男が敢えて評価を付け加える。
 「えーーーーーーーー。どうしてですか。私それ断られました」
 高田麻友は納得が行かない内容に触れられた。
 男らは高田麻友の肩を両方から掴んで立たせる。
 スカートを捲り上げる。
 内股に手を入れる。
 「ここの肉がやや多い。充分スマートだが愛好会の基準はここに拳が一個入らないとな」
 一人が高田麻友の片方の太腿を両手で掴んで説明する。
 「ここが膨らんではまったく駄目だ。あんたの場合そこまで行かないが太腿全体に若干余分な肉がある」
 もう一人は内腿を撫でて言う。
 「綺麗なパンチラだが岡田有美なんかと比べたらもう一段締りが足りない。こういう脚が好きな奴も居るがな」
 「愛好会は厳しい」
 男らは一致した見解で説明している。
 「ところでお姉さん。この条件は納得しているな」
 札束の前の男がプレイの条件を確認する。
 「はい」
 高田麻友は返事しながら辛い内容を飲み込む表情である。
 知的とは言わないが表情は引き締まった女である。この男らの加虐心は炊きつけられる。
 男は三百万の束を高田麻友の前に押しやる。
 高田麻友はそれをバックに仕舞う。
 男らは既に肩を通しただけのブラウスを剥ぎ取る。ブラは既に外してしまっている。
 捲り上げて腰に巻いただけのスカートを腰から抜き取る。
 「脱げ」
 純白のショーツを指してそう命令する。
 高田麻友は両手でショーツを下ろして丸めて片脚ずつ抜き取る。そのまま他の衣類と一緒に纏めて部屋の隅に寄せる。
 「皆さんは鬼堂先生の会員なのですか」
 高田麻友はこれまでの会話から確認したくなる。
 「俺たちは入れてもらえなかった。知り合いが一人入っていたが追い出された。先生の禁止するプレイを公認のSMクラブでやってね」
 そう聞くと高田麻友もそれ以上は何も聞かない。
 男の一人が高田麻友の手首を縛り合わせる。
 その縄を天井から下がったフックに引っ掛けて引っ張る。高田麻友の躰は両手を上に引っ張られて爪先立ちに成る。
 「お姉さん事故じゃないね」
 「え」
 高田麻友は意味が解らず聞き返す。
 「交通事故の賠償金じゃないねと言う意味だよ」
 「私は銀座でクラブをやっています」
 「そうか。資金繰りか。それじゃSM愛好会の審査は厳しいな」
 「そうなのですか」
 「如月鬼堂はSM業界で働く顔出しのできる女以外は関心が無いらしい」
 「でも私の知り合いは二回出さしてもらいました」
 「愛好会の基準に合う候補者は少ない。先生は無関心でも取り巻きの幹部が気に入った場合繋ぎのショーには出して貰えるらしいよ」
 「そうですか」
 高田麻友は自分の運が悪かったと思うしかない。
 男の一人が鞭を持ち出す。
 「その前にこっちだ」
 その男は滅菌袋に一本ずつ入った注射針を持ち出す。
 「今日のテロ連中の動画に有ったやつだ」
 「最初は鞭じゃなかったか」
 「鞭は後の方が効果的だ」
 「そうだな」
 注射針を持ち出した男が滅菌袋から一本出して隣の男に渡す。
 高田麻友は何も言えない。辛そうな目でそれを見る。
 受け取った男は高田麻友の乳首を掴んで直ぐ横の乳房の白い皮膚に縦に突き刺す。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は眉間に強く皺を寄せて泣き顔の表情で悲鳴を上げる。まだ涙までは出てない。
 次はいま刺した針に先端が当たるように乳首の真上に横向きに突き刺す。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 高田麻友はまた泣き声の悲鳴を上げる。
 三本目は乳房の下から乳首の横に二本目の針に先端が当たるように刺す。
 「う、ううあはあーーーーーーーーーーん」
 四本目は一本目の先端を潜って三本目に当たるように指す。
 「あーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 高田麻友はオーバーなくらいに悲鳴を上げる。
 だが三本目から微かに血が浮き出ている。
 四本の針が乳首を#字に囲む様に刺さっている。
 反対側の乳房も同じ様に刺す。
 高田麻友はさらに泣き喚いた。既に涙を零してマスカラが涙に溶けて流れている。
 男の一人が電源トランスを持ち出す。
 鰐口クリップを赤と黒二本ずつトランスの海式ターミナルに接続する。
 そして両方の乳房に刺した注射針に赤黒一本ずつ接続する。
 高田麻友は電流で責められると解る。表情に怯えが奔る。
 電流を流す前なのに既に微妙に躰は震える。
 男の一人が高田麻友の右脚を持ち上げる。膝から脚首まで縄を掛ける。
 そのまま持ち上げて少し離れた天井から下がった滑車に引っ掛けて引っ張り上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間が開くのと左脚一本の爪先立ちに成ってしまう。その不安定さと恥ずかしさ両方の悲鳴である。
 高田麻友は怯えた表情をさらに震えさせる。
 男の一人が下に潜って高田麻友の女の部分を広げる。
 「・・・」
 高田麻友はそれを下目使いに見る。
 「おねえさん。随分遊んでいるんじゃない。縁はドドメ色だし。中の粘膜は真っ赤だな」
 顔や躰の白さや肌の肌理の細かさと比べて無慈悲に広げられたその部分は濃い色彩を放つ。
 男は言葉でずけずけと突っ込む。
 「遊んでは居ません。長いお客様とは」
 高田麻友は遊んでいると言われた言葉に思わず言い返してしまう。
 「そうか商売道具か。キャバ嬢は付き合ったらそれで終わりだがあんたは経済力の有る長いお客様を持っている。助けてくれないのか」
 「それも限度があります。それに大切なお客様を呼んでご迷惑を掛けてしまいました」
 「ひょうっとして週刊誌に叩かれて離党した先生か」
 「やめてください」
 高田麻友は涙を振る様な仕草で顔を振る。
 「そろそろ行くぞ」
 男の一人がトランスの抓みを回す。
 「あ、あ、ああ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友はきりりとした美人ママの表情を一気に崩して強烈な悲鳴を上げる。
 また溶けたマスカラの色に染まった涙が流れ出る。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 高田麻友は崩れきった顔を振って泣き悲鳴を上げ続ける。
 四本の針全部に電流が流れている。
 「まだ序の口だぜ」
 そう言って男は電流を一度切る。
 「ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 高田麻友の躰はまだ震えている。
 男らは何回か電流を流して愉しんで針を抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 「抜くときがもっと痛いだろう」
 「あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 また高田麻友は顔を泣き顔の様に崩して悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜いたあと数箇所から血が玉に成って吹き出ている。
 そしてまた涙が流れ出る。
 「まだ序の口だと言ったよ」
 男はもう一度言う。
 男二人が左脚を持ち上げる。
 「あ、あーー、あ、あーーーーーーーーーーーーーー」
 膝から脚首に縄を掛けてもう一方の離れた滑車に引っ掛けて引っ張る。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーー」
 高田麻友の躰は苦しい吊るしに空中で藻掻く。
 男二人が後ろから太腿を持って支える。
 正面の男がクスコを取り出す。
 高田麻友はそれに身構える。
 男はクスコを刺し込む。
 「うう」
 男はさらにアナル開口器を持ち出す。
 それも押し込む。
 「う、うう、ううーーん」
 高田麻友は表情を歪めて顔を横に反らして呻く。
 男は奥をペンライトで照らして点検する。
 高田麻友は顔を叛けて堪え続ける。
 「便は抜いたな」
 「・・・・・」
 高田麻友は答えられない。
 「いいだろ。浣腸は目的じゃない。予定通りやろう」
 「そうだな」
 男は注射針を長さの有る頑丈なピンセットで針を上に向けて掴む。
 「押えてくれ」
 男は後ろの二人に要求する。
 「えーーーーーーーーーーー」
 高田麻友はその針を見て恐怖の悲鳴を上げる。
 男はそれをアナルの開口器の内部に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーー」
 男は高田麻友の悲鳴を他所に直腸の天井部から膣に向けて注射針を突き通す。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また高田麻友の顔は泣き顔の様に歪む。恐ろしい責めに驚愕して搾り出す様な悲鳴を上げる。
 焦点の定まらない目で周りを見る。
 「おさえてーーー」
 後ろの男らに要求する。
 両手でピンセット二本を持って鰐口クリップを広げてアナルの中に刺さった注射針に挟み付ける。
 「え、えーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は泣き面を更に崩して拒絶の悲鳴を上げる。
 「もっと痛いぞ踏ん張れ」
 「えーーーーーーー」
 「子宮に行くぞ」
 男はブジーを持っている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰に身構える力が入る。
 「おさえてーーーーーーーーーー」
 後ろの二人ががっちり両腕で太腿を掴む。
 「ゆるしてーーーーー」
 高田麻友は堪らず泣き声で泣き言を漏らす。
 「金を返すか」
 高田麻友は首を振る。
 「痛いだけだ。どこも損傷はしない」
 男は押し被せるようにいう。
 「ああ」
 高田麻友は不安を眉間の皺に寄せる。
 正面の男はブジーをクスコで広げた奥の子宮口に突っ込む。
 「ぐうおお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。高田麻友の躰は固まる。そして力が抜ける。躰全体が小刻みに震えたままである。
 ブジーはまだ刺さっている。それにトランスからの鰐口を接続する。
 「え、えーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友はまた泣き悲鳴に成る。
 男はトランスに手を掛ける。まずはアナルから膣を貫いた注射針に流す。
 「うお、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は大口を縦に破裂させて甲高い悲鳴を上げる。
 また涙が溢れる。
 「ゆくぞーーーーー」
 男はダイヤル抓みに手を掛ける。
 「あーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 高田麻友はまた泣き言を漏らしてしまう。
 「痛みと失神だけだ耐えろ」
 今度は強行に押し切る。
 「あ、あーーーーーーーーーー」
 「失神したら輪姦してやるよ」
 テロ動画で行われていた通りである。
 「あーーーーーー。はあーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は泣き声を上げるしかない。
 正面の男はブジーに電流を流す。
 「う、うう、ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰が一瞬震撼して固まる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の悲鳴が止むと白目を剥いて首が後ろに倒れる。
 男らは失神を確認してブジーを抜いて針も抜き取る。
 吊るしからゆっくり畳に降ろす。
 「反応はテロ動画の横山結依と同じだな」
 「ここからは俺たちのやり方だ」
 浴場の浅い方の湯を半分抜く。
 全員が服を脱ぐ。一人が高田麻友の躰を膝と肩で持ち抱き上げて運ぶ。
 湯を半分抜いたのは高田麻友が子宮の責めで暫く立ち上がれない配慮である。溺れさせたり事故になるのは避けたい。
 浴槽の縁に大きな浮き具を置いて一人が頭を乗せて足を伸ばす。さおは拷問に興奮度が上がって起っている。
 男が二人で高田麻友の女をそのさおに被せる。
 「ああ」
 既に高田麻友の意識は回復していた。
 もう一人が後ろからアナルに挿入する。
 「あーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は躯の様な姿を晒して二穴挿入で責められる。男らは四回位置を換わって全員が前と後ろに挿入した。
 高田麻友は不本意にも何度も上り詰めてしまった。
 高田麻友はタイルの上に仰向けに寝かされた。
 縁が三方だけの木の箱が持ち込まれた。高田麻友の頭がすっぽり入る。
 腕を頭の上に伸ばして手首を縛り合わせる。
 口に開口器を噛ませる。
 二人が縛った高田麻友の腕を片足で踏んづける。二人が腹の横を足で両側から止める。
 四人が一斉に小水を高田麻友の開口器で広げた口に流し込む。
 ごぼーーーーーーーー。ぐぼーーーーーーーーーー。ごぼーーーーーーーーーーーーーーー。
 高田麻友は顔を振って目をきつく瞑り藻掻き喉から小水を押し出す。
 堪えられない臭いに息を止めて藻掻く。
 ぐぼーーーーーーーーー。ごーーーーーーーーーー。ごふぉおーーーーーーーーーん。ぐおーーーーーーーーーーん。
 高田麻友は男らの小水が収まってから急激に咳き込む。開口器は口から抜け落ちる。
 ぐぼーーーーーーー。ぐぼーーーーーーーー。
 口から何度も吐き出す。
 男の一人がシャワーに湯を出して渡してやる。
 高田麻友はタイルに寝たままシャワーで口と顔と髪を洗う。まだ自分で立ち上がることはできない。
 もう一本シャワーを持って来て躰を流してやる。
 そのまま一人が抱き上げて二人が躰と髪の毛を拭く。最後はフェイスタオルを渡して自分で顔を拭かせる。
 そのまま畳に寝かせる。
 「さあてお姉さん。本来坊主にするのだが」
 「ええーー」
 高田麻友はまた動揺を露にする。
 「あんた商売に困るよな」
 「はい」
 「それでもう少し泣いてもらうよ」
 「時間はまだたっぷり有る」
 もう一人が詰る。
 「ああ」
 「まあ。朝までとは言わない。もう一泣きだ」
 男は裸の銅線を巻いたリールを二つ取り出す。
 「ある人物が如月鬼堂から会を追い出されたプレイだ」
 さらに箱に詰まった黒い書類用のクリップを何箱か取り出す。
 「テロ連中の動画でもやっていたが俺たちのやり方だ」
 高田麻友はニュースで聞いているが動画そのものは見てない。
 何をされるのか言葉だけで恐怖に震える。
 男らは二人が鉄パイプを組み立てる。
 残る二人が高田麻友を畳に俯伏せにする。
 一人が脚首を持上げて縛り合わせる。一人が手首を背中の真上で縛り合わせる。その脚首と手首を別の縄で縛り合わせる。
 その縛り目にフックを引っ掛ける。
 天井から下がった滑車のフックを下げて縛り目のフックを引っ掛ける。
 滑車の縄を引いて吊るし上げる。駿河問いである。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は吊るしが上昇すると藻掻き始める。苦しい吊るしである。
 後の二人は長方形の立体に組んだ鉄パイプに二本の銅線を縦に張る。
 銅線はトランスに繋いで微電流を流す。
 高田麻友にもこの体制でさらに電流で責められることは理解できる。恐ろしさに恐々と身構える。
 設備は完成した。
 四人が掛かって高田麻友の躰に下からクリップを付ける。そのクリップの三角に折った中に細い銅線を通す。
 その銅線の両側を鉄パイプにぴんと張った銅線のやや下まで伸ばす。そこで銅線どうしを拠り合わせて縦に長い輪っか状にする。
 クリップは乳房の上から乳首を鋏み乳房の裾野を鋏んで五センチ置きに腹の横を通って内腿を膝まで付けられた。
 その一個ずつに細い銅線が通されている。
 駿河問いの吊るしを引き上げる。クリップから下がった銅線が鉄パイプに張った銅線を引っ張るように張り詰める。
 電流が鉄パイプに張った銅線からクリップに流れる。
 「あ、ああーー。あ、ああーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰は一気に震撼する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の表情は破裂している。強烈な痛みである。
 電流を切って吊るしを一段下げる。
 次の瞬間。高田麻友は失禁してしまう。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は堪えられない失禁に悲鳴を上げる。
 「あ、ああーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 失禁のあと男の一人が弄くる様に高田麻友の股間を拭く。
 高田麻友は堪らない表情を絞って堪える。
 駿河問いの吊るしのままドリルバイブを高田麻友の女に挿入する。
 「え、ええーーーーーー」
 高田麻友はこの体勢でと悲痛な表情に成る。
 ドリルバイブのスイッチが入る。
 高田麻友の表情は一気に軋む。官能の姿を抑える精神力はもうない。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は大口を縦に破裂させ逝き顔を捩じらせる。藻掻きながら逝き声を絞り出す。
 一気に燃焼しきった女の性。その極地に達した姿を晒す。
 男は電流を流す。
 高田麻友の躰が藻掻き揺れるだけでクリップから下がった細い銅線が鉄パイプに張った銅線に当たる。
 その都度クリップに電流が流れる。断続的に衝撃が来る。
 「あがあーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人の男が藻掻く高田麻友の太腿を押える。ドリルバイブを持った男は抜けないように押える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰は一瞬間空中で固まる。
 そのまま力が抜けて垂れ下がる。目はだらしなく白目を剥いている。
 直ぐ電源を切ってドリルバイブを抜く。
 太い銅線を細い銅線の輪から抜いて鉄パイプから外す。鉄パイプで組んだ立方体を退かせる。
 男二人が高田麻友の躰の片側ずつ細い銅線を纏めて掴む。
 「行くぞ」
 一人が合図して駿河問いをひっぱり上げる。同時に二人は纏めて握った細い銅線を引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クリップは一気に空中に飛ぶ。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーー。ごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰は一瞬空中で固まる。強く弾ける様に暴れる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また固まって力の限り弾ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友はもう一度僅かに失禁する。僅かに割れ目から出る尿が異常にエロさを奏でる。
 男らは高田麻友の躰を吊るしから降ろす。
 「あはあ。ああーーーーーーーー。あはあーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 男らは高田麻友の戒めを解いて治まるまで待つ。高田麻友は暫く荒い息遣いで藻掻き続ける。
 高田麻友の顔は涙でぐちゃぐちゃである。
 畳に寝たままの高田麻友の躰を一人が抱き上げて敷いた布団に寝かせる。
 「これで終わりだ。あと二時間ぐらい寝ていれば動ける。俺は医者だ」
 最初に三百万をテーブルに置いた男である。
 これまで拉致した女性の乳首を斬ったり子宮を摘出したり残酷な処置をしてきた医者はこの男である。
 「今日はこれまでだがまたあんたを虐めたいな」
 「あんた金は今回だけでは足りないかもな」
 もう一人も同調する。
 「ああ」
 高田麻友自身もなんとなくその予感が脳裏を過ぎっている。
 男はさらに二百万を置く。
 「これは俺たちからのご祝儀だ。酷い事をされたと恨むなよ。あんたからの要求で来たのだ」
 「はい。分かっています。ありがとうございます」
 高田麻友は寝たまま首だけ起こして予期しなかった祝儀の礼を言う。
 「緊急事態はこれで終わらないかもな」
 男は情勢を見越したように言う。
 「総理はあまり頭が良くない。総て後手だ。休業と時短要請で小さい飲食店などに負担を押し付けるしか能が無い」
 「そうですよ」
 高田麻友も怒りを吐き出す。
 「一年も経って何も対策できてない。ワクチンの開発も及ばず手配は手遅れ。治療薬もできない。先進国で何もやってない唯一の国だ」
 「感染拡大と言っても感染者は他国に比べて僅かなのだ。医療崩壊と言うがコロナ病棟は全体の一割しかない。全部政府と自治体の無策だ」
 「今の総理が大切なのは個々の事業者ではない。日本全体の経済とオリンピックだ。協力金はできるだけ払いたくない」
 「潰れるか廃業してくれたら協力金も要らないしな」
 「ああ」
 高田麻友はその言葉の恐ろしさ、理不尽さの実感を噛み締める。そして悔しさを滲ませる。
 「と言って野党に何の策も無い。ただ尤もらしく政権を叩くだけだ。自分らが蔓延りたいそれだけよ。まったく酷い国だ」
 「都知事は休業要請に従わない一企業だけに命令を出した。みんなで団結させないように配慮している。なかなかえぐいな」
 「そうですよーーーーーー」
 高田麻友は悔し涙を流しながらそう叫ぶ。
 「と言って俺たちはあんたに義理は無い。だが愉しませて貰えばその代償は用意する」
 男らは高田麻友をもう一回虐めたいらしい。
 「お姉さんの顔に焼印したいな」
 男の一人が恐ろしいことを試しに言ってみる。
 「・・・」
 高田麻友は驚愕して一瞬声も出ない。
 「もちろん別途に整形代は払うよ」
 言い訳するように後始末も付け加える。
 「・・・・」
 高田麻友はそれでも言葉を躊躇う。
 「若いお姉さんから一国一城の主の貫禄が滲み出ている。その顔が崩れて泣く姿に溜飲が下がる。また合法的に泣かしたいな」
 男は恐ろしい台詞を構わず続いて吐く。
 「お願いします。もしこれで繋げなかったら。その時はそれでもお願いします。整形代も見て下さるのですね」
 高田麻友はどうでもこの理不尽な緊急事態宣言による休業要請で店を滅ぼしたくない。覚悟をして頼み込んでしまう。
 「無論だ。プレイ代も増やしてやる」
 「お願いします。ここまで堪えました。もう一度助けて下さい」
 高田麻友は怒りと悔しさ、理不尽さを飲み込んでそう頼むしかなかった。そして南七香と共に訴訟を起こして闘い続けると決意した。
 「その時に成ったら女将を通して言え」
 「満足させてくれたら今日のように追加も出してやる」
 男たちは帰った。
 高田麻友は暫く旅館で寝て朝帰った。
 
 五月七日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 緊急事態宣言は地域を拡大して延長が決まった。
 百貨店は協会単位で抗議した。映画館も異論を唱える。ボーリング場は一部営業開始を決定した。
 飲食店も一部がノンアルコール飲料で時短営業に踏み切った。ノンアルコールでもアルコールでも長時間飲食になることに変わりはない。
 路上飲みを騒ぐが誰かの家で集まって飲めば路上以上に密に成る。こっちは確認も取り締まりも制御もできない。
 もとより無駄な規制。無駄な抵抗である。
 館山弁護士は動き出した。
 珠洲が越後湯沢の駅に迎えに行って野崎卓郎弁護士、野村未来也弁護士らと一緒に着いた。
 南七香は長野のプレイルームで稼いで長野の店舗に寄ってから高崎乗換えで越後湯沢に戻る途中であった。
 南七香は仲間を十二人集めた。越後湯沢には館山弁護士らが弁護団で対応するべく準備していると連絡を受けている。
 昨夜も酷いプレイであった。
 交通費込みでチップを加算して三十五万を手にした。
 
 時間軸は昨夜五月六日に戻る。
 南七香はまたしつこく陰湿な客に当たってしまった。
 いつもの恐ろしい挨拶をして始まった。
 客の手で全裸に脱がされた。
 寸前に下着を替えられなかった事を悔やんだ。染みを確り確認して広げられた。短い時間でもショーツに染みは付いてしまう。
 新幹線乗換えで大宮の店舗に寄っただけであった。
 床に立たされ客はプロレスを挑んできた。南七香は全裸。相手はジャージを着たままである。
 絞め技を何度も掛けてきた。最初は苦しくて堪えられなくなると床を叩いて訴えれば一度離してくれた。
 押さえつけて容赦なく南七香の女の部分に指を入れられた。
 五回目くらいに絞められた時は床を叩いても開放してくれなかった。大きな鏡に顔が無残に真っ赤になって腫れて藻掻く姿が見えた。
 その直後に失神してしまった。
 気付いた時は躰を拷問椅子に固定されていた。
 口の中と膣の中に違和感があった。
 膣もアナルも開口器で広げられていた。プレイルームの鏡に南七香のこの上なく恥ずかしい姿が映っていた。
 便は抜いて来た。直腸は空である。それでも中を洗われた様な感触が感じられた。
 口の中の違和感を吐き出そうとしたら口を押えられた。
 「俺の精子だ飲め」
 強く押えられて飲まざるを得なかった。堪らない不快感だった。
 失神している間に出されたのである。
 樽常マネージャーのクラブ真性M女性の館では暗黙のルール範囲である。文句は言えない。
 自分はそれを受ける立場に堕ちて仕舞っている。その実感を噛み締める。
 南七香には失神した状態でやられたのがショックである。
 客はアームの先端にL字に小さな卵型バイブの付いた小道具を二本持ち出した。杉下一行のアダルトショップチェーンで売っている物である。
 それを膣とアナルの開口器の奥に差し込まれた。
 クリトリスには卵バイブを絆創膏で貼り付けられた。
 客はL字の小さなバイブの先端で二つの穴を上下から責めて来た。アナルは膣に近い天井部を膣は娼婦の泣き所の反対側からである。
 南七香は堪えられず何度もアクメに押し上げられた。
 「出ます。だめ。でますーーー」
 そう言っても客は引かない。南七香の潮を腕に受けてやや躱しながら責め続けた。
 横向きに入れたクスコで膣を開いている。尿道口は二枚の金属の谷間に下がっている。
 じっくり普段隠れている尿道口から出るのを見られた。
 いつかクリトリスの卵バイブは外れて拷問椅子の座に落ちていた。
 それだけでは許さない。
 膣と直腸をあらゆる角度から責めて逝き顔を愉しまれた。
 好まぬ男に女の性をとことん玩具にされる。堪らなく悔しい。いや恋人でもやらせない。夫なら言語道断である。
 客は南七香の漏らした潮を拷問椅子の下に縦長の大きなタッパンを敷いて採取していた。
 それをビーカーに流し込んだ。
 客は南七香の口に開口器を押し付ける。
 何をされるか充分に想像が付く。拒否したらさらに責められる。
 客は一部を膣のクスコに流し込む。
 次に顔の近くに来る。
 「・・・」
 堪らなく辛く悔しい。これもSMプレイである。それで多額の金を貰っている。拒否はできない。
 「お前のしょんべんだ。飲め」
 情け容赦ない客である。
 この男は自分の小水を飲めるのか。飲めるわけが無い。こんな風に強制する奴こそできないと思う。
 南七香も飲めない。喉から押し出す。一部が流れ出るがある程度残ってしまう。異常な不快感に堪らない。
 客は拷問椅子のハンドルを調節して南七香の頭をさらに傾けて低くする。
 頭の下にタッパンを移動する。
 何をされるか充分に分かる。初めてではない。堪らなく屈辱で堪えられなく汚い。それでもこれまで飲めとは言われなかった。
 この客はしつこい。
 南七香の予想通り客は社会の窓から一物を取り出した。
 暫くの沈黙が流れた。客も直ぐには出ないらしい。
 突然客の小水が南七香の額を襲う。
 南七香は即座に目をきつく瞑った。
 客は南七香の顔に調味料を掛けるように振り掛ける。残り半分くらいを口に向けて威勢をアップして流し込まれた。
 ごぼーーーー。ぐぼーーーーーー。ごぼーーーーーーーーー。
 何度も咳き込んで破裂させるように押し出した。
 客は終わって開口器を抜き取る。
 ぐおーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー。
 南七香は口から強く何度も吐き出す。
 客は膣とアナルの開口器を外して拷問椅子の戒めを一度解いた。
 「一回洗っていいよ」
 南七香は即刻浴室に駆け込む。シャワーを出してその湯で嗽しながら頭から湯を被って洗う。
 気持ち悪さの極致である。
 今更手遅れだが流し込まれた情液も膣の奥に指を入れて何回も洗う。ピルはクラブで支給されて飲んでいる。
 朝までコースでシャワータイムは十五分が標準なので髪を乾かし充分に時間を使ってからタオルを巻いて戻る。
 客は縄を持って待っていた。
 今度は高手小手に縛られた。背中に回された手首のあたりを設えられた十字架のフックに引っ掛けて拘束された。
 客はチップの部分が蝿叩きの様な鞭を手にする。
 乳房に狙いを定めてきた。
 乳房を柔らかい革の表面で叩かれた。
 「うーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 南七香は痛みに顔を振り悲鳴を漏らす。
 思った以上に痛い。
 乳房を八回叩かれた。涙が出そうになった。
 既に瞼に留まっている。
 客は顔を狙ってきた。
 蝿叩きの様な鞭の先端でビンタされる。
 「うーーーーーーーーー」
 顔を振って思わず睨み返してしまう。
 「避けるなよ。このプレイで終わらせる。とことん満足させろ」
 これで終わりと聞いてやや安堵した。
 客は強く叩いてくる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう堪えられない泣いてしまう。
 今度は素手できた。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に涙がこぼれた。
 もう一発。素手で叩かれた。
 「うーーーー。あはあーーーーーーーん。ああーーーーーーー」
 遂に泣いてしまった。痛い以上に悔しさに堪えられない。
 それでももう一発きた。
 「あーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 大人の女が号泣してしまった。
 「良かろう。終わりだ」
 客は縄を解き始める。
 南七香は泣き顔を強く反らせて堪える。
 「私が泣いて満足ですか」
 遂に言うべきでない言葉を漏らしてしまった。
 「ああ。満足だ。愛好会の会合で見た時から目の前で辱めて泣かせたかった。あんたの様な女は」
 「私の。・・・どこが」
 こんな私のどこが憎いの。プライドの底から聞き返したくなる。
 「俺は女が社会的に強い立場になるのが気に食わない」
 客は現代社会で言えない言葉を南七香に吐きつける。
 「でも。貴女のお金で私は事業を繋ぎますよ」
 言ってはいけないと分かっている。それでも抑える気持ちを押し破って言ってしまった。
 「最初から愛好会の金で蘇ったのだろ。どうであれ今しかあんたを虐められない」
 「そうですか」
 「まあ。コロナで大痛手を受けた者。何ともなかった者。逆に儲かった者もいる。その理不尽に堕ちているあんたの悔しさが快感だよ」
 もう鞭やビンタ以上の言葉である。
 「なんと。遊びだけじゃないのね」
 南七香は言葉と共に涙が溢れた。
 「遊びだよ。俺の会社は充分に儲かっている」
 「それは」
 南七香はよろしゅう御座いますと言いたかったがそれ以上言葉が出なかった。
 客は五万円取り出す。
 「最後にもう一つ愉しませてくれ。これでビンタしたチップを受け取って欲しい」
 いま怒ってはいけない。南七香は自分に言い聞かせた。
 「はい」
 客は五枚重ねた一万円札で南七香の頬を跳ねた。そのまま顔の前に差し出す。
 「ありがとうございます」
 南七香は両手で金を受け取った。投げ返すどころではなかった。
 南七香は悔しさにやり場のない涙をさらに溢れさせて礼を述べた。
 「いい涙だ」
 客は満足に浸ったに違いない。
 南七香はそのまま床に崩れた。
 「これで帰る。朝まで休んで帰れ」
 そう言って客は部屋を出た。
 
 再び時間軸を五月七日に戻す。
 南七香は館山弁護士らより一本遅い新幹線で越後湯沢に着いた。館山弁護士らの新幹線は高崎を通過する電車であった。
 連絡をして迎えに来てもらうのは気が引けた。短い距離なのでタクシーに乗ろうとした。
 高田麻友と市川沙耶香に呼び止められた。二人とも南七香が訴訟に誘った。佐藤栞李はさすがに声を掛けたくなかった。
 そこへ珠洲が車で迎えに来た。
 「ああ。辛かった。もう絶対許せない。何で飲食店だけ犠牲にされるの」
 南七香は同じ仲間に合流して怒りを噴出す。
 「そうよ。こっちの権利踏みにじって何が支援金よ。全額損害賠償で出すべきよ」
 高田麻友も怒りを吐き出す。
 「去年の四月から賠償して欲しいよね」
 「オリンピック要らない」
 高田麻友も怒りの核心を言ってしまう。
 「絶対できないよ」
 「東京都知事はオリンピックを中止して責任とって辞めるべきよ」
 「そう」
 三人の怒りは止まらない。
 如月鬼堂の居間ではテレビ会議が順次繋がっていた。
 全員を此処に集められない。南七香の集めたその他のメンバーはテレビ会議で参加する。
 三名が着いたところで野村未来也弁護士が代表して説明する。
 館山弁護士が座長で訴えを起こす。
 多分ニュースに取り上げられると思う。そうなったらさらに仲間を増やせる。増えれば増えるほど有利になる。
 だがそれでも勝つのは難しいと言う。
 南七香らは当然の権利を勝手に俄かに作った法律に奪われる。その代償となる協力金が少な過ぎるのに納得が行かない。
 福富麻次郎と如月鬼堂は多く仲間が集まるまで参加を見合わせた。
 
 五月八日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「飲食店などへの営業自粛、営業停止の協力金の少なさに遂に弁護団を組んで集団訴訟が始まりました」
 本日の岡田有美は純白のワンピース姿である。
 そのスカートの裾を僅かに捲って純白のショーツの先端を数センチ覗かせてそのあと一気にワンピースを脱ぎ落とす。
 露になったブラもショーツも純白である。
 「弁護団の座長館山嘉郎弁護士は税金で出せない補償は新規増紙幣でと訴えています」
 本多椿は真っ赤なワンピース姿である。
 こっちはパンチラではなく下からゆっくりワンピースを捲り上げ首から抜いて脱ぎ捨てる。
 「鬼堂先生。これは補償額の問題ですね」
 メインキャスターである。
 「その通りです。強制的な休業要請ですからコロナの影響が無かった令和元年の売上額で賠償をして欲しいとの当然の訴えです」
 「勝算は有るのでしょうか」
 「難しいです。多く仲間を集めないとたいへん難しいです。東京都などは団結をさせないよう特定な業者に集中して命令を出しています」
 如月鬼堂は此処からも呼びかけたい。
 「昨年と比べてかなり不満は募っていますが」
 「そうです。それでも日本人はなかなか国や自治体と戦いません」
 「それでは勝算は無しですか」
 「唯一つ。一番に名乗りを上げたのが女性社長です。そこから何か展開が変えられるかもしれません」
 「そう言えば訴訟に参加した十三軒全部女性経営者ですね。それも若いです」
 「そうです。さらに増えて団結して欲しいです。国も都も個々の経営者の事はまったく考えていません。経済への考慮は国全体を考えての事だけです」
 如月鬼堂は国と都を強く非難した。
 「収容先の名古屋出入国在留管理局で三月に亡くなったスリランカ女性の件が関係して入管法改正案が国会で難航しています」
 岡田有美は純白のブラを外してトップレスに成る。
 「野党と遺族は入管収容中の映像公開を要求しています」
 本多椿も真っ赤なブラを外してトップレスに成る。
 如月鬼堂は嫌な気分になった。何故この話題で来るのか。打ち合わせと予定そのものが違う。
 「鬼堂先生。かなり日本の難民認定は世界から非難されています」
 メインキャスターは嫌な角度から来る。
 「確かに日本の難民人定数は少ないです。でも不法就労になってからの難民申請がかなりあると思います」
 その先如月鬼堂は次のように説明した。
 収監中に人を死なせた責任が無いとは言えません。
 でもあのスリランカ女性は難民申請しないで国に帰るべきです。スリランカの内戦は終結しています。
 元夫に殺されるは個人の都合です。日本でも沢山有ります。これを難民と言われては日本の庶民は堪りません。
 それでも難民と言われるなら日本社会にホームレスが沢山居ます。これも国内の難民と言うべきです。
 その対処もできない日本が海外の難民受け入れはできなくて仕方ありません。
 この女性はスリランカに帰って命の危険はスリランカの警察が対応するべき事です。
 前内閣は単純労働力不足を外国人に頼ろうとしました。これが間違いです。
 戦後の高度成長期の日本には集団就職と言う安くて良質な労働力がありました。これを外国人に求めても無理です。
 投資が大きくても機械化、ロボット化で補うべきです。それを怠ると日本はさらに世界水準から取り残されます。
 日本の農家が団結して機械化しなければ安い海外の農業に太刀打ちできません。保護関税を外せば安い海外の米が怒涛の如く入ってきます。
 米農家を公務員と嘲る人さえ居ます。
 
 五月十三日。
 オリンピック中止の意見が本格化してきた。千葉県は五輪の病床提供を拒否する表明をした。この日五県に蔓延防止等重点措置と公表された。
 五月十四日。
 だが五県に蔓延防止等重点措置は翌日ひっくり返った。
 三県に緊急事態宣言が追加された。さらに三県は蔓延防止等重点措置が適用された。
 医療関係の立場に立つ専門家の意見が強く押し通された。
 益々飲食関係、風俗などの被害は大きい。
 だが社会全体は既に感染対策に冷ややかである。
 従わない飲食店も強気に成りつつある。
 
 五月十七日。
 三十三店舗に休業命令が出された。またその大方が一つのグループである。このグループは再び戦う意志を表明した。
 館山弁護士を座長とする弁護団は休業を要請するなら売り上げは補償すべきであると主張する。
 
 
 最期のSM小説家 第二十四幕 集団訴訟 完





 最期のSM小説家 第二十五幕 究極の闇風俗

 二〇二十一年立夏下元。太陰太陽暦四月十二日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年五月二十三日。
 緊急事態宣言は沖縄県に追加され東京他の延長も検討されている。
 如月鬼堂は上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着いた。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「皆さんお待ちです」
 「そうか」
 「闇風俗の話が持ち上がっています」
 「ふーん」
 如月鬼堂には触りたくない問題である。
 居間にはクラブ真性M女性の館の樽常マネージャー、大河内税理士、福富麻次郎が待っていた。
 杉下一行とはテレビ会議が繋がっている。
 樽常マネージャーと福富麻次郎の心配は風俗営業への規制強化である。
 「当局がまだ目をつけてないから良いのですが」
 「中にはこっちのプレイと変わらない内容で五百万に成ったと言う話も有ります。こうなると」
 樽常は何とも困ると言う発言である。
 「五十万で乳首斬られたと言うのも有りますが」
 大河内税理士がその逆も有ると付け加える。
 「生駒では大田正勝に似た男がかなりハードな事をやったとも聞いています」
 福富麻次郎にも相当に情報は流れている。
 「契約には服からはみ出す部分に治らない傷を付けない。また再生できない躰の一部を切り取るのは禁止されているようですが」
 杉下一行はルールを聞いている。
 「乳首を斬るのはそれに当たりませんか」
 「解釈は何とも言えませんが。表面は再生できます」
 大河内税理士はそれもルールの範囲と見ている。
 「しかし五十万では。再生費用はどうなのでしょう」
 福富麻次郎が首を傾げる。
 「それも出す客と出さない客があるようです。大田に似た客は生駒の女将が強く要求して払わせたようです」
 杉下一行は状況を掴んでいる。
 「こっちの会員が其処に行っているのか」
 如月鬼堂はそっちが心配である。
 「今のところ葬儀会社の社長以外は」
 「そいつは会を抜けたんだよな」
 「そうです」
 大河内税理士が答える。
 「連続拉致強姦傷害事件のグループがその五百万の口じゃないのか」
 「極めて可能性はあります」
 杉下一行が答える。
 「話が大きくならないことを願いたいな」
 「そうなのですが。登録女性らからもっとこっちのプレイ代を上げろと要求されているのです」
 樽常はかなり困っている。
 「逆に五十万で乳首斬られたりタバコ押し付けられて傷が残ったりだろ。そっちを例に挙げたらどっちつかずじゃないのか」
 「それに今だけ急場凌ぎの連中でしょう」
 大河内税理士も如月鬼堂に同調する。
 「まあそうですが。他に波及しますと」
 「長いメンバーは良い客だけで回しているのではないか」
 「そうですが」
 「その要求を聞く必要は無いよ」
 「はあ」
 樽常はまだ困った表情である。
 「それよりも事が大きくならないように警戒しませんと」
 話はどこまでも解決の糸口すらなさそうである。此処の面々にどうにかできる事ではない。
 
 連続拉致強姦傷害事件グループの川口の会長と葬儀社の社長は近鉄特急で生駒に向かっていた。
 以前に太田正克が最後の風俗遊びをした旅館である。
 「今日は潰すか」
 「要求額が大きいからな」
 ぎりぎりまでタクシーで来て観光生駒のアーチ型の看板を潜る。この先はなだらかな石段である。
 日観連の看板を掲げている旅館も在る。二人の入った所は観光客を取る旅館ではない。
 この一帯を生駒新地とも言う。大阪奥座敷とも呼ばれている。
 女将が丁寧に挨拶する。仕出し屋から料理が届いていた。
 川口の会長は黙って二十万を渡す。
 これが紹介料と旅館の使用料及び料理代である。
 「要求は五百だね」
 「あの三百と言い渡してございます」
 「うん。最初三百渡して。状況で追加してやる」
 「はい」
 女将は一度下がって女を連れて来る。女は横山深雪と言う。
 既に下着姿である。
 見かけの年齢は三十の前後。膝を揃えて座った脚はスリムで綺麗である。
 「歌乃でございます」
 横山深雪は両手を着いて一回限りの源氏名で挨拶する。
 「ブラを取ってくれ」
 川口の会長が三百万をテーブルに置いて要求する。
 スリムな体形には丁度良い大きさである。
 乳輪は小さいが乳首は真っ赤に突起している。
 川口の会長は三百万の帯封を押しやる。
 「内容は判っているよな」
 「はい。どうしても護らなければならない事業がありますので」
 覚悟はできていますと言う挨拶である。
 「いいだろう」
 二人は立ち上がる。
 葬儀会社の社長が横山深雪のショーツを指差す。
 横山深雪は取れと言う意味を理解して脱ぐ。
 そのまま浴室に引っ張って行く。横山深雪を先に湯に浸ける。
 二人も裸に成って入る。
 「あんた旅館の女将か」
 「判りますか」
 「何とない振る舞いからな」
 二人は交互に味見の挿入をする。
 葬儀会社の社長が横山深雪の唇を貪っている時。上から川口の会長は横山深雪の辛さに堪える表情を確り確認した。
 可愛いと言う女ではない。シャンでもない。柔らかい表情だが美形ではある。そして対応は柔らかい女将の表情と言える。
 だが川口の会長は芯の強さと表さない高いプライドを感じ取った。
 こんな女が已む無く身を捨てる。それなら究極に虐めたい。川口の会長に加虐心が滾った。
 二人は横山深雪を浴室のタイルに寝かせてまずは剃毛する。
 脚を広げて明るい照明の下で股間を晒させる。横山深雪はこれだけで顔を土色に染める。
 女の部分を広げると恥ずかしさに躰を微動させた。
 「ああ」
 綺麗な女の部分である。びらびらの縁の色はごく薄い。内部の粘膜は薄橙だがこれまで男が侵入したのかとさえ思う。
 つい今し方二人で進入した。それほど痛がる様子はなかった。膣口を見るとさすがに処女幕の欠片さえない。
 陰毛はそんなに固くない。毛穴も太くはない。剃ってしまうと肌理の細かい皮膚が露になる。
 横山深雪の皮膚の肌理は細かいが色はやや茶が掛かる。剃った部分は周りの皮膚とそれほど色は変わらない。
 「あれを斬るか。この躰に焼き印するか」
 川口の会長が葬儀会社の社長に小声で確認する。
 「そうだな。此処の医者はどっちの整形が得意かな」
 「それは焼印消す方が簡単だろう。刺青は消えないが」
 「この女に刺青したいな」
 「それはもっと追い詰められないと駄目だな」
 横山深雪は剃刀で剃られている股間に注意を払いながら恐ろしい会話に顔を歪める。
 「その前に坊主にしてから考えよう」
 「いやその前に電気責めでお漏らししてもらおう」
 「そうだな」
 横山深雪はこの旅館の女将からSMのレートを聞かされた。そしてどの程度まで堪えなければならないか因果を含まされている。
 それでも二人の会話に縮み上がる思いである。
 二人は剃毛の終わった横山深雪をもう一度湯に浸けて洗う。
 「どうや姉さん。股間が生まれた姿に成った気分は」
 「・・・・・・・・・」
 横山深雪は無言で瞬間赤く染まった顔を振る。
 これだけでも気が遠くなるくらい恥ずかしい。
 「姉さん。母親だと思ったがまだ子供生んでないな」
 「はい」
 「だんなは居ないのだな」
 「はい。どうしてそこまで判るのですか」
 「女の躰はそういう事で微妙に変化する」
 「ああ」
 横山深雪は恥ずかしさに眩む表情である。
 川口の会長はこの女を心の底から傷つけたい衝動に駆られた。
 アナル開口器で便を確かめる。
 「抜いて来たな」
 「はい」
 横山深雪はお叱りを受ける表情で答える。
 「まあ良い」
 浣腸の必要はない。
 二人は横山深雪を畳の部屋に戻す。申し分け程度に布団を敷く。
 葬儀会社の社長が横に成る。その上に横山深雪の女を被せる。アナルに浣腸器でローションを注入する。
 「えーーーーーー」
 横山深雪は何をされるか怯える。
 川口の会長がアナルに挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーー」
 構わず二人で責める。
 「あーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーー。あーーーーーーー。だめですーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん」
 横山深雪の躰は一気に小刻みな震撼を始める。
 「あーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横山深雪は葬儀会社の社長の顔の両側に伸ばした両腕で布団を掴んで藻掻き続ける。
 「ああーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は物凄い力で布団を掴んで躰を固くしてどこまでも藻掻き続ける。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーー。ああーーーーー。ああーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 横山深雪は三十手前にも成って受けた事のない官能に強烈に上り詰めてしまった。不本意極まりない。
 旅館を継続する資金の為に断腸の思いで躰を預けた。その客に女の性をその極地まで蹂躙されてしまった。
 横山深雪は布団の上に解放されて恥ずかしさに顔を覆う。
 川口の会長は逝き顔を晒してしまった横山深雪の恥ずかしさ悔しさをじっくり観察して悦びを噛み締める。
 表情は穏やかに繕うが芯の底まで気丈なプライドの高い女である。それを踏み潰す悦びに浸る。
 横山深雪は布団に躰を横たえて恥ずかしさに堪えて痙攣が治まるのを待つ。川口の会長はその顔を踏んづける。
 「ああ」
 横山深雪はそれを崩れた表情で藻掻きながら堪える。
 葬儀会社の社長は電源トランスの準備をしている。
 川口の会長は横山深雪を駿河問いに吊るし上げる。
 「あーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーー」
 横山深雪は苦しい吊るしに藻掻き苦しむ。
 その時点で川口の会長は服を着ける。葬儀社の社長にも服を着るよう薦める。
 葬儀会社の社長はトランスから長い電磁棒二本を繋ぐ。
 川口の会長は駿河問いの吊るしに苦しむ横山深雪の躰に書類を挟むクリップを鋏み付ける。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 成れたSM嬢ではない。ちょっとした痛みでも悲鳴を漏らす。それでも二つ目は顔を顰めるだけで声は出さない。
 川口の会長は横山深雪の両方の乳首、太腿、最後は女の部分の閉じ合わせた粘膜に鋏み付ける。
 「う、うーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は強烈な悲鳴に成る。
 それでも川口の会長は容赦なくもう片方の粘膜も鋏み付ける。
 「うーーーーーー。ぐうーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は苦しい躰を揺すり藻掻きながら悲鳴を漏らす。
 葬儀会社の社長は電磁棒を乳首のクリップに充てる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は堪えられない。強烈な悲鳴を上げる。
 数秒間で離す。
 横山深雪の躰の震えを愉しみながら続けて太腿のクリップに充てる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪の躰は藻掻き震撼する。
 次は股間のクリップに充てる。
 「あーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に横山深雪は僅かに漏らしてしまう。
 葬儀会社の社長は直ぐに電磁棒を離す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き悲鳴に成る。
 また乳首の左右のクリップに充てる。
 「ぐああーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 また僅かに漏らす。
 そのまま電磁棒を離す。
 横山深雪は僅かに細く断続的に垂れ流し続ける。
 「ああ。ああん。あーーー」
 横山深雪はお漏らしが止まらないのに焦る。堪らない羞恥である。女将の言葉を思い出す。
 『貴女のこれまでのプライドを全部捨てないと駄目よ』
 今だけ堪えるしかないと何度も自分に言い聞かせた。とても創造につかなかった内容である。
 『でも逆らわないで堪えていればこのお客は三百万に上乗せしてくれるかも知れないよ』
 女将はこうも付け加えた。
 二人は横山深雪に漏らすものが無くなったので吊るしから降ろす。
 川口の会長は横山深雪を高手小手に縛る。
 さらに脚首を縛り合わせる。次の縄で膝を縛って座らせる。脚首の縄の先端を高手小手に縛った縄の手首の下に通して縛る。
 これで殆ど動けない。
 鋏みで髪を切り落とす。
 「え、えーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は驚愕の表情で振り返る。
 「契約の範囲だろ。乳首斬り堕とすか。ま○○こ焼いてもいいのだぞ」
 「ああ。はい」
 「ちゃんと帰りの鬘は用意してある」
 「はい。判りました」
 横山深雪は観念して躰の力を抜く。
 葬儀会社の社長は川口の会長が切った髪を集めて袋に突っ込む。そしてバリカンを川口の会長に渡す。
 切った後の五分刈りをさらに坊主に刈り取る。
 さらに葬儀会社の社長は剃刀とローションを用意する。
 完全につるつるに剃ってしまう。尼に成った頭である。その姿を鏡に見せる。
 「・・・・・・・・・・」
 横山深雪は無言で悲しそうにその姿を見る。
 もう無様に喚く事はしない。
 「さてお姉さん。ここまでで三百万だ。だがそれだけじゃ足りない筈だ」
 「ああ。はい」
 ここまで性行為の提供と非情ながら回復可能な範囲できた。いよいよ躰を犠牲にしなければならない。横山深雪の躰全体に戦慄が奔る。
 だがここまでの三百万で躰の一部を潰す了解をしている。
 「多分。今回だけでは足りないかもしれない。良く考えて答えてくれ」
 川口の会長が諭すように静かな口調で言う。
 「三通りから選んでくれ」
 葬儀会社の社長が付け足す。
 「一つはこの焼印だ。太腿、剃毛したドテ、乳房の三箇所に押す。これで三百万追加だ」
 川口の会長は金属の棒の先にT字型に四角い金属の付いたアイテムを指差す。
 「一つは顔に押す。こっちは五百万追加だ。どっちも別途に整形代は払う」
 川口の会長が二つ目の選択肢を告げる。
 「・・・・・・・・・」
 横山深雪は二人の恐ろしい言葉に何も言えない。
 「一つは子宮にその電子棒を突っ込む。焼いてしまう。こっちは一千万。治療費を別途に出す。だが子宮摘出になる」
 川口の会長は一番恐ろしい三つ目の選択肢を淡々と告げる。
 「えーーーーーー」
 横山深雪は最後の刑にさすがに慄いてしまう。
 「今の都合に合わせて考えろ。次に呼ばれたら今回のような内容で三百万とオプションの金額だ」
 川口の会長はきっぱり宣告する。
 「そうです。この状況では次も。ああ」
 横山深雪は恐ろしい状態を実感する。
 緊急事態宣言は終わりそうもない。旅館には支援金すらない。親から引き継いだ老舗旅館。何としても護らなければ成らない。
 「緊急事態が終わっても暫くは苦しいかもしれん。GOTOは直ぐに効果を発揮しない」
 「元から私共には有りません」
 横山深雪は堪らず怒りの言葉を吐いてしまう。
 これまで昔からの蓄え資産と融資で繋いで来た。ここで諦めたら莫大な借金で破産宣告になる。
 破産宣告でも消えない借金もある。
 借用証には既に破産宣告しても払うと書かれている。
 それでもこの人たちは金に飽かして女をこんな目に遭わせて愉しむ。信じられない残酷な人。でもそのお金がなければ自分はと思う狭間である。
 「はい。・・・・・今回は追加三百万で」
 横山深雪は死ぬ思いを噛み締めて答える。
 「いいよ」
 川口の会長はその場に三百万を置く。
 「・・・・・」
 葬儀会社の社長が拷問椅子を押して来る。
 「それに乗ってくれ」
 「はい」
 横山深雪は躰を微妙に震えさせながら観念して拷問椅子に座る。
 川口の会長がベルトで横山深雪の躰を一応固定する。
 葬儀会社の社長が焼印を持つ。
 一気に横山深雪の内腿に押し付ける。
 「う、うう、うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 数秒で離す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙が零れる。
 川口の会長はその涙を愉しみながら焼印の先を焼く。
 もちろんこれまで使った文言などは書いてない。ポルノショップで売っている玩具である。
 だが充分に痕を焼き付ける。
 川口の会長が剃毛したドテを焼いて、最後は二人で片方の乳房を焼いた。
 二人は横山深雪の究極の涙と悲鳴をとことん堪能した。
 直ぐに待機していた医者が入って来る。
 応急処置だけ行う。
 「整形代と治療費は女将を通してこっちに請求してくれ」
 川口の会長が医者に要求する。
 「そうして頂ければ助かります。治療費しか貰えない場合も。必ず綺麗に整形してもう一度お愉しみいただけるように致します」
 医師の言葉に横山深雪は驚愕した。しかしこういう医者も居なければ自分は救われなかったと実感する。
 しかしそれ以上に自分には不安が圧し掛かっている。
 「あのう。すみません。本当に私が苦しかったら残る二つを両方お願いもできますか」
 横山深雪は更なる不安から恐る恐る尋ねた。
 「いいよ。だがあんた跡継ぎはできないよ」
 「分かっています。その場合はいま教育している仲居を跡継ぎにします」
 横山深雪には苦しみの底から出た言葉である。そして恨むのは総理と大阪府知事だと自分に言い聞かせる。
 「いいよ。いつでも言ってくれ。両方ならあと二人連れて来て二千万にしてやる」
 「ありがとうございます。そのときは何卒」
 「いいよ」
 二人は帰った。
 
 五月二十五日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 客人は館山弁護士だけで話し合いが行われていた。
 「先生。この闇風俗との関わりは何処から始まったのですか」
 「申し訳ございません」
 それはある事件の解決に川口の旅館の女将が関わった。
 ある些細な自転車事故が大事に成った。
 女は失業中だった。金も無く自転車事故の保険も入ってなかった。払って貰えなければ被害者も実費負担になる。
 この場合健康保険、国民保険は利かない。女が刑務所に入っても被害者は自分で治療費を工面しなければならない。
 被害者は川口の女将のやや近い親族であった。
 女将の提案で始まった。
 「鬼堂先生。私は連続拉致強姦傷害事件の犯人が此処に関わっていた場合を考えて奴等の正体を突き止めます」
 「それも必要ですが。以前のように警察にリークはしないで下さい」
 如月鬼堂は新長瀞で起きた福山哲夫の事件の事を言っている。武州小川町での電車の接続時間のトリックを館山弁護士が警察にリークした。
 「分かっております。こっちに影響が無いことだけを考えます」
 館山弁護士は証拠まで掴む必要はない。自分にだけに連続拉致強姦傷害事件の犯人と分かれば良いのである。
 大庭信一郎。大庭祭典社長とて状況証拠すらない。
 これを警察にリークすれば、それを警察が取り上げて的を絞って捜査すれば何か証拠が掴めるかも知れない。
 だがそれを行えばそれに直接関係はないのにSM愛好会のような存在にマスコミ主導の社会的批判が集中しかねない。
 あくまでこちらの安泰を護る為に危険な存在の真相を掴んで置く事が必要である。
 
 五月二十八日。
 如月鬼堂の居間に館山弁護士らと南七香と集団訴訟に参加した十二人が集まった。
 緊急事態延長が六月二十日まで延長に成った。あくまでオリンピック開催と段取りを合わせた対策である。
 相変わらず東京都は協力金の支払いを遅らせたままである。マスコミはほんの一部を除いてそんなに騒がない。
 既に限界と休業要請に従わない業者も増えつつある。
 銀座や新橋と東京の一等地を歩くと閉店した店だらけ。俄か作成した法律の影響で沢山の小規模商店が一生掛かって築いた商売を失ってしまった。
 破産宣告をしてもこの先は地獄である。
 休業要請、時短要請に対して完全な補償があれば違った。そしてその補償が売上と同時期に入らなければ資金繰りができない。
 支払いの遅れは東京都の重大な責任と言える。
 金額がまったく見合わないのは国の責任である。
 南七香はさらに七人の仲間を集めた。
 
 五月三十日。
 テロ集団が人質にしていたアメリカのCSCテレビ局CEOモントゴメリー氏七十二歳が解放された。
 テロ集団は開放した場所を動画で拡散した。
 一時的に動画配信サイトにも流れた。
 開放されたのはインドとブータンの国境付近の村外れであった。
 モントゴメリー氏から監禁場所の情報はまったく得られなかった。
 篭城する連中ではなく別のグループが迎えに来た。眠らされて運ばれたとの事であった。
 
 川口。営業してない旅館である。
 南野沙良を此処に紹介したのは高田麻友。同業で梅田のクラブママである。態々関東まで出て来た。
 呼ばれた客は前から申し込んでいた通販サイトのオーナー経営者。そして如月鬼堂の主宰するSM愛好会の会員である。
 つい十数日前南七香を一万円札五枚で叩いた。南七香に精神的ダメージを深く与えた男である。
 川口の旅館ではこれまでより規約は強化されていた。
 躰に傷を付けて治療が必要な時は治療費を支払う。衣服に隠れない部分に傷を残した場合は治療費及び整形代を払う。
 プレイ代も四名まで二百万とされた。さらに衣服からはみ出す部分に傷が付く場合は三百万と決められた。
 規約強化を薦めたのは川口の会長である。
 南野沙良はもうどうにも店を維持できない。悩みに悩んだ末に相当な覚悟をして此処に来た。
 通販サイトのオーナーはいま抜群に儲かっている。風俗は不景気な方がサービスは良い。
 この時とばかり期待を膨らませている。
 通販サイトのオーナーはバブル崩壊もリーマンショックもその時はそれほど金は無かった。あのとき金が有ったらとどんなに思ったか知れない。
 通販サイトのオーナーは着くなり女将に二十万を渡す。
 南野沙良は既に座敷に待っていた。通販サイトのオーナーを見るなりやや眉を顰めた。
 瞬時に残忍な男性と感じ取ったのである。
 通販サイトのオーナーは座布団にミニスカートで膝を揃えて座った南野沙良の躰を裸に透かすように見て三百万を置く。
 華奢な体形で細面の小作りな顔である。一気に加虐心が滾った。
 南野沙良は帯封なのでそのままバックに仕舞った。
 南野沙良は高田麻友から内容を充分に聞かされた。さらに女将からも聞かされた。高田麻友の場合は運が良かったとも説明された。
 南野沙良は三百万でも足りそうもない。傷を負っても整形代を貰えばもう一度できるとさえ考えていた。
 そこまで追い詰められてしまっている。
 雀の涙の協力金で休業要請されて廃業の一歩手前である。苦労して開業資金を作って店を始めた。何としても護らなければならない。
 二十八歳。開業して二年である。
 既に女将は治療費、整形代を払うとメールで念書を取っている。
 通販サイトのオーナーは今夜だけで一千万掛かってもどうと言う事はない。そして南野沙良の女を潰したい衝動に駆られていた。
 治療費、整形代で五百万くらいは覚悟している。
 通販サイトのオーナーは南野沙良を壁に立たせた。
 服を脱がせる。
 南野沙良はじっと堪える。
 SMクラブに勤めて一夜プレイしても良くて三十万である。南七香から話を聞いている。
 通販サイトのオーナーは最後にショーツを脱がして裏向けにひっくり返す。股間の当たっていた部分を開いて見せる。
 「え、ええ。いやです。なんで」
 南野沙良は堪らない表情で見上げる。
 「辱めを受けるのもSMだ」
 「ああ」
 南野沙良は仕方ないと諦める。
 通販サイトのオーナーは左手で南野沙良の首元を持って壁に押し付ける。右手で顔をビンタする。
 細面の美人顔をビンタする。堪らない至福である。
 「うーーー」
 構わず叩く。
 「うおーーーーーーー」
 七回叩いて南野沙良の目に涙の玉が浮き出した。
 それでも叩く。
 「う、ううーーーーーーん」
 遂に涙は溢れ出る。
 まだ叩く。
 「・・・・・・・・」
 南野沙良は目を瞑って声を出さない。
 どんなに割り切っても男に顔を叩かれるのは悔しい。堪らない。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の美人顔が涙に濡れてやや満足した。首を掴んで床に倒す。
 通販サイトのオーナーは首に腕を回して自分の腹の上に乗せる。自分の両足で南野沙良の両脚を引っ掛けて股間を広げる。
 片手で首を絞めたままもう片方の手を伸ばして南野沙良の女の部分を弄る。
 「ああ。ああーーー」
 通販サイトのオーナーの指は南野沙良の小陰唇を割って膣口に侵入している。
 「あ、ああーーー。いやあーーー。ああーーーーー」
 南野沙良は藻掻き続ける。
 「あ、ああーーーーーーん。ううーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は首の絞めに顔を真っ赤に染めて苦しみ続ける。
 通販サイトのオーナーは一度南野沙良の首の押さえを解放する。股間の正面に回って膣の奥に指を差し込む。
 女の部分を開いて尿道口を見ながら潮を押し出す。
 「ああーーーーーーー。ああーーーいやあーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 南野沙良は顔を強く歪めて首を右に左に傾けて藻掻く。
 畳も股間も潮でびしょ濡れである。南野沙良の股間は内腿の線が真っ直ぐで膝を揃えると股間に三角の隙間ができる。
 美しい女の腰である。
 通販サイトのオーナーはもう一度南野沙良の首に腕を回す。後ろから絞める。
 「あ、ああーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は藻掻く。
 「ううーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・」
 やがて静かに落ちてしまう。南野沙良は白目を剥いたまま動かない。
 通販サイトのオーナーは失神した南野沙良の股間を剃毛する。
 陰毛が有ってもパイパンにしても美しい股間である。
 通販サイトのオーナーは興奮度が上がった男根を失神したままの南野沙良の女に挿入する。
 短い時間で果てて失神した南野沙良の女の中に興奮した情液を流し捨てる。
 通販サイトのオーナーは南野沙良を抱き上げて風呂場に担いで行く。
 タイルの上で南野沙良の躰を縛る。
 首の下に棒を一本通す。腕を広げて手首、肘、二の腕の三箇所を縛る。
 膝を縛り合わせ、脚首も縛り合わせる。
 通販サイトのオーナーは服を脱いで湯に浸かる。浴槽に立ってシャワーを持って南野沙良の躰に水を掛ける。
 「うーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は冷たさに直ぐ意識を戻す。
 通販サイトのオーナーは湯から出て南野沙良の躰を跨ぐ。
 「口を開け。口便器だ。開かなければ開口器をぶち込むぞ」
 既に肉棒を南野沙良の顔に向けて構えている。
 「ああ」
 南野沙良は女将に言われていた。これが物凄く辛いと思った。受けるしかない。開口器よりは自分で開けた方が楽だと思った。
 観念して口を開ける。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の顔に蛇口の水を飛ばして洗うように小水を掛ける。
 「う、うう、うん、うう、ううん」
 アルコールを飲んだ後の臭い小水である。
 南野沙良は息を止めて堪える。
 一通り顔に撒き散らして水勢を増して一気に口に流し込む。
 ぐぼーーーーーーーーーーー。ぐほおーーーーーーーーーーーーん。ぐぼーーーーーーーーーーーー。ぐうぼおーーーーーーーー。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の口を脚の裏で踏んづける。
 ぐぼーーーーーーーーー。ぐぼーーーーーーーーーー。
 「のめーーーーー」
 通販サイトのオーナーは強い口調で叱咤する。
 その前に既に吐き出すか飲み込んでしまっている。口に残っているのは僅かだった。
 南野沙良は目を閉じたままじっと待つ。
 通販サイトのオーナーは足を南野沙良の口から離す。
 「口を開けろ」
 南野沙良は口を開ける。
 「よし飲んだな」
 南野沙良は通販サイトのオーナーの目論む程には飲んでない。それでも堪らなく辛い。
 通販サイトのオーナーは南野沙良を縛ったままやや躰の濡れを拭いて座敷に戻す。
 腕を棒に縛ったままである。
 膝と脚首の縛りを解いて脚首を持ち上げて手首を棒に縛った上に乗せて縛り付ける。
 両脚同じように縛る。南野沙良は畳の上にV字開脚に固定された。
 南野沙良は躰を拭かれたとき失神中に剃毛されたことに気付いた。仕方ないと理解するしかないがショックである。
 通販サイトのオーナーは鞭を持っている。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
 乳房を叩く。
 「うわあーーーーーーーーーーーーーー」
 初めて受ける鞭である。強烈な悲鳴を上げる。
 十数回乳房を叩いて股間を狙う。
 V字開脚に縛って剥き出しの女の部分の閉じ合わせた粘膜を叩く。
 「うう、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良の顔から一気に涙が溢れる。五回で終わりにした。もっと残酷なプレイを予定している。
 通販サイトのオーナーは半田鏝を長くしたような小道具を三本コンセントに繋いで温める。
 一本は先端が円柱状である。一本はやや尖っている。もう一本はT字で充てる面は十ミリ掛ける五十ミリくらい有る。
 通販サイトのオーナーの興奮度は架橋に成っていた。
 まずは先端が円柱状の焼き鏝を持つ。
 「ああーー。なにするの」
 南野沙良は恐怖に思わず叫ぶ。
 「こういう約束だろ」
 「あ、あーーーーーーーーー」
 「ここまでのプレイなら普通のSMクラブで朝までコースで三十万くらいだ。安いところなら二十万だ」
 「あーーーーー。そうだけど」
 南野沙良の唇は震えている。
 「つい十数日前。あんたようなオーナー経営者にここまでやったばかりだ」
 「えーー。たった三十万でこんなに」
 「おい。今更拒否は無いぞ。女将はできれば三百万と言ったぞ」
 通販サイトのオーナーの声は厳しい。
 「あーーーーー。そうです」
 一発目を南野沙良の太腿の一番艶めいた部分に押し付ける。正面からぎりぎり見える内腿部分である。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は強烈な泣き悲鳴に成る。既に涙が溢れている。
 それでも通販サイトのオーナーはまだまだこれから。一切動じない。完全に興奮の坩堝である。
 次は左の乳房に押し付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーー」
 次は乳房の谷間に押し付ける。
 「うおーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーん」
 気丈に見える南野沙良の顔が完全に崩れて涙がだらだら流れる。
 今度はT字型を構える。
 「えーーーーーーーーー。まだこれ以上」
 南野沙良は泣き声で講義する。
 通販サイトのオーナーは興奮止まらず。T字の先端を剃毛したドテに押し付ける。
 「あ、ああ、ぐうあああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みと躰を傷付ける恐怖。そして無念さからの悲鳴である。
 「ねえ。これ衣服からはみ出ないから治療費だけ」
 南野沙良はこの火傷で治療費では堪らない。
 「ふふ。太腿はミニスカートから出るからな」
 「払ってくれるの」
 「払うよ。綺麗に直してもう一度やらせろ」
 「え、え」
 南野沙良はそう言いながらもあと一回稼がなければならない事を思ってその辛さを気持ちの底から噛み締める。
 「どうせ一回じゃ足りないだろ」
 通販サイトのオーナーは状況を察して追い討ちを掛ける。
 「ああ」
 南野沙良は絶望に沈むがそれしかない。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の膣にクスコを挿入する。螺子を回して奥を広げて子宮口を確り確認する。
 「ねえ。おっぱいは外に出ないけどこっちは」
 南野沙良はその不安も訴える。
 「治療費、整形代一括請求だろ。全部出すよ」
 通販サイトのオーナーはそう言いながら最後の尖った焼き鏝を膣の奥へ子宮口に突っ込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーがあーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 そして失禁してそのまま失神してしまう。
 通販サイトのオーナーは失神した南野沙良のクスコを抜く。その女に興奮した情液をもう一回流し込んだ。
 そのまま寝かせて帰る仕度をする。
 女将に医者の手配を依頼して治療費、整形代を払う約束をして帰る。
 
 五月三十一日。
 埼玉路線バス女性運転士集団強姦事件の二審無罪判決が出た。
 野崎卓郎弁護士が無罪判決のインタビューに対応する。
 無罪を勝ち取って当然。完全なアリバイが有りながら不当な逮捕であったと繰り返す。
 疑わしきは罰せずの法律の根本精神が失われ状況証拠で僅かな可能性でも立件しようとする。たいへん悪い傾向になっていると指摘した。
 さらに今回は状況的にもアリバイ成立が妥当である。女性の思い込みだけで逮捕に至る悪い傾向の典型だと締め括った。
 如月鬼堂の居間には館山弁護士他愛好会の主な面々が集まっていた。
 「もう緊急事態を無視して次の会合をやりましょう。何処も緊急事態や蔓延防止の対象に成ってない地域です」
 大河内税理士は次の開催を催促する。
 「しかし大河内先生。もう定員の五十パーセント一会場二百人では三箇所でも会員半分しか収容できません」
 館山弁護士は収容人数を気にする。
 「熱海に二百人抽選で招待してあとはオンラインでどうかな」
 「三箇所順番にかつオンライン。以前にもそう提案されました。さらに当選者が少なくなります。回数を増やさないと」
 福富麻次郎も会員の参加機会を気にする。
 「回数と言っても女性が」
 大河内税理士はこれまでの状況を言う。
 「会員が増えたのだからこれまでの女性を再登場でも行けるのでは」
 杉下一行は新しい会員が多いから新しい女性が少なくても同じ女性をもう一回混ぜて出せば良いと言う。
 「ううん。それしかないな」
 如月鬼堂も納得する。
 「それではやりますか」
 大河内税理士は如月鬼堂の決意を確認する。
 「やらない訳に行かないよ。もう東京以外は問題ない。都知事は雀の涙の協力金を五ヶ月滞納して命令、要請と堂々と来るがそろそろ批判も出る」
 「まあ。東京、大阪以外はおとないしいですから」
 「そろそろ都知事には切腹してお詫びして欲しいものです。商売を諦めて廃業する業者の人生を奪った責任は重いです」
 福富麻次郎は全裸美人コンテストで自分は救われたが他人事ではない。そして腸がねじ切れそうな怒りがこみ上げている。
 
 六月一日。
 川口の女将は通販サイトのオーナーに追加請求をした。整形をしても二つの事が戻らない。
 南野沙良は子宮が摘出されてしまった。二十八でもう子供は作れない。三百万でここまではやり過ぎと交渉する。
 剃毛したドテに焼印を押されて整形はしてもその部分に毛は生えない。ドテの黒い塊がかなり変形してしまった。
 通販サイトのオーナーは追加には応じるがもう一度プレイさせろと答えた。金額は本人と話し合うと豪語する。
 通販サイトのオーナーは南野沙良のショック度を実感して確認したかったのである。
 その残忍な満足の為に追加を払ってももう一度虐めたい。南七香のとき同様この女の涙に堪能した。
 
 六月五日。
 南野沙良は大阪からもう一度川口の旅館に来た。
 通販サイトのオーナーは昔よく使われたアタッシュケースに一千五百万詰めて後から着いた。
 南野沙良も喧嘩をしては当初の条件から駄目なことは分かっている。相手ももう一回プレイすれば多少は上乗せする気はありそうと思える。
 「大分文句があるらしいな」
 通販サイトのオーナーは座るなり揺さぶる姿勢である。
 「文句と言っては言い過ぎですが。私まだ二十八です。結婚もしていません。急場を凌ぐためでしたが三百万では余りにも哀れ過ぎます」
 南野沙良は控えめに言った心算である。
 通販サイトのオーナーはニタリ哂う。
 「どうや。今日は躰を焼くところは無しでこの間のような内容だ。それが五十万。この間の追加が七百万」
 南野沙良もそれ以上は無理と思った。前回が合計一千万である。
 「はい」
 倍以上になったことで涙を飲み込む。
 「もう一つ。それでこの先のあんたに足りなければ顔を焼かせろ。整形代は三回まで払う」
 顔なので失敗を考慮している。
 通販サイトのオーナーは五百万の束を三つ置く。
 南野沙良は一千万でもこの先不安である。三回まで整形代を払うという言葉に背水の陣に成った。
 この男は目の前の一千五百万の倍ぐらい使ったことになると思う。有り余った金に違いない。
 そこまでして自分の女の価値を潰して愉しむ。酷い男だと思う。だがその金が無いと自分はこの先浮かばれない。
 勝手な時限立法で一部の業者を死活問題に追いやって充分な保障をしない。本来恨むのは総理と大阪府知事である。
 そして目の前の金が有れば女を失ってしまったが自分は経営者として生き残れる。
 「はい」
 「これでいいのだな」
 通販サイトのオーナーは後者の条件を選んだのだと確認するように五百万の束三つを押しやる。
 「・・・・・・・・」
 南野沙良は礼を述べるには無念さが込み上げる。
 観念してそれを仕舞う。その手は震えている。
 通販サイトのオーナーはそれを満足そうに見る。
 「自分で脱いで傷痕を見せてくれ」
 通販サイトのオーナーはまず一つ目の目的である。
 南野沙良は通販サイトのオーナーの目の前に立って服を脱ぐ。
 ブラを外す。通販サイトのオーナーは立ってじっくり触りながら点検する。
 「おっぱいは綺麗に直りましたよ」
 南野沙良はやや反発心が働いている。
 「そうだな」
 「残念ですか」
 「いいや。綺麗に治ってくれてまた汚したいよ」
 「うーん」
 南野沙良は表情を曇らせる。
 そのまま躰を前屈みにやや倒してショーツを脱ぐ。
 「裏向けて見せてくれ」
 「はい」
 南野沙良は表情をやや歪めるが言われた通り股間に触れる部分を開いて渡す。
 「・・・・・」
 「もうそんなには気にならないか」
 通販サイトのオーナーは当てが外れた表情に成る。
 「私が心にショックを受ければ嬉しいの」
 南野沙良はまた反発心が働いてしまう。
 「そうだよ。恥ずかしさにどうにも堪えられない仕草が俺を熱くしてくれるのだよ」
 「見たいのじゃなくて辱めたいのね」
 南野沙良の言葉は怒りの底から出ている。
 「そうだよ」
 「恥ずかしいよ。でもそれどころじゃないもの。どんだけの事したのよ。もう恥ずかしいなんか。ああ。ああん。ああ」
 南野沙良は涙を溢れさせる。
 「そのショックな姿が見たかったのだ」
 通販サイトのオーナーは残忍な顔を綻ばせている。
 「そんなに女を虐めたいの。女が憎いの」
 南野沙良はその言葉に堪えられなかった。返した言葉は声が震えている。
 「お前のような女はとことん虐めたい」
 「私のどこがいけないの。何が憎いの」
 「俺は女が社会的に強い立場になるのが気に食わない」
 男女平等の社会で何を言うのかと思うがその金で自分は立ち直る。
 「でも私。貴方のお金で立ち直るよ」
 南野沙良は堪らずまた反論してしまう。
 「誰かも同じようなこと言ったな」
 「貴方。SM愛好会の人」
 南野沙良は南七香と言い掛けて抑えた。
 「そうだよ。お前。南と知り合いか」
 「ああ。どうして本名まで」
 「ショーに出たら本名は分かるよ。誰でも分かるわけではないが。審査する幹部の近くに居れば。それに本人も名乗ったから」
 「そう」
 通販サイトのオーナーは縄を準備する。
 南野沙良の躰を柱に押し付ける。手首を縛り合わせて天井のフックから引っ張る。
 左の脚首だけ柱に固定する。これで南野沙良は躰のフロント面を躱すことはできない。
 通販サイトのオーナーは前鞭を叩き放題である。
 最初は先が蝿叩きの大きさの革で作られた一本鞭を使う。販売する動画ではない。最初から強い痕は付けない。
 痕を付けるのは終了寸前でよい。
 まずは顔を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーー」
 南野沙良の怒る顔が究極に歪む。この鞭で顔叩きはかなりの屈辱である。
 通販サイトのオーナーは構わず叩く。
 「ううーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーん」
 南野沙良は六発叩かれて泣いてしまった。
 通販サイトのオーナーはこの悔し涙が嬉しいのである。
 次は乳房を叩く。革の表面で乳房のスパンキングは痛烈に痛い。
 「あうーーーーーーーーーー」
 構わず反対側の乳房を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 さらに交互に乳房を叩く。
 「ううーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は顔を左に逸らせて徐々に俯いて行く。
 「・・・・・・・・・」
 痛みに堪える悲鳴が聞こえなくなる。目から涙が溢れ落ちている。
 泣き顔の唇を貪る。
 南野沙良は拒絶して口を閉じている。
 通販サイトのオーナーは構わず抉じ開けようとする。
 南野沙良は抵抗して顔を躱す。
 「開け」
 通販サイトのオーナーは手で顔を強く叩く。
 南野沙良は涙を流しながら唇を緩める。
 通販サイトのオーナーはそれを強引に貪る。
 唇を離すと南野沙良は涙を流したまま顔を伏せて叛ける。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の左脚を持上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーー」
 引っ張って膝から脚首に縄を掛ける。
 「あはあーーーーーーーーん」
 その縄を離れたフックに通して引っ張る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良の股間は大きく空中に広がる。
 通販サイトのオーナーはその女の部分を広げて下から鏡に映す。
 「自分で見たこと有るか」
 「ないよーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 南野沙良はまだこの屈辱でも辛いらしい。通販サイトのオーナーは弄くる愉しみが沸いてくる。
 「見ろ。見て辱めを甘受するのもサービスだろ」
 「ああーー」
 南野沙良はまた涙を零す。
 通販サイトのオーナーはクスコを挿入する。
 「いやあーーーーーーー。この中にまだ何をするのーーーーーーーーー」
 南野沙良はヒステリックな声で抗議する。
 「もう焼かないよ。見た事ないあんたに見せようと思ってな」
 「もう。とことん弄びたいのね」
 「そうだよ。ここも叩くからな」
 「え、えーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は驚愕の悲鳴に成る。
 「SMクラブの特別ハードコースなどでは当たり前だよ」
 通販サイトのオーナーは淡々と当然の如く言う。
 「ああ」
 南野沙良は表情を引き攣らせる。
 それでも通販サイトのオーナーは鞭を構える。今度は先端が小さな長方形のチップである。
 アンダーからの叩きだが力は強い。閉じ合わせた粘膜を確り叩く。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良の躰は力の限り突っ張る。そして強く震撼する。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は痛みに躰を動く限り前屈みにして腰を後ろに引いて藻掻き続ける。
 通販サイトのオーナーは次を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーー」
 反り返る南野沙良の女の部分を続けざまに叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 南野沙良はまた涙を溢れさせる。
 通販サイトのオーナーは細いプラスチックで棒状の鞭と持ち換える。
 今度は吊るし上げた左脚の艶かしい太腿を内腿に掛けて叩く。一発で直ぐに白い肌理の細かい肌に蚯蚓腫れが浮く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 女の部分を叩かれる程ではないが蚯蚓腫れに成るだけに相当に痛い。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 通販サイトのオーナーは立て続けに何本も蚯蚓腫れの線を描く。
 「うーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 南野沙良は涙をぽろぽろ零す。
 通販サイトのオーナーは痛みに藻掻く南野沙良の女に興奮に滾った肉棒を突っ込む。
 南野沙良は無言で堪えている。
 興奮度が高いので直ぐに果ててしまう。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の戒めを一度解く。
 南野沙良の躰を抱き上げて浴室に運ぶ。そのままタイルに寝かせる。
 南野沙良は何をされるか分かる。
 「口を開け」
 酷い仕打ちである。それでも仕方ない。目をきつく瞑って口を開く。
 顔から胸に振り撒くように掛けてから口に強い勢いで注ぎ込まれる。
 「お前の女の中に破棄した物を洗って来い」
 シャワータイムを与えられたのである。その言葉に南野沙良は強く目を瞑ったまま顔に怒りを滲ませた。
 通販サイトのオーナーは屈辱感を与えた事にさらに満足する。
 南野沙良は浴室のシャワーを掴んで号泣しながら湯を被る。続いてシャワーの湯を口に充てて口を濯ぐ。
 一千五百万と前回の三百万。これだけ得た。これで何とか店を繋いで行けるのか。また女の子を集めなければ成らない。
 歩合を補償はできなかった。断ったので戻って来る者は僅かだと思う。
 これから自分は顔を焼かれる。女将は事故などの整形よりは簡単なので一回で治ると言っていた。
 何年も苦しみに耐えて店を持った。それを維持する為に更なる苦しみに今耐えている。
 女として大きなものを犠牲にした。一千八百万。これで何とか維持できるだろうか。休業要請。命令。その代償は雀の涙以下。酷い国である。
 そしてそれも難しい申請を書いて決して忘れられないが遥か忘れた頃に振り込まれるらしい。
 それでも多くの者が非難するわけではない。皺寄せは自分らだけに来たのである。
 何としても店を護りたい。
 そうでなければ自分が救われない。
 一応髪を乾かし躰を拭いて戻る。
 通販サイトのオーナーは南野沙良がシャワーを使っている間ビールを飲んで仕出しの料理をつついていた。
 新しいグラスにビールを継いで渡す。
 南野沙良はそれを一気に飲む。
 「あと二つだけだ」
 南野沙良に緊張が奔る。
 「・・・・」
 答える声も出ない。
 「畳にお尻を着いて脚を広げて自分で女を開いてくれ」
 通販サイトオーナーの女を開くという言い方に南野沙良は怒りが込上げる。
 鞭を持っている。プラスチックの棒状の鞭である。それで女の一番敏感な部分を叩かれる。
 それでも広げるしかない。逆らって縛って叩かれては堪らない。
 この上ない恥ずかしい姿でさらに女の部分を開いてじっと身構える。
 通販サイトのオーナーは南野沙良の後ろに回って力の限り鞭の先端で薄紅色の粘膜を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 南野沙良は痛みに女の部分を両手で押えて畳を転げる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーー。い、いたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みはなかなか治まらない。
 涙をぽろぽろ零して痛む粘膜を押える。
 痛みに苦しむ南野沙良を愉しみながらその間に通販サイトのオーナーは焼き鏝に電流を流して準備する。
 「さあ。最後だ。既に医者は来ている」
 通販サイトのオーナーは先端がT字に成った焼き鏝を構えている。
 「・・・・・・」
 南野沙良は何も言えない。畳に躰を斜めに倒れさせる。
 左の頬が上を向いている。
 通販サイトのオーナーは焼き鏝をそこに軽く乗せる。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・・・・・・」
 南野沙良の悲鳴は途中で消えた。
 通販サイトのオーナーは別室で待機していた医師を呼ぶ。女将を通して請求してくれたら女の名前で振り込む約束をして帰る。
 
 五月六日。
 如月鬼堂はこの日も上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着いた。
 珠洲が大宮の事務所に向かったので瀬里菜が迎えに来ていた。
 「南さん達の仲間が樽常マネージャーのクラブに登録したのだけど。真性ハードMコースに限定されてその紹介文が凄いのだって」
 「ふーん。愛好会が関わってない部分だろ」
 「そうみたいだけど」
 「館山先生は」
 「もう一本あと」
 「そうか」
 瀬里菜はマンションに戻って直ぐ館山弁護士を迎えに行った。
 女性オーナー経営者が六人。如月鬼堂には異様な雰囲気であった。
 如月鬼堂は館山弁護士が着くまでペーの部屋に逃れた。一年半くらい前に珠洲が拾ってきたミニチュワダックスのペーである。
 真性ハードMコースの紹介文は恐ろしい内容であった。
 オプションを加算して一晩で百万になるコースも有る。
 樽常マネージャーが闇風俗に対抗した。一気に高額コースを立ち上げたのである。
 紹介は一人の女性がリンクを何ページも進んで書かれている。
 新たに登録した女社長らは愛好会に出ていない。SM雑誌にも載ってない。その分紹介を強化している。
 ようこそ激ハードSMへ。真性ハードMコースNO3小嶋沙也佳です。
 このM女の先頭ページは小嶋沙也佳が座って微かに下着を覗かせている。
 私小嶋沙也佳が全裸に成ります。剃毛した女の一番恥かしい部分を御見せします。アップで莟みと開いた姿を晒します。
 並べて比較されているのは西岡良乃です。(これは別のリンクに分かれる)
 究極に恥かしいです。でも私は自信が有ります。羞恥に染まる二人の女が全裸を晒します。生の女の部分をとことん見比べてください。
 ここでタブが移る。
 それでは小嶋沙也佳のスカートを捲ります。
 このページはワンピースの立ち姿とスカートを捲った姿である。
 パンチラから披露します。これでも大人の女のパンチラです。
 小嶋沙也佳のこの躰でご主人様に全身奉仕します。クラブの指導で下着はオーソドックスな純白です。自慢の脚を見てください。
 全身奉仕とは沙也佳がこの躰でご主人様に何かして差し上げるのではありません。沙也佳の躰をご主人様の嗜好に提供する事です。
 とことん好きなように弄ってお遊び下さい。
 次のページはパンチラした股間付近がアップになる。密着した下着に股間の形が食い込んでいる。
 その横に縦長に下着姿の全身が掲載されている。
 沙也佳のパンチラをアップでお愉しみください。
 沙也佳は通常のハードしかお受けできません。
 でもタイプの小父様でしたらクラブ嬢としてではなく沙也佳を全部捧げてしまいます。
 全部とは普通の女を差し上げるという意味ではありません。
 沙也佳の何もかもをご奉仕致します。
 小父様からご主人様として要求される総てにお応えして一切NG無しの完全な全身奉仕を捧げます。
 次はブラを捲ったアップになる。
 小ぶりな小嶋沙也佳21歳(当然嘘である。だが三十手前には見える)の恥かしい生乳首でございます。
 この後はいよいよ全裸になって私の本当に恥かしい女の部分を開いて中までお見せいたします。
 次のページは全裸に成る。
 小嶋沙也佳の一糸纏わぬ全裸です。
 掌にようやくふくらみが収まる乳房でございます。
 この躰にご主人様の欲望と現代社会のお高い女性たちへの性的ご不満を開放してください。
 気の済むまで触って弄って隅々までお愉しみいただけます。
 ディープにキスして構いません。
 乳房へのスパンキングもお受けいたします。泣くまでお愉しみ下さい。
 局部へのバラ鞭も血が出ない程度にお愉しみください。
 一本鞭も局部を避けてOKです。蚯蚓腫れ程度は甘受致します。
 私の真っ白な躰にマジックで猥雑な悪戯書きをして下さい。墨でしたら顔にも悪戯書きしてください。
 ドリルバイブで容赦なく責めてください。何回でも昇天させて下さい。
 ご主人様がお買いになられた時間の沙也佳はご主人様の性奴隷でございます。ご存分な辱めをお受けいたします。
 どうぞ沙也佳を雌生人形としてお取り扱いください。
 次は性器のアップになる。(当然海外サーバーを使用している。さらに一般アクセスはできない)
 私の股間に隠れ紅い皮膚に閉じた女の奥の部分でございます。
 今は渇いておりますが沙也佳もご主人様の扱い方で人並みにどろどろに濡れて性汁を流します。
 時には恥かしくも潮を噴きます。いやあまりの気持ち良さにお漏らしもしてしまいます。
 恥かしいお漏らしなどしてしまったら真紅に染まった沙也佳の顔を平手で叩いてください。
 このようなもので恥ずかしゅうございます。
 ご主人様の気の済むまでご存分にお愉しみください。
 この躰に御プライドの高い女性の代わりに日頃の性的ご不満の限りを晴らして下さい。
 それが沙也佳に出来る全身奉仕でございます。
 そんな内容である。
 ポートを載せているのは此処に来ている女性ではない。ポートは既に指名予約の取れない人気女性である。
 この内容にハードの特別オプションを追加する。指名できるのは目線入りで紹介されている女性である。いま此処に来ている内の二名も含んでいる。
 オプションがなければ一夜二十二時から五時まで二十五万で通常の真性M女コースである。
 通常のハードコースに以下が追加になる。
 駿河問い、一本鞭(局部除く)、剃毛、ビンタ、飲尿、ドリルバイブ、大量ピンチ。
 特別オプションが以下の通りと成っている。
 局部鞭二十回。二十五万。
 電流責め。二十五万。
 生物責め。三十万。
 これを全部やっても躰に傷が残るまでは行かない。それならば闇風俗は躰に傷が残る。充分にバランスを合わせたのである。
 「ねえ。沙良さん。子宮摘出のうえ顔焼かれて千八百万だって」
 「それ何処」
 「川口よ」
 「態々大阪から」
 「地元は嫌なのでしょう」
 「でも悲惨。整形いくら掛かるの」
 「整形代はお客が払ったの。でも子宮は」
 「それで何とか店を護ったのね」
 紹介した高田麻友は穏やかではない。
 「その人。私が長野で付いたお客なの」
 「えーー。愛好会の人」
 「そうよ」
 館山弁護士らが着いたので女達の会話はそこで終わりとなった。
 
 五月十二日。
 インターネットアダルト放送のニュース番組である。
 今回からパネルの前は岡田有美と高島波瑠に代わった。そして何と本多椿がメインキャスターである。
 スタジオは如月鬼堂の推薦者で埋められた。
 だが本多椿の読むのはカンペである。立役者が代わっただけで質問内容はこれまで通りらしい。
 本多椿は分厚いガラスの角を丸く三つ折にした机に座っている。机の下は素通しである。
 清楚な紺のリクルートスーツ姿で今は綺麗に膝を揃えて太腿まで見せてスカートの中は見せてない。
 「東京では協力金が遅いから営業を再開した飲食店が続々と出ています」
 岡田有美がワンピースを脱ぎ捨てる。
 「協力金は僅か二割を切っています。この四月分の申請受付が六月です。この遅れを東京都は何とも対策しないのでしょうか」
 高島波瑠も純白のワンピースを脱ぎ捨てる。躰の線にぴったりの白い下着が艶かしさを強調する。
 「鬼堂先生。東京都は審査に時間が掛かると説明していますが。もっと方法はないのでしょうか」
 本多椿は勝手に質問の順番を変えてしまう。
 「方法以前に力を入れてないのです。銀行に委託すれば直ぐにできる話です。どんな業者も銀行取引はあります。銀行はその経営内容を掴んでいます」
 如月鬼堂は取引銀行に申請して銀行が代わりに審査して融資実行のように支給する。銀行は金利を乗せて行政に請求する。
 即審査即実行に成る。書き方も銀行が指導する。
 行政はその後でゆっくり審査する。現実はめくら判になると思われる。
 通らなければ返金になるが倒産した場合は行政が保証人である。
 本多椿は如月鬼堂が話す間にジャケットを脱ぎスカートを脱ぎブラウスも脱ぎ下着姿に成る。
 本多椿は純白の下着ではない。薄いグレーの綿製下着である。だが本多椿の躰にはこれもなかなか良い。
 「どうして行政は力を入れないと思われますか」
 本多椿はカンペを無視して進行する。
 「もとより国も行政も支出したくない部分です。法律作って実質強制なのですから協力金ではなく補償でなければなりません」
 小さい飲食店が廃業、倒産してもワクチンが行き渡れば新たな店やチェーンが開業して経済は一気に復旧する。
 そして財政出動を抑えようとしていると思われる。
 要請、命令で押し潰されて倒産。これは令和の暴挙と言うべきである。
 「オリンピック開催の是非を問う声は日増しに強くなっています」
 次は立川の宅配風俗嬢殺人事件の件であったが本多椿はこれを飛ばす。
 「分科会の会長はオリンピック開催の危険を強く提言されました」
 岡田有美がピンクのブラを取る。
 「オリンピック延期または中止の意見が七割を超えています。私共の視聴者アンケートでは九割に迫りました」
 高島波瑠も純白のブラを外す。綺麗な胸である。
 「先生。オリンピックはこれでも開催されるのでしょうか」
 本多椿もスポーツインナーのようなブラを脱ぐ。
 「どうでも開催と言う意思で三者が一致しています」
 「開催すればどう成りますか」
 「それなりに非難される結果にはなるでしょう」
 「選挙が控えていますが政権交代になりますか」
 「それはないでしょう。議席をやや落として最悪でも菅原内閣退陣で済むでしょう」
 「そんなに民事党に人気が有るのでしょうか」
 「ないでしょう。大方が冷ややかです。投票する人は過去の政権交代時の国民党政権に比べればこれでもまだましと言うところです」
 「失業者がまだまだ増えています」
 本多椿は次も話題をコントロールする。
 「あちこちで炊き出しの光景も見られます。何も対策はないのでしょうか」
 岡田有美が股間を片手で押えてショーツを腰から抜き取る。
 「財政支援はないのでしょうか。もう給付金は出ないのでしょうか」
 高島波瑠もショーツを脱いで全裸に成る。
 「先生。炊き出しなどに頼らない政策はできないのでしょうか」
 本多椿のペースで番組進行は続く。
 「もとよりホームレスに対策しない国です。少数の国内難民は生活保護以外対策しません」
 「生活保護があって何故ホームレスに成るのでしょう」
 「日本の生活保護は住所がないと受けられない制度です」
 「給付金はもう支給されませんか」
 「されないでしょう。十万を全国民に配ったのは明らかに失敗です。助かった人も居ますが大方が泡銭になっていました」
 「それでは最初の案で所得制限付三十万が良かったのでしょうか」
 「どっちも間違いです。あの制限では見当違いです」
 如月鬼堂は次のように続けた。
 コロナで職を失った人。失業中で職がない人。コロナで経営難のところにピンポイントで支給するべきである。
 福祉協議会の貸付は上手く行っていた。あれを支給にすべきであった。
 さらに休業要請の補償をきちんとすべきであったと付け加えた。
 本多椿は如月鬼堂の気持ちを読むように進めて行く。
 本多椿のメインキャスター登用に視聴者は絶賛する。スタッフはあまりの高評価に驚くが異常に評判は良い。
 
 六月十三日。
 如月鬼堂は九時前に越後湯沢に帰り着いた。
 本日は樽常マネージャを呼んでいる。SMに闇風俗が拡大する現状に憂慮してその対策会議である。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「パパ。樽常マネージャー。どうしてもショーに出して欲しい女性を二人お連れなの」
 「コロナで経営難の社長か」
 「そのようよ」
 「四人を呼ばないと」
 「連絡したよ。メールで」
 珠洲はちゃんとやったよと胸を張っている。
 「ありがとう」
 「入会申し込みが凄いよ。もう人を雇わないと」
 「入会後の連絡だけやって入会受付を館山先生の事務所に人を入れてもらうか」
 「審査を任せてしまうの」
 「それしかないだろ。常駐で人をマンションに入れるのは」
 「そうだよね。パパを刺激できないものね」
 「おいおい」
 「パパを刺激しないと仕事が進まないでしょう」
 珠洲は自分ら儀姉妹が奇抜な格好で刺激しないと如月鬼堂の仕事が進まないと言い切る。
 「うーーん」
 如月鬼堂は苦笑いだが否定はしない。仕事の進捗にはブレーキだがそれがなくなるとかなり寂しい。
 待っていた一人は高田麻友である。あと一人も南七香の集団訴訟に乗ったカラオケパブチェーンの経営者増田枝理奈。
 高田麻友は一度愛好会の審査で断られている。
 「先生の方で何とかお願いできませんか」
 樽常マネージャーは二人の事情を説明した。
 「俺の判断はあくまでノーだよ。ずっとSM嬢に続ける女性意外は不要だ。五人で多数決だ。大河内先生らから三人OKなら五対二だ」
 如月鬼堂は審査をする意思がないという意思表示をしている。
 館山弁護士、福富麻次郎、杉下一行とテレビ会議が繋がった。大河内税理士は珠洲と瀬里菜が迎えに行って三十分後に着いた。
 大河内税理士が二人の何れかにも手を出すことは絶対にない。それでも二人とも大河内税理士と二人きりに成る事は嫌なのである。
 「お二人の躰を見られますか」
 樽常マネージャーは実物を見てもらえばと望みを掛ける。
 「それには及びません。クラブのスチールだけで充分です」
 「そうですか」
 樽常マネージャーはやはり駄目と落胆する。
 「他の先生方は如何ですか」
 大河内税理士はテレビ会議の三名に確認する。
 「大河内先生の仰る通りです。クラブのお客さんとか他ではOKだと思います。愛好会の基準には該当しません」
 福富麻次郎は風俗チェーンオーナー。自分のチェーンなら充分OKだが愛好会の基準ではNGである。
 「そうです。会員は我々の審査を信じて会費を払います。審査基準は崩せません」
 杉下一行も同意する。
 「クラブの指名で稼いでもらうしかありません」
 館山弁護士である。
 四人一致でNGと成った。
 高田麻友はまだ等分四人から得た金で行かれる。これ以上緊急事態や蔓延防止が続けば次の金を作らなければ成らない。
 増田枝理奈は高田麻友に闇風俗を紹介してもらうことに成った。
 
 五月十四日。
 南七香と市川沙耶香は如月鬼堂のマンションを訪れた。
 市川沙耶香は高田麻友の川口の旅館での事を説明した。
 問題は四人の人物。心付けに二百万をくれたこと。一人医者が居たこと。本来六人の予約だったが四人で来た。
 続いて南七香が通販サイトのオーナーの話をする。
 愛好会の会員でクラブでは自分がプレイした。川口では南野沙良が子宮と顔を焼かれて一千八百万。整形代は払ったなどの内容を説明した。
 「会員が其処に行って公に成ると困るな」
 館山弁護士も呼ばれていま着いた。
 「以前と金額や規定が変わったね」
 「川口の会長のアドバイスで改善されたのです」
 南七香がきっぱり答える。
 「改善したがまだ不完全だったな。子宮を焼かれた追加は交渉だろ。嫌と突っぱねられたら取れないな」
 如月鬼堂は盲点を指摘する。
 「そうなのです」
 「通販サイトのオーナーの名前は」
 「分かりません。クラブには通称でと言うことでした」
 「旅館の女将は知っていても言わないでしょう」
 館山弁護士も状況を察している。
 「通販サイトの経営者は会員に二人しか居ません」
 瀬里菜が調べて報告する。
 「問題はその通りかです。社名で登録していて通販サイトもあるなどのパターンも有ります」
 館山弁護士は簡単に分からないと見ている。
 「南さんがプレイルームであったのはいつです」
 「あれは。此処で館山先生らと打ち合わせした日の前夜。五月六日です」
 「五月六日の長野のプレイルームの利用者を調べて」
 如月鬼堂は瀬里菜に要求する。
 「駄目です。樽常氏が予約しています」
 「私が樽常氏に交渉します」
 「館山先生。それでどうします」
 「取り敢えず本人に会います。どうすべきかはそれから相談します」
 館山弁護士は樽常マネージャーの真性M女性の館に向かった。
 
 五月十四日夜。
 川口の営業してない旅館である。
 増田枝理奈は客を待っていた。
 来たのは通販サイトのオーナーである。
 南七香から情報を貰った人物と理解した。
 「躰を見せてくれ」
 通販サイトのオーナーは帯封した百万の束を三つ手にしている。
 増田枝理奈は立ってブラウスを脱ぎスカートを脚から抜き取る。
 下着姿でほぼスタイルは判る。
 「ブラも取って」
 NGだったらただでそこまで見られてしまう。躊躇うが取るしかない。ブラを抜き取る。
 「手を下ろして」
 従うしかない。
 「まあいいだろう条件は承知しているな。女将から納得済みと確認はしているが」
 「はい」
 通販サイトのオーナーは三百万をテーブルに置いて押しやる。
 増田枝理奈はそれを鞄に仕舞う。
 「どの様なことをされますか」
 増田枝理奈は不安を真っ先に口に出す。
 「成り行きだ。結果次第で追加してやる」
 「あの。子宮を焼いたりはないですよね」
 「あるよ。その分は追加する」
 通販サイトのオーナーはまったく動じない。
 「お願いします。それだけは許して下さい」
 「駄目だ」
 「えーーーー」
 増田枝理奈は悲痛な表情でうろたえる。
 「あんた三十五だろ。見た目若いが。諦めろ」
 「そんな」
 増田枝理奈は追い詰められてどうにも成らない。
 「それじゃそれに代わる何を犠牲にする。あんた三百万受け取っているのだ。それだけで子宮焼いても規約の範囲だ。それを上乗せするのだよ」
 「ああ」
 増田枝理奈は反論できないが首を振る。
 「整形で治る範囲では」
 「それじゃ高い金は出せんよ。何か泣いてくれないと」
 「えーーー」
 増田枝理奈は溜息と落胆の声を出す。
 「止めて帰るか。車代に五万だけ出す。さっきの金返してくれ」
 通販サイトのオーナーは突っぱねて立ち上がる。
 そこへ女将が入って来る。
 「貴女。私、説明したわね」
 「はい」
 「このお客さんキャンセルしたら。もう紹介できませんよ。例え紹介しても直ぐには間に合いません」
 女将の言葉は厳しいが今の増田枝理奈の事情にはこの通販サイトのオーナーを帰せばもう手段がない。
 「お願いします。何とか整形で治る範囲で」
 増田枝理奈は畳に手を着いて頭もこすり付ける。ショーツ一枚のトップレス姿の土下座である。
 乳房はそれなりの大きさが有る。弾力があって容は良い。揃えて座った太腿がやや肉を着けている。
 厳しい愛好会の審査はこれでNGである。
 「それは駄目と確認したでしょう。私と」
 「それじゃクリトリス焼かせろ。見た目は治る。感度は戻らない。あと乳房と顔と太腿だ。それで一千万追加でどうだ」
 通販サイトのオーナーは新たに条件を出す。
 「どうなの」
 女将も強い口調で確認する。
 「・・・」
 増田枝理奈はもじもじしたまま何も言えない。
 「樽常マネージャーのところでハード真性Mコース週二回でも一月で一千万くらいには成るぞ」
 ハード真性Mコースでは局部鞭二十回で二十五万である。これだけでも週二回は堪えられない。
 電流責め二十五万。生物責めで三十万。それに基本の真性Mを入れて手取りがようやく百万に成る。
 だが全員が満額で十人である。一ヶ月では難しい。
 「判りました。二つ目の条件で」
 増田枝理奈は断腸の思いで承諾する。
 集団訴訟に参加しても会社が維持できなければ終わりになってしまう。至急に金が必要である。
 通販サイトのオーナーはアタッシュケースから一千万出してテーブルに五百万の山を二つ置く。
 「いいな」
 通販サイトのオーナーはそれを増田枝理奈の前に押しやる。
 増田枝理奈は全身震えながらバックに仕舞う。
 通販サイトのオーナーは増田枝理奈が抵抗したことで加虐心をさらに沸騰させた。
 増田枝理奈の両方の腋を持って柱に立たせる。手首を縛って天井のフックに引っ掛けて爪先立ちまで引っ張り上げる。
 「・・・・」
 通販サイトのオーナーはショーツに手を掛けて引き下ろす。
 「あーーーーーーー」
 股間の部分を表にして顔の前に翳す。
 「いやあーーーーーーーー」
 こうされることは南七香から聞いていた。それでも堪らない恥ずかしさが去来する。
 『過剰に反応しないこと』
 南七香はそう言っていた。
 通販サイトのオーナーは鞭を物色する。この女はいままで以上にハードにしたい。
 先端まで細く編んだ一本鞭を持つ。少し考えてそれを置く。細く撓る竹の棒の鞭を取る。
 白く肌理の細かい皮膚がなだらかな膨らみを盛り上げている。柔らかそうで弾力も有る。
 乳輪は小さい。小さな乳首が薄紅色に突起している。
 白い膨らみとややボリュームのある太腿を蚯蚓腫れだらけにしたい。
 増田枝理奈はこれでも最悪は制御した。子宮は護ったのである。
 女将は通販サイトのオーナーがキャンセルして帰るのを止める為に割って入ってくれた。
 残酷な男だがこいつから金を得るしかない。
 通販サイトのオーナーは加虐心を滾らせて鞭を振り被る。
 太腿を二本揃えて細い先端で叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瞬間に蚯蚓腫れが浮く。
 直ぐにそれが真っ赤に成る。
 さらに叩く。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーー。う、ううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 通販サイトのオーナーは増田枝理奈の太腿に蚯蚓腫れでメモリを刻むように叩いて行く。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は腰を引くように縄にぶら下がって躰を震撼させる。
 太腿を蚯蚓腫れにしたらドテを叩く。
 「ぐうーーーーーーー」
 通販サイトのオーナーは剃毛を忘れていたことに気付く。
 蝋燭に点火する。
 金属の櫛で増田枝理奈の陰毛を掬うように差し込む。
 櫛で掴んだ陰毛を蝋燭の炎で焼く。
 「あーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 増田枝理奈は強烈に悲鳴を上げる。それほど熱くはない。炎の恐怖に悲鳴を上げている。
 それでも許さない。櫛で持上げては蝋燭の炎で溶かすように焼く。
 「うーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーー」
 どんどん焼く。
 「う、ううーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 増田枝理奈は恐怖の表情で顔を振って泣き悲鳴を上げる。
 途中で左脚を膝と脚首で縛って離れたフックに引っ掛けて引っ張る。股間が開いたので隠れていた陰毛を焼く。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーー」
 続けて部分的に持上げて焼く。
 「う、ううーーー。あはあーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三回くらいで全部チリチリに成る。
 それにローションを掛けて一枚刃で剃ってしまう。
 増田枝理奈は神経質に怖がった表情でそれを見下ろしている。
 剃り終わると湯で濡らして絞ったタオルで拭く。
 左脚を吊るしたまま大陰唇を叩く。粘膜の部分はこのあとのお愉しみである。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大陰唇が真っ赤に成るまで何本も叩く。
 「うぐおおーーーーーーーーーーーーー。うう、ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにドテに×の字を刻む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 ドテを叩くにはかなり力が入っている。
 くっきり蚯蚓腫れが真っ赤に浮かぶ。増田枝理奈のその姿はさらに通販サイトのオーナーを興奮させる。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 増田枝理奈は痛みに躰を震えさせ藻掻き続ける。
 それでもまだクリトリスと閉じ合わせた粘膜は叩いてない。
 次は乳房に十文字の痕を付けたい。
 通販サイトのオーナーは増田枝理奈の左脚の吊るしを降ろす。それでも増田枝理奈は爪先立ちの苦しさである。
 苦しさに配慮したわけではない。乳房にくっきり綺麗に痕を付けたい。叩きやすい位置に整えたのである。
 縦横に十文字の痕を付けたい。
 片方ずつ乳首の下を薙ぐ。
 「う、ううーーーーーーーん。おーーーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は縄にぶら下がって躰を強烈に揺すって藻掻く。
 弾力が有って胸いっぱいの乳房である。へしゃげるように真横に片方の乳房に鞭を叩き込んでいる。
 次は縦である。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は通販サイトのオーナーが構えた鞭に悲鳴を上げる。
 「動くな。首筋に入ると危険だ」
 通販サイトのオーナーは強い口調で叱咤する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 増田枝理奈は恐怖に縮み上がった泣き顔で身構える。
 通販サイトのオーナーはぶった切るように乳房に縦一文字を叩き込む。
 「うぐうーーーーーーーー。うぐうぐうーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は躰を固くして涙を溢れさせる。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いーーーーーーーーたいーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーん」
 今度は右の乳房を横に薙ぐ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 こっちも濃い痕に成る。
 増田枝理奈は痛みに躰を固くして揺する。涙は溢れ流れ落ちる。
 「あはあーー。あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ」
 増田枝理奈は藻掻き荒い息遣いで躰を震撼させる。
 緊急事態と自粛の一年三ヶ月。億の手前まで有った預金を使い切ってしまった。協力金などまったく焼け石に水である。
 全店舗休業しかなかった。内装に金が掛かっている。手放すことはできない。女の子は解雇したが男子従業員は六割補償で維持している。
 恐ろしい痛みである。こんな惨めな姿に成って事業を救わなければ成らない。これ以上の地獄はない。
 今がどん底。元の姿に戻る。必ず立ち上がると自分に言い聞かせる。
 通販サイトのオーナーは次の鞭を構える。
 「・・・・・・・・・・・・・」
 増田枝理奈は顔を逸らせて震える躰を身構える。
 通販サイトのオーナーは力の限り乳房を叩き割るように振り下ろす。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は躰を固くして痛みに悶える。
 顔が動くのでやや斜めに成ってしまった。十文字にはややずれている。くっきり付いた真っ赤な蚯蚓腫れは性的加虐心を沸騰させる。
 増田枝理奈は苦しみ悶え涙を流している。だがまだ失禁してない。鞭の仕上げは性器を叩く。
 その先も残酷ハードな計画をしている。
 もう一度左の膝から脚首に掛けてあった縄を引っ張って先程のフックに通す。また左脚を引っ張って股間を斜めに広げる。
 「え、えーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は泣き顔で通販サイトのオーナーを見る。
 通販サイトのオーナーはアンダーに鞭を構える。
 「えーーーーーーーーーーー。なにをするのーーーーー」
 増田枝理奈は泣き声で抗議姿勢である。
 「ま○○こを叩くのだよ」
 「あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーん。むりーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「うごくなーーーーーーーーーーー」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 通販サイトのオーナーはアンダーから強い力で増田枝理奈の閉じ合わせた粘膜を叩き割る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーー」
 甲高い悲鳴から搾り出す悲鳴に成る。
 閉じ合わせた二枚貝を押し開けるように叩いている。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに藻掻く悲鳴はなかなか治まらない。そして失禁した。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーー」
 通販サイトのオーナーは満足に浸る。
 脚の吊るしを降ろす。次に天井から吊るした手首を緩める。増田枝理奈はそのまま倒れ掛かる。
 通販サイトのオーナーはその躰を肩で受け取る。一度静かに畳に寝かせる。
 縄を完全に解いて抱き上げて湯に向かう。
 タイルに寝かせて服を脱ぐ。
 もう一度増田枝理奈の肩と膝を下から抱かかえて湯に入る。丁度良い暖かさである。この痛みにはやや温めの湯が効く。
 旅館の大きな浴槽だが女将に温度の調整を頼んで置いた。
 増田枝理奈はやや安堵の表情に成る。
 通販サイトのオーナーは増田枝理奈に浴槽の淵に手を着かせてバックで挿入する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 了解の範囲である。悲鳴は上げたが文句は言えない。
 通販サイトのオーナーは興奮し過ぎた情液を増田枝理奈の女の中に破棄する。
 「三十分くらい時間をやる。痛みを湯で調整して出て来い」
 そう言い置いて先に湯から出る。
 用意されていた仕出し料理でビールを飲む。
 増田枝理奈はぽろぽろ涙を溢しながら湯に躰を浸けて痛みを癒す。膣の中を入念に洗う。
 入れられたときは悔しさに涙が溢れ出た。
 まだ恐ろしい事が沢山待っている。
 顔とクリトリスと乳房と太腿を焼かれる。この蚯蚓腫れの上から焼かれる。焼く時点では医師が待機してくれる約束である。
 女将が手配しますと言っていた。
 失禁してしまうとは思ってなかった。恐ろしい拷問だと思う。良く考えればここまでなら真性M女性の館のハードコースの内容である。
 こんな事を週に二回も堪えられるはずはない。
 それもここまででは五十万にしか成らない。それでも他の風俗よりは格段に高い。
 このまま今夜がどう終わるのか。立てないだけでは済まないと思う。麻酔を打たれて目が覚めたら日付が過ぎていて病院の中かもしれない。
 恐らくその医師の個人病院なのだろう。
 
 館山弁護士は樽常マネージャーに迫って通販サイトのオーナーの正体を突き止めた。
 アダルトアイテムや動画、DVD等の通信販売のオーナーで胡浜次郎と言うらしい。大河内税理士の直接紹介であった。
 杉下一行とも取引がある。杉下一行の同業らしい。
 由々しき状況だが館山弁護士はその管理を大河内税理士と杉下一行に任せられる。
 問題は胡浜次郎の紹介会員がかなり多いことである。
 そして胡浜次郎に川口の旅館を誰が紹介したかが問題となる。これが大庭信一朗の可能性が高い。
 田中仁の可能性もある。そして田中仁を紹介したのは胡浜次郎である。
 館山弁護士は以上を如月鬼堂に報告した。
 
 増田枝理奈はバスタオルで躰を拭いて戻る。バスタオルを巻いた胸が震えて心臓が強い鼓動を打っている。
 通販サイトのオーナーは南野沙良のときと同じ様にグラスにビールを注いで増田枝理奈に渡す。
 増田枝理奈はそれを美味そうに飲む。
 通信販売のオーナー胡浜次郎はもう一杯注いでやる。
 渇きはアルコールでは本来癒されないが当面の渇きには飲みたくなる。
 胡浜次郎は電流責めの準備をしていた。
 増田枝理奈は用意されているクリップに慄いている。
 そのプレイ内容の恐ろしさをを複数の女性から幾種類かのパターンで聞いている。
 胡浜次郎は増田枝理奈の躰に巻いたタオルを取る。そのまま腋に下から手を入れて持上げて柱に立たせる。
 手始めにビンタする。
 「ぐうーー」
 増田枝理奈は辛い表情で胡浜次郎を見る。
 数発叩く。
 「うおー。ぐおー。ぐおー。おーー。ううーー」
 直ぐに増田枝理奈の目から涙が溢れる。胡浜次郎に増田枝理奈は屈辱が強い顔を叩いて泣かせて溜飲が下がる女である。
 手首を縛って天井のフックから吊るす。
 今度は踵が着く段階で止める。
 胡浜次郎はクリップと細い銅線を手にする。大庭信一朗とまったく同じやり方である。
 大庭信一朗に教えたのは寧ろ胡浜次郎であった。
 さすがにピンチの代わりにクリップを使うので先端が十五ミリの小さいものにしている。
 それでも鋏まれただけでピンチより数段痛い。
 二系統で乳房の上部から乳首、乳房の下部、五センチ置きに臍の両側を下がってきて剃毛したドテで二系統が近くに寄る。
 脚を開かせて女の部分のびらびらを片側だけで三個鋏む。痛みに増田枝理奈は泣き悲鳴を上げた。
 胡浜次郎はまったく動じない。
 太腿も膝まで鋏む。
 二系統鋏み終わるとクリップの三角に折られた鉄板に凧糸を巻いてクリップ同士を繋いでゆく。
 一気に引っ張り飛ばす究極の拷問の準備である。
 増田枝理奈はこのプレイの恐ろしさを今とまったく同じパターンで受けた市川沙也香から聞かされていた。
 市川沙也香はその恐ろしさに涙を溢して話していた。
 銅線はトランスに繋ぐ。
 鋏まれているだけで相当に痛い。それに電流が流れるのである。
 増田枝理奈は表情を引き攣らせている。
 「いくぞ」
 胡浜次郎はスイッチに手を掛ける。
 「あーーああ」
 増田枝理奈は恐怖に震える。
 まず右側だけ流す。
 「あーーーーーーーーあはあはーーーーーーーーーああはあーーーーーーーーーーーああーーーーーーーああーーーーーーーーああーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は躰を小刻みに震撼させ顔を振って悲鳴を鳴らす。
 「あ、ああーーーーーーーーーーああーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 増田枝理奈はの全身に力が入ってその躰が強く振るえている。
 胡浜次郎は適度にスイッチを切って左右交互に電流を流した。
 五回目に両方一気に流す。
 「あーーーーーがあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーー」
 増田枝理奈の小刻みな震えがさらに強くなる。次の瞬間失禁した。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎は直ぐに電流を止める。そして増田枝理奈の震えながら止まらない失禁尿を眺めて満足に浸った。
 モップを三本くらい持って来て畳に溜った濡れを拭き取る。
 次はこのプレイのクライマックスである。クリップを繋いだ凧糸を引っ張って驚愕の悲鳴を愉しみたい。
 胡浜次郎は一瞬二時間待って如月鬼堂のやり方で繋いだクリップを飛ばしたらどんな状況になるかと考えた。
 だが考え直した。そこでどうにも成らなくなって医者の処置になったら今夜はクリトリスを焼けない。
 それでは一千三百万を普通のハードでくれてやる事になってしまう。
 胡浜次郎は二系統の凧糸を上と下の先端を四つ纏めて掴む。
 「行くよ」
 胡浜次郎の表情は残酷さの極地が滲み出ている。
 「あーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は恐怖に縮み上がる悲鳴を漏らす。
 胡浜次郎は体重を掛けて一気に引っ張る。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は狂ったように喚き散らす。
 胡浜次郎が手首の縄を外すとそのまま畳に倒れこむ。
 「あはあーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 増田枝理奈は畳に倒れたまま荒い息遣いが止まらず痛みに藻掻く。壮絶な苦しみようである。
 増田枝理奈は藻掻きながらまた僅かに失禁した。
 さらにあまりの痛みに緊張感の麻痺した躰から制御できずにガスも漏らしてしまった。
 「三十路女がちびっておならもサービスか」
 胡浜次郎は待っていたとばかり詰って愉しむ。
 この程度プロのSM嬢なら殆ど反応はない。それなりに言葉を返してきて終わってしまう。
 増田枝理奈にはあってはならない恥のどん底である。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。こんなひどいことしてーーーー。ああん」
 ヒステリックに泣き叫ぶ増田枝理奈の躰はクリップに抓まれた無残な痕だらけである。
 その一部は皮膚が剥けて僅かに血が滲んでいる。
 増田枝理奈は躰を伏せたまま暫く泣き続けた。
 胡浜次郎は伏せている増田枝理奈の躰を仰向けに反す。
 「え、えーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は堪えられずヒステリックに訴える。
 「お前の蚯蚓腫れとクリップの痕に蝋燭を落とすのだよ」
 胡浜次郎は舌なめずりする表情である。
 「え、えーーーーーーー。すこしまってーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈はさらにヒステリックになり悲鳴のように訴える。
 「今やらなければ効果が薄い。こんなので音を上げるな。ここまでじゃ樽常のクラブじゃ七十五万だ」
 「あ、ああーーーーー」
 増田枝理奈は何度も女将から説明された。高田麻友からも聞いている。樽常マネージャーから言い渡された通りである。
 一千二百万強の責めがこの先待っている。ここまででも一千二百万で安い気がする。だが他に払ってくれる者も居ない。
 融資も限界まで借りている。ここで事業を繋げなければ破産しかない。銀行だけなら破産で済む。
 だが既に増田枝理奈の状況はそうではない。
 一部の街金には既に破産宣告をしても返済すると別途覚書に記載されている。
 事業を繋げなければ風俗で働いて借金を返すことになる。破産してもう一度立ち上がるのは非常に難しい。
 いま耐えなければ成らない。
 何としてもバックに入った一千三百万は持ち帰る。
 国と東京都から理不尽な緊急事態宣言と蔓延防止で追い詰められた金を此処で作るしかないのである。
 胡浜次郎は蝋燭の芯の周りが溶けるのを待っている。
 竿を持って来る。
 増田枝理奈の腕を左右に広げる。持って来た竿を首の下に通して手首と二の腕を竿に縛る。
 さらに膝と脚首を揃えてそれぞれ縄で縛り合わせる。
 これで増田枝理奈は躰のフロント面を逃がすことができない。蝋涙に躰を晒すことになる。
 胡浜次郎は三本立てて点火した蝋燭の一本を取る。蝋涙は芯の回りに溶けている。
 それを太腿のクリップに鋏まれていた痕を辿るように流す。
 「あーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は目をきつく瞑って顔を軋ませ頭を後ろに反らし大口を破裂させて甲高い悲鳴を上げる。
 胡浜次郎は容赦なくクリップの痕を手繰って流してゆく。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈はどこまでも甲高い悲鳴を上げながら反射的に動く限り逃れようと躰を捩り左に右に傾ける。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあはあーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は悲鳴を上げながらどこまでも躰を縛られたまま動く限り暴れさせる。
 縛り合わされた膝を折って伸ばして脚首を右に左に動かし藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーはあん。あーーーーーーーーーはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎は増田枝理奈の悲鳴を聞けば聞くほど残酷さに滾る。
 乳房を何本も鞭で横に薙いで蚯蚓腫れが無残に紅くなった辺りを狙う。芯の周りに溶けて溜った一本分の蝋涙を流す。
 乳房にべちゃり溶けた蝋涙が被る。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ、あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 増田枝理奈は表情を破裂させてさらに強烈に甲高い悲鳴を迸らせる。
 「あーーーーーーーあはん。あはん。あはん」
 増田枝理奈はさらに涙を溢れさせている。
 胡浜次郎は増田枝理奈の悲鳴に満足して蝋燭を消す。
 そのまま増田枝理奈の縛りを解かないで背中と膝の裏で持上げて風呂場のタイルの上に運ぶ。
 「口を開け」
 胡浜次郎は開口器を持っている。
 増田枝理奈はそれが口のに入れば何をされるかもう分かっている。高田麻友や南七香から聞いている。
 胡浜次郎はどうしてもこれをやらないと満足しない。
 増田枝理奈は躊躇いながら緩く口を開く。
 胡浜次郎は顎を押えて開口器を一気に押し込む。螺子を回して口を大きく広げる。
 胡浜次郎は立って増田枝理奈の腕を縛った竹竿を足で踏んでペニスを社会の窓から出す。
 顔を狙う。
 「う、ううーー」
 増田枝理奈は目をきつく瞑って顔を躱しながら追う様に掛かってくる臭い小水に堪える。
 胡浜次郎は増田枝理奈の顔を小水で洗って口に強い勢いで注ぎ込む。
 ゴボーーーーー。ゴボーーーーーーー。グボーーーーーーーー。
 小水は増田枝理奈の口から溢れて流れ出る。
 グオホーーーーーーーーーーーーーーーーーン。
 開口器は口から外れて落ちる。
 グオーーーーーーーーーーーーーン。
 増田枝理奈は堪えられず縛り合わされた膝を蹴り上げる。
 竿を踏んでいた胡浜次郎の足の押さえが外れた。
 増田枝理奈は一気に上体を起こす。堪える限界を超えてどうにも成らない口の尿を強く吐き出す。
 グオフォオーーーーーーーン。グホン。グホン。
 強烈に咳き込む。
 「三十分やる洗って来い」
 片手だけ戒めを解いてやる。
 胡浜次郎もここは諦め気味である。本来押え付けて飲ませたいがどうやら無理であった。
 部屋に戻って料理を抓んで飲み続ける。
 最初から増田枝理奈が抵抗するので胡浜次郎は虐め心を滾らせている。躰に永久的な損傷無しで高い金を得ようとしていた。
 うまくやればと言う気持ちが働いていたに違いない。
 胡浜次郎は飲みながら最後の処刑についてやり方を検討する。何としても心と躰に生涯レベルの傷を残したい。
 今日は十字の焼き鏝を使う。これを二本用意している。クリトリスのみ半田鏝を使う。
 焼き鏝を強化してきて良かったと思う。
 増田枝理奈は風呂場のタイルの上で苦戦して全部の縄を解いた。
 何回も口を濯ぐ。何処までも不快感が去らない。湯に入って中で蝋涙を落としながら躰の痛みを癒す。
 これから躰を焼かれる。増田枝理奈は全身がそわそわと恐怖に包まれて落ち着かない。
 
 館山弁護士の連絡で大河内税理士と杉下一行は深夜三名でテレビ会議を続けていた。
 「どうでも胡浜に辞めて貰わないと」
 大河内税理士は当惑している。
 「やめてもな」
 杉下一行はやめても居たと言う事実が既に問題と考えている。
 「除名か」
 「そうだが。胡浜にどう穏便に除名を呑ませてこの先こっちに関わらせないかだ」
 「だが仕事の取引が残らないか」
 「除名にさえしておけば後は問題ないのじゃないか」
 「それしかないな。取引や樽常のクラブはそのままか」
 「そうだ。問題はどうやって説得するかだ」
 「三人で行こう」
 「そうだな」
 とにかく明日説得に向かうことで三名は一致した。
 
 胡浜次郎は風呂から出て来た増田枝理奈をもう一度縛る。手首を縛り合わせて柱に埋め込んだフックに引っ掛けて引っ張る。
 膝と脚首を縛って反対側の柱に引っ張る。
 増田枝理奈の躰は畳に仰向けに縦一文字に固定された。
 既に焼き鏝二本と半田鏝は熱くなっている。
 医者は次の間に待機している。麻酔の準備もできている。
 胡浜次郎は先端が十文字の焼き鏝二本を持つ。
 増田枝理奈の右脚の太腿を踏んづける。二本の焼き鏝で左脚の太腿とドテを一気に焼く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 増田枝理奈は般若の形相を破裂させて悲鳴を上げる。
 胡浜次郎は続いて額を踏み付けて顔が動くのを押えて頬と左の乳房を一気に焼く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 一箇所ずつじっくり焼きたいがもたもたすると途中で続行不可能になる。
 最後に泣き喚く増田枝理奈のクリトリスを剥いて半田鏝の先で焼く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 増田枝理奈は痛みに躰を揺すって藻掻き続ける。
 胡浜次郎はその号泣状態を至福に浸る間もなく医者を呼ぶ。医者は麻酔を掛けて応急処置をする。
 増田枝理奈をストレチャーに乗せて運び出す。用意した移動用の車両にストレチャーごと乗せる。
 胡浜次郎は費用を女将に伝えてくれたら女の名前で振り込む約束をする。
 「今回はかなり高くなりますよ」
 処置範囲が多いのである。
 胡浜次郎はそれを承諾した。
 
 六月二十日。
 埼玉県鶴ヶ島市。胡浜次郎の自宅である。家族は居ない豪邸に一人暮らしである。
 館山弁護士らはようやく約束を取り付けて大河内税理士と杉下一行の三名で来訪した。
 「確かに闇風俗で遊んだ。二人の女を躰に傷を付けて治療費と整形手術費を払った」
 胡浜次郎は三名からの連絡にそれほど悪びれてない。
 「これが表に成って警察権が発令した場合どうなると思う」
 大河内税理士が咎める。
 「俺は違法じゃないよ。逮捕もされないよ。合意だからね。傷害罪にはならない」
 「愛好会の会員がやってはね」
 「そんな大きな話になるか。例え報道されても僅かでそれ以上一般人の客までマスコミが調べるかな」
 胡浜次郎は客が逮捕される話ではない。マスコミも客まで調べるほど大きな事件にはならないと言いたい。
 「確かに多くの客が来るわけではない。休業中の旅館で広告も出してない。僅かな口コミだけだ」
 「そうだろ」
 「問題は貴方をあの旅館に誰が紹介した」
 悠々としている胡浜次郎に館山弁護士が核心を突こうとする。
 「一月以上前だな。俺が会に紹介した田中仁だ。あいつが紹介した会員が俺にあの川口の旅館の女将を紹介したのだ」
 「大庭信一朗だな」
 大河内税理士が断定する。
 「そうだよ。それが」
 胡浜次郎はまだそれがどうしたと言う態度である。
 「確信はないのだがな。問題はその大庭信一朗だが。私は連続拉致強姦傷害事件のグループの一人ではないかと疑っている」
 「ほう」
 胡浜次郎は館山弁護士の言葉に怪訝な表情に成る。
 「万一。そうだった場合で。彼らが逮捕されたらこの件も表に成る」
 大河内税理士がさらに突っ込む。
 「警察の捜査より煩い週刊誌やマスコミが調べるな」
 胡浜次郎もそれなりに事態を悟る。
 「高田麻友という女がその前に同じ旅館で四人とプレイしている」
 「南とか言う女社長と集団訴訟に出た一人か」
 「そうだ。その時の四人の一人が医者だった」
 「うーーん。可能性が無いとは言えないがな」
 「そうでなくても闇風俗で躰を焼く。大金払っても報道に乗ったら終わりだよ。貴方の事業もやばいよ」
 杉下一行がさらに主張する。
 「止めたくはないがな。俺が自分から会を辞めれば問題ないか」
 「除名を飲んでもらうしかない」
 大河内税理士が宣告する。
 「いいよ。今更あの旅館の遊びを止めても同じだろ」
 「そうだ」
 「杉下。そっちとの取引はどうなる」
 「それは問題ない」
 「樽常のクラブは」
 「それは樽常マネージャー次第だ」
 「判った。それに従うよ」
 胡浜次郎は引き下がった。
 
 翌日。六月二十一日。越後湯沢如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、大河内税理士、杉下一行が報告した。
 「除名を呑んだのだな」
 如月鬼堂の苦い表情は変わらない。
 「そうです」
 「それでも連続拉致強姦傷害事件の六人が永久に逮捕されないことを願うしかないな」
 どうやってもリスクを完全に消し去ることはできない。
 誰が悪い訳ではない。少しずつ何人かがいけない。だがこの六人が川口で遊ばなければ問題はなかったのである。
 集団訴訟を起こしている面々の中に川口の旅館で金を作った者も居る。こっちも愛好会の周辺である。
 愛好会のショーに出た者と辛うじて重複しない。
 「ところで先生。高島波瑠で三会場回りましたが次の候補が現れませんか」
 大河内税理士はこっちも気になっている。
 「樽常氏次第だな」
 如月鬼堂は多少空いても良い考えである。
 「来島結奈と椋木美弥あたりをもう一度どうでしょうね」
 杉下一行は椋木美弥が気に入っている。
 「南七香さん。まだ金が必要なようで」
 大河内税理士が切り出す。
 館山弁護士も杉下一行反対はしない。
 「三人が賛成なら進めればよい」
 如月鬼堂は任せる姿勢である。
 
 六月二十七日。
 川口の会長と葬儀会社の社長は生駒に向かった。
 横山深雪は六百万では足りなかった。既に千五百万を充てにして来ている。
 コロナの移動自粛が終わっても回復は今年の暮れと見なければならない。
 何としても老舗旅館を護りたい。
 横山深雪は和服姿で待っていた。
 仕出し屋から二人分の料理が運ばれ氷の入ったアイスボックスにビールが入れられていた。
 葬儀会社の社長から女将に二十万が渡された。
 「先日はありがとうございました。本日も何卒よろしくお願い申し上げます」
 横山深雪は畳に手を着いて挨拶をする。
 「どの位必要なのですか。二千万まで用意しました」
 川口の会長はテーブルに三百万を置く。もう躰の確認は要らない。充分に隅々まで見ている。
 「はい。この間ご提示いただいた二つとも」
 横山深雪の声は掠れている。
 「今回。ハードプレイの他に顔でこの分入れて一千万。もうひとつは次回に残してその時一千五百でどうかな」
 川口の会長はこの分に三百万を指す。
 「は」
 横山深雪はやや戸惑う。
 そしてもしかしたら一千万で済むかもしれない。もう一度来てもらえるならさらに加算してもらえる。
 「どうかな」
 「はい。もう一度来ていただけるのでしたらそれで」
 横山深雪はそれが良いと提案を受け入れた。
 嫌なお金である。今はそれに頼るしかない。東京ではリバウンドの傾向さえ現れている。
 オリンピックでもっと感染が拡大して長引く危険性すらある。そうなると自分らの規模の老舗旅館では年内絶望となってしまう。
 提案では二回来て貰って合計二千五百万になる。それなら年を越して安泰と言える。
 既に前回丸坊主にされてしまった。今も貰った鬘を被っている。今夜も恐ろしい拷問をされるが仕方ない。
 二人は横山深雪の和服を脱がす。
 帯を解いて和服を抜き取る。白い肌襦袢から色の濃い乳首が透けて見える。下着は着けてない。
 肌襦袢も脱がす。前回焼いた乳房は綺麗に治っている。
 湯文字一枚にしてその姿を鑑賞する。
 「畳に尻を着いて広げてくれ」
 川口の会長が要求する。
 「はい」
 辛そうな返事だが従う。
 横山深雪が立ったまま湯文字を捲くると綺麗な脚が腰まで露になる。股間には隙間がある。綺麗な腰と太腿である。
 太腿の火傷も綺麗に消えている。
 座って内腿が広がる。女の部分も丸出しに成る。
 焼いてしまったドテは綺麗に成っているが黒い塊は小さく調整されて頼りなく生え揃っている。
 「女将さんの一番恥ずかしいところを閉じているそのびらびらした粘膜を指で開いてくれ」
 川口の会長が要求する。
 「はい」
 横山深雪の表情は強張っている。女将さんと呼ばれるのも嫌悪を感じる。それでも両手で股間のびらびらを広げる。
 「今日はドテもっと焼くぞ」
 「・・・」
 横山深雪は仕方ないと黙って頷く。
 「焼くより抜こう」
 葬儀会社の社長は残忍な欲求を露骨に言う。
 「それが良いか」
 川口の会長も同意する。横山深雪はそれでも何か言える立場にない。年内維持できる提案を貰ったのである。
 「さあ。風呂の中でやらせてくれ」
 川口の会長が横山深雪の手を引っ張る。
 葬儀会社の社長が横山深雪の湯文字も解いて先に風呂に浸ける。
 「この女なら愛好会の基準に合格したのじゃないか」
 川口の会長が小声で横山深雪の躰の評価を言う。
 「そうだな。まあ教えないことだ」
 葬儀会社の社長は余計な事を教えないでこっちで最後まで虐めようと言う考えである。
 湯に浸かるには鬘を取る。坊主頭に髪が生え掛けた状態だがそれでも女を感じさせる。
 川口の会長と葬儀会社の社長が交互に責めた。
 どちらも一回ずつ横山深雪の中に果てたが横山深雪は二人の責めで二回も逝き顔を晒してしまった。
 横山深雪は不本意であり悔しさを滲ませる。
 川口の会長はその表情を見抜いて三回目の残酷な拷問を目論む。今回はその過程である。
 
 大河内税理士は杉下一行、館山弁護士、福富麻次郎とテレビ会議を繋いでいた。全員自宅である。
 「大河内先生。高島波瑠が将来有望なのでハードなしですから南七香を出させたいのではないですか」
 福富麻次郎は大河内税理士の目論見が理解できる。
 「そうだよ。やっぱりハードができなければ」
 大河内税理士も我が意を得たりというところである。
 「それでは策を練って南七香を拷問しますか」
 杉下一行も賛成する。
 「しかし一会場だけでしょう」
 「市川沙也香ももう金が足りないのじゃないかな」
 大河内税理士はこのあたりの見積もりができている。
 「あれも虐めて溜飲が下がりますね」
 福富麻次郎も大河内税理士の提案を押す。どっちの女社長もこれまでの金とクラブの収入では足りなくなっていると見積もりができる。
 「しかしそれでも二会場です」
 館山弁護士はまだ足りないと言う。
 「椋木美弥をもう一回どうでしょう」
 杉下一行はそっちが希望である。
 「無理でしょう。クラブで相当に指名が入っています」
 「そうだな」
 「もう少し検討しましょう」
 その先も南七香の虐め方が夜通し議論された。
 
 横山深雪は縦長の台に磔られていた。
 股間を広げられ脚を折って台の脚にそれぞて脚首と脛で縛られている。
 腕は頭の真上に伸ばされ手首を縛られてその縄の先端が台の裏に固定されていて殆ど躰は動かせない。
 「さあ。全部ドテの毛を抜くからな」
 「・・・・・」
 自分の躰の一部が元に戻らなくなる。どうにも辛いが貰える金額が大きい。横山深雪は悲しそうな表情で堪える。
 葬儀会社の社長は強い粘着テープをドテに貼る。それを上からよく擦る。
 一気に剥がす。
 「う、ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は躰を固く迫り上げて悲鳴を絞り上げる。
 それでも抜けたのは半分強である。
 葬儀会社の社長はもう一度強い粘着テープをドテに貼る。
 じっくり上から摩って押さえつける。
 また一気に剥がす。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は涙を溢している。
 殆ど抜けたが僅かに数本残っている。
 川口の会長が毛抜きを持って来る。一本ずつ抜く。
 「うーーーーーーーー」
 毛抜きを葬儀会社の社長に渡す。
 葬儀会社の社長は近くに有る二本を纏めて抜く。
 「う、うーーーーーーーーーー」
 横山深雪の目からまた涙が溢れる。
 二人は最後の一本だけ残して鞭を持つ。態と一本残す。これも精神的虐めを目論んでいるからである。
 後日自分でその一本を抜くか剃るしかない。その時永久にパイパンにされた辛さを噛み締めてもらう。
 持っているのは幅のある薄い革のベルト状の一本鞭である。
 葬儀会社の社長はそれで股間を狙う。
 先端をもう一方の手で持って反動をつける。
 幅三センチの鞭の先端が横山深雪の閉じ合わせた粘膜を叩く。
 「うう、おーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 叩かれた瞬間に横山深雪の躰は力が入って固まる。次に震撼する。
 「あーーーーーあはああーーーーーーーーーん」
 悲鳴を搾り出す横山深雪の表情は歪み切っている。
 可愛い女ではない。またシャンでもない。柔らかい表情だが美形である。こんな女の顔が痛みに歪み切る。
 加虐心をとことん満足させてくれる女である。
 柔らかい表情だと哀れむ者が多い。だがこの二人はその奥にある気丈さ芯の強さを汲み取っている。
 交代して川口の会長が同じ鞭を構える。
 「・・・・」
 横山深雪は恐怖の表情でそれを見る。
 川口の会長も力を籠めて横山深雪の女の部分を叩く。
 「うう、ごおーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。革の縦長の鞭がきっちり女の部分を叩いていた。
 二発目で横山深雪は涙を滲ませている。
 葬儀会社の社長が別の一本鞭に持ち替えて横から乳房を狙う。
 今度は先端が細いビニール紐を編んだ一本鞭である。
 乳房を二つ並べて真っ赤な乳首を狙って叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端は乳首を僅かに逸れて乳房の盛り上がりをへしゃげるように叩いていた。
 直ぐに真っ赤な筋が浮かんでくる。
 この真っ赤な筋が二人の興奮を沸騰させる。
 川口の会長はまた股間を狙う。
 二人は三十数発叩いて横山深雪の戒めを一度解いた。
 乳房も股間の周りも鞭の真っ赤な筋と蚯蚓腫れで無残極まりない。相当の痛みが感じ取れる。
 「お尻を上に向けろ。浣腸する。直腸を綺麗にして全部中身を出したら暫く湯に浸からせてやる」
 辛い鞭の痛みを癒すには早く湯に浸かりたい。横山深雪は黙って恥ずかしい四つん這いになる。
 葬儀会社の社長が浣腸器を準備していた。
 目的は直腸を綺麗にして二穴挿入である。
 葬儀会社の社長は浣腸液を入れ終わってアナル栓を差し込む。横山深雪をそのまま風呂場に連れて行く。
 「腹が苦しくなったら俺たちの前でその洗面器を跨いで栓を抜け」
 川口の会長が命令する。
 「排泄したら洗って始末して風呂を使え。鞭の痕は湯が癒してくれる」
 葬儀会社の社長が付け加える。
 横山深雪は早く湯に浸かりたい。鞭の痕の痛みが堪えられない。さらに腹の痛みが襲っている。
 反対側の壁にある鏡を見ながら洗面器を跨いでアナル栓を抜く。
 ズブーーーーーーーーーーーーーーー。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横山深雪は鏡に映った自分の姿と痛みに号泣してしまう。
 それでも泣きながらシャワーを手にして躰を洗う。そのまま湯に飛び込む。湯の中からシャワーでタイルの汚れを洗う。
 洗面器を洗い場の端の排水溝まで持って行って洗い流す。崩れて個体が無いので綺麗に流れる。
 横山深雪は涙をぽろぽろ溢している。
 「三十分やる。痛みを癒して出てこい」
 川口の会長が命令する。
 二人は部屋に戻る。
 仕出し料理とビールで乾杯する。
 二十万の価値は到底無い料理である。
 二十万の大方が旅館の使用料となる。表向きには休業していて女将一人で対応している。人件費も要らない。
 「これじゃ月に二組も受ければ闇風俗と言え何とか成り立つと言うところかな。これも今の状況を生き延びる手段だな」
 川口の会長がぽつりと言う。
 「危険を犯すには利益が薄い。だがこの立地と硬い口コミだけでは簡単には表ざたにならないな」
 葬儀会社の社長は如月鬼堂の取り巻きが闇風俗を警戒するが問題ないと言いたい。
 「もともと此処は隠れ売春だ。元より黙認だろ」
 川口の会長も大方危険はないとの見解である。
 戻ってきた横山深雪にもビールを勧める。
 横山深雪は息つくようにそれを飲む。
 「少しは治まったか」
 「え、ええ。でも」
 横山深雪は痛そうに鞭の痕を指で押える。
 「今から究極の気持ち良さを与えてやる。そうしたら痛みを忘れる」
 倒錯ではない。あくまで強引に逝かせようと言う目論見である。
 強力なドリルバイブが数本用意されていた。細いのがアナル用だが膣に入る物はかなり太いのがある。
 横山深雪はその太さに慄く。
 「心配するな。痛くはない。俺が改造した物だ。総て自動でローションを膣内に充満させる機能が付いている」
 川口の会長が宣言する。
 「それで一気におかしくなってしまうのでは」
 横山深雪は恐々としている。前回もこの二人に不本意な深い官能に落とされてしまった。尋常な悔しさではなかった。
 「それがサービスだよ。どんなに不本意でも女将さんの女の性を総て晒してくれないと」
 川口の会長は強い口調で決め付ける。
 「そうだ。こっちは痕が残る訳ではない」
 葬儀会社の社長も強く指摘する。
 「はい」
 横山深雪は強姦で逝ってしまうのと殆ど変わらない意識である。堪らなく辛く不本意でも受け入れるしかない。
 だが二人にはもっと深い目論見がある。
 葬儀会社の社長が拷問椅子を押して来る。
 横山深雪をそれに乗せる。
 太腿、膝、脚首を縄で固定して腹は拷問椅子のベルトで固定する。腕を拷問椅子の後ろに回して手首を互い違いに重ね合わせて縛る。
 川口の会長はまず膣だけ責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪には強烈な刺激である。一気に表情を絞り上げて刺激に堪えられない声を漏らす。
 それでも最初は回転運動だけである。
 徐々に回転からピストン運動に変え回転しながらピストンさせる。さらに振動も加える。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 僅かな時間で横山深雪の膣からローションに混じった膣液が流れ出ている。
 横山深雪の全身に力が入って躰が迫上がる。襲ってくる官能に頭を右に左に躱して藻掻き続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は僅かな時間で失神した。
 白目状態に成っている頬をビンタして起こす。一発では復活しない。連打する。至福のビンタである。
 「あはあ」
 横山深雪は意識が戻って失神してしまったと悟る。
 直ぐにまた責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は続いて責められるのに受け入れ態勢ではない。慌てて拒絶姿勢になってしまう。
 それでも容赦なく責め続ける。ドリルバイブの強い責めに感じてしまえば抵抗のしようがない。
 横山深雪は膣だけで三回失神した。一度失禁もした。
 葬儀会社の社長がアナルにローションを塗りこむ。
 「えーーーーーーーーーー。もうむりですーーーーーーーーーー」
 横山深雪は強烈な刺激に逝きまくって究極に崩壊した状態である。
 「女はいくら逝っても大丈夫。死なない」
 川口の会長が強固に叱咤して宣言する。
 「そんなーーーーーーーーー」
 「完全に逝ったら失神するだけだ。強烈に気持ち良い筈だ」
 「そんなあーーーーーーーー。もうむりです」
 横山深雪は殆ど泣き悲鳴の状態である。
 「そんなことはない。まだまだだ」
 川口の会長は強行に押し切る。
 「えーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーー」
 川口の会長が先にアナルに挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 続いて葬儀会社の社長が膣に入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーん」
 横山深雪はスイッチを入れる前から藻掻き始めている。
 「せーの」
 川口の会長の掛け声で一斉にスイッチを入れる。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は強烈に藻掻き始める。
 葬儀会社の社長は横山深雪がドリルバイブを押し出そうするのを腰に力を入れて踏ん張る。
 「うわああーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー」
 横山深雪の顔は一気に究極の破裂状態となる。
 そして僅かな時間で失神した。
 もう一度ビンタで起こす。
 「あはあ。ああーーーーーー」
 横山深雪は壊れた表情で二人を見る。
 「気持ち良かっただろう」
 「もう怖いですよ」
 「どうだ。普通のセックスではこんなに良くならないだろ」
 「そんな。もうおかしくなりますよ」
 「そうしているのだよ」
 川口の会長は目的の片鱗を言ってしまう。
 「女将さんをとことんを淫女にするのだよ。普通の男ではもう満足しないようにね」
 「そんな」
 「わしらは愉しむ。女将さんはその金で理不尽な法律で追い詰められた経営を回復する。問題はないだろ」
 「でもこんな多額のお金を使ってまで。私はどうしてもそのお金が必要ですが。お二人は治療費も払ってそこまで遊びたいのですか」
 横山深雪は余計なことを言ってはいけないと思っている。それでも言葉に出してしまった。
 「今しかできない遊びだ」
 川口の会長がぼそっと本音を言う。
 「時代が変わり過ぎたのだよ」
 葬儀会社の社長が付け加える。
 横山深雪にはまったく分からない。
 「俺たちがまだ上司に顎で使われていた時代と今じゃ大違いだ」
 「女が強くなったとでも」
 「女は女将さんのように元から強いよ。社会が変わって女性の体質も大きく変わった。俺たちには嬉しくない社会だ」
 「まだSMクラブが残っていてくれるがな」
 「お風呂屋さんも有るがそんなのでは足りない」
 「常に此処が続いてくれれば良いと思っている」
 「そんなにお金を使って」
 横山深雪はもっと他にお金の使い道が有ると言いたくなって留まる。
 「俺たちが若い頃は年配者に逆らわず総て敬語で対応してきた。自分らが仕事を指示する側でも年配者は言い方に配慮した。俺たちの時代になったら逆だ」
 「女もそうだ。俺たちが若い時代がミニスカートの最初の流行だ。スカートの中が見えてしまっても恥ずかしがるだけで男を睨んだりはしない」
 「それが今では自分の動きのミスで中が見えてしまっても見られた男を睨み付けて来る。女の体質がここまで変わったのだ」
 「そうですね」
 横山深雪もそこまで言われると何か思い当たる。
 「コロナで不況といっても総てではない。儲かった奴も、変化のない公務員も、そして女将さんのように窮地に追い詰められた人もある」
 「ああ」
 横山深雪は理不尽に追い詰められた一部の存在である自分の辛さをを噛み締める。
 「金は有るところには有る。俺たち以上に有り余っている奴等も少なくはない。そんな金ほどろくな事に使われない。騙される奴もある」
 「お二人に奥さんは居られないのですか」
 「今の日本で結婚して何に成る。男は家族の奴隷だよ」
 川口の会長は怒りを吐き捨てるように言う。
 「そんな」
 横山深雪には堪えられない言葉である。
 「そう真っ平だ」
 葬儀会社の社長も同調する。
 「最初良くても航空母艦に戦闘機が載ったらそれまでだ」
 空母は艦そのものに強い戦闘能力はない。艦載機を積むことで海軍最強の基軸の軍艦となる。
 太平洋戦争で大鑑巨砲主義より航空兵力の優勢を最初に世界に示したのは日本海軍と山本五十六の戦略である。
 川口の会長は空母を結婚して子供のできた家庭の女の立場に例えたのである。
 「どこまでも金で遊ぶのが最善だよ。どんなに金を使っても結婚ほど高いものはない」
 葬儀会社の社長もしみじみと自分の見解を述べる。
 「大概の男は綺麗ごとばかり並べる。だんだんそれしか通らない社会に成ってしまった。男にとって女は躰と容姿の見た目だけだよ」
 「そう。容姿、躰の好みの女の性をとことんその奥まで愉しむだけだ」
 「妻より愛人でよろしいと」
 「それも今では勝手が悪い。お風呂屋さんとSMクラブがあれば良い」
 「どうして女を潰したいのですか」
 「女性優遇社会への怒りの捌け口だな」
 「ああ」
 横山深雪は遂に自分が潰される本音を聞いてしまった。
 「さあ。今日は約束通り顔を焼かしてもらう」
 「はい」
 横山深雪は大金を貰った約束である。じたばたはしない。
 「女将さん。今日の金でこの先やって行けたら概ねあんたの勝ちだよ。これでもここまでで済めばね。次に呼ばれてわしらの願望が達成されるのだ」
 「今一決断力と思慮に欠けて議論の下手な今の政権が赤黄色の信号でオリンピックに突入だ。対策は後手。ワクチン接種も間に合わない」
 「我々の見積もりは年内回復が辛うじての希望というところだ」
 「えーーー。年内も難しいのですか」
 「これまでの状況を見てよ」
 「総ての観光業が回復するのは時間が掛かる。社会マスコミが回復に沸いても裾野に至るのはまだまだ時間が掛かるものだ」
 「此処もそれまでは続くよ」
 「ああ」
 横山深雪は絶望の溜息をつく。
 「まあ。その時は提案を替えてやるよ」
 川口の会長は横山深雪の旅館が継続するに必要な見積もりから金額を上乗せした。その分とことん凄惨な内容を次に予定している。
 その日は顔を少しずらして顎の内側を焼き鏝で焼いた。横山深雪は無様に泣かず無言で涙を流した。
 
 六月三十日。
 感染状況は確実に下げ止まりからリバウンドに変わってきていた。
 もう緊急事態宣言に戻してもどうにも成らない。オリンピックとのジレンマである。
 蔓延防止は延長するしかないが無意味な策以外の何者でもない。
 ワクチン接種も新規申請が中止となった。供給の目処があやふやである。
 そして盛り場で若者の人出は蔓延防止無視の状況と成っている。このままではもう制御は難しい。
 
 七月一日。
 大河内税理士らは七月四日に南七香の予定を熱海に入れ、七月十一日に市川沙也香の予定を長野に入れた。
 どちらも二百名ずつとして稼働率五十パーセントは守った。
 如月鬼堂は殆ど関心を示さず大河内税理士の提案のまま瀬里菜が会員にメールを送信した。
 南七香と市川沙也香に提示されたのは八百万である。それでもこの二人には足りそうもない。
 
 最期のSM小説家 第二十五幕 究極の闇風俗 完





 最期のSM小説家 第二十六幕 究極の闇風俗


 二〇二十一年夏至中元。太陰太陽暦五月二十三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年七月二日。
 川口。営業してない旅館である。
 コロナ過で外国人観光客は来ない。日本人は既に利用しなくなったタイプの旅館である。
 女将は梅沢彌奈美から話を聞いていた。
 紹介したのは野村未来也弁護士である。
 「犯人は警察からアリバイが有ると。証人も防犯カメラの映像も有ると。そう言われたのですか」
 「そうです」
 「貴女は復讐のために此処でお金を作りたいのですか」
 「そうです」
 
 野村未来也弁護士は梅沢彌奈美から相談を受けた。一応の調査はしたが勝ち目はないと答えた。
 梅沢彌奈美が犯人と名指しする田村三千夫とその友人三名のアリバイを確認した。
 田村三千夫が飲んでいたと主張するスナックの女性経営者の証言は取れた。泊まったビジネスホテルの防犯カメラも確認した。
 田村三千夫は北海道警本部長田村祥司の息子であった。
 捜査は所轄がアリバイを確認した後に県警五係に移っていた。県警五係の警部は同じアリバイを確認して梅沢彌奈美に回答した。
 野村未来也弁護士は北海道警本部長の三男と分かって問題を感じたが状況説明だけでその先の弁護は引き受けなかった。
 梅沢彌奈美は田村三千夫を知っていた。全員が覆面をしていた。だが梅沢彌奈美はその内一人を田村三千夫と判った。
 
 時間軸は少し前に戻る。
 六月十四日。
 梅沢彌奈美は武州鉄道の乗務員である。
 (これは架空の鉄道です。実在しません)
 武州鉄道は武州寄居が終点。近年武州小川町から支線が延びて下久保まで行く。将来高崎まで延長の予定である。
 梅沢彌奈美は車掌から運転士になって五ヶ月。やっと指導運転士が付かなくなった。
 この日は森林公園から交代して乗務した。
 快速急行下久保行き最終である。
 快速急行は武州小川町で後ろ四両を切り離す。そこから六両編成でこの区間はワンマン運転となる。車掌は乗ってない。
 その日は駅の仮眠室に泊まって翌朝七時二分発池袋行きに乗務する。
 その夜に襲われた。
 四人の覆面姿の男らに輪姦されてしまった。
 それでも翌朝は遅れずに乗務した。
 会社には相談したくなかった。自分の名前などが好評されることを避けたかった。
 仕事が休みの日を待って警察に相談した。
 
 川口の女将は梅沢彌奈美の件を川口の会長に相談した。
 「関東でやらないで妹さんの生駒に振った方が良いでしょう」
 「はい。それでお引き受けいただけますか」
 「いいや。その事情では我々は」
 川口の会長は断った。
 
 七月三日。
 如月鬼堂は十時二十一分着の上越新幹線で越後湯沢に戻った。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「館山先生と野村先生がお待ちなの」
 「野村先生も何だろう」
 「お耳に入れておきたい事が有るのだって」
 野村未来也弁護士は弁護を引き受けない。その代わりに迂闊にも梅沢彌奈美が切望する金を稼ぐ手段を教えてしまった。
 館山弁護士に咎められて報告に来たのである。
 「本人が捕まらないように人を雇う金ですね」
 「そうです」
 「所轄はアリバイを崩す捜査をする方向だったのですか」
 「一人女性巡査部長が県警五係に捜査が移って悔しがっていました」
 「でも証人が複数で同僚以外にスナックのママの証言も有りますし。さらにホテルの防犯カメラという物的証拠もあります」
 館山弁護士は梅沢彌奈美の職場の先輩で指導運転士の田村三千夫らは容疑から外されると見ている。
 「明らかに北海道警本部長の父親の圧力があったのですね」
 「そう思います」
 野村未来也弁護士も警察内部の圧力に不快感を持っている。
 「梅沢彌奈美が依頼した実行犯が逮捕されなければそれで迷宮入りですか」
 「いやあ。道警本部長である父親の田村祥司が黙ってないでしょう。梅沢彌奈美を逮捕しろと出てきますよ」
 館山弁護士は最悪の事態を想定している。
 「簡単に逮捕はできないぞ。実行犯が自供しなければ」
 野村未来也弁護士は逮捕に至らないとの見解である。
 「一度女将と話してできるだけ問題にならないようアドバイスしてみます」
 館山弁護士は無難策を試みる考えである。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のアジトである。
 本日は冷房の効いた室内で窓から裾野の景色を見渡しながら焼肉と生ビールで飲み会をしていた。
 川口の会長は女将から相談された内容を説明する。
 「それは面倒な話だな」
 医師の男である。
 「生駒に振らせたのは懸命だな」
 「俺の言う通りにしてくれたらな」
 川口の会長は梅沢彌奈美の件を断ったのでそっちも聞くかどうか確信はない。
 「あの女将。復讐を手伝う気なのか」
 「何とかしてやりたがっている」
 「ふーん」
 「金を得て人を雇おうとしているのだな。この際だが」
 医者の男である。
 「下手な奴を雇われたら一気に跡が付くな」
 葬儀会社の社長が割り込む。
 「そうだ。だからこっちで闇ルートを紹介したらどうだ」
 「それしかないな。最悪の場合金を動かす組織が始末する」
 川口の会長も納得する。
 「金のルートも紹介するか」
 「そうだ。総て証拠が残らないことだ」
 話は纏まった。
 
 七月八日。
 再び東京と沖縄に緊急事態宣言が発令され蔓延防止地域は延長された。酒類の提供は大阪以外全面停止である。
 効果は疑問以外の何者でもない。
 オリンピックもようやく無観客の方向に動きつつあると報道されかけていた。
 胡浜次郎は新幹線を京都で降りて近鉄京都線を大和西大路で奈良線の急行に乗り換えて生駒に着いた。
 観光生駒のアーチ型の看板を潜って緩い石段に成った坂を下る。営業をしてない旅館に入った。
 川口の女将は胡浜次郎を生駒の妹に紹介したのである。
 梅沢彌奈美は一週間休みを取って既に着いて待っていた。
 胡浜次郎は黙って女将に二十万を渡す。
 「理由は聞かない約束でよろしいですね」
 「いいよ。川口の女将から聞いている。一千五百万用意した。覚悟はできているのだな」
 「大丈夫です」
 「川口の女将から聞いた通りで良いのだな」
 「はい。顔と服から出る部分は傷つけない。治療費のみで整形代を上乗せで一千五百万です」
 生駒の女将は川口の女将から引き継いだ内容を再確認する。
 梅沢彌奈美は身長百七十二の長身である。それが膝上二十三センチのミニスカート姿で畳に座っている。
 座るとショーツが出ないぎりぎりまで太腿が露出する。綺麗な脚である。その太腿が艶めいている。
 この女を鞭で傷だらけにできる。胡浜次郎はもう生唾が止まらない。
 上半身はヌーブラだけであった。
 梅沢彌奈美は要求する前にそれを外す。
 巨乳ではない。スレンダーなスタイルに丁度良い大きさで真っ赤な乳首が咲いている。
 「約束通りで良いな」
 胡浜次郎は五百万の束を三つ置く。
 「はい」
 梅沢彌奈美は神妙な顔で答える。
 胡浜次郎は五百万の束三つを押しやる。
 梅沢彌奈美は持ってきた鞄にそれを仕舞う。
 胡浜次郎は立ち上がって梅沢彌奈美の肩を?んで部屋の中で磔に使えるように改造された柱の前に立たせる。
 梅沢彌奈美は自分でスカートを脱いでショーツも脱いでしまう。ショーツをスカートの中に丸め込んで自分の鞄の方に投げる。
 「どうした。下着が恥ずかしいか」
 胡浜次郎はそれを見逃さない。
 梅沢彌奈美は女将の注意を思い出した。黙ってショーツを取り出して渡す。顔は真紅に染まっている。
 梅沢彌奈美は処女で強姦された。
 女将は風俗で男の客がどの様な嗜好か細かに説明しなければならなかった。
 梅沢彌奈美は復讐が目的である。
 もう結婚とか女の幸せと言われるものは全部諦めた。だが鉄道の仕事だけは続けたい。
 胡浜次郎のショーツの染みを顔の前に翳して辱める嗜好に涙を溢しても何も言わずに堪えた。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美を高手小手に縛る。後ろに縛り合わせた腕を柱に確り固定する。
 最初は膝と脚首を縛り合わせる。
 鞭を用意して来た。特注である。
 叩いて良いのは乳房から膝までと承知している。腕は二の腕までなので高手小手に縛った。
 持っている鞭は細いビニール糸を編んだ物である。真っ直ぐ飛んでくるだけの重みがある。
 数回当たれば蚯蚓腫れが割れる。
 高手小手に縛ってやや突き出した乳房を叩く。
 「いたああいーーーーーーーーーーーーー」
 大口を割って悲鳴を上げる。
 直ぐに肌理の細かい白い肌に真っ赤な筋が左の乳房から右の乳房に向けてやや斜め一文字に浮いてくる。
 続いて同じ角度で叩く。
 「うわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は磔柱に固定された躰を揺すって震撼させる。
 二本だけでも梅沢彌奈美の胸は赤い筋が強烈である。容の良い乳房に無残な紅い筋は加虐心を沸騰させる。
 胡浜次郎は整形しない約束なので傷だらけにする目論見である。
 三発目も乳房を叩く。
 「あ、うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は痛みに既に顔から汗を流している。眉間に三重に皺を刻んだ悲鳴は胡浜次郎を熱くする。
 胡浜次郎はさらに鞭に力を籠める。
 蚯蚓腫れをクロスしてその上から叩いて乳房の皮膚を割りたい。
 乳房に奔った紅い筋の上を狙って叩く。
 「あぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目をきつく瞑って顔を振って痛みに藻掻く。梅沢彌奈美の目尻に涙が滲み出てくる。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん」
 梅沢彌奈美は痛みに顔を歪めて躰を震撼させる。
 鞭の紅い筋の近くに鬱血した斑点も浮かんでいる。
 綺麗な乳房を傷つけたような何本もの筋は実に艶かしい。梅沢彌奈美はきりりとした美人顔なのでさらに加虐心を滾らせてくれる。
 いくら泣き喚いても胡浜次郎に哀れみは沸かない。
 梅沢彌奈美がさらに悲痛な表情で泣き喚いても胡浜次郎は一切手加減しない。二十発くらい乳房を叩いた。
 蚯蚓腫れが数箇所で石榴のように割れて無残極まりない。
 胡浜次郎はやや満足と言うところである。
 次はスレンダーな太腿を傷だらけにしたい。
 膝を揃えて縛っているが股間から膝まで逆三角の細長い隙間ができる。
 綺麗な脚と股間である。
 腹は叩かない。鞭が横腹に入ると内臓に障害を与える危険がある。
 ドテから下で膝までの間を狙う。
 一発目を土手に当てる。まだ剃毛してない。剃毛ではなく全部抜いてしまう予定でいる。
 「ああーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は腰を後ろに引いて痛みに悶える。
 胡浜次郎は一度細い竹の鞭に持ち換える。
 次は太腿を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は背中を丸めて顔をうつ伏せに突き出して躰を震撼させる。
 太腿は強い蚯蚓腫れが浮く。
 そして数十秒で真っ赤な筋に成る。
 胡浜次郎には破壊したい太腿である。そしてめったにできない至福の悦びと言える。
 この女なら愛好会の基準もパスしたに違いない。
 胡浜次郎に躰を破壊されなくても金を得られたかもしれない。だが風俗で働く女ではなさそうである。
 風俗で働く以前に男と遊ぶ女にすら見えない。
 愛好会のショーで沢山の会員の前での全裸に堪えられないかもしれない。
 胡浜次郎は太腿にメモリを刻むように叩いて蚯蚓腫れの痕を付けてゆく。
 「あーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 胡浜次郎は痛みに躰を捩り藻掻く梅沢彌奈美の太腿を叩き続ける。
 さらに残酷なことを考えている。
 以前に胡浜次郎が愛好会のショーで行って壮絶な結果となった。その後は禁じ手と成った責めである。
 被虐者は牧野茉莉亜と言った。
 此処なら許される。
 金柑の実を搾って用意してきている。
 その前に鞭を持ち換える。乳房を叩いたビニールの糸を編んだ鞭である。これで蚯蚓腫れを割る。
 胡浜次郎は振り被って太腿を横に薙ぐ。
 「うぐーーーーーー。うーーーーーーうーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は膝を折って腰を曲げる。下を向いた頭を振って痛みに悶える。
 「うーーーーーーーぐうーーーーーーーーーー」
 相当に痛そうである。
 胡浜次郎は容赦なく叩いて蚯蚓腫れを割る。
 「ううーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 涙はぽろぽろ零れる。
 それでも胡浜次郎に同情心は沸かない。
 加虐心が熱くなって滾るばかりである。
 太腿の蚯蚓腫れも数箇所割れて石榴のような姿を晒している。太腿の横には数箇所鬱血が見られる。
 美しかった二本の脚が無残極まりない。
 胡浜次郎は脚首と膝の縛りを外す。
 高手小手の縛りも解く。
 梅沢彌奈美は畳に座り込む。
 胡浜次郎はその躰を仰向けに押し倒す。
 股間を広げる。さらに女の部分を指で開く。中は綺麗な薄橙である。まったく濡れてない。
 縁の部分も内側は綺麗な薄紅色である。
 膣に指を挿入する。こっちもまったく濡れてない。よく見ると処女幕の破れた破片が僅かに残っている。
 二十歳を過ぎた女が最近処女を失った。胡浜次郎はそんなイメージにやや戸惑いを感じた。固過ぎる女かもしれない。
 処女を失ったのは強姦かもしれないとやや察した。
 あまりにも乾いているので入れることは後回しにした。
 持って来た金柑の搾り汁を手に流す。
 それを乳房に一気に塗る。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 空かさず太腿に振り掛ける。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううああーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は躰を丸めて畳を転げて藻掻き暴れる。
 「ううああーーーーーーーーーーーーーー。ううあーーーーーーーーーーーーーーー。ううあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴でのたうちながら失禁した。さらにそのままその数秒あとに気絶してしまった。
 胡浜次郎はそのまま抱かかえて浴室に運んでタイルに寝かせる。川口の旅館と同じ様な浴室だが此処は元から混浴らしい。
 上から自分の小水をシャワーのように掛ける。金柑の汁を洗い落として顔にも掛ける。最後に口に流し込む。
 そのあとシャワーで躰と顔を流す。
 ビンタで起こす。
 梅沢彌奈美は気が付くなり口に違和感を覚えた。堪らずシャワーを取って嗽をする。
 小水が口に入ったと気付いたのである。
 「三十分やる。風呂で少し躰を癒して出て来い」
 そう言い置いて胡浜次郎は客室に戻る。
 仕出し料理を少しつまんでビールを飲む。
 保険に入ってない事故の賠償ではない。親の借金や恋人の借金でもない。遊んで借金を作る女でもない。
 もしかしたら復讐。強姦された復讐かもしれない。聞かない約束である。触れない方が良い。
 南七香を思い出した。またあの女を虐めたいと思う。南七香もスレンダーで良い躰だが梅沢彌奈美の方がさらに上かもしれない。
 顔は美人だが可愛くは無い。気丈と思った南七香の方がまだ可愛いかもしれない。
 女の部分を広げた時に堪らず顔を反らし堪える表情が何とも言えない。
 もしかしたら挿入しても何処までも濡れないかもしれない。
 四日に南七香の三回目のショーが行われたらしい。その配給された録画をまだ会に残っている知人宅で見た。
 先月行われた高島波瑠の内容と比べて格段にハードである。
 会場参加者は二百名だがオンライン参加希望者が多く南七香は一千万を越える収入に成ったらしい。
 また南七香を虐めたい衝動が沸いてくる。
 十一日の市川沙也香もオンライン参加が集まっているらしい。
 この二人を川口に呼べたらと思うがそれは無理である。
 梅沢彌奈美はバスタオルを巻いて出て来た。
 ビールをグラスに注いで渡す。
 黙って受け取って一口飲む。
 アルコールに強くなさそうなので冷蔵庫から茶を出してやる。
 梅沢彌奈美はそれを一気に飲み干す。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美の躰を押し倒して畳に寝かせる。無残な状態だが鞭の痕は綺麗に直ると思われる。
 何としても永久に痕を残したい。
 大庭信一朗から教えられた方法で陰毛を全部抜く。
 胡浜次郎は竿を二本持って来る。梅沢彌奈美の両腕を広げて手首、肘、肩で縛る。脚を広がる一杯に広げて脚首を縛る。
 胡浜次郎は傷だらけに成った梅沢彌奈美の右の太腿に座る。粘着テープをドテの陰毛に被せるように貼り付ける。
 通常のガムテープとは比べ物にならない粘着力がある。大庭信一朗は三回くらいで殆どパイパンにできると豪語していた。
 上からじっくり擦る。
 梅沢彌奈美もパイパンにされると理解できる。仕方ないと覚悟して来た。まだまだ躰をずたずたにされる。
 胡浜次郎は粘着テープを一気に剥がす。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一回で大方が抜けてしまう。
 残りを毛抜きで梅沢彌奈美の悲鳴を愉しみながら抜くことにした。群集して残った数本を纏めて抜く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美の躰が強く震撼する。躰が強く動いて移動する。
 脚首を縛った竿に縄を繋いで柱から引っ張る。首の下に通した竿にも縄を繋いで反対側の柱から引っ張る。動きを制御する処置である。
 どの柱にもフックが埋め込まれている。
 胡浜次郎は毛抜きで抜き終わるともう一度膣の中を広げる。さらにクスコを挿入する。
 「あんたに一発流し込みたいが無理だな」
 胡浜次郎はポツリと言う。
 「どうして。大金貰ったからいいよ」
 「無理だよ。俺は女を甚振るが強姦はしたことが無い。総て合意だ。合意でもあんたは濡れないと思う。強姦並みの威勢が必要だ」
 胡浜次郎はどうなるかは分かってない。当てずっぽうである。理由は聞かない約束でもそこを弄りたくなった。
 「そうよ。強姦されたのよ」
 梅沢彌奈美から号泣するように涙が溢れた。
 「その」
 胡浜次郎は復讐かと言いかけて止めた。
 「そうよ。復讐の金を作っているよ」
 梅沢彌奈美からさらに涙が溢れる。
 「何故警察に任せない。現代では復讐以上の制裁に成るがな」
 「警察。ふふぁあふぁあっふぁ」
 初めて梅沢彌奈美が哂った。空気の抜けたような笑いである。
 梅沢彌奈美は成り行きからこれまでの経緯を説明した。
 「野村未来也か。野崎弁護士らと集団訴訟する一人だな。奴等は断るよ」
 「どうして」
 「野村弁護士らは痴漢、性犯罪の冤罪から護る弁護士の立場が定着している。これを引き受けたら逆になってしまう」
 「ああ」
 「野村が此処をあんたに紹介したのは警察の大物が自分の息子の捜査を強引に変更したのが気に入らなかったのだろう」
 「うん」
 「川口の女将に闇サイトと資金転送の闇組織を紹介した奴等もなんとなく検討が付く。だが俺は何も聞かなかったことにする」
 「うん」
 「もう少しあんたの狂乱の悲鳴を愉しませてもらうよ。そして膣を焼かせてもらう。乳房と太腿も」
 「うん。仕方ないよ三百万のところ一千五百万貰ったから」
 「あんた死ぬ気か」
 「ううん。私運転士なの。鉄道が好きなの。その仕事は続けたい。だからばれないように復讐する」
 「生き続けてくれるか。俺の付けた傷を背負って」
 「うん」
 「あと五百万出してやる。弁護士も雇え」
 「どうして」
 「どんなに証拠が無くても。アリバイが有っても。その道警本部長はあんたを逮捕できなくても。任意で追い詰める」
 「えー」
 「任意なら応じないことだ。逮捕には交流期限がある。任意ならいつまでも取り調べる。それには弁護士が必要だ。人権派の強い女性弁護士を頼め」
 「分かった。でも何で助けてくれるの」
 「あんたに生き続けてほしい。傷心のあんたを見続けたい」
 「でも。もう会わないよ」
 「コンタクトなどしない。遠くから観察はできる。非合法な手出しはしない」
 「そう」
 「今回あんたに協力した者は誰もあんたに捕まってもらいたくない筈だ」
 梅沢彌奈美は貰った金を東京に戻って闇金融で入金する。そこから報復を依頼する者にマネーロンダリング方式で支払う。
 闇組織にいくらかの手数料を引かれる。
 報復の依頼も闇サイトから行う。
 闇組織は頼まれた通り実行する。失敗はまず無い。だが梅沢彌奈美から足がつく場合はこれも抹殺する。
 「そうなの。判った。言う通りにする」
 梅沢彌奈美は自らの置かれた危険を理解した。
 胡浜次郎は少し考え直して梅沢彌奈美の竿の縛りを一回解く。
 梅沢彌奈美の躰を抱かかえて柱の前に立たせる。手首を縛り合わせて天井のフックから引っ張る。
 踵が付いている範囲で留める。
 股間をやや開かせる。左右別々に膝に縄を掛ける。それを左右の離れた柱から引っ張る。股を閉じられないようにした。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美の立ったままの失禁が見たい。
 そして最後に躰を焼く。その前にもう一回暴れ藻掻く狂ったような悲鳴を愉しみたい。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美の躰に興奮が滾っている。
 クリップと銅線、トランス、凧糸を取り出す。
 怯える梅沢彌奈美の躰に銅線と一緒にクリップを鋏み付ける。大庭信一郎のやり方だがこの効果が堪えられない。
 左右二系統で乳首の上の膨らみから乳首を鋏んで乳房の裾野を鋏む。五センチ置きに真っ直ぐドテまで来て小陰唇を片側ずつ鋏む。
 さらに内腿から太腿の表面を鋏んで膝のやや上で止める。
 胡浜次郎はこの責めで梅沢彌奈美が失禁するまで微電流を流し続ける予定である。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美の表情を見ながらトランスのスイッチを入れて電流を流す。
 「うーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美の唇が震えて全身が微動に震撼する。膝が明確に震撼している。
 「うおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美の表情は固くなり震え続ける。
 一回電流を切る。
 「あはあーーーーー。はあ。あは。はあ。はあ。はあ」
 梅沢彌奈美は暫く震え続けた。
 胡浜次郎は繰り返し電流を入れる。
 「うーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は尻を後ろに引いて縄にぶら下がり膝を中心に躰を震撼させ続ける。微動な震撼だが強張った表情に唇の震えが衝撃の強さを滲み出している。
 胡浜次郎は電流を切っては入れてを繰り返す。
 綺麗な体形の梅沢彌奈美が縄にぶら下がって苦しみ藻掻く。堪えられない光景である。
 梅沢彌奈美の膝は強く震える。
 「ううーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。ううーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は断末魔のように叫ぶ。次の瞬間股間から尿が垂れるように静かに流れる。
 胡浜次郎は電流を止めてその脚元にボウルを置く。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は失禁に泣き叫ぶ。
 こんな姿を晒した事はこれまでにない。本日二度目だが羞恥の極致である。
 胡浜次郎は梅沢彌奈美の失禁が終るとボウルを退かして畳をモップで拭く。
 梅沢彌奈美は恥ずかしさと辛さを噛み締めた表情でそれを見ている。
 胡浜次郎は最高に良い女。そしてつい最近まで固く清純だった梅沢彌奈美を強制失禁させた究極の満足に浸りながら凧糸の先端を手に持つ。
 「さあ行くよ」
 美しい躰に奔る鞭の痕。その上を凶器のように鋏んだクリップが縦一文字に凧糸に繋がれている。
 胡浜次郎はいまそれを一気に引っ張って飛ばせる。その興奮に滾っている。
 体と気持ちが強く熱くなる。
 胡浜次郎の表情が残虐な至福に歪む。
 梅沢彌奈美は恐怖に震え身構え縮み上がる。
 一気に引く。
 ガシャガシャガシャ。ブーン。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は強烈な悲鳴を上げる。縄に強くぶら下がり躰を捩って強く震撼させる。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。顔から涙が溢れ出る。
 まだ片側残っている。
 胡浜次郎はそっちの凧糸を掴む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美恐怖の悲鳴を上げる。
 胡浜次郎はさらに残忍さを表情に浮かべて加虐心の沸騰する限りそれを引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴が一条轟いて梅沢彌奈美は縄に躰をぶら下げたまま首を垂れて揺れている。失神したらしい。
 胡浜次郎は近寄って躰を確認する。クリップの鋏んだ痕が転々と無残に残っている。一部血が滲んでいる。
 鞭の痕も鬱血も生々しい。
 小陰唇を広げる。指に血が付いた。
 胡浜次郎は効果に満足しながら焼き鏝を準備する。
 遂に決定的な傷を付ける段階である。ここまでなら陰毛を抜いてパイパンにした以外は元通りに治る。
 胡浜次郎は焼き鏝を持つ。先端は十文字に成っている。それで左の太腿を腰の近くを狙って焼く。
 強く押し付ける。
 「ううーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は直ぐに意識を戻して悲鳴を上げる。
 続いて乳房を焼く。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美の泣き悲鳴が轟く。目から涙が溢れている。
 乳房に×の字の焼き痕が残る。
 次は半田鏝を持つ。
 「これで最後だ。あんたの一番感じる部分を焼かせてもらうよ」
 胡浜次郎は死刑宣告の如き一言を言う。
 「はい。どうせもう感じませんから」
 梅沢彌奈美はそう言って声無く号泣する。
 「・・・」
 胡浜次郎は言葉にやや身構えるが半田鏝を梅沢彌奈美の躰を吊るして立たせた縛りのまま膣に下から突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーー」
 梅沢彌奈美は爪先立ちに躰を迫り上げて半田鏝から逃れんと暴れながら強烈な悲鳴を轟かせ続ける。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーー。ああがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うがああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 美人顔が破裂して般若の形相である。
 「あがーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に半田鏝は抜けている。
 直ぐに膝の縄を左右とも外す。手の縄を解く。梅沢彌奈美は胡浜次郎の肩に倒れ掛かっている。
 手の縄を苦戦しながら解くと梅沢彌奈美は畳に崩れる。
 直ぐに待機していた医師を呼ぶ。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 梅沢彌奈美の息遣いは暫く荒く続く。
 「後の五百万。この鞄に入れるぞ」
 梅沢彌奈美が最初に一千五百万仕舞った鞄のチャックを開いて見ている前で中に仕舞う。
 「ありがとう」
 梅沢彌奈美は辛うじて一言礼を言う。
 「着いたら入院中金庫をお貸しするから」
 医師がそう付け加える。
 「今回は本人都合で整形無しだが」
 医師は胡浜次郎に確認する。
 「はい。整形代も上乗せと言う希望でした。女将さんを通して治療費だけ請求して下さい。女の名前で振り込みます」
 「ああ。例の口座間処理でな」
 「女将さんから確認しています」
 「良い躰や。整形してもう一回愉しんだらどうや」
 「本人がそう申し出てきたらその時点でお願いします」
 胡浜次郎はそう答えて帰った。
 
 七月十日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 今夜も本多椿が全裸でメインキャスターを勤めている。
 分厚いガラスを三つに曲げた透明なテーブルに座って如月鬼堂の都合を考慮して進行する。
 視聴率は抜群に上がって加入者は一気に増えていた。
 「コロナ担当大臣は法律に基づいているから。今度は協力金を前払いするから。飲食店、酒販売業者、銀行に強引な要求をしてきました」
 全裸の本多椿がテーマを切り出しながら股間にさりげなく手を置いて脚を組み換える。
 「政府はオリンピックを無観客止むなしで進めても飲食店にお酒の提供は断固抑えたい方針です」
 全裸の高島波琉が股間にタオルを当てて読む。
 「政府や東京都は僅かな補償でさらに審査で遅れたら飲食店や関連業者が追い詰められていると分かっていて完全な対策をしないのでしょう」
 岡田有美も同じ全裸でタオルを股間に持って読む。顔のイメージは違うが体形は似ている。
 「鬼堂先生。かなりの飲食店が従わない意志を表明し始めています。多くの人にもう緊張感がありません」
 本多椿が如月鬼堂に話を振る。
 「やっと一部の地上波のコメンテーターから司法に照らすべきとの意見が出ましたが、私は何度も同じ事を言います。集団訴訟が必要です」
 「では政府にどの様な対処を求めますか」
 如月鬼堂は以下のように答えた。
 一つはオリンピックを即時中止することです。
 一つは昨年病床を減らした分を増やすべきです。
 一つはこれまで俄か法律で時短休業要請が行われてそれによる損害が出た総ての法人及び個人に過去一年四ヶ月分の完全なる補償をすることです。
 補償の審査、支給は各々の取引銀行に委託して銀行は政府の借金として短命融資する。政府は利息を含めて銀行に返済する。
 自治体に即時審査給付の能力は無い。
 緊急事態を続けるなら同様に前金で補償する。
 法律を作って強制した以上補償は令和元年又はそれより前数年の経営内容を基準に行うべきです。
 「どうして政府や自治体は著しく審査を遅らし完全な補償をして緊急事態で影響を受ける業者が安心して休業できる対応をしないのでしょうか」
 本多椿は多少含みを籠めて以前にあった如月鬼堂の発言を復唱させる。
 「政府は個別の補償で財政出動はできるだけ抑えたい。自治体は審査、支払いに力を入れてないのです」
 「どうしてそんな対応なのですか」
 「閉店する業者が増えても協力金の出費が減るだけです。業者は閉店してもコロナが回復したら新たな業者が開店します。経済もやがて回復します」
 如月鬼堂は静かに怒りを篭めて発言した。
 
 七月十三日。
 梅沢彌奈美は関東に戻って来た。
 その足で池袋に向かう。
 以前に福山哲夫が被害者の端末から金を入金して受け取った闇金融である。マネーロンダリングを代行する闇組織の窓口になる。
 梅沢彌奈美の場合は此処で入金をする。
 七十年配の老人が一人でやっていた。本来は高利貸しである。
 「別途に手数料が百万掛かりますがここからお引きしましょうか。それとも別にお持ち合わせがございますか」
 「はい」
 梅沢彌奈美は取りあえずその場は胡浜次郎から追加で貰った弁護士費用から百万を出した。
 「このネット上の口座に貴女の一千五百万が入金されています。貴女のスマホに一時的に特別なツールをインストールしてもらいます」
 この口座には特別なツールを使わないと検索しても接続できない。
 「はい」
 「このツールを完全に消すツールもあります。終わったら必ず消して下さい。あとこの口座からできるのは支払いだけです」
 「追加はこちらに持って来るのですか」
 「いいえ。此処には二度と来ては駄目です」
 老人はにこやかな表情で否定する。
 「ええ。それじゃ」
 「紹介した方がいらっしゃるでしょう」
 「ああ。はい」
 「それと口座に残金が余った時も同じですよ」
 「ありがとうございます」
 梅沢彌奈美は闇金融を出てその日の内に復讐を手配した。
 闇サイトには事前に見積もりを済ませている。かなり割り引いてもらった。一人三百万と手配料三百万である。
 梅沢彌奈美はその場では田村三千夫以外犯人を特定はできなかった。
 田村三千夫は指導運転士で一緒に乗務しているとき腕の形、首の形を覚えていた。
 スナックで撮られたアリバイ証拠写真には七人居た。
 そして池袋のホテルの防犯カメラにもその七人が映っていた。
 その内三人は乗務していて梅沢彌奈美が強姦されていた時間に下久保までは来られない。それであとの三人を特定した。
 
 七月十四日。
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のアジトである。
 本日は産地から通販で刺身が十数点届いて生ビールを飲みながら冷房の効いた室内から裾野の町を見下ろしている。
 「その女。復讐の金を得たのだな」
 「ああ。女将の話では誰かと同じ様に如月鬼堂の愛好会を追い出された男が関西まで行って愉しんだらしい」
 川口の女将に闇組織を紹介したのは川口の会長である。
 「良い女なのか」
 「まあな」
 「闇組織に紹介する資料を入手した」
 川口の会長は梅沢彌奈美のポートを数点見せる。川口の旅館で女将が撮影したものである。
 上半身はヌーブラのみ。下半身は膝上二十五センチのミニスカート。スレンダーで綺麗な生脚を剥きだしている。
 「スタイルは抜群だな」
 「乳房もそれなりにある。肌も肌理細かそうだな」
 「美人だが可愛げはない」
 「破壊したい気持ちが滾るな」
 「これが電車の運転士か。相当固い女だったのだな。強姦だけなら無視だが道警本部長が息子の犯罪隠蔽は叩きたくなる」
 「俺は犯人四人の他にこの道警本部長も抹殺すべきだと思う」
 「女はそこまで金を用意できないだろ」
 「もう一回やらせれば良い」
 「また細工したのか」
 「ああ」
 「ところで高田麻友そろそろ金が要るらしい。川口だ。行ってやるか」
 「うん。その運転士の女に比べたら落ちるがやる気に成らない女でもない。愛好会で不採用でも遊び様はある」
 医者の男が了解する。
 「しかし会長の予測通りいつまで経っても緊急事態と蔓延防止の繰り返しで状況は良くならないな」
 「やること総て後手で核心からずれている。これまで以上に国民の支持が薄い政府だ」
 「だが金で合法的に女を潰すのも今だけの愉しみだ」
 「旅館の女将はあと二回か」
 「そうだな。もう少し女の悦びを深いところまで教えて子宮は焼かないで女の性を破壊しようかなと思っている」
 「その女将。その方が感謝するかもな」
 「それで良い」
 「女の性を潰す方がが愉しみか」
 「そうだよ。旅館を維持しようと身を捨てているのだ。女の性を捨てさせればその後に辛くなる」
 「まあ。政府と知事連中を恨んでもらえば良いか」
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 本日はSM愛好会の主なメンバーが集まっていた。
 珠洲と瀬里菜はカウンターでテレビを見ている。
 「先生。ファッション喫茶はそろそろ一般客を入れないのですか」
 福富浅次郎である。
 「これからずっと会員オンリーで行こうと考えています。その方がいろいろ煩くないと思います」
 如月鬼堂はこれ以上拡大しない考えである。定期的に愛好会のショーで使うには会員オンリーが良い。
 愛好会の会合としてのショーを行えば会員が入れ替わり入ってくれる。
 「樽常氏は次を紹介してきませんね」
 杉下一行は市川沙也香のショーを十一日に行ったばかりなのに候補が出てないと言いたい。
 「心配要らない。荒井さんがまた見つけてくれたらしい。来週には紹介する」
 如月鬼堂は順調と言いたい。
 「樽常氏。高島波瑠が良過ぎたので怯んだのじゃないか」
 大河内税理士である。
 「ここの所。悉く否定されたからな」
 館山弁護士も何人も否定した。
 「レベルは維持しましょう」
 大河内税理士はそこを絶対維持したい。
 「福富さん。緊急事態などでソープや風俗はどうですか」
 「本来個室なので対象外と考えていましたが。女性都知事なので一番に休業要請して来ました。でももう大方が無視です」
 「閉店した店は」
 「二割から三割で収まっています」
 「まったく国と行政に腹が立つばかりだ」
 如月鬼堂は憤りが収まらない。
 
 七月十五日。
 この日。闇組織の手配で日系外国人の女性四人が福岡空港に着いた。そのまま新幹線で東京に向かう。
 田村三千夫らを襲撃する殺し屋である。
 髪を染め目の色をコンタクトで調整している。殆ど日本人と見える。
 四人一気に実行する手筈である。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人の内四人は川口の旅館に来た。
 今回も女将に六十万を渡す。
 女将は遠慮するが会長からの支援金だと押し切る。
 高田麻友は銀座のクラブママのスーツ姿で待っていた。
 「まだ足りないようですな」
 「もうまったく。時短で尚且つお酒が出せなければ休業しかありません。私共は八時以降にお酒が商品です」
 高田麻友はもう堪らないと訴えている。
 「この間提示しただけじゃ足りないのじゃないか」
 医師の男が鞄から百万の帯封を十束テーブルに置く。
 「・・・・・・」
 高田麻友は答えようが無い。
 現状は年内絶望かもしれない。オリンピックが終わった頃に感染拡大状況が専門家の予測で出されていた。
 「まあ。十月まではまともに収益にはならないな」
 「そうですね」
 高田麻友もその懸念は払拭できない。
 「あと一千万用意している」
 「え」
 「二千万有れば高い家賃と雖も年内は行ける。ワクチンが行き渡って時短や休業要請、酒の販売停止が無くなって売上が完全に戻るのは早くて十二月」
 「ああ」
 高田麻友は辛そうな表情でそれを否定できない。それどころではない。オリンピック直後に営業が正常化できてもこれまでの借金が厳しい。
 銀座のお店は半数弱が看板を点灯して営業を始めている。だが緊急事態宣言の中では銀座の客はそう簡単に遊び歩けない。
 高田麻友は同時に大きな不安を感じた。その代償に何をされるかの恐怖である。顔を焼かれるだけでは済まない。
 「何をされるのですか」
 「前回レベルの責めは同じだ。それに顔を焼く。そして」
 「・・・・・・・・・・」
 高田麻友は恐怖に息を止める。
 「子宮を諦めないか」
 医者の男はボソッと言う。
 「えーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は一気に涙を溢れさせる。
 そのまま顔を覆って泣いてしまう。
 四人は暫くその嗚咽を鑑賞する。
 「一千万にしておくか」
 医者の男は鞄を後ろに下げる。
 「私。まだ子供を作っていません」
 高田麻友は堪らずそう訴える。
 「それじゃ。感じる機能を失うか」
 「膣とクリトリスを焼こう」
 「・・・・・・・・・・」
 高田麻友は唯々震えて涙をぽろぽろ溢す。
 「だがなあんた。感じないと長いお客さんを持て成すのには支障が有るのじゃないか」
 まったく感じない女とは年配者は何度もやる気に成らない。感じた振りをしても見破る。
 「ああ」
 「どうや。顔を焼いて子宮を諦めて刺青で二千万だ」
 「えーーーーーー」
 高田麻友は固まってしまう。
 「まあ。一千万の分だけ始めよう」
 医者の男は百万の束五つ重ねた五百万二列を高田麻友の前に押しやる。
 高田麻友はそれを持って来た真っ赤な革の鞄に仕舞う。
 二人が高田麻友を柱の前に立たせる。愉しみながら丁寧に服を全部脱がして全裸にする。
 浴場に連れて行く。湯に浸からせて一人ずつ湯の中で挿入した。
 高田麻友は悩み続けた。一千万では十二月まで凌げない。利息だけで返済を猶予してもらっているがもう融資は増やせない。
 一通り形だけの挿入が終わると男らは高田麻友を湯から出して躰を拭いて座敷に戻す。
 一枚だけ畳に布団を敷く。
 医者の男が高田麻友にアナル開口器を挿入する。便が無い事を確認してローションを流し込む。
 二穴挿入を始める。
 とことん執拗に四人が入れ替わって責める。
 これで二回目だが高田麻友はこの責めが苦手である。股間部分が小刻みに震撼している。
 高田麻友は最初だけ声を殺して密かに逝っていた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。ああ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あ、ああーーーーーーーーーーー」
 やがて堪えられず声は押し出される。顔の表情は艶のある歪みを究極に軋ませ続ける。
 男四人はこれまで一回も果ててない。それでも高田麻友の股間は膣液と混じってぐちゃぐちゃである。
 「あ、ああーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーー」
 やがて高田麻友の逝き声は轟音のようになる。
 強く逝って躰が瞬間僅かに固まる。
 高田麻友は三回くらい上り詰めたら失神してしまった。
 交代した男がビンタで揺り起こす。
 下になる順番で布団に仰向けに寝た男の起立した竿にぐちゃぐちゃの女の部分を被せる。
 「あ、あーーーーーーーーー」
 ビンタした男がアナルに挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーー」
 高田麻友は僅かな意識の中で五十代のクラブママの話を思い出した。一緒に集団訴訟に参加している仲間である。
 『私は借り入れ以外お金を作れない』
 もう限界なので店を開けると言っていた。
 店を開けて呼んでも銀座の客は地位があるので簡単に動けない。
 一組来てくれたら協力金よりは収入に成る。それでも厳しい。
 今諦めたら自分は何もかも失う。それでも借金は残る。
 破産しても残る借金も有る。それを返すには風俗しかない。もっと厳しい人生が待っている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。ああ。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の躰はまた強く震撼し始める。思考回路は止まる。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 また逝き声は轟音になる。
 再び失神した。
 高田麻友は五回失神して布団にうつ伏せに倒れたまま意識を回復した。
 そのあと前と同じ電流責めを受けて強烈な悲鳴を上げ続けた。
 高田麻友は南七香のようにSMクラブでは働けない。
 愛好会が駄目でも樽常のクラブは入れてもらえる。だが南七香とは職業が違う。噂が流れては客が引く。
 愛好会も断られて良かったのかもしれないと思う。
 電流責めで疲弊した高田麻友の両肩を二人の男が抱えている。
 そのフロント面には乳房から股間、内腿までクリップで規則的に鋏まれていた。そのクリップは糸で繋がれている。
 その糸の一系統ずつを二人の男が持ってピンと空中に張っている。
 「行くぞ」
 一人が声を掛ける。
 後ろの男二人が一気に高田麻友の躰を後ろに引っ張る。
 「あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 クリップはドミノのように順番に立て続けに空中に飛ぶ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は畳に倒れてめちゃめちゃに暴れ捲くる。
 「あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 暫く痛みに泣き続けた。
 「刺青から行くかい。肌の色のインクで彫るから。普段は判らない。これで三百万追加だ」
 医者の男が三百万をテーブルに置く。
 「はい」
 さらにあと千二百万を置く。
 「ご祝儀込みだ。どっちにする。今の気持ち良さが二度と無くなるよりは」
 おかしな表現かもしれない。だがご祝儀というのは以前からこの男の言い方である。
 「はい。どうしてもお金が要ります」
 「子宮で良いな」
 恐ろしい言葉の確認である。
 高田麻友の悲痛さを男らは興奮の坩堝で見ている。
 「はい」
 高田麻友は静かに答える。
 医者の男は百万の束を積み直して五百万三列で高田麻友の前に押しやる。
 高田麻友は観念した表情でそれを革の鞄に仕舞う。
 男らは刺青から掛かる。一人が以前に彫師だったのである。左の内股に般若の刺青を彫る。肌の色だが躰が赤みを帯びるとくっきり浮かぶ。
 刺青が終わったところで医者が呼ばれた。
 高田麻友は布団に寝かされたままである。
 一人が頭の上から肩を押えている。二人が広げた脚を押えている。
 彫師と医師の男が交代する。
 医師の男は女の部分にクスコを突っ込んで大きく広げる。
 子宮口を確認する。
 既に先端が細く長い半田鏝を熱くしてある。
 「行くぞ」
 「・・・・」
 押える三人が気合を入れて押える。
 子宮口に細く長い半田鏝の先を突っ込む。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友は三名の押えに藻掻き腰を暴れさせ逃れんと引く。
 医師の男は直ぐに引き抜く。
 「あがああーーーーーーーーーーー。あがはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医師が他の男と交代して三名が気合を入れてもう一度確り押える。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 高田麻友はまだ荒い息遣いである。
 交代した一人が熱くなったT字の焼き鏝を構える。
 「行くよ」
 宣告して先端の狙いを定める。
 「動くな」
 高田麻友は既に涙を流し泣いたまま目を閉じている。
 男はT字の先端を頬に充てる。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田麻友の目からさらに涙が溢れる。
 直ぐに医者が呼ばれた。
 医師が応急処置を始める。四人は荷物を纏めて帰り支度を始めた。
 
 七月十六日。
 銀座のクラブの店舗で女性経営者が自殺した。普段閉じられて光も遮断している窓から垂れ幕が下ろされていた。
 垂れ幕には『もう限界です。恨みを呑んで自決します』と書かれていた。
 警察官が店に入ると五十年配の女性経営者が和服姿で首を吊っていた。
 店の中の壁には藁人形が三体打ち付けられている。
 大池都知事、菅原総理、西沢大臣の三体である。
 その下のテーブルには遺書が置かれていた。驚愕の遺書であった。
 
 七月十七日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「繰り返される緊急事態宣言の中です。遂に無能な政府と行政を恨むメッセージを残して自殺者が出ました」
 今夜の本多椿は純白のスーツ姿である。
 「遺書には大池都知事、菅原総理、西沢大臣に恨みを篭める内容が書かれていました。一億年の呪いを篭める。驚愕の言葉で恨みの深さが篭っていました」
 高島波琉も読むニュースの内容を考慮して千鳥格子のジャケットにセピア色のタイトスカート姿でスクリーンの横に立っている。
 「八時は店を開く時間です。協力金では足りません。若い女性経営者は特別な風俗で稼ぐらしいですが私では無理です。そんな事が書かれていました」
 岡田有美もライトグレーのミニスカスーツ姿である。
 「鬼堂先生。遂に悲惨な緊急事態宣言の犠牲者が出ましたね」
 本多椿が如月鬼堂に振る。
 「自殺者はこの方だけではないと思います。この方は集団訴訟に参加していました。間に合わなかったのでしょうね」
 如月鬼堂は南七香らと一緒に一度だけ会っている。
 「日本では強引に営業する程度で訴訟に踏み切る人が少ないですね」
 本多椿は如月鬼堂の言いたい方向に話の舵を切る。
 「そうです。信じられないくらい少ないです。訴訟に慣れていないのと既に費用も無いか。又は控えめなのですね。世間の非難も気にするのでしょうね」
 「休業要請とか柔らかい言い方で始めて蛇の生殺しのように一年四ヶ月だらだらと飲食店、風俗を時短、休業、酒提供無しと抑えてきました。結果多くの閉店と失業者を出しました。政府も自治体もこの対策はまったく無しですね」
 本多椿は如月鬼堂の言いたい事を充分に理解してさらに話を誘導する。
 「まったく日本的やり方は戦前から変わっていません。特攻隊の志願と命令の違いみたいなやり方です。その限りなく命令に近い志願と同様です」
 如月鬼堂はもっと強く言いたいが今回は抑え目にした。
 
 その日。胡浜次郎は予約の隙間に上手く入り込んで南七香を指名した。
 豊洲のプレイルームである。
 南七香はプレイルームに入って胡浜次郎を見るなり血の気が引いた。
 無言で立ったままである。
 「どうした。俺では嫌だとは言わないだろうな」
 胡浜次郎は先回りをする。
 クラブのプレイの範囲で躰に傷を残される筈はない。南七香はそう自分に言い聞かせる。
 樽常マネージャーの真性M女性の館でプレイするには保険に入っている。保険が適用されるような事故を起こしたら次から保険料が高くなる。
 クラブではプレイができなくなる筈である。
 胡浜次郎は南七香の躰を捕まえて服を脱がす。履いて来たショーツの裏側をテーブルに置いて晒される。
 南七香も初めてではない。この男の趣味と諦める。
 胡浜次郎は全裸の南七香に四の字固めを掛けてきた。
 「う、うう、ううーーー」
 苦しみ藻掻く。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 堪えられず床を叩く。
 胡浜次郎はそれでも許さない。
 「うぐーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は床を叩き続ける。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー。もういやあ。だめーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は床を叩いて強烈に叫び続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーー」
 南七香はさらに強く叩く。
 胡浜次郎はようやく諦めたように解いた。
 そのまま南七香の躰を床にうつ伏せに押える。腰に乗って顎を両手で強く持上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は両手で胡浜次郎の両方の手首を掴んで引っ張る。顔を真っ赤にして逃れんと藻掻く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また床を叩く。
 プロレスなら床を叩けばゴングが鳴って開放される。
 胡浜次郎は自分が納得するまで許さない。
 胡浜次郎はこれで失禁を狙っている。既に尿瓶を用意していた。
 「うっぐぐぐーーーーーーーーーーー。うぐーーぐうーーーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は片手で胡浜次郎の腕を引っ張りもう方の手で床を叩き続ける。
 胡浜次郎は失禁までは無理と諦めた。
 一度開放して拷問椅子に乗せる。
 拷問椅子のベルトで膝、腰を固定して手首を後ろに回して手錠を掛ける。
 バルーンカテーテルを取り出す。
 滅菌袋から出してキシロカインゼリーを塗る。
 南七香は悲痛な表情でそれを見ている。この痛みが尋常でないことを既に知っているのである。
 胡浜次郎は南七香の女の部分を指で広げる。尿道の亀裂と膣口を確認する。
 「まだドドメ色に成ってないな」
 胡浜次郎はじっくり眺めて詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香はこういう人と分かっていてもその言葉に堪えられない。
 胡浜次郎は南七香のそういうプライドと羞恥心を詰るのが愉しみである。
 その尿道の小さな亀裂に太いバルーンカテーテルを押し込む。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー」
 南七香の太腿の筋肉が怒張して拷問椅子の上で腰を藻掻く。
 それでも胡浜次郎は捩じ込むように強引に押し込む。
 「うあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の強烈な悲鳴と共にバルーンカテーテルは膀胱に突き刺さる。
 胡浜次郎は尿瓶を取る。カテーテルの先端を尿瓶に差し込む。
 バルーンを膨らますのは省略した。
 尿瓶に南七香の尿を流し込む。
 「ねえ。貴方枝理奈の顔とおっぱい焼いたでしょう」
 「千三百万も払ったよ。整形して大方は治る」
 「でもドテ焼いてパイパンにしたでしょ」
 南七香はこの男に言ってはいけないと理解している。それでも言葉を吐かずにいられなかった。
 「何か痕を残さないと大金払う意味は無い」
 「そっちだけで遊べばいいのに」
 南七香は拒否反応を言葉に表してしまう。
 「ふふ。どうしてもあんたを虐めたくなってね」
 胡浜次郎は残酷な表情を浮かべて言う。
 「どうしてそんなに私を」
 南七香は堪らない表情である。
 「前に言ったぜ」
 「そうね。女が社会的に強い立場になるのが気に食わないのね」
 「よく覚えているじゃないか」
 胡浜次郎は話を打ち切って南七香の口に開口器を押し込む。
 南七香は何をされるか分かっているが仕方なしに口を緩める。
 胡浜次郎は拷問椅子の戒めを腹と膝だけ外す。手錠か掛けたまま拷問椅子から立たせる。
 そのまま浴室に連れて行く。
 タイルに空気で膨らました枕を置いて寝かせる。
 南七香から抜き取った尿を筆で顔に塗る。
 「・・・」
 南七香は目を瞑って顔の表情を歪める。
 続いて口に流し込む。
 ぐぼー。ぐぼー。
 南七香は喉から押し出す。
 「お前の小便だ飲め」
 胡浜次郎は強い口調で命令する。
 クラブのメニューでは飲尿はこのコースで受けなければならないプレイの範囲である。だが南七香は堪えられない。
 胡浜次郎は爪先でタイルに伸ばした南七香の腕を押えるように踏む。
 ファスナーを開けて一物を出す。
 南七香の顔めがけて小水を振りかける。途中から口の開口器に強い威勢で流し込む。
 南七香は声も出せないで堪え続ける。
 ブフォオーーーーーーーーーーー。
 堪らず起き上がって開口器を口から飛ばす。
 ゴフォオーーーーーン。ゴホオン。ゴホン。
 南七香は起き上がったまま咳き込み続ける。
 「十五分やる。洗って出て来い」
 そう言い置いて胡浜次郎は浴室を出る。
 プレイ代の三十万を南七香が床に置いたバックの下に挟み込む。
 南七香は浴室で何度も嗽して不快感を洗い流す。頭を洗い顔も洗って最後に躰を洗う。十五分確り洗い続けた。
 胡浜次郎は出て来た南七香に金を指差す。
 南七香はそれをバックに仕舞う。
 胡浜次郎は蝿叩きの様な先端が十センチ角の平たい革の鞭で乳房を叩き続けた。乳房全体が赤くは成るが蚯蚓腫れや数日残る痕には成らない。
 「あうーーーーーーーーーーーー。あうーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げ続けて涙を流す南七香の乳房を五十回くらい叩いた。
 さらに内股を叩く。
 そして拷問椅子に縄で固定して股間を大きく開く。性器を三十回数えて叩いた。南七香の顔は涙と汗に塗れて無残極まりない。
 胡浜次郎は氷水の浣腸液を用意する。
 南七香は冷やされた浣腸液に慄いている。それが直腸に入ったら猛烈に痛い。
 胡浜次郎は容赦なく注入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は注入し始めただけで悲鳴を上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は悶えながら泣き喚き続ける。
 それでも胡浜次郎はアナル栓を捩じ込む。
 「えーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーー。むりですーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は今の痛みに堪えられない。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 南七香は拷問椅子を揺すって藻掻き続ける。
 胡浜次郎は笑顔で嬉しそうにその表情を愉しむ。
 「あーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は涙をぽろぽろ溢して許しを請う。
 胡浜次郎はそれでも許さない。乳首に洗濯バサミを付ける。
 「うーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は腹の痛みに藻掻き続ける。
 胡浜次郎は南七香の瀕死の表情に満足して拷問椅子に便を流す壷を接続する。
 ようやくアナル栓に手を掛ける。
 「うーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎は南七香の苦しみを愉しみながらじわじわアナル栓を抜いた。
 茶色い水が静かに流れ出る。殆ど便は混じってない。南七香は事前に抜いてきたのである。
 「うぐうーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎は南七香が苦しみながら最後まで水分を搾り出すのを見ながら次の浣腸液を用意する。
 「まってーーーーーーーーーーー。もうだめです。むりですーーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎はフェイスタオルで南七香のお尻を拭く。
 浣腸器を持上げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも胡浜次郎はアナルに差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の泣き悲鳴を無視して浣腸液は直腸に注入されてゆく。
 「あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーだめーーー」
 南七香は何処までも泣き喚き続ける。
 胡浜次郎はあと二回。合計三回浣腸した。
 拷問椅子から降ろした南七香は床に倒れこむ。
 「丁度二時間だ。ピンチを取ろう」
 胡浜次郎は最後の苦しみを死刑宣告の如く嬉しそうに言う。
 南七香もこの痛みを知っている。
 慌てて震える手で洗濯バサミを掴む。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は床を転げながら痛みに泣き喚く。自分の手で乳房を揉む。
 胡浜次郎はその南七香の躰に乗る。代わりに乳房を揉む。
 「ううーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 胡浜次郎は南七香の悲鳴を愉しみながら十五分くらい揉み続けた。
 「あと五万出す。最後にビンタさせてくれ」
 胡浜次郎は五万を財布から抜いて床に置く。
 「はい」
 南七香は上体だけ起こしてそれを受ける。
 胡浜次郎は反動をつけて南七香の頬を叩く。
 「ううーー。ううーー。うーーーーーー。うーーーー。うふうーーーーーーーーーー」
 南七香はもう泣かなかった。
 「風呂を使って此処で眠って帰れ。歩けないだろう」
 そう言って胡浜次郎は帰った。
 南七香だけでなくこれが生きている胡浜次郎を見た最後であった。
 
 七月十八日。
 闇組織の手配で日本に来た日系外国人の女性四人が動いた。各々別の標的を担当する。
 四人とも日本語は充分に訓練されている。
 やや混血には見えるかもしれない。だが防犯カメラの映像程度では日本人に見える。
 一人は田村三千夫を待ち伏せてホテルに誘った。ややエキゾチックに見える美形。スタイルも良い。ミニスカートの露出度が高かった。
 田村三千夫は疑いも無くホテルに入った。
 女は田村三千夫がその躰に夢中になって挑み掛かるタイミングで股間に手を回して玉を握り潰した。
 田村三千夫は悶絶する。
 そのまま注射で薬殺した。
 翌日正午近くにフロントが内線をコールして反応が無い。それで合鍵で踏み込んで遺体が発見され警察に通報された。
 
 その女は標的の一人を尾行してホテルに誘うタイミングを見計らっていた。その男が人気の無い歩道橋に差し掛かった。
 女はそのタイミングで後ろから首に毒針を刺す。
 男の躰がぐらつく。その首を掴んで階段から投げ落とした。
 既に毒針で死亡していたが転落死に見せかけた。
 
 標的の男一人は乗務を終えて車で武州鉄道の武州市駅に近い裏道を走行していた。
 武州鉄道と少しだけ近くを併走するJRのローカル線。その上を跨ぐ橋に差し掛かった。
 橋の方からバイクが車体を斜めに車の前輪に引っ掛けるように突っ込んできた。この男を担当した女の殺人鬼である。
 男は走行中ハンドルを切り損ねて鉄道の橋から石の欄干を突き落として車ごと線路に落下した。
 時間的に人通りも無く車も殆ど走ってない。目撃者も居なかった。
 次に来たJRのローカル線の運転士が線路の障害物を見て急ブレーキを掛ける。それで事故が発覚した。
 
 最後の一人も混血系の女にハントされて自宅に誘ってしまった。
 女は少しでいいから金が欲しい。それと今夜泊めて欲しいと要求した。美形かつスタイル抜群の女である。
 一万か二万なら痛くは無い。四人で計画的に狙ってアリバイまで作って輪姦した梅沢彌奈美と比べても劣らない女である。
 最近SNSで泊めて貰える男を捜す女が時々いると知っている。これは運が良かったと満足していた。
 そのあとは田村三千夫と同じ様にして殺された。
 自宅アパートで死亡していて勤務に出勤しない。それで会社が確認した。
 既に四人の女は朝一番の新幹線で名古屋に向かった。昼前に名古屋空港から海外に飛び立っていた。
 
 四つの犯行が行われた日の梅沢彌奈美は池袋を二十二時五分発快速急行下久保行きに乗務していた。森林公園で交代する。
 そのまま上りの急行に武州市まで乗務した。武州市には二十三時五十分に着く。そのまま仮眠宿舎に入る。
 他の女性運転士と車掌も居た。駅近くのコンビニで買い物をして一緒に食事を摂る。
 時間的にどの殺人現場にも行けない。
 三人の殺害現場は何れも東京都内である。武州市駅近くで内の一人が事故死した時間はまだ梅沢彌奈美の乗務した急行が武州市に着いていなかった。
 第一機動捜査隊の二つの班と第二機動捜査隊の一つの班がそれぞれ出動した。
 四人の総てが武州鉄道の乗務員である。連続殺人と断定されたが同時には不可能である。
 
 同じ日。胡浜次郎の遺体が東京湾で発見された。
 知り過ぎた胡浜次郎を闇組織が抹殺したのである。
 
 翌日七月十九日。
 正午に警視庁にだけ犯行声明が出された。内容は強姦者への天誅。そして強姦事件を隠蔽した警察への非難である。
 その中には四人の一人田村三千夫の父親で道警本部長田村祥司の関与が仄めかされていた。
 警視庁は公表を控えた。
 
 梅沢彌奈美は野村未来也弁護士の紹介する島本舞弁護士に依頼した。
 第一機動捜査隊は梅沢彌奈美の事件当夜の行動を確認するだけで任意同行には出なかった。
 また胡浜次郎の予測に反して弁護士費用は二十万で済んだ。万一逮捕に成って弁護士接見でも五百万には及ばない。
 梅沢彌奈美は胡浜次郎の死を知って驚愕した。だがその半面心の底では安堵するのであった。
 
 闇組織から梅沢彌奈美に完了のメールが入り北海道警本部長田村祥司も処分した方が良いとの旨を伝えてきた。
 そして手配手数料込みであと四百万要求していた。
 梅沢彌奈美は闇口座をもう一度使って入金するためWebメールで紹介者の川口の女将に連絡を取る。
 川口の女将は川口の会長に連絡を取る。
 川口の女将から現金の隠し場所の確認が来る。
 梅沢彌奈美は貸しロッカーと答えた。
 折り返し鍵の送り先を指示して来た。その翌日梅沢彌奈美に闇口座にアクセスするツールがUSBで送られて来た。
 ツールを使って闇口座から闇組織に再び入金をする。
 そして闇口座へのアクセスツールを以前に池袋の闇金融で貰ったツールで削除した。
 その後マネーロンダリングを代行する闇口座運営組織の指示で二つのUSBを川口の女将に郵送する。
 川口の女将はそれを川口の会長の指示する所へ転送した。
 
 七月二十日。
 北海道札幌市付近。
 ドローンではない。そんな名称が一般的に成る前から闇組織が使っている小型飛行物体である。
 今回のは鳥の構造に成っている。偵察にも使う。
 道警本部長田村祥司警視監は休日だけ自分で運転する。札樽道を札幌から小樽に向かっていた。
 その後ろを組織に雇われた殺人鬼が尾行している。
 鳶に見せかけた鳥の飛行物体を車から飛ばす。
 その飛行物体はカーブの手前で田村祥司の車の前に出る。
 鳶の飛行物体はカーブに掛かる所で羽を大きく広げてフロントガラスに貼り付く。
 田村祥司は焦るがどうにもできない。ブレーキも踏めない。
 鳶の飛行物体は目からレーザーを放つ。
 田村祥司はハンドル操作ができずカーブでガードレールを破って落下した。鳶の飛行物体はそのまま飛び去る。
 殺人鬼は車を自動運転で鳶の飛行物体を操作していたのである。
 組織は依頼の完了を梅沢彌奈美に報告する。
 
 道警本部長田村祥司の死は事故死として処理された。
 四つの殺人事件の捜査は闇組織と実行犯に絞られる。そのまま迷宮入りの予定かもしれない。

 
 最期のSM小説家 第二十六幕 復讐の為風俗で働く女 完





 最期のSM小説家 第二十七幕 美人三姉妹と従姉妹の惨劇 完


 二〇二十一年大暑上元。太陰太陽暦六月十六日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年七月二十五日。
 如月鬼堂は四連休終了日の下り上越新幹線で越後湯沢に帰り着いた。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「館山先生と野村先生がお待ちです」
 「え」
 如月鬼堂はまだ何かあるのかという表情である。
 「元会員の胡浜次郎という人が殺されたのですって」
 「武州鉄道の運転士四人の殺人事件と関係有るのかな」
 武州鉄道の運転士連続殺人事件。その内の二人は当初事故死だったが同じ鉄道会社なので四人は殺人事件と見做された。
 「野村先生は深刻そうな表情でした」
 如月鬼堂を訪問して帰宅を待たせてもらう理由に二人の弁護士は珠洲と瀬里菜にある程度の用件を話した。
 如月鬼堂が帰り着くと既に野崎卓郎弁護士とテレビ会議が繋がっていた。
 「お二人の推測通り胡浜次郎が殺されたのは間違いなく闇組織の仕業でしょう。北海道警の田村本部長も同様でしょう」
 野崎卓郎弁護士も同じ見解である。
 「胡浜次郎が闇風俗でその復讐を目論む女を買って金を作らせたのだな」
 如月鬼堂も事態を悟る。
 「それが闇組織に殺された理由と思われます」
 如月鬼堂の問いに館山弁護士が答える。
 「警察は強姦された復讐の女に辿り着くのか」
 如月鬼堂はそれさえなければ面倒な事態には成らないと見ている。
 「今のところ警察は梅沢彌奈美のその日の行動を洗っただけです。総ての犯行時間に乗務しています。今のところ警察は任意同行には出ていません」
 これも館山弁護士が答える。
 「道警は田村祥司警視監を事故死で処理した。防犯カメラに接触車両などが見当たらない単独事故だ」
 野崎卓郎弁護士がモニターの中から発言する。
 「防犯カメラに容疑者らしきが上がったのは田村三千夫をホテルで殺害した女だけです」
 館山弁護士が説明する。その一人以外犯人像らしきも出ていない。
 「自宅で殺されたもう一人も女の犯行と思われますが。死亡推定時刻がほぼ一致しています。同じ都内でも同一犯は不可能に近いです」
 野村未来也弁護士が付け加える。
 「警察は強姦事件に田村道警本部長の関与を表面化したくありません。プロの犯行と見做してそっちを追求するでしょう」
 野崎卓郎弁護士の見解である。三人の弁護士らはそれぞれ警察内部の情報はそれなりに得ている。
 「そうですね。マスコミ報道に捜査線上に強姦された女性とかの話は出ていません」
 野村未来也弁護士もやや安堵する。
 梅沢彌奈美の強姦事件は現時点ではまったく公表されてない。梅沢彌奈美が警察に相談として現れたので伏せられたままであった。
 「梅沢彌奈美がプロに依頼したとしたら金の出所が問題ですが。捜査は闇風俗には至らないでしょう。寧ろアリバイ有りオミットで済むかもしれません」
 館山弁護士もやや楽観した見解を示す。
 「胡浜次郎が殺されたから野村先生や館山先生他にまで危害が及ぶとは考えにくいです。闇組織とて刺客に金が掛かります」
 野崎卓郎弁護士の見解である。
 「ならばこれ以上何も起きないな」
 如月鬼堂が念を押す。
 「多分大丈夫です」
 野崎卓郎弁護士がモニターの向こうから答える。
 
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のアジトである。
 大型モニターでオリンピック中継を見ながら焼肉パーティをやっていた。
 外の空気が茹だるように熱いと判る。その窓の内側。冷房の利いた室内で生ビールが旨い。
 「タイミングよく流した犯行声明が効いたな」
 葬儀会社の社長が呟く。
 「どうであれ警察は田村警視監の強姦事件隠蔽関与にマスコミ報道が及ぶことは避ける」
 川口の会長である。
 「殺しを請け負った組織は胡浜という最後の危惧を潰したのだな」
 医者の男が評価する。
 「どうであれ復讐女が稼いで使った金は絶対に表には出ない。実行犯はもう日本に居ない」
 「ならば復讐女を逮捕はできないな」
 「できない。強い女性弁護士もついている」
 「ならばオリンピックのドサクサに何か愉しみたいな」
 「考えてみるか」
 だがこの六人は他の犯罪に先を越された。
 
 七月二十六日。
 四国。山の中の一軒家である。
 コロナの影響でリモートワークや地方移転が囁かれる昨今。此処から通販事業を行うグループが居た。
 農家の広い面積に倉庫が確保できる。インターネットさえ使えれば営業は問題ない時代である。
 女性四人。全員が二十代。コロナ酣の東京から移住して三ヶ月になる。営業は順調であった。
 三人が姉妹。残る一人は従姉妹。種が良いのか畑が良いのか全員がスタイルよく美人である。
 毎日宅配便三社が荷物を運んで取りに来る。
 列車なら直ぐ上の坪尻駅から十五分で阿波池田の町に着く。車でも国道に出てやや掛かるがそれ程遠くは無い。
 だが坪尻駅に向かうにはまともな道が無い。獣道同然で昼間大人の男でも歩きたくない。
 途中に幽霊屋敷のような廃墟がある。蝮もスズメバチも出るらしい。
 また列車もスイッチバックの駅で一日に上りが四本。下りが三本しか来ない。本線から一度引込み線に入って方向を変えて駅に入る。
 駅に入る線は平らだが本線は斜めに降下している。
 特急は一日十数本が駅を通らずに通過して行く。
 土讃線は琴平までしか電化されてない。普通列車は単連。特急も三連か四連で振り子構造の二千系、二千七百系気動車である。
 ちなみに土讃線にはもう一つ新改というスイッチバックの駅も存在する。
 東京に出るには阿波池田から特急で高知に向かって飛行機。または阿波池田から特急南風で岡山に出て新幹線となる。
 毎日荷物を届ける宅配業者も集荷する宅配業者も毎日ほぼ同じ人間が来る。だが此処もご他聞に漏れず二人は外国人である。
 K国人のドライバーが他の会社の二人によからぬ相談を持ち掛けた。
 四人の容姿が余りにも抜群だから堪らなかったのである。
 B国人も日本人も話しに乗ってしまった。
 いつも命令口調で威張った嫌な女達という印象が強かった。その印象が三人の意識を纏めた。
 S便田代衛、Y運輸趙福徳、U便代行会社ファンの三名はその日の配達を同時刻に合わせた。
 四人の女性は事務室内の四つの机に固まっていた。
 配達荷物を降ろして集荷荷物を積む。
 積んだ荷物の中に催涙ガスの出るものを忍ばせている。降ろして十五分後に静かに流れ出すように設定されていた。
 一度挨拶して帰る形をとる。配送車両は全部建物を離れる。
 そのまま車両を隠して徒歩で戻る。建物の三箇所に隙間を作って催涙ガスを一斉に流し込む。
 幸い虫が入るのを嫌って冷房効率も含めて密閉性が高く改造されていた。
 横を通る坂道の途中から窓の中が覗ける。
 四人が倒れたことを確認してもう一度踏み込む。
 手分けして四人の女を厳重に縛って目隠しをする。さらに念を入れてクロロフォルムを口と鼻に充てて強化した。
 そのままトラックの荷台にブルーシートを敷いて四人を積む。予定していた無人の古民家に運び込み寝かせたまま監禁する。
 民家に予め用意していた掃除機で荷台を厳重に掃除した。
 三名とも荷物を積んだまま一度各々営業所に戻る。
 勤務を終えてから駅で待ち合わせて田代衛の車で古民家に向かう。
 三名は古民家に拘束道具と拷問道具を用意していた。
 縄、拘束具、鞭、蝋燭、拷問柱、浣腸器、クリップ、ドリルバイブ、電マ、そして防護服、声を変えるフィルター、サングラス、頑丈なマスクである。
 三名はニュースで時々登場した連続拉致強姦傷害事件の犯人六人の姿と同じに成っていた。
 マスクの下に音声を変えるフィルターが入れられているだけが違う。
 拘束具は四台用意している。
 一度縛りを解いて四人の女を一人ずつ全裸にした。
 拘束具は女躰の胴の部分が乗る大きさの板が斜めに設えてある。斜めにする為片側だけ下に二本の脚が打ち込まれている。
 頭を下に固定する。肩が当たるあたりに二本の円柱の丸太が打ち込まれている。二本の円柱の間に首が入る。
 円柱二本に鉄パイプを渡して首を抜けないようにする構造である。
 腰の部分にベルトが埋め込まれていてそのベルトで腰を固定する。
 女躰を乗せた板から左右にはみ出して木のアームが立っている。
 そのアームに脚乗せ台が取り付けられている。股間をV字開脚にしてその脚乗せ台に脚首を固定した。
 四人の固定が終わった段階で三名とも鞭を手にする。
 四対三でやや配分が難しい。
 四人の中で従姉妹の水田咲江二十二歳が一番可愛い。これを最後に残した。
 一番姉が水田奈那緒二十九歳。次が仁美二十七歳。一番下が沙奈美二十三歳である。
 姉の水田奈那緒が一番長身でスタイルが良い。だが気性が荒い。配達員を見下した物の言い方をする。
 三名には一番懲らしめたい女である。
 乳房は仁美が一番大きい。沙奈美が三人の中では小柄である。
 三名はどの女に先に入れるか抽選する。当たった順に最初の女を選ぶ。
 一通り輪姦して咲江に入れる順番を決めることにした。
 動画撮影のためカメラも設置されている。
 片っ端から乳房を叩く。
 「うおーーーーーーーーー。あ、あーー。なによーーー。これーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最初に意識を回復した奈那緒が叫ぶ。全裸で縛られ大股開きで股間は上を向いて丸出しである。
 容赦なく先端に四角いスパンキングが付いた一本鞭で頬を叩く。
 「うおーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 奈那緒は怒りの限り叫ぶ。
 「うるせーーーーーーー」
 また乳房を上から被せるように叩く。
 「う、ううおーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー。なによこれーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は般若の形相で怒り叫ぶ。そして隣にも仁美が縛られてとんでもない姿にされているのが目に入る。
 四人とも眠らされてこの場所に連れて来られたまでは想定が着く。
 趙福徳は鞭を振り上げて奈那緒の頬を叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーー」
 奈那緒は歯を剥き出して叫ぶ。
 続いてB国人のファンが仁美の乳房を叩く。
 「ううーーーーーーーーー。えーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーー」
 仁美は恐怖に慄き叫ぶ。
 続いて田代衛が沙奈美の内腿を叩く。
 「ううーーーーーーーーー。なに。あ、ああーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーー」
 沙奈美は縛られた自分の全裸に慄き叫ぶ。
 その隣では咲江が眠らされたまま自分と同じ様に縛られている。
 「おねーーちゃあーーーーーーーーーん」
 沙奈美は堪らず姉を呼ぶ。
 「みんなしばられているのよーーーーー。こいつらに襲われたのだよーーー」
 奈那緒はどうにもできない事態を叫んで妹に知らせる。
 三人の防護服、マスク、サングラスの男らはズボンのファスナーを開ける。
 ビニール手袋をして男根にコンドームを被せる。証拠を残さない為である。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見て奈那緒が叫ぶ。
 三名は示し合わせたように女の膣にローションを流し込む。濡れていないことは承知である。
 奈那緒らは叫び続ける。
 「ゆくぞーーーーーーー」
 田代衛が声を掛ける。
 「やめろーーーーーーーーーーー。ごうかんだーーーーーーーー」
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 「いやあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん」
 三姉妹の叫ぶ声を聞きながら男らはゆっくり挿入する。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー」
 「いやあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん」
 「だめーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 三名とも女達の狂乱の悲鳴を他所に興奮が高まっている。強姦は数分で果ててしまった。
 それから相手を代えて泣き叫ぶ女に次々に挿入する。
 三人の女を輪姦し終わると浣腸器を持ち出す。冷たく冷やした石鹸水を注入する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 奈那緒は冷たい浣腸液が直腸に入って強烈に叫ぶ。
 浣腸器は一本しか用意してなかった。二百CCで充分である。注入が終わるとアナル栓を捩じ込む。
 続いて仁美に浣腸する。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 仁美も悲鳴を上げる。
 奈那緒は既に腹の究極の痛みに藻掻き苦しんでいる。
 沙奈美は注入に泣き喚く。
 田代衛が挿入後の奈那緒の女の部分を広げる。
 強姦の最中だけ止めていたカメラで動画撮影を再開していた。
 「やめろーーーーーーーー。みるなーーーーーーーーー」
 奈那緒は堪らずまた叫ぶ。
 「カメラにばっちり映っているぞ」
 「えーーーーーーーー」
 奈那緒はやっとカメラの存在に気付く。
 「えーーーーーーー」
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 仁美も沙奈美もいま気付いた。
 「撮影してどうするのよーーーーーーーーーー」
 奈那緒は声を荒げて確認する。
 「はっはっはっは。アダルト系の動画投稿サイトにアップだ。ダウンロードできるサイトも有るぞ」
 田代衛が嘲るように宣言する。
 「そうだあっという間に拡散だ。この姿が」
 趙福徳が愉快そうに付け加える。
 「何で私達をーー」
 奈那緒はまだ叫ぶ。
 「あんなところから商品発送して対応が女名ばかり。テレビ関東のビジネス番組で紹介されたのが運の尽きだな」
 「ああーー。そんな」
 奈那緒らは宣伝効果と期待していた。それがこんな事に成ろうとは思ってもいなかった。売り上げは順調に伸びていたのである。
 「あんたらこんな事して必ず捕まるよ。ううぐうーーーーーーーーー」
 奈那緒はまだ抗議せざるにいられない。そして腹の痛みに呻く。
 「連続拉致強姦傷害事件の犯人六人。いまだ捕まらないぞ」
 田代衛が嘲る。
 「バスの女運転士は間違った犯人指摘して。無罪に成ったら自分で復讐して関係の無い人まで殺して死刑囚だ」
 趙福徳が含みと混ぜてさらに嘲る。
 「上手く逃げた犯人の真似しても大概は捕まるのよ。うぐうーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーー」
 奈那緒はまだ強く言い返す。その表情は歪み切っている。腹の痛みが押し迫っていた。
 「効いてきたぞ」
 B国人のファンは待ちかねたように女達のプライドの破局に期待している。
 「出だしは浣腸の羞恥。次が強制的にお漏らしだ。さらに拷問。なかなかのアダルト動画だ」
 「うーーうーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は苦しみ藻掻きながら怒りの言葉を吐き出す。
 「この女からアナル栓抜くぞ。カメラの向き頼む」
 田代衛が号令する。
 「いいぞ」
 ファンがカメラ調整完了の合図をする。お尻の下には大きな透明なタッパンが置かれている。
 田代衛が体を横に避けて奈那緒のアナル栓を引き抜く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 茶色い水が噴出する。それに混じって千切れ千切れの便が飛び出す。
 「う、うーーーーーーーん。うーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は断末魔の呻き声を上げる。悔しさの極地である。
 「長身スタイル抜群で美人顔。絶世の美女の排泄の破局。永久保存版間違い無しだ」
 田代衛が得意げに宣言する。
 奈那緒も本当にダウンロードしていつまでも保管する人はいると思う。今の体制から逃れて警察に通報しなければアップロードは止められない。
 こいつらが逮捕されてもこれがばら撒かれたら絶望である。
 アダルト専門の動画投稿サイトと雖も直ぐに消去されるに違いない。それでも短時間にダウンロード保管者は出る。さらに複写して友人に配られる。
 それだけではない。闇サイトでさらに拡散する。
 今の状態では止めることは絶望的である。
 誰かが事務所が連絡取れないので調べてくれたらと思う。だがそれも無理である。
 インターネットで購入。メールで通信。誰かが異常に気付いてくれても一日二日は掛かる。
 田代衛が濡れタオルで奈那緒のお尻を拭いている。
 その間にファンがカメラを調整して仁美の排泄準備をする。
 「何で輪姦すだけじゃなくてこんな動画まで撮ってばら撒くのよ」
 奈那緒はまだ抗議する。
 「だから言ったろ。こんな山奥で美人ばかりの事務所。狙われるって」
 「何で輪姦すだけじゃなくてこんな動画までって言っているのだよ」
 奈那緒はさらに強い口調になる。何処までも気性の強い女である。
 「だから。長身スタイル抜群で美人顔。絶世の美女の排泄の破局。永久保存版。それを皆様にお配りして共有しないと」
 「なんでそこまでするのだよーーーーーーーーー」
 奈那緒は涙を飛ばして抗議する。
 「それはな。俺たちは汗水垂らして僅かな給料で働いている。お前らは通販で上手く儲けている。こんな若いのが女だてらに。だからお仕置きだよ」
 趙福徳の本音を強く主張した答えである。
 「ちくしょーーーーーーー。何で私たちが成功者しちゃいけないんだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は涙を飛ばして怒り抗議である。
 「女性優遇社会だ。俺たちのように思う奴等も多いぜ」
 趙福徳は何処までも自分の思いを言い続ける。
 「おい。次ぎ行くぞ」
 田代衛が遮って先を進めようとする。
 「おう」
 今度は趙福徳が仁美のアナル栓を抜く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 仁美の悲鳴が轟いて茶色い水と共にずるけた便が流れ出す。
 ブオーーーーーー。ブフォオーーーーーーーーー。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 仁美は排泄しながら号泣する。
 「さあ。もう一人撮影して。こっちの女輪姦そう」
 田代衛は時間配分を考えている。
 「そうだったな」
 趙福徳も奈那緒と議論している場合ではないと悟る。
 沙奈美は排泄の撮影に腹の苦しみの呻き声を絞り出しながら泣き喚いた。
 終わってお尻を拭かれても泣き続けた。
 阿弥陀籤の抽選で咲江を輪姦し始める。
 鞭で乳房と頬を叩かれて起こされた咲江も泣き喚いた。さらに事態の恐ろしさを悟って号泣する。
 煩い奈那緒らにはギャグボールを噛ましておく。
 輪姦される間ずっと咲江は強烈に泣き喚いた。
 「排泄動画だがカテーテルでは効果が薄いな。堪えられず漏らす方が受けるぞ。強烈な痛みか強い官能を与えて」
 ファンが咲江を犯している間に趙福徳が田代衛に提案する。
 「そうだな。痛みと恐怖の失禁。電マで責め続けて失禁。あとは潮吹きだが」
 「俺はできる。指を突っ込んで潮を噴かせる」
 「あ、ああーーーーーーーーー。いあやあーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーー。いやああーーーーーーーー」
 ファンが咲江に突っ込んでペニスを強くイキませて押し込み続けていた。
 咲江は縛られたまま藻掻き抵抗して叫び続ける。
 壮絶な光景だがこれは撮影しない。
 田代衛らは次の準備を進める。
 男らはこの古民家のトイレは使わない。近くにレンタルしたトイレのある車両を隠している。
 四人を輪姦して拷問する場所はブルーシートで養生していた。窓や壁面も同様にした。
 これも連続拉致強姦傷害事件の犯人六人に習って行ったのである。
 今度は沙奈美から始めた。
 田代衛が沙奈美の口からギャグボールを外す。
 ファンがカメラの照準を沙奈美の股間に合わせる。
 カメラには斜め上から沙奈美の股間をアップにして奥に顔が映る構図である。
 これが公開されたら山の中の事務所からもう外出はできない。
 沙奈美は悲痛な表情で田代衛を見据えている。
 田代衛はまず沙奈美の女の部分を指で広げてカメラに公開する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー。いやあーーーー」
 沙奈美は喚き散らす。
 その膣口にローターを突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 沙奈美はローターの責めに抵抗する。
 田代衛はもう一個挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沙奈美はローターだけでも責めに耐えられない。
 「あーーーーーーーーーー。あうーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 歯を強く噛んで顔を歪めて抵抗する。膣の中で二つのローターが暴れている。堪らない刺激である。
 趙福徳が電マを持って来た。
 それをクリトリス付近に強く当てる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沙奈美は堪えられず首を強く振る。右に左に藻掻くように振る。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代衛はローターの回転を上げる。
 「あーーーーーーーーあーーーーーーうーーーーーーーーーーー。あうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沙奈美はローターと電マの責めにどうにも堪えられない。
 田代衛は失禁が目的である。
 「あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーだめーーーーーーーーー」
 沙奈美の声は切迫する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまう。
 沙奈美は涙をポリポロ溢す。
 続いて仁美が失禁した。
 今度は奈那緒に掛かる。
 こっちは電マやローターは使わない。
 趙福徳が指で奈那緒の性器を広げてもう一度カメラに公開する。
 「ちくしょーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は怒りを破裂させて叫ぶ。
 趙福徳は奈那緒の膣の奥に二本の指を突っ込む。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 趙福徳は膣内の究極の部分を刺激する。娼婦の泣き所である。
 「あ、ああーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 奈那緒は趙福徳の指の責めに耐えられない。
 「あ、あーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 奈那緒の躰は一気に震撼して緊迫した悲鳴がさらに切迫する。
 「あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒の股間から潮が弧を描いて飛び散る。
 「あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 なかなか治まらない。
 「あはあーーーーーーー。あはあーーーーー。あはあ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。ちくしょーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は荒い息遣いから堪らない屈辱に怒りを破裂させる。
 「凄い潮吹きだったぜ」
 趙福徳は満足そうである。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーーー。ぜったいにゆるさないぞーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒はまだ強気に叫ぶ。
 「こんなのが公開されたら無修正AV嬢と同じだ。素人は外歩けないよ」
 趙福徳が得意げにほざく。
 「警察が必ず逮捕するよ」
 奈那緒は今の姿でも怯まない。
 「どうかな。さっきも言った通りだぜ」
 田代衛が鞭を取り出す。
 「その前に下の毛を焼こう」
 趙福徳が自らの嗜好に基づいて提案をする。
 「剃らずに焼くか。その方が余計なものが残らないな」
 田代衛も納得する。
 奈那緒の陰毛に櫛を充てる。
 「なにするんだよーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は強気で抗議する。
 櫛で立たせた陰毛をライターの火で炙る。
 「うおーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 陰毛は一気にちりちりに溶ける。
 ある程度溶かしたら直にドテを瞬時にライターの火で炙る。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は強烈に悲鳴を上げる。
 瞬時なので陰毛が溶けるだけで火傷にはならない。
 奈那緒がパイパンになったら田代衛は鞭を手にする。先端に四角いスパンキングが付いた一本鞭である。
 憎しみを篭めて奈那緒の股間を叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 閉じ合わせた女の部分の粘膜を革の平面でビンタしている。
 奈那緒の美人顔が強烈に歪む。
 続いて叩き続ける。
 奈那緒は狂ったように悲鳴を搾り出し続けた。さすがに気丈な奈那緒の目から涙が零れている。
 趙福徳は撮影しているファンを手招きで呼ぶ。
 合図して両側から手を伸ばして奈那緒の女の部分のびらびらを引っ張る。
 「あーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに奈那緒も焦る。
 究極の拷問である。誰でもこれを考える。SM倶楽部のプレイではできない。SM動画にもまずない。でもやりたくて堪らない。
 ご他聞に漏れずこの連中も同じ目論見である。
 だが田代衛はもっとサディストであった。一番姉の奈那緒が一番憎らしいのである。
 鞭の平面ではなく鞭の先端を縦にする。やや厚めの革を二枚合わせた先端の角でピンクの粘膜を叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーー」
 奈那緒は一瞬躰を固くしてそれを強烈に揺すって暴れる。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪えられる痛みではない。
 そしてもう一度僅かに失禁した。
 
 スキンを使ったが四人の女の膣内は何度も洗浄した。
 もう一度クロロフォルムを充てる。
 四人の女の体内に別の情液を僅かずつ流し込む。風俗店が捨てたコンドームから趙福徳が過去に拾ってきたものである。
 趙福徳は一時期岡山の風俗店で働いていた。
 そのとき既に今のような使い方を想定していたのである。
 応募の少なかった徳島県三好市での勤務を承諾して阿波池田に来てY運輸に勤めることになった。
 男らは眠らせた四人を全裸のまま養生シートを敷いた車両に積んで女達の事務所に戻す。
 四人の躰は全裸のまま床に放置した。
 使ったブルーシート、女達の衣類、拘束具などは事務所に付帯していた薪で沸かす風呂場の窯で焼いてしまう。
 女達の排泄物も事務所のトイレに流した。
 犯行現場には何も残してない。
 さらに完璧に証拠隠滅して自分らのDNAは残してない心算である。
 最後に事務所のパソコンからファイルをアップロードする。朝の七時に起動するように仕掛けて置いた。
 事務所を出たのは四時五十分であった。
 三人ともそのまま二時間ぐらい眠って八時に出勤した。
 
 翌日午後に四人を発見したのはS便田代衛である。
 いつもの様に声掛けの挨拶をしながら事務所に入る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代衛は慌てて外に出る。
 直ぐに警察に通報する。
 「S便の田代です。水田通販の事務所に女性職員達が全裸で倒れています」
 時間通りに来た定期の宅配便が発見した姿を装う。
 三好警察署から女性警察官二名と女性刑事で橋本佳奈巡査長一名を伴って警察が到着した。
 四人は救急車で病院に搬送される。
 水田奈那緒の供述から徳島県警からも捜査班が病院に着いた。
 倉科環奈巡査部長を伴う捜査班である。
 橋本佳奈巡査長の聞き取り報告からその後の聞き取りは倉科環奈巡査部長が行う。
 四人の供述から犯行現場は特定できない。
 倉科環奈巡査部長は連続拉致強姦傷害事件の犯人と同じ手口とも考えたが犯行内容から真似たもので同一犯の可能性は低いと結論付けた。
 犯行は七月二十六日の午後から深夜に渡って行われた模様である。
 女性四人の体内から三名分のDNAが検出された。
 特殊な捜査で犯人割り出しが行われたが捜査は暗礁に乗り上げてしまう。
 摘発されたDNAの一人はコロナで重症化して数ヶ月前に死亡していた。
 一人は長期入院中で片足が無かった。
 残る一人はその日の夜に完全なアリバイが有った。ショットバーのバーテンで十八時から深夜一時まで働いていた。
 同僚も客もその姿を見ている。
 犯人らが他所で取得したDNAを使って捜査を撹乱したと断定された。
 宅配便三社が帰った後に事件が起こっているので宅配便の三名からも事情聴取が行われる。
 容疑者らしきはまったく見てないと証言された。
 会社に戻っていることは確認されている。
 女性四人の供述も声がドライバーらとは違ったと思う答えた。これでさらに捜査は撹乱されることとなる。
 被害女性らは連続拉致強姦傷害事件の犯人六人のようだという印象が強かった。そのうちの三人ではないかとの推測さえ持っていた。
 連続拉致強姦傷害事件の犯人が三人だけで行った事件もあった。捜査本部では手口が巧妙なところからこっちの可能性が疑われた。
 捜査方針はこっちに傾いて行く。
 倉科環奈巡査部長だけが犯人は身近に居るとの見解であった。
 「まず犯行現場がわかりません」
 橋本佳奈巡査長である。
 「被害者の事務所の使われてない風呂場で炊かれた跡が見つかっています。犯人が証拠物件を焼いたと思われます」
 「動画のアップロードも被害者の事務所のパソコンを使っている」
 「動画のアップロードされた時間のが七時八分。これがほぼ犯人らが事務所を出た時間ですね」
 「そうだな」
 県警捜査一課長である。
 「宅配便が帰ったのが二十六日の三時過ぎ。犯行に要した時間は十六時間前後です」
 「被害者の供述と動画の内容から犯行現場での時間は短くても五時間ぐらい必要です。それ程遠くに運べるとは思えません」
 「近くに空き家が二つ有ります。ですがそのどちらも犯行が行われた形跡がありませんでした」
 「三人の宅配便の車両も一応調べました。ですがどの車両も被害者のDNAは出ませんでした」
 「犯人は宅配便が来ることは知っていた。近くに車両を隠して三社の車両が立ち去るのを待って犯行に及んだと考えられます」
 捜査主任で警部の見解である。
 「犯行現場は三好市内ですかね」
 「いいえ。もう少し距離は動けます。範囲を広げましょう。犯人は計画的に犯行を行っていて証拠を残していません」
 「パソコンのキーボードや机からも被害者以外の諮問はまったく検出されませんでした」
 「荷物を積む辺りからは配達員の髪の毛が検出されていますが、毎日来ていますからこれは自然です」
 「私は宅配便が三社とも同じ時間に来たことと三人とも目が充血していました。それが気になります」
 倉科環奈巡査部長である。
 「あの三人をもう少し事情聴取した方が良いのではないでしょうか」
 橋本佳奈巡査長である。
 「しかしあの三人がグルでB国人とK国人。そして日本人。組み合わせがどうもねえ。それにあの三人でこんな証拠を残さない犯罪が可能かな」
 捜査主任の頭からは宅配便三社の三人は対象外である。
 「そうだな。やはり連続拉致強姦傷害事件の犯人六人の内三人と考えるのが妥当だな」
 一課長である。
 「倉科と橋本で宅配便の三人は追え」
 捜査主任は倉科環奈巡査部長に任せてしまう。
 「とにかく空き家を片っ端から確認しましょう」
 そして香川県警にも空き家の捜査を依頼した。
 倉科環奈巡査部長は女を強姦する男を捜査で見慣れている。超福徳と田代衛にその種の人物の体質を感じていたのである。
 
 七月二十九日。
 咲江が病院の屋上から飛び降りて自殺してしまう。
 死体検分をしながら倉科環奈巡査部長は犯人への怒りを沸騰させた。
 
 倉科環奈巡査部長は意を決して宅配便の三人に事情聴取を行なった。任意同行まではできない。会社と自宅を訪ねた。
 まずは田代衛からである。
 駐車場の建物の影で話を聞く。
 「田代さんは二十六日此処を出てからどうされました」
 倉科環奈巡査部長が聞き取りを始める。
 「そう言われても家に帰って食事をしてテレビ見ていましたよ。オリンピック中継とそのあと深夜番組を見てね」
 「それを証明する人は居ませんね」
 「居ないね」
 「見た番組内容を話していただけませんか」
 田代衛は思い出すように少しずつ話して行った。総て後日録画で確認していたのである。録画は既にブルーレイデスクごと処分した。
 「田代さんは二十四日と二十五日がお休みですね」
 「そうです」
 「二十四日の日田代さんは阿波池田の駅から列車に乗っていますね」
 「はい」
 田代衛は怪訝な表情ながら認めた。
 「何処に行かれました」
 「坪尻駅です。秘境駅を訪ねるのが趣味でして、あちこち秘境駅の写真を撮っています」
 嘘ではない。自分の部屋に幾つか駅の写真が飾ってある。
 その日は坪尻駅の待合室を使って三人で打ち合わせを行う予定であった。
 三人ばらばらに異なる駅から乗って坪尻で待ち合わせた。
 最初に着いたファンから此処ではとても打ち合わせは危険と連絡が入った。運転席を移動する乗務員がホームを歩く。その時に待合室の前を通る。
 そこで趙福徳は黒川の駅に留まった。
 田代衛は坪尻のスイッチバックの駅で降りて写真だけ撮った。特急を待って反対側の運転席に運転士が移動する間に列車に戻った。
 ファンは離れた席に乗り込んだ。
 三人はそのまま別々に普通列車の終点琴平で降りて金比羅神社の裏で打ち合わせを行なった。
 「どうして直ぐに列車の戻ったのですか」
 「反対側の普通を待つ心算でしたがとてもそれまで居られる場所ではありませんでした」
 「駅から外に出なかったのですか」
 「事前に調べていました。あの駅からはまともな道はなく蝮やスズメバチが多いらしいのです。また途中に幽霊屋敷のようなのがあるらしいです」
 「それでそのまま乗って来た電車で琴平まで」
 「そうです」
 「帰りはどうされました」
 「琴平で食事をして少し街を歩いて特急で帰りました」
 三名は自分のスマホではなく通信にプリペイド携帯を使ってさらにWebメールを使用していた。充分用心深くやっていたのである。
 倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長はその日の田代衛の供述の裏を取った。
 普通列車の運転士は覚えてなかった。
 坪尻で一人乗客が乗った。あと一人乗って来た乗客がホームに降りてそのまま乗ったが顔は覚えてないと供述した。
 帰りの特急の車掌は琴平から阿波池田まで自由席に乗った乗客のようだと証言した。
 田代衛の供述の通りであった。
 
 連続拉致強姦傷害事件のグループ六人のアジトである。
 六人は通販で届いた刺身と生ビールで室内から暑過ぎる麓の町を見下ろしていた。
 宅配便の三人がアップした動画もダウンロードして確認した。
 「警察はまた俺たちの犯行を疑っているな」
 「無駄な捜査を全国でやる気らしい」
 「また暫く動けないな。余計なやつらが真似しおって」
 「仕方あるまい」
 「あの闇風俗のどっちも生贄を紹介してこないな」
 「どうせこの犯人は直ぐに捕まる」
 「俺たちに照準を絞ってないか」
 「どう考えても犯行現場は五キロ圏内だ。何か手がかりは出る」
 「そうだな」
 「犯行現場が判ればDNAは必ず出る」
 「それまで待とう」
 
 七月三十日。
 緊急事態宣言が再び東京、沖縄で延長された。さらに埼玉、千葉、神奈川、大阪に発令された。
 今更オリンピックを止められない。
 如月鬼堂の居間である。
 本日は囲炉裏端ではなく広いスペースで会議テーブルを出して空間を開けて会議が行われていた。
 大河内税理士、館山弁護士、杉下一行、福富麻次郎、さらに熱海の店長荒井枝理、生駒、長野の店長、樽常マネージャーも来ていた。
 さらに集団訴訟の中心となる南七香も列席した。
 野崎卓郎弁護士と野村未来也弁護士はテレビ会議システムからリモート参加である。
 「罰金払っても営業継続が正しかった。そうでなけれ倒産していた。緊急事態と言えど企業が倒産する命令を出す。そんな政治が酷過ぎるのだ」
 如月鬼堂が怒りを篭めて発言する。
 都知事の命令を無視して営業を続けて酒も提供したチェーンが昨年の赤字に対して今年の黒字を発表した。
 如月鬼堂は法律、命令などで個人が損害を蒙ることが一番許せない。
 これまでオンライン営業や看板を消して会員のみの営業で凌いできた。休業した時もある。愛好会のショーも見合わせた。
 政府、自治体の対策が後手で感染を押えようとするしか脳がない。ワクチンは海外頼り。治療薬も完全にはできてない。
 対外的立場は維持すべくオリンピックだけ行う。総理も都知事も委員会も中止はもとより考えにない。
 「一番悪いのは大池東京都知事ですよ」
 南七香が発言する。
 「そうです。自分のイメージはマスコミ会見で強くアナウンスする。だが保障は雀の涙。それも支払いを遅らせる」
 福富麻次郎も不満を破裂させる。
 「個室で一対一の風俗店やソープなどクラスターにはならない。それを意に沿わない業種に休業要請した」
 杉下一行である。
 「目立つ一社だけ休業命令を出して罰金を取る。感情本位のむちゃくちゃなやり方だ」
 館山弁護士も強く非難する。
 「これまでに倒産したり、閉店したりした業者に回復できるまで何処までも補償をすべきだ」
 如月鬼堂はここまで言いたい。
 「とにかく支援金では補償になってない。これでは休業しない店は増えて仕方ない。あの支援金では維持できない」
 さらに福富麻次郎は不満をぶちまける。
 「それが何ヶ月も遅れる。潰して店舗を減らして支援金を押えているようなものだ」
 如月鬼堂の見解である。
 「会合はどうします」
 大河内税理士である。
 「暫く会員のみの営業だけ続ける。会合は暫くオンライン開催のみで見合わせる」
 如月鬼堂は現状の結論を出す。
 「医療崩壊だけ問題視されています」
 館山弁護士である。
 「治療薬を見切り承認すべきだ」
 如月鬼堂は遂に暴言に入る。寧ろ正解かもしれない。
 
 田代衛らはメールで連絡を取り合う。
 三人は完全に二人の女刑事に目を付けられていると悟る。
 『逆にこの二人やっちまえないか。このままだとまだまだ捜査を進める。二人とも女としては悪くない』
 趙福徳の意見である。
 『おいおい刑事をやるか』
 『このままでも危険だ』
 『そうだな』
 『完全に処分すれば寧ろ連続拉致強姦傷害事件の連中の仕業と成るかもしれない』
 趙福徳は既に作戦を考えている。
 『失敗すれば逮捕だな』
 『このままでも任意で呼ばれていつまでも取り調べとなるかもな』
 『一か八かやるか』
 田代衛もその気になる。
 『俺はいいですよ。やりましょう』
 ファンも納得した。
 『どうやって婦警二人を捕まえる』
 『あの二人は我々が犯人と決め込んでいる。だから近隣の空き家を何度も捜査する。あの空き家に入った時催涙ガスを使う』
 『奴等を見張るのは無理だぞ』
 『あの空き家の入口を上から確認できる木が有る。其処にカメラを仕掛ける』
 『上手く勤務時間外なら良いがな』
 『そのときは眠らせておけばよい』
 三人の見解は一致した。
 
 八月二日。
 三好警察署の捜査本部である。
 「倉科部長。もっと付近の現場を捜査した方が良いと思います。あの三人が犯人なら遠くに運ぶとは思えません」
 橋本佳奈巡査長が倉科環奈巡査部長に提案する。
 「あなたもそう思う」
 「はい」
 橋本佳奈巡査長も田代衛らが犯人と確信している。
 「行きましょう。私たちは主流から外されていますから」
 「はい」
 「一番可能性が高い空き家はこの四つです。一回調べていますがもう一度念入りにやりましょう」
 倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長は鑑識を連れずに二人で捜査に向かった。
 「あの三人のスマホと業務携帯にはお互いの通話履歴はありませんでした。倉科部長はどこかで打ち合わせをしたと思われますね」
 「そうよ。何処かにアジトが有っても不思議ないわ」
 「はい」
 「あの三人の接点を見つけましょう」
 「二十四日は何処かで三人が打ち合わせをしたと考えるべきですね。あの日の後の二人の行動が曖昧です」
 「そうよ」
 初めてのコンビだが二人の見解はかなり一致していた。
 
 水田通販の大量荷物がないのでS便田代衛とY運輸趙福徳は早く仕事が終わる。U便代行会社のファンのみ他の配達で遅くなっていた。
 六時を過ぎて倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長は四件目の空き家に着いた。
 「此処が一番犯行現場の可能性が高いと思います」
 橋本佳奈巡査長は自分の見解を述べる。
 「私もそう思っています」
 二人は車両を前に止めて中に入る。一度持ち主の了解は取っている。
 「善通寺の辺りで持ち主が判らなくて了解の取れない空き家もあるようですね」
 「上の駅に近い家もそうよ」
 「でもあれは外から見渡せます」
 「そうね。とにかく可能性の高い空き家が持ち主か管理会社が判って良かったと思う」
 「そうですね」
 「此処。DNAは出なかったけど。もう少し埃が有って良い筈よ。誰かが完全に掃除した可能性があるよ」
 「戸締りはされていて持ち主が定期的に掃除はしているとのことでしたが」
 「それでも不自然よ」
 倉科環奈巡査部長はかなり疑いを強くしている。
 
 趙福徳の連絡で田代衛はレンタカーを借りて現場に向かった。
 既に催涙ガスは仕掛けてある。
 趙福徳がリモコン操作でガスの放流を開始した。
 入口から自分でも噴射する。
 「橋本窓開けて」
 倉科環奈巡査部長が叫ぶ。
 橋本佳奈巡査長が縁側に向かうが倒れてしまう。
 倉科環奈巡査部長も叫んで直ぐ倒れてしまった。
 趙福徳はガスマスクを装着して一人中に入る。
 倉科環奈巡査部長から所持していた手錠を脚首に掛ける。橋本佳奈巡査長にも同じ様に脚首に手錠を掛ける。
 橋本佳奈巡査長の手首を仮に縛る。
 倉科環奈巡査部長の上半身を脱がす。そのまま高手小手に縛ってしまう。
 ズボンを切り裂いて脱がす。ショーツも切り裂く。
 脚首の手錠を外して内腿と脹脛を合わせて両脚三箇所で縛り合わせる。
 そこに田代衛が着く。
 趙福徳は橋本環奈巡査長も同じ様に縛る。
 二人とも既に全裸でがっちり縛られてしまった。
 田代衛は趙福徳が縛り合わせた脚を広げて膝の縄から反対側の膝の縄の下に持って来た竹竿を通す。
 二人の躰をブルーシートの上に移動する。
 遅れて着いたファンが小型ロボット掃除機で二人が倒れていた床を掃除する。
 さらに二人の衣類を袋に詰める。
 ファンが橋本佳奈巡査長の衣類から車の鍵を取り出して乗って来た警察車両を崖の下の木立の中に落とす。
 簡単には見つからない場所である。
 ファンは空き家に戻って撮影を開始する。
 趙福徳はまず倉科環奈巡査部長のドテに櫛を充てて陰毛を焼く。
 催涙ガスはかなり利いている。まだ意識を戻さない。
 女の部分を広げて撮影する。さらにクスコを挿入してペンライトで照らして膣内部も撮影する。
 籤引きで田代衛から挿入と成った。
 その間に趙福徳が橋本佳奈巡査長の陰毛を焼く。撮影はこっちだけである。
 強姦シーンは撮らない。
 今度はスキンを使ってない。生強姦である。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー」
 強姦で田代衛が激しく動くので倉科環奈巡査部長もさすがに意識を回復した。
 「うう。うーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーーー。やめなさーーーーーーーーーい」
 倉科環奈巡査部長は瞬時に叫ぶ。
 田代衛は倉科環奈巡査部長の顔をひっぱたく。
 「うおーーーーーーーーーーー。やめなさーーーーーーーーーーい」
 もう一度叩く。
 「ううーーーーーーーーーー」
 その間に趙福徳が口に開口器を押し込む。
 「うごーー。ごーーーーーーーー」
 田代衛は構わず倉科環奈巡査部長の女の中に果てる。
 「ぐおおおーーーーーーー。ぐごーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は体内に出されて開口器の奥で怒りに喚く。
 趙福徳が倉科環奈巡査部長の膣内をセペで洗う。
 その中身を口の開口器に流し込む。
 グボーーーーーーーーーーーーーーー。
 ゴフォーーン。グオフォーーーーン。グホン。グホン。
 倉科環奈巡査部長は激しく咳き込む。それでも開口器は外れない。
 グホン。グホン。グホン。グホン。
 なかなか治まらない。
 二番手のファンが倉科環奈巡査部長に挿入する。
 倉科環奈巡査部長は膣に力を入れる。だが中が既に濡らされているのとファンの男根の硬さで押し入ってしまう。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は開口器の奥で悲鳴を上げる。
 催涙ガスを警戒していれば。倉科環奈巡査部長は空手二段である。眠らされて縛られなければこの連中を逮捕できたと悔しさが込み上げる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーー」
 ファンの固く太いさおは強烈に倉科環奈巡査部長の膣の奥を突いて来る。
 倉科環奈巡査部長には堪らない痛みである。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は藻掻き続けている。
 それでもファンは乳房を鷲掴みにしてさおを突き続ける。
 ファンも興奮度が上がって一気に果てる。
 カメラを交代した田代衛が終わった後の倉科環奈巡査部長の情液が流れ出た女の部分を確りカメラに収める。
 趙福徳はセペで洗う。
 今度はゆっくり口の開口器に流し込む。
 倉科環奈巡査部長は全部口に溜める。
 グフォーーーーーーーーーーーーーーーーン。
 倉科環奈巡査部長は注入が終わったところで喉から一気に押し出す。
 「グフォーーーン。グフォーーーーーーーーーーン」
 それでもいくらかは喉から流れ込んでしまっている。気管に入るのは何とか避けられた。
 三番目の趙福徳はたっぷりローションを塗って挿入する。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は力の限り押し返す。
 田代衛は橋本佳奈巡査長にも口に開口器を挿入した。
 そして女の部分を広げて撮影。さらにクスコも挿入して奥まで撮影する。
 膣にローションを流し込む。
 一番を当てたファンが挿入する。
 ファンは橋本佳奈巡査長の余り大きくない乳房を強く握って一気に速い速度で膣の奥を突く。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに橋本佳奈巡査長も意識を回復する。
 「ぐご。ぐご。ぐご。ぐご」
 橋本佳奈巡査長は瞬時に事態を悟って藻掻き続ける。
 口の開口器は頑丈に納まっている。
 「ぐご。ぐご。ぐご。ぐご。ぐご。ぐご。ぐご」
 橋本佳奈巡査長はファンの大き過ぎるペニスが怒張した責めの痛みに堪えられない。
 「ぐご。ぐご。ぐご。ぐご」
 目から涙が零れる。
 ファンは倉科環奈巡査部長に果てた後なのでなかなか果てない。
 橋本佳奈巡査長は藻掻き泣き続ける。膣の強烈な痛みに堪えられず強く滲み出る涙である。
 倉科環奈巡査部長は空手二段で太腿にやや筋肉感が有るが華奢で綺麗な躰。乳房も巨乳でなく片手に納まるが綺麗な山形である。
 躰全体白く皮膚は肌理が細かい。
 その乳房の感触を掴んで興奮度は上がる。趙福徳は力の限り腰を動かして強く果ててしまう。
 「忘れていた。警察の応援は朝九時過ぎまで来ないと思うが。万一の場合服毒剤だ」
 趙福徳が錠剤を二人に配る。
 二人はそれをポケットに仕舞う。
 「ぐご。ぐご。ぐご。ぐご」
 ファンはまだ行為の最中である。橋本佳奈巡査長は藻掻きながらも薬を渡すのを確認した。
 田代衛がカメラの焦点を倉科環奈巡査部長の股間から顔に合わせる。
 倉科環奈巡査部長の顔が確り確認できて乳首、陰毛を焼かれたドテ、女の部分、アナルまで鮮明である。
 倉科環奈巡査部長もカメラの存在に気付いている。犯人らは自分らが映らないよう調整していることも分かっている。
 これが公開されたらとても刑事は続けられない。
 それどころではない。倉科環奈巡査部長は命の危険すら感じている。水田姉妹らのときは女の中にDNAを残してない。
 自分らには生で射精した。殺して焼かれる事が想定できる。
 趙福徳は細く固い一本鞭を二本持って来る。一本を田代衛に渡す。
 趙福徳は倉科環奈巡査部長の口から開口器を抜く。悲鳴を愉しみ動画に残したいからである。
 「ぶおーーーーーーーーーー。こらーーーーーーーーー。おまえらーーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は強烈に叫ぶ。
 その斜め正面から田代衛が一本鞭を振り下ろす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長の女の部分を直撃する。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。訓練された婦警と雖も悲鳴を上げる。
 直ぐにドテから大陰唇の下部にだらしなく開いた女の部分を飛ばして蚯蚓腫れが浮く。鞭の硬さがよく分かる。
 趙福徳は乳房を横から流すように叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 さらに田代衛が振り被って倉科環奈巡査部長の股間を強く叩く。
 「うぐーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人は興奮の坩堝である。
 洋物の超ハードなスパンキングでも一気に連打はしない。二人は立て続けに倉科環奈巡査部長を叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに気丈な倉科環奈巡査部長から涙が飛び散る。顔は汗を噴く。躰は堪えられない痛みに震撼する。
 内腿から太腿の裏側に掛けて真っ赤になった凄まじい蚯蚓腫れの筋が無数に奔っている。
 乳房はさらに無残である。
 女の部分の粘膜には僅かに血が滲んでいる。
 ファンも気丈そうな倉科環奈巡査部長の泣き悲鳴に興奮度が一気に上がる。橋本佳奈巡査長の膣奥深く果ててしまう。
 橋本佳奈巡査長は予期しない最悪の事態に凍りついた表情で天井を見上げていた。
 ファンは趙福徳の鞭を交代する。
 ファンの方が力は強い。叩き方はさっきまで見ていた。
 倉科環奈巡査部長の乳房は蚯蚓腫れが真っ赤である。その上からクロスして叩かれその蚯蚓腫れが割れている。血が滲み一部流れて無残極まりない。
 田代衛は倉科環奈巡査部長の女の部分のびらびらに大きなクリップを鋏む。
 クリップの重みでびらびらが外に広がる。
 覗いたピンクの粘膜を狙って叩く。
 倉科環奈巡査部長は泣き喚き失禁して気絶した。
 趙福徳にとっては憎き婦人警官の象徴と言える倉科環奈巡査部長の失禁。興奮度は一気に上がって橋本佳奈巡査長の中に果ててしまう。
 田代衛が交代したがこれも直ぐ果ててしまった。
 最後は橋本佳奈巡査長の女の部分をクリップで抓んで糸を付けて左右から引っ張る。
 ファンがピンクの粘膜を叩き続けた。
 橋本佳奈巡査長も驚愕の悲鳴を上げながら股間を血みどろにして失禁して失神した。
 三人は倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長にクロロフォルムを強く当てて完全に眠らせる。
 床を養生したブルーシートにそれぞれ躰を包んでレンタルしたキャンピングカーに積む。
 ロボット掃除機を走らせたまま其処を離れる。
 
 既に時間は夜の十時になんなんとしていた。
 所轄三好警察署の係長薩川警部補は橋本佳奈巡査長から直帰の連絡なく戻らないのが気に成っていた。
 二十二時の時点で県警の捜査主任に連絡する。
 薩川警部補は当たりをつけて署に残っていた部下を一人連れて倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長が最後に向かった空き家に向かう。
 捜査主任も部下を一人伴ってもう一軒水田通販に近い空き家に向かった。
 
 趙福徳らは水田通販に着いた。
 風呂の釜に薪を詰めて着火する。
 「ファン。動画をアップロードしろ」
 趙福徳は万一捕まった場合を考えて動画をアップロードしておきたい。万一捕まったら。また自決したら。せめてもの報いと画策している。
 田代衛は倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長をブルーシートから出して草叢の上に転がす。
 高手小手に縛ったままである。転がして骨折の危険もある。だがお構いなし。もう直ぐ生きたまま火葬するのである。
 ブルーシートと衣類を先に燃やす。
 燃えた上から薪を被せる。
 
 薩川警部補らは拷問現場の空き家に着いた。中は暗くロボット掃除機は作業を終えて止まっていた。
 薩川警部補はロボット掃除機には気が付かなかったが内部の空気に人が直ぐ直前まで居た気配を感じた。
 それは二人の女性刑事が捜査を行なった程度ではない。生々しい事が行なわれた現場と確信した。
 直ぐに県警の捜査主任に連絡する。
 「直ぐに水田通販に向かって下さい」
 警部は瞬時に判断する。
 
 趙福徳は倉科環奈巡査部長にビンタする。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を戻した倉科環奈巡査部長を田代衛と二人で担いで釜に投げ込む。
 「あーーーあ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 倉科環奈巡査部長は究極に叫ぶ。
 趙福徳は続いて橋本佳奈巡査長をビンタする。
 「うおーーーーーーーーーー」
 趙福徳は意識を取り戻した橋本佳奈巡査長に釜に投げ込まれた倉科環奈巡査部長を指差す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ぶちょーーーーーーー。やめなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」
 橋本佳奈巡査長は力の限り叫ぶ。
 そこに薩川警部補らの捜査車両が着く。
 橋本佳奈巡査長の叫びが聞こえて釜に駆けつける。
 趙福徳は瞬時に服毒する。
 田代衛もそれを見てポケットから趙福徳から貰った薬を取り出して口に含む。
 「あーーーーーーーー。どくーーーーーーーーーー」
 橋本佳奈巡査長が叫ぶ。
 薩川警部補が田代衛を押えて殴って口から吐き出させる。
 もう一人の刑事が釜の中の倉科環奈巡査部長に気付いて引っ張り出す。
 趙福徳はその場で絶命した。
 倉科環奈巡査部長は火傷しているが一命は取り留めそうである。
 事態に気付いたファンは外に飛び出しレンタカーに向かう。
 だが後から着いた県警の警部らに取り押さえられる。ファンが服毒する時間はなかった。
 薩川警部補と刑事が倉科環奈巡査部長と橋本佳奈巡査長の縄を解く。全裸だが着せるものはない。
 そのまま応援と救急車を待つ。
 田代衛は重態。倉科環奈巡査部長も重態。橋本佳奈巡査長もかなり傷だらけである。
 救急車が三名を病院に搬送した。
 
 八月三日。
 宅配便三社は大騒ぎである。
 マスコミもオリンピック放送の合間はこのニュースで埋め尽くされる事となった。
 捜査に当たっていた女性警察官二名も催涙ガスで眠らされ強姦され拷問されさらに焼かれる寸前に犯人逮捕。
 強烈な内容にオリンピックと感染拡大以上に大衆の関心が向いた。
 
 連続拉致強姦傷害事件のグループ六人のアジトである。
 「派手にやってくれたな」
 「だが捕まってはな」
 「捕まらないといつまでも俺たちが疑われる」
 葬儀会社の社長である。
 「そうだな」
 「かなり綿密に計画しているが行動中の警戒心が足りなかったな」
 医者の男である。
 「そうだ。外の犯行現場で同じ場所を使うのが間違いだ」
 川口の会長である。
 「日本の警察は単純な個人の犯行は完全に近く逮捕する。だが知能犯には何度も無力で未解決になる。こいつらも所詮単純犯罪だったな」
 「これで動けるかな」
 「駄目だ。もう少しこの報道が冷めるのを待とう。被害者も婦警も後遺症が長いと思う」
 「水田通販はもう復旧しないだろ」
 「できないだろうな。実名は伏せられていても近隣や客にはどこか直ぐ判る」
 「刑事二人も辞めるのだろ」
 「全裸で縛られて窯で焼かれる寸前に救出だから同僚にその姿を確り見られて勤務はできないだろ」
 「犯人は執拗に被害者とこの婦警らを社会的に潰したがっている。証拠隠滅以前に服を焼くのが習性に有ったな」
 医者の男は犯人の目論見を理解している。
 「まだまだマスコミネタになるか」
 「多分な」
 「それよりか感染拡大で動きづらい」
 「まだ静かにしているしかないか」
 「感染拡大ならせめて生駒か川口で身を売る美人女社長が出てくれないかな」
 この連中はどうも不満が溜っている様子である。
 
 八月六日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーと生駒、熱海、長野の店長と南七香来ていた。
 嗜好を変えて露天風呂で会議を行なう。
 男性は全員黒い紙で湯に溶けないパンツを履かされ女性は落ちないように改造されたバスタオルを巻いている。
 珠洲と瀬里菜は入らなくても良いのだが純白のビキニ姿で酒を運ぶ。いつもながら男性を刺激して楽しんでいる。
 二重底の桶が配られその上に二重底のジョッキが置かれて生ビールが注がれている。
 「困ったな。緊急事態宣言と蔓延防止の対空砲火だ。長野、奈良にはまだ出てないがいつ波及するとも限らん」
 如月鬼堂は怒りの表情である。
 「でもまだ今の通り続けますね」
 荒井枝理の確認である。
 「熱海はオンラインのみ。それ以外は現状のままだ」
 如月鬼堂は苦々しくそう答える。
 「外部的にはオンライン営業と成って看板は消していますが会員も予約制にしたほうがよろしいかと」
 長野の店長である。
 「何故」
 如月鬼堂が確認する。
 「入る時間が重なりますと。それに多過ぎる日が危険ですから波も調整できればと」
 「そうです。地下の駐車場では足りなくなる日も」
 荒井枝理も同じ意見である。
 「各店舗で決めてくれ」
 如月鬼堂は店舗任せにした。
 「オンライン営業は好調ですか」
 福富麻次郎が各店長に聞く。
 「ですが。半分近く会員です」
 「私共ではそれしか有りません。でも逆に風俗に店頭から入れない人も来ますからそれなりには営業になります」
 福富麻次郎は杉下一行が開発したアイテムである程度営業を維持している。
 「私共ではお店の中と違ってハードですが完全に直ではなく間接的ですから女性の負担はやや軽いようです」
 「ところで四国の事件ですが。連続拉致強姦傷害事件の犯人ではなくて良かったですね」
 「まったくですな」
 「あの六人早く捕まった方が良いですか」
 南七香の質問である。
 「そうとも言えない。捕まっても問題が波及する。何処かで静かに死んでもらいたい」
 如月鬼堂は困り果てている。
 「まったくです」
 館山弁護士も困っている。
 
 
 最期のSM小説家 第二十七幕 美人三姉妹と従姉妹の惨劇 完





 最期のSM小説家 第二十八幕 撮り鉄女性の惨劇


 二〇二十一年立秋上元。太陰太陽暦七月三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年八月十日。
 如月鬼堂は緊急事態宣言の最中下りの新幹線で越後湯沢に帰り着いた。本日は四人連れである。
 本多椿、高島波琉、岡田有美が東京から同行した。
 事件ではないが面倒な事が起きたのである。
 それは如月鬼堂らが出演するアダルト放送局にSM雑誌の一回きり素人モデルが相談して来た。
 グラビア撮影の流れでスタッフに挿入されてしまったというのである。撮影に緊縛師などは居なかった。
 名前など出ないスタッフが緊縛から撮影まで行なっていたと言う。
 素人モデルなのでやってしまうのは毎回常習であった。これまで訴えたものは居ない。
 モデルは絡みがあるとは聞いてなかった。グラビア撮影の内容からその必要はまったくない。
 訴えるのはさすがに躊躇って如月鬼堂の番組に相談してきたのである。
 話を聞いて本多椿は怒りを露にした。
 新幹線の中では他の乗客も居たので四人は如月鬼堂のマンションに着くまで何も話さない。
 駅には珠洲と瀬里菜が迎えに来ていた。車は四人乗りなので二台必要になったのである。
 「雨蔵編集長は一時間後に着く予定です」
 如月鬼堂の執筆する出版社の編集長である。
 六人なので囲炉裏端にアクリル板を立てている。
 囲炉裏は使わないので天井から透明なビニールカーテンを正面に二枚垂らしていた。
 「ディレクターは先生に任せるのですね」
 「俺じゃなくて本多に任せるじゃないのか」
 如月鬼堂はディレクターが本多椿人気に期待していると言いたい。
 「そうね。椿がMCに成ったら私たちのカンペだけになったよね」
 岡田有美が如月鬼堂に同調する。
 「その出版社に確認しますか」
 本多椿は方針を確認する。
 「いいや。しないほうが良い。確認するなら館山先生にお願いする」
 仕出し屋に頼んだ弁当が七人分届いた。
 「完全にスタッフの玩具だよね」
 「金額も安いのじゃない」
 「七十万だって」
 本多椿は金額を聞いていた。
 「それじゃIT技術者の一ヶ月の単金だな」
 如月鬼堂の評価である。
 「安いね」
 岡田有美も批判的表情になる。
 「スタッフと言っても会社の幹部だろ。撮影のギャラもない。報酬代わりに毎回やっているのだろう」
 「あーーー。だから素人なのね」
 岡田有美がさらに怒りを燃焼する。
 「追求しても無駄だ」
 如月鬼堂はこの手の相手は何を言っても動じないと分かっていた。
 「それじゃ私がキャスターで覆面インタヴューをして流しましょうか」
 本多椿が提案を出す。
 「それが良いかな。クレームが来たら弁護士対応だ」
 如月鬼堂は本人の供述があれば問題ないとの見解である。
 
 八月十一日。阿波池田。
 三好連続拷問事件に関するファンの事情聴取が行われた。田代衛は意識不明で重態のままである。主犯は趙福徳とほぼ断定された。
 連続拉致強姦傷害事件の犯人六人を真似た犯罪の域は出ない。
 ファンは罪状を全面的に認めた。
 倉科環奈巡査部長は火傷が酷く重傷である。それでも入院のまま退職を申し出る。
 橋本佳奈巡査長も退院してそのまま退職した。
 水田奈那緒ら三姉妹は退院して会社を清算して東京に帰る選択をすることと成る。とても水田通販を続けられる状況ではなかった。
 強姦事件の被害者と周りに判ってしまっている。田舎町である。精神的に三好市で仕事、生活は続けられない。
 ばら撒かれた動画は多く拡散されている。杉下一行も如月鬼堂らに参考資料としてメール転送した。
 館山弁護士らを招いてインターネットアダルト放送での対応を検討する会議が行われる。
 八月七日のスタジオで如月鬼堂は事件の内容は被害者に壮絶かつ悲痛であったと述べた。
 そして連続拉致強姦傷害事件の真似をしても素人の犯罪は直ぐに捕まる。馬鹿な真似は絶対にしないで欲しいとコメントを短く済ませた。
 この日の会議でもこの件にはこれ以上触らないこととする。
 マスコミ報道も犯罪内容から被害者の人権、プライバシーに触れないため何処までも掘り下げて詳しくできないので直ぐに下火となった。
 
 時間軸は少し前に戻る。七月三十日。さいたま市内のどこかである。
 江頭愛は動画投稿サイトに鉄道動画を投稿した。取り鉄以上のマニアである。多くの登録者を得て稼いでいた。
 さらに大手企業で働くOLでもある。
 収入の豊かさで豪華列車の旅も撮影して投稿している。
 村上治夫、張間克典、高円寺譲の三名はオンライン飲み会で江頭愛の動画を閲覧していた。
 動画は投稿サイトから村上治夫がダウンロードしてコピーを配ったのである。
 「この女。若いのに豪華列車乗り放題だな」
 高円寺譲が不満を漏らす。自分らにはそんな金はない。
 「どっかのお嬢さんか。大手企業に勤めているかだな」
 「賞与が高いか」
 「その可能性もあるな」
 「面白くない奴だ」
 「それにしちゃ顔も躰も良いな」
 三名とも五十代後半。昭和の親父と女性知識階級に揶揄される世代である。そしてそれに強い不満を持っていた。
 「何とかお仕置きしたくないか」
 村上治夫が誘いを掛ける。
 「簡単にできるか」
 「連続拉致強姦傷害事件を見習えばどうだ」
 「四国の事件は捕まったな」
 高円寺譲はやや慎重になる。
 「そうだが。あれは使用した空き家がばれたからだ」
 「ばれない場所があるのか」
 「ある。北海道なら駅の近くに地下室を掘った廃屋がある。持ち主が管理していて時期的に保線作業員に貸し出している。夏場に人が来る事はない」
 「何処の駅だ」
 「兜沼」
 「あそこは無人ではないぞ。集落も人目がある」
 高円寺譲も鉄道マニアの端くれである。無人駅や小さな沿線の町をちょくちょく探訪する。
 「その二つ下りに抜海駅がある。こっちは無人だ。此処で確保して奥の部屋に隠して夜に運び出す」
 「夜でも人とか車にすれ違ったら終わりだぞ」
 「さすがに夜歩く者は居ない。ドローンで前方を確認しながら進めばよい」
 「どうやって抜海駅に誘い出す」
 「秘境駅探訪のリクエストを出す。メールで何人かが出す」
 「しかし緊急事態宣言下だぞ。不要不急の外出だ」
 高円寺譲は今の状況でそんな誘いに乗らないと言いたい。
 「この女はこれまでもお構いなくやっている」
 村上治夫は動画のアップ状況で確認していた。
 「そうか」
 「列車の本数は限られている。前日の電車か飛行機で稚内に着く。稚内を十二時四十八分の普通で抜海十時四十五分これしか使えない」
 「帰りは」
 「抜海十一時四十八分。稚内十二時七分これ以外使えない。あとは抜海で長時間待つ事に成る」
 女性が夜の時間に秘境駅に行くことは考えられない。
 「稚内駅だけ見張れば良いのか」
 「そうだ」
 「だが抜海までは警察が行動を手繰れるな」
 江頭愛の抜海までの足取りは明白になる。
 「それは仕方ない」
 村上治夫はDNAを残さなければ問題無しの考えである。
 「時間は解ってもいつ来るかだ」
 「リクエストに応じるなら本人から何らかの表明がある」
 村上治夫は数日ビジネスホテルとキャンピングカーに待機と考えていた。
 
 八月十四日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 SM雑誌の一回きり素人モデルの覆面インタヴューをインターネットアダルト放送で行った。
 雑誌の記事も会社名もモデルの名前も紹介しない。
 インタヴューは本多椿が行う。
 「本日この番組ではSM雑誌の撮影で契約以上の事をされてしまった素人モデルさんのインタヴューを特集します。担当はわたし本多椿です」
 本多椿が挨拶する。本日はアナウンサーらしい白いスーツ姿である。
 「撮影は会社のスタジオでしたか」
 「いいえ。古い民家を借りて行われました」
 「時間はどのくらいですか」
 「朝。甲府の駅で待ち合わせて夜まで掛かりました」
 「ギャラはどのくらいでした」
 「七十五万です」
 「安いと思いませんでした」
 「でも海外版のように大事な部分が出ないからそんなものと言われてしまいました」
 「内容はどのように説明されました」
 「縛られて蝋燭は躰に受ける。吊るしも数種類有る。全裸で排尿、浣腸有り。局部は修正でした」
 「絡みとは言われてなかったですね」
 「言われませんでした」
 素人モデルはきっぱり答える。
 「スタッフは何人居ました」
 「男性二人だけです。二人で縛って二人で撮影です」
 「それはどんな人達ですか」
 「面接してくれた人がそのままです。四十歳くらいの二人でした」
 「どの様な進行でした」
 「最初は着衣のまま日本家屋の柱に縛られました」
 それから徐々に衣服の一部を剥がされゆく。着衣の恥ずかしい姿を幾通りも撮影された。
 「全裸にされたところで剃毛されました」
 「それは聞いていました」
 「いいえ。でもSMだから下の毛は剃ると言われました」
 「性器も撮影されました」
 「はい。閉じたままのは線一本で。指で広げられたのは網でぼかされていました」
 性器は出ていないが大陰唇は丸出しである。思った以上の内容に素人モデルは羞恥極まりない。
 「ポートの他に動画も取っていました」
 撮影経験の有る本多椿には状況が概ね想定が付く。
 「はい。別のカメラも回っていたと思います」
 これも素人モデルはきっぱり答えた。
 そのスタッフの愉しみだけならまだしもいつか流される危険性すらないとは言えない。
 「それからどのように進められました」
 本多椿の表情はやや興味に傾いている。
 「はい。逝き顔を撮ると言われてお○○この中に指を二本入れられてとことん刺激されました」
 ここはピー音で部分修正する。
 「何処までされました」
 ここは本多椿も少し視聴者の興味を考慮した。
 「はい。何回も逝ってしまって潮を噴くまで責められました」
 「そこまでですか」
 「いいえ。その流れでまず一人に入れられてしまいました」
 「強姦されたのですね」
 「それに近いです」
 「それから」
 「手首と脚首をそれぞれ縛り合わされてそれを背中の上で縛り合わされました。背中を内側に丸めて苦しい体勢で吊るされました」
 「駿河問いですね」
 「そうなのですか。短い時間で撮影して降ろしてくれましたが次は逆にお腹と太腿を密着させて吊るされました。このとき二人目に入れられました」
 「次は獣縛りにして吊るされたのですね。挿入したスタッフはポートに写ってないのですね」
 「グラビアになった中には掲載されていません」
 「完全に役得で契約外の事をされてしまったのですね。それについての説明は何かありました」
 「いいえ」
 「意味の無い絡みですね」
 「そうです。もう悔しいです。ああ」
 素人モデルはそのまま嗚咽した。
 「このような撮影はアバウトな出版社ではしばしばあるようです。私はこのような事に成った事はありません。絡みがある仕事と分かっていれば問題ないですが、このようなケースでは絶対に納得できません」
 本多椿は自分の見解を述べてインタヴューを終わらせた。
 
 八月十五日。稚内。
 江頭愛は朝に東京を出て新幹線、在来線特急他を乗り継いでサロベツ3号で稚内に二十三時四十七分に着く。そのままホテルにチェックインした。
 八月十六日の朝はゆっくり稚内駅に向かう。
 村上治夫の予測通り稚内を十二時四十八分の普通に乗車する。
 他に乗客は居ない。
 そこまで駅の近くで張間克典が車の中からドローンを使って確認した。そのまま車で抜海に向かう。
 高円寺譲は南稚内で駅から乗る乗客を確認する。発車時点で江頭愛以外乗客が居ないことを確認した。
 江頭愛は予定通り抜海駅で下車する。運転士も一人しか居ない乗客がこの無人駅で降りたと確認していた。
 抜海駅に隠れて待合室に入る江頭愛に催涙ガスを流して確保するのは言い出した村上治夫の役である。
 江頭愛は予定通り駅舎に入る。そして待合室を撮影して待合室に置かれているノートに掛かった。
 駅の近くに人が居ないことは稚内から近くに着いた張間克典が駅に入るT字路を曲がったところでドローンを飛ばして周囲を確認している。
 村上治夫は隠れたままガスマスクを着けて催涙ガスを流す。
 江頭愛は直ぐに気付いて入口に走った。
 村上治夫は後ろから首にタックルして引き戻す。直ぐにクロロフォルムを顔に当てた。
 ガスマスクで顔は判らない。
 そのまま奥の部屋に運び込む。
 躰を縛って口にガムテープを貼る。ブルーシートに包んでキャリーバックに詰めた。空気穴は開けてある。
 村上治夫は予定を変更してそのままキャンピングカーに積み込む。
 他の二台と一緒にドローンが先導してその場を離れた。
 名寄まで戻ってホテルにチェックインする。
 キャンピングカーは駅前に止めておく。江頭愛はキャリーバックの中に眠らせたままである。
 ホテルは以前に村上治夫が利用した。カードキーのホテルでフロントを通らないで出入りができる。
 カードキーをフォルダに差し込んで電気が点く仕組みだが同じ大きさの厚紙のカードを入れておけば点灯したままになる。
 夕食までそのホテルのラウンジらしきで摂る。
 食事の時は態と厚紙は抜いておく。
 夜に成ってホテルを抜け出した。
 駅前に止めてあったキャンピングカーで兜沼付近の空き家に向かう。また張間克典の車がドローンを先導して前路を警戒して進む。
 空き家の鍵はソルなので簡単に開く。
 村上治夫は以前に万能キーを手に入れていた。以前アルバイトで此処に入ったのである。
 地下室にキャリーバックを降ろして必要な荷物も降ろす。総て他の二つのキャリーバックに入っていた。
 そのままキャンピングカーは兜沼の駅の駐車場に止めておく。目撃した人が万一居てもナンバーまでは通常見ない。
 まず夜に駅に来る村人は居ない。
 地下室に下ろして江頭愛を全裸にする。既にカメラを回している。三名は防護服に躰を包んでいた。
 顔はまったく判らない。長袖で手袋もしている。
 江頭愛の躰を高手小手に縛る。縛りができるのは村上治夫だけである。
 膝を二本縛り合わせてフックを付けた。
 地下室に前から置かれていた鉄パイプでやぐらを組む。それに滑車を吊るしてそのフックに膝のフックを引っ掛ける。
 そのまま江頭愛の躰を逆さ吊るしにした。
 江頭愛はまだ意識を回復しない。
 「先に剃毛しよう」
 高円寺譲が提案する。
 「お○○こをアップで納めて」
 村上治夫が撮影している張間克典に要求する。
 高円寺譲が工事用のライトを調整して照明を当てた。
 張間克典はそれをアップで撮影する。
 さらに逆さ吊るしのまま女の部分を指で広げた。股間に隙間があるので確り広がる。中は綺麗に薄橙である。
 村上治夫は江頭愛の股間にローションを掛けて一枚刃の剃刀を言い出した高円寺譲に渡す。
 「よおし」
 高円寺譲は満足げに剃毛に掛かる。
 江頭愛は陰毛を綺麗に整えていた。ドテの部分から長い三角形に残している。大陰唇は綺麗に剃られていた。
 剃毛を終えて女の部分の閉じた状態と広げた状態を撮影する。ドテの下から大陰唇に掛けて僅かに皮膚が紅を帯びていた。
 小柄だがスタイルも良く皮膚も綺麗で股間部分も美しい。外観的にはなかなかの絶品である。
 村上治夫は鞭を取り出す。
 「先にやっちまわないか」
 高円寺譲はやりたくて堪らない。
 「甚振ってからが良い。抵抗が少なくなる」
 「そうか」
 村上治夫は剃毛したばかりのドテを叩く。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
 「うぐう」
 江頭愛は意識を戻す。朦朧とした状態でも逆さ吊るしの窮地にある事を瞬時に悟る。
 「なにしているのーーーーーーーーーーー。どこーーーーーーここ」
 目を開いて恐ろしさに回りを確認する。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 目に入ったのは防護服三人である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜海駅で眠らされた事態に直ぐに気付く。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は恐怖に叫ぶ。
 村上治夫は鞭で太腿を叩く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー」
 江頭愛はお尻を後ろに引いて痛みに藻掻く。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 ヒステリックに叫ぶ。
 村上治夫は容赦なく乳房を叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーー。いーーーーーたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は頭を振って唾を飛ばして喚く。
 村上治夫はさらに鞭を振り被る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は泣き声交じりの声で叫ぶ。
 「撮るなーーーーーーーーーーー」
 江頭愛はカメラを構えた張間克典に気付いた。
 「やだーーーーーーーーー。撮らないでーーーーーーーーー」
 江頭愛はさらに泣き叫ぶ。
 「もう確りお前の全裸は一番恥ずかしいところまで撮影されている」
 村上治夫は抑揚のない声でそう宣告する。
 「やめろーーーーーーーーー。はんざいだぞーーーーーーーーー」
 江頭愛は無駄と分かる正論を叫ぶ。
 「犯罪だよ分かっているよ。お前は親父世代を動画でしょっちゅう揶揄する。だからお仕置きだ」
 高円寺譲が既に本音を叩きつける。
 「ふざけるなーーー。お仕置きじゃない。やめろーーーーー強制猥褻だ」
 江頭愛はそれでも言い返す。
 村上治夫が綿棒を取り出した。
 「うるさいぞ」
 女の部分を広げて尿道に刺し込む。
 「あーーーー。やめ・・あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈な痛みに抗議の言葉は途中で悲鳴に変わる。
 「い、いい、たいーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道の小さな亀裂に乾いた綿棒。途轍もなく繊細な痛みである。
 江頭愛は顔を引き攣らせ唾を飛ばして叫ぶ。
 村上治夫は乳首を鞭で叩く。
 「ぐーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーー」
 薄紅色の若い乳首をもろに叩いている。乳輪は小さい。乳首の回りに僅かである。
 乳房は逆さ吊るしにされていていま逆向きに広がっている。だが脱がした時それなりの大きさは有った。
 村上治夫はさらにもう片方の乳首を叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は痛みに躰を捩って藻掻く。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 次は女の部分の閉じ合わせた粘膜を叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は目をきつく瞑って眉間に皺を歪めて大口で悲鳴を搾り出す。
 「うーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー。ぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに腰を振って暴れた。
 さらに太腿、乳房、股間と三人が交代して叩き続ける。
 江頭愛は涙を飛ばして悲鳴を轟かせ続けた。
 「この位で良かろう」
 村上治夫は鞭を置いて江頭愛の吊るしを下げる。
 高円寺譲が江頭愛の躰の下に入って自分の躰で受けて着地を安定させて養生した床に降ろす。
 高手小手に縛ったままである。膝も縛ってあった。
 片方の脚首を櫓にした鉄パイプの下部に縛り付ける。
 「おい。暴れたら目を叩くぞ」
 村上治夫は形振り構わない脅しを掛ける。
 膝の戒めを解く。
 江頭愛の躰と脚を引っ張って股間を広げた。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は股間が広がって悲鳴を上げる。
 「うごくなーーーーーーーーーー」
 透かさず村上治夫が叱咤する。
 江頭愛は目を叩かれる脅しに縮み上がって力を抜く。
 櫓を組んだ対面の鉄パイプの根元にもう片方の脚を縛り付ける。江頭愛の躰は床に敷いた養生シートの上に仰向けに大股開きにされた。
 「一回逝かせてしまおう」
 村上治夫は直ぐに入れようとはしない。
 「そうだな。その方が躰は受け入れる」
 高円寺譲も納得する。やはり老練である。
 「ドリルバイブはないぞ」
 「電マとローターで良い」
 「そうか。AV女優じゃないな。そこまでしなくて良いか」
 張間克典もやり過ぎは効果がないと納得する。
 村上治夫はローターを二つ持ち出し江頭愛の膣にローションを流し込む。
 「やめろーーーーーーーーー」
 高円寺譲は電マを持ち出す。
 張間克典は工事用照明の位置を調整して撮影を続ける。連続拉致強姦事件の映像イメージに見えるように調整していた。
 村上治夫が江頭愛の膣にローターを二個挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーー」
 高円寺譲はクリトリスの包皮の上から電マを柔らかく当てた。
 「あ、ああーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 膣の中でローター二つと外から電マが襲っている。
 「あーーーーーーーーはん。あーーーーーーーーあはあん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は高手小手に手を後ろに縛られた上半身を捩って顔を藻掻くように振っていた。眉間の強い皺が殆ど官能から逃れられない様子を物語っている。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に股間は小刻みに震撼していた。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。でちゃうよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛はさらに藻掻く。
 高円寺譲は電マの押えを若干強くする。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 電マの下から小水が弧を描いて流れ出す。既に簡易便器が小水を受けるために置いていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 江頭愛は断末魔の叫びと共に小水は何処までも流れ出る。相当に溜っていた様子である。
 「あーーーーーーー。あはあーーん。あはん。あはん。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 江頭愛の荒い息遣いは治まらない。
 「気持ち良くなった後の責めはもっと利く」
 村上治夫はまだ責めを止めない。
 高円寺譲も一度緩めた電マの圧をまた強くする。
 「お、おおーーーーーーーーーーーー。う、ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま江頭愛はもう一度深い逝き顔を晒す。江頭愛は画像からも判るくらい強く二回上り詰めてしまった。
 村上治夫らはカメラを止めて籤引きをする。
 一番を当てた高円寺譲から順に輪姦した。江頭愛はその後も挿入に拒絶しながらも何度も逝き顔を晒してしまう。
 三人とも若くはない。一人ずつ充分な時間を掛けて責める。江頭愛が逝ってしまう回数の方が多かった。
 村上治夫はぐたぐたになって躯を晒す江頭愛の膣にクスコを挿入する。
 「やだあーーーーーーーーー。まだなにするのーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は泣き叫ぶ。恐ろしい物が女の中に入ってきたのである。
 張間克典は再び撮影を開始する。
 高円寺譲はペンライトで膣の奥を照らした。
 「いやーーーーーーーーーーーー」
 「良いか。これからお前の膣の奥の濡れを全部取り出して公開するのだ。こんなに濡れて逝き捲くったあとですとな」
 村上治夫はロングスプーンを翳す。
 江頭愛の女の中は膣液が充満していた。
 「やだーーーーーーーーーーーー。そとあるけないよーーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーーーーー」
 「これをお前のアカウントで公開する。お前のタブレットはこっちに有る」
 「ああーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。なんでそんなことするのーーーーーーーーーーー」
 「二度と動画投稿サイトで親父批判ができないようにだ。お前は俺たち昭和世代をことごとく攻撃している」
 今度は村上治夫が宣言した。
 「そうだ。その天誅だ」
 高円寺譲も横から強く宣言する。
 「やめろーーーーーー。お前ら親父がセクハラするからだーーーーーーーー」
 江頭愛の頭には親父イコールセクハラと焼き付いていた。
 「黙れーーーーーー。セクハラしなくてもお前らは逐一親父を攻撃する。男はみなお前ら女に気を使って社会生活だ」
 高円寺譲には溜まり溜まった怒りである。
 「女のプライドが高くなり過ぎたのだ。そして男を最初から蔑んでいる。結婚しても家族の奴隷だ」
 村上治夫もそれに追加した。
 「俺たちはな。若いころ上司のやることにご尤もと従ってきた。俺たちの代に成ったら若い奴は年上を立てないばかりか若い女に気を使わされる」
 張間克典も溜まり溜まった思いをぶちまける。
 「今では婆が一番偉い存在だ」
 「今日は俺たちの溜飲を下げる日だ」
 その間にも村上治夫は江頭愛の膣の中から膣液を掬い出す。
 それを黒いプレートに乗せてカメラに収録した。
 赤と薄橙の斑な膣壁をくまなく撮影して奥の子宮口を撮影する。ペンライトに照らされて隠微なことこの上ない。
 「やめろーーーーーーーーー。逮捕されて重罪だぞーーーーーー」
 「今更。充分に重罪だ。監禁、暴行、猥褻。俺たちの年齢じゃ一生刑務所だ」
 撮影していた張間克典が無駄なこと言うなと嘲る。
 「だが捕まりはしない」
 村上治夫は強気である。
 「お前は一生人の視線を気にして、ばら撒かれた恥ずかしい動画に怯えて暮らすのだ」
 高円寺譲が怒りを篭めて言い放つ。
 「ちくしょーーーーーー。おまえら。そんな事やっているから奥さんが来ないのだろう」
 あくまで女の価値観からくる言い分である。
 「要らんよ。女は肉体の玩具だそれ以上の価値はない。ソープランドとSMクラブが有れば良い」
 高円寺譲が本音の奥を叩きつける。
 「はっはっはっはっは」
 張間克典が高円寺譲の言い分に同調するように笑い飛ばす。
 「それに動画が公開されたらお前も結婚はできない」
 村上治夫がまだ未婚の江頭愛を嘲る。
 「ふぁっはっはっはっは」
 三人とも笑い飛ばす。
 村上治夫が江頭愛をクロロフォルムで眠らせた。
 張間克典がキャンピングカーを取りに行く。三時である。これ以上経つと外が白み始める。
 二人で江頭愛を養生シートに包んでキャリーバックに詰めた。
 キャンピングカーに積んでホテルに向かう。
 兜沼の駅前で張間克典が自分の車に移る。また張間克典の車がドローンを先導して前路を警戒して進む。
 江頭愛はまたキャンピングカーに乗せたまま駅前に放置である。
 中は見えないし麻酔は確り利いている。
 三名は昼近くまで眠って昼食、夕食をホテルで摂る。
 次の日も同じ様に兜沼の空き家に向かう。
 二日目はさらに江頭愛を辱める動画を撮影した。
 
 八月十七日。
 如月鬼堂の居間。
 緊急事態宣言拡大。期間延長と成っての会議である。
 長野、熱海、生駒の店長の他SM愛好会の主なメンバーが来ていた。熱海店の在る静岡は緊急事態宣言が発令されてしまう。
 「人流を止めて感染抑止はもう無駄だよ。治療薬を早く見切り承認して時限的対応で一時的に市販許可すべきだ」
 如月鬼堂は怒りに滾っていた。
 「そうです。ワクチンを進めるのは正しいですが、緊急事態や蔓延防止で感染の抑止を繰り返すより非常事態として開発中の治療薬を早く承認して治る病気にしてしまう事が一番です」
 館山弁護士の核心を持った意見である。
 「そっちの政策が遅れているからいけないのです」
 福富麻次郎も同じように怒っている。
 「ワクチンプラス自然免疫と治療薬を見切り承認して警告付き市販に踏み切るべきだ。それこそ緊急事態に対する対応だ」
 大河内税理士はこれまで以上にぶち切れている。言葉も荒い。
 「県を跨いだ移動より例えマスクを着用していても過密状態の地下鉄を止めなければ感染は治まらないですよ」
 杉下一行もマスコミが言わない核心を言ってしまう。地下鉄を止めれば公務員も出勤できない。
 一番テレワークを行ってないのは公務員である。とくに都庁、県庁、区役所、市役所がそうと言える。
 如月鬼堂の居間である。他では言えない事を言いたい放題。この関係だけの会話でしか許されそうもない。
 「それにクラスターは飲食店だけではない」
 如月鬼堂は怒りを篭めて断言する。
 「仰る通りで」
 福富麻次郎も心の底から御意を表明した。
 「俺はこの際プレイルームを増やそうと思う。今は宅配型の風俗が一番やりやすい」
 如月鬼堂がいつ終わるともしれない感染症無能対策にこの先を見据えた風俗の稼ぎ方を宣言する。
 「そうです。私共もオンライン営業の他に宅配を始めています。経営組織の違うプレイルームが増えれば自宅への宅配よりは安全清潔です」
 「そうですね。ラブホテルだけでは足りません。それにラブホでは管理がやりにくいです」
 杉下一行も同調した。
 「いっその事。賃貸マンションを一個買い取って改装して送迎ドライバーの待機室まで作ってと考えています」
 福富麻次郎はチェーン店を生き延びさせるべく必死である。
 「問題は立地です。それと一社で利用しない。かつ民泊形式で別の経営会社が必要です」
 杉下一行は安全策を提言する。
 「プレイルームを利用する会員組織を別に作ったらどうでしょう」
 大河内税理士の案である。
 「それが良いでしょう」
 杉下一行も賛成でする。
 「ところで次の愛好会の会合ですが。オンライン営業だけの熱海店のステージでどうでしょう」
 大河内税理士が口火を切る。プレイルームではなく使ってない熱海店のステージをオンライン開催に使うと言う提案である。
 「その方がショーはやりやすいですね」
 杉下一行も賛成する。
 「私は今回から熱海店の営業協力を兼ねて乾杯セットを別途に熱海店から購入してもらってはと考えています。宅配で送られてくる方式でどうでしょう」
 これも熱海店のコンパニオンの雇用維持に会員のご協力を訴えるべきとの福富麻次郎の提案である。
 「全員」
 「強制はしません。五人くらいで一人の熱海店の女の子にオンラインアクセスしてオンラインで飲みながら会合に参加です」
 熱海店の乾杯セットを買った何人かでコンパニオンとオンライン飲み会のグループでショーを鑑賞と言う提案であった。
 熱海店に来店して升席でコンパニオンと会話しながら飲む。その状況をオンラインで作り出そうというのである。
 毎日の店舗休業要請対策で個室からのオンライン営業とは別で愛好会のショーの日だけの企画となる。
 「足りるかな」
 杉下一行は女の子の人数が足りるか心配する。
 「他の店舗の升席からも飲みながらスクリーンで閲覧可能です」
 長野の店長である。会員営業の店舗ではコンパニオンが配膳できる。
 「バランスは合いますね」
 熱海の店長荒井枝理も納得する。
 「しかしロックダウンの検討を要求すると県知事ら数人が騒いでいます」
 館山弁護士である。
 「いい加減に諦めろ。無駄な抵抗はやめろ。日本は完全にウイルスに包囲されている」
 床を叩いて大河内税理士は完全に切れていた。お客の多くが倒産、廃業して収入減である。何とも我慢がならない。
 「今回は影響ないでしょう。店舗は営業しないのですから。ロックダウンになったら全部熱海店と同じにすればよいのですよ」
 杉下一行がやや宥めた。
 「しかし日本でロックダウンが出来ますかね」
 大河内税理士は次に開き直る。
 「今の総理が賛成してない。他の国でロックダウンをしても効果はないと発言している」
 「ただワクチンと一部の治療薬と野戦病院ではね」
 「それでも野党や知事連中よりましだ。無能と思っていたが答弁と説明が下手なだけだ」
 如月鬼堂の意識は変わった。
 「国会を開けと野党と一部の知識層が騒いでいます」
 「野党が苦言を言いまくって支持に繋げたいだけだ。国会など開けば余計対策が停滞する。閣議決定で行く方がスムーズだ。知識層は少数野党寄りが多い」
 憤懣やるかたなきをぶちまけながら愛好会の運営方向と風俗業の生き残り作戦が提言された。
 
 この日。皮肉にも同じような事件が北海道で起きていた。
 犯人は村上治夫らが泊まった名寄のホテルのオーナー高司勲である。
 高司勲の妻奈々枝はまだ三十歳。良い女である。だが男は金が出来て女の躰に飽きてしまえば他が欲しくなる。
 若い女が良い。だが手を出してしまえば女は強くなる。
 奥さんと自分を入れ替えろと要求する。
 高司勲は妻が連続拉致強姦事件の被害者に仕立てる計画を立てた。
 一人従業員の男性を加えた。SM趣味の男である。妻の奈々枝を好きなようにして良いと言う条件を付けた。
 高司勲は奈々枝の寺参りの日を選ぶ。愛人の菊川玲華と従業員でマネージャーの下川達平の三名で掛かった。
 奈々枝の確保は菊川玲華が近付いて麻酔を当てる。
 車に積んで建替の為取り壊し予定で休館中のホテルに向かう。これも高司勲の経営である。
 地下室に運び込む。防護服、マスク、サングラスは連続拉致強姦事件のままを再現した。
 ここからはSM趣味の下川達平任せと成る。撮影は菊川玲華が担当する。
 菊川玲華は殆ど口を利かない。高司勲と下川達平は手話ができる。
 下川達平が一人で責める。高司勲はやや離れて助手を務めるかたちである。
 奈々枝はまだ眠っていた。
 眠ったまま全裸にする。
 お尻の上で手首を縛って前に縄を廻して腕の上から乳房の上下に縄を掛けた。それを二の腕の内側に縄を廻して強く縛る。
 仰向けに奈々枝の躰をひっくり返す。
 脚首に縄を掛けて股間を大きく広げて両方の柱から強く引っ張る。
 股間は百度以上に広がった。下川達平は女の部分を強く広げる。カメラにアップしてから剃毛に掛かった。
 剃毛を終えてからも女の部分の閉じた状態と広げた状態を撮影する。
 ここも連続拉致強姦事件のやり方のままを行った。
 下川達平は鞭を持つ。先端が小さい扇型のチップになった一本鞭である。
 乳首に当たるように乳房を強く叩く。
 「ううーー」
 奈々枝は意識を回復した。
 「あ、あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に泣き悲鳴に成る。
 奈々枝は縛られて防護服が三人。連続拉致強姦事件の犯人に拉致されたと悟った。その唇は恐怖に震えている。
 照明は正面から奈々枝を照らしていた。眩しくて正面は見られない。
 下川達平は容赦なく乳房を叩く。
 「あはあはあーーーーーーーーーーーーん」
 奈々枝は顔を震えさせ歯を剥き出して悲鳴を上げる。
 下川達平は左の乳房を叩き続けた。
 「あはーーーーあん。あはあはーーーーーーーーん」
 奈々枝は痛みに振るえ悲鳴を上げ続ける。
 下川達平は左の乳房を数十回叩いてクスコを持ち出す。
 「あーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん」
 奈々枝はそれで女の奥まで公開されてしまうと分かる。堪らなく恥ずかしいものが世間にばら撒かれてしまう。
 連続拉致強姦事件の被害に遭った女性がどんな事に成っているか良く分かっていた。
 下川達平はクスコを奈々枝の女に挿入して螺子を回して大きく広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。いやあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 奈々枝はまた泣き悲鳴を上げた。
 中をペンライトで照らす。小型のカメラを手で持って膣の奥をカメラの角度を変えて撮影する。
 「いやあーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 下川達平は次に細いクスコを持ち出した。
 それを子宮口に刺し込む。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、い、たいーーーーーーーーー」
 奈々枝は泣き叫ぶ。
 子宮の中をカメラに収めた。
 「あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーん」
 下川達平はそれを抜いて尿道の小さな亀裂に刺し込む。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈々枝は顔を破裂させて涙と唾と汗を飛ばして悲鳴を搾り出した。
 これも中を広げてカメラに公開する。
 「い、いたいーーーーーーーーー。あーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 奈々枝は泣き続ける。
 下川達平は指にローションを塗ってアナルに指を入れる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈々枝の悲鳴がまた轟く。
 下川達平は小さなローターをアナルに押し込んだ。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 クスコを抜いて膣に二つ突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奈々枝は刺激に堪えられない。熟し過ぎた躰である。高司勲に執拗に弄くられてきた。
 とことん逝き捲くるまで玩具にされる。
 それが最近徐々に手を抜かれ欲求不満状態である。
 それでも奈々枝は抑えようと藻掻く。
 逝き声まで公開されたら離婚の材料になる。薄々自分よりもっと若い女に手を出していると気付いていた。
 下川達平はさらにもう一個の卵バイブを指で持ってクリトリスの包皮を剥いて直に責める。
 「あーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーん」
 奈々枝は卵バイブの総攻撃に堪えられない。できるだけ声は抑えていた。それでも顔の表情は軋んでいる。
 苦しみではない。逝き顔と判別が付く。
 奈々枝は耐えられず小水を流してしまう。断続的に何回か弧を描いて噴き上げる。
 逝き声、逝き顔は撮影した。後は強姦シーンが必要である。
 これも下川達平が一人でやる。
 だがこれが激しく動き過ぎてスキンを膣の中で破ってしまった。
 こうなると何れ下川達平のDNAから跡が付く。最早奈々枝を焼き殺す以外手段は無くなった。
 
 八月十八日未明。
 高司勲らは海岸線の小さな丘に隠れたところでドラム缶の中に入れて養生シートや衣服と一緒に奈々枝の躰を焼く。
 その灰は海に流してドラム缶も洗った。
 さらに他の物を入れて燃やし続ける。直ぐに発覚しない配慮である。
 奈々枝の乗っていた車は墓地に乗り捨てたままにした。
 その車の中に有った奈々枝のタブレット端末で撮影した動画をアップロードしてしまう。
 
 村上治夫らは三日目にさらなるハード拷問を行った。
 最後に江頭愛をキャリーバックに入れたまま深夜に抜海駅のホームに置き去りにする。
 キャリーバックには江頭愛の排泄物を簡易便器ごと密閉して入れた。処分の手数を省いたのである。
 村上治夫らは深夜のうちに動画を三日分一本に纏めてアップロードした。それは総て江頭愛のアカウントからである。
 江頭愛の衣服は駅で焼く。江頭愛のタブレット端末も分解して焼けるものは焼いた。
 焼けない部分はばらばらに場所を変えて捨てる。
 そのまま三名はばらばらにさいたま市内に戻ってしまう。
 動画投稿サイトにアップされた動画もアダルト動画の投稿サイトも大騒ぎとなる。
 動画は『今日は昭和の親父の溜飲を下げる動画をお送りいたします』で始まっていた。
 最初は江頭愛が稚内から撮影してきた内容である。
 途中から拷問動画と変わる。
 抜海駅に置き去りにされたキャリーバックは始発列車の運転士の通報で警察が回収した。
 江頭愛は病院に運ばれたが意識不明である。
 稚内警察署が捜査を開始する。
 道警本部からは五係の小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が稚内署に向かった。事故死した田村祥司警視監から代わった高端早苗本部長の指示である。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長はどちらも四十代。北海道警のベテラン刑事である。
 抜海駅を最終列車が出た時点でキャリーバックは無かった。列車で運ばれた可能性も無い。
 待合室の前だったので最終列車の運転士は其処にキャリーバックが無かったと証言している。
 目撃証言も無かった。
 動画の内容から地下室で行われた模様である。だが地下を偽装した可能性も否定できない。
 江頭愛が八月十五日に抜海駅で降りたことは抜海駅十時四十六分の運転士が確認している。
 「動画の内容から三つに分割できます。犯行は三日に渡って行われたと考えられませんか」
 笛木祐子巡査部長の推測である。
 「被害者江頭愛の映像に現れている躰の状況からもそう考えられるね」
 小倉紘子警部同意する。
 「警部。もし三日に渡って拷問したのでしたらそんなに遠くからは運べないですね」
 「近い空き家は稚内署が当たってくれていますが。北海道内は可能性が無いとは言えません」
 そしてもう一本の動画がアップロードされたことが道警本部から小倉紘子警部らにも通知された。
 
 八月十九日。
 高司勲は妻が帰らないと捜索願を出した。
 それによってもう一人の動画の被害者が高司奈々枝と判明する。
 二十以上若い妻が居なくなったのである。
 高司勲は会話が繋がらないくらい取り乱していた。
 「墓参りに行って帰らない」
 高司勲はそう訴える。
 「何処の墓地ですか」
 「それが妻の実家の墓地でどこか私は知らないのです」
 高司勲は名寄署の刑事の質問にそう答えた。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が名寄に向かう。
 二人は名寄署でもう一度動画の内容を確認した。
 「これは同じ犯人でしょうか」
 笛木祐子巡査部長は疑問を呈する。
 「別の事件かもしれませんね」
 小倉紘子警部も同じ意識を持つ。
 「拷問が行われた場所は微妙に違います」
 笛木祐子巡査部長は二本の動画の映像に映ったバックからそう主張する。
 「被害者の身柄は」
 小倉紘子警部から名寄署の刑事への質問である。
 「それが高司奈々枝さんの車は乗り捨てられて○○寺の墓地で発見されました。高司奈々枝さんの行方は判っていません」
 名寄署の刑事が答えた。
 「連続拉致強姦事件の犯人が別々に動いたとは考えられませんか」
 さらに名寄署の刑事の意見である。
 「連続拉致強姦事件の犯人が三人ずつ」
 「そうです」
 「やり方は連続拉致強姦事件の犯人に似ていますが。四国の例もあります。連続拉致強姦事件の犯人とどこか微妙に違います」
 小倉紘子警部は違う見解を示す。
 「六人の中に医者が一人だとすれば、そっちに医者が居なければ江頭愛さんが躰を斬られていないのは判りますね」
 笛木祐子巡査部長は一応その可能性も多少残っているとは認める。
 「もう一人の方に医者が居た可能性も無くはないね。とにかく高司奈々枝さんを早く見つけないと」
 小倉紘子警部はどうであれ高司奈々枝を見つけることが重要と考えた。既に遺体の可能性も視野に入れている。
 「これまで連続拉致強姦事件の犯人は判る所に放置しています」
 「やはり何もかも微妙に違うわね」
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長はほぼ別の犯人で連続拉致強姦事件の犯人の仕業ではないと踏んでいた。
 そこへ江頭愛が意識を回復したと連絡が入る。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は先に高司勲に面会する。だが殆ど捜査に必要な情報は得られなかった。
 高司勲はまだ妻が見つからないのかの一点張りである。
 興奮して殆ど聴取はできない状況で同席した駅前のホテルの支配人が代わりに対応した。
 下川達平とは別の支配人である。
 そのまま小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は道警本部からヘリを調達してもらって稚内の病院に向かった。
 
 如月鬼堂の居間である。
 連続拉致強姦事件の動画が配信されて杉下一行がメール転送してきた。
 とにかく愛好会のメインのメンバーが集まってテレビ会議を併用して内容を確認する。
 二日目に江頭愛の拷問に掛かる場面である。
 男らの声は消されて字幕が出る。江頭愛の悲鳴はそのまま音声を残していた。
 村上治夫らは昨夜と同じ様にキャリーバックから江頭愛を出す。大股開きにして脚首を櫓に組んだ鉄パイプに縛った。
 胸部は高手小手に縛ったままである。
 ここから張間克典が撮影を開始した。
 三人の姿は昨夜同様防護服、マスク、サングラス、医療用手袋である。
 村上治夫が江頭愛をスタンガンで起こす。
 「これからお前の恥ずかし過ぎる姿を撮影する」
 意識を戻してまだ照明に目がぼやけている江頭愛に村上治夫が宣告した。
 「まだなにかするの!もうやめてーーーー。もういや」
 江頭愛は直ぐにヒステリックに叫ぶ。
 この場面から見ている如月鬼堂らは撮影日が変わったような時間の経過を認識した。
 村上治夫が江頭愛のアナルに腸カテーテルを刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 グリセリンを流し込む。
 「あーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は一気に苦しみ始める。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛を腹の痛みが一気に襲い始めた。もう堪らず痛みを訴える。
 「もっと苦しめ」
 高円寺譲が言葉を浴びせる。
 「やめてーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は食事も摂ってない上に二日排泄をしてない。便は中で固まっている。それを溶かして出すのである。
 江頭愛は苦しみに顔を究極に歪めて藻掻き続けた。
 「あーーーーーーー。だめーーーーーーーー。たすけてーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 江頭愛はもうプライドどころではない。犯人に助けてと叫んでしまった。
 「痛いか」
 「いたいよーーーーーーーー」
 顔は歪み切って腰は藻掻いている。
 「カメラの前でうんこさせて下さいと言え」
 高円寺譲が強制する。
 「おのれーーーーーー。こんなーー汚い手・・・使って」
 江頭愛は苦しみながらも怒りの言葉を吐き出す。
 「まだ耐えるか」
 「あーーーーーーーーーー。カメラ・・の・・まえで・・うんこ・・・させてーーーーーーー」
 江頭愛は苦しみに堪えられず屈辱を噛んで言葉を吐き出した。
 三名は歓喜の拍手をする。
 「うぐうーーーーー。ちくしょーーーーーー」
 江頭愛は苦しみと怒りに塗れる。
 村上治夫が腰に角材を差し込みむ。お尻を浮かせたのである。
 高円寺譲が簡易トイレを股間に当てた。
 村上治夫がカテーテルを抜く。
 茶色いどろどろの液体と共に小さく固まった便が流れ出る。
 江頭愛には人格を殺される羞恥である。
 「あはああ。あは。あは。はあ。はあ。はあ」
 江頭愛は浣腸液が出てしまっても苦しみ続けた。
 「もうだめーーーーーー。ゆるしてーーーーーー」
 高円寺譲が江頭愛の股間からアナルをティッシュで拭く。
 「・・・・・・・」
 江頭愛はこれも堪らない屈辱である。
 村上治夫は尿道責めの準備をしていた。
 バルーンではない。細い尿道カテーテルである。
 「今度はあんたのおしっこを採取するからな」
 村上治夫がさらに無慈悲な宣言をする。
 「やめろーーーーーーーー」
 江頭愛は殆どヒステリー状態である。
 村上治夫はそんな江頭愛の表情を愉しみながら女の部分を指で広げた。
 「やめてーーーーーー」
 江頭愛の叫びを聞きながら尿道の小さな亀裂に尿道カテーテルの先端を突っ込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 SM嬢なら悲鳴など上げない程度のことであるが江頭愛は呻き声を出さずに居られない。
 村上治夫は尿道カテーテルの途中を抓んでいた。それを断続的に離して小水を流す。
 「あーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あはあーーん。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 高円寺譲がプラスチックの瓶にそれを受ける。
 村上治夫は尿道カテーテルを途中で抓んだままケースに入った長さ十センチくらいの針の束を高円寺譲に渡す。
 「どうするのだ」
 そう言って高円寺譲は尿道カテーテルを村上治夫の抓んでいる直ぐ下で抓む。
 代わりに村上治夫が針を取り出す。
 それを江頭愛の左の大陰唇の横から突き刺す。
 「あ、はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛の甲高い悲鳴を他所にそのまま反対側の大陰唇を突き抜く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛はサイレンのように悲鳴を搾り出す。
 そのまま四本を二つのクロス状に刺し貫いた。
 三人は江頭愛の究極の悲鳴を愉しむ。
 村上治夫は高円寺譲の抓んでいた尿道カテーテルの抓みを交代してスタンガンを渡す。
 高円寺譲は針にスタンガンを当てた。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がーーーーーーーーーーーーー」
 腰を小刻みに震えさせ強烈な悲鳴に成る。
 村上治夫は尿道カテーテルを抜いてしまう。
 「え。抜く」
 高円寺譲が驚く。失敗である。
 そのまま小水が飛び出る。
 高円寺譲はスタンガンを離す。
 「あーーーーーー。あはあ。ああーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 江頭愛は白目を剥き始めていた。
 ティッシュで零れた小水を拭いて簡易便器に投げ込む。
 そのあと三人はご他聞に漏れず抽選で江頭愛を輪姦した。
 その日も同じ様に江頭愛をキャリーバックに詰めて運び出す。そしてキャンピングカーだけ名寄の駅前に止める。
 これがさらに捜査を撹乱した。
 翌日も三人は同じ様に出発する。
 その日は江頭愛にゼリー状の栄養剤を飲ました。江頭愛も空腹から抵抗しないで飲む。
 まったく同じ様に縛っている。三人でこれが最後と輪姦す。
 そこから最後の撮影を始めた。
 「今日は痛いぞ」
 「今日」
 「おい」
 高円寺譲が村上治夫を注する。
 「あ」
 村上治夫も失敗に気付く。
 「今日は何日なの」
 江頭愛は透かさず突っ込む。
 村上治夫は無視してクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーー」
 村上治夫はそれを無視して螺子を回して抉じ開ける。
 「うーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 村上治夫はブジーを二本取り出した。一本を高円寺譲に渡す。高円寺譲はそれを張間克典に渡して撮影を代わる。
 村上治夫はそれを尿道の亀裂に刺し込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は強烈な痛みに泣き叫ぶ。
 「子宮だ」
 村上治夫は張間克典にクスコの奥をペンライトで照らして指差した。
 張間克典はブジーの先端を真っ赤な子宮口に突っ込む。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は躰を揺すって藻掻く。強烈な痛みである。
 村上治夫は張間克典にスタンガンを渡す。
 ブジーを指差した。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛はこの上スタンガンを充てられては堪らない。怯え強烈に泣き叫ぶ。
 張間克典は子宮に刺さったブジーとクスコにスタンガンを当てた。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 さらに尿道のブジーに当てる。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛の躰はぶるぶる小刻みに震撼する。
 そして失禁した。
 村上治夫はそれを容器に受ける。
 「口に開口器」
 村上治夫は張間克典に口に使う開口器を渡した。
 張間克典はそれを江頭愛の口の横で構える。
 村上治夫がプライヤーで歯を抉じ開けた。
 「うぐーーーーーーーーーー」
 その間に張間克典が開口器を突っ込む。
 「ぐごーーーーーーーーーーー」
 村上治夫が二つプラスチックの瓶を翳す。
 「これは一つがお前の小便。もう一つは爬虫類の小便を集めてきた」
 「うごおーーーーーーーーー。うごーーーーーーーーーー」
 江頭愛は開口器が口に入っていて言葉にならないが堪らず顔を振って喚く。
 爬虫類の小便は嘘。調味料で適当に作ってそれらしい味にしただけの偽者である。
 「まずお前のお漏らしした恥ずかしいしょんべんからだ」
 村上治夫はそう宣告して瓶の中身を江頭愛の口に流し込む。
 「ぐぼおーーーーーーーーーーーーー」
 江頭愛は喉から押し出すが村上治夫は口を押える。
 「ぐごごご」
 もう一本を張間克典に促す。
 村上治夫が手を退かした瞬間。張間克典が瓶の中身を流し込む。
 「ぐぼーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は両側から二人で口を押える。
 「ごが、が、が、が」
 江頭愛は藻掻くが喉から入ってしまう。
 ぐほおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
 大きな咳で開口器ごと飛ぶ。
 二人の手も離れる。これで目的達成である。
 「まあ。明日の昼には病院に入っているよ」
 そう言って村上治夫がクロロフォルムを当てる。
 
 「三日に渡っての犯行だな」
 如月鬼堂は江頭愛の躰の状況から三日に分けた犯行と判断した。
 「やはりもう一つの犯行とは別ですかね」
 樽常マネージャーが自分の憶測を言う。
 「別だろう」
 如月鬼堂は断定してしまう。
 「そうですね」
 館山弁護士も同意する。
 「どっちも北海道ですね。片方は渤海駅。もう一つは名寄のホテルオーナーの奥さんです」
 「場所は近いが関連性はなさそうだな」
 「そうなると連続拉致強姦事件の犯人の仕業ではないと言う事ですね」
 「そうだが。これで模倣班が三件だ。ますます我々の業界に非難が集まり兼ねない」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の犯人が悩みの種となっていた。
 「困りましたな」
 館山弁護士も樽常マネージャーも大河内税理士も真剣に困り顔である。
 「女性の方が同じ収入で金を使う。男性に使わせるには風俗、売春、それ以上の女への投資、それに割り込むのがSMだ。経済効果にもマイナスになる」
 如月鬼堂の思い入れかもしれない。だが風俗売春は確実に経済効果となる。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が稚内に到着する。
 江頭愛には警邏課の女性巡査が一人付き添っていた。
 「道警捜査一課五係の小倉です」
 「同じく笛木です」
 江頭愛はベッドから半身起こして挨拶だけした。
 「起きて大丈夫ですか」
 「はい」
 江頭愛は頼りなく返事する。かなり衰弱していた。
 殆ど頭の中は絶望が支配している。撮り鉄仲間は犯人を強く非難して励ましてくれるが絶望感が薄れるには至らない。
 「犯人に心当たりは有りますか」
 笛木祐子巡査部長が静かに質問する。
 「あのう。パソコン見てください。私の動画投稿サイトに今回の無人駅探訪のリクエストが多数有りました」
 江頭愛は生気のないやっと聞こえる声で話す。
 パソコンは江頭愛の要求で警邏課の女性巡査が用意した。江頭愛はスマホもタブレットも既に犯人に取り上げられていた。
 「やはりこの投稿者に犯人が居るのね。そして呼び出されたのですね。でもこのアクセスは対象者が特定できませんでした。接続を何箇所も迂回しているようです」
 既に小倉紘子警部らは江頭愛の友人らからアカウントの情報は得ていた。その調査も道警内部で行っていたのである。
 「はあ」
 江頭愛は落胆する。
 「犯人の印象はどうでしょう」
 また笛木祐子巡査部長がやんわり尋ねる。
 「五十から六十位の男と思います。昭和の親父を馬鹿にするなと怒っていました。私のアカウント動画での発言に対してです」
 「そうですか」
 「この人判りますか」
 小倉紘子警部が高司奈々枝の写真を見せる。
 「いいえ。その人が」
 「貴女の直ぐ後に同じ様な動画が投稿されました」
 「あいつ等が。ですか」
 「それはまだ判りません。名寄署では連続拉致強姦事件の犯人が二手に分かれてやったと見ていますが」
 「名寄署?稚内ではないのですか」
 「高司奈々枝さんは名寄のホテルのオーナーの奥さんなのです。そっちは名寄署が所轄に成ります」
 「その人はいま」
 「まだ発見されていません」
 「それで犯人は連続拉致強姦事件と同じ犯人なのですか」
 「私達は違うと見ています」
 笛木祐子巡査部長がきっぱり答える。
 
 八月二十日。稚内署である。
 捜査本部は稚内署に置かれた。名寄署と合同捜査である。
 稚内署の捜査主任河村隆警部補は二つが同一の事件と判断していた。名寄署の捜査官も同じ考えであった。
 しかし小倉紘子警部の判断でこれは別の事件と断定する。
 河村隆警部補は定年退職間際の五十五歳。だが経験、知識、洞察力と総てを小倉紘子警部が勝っていた。河村隆警部補は議論では勝てない。
 河村隆警部補は女で年下の上官が気に食わない。それが捜査をさらに混乱させた。
 稚内署の河村隆警部補と名寄署の大村英明警部補は連続拉致強姦事件の犯人との見解から埼玉県警と合同捜査を提案した。
 道警から一応埼玉県警に確認が行われる。
 だが埼玉県警の専従捜査班は連続拉致強姦事件の犯人の手口を真似た四国の例と同じではないかと否定してきた。
 そして捜査資料だけ提供されたのである。
 小倉紘子警部に異論はない。
 
 道警全体で捜査員を動員して高司奈々枝の捜索が行われた。
 判ったことは名寄駅の駐車場に八月十五日から十八日までキャンピングカーが止まっていたという目撃情報だけである。
 防犯カメラはなくナンバー等の情報はない。
 海岸線でドラム缶の焚き火が見つかったが人が焼かれた形跡はないとの報告であった。
 
 八月二十一日。
 大河内税理士と杉下一行は本格的に風俗専用で会員制の民泊経営を始めた。その物件確保に乗り出す。
 賃貸物件丸ごとは居住者が居て大河内税理士の目論み通りには行かない。
 物件ごとに中古マンションを購入して改装が一番早い。
 如月鬼堂も新しいプレイルーム確保に会員の中に居た不動産業者を使って既に動いていた。
 確かにプレイルームの需要は急増していたのである。
 
 南七香は新たに追加営業開始された如月鬼堂のプレイルームに呼ばれた。
 さいたま市大宮区。東口の繁華街から少し進んで大栄橋を渡る。
 ソープランドが密集する北銀座を避けて一本奥の交差点を渡った一角に十五階建てのマンションがある。
 その中に三部屋確保されていた。
 南七香を指名したのは殺害された胡浜次郎の友人で斉藤康肩と言う。
 そして愛好会のSMショーで胡浜次郎と一緒に牧野茉莉亜に金柑を塗って禁じ手にされた時の相方である。
 南七香はその時を知らない。
 斉藤康肩は冗談半分だが胡浜次郎の報復の建前で南七香にお仕置きに来た。
 南七香は真性奴隷女の館の決まり通りの挨拶をする。
 床に正座して両手を前に着く。
 源氏名でやや省略した挨拶を形だけ言う。
 斉藤康肩はその頭を踏んづける。
 「プレイだよ。文句は言わないよね」
 斉藤康肩の言い方は胡浜次郎に比べたら柔らかい。それでも南七香は嫌な相手と思った。
 男の手で全裸にされる。シャワーは使わせてもらえない。
 「あのお。一日出かけていましたのでかなり汚れています」
 「それが良い。胡浜もそうしなかったか」
 「えーーーーーーー」
 南七香はその名前を聞いて思わず驚きの言葉を発してしまう。
 「殺した男の名前を聞くと驚愕するか」
 斉藤康肩は笑顔を交えて冗談と取れる言い方である。
 「ちがうーーーーーーー。私は最後にプレイルームで送っただけです」
 南七香は反射的に興奮した口調で言い返す。
 胡浜次郎の殺害犯は捕まっていない。
 「まあまあ。お遊びだから。今日は復讐と言う名目で」
 斉藤康肩は哂っている。
 「ちょっと」
 南七香は真顔で反論姿勢である。
 「貴女を虐めたいだけですよ」
 やんわり冗談ながらでも南七香は恐怖を覚えた。
 斉藤康肩は南七香を拷問椅子に乗せる。
 南七香の腕を拷問椅子の背に廻して縛る。さらに胸部を乳房の上下で椅子の背に縛り付けた。
 拷問椅子の脚乗せに膝を縛り付ける。
 「胡浜は貴女を虐められるのはコロナ過の今だけと積極的でしたね。まだまだクラブのお仕事お続けになりますか」
 斉藤康肩やんわり確認する。
 「お店を護るのにやるしかないのです」
 「まだまだ愉しめますか」
 「・・・」
 南七香は答えようが無い。斉藤康肩に恐ろしさをひしひしと感じていた。
 斉藤康肩は南七香の躰を拷問椅子に縛り終わると行き成り擽り始める。
 「あはあ。あはあはあはーーーーー。あははああーーーーーー。あはあはあはあーーーーーーーーーー」
 南七香は笑い声と悲鳴の混じった嬌声を上げ続けた。
 腋の下から腰に掛けて擽り脚の裏に移る。
 「あーーあはあはあーーーーー。だめーーーーーー。だめーーーーーー。ああーーーーーー。あはあはあはあーーーーーーーーー。あはあはあーーーーー」
 南七香は堪らず暴れた。拷問椅子は強く軋む。
 「あーーーーーん。あはあん。あはあはああーーーーーん。だめーーー。あはあーーーー。あはあはあーーーん」
 それでも斉藤康肩は二十分くらい擽り続けた。
 南七香は遂に失神してしまう。
 擽りで失神はかなりハードである。
 斉藤康肩はピンチを取り出す。
 失神している南七香の躰中に鋏み付ける。禁則的な付け方ではない。
 「あーーーーーーー。い、い、たあいーーーーーーーー」
 南七香は痛みに意識を取り戻した。
 それでも容赦なく南七香の美しい太腿、内腿にも鋏み付ける。
 最後は糸の付いた物を大陰唇に鋏み付け太腿を拷問椅子に縛った縄に糸を結び付ける。
 左右同じように付けてピンチで強く女の部分を広げた。
 「ねえ。いつもより痛いのだけど」
 南七香は既にピンチで鋏まれる痛さの違いを強く感じている。
 「鬼堂先生がクリップを許可しないから胡浜がバネを太くした特注を手配していたのだよ。奴の遺作だ」
 斉藤康肩はあっさり仕組みを言ってしまう。
 「そんなーーーーーーー。それじゃーーーーーー」
 南七香は抗議する。
 「ピンチはピンチ。バネの強度の規定はございません」
 「え、えーーーーーーー」
 斉藤康肩はピンチで広げた膣口にクスコを挿入する。ロングスプーンで膣の奥からどろりとして半クリーム状になった膣液を掬い出した。
 それを掬って試験管に流し込む。
 「貴女の膣液です。持って帰ってコレクションにします」
 斉藤康肩はそう言って試験管にゴム栓で蓋をする。
 「やめてーーーーーーー。そこまでしなくても」
 南七香は泣き声混じりで抗議する。
 南七香はそれが斉藤康肩の手元に残されるのが嫌である。だが抗議しても無駄であることも分かっている。
 斉藤康肩は電動歯ブラシの形で先端に小さな卵バイブがL字に付いた小道具を取り出す。
 愛好会のショーで使っていたアイテムである。そして杉下一行のアダルトショップが製造元となる。
 斉藤康肩は膣に挿入したクスコの向きを横向きにした。膣天井部を露出させる為である。
 南七香は恐々とする。これで敏感な部分を責められる。さらに濡れてしまうことは避けられない。
 斉藤康肩はアームの先端の小さな卵バイブをクスコの奥に指し込む。そして一番敏感な部分に卵バイブの先端を当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は堪えられず声を上げる。
 全身をピンチに鋏まれて痛みが襲っている。痛みの中で南七香の意識は官能の方に逃げてしまう。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーー」
 南七香の濡れは架橋になってゆく。頭を後ろに倒して藻掻きながら眉間の皺を強く歪め続けた。
 「あーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあん。あはあん。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 斉藤康肩は一度ローターを敏感な部分から離す。
 だが時間を見てもう一度責めに入る。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は頭を後ろに反らせ眉間の皺をさらに強く刻む。
 斉藤康肩は南七香の逝き顔らしきを三回確認してローターを取り出して中の濡れを試験管に採取する。
 それを南七香の目の前に翳す。
 「いやあーーーーーーーーーー。いや。いやあはあーーーーーーーーーん」
 南七香は若い乙女のように拒絶の悲鳴を上げる。
 そろそろピンチを鋏んで一時間が過ぎていた。三時間のプレイである。歩けなくなるまでやってはよろしくない。
 斉藤康肩は鞭を持つ。先端が長さ五センチで七ミリ角のゴムのチップに成った一本鞭である。
 それで南七香の躰に鋏んだピンチを叩き落す。
 まず太腿から掃う。
 「うごーーーーーーーーー」
 南七香は磔にされたまま動けない躰に鋏まれたピンチを叩き落とされる。堪らない痛みに強烈な悲鳴を上げた。
 次は左の乳房のピンチを鞭の先端でゴルフのボールを叩くように数本一気に撥ねる。
 「うう、うう、うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の顔から涙が溢れる。
 斉藤康肩は乳首を鋏んでいた一個を強く飛ばす。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 だが飛ばない。ピンチの咥えが浅くなった。
 もう一発叩く。
 「ふうわあ、あーーーーーーーーーーーーー。ふがあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴に成った。痛みの効果が斉藤康肩の加虐心を揺さぶる。高い興奮度に包まれた満足の瞬間である。
 強いバネで鋏んだピンチが硬いゴムで叩かれる。尋常な痛みではない。南七香の顔は汗を噴き涙はさらに溢れた。
 斉藤康肩は続けざまに掃うように叩く。乳房でなくても相当に痛い。
 「ううおおーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーー」
 南七香は強烈な悲鳴を上げ喚き続ける。
 それでも数分でピンチは南七香の躰から全部飛んでしまう。
 「あはあーー。ああ。あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 南七香の躰はぶるぶる震え荒い息遣いを続けた。表情は苦痛と恐怖に凍り付いている。
 鋏まれていた痕はくっきり強く残っていた。斉藤康肩はそれを満足そうに点検する。
 僅かに皮膚が剥けて薄っすら血が滲んでいる部分もある。
 壮絶なプレイであった。
 これで終わりではない。
 斉藤康肩は最後に残酷な刑を予定していた。SM愛好会のショーで禁じ手に成ったプレイである。
 斉藤康肩は金柑を擂った汁を瓶に入れてきていた。それを両手に流す。
 南七香の乳房から太腿まで両手で一気に塗る。
 「うう。ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー」
 南七香の躰は堪えられず拷問椅子を強く揺すって暴れる。そして失禁した。
 「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は叫び暴れ続けた。
 それでも沁みる痛みは長くは続かない。
 斉藤康肩は南七香の失禁に満足した。南七香の苦しみが収まりかかったところで拷問椅子の戒めを解く。
 南七香は拷問椅子から降ろされたところで床に蹲って泣き続けた。
 「シャワーを使って休んで帰れ」
 斉藤康肩は終了を告げる。
 南七香は拷問椅子に手を着いて立ち上がる。そのまま壁に手を着きながら浴室に入った。
 斉藤康肩はそのままプレイルームを出る。
 南七香には久々に辛いプレイ日であった。
 
 八月二十二日。
 如月鬼堂は昼近くに越後湯沢に帰り着く。
 本多椿が東京から同行していた。
 次の放送の打ち合わせを兼ねている。そして特集を組んだ素人モデルの件で出版社が苦情を言ってきた。
 今後の進行に館山弁護士と打ち合わせをする予定である。
 駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「北海道警から刑事さんが二人来られています」
 「俺に疑いが掛かっているのか」
 如月鬼堂はもろに嫌な顔をした。
 「ううん。それは十六日も十七日も来客で証人が居ますと言ったよ。でもそんな話じゃないのだって」
 瀬里菜はあっけらかんとしている。
 「そうだよな。館山先生は」
 「三十分後だよ」
 「次の電車か」
 「そうだよ」
 待っていたのは小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長である。如月鬼堂の表情はますます険しくなった。
 「いったい私に何のお疑いですか」
 如月鬼堂は露骨に不快感を表している。
 「いいえ違います。北海道警捜査一課の小倉と申します」
 「同じく笛木です」
 小倉紘子警部が名刺を差し出す。仕方なしに如月鬼堂も二人の刑事と名刺を交換した。
 「動画は見られましたか」
 「一応。業界に影響がある事ですから確認はしました」
 「渤海と名寄の事件ですが連続拉致強姦事件の犯人と思われますか」
 笛木祐子巡査部長が質問に入る。
 「違うでしょう」
 如月鬼堂は当然の如く答える。
 「その違うと思われる点を解析していただきたいのですが」
 笛木祐子巡査部長が一気に突っ込む。
 「まず目的意識が違う」
 「どっちの事件とですか」
 「三つとも違うでしょう。渤海の三人はこの女性に怒りを持ってこの女性を狙っての犯行でしょう。責め方に陰湿な怒りが篭っています」
 「連続拉致強姦事件の犯人は」
 「確かに陰湿です。そして似たような怒りは篭っていますが、特定の個人は関係ないです。容姿が良くて気丈に見えれば誰でも良かったのです」
 「まあ。連続ですからね」
 「現代社会に対する怒りと遊びだ」
 「それで名寄の事件は」
 「これは恨みではないでしょう。それなりにメニューをこなしていますがこの女性を社会から抹消したかったのでしょう」
 「何の為に」
 「たとえば離婚したい夫とか。逆に離婚させたい誰か。有名人なら社会的に抹消して蹴落とすとかだ」
 「しかしご主人は酷い取り乱し状態で。とにかく妻が帰って来ればという状況です。年が二十以上離れています。若い妻なのです」
 「逆にこの女性を離婚させて自分のものにしようとした男性か。ただ犯行は二人以上。三人なら納得が行く」
 「どうしてですか」
 「カメラは動きから撮影に専念している。重要なところを適切な角度から撮影しいる。そして拷問も画像に映っている男一人では手際が良すぎる」
 「名寄と渤海は同じ三人ではないと」
 「ない。縛り方が抜本的に違う」
 「連続拉致強姦事件の犯人とも違いますか」
 「連続拉致強姦事件の犯人はこの縛り方をしてない。あっちは床に磔がメインだ」
 「そうですね」
 笛木祐子巡査部長も連続拉致強姦事件の動画を思い出して納得する。
 「抜海駅の三人の動画は女性の胸部を高手小手に縛っている。背中で手首を合わせて縄を掛けて胸部に縦横に掛けて背中で合わせた手首で縛る」
 「それじゃこれは一本の縄ですか」
 「そうだ。逆に名寄の犯人はお尻の後ろで手首だけ縛って胸部だけ別の縄で縛っている」
 「渤海の犯人三人はこの女性に怒りを持って襲ったのですか」
 「被害者江頭愛さんの投稿動画を全部見ましたか」
 「と仰いますと秘境駅のリクエストのことですか」
 「それ以前の本人が投稿した動画だよ」
 「それが何か」
 「被害者は鉄道を旅行した動画を投稿していろんな意見を述べている。その中で昭和の親父批判を何度も行っている」
 「昭和の親父。所轄の河村と大村もそうね」
 ここで小倉紘子警部が一言ぼやく。
 「実は捜査本部で稚内と名寄の捜査主任と我々県警本部の意見が対立しまして鬼堂先生が同じ見解を示すならその方針に従うと言うのです」
 「その二人の見解は」
 「連続拉致強姦事件の犯人が三人ずつ別れて二つの事件を決行したと主張しています」
 「何故私の見解なのだ」
 如月鬼堂は警戒心を露にしている。
 「あの二人はインターネットアダルト放送の鬼堂先生の番組を見ていてSMが分かる先生の見解と言うことです」
 「警察官があの番組を」
 如月鬼堂はやれやれと言う顔である。
 「二人は連続拉致強姦事件の犯人だから埼玉県警と合同捜査にすべきと主張しました。でも埼玉県警の専従捜査班は四国と同じ模倣犯との見解でした」
 「合同捜査になれば私達より上の者が指揮を執ると考えていたのでしょうけど」
 小倉紘子警部が笛木祐子巡査部長の説明に付け加えた。
 如月鬼堂には二人の所轄署の主任らの意識が理解できる。
 「被害者の撮り鉄女性の発言に怒ってと言う事ですね。被害者の江頭愛さんも犯人がそんな言い分を唱えていたと言っていました」
 「この犯人も最低一人以上は撮り鉄だよ」
 「・・・・・」
 撮り鉄に二人は思い当たる容疑者があるらしい。顔を見合わせた。
 「発言に怒ってでしたら抜海駅の犯人三人は二度と同じ犯行はしないと思われますか」
 「その前に逮捕してよ!!模倣犯は馬鹿なことをしてもみな捕まるときっちり証明して貰わないと」
 如月鬼堂は怒り困り果てているのである。態度に怒りを強く表していた。
 「はい。申し訳ございません」
 小倉紘子警部が一応詫びる。
 「離婚したい夫と言うお話でしたが、でもこの映像の人物ご主人とは体形が違います」
 笛木祐子巡査部長は質問を名寄の事件に移す。
 「本人はやらないだろ。SMマニアを雇ったかもしれん。助手が夫で撮影しているのは愛人とか。どうも女性が撮影しているように思える」
 如月鬼堂は当てずっぽうを言っているようで根拠はある。
 「どういうところからそう思われますか」
 笛木祐子巡査部長には如月鬼堂が確信を持って言うのが何故か分からない。
 「男が見たいものを撮ったのか。女性が恥ずかしいと思うところに焦点を当てたのかの違いだ」
 「はい」
 笛木祐子巡査部長も男性の見たい視点までは考えてなかった。
 「椿。君はどう思う」
 如月鬼堂は本多椿の意見を聞く。
 「私も女だと思います」
 「こっちの被害者見つかった」
 「いいえ。行方不明のままです」
 「この人。殺されているね」
 「どうしてですか」
 「瀬里菜。悪いがゴミ箱の中に捨てた二つ目の動画。最後の方復元してくれないか」
 「うん」
 瀬里菜はパソコンを操作してスクリーンに動画を映してカーソルを最後の部分に移動する。
 「この終わりの部分だ。この動き。中でスキンが破れたのじゃないかな。そうなると処分するしかない。この男のDNAから足がつく」
 「でも遺体からでもDNAは」
 「四国で犯人は捜査にたどり着いた女性警察官を焼こうとしたね。あれを見習ったのでは」
 「あーーーーーーーー。ドラム缶」
 笛木祐子巡査部長が核心に至ったように小さく叫ぶ。
 小倉紘子警部が直ぐに名寄署の大村英明警部補に連絡を取る。
 「あそこは充分に調べましたよ」
 大村英明警部補も直ぐには従わない。
 小倉紘子警部は如月鬼堂の見解を説明する。
 「直ぐに手配します」
 大村英明警部補は納得して捜査に掛かった。
 珠洲が駅に迎えに行っていた館山弁護士が到着する。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は館山弁護士の名前を聞いてそそくさと引き上げた。
 
 海水で洗ったドラム缶。さらにサンポールで洗っている。そして次に薪を燃やしていたのである。
 だが海岸の砂から僅かに奈々枝のDNAを検出した。
 取り壊すホテルは既に解体業者が解体作業を完了している。小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は此処が犯行現場と断定した。
 取り壊し日の前夜に犯行を行ったのである。
 「駅に止まっていたキャンピングカーは何処に行ったのでしょう」
 笛木祐子巡査部長はキャンピングカーの行方が気になる。
 「それで運んで処分したと見るべきね」
 小倉紘子警部はキャンピングカーが犯行に使われたと考えていた。
 江頭愛の事件も調べている。
 八月十四日から十九日に旭川以北に泊まった人物の移動を洗っていた。
 小倉紘子警部の中では如月鬼堂の見解も参考に高円寺譲、張間克典、村上治夫を怪しい最有力と見ている。
 高円寺譲と張間克典の車はホテルの駐車場に止まっていた。東北道を走ってフェリーを使って道内に入っている。
 Nシステムと防犯カメラで確認済みである。
 村上治夫は新幹線と特急を乗り継いでいることが駅の防犯カメラで確認できていた。
 この時点でキャンピングカーは道内の物との見解である。
 小倉紘子警部らは奈々枝を拷問した動画の映像から共犯者を体型的に下川達平と絞る。
 さらに道警の聞き込みで下川達平が札幌のSMクラブで遊んでいた事が確認された。
 
 八月二十三日。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は下川達平を任意で呼び取り調べることとした。名寄署に同行を求める。
 下川達平は渋々応じた。
 「奈々枝さんの遺体をオロロンラインの海岸線で森に隠れた海岸でドラム缶に入れて焼きましたね」
 笛木祐子巡査部長が行き成り核心を突き付ける。
 「な、何で俺が」
 下川達平は動じない。
 「ドラム缶は良く洗ったようですが海岸線の砂から奈々枝さんのDNAが検出されました」
 「それが」
 下川達平は俺に関係あるかとの態度である。
 「海岸線に行くときは防護服を着てなかったでしょう」
 笛木祐子巡査部長は当てずっぽうで指摘する。さすがに防護服で車に乗ったり外には出たりはないとの見解である。
 「何の話だ」
 下川達平はまだ取り合わない。
 「海岸線の砂から貴方と高司勲さんのDNAも出ました」
 下川達平に動揺が見られた。
 笛木祐子巡査部長の言うDNAは出ていない。ハッタリである。
 「縛り、SM、強姦は貴方の仕業。貴方が札幌のSMクラブ帝国に通っていたのは調べがついています」
 「それだけで犯人か。前にその海岸を歩いた覚えはあるが」
 下川達平は動揺しながらも言い逃れようとする。
 「貴方の拷問を手伝っていたのがご主人の高司勲さん。撮影していたのは高司勲さんの愛人よ」
 笛木祐子巡査部長は委細構わず決め付ける。
 下川達平はさらに動揺する。
 「貴方は動画の最後で失敗したわね。このときスキンが破れて貴方の情液が奈々枝さんの中に出てしまった。それで殺すしかなかったのね」
 笛木祐子巡査部長は推測でさらに決め付ける。強い口調である。
 かなり強引だが下川達平は観念した。
 「そうだよ。社長に頼まれた。撮影していたのは菊川玲華だ」
 その日に高司勲と菊川玲華が逮捕される。その後の取調べは名寄署が行うこととなった。
 
 八月二十四日。
 北海道警五係の部屋である。
 「村上治夫は十五日に札幌に着いています。其処からの足取りは判りません。ホテルには十六日三時二十七分にチェックインしています」
 笛木祐子巡査部長が報告する。
 「このホテル」
 「そうです。高司の経営です。私達の最初の聴取で代わりに質問に答えていた支配人のホテルです。体型が合わなかった方です」
 「この人は事件に無関係ね」
 「そうだと思います。支配人の話では村上治夫は夕食から翌日の昼食までホテルを出た形跡はないそうです」
 「それ防犯カメラで」
 「フロントの防犯カメラは確認してもらいました」
 「そう」
 「ルームキーがカード式で部屋の電気を点けるにはフォルダに挿し込むそうです。それで滞在が確認できるのだそうです」
 「うーーん」
 小倉紘子警部は納得が行かない。
 「高円寺譲は三時二分にチェックインしています。その日は外出していません。翌日遅い昼食を摂ってサロベツに乗れる時間に名寄を出ています」
 「その先は」
 「防犯カメラは名寄に二十時三十分に着いています。名寄、稚内間の列車の走行を前面展望で撮影した動画が動画投稿サイトに公開されています」
 「十六日じゃ拉致には時間が合わないね」
 「それ以前に特急は抜海には止まりません」
 「そうね」
 「十五日のアリバイは有りません。でも十八日のチェックアウトまで食事以外外出無しです。『起こさないで下さい』の札も出していたそうです」
 「それで張間克典は」
 「張間克典は三時一分にチェックインしています。その日は外出していません。翌日やはり遅い昼食を摂って快速なよろに乗れる十三時三十分に部屋を出ています」
 「はい」
 「名寄、旭川、深川駅で防犯カメラに往復とも確認されています。ホテルには二十一時九分に戻っています。十七日も全く同じです」
 「それ以外ホテルを出てないのね」
 「ルームキーと防犯カメラからはその通りです」
 「動画は」
 「留萌線の下り片道深川から留萌間の走行だけ列車の後方展望で公開されていました」
 「三人とも深夜に移動すればアリバイは無いね」
 小倉紘子警部は犯人の可能性は外せないとの見解である。
 「ルームキーに細工ができればですが」
 「あと電車で来た村上治夫がどうやって移動したかね」
 小倉紘子警部は埼玉県警に張間克典と高円寺譲の車の鑑識捜査を依頼した。両名はあっさり応じた。
 結果は本人以外のDNAは殆ど確認されなかった。
 江頭愛や村上治夫のDNAは皆無であった。張間克典と高円寺譲同士も互いの車に相手のDNAは出なかった。
 拷問場所の地下室も該当が見つからなかった。地下室に見せかけたことも考えられる。
 キャンピングカーでは狭すぎると考えられていた。
 
 八月二十四日午後。
 稚内署に置かれた捜査本部である。
 「犯行場所は違ってもそのキャンピングカーに抜海の事件の犯人が隠れていたのではないでしょうか」
 名寄署の捜査主任大村英明警部補の意見である。
 犯人はホテルに泊まっていたのではなく名寄の事件とは別の犯人がキャンピングカーに隠れていたとの見解を主張する。
 「犯人は道内に住んでいて防犯カメラ、Nシステムのないところを移動したと考えられます」
 この刑事も埼玉からばらばらに来た取り鉄三人は無関係と言う意見である。
 だが如月鬼堂の最低一人は取り鉄と言う見解は否定されてない。
 撮り鉄か鉄道ファン以外が鉄道の動画で江頭愛を知る可能性はかなり低いと考えられた。
 「この期間に本州から北海道に渡ったキャンピングカーは無いです。キャンピングカーは道内の物です」
 稚内署の捜査主任河村隆警部補は断言する。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 緊急事態宣言が静岡にも出されてからオンライン営業のみで熱海店はコンパニオンの収入維持が何とかと言う状況と成っていた。
 だが愛好会の撮影会場使用料と営業協力を兼ねての乾杯セットで少し楽に成る。乾杯セットはそこそこ会員の協力を得られていたのである。
 この日は大河内税理士の意見で市川沙也香の三回目のショーが決まった。その打ち合わせで主なメンバーが集まっていたのである。
 他の二店舗の会員のみ営業と熱海店のオンライン営業の参加人数は半分くらいだが動画はほぼ全員近くが会費を払っていた。
 市川沙也香には充分な補償ができる。
 二度も見たモデルでも内容が変われば取得したい者が殆どである。
 「先生のところに態々北海道の刑事が来たのですか」
 大河内税理士である。
 「道警の警部さんが所轄署二つの定年間際の主任に足を引っ張られていてね。動画の内容を専門家のような観点からと俺に聞きに来たよ」
 「先生。それは嫌な顔されたでしょう」
 杉下一行も状況が浮かぶ。
 「仕方なく解説したら片方の事件は解決したらしい」
 「ああ。そうでしたね」
 既に下川達平及び高司勲、菊川玲華が逮捕されたことは報道されていた。杉下一行も報道を見ている。
 「昭和の親父と非難されればむかつく。だが困った昭和の親父も居るよ」
 「ひょっとして女性の警部と男性の警部補ですか」
 「そうだ。道警のエリート女性警部と部下の女性巡査部長だよ。バリバリのベテランでアラフォー世代だ」
 「五十代には嫌な存在ですね」
 「そうだよ。大きな事件が殆ど無い田舎の所轄だ。其処で警部補止まりのおっさん達だよ」
 「気持ちは解らなくないですね」
 大河内税理士は女性エリート刑事など聞いただけでむかつく存在である。
 「そうだが。刑事が二人も私の番組見ないで地上波見ていて欲しいよ」
 「あまり気持ちの良いものではないですね」
 杉下一行も苦笑いする。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外は曇り空。麓の町はどんよりした空気の中に静まり返っている。
 地域によっては強い雨が続いているらしい。
 今日はマグロとホタテが届いてそれを刺身とバーベキューにする。飲食店で使う生ビールのサーバーも有る。
 「俺たちの真似した奴等が二組も居たのか」
 医者の男である。
 「片方は簡単に捕まったな」
 「俺たちが二手に分かれた可能性もあると放送で言っていたな」
 「どうせもう一つも直ぐ捕まるだろ」
 「四国と同じだよ」
 葬儀会社の社長である。
 「また遊べなくなったな」
 「仕方あるまい。代わりに騒がしてくれているのだ」
 「川口の女将は何も言って来ないか」
 医者の男らはクラブのママを最後まで虐めた。次の生贄に飢えている。
 「来ないな」
 川口の会長が答える。こっちはまだ旅館の女将に仕上げが残っている。
 「SMクラブでも行くか」
 「馬鹿を言え。行ってもたいした事はできない。SMごっこだよ。あんなので二時間六万くらい取れるのだ」
 葬儀会社の社長である。
 「不満か」
 「行けばもっと不満に成るよ。楽して儲けるなと言いたい」
 「如月鬼堂の監修しているSMクラブ。多少ハードにできたのじゃないか」
 「やり過ぎに目を付けられてしまったよ」
 葬儀会社の社長は館山弁護士らに目を付けられてSM愛好会を抜けた。
 
 北海道警は該当すると思われるキャンピングカーと江頭愛を拷問した犯行現場の捜査に総力を挙げていた。
 「警部。前もってキャンピングカーが北海道に運ばれていたとしたらどうでしょう」
 笛木祐子巡査部長は村上治夫らが本星という見解を捨てきれない。
 「何処かに隠して置いて十六日に運んだのかも知れないね」
 小倉紘子警部も同じ意識である。
 「その可能性も考えられませんか」
 「もっと前のフェリー港の防犯カメラを検証してもらいましょう」
 小倉紘子警部は決断する。
 
 八月二十五日。
 道警五係である。
 「警部。一月程前です。一人フェリーで釧路に着いた男が見つかりました」
 笛木祐子巡査部長が調査結果を受け取ってきた。
 「村上治夫でも他の二人でもないね」
 「はい」
 「それにカメラを意識しないで堂々と上陸しているね」
 「そうですが。この人物その日のうちに飛行機で釧路空港から帰っています」
 「キャンピングカーは」
 「幣舞橋から先は解りません。防犯カメラの画像は次が釧路空港です」
 「その先は」
 「そのまま羽田から電車を乗り継いで西武池袋線の小手指駅で降りています。この駅には何度も乗降しています」
 「問題は何でキャンピングカーを道内に置いて行ったかね」
 「そうです」
 小倉紘子警部らは埼玉県警に再び捜査依頼をする。
 
 埼玉県警では田中奈緒巡査長と松本茉莉巡査長が担当した。
 この人物は直ぐに特定された。池上明人五十二歳何でも屋である。
 田中奈緒巡査長と松本茉莉巡査長が小手指の自宅を訪ねた。
 「確かに先月の終わりに依頼を受けてキャンピングカーを北海道滝上町の個人宅裏の駐車場まで運びました」
 「誰から依頼を受けました」
 「少々お待ちください」
 池上明人は奥に戻って通帳を持って来た。
 「マツナガタクジさんという方です」
 「その二十万のご入金ですか」
 「そうです」
 「ご本人に会いましたか」
 「いいえ。メールで依頼されました」
 「車は何処で受け取りました」
 「道の駅庄和の駐車場に止めてありました」
 「車のキーは付けっ放しですか」
 「いいえ。車のキーと地図が送られてきました。乗り捨てたまま急用が出来て帰ってしまったので回収して欲しいとの依頼でした」
 「判りました。依頼人の顔は見てないのですね」
 「はい。まさか盗難車だったのですか」
 「それは判っていません。ただ犯罪に使われた可能性がありますので」
 田中奈緒巡査長は小倉紘子警部に状況を報告する。
 小倉紘子警部は田中奈緒巡査長に村上治夫がSMクラブで遊んでなかったかその捜査を依頼した。
 それから直ぐに道警から滝上町の民家に捜査員が向かう。
 キャンピングカーは池上明人の供述通りその民家に止められている。
 住人は不在であった。近所で聞き込みをした結果民泊に使われている事が判明する。
 持ち主は札幌に住んでいた。
 マツナガタクジという人物に一ヶ月貸されていたが口座の入金以外何も借主の情報は得られない。
 そして車両は盗難車と判明する。
 鑑識鑑定が行われたが誰のDNAも出なかった。
 「幾ら掃除しても防護服を着てもDNAは残るでしょう。スキンヘッドでないなら髪の毛は僅かに残ります」
 稚内署の捜査主任河村隆警部補は捜査の見込み違いと非難する。
 捜査は暗礁に見えたが暴走した刑事の行動で恐ろしい方向に動いた。
 
 田中奈緒巡査長と松本茉莉巡査長は四軒目に樽常マネージャーの真性奴隷女の館に辿り着いた。
 「そのお客さんは来ていましたね。かなりハード好みでうちでないと満足しないと言われていました」
 「お名前は」
 「本当の名前かどうかは判りません。マツナガレイジと名乗っていました」
 「会員制ではないのですか」
 「如月鬼堂先生の愛好会の方が大方です。それ以外は事故の賠償保険に入っていれば」
 「それは本名ではないのですか」
 「賠償の原資が目的ですから。公的な本人確認は行っていません」
 身元確認となれば保険を躊躇い保険の要らないクラブに客が流れてしまうからである。
 村上治夫がSMクラブの常客であることと偽名のマツナガまでは一致した。
 田中奈緒巡査長は村上治夫に当たる決意をする。
 反対する松本茉莉巡査長に道の駅庄和の駐車場以外の防犯カメラの再確認を頼んで一人村上治夫のマンションに向かった。
 同じ階級だが田中奈緒巡査長が先輩で年上である。松本茉莉巡査長はその考えに従った。
 
 村上治夫らは慎重に行動した心算だがある程度の覚悟はしていた。
 最悪の場合の準備を整えていたのである。
 村上治夫は爆発物としてのニトログリセリンを準備していた。
 「俺は最悪の場合此処に篭城していると見せかけて地下室からマンション全体を破壊する考えだ」
 「逮捕されてほぼ終身刑よりはそっちが良いな」
 高円寺譲も同意する。
 「そうだ。俺も賛成だ。警察官を沢山道ずれにしよう」
 意見は一致して三名は村上治夫のマンションに集まって直ぐに戦闘準備を整えていた。
 
 田中奈緒巡査長は単身村上治夫のマンションに乗り込む。任意同行を取り付ける目算であった。
 村上治夫が招き入れたので田中奈緒巡査長は玄関まで入り込んだ。
 直ぐに警察官の身分証を提示する。
 「埼玉県警の田中です。抜海の事件の事でお伺いしたいのですが。ご同行願います」
 「任意ですね」
 「そうです」
 「ならば断る」
 「SMクラブ真性奴隷女の館でマツナガと名乗っていますね。同じマツナガでキャンピングカーを・・・・」
 その時高円寺譲が後ろから網を被せる。
 透かさず張間克典がクロロフォルムを顔に当てる。
 田中奈緒巡査長は高円寺譲の腕に崩れる。
 一気に服を脱がす。
 村上治夫が眠らせたまま高手小手に縛る。
 首の下に竹竿を通す。脚をV字開脚にして脚首をその竹竿に縛り付ける。
 時間が無い。じゃんけんで一気に輪姦してしまう。スキンは着けない。生中出しである。
 一人目の張間克典が激しく動いたので田中奈緒巡査長は直ぐに意識を戻した。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。やめなさーーーーーーーーーい」
 田中奈緒巡査長は警察官の意識で叫ぶ。
 高円寺譲が頭の上に座ってビンタする。
 「うおーーーーーーーーー」
 「あっちを見ろ。ニトログリセリンだ。騒ぐと爆発するぞ」
 「えーーーーーーー」
 既に制服の中に入れていた拳銃は高円寺譲の手にある。
 張間克典は構わずピストンを続ける。
 田中奈緒巡査長は叫び続けるが構わず輪姦した。
 録画も撮っている。もう正体を隠す必要はない。
 終わったら再びクロロフォルムで眠らせる。
 続いて太腿の付け根の部分。股間の両側に縄を掛ける。
 既に天井の高さに鉄パイプで櫓を組んでいた。天井の直ぐ下に横に渡した鉄パイプに滑車が二つ吊るされている。
 それに股間の左右に掛けた縄を通して田中奈緒巡査長の躰を吊るし上げた。
 脚首に縄を掛けて鉄パイプの脚元の接続部分に縛って引っ張る。
 田中奈緒巡査長の躰は逆さ吊るしにされて股間は弓なりのT字に広がっている。女の部分は丸出しである。
 色白で細身。肌も肌理が細かい。だが空手三段。太腿にはやや筋肉の凹凸を感じさせる。
 頭は宙に浮いているが髪の毛の先端は床を擦っていた。
 高円寺譲が鞭を持つ。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
 上を向いて広がって晒された内腿を強く叩く。
 「ぐーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は一気に意識を取り戻す。
 強烈な痛みである。
 「なんてことするのーーーーーーーーーー。おろせーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は怒りの限り叫ぶ。自分の恐ろしい姿に驚愕していた。
 村上治夫が鞭を受け取って乳首を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の逆さ吊るしの躰は強烈に揺れる。顔の表情を究極に絞って悲鳴を搾り出した。
 村上治夫は張間克典に鞭を渡して撮影を代わる。
 張間克典は顔を狙う。
 一本鞭の先端が頬を叩く。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は頭を振って唾を飛ばして悲鳴を上げた。
 鞭はまた高円寺譲に渡る。
 張間克典は撮影に戻った。
 「やめろーーーーーーーーーーー。犯罪をかさねるなーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は余りにも月並みな正論を叫ぶ。
 「罪もくそもへったくれもあるか。もとより捕まったら死ぬまで出られないよ。やるだけやってこのマンションごと自爆だ」
 高円寺譲が宣言する。
 「ころすきかーーーーーー」
 「どう成るかなあ。俺たちの作ったニトロの威力が今一計算できない。地下で自爆するがこの階まではどう成るか」
 作った村上治夫も効果は判ってない。
 「警察が此処に突入したらそのニトロが吹っ飛ぶ。そう成ればあんたも突入したSITもみな道連れだ」
 「やめなさーーーーーーーい」
 「ふぁあっはっはっは。その姿で説教か笑えるぞ」
 村上治夫が茶化す。
 高円寺譲は鞭を振り被って田中奈緒巡査長の閉じ合わせた女の部分の粘膜をもろに叩く。
 「うごーーーーーーーーー。うぐおお、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は痛みに股間を強く震撼させて藻掻き躰は空中で強く揺れる。
 そのまま村上治夫が鞭を受け取った。
 村上治夫も田中奈緒巡査長の細く二枚閉じ合わせた女の部分を叩く。
 「うぐぐ、ぐぐ、うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の躰はさらに強く震撼した。
 既に顔から汗を噴いている。
 一発目の動画は此処で止まっていた。
 数秒間ニトログリセリンの入った大きなビーカーが映し出される。
 『十五分遅れの中継です。続いてアップします。生贄は埼玉県警の田中奈緒巡査長です』
 さらに田中奈緒巡査長の身分証明が表示されてそんな字幕が流れた。
 しかしこれには一時間のタイムラグがある。村上治夫らは既に地下に退避して爆破の準備を終えていた。
 動画は地下に用意したパソコンからアップロードしていたのである。
 地下に降りる前に態と田中奈緒巡査長の衣服をベランダの物干しに吊るして翳した。
 
 続いて次の動画が公開された。
 張間克典が鞭を構えている。
 動画は逆さ吊るしの田中奈緒巡査長の股間がアップになる。
 同じように鞭の先端が閉じ合わせた細い粘膜の筋を叩き割るように命中した。
 「ぐうおお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の悲鳴はさらに強烈に成る。
 痛みに頭を捩って股間を震撼させて藻掻き続けた。画面からも壮絶な痛みがこっちに沁みて来るように感じ取れる。
 「やめろーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は悲鳴の如く叫ぶ。
 「剃毛しよう。無毛のドテの方が叩き甲斐がある」
 村上治夫の提案である。
 動画では本人らの会話はカットして必要な部分だけ字幕で編集している。田中奈緒巡査長の悲鳴だけ音声に反映されていた。
 「抜いてしまおう」
 高円寺譲はさらに残酷な提案をする。
 村上治夫がラジオペンを二本取り出して二人に渡す。そして撮影を代わる。
 二人で両側から股間がカメラから隠れないように手を伸ばす。二人で三分の一くらいずつ纏めて掴む。
 「いくぞ」
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の悲痛な悲鳴を聞きながら二人で一気に引っ張る。
 「う、うう、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また強烈な悲鳴に成る。
 「うーー。ううーーー。うーーーーーーーーー」
 相当に痛そうである。
 「この方が残酷だが効率が悪いな。粘着テープで行こう」
 高円寺譲はここで時間を使わない方が良いと考えている。
 「無いよ」
 「そこの太い両面テープで良い。ガムテープより粘着力は強い」
 「そうだな」
 村上治夫も納得する。
 両面テープの紙を剥がさないで片面の粘着だけを使う。
 田中奈緒巡査長のドテから大陰唇に掛けて二本並べて陰毛に被せた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は叫び続ける。
 「行くぞ」
 二人でドテ側から一気に引っぺがす。
 「あはああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の悲鳴が搾り出されて陰毛は大方が抜けていた。
 「後は」
 「残すか」
 そんなに時間を掛けてはいられない。張間克典は諦め始めている。
 「焼いてしまえ」
 高円寺譲が蝋燭に点火した。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は切羽詰った叫びになる。
 高円寺譲は蝋燭の炎で田中奈緒巡査長のドテを一気に炙る。
 陰毛は大方が縮れた。
 村上治夫は張間克典にクスコを渡す。そして一気にカメラを近付ける。
 張間克典はクスコにローションを塗る。
 「やめろーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は恥かしい部分を広げられると判って叫ぶ。
 張間克典が田中奈緒巡査長の膣にクスコを差し込む。
 「あ。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 クスコは田中奈緒巡査長の膣に深く入り込んだ。
 張間克典は螺子を回してクスコを広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。とるなーーーーーーーーーーー。とるなーーーーーーーー。やめろーーーーー」
 田中奈緒巡査長は喚き散らす。
 それを無視して村上治夫はペンライトで照らして入念に子宮口を中心に女の奥を撮影する。
 「これが公開されたらもう表歩けないぞ」
 高円寺譲がざまあ見ろという口調で怒りを篭めて宣告する。捜査で自分らに辿り着いた憎き女刑事である。
 「ふぁあっふぁっふぁっふぁっふぁ」
 村上治夫が高笑いする。
 「これからは日陰で暮らせ。もう警察にも出勤できない」
 「ふざけるなーーーーーーーーーー。ゆるさないぞーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は絶望と判っていても怒りの限り叫ぶ。
 「赦していただかなくて結構でございます」
 張間克典が馬鹿にしたように開き直る。
 「おのれーーーーーーーーーー。絶対に死刑だーーーーーー」
 「そうなる前に自爆しますよ」
 「あれニトロ」
 高円寺譲がニトロの入ったビーカーを指差す。
 「あーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長はもうまともな精神状態を保てていない。
 ここで二本目の動画は終わっている。
 
 通報で警察はようやく事態を把握した。
 マンション及び周囲の住人を非難させる。
 村上治夫らは既に地下室からその状況を小型のカメラで覗いていた。
 警察はマンションを囲んで村上治夫の部屋の一つ下の階まで迫る。だが危険を察知して一度外に引くことになった。
 人質になっている田中奈緒巡査長だけではなくニトログリセリンの爆発を警戒して突入を見合わせる。
 動画で室内にニトログリセリンを入れたビーカーの存在が確認されていた。
 ベランダにも手摺に板を渡してその上にニトログリセリンのビーカーが乗せられている。
 「犯人は四国の真似をして捜査に来た警察官を生け捕りにして拷問して人質にしたのだ」
 埼玉県警SITの隊員は事態をこう推定した。
 「いやそれ以上だよ。篭城して爆発物まで用意している」
 埼玉県警の捜査員である。
 「それより田中は誰の命令で乗り込んだのだ」
 埼玉県警捜査一課長である。
 「田中巡査長の暴走です。道警の小倉警部は村上治夫がSMクラブで遊んでいないか調査を依頼しただけでした」
 田中奈緒巡査長の上司で警部ある。
 「そうです。同僚の松本巡査長は反対したけど先輩なので強くは言えなかったと言っています」
 別の捜査員が付け加えた。
 「やれやれ勝手に暴走してこの騒ぎか」
 「しかし篭城して戦闘態勢が出来ていたことも確かだな」
 その頃小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は事態に驚いて埼玉に向かう。
 そして埼玉県警は高円寺譲と張間克典の自宅に捜査員を向かわせていた。
 
 続いて動画が公開される。
 三名が交代で乳房、内腿、閉じ合わせた女の部分を叩き続けていた。
 村上治夫が田中奈緒巡査長の細く長い女の部分のびらびらを大きな黒い書類クリップで鋏む。
 「う、うう、ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は鋏まれた痛みに堪らず呻いた。
 両方びらびらを鋏んでクリップの重みで女の部分を開く。最初にカメラに公開した薄橙の尿道口付近の粘膜と膣口が覗いていた。
 村上治夫は先が細くやや固い一本鞭を高円寺譲に渡す。
 「これで叩いたら」
 高円寺譲は痛みを想像して悦びの表情を綻ばせる。
 「俺たちを逮捕に来た女刑事を叩くには最適だ」
 村上治夫は憎しみの篭った口調である。
 「ふふ」
 高円寺譲は慎重に鞭の狙いを定めた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は恐怖に縮み上がって喚く。
 高円寺譲は田中奈緒巡査長の怯え驚愕した表情に満足しながらきっちり鞭を振り下ろした。
 「う、うう、ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の股間が痛みに強烈に振るえ頭を強く振る。目から涙が飛び散った。そして堪えられず失禁してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は痛みに堪えられず失禁尿を振り飛ばして太腿に強く力が入って鈍い動作で躰を振る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腰を捩り太腿の筋肉を怒張させて躰を振り続けた。壮絶な光景である。
 「お漏らし」
 全員が拍手する。
 「やめてーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は堪えられず遂に泣き言になる。
 ここで三本目の動画は終わっていた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 真性奴隷女の館の樽常マネージャーは既に田中奈緒巡査長の訪問を如月鬼堂に報告していた。
 そして村上治夫らのばら撒いた動画は杉下一行が取得して如月鬼堂らに配られている。
 樽常マネージャーも受け取っていた。
 「三時間前に此処を訪問した女性警察官の一人です」
 樽常マネージャーは驚いて再び連絡をして来る。
 「また大騒ぎを起こしてくれたな」
 如月鬼堂は苦々しい。また至近弾を喰らった心境である。
 「暫く警察が何度も来そうです」
 樽常マネージャーも迷惑限りない。女性警察官の強く押し切るものの言い方も嫌である。
 「四国と同じ様な事に成りましたね」
 館山弁護士も困った展開と見ている。
 「もとより連続拉致強姦事件の犯人を真似した模倣犯だ。同じような考えに行き着く。こいつらも警察が捜査に来た場合の準備をしていたのだ」
 如月鬼堂は小倉紘子警部らに早く捕まえてと不満を言ったばかりである。
 「警察が後手なのですね」
 館山弁護士は警察を非難する。
 「邪魔をする所轄の主任がいけないのだ」
 「でも先生の所に来てから捜査は進んでいたのですね」
 如月鬼堂を小倉紘子警部が訪問してから三日である。既に村上治夫ら三人に辿り着いていた。
 「いま拷問されている女刑事が一人で暴走したのじゃないか」
 如月鬼堂も状況から人質にされ拷問されている田中奈緒巡査長の暴走に気付いている。
 「困ったものですな。女刑事一人どうなろうと構いませんが。またこの業界に非難が集まりかねません」
 館山弁護士も如月鬼堂の気持ちに寄り添って田中奈緒巡査長の暴走だけを非難する。
 
 四つ目の動画が公開された。
 田中奈緒巡査長は同じように脚を弓なりのT字型に広げて逆さ吊るしのままである。
 顔は汗と涙、さらに失禁尿も被ってぐちゃぐちゃでに成っていた。
 高円寺譲は斜め前にしゃがんで田中奈緒巡査長の顔をビンタする。
 「うーーーーーー」
 「おい。くちあけろーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は口を強く塞いで顔を振っていやいやをする。
 高円寺譲と張間克典が陰毛を抜いたラジペンで両側から強引に歯の隙間に突っ込んで抉じ開ける。
 「うおーーーーーーーー」
 強引に口用の開口器を突っ込む。
 「ぐごー。ぐごー」
 高円寺譲が首に縄を掛けて真下に向いて下がっていた頭を引き上げて顔を斜め上に向ける。
 その下にバットを敷く。
 高円寺譲が斜め横に立って一物を取り出した。
 田中奈緒巡査長はそれを驚愕の表情で睨み返す。
 開口器で広げた田中奈緒巡査長の口を目掛けて高円寺譲が小水を流し込んでしまう。
 「・・・・・・・」
 高円寺譲の小水は田中奈緒巡査長の顔に跳ねながら大方が口に流れ込む。
 「ぐぼ、ぐぼ、ぐぼ、ぐぼ、ぐぼ、ぐぼ、ぐぼ」
 直ぐに口の中は一杯に成って外に流れた。
 「ごぼーーー。ごぼーーー」
 田中奈緒巡査長は喉から押し出す。
 容赦なく次は張間克典が流し込む。殆どが躱そうと首を揺さぶる田中奈緒巡査長の目から鼻に掛かって下に敷いたバットに流れ落ちる。
 「ぐおーーーー。ぐおーーー。ぐぼーーーーー」
 田中奈緒巡査長は気持ち悪さと苦しさに藻掻く。
 村上治夫は金属の細い棒を取り出した。
 「これで歯をぶち割って」
 村上治夫は張間克典に棒を渡す。
 「おう」
 張間克典は開口器を抜き取る。
 「ぶおーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は口の中の尿を吐き出す。
 張間克典はその開いた口を狙って歯を叩く。
 「ぐうおーーーーーーー」
 金属の棒の先端が当たって田中奈緒巡査長の前歯が割れた。刑事でなければ若い美人の前歯である。
 「ううーーーーーーーー」
 ここで高円寺譲が首の吊るしを外した。
 田中奈緒巡査長は口に残った小水と一緒に割れた歯と血を吐き出す。
 画面は目を覆う壮絶な光景である。
 ここで張間克典が撮影を代わった。
 村上治夫は開口器でもう一度膣を抉じ開ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 村上治夫はそのクスコに漏斗を挿しこむ。
 「えーーーーーーーー」
 村上治夫は椅子を持ってきて踏み台にする。
 それに乗って一物を取り出す。
 村上治夫はその漏斗に向かって小水を流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は流れ込んで来るぬるま湯の感触に悲鳴を上げる。今度は膣口の中に小水である。
 これで四つ目の動画が終わっていた。
 
 連続拉致強姦傷害事件。その防護服六人のアジトである。
 バーベキューと生ビールで麓の町を見下ろしていた。
 「なかなかやってくれるな」
 葬儀会社の社長は動画を見ながらやや褒めている。
 「縛り方が良いよ」
 「これ如月鬼堂が時々やる縛りじゃないの」
 「そうだな。雑誌のグラビア見て研究したのだろ」
 「稚内の取り鉄女。神経科に移ったらしいな」
 鉄板では近江牛の霜降り肉とマグロの霜降り部分が焼けていた。
 「まあ。あの拷問じゃおかしくなるよな。なかなかやってくれるじゃないか。評価しよう」
 川口の会長は鉄板で鮑を踊り焼きにしている。
 「しかしこの連中捕まらないでうまく自爆できるのかな」
 医者の男は焼けたステーキを鉄板の上でさいころ状に切っていた。
 「そうだな。捕まって欲しくないな」
 川口の会長はきっぱり断言する。
 「そうだよ」
 葬儀会社の社長も同意する。
 「そう言えば四国の事件で橋本佳奈巡査長は警察を退職したが犯人の子供を妊娠していたらしい。倉科環奈巡査部長はまだ退院できないそうだ」
 「警察官が犠牲なら市民を護ったのだ。良い。尊い犠牲だ」
 医者の男が馬鹿にしたように言う。
 この面々の現代社会への怒りは何処までも深そうである。
 「四国と合わせて三つの事件から思ったが。俺たちなら模倣犯に見せかけてもっと完全にできないか」
 川口の会長が突然動き出す提案をする。
 鮑は鉄板の上で焼かれて殻の上で激しく踊っている。これが止まれば焼き上がりである。
 「そうだ俺たちなら死体は完全に処分できる」
 廃棄物処理会社の社長である。
 「乾式メタン発酵か」
 「それじゃ。死んだ女。子宮を取られた女。乳首を斬られた女と三通りやってやるか」
 医者の男も賛成する。
 既に滾りきった加虐心の行き場が無い。
 
 五本目の動画が公開された。
 クスコは抜かれたが田中奈緒巡査長の膣の中には一部小水が流し込まれたままである。
 田中奈緒巡査長の苦しさと不快感は極限を超えていた。
 高円寺譲が長めの針を四本持っている。長さ十センチはある。
 村上治夫が田中奈緒巡査長の大陰唇を両側から抓む。それをやや持上げる。
 高円寺譲が横から斜めに針を突き刺す。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 突き通して反対側の大陰唇の横に突き出す。
 高円寺譲は反対側からクロスするように突き刺す。
 「ううぐうーーーーーーーーーー」
 悲鳴と共に田中奈緒巡査長の躰は強く震撼する。
 時間が無いので二本で済ませた。
 「あはあーー。あーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は恐ろしいものを見上げる。
 村上治夫がスタンガンを当てる。
 「うおーーーーーーーーーーー。ごおーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の股間は悲鳴と共に一気に震撼する。そして僅かに失禁した。
 高円寺譲は残る二本の針を高手小手に縛られた縄から突き出した薄紅色の乳首と乳輪の真下に突き刺す。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを貫く。
 「うーーーーーーーーーー」
 もう一本で反対側の乳輪の下を貫く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 乳輪の下からは血が流れ出ていた。
 この間に張間克典がカメラを固定して半田鏝の準備をする。
 村上治夫と高円寺譲が顔で合図して乳輪の下の針と股間の針に同時にスタンガンを当てた。
 「がああ、あ、あ、あ、あーーーーーーーーーーーー。ぐがあ、あーーあ、あ、あ、あ、あ、あーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の躰は小刻みに震撼する。
 「がああ、あ、あ、あ、あーーーーーーーー。がああ、ああ、ああ、ああ、あーーーーーーーーーーー。ぐがあ、あ、あ、あ、あ、あ、あーーーーー」
 田中奈緒巡査長の躰は小刻みな震撼を続けた。
 二人はスタンガンを離す。
 内腿の筋肉が怒張していた田中奈緒巡査長の躰はだらりと吊り下がった。
 ここで五本目の動画は終了している。
 
 続いて六本目の動画が公開された。
 田中奈緒巡査長はほぼ失神した状態に見えて動かない。
 『これが最後の拷問です』
 そんな字幕が表示された。
 村上治夫が撮影している。
 高円寺譲と張間克也が半田鏝を持って構えていた。
 「行くぞ」
 高円寺譲が合図する。
 二人は半田鏝で田中奈緒巡査長の乳首と乳輪を焼く。
 「ううごーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は意識を戻して一気に悲鳴を上げた。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて太腿の一番綺麗な表面を半田鏝の先端で引き裂くように引っ張る。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長は躰を突っ張り震撼させて強烈な悲鳴を轟かせた。
 「最後だ」
 高円寺譲がクリトリスの包皮を剥いて直に半田鏝を当ててクリトリスを焼き潰す。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて張間克也が膣に半田鏝を刺し込む。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーー」
 田中奈緒巡査長の躰は究極に揺れた。逆さ吊るしにされた躰を強く捻って暴れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま失禁して失神した。
 六本目の動画はこれで終わっている。
 
 警察はメガフォンで執拗に説得を続けていた。
 『警察へ説得は無駄だ。突入するなら突入しろ。建物ごとすっ飛ばす。だが二人だけで入るなら十五分だけやる。女刑事を救出に来い』
 村上治夫がベランダに取り付けた小型のメガフォンで放送した。
 警察部隊に動揺が奔る。
 「私達が二人で行きます。田中巡査長は全裸にされています」
 ヘリで到着した小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が名乗り出た。
 「しかし」
 「大丈夫です。室内に居るのは田中巡査長だけだと思います」
 「まさか奴等は逃げて動画だけ流したか」
 「何処かに隠れていると思いますが部屋には居ないと思います」
 小倉紘子警部は断言する。
 「ニトロは」
 「映像からそれ程の威力は無いと思います。拷問の最中に自分らの安全を確保する距離は取っています」
 時間が無いので一課長は承諾した。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が担架と躰に被せるシートを持ってエレベーターに乗る。
 『よーし。二人だけだな。後は動くな』
 村上治夫がベランダに取り付けた小型のメガフォンでまた放送する。
 「どっかで見張っているな」
 一課長がそう呟く。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は警戒しながら村上治夫の部屋のドアを開ける。鍵は掛かってなかった。
 中に入るとリビングの奥に田中奈緒巡査長が映像の通りに逆さ吊るしになっていた。
 「小倉です。部屋に犯人は居ません」
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は田中奈緒巡査長の躰を吊るしから降ろす。高手小手の縄は解かないで担架に乗せた。
 次の瞬間。爆発音と共に建物が強く揺れる。
 部屋のニトログリセリンも爆発したが小倉警部らに影響は無かった。ベランダのも爆発したが雨戸が閉まっていて中でガラスが割れただけである。
 そして爆破はSITの部隊が建物に進入したので地下室から捜査した。
 村上治夫らは先に服毒して地下室のニトログリセリンを爆発させる。生き埋めで苦しむのは避けたかったのである。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は已む無く階段を使って一階まで田中奈緒巡査長を搬送した。
 
 八月二十八日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 如月鬼堂は言い切る。
 「売春風俗は必要不可欠なものである。風俗、売春、SMクラブが無くなれば、欲求の行き場がなくなる。暴走する者が増える。我々は合意の範囲で収めて治安に貢献している」
 如月鬼堂はあくまでSM系風俗を護り続ける意向である。
 

 
 最期のSM小説家 第二十八幕 撮り鉄女性の惨劇 完





 最期のSM小説家 第二十九幕 連続拉致強姦事件再び


 この物語はフィックションであり、実在の人物機関とはなんら関わりがありません。
 
 二〇二十一年処暑中元。太陰太陽暦七月二十三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年八月三十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 熱海、長野、生駒の三店舗の店長と南七香が来ていた。
 緊急事態宣言の延長が行われる可能性に対しての会議である。
 杉下一行が朝早く動画ファイルを送って来ていた。
 また連続拉致強姦事件の犯人かそれを真似た模倣犯の海賊動画である。
 被害者は荒川をゴムボートで流されて来て三峰口付近の岩に引っ掛かって発見が遅れた。
 ゴムボートは漂流品を拾って修理したものである。犯人に繋がる手掛かりとはならない。
 被害者は菅井優華。二十五歳。外務省職員である。
 如月鬼堂らは会議と重なったが動画の内容を確認する。会議の方は暫く現状維持しか対策は無い。
 菅井優華は床に磔にされた状態である。
 大の字に寝かせられ床に埋め込まれたフックに手首、脚首、膝を固定されている。
 部屋の状況は以前の連続拉致強姦事件と変わらない。
 動画は強姦して輪姦すのが終わったところから撮影している。
 菅井優華は恐怖に表情を引き攣らせていた。
 「これからお前の感度を試す。俺逹が何者かは分かるな」
 男の声は抑揚がない。
 これまで犯人の声は消されて被害女性の声だけが残されていた。今回から抜海駅事件の犯人の真似をしてか白い字幕が流れている。
 「やめてーーーーーーーーーー。もう散々弄んだでしょう」
 菅井優華は悲痛な声で叫ぶ。
 「これからが本番だよ。女の性の極致を味あわせてやる」
 「やめてーーーーーーーーーー。そんなの要らないよーーーーーーーーーー」
 菅井優華は叫び拒絶する。
 それを無視して防護服にマスク、サングラスの男らは菅井優華の窒にローターを押し込む。
 最初は二つ入れる。
 「いやあーーーーーーーーー」
 二人の男が太股を押さえてスイッチが入る。
 「うーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーー」
 菅井優華にとっては強い責めである。声を抑える事はできない。
 男らはじっくり責めながら徐々に強化してゆく。
 「いやあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはあ、あーーーーーーーーーーーん」
 男らはローターをもう一つ押し込む。
 「あーーーーー。もう無理。いやあーーーーーーーーー」
 菅井優華は堪らず叫ぶ。
 一気に責めは強くなる。
 「あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華の表情は一気に破裂した。
 更にもう一人加わってクリトリスを電マで刺激する。
 「あ、あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーん」
 既に菅井優華の股間は微妙に震撼している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 菅井優華は堪えられず失禁してしまう。
 男らはサングラスとマスクの裏でほくそ笑む。
 ここで一度スイッチを切った。
 「あはあーーーーーー。あはあ、あーーーーーー。あはあ、あーーーーーー」
 暫く菅井優華の躰の震撼と荒い息遣いは修まらない。
 そのまま電マでクリトリスを責める。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 菅井優華の表情はこれまで以上に軋み躰は震撼する。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 菅井優華は更に強い逝き顔を晒した。
 ここでローターを全部抜き取る。
 窒の中は薄いゼリー状の液に塗れていた。
 男らはそこに更にローションを流す。
 こんどはドリルバイブである。
 「えーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 菅井優華はドリルバイブを見て恐怖に悲鳴を上げる。恐ろしいものが自分に入って来るのである。
 だが菅井優華が抵抗しても容赦なく濡れきっている窒にドリルバイブは押し込まれてゆく。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華の悲鳴を無視してスイッチが入る。
 「あーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は強烈に顔を振って搾り出すように声を上げた。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は首を右に左に傾けて逝き声を搾り出し続ける。躰は強く突っ張り顔は薄紅色に染まっていた。
 男はさらにスイッチをスライドさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大きく逝き声が轟いて股間は強く震撼していた。顔はさらに紅く染まる。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔は強く軋む。次の瞬間首が倒れた。
 失神したのである。
 菅井優華は目を瞑って口を開いたまま固まっている。
 男らはこれでもまだ赦さない。
 菅井優華を電気ショックで起こす。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は直ぐに意識を戻して恐怖に震える。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は恐怖に泣き叫んだ。
 次は浣腸器を用意している。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 冷たさに浣腸器のシリンダーは半透明に濁っていた。
 究極に腹が痛くなることは想定できる。
 二人が左右から菅井優華の太腿を押えて一人が浣腸器をアナルに刺し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく浣腸液は菅井優華の直腸に入ってゆく。
 「やめてーーーーーーーーーー。い、いたいよーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 菅井優華は腹の痛みに藻掻き震え続けた。
 アナル栓を押し込んで暫く苦しむ姿を愉しむ。
 「う、うう、うぐううーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直腸を空にすれば良い。
 二本目のドリルバイブが用意されていた。こっちは細くアナル用である。
 菅井優華は排泄シーンが動画に公開されてしまうことは既に知っていた。
 ニュースではそこまで報じられないがSNSで拡散されて巷には噂が蔓延されている。
 「う、ううーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 菅井優華は腹の痛みにもう堪えられない。普通の浣腸液ではない。きりきりに冷やした石鹸水である。
 男らは頃合を見て腰の下に透明なボウルを置いた。
 そのままアナル栓を抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 菅井優華にはどうする事もできない。
 痛みに堪えられず流れ出る便に羞恥の破局を噛み締めた。
 臭気が地下室に充満する。
 一番恥かしい女の部分は動画の中に確り公開されてしまった。最早絶望以外ない。
 ボウルの中には茶色い水に透けて大量の便が流れ出ていた。
 「あーーーーー。酷い。酷すぎる。ああはあん。ああ」
 菅井優華は天井を見上げて絶望に放心する。
 菅井優華はこの事態に至るに遊び歩いたわけではない。自宅に帰って寝ている間に拉致されたのである。
 目が覚めたら輪姦されていた。男の一物が自分に入った状態で目を覚ましてじわじわ夢ではないことを悟る。
 菅井優華は新長瀞の駅付近に新築した高級賃貸マンションに引っ越したばかりであった。
 この駅は最近開通した新線(現実には無い架空の新線です)の駅でようやく高崎迄全線開通したばかりである。
 特急は止まらない。まだ単線で時間に二本快速急行が来るだけの無人駅であった。
 少し離れて建売住宅の集まりが幾つか建っている。
 川沿いにはマンションが三棟点在していてその二つで拉致が行われた。
 男らは引越し業者に偽装して部屋に催涙ガスを流し込み菅井優華を拉致した。防犯カメラの位置などは事前に調べてあった。
 同じマンションから二人拉致した。さらに近くの別のマンションからもう一人を拉致した。
 マンションに侵入するのも拉致するのも裏サイトから募集した応募者である。
 前金二十五万。後金一人に付き二十五万を提示していた。
 合計百万の報酬である。
 所定の位置にトラックを運ぶまでが依頼内容となる。
 引き受けたのは以前にやった寺門一、玉川亮、東秀雄の三名である。
 完全に帽子、鬘、サングラス、大きなマスクで変装させている。
 菅井優華に男はクスコを挿入した。
 「あーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。どうしてそこまでーーーするのーーーーーーーーー」
 さらにアナルにも開口器を挿入する。
 内部を小型カメラでじっくり撮影する。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華はヒステリックに喚く。
 男らは全く動じない。
 電動歯ブラシの先にローターが付いた様なアイテムを取り出す。
 二本持っている。
 「何するのーーーーー。いやあーーーーーーー。もうやめてよーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は半狂乱にさらに喚く。
 「これで両方の穴から責めてやる。気持ち良く成るぞ」
 男の抑揚のない声は菅井優華の怯えた神経を浮かすように逆撫でしてくる。
 「要らないよーーーーーーーーー。もうそんな事しないでーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華はどんなに躰が反応していても不本意極まりない。
 男はお構いなくアイテムの先端に付いた小さなローターをアナルの奥と娼婦の泣きどころの反対側に当てた。
 二つの穴の奥に直腸と窒の重なる部分を両側から責める。
 強い刺激が一気に菅井優華を襲う。
 「あーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはあ、あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は藻掻き抵抗するが無駄な抵抗である。
 「あーーーーーーーーーー。あはあ、あーーーーーー。あはあ、あーーーーーーーーーーー」
 直ぐに官能に引き寄せられ逝き顔を晒し続けた。
 「さあ。仕上げだ」
 二人が二本のドリルバイブを持つ。クスコとアナル開口器は抜いてしまう。
 「あーーーーー。もうそれはやめてーーーーーーー。」
 菅井優華は泣き悲鳴で訴えた。
 一人目が細い方のドリルバイブに大量のローションを塗る。
 「いやあーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーー」
 男は容赦なくアナルに細いドリルバイブを差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華はアナルに進入した異物に悲鳴を漏らす。
 アナルのドリルバイブは停止したままでもう一人が窒に太い方を突っ込む。
 「う、ううーーーーーーーー」
 菅井優華は強烈な責めの恐怖に慄く。顔を究極に引き攣らせていた。
 窒だけスイッチを入れる。これは振動とピストンだけではない。振動しながらピストンと回転運動をする。
 「ぐうお、おお、おーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は踏ん張るが堪えられず顔を破裂させて強く躰を捩って藻掻く。
 濃い美人顔である。それが究極の逝き顔に崩れている。
 暫くそれを愉しんでアナルのドリルバイブもスイッチを入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 菅井優華は一気に墜ちてしまう。
 今度は白目を剥いて固まってしまっていた。
 その姿を暫く動画に収める。
 暫く間を置いてもう一度電気ショクで起こす。
 「うおーーーー」
 菅井優華は恐怖に目を見張っていた。
 もう一度窒に差し込まれたドリルバイブのスイッチを入れる。
 「ううおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー」
 菅井優華はまったく抵抗できない。
 ドリルバイブに翻弄され逝き続ける。
 そして失禁と失神を繰り返した。
 また電気ショクで起こす。
 「そんなに逝くのが嫌か」
 男は静かな口調で聞く。
 「嫌だよーーーーーーーーーー」
 菅井優華はきっぱり答えを叫ぶ。
 「判った。逝かないようにしてやる」
 男の静かな口調は菅井優華を一気に恐怖に追いやる。
 「・・・・・・・・・」
 菅井優華は一瞬間頭が空白になった。
 「なに。何言っているの」
 菅井優華は恐怖に引き攣る。
 「これからお前のま○○こを焼いて感度を取り去るのだ」
 「何ですって!!」
 菅井優華は恐怖に叫ぶが成す術はない。
 医者の男が麻酔を掛ける。
 
 菅井優華が次に気が付いたのは病院のベッドの上である。
 それは八月三十日であった。拉致されて三日が過ぎている。
 菅井優華は警察の聴取に対して動画に映っている以外の何も犯人について答えられなかった。
 警察の聴取の後で医師から状況を説明され絶望の底に堕ちる。
 感度を失っただけではない。子宮も摘出されていた。
 動画がばら撒かれたことは間違いない。退院してももう登庁はできない。
 もう結婚も彼氏もできない。この先仕事に就くことさえできるかそれも分からない。
 省の誰もが動画を見ているかもしれない。
 誰が面会に来ても会いたくなかった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトある。
 「今日は二人目だな」
 残る二人は地下室に眠らせたままであった。
 「こいつを乾式メタン発酵で処理するのだな」
 「そうだ。発酵残さとガスに成って何も残らない」
 この男は廃棄物処理業及び収集運搬業の社長である。
 その他は川口の会長、葬儀会社の社長、医者、運送会社の社長、そして印刷会社の社長の六人となる。
 まだ三時過ぎである。ガラス張りのテラスで生ビールを飲みながら肉を焼く。
 「三人目の処分はどうする」
 「どこかの無人駅に放置だ」
 「何処にする」
 「四国の事件が坪尻付近だったから黒潮鉄道と予土線の若井駅はどうだ」
 「良いかもな」
 「捨てに行く方を先にやらないか」
 「そうするか」
 話は纏まった。
 
 九月三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士と本多椿が来て明日土曜日の対応を検討していた。
 重なる模倣犯の事件と連続拉致強姦事件の犯人が起こしたと思われる今回の事件に関してインターネットアダルト放送での発言内容の検討である。
 「確信や北海道警の来訪には触れないことです」
 館山弁護士は危険を避けることを第一に警告する。
 「確かに危険は避けます。でも面白くするには何処まで仮説の範囲で事実に近い論説にするかです」
 本多椿は番組の視聴率を強く考慮したい。既に人気MCと成っていたのである。
 「暴走した田中巡査長自殺したな」
 如月鬼堂は直前のニュースで知った。
 「確かに馬鹿よね」
 本多椿も呆れる。
 「今回は模倣犯と連続拉致強姦事件の犯人の違いらしきに絞るか」
 如月鬼堂はSM的観点からの解説に絞りたい。
 そんな矢先杉下一行から動画が転送されて来る。
 そして瀬里菜がテレビの報道に気付いた。
 被害者は若林優子二十七歳。四菱電業経理社員である。
 黒潮鉄道と予土線の若井駅に木製でかつ手製のキャリーバックに入れて放置されていた。
 六時台の運転士は誰も気付かない。発見したのは八時四分の予土線窪川行きの運転士であった。
 如月鬼堂らは動画を再生する。
 まったく同じ地下室らしき場所である。
 同じように床に埋め込まれたフックに両腕を広げて手首と二の腕を固定されている。
 だが脚はV字開脚にされていた。
 手首の近くに新たなフックが埋め込まれていてそれに左右脚首が固定されている。
 女の部分がアップになるとその部分の崩れ方から輪姦されたと判る。
 V字開脚にされた太股が横幅二センチくらいの書類を挟む黒いグリップで鋏み付けられた。
 太股の内側と外側合わせて四系統で三センチ置きくらいに鋏みつけてゆく。
 左右から二人が掛かっていた。
 剥き出しの銅線が這わされ銅線と一緒にグリップで皮膚を鋏んでいく。
 前に見た大庭信一郎のやり方である。
 如月鬼堂と館山弁護士は互いに厳しい表情で顔を見合せる。
 クリップを付ける二人の体は映らないように映す範囲を考慮していた。さらに動画に修正を加えている。
 電源は離れたところに有って別の男が操作していた。
 若林優子は意識を失ったか眠らされていたようである。
 「う、う、う、う、う。あーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は電流を流されて意識を戻して驚き悲鳴を上げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は藻掻き暴れ悲鳴を絞り出す。
 トランスを操作している男は電流を切っては流すのを繰り返した。
 「う、う、おーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子の躰は小刻みに早く震撼する。
 既に口から僅かに泡を噴いていた。
 それでも電流を切ってはまた入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子の断末魔のような悲鳴と共に潮が噴き上げた。
 潮は不均衡に閉じ合わせた粘膜の間を割って小さな濁流のように流れ出している。
 直ぐに電流は切られた。
 「やめてーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 若林優子はうわ言の様に叫び続ける。
 男らはクリップで鋏んみ付けている銅線を二人が二本ずつ持った。
 若林優子にもそれを引っぱられると判る。
 「あーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーー」
 恐怖に金きり声で叫ぶ。
 男らは合図する。
 「うぐーーーーー。お、お、お、おーーーーーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は暴れる。さらに躰は強烈に震撼する。
 「うおーーーーーーーーーー。う、う、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子の震えはなかなか止まらない。
 「いったい何なの。何で、何で私がこんな目に遭うのよ」
 若林優子は気が付いたら強姦されていた。その最中にまた意識を失ったのである。
 次も強烈な痛みで意識を戻した。
 「我々が判らないか」
 男の声は穏やかである。
 見回すと六人が防護服、サングラス、マスクで顔は判らない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。え、ええーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は絶望的で恐ろしい状況に置かれた事態を悟った。
 「嫌よ。いやあーーーーー。ああ。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は喚き叫ぶ。
 撮影しているカメラも目の前に見える。
 もうどうにもならない。
 自分のこの上もない恥ずかしいでは到底済まない姿が動画で社会に公開されてしまう。
 「さあ。失禁も公開した。お前の恥ずかしい部分はきっちりカメラに納まっている」
 男は淡々と言う。
 「やめてーーーーーーーーーー。何で私なのーーーーー」
 若林優子は堪らず喚く。
 「手頃だったのだよ」
 「やめてーーーーー。ふざけないでーーーーーーーーーー」
 若林優子は怒り取り乱し叫ぶ。
 男らは先端がT字に成った鏝を熱くしていた。
 それを既に剃毛を済ませたドテに押し付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は驚愕の悲鳴を上げた。
 別の男が次の一本を左の乳房に押し付ける。
 「う、う、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにクリトリスに被った包皮を押し剥くように押し付けて揺する。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は架橋になる。
 「たすけてーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林優子は涙を振り飛ばして泣き叫ぶ。
 「さあ。子宮を摘出するからな」
 男はまた淡々と言う。
 「あーーーーー。そんな」
 若林優子の絶望の声を上から被せるように麻酔が当てられた。
 
 男らは若林優子の躰を木製のキャリーバックに詰めた。
 大広間テントの中に仕舞ったキャンピングカーではなく山奥に隠したキャンピングカーで麓の葬儀会社まで運ぶ。
 其処から偽造ナンバーに変えた霊柩車に移す。偽造ナンバーと雖も他の同業者のナンバーである。
 廃棄物収拾運搬会社の静岡支社の駐車場近くからキャリーバックを徒歩で引いて駐車場に入る。既に未明である。
 駐車場の防犯カメラを避ける。
 パッカー車の中にキャリーバックを突っ込み上から廃棄物を投げ込む。
 そのまま高速道路を堂々と大阪まで向かう。
 空き地で運送会社のトラックに乗せ替えた。
 瀬戸大橋を渡って運送会社の四国の営業所に向かう途中の空き地で軽トラックに乗せ替える。
 軽トラックは運送会社の車でナンバーを偽造していた。
 そのまま一人がバイクで先導して黒潮鉄道と予土線の若井駅に向かう。
 バイクは埼玉から走って来ているがバイクではキャリーバックを隠して運べない。捜査の対象外となる。
 若井駅に放置したのは真夜中である。
 
 九月四日。
 若林優子が意識を回復したのは発見された翌日の未明であった。
 薄明の中でも自宅ではなく病院であることは判る。
 躰の包帯、点滴、心電図。起きた事が夢でないことは確実である。
 強姦されて拷問された場所が何処だかまったく判らない。
 
 如月鬼堂の居間では朝まで会議が続いていた。館山弁護士以外の愛好会の主な面々も集まってきている。
 館山弁護士は今度の事件は完全に連続拉致強姦事件の犯人の仕業と断定していた。
 如月鬼堂も同意見だが問題は何故突然動き出したかである。
 「困った連中です」
 大河内税理士もこっちの世界への影響を強く懸念する。
 「六人纏めて何処で死んでもらいたいよ」
 如月鬼堂はこれまで何度か同じ事を呟いていた。
 「警察の捜査では拉致された女性は三人との事です」
 新長瀞駅付近で二軒のマンションから女性三人が行方不明である事は報道されている。
 館山弁護士はあと一人被害者が居ると言いたいのである。
 「何が目的なのでしょう」
 本多椿は漠然とそう疑問を問いかける。
 「現代社会への不満と怒り。そして遊びだ」
 如月鬼堂はきっぱり断定する。
 「困るのはかなりの経済力が有るということです」
 館山弁護士は犯人の巨大さを理解していた。
 「模倣犯は経済力が低い。だから簡単に足が付く」
 如月鬼堂もそれを否定しない。
 「一番分からないのは移動手段です」
 「そうだ。大概そこで足が付く」
 「登録上存在しない車ならそのうち見つかると思いますがね」
 「プレートがその時だけの偽装とかね。それも一台ではない。何台も乗り継いでいるとかね」
 「その地域の偽装プレートを使っていれば捜査は不可能です。Nシステムの無い道もあります」
 此処のメンバーが心配するのは影響である。
 「こっちの組織力と経済力を拡大して護りを固めるべきですよ」
 業界が法律で規制される事は絶対に避けたい。
 大河内税理士は愛好会の組織を拡大してインターネットアダルト放送と連携して発言力を拡大して組織力でものを言えるようにしたい。
 だがそれは極めて遠い道である。
 
 埼玉県警。専従捜査班である。
 徹底的に関東から四国までの輸送ルートの捜査が行われた。
 「どうみても該当車両は無いですよ」
 捜査員が断言する。
 「偽造ナンバーもありませんでした」
 別の捜査官も断言する。
 「しかし拉致された場所は埼玉だ」
 「新幹線と特急を乗り継いでキャリーバックに詰めて運ぶと言うのは現実的ではないですね」
 「八月二十九日から九月三日の間。新幹線から土讃線に乗り換えて高知を過ぎた客は居ません。キャリーバックで土讃線に乗り継いだ者も居ません」
 「車でなければ夜間に若井駅に放置は無理だな」
 「列車がありません」
 「車を乗り継ぐにも予めその地域に用意して置かなければならない」
 「沢山の支店の在る運送会社の社員が居て乗り継いだとか」
 「それならNシステムで判る。人を入れた荷物だけ送るのはリスクが有り過ぎる」
 「飛行機なら完全に判ります」
 「この間を通しで走ったバイクがありました。印刷会社の社長です。阿波池田のホテルに泊まっています」
 「バイクでは運べない。論外」
 捜査主任はやや苛立っている。
 「そうです」
 「とにかくもう少し防犯カメラを分析して洗い出しましょう」
 「そうだ距離を移動している。何か掴める筈だ」
 捜査は暗礁である。
 
 九月五日。
 如月鬼堂は一人越後湯沢に戻って来る。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「樽常さんと編集の小母さんがお待ちです」
 珠洲も瀬里菜も担当編集の小川綾香が嫌いである。
 「誰か連れて来たか」
 「ええ。新しいモデルさんを」
 「良い子か」
 「うん。良い子だよ」
 待っていたのは早見朱莉二十六歳である。
 「これまで何をしていた」
 「熱海店でコンパニオンを」
 「私がお預かりしてきましたが枝里さんは後から来られます」
 樽常マネージャーが横から付加える。
 「何も言って来ないが」
 「いいえ。昨夜話し合って決まったものですから」
 「モデルが足りません」
 編集の小川綾香である。
 「熱海店から二人抜いたか」
 「今はその方がよろしいのでは」
 「そうだな」
 静岡に緊急事態宣言が掛かって熱海店はオンライン営業のみ。コンパニオンが昼間働くよりましな程度の生活給与維持がやっとである。
 「脱いでもらってよいか」
 如月鬼堂は躰を確かめたい。
 「はい」
 早見朱莉は熱海店の野球拳ステージで何度も脱いでいる。全裸に躊躇いはまったくない。
 ミニワンピースを脱ぎ捨てる。脚のスマートさは脱ぐ前から分かる。下着姿に成ると腰から股間部分の容の良さが歴然とした。
 江戸時代の台詞で小股の切れ上がったに当てはまる。
 ブラを外すと巨乳ではないがお椀型の容の良い乳房である。
 乳輪は三センチ程で乳首は小さい。感じて起てば存在感を現す程度。色は薄紅である。
 ショーツを脱ぐと床に尻を着かせた。
 脚を広げると閉じ合わせた粘膜は紅が濃く存在感が強い。
 広げると中は淡いピンクである。膣口は単調に小さく閉じていた。
 顔はとても良い。整った瓜実顔である。
 「愛好会のショーはできるか」
 「はい」
 既にグラビアは決まっていた。
 愛好会の主なメンバーとテレビ会議を繋ぐ。
 満場一致でOKと成った。
 「熱海店でやりますか」
 杉下一行である。
 「そうだな」
 「今度は会員を入れませんか」
 「駄目だ。緊急事態は延長になる。緊急事態の出てなかった地域で行き成り緊急事態が宣言された。その直ぐのイベントであそこまで叩かれるのだ」
 如月鬼堂は愛知のイベントの事を言っている。そして民間の損失を補填しないで感染防止だけ執行される事態を警戒していた。
 今回も熱海店のステージのみを使う。熱海店の営業協力を兼ねて乾杯セットを別途に熱海店から購入して貰う形を継続した。
 生駒と長野は会員のみ営業なので半数の二百人限定とされた。
 それ以外はオンライン参加である。
 大河内税理を始め会員を増やす方向で一致し始めた。既に入会審査は館山弁護士の事務所に移っていて瀬里菜の負担は大きくない。
 
 その翌日。九月六日。
 十時過ぎに杉下一行からメールが転送された。
 今回は犠牲者が何処かに放置されたニュースは入ってない。
 字幕に弭間加奈三十歳と出される。マイナンバーカードが画面にアップで表示された。続いて身分証明も表示される。
 文京税務署職員であった。
 今度の弭間加奈も躰は腕を広げて床に磔までは同じである。脚は脚首と膝に縄を掛けられて離れた天井から吊るされていた。
 腰の部分は組んだ鉄パイプがコの字を伏せる形で被せて押えている。縦の鉄パイプは床にボルトで埋め込まれていた。
 股間はカメラに向かって広がり丸出しである。そのドテから大陰唇にかけて剃毛されて紅みの強い皮膚は剥き出しに成っている。
 閉じ合わせた女の部分のびらびらは不自然に歪み濡れていて強姦して輪姦されたあとを物語っていた。
 弭間加奈は意識を失っている様子である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 離れた場所から行き成り電極に繋がった金属簿を両方の乳首に押付けられたのである。
 長い棒だが途中までは木製のカバーを被って先端十センチくらいを金属が剥き出しにされていた。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は歪めた顔を強く左右に捩って悲鳴を絞り上げる。
 次は股間に二本クロスして金属棒を当てた。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の腰は強く動いて震撼する。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーー。ぐわわわーーーーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は躰を強く揺すって悲鳴を搾り出し続けた。
 次は手を変える。
 棒の先端は金属ではなく鳥の羽が二本背中合わせに付いていた。
 それを左右から伸ばして顔の横から首筋、腋、乳房と擽ってゆく。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は藻掻くように悲鳴を奏でた。
 「あ、ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は擽りに藻掻き続ける。
 弭間加奈は強姦で六人に輪姦されている間ずっと抗議して泣き喚き続けた。
 最後に二本のドリルバイブで責められ続けて失神してしまったのである。
 意識を失っていたところへ行き成り電流責めと擽り責めで抗議すらできない。
 次は溶かしてあった蝋涙を躰にべっちゃり掛けた。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房から腹に被って一部首まで飛んでいる。
 次は腹から股間に流す。
 「あ、ああおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の躰は強く震撼する。V字開脚にされた脚を強く揺すって熱さに藻掻く。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 さらに横から二つの乳房を狙って掛けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あっはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンのような悲鳴に成る。
 「あーーーーーーはあーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あついーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は泣き喚く。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 弭間加奈は涙を流し強烈に暴れた。
 拉致してから八日が過ぎている。その間弭間加奈は眠らされたまま点滴を打たれ尿道カテーテルを挿入されていた。
 寝かされたまま痔の手術ように便は抜かれ直腸は洗われている。
 弭間加奈に八日間の経過は全く分かってない。
 だが運ばれてくる途中で麻酔は切れていた。二度車を乗せかえられた事は認識している。
 一度目はかなりの時間車が止まっていた。其処まで運んで来たメンバーは何処かに行ってしまったように思える。
 別の男らが来てキャリーバックごと積み替えられた印象である。
 次に積み替えられてからかなりガタガタの山道を登っていた。自分らが降ろされて車はまだ山道を登って行ったと記憶している。
 この情報を犯人に放置されて収容されたら警察に説明して犯人らは捕まると思っていた。
 連続拉致強姦事件の犯人かその摸倣犯なら最早まともには帰れない。せめて逮捕してもらいたい。
 だが医者の男は到着した時に麻酔が切れていた事に気付いていた。
 弭間加奈は麻酔が切れていたことから乾式メタン発酵で処分と決められたのである。
 次は三人が鞭を持つ。
 先端は蝿叩きの様な四角い革に成っている。
 それで一人が股間の斜め前から股間の周囲に被った蝋涙を叩く。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間の蝋涙は割れて半分くらいが落ちた。
 次は右側の男が右の乳房に被った蝋涙を叩く。
 「うーーぐうーーーーーーーーーー」
 強い叩きで蝋涙は一気に割れた。
 二巡目に最初の男が蝋涙を落として剥き出しに成った股間を叩く。
 「ぐううおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 閉じ合わせた女の部分の粘膜を平たい革の腹で強く叩いている。
 弭間加奈は股間をローリングするように揺すって暴れ震撼させた。目から涙は流れ落ちる。
 次は合図して三方から同時に叩く。
 「うーーーーーぐごーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は狂ったように躰を振って暴れた。
 涙はさらに溢れる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の躰は痛みに震え続けた。
 「あはあーーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いが治まらない。
 「熱湯責めだ」
 男の一人が静かに宣告する。
 「なによーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は驚愕して叫ぶ。
 湯沸かし器から細いホースの繋がった大道具が準備されていた。
 男はその先端に付けられた細い管二本を持っている。
 弭間加奈の女の部分を広げる。
 「いやーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は恥かしさに叫ぶ。内側の薄橙の部分がカメラにアップで公開されてしまった。
 他の男がクスコを近付ける。
 細い湯の管を持った男の横でその男はクスコを弭間加奈の膣に差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 とうとう女の奥まで広げられる。弭間加奈はさらに強烈に悲鳴を上げた。
 男は横向きに差し込んだクスコを強力に広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の悲鳴を他所に管を二本持った男がその一本の先端を奥の子宮口に刺し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は顔の表情を究極に絞って甲高い悲鳴を轟かせた。
 「あーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は恐怖に断末魔になり慌て狼狽する。
 男はもう一本をクスコの金属が広がった谷間に落ちて食い込んだ尿道口に刺し込む。
 「あひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈からさらに甲高い悲鳴が鳴り響く。
 続いて直腸にも腸カテーテルが差し込まれた。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は既に半狂乱である。
 別の男がカメラの後ろで湯栓を調整している。
 最初は直腸に流す。
 「うお、おーーーーー。おーーーーー。おーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は直腸を焼かれる熱さに顔の表情を破裂させて腰を迫り上げ藻掻き暴れた。
 湯栓を操作している男は十秒位で止める。
 続いて尿道に流す。
 「う、うーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー。う、うーーーーーーーーーーーーーーーお、お、お、おーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は躰を強く振って藻掻き続けた。
 これも数秒で止める。
 「さあて。次は子宮だ」
 男は静かな声で宣告する。
 「や・・・・・・・」
 弭間加奈はやめてと叫んだが声が途切れてしまう。
 湯栓を操作していた男は瞬間だけ子宮に流して止める。
 「あーーーーー」
 次は二秒位流して止めた。
 「あーーーーーはあーーーーー」
 弭間加奈の躰から床の板に汗が流れてべっとり濡れている。
 弭間加奈は恐怖の表情を凍らせ震えていた。顔から汗を噴く。さらに涎を垂らす。
 無残極まりない表情である。
 次は子宮に一気に流す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は強烈な悲鳴を上げて失神した。
 男らは管を全部抜く。腸カテーテルも抜く。
 代わりにトランスに単線を数本接続する。その先端は五センチくらい剥き出しにされている。さらにその先端は尖らせてある。
 その一本を乳輪の下に刺し込み乳首の下を潜らせ貫く。
 「あ、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は強烈な痛みに意識を戻す。
 両方の乳房に刺し両手首にも刺し込む。
 さらにクリトリスの下を貫く。
 最後に子宮口に奥深く差し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は遂に失禁してしまう。
 男らは終わるのを待って床を拭き股間も入念に拭く。
 弭間加奈は恐怖に慄き震え続けた。
 「行くぞ。お前は死刑だ」
 男の声は淡々としている。
 「・・・・・・」
 弭間加奈は遂に恐怖で声が出ない。
 カメラの後ろの男はスイッチを下げて電流を流す。
 「うおーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の躰はぶるぶる小刻みに揺れ震撼し続ける。
 電流を流したまま五分くらい続いた。
 弭間加奈の口から徐々に泡が流れ出してくる。
 股間からだくだくと小水が流れ出た。
 動画はこれで終了している。
 
 弭間加奈の遺体はキャンピングカーが運び出す。偽造ナンバーをセットしていた。
 空き地で廃棄物収集運搬業の車に引き渡す。
 動植物性残さに紛らせて乾式メタン発酵の処分工場に運び込む。
 弭間加奈の遺体はタンクに落とされ動植物性残さの下敷にされた。
 明日工場が稼働すれば水分は蒸発してガスと発酵残さとなる。
 ガスは発電に使われ発酵残さは飼料となってしまう。弭間加奈の遺体は一切何も残らない。
 永久に遺体が出ることはない。
 連続拉致強姦事件の犯人らはこの手本を見せたかったのである。
 
 九月八日。
 緊急事態宣言の延長が確定的と成った。
 如月鬼堂の居間である。
 杉下一行と館山弁護士にテレビ会議が繋がっていた。
 「奴等今度は殺したのではないでしょうか」
 館山弁護士は遂に殺人に至ったと推察する。
 「その可能性が濃厚だな。このまま死体も出ないのではないか」
 如月鬼堂も同じように考えていた。
 「名寄の犯人にこのようにやれと手本を見せると言うか。こうすれば完全に処理ができると社会に示したいのですかね」
 杉下一行も連続拉致強姦事件の犯人の目的が分かってきている。
 「どっちにせよ。これで新長瀞の行方不明者三人は出ましたね」
 館山弁護士は一段落したと言いたい。
 「いや。もっと目論見が有ると思う」
 如月鬼堂はまだ奥が深いと考えている。
 「何処までも騒がせるつもりですかね」
 館山弁護士はいい加減にして欲しいと言う表情である。
 「そうだよ。だがそんな気がするな」
 如月鬼堂の悪い予測は後日的中した。
 
 松本茉莉巡査長が拉致された。村上治夫らに拷問され自殺した女性警察官と樽常マネージャーのもとに村上治夫の捜査に来たもう一人である。
 この拉致も寺門一、玉川亮、東秀雄の三名が前金二十五万、後金二十五万で請け負った。
 松本茉莉巡査長が自宅に近付いた暗い夜道である。
 東秀雄が帰宅中の松本茉莉巡査長のおっぱいに触って逃げた。松本茉莉巡査長はそれを追いかける。
 防犯カメラのない場所を狙っていた。
 路上の防犯カメラの設置は他の闇組織が地図業者を装って調査してマップを作成している。
 利用するのは高額な有償である。連続拉致強姦事件の六人は以前からこれを利用していた。
 裏路地で寺門一と玉川亮が網を被せる。
 そのまま麻酔を嗅がせて止めてあったパッカー車に投げ込んで出発する。
 パッカー車の中は警察犬が追跡できないように臭いのカクテルが充満させてあった。
 
 九月十一日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「模倣犯なのでしょうか。連続拉致強姦事件が続いています。今回は模倣犯ではないかもしれないとの見解も出されました」
 高島波瑠は薄橙のブラを外しながらニュースを読む。
 「被害者の一人弭間加奈さんの消息はまだ判っていません。これまで動画がばら撒かれますと被害者も解放されていました」
 岡田有美が純白のブラを外しながら読む。
 「鬼堂先生。今回は殺されてしまったのでしょうか」
 本多椿はサーモンピンクのブラを外しながらメインキャスターとして番組を司会進行する。
 「その最悪の可能性が濃厚でないとは言えません。今回は連続拉致強姦事件の犯人が起こした犯行の可能性が高いです」
 如月鬼堂は断言に近い言い方をする。
 「何故今回は殺人に至ったのでしょう」
 本多椿は如月鬼堂にその推察を求めた。
 「まず何か失敗したのか。何かを悟られたなど生かして置けない理由ができた可能性が考えられます。又は名寄の犯人にやり方を示したとも考えられます」
 如月鬼堂にはおぼろげに犯人像が見える。思考の行く先がそれなりに分かるのである。
 
 九月十二日。
 次の動画が公開された。
 被害者は松本茉莉巡査長である。
 今度はこれまでとやり方が違う。
 犯人らは松本茉莉巡査長の躰を村上治夫らのように逆さ吊るしにしていた。
 松本茉莉巡査長の両方の太腿の付け根に縄を掛けて躰は二本の縄で上から吊るされている。
 広がった両脚には膝から脚首に縄を掛けられ離れた壁か柱から引っ張られているのである。
 松本茉莉巡査長の両脚は弓なりのT字に広がっている。女の部分はアナルまで斜め上を向いて丸出しである。
 カメラは松本茉莉巡査長の躰を部分的にアップで映してゆく。
 ドテの黒い塊はない。紅い皮膚が露出している。男らが剃毛してしまったのである。
 男らはアームの先端がマジックバンドに成った小道具を伸ばす。
 左右離れたところから二人がマジックバンドで松本茉莉巡査長の女の部分のビラビラを抓まんで広げる。
 これもアップで映し出す。
 松本茉莉巡査長は意識を失っている様子である。
 あと一人がマジックバンドで掴んだクスコをモニターの映像を確認しながら膣に挿入する。
 二人がびらびらを引っ張り一人がクスコの口を掴んだ状態である。
 あと一人が先端に指の大きさの掴むものが付いたマジックバンドでクスコの螺子を回す。
 上からレーザーのような光が差してクスコの中を照らした。
 マイクロカメラが天井から下がってくる。
 カメラが切り替わりクスコの内部を拡大して紅と薄橙の斑な女の奥がアップに生々しく投影された。
 クスコを挿入したままマジックバンドが全部引く。
 続いてアームの先端に電磁棒が突き出たものが二本クスコの横に接近する。
 二本の電磁棒はクスコの両側に当てられた。
 「う、うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 電流が流れた様子である。
 松本茉莉巡査長は瞬時に意識を回復して悲鳴を轟かせた。
 「なに。なによーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は帰宅中の路地で麻酔を当てられて運ばれたった今気付いたのである。
 置かれた事態を直ぐに把握できない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長はやがてこれが連続拉致強姦事件の犯人らの仕業と分かり驚愕の悲鳴を上げる。
 「何で」
 松本茉莉巡査長は『何で私が』と呟いた。後ろの部分は声が消えてしまっている。
 「松本茉莉巡査長さん。何が起きているかお分かりですね」
 抑揚の無い男の声が話しかける。今回も松本茉莉巡査長の声以外は動画では消去して字幕が出ていた。
 松本茉莉巡査長は自分に痴漢をして走った男の後ろ姿は見ている。
 だが不覚にも顔は見ていない。
 あと二人隠れていて麻酔を当てられた。
 「貴方々は連続拉致強姦事件の犯人よ」
 松本茉莉巡査長はようやくまともに口が利けた。
 怒りより不安と絶望が全身を包んでくる。
 松本茉莉巡査長は先輩刑事の田中奈緒巡査長の惨劇を目の当たりにしている。
 恐怖は尋常ではない。
 「婦警さん。正面のスクリーンを見て下さい。少し上を向いて」
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は自分の逆さ吊るしの姿に慄き悲鳴を上げた。
 「確実にこの姿は公開される。お前の同僚、上司らは捜査の都合で確実に動画を見る」
 「そうだ。それも入念に見るな」
 別の男の声が断定する。
 男らは態と松本茉莉巡査長の羞恥心を煽る。
 「何で。私を狙ったの」
 松本茉莉巡査長は自分が狙われた事に納得が行かない。
 「お前。テレビで田中巡査長と一緒に捜査に当たっていたと言っていだろ。同じにしてやらないと不公平だ」
 「あんたらのふざけた遊びよ」
 「ふぉおふぉおっふぉ。その通りでございます」
 男らはさらに松本茉莉巡査長をからかう。
 松本茉莉巡査長はふざけたと言って後悔した。ふざけたでは済まない。
 「でも決して御ふざけでは済みません。貴女を捕らえるのに三人の男に前金二十五万。後金二十五万。合計百五十万お支払いしています」
 「ああ。あいつ等は雇われたの」
 「左様で」
 「何の為によ」
 松本茉莉巡査長は金まで出して自分を陥れる犯人に怒りと恐怖が沸騰する。
 「今回の仕上げです。貴女を殺しはしません。貴女には自害してもらいます」
 堪えられず自害するという予告である。
 「何でそんな事するの」
 あまりの宣告に松本茉莉巡査長の声は震える。
 「面白くない世の中です。マスコミは小さな犯罪で人を槍玉にします。大きな凶器です。でも我々昭和の親父が発言すればとことん叩かれ押えられます」
 「だからってーーー。女性を酷い目に遭わせるのは」
 松本茉莉巡査長は悲痛に叫ぶ。
 「いま社会で一番護られているものを叩いているのです」
 男らは全く抑揚の無い声でしゃべる。それが松本茉莉巡査長を更なる恐怖に包んでゆく。
 「なんと」
 松本茉莉巡査長は口が震えてそれ以上言葉が出なかった。
 クスコが抜かれてマジックハンドが離れる。クスコは金属のくちばしの先端に半透明の濁った膣液が付着していた。
 それを数秒間画面にアップで投影する。
 男らは柄の長い鞭を用意していた。先端は蝿叩きの様な平たく四角い革の面に成っている。
 力が入らなくても柄の撓る反動をつけて平たい面で素肌を叩かれればかなり痛い。
 左側から鞭が出て左の乳房を叩く。
 「う、ぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長の躰は首を迫り上げて強く揺れる。
 今度は別の男が右から右の乳房を叩く。
 「うーー、ぐうーーーーー、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は躰を瞬時に硬直させた。そして強く揺すりくぐもった悲鳴を搾り出す。
 十数回繰り返して動画に悲鳴を焼き付ける。松本茉莉巡査長の乳房は鞭の痕が薄く紅色に広がっていた。
 今度は大きく広がった股間を女の部分の粘膜を鞭の先端で掠るように内腿の上から強く叩く。
 「うーーーーーーーーーー。うふうーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長の躰は首が迫り上がり硬直して強い反動で固く揺れる。甲高い悲鳴から強烈な悲鳴が続いた。
 同じ様に左右から叩く。松本茉莉巡査長は三回目で涙目になった。
 それでも容赦なく叩き続ける。
 さらに先端の細い鞭に替えて叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐ、ぐ、うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は閉じ合わせた粘膜を正確に縦に叩いていた。
 松本茉莉巡査長のさらに藻掻き前に後ろに頭を振って躰を強く揺する。
 「い、いたい、いたいーーーーーーーーー」
 強烈に泣き叫ぶ。
 三十回数えて叩かれ続けた。
 「あーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な泣き悲鳴が轟き続ける。
 広がった股間部は大陰唇とドテからアナルの周りまで鞭で叩かれ真っ赤に染まっていた。
 もう一度左右からマジックハンドが伸びてくる。
 先程と同じ様に女の部分のびらびらを抓んで広げた。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は散々叩かれた敏感な粘膜を抓まれて呻き声を搾り出す。
 広がった薄橙の粘膜は既に僅かに血が滲んでいる。
 その部分目掛けて正確に一本鞭の先端が飛んで来た。
 「うーーーーーーーーーーーー」
 その先端はきっちり尿道の亀裂から膣口を叩いている。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、ぐぐぐううううーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は強烈に悲鳴を搾り出す。
 その躰は捻るように藻掻く。
 「うーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして遂に失禁した。
 「あ、ああーーーーーーー。あはん。ああーーーーーーーーーー」
 失禁尿は腹から胸、顔まで掛かる。
 「随分堪えたな婦警さん。普通はもっと早く失禁するぞ」
 男は態と褒めてからかう。
 松本茉莉巡査長が暴れてマジックハンドが外れたので抓み直す。
 「うーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長はまた泣き叫ぶ。
 今度は先端が針に成った電磁棒が二本伸びてくる。
 左右ともマジックハンドが抓んでいるびらびらに突き刺す。
 「うーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長から強烈に甲高い悲鳴が上がった。
 さらにもう一本伸びてくる。
 それがクリトリスを突き刺す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴が画面を震撼する。
 針が突き刺した部分から血が流れ出ていた。
 電流が流れる。
 「はあ、あ、はあーーーーーーー。・・・・・はあーーーーー。あ、あ、あ、あーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長の躰は小刻みに震撼していた。
 「あはーー。・・・・あはーーーーーー。・・・・・あはあーーーーー。・・・・・・・あはあーーーーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長の躰はさらにびりびり震撼し続ける。
 そして僅かに断続的に微量の失禁を繰り返した。
 一度電流を切る。
 電磁棒の針は刺さったまである。
 さらに電圧を上げてスイッチを手前に引っ張った。撮影とスイッチと声は一人の男がやっている。
 「あーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・あはーーーーーー。・・・・・・・あはーーーー。あは。あは。あは」
 松本茉莉巡査長の躰は再び小刻みに震撼する。
 やがて悲鳴は止まり口から泡が流れ出した。
 もう一度スイッチを切る。
 「はあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は意識を回復したように溜息を漏らす。
 今度は横から高枝斬りバサミが出てくる。
 先端を開いて左の乳輪を鋏むように当てた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は斬られると判って悲鳴を上げる。
 「行きますよ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は涙声で叫ぶ。
 先端に力が入る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴の真っ最中に高枝斬りバサミが乳輪ごと鋏む。押し潰された乳輪が斬れて落ちた。血が一気に流れ飛ぶ。
 動画はここで一度切られていた。
 松本茉莉巡査長の躰は以前の犯行の通り大の字に床に磔にされている。
 左の乳房には止血パットが貼られていた。
 松本茉莉巡査長は一度麻酔で眠らされたようである。
 その躰を隅々までカメラで舐める。
 そのまま松本茉莉巡査長の顔のアップで止まった。
 大の字にされた松本茉莉巡査長の躰は手首、肘、脚首、膝を組んだ鉄パイプで押えられている。
 男らはドリルバイブを床にボルトでセットした。もとよりボルトの穴は開けられていたようである。
 擬似男根の先端を松本茉莉巡査長の女に挿入して抜けない位置で固定する。
 耳に微電流を当てた。
 「あ、はあーーーーーーー」
 天井から松本茉莉巡査長の斬られた乳首が下がっている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーん。あーーーーあはあーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長はそれに気づいて狂ったように喚く。
 一気にドリルバイブが始動する。
 ドリルバイブはローションを流し出す構造に成っている。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最初は振動だけである。
 それでも松本茉莉巡査長は強烈な刺激に声を抑えられない。
 既に腰は微妙に痙攣している。やがて大きく腰が動き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は大口を上に向け破裂させて声を上げ続ける。
 顔を右に左に躱す様に藻掻いて声を絞り出し続けた。
 松本茉莉巡査長は十分くらいで失神してしまう。
 それでもドリルバイブは動いたまである。さらにピストン運動を加えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長はまた強烈な声を上げ始める。
 そしてまた直ぐに失神した。
 さらに回転運動を加える。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は何回か逝ききって失神を繰り返した。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。しんじゃうーーーーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は恐怖に堪えられず叫ぶ。
 「いま死んだら極楽ですよ」
 恐ろしい言葉が掛けられる。
 そこで一回動画は斬られていた。
 松本茉莉巡査長は失神したまま大の字に磔にされたままである。ドリルバイブは外されて松本茉莉巡査長の膣には半田鏝が差し込まれていた。
 これも抜けないように固定されている。
 電磁棒が延びてきてアームの先端の端子から微電流で起こす。
 「あはあーーーーー。あーーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長は意識を戻して恐怖の悲鳴を上げた。
 「貴女の女の悦びはさっきので永遠に終了です」
 また抑揚の無い声が宣言する。
 「なにーーーーー」
 松本茉莉巡査長はその言葉に狼狽する。
 半田鏝に電流が流れた。
 「えーーーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 松本茉莉巡査長にも膣に入り込んだ異物が熱くなるのが判る。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 半田鏝は一気に熱くなる。
 画面からも松本茉莉巡査長が膣を焼かれたのは判った。
 ここで動画は終了している。
 
 松本茉莉巡査長は局部麻酔を打たれて床に正座した状態に固定されていた。
 太腿と脚首が座った状態で縛られていて膝の上から組んだ鉄パイプが押えている。
 右腕は背中に廻して脚首に掛けた縄に繋がれていた。開放されているのは左腕だけである。
 「生きるか死ぬか。あなたが選んで下さい。前に二つのグラスがあります。透明な方は睡眠薬です。やや黒い方は毒物です。静かに眠るように死ねます」
 抑揚の無い声が最後の宣告をした。
 「睡眠薬を選べば千葉の川に流します。今度気が付いたら病院のベッドです。みんな警戒しています。今度は自殺できないですよ」
 
 動画が公開されてから数日。松本茉莉巡査長の行方は判らなかった。遺体も見つかってない。
 状況は弭間加奈と同じで生死は不明である。
 埼玉県警は捜査員を動員して捜査を続けていた。
 
 川口の会長の別荘である連続拉致強姦事件の犯人のアジトである。
 以前と同じ様にまた此処にも警察は捜査に来た。
 だが地下室の入口は井戸に隠されて判らない構造である。
 正面から見れば大きな岩の上に山荘が建っているように見える。
 以前と同じ様にキャンピングカーと自家用車を調べて帰った。
 
 九月十八日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「遂に犠牲者は四人に成りました。三人目と四人目の被害者はいまだに見つかっていません」
 高島波瑠がトップレス姿から股間を片手で押えて片手でショーツを脱ぎながら読んだ。
 「埼玉県警は専従捜査班を中心に捜査員を動員して関東一帯の捜査を開始しました」
 岡田有美もトップレス姿から薄赤紫のショーツを脱いで読む。
 「今回犯人は犯行の意志の様な事を字幕に現していました。鬼堂先生。これが犯人らの社会に対する不満でしょうか」
 メインキャスターの本多椿が如月鬼堂に解説を振る。
 「そうですね。極めて犯人らの意識です。その片鱗を強く出した言葉だと思います」
 「犯人は『昭和の親父が発言すればとことん叩かれ押えられます』と言っています。一般の人にも言論の自由はあります。しかし誹謗中傷は良くありません」
 本多椿は如月鬼堂の発言をやや穏やかな方に誘導する。
 「確かに誹謗中傷で無関係の人が叩かれ損害を蒙る事はあっては成りません。でも格闘技の選手などが一般の人に軽くても暴力を振るえば非難に値します」
 「その批判にはかなりやり過ぎもありますね」
 「そうです。大いにあり過ぎます」
 「どの辺りからやり過ぎでしょうか」
 「私は嫌いですは発言できると思います。みんな嫌いですは言い過ぎです。そしてマスコミで解説する名キャスターの『日本人みんなが嫌うトランプ大統領』はさらに言い過ぎです。アメリカ国民の半数前後は支持しているのです。これはリベラルに洗脳するマスコミの凶器そのものです」
 如月鬼堂も不満を滲ませた解説で終了した。
 

 
 最期のSM小説家 第二十九幕 連続拉致強姦事件再び 完 





 最期のSM小説家 第三十幕 全裸美人コンテスト入賞者の悲劇


 二〇二十一年処暑中元。太陰太陽暦八月二十日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年九月二十六日。
 緊急事態宣言は解除する方向が見えつつある。だが如月鬼堂らの飲食を伴うイベントにはなかなか雲行きが晴れない。
 暗雲の中さらに連続拉致強姦事件の復活である。
 如月鬼堂は本多椿を伴って上越新幹線のグリーン車で越後湯沢にいつもより遅い時間に戻った。
 駅には珠洲が迎えに来ている。
 「枝里さんがお待ちよ」
 「うん」
 荒井枝里の来訪は判っていた。
 「もう一人お連れよ」
 「期待できるか」
 「できそうだよ」
 珠洲はあっさり認める。
 何故か高嶋波瑠以来熱海店のコンパニオンからSM女優を選りすぐっていた。
 これで三人目である。
 女は加賀美明日香といった。
 硬い表情で理知的イメージを漂わせる美人である。
 如月鬼堂は熱海店で一度も見たことがない。
 目立つ美人顔である。
 この手の美人を甚振り悲痛な表情を剥き出させれば加虐心を煽れる。
 とことん泣かせても罪悪感を沸かせない。観客がハードを期待する。
 美しさは潔癖だが可愛さ愛しさは沸かせない。
 スタイルも長身スレンダーで申し分ない。
 遅れて雨倉編集長と担当の小川綾香が着いた。
 加賀美明日香はSMクラブの仕事はしない。グラビアと愛好会のショーだけである。
 全員水着で露天風呂に入り加賀美明日香だけ全裸で濡れた緊縛を試しみる。
 抜群の映えである。
 愛好会の方はテレビ会議で承諾を取った。
 前回から本多椿が以前のように愛好会の司会にも出ている。
 
 夕方近くになって館山弁護士が野村未来也弁護士と野崎卓郎弁護士を伴って訪れた。
 連続拉致強姦事件の犯人対策である。
 「埼玉県警は相変わらず同じ捜査をやっていますね」
 野村未来也弁護士が状況を述べる。
 「Nシステムや防犯カメラで動きが掴めないと地道に同じ捜査で手掛かりを掘り出すしかないようです」
 館山弁護士が付け加えた。
 「普通の犯人と知能と経済力の両方が違うな」
 如月鬼堂はまた同じ見解を繰り返す。
 「大庭信一郎がもしその一人だとしましたらその周囲を調べれば朧げに正体が見えるのではないでしょうか」
 野崎卓郎弁護士の見解である。
 「鬼堂先生。こうなったらいつまでも続けられるより警察が逮捕した方が良いのでしょうか」
 館山弁護士は如月鬼堂の見解を確認する。
 「なんとも言えん」
 如月鬼堂は困り果てている。
 「しかしこのまま続いてまた模倣犯まで出るようでは」
 「四国までどう運んだか。大庭は葬儀会社だな。霊柩車で運んだとしよう。運送屋、バス、パッカー車とかを乗り継いだら」
 「それらの社長仲間の集まりと見ますか」
 「仮説だが印刷屋が居て運送屋が居るとしよう。パレットに積んだ刷り本を満載にした中に隠して運べる」
 「それらのパターンを何通りか乗り継いだらできますね」
 「それらのグループ関係を掴まなければ推理も成り立たないが」
 「大庭信一郎と川口で遊ぶ仲間はいないのか」
 「川口に鋳物工場を持つ会長が居ますがその工場も別荘も警察は捜査に入っています」
 「ううん。何も出なかったか」
 如月鬼堂も鋳物工場の会長ではばれにくい運搬方法は持ってないと思った。
 「山荘は内部まで捜査しています。乗用車とキャンピングカーも入念に捜査しています」
 館山弁護士らは警察から捜査情報を得ている。
 「もっと他にいるかだな」
 「もし行方不明の二人の女性を殺していれば遺体の始末はどうでしょう」
 野村未来也弁護士はそっちから何か出ないかと思う。
 「まさか葬儀会社。遺体を焼いてしまうとか」
 如月鬼堂が思い付きで呟く。
 「いいや。火葬場は厳重に管理されているでしょう」
 館山弁護士は否定する。
 「廃棄物処理業者ならどうかな」
 「逆に見つかったらもっと面倒ですよ。処理場とか有っても見付かる可能性は高いです」
 「焼却炉とかは」
 「人を焼けば臭いが違います」
 「地中深く埋めるか」
 野村未来也弁護士もありきたりの線に行ってしまう。
 「何か普通では思い付かない手段を持っているのか。まだ監禁しているのか」
 「監禁は危険でしょう。この犯人はそんな危険を犯さないと思います」
 「会員の中にも繋がりは見えないしな」
 「とにかく業界を護る方向で固めましょう」
 「しかしこれ以上法律で規制されますか」
 野崎卓郎弁護士は規制には繋がらないとの見解である。
 
 九月二十八日。
 緊急事態宣言の解除は決まった。
 だが熱海店の会員のみ営業でさえ暗雲のままである。
 飲食店の規制解除に繁雑な条件が立ち込めている。
 如月鬼堂は憤懣やる方なきである。飲食店に大きく影響する段階的解除を唱える専門家に怒り心頭になっていた。
 今日は瀬里菜を責める順番となっている。来客が多く二人を責める順番がかなり日を飛んでいた。
 最初は三人で露天風呂に入る。珠洲と瀬里菜が立ったまま二人の躰で如月鬼堂を挟んで乳房をスポンジ代わりに両方から体を洗う。
 この程度では如月鬼堂が起たないことは普通に成りつつある。
 それでも二人は刺激を与えようと責め続ける。
 普通の同年代の男性なら絶対にない極楽である。
 そのあと瀬里菜は如月鬼堂の責めで失神するまで逝き捲くった。
 
 連続拉致強姦事件の主犯である川口の会長は闇サイトに完全犯罪相談所を開設している。
 相談者はインターネットアダルト放送に出演するアイドルの拉致強姦を目論でいた。
 標的は如月鬼堂の番組に出ている岡田有美である。
 犯行は自宅で行いたい要望であった。
 相談は幾つものサーバーを経由してチャットで行う。
 会長:どんな家だ
 相談者:地下室があります。
 会長:連続拉致強姦事件の真似をしたいか。
 相談者:あれをやりたいです。
 会長:捕まるぞ
 相談者:捕まらない方法をご教授下さい。
 会長:捕まらない方法を教えるが僅かな失敗でアウトだ。
 相談者:はい。
 会長:家は何処だ。
 相談者:中津川です。
 
 十月一日。
 岡田有美は連絡を絶った。
 十月二日の放送前日打ち合わせに出て来なかった。携帯にも応答がない。
 代役は手配が間に合わない。
 本多椿が如月鬼堂に連絡をする。今回は三人だけでやることにした。
 通常如月鬼堂は当日開始前の打ち合わせにしか出ない。
 その日はテレビ会議で済ませた。
 
 時間軸は一日戻る。
 鬼塚槙登の山荘である。
 地下室が存在するが母屋からは入れない。地下室の上は池になっていた。
 入るにはやや離れて祠がある。地下の入口はその床下になる。
 しかしその入口は池の底にある扉に繋がっていた。池の水を抜いた時だけ通ることができる。
 池の底に地下室へのハッチがある。
 いま池の水は抜かれている。
 地下室の中は船底のような造りで板張りの周り及び下は空洞になっていた。
 岡田有美は床に寝かされている。
 全裸にされて麻酔で眠らされていた。
 大股開きにされ脚首には革の拘束具が付けられて離れた壁から左右に縄で引っ張られている。
 両方の腰の横に鉄パイプが床に埋め込まれ腰と太腿を押さえる役割をしていた。良く見ると鉄パイプはやや斜め内側に傾斜している。
 手首は縄で縛り合わされ頭の上に伸ばされて離れた壁から引っ張られていた。
 岡田有美の躰は高さ三十センチ位の二本の鉄パイプに引っ掛けて三方から三本の縄に引っ張られている。
 鬼塚槙登は岡田有美の女の部分を広げて弄って愉しむ。顔、躰を存分に触って感触を愉しみ続けた。
 綺麗な躰である。ドテの黒い塊は綺麗に処理され美しく靡いていた。
 鬼塚槙登はこの岡田有美の躰を僅かな客が独占しているのが不満である。
 岡田有美は週に二日しかプレイに出ない。愛好会の会員が占めている。
 新規はまったく予約を取れない。
 キャンセル待ちも受けないらしい。
 岡田有美は安全な従来の客だけで収入を得られていた。
 あとはインターネットアダルト放送の出演料が入る。
 それでは鬼塚槙登に触れる機会がない。
 その不満が今日に至っている。
 如月鬼堂がSM系アイドルにしてしまった。ハードを受けたのは如月鬼堂と愛好会のステージに上がった会員だけだと思う。
 鬼塚槙登は親から受け継いだ資産で充分な遊興費が出せる。
 山を三つ持っていた。
 松茸が採れる。自分で採りはしない。業者に採らせる。太陽光パネルも一斜面に何機も設置した。
 働かなくても充分に収入はある。
 岡田有美のような細身で狐系の顔を好む。
 インターネットアダルト放送は通常のテレビのように録画はできない。
 画面をそのまま動画に保存できるソフトで毎回録画している。
 如月鬼堂が監修する雑誌のグラビアもデータで集めていた。
 本多椿と野球拳をするゲーム系ソフトがお気に入りである。
 岡田有美は世田谷の烏山と芦花公園の中間くらいに在る賃貸マンションに住んでいた。
 甲州街道から細い斜めの道を一本入る。まったく人通りのない道である。高い木に覆われて暗く見通しが利かない。
 岡田有美はクラブの帰り甲州街道でタクシーを降りる。
 鬼塚槙登は岡田有美が如月鬼堂の運営するプレイルームで仕事を終えて深夜にタクシー帰宅するまで尾行して確認していた。
 闇から出現して首を腕で巻き麻酔を当てる。
 川口の会長から紹介された偽ナンバーのパッカー車に投げ込んで中津川林道の途中で自分の車に移す。
 川口の会長の指示通りブルーシートにくるむ。
 厳重に梱包してキャリーバッグに収めた。
 車を置いてパッカー車を受け取った場所まで返却した。
 其処からは偽ナンバーを外して貸し出した側が回収する。
 山道を鬼塚槙登の自宅の山までNシステムも防犯カメラもない。
 川口の会長からその情報を得ていた。
 岡田有美が床に磔にされている場所は黒い幕に囲まれている。
 勿論カメラは回していた。公開するかは迷っている。
 岡田有美の躰の隅々まで入念にカメラに収めた。
 尿道カテーテルで尿を抜き取る。
 次は浣腸をする。浣腸器のシリンダーから四百CCを流し込んだ。
 さすがに岡田有美は意識を戻す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 磔にされた自分の全裸に気付いて悲鳴を上げる。
 「なに。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は驚愕の表情を破裂させていた。
 「あんたは俺の玩具だ」
 まだ若い声である。
 岡田有美はタクシーを降りて直ぐに羽交い締めにされた。今気が付いてこの姿である。
 連続拉致強姦事件の犯人とは違うように思う。さらに周りには一人しかいない様子である。
 拉致されたことは間違いない。
 何をされるか恐怖感が襲ってくる。
 「あなたは何者」
 岡田有美の声は震えている。
 「俺か。連続拉致強姦事件の弟子だよ」
 答え方に強い凄味はない。
 「私をどうするの」
 「どうするかな。あんたの抵抗次第だ」
 鬼塚槙登は曖昧に答える。
 「う、うう。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腹の痛みが一気に岡田有美を襲う。
 堪らず藻掻く。
 鬼塚槙登は足で岡田有美の腰を持ち上げる。尻の下に簡易便器を差しこむ。
 「出して良いぞ」
 鬼塚槙登は当然のように言う。
 所詮SM嬢と言う扱いである。
 岡田有美は首を振る。
 「そのまま耐えるか」
 鬼塚槙登は出すまで待つ構えである。
 「うーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しみに悶える。苦しむ顔がなかなか鬼塚槙登をそそらせる。
 「う、う、ううーーーーーーーーーーーーーー。う、うーーーーーーーーーーーん。う、う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岡田有美はさらに藻掻く。
 だが次の瞬間。大音響と共に肛門が破裂するように便が飛び出す。
 「あ、ああ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈な臭いが充満する。
 鬼塚槙登は岡田有美のプライドの破滅する姿に満足した。
 極上の美人を羞恥の底に堕とした悦びである。
 鬼塚槙登はカテーテルで抜いた岡田有美の尿の入った尿瓶を翳す。
 「お前のオシッコも抜いてあるぞ」
 鬼塚槙登は満足げである。
 岡田有美は怒りと羞恥の坩堝に言葉もでない。
 鬼塚槙登は簡易便器を外して濡れタオルで岡田有美の股間を拭く。
 「ああ。いやあ」
 岡田有美は堪らない不快感を洩らす。
 鬼塚槙登は岡田有美のアナルに金属のこけしを突っ込む。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は痛みと不快感に叫ぶ。
 鬼塚槙登は膣にクスコを挿入する。螺子を回して強く広げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は強烈に叫ぶ。
 鬼塚槙登は中をペンライトで照らしてじっくり観賞する。
 「動画買えば公開されているよ」
 岡田有美はそんな事をしなくても見られると言いたい。
 「画像では中の全体感がないのだ」
 鬼塚槙登はクスコにトランスから繋がった線の先端に付いた鰐口グリップを二つ接続する。
 アナルに入れた金属のこけしにも接続した。
 「何をするの」
 岡田有美は恐怖に慄いている。
 「電流責めだよ」
 「え、えーー」
 浣腸したばかりのアナルに電流を流す。
 「うーーーーーーーーーーーー。ううわーーーーーーーーーーー。ううわあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴を上げる。
 岡田有美はこの責めを受けたことがない。
 「うーーーーぐううーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は腰を迫り上げ太股の筋肉を突っ張らせて藻掻き苦しむ。
 「うがあーーーーーーーーーーーーーーー。があ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鬼塚槙登は岡田有美の苦しむ表情を愉しみながら膣に刺さったクスコにも電流を流す。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美の顔は破裂している。躰は小刻みに震撼する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は般若の形相をさらに破裂させて藻掻き苦しむ。
 鬼塚槙登は適度なところで一度電流を止める。
 「あはあーーーーーーーー。あはあーー。ああ。あはあ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岡田有美の荒い息遣いはなかなか修まらない。
 「あはん。あはん。ああ。あはん。ああ。あはん。あはん」
 岡田有美は涙をぽろぽろ溢す。
 鬼塚槙登は満足だがまだやりたい。
 アナルのスィッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続けてクスコのスィッチも入れる。
 「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐあ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美の表情は藻掻き苦しみながら恍惚になる。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鬼塚槙登は岡田有美の表情を見ながら電流を止める。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 鬼塚槙登は何度か繰り返した。
 岡田有美の尿道口から一度抜いている尿が僅かに流れ出る。
 鬼塚槙登はそれを見てにんまり悦ぶ。
 そしてさらに電流を流す。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美の表情は一気に恍惚になる。
 鬼塚槙登はさらに電圧を上げた。
 岡田有美の躰は小刻みにさらに強く震撼する。
 やがて恍惚の表情は白目を剥く。口からは泡が流れ出す。
 鬼塚槙登は一物を取り出す。スキンを二重に掛ける。
 川口の会長の注意に従ったのである。
 クスコと金属のこけしを抜き取る。
 怒張した一物を岡田有美の女に突っ込む。
 岡田有美の泡を噴いた口をガーゼで拭く。
 口には病院に行くまでDNAは残らないとの考えから唇を貪る。
 満足するまで濃厚に貪った。
 口の周りを消毒液で拭う。
 鬼塚槙登の一物は岡田有美の女に入ったままである。
 岡田有美の乳房を鷲掴みにして一物を女の奥に強く押込みを続ける。
 「あーーーーー。いやーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は意識を回復して不本意な挿入に拒絶を続ける。
 「嫌よ。嫌。やめて。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやあ。やめてーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は叫び拒否し続けた。
 鬼塚槙登は片手で乳房を掴んだままもう一方の手でビンタする。
 「うーーーーーーーーー」
 さらに叩く。
 「うおーーーーーーーー」
 岡田有美は首を振って鬼塚槙登を睨み返す。
 鬼塚槙登はさらに怒りを込めて叩く。
 「ぐーーーーーーーーー」
 岡田有美は涙目になる。
 鬼塚槙登は興奮度が上がって岡田有美の中で果ててしまう。
 萎えた一物を抜いてスキンを抜き取る。その口を縛って捨てた。
 「躰の表面は傷付けないよ。お前の仕事続けられないからな。でも子宮は要らないよな」
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は叫ぶ。
 「子供は要らないよな。それがない方が沢山の男の相手ができるだろ」
 「勝手に決めないでよーーー」
 鬼塚槙登は次に大量の洗濯バサミを持ち出す。
 その洗濯バサミは凧糸で繋がれている。
 鬼塚槙登はそれを岡田有美の乳房の横から躰の側面に三センチ置きに鋏み付けてゆく。両側二十五個ずつ付けた。
 糸の先端を天井から下がったフックに通す。
 岡田有美は恐々と身構えている。
 恐ろしい痛みだと聞いて知っていた。仕事で高いギャラが出ていても避けたい。それでも仕事なら最悪は仕方ない。
 だがこいつにただでやられるのは堪らない。
 「行くぞ」
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美は堪らず叫ぶ。
 鬼塚槙登は二本の糸を両手に一本ずつ持ち体重を掛けて一気に引っ張る。
 洗濯バサミはドミノのように順に一気に飛ぶ。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美の強烈な悲鳴が轟く。
 「うーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岡田有美の躰は強烈に震撼する。
 目からは涙が溢れ出ている。
 「あーーーーー。あはあ。あーーー。あはあ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岡田有美は涙を溢しながら荒い息遣いがなかなか修まらない。
 「どうだ子宮が無事で帰りたいか」
 鬼塚槙登はやんわり確認する。
 「帰りたいよ」
 岡田有美はまだ涙を溢している。
 「だったら抵抗しないで気持ち良くやらせろ」
 「判ったよ」
 悔しいけど仕方がない。子宮を失うよりましである。
 鬼塚槙登はもう一度スキンを二重に着けた。
 洗濯バサミの拷問で興奮度は上がっている。さおはびんびんに起っていた。
 
 如月鬼堂は岡田有美が拉致されて烈火の如く怒っている。
 だが警察は失跡届けを受付しただけである。
 館山弁護士と事務所のスタッフが如月鬼堂の依頼を受けて岡田有美の自宅マンションを調査に向かう。
 夜暗く危険な箇所を特定した。
 杉下一行は闇動画の配信に神経を尖らせる。
 だが何処にも動画は配信されてない。
 
 十月二日。
 インターネットアダルト放送だけが岡田有美の失跡を報道する。
 その翌日の深夜日付を越えて如月鬼堂の書籍販売サイトにメールでメッセージと画像が送られた。
 本来朝まで開封されないが瀬里菜が気付く。
 もしも外から直接何か来るならこれしかないと一応確認したのである。
 「岡田有美を引き取れ。武州鉄道の新長瀞駅の外に置いた」
 直ぐに警察に連絡して回収してもらう。
 眠らされてブルーシートに包まれていた。危険な放置である。
 岡田有美はそのまま病院に運ばれた。
 
 十月四日。
 岡田有美は病院で意識を戻した。
 警察の聴取に岡田有美は記憶にある限りを話したが要領を得ない。
 自宅に戻る夜道で突然押えられ意識を失った。気付いたら地下室のような場所に大の字に縛られて強姦、拷問された。
 犯人は防護服、サングラス、マスクで顔は判らない。
 次に意識を回復したのが今の病院である。これまでとほぼ状況は変わらない。犯人が一人。若い男と言うだけが違う。
 そして犯人の言葉『連続拉致強姦事件の弟子』と名乗った事である。
 午後に成って如月鬼堂が本多椿を伴って見舞いに訪れた。
 岡田有美は恐ろしい体験を最初から話す。
 「やはりあの暗い道だな。館山先生が見に行ってくれてかなり危険だと言っていた」
 「はい。もう怖かったです」
 「まさか君が被害に遭うとは」
 「もう。ほんと怖かった」
 岡田有美は怖さから同じ言葉を繰り返す。
 「あのマンションには住まない方が良いな。暫く俺の豊洲のマンションを使え」
 「でも一人では」
 「怖いか」
 「はい」
 「なら湯沢に来るか」
 「よろしいですか」
 「良いよ。二人には話しておく。部屋は余裕が有る」
 「すみません。頼る人が居なくて」
 「怖かったけど。どこも破壊されなかっただけ助かったな」
 「私が番組に出ているのを知っていたようです。仕事ができなくなるから外見は傷付けないと言っていました」
 「その男に思い当たる部分はないのだな」
 「はい。完全に顔は防護服とマスクとサングラスで隠していました」
 「体型は」
 「百七十前後で太っても痩せてもいません」
 「声は」
 「三十前後です。年配者の声ではなかったです」
 「連続拉致強姦事件の連中ではないな」
 「はい」
 「どうやら計画的に君を狙ったな」
 「いや。・・・・怖い」
 岡田有美は怯え切った表情で如月鬼堂を見る。
 本多椿が岡田有美の躰を支えるように両方の肩に手を充てる。
 「事は重大だ」
 如月鬼堂は怒りが修まってない。
 「他の人は大丈夫なのですか」
 岡田有美は本多椿と高嶋波瑠の事を心配する。
 「椿。君らも合宿するか」
 如月鬼堂はあとの二人も狙われることを懸念する。
 「波瑠と相談します」
 本多椿は病室の端に行って電話をする。
 だが高嶋波瑠の応答はない。
 「繋がりません」
 本多椿は如月鬼堂に報告する。
 如月鬼堂は館山弁護士に連絡してスタッフに高嶋波瑠のアパートに行ってもらう。
 留守との報告が入る。
 岡田有美は躰に障害がなかったので病院は退院して本多椿と三人で越後湯沢に引き上げた。
 如月鬼堂の周辺は騒然となる。
 そして高嶋波瑠が応答しなくなって三時間が経過した。
 如月鬼堂の焦りと怒りはつのるばかりである。
 愛好会の主な面々と荒井枝里、本多椿、岡田有美が集まった。
 樽常マネージャーも呼び出されて越後湯沢に来る。
 当面インターネットアダルト放送の打ち合わせは越後湯沢からテレビ会議とされた。
 
 時間軸は少し戻る。
 高嶋波瑠は鬼塚槙登の罠で来島結奈のスマホを使って誘い出された。
 また武州鉄道の新長瀞駅である。
 来島結奈の声を編集して新長瀞駅のトイレに隠れていた。
 バッテリーが残り僅かなの。来島結奈の声はそう言って一方的にしゃべった。
 失跡じゃなくて彼氏と揉めて全裸でトイレに隠れている。なんでも服を持って来て欲しい。それだけで切れてしまった。
 高嶋波瑠はその連絡で飛び出した。
 岡田有美の会議欠席の夜である。如月鬼堂らがさらに怒り強く騒ぐに至る少し前であった。
 この拉致は闇サイトから依頼した。
 高嶋波瑠は岡田有美が夜中に新長瀞の駅に放置される日の午後に拉致されていた。
 依頼を受けたのは寺門一である。
 寺門一は女装してトイレにキャリーバッグを持って潜んでいた。
 防犯カメラの死角から進入していて電車で発ち去った。一駅先で降りる。その駅には防犯カメラはまだ設置されてない。
 其処から偽ナンバーの車でNシステムを避けて運び去る。
 来島結奈はその前日に拉致されていた。
 これを引き受けたのは玉川亮である。
 寺門一も玉川亮も引き渡し場所まで運んで車を放置する。其処から別の偽ナンバーに替えて鬼塚槙登が回収する。
 総て一回の作業が前金二十五万。後金七十五万である。金は闇サイトを通して膨大なマネーロンダリングシステムを介在して入金される。
 鬼塚槙登と寺門一らの接点はまったく無い。
 寺門一らへの依頼は闇サイトを通して川口の会長が行う。
 
 時間軸は十月四日に戻る。鬼塚槙登の山荘である。
 来島結奈も岡田有美の様に床に磔にされていた。
 躰は両脚が広がった船の碇の様な形にされ膝から脚首に縄を掛けられ左右の離れた所から引っ張られている。今度は革の拘束具ではない。
 岡田有美の時と同じ様に腰の両側をやや斜めに鉄パイプが押さえている。手首は縛り合わされ頭の上に伸ばされて離れた場所から引っ張られていた。
 来島結奈は細く締まった躰なので股間が強く広がる。
 その状態で眠らされ放置されていた。
 鬼塚槙登は次の生け贄である高嶋波瑠をキャリーバッグに入れて戻ってくる。
 来島結奈を磔にしたエリアは黒い幕で四方を仕切られていた。
 鬼塚槙登は高嶋波瑠をキャリーバッグから出す。
 麻酔を強化して一度縄を解く。
 服を脱がせて全裸に剥いてしまう。
 来島結奈を磔にしている黒い幕で囲んだ隣のエリアに同じように磔にした。二人は逆方向に互いに幕を挟んで股間を向け会う位置に置かれている。
 先に来島結奈を責めるので高嶋波瑠は其処に放置した。
 
 その頃。珠洲と瀬里菜は如月鬼堂に関連した女性全てに安否確認の連絡をしていた。そして来島結奈に連絡が付かないことが明白となる。
 高嶋波瑠共々安否は判らない。
 これまでとの違いは動画が公開されないことである。
 公開されたところで一般人ほどリスクはない。だが怒りは沸く。
 犯人の鬼塚槙登は公開するより自分だけのコレクションに残したいと考え直した。
 「まだ他にも狙われるのか」
 如月鬼堂は怒りと不安にどうにも落ち着かない。
 「先生。女性を暫く何処かに集めて安全を確保するしかないですよ」
 杉下一行は如月鬼堂の越後湯沢でも全員収容は難しいと思う。
 女性だけ集めても危険である。
 それに越後湯沢では仕事に出られない。
 「有美と椿、波瑠は此処からスタジオだけ一緒に行くつもりだった」
 「その三名は樽常マネージャーのクラブの仕事を暫く休んでも他の人はそうは行きません」
 「ならばどうする」
 如月鬼堂は苛立っている。
 「大宮のプレイルームに限定しても難しいですね」
 「暫くは休んで貰うしかないです」
 館山弁護士は休業已む無しの意見である。
 「それでも何処に収容する」
 「此処と宇佐美では」
 「まさか警備員を付ける訳にも行きません」
 「そんな者じゃ充てにならんよ」
 「そうですね」
 「全員此処に収容が無難ですよ」
 「このマンション。空室物件がありませんか」
 「有る。激安で。だが登記の印紙代は確り掛かる」
 「此処にプレイルームは意味ないですね」
 杉下一行もさすがに一時的に買う訳には行かないと理解すた。
 「そうでもない。私のお客は使うよ」
 本多椿は人によって此処でゆっくりも悪くないと考えている。
 「そうよ。私達のお客で時間中ずっとプレイする人はいない。温泉と料理が有れば長時間コースができるよ」
 岡田有美も本多椿の意見に同意する。
 「取り敢えず買い取って後日改造して露天風呂でも付けるか」
 如月鬼堂も納得する。
 「良い考えですよ」
 福富麻二郎も評価する。
 直ぐに交渉が行われた。
 
 鬼塚槙登の山荘である。
 鬼塚槙登は来島結奈の躰を愉しむことに没頭していた。
 念願が敵って全裸美人コンテストの優勝者三人を自由にできる。
 眠らせた来島結奈に存分に挿入ができた。
 次は逝き顔、悲鳴、羞恥の姿が愉しみたい。
 岡田有美と同じ細身タイプだが躰の締まり方は微妙に違う。どちら悪くない。どちらも愉しみたい。
 来島結奈は岡田有美に比べて躰の色はやや濃い。
 どちらも肌の肌理は細かい。乳房の形は類型としては岡田有美とあまり変わらない。
 来島結奈の乳輪は乳首の周りに僅か。標準サイズの乳房に紅色の濃い乳輪と乳首である。
 乳首の紅は強いが突起は標準サイズと言える。
 ドテの黒い塊は岡田有美と同じように処理されていた。
 鬼塚槙登は来島結奈が眠っている間に一枚刃の剃刀でじっくりその部分を愉しみながら剃ってしまう。
 大陰唇からアナルにかけて僅かに生えるのを入念に細かく剃る。
 そしてその部分をじっくり観賞した。
 楕円形にくっきりと赤い皮膚が強調される。その真ん中に女の部分が露である。クリトリスは包まれてその下にびらびらが二枚閉じ合わせていた。
 どこを探っても良い躰である。
 鬼塚槙登は何をして意識を戻させるか考える。
 そして究極の責めからと決めた。
 岡田有美に使った銅線を二系統トランスに繋いで来島結奈の躰の左右に流す。
 洗濯バサミを多量に持って来る。
 来島結奈の乳房の上の方から乳首、乳房の下と三センチ置きくらいに臍の横を通して膝の手前まで銅線と一緒に挟んで鋏み付けた。
 左右二系統同じように付ける。
 さらに洗濯バサミを凧糸で繋ぐ。
 鬼塚槙登の加虐心は滾りわくわく感が沸騰する。
 鬼塚槙登は一気に電流を流す。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうう、うーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐうう、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰は強く小刻みに震撼する。
 鬼塚槙登はある程度で一度電流を切る。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーー。ああ。ああ。ああ」
 来島結奈の激しい息遣いは徐々に治まる。
 「なにーーーー。なによーーーーーーー」
 衝撃が弱まって来島結奈は置かれた驚愕の事態に驚き叫ぶ。
 「なによ。これーーーーーー」
 来島結奈は辺りを見回してさらに叫び続けた。
 「あーーーーーー。連続拉致強姦事件」
 そして来島結奈はさらに恐ろしい事態を理解して喚く。
 「俺はその弟子だ」
 年配者の声ではない。
 男は一人しか見当たらない。
 周りは黒い布に囲まれていた。天井は照明が強過ぎて構造は判らない。
 来島結奈はまた模倣犯だと思った。
 自分が被害に遭うとは思ってもいない。一気に恐怖のどん底に堕ちる。
 鬼塚槙登は二回目の電流を流す。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうう、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰はまた強く震撼した。
 「くうお、おーーーーーーーーーーー。くうおーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰は迫上がり太腿の筋肉は怒張している。
 次の瞬間失禁尿が流れ出す。
 「あーーーーーー。ああーーーーーー。あーーーーーーだめーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は止まらない失禁に慌てふためき狼狽した悲鳴をあげた。
 鬼塚槙登は満足を噛みしめる。
 そして来島結奈の失禁尿が水溜まりとなった床をモップで拭く。
 「さあ。これを一気に引き飛ばすぞ」
 鬼塚槙登は洗濯バサミを繋いだ凧糸を二本掴んでいる。
 来島結奈は自分の躰を縦に乳房から太腿に繋がった洗濯バサミに驚愕する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は恐怖の表情を破裂させて叫ぶ。
 「助けてーーーーーーーーーー」
 来島結奈は思わず叫ぶ。
 「誰も来ることはないぞ」
 鬼塚槙登は愉快そうに笑っている。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は泣き叫ぶ。
 大きな印象的な目が悲痛に驚愕の視線を放つ。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 まだ叫ぶ。
 鬼塚槙登は天井から下がったフックに凧糸を二本纏めて通す。
 それを手に巻いて構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈はその構えに断末魔の悲鳴を上げる。
 鬼塚槙登はその悲鳴を噛みしめながら腕に体重を掛けて一気に引っ張った。
 「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうあーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の躰は強烈に震撼する。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は猛烈な痛みに暴れ狂ったように悲鳴を上げ続けた。
 鬼塚槙登にはこれまで蓄積してきた不満の溜飲を下げる。
 「あーーーーーーん。ああーーーーーー。あーーーーーー。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 来島結奈は痛みに藻掻き続けた。
 荒い息遣いはなかなか修まらない。
 来島結奈はタクシーで帰宅した。アパートの手前まで人通りはある。
 たがアパートの裏は人目がない。
 玉川亮は其処に潜んでいた。
 来島結奈がドアを開ける瞬時を狙った。後ろから麻酔を当てて部屋の中に押し倒す。
 車からキャリーバッグを持って来て来島結奈の部屋の中で詰める。
 キャリーバッグごと車に積んで走り去った。
 車は偽ナンバーである。
 眠らせたまま途中で置き去りにする。鬼塚慎登にリレーされてこの池の下の地下室に運び込まれた。
 麻酔で眠らされて意識を戻したのは今しがたの電流責めである。
 来島結奈は恐ろしい痛みにまだ藻掻き続けていた。
 男の姿は防護服、マスク、サングラスで連続拉致強姦事件の犯人と同じ姿である。
 来島結奈は痛みがやや緩やかになるとドテの陰毛が剃毛されていることに気付いた。眠らされている間に何をされたか。更なる恐怖に苛まれる。
 来島結奈は岡田有美の拉致を知らない。
 「さあて次は蝋塗れだ」
 鬼塚槙登はまた恐ろしい宣告をする。その指差す先に何本もの蝋燭に火が点いて芯の周りに蝋涙が溶けていた。
 「あーーーーーーーーーーー」
 来島結奈はそれを見て恐怖の悲鳴を上げる。
 鬼塚槙登は蝋燭を二本持つ。
 一本目を右脚の太腿の洗濯バサミが鋏んだ痕に流す。芯の周りに多量に溶けた蝋涙が一気に太腿を包む。
 「はあ、あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴が上がる。
 来島結奈の目は見開いて鬼塚槙登を見る。
 鬼塚槙登はもう一本を乳房に流す。
 「うーー。うーーううーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は顔を真上に反らして甲高い悲鳴を絞り出した。
 鬼塚槙登は来島結奈の悲鳴を愉しみながら容赦なく有るだけの蝋燭を流し続ける。
 来島結奈の躰は蝋涙で真っ赤に染まった。
 鬼塚槙登は蝋涙が固まるのを待つ。
 蝋涙はドテまでしか被ってない。その下にカメラを向けて女の部分を観察しながら撮影する。
 縁はやや小豆色だが綺麗に縦長に細く閉じ合わせていた。捲ると中は緋色である。
 来島結奈は怒りと恥かしさに塗れた表情を逸らせて堪え続けた。恥かしさよりもっと怖いことが待っている。
 鬼塚槙登はクスコを取り出す。それをもう一度びらびらを指で開いて膣口にクスコを押し込む。
 「うーーーーー。なにするのーーーーーーーーーー」
 「中をじっくり観察だ」
 鬼塚槙登は細い内視鏡カメラのような物をクスコの中に差し込んで入念に内部を撮影する。
 「そんな事しなくても。私の動画売っているよ」
 「知っている。入手したよ。でもそれ以上に克明に取りたいのだよ。内部の襞とかね。
 鬼塚槙登は細く小さい開口器を取り出す。
 「痛いぞ」
 それを子宮口に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー。いーーーーーーーたいーーーーーーーー」
 来島結奈は子宮口へ異物の進入に泣き叫ぶ。強烈に痛いのである。
 内部をカメラで撮影する。
 「ひーどい。そんなところまで。ううん。うう」
 来島結奈は痛みと堪らない無念さに嗚咽する。
 鬼塚槙登は子宮から開口器を抜く。別の開口器をクスコの二枚の金属の谷間に下がった尿道口に差し込む。
 「うーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は痛みにまた悲鳴を搾り出す。
 そして開口器から僅かに尿が流れ出た。
 クスコを広げて内部を撮影して終了した。
 鬼塚槙登は指で蝋涙の固まり具合を確認する。
 納得してパチンコとビー玉を持ち出す。Y字の形をした硬いプラスティックにゴムを張った昔のアイテムである。
 そのゴムにビー玉を当てて引っ張る。それで乳房に被った蝋涙を狙う。
 ビー玉は左の乳房に盛り上がった蝋涙を直撃する。
 「おーーーーー」
 蝋涙はひび割れる。だが落ちはしない。
 鬼塚槙登は右の乳房も狙う。
 こっちもビー玉は盛り上がった部分を直撃する。
 「うおーーーーーーー」
 蝋涙はひび割れるがこっちも落ちない。
 鬼塚槙登は先端が長方形のチップに成った一本鞭を持つ。
 「えーーーーーーーーー」
 来島結奈に怯えが奔る。
 鬼塚槙登はビー玉で砕いた蝋涙を払う様に叩く。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 砕けた蝋涙が大方落ちて乳房が剥き出しになる。
 「うおーーーーーーーーーー」
 鬼塚槙登は来島結奈の悲鳴を愉しみながら乳房と太腿から蝋涙を叩き落す。
 腹の蝋涙は殆ど一発で落ちてしまった。部分的に割れた蝋涙の欠片が点在している。
 鬼塚槙登は針を取り出す。来島結奈の広がった股間に指を当てる。クリトリスを包んでいる包皮を剥く。
 クリトリスの真下に針を横通しする。
 「ふぁあ、はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は甲高い悲鳴を絞り上げた。
 次は細い綺麗に閉じ合わせた粘膜を二枚重ねて貫く。
 「うーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー」
 さらに一本クリトリスを下から縦に貫いた。
 「うぐーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の甲高い悲鳴が鬼塚槙登の脳天を貫く。
 鬼塚槙登の躰は熱くなり限りなく加虐心は滾る。
 スタンガンを取り出した。
 クリトリスを横に貫いた針に当てる。
 「う、うう、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の表情を破裂した悲鳴である。それに鬼塚槙登はさらに興奮する。
 今度は縦に貫いた針に当てた。
 「はあーーーーー。ふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の表情は壊れている。情けなく崩れ涙が滲んでいた。
 鬼塚槙登の体が強い動機に震撼する。興奮が高まるばかりである。
 次は粘膜を貫いた針に当てた。
 「う、ぐうーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の顔は痛みに震える。
 鬼塚槙登はもう堪らない。
 鬼塚槙登は来島結奈に目隠しをする。さおを取り出してスキンを二枚重ねて着けた。
 クリトリスの針はそのままにして粘膜を貫いた針を抜く。態とゆっくり抜く。
 「あーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の強烈に甲高い悲鳴が空気と鬼塚槙登の脳天を貫く。
 鬼塚槙登は堪らず来島結奈の女に挿入する。
 「ううーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 来島結奈は藻掻く。
 それが鬼塚槙登の興奮度をさらに上げる。鬼塚槙登はまだ若い。堪らず一気に来島結奈の中で果ててしまう。
 来島結奈は藻掻き抗議し続けた。
 鬼塚槙登は終わってからビンタする。
 「うーーーーーーー」
 来島結奈は怒りの目で鬼塚槙登を見返す。
 もう一度鞭を持つ。先端が四角い革の蝿叩きの様な鞭である。
 それで来島結奈の顔をビンタする。
 「ぐううーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は痛みと屈辱感に一気に涙を溢れさせた。
 鬼塚槙登はさらに叩く。気分はさらに滾っている。
 「お前はSMモデルだ。躰の表面に傷は残したくない。だが子宮は入らないな。焼いてしまおう」
 鬼塚槙登は淡々と脅しを掛ける。
 「やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 来島結奈は追い詰められて泣き叫ぶ。
 「何処も損傷しないで帰りたいか」
 「あーーーーーーーー。かえりたいよーーーー」
 来島結奈からさらに涙が零れる。
 「躰を損傷したくなければ穴だけ大人しく使わせろ。どうだ」
 鬼塚槙登は強い口調で鞭を構えた。
 「判ったよ」
 来島結奈は躰に傷を残さないためと観念する。
 鬼塚慎登はもう一度スキンを二重に着けた。
 来島結奈は力を抜いて躰を床に沈める。
 鬼塚慎登は来島結奈を大股開きに固定した左右の太腿を掴んで女の部分に挿入する。
 
 十月五日。
 来島結奈は深夜に中津川大橋の歩道の脇に開放された。キャリーバックに入れたままである。
 これも如月鬼堂の通販サイトのメールアドレスに通知された。
 救出は警察に通知する。
 高嶋波瑠の行方はまだ判らない。
 来島結奈は秩父の病院で意識を回復した。
 警察の聴取には岡田有美と変わらない供述である。
 如月鬼堂は荒井枝里を伴って病院を訪れる。
 来島結奈はかなり衰弱していた。
 「怖い所です。天井が高い地下室でした。普通のタイプの若い男です」
 来島結奈は如月鬼堂と荒井枝里を見て安堵したのか一人しゃべりだす。
 「やはり顔は判らないか」
 「防護服の頭部の覆いが額と顎を隠して大きなマスクとサングラスで」
 「そこは同じだな」
 「客で思いあたるとかも無いな」
 「無いです。お客は全部もっと年配者です」
 「そうだな。若い男は危険だ。指名を取らない方が良い」
 「はい」
 「聴取した女刑事は身体に残ってしまう損傷はないと言っていたが。かなり危険か」
 「子宮を焼くと脅されて大人しくやらせろと。最初に電流で責められました」
 「安全な範囲ではあるな」
 「部屋の入口を開けた瞬間後ろから押さえられて。気付いたのが電流責めでした」
 「岡田有美と拉致の方法は変わらないな」
 「その場所に高嶋波瑠は居なかったな」
 「いいえ。・・・・・えっ。それでは波瑠も」
 「波瑠が行方不明になって。他の安否を確認したら君が居ないと判明した」
 「それ以外は」
 「最初に岡田有美が拉致されて解放された。内容は君が話した事と変わらない」
 「先生の関係者と判って拉致していますね」
 荒井枝里の見解である。
 「ここまで全裸美人コンテストの優勝者ばかりだ」
 「あーーー」
 荒井枝里も事態を理解した。
 犯人はクラブの客や会員とは限らない。
 愛好会の会員や樽常マネージャーのクラブの客に若い男は皆無に近い。
 インターネットアダルト放送が行う全裸美人コンテストの動画は不特定多数に販売されている。
 ダウンロード販売も行っていた。
 如月鬼堂は高嶋波瑠の安否が心配である。
 
 高嶋波瑠は床に磔状態で躰に蝋涙を流され意識を回復した。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーー。あはああーーーーーーーーーーん」
 高嶋波瑠は蝋涙の熱に悲鳴を上げる。
 経験がない訳ではない。新長瀞のトイレで襲われて丸一日以上眠らされていた。
 そこへ蝋涙の洗礼である。
 それも溶けた液を一気に流し掛けられた。
 次に全裸で磔にされていると判って目を見開き霞む状況に目を凝らす。
 天井の照明が異常に明るい。
 続いて自分が完全に全裸であると認識する。
 男が一人。防護服に身を包んでいる。サングラスにマスク。
 自分も岡田有美と同じ事態に置かれたと理解する。
 一気に恐怖に怯えてしまう。
 「気が付いたか。お前が三人目だ」
 高嶋波瑠の想定にない若い声である。
 三人目。岡田有美と自分以外にも誰か犠牲者がいるらしい。
 高嶋波瑠にも連続拉致強姦事件の犯人とは違うと思えた。
 躰中に蝋涙を掛けられているがそれほど熱くはない。
 股間の開き方が強過ぎる。蝋涙は股間の周囲には掛かっていない。
 防護服の男鬼塚慎登は高嶋波瑠の綺麗に整えた陰毛にローションを掛けた。
 高嶋波瑠には直ぐ剃毛されると判る。
 ただで剃毛されるのは悔しい。だがそれ以上の危険が迫っている。
 「お前の剃毛が一番愉しみだった」
 鬼塚慎登は高嶋波瑠を前に悦びに浸っていた。一枚刃の剃刀を手に取る。
 高嶋波瑠に緊張が奔った。首をもたげてドテを見下ろす。
 高嶋波瑠の陰毛はドテの三角形だけである。陰毛は両側から下向きに弧を描いて靡く。両側から合わさった中央部が濃く盛り上がっている。
 綺麗な陰毛の形である。
 鬼塚慎登はそれを斜め下から剃刀で剃り上げて行く。
 高嶋波瑠はそれを悔しさと警戒心を込めて凝視していた。
 既に恥ずかしさはない。
 大方の陰毛は直ぐに剃り落とされてしまう。
 そのあと鬼塚慎登はじりじりと剃り残しに皮膚表面を剃刀で舐める。
 入念に拭いてパイパンにした皮膚の触り心地を愉しむ。
 高嶋波瑠は医療手袋をした男の手、体の動きから何か特徴を捉えようと観察する。
 如月鬼堂が言っていた。人は後ろ姿でもそれなりに特徴は有ると。
 だから男の特徴を焼き付けようと観察し続ける。
 鬼塚慎登は高嶋波瑠の膣にクスコを挿入した。
 高嶋波瑠にまた緊張が走る。
 見られるくらいはどうでもよい。怖いのは躰に損傷を受けることである。
 鬼塚慎登はクスコの中を内視鏡の様なカメラを差し込んで撮影する。
 「ねえ。岡田有美をどうしたの」
 高嶋波瑠は意を決して聞いて見た。
 「もう病院に収容されているだろ」
 鬼塚慎登は簡単に答える。
 解放されたと確認した。だがどの様な状態かが問題である。
 「どうしたの。何をしたの」
 高嶋波瑠は堪らず追及する。
 「何をしたかな。裸を愉しませてくれる女だ。躰の表面に傷は付けてないよ」
 鬼塚慎登はぬけぬけとそう言う。
 「内部に何をしたの」
 さすがに高嶋波瑠の声は震えていた。
 「今のところ何も破壊はしてない。あとはあんた次第だ」
 「私次第で何をするの」
 高嶋波瑠には強い怯えが奔っている。
 「子宮を焼く」
 鬼塚慎登はぼそりと言う。
 「やめてーーーーーー。いやーーーーー」
 高嶋波瑠は堪らず叫ぶ。
 「あんた次第だよ。抵抗しないで気持ち良くやらせろ。キスも受け入れろ。さらに抵抗しないで逝き顔をみせろ」
 「判ったよ。そうしたら帰してくれる」
 高嶋波瑠は怯えた声で確認した。
 「前の二人と同じようにな」
 鬼塚慎登は淡々と答える。
 そして一物を出してスキンを二重に掛ける。
 クスコを抜く。
 そのまま大股開きに固定した高嶋波瑠の女に挿入してしまう。
 乳房に被った蝋涙を手で割って生の乳房を掴む。
 鬼塚慎登は高ぶった気持ちのまま膣の奥まで強く突く。
 一回目は僅かな時間で果ててしまう。
 鬼塚慎登は先端が蝿叩きの様な四角い革の鞭を持つ。
 その先端でスパンキングの様に高嶋波瑠の躰に被った蝋涙を叩き割る。
 「うーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠は悲鳴を上げた。蝋の膜の上からでも痛い。
 鬼塚慎登は高嶋波瑠の悲鳴が愉しみたい。強く叩く。
 「うおーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠の表情は究極に歪む。
 鬼塚慎登は続いて太腿に被った蝋涙を叩く。
 「おーーーーーーーーーー」
 蝋涙は一発で砕けた。
 剥き出しになった艶かしく色白で肌理の細かい太腿を鞭の先端に力を込めて叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠も鞭はこれまでに何度か受けている。
 それでもこの男の叩き方は痛い。
 鬼塚慎登は動画やインターネットアダルト放送で見ていて高嶋波瑠のこの太腿が一番叩きたかった。
 今はその至福の時である。
 もう片方も蝋涙を叩き割る。
 「ぐうーーーーーーーーーー」
 少し残る。
 表面をはたくように叩いた。
 「うーーーーーーーーーーー」
 さらに上から叩く。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠は涙目に成っていた。
 次に鬼塚慎登は鞭を横に持つ。
 柔らかい内腿を叩く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーん」
 既に両方の太腿は薄く紅の煩悶が広がっていた。
 次は乳房に叩きつける。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠は悲鳴を搾り出す。
 鬼塚慎登はさらに反対側の乳房を叩く。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠の悲鳴は腹から搾り出している。乳房を革の表面で強く叩かれると痛烈に痛い。
 鬼塚慎登は数回左右交互に叩いて高嶋波瑠から涙が溢れるのを確認して終わりにした。
 次は浣腸器を持ち出す。
 便を抜いて両方の穴から柄付きのローターで責める目論見である。
 何としても高嶋波瑠の逝き声を聞きたい。
 さらに失禁が見たい。
 浣腸器のシリンダーに冷たい井戸水で溶いた石鹸液を吸い上げる。
 高嶋波瑠は慄く。冷たい浣腸液を注入されると強烈に腹が痛くなると分かっていた。
 鬼塚慎登は浣腸器を高嶋波瑠のアナルに刺し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 高島波瑠は直腸に入ってくる冷たい液に悲鳴を上げる。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹が痛み出す。
 鬼塚慎登はアナル栓を刺し込む。
 「あーー。もう無理」
 高島波瑠は眉間に皺を寄せてそう訴える。
 「少しだけ待て。全部綺麗に抜くのだ」
 鬼塚慎登の目的は直腸を綺麗にすることである。
 「ううーーーーーーーーーー」
 高島波瑠は苦しみ藻掻き続けた。
 鬼塚慎登はそれを暫く眺める。
 「だめーーーーーーーー。もう抜いて。いたいよーーーーーー」
 高島波瑠は泣き悲鳴を上げた。
 鬼塚慎登は簡易便器を持って来る。それを高嶋波瑠のお尻の下に差し込む。
 そしてゆっくりアナル栓を抜く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 ずぶーーーーーーーーーーーー。
 悲鳴と大音響が混じって茶色い水が流れ出す。続いて溶けた便がカレー状になって流れ出る。
 「う、ううーー」
 高嶋波瑠は最後まで痛みが去らない。苦しい排便を搾り出す。
 鬼塚慎登はアナル付近を濡れタオルで拭く。そのままアナル開口器を差し込む。アナルを広げてぬるま湯を流す。
 直腸を洗って内部を綺麗にした。
 膣にもう一度新しいクスコを挿入する。一度抜いた物は袋に入れて保管する。高島波瑠の膣液が付着しているからである。
 「さあ。拒絶するなよ。これを受け入れるのだ」
 鬼塚慎登は電動歯ブラシの様な形で先端にL字にローターが付いた小道具を翳す。二本持っていた。
 如月鬼堂が良く動画で使う方法である。
 このアイテムは杉下一行のショップで販売していた。そこのオリジナル商品である。通販でも買える。
 
 如月鬼堂が樽常マネージャーのクラブで働く愛好会紹介の女性を全部越後湯沢に合宿させてしまったのでそれ以上被害は出ないと思われた。
 一人漏れがあった。椋木美弥である。椋木美弥は長野のプレイルームを使っていた。
 樽常マネージャーの真性奴隷女の館から指名はできるが長野のSM倶楽部黒の館の所属である。
 その黒の館のマネージャーから椋木美弥が消息を絶ったと連絡が入る。その連絡は樽常マネージャーと如月鬼堂の両方に来た。
 プレイが終わって常連客は先に帰る。
 椋木美弥が部屋に残って後から出るのはいつもの事である。このマンションはエントランスにしか防犯カメラは付いてない。
 常連客が帰ったのは防犯カメラに映っている。椋木美弥が帰る姿は防犯カメラに無かった。
 椋木美弥は部屋で眠らされてしまう。マンションの裏からキャリーバックに詰めて東秀雄に運び出された。
 玉川亮の運転する偽装したタクシーが乗せて運び去る。
 途中に検問が居た。
 「お客さん何処で乗せられました」
 警察官の職務質問である。
 「長野駅です」
 玉川亮は違う情報を言う。
 「何処まで行かれますか」
 「上田まで」
 東秀雄は眠った振りをしている。
 そのまま途中でパッカー車に積み替える。東秀雄が中津川林道の引渡地点まで運ぶ。
 玉川亮は空車のまま長野方向に流す。客を乗せて長野市内に向かう。同じ検問を通る。同じ質問に答える。
 違う客を乗せて来たので全く疑われてない。
 客を普通に降ろしてそのまま積載車が待っているところまで回送で走る。積載車に積む時偽装ナンバーを外す。
 
 鬼塚慎登はアームの先端にミニローターの付いた二本のアイテムで高嶋波瑠を責める。
 一本はアナルの中に差し込まれて膣と近い部分を責めていた。
 もう一本は膣の下側を責める。Gスポットの反対側である。
 「あはああーーーーーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波瑠は眉間に強い皺を刻んで大口を破裂させて逝き声を上げ続ける。
 要求通りに従ったのが半分だが既に責めに堪えられなかった。鬼塚慎登の技量ではない。アイテムの性能である。
 鬼塚慎登の次の狙いは失禁。既に電流責めの準備ができている。
 高嶋波瑠は何回か逝き顔らしきを晒した。
 鬼塚慎登はそれを自分の感覚で納得して高島波瑠を一度麻酔で眠らせる。
 クスコは抜き取って袋に密封した。
 クリップは使わない。洗濯バサミで二本の銅線を高島波瑠の乳房の外側に乳房の横から太腿まで三センチ置きに鋏んで行く。
 その洗濯バサミを凧糸で連環する。
 銅線の手前の先端をトランスの端子に接続した。
 鬼塚慎登は微電流を流す。
 高嶋波瑠の躰が微妙に震撼する。
 鬼塚慎登はやや電圧を上げた。
 「う、ううーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠は意識を戻す。
 目を見開き連なった洗濯バサミに慄く。
 「うーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠の大股開きに固定された躰が小刻みに震撼する。
 「あーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠の表情は蒼白になる。口を半開きに悲鳴を洩らす。
 鬼塚慎登はもう少し電圧を上げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめ。だめーーーーーーーーーー。漏れるよーーーーーーーーーー」
 高嶋波瑠は断末魔の悲鳴を上げる。
 鬼塚慎登の期待感が一気に高まった。トランスのスイッチに手を掛けて待ち構える。
 一秒。二秒。高嶋波瑠の躰は震撼を続けた。
 鬼塚慎登は高嶋波瑠の剥き出しに成っている女の部分に神経を集中する。
 既に透明な洗面器を広がった股間の前に受けてある。
 やがて閉じ合わせた女の部分から待望の失禁尿が流れ出した。
 鬼塚慎登は直ぐにスイッチを切る。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 小水は一分近く流れ続けた。
 鬼塚慎登は大満足である。
 二本の凧糸の手前の先端を摘まむ。それを天井から下がったフックを頭の高さに下げて通す。
 鬼塚慎登は糸の先端を持って身構えた。
 「行くぞ」
 「ああーーーーー」
 高嶋波瑠は恐怖の表情でそれを見て目を細める。
 鬼塚慎登は加虐心を滾らせて一気に凧糸を引っ張る。
 「ぐあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が鳴り響く。
 「あーーーーーーーーーー。ああ、あはああーーーーーーーーーーん」
 高嶋波瑠は堪えられない痛みに暴れ涙を溢れさせた。
 鬼塚慎登はその興奮状態で一物を出して二重にスキンを着ける。
 そそり起った一物を泣き藻掻く高嶋波瑠の女に挿入してしまう。
 片手で乳房を掴み片手を頭の後ろに回して後ろから顔を押えて唇を貪る。
 鬼塚慎登は高い興奮度で二回目なのに直ぐに果ててしまう。
 満足した鬼塚慎登は高嶋波瑠の無残な姿を一通り撮影した。
 唇の周りを消毒して水を飲ませる。
 そのまま麻酔を掛けてしまう。縛り直してキャリーバッグに詰めた。
 車に積んで林道の引き渡し地点に向かう。
 止まっていたパッカー車から東秀男の運んできたキャリーバッグを取り出して高嶋波瑠を入れて来たキャリーバッグを積み込む。
 椋木美弥を詰めて来たキャリーバッグを自分の車に積み出発する。
 高嶋波瑠はその後に寺門一が回収に来た。
 寺門一は偽造ナンバーを差し替えて出発する。
 そのまま川口の会長に指定された道順の通り走って三峰口付近の荒川の河原の横に着く。
 其処はカーブをくねくね降りて行く。河原と駅付近とは高低差がある。その道は殆ど車も人も通らない。
 一箇所だけ河原に降りられるところがある。
 ガードレールを越えて一メートルくらい下の河川敷にキャリーバッグごと放置する。
 寺門一はこの始末でも前金二十五万後金七十五万を得た。
 
 十月六日。越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 弁護士らと岡田有美、来島結奈、本多椿、新井枝里が集まっていた。
 椋木美弥の行方不明で如月鬼堂らは犯人の範囲を絞ることができる。
 椋木美弥は全裸美人コンテストには出ていない。さらに愛好会の会員以外動画も配給されてない。
 愛好会に対象となる若い男性は皆無である。
 長野のクラブ黒の館でプレイした客とほぼ限定された。
 顧客リストから絞り込む。一挙に七人に絞られた。
 偽名を使っている可能性は高い。その場合難航するのは必定である。
 館山弁護士、野崎弁護士、野村弁護士の事務所が手分けをして七人の所在を確認する。
 
 鬼塚慎登は椋木美弥を回収して来て池の底の下に造られた地下室に下ろす。
 麻酔を強化して服を脱がし始める。
 鬼塚慎登は椋木美弥の汚れた下着をこれからの責めへの期待を滾らせて脱がす。ショーツの汚れはじっくり確認した。
 椋木美弥の羞恥を暴いた事に躰が熱くなる。
 乳房を弄り乳首を弄る。太腿を広げて汚れた性器をじっくり確認する。びらびらを広げると薄橙の部分は乾いていた。
 悦びに浸りながら時間を見て作業に掛かる。
 床に埋め込まれた二本の鉄パイプの間に椋木美弥の腰を填め込む。
 手首を縛り合わせてその縄の先端を離れた床に埋め込まれたフックに厳重に固定した。
 膝から脚首に縄を掛けてその先端を離れたフックに強く引っ張る。張り詰めたまま固定してしまう。
 床にやや斜めに埋め込まれた二本の鉄パイプ。椋木美弥はそこに腰と太腿の折り目を引っ掛けて三方から三本の縄で大股開きに磔にされる。
 鬼塚慎登は椋木美弥の膣にクスコを挿入した。
 内部を広げて観察しながら小型カメラで詳細に撮影する。
 鬼塚慎登は椋木美弥には特別メニューを用意していた。それは憎しみからである。
 縞蛇を用意している。水の無い水槽に蓋をして管理していた。
 蓋を開けて二本のスネークフックで掴む。
 縞蛇の頭をクスコに挿入する。
 暫く中でピストンさせた。後ろから固定カメラが撮影している。
 椋木美弥に縞蛇を挿入したシーンを撮影して一度縞蛇を水槽に戻す。
 膣に刺さったクスコに電源に繋がった鰐口二つを接続する。
 鬼塚慎登は電源の摘みを三分の一くらい回す。
 一気に電流が椋木美弥の膣内を襲う。
 「うーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は意識を回復して藻掻く。
 長野のプレイルームで客を見送った。プレイは終わった筈である。
 その後片付けていた。そのうち突然眠ってしまったようである。自分は床に磔にされている。何故。
 「うーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 再び微電流が椋木美弥を襲う。
 「あーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はようやく拉致されてこの場所に運び込まれたと悟に至った。
 天井の照明が異常に強い。
 「あれを見ろ」
 若い男の声がして防護服の男が立っていた。モニターを指差している。
 モニターには女性が床に磔にされていた。広がった股間の正面から撮影しているので顔は判らない。
 一瞬カメラが切り替わって上からの映像になる。
 椋木美弥は今の自分の姿と判る。
 「あーーーーー」
 股間にはクスコが刺さって大きく広げている。
 スネークフックで掴んだ蛇がクスコに近付く。
 「えーーーーーーーーーー」
 今の自分に迫ってはいない。録画と理解する。
 蛇がクスコの中に入れられた。
 「ああーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はその光景に悲鳴を上げる。
 「いやあーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 クスコの中でピストンする蛇に椋木美弥は躰を硬直させた。そしてさらに悲鳴を上げる。
 「どうですか。お○○こに蛇の入ったご感想は如何でしょう」
 鬼塚慎登は悦びに浸った口調である。
 「やめてーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は堪らず叫ぶ。
 「ではもう一度」
 防護服の男は水槽からスネークフックで蛇を掴み出す。
 「いやーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は拒絶の悲鳴を上げる。
 「行きますよ」
 防護服の男は二本のスネークフックで掴んだ蛇を構えていた。
 「やめてーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。だめ。だめーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は慌てふためき叫ぶ。
 鬼塚慎登はこの姿にどれだけ期待したか。構わず縞蛇の頭は椋木美弥の膣を拡げたクスコに侵入する。
 「・・・・・・・・」
 椋木美弥の顔は叫びに破裂しているがあまりの恐怖に声は出ない。
 鬼塚慎登は暫くピストンを続けた。
 「あ・・・・・・・。あ・・・・・・。あ・・・・・。あ・・・・・」
 椋木美弥から断続的に掠れた叫びが漏れる。顔は大きな悲鳴を上げている時の様な破裂状態である。
 椋木美弥は蛇が初めてではない。それでもこの責めが苦手で堪えられない。
 鬼塚慎登は満足である。以前に長野のSMスラブ黒の館で指名を断られた。その怒りを今返している。
 恐怖に破裂し情けなく崩れた椋木美弥の顔から涎が流れていた。
 鬼塚慎登は満足して縞蛇を膣から抜き取り水槽に戻す。
 「あーーーーー。あはぁ。ああ。あはぁ。ああ。ああ。ああ」
 椋木美弥は恐怖の余韻から息を吐き出す様に震えた悲鳴を漏らし続けた。
 だが椋木美弥は恐怖がやや覚めて防護服の男が誰かほぼ確信を持ち始める。
 椋木美弥は鬼塚慎登を覚えていた。防護服に包んでいてサングラスとマスク姿でも体型の特徴と声で判る。
 だが気付いた素振りは見せない。
 恐ろしい拷問である。椋木美弥は全身に脂汗を掻いていた。
 躰は微妙に震えている。
 鬼塚慎登はクスコの中を洗浄液で洗ってぬるま湯で洗う。
 剥き出しの銅線四本を電源に繋ぐ。膣に新しいクスコを挿入する。
 それに先程使った鰐口クリップを接続した。
 四本の銅線を椋木美弥の躰の横と上に流す。
 洗濯バサミではなく黒い書類を挟むクリップを用意していた。
 銅線二本は椋木美弥の乳房の横から躰の側面に三センチ置きにクリップで鋏み付けてゆく。膝の横まで鋏み付ける。
 残る二本は乳房の上から乳首を鋏み腹の横を通して太腿を膝の上にまで鋏み付けた。
 椋木美弥はこの拷問の恐ろしさを知っている。
 鬼塚慎登は何をするか判らない。椋木美弥は危険な男なので二回目の指名を断った。それを逆恨みされたと思う。
 岡田有美が拉致された事は聞いていた。鬼塚慎登が犯人だと思う。
 解放されて若い男の声だったと聞いている。
 椋木美弥にとって今は安全に帰ることが最善。できるだけ鬼塚慎登を刺激しないことである。
 鬼塚慎登はクリップを鋏み終わるとそれを凧糸で繋ぐ。
 椋木美弥はこれを一気に引っ張り取る思考が分かっている。四本全部やられたら恐ろしい痛みである。
 さらにその前に電流で苦しめられる。
 堪えられるのか。また失神しかねない。失神したら何をされるか分からない。恐ろしい。
 「さあ。たっぷり電流責めで悲鳴を聞かせて貰おう」
 鬼塚慎登はまたクスコに電流を流した。
 「うーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は一気に顔を軋ませ躰を震撼させて悲鳴を絞り出す。
 「あーーーーー。・・・・・・あーーーーー。・・・・・・あーーーーー」
 絞り出す様な悲鳴は直ぐに小刻みな呻き声に変わる。そして躰も小刻みな震撼を続けた。
 鬼塚慎登は頃合いを見て電源を切る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥は暫く苦しい息遣いを続けた。
 鬼塚慎登はそれをじっくり観察して愉しむ。
 椋木美弥の息遣いが治まった頃合で乳房の二列に電流を流す。
 「あはあ・・・・・。ああ。・・・・・・・・・。ははあ。・・・・・・。ああ。・・・・・・。あはあ。・・・・・・・」
 また一気に椋木美弥の表情は軋む。躰はぶるぶる小刻みに早く震撼する。
 今度は早めに電源を切った。
 「あはあ。はあ。はあ。ああ。ああ。ああ」
 鬼塚慎登は椋木美弥の荒い息遣いの終わりを待って躰の側面を鋏んだ二系統とクスコに流す。
 「うおーーーーーーーーーーーー。ああ。・・・・・。あはあ。・・・・・。あはあ。・・・・・。あはあ。・・・・・。あはあ」
 椋木美弥の躰はがたがた震える。
 「あはあ。ああーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。でるーーーーーーーーーー」
 クスコの嘴の様な金属二枚の間に挟まった尿道から断続的にぱらぱらと小水が流れ出た。
 鬼塚慎登は直ぐにクスコの電流を切る。乳房の横の二系統はそのままである。
 「あーーーーーーーーーー。あはあーー。ああ。・・・・・・。ああーーーー。
・・・・・。ああ・・・・・。ああーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はがたがた躰を震えさせて潮を垂れ流し続けた。
 鬼塚慎登は乳房の横の二系統の電流も切る。
 「ああ。あはあ。ああ。あはあ。ああ」
 椋木美弥は苦しさの余韻に藻掻き躰は微妙に震えたままである。
 股間の前は潮が飛び散って斑に濡れていた。
 鬼塚慎登はそれを小さなかっぱきと塵取りで集める。
 それを透明なボウルに入れた。
 以外と色は濃い。
 椋木美弥はまだ震えが治まってない。
 鬼塚慎登は椋木美弥の躰の側面を三センチ置きに鋏んでいるクリップを繋いだ凧糸を軽く引く。
 その先端を天井から下がったフックに通す。先端を手に巻いて構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は次にくる強烈な痛みの恐怖に叫ぶ。
 「行くぞ」
 鬼塚慎登はマスクの下で笑みを浮かべて宣告する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥はヒステリックな叫び声を上げた。
 鬼塚慎登は体重を掛ける様に一気に体ごと下がって引っ張る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が轟く。
 床に磔にされた椋木美弥の躰は痛みに狂った様に暴れた。
 「あはあーーーーー。ああーーーーー。あはあーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 椋木美弥から辛い息遣いが暫く続く。
 乳房から太腿まで連なった二系統のクリップ。それが椋木美弥の藻掻きに揺れていた。
 鋏まれた肌理の細かい皮膚の痛々しさが伝わる。
 それが鬼塚慎登の加虐心をさらに滾らせた。
 上品かつ強い色香を放つ椋木美弥の美しさを完全に崩している。
 鬼塚慎登は残りの二系統を掴む。
 「やめてーーーーーーーーーー。もう。むりいーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は恐怖の表情を凍らせて叫ぶ。
 鬼塚慎登は益々満足である。加虐心は強く滾っている。
 天井から下がったフックにその二本の凧糸を通す。
 「お願いいーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。もう。ゆるしてよーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は泣き叫ぶ。
 大人の上品かつ完成した女のこの姿に鬼塚慎登の加虐心は沸騰する。
 一気に凧糸を引っ張った。
 「うおーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 椋木美弥のこれ以上ない強烈な悲鳴が地下室を震撼させる。
 「う、うおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の全身の痛みから絞り出す悲鳴はなかなか治まらない。
 そして僅かに失禁していた。
 鬼塚慎登がかっぱきで掃除した後に小さな潮溜まりができている。
 鬼塚慎登はさらに満足である。椋木美弥には何をしてもまったく罪悪感は湧かないらしい。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 椋木美弥からなかなか痛みは去らない。躰の震えと荒い息遣いは暫く続いた。
 「もう。何処までやったら気が済むの」
 椋木美弥は息遣いが治まって堪らず抗議する。
 鬼塚慎登は何も答えない。
 クスコに接続した鰐口グリップを外してクスコを抜く。
 ドロリとした膣液はしっかり付着していた。
 鬼塚慎登は代わりにもっと大きなクスコを挿入する。螺子を回して目一杯広げた。
 そして膣から抜いたクスコを椋木美弥の目の前に翳す。
 さすがに椋木美弥は涙を溢れさせた。
 鬼塚慎登はマスクの裏で哂っている。
 「まだ気が済まないよ。これからだ」
 鬼塚慎登は淀みのない声で宣告した。
 椋木美弥は恐怖に凍りつく。この若い男は何をするか計り知れない。
 鬼塚慎登は先程より大きく広がったクスコの中をもう一度詳細に撮影する。
 椋木美弥は怒りと恐怖に凍りついてそれにじっと堪え続けた。
 鬼塚慎登は撮影を終えて今度は細く小さな開口器を取り出す。
 椋木美弥に旋律が奔る。
 鬼塚慎登はそれをクスコの金属の嘴二枚の間に挟まれるように下がった尿道の亀裂に突っ込む。
 「うーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は堪らず太腿の筋肉を怒張させて甲高い悲鳴を奏でる。
 悲鳴は鬼塚慎登の全身を支配している加虐心を強く撫でた。
 鬼塚慎登の快感はひとしおである。
 小さな開口器を広げると僅かに潮が流れ出した。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は更なる痛みに悲鳴を絞り出す。
 鬼塚慎登は開口器を抜いて長めのブジーを取り出した。
 「あーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は何をされるか瞬時に悟る。
 鬼塚慎登はブジーの先端を椋木美弥の子宮口に突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥は悲鳴と共に躰を震撼させた。
 「ぐううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに椋木美弥は一気に涙を溢れさせる。
 鬼塚慎登はもう耐えられない。
 一物を取り出す。これまでの通りスキンを二重に掛けた。
 クスコを抜き取る。
 苦しむ椋木美弥に一物を一気に挿入する。
 「うう」
 椋木美弥は不本意な挿入に呻く。
 鬼塚慎登は興奮が絶頂である。僅かな時間で一回果ててしまう。
 それでも興奮は去らない。
 スキンを着け替える。
 椋木美弥は忌々しさと呆れを持ってそれを見ていた。
 椋木美弥の躰は痛みの上に力が抜けてまったく動けない。
 「子宮を焼いてやろうか」
 鬼塚慎登は一物を椋木美弥の女にもう一度滑り込ませて言う。
 「・・・・・・・」
 椋木美弥に旋律が奔る。恐怖に声も出ない。
 「嫌か」
 椋木美弥は拒絶する様に強く首を振る。
 「だったら俺が気持ち良くできるように躰も口も提供しろ」
 鬼塚慎登の顔は椋木美弥の真上である。
 「うん」
 椋木美弥は小さく返事の言葉を発する。
 鬼塚慎登は椋木美弥の顔にアイマスクを被せた。
 自分のマスクを外して椋木美弥の唇を貪る。
 鬼塚慎登は高まり過ぎた興奮にまたも数分で果ててしまう。
 鬼塚慎登は椋木美弥の躰にもう一度凧糸で繋いだクリップを乳房の上から二系統付け始めた。
 椋木美弥の躰の痛みはまだ治まってない。その上から同じ拷問をしようというのである。
 「やめてーーーーーーーーーー。もう耐えられない。むりですーーーーー」
 椋木美弥は泣き声の混じった悲鳴で赦しを乞う。
 「今度は二時間だ。如月鬼堂の本に書いてあったぞ」
 鬼塚慎登は当然の事の様に言う。
 「違う。それは乳首に洗濯バサミよ。こんなの全身に付けて二時間はむりよ。むりですーーーーー」
 椋木美弥は到底耐えられないと抗議する。
 「それを如月鬼堂に近いあんたで試すのだよ。実験結果は鬼堂先生のご参考になる」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。もう耐えられない」
 椋木美弥はさらに涙を溢れさせた。
 鬼塚慎登は淡々と椋木美弥の躰にクリップを鋏み続ける。
 「一通り苦しむのを愉しんだら麻酔で眠らせてやるよ」
 鬼塚慎登は運び出す時間に合わせて計算していた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 空気が澄んで麓の街が綺麗に見渡せる。
 川口の会長は確り鬼塚慎登の拉致拷問の流れを見張っていた。
 「被害者が如月鬼堂の身内でSM嬢では大きな騒ぎにならないな」
 「動画が公開されない。それと身体に大きな損傷がない。館山とか言う敏腕弁護士が抑制しているのだろう」
 川口の会長の見解である。
 「そうか」
 「その若い奴の失敗はないのか」
 医者の男である。
 「多分どこかでやり過ぎる。失敗は充分にある」
 「こっちに影響はないのか」
 「ない。前金二十五万後金七十五万の連中が捕まっても問題ない」
 「それはそうだな」
 「その若いのは捕まるのか」
 「警察より如月鬼堂を取り巻く三人の弁護士だ」
 「知っている女を狙ったのが不味いな」
 「そうだ。インターネット放送に出ている女だけにすれば良かった」
 川口の会長は危険を察知していた。
 「止めなかったのか」
 医者の男は真意を追及する。
 「こいつは捕まるか自爆が良い。でなければ何時までも続ける。そうなると若いだけに危険度は高くなる」
 「処分するのか」
 「手は打ってある。奴は池の地下で自爆だ」
 川口の会長は既に後始末のシナリオも完成していた。
 「仕掛けたのか」
 「奴が中津川林道の所定の場所に女を運ぶ間に依頼した」
 「あの三人にか」
 「まさか。闇組織の刺客だ」
 「赤字では」
 「そこまでは行かない。もとより遊びた」
 「儲けに成らなくとも良いか」
 「そうだ。起爆装置を池の底に置いて来てもらっただけだ」
 「起爆装置を毎日解除しなければ日付を跨げば爆発する」
 「警察が捜査に来た時に爆発すれば良いのに」
 「そうだか余計な操作は危険だ」
 「なるほど」
 「ところで我々の遊びはないのか」
 「まだ何も来ないな。コロナは今のところ収まりつつある」
 「あの旅館の女将には失敗したな」
 葬儀会社の社長である。
 「最大の効果を愉しもうとしたのが金だけやってしまった」
 川口の会長も悔しい。
 「コロナの第六波は来ないのか」
 「うーん。終息の可能性が高いな」
 「事故系の女は来ないのか」
 「館山弁護士が止めているのだろ」
 今日は魚介類が沢山届いている。
 鉄板ではなく網焼を楽しむ。
 「旨い物は不自由しないが愉しみは若い女躰の旨味だ」
 「この鮑の様に焼きたいな」
 活きた鮑を火に掛ければ貝殻の上でくねくね踊る。動かなく成ったら焼き上がりである。
 「女躰破壊コース。一回五百万とかな」
 その間にも鮑が焼け帆立が焼けた。香ばしい香りが立ち込める。
 「拉致はもう何回も出来ないしな」
 「そうだ。危険なのは我々になってしまう」
 「まあ。暫くあの若い男の末路を見物だな」
 「俺たちを捜査している専従捜査班の奴ら罠に掛けられないかな」
 「考えて見るか」
 
 鬼塚慎登は椋木美弥の躰にクリップを鋏み終えて二時間を待った。
 椋木美弥には痛みに耐え続ける二時間である。その後に途轍もない痛みが待っている。
 それが終われば眠らされて病院のベッドで目を覚ませるのか。それを祈る以外ない。今の痛みだけでも既に耐えられない。
 鬼塚慎登は二時間丁度で立ち上がる。
 「行くよ。最後の拷問だ」
 鬼塚慎登はそう宣告して凧糸の先端を拾う。これまでと同じ様に天井から下がったフックに先端を通した。
 「じっくり一個ずつ外して行きたいが時間がない」
 鬼塚慎登は恐ろしい目論見を呟く。
 椋木美弥に恐怖の旋律が走る。この磔にされた状態でそれをやられたら。あまりにも恐ろしい拷問である。
 鬼塚慎登の手に凧糸の先端が巻かれた。
 椋木美弥の恐怖に凍りついた表情。それに加虐心を込めて膝を屈めて一気に引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 二系統のクリップは一気に空中に浮く。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーー」
 椋木美弥の躰は強烈に暴れた。失禁尿が細かく飛び散る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間椋木美弥は白目を剥いてしまった。
 鬼塚慎登は直ぐに上から麻酔を当てる。
 磔縄を解いて高手小手に縛り直す。そのままキャリーバッグに詰め込む。
 中津川林道の所定の場所に置いて戻る。何処に解放されるか鬼塚慎登は知らない。
 愉しみは終わった。短い人生でこれ以上の悦びはない。
 だがこの後の末路は全く想定になかった。
 
 椋木美弥は中津川三峰口線の逆巻きの滝付近に放置された。かなり乱暴な放置である。
 同じ様に如月鬼堂の販売サイトのメールアドレスに解放の通知が届く。
 警察に通報して回収して貰う。
 警察と救急隊が到着したとき椋木美弥は麻酔が覚めていて痛みに喚きちらしていた。
 全身麻酔と局部麻酔が打たれ翌日病院で意識を戻す。
 意識を戻すとまた狂った様に喚きちらした。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 如月鬼堂が館山弁護士と訪れてようやく落ち着く。
 「奴は鬼塚慎登です。顔は見えませんでした。でも微妙に判るのです」
 椋木美弥は強い怒りと覚めない苦しみからきっぱり断言してしまう。
 如月鬼堂らの絞り込んだ一人である。そして館山弁護士らは残る六人がほぼ犯人になり得ないと確証しつつあったところである。
 館山弁護士が警察に自分らの調査結果を含めてそれを説明した。
 鬼塚慎登が家に居なかった事は野崎弁護士が確認している。
 担当した女性刑事はそれを理解した。
 所轄は鬼塚慎登の山中の自宅に向う。家には帰った形跡がない。
 郵便受けには何も入ってない。郵便局に確認して二日前には集配物があった事を確認した。
 捜査員二人を残して周辺の聴込みに回る。残った捜査員は車のタイヤ痕が池の裏まで続いているのを確認する。
 そして池の裏の奥の反対斜面の中腹に車を発見した。
 そして車のトランクに重たい荷物を運び入れた傷も発見する。
 直ぐに捜査班を呼び戻す。
 椋木美弥を初め地下室の様な場所という被害者四人の供述は一致していた。
 赤外線スコープが持ち込まれ母屋から周りの地中を調査する。
 母屋の下には何もない。母屋の外から確認した構造の範囲で四人の供述通りの縛りを行えるスペースは考えられない。広いスペースが必要になる。
 鬼塚慎登は警察の動きを地下室から確認していた。
 警察が自分をマークした事態を悟る。
 急いで闇サイトの相談者に連絡を取るが既に契約したアドレスは廃止されていた。
 見捨てられたのである。
 中に隠れて食糧、酒のストックはかなり有った。
 電気は太陽光発電から地中で分岐して直接取っている。
 池の下のこの地下室がばれなけれは当分は籠城できると考えた。
 最後は池の水を流し入れて自殺しかない。外に出ても自分が容疑者となっていれば逃げ切れない。
 鬼塚慎登は考え続けた。自分は何処で失敗したのか。
 椋木美弥か。他の三人は自分を知らない。椋木美弥が自分と感じ取って警察に話したに違いない。
 母屋に仕掛けた隠しカメラの録画を確認する。
 二日前に以前テレビで見た野崎卓郎弁護士と数名の姿が確認された。
 椋木美弥を解放する前である。ようやく長野のクラブの顧客リストから割り出されたと理解する。
 椋木美弥を浚ったことで自分が絞り込まれたのである。
 どうしても椋木美弥を拷問しなければ納得が行かなかった。
 如月鬼堂の取り巻き弁護士らが警察に説明したに違いない。
 鬼塚慎登はテレビを付けてニュースをあちこち見て状況を確認し続ける。まだ指名手配には成っていないようである。
 どう考えても籠城以外取るべき道はない。
 池の水を抜かなければ此処には入れない。警察が池の水を抜き始めたら直ぐに判る。
 鬼塚慎登はビールとつまみを出して椋木美弥の録画を見ながら飲み始めた。
 
 警察は赤外線スコープを使っても池の下の地下室を発見にはなかなか至らない。地下室が無いのと車を残して鬼塚慎登が何処かに消えた。
 犯行現場は何処なのか警察の捜査はそこに絞られることとなる。
 「どういう事だ。車があって本人が居ない。犯行現場も見当たらない」
 「此処ではないとか」
 「他に車が有るのか」
 「この車はこの十日間何れのNシステムにも掛かっていません」
 「それじゃ。此処に止まっていただけか。荷物の傷だけではなんとも言えないな」
 「しかし他に容疑者は居ません」
 警察は張り込みを残して一度引き上げた。母屋の家宅捜査は一応行うこととなった。
 
 十月九日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。本日は館山弁護士も同席している。
 パネルの両側には岡田有美と高嶋波瑠が戻って来た。
 二人は着衣のままで怖かった体験を語る。
 本多椿も今夜は着衣のままメインキャスターを勤めた。
 「犯人は防護服、サングラス、マスク姿で連続拉致強姦事件の犯人同様顔はまったく判りませんでした」
 最初に拉致された岡田有美である。
 「標準体型で若い男の声でした。SM愛好会の会員には居ません。真性M女性の館のお客にも該当者は見当たりません」
 三人目に拉致された高嶋波瑠が読む。
 「先に拉致された全裸美人コンテスト優勝者三名の印象は同じでした。四人目に長野のSMクラブ黒の館の女性が拉致されました。これが犯人像を一気に絞りました。鬼堂先生」
 本多椿はそこまで解説して如月鬼堂に振る。
 「ここで容疑者は七人に絞られました。この女性は愛好会の内部には動画が配給されていますが外部には知られていません」
 如月鬼堂は椋木美弥の名前は出さない。
 「この女性は犯人を過去に自分が二回目の指名を断った人物と断定しました。館山先生」
 本多椿は次に館山弁護士に振る。
 「この印象はかなり有力と言えます。この女性は一回目の指名でこの人物と数時間過ごしています。危険な人物と見て二回目に断っています。声や仕草の特徴に覚えが有ったと思われます」
 「最初七人に絞られましたが他の六人はどうなのでしょう」
 「我々弁護士事務所が調査して全て有美さんが拉致されてから長野の女性が拉致されるまでの期間犯人であり得ない確認が取れています」
 館山弁護士はきっぱり断定する。
 「犯人とおぼしき人物は自宅に戻ってなく犯行現場の地下室に該当する場所も特定できてないようですが」
 「そんなに遠くはないと思われます。もう少し付近の村を調査しようと考えています」
 
 鬼塚慎登はこのインターネット放送も確認していた。もとより毎回観ている。
 そして自分がこの弁護士らと椋木美弥に特定されたと確認した。
 警察は時間の問題でこの地下室に乗り込んで来る。
 発破は以前に購入してある。椋木美弥を道連れにできないのが残念である。
 
 十月十日。
 突然動画が公開された。連続拉致強姦事件これまでの総集編である。
 最後に次のような字幕が表示されて終わった。
 『専従班は我々の弟子も逮捕できない。地下室一つ発見できない』
 連続拉致強姦事件の専従班を嘲哂っている。それは鬼塚慎登の事件に連続拉致強姦事件の犯人が何らかの関与をしている事を物語っていた。
 また其処に地下室が有ると教えているのである。
 専従班は捜査に乗り出した。
 そして鬼塚慎登の所持する山の付近の村に聞き込み捜査を開始した。
 専従班が動いたので館山弁護士らは捜査を見合せる。
 専従班の原枝理香警部補は最初鬼塚慎登の山で松茸採りをする業者に聞き込みを行う。
 だが此処では得る物はなかった。
 山に毎回入って見ているが太陽光発電設備と鬼塚慎登の住む母屋以外建物は池の奥の祠しか見かけないとの回答である。
 原枝理香警部補らは付近の住民に聞き込みを続る。
 何か得られる可能性は低いと思いながらも老夫婦の家にも聞き込みに入った。
 「鬼塚。あのガキは知らんかも知れんがあの山は恐ろしい場所だった」
 老人は突然そう話し出す。
 「それは」
 「今は完全に埋まってしまって上に池が有るだけだ。だがあの地下には鍾乳洞のような洞窟と言うか穴が有った」
 「池の下にですか」
 原枝理香警部補らは一気に色めき立つ。
 「鍾乳洞の様な洞窟の入り口が埋められて池に成った」
 「それはいつ頃の事でしょう」
 原枝理香警部補は驚愕の現実に直面して興奮を隠せない。
 「昭和も戦前から戦後位の話やな。恐ろしいところだった。戦後息子の代になって」
 「その頃埋められたのですか」
 「そうや。あのガキの四代前の話だ。それまで財産の力でやりたい放題してきた鬼塚家が没落した。恐ろしい往生だった」
 老人は七十年以上前の話を始めた。
 「どんな」
 「あれが本当の天罰やな」
 「・・・・」
 原枝理香警部補は息を呑んで先を聞き続ける。
 「大地主で儲けて遊女でまた儲けていた。あの山の麓に壮大な屋敷が在った。その当主が梅毒で死んだ」
 「それがどうして天罰なのでしょう」
 「あの池の前には恐ろしい物があった。鍾乳洞の大きな空間があって其処に舞台と牢屋があった。其処に遊女を監禁していたのだ」
 「こんな所に遊郭ですか」
 「いいや遊郭は無い。土浦、館山、横須賀、呉、佐世保と遊女を集めて送っていた。一部を問題を起こす女として此処に監禁した」
 「反抗するとか」
 「名目だよ。当主の太郎蔵が玩具にしたい女を連れて来ただけだ」
 「自分の為の隠し遊郭とか」
 「人も接待した。軍や国の偉いさんをな」
 「それは相当なスペースが有ったと」
 「そうだ。夏でも冷房は無くても涼しい。冬も寒くない。大きな洞窟の中に板張りで造った大きなスペースが在った」
 板張りと聞いて原枝理香警部補は岡田有美らの供述内容を思い出す。
 「そこで」
 「その舞台で昭和中期のストリップ劇場の様な見世物が行われた。女を凄惨な拷問する見世物も有った。偉いさんを悦ばし自分も愉しむ」
 老人の口調には怒りと非難が篭っていた。
 「死んだ人は」
 「沢山居るよ。壮大な太陽光発電があっちの裏山に有るだろ。その裏辺りに墓石がある。太郎蔵の息子が建てた。あの辺りに何人も埋められている」
 「ああ」
 原枝理香警部補は驚愕の表情で聞く。
 「拷問で自殺したり殺されたり病気で死んだり様々やった」
 「どんな拷問を」
 「わたし等が聞いただけでも壮絶なものやった。鞭や竹刀で叩く。ピストルに蝋燭の弾を入れて女躰を的にする。一番酷いのは女のあそこに蛇を入れた」
 「ああ」
 何か鬼塚慎登そのままである。原枝理香警部補は鬼塚慎登がそのひ孫でそのミニチュアと言う印象に包まれた。
 「偉いさんの相手をさせられるだけでは済まなかった。だが戦時中食べ物が無くてもあそこは潤っていた。蓄えと闇取引だ。戦後まで続いた」
 「それでは遊女も食事は」
 「食事だけは他よりは良かったらしい」
 「あちこちで遊郭を運営するのにどのように女性を集めたのですか」
 「それが酷いやり方やった。東拓って知っておるかな」
 「・・・」
 原枝理香警部補は首を振る。
 「東洋拓殖会社と言ってな。朝鮮で農民に金を貸して抵当流れで土地を奪い取った。太郎蔵は日本で土地ではなく娘を抵当にさせた」
 「ああ」
 「その娘の優劣で借金額も変わったらしい」
 「高く成った方が悲惨ですか」
 「そうだよ。此処に連れて来られた娘らは遊郭以上の地獄だ。太郎蔵の送った遊郭は特攻隊の相手などで此処ほど辛くはなかったようだ」
 「その内部ですがいまも残っていますか」
 「いやあ。無いと思うな。太郎蔵の息子が埋めて池を上に作った」
 「完全に埋めてしまったのですか」
 「そうでなければ水を溜められない。鍾乳洞は川に繋がっている」
 「そうですか。他に鍾乳洞の入口は有りませんか」
 「ないことはないが途中で水に浸かる部分があって。水が有ったり、無かったりで危険だから誰も入らない。太陽光発電の後ろ辺りに洞窟の入口が有る」
 「以前は上に池が無くて入口が有ったのですか」
 「祠の横に入口があって。其処から今の池の中に出る。その先洞窟の淵沿いに階段が有って下に降りられた」
 「元の大きなお屋敷はどうなったのですか」
 「息子の代に成って農地改革でさらに没落した。土地ごと売ってしまった。小学校が建てられたがそれも廃校になった」
 かなりの情報が掴めて原枝理香警部補は引き上げた。
 
 十月十一日。
 翌日部下の男性巡査長四名を伴って鍾乳洞の捜査に向かう。入口は太陽光発電の後ろの小道沿いに見つかった。
 潜水服やザイルも用意している。
 別に専従班の班長は鬼塚慎登の母屋の家宅捜査に向かう。
 鬼塚慎登は原枝理香警部補らの洞窟進入を察知していた。洞窟の中に池があった。水に浸かると言っていた場所である。
 天井が下がっているので水が入ると完全に埋まってしまう。
 「此処がその水が有ったり、無かったりの所ですね」
 「そうね」
 潜水服とボンベは持っている。
 鬼塚慎登は原枝理香警部補らが其処を通過するのを待っていた。通過を確認して水門から地下の水を流し込む。
 昔は人の手で水門を操作していたが今は電動に成っている。
 次に原枝理香警部補らの進入した洞窟内に催涙ガスを流し込む。
 原枝理香警部補らは潜水服を持参していたがボンベを使う余地は無かった。五人とも催涙ガスに倒れた。
 鬼塚慎登は回収に向かう。
 男性巡査長四人は注射で薬殺した。そのまま地下の池に捨てる。水を流せば川に流れ出る構造である。
 原枝理香警部補だけキャリーバックに詰めて上のステージに運び上げた。
 池の真下に昔の建造物はそのままである。
 太郎蔵の息子は鍾乳洞の入口だけコンクリで埋めた。そして池にして水を入れたのである。
 その後鬼塚慎登の父が池の水を抜いた時だけ入れる入口を池の底に造った。
 鬼塚慎登の代になってさらに改造する。松茸も自分で採取しないで業者を入れた。山には太陽光発電も設置したのである。
 原枝理香警部補を床に降ろして椋木美弥と同じ様に床に磔にした。
 もう防護服は着けない。正体が判ってしまっている。
 原枝理香警部補は暫くそのまま放置である。
 鬼塚慎登は外を警戒しなくてはならない。
 隠しカメラの映像を数台のモニターで監視する。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 「もう危険はなくなったのでしょうか」
 本多椿は犯人が判ってもう拉致はないと思った。
 「いいや。鬼塚慎登が逮捕されるまで安全とは言えない」
 如月鬼堂は警戒を解かない。
 「でもニュースでは容疑者が地下の鍾乳洞に隠れたと。そしてその捜査が始まったと」
 本多椿はもう鬼塚慎登が動けないと見ている。
 「この拉致は時間的に鬼塚一人ではできない。連続拉致強姦事件の連中が依頼して闇組織が手伝っている。鬼塚が逮捕されるまでそれがどう動くかだ」
 「確かに危険が残ってないとは言えませんね。鬼塚が自分で拉致まで行えばとっくに逮捕されています」
 館山弁護士も同調する。
 「それではいつまでも危険では」
 「そうではない。連続拉致強姦事件の連中は思考的に風俗嬢やAVに成っている女性を標的にしない」
 「犯人は鬼塚ではないと他で事件を起こして捜査を撹乱ですか」
 「そうだ。可能性は低いが」
 「そうですね。連続拉致強姦事件の犯人連中なら鬼塚を始末する可能性の方が高いです」
 館山弁護士と如月鬼堂の考えはほぼ一致している。
 
 警察は四人の刑事が川から流れてくるのを発見した。
 事態はさらに大事に至ってしまう。埼玉県警はSITを動員した。完全に山を包囲している。
 池の周りは専従捜査班を中心に警察が取り囲んでいた。
 池の水を抜く手配も行われている。
 マスコミのヘリは上空に展開していて山の麓の規制線までマスコミの車両が迫っていた。
 
 鬼塚慎登は床に磔にした原枝理香警部補の躰に椋木美弥と同じ様に裸の銅線をクリップで鋏み付ける。
 原枝理香警部補は途中で意識を戻した。
 「ああーーーーーーーーー。何やっているの」
 原枝理香警部補は事態に気付いて叫ぶ。
 鬼塚慎登は構わず作業を続ける。
 「やめろーーーーーーーーーー。もう警察はお前を包囲している」
 原枝理香警部補は全裸にされていると判っても気丈に叫ぶ。
 「今頃刑事が四人も死んで大騒ぎだろう。簡単に此処には入れない。もう覚悟は決まった。お前は道連れだ」
 「・・・・・」
 原枝理香警部補は驚愕の事態を悟る。部下四名の死が大きく動揺させた。
 「あの洞窟の中の池で排水すれば川に流れる。水を張れば通行できない。さらに流し続ければ激流で泳いでも通行不可能だ」
 鬼塚慎登は川口の会長に見捨てられて覚悟が決まった。淡々としゃべりながらクリップを鋏んで行く。
 「おのれーーーーーーーーー。ううーーーーーー」
 原枝理香警部補は気丈な女刑事と雖もクリップは痛い。
 「ううーーーーーーーーー」
 「もう直。電流を流すぞ」
 「やめろーーーーーーーーー。こんなことをしても」
 原枝理香警部補は説得しようと言い掛けて無駄を悟る。
 鬼塚慎登はクリップを鋏み終えてクスコを取り出す。
 「何をするのーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補はそれで何をするか分かっている。
 「止めなさい。もうじき警察は乗り込んで来ます」
 「その時この姿だ。だが簡単には此処に入れない。無理やり入ろうとハッチを壊せば起爆装置が働く」
 鬼塚慎登はそう説明しながら原枝理香警部補の膣をクスコで抉じ開ける。
 「やめろーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は驚愕の屈辱に堪らず叫ぶ。
 鬼塚慎登は小型のカメラを差し込んで原枝理香警部補の膣の内部をモニターに投影する。
 「あれを見ろ。婦警さんのお○○この内部だ。既に十分毎にメールで自動配信される」
 「なんですって。こんな罪を犯して」
 そう気丈に叫ぶ。だが原枝理香警部補はあまりの羞恥に狼狽していた。
 「こっちのモニターをみろ。警察が池を取り囲んでいるだろ。あの連中も道連れだ」
 「そんな」
 原枝理香警部補は焦る。警察が全滅する。防ぐ手立てはこの男を説得しかない。
 「その隣のモニターを見ろ。潜水服で地中の池を泳ぐらしい。無駄な事だ。川に流れ出る時には傷だらけか死体だ」
 鬼塚慎登はそう説明しながら原枝理香警部補の膣の奥をロングスプーンで掻き出す。
 「婦警さんのお○○この中の分泌物だ。この上なく恥ずかしいものを社会に公開だ」
 「や、やめろーーーーー」
 原枝理香警部補は説得どころではない。自分の羞恥に堪えられない。
 モニターでは池の水を抜く作業が開始された。
 鬼塚慎登は池に注水する水門を開く。いくら排水しても無駄である。
 そして原枝理香警部補の躰に電流を流す。
 「う、ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は衝撃に悲鳴を上げる。
 「ぐうーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補の美人顔は究極に軋んでいた。
 銅線は四系統鋏み付けている。脇に流している二系統にだけ電流を流した。
 一度電源を切る。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 原枝理香警部補は暫く苦しい息遣いが治まらない。
 鬼塚慎登は次に乳房の上から太腿に付けた二系統に流す。
 「ううおーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は躰を震撼させ藻掻き続ける。説得と頭では焦るが何をすることもできない。
 「うーーーーー。・・・・・・うーーーーー。・・・・・うーーーーーー」
 原枝理香警部補の躰は小刻みな震撼を続けた。
 鬼塚慎登は失禁を公開したい。トランスから繋がった単線二本の先端に付いた鰐口クリップを引っ張る。
 それを膣に挿入したクスコに接続する。
 ゆっくり愉しみたいが余裕はない。四系統全部とクスコに一気に電流を流す。
 「ううーーーーー。あーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 原枝理香警部補の躰の震撼はさらに早くなる。
 「ああーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。ああだめーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は断末魔の悲鳴のあと失禁してしまった。
 鬼塚慎登はクスコの電流だけ切る。
 原枝理香警部補の失禁はなかなか止まらない。
 「あーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 深紅の表情を破裂させて躰は震撼し続けた。
 終わったところで鬼塚慎登は一度電源を切る。
 「あはあ。あは。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 原枝理香警部補は暫く躰を震撼させたまま荒い息遣いが治まらない。
 鬼塚慎登は池の水位を確認する。若干下がっているがほぼ変わらない。
 地中の池も確認した。潜水服に着替えた警察官らの姿はない。
 渡りきった反対岸にも人影はない。この先は鉄の扉が遮断している。川に流れたとみて間違いない。
 警察隊員四人が流されて麓は大騒ぎである。
 潜水した隊員は岸に残った隊員とザイルを繋いでいたがそれごと引っ張られてしまった。
 岸に残った隊員らも池に落ちたが辛うじて這い上がった。その隊員らは已む無く外に出た。内部は携帯の電波が繋がらないからである。
 鬼塚慎登は薄ら笑いを浮かべた。
 「また殉職者が増えたぞ」
 荒い息遣いがようやく治まった原枝理香警部補にそう宣言する。
 「止めなさい。何処まで罪を重ねるの」
 「警官八人殉職。それだけで死刑だ。この先はどこまでやっても同じ死刑でしかない」
 鬼塚慎登は嘲け哂っている。
 そして原枝理香警部補の右の二系統のクリップを繋いだ凧糸を引く。
 これまで通り天井から下がったフックに通して掌に巻き付けた。
 「行くぞ」
 鬼塚慎登は加虐心を込めて原枝理香警部補の躰を並んで鋏んでいるクリップを一気に飛ばす宣言をする。
 「あーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は恐怖の表情を凍らせて鬼塚慎登を見る。
 次の瞬間。鬼塚慎登は体ごと後ろに引いて一気にクリップを空中に飛ばす。
 「ぐおーーーーーーーーーー。ごおーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は大股開きにされた太腿の筋肉を怒張させ躰を迫り上げて動く限り暴れさせた。
 「うおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに悲鳴は止まらない。
 原枝理香警部補は怒り狂った目で鬼塚慎登を睨み続ける。
 「おのれーーーーーーーーーー。なんてことを」
 原枝理香警部補は怒りの言葉を叩きつけた。
 「フフフ」
 鬼塚慎登はまた嘲け哂う。
 「おのれーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補はさらに怒りを剥き出し叫ぶ。
 鬼塚慎登は残る乳房から太腿まで鋏んでいる二系統の糸を引く。
 「やめろーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は恐怖の表情を吊り上げて叫ぶ。
 鬼塚慎登の加虐心はこのプレイができるのはこれで最後と滾る。
 同じ様に天井から下がったフックに二系統の凧糸を通す。
 それを掌に一巻き巻き付けて構えた。
 「おのれーーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は般若の形相で叫ぶ。
 鬼塚慎登はこの上ない残酷な表情を滲ませて体を後ろに倒す様に引く。一気に凧糸を引っ張った。
 「ごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は動く限り躰を右に左に強く引っ張り暴れる。
 「あがあーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーー。ぐうがあーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は強烈な痛みに暴れ続けた。
 そして僅かに数滴失禁してしまう。
 「おーーーーー。おおのれーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補はまた怒り狂った様に叫ぶ。
 
 専従班の班長らも動画の配信に気付いた。原枝理香警部補が恐ろしい姿にされて拷問されている。
 総て後手に成っていた。容易ならぬ事態である。
 下の洞窟からの進入は断念した。
 池の水はなかなか減らない。ポンプを追加手配した。
 辺りは既に暗くなっている。池の周りを工事用の水銀ライトが何台も照らしていた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 此処でも配信された動画を確認している。テレビの中継も観ていた。
 「あと三時間だな」
 医者の男は自動で起爆装置が働く時間を意識している。
 「もう既に専従班から四人とSITの隊員四人が殉職した。奴等は焦っている。どのくらいで突入できるかな」
 「時間を早めなくて良いのか」
 「良い。そんなに早く水は抜けない。コンクリの厚みは一メートルも有る。ハッチは内側からしか開かないらしい」
 「突入より爆破が早いか」
 「突入が始まったところが良いが。どっちでも奴等は助からない。起爆したらあの下は五十メートル有る」
 「大方穴に落ちて全滅か」
 「その予定だ」
 川口の会長は自分らに捜査の網を掛ける専従班の壊滅を予定している。そしてそれを愉しんでいるのである。
 
 鬼塚慎登は一度原枝理香警部補の膣に刺さったクスコを抜く。
 自分の一物を取り出す。
 「やめろーーーーー」
 原枝理香警部補は強姦されると判って叫ぶ。
 鬼塚慎登はもうスキンは着けない。
 一気に突っ込もうとする。
 原枝理香警部補は股間に力を入れてそれを突っ張る。
 鬼塚慎登は原枝理香警部補の顔をビンタする。
 「うおーーーーーーーーーー」
 立て続けに叩く。
 「うおーーーーー。うおーーーーー。ぐおーーーーー」
 それでも鬼塚慎登は原枝理香警部補に挿入できない。
 もう一度ローションを塗ったクスコを突っ込む。螺子を回してそれを強く広げた。
 「やめろーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は叫び続ける。
 長さ三十センチ位の金属の棒を持って来た。
 それを奥の子宮口目掛けて突っ込む。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は強烈に躰を震撼させ暴れ悲鳴を搾り出す。
 「うぐぐうううーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。
 原枝理香警部補は藻掻き苦しみ続けた。
 鬼塚慎登はクスコを抜いて強引に挿入する。既に原枝理香警部補に抵抗力は無い。鬼塚慎登の一物は奥まで進入してしまう。
 「おのれーーーーー。強姦するなーーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は口惜しさと怒りに滾ろ。
 鬼塚慎登は構わずピストンを続けた。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は叫び続ける。
 鬼塚慎登は興奮度が上がって弾けてしまう。
 「ちくしょうーーー」
 原枝理香警部補は膣の中に出されて怒る。
 だが鬼塚慎登はそのまま動き続けた。抜かずに二回果ててさすがに萎える。
 原枝理香警部補は怒りに如何ともできない。口惜しさに涙を滲ませる。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 椋木美弥も退院して此処に合流した。
 全員で十分置きに配給されてくる動画を観ている。椋木美弥に限らずこの男が犯人だったと確信していた。
 「この婦警さんどうなるの」
 「この女性刑事に限らずこの池の周りの面々は助からないな」
 「知らせないのですか」
 「証明できる材料が無いです。連続拉致強姦事件の犯人の動向から間違いないと思われますが余計な事はしないことです」
 館山弁護士は危険を指摘する。
 「そうだな見殺しだが仕方ない。警察が正しい判断をすべきなのだ」
 如月鬼堂も館山弁護士の意見を指示した。
 「その通りです」
 杉下一行も同意する。
 椋木美弥は自分と同じ目に遭っている女性刑事に同情したが状況を理解した。
 「どっちにしてもこの専従班は交代だよ。これだけ殉職者を出しては」
 「そうですね。既にもっと上官が指揮を執っているでしょう」
 「横から穴を掘って入れないの」
 本多椿である。
 「間に合わないよ。連続拉致強姦事件の犯人らは充分に事態を計算している」
 「だったら警察がこんなに囲んでいるのに何故爆破しないの」
 また本多椿が疑問を提示する。
 「鬼塚の悪行をぎりぎりまでやらせたいか。時間で爆発する仕掛けかもしれない。外から誘導はできるだけ避けたいだろ」
 「そうですね」
 館山弁護士も如月鬼堂の見解に同意見である。
 
 鬼塚慎登は原枝理香警部補にもう一度クスコを挿入する。
 「まだ何をするのーーーーーーーー」
 原枝理香警部補の声は震えている。
 鬼塚慎登は縞蛇の入った水槽を運んで来る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補はそれを見て悲鳴を上げた。何故クスコをもう一度入れたか目的が分かったのである。
 鬼塚慎登は残酷な哂いを浮かべている。自分を逮捕に来た女性刑事を責めることに何の躊躇いもない。
 鬼塚慎登は原枝理香警部補の口の動きに警戒を始める。それは川口の会長の撮影を公開する場合の注意事項に入っていた。
 顔は最初に見せているので首から下がカメラに入るように調整する。
 鬼塚慎登はスネークフックで縞蛇を掴む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だあーーーーーめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 女性刑事と雖も蛇に免疫はないらしい。
 鬼塚慎登は恐怖に引き攣った原枝理香警部補の表情に満足である。
 まずは乳房の谷間に縞蛇の頭を載せた。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は驚愕の悲鳴になる。顔の目前に蛇の頭が迫る。
 鬼塚慎登はもう一度スネークフックで縞蛇を掴む。
 顔の前に翳す。
 「・・・・・」
 原枝理香警部補は恐怖に表情を凍らせ声も出ない。
 目が吊り上がり顔を遠ざける。
 蛇の舌が延びて原枝理香警部補の唇を舐めた。
 原枝理香警部補の凍り付いた表情が固まる。
 鬼塚慎登は縞蛇を原枝理香警部補の膣を抉じ開けているクスコの口に近付けてゆく。
 「あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は泣き声混じりに叫ぶ。
 鬼塚慎登は焦らす。蛇の頭を少しだけクスコの口に入れる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補の恐怖の叫びが鬼塚慎登の加虐心を揺さぶる。
 鬼塚慎登は堪らず一思いに一度奥まで突っ込む。
 「あーーーーーあーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補の恐怖に凍り付いた唇から涎が流れ出た。
 残酷なシーンである。十分後に池を取り囲む刑事らもこの光景を見ることになる。
 鬼塚慎登は一度蛇の頭をクスコから出す。
 「ふはあーーーーー。ああ。あはあ。ああ。あはあ。ああ。あはあ。ああ」
 原枝理香警部補の躰は震えが止まらない。震えた唇から怯えた息遣いが続く。
 鬼塚慎登はそれを愉しみながらもう一度突っ込む。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーーん」
 原枝理香警部補はまた僅かに失禁した。
 鬼塚慎登の燃え上がった加虐心は止まらない。
 蛇の頭をクスコの奥にゆっくりピストンする。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 鬼塚慎登は原枝理香警部補の恐怖に破裂した表情から出る悲鳴を堪能しながら蛇を一度水槽に戻した。
 「あはああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 原枝理香警部補の躰は震え続ける。
 鬼塚慎登は口の開口器を持ち出す。先の細いラジオペンチも持っていた。
 そのラジオペンチを原枝理香警部補の歯の間に差し込んで口を抉じ開ける。
 「あ、がああーーーーー」
 空かさず開口器を捩じ込む。
 「ふおーーーーー。おーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は開口器を押し出そうと藻掻く。
 鬼塚慎登はもう一度スネークフックで縞蛇を掴む。
 「・・・・・」
 原枝理香警部補の声の出ない悲鳴が凍り付く。
 鬼塚慎登は容赦なく蛇の頭を原枝理香警部補の口に突っ込む。
 「ごぼ。こぼー。こぼ。こぼー」
 原枝理香警部補は恐怖に目を剥いていた。やがて口から泡を噴いて失神して僅かに失禁する。
 鬼塚慎登は忘れていた事に気付いた。
 クスコを抜き取る。ドテの黒い塊にローションを流す。
 T字剃刀で剃毛する。じっくり最後の愉しみを込めていた。
 剃り終わるとその部分を入念に小型カメラの先端で撮影する。
 失神した表情から躰の細部を社会にばら撒く思いを込めて撮影している。
 最後にやや大きめの鍋に炭火を燃やす。
 零時迄あと一時間を切っていた。池の水は流し込んでいても半分近く迄水位が下がっている。
 警察がポンプを増強したからである。
 偶然ながら鬼塚慎登の自爆予定時間も零時であった。
 鬼塚慎登は先端が×の字に成った焼鏝を数本焼けた炭火に突っ込む。
 鬼塚慎登は焼鏝が熱く成るのを待つ。
 
 池の周りでは重機を手配して水が抜けるのを待ち構えている。
 専従班の班長以下全員が原枝理香警部補を一刻も早く救出したい。
 原枝理香警部補が強姦される動画に怒りが滾っていた。
 「あと四十分くらいです」
 「そうだな。多少残っても重機を稼働できるな」
 班長も苛立っている。
 
 鬼塚慎登は外の光景を隠しカメラで確認している。
 専従班の刑事らが言っている四十分は鬼塚慎登の自爆予定時刻の後となる。
 さらにそれは川口の会長が仕掛けた時刻の後でもある。
 鬼塚慎登は原枝理香警部補のドテに焼鏝を当てた。
 「がああ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は一気に意識を回復して強烈に叫び悲鳴を上げる。
 「おのれーーーーーーーーーー。いい加減にしろーーーーー」
 原枝理香警部補は怒りの限り叫ぶ。
 「もうじき総て終わりだ。あれを零時丁度に押す。外の刑事らが重機で堀り始めるのは早くてその十分後だろう」
 鬼塚慎登は余裕綽々である。
 その時。原枝理香警部補は手の縄の弛みに気付いた。
 鬼塚慎登が何かを取りに行った隙を待つ。目の前に居ては手が外れても脚を抜くタイミングはない。
 鬼塚慎登は次の焼鏝を取り出す。
 「あーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は全身に力を込めて叫び暴れる。
 鬼塚慎登は二本目を左の乳首の真上から乳房に押し付けた。
 「あーーーーーーーーーーがああーーーーー。ぐかあーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は般若の形相で叫び躰を震撼させて藻掻く。
 鬼塚慎登は三本目を手にする。
 「やめてーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 原枝理香警部補は遂に泣き叫ぶ。
 「これが外の刑事らの目に入る頃には全部すっ飛ぶぞ。どっちみち死ぬ。遊ばせろ」
 鬼塚慎登は悪魔の形相で怒鳴る。
 次の瞬間。原枝理香警部補の手が縄から外れ右脚の縄も外れた。
 原枝理香警部補の右脚が三本目の焼鏝を構える鬼塚慎登の股間を蹴る。
 鬼塚慎登は一撃で崩れた。
 それでもカメラの後ろに設置したスイッチに手を伸ばす。
 原枝理香警部補は左脚の縄を抜けて鬼塚慎登に飛び掛かり押さえる。
 鬼塚慎登は寸前で爆破スイッチを押せない。
 縄から抜ければ女刑事である。鬼塚慎登一人簡単に押さえてしまう。
 「観念しなさい」
 原枝理香警部補は何とか爆破を食い止めたと思った。
 その瞬間が零時である。
 グオオーーーーーーーーーーーーン。
 爆発音と共に一気に岩が崩落した。外の刑事らも重機もすり鉢の中に雪崩の様に墜ちてゆく。
 壮絶な土煙が舞い下から火が燃え上がる。
 
 鬼塚慎登の動画は爆発音まで配信された。爆発の十分後である。
 如月鬼堂らはテレビ中継と動画を二つの大型モニターで観ていた。
 テレビ中継は上空のヘリから壮絶な爆発と崩落のシーンが放映される。
 「凄かった」
 最初に本多椿が声を発した。
 「先生の推測通りでしたね。鬼塚の爆破を女刑事が寸前に止めたのに爆破されました」
 館山弁護士が事態をそう解析する。
 「いったい何人犠牲に成ったの」
 荒井枝理は茫然と映像を見ていた。
 池全体がなだらかな山の中腹ごと大きな穴に崩れ墜ちている。
 山の下に居た隊員らも落石にやられた。
 池の周りに居た刑事らは全滅と思われる。
 テレビの中継映像から取り巻いていたSITの姿も見えない。
 気の毒なのは重機を運転していた作業員である。
 
 十月十二日。
 恐ろしい一夜が明けた。
 「鬼塚が違法配信していた動画です。その最後に女性刑事が縄を抜けて爆破を阻止しました。にも拘らず爆破が起きました。何故でしょう」
 ニュースキャスターはこの疑問を突く。
 「分かりませんね。止めたように見えて既に押してしまったのではないでしょうか」
 強いモザイクが掛かったままそのシーンが何度も再現された。しかし再現からはスイッチが押せたかどうかは判別できない。
 しかし原枝理香警部補が鬼塚慎登を押えて爆破まで一分以上時間差が有った。ここがどこまでも謎である。
 そして崩落シーンを解析すると爆破は二回起こっていると分析される。益々謎である。
 深夜のうちに火は消し止められ朝から捜索活動が開始された。
 穴が深く捜索活動は難航する。
 被害者は埼玉県警専従班原枝理香警部補を含む八名。埼玉県警刑事六名。SIT隊員七十二名。作業員八名であった。
 
 十月十六日。
 如月鬼堂の周りは総て落ち着いた。
 インターネットアダルト放送は事件の翌日臨時特番を要求して来たが如月鬼堂は断る。少し事態が落ち着いてからが良いとの見解であった。
 予定通り土曜の夜のスタジオである。
 「今回の鍾乳洞の爆破は女性刑事が力を振り絞って阻止したにも関わらず起きました」
 今夜の岡田有美は真っ赤なミニワンピース姿である。そのスカートを捲って薄いピンクのショーツを覗かせる。
 そのあとで背中のファスナーを下ろしてミニワンピースを脚元に落とす。ピンクの下着姿を披露した。
 「爆破は連続拉致強姦事件の犯人グループがリモートで行ったと言う見解が体勢を占めています」
 高嶋波瑠は白いニットのワンピース姿である。同じ様にラインぎりぎりの裾を捲って真っ赤なショーツを覗かせる。
 二人とも実に美しいパンチラである。
 高島波瑠もそのままニットを肩から外して脚元に落とす。真っ赤な下着姿を披露した。
 「鬼堂先生。やはり連続拉致強姦事件の犯人グループが係わっていたのでしょうか」
 本多椿は既に全裸でMCを勤めている。
 「間違いないでしょう。鬼塚一人ではあの拉致はできないでしょう。連続拉致強姦事件の犯人グループは鬼塚がやり過ぎた場合の後始末まで考えていたのではないでしょうか」
 今回如月鬼堂はマスコミの見解が出尽くしてから自分の見解を述べる用心深さを通した。
 
 事件が落ち着いて本多椿らは自分の住処に戻って行く。
 予定通り越後湯沢はプレイルームに改造され露天風呂も造られた。本多椿らは益々ソフトなプレイ内容で稼げるように成ったのである。
 本多椿、岡田有美、高嶋波瑠にはこれまで以上に一般の指名できる余地は無くなった。
 椋木美弥も上等な客に営業して越後湯沢の利用を始める。
 
 
 
 最期のSM小説家 第三十幕 全裸美人コンテスト入賞者の悲劇 完





 最期のSM小説家 第三十一幕 犯罪連鎖


 二〇二十一年立冬中元。太陰太陽暦十月六日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十一年十一月三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 鬼塚慎登の事件が終わって平穏な日々が続いていた。緊急事態宣言も終了して熱海店も会員だけの通常営業を行っている。
 この日は愛好会の主なメンバーが集まっていた。
 瀬里菜が駅に迎えに行って真性M女性の館の樽常マネージャーと如月鬼堂担当の編集小川綾香が着く。
 本日のテーマは裏の全裸美人コンテストの打ち合わせと次の愛好会に出てもらう生贄の審査である。
 そして小川綾香は次のグラビアの候補者探しで来た。
 樽常マネージャーは今回二人を紹介する。佐々木鞘香、工藤美央の二人である。ポートをUSBで持参して来た。
 二人は全員一致で愛好会に承認される。
 大河内税理士も満足顔である。小川綾香も二回分のグラビアモデルが確保できた。
 インターネットアダルト放送で全裸美人コンテストを行うには一般に顔出しのできる候補者が足りない。
 今回は裏の愛好会の会員のみでコンテストを行う。愛好会の会員以外に動画は配給されない。
 愛好会のショーは各店舗を一人の女性が一回ずつ回る。
 全裸美人コンテストは熱海店で十二月の二週目と決められた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人グループ六人のアジトである。
 いよいよ冬の兆しで空気は澄み渡っていた。雨上がりでコートが有っても良い寒さである。
 「警察はようやく鬼塚事件の遺体捜索を終えたな」
 葬儀会社の社長は生肉の表面だけ焼き目を付けて細かく刻む。
 「あの最後に縄を抜けて鬼塚に飛びかかった女刑事。どんな姿で発見されたのかな」
 医者の男は肉を適度に焼いてサイコロ状に切る。
 「それよりあの女デカどうやって縄を抜けた」
 運送会社の社長である。
 「鬼塚がいくら厳重に縛ってもあれだけ電気拷問で藻掻き暴れさせたら弛む。ある段階からじっくりチャンスを伺っていたのだろう」
 川口の会長が推測する。
 「危なかったな」
 「爆破装置を仕込んでおいて良かった。鬼塚が逮捕されても何も出ない。だが何か僅かなきっかけという危険もないとは言えん」
 川口の会長はあくまで用心深い。
 「ところで川口と生駒の闇風俗。館山という弁護士が事故の女を送るのを止めたのならこっちで究極の事故女を作ってしまわないか」
 医者の男である。
 「たらし屋でも闇サイトで募集するか」
 「事故を作るのも方法だ」
 「騙された女よりそっちが無難か」
 「いいや弁護士が一人必要だ」
 「抱き込めるのを捜せるか」
 「居ない事はない。当たって見よう」
 またも連続拉致強姦事件のグループは動き始めた。
 
 六人は巷で手頃な犠牲者を物色する。
 印刷屋の社長は一人暮らしの地方出身の女を見つけた。
 その女は早見朱莉という。
 器量は良い。髪を後ろに束ね額を出した表情が気丈に見える。それが加虐心をそそらせる。
 大学卒業だが勤め先は零細企業。その業績はコロナで悪化している。
 今や零細企業の社員は非正規より年収が少ない。
 
 十一月五日。またアジトに連続拉致強姦事件の犯人グループ六人が集まった。
 夜に集まったので寒さも考慮して味噌バターの石狩鍋である。
 そして早見朱莉を堕とす作戦会議が始まった。
 「その女は事務所と自宅アパートを電車で通勤か。バイクでも乗ってくれればよいのに」
 運送屋は事故の賠償金で究極の風俗に追い詰めたい。
 「会社を潰した方が早くないか」
 葬儀会社の社長である。
 「無職にして自転車で配達の仕事に就かせるとか」
 印刷屋は二人の意図をそう確認する。
 「壮大な計略だな」
 医者の男は時間が掛かると言いたい。
 「良いではないか。遊びだ。じっくり堕とすのも愉しみだ」
 川口の会長はじっくり愉しめば良いとの考えである。
 「そうだな。たっぷり借金作らせよう」
 「運転免許は有るのか」
 「車は所有してない」
 印刷屋が調査結果から答える。
 「こいつ他に技能とか持ってないのか」
 葬儀会社の会長は技能とか持っていれば他の仕事に就きやすいと懸念する。
 「無いだろう。どうせ事務謙雑務だ」
 印刷屋はあっさり否定する。
 「自転車の配達で事故がベストだな。免許が有れば宅配のアルバイトという手も有るが。保険に入ってない自転車事故が確実だな」
 「どっちにしても時間が掛かる。もっと標的を探そう」
 医者の男は待ちきれない。
 
 如月鬼堂の経営するファション喫茶熱海店は客席五割使用で連日会員のみ営業ではぼ満席である。
 今週の日曜日には愛好会のショーが行われる。
 だがまだ安心はできない。女性の補充は行わない。
 人数が足りないのでショーをメインで運営していた。
 
 早見朱莉の勤める会社は既に経営が苦しく勤務日数を減らしていた。早見朱莉は六人の意図に反したように居酒屋でアルバイトを始める。
 だが通うのは自転車であった。
 印刷屋の社長はそこに目を付ける。店で飲ませる客の役は会社員を前金二十万後金三十万で雇う。
 当たる役は老人を前金二十五万後金七十五万で雇った。
 車で早見朱莉に幅を寄せるのは東秀雄が行う。その車には川口の会長が雇った悪徳弁護士が乗っていた。
 早見朱莉は坂道の左端を走っている。
 東秀雄はじりじり寄せた。車は一トンのワゴン車である。
 早見朱莉はやや速度を上げて坂を下った。
 老人が横道から出て来る。早見朱莉は急ブレーキを掛けるが老人に当たってしまう。
 「あーーーーーー」
 早見朱莉の悲鳴と同時に老人は倒れた。
 東秀雄の車も止まる。
 早見朱莉は自転車を倒したまま老人に駆け寄って行く。
 弁護士が近づいた。
 「あんた飲んでいるね」
 そう言われて早見朱莉ははっとする。とんでもないことである。
 弁護士の胸にはバッチが光っていた。
 「逮捕されるよ」
 「ええ」
 早見朱莉は怯えている。
 「私は弁護士だ。助けてやるよ」
 そう言うと弁護士は倒れている老人の肩に手を回す。
 「直ぐに病院に運びます」
 「ああ。はあ」
 老人は怯えた表情で言葉を発する。
 「大丈夫ですよ」
 そう言って東秀雄に車に寝かせるように指示した。
 そのまま川口の会長の話のつく病院に運びこむ。
 「少し金は掛かるよ」
 「えー。私」
 早見朱莉は金が無いと言い掛ける。
 「逮捕されたら二十年だ」
 「・・・・・」
 早見朱莉は蒼い顔で弁護士を見た。
 「私は横山と言います。弁護士です。多分二百万くらいは掛かります。稼ぎかたは有ります」
 老人は病院で腕と足の骨折と診断される。
 横山弁護士に金を作らないならばこの段階で警察を呼ぶと言われ早見朱莉は従うしかなかった。
 そのあと闇風俗で金を作る部分は川口の女将が因果を含める。
 横山弁護士は早見朱莉と川口の会長らからと二重取りであった。
 
 川口の会長は闇サイトで新たな相談を受けた。
 最近頻発に電車内で無差別傷害事件が起こる。
 相談者はそれらが成功とは言えないと言う。川俣軍司や梅川の事件を読んであのように成功して警察に射殺されたい。
 それには若い良い女の道連れが欲しいと言う。
 恐ろしい終焉願望である。
 だが用心深く残忍極まりない川口の会長を悦ばせた。
 鈴鹿悠渣はスタイルの良い美女に憧れ続けてきたのである。
 だが手に入ることはない。
 キャバクラ、風俗と求め歩いてかなり金も使った。
 だが上手に手玉に取られ金を損するばかりである。
 ある日。借金の保証人にされ逃げられた。女は良い男と海外に消えてしまう。
 女が立ち去る最後に置き手紙に残した言葉は鈴鹿悠渣を絶望に堕とした。
 『最後に言ってあげる。貴方がどんなに頑張っても一生良い女は来ないよ。また騙されるから』
 そして鈴鹿悠渣の親が残した資産も三分の一に枯渇し始めていた。
 鈴鹿悠渣は絶望に暮れて闇サイトに相談する。
 川口の会長は村上治夫らが撮り鉄女を狙った時にもう一人手頃な女を見つけていた。
 ローカル線を走る単連の気動車が狙い目である。
 秘境駅ツアーを計画させた。土讃線を使う。単連の気動車を貸し切りにする。
 土讃線には坪尻と言う有名な秘境駅がある。だがもう一つ似た様な秘境駅が存在した。新改駅である。
 坪尻は琴平と阿波池田の間の特急通過駅。また新改も大杉と土佐山田の間の特急通過駅である。
 坪尻は駅と停車中の普通列車が通過する特急から確認できる。
 新改駅は斜め奥に待避するので殆ど見えない。
 この駅を狙って秘境駅ツアーを組む。
 随行員は闇サイトの常連玉川亮が引き受けた。前金二十五万。後金百七十五万である。
 すべて鈴鹿悠渣の負担で後金は闇サイトが預かって終了後に玉川亮に振り込まれる。
 
 十一月十四日
 標的の田原萌江はこのツアーに招待された。他にも女性は参加している。
 田原萌江だけがアイドルで招待である。
 随行員と鈴鹿悠渣を含めて男性十五名。田原萌江を含めて女性四名。
 一名空席の十九名で高松を出発した。
 鈴鹿悠渣の目には田原萌江以外女の価値はない。
 鈴鹿悠渣は高松駅のコインロッカーから送られて来た暗証で拳銃の入ったカバンを取り出した。
 そのまま参加者の一人としてツアーに合流する。
 鈴鹿悠渣は玉川亮が工作を担当しているとは知らない。
 川口の会長の設定したツアーを進行する役とだけ教えられている。
 川口の会長のシナリオの通り動くしかない。殺す順序は決められていた。
 玉川亮は最後に鈴鹿悠渣の命令で警察を呼ぶ役割となっている。
 単連の気動車は高松を出ると多度津に止まる。此処で交換列車を待ち後続の特急を先に出す。
 土讃線は2000系気動車が三月に引退して特急はくろしお鉄道所属を含めて2700系気動車に入れ替わった。
 鈴鹿悠渣は小型カメラでずっと車窓を撮影し続けている。この先このカメラは恐ろしい動画を配信する。
 ツアーは琴平に止まり坪尻駅に入った。
 此処で駅の先端まで入って停車する。次の普通列車が特急を待避するホームのスペースを空けておく為である。
 ツアーは此処で駅の付近を探訪する。高台の簡易な展望台から坪尻駅を望む。
 次の普通列車が特急退避に坪尻駅に入って来る。展望台から二台の異なる普通列車が坪尻駅に退避する異例の光景が撮影できた。
 
 熱海。如月鬼堂の経営するファッション喫茶である。
 この日は佐々木鞘香のショーが行われる。
 佐々木鞘香は覚悟を決めて熱海に向かう新幹線に乗った。
 グラビア、AV、今夜からの三会場のショーで三千万近い収入が得られる。
 もう後戻りはできない。グラビアは撮影されている。
 愛好会のショーが一番高いが一番怖い。
 ギャラは終わったら直ぐに入金される。それも申告しなければ非課税である。
 相当のプレイ内容は聞かされていた。
 一時的な痕や痛みは残るが安全は約束されている。
 佐々木鞘香はかなり早めに熱海に着いた。ホテルにチェックインして躰を整えてから熱海店に向かう。
 いくら羞恥を覚悟してもなるべく汚れは見せたくない。
 
 鈴鹿悠渣らのツアーは阿波池田に着いた。此処で昼食を摂る。
 鈴鹿悠渣は準備に緊張していた。
 玉川亮は鈴鹿悠渣の状況を観察する。
 阿波池田を出発して大歩危から大杉を過ぎて土佐山田の一つ手前が新改駅である。
 田原萌江はアイドル気取りで比較的イケメンの男性三人くらいと鉄道探訪の話を続ける。
 時々他の男性にも話し掛け一応の愛想を振り撒く。だが鈴鹿悠渣の近くには来ない。
 女が避けたがるオーラが有るらしい。
 列車の乗務員は運転士が一人だけである。特急列車と対向列車を待ち合わせながら無人駅を過ぎて行く。
 新改駅の反対側スイッチバックの引き込み線に入る。
 其処で運転士は車内を反対側の運転台に移動する。
 戻るように本線を跨いで新改駅の引き込み線に入る。
 鈴鹿悠渣は一気に移動する。
 カバンから一丁目の拳銃を取り出す。
 運転席の横に突っ込み運転士を射殺する。
 車内に悲鳴が上がる。
 鈴鹿悠渣が非常ブレーキを掛ける。
 単連の列車は新改駅のホームに掛かった所で止まった。
 鈴鹿悠渣は車内に拳銃を向ける。
 「動くな」
 次の瞬間一人の男性を射殺する。一番イケメンに見えた男である。
 また悲鳴が上がる。
 男性は床に崩れた。
 「動くな」
 鈴鹿悠渣は強い口調で命令する。
 「おい。随行員。その女を全裸にしろ」
 鈴鹿悠渣は拳銃を構えて田原萌江を指先し玉川亮に命令した。
 「待ってください。そんな事。私が」
 玉川亮は両手を前に出して掌を開いて待ったの姿勢に成る。
 「やらないと次の犠牲者が出る」
 鈴鹿悠渣は拳銃を一人の女性に向けた。間髪を開けず引き金を引く。
 銃弾は女性の眉間を撃ち抜く。
 女性の体は傾きそのまま列車の床に崩れた。
 「や、やめ、や、め、ろーーーーーー」
 玉川亮は驚いて狼狽する素振りを見せる。
 「ね。仕方ないよ」
 玉川亮は田原萌江を説得する様にじりじり寄って行く。
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は叫ぶ。
 鈴鹿悠渣はその脚元に一発撃ち込む。
 「あ、あーーーーーー」
 田原萌江は恐怖に床に崩れる。
 「そいつに脱がされたくなければ自分で脱げ。もう一人やるぞ」
 鈴鹿悠渣は二人目の女性に銃口を向ける。
 「た、助け」
 叫び終わる前に銃弾は眉間を撃ち抜く。
 緊迫感を強くする為だ。構えたら直ぐ撃てとの川口の会長の指示である。
 「どうだ。もっと犠牲を出さないと分からないか」
 鈴鹿悠渣は次の女性に銃口を向ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 女性は叫び失禁する。
 「どうだ」
 鈴鹿悠渣は田原萌江に迫る。
 「お前脱がせ」
 鈴鹿悠渣は別の男に銃口を向けた。ツアー参加者の中で一番風采の上がらない男である。
 床に崩れている田原萌江の後ろに膝立ちになり肩の上から手を伸ばす。
 ブルゾンの前を下げて肩から抜き取る。
 タンクトップも捲り上げて首から抜き取ってしまう。
 上半身はブラ一枚である。
 スカートの腰のフォックを外す。前に回って膝からスカートを抜き取る。
 その男の手も体も震えていた。
 「下着も取れ」
 銃口はその男に向いている。男は後ろに回る。
 ブラのフォックを外す。
 鈴鹿悠渣に見えるようにブラを下げて後ろに取り去る。
 田原萌江は慌てて乳房を手で隠す。
 「隠すな」
 鈴鹿悠渣は田原萌江に銃口を向ける。
 田原萌江は仕方なく震える手を下ろす。
 「拳銃は二丁。弾はあと十一発。何人殺せるかな」
 これも川口の会長の計算である。全員殺すには弾が足りない。何人かは生き残れる。
 鈴鹿悠渣は田原萌江の太腿に銃口を向けた。
 「・・・・・」
 田原萌江の躰が震えて手を肩の後ろで床に着く。
 鈴鹿悠渣は田原萌江の太腿の直ぐ横の床に撃ち込む。
 「あはーーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は悲鳴を上げて反対側に上半身を倒れ込ませる。
 「下着を取れ」
 田原萌江は恐怖に仕方なくショーツを両手で腰から抜き取る。
 「女を広げろ」
 鈴鹿悠渣は拳銃で股間を差して横に振る。手で横に長い列車の座席を示した。
 「そこにお尻を載せてM字開脚だ」
 鈴鹿悠渣は究極の要求をする。
 田原萌江は両手を背中の後ろでシートに着いてお尻をシートに載せた。
 そのまま震える脚もシートに載せる。
 田原萌江の躰はシートの上でほぼM字開脚になる。
 女の部分は丸出しである。
 鈴鹿悠渣はカメラを三脚に載せて撮影を続けていた。
 田原萌江の躰は恐怖にブルブル震える。
 「ま○こを広げろ」
 鈴鹿悠渣は銃口を向けてさらに究極の要求をする。
 「・・・・・」
 田原萌江は恨み顔を滲ませるが震える両手で大陰唇を左右に引く。
 閉じ会わせた女の部分のびらびらが広がって緋色の部分が覗く。
 「もっと広げろ」
 鈴鹿悠渣はさらに要求する。
 「・・・・・」
 田原萌江は一瞬上目遣いに鈴鹿悠渣を見るが両手の指に力を入れてさらに広げる。
 尿道の小さな亀裂と膣口が露に成った。
 鈴鹿悠渣はカバンからクスコを取り出す。それを田原萌江の横にシートの上に投げた。
 「お前それでこいつの女の奥を広げろ」
 鈴鹿悠渣は服を脱がした男に命令する。
 男はクスコを拾って田原萌江が女を広げている前に座り込んだ。
 男は震える手で田原萌江の膣口にクスコを押し込む。
 「うーーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は金属の冷たさと侵入の痛みに悲鳴を上げた。
 「螺子を回して目一杯広げろ」
 男は覗きながら螺子を回してクスコを広げる。
 鈴鹿悠渣はペンライトを横のシートに投げた。
 「よく覗いたら少し離れてそれで中を照らせ」
 鈴鹿悠渣はそう命令してカメラの照準をクスコに合わせる。
 田原萌江は強く顔を横に反らせて堪え続けていた。
 その顔は真っ赤に紅潮している。
 「クスコを抜け」
 その男に命令する。
 男は震える手でクスコの螺子を戻す。
 「いたあーーい」
 螺子を戻したので膣の粘膜を鋏んでしまった。
 男はそのまま抜き取る。
 「い、いいたい」
 田原萌江はイレギュラーな痛みにまた声を上げた。
 鈴鹿悠渣はT字剃刀とシェービングクリームを投げる。
 「剃毛しろ」
 男は田原萌江の躰をシートに横に倒す。
 片脚をシートに伸ばさせ片脚は折って床に降ろさせた。
 ドテの黒い塊にシェービングクリームをたっぷり掛ける。
 ぎこちない手で剃り始めた。この男は怯えながらも悦んでいる。
 黒い塊はそんなに大くない。取り鉄女にしてはそっちにも神経が回っているのか綺麗に整えられていた。
 男のぎこちない手でも数分で剃り終ってしまう。
 鈴鹿悠渣がタオルを鞄から出そうとするが男は田原萌江が脱いだショーツで拭いてしまう。
 雑と言うか、いい加減な男である。
 田原萌江は一瞬その男を睨み付ける。
 男はそんなことにも気付かず田原萌江の股間を入念に拭く。
 田原萌江の陰毛の下も大陰唇も周りの皮膚とあまり色が変わらない。剃毛した方が綺麗な股間である。
 鈴鹿悠渣は入念に撮影する。この時点で撮影した車窓からの続きに田原萌江の動画を動画配信サイトに公開した。
 同時に闇サイトにも送っている。
 「立て」
 鈴鹿悠渣はまた田原萌江に銃口を向けた。
 田原萌江はシートの背に手を着いて立ち上がる。脚は震えていた。
 「お尻をこっちに向けて」
 田原萌江が後ろを向くと鈴鹿悠渣がその背中を押して上体を前に押し倒す。
 田原萌江は鈴鹿悠渣にお尻を向けてシートに両手を付いて前屈みに田植えの姿勢にされた。
 鈴鹿悠渣は一物を取り出す。片手は拳銃を構えて片手で田原萌江の腰を引き寄せる。一気に挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は挿入に悲鳴を上げる。
 鈴鹿悠渣は片手で乳房を鷲掴みにして強く突き始めた。
 「あーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 鈴鹿悠渣は興奮の限りを田原萌江に叩きつける。力の限り膣の奥を突く。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は突かれる度に悲鳴を上げる。感じているのではない。痛みと拒絶の悲鳴である。
 短時間で鈴鹿悠渣は田原萌江の中に果ててしまう。
 「いやあーーーーーーーーーー」
 田原萌江は中出しにまた悲鳴を上げる。
 鈴鹿悠渣は田原萌江の女の部分に銃口を当てた。
 「いやーーーーーーー」
 田原萌江は冷たい銃口が触って恐怖の悲鳴を上げる。
 鈴鹿悠渣は田原萌江の挿入を嫌がる態度に怒りを篭めて引き金を引く。
 「お前は道連れだ」
 ずーーーーーーーーーーん。
 「あーーーーーーーーーーー」
 田原萌江は悲鳴と共に床に崩れる。
 鈴鹿悠渣は銃口を構えたまま一物を仕舞う。
 「随行員。警察に電話をしてこの状況を伝えろ」
 鈴鹿悠渣は玉川亮に命令する。
 「えっ。警察」
 玉川亮は驚きの姿勢になる。そして確認するようにスマホを指差す。
 「犯人の指示で電話していると事態を正確に伝えろ」
 玉川亮は震えている振りをしてスマホの画面をタッチする。
 「ツアーの列車が乗っ取られました。犯人は拳銃を持っています。犯人の指示で電話しています」
 やや震える声だが芝居ではない。
 「場所は」
 「土讃線の新改駅です」
 「状況は」
 「運転士と他に四人殺されました」
 「犯人は」
 「拳銃を構えています」
 「一時間以内に俺を射殺しろと言え。今から一時間丁度で一人被害者が出る」
 鈴鹿悠渣は警察に聞こえる声で玉川亮に命令する。
 「犯人はあと」
 「聞こえている。一時間以内に自分を射殺しろだな」
 「ええ。それで一時間で一人殺されると」
 「弾は沢山持っているのか」
 「さっき十一発と宣言して二発撃ちました」
 「拳銃にはあと一発か」
 「いいえ。拳銃は二丁です」
 「今手配しています。犯人を刺激しないように」
 「説得は無駄だ。説得すれば直ぐ一人殺すと言え」
 「あの」
 「聞こえている」
 「もう電話を切れ」
 鈴鹿悠渣はややヒステリックな口調で叫ぶ。
 玉川亮は直ぐ通話を切る。
 鈴鹿悠渣は拳銃を両手に一丁ずつ持つ。
 高知県警は直ぐに新改駅を取り囲んだ。
 坪尻駅と違って車で入れる道がある。列車はホームの先端に停車していた。
 次に新改駅で退避する十八時二十七分の列車は運休。通過する特急も土佐山田と大杉で運転見合せとなった。
 
 熱海。如月鬼堂の経営するファッション喫茶である。
 如月鬼堂は既に着いていた。隣には店長の荒井枝理が同席している。
 後から来た館山弁護士が近寄る。
 「また事件です」
 館山弁護士は新幹線の車内字幕で確認した。
 「また奴等の関連か」
 「その可能性が濃いです」
 如月鬼堂はノートパソコンでテレビを点ける。
 新改駅の上空からヘリの映像が入る。
 ニュースは警察が犯人を射殺したことを伝えていた。
 「犯人が拳銃を持って電車に乗っていたのが問題です」
 「うん」
 如月鬼堂も連続拉致強姦事件の犯人グループが提供したものと推測する。
 「しかしよく次々に犯罪を起こす者を探し出すと言いますか。何か恐ろし過ぎます」
 館山弁護士は強い懸念を持っている。
 「多分。犯罪を起こす相談サイトが有るのじゃないか」
 如月鬼堂は前からそんなことを想定していた。
 「それでは鬼塚や今度の犯人が自分から相談したということですかね」
 館山弁護士もそれを否定できない。
 「そうそう犯罪者を幾度も作り上げるのは」
 「そうですね。それを突き止めますか」
 「突き止めてどうする」
 「追及はしません。しかし情報は掴んでおいた方が」
 杉下一行と大河内税理士が到着して挨拶に来る。
 佐々木鞘香は既に控え室に入っていた。
 客席も既に九割ちかく埋まっている。
 コンパニオンは下着姿で給仕に走り回っていた。
 
 新改駅の車両から倒れた参加者が八名病院に運ばれ五人の遺体が収容された。
 玉川亮他数名が警察署に呼ばれ状況を聞かれる。
 警察は人質の安全を考慮して犯人鈴鹿悠渣を射殺した。
 犯人の身元は愚か名前も分からない。
 拳銃の出所など解明もできない。闇製造された拳銃である。ライフルマークなど過去の犯罪に一致するものはなかった。
 警察の聴取は玉川亮に集中する。
 解ったのはツアーに申し込み車両をチャーターする会費を払った時の名前とアドレスだけである。
 それでも鈴鹿悠渣の自宅は直ぐに判明した。
 捜査員が向かう。だが既に遺品整理が行われている。
 犯行に至る動機や拳銃の入手先を解明できる物は何も出なかった。
 警察はツアーを計画した玉川亮を厳しく追及したが仲間を募ったサークル的旅行という域を出なかった。
 他の参加者の供述が総て一致している。
 田原萌江をゲストにした成り行きも不自然さは無かった。
 結果は最近頻発に起こる電車内の無差別殺人と同様との見解に至る。
 玉川亮の推測から鈴鹿悠渣は田原萌江がゲストという内容を見て死の道連れに選んだのではないかとの見解が有力と思われた。
 そして鈴鹿悠渣が勝手にこのツアーを自殺場所に選んだと結論付けられる。
 玉川亮は事情聴取から解放されて自宅に戻り後金の入金を確認した。
 
 佐々木鞘香も愛好会のショーで何度も号泣したが無事に熱海の会場を出て翌朝ホテルで入金を確認する。
 
 如月鬼堂らは越後湯沢に引き上げた。
 東京駅まで館山弁護士が同行する。
 「このツアーを計画した随行員と名乗る男。あの男は何も計画に絡んでないのですかね」
 館山弁護士はやや疑いを向けている。
 「年齢的には連続拉致強姦事件のグループとは離れているが」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の関連とは年齢や類型がかけ離れているとの見解であった。
 「確かに金に沢山余裕のある人間には見えません」
 「警察はかなり事情聴取したのだろ」
 「確かに撮り鉄の一人のイメージですが」
 「だが今回の犯人がたまたま募集していたツアーを利用したというのも何かしっくりしない」
 如月鬼堂は疑いが無いとも言えない。
 「拳銃は戸籍の無い部落と同じように奴等が提供したのですね」
 「シナリオも書いたように思えるが奴等の関連があそこまでツアーを率いて行動するとも思えん。今回容疑から外れてもマークはされる」
 「そうです。するとシナリオは奴等が書いてたまたま計画に乗ってしまった」
 「それも無理がある。寧ろこのツアーを連続拉致強姦事件の面々が知って利用したという方が自然だ」
 「連続拉致強姦事件のグループが闇サイトで自殺願望の犯人の相談に乗った。そこに手頃な計画があったというところですか」
 「そうだな」
 「あの随行員の男一応調べてみましょうか」
 館山弁護士はまだ疑いを捨てきれない。
 「どうだろう。先生がそう思われるのなら」
 如月鬼堂も館山弁護士が何かを探っても態々警察にリークはしないと分かっている。
 自分等の領域に今後また影響が無いとは言えない。ならば調べるに越したことはないかもしれない。
 「詐欺の受け子の様な存在という事はないでしょうか」
 「そこまで馬鹿な人間にも見えないな。あんなツアーを計画して人を集めて実行する。詐欺の受け子は思慮の浅い奴が場当たり的に引き受けるものだ」
 「確かに」
 「だが連続拉致強姦事件の面々なら詐欺の受け子とはレートが違う報酬を出すかもしれんな」
 「やっぱりあの随行員を調べましょう」
 館山弁護士は自分の見解を捨てられない。
 「無駄かもしれんが。先生がそう思われるのでしたら」
 如月鬼堂はもし連続拉致強姦事件の犯人グループの手先なら相当なガードが掛かっていると考えている。
 「はい。無駄かもしれません」
 「先生。でも危険過ぎませんか」
 「はい。胡浜次郎の死は確かに連続拉致強姦事件の犯人グループ以上の闇組織が動いたと思います」
 胡浜次郎は南七香とプレイした翌朝東京湾に死体で浮かんでいた。
 館山弁護士らが警戒していた人物である。
 「今は我々の関係が被害に遭っている状況ではありません。危険は避けましょう」
 如月鬼堂はいま館山弁護士の行動を止めたい。
 自分らの領域に関わる危険は排除しなければ成らない。だが館山弁護士にどこか正義感でもあるなら止めさせたい。
 名の有る弁護士である。名誉や社会の為危険を侵すなら何としても止めたい。
 「実は私よりもうちの若いのが騒ぎまして」
 「先生の意見ではないのですね」
 如月鬼堂はやや安堵した。
 「先の事を考えてあの犯人らが全部逮捕されてしまえばとは思いますが」
 「私は逮捕されないと思うが。その時は連続拉致強姦事件のグループが自決するか連中と繋がりのある闇組織が抹消すると思う」
 「そうですね。若いのにも自制するように言います」
 そんな話しをしている間に熱海停車のひかりは東京駅に着く。
 「しかし電車というのは何故終点に着くとかなり手前からおごそかに速度を落とすかな」
 「そう言えば。長い旅をして来た長距離列車ならともかく都内の電車もそうです」
 館山弁護士も言われてみればそう思う。
 如月鬼堂と館山弁護士は危険を避ける方向で一致する。
 そのまま如月鬼堂は上越新幹線に乗り継いで越後湯沢に帰った。
 
 十一月十六日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「今回は四人で行ってくれ」
 川口の会長は早見朱莉を医者ら四人に譲った。
 「次の標的も見つかったしな」
 葬儀会社の社長もそう薦める。
 早見朱莉に狙いをつけたのは印刷屋。だが堕とし入れたのは川口の会長である。四人はやや遠慮する。
 「次の標的は」
 医者の男は印刷屋に確認する。
 「それはゆっくり掛かろう。ちょっと良い話しが有ってな。これから生駒に向かう」
 川口の会長は別の案件が有ると言う。
 「ひょとして例の旅館の女将」
 医者の男もその件には感心が深い。
 「その知り合いらしい」
 「いま温泉街は廃墟が広がりつつある。周りのホテルが倒れると余計に客足は遠退く」
 川口の会長の言葉に葬儀会社の社長が付け加える。
 「飯坂や東山も廃墟が円形脱毛症の様に広がりつつある」
 「GOTO復活で巻き返さないのか」
 「難しいらしい」
 「多額に必要そうだな」
 「まだまだ期待ができる。GOTOが始まっても宣伝費は必要だ」
 「美人若女将がどれだけ居るかだが」
 六人は生駒と川口に別れて出発した。
 
 川口の旅館である。
 早見朱莉は心臓が張り裂けそうな思いで待っていた。
 和式テーブルに料理が運ばれ小型の冷蔵庫にビールが詰まっている。
 時間を見計らって女将が内湯に湯を流し込む。
 医者の男が女将に六十万の入った封筒を渡す。
 「四名様ですが」
 女将は金額が六人分なのを一言確認する。いつからか四人で六人分渡す習慣になっていた。
 「それでよい」
 「いつも申し訳ございません」
 女将は丁寧に頭を下げた。
 部屋に四人が入って来ると早見朱莉は怯えた様に部屋の隅に固まる。
 医者の男が台の上に百万の帯封を二つ置く。
 「確認して仕舞え」
 早見朱莉はそのまま頭を下げて持ってきたバックに無造作に仕舞う。
 怯えた手を畳について一回だけの源氏名で挨拶する。
 「脱いでくれ」
 「はい」
 早見朱莉は観念して立ち上がる。震える手で服を脱ぐ。
 「座布団に寝ろ」
 既に座布団四枚を畳に並べていた。
 早見朱莉が上に寝ると料理の刺身を躰に盛り付ける。
 四人は女体盛りとビールで乾杯する。
 女体盛りにされている早見朱莉にも水差しで日本酒を飲ませてしまう。
 一人が両脚を各々座布団の外にずらして股間を広げる。
 膣にクスコを差し込む。
 「あ、ああ、ああーー」
 小型のカメラを差し込みペンライトで照らして白い壁に投影する。
 一人が照明をダウンする。
 「どうだ。お前の女の奥だ」
 「いやーーーーーー」
 早見朱莉はクスコの中を大きく壁に拡大されて悲鳴を上げた。
 一人がドテの黒い塊を一枚刃の剃刀で根本から削ぎ取る。
 乱暴な剃毛である。
 一人がローションを流す。T字剃刀で表面を綺麗に剃ってしまう。
 剃った跡を綺麗に拭き取る。
 そこに山葵を載せて醤油で溶く。
 鮪の刺身を浸して食べる。
 まだ序の口以下の責めである。
 乳首を箸で掴んで鮪の切り身で刺激した。
 早見朱莉は静かに堪える。
 刺身は僅かな時間で無くなった。大根のつまを退かしてローターで早見朱莉の乳房、乳首、股間を責める。
 早見朱莉は直ぐに藻掻き出す。
 医者の男のリードで股間の責めを強化する。
 「う、うぐうう、うーーーーー」
 早見朱莉は堪えられず声を洩らし始めた。
 クスコを抜いて膣にローターを挿入する。
 二つ以上入れる方が効果はある。さらに包皮の上からクリトリスを責める。
 「うーーーーーー。う、ううーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー」
 早見朱莉の顔の表情は歪み軋む。
 堪えられず強く藻掻き躰に力が入った。やがて股間が微動するように小さく震撼する。
 「あはあーーーーーー。あーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー」
 早見朱莉の表情は究極に軋み強く藻掻き続けた。
 やがて失禁尿が流れ出す。
 「あーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あはんああーーーーーーーーーーーー」
 早見朱莉は恥ずかしさの極致である。
 一見気丈に見える早見朱莉の羞恥の姿は四人を満足させる。
 それだけでは許さない。
 ドリルバイブを用意している。
 「えーーーーーー。何でそんな物で」
 「お前の女の性を解剖するのだ」
 「えーーーーーーー。解剖」
 「メスで腹を割くわけではない。お前の官能をとことん曝けださせて百パーセント逝かせる。完全に逝けば失神だ」
 「えーーーーーー」
 早見朱莉は四人に輪姦されるのは覚悟している。そしてそれ以上に恐ろしい仕打ちが待っていると理解はしていた。
 
 川口の会長と葬儀会社の社長は生駒に着いた。
 如月鬼堂の経営するファッション喫茶の横を通る。
 「まだ看板消して会員のみの営業か」
 川口の会長は不満そうに言う。
 「このまま愛好会の会員だけの店で定着するのではないか」
 「会員数が相当に増えているのだな」
 「千人を大分前に越えたようです」
 「それじゃコロナでも息の掛かったSMクラブなど儲け放題ではないか」
 「熱海でさえ女の子の数を減らさないで持ちこたえた」
 「鬼塚はよくやった。あっぱれだった」
 川口の会長は多くを捲き込んだ最後を褒め称える。
 「鬼堂の女たちを虐めてくれたのは痛快ですよ」
 「そうだな。まあ程々にあんなところで良いな」
 「そうです。やり過ぎると面倒な弁護士が三人もついています」
 「鬼堂の女三人にできなかった事をのこのこ乗り込んで来た女刑事が犠牲に成ってくれた」
 川口の会長は原枝理香警部補が鍾乳洞に乗り込んでくれて素晴らしいラストシーンになったと悦ぶ。
 「なかなかの動画が配信されました」
 「当分あれ以上のドラマはないな」
 「そうです。新改駅は強姦だけで終わってしまって今一ですよ。もの足りませんな」
 葬儀会社の社長はSMがなかったのが不満である。
 「電車内で自殺願望を果たすならこのくらいやりなさいと言うサンプルまでだったからな」
 川口の会長はあれに関してはあれで良いの考えである。
 「あれを見てまだ相談者は来るかな」
 葬儀会社の社長も社会を騒がせることに期待をしている。
 「来るよ社会に不満を持っている者は多く居る。あれを見て内心喜んでいる者も少なくない」
 川口の会長も葬儀会社の社長も不満分子の後押しをして社会を騒がせたいらしい。
 
 川口の旅館である。
 早見朱莉はドリルバイブでとことん責められ失神して白目を剥いて躯の姿を晒してしまう。
 そのあと内湯の浴槽の中で輪姦された。
 ここからが本番である。
 早見朱莉は女将の説明が頭を離れない。
 「女が二百万の慰謝料を取る事は簡単。でも風俗で二百万を得る事は億単位の慰謝料を取れる事に耐えなければ成らないの」
 早見朱莉はその現実まで墜ちて今それに直面している。
 医者の男を始め四人は極めて残酷な気分である。
 多少宥める金は別に用意している。ここまで金を掛け手間も掛けた。とことんやりたい。
 「さあ。また良い声で鳴いてもらうぞ」
 四人はまだまだ早見朱莉の女を責める。
 二人が脚首を両側から掴んでV字開脚にした。
 ドリルバイブを使ってとことん女の性を剥き出しにさせる。
 もう一度失神して躯姿を晒したところで脚首を両側から押えたまま浣腸する。
 「えーーーーー。此処で出すのですか」
 「そうだ。尿瓶で受けてやる」
 「ああーーーー」
 早見朱莉は恥かしさに気丈な美人顔を強張らせる。
 四人が交代で二穴挿入を行った。
 早見朱莉は最初アナル挿入の痛みに喚き散らす。
 だが男らは充分なテクニックを持っている。早見朱莉は不本意でも直ぐに官能の坩堝に堕ちた。
 それを何度も繰り返してから今度はドリルバイブ二本に切り替える。
 何度か失神と失禁もした。
 男らは早見朱莉に女の悦びの極致を教えるのが目的である。
 
 川口の会長と葬儀会社の社長は生駒の旅館に入った。
 女は清楚なワンピース姿できちんと座って待っている。
 見た目は悪くない。三十前後の容貌である。二つ揃えた膝と太腿が艶かしい。美人若女将と言う言葉に気遣いするまでもなく当てはまる。
 「若宮寿々でございます」
 女は本名で挨拶した。
 「躰を見せてもらえるか」
 葬儀会社の社長が要求する。
 「はい」
 若宮寿々は立ち上がる。
 川口の会長は既に五百万をテーブルに出している。女将を通しての要求額は五百万である。
 若宮寿々はワンピースを肩から外して脚元から抜き取る。
 これだけでスタイルは悪くない。
 ブラを外す。片手にはやや大きい手ごろなサイズである。乳輪と乳首は鶏の鶏冠の様に赤い。
 ショーツも脱ぐ。黒い塊は申し訳程度に咲いている。
 川口の会長は五百万を押しやる。
 若宮寿々はそれを持って来た鞄に仕舞う。
 「五百万で足りるのかな」
 葬儀会社の社長である。
 「いいえ」
 若宮寿々は首を振る。
 「横山さんと同じ温泉か」
 「はい」
 「あの人随分頑張ったな」
 「いいえ。まだ駄目なのです」
 若宮寿々は硬く首を振って辛い状況を訴える。
 生き延びたのは二件だけである。温泉街が部分的に廃墟となり客が来なくなってしまった。
 二件で客を呼ぶ宣伝を掛けるしかない。
 「できるだけご要望にお答えしたいがな」
 「はい。覚悟いたしております」
 若宮寿々は事業である旅館を護る事が最優先の覚悟を示す。
 二人はまず若宮寿々を湯に浸ける。中でゆっくり躰を味わってからプレイを開始する。
 
 川口の会長が先に湯から上がって衣服を着けた。
 闇サイトに問い合わせがあり川口の会長はまた次の相談を受ける。
 相談者は金がない。それでも鈴鹿悠渣と同じレベルの事がしたいと言う。
 鈴鹿悠渣の事件のあとも鉄道内の傷害事件が二つ起きた。どっちも犯人は逮捕され被害者は軽症で済んでいる。
 川口の会長は金が無いなら作らせてやる。暫く待てと指導した。
 葬儀会社の社長が若宮寿々と一緒に浴場から出てくる。
 自分だけ服を着けて若宮寿々を裸のまま躰を拭いて縛った。
 
 川口の旅館では早見朱莉がまだ責められている。
 医者の男らは早見朱莉を官能に落とす作業から寸止めに切り替えた。
 早見朱莉が気持ち良くなり掛けたら責めを止める。これを何回か繰り返す。
 「逝きたいか」
 早見朱莉は答えられない。
 さらに痙攣が治まるのを待って責め直す。
 また寸止めする。
 「あ、ああ」
 早見朱莉はとうとう切ない声を漏らす。
 医者の男らはここから寸止めと同時に拷問を開始した。
 ドリルバイブの擬似男根の代わりに金属のこけしを膣に入れる。線がトランスに繋いである。
 電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 早見朱莉は一気に大きな悲鳴を上げる。
 医者の男らの残酷な計画は架橋に来ていた。
 何度か寸止めと痛みを交互に与える。
 最後にドリルバイブで責め続ける。手ごろな太さで失禁と失神するまで責め続けた。
 最後はこけしではなくドリルバイブの代わりに金属鏝を入れる。ペニスの太さはある。
 早見朱莉は失神したまま躯状態をさらしていた。
 金属鏝に電流を流す。数秒で金属鏝は熱くなる。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーあついいーーーーーーーー」
 医者の男はそのタイミングでクリトリスを焼く。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーー」
 早見朱莉は泣き叫ぶ。
 医者の男は焼き終わったところで局部麻酔を打つ。
 「あーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーあはああーーーーーーーーーーん」
 麻酔で痛みは引いても早見朱莉は泣き続けた。
 クリトリスと膣の中を焼かれたことはさすがに分かる。ここまでの仕打ちを受けるとは思っていなかった。
 治療すれば戻るのか。全く女の悦びを失って生きてゆくのか。
 医者の男はテーブルの上に百万の帯封を二十束置く。
 「ご祝儀だ」
 意味は違うがこの男の言い方である。
 早見朱莉は金額に慄く。
 「最初の二百万は弁護士費用と慰謝料、治療費だろ。当面の手当てはここの医者がやる。その費用は別にこっちで払う」
 「当面の手当て」
 早見朱莉は医者の男の言葉を繰り返す。
 「その金で商売始めるのも良い。ここの医者が整形までは綺麗にしてくれる。これまでにも見ている。その医者に相談するも良い」
 医者が迎えに来たので早見朱莉は貰った金を男らの用意したケースに入れてその車で病院に向かった。
 この先早見朱莉は日陰暮しで暗闇人生となる。医者の男らは早見朱莉に生涯拷問をしたのである。
 その報酬が僅か二千万で終わらされた。最初の二百万は罠に嵌められなければ必要のない金額である。
 
 生駒の旅館では若宮寿々が逆さ吊るしにされていた。
 片方ずつ膝から脚首に縄を掛けられ天井からV字開脚に吊るされている。
 手首は縛り合わされてこれも天井から吊るされていた。
 この縛り方で若宮寿々の躰は腰で二つ折りにされ首から乳房はV字開脚にされた太腿の間に嵌った状態である。
 女の部分は無防備に晒され鞭で叩き易い高さに調整されていた。
 葬儀会社の社長が下から鞭で局部を狙う。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
 「ううーーーぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々には初めて受ける鞭。それが一番敏感な部分を叩かれる。限りない恐怖と衝撃である。
 若宮寿々の躰は空中で震撼していた。痛みに歪む表情はなかなかそそらせる。
 川口の会長は手を伸ばして乳房を叩く。柄の付いたスパンキングである。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は乳房をもろに革の平面で叩かれた。痛みに顔を歪めきって空中で藻掻く。
 若宮寿々は女の部分のびらびらと乳房を交互に叩かれ涙を流し早くも失禁してしまった。
 「あーーーーーーーー。ああーーーーはああーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は藻掻きながら失禁尿を垂流す。
 気品のある大人の女の失禁姿に二人は大満足である。
 「あはあ。ああ。はあ。はあ」
 若宮寿々は紅潮した顔を逸らせて恥かしさに躰を震えさせ藻掻く。どうにも堪えられない精神状態になり顔を隠して声無く泣き続ける。
 二人は強く甚振るが今回は決定的な仕打ちはしない予定でいた。
 医者の男ら四人は早見朱莉の女を完全に潰したがこっちはじっくり愉しむ目論見である。
 一度若宮寿々を吊るしから降ろす。
 「これから浣腸してアナルを慣らす」
 川口の会長が宣告する。
 「・・・・・・・」
 若宮寿々は何も答えられない。浣腸と聞いてまた表情を曇らせる。便は抜いて来ている。それでも恥かしい。
 透明なボウルを跨いで排泄させられた。茶色い水に僅かな便が混じっただけである。それでも臭いは強烈であった。
 そのまま浴場に連れて行く。躰を洗って柔らかいゴムのアナルパールでアナルを慣らす。
 適度なところでアナルにバイブを入れたままで前から二人交代で湯の中で挿入する。
 座敷に戻してからドリルバイブで失神するまで責め続けた。狂ったような声を上げて三回失神させて白目を剥いた躯状態にする。
 充分に女の性の奥地を味合わせたはずである。若宮寿々は意地を張って認めないと分かっている。
 逝ったかどうかを確認の必要はない。失神すればこれ以上なく完全に逝っているのである。
 「さあて最後に今日の値段に合うプレイを三つから選んでもらおう」
 「今回で全部ではない。宣伝を始めたら直ぐにまた必要になるだろう」
 川口の会長の言葉に葬儀会社の社長が付け加える。
 若宮寿々にはあと何回か金を出してくれると分かった。その分横山深雪と同じように何度も玩具にされるとも理解する。
 それでも横山深雪はこの二人から何回か金を引き出していた。
 「坊主にするのは必須だ。一つ目の選択肢は乳首を斬り落とす。一つはクリトリスを割る。最後の一つは膣の中の一角を焼く。この三択だ」
 川口の会長が三つの選択肢を宣告する。
 若宮寿々は表情を曇らせる。
 「膣の中を焼くと仰いますが何処を焼くのですか」
 若宮寿々は恐る恐る尋ねる。
 「入口だよ。仕事に一番差し支えないが治るまでSEXも自慰もできない」
 川口の会長は淡々という。
 「乳首ですと」
 「しばらくは入院だ。整形で見た目は奇麗に成る。左右の段差をやや感じる程度だ」
 「この先もある。二軒共同で宣伝しても少なく見積もってもあんただけであと二千万くらいは必要になる」
 葬儀会社の社長が付け加える。
 「それではあと四回」
 若宮寿々はやや慄いている。
 「そんなには持たない。成り立つようにはしてやるよ」
 葬儀会社の社長は笑っている。
 「今回はどうする」
 川口の会長は用意してきたか鬘を前に置く。
 「はい。膣口で」
 若宮寿々は小さな声で答える。
 川口の会長がハサミで若宮寿々の黒髪をカットする。
 葬儀会社の社長がバリカンでさらにカットした。
 最後は二人掛かって剃刀でさらにつるつるに剃ってしまう。
 若宮寿々はつるつるに成った頭に鬘を載せて涙を零す。
 既に医者は到着して待機していた。
 川口の会長が若宮寿々の後ろから両脚首を押さえる。葬儀会社の社長が小さな鏝を熱くして構える。
 完全に焼かなくてもよい。今回は膣の使えない辛さを教えればよいと目論んでいる。
 とことん時間を掛けて覚悟を決めさせて数回目に心底泣かせる恐ろしい目論見である。
 葬儀会社の社長は鏝の先端で膣口を僅かに焼く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも強烈な悲鳴が上がる。
 直ぐに医者が呼ばれて局部麻酔が打たれた。
 医者は軽傷なので落胆気味である。
 「奇麗に治してよ。その内儲けさせるから」
 川口の会長は医者の内心を見透かすように言う。
 「期待していますよ」
 整形の腕は確かだが酷い医者である。
 若宮寿々は驚かない。横山深雪から総て聞いていた。
 
 十一月二十日。
 川口の会長は次の相談を受けた。引退を余儀なくされた政治家からである。
 警察は一応の捜査はしたが送検されず起訴には至ってない。
 だが女性の激しい訴えから立候補したが落選してしまう。
 事務所の相談に来ただけで何も無かった。それが突然訴えられてしまったと言う。あいにく秘書は用事で出かけていた。
 この元代議士は民事党大石勝と言う。
 確り台本は書かれていてマスコミ効果は大きい。女性はマスコミ取材に出まくった。
 全く身に覚えのない指一本触れてない。事実無根であると言う。
 大石勝はこの女性を対立候補の立憲国民党を支援する存在だと突き止めた。
 女は弭間加奈と言う。
 大石勝は自分の手を汚さずこの女を社会的に葬りたいと願っていた。
 作戦は連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトに持ち帰ることと成る。
 六人の結論は金のない相談者の道連れと決められた。
 大石勝には総額三千万の費用が提示される。それを大石勝は闇サイトを通してそれぞれに支払う。
 
 十一月二十七日。
 持丸富久は横浜から寝台特急スーパーワイドヴュー出雲に乗った。川口の会長の指示を受けて動く。
 最新型の観光列車である。
 (架空の特急です)
 六両編成で展望サロンカーとバーラウンジが付いていて客車は四両。A個室、B個室合わせて最大定員四十名である。
 その日は運転士、車掌、販売員の三名が乗務していた。
 東京を出ると横浜、熱海、静岡に停車。乗降者がある場合名古屋、大阪、岡山、倉敷、備中高梁にも臨時停車する。
 その日の切符は川口の会長が大方を買い占めていた。
 弭間加奈の友人女性二人をエスコートする男性を通して三名で乗せる手筈を整えている。
 弭間加奈は玉川亮と東秀雄の二人で拉致した。
 横浜を発車して乗客はまだ六人である。
 静岡から三名。大阪から五名。残りは備中高梁から販売されていた。
 これらは静岡の三名を除いて乗ってくる事はない。
 静岡の三名は川口の会長が手配した闇組織の派遣員であった。
 さらに弭間加奈の友人女性二人。これをエスコートする男性。そして持丸富久。あとの二人も闇組織が送り込んだダミーの客である。
 持丸富久は横浜駅のホームの防犯カメラの死角で東秀雄からキャリーバッグを受け取った。
 中には弭間加奈が全裸で眠らされ厳重に縛られて入れられている。
 米原で運転停車した。此処で運転士と車掌は西日本の乗務員と交代する。
 大阪から三人乗り込んだ。静岡から切符を持った三名である。
 三名とも拳銃を所持している。
 車掌が車内改札に来たところで最初に当たった一人が射殺した。その後は車掌を射殺した銃一挺で販売員と運転士を射殺する。
 三名の内一人は女性である。バーカウンターの販売員を射殺して入れ代わる。
 射殺したら三名とも個室で着替えた。
 男二人は車掌と運転士に入れ代わってしまう。
 大阪を過ぎた辺りから先頭車サロンでイベントが始まる予定である。
 シャンパン、ビール、特製オードブルが用意されていた。
 まずサロンを準備中にする。
 運転士と入れ替わる男は乗務助役の制服姿である。
 運転士乗務の知識も得ている。
 乗務員室のマスターキーは用意されていた。交代して次のトンネルに入ったところで決行する。
 乗務員の行動、イベント内容は事前にチェックされていた。
 制服で乗務員室に入るので瞬時には不審者と思わない。
 拳銃にはサイレンサーを装着している。
 鈍い音はトンネル内の走行音で消されてしまう。
 車掌に入れ代わった男と販売員と入れ代わった女の二人で運転士の死体を乗客の居ない個室に入れて鍵を掛ける。
 イベント列車なので次に止まるのは備中高梁の臨時停車である。
 既に闇組織の派遣員の手に落ちている。
 車掌が持丸富久の部屋に来た。
 「持丸さんだね」
 「そうだ」
 車掌が拳銃を二挺渡す。一挺は本物の運転士と車掌、販売員を射殺した物に弾を追加装填したものである。
 もう一挺は模擬弾を詰めていた。
 持丸富久と車掌姿の闇組織の派遣員は決行時間段取りを再度確認する。
 シャンパン、ビール、オードブルが配られるまでは通常通りである。
 持丸富久が弭間加奈を入れたキャリーバッグを持ってサロンに入る。
 「今からイベントは内容変更する」
 既に拳銃を構えている。
 キャリーバッグを開けて弭間加奈をサロンの中央に放り出す。
 全裸で高手小手に縛られ脚首と太腿を片方ずつ縛り合わされている。
 「加奈」
 女性の客が声を上げる。弭間加奈の友人女性の片方である。
 「しずかにしろーーーー」
 持丸富久はエスコートの男性を射殺する。その拳銃にはサイレンサーは装着されてない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーー」
 「しずまれーーーーーーーーー」
 持丸富久はもう一発天井に発砲する。そして弭間加奈の友人女性に銃口を向けた。
 「あ、ああーーーーーー」
 女は怯え慌てる。後二人の男性は静かに固まっていた。
 「これからこの女のSMショーだ」
 持丸富久はそう言って弭間加奈にスタンガンを押付ける。既に確り三脚を立てて撮影を始めていた。
 「ぐぐうううーーーーーーーー」
 弭間加奈は一気に意識を回復する。
 「な、なにこれーーーーーーーーー」
 弭間加奈は自分の姿に驚き叫ぶ。
 全裸で縛られ女の部分は丸出しである。縄に拘束されて股を閉じることさえできない。
 自宅アパートで寝ていていまスタンガンで意識を戻したのである。
 「美由紀これなにーーーーーーー」
 弭間加奈は視線の中に友人を見つけて抗議する。
 美由紀と呼ばれた女性は持丸富久の拳銃を目で示す。続いて床に崩れたエスコート男性に視線を移す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はその場所がサロンカーの車内と理解する。
 そしてつい少し前四国の土讃線でツアーの貸し切り列車がジャックされた事件を思い出す。
 「車掌」
 持丸富久は弭間加奈に拳銃を向けたまま車掌を呼ぶ。
 「はっはい」
 車掌姿の派遣員は慌てた振りをして返事する。
 「その鞄に鞭が有る。この女を叩け」
 「え。私が」
 「さっさとやれ。次の犠牲者が出るぞ」
 持丸富久はかなり荒い言葉で脅かす。
 「はあ。はい」
 車掌姿の派遣員は怯えた芝居をしながら鞄から鞭を取り出す。
 「こ、これで」
 「そうだ。この女をさっさと叩け」
 持丸富久はさらに強い口調になる。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。何で私がこんな事されるのーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は堪らず叫ぶ。
 「叩けーーーーーーーーー。次の犠牲者が出るぞーーーーーーーーー」
 持丸富久は怒鳴ると並んで座る二人の女性の脚の間に一発打ち込む。
 「ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーー」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 女性二人は恐怖の叫び声を上げる。
 「叩けーーーーーーーー」
 「はい」
 車掌姿の派遣員は鞭を振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は鞭を見て悲鳴を上げる」
 鞭の先端は縛られた太腿に当たる。
 「う、ぐううーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は強烈に悲鳴を上げる。
 「乳房を叩けーーーーーーーーーー」
 持丸富久はさらに要求する。
 「はあい」
 車掌姿の派遣員は怯えたように鞭を振り被る。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は金切り声で叫ぶ。
 鞭は左の乳房を直撃する。
 「う、ぐううーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そんなに力は入ってない。
 「手を抜くなーーーーーーーーーー。もっと強く叩け」
 持丸富久はまた怒りを剥きだす。
 「は、はい」
 車掌姿の派遣員はまた怯えたように返事する。そして手に力を入れて鞭を振り被る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は震えた金切り声で叫ぶ。
 「叩けーーーーーー」
 車掌姿の派遣員は弭間加奈の乳房目掛けて力を篭めて鞭を叩きつけた。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の躰は瞬間固まり藻掻き震撼する。
 「い、い、たいーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は怒りの表情を車掌に向ける。
 「次はま○○こだ」
 持丸富久は容赦なく命令する。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はまだ掠れた金切り声で叫ぶ。
 女性二人は目を叛けて背を丸め躰を縮めて固まっている。
 車掌姿の派遣員は拳銃に脅された形で鞭を構えた。
 「やめ・・・・・・・・」
 弭間加奈は叫ぶが声が掠れる。
 車掌姿の派遣員は構わず鞭を振り下ろす。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の股間は迫り上がる。そのまま瞬間固まった。それから痛みに藻掻くように強く左右に躰を振る。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は怒りと痛みに歪み切った表情で車掌姿の派遣員を睨む。怒りが直接叩くこの男に向いている。
 車掌姿の派遣員は顔を逸らせて一歩二歩たじろぐ。
 「ひるむなーーーーーーーーー。連打しろーーーーーーーー。被害者が増えるぞ」
 持丸富久は怒鳴りながら拳銃を片方の女性に向けた。
 「やあ・あ・あ」
 女性は顔の前に両手を広げて身構える。
 車掌姿の派遣員は鞭を振り被った。
 「やめろーーーーーーーーーー。なんでわたしがーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は狂ったように叫ぶ。
 車掌姿の派遣員は股間に鞭を振り下ろす。
 「ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端は長方形の革のチップ。それがもろに弭間加奈の閉じ合わせた女の部分を叩いている。
 「あうーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の躰は小刻みに震え痛みに藻掻き続けた。
 「怯むな。次」
 持丸富久は構わず叱咤する。
 車掌姿の派遣員は躊躇う素振りを見せながら鞭を振り被った。
 「あーーーーーー」
 弭間加奈は怯えた悲痛な表情で身構える。
 「叩け」
 持丸富久は強い口調で次を促す。
 車掌姿の派遣員は狙いを定めてから弭間加奈の顔から目を逸らせて鞭を叩き付けた。
 「うごおおーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の股間は強く引いて迫り上がる。そして狂って暴れるように強く何回も震撼した。
 「ううーーーーーー。うーーーーーー。うーーーーーー。うーーーーーー」
 弭間加奈は痛みに顔の表情を絞って藻掻き、呻き続ける。
 目から涙が溢れ細く流れ出た。
 「やめろーーーーーー。止めて。もう止めて」
 弭間加奈は痛みに耐えられない。崩れた表情で訴える。
 「黙れ!強姦でっち上げ女」
 持丸富久は行き成り怒鳴った。
 「違うよ。私は大石に強姦された。何度も言っています」
 弭間加奈は怯えた態度を翻して叫ぶ。
 「黙れ!俺はお前のような奴に痴漢でっち上げされたのだ。それで人生を失った」
 「嘘だ。お前が痴漢だろ」
 「違う!丁稚上げた女は別の件で丁稚上げが立証された。それが実刑といえたったの二年六ヶ月だ」
 「そいつに復讐すれば良いでしょう。私に関係ないです」
 「なくない!お前のような女が居るから丁稚上げで稼ぐ女が増える。お前のような女を血祭に挙げて社会に刻み付けるのだ」
 「丁稚上げじゃない。その女以外はみんな被害者です」
 「嘘をつけ!お前はリベラルに反する保守系大物を潰したくて丁稚上げしたのだ」
 「違うよ。違います」
 弭間加奈はきっぱり否定する。
 「野党の連中の言う通り女の訴えだけで逮捕立件されたら怖くてエレベーターすら乗れない」
 「違う。女性の訴えが通らないのが問題なのよ」
 「どうであれ。俺は痴漢丁稚上げで総てを失った。残った金でこのイベントを計画した。これが俺の復讐だ」
 持丸富久は強行に宣言する。
 「その女に復讐して下さい」
 弭間加奈は無駄でも反論する。
 「俺は刑務所に入っている女の代わりに同じ丁稚上げをしたお前を道連れにする」
 持丸富久は強行にそう宣言してまた二人の女性に銃口を向ける。
 「お前らも脱げ」
 強い口調で命令した。
 二人の女性は怯えて躰を硬くする。
 「脱がないとお前らも道連れにするぞ」
 持丸富久は銃口を向けたままである。
 「・・・・・」
 二人とも怯えて躰を硬くしたまま動かない。
 「早くしろ」
 持丸富久は二人の女性の間の脚元に一発撃ち込む。
 「はあーーーーーー」
 「あ、あーーーーーー」
 二人同時に悲鳴が上がる。
 「弾は全員殺すだけ有るぞ。脱げ」
 二人の女性は震えながら服を脱ぐ。
 「おい。車掌。鞭が止まっているぞ。どうした。この女叩け!」
 持丸富久は車掌姿の派遣員に銃口を向けた。
 「は、はい」
 車掌姿の派遣員は慌てて鞭を振りかぶる。
 「止めてーーーーーー」
 弭間加奈は歯を剥き出して車掌姿の派遣員に向かって叫ぶ。
 車掌姿の派遣員はそれでも鞭を叩き付ける。
 「ぐうわーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 「あと十回」
 持丸富久は構わず命令する。
 「はあい」
 車掌姿の派遣員は震えた声である。
 「お前ら下着も全部脱げ」
 持丸富久はまた二人の女性に銃口を向けた。
 車掌姿の派遣員は弭間加奈の股間と乳房を叩き続ける。
 弭間加奈の乳房も大陰唇も鞭の痕が真っ赤に腫れて無惨な姿である。
 「男二人は一つ後ろのシートに下がれ。大人しくしていれば命は取らない」
 二人の男は逃げるように一列後ろに下がり前のテーブルに身を隠す。
 「そうだ。そうやって大人しくしていろ。だが携帯に触ったりこの車両から逃げようとすれば射殺する」
 二人の派遣員は怯えた振りをする。
 「お前ら。そのシートの上で俺にま○○こを見せろ」
 持丸富久は二人の女性に銃口を向けて命令した。
 二人の女性は互いに見合わせて座っている位置をずらす。震えながらシートの上で脚を広げる。
 「小陰唇も広げて膣口まで見せろ。撮影は勘弁してやる」
 女性二人はまた互いを見合わせてそれに従う。
 持丸富久もカメラの位置を変えたりはしない。カメラは弭間加奈を取り続けていた。
 弭間加奈は叩かれた挙げ句に床に放置されている。
 「お前ら二人。この女のま○○こを広げろ」
 二人の女性は躊躇う事なく床に転がされた弭間加奈の左右にしゃがみこむ。
 「カメラに映らないように手だけ伸ばせ」
 二人の女性は弭間加奈の女を広げた。
 「剃毛しろ」
 持丸富久は一枚刃の使い捨て剃刀とプラスチック容器に入ったローションを投げる。
 二人の女性は綺麗に処理されている弭間加奈のドテの僅かな陰毛にローションを流す。
 指で陰毛を摘まんで根元から剃刀で剃ってしまう。
 「お前ら。こいつはリベラル側で野党支持だな」
 「そうです」
 片方の女性があっさり認める。
 「おかしくないか。何故。立憲国民党支持者が民事党かつその保守派に相談に行く」
 「確かにおかしいです」
 もう一人の女性がきっぱり肯定する。
 「秘書は偽の電話で呼び出されたと証言している。公表されてないが極秘で確認した」
 「嘘よ。全部嘘です」
 「嘘じゃないでしょう。リベラルに反する民事党の保守派は許せないと言っていたでしょう」
 片方の女性が態度を変える。弭間加奈の虚偽誣告を悟ったのである。
 「私達。貴女のとばっちりよね」
 「違う。ちがうよーーーーーー」
 弭間加奈はまだ否定する。
 「貴女のやった事は痴漢以下よ」
 「貴女のせいでまた被害女性の訴えが退けられるのよ」
 二人の女性は交互に弭間加奈を非難する。
 「それは民事党の保守系幹部が悪いのよ」
 「それもそうだけど。貴女のやった事はそれ以上の犯罪よ。そして民事党の保守系幹部の言い分がさらに強くなるのよ」
 その女性はさらに強く断言する。
 持丸富久の構えた拳銃の前で剃毛はそれなりに終わった。薄っすら赤い皮膚が剥き出しに成っても綺麗な股間である。
 皮膚の肌理も細かい。毛穴も太くない。
 「もう良い。それをこの女に突っ込め」
 持丸富久は口を広げた鞄の中のクスコを指差す。
 女性はそれを見て恐怖に震えたじろぐ。ここまでさせるのかと思う。だが目の前に持丸富久の銃口がある。
 女性は仕方なくそれを手にする。
 「あーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はクスコを見て叫ぶ。
 持丸富久は銃口をさらに弭間加奈に近付ける。
 「あ、ああーーーー」
 女性はクスコを弭間加奈の膣に挿入する。
 「う、ううーーーーーー」
 弭間加奈は金属の侵入に呻く。
 「角度を九十度横にしろ。そして螺子を回して最大限に広げろ」
 三脚に載ったカメラの照準は弭間加奈の股間に当たっている。
 「鞄の中にペンライトが有る。それで中を照らせ」
 女性はそれに従って鞄からペンライトを取り出す。自身がカメラに映らないように手を伸ばして床に拳を着いてペンライトを照らす。
 「やや右だ」
 女性は角度を微妙に動かす。
 「よし」
 弭間加奈の女の奥がくっきりカメラに投影された。奥の子宮口、粘膜の皺、蚯蚓千畳の天井部がくっきり確認できる。
 弭間加奈は視線を天井に逸らせて堪え続けた。
 「車掌」
 「はっはい」
 総て川口の会長のシナリオ通りである。車掌姿の派遣員はまた怯えた振りをする。
 「鞄の中に革のケースに入ったブジーが有る。出せ」
 車掌姿の派遣員は直ぐに取り出す。もとより何処に有るか分かっている。
 「それをこの女の子宮と尿道に突き刺せ」
 「えーーーーーー」
 「いやーーーーーーー」
 車掌姿の派遣員と弭間加奈はほぼ同時に叫ぶ。
 「やらないのか」
 持丸富久はまた銃口を二人の女性に向けた。
 「判りました」
 車掌姿の派遣員はまず尿道にブジーを突き刺す。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は強烈な悲鳴を上げる。
 「少し動かせ」
 「はい」
 車掌姿の派遣員はブジーをそろりとピストンした。
 「う、ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は甲高い悲鳴を搾り出す。
 「よーし。今度は子宮だ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は泣き声で叫ぶ。
 車掌姿の派遣員はクスコの奥をペンライトで照らす。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はさらに泣き声で叫ぶ。
 「はやくしろーーーーーーーー」
 持丸富久がまた叱咤する。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈が悲鳴を上げた。
 車掌姿の派遣員は容赦なくブジーを突っ込む。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈からさらに強烈な悲鳴が上がった。
 車掌姿の派遣員はさらにピストンする。
 「ううぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はさらに泣き叫ぶ。
 「あーーーーーあはあーーーーーーーーーーーん。ううっぐうーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の悲鳴は一気に強くなる。そして遂に失禁してしまう。
 持丸富久は予定以上のものが撮影できて満足である。
 「そっちの二人。シートの背に手を着いてこっちにお尻を向けろ」
 持丸富久は二人の女性に要求する。
 女性二人は恐る恐る従う。
 持丸富久は拳銃をもう一挺に持ち替える。二挺受け取ったうちの模擬弾を詰めた方の拳銃である。
 それで販売員姿の派遣員女性を撃つ。
 「あ。あ」
 販売員姿の派遣員女性は床に崩れた。
 「きゃーーーーーーーーーー」
 「あーーーーーーーーーー」
 女性二人は悲鳴を上げる。
 持丸富久は社会の窓を開けて一物を取り出す。
 左側の女の背中に拳銃を当ててもう片方の手で乳房を掴む。
 「もうじき俺は死ぬ。許せ」
 そう言ってバックで挿入する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 女性は悲鳴を上げるが抵抗はしない。拳銃が背中から腋に移動して密着している。
 持丸富久は挿入したまま乳房の次はクリトリスを弄る。
 「あーーー。いや」
 持丸富久は少し動いただけで抜いてしまう。
 もう一人に拳銃を当てて乳房を掴む。
 「死ぬ前だ。許せ」
 こっちもバックで挿入してしまう。
 「ああ」
 こっちの女性もショックに声を漏らす。
 持丸富久はこっちも少し動いただけで抜いてしまう。
 「お前ら携帯を出せ」
 仕方なく二人の女性は衣類から出す。男性二人も出す。
 「鞄にハンマーが有る。それで壊せ。そうしたら部屋に戻って鍵を閉めて出て来るな。助かりたければ警察が乗り込んで来るまで静かにしていろ」
 男性からハンマーを手にする。
 持丸富久は拳銃を持ち替える。車掌を狙う。
 「やめてくださーーーーーーーーい」
 車掌姿の派遣員は断末魔の悲鳴を上げる。
 胸を狙って撃つ。
 車掌姿の派遣員も床に崩れた。
 「早くしろ。この先は見せられない」
 女性二人も観念してハンマーでスマホを破壊する。
 「荷物、衣類を持って部屋に戻れ」
 男性二人は直ぐに立ち去る。
 女性二人は衣類で前を隠して個室に向う。
 「よいか。鍵を掛けて警察が来るまで出るな」
 女性二人も急いで去る。
 二人が去ったら車掌姿の派遣員と販売員姿の派遣員が起き上がる。もちろんカメラには映らない位置である。
 「えーーーーーー」
 弭間加奈はその状況に慄く。
 持丸富久は弭間加奈の高手小手の縄を胸の部分で掴む。そのままシートに載せる。
 一物を出す。
 「あーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は強姦されると分かって叫ぶ。
 持丸富久は一気に突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 持丸富久は構わず強く動く。
 「うごーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 持丸富久は子宮の奥まで突く。
 「うーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は何処までも抵抗して喚き続けた。
 それでも持丸富久はこれで最後と弭間加奈の女の奥に果てる。
 「ちくしょう!これで二人目だ」
 弭間加奈はここに至ってまだ大石勝元衆議院議員の強姦を肯定する。
 持丸富久は鞄から半田鏝を取り出した。
 「なに。なにするのよーーーーーーーー」
 弭間加奈は強い危険を察知して喚く。
 持丸富久は半田鏝のプラグを座席のコンセントに差し込む。
 「ただ撃ち殺したのでは面白くない」
 持丸富久は半田鏝の熱く成るのを待つ。
 「やめろーーーーーー」
 弭間加奈は殆ど半狂乱である。
 電車はもうじき備中高梁に着く。だが乗車券は全てキャンセルされている。
 駅は照明を消して改札は閉められていた。
 電車は一応速度を落として通過する。
 持丸富久は半田鏝で弭間加奈の太腿を焼く。先端で艶かしい太腿に縦に線を引っ張る。
 「ぐぐうう。ぐうおお。おーーーーーーーーーーーー。ぐうあーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈の表情は歪み究極に破裂する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈は衝撃と猛烈な痛みに呻き藻掻く。
 続いて乳首を摘まんで乳房に鏝の先端で線を引っ張る。
 「ぐううーーーーーー。ぐごごおおーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーー」
 後日。弭間加奈の恐怖に目を破裂するくらい見開いた表情が録画した画面に凍りついていた。
 弭間加奈はもう一度失禁した。
 さらに意識朦朧となる。
 持丸富久は最後に弭間加奈の膣に半田鏝を突っ込む。
 それを奥に突き刺す力を込めて掻き回す。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーー」
 弭間加奈はそのまま失神してしまう。
 持丸富久は弭間加奈の眉間に銃弾を撃ち込んでとどめを刺す。
 録画を止めて急ぎ配信する。
 闇サイトに送る事も忘れない。
 既に電車は予定の踏切に着いていた。踏切の闇の中に三名を逃がす車が待っている。
 持丸富久は拳銃を車掌姿の派遣員に渡す。
 「頼む」
 自分では撃てないらしい。
 車掌姿の派遣員は持丸富久の米神を撃ち抜く。
 拳銃の弾数を調整して持丸富久に握らせる。
 もう一挺の拳銃で運転士姿の派遣員の防弾チョッキを着た胸を撃つ。
 その拳銃の残りの模擬弾を抜く。代わりに実弾を込める。
 それを床に倒れた持丸富久の上着のポケットに突っ込む。
 本物の運転士の遺体を部屋から出して運転席の床に倒す。
 車掌と販売員の遺体もラウンジに運び模擬弾で派遣員らが倒れた位置に投げ出す。
 三名はそのまま待っていた車で逃走した。
 新見行き普通列車が通過したあと伯備線にスーパーワイドヴュー出雲以外朝まで列車は来ない。
 警察が動いたのは動画の公開された四時間後であった。
 女性二人は病院に運ばれる。男性二人は診察を断って事情聴取に応じた。
 電車は米子迄回送されて現場検証が行われる。
 死者六名。内一名は犯人。拳銃を所持していたところから新改の事件と同じ協力者が後ろに居ると考えられている。
 翌朝のニュース番組は大騒ぎとなった。
 
 十一月二十八日。
 如月鬼堂は館山弁護士から連絡を貰ってパソコンでテレビのニュース番組を確認しながら越後湯沢に帰り着く。
 駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「編集のおばさんが来ているよ」
 如月鬼堂の担当編集員小川綾香である。珠洲と瀬里菜はこの編集者が嫌なので居ないところでは構わずおばさんと言ってしまう。
 「今の時期に何だ」
 如月鬼堂は原稿の督促には締め切り前だと言いたい。
 「縛りの別冊グラビアを出したいのですって」
 「何故今なのだ」
 「モデルが充実している今だから出したいのですって」
 「やれやれ」
 如月鬼堂は仕事を増やして欲しくない。
 帰り着くなりテレビのニュース番組を確認する。
 無傷で救出された男性客二人の証言がグロースアップされていた。
 残った銃弾、銃声の数などから持丸富久の単独犯行との見方が有力視されている。
 殺害された男性客及び途中米原で西日本に交代した乗務員二人、東京から乗務した女性アテンダント、弭間加奈の身元は直ぐに判明した。
 弭間加奈は何度もマスコミに顔が出ている。
 男性二人のラウンジの証言から持丸富久の動機がグロースアップされた。
 弭間加奈は持丸富久が拉致して電車に運び込んだと推定されている。その知人女性二人が乗り合わせて居たのは偶然とは考えられない。
 一番先に殺された男性。この人物が二人の女性を誘ってこの電車に乗り込んでいる。この人物の周辺に犯人の支援者がいる可能性が疑われた。
 コメンテーターの見解はその辺りに集中する。
 だが犯行の最中に乗務員が入れ代わっていたと気付く者は皆無であった。
 暫く如月鬼堂はニュース番組を確認しながら館山弁護士とテレビ電話で話して小川綾香の対応は後回しとなる。
 「グラビアの撮影。杉下一行にお願いしては駄目かな」
 「ええ。でも先生の監修でないと」
 「コメントは書くよ」
 小川綾香は編集長の雨倉に相談する。
 最終的に一人だけ如月鬼堂が縛って全部のコメントを書く。他の縛りは杉下一行との妥協案が了解される。
 また杉下一行を縛師として掲載する事も確認された。
 今年の冬は寒い事が周知されている。
 如月鬼堂らは十二月の初めに豊洲に住居を移し一月の半ばに宇佐美に移る予定である。
 この時期に今以上に仕事を増やしたくはない。
 館山弁護士は越後湯沢に向った。
 スーパーワイドヴュー出雲の事件で連続拉致強姦事件の犯人らの犯行支援行動が量産体制に入ったと見做したからである。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人の山荘である。
 寒さに空気は澄み切って麓の町は綺麗に見える。
 今日は魚介類を網で焼いてあとは高級おでん鍋である。ずわい蟹のほか高い魚介類が数種類入っていた。
 「警察は乗務員が偽者に代わっていたことには全く気付かないな」
 医者の男である。
 帆立を焼いて平貝を刺身で食べる。
 やはり生ビールが合う。
 「例え二人の女がそれに気付いても曖昧なままで終わる」
 川口の会長は自身を持っている。
 「もう日本に居ないか」
 葬儀会社の社長である。海外からは呼ばないと見ている。
 「いや。海外には逃げてない。例え似顔絵を作成されても身元など分からない。そういう部落の人間だ」
 いつもながら手が込んでいる。川口の会長が直接頼む訳ではない。幾つかの闇サイトと闇組織が関与していた。
 「大石元議員との接点は問題ないのか」
 「当然ないように指導している。表の口座から動かさない金で払えるか確認も取った」
 「裏金は有ったと言うことだ」
 医者の男は強く頷く。
 「それでなければ成り立たん。それでなければ保守派幹部ではない」
 極めて社会的に融通を利かした必要悪を認めた世代の言葉かもしれない。
 「大石元議員に繋がらなければ成功だな」
 「さらに面白いことが起こる。こっちのニュースを大きくしたくないからな」
 川口の会長はまだ何か企んでいた。
 
 如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士が来訪していた。
 「もう一度会員の中に連続拉致強姦事件の関係者が居ないか確認すべきではないでしょうか」
 「確かに連中が逮捕されて万一愛好会のに中に居れば潰されるな」
 如月鬼堂もその懸念は払拭できない。
 「逮捕される可能性はないと考えますか」
 「そう思うがな。万一逮捕されればな」
 「そうです」
 「警察は新改の事件などに連続拉致強姦事件の犯人が関与していると見ていますか」
 「鬼塚慎登の事件で奴等は警察を煽りました。専従班を壊滅させるのに余分なメッセージを出しましたね」
 「あれか」
 「一人ずつもっと身辺を調べます」
 「しかし今になって千人以上を調べますか」
 「あくまで紹介者がなければ会員に成れません。紹介のツリーを整理しています」
 「警察はどう捜査していますか」
 「持丸の身辺捜査はしていますがこっちは何も出ないでしょう。寝台個室を纏めてキャンセルした人物を洗っていました」
 「それは直ぐ洗い出せるだろ」
 「そうです。そして犯人には辿り着きません」
 切符のキャンセルをしたのはホームレスであった。
 共犯者らしきはホームレスに新しい衣服とサウナ代を渡した。それで時間を指定してキャンセルに行かせる。
 防犯カメラの映像からホームレスは直ぐに発見できた。ホームレスはそのキャンセル代金を取得している。
 似顔絵を製作したがマスクとサングラスで殆ど特徴は掴めない。
 警察は防犯カメラでホームレスの居た付近から人物を追う。だがその足取りは用宗駅までしか掴めなかった。
 そこからの電車はもう直引退する211系で防犯カメラはない。
 「先生。他の切符はなかったのですか」
 「静岡から三枚。大阪から五枚。何れも改札を通っていません」
 「そうすると三十五枚と三枚が持丸の支援者の手で購入された」
 「いいえ。ばらばらに購入されています」
 「それを回収したのなら相当な資金力だな」
 「これだけではどうでしょう。A個室と言ってもそれ程高くは有りません。もっと他で掛かっているようには思えますが」
 「支援なら本来金まで出さない前提でしょう。断定はできませんが大石元議員がそれだけの金を出しますか」
 「切符代だけではないと」
 「そうだよ。証拠を残さないで事件をここまで運ぶには相当の金を使う」
 「切符を買わせる手数料、回収する手数料ですね。そしてキャンセル」
 「それだけではないでしょう。持丸富久が一人で弭間加奈を家から拉致して寝台特急まで運べますか」
 「やはり詐欺の受け子の様な存在を雇って。それも高い報酬で」
 「それしか考えられないだろ。もしかしたらもっと上の闇組織まで動いているかもしれん」
 「そうしますと数千万は掛かっていますね」
 「大石元議員に金はあるかも知れない。だが払った形跡を残さないで払える金がどこまで有るか」
 「警察は大石元議員が裏で糸を引いていた可能性はかなり追求しています。でもその関連性を決める証拠は何もないようです」
 
 十一月二十九日。
 川越市駅のコインロッカーから人種の違う人間が十人紙袋を取り出した。
 そのまま七時十三分発新木場行き始発電車にそれぞれ別の車両に乗り込む。紙袋は網棚に置く。
 和光市まで各駅停車である。そこから有楽町線に入る。
 紙袋を網棚に置いた十人は有楽町線と副都心線が分岐する小竹向原で降りてしまう。
 有楽町線は飯田橋を過ぎて最大混雑になる。
 飯田橋を発車して紙袋に入った箱から煙が噴出す。ガソリンを含んだ煙幕である。大量の煙が電車の車内に充満した。
 車内は大騒ぎになり非情停止してドアを開けて脱出する。
 煙に巻かれて乗客の半分以上が倒れた。
 地上では緊急搬送が追いつかずパニック状態である。
 
 如月鬼堂は起きてシャワーを浴びて朝食に掛かっていた。
 如月鬼堂は自分で朝食を作る。珠洲と瀬里菜は食べるものが違う。だから別々に朝食を作る。
 ニュース番組が緊急速報に変わった。
 如月鬼堂も一緒に見ていた珠洲と瀬里菜も驚愕した。
 一個の発火装置だけではない。十両編成総ての車両に仕掛けられていた。
 オーム心理教の地下鉄サリン事件以来の大惨事である。
 また館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 続いて大河内税理士、杉下一行、福富麻次郎とも順次テレビ会議がる。
 「館山先生の懸念も分かりますが、会員に連続拉致強姦事件の犯人が居ただけで潰されますか」
 大河内税理士は半信半疑である。
 「どっかで六人全員死んで貰いたいですよ」
 如月鬼堂の言葉が福富麻次郎にも伝染していた。
 「調べて分かるものですかね」
 杉下一行は疑問である。
 「しかしこれ以上の凶悪犯は過去にないよ」
 福富麻次郎も驚愕している。
 「私はこっちで犯人を炙りだして警察を動かして闇組織に始末させればと考えますが」
 館山弁護士らしくない。無防備な考えである。
 「先生。それは危険だ。連続拉致強姦事件の犯人らが抹消されてもこっちも抹消される」
 「そうですね」
 杉下一行も同じ意見である。
 「もう一度会員の審査をやり直しましょう」
 大河内税理士の意見である。
 「その費用は」
 「会費では出せないな」
 「今回は私が持つ。先生増員してもやってください」
 「増員より他の事務所に応援を依頼します」
 「ねえ。死亡者と重篤者の数が」
 瀬里菜がニュースを見ていて悲鳴のように言う。
 死亡七十五名。重篤百二十二名。恐ろしい数字である。
 煙を噴出した荷物は紙袋ごと焼けてしまっていた。
 警察は総力で防犯カメラを分析した。紙袋を網棚に置いた人物を特定して追跡する。
 一人目が逮捕された。その男に悪い事をした認識はない。かなりごね続けた。
 男は求人サイトに有った仕事にエントリーしてその通りやっただけと供述する。失業者でネットカフェに泊まって単発の仕事を取っていたのである。
 前金五千円。終了後に一万円が振り込まれたと供述した。
 求人サイトの該当求人は削除されていたが履歴は残っている。実在する派遣会社のアカウントを使っていた。
 その派遣会社は全く知らなかった。アカウントが一時的に乗っ取られたのである。
 前金の五千円は紙袋の上に封筒に入れて入っていた。それを受け取って十人が指定された車両に乗り込むのである。
 六人まで警察は逮捕したが全員供述は同じであった。
 どの容疑者も失業者同然で収入の安定のない層である。発火物を作ったりやっている仕事の不自然さなど考える余地はなかった。
 現代の社会構造の大きな歪を犯人らは利用している。
 どっちの事件も捜査は暗礁に成った。
 
 十二月八日。
 オミクロン株の出現でまた厳戒態勢に成り掛けている。暗雲の兆しである。
 川口の会長と葬儀会社の社長はまた生駒に向っていた。
 今回はもう一軒の女将横山深雪に呼ばれている。
 近鉄奈良線の車両は空いていた。京都で新幹線を降りて大和八木と大和西大寺で乗り換えて来る。
 「大成功だったな」
 「あそこまで上手く行くとは思わなかったな」
 川口の会長も二つの事件に大満足である。
 全く捜査状況は進んでない。ニュース番組はコメンテータが同じ内容で意見を繰り返していた。
 「俺は十両編成のうち何両かは失敗すると思っていた。足が付かないように取ったあの手段では持ち逃げ者が出ると覚悟していた」
 「構造がばれても問題ないか」
 「ない」
 「窓が所々開いていても煙は充満しますな」
 「思ったよりね。脅かす程度で終わるかと思った」
 「そんなに成果を考えてなかったの」
 「スーパーワイドヴュー出雲の事件をマスコミに何処までも追及されない為のダミーだからね」
 「しかし議員から貰った金では赤字だろう」
 「赤字ではあるがこの先で回収する」
 「金より利用するか」
 「そうだよ」
 川口の会長はとことん悪党である。
 生駒の旅館に着くと横山深雪は和服姿で正座して待っていた。
 「本日は遠路ありがとうございます」
 相変わらず切り口上で挨拶する。
 「お仲間の女将さんも相当頑張っているじゃないの」
 「はい。背水の陣でございます」
 「今日はいくら必要かな」
 「申し訳ございません。私のような躰で。二千万ほど」
 横山深雪は畳に額を着けている。
 川口の会長は黙って百万の束を二十束そこに出す。
 「我々の計算通りだな」
 「はい。ありがとう御座います」
 「今回だけでは足りないと思うが。できるだけ協力はするよ。女将さん次第だが」
 「よろしくお願いいたします」
 「脱いでもらおう。和服を脱ぐ姿は久々だ。昔ストリップ劇場で観たが」
 葬儀会社の社長である。歳が充分に判る言葉と言える。
 「はい」
 横山深雪は直ぐに立つ。
 やや見慣れた躰だが悪くはない。さすがに和服に下着は着けてなかった。
 横山深雪を布団に寝かせて川口の会長が頭側に座る。V字開脚にしてその脚首を持つ。
 葬儀会社の社長が膣を器具で広げる。
 超小型のローターで膣口を責める。
 「あーーはーーーーーーーーーーー」
 葬儀会社の社長はにんまり悦ぶ。
 ローターをゆっくり滑らせる。
 「あーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーー。はーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は堪えられない。
 「膣口だけでぐっしょり濡れておる」
 会陰に横山深雪の膣液が流れ出ている。
 葬儀会社の社長はそれを指で伸ばして濡れ具合を自覚させる。
 「あー。はずかしいです」
 横山深雪は芯の通った女である。可愛いという女ではない。シャンでもない。柔らかい表情だが美形と言える。
 こんなきりりとした女が身を捨てて総てを提供する。きっぱり覚悟を決めるには護らなければならないものがある。
 健全に経営してきた老舗旅館であるが社会の大きな波、政治の強権には滅ぼされる。
 この度はその両方が一気に襲った。
 それを女の躰一つで支えてきたのである。
 周りは大きな波に勝てずに廃業を飲まざるを得なかった。その廃墟の姿を晒している。
 横山深雪は社会の大きな波に飲まれかけなければ、それに抵抗しなければここまで女の悦びを教えられる事も無かった。
 結婚した男でもSMを除いてもここまで躰を許すことはない女である。
 そんな女をとことん究極の玩具にできる。この二人には堪えられない悦びである。
 「今日はここも焼かせてもらうよ」
 「ああ。仕方ありません」
 横山深雪は覚悟を決めて逆らわない意思を表示している。
 葬儀会社の社長は徹底して膣口と一番感じる部分の手前を責める。クリトリスには態と触れない。
 「お仲間の女将。そこを焼かれても感度が戻ったのではないか」
 「はい。直ったような気がすると言っていました」
 正直に告白する。それは二人がとことん支え合っていることを意味している。
 そしてその辛さが滲み出ていた。それがこの二人を陶酔させる。
 「まだまだ。この先は長い。外国人観光客が普通に入って来られるまで終わらない」
 「それまで女将さんを何回も愉しませてもらう。できるだけご支援もする」
 川口の会長の言葉に葬儀会社の社長が付け加えた。
 「お願いします」
 横山深雪は神妙に頼み込む姿勢である。
 「女将さんパイパンの方が綺麗だよ」
 「ああ」
 横山深雪は葬儀会社の社長の言葉に返しようが無い。以前のプレイで土手を焼かれた上に全部陰毛を抜かれてしまったのである。
 二人は一度横山深雪を湯に浸けた。
 交代で湯の中で時間を掛けて挿入する。先に川口の会長が湯から上がった。
 吊るし拷問の準備である。
 葬儀会社の社長が横山深雪の躰をバスタオルで丹念に拭く。
 横山深雪の躰を畳にうつ伏せに寝かせる。葬儀社の社長が背中の後ろで手首を縛り合わせた。
 川口の会長が脚首を縛り合わせる。
 別の縄でその縛り合わせた手首と脚首を縛り合わせた。その縄にフックを付ける。
 既に川口の会長が天井から滑車を吊るしていた。その滑車のフックを下げて脚首と手首を縛り合わせた縄に付けたフックを引っ掛ける。
 滑車の縄を引いて横山深雪の躰を徐々に吊るし上げてゆく。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は経験の無い駿河問いの吊るしの苦しさに呻き声を漏らす。
 さらに引っ張り上げる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は苦しさに藻掻く。
 「苦しいな女将さん」
 「はい」
 横山深雪は辛そうに顔を歪めた。
 川口の会長はこの体制で膣とアナルに金属のこけしを挿入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は冷たい金属の挿入に呻く。
 その金属のこけしにトランスから延びた電線の先に付いた鰐口を二つずつ接続する。
 トランスのスイッチは川口の会長が操作する。
 まず膣のこけしに電流を流す。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 駿河問いの吊るしに電流責めである。横山深雪はパニック状態に成って悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰はぶるぶる震撼していた。
 葬儀会社の社長は洗濯バサミを凧糸に結び付けている。繋げるのではなく一個に一本の紐を付けていた。
 川口の会長は一度電源を切る。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横山深雪は荒い息遣いで藻掻き続けた。
 既に吊るしの下には透明で大きなボウルが受けられている。
 川口の会長は横山深雪に排泄の辱めを期待していた。続いてアナルのこけしに電流を流す。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪には物凄い衝撃である。
 「あ、ああーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 横山深雪はさらに辛い表情を歪めきって荒い息遣いで藻掻き続ける。
 葬儀会社の社長は一メートル四方の鉄板を持って来て吊るしの真下でボウルの前に置く。
 鉄板にはU字の金属が埋め込まれている。
 川口の会長はもう一度膣のこけしに電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪の躰はまた究極に震撼する。
 川口の会長は電流を切ってまた直ぐ入れた。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は藻掻き続ける。
 「あはーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は失禁しそうなのを何とか藻掻きながら耐えた。
 川口の会長はもう一息と一度電源を切る。そしてアナルと一緒にまた流す。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は断末魔に叫ぶ。
 川口の会長はしぶとい横山深雪を何としても恥に塗れさせたい。また一度電流を切る。
 「あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横山深雪は荒い息遣いで瀕死に藻掻いていた。
 川口の会長はもう一度両方に流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に横山深雪は失禁した。
 威勢よく小水がボウルに流れ落ちる。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は流れ出る失禁に半狂乱である。
 二人は横山深雪を駿河問いに吊るしたまま失禁を鑑賞して失禁に濡れた女の部分をじっくり鑑賞しながらタオルで拭く。
 「女将さん。もう少し半狂乱に泣いてもらうからね」
 川口の会長が恐ろしい事をやんわり言う。
 「・・・・・」
 横山深雪は痛みも堪らなく辛いがそれ以上に失禁させられたのが辛い。必死に堪え続けたが耐えられなかった。
 本当に女を甚振り追い詰め辱めて欲望のまましゃぶり尽くす酷い男らである。だがそれがなければ旅館を護り続ける金が作れない。
 二人の男は自分が耐えられず失禁したのが嬉しいのに違いないと思う。それならばそれを提供してもこの二人から金を引き出すしかない。
 贅沢する金ではない。護る為の金である。
 葬儀会社の社長は横山深雪を駿河問いに吊るしたまま糸を縛り付けた洗濯鋏みを躰に鋏みつけてゆく。
 その糸の反対側は下に敷いた一メートル四方の鉄板の中央に埋め込まれた半円形のフックに縛り付ける。
 五十本を駿河問いに吊るして真下に向いた躰のフロント面に鋏みつけた。乳房も臍も腹も洗濯鋏みに覆い尽くされている。
 「女将さん。痛いやろ」
 横山深雪からは葬儀会社の社長が言葉を吐く顔は悪魔の表情に見えた。
 「はい」
 辛い表情を歪めて答える。
 「吊るしを一気に上げるから。これが一斉に飛ぶ。尋常な痛みではないが鋏み続けても痛い。女将さんがはいと言ったら引っ張る」
 既に川口の会長は滑車のロープを持っている。
 「はい」
 川口の会長は一気に引く。
 駿河問いが五十センチくらい上がった。
 「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーー。ががーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は空中で腹を迫り上げ脚を強く蹴るように暴れさせる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに強く躰を震撼させた。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに暴れ続ける。行き場のない痛みに半狂乱である。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして僅かにもう一度失禁した。
 「あーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーん」
 横山深雪は悲鳴と共に涙を溢れさせる。
 葬儀会社の社長が漏らした横山深雪の女の部分を拭いて川口の会長が吊るしを下げる。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横山深雪は涙で顔を濡らしたまま荒い息遣いを続けた。
 「女将さん。もう一つ耐えてもらうよ」
 葬儀会社の社長は金柑を搾っている。
 川口の会長が縄を解き終えてうつ伏せに吊るしから降ろした横山深雪の躰のフロント面を上に向ける。
 葬儀会社の社長は搾った金柑の汁に二本の刷毛を浸けた。
 それで横山深雪の躰に残った洗濯鋏みの抓んだ痕に一気に塗り捲る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は沁みる痛みに畳を転げて狂ったように泣き喚く。
 「そのまま風呂に」
 川口の会長の言葉に横山深雪は浴室に駆け込む。
 横山深雪が風呂に浸かって泣いている間に川口の会長は川口の女将から連絡を受けた。
 「明日ですか。いま生駒だからあっちのメンバーに聞いて見ます」
 川口の会長は医者の男に連絡を取る。
 「明日だ。二百万欲しいらしい」
 四人は了解した。
 頃合を見て葬儀会社の社長が横山深雪を迎えに行く。
 一度は号泣したが芯の強い女である。既に鏡で泣いた顔を一応整えていた。
 葬儀会社の社長はその躰をタオルで拭いて座敷に連れて来る。
 「さあ。もう少し女将さんの女の奥を愉しませて」
 川口の会長は単刀直入に言う。
 「・・・・・」
 横山深雪は何をされても文句は言えない。だがその言葉に懊悩する。
 「女将さんの見せられない女の奥の恥かしい姿を全部白日に晒して愉しみたいのだよ」
 今度は葬儀会社の社長が詰る。
 横山深雪は敷いた布団に寝かされた。
 再びV字開脚にされて首の下に竹竿を通されて腕と脚首を縛られる。
 また恥かし過ぎる姿にされてしまった。
 「さあもう一度とことん逝き顔を見せていい声で鳴いてもらいますよ」
 葬儀会社の社長は執拗に詰る。
 「・・・・・」
 横山深雪は逆らう事はできない。目を反らせて絶え続ける。
 川口の会長が大きめのクスコを横山深雪の膣に挿入した。
 横山深雪は何度やられても慣れることはない。堪らなく恥ずかしい。
 先がばらばらに成った面相筆を二本取り出す。
 ここまで理不尽に責められ痛い想いをさせられたが膣の内部は僅かに濡れている。
 その濡れを面相筆で延ばす。
 川口の会長はクリトリスを包む包皮を剥いてピンクの珠を責める。
 葬儀会社の社長はクスコの二枚の嘴の間にはみ出した膣口をじっくり筆の先端で責める。
 「あ、あ。はあーーー。あはーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あはああーーーー」
 横山深雪は僅かな間も堪えられない。
 そして膣液が流れ出る。葬儀会社の社長はそれを筆に染み込ませて膣口付近の粘膜を撫でる。
 「あーーはあ。ああ。はあああーー。はああーー。あはああーーーー」
 美しい逝き声である。
 「女将さん。もうたっぷり濡れていますよ」
 「ああ。だめ」
 横山深雪は羞恥に染まったせつない顔を逸らせる。
 葬儀会社の社長はこの赤達磨の表情をとことん愉しみたい。
 ロングスプーンで奥に溜まった濡れを掬い出す。
 それを色の着いた皿に流す。
 「どうです。女の液の匂いが染み渡りますよ」
 葬儀会社の社長は川口の会長と息を合わせて言葉と同時に責める。
 「いやあーーーー。ああ。あーーーーーー」
 横山深雪は悶絶するように逝き声を絡めた悲鳴を漏らす。
 「あはん。ああーー。あーーあはああーーん」
 横山深雪はもうまったく制御が利かない。為されるがままである。
 川口の会長は葬儀会社の社長の責めに合わせてクリトリスを刺激する。
 それは僅かにタイミングをずらす。
 そしてまた葬儀会社の社長が入口を責め続ける。
 「ああ。あはああん。ああ。あはああ」
 横山深雪は顔を右に左に振って藻掻き続けた。
 「仕上げと行くか」
 「はい」
 川口の会長の言葉に葬儀会社の社長が同意する。
 二人は横山深雪の脚首と手首の縛りを一度解放した。
 まず高手小手に縛る。そのまま俯むせに倒す。
 股間を広がるぎりぎりまで広げる。クスコは入れたままである。
 天井のフックに膝と脚首に掛けた縄を引っ張り縛り付けた。
 クスコの向きを九十度横にする。真下になっている膣天井部がクスコの金属の嘴の間に広がる。
 葬儀会社の社長は蛞蝓を持って来た。川口の会長が旅館に頼んでおいた物である。
 「さあ。女将さん。この子達に女将さんの敏感な部分を責めてもらいましょうね」
 横山深雪にボウルに入った蛞蝓を見せる。
 「え、えーーーーーーーー」
 横山深雪は情けない表情を歪めて悲鳴を上げる。
 二人は片方ずつ横山深雪の内腿の内側に膝を突っ込む。横山深雪は股間を閉じられない。
 川口の会長はクスコの中をペンライトで照らす。小さなカメラの先端をクスコの螺子部に接続する。
 内部をパソコンに投影して横山深雪の正面に置く。
 「女将さんの女の奥が克明に見えます」
 「いやあーーーーーーーー」
 「綺麗ですよ」
 葬儀会社の社長はまだ詰る。
 「やめてください」
 横山深雪は逆らわないと覚悟していても辛そうに言葉を漏らしてしまう。
 川口の会長は蛞蝓を長いピンセットで掴む。そのまま膣の奥に侵入する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲痛な悲鳴だが綺麗な声である。それは二人の加虐心を強く舐める様な刺激となる。
 上を向いている膣天井部の女の一番敏感な部分に蛞蝓をゆっくり置く。
 「あーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 切羽詰まった悲鳴はさらに二人を満足させる。
 川口の会長はさらにもう一匹掴む。
 「・・・・・」
 横山深雪の顔は恐怖と不快感に歪み切っている。
 スペース的に二匹が限度である。
 「あーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 横山深雪は堪らない不快感に悲鳴を上げる。
 残った一匹をボウルごと横山深雪の前に置く。
 「・・・・・」
 葬儀会社の社長が塩をスプーンで掬う。
 横山深雪の目の前で蛞蝓に掛ける。
 「あっ」
 蛞蝓はじわじわ溶けてゆく。
 「あ、ああ」
 横山深雪は堪らない屈辱と不快感に涙を溢す。
 蛞蝓は横山深雪の膣の中で微妙に動く。
 「いやあーーーーー。いや。いや。ああ。あはあーーーーーん」
 横山深雪は堪えられず藻掻き泣いてしまう。
 川口の会長は加虐心の塊となっている。金はこう言う事に使うべきと満足の絶頂である。
 ロングスプーンで塩を掬ってクスコに侵入させた。
 「あ。ああ。あーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪の泣き悲鳴である。
 片方の蛞蝓に掛ける。
 蛞蝓は溶けて半分くらいに成った。
 「あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横山深雪は遂に号泣してしまう。
 もう一匹の蛞蝓は奥に逃げようと動く。
 「あーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪はさらに泣き喚く。
 躰はブルブル震えている。
 川口の会長は子宮口の付近まで進んだもう一匹に掛ける。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーー」
 横山深雪の号泣姿は久々に二人を心底満足させた。
 葬儀会社の社長が蛞蝓の死骸をピンセットで取り出してクスコを抜く。
 ようやく横山深雪は縛りを解かれた。
 「風呂で洗って来い」
 川口の会長が許可する。
 横山深雪は顔を伏せたまま逃げるように風呂場に向かう。湯に浸かって泣きながら膣を洗う。
 「あっちの女将もまた来るのだろう」
 葬儀会社の社長は若宮寿々をまた虐められると期待している。
 「オミクロンとやらがまた蔓延して現状は当分旅館の維持を続けるしかないからな」
 川口の会長はまた休業同然の状態が続くとみていた。
 「維持費は足りてないのか」
 「従業員を切れないからな。客も日本人で長い客は来てくれている程度だろ」
 「維持費か。宣伝に掛かるのはお預けだな」
 「今やっても意味はないだろう」
 「それで何であの女将は」
 「維持費と宣伝の準備だろ」
 「この先回復できるのですかね」
 「させてやろうや。あれだけ遊ばせてくれたのや」
 「まあ。非合法でなく満足させてもらっているからな」
 女将二人とも躰が良い。美人と言わないが顔も十分に満足である。
 「あの温泉街。廃墟になってもまだ使いようはある。いま直せばまだ手遅れでない」
 「こっちでやるのか」
 「まさか。ノウハウはあの二人が持っている。投資はどうにでも集める」
 「俺が一軒持っても良いがな」
 「どこか一つ低料金の健康センターにすれば人の流れはできる」
 「それを提示してまだ遊ばせてもらおう」
 「そうだな」
 横山深雪はバスタオルを巻いて出てきていた。やや話を聞いてしまった。助けてもらえればと言う気持ちで堪え続けようと自分に言い聞かせる。
 女二人ここまで身を捨てたのである。何としても二人で温泉街と旅館を護らなければならない。
 横山深雪はもう一度布団に仰向けに寝かされた。
 首の下に竿を通され腕と脚首を縛られる。
 
 栃木県の温泉街である。
 旅館を借り切って加賀美明日香のグラビア撮影会が行われていた。
 加賀美明日香だけ今回は如月鬼堂が縛る。それ以外は杉下一行に振った。
 夜間の薄明を利用した撮影である。
 加賀美明日香は高手小手に縛られ脚を床と平行な角度に広げた状態で逆さ吊るしにされていた。
 女の部分とアナルが斜め上を向いて正面からくっきり見える。
 細身で綺麗なヌードである。
 この状態で膣に花を生ける。強化プラスチックのクスコで膣を広げる。さすがに花を生けるのは女性スタッフがやる。
 さらに乳首に花束をクリップで付ける。
 クリップとクスコはリボンで隠す。
 グラビアと同時に動画も撮影している。動画は付録に付けるCDとなるが購入者は海外サイトからダウンロードもできる。
 グラビアもCDも加賀美明日香の女の部分にモザイクが掛かる。海外サイトからダウンロードの場合は無修正である。
 態と寒い部屋で撮影していた。加賀美明日香の肌理の細かい肌に鳥肌が立っている。これが如月鬼堂の目論見である。
 CDにはサービスで鞭のシーンも入れる。
 如月鬼堂が自ら叩く。
 さすがにこの時点で一度暖房は入れた。
 如月鬼堂は先端が長方形の固めのチップに成った一本鞭を持つ。
 刺した生け花を鞭の先端で飛ばす。
 「う、ううおーーーーーーーーーーー」
 膣の生け花は一気に飛ぶ。如月鬼堂は残ったクスコを引き抜く。透明なプラスチックの先端に付着した半透明の膣液をカメラに翳す。
 加賀美明日香は思った以上の羞恥に顔を曇らせる。
 説明に無かったが如月鬼堂では文句は言えない。
 さらに乳首の生け花をクリップの根元から叩く。
 「う、ううおおーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーー」
 鳥肌の立っていた躰には強烈に痛い。
 もう片方も叩き落す。畳に花が散った光景にフラッシュが飛び交う。
 如月鬼堂は加賀美明日香の女の部分をもろに叩く。
 「ぐうおーーー。おおーーーーーーーーーーーーー」
 加賀美明日香の躰が強烈に揺れる。痛みに躰を固くして藻掻くように暴れた。
 如月鬼堂は加賀美明日香の局部を数回叩いて鞭を替える。
 先端が細くなった一本鞭である。
 それで加賀美明日香の乳房を横に薙ぐ。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目的は乳房にくっきり鞭の痕を付けたい。
 もう一度暖房を切る。
 既に?燭が数本点火されて芯の根元に?涙が溶けていた。
 乾いて鳥肌の立った肌。さらに鞭の痕が真っ赤に残っている。
 その乳房にべっちゃり掛ける。
 「あわわあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 加賀美明日香の躰が強く揺れて強烈に悲鳴を上げる。
 寒い部屋で乾いた肌。加賀美明日香の女躰の受ける感覚には通常の蝋燭より格段に熱い。
 「ああ。あはあ。ああ」
 震え荒い息遣いで慄く加賀美明日香。そのもう片方の乳房にも掛ける。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 見ている編集の小川綾香は強い興奮を示していた。良いグラビアと付録が出来たというのではない。
 美人過ぎる加賀美明日香の無残な姿に満足している。
 加賀美明日香は遂に涙を溢れさせていた。
 如月鬼堂は愛好会のショーでやや反応が薄かったので撮影では内容を強化したのである。
 
 生駒の旅館である。
 川口の会長と葬儀会社の社長は横山深雪の躰をしばらく鞭で叩いてもう一度涙を満喫した。
 葬儀会社の社長が痛みに藻掻く躰にドリルバイブを挿入する。
 川口の会長が乳房を掴んで躰を押さえ電マを持つ。
 横山深雪はドリルバイブの疑似男根の大きさに慄いている。
 この二人が女の性をとことん剥き出しにして愉しみたいのはもうよく理解した。だが横山深雪には痛みより辛い。
 強制的不本意に逝かされてしまうの心底悔しい。
 二人は横山深雪がそれを簡単に受け入れられない女と充分に分かって愉しんでいた。横山深雪にそれがよく分かる。
 懊悩しながらもそれを受け入れて大金を稼ぐしかないとこれまで自分に言い聞かせ続けて来た。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブの責めは強烈に横山深雪を襲う。
 「あーーーーーーーーあはーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 気丈な横山深雪が抵抗しても耐えられない。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に膣の中はローションと膣液が混じってぐちゃぐちゃである。
 横山深雪は数分で失神してしまった。
 白目を?いた顔はさすがに崩れている。だが二人は満足である。
 川口の会長がびんたで起こす。
 「この女を叩くのは至福だな」
 一発では起きない。
 横山深雪は不本意にも三回失神させられた。嫌でも女の性の奥地を味わっている。気持ち良くないと自分自身の中で否定はできない筈である。
 悦びの直ぐ後にその官能を感じる部分の一部を焼く。二人はこの残酷さに陶酔していた。
 「さあ。女将さんこれからもできるだけ協力する。温泉街の復興にな」
 川口の会長がやんわり話しかける。
 「さっき少し聞いてしまいました。本当にホテルを幾つか再建して下さるのですか」
 「持ち主との交渉次第だが。持ち主が居ないところは時間が掛かる」
 「お願いします」
 「女将さんら二人の二つの協力次第だ」
 「一つは躰」
 「そうだ。もう一つは女将さんらのノウハウで旅館を立て直さなければならない。我々には買い取り交渉と投資を集めるしかできない」
 「はい」
 横山深雪は一番大事なものを助けて貰えるなら女を捨てるのは仕方ない。そう強く決意する。
 「医者が来たようだな」
 川口の会長が細い半田鏝を持ち出す。
 今回は焼くのは膣口だけである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに戒めが解かれた。
 「いつも通りに此処の女将を通して請求して下さい」
 川口の会長は医者に全額を負担する意思を表明した。
 
 十二月九日。
 似たような事件が起きた。模倣犯である。
 警戒されていた最中に地下鉄半蔵門線で事件が起こった。
 永田町の手前で鞄を網棚に置いたまま男が席を立ってドアに向って歩く。
 警戒していた私服刑事が忘れた荷物を指摘する。男は否定した。そのまま立ち去る。
 私服刑事の目の前で鞄が発火した。慌てて男がリモコンでスイッチを入れたのである。
 今度は煙より一気に燃え上がる。それから煙が車内に充満した。
 男は隣の車両に逃げて非常用ドアコックを開いて電車を止める。そのまま地下道を逃げた。
 だが逃走を目撃していた運転士の通報で駆けつけた警察と駅員に改札付近で男は取り押さえられる。
 幸い何人かが病院に搬送されたが死者、重篤者は出なかった。警戒していた私服警察官の処理が素早かったからである。
 鞄が出火した車両も煙が充満する前に警察官の手で非常用ドアコックが開けられ全部のドアが手で開けられた。
 警戒していて処置と誘導が早かったのが幸いしたのである。
 如月鬼堂は十時過ぎに遅い朝食を摂りながらそのニュースを聞いていた。
 また川口の会長と葬儀会社の社長は京都から乗った新幹線の字幕ニュースで確認していた。
 「間抜けな奴だな。真似してもうまくは行かない」
 新幹線はその車両に二人以外乗ってなかった。
 名古屋を出ると新横浜まで止まらない。そのグリーン車に乗って来る者も居ない。
 「しかし面白いように模倣犯が現れる」
 「次の相談が来ればもっと手本を見せてやりたいがな。今の日本社会には不満分子が多く潜在している」
 「まだ新手は来ないのか」
 葬儀会社の社長はまだ刺激を求めている。自分に合わない社会への怒りが沸騰しているらしい。
 「どうだろう」
 川口の会長は昨夜遊んでそのままホテルで寝た。闇の相談サイトは確認して無い。パソコンを出して接続する。
 今やコンセントも無料WiFiも完備している。
 「相変わらずのこのこ出て来るな」
 川口の会長は闇サイトの投稿を見てやや満足げである。
 「何か出たか」
 その表情を見て葬儀会社の社長は期待を膨らませる。
 「ああ。今度はもっと凄惨にできるぞ」
 何か強い目論見がありそうである。
 「愉しみだな」
 「新しく結成された俺らを捜査する専従班とやらが玉川亮を捜査しているらしい」
 闇組織から川口の会長に提供された情報である。
 「何か繋がるのか」
 「金の動きを追っているようだ」
 「報酬か」
 「そうだ。そっちが見つからないようだな」
 「闇の入出金ルートは万全か」
 「繋がりも掴めないようだ」
 川口の会長は自信満々である。
 「そうだろう」
 葬儀会社の社長も満足そうである。
 
 十二月十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。その中央に造られた半露天風呂で六人が戯れていた。
 如月鬼堂は昨日瀬里菜を究極に逝かせた。今日は珠洲の番である。だが打ち合わせを兼ねて本多椿と岡田有美、高嶋波瑠が来ていた。
 「完全に間抜けな模倣犯だな」
 地下鉄半蔵門線で起きた車内放火事件の話題である。
 「犯人は荷物を置くだけと依頼されたと主張していました」
 本多椿らも全裸で露天風呂に入っている。他の幹部らが来ていない。この面々なら六人で入って問題ない。
 「警察が問い詰めればそんな嘘は直ぐばれる」
 如月鬼堂は素人の間抜けな犯罪と見抜いている。
 「パパ。有楽町線の事件は目的が判らないよ。今まで連続拉致強姦事件の犯人が裏に居る場合主犯の目的ははっきりしていたよ」
 瀬里菜の疑問である。
 「奴等が裏に居ることは間違いない。その前の犯行内容に何かそれが主に大きな事件にしたくない盲点が有るのじゃないか」
 如月鬼堂はスーパーワイドヴュー出雲の事件で何か深く追求されたくないからくりがあると考えている。
 「その為にもっと大きく悲惨な事件でニュースを上塗りしたのですか」
 本多椿は如月鬼堂の憶測を直ぐ理解した。
 「パパ。連続拉致強姦事件の犯人グループは何を隠したかったの」
 「それは判らないよ。スーパーワイドヴュー出雲の事件には表面に出てない何かが有るのだろう」
 如月鬼堂も珠洲の疑問に答える程には憶測が至ってない。
 「もし連続拉致強姦事件の犯人グループが割れたら社会的に物凄い大物と言う可能性も有りますね」
 本多椿の臆測である。
 「大物かどうかは判らない。だが経済的にかなり力の有る集団だ」
 「パパそれ誰か一人が。全員が」
 「全員それなりに同じ経済力でなければ行動バランスが成り立たないよ」
 如月鬼堂は瀬里菜のこっちの疑問にはきっぱり答える。
 「次のスタジオはスーパーワイドヴュー出雲の事件が焦点ですか」
 本多椿は次のインターネットアダルト放送のスタジオでの進行と運用を確認する。
 「どうかな」
 「それじゃ有楽町線の事件ですか」
 「今回は一つを深く掘り下げたくない」
 「判りました。給付金の話から行きますか。それとオミクロン」
 「そうだな。全部少しずつだな」
 「判りました。給付金支給方法や所得制限に揉めていますが」
 「どっちにしても効果はない。大方が預金に止まる。クーポンにしても意味は無い。クーポンは使ってもその分相当額の現金が預金に止まる」
 「どうすればよいのでしょう」
 「配る対象が間違っている。子育て世帯と言うだけなら殆どが貯蓄性向になる。低所得層、失業層に撒けば大方が消費性向に成る」
 如月鬼堂はさらに住民税の非課税ラインを年間二百万に上げればその大方が消費性向に回ると言う。
 給料は上がる必要があるが物価は低所得層の裾野全体に消費性向に回る金が増えれば薄利多売でも経済は良くなると主張する。
 「オミクロンはどうします」
 「重傷率が低いから普通のインフルと同じレベルで扱って隔離や時短などは見合わせるべきと言いたいがまだ早い。触らない」
 「そうだよ。パパの信望者しか見てないと言ってもやばいよ」
 珠洲は止めるべきの意見である。
 
 埼玉県警。連続拉致強姦事件専従班の会議である。
 「高知県警の捜査の通りです。玉川亮からは連続拉致強姦事件の犯人グループとの関連性は見えません」
 松本真里菜巡査部長である。
 「ただの鉄道おたくだったか」
 中宮徹警視正も諦めた。
 「資金の動きも連絡ルートも存在しません。口座関連、携帯の履歴共に何も出ませんでした」
 若井千奈美巡査長である。
 「詐欺の受け子のような可能性もないか。奴等はそんな表面に出るところにコントロールする人間すら置かないか。玉川亮は偶然利用されたのだな」
 スーパーワイドヴュー出雲の事件は被疑者死亡で全く手掛かりがない。
 
 川口。営業してない旅館である。
 女は内容を聞いて二百万では安いとごねていた。
 女将は川口の会長にキャンセルを申し出た。
 もっと困らせてから少しレートを上げて内容を格段に濃くしてはとの提案である。
 川口の会長は医者の男らにそう連絡した。医者の男はその時の愉しみが増したと納得したのである。
 
 十二月二十六日。
 如月鬼堂ら珠洲、瀬里菜、そしてミニチュアダックスのペーは豊洲のマンションに住居を移動した。毎年の行動である。
 豊洲には一ヶ月しか滞在しない。一月の終わり頃宇佐美に移り越後湯沢の雪が溶ける頃に戻る。
 豊洲は狭い。だが今回からは一つ区画を増やしたので来客を別にできる。普段はプレイルームにして貸し出していた。
 
 十二月二十七日。
 宮城県。温泉街からやや外れた一軒宿である。
 僅かな駐車場に数台の車が止まっていた。
 その殆どが偽ナンバーである。
 社会的に破綻した自殺願望の男の依頼であった。
 さらにSM願望も有る。
 資金は数千万有ったので川口の会長は依頼を引き受けた。
 露天風呂付きの貸し離れタイプの建物の一つである。食事の提供は無いので滞在中に管理人が来ることもない。
 事務所から距離もある。
 連泊で二日借りていた。
 依頼者は大越俊という。多数の犠牲者を要求している。
 資金は正当な金ではない。
 大越俊は飲食チェーンを経営していた。その休業補償で得た資金である。店舗をすべて閉店した。休業補償では維持ができなかったのである。
 協力金の振込みが異常に遅れたから維持困難に成った。資金繰りが後手になってしまったからである。
 本来店舗の家賃、従業員の補償に払う金であった。それを滞納したまま放棄して逃げた。
 道連れ犠牲者のレベルは二十八歳未満。細身、長身、標準より美形との要求である。
 川口の会長は今回の仕事を東秀雄らではなくスーパーワイドヴュー出雲の事件同様に闇組織に派遣員を依頼した。
 闇組織の派遣員は三名。それぞれ一人ずつナンパして車の中で眠らせて運んで来た。
 今回も撮影は行う。公開は大越俊も納得している。だが川口の会長の協力する原則条件でもある。
 闇組織の派遣員は立会い協力もするが撮影に映るのは犠牲者の女性と大越俊だけとなる。
 一応窓、壁には幕が降ろされ床もブルーシートで養生されていた。場所を特定されない配慮を施したのである。
 全員まだ眠らせたまま。先に全裸にして縛ってしまう。
 愉しむのも大越俊だけである。闇組織の派遣員は撮影と拷問の補助を行う。
 一人目の犠牲者は吉村恵里二十五歳独立行政法人職員である。
 床に寝かせて磔にする。
 既に床にドリルで穴を開けてU字金具をボルトで留める準備ができていた。
 終わったら焼いてしまう離れである。穴を開けても問題ない。
 床に大の字に脚首、膝、手首、肘を固定した。
 教鞭の様な竹の鞭で脚の裏を叩く。
 「うーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は一発で意識を戻した。
 「あーーーーーー。なに。あーーーーーーーーーー」
 全裸で拘束されている事態に気付いて叫ぶ。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里はヒステリックに喚く。
 ナンパされて車に乗って眠ってしまった。あの時の男は。イケメンだった。迂闊に車に乗ってしまった。
 目の前に居る男とは違う。
 大越俊は剃毛に掛かる。
 「なにするのーーーーーーーーー」
 吉村恵里はまだ抗議姿勢である。
 「うるさい。お前は道連れだ。もう生きては帰れない。撮影もしている」
 大越俊は淡々と語る。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里はカメラの存在に気付く。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あんたはーーーーーーーーーーーー」
 撮影している男が自分を車に乗せた。
 自分の股間がカメラにアップで撮られている。
 「ああーー。ああ。ああ」
 もうどうにもできない。
 連続拉致強姦事件。それが黒幕と言われる数々の事件。防護服は着てない。此処に黒幕の六人は居ないようである。
 以前は開放されていたが最近は殺されてしまう。報道は見て知っている。まさか自分が被害者に成るとは。これは絶望である。
 「何でーーー。私が道連れなのーーーーーーーーーーーー。なんでよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里はヒステリックに叫ぶ。
 「俺は協力金の遅延で事業を失った。もう俺は人生を清算するしかない。若く美形の女でスタイルが良ければ誰でも良かった」
 大越俊は剃毛しながら淡々と語る。
 「わたしにかんけいないよーーーーーーーーーーーー。大池都知事に復讐すればいいでしょう」
 吉村恵里はどうにも堪えられない。怒りに叫ぶ。
 「道連れは若い女が良い。これが人生最後の遊びだ。そして社会への報復だ」
 大越俊は全くの真顔である。
 「ふざけるなーーーーーーーーーー。コロナで失業して喘いでいる人がたくさん居るのだよ。あんたの身勝手だよーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は全裸にされてもマスコミ的正論を吐く。
 「そんなことを言うお前は道連れに最適だ。社会への報復の象徴に最適だ。益々残酷に責めたくなる」
 大越俊は剃毛を終えて吉村恵里の女の部分にクスコを刺し込む。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は泣き叫ぶ。
 「無駄だ。あきらめろーーーーーーーーー」
 大越俊は吉村恵里の顔を蹴る。
 「うおーーーーーーーーーー」
 既にクスコの中はペンライトに照らされていた。
 「あはあ。あはあ。あはあ。あはあ」
 吉村恵里は女の奥を露にされて恥かしさに呻き続ける。
 「静かにしろーーーーーーーーーー」
 大越俊はクスコの奥に真っ赤に見える子宮口に小さなクスコを刺し込む。
 「う、ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は強烈な叫び声を上げる。痛みに股間を迫り上げて引く。
 大越俊は小さいクスコにさらにブジーを刺し込む。
 「うーーーーーーーぐーーーーーーーーーーうーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は強烈な痛みに顔を揺すり股間を震撼させて藻掻く。
 「うぐうーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫び続ける。
 さすがにブジーを抜き小さいクスコを抜く。さらにクスコも抜いた。
 大越俊は次に尿道カテーテルを持ち出す。滅菌されたビニール梱包から出して指で抓む。
 女の部分のびらびらを広げて尿道の小さな亀裂に刺し込んだ。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 子宮にブジーほどではなくても痛い。
 吉村恵里は涙をぽろぽろ溢していた。
 大越俊は出てくる尿を尿瓶に受ける。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 吉村恵里は荒い息遣いを続けた。
 この姿が社会にばら撒かれるのである。同僚や上司もこっそり見るに違いない。無事に帰れても社会に復帰できない。
 帰れる可能性もほぼ無い。このまま羞恥を晒して強姦され恨みを呑んで死んで行くのかもしれない。
 大越俊は一物を取り出す。
 「ああ。やめてーーーーーーーーーーー」
 いよいよ入れられてしまう。
 大越俊の一物は怒張している。
 一気に押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大越俊の一物は吉村恵里の抵抗を突き破って膣の中に奥まで入り込んでしまった。
 「うーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は藻掻く。
 それを無視して大越俊は強くピストンする。
 吉村恵里が藻掻けば興奮度は上がる。短い時間に生中出しで果ててしまった。
 「ちくしょーーーーーーーーー」
 吉村恵里は涙を滲ませ口惜しさを剥き出す。
 だがこれだけでは済まされない。
 「これからお前の逝き顔を動画で公開してやる」
 大越俊は真顔で宣告している。
 そしてローター、電マ、ドリルバイブなどがブルーシートに並べられた。
 「・・・・・」
 吉村恵里はドリルバイブを見ただけでその恐ろしさを悟る。
 大越俊はもう一度クスコを吉村恵里の膣に刺し込む。横向きに入れる。膣天井部がくっきりペンライトに照らされる。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーー」
 大越俊はリモコンに柄が延びてその先端に小さなローターが付いたアイテムを手にする。
 如月鬼堂と杉下一行が蒼くなるアイテムである。販売しているのは杉下一行のポルノショップと同社の通販。そして愛好会のショーで使われていた。
 それをクスコで広げた膣天井部を目掛けて侵入させる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は一気に表情を軋ませて声を上げた。
 川口の会長の詳細な演出通りに行っている。先端の小さなローターは女の一番敏感な部分に当たっているのである。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は首を右に左に振って官能から逃れんと藻掻く。
 大越俊は流れ出る膣液を鑑賞しながら川口の会長の指示書に従って同じペースで責め続ける。
 吉村恵里の女の性をとことん愉しみ動画に公開して社会にその羞恥を晒し者にする。川口の会長には堪らない悦びである。
 「お前の逝き顔をこうやって公開するのだ。責められて感じてしまった姿を社会に焼き付ける。お前の友達も上司もその姿を見る」
 大越俊は愉しそうに宣告する。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は全く抑えることができない。
 膣付近は痙攣している。やがて腰が震撼し始めた。
 「ああーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー」
 吉村恵里は僅かなローター一個の責めに堪えられない。
 大越俊はもう片方の手で小さい電マを持つ。それをクスコの直ぐ上で包皮に包まれているクリトリスに当てた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里の股間部分は大きく震撼して顔は軋み強く暴れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は止まらない失禁に大口を破裂させて喚き続ける。
 一度抜いているのでそれ程の量ではない。
 それでも床は飛沫に濡れている。大越俊の手も濡れて吉村恵里の股間も太腿も濡れていた。
 吉村恵里には死ぬほど恥かしくとも男にはそそらせる姿である。
 「見ろ。お漏らししてびしょ濡れだ」
 大越俊は詰って愉しむ。
 「そんな。そんな道具で強制的に責めれば!おかしくなるよーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は必死に反論、弁解する。
 「それだって気持ち良くなったことは確かだ。お前は官能を受け入れたのだ。それは否定できない事実だ」
 大越俊は強く決め付けてしまう。
 「お前が勝手にやったのだーーーーーーー」
 吉村恵里は何としても認めたくない。
 「どうでもこれが現実だ」
 大越俊は小水の飛沫が点在した床を指差した。
 「強制的にやられたーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 吉村恵里は号泣する。
 「どうであれお前の恥かし過ぎる姿が社会にばら撒かれる」
 大越俊は哂っている。そしてさらに責め続けた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は藻掻き喚く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は強烈な逝き声を上げて躰を強く暴れさせ震撼させる。
 「あーーーーーーーーー。ああーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 強い息遣いが続く。
 大越俊はクスコを抜き取る。膣の奥の濡れが付着してきた。それを吉村恵里の目前とカメラに翳す。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は恥かしさの極地に悲鳴を上げる。
 大越俊はそのクスコを吉村恵里の頭の直ぐ横に置く。
 そして遂にドリルバイブを構えた。
 「えーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は恐怖に喚き散らす。
 大越俊は指にローションを塗って吉村恵里の膣に突っ込む。感触を味わうように掻き回す。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は膣に指の侵入の不本意に喚く。
 大越俊はついでにクリトリスの包皮を剥いてピンクの玉も弄る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は何処までも拒絶して叫ぶ。
 大越俊はクリップを二つ取り出す。
 吉村恵里の乳房を?んで乳首にそのクリップを鋏み付ける。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は痛みに悲鳴を上げる。
 もう片方も鋏み付けてしまう。
 「痛みと気持ち良さの倒錯だ」
 大越俊の言葉ではない。川口の会長の台本の通りである。
 今回は川口の会長が遠隔で確認している。本来この場所はインターネットが通じない。一時的な方法で中継して繋いでいる。
 大越俊はドリルバイブの先端に装着した擬似男根のカリ首部分を持つ。そのまま強い力で吉村恵里の膣に突っ込む。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里に全く抵抗はできない。
 大越俊は一気にスイッチを入れる。振動だけの単純なドリルバイブである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は一気に大口を破裂させた。
 上体は藻掻き左右に暴れて股間は微妙に震撼している。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は大きく逝き声を一頻り上げて首が倒れてしまう。
 ドリルバイブの責めに反応が無くなった。
 これで終わらすわけではない。
 大越俊はもう一度吉村恵里の膣にクスコを挿入する。
 クスコの口にグラスを当てる。お尻の下に手を入れて腰を斜めに浮かす。膣の中の濡れが一気に流れ出る。
 大越俊は次にスタンガンを取り出す。
 それをクスコに当てる。
 「ふあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は一気に意識を回復して暴れ藻掻く。
 大越俊はグラスに流し取ったクスコの奥の濡れをカメラと吉村恵里の目前に翳す。
 「見ろ。お前の女の奥の濡れだ。これも動画に公開だ」
 大越俊は強い口調で詰る。
 「いやーーーーーーーーーーーー。いや。いや」
 吉村恵里は首を振って拒絶する。
 それをカメラに近付けてアップにする。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は恥ずかしさに縮み上がる。叫ぶ以外術はない。
 「お前は失神するまで逝ったのだよ。否定はできない。そしてこんなに女の膣液を溢れさせた。お前は俺に弄られて逝ってしまったのだ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあはあん。あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーん」
 吉村恵里は号泣する。
 「お前の女の奥をもっと辱めて社会に披露したい」
 大越俊はさらにクスコの螺子を回して広げる。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里はもう何も考えられない。ただ喚くのみである。
 大越俊は太い筆を持つ。毛先が乾いてばさばさで広がっている。
 それを広げたクスコの奥に突っ込む。
 そしてゆっくり膣壁をまさぐる様に回す。
 「あーはー。あーはあーーー。あはあーーーーー」
 吉村恵里は到底耐えられない。膣の一番敏感な部分を筆のやわらかい毛が刺激を与えている。
 「あはあーーー。あーはあー。ああーーはあーーー。あはあーーーーーー」
 吉村恵里の逝き声は佳境になる。
 完全に吉村恵里は玩具である。
 大越俊は筆先が完全に濡れたところでクリトリスを包む包皮を剥く。ピンクの玉を濡れた筆先でやんわり刺激する。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声になる。
 「どうだ。お前は感じまくっている」
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は反論すらできない。逝き声が総てを制していた。
 大越俊はクスコを抜いて最後のとどめに掛かる。
 もっと太いドリルバイブを取り出す。
 吉村恵里は目を見開いて恐ろしい物を見た。
 「あ、ああ。何するの」
 吉村恵里は恐怖に震えている。見たこともない恐ろしい太さである。
 大越俊が膣に一気に押し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は拒絶の悲鳴を上げる。それでもすんなり入ってしまう。そこまで吉村恵里の膣はぐちゃぐちゃ且つ広がっていたのである。
 大越俊はローでスイッチを入れた。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里の顔も躰も強烈に震撼する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 強烈な責めである。吉村恵里は慌てて泣き叫ぶ。
 それでも大越俊はスイッチをハイにした。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は強烈に顔を破裂させて泣き喚く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は号泣から逝き顔に変わる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が一条轟く。次の瞬間首が倒れて白目を剥いてしまう。
 ドリルバイブの音だけが鳴り続ける。
 吉村恵里は三回失神して放置された。膣にはクスコが入ったまま白く濁った液が流れ出た無残な姿である。
 まだ乳首のクリップを取るには川口の会長が指定した二時間に足りない。
 大越俊は二人目の女に掛かった。
 二人目は森智春という。大学生である。
 吉村恵里と同じ様に床に大の字に脚首、膝、手首、肘を固定する。拷問の準備をしてまだ起こさない。
 吉村恵里の乳首のクリップを取る愉しみの二時間を待つ。
 
 川口の営業してない旅館である。
 医者の男、印刷屋、廃棄物処理収集運搬業、運送業の四人が来た。
 生贄は前回金額が折り合わなかった女である。
 女は出所茉莉という。三十二歳になる。金額は二百万から上がらなかった。女将が認めなかったのである。
 顔は年齢の割に悪くはない。スタイルもそれなりに美形の範囲である。
 「脱げ」
 もろな言い方である。
 「・・・・・」
 出所茉莉は不動の姿勢になる。
 「躰を見なければ金は出せんよ」
 医者の男はケースから二百万を取り出して手に持って厳しく言う。
 ケースの中にはまだ金が入っているイメージである。
 出所茉莉は仕方なく立ち上がる。ジャケットを脱ぎスカートを落とす。ブラウスも脱いで下着姿になる。
 「全部脱げ」
 医者の男は露骨である。
 「これじゃ」
 出所茉莉はこれでスタイルは判ると言いたい。
 「乳首もま〇こも全部見ないと評価はできないよ。女は顔、スタイル。そして部品を全部見て初めて価値が分る」
 今度は印刷屋の社長が答える。
 金次第で現代のモラルは踏みにじれるという態度である。
 出所茉莉には一度肩透かしを食らっていた。四人の態度はこれまで以上に厳しくなる。
 「裸を見て駄目な時は車代くらいなら包んでやるよ」
 出所茉莉は仕方なくブラを外す。腰を落としてショーツも脱ぐ。どうしても金を持って帰らなければならない。
 次長には約束してしまった。補填すれば不問にするとの約束であった前回なら使い込みはばれてなかった。
 そして期限は正月休み明けである。
 出所茉莉は若い男に入れ込んだ。要求された金を都合した。躰がどうしても若いイケメンを要求する。
 勤めていた銀行の金に手をつけてしまった。
 股間も広げる。
 「指で開いて」
 医者の男が強い口調で要求する。
 仕方なしに広げる。それ程に恥じらいはないようである。
 医者の男はテーブルに二百万の帯封を置いて押しやる。
 出所茉莉はそれをバックに仕舞う。
 四人は服を脱いで出所茉莉を浴場に連れて行く。
 湯に浸けて洗いながら四人で輪姦す。出所茉莉は何回も逝ってしまう。全く抵抗も耐える我慢もしない。
 男らは容赦なく生中出しである。どうせ子宮は潰す。医者の男は自分の手で妊娠を防げる。
 「とことんアクメに落とすか」
 「そうだ。そしてそのギャップに」
 「そうだな。あの逝き方ではダメージは相当だ」
 この男らのやる事はほとんど変わらない。
 悦びをとことん教えて感じない女にしてしまう目論見。これ以上ないかもしれない残酷な連中である。
 だがこの女はもっと残酷に扱いたいと目論んでいる。
 浴室のタイルの上で剃毛してしまう。濃い密林なので鋏でカットして二人で両側から剃る。
 出所茉莉はまだケースに多額の金が入っていることに気付いていた。だから抵抗はしない。
 女将から宥める言葉で従っていれば追加で出してくれる場合もある人達と教えられていた。
 二百万を返しても銀行は辞めるしかない。前回の時にばれる前に返してしまえば辞める事はなかった。
 刑事訴訟を免れてもこの後の収入を考えなければならない。
 総ては自分が馬鹿だったと思う。若い男を前にして我慢ができなかった。
 男らは出所茉莉の剃毛が終わったら高手小手に縛る。
 胸の谷間に六方から縄が交差した部分にフックを引っかけた。
 天井から滑車のフックを下げて出所茉莉の胸のフックに接続する。
 そのまま滑車の縄を引いて仰向けに寝かせた出所茉莉の上半身を一メートル二十の高さに吊るし上げてしまう。
 まだ両脚は畳に着いていた。
 二人ずつ各々両方の脚を持って膝から脚首に縄を掛けてゆく。
 その縄の先端を離れた壁の柱に下がったフックに縛りつけて引っ張る。
 出所茉莉は空中に大股開きに吊るされた。
 「さあて。股間の三つの穴で感じてもらいますよ」
 印刷会社の社長が宣告する。
 「えっ、え。股間の三つ」
 出所茉莉は意味を解せない。
 「まずは浣腸してアナルを洗いましょう」
 今度は廃棄物処理収集運搬業の社長が宣告する。
 出所茉莉はぎくりとした。
 この体制で排便をさせられる。如何に親父ばかりでも堪らなく恥ずかしい。
 医者の男が極太の浣腸器とバケツに入れた氷水を運んでくる。
 「えーーーーーー」
 出所茉莉はそれを見て慄く。氷で冷した水で浣腸されては強烈に腹の痛みが襲ってくる。
 医者の男が浣腸器に氷水を吸い上げた。
 「あーーーー」
 出所茉莉は恐怖に表情を歪めて身構える。
 医者の男はアナルと女の部分をじっくり点検するした。
 「あんた尿道でオナニーしたね」
 医者の男の指摘に出所茉莉は動揺する。
 「・・・・・」
 「そう。だから股間の三つの穴です」
 横から印刷会社の社長が宣言した。
 医者の男が出所茉莉のアナルに浣腸器を刺し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は先端の冷たさだけで悲鳴を上げる。
 医者の男はシリンダーを押して注入する。
 「あーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛みが襲ってくる。
 「う、うーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は痛みに呻き声を上げながら空中で藻掻く。
 医者の男は二百CC位を注入する。
 印刷会社の社長がアナル栓をねじ込む。
 「う、うう、ううーーーーーー。うーーーーーー」
 出所茉莉は苦しみ藻掻き続ける。
 男らは浣腸の効果を待つ間ビールで乾杯した。
 仕出し料理でこの面々にはご馳走とは言い難いが一応手をつける。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人の山荘である。
 川口の会長と葬儀会社の社長が飲みながら宮城県の貸し離れの映像をモニターで観ていた。
 まだ公開はしてない。
 今回は総て終わってから川口の会長が公開する。
 こっちはビールサーバーから生ビールを注いで通販で青森から届いた刺身をつまむ。
 川口の旅館の仕出し料理より遥かに良い。
 「順調だな」
 「こやつ。結構ハード好みだ。女の質もなかなか良い。金額に見合った道連れだ」
 川口の会長は自分の作戦に満足している。
 「もう直あの乳首を鋏んだグリップを取る強烈なシーンが愉しめるな」
 葬儀会社の社長はグリップの責めが殊の外好きである。
 「何度見ても飽きない。女が違う度にやりたくなる」
 川口の会長も同感であった。
 
 宮城。露天風呂付きの貸し離れである。
 大越俊は失神している吉村恵里の脚の裏をまた教鞭の様な竹の棒で叩いて起こす。
 「う、うーーーーーー」
 吉村恵里は目を見開いて大越俊を見る。
 「このグリップを取るからな。覚悟しろ」
 「えー」
 吉村恵里には取った時どうなるか判ってない。
 大越俊は左の乳首から取る。
 「う、うう、うう、おーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 「うぐううーーーーーーー。うう、うぐうーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里はU字金具で固定された脚を振って暴れさせ胸を強く捩って藻掻く。
 堪えられる痛みではない。出口のない痛みである。
 大越俊は吉村恵里の藻掻いている最中にもう片方の乳首のクリップを取る。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉村恵里は暴れ続けた。最早半狂乱である。
 大越俊は台本を確認する。
 吉村恵里の腰を跨いで乳房を掴む。両手で片方ずつ一気に揉みしだく。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 揉めば激痛である。揉まなければ痛みは去らない。
 三十分くらい揉んで吉村恵里の悲鳴が治まったころもう一度ドリルバイブを挿入する。
 もう吉村恵里は抵抗しない。そのあと完全に逝って失禁して失神した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人の山荘である。
 「やったな。なかなかの見世物だ」
 川口の会長は満足している。
 モニターでは次の生贄の準備に掛っていた。
 「今回は編集するのか」
 「そうだよ。万一あっちの組織の派遣員が映ってはまずいからな」
 「スーパーワイドヴュー出雲の時は固定カメラで問題なかったな」
 「今度は吊るしもやる。それに公開は正月だ」
 「成程。見る機会を増やす目算だな」
 「そうだ。現場から急速に配信するのでなければもっと一斉に多くのシステムにばら撒ける」
 川口の会長は強い拡散を狙っている。内緒で保存する者は多い。そこからはマニアからマニアへ極秘裏に拡散する。
 
 川口。営業してない旅館である。
 出所茉莉は苦しみの末に透明なボウルに排泄させられた。三十を過ぎた排泄の辱めと苦しみに憔悴して縄に吊るされている。
 「さあて。行きますよ」
 印刷会社の社長がアナルにアナルバイブを挿入する。
 「あ、あはあーーーー」
 運送会社の社長はドリルバイブを構えた。極太ではないが回転とピストン運動するタイプである。
 だが医者の男が柄の先にローターの付いた小道具とクスコを渡す。
 「じっくり中を責めてからが良い」
 「そうだな。とことんこの中の悦びを教えるか」
 運送会社の社長がクスコを横向きに挿入して膣天井部を責める準備をする。
 「これが何だか判るか」
 医者の男がシリコンでできた極細のバイブの様なカテーテルの様なアイテムを二本翳す。
 「えーー。尿道」
 「一本はクリトリスを部分的に責めます。一本は貴女の大好きな尿道を責めます」
 「えーー」
 出所茉莉は瞬間顔を恥ずかしさに崩壊させた。その表情は艶めかしさを宿している。
 医者の男は一本を産業廃棄物処理業の社長に渡す。
 産業廃棄物処理業の社長はそれを構えて待機する。直ぐには尿道に入れない。膣の責めが効果を表してからである。
 医者の男がクリトリスの包皮を剥く。カテーテルの様なバイブの先端に僅かに出っ張った回転部分をピンクの玉に当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉の表情は一気に軋む。
 印刷会社の社長は出所茉莉の太腿を掴んでアナルバイブのスイッチを入れて抜けないように押さえた。
 運送会社の社長が反対側の太腿を掴んで柄付きローターを構えている。
 出所茉莉の表情は微妙である。恐ろしい事が二百万の契約に入っていることさえ忘れているかもしれない。
 躰全体が女の性に充分に熟した女である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 まったく官能を抑えることはしない。
 恥ずかしい部分を全部曝け出されて四人に凝視されている。そして恥ずかしさに火照り気持ち良さに翻弄されかけていた。
 運送会社の社長がクスコの奥に柄付きローターを差し込む。蚯蚓千丈の奥へ娼婦の泣き所を直撃する。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は顔を上に反らせて大口を破裂させた。
 産業廃棄物処理業の社長はまだ待機している。
 
 宮城。露天風呂付きの貸し離れである。
 森智春は事態を悟って号泣した。
 大越俊は味見の挿入を行おうとするが森智春が抵抗して入らない。
 大越俊は森智春をビンタする。
 「やめろーーーーーーーーーー。これを外せーーーーーーーーーーー」
 森智春は涙に崩れた美しい狐顔を真っ赤にして抵抗を続ける。美形且つ可愛い顔はこうなってもそそらせる。
 大越俊はマニュアルを確認する。
 細いバイブレーターとブジーを手にしてローションをたっぷり掛ける。
 「やだーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーー」
 森智春は泣きわめき続ける。
 大越俊はブジーを尿道の小さな亀裂に突っ込む。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の悲鳴に合わせて瞬時に細いバイブレーターを膣にめり込ませる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は入れられてしまった衝撃に喚く。
 大越俊はスポイトでローションを流し込みながらバイブをハイで動かす。さらにそのバイブを手でピストンする。
 「あーーーーーーーーーがああーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は逆らおうとするが無駄である。
 ローションに膣液が混じりさらに膣液が濃く流れ出た。
 「ううおお。おーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春はまだ抵抗しているつもりである。
 大越俊はバイブを抜いて怒張した一物を押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は股間を揺すって藻掻く。
 「うおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の顔は究極に歪み軋み歯を剥き出して泣き叫ぶ。
 大越俊は乳房を掴んで欲望の限り怒張した一物を森智春の膣の奥深く押し続ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の叫び声に大越俊の欲情は一気に破裂する。一物を森智春の膣の中で子宮口に押し付けたまま果ててしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。ああん。ああん」
 森智春は中出しにさらに号泣する。
 女の部分からは膣液とローションが流れ出ている。情液も混じっている筈だが少量で判らない。
 大越俊は泣き続ける森智春の膣にクスコを刺しこむ。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は涙を振り飛ばして叫ぶ。
 大越俊は小型のカメラを膣口に接続する。
 壁に設置したモニターにクスコの奥の深紅の子宮口がくっきり投影された。周りの濡れも確認できる。
 「よく見ろお前の女の奥だ。濡れきっているぞ」
 大越俊はモニターを指さす。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春はヒステリックな声で泣き叫ぶ。
 「お前のこの姿は動画で世界にばら撒かれる。同級生の男も女も見るぞ。名前も学生証も公開するから学校中のAVアイドルだ」
 大越俊は愉しそうに詰る。
 「やだあーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は狂った様に喚き散らす。
 「綺麗な真紅の子宮口だ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は金切り声で叫ぶ。
 「これからここを確り責めるからな。メインイベントだ」
 大越俊は悦びの真っただ中である。
 「もうやめろーーーーーーーー。あーーーーーーーーーおまえーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春はカメラの後ろの男に気付く。名刺を出された。テレビ太陽アナウンス部シニアマネージャーと書かれている。
 身なり共々偉い人に見えた。話を聞いてみようと思って車に乗ったが直ぐに意識がない。
 車を運転していた若い男らしきも居る。
 「吊るしをお願いします」
 大越俊はそう闇組織の派遣員に頼んで森智春に麻酔を当てる。
 
 川口。営業してない旅館である。
 出所茉莉はクスコの奥に柄付きの小柄ローターを突っ込まれて一番敏感な部分を刺激され逝き顔を晒し続けていた。
 「あーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させた恍惚の表情で躰は究極に震撼している。
 産業廃棄物処理業の社長がカテーテルの様な細いバイブを尿道の亀裂に挿入した。
 「ああはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉の顔は真っ赤に紅潮している。女の一番幸せな逝き顔である。
 医者の男は出所茉莉の絶頂を何度か確認して運送会社の社長らに合図する。
 ローターを出してクスコを抜く。アナルバイブも抜く。
 出所茉莉を吊るした真下に布団を差し込む。上半身の吊るしだけ下げた。
 出所茉莉の躰は上半身を布団に寝かされ大股を斜め上に六十度に開いて脚だけ吊るされている。
 運送会社の社長がドリルバイブを構えた。
 「えーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は恐ろしい道具に驚愕する。
 運送会社の社長はドリルバイブの先端に付いた疑似男根を出所茉莉の膣に押し込む。ずるずると奥に入ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は恐ろしい異物の侵入に悲鳴を上げた。
 アナルは抜いたが尿道は抜けたのをもう一度入れる。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 運送会社の社長がドリルバイブのスイッチを入れる。最初は回転運動だけさせる。
 「うぐうーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉の顔は一気に軋み大口を破裂させた。
 「えーーーーーー。恐い。恐い」
 運送会社の社長は容赦なく責める。
 「ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 運送会社の社長はさらにピストン運動を加えた。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーー。もう。もうじゅうぶん」
 出所茉莉は既に涙を飛ばしている。
 逝き声はやがて佳境になる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は強烈な逝き声のあと白目を剥いてしまった。
 その後も二回失神を繰り返してしまう。
 スタンガンの微電流で起こす。
 「さあて。最後の極刑だな」
 医者の男が宣告する。
 「ああ」
 出所茉莉は二百万の本来の契約内容を思い出す。何をされるのか恐怖と緊張が奔る。
 「気持ち良いのは今日までだ。膣の中を焼くからな」
 印刷会社の社長が宣告する。
 「えーーーーーーーーーーーー。そんなーーー」
 出所茉莉は驚愕の表情になる。
 「お前はまだお尻と尿道も感じる。クリを焼いて人工肛門と人工尿道にしたいところだ」
 「そんな二百万で」
 出所茉莉は割が合わないと訴える。
 「ここ迄ならSMクラブで十万がいいところだ」
 医者の男は取り合わない。
 印刷会社の社長が出所茉莉の膣に電極に繋いだ金属のこけしを挿入する。
 「待ってーーー。御願いお○○こは赦してーーーー」
 出所茉莉は泣き声混じりで訴えた。
 「駄目だ。感じる機能を閉じる為にここ迄悦びを教えたのだ」
 医者の男が言い放つ。
 「ひいどいーーーーーー」
 「諦めろ。二百万返すか」
 「かえせないよーーーーーーーーーーーーー。でもそれはひどいよーーーーーーーーーーーーーー」
 「二百万返して十万で帰るか」
 「だめだよーーーーーーーーーーーーー。でもーー。お○○こはゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 「何故!二百万要る」
 医者の男である。既にケースを引き寄せている。
 「銀行のお金つかちゃったの。正月開けまでに戻さないと。私訴えられちゃうのよ」
 「だったら諦めろーーーー」
 医者の男は強い口調で言い伏せる。
 印刷会社の社長はトランスの電流を流す。運送会社の社長は金属のこけしをゆっくり回す。
 「あーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーー。まってーーーーーー。おねがいーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉は涙を振り飛ばして号泣した。
 「もう医者は待機している」
 産業廃棄物処理収集運搬業の社長が諦めるように宣告する。
 医者の男がケースから二千万を出してテーブルに置く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 出所茉莉の断末魔の悲鳴が轟く。
 印刷会社の社長は電流を止める。運送会社の社長が金属のこけし抜く。
 「あ、ああーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。ああん」
 出所茉莉は号泣し続ける。
 「クリとアナルは赦してやったのだ」
 医者の男はそう言って二千万の束を指差す。
 「・・・・・」
 「どうせ二百万は返済して終わりだろ。これでこの先悦びを忘れて生きろ」
 旅館が契約している医者が入って来て局部麻酔と応急措置をする。そのままその医者の患者を運ぶ車両で運ばれた。
 
 宮城。露天風呂付き離れである。
 森智春は躰を横に股間を斜め上に向けて吊るされた。
 上半身は一度高手小手に縛られているようである。
 その上から別系統の縄が高手小手の縄の上から腕と乳房の下を一括で巻いてその縄がメインで森智春の躰を吊るしている。
 右脚は膝と脚首に掛けた縄で離れた柱から横に真っ直ぐ引っ張られていた。
 左脚は太腿に掛けた縄で天井から吊るされ膝が真上に向いて膝から下は折って垂れ下がっている。
 まだ眠らされたままである。
 大越俊はスタンガンを乳房に当てて起こす。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春はスタンガンに唸りながら眼を見張る。
 大越俊の指差すスクリーンに自分の吊るされたあられもない姿が映っていた。
 一番恥かしい股間の部分が斜め上を向いて丸出しである。
 大越俊は鞭を手にする。先端が長方形のチップに成った一本鞭である。
 森智春に強い緊張が奔った。そして大越俊を睨み付ける。
 大越俊は鞭の先端のチップを森智春の女の部分に当てる。じっくり摩るように動かして振り被る。
 一気に叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の躰は強く弾けて空中で強烈に震撼する。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は痛みに強く藻掻く。
 大越俊はもう一度女の部分に鞭の先端を当てる。
 「ああーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は恐怖の表情で慌て叫ぶ。
 「うるさーーーーーーい。お前をモデルにSM動画をばら撒くのだ。絶対保存版になる」
 大越俊はそう叫んで森智春の閉じ合わせたまま叩かれて歪んだ女の部分に鞭の先端を叩き付ける。
 「ううーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は強烈な叫び声を絞りだす。躰は強く跳ねて暴れる。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は堪えられない痛みに藻掻き続けた。
 それでも大越俊は女の部分に鞭をあてがう。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 振り被って叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーー、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の躰は何回でも弾ける。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに藻掻き続けた。
 大越俊は血が滲むまで叩きたい。
 二十回くらい叩いて粘膜から出血を確認して次に掛かる。
 次は乳房である。
 延長コードを二つ折りにしてU字の側を鞭の先端にする。鞭より相当に痛い。
 森智春の横向きにされ上に成っている右の乳房。大越俊はU字の部分をその膨らみに叩き付ける。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐにU字に蚯蚓腫れが浮く。それが数秒で紅くなる。
 「うぐううーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は痛みに藻掻き暴れ続けた。
 大越俊は加虐心の限りもう一発叩く。
 「うぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 空中で森智春の柱から真っ直ぐ引っ張った脚が強く暴れ躰は強烈にローリングする。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は痛みに狂ったように藻掻く。
 右の乳房はU字の真っ赤な痕が二つ重なり美しさを破壊している。その無残さが大越俊を異常にそそらせた。
 大越俊は気が済むまで甚振ったら女の性を公開に切り替える。
 クスコと開口器を取り出す。膣にクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は無駄と分かっても叫ぶ。
 「お前の二つの穴の奥を公開して双方から責めて逝き声を動画でたっぷり中継だ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 大越俊は構わずアナルにも開口器を刺し込む。
 クスコと開口器に内視鏡の様なカメラを接続する。森智春の女の奥と直腸の内部をカメラに公開する。
 モニターに映して森智春の目の前にも投影する。
 「あーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は顔を真っ赤に染めて叫ぶ。
 「色白の美人顔が紅潮してなかなか見物だ」
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーー。最低の強姦男、痴漢、猥褻魔、スケベーーーーーーーー」
 森智春は言葉の限り罵った心算である。
 「そんなので済ましてくれるか」
 大越俊は嘲笑う。
 「おのれーーーーーーーーーーーー。女をこんな目に遭わせてーーーー」
 森智春は行き場の無い怒りに叫ぶばかりである。
 大越俊は二つのアイテムをカメラと森智春の前に翳す。
 一つはリモコンの先に柄が延びていて先端には面相筆の毛が九十度に曲がって一周円形に広がっている。
 膣の中で九十度横に曲がった筆先が回転して膣壁を刺激する。
 もう一つもリモコンの先に柄が延びている。先端にはL字に小さなローターが付いている。
 「これで責めるぞ」
 大越俊は愉しそうに言う。
 「ふん」
 森智春は顔を叛ける。
 大越俊は森智春の膣とアナルにスポイトでローションを流し込む。
 「やめろーーーーーーーー」
 アナルにローターを差し込んで膣に隣接した粘膜の壁に当てる。そのままスイッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は違和感に喚き散らす。
 「ふっふっふ」
 大越俊は悦びの表情を浮かべて回ったプロペラの様な筆先をクスコの奥に突っ込む。
 こっちもスイッチを入れる。
 「うう、う。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 森智春の表情は一気に軋む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は全く堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 口からは涎が飛び散っていた。
 大越俊は回っている筆を僅かに前後させる。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の逝き声は架橋になる。
 大越俊は適度なところで一回止める。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 森智春は美人顔を崩れさせて荒い気遣いを続けていた。
 大越俊はいま撮影した森智春の逝き顔を再生する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は泣き喚き抗議する。
 闇組織の派遣員がケースに入ったカナブンを渡す。糸で繋いで糸の反対側にはリングが付いている。
 大越俊はリングをつまんでカナブンを取り出す。
 糸に垂れ下がったカナブンを森智春の膣に差し込まれたクスコに垂らす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は強烈な悲鳴を上げる。
 大越俊はそれを中に落としてリングをクスコの螺子部に引っ掛けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春の切迫した悲鳴はさらに切迫する。
 カナブンが中で暴れるのを内視鏡タイプのカメラがスクリーンに映し出していた。
 森智春の泣き叫ぶ表情は正面のカメラが撮影している。あとから合成してAVのように川口の会長が編集する。
 大越俊は適度なところでカナブンを取り出す。
 「あーー。あはん。あはん。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 森智春の顔は涙が溢れ流れてぐちゃぐちゃである。
 「ううーーやあーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 森智春は更に号泣する。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「これはなかなか良い女だ。そして若い。動画をばら撒いたら相当に浸透するぞ」
 「益々社会は水面下で乱れるか」
 「もとより水面下は乱れている。それに拍車までは至らないが我々の愉しみにはなる」
 川口の会長は社会の表面は建前だけである。それは知識階級の意見で綺麗事社会に一辺倒されている。だが水面下は乱れきっていると主張する。
 「マスコミはコロナ、ロシアとウクライナの問題、そして俺たちの事だ。警察はこっちに集中だ」
 葬儀会社の社長は自分らに注目が集中することに陶酔している。
 「面白いな」
 「ああ」
 「いつ死んでも悔いは無い。愉しめるだけ愉しむ」
 これが川口の会長の本音らしい。
 「捕まるのだけは嫌だが」
 「あっちの組織が何とかしてくれる」
 川口の会長は自分らに捕まる危険が迫ったら派遣員を送っている闇組織が始末に来てくれるとの見解である。
 「そう願いたい」
 葬儀会社の社長も捕まるより死を選ぶ意志である。
 「この女まだ失禁してないな」
 「それは必要だな」
 「リクエストしよう」
 骨の髄まで残酷な二人である。
 
 宮城。露天風呂付き離れである。
 川口の会長の指示で森智春の拷問は追加された。
 「お前の浣腸と放尿を公開だ」
 大腰俊はまた愉しそうに宣告する。
 「ばかやろーーーーーーーーー。このじょうたいでどうするんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は恐ろしい辱めと吊るされた状態での排便姿に慌てる。堪らず猛然と叫ぶ。
 バケツに四角い氷が大量に入れて準備された。
 それを極太の浣腸器に吸い上げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。そんなのーーーーーーーーーーーーー」
 森智春は冷たい水に驚愕して叫ぶ。
 それを全く無視して大腰俊は浣腸器を森智春のアナルに差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 森智春は半狂乱に叫ぶ。
 開口器で広げたとき便は見えなかった。それ程出ることはないと思えるが排便姿は収録しておきたい。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に冷たい浣腸液が直腸に入って腹の痛みが森智春を襲っている。
 大越俊が注入し終わって浣腸器を抜く。アナル栓を取ろうとするが森智春のアナルから茶色い水が噴き上げる。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 茶色い水の後に僅かな便が流れ出た。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーん。ひどいよーーーーーーーーーー。あはあん。ああ。ああ」
 森智春は恥かし過ぎる排便の仕打ちに号泣する。
 電マでクリトリス、股間を責めたが失禁はまだ堪えられていた。かなりの時間小水を出してないので簡単と思ったが無理であった。
 派遣員が利尿剤を注射してしまう。
 さらに冷たい風を送る。
 森智春は藻掻き続けたが力尽きて吊るされたまま漏らしてしまった。
 堪えられず泣き続ける。
 そのまま麻酔を当てて吊るしから降ろす。派遣員三人で床に縛り直した。
 大越俊らは食事と仮眠を取って明日の朝から三人目に掛かる。
 
 十二月二十八日。
 大越俊は川口の会長から提供された拳銃で自決は出来ず派遣員の手で米神に銃弾を撃ち込んで貰った。
 三人の女性は縛られたままである。
 三人の派遣員は部屋の中に灯油を撒いて発火装置をセットして離れを出る。三台の車がばらばらに異なる道から帰った。
 動画は総て川口の会長の元に渡っている。
 離れは僅かな時間で焼け落ちてしまう。
 管理事務所は火災に気が付いていた。焼け落ちるのを待ってから消火に掛かる。消防に連絡などはしない。
 管理事務所の面々はとんでもない行動に出る。
 重機を持って来て隣接の露天風呂を壊す。
 周りを掘ってその周りを盛土にする。
 離れの焼け跡の残骸を重機で運んでそのまま掘って沈めた露天風呂の上から投げ込む。
 完全に焼け跡も遺体も埋めてしまう。
 離れの基礎のコンクリの焼け跡もコンクリで上塗りする。
 その上からユニット式のプレハブの離れ屋を建ててしまう。
 露天風呂も石を置いて上からコンクリを流す。完全に石とコンクリに焼け跡の残骸と遺体は埋められてしまった。
 高い雑木林に囲まれた山の中である。総てが隠密裏に済まされてしまう。ここまでは川口の会長の想定に無かった。
 正月になって動画が順次公開されたがそれが何処で行われたか皆目不明と成っている。
 貸し離れの運営会社が営業権を護るため放火と殺人、その他を全部隠蔽してしまったのである。
 県内の温泉街にて大浴場で殺人事件が起きたホテルがその後倒産する。さらにその周りも廃墟に成ると言う前例があった。
 その教訓からこの貸し離れ形式の温泉宿では身を護る手段が準備されていたのかもしれない。
 
 如月鬼堂らは正月に豊洲で愛好会の主なメンバーと順次公開された動画を確認した。
 愛好会会員の洗い直し作業は殆んど終わった。危険人物は見当たらない。大庭信一郎や胡浜次郎のような存在も出なかった。
 
 余談。
 出所茉莉は診療所に入院中に銀行の支店長代理と次長に金を取りに来てもらった。どうやって金を作ったかは聞かれなかった。
 退院したのは年明けである。
 貰った二千万でこの先のことを検討した。
 投資で買って賃借人が企業で社員の寮に成っている中古物件をそのまま購入した。毎月家賃が手数料を引いて十五万入る。
 さらにコロナで廃業して間もないスナックを居抜きで契約した。
 オミクロン株の危機は迫っていたがそれが過ぎれば自分なら客は付くと考えた。膣の感度は失ったが顔は何もされてない。
 自分の美貌なら行けると過信した。
 銀行の支店長代理と次長は総てを闇に葬る。その代償に出所茉莉にやらせろと迫った。
 出所茉莉は仕方なく応じる。店を始めることも話してしまう。だがそれがその後にやや助かった。
 年明け早々オミクロン株が急増する。
 開店しても客は殆んど来ない。
 マンションの家賃は入って来るので店の家賃と住居の家賃は払える。
 銀行の支店長代理と次長が客となった。
 八時で店を閉める。酒の提供は行う。銀行の支店長代理と次長にはその後も躰の提供を求められた。一回一万で話は付く。
 皮肉にもこの二人からの収入が僅かな生活費と成った。この先が不安である。
 
 
 最期のSM小説家 第三十一幕 犯罪連鎖 完 





 最期のSM小説家 第三十二幕 続犯罪連鎖


 二〇二十一年小寒上元。太陰太陽暦十二月一日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年一月三日。
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 愛好会のメインのメンバーが集まっていた。樽常マネージャーとファッション喫茶三店舗の店長は正月から営業で忙しい。
 如月鬼堂のファッション喫茶は相変わらず看板を消している。会員のみの営業である。
 大越俊の動画が公開されて大騒ぎの最中であった。
 如月鬼堂らは杉下一行の取得したファイルで確認している。
 三人目の犠牲者黒田美優の動画に掛かる前に仕出し屋から食事が運ばれ昼食タイムとなった。
 「今度は被害者が開放されてないし場所も判らない。生死も不明ですね」
 館山弁護士は訝しがる。
 「大越俊と名乗る人物の動画での供述では道連れと言っていた。三人とも殺されたのではないか」
 如月鬼堂は全員死亡と見ている。
 「今回は撮りっ放しで流してないですね。編集しています」
 杉下一行も分析している。
 「地下室のアジトと同じやり方だな」
 如月鬼堂にも何か腑に落ちない。
 「元旦から今日で三本目。火災も起きず遺体の開放もないですね。場所も全く判りません」
 福富麻次郎も不自然と思う。
 「今回は模倣犯とか」
 大河内税理士である。
 「それもおかしいです。自殺願望を語っていました。個人の名前とかを公開して道連れと語っています。何か実体的なものが出て来るべきです」
 館山弁護士は完全に新たなる展開の仕方だと次の動きを危惧する。
 「とにかく三本目を観ましょう」
 「そうだな」
 三人目の犠牲者も床に磔にされ大越俊に強姦された。この女は黒田美優という。歯科助手である。
 華奢でインテリ顔。知識人的気丈さを宿したほぼ美人顔。大越俊はたっぷり拷問して苦しめたい。
 大腰俊は黒田美優の強姦を一通り愉しんで麻酔を嗅がせて闇組織の派遣員らに吊るしを依頼した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「あの山奥の離れ宿。とんでもない事をしたな」
 「経営を護りたかったのだろう」
 「そうだな」
 「遺体が出なくて問題ないのか」
 「どうせ大越は自殺願望だ。だが女達の遺体は家に帰れないな」
 「仕方あるまい」
 「幽霊になって出てこないか」
 印刷会社の社長である。
 「来るかもしれんな」
 川口の会長はややふざける。
 「おいおい。俺たちに化けて出てくるのか」
 「そんな事はない。霊は当面の加害者しか見えない。俺たちの存在は分からない」
 川口の会長は全く問題視してない。
 「本当か」
 「まずは埋められた場所に出る」
 「そこで足が付いて警察が掘り起こすか」
 印刷会社の社長は幽霊がマンホールの上に出て蓋を開けて見つかり犯人が逮捕に至ったテレビ放送を覚えていた。
 「なかなかそこまでは行かない」
 「そうか」
 「幽霊話で露天風呂を壊すなど管理事務所が承知しない」
 「そうだな」
 「ところで本当に廃業した温泉ホテル買うのか」
 「買う。こっちの名義ではなしに。投資して別の会社にオーナーに成ってもらう」
 「あそこに健康センターを造るか」
 「そうだ」
 「普通の健康センターじゃ駄目だ。話題を呼ぶものが必要だ。春にはコロナも治まるだろう」
 「ところで次の相談は来ないのか」
 「来ている」
 川口の会長は次を企んでいた。
 
 黒田美優は如月鬼堂がよく使う吊るし方で吊るされた。
 太腿の付け根両方に掛けられた二本の縄で吊るされている。
 脚を膝から脚首に掛けられた縄で離れた柱の根元に引っ張られて両脚が股間を頂点に山の裾野のように広がる。
 黒田美優は空中に船の碇を逆さまにした形で吊るされているのである。
 股間は斜め上に向けて完全に広がっている。女の部分もアナルも丸見えの恥かし過ぎる姿である。
 大腰俊は鞭を構える。
 黒田美優はまだ麻酔で眠らされたままであった。
 大腰俊は先の細い一本鞭で女の部分の閉じ合せた粘膜を縦に叩く。
 「・・・・・・・う、ぐぐ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は悲鳴を搾り出しながら意識を回復する。
 大越俊にはどんな残酷な事をしても死の前に最後の遊びである。女性の悲劇は全く考えない。自分の都合だけである。
 「おのれーーーーーーーーー。いいかげんにしろーーーーーーーーー」
 黒田美優は怒り狂っている。
 大腰俊は構わず叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 敏感な粘膜を容赦なく縦に叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は痛みに藻掻く。
 大腰俊は二十回くらい叩いた。川口の会長の台本には二十回と書かれていたが数は数えてない。
 黒田美優の大陰唇と股間の谷間が真っ赤に染まって悲惨である。
 大腰俊はその真っ赤な部分に痒みに塗る柑橘系の液体塗り薬を塗る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は強烈な悲鳴を上げる。
 大越俊は尿意を催してきた。
 黒田美優の口をラジオペンチで開いて開口器を押し込む。その開いた口に漏斗を挿し込んでしまう。
 大腰俊はその中に小水を流し込む。
 「ごぼーーーーーーーーーーーー。ごーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は口に入って来る尿を強く噴出す。
 「ぐぼおーーーーーーーーー。ぐぼおーーーーーーーーー」
 黒田美優は口に残った尿を強引に吐き出す。
 不快感は極まりない。尿は昨夜ビールを飲んでいてかなり臭い。
 大越俊は黒田美優の不快感を無視して畳の掃除だけ行う。
 「うおーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 黒田美優は気持ち悪さに口の中の汚れを吐き続けた。
 さらに藻掻き続ける。
 そして何とか口の開口器は外れた。
 「ふおーーーーーーー。ぶおーーーーーーーーーー」
 黒田美優は口の中の尿を吐き出し続ける。
 「あ、ああ。うああ」
 不快感は去らない。
 大腰俊は逆さ吊るしで斜め上に向いて丸出しになっている黒田美優の女の部分にクスコを刺し込む。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。なにするんだよーーーーーーー」
 黒田美優は医療器具の進入に恐怖感を深めて叫び抗議する。
 大越俊はクスコの口にカテーテルタイプのカメラを接続する。
 「あっちを見ろ」
 大腰俊はモニターを指差す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は我慢できない屈辱に無駄でも叫ばずに居られない。
 「お前の女の奥を顔と一緒に世間に公開だ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優はまだ叫ぶ。
 「うるさーーーーーーーーい」
 大腰俊はクスコで開いた奥の子宮口に長いブジーを刺す。
 「ごおーーーーーーーーーぐぐおおーーーーーぐごおおーーーーぐうおおーーーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は逆さ吊るしの躰を捩り藻掻き暴れ続ける。
 「ああ。ああ。はあ。はあ。おのれーーーーーーーー。なんてーーーことをーーーーーーーーーーー」
 また黒田美優は怒りを剥き出す。
 「ふっふっふ。もう子供はできない」
 大腰俊は嘲る。
 「おのれーーーーーーーーーーーー。女にこんなことしてーーーーーー。じごくにゆけーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は怒りの限り罵る。
 「それは地獄行きだなあ。この世も地獄だ。お前も道連れだ」
 「おのれーーーーーーーーーーー」
 黒田美優はいくら怒ってもどうにも成らない。それでも叫ぶ。
 川口の会長の指示は気が狂うまで責めろである。
 大腰俊はもう一本ブジーを取り出す。
 今度はそれをクスコの金属の嘴二枚の間に挟まった尿道の亀裂に突っ込む。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は痛みに目を剥いて悲鳴を上げる。
 大越俊は二本のブジーを交互にピストンする。
 「ぐごーーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーーーぐごーーーーーーーーーーーーぐうおおーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーー」
 黒田美優は躰を振って藻掻く。
 「い、いいたいよーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は泣き喚く。
 壮絶な光景が画面に焼き付く。
 「おーーーーーーーーのれーーーーーーーーーーー。どこまでーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙は溢れ畳に流れ落ちる。
 「うーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大越俊が動かすのを止めても悲鳴は続く。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いがなかなか治まらない。
 大越俊が尿道のブジーを抜く。黒田美優の尿道から失禁尿が噴水のように流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は堪らない羞恥にサイレンの如く悲鳴を上げる。
 その尿も逆さ吊るしのため躰のフロント面を伝って首から頭や顔に流れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーー。ここからおろせーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は狂ったように抗議する。
 大腰俊は子宮のブジーを抜いて小さなクスコも抜き取る。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は痛みにまた藻掻く。
 「次は気持ち良くしてやる。お前の逝き声を動画に流すのだ」
 大越俊が愉快そうに宣言する。
 「なるわけないだろーーーーーーーー。いいかげんにしろーーーーーーーー」
 黒田美優は顔の尿を振り飛ばして叫ぶ。
 「まだいいかげんではない」
 大腰俊は全く動じない。さらに詰る。
 「おーーーーーーーーのれーーーーーーーーーー」
 黒田美優は歯を剥きだし怒りの言葉を吐く。
 大腰俊は二つの責め具を取り出してカメラに翳す。
 一つはリモコンから延びたアームの先端に小さなローターがL字に装着された物。
 もう一つはリモコンからシリコンの細い管が延びて先端はやや膨らんでいる。尿道用の柔らかいバイブである。
 「なによーーーーーー。それーーーーーーーー」
 「お前の女の性を丸出しにする道具だ」
 「そんな物で気持ちよくなるかーーーーーーーーーー」
 「やってみよう」
 大腰俊は愉しんでいる。これが最後の遊びである。
 「さあ行くぞ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。陵辱するなーーーーーーーーーー」
 黒田美優はとことん抵抗姿勢である。
 大腰俊はローターの先端をクスコの奥の蚯蚓千条の膣天井部に当てる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああううーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は強気に抵抗しても責めに免疫はない。直ぐに反応してしまう。
 「ああ、うう、うーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優の顔は究極に軋んでいる。
 大腰俊は表情を見てじっくり責める。川口の会長の指示にそう書かれていた。
 「あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は女の一番敏感な部分を弄られ責められて逝き声を抑えられない。
 大腰俊は頃合を見てもう一つの尿道用のバイブにローションを掛けてクリトリス付近をなぞる。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大腰俊はそれを徐々に尿道に差し込む。
 「あうーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優の表情はさらに軋む。躰は藻掻く。
 
 豊洲。如月鬼堂のマンションの居間である。
 昼食が終わってオードブルが届いて全員そのまま飲みながら動画のチェックを続けていた。
 ガラスの冷蔵庫にはたっぷりビールと日本酒が冷やされている。
 珠洲と瀬里菜は別室で他のテレビを見ながらミニチアダックスのペーと一緒である。
 おせち料理は暮れに届いてカウンターにたくさん重ねた小皿と一緒に出されているが誰も手をつけない。
 「またうちのアイテムを」
 杉下一行は怒りを吐き出す。
 販売しているアイテムが動画に出る度に警察の捜査が入る。
 「態と杉下さんの会社で販売しているアイテムを使うのですかね」
 福富麻次郎は杉下一行に気を使う。
 「その可能性は有りますね」
 館山弁護士もそう考えている。
 「会員には概ね関係者は居ないがそんなところに繋がりが残るか」
 如月鬼堂も難しい表情になる。
 「壁は隠されて天井は映していません。場所が判らないように撮影されていますね」
 「この連中の犯行で前にも行方不明のまま遺体が出てこない事件がありましたよ」
 館山弁護士は弭間加奈ともう一人松本茉莉巡査長の生死が不明で遺体も発見されてないことを思い出した。
 「今度は大越俊とやらの遺体も処分ですかね」
 杉下一行もここが不自然である。
 「あとから出てくるとか」
 「森智春さんが行方不明に成ったのが年末の二十六日です」
 「それじゃこの撮影は去年ですか」
 「おそらくそうでしょう」
 「何か全く残らない遺体の処分方法があるのでしょうか」
 遺体の処分は簡単ではない。大概は遅くとも数年のうちに出てくる。館山弁護士は大越俊が自殺願望なら被害者三名も殺されたと見ていた。
 「まあ。遺体が出たところであの犯人には辿り着かないだろう」
 如月鬼堂は今度も解決なしと見ている。
 「しかし大越俊とやらの犯行動機もコロナの営業自粛と給付金の遅延だ。規制はすべきじゃない」
 大河内税理士はこの加害者より行政を非難したい。
 「オミクロンとかでまた蔓延防止、非常事態が掛かるかもしれませんね」
 福富麻次郎もそっちが心配である。
 「やっと正常営業に成ったのに。感染防止より治す事を考えて欲しい。治る病気にすれば規制は要らない」
 如月鬼堂もいい加減にして欲しいと怒っている。
 「もう殆どの店舗が休業要請に応じないのではないですか」
 「既にオミクロンも蔓延の傾向ですよ」
 「いつまで続くのだ」
 大河内税理士はまたアルコールが回っている。コロナの自粛要請、命令で飲食店が多く倒産して客を失っているからである。
 そんなところに南七香が新年の挨拶に訪れた。
 南七香もやっと正常営業になっての矢先である。まだまだ借金とこれからの資金繰りに悩ましい。
 「もう私また樽常マネージャーのSMクラブの仕事をしないと会社が維持できないかもしれません」
 南七香は館山弁護士にそう愚痴る。
 さすがに愛好会のショーはもう廻してもらえないと悟っていた。
 
 動画の映像では黒田美優は膣の中の濡れがクスコの口から流れ出て股間がぐちゃぐちゃである。
 大越俊の玩具にされ逝かされてしまった。女の性の公開も予定通り川口の会長の台本通りである。
 闇組織の派遣員は蛇を準備していた。
 それを水の入ってない水槽に網袋から移す。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優はそれを見て驚愕して悲鳴を上げる。
 「さあ。蛇イレポンと行きましょう」
 大腰俊はぼそりと恐ろしいことを言う。
 「なによそれーーーーーーーーーーー」
 黒田美優にイレポンは解らない。
 「お前のお○○こにペニスやバイブレーターの代わりに蛇を入れるのだ」
 大腰俊はまた淡々と普通のことのように言う。
 「なんですってーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーーー」
 「大真面目でございます」
 大腰俊は笑顔で詰る。
 「そこの私を騙して連れて来た親父!いい加減にやめさせろよーーーーーーーー。おまえらのせいだーーーーーーー」
 黒田美優はカメラの後ろに居る男に叫ぶ。名刺を出されてテレビ太陽アナウンス部シニアマネージャーと書かれていたので話を聞こうとした。
 森智春と同じ手で連れて来られたのである。
 叫んでも意味は無い。黒田美優は追い詰められて叫ばずに居られない。
 「我々は依頼者に忠実です」
 「お前ら金で雇われているのか」
 「左様で」
 四十年配の男は全く動じない。
 大腰俊はスネークフックを二本手にする。それで蛇を頭の少し手前と尻尾の少し手前で掴む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は驚愕の悲鳴を上げる。
 大越俊は蛇の頭を顔に近付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は震えながら顔は情けない表情に崩れきっている。
 大越俊はその蛇の腹を黒田美優の広がった股の付け根に載せる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は表情を破裂させて泣き悲鳴を上げる。
 大腰俊は黒田美優の膣を広げたクスコの真上で二本のスネークフックで掴んだ蛇の頭を下にして胴体を縦にする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は大口を破裂させて断末魔の悲鳴を上げる。
 大腰俊は蛇の頭をクスコの中に突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蛇の頭はクスコの中で子宮口に当たる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優の表情は強烈に崩れて唾液を飛ばしながら悲鳴を轟かせる。
 大越俊は蛇の頭を子宮口に押付けるように廻してピストンする。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 黒田美優は狂った様に藻掻き暴れ叫ぶ。
 「いやあだあーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な光景である。
 大越俊は黒田美優の悲惨な苦しみを思い残すことなく愉しんでようやく蛇を抜いて水槽に戻した。
 「あーーーーーーーーーーー。いやあだーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜いても黒田美優の叫びは治まらない。
 動画はここで終わっていた。
 如月鬼堂らは見終わっても何の見解も出せなかった。
 
 専従班の中宮警視正以下の刑事らも何も掴めなかった。全く手掛り無しに山荘や地下室の捜査を続ける以外に術は無い
 コロナ過にも関わらず検問は強化され続けた。
 マスコミは怒涛の如く捜査状況を確認してくる。全く無力としか言いようが無い。会議は続けるが進展は全く無い。
 
 一月十一日。
 南七香は樽常マネージャーのクラブ真生M女性の館を訪れた。
 オミクロン株による減収を既に警戒しての行動である。
 その日に客は付いた。
 初めての客ではない。泉憲次と言う。
 量販チェーンのオーナー経営者である。南七香は極端にハードな客ではなかったと記憶していた。
 これまで随分ハードに泣かされた。殺された胡浜次郎が一番嫌だったがもっとハードな客も居た。
 愛好会のショーでもないのに鞭で叩かれて熱を出した。
 本業に支障をきたす場合も有った。
 南七香は自分の焼肉チェーンを護る一心である。
 女性向けの焼き肉店を七店舗経営していた。コロナで家賃の高い都心の二店舗は已む無く閉店することとなる。
 断腸の想いであった。
 全店舗で高い派遣スタッフは解約して社員とアルバイトのみで残る五店舗に配分してなんとか運営を続けている。
 「車代とチップ込みだ」
 泉憲次は五十万を差し出した。
 南七香は疑わず受け取った。
 朝まで三十万の真性M女コースである。
 ハード鞭はない。バラ鞭までとなっている。だが羞恥責めは無制限である。
 南七香は三十半ばだが見た目は二十代でも通る。
 泉憲次は南七香にシャワーを使わせず全裸にして開帳台に寝かせてベルトで腹と太腿を固定した。
 泉憲次は乳首を執拗に舐める。舌先で起つのをじっくり確認する。
 次はクリトリスを指先で剥き出す。
 包皮を剥いた状態にして包皮をクリップで鋏む。
 「うーーーーーーーーーーー」
 南七香は痛いと表情に表して泉憲次の顔を覗くように見上げる。
 泉憲次はボールペンの先のようなバイブを取り出す。ベアリングのやや大きい玉がバイブである。
 それを剥き出しのクリトリスに静かに当てる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 刺激は以外に強い。南七香はベテランなのに声を上げてしまう。
 泉憲次はクリトリスをミクロ的に小さいバイブの先端で周りから刺激してゆく。ピンクの玉をなぞる繊細な責めを続ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーん」
 南七香は堪えられない。
 泉憲次は執拗に責め続けた。
 南七香は数分で失禁してしまう。
 泉憲次はその失禁尿をビーカーに受ける。
 さらに点滴を吊るすスタンドを引き寄せる。ガートルをぶら下げてビニールの管を接続する。それを南七香の口に咥えさせる。
 ガートルに生ビールを注ぐ。かなり冷えている。
 「飲め」
 「・・・・・」
 「飲まないとお仕置きするぞ」
 南七香は仕方なく少しずつ飲む。
 「お前の店で焼き肉食ったぞ。女ばかり優遇して。今日はお仕置きだ」
 突然南七香の表の存在にずけずけ侵入して来る。南七香には脅かされたくない部分である。
 「だって女性が気軽に一人で食べられる焼肉店がコンセプトなのです」
 南七香は何とか言葉を選んで言い返した心算である。
 「だからお仕置きだ。こっちはそういうコンセプトだ」
 南七香は益々穏やかで居られない。
 泉憲次は利尿剤を注射する。
 「なにそれーーーーーーーーー」
 南七香は行き成りの注射に抗議姿勢になる。
 「心配するな利尿剤だ」
 南七香は異論の表情で泉憲次を睨み続ける。
 泉憲次は南七香の女の部分を広げて尿道の小さな亀裂に尿道カテーテルを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は初めてではない。それでも悲鳴を漏らす。差し込み方が急激だったのである。
 泉憲次は開帳台の股の下に台を置いてビーカーを置く。その中にカテーテルの先端を落とす。
 南七香の小水を段階的に次々とビーカーに落としてゆく。
 「お前の尿の臭い七段階だ」
 泉憲次はビーカーを南七香の鼻先に突きつける。
 七段階と言われても最初の一つ以外それほど差はない。ただ異常に屈辱的であった。
 「なんで利尿剤まで打ってそんなことをするのですか」
 南七香は堪らず抗議に成ってしまう。
 「このクラブのSMプレイで躰に傷までは残せない。心に傷は残せる。スカトロはやり放題だ」
 泉憲次は本音を剥き出す。
 「そんなに女を傷つけたいですか」
 「ああ。あんたが戻って来るの待っていたよ」
 「そんな。私を特別に」
 南七香は自分狙いだったと驚愕する。
 「そうだ」
 「何故ですか。女で経営者だからですか」
 「そうだ。若くして自分の力で起業した。そんな女は居てはならない。虐めるのに最適だ」
 「女性の社会進出に反対なのですか」
 南七香はあまり逆らっては駄目と分かってはいる。それでも我慢できず反論してしまう。
 「反対だ。表社会では知識階級の言う通りに発言している。このSM社会でまで従うことはない」
 「そんな」
 どんなに綺麗事を言っていても心の底は逆なのかもしれない。
 「さあ。三十女の女の奥を点検させて貰うぞ」
 「ええ」
 プレイのコース範囲では拒否出来ない。金は確り貰っている。
 南七香は何故か胡浜次郎を思い出してしまう。屈辱極まりないのは最後のビンタである。
 泉憲次は南七香の女の部分にクスコを挿入する。その螺子を回して内部を目一杯広げた。
 「この奥はそんなに洗えない。水を流して汚れを検証しよう」
 鞭で蚯蚓腫れも辛いがこっちも堪らない屈辱である。きっとこの男のした事もこの先何度も思い出すに違いない。
 嫌な記憶として残り続けるに違いない。目的通り傷つけられることは確実である。
 泉憲次はロングスプーンで膣の中から付着物と女の液を掬い出す。
 さらに綿棒で採取する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 直に当たれば痛い。
 泉憲次はカテーテルタイプのカメラをクスコの縁に接続する。
 「中をじっくり観察しようね」
 南七香は膣の中まで公開されるのも初めてではない。だが何か嫌な予感がする。何もなくても何か異常に屈辱感を感じる。
 泉憲次は内部をモニターに拡大して投影した。
 南七香は初めてでなくても目が眩む。
 「見ろ」
 南七香は首を振る。
 「プレイだぞ。恥かしくても見て恥かしさを噛み締めて顔を真っ赤にするのも代金の内だろ」
 泉憲次は強く叱咤して要求する。
 南七香は仕方なくそれを見る。恥かしさにくらくらする。
 「ここが蚯蚓千畳だがかなり使ったのか滑らかに成っているな」
 泉憲次は南七香の膣天井部に金属のマドラーの様な棒の先端に付いた球形の部分を当てて示す。
 「そんなことありません」
 南七香は屈辱的過ぎる指摘に堪らず反論してしまう。
 「そうかあ。お○○このびらびらがややドドメ色だぞ」
 泉憲次はやんわり詰る。
 南七香には気に障るでは済まない言葉である。
 「そんなーーーーーーーー。遊んでいません」
 「何本入った」
 「そんなこと」
 南七香は涙が溢れそうなのを抑える。
 「少なくとも十本以上は入っているぞ」
 泉憲次は出鱈目当てずっぽうである。
 「わたし三十代です。そのくらいは有りますよ」
 南七香はいい加減くだらない事と思うが態とそれを捩じ込んでくるのも分かる。下手に怒らせても不味い。
 「お前の躰を焼けたらいいな」
 「何よ」
 南七香は恐怖に戦慄する。
 「そういう願望だ。クラブのルールは逸脱しない」
 泉憲次は南七香の唇を奪おうとする。
 南七香は瞬間顔を逸らす。
 「おい。メニューの範囲だろ」
 「はい」
 南七香は冷静に唇を提供した。心底から嫌でたまらない。我慢しかないと言い聞かせる。
 コロナの自粛要請、酒の提供ができないなどが無ければ。休業補償が雀の涙でなければこんな事はしなくて済む。
 「ねえ。私のような女が気に入らないと言ったけど。こんな風にプレイしたら貴方のお金でわたし立ち直るよ」
 「それなら良い。事業の成功ではない。出来たらこっちが本業に堕とし入れたいよ」
 南七香は何と酷い言い方だと思うが反論を抑えた。
 「ねえ。女の子斬ったり焼いたりできる所有るらしいよ」
 「何処に」
 泉憲次の目が輝いた。
 「川口の方の旅館だって。私と同じ様な女社長が事業資金の為に泣く泣く覚悟決めて稼いで来たのよ」
 「あんたが其処で俺を呼んでくれたら良いのに」
 泉憲次は願望を露骨に言って来る。
 「私はそこまでしなくて何とか頑張っています。鬼堂先生のSM愛好会に出させて貰って収入を得ました」
 南七香は怒りが強く去来した。
 「SM愛好会」
 泉憲次は如月鬼堂のSM愛好会の会員ではないらしい。
 「そうよ。そのショーの出演料なの」
 「俺に紹介しろ」
 「駄目よ。私では。会員に成っている人から紹介で審査も有るのよ」
 「ふーん」
 「周りの経営者で入っている人探せば」
 「やってみよう」
 そのあと泉憲次は尿道責めを繰り返した。
 「ねえ。それ何処で買ったの」
 尿道専用の柔らかくて細いバイブ。杉下一行のポルノショップのオリジナル商品である。
 南七香は不覚にも熱く成って尿道で感じてしまった。
 「新宿のポルノショップだ」
 「其処のオーナー知らない」
 「杉下一行氏か」
 「そうよ。その人に紹介してもらったら。主要メンバーの一人よ」
 「お名前を存じている程度だ。誰かにその人を紹介してもらうか」
 「でも川口の旅館の闇風俗の方が貴方に合っているかもね」
 南七香は怒りと皮肉を篭めてそう言った。
 泉憲次は最後にもう十万出してビンタを要求した。
 南七香はまったく胡浜次郎と同じ事をして来たと思う。本来プレイ料金の範囲だがくれるものは貰っておくこととした。
 叩き方がねっちり屈辱的なビンタである。泉憲次が帰ってから南七香はプレイルームに残って号泣してしまった。
 
 南七香は翌日泉憲次の事を館山弁護士に話した。
 どこかの社長でかなりの経済力を持っている。もしかして連続拉致強姦事件の犯人の一人ではないかと思ったからである。
 館山弁護士は愛好会を知らないなら違うと思ったが一応調査した。だが結果は白との判断に至った。
 大河内税理士が顧問に成る事で愛好会にも紹介された。
 
 一月二十五日。
 如月鬼堂らは豊洲のマンションから宇佐美のマンションに移動した。毎年同じ行動である。
 正月に三本の海賊動画が配信されてから暫く静かであった。
 オミクロンが全国に蔓延したので愛好会はオンライン会合となった。暫く状況を見るしかない。
 ファッション喫茶三店舗は会員営業だけで充分採算が取れる。看板を消したまま会員のみの営業は続けていた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日も裾野の町まで澄み切って空気が綺麗に一望できる。
 生ビールが樽で運ばれて飲みながらの集まり。今日のつまみは焼肉と焼き海鮮である。
 「今度相談が来たのは現役市長だ」
 「大丈夫か」
 医者の男は危険な話ではないかと懸念する。
 「大丈夫どころか相手は確信犯。セクハラで騒がれても一切認めなかった市長だ」
 「ああ。あの市長か。SMクラブの出入りが発覚してさらに報道に火が点いたな」
 印刷会社の社長は直ぐに当たりがついた。
 「そうだ。無人島を買ったらしい。次の選挙は絶望だからその島で最後の悦びを得て自決したいらしい」
 「また女を道連れか」
 「その女を指定された。それで多額の見積もりとなった。そして準備に手間取った」
 「金は有ったのだな」
 「無人島を買うくらいだ」
 「それで拉致が完了したら島に運ぶのか」
 「そうだ」
 「島に建物は有るのか」
 「市長の別荘が建てられている。見晴らしは良い」
 川口の会長は島の内部を撮った動画を見せた。
 「そうか」
 「既に一人は島に運んで幽閉されている。なんと鉄格子の牢屋まで設備されている別荘だ」
 「今回は中継か」
 「いいや。録画で理解させた。闇組織の派遣員が協力する。その脱出が危うくなる」
 これまでも中継はしてない。その場でアップロードしただけである。
 「我々はじっくり中継で見られるか」
 前回四人は大越俊が拷問している時間に出所茉莉で遊んでいた。
 「大丈夫だ」
 「あと何人だ」
 「一人だ。一人は若い市職員だがもう一人はアナウンサーだ」
 「それは大変だな」
 「それが何とか拉致できた。これから市長が行方をくらまして拷問開始だ」
 
 一月三十日
 岡山県内の小さな島である。
 一見日本家屋の様な建物。だが鉄筋コンクリートで造られている。
 拷問部屋も地下室などではない。外の光が注いで明るい部屋である。此処で女の躰を鮮明に公開しようとの目論見かもしれない。
 建物は島の小高い部分に建てられている。海は見渡せるが航行する船から内部は見えない。
 最初からSMの設備が設えてありこの市長はこの嗜好であったと思える。
 二人目の女もボートで運ばれて来た。女は高橋緋花莉という。テレビ太陽SSアナウンサーである。
 地方の局所属のアナウンサーだが実況や旅番組などには時々全国ネットに顔を出す。
 あと一人は既に拉致されて島の鉄格子に入れられている。こっちはSS市市職員で田村穂野という。
 そして市長の行動をセクハラと訴えた女である。
 既にニュースではテレビ太陽SSアナウンサー高橋緋花莉とSS市市職員田村穂野の行方不明が伝えられていた。
 またSS市市長栗山秀雄の行方不明も報道されている。
 栗山市長は島の所有を公にはしていなかった。行方不明の捜査が辿り着くにはまだ日数が掛かる予定である。
 島の桟橋には潜航艇が隠されている。
 闇組織からの派遣員も二人手伝う。その脱出用である。
 今回は連続拉致強姦事件と同じ防護服、マスク、サングラス姿である。
 栗山市長も同じ防護服、マスク、サングラス姿で画面に登場する。
 拷問椅子は部屋の床に固定されている。
 動画は防護服、マスク、サングラス姿の栗山市長が拷問椅子に固定された田村穂野を強姦する場面から始まった。
 拷問椅子は床に固定した鉄製の円盤板の上に設えられている。高さ七百ミリくらいの一本のアームの上にお尻を乗せる台座が有る。
 背凭れは頭より高い高さまで延びているが幅は十センチくらいしかない。
 裏から鉄パイプが縦横に二列で支えている構造である。
 背凭れの天辺に横に板が渡されていてその板の左右に半円形の窪みが有る。その中に田村穂野の手首が金具とそれを留めるボルトで固定されている。
 腰の括れ付近に裏から支える鉄パイプに四本の鉄パイプが組まれて田村穂野の躰を固定している。
 脚は左右に大きく広げられ台座の円盤板に立てられた鉄パイプ四本の天辺に付けられた脚錠で脚首、膝下を固定されていて全く股間は閉じられない。
 乳房はもとより腋も女の部分もアナルも大きな窓から入る太陽光に照らされて鮮明に丸出しである。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長の男根は田村穂野の女に確り奥まで差し込まれた。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は拉致されてから鉄格子の中で寝かされたままであった。点滴で栄養補給だけされていたのである。
 今スタンガンで意識を戻された。
 全裸で縛られていると分かったその瞬間である。栗山市長のペニスが侵入してきた。
 正面のガラスサッシ全体から太陽光が入って明るい部屋の中で全裸。さらにおかしな椅子に固定されていると分かった。
 正面からカメラが自分の全裸で大股開きにされた姿を撮影している。とんでもない恐ろしい事である。
 そして防護服姿の男が二人。自分にいま進入している男も防護服、マスク、サングラスである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は事態が判って悲鳴を上げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は藻掻き叫ぶが栗山市長の男根は膣の奥に子宮口に当たるまで進入して激しく動く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫んでも栗山市長は全く動じない。
 その手は乳房を鷲掴みに掴んで男根は直に入って生挿入である。
 気丈かつ理性的な田村穂野であるがこの事態には喚き続けるしかない。
 やがて栗山市長は田村穂野の中で果ててしまった。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーー。これはごうかんだぞーーーーーーーーー。はんざいだぞーーーーーーー」
 田村穂野は喚かずに居られなかった。
 それでも田村穂野は男の仕草、臭い、体形などから栗山市長ではないかと疑りだした。
 これは栗山市長の自分への報復ではないか。セクハラを訴えたから拉致された。これまでの連続拉致強姦事件の内容とは状況が違う。
 正月の事件や寝台特急の事件、土讃線の事件とも状況が違う。
 自分が助かる方法は有るのか。動画が公開されてしまったら助かってももう生きていられそうも無い。
 田村穂野は栗山市長の情液が躰の中に残った不快感のまま必至に状況を考え続けた。
 田村穂野はあとの二人も順番に自分に入って来ると警戒していた。だが一人が小型カメラを持って近付く。
 栗山市長はクスコを取り出す。
 川口の会長のリクエストに女の奥の公開が含まれている。
 それを動画に組み込むのである。
 栗山市長の手で突っ込む。
 「あーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野はまた叫ぶ。
 小型カメラの持った男が内部をペンライトで照らして撮影する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。撮るなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は強烈に叫ぶ。
 「まだまだこれからよ」
 声にはフィルターが掛かっている。
 田村穂野にはそれでも栗山市長と思う。
 だが確証がない。
 指摘してそれが録画に残って万一違えば大変なことになる。あの女セクハラも本当かと言うことになりかねない。
 栗山市長は川口の会長の指示通り田村穂野に逝き恥を晒させなければ成らない。その工程に掛かる。
 栗山市長は田村穂野の膣の奥にローションを流し込む。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は弄られると悟って叫ぶ。
 栗山市長は小型のアイテムを取り出す。
 今回は杉下一行のポルノショップの製品ではない。もっと小型のローターが金属のアームの先端にL字に付いている。
 その大きさは金属皮膜抵抗くらいである。
 内視鏡カメラをクスコの入口内部に接続して撮影と同時に中を照らす。
 その先端の小さなローターで膣天井部の奥を刺激する。
 精巧にできたアイテム。細かい微振動が局部の刺激に最適である。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は究極の刺激に藻掻き抗議する。
 川口の会長が開発したアイテムである。杉下一行のポルノショップ製より効果が高いと実証している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は一気に抗議交じりに緊迫した悲鳴となる。
 
 宇佐美。如月鬼堂のマンション。その居間である。
 館山弁護士と熱海店の店長荒井枝理が来ていた。
 「また二人攫われたな」
 如月鬼堂がニュースを見ながら呟く。
 仕出し屋から刺身の盛り合わせが届いて床を嵩上げして設えた囲炉裏端で飲み始めていた。
 今日は珠洲と瀬里菜も囲炉裏端で一緒に居る。
 この部分の構造は越後湯沢と変わらない。
 居間だけカウンターの外側が床から七十センチ嵩上げされて囲炉裏の部分は回りに足を入れる堀が作られている。
 ここに湯を張って足湯にもできる構造である。
 越後湯沢と違うのは窓から遠くに水平線が広がっていることである。
 「SS市市職員で田村穂野と市の市長が行方不明ですが。どういうことでしょうね」
 館山弁護士も事態に気付いている。
 「復讐だなSS市市長の復讐だな。もう一人の高橋緋花莉もテレビ太陽SSアナウンサー。同じ地域のローカル局だ」
 如月鬼堂も同じ結論である。
 「田村穂野さんは市職員で栗山市長をセクハラで告発して高橋緋花莉さんはその報道を強く行ったから」
 荒井枝理の見解も同じである。
 「そうです。そしてもうじき動画が配信されると思います」
 館山弁護士はそれを警戒している。
 「状況から連続拉致強姦事件の犯人が後ろに居ることは間違いないな」
 これまでと同じ如月鬼堂の業界に影響を与えかねない事件である。
 「ところで先生。オミクロンで蔓延防止になってそれが継続される傾向です。店舗の営業はこのまま行きますか」
 荒井枝里は十月頃の状況に成る事を心配している。
 「まったくいい加減にして欲しい。ワクチンばかり騒がないで治療薬を早く見切り承認して市販して欲しい」
 「そうですね。自宅療養やキットで自己判定なら治療薬を市販が寧ろ有効です。治る病気になればそれがベストです」
 館山弁護士も同調する。
 如月鬼堂らには愛好会やSMの業界が世情に影響されたり、規制を受けたりすることを何としても避けたいのである。
 テレビのニュース番組がSS市次期市長候補の女性市会議員佐々木彰子が行方不明を伝えていた。
 「これは何でしょう」
 館山弁護士が疑問を呈する。
 「栗山市長が自分の後継者にしたくない人物を抹消したのではないか」
 如月鬼堂は栗山市長の意思をそう読む。
 
 岡山県内の小さな島。栗山市長の隠し別荘である。
 闇組織の派遣員の一人が栗山市長の田村穂野を責める作業を交代する。
 もう一人の派遣員が市長を部屋の外に引っ張る。
 「ご要望の通り佐々木彰子を鮫の餌にしました。任務官僚ですとの報告が入りました」
 派遣員はそれを栗山市長に報告した。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野の表情は強く軋む。躰は藻掻く。搾り出す逝き声に混じってやめてを繰り返す。
 逝き顔と逝き声、股間の痙攣をたっぷり録画撮影して次の工程に掛かる。
 栗山市長はイチジク浣腸を二つ手にする。便の形が見えるようにとの川口の会長のリクエストである。
 栗山市長も田村穂野を辱める方法として有効と納得している。
 「なにするんだよーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野はイチジク浣腸に驚愕する。便を漏らす姿を撮影されてしまうと分かって無駄でも抵抗せざるを得ない。
 栗山市長は叫び続ける田村穂野のアナルにイチジク浣腸を刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は藻掻き腰を捩って抵抗する。便を出す場面を社会に公開されるのは堪えられない。
 闇組織の派遣員二人ががっちりその腰を押える。
 栗山市長はイチジク浣腸を二本注入した。
 アナル栓はしない。
 闇組織の派遣員が拷問椅子の股下に大きく深く透明なタッパンを置く。
 便は堪えられず飛び出すのを待つ。
 「ちくしょーーーーーー。ひどいよーーーーーーーーーーーー。トイレゆかせろーーーーーーーーーー」
 田村穂野はまだ抗議する。
 「駄目だ。まだまだ序の口だよ」
 「おのれーーーーーーーーーーー。最低の認否人だーーーーーーーーーー」
 「はっはっはっは。若い女が大便を練りだす動画はたくさんの人の永久保存版だぞ」
 「おーのれーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野の怒りは沸騰して藻掻くがどうにも成らない。
 正面のカメラの他に闇組織の派遣員が小型のカメラで田村穂野の躰を舐めるように撮影する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 田村穂野が耐えきれず長い便がアナルから流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーん。ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーー」
 長い便は透明なタッパンの中に落ちてまるまる。
 強烈な臭いがあたりに充満する。
 その強烈な臭いは田村穂野の羞恥心をさらに追い詰める。
 闇組織の派遣員が正面の窓を開く。
 冷たい海風が一気に流れ込む。
 「たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は僅かな希望を掛けて大声で叫ぶ。
 「はっはっはっは。無駄だ。何処にも聞こえない」
 いくら叫んでも狭い島だが海を航行する船には聞こえない。
 「次は剃毛だ」
 「ちくしょーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーー」
 田村穂野は何処までも叫び抗議する。
 闇組織の派遣員は窓を閉めて拷問椅子の固定を強化する。
 それでも田村穂野は藻掻き続ける。だが殆んど躰は動かない。
 栗山市長は鋏みで田村穂野の陰毛をカットする。電動剃刀で剃れる長さまでカットしてしまう。
 「お前のこの部分の紅い皮膚を動画に焼き付けて社会に公開してやる。これも永久保存版だ」
 栗山市長は片手で田村穂野の太腿を掴んで片手で電動剃刀を大陰唇に当てて剃る。
 剃りにくい大陰唇を先に剃ってドテを入念に剃る。
 陰毛の下の紅い皮膚が太陽光に映えて綺麗である。
 田村穂野は怒りを篭めて防護服姿の顔が見えない栗山市長を睨み続ける。
 栗山市長は女の部分を開いてさらにカメラにアップで撮影した。
 「いやだあーーーーーーーーーーーー」
 そしてもう一度クスコを挿入する。
 「やめろーーーーーーーーーーー。まだなにするーーーーーーーー」
 さらにアナルに開口器を挿入して広げる。
 「あーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーー」
 田村穂野は唯々叫び続ける。
 栗山市長はもう一度内部をカメラに撮影した。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。そんなところをとるなーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は叫ばずに居られない。散々弄られて中はぐちゃぐちゃである。気が狂いそうに恥ずかしい。
 栗山市長はロングスプーンで田村穂野の膣の奥を掬い出す。これも田村穂野を辱める強い報復心の一環である。
 何としても二人の女が憎い。
 ロングスプーンで掬いだした膣内部の分泌物をガラス板に載せてカメラに拡大する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は泣き悲鳴を上げる。
 「お前がさっきの責めでとことん感じた証拠だ」
 栗山市長は言い訳の聞かない証拠と突きつける。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーー。そこまでしてーーーーーーー。ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は途轍もない屈辱に堪えられない。それでも叫び続ける事しかできない。
 栗山市長は膣に入れたクスコだけ抜く。
 アナルの開口器の奥に今度は直系十五ミリくらいの柄付きのローターを刺し込む。
 「うーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野はまた強烈に悲鳴を上げる。
 責め続けられて逝き顔を動画に晒し続けてしまった。
 終わってアナルのクスコも抜く。
 闇組織の派遣員が責めを代わる。
 派遣員はアナルの奥深く指を入れて責め始めた。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野の尿道から噴水の如く潮が噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーああーーーーーーーー」
 三十秒近く噴き上げ続けた。
 「やめろーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー。何でこんなことするのーーーーーーーーー。ああーー。ああーーー。ああ。ああ」
 田村穂野は何処までも続く屈辱に荒い息遣いをしながら無駄な抵抗の叫びを続けるのみである。
 栗山市長は鞭を取り出す。
 拷問椅子の正面やや離れて立って一本鞭を構える。
 先端が四角い革を二枚縫い合わせた一本鞭である。先端のチップはかなり硬さがある。
 栗山市長は田村穂野の左の乳首を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野の固定された躰が拷問椅子を揺らして震撼する。強烈に痛そうな表情である。
 辱めは与えた。今度は破壊である。
 栗山市長は怒りの限り存分に叩く構えでいる。
 さらに乳房を叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長は思いの限り左右の乳房を三十回以上叩いた。
 田村穂野の乳房は点が飛んだような蚯蚓腫れが真っ赤になり一部皮膚が剥けている。
 容良く肌の肌理も細かく美しかった乳房は無残な状態である。美しい乳房に傷のような蚯蚓腫れはなかなかそそらせる。
 次は同じ鞭で閉じ合せた局部を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 また田村穂野の躰は痛みに拷問椅子を揺するように震撼する。
 栗山市長に田村穂野に対する哀れみは微塵にもない。痛烈な痛みに上げる泣き悲鳴は悦びの極地である。
 この先は川口の会長からの要求がない。栗山市長が復讐心の限り拷問し捲くるのみである。
 拷問椅子の背凭れを後ろに倒す。平らまでは行かないが緩い傾斜になる。
 栗山市長は何とお灸を取り出す。蝋燭では許さない。それも昔ながらのもぐさのお灸である。
 小さい山の形の固まりを乳首と蚯蚓腫れで無残な乳房に載せる。
 「なによーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーー」
 田村穂野はうわ言の様に叫ぶ。
 栗山市長は両方の乳房に合計十個置いて一つずつ火を点ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野の恐怖の悲鳴が上がる。
 しばらくは暖かいだけである。やがて熱くなる。本来は熱くなったら直ぐに取る。
 栗山市長はそこからが本番である。
 「あつーーーーーーーーーーーーい。あつーーーーーーーーーーーーーい。熱い。熱い。熱い。あーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 田村穂野は泣き叫ぶ。
 栗山市長は充分痕に成る状況まで待って取り去る。
 「ああん。ああ。あはん。あはん。ああ。ああ」
 田村穂野は火傷に泣き続ける。
 闇組織の派遣員が局部麻酔を注射して乳房の部分は終了である。
 栗山市長は続いて股間に掛かる。
 まずクリトリスに載せる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 閉じ合せた粘膜にも載せる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は恐怖に崩れきった表情で泣き叫ぶ。何処にも届かなくても助けを呼び叫ぶ。
 栗山市長はこれにも火を点ける。また暫く見物である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あついーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 暫く熱く成ってきた悲鳴を鑑賞して適度なところで掃う。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 田村穂野は火傷に泣き続ける。
 闇組織の派遣員は拷問椅子の上で右脚の戒めを外して左脚の脚首と縛り合わせる。手首の戒めも外して左右の手首を縛り合わせる。
 その状態から二人で田村穂野の躰を俯きにして一度床に降ろす。
 手首と脚首を縛ったままさらにそれを一緒に縛り合わせてフックを付ける。天井から下がった滑車のフックに引っ掛けて吊るし上げる。
 「うーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーー」
 駿河問いの苦しい吊るしである。
 田村穂野のスマートな躰は空中で五角形を描く。そのまま空中で苦しさに藻掻き続ける。
 その状態で栗山市長は田村穂野の膣に横向きにクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーー」
 田村穂野は遂にヒステリックに泣き叫ぶ。
 栗山市長はまたお灸を取り出す。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長が態々駿河問いを依頼したのは膣天井部を下から上に向ける目的であった。
 お灸をクスコの奥にロングスプーンで挿し込む。
 長いマッチ棒を擂る。それでもぐさのお灸に点火する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野はさらに強い悲鳴に成る。
 「もうころせーーーーーーーー。ひとおもいにころせーーーーーー。ばかやろーーーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は恐怖と苦しみに追い詰められて猛然と叫ぶ。
 熱くなるまでまた見物である。
 「うおーーーーーー。うおーーーーーーーー。うおーーーーーーーー。うおーーーーーーーー」
 田村穂野は熱さに藻掻き狂ったように暴れる。
 栗山市長は田村穂野の膣の奥からお灸を取り出す。
 闇組織の派遣員が麻酔を打つ。
 田村穂野を駿河問いに吊るしたままにして動画は一旦終了である。
 
 二月一日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 杉下一行が動画を転送してきた。
 田村穂野一人分だけである。行方不明から一週間が過ぎている。
 「内容がさらにえげつなくなりました」
 杉下一行をしてそう言わせる内容なのか。如月鬼堂はなんとも言えない。
 「この防護服の男はSS市市長だな」
 如月鬼堂は此処だけの話と断定してしまう。
 「その可能性は有ります」
 杉下一行も同じように見ている。
 そこに館山弁護士が着いた。館山弁護士はスタッフに車を運転させて動画を移動中に確認しながら来た。スタッフはそのまま帰った。
 「そうなると既に全員が死んでいると言うことだな」
 「全員とは」
 「館山先生のご推察の通りだ」
 「栗山市長、この田村穂野、そして高橋緋花莉テレビ太陽SSアナウンサー」
 館山弁護士は数えるように読み上げる。
 「あと佐々木彰子ですね」
 最後は杉下一行が付け加えた。
 「ねえパパ。田村穂野と高橋緋花莉が以前のようにボートか何かで流されて開放される事はないの」
 珠洲の疑問である。
 そのとき仕出し屋が刺身と寿司、てんぷらを配達してきた。
 瀬里菜が対応する。今日は珠洲も瀬里菜も清楚なミニワンピース姿である。
 「これまで悲痛な姿でも開放されたのは連続拉致強姦事件の犯人らが主体の時とこっちのメンバーへの嫌がらせで始まった鬼塚槙登の事件だけだ」
 如月鬼堂は殺されていると断定する。
 「市長が失脚自殺で二人の女は道連れですね」
 「そうだ。それで動画は編集してから公開している。その時点で闇組織の派遣員らは引き上げて市長の自殺は終わっている筈だ」
 「そうですね。佐々木彰子は市長の手に渡らず闇組織が依頼を受けて殺害したのですね」
 館山弁護士も意識が一致した。
 「しかし今回の映像は室内でも異常に明るいです」
 「外の光が大きな窓から入っているな」
 「それでイメージがこれまでと大きく違います」
 「まさか模倣犯」
 「それはない。あの市長に単独でこの犯行は無理だ」
 「そうですね」
 館山弁護士も同意する。
 そこに大河内税理士と福富麻次郎が着いた。
 珠洲と瀬里菜は二人に席を勧めてカウンターに下がる。
 そこで話題は変わった。
 「もう一回南七香を起用しますか」
 大河内税理士が会員からのリクエストで提案して来た。
 如月鬼堂は関心がない。四人で決めることに成る。
 「新しい候補は居ないのですか」
 館山弁護士はそっちが居れば新人で行きたい。
 「いま候補は出てない」
 「しかし四回目だよ」
 「リクエストは有っても実際に何人が金を払うかです」
 「それでは我々で決めないで参加を募って人数に達したらとしますか」
 大河内税理士が提案する。
 「最少人数は」
 杉下一行が確認する。
 「二百人でどうでしょう。一人五万」
 「一店舗の中だけで行きますか」
 「待って下さい。希望者が多ければ」
 福富麻次郎が疑問を呈する。
 「その時は抽選で行きましょう」
 「動画はなし」
 「抽選外れたらオンラインで一万と言う事でどうでしょう」
 「そうだな」
 大方話しは纏まった。
 ニュース番組ではただいま入った臨時ニュースの報道が行われていた。『佐々木彰子SS市市会議員の遺留品が相模湾に流れ着いた模様です』
 SM愛好会の面々はそのまま飲み明かして最近同じマンションに取得したプレイルームに泊まった。
 
 二月二日。
 杉下一行が二本目の動画を取得して全員に配った。
 また居間の囲炉裏に集まって確認を始める。
 「南七香さんの件。熱海の会合で五十人以上集まりました」
 瀬里菜が動画の再生より先に報告する。
 大河内税理士が南七香に電話で知らせた。南七香も資金繰りに安堵する。
 「しかし蔓延防止だの隔離だのいい加減にしてもらいたい」
 如月鬼堂は憤懣やるかたなきである。
 生駒店以外蔓延防止が掛かっている。協力金を申請してないので看板を消して会員営業のみでそのまま続行である。
 「まったくです」
 大河内税理士も深く同調する。
 
 テレビ太陽SSアナウンサー高橋緋花莉を拷問する動画は同じ部屋と思われる背景の下で始まった。
 同じように栗山市長が拷問椅子に磔にしたまま強姦する場面から始まる。
 「うおーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は意識を取り戻したばかりである。
 栗山市長はなかなか果てない。
 「やめろーーーーーーーーーー。ごうかんやめろーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の怒声は何処までも続く。
 動画では途中がカットされていた。
 栗山市長は三十分近く掛かって高橋緋花莉の女の中に情液を搾りつくして果てたのである。
 高橋緋花莉は田村穂野が磔にされていた特注の拷問椅子の上で究極の大股開きにされている。
 ほぼ同じ形だが違うのは腕を後ろに廻され胸部を高手小手に縛られていた。さらにその上から別の縄で背凭れに固定されている。
 やや斜め上向きに固定された股間から栗山市長の情液が流れ出て無残である。
 「お前らは連続拉致強姦犯」
 高橋緋花莉はようやく室内の状況と自分が受けている驚愕の姿の総てが把握できた。
 「お前の恥ずかしい姿は社会に公開される。ローカルアナウンサーが全国区で有名に成るぞ」
 市長の声は音声変換されている。
 「此処は何処だ。ここから降ろせ」
 高橋緋花莉は防護服、サングラス、マスク姿の市長を睨んでいる。
 「何処だろう。実況放送でもしたらどうだ」
 高橋緋花莉にもこれまでの犯罪動画と状況が違うことは理解が行く。連続拉致強姦事件の犯人らではない。
 連続拉致強姦事件の犯人らが裏で演習していると思われる一連の事件と同じように思える。
 「馬鹿なこと言わないで。ここから降ろせ」
 高橋緋花莉はまだ強い声で抗議する。
 「これからお前のSM動画の公開だ」
 栗山市長は当然のように進行する。
 「お前は誰だ」
 これまでの自殺願望者はその姿を見せていた。この男らは防護服などで身を隠して連続拉致強姦事件の犯人と同じ姿である。
 高橋緋花莉は模倣犯なのかも知れないと思った。
 太陽光が充満して明るい室内を見渡す。離れたところにもう一人女性が全裸で吊るされている。顔は見えない。
 「お前は誰だ」
 高橋緋花莉はもう一度追求する。田村穂野のように栗山市長とは断定していない。
 栗山市長は何も答えない。
 川口の会長のリクエスト内容にある女の部分を公開する作業に掛かる。
 カメラは百八十度近くに広げられた股間部分を拡大してゆく。大きな窓の上の壁にはモニターが設置されている。
 高橋緋花莉の女の部分は閉じ合せた二枚の粘膜がぴんと突き出していて形が良い。
 高橋緋花莉にも視線を上に向ければそれが目に入る。
 「あーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーー。そんなんだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の恥ずかしさが去来した悲鳴交じりの抗議である。
 栗山市長は指で閉じ合せたびらびらを広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は泣き叫ぶ。
 緋色の乾いた内部の粘膜がモニターに拡大されていた。自分で一度も見たことのない部分である。
 栗山市長は粕を見つけてピンセットで抓み取ってガラス板に載せる。それも小型カメラに翳す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は恥ずかしさに表情を崩しきって叫ぶ。
 「まだまだ定例パターンだ」
 栗山市長は冷たく言い放つ。
 高橋緋花莉も報道やSNSである程度は読み聞きして知っている。だが動画までは見てない。
 「やだ。いやよ。やめて」
 高橋緋花莉の唇は震えている。
 栗山市長は予定通りクスコを取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の表情は凍り付いている。
 栗山市長は容赦なく押し込む。高橋緋花莉が藻掻いてもクスコの細くつぼんだ金属の嘴は膣に押し入る。
 「ううーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は何としても逃れたい。こんな屈辱はあってなまらない。絶望でも叫び続ける。
 市長は容赦なく螺子を回してクスコを広げて女の奥を拡大する。
 「やめてーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 泣き喚く高橋緋花莉の躰は恥ずかしさにぶるぶる震えている。
 栗山市長は膣の内部をペンライトで照らして内視鏡タイプのカメラで細部をじっくり動画に収録する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー。猥褻だぞーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の怒声は何処までも続いた。
 「これでお前の子宮口まで社会に公開だ」
 栗山市長の言葉は悦びに綻んでいる。
 「ちくしょう。何でこんなことする」
 高橋緋花莉は絶望に納得行かない。訊いても無駄な理由を怒りのあまり質してしまう。
 「お前らのような女を社会的の葬るためだ」
 栗山市長は我が意とばかり自然に言葉が出る。
 「何でそんなことするのーーーーーーー」
 高橋緋花莉の怒りがさらに沸騰する。
 「お前らが我々親父世代の尊厳を踏み付けるからだ。四十年戻して考えろ」
 栗山市長も止まらない。これまでの社会への不満を叩き付ける。
 「だからと言ってこんなことをする理由になるかーーーーーーーー。男女平等だ」
 高橋緋花莉は無駄と分かっていても怒りを叩き付ける。
 「平等。ふざけるな!既に大きく女尊男卑だ。だから代表してお前にお仕置きだ」
 栗山市長の言い分も止まらない。
 「そんなのお前らだけの我侭だ」
 高橋緋花莉は栗山市長には永久に相容れない知識階級の正論を叫ぶ。
 「何を言ってもお前はもうどうにも成らない」
 栗山市長は高橋緋花莉の乳首をクリップで鋏む。書類を挟む頑丈な黒いクリップである。
 「う、ぐうーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は強烈な痛みに呻く。
 栗山市長は両方とも乳首をクリップで鋏む。
 「なんだよこれーーーーーーーー」
 高橋緋花莉はまだ抗議する。
 「ふふん。二時間も待てば面白いことになる」
 栗山市長は高橋緋花莉の膣に刺さったクスコを一度抜く。さらに女の部分の粘膜を抓んでクリップを鋏み付ける。
 「ううーーーーーーーーーー」
 びらびら二枚にそれぞれ鋏み付ける。クリップに錘の付いた紐を結び付けて錘を太腿の後ろに垂らす。
 高橋緋花莉の女の部分は引っ張られ広がって薄橙の粘膜を晒してしまう。尿道の小さな亀裂も複雑に閉じ合せた膣口も丸見えである。
 「テレビ太陽SS局アナウンサーのま○こでございますだ」
 栗山市長は嬉しそうに詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーー。こんな低俗なことしてーーーーー」
 高橋緋花莉は怒声を浴びせるしかない。
 「低俗でよい。お前のダメージは最高潮だ」
 栗山市長は全く動じない。
 「・・・・・」
 高橋緋花莉は怒りを破裂させんばかりの表情で栗山市長を睨み付ける。
 栗山市長はブジーを取り出す。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は何をされるか分からないが叫ぶ。
 栗山市長は尿道の小さな亀裂に突っ込む。
 「あーーーーーーがあーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は強烈な悲鳴を上げる。
 栗山市長は挿したままにする。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の怒声が轟く。
 栗山市長はやや頑丈で先端が平たい金属のピンセットを取り出す。
 もう片方の手には二本目のブジーを持っている。強引にピンセットで膣を抉じ開ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また高橋緋花莉の怒声が轟く。顔は紅く染まっている。
 「煩い」
 栗山市長はもう一本のブジーを子宮口に突っ込む。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううががあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに強烈な悲鳴が轟く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は痛みに躰を振って藻掻く。強烈な痛みである。真紅の顔は悲痛に歪む。
 栗山市長は嬉しそうにその顔を覗いている。
 「おのれーーーーーーーー。なんてことを」
 高橋緋花莉は怒りに煮え滾る。
 
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 付近の割烹から会席弁当が搬入された。一堂は動画の確認を一時ストップして食事休憩を取る。
 「全く何処だか分かりませんな」
 これまでと違って太陽光が強く入って明るい部屋の映像。だが杉下一行はまったく場所を推測できない。
 「大声を出しても窓を開放しても問題ない場所です」
 館山弁護士はそれだけが判断材料としていた。
 「個人の島とか」
 大河内税理士の発想である。
 「山奥で頂上近くとか」
 福富麻次郎も発想を巡らす。
 「島じゃないですか。建物が一つだけ。個人が所有では」
 館山弁護士はそう推測する。
 「どっちにしても動画が流される現時点で総てが終わっている」
 犯人らは総てが終わってから動画を編集して公開している。如月鬼堂はそれだけが確かと言いたい。
 「今回の市長も自殺願望ですな」
 杉下一行はこれまで通りの見解を繰り返す。
 「二人の女性もまた解放されずに道連れですか」
 連続拉致強姦事件の犯人らの直接犯行の場合は二人の例外を除いて解放された。自殺願望者を後押しした犯行では道連れにされてしまう。
 「このケースではこれまで通りだろう」
 如月鬼堂にはとことん鬱陶しい話である。これのお蔭でこっちのAVの売れ行きは下がる。さらに規制強化が心配となる。
 「しかしこの検問だらけで良く拉致ができますな」
 福富麻次郎はそこを疑問に思う。
 「検問の情報が流れているのではないですか」
 館山弁護士はそこを疑う。
 「先生のご推察通りだろう」
 如月鬼堂も同じ考えである。
 「後ろにいた二人は闇組織の派遣員ですな」
 杉下一行の見解である。
 「そうでしょう」
 館山弁護士も同意する。
 「おそらく防犯カメラに写っても所在が分からない人間じゃないのか」
 如月鬼堂はこの見解に自信を持っている。
 「新たなるマフィアのような存在ですかね」
 福富麻次郎の見解である。
 「相当の組織力が有る事は確かだな」
 如月鬼堂の見解だがそうなると当面解決はないということである。
 「島としますと市長が購入した島ではないですか」
 杉下一行は完全に栗山SS市市長と決めている。
 「市長にそんな金が」
 大河内税理士は疑問を呈する。
 「そうであれば時間の問題で警察が辿り着く」
 「組織の人間は既に現場を逃げて居ないと」
 「そうだろう」
 「それでは大庭信一郎の会社の車両を調べても何も出ないですか」
 杉下一行は葬儀会社の社長大庭信一郎を連続拉致強姦事件の六人の一人と強く断定している。
 「既に警察は葬儀会社も運送会社も廃棄物収拾運搬業も立ち入り捜査しています。大庭の会社からも何も出ていません」
 館山弁護士が警察から得た情報である。
 「既に連続拉致強姦事件の犯人らの事件では済まない。益々事態は収拾されないな」
 大河内税理士は絶望的と評価する。
 「逆に犯罪組織が大きければアダルト規制には影響しないのではないでしょうか」
 福富麻次郎は希望を持ちたくあまい見解を述べた。
 「そうあって貰いたい。本来AVや風俗と言うダミーで済ませて貰うのが良い。そして治安の安定にはダミーが必要不可欠だ」
 如月鬼堂の強い意思表示である。
 
 食事が終わって一堂は録画の確認を再開した。
 栗山市長はまたお灸を取り出す。またも昔ながらのもぐさのお灸である。
 高橋緋花莉の大股開きに成った太腿に載せてゆく。
 「なにするのーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉はお灸で太腿を焼かれると恐々としている。
 栗山市長は蝋燭でお灸に順次点火してゆく。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は泣き声交じりに叫び続ける。
 両方の太腿に合わせて十個載っている。
 栗山市長はブジー二本を抜く。まだクリップはそのままである。
 お灸が熱くなるのを待つ。
 「この美しい太腿が火傷する。堪らないなあ」
 栗山市長は加虐心の坩堝と成っている。そのまま熱くなるのを待つ。
 「あーーーーーーーあついーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉から悲鳴が上がる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあついーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長は暫く悲鳴を愉しんでお灸を払い落とす。
 「あーーはあ。あはあ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 高橋緋花莉は熱さに悶えながら荒い息遣いを続ける。
 まだ二時間には時間がある。ドリルバイブが用意されていた。
 ローションをたっぷり塗っている。
 「やめろーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の顔は涙と汗でぐちゃぐちゃである。
 栗山市長は女の部分に付けているクリップの鋏み具合を確認しながらドリルバイブを挿入しようとする。
 「あーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は力を入れて抵抗しようとするが力が入らない。
 ドリルバイブの擬似男根は膣の奥まで収まってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーーー」
 また高橋緋花莉は口惜しさに怒声を吐く。
 栗山市長はスイッチを入れる。このドリルバイブはピストンするより回転するタイプである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は最初から耐えられない。
 栗山市長はゆっくり責め続ける。
 「あはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉の表情は悶え歪み続ける。
 股間は微妙に震撼していた。
 高橋緋花莉の躰は拷問椅子の上で固定されたまま僅かに迫上がる。太腿の筋肉も腹の筋肉も怒張する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大きく逝き声を上げて高橋緋花莉の躰は沈む。
 「あはあ。ああーー。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 高橋緋花莉の躰は何回か怒張して逝き声の大きな起伏を繰り返した。
 女の部分の周りは膣液とローションが混じってぐちゃぐちゃである。
 スイッチを切るとドリルバイブは自然に抜け落ちる。
 「お前の逝き顔は確り収録した」
 栗山市長はまた詰る。
 「あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 高橋緋花莉は言葉も返せない。官能の起伏がまだ治まってない。
 かなり長く責めたが失神はしなかった。それが残念である。
 栗山市長は鞭を取り出す。二時間にはあと少し。
 先端が蝿叩きの様な革の鞭である。
 それで高橋緋花莉の頬を叩く。
 「うおーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は強い怒りの視線を向ける。
 栗山市長は構わず叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長はさらに構える。
 「やめろーーーーーーーーー。女の顔を叩くかーーーーーー」
 高橋緋花莉は怒声を吐きつける。
 栗山市長はそれでも叩く。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーー」
 数発叩かれて高橋緋花莉は涙目になりその涙が流れ落ちる。
 口惜しさに声は出ない。
 栗山市長は鞭を取り替える。今度は先端が長方形の小さな革を二枚縫い合わせた一本鞭である。
 「行くぞ。地獄の痛みだ」
 また高橋緋花莉に戦慄が奔った。既に太腿の火膨れがひりひり痛い。
 栗山市長は左の乳首のクリップを叩く。
 「ううおーーーーーーーーーーーーー」
 クリップは一発で落ちない。
 さらに叩く。
 「うう、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ落ちない。クリップの鋏んでいる根元に狙いを定めて強く叩く。
 「うごーーーーーーーーーーーーーー」
 クリップはようやく飛ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーあっがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉から強烈な悲鳴が上がる。
 「どうだ地獄の痛みだ」
 「うーーーーーーーーーーぐううーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は痛みに拷問椅子を揺すって藻掻き悲鳴を上げ続ける。出口の無い痛みである。
 栗山市長は左の乳房を揉む。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 揉んでも激痛である。
 十五分くらい揉んでもう一度鞭を持つ。もう片方の乳首を鋏んでいるクリップを狙う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉から恐怖の悲鳴が上がる。
 栗山市長はまた鋏んだクリップの根元を狙って叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーー」
 三回くらい叩いても落ちない。
 高橋緋花莉の表情は恐怖に歪みきっていた。
 栗山市長は手で引っ張り引き抜く。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は壮絶な顔を振って暴れながら悲鳴を搾り出し続けた。
 さらに女の部分のびらびらを鋏んでいた二本も取る。
 「ぐおーーーーーーーぐごおーーーーーーーーーぐおーーーーーぐおーーーーーーーーぐぐおおーーーーーぐぐおおーーーーーーーぐぐおおーーーー」
 高橋緋花莉は磔られた躰を力の限り暴れさせ藻掻く。拷問椅子は軋み揺れ続ける。
 闇組織の派遣員も手伝って右の乳首と女の部分の突起した粘膜を揉み続ける。
 高橋緋花莉は狂ったような悲鳴を何処までも上げ続けた。そして失禁してしまう。
 闇組織の派遣員らは確りそれをカメラにアップで収録する。
 総て落ち着いて栗山市長は最後の拷問に掛かる。
 拷問椅子の背凭れを後ろに倒す。膝と脚首を固定しているアームを伸ばして高く上げる。
 高橋緋花莉の両脚は斜め上にV字開脚になる。
 栗山市長はもう一度クスコを挿入する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は涙声で訴える。
 栗山市長はクスコにもぐさのお灸を流し込む。クスコに目一杯である。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。おねがいやめてーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は声の限り喚き散らす。
 栗山市長はもう一人駿河問いに吊るされていた田村穂野の下半身の吊るしをやや高く上げる。
 同じ様にクスコを挿入する。
 それにももぐさのお灸を流し込む。
 栗山市長は田村穂野をスタンガンの微電流で起こす。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 田村穂野は何をされているのか感触で分かる。
 栗山市長はガスラーターで火を点ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 田村穂野は慌てふためいた悲鳴になる。
 栗山市長は続いて高橋緋花莉のクスコの中のお灸にも点火する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーいやあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 こっちも恐怖に引き攣った悲鳴が轟く。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 高橋緋花莉は恐怖に震え続ける。
 栗山市長はビールを飲みながら最後の時間を待つ。
 やがて膣の奥が焼けて熱くなる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあついーーーーーーーーーーーーたすけてーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 栗山市長は二人の断末魔の悲鳴を愉しんで服毒した。
 動画は二人の残酷極まりない狂乱の悲鳴のまま終了している。
 そのあと闇組織の派遣員二人は家ごと爆破装置をセットして小型潜航艇で逃走した。
 
 二月五日。インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「瀬戸内海の小さな個人の所有する島で爆発火災がありました。この島の持ち主は行方不明に成っていましたSS市市長栗山秀雄と判明しました」
 いつも通り高島波瑠がブラを外しながらトップレス姿に成って読む。
 「この島は無人島で所有者である栗山市長の別荘がありました。爆発したのはその建物と見られています」
 岡田有美がピンクのブラを外してトップレス姿を披露する。毎回同じ場面である。
 「爆発火災現場では三人の遺体が発見されましたが何れも性別不明です」
 高島波瑠が片手で股間を隠しながらショーツを脱ぐ。
 「このうち二名はSS市市職員田村穂野さんとテレビ太陽SSアナウンサー高橋緋花莉さんと推測されています」
 岡田有美もショーツを脱ぐ。
 「爆発火災があった場所が動画を配給した事件現場でしょうか」
 本多椿はガラステーブルに全裸で座ってMCを勤める。
 「別荘の写真や健在な姿は分かりませんがその様に推測されます」
 如月鬼堂が答える。
 その後も如月鬼堂の居間と同じ推測が繰り返された。
 
 二月六日。如月鬼堂が経営する熱海のファッション喫茶である。
 南七香の四回目のSMショーが行われていた。
 ファッション喫茶と言っても相撲の土俵の様な演台を桝席が囲む構造である。
 まだ感染対策に透明なビニールの幕が桝席ごとに下がっている。
 コンパニオンがショーツ一枚で配膳に動き回る。SMショーのない日は彼女らがショーを行う。
 愛好会の会員だけで連日予約で満員である。
 宇佐美から近いので如月鬼堂も来ていた。
 店長の荒井枝理が隣に同席している。
 中央の演台には南七香が逆さ吊るしにされていた。
 左右の太腿に掛けた縄で吊るされ上半身は高手小手に縛られている。
 そんなに高くは吊るされていない。髪は演台に着いていた。
 膝から脚首に掛けた縄で左右の離れた場所から引っ張られ股間を真上にして脚は山形にやや斜め下に真っ直ぐ伸ばされている。
 女の一番恥ずかしい部分が斜め上に向いて丸出しである。
 膣には硝子のクスコが刺されその中に花火が差し込まれていた。
 前には水を入れた子供用のビニールのプールが置かれて防火用水の代わりである。
 抽選に当たった会員が二人で花火に点火する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の悲鳴が轟く。
 多少火花が当たっても影響は無い。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも南七香は驚愕の悲鳴を上げる。
 さらに会員二人が大股開きの内腿に蝋涙を掛ける。
 蝋燭の芯の周りに溶けて溜まった液状の蝋涙を白く肌理の細かい内腿の肌に流すように掛けられた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 南七香は初めてではない。それでも花火と重なって強烈に悲鳴を上げる。
 花火が終わるとクスコの中に蝋涙を流す。
 「あーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 さらに強烈かつ緊迫した悲鳴に成る。
 だがそれほど蝋燭は熱くない。クスコは分厚い耐熱硝子でできている。
 会員らは蝋涙がクスコの奥に溜まった状態でもぐさのお灸を落とし込む。
 「えーーーーーーーーーーまってーーーーーーーーーーー」
 南七香は焦る。
 「大丈夫」
 杉下一行が声を掛ける。
 会員らはお灸に火を点ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香から強烈な悲鳴が上がる。
 美人で三十代女社長のこの悲鳴は見ている会員らを堪らなく熱くする。
 南七香の悲鳴を愉しみたい会員はそれなりに居る。
 実際は殆んど熱くない。恐怖感だけである。そこは計算されていた。
 南七香には今の姿を晒すだけでも断腸の思いで幾度も葛藤をした末である。
 会員の手元に録画が残ってしまう。それでも愛好会の中だけと割り切って必死に会社を護りたい。
 辛さは限界を遠く越えている。
 館山弁護士が一番上の桝席まで上がってきた。四人用に造られた枡だが感染対策に二人使用で半分の二百席しか入れてない。
 「鬼堂先生また事件です」
 館山弁護士はタブレット端末を差し出す。
 二時間前に出張で移動中だったテレビ関東のアナウンサー久慈明菜が特急列車の非常停車中に拉致された。
 グリーン車の乗客は二人だけである。
 特急列車はトンネルの手前で線路の置石で緊急停止した。
 その間に犯人は後ろから麻酔を嗅がせて久慈明菜を拉致して非常用ドアコックを使って運び出す。
 久慈明菜のスマホは車内に捨てた。
 近くに車を隠していた。そのまま海に走り係留してあったボートで逃走する。
 車は盗難車であった。
 久慈明菜を拉致して逃走した先はその男の実家の島である。両親はもう居ない。時々戻るだけであった。
 他に島の住民は僅か二軒。買い物も付近の島に渡らなければならない。通常は高齢者しか居ない。
 地下室はないが離れ屋を改造して拷問の準備はできていた。さらに警察が乗り込んだ対策に周辺に火災を起こす準備ができている。
 男は山坂光という。五十年配である。
 山坂光の家から他の二軒は離れている。ボートが着く桟橋も別である。船の着く大きな桟橋は他の二軒の近くに在る。
 山坂光の島への出入りは簡単には判らない。
 
 二月七日。宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 深夜までのショーなので館山弁護士ら愛好会の主要メンバーは宇佐美に泊まった。
 テレビ関東では朝から大騒ぎである。
 如月鬼堂は朝食にうどんを自分で調理して食べている。
 館山弁護士らは珠洲の用意したトーストとハムエッグ、サラダのバイキング形式の朝食である。
 そんな中で動画が中継に近い形で始まった。
 久慈明菜はまだ麻酔が効いたままで全裸である。
 窓は全部暗幕で壁全体を隠して光を遮断していた。照明は天井からスポットのように久慈明菜の躰だけを二メートルくらいの円の中に照らしている。
 山坂光は覆面を着けて裸である。眠ったままの久慈明菜を強姦する。
 強姦が終わってから板の間の床に固定する作業に掛かった。
 細く短い鉄パイプ三本をコの字にして組み合わせる。それを床にボルトで埋め込んで肘、手首、脚首、膝を固定した。
 腰の部分だけ床にボルトで留めたベルトで固定する。
 股間は大きく開かれ女の部分は丸出しである。
 山坂光は剃毛に掛かる。アナウンサーなのにこの部分の処理はしてない。蜜林は極めて濃い。
 一枚刃の剃刀で根元から削ぎ落とす。
 大陰唇の剃りにくい部分だけ小さな鋏みでカットした。
 ローションを掛けて残っている短くなった陰毛を刃の部分が小さいT字剃刀で入念に剃ってゆく。
 赤みが濃くなった陰毛の下の皮膚が徐々に丸出しなる。
 びらびらの粘膜は複雑に閉じ合わせていた。
 山坂光はそれを指で広げて緋色の部分を剥き出しにする。
 尿道の亀裂はくっきり割れていた。膣口は単調な窪みである。
 山坂光は剃り終わった久慈明菜の股間をタオルで拭いて赤みの強くなった部分をアップで公開する。
 さらに膣口にクスコを挿入して内部を広げる。床にペンライトを置いて内部を照らした。
 そのクスコの口にトランスに繋がった鰐口を接続する。
 山坂光は電流を流して久慈明菜を起こす。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は悲鳴を漏らしながら朦朧とした頭を振る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は列車内で後ろから捕まえられて気付いたら今の状態である。慌てふためく。
 「心配するな俺はお前を殺しはしない」
 山坂光は静かにそう言う。
 「お前が列車の中で」
 「そうだ。先週のSS市長らしき動画を見習った」
 「やめなさい。こんな事しても捕まります」
 久慈明菜は誰もが吐く台詞で上から目線で諭す言い方をする。余計刺激するだけである。
 そこで山坂光は録画を一時止めた。録画は分割して十分くらいの取れ高毎に配信している。
 「俺は警察が来るのを待っている。道連れは警察官多数だ」
 山坂光は嘯く。
 「ああ。なんと。私をどうするのよ」
 久慈明菜は今の状況から来る不安が先に立つ。
 「これまで通りだ。他の動画をたくさん参考にさせて貰う」
 既に恐ろしい道具が床にブルーシートを敷いて並べられている。そして久慈明菜の女の部分にはクスコが突き刺さっていた。
 「いやーーーーーーーーーーー。そんなのーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は思わず叫ぶ。
 「もうお前は命以外何も助からない」
 山坂光の覆面の下は分からない。だが自分をいつも虐める局の先輩アナの声に似ている。
 「貴方何している人」
 久慈明菜は恐々探りを入れる。
 「まあ。いいか。俺は車掌だよ。以前お前に乗務中に起こられたよ」
 山坂光は久慈明菜に素性を明かす。
 「・・・・・」
 久慈明菜は直ぐに思い出せない。
 「お前は囮だ。目標はあくまで警察。ただお前が列車に乗るタイミングが分かっていた」
 山坂光はもう一度クスコに電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あ。ああ。ああ。ああ」
 久慈明菜の躰は強く震撼する。
 そのまま数十秒で久慈明菜の表情は恍惚に成りかける。
 山坂光はそこで電流を止める。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ。はあ」
 久慈明菜は恐怖に凍った表情で荒い息遣いを続ける。
 「お前のま○この奥は子宮口が濃い赤に光っているぜ」
 山坂光はクスコの奥をペンライトで照らしてもう一度動画に公開する。その画像をパソコンのモニターに表示して見せる。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は羞恥に堪えられない悲鳴を上げる。病院の診察でも恥ずかしさに堪らない行為である。
 「綺麗なま○こだ。皆さんにとことん公開しないと」
 山坂光は久慈明菜の表情に悦びさらに詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜はヒステリックな声で叫ぶ。驚愕の屈辱である。この姿がばら撒かれる。どうにも堪えられない。
 「恥ずかしい部分が丸見えだ」
 山坂光は加虐心の固まりである。詰る悦びに酔いしれる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は叫ぶ以外術はない。狼狽状態でただ叫ぶ。
 山坂光はクリトリスを包む包皮を剥く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに恥ずかしい姿にされて精神は崩壊状態で強烈に叫ぶ。
 「ローズ色の綺麗な玉が光っているぞ」
 山坂光はさらにそれを表現して追い詰める。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜の顔は真紅に染まっている。精神が宙に浮く恥ずかしさである。
 「こんなのばかり放出してはアダルトビデオ会社が上がったりだな。だが割り切っているAVの女優さんよりこっちが心底悦ばしてくれる」
 「やめろーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー」
 久慈明菜の声は上擦っている。強い興奮から息遣いを漏らす。
 「剃毛したので紅く染まった皮膚が綺麗ですよ。ここに恥ずかしい部分を隠す毛がございましたと」
 山坂光は剃毛した部分の色の濃くなった皮膚をカメラに拡大する。
 「あーーーーーーーーーーーーー。ちくしょうーーーーーーーーーーー。なんて事をするーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は理不尽に剃毛された口惜しさに藻掻く。その恥ずかしさに染まって怒りが破裂した表情がそそらせる。
 「みんな受ける剃毛だよ。貴女の視聴者にサービスですよ」
 山坂光の声は悦びに浮いている。その悪意極まりない言葉が久慈明菜の神経を突き刺すように浸透する。
 「ああ。だめよーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 久慈明菜の顔は真紅に染まったまま目は虚ろである。
 「次はお漏らしを見せてもらおう」
 山坂光は次の辱めを宣告する。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。そんなことしないでーーーーーーーーーーーーーーーー」
 この上さらに堪えられない屈辱である。久慈明菜は無我夢中で悲鳴のような声でやめてと訴える。
 「これでお前のま○この奥を刺激する。一番敏感な部分をピンポイントだ」
 山坂光はリモコンから伸びたアームの先端に小さなローターの付いたアイテムを翳す。杉下一行のポルノショップの商品である。
 「ああーー」
 久慈明菜の顔は驚愕の表情に破裂する。
 「二本で責めると効果抜群だ。中古のオークションで手に入れた」
 ポルノショップのサイトから直接購入すると既に警察に購入者の報告が入っている。
 「やめてーーーーーーーーーー。そんなの堪えられないよ」
 久慈明菜にはそこを責められる結果が分かっているのかもしれない。
 山坂光はクスコを挿したまま横向きに四分の一回転させる。膣天井部の薄橙の粘膜が広がる。
 二本とも突っ込む。二本で一番敏感な部分を挟むように責める。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は綺麗な声である。
 「やめてーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は藻掻き続ける。僅かな時間で股間は震撼する。
 「やめてーーーーーーー。おねがいやめてーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は全く堪えられない。
 やがて山坂光の目論見の通り潮が一条真っ直ぐに噴き上げる。そのまま空中で弧を描いて離れて置かれた透明な盥に落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜の無念の悲鳴と共に潮は流れ続けた。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 潮を噴き終わっても山坂光はまだ責め続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜の意思はとことん抵抗している。だがどこまでも責めに押し切られてしまう。
 「あーーーーーーーーーーー。だめ。だめ。だめ」
 また潮が噴出す。
 「ああーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 久慈明菜の股間は強く震撼している。
 「随分派手に出てくれたな」
 山坂光は達成感と悦びの一言である。
 「いやあーーーーーーーーーー。そんな物で責めたらおかしくなるよーーーーーーーーーーーー。ひどすぎるーーーーー」
 久慈明菜はどうにも堪らない屈辱に涙声で反論する。
 「尿道口から直に出るところが確り放映できたぞ」
 山坂光はさらに詰る。
 「ひどい。ひどいよーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は涙声である。
 「次は浣腸だ。今度はアナウンサーのうんこを公開だよ」
 山坂光は更なる辱めを宣告する。
 「えーーーーーーーー。もうゆるしてよーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は悲鳴のように赦しを請う。
 山坂光は浣腸器にバケツから冷水を吸い上げる。バケツには氷が多量に浮いている。
 「えーーーーーーーーー」
 久慈明菜は冷たい水に驚愕する。
 「殆んど堪えられないな」
 山坂光は浣腸器の先端をアナルに向ける。
 「あーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーー。それはゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は泣き叫ぶ。
 それでも山坂光はアナルに差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい液は久慈明菜の直腸を一気に襲う。
 「う、う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は藻掻く。
 山坂光は注入し終えてアナル栓を捩じ込む。
 
 二回目の動画が配信された。
 愛媛県警は久慈明菜の拉致された地点から逃走先を割り出しに苦慮していた。
 「車は乗り捨てられていました。車内から久慈明菜のDNAが検出されています」
 一人の刑事が報告する。
 「海岸からボートで逃走と考えられます」
 「近い島を全部調べましょう」
 「今のアイテム。オークションサイトで二本買っている者が居ます」
 女性警察官が報告する。
 「何処だ」
 警部の表情が色めき立つ。
 「松山市内です」
 「よし。急行しろ」
 捜査班は山坂光が自宅に居ないことを突き止めた。
 「奴はもとJRの車掌です」
 「列車を止めて拉致か。車掌なら可能性は高いな」
 「山坂光の実家は瀬戸内海の島です」
 他の刑事が突き止める。
 
 久慈明菜は藻掻き続けていた。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は苦しみに堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 既に尿瓶は大きく広げられた久慈明菜のお尻の下に挟まれている。
 「抜くぞ」
 「あーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は断末魔である。痛みにも羞恥にもどうする事もできない。
 山坂光はアナル栓を抜く。
 ズブーーーーーーーーーーーーー。
 久慈明菜のアナルから一気に茶色い水が噴出す。
 続いて断続的な便が流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜は臭気と排便に悲鳴を上げ続ける。
 「あーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 久慈明菜は堪らない羞恥の連続に泣き続ける。
 その時。山坂光が仕掛けた監視カメラに警察の上陸が確認された。
 山坂光は家の外周に仕掛けたオイルに点火する。家の外周が円形に燃え上がった。ただの威嚇でしかない。
 それでも捜査班は突入を諦めて機動隊の応援を要請した。
 テロ対策部隊が対応する。
 「あと少しだな。警察が嗅ぎつけて来たな。もう直お前は救出される。もう少し醜態を見せてもらうぞ」
 山坂光は注射針を取り出す。
 久慈明菜に緊張が奔る。
 山坂光は右の乳首を横に刺し貫く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また久慈明菜の泣き悲鳴が上がる。
 左の乳首も貫く。
 「あはあーーーーーーーーーーーー」
 既に島の上空はマスコミと警察のヘリが旋回していた。さらにマスコミが島に上陸した。
 規制線も敷かれている。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 「もう警察が辿り着いたな」
 如月鬼堂は問題なさそうとの見解である。
 「これは模倣犯です。簡単に片付くでしょう」
 館山弁護士も連続拉致強姦事件の犯人らが後ろに居ないと確信した。
 「家の周りを火で囲む準備はしていたのですね」
 「威嚇でしかない」
 如月鬼堂らは簡単に犯人が逮捕されると見ていた。
 
 山坂光は乳首に刺した注射針にトランスから繋いだ鰐口を接続する。
 そこに電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 膣を広げたままのクスコにも電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久慈明菜の躰ががくがく震え続ける。
 口から涎が流れ出た。顔は汗と涙と涎で無残である。
 そして久慈明菜の表情は一気に恍惚に成ってしまう。
 尿道から僅かに小水が流れ出る。
 監視カメラの映像に機動隊が到着した状況が確認された。
 山坂光は最後の動画を配信する。
 「これでお前の排泄シーンが」
 山坂光がそう言い掛けると久慈明菜は失神していた。
 顔をビンタする。山坂光には至福のビンタである。
 「う、うう」
 久慈明菜は直ぐに目を開く。
 「お前の排泄シーンが配信されたぞ。これで終わりだ」
 山坂光は勝利宣言のように言う。
 「・・・・・」
 久慈明菜は泣き濡れている。
 「永久保存版だな。みんなお前の放送を聞きながら。思い浮かべる」
 言葉には山坂光の願望が篭っている。
 「もう。テレビなんか出られないよ」
 久慈明菜は泣き声で訴える。
 「躰は綺麗なまま残してやったぜ。AV嬢に成れ。それが最高だ。これでお別れだ」
 山坂光は最後の言葉を言い残す。
 「ちくしょーーーーーーーー。極悪人」
 久慈明菜は怒りにどんな言葉でも言い足りない。だがそれしか言葉が出なかった。
 山坂光は繋いだダイナマイトを自分の体に巻きリモコンを握りしめる。
 機動隊の一部が火の上に板を渡して突入する。
 山坂光は二階のベランダに造ったジャンプ台から加速して飛ぶ。その先には警察部隊が盾を構えている。
 飛ぶと同時に空中でリモコンのスイッチを押す。
 警察部隊の周りの地中から爆発が起こる。山坂光はその真っ只中に飛び込む。体に巻いたダイナマイトが爆発する。
 警察部隊と後ろのマスコミにも被害が及ぶ。
 突入した部隊は無事に久慈明菜を救出した。
 だが警察部隊の被害は甚大である。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 「こいつ鬼塚槙登の真似をしたな」
 「最初から警察部隊が待機しそうな場所に当りをつけて発破を仕掛けていたのですね」
 館山弁護士も予想以上の結果に慄いている。
 「久慈明菜アナウンサーは救出されたようです」
 杉下一行は中継を見ている。
 「警察部隊の被害は甚大だな」
 「救出作業が始まりました」
 「どうも中途半端だな。目的は久慈明菜より警察に復讐かな」
 「久慈明菜は警察を引き寄せる囮ですか」
 「その可能性が高いな。この車掌は何でJRを辞めたのかな」
 「そっちに理由がありそうですか。でしたら調べてみますか」
 「今度の土曜日までに」
 館山弁護士は調査を了解した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「ホテル、旅館の閉店が続いているな」
 「飲食業も蔓延防止で協力金貰って休業の方が維持しやすいらしいな」
 「旅館には休業要請は無い」
 「僅かな事業再生資金を出しても雀の涙。焼け石に水だ」
 だがこの六人には全く影響がない。
 「あの山坂とか言うの個人で良くやったな」
 医者の男である。
 「JR○○線の事故で警察に執拗な取調べを受けて乗務に復帰できなかったらしい」
 「警察に報復か」
 「そうだろ。久慈明菜アナはその事故のレポートで動いたからじゃないのか」
 「これまでの演出とはちょっと性質が違うな」
 川口の会長はあまり興味がない。
 「ところで川口の女将は何も言って来ないか」
 医者の男は生贄に飢えている。
 「ない」
 川口の会長はきっぱり答える。
 「また標的を物色するか」
 印刷会社の社長である。
 「今は駄目だ。余りにも検問が多過ぎる」
 川口の会長は慎重である。
 
 二月二十三日。
 南七香は長野の店舗に向っていた。
 閉店時間が早く売上げは全く足りない。設備を改善して換気は充分で感染症対策は万全である。
 南七香は既に閉店した店に入った。
 店に入った瞬間を襲われる。
 後ろから口と鼻を押さえられて意識を失った。
 
 二月二十四日。
 ロシア軍は遂にウクライナに侵攻した。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 「世界戦争に向っての発火点だな」
 「どうしたら回避できたの」
 珠洲は何処で間違ったのとの意識である。
 「できないよ。まあロシアに亡命した二代前の大統領のまま来ていれば何も起きなかった」
 如月鬼堂の見解である。
 「でも国民の意思が」
 「国だけ残してロシア寄りの住民を残して国民が移民してしまうのが一番良いと思うがな」
 世界への影響を避けたい。元ソ連の領土さえ返せば良いという如月鬼堂の意識である。
 「世界戦争が心配なの」
 「プーチンは経済制裁で行き詰まれば核を使う」
 「そんな」
 「独裁者の立場で考えろ。独裁者は国民の代表ではない。自分の権力が危うくなって手段があれば全部使う。その最たる物が核だ」
 「止める方法は」
 「今の西側がロシアを制裁し続ければ止まらない。独裁者は妥協をしない。自分が負ける時は世界を破壊する」
 「そんな」
 「それじゃ日本も危険」
 瀬里菜も怖がっている。
 「方法はたった一つ。ソ連時代の鉄のカーテンまで東側と認めてその国民を西側が引き取る」
 「そんなの認める分けないよね」
 「世界世論がそっちに向いている以上は絶対に認めない」
 「それじゃ」
 「今のウクライナは第一次大戦のバルカンと同じだ。あの時の列強はセルビアに限りなく譲歩を求めた」
 「何が条件だったの」
 「あの時オーストリアの出した通帳の中身は知らないが、セルビアでオーストリアの皇太子が暗殺された」
 「何でセルビアがそんなことしたの」
 「違う。オーストリア側が暗黒組織にやらせた」
 「自国の皇太子を」
 「その皇太子の結婚が問題だった。王室の秩序に反した結婚をしたからだ」
 「今と変わらないのね」
 「今回はきっかけすらない。勝手な侵攻だ。さらにプーチンはヒトラー以上の手段を持っている」
 「核」
 「そうだ。ヒトラーは自分の恋人に毒を盛って自殺した。プーチンは核で世界もロシアも破壊して果てる」
 如月鬼堂の見解である。
 「日本は危険がないの」
 瀬里菜はもう一度そっちを確認する。
 「概ね経済以外には無い。核保有国が先に攻撃される」
 如月鬼堂は珠洲と瀬里菜の三人だけで暗雲のニュースを見ていた。
 「待って変なメール」
 瀬里菜が気付いた。
 「杉下か」
 「いいえ」
 『ショーに出ていた南七香を預かった。動画はもう直配信する。開放の条件はSM愛好会の入会を審査無しのオープンにする事だ』
 動画が添付されていた。
 動画には南七香が真っ暗な部屋に下からの照明に全裸で浮かんでいる。
 縦一文字の逆さ吊るし。脚首を硬い革のベルトで止められて二本併せて吊られていた。
 胸部は縛られては居ない。腕を後ろに廻して腕だけ縛られているか手錠を掛けられていると思われる。
 三十半ばで綺麗な躰である。
 如月鬼堂は館山弁護士に連絡を取る。
 「直ぐに警察に通報します」
 館山弁護士は即座にそう判断する。
 「通報するなと書かれている」
 「しなければ後でこっちの責任が問われます」
 館山弁護士は警察に通報して直ぐに新幹線に乗った。
 動画は静止画を公開した。
 南七香の乳房、女の部分、アナル、さらに女の部分をクスコで広げたポートが数秒ずつ公開された。
 そのまま動画に戻る。
 男は一人だけの様である。スタンガンを南七香の女の部分に当てる。覆面を被って黒ずくめの衣装である。
 「あは。ああ。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴と共に南七香は意識を回復した。
 「あーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。何処ーーーーーーーーここは。ああーー。ああーーー」
 南七香は慌てふためく。長野店に入った瞬間襲われた。行き成り逆さ吊るしである。
 「お前のSM動画が会員にしか公開されないのが気に入らない」
 男の声が静かにそう宣言する。
 南七香には恐ろし過ぎる一言である。絶対にAVにはできない。愛好会内部のみでも断腸の思いでやって来たぎりぎりの生命線である。
 「やめてよーーーーーーーーーー。私は会社を続ける為に我慢しているのよーーーーーーーーーーーーー」
 堪らず悲痛な声で叫ぶ。
 「裸を晒しても会社は続けられるぞ」
 男の言葉は容赦ない。
 「やめてーーーーーーーーーーー。従業員の前にでられないよーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香はさらに悲痛に叫ぶ。
 従業員は全部女性である。それでも堪えられない。いや女性だからそれ以上に自分の途轍もない羞恥の姿は見せられない。知られたくない。
 男はスタンガンを女の部分のびらびらに押付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間。南七香は漏らしてしまった。断末魔の悲鳴である。もう全裸だけでは済まない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は恥ずかし過ぎる失禁にさらに悲鳴を上げ続ける。
 字幕が流れた。
 『南七香の命を護りたければいま申請中の会員を全部承認しろ』
 「どうするパパ」
 瀬里菜が回答するか確認する。
 「館山先生が来てからだ」
 館山弁護士より先に警察が着いた。
 珠洲が中に案内する。
 「静岡県警八代です」
 「同じく高田です」
 八代一美警部補と高田有美巡査部長である。
 一通りの事態を珠洲が説明する。そして館山弁護士と電話を繋いで直接説明して貰った。
 「この場所は何処ですか」
 「判る訳ないでしょう」
 如月鬼堂はむっとして答える。
 「心当たりもありませんか」
 「無いよ。店と会社に連絡して確認したが昨夜の行動は判らない」
 如月鬼堂も何もしてない訳ではない。
 「はい。それで立ち寄る先は」
 珠洲が店舗の住所一覧を出す。
 「新幹線で動く可能性が高いです。駅の防犯カメラを当たりましょう」
 婦警二人は早速手配する。
 館山弁護士と大河内税理士が宇佐美駅に着いたので瀬里菜が迎えに行く。
 「検問に何も引っ掛からないのか」
 如月鬼堂は苛立ちを隠せない。
 「ここのところ事件が続いていましてかなりの検問を行っていますが。何も引っ掛かりません」
 八代一美警部補はそう弁解する。
 「昨夜十九時五十七分に大宮駅から長野行きあさまに乗車しています。長野駅下車も確認できました」
 「権堂の長野店だ」
 長野県警が社員と待ち合わせて長野店に向った。
 動画では南七香が浣腸をされていた。
 冷水だけの浣腸である。浣腸器の濁りから冷たさが分かる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は冷たさに藻掻き呻き続ける。絶望以上の仕打ちである。恥ずかしさに追い詰められ腹の痛みに堪えられない。
 『南七香の命を助けたければ早く申請者の承認をしろ』
 再び字幕が流れた。
 「いま申請中の会員リストを下さい」
 高田有美巡査部長が要求する。
 如月鬼堂は珠洲に合図する。
 珠洲がパソコンから一覧表を出す。全部で二十七名であった。
 高田有美巡査部長はその一覧を送って現在の所在確認を依頼する。
 「パパ。この中に居るの」
 「そんな馬鹿はしないだろ」
 「そうですね。でも一応当たっては貰いましょう」
 既に館山弁護士が着いていた。
 大河内税理士は南七香を心配している。
 「先生。会員の承認だけして見ますか」
 如月鬼堂は館山弁護士の意見を聞く。
 「どうしましょう」
 館山弁護士は八代一美警部補に確認する。
 「いま埼玉県警の専従班の中宮警視正がこちらに向っています。それまでお待ちください」
 どうやら埼玉県警の連続拉致強姦事件の専従班が担当に成ったようである。
 「あーーーーーーーーーーー」
 珠洲が思わず叫ぶ。
 動画では南七香の便が噴出した。
 便は繋がったまま背中から流れ落ちる。壮絶な状況である。南七香の表情は羞恥に破裂して崩れている。絶望以上にどうにも成らない。
 男はカッパキと塵取りで床を掃除する。床はフローリングらしい。
 次に南七香の躰をホースで水を掛けて洗う。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 また見ていた珠洲が悲鳴を上げる。
 「うーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香も泣き悲鳴を上げている。
 男はもう一度カッパキで床の水を取り除く。モップで床を拭いて床を綺麗にする。
 南七香の躰を床に降ろして右の脚首をU字の金具で床に固定する。
 「やめてーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 南七香はヒステリックに叫び赦しを訴えている。
 男は股間を大きく広げて左の脚首も固定しようする。
 「あーーーーーーーーーーーーいやよーーーーーーーーーー。ひろげないでーーーーーーー」
 南七香は悲痛な声で叫び抵抗している。だが男は脚で内股を抑えてU字金具にボルトを打ち込む。
 南七香の女の部分は大きく広げられてしまった。男は小型のカメラで局部を撮影する。
 動画にはアップで公開されている。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。そとあるけないよーーーーーーー」
 南七香は悲痛に震えた声で訴えている。
 「心配するな。如月鬼堂が要求に応じなければお前の命は無い」
 男は淡々と当然の如く宣告する。
 「何を要求したの」
 南七香は驚愕の表情で確認する。
 「SM愛好会の入会を審査無しのオープンにしろとな」
 「そんなのできるわけ無いよ」
 南七香はさらに追い詰められた。
 「だったらお前はあの世行きだ」
 男は平然としている。
 「そんなーーーーー」
 南七香は絶望の表情である。
 男はクスコを取り出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 南七香は絶望の底でもヒステリックに叫ぶ。
 「諦めろ。既にお前が眠っている間に写真は撮ってある。さっきお前が漏らしたところまで配信したよ」
 男は覆面の下で哂っている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー」
 南七香は絶望である。さらなる断末魔の悲鳴を上げる。
 こういう文言も書いてある。
 『この女南七香は焼肉チェーン○○の社長だ。コロナで低迷した売上げの補填にSM愛好会のショーに四回も出た。その恥ずかしい姿を全国に公開する』
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の目から涙が溢れる。
 「だったら自害しろ」
 「やめてーーーーーーーーーー。私がどんな思いで会社を護ろうとしたか。どうしてこんな酷いことになるのーーーーーーーーー」
 南七香はぽろぽろ涙を溢す。
 男は構わずクスコの中を動画に納める。
 「あとは逝き顔の公開だな」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香はまたヒステリックな悲鳴を上げる。
 「これが何か判るだろ」
 男はリモコンから伸びたアームの先にL字に小さなローターが付いたアイテムを翳す。
 「それ使ったら判るよ」
 南七香は絶望でも抵抗する。
 「此処がどこかは判らん。それに直接は購入してない」
 「愛媛の事件もそれで場所が判ったよ」
 「大丈夫だ」
 男は余裕綽々である。
 
 「動画が公開されてしまったよ」
 瀬里菜が報告する。
 そして杉下一行からメールが届く。
 「リストの二十七名は全員所在の確認が取れました。現在も昨夜の二十時以降も長野に滞在できる者は居ません」
 高田有美巡査部長が報告する。
 「そうだろうな」
 如月鬼堂は期待してなかった。
 「店舗に入った長野県警も鍵が掛かってなかった以外何も手掛かりは出ませんでした。いま鑑識が活動中です」
 これも高田有美巡査部長が報告する。
 そこに中宮警視正と松本真里菜巡査部長が着いた。
 「如月鬼堂さん。連続拉致強姦事件の容疑者グループにまったく心当たりが無いのですか」
 松本真里菜巡査部長は行き成りそっちの質問である。
 如月鬼堂は館山弁護士を示す。
 「ありませんよ」
 館山弁護士が答える。
 「今度の犯人に心当たりは」
 「それもありません。必要なリストはそっちの警察に渡しました。全員所在が掴めて容疑者には成りません」
 これも館山弁護士が答える。
 「それよりどうするのだ。犯人が動画で要求の言う通り入会を許可して状況を見るのか」
 「いま許可しても状況を後で説明して撤回も可能です」
 館山弁護士がそう付け加える。
 「やってみましょう」
 中宮警視正が始めて口を利く。
 「まあ大丈夫ですよこっちも審査済みです」
 館山弁護士は問題の無い入会希望者ばかりと言う。
 「あのう。こちらの会員の中に容疑者と思われる方は居ませんか」
 松本真里菜巡査部長はまた同じ質問である。
 「会員は既に審査に通っているよ」
 如月鬼堂は館山弁護士と顔を見合わせる。
 「いいえ。連続拉致強姦事件の犯人です」
 「いまその問題ではないでしょう。そちらは連続拉致強姦事件の犯人がこの犯人と仰るのですか」
 館山弁護士の口調も荒い。
 「それはなんとも」
 松本真里菜巡査部長は可能性が無いとは言えないとの姿勢である。
 「そんな馬鹿な。あの犯人は一人では動かない。この犯行は単独だ」
 如月鬼堂は怒りをぶつける。
 「そうです」
 館山弁護士も同調する。
 「でも三人のときはありました」
 「あの三人と六人。体形から別人ではないですか。そのくらい画像を分析すればそちらでも解るでしょう」
 館山弁護士も呆れたという言い方である。
 「そうですが会員の中に六人の誰かが居たりするということはないですか」
 松本真里菜巡査部長はまだその見解である。
 「私の事務所でかなり洗っています。あとはそちらでやってください。でもいまは目の前の事件が先です」
 「はい」
 松本真里菜巡査部長も館山弁護士には突っ込みにくい。
 「申し訳ありません」
 中宮警視正が話しに割って入って詫びる。
 「六人の誰かが後ろに居るとも思えませんが、会員を御調べになるなら私の事務所にお越しください。リストはこちらで管理致しておりますので連絡しておきます」
 館山弁護士は相当に自信を持っている。
 中宮警視正らは引き上げて館山弁護士の事務所に向った。
 
 男の家から南七香の長野の店は見える。
 僅かな距離を店の裏口からキャリーバックで運んだだけである。
 如何なる防犯カメラにも写らない。
 男は中井静雄という。閉めている居酒屋店のオーナーである。従業員を断って協力金で維持していた。
 南七香が七店舗持つオーナーと聞いて驚く。それから南七香をいろいろ調べた。どうやってコロナ過で店舗を維持しているかを知る。
 知り合いに愛好会の会員が居た。そして会員のみに配信された南七香の動画を見せてもらったのである。
 中井静雄はローターで責めるのを後回しにして剃毛を先に行うため一度クスコを抜く。
 横幅の短いT字剃刀でじりじりと南七香の陰毛を剃る。
 南七香は床に磔にされたまま剃られるドテを凝視していた。
 
 館山弁護士は事務所に指示していた。
 「愛好会の会員のリストと調査した資料を用意してくれ。専従班が来たら渡すように」
 「資料も渡すか」
 「いまこっちで会員に当たるのは時間が掛かり過ぎます。情報を渡して警察に調べさせましょう」
 館山弁護士は如月鬼堂の確認に今はそれが最善と説明する。
 「会員の誰かか、会員が誰かに南七香の動画を見せない限り犯人が南七香を愛好会の会員と知ることはないな」
 「そうです」
 「捜査員を動員して警察が会員に当たれば絞れるのか」
 「多分それが早いと」
 館山弁護士はそれに賭けるしかない考えである。
 
 南七香は暗い室内で自分だけが上からのスポットライトに照らされている。照らされた床に傷が確認できた。
 防音までは施してないと思える。地下にある店舗ではないかと思えた。
 何故この男は自分を知っているのか。愛好会の会員なのか。
 自分がSM愛好会のショーに出ていると知っている。既に会員か会員の知り合いで動画を見ているに違いない。
 店に入る時に付近に止まっている車は無かった。
 近くに隠れて居たか。だがいつ自分が長野店に来るか判る筈はない。
 ずっと尾行されていたのか。徒歩でやって来て長野店を見張っていたのか。それは無理があり過ぎる。
 まさか付近の休業中の店に隠れて居た。それも無理がある。
 南七香は屈辱の剃毛をじっと監視しながら状況を分析して試行錯誤を繰り返していた。
 「綺麗に成った。陰毛の下になっていた皮膚のほんのり紅さが良いぜ」
 中井静雄の覆面の下の顔が哂っている。
 中井静雄は剃毛した南七香の女の部分をもう一度開いて動画に部分的アップで詳細に生々しく収めた。
 次は両手の指で膣口を引っ張って強引に広げる。
 「やめてーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 南七香はまた叫ぶ。
 「いいなあ。その声」
 中井静雄は南七香の泣き叫ぶ声を愉しんでいる。そして力の限り引っ張り薄橙の粘膜を晒けだす。
 「いやーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーやめてーーーーーー」
 南七香は躰を捩って藻掻き悲鳴を上げる。
 薄橙の波を打った粘膜が微妙に動く。生々しいエロさを動画に焼き付けてくれる。
 南七香は藻掻き続けた。
 中井静雄はもう一度南七香の膣にクスコを挿入する。
 「今度は逝き声をたっぷり聴かせて貰うぞ」
 「何で鬼堂先生に要求を呑ませるのにそこまでするのーーーーーー」
 南七香は悲鳴混じりに訴える。
 「お前の究極に恥ずかしい動画を一般に公開すると言っただろ」
 中井静雄は淡々とふざけて諭すように語る。
 「どうしてそこまでするの」
 「お前が会員だけの配信で多額に稼ぐのが気に入らない」
 「目的は私なの」
 「そうでもある」
 「どうしてよーーーーーー」
 南七香はまた悲鳴のように叫ぶ。
 「だからお前がチェーン店を護る金を風俗で稼ぐなら社会に公開しないと納得が行かない」
 「どうしてよーーーーーー」
 「お前だけコロナ渦で傷つかないで生き延びるのは許せない。世間に晒け出すべきだ」
 「どうしてーーーーーー。私は死ぬ思いで会社を護っているの!!」
 中井静雄はリモコンの先のローターをクスコの中に差し込む。
 「あーーーーーーやめてーーーーーー」
 「それじゃリスクが足りないと言っているのだよ」
 中井静雄はローターのスイッチを入れる。
 「あーーーーーー。だめーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 二本のローターの先端は南七香の娼婦の泣き所を挟むように責める。
 「あーーーーーーーーーーーーだめ。やめてーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 南七香の表情は破裂している。
 「もう遅い。お前の恥ずかし過ぎる姿は社会にばらまかれた」
 中井静雄は陰湿な悦びを込めている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。ああーーん。あはあーーーーーーーーーーーーん」
 南七香は真っ赤な顔で号泣してしまう。
 中井静雄の手はどこまでも責め続ける。
 南七香の股間は強く痙攣している。顔を右に左に躱して藻掻き続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーだめ。だめーーーーーーーーーーーー」
 南七香は必死に堪えようとする。
 中井静雄はなんとしても南七香の逝き顔を動画に公開したい。
 二つのローターの先端で南七香の敏感な部分を挟んで交互に微動させる。
 「あーーーーーーあはあーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーー」
 南七香は抵抗し続ける。
 中井静雄はスポイトで膣の中に媚薬を流し込む。
 「やめてーーーーーーやめろーーーーーー」
 南七香は叫び続ける。
 中井静雄は責める手を早める。
 「あーーーーーーあはあ。ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 南七香はどこまでも抵抗し続けた。
 中井静雄は更に媚薬を投入する。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 南七香は表情を破裂させて喚く。
 中井静雄はまだかと焦りピッチを上げた。
 「逝けーーーーーー」
 南七香は踏ん張る。
 動画がばら撒かれても最後まで抵抗する姿勢を見せなければならない。
 どうしたら自分は会社を護れるのか。従業員は全部女である。こんな動画を見ないと信じたい。
 いや報道されて愛好会で稼いできたことがばれたらどう思うか。
 資金的に会社はまだ護れる。対面をどう保つかである。
 なんとしても恥ずかしい逝き顔だけは晒したくない。
 中井静雄はアナル開口器を取り出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 藻掻く南七香のアナルに強引に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 南七香は猛然と悲鳴を上げて藻掻く。
 「如月鬼堂の本に書いてあったな。こことここを両方の穴から責めると効果が有ると」
 「いやーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー止めて」
 南七香はさらに藻掻いて泣き悲鳴を上げる。
 「もう一つおまけだ」
 中井静雄はクリトリスを剥いて女の鬼頭に小さめのローターを絆創膏で貼りつけてしまう。
 「もう。やめてーーーーーーーーーーーー」
 「諦めて逝き顔を見せろ」
 南七香はこの責めを愛好会のショーでやられた。とても堪えられるものではなかった。
 「何でそこまで私を虐めるの」
 南七香は堪らず抗議する。
 「俺は女だけこの窮地に助かるのが許せない。せめて総てを白日に晒したい」
 「貴方。飲食店の経営者ね。あはあーーーーーーーーーーーーだめ。やめてーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 南七香の表情は執拗な責めに堪らず破裂する。
 クスコの金属の羽の谷間に挟まった尿道の亀裂から僅かに潮を噴き上げてしまった。
 「ああーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は紅く染まった顔を振って悲鳴を漏らし続ける。
 「あは、あーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーー」
 股間は滑らかに震撼を続けていた。
 
 この犯人に心当たりのある会員がいた。
 警察が捜査に来て知らないと言って後で解れば面倒である。
 捜査に対応しないため即座に旅行に出てしまった。それによって中宮警視正らの捜査から一時的に外れてしまう。
 専従班は所轄に依頼して如月鬼堂の愛好会会員一人一人に当たっていた。南七香の動画を見た会員以外の人物を絞る目的である。
 松本真里菜巡査部長は単独で動いてしまう。
 そして長野に犯行現場を絞った。
 街中で防犯カメラにも検問にも引っ掛からない。松本真里菜巡査部長は地下室のある近隣の店舗と目標を絞った。
 
 「あはあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーー」
 南七香の躰は強く震撼して股間が痙攣している。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に南七香は逝き顔を晒して強く逝き声を上げてしまった。
 躰はがくがく震えている。
 その動画も直ぐにアップされた。
 
 松本真里菜巡査部長は南七香の焼肉店の周りの店を片っ端から当たる。
 付近では地下室のある店舗は休業中の中居静雄の『居酒屋やま』一軒だけと判った。
 居酒屋やまは休業している。
 店舗はシャッターが下りて施錠されていた。
 聞き込みで店主が二階に住んでいると確認している。
 松本真里菜巡査部長は裏口に回った。
 既に中井静雄は隠しカメラで接近を悟っている。南七香の拷問は中断した。
 裏口の施錠を態とリモコンで解除する。
 松本真里菜巡査部長は呼び鈴を押して待つ。
 反応はない。
 扉に触ると施錠されてない。
 松本真里菜巡査部長は礼状無しに乗り込んでしまう。大概は警察といえば理解する。
 此処が現場の可能性が高い。
 一階の店舗は真っ暗である。松本真里菜巡査部長はペンライトで照らして地下に降りる階段の踊り場に来た。
 その床が真っ二つに割れて松本真里菜巡査部長は落下する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 その下には金網が張ってあった。松本真里菜巡査部長の躰はすっぽり網の中に落ち込んでしまう。
 中井静雄は松本真里菜巡査部長の顔と躰を見て金網に電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーー」
 暫く松本真里菜巡査部長の悲鳴が続いたがやがて絶命した。
 中井静雄は電流を切る。そして松本真里菜巡査部長の脈を確認する。
 既に生簀に使っていた水槽に人を溶かせるジェルが張ってあった。
 中井静雄は松本真里菜巡査部長の躰から金属製の物を外して水槽に投げ込む。
 念のため水槽にカバーを掛けた。
 「ねえ。殺したの」
 南七香は驚愕の表情で確認する。
 「ああ殺した。女の価値はない。ただの警察犬だ」
 中井静雄は平然と語る。
 そして松本真里菜巡査部長のスマホを持って車で飛び出す。
 小さな紙の船に載せて川に流してしまう。
 
 「ねえ。あの液は何よ」
 南七香は戻って来た中井静雄に気に成った事を確認する。
 「金属以外大概の物を溶かす。人体も溶ける」
 中井静雄はまた平然と答える。
 そして金網と踊り場の床を元に戻す。
 南七香の鼻と口にクロロフォルムを当てる。
 中井静雄もそのまま眠ってしまった。監視カメラが異常を感知したら起こされるように仕組んである。
 
 若井千奈美巡査長はその日松本真里菜巡査部長が戻らないので不審に思った。他の捜査員は主な所轄署に赴いている。
 若井千奈美巡査長も中宮警視正に連絡しないで松本真里菜巡査部長の向った長野の権堂に向った。
 スマホは鳴ったまま応答がない。
 若井千奈美巡査長は松本真里菜巡査部長が中宮警視正に了解を取らずに向ったので直ぐに報告は避けたかったのである。
 南七香の店の付近を聞き込む。松本真里菜巡査部長が数時間前聞き込みをして居酒屋やまに地下室があることを突き止めた情報を得る。
 若井千奈美巡査長もシャッターが閉まっているのを確認して裏に回った。
 中井静雄は目を覚まして事態を確認する。
 若井千奈美巡査長も呼び鈴を押したのち反応がなく扉が施錠されてないので中に入ってしまう。
 松本真里菜巡査部長と同じ様にペンライトで照らして地下に降りる階段の踊り場に来る。
 また床が二つに割れる。若井千奈美巡査長も落下してしまう。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー」
 そして松本真里菜巡査部長と同じ様に網の中に落ちてしまった。
 中井静雄は若井千奈美巡査長の容姿を確認する。
 まず微電流を流す。
 微電流で行動を押えてトングで網の中にクロロフォルムを染み込ませたガーゼを差し込んで顔に当てる。
 「ぐうう」
 若井千奈美巡査長は直ぐに倒れる。
 中井静雄は若井千奈美巡査長を網から引っ張り出す。全裸にして床にU字金具とボルトで腕と脚首、膝を固定して磔にする。
 中井静雄には丁度良い玩具である。
 磔作業が終わってスタンガンで起こす。
 「う、ぐううーーーーーーーー」
 中井静雄は上から見下ろしている。
 「やっぱり此処か」
 若井千奈美巡査長は覆面姿の中井静雄を見て叫ぶ。
 「ふっふっふ」
 中井静雄は覆面の中で哂っている。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は次に自分の姿を悟る。
 躰を揺すって藻掻く。
 「こんな事しても捕まるぞーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は強気で叫ぶ。
 中井静雄は生簀のカバーを外す。
 「見ろ。お前の同僚だ」
 生簀を指差す。松本真里菜巡査部長の躰は既に溶け始めている。
 「あーーーーーーーーーー。松本部長」
 「お前の運命もこうなる」
 中井静雄はさおを社会の窓から出す。
 大股開きにした若井千奈美巡査長に挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は藻掻く。
 中井静雄は若井千奈美巡査長の腰を掴んで強くピストンする。
 「う、ううーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は動く限り腰を振って抵抗する。
 中井静雄のペニスは太い。それが子宮口に当たる。
 「うおーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は怒りの限り叫ぶ。
 中井静雄は溜った物を放出したい。
 若井千奈美巡査長の膣を壊さんばかりの勢いで動き続ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーー。ぐぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は藻掻き続けるが返ってそれが刺激になる。中井静雄は若井千奈美巡査長の膣の中に溜ったザーメンを流して果てる。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は怒りに沸騰している。
 「お前の運命はあの刑事と一緒だ」
 そう言い置いて中井静雄は若井千奈美巡査長をもう一度眠らせる。そのまま若井千奈美巡査長のスマホを同じ様に流しに行く。
 中井静雄は戻って来ると若井千奈美巡査長を眠らせたまま躰に書類を挟むクリップを付ける。
 右の乳房の横から乳首、乳房の内側、左の乳房の内側、左の乳首、左の乳房の横に鋏み付ける。
 それを金属の銅線で繋いでゆく。
 次は女の部分の粘膜の片側を鋏む。続いて内腿を三センチ置きに鋏んで膝まで並べる。それも銅線で繋ぐ。
 もう片側も同じ様に鋏みつけて銅線で繋ぐ。
 三本の銅線の先端をスタンガンの端子に接続する。
 
 そのころ中宮警視正らは松本真里菜巡査部長と若井千奈美巡査長が署に居ない事に気付いていた。
 スマホに応答はない。位置情報を確認する。
 松本真里菜巡査部長のスマホは長野市安茂里付近の犀川の河川敷。若井千奈美巡査長のスマホは犀川緑地付近の河川敷を示す。
 所轄に確認を依頼したがどっちのスマホも河川敷にただ流れ着いていた。紙の船は川の水に溶けてなくなっている。
 捨てられたのか流されたのか全く判らない。
 二人が署に留まらず勝手に行動した事だけが確かである。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 南七香の動画の配信が止まった。
 一同はさらに不安に成る。
 犯人の言い分の通り申請中の会員を全部承認した。それに対しても犯人から何の反応もない。
 「どういう事でしょう」
 大河内税理士が不安を表明する。
 「動画が止まったのが嫌な予感がします」
 館山弁護士も不安を隠せない。
 「まさか。要求を呑んだのに犯人が殺したのか」
 如月鬼堂も不安を剥き出しである。
 
 専従班はとにかく長野に向った。だが何故か直ぐに権堂には結びつかなかった。スマホの流し方が巧みだったのである。
 「二人は何かを掴んで勝手に犯人のアジトに乗り込んだのでしょうか」
 「それじゃ困るな。状況を連絡するのは基本だ」
 中宮警視正は心配しながら怒っている。
 「捜査を長野に絞りますか」
 「そうだな。長野中央警察署に本部を置こう」
 
 長野市権堂。居酒屋やまの地下である。
 中井静雄は若井千奈美巡査長の躰に鋏んだクリップを繋いだ銅線にスタンガンの電流を流す。
 「あがあ」
 若井千奈美巡査長は一気に意識を回復した。
 中井静雄は一度電流を切る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は震えながら叫ぶ。
 中井静雄はまた電流を流す。
 「ぐうー」
 若井千奈美巡査長の躰はがくがく震える。
 中井静雄は電流を切っては流す。
 若井千奈美巡査長の躰はどこまでもがくがく震え続ける。
 中井静雄は何度も切っては電流を流す。
 若井千奈美巡査長の躰は小刻みに震える。
 「だめー。だめー」
 若井千奈美巡査長は遂に失禁してしまった。
 中井静雄は直ぐに電流を切る。
 「ふふふ。婦警さんがお漏らしですか」
 中井静雄は嬉しそうに詰る。
 「おのれーーー」
 若井千奈美巡査長は怒りにわなわな震える。
 「恥ずかしいお姿は後日配信させて戴きます」
 中井静雄は愉しんでいる。
 「その前にお前は掴まるよ」
 若井千奈美巡査長は悔しさにハッタリである。
 「どうかな」
 中井静雄はそれを見抜いている。仲間の刑事に伝わっていれば一人で乗り込んで来るはずはない。
 「時間の問題よ」
 「それなら人質は二人です」
 中井静雄は南七香とのこのこ入って来た婦警が人質と言う。だが篭城する意志はない。
 「此処に篭城しても逃げられないよ」
 若井千奈美巡査長はここだけ自信を持って言う。
 「その時は自爆だよ」
 中井静雄もハッタリである。
 「お前もか」
 これまで何人かの犯人が自爆している。警察も甚大な被害を出していた。若井千奈美巡査長はハッタリとは受け取れなかった。
 「もうじき婦警さんの仲間の刑事が押し寄せて来るのだな。その前に婦警さんの悲鳴を愉しんでもう一人のように溶けて貰おう」
 中井静雄もまだスマホを流したのが功を奏したとまでは思わなかった。
 中井静雄はまた電流を流す。
 「あはーーーーーーーーー。あは。あは。あは」
 若井千奈美巡査長の躰はがくがく震える。
 中井静雄は電流を切る。
 「あはあーーーーーーー。はあーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 若井千奈美巡査長の躰は荒い息遣いにひくひく震えている。
 中井静雄は電流を入れては切り三回繰り返した。
 「もうお漏らしは期待できないな。そのクリップを引っ張り飛ばして悲鳴を愉しませてもらうぞ」
 中井静雄は次の愉しみに切り替えた。
 二つの乳房を横に渡した銅線の両端を掴む。
 「行くぞ」
 中井静雄は若井千奈美巡査長の顔を見下ろして宣告する。
 「おのれーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は歯を噛み締めて中井静雄を睨み返す。
 中井静雄はその表情を見ながら一気に引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は痛みに躰を固く強く揺すって藻掻き続ける。顔は汗を噴いている。
 「次はこっちの二本だ」
 中井静雄は太腿から女の部分の粘膜までを鋏んだ二本の銅線を両手で一本ずつ掴む。
 「あーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は恐怖に慄き震えた声で叫ぶ。
 「ふふ」
 中井静雄は期待を込める。
 目つきが残酷になる。
 一気に引く。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐわわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の躰は迫り上がって固まる。そして強く揺すった。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の躰はまた固まったように止まって悲鳴を上げる。そして強く跳ねるように揺すって藻掻く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーー。おーーーーーーーーー」
 なかなか悲鳴は治まらない。
 中井静雄はブジーで尿道口を突く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ブジーを抜くと僅かに潮が飛び出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は強烈な痛みの上に恐ろしい屈辱である。
 「此処は婦警さんのDNAが残ってしまった。掃除をしても無駄らしい」
 中井静雄は全く動揺してない口ぶりである。
 「そうよ必ず捕まるよ」
 若井千奈美巡査長は願いを込めて言う。
 「まあそれまで婦警さんを玩具にさせてもらいますよ」
 中井静雄は南七香に使ったクスコを取り出す。
 「やめろーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の叫びを無視して膣に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 強引に抉じ開ける。
 中井静雄は長めのブジーを取り出す。
 ペンライトで中を照らして撮影しながら子宮口にブジーを突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の躰が大きく震撼して太腿の筋肉が怒張する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の悲鳴はなかなか治まらない。
 「さあて婦警さんにしょんべん流し込むぞ」
 中井静雄は小さな開口器を取り出す。それを若井千奈美巡査長の広げた膣の奥の子宮口に差し込む。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の表情は究極に破裂する。
 中井静雄は変な道具を取り出す。
 ペットボトルを切って造った漏斗。その先端にカテーテルを繋いだ自家製の道具である。
 子宮を広げた開口器にそのカテーテルの先端を差し込む。
 「なにするーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中井静雄は社会の窓からペニスを出す。ペットボトルの漏斗にペニスを落とし込んで小水を流し込む。
 「ああ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は慌てふためき叫ぶ。恐ろしい行為である。
 中井静雄は次にそのカテーテルの先端を若井千奈美巡査長の尿道の亀裂に突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中井静雄は若井千奈美巡査長の膀胱に自分の尿を流し込む。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は藻掻き叫び続ける。
 中井静雄がカテーテルを抜くと若井千奈美巡査長はどうにも堪らず自力で小水を押し出す。
 「おのれーーーーーーーーーーーーー。なんてことをーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は小水を流しながらどうにも修まらない怒りの言葉を吐きつける。
 中井静雄はそれもカメラに収める。
 「最後まで遊ぶぞ」
 中井静雄は猟奇に成り切っている。こんな心算ではなかった。南七香を晒し者にして店に戻して終わる予定であった。
 侵入者の有った場合の準備はしていた。それでも事態は中井静雄の予測にない最悪の状況と成った。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長も先輩に従って報告しなかったことに後悔している。いつ捜査がこの場所に及ぶか希望は薄い。
 このまま此処で殺されて溶かされてお宮入りかもしれない。
 「婦警さんの乳首を斬り落とす」
 中井静雄は店で使うぺティナイフを取り出す。それを砥石で研ぐ。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。もうーー」
 「それ以上罪を重ねるなか。はっはっはっはっは。もうここまでで充分死刑だよ。後は何処まで行っても同じだ」
 中井静雄は嘲け哂う。
 「おーーのれーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長はどうにもできない怒りに沸騰する。
 中井静雄は南七香に使った柄付きの小型ローターを取り出す。乳首を斬るのは後回しにした。
 「いい声で鳴いてもらおう」
 中井静雄は子宮に刺さっていた小さな開口器を抜く。
 若井千奈美巡査長の膣の奥を二本のローターで挟むように責める。南七香への責め方と同じである。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中井静雄は左右交互にローリングさせる。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は踏ん張って抵抗しようとする。
 中井静雄は時間がない。一気に責め落したい。この二人が来なければ店を捨てる必要はなかった。
 何としてもこの女刑事の恥を社会に撒きたい。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。やめ、ろーーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既にクスコから膣液が流れ出ている。
 中井静雄はやや考え直してローターの先端の動きをゆっくりにする。さらにそれを局部で止める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の股間が強く痙攣している。そして藻掻くように躰を強く揺する。
 「あはあ。ああ。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 若井千奈美巡査長の躰は強く痙攣を続けている。
 若井千奈美巡査長は無念極まりない。
 中井静雄はやや納得した。そして電源の準備をする。
 若井千奈美巡査長の頭に電源から繋がった金属の輪を嵌める。
 クスコの縁に電源から繋がった鰐口を接続する。
 右の乳首の下に太い針を通す。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 その針にも鰐口を接続する。
 これで死刑の準備はできた。
 もう一度ぺティナイフを持つ。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長は乳首を斬られると判って断末魔の悲鳴を上げる。
 中井静雄は若井千奈美巡査長の左の乳輪にペティナイフの刃を当てた。
 「あーーーーーーーーーーー」
 中井静雄は一気に引き斬る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに止血パットを当てる。
 そのまま電流をながす。
 「う、ううーーーーーーーー」
 若井千奈美巡査長の躰は目を瞑ったまま振るえ続ける。
 中井静雄は十分待って電流を止める。
 脈を診て死亡を確認する。
 中井静雄は松本真里菜巡査部長を溶かした液を抜く。下水に流したのである。そして新しい液を入れる。
 若井千奈美巡査長の遺体を投げ込む。
 中井静雄は最後の名残と南七香を強姦したくなった。
 「もうお前の中にザーメン残しても同じだ。婦警の侵入で此処を捨てるしかない」
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は抵抗する。大きく広げられた太腿の筋肉は怒張している。中井静雄のペニスは膣に侵入できない。
 「力抜け」
 中井静雄はビンタする。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーー」
 中井静雄は指を突っ込む。
 「い、いいやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 指は入ってしまう。
 中井静雄はもう一度突っ込む。
 南七香はまだ抵抗する。
 中井静雄はもう一度クスコを突っ込む。
 ブジーを掴んで先端を子宮口に押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は強烈な悲鳴を上げる。腰を揺すって痛みに藻掻く。
 中井静雄はブジーを抜いてクスコも抜く。
 もう一度挿入する。
 今度はもう抵抗力はなく入ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南七香は無念の悲鳴である。
 中井静雄はこれが最後と欲望の限りピストンして南七香の女の奥に果ててしまう。
 南七香は目を瞑って涙を滲ませていた。
 中井静雄はもう一度南七香を眠らせ深夜に南七香の店に運び込む。全裸のまま店の床に大股開きで磔にした。
 中井静雄は軽く荷物を纏めて車で空港に向う。
 
 中宮警視正ら専従班と長野県警はSM愛好会の会員に一人ずつ聞き込みを続けていた。
 長野県警と合同捜査も全員に辿り着くには時間が掛かる。
 犯行時間が長いので誰でもアリバイがある。会員以外に見せた者は殆んどいない。その中でも一緒に見た者にもアリバイがあった。
 南七香の動画の配信が止まったのでどうなったか如月鬼堂の代理人弁護士館山嘉朗から問い合わせがあっても捗捗しい回答ができない。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 再び南七香の動画が公開された。強姦される部分である。
 「犯人はもう何も要求していませんね」
 「全く状況がわからないな」
 「捜査に当たっていた女性刑事が二人行方不明らしいです」
 館山弁護士が中宮警視正から聞いた内容を説明する。
 「犯人はそっちの対処に時間を掛けていたのか」
 「そうかもしれません」
 館山弁護士は南七香の動画の公開を直ぐに中宮警視正に通報する。向こうでも既に確認していた。
 暫くして今度は若井千奈美巡査長の動画が流れた。
 「これに時間をかけていたのではないですか」
 ようやく館山弁護士らは状況を理解した。
 「しかしこの婦警は何で犯人に捕まったのだ」
 「変ですね。犯行現場を突き止めたのなら警察が乗り込めます」
 「警察は行方不明の二人の行動を掴んでなかったのでしょう」
 「勝手に捜査したか。それでも連絡は入れているだろう」
 「そうですね」
 犯行現場が特定できず南七香の行方も判らない。その夜はとにかく睡眠を取ることにした。
 
 翌日二月二十六日。
 午前中は如月鬼堂も原稿を書きながらテレビの報道に注目していた。
 長野の権堂に在る南七香の焼肉店に店長が出勤して南七香の途轍もない姿を発見した。
 直ぐに警察に通報して南七香は病院に運ばれた。発見されたとき南七香は意識を失っていた。
 館山弁護士らは病院に向った。
 既に土曜日。如月鬼堂はインターネットアダルト放送の日である。
 スタジオ入りして本多椿らと打ち合わせする。南七香の件には触れないと決めた。ロシアとウクライナの話題で行く事にする。
 
 権堂の周辺の聞き込みが行われて松本真里菜巡査部長と若井千奈美巡査長が聞き込みに来ていた事が判る。
 居酒屋やまにだけ地下店舗があることを突き止めてそこに向かったと推測された。
 居酒屋やまは施錠されて表はシャッターが下り裏も施錠されていた。
 経営者の携帯を調べても連絡は付かない。
 それでもまだ犯人、犯行現場と決まった訳ではない。
 一応礼状を取って踏み込む。
 踏み込んで先頭の刑事が階段の踊り場に差し掛かったとき床が落ちる。中井静雄がセンサーで開く仕掛けにしていったのである。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 先頭の刑事は網の中に落ちた。そこに電流が流れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の刑事が踊り場を飛び越えて階段から地下に降りる。懐中電灯でスイッチを探す。
 ブレーカーを落として電流を止める。
 網を外して刑事を救い出したが絶命していた。
 内部に誰もいないことは確認された。直ぐに鑑識が作業に掛かる。水槽の存在が判った時には若井千奈美巡査長の躰は殆んど解けていた。
 直ぐに中井静雄が指名手配されたが海外に飛び立った後である。
 南七香が意識を回復して女性警察官の聴取で松本真里菜巡査部長と若井千奈美巡査長が殺されて水槽で溶かされたことが判明する。
 その後館山弁護士が付き添って他の面会は謝絶した。マスコミの取材も館山弁護士が対応する。
 「犯人は南さんの長野店の斜め前の居酒屋やまのオーナーでした」
 「ああ。そうです。話の内容から飲食店のオーナーと思えました。逮捕されましたか」
 「いいえ。海外に逃亡しました。亡くなった二人の女性警察官が報告無しに捜査を行ったので警察の対応が遅れました」
 「犯人は刑事さんらのスマホを川に流しに行きました」
 「それが捜査範囲を絞らせなかったのですね。ところで愛好会は犯人の要求通り審査中の希望者を全員通しましたが犯人はどう反応しました」
 「それダミーです。目的は私が女でかつ社長だからです」
 「ええーー」
 館山弁護士の表情が変わる。
 「コロナ過を愛好会のショーで会社の運転資金を繋いだ。その動画が愛好会の内部だけに配給されて外に出ないのが許せなかったと言うのです」
 「そんなことで犯罪を」
 館山弁護士はやれやれという表情である。
 「ほんとに酷い」
 南七香はまた嗚咽した。
 「しかし犯人は誰から動画を見せてもらったのかな。警察の捜査でもまだ判ってない」
 「あいつは私が店に出入りしているのに目をつけて調査したのよ」
 「これまでの犯人とはやや違うな」
 南七香の五つの店には館山弁護士が状況を確認した。誰も辞めたり何か言ったりしている者も居ない。そのまま長野店以外は営業されていた。
 
 インターネットアダルト放送の局は事件の解説を強く要求してくる。如月鬼堂は南七香の素性に触れないように解説した。
 「ウクライナはロシアの侵攻で戦火に塗れました。何とか成らなかったのでしょうか」
 高島波瑠が全裸でニュースを読む。
 ここからは本多椿が打ち合わせのペースで進める。
 「鬼堂先生。ロシアに対して西側とウクライナの大統領の対応をどの様に思われますか」
 「ロシアが独裁者の独断で暴挙に出たとしか言えません。全く不当な侵略です。心配なのはこれが第一次世界大戦のバルカンに成らないかと言う事です」
 如月鬼堂はそう前置きして語った。
 まず私がウクライナの大統領なら国体を捨てて国民の生命を護った。
 軍がロシア軍の盾に成って国民を他国に逃がすのが最善と思う。
 そして他の国は経済制裁などして核戦争の発火点にならないことだ。それよりも難民の対応に全力を尽くすべき。
 いつ世界戦争に成るか、また核を独裁者が追い詰められて使ってしまうかそこが心配である。
 
 二月二十七日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は東京駅九時の特急で帰宅した。
 朝食は電車内で済ませる。
 居間には館山弁護士他愛好会の面々が待っていた。
 「なんともふざけた奴に大被害を蒙ったな。警察はおめおめと海外逃亡させた。なんと言うざまだ」
 「酷い犯人です。動機に全く意味がないです」
 館山弁護士も怒っている。
 「会員を無条件に承認はダミーだったのだな」
 「そうです」
 「逃がしたのは専従班のチームワークエラーか」
 「そうです」
 「あの会員の中に連続拉致強姦事件の犯人が一人くらい居ないかと言った婦警がエラーの現況だったのだな」
 如月鬼堂は昨夜の放送と違って怒りを剥き出している。
 「その通りです。二人とも殉職には成りましたが。中宮警視正は更迭です」
 「模倣犯と雖も連鎖反応の元凶は連続拉致強姦事件の六人だな」
 「奴等は警察がこの犯人でさえ捕まえられなかったと嘲笑っていることでしょう」
 館山弁護士も呆れている。
 「この先も防衛手段を考えないとな」
 如月鬼堂は困り果てていた。
 「会員の誰が中井静雄に南七香の動画を見せたのかそれが気になります」
 館山弁護士はまだ拘っている。
 「今更分かっても仕方あるまい」
 如月鬼堂は南七香が戻ったのでもう良いとの意識である。
 
 三月十五日。
 和歌山。個人の所有するホテルである。
 一次閉館していたが別の目的に使うこととなった。
 コロナ以前はスーパーコンパニオンを提供する温泉ホテルとして華やかに営業していた。
 この度コロナの低迷と借金返済の大博打を打つ。
 如月鬼堂のSM愛好会の真似をして会員制で自分のホテルの大宴会場で愛好会を催す計画を立てた。
 宿泊で参加が条件である。
 オーナーの岡田弥一郎はホテル側の立場と一会員。
 別に会長を立てた。
 岡田弥一郎はホテルを全館貸し切りにして団体予約を入れるだけである。
 本人も会費を払って参加する。
 会長には青木学という者が成った。昔の公務員年金と家賃収入で生活していた。
 「俺は如月鬼堂よりもつと過激なのをやりたい」
 「そうでないと満足できないな。会員も集まらないよ」
 「医者を仲間に入れる必要がある」
 「一人生駒で知っている。旅館と組んで際どい仕事をしている」
 「それは都合が良い」
 「消耗品的なプレイに出てくれる女が難しい」
 「そっちはあてがある」
 岡田弥一郎はホテルの客にやくざの知り合いもいた。
 「寂れた温泉街の使い道としてはなかなかじゃないか」
 「そうだろ。いま金に困っている女はたくさんいる」
 「一人十万として三十人集めればできるか」
 「まだ足りない。治療費は必要だ」
 「それじゃ五十人か」
 「掛かっただけ分担だな。会費制だから」
 「集まった人数で行くか」
 「あのリストが手に入る。犯罪連中が拷問動画を配信したリストだ」
 「あれか。如月鬼堂にもバレるな」
 「何か問題あるか」
 「やってみよう」
 青木学も多少疑問は残ったが納得した。
 
 三月二十日。
 青子学と岡田弥一郎の計画に生贄の女として箱守駒江が紹介された。三十五歳だが綺麗な女で躰の線もなかなか良い。
 紹介したのは隅田会系大船一家の木村草太若頭補佐である。
 風俗などに斡旋する女ではない。
 木村草太若頭補佐が数回遊んだ女である。
 出会ったのは生駒の旅館。
 旅館と言ってもファミリーの予約などは取らない。食事なし宿泊料込み朝まで六万のコースであった。
 木村草太若頭補佐がいろいろ条件を付けて紹介されたのが箱守駒江である。
 その時三十四歳でも生駒で働くには若い。雑誌に顔出しはもとより有名な繁華街では働けない女である。
 箱守駒江はなんとしても稼がなければならなかった。
 木村草太若頭補佐は執拗に指名で来てくれるように頼まれる。それに乗じて追加で払うからSMをさせろと持ち掛けた。
 「此処じゃ駄目です」
 木村草太若頭補佐は携帯の番号を教える。
 「普通のプレイの他にちょっとかなり痛いが後遺症はない。クリップで乳首を二時間鋏みたい」
 「うん」
 「鋏まれている間もかなりに痛い。二時間経って取る時が強烈なのだ」
 「どうして」
 「鋏まれていた筋肉が戻る痛みは鋏まれている時の数倍なのだ」
 「ううん」
 それでも箱守駒江の関心はいくらくれるかであった。
 「暫くマッサージをする。それが激痛だ。三十分くらいで一応治まる。一週間くらい乳首の感覚はない」
 「それでいくらくれるの」
 「いくらなら良い」
 「うーん。二十万」
 箱守駒江は可愛く笑ってそう要求してみた。
 「いいよ。それじゃ二十万プラス車代五万だ」
 木村草太若頭補佐は少しだけ上乗せしてやる。
 「うん」
 箱守駒江は喜んだ。男の子が一人いた。学校や世間にバレる事はできない。内密に稼がなければならない。
 事務系の仕事の経験はなかった。スーパーのレジや飲食店では大した収入にならない。
 箱守駒江はそのプレイでプロのSM嬢に行うケースより数倍の悲痛な反応を愉しませてくれた。
 泣き喚き洩らして床をのたうち回る。涙が何度も目から流れ溢れた。白く肌理の細かい肌が紅く染まる。
 スレンダーで身長165のモデル体型から失禁尿が漏れる姿は木村草太若頭補佐を堪能させた。
 その日はぐちゃぐちゃに成った箱守駒江の中に最高に満足な気分で果てて終了する。
 湯に浸かっている間に二十五万をテーブルの上に出す。
 「またお願いできます」
 散々泣き喚いて修羅場を晒して帰る身支度を整えた箱守駒江から驚きの言葉であった。
 「いいのかい」
 「お願いします。どうしても今の内に稼いでおかないとならないのです」
 年齢的には限界。その言い分は十分に理解できた。
 二回目は一月後に局部鞭を要求した。
 日本のSMクラブではなかなかできない。
 箱守駒江は二つ返事で応じた。SMクラブの内情など全く知らない女である。
 箱守駒江が散々泣き喚いたプレイの最後に女の部分を自分で開いて叩かせる要求をする。これが約束であった。
 泣き濡れた表情を堪えながら床にお尻を降ろして股間を開く。女の部分を指で両側から広げる。
 ややグレーが強くなった縁の内側から薄橙の内部の粘膜が広がった。
 尿道の亀裂から膣口までが露である。
 木村草太若頭補佐はめったにできない悦び。こんな良い女にこれが人生で最後かもしれないとの思いを込めてピンクの粘膜を叩いた。
 箱守駒江は床を拳骨で叩いて暴れまくった。
 「あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーあーーーーーーーー」
 股間を押さえて床を転げ続ける。
 そして蹲ったまま号泣して失禁した。
 その日も木村草太若頭補佐は満足感に浸りながら箱守駒江の女の中で果てる。
 木村草太若頭補佐は岡田弥一郎の要求にこの女を紹介すると決めた。
 「纏めて一回で稼いでしまわないか」
 木村草太若頭補佐は箱守駒江にそう持ち掛けた。
 会員だけで他に話は漏れない。温泉ホテルの宴会場で行われる。躰の一部を損傷させられるが表面は直す。
 五百万を提示する。
 箱守駒江は覚悟を決めて受け入れた。
 
 同じ三月二十日。
 如月鬼堂はその朝も東京駅九時の特急で帰宅した。
 網代駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「杉下社長がお見え」
 「何かあったか」
 「パパのクラブと同じようなクラブを作った人がいるらしいの」
 「なに」
 如月鬼堂は瞬間動揺した。
 「このあと他の人達も来るよ」
 「そうか」
 「これまでの犯罪者が動画を流していたメール網に流して来たらしいの」
 「なに」
 如月鬼堂はさらに穏やかでない。
 「困るの」
 「何れ誰かがやるかもしれないと思っていたが」
 ここのところ連続拉致強姦事件の連中に関連したような事件がなくロシアとウクライナの報道が中心であった。
 愛好会のショー以外に集まることがなく平穏な日々が続いていたのである。
 如月鬼堂らは四月には雪の溶けた越後湯沢に戻る。
 引っ越しと言っても荷物はほとんど運ばない。パソコンのデータと一部の衣類くらいである。
 杉下一行は幹部に連絡して宇佐美に駆け付けた。
 「メールの内容は」
 如月鬼堂の言葉に杉下一行はタブレット端末にメールを開いて見せる。
 「一人十五万くらいの分担で他でできない秘密の宴会か」
 「究極のSMマニアの方へがタイトルです」
 「メールでこんなものを流して警察が入り込まないか」
 「趣味の集まりとして呼びかけていますから一応合法です」
 「和歌山県のホテルが会場か。ホテル代二食付き別途三万円。全員が宿泊だな。このホテルは利益になるか」
 「この一回きり真正M女の会が団体でホテルを借り切って宴会場の遊びというスタイルです」
 「他の者は何時に着く」
 「十三時くらいです」
 瀬里菜が答える。
 「食事は四人だけでつまみを手配しよう」
 握りの桶を二枚と刺身の舟盛りを四つ手配した。珠洲と瀬里菜がサラダバーの準備に掛かった。
 全員が集まったところで愛好会のメンバーには参加しないよう呼び掛ける。参加する場合は愛好会を抜けるよう通達することが決められた。
 
 岡田弥一郎と青木学もそれなりに警戒心は持っていた。
 会員一人一人その素性を確認している。逆に岡田弥一郎はホテルのオーナーで青木学は賃貸マンション数棟を経営するオーナーと表明していた。
 経済力の確認と信頼関係を作って行ったのである。
 
 三月二十七日。和歌山県の岬ビューホテル。
 広い百畳の大宴会場に三十六名。コロナの蔓延防止は解除されたが充分な感染対策距離を持って行われる。
 箱守駒江は控えの間で和服に着替えさせられた。
 分担金は既に集めてある。始める直前にパソコンの画面から箱守駒江の口座に振り込む。本人が入金を納得したところで開始である。
 舞台の様な演台上で行うが三面に大型スクリーンが設置されていた。
 抽選を行う。スタンドに立てられたルーレットを回す。頂点に矢印があってそこに止まった席が当たりである。
 総てのプレイをこの抽選で行う。
 当たった会員が演台に上る。
 最初は野球拳から行う。箱守駒江を全裸にするところからである。
 会員は負ければ次と交代する。勝てば箱守駒江の衣装を一枚脱がす。
 八人目が勝って箱守駒江の肌襦袢を脱がす。
 三十五歳にして衰えない乳房が丸出しになる。
 スクリーンにはその部分が拡大された。
 乳輪と乳首は女盛りの真っ赤である。皮膚は肌理が細かくその白さが生唾を誘う。
 既に箱守駒江の表情は真っ赤になり俯いてしまった。それでも手で隠さず貰った金に応えて堪えている。
 次のじゃんけんは頭が真っ白なのか後出しで負けてしまった。
 最後の湯文字の紐を解いて広げると美しい太腿と形の良い股間が露になる。
 小股の切れ上がったという言葉にぴったりの股間部分である。
 「駒江さんに全裸になってもらいました。それでは皆さんにお〇〇こを御開帳して見せてください」
 青木学が司会である。
 箱守駒江は紅潮した表情ながら演台にお尻を着いて股を開く。震える手で女の部分のびらびらを左右に引っ張って広げる。
 満場の拍手が沸く。
 昔のストリッパーなら納得する拍手である。だが箱守駒江は心が空中に浮き上がるくらいの恥ずかしさでぶるぶる震えていた。
 一番恥ずかしい部分がスクリーンいっぱいに拡大されているのである。
 岡田弥一郎が拷問椅子を演台に載せる。
 箱守駒江はそれに乗る様に促された。
 腕を椅子の背の裏に回して手錠を掛ける。
 脚首と膝で脚乗せ台に縛り付けてそのままハンドルを回して開帳台を大きく広げた。
 別のハンドルを回して背凭れを下げて股間部分を高くする。
 女の部分からアナルまで丸出しである。
 箱守駒江は顔を斜め後ろに逸らせて恥ずかしさに堪え続けた。
 岡田弥一郎がクスコを掲げる。
 青木学がルーレットを回す。
 当たった会員がクスコを受け取った。
 会員はワセリンを塗ってクスコを箱守駒江の膣に挿入する。その会員には嬉しい一瞬である。
 螺子を回して奥を広げる。スクリーンに真っ赤な子宮口が拡大された。
 「あはあーーーーーーー」
 箱守駒江は恥ずかしさの極致に高ぶった呻き声を漏らし続ける。
 顔は強く逸らせてスクリーンに映るのを逃れていた。青木学は別のカメラでその表情を映し出す。
 次に当たった会員がロングスプーンで膣の奥を掬い出す。
 「えーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は堪らない恥ずかしさに遂に声を漏らす。
 会員はロングスプーンに掬われた僅かな滑りを黒いプラスティック板に載せて拡大する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は悲鳴を上げてしまう。
 次は尿道カテーテルである。青木学がそれを翳す。
 「えーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーー」
 箱守駒江は恐怖に凍った表情になる。
 「これでお姉さんのおしっこを抜くのです」
 「えーーーーーーーーーーー」
 もはや恥ずかしいより恐怖である。
 当たった会員は熟練者を振舞う。態々医療用手袋を嵌めて滅菌袋から細い尿道カテーテルを取り出す。
 箱守駒江の女の部分を指で広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 恥ずかしさより恐ろしいものが侵入する悲鳴である。
 会員は尿道カテーテルの丸い方の先端を僅かに指先から出して箱守駒江の小さな尿道の亀裂に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 SM嬢からは聞けない新鮮な悲鳴である。それを美しさの衰えない三十女から聞ける。なかなかの感銘である。
 会員はカテーテルの中程を指で抓んでいた。青木学が尿瓶で受ける。会員はその中にカテーテルの反対側の先端を落とし込んで指を離す。
 尿瓶の中に箱守駒江のおしっこが流れ出る。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江には初めて受ける恐ろしい辱めである。
 それでも尿は箱守駒江の意志に関係なく流れ出て行く。
 今日一日堪えれば大丈夫と自分に言い聞かせながら恥ずかしさの極致に心は宙を浮いている。
 岡田弥一郎は次に浣腸の準備をしていた。
 女のプライド破壊の仕上げである。
 箱守駒江は浣腸器を見て諦めの表情になる。
 だが恥ずかしいだけでは済まない。岡田弥一郎は氷で冷やした水を浣腸器に吸い上げる。
 ルーレットに当たった会員はそれを悦びの表情で受け取る。
 この女の破局の排泄と苦しむ表情は是非見たい。
 浣腸器を箱守駒江の丸出しに成ったアナルに挿入した。
 冷たい液が直腸に侵入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 箱守駒江は遂に涙声で泣き悲鳴を上げてしまう。
 それでも会員の初老の男性は浣腸液を最後まで注入する。
 青木学がアナル栓を渡す。
 会員はそれをアナルにねじ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は遂に涙を溢す。痛みの極致の涙である。
 究極の痛みが腹を襲っている。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は堪えられない苦しみに藻掻き続ける。
 今の苦しみから逃れるには排泄しかない。宴会場に居る全員が色白でスタイルの良い女の排泄を待っている。
 箱守駒江の躰は究極に捩って藻掻く。
 「あーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 痛みに顔は引き攣る。
 「どうです。うんこしますか」
 「あはあーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。もうだめですーーーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は顔も声も引き攣らせて許しを請う。
 「うんこしますと一言いいましょう」
 岡田弥一郎が言えない一言を要求する。
 「あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 箱守駒江は顔を藻掻き揺すって悲鳴を漏らす。
 「うんこします。一言です」
 岡田弥一郎はまだ許さない。
 「ああーーーーーーーーーーーーーんああーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーー」
 箱守駒江から涙が溢れる。
 「一言」
 「ああーーーーーーーーあーーーーーーーー。う・・ん・・こ・・しますーーーーーーーー」
 苦しみ引き攣った箱守駒江の目から涙が無言の号泣のように流れ出る。
 浣腸を担当した会員がアナル栓を抜く。
 ズブーーーーーーーーーーー。
 茶色い水が飛び出し後から断続的に便が流れ出る。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江は腹の痛みにまだ藻掻き続けている。
 浣腸を担当した会員が腹を摩りながら便を流し出す。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 箱守駒江の苦しみはなかなか治まらない。
 臭いは充満しているが箱守駒江は予期していたのか食事に気を使ったらしく軽微である。
 移動式のシャワールームが運び込まれた。スーパーコンパニオンの宴会に使っていた物である。
 ガラス張りの箱で外から配管を三本繋ぐ。上水が二本で湯と水。一本は排水である。
 その中で箱守駒江にシャワーを浴びさせる。
 箱守駒江はぽろぽろ涙を溢しながら躰を洗う。
 「次は逝き声です」
 宴会場の真ん中に布団を敷く。
 押さえ役が四人。責め役が二人。抽選で選ばれる。
 箱守駒江は四人で腕と膝を押さえられ大股開きにされた。そして膣とアナルに開口器を装入される。
 此処でも杉下一行のポルノショップ製のアイテムが用意されていた。リモコンから伸びたアームの先に小さなローターの付いた物である。
 箱守駒江は膣とアナルの両方からの責めに全く耐えられない。
 責める担当は抽選で何人も交代する。
 箱守駒江は逝き顔を晒し続けた。
 亡き夫とのSEXの何倍も感じてしまっている。責める手が増えてクリトリスも責められた。
 箱守駒江は失禁の辱めも晒してしまう。
 膣には通常サイズのローターを三つ入れられたままクリトリスを剥いて責め続けられた。
 股間は強い震撼を続けて膣は痙攣が止まらない。
 失神を二度繰り返した。
 箱守駒江は夫の忘れ形見を立派に大学まで出さなくてはならない。その為の金を作っている。
 箱守駒江のスキルでは他に大きく稼げる手段はない。
 この先次の男を求める意志もない。そのくらい夫への気持ちは強かった。
 玩具にされるのは仕方がない。だが逝ってしまうのは無念である。自分の躰が官能に包まれてしまうのをどうする事もできない。
 全員が責めと押さえに加わり全員が箱守駒江の躰に触る。
 最後の責めが待っていた。
 「今日のメインイベントです。彼女に散々感じたクリトリスを諦めてもらいます」
 既に医者は救急車で待機していた。生駒の旅館で何人もの拷問の後始末をした医者である。
 箱守駒江はもう一度拷問椅子に固定される。
 小さな半田鏝が二本用意された。
 最後の抽選で二人が当たる。
 さらにクリトリスを剥く担当も抽選した。
 「いよいよあれだけ感じたクリトリスとお別れですよ」
 岡田弥一郎の詰りは箱守駒江の脳天に突き刺さる。
 「はいいーー」
 箱守駒江はお金のため無念を押し殺した返事を絞りだす。
 一人の会員が指でクリトリスを包んでいる包皮を剥く。
 二人の会員が片方ずつ太腿に片手を置いて片手で半田鏝を持つ。
 「行くよ」
 片方の会員が合図する。
 箱守駒江は目を瞑る。
 二人が同時にタイミングを合わせて細い半田鏝の先端を剥かれたクリトリスのピンクの玉に押付ける。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 箱守駒江の無念の掠れた悲鳴が一条轟く。
 待機していた医師が直ぐにパットを当てて局部麻酔を打つ。
 そのまま自分の病院専用の救急車で運び出す。
 
 三月二十八日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 会員の一人の知人が昨日の箱守駒江のSMショーに参加していた。その内容が報告された。
 警察の介入もなくこの先は口コミで拡大して行くとのことであった。
 
 辛いショーで金を稼いだ箱守駒江であるが良い話も来る。
 温泉旅館の女将の話が舞い込んだ。
 川口の会長と葬儀会社の社長が横山深雪を支援するために出す温泉旅館の件である。
 直接ではない。岡田弥一郎らの会の会員からである。ここにも何か危険な機運が渦巻いていた。
 
 
 最期のSM小説家 第三十二幕 続犯罪連鎖 完 





 最期のSM小説家 第三十三幕 対抗してきたSM愛好会


 二〇二十二年清明上元。太陰太陽暦三月三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年四月三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の幹部五人の他に樽常マネージャー、如月鬼堂担当編集の小川綾香が来ていた。
 如月鬼堂らはやや早いが宇佐美から越後湯沢に戻っていた。
 「その会がいま直ぐに問題なさそうでも何か起こされるとこっちに多大な影響をします」
 館山弁護士は青木学と岡田弥一郎の会を強く警戒している。
 「身体の一部を傷つけるのは問題があります」
 杉下一行も危険性を強く感じている。
 「これ以上メールリストで会員を集めることはしないようだが」
 「それだけでは安全かどうか」
 「そう言って打つ手はないです」
 大河内税理士も困っている。
 「まだ問題があります。岡田弥一郎のホテルの隣駅で二軒残っている旅館が在ります」
 館山弁護士の調査は横山深雪らの生駒での秘密の稼ぎに辿り着いていた。
 「生駒の旅館の客に大庭信一郎が居るらしいのです。その関連で此処の復興に動いているグループがあります」
 「その再開発グループに問題が有るのか」
 如月鬼堂は館山弁護士の説明に警戒の表情を強くする。
 「問題はその一軒の女将にこの間のショーに使われた女が抜擢されました」
 「先生。大庭信一郎の関連がその会に居てその温泉街の復興に手を出しているのですか」
 如月鬼堂はその核心の危険性を悟る。
 「その可能性が濃厚です」
 「又聞きの内容を詳しく確認したら身体の一部を傷害したようだが」
 「それが問題です」
 「旅館で闇とは違うな」
 如月鬼堂らは悩むが対策は無い。
 
 四月五日。
 連続拉致強姦事件六人のアジトである。
 本日は川口の会長と葬儀会社の社長の二人だけであった。生駒に出かける準備をしていた。
 コロナ過で行き詰まった女将の一人から最後のお願いを生駒の女将が伝えてきたのである。
 二人は五千万ずつ闇ルートで生駒に近い受け取り場所で受け取る資金移動の準備をしていた。
 この二人は普通に銀行から五千万を降ろす事はできる。だが税金を払った金は使わない。
 川口の会長は武器を闇製造した金。それをこれまでの犯罪者ややくざに売った利益である。
 葬儀会社の社長は廃棄物処理業と組んで殺害遺体の乾式メタン醗酵処理を行った利益である。
 川口の会長は闇の犯罪相談サイトで新たな相談を受けた。
 特急列車の運転車掌を拉致してSMビデオにしたいと言う要望である。
 清楚に見えて奥に色香があって目を引いてしまった。地味な美人。その奥にエロさを秘める。それを剥いて社会に晒したい。
 そんな要望であった。
 その女に惚れたのではない。欲情しただけである。
 川口の会長は死ぬ覚悟は有るかと確認した。
 男は捕まらない方法を指導して欲しいと要求する。
 川口の会長は死ぬ覚悟が無ければ捕まると突っ撥ねた。
 男はまだ三十代である。津田泰蔵という。その男は協力して貰えなければ自分でやるしかないと考えた。
 これが異常な事件と成ってしまったのである。
 川口の会長らは生駒に向って出発した。
 東京で新幹線を乗り換え京都で近鉄に乗り換える。近鉄特急で大和八木に着く。此処で闇金から金を引き出してから生駒に向う。
 二人は闇金で受け取った金をランダムに選んでルーペで入念に検査する。紙質を一番に確認した。
 「銀行から出した物で問題は有りません」
 闇金と雖も資金洗浄組織の組織員である。
 「受取人は銀行に入金する。万一の事があれば組織も我々も崩壊だ。念の為に確認している」
 川口の会長も信頼している。それでも万一の紛れ込みを警戒する。
 若宮寿々は和服姿で待っていた。
 伸るか反るか高額に貰って銀行融資を合わせて旅館を改造したい。一億円を自己資金で用意できる条件で銀行融資が通る。
 客室の内装を直して露天風呂を作り変えたい。
 今日で女の悦びを終わらせる。それでも旅館の経営を建て直したい。
 川口の会長が女将に二十万を渡す。
 丁寧に案内されて若宮寿々の待つ客室に入る。
 「二人で一億円だ」
 アタッシュケースに百万の束を十束重ねて五列二段に詰めている。
 「ありがとうございます」
 料理もビールも運ばれているがそっちは後回しである。
 若宮寿々は直ぐに立って帯を解く。
 腰巻を解いて全裸に成って二人の前に座る。何をされても文句を言えないだけの金を要求したのである。
 川口の会長と葬儀会社の社長は若宮寿々の色白でスタイルの綺麗な躰を貪った挙句女の悦びを終わらせる。
 二人とも興奮度が高まっていた。
 まずは前回同様徹底的に女の感度を引き出すことである。
 布団を敷いて寝かせる。脚をV字開脚にして手首と縛り合わせた。
 クスコで女の部分を広げる。
 カテーテル型のカメラをクスコの口に接続してパソコンに繋ぐ。
 パソコンを若宮寿々の顔の横に移動する。
 「よく見ておきなさい」
 葬儀会社の社長が若宮寿々の顔をパソコンに向ける。
 女の内部がカメラの光に当たって鮮明に画面に拡大されていた。恥ずかしいが見ないわけには行かない。
 「あーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は高ぶった息遣いを漏らす。
 葬儀会社の社長はリモコンから延びたアームの先端にL字に付いた小豆の粒サイズのローターを膣内部に差し込む。
 川口の会長は指でクリトリスを剥いてピンクの膨らみに小型のローターを当てる。
 葬儀会社の社長は若宮寿々の膣天井部にローターを当てて蚯蚓千条の奥をピンポイントに責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は初手の責めに既に声を上げてしまう。
 三十でも未婚で普段からSEXに遠ざかっている。男日照りと言われても日常は旅館の建て直し以外何もできない。
 若宮寿々は旅館の風呂で入念に躰を洗って便も両方抜いて躰の状態を整えて待っていた。
 それでも僅かな責めに濡れてしまっている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ポイントを充分に突いた責めである。
 既に膣液が流れ出ていた。
 若宮寿々に抵抗する意志はない。責められるがまま女の性を晒して満足してもらう心算である。
 どんな事をしても一億は稼げない。この二人に頼るしかない。横山深雪から聞いた通り温泉街の復興にも協力して貰った。
 若宮寿々は二人の責めに簡単に潮を噴き上げてしまった。
 「あはあーー。はあーー。はあ。はあ。はあ」
 若宮寿々の躰は股間部分を中心に腰が強く震撼している。
 ここで一度湯に浸からせた。他に客は居ないので全裸のまま浴場に先に行かせる。
 川口の会長と葬儀会社の社長も服を脱いで浴場に向う。
 「一軒温泉宿が増えただろう」
 「はい。とても綺麗な女将さんで」
 「我々の知り合いが休館になったホテルを買い取った。女将は雇われ女将だ。箱守駒江は俺の知り合いが紹介した」
 葬儀会社の社長がそう説明する。
 「健康センターができる。その他はこぢんまりした旅館だ。女将は美人の方が良い」
 川口の会長も復興の見込みを持っている。
 「どの旅館も見晴らしが良い。露天風呂と内湯を豪華にしたら徐々に客は来るよ」
 葬儀会社の社長も希望は持てると励ます。
 湯から出て二人で若宮寿々の躰を拭く。
 そのまま座敷に戻って布団に寝かせる。前回やり忘れた剃毛だが今日は抜いてしまう目論見である。
 生涯パイパン美人女将に成ってもらう。
 湯上りで柔らかくなったドテに強い粘着テープを貼る。
 上から手で擦って入念に陰毛を貼り付けた。
 それを川口の会長が腰を押えて葬儀会社の社長が一気に引っぺがす。
 「うわあーーーーーーーーーーーーーーー」
 毛が一気に抜ける。若宮寿々は堪らず悲鳴を上げる。
 まだ陰毛はまばらに残っている。
 葬儀会社の社長がもう一度粘着テープを貼って入念に擦る。
 今度は葬儀会社の社長が若宮寿々の腰を押える。
 川口の会長が一気に引っぺがす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜けるのは強烈に痛そうである。若宮寿々の目から涙が溢れている。
 僅かに残った分は毛抜きで一本ずつ若宮寿々の悲鳴を愉しみながら抜いた。
 川口の会長は若宮寿々を布団に寝かせたままでまたV字開脚にして脚首と手首を縛り合わせる。
 もう一度クスコで膣を拡げる。その奥にマスタードを塗りこむ。それでクスコは抜いてしまう。
 そのまま放置してビールを注いで二人で乾杯する。
 仕出し屋から運ばれた料理をつまみに飲みながら若宮寿々の膣が痒くなるのを待つ。
 「岬ビューホテルで過激な宴会が始まったらしい」
 「ホテルのオーナーが主催者か」
 「いいや。ホテルのオーナーは岡田弥一郎、主催者は青木学ぶという」
 「スーパーコンパニオンで派手にやっていたホテルだろ」
 「そうだよ。休館していたのが月一営業するらしい」
 「如月鬼堂の真似をしてか」
 「そうらしい」
 「危ないな」
 「俺の知り合いも入っている」
 葬儀会社の社長はやや心配している。
 「如月鬼堂のように弁護士が付いて法律に触れない範囲でやっていれば良いがそいつらは危険だな」
 川口の会長は所詮他人事である。
 「ホテルの宴会場の範囲だからあまり警察は動かないと思うが」
 「メール投げたじゃないか」
 「止めさせた。今後は口コミで紹介者だけにするとの事だ」
 「ふーん」
 川口の会長は半分疑問視である。
 「ああ。・・ああ。・・ああ。・・ああ。・・ああ」
 若宮寿々は痒みに藻掻き始めた。
 「女将さん痒くなってきたね。痒いのは痛いより辛いよ」
 「ああーーーーーーーー。痒いです。ああーーー。ああ」
 「それではこれで掻き回しましょう」
 川口の会長がドリルバイブを翳す。
 「ああーーーー」
 若宮寿々はこれで前の時失神した。でも痒みにはこれを受け入れるしかない。一瞬怯むがもとより失神は覚悟して来ている。
 「こいつは回転と振動するやつです」
 既にローションは必要ない。痒みに膣液が流れ出ている。
 川口の会長はそれを若宮寿々の膣に押し込む。簡単に入ってしまう。
 スイッチを入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々の表情は一気に軋む。痒みに若宮寿々の膣はドリルバイブの回る擬似男根を膣圧で咥えてしまう。
 一気に官能は襲ってくる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は甲高い逝き声を上げ続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 短い時間に若宮寿々の逝き声は架橋に成る。膣口からは液が飛び散る。股間は強く震撼する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々から一条強烈な逝き声が轟く。
 次の瞬間迫上がっていた躰が沈んで首が布団に倒れた。白目を剥いている。
 あとはドリルバイブが音を立てて回っているだけである。
 「簡単に逝ったな。かなり深かったな」
 「うん」
 葬儀会社の社長も納得する。
 川口の会長はもう一度クスコを挿入する。ボウルで受けて水を流して中を洗う。今度は山芋の擂り汁を流し込む。
 葬儀会社の社長はクリトリスを剥いてマスタードを塗りつける。スポイトで尿道の亀裂にもマスタードを流し込む。
 またビールを飲みながら痒くなるのを待つ。
 「ロシアとウクライナは解決なしだな」
 「ないな。あいつ等が命を賭けて国を護るのが理解できない。国体如きに命を賭ける価値は無い」
 「そうだな。ロシアは逆らえない国だから仕方ないがウクライナの国民は自由を主張するなら国を捨てて他に行くべきだ」
 「そうだな。国体を捨てたら死者は出ない」
 「如月鬼堂もそんな事を深夜のインターネットテレビで言っていたな」
 「まあ。あれは御意だ」
 「はっはっはっはっは」
 これが戦後日本人の本音かもしれない。
 「あはあーーー。ああーーーーー。ああーーーーーー。ああーーー」
 若宮寿々は意識を戻して更なる痒みに藻掻き続ける。
 「さあ。女将さん。もう一度気持ち良く成りましょう」
 今度は葬儀会社の社長がドリルバイブを翳す。先程のより一.五倍くらい太く長い。
 若宮寿々は慄くが痒みの方が辛い。
 「あのーーーーー。尿道も痒いのです」
 若宮寿々は痒みの断末魔で言えない言葉を吐いてしまう。
 「ご心配なく。尿道もクリトリスもマッサージしてあげますよ」
 川口の会長は尿道用の極細のバイブレーターを見せる。クリトリスには小型の電マを使う。
 まず葬儀会社の社長が極太のドリルバイブに酢を散布して挿入する。強烈な痒みを中和する為である。
 続いて川口の会長がクリトリスをローターで直に刺激する。さらに尿道にカテーテルサイズのバイブを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々の表情は一気に逝き顔に崩れる。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は僅かな時間で失神してしまう。
 葬儀会社の社長は若宮寿々の膣に大型開口器を入れて内部を酢で洗う。
 川口の会長はクリトリスを水で洗って拭き取る。
 若宮寿々は直ぐに意識を回復する。
 「ああーーー。痒い」
 「尿道が痒いですね。もう少しマッサージしてあげましょう。でもその前に女将さんの尿で少し洗いましょう」
 川口の会長は尿瓶を若宮寿々の股間に当てる。
 「ああ」
 若宮寿々は堪らない屈辱だが仕方がない。金を貰っていると言い聞かせる。それも一億である。
 この先いま感じていた機能を全部潰される。総て覚悟で一億円をお願いしたのである。
 若宮寿々は全神経を尿道に集中させて排泄を流す。
 恥ずかしさに顔は紅潮している。
 川口の会長は放尿が終わったあとガーゼで尿道付近を拭く。
 「ああーーーはあーーーーあーーーーー」
 若宮寿々は恥ずかしさに高ぶった息遣いを漏らす。
 葬儀会社の社長が若宮寿々の膣に通常サイズのローターを三個挿入する。
 「あ、ああ、ああはあーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブとは違った刺激である。
 川口の会長は尿道にカテーテルサイズのバイブを挿入する。
 「あはあーーーーーーーはあーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーー」
 若宮寿々の顔はまた強く紅潮している。
 「あーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーああーーはーーあはあーーーーはあーーーはあーーーあはあーーーーーはあーーーーーー」
 若宮寿々の躰は強烈に藻掻き痙攣を続ける。
 川口の会長が尿道バイブを抜くと本物の潮を噴き上げる。三メートル近く飛んだ。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々は官能に包まれている。
 葬儀会社の社長はローターを膣から抜いて放置した。
 若宮寿々の股間は強い痙攣を続けている。
 既に医者が到着していた。
 まずはクリトリスを焼く。
 若宮寿々は覚悟を決めて静かに身構えている。
 川口の会長がクリトリスを包んでいる包皮を剥く。
 葬儀会社の社長が小さな半田鏝でピンクの膨らみを焼く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若宮寿々の断末魔の悲鳴が轟く。
 直ぐに医者が局部麻酔を打つ。膣の中を焼く前にこっちも何本か局部麻酔を注射する。
 完全に焼くために痛みを感じさせない配慮をしている。苦しむのは今ではなく若宮寿々の生涯である。
 クスコの角度を変えながら二人でじっくり膣内部を焼く。
 若宮寿々はぽろぽろ涙を溢す。
 「これで全部ですか」
 それでも若宮寿々は気丈に確認する。
 「そうだ。まだお尻と尿道は残る」
 「それも」
 「それは焼きようが無いよ。子宮も無事だ」
 川口の会長はここまでと言う対応である。
 総て終わって若宮寿々は衣服を着けて座り直す。
 「ありがとうございました」
 畳に頭を着いて挨拶する。
 既に金は医者の車に積まれていた。これまでに医者の病院で無くなった事は無い。
 「高額に頂いた上ですが一言だけ許してください。とても残酷です」
 若宮寿々は顔を覆って泣いてしまう。そのまま医者に連れられて立ち去る。
 この言葉と涙は川口の会長と葬儀会社の社長を心の底から満足させた。
 
 四月八日。
 津田泰蔵が狙っていたのは外房線に乗っていた車掌である。
 調べて中村真知子と判った。
 中村真知子が最終の安房鴨川行きに乗務する日を狙う。
 津田泰蔵は最後部の指定席車両に乗る。車掌の中村真知子は直ぐ後ろの乗務員室に居る。
 わかしおは勝浦まで特急運転して勝浦から本数の都合で普通電車となる。
 専務車掌は途中で降りてしまうが運転車掌は終点まで乗務する。
 その日は安房鴨川で泊まりである。そして翌朝の始発に乗務する。
 津田泰蔵はそこまで一回乗って確認していた。
 一人で弁当を買って宿舎に入るところを狙う。
 盗難車のナンバーを変えて用意していた。ナンバーは路上に乗り捨てられていた車から取り外して何年か持っていた物である。
 クロロフォルムを嗅がせて車に乗せて用意していた空き家まで運ぶ。
 町並みを抜けて山間部の農家に運び込む。
 無人になっていることは確認済みである。
 津田泰蔵は撮影の準備も事前に整えていた。
 農家の持ち主が戻って来たら終わりだが一年くらい人が入った形跡は無い。
 電気もガスも止まっている。水は井戸だから問題ない。
 予めバッテリーとガソリン発電機を運んでおいた。
 電灯は点かないのでペンライトと蝋燭を使う。
 その明りで工事用の水銀灯を接続する。
 津田泰蔵は中村真知子を板の間に降ろす。
 まずは麻酔の利き具合を確認して待望の全裸にしてしまう。
 ブラを外して乳房を丸出しにする。津田泰蔵の興奮度は百二十パーセントである。
 ショーツを脱がす。一日の染みが付いている。それをアップで撮影する。
 中村真知子の車内放送を聞いているとはきはきと聞き取りやすい。でも見掛けは弱々しい。
 全裸にしてやはり躰の線は弱々しい。
 津田泰蔵はこれまでの拉致犯罪と同じ様にドリルで板の間に穴を開けて準備していた。
 中村真知子の躰を床に大股開きにしてU字金具を当ててボルトで固定する。
 脚首、膝、真横に広げた腕と手首を固定した。腹は皮のベルトで固定してそれを木螺子で止めている。
 津田泰蔵は中村真知子を眠らせたまま躰の隅々を動画に収める。女の部分を開いてさらにクスコで膣の奥まで入念に撮影した。
 津田泰蔵は眠らせたまま中村真知子に挿入する。
 興奮度が高くて直ぐに果ててしまう。それでも一物は怒張したままである。
 さらに激しく挿入を続ける。
 眠っている間に唇も貪る。
 二回目の津田泰蔵の動きは激しくなる。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を戻した中村真知子は強姦されている状況に悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間床に拘束されていると判る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 津田泰蔵の興奮度はさらに上がる。
 二回目を中村真知子の女の奥に放出した。
 「いやだーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は泣き叫ぶ。
 津田泰蔵はマスクを被って眼と口だけを出している。黒いシャツ、黒いズボンで緊縛師スタイルを真似ていた。
 中村真知子は次にカメラの存在に気付く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。とらないでーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は恐ろしい事態に直面してさらに泣き喚く。
 「お前のこの姿を明日には公開してやる」
 津田泰蔵は容赦なく宣告する。
 「やめてよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子の顔は泣き濡れていた。
 津田泰蔵は録画を見せる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は自分の性器の奥を広げられた録画に狂った様に喚き散らす。
 「人気AV女優にしてやるよ。動画が公開されたらお前にはそれしか生きる道はない」
 「やめてーーーーーーーーーー。いきてられないよーーーーーーーーー」
 「死んでも動画は残る。思いっきり稼いで良い生活した方が良いぞ」
 「何で私がそんな目に遭うのーーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「もう遅い」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は躰を揺すって暴れる。だが躰は確り床に固定されている。
 津田泰蔵に残酷な欲望がむらむら込上げる。
 「おしっこを漏らして貰うかな」
 津田泰蔵は覆面の奥で哂う。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は叫んでも既に尿意が迫りつつある。
 「待っていればいずれ排泄は堪えられなくなる。自然におしっこの穴から出てくれるところを公開したいな」
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は追い詰められてどうにもできない。これまでも何人かが悲惨な動画を流されたのをニュース番組で聞いていた。
 
 四月九日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 本日は本多椿以下全員スーツ姿でニュースを読む。
 ロシアのウクライナ侵攻は泥沼状況を呈していた。虐殺が明るみに出てアメリカはロシアの息の根を止めんばかりの経済制裁に出る。
 「第二次世界大戦でドイツのグーデリアン作戦集団はフォンボック元帥指揮下のドイツ中央軍団の先鋒でスモレンスクに迫っていました」
 如月鬼堂がしゃべり出す。
 「当時の戦法で電撃戦と呼ばれていたのですね」
 「ドイツのグーデリアン作戦集団が白Gのマークを付けて進撃します。何故かロシア軍のZがそれのように見えます。戦法も変わってないように思えます」
 如月鬼堂は続けて次のように発言した。
 ロシア軍はウクライナに負けて攻め込まれることは無いでしょう。でも勝てることも多分無いでしょう。
 一方的停戦で終わってやがて経済制裁もいつまでも続きません。アメリカだけが制裁を続けることになります。
 「どんな危険が有るのでしょう」
 本多椿の問題提起に如月鬼堂は以下のように発言した。
 この戦争には二つの危険が内在している。
 一つはプーチンがこれまでのナポレオン、ヒトラーと同レベルの独裁者であること。
 ボナパルティズムに於ける選挙とは独裁者である階段を上り詰めて行く手段に過ぎない。ナポレオンのやり方である。
 ヒトラーもプーチンも同じ様に独裁権力を得た。だがプーチンはこれまで以上の兵器を持った独裁者である。
 一つは国連の国の数では東側より西側が多いです。しかし世界三大強国の内の二大強国が確り手を結んで領土拡大を狙う。
 経済制裁で今はロシアが押されていてもいつか逆転する危険性を内在しているのではないかと懸念する。
 「戦争は避けられなかったのでしょうか」
 「二つの分岐点があると思います」
 そう言って如月鬼堂は次の様に続けた。
 一つはワルシャワ条約機構が崩壊した時NATOも解散すべきでした。軍事同盟が片方だけ残ったのが今日の要員の一つです。
 一つはゼレンスキーも悪いと思います。プーチンが世界的には完全に戦争犯罪者です。でもゼレンスキーは国体を捨てて国民の生命を護るべきでした。
 国民が血に塗れる結果は分かっていた事です。
 如月鬼堂はインターネットアダルト放送ならこの程度反発は来ないと思える範囲で一般世論とは違う見解を延べた。
 
 四月十日。
 如月鬼堂は東京を十時十六分の上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰宅中であった。
 車内で杉下一行からのメールを受け取る。
 内容は中村真知子の動画配信であった。
 既に報道番組が事件を伝えている。
 九日の朝から行方不明であった中村真知子がバスタオルに包まれて安房鴨川市の人気の無い小さな沼の近くで発見された。
 病院に運ばれて命に別状は無い。
 動画の公開はその直後であった。
 如月鬼堂が越後湯沢に着くと駅には珠洲と一緒に一本前の新幹線で着いた杉下一行が待っていた。
 「またあの連中が後ろ盾か」
 「そこは何とも」
 杉下一行は内容がずさんと見ていた。
 「模倣犯か」
 「その可能性も」
 そのまま二人は動画の確認に掛かった。
 
 事件が発覚して中西真知子の姉の中村悠里巡査長は怒り激情する。姉は交通警ら課の白バイ警官であった。
 中村真知子とは母親が違う。どっちの母親も今は居ない。三人目の妻と結婚して父も亡くなった。
 姉の中村悠里巡査長が親代わりで大切にしてきた妹である。
 中村悠里巡査長は休暇を取る。妹が行方不明に成ったのが安房鴨川なのでその付近の防犯カメラを徹底して調べた。
 怪しい車一台を発見したがナンバーは偽造と判る。
 現時点では事件は千葉県警の担当である。千葉県警も同じ進展となった。
 偽造ナンバーの車は安房鴨川駅の駐車場で発見された。そして盗難車と判明するに至る。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 動画の続きを四人で閲覧していた。
 中村真知子は床に大股開きで磔にされたままである。
 津田泰蔵は中村真知子の女の部分を広げる。びらびらをクリップで鋏んで糸で繋いだ錘を太腿の後ろに落として女の部分を広げたままにする。
 クリトリスを剥いてその下に針を通す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーもうなにするのーーーーーーーーーー」
 中村真知子の悲鳴を無視してその針にスタンガンの端子に繋いだクリップを付ける。
 スタンガンのスイッチを入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子の躰はぶるぶる震える。
 「ああ・・・・・・ああ・・・・・・ああ・・・・・・ああ」
 津田泰蔵は中村真知子の尿道の亀裂を凝視してカメラをアップに失禁を待っている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道の小さな亀裂がやや膨らんで潮が流れ出す。
 中村真知子には堪えられない羞恥である。
 津田泰蔵は満足して次の準備をする。
 「鬼堂先生。奴は生で強姦しています」
 「そうだな。DNAは残る。犯人を特定されたら確証になる」
 「中村真知子の躰に残ったDNAから犯人を絞れないのですか」
 「日本では無理だな。アメリカでは前例が有るが」
 津田泰蔵は中村真知子に浣腸を行う。水浣腸である。
 中村真知子は羞恥の坩堝の中で乗客の中から何となく犯人らしき人物に思い当たった。
 何度か津田泰蔵はわかしお号の最後部車両に乗車していた。自分を時々見ているのを思い出した。体形的に似ている。
 津田泰蔵は中村真知子の直腸に冷たい水を注入して内部を洗った。
 「うう、うぐううーーーーーーーーーーーーー。ううっぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は苦しみながら茶色い水と細かい便を断続的に排泄し続ける。苦しむ姿が画面に焼きついた。
 津田泰蔵は中村真知子の直腸を三回洗って用意していた大型の開口器を持ち出す。
 まずは膣を強烈に広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 昔ストリップ劇場であひるショーというのがあった。
 白黒ショーの男性かレスビアンのタチの女性がネコの踊り子の膣を広げる。それは子供を産むくらいに広がり薄橙の内部が公開された。
 子供を生んでない中村真知子にはとても堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は喚き続けた。
 津田泰蔵は広げた膣の中に小型の電マを突っ込む。
 それで膣天井部を責める。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は堪らず叫ぶ。
 津田泰蔵に指で潮を噴かせるテクニックは無い。だから強引に電マで潮を噴かせる。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は激しく潮を撒き散らす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子の表情は崩れきって涙を溢れさせている。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間が潮に塗れたまま泣き叫び続ける。
 それでも津田泰蔵は責める手を休めない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は狂ったように頭を左右に振って藻掻き続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村真知子は遂に白目を剥いてしまう。
 その後も津田泰蔵は失神した中村真知子の躰にあくどい悪戯を続けた。
 「しかし責め方は出鱈目だな」
 「そうです。何も判ってない者がこれまでの動画を見て欲望の儘に責めただけです」
 「特に目的とか歪みながらの社会への怒りとかもない。ただの欲情した女を計画的に襲っただけだ」
 「そうですね」
 「これでは連続拉致強姦事件の連中の後ろ盾もないな」
 「そうですね」
 「困った奴だ。このまま死ねば良いのだ」
 如月鬼堂は言葉を吐き捨てた。
 「まったくです。合法の範囲で金を出してSMクラブで遊んでもらいたいものです」
 杉下一行も風俗業を窮地に追いやる事件に怒り心頭である。
 
 中村真知子は自信が無かったので姉の中村悠里巡査長にだけ犯人と思しき男の事を話した。
 中村悠里巡査長は所内の刑事の協力を得て駅の防犯カメラを徹底して当たった。そして津田泰蔵に辿り着いた。
 津田泰蔵の住所は平塚と判明して中村悠里巡査長は一人で乗り込む。
 自宅は留守であった。
 張り込むが戻ってくる気配は無い。
 職業関連の情報は得られてなかった。
 辺りを暫くバイクで巡回する。
 この時中村悠里巡査長の後をつける集団があった。暴走族である。以前に中村悠里巡査長が逮捕した集団であった。
 中村悠里巡査長はコンビニの駐車場で津田泰蔵を見つけた。バイクを止めて近付く。
 「津田泰蔵さんですね」
 「なんです」
 「私。外房線の車掌中村真知子の姉です」
 一瞬。津田泰蔵の表情が変わった。
 「妹を拉致したでしょう」
 「言いがかりですよ」
 「昨日一日何処に居ました」
 「安房鴨川だよ」
 「外房線に乗っていたのは間違いないわね」
 中村悠里巡査長は警察手帳を出す。
 「外房線に乗っていたら何なのですか。何度も乗っていますよ」
 「妹の動きを監視して」
 「言いがかりだ」
 「それでは昼間は何をしていました」
 「観光だよ。答える必要はない。逮捕状持って来い」
 「直ぐ逮捕状は取れます」
 そこに暴走族の四人が近付く。
 「お兄さん。言いがかり付けられているなら引き受けますよ。この婦警さんには恨みがたっぷり有って」
 「何あんた達」
 「忘れましたか」
 「ああーーーーーー。お前らは珍走族」
 一人が後ろから押える。
 津田泰蔵が素早くクロロフォルムを取り出す。
 四人が押えて津田泰蔵がガーゼで口を押えた。
 そのまま暴走族の車に積んで出発する。
 津田泰蔵はもう一台の車に招かれて便乗する。
 「お兄さん。あの動画拡散した人」
 「そうだよ」
 「尊敬しますよ」
 四人は中村悠里巡査長を使われてない工場に運び込んだ。
 津田泰蔵は工場内に寝かされていた鉄骨を見つける。
 ゴムの板を見つけてそれを鉄骨の前に運ばせた。其処に中村悠里巡査長を仰向けに寝かせる。
 鉄骨に無数のボルトを通す穴が切られていたのでそれを使って中村悠里巡査長の腕を広げてすずらんテープで縛りつけた。
 さらにV字開脚にして脚首と膝を縛って天井の軽天に縛り付けて脚を吊るす。
 「好きなように遊んで下さい」
 津田泰蔵は撮影に掛かる。
 暴走族の若者はじゃんけんで順番を決めて強姦に掛かった。
 中村悠里巡査長は一人目で意識を回復する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。はんざいだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「うるせーーーーーーーーーーーー」
 若い男は中村悠里巡査長をビンタする。
 「やめなさいーーーーーーーーーーーーーーーー。今度は懲役二十年だよ」
 「心配するな。あんたは生きて帰れない」
 次の順番の男が宣告する。
 「やめろーーーーーーーーーー。直ぐにつかまるぞーーーーーーー」
 「うるせーーーーーーーーーー。これは俺たちの復讐だ」
 一人めの男が中村悠里巡査長の中で果てる。
 津田泰蔵が浣腸器に入れた水でV字開脚の股間を洗う。
 「やっぱりお前が犯人だな」
 「・・・・・」
 津田泰蔵は何も答えない。
 二人目が中村悠里巡査長に挑む。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 津田泰蔵は鞭の代わりに成るような電線を持ってくる。プライヤーで適当な長さに切る。
 四人が強姦を終わるのを待つ。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。こらやめろーーーーーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は叫び続ける。
 「こいつで叩いてやって下さい」
 津田泰蔵は鞭代わりの電線を若者に渡す。
 そして津田泰蔵自身はさらに撮影に専念する。
 電線はVFFの1.25である。外はビニールだが中には金属の芯が通っている。痛みは鞭の比ではない。
 暴走族の男は嬉々として電線を二つ折りにして中村悠里巡査長の内腿に叩き付ける。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がって一気に蚯蚓腫れが浮く。
 次は乳房に叩き付ける。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長のやや大きめで弾力の強い乳房がへしゃげる。直ぐに蚯蚓腫れが浮いてそれが紅くなる。
 若い男は構わず叩く。
 「うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は強烈な悲鳴を上げる。
 「ま○こも叩いて」
 津田泰蔵はさらに残酷な責めを要求した。
 若い男は嬉々と狙いを定めで股間に濃い色に突き出した粘膜に電線の二つ折りの先端を叩き付ける。
 「ぐーーううーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長からさらに強烈な悲鳴が搾り出される。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。
 「もう一発」
 津田泰蔵はさらに要求する。
 若い男はさらに力を込めて狙いを定めて叩き付ける。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長の股間は痛みに震撼し続ける。
 よく見ると既に血が流れていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして悲鳴と共に中村悠里巡査長は失禁する。
 「おーーーーーーーーーーーーーー」
 若い四人は歓声を上げて悦ぶ。
 津田泰蔵は目的通りと撮影を続ける。
 「剃毛」
 そう言って剃刀を渡す。
 ホテルに置かれたアメニティのシエービングクリームを出すが中村悠里巡査長の満開の陰毛には足りない。
 一人は小刀で陰毛を斬り落とす。一人はT字剃刀で根元から剃る。
 残る二人は指で掴んで毟り取ってしまう。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長の悲鳴は何処までも続く。
 大方が抜かれて剃刀とナイフで剃った部分は傷だらけでドテからは血が流れ出ている。
 「こいつの乳首斬っちゃおうか」
 一人が興奮からさらに残酷な提案をする。
 「やっちゃえ」
 一人が嗾ける。
 「お兄さん良いですか」
 「良いよ。殺すんだろ」
 「へい」
 一人がナイフを乳輪に当てる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は悲痛に叫ぶ。
 「いけーーーーーーーー」
 一人が叫ぶ。
 ナイフを持った男が乳首を抓んで乳輪の根元を切り裂く。
 斬った男は返り血を浴びる。
 津田泰蔵は電源を探す。
 「車からバッテリー持ってきましょうか」
 「うん」
 津田泰蔵は頷く。
 「この辺り野犬が多いですから躰にバター塗って放置しておけば食い殺してくれますよ」
 「それで良いが殺しておかないとな」
 津田泰蔵は殺して野犬の餌という考えである。
 「その為に電気ですか」
 「そうだ。其処に半田鏝が有る」
 「それをどうするので」
 「お愉しみだ」
 津田泰蔵は笑みを浮かべている。
 中村悠里巡査長の乳房の出血はかなり酷い。津田泰蔵は止血パットなど持ち合わせてない。
 「婦警さん直ぐに楽にしてあげますよ」
 津田泰蔵は中村真知子に使った大型の開口器を取り出す。
 「やめろーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は開口器を見てさけぶ。
 津田泰蔵は半田鏝を温めている。それを押し込む金属の長い棒も工場の廃棄物から探して準備していた。
 「お兄さんその鉄の棒を熱くした方が効果的ですよ」
 乳首を斬った男である。
 暴走族の男らは工場の大型ストーブに着火する。
 津田泰蔵は大型開口器を手にする。
 「あ、ああ。やめろーーーーーーーーー」
 強引に挿入する。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目一杯広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 津田泰蔵は中村悠里巡査長の女の奥を動画に収める。
 「おのれーーーーーーーーー。うーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は堪らない羞恥に唸る。
 「婦警さん。死んでこの動画が残るよ」
 暴走族の一人が詰る。
 「時間の問題で全員逮捕だよ。間違いなく死刑だな」
 中村悠里巡査長はまだ気丈である。
 「あれが焼けて真っ赤に成るまでの命ですよ」
 「うぬーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長は最早どうにもできない。
 「先にクリ焼いちゃいましょうよ」
 「やめなさーーーーーい。私を殺したら死刑だよ。それだけじゃない。貴女たちの家族もこれから大変だよ」
 中村悠里巡査長は最後の足?きである。
 「そんなもの知らんよ。俺達には関係ない」
 一人が嘲る。
 「現時点でほぼ死刑か無期だ。やるところまでやるだけだ」
 津田泰三は中村悠里巡査長が自分に辿り着いた時点で逃れられないと悟っている。
 「お兄さんこの綺麗なおっぱい焼きましょう」
 津田泰三はその男に焼けた鉄の棒を渡す。
 「やめろーーーーーーーーーーー」
 その男は斬ってない方の乳房に真っ赤に焼けた鉄の棒を当てる。
 「ぐう、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 中村悠里巡査長はこの上もなく形相を破裂させて苦しみ藻掻く。
 次の男が受け取ってクリトリス部分に上から鉄の棒の真っ赤に焼けた部分を当てる。
 「ぐうわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを津田泰三が受け取る。
 中村悠里巡査長は苦しみ蒼白の表情である。
 津田泰三は大きく広げたクスコに突っ込む。そして掻き回す様に躰の奥に浸入させる。
 中村悠里巡査長の躰は揺れるがもう叫び声は出ない。
 絶命を確認してコンビニからバターを買ってきて全身に塗る。そのまま放置して野犬に期待することに成った。
 膣から突っ込まれた鉄の棒は刺さったままである。
 「此処で全員別れよう。俺と一緒でなければ逃れられる」
 津田泰三はばらばらに逃げるのが良いと提案する。
 「そうですね」
 暴走族は二台の車で二人ずつ逃げる。津田泰三はタクシーと電車を乗り継いだ。海外に逃亡しようと目論んでいる。
 沖縄まで移動して船に乗る予定であった。
 
 中村悠里巡査長の遺体が発見されたのはその翌日であった。既に野犬に食い荒らされていて顔の判別すらつかない。
 中村真知子の供述を得て千葉県警は津田泰三に行き着く。
 神奈川県警と合同捜査で四人の暴走族は逮捕された。
 その後津田泰三の行方は皆目判らない。
 何故かその後で中村悠里巡査長の動画が公開される。
 中村真知子は病院の浴室で入浴中に手首を切って死亡した。
 
 四月十四日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「馬鹿な奴だがあのまま警察に捕まっては欲しくない」
 「うん」
 川口の会長は闇組織に殺害を依頼した。遺体の処分は葬儀会社と廃棄物処理業が乾式メタン発酵で完全処分する。
 動画を公開したのは川口の会長である。
 「つまらん奴が逮捕されてべらべらしゃべったらこの先がやりにくくなる。今回も警察を無能呼ばわりする事が重要だ」
 何とも言えない川口の会長の目論見である。
 
 和歌山県。岬ビューホテル。
 岡田弥一郎は青木学にホテルの料理を振舞っていた。
 二人は二人目の生贄に悩んでいた。一人目の箱守駒江が良すぎたのである。
 木村草太若頭補佐にも次の当てがなかった。
 「女のレベルは維持して普通のハードショーで値段を下げるか」
 「それじゃ会員数の多い如月鬼堂に敵わない」
 「そうだな」
 「誰か陥れて稼がなければならない女を作るか」
 「それが良い。木村さんと相談するか」
 「そうだな。なんとかあの動画の南七香か中村真知子の様な女が来て欲しいものだな」
 「南七香の部下で店長の言葉には驚いたな」
 「あのインタビューか。感謝というより申し訳ないと思います。だったな」
 「しかし見上げたものだよ。会社を護り従業員を維持するため愛好会であそこまでして稼ぐとは」
 
 四月十七日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 報道番組はロシアとウクライナの問題が半分。次に中村真知子と中村悠里巡査長の事件がクローズアップされた状況であった。
 暴走族四人が逮捕されたが肝心の津田泰蔵の行方が分らない。そこがニュースの焦点となっている。
 如月鬼堂は十時に帰り着いた。今朝はいつもより早く東京を出ている。愛好会の面々が次の会合の生贄を審査に集まるからである。
 大河内税理士、福富麻次郎、杉下一行、館山弁護士及び樽常マネージャーが火の無い囲炉裏端を占拠していた。
 新規の候補は無い。従来のクラブの女性から選抜して熱海、長野、生駒の三会場で行うことで可決した。
 割烹店から出前の松花堂弁当が運ばれ昼食タイムと成る。
 「津田泰蔵は何処へ逃げたのかな」
 大河内税理士がテレビに目をやりながら呟く。
 「あの連中が闇組織に始末させたのではないでしょうか」
 館山弁護士が見解を述べる。
 「そうだな」
 如月鬼堂も同意見である。
 
 和歌山県。岬ビューホテル。
 岡田弥一郎は木村草太若頭補佐と青木学にホテルの料理と特別な日本酒を振舞っていた。
 「この温泉街に観山荘という旅館が有ったな」
 木村草太若頭補佐がそう切り出した。
 「今でも休業しながら維持しています。確か先代の女将が車の転落事故で高額の死亡保険が入って維持ができたようです」
 「そうだ。あの事故はこっちが頼まれて工作した」
 「ええーー」
 「自殺と見られないように少し前にトラックの後輪でガードレールを押して路肩を崩した。崩れるように細工はしてあった」
 「・・・・・」
 岡田弥一郎は息を呑んで聞く。
 「其処で車の前輪が崩れる途中のコンクリに乗って一気に転落だ」
 「そういえば先代がコロナで苦しくなって若女将に呟いたと聞いています。自分の保険がもし入ったらこの様にすれば旅館が維持できるとか」
 「そうだ。その呟きの内容に合わせて若女将が今のように維持して来た」
 「しかし木村さん。それはただではないでしょう」
 「そうだな。事前に手形を切って貰ってあった。それを保険が降りてから杉本金融を介在して交換に廻した」
 「それなら証拠が残りませんね」
 「旅館の帳簿にも借金を計上させていた」
 「成程。でもその観山荘が」
 「もうそろそろ苦しい。若女将はどうだ。なかなか良い女だ」
 「確かに。親子共々良い女です」
 「俺が説得してみよう」
 「それができましたらありがたいです」
 そのあと岡田弥一郎と青木学はプレイの範囲、金額、木村草太若頭補佐への報酬を話し合い取り決めた。
 
 橋場須美は木村草太若頭補佐が長時間母の相談に乗ってくれていた日の事を覚えていた。
 以前から橋場須美は母の死を自殺ではないかと疑っていた。だが口には出さなかった。
 保険金を得て母の意志を継ぐ事が最善と考えたのである。
 「確かにあれで旅館は持ち堪えました。でもあまりにもコロナ過の低迷が長過ぎます」
 木村草太若頭補佐のゆっくり時間を掛けた説明に橋場須美は徐々に縋る様に決意した。
 「隣の温泉街でも何かその様な事で大きな金額を作って凌いでいるように思われます。時代の津波です」
 橋場須美は横山深雪らの暗黙の資金調達を薄々そう感じていた。
 そして相当な覚悟を持ってSMを受け入れても先代母が身を投じてまで護り受け継いできた老舗旅館を護る覚悟を決めたのである。
 
 四月二十四日。
 和歌山県。岬ビューホテル。
 橋場須美が急いでいたので慌しく開催となった。
 座敷には二十五名。急だったのでやや人数が欠けた。一人の負担が高くなったが誰も文句は言わない。
 持っている者は相当に持っている。だがそんなに今の社会に遊びが無い。
 橋場須美は女将の着物姿で酒、ビールを注いで回る。
 宴会場内に湯船と回転テーブルが設置されていた。
 回転テーブルは自動でゆっくり回る。直径は橋場須美が横に成って頭の上に手を伸ばせる大きさに作られていた。
 その上で橋場須美は着物を脱いで行く。
 個人単位の撮影は行わない。岡田弥一郎が動画撮影してコピーガードを掛けた物を全員に配るのである。
 橋場須美は全裸に成る前に湯文字一枚のトップレスでもう一度酒、ビールを注いで回って行く。
 席の感覚は空いているので一人一人の横に座る。乳房に触らせる配慮である。
 じっくり長丁場の予定で進められていた。
 橋場須美の肌の肌理は細かい。乳房はそれなりの大きさで片手にやや余る。乳輪は小さく乳首はやや突起していてまだ薄紅色である。
 最後は湯文字を解いて全裸になった。湯で躰を清めて円テーブルの上で躰を拭く。そのまま全裸で席を回る。
 会員らは容赦なく女の部分に指を入れてしまう。橋場須美はそれを観念して受け入れている。
 「この次は浣腸です」
 司会は会長の青木学が行う。
 抽選で当たった会員が橋場須美を円テーブルの上に四つん這いにして冷やした浣腸液を浣腸器で注入する。
 そのままアナル栓を挿入して席を回らせる。
 橋場須美は五人目くらいで苦しみ出して畳に這い蹲り藻掻く。
 四人で橋場須美の躰を抱えて透明な水槽を跨がせる。
 浣腸した会員がアナル栓を抜く。だが橋場須美は準備を整えて来たので茶色い水が流れ出て終わりである。
 それでも橋場須美は水槽を跨いだまま腹を押えて暫く藻掻き続けた。
 もう一度湯に浸からせる。
 浣腸は今日の目的ではない。
 「これから若女将さんの二つの穴に数種類の生き物を入れたいと思います。その前に一回女を燃焼してもらいます」
 女の性の強制。覚悟を決めて来ていても橋場須美には堪えがたい羞恥である。
 岡田弥一郎が橋場須美の手首を頭の上で縛り合わせる。
 さらに太腿と脚首を縛って開脚状態にする。女の部分とアナルが丸出しに成ってしまった。
 抽選に当たった会員二人で橋場須美の膣にクスコを挿入する。
 「あはーーーーーーーー」
 一人がクリトリスを包んでいる包皮を剥く。
 細い面相筆で濃い紅色の女の亀頭をやんわり刺激する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美には責めに免疫が無い。堪らず声を上げてしまう。
 もう一人がクスコの奥に習字の小筆の毛がばらされた物を突っ込む。こっちもやんわり女の一番敏感部分を刺激する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は恥ずかしさに顔を真紅に染めて藻掻く。
 全員に均等に見えるように円テーブルは回転させている。
 「あーーーーーはん。あはん。ああーーーーーーーーーーはん。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 橋場須美は首を左右に振って官能から逃れんと藻掻き暴れ続ける。
 途中で抽選して会員四人が責めを交代した。
 「あーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は強烈に表情を崩して藻掻きながらもなかなか昇天はしない。
 三回目の抽選をして二度目の交代をする。
 今度は二名にした。
 一人はリモコンから伸びたアームの先に小さなローターの付いたアイテムを持つ。杉下一行のポルノショップの製品である。
 もう一人はクリトリスに電マを掠る様に当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美の逝き声はかなり架橋になる。
 座敷全員の目が橋場須美の股間に集中している。
 円テーブルは回転するがテーブルに接続されたカメラから四方の壁のモニターにも股間部分がアップで投影されていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は股間を震撼させて遂に潮を噴き上げてしまう。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は暫く躰全体を震撼させ股間は痙攣を続けた。
 まだ失神には至っていない。
 「それではこれから生物責めです」
 その前に岡田弥一郎が橋場須美の両方の乳首にクリップを鋏み付ける。黒い金属の板を三つ折にした書類を挟むクリップである。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横幅が二センチはある。かなり力が強く強烈に痛い。これを鋏み付けたまま生物プレイである。
 既に医者が来ていて先に精神安定剤を注射する。今回医者の仕事はこれと気が狂うことを抑止する為の待機である。
 躰の損傷は医療の要らない部分のみ。その分責めの内容が箱盛駒江の時よりハードになっていた。
 最初は養殖した蚯蚓である。
 一人の会員が当たる。
 膣にクスコは入ったままだが会員は細く小さいクスコを取り出す。それを尿道の小さな亀裂に刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。
 会員は螺子を回して尿道を広げる。僅かに尿が流れ出た。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は堪らない羞恥にまた悲鳴を上げる。
 橋場須美のきりりとした典型的美人顔が崩れる姿に会員らは陶酔していた。
 座敷は静まり返っていながら無言のどよめきが円テーブルを包む。
 「あはあーーーーーーー。・・・・・・・・。あーーーーーーーーー」
 橋場須美は恥ずかしさの極地に堪えられない。断続的に興奮度の高い呻き声を漏らしている。
 会員はピンセットで蚯蚓を掴む。
 「あーーーーーーーー」
 それが尿道に入ることはさすがに判る。
 会員は橋場須美の尿道を広げた小さなクスコに蚯蚓の先端をゆっくり落として行く。
 「あーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は冷たく不気味な感触に甲高く泣き声のような悲鳴を上げる。
 会員は数回蚯蚓を上下させて終了する。
 「あはーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーー」
 橋場須美の目から涙が溢れ出ている。
 次の会員が抽選で選ばれた。
 小さなイグアナと冷凍解凍した小さな蛙が準備されている。
 「え、えーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美はイグアナを見て崩れた表情を振って悲鳴を漏らす。
 「これ、毒も何も無いよ」
 「あ、ああーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 橋場須美は恐怖に慄いて強く首を振る。
 会員は餌の蛙をクスコに投げ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 イグアナも餌を求めてクスコに突進する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴はサイレンと成る。
 イグアナは蛙を咥えて直ぐにクスコから出る。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美はぶるぶる震えている。
 会員はイグアナを持って橋場須美の腹に載せる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は泣き悲鳴に成る。
 「これ可愛いペットだよ」
 会員は笑っている。まだ三十代の若い男である。
 「だめーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 会員は直ぐに取り上げて水槽に戻す。
 「あはん。あはん。あはん。ああ。ああ」
 橋場須美の躰はまだ震えている。
 次はカメレオンが水槽に入れて運ばれた。
 「ああ」
 橋場須美はイグアナほど怖がってない。
 だが餌はカナブンである。
 「えーーーーーーーーーーーー」
 そっちの方が嫌な様子である。
 乳首のクリップは鋏んだままになっている。これは二時間鋏んだままにする。
 次の会員が抽選で決まった。
 会員は水槽からカメレオンを取り出す。
 それをクスコの五十センチくらい手前で構えさせる。
 カナブンは岡田弥一郎がクスコに投げ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 カナブンがクスコの中で暴れているのである。
 会員がカメレオンを嗾けた。
 カメレオンの舌がクスコの中を掻き回してカナブンを絡め取る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は狂ったように悲鳴を上げた。
 それでもイグアナの時ほどには躰は震えてない。
 時間調整で少し休憩が入れられた。
 橋場須美のクスコで広げた女の奥がマイクロカメラで照らしてモニターに公開される。
 「あはーーーーーーーーーーーー。・・・・・あはーーーーーーーーーー。・・・・・あはーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は恥ずかしさの極地に込み上げた高い興奮度から断続的に強い息遣いを漏らし続けた。
 次の抽選は譲り合いに成ってしまう。
 いよいよ蛇の挿入である。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美も話しは聞いていた。だが蛇の実物を目の当たりに見て恐怖に震え上がる。
 岡田弥一郎がスネークフックで掴み取った。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美の甲高い悲鳴が上がる。
 なかなか抽選が決まらない。
 当たった者が次々と辞退する。
 蛇は躰を丸めている。岡田弥一郎は一度水槽に戻す。
 橋場須美の歯ががちがち音を立てる。
 まだ担当は決まらない。
 「岡田さんがやれよ」
 辞退した会員が一度掴んだ岡田弥一郎に押付ける。
 「この状態では無理です」
 医者が忠告する。
 「まだ失神してない。これを使おう」
 青木学がドリルバイブを持ってくる。
 その担当二人は直ぐに決まった。
 「お医者さんが警告されるので代わりにこれです」
 「あーーーーーーー」
 橋場須美は始めてみるドリルバイブに驚愕する。
 会員は一旦クスコを抜いてスポイトで膣にローションを流し込む。
 「岡田さん。これで失神させてその間に」
 青木学は岡田弥一郎に耳打ちした。
 「でもそれでは」
 「後から録画を見せましょう。まだまだこれからです」
 「成程」
 岡田弥一郎も納得する。
 抽選に当たった会員は一人が擬似男根の先端を持つ。一人がドリルバイブ本体を持って橋場須美の膣に強引に挿入してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は堪らない表情で声を上げる。
 その表情に強い戦慄が奔っていた。
 会員はドリルバイブのスイッチを入れる。擬似男根が回転して振動するタイプである。
 「あーーーーーーーーはーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は最初から堪えられない。顔の表情は一気に軋む。顔を傾けて大口を破裂させて声を上げる。
 「あーーーーーーーーあはーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 橋場須美の躰は藻掻く。太腿に力が入って筋肉が怒張する。肌理の細かい綺麗な肌が紅く染まって隠微である。
 「あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 会員は橋場須美の膣液が飛び散りだしたので強い濡れを確認して回転速度を上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は全く耐えられない。僅かな時間で強烈な悲鳴が上がって首が倒れる。ほぼ白目状態で動かなくなった。
 会員は直ぐにスイッチを切る。
 もう一人がクスコを挿入して岡田弥一郎を促す。
 岡田弥一郎はスネークフック二本で蛇を掴み取る。それを会員の方に差し出す。会員はあとずさりしながらその場から離れる。
 「あんたがやれよ」
 その会員は離れてからそう叫ぶ。
 座敷は緊張の坩堝である。
 その中で岡田弥一郎がクスコに蛇の頭を挿し込む。ゆっくり頭を奥に進ませてゆく。
 座敷は無言のどよめきに包まれる。
 岡田弥一郎は執拗にゆっくりピストンを繰り返す。蛇の頭は奥の子宮口に何度か当たっていた。
 岡田弥一郎は充分な撮影を青木学と確認する。それから蛇を抜いて水槽に戻した。
 岡田弥一郎は橋場須美の失神状態を確認して乳房にスタンガンを当てる。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は一気に意識を回復した。
 「あはあーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 橋場須美は荒い息遣いで周りを見回す。
 「女将さん。完璧に逝ってしまいましたね。女の躰は完全に逝ってしまうと失神してしまうのですよ」
 青木学がじっくり詰る。
 「ああ」
 橋場須美は堪らない羞恥に追い詰められた。恥ずかしさに真っ赤に染まった顔を強く逸らせる。
 「どうです。気持ち良かったでしょう」
 青木学はさらに詰る。
 「そんな。怖くて」
 橋場須美は悲痛な表情を崩して訴える。
 「そうですか。気持ち良くなかったのでしたら。気持ち良くなるまで責めましょう。その前にこっちを見ていただきます」
 青木学はスクリーンに録画を再生する。
 録画は橋場須美が強烈な逝き声を上げて失神する場面から再生する。
 「あーーーーーーーああーーーーーーーーーー」
 橋場須美は自分のどうにも恥ずかし過ぎる姿に悲鳴を上げる。
 「ここからですよ」
 青木学はクライマックスと注目を促す。
 画面は会員の手で橋場須美の女の部分にクスコが挿入されて女の奥を広げられる。カメラの光が内部を照らす。
 橋場須美の女の奥がスクリーンに拡大される。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 橋場須美はあまりの姿に顔を振って藻掻き泣き悲鳴を上げる。自分で一度も見た事のない女の奥の部分である。
 次に岡田弥一郎がスネークフックで蛇を掴んだ姿が画面に反映された。蛇は舌を伸ばしている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は驚愕の叫びを上げる。その躰は腰を引いて異常にぶるぶる震えていた。
 その蛇がクスコの中に入ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は強烈に喚く。
 録画は岡田弥一郎が蛇をクスコの中でピストンしている。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は泣き喚き続ける。
 やがて岡田弥一郎は蛇を抜いて画面から下がる。
 「あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。ああーー。ああ。ああ」
 橋場須美の狂ったような息遣いはなかなか収まらない。
 暫くそれを見ながら待つ。
 そろそろ乳首を鋏んだクリップが二時間を経過していた。
 「女将さん。その乳首のクリップ。そろそろや」
 「ああ」
 橋場須美はその痛みも耐えがたいが蛇の恐ろしさにそれどころではなかったのである。
 「取る時が物凄い痛みや。如月鬼堂というSM小説家が出口の無い痛みと書いておった」
 青木学が恐ろしい目的をここで宣告する。
 「えーーーーーーーー」
 橋場須美にさらに恐怖の緊張が奔る。
 今でも乳首は相当に痛い。
 ルーレットで抽選が行われる。
 抽選に当たった会員一人目が右の乳首のクリップを取る。
 クリップを二本の指で掴んで広げた。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーぐううーーーーーーーーーーーーうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は片手で傷む乳房を強く包む。躰を暴れさせ翻筋斗打つ。拳骨で叩いて藻掻き苦しむ。
 「さあもう一つ」
 青木学が残酷な指摘をする。
 近くの二人が橋場須美の肩を押える。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 橋場須美の躰は痛みに藻掻く。
 二人目が躰ごと震える左の乳首のクリップを掴む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は会員二人の押さえを振り解いて両手で乳房を強く包む様に押えて畳を転げる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして僅かに失禁してしまう。
 「ぐあーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は痛む乳首を掴み藻掻き続ける。
 「さあ。みんなで揉みますよ」
 「あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー」
 橋場須美は乳房を両手で押えて躰を振って藻掻く。
 数人で押えて回転テーブルに乗せる。
 「あーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーー」
 それでも手、脚、腹を六人で押えて二人が左右から乳房を揉む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 何処までも橋場須美の強烈な泣き叫びが続く。
 会員は揉む手を交代して三十分くらいで全員一巡する。
 そのころには痛みもそれなりに治まりかけていた。
 きりりとした美人若女将の狂乱の悲鳴と涙、失禁は一同を心底満足させたのである。
 「それではこれから若女将を永久にパイパンにします」
 橋場須美は回転テーブルに磔にされた。
 一気に抜いては詰まらない。粘着テープを細く切る。
 粘着テープは幅七ミリくらいである。
 一人目がそれを縦に貼り付けて入念に擦って少し待つ。
 「行きますよ」
 会員が宣告する。
 「ああ。はい」
 橋場須美は何とかこれだけで済ませてもらった。次に金が必要になったら今度は膣を焼かせる約束である。
 会員はテープの両端を引っ張って一気に剥がす。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 テープを貼った下の陰毛が線上に一気に抜ける。
 痛みは一瞬。だが悲しみが大きい。
 次の会員が同じ太さで真横に貼る。
 橋場須美の涙を愉しみながら後は毛抜きで少しずつ順番に抜いた。
 全員が悦びを堪能する事ができて満足感が行き渡ったのである。
 少し時間が余ったのでもう一度パイパンに成って剥きだしの女の部分をクスコで広げた。
 順番に覗いて躰に触りながら鑑賞する。
 橋場須美は恥ずかしさに高ぶった息遣いを漏らし続けた。
 橋場須美の上品な美人顔が恥ずかしさに紅く染まった姿は全員を真から満足させたのである。
 橋場須美は泣きながら礼を述べて脱いだ着物で躰のフロント面を隠して座を引き上げた。
 その後もスーパーコンパニオンが呼ばれ隠微極まりない宴会が座敷と露天風呂で続けられる。ホテルの売上げは二重に上がった。
 この先岡田弥一郎のホテルの営業も徐々に回復しつつある。
 
 四月二十五日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 昨日の岬ビューホテルでの内容は出席した如月鬼堂の会員の知人から報告された。
 月曜日だが館山弁護士と杉下一行が来ている。大河内税理士はまだ忙しい時期である。
 「確かに穏やかな内容に成りましたね」
 館山弁護士はやや安堵を示す。
 「このまま静かにやってくれれば良いがな」
 昼食に仕出し屋から弁当が届いていた。
 「来週は二日連続開催ですね」
 今回はSM愛好会を三会場で五月一日、二日と二日連続で開催する。既に全席が埋まっていた。
 さらに如月鬼堂が所有する総てのプレイルームがGW明けまで予約で埋まっている。
 南七香もまだ先の経営が不安なのでクラブの予約は入れていた。大河内税理士も一日入っている。
 大河内税理士は南七香を虐めるのが好きらしい。
 南七香は嬉しくないがこれまでショーの出演で多大に応援してもらった。断ることはできない。
 「しかし津田泰蔵は何処に消えたのでしょうね」
 杉下一行は不思議である。
 「奴等は何らかの遺体処分方法を持っているのではないか」
 「やはり人を溶かせるジェルですかね」
 「もっと確実な手段が有ってそんな処理を高額で請け負っているのではないかな」
 如月鬼堂はもっと組織的なものを警戒する。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 本日も空気が澄み切って麓の町が綺麗に見える。本日は江刺牛が届いていた。鉄板で焼きながらサーバーから生ビールを注ぐ。
 「二つ良い話があった」
 川口の会長が語りだす。
 「川口の女将が何か言ってきたか。それともまた事件を起こしたい奴か」
 医者の男は遊びに飢えている。
 「こっちは横山深雪が最後の要求をして来た。それと川口の女将がこれと手を組んだ」
 川口の会長は小指カットをジェスチャーする。
 「不幸な女が紹介されたか」
 医者の男は期待を膨らませる。
 「そうだ。どっちも明日だ。一千万要求している。これが半分持って行きかねない。少し上乗せだ」
 川口の会長はやくざの取り分を考慮して余分に用意するように要求する。
 「分かった」
 医者の男らは承知した。
 「警察はまだ津田泰蔵の捜査に躍起だな」
 運送会社の社長は無駄な事と言いたい。
 「そりゃそうだろ。姉の婦警の死体の状況から簡単には終わらせられない」
 川口の会長は嘲け哂っている。
 「まあどんなに捜査費を使っても出ては来ない」
 廃棄物収拾運搬処理業の社長は自信満々であった。
 
 四月二十六日。川口の営業してない旅館である。
 仕出し屋が四人分の料理を運んで来た。
 紀崎真耶は客室のテレビを観ながら四人を待っている。
 ウトロの観光船事故のニュースがロシアとウクライナの戦争よりクローズアップされていた。
 紀崎真耶には別の意味で心に突き刺さる。
 自分ら親子の人生が一変したのは父の事故からであった。
 紀崎真耶の父は釣り船の一杯船主。天候が悪化しそうな日に予約の客がやって来た。
 父は天候の悪化を説明して出航を断り続けたが客は強引に要求する。
 客は何回も使ってくれた常連である。
 『今日出さないならこれから予約はしない』と言って来る。押し切られて出航してしまった。
 その船が事故に成って乗っていた客八名と父が行方不明と成る。客の二人だけが急いで帰港する漁船に救助された。
 残る全員が遺体で回収される。非難されたのは悪天候が予期できるのに釣り船を出した父であった。
 助かった二人は強引に出す要求をした事は認めなかったのである。
 紀崎真耶の母は生活保護を嫌がって五反田のピンクサロンで働いて家族四人の生計を支えた。
 躰の総てを触らせて口の中で客に果てさせるサービスである。
 四十歳くらいまではなんとか稼げた。年齢と共に徐々に収入は減ってゆく。
 稼げる間にある程度は蓄えていた。それでも長い目で足りないと実感して手ごろな客を騙して金を得る。
 その客が逆上して母に灯油を掛けて火を点けた。近くに居た警察官が気付いて駆けつけ火を消す。男は逮捕された。
 母は病院に運ばれたが保険は適用されない。既に犯人に賠償能力も無い。病院は生活保護を薦めたが母は拒んだ。
 正しい判断ができなかったのである。
 紀崎真耶が説得して生活保護を適用した時には手遅れであった。治療費入院費を高額で請求された。
 申請前の分は生活保護が適用されないのである。
 紀崎真耶の行き着いたのは杉本金融であった。だが融資はNGである。
 其処で墨田会系大船一家の大谷彰浩若頭補佐に出会う。その説得により此処の闇風俗にて一括で稼ぐ事となった。
 大谷彰浩若頭補佐は四人が来るまで立ち会う。
 四人は別々のルートで川口に着く。居酒屋で待ち合わせて旅館に入る。
 女将に六十万を渡す。本来四十万だがこれまでの暗黙の慣わしである。
 女将は深々と礼を述べて部屋に案内する。
 「あれ大谷さん」
 廃棄物収拾運搬処理業の社長が大谷彰浩若頭補佐と闇の仕事で知り合いであった。
 「お世話に成っております」
 大谷彰浩若頭補佐は立って挨拶する。
 「こちらこそ」
 大谷彰浩若頭補佐は遺体処理でお得意さんである。
 大谷彰浩若頭補佐は残る三人に表の名刺を渡す。キャバクラを経営する会社の社長と記載されていた。
 「一千万と言うことで」
 医者の男が鞄から百万の束を十個出す。
 「先にお断りしておきます。私はここから二百万だけ頂きます」
 大谷彰浩若頭補佐は丁寧に了解を取る。この四人の素性は概ね解っていたからである。
 「まあ。二割なら極めて妥当でしょう。この先こっちで追加の交渉をしてもそっちは関係無しですね」
 医者の男は妥当性を評価して先のねごも取る。
 「もちろん。私はこれで帰ります。必要額は六百万で。予備に二百万と言うことで本人は了解しています」
 大谷彰浩若頭補佐は二百万を抜いて残りを紀崎真耶に渡して退席した。
 紀崎真耶はそれをバックに仕舞う。そのまま畳に手を着いて挨拶する。
 「こっちを向いて全部脱いでもらおうか」
 医者の男が命令する。
 本来なら躰を隅々まで見てから金を出す。だがその関係者の大谷彰浩若頭補佐が連れて来たのでそっちを信頼した。
 紀崎真耶はワンピース姿なので後ろのファスナーを降ろして肩から外す。一気に下着姿に成る。
 ブラジャーからは標準サイズの乳房が三分の一はみ出していた。
 ストッキングの下に透けているショーツに包まれた股間の形は良い。
 四人はほぼ満足である。
 ブラを外すとほぼ円形の膨らみが露になり乳輪は小さく乳首は真っ赤で強く突起している。
 ショーツを脱ぐと陰毛は殆んど処理されてない。自然のままである。
 浣腸から開始した。味見の二穴挿入の準備である。
 バケツに水を入れて板氷で冷やしていた。それを浣腸器に吸い上げる。尋常な冷たさではない。
 紀崎真耶を恥ずかしい四つん這いにしてアナルに浣腸器の先端を挿し込む。
 注入を始める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は冷たさに悲鳴を上げる。
 冷たい水は紀崎真耶の直腸を襲う。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は一気に苦しみ始める。
 二百CCくらい注入してアナル栓を刺し込む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は苦しみ藻掻く。
 四人は紀崎真耶を暫く放置した。畳の上で這い蹲って苦しむ姿を見ながらビールで乾杯する。
 仕出し料理はこの四人には満足の行くものではない。料理とビールは建前とサービスで実質的には裏の斡旋料と理解している。
 
 川口の会長と葬儀会社の社長は四月五日同様大和八木で金を下ろして生駒に向っていた。
 「近鉄は上手く特急が繋がらないな」
 葬儀会社の社長は普通電車が好きでない。
 「そうだなロングシートの急行は長距離には嬉しくない」
 川口の会長も同感である。
 「大和八木に寄らなければ早いが」
 「そうだな」
 「今回が最後か」
 「いや。もう一回伸ばそう。あの女将の涙は堪えられん」
 「はっはっは。そうだな」
 車両には近くに乗客は居ない。
 横山深雪は和服姿で待っていた。
 「約束通り五千万持って来た」
 小型のアルミケースに入れて渡す。
 「それで足りるのか」
 川口の会長は見透かしたように確認する。
 「はい」
 横山深雪は不安の過ぎった硬い表情で答える。
 「若宮寿々さんの方は改築を進めているのだろう」
 葬儀会社の社長は充分に状況を把握していて探りを入れる。
 「そうです。銀行融資も通りました」
 横山深雪はまた切り口上で答える。
 「それは良かった」
 川口の会長は率直にそう言う。若宮寿々には最終要求額を払った。躰も潰せるだけ潰した。
 「宿はまだ増える。健康センターもできる。女将さんは奥座敷の風格を売り込むことだ」
 葬儀会社社長の頭の中には温泉街復興の青写真ができている。
 横山深雪は二人が復興に本気で協力してくれていることを理解できていた。それには感謝している。金額から躰は仕方ないと言い聞かせてきた。
 「はい。ありがとうございます」
 言葉は普通だが横山深雪の口から出ると切り口上に成る。
 横山深雪は要求される前に立って帯を解く。
 川口の会長と葬儀会社の社長には見慣れた裸である。だがまだまだ弄って愉しみたい。
 線の細い顔でくっきりした顔立ちで色白の上品な美人。二人の加虐心は何処までも滾る。
 「深雪さん。あと五千万もって来たのだがな」
 川口の会長が切り出す。
 「寿々さんのように全部使ってしまってはこの先」
 横山深雪は率直に不安を口に出す。ここまで躰を犠牲にしてきたのである。何としても立ち直りたい。
 「我々の本音はまだまだ女将さんを弄りたいのだ」
 葬儀会社の社長は究極に露骨な言葉を浴びせる。
 「でも寿々さんの様な躰になってしまったら。もう」
 「確かに。感度を全部失ったら玩具にはならない。今回は此処の医者に落とさなければならないので最初の処理は任せる」
 川口の会長がそう切り出す。
 「感度を失った苦しみを一回赤裸々に隠さず聞かせて欲しい」
 「ああ。残酷なのですね」
 横山深雪は涙を滲ませる。
 「そのあとで結果は分からないが我々の知っている医者に再生手術をさせる」
 川口の会長は静かに語る。
 「は」
 横山深雪の表情は瞬間固まる。
 「有名大学病院の外科部長だった人物だ」
 葬儀会社の社長がそう補足する。
 「それでもう一度」
 横山深雪はそれでもう一回究極の拷問を受けると思った。
 「成功してもしなくても。その先は切ったり貼ったりはない。二年を限度に女将さんの旅館の離れで究極の逝き顔を愉しませて欲しい」
 「特別な部屋代で払って必要なら五年間無利息で融資する」
 二人はこの先も協力する条件を提示した。
 「でも感度が治らなかったら」
 横山深雪には直らなかった場合協力はしてもらえない不安が残る。
 「それでもまだ感度を引き出す方法は有る」
 川口の会長はまだまだ愉しみ方は有ると言いたい。
 「お願いします」
 覚悟が決まった横山深雪は気丈な表情を崩さず深々と頭を下げた。
 葬儀会社の社長が五千万を同じ型のアルミケースで渡す。
 横山深雪は全裸のまま脱いだ着物と一緒にアルミケース二つを部屋の隅の方に寄せる。
 そのまま川口の会長と葬儀会社の社長は横山深雪を浴場に連れて行った。
 
 川口の旅館である。
 紀崎真耶は泣き藻掻きながら二回の浣腸で直腸を綺麗にされて二穴挿入を一巡された。
 最初はアナル挿入に泣き喚き轟音のような声を上げた。それがアナルも感じるところまで調教される。
 紀崎真耶は二穴挿入の快感も知ってしまった。
 医者の男らはここから屈辱と堪えられない不快感そして一度強烈な痛みを与える。
 快感の前に痛みと辛さを与えることで快感はさらに深まる目論見であった。
 四人は紀崎真耶を全裸で高手小手に縛ったまま浴室に運ぶ。
 紀崎真耶は何度も逝ってしまいぐったりしている。
 四人は紀崎麻耶をタイルに寝かせて頭だけ空気を入れたビニール枕に乗せる。
 二人が両脚とも内腿と脹脛を縛り合わせた。
 一人が口に開口器を突っ込む。紀崎真耶は何をされるか解らず素直に口を開いてしまう。
 医者の男が膣を開口器で広げる。腰の下に空気を入れたビニール枕を差し込んで膣を上に向ける。
 医者の男と印刷屋の社長が紀崎真耶の頭の両側にしゃがんで顔と肩を押える。
 廃棄物収拾運搬処分業の社長が紀崎真耶の股間の手前に膝立ちになり運送会社の社長が胸部を跨ぐ。
 廃棄物収拾運搬処分業の社長が膣に刺さったクスコに運送会社の社長が口の開口器に小水を流し込む。
 「がはっ。がはっ。がはっ。がはっ。がはっ。ごごごごごごーーーーーー。ごごーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は押えられ藻掻くが動けずに口から押し出す。
 大方は吐き出されたが口に不快感と一部が残ってしまう。
 廃棄物収拾運搬処分業の社長はクスコを抜いて股間をタオルで拭く。膣口を強力な粘着テープで留める。
 膣内には流し出し切らなかった小水が残っている。
 運送会社の社長が口の開口器を抜き取る。二人が頭を押えている状態で口の周りを拭う。その口も強力な粘着テープで留めてしまう。
 紀崎真耶は堪えられない不快感に藻掻き続ける。
 紀崎真耶は大谷彰浩若頭補佐にかなりの事を言い聞かされていた。さらに四人が来る前に女将から相当に言い聞かされている。
 風俗にて一回だけで稼ぐには尋常な事ではできない事を悟らされた。
 相当なハードプレイでも五十万が限度を理解するに至らざるを得なかったのである。
 それでも実際に行われると堪えられない。
 まだこれだけではないと分ってはいた。身体の一部破壊を覚悟しなければならない。
 四人は紀崎真耶の躰を縛ったまま板の間に移す。
 医者の男が長い針を左の乳輪の左側から刺し込む。乳輪を潜らせ一度乳房の谷間に突き出す。
 「う、うう」
 紀崎真耶は痛みと恐怖に堪らず粘着テープで塞いだ口からくぐもった悲鳴を漏らした。
 医者の男は針をそのまま右の乳輪を突き刺し潜らせ突き抜けさせる。
 次に注射針でクリトリスの下を刺して潜らせ貫く。
 「う、ぐうーー」
 さらに粘着テープで塞いだ中で閉じ合わせている女の部分の粘膜を粘着テープの外から貫く。
 紀崎真耶の女の部品を刺し貫いた針一本一本にスタンガンの端子に繋いだ鰐口クリップを接続する。
 「ふはぁ。ふはぁ」
 粘着テープの下は荒い気遣いである。
 「行くよ」
 印刷会社の社長が宣告してスタンガンから電流を流す。
 「ぶーーー。うう、うおおーーおーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は藻掻き躰を震撼させる。強烈な悲鳴に口を塞いだ粘着テープが部分的に剥がれてしまう。
 印刷会社の社長はそこで一度スタンガンの電源を切る。
 「あはあーーーーーーーー。はあーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は荒い息遣いで藻掻き続ける。そしてスタンガンの衝撃で口の中に残った不快な小水を飲んでしまった。
 更なる不快感と痛みに包まれている。
 印刷会社の社長はもう一度スタンガンの電流を流す。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。・・・・・・・ああ。・・・・・ああ・・・・・ああ・・・・・ああ」
 紀崎真耶の躰が震撼を続ける。
 「だめーーーーーーーーーー。ああーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は遂に失禁してしまった。
 女の部分に張った粘着テープも針にだけ留められて浮いている。
 印刷会社の社長はスタンガンのスイッチを切る。
 「あはあーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 紀崎真耶は躰をぐったり沈めさせて荒い気遣いを続ける。
 四人は一度紀崎真耶の戒めを全部解く。
 「飲んだか」
 医者の男が確認する。
 「うん。飲んじゃったよ」
 紀崎真耶は不快感を露に答える。
 「十五分休憩をやる。嗽して躰洗って出て来い」
 そう言って四人は浴場を出て行く。
 
 生駒の旅館である。
 川口の会長は横山深雪への責めを葬儀会社の社長に任せてタブレット端末に集中していた。
 相談が入ったのである。それも武器の闇販売ができる。
 役員を解任された。会社と女性と現代社会に報復したい。そういうテロ要望である。
 川口の会長は納得して協力を表明した。
 そのチャットのようなメールのやり取りである。
 『どうして役員を解任された』
 『会議中に忍田常務が女性蔑視発言をした。それに女性社員から痛烈な苦情が出た。私則末はそれを庇って非難の火達磨だ』
 『それで会社から解任か』
 『二人とも電工石化の解任だ』
 『どうやって復讐したい』
 『GW開けに女子社員の研修旅行がある。そのバスをジャックしたい。それを予定した山荘に引っ張り込む』
 『武器は』
 『自動小銃と迫撃砲、機雷が欲しい』
 『自動小銃はそのまま用意する。迫撃砲はもう少し良い手段を考えよう。機雷は要件に合わせて造る。予算はどのくらいだ』
 『最後の覚悟をしている。二人合わせて一億は有る』
 『それなら大丈夫だ。充分に支援ができる』
 『予定している山荘だがその裏に海に流れる地中の川がある。そこから機雷を付けて遺体を流したい』
 『機雷と一緒に流すなら相当な構造が必要だな。出来なくは無いが少し構造を検討する』
 壮大な計画である。川口の会長は心を躍らせていた。
 葬儀会社の社長は横山深雪の膣にクスコを突っ込んで内視鏡で内部を照らす。面相筆を使って娼婦の泣き所を責める。
 パソコンの画面に内視鏡の拡大画像を映す。的確に一番女の瓶感な部分を責めていた。
 「あはあーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。あは。あは。あーーーーーー。あはあ。ああーーーーーーーーー。あはあーーーー」
 横山深雪は莫大なプレイ料を貰っていて抵抗はしない。静かに葬儀会社の社長の責めに躰を任せていた。
 川口の会長がメールを終了して責めに加わる。
 本来クリトリスを責めるところだが尿道専用でカテーテルのように撓るマイクロバイブを取り出す。
 片手には面相筆を持っている。
 まずは面相筆で尿道口の周りを責める。
 「あはあ。はあ。ああはあーーーーーー。あはあ。ああ。はあ。あはああ。ああーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 横山深雪の表情は軋み続けていた。
 
 川口の旅館である。
 テレビのニュース番組はウクライナと知床遊覧船の事故の報道を繰り返していた。
 「しかしマスコミや評論家が小さな有限会社を叩いているが国の管理責任は無いのか」
 運送会社の社長が刺身をつまみながらぼやく。
 「そうだよな。救助の手が直ぐ届かない海域だし景色は綺麗だが危険な場所だ。国がもっと管理すべきだよな」
 医者の男も国の責任を追及すべきと言う。
 そこへ紀崎真耶がバスタオルを巻いて戻って来た。表情は極度に怯えている。遊覧船の事故の報道を複雑な表情で見て目を逸らせた。
 見ているだけで嫌な過去を思い出してしまう。
 医者の男が紀崎真耶にグラスを渡す。それにビールを注いでやる。
 紀崎麻耶はありがたくそれを飲み干す。
 「もう一度良い声で鳴いてもらうよ」
 医者の男が宣告する。
 「もう痛い事は最後だけだ」
 印刷会社の社長が付け加える。
 運送会社の社長が布団を敷いて紀崎真耶に寝るように促す。
 「勤め先は続けるのか」
 「はい。正規雇用なので何とか続けたいです」
 「まあ。GW明けには退院できるが明日と明後日は大丈夫か」
 「母が入院していますのでお休みを頂きました」
 「そうか」
 紀崎真耶は退院と聞いていよいよ何をされるのか慄く。
 四人は紀崎真耶を縛らないでV字開脚にして印刷会社の社長と運送会社の社長が各々太腿を押える。
 廃棄物収拾運搬処理業の社長がまた紀崎真耶の女の部分をクスコで広げた。
 「ああーー。・・・・・・・あはーーーーーーーーー。・・・・・あはーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は何度やられても恥ずかしさに神経が高ぶる。
 廃棄物収拾運搬処理業の社長がアイテムを膣の奥に侵入させた。それはリモコンから伸びたアームの先端に超小型の卵バイブがL字に付いている。
 この面々もクスコにカテーテルタイプの内視鏡を接続していた。それをパソコンに拡大して画像を見ながら敏感な部分を責め続ける。
 「あーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は究極の責めに直ぐに反応してしまう。
 
 和歌山県。岬ビューホテル。
 この日予約が無くホテルは営業してない。岡田弥一郎が青木学を呼んで料理と酒を振舞っていた。
 「GWにもう一回やりたかったが生贄が居ないな」
 岡田弥一郎は残念そうである。
 「今回は連泊にして宴会会合のあと部屋ごとにソフトSM企画でどうかな。スーパーコンパニオンにSMコースを納得させて」
 「それで行けるかな」
 「遊びたがっている奴が多い。如月鬼堂も今回GWに二日連続でショーをやるらしい」
 「そうか。それで案内出してみるか」
 岡田弥一郎は何としても営業に繋げたい。
 「隣の温泉街。一斉に宣伝始めたな」
 「何か大きな資本が介入したらしいな。一軒は箱守駒江が女将らしい」
 「会員の中にそっちに繋がりがあったのか」
 「多分な」
 「こっちはスーパーコンパニオンで行け」
 青木学はそっちが良いと言う。
 「徐々に客は入っているがスーパーコンパニオンの団体宴会がまだだ」
 「今回は連泊にしてスーパーコンパニオンのSMコースを開催したら仲間の口コミでこの先客が付くのではないか」
 「何とか期待したいな」
 岡田弥一郎も伸るか反るかやってみることにした。
 
 生駒の旅館である。
 既に医者が待機していた。
 「女将さん。尿道を責めた感触はどうや」
 葬儀会社の社長が分っていて確認する。
 「はあ」
 横山深雪は顔を赤らめて俯いてしまう。
 「さあ。それでは」
 最後の責めを行う宣告である。
 「最初に言った約束を忘れないでな。此処の女将を通して連絡しろ」
 待機している医者には聞かせられない。
 まずはクリトリスを焼く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山深雪の悲鳴を一回愉しむ。
 後は若宮寿々の時のように医者を呼んで先に局部麻酔を打たせる。
 電気鏝で膣の中を万遍なく焼いてしまう。
 横山深雪は若宮寿々のような反応は示さなかった。
 既に銀行融資は大方決まっている。
 横山深雪はさらに廃業した旅館を買い取って設備を充実させる計画を立てていた。
 そのまま医者の車で病院に向う。何とかGWは一部分の営業だが自分が旅館に出たい。
 川口の会長と葬儀会社の社長は先にチェックインしていたホテルに戻った。山荘には明日帰る。
 
 川口の旅館である。
 紀崎真耶はあれから二回失神した。
 いよいよ最後の涙を愉しむ場面である。
 四人は誰がクリトリスを焼くか抽選で決めた。
 印刷会社の社長が半田鏝を持つ。
 大股開きにして運送会社の社長と産業廃棄物収拾運搬処理業の社長が各々脚首に乗って膝を押える。
 医者の男が肩を押えた。
 紀崎真耶は恐々と強い鼓動を打ちながら身構える。
 印刷会社の社長がクリトリスを包んだ包皮を指先で剥いて濃いピンクの玉を剥きだす。
 半田鏝の熱さを確認して先端をピンクの玉に当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 紀崎真耶の強烈な悲鳴が轟く。
 医者の男が直ぐに局部麻酔を打つ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀崎真耶は涙をポリポロ溢す。
 これだけでは許さない。
 医者の男は何本も麻酔を打つ。
 運送会社の社長と印刷会社の社長が位置を交代する。
 運送会社の社長は紀崎真耶の膣の中を半田鏝で入念に焼く。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 麻酔が効いていても紀崎真耶に何をされているか分かる。
 紀崎真耶は四人の手でこれまで殆んど開発されてなかった女の性をとことん抉り出された。
 一日で四回失神して気持ち良さの真髄をとことん思い知らされたのである。
 紀崎真耶はぽろぽろ涙を溢し続ける。
 確かに因果を含まれていた。それしか道は無かった。男らの払った金は一千万である。
 その内大谷彰浩若頭補佐の手数料が二百万。総て今の自分には納得するしかない話であった。
 それでも紀崎真耶は余りにも残酷な目論見に涙を抑えられない。
 母が意地を張らなければこんな事には成らなかった。最初から病院の説得を聞いて生活保護を入院した日に申請すれば問題なかった。
 その悔しさがとことん去来する。
 医者の男はあと一千二百万をテーブルに置く。
 「これは俺たちからのご祝儀だ」
 いつもの医者の男の言い方である。
 泣いていた紀崎真耶の目は涙が乾いて点になる。
 「あんた。これだけ有ってもこの先厳しいよ」
 「どうしてですか。お○○こが使えないからですか」
 紀崎真耶は狼狽している。普段口から出さない言葉を言ってしまう。
 「違うよそこが感じなくてもソープで働ける」
 運送会社の社長がきっぱり否定する。
 「大谷さんから全部事情は聞いている。お母さんはもう働けないだろう。兄弟二人あんたが学校を出してやるしかない」
 「ああ」
 紀崎真耶は恐ろしい現実を一挙に悟る。
 「あんた。どんな仕事しているのだ」
 医者の男はやんわり確認する。
 「得意先周りの営業です」
 「いくら貰える」
 「手取り二十三万で賞与が年二ヶ月です」
 「安いな」
 「でも非正規に比べたらまだ」
 紀崎真耶はもうどうしたらいいのという表情である。
 「あんた旅館の女将やらないか。いまの倍以上に成るぞ」
 「え、えっ」
 「場所が和歌山だが。あんた今の収入ではこの先どうにも成らないぞ」
 「はい」
 「俺たちの知り合いが温泉街の復旧事業に手を出していてその一軒で雇われ女将だ」
 「でも私が其処に行ったら」
 「退院したらお母さんが食事の世話くらいできるだろ。あんたが仕送りするかそっちへ引っ越せば良い」
 「多分その六百万を払った段階で生活保護は止まってあとの治療費もあんたが作ることに成る」
 印刷会社の社長が状況判断を補足する。
 「あ、ああーーーーーー」
 紀崎真耶は泣きべそ顔になる。
 「医療費を清算しなくてもだめ。清算してもまだ支払いが出る。どっちに転んでもお母さんの判断では弱者は助からないお役所的日本の制度だ」
 印刷屋の社長が制度を非難する。
 「どうする」
 「ああーー。お願いします。ああーー。お願いします」
 紀崎真耶は涙をぽろぽろ溢しながら医者の男の腕に縋る。
 「今日愉しませてもらったから。この後は悪いようにはしない。女将の件は大谷氏から連絡が有るよ」
 そう言い置いて旅館専属の悪徳医者が来たので四人は帰った。
 
 四月三十日。
 和歌山県。岬ビューホテルである。
 大江戸海鮮屋チェーンの則末元専務と忍田元常務は死を覚悟した報復テロの前に放蕩に来ていた。
 川口の会長に協力を求めた二人である。
 二時間後の八時からスーパーコンパニオンを予約している。
 料理は全部運ばれていて暫く人払いをお願いしていた。
 それでも廊下を一応確認する。テレビの音を大きくしてドアを閉めたら聞こえないのを確認して内側から鍵を閉める。
 「九日のバスのコースはこれです。狙うのはこの場所が最適です」
 忍田伸介が則末嘉郎元専務に説明を始める。
 「自動小銃なら行けるな。既に手配はした」
 川口の会長に依頼したのは則末嘉郎である。
 「この山荘に運び込みます」
 忍田伸介は山荘の図とパンフレットを見せる。既に手配は済んでいた。管理人などは居ない貸し山荘である。
 「全部で四十二.三名で全員女だったな」
 「そうです。要らない女は先に殺して海に流します」
 「君が見つけた地中の川からだな」
 「そうです。山荘の裏に滝が有ってその滝壺に投げ込むと地中の川を流れて砥崎の海に浮かびます」
 「川の中で崩れないのか」
 「動物の死骸とダッチワイフを流しましたがどっちも浮かんでいました」
 「拷問に何人残す」
 「この七人でどうでしょう」
 既に忍田伸介は名簿にチェックを入れていた。
 「訴えた女は」
 「あれに女の価値は有りません。機雷を抱かせて流しましょう」
 さすがに発言を非難された男の歯に衣を着せない言い分である。
 「そうだな。その七人がベストだな」
 「そうです」
 話が纏まって忍田伸介は部屋の電話でスーパーコンパニオンを呼ぶ。
 二十代半ばくらいでそれなりの女が二人入って来た。充分に女躰を意識できる価値はある。
 「浪江です」
 「香乃子です」
 則末と忍田はビールを注がれる。
 まずは服の上からやや強く握って乳房の弾力を確認して反応をみた。二人とも受け入れている。
 「二人で野球拳やって全部脱いでくれ」
 忍田が要求する。
 「二人全裸に成るまでだ。全裸で負けたらもう片方が全裸に成るまで躰に悪戯だよ」
 則末が一方的にルールを宣告する。
 既に大人の玩具がテーブルに置かれていた。
 「ねえ。それなにーーーーーーー」
 浪江はクスコを指差す。
 「これ病院で使っただろ。お○○こを奥まで広げる器具だよ」
 則末は当たり前のように言う。
 「えーーーーー。おきゃくさん。すごいえっちーーー」
 香乃子が思わずそんな言葉を漏らしてしまう。
 「いやーーーだ。これーーーーーー。はずかしいよーーーーーーーーー」
 浪江は相当に恥ずかしく堪らない様子である。表情を崩してそう叫ぶ。
 『わたしは熱海のお枕芸者。
 朝までお時間一本でご奉仕します。
 腰巻脱いだら全裸でございます。
 この小股でおさおをお迎えいたします』
 何故か二人がCDから流したのは如月鬼堂のファッション喫茶で流れるオリジナルの野球拳メロディーである。
 今は会員のみ営業だが以前に一般客で行ってCDを買って来たのである。
 野球拳は負けるごとに則末が香乃子を忍田が浪江の服を脱がす。
 浪江が全裸にされてからでさらに負けた。
 「よし。剃毛だな」
 忍田は此処でさせる筈が無いと分っていて言う。
 「それはあと四万円追加です。新しくできたSMコースで三万。そのオプションで剃毛が一万ですよ」
 香乃子がSMコースのパンフレットを見せて説明する。
 「おー。四万出せば良いって」
 忍田はやる気満々である。
 「やろう」
 則末と忍田は直ぐに四万ずつ出す。
 「そう成ると他のSMプレイも可能だな」
 忍田は当然の如く念を押す。
 「はい」
 香乃子は仕方なく辛い表情で返事する。
 これで野球拳のあとはSMと決まったのである。香乃子はパンフレットを出したのが失敗したと思った。
 浪江は既に蒼ざめた表情である。
 則末が浪江のドテの黒い塊にローションを掛ける。
 忍田は一枚刃の剃刀で皮膚に沿って根元から剥がす様に剃ってしまう。一気に大量に剃られた黒い塊が纏まって浮く。
 陰毛を退かせて広げたティシュに載せる。
 紅が掛かったドテの皮膚が剥き出す。
 香乃子は立って二人の上から不安そうに覗き見ている。
 剃られている浪江は恥ずかしそうに顔を叛けて堪えていた。則末の体で香乃子から剃っている部分は見えない。
 大陰唇の部分はなかなか進まない。それでも閉じ合せた小陰唇を指で抓んで入念に剃る。
 浪江は恥ずかしさに堪えられず顔を背けたまま固まっていた。
 終わってタオルで拭いて点検する。
 僅かな剃り残しを則末が点検して忍田がT字剃刀で仕上げた。
 「綺麗だぞ」
 則末が大股開きにした浪江の股間に鏡を当ててそう評価する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。もう。はずかしいよーーーーーーー」
 浪江は始めての剃毛の恥ずかしさと屈辱にくらくらしていた。
 それでも野球拳は続く。
 浪江はふらつきながら立ち上がる。
 香乃子も既にショーツ一枚だがまた浪江が負けた。
 「さあ。こんどはお○○この中を見せてもらうよ」
 忍田はクスコを手にしている。
 「あーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーー。もうはずかしいーーーーーーーーーーー」
 浪江は堪らない。スーパーコンパニオンでもやられた事の無い内容ばかりである。
 則末が浪江の股間を広げて片脚を押えた。忍田は開いた太腿の間に座る。
 忍田がクスコにローションを塗って浪江の膣に刺し込む。
 「はあーーーーーーーーーー」
 浪江は堪らない息遣いを漏らす。
 忍田はクスコの螺子を回して大きく開く。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は恥ずかしさに高ぶった息遣いを漏らす。
 則末がペンライトで中を照らす。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は恥ずかしさに顔を斜め上に逸らして固まって堪え続ける。顔の色が薄紅に染まっていた。
 何故か香乃子も二人の後ろから覗いている。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は堪えられない恥ずかしさにさらに興奮した息遣いを漏らす。
 次の野球拳は香乃子が負けてやっと全裸に成った。
 さらに負けて今度は香乃子が剃毛される。
 だが次は浪江が負けた。
 忍田はもう一度クスコを挿入する。
 「えーーーーーーーーーー。何でもう一回」
 浪江は堪らず悲鳴のように喚く。
 「これでお○○この奥を責めるのだよ」
 忍田は電動歯ブラシの様なアイテムを翳す。ブラシの部分がローターである。
 「えーーーーーーーー」
 浪江は悲鳴を上げる。
 「これは効くよ」
 則末は自信を持っている。
 杉下一行のポルノショップで購入したものである。
 忍田はそれをクスコで広げた膣天井部に当ててスイッチを入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 膣天井部の女の一番敏感な部分をピンポイントに直撃されている。
 浪江は藻掻く。躰は震撼する。
 香乃子は浪江の躰を抑えるのを手伝いながら緊張した眼差しで浪江の変化を見ている。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。あーーあはあーーーーーーーーーーーー」
 浪江は徐々に強く藻掻く。
 則末はびんびんに起っている浪江の乳首を弄る。
 「ねえ。そんなに気持ち良い」
 香乃子は浪江の変化の大きさに好奇心が先に立つ。つい心無くも確認して仕舞う。
 「気持ち良くてもやだよーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は藻掻き続ける。
 この状態で逝ってしまいたくない。座敷で逝った事は一度も無い。有っては成らない羞恥である。
 則末は通常サイズのローターを取り出して浪江のクリトリスを剥く。濃い紅色の女の亀頭が丸出しに成る。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江はこれにも悲鳴を上げる。
 則末はローターを直に当てようとして躊躇う。剥いた包皮を戻して上から当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 浪江は躰を捩って藻掻き叫ぶ。
 「だめーーーーーーーーーーー。いっちゃうからやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は断末魔の叫びに成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー。あはんあああーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の躰は全身強く暴れ震撼して股間は痙攣する。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 浪江は恥ずかしさに紅く染まった顔を両手で隠して堪え続ける。
 忍田はそれでも責めの手を休めない。同じアイテムをもう一本追加してもう一段奥を責める。
 「やめてーーーーーーーーーーー。もれちゃうーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は更なる断末魔の叫びを上げる。
 忍田も則末も悦びの表情で生唾を飲み込んで浪江の変化を魅入っていた。香乃子も興奮度の上がった顔つきで凝視している。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に潮が噴出してしまう。
 「きゃあーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見た香乃子も悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は潮を噴きながらサイレンの様に叫ぶ。
 則末と忍田は大満足である。
 「SMクラブじゃこうは行かないな。潮は噴いてくれるが当然の如くだ。恥ずかしさに藻掻いて狂乱状態は最初しか愉しめない」
 則末はしみじみと言う。
 「明日からのSM愛好会はソフトでも大当たりですな」
 忍田も浪江の反応に強く感激していた。
 「さあ。あんたも中見せてもらうよ」
 則末がもう一本クスコを取り出す。
 「じゃーこっちは。とってよーーーーーーーーー」
 浪江は自分のクスコを外せと訴える。
 「駄目だ。両方見比べるのだよ」
 忍田は当然の如く言う。
 「そんなーーーーーーー。お客さんこんなところ比べるなんて。えんがちょだよーーー」
 浪江は堪らず叫ぶ。いったいいつの言葉だろう。おばあちゃんかおじいちゃんから聞いたのかもしれない。
 香乃子は黙って則末の為すままにしていた。
 則末はクスコを広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 香乃子もさすがに恥ずかさに息遣いを漏らす。
 忍田はカテーテルタイプのカメラ二本を二人のクスコの口に接続する。内部に光が当たってくっきり奥まで鮮明になる。
 忍田はそれをプロジェクターから壁に投影した。
 則末が部屋の電気を暗くする。
 浪江と香乃子の女の奥が拡大して並べて壁にくっきり反映された。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は悲鳴を上げる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香乃子も恥ずかしさに濃い息遣いを漏らす。
 「こっちの女の方が内部の色が濃いな。子宮口も男の亀頭の様にくっきりだ」
 忍田が浪江を示して評価する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は恥ずかしさに崩れそうな表情である。
 「こっちは濡れてないな」
 「これからだ」
 そう言って則末が電動歯ブラシの先が小さなローターに成ったアイテムを取り出す。
 「行きますよ。お姉さん」
 則末は香乃子に宣告する。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーー」
 香乃子はまた息遣いを漏らす。
 則末はアームの先端の小さなローターを女の一番敏感な部分に当てる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香乃子もまったく耐えられない。
 だが浪江のように抵抗はしないで躰を任せていた。
 香乃子は失禁してそのあと失神する。
 浪江は香乃子の失神にも騒ぎ出してしまう。
 スーパーコンパニオンと雖もたいしたサービスはしてない。失神など見たことが無いのである。
 則末と忍田は明日から団体で来る会のSMコースが狂乱の状況に成る事が容易に想像できる。
 それは返ってプロに近い連中を悦ばすに違いない。ハードではないが慣れたSM嬢では見られない反応が愉しめるのである。
 
 五月八日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は昼少し前に帰り着いた。前日がインターネットアダルト放送で東京に一泊して朝戻る毎週の行動である。
 SM愛好会の主な面々が既に着いていた。
 本日は熱海の店長荒井枝里も来ている。
 「今回のGW中あっちの会ではスーパーコンパニオンで部屋ごとにSMコースを提供したようです」
 福富麻次郎が会員の知人からの情報を聞いていて報告する。
 「それが」
 杉下一行は大した事は無いと反応する。
 「スーパーコンパニオンと雖もSMは素人でその反応がなかなか会員を悦ばせたようです」
 「確かに新人だとマニアは愉しめるようですね」
 荒井枝理も店舗を見ていてその期待感が分るのである。
 「しかし今回。既存のモデルさんだけで随分盛り上がったよな」
 大河内税理士は上出来だったと言いたい。
 「どう言っても女の子の質ですね」
 杉下一行もここが大切と言いたい。
 「既存で回しても充分盛り上がりますね」
 「あっちの会。女の子が確保できないからスーパーコンパニオンで濁したのではないですか」
 館山弁護士の見解である。
 「本来岡田と言うオーナーのホテルへの営業復活が目的だろう」
 如月鬼堂もある程度落ち着くところに落ち着いたという見解である。
 「会員だけの営業なので熱海で週一回コンパニオンのSMショーやったらもっと盛り上がるかな」
 荒井枝理が営業戦略を口にする。
 「良いのじゃないですか。三店舗でショーの女の子だけ移動させればレパートリーが増えますよ」
 福富麻次郎も賛成する。
 「そうだな」
 如月鬼堂も納得した。
 仕出し屋から弁当が届いて昼食タイムとなる。
 報道番組は大方ロシアのニュースでややコロナの感染者数が増えた程度で日本は平和である。
 
 五月九日。
 大江戸海鮮屋チェーンの一行は新幹線を名古屋で近鉄に乗り換える。近鉄特急で賢島に着く。
 其処からチャーターした観光バスで会社の施設に移動する。
 則末と忍田は用意した貸山荘から自動小銃を搭載して車で迎えに出発した。
 防犯カメラのないコースを闇組織の調査内容から川口の会長が提供している。
 忍田が自動小銃を構えてバスを止める。
 則末がバスのカギ部分を叩いて乗り込み自動小銃を後部のガラスに乱射して威嚇した。
 その間に忍田が運転士を脅迫して運転席を占領する。
 「爆弾だ。携帯に触るな!」
 則末は運転手とガイドに手錠と足錠を掛けて空いている席に乗せる。
 則末が携帯を回収する。
 そのまま集めた携帯を海に捨てて乗ってきた車から手錠を運び込む。
 忍田が自動小銃を構えて則末が全員に手錠を掛ける。
 則末が運転して山道を用意した山荘に向かう。
 山荘に着いたら則末らは七人を先に部屋に放り込む。この七人には脚錠もかけた。
 残りの人数を運転手とガイドを含めて二手に分ける。運転手とガイドを含めた半数を地下室に降ろす。
 残りは七人とは別の部屋に閉じ込める。
 地下室の入り口を塞いで水を流し込む。
 その間に忍田がバスの車体を海に捨てに行く。一時的に事故に見せかける目論見である。
 七人を残して二日に分けて地下室で水死させ滝壺に投げ込んで海に浮かべさせる。
 最初は事故の死体に見せかけて時間を稼ぐ。その間に七人を順次拷問して撮影を行ってしまう予定である。
 既に大江戸海鮮屋チェーンではバスが研修施設に着かず大騒ぎしている。そして和歌山県警が捜索を開始した。
 
 五月十日。
 砥埼の海に遺体が十数体浮かんだ。
 観光バスの運転手とガイドの遺体も含まれている。
 警察はバスが海に転落したものと見做して捜査を続けていた。まだ車体は発見されていない。
 最初釣り船が海に浮いているバスガイドの遺体を発見した。
 「車体が発見できないことには何とも言えないが、遺体の浮く場所と観光バスが向かった研修所ではコースがかなり逸れている」
 和歌山県警の警部補の見解である。
 「逸れるというよりはかなり先に行っています」
 和歌山県警は遺体の発見場所に疑問を抱きながら事故と見做していた。
 
 五月十日夕方。
 バスの車体が深度五メートルの海中から発見された。中に生存者も遺体も発見されてない。
 その数時間後巡視船が十数名の遺体を発見して収容した。
 残り七名が行方不明のままである。
 観光バス転落事故と報道されていた。
 問題は転落した場所が通るコースから遠く外れていたのである。
 道を間違えた可能性は低い。何度も運んでいる観光バス会社。始めて行く運転手ではない。
 大江戸海鮮屋チェーンではコースを変更して観光に向かったとはあまり考えられないとの見解を表明している。
 さらにバスの車体の発見場所と固まって遺体が発見された場所が離れていて不可解とされていた。
 車体はどこにも大きな損傷がない。後ろの窓とフロントガラスが割れていただけである。
 報道では疑問を強く提起されていた。
 
 則末と忍田は一人目を引っ張り出して拷問を開始した。
 既に自分らの正体はばれている。覆面やマスクなどは使わない。
 全部収録してから編集して川口の会長が引き取って公開する。
 一人目は河野ゆかりである。
 既に全裸に剥いて腕を後ろで縛って壁のフックに繋いでいる。
 五台のカメラが撮影を行っていた。総て照準を変えている。これを組み合わせて躰全体や部分的アップを編集するのである。
 二人だけで行う。その為この準備となった。
 河野ゆかりは丸みのある顔立ちだが均整は取れて柔らかい美人顔。乳房は大きさと柔らかさの分だけ僅かに垂れるが形は良く充分にそそらせる。
 ドテの黒い塊はやや自然のままで恥ずかしい部分を完全に隠していた。内腿には細い三角形の隙間がある。
 僅かに太腿にボリューム感が有るが全体的にスマート。女の艶を感じさせる腿が叩きたい気持ちをそそらせる。
 河野ゆかりは全裸の恥ずかしさに顔を背けていた。散々喚いて抗議してようやく静かに成ったのである。
 則末と忍田は鞭を手にする。
 膨らみと柔らかさの有る乳房を狙う。
 先端が細くなった一本鞭である。
 忍田はその鞭を横に薙ぐように二つの乳房を一気に叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりの躰が反射的に前のめりに腰を引いて膝が跳ね上がる。
 則末は六条鞭を持っていた。かなり固い革である。
 それを左の乳房に叩きつける。
 「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに河野ゆかりの躰は強く震撼する。
 顔は恐怖に震え怯えた目つきで二人の姿を交互に追う。
 二人はさらに数発叩いて河野ゆかりの乳房には蚯蚓腫れが斜めに数本浮いている。鞭で叩かれれば痛みが沁みそうな乳房である。
 肌の白さと肌理の細かさが無残さを感じさせていた。
 河野ゆかりが喚き抵抗したので脅しのお仕置きである。
 則末と忍田は河野ゆかりを社会に辱める撮影から行う。
 忍田が河野ゆかりのお尻を乗せる為に二つ折りの脚立を持って来た。
 二人で片方ずつ脚首とお尻を持って脚立の上に河野ゆかりのお尻を乗せる。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはさらに怯えた目で自分の腰のあたりを見る。
 さらに二人で両方の脚首を持ち上げて河野ゆかりはX字開脚にされた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは恥ずかしい部分が無防備に広がって堪らず悲鳴を上げる。
 二人は持ち上げた膝から脚首に縄を掛けて壁に埋め込んでおいたボルトに縛って固定した。
 則末がカメラの一つの映像を確認に行く。
 「良し」
 河野ゆかりの性器の部分がアップで録画されている事を確認したのである。
 忍田が河野ゆかりの自然のままの陰毛を持ち上げて性器をカメラに晒す。
 女の部分は粘膜が絡み合って複雑に閉じ合わせている。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはまた叫んで抗議する。
 忍田の手が陰毛を避けている下で則末が女の部分の粘膜を左右に引っ張って薄橙の粘膜を広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは腰を捩って抵抗する。だが二人は確り太腿を押さえている。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 「お前の躰をインターネットに流し込んであちこちの個人で永久保存版にするのだ」
 忍田は辱しめる願望が滾っている。
 さらに則末と忍田は河野ゆかりの小陰唇を広げた内部の膣口に両側から指を入れる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。こんなの強制猥褻だよーーーーーー」
 そのまま膣口を両側から強く広げて露にした。波打ったピンクの粘膜がさらに広がり糟の粒も確認される。
 「あーーーーーーーーーーーー。もうなにするのーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは大声で叫ぶ。婦人科でもここまでされることはない。驚愕の姿である。
 それは離れた部屋に監禁されている六人にも聞こえた。河野ゆかりが連れ出されてから六人は恐怖に慄き続けている。
 「お前ら七人以外は全員死んだよ。先程のニュースで運転手ガイドを含む三十八人の遺体を回収したと報道していた」
 則末が脅しを兼ねてそう伝える。
 「なんですって」
 河野ゆかりは驚愕する。他のメンバーが殺されたといま知ったのである。
 「ニュースではバスの転落が報道されていたよ。遺体が海から回収されて残り七人が行方不明とな。それがお前らだ」
 忍田がさらに付け加える。
 二人は河野ゆかりの膣口をさらに強く広げる。穴の奥が見え隠れしながら膣の粘膜は究極に揺れ歪む。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはまだ叫ぶ。
 二人は縦に横に広げ奥に子宮口が見えるまで広げた。真っ赤な子宮口をクスコなしで公開すべく押さえ続ける。
 「あーーーーーーあーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは喚き続ける。
 忍田はさらにクスコを突っ込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーー。もおーーーーーーーなにするのーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは半狂乱である。
 忍田は容赦なく螺子を回して強く奥まで広げる。
 最初は螺子の位置を真上にして広げた。
 横に開いた方が天井部を責め易いがこの角度で開くと子宮口がくっきり見えるのである。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは泣きべそ顔。その顔を強く逸らせる。
 「女の奥の院の大公開だ。中に糟までくっきり見える。これが動画で公開されたらはずかしいなあ」
 忍田は詰るように言う。
 「こんな事して今度は誰だか判っているんだよ」
 河野ゆかりは怒りに元会社の役員と分っていると反論する。
 「俺達も一緒に出演だよ」
 忍田は動じない。
 「お前らと会社と現代社会に復讐だよ」
 則末は目的を録画に残す。
 「私が何をしたのよ」
 河野ゆかりは自分が復讐される筋合いはない。
 「ならば言い直そう。女性優遇社会の女性階級に復讐だよ」
 「何を言っているの。そんなのあんたがたがおかしいのよ」
 「四十年前なら年輩者にあんたがたとは言わない」
 「だからって私に」
 「研修バスから脱がしても価値のないのは水死させて海に流した。残りは七人。動画七本を世界にばら蒔く」
 忍田は強い決意を堂々と宣言する。
 「そんなーーーーーー」
 「これまでも沢山ばらまかれている」
 「あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはこれまでの連続拉致強姦事件の関連ニュースを思い浮かべて懊悩する。
 最早どうにもならない。
 「何で。苦情を言ったのは小早川よ」
 河野ゆかりは何も発言してない。だが賛成はしたのである。それでも思わず自分は関係ないような口振りとなる。
 「そうだがあれの裸を撒いても誰も保存しないどころか見もしない」
 忍田は嘲け笑う。
 「そら見ろお前の女の奥の院だ」
 モニターに映像を投影する。モニターは五枚設置してあった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは拡大された自分の子宮口に悲鳴を上げた。
 別のモニターにV字開脚の全裸が映っている。
 さらに顔のアップまで鮮明に映し出されていた。これが配給されてしまうのである。
 生きて帰っても電車にも乗れない。
 現代社会で面と向かって抽象する者は居ないと思う。だが後ろでこそこそ言う者は多々居る。
 そして心の中では画像を思い浮かべながら自分を見るに違いない。男は皆そうだと思う。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは堪らない恥ずかしさに興奮度のこみ上げた息遣いを漏らす。
 「さあて逝き顔を晒してもらいましょう。スーパーコンパニオンも堪えられなかったこのアイテムで」
 則末はまた電動歯ブラシの様な形で先端のブラシの部分が小さなローターに成ったアイテムを翳す。
 「何よそれ」
 「これでお前のお○○この奥の一番敏感部分を責めるのだよ」
 忍田は当たり前のように言う。
 「ちくしょーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは怒りを破裂させる。
 忍田がクスコの螺子をやや緩めて向きを横にする。膣天井部を責めるためである。
 則末は容赦なくアイテムを突っ込んで娼婦の泣き所に先端のマイクロローターを当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは瞬時に堪えられない。
 お尻は脚立に乗っているだけ。脚二本がV字に吊るされ後ろ手に縛った手首が壁に埋め込んだフックに縛り付けてあるだけである。
 態と不安定にしている。落ちそうで怯え藻掻く動きがなかなか良い。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは不安定な体制に怯えながら藻掻き続ける。
 則末は壁側にも設置してあったモニターを見ながら膣天井部の娼婦の泣き所を責め続けた。
 膣天井部の小刻みに波打った粘膜が生々しくモニターに拡大されてその奥にマイクロローターが見え隠れしている。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に河野ゆかりの股間は微かに痙攣していた。顔は紅みが刺し女の艶を露に強く軋み続ける。
 さらに忍田が小型の電マを持って加勢した。
 クリトリスの包皮を指で剥いて薄橙の半楕円形の部分を剥き出しにする。電マをクリトリスの玉からやや外して剥いた包皮の先端に当てた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめ、やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりの躰は一気に震撼する。腰を捩るように藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴はサイレンとなり潮を噴き上げてしまう。
 それでも二人は手を止めない。責め続ける。クスコの嘴の間に嵌って垂れた尿道口が微妙に動く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは断続的にまた潮を噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 河野ゆかりは恥ずかしさに藻掻き悶え荒い息遣いを続けた。
 「もうだめーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーー。こんなの撮影して。おまえらどへんたいだよーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは涙を流して怒りを吐き出す。
 「まだまだだぞ」
 則末はまだじっくり責める構えである。
 忍田は小型のドリルバイブを取り出す。
 小型のドリルに擬似男根を付けただけの単純なものである。回転運動だけしかしない。
 「何するんだよーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはドリルバイブに慄く。
 則末は河野ゆかりの膣に指を入れる。
 「充分濡れているぞ」
 「やめろーーーーー。変なもので悪戯したからだよーーーーーーー。誰だって変になるよーーーーーーーーーー」
 忍田は擬似男根を河野ゆかりに突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 構わずスイッチを入れる。
 ドリルバイブは河野ゆかりの膣に刺さったまま回転する。
 「う、ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりの表情は一気に軋む。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間から繋がった露天風呂である。
 愛好会の面々も編集も訪れてない。
 静かな日は如月鬼堂が珠洲と瀬里菜を交互に責める。
 今日は瀬里菜の順番であった。
 露天風呂に寝かせて躰が半分浸かる高さの開脚椅子が入れられ瀬里菜が全裸で寝ている。
 如月鬼堂は尿道カテーテルで瀬里菜の膀胱を空にした。尿はカテーテルから尿瓶に流し取る。
 既に浣腸をして直腸は空に成っていた。アナルにローターを一つ入れる。指で奥に突っ込んでリモコンに繋がった線を引いて位置を調整する。
 さらに膣を広げて標準サイズのローターを三つ入れた。
 既に瀬里菜の表情は強く喘いでいる。
 如月鬼堂は尿道を責める為のカテーテルの様な柔らかいマイクロバイブを取り出す。
 それを振動させながら尿道の小さな亀裂に徐々に送り込む。
 「あはーーーーーーーーーーーー。ああ。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あはーーーーーーーーーーーーーー」
 奥まで入ったらそのままにする。
 クリトリスを包んでいる包皮を剥く。小さなローターを指先で抓んでピンクの盛り上がりに直に当てる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な責めが十分近く続いた。
 膀胱は空にしてあるので失禁はしない。
 やがて瀬里菜は白目を剥いてしまった。
 如月鬼堂は膣のローターを全部抜き取る。アナルに入ったローターはそのままである。
 尿道のマイクロバイブを動かしたまま自分の一物を挿入してしまう。アナルのローターの刺激が伝わってくる。
 如月鬼堂は失神したままの瀬里菜の中に無理やり果てた。
 尿道のマイクロバイブを抜いて膣に棘付きバイブを挿入して瀬里菜の頬を軽く叩く。
 アナルのローターは入ったままである。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬里菜は意識を戻す。
 如月鬼堂が棘付きバイブを膣の中でローリングさせるように動かし続ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬里菜は逝き声を上げ続けた。
 如月鬼堂は直ぐ横に全裸で湯に浸かっている珠洲にクリを責めるよう手振りで要求する。
 逝き声を上げ続ける瀬里菜にクリトリスの責めが加わった。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬里菜は轟音の様な逝き声を上げて潮を噴き上げた。潮は二メートルくらい飛んで湯の中に落ちる。
 尿ではない。本物の潮である。
 
 和歌山。貸山荘である。
 河野ゆかりはドリルバイブの責めに堪えられず失神してしまう。白目を剥いた躯姿を動画に撮影する。
 そのまま則末と忍田は河野ゆかりを高手小手に縛った。乳房の谷間に六方から交差した縄目にフックを付けて仰向けに吊るす。
 背中の下は二十センチくらい人の体が寝て入るスペースが空く。脚は脚首と膝に縄を掛けてV字開脚に吊るされていた。
 忍田が下に入って則末が手伝ってアナルに挿入する。
 則末が忍田の腿を跨いで中腰で膣に挿入した。
 忍田が下から河野ゆかりをビンタして起こす。
 「ああ。あーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは意識を戻して二穴を二人で犯されていると瞬時に気付く。強烈に悲鳴を上げた。
 則末は容赦なく一物をピストンさせる。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。あぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブで失神するまで責められたあとである。一気に感度は上がってしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーやめろーーーーーーーーーーーー」
 忍田は下から確り河野ゆかりの躰を押える。
 則末は強くピストンを続ける。
 「あーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーああーーーーーーー」
 河野ゆかりの逝き声は急ピッチになる。
 構わず則末は河野ゆかりの中に果てた。
 「あはあ。ああ。ああ。あはあ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 河野ゆかりはまた不本意な逝き顔を晒してしまったのである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 瀬里菜は囲炉裏端に運ばれてバスタオルを敷いた上に寝ている。
 潮を噴き上げた後はふらふらに成り珠洲に肩を抱えられて露天風呂から内湯を抜けて居間に戻った。
 珠洲はスパークリングワイン。如月鬼堂は麒麟クラシックラガーでくつろいでいる。
 テレビがバス事故のニュースになった。
 「パパこれは事故」
 「どうだろう。事故でない可能性は高いな」
 「でもあの連続拉致強姦事件の犯人が裏に居る事件じゃ無いでしょう」
 「何とも言えん」
 「だって女性は服を着たまま流されていて何もされてないよ」
 「それはどうかな。残り七人行方不明。綺麗な子だけ残したかもしれない」
 「そうかあ」
 珠洲も湯上りで全裸にバスタオルを巻いたままである。
 瀬里菜はまだ起き上がらない。バスタオルの上に寝て軽く上にもう一枚バスタオルが載っているだけである。
 これまでも二人は痛み以外なら如月鬼堂の責めるまま受け入れていた。
 
 和歌山。貸山荘である。
 河野ゆかりは高手小手の縛りのまま今度は逆さ吊るしにされた。
 両脚とも内腿と脹脛を合わせて縛られている。
 両方の内腿の付け根に縄を掛けられ二本で吊るされた状態で女の部分もアナルも上を向いて丸出しである。
 忍田は蝋燭を何本も点火して芯の周りに蝋涙を溶かしていた。
 溶かした蝋涙をビーカーに溜める。ビーカーは下から熱を加えて固まらない程度に暖め続けていた。
 則末が河野ゆかりの膣にクスコを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは躰を揺すって藻掻く。
 忍田がビーカーに溜った蝋涙を翳す。
 「なによーーーーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはクスコの中に流されると悟って喚き散らす。
 「流し込むだけではたいしたことは無い。その後がお愉しみだ」
 忍田は意味深な言葉を吐く。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは恐怖に泣き叫ぶ。
 忍田は容赦なくビーカーの中に溶かして溜めた蝋涙をクスコに流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはサイレンの様に強烈な悲鳴を上げ続ける。
 「叫ぶほどには熱くないがな」
 微温湯とは行かないが火傷する熱さでもない。衝撃が大きいだけである。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも河野ゆかりは涙を流している。
 則末は電気のヒーターを持ち出す。それを上から吊るしてクスコの中に一部分を落とした。
 湯の沸かせるヒーターである。
 正面のモニターにその映像が映っていた。河野ゆかりは逆さ吊るしでそれを見る。
 「これから中の蝋涙を沸かすのだよ」
 則末はわくわく感を込めて言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーー。もうたすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは恐怖に号泣している。
 「まあまあ。火傷のあとは眠らせてあげますよ。目が覚めたらあの世か病院のベッドのどっちかです」
 則末は完全にふざけている。
 「ころさないでーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは悲痛に訴える。
 「お嬢さん。君ら七人以外みんな死んだよ」
 忍田が詰る。
 「いやよーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりはさらに泣き叫ぶ。ヒーターはゆっくり熱くなり始めていた。
 「俺たちは殺さないよ。警察が上手く病院に運んでくれたら命は助かる。この動画が世間に流れているけどな」
 「あーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは追い詰められて泣き叫ぶ。
 もうどうにも成らない。恐ろしい動画が撒かれてしまう。
 「貴方達も死刑だよ」
 河野ゆかりは泣きながら一言呟く。
 「捕まりません。警察と銃撃戦をして此処で死ぬ覚悟でございます」
 則末はふざけてない。
 「十年経つ毎にさらに嫌な社会に成って行く。社会と会社と女に天誅して死ぬ覚悟や。もう生きていても良いことはない」
 いま麻酔を掛けたらもう二度と顔を見ることはない。忍田はこの女に最後の一言である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 河野ゆかりは突然悲痛な悲鳴を上げる。
 則末は火傷した悲鳴を確認してヒーターの電源を切った。
 そして口にクロロフォルムを当てる。そのまま眠らせて吊るしから降ろす。
 床に寝かせると溶けた蝋涙が流れ出した。クスコは抜く。
 そのまま局部麻酔と全身麻酔を打って部屋に放り込む。縛ったままである。
 二人はそのまま次の女の準備に掛かる。
 もうそんなに時間に余裕は無い。
 
 既に警察は海岸線の捜査に掛かっていた。事件と事故の両面を考慮しての対応である。
 「難しいですね。車両が見つかった場所からあそこに流れるとは考えにくいです」
 捜査員も半信半疑で聞き込みを続けていた。
 「だがあそこに運んで来て投げ込むのも現実的ではない。あの岩の上を態々運ぶとも思えない」
 警部補も謎だらけと困っている。
 「流れて来るのも不自然な場所です」
 「しかし遺体は自然のままだ。危害を加えられた痕は無かった。自然に付いた傷だけだった」
 「あと七人はどうなったのでしょう」
 「多分。沖で巡視船が発見してくれるのじゃないか」
 「それでは事故ですかね」
 「だな。事件としても目的らしきが見えない」
 捜査が貸山荘に至るのはまだまだ時間が掛かりそうである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 珠洲がIP電話で編集の小川綾香からの通話を取った。
 「分りました。その様にお伝えします」
 「小母さんが来るって。服着けよう」
 珠洲は電話を切って瀬里菜に伝える。
 「今からか。何しに来るのだ」
 如月鬼堂は帰りの時間を気にしている。
 「パパ。プレイルームが一つ空いているよ」
 珠洲がそう答える。中にも泊まれる部屋は有るが泊まってもらいたくは無い。
 「そうだな。押えておくか。で用件は」
 「何か記述内容が現実と違っているのだって」
 「校正で見つかったのか。メールで良いのにな」
 「また小母さんの意見じゃないの」
 「そうかもな」
 如月鬼堂も不機嫌である。
 
 和歌山。貸山荘。
 二人目の女が引き出された。女は向井奈津という。イメージの濃い美人顔である。
 既に全裸も女の部分の公開もクスコを突っ込んで女の奥も収録した。
 二穴挿入は時間の関係で諦めて則末と忍田が一回ずつ果てずに挿入だけで済ませる。
 年齢的にそんなには男の資源が無いからである。
 拷問椅子に磔にしたまま剃毛に掛かっていた。
 向井奈津はまだ麻酔で眠らされている。
 忍田は向井奈津の膣に指を突っ込む。暫く濡れを導くように弄る。
 やがて強く掻き出す。
 「あーーーーーーーーーーーー。なにしてるーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 潮は容赦なく飛び散る。
 「あーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー。きょうせいわいせつーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は喚き続ける。潮は何処までも修まらない。これまでの日常から有っては成らない屈辱である。
 「あはあーーん。あはあ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。ちくしょーーーーーーーーーーー。なんてことするんだーーーーーーーーーー」
 向井奈津は荒い息遣いが治まって怒りを破裂させる。
 「いくら怒っても確り録画を撮影させて貰った」
 則末が堂々と宣言する。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は事態を悟らずまだ怒りを破裂させる。
 股間の周りは潮でびしょ濡れである。拷問椅子もその下の床にも滴が飛び散っている。
 剃毛されてドテの紅い皮膚が丸出しである。
 「いくらでも騒げ。お前ら七人以外全員死体が海に浮いた」
 則末は淡々と語る。
 「なんだってーーーーーーーーーー」
 向井奈津は驚愕する。
 「警察では事故と事件の両面捜査らしい。でも元捜査官という専門家が報道番組で事件の可能性は低いだって」
 忍田は嘲ている。
 「そんなーーー。でもそのうち捕まるよ」
 向井奈津は強気で言い返す。
 「その通りでございます。この動画が配信されたら警察が乗り込んで来て銃撃戦です。討ち死にしても捕まりませんが」
 忍田はさらに嘲る。
 そして股間にもう一度クスコを刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでこんなことするのーーーーーーーーーー」
 向井奈津は喚き散らす。全裸で剃毛されていてさらに女の奥まで晒される。絶対に許せない屈辱である。
 「お前らと会社と現代社会に復讐だよ」
 忍田はまた同じ台詞を吐く。
 「何が復讐よ。あんな発言したからだろ」
 向井奈津はさらに言い返す。
 「言論の自由や」
 則末はこっちの言い分という態度である。
 「お前の発言は異常に人を差別して傷つける。あんな発言何処でも許されないよーーーーーー」
 向井奈津は怒りに滾っている。顔は真っ赤に染まり般若の形相である。
 「五十年前なら許された」
 則末は委細構わない。自分らの言い分だけである。
 「許されるかーーーーーーーーーーーーー。なんと言った!日本を護ってくれるなら女の子の一人や二人の操くらい熨斗付けて差し上げてもーーー」
 向井奈津は怒りを破裂させた。
 恐ろしい発言である。五十年前でも非難される。
 この二人が生まれる前の昭和三十年以前なら非難するものが有っても社会的には黙認されたかもしれない。
 「あくまで個人の意見や」
 忍田は全く動じない。
 「売春が無いからいけないのや。昔はどの街にも島にも至る所に遊廓が連なっていた」
 「汚らわしいソープランドとか風俗店もまだまだ残っているじゃないか」
 向井奈津は怒りのまま風俗女性まで罵倒してしまう。
 「それじゃあかんのや。風俗利用して下さいと米軍に言った政治家も居たな。だがな小原庄助さんの行く風俗では兵隊は払えない」
 「それじゃ売春が有っても意味無いでしょう」
 向井奈津は決め付けるように言う。
 「昔の沖縄には十分で千円の売春が有ったのや」
 「そんな。今の物価と違うからでしょう」
 「三十年前にジャパゆきさんでも無理だな」
 則末は物価が違ってさらに経済の低かった国の出稼ぎ女性でも無理だったと逆に認める。
 「そうだ。その時代でも成り手はない。中学生のころ週刊誌で読んだのだが俺たちのお爺さん連中は旅行者を攫った。それを孕ませる」
 「なんと!犯罪だよ」
 向井奈津は強く怒る。
 「それがな。女が逃げるやろ。乗せたタクシーが密告して警察が保護に向って業者に戻すのや」
 忍田は平然と嘯く。
 「そんなーーーーーーーーーー」
 向井奈津は信じられない。有っては成らない事である。
 「そんな時代やったのや。だがな一組だけ子供連れて内地に逃れた。それが週刊誌の記事になっていた」
 「運が良かったの」
 「まあ。段取りが良かったかな。この女はバスに乗った。さらに黒人兵が協力して空港まで荷物と旅券を届けてくれた」
 「そういう売春が今でも続けば良いと言うの」
 「そうだ。この頃はクラスで記事読み回して盛り上がっていた。非難も同情もしない。みんな内容に興味津々や。そういう時代や」
 「そういう昭和の親父が問題発言するんだよ」
 向井奈津は怒りを込めて忍田の世代を罵倒する。
 「どうでも良い。お前は特別処刑だ」
 「殺すの」
 強気でも向井奈津の声は震えている。
 「今更お前一人殺しても。もっと苦しんで生き残ってもらうさ」
 忍田は残忍な哂いを浮かべている。
 「どうするのだ」
 則末が確認する。
 「こいつのま○こを縫ってしまいましょう。そして希硫酸で中を焼いて縫った部分は火傷でくっついてしまうと」
 「それは良い」
 「何言っているのーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は恐怖に喚く。
 忍田は縫合針と医療用の糸を取り出す。
 向井奈津は拷問椅子に大股開きで確り固定されている。藻掻いてもどうする事もできない。
 忍田は向井奈津の女の部分の閉じ合せた粘膜を指で抓んで針を刺す。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、ぐううーーーーーーーーー」
 向井奈津は表情を歪めきって悲鳴を搾り出す。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は涙を溢れさせながら叫ぶ。
 忍田は構わず縫って行く。則末はその部分のカメラのアップを確認している。照準はぴったり合っていた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー。うう、ううーーーーーーーーー。うぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍田は念入りに五箇所縫って縛り合わせる。
 じっくり残酷かつ生々しい映像が撮影された。
 「おのれーーーーーーーーーーー。こんな事してーーーーーーーー。絶対に許さないぞーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は怒りの限り喚く。
 忍田は希硫酸を細いスポイトに吸い上げる。それを縫い合わせた向井奈津の小陰唇の合わせ目から突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は強烈に悲鳴を上げる。
 忍田はさらに小陰唇の合わせ目に微量に流し込む。
 小陰唇同士が縫った内側で貼り付く配慮である。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は藻掻き続ける。
 「麻酔を掛けてやるよ。次に気が付いたら病院かあの世だ」
 則末は愉しんでいる。向井奈津にも同じ台詞を吐く。
 「・・・・・」
 向井奈津は瞬時に両者の違いが分らない。
 「俺たちは此処で討ち死にする。この動画が公開されたら警察が押し寄せる。銃撃戦に成る。警察がお前を保護してくれたら病院だ」
 忍田が補足して説明する。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーー」
 向井奈津は怒りに如何ともできない。
 忍田は局部麻酔と全身麻酔を掛ける。
 そのまま縄を掛けて別の部屋に運び込む。
 今夜は疲れたので二人は数時間眠ることにした。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 ニュース番組は大江戸海鮮屋チェーンの社員研修バス事故報道がメインで行われていた。
 珠洲と瀬里菜が歓迎しない編集の小川綾香が来ている。
 話は数分で終わってしまった。
 小川綾香は世間話してなかなか帰らない。
 「新幹線大丈夫でしょうか。一応お部屋を準備しておりますが」
 珠洲が追い立てる。
 「そうね」
 小川綾香は生返事である。
 「駅にお送りしないのでしたらもう寝ますのでお部屋にご案内します」
 珠洲は無理やり追い立てる。
 小川綾香も渋々立ち上がった。
 瀬里菜は二人が部屋を出るのを待って仕出し屋に夜食に近い夕食の注文を掛ける。
 小川綾香が帰るまで夕食を遅らせていたのである。
 
 五月二十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 遂に則末と忍田の動画が公開された。
 和歌山県警とマスコミは大騒ぎである。
 現場はまだ特定されてない。だが状況から和歌山県の南側と絞って和歌山県警が動く。
 杉下一行のメールで如月鬼堂の居間に愛好会の主な面々が集まった。
 今はその内容を確認している。
 動画は順次配信されて来るが二本まで確認した。河野ゆかりと向井奈津の動画である。
 まだ場所がどこかは見当が付かない。今回は動画で則末と忍田の姿が確認されている。
 和歌山県警は二人の目撃証言を得るべく捜査員を動員していた。
 杉下一行は三人目の動画を取得して如月鬼堂らに転送する。
 三人目の被害者は森山雪路という。
 「まだ場所が判らないようですね」
 福富麻次郎は不思議に思う。
 「本人らの家や別荘ではないということだ」
 顔が判っている。問題発言で以前にマスコミに名前の出た二人である。それなら警察は直ぐに行き着く。
 「山荘か何かを貸したのなら貸主が通報するでしょう」
 杉下一行も疑問である。
 「それ以前に疑問だらけだ。バスの車体は転落させたと思えるが遺体の発見場所だ」
 如月鬼堂もこれが不可解である。
 森山雪路は動画に全裸、局部の開帳、乳房のアップが放映され膣の奥もクスコで広げてペンライトで照らして公開されていた。
 高手小手に縛られて大股開きで床に磔にされている。
 まだ眠らされたままの様子である。
 則末がねちねちと剃毛していた。
 
 「この二人GWの前半に和歌山県の岬ビューホテルでスーパーコンパニオンを呼んで遊んでいます」
 館山弁護士は情報を得ていた。
 「やはり現場は和歌山か」
 如月鬼堂は警察の捜査は正しいと評価する。
 「そうでしょう」
 館山弁護士も異論は無い。
 
 剃毛が終わると忍田、則末の順に森山雪路に挿入して中で果ててしまう。交代する時に膣の中は洗った。
 森山雪路は奇声を発しながら喚き続けている。
 則末はそれをビンタしながら強く挿入を続けて森山雪路の女の中に果てた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーん」
 森山雪路は強姦に泣き喚く。
 「諦めろ。お前の動画も数日後に社会にばら撒かれる」
 忍田が宣告する。
 「会社を追い出されたからといって私に復讐するなよ」
 「お前ら七人以外みんな死んだぞ。バスの乗務員もな」
 「えーーーーーーーーー」
 森山雪路も驚愕の表情に成る。
 「お前らは餌食だ」
 「まだ何かするの」
 森山雪路はもう口惜しくも二人に犯されてしまった。
 「これからお前の女の性を動画に収録して社会にばら撒く」
 「そんなあ。お前たちはあの連中と同じ事を」
 森山雪路は二人の元役員が連続拉致強姦事件の関連事件とその模倣犯の同類に成ったと気付く。
 「それ以上だ。お前らと会社と現代社会に復讐だよ」
 忍田はまた同じ事を言う。
 「私を殺すの。何で私達なのよ」
 森山雪路の声は震えている。
 「殺したくはない。羞恥の姿を社会に晒して生きて行け。できたらAV女優に成れ。女として正しい仕事だ」
 忍田は当然の如く言う。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 怯えて泣いていた森山雪路がぶちきれた。
 「大真面目でございます」
 則末が茶化す。
 森山雪路は大股開きにされ床に埋め込んだフックに脚首を四重の縄に固定されている。
 膝を強く窄めても九十度以上広がったままである。それ以上閉じられない。胸部は高手小手に縛られ腕は後ろに回っている。
 腰がベルトで固定され後ろ手に回った腕が床に埋め込んだフックに繋がれていた。
 上半身はやや動き頭を上げれば三十度浮く。
 則末がローターを三つ取り出す。
 それを一個ずつ順に森山雪路の膣に押し込む。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は喚き抵抗を示す。
 嫌な元上司の指で直に女の局部に物を突っ込まれる。
 膣に力を込めているがローターは容赦なく中に滑り込む。既に膣内が濡れていて抵抗力は弱い。
 則末がローターのスイッチを入れる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路はローター三つの責めに到底堪えられない。喚き続ける。
 どんなに嫌でも官能は襲って来る。
 忍田は鞭を構える。
 先端が細い一本鞭である。
 それで森山雪路の乳房を薙ぐ。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は驚愕の表情で忍田を見返す。
 忍田は容赦なく叩き続ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は強烈な悲鳴を搾り出し続けた。
 忍田は森山雪路の左横に移動する。
 鞭を構えて女の部分を狙う。
 森山雪路は恐怖に歪んだ横目で忍田を見る。
 森山雪路の女の部分は閉じ合わせてローターの線が三本出ていた。鞭の先端はその粘膜を斜めに叩く。
 「うお、おーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。そして痛みと官能のミックスである。二人は倒錯を狙っていた。
 ローターは責め続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路はローターの責めにも追い詰められていた。
 鞭が止まったので則末がもう一個ローターを持ってクリトリスを包んでいる包皮の上から責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路はさらに追い詰められる。
 忍田は一本鞭の先端で内腿を叩く。
 「うう。うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路の表情は破裂している。
 内腿には蚯蚓腫れが浮く。一本鞭の先端はかなり硬い。
 則末は構わず責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 官能が森山雪路を襲い続ける。
 忍田は横から右の乳首を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 則末は責め続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁尿が弧を描いて噴き上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 断続的に止まってはまた噴き上げる。
 森山雪路の股間は痙攣していた。
 則末は手を休めない。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか失禁は収まらない。
 「あはあ。ああ。あはあ。ああ。ああ」
 則末はようやく手を放す。
 「ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。ああ。ああ」
 森山雪路の躰は震撼し続けている。股間もまだ痙攣していた。
 則末は満足そうにローターを三個とも抜き出す。
 森山雪路の股間はびしょ濡れ。乳房と内腿の蚯蚓腫れが真っ赤に腫れている。
 「さあ。どんな動画が公開されるか録画を見よう」
 則末はモニターに動画を再生する。
 「お前のどんな姿が世の中に公開されるか良く見ろ」
 忍田が宣告する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路はクスコで広げきった女の奥が拡大されて悲鳴を上げる。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 失禁する場面で森山雪路は半狂乱になる。
 「どうだAVにぴったりだ」
 忍田が愉しそうに詰る。
 「はっはっはっはっは」
 則末は笑い飛ばす。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。どうしてこんなことするんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は涙を飛ばして叫ぶ。
 「ある程度のスタイルと容姿を兼ね備えた女がAVや売春に投入されないと女躰が行き渡らない。だから性犯罪が起こる。これは公共の福祉だ」
 忍田は大真面目である。
 「ふざけるなーーーーーーーーー。女の権利と自由を踏み躙るな」
 森山雪路は殆んど無い気力を振り絞って叫ぶ。
 「はっはっはっは。どう騒いでも時間の問題で公開されます」
 則末は愉快そうである。
 忍田はもう一度クスコを森山雪路の膣に挿入する。
 「濡れたあとの内部も公開だ」
 忍田は螺子を回して奥を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は抗議し続けるしかない。
 「中はばっちり濡れていますよ」
 則末は覗きながら詰る。モニターにも森山雪路の膣の奥の濡れが確り確認された。
 「お前らが悪戯したからだーーーーーーーーーー」
 森山雪路は有っては成らない辱めに怒り狂う。
 「この女このあとどうする」
 また則末が次の責めを確認する。
 「昼を食べてから考えましょう」
 森山雪路はそのまま放置である。
 
 和歌山。捜査中の大森登喜江巡査部長は洞窟の中で喧嘩する声と物音を聞いて近付く。
 喧嘩は直ぐに修まった。
 大森登喜江巡査部長はその洞窟の奥に水の音を聞いて若い男性巡査長と確認に入った。
 奥は行き止まりで川が流れていた。地中の川である。
 大森登喜江巡査部長は川の流れる方向に感心を持った。
 「この川。これまで遺体が流れ着いた方向に流れているよね」
 「そうですね」
 「此処から遺体を投げ込んだら」
 「それは現実的ではありません。街道から距離もあります。二人位で三十数体運び込むのは」
 「もっと上流かな」
 「この川が何処から流れているか簡単には調べられません」
 大森登喜江巡査部長の報告で調査を始めたが犯行現場は容易に特定できない。
 洞窟内の川からブイを流して確認すると遺体が発見された海面に流れ出た。
 しかしそれ以上の手掛かりは得られなかった。
 
 森山雪路の拷問動画の続きである。
 則末と忍田は食事を済ませて次の拷問を決めて来た。
 「待たせたな」
 「待ってなんかいないよ。これを解け!!」
 森山雪路は放置に藻掻き続けてぶち切れている。
 「はっはっは。これから貴女の子宮を希硫酸で焼きます」
 「なんだとーーーーーーーーーーーーー」
 「ご安心ください。直ぐに眠らせてあげますよ。次に気が付いたら病院のベッドかあの世です」
 また忍田はからかう。
 「おのれーーーーーーーーーーーーー。絶対にゆるさないぞーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は戦う術のない怒りに叫ぶ。
 「許して頂かなくて結構です。貴女の究極に恥ずかしい動画が公開されましたら警察が乗り込んできます。銃撃戦です」
 則末がまた同じ事を説明する。
 「警察が上手く救出してくれたら病院で子宮摘出です。それ以外はあの世と言う事です」
 さらに忍田がからかう様に付け加える。
 「ひどすぎるよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は涙を溢れさせ号泣する。
 「だから復讐だよ」
 忍田は真顔で言う。そして森山雪路の膣にもう一度クスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやだやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は恐怖に泣き叫ぶ。
 忍田はクスコを広げて子宮口を確認する。
 「子宮口が奥にくっきり」
 忍田はもう一本細く小さなクスコを取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路の目を見開いた表情は恐怖に破裂している。
 「子宮無くなっても死なないよ。子供できなくてAV長くできるよ。年取ったら水商売で若い子の教育だ。正しい女の一生だよ」
 則末が淡々と語る。
 「かってにきめるなーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森山雪路は涙声混じりに抗議する。
 忍田は子宮に細いクスコを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がり森山雪路の股間は震える。
 忍田はスポイトに希硫酸を吸い上げる。
 「・・・・・」
 森山雪路の表情は恐怖に凍りつく。もう声は出ない。
 忍田はクスコの中の細いクスコにスポイトの先端を差込む。そのまま希硫酸を流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの如く悲鳴が轟く最中に則末がクロロフォルムを嗅がせる。
 森山雪路を縛ったまま別の部屋に投げ込んで終了である。
 
 「これまでより残酷さが上がっていますね」
 如月鬼堂の居間では三本目が終わって休憩に入った。
 杉下一行は四本目を準備している。
 「しかしこの動画が公開されても奴等が言うようにはこの動画から犯行場所は判らないな」
 如月鬼堂は警察が押し寄せるにはまだ無理と見ていた。
 「これまでの場所の判らない動画と一緒ですね」
 「場所が判るのは最後の一本ですか」
 「総て拷問を終えてから配信しているのだろ」
 「銃撃戦と言っていますから武器も準備しているでしょう」
 「警察にも被害が出る。警察も慎重になる。銃撃戦と言うからには後ろにあの連中が付いている」
 如月鬼堂は事態を分析して簡単には解決しないと予測する。
 「しかし。この拷問では犯人に殺す気が無くても人質の女性七人は何日も持ちませんよ」
 「犯人の狙いはこれまで通りだな」
 「まあ最後まで見ましょう」
 杉下一行は四本目を再生する。
 
 和歌山県警捜査本部である。
 「地中の川が半分判っても、上流は簡単に割り出せません」
 「犯人らは動画が公開されたら警察が押し寄せると言っていますが動画の何処からも犯行現場は判りません」
 「でも何処かの山にその入口が有るのです。そして其処に犯人と人質が居ると思われます」
 大森登喜江巡査部長はこれを見つけ出すべきと力説する。
 男性警察官を越える獰猛な容姿。頑丈なな体形である。
 何としても残る六人の被害者の生命だけは救いたい。強い意志で捜査に立ち向かっていた。
 「とにかく大森登喜江巡査部長の言う山の捜査、動画の検証に全力を挙げる」
 県警本部長が激励する。
 
 如月鬼堂の居間では四人目の動画を閲覧していた。
 四人目の犠牲者は野崎亜美である。
 名前に合わない細面の顔。美人と言うに一歩手前だが風俗やソープに出てくれば充分に満足な女である。
 理知性を感じさせるところが則末と忍田には辱めて精神を破壊したくなる願望を滾らせる。
 則末と忍田は野崎亜美を着衣のまま眠らせて撮影する部屋に連れて来た。
 床に寝かせてスーツ姿の着衣を脱がせるところも撮影している。
 森山雪路と同じように高手小手に縛り床に大股開きにして脚首を固定した。
 ショーツの染みまで確り動画に収めて乳首、性器を閉じた状態から開いた状態を収める。さらに二人で両側から指を入れて膣を広げる。
 粕を綿棒で採取して綺麗に落とす。粕を掃除した性器の緋色の内側をもう一度拡大する。
 最後にクスコを入れて膣の奥を動画に公開した。
 忍田は鞭を持つ。
 先端が細くなった一本鞭である。
 左の乳房を縦に叩く。
 「う、う・・ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は一気に意識を回復する。
 忍田はもう一発今度は右の乳房を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に蚯蚓腫れが浮く。左の乳房は蚯蚓腫れが紅く成り始めていた。
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。これをとけーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は脚を暴れさせ藻掻く。
 「お前の恥ずかしい姿は全部収録した。これを全世界に公開だ」
 忍田が正面のモニターに録画を再生する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は自分の局部の拡大画像に驚愕の悲鳴を上げる。
 「まだまだこれからです」
 則末は野崎亜美の顔を覗き込んで言う。
 「あーーーーーーーーーーーー。下劣よーーーーーーーーーーーーーー。捕らえられて洗ってないからそこは汚れているのーーーーーーーーーー」
 性器の汚れを掃除される姿に野崎亜美の怒りが沸騰する。
 野崎亜美の膣にはクスコが入ったままである。
 「逝き声をたっぷり聞かして貰いましょう」
 忍田はリモコンから延びた柄の先にマイクロローターの付いたアイテムを取り出す。
 則末がクスコを横向きに直す。膣天井部の一番敏感な部分がクスコの金属の間に露出する。
 忍田はその部分にマイクロローターを当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は首を振って藻掻く。
 忍田はさらにもう一本追加する。小型のカメラを接続してクスコの中を拡大してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は藻掻き続けるが官能から逃れることはできない。
 「あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 則末は小型カメラのセットを終えて通常サイズの卵バイブを取り出す。
 野崎亜美のクリトリスを包む包皮を剥いてピンクの女の亀頭に当てる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 野崎亜美は強烈に藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの様に悲鳴が切迫する。もう堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は遂に潮を噴き上げてしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 野崎亜美の表情は破裂して股間は水浸しである。暫く藻掻き荒い息遣いを続けた。
 「ちくしょーーーーーーーーー。ひれつだーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は荒い息が治まって怒りを破裂させる。
 忍田は床に磔にした野崎亜美の腹を跨いでビンタを食らわす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 構わず叩く。
 「うーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーー」
 則末が床をモップで拭く。
 クスコを抜いて一物を挿入してしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。ごうかんやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美は泣き叫ぶ。
 暫くピストンして抜く。無駄に果てて男の資源は使わない。
 今度は則末が野崎亜美の腰を跨いでビンタする。
 「ぐうーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー」
 則末は気持ち良さそうに叩き続けた。
 忍田も交代して挿入する。こっちも果てることなく終了する。
 「どう足掻いてもこれが公開されたらどんなに清純知的な女を主張してもどうにも成りません」
 「会社首に成ったからって私達に復讐するなーーーーーーーー」
 「貴女方七人以外は全員お亡くなりに成りました。貴女は恥を晒して生きてゆくのです。現代女性階級への見せしめです」
 「お前らは逮捕されるぞ。もう顔は判っているのだ」
 野崎亜美はどうにも分が悪い現状でも精一杯言い返す。
 「されません。自動小銃が有ったでしょう。此処で銃撃戦です」
 則末は不敵に哂っている。
 「さあ。ここからだ。どうする」
 則末がまた忍田に確認する。
 「こいつの性格じゃどんなに追い詰めてもAVには成りません。この綺麗なおっぱいに焼印押しましょう」
 忍田は先端がT字に成った金属棒を取り出す。
 「スケベ女と書いちゃいましょう」
 「半田鏝で書いた方が早くないか」
 「そうですね」
 「なにいっているんだーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。あくまーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美はヒステリックに叫ぶ。
 直ぐに半田鏝が電源に差し込まれる。
 「まだ剃毛してないです」
 「やいちゃおーーーーーーーーーー」
 則末は蝋燭に点火する。
 金属の櫛を野崎亜美のドテに咲いている陰毛の下から差し込む。蝋燭の炎を当てて陰毛を溶かす。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 陰毛は一気に溶ける。
 さらに残って縮れた陰毛を直に蝋燭の炎を掠るように当てて焼いてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大陰唇の回りも焼いてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 則末は野崎亜美の悲鳴を愉しみながら股間部分を焼き尽くしてしまった。
 さらに則末は野崎亜美の女の部分の閉じ合せた粘膜を広げて蝋涙を垂らす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 野崎亜美からさらに強烈な悲鳴がサイレンの如く鳴り響く。
 忍田は温まった半田鏝を乳房に当てて引っ張るようにじわじわ文字を書く。
 「あーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーあーーーーーーーーーがあーーーーーーーーあーーーーーーーーぐああがーーーーーーーーー」
 野崎亜美は強烈な悲鳴を上げ続けて失禁して失神した。
 そのまま脚首を縛り合わせて上半身は高手小手に縛ったままである。麻酔を打って個室に投げ込む。
 五人目と六人目が引っ張り出された。二人とも同じように床に磔にする。
 そして同じように社会的に葬る撮影が行われた。
 則末と忍田はこの二人も挿入だけ行う。一人ずつ手分けして蝋燭でドテと大陰唇の陰毛焼いてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 ここで二人は意識を回復する。
 暫く同じような問答が続いた。
 「さあて貴女達の刑は一人が子宮を硫酸で焼く。一人がお○○こを縫って硫酸で焼付けです」
 女性二人の悲鳴を無視してモニターで抽選する。
 一人は森山雪路のように子宮を希硫酸で焼かれた。
 もう一人は向井奈津のように女の部分を縫合針と医療用の糸で縫い合わされる。同じようにスポイトで希硫酸を縫い目から流し込まれた。
 二人とも高手小手の縛りのまま脚首を縛り合わされて麻酔を打たれて別々の部屋に入れられたのである。
 
 警察は南の端から山、丘など地中の川の上流になりそうなところを千人体制で探し続けた。
 大森登喜江巡査部長らは位置的に正面の山に当たりを付けた。だがこれは空振りとなった。
 
 五月二十日。夜八時を回っていた。
 如月鬼堂の居間では最後の六本目の動画を閲覧していた。
 七人目の女は香山芳美という。
 リクルートスーツ姿で運ばれた。細身でやや上背が有ってスタイルの抜群さが充分に分かる。
 則末と忍田は服を鋏みで切って全裸にしてしまう。
 河野ゆかりのように脚立の上でV字開脚にする。高手小手に縛った縄を後ろの壁のフックに確り縛り付けていた。
 脚首と膝に掛けた縄は天井から吊るしたフックに引っ張られて股間は六十度に広がっている。
 乳房は綺麗な円を描いている。弱々しそうな標準サイズの膨らみである。乳首は真っ赤に美しい。
 太腿に余分な肉は無い。細く綺麗な脚の線が弧を描いている。
 女の部分は小陰唇が大陰唇の中に納まって綺麗な二本の縦筋の窪みを描く。肌の肌理は細かい。
 指で広げると中は綺麗に薄橙である。小さな尿道の亀裂が確認される。膣口を小さな襞が複雑に閉じ合わせていた。
 クスコで広げると奥に真っ赤な子宮口が確認される。
 則末は意識を回復する前に剃毛してしまう。
 二人ともやる気満々である。
 まず忍田が挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍田が暫く動くと香山芳美は意識を回復して藻掻き叫ぶ。
 二人とも生で中に果てた。妊娠の危険性はこれで三人目となる。
 則末と忍田はこの女を一番玩具にしたかったのである。
 忍田は浣腸器を準備していた。その浣腸器に冷蔵庫で冷やした石鹸水を吸い上げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は浣腸されると分って泣き叫ぶ。その崩れた顔がまたそそらせる女である。
 忍田は容赦なくアナルに浣腸器の先端を差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は悲鳴を上げる。
 忍田はそれを無視して冷たい石鹸水を注入する。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腹の痛みが一気に香山芳美を襲う。
 則末は脚立と香山芳美のお尻の間に透明な簡易便器を挟む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は究極に藻掻き苦しむ。
 則末も忍田も浣腸は目的でない。だがこの美人の脱糞だけはこのシリーズに残したい。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浣腸器を抜くと香山芳美はもう堪えられない。茶色い水が流れ出す。アナル栓を捩じ込む余地は無かった。
 そのまま茶色い水の中に便が流れ出す。崩れてなかったのでアナル栓をしなくて正解であった。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 香山芳美は苦しさの余韻と口惜しさに藻掻き荒い息遣いで涙を溢す。
 「いいシーンが撮れましたよ」
 則末は香山芳美の表情を覗き込んで詰る。七人の中で一番の美女の羞恥に塗れた姿である。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は泣き叫ぶ。
 忍田が香山芳美の膣に指を二本突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は藻掻き叫ぶ。
 忍田は強く娼婦の泣き所を責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 香山芳美は必死に藻掻き抵抗する。
 則末は忍田が指を突っ込んでいる女の部分をさらに指で広げる。忍田の指の上に香山芳美の尿道の亀裂が露になる。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーー」
 既に香山芳美の股間は痙攣している。
 「あーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は藻掻き続ける。尿道の亀裂が膨らんで潮が飛び出す。
 「あーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は断末魔の悲鳴を上げ続ける。
 一番恥ずかしい部分の微妙な動きが艶かしく克明に動画に表現された。香山芳美があとで見たらこれ以上の羞恥はない。
 忍田は執拗にとことん搾り出す。
 「あはあーーーー。ああ。ああ。ああ。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 香山芳美の躰は震撼し続け股間は痙攣を暫く続けた。
 「ひどいよーーーーーーーーーーー。なんてひどいことするのーーーーーーーーーーーーーー。ひどすぎるよーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は涙を振り飛ばして訴える。
 「でも気持ち良かった筈ですよ」
 「そう膣が痙攣していました」
 「これを全部公開します。これまでもそういう事件あったでしょう」
 「あんた達はそれを真似して。私に死ねと言うの」
 「いいえ。恥を晒して生きて行って下さい。できたらAV女優に成っていただきたいです」
 則末は哂いを浮かべてじっくり神経の奥に浸透させるような口調で言う。
 「いやよーーーーーーーーーーーー。ぜったいにいやーーーーーーーーーーーーーー」
 「それでも、死んでも、たくさんの人がこの動画を見続けますよ」
 則末は愉しそうに詰る。
 「酷い。ひどいよーーーーーー。ひどすぎるーーーーーー。私が何をしたのよーーーーーーーーー。告発したのは小早川だよ」
 「あいつらは全員死んだ。公開して多くの人が悦んで見るのはお前ら七人だけだ。お前の裸が一番良い」
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。いきてられないよーーーーーーーーーーーー」
 「まあ簡単には死ねない」
 忍田は決め付ける。
 「さあ。逝き顔も見せていただきますよ」
 則末はさらに辱める宣告をする。
 忍田はアナルに入れるローター。舌の動きをする膣用バイブレーター。さらに舌の動きをするクリトリス用バイブレーターを箱から取り出す。
 全部新品である。
 「これ解ります。これシリコンでできた柔らかい舌です。先端から薄いローションが出ます」
 則末が説明する。
 「それで私が逝ってしまうの」
 香山芳美は蒼ざめている。
 「本物の潮を噴いてもらいます。さっき噴き上げたのはおしっこです」
 則末は淡々と語る。
 「やめてよーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美は泣き声混じりになる。余りにも恥ずかし過ぎる姿が社会にばら撒かれるのに堪えられない。
 則末と忍田にはまだまだ。だが香山芳美には恐ろしいものが収録されてしまったのである。
 香山芳美は不安定な格好で脚立の上にV字開脚にされ脚は吊るされ高手小手に縛られた胸部が壁のフックに固定されている。
 忍田は香山芳美のアナルにローションをたっぷり塗ったローターを押し込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍田は金属の棒でローターを押し込んでそのリモコンに繋がった電線を引っ張って位置を調整する。
 忍田はもう一度膣にクスコを横向きに挿入した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美の叫びを無視して螺子を回して内部を広げる。位置を確認して舌の動きをする膣用バイブレーターセットする。
 則末は香山芳美のクリトリスを包んでいる包皮を指で剥く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 香山芳美はさらに叫ぶ。
 クリトリスにも舌の動きをするバイブレーターを当てる。形状はかなり違う。膣天井部、クリトリスとも専用に作られた物である。
 二人で三つ一気にスイッチを入れる。
 「あーーーーーあはあーーーーーん。ああーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーん」
 香山芳美は全く堪えられない。躰を震撼させ表情を究極に軋ませて抵抗しながら声を上げ続ける。
 
 如月鬼堂の居間では杉下一行を中心に二つのアイテムを検証していた。
 「何処で買ったのでしょう」
 杉下一行も見たことがない。
 「あの連中が作ったのではないですか」
 館山弁護士は連続拉致強姦事件の犯人らの製造ではないかと想定する。
 動画を止めてかなり分析が行われた。
 
 香山芳美は藻掻き抵抗しながらも強烈な官能に飲まれて忍田らの目論見の通り本物の潮を二メートルくらい飛ばして噴き上げた。
 その直ぐ後に失神してしまった。
 則末がその上から麻酔を打つ。
 忍田が刺青の機械を取り出して左右の内腿に則末命、忍田命と掘ってしまった。最後の仕上げである。
 動画はこれで全編終了した。
 
 五月二十一日。
 和歌山県警の前日の捜査は空振りに終わっている。
 則末と忍田は動画の次にメッセージを発信した。
 『田舎の警察の捜査は駄目だな。動画をばら撒いたら日本の警察の捜査能力ならその日に来ると思っていた。我々は○○山荘に居る。早くしないと人質が危険だ』
 「この峠の奥。山の中腹です」
 「長期の賃貸の山荘だな。持ち主は日本人だが台湾に住んでいる」
 警察車両で野営していた警察部隊は武装して向った。
 近付くと則末と忍田は自動小銃を乱射する。
 警察部隊は下がってジュラルミンの盾で取り巻く。
 則末は川口の会長に頼んで迫撃砲の代わりに提供されたロケット砲を盾の後ろに打ち込む。
 何人かが犠牲に成った。
 警察部隊はさらに下がる。ロケット砲の落ちた後ろに下がった。
 則末と忍田は自動小銃を外に投げる。
 両手を上げて山荘から出て来た。
 真っ直ぐ警察部隊の盾を構える方に歩く。
 警察部隊は真ん中付近の隊員から後ろに下がる。
 「とまれーーーーーーーーーー。止まらないと撃つぞ」
 警官がメガフォンで叫ぶ。
 「撃て」
 忍田が叫ぶ。
 「とまれーーーーーーーーーー」
 次の瞬間二人は崩れるように倒れる。
 その瞬間警察部隊の足元から爆発が起こった。
 則末と忍田は青酸カリを入れたカプセルを噛んで手の中のリモコンで起爆装置を起動したのである。
 大森登喜江巡査部長らは怯まず山荘の中に突っ込んだ。被害者七名を発見する。生きている事を確認した。
 直ぐにドクターヘリが手配される。
 警察隊員の殉職者は二十二名。重傷者が三名。軽傷者が十二名であった。
 警察部隊は爆発物が埋められている危険を充分確認しながら進んだ筈である。地べたを掘った跡などは無かった。
 川口の会長が開発した地中を掘って進む爆発物が山荘の地下からその位置にセットされていたのである。
 大森登喜江巡査部長らは滝壺から流れ出す川を発見した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂がインターネットアダルト放送のスタジオに向う寸前に事件は解決した。
 如月鬼堂は館山弁護士と打ち合わせして新幹線で出発する。
 これまでの犯人の中で連続拉致強姦事件の六人を除いて一番残酷な犯人であると言える。
 今回は犯人の社会に対する不満が充分に表現されていた。如月鬼堂は昭和世代の親父の現代社会への不満に焦点を当てて番組で解説する。
 
 和歌山県。岬ビューホテルは今回の事件で何度もマスコミが押し寄せた。則末と忍田が事件の寸前に遊んだからである。
 少なくなったスーパーコンパニオン遊びの復活したことがニュースで全国に宣伝された。
 岬ビューホテルの予約は一気に増えた。
 スーパーコンパニオン遊びの対象者も少なくなっていた。だがそれを全国から集める結果となったのである。
 こっちのSM愛好会の会員も一気に増える結果となった。岡田弥一郎と青木学は満足である。
 だがこの先のSM愛好会の入会者獲得には厳重な審査が必要となる。青木学は警戒も忘れてない。
 如月鬼堂と館山弁護士も今後のあり方に警戒を始めた。
 
 
 最期のSM小説家 第三十三幕 対抗してきたSM愛好会 完 





 最期のSM小説家 第三十四幕 SMスーパーコンパニオン


 二〇二十二年芒種中元。太陰太陽暦五月七日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年六月五日。
 和歌山県。岬ビューホテル。
 このホテルのスーパーコンパニオンは置屋を通してなかった。直接口コミで女性を集めていたのである。
 この度青木学がSMスーパーコンパニオンを派遣するクラブを経営する運びと成った。
 廃業した温泉旅館を安く買い取って事務所と寮に使う。
 一ヶ月の収入を一日でと広告を出して全国から寮付きで集めたのである。一部母子寮となっていた。
 月に一日は青木学が会長をする愛好会の客で岬ビューホテルは満室になる。
 昨夜は一ヶ月ぶりに青木学のSM愛好会が集まり大宴会場でソフトなショーが行われた。
 ソフトと言ってもこれまでの箱守狛江のような肉体を破損するまで行かない範囲でソフトと称している。
 ショーだけではなく席にはスーパーコンパニオンも付いていた。
 スーパーコンパニオンは殆んど宴会場では全裸である。
 会員らはディープにコンパニオンの唇を貪り指は膣の奥深く侵入して弄くり続けている。
 SMショーを愉しみながら酒池肉林以上の宴会であった。
 本日は部屋ごとにSMスーパーコンパニオンが付いて昼から愉しむ。
 青木学の愛好会のない週末は大阪、名古屋、東京からもSM目当ての客がやって来る。
 その筋で有名ホテルとなってしまった。
 猟奇極まりない大事件を起こした則末と忍田。この二人が起こした事件で逆に利を得たのである。
 則末と忍田がスーパーコンパニオンSMコースで事件の前に遊んだだけで取材が殺到した。
 ピンクコンパニオン遊びは温泉客が激減してあちこちで温泉街が廃墟になって下火になっている。
 遊郭の廃墟に続いて温泉街の廃墟が日本全国に見られた。
 それでも現代の小原庄助さんは居なくはない。それらが全国から集まるメッカとなった。
 赤座元太は土建会社を経営する社長である。青木学のSM愛好会に紹介で入会した。
 昨日競りで浪江を落札している。
 前日にコンパニオンを選ぶ。希望者が複数だと競りと成った。
 SMスーパーコンパニオンはハードコースで六時間二十万。競りで上乗せに成ると格段と収入が増える。
 浪江の花代は本日三十八万と成った。
 その他に客はクラブに五万を払う。
 浪江は陰惨な事件を起こした則末と忍田が此処で遊んだコンパニオンである。
 もう一人則末と忍田の相手をした香乃子は昨夜のショーの生贄をした。
 ショーに出れば浪江ももっと稼げる。それでも怖かったので香乃子に譲った。
 浪江も箱守駒江と事情は変わらない。
 夫は子供二人を残して非業の死を遂げた。
 痴漢冤罪を着せられ逃げてホームから飛び降り電車に跳ねられたのである。
 その数日後に本物の痴漢が同じ女性に痴漢をして逮捕された。痴漢男は夫の事件も告白する。
 状況からその女性も誤認だったと認めはした。だが夫の冤罪事故は痴漢が悪い。自分は悪くないと主張する。
 夫の父親は激昂した。
 女性の家に怒鳴り込む。どうやって被害女性を調べたかは解らなかった。
 女性と問答の末、女性とその父親を持って来た日本刀で斬り殺した。
 「やっていなければ堂々としていれば良いではないですか。何で逃げるのですか」
 女性は夫の父に強気で反論した。
 「やってなくても犯人にされてしまうのだよ。お前ら女の言い分だけで犯人にされる。裁判で勝っても総てを失うそういう世の中だ」
 夫の父親は日本刀を抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 女性は日本刀の抜き身に悲鳴を上げた。
 女性の父親が止めに入る。
 夫の父はその腹を薙ぐ。血が飛び散る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 女性の悲鳴が轟く。
 「触られたくらいで何の損失もない!!女は神様かふざけるなーーーーーーーーーー」
 夫の父親は女性の首を斬り落とした。さらに服の上から乳房を薙ぐ。
 その後夫の父は近くの川で腹を切って水に飛び込んだ。遺体は未だに上がっていない。
 恐ろしい事件であった。
 浪江は子供を抱えて東京から和歌山に移って温泉ホテルに住み込む。スーパーコンパニオンを始めたのである。
 他にできる事は無かった。
 浪江は表計算もワープロもプレゼン作成してスライドショーもできるツールも使いこなせた。
 夫と二人で年商一千万を僅か超えていたのである。
 だが一人で年商四百万代では到底足りない。さらに酷税、さらに過酷な住民税が伸し掛かってくる。
 住民税は低所得者にさらに重く伸し掛かる。生活保護より低い所得にさえ重く掛かって来るのである。
 母子家庭。生活保護というセイフティネットはある。それでは子供は高校を出たら働くしかない。
 それまでも生活保護を受けていると言うことで学校での苛めなどを心配しなければならない。
 浪江はさらにコロナのせいで稼げない日々が続いた。寮と賄は保障されていたがいつ無くなるか怯える毎日であった。
 仕事が始まったら行き成り則末と忍田である。
 その日は終わって泣き続けた。
 香乃子に励まされた。
 「こんなので泣いていては駄目。SMはもっとハードよ。でもねクラブが保険に入っているか聞いた。最高一億だって」
 仕事が続けられない怪我をさせられたら一億の保障があるという事である。
 浪江は覚悟を決めてやるしかないと思った。だが怖さは去らない。
 それが人間かもしれない。
 赤座元太は浪江を全裸に剥いてしまった。
 浴室に連れ込まれる。浪江の躰を貪るように触り舐めつくした。
 湯に躰を浮かされ両手は頭の後ろで湯船の淵を掴んでいる。赤座元太の膝は浪江の腰を湯から押し上げ指は女の部分の奥を責め続けていた。
 不本意ながら浪江の乳首はピント起ち既に女の部分は濡れている。
 香乃子は言っていた。
 「抵抗しないで早く濡れてしまった方が安全よ。そして男の興奮を早く自分の躰で吸い取るのよ」
 客の扱いに成れた香乃子の言い分である。
 浪江は自分に言い聞かせてもなかなかそうは行かない。そのうち躰が抵抗してしまう。
 だが相手が上手いとその抵抗は無力化される。
 湯から上がってバスタオルで躰を入念に拭かれた。
 赤座元太は浪江の手首を縛り合わせる。それを室内に設置された櫓から下がった滑車のフックに引っかける。
 滑車の縄を引いてやや躰を引き上げ爪先立ちにされた。
 膝から脚首に縄を掛けて天井から下がったフックに通して引っ張り上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 恥ずかしい部分が丸出しに成る。その状態でフックに脚を縛った縄を固定してしまう。
 「ああーーう、う」
 浪江はやや苦しさに声を漏らす。
 もう片方の脚も膝から脚首を縛って引っ張り上げる。
 浪江の躰は空中に獣縛りの状態にされた。
 女の部分もアナルも丸出しで赤座元太の腰の高さである。
 赤座元太は鞭を持つ。先端が長方形の革二枚重なった一本鞭である。
 「あーーーーーーーーー。この状態で鞭は無理よおーーーーーーー」
 浪江は堪らず叫ぶ。
 「何言っている。ハードコースだろ!!」
 赤座元太は容赦なく浪江の内腿を叩く。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の躰は空中で震撼する。
 「あはあーーーーーーん。ああん。ああーーーーーーーーーー」
 浪江は痛みに空中で藻掻く。
 赤座元太は女の部分を狙う。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は強烈な悲鳴を絞りだす。
 「あーーーーーーはん。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 浪江からこの一発で涙が流れてしまう。
 海外のSM動画の女性なら数十発堪える。
 赤座元太はもう一発構えた。
 「あーーーーーーーーーー。むりよーーーーーーーーーーーー」
 浪江は泣き声で抗議する。
 赤座元太は浪江のドテからクリトリスを叩く。
 「う、うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は空中で藻掻き暴れながら甲高い声で悲鳴を絞りだす。
 赤座元太は鞭を床に投げて浪江の膣に指を突っ込む。
 「ああーーーー」
 赤座元太の指先は膣天井部の奥を強く掻き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の尿道の亀裂から潮が飛び散る。
 「ああーーーーーー。あはあん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 赤座元太は浪江の荒い息遣いが治まるのを待って一物を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太は浪江の躰を強く抑えて怒張したペニスで女の奥を突きまくる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 浪江は辛い姿勢で抵抗力はない。
 これで男の興奮度が下がってくれたらと願う。
 だがこの部屋には拷問椅子も入っていた。
 赤座元太は浪江に生中出しで果てる。
 ペニスを抜くとまだ怒張していた。五十を過ぎて見えるがまだ一回行けそうな勢いである。
 浪江の膣口から情液が流れ出た。かなりの量が中出しされたらしい。
 赤座元太は拷問椅子を押して浪江を吊るした下に移動する。
 サディストは一回果てても加虐心の滾りは治まらない。抜いたのは自らを落ち着かせるためである。
 脚を吊るした縄を解く。手首の吊るしを下げて浪江のお尻を拷問椅子の高さに合わせる。
 脚を拷問椅子の脚乗せに乗せて膝と脚首を縄で固定した。両脚とも固定するとハンドルを回して大きく開脚させる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 浪江は堪らない。六時間のコースである。まだまだこの客に虐められると覚悟せねばならない。
 思えば三十八万貰ったのである。
 二十万でも大金と思わねばならない。三十八万は浪江の事務の給料なら厚生年金、社会保険、税金を引く前の一か月分である。
 赤座元太はもう一度鞭を持つ。その視線は浪江の女の部分を狙っている。
 「・・・・・」
 浪江に恐怖の戦慄が奔る。
 一本鞭の先端は斜めに浪江の女の部分を叩く。
 「あうーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐああううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の躰は腰を右に左に倒して藻掻き続ける。躰を固定されていて痛みに患部を庇う事さえできない。
 「あ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一発で涙が溢れる。
 赤座元太はさらに振りかぶる。
 「あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 浪江の表情は恐怖に引き攣る。
 鞭の先端はクリトリスを包んだ包皮を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は拷問椅子の上で狂った様に暴れる。
 「六本木あたりで慣れたハードコースのコンパニオンならこの三十回くらい耐えるぞ」
 「えーーーーーーーー。これ三十回」
 浪江の表情は恐怖に慄いている。
 赤座元太はまだまだ叩く姿勢である。
 「そうやって泣き喚いてくれた方が満足だがな」
 浪江には驚愕の一言である。
 「ねえ。どうして私を競りまでして指名したの。他にもっと可愛い子居たでしょう」
 浪江はしゃべって少しでも間を置きたい。
 「判ってないな。あんたこれからこの会の会員からたくさん指名取れるよ」
 赤座元太は含みある言い方である。
 「どうして私の客が則末と忍田だったから」
 「それは一割くらいだな」
 「それじゃ私が素人ぽくて泣き喚くから」
 「それも一割かな。五.六人目には十分に玄人だな」
 赤座元太は刑事の様な言い方である。
 「それじゃ何故」
 「SMは可愛過ぎてはやりにくい。あんたの様な強い顔をした女は虐めても罪悪感がない」
 「そうなの」
 「さらにあんたは何としても金を作りたい。この仕事に賭けるしかない」
 「私を虐めて嬉しいの」
 「ああ。溜飲が下がるよ」
 「え、えっ。りゅういん」
 「口惜しさが晴れて涙が流れる。そんな表現だよ」
 「何で私が」
 「まあ。代用品だがな。生意気な女の権利ばかり主張する女。若くしてテレビに出て女の理屈を社会の当然と唱える。怒り心頭や」
 「それと私が」
 「だから代用品だ。則末と忍田。俺が同じ事はできないが頑張れもっとやれと言う気持ちで見ていた」
 赤座元太は鞭を構える。
 「あーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーー」
 浪江は悲鳴の様に叫ぶ。
 その股間を一本鞭が強く叩く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は大口を縦に破裂させて悲鳴を上げる。
 赤座元太はさらに鞭を構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端は風を切る。浪江の濡れて緩く閉じ合わせた女の部分を割るよう叩きつけられた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ごおーーーーーーーーーー」
 浪江の顔はさらに大きく破裂する。そして失禁してしまった。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 失禁は止まらない。浪江は堪らない恥ずかしさをサービスしてしまっている。金の範囲と言っても堪らない。
 女優の誰かは寝ただけで三百万貰ったらしい。
 自分は生で中出しされてさらに鞭で叩かれて女の奥の総てを見られて弄られても許されない。
 良人を痴漢にしてしまって死に追いやった女。義父に殺されてもまだ許せない。自分は痴漢の何十倍もの事を受け入れて稼がなければならない。
 そして浪江はそんな女の代用品にされているのである。
 これが人生の谷底。いや人の谷底以下である。ならば稼ぐしかない。そう自分に言い聞かせる。
 
 熱海。如月鬼堂の経営するファッション喫茶。
 本日も愛好会のショーが行われる。
 如月鬼堂は三時に熱海に入った。
 既に人数制限は撤廃されて四百人が収容できる。
 本日熱海の生贄は毎週インターネットアダルト放送の如月鬼堂の番組に出ている高島波瑠である。
 熱海の入場は大人気で抽選となった。
 三会場同時開催で他の二会場も満席である。
 ショーが始まるのは六時から。だが場内は大相撲を真似て作った桝席に五割くらいが埋まっていた。
 コンパニオンらは忙しく動き回る。今日の衣装は純白の腰巻一枚のトップレスである。
 ホールはようやく三年前の状態に戻った。それでも看板は消したまま会員のみで一般営業は行わない。
 「岬ビューホテル。一軒宿に成っても人気らしいですね」
 如月鬼堂の隣には荒井枝理が居る。
 「事件が逆に宣伝に成ったからな。ああ言う需要はまだ有ったな」
 如月鬼堂もそれ自体は良い事と思っている。
 「こっちと揉める事はないのね」
 「多分」
 「完全に運営の仕方が違う形態に成ったよね」
 荒井枝里は如月鬼堂の愛好会と全く違う路線に成ったと言う。
 「ホテルのキャパが限られているからそんなに拡大はできない。一日目が宴会場でショーをやって二日目は客室で個別プレイは金持に喜ばれる」
 「躰を斬ったりはしなくなったの」
 「しなくなったようだな。それさえやらなければ問題には成らない」
 既に如月鬼堂は警戒を緩めている。
 「今日は誰が彼女を責めるの」
 「抽選だよ」
 「大丈夫」
 荒井枝里は会員に任せては心配である。
 「限定された古い会員から抽選だよ」
 如月鬼堂は範囲を限定している。さらにソフトなメニューしか組んでない。
 「司会は」
 「本多椿が来る」
 如月鬼堂の愛好会は既に二千人を越えていた。人数制限が解けて三会場全部万席で使っても会員を全部は収容できない。
 
 和歌山県。岬ビューホテル。赤座元太の部屋である。
 赤座元太は縫合針と医療用の糸を取り出す。ピンセットで縫合針を摘まんで浪江の女の部分を閉じ合わせたびらびらに突き刺す。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は甲高い悲鳴を上げて自分の股間を見る。
 赤座元太は糸を縛る。
 「なにするのーーーーーーーーーーー」
 「縫っているのだよ」
 「やめてーーーーーーーーー。お〇〇こ使えなくなるよーーーーーーーーーーーーーー」
 「大丈夫。終わったら抜く」
 「やだーーーーーーーーーーーー。あいつらの被害者と同じだよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「違うよ。あれは希硫酸で焼いたからだよ」
 「えーーーーーーーーーー」
 「痛いだけだ」
 赤座元太は容赦なく二針目を差し込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太は浪江の痛みに究極に歪む表情と甲高い悲鳴が嬉しい。
 「だって縫ったらお〇〇こくっついちゃうでしょ」
 恐怖に浪江の声は震えている。
 「そんな長い時間じゃない。麻酔無しで糸を抜く傷みが愉しみなだけだ。あの被害者は火傷させて縫っているから切り離さないとならない」
 赤座元太の加虐心の籠った言葉が浪江に突き刺さる。
 「私の泣き喚く悲鳴が嬉しいの」
 「そうだよ。その愉しみに大金を払っているのだ」
 「ああ」
 浪江は自分が稼いで行かなければならない仕事の重み辛さをしみじみ感じる。
 赤座元太は容赦なく三針目を刺し込む。
 「う、ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の目からは涙が零れていた。
 「あと一針だ。もう一回泣いてくれ」
 赤座元太は浪江の痛みなどお構い無しである。苦しみ泣き喚く姿をとことん愉しみたい。
 「あ、ああーーーーーー」
 浪江は辛い呻きを漏らす。
 赤座元太は浪江に四針目を刺し込む。
 「うーーーーーーうぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は苦しい表情をさらに強く歪めて悲鳴を搾り出す。そして浪江からさらに涙が溢れる。
 「いい表情だよ。これを思い浮かべたらまんねりした女でも息子がきりりと起てるよ」
 赤座元太の言葉はさらに浪江を恐怖に抉る。
 「・・・・・」
 まだかなりの時間が残っている。この先どれだけの責めをされるのか解らない。浪江は地獄の真っ只中である。
 他の部屋はどうなっているのか。当たった客次第で地獄は違う。それでもこの仕事で稼いで行く。収入を考えて他にできることは無い。
 赤座元太は金柑を搾っている。
 「これを粘膜に塗ると強烈に沁みる。いま縫ったところに効果抜群だな」
 虐める期待感が篭っている。
 「えーーーーーーーーーー」
 浪江は恐怖に縮み上がる。柑橘類だから沁みる事は充分に解る。
 赤座元太は絞った硝子の器に面相筆を浸す。
 「行くぞ」
 「あーーーーーーー」
 浪江は怯えて身構える。
 赤座元太は縫い合わせた女の部分の合わせ目に一気に塗る。空かさず糸の根元に塗り付ける。
 「うーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は拷問椅子に磔にされた腰と脚を暴れさせ強烈に藻掻く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 暴れ藻掻き続ける。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶に暴れる。
 「ぐわあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 強烈に沁みる痛みは一.二分で治まる。
 「あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 浪江の躰は拷問椅子の上で震撼し続けている。
 だが壮絶に暴れた割に浪江から涙は流れてなかった。
 赤座元太は一本ずつ滅菌梱包された注射針を取り出す。
 「ああーー。なにをするのーーーーーー」
 浪江は拒否しているのではない。恐怖から何をするか確認したくなる。SM嬢なら誰でもそうである。
 赤座元太は容赦なく浪江の女の部分を縫い合わせた粘膜の根元から刺し貫く。
 「あーーーーーーーーーあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は顔を歪めて悲鳴を搾り出す。だがそれほどの痛みではない。浪江の恐怖心からである。
 赤座元太は二本目を刺し貫く。
 「ううーーーーーーーー」
 二本目の悲鳴はそれ程ではない。
 「これは抜く時の方が痛いのや」
 赤座元太はねっちり責めを愉しもうとしている。
 「ああ」
 そして全部で六本刺し貫いた。
 赤座元太はその針に銅線を巻き付けて繋ぐ。それをトランスに接続する。
 「行くよ」
 「え、ええーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は電流に繋がれているのを知って悲鳴を上げる。
 赤座元太はスイッチのつまみを回す。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の躰が強く震撼して強烈な悲鳴が上がる。
 赤座元太は直ぐに電源を切る。
 「あーーーーーー。あーーーーーー。ああ。ああ。ああ」
 浪江は顔を歪めて震えている。
 赤座元太は十数秒待ってまた電源を入れる。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。・・・・・あは。・・・・・あは。・・・・・あは。・・・・・あは。・・・・・あは」
 浪江の躰はぶるぶる震える。
 数回繰り返してやや強く長めに電流を流す。
 「あはあーーーーーー。ああ。・・・・・あはあ。・・・・・ああ。あ、ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー。でちゃううーーーー」
 赤座元太はそれでも電源を切らない。
 「あーーーーーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江はまた失禁してしまう。
 「あはあ。ああ。あはあ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 浪江は荒い息遣いでぐったりしている。
 「さあ。この針と糸を抜くぞ。抜く時が最高に痛い」
 赤座元太は笑顔で言う。
 「・・・・・」
 浪江は怯えるばかりである。
 赤座元太は一本目をゆっくり抜く。
 「うーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は表情を軋ませて悲鳴を搾り出す。
 次を抜く。
 「ううぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江からまた涙が零れる。
 
 熱海。如月鬼堂のファッション喫茶である。
 高島波瑠はステージ中央に両脚を大きく広げた逆さ吊るしにされている。
 Y字ではない。緩い矢印と言うか船の碇を逆さにした形。股間が真上になり女の部分の割れ筋とアナルが丸出しに成っている。
 吊るしているのは股間に掛けた二本の縄。太腿の付け根を二重に縛ってフックを付けている。
 それを天井から下がった二本の滑車のフックに引っ掛けて吊るされた状態である。
 両脚とも膝と脚首を縛った縄でステージの端の方から下方に引っ張っている。
 「会場のショーは録画の配給がありません。波瑠さんの総てを動画でほしい場合は海外サイトから市販品をお買い求めください」
 本多椿がアナウンスする。本日は全裸で司会を務めていた。
 場内に入れる者は館山弁護士の事務所で審査に通った完全に身元、職業の判る会員ばかりである。
 通常営業でも会員のみだがショーの日以外全裸はない。さらに写真、動画撮影は禁止である。
 四百人入る相撲の桝席を真似た会場。四方向から升席が四段で囲んでいる。ステージは円形だが土俵の様な配置である。
 吊り屋根はない。代わりにスクリーンが四方向に二面ずつ設置されている。一枚は正面全景。一枚は局部のアップである。
 「本日は尿道責めから行います」
 予めノミネートされた会員で抽選が行われる。
 高島波瑠は大陰唇の部分の陰毛を剃りドテの部分は形を整えていた。
 女の部分のびらびらは細く長く普段は大陰唇の間に挟まれている。抜群に綺麗な縦筋である。
 本多椿が広げると中は綺麗な淡いピンクの粘膜が広がる。
 尿道の亀裂は中央の粘膜が盛り上がった部分の下半分に小さく確認できた。膣口は複雑な閉じ合わせはなく単調な窪みである。
 本多椿はそれを両手の指で広げる。
 膣壁が中まで露に成った。
 司会の本多椿による抽選時間のサービスである。
 高島波瑠は後ろ手に縛られている。だが手首を互い違いに縛っただけで高手小手ではない。
 柔らかい乳房で真っ赤な乳首が美しい。細身の割に膨らみはあって白く艶めいて容の良い乳房である。
 乳輪と乳首の赤さがその部分をさらに艶かしく際立たせる。
 乳輪は二センチくらい。乳首は標準型の突起である。本田椿に躰を触られただけで起ってしまっている。
 抽選で二人が当選した。
 会員は滅菌包装された尿道カテーテルを取り出す。通常より長めの物を使っている。
 高島波瑠の女の部分を指で広げて尿道の僅かな亀裂にカテーテルの先端を刺し込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波瑠はもう慣れていて悲鳴を上げなくても堪えられる。だが態と悲鳴を漏らす。サービスである。
 尿はカテーテルを通して高島波瑠の腹の位置で尿瓶に受けられた。
 採取した尿は本多椿が競に掛ける。
 会員は次に尿道用の細く柔らかいバイブレーターを用意していた。
 
 和歌山。岬ビューホテル。宇治原歳加年の部屋である。
 宇治原歳加年に指名されたSMスーパーコンパニオンは弘枝という。
 身長百六十五。日本女性では長身でスレンダーな美人である。
 宇治原歳加年も虐めて溜飲の下がるタイプを選んでいた。美人だが可愛くはない。一見知的にも見える。
 弘枝は既に逆さ吊るしにされていた。
 宇治原歳加年はえげつない準備をしている。
 コンビニに居た若くて比較的美青年。その青年に短時間の高額アルバイトを頼んだ。
 もう直その青年が配達にやって来る。
 既に弘枝は宇治原歳加年の手で異常に恥ずかし過ぎる責めを受けていた。
 弘枝はスーパーコンパニオンからSMに転向してここまで辱められるとは思ってなかった。
 会の人は普通ではない。個人で単発に来る客の数倍にハードでえげつないと言いたい。
 逆さ吊るしの方法は如月鬼堂と同じである。
 太腿の付け根両方に二重に縄を掛けられてフックを付けられいる。それを天井から下がった二本の滑車に吊るされていた。
 胸部は高手小手に縛られていて全く動かない。
 片方の脚は内腿と脹脛を合わせて二箇所縛られている。もう片脚は伸ばしたまま斜め下に垂らされ脚首の縄で壁に引っ張られていた。
 女の部分とアナルが上を向いて丸出しであることは変わらない。
 恐ろしいプロフェッショナルな縛りだが弘枝には辛く苦しく恥ずかし過ぎる仕打ちである。
 「こんにちは。イレブンマートです」
 コンビニ店員の美青年がやって来た。既に仕事は終了していたが制服のままである。
 「えーーーーーー。なにーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 この姿の前に一般男性。弘枝は慌てふためく。
 「お前を辱める為にバイトで呼んだのだ」
 「そんなーーーーーーーーーー。酷過ぎます」
 「二人分の差額を払うよ。それなら文句はないだろ」
 「だめですーーーーーーーーーーー。一般の人ですよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は何とも堪えられない。
 若い男性は既に弘枝の逆さ吊るしの全裸の前に立っている。
 「そういう問題じゃありません。近所の人ですよ」
 弘枝はさらに抗議する。
 「それが何だ。ここの客は遠くから来なければいけないのか。俺の連れや。それで問題ないはずや」
 「あーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーーーーーー」
 「もう丸裸は見られているよ。諦めろ。今更帰してもこの男の記憶にあんなたの全裸も性器もくっきり残ってしまったぞ」
 「ああーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーーー。信じられない」
 弘枝は気が遠くなる恥ずかしさ。だがこの拘束された状態ではどうにも抵抗できない。
 「さあ。君はバイトだ。コンビには終わったのだろ」
 「はい」
 「それじゃ俺の指示通りこの女を辱めて甚振ってくれ」
 「はい」
 「君は幾つや」
 「二十二です」
 「大学生やな」
 「はい。名古屋の大学ですが土日は実家に戻って此処のコンビニでバイトしています」
 「このお姉さんは二十八だ。大分年上だがこの躰なら起つだろ」
 「はい」
 「よおく躰を隅々まで見てやれ。そして起った一物を背中に押付けてやれ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は堪らない。自分より若い男はさらに辛い。恥ずかしい。女のプライドを踏み付けられた思いである。
 青年は佐野幸治と言う。
 佐野幸治はしゃがんで弘枝の乳房を観察する。そして立ち上がって女の部分を見る。
 「あはあーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の恥ずかしさは極致となった。込み上げた興奮度から強い息遣いを漏らしている。恥ずかしさはもう頂点を突き破っていた。
 「そのな。小豆色の粘膜を指で広げて中を見るのだよ」
 宇治原歳加年は愉しみ理不尽な指示を出す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は首を強く振って叫ぶ。
 「さあ」
 宇治原歳加年はさらに促す。
 「はい」
 佐野幸治は弘枝の両方の内腿に手を置いて両手の指で小豆色の細く長く閉じ合せた小陰唇を広げる。
 佐野幸治は女を知らない訳ではない。だがこのように猥雑に局部に触れるのは初めてである。
 「もっと広く」
 宇治原歳加年はまだ注文を付ける。
 弘枝の小豆色の粘膜。その内側にローズ色の部分が広がった。
 「あはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の恥ずかしさの極地に高潮した息遣いは続く。
 「そのお○○○んの入る穴に指を入れるのや。君の起っている一物をお姉さんの躰に押付けてな」
 宇治原歳加年はさらに注文する。まだ初手である。
 佐野幸治は弘枝の背中側に回る。
 そして右手の中指を挿入する。
 「あーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の嫌がる声は佐野幸治をさらに刺激した。背中に密着した一物はさらに怒張している。
 「こっちの指も入れて」
 宇治原歳加年はさらに過激に要求する。
 佐野幸治の左右の中指が弘枝の膣に侵入して波打った膣壁がくっきり覗く。
 「どうや。おねえちゃん中濡れているか」
 「少し」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は堪らず首を振って藻掻く。
 「そうしたら今度は奥まで良く観察しよう」
 宇治原歳加年はクスコを佐野幸治に渡す。
 「なに。いやーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝はクスコを見てさらなる恥ずかしさに喚く。
 「これを」
 佐野幸治はどうするのか確認する。
 「その嘴の先端をいま指入れた穴に差し込んで」
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 佐野幸治は弘枝の恥ずかしさなどより自らの興奮度が頂点に達していた。
 クスコを弘枝の膣に刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「その螺子を回して奥を広げるのだ」
 「はい」
 佐野幸治はその通りに螺子を回す。
 「あはーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝はさらに恥ずかしさに呻き続ける。
 宇治原歳加年はペンライトで中を照らす。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・あはあーーーーーーーーーーーーー」
 佐野幸治は弘枝の息遣いに構わずじっくり女の奥を観察する。
 「さあて。今度はその中をお掃除だ」
 宇治原歳加年はロングスプーンを渡す。
 「なにするのーーーーーーーー」
 弘枝はロングスプーンが膣に入ると解って抗議する。
 「羞恥責めの範囲だ。俺がさっきやらないで取っておいたのだ。粕はたくさん有るぞ」
 「えーーーーーーーーーーー」
 弘枝は途轍もない地獄の恥ずかしさである。
 佐野幸治は宇治原歳加年に言われた通りにロングスプーンを弘枝の膣に指し込む。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーー」
 宇治原歳加年はペンライトで中を照らす。
 「そうだ。それを掬って」
 佐野幸治の持ったロングスプーンの先に粕が確認される。
 「あはーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の辛い息遣いと共にロングスプーンで膣内の粕が掬い出される。
 宇治原歳加年は黒いプラスチック板を差し出す。
 佐野幸治はそれに粕を載せる。
 宇治原歳加年はペンライトを照らしながら次を指差す。
 佐野幸治はそれを掬い取る。
 「あはーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 弘枝の辛い息遣いは何処までも続く。
 
 和歌山県。岬ビューホテル。赤座元太の部屋である。
 赤座元太は浪江の悲鳴を愉しみながら女の部分のびらびらを貫いた針を抜き終わって次は糸に掛かる。
 結んであるので鋏みで切って抜き取る。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これも強烈に痛い。
 赤座元太は四本分抜く悲鳴を愉しんだ。
 浪江は辛い表情でぐったりしている。女の部分の周りは血に濡れていた。
 赤座元太はその女の部分を指で広げる。
 「い、いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江はまた悲鳴を上げる。
 「大丈夫だ。お前のま○○はちゃんと開くぞ」
 「いたいよーーーーーーーーーー。もおーーーーーーーーーーーーーーー」
 「痛いのがSMだよ」
 「そうだけどーーーーーーーーー」
 赤座元太は血に濡れた浪江の女に挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。こんな状態でーーーーーーーーー」
 浪江はもう堪えられない。
 赤座元太は興奮度が高過ぎる。年甲斐もなく一分と持たず果ててしまう。
 「あーーーーーーーーーあはん。ああ。ああ」
 浪江は痛みと中出しに疲弊している。契約には入ってない。それでも当然の如くやられてしまう。
 やっていない前提の暗黙の了解である。
 浪江はぼろぼろの状態で寮の部屋に戻った。
 
 和歌山。岬ビューホテル。宇治原歳加年の部屋である。
 ようやく弘枝は宇治原歳加年に吊るしから下ろして貰えた。これも佐野幸治が手伝う。
 佐野幸治は弘枝の躰全体にべたべた触って愉しませて貰った。
 弘枝は吊るしから降ろされると拷問椅子に乗せられる。
 「さあ。今度はお姉さんに浣腸だ」
 宇治原歳加年は次の辱めを宣告する。
 「えーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー」
 若い男と一緒に便を出す姿まで見られてしまう。
 宇治原歳加年はイチジク浣腸を五個佐野幸治に渡す。
 「それをお姉ちゃんのこっちの蕾に注入してやって」
 「五個とも」
 「そうだよ。中を綺麗にするのだ」
 「やめてーーーーーーーーーーー。それはゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は宇治原歳加年だけでも浣腸は嫌である。其処に若いそれも近所のコンビニ店員の佐野幸春が居る。
 とても堪えられない羞恥である。
 佐野幸治は赦し請う弘枝を無視して宇治原歳加年の指示通りイチジク浣腸を注入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は断末魔である。
 
 熱海。如月鬼堂の経営するファッション喫茶。
 此処でもステージに産婦人科診察台が置かれて高島波瑠が冷水で浣腸されていた。
 会場は静まり返っている。
 美人かつスタイル良く可愛い女の浣腸である。
 給仕するコンパニオンの動きだけが活発で全員が固唾を呑んで観ている。
 既に高島波瑠は三回泣いて逝き顔を数回晒した。
 浣腸液は会員の手で四百CC注入されている。
 高島波瑠は苦しみ藻掻いていた。その姿がスクリーンに拡大されている。
 浣腸の後は入浴してから高島波瑠が会場を回る事に成っていた。今回からの特別サービス。お開きは始発が走る六時である。
 
 六月十一日。
 和歌山。
 弘枝は佐野幸春のアルバイトするコンビニに現れた。
 レジに居る佐野幸治を店の奥に目の合図で呼ぶ。
 佐野幸治は先週の興奮がまだ冷めてない。直ぐに弘枝に近寄る。
 弘枝はメモを渡す。
 『連絡して。私あのままでは辛いから』
 携帯番号が書かれていた。
 弘枝はもう子供ができない躰である。
 高校時代野球部のマネージャをやっていた。
 今の時代にと思うかもしれないが女子マネが選手の慰問をする。その習慣が残っていた。コーチがそう指導していたのである。
 何度か堕胎した。
 総てが内分のまま終わって弘枝は故郷を離れる。東京で暫く勤めたが上手く行かない。それで和歌山に流れた。
 結婚できない身の上を考えて若いうちに躰で資産を作る目的である。
 佐野幸治はコンビニの仕事が終わって弘枝に連絡して来た。駅で待ち合わせて弘枝らの寮に成っている旅館の部屋に招いた。
 部屋の扉を閉めるなり弘枝は佐野幸治に抱きつく。
 「いいんですか」
 「いいよ」
 弘枝は佐野幸治の服を脱がしに掛かる。
 「え」
 佐野幸治はややたじろぐ。
 「良いでしょ。一緒にお風呂入ろ」
 「うん」
 弘枝の方から唇を貪る。
 佐野幸治は全裸にされてから弘枝の服を脱がす。
 部屋に設備されている浴室で一緒に湯船に浸かる。
 弘枝は湯船の中で佐野幸治の一物を咥えて既に起っていたものをもっと固くする。
 「ねえ。口に出したい」
 「ううん」
 佐野幸治は否定して女の部分を指差す。
 「それじゃ出てからね」
 弘枝は素早く佐野幸治の躰を拭いて布団に寝かせて躰を被せる。
 佐野幸治は弘枝の躰を下にして股間を広げる。
 女の部分を指で開く。
 「あんなに見たのにまだ見たい」
 「うん」
 「もう確り起っているでしょ。入れて」
 「あれが」
 佐野幸治はスキンが無いと言う。
 「大丈夫。私子供できないから。それに此処のコンパニオンはみんなピル飲んでいるから」
 弘枝は佐野幸治にまず一回目を果てさせる目論見である。
 「そうなのか」
 佐野幸治も納得する。そして弘枝の女の部分をじっくり鑑賞して指で開いたまま膣口を確認して挿入してしまう。
 「はあーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は態と声を出してやる。
 そして刺激を強くするべく腰を動かし揺さぶる。
 佐野幸治は堪えられず直ぐに果ててしまう。
 「まだよ。今度は私を気持ち良くさせて」
 弘枝は二時間近くみっちり若い男に性戯を教え込んだ。
 「ねえ。貴方彼女居るの」
 「え。いえ」
 佐野幸治は答えを濁す。
 「居るのね」
 「ああ。はあ」
 弘枝は佐野幸治の内心を見抜いている。
 「ねえ。彼女の躰全部見た」
 「いえ。そんな事させてくれませんよ」
 「そうね。させないよね。でも思いっきり気持ち良くさせてあげたらだんだん抵抗しなくなるよ」
 弘枝は徐々に女の開発の仕方を教え込んで行くのであった。
 
 六月十三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士のほか愛好会の主力と三店舗の店長が来ていた。
 乱交パーティー主催者四人逮捕の報道で緊急会議と成ったのである。
 「今後愛好会の会合を抜本的に考え直さないと危険です」
 館山弁護士である。
 「これまでなかった取締りですよ」
 大河内税理士も驚いていた。
 「会員が百二十人も集まって旅館を貸し切る。そのうち二人だけが全裸に成って行為を始めた。これが公然猥褻の扱いに成るのでしょう」
 館山弁護士が核心を説明する。
 「そうなったらこの会の会合は危険そのものです」
 杉下一行も懸念を強く示す。
 「判決が出た訳ではないですが。今の社会の傾向から危険ですね」
 福富麻次郎も警戒が必要と思う。
 「今後店舗では通常営業の範囲で局部露出は無し。会員の集まりの日に動画を配給したタレントが席を回ることにしよう」
 如月鬼堂が結論を出す。
 「先週の高島波瑠さんのステージの後のように」
 荒井枝理が確認する。
 「そうだ。あの部分だけで行う。会員専用動画は海外からコピーガードを掛けてダウンロードしてもらう。プレイルームも会員限定にする」
 「今でも会員だけですよ」
 「プレイルームもクラブも限定する。樽常のクラブは会員とそれ以外のリストを区分して貰う」
 「そうですね。会員の特典が明文化された方が良いです」
 館山弁護士も納得する。
 
 和歌山。岬ビューホテル。
 青木学が来て岡田弥一郎が料理と酒を振舞っていた。
 「静岡の逮捕は如月鬼堂も青くなっているだろう。だが我々も危険が無いとは言えない」
 「会員を審査して入れていてもか」
 「マスコミに騒がれたからな」
 「個室は問題ないだろ」
 「絶対とは言えない。今は会合をどうするかだな」
 「会員に警察のスパイは紛れ込むまい」
 「潜入捜査まではしないだろ」
 「外からの侵入者をキャッチできるように防犯カメラを整備しよう」
 「旅館を休館日にしても駐車場は満員だな。何者かが近付いたら直ぐに局部は隠すか」
 「それが一番良い。三十名くらいのショーだ。あそこを隠したら誰も来ないよ。プレイも不可能だ」
 「そうだな。局部の責めがメインだからな」
 こっちは対警察のセキュリティ強化で進めるらしい。
 
 六月十八日。
 和歌山。岬ビューホテルの隣町の温泉街である。
 温泉街と言っても成業している旅館は四軒。最近出来た健康センターが一軒である。
 最近その趣が良くなった。健康センターの加入が大きい。どの宿からも健康センターの湯が利用できる。
 だが一軒ごとも奥座敷の様な趣がある。
 その一番奥の宿。その離れ座敷に特別な客が来ていた。女将の横山深雪が特別に対応している。
 特別な客は川口の会長と葬儀会社の社長である。
 「結果はどうでした」
 葬儀会社の社長が自分らの紹介した医者の手術の結果を確認する。
 「お蔭様で」
 横山深雪は恥ずかしさに目を伏せて一言だけ答える。
 「奴の話では七割は回復したと言っていたが」
 「はい。八分目くらいです」
 「奴が大学病院を退職するとき公表しないで辞めた医療だ」
 「でも大学病院でしたら研究は一人では」
 「奴のグループはあちこちの病院と開業医に散ったよ。派閥の争いだ」
 「そうですか。残念ですね」
 「あの病院に常勤してないけど。奴のチームの一人が院長だ。知っている患者はそれなりに来る」
 「あのう。済みません。私、寿々を紹介してしまいました」
 「受けてくれたんだろ」
 「はい。よろしかったでしょうか」
 「構わんよ」
 「ところで今日は女将さんを愉しませてもらうよ。斬った張ったは無しだが」
 「はい」
 離れの専用露天風呂に三人で入る。
 その日横山深雪は特別料金の二百万を得た。
 
 六月二十三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の住むマンションに追加されたプレイルームである。
 来島結奈の会員向けSM動画の撮影が行われていた。
 会員全員からアンケートを取る。動画を取得する会費は一万円である。希望者全員に配給する。
 アンケートで来島結奈には圧倒的に羞恥責めが求められた。
 来島結奈の小作りで目のパッチリした表情。可愛いと言えなくはないが澄んだ美人顔である。
 気丈さも感じさせる。それは二年余りの間に顕著になった。理知的な美人顔と言える。
 動画配給のあと来島結奈は三つの店舗を回る。この入場も抽選である。
 本日は主力メンバー五人に珠洲と瀬里菜が手伝って撮影から全部行う。
 濃紺のスーツ姿で登場させる。
 来島結奈は如月鬼堂の脱げと言う命令から自分の手で服を脱いでゆく。
 純白の下着姿を見せて全裸に成る。
 杉下一行と二人で産婦人科診察台に乗せて縄で固定してしまう。
 完全に固定してからハンドルを廻して股間を開帳する。
 「今日は洗わないで来たな」
 如月鬼堂が確認する。
 「はい」
 来島結奈はやや震えた声で答える。
 如月鬼堂の要求では仕方ない。だが来島結奈はこれが恥ずかしくて堪らない。まだあっけらかんとはできない女である。
 岡田有美、高島波瑠、本多椿は個人のプレイを受けているがどれも客はソフトで高い金を払ってくれる。
 躰を弄る、逝かせる、縛る程度で大方が飲み会である。それも太らない酒で許してもらえる。
 挿入は暗黙の了解。内緒で行っていた。SMクラブのメニュー上では禁止だがそれは何処でも有ることである。
 彼女らは決まったお客で予約が埋まってしまう。ハードをしないお客しか受けないで済む。
 だが来島結奈にはハードが付いてしまう。羞恥責めプラスハードが大方となってしまっていた。
 来島結奈は羞恥責めが一番堪えられない。だがこの仕事で資産を作らないと将来が不安である。
 以前は財務省の職員であった。当たり屋に遭遇して示談金を如月鬼堂の愛好会で稼ごうとしたのが人生を誤った。
 当たり屋は館山弁護士が処理したが財務省を辞めることに成ってしまう。
 如月鬼堂の指で来島結奈の女の部分を開く。
 来島結奈はもう慣れたと思えるが硬い表情で顔を逸らせる。
 軽く一度数秒間女の部分のオープンを公開しただけで剃毛に掛かった。
 シェービングクリームを使わずローションを掛ける。剃る状態を見せる為で如月鬼堂のやり方である。
 剃ると言っても僅かにドテにだけ黒い塊を残している。一枚刃の剃刀で根元から剥がす様に剃ってしまう。
 来島結奈は初めて剃毛される訳ではない。それでも恥ずかしさに顔を逸らせて目を閉じて堪えている。
 剃毛は大方が一気に剃れてしまったが微妙に残った部分処理に手間が掛かる。
 逆に動画ではやや見せ場となる。じりじり細かい毛を剃る部分をアップで撮影した。生々しい局部の皮膚が公開されて隠微である。
 剃ったあとガーゼでローションを拭き取る。その部分の僅かな皮膚の色の変化が感じ取れてさらに生々しい。
 来島結奈の肌は雪の様に白いとまでは行かない。全体薄橙から薄紅である。
 その部分の変化も紅が際どくはない。
 如月鬼堂は陰毛が綺麗に無くなった細く長い小陰唇をもう一度広げてアップで公開する。
 杉下一行が滅菌梱包された尿道カテーテルを渡す。
 如月鬼堂は医療用手袋をしてそれを受け取る。
 来島結奈は事前に撮影内容の大筋を聞かされていた。それでもカテーテルを凝視する。
 如月鬼堂は来島結奈の女の部分を開いて尿道の小さな亀裂を剥き出す。
 来島結奈の顔は薄紅に染まっている。
 そのまま紅く成ったり白く成ったりを繰り返す。
 如月鬼堂は尿道カテーテルの先端を摘まんで挿入する。
 「うーーーーーーーー」
 来島結奈はカテーテルの侵入した衝撃に微かに悲鳴を漏らす。
 如月鬼堂はカテーテルの真ん中を指先で潰して抓んでいた。カテーテルの反対側は透明な尿瓶で受けている。
 一気に流さない。指の抓みを緩めては流しまた止める。
 「あは」
 来島結奈は一回目僅かに息遣いを漏らす。次からは目と顔が僅かに揺れるだけである。
 尿瓶にやや色の濃い尿が落ちてゆく。
 来島結奈の顔は紅く染まったり消えたりを繰り返す。
 如月鬼堂は尿を抜き終わったらカテーテルを抜いてジッパー付きポリバックに収めた。
 尿瓶の尿は薬瓶に流し込んで密閉する。
 これらは熱海店の本人出演日に競に掛けて落札させる。会場で全額本人の収入となる。
 如月鬼堂か来島結奈の指で開いた女の部分の内側から金属の耳かきの様な物で粕を採取してゆく。
 採取した粕を瀬里菜が差し出す黒いプラスチックの板に載せる。
 来島結奈のその部分は如月鬼堂の指が触れているだけで膣液に濡れていた。画面にもくっきり確認できる。
 珠洲がクスコを渡す。如月鬼堂はそれを受け取り指で膣の中を確認する。充分に濡れていた。
 「既に濡れているぞ」
 如月鬼堂は態と来島結奈の表情を崩すように言う。
 「先生が触ったら女の子は濡れますよ」
 それでも来島結奈は状況を見た言い訳をした。
 クスコを女の部分に挿入して広げる。かなり大きなクスコである。最初は螺子が縦になるように挿入する。
 この方が奥まで広がってよく見えるのである。
 小型カメラが内部を照らして画像をモニターに投影する。
 二つのカメラで撮影していた。
 後ろのカメラは小型カメラが照らしたクスコの中を映し、後ろに恥ずかしさに叛ける来島結奈の表情が映る。
 「あーーはあーーーーーーーーー。・・・・あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は恥ずかしさから興奮度が上がった息遣いを漏らす。
 奥にはペニスの先端のような子宮口がくっきり見える。
 如月鬼堂は小型のカメラを微動して内部の粕を探す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・あーーーーーーーーーー」
 来島結奈は堪らない恥ずかしさに堪え続ける。如月鬼堂は態とゆっくり粕を採取する。
 来島結奈の気丈そうに見える美人顔が羞恥に崩れる。サディストには堪らない悦びを誘う。
 如月鬼堂はさらに子宮口の周りを入念に採取する。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は堪らない感触に呻く。
 どろりとした半透明と白の斑な液が採取されるだけである。既に粕は膣液に溶けている。
 誰でもそうなる普通の状態である。
 如月鬼堂はそれを見せる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈には堪らない羞恥。表情を究極に歪めて悲鳴を漏らす。この表情と悲鳴が良い。
 来島結奈にはその場から精神が浮いてしまいそうな恥ずかしさである。
 僅かに涙が溢れかけていた。
 如月鬼堂は杉下一行を振り返る。
 杉下一行はリモコンから伸びたアームの先端に小さなローターが真っ直ぐ付いたアイテムを持って来る。
 それはこれまでよりローターが小さく改造されていた。
 さらに珠洲の方を見てマイクロローターを指差す。
 如月鬼堂は珠洲の手でクリトリスを責めさせる目論見。誰がやるより効果がありそうである。
 同じ女。そして如月鬼堂の責めを受けている。どうされたら強く深く感じるか充分に身を持って悦びに到達していた。
 そして如月鬼堂と杉下一行が来島結奈の膣の奥を責めることとなる。
 珠洲が先に来島結奈のクリトリスを包んだ包皮を剥く。指先でマイクロローターを抓んでピンクの玉に当てる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は強烈に声を上げ一気に表情を破裂させる。
 次に如月鬼堂がクスコの向きを横にした。そして杉下一行が膣天井部の奥を責める。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は轟音の様な声を上げ始めた。顔の表情は大口を破裂させている。
 如月鬼堂は膣天井部の杉下一行の責める直ぐ手前を責め始めた。
 「ぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は顔で円を描く様に頭を動かす。顔の位置を変えて大口を破裂させた逝き声を上げ続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が強く上がる。
 来島結奈の首が倒れ目は白目を剥いてしまった。
 この状態で口の中を公開する。小型のカメラを動かして細かく躰の部品をアップで撮影して行く。
 リクエストに応じた作業である。
 適度なところでスタンガンを内腿に当てて意識を回復させる。
 「うぐーーーーーーーーーーー」
 今度は棘付きのローターを三個準備していた。
 クスコを抜き取る。膣液が大量に流れ落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間に流れて来島結奈は悲鳴を漏らす。後で映像を見たら堪らなく恥ずかしいシーンである。
 杉下一行がピンチを持って来て来島結奈の両方の乳首を鋏んでしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 鋏まれただけではそれほどには痛くない。サービスの悲鳴である。
 杉下一行は二時間後に時計のアラームをセットする。
 如月鬼堂は棘付きの卵バイブを三個とも来島結奈の膣の奥から順番に挿入してしまう。
 「ぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐうーーーーーーーーーーー」
 失神前の責めよりもっと強い。
 今度は珠洲が小型の電マでクリトリスを責める。
 「あーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーん」
 来島結奈はさらなる官能に藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 責めは十数分続いた。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 来島結奈は何回か逝って仕舞う。その微妙な表情を晒していた。逝ったまま責められてさらにその逝き顔は崩れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈の逝き声はサイレンと成った。
 遂に大量の潮を噴き上げる。三メートルくらい飛ぶ。尿ではない。膀胱は大方空に成っている。飛んだのは本物の潮である。
 ローターは全部抜き取られた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 来島結奈の躰は強く震撼したまま荒い息遣いを続ける。
 今度は尿道用の細く小さなクスコを持ち出す。
 杉下一行が撮影を代わって大河内税理士が女の部分を指で広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーー」
 大河内税理士はローションを掛けたクスコを尿道の小さな亀裂に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 尿道をクスコで広げる。僅かに尿が浮き出た。
 一応内部をカテーテルカメラで撮影する。
 ここで葛和医師が介入した。来島結奈に麻酔を掛ける。
 もう一度クスコを挿入する。かなり大きく広げてしまう。
 もう一本細く小さなクスコを持ち出す。滅菌されて密封されていた物をビニールから取り出す。
 葛和医師はそのクスコを子宮口に差し込んで広げる。
 内部をカテーテルカメラで撮影して公開する。
 そのまま麻酔が切れるまで暫し休憩が入れられた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 内部は冷房を強くして帆立や平貝など魚介類を焼いていた。外の空気は熱さに幾分淀んでいる。
 「横山深雪はそんなに良い女だったのですか」
 印刷会社の社長は帆立の柱をつまみに生ビールを飲んでいる。
 「良い女だったよ。格別にな」
 横から医者の男が答える。横山深雪の膣内部の回復手術をしたのはこの男だったのである。
 「もう充分に満足されたのですか」
 産業廃棄物収拾運搬処理業の社長である。
 「したよ。まあ。あそこまで遊ばせて貰ったから後はサポートしてやろうと思っている」
 川口の会長は横山深雪には特別扱いである。
 「しかしあの温泉街。この先復旧するのかな。健康センターとたった旅館四件だが」
 運送会社の社長が疑問を呈する。
 「大丈夫だ。隣の駅にスーパーコンパニオンのホテルが復旧した」
 「あれか」
 「そうだ。どうせ隣の駅にも派遣される。そして女将は何処も美人だ。金を使えず持て余している年配者は沢山いる」
 「そうだな」
 「俺たちの次の遊びは」
 「何か獲物を探そう」
 
 越後湯沢。如月鬼堂のプレイルームである。
 来島結奈がピンチで鋏まれてから二時間が経った。
 如月鬼堂が来島結奈をビンタで起こす。
 「あ、ああーーーーーーーー」
 来島結奈は目をしょぼしょぼさせる。
 「さあ。二時間だ」
 如月鬼堂は乳首のピンチを指差す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は驚愕する。二時間の恐ろしさを充分に知っていた。
 「少しオーバーに暴れてくれ」
 如月鬼堂は小声で耳打ちする。
 来島結奈は震えながら小さく頷く。
 杉下一行も手伝って来島結奈を産婦人科診察台から降ろす。
 来島結奈は戒めを全部解かれた。
 「さあ。自分で取ろう」
 「・・」
 来島結奈は無言で顔だけ頷く。その唇も手も震えている。
 両手で一気に両乳首ともピンチを?んでかなぐり捨てた。
 「うごおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 来島結奈は乳房を両手で?んで転げる。顔の表情を究極に歪め軋ませて仰向けになり脚をバタつかせて藻掻き続ける。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーー」
 さらに脚を強く蹴る。全身に力を込めて藻掻き暴れる。
 如月鬼堂がその腰を膝で跨ぐ。強引に乳房を揉む。
 「うーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー」
 痛みに強烈に悲鳴を上げ続けた。
 来島結奈は涙を溢れさせる。
 如月鬼堂は三十分くらい揉んで来島結奈を開放した。
 来島結奈はぐったりして泣いたままである。
 「なかなか良かったよ」
 「そんな。オーバーにも何も。あの儘ですよ」
 来島結奈は本当に辛かったと訴える。
 珠洲と瀬里菜が来島結奈を支えて浴室に入れる。
 「ううーーーーーーーーー」
 湯に浸かると来島結奈は両手で顔を覆って一気に号泣してしまう。
 「痛かったの。大丈夫」
 瀬里菜が声を掛ける。
 「痛いのは仕方ないです。沢山頂いていますから。でももう恥ずかしい。ううーーーーーーーー。うう」
 来島結奈はまた涙をぽろぽろ溢す。
 「そうね。今回羞恥責めをというリクエストが圧倒的だったのよ」
 瀬里菜が宥めるべく説明する。
 「お客さんみんな私が恥ずかしさに泣くのを悦ぶのです。着せ替え人形にされて下着の上から弄って脱がした下着をもう一度着せるのです」
 客は来島結奈のショーツに染みをたっぷり付けて脱がす。その体液で汚れた下着を裏返しに股間の部分を態と見せる。
 その下着を今度は客の手で履かされたのである。
 来島結奈は思い出して涙を流す。
 鞭拷問などに比べたたらたいした事はないように思える。だが来島結奈には堪らなかった。
 
 六月三十日。
 名古屋。国立中村大学の寮である。
 佐野幸春とその彼女の森田緋香莉は土日以外大学の寮で生活していた。寮の部屋では目合ひはできない。
 中村の安い旅館を使う。昔の遊郭をそのまま旅館にした造りである。
 森田緋香莉は佐野幸春の性戯が大きく変化した事に不信感を抱いた。
 以前の数倍悦ばせてくれる。だが不自然に思えた。誰か他の女が教えているように思える。
 土日は和歌山の実家の近くのコンビニでバイトしていると聞いていた。
 
 七月二日。
 森田緋香莉は和歌山に向った。今や岬ビューホテル一軒宿の町である。
 駅の待合室でコンビニを監視する。
 その日は弘枝の仕事が入ってなかった。連絡を貰って佐野幸治は真っ直ぐ弘枝の寮に向かう。
 森田緋香莉は尾行して営業してない温泉旅館に入るまで確認した。其処はスーパーコンパニオンの寮とクラブの事務所と判る。
 森田緋香莉はその建物の裏手に回った。其処は小高い丘に成っている。
 木立に隠れて旅館の窓を覗く。
 森田緋香莉は明るい部屋で全裸のまま抱き合う佐野幸春と弘枝の姿を見てしまった。
 怒りが沸騰する。それでもその日は最終の登り特急で帰った。
 
 熱海。如月鬼堂の経営するファッション喫茶である。
 如月鬼堂はインターネットアダルト放送のスタジオに入るので来てない。大河内税理士と福富麻次郎が担当である。
 予約した会員で満席のステージ。来島結奈が局部を見せない範囲のヌードショーを行う。
 そのあとトップレスで客席を回る。
 明日は長野に出る。来週生駒の予定である。
 会員はみなトップレス姿の来島結奈の乳房と乳首に触る。
 「動画良かったよ」
 その言葉が来島結奈の羞恥心を抉る。週跨ぎの辛い三日間である。
 だが来島結奈はSM系AVとショー、全裸美人コンテスト、クラブのプレイで一億を超える資産を作っていた。
 それでも本多椿には及ばない。岡田有美も同様である。
 南七香らは短期間に同じくらい稼いだが殆んど残ってない。事業の維持に全部消えてしまっていた。
 
 七月四日。
 森田緋香莉は怒りが修まらない。佐野幸治に怒るより弘枝に怒った。
 サバイバルナイフを購入する。佐野幸春が講義に出席しているのを確認して列車に乗って和歌山に向う。
 寮に成っている旅館の裏口は確認していた。
 正面玄関は防犯カメラが有ると考えて裏口から進入する。
 だが至る所にマイクロカメラが設置されていた。会合の日の備えで近日設置したものである。
 弘枝の部屋は外から見当が着いていた。夜が遅い職業。森田緋香莉は弘枝がまだ起きたばかりと予測している。
 扉には内側から鍵が掛かっていた。
 庭に出て窓側に回る。冷房の冷媒菅を後付で窓から通していた。此処に手を突っ込んで内鍵を外す。
 森田緋香莉は細身なのでそこから滑り込む。
 弘枝は浴室でシャワーを使っていた。森田緋香莉の進入には気付かない。
 だが岬ビューホテルの事務所では岡田弥一郎が短パン姿の森田緋香莉の進入を確認していた。
 岡田弥一郎は直ぐに青木学に知らせる。
 弘枝はシャワールームから出てバスタオルで躰を拭き始めて森田緋香莉の存在に気付く。
 「なにあんた」
 「幸治を誘惑しただろ」
 「あーーーーーーーー。あんたが彼女」
 「そうだよ。要らない事教えて」
 「そうかしら。かなり上手くなったのじゃない」
 「若いのを玩具にして」
 森田緋香莉はサバイバルナイフを取り出す。
 其処へ飛んで来た青木学が合鍵を使ってドアを開ける。幸いチェーン錠が掛かってなかった。
 朝食を受け取った時に掛けてなかったのである。
 「大丈夫か」
 青木学の掛け声に弘枝はサバイバルナイフを指差す。
 青木学は木刀を手にしている。
 それで一気に森田緋香莉のサバイバルナイフを持った手首を叩く。
 「あーーーーーーー」
 森田緋香莉の叫びと共にサバイバルナイフは畳に転がる。
 そこへ岡田弥一郎も駆け込んで来た。
 青木学は森田緋香莉の躰を押える。
 「ちくしょーー」
 森田緋香莉は口惜しがる。
 岡田弥一郎が縄を持って来て縛ってしまう。
 「やめろーーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は抵抗するが二人の押さえは固い。
 「警察に」
 弘枝が確認する。
 「此処で警察は駄目だ」
 青木学が止める。
 「こっちでお仕置きする」
 岡田弥一郎が宣言する。
 「うん」
 弘枝も此処の状況から察する。
 「なによーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーー」
 「私にもやらせて」
 弘枝が申し出る。
 「良いだろう。最初はお前にやらせよう」
 青木学も納得する。
 「よしあっちの宴会場に連れて行こう」
 岡田弥一郎が森田緋香莉を部屋の布団で簀巻きにする。それを青木学が背負って運び出す。
 外からは布団を運んでいるようにしか見えない。庭伝いに行くので大方人目にも付かない。
 弘枝は全裸だったので下着と短パンとタンクトップを着て後から向う。
 弘枝が庭に入ると青木学が手招きする。
 小さい方の離れの宴会場に大道具が入っていた。
 「どう縛る」
 「全裸にして私がやられた一番恥ずかしい縛りにして」
 「やめろーーーーーーーーーー。警察を呼べーーーーーーーー」
 森田緋香莉は縛られたまま喚き散らす。
 「煩い。あんた銃刀法違反と殺人未遂だよ。このままお仕置きで澄んだら学校も退学にならないし前科も付かないよ」
 弘枝は強い言葉で諭す。
 「ああ」
 森田緋香莉は怖い。だが前科と退学も困る。
 青木学と岡田弥一郎は森田緋香莉を縛ったまま全裸にしてしまう。構わず鋏みで短パンもタンクトップもショーツも切ってしまった。
 「あーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は服を着られてしまって焦る。
 「大丈夫よ帰りの服ぐらい用意してあげる」
 弘枝は帰す心算でいる。
 だが岡田弥一郎らは違った。
 「股間の両側に縄を掛けて逆さ吊るしにして」
 弘枝が要求する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はまだ叫ぶ。
 岡田弥一郎がビンタする。
 「ぐうーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーー」
 まず脚首から縛る。その縄の先端を部屋の左右の隅に固定する。そのまま大股開きにして畳に転がす。
 手首を縛ったままだったが別の縄で高手小手に縛り直す。
 「あ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 森田緋香莉は叫び続ける。
 両方の太腿の付け根に二重に縄を掛けてフックを付けてしまう。天井から滑車の縄に吊るしたフックを下げる。
 そのフックに太腿のフックを接続。二人で滑車の縄を引いて森田緋香莉の躰を吊るし上げる。
 森田緋香莉の躰は大股開きの逆さ吊るしに成って行く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は堪らず悲鳴を上げる。
 女の部分もアナルも斜め上を向いて丸出しである。
 「いやだあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は堪らない恥ずかしさに狂ったように叫び続ける。
 森田緋香莉の躰は空中に船の碇を逆さまにした形に吊るされてしまった。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はどうにも堪えられない。森田緋香莉にはありえない有っては成らない姿である。
 「さあ。お○○こじっくり観察してあげるから」
 弘枝は吊るされた森田緋香莉の躰の後ろに立つ。
 既に青木学は撮影を始めている。
 森田緋香莉の女の部分はライトに照らされていた。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は弘枝の言葉に喚き続ける。
 弘枝は森田緋香莉の鶏冠を二枚張り合わせた様な薄い小豆色の小陰唇を指で広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 森田緋香莉には驚愕の事態である。
 「あーら。粕が沢山付いているわよ」
 弘枝は容赦なく詰る。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は半狂乱である。
 「粕が無ければ中は綺麗な薄橙よ。尿道の亀裂が小さく閉じている。膣は襞が六枚で閉じているわよ」
 弘枝は森田緋香莉の女の部分を解説してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は口から泡の様な涎を溢れ出している。
 「さあ。粕を取ってあげましょうね」
 弘枝は岡田弥一郎から綿棒を受け取る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は綿棒の紙を固めて耳かきに成った部分で粕を採取する。
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 弘枝はそれをプラスチックの板に載せて森田緋香莉の目の前に翳す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はパニックの様になって喚き続ける。
 「さあ。お○○この中も見ましょうね」
 弘枝はさらに森田緋香莉を辱める。
 岡田弥一郎が弘枝にクスコを渡す。
 弘枝はそれを受け取って先に指を突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「まだ濡れてないわね」
 そう言って弘枝はクリトリスの包皮を剥く。
 唾液を掛けてピンクの半円形の玉を指先でマッサージする。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー」
 女の指で女の敏感な部分に与える刺激である。森田緋香莉には到底堪えられない。
 「そら濡れてきた」
 弘枝は森田緋香莉の膣口を責める。
 「あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はまだ抵抗する。
 だが弘枝の指は確実に森田緋香莉の膣を濡らしてゆく。
 「あーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は森田緋香莉の膣内を責め続ける。
 「さあ。もう良いわね」
 弘枝は森田緋香莉の膣にクスコを挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーー」
 螺子を回して内部を広げる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は堪らない恥ずかしさに濃い息遣いを漏らす。
 青木学は撮影内容をモニターに接続した。
 カテーテルタイプの小型カメラで膣の中を照らしてモニターに投影している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はそれを見て強烈に悲鳴を上げる。
 「どう。貴女のお○○この中よ」
 モニターにはクスコの縁の中に女の奥がカメラの光に照らされている。奥に亀頭の先端のような子宮口がくっきり確認できる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は羞恥の坩堝である。
 「これを使って」
 岡田弥一郎が電動歯ブラシを長くした様なアイテムを渡す。先端は小さなマイクロローターがL字に付いていた。
 弘枝は森田緋香莉の膣に刺さって奥を広げたクスコの螺子を緩める。そして中で向きを横にする。
 「え、えーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は何をされているのか堪らなく不安と恐怖である。
 弘枝は奥深く差し込んで膣天井部を責め易くする。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の恥ずかしさから来る興奮度は頂点である。
 弘枝はマイクロローターを奥に突っ込む。膣天井部の一番敏感な部分にマイクロローターの先端を当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の腰が震撼して強烈な声が上がる。
 若い森田緋香莉にこの責めは堪えられない。
 膣の中は液で充満している。
 逆さ吊るしの森田緋香莉の躰は腰を中心に震撼する。股間は微妙に痙攣している。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の顔は真下を向いて藻掻く様に暴れ続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 逝き声がサイレンの様に切迫してやがて失禁してしまう。
 逆さ吊るしにクスコで歪められた尿道口から飛沫の様に失禁尿が飛び散る。
 「あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 サイレンの様な悲鳴はなかなか止まない。
 森田緋香莉の躰も下の畳もびしょ濡れである。
 それでも弘枝は手を緩めない。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の躰は逝ったあとまた上り詰める。気持ち良さはさらにアップしている。
 逝かされる事への抵抗力はもうない。
 森田緋香莉は何度も官能に上り詰める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は全く手を止めない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉から一条強烈な逝き声が轟いて静かになる。
 遂に失神してしまった。
 暫くそのままにして躯状態の姿をあらゆる角度から撮影する。
 「ちょっと一服しようや」
 岡田弥一郎が生ビールとつまみを持って来る。
 「おう」
 青木学は撮影内容を確認して次の準備をしていた。
 既に鞭が用意されている。
 「お前この吊るしやられたのか」
 岡田弥一郎が弘枝に確認する。
 「ええ」
 「その客一人でよくやったな」
 「それだけじゃないのです。コンビニの若い青年にアルバイト料払って私を辱める為に部屋に呼んだのです」
 「はっはっはっはっは。そりゃ恥ずかしいわな」
 青木学は嬉しそうである。
 「その男がこいつの彼氏か」
 「そうなの」
 「あんまり恥ずかしかったから食べちゃって対等にしたのか」
 「そう」
 「若い兄ちゃんほいほい寄って来たか」
 「そう」
 「それで性教育までして女の責め方を教えた」
 「うん」
 「それでこの女は彼氏を責めないでお前に報復か」
 「そうらしいの。こいつがお○○こも見せてくれないらしいから責め方を教えたの」
 「はっはっはっはっは。それは悦んだだろうな」
 「悪いお姉さんだ」
 岡田弥一郎がふざけながらそう決め付ける。
 「そう。悪いお姉さんしたの」
 弘枝は全く悪びれてない。
 「それで刺されたら自業自得だな」
 「しかし。この女相当にその男に惚れ込んでいたな」
 「だって可愛い子だもの」
 「それじゃお前。相当に恥ずかしかったな」
 「そうだよ」
 「だけど二人分貰ったのだろ」
 「うん」
 弘枝は熱さからビールを飲み干す。
 「しかし節電節電と煩いな」
 「我々には関係ない。太陽光も水力発電も有る」
 「ホテル全部は無理だろ」
 「蓄電池にかなり溜るし停電時だけ発電機も有る」
 「そうか」
 「そろそろ鞭で叩いて起こしてやろう」
 岡田弥一郎が青木学の用意した鞭を弘枝に渡す。
 「お○○こ叩いちゃおうか」
 弘枝は残酷に成っている。
 「良いのじゃない」
 岡田弥一郎は哂っている。
 先端が四角い革で蝿叩きの様な形に成った一本鞭である。
 既にクスコは抜いてあった。
 弘枝は鞭を振り被って剥き出しの女の部分の粘膜を直撃する。
 「う、うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は一発で意識を戻した。
 岡田弥一郎らとの会話はさらに弘枝を残忍にさせていた。
 それでも弘枝は一時自制して局部は外して叩く部位を内腿にずらす。
 「う、ううおーーーーーーーーーーー」
 それでも相当に痛い。内腿の柔らかい皮膚を四角い革の面でビンタするように叩いている。
 森田緋香莉の悲鳴はさらに弘枝を残忍な気分に追い込む。
 自分も普段プレイで散々客に叩かれている。この時とばかり若い理知的に見える女に加虐心が滾ってしまう。
 今度はクリトリスを包んだ包皮を狙って一気に振り下ろす。
 「うぐう、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の逆さ吊るしの躰が藻掻き暴れ震撼する。そして強烈な悲鳴を搾り出す。
 「い、いーーたいーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は泣き叫ぶ。
 その泣き悲鳴に弘枝の躰は熱くなる。さらなる残虐な気持ちが熱く込み上げてきた。
 さらに鞭を振り被る。斜めに閉じ合せた女の部分を叩く。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は逆さ吊るしの上半身を反らせ捩って痛みに藻掻く。轟音のような悲鳴である。
 既に大陰唇からドテに真っ赤な痕が浮き上がっている。
 弘枝はもう一発振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はそれを見て悲鳴を洩らす。そして腰を捩るように動かして耐え難い鞭の衝撃に身構える。
 弘枝は加虐心の坩堝となって鞭を閉じ合せた女の部分目掛けて斜めに振り下ろす。
 「ぐうがあーーうーーーーーーーーーーーーーーーー。うっぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴になる。森田緋香莉は涙を溢れさせて空中で藻掻く。さらに繊細な痛みに躰を捩って強く暴れる。
 弘枝は刺されるところであった。そう思うとさらに加虐心が沸騰する。
 「岡田さん。これを広げてピンクの粘膜を叩きたいです」
 弘枝の滾った加虐心は止まらない。
 「お前残酷やな」
 岡田弥一郎は弘枝の要求に驚きその言葉を吐いてしまう。
 「私だって何度かやられているよ。この女は私を刺そうとしたのよ」
 岡田弥一郎の言葉に弘枝の興奮度はさらに上がる。
 「判った判った」
 青木学と岡田弥一郎が森田緋香莉を吊るした後ろに回る。
 両側から指で森田緋香莉の女の部分のびらびらを引っ張って広げる。薄橙の粘膜が広がった。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は一番敏感で弱い部分を叩かれると解る。恐怖にびびる。そして狂ったように喚き散らす。
 森田緋香莉の薄橙の部分を目の当たりにして弘枝の興奮は異常に高まる。その興奮を飲み込んで振り被る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は森田緋香莉の悲鳴をぶった切るようにきっちり薄橙の部分を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は上半身を捩り振って暴れ悲鳴を搾り出す。そして躰をびりびり震撼させて失禁してしまう。
 尿は噴水の蛇口すれすれに出る水のように僅かに逆流する。ドテから腹を伝って高手小手に縛った縄で分散して畳に流れ落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 森田緋香莉は痛みと失禁に泣き出す。
 壮絶かつ無残極まりない光景である。
 静かになってから青木学がタオルで森田緋香莉の躰の失禁尿を拭く。
 弘枝が指を立ててもう一回を示す。
 岡田弥一郎はたじろいた表情である。
 それでも青木学が表情で合図して後ろに立つ。
 また両方から森田緋香莉の女の部分を広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は強烈に喚く。もう堪えられる痛みではない。狂ったように喚き続ける。
 もう弘枝は堪(こた)えられない。熱い衝撃が込み上げてくる。
 沸騰した加虐心はもう制御が利かない。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。もうたすけてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はヒステリックな泣き悲鳴に成る。股間に強く力が入って強烈に震える。股間は真っ赤な鞭の痕が無残に奔っていた。
 青木学と岡田弥一郎は太腿に腕を巻いて押える。
 「いーーーーーーーーーーーーーー。い、いいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はそれを解こうと藻掻き続ける。
 弘枝は先端に神経を集中させて鞭を振り下ろす。鞭の先端は確り薄橙の粘膜を叩いた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーごおおーーーーぐごごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は力の限り躰を強く振る。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううごおーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は悲鳴を搾り出し暴れ捲くる。顔は究極に軋み大口を破裂させていた。土色の顔が般若の形相になる。
 壮絶な痛みの感触が弘枝の加虐心に呼応する。
 「一旦そこまでだ」
 青木学と岡田弥一郎がビールを飲みながら逆さ吊るしの森田緋香莉の躰を畳に降ろす。
 「うおーーーーーーーーー。おお。おお。おお。おお」
 拭いた筈の股間は僅かな尿に濡れていた。
 青木学と岡田弥一郎は畳に降ろした森田緋香莉の太腿のフックを外してもう一本縄を通して脚首と縛り合わせた。これで股間は閉じられない。
 高手小手の縛りはそのままにする。
 青木学がクリップを二つ取り出して丸出しに成っている女の部分のびらびらを片方ずつ鋏む。
 「う、ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー」
 鋏まれただけでも強烈に痛い。敏感な粘膜。それも鞭で叩かれて痛めつけられた直後である。
 クリップに引っ張られて小陰唇の閉じ合わせが緩んで薄橙の内部がやや覗く。繊細な痛々しさが滲み出る。
 「このまま放置だ。二時間経ったら愉しい事になる」
 青木学の言う内容が弘枝には充分に解る。
 「乳首より悲惨そう」
 弘枝の期待感を含ませた言葉に森田緋香莉は怯える。
 「あーーーーーーーーー。まだなにするのーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーー。もう。もう。ゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 悲痛な声である。
 岡田弥一郎は弘枝の残忍さにやや驚きながらビールとつまみを追加した。
 暫くは森田緋香莉を眺めながら飲み会である。
 
 東京都内の選挙事務所である。
 参議院議員候補大下洋子は脅迫状を受け取った。
 『畑違いの妹多嶋芽琉を預かった。要求は立候補を取り消せ。さもないと妹の恥ずかし過ぎる動画が公開される。以下のURLから確認しろ』
 Cメールで送られて来た。
 大下洋子は立憲国民党のベテラン議員で五十二歳になる。妹は二十五歳。親子くらい年が違う。父の後妻が産んだ娘である。
 劇団に所属して地方巡業を行っていた。
 とにかくURLにアクセスする。大下洋子は驚愕した。
 これまでの連続拉致強姦事件の犯人に始まる一連の海賊動画の噂と変わらないと思った。
 『このURLは十五分で消滅する。警察やマスコミに公表すれば動画は直ぐに全編公開される』
 そんな字幕が流れた。
 続いてCメールに次のメッセージが入る。
 『立候補を取り消して十日の投票日が過ぎれば妹の多嶋芽琉は開放する。動画も消滅する。妹多嶋芽琉の恥ずかしい姿が社会に出る事もない』
 大下洋子は恐怖に震えた。
 
 時間軸は朝に戻る。
 多嶋芽琉は劇団が泊まっている旅館を朝早く抜け出した。
 大友譲の呼び出しである。多嶋芽琉は看板男優なので喜んで応じた。
 一畑電鉄の伊野灘駅に向う。
 待っていたのは大友譲ではなかった。無人改札を出て直ぐに集団に囲まれ拉致された。
 大下洋子の携帯番号は多嶋芽琉のスマホから取り出した。スマホは途中宍道湖に捨ててしまう。
 
 和歌山。岬ビューホテルに隣接した離れである。
 あれから二時間が経過していた。
 二時間待つ間に弘枝は別室に移動して交代で青木学と岡田弥一郎に一回ずつ躰を合わせていた。
 サービスではない弘枝が興奮し過ぎたのである。
 青木学と岡田弥一郎は森田緋香莉の戒めを解く。
 「あーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は腕を開放されて小陰唇を鋏んだクリップに手を掛ける。
 「取れ」
 青木学は含み哂いを浮かべて言う。
 森田緋香莉は痛そうに表情を歪めて片方のクリップを掴む。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 畳を叩いて転げて藻掻く。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーー」
 泣きながら拳骨で畳を叩く。転がってさらに藻掻く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーー」
 涙を零し失禁してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーん」
 「もう片方残っているぞ」
 岡田弥一郎が片手で電マを持って、片手でもう片方の小陰唇を鋏んだクリップを指差す。
 「うーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は地獄の底から顔を上げたような表情である。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は叫びながらクリップを掴む。落として股間を両手で押えて畳を転げる。
 「う、ううぐううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は失禁尿の上を避けることもできない。その上を転げて涙を流し続ける。
 良い女が無残な姿である。
 弘枝はその姿を悦びの眼差しでじっくり眺めて愉しんでいた。
 自分を虐める客の気持ちが良く解る。客にも怒りが沸くが金を儲けなければならない。
 その怒りは若い女子大学生の森田緋香莉に向けられた。
 青木学と岡田弥一郎が森田緋香莉の躰を押さえつけて電マで小陰唇をマッサージする。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉の美形の表情は崩れ涙と汗に無残である。
 弘枝はこの痛みを知っていて森田緋香莉の苦しみをじっくり鑑賞する。自分以外の女ならそれが美人なら何時までも見ていられる。
 普通ならその痛みを知っていれば見ていられないものである。
 そこが人間の種類の違いかもしれない。
 痛みが治まったあと青木学と岡田弥一郎が森田緋香莉を輪姦してしまう。
 森田緋香莉に抵抗する気力は既に無い。二人の性戯が良いのか既に逝き声を洩らしてしまっていた。
 「ねえ。この女のクリ焼いてもいい」
 弘枝が岡田弥一郎に確認する。
 岡田弥一郎は無言で頷く。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は起き上がって躰を引く。中出しされた情液が膣から流れ落ちる。隠微極まりない。
 それでも逃げようと部屋の入口の向う。
 青木学が押えて畳に背負い投げする。
 「うおーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はお尻を畳に叩きつけられてまた情液が流れ落ちる。
 青木学と岡田弥一郎が森田緋香莉の両脚と肩を押える。
 「うおーーーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は藻掻き暴れるが二人の押えは硬い。
 弘枝は箸で森田緋香莉のクリトリスを包んだ包皮を剥く。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は泣き叫ぶ。
 弘枝は煙草に点火する。普段吸わないので軽く吹かす。
 「ああーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は藻掻き叫ぶ。
 弘枝は赤く燃えた煙草の先端をじっくり近付ける。それを剥いたクリトリスの薄橙の膨らみに押付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が轟く。涙はポリポロ零れる。
 これを知ったら佐野幸治はきっと他の女に乗り換える。弘枝はいい気味だと思った。
 青木学が弘枝の手の煙草を要求する。
 弘枝からそれを受け取って火を斜め下に構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は乳房を狙っていると解って悲鳴を上げる。
 青木学は色白で肌理の細かい森田緋香莉の乳房に押付ける。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉は目を下に向けて乳房を見る。驚愕の表情になる。
 森田緋香莉はもうどうにも恐ろしい事態である。
 殺人未遂で逮捕の方がましだったと思う。考えがあま過ぎた。弘枝を殺して逃げられる心算でいたのである。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 一度豪雨が来たが熱さは収まらない。生ビールをきりきりに冷やして魚介類を焼いていた。
 冷房はがんがんに効かしている。電力不足などなんのその。自分らだけ節電してもしなくても結果は変わらないとの意識である。
 「遺体処分と動画公開の依頼が来た」
 川口の会長が報告する。
 「事件は起きてないな」
 「岬ビューホテルだ」
 「それじゃ充分に注意せんと。あんまりあの辺りで事件はよろしくない」
 葬儀会社の社長は隣町の温泉街を気遣っている。
 「それがどうにも危険なのだ」
 川口の会長も警戒している。
 「例えば」
 「まず動画の処理が危険だ。バックはそのまま人物は消しているが処理が不完全。遺体は生きたままらしい」
 「まあ。生きたまま破砕処理機に入れればよいが」
 廃棄物収拾運搬処理業の社長である。
 六人は動画を閲覧する。
 「こりゃー駄目だ。バックを全部消去だな」
 印刷会社の社長である。
 バックの映像が旅館の部屋と直ぐ解ってしまう。
 「奴等金はどうなのだ」
 医者の男である。
 「まあ。遺体処分代くらいだな」
 「それならもう少しこっちの言う事を聞かせよう。今のままでは危険だ」
 葬儀会社の社長は岬ビューホテルをコントロールすべきと考える。
 「会合の為に張り巡らした防犯カメラで進入に気付いたがこのカメラが問題だ。これを撤去して映像を処分すべきだ。追加の防犯カメラは会合の日だけ設置するべきだ」
 運送会社の社長である。
 「そうだな。警察はこのホテルと寮は捜査する。追加の防犯カメラを撤去すれば前を通過する女子大学生の姿しか残らない」
 「あと拷問した部屋とコンパニオンの部屋の畳を換える」
 既に森田緋香莉のDNAが染み込んでいる。
 
 和歌山。岬ビューホテルその離れである。
 「かなり厳しく指示してきたぞ」
 「うーん。この通りかもな」
 青木学は納得する。
 「ねえ。彼女殺すの」
 弘枝は岡田弥一郎に耳打ちで確認する。
 「生かして苦しめたいのだろうが危険だ。こいつが病院に行けば病院から通報される」
 岡田弥一郎は弘枝の残酷な意識を確信してしまった。
 「ああ」
 ホテルで畳の交換は造作ない。そして追加設置の防犯カメラも一時撤去する。
 「お前の恥ずかし過ぎる動画が公開されるぞ」
 既に森田緋香莉は高手小手に縛り太腿と脚首を縛られている。このまま簀巻きにしてパッカー車で運び出すのである。
 青木学がその耳元で呟く。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。幸治にも見られちゃう」
 佐野幸治に見られるのが一番辛いらしい。その次は同級生である。
 「もう遅い。あっちの組織に渡した。編集して準備に掛かっている」
 青木学は強い口調で断言する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田緋香莉はまた喚き散らす。
 岡田弥一郎が麻酔を当てる。
 森田緋香莉を乾式メタン醗酵で遺体処理が完了次第動画を公開する手はずと成っていた。
 
 七月五日。越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 杉下一行からメールが届いた。
 テレビ会議を開始して愛好会の主なメンバーが自宅で杉下一行が転送した動画を確認する。
 森田緋香莉の行方不明で捜索願が出されたのも五日の朝である。
 前日に佐野幸春が騒ぎ出し翌朝実家が対応した。そして動画の被害者が森田緋香莉と判明する。
 報道は騒然と成った。昨日から行方不明の女子大生が被害者とタイトルが流れる。
 そしてJRの○○駅の防犯カメラに二日続けて森田緋香莉の姿が確認された。
 一日目は僅かな時間で戻って登りの特急に乗車している。
 両日とも岬ビューホテルの前を過ぎて寮に成っている営業してない旅館の前を過ぎて先に進んでいた。
 その先は廃墟の温泉街である。
 
 和歌山県警の大森登喜江巡査部長は岬ビューホテルとコンパニオンの寮に聞き込みに入る。
 岬ビューホテルは防犯カメラの映像の提供を要求されて提出に応じていた。
 大森登喜江巡査部長はコンパニオンの名簿も確認して行く。森田緋香莉が在籍していないかの確認である。
 さらに岬ビューホテルの従業員にも確認したが森田緋香莉を見た者は居なかった。限られた付近の聞き込みも皆無である。
 弘枝も大森登喜江巡査部長に確認された。
 「私が此処に居る範囲では見ていません」
 弘枝は知らないと言いきる。
 森田緋香莉がコンパニオンのアルバイトをしていた可能性は否定された。
 交際の有った佐野幸春にも捜査が及ぶ。
 だが前日は佐野幸春がコンビニでアルバイトしていた時間である。コンビニの防犯カメラに森田緋香莉の来店は無かった。
 二日目月曜日も同様である。
 佐野幸治は講義と部活に出ていて和歌山に来る時間は無かった。
 配信された動画の内容から佐野幸治の犯行とするには無理があり過ぎる。さらに名古屋に居たと確認された佐野幸春は容疑者から外された。
 警察の捜査は廃墟になった温泉街に展開する事となる。
 
 もう一つ事件が勃発した。報道では大下洋子候補の妹が拉致されて立候補の取り下げるよう脅迫されたと公表される。
 大下洋子は悩んだ末に立候補を取り下げず警察に相談して選挙運動を続けることとした。
 
 森田緋香莉の動画公開から一時間くらいの差で多嶋芽琉の動画が配信されてしまった。
 大下洋子が警察に相談した五時間後くらいである。
 多嶋芽琉は天井の高い部屋で獣縛りの様な形で吊るされている。縄以外身に着けない全裸である。
 顔は前に倒れている。眠らされていたようである。
 腕は頭の上で手首を縛り合わされて天井から吊るされていた。
 胸部は乳房の上と下で縛られて背中の結び目で吊るされている。縄が強く掛けられて乳房が突き出されていた。
 股間は三十度余りに広げられて膝から脚首に掛けた縄で斜めに上から吊るされている。
 女の部分もアナルも乳首も丸出しにされてしまっていた。
 拷問する男らは忍者のような黒装束でサングラスを掛けている。
 多嶋芽琉の女の部分を開いて撮影。さらにクリトリスも剥く。クスコで膣内部を広げてペンライトで照らして公開する。
 多嶋芽琉のプライドを社会的に葬る公開である。これで無修正AV女優と同様にされてしまう。
 黒装束の一人が多嶋芽琉の閉じ合せた女の部分の粘膜を鞭の先端で叩く。
 先端が長方形の革のチップ二枚重ねの一本鞭である。
 「うーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は意識を回復して驚愕の悲鳴を上げる。
 一畑電鉄の伊野灘駅で眠らされて拉致された。いま初めて意識を回復したのである。
 多嶋芽琉の躰は空中で二つ折り。それが振り子の様に前後に揺れる。
 それを正面から女の部分を狙ってもう一発叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉の躰は激しく震撼する。
 駅の無人改札を出て直ぐに囲まれた。男らはマスク、サングラスだった。多嶋芽琉は瞬時に眠らされて相手をよく見てない。
 そしていま忍者の様な黒装束にサングラスで顔は全く判らない。
 「な、何で。私を」
 多嶋芽琉は悲鳴のあとようやく言葉が出た。
 「あんたが大下洋子の妹だからだ」
 男の声は抑揚がない。
 「だから何ですか。こんな格好にして!!」
 多嶋芽琉は猛然と抗議する。
 「あんたを人質にして選挙を降りる要求をした。それに応じないで警察に通報したからあんたの拷問動画を公開する」
 男は全く淡々としゃべる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。わたしにかんけいないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は自分が犠牲にされた理不尽さに叫び抗議する。
 「関係なくても親族だ。災いは蒙る。あんたの姉さんが発言し過ぎるからいけない。そしてあんたの姉さんはあんたのプライドより選挙を選んだ」
 男の抑揚のない声は動画では音声を消して字幕になっている。多嶋芽琉の声だけが肉声である。
 別の男が鞭を受け取る。多嶋芽琉の股間目掛けて構える。
 「あーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉はそれを見て叫ぶ。
 男は振り下ろす。多嶋芽琉の小陰唇は閉じ合わせて突起している。それを強く叩く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉の躰は小刻みに震撼する。敏感な部分を強く叩かれて強烈に痛い。
 「やめろーーーーーーーーーー。私は選挙に関係ないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は姉の事で自分が犠牲にされる理不尽さに喚く。
 「俺たちが一番悪い。極悪人だ。それは重々解っている。だがあんたの姉さんは政治生命を取ってあんたを見捨ててあんたに犠牲を強いた。解るか」
 男はやんわり諭す。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。私は民事党支持だーーーーーーーーーーーーーーーー。かんけいないーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は喚き散らす。
 「だがな。仕方ないよ。あんたの姉さんはあんたの全裸でお○○こ丸見えのサンプル画像を見てあんたを見捨てて選挙を続行したのだ」
 男はさらに諭す。
 「わたしにかんけいない」
 「親族は関係ないとは言えない。兄が犯罪者なら弟は世間から責められる。我々はあんたをこうするのが最善なのだ」
 男はやや口調が強調されたが直ぐに淡々と抑揚がなくなる。
 次の瞬間隣に立つ男から鞭の先端が股間の粘膜に飛んで来る。
 「うーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は大口を破裂させて歯を剥き出し悲鳴を搾り出す。
 「や、やめ、ろーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉吊るされた躰を揺すって藻掻く。
 同じ男がさらに構える。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 縛られて吊るされている多嶋芽琉は局部を閉じることも庇うこともできない。
 躰を揺すって叫ぶ。
 男は三人だが普通のズボンやシャツと違って細かい体型が判らない。三人の区別も付かない。
 多嶋芽琉は痛みに暫く藻掻き続けた。
 男はそれでも狙いを定めて叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また強烈な悲鳴を搾り出す。そして空中で狂ったように暴れた。
 別の男がドリルバイブを持って来る。
 一人の男が後ろに回って多嶋芽琉のお尻を両手で押えた。鞭を持っていた男が浣腸器に入れたローションを膣に注入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は何をされるか解らない。恐怖に叫び捲くる。
 その男も浣腸器を置いて多嶋芽琉の躰の押えに加勢した。
 ドリルバイブを持った男が膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は異物を挿入されてさらに藻掻く。
 男は二人の押えに乗じてドリルバイブの擬似男根を手で持ってスイッチを入れた。多嶋芽琉が押し返そうとするのを強く押える。
 「あーーーーーーーーああーーあがあーーーー。ああがあーーーーーーーーーーーーあがあーーーーーーーーーああがああーーーーーーーああーーーー」
 多嶋芽琉は顔の表情を究極に軋ませ大口を縦に破裂させて強烈な声を上げ続ける。
 「ぐうあああーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーああがああーーーーーーーーーーーーーあがああーーーーーーーーーああがああーーーーーー」
 ドリルバイブの急激な責めに押し捲られ顔を右に左に振って震撼させ藻掻き暴れ続けた。
 膣口からはローションに混じった膣液が飛び散る。
 男は一度ドリルバイブを抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は軽く失禁尿を洩らす。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男はもう一度ドリルバイブを突っ込む。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は堪えられずに叫ぶ。
 それでもスイッチが入る。
 「あごおおーーーーーーーーーーーーー。ぐあごおおーーーーーーーーーーーーーーーぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また狂ったように藻掻く。やがて究極に軋んだ顔は片方に倒れる。
 「ごお、お、おーーーーーーーーーーーーー。ごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ごおおーーーーーーーーーー」
 倒れたまま顔が軋み続ける。
 「あがあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 やがて多嶋芽琉の首が倒れたまま揺れて白目を剥いてしまう。
 「一回目達成だ。診察台に移そう」
 其処にはSMの設備が充実していた。
 闇にスポットライトだけで部屋の構造は見えない。動画にも何も映っていなかった。
 男らは診察台に多嶋芽琉の躰を移して剃毛に掛かる。
 診察台で広げた股間部分だけスポットライトで照らして撮影する。
 多嶋芽琉は失神したままである。陰毛を整えていたので短い時間で剃毛が完了してしまう。
 無毛になった多嶋芽琉の女の部分は散々叩かれたのにまだピンと突っ張っている。
 男らは剃毛を終えて浣腸の準備をしていた。
 浣腸器に氷で冷やした冷水を吸い上げる。
 それを失神したままの多嶋芽琉のアナルに注入してゆく。
 「う、・・・う、・・・うーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい液が直腸に入って多嶋芽琉は直ぐに意識を回復した。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は浣腸液を注入し続ける男に叫ぶ。
 「あんたのパイパン姿も確り録画したぞ」
 一人の男が浣腸液を流し込む横から別の男が詰る。
 「あーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉はドテに目を落として陰毛が無いことに気付く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は直腸の痛みが襲ってそれどころではない。
 男は浣腸器を抜いてアナル栓を捩じ込む。
 「あーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉の腹は究極に痛む。その痛みに藻掻く。
 「暫く苦しんで下さい。排泄姿も確り公開します」
 男は恐ろしい宣告をする。
 この上排泄まで公開されてしまう。だが腹の痛みにもうどうにも成らない。
 
 越後湯沢の如月鬼堂の居間ではテレビ会議を続けながら各々動画を確認していた。
 「さっきの動画とは全く別の事件だな」
 如月鬼堂は事件が二つ重なったと言いたい。
 「そうですね。全く背景も撮影の仕方も違います」
 杉下一行も同意見である。
 「そうだな。最初のは背景を後から消している。責めている人物も後から加工している。二番目のは計算して撮影されている」
 「そうですね。一つ目は行方不明の女子大学生が被害者です。二つ目は参院選立候補者の妹です」
 館山弁護士である。
 「野党の人気政治家を一人潰そうということか」
 「ねえ。パパ。それ与党の差し金」
 突然珠洲が会議に割り込む。
 「馬鹿な。与党はあの議員一人にそんな事はしないよ。個人的な恨みかテロの類だろ」
 「でも。大下洋子に何人も国会で叩かれていたじゃない」
 「それでもそんな事はしない。それにいま与党は選挙でかなり有理だ」
 「そうか」
 珠洲もそんなものかと理解する。
 「二つ目の。男は三人だな。まったく見分けは付かないが」
 「これ連続拉致強姦事件の連中ですか」
 大河内税理士である。
 「違うような気がするがな」
 如月鬼堂は否定する。
 「そうですね。やり方が違いますね」
 館山弁護士も同調する。
 「しかしどっちもあの連中が関わっていませんか」
 杉下一行である。動画の配信ルートは同じに思えた。
 「その可能性は有るな。後始末とか。動画の処理もやったかもしれないな」
 如月鬼堂は行き着くところと言いたい。
 「すると一本目の犯人は素人ですな」
 「うん」
 「二本目は右翼ですか」
 福富麻次郎である。
 「依頼人が右翼で実行犯の奴等がプロなら判るが」
 如月鬼堂もあくまで想定の範囲である。
 
 動画では多嶋芽琉が腹の痛みに藻掻き続けていた。
 「その栓外して欲しいか」
 男の一人が囁く。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーはずして」
 多嶋芽琉は苦しさに堪えられない。
 「それじゃ。私のうんこ見て下さいと言え」
 「そ、そんなーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 多嶋芽琉は恐ろしい要求にさらに藻掻く。
 「嫌なら苦しみ続けろ」
 「うーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。どうしてそこまでさせるの」
 「あんたの姉さんに妹がこんな目に遭っていますと思い知らせるのや」
 男の言葉は相変わらず抑揚がない。
 「何でそこまで」
 「あんたの姉さんの発言にむかつくからだ」
 「ううーーーーーーーー。姉を直に殺せば良いでしょう。ううーーーーーーーーーーーーー」
 「それでは唯のテロにしかならない。逆に社会全体から同情される。妹を見捨てて政治生命を護った女とラベルを貼るのだ」
 「判った。私のうんこーー見てください。ううーーーーーーーーー。これでいーーいーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐにアナル栓が抜かれた。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ズブーーーーーーーーーーーーーーーー。
 多嶋芽琉は苦しみ藻掻きながら診察台に設置された透明な容器に茶色い水を噴出す。
 水の後に崩れた便が断続的に飛び出した。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも多嶋芽琉は腹の痛みに苦しみ続ける。冷水を注入された痛みはなかなか治まらない。
 男らが横から多嶋芽琉の腹を押えてマッサージする。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ苦しみながらカレー状の便が断続的に流れ出る。
 画面にはスポットライトの当たった多嶋芽琉の苦しむ表情が延々と焼き付いていた。
 無残極まりない姿である。
 その後も潮吹きと責め捲って漏らすシーンを撮影された。
 そして犯人らは多嶋芽琉に姉を殺す方法を教える。さらに自殺用の青酸カプセルを提供した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 二本の動画で如月鬼堂は疲れていた。
 「増えたな倒産が。三月から四ヶ月連続らしい」
 如月鬼堂が呟く。
 「行政が休業要請など出して、協力金を送らしたり出ない業種があったり対応が悪過ぎるからですよ」
 大河内税理士は自分の客が倒産で減って怒っている。
 夕食の出前が仕出し屋から届いてテレビ会議は修了と成った。
 
 七月六日。
 和歌山。大森登喜江巡査部長は岬ビューホテルに任意捜査に入った。
 廃墟の温泉街に犯行現場の形跡がなかったからである。
 「客の滞在しない部屋だけですね」
 岡田弥一郎は念を押す。
 大森登喜江巡査部長もそこまでしか要求できない。容疑が固まっている訳ではない。
 この日も離れにはダミーの逗留客が居た。
 逗留客は会員の一人である。四日から逗留していると証言させた。
 これも川口の会長の指導である。
 ホテルの廊下も宴会場も森田緋香莉が入った事はない。
 捜査は全く無駄であった。
 コンパニオンの寮は女性ばかりと捜査の対象とされてなかったのである。さらに女性個人の部屋までは難しい。
 動画の公開という犯罪規模から女性コンパニオンは容疑の対象にも成らなかった。
 連続拉致強姦事件の犯人のような犯人像が想定されている。
 岬ビューホテルが疑われたが皆無と成った。
 大森登喜江巡査部長は納得しなかったが和歌山県警は捜査対象から外してしまったのである。
 
 七月九日。
 インターネットアダルト放送のスタジオ。
 本日はメインキャスターの本多椿と高島波瑠、岡田有美もスーツ姿である。
 「五日の夜でした。渋谷駅で財布を線路に落とした客が財布を拾ってもらえず非情停止ボタンを押してしまいました」
 高島波瑠が読む。
 「駅員がその若い男性を怒鳴りつけていました。JR東日本も駅員の言動を詫びる結果と成りました」
 「財布を落とした男性はこれを動画に撮影して動画投稿サイトに公開しました。賛否両論でしたが駅員の言動を応援する人の方が多いようです」
 本多椿の解説である。
 如月鬼堂は以下のように述べた。
 この人物の行動は鉄道運行法違反。たいして停止時間が経ってないので賠償は判りませんがその可能性も有ります。
 何よりも行動が幼い。社会や組織の構造、バランスを判っていない。社会的知識が幼稚である。そして忍耐力が全くない。
 大衆の怒りは駅員の言動よりも電車を止められることに強く怒っていると思う。それがストレートな感情かもしれない。
 この男は財布を落として既にパニックに成っている。パニックに成った人間はこの駅では非常に危険である。
 何故なら山手線の渋谷駅は車掌から見渡しが聞かない。カーブの部分に造られている。
 昭和三十年代には外回りの電車がホームに入る時ゴンゴンゴンと警告のドラが鳴った。
 駅員の言動以前。JRの社員は大手鉄道のエリートである。まずパニックの人間をサポートして宥め諭してそれ以上のパニックを招かないことである。
 翌日に成る等との答えはさらにパニックを招く。
 この場合は自分で取らせない。静かに諭して取れるタイミングを待ってもらうことである。
 この駅員はこの言動でこのパニックに成っている社会的幼稚な人間をさらにパニックに追い込んで暴れさせてしまった。
 こんな社会的幼稚な存在は至る所に居る。
 昔、中央線の新宿駅で朝のラッシュ時間である。その頃は登りの快速東京行きは三番と四番に交互に入ってきた。二分車間だった。
 年配の女性が乗り込むとき靴をホームと電車の隙間から落としてしまう。女性はパニックと成ってしまった。
 それでも慣れた駅員は女性をホームの安全場所まで下がらせて次の電車との合間にマジックハンドのような長い道具で拾ってあげる。
 女性のパニックも直ぐ治まった。
 お客には判らないが駅員は軌道信号と出発信号を確認できる。
 どんなに車間が短くても一定の秒数はホームに電車は入れない。制御が掛かっている。
 エリート職員である駅員には上手にタイミングを見て拾って客を安心させパニックを防ぐ練度の高さが求められると思う。
 「日本に留まらず世界を震撼させる凶悪事件が起こってしまいました。選挙演説の最中元総理が大和西大寺駅前で射殺されました」
 高島波瑠が読む。
 「容疑者は母親が宗教団体に多額寄付をして破綻。それで家庭が崩壊した。元総理がその宗教団体を応援していたので復讐に選んだと供述しています」
 続いて岡田有美が読む。
 「銃は模造の粗末なものでした。何故警備は防げなかったのでしょうか」
 本多椿はそっちの疑問に誘導する。
 如月鬼堂は以下のように述べた。
 またプチテロが起こった。
 どういう方法を使っても今の社会の方向に抵抗できない。これはそういう連中の行き場の無い不満である。
 マスコミと知識階級のモラルに押えられて正攻法では戦えない不満分子が沢山居る。
 それぞれの不満は違う。だがその一つと言える。
 非暴力では達成できない不満。それが年末の診療所内の放火殺人や今回の元総理射殺事件である。過去の秋葉原事件なども同様と言える。
 日本人の体質も変わってしまった。それに納得しない世代に多い。
 大方が知識階級の主流的意見中心のモラルに国民の大半が傾倒している。逆にそれが個人の利害、信条に大きく影響する層がばらばらに存在する。
 そして非力な人間でもできる暴力、武力の限りない恐ろしさである。
 それがガソリン放火であり、模造銃となる。
 集団でなくてできる社会の歪、隙を虎視眈々と狙った犯行である。
 この危険は平和な社会のあらゆるところに内在している。
 大方の人間には実行力がない。僅か一握りの人間が死を覚悟して僅かな管理社会の歪を突いて実行する。
 こんなもの防げなかったのかという疑問も浮き上がる。そんな僅かな歪、隙である。
 テロリストに至らない個人の不満分子。そのごく一部が思い詰めて実行する。
 だが本人が自身の身を捨てて決行するにもこの犯人の場合は狙う相手すら間違えている。
 銃を製造したり虎視眈々と警備の歪、隙を狙ったりする能力はやや長けていたかもしれない。
 突然の予定変更。それがあれは本当にSPだったのというような警備の歪に遭遇して不可能な筈の犯行が達成という結果を招いてしまった。
 だが渋谷駅で非情ボタンを押した犯人同様、社会や組織の構造、バランスを判っていない。社会的知識が幼稚である。
 だから本人の本来の恨みを晴らすという目的にも当たらない。元総理と宗教団体の関係をよく把握しないで行動に移った。
 見当違い以外の何ものでもない犯行が極めて重大な社会的ダメージを招いてしまったと言わざるを得ない。
 
 七月十二日。
 多嶋芽琉は夜遅く帰宅した大下洋子の家に来た。
 「芽琉。無事だったの」
 「わたし。姉さんのせいで拉致されたのよ。それなのに私を見捨てて選挙をを優先したのね」
 「待って。私の意志では選挙を降りられないのよ。党の議席を減らすことはできないの。警察に相談して対処してもらうしかなかったの」
 「それで私はあんな動画を撒かれたのよ」
 多嶋芽琉は姉に躰をぶつける。肝臓を狙って一突き。大下洋子は瞬時躰が震える。そしてそのまま倒れた。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 家族の悲鳴が轟く。
 多嶋芽琉も口に含んだカプセルを噛む。
 血を吐いて倒れこむ。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに警察と救急車が呼ばれたが二人とも死亡が確認された。
 
 七月十三日。
 東京都世田谷区の大きな屋敷。
 三人の男が来訪した。
 主は着流しで和室の客間で出迎える。既に世俗を引退したかに見られていた政財界の古狸である。
 三人の前に五百万の束が置かれた。
 「よくやってくれた。評価として一人五百万だ」
 古狸は静かにそう語る。
 「ありがとうございます」
 「半分評価だ。もしあの女が世論に叩かれて引退してくれたら一千万評価したかった」
 古狸はさらなる成功を期待していた。
 「申し訳ございません」
 「まあ。良い。もう少し動画が浸透して殺人テロの報道がやや収まってから開放すれば良かったかもしれん」
 「申し訳ございません」
 「まあ。何とも言えん。警察の捜査が及ぶ危険もあった」
 三名は五百万を手にして屋敷を辞した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「あの二人目の生贄を拷問したのは何者や」
 「なかなか用意周到にできていたな」
 「元総理を本当の敵が見えないで射殺した馬鹿男と違って狙いも準備も完璧だ。良くやった」
 川口の会長は認める。
 「奴等の存在がこっちの邪魔に成らないか」
 医者の男である。
 「成らない。あの連中は二度と動かない」
 川口の会長は断言する。
 「危険なのは岬ビューホテルでしょう」
 葬儀会社の社長はそっちを心配していた。
 

 
 最期のSM小説家 三十四幕 SMスーパーコンパニオン 完 





 最期のSM小説家 三十五幕 世を拗ねたSM嬢


 二〇二十二年大暑上元。太陰太陽暦六月十七日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年七月十五日。
 四国香川県琴平。高級ソープセクレタリールーム。
 荻野有香は莉音という源氏名で店に出ていた。今日を限りで辞めてSMクラブに移る。
 辞める理由は性感染症である。荻野有香はSEXをしなくて良いSMクラブを選んだ。
 「今日が最後なの。あんたのような人ばかりならいいのだけど」
 「やめてどうする。OLになるか」
 男は荻野有香の客で五十年配である。
 「まさか。私なんかスーパーのレジくらいしか採用されない。OA機器なんか使えないし。OLの給料じゃとても」
 「それじゃ」
 「SMクラブに移るの。後でメモ渡すから来て」
 「だがSMクラブじゃ」
 「大丈夫。これ着けてくれたら同じ事するから」
 「いいよ。そっちの方が収入に成るか」
 「ううん。そんなに変わらないと思う。SEXしなくていいから」
 「病気か」
 「そう。もうクラミジアで手術したの」
 「成程な。女の子は症状が出なくて重症化するからな」
 「そうなの。だって此処洗わないで舐めさせるのよ。生で入れちゃったらどうしても避けられないよ」
 荻野有香の言葉にはかなり悲痛感が漂っていた。
 「生で洗ってないさおを舐めるのは危険極まりない」
 五十男は自分ならご遠慮という姿勢であった。
 
 七月十六日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「参議院議員の大下洋子さんが殺害されました。殺害したの実の妹で多嶋芽琉さんでした。多嶋芽琉は拉致され猥褻動画をばら撒かれていました」
 高島波瑠が読む。先週と同様スーツ姿である。
 「大下洋子さんは多嶋芽琉さんを拉致した犯人から猥褻動画を盾に脅迫を受けていましたが、党の議席を減らせないと選挙を続行しました」
 続けて岡田有美が読む。
 「多嶋芽琉さんを拉致した犯人の捜査は全く進んでいません。多嶋芽琉さんは大下洋子さんを刺したあと青酸カプセルで自害しました。先生恐ろしい事件でしたね」
 本多椿が解説して如月鬼堂に振る。
 「まさはこれが言論の自由への封殺、民主主義への否定です」
 如月鬼堂は抑揚のない言い方である。
 「犯人は連続拉致強姦事件と同一犯人でしょうか」
 本多椿は質問の角度を変える。
 「違うと思います。動画の嗜好が違い過ぎます。この犯人はSMを嗜好としていません。本からでも見てそれらしくやっただけでしょう」
 「目的は大下洋子の選挙降ろし一本でしょうか」
 「そうです。選挙降ろしと限らず大下洋子を政界から潰したかったのでしょう。それを依頼されたプロの様な犯人像です」
 「マスコミ各社とも与党系はそんな事はしないと言い切っていますが。依頼者とはどんな犯人像でしょう」
 「判りません。昔の政治家、資産家などで大下洋子の答弁が許せないという人物の可能性がやや考えられます」
 「やはり犯人逮捕は難しいでしょうか」
 「極めて困難でしょう」
 如月鬼堂は言い切ってしまう。
 
 七月二〇日。
 高松港に近いファッションホテルである。
 荻野有香は本日二人目の客に付いていた。SMクラブでも同じ莉音という源氏名で出ていた。
 客は四十代のオーナー経営者タイプである。
 荻野有香は何となく嫌なお客と感じた。ソープ嬢の時でもそう思ったに違いない。
 ファッションホテルと言ってもSMルームは存在する。昔は責める設備がいまいちずれていた。
 最近はその核心の造りに成っている。
 如月鬼堂の監修で造られたプレイルームを真似ていたのである。
 今日の客はハードコース二時間で六万。自分の手取りは四万となる。ソフトでは三万五千円。自分の手取りは二万にしかならない。
 ソープでは一人三万。入浴料は別途に店が取る。一日三人から四人だがそこから別の物を引かれる。
 客に渡す粗品、ドリンク代、食べない弁当代等が有る。いまだにやくざのみかじめ料らしい。
 さらにタクシーの運転手などが連れて来ると半分くらい取られてしまう。
 そんな客に限って病気を持っていたりする。
 補償はない。治療費、入院費は自分持ちでさらに休業となる。
 荻野有香は拷問椅子に磔にされていた。
 全裸で大股開き。脚首、膝、腰、腕は拷問椅子の後ろに回されて縛られ背凭れの裏のフックに固定されている。
 やや派手な服装の四十男は荻野有香のクリトリスを執拗に電マで責め続けた。
 荻野有香は藻掻き抵抗しながら堪らず声を上げ続けて失禁してしまったのである。
 拷問椅子の下にはブルーシートが敷かれていた。
 男はブルーシートの失禁尿を部屋に備え付けのバキュームで吸う。ブルーシートを綺麗にしてさらに続行である。
 男はクスコを取り出す。堪らなく嫌だがこれもメニューに入っている。
 既に荻野有香の女の部分は膣の奥まで強制的に濡らされていた。ローションは要らない。クスコの金属が冷たいだけである。
 男はペンライトで照らして荻野有香の奥をじっくり観察する。
 堪らない恥ずかしさである。
 さらに小型のカメラで客室のモニターに投影する。荻野有香にとっては意地悪極まりないルーム設備である。
 「お前のま〇〇の内部だよく見ろ」
 男はモニターを指さす。そこには拡大されたクスコの内部が投影されている。真っ赤な子宮口がくっきりと確認された。
 男は電動歯ブラシの様なアイテムを取り出す。歯ブラシの部分に小型のローターが付いている。
 「これはな。Gスポット責めローターと言うのだ。大手ポルノショップチェーンの通販で売っている」
 男は荻野有香を責める気分が滾っている。
 こんな物で女の一番敏感な奥を責められたら到底耐えられない。荻野有香に怖いのは失神である。
 男は斜め横にしゃがんで柄付きのローターを荻野有香の膣を広げた奥に差し込む。
 肝心なところに当たらないので男はクスコを斜めにした。膣天井部は下がったが子宮口は見えなくなった。
 だがマイクロローターは娼婦の泣き何処をしっかり捉えている。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は全く声を押さえられない。大概は抑えることができる。クラブでは押さえないで声を出す。だが今は違う。
 何としても失神は避けたい。堪らない羞恥だが漏らすだけで満足してほしい。
 男はさらに責めを強化する。
 指のサイズのローターを取り出す。
 荻野有香はこれ以上追加されては堪らない。恐怖に怯える。
 男は指のサイズのローターでクリトリスの責めを追加した。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は責めに翻弄されてしまう。
 ソープランドのお客の責めに堪えるのとは抜本的に違う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香の逝き声は一気に強くなる。男の目的通り荻野有香は耐えられず失神してしまった。
 白目を剥いた躯の姿を晒してしまう。
 そして男はパソコンのカメラであらゆる角度から局部、膣の奥まで撮影する。それをWebメールで送信してしまう。
 直ぐにパソコンのデータは消去する。
 パソコンは上製本に見せかけたケースに格納されていた。
 荻野有香はビンタで起こされる。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 ビンタは別料金だが失神してしまっては文句を言えない。
 それより荻野有香は二つの事が心配である。
 失神している間に挿入されてしまってないか。膣に侵入した感覚はない。クスコは入ったままであった。
 次に自分の恥ずかしい姿を撮影されてないか心配になる。
 撮影できるコースも有るが二万円増し。ポラロイドは一枚千円と安い。だが
荻野有香は撮影をNGにしていた。
 「ねえ。お客さんのスマホ見せて」
 荻野有香は確認せずに居られなかった。
 「ガラケイだよ」
 男はファイルを見せる。
 「動画は」
 「そんな機能はないよ」
 男は背中に縛った手首だけ解放して携帯を渡した。
 それらしい画像はない。
 「ねえ。メール開いて」
 男は使い方を説明して荻野有香に操作させる。怪しいものはなかった。
 「鞄にスマホ入ってない」
 「中を見せても良いがこれで無かったらあんたのま○○広げて叩かせろよ」
 男は先端が長方形のチップに成った一本鞭を翳す。
 「判った」
 男は鞄の口をがばっと開く。中には上製本がサックに入った状態で二冊。本の背が見えた。他は書類らしき。それと小切手帳である。
 鞄の横のポケットも広げてくれたがティッシュだけであった。
 男は荻野有香の戒めを解いて拷問椅子から降ろす。
 「ブルーシートにお尻を降ろして股間を指で開け」
 そう指示する。
 荻野有香はその通りにするしかない。
 お尻を降ろして股を広げて両脚の膝を曲げたまま投げ出す。
 荻野有香は震えた指で女の部分のびらびらを広げる。
 男は荻野有香の後ろに立って女の部分のピンクの粘膜を見下ろして鞭を振りかぶる。狙いを定めて一気に振り下ろす。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーー。うぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は痛みに崩れる。床を転げて痛みに藻掻く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 片手で股間を押さえて片手で床を叩く。
 股間を押さえた手の周りから失禁尿が流れ出す。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 荻野有香は躰を丸めたまま涙をぽろぽろ溢す。
 「もう直時間だ。支度しろ」
 それを聞いて荻野有香はバスルームに駆け込む。
 泣きながらシャワーを浴びた。
 
 クラブに戻ると次の予約が待っていた。
 六時間十二万のコースにオプションが付いている。何か怖い気がしたが荻野有香のNGメニューには触れてない。
 クラブでは初めての客と言われた。
 覚悟して客の待つ部屋に向かう。
 荻野有香は部屋に入った瞬間安堵した。ソープから誘った客である。
 「ねえ。貴方SM趣味もあったの」
 「ないよ。やらせてくれるのだろ」
 「うん。そうだけど。何でこんなにオプション付けて」
 「あんたにご祝儀のつもりだよ。俺にSMは判らない」
 「なんだーーーーーーー」
 荻野有香は涙をぽろぽろ溢して客に抱きついていた。
 「けっこう辛いのじゃない」
 「そうなのーーーーーーー」
 その日は寿司の出前を取って飲みながらながいプレイ時間を明け暮れた。
 
 七月二十二日。
 荻野有香には更なる地獄が待っていた。
 今度は本物のハードコースの客に遭遇する。六時間十二万。真正M女コースである。さらに剃毛と局部鞭のオプションが付けられている。
 荻野有香に戦慄が奔った。
 客はまだ三十代と思える。細面で冷たそうな表情である。
 二十万を銀行員の様な手つきで数えてテーブルに置く。そのまま荻野有香の方に押しやる。
 荻野有香は数えるのを一緒に読んでいたのでそのまま仕舞う。
 「莉音でございます。よろしくおねがいします」
 定型のハードな挨拶文言は省略する。
 男は荻野有香のジャケットだけ脱がして着衣のまま縛ってしまう。
 簡単な亀甲縛りだがスカートが捲れ上がって股間に縄が掛けられた。
 「衣類いま着ているのでいくらだ」
 「えーー。そんな高い物は」
 「切ってしまうぞ」
 「あの。それでは帰れません」
 男は亀甲縛りの上から高手小手に縛る。縛り方はよく解っているらしい。素人ではないと思える。
 「大丈夫だ全部用意してある」
 男はスーツバックを広げる。ミニワンピース、レースの下着、ストッキングが入っていた。
 「そのワンピース。長さが」
 「下着すれすれだ。クラブのホームページに記載されていた貴女の身長に合わせた」
 男はワンピースを取り出して肩の中心に合わせる。裾は下着を二、三センチ下に隠す程度である。
 「ああ」
 「そのスカート丈で次のプレイに行ったら客は悦ぶぞ」
 「そんな」
 男は高手小手の縛りの下からブラウスのボタンを外してブラウスをずらして脇に広げる。
 ブラの前を切り落とす。
 「ああ」
 男は財布から二万円を出して荻野有香のバックの上に載せる。
 「これでよかろう」
 「はい」
 荻野有香は納得する。
 まともな物を買えばそのくらいだがプレイに出る衣装はできるだけ安いもので済ませる。
 下着とブラウスとスカートで一万円を割っていた。
 男はブラの肩紐も切る。
 後ろのフォックを外して抜き取ってしまう。乳房も乳首も高手小手と亀甲縛りの縄の下に丸出しである。
 男はその乳首に小さなクリップを鋏む。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 続いてストッキングを破って抜き取る。ショーツも切り落とす。それも抜き取る。
 荻野有香は股間に隙間が有るので閉じ合わせた女の部分の粘膜は亀甲縛りの結び目に隠れながら丸出し同然と成った。
 男は天井に設えられた二つのフックにそれぞれ滑車を引っかける。
 滑車の高さを調整して下がった一個のフックを乳房の谷間にできた高手小手の縄の交差部分と亀甲縛りの結び目に引っかけておく。
 もう一本を下げてドテの少し上にできた亀甲縛りの結び目に引っかけた。滑車のもう一本の縄を引いて荻野有香の躰を吊るし上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は吊るしに慄いて悲鳴を上げる。
 亀甲縛りの縄が躰全体にバランスを配分するように吊るしていた。
 その亀甲縛りの結び目の一つが荻野有香の女の部分を割って食い込んでいる。
 男は荻野有香の膝から脚首に縄を掛けた。それを離れた壁のフックに縛り付ける。左右とも離れて縛って股間を大きく広げた。
 女の部分のびらびらを強く広げて亀甲縛りの結び目を尿道口と膣口に直に当たるように調整する。
 「ううーーーーーーー」
 縄の結び目は女の敏感な部分を強烈に圧迫する。
 男は電マを取り出す。
 ホテルにも備え付けが有るが百円を入れないと使えない。さらに位置が遠い。
 男は電マを女の部分を圧迫している結び目に当てる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 強い刺激が空中で不安定な荻野有香を襲う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は吊るしの真下にブルーシートを敷く。
 それから卵バイブを三個取り出す。
 結び目を引っ張って膣口から卵バイブを二個押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーん」
 男は電まで結び目の上から責めながら膣の中に入れた卵バイブのスイッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は抑えようと思えばまだ声を抑えられる。だがそのまま声を出す。サービスではない。もっと強く責められない為である。
 男はさらにクリトリスを包んだ包皮の上に重なった二本の縄の間に三つ目の卵バイブを挟み込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は執拗に責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香はもう声を抑えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。でちゃうよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は堪えられないのもそうだが客の服を濡らすのを恐れた。
 男は全く動じない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。でるーーーーーーーーーーー」
 縄目の間から失禁尿が縄を包むように流れ出る。
 男は満足そうにそれを見ている。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 荻野有香の息遣いはなかなか治まらない。
 男はそれでも手を休めない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 失禁尿は治まらない。断続的にまだ出る。
 荻野有香は不本意ながら連続で逝ってしまった。
 男は卵バイブをそのままにして電マをテーブルに置く。
 凧糸で繋いだピンチを取り出す。五センチ間隔で二十個繋いでいる。
 それを腋の下から順に縄を避けて腰の横から太腿の横を膝上まで鋏み付けた。
 両側とも同じように鋏み付ける。
 荻野有香にもそれが一気ひっぺがされると想定が付く。恐怖に怯えながら男の所作を見ていた。
 膣の中とクリトリスと縄の間に挟んだローターは暴れ続けている。
 ピンチを全部鋏み終えると男は凧糸の先端を滑車のフックに通す。その先端を持って荻野有香の股間の前に立つ。
 「これを一気に飛ばす。合図してくれ」
 男は荻野有香に自分から飛ばす合図を要求する。
 「え、ええ」
 「飛ばす要求をしないともっと増やすぞ」
 「そんな。物凄く痛いのでしょう」
 荻野有香は怯える。
 「そうだ。君の究極の悲鳴を愉しみたい。早く飛ばさないと飛ばす時の痛みがどんどん増すぞ」
 「そんなーーーーーー。乳首のは」
 乳首はもっと痛いクリップに鋏まれている。
 「それは今日のメインディッシュの一つだ」
 さらに男は恐ろしい事を目論んでいるらしい。
 「よいか」
 男は凧糸の先端を摘まんで確認する。
 「ああーー。はい」
 荻野有香は瞬間目を強く瞑って答える。
 男は残忍な笑みを浮かべて一気に引っ張った。ピンチはドミノ倒しのように躰から外れて飛ぶ。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香の躰は瞬時空中で固まり強く弾ける。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに震撼する。
 「あはあん。ああん。あはあん。ああーー。ああーー。ああ。ああ。ああ」
 男は飛ばした糸をもう一度真っ直ぐに伸ばす。
 「え。ええーーーーーー」
 荻野有香は男がもう一度鋏み付けようとしていると悟る。
 「・・・・・」
 男は荻野有香の顔を覗き込んで残酷な笑みを浮かべた。
 今度は縄の結び目に押し広げられた女の部分の粘膜を鋏み付ける。
 「あーーーーーー。そこは」
 荻野有香は泣き声混じりに抗議する。
 「ピンチにそんなルールは書かれてないぞ」
 男はまったく動じない。女の部分の粘膜に二つ鋏み付けて内腿を鋏んでゆく。
 今度は間隔を詰めて膝上まで二十個付けてしまう。
 これも両側同じように鋏み付ける。
 荻野有香は恐怖に震える。
 最初に感じた以上に残酷な客であった。
 「さあ。もう一度合図してくれ」
 男は淡々と要求する。
 「え、ええーーーーーー。お○○こは赦してよーーーーーー」
 荻野有香は耐えられず慈悲を求める。
 「このピンチじゃ千切れたりはしない。強烈に痛いだけだ」
 男は荻野有香の悲痛な赦しをまったく取り合わない。
 糸の先端を高く持ち上げる。
 「ああ。はい」
 荻野有香は恐怖に震えながら仕方なく合図する。
 男はゆっくり噛み締めるように一つずつ引き飛ばす。
 「ううおーーーーーー。うおおーーーーーー。うーーーーーー。うーーーーーー。うーーーーーー」
 荻野有香は泣き悲鳴を上げ続ける。
 やがて女の部分の手前に来る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は恐怖の悲鳴を上げる。
 ピンチが女の部分の粘膜を千切る様に引き飛ばす。
 「あふぁふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香の口が縦に裂けて甲高い悲鳴が轟く。
 最後のピンチ二つが粘膜を引っ張って飛ぶ。
 「ふはぁはぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香のさらに甲高い悲鳴が男の加虐心を抉る。
 「あはああーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーー。あはあん。あはん。あはん。あはん」
 荻野有香はあまりの責めに号泣してしまう。
 男はその姿を堪能するように眺めて笑みを浮かべた。
 荻野有香の目尻から米神に涙が流れる。
 男は荻野有香の膝から脚首の縄を解く。水平に吊るした躰を腰の部分を吊るした滑車から弛めて脚から床に着ける。
 続いて胸の吊るしも床まで降ろす。
 ピンチが飛んだ女の部分の粘膜には亀甲縛りの縄の結び目が食い込んだままである。
 男はレモンを搾る。
 「いやーーーーーー。それ!」
 荻野有香は泣き声で叫ぶ。
 「乳首のピンチを取るのはあと三十分。もう少し悲鳴を愉しませてくれ」
 荻野有香は躰を硬くして震える。
 男は面相筆をレモン汁に浸ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は眉間に皺を刻んで悲痛な声を絞りだす。
 「ま○○だけで赦してやるよ」
 男は残忍な笑みに崩れている。
 「そこが一番効くよーーーーー」
 荻野有香は涙声に成っていた。
 男は一気に荻野有香の女の部分を面相筆で一周させる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は腰を藻掻き甲高い悲鳴をサイレンの様に上げる。
 「ああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 強烈に沁みるが長くは続かない。
 ピンチが飛んで傷の付いた粘膜である。尋常な沁み方ではない。荻野有香はまた涙を流している。
 ソープで稼ごうとすれば病気に捕まる。SMクラブでは恐ろしい客にハードに責められる。
 女優に成れた子はこんな苦しみに合わずに高額に稼ぐ。自分も容姿は見劣りしないと思う。チャンスが無かった。
 OLでも一流企業に入れたら賞与も有り退職金もある。
 六十過ぎまで稼げて将来は安泰と言える。
 事業に成功すれば素晴らしい。だが自分には元手が無かった。それを作るのに苦労している。
 女優とアナウンサーが限りなく妬ましい。
 結婚すれば等と言う者も居る。自分の周りにろくな男は居ない。男は皆ソープに来る客と変わらないと思う。
 男はじっくり二時間を計って荻野有香の縄を全部解いた。
 「さあ。乳首のピンチを取る時間だ」
 男の期待の篭った笑みに荻野有香は戦慄が奔る。
 「・・・・・」
 「さあ。右と左どっちが痛い」
 「えーーー」
 荻野有香は左を指さす。
 「それじゃ右から取ってみよう」
 「ああ。はい」
 荻野有香は怯えながらピンチを掴む。
 「う、ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は痛みに顔を歪め上体を震撼させて藻掻き悲鳴を絞りだす。
 「い、いいたいいーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は苦しみ藻掻き続ける。
 「こっちも取らないと。取ったら揉んでやるよ」
 男は苦しむ荻野有香に淡々と言う。
 「ああ」
 荻野有香は顔を恐怖に歪めて男を見る。
 「さあ。早く取らないと取る時の痛みはどんどん増すぞ」
 「あーーーーーーーあはあーーーーーーーー」
 荻野有香は限りなく取り乱した表情で藻掻く。恨みと悲痛さの篭った表情で男を見返してピンチを一気に掴む。
 「うぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は片手で両方の乳房を抑えて床を叩いて藻掻き暴れる。
 男は荻野有香を床に仰向けに押し倒す。腰に馬乗りに成る。
 抵抗する荻野有香の腕を退けて強引に両方の乳首の周りを掴んで揉み始めた。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は強烈な痛みに悲鳴を絞りだす。
 男は十五分くらい揉んで荻野有香の絞りだす悲鳴を堪能して解放した。
 それでもプレイ時間は半分近く残っている。
 まだどれだけの仕打ちを受けるか分からない。荻野有香は唯々怯え続ける。
 だが男は寿司とビールを手配して荻野有香にも勧めた。
 「揉まないと一週間くらいは乳首の感触が無いらしい」
 男は荻野有香の狂乱の醜態にかなり満足した様子である。
 「どうして取ってからが痛いのですか」
 「鋏まれて圧迫されていた肉が戻る痛みだ。如月鬼堂の本に書いてあるよ」
 「如月鬼堂」
 「SM嬢なのに知らないのか」
 男はサイトを見せた。
 
 七月二十三日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「オミクロン株BA5感染が急拡大しています。行動抑制は行われてしまうのでしょうか」
 本日の高島波瑠はトップレス姿でスクリーンの横に立っている。
 「政府は行動規制を掛けない方針を示していますが、自治体の対応は様々です」
 岡田有美もトップレス姿である。
 「既に世界は濃厚接触者の隔離すら行わない状況です。日本はいつまで隔離政策を続けるのでしょうか」
 本田椿はブラを外しながら如月鬼堂の意見を求める。
 「どこまでやっても変異株が出てきてきりがない。感染しても重症化リスクが低いうちに集団免疫を確保してほしいものです」
 「そんな中で経口治療薬の緊急承認が見送りになってしまいました」
 高島波瑠がトップレスからショーツを脱ぐ。腰を横に向けて局部が映るのを制御して褌をまいてしまう。
 「これには特例承認制度の意味がないと落胆の声が大きいです」
 岡田有美もヘアーだけ見せてぎりぎり局部を見せないでショーツから褌への着替えを披露する。
 「鬼堂先生。やはり効果が薄いと薄々一般認識が広がりながらもワクチンありきなのでしょうか」
 本多椿は如月鬼堂の従来からの意見の方向に強く舵を切る。
 「まったくです。ワクチンより治療薬を確立してほしい。治る病気にして感染防止の必要がなくなるのが一番良いです」
 「治療薬をどのようにすれば良いのでしょう」
 「見切り承認して危険度も公開して市販すべきです。危険を承知で使う自由も認めるべきです。重症にならないで済めば医療崩壊も防げます」
 如月鬼堂は以前と同じ意見を繰り返した。
 
 七月二十四日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 相変わらず強く冷房を効かせて肉と魚介類を焼いていた。暑い日曜日である。生ビールが旨い。
 窓から見る麓も景色がもやもやと揺れている。
 「また行動規制が掛かるのか」
 廃棄物収集運搬処分行の社長である。
 「もう誰も応じないよ」
 医者の男は嘲けている。
 「そうだな」
 川口の会長も哂う。
 「しかし静かに成ったな。面白みがない」
 「我々が動くのはまだ危険だ」
 「あの二つの事件は迷宮入りだな」
 「女子大生は行方不明のまま遺体は永久に出ない。大下の妹多嶋芽琉の拉致犯人は二度と俗世間に降りて来ない」
 「多嶋芽琉が自殺してしまっては犯行現場の手掛かりもない。それが判って犯人のDNAが見つかっても辿り着くことは無いか」
 「そうだ」
 「何か面白い協力依頼は来ないのか」
 「そのうち来る。日本には不満分子がたくさん燻っている」
 川口の会長は期待を膨らませている。
 「そうだな」
 医者の男も納得する。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 大河内税理士、館山弁護士、杉下一行、福富麻次郎と愛好会の主な面々が集まって会議が開かれていた。
 「そろそろ開催して頂きたいですね」
 福富麻次郎は次の全裸美人コンテストの開催が収益上待ちきれない。
 「まだ人数がな」
 如月鬼堂は乗り気ではない。
 「どうでしょう。今回から優勝した女性以外再出場させては」
 福富麻次郎はもう一押ししたい。
 「それも有りではないですか」
 大河内税理士も賛成する。
 如月鬼堂はファッション喫茶三店舗の店長とテレビ会議を繋ぐ。
 三店舗のコンパニオンから候補を出して貰う以外ない。候補者のノミネートをお願いして待つこととした。
 なかなか話はゆっくりしか進まないのである。
 
 荻野有香は週に三回一日置きの仕事で今日は出番である。だが一昨日のプレイが重く出たくない。
 一昨日の客はハード過ぎたが十分に金を貰えた。帰りに車代と言い五万円を渡してくれたのである。
 荻野有香の報われない怒りは表社会の健全な女に向けられた。
 そして鬱憤晴らしに僅かな金をギャンブルに投じる。これが馬鹿当たりしてしまう。
 そんな金は所詮身に着かない。
 躰で稼いだ金なら無駄には使わなかった。
 荻野有香は報われない怒りを川口の会長の闇相談サイトに持ち込んでしまう。
 川口の会長は面白いと思った。
 荻野有香の提示した資金では足りない。川口の会長は遊びを兼ねて良いと思った。
 荻野有香も投入したのはギャンブルの利益だけである。躰で稼いだ金は使わない。
 
 七月二十五日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日は川口の会長が召集した。
 暑いので刺身の盛り合わせと寿司が搬入されている。
 生ビールで乾杯しながら麓の町の陽炎を眺めると中の涼しさを実感する。
 人は殆ど歩いていない。
 「今度はSM嬢から相談が来た。幸せで将来の所得も約束された女たちを陥れたいらしい」
 「女の手で拷問か」
 「それは残酷さが期待できるな」
 「多量に連続で行いたいらしい」
 「それをあのルートでメール配信するか」
 「世間が騒ぐな。コメンテーターの絶対に許される事ではありませんの定型コメントを聞くのが快感だな」
 正義と良識を嘲る。印刷会社の社長である。
 「問題はこの女が用意できる金が二千万だ。足りない」
 「俺たちで遺体処分料から出してやろうや」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「俺も期待したい」
 葬儀会社の社長である。
 話は纏まった。手は下せないが自分らに危険はない。そしてこの六人には格段の面白みが期待できる。

 七月二十八日。
 女性を充分に調査して対象を絞る。
 芸能プロダクションを装ってスカウトに掛かった。
 スカウトした女性を高級車で出迎えて会場に案内する。
 高級車には運転席と後ろの席が完全にガラスで遮断されていた。感染対策と寧ろ安心させる。
 暫く走ると催涙ガスで眠らせてしまう。
 今度は女性を生かして帰す。スカウトに当たった男らの顔は判ってしまう。
 それでも問題はない。闇組織の今回限りの実行犯である。
 スカウトしてから一度女性に名刺の連絡先に電話させた。
 AIの女性事務員が応答する。スタジオの雰囲気が通話口に判るように演出もしていた。
 途中から眠らせた女性をパッカー車に移す。
 途中で霊柩車に移してまた別のパッカー車に移した。そのまま荻野有香の待つ四国に運ぶ。

 七月三十日。
 使われてない雑居ビルの地下駐車場から地下室に運び込む。
 多嶋芽琉の時のように忍者姿にサングラスである。
 その時の実行犯ではない。ただ同じ姿にしただけである。
 忍者衣装は目をサングラスで隠せば殆ど体型が判らない。そして前回の事件の関連と捜査のかく乱もできる。
 一人目の犠牲者は浜辺美浪という。
 荻野有香は自分がやられた縛り方で吊るす。
 浜辺美浪を眠らせたまま亀甲縛りの上から高手小手に縛る。
 乳房の谷間にできた縄の交差する部分にフックを付ける。もう一箇所亀甲縛りの土手の部分の結び目にもフックを付ける。
 天井から二系統の滑車を下げて浜辺美浪の躰に付けたフックに滑車のフックを引っ掛ける。
 吊るし上げるのは荻野有香自身ではやらない。闇組織から派遣されたサポート役で忍者姿の男二人に任せる。
 男らは浜辺美浪の両脚とも膝から脚首に縄を掛けて股間を大きく広げて壁のフックに縛り付ける。
 浜辺美浪の女の部分は亀甲縛りの二本の縄に隠されている。だが既に撮影は済ませていた。
 吊し上げる前に荻野有香は浜辺美浪を剃毛している。
 女の部分の粘膜を確り広げてピンクの内部までアップで撮っていた。
 まだ眠らせたままである。
 浜辺美浪は大学卒業。二十三歳。大手企業に就職したばかりだがあと十年も勤めれば収入は年商で一千万の手前くらいには成る。
 荻野有香は浜辺美浪をびんたで起こす。
 浜辺美浪は一メートル二十くらいの高さに横にして仰向けに吊るされていた。頭は叩く荻野有香の眼下に成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーこれーーーーーーーー」
 車の中で眠らされて意識を回復した浜辺美浪は慌てふためく。
 「貴女は罠に嵌ったの。もう絶望よ」
 「ああーーーーーーー。広瀬課長は」
 浜辺美浪は名刺の男の名前を呼ぶ。
 「ここ二年くらいの事件から置かれた状況は判るわね」
 荻野有香は快感に浸って諭すように言う。
 「えーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は目を見開いて叫ぶ。
 「もう遅いの。諦めて。私達は不幸な女製造委員会と言うの」
 「やだーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は慌てる。
 「もう貴女の絶望的な姿は確り撮影したよ。ほーらここの毛も剃ったし」
 「あーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪はつるつるにされてしまったドテを見て悲鳴を上げる。
 「全部世界中に公開ね」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーー。取引しましょう」
 浜辺美浪は慌てて交渉しようとして藻掻く。
 「やだーーーーーーー。一億貰ってもだーめーーーーーーーーーー」
 荻野有香は愉しんでいる。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は狼狽している。
 「叫んでもだーーーめ」
 荻野有香の残酷な感情は高まる。
 荻野有香は浜辺美浪の裸や性器を撮影した動画をモニターに映し出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は自分の最悪の姿に悲鳴を上げる。
 「これからお○○この中も撮影するからね。もう会社にも行けないし道も歩けない。電車に乗ったら男性の目が全部貴女の裸を透かして見るわね」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「いくら喚いても駄目。もう風俗かAVに転向ね」
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーー。何で私が。なんでよおーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は絶えられず喚き散らす。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。私女優なんかに成らない。今の会社で総合職なの。将来幹部なの」
 浜辺美浪はスカウトに応えた事に後悔した。
 「そういう貴女だから引き摺り下ろすのよ」
 「そんなーーーーーーーーーーー。何の恨みがあるのーーーーーーーーーー。私が何をしたのーーーーーーーーー」
 「あんたみたいなお得な人生が気に入らないの。これから何人も引きずり堕とすのよ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。きっとつかまるよーーーーーーーーーーーーー」
 「そうお。これまで捕まった人少ないね。元祖の六人まだ捕まらないね」
 荻野有香は快感に塗れながら浜辺美浪をからかう。
 そのままクスコにローションを掛ける。
 股間の上に掛かった亀甲縛りの二本縄を指で避けて浜辺美浪の女の部分にクスコを刺し込む。
 荻野有香はそこに結び目は当てなかった。邪魔に成ってその割に効果が低いからである。
 「あーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は冷たい異物の侵入に悲鳴を上げる。
 「よく見て貴女のお○○この中よ」
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は強烈な悲鳴を上げる。
 「いやあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は恥ずかしさに興奮状態の坩堝である。
 目を細めて首を振り躰は藻掻く。
 荻野有香は内部を撮影するだけでは許さない。
 ロングスプーンを取り出す。
 「貴女のお○○この中はいっぱい汚れているのよ。眠らせてから一日経っているからね」
 荻野有香はロングスプーンで浜辺美浪の膣の奥を掬う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを黒いプラスチックの板に載せる。
 「どう」
 荻野有香は浜辺美浪の目の前に翳してカメラに翳す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は泣き叫ぶ。
 荻野有香はクスコを抜き取る。その付着物をカメラに翳して浜辺美浪の目前にも翳す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は悲痛な表情をさらに崩して叫ぶ。
 股間に掛かった二本の縄を女の部分の粘膜を挟むように調節して次の準備をする。
 荻野有香は鞭を取り出した。女の部分を叩く為に先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。
 「えーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は鞭を見て怯える。
 荻野有香は浜辺美浪の女の部分に閉じ合わせて突起した粘膜を狙って鞭を構えて振りかぶった。
 「あーーーーーーーーー」
 浜辺美浪にもどこを狙われているか解る。
 荻野有香は容赦なく力を込めて叩き付けた。縄の間に突起した二枚の薄橙の粘膜をきっちり叩いている。
 「うーーーーーーーーーーぐうう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は痛みに腰を震撼させて悲鳴を搾り出す。敏感な粘膜の突き出した部分を叩かれて強烈かつ繊細な痛みである。
 荻野有香は構わず次を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーぐううーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は十五回数えて叩いた。壮絶な拷問である。
 浜辺美浪は悲鳴を搾り出し続けて涙を何度も溢れさせた。粘膜から僅かに血が滲んでいる。
 二本の縄の外側で股間の皮膚も真っ赤に染まっていた。鞭がずれて周りの皮膚にも当たっていたのである。
 「まだ序の口よ。もっと痛い事してあげる」
 荻野有香の声は悦びと残忍さに浮いている。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。わたしがなんでーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は悲痛に叫ぶ。
 「だから。貴女の様なエリート人生の女を引き摺り下ろすのだって。まだ判らないの」
 今度は荻野有香の声は強い怒りの響きになる。
 「何でわたしなのーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪も理不尽極まりない事態に叫ぶ。
 「偶然よ。スカウトに引っ掛かったのでしょ。女優でもAV女優のスカウトなのよ」
 荻野有香は浜辺美浪の悲痛な叫びを詰るように答える。
 「そんなーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪はこの悲劇が認められない。
 「次の痛みの前に気持ち良くしてあげるね。逝き顔も確り晒しましょうね。」
 荻野有香は小気味良さそうに言う。
 「・・・・・」
 逝き顔など公開されたら堪らない。
 スカウトで女優に成った人の話を旅番組などで良く聞く。自分もチャンスが有ったらと思った。
 それがこんな事に成るとは。浜辺美浪は何としても今の職場を続けたい。AV女優など絶対に考えられない。
 荻野有香はローターを二つ取り出す。指で縄を避けて二つとも膣に押し込んでしまう。
 「うーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は女の大事な部分に異物を押し込まれて叫ぶ。
 荻野有香は客に三つ入れられた。浜辺美浪には二つで充分と思っている。
 直ぐにスイッチを入れる。
 「あーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪には受けたことのない責めである。
 荻野有香はさらに電マを縄の上からクリトリスに当てた。このくらいが丁度良い刺激である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪はまったく押さえる事ができない。
 絶対に逝ってしまいたくない。股間を迫り上げ逃れんと藻掻く。細く美しい太腿の筋肉は怒張している。
 荻野有香はさらに責めを強化するため自分の持っていた電マをサポートの男に渡す。
 その男は反対側から同じように電マで責め続ける。
 荻野有香は女の部分の縄を広げて小陰唇も広げた。手にはブジーを持っている。それを尿道の小さな亀裂に突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は尿道に異物が進入して悲鳴を上げる。
 荻野有香はそれを静かにピストンさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は藻掻き躰を震撼させる。股間は痙攣している。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪の尿道から尿が漏れてしまう。
 「そーーら。お漏らししちゃった。あーーはずかしい。これも鮮明に公開してあげるわね」
 荻野有香は浜辺美浪の神経の底から詰る言い方である。
 「おのれーーーーーーーーーーー。絶対にゆるさないぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は怒りの限り喚く。
 「あーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーー」
 ローターはそのまま膣の中で暴れている。男は電マをさらに強く当てたまま責め続けた。
 浜辺美浪は膣の中で暴れるローターと上からの電マの責めに蹂躙されてしまっている。
 荻野有香はもう一度ブジーを尿道に刺し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪はこれが一番堪えられない。
 股間は痙攣している。躰は吊るされたまま藻掻く。別のカメラが藻掻く浜辺美浪の顔を捕らえる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は抵抗しながら引き攣るような逝き声を上げ続けた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪の躰は激しく揺れる。股間の痙攣は強く成った。さらに一瞬激しく揺れる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪が堪えられず逝ってしまったとスクリーンの外からでも分る状況である。
 真っ白い綺麗な顔が赤く染まっては消える。浜辺美浪は逝ってしまった恥ずかしさにどうにも成らない。
 荻野有香はブジーを抜きローターを取り出す。
 男二人が滑車の縄を緩めて浜辺美浪の躰を床に敷いたフローリング板の固まりの上に降ろす。
 フローリング板は何枚か繋がれていて二メートル四方の大きさである。
 浜辺美浪の躰は膝から脚首に掛けた縄だけが壁に繋がってV字開脚に成っている。
 男らは高手小手の縄と亀甲縛りの縄を解く。
 抵抗する浜辺美浪の腕を横に伸ばして手首をU時金具とボルトでフローリング板に固定する。
 片脚ずつ縄を外してフローリング板にU時金具とボルトで固定してゆく。
 浜辺美浪の躰はフローリング板の上に大の字に磔にされた。
 荻野有香は浣腸の準備をしていた。
 バケツに入れた水に氷の粒をたくさん投げ込む。掻き回して冷たくなった水を浣腸器に吸い上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪はそれを見て悲鳴を上げた。さすがに浣腸と解る。遂にうんこを漏らす場面まで公開されてしまう。
 そんな姿が公開されたらもう職場には戻れない。
 荻野有香は容赦なくアナルに刺し込む。
 自分がやられて一番辛い浣腸は冷水であった。だからそれを浜辺美浪に実行する。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は冷たい水が浸入して悲鳴を上げる。
 苦しさに藻掻く。究極に腹は痛む。
 「うーーーーーーーーーーー。ううぐーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は藻掻き苦しみ続けた。
 荻野有香は注入し終わったら腰に透明なオムツを被せる。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 十九時。ようやくかんかん照りの日差しが落ち着いた。それでも外はぬるま湯のように暑い。
 電力不足などこの連中にはなんのその。人前で節電と言っていても此処ではまったく考慮しない。
 強く冷房を効かせて今夜はバーベキューである。
 「なかなかやるじゃないかあの女」
 録画内容をそのまま確認していた。
 「SM嬢でプロだからな」
 川口の会長はできて当然と言う。
 「だがM嬢で女王じゃないだろ」
 医者の男である。M嬢に責めまでできて欲しくはない。
 「女王じゃ稼げん。自分のやられた事を拉致した女にやっているのだろ」
 「これが全部公開されたら大騒ぎだな」
 「今度は七人一斉開放だろ」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「そうだその後のドラマが愉しみだ」
 川口の会長はかなり期待している。
 「秋葉原事件の犯人。死刑が執行されたな」
 印刷会社の社長が昔の事件を思い出したように呟く。
 「しかしあのあとに同じような事件が続くと思ったがそれ程でもなかったな」
 葬儀会社の社長である。
 「如月鬼堂は元総理を暗殺した若い男を考えが幼稚と言っていた。だが協会もマスコミに問題視され民事党もかなり叩かれそうな雰囲気だな」
 医者の男は如月鬼堂の見解違いと言いたい。
 「かなり目的は達したと言うことか」
 「そうだ。かなり協会が政治に浸透している事態が炙り出された」
 「あの男のテロは内容が違うな」
 「我々には関係ない」
 「おーーーー。遂にあの女。透明なオムツの中で漏らしたぞ」
 「股間がぐちゃぐちゃだ」
 「あの良い女のあの姿が公開されるのや。マスコミがどんなに破棄を呼びかけても永久保存版に残す者は沢山居るぞ」
 印刷会社の社長は遣り甲斐が有ったと言いたい。
 「しかしネットに画像が流れたら永久に消えないとコメンテーターどもが言っているが古い画像はそんなに出て来ないじゃないか」
 医者の男はネットに画像はばら撒かれるが古い物はいつか消えていると言いたい。
 「ネットサルベージサイトを作ろうと思うのだが」
 川口の会長の計画である。
 「埋もれた画像の掬い上げか」
 医者の男も納得する。
 
 忍者姿の男の一人がホースを引っ張って浜辺美浪の股間部分を洗う。
 「あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は冷水で浣腸されて苦しみぬいての排便。そこに冷たい水で洗われて藻掻き続けた。
 洗い流しても腹の痛みからまだカレー状の弁が流れ出る。
 「ううーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は暫く苦しみ続けた。
 荻野有香はバスタオル二枚を持って来る。一枚を浜辺美浪のお尻の下に差込みもう一枚で上から腰を拭く。
 フローリング板の濡れを綺麗に拭き取った。
 「さて刺青をお願いします」
 荻野有香がサポートの男にお願いする。
 「やだーーーーーーーーーー。だめだよーーーーーーーーーーーーーー。やだよーーーーーーーーーー」
 浜辺美浪は泣き叫ぶ。
 「AVに支障きたさない程度に。堅気の彼氏は寄り付かないくらいね」
 残酷な烙印と言うことである。
 ドテの上に小さなマークを彫っただけで終了する。これで充分エリート男性との結婚は絶望である。
 刺青が終わると荻野有香は二人の男に鞭を渡す。
 乳房と股間を滅多打ちにして浜辺美浪の全身に蚯蚓腫れを作って散々泣き悲鳴を搾り出させて終了である。
 荻野有香は一人目の浜辺美浪を剃毛した事に後悔した。次からは抜いてしまう方に変更する。
 荻野有香はその日に二人の拷問を収録した。
 
 七月三十一日。
 如月鬼堂は九時四十三分着の上越新幹線で越後湯沢に帰り着く。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「荒井店長たちがお待ちになってよ」
 「そうか。新幹線の本数が減って不便だ。昼間は一時間に一本だよ。普通車は結構込んでいるな」
 そう言いながら如月鬼堂は空いているグリーン車で来た。
 「それどころか赤字ローカル線問題が騒がれているよ。パパの好きな秘境駅に行く列車も廃止に成りそうよ」
 「新幹線が本数減らすくらいだからローカル線は維持できないか。車やバスに長時間はありがたくないが」
 「でもローカル線が赤字で維持できなくなったのはその車のせいね」
 床を嵩上げした囲炉裏端に三店舗の店長が待っていた。夏場なので囲炉裏はカバーが掛かっている。
 囲炉裏の周りが嵩上げの分掘られていて脚を入れて座るような仕様である。
 冬場は湯を入れて脚湯にもできる。
 三店舗の店長らには全裸美人コンテストの出演者のノミネート、推薦をお願いしていた。
 ここのところ新人のSM嬢の参入がない。
 コンパニオンもインターネットアダルト放送に出られる子はなかなか期待できないのが現状である。
 テレビ会議は福富麻次郎とだけ繋がっていた。
 「局を納得させるだけの女の子が集まらないな」
 如月鬼堂は難しい顔である。
 熱海店が二人、生駒が一人、長野はセロであった。
 福富麻次郎は何とか成りませんかと言う表情である。しかし福富麻次郎の店舗からもたいしてノミネートできてない。
 「ねえパパ。こっちに関係なかったAV女優から出演者を募れないの」
 瀬里菜がカウンターから提案する。
 「先生。是非それで何とか」
 福富麻次郎は必死に交渉する。コロナで収益が落ちたまま。本来なら苦しいのは飲食店以上である。
 「福富さん。局と相談してみますよ」
 如月鬼堂はそれしか言えない。
 
 荻野有香は店に出る日なので予約客のホテルに向かった。
 休んで拉致した女性の拷問を続けたい。だが休むと疑われた時さらに不利に成ると考えた。
 客は年配の男女の二人組みである。扱いにくいと思った。
 だが四時間で五十万の仕事である。
 客は蛇を持ち込んでいた。
 「えーーーーーーーーー。これは」
 荻野有香は瞬時に悲鳴を上げる。
 「何言っているの。確認取って有るわよ」
 女性は強い口調である。
 「この蛇は毒も何もないのよ。噛まないから」
 年配の女性は当然のことのように言う。
 「ちょっと大越さん。私蛇はNGにしていますよ」
 荻野有香は電話でクラブのマネージャーに文句を言う。
 「そうなんだけど。莉音ちゃん。今回だけはやって。そのお客さん以前から莉音ちゃんにそのコース希望なのよ。今回だけ」
 「何言っているのですか。できるわけ有りません」
 「そこを。お願いします」
 「駄目です」
 荻野有香は拒絶する。
 「まあ。まあ。これ持って見て。何ともないから」
 男の客が蛇を?んで翳している。
 「どう。五十万の約束だけど百万持って来たの」
 女性の客がテーブルに百万の帯封を置く。
 荻野有香はこの時、金より他の事を考えていた。
 年配のそんなに威厳の有るようなタイプではない男性。その手に握られている縞蛇。それがそれ程怖いものでないような気がしたのである。
 荻野有香は恐々だが男性の握っている直ぐ下を持ってみる。
 「大丈夫よ。ちゃんと洗って有るし。毒もないの」
 そう言われても荻野有香の脚はがくがく震えている。
 それでも頭の下と尻尾の近くを握ってみる。
 「そのまま尻尾から水槽の中に降ろして」
 「はい」
 荻野有香は言われた通り尻尾から水槽に降ろして首も離す。
 「あと撮影もよ。でも顔は撮らないから。貴女のスタイルが良いの」
 「はい」
 「撮影の分があと五十万」
 男性の客がさらに上に乗せる。
 「ああ。はい」
 仕方なく話は纏まった。
 鞭やハードな物は用意してない。荻野有香の躰に蛇を乗せて撮影したかったのである。
 「それじゃ脱いで頂戴。シャワーも使って」
 年配の女性は優しくそう言う。
 先にシャワーを使わせてくれる客は半分くらいである。
 脱がすところから始める客が多い。如月鬼堂というSM小説家のことを聞いた。その小説と動画の影響らしい。それを複数の客から教わった。
 今日は蛇を掴める訓練をして帰ろうと思う。荻野有香の残酷な思い付きである。
 荻野有香はシャワーを使って膣の中まで入念に洗う。躰を拭いてバスロープを着て出る。
 年配の女性は能面を用意していた。小面である。
 「これを着けて。顔は映さないから」
 そう言って渡される。荻野有香は安心できた。
 年配の女性が荻野有香の躰を縛る。後ろで手首を縛り合わせて躰に形だけ亀甲縛りの縄を掛けた。
 そのまま床に寝かせて乳房の谷間に蛇を置く。尻尾は男性の客が持っている。
 蛇が舌を乳房の谷間から伸ばす。
 次は逆さ吊るしにされた。Y字開脚の股間に蛇の腹を載せて首が荻野有香の腹の方に下がる。
 躰は震えるが何としても慣れたい。怖くないと自分に言い聞かせる。
 これも撮影するだけで降ろされた。
 「今度はさっきのように蛇を掴んで欲しいの」
 年配の女性が要求する。
 縄は全部解かれた。荻野有香は全裸に能面を着けた姿である。
 荻野有香はもう大丈夫と言い聞かせて水槽の中の蛇の首の下を掴む。続いて尻尾の手前を掴む。
 「そうそう。大丈夫よ。私達が付いているからね」
 年配の女性が宥める。
 乳房の前に蛇を持った姿を撮影して蛇を水槽に戻した。
 次は拷問椅子に乗せられる。膝だけベルトに固定してそれ以外は開放したままである。
 「最後はちょっと厳しいけど。お○○こに入れて欲しいの」
 年配の女性は恐る恐る要求する。
 仕方がない。百五十万である。荻野有香はこんな事を予期してはいた。
 「自分でクスコを入れて」
 荻野有香は要求の通り自分でクスコを膣に挿入して螺子を回して広げる。
 「それじゃ。私がちょっとだけ入れるから。五秒で出すからね。絶対大丈夫」
 「はい」
 荻野有香は返事したものの声はまだ震えていた。
 男は蛇の頭をそろりと入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は大丈夫と言い聞かせても声が出てしまう。
 男は五秒で直ぐに抜く。
 「大丈夫でしょう」
 年配の女性は荻野有香の様子を伺う。
 「はい」
 「これで最後だから。自分で入れて欲しいのだ。これで終了するから頼む」
 「ねえ。お願い。いま大丈夫だったでしょう」
 男に次いで年配の女性も頼み込む。
 「はい」
 荻野有香は観念して蛇を掴む。
 「五秒で良い。蛇も長くは厳しい」
 荻野有香はそろりと蛇の頭を見ながらクスコに誘導する。息を飲んで中に取り込む。
 「良いよ抜いて」
 荻野有香はゆっくり取り出す。拷問椅子のレザーは荻野有香の汗でびっしょり濡れていた。
 「さあ。シャワーで洗って来て」
 年配の女性は膝のベルトを外して優しく言う。
 荻野有香がシャワーで躰を洗って出て来るとテーブルの現金は百万の帯封が二つに成っていた。
 「クラブの取り分は渡して有るから全部貴女のものよ」
 年配の女性は優しく説明する。
 「ありがとうございます」
 「それじゃ服を着けて」
 「あの蛇って何処で売っていますか」
 「ペットショップよ。その蛇貴女にあげるわよ。可愛がってあげて」
 荻野有香は麻袋に蛇を入れてそれを空気穴の開いたダンボールに入れて持って帰った。
 思いがけない臨時収入であった。そしてこれからが愉しみである。
 
 二人の男女は戻って直ぐに合成に掛かった。荻野有香の顔に被せた能面を女優の顔に合成する作業となる。
 二人が荻野有香を選んだのは対象の女優の躰に似ていたからである。
 クラブのサイトで荻野有香の顔はモザイクが掛かっている。だが躰が局部を除いて鮮明に公開されていた。
 特に乳房、乳首、乳輪が酷似していたのである。
 勿論女優のヌードは社会に公開されてない。
 男の客はこの女優が一般女性だった頃に交際している。だから躰は良く知っていた。
 黒子の位置などは合成する。
 これが公開されて数日後に大騒ぎと成るのである。
 
 荻野有香は三人目の犠牲者の撮影に掛かった。
 三人目の犠牲者は渡辺萌香という。二十五歳。大手電力会社社員である。
 眠らせたまま全裸、性器、膣の奥まで撮影する。
 荻野有香は持って来た蛇を網袋から水の入ってない水槽に移す。
 「蓋しないと出ちゃいますよ」
 忍者姿黒装束の男が注意する。
 忍者の衣装は躰の体型が解りにくい。さらにサングラスで荻野有香を含めて男女の区別がやっと解る程度である。
 渡辺萌香の躰は産婦人科診察台に乗せられていた。股間は百二十度くらいに広げられている。
 脚首、膝、腰、乳房が縄で固定されていた。腕は診察台の下で手首を縛り合わされている。
 渡辺萌香の膣には金属のクスコが挿入され大きく広げられていた。
 荻野有香はカテーテルタイプのカメラで渡辺萌香の膣の内部を撮影する。角度を変えて鮮明に撮影してゆく。
 荻野有香は次に水槽から蛇を取り出す。
 頭から七センチくらいのところを持っている。そのまま渡辺萌香の膣に刺さったクスコに挿入してしまう。
 渡辺萌香は眠ったままである。
 膣の中で奥まで押し込む。暫くピストンさせた。
 抜き取ると乳房の谷間に置く。
 続いて首に載せて蛇の頭を口に付ける。
 荻野有香はそこまで撮影して水槽に戻す。
 次はいよいよ意識を戻させる。
 荻野有香は大きな書類を挟むクリップを六個取り出す。それでドテの陰毛を束で鋏む。
 クリップの鋏む部分の内側には強い粘着テープが付けられていた。
 荻野有香は鞭を構える。先端が細くなった硬い一本鞭である。
 「それじゃ無理だよ。クリップが揺れるだけだ。糸で引っ張れ」
 また忍者姿黒装束の男が注意する。
 荻野有香はそれに従って鞭を置いてクリップを凧糸で繋ぐ。
 忍者姿黒装束の男一人が手伝って凧糸の両側を持って一気に引っ張る。
 陰毛の大方が一気に毟り取られた。
 「う、う、うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は瞬時に意識を回復して強烈な悲鳴を上げる。
 「ううーーーーーーーーーーううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は強烈な痛みに呻きながら全裸で磔られた状態に慌てふためく。
 股間の陰毛は大方が抜けて部分的に頼りなく残っていた。
 「なにこれーーーーーーーーーーー。なんなのーーーーーーーーー」
 車に乗ってオーディションに向かう途中で意識がない。
 「騒いでも駄目。貴女は拉致されたの」
 荻野有香は冷たく言い放つ。
 「なんでよーーーーーーーーー。なんなのよーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は怒りの限り喚き散らす。
 「諦めなさい。前を見て貴女の恥ずかし過ぎる動画を公開するのよ」
 荻野有香は正面のモニターを指差す。その手前にはカメラが構えている。
 「あーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は今の姿を撮影されていると気付く。
 最初に名前、肩書きが字幕で表示された。
 全裸で産婦人科診察台に磔られた渡辺萌香の躰が全体から女の部品のアップになる。
 眠った顔、乳首、臍、太腿、女の部分、その開帳したアップ。そしてクスコが挿入される。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は喚き続けた。
 自分も見たことのない膣の奥がアップでゆっくり流れる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香はパニックである。
 さらに蛇が登場する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香はそれを見て強烈な悲鳴を上げる。
 蛇がクスコの中に入る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蛇をバイブレーターの様にピストンする。
 「あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は半狂乱にサイレンのように切迫した悲鳴を上げ続ける。
 その蛇が乳房の谷間に置かれる。さらに口の横に当てられた。
 「・・・・・」
 渡辺萌香は口から泡を噴いてもう声も出ない。
 「ああーーはあーー。ああ。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 渡辺萌香の躰がぶるぶる震えて荒い息遣いが続いた。
 荻野有香は渡辺萌香の震えが納まらないうちに毛抜きで残った陰毛を抜く。
 「うーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。
 「中途半端に残しても仕方ないでしょう。諦めてパイパンに成りなさい。これが公開されたら貴女はAV女優に成るしかないのよ」
 荻野有香はまた冷たく言い放つ。
 「あーーーーーーーーーー。あんた達は連続拉致事件」
 渡辺萌香はようやく事態を悟る。
 「それを見習った不幸な女製造委員会と言うの。貴女のようなエリート人生を引き摺り下ろしてAV女優にするのよ」
 荻野有香は詰るように宣告する。
 「なんでわたしなのよーーーーーーーーーーーー。わたしがあなたになにをしたのよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は理不尽さに抗議する。
 「私が出した条件に貴女が合っていたからスカウトして拉致してくれたの。貴女は女優スカウトに釣られて乗ってしまったのでしょう」
 「酷い。ひどいよーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香はまた喚く。
 「うるさいなーーーーーーーーーー」
 荻野有香は渡辺萌香の膣にもう一度クスコを刺し込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 螺子を回して奥を広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は喚き続ける。
 荻野有香は水槽の蓋を上げて蛇を掴む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の表情は恐怖に破裂している。
 荻野有香は渡辺萌香の股間の前でそれを掲げた。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は狂ったように泣き叫ぶ。
 荻野有香は容赦なく蛇の頭をクスコに差し込む。
 「あふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあふぁーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の甲高い悲鳴が地下室内を劈く。
 そして失禁して白目を剥いてしまった。
 壮絶な場面である。
 荻野有香は蛇を水槽に戻す。
 クスコは入れたままである。
 荻野有香は渡辺萌香の尿道にブジーを突っ込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は痛みに直ぐ意識を戻した。
 荻野有香は先がばらばらに成った筆を取り出す。それをクスコの奥に突っ込む。クスコの中で筆を回す。
 「あーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香は刺激に堪えられない。
 膣の中で筆を回しながらブジーを軽く動かす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の尿道からまた小水が流れ出る。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香はそれでも責めを止めない。
 目的は逝き顔である。
 既に渡辺萌香の股間は上下に藻掻くように揺れていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の眉間の皺と豊麗線は強く刻まれている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の股間は揺れながら顔を右に左に躱して藻掻き続けた。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の躰は強く仰け反って一瞬固まる。そして落ちた。
 黒装束の男が一人加勢して電マでクリトリスを責める。
 荻野有香はブジーを抜いてクスコも抜く。それから膣にローターを二つ押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 渡辺萌香の表情は究極に軋む。躰は強く弓なりに仰け反る。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーー」
 逝ったあとにさらに逝かせる。表情はさらに軋む。嫌でも官能は深く成っている。渡辺萌香にもう抵抗力はない。
 荻野有香は逝き顔を晒し者にすればそれで良い。
 「貴女の逝き顔が確り動画に撮れたよ。もう完全にAV女優だね。最後は浣腸よ。そして無毛に成ったドテに刺青ね」
 恐ろしい宣告である。
 渡辺萌香も浜辺美浪と同じように冷水で浣腸されて苦しみぬいて透明なオムツの中で排便させられた。
 渡辺萌香も恥ずかしさ以上に腹の苦しみに藻掻き続ける。そしてぐったりして泣き続けていた。
 最後の刺青がさらに残酷な図柄に成っている。
 今度は蛇の図柄を彫られその蛇の頭が女の部分の真上に来てクリトリスの包皮を咬むように口を開く。
 渡辺萌香が眠ったまま刺青が完成したところで動画は終了している。
 
 八月一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日も猛暑が猛威を振るって四十度近い暑さ。
 この連中は冷房をは二十二度設定にしている。だが二十八度設定でもフル運転で一切止まらない。
 荻野有香の撮影した動画を編集するのは印刷会社の社長である。
 荻野有香の声だけ消して字幕にする。
 字幕に被害者の名前などは既に入れられていたがさらに個人情報を追加して社会的に葬るのである。
 「こいつかなり残酷だな」
 医者の男が内容に感心する。
 「女はやっぱり残酷だよ」
 川口の会長も感嘆している。
 「これはなかなかの出来だが生贄は自殺しないか」
 「何とか生かしてその苦しみを観察したいな」
 「一人くらい開き直ってAV女優に成らないかな」
 「成らないよ」
 「とんでもないのが刑事に転向してこっちに向かって来たりして」
 「その時は抹消だな」
 「あの女。足が付いて捕まる危険はないか」
 「細心の注意は払っているがな」
 「しかしあの女。蛇を掴むとはな」
 「驚きだな」
 「三人目で一気に残酷さがアップした」
 「しかしこの手の事件で自殺者は数人しか聞かないな」
 「そうだ。判っているのは外房線の車掌と四国坪尻の病院から飛び降りた通販会社の女だな」
 寿司桶の出前が届いてきりきりに冷やした生ビールが配られる。それで乾杯と成った。この暑さでは飲まずにいられない。
 
 八月二日。
 荻野有香らの作成している拷問動画が公開される前に荻野有香が小面を被って撮影した動画が公開される。
 サンプル動画として販売予告の内容で撒かれた。
 小面の部分は女優飯田茉莉菜の顔が編集されている。女優飯田茉莉菜がAV転向と宣伝されていた。
 何故かこれまで海賊動画が撒かれたメールアドレス群に撒かれている。
 人気女優とあって報道は沸騰した。
 これまでの海賊動画と違って局部が露出してない。
 さらに昔に付き合いが有ったという男がSNSで本人の躰に間違いないと証言した。
 黒子の位置や乳首の形が克明に評価されている。
 飯田茉莉菜もその男を良く覚えていた。それはクラブで荻野有香を指名して蛇の動画を撮影した男である。
 飯田茉莉菜もSNSやブログ、テレビ報道で強く否定する。
 さすがに検証の結果合成されたものと確認された。だがイメージダウンは計り知れない。
 そしてそのイメージダウンで映画、舞台の主演が取り消しと成ってしまう。
 SNSに証言した男にもマスコミの手が伸びたが海外に逃れていた。
 飯田茉莉菜はこの男が偽動画をばら撒いた犯人と疑う。弁護士に依頼して追求したが行方は掴めない。
 男は飯田茉莉菜が突然デビューする寸前まで結婚を約束していた。飯田茉莉菜はそれを破談にして女優デビューする。
 男は執拗に引き止めたが飯田茉莉菜はそれを振り解いてデビューした。そして清純派一線級女優と伸し上がる。
 男は年月を掛けて準備してその復讐を決行したのである。
 
 荻野有香はこれが自分の動画と直ぐに解った。クラブの申し込み時のアドレスで連絡とる。年配の女性に通じた。
 もっと過激な内容を撮影しようと提案する。荻野有香は多額に金を貰って販売前の流出版として流してはという提案である。
 その数日後にそれはたった一日で実行された。
 飯田茉莉菜のダメージはさらに加速する。やがて徐々にであるが確実に芸能界から姿を消す結果と成ってゆく。
 成功した女優を引き摺り堕す。これも金を貰いながら荻野有香の社会への報復の一環である。
 
 八月三日。
 日本列島は大雨に見舞われた。幾つもの川が氾濫して水害が至る所で発生する。もう珍しい光景ではない。
 鉄橋が二箇所で決壊してそれぞれローカル線が復旧未定となった。
 如月鬼堂の越後湯沢も雨に閉ざされる。
 テレビ会議で飯田茉莉菜の動画が検証された。
 「これは明らかに合成ですよ」
 杉下一行は既に分析していた。
 「でも厳しい世の中に成ったな。これでイメージが変わって主演女優取り消しだな」
 如月鬼堂は女優に同情より潔癖過ぎる現代社会を嘆く。
 「確かに清純派にこのイメージが付いては」
 福富麻次郎も仕方ないとの見解。心の底は清純派など要らない。自分の店の風俗嬢に成って欲しいである。
 「この女は誰なのでしょう」
 大河内税理士はそこが気になる。
 「男が似た躰の女を捜し続けて顔を出さない条件と高額の提示で撮影したのじゃないか」
 如月鬼堂は躰の似た女を捜して強引に頼んだか騙したと見ている。
 「でも蛇を受け入れています。これは普通の女では」
 館山弁護士もこれをよく撮影したと言いたい。
 「蛇は偶然じゃないのか。別にダメージを与えるに蛇の必要はないだろ」
 「いいえ。飯田茉莉菜は蛇を握ります。爬虫類が好きです」
 福富麻次郎はよく知っていた。
 「蛇が大丈夫で躰が似た女。かなり難しいですよ。さらに顔が出ないと言えど全裸ですから」
 館山弁護士は難しさを指摘する。
 「自分で膣に蛇を入れるなど容易にできる事ではないな」
 如月鬼堂も強く疑問に思う。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 この場所では大雨の影響はほぼない。
 この六人は飯田茉莉菜の動画に危機感を強く抱いていた。
 「この躰はクラブのホームページに莉音で出ている荻野有香だ」
 川口の会長は驚いていた。
 「蛇、蜥蜴など生物プレイNGと成っている。撮影もNGだ」
 葬儀会社の社長である。
 「警察がクラブのホームページと照合して荻野有香がモデルと解ったら面倒だな」
 印刷会社の社長はその危険を瞬時に理解した。
 「この蛇も同じ蛇じゃないか」
 医者の男が気付く。
 「そっちは画像を調整できる」
 印刷会社の社長はこっちの動画が公開前だから問題ないと言う。
 「とにかく荻野有香に連絡を取ろう」
 連絡用に渡した通信端末でチャットを繋ぐ。
 会長:飯田茉莉菜の躰はあんただな。
 荻野有香:そうです。クラブに来た客が強引に始めたのです。
 会長:まずいぞ。この動画とクラブのHPから足が付く。
 荻野有香:どうしましょう。こんなものに使われると知らなかったのです。
 会長:蛇はNGと書いてあるが。
 荻野有香:そうです。強引だったのです。金額を高く提示されたのと徐々に握らされたのです。こっちに利用できると思って。
 会長:ホームページを下着姿に替えろ。画像はこっちで改造する。至急交換してもらえ。
 荻野有香:マネージャーも事態を悟って全員の乳首にニプルスを貼りました。さらに解像度も下げる対応もします。
 会長:そんなのじゃ駄目だ。
 荻野有香:はい。直ぐやってもらいます。それと追加の撮影もしますが。
 会長:海外に逃げたのじゃないか。
 荻野有香:そうです。問題の男性は海外に逃げました。二人組みで年配の女性が一緒でした。そっちと交渉しました。
 会長:金額のアップか。
 荻野有香:それと飯田茉莉菜も私のターゲットです。
 会長:何処で撮影する。
 荻野有香:高松のファッションホテルです。
 会長:後はこっちでやる。一回で撮影したようにやって貰え。先のサンプルは抜粋と成るようにだ。
 荻野有香:はい。
 荻野有香は直ぐにクラブに画像の入れ替えを交渉した。かなり強く出る。大越マネージャーが強引にやらせたのである。
 追加の収入は報告しない。一回で撮影したものと言い張る。プレイ時間は六時間疑う余地はない。
 
 埼玉県警連続拉致強姦事件専従班はこの事件は対応範囲外とした。
 警視庁が当たる事に成ったがSMクラブの捜査は二日後に成ったので荻野有香の躰と結びつかなかった。
 
 八月七日。
 遂に拉致された女性七人が開放されて動画が一斉公開された。
 七人の女性は全裸で縛られたままゴムボート二隻で流れ着く。夜中に漁船から流された。着いたのは大島の波浮港である。
 漁港内に流れ着いたゴムボートに島の住民が気付いたのは八時過ぎ。その時点では既に動画は公開されていた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 気温は上昇しつつあった。冷房を強くしている。太陽光発電で二フロアぶち抜きの窓の半分を使っていた。
 その為節電の必要はない。売電はしてなく蓄電池に貯めて自宅だけで使っている。
 これまでに蓄電が足りなくなった事はない。でも万一の場合を考えて東北電力に基本料金のみ払っている。
 杉下一行から荻野有香の配信した七人の動画が送信されて検証していた。
 館山弁護士、大河内税理士、福富麻次郎とテレビ会議を繋ぐ。
 その他に野村未来也弁護士、野崎卓郎弁護士、クラブの樽常マネージャー、雨蔵編集長ともテレビ会議が繋がっていた。
 四本目の動画に掛かったところである。
 四人目の犠牲者は円城寺彩という。西関東大学准教授である。
 スカウトではなく出演依頼で送迎されて拉致された。
 今度は最初から床に置かれた二メートル四方のフローリング板に大の字に磔にされている。
 スレンダーな美人なのでよくテレビ出演が掛かり始めていた。
 綺麗な躰なので荻野有香は入念に撮影している。
 如月鬼堂らは拷問に関係ない部分は早送りしてしまう。一般には生唾ものの動画である。
 抜き剃毛する前の女の部分を入念に撮影している。
 白く肌理の細かい肌。その股間の真ん中に細い小陰唇が真っ直ぐ二本流れている。大方が大陰唇に隠れる形状である。
 黒い塊はドテだけ残して形よく整えられていた。
 大陰唇の皮膚の紅さが周りと際立って綺麗である。女の部分を指で広げると内部の紅さと調和して綺麗な女の部分が広がる。
 この部分を入念に尿道の亀裂、膣口と拡大して公開する。
 荻野有香はクスコを挿入して円城寺彩の女の奥を広げた。これまでのようにカテーテルカメラで内部を投影してゆく。
 奥に紅い子宮口がくっきり見える。亀頭の先端のようなものが盛り上がっていた。その周りは粘膜が波を打ってその色が薄橙と赤の斑である。
 なかなか艶かしい。そんな内部が角度を変えながら入念に公開された。
 荻野有香はまた大きめのクリップを取り出す。それを眠らせたままの円城寺彩の黒い塊に鋏み付ける。
 今度は六個に一つずつ凧糸を付けていた。荻野有香は一個ずつ引っ張る目論見である。
 クリップの鋏む先端に貼った両面テープの当て紙を剥がして円城寺彩の陰毛を束で鋏み付ける。
 四個で大方を鋏んでしまった。黒い塊が手入れされているからである。
 荻野有香は一本の凧糸を自分で掴む。隣の一本を忍者姿黒装束の男に渡す。
 二人で一気に引っ張る。
 「ぐぐ、ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は一気に意識を回復して唸り声を上げた。
 荻野有香は次の二本の凧糸を?んでそのうち一本をまた忍者姿黒装束の男に渡す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は黒装束と縛られている自分に気付いて叫ぶ。
 荻野有香はその顔を見て哂う。
 「何よーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はさらにこの連中は連続拉致強姦事件の犯人の類と理解して悲鳴を上げる。
 そして自分が拉致されて出演依頼に騙されたと悟った。
 荻野有香は忍者姿黒装束の男に合図して一気に引っ張る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はもう一度強烈な悲鳴を上げた。そして躰を強く突っ張ってフローリング板の上で藻掻く。
 円城寺彩は上から見下ろす二人とカメラの後ろの男を順に見る。
 ドテの黒い塊は大方が抜けて頼りなくまばらに数本残っていた。
 「あはーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は痛みと恐怖と怒りに荒い息遣いを漏らす。
 「事態が解ったようね」
 荻野有香はさらに覗き込む。
 「えーー。おんな」
 円城寺彩はやっと荻野有香が女と気付いて驚く。
 あとの二人を見てそっちは男と断定する。
 さすがに声が無くても男女の差は動きで何とか解るようである。
 「そうよ。もう諦めて。私達は不幸な女製造委員会と言うの」
 荻野有香が愉しそうに円城寺彩の絶望を宣告する。
 「どうしようと言うのです」
 円城寺彩は知識人的口調を崩してない。
 「准教授殿の恥ずかしい姿を社会に公開するのよ」
 荻野有香は子供に言うような口調で大人の女を詰る言い方である。そして正面のモニターを指差す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 そこには眠らされたまま裸にされる円城寺彩の姿が映し出されていた。
 全身の全裸から乳首も内腿も女の部分も詳細に拡大されている。さらにクスコが挿入され膣の奥が角度をずらしながら描写されていた。
 「・・・・・」
 円城寺彩は驚愕の表情に固まる。
 念入りに女躰の見せてはいけない部分が拡大公開されていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は堪えられない絶望の息遣いを漏らす。
 「まだまだよ」
 荻野有香は淡々と追い討ちを掛ける。
 「・・・・・」
 まだ何をされるのか円城寺彩には見当も付かない。いま浮かぶのは強姦だけであった。
 荻野有香はもう一度円城寺彩の膣にクスコを挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめなさーーーーーーーーーーーーーーーーーい」
 円城寺彩は異物の侵入に叫ぶ。
 「なに!やめなさい。そんな態度がむかつくのよ」
 荻野有香は円城寺彩をビンタする。
 「うーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はまだ強気で叫んでいた。
 荻野有香は水槽から蛇を取り出す。それを円城寺彩の前に翳す。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩の表情は恐怖に破裂する。
 「これを准教授殿のお○○こに入れるのよ。蛇イレポン」
 荻野有香は嘲る様に言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は慌てふためき喚き散らす。躰はがたがた震えている。
 「大丈夫よ。この蛇おとなしいし。毒も無いのよ。お○○この中を気持ち良くして貰いましょう」
 荻野有香の愉しんで詰る声は殆ど円城寺彩の耳に入らない。
 「だめーーーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は狂ったように喚き続けた。
 「さあ行くよ」
 荻野有香は蛇をクスコに近付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は恐怖の表情を破裂させて躰を揺すって藻掻き続けた。
 荻野有香は円城寺彩の大の字に広げて磔にした内腿の間にしゃがんで蛇をクスコに挿入する。
 「あわあーーーーーーあーーーーーーーーあわあーーーーーーあーーーーーーーーあわあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーー」
 円城寺彩は暴れ壊れた緊急サイレンの如く喚き涎を垂れ流している。
 荻野有香は蛇をクスコの中でゆっくり動かす。
 「あはーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーー。ふぁあ。ふぁあ。ふぁあ。ふぁあ。ふぁあ。ふぁあ」
 円城寺彩は白目に成りながら涎を流した上から泡を噴いてしまう。
 荻野有香はようやく蛇をクスコから抜いて水槽に戻す。
 「あはあ。だめ。あはあ。だめ。あはあ。だめ」
 円城寺彩は狂ったように藻掻き続ける。失神には至らなかった。だが次の瞬間失禁してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は止まらない失禁に号泣である。
 暫く無残な状態を撮影して放置する。その間に荻野有香は氷水と浣腸器を用意していた。
 忍者姿黒装束にサングラスの二人が失禁尿を小さなカッパキでボウルに流し取ってあとはモップで拭き取る。
 それからクスコを抜いて股間をガーゼで入念に拭く。
 円城寺彩は顰めた顔を逸らせて堪える。
 「次は浣腸よ。うんこを出す姿を確り公開して上げるわね」
 荻野有香はまた淡々と詰るように言う。
 「止めてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は強烈な泣き悲鳴を上げる。
 「止めないよ!全部公開されたら准教授殿は海外サイトの無修正AV女優になるんだよ」
 荻野有香はサングラスの奥でその姿を一瞥した。今度は強い口調で叩き付ける言い方である。
 「そんなーーーーーーーーー。なんでわたしがーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はさらに喚き抗議する。
 「正論で社会の総てが成り立つか!表社会で建前にしか成らない綺麗事を正論として吐く奴らを叩き堕としているのよ」
 荻野有香は自分の論理で怒りをぶつける。
 円城寺彩は身構え腰を捩って藻掻く。
 忍者姿黒装束の男二人が太腿を抱えてフローリング板に押さえ付ける。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は押さえられても藻掻く。だが押さえが強い。
 荻野有香がきりきりに冷えた冷水を浣腸器に吸い上げる。
 「あーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー」
 円城寺彩にも見ただけで冷たいことが解る。これが直腸に入ると知って悲鳴を上げる。
 「行くよ」
 荻野有香が宣告する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は力の限り腰を振ろうと藻掻くが押さえは強い。
 荻野有香は浣腸器の先端をアナルに突っ込む。
 冷たく冷えた水が一気に直腸に浸入する。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹を痛みが襲う。
 荻野有香は注入が終わるとこれまでの三人と違って円城寺彩にはアナル栓をねじ込む。
 「ぐううーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーー」
 円城寺彩は既に腹の痛みに堪えられない。
 「准教授殿だけは自分からうんこ出させてくれって言うまで抜かないよ」
 荻野有香はアナル栓をしたままいつまでも放置するつもりである。
 「ひれつよーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は恨みの篭った目付きで叫ぶ。
 「そうよ。卑劣にやっているの。准教授殿の羞恥をとことん晒すのよ。表社会で正論が言えなく成るようにしたいの」
 荻野有香は開き直った宣告をする。そしてパイプ椅子に座って円城寺彩の苦しむ姿を暫く鑑賞する。
 
 動画を確認している。越後湯沢の如月鬼堂の居間である。
 「どんどん内容が過激に成りますね」
 テレビ会議の向こうで大河内税理士は半分感心している。
 「しかしこの女の台詞。堂にいっていますよ」
 杉下一行もこれまでの犯人より目的意識が明確と見ていた。
 「この女は風俗嬢かな。SMが良く判っている」
 如月鬼堂の見解である。
 「SMクラブの女王様役ですか」
 樽常マネージャーはどっかのクラブの女王と見ている。
 「社会的立場のある女性を辱めて社会に出られなくする目的ですな」
 大河内税理士は自分に影響ないと達観した姿勢で述べる。
 「風俗嬢なら気持ちは解るが」
 如月鬼堂も此処だけの発言である。
 「風俗嬢ではないでしょう。この一連の事件。費用は被疑者持ちでしょう。いくらOLより稼いでいても無理ですよ」
 館山弁護士は費用面が無理と言う。
 「そうだな。躰で稼いだ金は注ぎ込まないな」
 如月鬼堂も金は出さないと見る。
 「連続拉致強姦事件の連中が出してやったとは」
 杉下一行はこの女は連続拉致強姦事件の面々の意識と頂点で一致していると言いたい。
 「後ろに居る二人は連続拉致強姦事件の連中では無いだろう。一回限りの闇組織の様な所から送られた刺客ではないのか」
 「そうですね。そういう連中が出てきますね」
 「しかし大下洋子の事件で動いた黒装束は」
 大河内税理士はあの事件は別と言いたい。
 「だから別の組織だよ。今回は連続拉致強姦事件の連中が手配したのじゃないか。忍者姿は体形が解りにくい」
 「確かにそうですね。マネーロンダリングを大規模に行う組織とテロ的犯罪、殺人を行う組織がバックに居ますね」
 館山弁護士もその意見である。
 「警察はまったく無力ですね」
 福富麻次郎はそれに納得している言い方をする。風俗業のオーナーだからその感覚は判らなくない。
 「もとより変わらない。三億円事件のように計画的に練られた事件には無力だ。その後も公金強奪などはあまり捕まらない。捕まえ易いもので検挙率を上げているだけだ」
 警察は捕まえ易いものを捕まえると如月鬼堂は言っている。だが難しい犯罪にも動員はしていた。
 大概の個人の犯罪は直ぐに検挙される。あとから隠蔽しようとした犯罪は大方捕まっていたはずである。
 だが冤罪も数々有ったことも否めない。
 「そうですね。劇場型犯罪も殆ど迷宮入りです」
 館山弁護士も同調する。
 「この女の正体も解らず仕舞いですな」
 「あの連中がバックでは捕まるまい」
 如月鬼堂は無理と断定してしまう。
 「しかし十三日の土曜日までにまた面倒なテーマですな」
 館山弁護士は今週のインターネットアダルト放送の発言内容が難しいと懸念していた。
 
 波浮港に流れ着いた七人の女性は全員生命に別状は無い。そのまま東京の病院に移送された。
 誰からも犯人に結び付く重要な証言に至らない。スカウトした広瀬満課長を名乗る男の似顔絵は七人とも一致して作成された。
 だがこの人物はスカウト現場と送迎に来て七人を乗せた付近以外の防犯カメラからは一切検挙されない。
 スカウト現場以外の目撃証言も無かった。何処から来たかまったく解らない。
 唯一名刺から諮問が取れていた。だが前科は無い。
 似ていると言う人物の証言は得られたが勤務中などでスカウト現場に現れる事はできない。別人と断定された。
 
 動画の続きに戻る。
 円城寺彩は苦しみ続けていた。
 藻掻くので既にアナル栓が押されるように動いて今にも液が流れ出しそうである。
 だが抜ける事も漏れる事も無い。
 円城寺彩はU字金具で固定された躰を迫り上げ斜めに右に左に捩る。
 脂汗を掻いて藻掻く。
 「どう。そろそろ。うんこさせて下さいって言わない。准教授殿の排泄なんて永久保存版よ。それが言葉付なら尚更」
 荻野有香はさらに詰る。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しみに歪みきった表情で呻き藻掻く。円城寺彩准教授のその姿は異常に加虐心をそそらせる。
 「どうするのまだ苦しんでいいのよ」
 荻野有香は愉しんでいる。
 「おーーーーーーーーーーーのれーーーーーーーーーーー。うんこさせてくださいーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は遂に耐え切れなかった。
 今度は透明なオムツを被せない。荻野有香は四角い透明なバットを円城寺彩のお尻の下に差し込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーはやくーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香はゆっくりアナル栓を抜き取る。
 ずぶうーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩のアナルから茶色いカレー状の液が断続的に流れ出る。
 「あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 藻掻きながら円城寺彩の排便は続いた。そして涙をぽろぽろ零す。
 暫くその光景を撮り続けた。
 忍者姿黒装束の男二人が円城寺彩の腰に微温湯を掛けて洗う。そしてタオルで入念に拭く。
 「さあ。二つの穴でたっぷり鳴いて貰いましょう」
 荻野有香はまた恐ろしい宣言をする。
 「なに」
 円城寺彩は恐怖に震える。
 「普通の事よ。女は二つの穴でもっと気持ち良くなるのよ。准教授殿の逝き顔をとことん見せて逝き声で鳴いてもらえば良いのよ」
 荻野有香は簡単な事のように言う。
 円城寺彩はまだ辱められる。
 「失神するまで許さないよ。失神して次に目が覚めたら病院のベッドよ」
 荻野有香はあっさり言う。
 そしてまた杉下一行が怒るアイテムが持ち出された。これが動画に出る度に警察の事情聴取が入る。
 何回販売先のリストが提出させられたか。迷惑な話である。
 通販の顧客などいくら調べても犯人には行き着かない。店頭売りはまったく何か控えがある筈もない無駄な捜査であった。
 リモコンからアームが伸びてその先端に小さなローターが付いたアイテムである。
 アナルに入れる方はカプセルの形をしたローターの直系が十ミリくらい。膣に入れる方は直径二ミリくらいの小さいもの。
 それで一本がL字に付けられ一本が真っ直ぐ先端から伸びていた。
 円城寺彩の躰のメンテナンスが終わると荻野有香はもう一度クスコとアナル開口器を持ち出す。
 「あーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は准教授の威厳もなく泣き悲鳴に成る。
 「だーめ。失神したら終わりって言ったでしょう」
 荻野有香は容赦なく円城寺彩のアナルに開口器を刺しこむ。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩の悲鳴を無視してアナルを広げる。
 続いて膣にクスコを突っ込む。
 円城寺彩は膣に力を入れるが無駄である。クスコは奥まですんなり入ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は顔を揺すって藻掻く。
 荻野有香は一人にアナルのローターを渡してもう一人に膣用の真っ直ぐな方を渡す。自分がL字を持つ。
 忍者姿黒装束の男二人が円城寺彩の広げられた太腿の外側にしゃがむ。
 最初に一人がアナルに入れる。
 荻野有香は円城寺彩の腰の横にしゃがむ。ローターのリモコンを逆手に?んで正面のモニターを見ながらL字の先端を刺しこむ。
 モニターには膣の奥とアナルの奥が拡大して投影されていた。
 それを見て女の一番敏感な部分に当てる。
 上から見ると芝居の黒子が三人女躰人形に掛かっている光景である。
 最後に真っ直ぐ付いたローターを持った男が尿道に突っ込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は強烈に呻く。
 「ああ。そうだね。そっちの方が効果的ね」
 荻野有香はもう一本も膣の中を予定していた。
 一斉に三本のローターが責める。
 「ううああーーーーーーーーーーーーー。あーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はまったく堪えられない。
 尿道に入れた男はゆっくりピストンさせる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道口から僅かに尿が溢れ出る。恐ろしく隠微な光景である。
 「あーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は尿道の責めを止めない。荻野有香は女の一番敏感な部分をピンポイントに責める。
 円城寺彩の股間部分は痙攣を続けていた。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 尿道の責めが強く効いている。
 ローターを抜くと一気に潮が噴き上げる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 治まるとまた尿道に刺しこむ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は悶え続ける。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は天井に顔を向けて目一杯後ろに逸らせて大口を破裂させ逝き声を漏らし続ける。
 轟音のように絞り出す声にはまだ遠い。
 荻野有香の目的は失神である。
 三人は一切責め手を緩めない。
 アナルを責めていた男がもう一個普通のローターを取り出す。
 クリトリスを包んだ包皮の上からそれを当てる。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は藻掻く。首を右に左に強く逸らせて躰を迫り上げ股間を上下に震撼させる。膣は明らかに痙攣していた。
 荻野有香は娼婦の泣き所に当てたローターの振動を強くする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道を責めていた男が尿道のローターを抜く。
 潮が緩く弧を描いて流れ出る。数秒で止まる。また流れ出る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーだめーーーーーーーーーー」
 断続的に数回流れた。
 「はあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 失禁が止まると円城寺彩は切迫した逝き声から荒い息遣いに成る。
 これで円城寺彩准教授の失禁、排泄は充分な動画撮影の内容量を得た。
 荻野有香はL字のマイクロローターを抜いてドリルバイブを取りに行く。
 最後のとどめである。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩はドリルバイブなど見たことが無い。AVだけの産物である。
 荻野有香は一応ローションを塗って正面から床に自分の躰を伏せて円城寺彩の膣に押し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ぶっとい擬似男根が円城寺彩の膣の奥まで進入している。
 荻野有香はスイッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩は顔を横に強く倒して軋ませ究極の逝き声を上げる。
 荻野有香は痺れを切らしていた。一気に振動と回転、ピストンを強くする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 円城寺彩から大口を強烈に破裂させた逝き声が強く轟く。そして白目を剥いて首が横に静かに倒れる。
 ようやく目的が完了である。
 忍者姿黒装束の男が麻酔を打つ。
 そのままパイパンにしたドテに刺青をして終了である。
 
 動画を検分していた越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は次の動画の検分に入る前に休憩を宣言する。
 寿司屋から三人分の出前が届いていた。
 珠洲と瀬里菜は昼なので冷たいお茶で食べる。如月鬼堂はビールを抜いてしまう。冷房が効いていても暑くて飲まずに居られない。
 「しかし羞恥責めに一貫していましたな」
 大河内税理士は鞭とか甚振る責めが足りないと思っている。編集者も他の弁護士も聞いているのでそこまでは言わない。
 「目的が女性を社会的に葬る。その一点に徹している」
 如月鬼堂は犯人の女の犯行目的がはっきりしているとの見解である。
 そして犯人のうち主犯格のように動いていた女性が風俗嬢と確信していた。
 だが館山弁護士の見解を受け入れてインターネットアダルト放送では資金的に難しく躰で稼いだ金でこんな事はしないと断定する予定である。
 さらに連続拉致強姦事件の犯人六人がこの主犯格女性の目的に費用を負担して協力する可能性は高いと見ていた。
 代償はこの女性の躰をSM的に提供と見ている。この部分だけが現実と違っていた。
 
 七人の拉致した女性を解放して忍者姿黒装束の男二人は表社会から姿を消した。内の一人は広瀬満と名乗った男である。
 荻野有香は風俗の日常に戻ることとなる。
 飯田茉莉菜の事件も七人の女性拉致事件も荻野有香に警察の捜査が及ぶことはなかった。どっちも捜査は暗礁である。
 七人の女性拉致事件は『女性七人スカウト拉致事件』と称された。
 
 如月鬼堂の居間を中心としたテレビ会議は次のファイルを開いて共通検証に掛かった。
 五人目の犠牲者は田波夢という。二十二歳である。
 同じように女躰の隅々まで撮影されてから意識を回復した。
 二メートル四方のフローリング板に大の字に磔までは同様である。
 田波夢が意識を回復したとき女の部分はクスコで広げられ蛇が頭を突っ込んでいた。
 「良く見て。貴女のお○○こに蛇が入っているのよ」
 荻野有香は愉しそうな声で指摘した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけ・・・・・」
 悲鳴は途中で掠れて消えてしまった。
 そのまま口から泡を噴いて悶絶状態である。
 忍者姿黒装束の男が精神安定剤を注射する。
 「さあ。もうちょっと蛇と仲良くしましょう」
 荻野有香は優しく残酷な響きを込めて言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。此処は何処ーーーーーーーーーあ、ああーーーーーーーーーーーーん」
 田波夢はパニックである。
 荻野有香は蛇の頭の少し手前と尻尾を掴む。
 「さあ。蛇殿とキスしましょうね」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田波夢は狂ったように叫ぶ。恐怖に顔は引き攣って破裂していた。
 荻野有香は淡々と顔に近付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃああーーーーーーーーーーーーーー」
 田波夢は涙を飛ばして泣き叫ぶ。
 荻野有香は一瞬だけ田波夢の口の横に当てる。
 「・・・・・」
 田波夢は歯をガチガチ鳴らして震える。
 そして失禁した。
 「はあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香は満足したように蛇を水槽に戻す。
 「あはあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああ。ああ。いったいなにーーー」
 田波夢は事態が解らない。
 「まだ解らないの。私達の姿」
 「・・・・・」
 田波夢は目を見張る。そして三人の姿を追う。正面にはカメラ。部屋全体真っ黒な布に覆われている。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田波夢は驚愕の悲鳴を上げる。
 「解ったようね」
 「・・・・・」
 田波夢の躰も唇も震えている。
 「殺しはしないよ。貴女の恥ずかしい動画を公開するだけよ」
 「・・・・・」
 田波夢はぶるぶる震えるだけである。
 それでも荻野有香は円城寺彩に行った通りの浣腸、そしてローターからドリルバイブの責めを行った。
 そして予め脱毛クリームで無毛にしてあったドテに刺青を行って終了する。
 
 八月八日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間では田波夢の動画で昨夜は一旦終了した。
 十一時から六本目の検証を開始する予定である。
 ニュース番組では消えてしまった制作会社の課長を名乗る広瀬満の追求が行われていた。
 そしてテレビ会議のメンバーも徐々に繋がり始めていた。
 「また現場に現れた以外何処の防犯カメラにも引っ掛からない人物です。何処に消えるのでしょうね」
 雨倉編集長である。
 「太田正勝の場合とは違いますね」
 大河内税理士は以前銀行襲撃に始まって散々騒がせた犯人を思い出す。
 「まだ他に戸籍を持たない人達の部落が有るのでしょうか」
 館山弁護士といま繋がった。
 「そうでなければ海外から税関などを通らない入り方が有るのでしょうか」
 雨倉編集長はアクションドラマ風に考える。
 「それには莫大な設備が要る。戸籍を持たない者の部落が現実的だな」
 如月鬼堂は以前と同じ事を考えている。
 「それと防犯カメラの位置情報を詳細に持っているのではないでしょうか」
 館山弁護士は近くまで防犯カメラに映らない方法で運ばれ其処から巧みに防犯カメラを避けてスカウト現場に現れると見る。
 また迎えの車に乗り込むと見ていた。
 「眠らせたあと何処かで車を乗せ換えるか」
 「これまでのやり方からその線が。以前に鬼堂先生が仰っていた運送トラックや霊柩車を乗り継ぐ方法で」
 テレビのコメンテーターの推測と此処のテレビ会議はかなり違っていた。
 コメンテーターの推測で一番有力視されへいるのは犯行現場が都内に在るという説である。
 
 時間に成ったので六人目の検証を始めた。
 これも二メートル四方のフローリング板に磔にして躰の隅々を撮影するまでは田波夢と同じである。
 ここでもクリップではなく脱毛クリームを使った。
 蛇が換わっている。過酷に扱い過ぎてお亡くなりになってしまった。
 協力していた闇組織が急遽山から運んだのである。三匹用意されていた。
 六人目の被害者は綾瀬圭香二十九歳。製薬会社研究員である。
 荻野有香さらに残酷なタイミングを狙っていた。
 忍者姿黒装束の男が綾瀬圭香のクスコで広げた膣に蛇を突っ込んで動かしている。
 荻野有香は綾瀬圭香のクリトリスを剥く。もう一匹の蛇でクリトリスを舐めさせる。
 口を当てると蛇は舌を延ばす。綾瀬圭香が気付くまで責め続けた。
 「ああ」
 綾瀬圭香の躰が少しずつ怪しく動き始める。
 「ああ。・・・・・ああ。・・・・・ああ」
 忍者姿黒装束の男と荻野有香は責める速度を上げた。
 「あーーーはあん。ああ。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は意識を回復して事態を瞬時に悟って叫ぶ。
 「なにいーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は一気にパニックに成る。
 「いやだーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーー。いやあ。いやあ。いや。いや。ああ。ああ」
 「諦めな。貴女は蛇で気持ち良くなったの」
 「いやーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は躰も口もぶるぶる震えている。
 「さあ。蛇殿とキスしましょう」
 荻野有香は持っていた蛇を綾瀬圭香の顔に近付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は躱せる限り顔を逸らせて恐怖の表情を破裂させて叫ぶ。
 次の瞬間失禁してしまった。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーー。ああーー。ああ。ああ。ああ」
 綾瀬圭香は震え藻掻き続ける。
 「この蛇。毒も何もないのよ。もう貴女のお○○この奥まで入ったのよ。諦めなさい」
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は半狂乱である。
 既に蛇は水槽に戻っていた。股間の周りはびしょ濡れに成っている。長い失禁であった。
 綾瀬圭香の震えはまだ止まらない。
 「此処はどこ。何で此処に居るのですか」
 「まだ解らないの。女優に釣られて拉致されて無修正AVを撮られたのよ。状況を見てどういうことか解らない。これから動画をばら撒くのよ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香にもようやく驚愕の事態が解った。
 「判った」
 「なんでーーーーーーーー。わたしなのーーーーー。なんでよーーーーーーーーーー。なんでーーーーーーーーーーー」
 「あれを見なさい」
 撮影していた忍者姿黒装束の男がモニターに録画を再生する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は自分の全裸が出ただけで悲鳴を上げる。
 「まだまだこれからよ」
 「なんでよーーーーーーーーーーーー。なんでわたしを」
 綾瀬圭香はパニック状態で叫ぶ。
 「条件に合えば誰でも。不幸な女製造委員会と言うの。貴女のようなエリートを無修正AV女優に堕とすのよ」
 荻野有香は小気味良さそうに言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は到底諦められない災いに喚き続ける。
 「よく見なさい!貴女のお○○こ大公開よ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香の大股開きにされた女の部分の粘膜が大きく広げられて緋色と薄橙の部分がアップに成っている。
 小陰唇の内側はややドドメ色に成りつつある。
 「粕も付いているわよ」
 荻野有香は詰って愉しむ。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は堪えられず叫ぶ。
 「まだまだ。良く見て」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香の膣口にクスコが挿入される。
 「貴女の女の奥が全開よ」
 クスコが大きく広げられペンライトで中を照らされて薄橙の波打った粘膜の奥に薄紅色の子宮口がくっきり見える。
 「いやよーーーーーーーーーーーー。こんなとこまでとうしてーーーーーー」
 綾瀬圭香は泣き声混じりに訴える。
 続いてクスコに蛇の頭が挿入されさらに別の蛇が女の指で剥かれたクリトリスを舐めている。
 クリトリスを剥く荻野有香の手は確り薄い医療用手袋が掛かっていた。
 川口の会長が用心深く指導したのである。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 綾瀬圭香は涎を飛ばしやがて泡を噴いてしまう。
 荻野有香と忍者姿黒装束の一人が半開きの綾瀬圭香の口に開口器を突っ込んでしまう。
 「ふうーーーーーーーーーーーー」
 荻野有香はもう一度水槽から蛇を取り出す。
 それを口の開口器に近付ける。
 「ふはぁはぁーーーーーー」
 綾瀬圭香の顔は恐怖に凍り付く。
 荻野有香は構わず蛇の頭を開口器で広げた口に突っ込む。
 「・・・・・」
 綾瀬圭香はさらに泡を噴いて白目を剥いてしまう。そして僅かな失禁尿が流れていた。
 そのまま麻酔を掛けて刺青を行う。
 蛇が女の部分に頭を突っ込んでいる構図。だが小陰唇の間際大陰唇の上までしか彫れない。
 蛇の胴体はドテの横で大きく弧を描く。その尻尾は内腿の半ばまで彫られていた。
 ミニスカートで座れば蛇の尻尾が見えてしまう。
 
 如月鬼堂の居間に繋がったテレビ会議では最後の七人目の動画の検証に掛かった。
 七人目の犠牲者は森田千晴という。
 アナウンサー志望の女子大学生で二十一歳である。
 この女が一番美人かつスタイルも理想体形と言える。
 スマートな体形ながら乳房はそれなりの膨らみが有って容が綺麗である。
 乳輪も程よく二十五ミリくらい。乳首も十ミリくらいで起った状態が美しい容である。
 女の部分を閉じた小陰唇は大股開きにしても大陰唇の間に長細く僅かな姿を見せる。広げると中はやや薄紅色に広がり美しい。
 尿道の亀裂は僅かながらくっきり確認できる。
 膣口に襞はない。単調な口が小さく窄んでいる。
 ドテの黒い塊は膨らみのある三角形に整えられていた。
 荻野有香は脱毛クリームで全部抜いてしまう。
 膣口にクスコを挿入して内部を広げる。
 薄橙の膣壁の奥に紅と薄橙の斑に成った部分。そこに僅かに子宮口が確認できた。
 今度は麻酔で眠らせたまま浣腸して蛇も挿入してしまう。
 口に開口器を入れて眠らせたまま蛇を突っ込む。
 排便も眠らせたままの撮影となった。
 荻野有香は森田千晴の子宮口にブジーを突っ込んで意識を回復させる。
 「う、うう、おお。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田千晴は強烈な悲鳴を上げて意識を回復した。
 「あーーーーーーーーーーーーなに。えーーーーーー事故。病院」
 森田千晴は事態が解らず慌てる。
 「違うわ。拉致されたのよ」
 目の前にカメラそして黒装束。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田千晴は瞬時に事態を悟った。少し前に故大下洋子参議院議員を脅迫してその妹を辱しめた動画を見ていた。
 荻野有香は森田千晴を眠らせたまま撮った動画を見せる。
 「私のこんな姿を公開して何をするのよ」
 森田千晴は大下洋子の時の取引と勘違いしている。
 「貴女の恥ずかし過ぎる動画をばら蒔いて貴女のエリート人生を潰すのよ」
 「何故!!」
 「不幸な女製造委員会と言うの。貴女の素晴らしい躰をAVで沢山の男性に愉しんで頂こうと言うのよ」
 「やめてーーーーーーーーーーーー。私はアナウンサーに成るの」
 森田千晴は自分の未来を必死に護りたくて叫ぶ。
 「それをAVに転向させるスカウトだったのよ。貴女はそれに乗ってしまったのよ。諦めて」
 荻野有香はこの女を潰したいという願望をこの時と言葉に叩きつける。
 「そ、そ、そんな」
 森田千晴は驚愕の表情で固まる。
 「さあて。後は逝き顔を撮影して刺青ね」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森田千晴は断末魔の叫びを上げた。
 荻野有香はローター三つと電マで責める。だが森田千晴に殆んど抵抗力はない。簡単に逝き顔を晒して失禁と失神の白目を見せてしまう。
 荻野有香は森田千晴に特別な刺青を考えていた。この女が一番壊したいのである。
 最初は森田千晴の女の奥を撮影した画像を乳房に刺青する予定でいた。
 だが撮影した森田千晴のその部分はインパクトが足りない。
 それで円城寺彩のその部分の画像を左の乳房に刺青した。
 右の乳房は綺麗なまま残す。
 乳房の外径にクスコの口を合わせる。乳首が子宮口に成る配置に彫った。
 荻野有香のやる事はこれまでのどの犯行よりも残忍である。
 
 八月九日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 歴代最大の猛暑日を更新して十四日目と成った。逆に北日本、北海道は大雨が襲う。
 演歌に出てくる岩木川を始め河川の氾濫で住民が避難を余儀なくされる現状である。
 山の中腹のアジトから見る下の町は暑い空気に包まれていた。相変わらず節電などは考えず冷房をがんがん効かせている。
 肉や海鮮を焼いて生ビールで暑さを凌ぐ。
 「なかなかやってくれたな」
 印刷会社の社長も動画を編集して満足している。
 「金を支援した充分な効果だ」
 葬儀会社の社長も荻野有香の責めに大満足である。
 「最後の女。潰すには良過ぎた。AVに成ってくれれば良いが」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「無理だな。自殺か日陰のまま消えるか。あれでも開き直ってアナウンサーに成るかもな」
 川口の会長はやや達観している。
 「それじゃ」
 葬儀会社の社長は不満である。
 「その時は何度も配給してやれば良い」
 「リストが増えているのか」
 「物凄い勢いで増えている」
 「それにしても抜群に良い女だな。何としても国民的AV女優にして社会の癒しにすべきだ」
 葬儀会社の社長は絶賛である。
 
 八月十三日。
 インターネットアダルト放送のスタジオ。アナウンサーが全裸でニュースを読む番組である。
 「女優のスカウトを装って女性が七人拉致されました。これまでも続いていました社会的イメージを破壊する猥褻動画が強制作成されて公開されました」
 岡田有美がミニワンピースを脱ぎながら読む。
 「今回主犯格は女と被害者の証言が一致しています。スカウトに当たった広瀬満課長を名乗る人物が走査線に上がっていますがその正体は不明です」
 高島波瑠もミニワンピースを脱いで下着姿を披露しながら読む。
 「警察、マスコミは広瀬満課長を名乗る人物が都内のスカウト現場の渋谷に近い何処かに潜んで居ると見ています。鬼堂先生はどう思われますか」
 本多椿はMC席でマントを脱いで下着姿と成る。
 「都内には居ないでしょう。裏に居る組織が派遣した人物と思われます。この男は二度と社会に出て来ないでしょう」
 この部分は如月鬼堂と館山弁護士らの確信である。
 「どう言う事でしょう」
 本多椿は追求する。
 「これまで連続拉致強姦事件の六人が絡んだと思われる事件で二つの大きな闇組織が奥で絡んでいると見られるからです」
 「二つのどういった組織でしょう」
 本多椿がブラを外したので岡田有美と高島波瑠も外す。
 「一つはマネーロンダリングを大規模に行う組織です。もう一つは殺人などを代行する組織です。今回も多嶋芽琉の事件もこの組織だと思います」
 大手マスコミには波及しない。あくまで如月鬼堂の番組。その範囲での見解と成るだけである。
 だが視聴者は年々増えていた。
 「確かに同じ忍者のような黒装束が」
 本多椿はそこを強調する。
 「この女と推測される主犯格の犯行動機は何なのでしょうか。被害者の声以外は編集で消されて字幕に成っていました」
 岡田有美は躰を横にしてショーツを脱ぐ。
 「字幕に犯行動機らしき側面も見えますが女の犯行としは本来の目的はどうなのでしょう。被害者の証言は一致して女性の声ということです」
 高島波瑠は股間を片手で押さえてショーツを脱ぐ。
 「動画の字幕にこんな言葉がありました」
 正論で社会の総てが成り立つか!表社会で建前にしか成らない綺麗事を正論として吐く奴らを叩き堕としている。
 表社会で正論が言えなく成るようにしたい。
 本多椿が読み上げる。
 「この辺に犯人の女の動機があるのでしょうか」
 そして如月鬼堂に投げかける。
 「この通りでしょう。犯人の女は知識層に近い若い女性を潰そうとしています。そして現代の知識層の言論風潮に強い反感を持っています」
 「どういう女なのでしょう」
 「私は最初風俗嬢と思ったのですが、館山先生が風俗嬢では費用の捻出が難しいと仰います。現段階で人物の素性は分りかねます」
 「自分を醜いと思っている女の犯行とも言われていますが」
 「それは違うでしょう。この女は一切顔を傷付けていません。あくまで表社会から抹消を目的としています」
 「現代の知識階級の論理に反旗しているのでしょうか」
 「そうです。そして連続拉致強姦事件の犯人らとある程度共感する部分が有るのでしょう。これまでの犯人らとも共通点は有ると思います」
 如月鬼堂はそれ以上憶測が有ってもしゃべりたくない。本多椿もそれを感じ取った。ここで打ち合わせ通り話題をスライドする。
 「日本の物価と給料ですが物価上昇に収入が追いついていません。物価も上昇と言っても他の先進国に比べて押さえられています。でも収入はさらに増えません」
 岡田有美が腰に真っ赤な褌を巻いて読む。
 「格差が度々問題視されますが解決はしません。広がる一方です。これは他の先進国も同様です」
 高島波瑠は白い褌を巻いた。
 「鬼堂先生。どうしたら日本は世界から遅れるのを挽回できるのでしょう。円安、上がらない賃金と抜本的な課題に日本経済は確実に沈みつつあります」
 日本社会の一番の根本的問題点である。
 「格差のせいにする方が問題です」
 如月鬼堂は次のように続けた。
 格差の問題ではない。資本主義である以上格差は避けられない。格差が有っても最下層のレベルが低くなければ良い。
 国全体のGDPで比較するが国民一人当たりのGDPで比較すべきである。
 国民一人当たりのGDPが高ければ格差は有っても末端まで生活はそれなりに豊かと言える。
 日本は国のGDPが世界三位でも国民一人当たりは三十位近くまで下がり経済大国とは言えない。これが日本の現実である。
 賃金が上がらなく価格転嫁が難しいのも格差や企業の内部留保ではない。
 低い所得層から取る税金、年金、保険料、さらに税金に順ずる義務とされる徴収が高過ぎるのである。
 今や低所得層は買いたい物が買えないのではない。買わなければ成らないものを押さえざるを得ない。
 低所得層に重いのは住民税、年金負担額、及び社会保険料、介護保険料、公共放送料である。
 その原因は膨れ上がった役人社会にあると言える。
 低所得層からこれらの負担を無くせばその百パーセント近くが消費性向に流れる。その購買力は膨大に成って行く。
 物価は大きく上がらなくても薄利多売で賃金に回せる。
 それには思い切ってアメリカの州一個分の国から自治体を廃止する事である。
 区役所、市役所を国の直轄にする。そして原発を全面再稼動して電気料金を下げる。さらに公共放送の徴収を小さい集合住宅だけ建物単位にする。
 その上で税金の無駄遣いを減らす。自治体を無くせば選挙費用が国会議員だけに成る。
 さらに統計法を廃止して国勢調査、基幹統計調査、工業統計調査の他に各省庁であらゆる似たような調査が行われるこの総てを廃止する。
 莫大な経費削減である。
 如月鬼堂は知識階級の意見一辺倒な社会に不満を持つ分子に代わって述べ日本経済の回復について述べた心算であった。
 中間層やマスコミに感化された層には断固否定する意見かもしれない。
 
 女性七人スカウト拉致事件に関する警察の捜査はこの先なんの進展も無かった。
 連続拉致強姦事件の犯人らが後ろ盾と成る事件は総て迷宮か犯人死亡で終わるらしい。
 
 最期のSM小説家 三十五幕 世を拗ねたSM嬢 完 





 最期のSM小説家 第三十六幕 報復する女


 二〇二十二年処暑下元。太陰太陽暦七月二十九日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年八月二十六日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 あれからも女性七人スカウト拉致事件に関する警察の捜査はまったく進展しなかった。
 「あの事件に関するメールがそんなに多いのですか」
 先々週の発言でインターネットアダルト放送の如月鬼堂の番組にかなり質問が集まっていた。
 「マスコミと違う観点を出したので更なる追求を要求するものが多い」
 「鬼堂先生はどう言う犯人とお考えですか」
 「風俗嬢としか思えないが。下手に言うともっと面倒になる」
 「それで少し濁したのですか」
 「館山先生の忠告に従ったよ」
 「忠告とは行きませんが私の考えでした。明日はどうしますか」
 館山弁護士は明日の土曜日のスタジオが気に成る。
 「なるべく触れないで行きたい」
 「教団や支持率低下、あの時間に扱うには適当でないニュースばかりです」
 そのとき仕出し屋が野立て弁当を四人前届けに来た。
 珠洲も瀬里菜もミニワンピース姿である。館山弁護士だけなので男性を刺激する事は控えめにしていた。そのまま二人で受け取れる。
 配達のアルバイト男性にはそれでもかなりの刺激である。
 「先々週も格差が大きいと言う反論が有った」
 「それをもう少し説明して。女性七人スカウト拉致事件は解明不可能で終わられましょうよ」
 如月鬼堂も館山弁護士も歯切れが悪い。
 このあと本多椿が訪れたがあまり良い案はなかった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 暑さはまだ治まらない。外はまだまだ猛暑である。
 本日も冷房を強く効かせて鉄板で肉、魚介、野菜を焼いていた。
 「あれっきりマスコミが騒ぐだけで何も捜査は進展してないな」
 医者の男である。
 「あの女。多少はらはらさせてくれたが完璧だよ」
 印刷会社の社長である。
 「アダルト専用の動画配信サイトにアップする奴までいたな」
 「馬鹿な事だ。捕まれば犯罪だ」
 運送会社の社長は自分らの大きな犯罪は棚の上に仕舞っている。そして直ぐ捕まる無知な犯罪を強く非難した。
 「そうだな。何にも解らない奴がやれば直ぐ捕まる」
 医者の男も同様である。
 「配信は我々に任せなさい」
 葬儀会社の社長は笑う。
 川口の会長は闇相談サイトのチャットに対応していた。
 相談者はまた女である。向井十夢という。
 向井十夢の言い分は分かれたいが分かれられない夫。ずっとSMをやられていて堪えられずに家を出て離婚を願い出ていた。
 夫は聞き入れない。さらに犯されてしまう。
 これまでの拉致拷問事件のような事をして夫をその犯人に陥れて自滅に見せかけて殺したい。
 川口の会長:金は。
 向井十夢:有ります。夫の金ですが。
 会長:まだ離婚が成立してないか。
 向井十夢:はい別居中です。
 会長:拷問は誰がやる。
 向井十夢:手配していただけませんか。
 会長:ご主人は自分で殺すか。
 向井十夢:はい。夜中に催涙ガスを流して薬殺します。
 会長:金はどうやって降ろす。
 向井十夢:銀行が妻と知っていますから問題ありません。
 会長:話は具体的だが協力はできない。
 向井十夢:どうしてですか。
 会長:犯行の趣旨が合わない。
 川口の会長はそれでチャットを閉じた。
 
 八月二十九日。
 向井十夢はそれでも夫の殺害を決行する。
 札幌駅から少し離れた丘珠空港近くの大きな敷地の一軒家である。
 夫の家には地下室と言うより地下に落とし穴のような倉庫があった。薬殺してその中に閉じ込める。
 死臭などが漏れない構造に作られていた。
 向井十夢の夫が人を殺してしまった時の処分場所に用意したと思われる。
 そして向井十夢は自分とのSMプレイで万一事故になったら自分も其処に落とされると警戒していた。
 翌日銀行から一億だけ降ろす。預金全部は諦めた。全額降ろせば銀行に不振がられることを考慮する。
 夫の家の金庫にも数千万は入っていた。開錠の仕方も解っている。
 共犯者はSMパートナーサイトでM女を探している男性の中から手ごろなのを見つけて交渉した。
 二千万の謝礼を提示する。
 究極のSMプレイができると説明したら簡単に乗って来た。
 黒装束は用意したが生贄は女性七人スカウト拉致事件と同じ手は使えない。手っ取り早く宅配風俗嬢で済ませる。
 札幌のファッションホテルの中から駐車場などの構造から拉致のしやすいホテルを選ぶ。
 ソフトな風俗の女性を雑誌とホームページから探す。ソフトな店の方が若く良い女を見つけやすい。
 女は男に選ばせる。責めるのはそっちに任せた。向井十夢は撮影に徹する。目的は夫を猟奇SM殺人者にしてその名誉を潰すことである。
 風俗嬢を夜の十二時くらいに呼ぶ。
 付き添いの男性店員共々スタンガンとクロロフォルムで一気に確保する。
 風俗店の車はそのまま放置して乗って来たキャンピングカーに二人を乗せて夫の家に向かう。
 向井十夢が運転して男が車内で二人を厳重に縛る。
 夫の家に着いたらまず男の処分に掛かった。
 地下に大きな水槽が有る。これも向井十夢の夫が用意したものである。人間を溶かせるジェルも大量に集められていた。
 向井十夢の夫が何日も掛けて少しずつ何店舗かから買い集めたものである。
 それを利用して付き添いの男性店員を注射で薬殺して死体を水槽に投げ込む。
 もとより向井十夢の夫の家にはSMの設備が整っていた。
 地下室ではないが外の光は遮断できる。さらに黒い幕を張ってこれまでの犯行現場に合わせた。
 忍者姿黒装束とサングラスも用意している。向井十夢は長身で忍者姿黒装束を少し膨らませて胸にはさらしを巻いた。
 男か女かの区別が付きにくくしたのである。
 女を寝かせたまま縄を解いて全裸にする。先に全裸を撮影した。
 全裸のまま拷問椅子に磔にする。脚乗せ台はハンドルで固定するタイプである。百五十度くらいに広げて固定してしまう。
 風俗嬢は若林夕子という。マイナンバーカードと学生証がバックから見つかった。
 なんと東京からこっちの学部に来ている女子大学生である。
 この学生証とマイナンバーカードを動画に拡大して公開する。
 向井十夢の夫の家には充分なSMアイテムがある。だが男はかなりアイテムを持参していた。
 「起こす前にお○○ことその奥までじっくり公開して」
 向井十夢が要求する。
 まだ二十一と若い。だが小陰唇は小豆色の範囲ながらややドドメ色に近付いている。
 広げると中は薄橙である。
 尿道の亀裂が確認でき膣口は単純に閉じた入口が判る。襞などはない。
 さらにクスコを挿入する。
 奥に濃い紅色の子宮口。その周りを男の亀頭の先端のように盛り上がった部分とその周りの色の変化を克明に撮影した。
 「いいよ。起こして」
 向井十夢は男に合図する。
 男はスタンガンを取り出す。
 それを膣に刺さったクスコの枠に当てる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の躰が強烈に震撼する。悲鳴とともに意識を回復した。
 「あーーーーーーーーー。こばやしさあーーん」
 若林夕子は付き添いの男性店員を呼ぶ。
 「もう死んだよ」
 男が抑揚のない声で宣言する。
 「えーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は自分が椅子に縛られて辺りは真っ黒。正面にカメラが見える。人が二人黒装束でサングラス姿である。
 恐ろしい事態に気付いて悲鳴を上げた
 「えーーーーーーーーーーーなんでーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は何で自分がと叫ぶ。スカウト事件が起きたのは東京である。自分はいま札幌に来てアパートに暮らしていた。
 「何で私狙ったのよ」
 「店のカタログからだよ。諦めろ」
 男は軽く言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は強烈に取り乱す。
 男はブジーを取り出す。
 「諦めろ!!」
 怒鳴るより刺すような口調である。そしてクスコの奥をペンライトで照らして子宮口にブジーを突っ込む。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は強烈に叫ぶ。躰は痛みに強く暴れる。拷問椅子が軋む。
 「暫く動けないな。たっぷり拷問してやる」
 男は拷問椅子のハンドルを回して角度を変える。クスコの口が真上を向くまで股間を上に向けた。
 「なによこれーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は自分の股間に異物が入っているのを気付いて抗議の叫びを上げる。
 バーナーを取り出し片手に蝋燭を持ってクスコの上に翳す。
 「なにするのーーーーーーーーーーー」
 若林夕子はさらにヒステリックに叫ぶ。
 その蝋燭の側面にバーナーの火を当てる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 蝋類はクスコの中に流れ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子はサイレンの様に悲鳴を上げる。
 男はその悲鳴と藻掻き苦しむ表情を愉しみながら溶かし続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーー。あーー。・・・・・・・・・」
 若林夕子は僅かな時間で白目を剥いてしまう。
 向井十夢の夫のアイテムにピンチは有った。だが男はクリップを取り出す。
 左の乳首を鋏んでその下の乳房の膨らみの裾野を鋏む。それから約三センチ置きに腹の横を下がって太腿を膝の手前まで鋏んでくる。
 二十個鋏み付けた。
 太い糸を編んだ紐を取り出す。
 乳首を鋏んだクリップの抓み手にその紐を通す。中程で二つ折りにしてその次からは二本纏めて抓み手に通して行く。
 二十個全部通したところでそれをぴんと張る。
 男は黒装束の口布の奥で不敵な哂いを浮かべて一気に上に引っ張る。
 「あーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は強烈な悲鳴を上げて一気に意識を回復する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーー」
 若林夕子は強く躰を揺すって暴れる。拷問椅子はまた強く軋む。堪らない痛みに藻掻き暴れ続けた。
 クリップの飛んだ痕は皮膚が剥けて一部血が滲んでいる。
 男は若林夕子の顔を平手で叩く。
 「うーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は屈辱きわまりないビンタに睨み返す。
 さらに叩く。
 「う、ぐーーーーーーーーーーーーーーーー」
 SMクラブでも顔はめったに叩けない。
 この時とばかり叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は怒りを込めて覆面姿の顔を睨み返す。
 男はさらに加虐心を滾らせて叩く。
 「うおーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーー」
 十発くらい叩いて若林夕子の目尻に涙が溢れた。
 男は気持ち良さそうにその涙を見る。
 今度は石炭ストーブに使う着火剤をパチンコ玉より小さいくらいの大きさにした物を取り出す。
 「なにそれーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は恐怖と怒りに叫ぶ。
 男はそれをピンセットで抓んでライターで着火した。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーー」
 そのままクスコに投げ込む。
 「えーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 クスコの奥で固まっていた蝋類が溶ける。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は躰の奥が燃えるような錯覚を覚えて喚き続ける。
 「あーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーん」
 涙はぽろぽろ零れる。
 そして失禁してしまう。
 「あはあーーーーーーーーーん。ああーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 若林夕子は涙を流し荒い息遣いで震え続けた。
 男は失禁の濡れを拭き取ってロングスプーンを取り出す。それでクスコの奥に固まり始めた蝋類を掬い出した。
 丁度良い柔らかさで殆ど纏めて取れる。
 男はそのままクスコを抜く。
 今度は注射針を滅菌梱包から一本ずつ取り出した。
 「いやあーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は堪えられない。狂ったように喚き続ける。
 男は片手で小陰唇を二枚合わせて抓む。そしてその注射針を突き刺す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は顔を究極に歪めて悲鳴を絞りだす。
 男は次の一本を斜めに最初の一本に突き出した先でクロスするように突き刺した。
 「ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最初の一本の先端を押さえるように接触させる。
 次の一本は反対側から突き刺して上の注射針の根元を押さえるようにほぼ横向きに突き刺す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は全部で十本刺した。
 今度はスタンガンを手にする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子はそれを見ただけで悲鳴を上げる。
 男は一番下の針にスタンガンの端子を押し付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーー。・・・・・あーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーー」
 若林夕子の躰はびりびり震える。
 「はあーーーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・はあーーーーーーーーーーーーー」
 断続的な悲鳴を上げながら躰の震えは増して行く。
「あーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 また失禁してしまった。
 男はスタンガンを離す。
 「さあて。針は抜く時の方が痛いぞ」
 男は加虐心を込めて言う。
 「・・・・・」
 若林夕子は眼を細めて男を睨む。声は出ない。
 「行くぞ」
 男は一番下の一本を抜く。
 「う、う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瞬間若林夕子の躰が強く震撼する。
 男は左右反対に刺さっている二本を両側から抓む。
 一気に両側から引っ張る。
 「ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子から甲高い悲鳴が上がる。
 その悲鳴は男の加虐心をさらに滾らせた。
 嬉々として次の二本も両側から抜く。
 「うーーーーーーーーぐふううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の眼からまた涙が溢れる。
 残り三本だがその一本を数ミリ動かす。
 「ふふぁあーーーーーーーーー」
 次の一本も数ミリ動かす。
 「ふあふぁあーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー」
 男はさらに遊ぶ。数ミリ動かしたのを二本左右から持って逆に動かしてまた抜き始める。それをまた刺し返す。
 「ふ、ふぁああーーーーーーーーーーーーーーーー。ふはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の表情が崩れ歪み壊れそうな変化を繰り返す。
 男は堪らない悦びにしばらく遊び続ける。
 全部抜いた時には玉に成って噴出した血で股間が濡れていた。
 若林夕子は繊細な痛みにぽろぽろ泣き続ける。
 男は次にブジーを取り出す。
 「なによーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 若林夕子はさっき子宮に突っ込まれた痛みと身構え慄く。
 男は女の部分を指で広げる。ブジーの先端にローションを掛けて尿道の小さな亀裂に挿入する。
 「うふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の表情は一気に軋む。眉間に強い皺を寄せて綺麗な悲鳴を奏でる。
 男はブジーをピストンしてさらに尿道責めを愉しむ。
 「うーーーーふうーーーーーーーーー。ううーーーーーー。うふうーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 ピストンしても尿は流れ出ない。
 男はもっと柔らかい物に替えた。
 カテーテルのような材質の細いバイブである。ピストン運動はしないが回転して振動する。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は微妙な声を上げ続ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーー。いや」
 若林夕子は抵抗している。だが声には艶が混じっていた。
 さらに膣にローターを突っ込む。続けて三つ入れる。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は抵抗して藻掻く。
 男は三つともスイッチを入れた。ローターは膣の中で三つが暴れ始める。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は股間を捩って藻掻く。
 男はローターを自動に任せて尿道バイブに専念する。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーん。うーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーー」
 若林夕子は股間が痙攣していても藻掻く。
 男は尿道バイブを回転と振動をさせながらゆっくり奥まで入れてはゆっくり揺さぶるように引く。
 「うぐーーううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は徐々に堪えられなくなる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に僅かに失禁してしまう。
 男は慌てて尿道バイブを抜く。
 だが失禁は僅かで終わってしまう。
 それでも股間は強く痙攣していた。
 男はもう一度尿道バイブを挿入してゆっくりピストンを始める。
 「あーーーーーーーーーーーはん。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー」
 さらにローターの動きを強めた。
 若林夕子は顔を藻掻くように強く捩る。
 腰は迫り上がり眉間の皺が三重に刻まれて固まる。そして崩れた。股間は痙攣したまま拷問椅子に沈む。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 上り詰めたあとの荒い息遣いが暫く続いた。
 男はもう一個ローターを追加してクリトリスに当てる。尿道バイブは挿入したまま奥深くで振動と回転をさせ続けた。
 「ああ、あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 逝ってしまった後の責めである。官能に直ぐ上り詰め始めた。
 「あーーーーーーーーーーー。ああ、あはあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の股間は震撼する。躰を究極に捩って藻掻く。やがて躰を迫り上げて固まる。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。だめーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 若林夕子の表情は逝き顔が崩壊している。躯の姿を晒してしまった。
 向井十夢が水差しにビールを入れて来る。
 男は一度ローターのスイッチを切る。
 向井十夢が若林夕子の口に水差しの口を差し込んで飲ませる。
 利尿剤の代わりである。
 「ふふぁあーーーーーーーーー」
 若林夕子はビールを飲み干して息遣いを漏らす。
 向井十夢は棘付きバイブを持って来る。
 ドリルバイブも夫の所持品の中にある。だが濡れ具合から自分のやられた時と比較した。
 男はローターの代わりに棘付きバイブを手にする。
 その形状を見まわして膣に直接ローションを流し込む。中は十分に濡れていたが男はさらに濡らす。
 「いやーーーーーーーーーーーー。そんなのだめーーーーーーーーーー」
 若林夕子は棘付きバイブを見て叫ぶ。
 男はそれに構わず棘付きバイブを膣に突っ込んで尿道バイブも突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は濡れていてもまだ拒絶する。
 男は棘付きバイブのくねる動きに手でピストンを加えた。尿道のバイブと動きを合わせる。
 「あーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーん。あはん。ああーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーん。ああーーー」
 それでも棘付きバイブと尿道バイブの責めに声を漏らしてしまう。
 「あはああーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう若林夕子の上り詰めるのは早い。
 股間は痙攣して腰は迫り上がる。顔は究極に逸らせて藻掻く。上体は強くくねる。
 「あーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーん。あはん。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 また尿道から潮が流れ出る。
 「ふあはあーーーーーー。あはあーーーん。あはああーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。あはあーーーん。ああ。ああ。ああ。あはん」
 若林夕子の躰は一気に拷問椅子に沈む。
 向井十夢は腸カテーテルを持って来る。ガートル台に氷水を入れたポリタンクを吊るしていた。
 男は若林夕子のアナルに腸カテーテルを挿入する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子はまた叫び藻掻く。
 男はコックを捻って氷水を流し込む。
 「あーーーーーーあはああーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーぐぐうーーーーーーーーーー。ぐぐうううーーーーーーーーー」
 若林夕子は直腸に侵入した冷水に一気に苦しみ出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は強烈な腹痛に藻掻き叫ぶ。
 男はその状況を暫く愉しむ。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーー」
 若林夕子は腰を強く捩って顔を究極に歪めて藻掻く。
 男はコックを締める。
 だが腸カテーテルはまだ抜かない。
 「うぐうーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーー。ううーーぐううーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は藻掻き続けた。
 その苦しむ顔は男をとことん悦ばせる。
 向井十夢はその間にアナル用のバイブを持って来た。
 男のやりたい事は何となく理解できる。その目的を先回りした。
 向井十夢にとって責め方はどうでも良い。男のやりたいようにさせて夫の醜聞を演出したいだけである。
 男が残酷なほどそれはレベルアップする。
 既に拷問椅子の下には透明なボウルが受けてある。
 男は腸カテーテルを抜く。
 「あ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 アナルから飛び出した便は繋がってボウルに流れ落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は自分の排便の撮影に堪えられない。泣き叫ぶ。
 それでもまだ痛みは去らない。
 「うふうーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は苦しみ震える腰を絞って痛みから逃れんとカレー状の便を断続的にアナルから流し出す。
 「あーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーん」
 若林夕子は藻掻き涙を振り飛ばす。
 男はゆっくり若林夕子の股間部分をタオルで拭く。
 若林夕子は顔を逸らせて堪え続ける。
 男はアナルバイブにローションを塗って挿入する構えになった。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は顔を振って叫ぶ。
 男はそのまま挿入する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて棘付きバイブを膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は藻掻き叫ぶ。
 男は顔をひっぱたく。
 「うーーーーーーーーーーー」
 若林夕子から涙が溢れる。
 男は二つのバイブのスイッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーん。あーーはあーーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 若林夕子はまったく堪える事ができない。
 「あーーーーーーーーははーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーー。ああははあああーーーーーーーーーー」
 若林夕子は一気に上り詰める。
 「あーはあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーああははーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腰は迫り上がる。股間は痙攣する。
 「だめーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーははああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 若林夕子は大口を破裂させて藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の躰は一気に沈む。そして静かに潮が流れ出る。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 若林夕子の荒い息遣いは暫く続いた。
 男は鞭を取り出す。そして拷問椅子の縛りをもう一度強化する。
 若林夕子は男を睨み続けるがまだ躰は震撼している。
 男は鞭を振り被る。先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。
 「あーーーーーーーー」
 若林夕子は驚愕の表情でそれを見る。
 左の乳首をひっぱたく。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は顔を歪め拷問椅子を揺らして悲鳴を上げる。
 次は責められてぐちゃぐちゃになった女の部分を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の躰は一瞬固まる。力強く片方に振って藻掻く。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は涙を溢れさせて抗議する。
 男はそれでも鞭を構える。
 「やめてーーーーーーーーーーー」
 男はクリ付近を狙って一気に振り下ろす。
 「ぐ、ぐ、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の眼からまた涙の球が溢れ出る。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 若林夕子は痛みに腰を捩って藻掻く。
 それでも男は乳房、女の部分と叩き続ける。
 若林夕子は絞り出すような苦しい悲鳴を上げ続けた。
 男は鞭を替える。先端が細くなった一本鞭である。
 それで左の乳房を縦に叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強く叩いていた。乳房に縦一文字の痕が真っ赤に浮く。
 次は横から狙う。
 「ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は悲痛に歪んだ表情から悲鳴を絞りだしさらに涙を溢れさせる。
 左の乳房に十文字の真っ赤な痕が浮いていた。
 男はさらに狙いを定めて真っ赤な横筋の真上を叩く。
 「ぐーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の顔は苦痛に真っ赤に染まる。
 男はもう一度縦に狙う。きっちり狙いを定めて振り下ろす。
 「ぐうーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は強烈な悲鳴を絞りだす。そして僅かに失禁した。
 乳房に刻まれた真っ赤な十文字の筋は柘榴の様に一部割れている。
 色白で艶かしい乳房が無残に割れて加虐心をそそらせてしまう。そんな動画が撮影されて行く。
 若林夕子は痛みに涙をぽろぽろ零す。
 男は最後の仕上げに掛かる。
 向井十夢は半田鏝と焼き鏝を準備していた。
 「クリ焼かしてもらうぞ」
 男はぼそりと宣告する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーー」
 若林夕子は泣き叫ぶ。
 男はクリトリスを剥く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ若林夕子のピンクの玉に半田鏝の先端を当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振りながら躰を揺すって藻掻き泣き叫ぶ。
 「次は膣を焼く」
 男はまたぼそりと言う。
 「・・・・・」
 若林夕子の顔は恐怖に凍り付く。
 男は指で小陰唇を開く。
 「や、やめ、やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子の声は震えている。
 男は膣に半田鏝を突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして一週掻き回す。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 若林夕子は真っ赤な顔を引き攣らせて叫ぶ。
 向井十夢が焼き鏝を渡す。
 若林夕子の眼が恐怖につり上がる。
 男はそれを受け取って鞭で付けた十文字の痕が割れた部分に当てた。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにもう一箇所に当てる。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・・」
 若林夕子は白目を剥いてしまった。
 向井十夢が麻酔を注射する。さらに局部麻酔も打つ。
 男は止血パットを乳房と股間に貼る。
 拷問椅子から外してもう一度高手小手に縛って脚首と膝を縛り合わせた。
 そのまま台車に乗せて離れに運ぶ。
 向井十夢は男に離れで寝てもらう。自分は母屋で鍵を閉めて休む。
 
 八月三十一日。
 風俗嬢の拉致が騒がれてない。向井十夢らはならばと後二人風俗嬢を違う店から順次同じホテルに呼んで拉致した。
 どっちも男性従業員は付いて来ない。女だけが徒歩で来た。
 簡単に拉致して家に運び込む。
 夫の休みは明日までである。それを過ぎれば確認に誰かが来てしまう。向井十夢はそれまでに総てを終わらせなければならない。
 二人の内一人は三十過ぎの風俗嬢。背が高いので向井十夢の代用である。
 
 九月一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 若林夕子ともう一人の動画が公開されて杉下一行がメールで送って来た。
 「また同じ犯人か」
 如月鬼堂はまったく捜査の進まない女性七人スカウト拉致事件の犯人がまた動いたかと思った。
 「いやそれが黒装束は一緒なのですが微妙に違います」
 杉下一行が見解を述べる。
 「昼に館山先生が来る。そうしたら検証しよう」
 如月鬼堂は館山弁護士が既にこちらに向かっているので着いてから始める事にした。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外はやや曇っていた。猛暑と言う状態ではない。今日もバーベキューで肉と魚介を焼いている。
 今日は全員が生ビールではなく日本酒も出ていた。
 「このまえ相談して来た女。自分だけで実行したな」
 川口の会長は動画を閲覧してその時の女が犯人と決め付ける。
 「なかなか念がいって残酷ですよ」
 葬儀会社の社長は満足そうである。
 「そうだな。乳房に強い鞭で十文字の痕を二回付けている。それをさらに焼く。思いつかなかったな」
 医者の男が絶賛する。
 「亭主を殺すのが目的だったのでは」
 葬儀会社の社長はそれだから手を貸さなかったと記憶していた。
 「そうだ。殺して亭主の仕業にするのだろう」
 川口の会長は断言する。
 「それじゃ。この動画公開だけじゃ」
 医者の男はさらなる展開に期待する。
 「何か起こるのではないか」
 川口の会長もそんな予測である。
 「ところで和歌山は静かになったな」
 青木学と岡田弥一郎の事である。
 「奴らも相当用心深くなっただろ」
 「女子大生の事件も迷宮入りのままだな」
 葬儀会社の社長は警察の捜査は空振りで済んだと思っている。
 「だが非常に危険だった」
 川口の会長は監視を怠ってない。
 「あの女将は盛況にやっているのだろ」
 川口の会長と一緒に葬儀会社の社長が散々遊んだ横山深雪の事である。
 「規制がなくなったからな」
 「余計な規制だったが」
 「そのお蔭で遊べた」
 「そうだったな」
 「国葬も協会もどうでも良い話だが。マスコミが騒ぐと世論調査もそれに右へ習えだ」
 「あんな事に時間掛けているから円安も物価も賃上げも置き去りだ」
 「そろそろ内閣は交代か」
 「それ以外に民事党は勢力を維持できない」
 六人は他人事のように楽しそうである。この面々には何の影響もない。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂らは一本目の若林夕子の動画を見終わった。
 「確かに二人の黒装束は前の七人の時と別人ですね」
 館山弁護士も別の事件と見る。
 如月鬼堂の居間には館山弁護士と珠洲、瀬里菜だけである。
 杉下一行、大河内税理士、福富麻次郎はテレビ会議で繋がっていた。
 「もう一人は女かな」
 如月鬼堂も判別がつかない。そして向井十夢は撮影していて僅かにしか画面に出て来ない。
 「しかし恐ろしく残酷な奴ですね」
 大河内税理士が内容の残忍さに唸る。大河内税理士は人の事は言えない。その自分以上に残酷と思ったのである。
 「二人はまだ開放されてないですね」
 館山弁護士はそれも気に成る。
 「これじゃ早く病院に運ばないと危険だな」
 その時報道番組が風俗店の女性従業員と男性従業員が行方不明を伝えていた。
 女性は若林夕子。動画の一人目の犠牲者であった。
 「驚きましたね。風俗嬢を拉致したのですか」
 館山弁護士も以外過ぎると言いたい。
 「どうもこいつらの目的が解らない。これまでの犯人と目的がかけ離れているのじゃないか」
 如月鬼堂は何か違和感を持っていた。
 「と言う事はあの連中は後ろに居ないと」
 館山弁護士も如月鬼堂の見解からそう推測する。
 「どうも風俗嬢で間に合わせたとしか思えない」
 如月鬼堂は風俗嬢を犠牲者にした事に怒りを覚えている。
 「そうですね。その可能性は」
 館山弁護士も何となく頷く。
 「報道では客に呼ばれて行ったらそのまま二人とも戻らない。店では二人で何処かに行ったとしか思ってなく動画を見てやっと通報したのだろ」
 「男性はどうしたのでしょう」
 「二人拉致するしかなくて連れて行ったか。犯人の一人だったかだな」
 「犯人の一人なら頷けますね」
 さらに次の報道で二人目の山下瑞樹も店が通報して来た。客に呼ばれてホテルに向かったまま戻らないとの事である。
 若林夕子とは一日ずれていた。
 「なんと。二人ともホテルに宅配の風俗嬢でしたか」
 杉下一行も以外と思った。
 「同じホテルだ。拉致しやすいホテルを選んだのだな」
 如月鬼堂は強く怒りを覚えている。
 そのまま二本目の動画の確認に入った。
 導入部分は女性七人スカウト拉致事件に似ている。眠らされた儘の山下瑞樹の全裸から乳首、女の部分、アナルのアップが公開される。
 女性七人スカウト拉致事件では吊るしか床に置いた板に磔ていた。こっちは拷問椅子に縛り付けている。
 全裸で大股開き。百二十度は開いていた。
 男が女の部分のビラビラを大きく広げる。
 小陰唇は上半分が薄小豆色になっていた。内側は薄橙である。膣口に透明感のあるピンクの襞が群集している。
 さらに膣口を広げると内部まで襞が連なっていた。
 クスコで広げると奥は単調である。一番奥にやや小さめに子宮口の周りの盛り上がりが確認できた。濃い紅色で周りとの差が艶かしい。
 男はロングスプーンで内部の濡れと粕を取り出す。
 それを黒い板の上に載せて拡大する。
 顔のアップを出す。清楚な美人顔である。言い換えれば派手さのない美人顔とも言える。
 
 「このように辱めるポートを出す以上は殺してはいないのでしょうね」
 館山弁護士は生かして帰すと見る。
 「犯人の目論見通りに行われていれば生きていると思えるが。目論見通りにできる犯人なのかな」
 如月鬼堂は中途半端な犯罪にも思えていた。
 
 画面では男が鞭を持っている。先端が細長い一本鞭である。山下瑞樹の左の乳房を縦に強く薙ぐ。
 「うぐーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は一気に意識を回復する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は瞬時に状況を把握した。
 「諦めろ。お前は拉致されたのだ」
 男は淡々と宣告する。
 「なんでよーーーーーーーーーーーー。あんたが客」
 山下瑞樹は穏やかそうな顔に似合わない強い口調である。
 「ああそうだ。ホテルに呼んで着く前に確保だ」
 男は次の鞭を構える。既に山下瑞樹の乳房には真っ赤な縦筋が浮いていた。
 「やめろーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の叫ぶ声を叩き切るように乳房を真横に薙ぐ。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は拷問椅子を揺すって藻掻く。白く肌理の細かい乳房である。やや垂れ気味だが柔らかさを感じさせて容は良い。
 その乳房に真っ赤な横筋が浮く。
 白く美しい乳房に真紅の痕が十文字に浮いて美しく艶かしい。そして画像からその強烈な痛さを強く感じさせる。
 男はさらに構える。一回目に付けた縦筋の上から叩く。若林夕子の時と同じやり方である。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の口が大きく破裂して強く歪む。唇を歪めて歯を強くかみ締めて悲鳴を絞り出す。
 蚯蚓腫れが真っ赤に成った上から叩かれて部分的に蚯蚓腫れが割れる。さらに血が滲む。
 「うーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は強烈に痛そうに顔を歪め切って藻掻く。
 男はさらに構える。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はまだ強気に叫ぶ。
 男は容赦なく蚯蚓腫れが真紅の横筋に成った上から叩く。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の躰が瞬間硬直して固まる。そして痛みに震撼して藻掻き暴れた。
 横筋も蚯蚓腫れを割っている。その十字の中心から血が滲む。
 「ううーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛そうである。
 まだ涙は出てない。気丈である。
 痛みにびりびり震える白く美しい乳房の真紅の筋は加虐心の強い男には限りなく艶めいて見える。
 美しい胸である。そこに付いた傷は男を陶酔させた。
 焼くのは最後にして向井十夢が一度止血パットを貼る。
 鞭の筋は乳首をぎりぎり外していた。
 向井十夢は浣腸の準備をしている。
 山下瑞樹の股間は拷問椅子の上で百二十度に広げられていた。
 男は丸出しの女の部分を広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の小陰唇は綺麗な薄小豆色にやや照っていた。広げた中は薄橙である。尿道の亀裂がくっきり確認できた。
 さらに男は両手の人差し指で膣口を大きく広げる。襞がびっしり。中は白い膣液が充満して粘膜を斑に濁していた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなとこひろげるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹には究極に恥ずかしい姿である。さらに叫び抗議する。
 男は暫く弄って膣の中をカメラに公開した。
 次にクスコを挿入する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。なによそれーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は堪らず叫び続ける。
 「お前の女の奥を公開するのだよ」
 「やめろーーーーーーーーーーーー。なんでそんなことするのーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はまだ叫び抗議する。
 「みんなそれを期待している。知らないのか。しょっちゅう動画がばら撒かれているだろ。拉致された女が羞恥を全面公開されて」
 男は淡々と詰りながら言う。
 「そんなーーー。こんなところまでだすかーーーーーーーーー」
 「無修正のAVでも公開されているよ」
 「そんなーーーーーーーーーー」
 「見たことないのか。風俗嬢なのに」
 「見るわけないだろ。ヌードぐらいだよ」
 山下瑞樹はまだ気丈である。その間に男はクスコを広げて向井十夢がレーザーを当てて内部を照らして動画に収める。
 男は捕まえておいたゴキブリを瓶からクスコに投げ込む。
 「いやあーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は膣の中に動く異物の侵入に慌て泣き叫ぶ。躰を強く暴れさせて腰を捩り藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーー」
 狂ったように喚き散らす。
 「ゴキブリだよ」
 「止めてーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はさらに喚き散らす。
 男はクスコに殺虫剤を吹き込む。
 「おーーーーーーーーーーーーーーー」
 ゴキブリは中で藻掻き暴れる。そしてクスコから這い出して床に落ちた。まだ藻掻いている。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の悲鳴もなかなか治まらない。
 向井十夢が浣腸に準備した冷水を浣腸器に吸い上げて山下瑞樹のクスコの中を洗う。
 「あーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は冷たさに悲鳴を上げる。
 「洗ってやっているだろう」
 男はさらにからかう。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 暫く山下瑞樹の荒い息遣いが続いた。
 男は一度クスコを抜く。洗ったので残念ながら付着物は無かった。
 向井十夢はもう一度浣腸器に冷水を吸い上げる。そして男に渡す。
 男はそれをようやく荒い息遣いが治まった山下瑞樹のアナルに注入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は直腸に冷たい水が入ってきてまた喚き散らす。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーぐうーーーーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが襲う。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「喚いても無駄だ。お前の浣腸シーンも公開するのだ」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は喚き散らし続ける。
 二十代前半。細面でスタイルも良い。脚は太腿に余分な肉がなく白く美しい。小股の切れ上がったと言う言葉にぴったりのスタイルである。
 乳房の形も良い。乳首の赤さも綺麗である。
 この女の排便の羞恥に染まる姿は無修正動画を愉しむ男らに生唾の期待となるに違いない。
 男は嬉々としてアナル栓を捻じ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は苦しみ藻掻き続けた。拷問椅子を揺すって腰を捩る。顔は痛みに究極に歪み絞り真っ赤になり蒼白に変わるのを繰り返していた。
 「ほら。アナル栓抜いて欲しければ私のうんこ見て下さいと言え」
 男はさらに無理を強要する。
 「なんだとーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は藻掻きながらも言い返す。
 「AVのように私の排泄見て下さいと言え」
 男はとことん辱めたい。そして山下瑞樹の苦しむ顔は心底から加虐心をそそらせる。
 「苦しめ。観る者は悦ぶぞ」
 男は愉しみの絶頂である。
 「ううーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は苦しみ続ける。
 「どうする。もっと冷水入れてやろうか」
 男は追い立てる。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 「さっさと言え。私のうんこを見て下さいと」
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーのれーーーーーー。わたしにのーー。うんこ。みてーーーーーー」
 「下さいは」
 「みてくださいーーーー」
 「ようし」
 既に透明なボウルは拷問椅子の下に置かれていた。
 男はアナル栓を揺すって抜く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の悲鳴とともに茶色い水が流れ出る。
 続いて太い便が断続的に飛び出す。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の声とともに順次小さな塊が流れ出る。そんなに形は崩れてなかった。それが山下瑞樹をいっそう辱めた。
 「あはあーーーーーーーーーん。ああん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 山下瑞樹は恥ずかしさに堪えられない。ぽろぽろ涙を零す。
 男は涙にやっと満足した。
 向井十夢は新しいクスコとアナル開口器を渡す。
 「いやーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はそれを見て叫ぶ。
 「ふふ」
 男は哂いを浮かべる。
 まずアナル開口器を挿入する。それを広げて大きくアナルを開く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 続いてクスコを挿入する。さっきより口径が大きい。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は顔を振って悲鳴を上げる。
 向井十夢は面相筆を二本渡す。二本とも先の部分は乾いてバサバサに広がっている。
 男はアナルから突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乾いた筆を中で回転する。筆の先は膣とアナルの壁が近付くあたりである。
 続いて膣に挿入して回す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は刺激に堪えられない。
 向井十夢は上から山下瑞樹の表情を覗き込む。忍者姿黒装束の覆面にサングラス。山下瑞樹も男か女か判別が付かなかった。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は執拗に責める。
 筆をやや手前に引くと白く濁った膣液がクスコから流れ出る。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 男はじっくり責めを愉しむ。
 膣液はだらだら流れ出る。
 それが会陰に流れて山下瑞樹も濡れてしまっていると自覚してしまう。堪らなく恥ずかしい。
 「あはあん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な責めである。山下瑞樹はとても抑えられない。
 客の弄くりなら大概は躱してあしらえる。いまは堪えられない。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の躰は震撼している。小陰唇付近は微妙に痙攣していた。
 濁った膣液はだらだら流れ出る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 逝き声がサイレンと成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は潮を噴き上げる。
 男は筆を抜き取る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 潮は断続的に四回流れ出た。
 向井十夢は床の濡れを撮影してからモップで拭く。
 「凄い噴水だぜ」
 男は満足そうに詰る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はまだ抵抗している。
 「これが全部公開される。指名が増えるかもな」
 男はさらに詰る。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーー。もっと客がハードになるだろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は怒る。
 「お前それじゃサービスの手を抜いているって言っているのか」
 「客がメニュー以上に要求するんだよ」
 「SMクラブに行け」
 「やめろーーーーーーーーーーー。私は手と素股だけでやっているんだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は怒りを込めて叫ぶ。
 「そんなサービスだけで稼ぐ奴は拷問だ。もっと躰を最後まで提供しろ」
 男は強い口調に成る。
 「何でそんな事言うんだよーーーーーーーー」
 「そう言う風俗に不満だからだよ。お前はこれからSM嬢だ」
 男は決め付ける。
 その間に向井十夢が山下瑞樹からクスコとアナル開口器を抜く。
 「勝手に決めるなーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はそれでも口は抵抗する。
 向井十夢が男にドリルバイブを渡す。
 「なにそれーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は恐ろしい道具にまた叫ぶ。
 男は山下瑞樹の膣に指を入れて濡れを確認する。問題ないと判断してそのままドリルバイブの擬似男根を突っ込んでしまう。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー。止めろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の口はまだ抵抗する。
 「うるさーーーーーーーい」
 男はビンタする。
 「うおーーーーーーーーー」
 さらに叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー」
 続けざまに叩く。男は女にビンタが気持ち良い。今しかできない。
 「うおーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹にまた涙が滲む。
 男はドリルバイブのスイッチを投入する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の顔は一気に軋む。大口を破裂させる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 僅か数秒で白目を剥いてしまった。
 
 如月鬼堂の居間には如月鬼堂と館山弁護士、あとは珠洲、瀬里菜だけである。他のメンバーはテレビ会議で各々動画を確認していた。
 「こっちの動画は男の音声がそのままですね。もう一人の声は入っていませんが。前のは字幕に成っていました」
 館山弁護士が違いに気付く。
 「多分拉致が一日違うから編集時間が無かったのではないか」
 如月鬼堂の推測である。
 「声だけなら問題ないと思ったのでしょうかね」
 館山弁護士は手口が雑と言いたい。
 「そうだよ。結構素人の模倣犯だ」
 如月鬼堂も最初から素人の雑な犯行と見ていた。後ろに連続拉致強姦事件の犯人が居ないとの見解である。
 「捕まりますか」
 杉下一行である。
 「捕まってもらいたい」
 如月鬼堂はこの犯人に強い怒りを持っている。
 
 動画に戻る。画面が切り替わっているので暫く休憩して止めたか途中をカットしたと思われた。
 男は鞭を手にしている。
 山下瑞樹は拷問椅子に大股開きで失神したままである。
 男は股間を目掛けて鞭を構える。
 先端が長方形の革二枚合わせた一本鞭である。
 山下瑞樹の形の良い小陰唇だったがドリルバイブの責めでぐちゃぐちゃに成っていた。内部がやや覗いている。
 男はその部分に鞭を振り下ろす。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の目が開いて腹から悲鳴を絞りだす。
 「うーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はまだ抵抗姿勢で叫ぶ。
 男はさらに振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 女の部分目掛けて振り下ろす。鞭の先端はやや斜めに山下瑞樹の女の部分の粘膜を叩く。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は強烈に悲鳴を上げる。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹から一気に涙が溢れる。
 男は覆面の中でにんまり哂う。
 さらに鞭を振り被る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は泣き悲鳴を上げる。
 それでも男は振り下ろす。
 鞭の先端は小陰唇を割り込むように叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹の躰は強烈に震撼して脚は拷問椅子を揺すって暴れる。
 「やめてーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に山下瑞樹から限界の泣き悲鳴が上がる。
 男は覆面の下でさらにほくそ笑む。
 そして先端が細く成った一本鞭に持ち替える。
 それを振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はさらに泣き叫ぶ。
 男はそれを叩き割るように小陰唇の真ん中を叩く。鞭の先端は山下瑞樹の二枚のビラビラの間にめり込むように叩きつけられた。
 「ぐうがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は痛みに狂ったように脚をばたばた揺すって暴れる。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な痛みである。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして僅かに失禁した。
 男はそれでも鞭を振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーたすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は掠れた声で泣き叫ぶ。
 男は一本鞭を同じ位置に振り下ろす。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 山下瑞樹は号泣するように涙を溢れさせる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹はさらに躰を震撼させて暴れる。
 女の部分のビラビラの間から薄っすら血が滲んでいた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹は痛みに藻掻き続ける。
 向井十夢は半田鏝を暖めていた。それを男に渡す。
 「お前のお○○こ焼くよ」
 男は静かに宣告する。
 「・・・・・」
 山下瑞樹はもう声も出ない。
 男は一気に突っ込んで掻き回す。
 「ぐうごごごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜いてクリトリスの包皮を剥く。
 半田鏝をピンクの玉に当てる。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山下瑞樹から涙が溢れ出ていた。
 向井十夢が股間に止血パットを貼る。そして局部麻酔も打つ。
 男は乳房の止血パットを剥がす。
 乳房の蚯蚓腫れの割れた部分を横に半田鏝でなぞる。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに縦になぞる。
 「ぐう・・・・う・・・う・・・・・・・・・・」
 山下瑞樹は失神してしまった。
 向井十夢はもう一度乳房に止血パットを貼る。さらに局部麻酔も打つ。そして全身麻酔も打つ。
 ここで動画は終了していた。
 そのあと拷問椅子から降ろして縛り直して離れに運ぶ。
 もう一人拉致した女と夫の遺体を居間に運び込む。
 向井十夢は女の顔をハンマーで砕いて原型が解らなくする。
 二人の遺体に灯油を掛けて燃やす。夫は直ぐに消す。女は顔を完全に焼いてから消す。
 床全体に灯油を撒く。リモコンの発火装置を残す。此処を離れてからリモコンで家を焼く予定である。
 「貴方にこれ全部あげる」
 向井十夢は一億を銀行から降ろしたカートを渡す。
 「全部良いのか」
 「私は此処の金庫に有っただけでいいわ。数百万だけど。貴方はそれで絶対安全な場所に逃げて。明日中に」
 「解った。明後日の朝に此処を焼くのだな。俺は海外に逃亡する」
 男は自分の車でその家を去った。
 向井十夢もキャンピングカーで安全な山荘に逃れる。
 
 九月二日。
 役者向井正樹の家が早朝に火災に成った。消防が消火する間に離れの二人が発見される。
 状況から直ぐに病院に運ばれた。
 縛られていて火傷で重症だが生命に別状はない模様と報道されている。
 母家は全焼で二人の遺体が発見された。
 一人はタレントの向井正樹と見られる。もう一人は判別が不可能だが奥さんの十夢さんではないかと確認を急いでいた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 報道番組の内容から直ぐに杉下一行、館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 「声は向井正樹ではないですね。焼けた向井正樹宅が犯行現場と思えますが不自然です」
 館山弁護士の見解である。
 「女性らしきの遺体は奥さんとは限らないのだな」
 如月鬼堂は状況と報道内容の是非を確認する。
 「男性の遺体はほぼ向井正樹のようですが」
 館山弁護士が答える。
 「焼け跡からSMの大道具が多数出ています」
 杉下一行が報告する。
 「此処が現場だな」
 如月鬼堂はそう確信した。
 「二人の風俗嬢と男性従業員は札幌市内のファッションホテルで拉致されています。だから現場は此処の可能性が高いです」
 館山弁護士も同意見である。
 「犯人の一人は風俗店の男性従業員ですか」
 大河内税理士のテレビ会議が繋がった。
 「もう一人が問題だ」
 如月鬼堂はこっちに関心がある。
 「この男が主犯でしょう」
 大河内税理士はそう思う。
 「そうかな。なぜ向井正樹の家にSMの設備が有ったのだ」
 「もう一人が向井正樹ですか」
 館山弁護士は疑問である。
 「いいや。もう一人は女じゃないか。偽装してどっちか解らなく見せている。背の高い女だ」
 如月鬼堂は断言する。
 「しかし遺体は身長から奥さんの十夢さんではないかと」
 館山弁護士の見解である。
 「それが気に入らないのだ」
 如月鬼堂は既に向井十夢を疑っていた。
 
 北海道警本部。五係の部屋。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長も検証していた。
 「女子大生風俗嬢若林夕子が在籍していましたこの風俗店ポエムの店員小林亮次の行方がまったく解りません。一切防犯カメラに引っ掛かりません」
 笛木祐子巡査部長が報告する。
 「八月三十一日から向井正樹の足取りは」
 「八月三十日の新日本空輸ホテル以後一切ありません。そのまま焼けた丘珠の家に帰ったと思われます」
 「今朝まで家に居たのかしら」
 小倉紘子警部は何か納得が行かない。
 「それも何か疑問が残ります」
 「この小林亮次と向井正樹が一緒にこの屋敷にいた事になるよ」
 「この拉致されたホテルから防犯カメラに映らないで向井正樹の家に行ける道は有るの」
 「一回も映らずは無理です。でもこの区間を追跡できるまでは行きません。でも所有する車はこの間二台とも動いていません」
 「レンタカーなら途中でカメラに捉えられても向井正樹の屋敷に入ったかは解らないのね」
 「でも向井正樹と向井十夢がレンタカーを借りた形跡はありません。あと向井正樹の屋敷の防犯カメラは燃えてしまっています」
 「二人が動いた可能性はないのね」
 小倉紘子警部は懐疑的だが現状は事実と確認する。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 台風十一号の北上で地域によっては大雨であった。
 大阪では一部の地域に避難指示が出た。
 山荘から下の町は曇りながら綺麗に見える。
 今日も寿司と刺身の出前を取って魚介類を焼く。生ビールと日本酒で飲み続けていた。
 「遂にあの女。家ごと焼いたな」
 「とんでもない女だ。お仕置きが必要だ」
 印刷会社の社長である。
 「それは危険だ」
 川口の会長はやや咎める。
 「この女捕まるか」
 葬儀会社の社長は川口の会長の言い分から捕まる危険を感じる。
 「捕まるだろう。前も道警で愛人と三人で奥さん拷問して殺した奴。捕まったな。もう一組は自決したが」
 「死んだのは役者の亭主と女の替え玉か」
 医者の男の推測である。
 「すると拷問していた男は何処行った」
 運送会社の社長は主犯のように動いていた男の存在を指摘する。
 「顔は割れてない。逃げても次の捜査がこの女向井十夢に及ばない限り捜査は及ばない」
 「向井十夢。金は出したのだろ。男は海外に逃げてしまえばそれっきりだな」
 「それで向井十夢は何処に行った」
 医者の男の疑問である。
 「海外逃亡は無理だな。ゴーン氏のように何処かの国が護ってくれる訳はない。日本の何処かに隠れている」
 「替え玉の遺体は何処から取った」
 「もう一人風俗嬢を攫ったのではないか。向井十夢と背丈が近い女を」
 「お粗末だな。六十年位前なら使えた手口だが」
 運送会社の社長もお粗末な手口と批判する。
 「その時代の推理小説には出てくるな」
 川口の会長も達観している。
 「しかし何事にも煩い世の中に年々成って行くな。コンサル料なら紙一重セーフで良いのにな」
 葬儀会社の社長がぼやく。
 「まったくだ。綺麗な世の中にすればするほど経済は冷えて行く。腐敗混濁していれば金は末端まで回る」
 川口の会長も同調する。
 「如月鬼堂が言っていたな。格差ではない。格差は有っても最下層が金を持っていれば国民一人当たりのGDPが良くなると」
 医者の男もインターネットアダルト放送の如月鬼堂の時間は一応観ていた。
 「奴の意見などどうでも良いが。結果的に間違ってはいないな。税金を払った金は天下晴れて預金に留まる。アングラマネーは使うしかない」
 川口の会長は如月鬼堂に言ってもらいたくない。
 
 九月三日。
 苗穂極東病院。
 ようやく若林夕子の事情聴取に医師の許可が出た。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が病室に入った。
 「行き成り二人とも後ろからタオルで躰を押さえられました」
 「拷問を行っていたのは小林さんではないのですか」
 笛木祐子巡査部長は小林亮次が犯人の一人ではないかとの推測もあったので確認する。
 「違います。それだったらさすがに判ります。私が押さえられた瞬間。横で小林マネージャーの呻き声が聞こえました」
 若林夕子はきっぱり答えた。
 「そうですか」
 笛木祐子巡査部長も疑う余地はないと思った。
 「はい。間違いないと思います。私が意識を回復して小林さんと叫びました。目の前に居た黒装束の男は死んだと言いました」
 「犯人は小林さんを殺したのですね」
 遺体は出てないがそう考えるしかない。
 「もう一人の黒装束。男か女か判りますか」
 笛木祐子巡査部長はもう一つの疑問を確認する。
 「いいえ。まったくしゃべりませんでした。女性のようにも思えますがはっきりとは」
 若林夕子から確認はできなかった。
 
 如月鬼堂は上越新幹線で東京に向かっていた。今日は出掛けまで打ち合わせをして館山弁護士も一緒である。
 こんな文言がパソコンに踊った。
 『風俗店マネージャー小林亮次さんも殺害か。同じ風俗店の被害女性が犯人は小林亮次さんではないと断言。一緒にクロロフォルムを当てられたと証言』
 如月鬼堂と館山弁護士は同時に見た。
 「すると遺体はどうしたのでしょう」
 「男性遺体は向井正樹と断定さたな」
 「警察が断定して居ればそれは間違いないでしょう」
 さらに次の文言が踊る。
 『向井正樹邸の焼け跡から謎の地下室。遺体などは無い模様。さらに焼けたSM設備数点』
 「向井正樹がSM趣味だったのは明白ですが。拷問は夫婦で行ったのですか」
 「二人が自決か。それはなかろう」
 如月鬼堂は否定する。
 「鬼堂先生。この事件を洗って見ませんか。向井正樹の息子が居ます。向井十夢と再婚する前にできた息子です。それを依頼者にして」
 「依頼者が居れば弁護士が動いても問題ないか」
 「そうです。向井十夢が犯人と立証しましょうよ」
 「ならば今夜の放送で向井十夢と仄めかして良いかな」
 「やって見ましょうよ」
 館山弁護士は東京駅で別れて事務所に帰って行った。
 
 道警本部。五係の部屋である。
 「難しく成りましたね。向井十夢さんが31日に銀行から五千万降ろしていました」
 笛木祐子巡査部長が所轄の捜査内容を読み上げる。
 「それじゃ」
 「それがこれ自体は不自然ではないのです。月に数回千万単位の引き出しとしと入金が有るのです」
 「現金を自宅に溜め込んでいるの」
 小倉紘子警部はさらに懐疑的事実と受け止める。
 「それが金庫は焼けてなかったのですが。その中に殆ど現金は有りませんでした」
 「お金の行方を洗う必要があるわね」
 「二人で逃げたのでしょうか」
 「犯人が小林亮次なら判り易いのだけど」
 「あの証言は疑いの余地がありません」
 「もしかして拉致は向井夫婦がやった。小林亮次の拉致は偽装で拷問した覆面は小林亮次とは」
 小倉紘子警部は一応の仮説を組み立てて見た。
 「それは無理があります。若林夕子は小林亮次なら声とかで判ります。きっぱり否定しています」
 「そうね。だと焼けた女の遺体が誰か。拷問していたのが向井正樹なのか第三者か。そして小林亮次の遺体は何処に行ったの」
 さらに事態は一貫しない。
 「そして向井十夢が生きているかどうかです」
 「そしてSMはこの夫婦の趣味だったか。さらにこれまでのお金は何処に消えていたかね」
 綿密とは思えない模倣犯行だが疑問だらけである。
 「そうです」
 捜査はさらに煩雑になった。
 
 帯広。帯広駅からかなり離れた山間部に在る山荘。
 向井十夢はこれを年間賃貸した。賃貸なので住民票を移さなければ所在を調べられない。
 持ち主は林業を営む個人である。
 向井十夢はキャンピングカーで此処に着いた。キャンピングカーは犯罪を手伝って海外逃亡した男の名義である。
 譲り受けたのではなく向井十夢が金を出して買わせた。犯行の実行と向井十夢の逃亡のためである。
 既に犯行の前に大量の食料の備蓄をしておいた。
 此処に隠れて状況を見ながら事態の風化を待つ予定である。
 
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「また似たような事件が起きました。女性七人スカウト拉致事件などを模倣したと思われます。被害女性二名は風俗業でホテルの駐車場付近で拉致されました」
 高島波瑠が純白のブラを外して綺麗な乳房を露にしながら読む。
 「役者の向井正樹の丘珠のお屋敷が全焼しました。今回の事件で拉致されSM拷問された風俗店従業員の女性二人は焼けなかったお屋敷の離れから発見されました」
 岡田有美もクリーム色のブラを外しながら読む。
 「焼け跡からは向井正樹さんと性別不明ながら奥さんの十夢さんではないかと思われる遺体が発見されました」
 本多椿も真っ赤なブラを外しながら読む。
 「風俗店男性従業員の小林亮次が見つかっていません。女性従業員と一緒に拉致されたのですが行方不明です。拷問していた男は死んだと言ったそうです」
 高島波瑠がショーツを脱ぎながら読む。
 正面を向いて脱いでしまったが今夜は手入れされた陰毛の上に陰毛のズラを貼って性器が見えないようにしていた。
 『狸の毛を上に被せていますと字幕が出る』
 ヘヤーヌードは昔の女優の写真集以来認めら得ている。だがテレビではまだ映さないので配慮していた。
 「拷問していた男らしきは背丈から向井正樹氏ではないと推定されて居ます。また女性の証言から小林亮次さんでも無いと確認されています」
 岡田有美も同じようにショーツを脱ぐ。
 「ここで行方が判らない男性が二人と焼け過ぎた遺体が奥さんの十夢さんかどうかが今後の捜査の行方を見守る事に成ります」
 本多椿は横を向いてショーツを脱いで褌を巻いてしまう。
 「鬼堂先生。この犯人は向井正樹氏ではないのでしょうか」
 本多椿は敢えて向井正樹を話題にして如月鬼堂に振る。
 「私は犯人が奥さんの十夢さんだと思います」
 如月鬼堂は断言してしまう。
 「それでは遺体は奥さんではないと」
 「そうです。態と強く焼いています。そこが問題です」
 「どのような根拠でしょうか」
 「これは十夢の向井正樹への報復ではないでしょうか。SMの設備は向井正樹が十夢に使っていたと考えられます。そのギャップで起きた犯罪でしょう」
 如月鬼堂はさらに断言してしまう。
 「それでは拷問していた男性はいったい」
 「もう一人が十夢で男は金で雇ったのでしょう」
 「先生が以前から言われています闇組織の派遣でしょうか」
 本多椿はさらに突っ込む。
 「それは無いでしょう。十夢が自分で闇組織は手配できないでしょう。連続拉致強姦事件の連中は十夢の目的には協力しません」
 ここも如月鬼堂はきっぱり断言してしまった。
 「個人の計画的犯罪という見かたでしょうか」
 「ずさんな計画的犯行です。ずさんな犯行と行き当たりばったりの偶然が返って捜査を混乱させているのです」
 「それではその協力者に雇われた男性は一般人ですか」
 「多分SM好きの男を何かで捜して二十九日に銀行から降ろしたと言われる一億の半分くらいを払ったのでしょう」
 「半分は自分の逃亡資金ですか」
 「多分。そして協力者の男性の車で移動したのでしょう。だから防犯カメラに十夢の動きが捉えられないのです」
 「それでは黒焦げの遺体は」
 「多分もう一人風俗嬢を拉致したのでしょう。動画が公開された人はそれで已む無く風俗店が警察に連絡したのでしょう」
 「そうすると公開されてない一人は風俗店が通報しなかったと」
 「そうです。余計な通報をして店が痛く無い腹を探られたくありません。さらに女性従業員は勝手に休み行き成り止めたりします」
 如月鬼堂は風俗店への気遣いも忘れない。
 「それで十夢さんは何処へ消えたのでしょう」
 「国内の何処かに隠れているでしょう」
 如月鬼堂はこの憶測を疑ってない。
 「この場合海外への逃亡は返って危険ですね」
 本多椿も状況を理解する。
 「ところで国葬問題と旧教会の民事党批判が止みません」
 ここで本多椿は違う話題を振る。
 「どっちも騒ぐ程の問題ではないです。小さい事です。こんな事で論い騒いで国政の時間を浪費して円安や物価、給料の問題が後回しになります。経済の足を引っ張るだけです」
 如月鬼堂は六割近い反対があってもきっぱり言ってしまう。
 「しかし世論調査では」
 「マスコミの報道の仕方でああ成るでしょう。国葬賛成か反対でマスコミのコメンテーターが反対意見を多く唱えればそっちに流れます。元はどっちでもでも良くても体勢の意見に合わせるのが無難との反対です」
 「大方は本来どっちにも靡くのですね」
 「その前に強く大衆が反対する事ではないです。強く反対しているのは僅かです。多くの人が反対デモとマスコミが言っても僅か千人足らず」
 「確かに報道の仕方ですね」
 「昔、小選挙区比例代表制が最初に可決しそうな時のデモ隊は十万人に上った。それに比べたらほんの僅かです」
 「民事党の教会に関連した調査は如何でしょう」
 「必要ないです。過去を探っても本来違法ではなかったのです。それに議員が係わっても法的に問題はありません」
 「でも係わっていた弁護士が何人も騒いでいます」
 「だから今後の教会対策を検討すべきです。過去のことに騒ぐのは立憲国民党が民事党を引き摺り下ろしたいだけです」
 「でも立憲国民党も何人か関係した議員が居ました」
 「そう五十歩百歩です。でも知識層は極めてリベラル寄りです。以前からずっと僅かなエラーでも民事党を攻撃します」
 五十歩百歩とは前線で五十歩後退した兵隊が百歩後退した兵隊を非難できないと言った論理である。
 「しかし。民事党が反リベラルとも言えませんが」
 「知識層はどこまでも綺麗な社会にしたいのですよ。必要悪を一切許しません。綺麗なお金だけにしようとします。だがそれが経済を寂れさせるのです」
 「綺麗なお金だけにしようとすると経済が悪化するのですか」
 「綺麗なお金はどこまでも預金に留まります。汚いお金は使うしかありません。巨悪は問題ですがモリカケ桜は小さな事です。リクルートや佐川急便に比べたら小さいです」
 「でも不正は庶民の怒りを買いますね」
 本多椿もここはそう言うしかない。
 「そうです。それが逆に自分らの首を絞めるのです。江戸庶民は松平定信の締め付けに賄賂老中田沼時代を懐かしがりました。現代の方が盲目なのです」
 「これからも経済は冷えますか」
 本多椿は暴走を警戒して質問を濁す。
 「冷えるでしょう。この三十年間で国民一人当たりのGDPがどんどん落ちています」
 「良かったのは三十年前ですか」
 「そうです。まだ必要悪が通っていました。世の中は陰と陽が半々でバランスが取れます。陽ばかりにすればそれが崩れて苦しく成ります」
 「内閣の支持率は落ちていますが」
 「支持率ならバイデン政権よりましでしょう。でもこのまま行けば民事党内部で引き摺り下ろされて顔を変えて遠い次の選挙までに出直しでしょう」
 「退陣ですか」
 「まあ。原発など政策面を強く推進すれば持ち直すかもしれません。ですが世論に右往左往すれば退陣でしょう」
 如月鬼堂はいい加減に終わらせたかった。
 本多椿は向井正樹の事件であまりにも断定してしまったのを逸らそうとして失敗してしまったのである。
 「そうですか」
 「最後に言っときます。私は民事党支持では有りません。ただ二度の政権交代の残党よりはという見方です。大方の大衆もそうではないでしょうか」
 如月鬼堂はここで打ち切った。
 終了したあと本多椿は如月鬼堂を待っていた。
 「済みませんでした。十夢の事件から逸らそうとして脱線しました」
 本多椿は失敗して長引かせた事を詫びる。
 「いいのじゃないか。この番組だし。私はジャーナリストではない」
 ジャーナリストは特定な政党支持を言ってはいけないと言うが限りなく特定な政党を擁護して与党を攻撃する。
 如月鬼堂は自分をジャーナリストではないと主張する。だから何でも言う姿勢であると言いたい。
 「ご一緒してもいいですか」
 「朝までなら」
 如月鬼堂はホテルの予約をツインに替えた。
 
 九月四日。
 向井十夢はもう一人女を攫った。
 今度は風俗嬢ではない。女子大生をナンパした。女対女のナンパは簡単にできる。車に乗せてしまって眠らせて完了である。
 自分が追い詰められた時の人質と考えていた。やはり浅墓な女である。人質を取っても逃れられた例は無い。
 縛って山荘の地下室に運んだ。
 これからこの録画をゆっくり撮影する。
 
 九月五日。
 如月鬼堂と館山弁護士は北海道に飛んだ。向井正樹の息子に合う為である。
 息子は館山弁護士と聞いて歓迎してくれるが逆に如月鬼堂の名前は知らなかった。
 「貴方は十夢さんをどう思いますか」
 館山弁護士は向井正樹の後妻に対する意識を確認する。
 「まあ私は母とは思いませんが。父の晩年の愉しみですから」
 館山弁護氏らには期待した回答である。
 「今度の事件どう思われますか」
 「父が犯人なのでしょうか。拷問していた男は父とはやや体系が合わないと報道されていましたが」
 この息子には父親の犯罪とされるのが嫌である。
 「幾つかのマスコミ報道でそんな見解が出されていましたね」
 「ええ。北海道警の女刑事さんもそう言っていました」
 当然の事だが既に小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長が訪れていた。
 「貴方の所にも警察が事情聴取に来られましたか」
 「ええ。小倉警部と笛木巡査部長でした」
 「あの二人か」
 如月鬼堂は覚えていた。
 「知っているのですか」
 館山弁護士は以外という表情である。
 「抜海の事件で」
 北海道で二つの拉致拷問動画公開事件が重なった。名寄の事件は如月鬼堂の一部助言で解決した。
 「ああ」
 館山弁護士と入れ違いに帰った二人である。
 「父の金に使途不明金と入所不明金が有ると言っていました」
 「十夢さんの降ろした一億だけではないのですね」
 「そうらしいです」
 「我々は十夢さんが犯人と見ています」
 ここで館山弁護士はこっちの方針を述べる。
 「え、えーー」
 向井正樹の息子は予期していなかった。
 「向井正樹氏の家に有ったSMの設備は十夢さんを虐めていた物ではないでしょうか」
 「そうかもしれません」
 このあとインターネットアダルト放送で述べた如月鬼堂の見解を説明した。
 「父はあの女に殺されたのでしょうか」
 「そう見ています」
 「私はどうすれば良いのですか」
 この息子は館山弁護氏らの態々来訪の意図が分らなかった。だが向井十夢が犯人なら容易ならない事態である。
 「できましたら私の事務所とあと二つの弁護士事務所に依頼していただければ動くことができます。我々が弁護団で対応します」
 館山弁護士は単刀直入に提案する。
 「判りました」
 向井正樹氏の息子は快諾した。
 「向井正樹氏をスキャンダルから完全潔白には難しいかもしれないです。ですが今回の殺人及び拷問には関与してない事を確信できます」
 「焼け跡からSMの設備が出て来たからですね」
 向井正樹の息子はこれが一番気に成っていた。
 「それとて完全に黒とは言えません。向井正樹氏を殺害してから今回の為に運び込んだとも言えなくは有りません」
 取り敢えず話は纏まった。
 
 九月七日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、野村未来也弁護士、野崎卓郎弁護士及びその弁護士事務所の弁護士が参加して囲炉裏端ではなく会議テーブルで会議が行われていた。
 仕出し屋から弁当が届いて珠洲と瀬里菜が配膳する。
 「犯行はこの向井正樹氏の家で行われた事は間違いないです」
 会議は館山弁護士が議長のような形で進められた。
 「そうですね。離れから二人が発見された以上間違いないでしょう」
 野崎卓郎弁護士も同意する。
 「問題は小林亮次の遺体が何処に行ったかです」
 「死んだと断定ですか」
 野村未来也弁護士である。
 「共犯でない限り生きている可能性はないですよ」
 野崎卓郎弁護士はきっぱり肯定した。
 「この場合。十夢が生きているかどうかです。生きていれば犯人の可能性が高いです。小林亮次や共犯者が何者かは二の次です」
 館山弁護士はきっぱり決めてしまう。
 「そうだよ。今回我々は鬼堂先生の推理に基づいてまず捜査を進めるべきだ」
 野崎卓郎弁護士も強く同意する。
 「まず十夢が犯人として拉致現場からどのように向井正樹氏の家に運んだかです。鬼堂先生」
 館山弁護士は如月鬼堂に説明を求める。
 「私は十夢や向井正樹氏の車は家に止まったままだと思います。中が見えない大型車が妥当と思います」
 「まずはこの範囲内で二日間の防犯カメラを当たりましょう」
 「Nシステムなどは避けているでしょうが。札幌市内で防犯カメラを完全に避けるのは無理です。コンビニとかを当たりましょう」
 「そんなにたくさん車を動員できないでしょう。同じ車が二日間で二往復と見て良いですね」
 「そうです」
 「そして車が暫定できたら持ち主を調べて海外に逃亡しているかどうかです」
 「国内に居たら」
 「その車が手元にあればまず関係ないです」
 「海外に逃亡と限定できますか」
 「後ろに連続拉致強姦事件の犯人が居たり闇組織なら山奥とか警察の捜査の及ばない国内に成ります。ですがこの場合は一早く海外に逃げると考えます」
 「そうですね。それに絞って捜査しましょう」
 「もう一つ。十夢の身代わりに焼かれた女です。まだ行方不明の風俗嬢が居ると思います」
 「そっちは難しいですね」
 野崎卓郎弁護士も難色を示す。
 「風俗嬢に居なくなった朋輩が居ないか聞いて見るくらいですね」
 「とにかく手分けしてやりましょう」
 話は何とか纏まった。
 
 帯広からやや離れた山荘である。
 向井十夢は攫った女子大生を三日間寝かせた儘にした。
 拷問椅子などはない。拷問方法を考えていた。
 天井に大きなフックを強引に埋め込む。
 必要な物を通販で買う。置き配の時代だから顔を見られる心配はない。
 クレジットカードは向井正樹の物だが使える。
 表社会のカードではない。
 そして法人カードである。
 向井正樹の法人名義の闇講座から精算される。それも日本法人ではない。
 普通のクレジットカードとして使えるが発行元が闇組織である。法人カードなので本人が死亡しても停止に成らない。
 向井正樹の海外法人名義の闇預金に残高が有る限り使える。
 床に置くフローリングも購入した。以前の動画を参考にしたのである。
 女子大生は久代藻柄という。
 体型が向井十夢に限りなく近い。背が高くスリムな女である。身代わりも考慮していた。
 向井十夢は眠らせた儘フローリング板に磔る。
 乳房の下と腰をフローリング板にボルトで埋め込んだベルトで固定した。両腕を広げて手首をU字金具とボルトでフローリング板に固定する。
 脚首から膝に縄を掛けて天井に埋め込んだフックから吊るす。
 天井に向けてV字開脚である。
 向井十夢はスタンガンで久代藻柄を起こす。
 「うーーううーーーーーーーーー」
 久代藻柄はぱちぱち目を動かす。視界がぼやけている状態から徐々に回りを確認する。
 「あーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は自分の姿に驚く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は狂ったように叫ぶ。
 向井十夢は忍者姿黒装束である。覆面にサングラスで顔は判らない。だが久代藻柄には既に顔を見せていた。
 撮影のための覆面である。
 「今にして思えば貴女は向井十夢さんよね」
 久代藻柄は正体が判っていると暴いた心算である。
 「そうよ。撮影の為に覆面しているのよ」
 向井十夢はまったく動じてない。
 「私に何するの」
 久代藻柄は抗議の姿勢である。
 「時々公開される拷問動画見てないよね」
 「みるわけないでしょーーーーーー」
 「そうよね。たっぷりお楽しみに。貴女の恥ずかし過ぎる姿。全部公開してあげる」
 「あーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は動画の内容が朧げに判って驚愕する。
 「今も貴女のお○○こ撮影しているのよ」
 「あーーーーーーーーーやだあーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は恐ろしい事態に慌てふためく。
 向井十夢は久代藻柄の女の部分を指で大きく広げてびらびらの内側を公開してしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は既に泣き悲鳴に成る。
 広げた縁は薄小豆色。内側はローズ色に近く粘膜の色は濃い。
 「あーーら。糟もいっぱい」
 向井十夢の言葉が久代藻柄の脳天に突き刺さる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 向井十夢はローズ色の部分をスプーンで掬って糟を黒い紙に載せる。
 「いやーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 それが目前に曝されて動画に撮影されてしまう。有っては成らない屈辱に久代藻柄は喚き続ける。
 これまでの日常に絶対有り得ない。想像にない世界の羞恥である。
 だが幾ら久代藻柄が喚いても何処にも聞こえない。山荘までは一本道で窓から見渡せる。近くに民家は一切無い。
 続いて向井十夢は久代藻柄のクリトリスを包む包皮を剥いてローズ色の半円形の玉を剥きだす。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 久代藻柄は何処までも喚き続けるばかりである。
 「まだまだ序の口よ」
 向井十夢はこんなのじゃ許さないと宣告する。そしてブジーを取り出す。
 「なにーーーーー」
 久代藻柄は金属の棒に慄く。
 向井十夢はそれを久代藻柄の尿道の小さな亀裂に刺し込む。
 「ううーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 向井十夢は構わずブジーをピストンする。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 僅かに久代藻柄の尿道から潮が流れ出る。
 「いやあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーー。なんてことするのーーーーーーーー」
 久代藻柄の目から涙が滲む。
 「ふふ」
 向井十夢は含み哂いを浮かべる。
 「あなたおんなでしょーーーーーーーーーーー。どんなに恥ずかしいか!!分るでしょーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーん」
 久代藻柄の涙は溢れ流れ落ちる。
 向井十夢にSMのイメージはそれ程無い。向井正樹から受けた事。この間雇った相棒のやった事だけである。
 その中から覚えている事をやる。
 今度はクスコを取り出す。それを久代藻柄の膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーー。もうーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は異物の侵入に喚きさらに泣き叫ぶ。
 「貴女のお○○この中を撮影するのよ。あっちを見て」
 向井十夢はモニターを指差す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。みたくないよーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 「だーめ。これから中をじっくり弄るのよ」
 向井十夢は愉しんでいる訳ではない。どうやったら辱められるのか。警察関係者や世間にショックを与えられるかである。
 もう夫の名誉を葬る為ではない。包囲された時の取引である。
 まだ警察が此処に辿り着く事はないと思っていた。だが万一の場合である。
 一つは新たなる犯罪に見せたい。
 それによって自分の方から目を逸らさせる。
 最後の最後は久代藻柄を囮にして篭城して山荘ごと焼いてしまう。自分の姿は残さない。
 そんな考えが巡っていた。
 久代藻柄はこの儘ずっと此処に眠らせて点滴で生かし続ける予定でいる。
 向井十夢は自分の考えが浅墓と判ってない。
 夫のアイテムの中にあった小さな柄付ローターを持ち出す。自分もそれで散々責められて潮を噴きまくらされた。
 「さあ。行くよ」
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井十夢は自分がやられた女の一番敏感な部分を責める。
 「あはあ。・・・・・はあ」
 久代藻柄は顔を強く後ろに逸らせて藻掻き始める。
 「あはあ。・・・・・はあ。・・・・はあ。・・・・・ああ。ああ」
 久代藻柄の股間が迫り上がる。太腿が怒張してきた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は大口を破裂させて眉間に強い皺を刻んで声を上げる。
 堪えられる責めではない。
 向井十夢は失禁を目論んでいた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は頭を後ろに逸らせて藻掻き躰を捩って堪え続ける。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴はサイレンと成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまった。
 「あはあーーーーーん。ああん。ああん。ああん。ああ。ああ。ああ」
 久代藻柄は恥ずかしい失禁を撮影されて涙を溢れさせている。
 「なんて。なんて酷い事をするのですか!!。こんな事して何に成るの。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 久代藻柄はさらに号泣する。
 「まだ許さないよ」
 向井十夢はさらに責め続ける。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日も宮崎牛を焼きながら瓶ビールを氷水で冷やしていた。
 外はまだまだ暑い。
 川口の会長は他の組織から齎された情報に唖然としていた。
 「あの女の亭主SSのクレジットカードを持っていた。それをあの女が引き継いでいる」
 「それじゃ口座も」
 葬儀会社の社長である。自分らが使っている資金移動と保管システムに関連していたのである。
 「そうだよ。闇の口座にかなり蓄えていた」
 向井正樹にはかなりの裏金預金が有った。
 「いったいどんな金だ」
 「判らん。入金は自身で入れていた」
 「十夢もそれを知っていた。それでそのまま利用した」
 「逆にクレジットカードで買い物したら居場所が判るのでは」
 「多分。確認だけしておくか」
 「そうだよ。場合によっては向こうの組織に迷惑を掛けないか」
 「それはない。日本の警察が手を出せる範囲ではない」
 「成程。そうか」
 医者の男は哂う。
 「十夢が逮捕されても影響はないか」
 印刷会社の社長が念を押す。
 「ない筈だ」
 川口の会長はきっぱり答える。
 「それじゃ高みの見物だな」
 葬儀会社の社長も安堵する。
 「それより面白い話が舞い込んだ」
 「川口の女将か」
 医者の男は川口の旅館が闇経営するSMプレイに期待している。
 「いやそっちは無い」
 コロナは修まりつつある。修まらなくても休業養成がない。切羽詰った金を作らなければ成らない女が少ないのである。
 「社会を騒がせたい奴だ。犯罪で歴史に名前を残したいらしい」
 「どんな規模だ」
 「人生の最後に会社を整理して大脱税だ。資金に五十億提示して来た」
 「余命が限られた奴か」
 「そのようだ。復讐を目論んでいるが拉致が大変だ」
 「直ぐ動くのか」
 「いいや。要求された武器を作らなければ成らない」
 「拉致は玉川亮らにやらせるのか」
 「無理だ。あっちの組織任せだよ。金は準備してくれた。既に国際資金洗浄ルートで入金している」
 一同はさらに高い酒と高い魚介類やキャビアを注文して乾杯した。
 
 帯広からやや離れた山荘。
 久代藻柄は二回も不本意な逝き顔を晒してしまった。
 躯のような姿を晒してフローリング板の上にV字開脚に脚を吊るされた儘で動けない。
 向井十夢は夫から受けたスタンガンの拷問を思い出した。
 金切り声の悲鳴を上げて十分近く泣かされたのである。
 スタンガンは手元に有り鰐口クリップで接続する線も持って来た。書類を挟むクリップも用意している。
 向井十夢は久代藻柄の乳首をクリップで鋏む。
 「うーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は一気に意識を戻す。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 向井十夢は構わずもう片方の乳首もクリップで鋏む。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は表情を歪めて悲鳴を上げる。
 向井十夢は鰐口クリップでスタンガンと乳首を鋏んだクリップに接続する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は何をされるか判って泣き叫ぶ。
 「貴女の悲鳴をたっぷり動画に残してあげる」
 向井十夢はスタンガンのスイッチを入れる。
 「うぐーーーーーーーーー。いーーーーーーーたい。いーーーーーーーーたい。たい。たい。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は目を強く瞑って眉間に皺を三重に刻む。大口を破裂させて歯を剥きだして悲鳴を上げる。
 向井十夢はスイッチを切っては入れる。
 「わあーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーー。いいたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーー」
 久代藻柄は泣き叫び続けた。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は躰を究極に揺すり表情を破裂させ続けて泣き喚く。向井十夢はその姿を暫く長めに動画に納めた。
 「うああーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー。いたいーー。いたい」
 スタンガンのスイッチを切ると久代藻柄の躰はフローリング板に沈む。
 天井を向いたまま固まってしまった。
 向井十夢は脱毛クリームを取り出す。
 それをドテの黒い塊の生え際に擦り込む。
 さらに頭髪に大量に流して手で塗す。
 「あーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は頭髪を掻き回されて喚き叫ぶ。
 「脱毛クリームよ」
 「えーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は恐怖の表情で向井十夢を見上げる。
 「もう遅い。完全全身脱毛よ」
 向井十夢はきっぱり残酷な結果を宣告する。
 「やだーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は驚愕の表情で固まる。
 向井十夢は久代藻柄のドテの陰毛を纏めて掴む。そのままスーッと抜き取ってしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は無造作に抜ける陰毛に悲鳴を上げる。
 向井十夢はさらに残りを抜き取る。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄には恐ろしい事態である。
 「まだまだ。モニター見て」
 向井十夢はそう言って久代藻柄の髪を掴む。
 「行くよ」
 「えーーーーーーーーーーー」
 一気に引っ張る。
 簡単にガサット抜けてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は驚愕の事態に叫び続ける。
 向井十夢は続けざまに掴んで抜く。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーあふぁーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は驚愕したまま喚き続ける。
 「ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーん」
 久代藻柄はパニック以上である。
 向井十夢は湯で濡れたタオルを持って来て久代藻柄の髪の抜けた頭を拭く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は泣き喚き続ける。
 「素晴らしい動画よ。見た若いお兄さん達。お○○○んからエッチなお汁が抜けちゃうかも」
 向井十夢は言葉を極めた心算で詰った。
 久代藻柄は唯々泣き喚くばかりである。
 向井十夢はまだ許したくない。取り敢えずここで一度眠らせた。
 
 九月八日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 三つの弁護士事務所とテレビ会議が繋がっていた。
 「先生の仰る大型車に当たるキャンピングカーが見つかりました」
 野崎卓郎弁護士事務所の若い弁護士が説明する。
 「名義は」
 如月鬼堂が期待を込めて確認する。
 「渡辺紀継と言います。海外に逃亡していました」
 若い弁護士は如月鬼堂の推測通りと答える。
 「その後そのキャンピングカーの行方は」
 「数回帯広でキャッチされています」
 「男が逃亡した後だな」
 「そうです」
 「いまその車の目撃情報を当たっています」
 野崎卓郎弁護士が説明する。
 「帯広か。防犯カメラは少ないな」
 「そうです。目撃情報で隠れている場所を探り当てるしか有りません」
 「そうだな」
 如月鬼堂も努力に納得する。
 この弁護氏らは向井正樹の息子から弁護士費用を貰っているが名目程度でしかない。この捜査は利益無しの持ち出しである。
 弁護士事務所の宣伝以外の何者でもない。
 
 九月十一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人にアジト。
 外はまだまだ真夏並みの暑さである。生ビールも旨い。高級魚介類を焼いて昼間から飲む。
 「恐ろしいことが判ったぞ」
 川口の会長は自分らの犯罪の恐ろしさは棚に上げて向井正樹の犯罪を恐ろしいと言う。
 「何かスキャンダル以上か」
 印刷会社の社長は期待を込めている。
 「奴はロマンス詐欺をやっていた」
 「何。タレントで稼いでまだ詐欺か。セコイ奴だな」
 「それだけじゃない。女が醜婦ならロマンス詐欺で金を巻き上げる。だが美形ならSMの餌食だ」
 「何と言う奴だ」
 印刷会社の社長も自分の悪事は棚に上がっている。だが非難したのではなかった。
 「だがな。SMのあとの遺体処理はこっちがやっていたのだ」
 「何とお客様か」
 「そうだ。だから十夢が捕まっても良いが闇口座の流れとロマンス詐欺や十夢以外のSMは公にしてはならない」
 川口の会長は自分らに影響する場合動くと表明する。
 「十夢が持っている向井正樹の口座が問題だな」
 葬儀会社の社長はそこから繋がることを恐れた。
 「いや。それが繋がることはない。危険なのは向井正樹の表の口座までの流れだ。それも殆ど解明されることはない」
 「ならば何を対策する」
 「念のためだ。二つの組織に説明して向井正樹の口座を凍結する」
 「両方か」
 「最終的には。十夢が逮捕されたら十夢の持っている口座も凍結しなければ成らない」
 「簡単にできるか」
 「よく両方の組織に説明して危険を知らせるしかない」
 
 九月十二日。
 北海道警本部。五係の部屋。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は捜査が暗礁に乗り上げていた。
 「館山弁護士を中心に弁護団が捜査に乗り出しています」
 笛木祐子巡査部長が状況を説明する。
 「何の為」
 「多分向井正樹氏の息子の依頼で向井正樹氏の名誉を護る為だと思われます」
 「そう」
 「いま館山事務所が札幌市内。野崎事務所が芽室町。野村事務所が帯広周辺を聞き込み捜査しているとの事です」
 「何かを追っているの」
 「防犯カメラを調べているとの事です」
 「何を調べているのか聞き込みしましょう」
 道警の方針は十夢も死んだと見做していた。そして連続拉致強姦事件の犯人グループが後ろに居ると見ている。
 五係はまた単独で動いた。
 
 九月十三日。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は帯広空港ホテルに滞在する館山弁護士らにコンタクトした。
 館山弁護士はラウンジで対応してPCで如月鬼堂とテレビ会議を繋ぐ。
 「道警の警部が来られて」
 如月鬼堂は目的と方針、分析を伝えた。
 「十夢さんが犯人と」
 「私はそう考えている」
 「このキャンピングカーが犯行に使われたと」
 「そうだ市内の二つのコンビニの防犯カメラに二日に渡って捉えられていた。持ち主は海外に行ってしまっている」
 「その人が十夢さんの共犯ではないかと」
 「そうだ」
 「札幌市内の聞き込みは何故ですか」
 「十夢の身代わりにされて行方不明の風俗嬢が居る筈だ」
 如月鬼堂は強く断言する。
 「ああ」
 小倉紘子警部はその可能性も有りと思った。
 「あんた方警察がちゃんと捕まえてくれないからだよ」
 如月鬼堂は怒りを込めている。
 「私達だけの方針では動けないのです。後ろに連続拉致強姦事件の犯人集団が居ると見ています。合同捜査です」
 「これは素人の犯行だ。行き当たりばったりが返って状況を煩雑に見せているだけだ」
 如月鬼堂はこれもきっぱり断言する。
 「何か判ったら知らせてくれますか」
 「館山先生に言って下さい」
 「そうですね」
 小倉紘子警部らは館山弁護士と少し話して引き上げた。
 
 九月十四日。
 如月鬼堂の居間である。
 また動画が公開された。
 女子大学生久代藻柄の動画である。
 杉下一行が送ってきた。
 テレビ会議を繋いでそれぞれパソコンで確認する。
 動画で犯人の黒装束を纏った上躰はぼかされている。だが如月鬼堂は十夢と断定した。
 向井十夢はあれから二日くらい久代藻柄を眠らせて撮影を再開した。
 二日前とまったく同じようにフローリング板に上半身を固定している。そして脚は天井から吊るされてV字開脚にされていた。
 向井十夢は浣腸器を持ち出す。
 まだ久代藻柄は眠ったままである。
 そのまま向井十夢は久代藻柄のアナルにグリセリンを注入する。
 「ううーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は冷たさと腹の痛みに意識を回復した。
 今の体勢では何かで便を受ける事はできない。向井十夢は久代藻柄の腰にオムツを被せる。
 「今度は排便を公開よ」
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は苦しみに何も言えない。
 ぐぶううーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 「うーーーーーーーーーすごい」
 向井十夢は覆面の下にマスクをしていても強烈に臭い。五日以上便秘同然に溜まった便である。
 向井十夢は窓を開け放つ。周りに何もなく一本道だから問題はない。
 オムツを外して排便と汚れた股間を動画に収める。
 「あーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 久代藻柄は涙をぽろぽろ零す。
 向井十夢は金属のクスコを取り出す。
 先に無毛に成った女の部分をアップに公開して小陰唇を広げる。さらに膣口をアップにして襞を見せながらクスコを挿入する。
 久代藻柄は警戒心を持って首を擡げて股間を見る。序でに久代藻柄の無毛に成った頭を映像の後ろに収める。
 クスコの口を広げてもう一度奥の子宮口を公開する。
 「お○○この奥がくっきり。膣壁が綺麗よ」
 向井十夢は一度やったのを忘れてまた詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。そんなことしてーーーーーーーーー。なんになるのーーーーーーーーーー」
 「男の人達のお○○○んが硬くなってお汁が出ちゃうって」
 また同じように詰る。
 「ひどいよーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は号泣する。
 鰐口クリップが両端に付いた単線二本でクスコとスタンガンを接続した。
 「あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーそれーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は乳房にスタンガンの痛みを受けて二日眠っていた。
 恐ろしい痛みが頭に焼き付いている。
 「行くよ」
 向井十夢は悪魔の声を掛ける。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スタンガンのスイッチが入る。
 久代藻柄の躰が一気に固まる。
 「いーーーーーーーーーーーたいーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の表情は究極に歪み軋む。大口を破裂させて悲鳴が轟く。
 「いたいーーーーーーいたいーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーぐがあーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は躰を震撼させ頭を振って藻掻く。
 向井十夢は一度スタンガンのスイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー。あはあーーーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 久代藻柄は荒い息遣いで躰は震え続ける。
 向井十夢はスタンガンを翳す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は喚き散らす。
 「嫌よ。赦さない」
 向井十夢は直ぐにスイッチを入れる。
 あーーーーーがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 再び久代藻柄の表情は破裂する。
 向井十夢がこれを数回繰り返して遂に久代藻柄は失禁してしまう。
 クスコの金属の間から尿が飛び散る。
 向井十夢は直ぐにスイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 久代藻柄は号泣する。
 「またお漏らしが撮れたわね」
 向井十夢は淡々と詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。にんげんのすることかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は怒りと絶望の限り叫ぶ。
 向井十夢はさらに残酷な気持ちが沸いてしまった。
 長い針を持ち出して来る。
 「あーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は長い針を見て恐怖の叫びを上げる。
 向井十夢も向井正樹に何度かやられたのを思い出した。
 左の乳房の横から突き刺す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳首の下を潜らせて反対側に出す。そのまま右の乳房に刺し込み右の乳首を潜らせて反対側に突き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄はまたサイレンのように喚き散らす。
 向井十夢はもう一個スタンガンを取り出す。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は驚愕する。
 長い針の両端に鰐口クリップを接続して反対側をスタンガンに繋いだ。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーー。それはゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は二つのスタンガンと更なる恐怖である。
 「赦さない」
 向井十夢はボソッと言って乳房のスタンガンのスイッチから入れる。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰は硬直して表情は直ぐに破裂する。
 向井十夢は構わずクスコに接続したスタンガンのスイッチも入れた。
 「ぐがあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰はがたがた震える。
 向井十夢は残酷な気持ちが更に滾った。殺しても良いような感覚に陥った。
 だが遺体の処分に困る。
 此処に監禁してゆっくりジェルを買い集めて溶かすのが最善と思い直す。
 一度スイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 久代藻柄の躰は震えたまま荒い息遣いは続いた。
 向井十夢はもう一度スイッチを入れる。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがはあーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の躰が迫り上がりがたがた震える。
 「あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーだめーーーー」
 久代藻柄の躰が更にがたがた震える。
 「だめーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄の泣き叫ぶ声とともにまた僅かに尿が流れ出た。
 向井十夢はスイッチを切る。
 ぶぼーーーーーーー。
 更にアナルから僅かにカレー状の便が流れ出た。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーー。ああーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 久代藻柄は狂ったように号泣する。
 向井十夢は鰐口クリップを全部外す。次に針を抜く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は抜く時の痛みに悲鳴を上げる。
 抜いた痕から血の玉が噴出す。
 向井十夢はクスコを抜いて股間を綺麗に拭いて周りを掃除した。
 今度は鞭を持って来る。
 先端が長方形のチップ二枚重ねに成った一本鞭である。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 久代藻柄は叩かれると判って恐怖に慄く。
 向井十夢は女の部分を狙っていた。
 振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に振り下ろす。先端はもろにぐちゃぐちゃに成っていた女の部分の粘膜を叩いた。
 「うーーーーーーーーーーごーーーーーーーーーー」
 両脚をV字開脚に吊るされた腰が迫り上がり強く捩られて震撼する。
 向井十夢は二発目を構える。
 「あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく叩き付ける。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 十数回で血が滲んで来た。
 向井十夢はそこで終了する。
 そのまま局部麻酔と全身麻酔を注射した。脚の吊るしを降ろして脚首と膝を脚張り合わせる。そのまま放置である。
 その日の内に動画を配信した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 「これは山荘だ。動画の途中。浣腸した場面で風が入っていた」
 如月鬼堂はあの場面で窓を開けたと確認した。吊るしの縄が僅かに風に揺れるのを見逃さなかった。
 「山荘を当たりますか」
 館山弁護士がテレビ会議から確認する。
 「十夢が物件を買えば直ぐに足が付く。登記の要らない賃貸かレンタルだ。山荘の持ち主を片っ端から当たれば行き当たる」
 館山弁護士は野崎事務所と野村事務所に手分けして当たってもらう。
 如月鬼堂は上越新幹線で新潟に出る。そして新潟空港から札幌経由で帯広に向かった。
 館山弁護氏らと帯広空港ホテルで合流する。
 館山弁護士の部下が行方不明の風俗嬢の存在を突き止めた。風俗店のサイトから確認して問い合わせる。
 秋田から出稼ぎの渋川真奈美と判明した。身長も向井十夢に近い。
 
 九月十五日。
 野崎弁護士らは遂に向井十夢に山荘を貸した大家を発見した。向井十夢の写真を見せて確認がする。
 間違いなかった。
 館山弁護士が小倉紘子警部に連絡して全員で山荘に向かう。
 
 連続拉致強姦事件の面々は次の仕事で動き出した。
 川口の工場の地下で製造した武器を部品で分けて運び出す。
 葬儀会社と運送業、廃棄物収集運搬業が手分けしてリレーで依頼者の用意した山荘に運び込む。
 山荘で組み立てるのは久々に高い報酬に有り付いた寺門一、玉川亮、東秀雄の三名である。
 拳銃、機関銃、有線誘導のロケット砲、対空ロケット砲が設置される。
 山荘の下、前の庭、山道、崖に爆薬も仕掛けた。
 爆薬と女性の拉致は闇組織が行う。
 依頼者は早く実行したい。だが川口の会長は態と日にちを掛けていた。向井十夢の事件が落ち着いてからにしたい。
 事件が終わって警戒が緩んだタイミングで行いたいからである。
 そして川口の会長は十夢が追加の動画を公開した時点で十夢の持っているクレジットカードで使える闇口座を凍結させた。
 
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は已む無く二人で山荘に向かう。非常事態に備えて救急車だけ手配していた。
 
 向井十夢は久代藻柄を寝かしたまま点滴を続けていた。そして自分は食事を始めて窓は見ていない。
 麓の方と山荘の直前だけ山荘の窓から道が見える。
 向井十夢は館山弁護士らが下の道を上がって来る段階では気付かなかった。
 直ぐ手前まで来た車の列に気付く。
 直ぐに拳銃を取り出す。これも向井正樹が使っていた物である。
 館山弁護氏らは玄関を使わず外の階段から二回のベランダに入って鍵の掛かってないベランダの扉から入る。
 「くるなーーーーーーーーーー」
 向井十夢は人質の久代藻柄に拳銃を向ける。
 「警察ではない。向井十夢だな」
 「何者」
 「館山弁護士事務所」
 「野崎弁護士事務所」
 「野村弁護士事務所」
 「何で」
 「向井正樹氏の息子さんの依頼であんたを探していた」
 如月鬼堂が宣告する。
 「何で此処に」
 「最初からあんたが犯人と断定していた」
 それから此処に行き着いたあらましを話す。
 「あいついったいいくら払ったの。こんなにたくさんぞろぞろと弁護士が来て捜査までして」
 向井十夢は向井正樹の息子にそんな金はないと思っていた。
 「たいした金は貰ってない。我々が動く大義名分の分だけだ」
 館山弁護氏が答える。
 「何故そんな事を」
 「あんたは風俗嬢を犠牲者にした。それに鬼堂先生が怒ったのだ」
 「それに事件を解決すれば弁護士事務所の名が売れる」
 野崎弁護士が付け加えた。
 向井十夢は久代藻柄に拳銃を付き付けたままである。
 「あんたは向井正樹氏を殺したね。犯行の直前に」
 如月鬼堂が指摘する。
 「あんた誰」
 「如月鬼堂先生だ」
 館山弁護士がフルネームで教える。
 「あーーーーーー。向井が読んでいたSM小説の作家」
 「そうだ。あんたらの犯罪は我々の商売に影響する。そして風俗嬢を虫けらのように殺したのが許せない」
 「殺してないよ。殺したのは向井と男性店員だよ」
 「男性店員小林亮次の遺体をどうした」
 「溶かしたよ。向井がたくさん買い集めたジェルで」
 「あんたの身代わりにした黒焦げの遺体は渋川真奈美。風俗嬢を動画の他にもう一人攫った」
 「そこまで」
 向井十夢は総てが見破られていたと驚愕する。
 小倉紘子警部と笛木祐子巡査部長は既に着いて二階のベランダにいた。
 「帰れ。帰らないとこの女を殺す」
 向井十夢は拳銃を強く久代藻柄に押し付ける。
 「そのリボルバーには弾は五発しか入ってない。我々全員は撃ち殺せない」
 館山弁護士は強気で迫る。
 館山弁護士らは拳銃が有るとは思ってなかったが一応防弾チョッキを着用していた。
 「二発でいいよ。この女を殺して私が死ぬ。あんた方は強引に私を追い詰めて人質を死なせた事に成る」
 向井十夢は最後の足掻きである。
 「それはまずいな。我々は引き上げよう。後は警察任せだ」
 館山弁護士らは下がろうとする。
 だがその瞬間窓から小倉紘子警部が飛び込む。
 二階のベランダの扉から笛木祐子巡査部長が突っ込む。
 向井十夢は瞬時小倉紘子警部に発砲する。
 小倉紘子警部も防弾チョッキは着ていたが向井十夢の素人拳銃は胸を狙って腰に命中していた。
 次の瞬間。笛木祐子巡査部長が向井十夢を射殺する。人質の久代藻柄の危険を回避する為である。
 小倉紘子警部も重症だが向井十夢は即死であった。
 「どうして先に突っ込まれたのですか」
 「警察がちゃんと捜査しないからだろ。それに警察が来る保証もなかった。捜査方針と違うとか」
 「確かに」
 笛木祐子巡査部長も直ぐ行くと答えたわけではなかった。
 救急隊員が着いて久代藻柄と小倉紘子警部が運び出される。
 「あと。向井邸に有った黒焦げの遺体はもう一人攫われた風俗嬢渋川真奈美さんの遺体だ」
 如月鬼堂は怒りを込めて調査結果を伝える。
 「判りました。捜査してはっきりさせます」
 笛木祐子巡査部長の答えを聞いて如月鬼堂らは引き上げた。
 向井邸の焼け跡が再調査されることと成る。そして下水にジェルが流された痕跡が確認された。
 渋川真奈美の行方不明が確認されて遺体が渋川真奈美の可能性が高いと確認されたのである。

 
 最期のSM小説家 三十六幕 報復する女 完 






 最期のSM小説家 第三十七幕 凶悪犯罪計画


 二〇二十二年寒露上元。太陰太陽暦九月三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年九月二十八日。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 ノートパソコンで執筆する如月鬼堂のもとに館山弁護士からテレビ会議が入った。
 元総理の国葬が終わった翌日である。
 館山弁護士はまだ札幌に留まっていた。
 「笛木巡査部長が言うには向井正樹氏に多額の使途不明金が有ります。その入所も不明です」
 「今度の事件には関係ないだろ」
 「そうですが見解を求められまして」
 「何をして金を得たかは皆目判らないよ。資金の洗浄と貯蓄はあの連中と同じじゃないか」
 「どう説明しましょう」
 「無駄なことだ。警察が捜査すれば良い」
 如月鬼堂は捜査しても無駄と断言してしまう。
 皆目判らないという如月鬼堂の回答で笛木巡査部長も断念して帰った。
 
 十月一日。
 長野県の山岳地帯である。端澄敏郎は以前に山を買って山荘を建てていた。
 三百四十六号線を逸れた脇道を進む。既に私道である。
 山荘と雖も頑丈な造り。鉄板で組み立てて外壁に木材を貼っている。麓まで見渡せる高い鉄塔が立っていた。
 寺門一、玉川亮、東秀雄の三名は泊り込みで武器の組み立てを終えている。
 ナンバープレートを付け換えた車でばらばらに下山した。
 入れ違いに闇組織の決死隊が順次上って来る。
 この面々は端澄敏郎と運命をともにする覚悟で来ていた。
 全員が冤罪で人生を失った者ばかりである。
 仕事を引き受けた段階で前金を貰っている。仕事の前に既に好きなだけ遊んでから組織の手を借りながら人質を拉致して来た。
 そしてこのテロに真髄から賛同している。
 端澄敏郎の日本社会に報復という犯行宣言を自分等の報復と決意した。
 不退転の身一つで望むのである。
 社会から隔絶して生きるこの闇組織には三つの班がある。
 一つは下界に住めない凶悪犯のグループ。一つは冤罪者のグループ。最後は戸籍を持たないグループである。
 彼らは普段下界と断絶した部落に住んでいる。下界に降りる時は一回だけの任務をこなす。
 下界と断絶しているがインターネットもテレビも繋がる。
 普段の仕事は闇廃棄物の処分などである。
 
 十月二日。
 如月鬼堂は十一時過ぎに上越新幹線のグリーン車で越後湯沢に帰り着いた。
 駅には珠洲が迎えに来ていた。
 「館山先生が女性を二人お連れよ」
 「ほう」
 如月鬼堂は何だろうという表情である。
 「この間の事件の被害者の二人よ」
 若林夕子と山下瑞樹の二人は向井十夢らの拷問で躰を傷つけられ風俗すらできない。
 若林夕子は大学も退学に成ってしまった。
 二人に躰を整形する費用はない。
 館山弁護士は二人を愛好会のショーに出て貰う条件で整形費用を貸して会費で払うショーのギャラの一部から返済する提案をした。
 既に大河内税理士、杉下一行、福冨麻二郎とテレビ会議が繋がっていた。
 四人は承認済みである。
 「良いだろう」
 如月鬼堂も納得した。
 二人は片方の乳房を一本鞭で強い痕を付けられ蚯蚓腫れが割れた部分を焼かれていた。
 「整形費用は私がご用立てします」
 館山弁護士が立て替えるというのである。
 「いや。傷つけられたのは片方だろ」
 「そうです」
 「そのままショーをやったらどうだ。整形はその後だ。その方が同情も集まらないか」
 如月鬼堂は傷付いた乳房を見せた方が会員らを悦ばせ同情も沸くという考えである。
 「それはどうでしょう。悦ぶ者ばかりでは」
 館山弁護士は反対する。
 「ならば先生のお考え通りで」
 如月鬼堂が引き下がった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 それなりに暑さは楽になった。
 今日はテラスに出てバーベキューを焼いて生ビールで乾杯である。
 「凄い構造の山小屋だな」
 医者の男である。図面を見て驚いている。
 「バズルカでも貫通しない」
 川口の会長は自信を持っている。
 「自衛隊の戦車持って来るしかないか」
 「周りの木の装飾が焼けるだけだ。ロシアのミサイルでもびくともしない」
 「しかし外が焼けたら中は熱くて」
 「図面良く見てよ。外周に地中からのスプリンクラーも付いている。さらに鉄板は二重構造だ」
 川口の会長は笑っている。
 「なんと」
 医者の男はさらに設備に感心する。
 「最初から篭城して闘うべく準備して建てた山荘だ。水は地下水が有る。電力も離れたところから太陽光を地中ケーブルで取り込んでいる。」
 「蓄電設備も有り予備発電機も有りか。これじゃ要塞だな」
 「会社を畳んで残った資産と払うべき債務と税金をこっちに投入した。日本社会への復讐だ」
 「なかなか期待できそうだな」
 医者の男と印刷会社の社長以外はこの件で既に何かに関わっていた。それ相当に利益も得ている。
 医者の男にとっては高みの見物である。
 
 十月三日。
 日本社会は騒然となった。
 次々と幼児の行方不明が報じられる。さらに若い女性の行方不明が多数報じられた。
 これまでの犯罪と同様に思われもする。だが幼児の行方不明が更に騒ぎを拡大した。
 今度は一地域ではない。行方不明は全国に分散していた。
 総動員で非常線が張られたが何も引っ掛からない。既に後手に成ってしまっていた。
 全部十月一日から三日に掛けて行方不明になったのである。
 報道番組は大方このニュースで埋め尽くされた。
 
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 地下室には人質の幼児と生贄の女性が監禁されていた。
 女性は五人。幼児は八人居た。
 完全に地下は座敷牢である。女性五人は一人ずつ小部屋に監禁されていた。幼児は大部屋に八人入れられている。
 一人の女性が小部屋から出されて幼児の世話をさせられていた。
 幼児の大部屋にはトイレがある。
 女の小部屋は剥き出しの便器が置かれていた。それでも水洗は繋がっている。
 小部屋の四人の女性は全裸である。子供の世話をさせられている女性は下着が許されていた。
 五人の女性は最初抗議を続けた。その度に平たい革のスパンキングで躰中を叩かれる。
 スパンキングを使うのは撮影前に鞭の痕を付けたくないからである。
 「依頼主。どれから掛かります」
 覆面姿は四人。忍者姿黒装束である。
 「子供達の映像を撮影して動画と犯行声明の作成からです」
 一人ずつ幼児を壁に立たせて撮影する。
 「この動画をお嬢ちゃんのお母さんに送って代わりに警察の人が助けに来てくれるのだよ」
 端澄敏郎はそんな説明をして宥める。
 幼児は泣き続けていた。
 「家は貧乏だからお金ないよ」
 子供は身代金など出ないと言う。
 「身代金を要求する訳ではないのだよ。代わりに警察の人に来てもらうのだ」
 端澄敏郎は柔らかく言うが幼児は泣き続ける。
 さすがに幼児は生かして帰す予定でいた。気に入らない女性政治化を身代わりに呼び出すのである。
 一日掛かって撮影は完了した。
 
 十月四日。
 翌日一人目の犠牲者が拷問部屋に引っ張り出された。
 拷問を担当するのは二名だけである。
 一人は高い鉄塔に設えた三百六十度カメラとレーダーを確認して攻撃態勢で構えていた。
 一人は食事担当である。
 端澄敏郎は兵器の操作をサポートしながら拷問を撮影する。端澄敏郎はスーツ姿で覆面はしてない。
 一人目の犠牲者が全裸で十字架の根元に腰を着いて磔にされていた。
 腕と胸部は高手小手に縛られている。腕を縛った縄は後ろでフックが付けられて天井の滑車から吊るすように張られていた。
 脚はV字開脚にされて各々脚首と膝を縛った縄で斜め上の天井から吊るすように引っ張られている。
 その躰は船の碇を十字架の前に立てかけた形に成っていた。
 これでは女の部分もアナルも丸見えになってしまう。
 恥ずかしさに女は顔を斜め下に逸らしていた。
 後ろの十字架は背もたれ程度の役しかしてないらしい。
 かなりの時間トイレに行かせてもらってない。
 犠牲者の女性は札幌平成大学講師で竹田柚季という。
 何度もトイレを抗議した。許されることはない。
 脚を揺すって藻掻いている。
 「といれいかせろーーーーーーーーーーーー」
 まだ何度も叫ぶ。
 「其処でしていいのですよ」
 忍者姿黒装束はまったく動じない。
 俯いた顔は蒼白に成っていた。
 拷問を行う側はあくまで排泄を公開させる意思である。
 竹田柚季は躰を揺すり藻掻き続ける。
 やがて震え切った躰で股間から小水が溢れるように流れ出す。
 竹田柚季は悔しさに涙を零す。
 だが忍者姿黒装束にサングラスの男らはそれだけでは許さない。
 二人で掛かって両側からマジックハンドで竹田柚季の女の部分のびらびらを抓んで引っ張る。
 ピンクの粘膜の中心に排泄している尿道口が丸出しに成った。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は驚愕の事態に叫ぶ。
 尿道口が膨らんで放尿が直に出る。その究極に恥ずかしい姿が動画に撮影された。
 さらに抑えていた直腸も緩む。もう便も耐えられない。
 竹田柚季の顔が真っ赤に成る。
 次の瞬間便も飛び出してしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は堪らない羞恥に悲鳴を上げる。
 「酷い!卑劣だーーーーーー」
 竹田柚季は堪えられず怒りに叫ぶ。
 顔は真紅に染まっている。
 「はい。卑劣にやらしていただいております」
 忍者姿黒装束の男が詰る。
 「・・・・・」
 竹田柚季はあまりの台詞に言葉も返せない。
 端澄敏郎は小水に濡れそぼった女の部分をアップにする。
 「おしっこで濡れたピンクの粘膜が綺麗に栄えていますよ。おしっこで洗ってもまだ糟が残っています」
 端澄敏郎が言葉を極めて詰って神経を揺さぶる。
 正面のモニターに映るので竹田柚季にも見える。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーー。そんなのなんでーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は驚愕して叫ぶ。
 「ワイドショーで現実には行われない綺麗事を並べる大学の先生です。その先生のこんな姿が公開できて心底満足ですよ」
 端澄敏郎な舌なめずりするような口調で言葉を吐き掛ける。
 「おのれーーーーーーーーー。なにものだーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は一人顔を隠さない端澄敏郎を奇妙に見ながら叫ぶ。
 「名乗るほどの者ではございません。犯行声明にはきっちり記載させていただきました。犯罪史に名を残せばと思いましてね」
 端澄敏郎は竹田柚季を揶揄ながらその躰の隅々を女の部品ごとにアップで撮影して行く。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。とるなーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は全裸でこの上ない恥ずかしい姿に縛られても叫ぶ。
 「720Pの画質で鮮明に公開させていただきます」
 端澄敏郎は完全にふざけている。
 忍者姿黒装束の二人は竹田柚季の便を箒と塵取りで掃除して床にできた小水溜りをカッパキで取る。
 さらに股間を放水銃で緩めに洗う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の二人は入念にアナルと女の部分の外側を洗う。
 「広げてください」
 端澄敏郎が要求する。
 忍者姿黒装束の二人がマジックハンドでもう一度女の部分のびらびらを掴む。そして強く広げる。
 「あーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は藻掻き叫ぶ。
 「中は洗っていません。たっぷり汚れを公開させていただきます」
 端澄敏郎は近寄ってへらで糟を採取する。
 それを竹田柚季の鼻元に翳す。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は顔を叛ける。
 「吊るしを上げてください」
 端澄敏郎が要求する。
 竹田柚季の躰を張った三本の縄は天井から下がった鎖を巻き上げるチェーンブロックに接続されていた。
 スイッチのボタンを押すだけでチェーンブロックが自動で巻き上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は躰が不安定に持ち上がって強烈に悲鳴を上げる。
 竹田柚季の股間が目の高さまで吊るし上げられた。
 「ストップ」
 端澄敏郎は丁度良い高さで止める。
 女の部分に指を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は指の侵入に怒りを剥き出して叫ぶ。
 端澄敏郎はクスコを手にする。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季はクスコを見てさらに叫ぶ。
 端澄敏郎は濡れてないのを指で確認しながらもローションかワセリンすら塗らないで強引に突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奥まで強引に突っ込んだ。竹田柚季は粘膜を強く擦られた痛みに悲鳴を絞りだす。
 「おのれーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎は構わずクスコの螺子を回す。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は般若の形相を破裂させて叫ぶ。
 忍者姿黒装束が後ろからスポットライトを当てる。カメラの照準は既にクスコに合わされていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎は長い鉄の箸を取り出す。
 「真っ赤な子宮口がくっきりだぞ」
 端澄敏郎はまた詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーー。とるなーーーーーーーーーーーーー」
 「もう遅い」
 端澄敏郎はそう呟いて鉄の箸の先端を子宮口に突っ込む。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が轟く。竹田柚季は藻掻き躰を震撼させる。物凄い痛みである。
 抜くと竹田柚季の躰はぶるぶる震える。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 竹田柚季は躰をがくがく震えさせる。そして荒い息遣いの悲鳴が続いた。
 端澄敏郎は忍者姿黒装束の二人にアイテムを渡す。リモコンから伸びた柄の先に小さなローターが付いている。
 「これで責めてください」
 端澄敏郎はそう言ってカメラの後ろに下がる。
 竹田柚季にもう抵抗力はない。
 忍者姿黒装束の二人は吊るしの高さを少し下げる。
 竹田柚季の躰の両側にしゃがんで左右からクスコの中に柄の先端のローターを突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は堪らず顔を歪めて声を漏らす。
 一人が膣天井部、一人はその反対側に当てる。
 端澄敏郎がスポイトでローションを流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の二人はそのローションを掻き回すように先端のローターで膣内部を責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の表情は一気に大口が破裂する。
 忍者姿黒装束の二人は責め続ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は敏感な部分をピンポイントに責められてまったく堪えることができない。
 だがまだまだ序の口の責めである。
 端澄敏郎はもっともっと残酷な責めを予定していた。
 
 地下では子供に食事が配給されていた。下着姿の女性も子供を宥めるのに苦慮している。
 「私も攫われたのよ。私も逃げたいけど逃げられないの」
 そう言い続けるしかない。
 
 十月五日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 全国的に静かに雨模様。暑さは鳴りを潜めつつある。だが時々軽く除湿代わりに冷房を入れたくなる。
 杉下一行が動画と犯行声明をメールで添付してきた。
 愛好会の主なメンバーとテレビ会議が順次繋がる。
 恐ろしい動画と犯行声明が公開されていた。
 動画から人質の子供八人の画像が公開される。さらに一人ずつ名前、住所他詳細が公開されていた。
 更に女性五人が全裸で公開される。
 「今度はちょっと意味が違いますな」
 館山弁護士も困惑している。
 向井十夢の事件から何日も経ってない。まるで向井十夢の事件の終焉を待って行われたようである。
 「子供はいったい何のために」
 福富麻次郎も驚愕していた。
 「身代金ではないな。誰かを身代わりに呼び出すのじゃないか」
 如月鬼堂はそんな予測をする。
 「しかしただ事ではないです」
 大河内税理士もその規模に驚いていた。
 「ねえ。監禁している山荘の場所まで公開しているよ」
 瀬里菜も犯行声明と動画の中に監禁場所を公開しているのに驚く。
 「戦闘準備ができていて子供と人質交換か。名古屋の事件を思い出すな」
 如月鬼堂は筋書きをそう読んでいた。後ろに闇組織と連続拉致強姦事件の六人が居ると確信している。
 報道は完全に沸点に達した。全国で号外が配られる。
 犯行声明は以下の通りであった。
 『現代社会に天誅する。
 我々は現代社会の知識階級のモラルで事業を追い詰められた経営者端澄敏郎と冤罪で警察に裁かれた者四名である。
 この報復は完全に実行する。
 報道は知識階級の綺麗ごとに蹂躙されている。
 法律に触れなくとも法律で無罪でも一部の知識階級の良識で社会的に人と企業を裁いてしまう。
 個人の権利を大きく侵害する。
 マスコミは一部の知識階級の意見一辺倒である。反対側の意見を強く抑える。
 会社の内部まで報道して法律以上の知識階級のモラルを押し付ける。
 反対意見はメディアに登場させない。
 反論したい者も居るはずである。だがマスコミが報道傾向をコントロールすることで一定基準の意見のみで覆い被せてしまう。
 だから大衆はそっちに意見を合わせる。周りの意見に合わせようとする日本人の体質である。
 現代の知識階級は必要悪を認めない。
 必要悪を認めず綺麗な世の中にし過ぎればどんどん貧乏社会になる。
 綺麗な世の中に成らなくて良い。経済さえ良ければ最下層まで金は行き渡る。
 中小企業に至るまで富を誇り綺麗事を踏み躙って稼ぎまくる。栄華を極めた腐敗混濁の世で良い。
 税金を払った綺麗な金は天下晴れて主婦の管理する預金に止まる。
 アングラマネーは使うしかない。
 税金を払った綺麗な金は内部留保と成るのかな?
 アングラマネーは裏の福利厚生費と成って巡り巡って庶民に流れる。
 こんな綺麗事社会を作る輩をこれから制裁する。
 子供達八人は生かして帰したい。それには人質交換に応じてもらう。
 天誅する女五人は確保した。
 あと二人立憲国民党衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝。
 子供の人質と交換に来い。
 一人来れば子供二人を帰す。二人来れば子供八人を帰す。
 君らが社会と未来の子供の為に身を捨てるか否かである。
 』
 犯行声明には山荘の場所が書かれていたので長野県警は応援を得て山に入る。だが地雷原に触れてしまう。
 早くも犠牲者が出た。
 次にヘリが山荘に近付く。
 これもロケット弾に落とされてしまう。
 ドローンで偵察するがこれも機関銃と小型ロケットで落とされてしまった。
 更に警察の車両に向けて砲撃が開始される。
 警察は下がるしかない。マスコミも囲いをさらに後ろに下げられた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 杉下一行が一人目の動画をメール添付して来た。
 犠牲者は札幌平成大学講師竹田柚季である。
 敏感な部分をピンポイントに責められて竹田柚季は失神した。
 竹田柚季は大股開きで空中に吊るされたままである。
 端澄敏郎は鞭を何本も用意している。
 鞭打ちを忍者姿黒装束の一人に任せた。
 男は失神している竹田柚季の顔を一本鞭の先端で叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の躰が震撼して頭を振って目を開く。
 男は次を構える。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は躰を振って叫ぶ。
 竹田柚季はV字開脚に空中に吊るされたままである。
 高手小手に縛られた胸部の縄にフックが掛けられて天井からチェーンブロックに吊るされていた。
 さらに各々膝から脚首に掛けた縄もそれぞれ離れたチェーンブロックに吊るされている。
 竹田柚季の躰は空中で船の碇の形に吊るされた姿である。
 「だまれーーーーーーーーー。お前の様な奴は徹底的に叩いてやる」
 男は怒りを剥きだしている。
 鞭の先端は女の部分をもろに叩いていた。先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーー」
 竹田柚季は頭を振って強烈な悲鳴を上げる。躰は空中で強く震撼する。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。私が何をしたのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は怒りの限り叫ぶ。
 「テレビでお前のような意見を吐く奴らがゆるせないのだーーーーーーー」
 男の鞭は竹田柚季の女に部分の緩く閉じ合わせた粘膜を斜めに叩く。
 「うぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は般若の表情をさらに歪めて大口も歪めて悲鳴を搾り出す。
 躰に力が入って空中で強く引っ張り藻掻く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は顔を振って涙を飛ばして痛みに藻掻く。
 男はさらにもう一発構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は堪えられない痛みに狂ったように叫ぶ。
 男はそれでも鞭の先端を女の部分に叩き付ける。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は痛みに躰を硬くして強く振る。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は空中で藻掻き暴れる。
 叩かれた女の部分の粘膜から血が滲み広げられた大陰唇から流れ落ちる。
 目から一気に涙が溢れ出る。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に号泣状態である。
 さらに竹田柚季の躰はぶるぶる震える。
 「俺達は冤罪で人生を潰されたグループだ。俺の仲間が冤罪の復讐をしたらお前らは勝手な正論で非難した」
 男はさらに鞭を振り被る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の顔は恐怖に破裂する。
 鞭は内腿を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「お前はな復讐はいけない。きちんとした手続きで無罪を主張すべきだと言いやがった。俺達には人生潰されて手続きも正論も今更無罪もない」
 男はさらに振り被る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房をもろに叩く。SM系動画で男優が叩くようなものではない。思いっきり強い力で叩いている。
 「あ、ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叩いた鞭の先端の形に真っ赤な痕が浮かぶ。
 「ぐうーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の強烈に藻掻き苦しむ表情が画面に焼き付く。
 「やーーーめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「冤罪で人生失ったら日本人全部殺しても飽き足らない。お前らに復讐や。徹底的に拷問してやる。そして全世界に公開や」
 男の声はふざけてない。怒りに沸騰していた。
 「もっと叩いて。痕だらけに」
 横に控えている忍者姿黒装束が小声で要求する。既に蝋燭を溶かして準備していた。
 「何で私がこんな目に合うの。貴方を冤罪にしたのは私じゃないでしょう」
 竹田柚季は抗議する。
 「お前の発言に天誅しているのだろ!」
 さらに鞭を振り被る。
 顔が斜めを向いて乳房を斜めに力いっぱい叩く。大きくはないが色白で肌理が細かく形の良い乳房である。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柔らかい乳房に真っ赤な痕が浮く。
 「おら。もう一発」
 さらに振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は破裂した表情を凍らせて叫ぶ。
 男は同じ乳房を鞭の角度を変えて叩く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の乳房に罰の字の鞭の痕が付いた。
 鞭を持った忍者姿黒装束の男の勢いは止まらない。さらに振り被る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう片方の乳房にも罰の字の痕を刻む。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 暫く鞭の滅多打ちが続いた。
 乳房と内腿に蚯蚓腫れを幾つも刻んで蝋燭を溶かしていた男に交代した。
 溶かした蝋類は和蝋燭などではない。キャンドル様の真っ赤な蝋燭である。
 和蝋燭とは熱さがかなり違う。
 その男は溶かしてガラス瓶に貯めた蝋類を二つ手に取る。ガラス瓶を傾けて肩から両方の乳房に流す。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 両方の乳房が真っ赤な蝋類に包まれた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は堪らず叫び続ける。
 次に内股に真っ赤になった蚯蚓腫れに両手で二本流す。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の躰は空中でぶるぶる震える。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は震えながら大口を破裂させてサイレンのような悲鳴を上げ続けた。
 最後の一個を女の部分に流す。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は遂に失禁してしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が何処までも続いた。
 端澄敏郎はそこまでで一度竹田柚季をクロロフォルムで眠らせる。
 そのまま座敷牢に投げ込んで動画を配信した。
 
 如月鬼堂らが確認したのはここまでである。
 「これは恐ろしい事件かもしれませんな」
 モニターの向こうで館山弁護士も考え込んでいた。
 「こっちに影響は少ない事件だな」
 如月鬼堂は逆に楽観している。
 「行方不明から拉致と判った女性がみな社会的にある程度の地位があります」
 館山弁護士は事件の規模の大きさに感嘆している。
 「犯行声明からそうなるだろう。良く拉致したものだ」
 如月鬼堂は高見の見物の姿勢である。
 「しかし恐ろしい要求をして来ましたな」
 福富麻次郎も世間話の領域である。
 「まず人質交換には動かないでしょう」
 杉下一行は二人の代議士が行かないと見ている。
 「でも微妙です。子供八人。ましてこの二人の議員に遺恨が合って子供達は偶然の災難です。要因は議員二人に有ります」
 「それでも悪い事をした訳ではありません。どっかの教会と縁があって関係を追求されている訳でもありません。行く義務はないでしょう」
 「俺の嫌いな議員だ。どう成ろうと知るか」
 如月鬼堂は仲間内と構わず本音を言う。
 「しかし。八人の子供の親達が何とかしてくれと騒いだら面白い事になりませんか」
 大河内税理士である。
 「私はそれを考慮して立憲国民党とは反対側の支持者の子供を狙ったと思います」
 館山弁護士の推測である。
 「この端澄敏郎とかいったい何の事業に失敗したのだ」
 如月鬼堂は犯行声明に無い部分に注目する。
 「既に報道されています。詳しく書かない分報道が掘り下げます。それが狙いでしょう」
 館山弁護士はマスコミを逆利用したと言いたい。
 「そうです。遊技場、キャバクラ、和食チェーンなどから風俗店、ソープ、旅館も経営していました。コロナ過で大打撃でしょう」
 福富麻次郎である。
 
 十月六日。
 館山弁護士の推測通りと成った。
 翌日子供の母親が立憲国民党本部に押しかける。一人ではなかった。それが現地で出会って合流する。そのまま集団と成った。
 全員一丸とした交渉に成る。
 父兄らの言い分は拉致の原因が二人の議員にある。自分らの子供はとばっちりで攫われた犠牲者と言う。
 全員が民事党支持者の子供であった。
 父兄らは小さな事を論って審議を停滞させ経済を弱体させる。この二人の答弁がこんな事態を呼んだと言う。
 衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝は出てきていない。
 
 さらに犯人から宣言が出された。
 『衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が明日までに来ないなら我々の本気度を示すため昨日動画を配信した竹田柚季を死体にして帰す』
 警察も報道も震撼した。
 誰も二人に行けとは言えない。
 山荘からの反撃が強く人質がいる。それも子供が八人も混じっている。警察はまったく手を出せない。
 立憲国民党本部には八人の子供の父兄が全部集まった。
 此処も山荘も膠着状態である。
 森川雪と連雀那枝はまったく姿を現さない。
 
 十月七日。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 竹田柚季がもう一度座敷牢から引っ張り出された。
 「私をどうするのよーーーーーーーーー」
 竹田柚季は藻掻く。四人でそれを引っ張り出す。
 「やめてよーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は強く抵抗する。なんとなく予感がしたのかもしれない。
 「森川雪と連雀那枝が人質交換に応じないのでな。動画の第二段や」
 そう言って竹田柚季にクロロフォルムを当てる。
 眠らせて動けなくして磔にしてから撮影開始である。
 竹田柚季の躰は鞭の痕が無残に残っている。
 警察は穴を掘る準備を始めたが監視カメラと偵察ドローンに見つかりミサイル攻撃を受けた。
 死傷者十二名を出してしまう。内三名の死亡が確認された。
 「無駄なことは止めろ。今度やったら子供が一人遺体で帰る」
 拡声器で警告が発せられた。
 さらに大型ドローンが小型爆弾を警察部隊とマスコミの列に落として行く。
 竹田柚季は拷問椅子に磔にされた。
 余計な手間を食ったが一人見張りに付いて拷問開始である。
 一昨日叩いていた男がまた鞭を持つ。
 竹田柚季は拷問椅子に全裸で高手小手に縛られ腰、膝、脚首を縄で厳重に固定されていた。
 股間は百二十度くらいに広げられている。
 男は鞭で女の部分の閉じ合わせた粘膜を強く叩く。
 「う、うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は一発で意識を回復する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人の忍者姿黒装束がクスコを挿入する。
 「あんたの恥も公開だ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 クスコの中がペンライトで照らされて二日分の汚れが確認される。
 それをロングスプーンで掻きだす。
 「お前の究極の羞恥大公開だ」
 スプーンに掬った汚れを翳す。
 「風呂に入ってないの!!」
 竹田柚季は堪らず叫ぶ。
 男は鉄の箸をクスコの奥にくっきり見える子宮口に突っ込む。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 「うおーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は強烈な痛みに藻掻き涙を流す。
 「やめてーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は強烈な痛みと子宮を突かれた不安に堪えられない。ヒステリー状態に喚く。
 次はドテの陰毛に金属の櫛を当てる。
 蝋燭に点火する。
 「なにするのーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は恐怖に慄く。
 「毛を焼いてパイパンにするのよ」
 男は櫛を当てた陰毛に蝋燭の炎を当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 陰毛は一気にちりちりと溶ける。
 「まだ熱くないぞ」
 男は構わず火を当てる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は恐怖に顔を揺すって悲鳴を上げる。
 大陰唇の陰毛は竹田柚季が自分で処理していた。ドテの陰毛を焼いて残りを剃刀で剃る。
 「何でそんな事するのーーーー」
 「お前のパイパンを社会に公開するのだよ」
 「何でそんな事まで」
 「パイパンを見たいと思うお兄さん方もいらっしゃる」
 「はっはっはっはっは」
 もう一人が哂う。
 「・・・・・」
 竹田柚季は悔しさに唇を咬む。
 「もう一度悦ばすか」
 「最後の悦びだな」
 二人の男は恐ろしい言葉を交わしていた。
 もう一度クスコを挿入する。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。まだなにするのーーーーーーーーー」
 竹田柚季は神経質な表情を歪めて抗議する。
 「気持ち良くしてやるよ」
 「やめろーーーーーーーーーーー。しなくていいよーーーーーーーーー」
 一人の男がリモコンから伸びたアームの先端に付いたマイクロローターを膣の奥に差し込む。
 先端を女の敏感な部分に当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー。そんな事してもうれしくないよーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は女の性を弄られるのに堪えられない。
 さらに尿道に使うマイクロバイブを取り出す。
 「これで尿道を気持ち良くしてやる」
 「やめろーーーーーーーーーーーー。いたいだけだろーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は怒りの限り叫ぶ。
 男はキシロカインゼリーを塗ってクスコの二枚の金属の間に下がった尿道口に挿入する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 キシロカインゼリーを塗っても寸前は痛みが有る。だが竹田柚季はそれ以上に屈辱に怒り叫ぶ。
 もう一人の男は容赦なく娼婦の泣き所をマイクロローターでピンポイントに責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人は尿道バイブをゆっくり動かす。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季はまったく堪えられない。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の声が緊迫する。
 男が尿道バイブを抜く。
 潮が瞬時に流れ飛ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断続的にさらに飛ぶ。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の表情は究極の逝き顔に歪む。腰は迫上がる。
 男はもう一度尿道バイブを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の腰は震撼する。膣は微妙に痙攣する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季はの逝き声は一条強烈に上がる。
 次の瞬間竹田柚季の躰は拷問椅子に沈む。
 尿道バイブを抜くと尿が少し流れ出る。
 マイクロローターを抜き取ってクスコを抜くと膣液が流れ出す。クスコに載った白く濁った液をカメラに翳す。
 男らは最後の仕上げに端澄敏郎を呼びに行く。
 「依頼人。最後の悦びを教えました」
 既に長い鉄の棒と高枝斬り鋏みが用意されていた。
 鉄の棒は焼けたコークスの中に突っ込まれている。
 「徐々に焼いて行こう」
 端澄敏郎はじっくり殺す所存である。
 半田鏝を温める。
 「クリトリスから焼こう」
 忍者姿黒装束の一人が竹田柚季のクリトリスを包んだ包皮を指で剥く。
 端澄敏郎は半田鏝の熱さを確認してピンクの玉に当てる。
 「は、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は一気に意識を戻す。
 「あーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は恐怖に凍り付いた表情を破裂させて叫ぶ。
 「次はお○○この中だ」
 端澄敏郎は簡単な事のように言う。
 「何だって」
 竹田柚季は恐怖と怒りの表情である。
 「最後の悦びを差し上げました。あとは焼いて仕舞うのです」
 端澄敏郎は淡々とした口調で言う。
 「や、め、てーーーーーー」
 竹田柚季は震えた声で叫ぶ。
 忍者姿黒装束が竹田柚季の膣口を枠だけの開口器で広げる。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の断末魔の声が上がる。
 端澄敏郎は先端が真っ赤に焼けた鉄の棒を構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季の強烈な悲鳴の真っ只中である。端澄敏郎は真っ赤に焼けた鉄の棒を膣に突っ込む。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎は突っ込んだ鉄の棒を捻って抜く。
 「ぐうわあーーーーー・・・・・・・」
 竹田柚季は白眼を剥いて失神してしまった。
 端澄敏郎は高枝斬り鋏を持つ。
 先端を開いて竹田柚季の左の乳輪にあてがう。
 軽く挟んで乳輪を突き出す。
 続いて力を加えて一気に鋏み斬る。
 「ぐ、ぐ、ぐうわおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は一気に意識を回復して叫び声を上げる。
 乳輪ごと斬り飛ばされ血が飛び散る。
 忍者姿黒装束が直ぐに止血する。
 「あーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 止血パットで上から押さえる。
 「あーーーーーーーーーー。ああーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田柚季は喚き続ける。
 忍者姿黒装束が麻酔を打つ。
 さらに太い注射器で大量に血を抜いてしまう。
 忍者姿黒装束は竹田柚季の躰を透明な強化ビニールの筒状のケースに収める。
 天井のハッチを開く。
 大型クレーンで外から竹田柚季の躰を筒状のケースごと吊り上げる。
 それを警察部隊が構える手前に投げ落とす。
 「森川雪と連雀那枝が来ないので約束通り竹田柚季を遺体にして帰す」
 大型拡声器でメッセージを放つ。
 警察が回収して死亡が確認される。
 同時に竹田柚季の二本目の動画が配信された。
 報道は騒然となる。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 本多椿と館山弁護士が来ていた。
 翌日のインターネットアダルト放送の打ち合わせである。
 二本目の札幌平成大学講師竹田柚季の動画を確認し終わった。
 「予告通り殺されましたよ」
 館山弁護士である。
 「子供は殺さないよね」
 本多椿はそっちを心配する。
 「俺はまず殺さないと思う。子供を殺したら奴らの犯行の論点がずれてしまうだろ」
 如月鬼堂はあくまで威嚇と思っている。
 「犯罪の質が下がるとか」
 「その先犯罪を語るに子供を殺したが先に立ってしまう。それは犯人の本位ではない」
 「すると子供の人質はロシアの核と同じですな」
 「残った四人の女性は」
 「犯人の意図から一人は生きたまま帰すと思う」
 犯人の体質を連続拉致強姦事件の連中と同様に見た如月鬼堂の強引な見解である。
 「それではあと三人殺されると言うこと」
 本多椿は明日の進行を考えている。
 「名古屋の事件の二の舞ですな」
 「いいや。もっと陰湿に来る。残った四人の犠牲者がどうなるかだ」
 「既に竹田柚季さんも相当悲惨な殺され方ですね」
 「森川雪と連雀那枝が応じるかどうか」
 如月鬼堂もこれは何とも言えない。
 「もし二人が人質と交換に応じたらあとの四人も助かるの」
 「動画公開までで終わるだろ」
 「それでも悲惨ね」
 「もとから五人の女性も犯人の制裁対象だ。殺すのは二人の代議士が応じないから子供の身代わりだ。二人の代議士が応じたら命だけは助ける」
 「例え犯人の端澄敏郎が子供を帰しても人質四人では警察は突入できないですね」
 「いや。人質を全部帰すか殺しても警察が突入には多大な犠牲が出る」
 「それじゃどうなるの」
 「まず犯人の目的に警察の制裁も入っている。篭城に限界はある。最後は自爆か自決だが警察を巻き添えにする」
 「ねえ。端澄敏郎は死ぬ覚悟でも他の黒装束は逃げられるの」
 「それは無理だろ。いくら山一個私有地でも。警察が周囲を囲んでいる。逃げ出す手段はない」
 如月鬼堂はやや迷いがあったがそう言い切った。
 
 十月八日。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 周囲を取り巻く警察部隊に向かって一発のロケット弾が発射された。
 警察部隊は囲いを解いて逃げるが数人の集団の上に着弾する。
 数人が犠牲になり搬送された。
 忍者姿黒装束は二人目の犠牲者を座敷牢から引っ張り出す。ロケット弾は見張りが一人で手薄になるので威嚇である。
 今度の生贄はテレビ太陽アナウンサー吉原愛美三十二歳。
 眠らせて拷問室に運び込む。
 端澄敏郎は如月鬼堂のサイトに出てくる逆さ吊るしを要求する。如月鬼堂に係わらず海外で良くある吊るし方である。
 吉原愛美は普段ミニスカートなど履かないが脱がすと綺麗な脚であった。余分な肉は殆どない。
 この吊るしによって美しさは引き立つ。
 上半身は高手小手に縛っている。やや小ぶりの乳房だが形は良い。高手小手に縛ってやや突き出すと美しさが際立つ。
 吉原愛美の躰は空中に船の碇を逆さまにしたような形に吊るされていた。
 大股開きで股間は百八十度以上に広がって女の部分とアナルは斜め前を向いて丸出しである。
 太腿の両方の付け根を縛った二本の縄にフックを引っ掛けて天井から吊ったチェーンブロックから下がったフックに吊るされている。
 八の字に広がった脚は脚首に掛けた縄で離れた壁のフックに引っ掛け引っ張られていた。
 髪の毛は真っ逆さまに床に先端が着いている。
 「まずこの女の羞恥極まりない撮影をしてそれから起こそう」
 端澄敏郎が忍者姿黒装束の二人に要求する。
 まずは女の部分を拡大撮影。さらに指で両側から広げる。薄橙の粘膜を広げて尿道口と膣口を公開してしまう。
 小陰唇の縁はやや艶のある小豆色だが内部の粘膜は綺麗である。
 「三十過ぎにしては綺麗ですよ」
 「そっちの満足時間は少なかったのだろう。たっぷり泣かせよう」
 端澄敏郎は嬉しそうに哂う。
 この社会派、リベラル派アナウンサーの恥ずかしい姿を公開したら社会はどんな騒ぎになるか溜飲が下がる衝動を禁じえない。
 膣口は閉じ合わせているが二人が両側から指を入れて広げようとする。入口付近にべろのような襞が一枚閉じていた。
 ゴムのように女の部分を引っ張り広げると薄橙と白に近い斑な波打った膣壁が広がる。
 二人の指四本で強く広げると奥に真紅の子宮口の盛り上がりが見え隠れする。
 端澄敏郎は上からのカメラでその部分を鮮明に収めてゆく。
 忍者姿黒装束がクスコを挿入する。
 吉原愛美の膣の中が広がり女の奥が鮮明になる。
 奥の子宮口を中心にしてカメラの角度を少しずつずらして膣内をじっくり公開してゆく。
 「どうやって起こします」
 「子宮口と尿道を同時に行こう」
 端澄敏郎は二人の忍者姿黒装束にブジーを一本ずつ渡す。
 一人がクスコの金属の嘴の根元が割れた間に挟まった尿道口に当てる。もう一人はペンライトで奥を照らして子宮口に当てた。
 「行こう」
 一斉に突っ込む。
 「う、うう、うぐーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰が強く震撼して悲鳴を絞りだす。
 「う、ぐ、う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は痛みに藻掻き続ける。
 「社会に公開すべく吉原愛美の恥ずかし過ぎる動画ができつつあります」
 端澄敏郎は逆さ吊るしの吉原愛美の顔の直ぐ横にしゃがんで告げる。
 「何と言う犯罪!絶対に許せない!!」
 吉原愛美は怒りを吐き出す。
 二人の忍者姿黒装束は一度ブジーを抜く。
 「それではここまでの動画の内容をご鑑賞いただきましょう」
 端澄敏郎は吉原愛美を撮影した動画を再生する。
 正面のモニターに逆さ吊るしの吉原愛美が映りだす。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は映し出された自分の姿に驚愕の悲鳴を上げる。
 「どうです。真っ赤な乳首も鮮明ですよ。一番恥ずかしい部分もくっきり」
 端澄敏郎はゆっくり詰る姿勢である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は画面で自分の女の部分が広げられてアップに成ったのを見てまた悲鳴を上げる。
 「まだまだ序の口です」
 端澄敏郎は静かに哂う。
 クスコが挿入され奥まで鮮明にアップで子宮口まで映し出される。
 「あーーーーーーーーーー。ひどいーーーーーーーーー。げれつよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はあまりの事に喚き散らす。
 「社会派とか仰る吉原アナのお○○この詳細でございます。これが公開されましたらみなさん食い入るように見ます。そして永久保存版です」
 端澄敏郎はさらに笑みを湛えて言う。
 「そんなことして。な、なんに、なるのーーー」
 吉原愛美は怒りに言葉が震えていた。
 「貴女を表社会から葬りたいのです」
 端澄敏郎は毅然と答える。
 「絶対に許さない!!」
 「許す許さないも我々は生きて此処を出られると思っておりません。最後は警察と討ち死にです」
 端澄敏郎は嘲るように語る。
 「それ以前にあんたも生きて出らでるか。それは衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝次第だな」
 忍者姿黒装束の一人が付け加えて宣告する。
 「と言うことです。死んでも恥ずかしい動画は永久に残ります」
 端澄敏郎はさらに嘲る。
 「代わりに私を殺すの」
 吉原愛美は怒りより深刻になる。
 「子供達の代わりです」
 「子供を攫って人質にして議員を呼び出して来なければ私達を殺して最後は子供も殺すの」
 「そうだよ。既に竹田柚季は遺体で帰した」
 「おのれーーーーーー」
 吉原愛美は驚愕の表情で唸る。
 「それでは永久保存版の続きを撮影です」
 「おのれーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は怒りに唇を咬む。
 細く柔らかい尿道バイブとリモコンから伸びたアームの先端にマイクロローターがL字に付いたアイテム。端澄敏郎はそれを吉原愛美の目前に翳す。
 どっちも杉下一行のアダルトショップの商品である。
 「これで吉原アナの女の奥の敏感な部分とおしっこのアナを刺激させていただきます」
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の二人が大股開き逆さ吊るしの後ろに立ちそれぞれ尿道バイブとマイクロローターを挿入せんと構えた。
 一人はクスコの奥の膣天井部にL字のマイクロローターを当てる。
 一人はクスコの金属の割れた部分に突き出した尿道口にゆっくり尿道バイブを突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 マイクロローターのスイッチを入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーやめろーーーーーーー」
 吉原愛美は堪えられず喚き散らす。
 尿道バイブを持った男が暫くゆっくり回転させながらピストンして抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿道から潮が噴出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 溜まっていた尿は止まらず噴き上げ続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美にはどうにも堪えられない事態である。
 排泄尿は吉原愛美の顔の前を流れ落ちて床に跳ねる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 吉原愛美は狂ったように藻掻き続ける。
 尿道バイブの男はもう一度突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく男は回転とピストンを加える。
 膣内を責める男もまた同じ場所を責め続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はまったく堪えられない。
 逆さ吊るしの躰は捩って震撼する。股間は微妙に痙攣していた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の逝き声はサイレンと成る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は一瞬強く震撼する。
 「あーーーーーーーーー。ああーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 吉原愛美は暫く荒い息遣いで藻掻き続けた。
 「あーー。膣の中は女の液でぐっしょりです」
 上からのカメラに切り替えてアップに映しだす。
 端澄敏郎はスポイトでそれを吸い上げてワイングラスに流し出した。
 「どうです」
 それをカメラと吉原愛美の目の前に翳す。
 「や、やめてーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束はさらに責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は逝ってしまって更なる責めに一気に上り詰めてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はサイレンのように逝き声を上げ続けた。
 逆さ吊るしの躰は強烈に震撼する。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに強烈な逝き声が轟く。
 吉原愛美はさらに二回上り詰めて三回目に失神した。
 男らは吊るしをゆっくり床に降ろす。
 クスコから多量の膣液が流れ出すのをアップでカメラに収める。
 「獣縛りにしよう」
 その時爆音と機銃音が成った。
 警察のヘリが近付いたのである。
 さらにロケット弾の発射音が響く。
 そして爆発音が轟いた。
 ヘリを撃ち落としたようである。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外は曇り空。テラスに出て純米吟醸と魚介類で乾杯していた。
 「なかなかやってくれるな」
 医者の男は感心していた。
 「あのヘリは何なのだ。撃ち落とされると判っているだろう」
 印刷会社の社長はヘリの飛行を嘲る。
 「無人のヘリじゃないか」
 「戦力を確認したのか」
 「その可能性が高いな」
 「二人目は殺すのか」
 「もう一度動画を公開して脅しを掛けるだろう」
 「あの二人の野党政治家は動くのか」
 「それだけは何とも言えん。だが攫われた子供は民事党支持者の子供だ。親は騒ぎ続けるだろう。営利誘拐ではなくこの二人が標的だ」
 川口の会長もそこは何とも言えない。
 「できれば子供らと人質交換に成って貰いたいな」
 「奴らが何処まで追い詰められるかだな」
 「最後は子供も殺すか」
 「それはしないな。子供を囮に警察を引き寄せるくらいだな」
 「あの二人。出て行かないでこの先イメージダウンに成らないか」
 「表面的には成らないな。非難とか何も言わないけど離れる支持はそれなりにあるだろう」
 「しかしこいつらにはもっとダメージを与えたいな」
 「何か方法があるか」
 「うーむ。あればやりたいな」
 
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 吉原愛美は獣縛りのような形で低い高さに吊るされていた。失神してから眠らされまだ意識は戻ってない。
 胸部は高手小手に縛られ後ろ手の部分にフックが付けられ一本はこれで吊るされている。
 さらに膝と脚首に縄を掛けられてそれぞれ天井から下がったチェーンブロックのフックに吊るされていた。
 股間は正面を向いて女の部分は剥きだしに成り犯すに丁度良い高さに成っている。
 忍者姿黒装束の一人が挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は直ぐに意識を回復して喚きだす。
 「今までのこういったお仕置きではDNAが残るので強姦は避けていました。我々はそれを気にする必要はない。貴女のダメージをアップする為に行います」
 端澄敏郎はまた淡々と語る。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の男は容赦なくハードにピストンする。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は藻掻き続ける。
 もう一人の忍者姿黒装束の男が後ろから押さえる。
 「ううーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は膣の奥まで侵入してくる男根に抵抗を続ける。
 一人目は十分くらいで果ててしまった。
 次の男が吉原愛美の膣をセペで洗う。
 見張り役は高い鉄塔に設えた三百六十度カメラとレーダーを確認して外の警察部隊と攻撃態勢で構えている。
 終わった男はその男と交代した。
 四人が輪姦せば既に何回か逝ってしまった吉原愛美の躰は嫌でも濡れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 三人目でかなり逝き声が変化し始めた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 吉原愛美にもう堪えることはできない。
 尿道バイブとマイクロローターの責めが効いているのである。
 吉原愛美は藻掻き続ける。だが股間は痙攣している。やがて躰は大きく藻掻くように震撼する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は遂に逝き顔らしきを晒してしまった。
 四人目が果てて膣の中を掻きだす。
 大量の膣液と情液が流れ出る。
 「まずお前の躰中の毛を剃る」
 忍者姿黒装束の一人が宣告する。
 「あはあ・・・・・はあ・・・・・はあ」
 吉原愛美から反論も出ない。微かな息遣いを漏らすだけである。
 もう一人がバリカンを持つ。
 一人は剃毛に掛かる。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎が吉原愛美の躰を押さえて手伝う。
 髪の毛はバリカンで一気に根元から刈る。
 「あーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美がいくら騒いでもカットと剃毛を続ける。
 躰に刃とバリカンが当たっているので下手に動けない。
 吉原愛美は全部終わって座敷牢に戻されて高手小手の縄も解かれた。
 「あんたの一本目の動画だ。これから公開する。其処のモニターでゆっくり鑑賞しな」
 忍者姿黒装束の一人がUSBを差し込んで行く。
 「何で私をこんな目に合わせるの」
 吉原愛美は堪らず抗議する。
 「あんたの報道姿勢に腹が立つからだよ」
 一人が言葉を叩きつけた。
 「お前らジャーナリストは特定な政党支持を言ってはいけないと言いながら限りなく立憲国民党の言い分寄りに報道する。法律より綺麗事社会を唱える」
 他の一人が付け加える。
 「報道が意見を言うことすら気に入らんのだよ。お前の言う綺麗事モラルが必要悪を排除して景気を締め付ける」
 別の一人も怒りを叩き付ける。
 「お前らが女性の訴えだけで痴漢を一方的に決め付けるから冤罪だらけだ」
 「そんなーーーーーー」
 「疑わしきは罰せずが基本の筈だ。それがいつか痴漢や強姦は訴えだけで有罪に成ってしまった。マスコミの一方的報道や。お前らの言う意見や!!」
 そしてその男は怒りの限り吉原愛美をビンタする。
 「うぐーーーーーーーーー」
 「良いか。まだ今日公開して終わりじゃない。第二段も作るぞ」
 そう宣告した男も吉原愛美をビンタする。
 「うーーーーーーーーーー」
 男らは座敷牢に鍵を掛けて去って行った。
 
 十月十日。
 吉原愛美の動画がメールでばら撒かれた。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 また杉下一行が動画を転送して来た。
 直ぐに杉下一行と館山弁護士のテレビ会議が繋がる。
 『十月十五日までに衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が来ない場合は吉原愛美も無残な遺体と成って帰る』
 最初にこの文言が表示された。
 「鬼堂先生の予測通りですね」
 「まだまだ。この先がもっと恐ろしい」
 「警察は囲んでいるだけですね」
 「それも端澄敏郎の山の敷地の外に囲んでいますね」
 「人質が子供で攻撃設備が有ってはな」
 動画の最後に子供達が無事で食事している姿が映される。
 そして以下の文言が流れた。
 『衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝。この子供達を早く助けに来い。我々は人質を盾に此処から逃げる心算はない。子供の人質は帰す。一人も人質がいなく成ったら警察部隊と銃撃戦をして果てるだけだ』
 「森川雪議員と連雀那枝議員行ってくれますかな」
 館山弁護士もどっちとも言いかねる。
 「判らないな。どう展開するか。どうであれ子供は殺さない。彼らが生き残ることはない。これだけが確かだ」
 如月鬼堂もそれ以上は想定できない。
 報道は常に密着して状況を伝えるが警察部隊はまったく動けない。かなり遠くからドローンが山荘を撮影していた。
 まず子供八人の安否が気遣われている。無事な姿が公開されただけ安堵するがこの先を強く懸念された。
 テレビ太陽は全員の無事を願いながらもキャスターはいまの動画で次の殺害を予告された吉原愛美を強く心配する。
 
 十月十五日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外は曇り空。されどまだそれなりに暑い。
 テラスに出てバーベキューと生ビールである。
 「SNSにメッセージばら撒いて森川雪と連雀那枝が出て来る様に煽ってやらないか」
 医者の男は煽って愉しみたい。
 「そんな必要はないですよ。子供達助けてーーーーーーーと悲鳴のような書き込みだらけです」
 印刷会社の社長である。
 「煽る必要はなかったか」
 「マスコミは二人に行けとは言えないが。子供助けての書き込みなら名誉毀損にはならないな」
 川口の会長も哂っている。
 「それでも出てこないか」
 医者の男はもっと面白く成って欲しい。
 「もう直テレビ太陽の吉原愛美も死体で帰される。残り三人殺されたら子供の番だ。それに動かないで済むか」
 運送会社の社長である。
 「どうとも言えないな。子供は帰すしかない。俺もそう指導している。女も一人は生かして帰す。吉原愛美のあと二人殺したら警察と討ち死決戦だ」
 川口の会長はそっちの結末が濃厚と言う。
 
 十月十六日。
 零時を回った。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 見張り一名を残して端澄敏郎を含む四人で吉原愛美を座敷牢から引っ張り出した。
 相変わらず端澄敏郎以外は忍者姿黒装束にサングラスである。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は拷問される恐怖に喚いてしまう。
 クロロフォルムを嗅がせて拷問部屋へ運ぶ。
 「依頼人。どうします」
 「床に鉄板敷いて磔にしよう」
 重い鉄板をクレーンで吊って床に敷く。二枚を真ん中で接続する。
 接続には蝶番を螺子穴に止める。
 腕を広げて手首と肘にU字金具を当ててボルトで固定する。
 腰はベルトで固定した。
 「脚はV字開脚で吊るそう」
 脚首に筒状の金具を填める。それに鎖を接続して天井から下がったチェーンブロックから吊るして引っ張る。
 吉原愛美の股間は広めのV字開脚に成った。
 既にドテは剃毛されて僅かな陰毛が頭を出し始めている。
 髪は丸坊主にされて極僅かに黒髪が頭を出していた。
 かなり無残な姿だがまだ女の色香は消えてない。
 「今回は爬虫類責めだな」
 端澄敏郎は吉原愛美をえげつなく虐めたい。そして躯を晒させて遺体で警察の前に翳す。
 「どれから行きます」
 「尿道に蚯蚓から行こうか」
 「判りました」
 忍者姿黒装束の一人が吉原愛美の乳首の両側に乳輪を外してスタンガンの端子を当てる。
 「うう、うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は一気に意識を戻す。
 「今日は貴女の尿道に蚯蚓を入れてあげます」
 端澄敏郎はそう言って吉原愛美の前に細く小さな開口器を翳す。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は恐怖に甲高い声を上げる。
 忍者姿黒装束の一人が吉原愛美の女の部分を広げて尿道の小さな亀裂に小型の開口器を挿入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は異物の尿道侵入に悲鳴を上げた。
 その男は容赦なく開口器を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 僅かに尿が流れ出る。
 その姿は天井から下を向けて吊るしたモニターに反映されていた。
 他の男が蚯蚓をピンセットで抓んで吉原愛美の目前に翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は驚愕の表情になって悲鳴を上げる。
 「さあ。ゆきますよー」
 男は蚯蚓を尿道の開口器に近寄せる。
 「あーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は首を振って拒絶の悲鳴を上げて首を強く振る。
 男は蚯蚓の頭を指先で擡げて斜め横に出ている開口器の口に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。止めてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は藻掻き唾を飛ばして喚き続ける。
 蚯蚓は小さな開口器の中に滑り込んで行く。
 「あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は強烈な叫び声になる。
 「はっはっはっはっは」
 四人は愉しそうに哂う。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー。なんてひどいことをーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は涙を溢れさせる。
 「まだまだ序の口です」
 そのまま男は蚯蚓をピンセットから離してしまう。
 蚯蚓は膀胱に滑り込んでしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はサイレンの如く狂ったように悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 吉原愛美はヒステリー状態である。
 「ひどいーーーーーーーーーー。ひどいよーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーいしゃをよんでーーーーーーーー」
 「そりゃ無理だよ」
 端澄敏郎は哂っている。
 「どうするのーーーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 吉原愛美は半狂乱である。
 やがて失禁してしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも蚯蚓は出てこない。
 「中に食塩水を流し込みましょう。そうしたら蚯蚓は死んで小さく蕾みます」
 端澄敏郎は簡単に言う。そしてカテーテルを尿道に突っ込む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はこれにも悲鳴を上げる。
 カテーテルにスポイトで食塩水を流し込む。
 「何回かおしっこを漏らしているうちにばらばらに流れ出るよ」
 端澄敏郎は何でもない事のように言う。
 吉原愛美は震え続ける。
 「次は蛞蝓だ。上と下の口で溶かしてやる」
 端澄敏郎は恐ろしい事を淡々と言う。
 「口を開けろーーーーーーーーーー」
 一人が口の開口器を構えている。
 もう一人はクスコを持って尿道の開口器を抜く。
 そのまま膣にクスコを差し込んでしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 口の開口器を持った男が悲鳴の瞬間口にへらを突っ込んで開口器を滑り込ませる。
 口の開口器は歯と唇に確り嵌り込んでしまった。
 「あはふぁーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は藻掻き続ける。
 クスコの中を照らして蛞蝓を薄橙に広がった粘膜に載せる。
 「あふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が口に突っ込む。
 「あふぁあふぁふぁあ。あふぁあーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は藻掻き暴れ続ける。
 一人が膣の蛞蝓に食塩を掛ける。膣の中で蛞蝓は萎み液体が粘膜に流れる。尋常な不快感ではない。
 「あふぁあふぁあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は開口器の奥から口の蛞蝓を押しながら悲鳴を漏らす。
 端澄敏郎がその口に食塩を掛ける。
 「ふぁはああーーーーーーーーーーーーー」
 口の蛞蝓も溶ける。
 吉原愛美は堪らない不快感に顔を振り唇も震えさせ全身を震撼させて藻掻き続ける。
 端澄敏郎は口の中で溶けた蛞蝓をピンセットで取り出す。
 「ふふぁあーーーー」
 吉原愛美は堪らない不快感に舌で開口器から唾液を押し出す。
 端澄敏郎はその蛞蝓を翳す。
 「大丈夫です。蛞蝓も蚯蚓も養殖です。次は蜥蜴です」
 端澄敏郎は淡々と言う。
 「・・・・・」
 吉原愛美は狂ったように顔を振る。
 一人が吉原愛美の膣を広げたクスコの中に冷凍の小さな蛙を投げ込む。
 蜥蜴と言っても小さなイグアナである。
 男はそれを膣の中の餌の蛙に嗾ける。
 イグアナは膣の中に頭を突っ込む。
 「あふぁあふぁふぁふぁーーーーーーーーー」
 吉原愛美は藻掻き続ける。涙はポロポロ零れる。
 「次は蛇イレポンだな。上と下の口に。はっはっはっは」
 端澄敏郎は嘲ている。
 「ふぁはぁはあはあ」
 二人の忍者姿黒装束がスネークフックで蛇を掴んでいた。
 「あふぁあふぁふぁあふぁあーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はくぐもった悲鳴を上げる。
 端澄敏郎は先に口を指差す。
 口の開口器を外して膣に蛇イレポンの悲鳴をたっぷり愉しむ目論見である。
 一人目が蛇の頭を吉原愛美の口に突っ込む。
 「ぐぼぼぼおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 暫く口の中で動かして抜く。そのまま網袋に戻す。
 「ふぁあーーーーーーーーー」
 吉原愛美は既に白目を剥いていた。
 男は口の開口器を抜き取る。
 そしてもう一度スタンガンを乳房に当てて起こす。
 「う、うぐーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は目をしょぼしょぼさせて顔を振る。
 「さあ次はお○○こです」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人も容赦なく蛇の頭を吉原愛美の膣を広げたクスコに突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 期待した強烈な悲鳴が上がる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は狂ったように躰を震撼させ唾液を飛ばして悲鳴を上げる。
 男は蛇を膣の奥まで押し込んでピストンさせる。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は涙を振り飛ばして悲鳴を轟かせる。
 「どうです。蛇イレポンの感度は」
 端澄敏郎はまた詰る。
 「ふふぁーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は怒りの限り叫ぶ。
 男は蛇を抜き取る。限界を感じたからではない。まだ次に蛇を使う都合からである。そんなに蛇は丈夫ではない。簡単に亡くなってしまう。
 「それでは最後に気持ち良くしてあげましょう」
 端澄敏郎は意味深な表現である。
 「殺すの」
 吉原愛美は最後を察した。
 「さあ」
 男は膣のクスコを抜く。
 もう一人がドリルバイブを二本持って来る。
 「えーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美はドリルバイブの異様な姿に叫ぶ。それが女の部分に男根の代わりに入ると想像が付く。
 「最高に気持ち良くなりますよ。最後の悦びです」
 端澄敏郎は死刑宣告のように言う。
 吉原愛美は怒りに凍る。
 アナルのドリルバイブを持った男がローションを塗って準備する。
 さらにアナルに指を突っ込んでキシロカインゼリーを塗りこむ。
 「あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー」
 慎重にアナルに細い方のドリルバイブを突っ込む。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 太い方のドリルバイブを持った男が膣に指を突っ込んで濡れ具合を確認する。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 仕方なくスポイトで膣にローションを注入して指で掻き回す。
 「あーーーーーーーはあーーーーーーーー」
 吉原愛美は嫌がって藻掻く。
 男は容赦なくドリルバイブを押し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が電マをクリトリスの包皮の上からあてがう。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 膣のドリルバイブを始動する。
 「あーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーー。あーはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー」
 吉原愛美はドリルバイブの強い責めに顔を軋ませて藻掻き躰は震撼する。
 大口を破裂させて声を上げてしまう。
 アナルのドリルバイブもゆっくり振動させる。
 「あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 吉原愛美はまったく抵抗できない。ドリルバイブの責めに蹂躙されて躰を震撼させ股間は震え悶え続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰は強く固まる。そして強く弾けた。
 次の瞬間床の鉄板に沈む。
 白目を剥いて躯の姿を晒してしまった。
 「依頼人。どの様に殺します」
 忍者姿黒装束が端澄敏郎に確認する。
 「どうしたい」
 「鞭で滅多打ちにしてクレーンで吊るして絞首刑。それを警官隊の上から落とすのはどうでしょう」
 一人の忍者姿黒装束が提案する。
 早速鞭が用意された。
 「もう少し待とう。女は眠らせて夜明けまで休もう。朝に成って吊るした方が良い」
 端澄敏郎は夜明けまで休んで朝一番に警官隊の前に吉原愛美を吊るして大騒ぎさせようと目論む。
 見張り一人を残してビールを飲んで眠った。
 一人でも全自動で三十六方機関銃射撃ができる。さらにセンサーが張り巡らされていて何か近付けば反応する。
 見張りが眠っても警報が鳴る。
 見張りは眠ってなかったが先に機関銃が成った。
 残る四人全員が目を覚ます。
 人質は全部眠らせて監禁していた。
 警察の隊列に三十六方機関銃が乱射される。
 ジュラルミンの盾は何枚も貫通していた。
 機関銃は五十ミリである。
 さすがに警察は驚愕した。
 翌朝を待たず起こされた四人は吉原愛美の鞭打ちに掛かる。
 二人は先端が蝿叩きの様な四角い革の鞭を持つ。一人は先端が細く長い一本鞭。一人は先端が長方形の革二枚重なった一本鞭を持つ。
 吉原愛美の躰は床に敷いた鉄板に磔られたままである。脚もV字開脚に天井から吊るされていた。
 端澄敏郎ともう一人で先端が蝿叩きの様な革の鞭で両方から乳房を叩いて起こす。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房を平たい革で叩かれれば相当に痛い。吉原愛美は直ぐに意識を回復する。
 一人が先の細い一本鞭で乳房を縦に叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰が迫り上がって藻掻く。
 一人が正面をややずらしてカメラを遮断しないように斜め正面の位置から女の部分を叩く。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は痛みに躰を究極に捩って藻掻く。
 今度は先端が細長い一本鞭を持った男が乳房を横に強い力で叩く。
 既に一回目に叩いた痕が真っ赤な筋に成っていた。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は躰を弓なりに迫り上げて瞬間固まりさらに藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに涙が溢れている。
 乳房に十字の真っ赤な鞭の痕が浮いていた。
 平たい蝿叩きの様な鞭を持った二人が左右からV字開脚の内腿を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これも強烈に痛い。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 斜め正面の男が女の部分を叩く。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美からさらに涙が溢れる。
 斜め正面の男は続けて女の部分を叩く。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰は痛みに固まる。そして藻掻き震撼する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は泣き悲鳴で叫ぶ。
 男は二人に合図する。
 二人が両側から吉原愛美の女の部分をトングで抓んで薄橙の粘膜を広げる。
 「あーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は恐怖に泣き叫ぶ。
 「だまれーーーーーーーーー。お前らの綺麗事社会を唱える発言が冤罪を作るのだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は怒りの限り叫んで鞭の先端を薄橙の粘膜目掛けて振り下ろす。
 「う、うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰は強烈に震撼する。
 さらに男は構える。
 「・・・・・」
 吉原愛美はもう声も出ない。
 「これは復讐と制裁だ!お前らがどんな事があってもそう言う行為に出るのはいけないと言う」
 男は鞭を振り被る。
 「だが正攻法で戦っても冤罪で失った人生は戻らない。我々には非合法しかない。それでもまだ足らない」
 男は怒りの限り叫んで鞭の先端を縦にして断面で薄橙の粘膜を叩く。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うぐううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美から号泣の涙が溢れ失禁尿が飛び散る。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美の躰は首を擡げたまま震撼する。
 そして薄橙の粘膜から血が滲み出していた。
 「ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吉原愛美は意識朦朧となりながら鉄板の上に沈む。
 既にもうクレーンの準備をしていた。
 戒めを全部外してももう吉原愛美は動けない。首に輪っか状の縄を掛けてクレーンで引っ張り上げた。
 そのまま空中高く上げる。
 クレーンが回って空中に円を描くように吉原愛美の躰を振り回す。
 空中に全裸の吉原愛美が振り回され警官隊から叫び声が上がる。
 十分くらい回してクレーンは縄を外す。吉原愛美の躰は空中を飛んで警官隊の囲いの中に落ちる。
 動画は直ぐにこれまで通りメールでばら撒かれた。
 
 十月十六日七時。
 越後湯沢。如月鬼堂のマンション。
 如月鬼堂は七時に珠洲に起こされた。
 「パパ。また殺されたよ。それと館山先生と杉下さん繋がったよ」
 如月鬼堂は仕方なく起きてシャワーを被る。
 「凄い殺し方だな」
 さすがの如月鬼堂も驚愕した。
 「日曜日の公開で助かりましたな」
 館山弁護士はインターネットアダルト放送の朝だと準備が大変と言いたい。
 「あと三人だな」
 「警察は突入しませんね」
 杉下一行は警察の動きを言う。
 「無理だろう。あの武装で子供が人質では。突入すれば多くの犠牲が出る」
 如月鬼堂も無理と言う。
 「自衛隊が戦車か装甲車を使いませんか」
 「警察にもまだ装備は有る。だがそれでは人質に被害が出る」
 「そうですね。宣言の中で微妙に子供達は帰すと言っていますから」
 「解決には森川雪と連雀那枝が行くしかない」
 如月鬼堂は断定してしまう。
 報道番組でこのニュースを読む吉原愛美の先輩アナウンサーは途中で何度も嗚咽してしまった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 朝から曇り空だがやや晴れて来た。気温はやや低い。
 六人はテラスで魚介類のバーベキューとビール、日本酒を楽しむ。
 「遂に街頭インタビューを始めたな」
 「マスコミでコメンテーターが行って貰いたいとは言えないが。街頭の発言は自由だ」
 「だがまだ控えめだ」
 「大衆の意見が沸騰するにはもう少し掛かるか」
 
 十月十七日。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である
 次の犠牲者はBBS放送キャスター杜川夕沙三十三歳である。
 早朝に端澄敏郎を含む三名で眠らせて運び出す。そのまま同じように拷問室に運び込む。
 「依頼人どうします」
 忍者姿黒装束が端澄敏郎に確認する。
 「今回は拷問椅子で行こう」
 杜川夕沙は拷問椅子の背凭れの後ろで手首を合わせて固定された。
 大股開きで拷問椅子の脚載せに脚首と膝を固定される。
 腰は拷問椅子のベルトで押さえられた。
 上からのカメラで眠らされた全裸を撮影されてさらに顔、乳房、臍、ドテ、女の部分、アナル、太腿が部分的にアップで撮影される。
 女の部分を開いて緋色の内部が拡大された。眠らせたまま剃毛してしまう。
 クスコを挿入して膣の内部を詳細に収める。
 トイレに行かさないで五時間を確保した。座敷牢でトイレを使った時間は確認している。便も出してない。
 杜川夕沙に利尿剤プロセミドを注射する。
 さらに少しだけ待つ。
 クスコにスタンガンを当てて意識を戻させる。
 「うう、ぐう、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は痛みに躰を震撼させる。目を開いて周りを見た。
 「あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は怒りと恐怖に慌て叫ぶ。
 そして強烈な尿意を感じた。
 「トイレ。トイレ行かせてーーーーーー」
 杜川夕沙は耐えられず主張する。
 「其処で出すのだよ。容器も受けている。床に吸収シートも敷いている」
 端澄敏郎が当然の事のように抑揚のない声で淡々と言う。
 「なんですって。できる訳ないでしょう」
 杜川夕沙は反論する。
 「今更。充分恥ずかし過ぎる動画を撮影させて貰っていますよ。そのまま耐えられる限り頑張りますか」
 端澄敏郎は舌舐りして詰る。
 「おのれーーーーーー」
 「真上のモニター見てください。貴女の総てが映っていますよ」
 「あーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は驚愕の表情を破裂させて悲鳴を上げる。
 「ふっふっふっふっふ」
 端澄敏郎は杜川夕沙の焦る表情を愉しむ。
 「あーーーーー。あはあ。あーーーーーーーーーー」
 「貴女の乳首もお○○こもその奥もくっきり鮮明です」
 端澄敏郎はこれまでと同じように詰る。
 「こんな事。ゆ、許されるか!」
 「許されまいとばら撒くのみよ。みんなが保存するだけは法律に触れない。再販しなければ良いのだ」
 「そんな事して!なんになるのーーーーーー」
 尿意に堪えられず杜川夕沙の太腿と股間に力が入っていた。
 「貴女方の言う社会的制裁の逆の制裁です。多くの大衆が意見を述べる貴女を見ながら裸や性器を頭に描いて聞きますよ」
 「下劣極まりない。恥ずかしいのは貴方たちよ」
 杜川夕沙は躰を捩りながら沸騰した怒りの言葉を吐く。
 「はい。下劣にやらせて頂いております。極まりないとご評価くださいまして。歴史に最高の悪名を残させていただきます」
 「う、うううーーーーーーーー」
 杜川夕沙の我慢の限界が来てしまった。耐えられなかった尿が流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。おのれーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の排泄はなかなか止まらない。そして堪らない恥と怒りに表情を軋ませ究極に絞って藻掻き続ける。
 「酷い!酷過ぎる!!」
 杜川夕沙から涙の粒が浮き出していた。
 端澄敏郎は満足そうに悦びの表情である。
 「次は浣腸です」
 端澄敏郎はぼそりと言う。
 「なんだってーーーーーー」
 杜川夕沙は驚愕の表情で睨み返す。
 忍者姿黒装束の一人が既にバケツに板氷の入った水を運び込んでいた。
 もう一人の忍者姿黒装束の男が浣腸器に水を吸い上げる。
 「ああ、ああーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は冷たい水の恐怖に慄く。
 端澄敏郎が拷問椅子の後ろから杜川夕沙のアナル周りを指で押さえてやや広げる。
 男の一人が浣腸器を突っ込む。
 「やめろーーーーーーーーーー」
 シリンダーを押して冷水を注入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー」
 まだ半分も入ってない。男は冷たいシリンダーを軍手で持って押し続ける。
 「うう。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は半分くらいで強烈な腹の痛みに藻掻きだす。
 二人で太腿を押さえて注入を続ける。
 「うーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は顔と上体を捻って藻掻く。
 男はシリンダーを抜いてアナル栓を捩じ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は苦しみに顔を振って髪を振り乱して藻掻く。
 「じっくり苦しんでください」
 端澄敏郎らは拷問椅子から離れる。
 生ビールのサーバーを持ち込んで冷凍の刺身で乾杯を始めた。
 飲むには覆面の口の部分が外れるが問題はない。カメラの照準から外れている。座る位置で端澄敏郎以外杜川夕沙からは背中しか見えない。
 
 十月十八日。
 杜川夕沙の動画が公開された。
 また同じ字幕が流れている。
 『十月二十八日までに衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が来ない場合は杜川夕沙も無残な遺体と成って帰る』
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 杉下一行が動画を転送して来て本多椿を含む五人とテレビ会議が繋がった。
 杜川夕沙はあれから脂汗を掻いて拷問椅子の上で藻掻き続けている。
 気丈そうな美人。そしてづけづけと報道番組で意見を言う女。その苦しむ姿は反対意見を持つ輩には溜飲が下がる。
 表情は瀕死の状態である。
 「うう。・・・・・うう。・・・・・うう。ううーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は拷問椅子の上で躰を揺すって藻掻く。
 「これ抜いてほしいやろ」
 「うぐうーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は怒りと苦しみに言葉を絞り出す。
 「私の排泄見てくださいと言え。そうしたら抜いてやる」
 端澄敏郎は言えない言葉を要求する。
 「うぬーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙はもう苦しみに耐えられない。
 「いつまでも苦しんでください。治まりかけたら追加を用意しております」
 端澄敏郎はさらに追い詰める。
 「ううぐーーーーーーーーーーーー。わたしの排泄。ぐうーーーーーーーーーー見て」
 杜川夕沙は腹の苦しみの限界を超えて言えない言葉を吐く。
 「下さいだ」
 端澄敏郎はさらに叱咤する。
 「うぐーーーーーーーーー。く・だ・さ・い」
 杜川夕沙は苦しさに屈服してしまう。
 「ふっふっふ」
 端澄敏郎は悦びの哂いを浮かべる。
 そしてゆっくりアナル栓を抜く。
 茶色い水が一気に流れ出る。
 殆どの便が溶けていた。塊が一つだけ飛び出す。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の苦しみはまだ治まらない。
 「ううぐうーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙が藻掻きながら最後の方に緩い便が断続的に流れ出る。
 「あはあーーーーーーーーー。あはあーーーーー。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 杜川夕沙は暫く荒い息遣いで苦しみ続けた。
 「酷い。酷い」
 杜川夕沙は怒りが収まらない。このままだとその闘うやり場さえもない。
 端澄敏郎が杜川夕沙のアナルと股間の汚れを拭く。
 「あはあ。はあ。・・・・・はあ。・・・・・あはあ」
 杜川夕沙は恥ずかしさと怒りが込み上げた息遣いを漏らし続けた。
 「あとは逝き顔の公開です」
 端澄敏郎は予定通り進める。
 「・・・・・」
 杜川夕沙は怒りに震え返す言葉も出ない。
 忍者姿黒装束がアナルに端澄敏郎の渡すローターを突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は藻掻き叫ぶ。
 さらに端澄敏郎は棘付きのローターを渡す。男はそれを膣に挿入する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は不快感極まりない。
 続いて普通のローターを二つ突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は叫び続ける。
 全部にスイッチが入った。
 端澄敏郎は奥の棘付きローターの効果に期待している。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は責めに抵抗する。
 三名はリモコンのスイッチを持ってカメラを遮らない位置で構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は全く堪えられない棘付きローターは女の一番敏感な部分を抉るように責めている。
 端澄敏郎は拷問椅子の横に回り広げられた太腿の後ろに入る。
 クリトリスを包んだ包皮を剥く。小さなマイクロローターを指で抓んでピンクの玉の中央を責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 既に躰全体が震撼している。股間は藻掻き女の部分は微妙に痙攣する。
 「あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーやめてーーーーーーーーー」
 杜川夕沙はまだ抵抗を試みている。
 端澄敏郎は淡々と責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は顔を振って藻掻き暴れる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙から強烈な逝き声が一条轟いて躰は拷問椅子に沈む。白目を剥いて躯の姿を晒してしまった。
 一度ローターのスイッチだけを切る。ローターはそのまま抜かない。
 端澄敏郎は失神した杜川夕沙の躰を上からのカメラでじっくり撮影する。
 次は尿道バイブを取り出す。
 もう一度膣とアナルのローターのスイッチを入れた。
 端澄敏郎は至福を込めて杜川夕沙の顔をビンタする。
 「うーーーーーーー」
 もう一発叩く。
 「うおーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は目を開いて端澄敏郎を睨む。だが直ぐにローターの責めに蹂躙されてしまう。
 「綺麗な逝き顔でしたよ。今度は尿道で逝ってもらいます」
 端澄敏郎はさらに強烈な責めを宣告して尿道バイブを翳す。
 「あーーーーーーーーーーなによーーーーーーーーーー。それやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は不本意かつ凌辱的な責めに耐えられずとも藻掻き続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎は尿道バイブをゆっくりピストンする。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 端澄敏郎は手応えをみて尿道バイブを一度抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の尿道から失禁尿が僅かに流れ出た。
 端澄敏郎はもう一度尿道バイブを挿入して責める。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の躰は拷問椅子の上で迫り上がり藻掻き震撼する。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の躰は強く捩って固まる。そのまま震撼しながら拷問椅子に沈む。
 端澄敏郎は尿道バイブを抜く。
 「あはあーーーーーーーーーーん。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 男らはローターを全部抜く。
 杜川夕沙の躰は震撼して股間は痙攣を続けた。
 「なかなか無修正AVでも見られない逝き姿でしたよ」
 端澄敏郎は確り詰る。
 「くやしーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は堪らない言葉を漏らす。
 ズズズズズズズズ。
 この時壮烈な機銃音が轟いた。
 ジュラルミンの盾が少し動いただけである。それでオート射撃が起こった。さすがに警察が取り囲む位置までは気銃弾は届かない。
 そこまで警察部隊の囲みは下がっていた。
 忍者姿黒装束の一人が男根を出す。もう一人がキシロカインゼリーを塗った細いカテーテルを男根に挿入する。
 端澄敏郎が拷問椅子の前に踏み台を置く。
 もう一人がカテーテルを押さえたまま男が股を開いて踏み台に乗る。
 踏み台を置いたので杜川夕沙の女の部分は男の股の間からカメラに映る状態である。
 カテーテルを抓んでいた男がカテーテルの反対側を杜川夕沙の尿道の亀裂に刺しこむ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は猛然と叫ぶ。
 男はカテーテルの抓みを離す。
 踏み台に立った男の尿が杜川夕沙の膀胱に流れ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーなにするんだーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーきちがいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は堪らず表情を破裂させて藻掻き叫ぶ。
 端澄敏郎はまた小さな開口器を取り出す。
 もう一人がボウルに蚯蚓を運んでくる。
 男の尿は全部杜川夕沙の膀胱に流れ込んでしまった。
 「あはあーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー。なんてことをーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 杜川夕沙はもうパニックである。
 端澄敏郎は拷問椅子の角度を倒して杜川夕沙の股間を真上に向ける。
 小型の細いクスコを杜川夕沙の尿道の亀裂に突っ込む。
 「あーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の男が蚯蚓をピンセットで抓んでクスコの口に落とし込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は狂ったように叫ぶ。
 蚯蚓はクスコの中に頭が入って奥に滑り込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は悲鳴を上げるばかりである。
 蚯蚓が半分以上クスコに収まったところで男はピンセットを離す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は驚愕の悲鳴に成る。
 その間にもう一人が杜川夕沙の口にへらを突っ込む。
 さらにもう一人が口の開口器を突っ込んでしまう。
 「ごぼおーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は藻掻くがどうにもならない。
 ボウルには蛞蝓も入っていた。
 端澄敏郎がこれを指で掴んで杜川夕沙の口に投げ込む。
 「ぐぼーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は目を剥いて藻掻く。
 「食塩です」
 端澄敏郎はそう宣告して杜川夕沙の口に塩を投げ込む。
 「・・・・・」
 杜川夕沙は声も出せない。
 蛞蝓は口の中で半分くらいに萎む。
 「ぐふぉーーーーーーー。ぐほ。ごほ」
 杜川夕沙は藻掻き続ける。
 男がピンセットで口の中の蛞蝓の死骸を取り出す。
 それを杜川夕沙の目前に翳す。
 「蛞蝓も蚯蚓も養殖です。ご安心を。さあ。お口を洗ってあげますよ」
 端澄敏郎はそう言って拷問椅子のひじ掛けに登る。
 「・・・・・」
 杜川夕沙は恐怖に目を剥く。口の開口器は広がったままである。
 端澄敏郎は男根を取り出して開口器めがけて小水を流す。
 小水は杜川夕沙の顔に撥ねながら口に飛び込む。
 「ごぼごぼごぼ」
 端澄敏郎は出し終わって拷問椅子から降りる。
 杜川夕沙は顔を振って口の中の小水を外に溢し舌で押し出す。
 膀胱に小水を流さなかった男が拷問椅子に登った。
 これも男根を出して杜川夕沙の顔と口に掛ける。
 暫くこの光景が画面に焼き付いた。
 全部終わって開口器を抜き取る。
 「食塩水です」
 端澄敏郎がスポイトで食塩水を杜川夕沙の尿道の亀裂に刺さった細いクスコに流し込む。
 「中で蚯蚓は死にます」
 端澄敏郎は拷問椅子を元の角度に戻す。開口器も抜いた。
 「蚯蚓の死骸は排泄で出すしかないです」
 端澄敏郎は残酷にそう宣告する。
 杜川夕沙の尿道から諦めたように外から入った小水が勢いよく流れ出す。
 杜川夕沙は死んだような顔を拷問椅子の背凭れに逸らせて堪え続ける。
 端澄敏郎は杜川夕沙の口の開口器を取り外す。
 「ぶはーーーーーーーーー。ぶはーーーーーーー」
 杜川夕沙は堪らず口の中の不快な物を吐き出す。
 端澄敏郎は水差しで口に水を流し込んでやる。
 杜川夕沙はうがいするようにそれを吐き出す。
 忍者姿黒装束の一人が床の濡れをバキュームで掃除する。
 端澄敏郎は杜川夕沙の顔と股間をタオルで拭く。
 一人がもう一度男根を取り出して杜川夕沙に挿入してしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ごうかんやめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は猛然と叫ぶ。
 また見張り要員と交代しながら五人で輪姦してしまった。
 杜川夕沙は拷問椅子から降ろされてもぐったりしている。
 三人に抱えられて座敷牢に戻された。
 また録画の入ったUSBをセットする。
 「録画をゆっくりご確認ください。これに入っている宣告の通り二十八日までに森川雪と連雀那枝が来ないと貴女の命は有りません」
 そう言い置いて座敷牢に施錠して三人は立ち去った。
 
 「どんどん残酷になりますね」
 杉下一行も内容に慄いている。
 「こいつが頂点じゃないか。この女に今までで一番憎しみが滲み出ている」
 如月鬼堂はこれが頂点と見ていた。
 「あとの二人は軽くなるのですか」
 館山弁護士はそんな事ないと思う。
 「多分。殺したい女から先に拷問したと思うな」
 如月鬼堂は女性の肩書きを見ている。
 「しかし二人の議員が奴らの前に出て行かなければ」
 「四人までは殺すだろ。それだけやればこの二人の議員が人質を見棄てて子供も危険に晒したと世に残る」
 「しかし非難を受ける結果には」
 「成らなくとも事件の大きさから人の心にその事は残る」
 如月鬼堂は犯人の意図をそう理解していた。
 
 十月二十九日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「昨夜韓国で大きな事故がありました。坂の途中で群集なだれに押し潰され百三十六名の犠牲者を出しました」(後日犠牲者は増えた)
 今夜の岡田有美は限りなく躰の線がはっきりするがヌードではないワンピース姿である。
 「北朝鮮は何発もミサイルを発射しています。米韓合同軍事演習に対する反発でしょうか」
 高島波瑠も色違いの躰の線が限りなく浮かぶワンピース姿である。躰に密着している訳ではない。織りと色の関係らしい。
 「長野山荘人質立て籠もり事件はこう着状態です。警察は山を取り巻くだけで動けません。犯人グループも予告の二十八日を過ぎて動きを見せません」
 本多椿も色違いで同じく躰の線の分るワンピース姿である。
 色違いといってもこれまでのような明るい色ではない。色名を表明するに時間が掛かってしまう。
 「鬼堂先生。韓国の事故はどうしてでしょう」
 本多椿は長野の件で長い時間を取らない配慮でここから入った。
 「まだ状況がはっきりしませんが大事です。警備体制の問題のようにも思えますがまだなんとも言えません」
 如月鬼堂はそう言い少し間が空く。
 「坂道で人の流れが下から上に三角形になり上から下に逆の三角形に成った時が危険です」
 如月鬼堂もいまの段階ではコメントはし辛い。
 「では鬼堂先生。北朝鮮のミサイル発射はかなり緊迫しているようにも思えますが。発射の回数がこれまでになく多いですね」
 「非常に危険です。既に中国、ロシア、北朝鮮と東側の体制が固まりつつあります。台湾有事が現実化したら一気に進むと思われます」
 「もう中国もロシアも北朝鮮を制御しないのでしょうか」
 「そう成りつつあります」
 「台湾有事の可能性は高いのですか」
 「バイデン政権の内にかなり高いと思っています」
 「二年以内に中国は侵攻するとの予測ですか」
 「そうです。今の中国の体制から極力避けようとはしますが台湾側が格段に譲歩しない限り軍が動くでしょう」
 「ウクライナも未解決で北朝鮮はミサイルを乱発して核実験は準備体制です。世界戦争が危ぶまれますね」
 「そうです。日本にも一部影響がないとは言えません」
 「長野山荘人質立て籠もり事件は予告した日を過ぎても膠着していますが」
 「北朝鮮のミサイルと韓国の事故でニュースの容量が取られていたので延期したのではないですか」
 「ではもう直」
 「犯人らのいまの要求では避けられないと思います」
 「犯行声明はありましたが犯人の不満とはどういうものでしょうか」
 「失われた三十年に起因すると思います。それと知識層の法律以上のモラル絶対社会にあります」
 如月鬼堂は次のように解説した。
 三十年少し前日本の土地を全部売ればアメリカ合衆国が四つ買えると言われた。国民一人当たりのGDPも一位から上位にあった。
 失われた三十年の起因は一人の日銀総裁にある。さらにいま一人の日銀総裁が下落させた。
 そして必要悪を認めない綺麗事社会にある。
 三十数年前二十三時以降のテレビにはAV女優や風俗業が踊っていた。
 今は民放各社が知識階級のモラル絶対基準で硬い社会だけにしてしまう。風俗業は徐々にではあるが確実に衰退し始めた。
 裏で回るアングラマネーの循環がなくなる。
 硬い社会になって陰湿な性犯罪が減るかと言えば変わらない。
 日本は裏に風俗、売春が存在して景気の循環が取られていた。諸外国とは体質が違う。
 日本の経済発展の裏には風俗、売春が大きく貢献していたことは否めない。
 吉原の店は大方が衰退しなかったが中国人客が三割。中間層以下の層にお金が回らない実情を如実に物語っている。
 そして税金、特に住民税、年金、社会保険料の負担が中間層以下の層に重く圧し掛かって購買力を圧縮してしまう。
 これこそ経済が凍てついて民業が儲からない要因と言える。
 これが事業衰退に追い込まれた端澄敏郎の大きな不満だと思う。
 「そうしますと日本経済を沈没させたのは」
 「1.二人の日銀総裁。2.知識層の固いモラル一辺倒のマスコミ。3.風俗、売春の衰退低迷。4.低所得層の公的負担の増大です」
 「何が解決手段でしょうか」
 「以前にも述べましたように官民の比率を見直すことです。ギリシャの二の舞になる前に自治体の廃止です」
 本多椿と如月鬼堂は長野山荘人質立て籠もり事件で拙い発言になることを避けて論点を外に出してしまった。
 
 十一月六日。
 予告から一週間以上伸ばして杜川夕沙は眠らされたまま座敷牢から引き出された。
 衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝の決断を待った訳ではない。
 韓国で大きな事件が起こり北朝鮮はミサイルを乱発して間違ったアラーとまで出てしまった。
 報道がそっちに集中している期間を外したのである。
 杜川夕沙は全裸で二台のクレーンから片脚ずつ吊るされている。天井は二メートルくらい開いていた。
 胸部は腕を後ろで合わせて高手小手に縛られている。
 さすがに暖房は効かせていた。
 スタンガンの端子を閉じ合わせた小陰唇を挟んで外側に当てて意識を回復させる。
 「う、うう、あーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の躰が瞬間震撼して意識を回復した。
 「あまり眠れなかったようですね」
 「当たり前でしょう。あんな酷い事されて」
 「痛み止めは差し上げたのですが」
 「そっちが治まったって」
 杜川夕沙は恐怖と怒りにどうにもならなかった。
 そして殺害される危険にいま怯えている。
 「蚯蚓はおしっこと一緒に出ましたか」
 端澄敏郎は愉しそうに詰る質問を投げ掛ける。
 「分らないよ。少し出たけど」
 杜川夕沙は怒りの破裂しそうな表情で端澄敏郎を睨んでいる。
 「今日もじっくり遊ばせていただきますよ」
 「おのれーーーーーーーーー。いいかげんにしろーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は叩き付けようのいない怒りに叫ぶ。
 このまま玩具にされ尽くして理不尽に殺されてしまう。自分にはどうする事もできない。
 そして銃撃戦で全員死んだら警察にも被害が出て処罰される事はまったくない。許せない。
 この思いの儘で何も解決せず杜川夕沙は殺されてしまうのである。
 「もう一度奥底まで女の悦びを満喫していただきます」
 端澄敏郎は淡々と抑揚のない口調で進行する。
 「酷い玩具だよーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は堪らず怒りを吐く。
 既に前回使わなかった蛇が用意されていた。
 クレーンの位置を操作して杜川夕沙の股間を広げる。
 「あ、あはあーーーーん」
 恥ずかしい部分が広がって上からのカメラに拡大された。床に設置したモニターにも反映されている。
 忍者姿黒装束の一人が杜川夕沙の膣にクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーー」
 キシロカインゼリーは塗っているが行き成りの侵入は痛い。
 忍者姿黒装束二人が逆さ吊るしの杜川夕沙の躰の左右に踏み台を置いて太腿の後ろに立つ。
 上からの照明で膣の中はくっきり見えた。
 二人はリモコンからアームが伸びて先端に小さなマイクロローターの付いたアイテムを持っている。
 またも杉下一行のポルノショップと通販で販売している商品である。
 それを左右から真上を向いて開いたクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーいやだーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は膣の奥を責められると判って叫ぶ。
 二人は娼婦の泣き所を責めるのに慣れていた。
 一気に敏感な部分を両方から責める。
 「あはあーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は強烈かつピンポイントを突いた責めに藻掻き暴れる。
 この連中に逝かされるのは堪らなく悔しい。前回も蹂躙されて気を失ってしまった。
 「あーーーーーーあはあーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。あーーーーーーーー」
 杜川夕沙は必死に藻掻くが躰は完全に支配されてしまっている。
 二人の男は同じペースで責め続けた。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙はさらに藻掻く。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は強く震撼する。次の瞬間だらりと垂れ下がってしまった。さすがに美人でも下を向いた白目は美しくはない。
 男らはマイクロローターを抜き取る。
 スポイトで膣の中の濡れを入念に抜き取ってグラスに入れた。それをカメラに翳す。
 忍者姿黒装束が網袋の中の蛇を掴み取る。
 そのまま踏み台に上がってクスコに蛇を突っ込む。
 「いいよ。起こして」
 端澄敏郎が指示した。
 一人がスタンガンを乳房に当てる。
 「うぐうーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の躰が震撼して意識を戻した。
 「見ろ」
 端澄敏郎は下のモニターを指差す。
 「あーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は蛇に強烈な悲鳴を上げる。
 クスコの隙間から失禁尿が噴き上げてしまった。
 「あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 それでも男は蛇を抜かない。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーー。あはああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は躰を揺すり喚き続ける。
 男は蛇をピストンするように僅かにゆっくり動かす。
 「いやあーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 杜川夕沙は泣き喚く。
 男は構わず蛇をゆっくり動かし続ける。
 膣の奥には蛇の舌が当たっていた。
 「あーーーーはあんはんあはん。あはん。あはん。ああーーーーーん。ああーーーーん。ああーー。ああーー。あはん。あはあん」
 杜川夕沙は何処までも暴れ喚き続ける。
 男はその様子を見ながらまだ蛇を動かす。
 「あーーーーん。やめてーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 何処までも喚き続けた。
 「依頼人無理ですよ」
 忍者姿黒装束に一人が止める。
 「そのようだな」
 端澄敏郎も諦める。杜川夕沙を気狂いにするのは無理らしいと理解した。
 「蛇を突っ込んだままクレーンで行くか」
 「まだ使います。ゴムの玩具に換えましょう」
 男は蛇を数回大きく動かして抜く。
 もう一人の忍者姿黒装束が渡すゴムの蛇に換えて暫くピストンを続ける。
 「依頼人。行きますよ」
 二台のクレーンが吊り上げる。
 「あーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 杜川夕沙の躰を一気に空高く吊るし上げた。
 股間にはクスコが入って蛇が頭を突っ込んだままである。
 ゴムの玩具でなければとっくに抜けている。
 「あーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーー」
 杜川夕沙は空中で喚き続ける。
 夕方の五時である。
 西の空が茜色に染まって山の美しい景色の中に全裸の杜川夕沙が二台のクレーンに逆さに吊るされて警察部隊の目前に下がってきた。
 警察部隊と後ろのマスコミからどよめきが上がる。
 「杜川夕沙です」
 一人の警察隊員が叫ぶ。
 杜川夕沙は空中で喚き散らしている。
 その時これ以上ない残虐な殺人が起きる。それは警察部隊が取り巻く目前で実行された。
 各々杜川夕沙の脚を吊るしているクレーンが一気に左右に引っ張る。
 杜川夕沙の躰は空中でさき烏賊のように二つに裂かれた。
 「あーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・」
 瞬間杜川夕沙の悲鳴が上がり血と内臓とクスコが空中に飛び散る。
 そのままクレーンはそれぞれ杜川夕沙の裂かれた躰を振り堕とす。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 警察部隊と後ろのマスコミから大きな悲鳴が上がる。
 警察部隊がジュラルミンの盾を二重に構えて遺体を収容する。
 それが終わるのを待って機関銃の一斉射撃が起こった。
 警察部隊は直ぐに下がる。
 『警察部隊とマスコミに告げる。衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝を説得せよ。次の犠牲者を処刑するのを一週間待つ。残る二人の次は子供だ』
 同じ放送が二回流れた。
 『次の犠牲予定者は明日拷問して動画を配信する。それが次の犠牲者だ』
 これも二回流れる。
 そして同じメッセージの編集された杜川夕沙の二本目の動画が配信された。
 空中での殺害シーンも収録されている。
 報道の怒りは沸点を超えた。
 だが手段は何もない。コメンテーターは口々に正論をとことん唱え犯人の非難を続けるだけであった。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 日曜日の夜。愛好会のショーもない。
 主な面々と編集。そして真性奴隷女の館の樽常マネージャも集まっている。
 火の無い囲炉裏端に集まって大型モニターで報道とばら撒かれた杜川夕沙の動画を確認していた。
 珠洲と瀬里菜はカウンターの内側に座っている。
 カウンターにはサラダバーと寿司桶が並んでいた。
 「しかし酷い事件になりましたね」
 雨蔵編集長は史上最強の恐ろしい事件に驚愕している。
 「ここまで警察が無力じゃな」
 如月鬼堂はやや非難の言葉を漏らしてしまう。
 「既に自衛隊の戦車と装甲車が待機していますね」
 福富麻次郎が報道画面の背後を見ていた。
 「突入は無理ですよ。人質は女性二人に子供八人です」
 館山弁護士はこの膠着状態は止むを得ないと言う。
 「グリーンベレーのようにパラシュート降下で突っ込めないのかな」
 大河内税理士は冗談半分である。心の底には警察、自衛隊の犠牲は仕方ないとの意識がある。
 「あの機関銃装備ではね」
 杉下一行も難しいと思う。
 「しかし敵前上陸のように突入すれば中の人数はたいしたこと無いでしょう」
 大河内税理士は戦争レベルの意見である。
 「自衛隊も警察部隊も犠牲者を出す前提では動かないですよ。これまで突入した例では犯人は個人レベルの攻撃能力しかありません」
 館山弁護士はやや呆れてそう説明する。
 此処の面々は十夢の事件とは違って高みの見物の姿勢に成っていた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今夜は寿司と刺身の出前で火は使ってない。瓶ビールと日本酒で飲みながらモニターを確認していた。
 「随分派手な事やってくれたな。警察庁長官も長野県警本部長も辞任だな」
 医者の男は満足そう言う。
 「奴らどうあっても森川雪と連雀那枝を誘き出したいようだな」
 葬儀会社の社長である。
 「ひょっとしたら動かざるを得ないかもしれないな」
 川口の会長の反応は変わった。
 「期待できるかな」
 医者の男はそれを愉しみにしていた。
 「マスコミの怒りが沸点を超えたな」
 印刷会社の社長である。
 「何処まで無難な発言で非難し続けられるかな」
 廃棄物収集運搬処分業の社長はマスコミの失態に期待したい。
 「箍を外して奇抜な発言が出て欲しいな」
 運送会社の社長である。
 「自衛隊が後ろから囲んでいるな。突入するか」
 「子供がいる間は無理だ。一人でも死んだら警察も自衛隊も簡単な非難では済まない。奴らは子供だけは帰したいと宣言している」
 「突入したらどうなる」
 「警察も自衛隊も大被害だが奴らも程なく玉砕しかない。最初からその覚悟だからな」
 「あの戦車が突入したら」
 「十数台は破壊できる」
 「あの山小屋は」
 「戦車の砲弾には耐える。だが何れ機銃弾もミサイルも切れる。そうしたら乗りこまれて終わりだ」
 「逮捕か」
 「まさか。自爆がお約束だ」
 「爆弾は仕掛けてあるのだな」
 「それが前提だよ。捕まらせる訳には絶対に行かない」
 「子供を帰したら警察は突入するな」
 医者の男はそう予測する。
 「そうだろう。だから女二人を拷問して動画を先に流す。そして女と子供を一緒に帰す」
 「そうしたら」
 「戦闘開始だ。一人でも多く警察と後ろのマスコミを殺す。そう言うシナリオだった」
 「現実は奴ら次第か」
 「自爆だけはこっちで操作できる。あと組織の面々は絶対に自決する」
 川口の会長は言い切った。
 「もし森川雪と連雀那枝が子供を助けに来たら」
 「その時は面白いことが起こる」
 「どんな」
 「まあ。あの二人の政治家には妥当な殺し方だな」
 「で」
 「まあ。愉しみにしな」
 川口の会長はまだ今は教えたくないらしい。
 
 十一月八日。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 四人目の女が引き出された。
 同じように眠らせて五時間放置して座敷牢から運び出す。
 女は峰崎静香二十八歳。飲食店を採点するWEBサイト運営会社の女性社長である。
 テレビでコメンテーター出演してやや有名人の範囲となっていた。
 今度は拷問椅子に大股開きで磔にする。
 杜川夕沙と同じように利尿剤プロセミドを注射した。
 躰を部分的にカメラに収めることはこれまで通り行う。
 剃毛して女の部分も撮影する。
 クスコで広げて女の奥も公開するが一度クスコは抜く。
 二人が指で女の部分を究極に広げる。
 端澄敏郎が長めのブジーを持って子宮口を一気に突いて刺しこむ。
 「う、う、ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は躰を強く震撼させて意識を回復した。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は子宮の奥まで刺された痛みに猛然と悲鳴を轟かせた。
 次の瞬間尿が噴き上げる。
 尿意の限界が一気に来たのである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はパニック状態で喚き続けた。
 お漏らしはなかなか治まらない。
 峰崎静香も途轍もない姿が撮影されている事は気付いていた。
 「やめてーーーーーーーーーー。撮らないでーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は攫われて座敷牢に入れられた時からこう成ると判っていても喚き散らした。 犯人等はじっくり撮影する。その映像はモニターに反映されていた。
 「あはあ。ああ。ああ。やめてーーーーーーーーーーーーー。何で私をーーーーーーーー。ひどすぎるーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は失禁が終わってヒステリックに喚く。
 そして既に涙を流していた。
 峰崎静香はスマートな体形で小作りな美人顔である。気丈さも浮かぶ。それが完全に崩れていた。
 端澄敏郎を含めた三人で責める。
 「美人社長さん。凄いお漏らしでしたね」
 端澄敏郎は笑顔で詰る。
 「ふざけるなーーーーーーーーーー。お前らが漏らすようにーーーーーーーーー」
 峰崎静香は怒りが沸騰して言葉が詰まってしまう。
 「どうしたのですか」
 端澄敏郎はさらに詰った。
 「おのれーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は悔しさと怒りにさらに沸騰する。
 「確かに強制的にお漏らしさせましたよ。でも堪えられませんでしたねえ」
 端澄敏郎は峰崎静香の怒りを言葉で擽って遊ぶ。
 「ふざけるな!!あんな痛み」
 峰崎静香は子宮口を突き刺された痛みで漏らしてしまった。
 「暫く動けませんね。もっと恥ずかし過ぎる姿を社会に公開しましょう」
 端澄敏郎はさらに淡々とマイペースで進める。
 「どうして私をーーーーーーーーー」
 峰崎静香は理不尽な拉致監禁に理由を追及したい。
 「お前がマスコミにコメンテーターで出て一方的にモラルを押し付けるのが気に入らない」
 忍者姿黒装束が横から宣言する。
 「何よそんな覆面で顔隠して。文句があったら堂々と出るところに出て言えばいいでしょう」
 峰崎静香は一方的正論を真顔で言う。
 「ふざけるな!一般の者がSNSで何か言えば叩かれる。お前らはメディアを使って一方的に意見を押し付ける」
 忍者姿黒装束は怒りの限り反論する。
 「法律に触れなくてもお前らのモラルが社会的に人を裁く。マスコミ主導の世の中や。それに天誅して報復の見せしめや」
 さらに端澄敏郎が付け足す。
 「俺達は冤罪者や。お前らの正論で例え訴えて判決で取り戻しても人生は戻らない。非合法と非難されても報復が総てだ。生きて此処を出ることはない」
 もう一人の黒装束が宣言する。一人目の竹田柚季に同じような宣言をした男とは別の男である。
 「・・・・・」
 峰崎静香は男の『生きて此処を出ることはない』という言葉に恐怖の旋律を禁じえない。自分の置かれた死に直面させられた恐怖に言葉が出なかった。
 その間に最初に反論した忍者姿黒装束が凧糸に一定間隔でクリップを結び付けた拷問アイテムを四本取り出す。
 「さあ。たっぷり悲鳴を愉しませていただきます」
 端澄敏郎が凧糸で繋いだクリップを受け取って宣告する。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はヒステリー状態になって叫ぶ。躰は恐怖に震えていた。
 「いたあーーーーーーーーーい」
 端澄敏郎が乳房の上部に一つ目のクリップを鋏むと強烈に悲鳴を上げた。
 それを無視して三人で鋏み続ける。
 二人は峰崎静香を磔にした拷問椅子の両側からクリップを鋏む。
 「あはあーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 峰崎静香は痛みと怒りにパニックになって喚き続ける。
 この二人は乳房の上部、乳首、乳房の裾野を鋏み腹の両側を順次鋏んでドテのあたりから股間に向けて鋏んできた。
 終点は女の部分のびらびらを片側ずつ三つ鋏む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーー。ぐうあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は顔を軋ませ捩って藻掻き悲鳴を絞りだす。局部は相当に痛いようである。
 あと一人は下から左の太腿を膝から上に向かって鋏んで腋の下まで鋏んだ。
 反対側に移動してもう一系統も鋏む。
 「あーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は泣き叫ぶ。
 「女社長様。まだまだ序の口ですよ。これを一気に引っ張って飛ばします。強烈な痛みですよ」
 端澄敏郎はじっくり詰る姿勢で言う。
 「やめろーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 峰崎静香はうわ言のように弱々しく拒絶する。
 「でもね。直ぐには飛ばしません。鋏んでいる時間が長いほど取る時の痛みは壮絶です。先に浣腸を行います」
 イルリガードルスタンドが立てられ栄養ボトルに氷の入った石鹸水が用意された。
 ボトルから繋がった腸カテーテルを峰崎静香のアナルに押し込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 たっぷりキシロカインゼリーを塗った腸カテーテルは簡単に入って行く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい水が一気に直腸に流れ込む。
 「あーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーうぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが襲う。
 峰崎静香は拷問椅子の上で藻掻き顔を絞って苦しみ続けた。
 腸カテーテルは入ったまま放置である。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の苦しみは架橋となっていた。
 直腸の痛みにクリップの全身の痛み。峰崎静香は朦朧とした表情で呻き声を上げ続ける。
 「苦しいなあ。この管抜いたら便が流れ出して楽になるぞ」
 端澄敏郎は峰崎静香の瀕死の表情をじっくり覗きながら淡々と言う。
 「はやくーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーぐううーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーぐううーーーーーーー」
 峰崎静香はもう苦しみに堪えられない。
 「私の排泄をご覧くださいと言え。そうしたら抜いてやる。ふっふっふ」
 端澄敏郎は峰崎静香の苦しみに乗じて絶対に言えない言葉を強制する。
 「ひ、ひれつよーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は苦しみ歪んだ表情を破裂させて罵る。
 「はい。卑劣にやらせていただいて居ります」
 端澄敏郎は哂いを浮かべる。
 その顔はいつまでも苦しむ姿を堪能しますと言っていた。
 「お。おのれーーーーーーーー。酷い。あーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は怒りを噴出させたがもう堪えられない。もうプライドの限界に破綻していた。
 「ううーーーーーー。私の・・・・ううーーーーーー。排泄を・・・・うぐうーーーーーーーーーー。ご覧く、だ、さい。うぐうーーーーーーーー」
 峰崎静香は遂に屈服した。
 「はっはっはっはっは」
 端澄敏郎は愉快に哂う。
 忍者姿黒装束が拷問椅子の下に透明で大きなプラスティックの箱を置く。
 端澄敏郎は一気に腸カテーテルを抜く。
 ブオーーーーーーーーーーーー。
 茶色い水と便が一気に流れ出た。
 そして一時臭いが峰崎静香の躰を充満する。峰崎静香は堪らない羞恥に塗れて頭が真白になってしまう。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーああーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の苦しみはまだまだ治まらない。
 端澄敏郎はじっくり眺める。
 さらに苦しみ藻掻きながら断続的に緩い便を流し出した。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーー」
 峰崎静香はまだ藻掻き続ける。
 「ふっふっふ。貴女の全裸も乳首のアップもお○○このアップもその奥もお漏らしも排便も全部収録いたしました。これを約五十万のメアドに送信です」
 端澄敏郎は当然のように言う。
 「あはーーーーー」
 峰崎静香は言葉も返せない。怒りと絶望にわなわな震える。
 「さあ。そろそろこっち行くか」
 端澄敏郎は二人の忍者姿黒装束に言う。
 そして女の部分のびらびらを三個ずつ鋏んだクリップの先に垂れ下がった凧糸を持つ。
 「依頼人。腋を先の方がよろしいのでは」
 端澄敏郎も気付いて凧糸を離す。
 忍者姿黒装束は片側ずつ腋から太腿を膝まで鋏んでいる左右二本の系統を一本ずつ持つ。
 端澄敏郎は膝に延びた糸の先端を押える。
 「行きます」
 忍者姿黒装束が合図する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は引っ張られるのを見て悲鳴を上げる。
 二人の忍者姿黒装束が一気に引っ張る。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 「がああーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は躰を揺すって暴れる。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 峰崎静香の躰は痛みにぶるぶる震撼する。
 「さあ。こっちだ」
 端澄敏郎は再度女の部分の下に下がった糸二本を掴む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は次の恐怖に断末魔のような叫びを上げた。
 端澄敏郎は二人に合図する。
 二人が一気に引っ張る。
 乳房の上が飛び乳首は引っ張られて千切るように飛ぶ。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いてドミノのようにドテの横まで飛んだ。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の頭が迫り上がってその頭が震撼して喚き叫ぶ。
 最後の三つである。
 両側から引っ張る。
 「ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 両側とも一個目と三個目が飛ぶ。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最後に真ん中の一個が左右それぞれタイミングがややずれて飛んだ。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はもう一度僅かに失禁してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は藻掻き続ける。躰はぶるぶる震えていた。
 全身に痛みが奔っている。
 皮膚はところどころ剥けて血が滲んでいた。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ・・・・・ああ。・・・・・ああ。・・・・・・ああ。・・・・・ああ。・・・・・ああ」
 峰崎静香の躰は痛みに藻掻き続けている。
 最早何も考えられない。
 ここで輪姦してしまう。
 一人目が挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーー」
 峰崎静香が抵抗してももう力は入らない。
 唯々泣き喚き続けた。
 だが男らは自分らの方は護る。一人終るとセペで膣の中を洗う。
 いままで責めていた二人の忍者姿黒装束が終ると見張りの二人と交代する。
 忍者姿黒装束が全員終ると端澄敏郎はアナルに細いバイブを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は痛みと屈辱に藻掻く。そしてさらに涙を溢れさせた。
 端澄敏郎はその状態でバイブを操縦しながら自分が挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は両方の穴に入れられて藻掻き悲鳴を上げた。
 端澄敏郎は自分が果ててしまうと洗ってもう一度峰崎静香の膣にクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はヒステリックな口調で喚く。
 「たくさん修羅場を愉しませていただきました。今度は気持ち良くして差し上げましょう」
 端澄敏郎は次に逝き顔を撮影したい。強姦では苦しむ顔と泣き顔だけである。
 「いやよーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子のハンドルを回して後ろに倒して股間を上に向けた。クスコは斜め上を向いている。
 端澄敏郎は三つのアイテムを取り出す。
 ローター、柄付マイクロローター、尿道バイブである。
 ここから責める担当は端澄敏郎以外の二人は交代していた。
 端澄敏郎は簡単に経過を説明して進め方を指示する。
 一人にローターと尿道バイブを渡した。その男は拷問椅子の横に広がった太腿の後ろに回って股間に手を伸ばして待つ。
 もう一人にはリモコンの先に延びた柄の先端にマイクロローターの付いたアイテム二本の内一本を渡す。
 左右から斜め手前に立って膣の奥を狙う。
 横に回った一人はクリトリスを剥く。峰崎静香のピンクの玉にまずは普通のローターを微かに当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は刺激に堪えられないながらも拒絶する。
 端澄敏郎はクスコの中を離れた天井から照準を合わせたレーザーで照らす。膣天井部の女の一番敏感な部分を両側からピンポイントに責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーー」
 峰崎静香に堪えられる刺激ではない。大口を破裂させて拒絶しながら声を上げてしまう。
 端澄敏郎はゆっくり責める。
 「あはあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の太腿に力が入って上半身は右に左に捩って藻掻き続ける。
 既にクスコの奥には膣液の濡れが溜まりつつあった。
 峰崎静香の腰は震撼する。
 「あーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の声は切迫した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が上がって峰崎静香の躰が大きく震撼する。次の瞬間拷問椅子に沈んで白目を剥いてしまった。
 その姿をカメラでじっくり舐める。
 完全に逝ってしまった証拠である。
 これで終わりではない。端澄敏郎はもっとえげつなく責めたい。
 「次は尿道から」
 端澄敏郎は拷問椅子の横に立つ男にお願いする。
 クスコの金属の嘴が割れた間に尿道の亀裂が突き出していた。男はそこに尿道バイブを刺し込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の意識は直ぐに戻った。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は悲鳴のように叫ぶ。
 男は尿道バイブをゆっくり奥までピストンする。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は尿道バイブの回転スイッチを入れた。
 尿道バイブは緩やかに回転する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は強烈に叫ぶ。
 顔は真紅に染まっていた。紅に染まった顔も悪くない美人である。
 
 十一月九日。
 如月鬼堂の居間である。
 峰崎静香の動画が配信された。
 珠洲が如月鬼堂を七時に起こす。二つの都合からである。
 今日は珠洲が大宮の事務所に向かう。
 そして杉下一行からメールが届いてテレビ会議が繋がり始めていた。
 「パパ。昨日言っていたパートの人達の一時金。一律十万はまずいよ。たくさん働いた人が文句言うよ」
 昨夜来客がたくさん有ったので細かい話はできなかった。
 パートの給与とは如月鬼堂らが昔住んでいた大宮のマンションが事務所になっている。
 其処で如月鬼堂の出版者から出す以外の自費出版の紙ベース部分だけパートを使ってコピー機で印刷製本発送を行っていた。
 いまだに年配者は一部紙ベースを要求する。その対応である。
 物価値上げで約一ヶ月の形だけの賞与の他に今回一時金を追加した。
 「賞与は勤務時間で出しているじゃないか」
 如月鬼堂は大雑把にしか考えてない。
 「それでも駄目だよ。絶対文句出るよ」
 珠洲は納得しない。
 「じゃどうする」
 如月鬼堂は考えてない。
 「いっそいま千二百円の時給を千五百円に上げちゃえば」
 「馬鹿を言うな。ニュースでも企業はなかなか賃上げに踏み切れないと言っているじゃないか。この先どんな情勢に成るか分らない」
 「それは渋っている企業の例でしょ。パパは充分余裕有るじゃない」
 「うーん。それじゃ賞与を一・五倍にするか」
 如月鬼堂は仕方なく納得した。
 「給料も上げてあげないと。いま事務の時給は派遣なら千二百円は安いよ」
 珠洲はなかなか納得しない。
 「パパ。あんな激エロな本印刷させるのだから高く払わなくちゃ」
 瀬里菜も加勢してきた。
 「そうか。それじゃ賞与はそのままで十二月から時給を上げるか」
 「駄目だよ。年末にお金が入らないと可愛そうだよ」
 何故か珠洲も瀬里菜もパートの味方である。
 「じゃあ。そうしよう」
 如月鬼堂は渋々納得した。
 そして急いでシャワーを浴びて身支度を整える。
 既に全員がテレビ会議に繋がっていた。
 一斉に動画を閲覧する。
 『今日から五日待つ。衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が来なければ次の犠牲者は峰崎静香である。これ以上犠牲者を増やすな』
 こんな文言が字幕で流れて始まっている。
 峰崎静香は拷問椅子の上で尿道を責められて真紅の表情で藻掻いていた。それでも声を上げながら必死に抵抗を試みている。
 端澄敏郎とあと一人がもう一度クスコの奥にマイクロローターを突っ込む。
 「あーーーーあはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の顔は一気に破裂する。
 尿道バイブを持った男はじっくり奥まで突っ込んでは引く。
 残念ながらもう失禁はない。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香の声はサイレンの如く緊迫する。
 そして藻掻き暴れた。それでも躰全体が震撼して股間は痙攣する。
 ピンポイントで究極の部分を責められてさらに尿道でも感じてしまう。既に股間部分は熱くなって激しく痙攣する。
 峰崎静香は拷問椅子の上で強く弾けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一回目よりもっと強く震撼して弾けている。
 そのまま拷問椅子に沈んで白目を剥いてしまう。二度目の失神である。
 端澄敏郎は峰崎静香に差し込まれていたクスコの中に溜まった膣液をスポイトで吸い上げてグラスに移す。
 それもカメラに翳して後から編集した字幕が出る。
 『不本意にも感じて失神してしまった峰崎静香の膣の中の濡れです』
 忍者姿黒装束の一人が網袋から蛇を取り出す。
 どうもこの男が毎回蛇の担当らしい。
 あと一人が口に開口器を突っ込む。口を広げて準備する。
 蛇を掴んだ男はクスコにその頭を突っ込む。
 その状態で端澄敏郎が内腿にスタンガンを当てて起こす。
 「ごご、ごごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は顔を振ってくぐもった声を上げた。
 端澄敏郎さらにスタンガンを内腿に当てる。
 「ぐごごーー」
 躰は強く震撼する。
 蛇が跳ねる。
 「ごわーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香が膣に入った蛇に気付いて驚愕の悲鳴に成る。
 「如何です蛇イレポンです」
 端澄敏郎は素見す。
 「ぐごーーーーーーー。ごーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は躰を震撼させ頭を振って藻掻く。
 蛇を突っ込んだ男が掴んでややピストンする。
 「ごごおーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は頭を振って涙を飛ばして藻掻く。
 男は蛇を膣から抜いて顔に近付ける。
 「ぐごごおおーーーー」
 峰崎静香は恐怖の表情を凍らせて目を見開いて顔を振る。
 男は峰崎静香の口を広げた開口器に突っ込む。
 端澄敏郎はその表情をじっくり見て堪能する。
 「ぐご、ごご、ご」
 峰崎静香は白目を剥いてしまう。
 動画はここで終了していた。
 「あまり拷問のレベルは変わりませんね。杜川夕沙に比べてやや軽微には思えますが」
 杉下一行は控えめに述べた。
 「しかしマスコミは何処までも正論で押し切りますね。現実性がまったくありませんが」
 大河内税理士である。
 「仕方あるまい。ちょっとの事で問題発言と叩かれる」
 如月鬼堂は投げやりに言う。
 「どうにもできない事に変わりはありません。突入には人質が危険過ぎます。犯人は子供達が無事な状態を動画で何度も示しています」
 館山弁護士は無難発言を維持する。
 「犯人は全部で何人なのでしょう」
 雨蔵編集長の疑問である。
 「最低五人は居る。端澄敏郎と名乗っているのを含めて」
 如月鬼堂は映像から五人と断定していた。
 「攻め込める死角は無いのですか」
 「正面のなだらかな斜面以外は無理だ。機関銃は三百六十度狙える。渓谷や隣の山の斜面からは難しい」
 「それでは例え人質を帰してくれても突入は被害が出ますね」
 「既に警察は犠牲者を出していますからね。かなり慎重に成ります」
 館山弁護士は簡単には動かないとの見解である。
 「まさか食料が尽きるのを待つとか」
 雨蔵編集長は最悪を想定する。
 「向こうからその前に仕掛けると思うな」
 「そうですか」
 「犯人は社会を騒がせて自分らの主張を無駄でも投げる目的だ。そして最後を覚悟している。その心算で非合法に流用した資金を非合法に投入した」
 如月鬼堂はきっぱり断言する。
 「時間を掛ければ注目度が下がると」
 「そうだ」
 「二人の議員が行かなければどうです」
 杉下一行はその場合はどうかと如月鬼堂の見解を聞きたい。
 「女性一人と子供は帰すだろう。あと一人殺して議員二人が来なければ向こうが動くのではないか」
 如月鬼堂はかなりの確信の有る言い方をした。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日はテラスの内側で晴れている麓を見ながらバーベキューを焼く。生ビールより瓶ビールが上手い季節になった。
 肉野菜の他に烏賊やホタテも焼く。
 麓の景色は一部紅葉していた。
 「あれで終りか」
 医者の男である。峰崎静香の拷問はあれでは足りないと言いたい。
 「まだ何かやりそうだな。その前にもう一人の女優の動画を流すのではないかな」
 川口の会長はそろそろ終盤と見ている。
 「二人の議員はまだ動かないな」
 医者の男はこっちも期待したい。
 「うーん。多分動かずに居られないと思うがな」
 川口の会長はもう動くと見ていた。
 「遂に子供の世話をさせていた女優の拷問か」
 印刷会社の社長である。
 「それは愉しみだな。あの女優が全裸に剥かれるか」
 葬儀会社の社長は露骨に悦ぶ。
 「えげつなく恥じ部分を克明に出して欲しいな」
 印刷会社の社長である。
 「甚振るより徹底して辱めるように指導したよ」
 川口の会長も同じ目論見らしい。
 「まあ。甚振らない方が良い。子供の世話が有るからな。寝かせた深夜にやるのだろう」
 運送会社の社長である。
 「俺はあの二人の議員の処刑が見たいよ」
 医者の男は両方期待したい。
 「まったくだな。少数野党が微数に堕ちて政界に蔓延ろうと小さな事で審議を妨害する。ますます経済は墜ちてゆくだけだ」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長も此処の中だけと本音を吐く。会社の中ではまったく違う人格を装っていた。
 
 九月十日。
 子供らが寝てから柏木理佐が座敷牢から引き出された。
 柏木理佐は震え心臓は強く鼓動を打っている。
 「お前は痛い事は少し緩和してやる。躰には傷は付けない。だから大人しくしろ」
 端澄敏郎はやんわり語る。
 「私も最後は殺すでしょう」
 柏木理佐の声は震えていた。
 「お前は殺さない。此処で起きた事の生き証人に成ってもらう」
 「二人の議員が来なくても」
 柏木理佐は衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が来るとは思えない。
 「どっちにしても子供とお前は帰す。二人の議員が人質を見棄てて四人死ねばこの先は死に体だ」
 端澄敏郎はやるだけやったと確信していた。
 「ああ」
 柏木理佐はただ慄くばかりである。
 「動画見ただろ」
 端澄敏郎は四人の動画を柏木理佐には見せていた。
 「見たよ・・・・・」
 柏木理佐は恐怖に言葉を詰まらせる。
 あの動画がばら撒かれる。恐ろしいことでは済まない。それでも躰に傷を受けるのはもっと避けたい。
 「下着を取ってその椅子に乗れ」
 端澄敏郎は拷問椅子に促す。
 「ああ」
 柏木理佐はこれに乗ってしまえば恥ずかし過ぎる総てが公開されてしまう。五十万弱のメールに配信と言っていた。
 それ以上に拡散される。女優の自分は前の四人以上に拡散されてしまうに違いない。
 どうしても躊躇う。
 「さあ。躰に傷をつけない約束だ」
 「絶対。焼いたりしないよね」
 「しない。大人しく抵抗しなければ」
 「判った」
 今は躰を護り生きて帰る事である。
 生きて帰っても女優を続けられるのか。まさかAVに落とされるのでは。そんな事は無い。
 自分は何も悪く無い。拉致されて強制されたのである。
 だが不安は去らない。それでも今は命と躰を護るしかない。
 柏木理佐は覚悟を決めて拷問椅子に乗る。
 二人の忍者姿黒装束に両側から片方ずつ膝を縛られ脚首を縛られた。
 端澄敏郎は柏木理佐の両腕を拷問椅子の背凭れの後ろに回して腕を互い違いに合わせて縛る。
 さらに腰を拷問椅子のベルトで締められた。
 もうどうする事もできない。
 端澄敏郎がカメラを操作して柏木理佐の躰を舐める。全体を撮り部分的にアップにされていた。
 正面にモニターが設置されている。それに映し出されて柏木理佐に撮影内容が見えていた。
 拷問椅子の脚乗せ部分が電動で広がる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は堪らず悲鳴を漏らす。
 股間が広がってアナルも女の部分も丸出しに成ってしまった。それがさらにアップに成る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は恥ずかしさに顔を振って叛ける。
 二人の忍者姿黒装束が左右から柏木理佐の女の部分のびらびらを広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は泣き声のような悲鳴を漏らす。
 暫くアップのままにされる。
 「ああ、あーーーー。ああ。ああ」
 モニターには薄小豆色の小陰唇の内側が広がって薄橙の部分が丸出しに成って拡大された。
 尿道の小さな亀裂も膣口を隠す襞も丸見えである。
 「あはあーーー。・・・・・・はあーーーー。・・・・・はあーーーー」
 柏木理佐は羞恥に高ぶって息遣いを漏らし続ける。
 「どうです。これがファンの皆様にもじっくり見ていただけます」
 端澄敏郎が詰る。
 「いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 柏木理佐は上擦った声で藻掻くように悲鳴を漏らす。
 顔は真紅に染まっては紅が消えてまた真紅に成る。
 「綺麗なお○○こです。でも何処かに粕は付いています。これから探しましょう」
 端澄敏郎はさらに辱めるように詰る。
 「へえーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は恐ろしい辱めに奇声のような声を漏らしてしまう。
 片方の忍者姿黒装束が利尿剤を注射する。
 「えーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は恐怖に叫ぶ。
 「ご安心を。プロセミド。利尿剤です」
 忍者姿黒装束が慇懃丁寧に言う。
 「えーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐はおしっこを出す姿も世の中に公開されてしまう。今度は甲高い悲鳴を漏らす。
 「そのうち漏らしていただきます。その尿道の亀裂を丸出しにした儘で」
 端澄敏郎は淡々とした言い方で心を抉るように詰る。
 「あは、あーーーあーーーーーー」
 柏木理佐は眉間に強い皺を寄せて悲痛な表情を振って悲鳴を上げる。
 忍者姿黒装束が左右から柏木理佐の膣に指を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーー」
 左右から強く抉じ開けるように広げる。ゴムのように粘膜が広がり膣壁の波打った粘膜が露に成った。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は堪らず喚く。
 膣壁と広げる男の指に粕が確認された。
 端澄敏郎はそれをロングスプーンで掬い取る。モニターにもくっきり確認できた。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 柏木理佐は泣き悲鳴に成る。
 「尿道口もぱっくり開いていますよ。亀裂の中の割れ目が鮮明ですよ」
 端澄敏郎はさらに克明に詰った。
 さらに片方の忍者姿黒装束がクスコを取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐はそれを見てさらに悲鳴を上げる。
 ローションを塗ってそのまま挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 構わず螺子を回して膣の奥を広げた。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 セットされていたレーザーがクスコの中を照らす。
 「奥にくっきり子宮口が丸見えです」
 端澄敏郎はモニターを指差す。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーー。あはあーーーいやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は強く拷問椅子の背凭れに顔を押し付けて泣き悲鳴を上げる。
 「美しい女の奥です」
 端澄敏郎はまた慇懃丁寧に評価する。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐にもう隠すところは何もない。
 そして耐えられない尿意が迫ってくる。
 柏木理佐の白く肌理の細かい太腿に鳥肌が立っていた。
 徐々に脚が藻掻き始める。
 「ううーーーーーーーーー」
 柏木理佐はもう耐えられない。
 端澄敏郎らはその破局を待っている。
 まずは床に吸収マットを敷く。
 さらに適度な位置に透明なボウルを受けた。
 「準備はいいですよ。人気女優のお漏らし見せてください」
 端澄敏郎は当たり前のように言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は真っ赤に崩れた半泣き顔を振って泣き叫ぶ。
 「う、ううーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー」
 「出しましょう。ゆっくり待ちますよ」
 膣にはクスコが入ったままである。
 尿道の亀裂はクスコの金属の嘴の間に下がってくっきり見える。
 柏木理佐の躰は拷問椅子の上で藻掻くように震えていた。
 「もう少しや」
 端澄敏郎は撒き構えている。
 モニターにはその部分がアップに成っていた。このまま出したら余りにも恥ずかしいお漏らしが撮影されてしまう。
 柏木理佐は藻掻く。
 「ううーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に小水は飛び散るように流れ出る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は悲鳴を上げるがどうにも成らない。
 一分近く流れ出てようやく治まった。
 「あはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーん」
 柏木理佐は泣き喚く。
 「次は浣腸です」
 「えーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。それだけはゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は半狂乱である。
 「依頼人このまま浣腸しますか」
 忍者姿黒装束の一人がクスコを指差して確認する。
 「だめか」
 端澄敏郎はこのまま行く意思である。
 その男はやや首を傾げるが納得した。
 もう一人が水に板氷が入ったバケツと浣腸器を持って来る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐はヒステリックに悲鳴を上げる。
 端澄敏郎が浣腸器に氷水を吸い上げて構えた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は恐怖と屈辱にわなわな震える。
 端澄敏郎は浣腸器の先端を柏木理佐のアナルに刺しこむ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は大口を破裂させて喚く。
 端澄敏郎は一気にシリンダーを押す。強烈に冷たい水が柏木理佐の直腸に流れ込む。
 「ううーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが襲う。
 柏木理佐は百CCくらいでもう耐えられない。藻掻き苦しみ暴れる。
 それでも端澄敏郎は注入を止めない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は断末魔のように喚き散らす。
 さすがに端澄敏郎もそこまでで浣腸器を抜く。
 アナル栓を手にして差し込もうとしたが間に合わない。
 柏木理佐のアナルから茶色い水が噴き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴とともに便も飛び出す。
 まだ吸収マットが敷いたままであった。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は脱糞しても苦しさに藻掻き続ける。
 緩い便がさらに流れ出た。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ苦しみは治まらない。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 暫く藻掻き続けた。
 忍者姿黒装束の二人が周りを掃除する。
 確り柏木理佐の便をカメラに収めることも忘れない。
 柏木理佐は顔を逸らせて涙をぽろぽろ零していた。
 「さあ。これから美人女優の逝き顔を見せていただきますよ」
 端澄敏郎はさらに追い詰める宣告をする。
 「あーーーーーーーーーー。もうどうにもならない。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は泣きながら喚き散らす。
 「確りしてください。貴女は子供達八人を連れて帰るのですよ。子供達の為に頑張りましょう」
 端澄敏郎のふざけた励ましである。
 「あの子達は絶対助けてくれるよね」
 それでも柏木理佐は半月以上世話して来た。何としても助けたい。
 「何としても生かして帰したいです」
 端澄敏郎もここは真顔である。
 「そう」
 「さあ。綺麗な逝き顔を愉しませてください」
 端澄敏郎はまた舌なめずりする言い方である。
 「私。こんなの公開されたてしまったら生きてられないよ」
 「死んでも動画は残りますよ。生きていても誰も面と向かって抽象しません。密かに男性らの影の愉しみとして残るだけです」
 「あーーーーーーーーーーーー。何と言う」
 柏木理佐は悲痛に藻掻く。
 「貴女は帰ったら保護されて自殺はできません。マネージャーも警察もさらにケアをする人も付きます」
 端澄敏郎はアナル開口器を持ち出す。それを柏木理佐のアナルに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐はアナルに異物の侵入で悲痛に悲鳴を上げる。
 端澄敏郎はまたリモコンから延びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムを三本翳す。
 さらに尿道バイブを翳した。
 「これで貴女の三つの穴を刺激します。敏感な部分をピンポイントに責めます。とことん気持ち良く成りますよ」
 端澄敏郎は淡々と宣告する。
 「あーーーーーーーーーー。もうーーーーーー」
 柏木理佐は余りの内容に懊悩する。
 「美人女優の逝き顔は永久保存版です。メール貰った人は内緒でおすそ分けします」
 端澄敏郎は二人に一本ずつ渡す。自分はアナル用を持つ。アナル用はやや大きめのローターが付いていた。
 端澄敏郎から先に拷問椅子の真下にしゃがんでアナルに差し込む。膣に一番近い部分に当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 残る二人が両側からカメラを遮らないように柏木理佐の太腿に片手を付いてクスコの奥に差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 一人は膣天井部の女の一番敏感な部分を責める。一人はその反対側に膣の下側の奥を狙う。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーーー」
 柏木理佐はこんな責めにまったく抵抗力はない。
 完全に責めに飲まれてしまっていた。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 既に柏木理佐の躰は震撼している。
 股間も既に痙攣していた。
 「あはーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は究極の逝き声を轟かせて簡単に拷問椅子に沈んでしまう。
 「あっけあないな」
 端澄敏郎はまだ早いと思う。
 「早かったですね」
 忍者姿黒装束の片方も唖然としている。
 「次は乳首だけで藻掻いて貰うか」
 端澄敏郎はもっと簡単に逝く姿を動画に納めたい。
 「先に輪姦しましょう」
 「そうです。強姦で逝ったらもっとAVに成ります」
 忍者姿黒装束の一人はそう言い切る。
 「そうだな」
 端澄敏郎も納得する。
 「どうぞ。今回は依頼人から」
 忍者姿黒装束の一人が端澄敏郎からと勧める。これまでは端澄敏郎が最後であった。
 端澄敏郎はそれでも尿道バイブを持つ。
 さらに二人にローターを渡す。そして乳首を指差した。
 端澄敏郎は乳首と尿道を責めながら輪姦そうというのである。
 アナルの開口器を抜く。さらに挿入にクスコを抜こうとする。中に濡れが溜まっていた。
 拷問椅子のハンドルを回して角度を変えて膣液をグラスに流し取る。
 「ふっふっふ」
 端澄敏郎はニタリ悦ぶ。
 さらに拷問椅子を逆に倒して股間を上げた。自分は踏み台に乗る。挿入部分をカメラに残す配慮である。
 クスコを抜いて尿道バイブにたっぷりキシロカインゼリーを塗りこむ。それを柏木理佐の尿道にゆっくり突っ込む。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は奇妙な声を上げて意識を回復した。
 端澄敏郎は一物を柏木理佐の女に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は猛然と拒絶する。
 忍者姿黒装束の二人が拷問椅子の両サイドからローターで乳首を刺激し始めるた。
 端澄敏郎は一物を中でイキませて尿道バイブをゆっくり動かす。
 「あーーーーーいやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーー。いやあーーーー。いや。いや。いやーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐は尿道責めの堪らない違和感に叫ぶ。
 端澄敏郎は一物にさらに力を加えて膣天井部を強くイキませる。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐の表情は究極に歪めて固まった。
 まだ一番の局部は動かさないでイキませる。
 忍者姿黒装束の二人は乳首の側面にローターを当てて責め続けていた。
 端澄敏郎は尿道バイブだけスローで動かす。
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いや。いや。いやあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーー」
 柏木理佐は究極に絞った顔を振って抵抗する。
 「うぐう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 柏木理佐は一瞬白目に成って黒目に戻す。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 柏木理佐は藻掻く表情を崩壊させて荒い息遣いを吐き出す。
 端澄敏郎は変わらないペースで責め続けた。
 忍者姿黒装束の二人は乳輪にローターの先端を当てて乳首の側面を回すように責める。
 「あーーーーーー。あはん。あはん。はん。はん」
 柏木理佐はさらに押される。
 表情には悔しさ堪らなさが滲み出ていた。
 端澄敏郎はさらに追い詰めたい。
 だが今度は柏木理佐の膣の中でイキませたさおを動かし尿道バイブも動かしてしまう。
 「あおーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーだめーーーーーーー」
 柏木理佐の表情は小刻みに震撼する。腰も強く震撼して痙攣していた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 柏木理佐の躰は強く仰け反る。
 端澄敏郎もここで果ててしまう。
 「あはあーーーーーーーーー。ああーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 端澄敏郎が抜くと膣の痙攣が確認された。
 このあと忍者姿黒装束の二人が輪姦して見張りに付いていた二人と交代して輪姦し続ける。
 柏木理佐は狂ったように逝き声を上げ続けた。
 終了して逝きまっくった膣口をオープンして撮影されてから縄を解かれる。柏木理佐はもう自分で動けない。
 三名で座敷牢に運ぶ。
 「お願いです。せめて最後の部分だけでもカットしていただけませんか」
 柏木理佐は強姦で逝ってしまった部分だけでも隠したい。無駄と思ってもお願いする。
 「公開したらどうする」
 「生きていられません」
 柏木理佐は端澄敏郎が生き証人に残すと言った事に望みを掛けて答えた。
 「高性能なアイテムで逝った部分は諦めるな」
 「はい。辛すぎますけど。最後の部分が出てしまったらもう」
 柏木理佐は耐えられなかった自分にも嫌悪しながらそう頼むしかない。
 「ならば今回の公開はカットしよう。我々は此処を生きて出る事は不可能だ。他の組織に委託する。お前が自殺したらその部分を追加で公開してもらう」
 「ああ。はい」
 柏木理佐はそれでも周りの反響によっては生きている自信は無い。それでも今は一番耐えられない部分をカットさせるしかない。
 「それなら子供達を連れて帰るな」
 「はい」
 柏木理佐は怒りを飲み込んで返事した。
 
 十一月十一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 柏木理佐の動画が公開された。
 『柏木理佐は峰崎静香の五日後に処刑する。期日は十一月十八日だ。衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝が来なければその次は八人の子供だ』
 最後に字幕が流れた。
 「今回はやや軽微です」
 杉下一行はそう評価した。
 「そうですね。これだけ強姦もありません」
 館山弁護士も同じ評価である。
 「何よりも躰には傷付けてない」
 如月鬼堂の予測通りである。
 「鬼堂先生。そろそろ大詰めですよ。森川雪と連雀那枝が行かなくても子供達は帰してくれますかね」
 館山弁護士はそこが心配である。
 「どうであれ子供達は帰す筈だ」
 如月鬼堂はこの事態でも断言する。
 「それでは先生の見解の通りならば峰崎静香で最後ですか」
 館山弁護士は如月鬼堂の見解に念を押す。
 「その筈だよ。食料がいつまで持つか分らないが。森川雪と連雀那枝には充分に潜在的なダメージを与えている」
 如月鬼堂はかなり自信を持っている。
 「インターネット放送で言いますか」
 「止めておこう。余りこっちに焦点が当たって欲しくない」
 「そうですね」
 館山弁護士も安堵する。
 
 十一月十三日。
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘である。
 峰崎静香は早朝に起こされ座敷牢から引っ張り出された。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーー」
 峰崎静香は無駄と判って叫ばずに居られない。
 拷問部屋で押さえつける。高手小手に縛り床に倒す。
 両方の太腿の付け根に縄を掛けてフックを付け天井から下がった滑車のフック二本に引っ掛ける。
 滑車のロープを引いて吊るし上げた。
 さらに片方ずつ膝と脚首を一本の縄で縛り離れた壁の下に埋め込んだフックに縛りつける。
 峰崎静香は大股開きの逆さ吊るしにされた。
 その躰は空中に船の碇を逆さまにした形で吊るされている。股間は大きく開いて女の部分とアナルは斜め上を向いて丸出しである。
 端澄敏郎らは峰崎静香をそのまま放置した。
 三名でもう一度座敷牢に下がる。
 柏木理佐の衣服を投げ込む。
 「支度して子供達に準備させろ」
 端澄敏郎がそう指示する。
 「・・・・・」
 柏木理佐は無言で頷く。
 大きな鉄の籠がクレーンに吊られて山荘の二階に接続されていた。
 「あれに乗って吊るして警官隊の正面に下ろす。真っ直ぐ進め。この場所まで警官隊を振り解いて進め。砲撃を始める」
 端澄敏郎が説明する。
 「良いか。絶対にこの位置まで止まらないで進め」
 忍者姿黒装束の一人が地図を出して示す。
 「絶対に降ろしたところから真っ直ぐに進めよ。砲撃とミサイル攻撃を掛ける。警察が止めても危険を叫んで進め」
 「はい」
 柏木理佐に緊張が奔る。
 「この部屋で待っていろ。準備ができたら合図する。直ぐに乗り込め」
 忍者姿黒装束のもう一人がそう説明して食事と飲み物を渡す。
 
 衆議院議員森川雪と参議院議員連雀那枝は覚悟を決めて長野に向かっていた。
 川口の会長の予測通りである。
 始発の新幹線で長野に着いた。
 其処からはレンタカーで連雀那枝が運転して現場に向かう。
 
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘。
 端澄敏郎らは一度警官隊に向かって五十ミリ機関砲を乱射した。
 威嚇である。
 五人全員で拷問部屋に降りる。
 もちろんモニターに正面の警察部隊の囲みは映していた。
 「さあ。最後の拷問だ。動画を小出しに流してあの二人が人質交換に来れば開放してやる」
 端澄敏郎が逆さ吊るしの峰崎静香に宣告する。
 「・・・・・」
 峰崎静香は恐怖の表情を凍らせて端澄敏郎を見上げる。
 もう一度カメラが峰崎静香の全身を舐めた。さらに丸出しの股間をアップにする。
 「あはーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は恥ずかしさに辛い息遣いを漏らす。
 上からのカメラがアップで映していた。峰崎静香の正面のモニターに映っている。
 忍者姿黒装束が二人峰崎静香の躰の後ろに回る。
 峰崎静香の女の部分を指でもう一度究極に強く広げた。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は意識のある時に広げられたのは始めてである。前の動画では意識を回復する前であった。
 膣口を中心に四方向に強く広げられている。
 「あはあーーーーーーーー。ああ。いやあーーーーーーーーーー」
 膣口の襞と色の薄くなった粘膜の部分がモニターにくっきり映し出されていた。峰崎静香は恥ずかしさにさらに荒い息遣いを漏らす。
 端澄敏郎が斜め前に立ってその膣にクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はさらに悲鳴を上げてしまう。
 この部分に恥ずかしく痛く辛い悪戯を散々やられた。
 端澄敏郎は容赦なくクスコの螺子を回して膣の奥を広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 レーザーで中が照らされて奥の真っ赤な子宮口と内部の薄橙の膣壁がモニターにくっきり拡大された。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー」
 「もう一度この痛みです」
 端澄敏郎はそう言って奥の子宮口に細く小さいクスコを刺しこむ。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は縛られた躰を空中で捩って強烈な悲鳴を絞りだす。
 さすがに小さいクスコで開いても子宮の中までは見えない。それでも峰崎静香は痛みと恥ずかしさに藻掻く。
 端澄敏郎はそのクスコにスポイトで液体を流し込む。
 かなり薄めた希硫酸である。
 「あーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 峰崎静香は藻掻き暴れる。
 端澄敏郎は時間を見ていた。
 忍者姿黒装束を派遣している組織の見張りから森川雪と連雀那枝が北陸新幹線で出発したと報告が入っている。
 二人は判らないように顔は隠しているが組織は完全に見張っていた。
 忍者姿黒装束の一人は痛み止めを数本用意している。
 
 越後湯沢。如月鬼堂のマンションである。
 如月鬼堂はまた朝早く瀬里菜に起こされた。
 杉下一行がテレビ会議を繋いで来ている。動画も添付されて来た。短い動画である。
 「大詰めかもしれません」
 杉下一行は小刻みに動画がばら撒かれるのをそう分析していた。
 如月鬼堂はシャワーを諦めて確認に掛かる。
 館山弁護氏らも直ぐ繋いで来た。
 「確かに大詰めのようだな」
 如月鬼堂も緊張の状況を悟る。
 
 長野県の山岳地帯。端澄敏郎の山荘。
 忍者姿黒装束の一人が蛇を準備していた。全部で三匹居る。
 「えーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香がそれを見て悲鳴を上げた。
 前回の拷問で膣と口に蛇を入れられている。
 「もうーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は狂ったように悲痛な声で叫ぶ。
 座敷牢の中で蛇に魘され続けた。
 端澄敏郎は子宮口に入れた小さなクスコを抜く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香はこれも痛い。既に口から涎を逆さに流していた。
 アナルに開口器を差し込む。
 「あはあーーーーーーーーーん」
 峰崎静香は開口器の侵入に悲鳴を上げる。
 端澄敏郎はその開口器も広げた。
 モニターにはアナルと膣の奥が並んで拡大されている。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は堪らない恥ずかしさである。
 口の開口器を取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーー」
 峰崎静香は喚き散らす。
 蛇がまた口に入ると判ってしまっている。
 忍者姿黒装束が二人しゃがんで左右から峰崎静香の耳を片手で掴み片手で髪を掴んで頭を強く押えた。
 残る二人の忍者姿黒装束が峰崎静香の唇を指で開く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は藻掻く。
 その二人が先の細いラジオペンチで両方から歯を抉じ開ける。
 「ぐぐうごごおーーー」
 抵抗虚しく口は広がってしまう。
 端澄敏郎が口の開口器を突っ込む。
 「ぐごぐごーー」
 忍者姿黒装束の一人は焼印を用意する。
 一人は痛み止めと止血パットを準備して待つ。
 蛇の担当がアナルに細い蛇を突っ込む。縞蛇ではない。知床あたりで見かける黒く小さい蛇である。毒もなく狂暴性もない。
 「ぐごーーーーー」
 峰崎静香は涎を流して藻掻く。
 続いて膣の開口器に大きい方の縞蛇を突っ込む。
 「ぐご」
 二人が頭を押えて口の開口器に最後の蛇を突っ込む。
 峰崎静香は白目を剥いてしまう。
 蛇担当は口の蛇から抜いて籠に入れる。蛇は機関銃の穴から裏山の渓谷に逃がす。
 二人がクスコと開口器を全部抜く。
 忍者姿黒装束の二人が峰崎静香の後ろに回る。峰崎静香の女の部分をまた強く広げた。
 端澄敏郎が一本鞭を持つ。先端が細長い一本鞭である。
 失神した峰崎静香の薄橙の粘膜目掛けて先端を叩きつけた。
 「う、うう、うぐーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に意識を戻して悲鳴を絞りだして空中で藻掻く。
 「ぐうわあああーーーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を硬く揺すって暴れる。そして失禁してしまう。
 忍者姿黒装束の一人が電気で熱くなった焼印を手にした。
 先端は円形で輪に成っている。
 逆さ吊るしにされている峰崎静香の右の乳首の周りに押し付けてしまう。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぎゃあ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 峰崎静香は顔を究極に破裂させて強烈な悲鳴を轟かせる。
 待っていた一人が痛み止めを打って止血パットで応急処置を行った。
 「あ、ああーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 峰崎静香は号泣してしまう。
 そのまま吊るしを降ろされて縄を解かれた。
 端澄敏郎がワンピースを渡す。
 「それを上から被れ」
 峰崎静香は泣きながらそれを受け取って上から被る。下着はない。
 「時間がない一緒に来い」
 クレーンに吊った鉄の籠に案内する。
 「この中で待て」
 忍者姿黒装束の二人が強引に籠に押し込む。
 「いいか良く聞け。もうじき森川雪と連雀那枝が其処の斜面を登って来る。引き換えにこの籠をクレーンで吊って警察部隊の前に降ろす」
 その間に端澄敏郎の合図で柏木理佐が八人の子供を連れて乗り込む。
 「いいか。その図の位置まで逃げろ。後ろから砲撃する。警察部隊のところに止まるな」
 峰崎静香にも同じ説明をする。
 子供達は靴を履いていた。柏木理佐と峰崎静香にスニーカーを渡す。
 「よいかーーー。子供達護って全力で走れ」
 忍者姿黒装束の一人が強い口調で伝える。
 一人はモニターを見張っていた。
 森川雪と連雀那枝が警察部隊と問答しながら裾野から徒歩で斜面に進む。
 警察部隊がジュラルミンの盾を二重にしてその前を警護しようとする。
 子供達と柏木理佐と峰崎静香を乗せた籠をクレーンが上昇させた。
 森川雪と連雀那枝を避けて警察部隊のジュラルミンの盾に向けて機関銃を撃つ。パソコンの画面にカメラの照準が合わされてピンポイントで掃射する。
 その照準はパソコンの画面に座標のように白い線の枠が表示されていてそれをマウス選択した位置に自動で定まる。
 「警察部隊は下がれ。森川雪と連雀那枝二人だけで来い。子供と女性二人は帰す。警察は下がれ」
 拡声器でそう警告する。
 森川雪と連雀那枝は警察部隊の真ん中を先に進む。
 ドローンを発進させた。森川雪と連雀那枝を護衛しようとする警察部隊の上から小型爆弾を落とす。
 警察部隊は進めない。
 子供達と柏木理佐と峰崎静香を乗せた籠は警察部隊の近くまで来る。
 そのまま空中で静止する。
 「森川、連雀は真っ直ぐ進め。お前らが山荘の前に着いたらあの籠を降ろす」
 二人はそれを見て山の斜面を進む。
 山小屋から三十メートルくらいに来たところで二人の足元から地面が坂のように落ちて一気に下がった。
 二人は突然下がった斜面を転げ落ちる。
 その奥には鉄格子が嵌っていて猛獣が二頭待っていた。
 その鉄格子が上がる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 森川雪が恐怖に叫ぶ。
 「逃げよう」
 連雀那枝が叫ぶ。
 二人は落ちて来た坂を駆け上がる。
 猛獣は後ろから追いかけて斜面に出たところで遅い掛かった。
 一気に二人は猛獣に食いつかれてしまう。
 警察部隊の正面で山の斜面に転がって猛獣の餌と成った。
 警察部隊は猛獣を打ち殺す事もできずに呆然とする。
 子供達と柏木理佐と峰崎静香を乗せた籠は警察部隊の正面にゆっくり着地した。正面の扉を開けて一気に飛び出す。
 峰崎静香を先頭に走る。子供達が走り柏木理佐が最後で子供達を護っていた。
 警察部隊が保護しようと寄る。
 「どいてくださーーーーーーーーーーーーい。ここは砲撃されます。向こうの道迄ゆきまーーーーーーーーーす」
 峰崎静香は声の限り叫ぶ。
 その後ろから砲撃が始まる。
 砲撃は警察部隊の真上から襲う。またマスコミの車列とカメラの列に被弾する。さらに小型のミサイルが自衛隊の戦車に飛んで来る。
 峰崎静香が先頭で犯人らの指示した道迄駆け込む。子供達も次々に駆け込む。
 柏木理佐が走り込んだところに救急車が追って来た。
 峰崎静香は道に辿り着いたところで倒れ込む。かなり危険な状態である。
 次々に待機していた救急車が着く。
 状況から峰崎静香から先に搬送した。
 マスコミの車列と報道関係者が散り散りに逃げる。その上から砲撃が襲う。
 そしてドローンが数機小型の爆弾を吊るしたまま突っ込む。
 阿鼻叫喚地獄の様相である。
 今度は小さい籠がクレーンに吊られて端澄敏郎が乗っていた。
 機関銃が備えられていて端澄敏郎はそれを警察部隊の上から乱射する。
 さらに山の斜面を二台のジープが走って来た。
 一人が運転して一人が機関銃を乱射する。
 対戦車ミサイルで自衛隊の戦車八台が破壊された。
 二台のジープはマスコミの列に突っ込む。そこで自爆した。
 端澄敏郎も機関銃を撃ち尽くして自爆する。
 次の瞬間山小屋から四本のミサイルが飛び出す。下がる警察部隊と自衛隊に遅い掛かった。
 さらに次の瞬間山小屋から爆発が起こる。
 山小屋は煙に包まれたが赤茶色の鉄板が剥きだしに成っただけである。
 警察と自衛隊が進入すると内部は黒こげで証拠物件は全部焼かれて処分されていた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主な面々以外にもテレビ会議は繋がっていた。
 マスコミもあの状況下で離れてヘリから中継している。如月鬼堂らはその中継を動画とは別のモニターで見ていた。
 まさに地獄の風景が中継されている。
 動画は峰崎静香が乳首の周りを焼かれたところで終了していた。
 「鬼堂先生の予想通りでしたね」
 館山弁護士も呆然と状況を見ながらそう言う。
 「予想以上だよ。これだけの銃火器をメーカーから買ったら莫大な金額だ。それを闇組織が造っていたのだ」
 如月鬼堂も最後の戦闘に唖然としていた。
 「しかし先生。日曜日で良かったですね」
 館山弁護士はインターネットアダルト放送の後で助かったと言いたい。
 「まったくだ。昨日だったらこっちが慌てふためく」
 如月鬼堂も胸を撫で下ろす。
 「最初の頃にヘリを落としたミサイルと戦車を破壊したミサイルは同じ物ですかね」
 大河内税理士の疑問である。
 「同じ物でしょう。そんなに何点も設計できないでしょう」
 如月鬼堂はそれ以上の能力はないと決めつけてしまう。
 「五十ミリ機関銃と砲弾。そしてミサイル十二発ですね」
 杉下一行も驚いていた。
 「それとドローンの小型爆弾だ」
 「ああ」
 「それに猛獣も何処からか運び込んだのですね」
 「猛獣と砲塔が一番の謎だ」
 「以前にはプロペラ機とかグライダーを持っていました」
 館山弁護士が過去の事件を思い出す。
 「そっちは国内で調達できる」
 「まあ。そうですね」
 「猛獣や砲塔から足が付いて裏の組織が少しは解明されれば良いのだが」
 如月鬼堂はまずそれはないと思いながらそう言う。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日は樽酒と鍋で乾杯していた。
 外は曇り空だがそんなに寒くはない。
 「あの二人の小母さん議員。猛獣の餌とは愉快だな」
 医者の男は期待通りと喜んでいる。
 「しかし猛獣はどうして持って来た」
 葬儀会社の社長の疑問である。
 「あれは忍者姿の四人を派遣した組織が飼育していたものだ」
 その後の猛獣の行方は判っていない。
 「砲弾はどうしたのだ」
 印刷会社の社長である。
 「さすがに砲塔は国内で動かすのは難しい。海外では設計図と生産手段を提供しているが」
 「ならばあれは」
 印刷会社の社長が追求する。
 「砲弾に見せかけたロケット弾だ。発射台から撃ち出している。女共には砲撃を始めると言うように指導したが」
 「成程」
 この面々は今回の成果に酔いしれていた。まだまだ次なる悪事の愉しみを予定している。

 
 最期のSM小説家 第三十七幕 凶悪犯罪計画 完 





 最期のSM小説家 第三十八幕 SMに資産をつぎ込む夫婦


 二〇二十二年寒露上元。太陰太陽暦十一月十一日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十二年十二月四日。
 
 十二月に入って一気に寒さが去来した。
 長野山荘人質立て籠もり事件の報道もようやく収まりつつある。
 如月鬼堂らは今月の後半に豊洲のマンションに引っ越す。さらに一月の終わりころ宇佐美のマンションに移る。
 冬をやや暖かいこの地で過ごす。
 四月初め暖かくなって越後湯沢に戻る工程である。
 珠洲と瀬里菜が来てからここ数年同じ工程を繰り返していた。
 この日は囲炉裏端に電気が入って炉端で魚を焼く。
 暮れの忘年SMツアーの打ち合わせで主なメンバーが集まってい会議を行っていた。
 炉端が点いているので暖房は点けない。炉端の部屋はカウンターの内側を除いて床が七十センチ嵩上げされていた。
 炉端の周りとカウンターの外側は逆に掘られていて湯を入れることができる。
 湯で足元だけを温めていた。
 節電の為ではない。眠くならない配慮である。
 如月鬼堂は節電で云々言われることはない。二フロア吹き抜けのリビング。その窓の上半分に太陽光パネル八枚が取り付けられている。
 売電はしていない。蓄電池数台に蓄電している。電力会社と契約は行っているが基本料金のみである。
 「寝台列車の必要がありますか」
 雨倉編集長はまだ企画を理解してない。企画書を一通り舐めてそう言う。
 「それは今回ゲストの女優とのデートタイムを予定しております」
 杉下一行が答える。今回の企画担当である。
 乱交クラブの逮捕以来会員制の愛好会であっても慎重に成っていた。今回も杉下一行と館山弁護士で話し合っての企画である。
 「参加人数はかなり限られますね」
 真性奴隷女の館の樽常マネージャーである。
 「今回は入会の古い会員から優先です」
 「まあ。参加費用も高いからね」
 如月鬼堂は人数が限られても問題ない意識であった
 「これリゾート車両ではないですね」
 大河内税理士である。
 「A個室の寝台を繋いでもらっています。ラウンジカー二両を含めて十六両編成です」
 「止まれる駅が限られますね」
 大河内税理士は十六両ではホーム有効長の関係で駅に止まれない心配を指摘する。
 「運転停止以外停車、途中下車はしません。東京駅を出発して東京駅に戻ります」
 「うちからは六人ですね」
 樽常マネージャーが派遣するのは岡田有美、高島波瑠、本田椿、来島結奈、飯豊真里菜、牧野茉莉亜の六名である。
 全員如月鬼堂の監修するSM系AVに出演しているが樽常マネージャーの真性奴隷女の館の所属と成っていた。
 あと椋木美弥が入るが長野のSMクラブの黒の館の所属である。
 「他に椋木美弥さんとコンパニオンが七名です」
 コンパニオンは如月鬼堂の経営するファッション喫茶三店舗から派遣されることと成っていた。
 「金曜の21時54分出発でサンライズの直ぐ後に出て戻るのが月曜日の6時15分ですがインターネット放送はお休みですか」
 雨倉編集長の確認である。
 「いいえ。列車の車内から中継です」
 本多椿が答えた。今日は一人だけ会議に参加している。
 十六日出発だがその日に瀬里菜がメールを出して参加者は直ぐに優先順に決まってしまった。
 
 十二月五日。
 和歌山県の岬ビューホテル。
 離れ座敷で岡田弥一郎は青木学に料理と酒を振舞っていた。
 SMツアーの話はこっちにも届いている。
 「面白い企画だな」
 岡田弥一郎は心が動いていた。
 「しかしこのホテルにはプラスに成らないぞ」
 「そうでもない。どうせ列車の中でショーはできない。大阪発で和歌山一周して東京や。途中此処に泊めてショーをやって東京で観世音ホール」
 「如月鬼堂が最初使っていたところか」
 「そうだ」
 「それなら此処で集まって此処に戻って二回目にショーでどうだ」
 「車中は一泊か」
 「そうだ」
 こちらは三十名で決行となった。如月鬼堂の愛好会と違ってツインの個室で一人に一人のSMコースのスーパーコンパニオンが付く。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「遺体処分の依頼が来た」
 川口の会長が仕事の依頼を告げる。
 「SMクラブで女性を殺してしまったのか」
 「処分料一千万は出せるとの事だ」
 「早急に掛かろう」
 川口の会長は入金の確認をしてホテルに残るように指示した。
 雇われた男が同じホテルに大型のキャリーバックを持ってチェックインする。
 依頼者は五十年配の夫妻であった。
 どちらもSである。二人でSM嬢を虐める。または援助する条件で若い夫婦を虐めて愉しむ。
 二人には十分な蓄えや配当もある。さらに家賃収入も多額に入っていた。汗水垂らして働くことは全くない。
 男は二人の部屋を訪ねてキャリーバックを渡す。
 夫妻はそのキャリーバックに遺体を詰めてホテルを出た。
 外で運送会社の車両がそれを受け取る。
 このキャリーバックは空き地で葬儀会社の車に渡された。此処で棺にいれてしまう。
 そのまま長距離を輸送する。
 最後は廃棄物収集運搬業の車両が受け取って夜間に乾式メタン発酵の工場に運び込む。
 六人の一人廃棄物収集運搬処分業の工場だが従業員の居ない金曜の深夜に稼働させる。
 土日とも工場は完全休業。稼働するのが川口の会長の手配する闇組織から来る人間である。
 此処の産業廃棄物処理場は乾式メタン醗酵という処理法で動植物性の残渣を処理する。
 遺体は破砕処理機で細切れにされ醗酵してガスは発電に使われて行く。水分は蒸発して醗酵残渣が残る。
 こっちは堆肥となり動物の飼料と成って消えて行くのである。
 
 この夫妻は何度もやって来たプレイで失敗した。
 女の首を吊るして白目を剥かせる。その時間配分を誤って蘇生しなかった。
 稀にSM系AVの動画で見かける。時間配分を間違えなければ問題はない。
 興奮度が高過ぎたのである。そして女が細面で一見気丈そうに見える女であった。それが災いする事になる。
 つい長めに苦しめたい欲望が事故と成る結果と成ってしまった。
 夫妻には事故でも警察沙汰は有ってはならない。
 山井和徳は闇サイトを知っていた。事故で殺人罪に成らなくても過失致死は免れない。
 二人が失うものが多過ぎる。それなら一千万の出費は安いと思った。
 SMクラブは女が出勤しないだけとそれ以上は対応しない。行方不明のままで事件に成らずに済んでしまった。
 本来なら金を使って罪を逃れても反省しなくてはならない。
 だが二人の興奮度があまりにも激しかったのである。この二人の猟奇はここから始まった。
 川口の会長にさらに要求して来たのである。
 「何という奴らだ」
 川口の会長も驚愕した。
 「事件が続いていたからね」
 葬儀会社の社長もこれまでの事件がこの連中を猟奇にした連鎖作用と見た。
 「この二人はどこかの時点で死んでもらうしかないな」
 医者の男は危険を感じていた。
 「そうだな。散々遊んで貰って資産を使い果たして貰うか。何れ手が回って最後の時が来る覚悟はしているだろう」
 川口の会長は相手の心理を読んでいた。
 「このまま反省して静かにしていれば良いものを」
 葬儀会社の社長は馬鹿だと言わんばかりである。
 「こうなったらきっちり型に填めるしかない。もうあと戻りは許さない」
 川口の会長はじっくり作戦を計画する意思を示す。
 「俺たちの遺体処分を信じて貰えないのは残念だが奥さん殺して半年後に逮捕された市会議員よりお利口だな」
 医者の男は別の評価をする。
 「また社会を騒がせて遊べるな」
 印刷会社の社長は動画公開で社会を騒がせて遊びたい。
 「奴らの家やホテルは駄目だ。場所を考えてこっちの言う事を聞いてもらおう。だがこれまでのような配信は希望しないのではないか」
 医者の男の見解である。
 「そうだな。公開は終わってしまってからで良い。場所を考えよう」
 川口の会長と医者の男の見解はほぼ一致した。
 
 十二月十六日。
 和歌山県の岬ビューホテル。
 岡田弥一郎らの企画では十六日の夜に出発する。それまではホテルの部屋で指名したコンパニオンとSM三昧である。
 ホテルは十二時からチェックインができる。
 浪江はまた赤座元太に指名されてしまった。
 大方が十一時四十五分着の列車で着く。
 浪江は嫌な客でもこのシーズンに付かなければ大変である。三日で最低でも五十万に成る。
 浪江は赤座元太から百万を受取った。
 早速全裸にされて高手小手に縛られてしまう。
 浪江は恐怖に強い鼓動を撃っていた。
 前回は女の部分の粘膜を二枚合わせて縫われてしまったのである。
 その日の恐怖が蘇る。
 「今回は寝台車が有るから此処では鞭と逝き声を愉しむだけだな」
 赤座元太はもっとやりたそうである。
 「もう前回は部屋に帰って倒れたのですよ」
 「あれが最初か」
 「はい。まあ。段々慣れた気はしますが皆ハードです」
 「そりゃそうだろ。それでなきゃこんなとこまで来ない」
 赤座元太は当然の如く言う。
 「でも貴方の言っていたほどお客は付かなかったよ」
 浪江は不満を漏らす。以前に赤座元太が『あんたこれからこの会の会員からたくさん指名取れるよ』と言ったようには客は付かなかった。
 「そうか。他の人は」
 「そんなには儲かってないよ」
 全体が儲かってないのである。
 「そうか」
 「ホテルは盛況そうだが」
 「でも。通常のスーパーコンパニオンばかりよ。高いコースは月に二、三回。この会の集まりの時だけよ。お金に成るのは」
 赤座元太は浪江の躰を畳に敷いた布団に高手小手の縛りのまま仰向けに倒す。
 片方ずつ膝と脚首に縄を掛けて天井から下がった滑車のフックに引っかけてX字開脚に脚を吊るし上げる。
 赤座元太は鞭を選んだ。
 先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。
 「ねえ。お〇〇こ叩くの」
 浪江は悲痛そうな声で訊く。
 「そうだよ。ハードの金払っているからな」
 赤座元太は当然と言う。
 「だってここ痛めたら電車乗れないよ」
 「はっはっは。この鞭じゃ血までは出ないよ。強烈に痛いだけだ」
 「え、ええーー。本当」
 「まあ。車椅子も有るし。それに今日が尿道にマイクロバイブとお○○こに無線ローターを入れて出発だ」
 赤座元太はさらに辱める計画をしていた。
 「え、ええーーー。それラウンジで動かすの」
 「そうだよ」
 「あたしだけ恥ずかしいじゃない」
 「それが良いのだよ。他の奴も計画しているかもな」
 「ああ」
 浪江は堪らない表情である。
 「尿道の方は漏らすかもね」
 赤座元太はさらに恐ろしい事を淡々と言う。
 「そんなーーーーーーー」
 浪江は驚愕の表情に成る。そんな事をされたらとても堪えられない。物凄い辱めである。
 
 弘枝は因縁の宇治原歳加年に指名されてしまった。
 プレイ中に近所のコンビニの男性店員を呼ばれてプレイに参加させられてしまった。
 弘枝は強く拒んだがプレイ代二人分で済まされてしまう。
 堪えられなかった弘枝はその若い男を連れ込んでしまった。さらに若い男に女の悦ばせ方を教育する。
 その挙句は報復に来た若い男の彼女を殺してしまった。
 岡田弥一郎らが総てを闇から闇に葬る。
 警察が何度も捜査に来たが無駄に終わっていた。
 無論宇治原歳加年はその事を知らない。
 「今日も君をたっぷり辱めるからな」
 なんとこの男も無線操縦の尿道バイブとローターを用意していた。
 「何よそれ」
 弘枝は既に尿道バイブの責めを受けている。
 「ラウンジカーではショーまでは行えないからな。これで狂ってもらおうと。できたらお漏らしてくれると良い」
 「ああーー。何という」
 弘枝はこの客のえぐさに慄く。
 「今からこれで慣らすからね」
 宇治原歳加年は弘枝を畳に尻を突かせてスカートを捲り上げショーツを脱がして責めに掛かる。
 宇治原歳加年は棘付きのローターを弘枝の膣に突っ込む。これも無線操作で動く。
 「いやあーーーーーーーーー。これ中で動かしたら漏れちゃうよ」
 弘枝は堪らず訴えた。
 「何を言うか。それが愉しみなのだ。それで高い金を払っているのだ」
 宇治原歳加年は当然のように押し切る。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は一気に悶える。
 「あーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は表情を破裂させて藻掻く。
 何処も拘束はされてない。
 膣の奥で暴れる棘付きローターに蹂躙されている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の躰は大きく震撼していた。股間は痙攣状態である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は失禁尿を噴き上げてしまった。
 「あーーーーーーーー。あはーーーーーーーーー。あはあ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 宇治原歳加年はリモコンのスイッチを切る。
 「電車ではあまりハードはできないからな。これくらいだ」
 宇治原歳加年は残酷な思い付きを手加減しているように言う。
 「いくら貸し切りでも電車でこれやったら超ハードだよ」
 弘枝は宇治原歳加年のやろうとしている事の残酷さを噛みしめていた。
 そしてこの部屋の中では電車に乗れるぎりぎりのハードをされてしまうに違いない。
 宇治原歳加年は次に棘付きローター以外の二つのスイッチを入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 「さあ次はこれだ」
 宇治原歳加年は尿道バイブを翳す。
 「ああ」
 弘枝は二つのローターだけで表情を軋ませていた。
 宇治原歳加年は弘枝の女の部分を開いて尿道の小さな亀裂に細くしなやかな尿道バイブを差し込む。
 「うふうーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 キシロカインゼリーを塗っていても入って来る時は痛い。
 宇治原歳加年はリモコン操作ではなく手でゆっくり動かす。慣らしの責めの心算である。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の表情は壊れている。顔は真っ赤に染まっていた。
 宇治原歳加年はゆっくり尿道バイブを抜く。
 「あはーー」
 失禁した後なのに僅かに尿が流れ落ちる。
 「ああーーん。あっはん。ああ。ああん。ああ。ああん」
 宇治原歳加年はまた尿道バイブを差し込んで動かす。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝の赤だるまの表情は一気に破裂する。
 
 浪江は高手小手に縛られ仰向けに寝かされて脚を吊るされX字開脚にされて鞭で叩かれていた。
 赤座元太は浪江の女の部分を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 長方形の革二枚重ねた一本鞭の先端が閉じ合わせた女の部分の粘膜を斜めに叩いていた。
 浪江は既に目尻から涙を溢している。
 赤座元太はさらに構えた。
 浪江は表情を硬くして細めた目で鞭を追う。
 赤座元太は避けようと歪める腰に向けて角度を変えて狙いを定める。一気に振り下ろす。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭の先端はクリトリスを包んだ包皮を直撃していた。
 浪江からさらに涙が零れる。
 もう十発くらい叩かれていた。確かに切れて血が滲むまでは行かない。
 赤座元太はまだ構える。
 「ああーー」
 浪江は早く終わってほしい。辛い表情を硬くして身構える。腰を動く限り捩って太腿で局部を護ろうとする。
 赤座元太は立ち位置を変えて狙う。
 浪江はさらに逃れんと股間の角度をずらす。
 赤座元太は手頃なところで一気に振り下ろした。
 鞭の先端は真っすぐ直撃する。びらびらを少し割ってめり込む。
 「あがうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は躰を震撼させて痛みに藻掻く。僅かに失禁尿が零れ出た。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相当に痛そうである。
 赤座元太はそれでも構える。
 「待って。少し待って」
 浪江は痛みが治まってない。
 涙はぽろぽろ零れる。
 「もう少し漏らしてほしいのだがな」
 赤座元太は鞭で失禁を期待していた。
 「そんなに叩いたら旅行に行けないよーーーー」
 「痛みは直ぐ治まるだろう」
 「えーーーーーーーーー。斬れたら歩けないよ」
 「斬れない。斬れない」
 赤座元太は動じてない。
 
 香乃子は赤座元太が紹介した客に付いていた。
 男は瀬尾将という。
 「これはな。クリトリスを剥いて被せる。この金属の細い枠が包皮を押してクリトリスの玉を掴む。中に小さなローターが付いていてリモコンで刺激する」
 瀬尾将は得意そうにアイテムを説明する。
 これも杉下一行のポルノショップの通販で買ったものである。
 「そんなの付けたままリモコンでスイッチ入れたら漏らしちゃうよ」
 香乃子もこの虐めは堪らない。
 「それを大勢の前で愉しみたいのだよ」
 「えーーーーーー。そんなの」
 「列車の中ではそれが最高の愉しみだ」
 
 列車の出発時間の三十分前に成って青木学が放送で駅に向かうよう案内する。
 香乃子はクリトリスにローターの入ったカバーを付けられ尿道にも細いバイブを入れられていた。
 尿道に刺さったバイブは女の部分のびらびらに留め具で押さえられている。
 その上からショーツを被せてストッキングも履いて与えられたワンピースを着ていた。
 着替えも二着持っている。一着だけが自分の服である。
 浪江と弘枝は膣に棘付きローターを入れられ尿道には香乃子と同じ物が入れられていた。
 同じようにショーツで包んでストッキングも履いている。同じようにミニワンピース姿である。
 この二人もしっかり二着の着替えを持っていた。
 三人とも列車に乗るまではコートも着ている。
 
 如月鬼堂のツアーはその少し前にサンライズ出雲、瀬戸の直ぐ後に東京駅を出発した。
 こっちは総てシングル個室である。
 零時まで二両連結したサロンで飲み会。如月鬼堂のSM嬢七人とファッション喫茶のコンパニオン七人が給仕する。
 深夜は担当の車両を廻って行く。SM系AV女優もコンパニオンもコート一枚で中は全裸である。
 貸し切りなので機関車に機関士二名と運転車掌二名しか乗らない。非常時以外車掌は車内を歩かない。
 サロンで女性は下着姿である。
 下着の中に触る程度はファッション喫茶と変わらない。サロンの窓のカーテンは閉めてクリップで留めてあった。
 完全貸し切りでも杉下一行と館山弁護士は油断ができない。
 
 和歌山県の岬ビューホテルのツアーは大分前に出発していた。
 ツイン個室に全員が収まる。そしてディナーは岬ビューホテルの調理とSM以外のスーパーコンパニオン四人が配膳を行う。
 こっちも機関車に機関士二名。最後尾に運転車掌二名が乗務しているが車内改札が無いので緊急時以外乗務員室に待機である。
 こっちはサロンカーの窓を解放していた。だが真っ暗で海さえ見えない。
 途中駅も大方は灯火が消されている。外の乗客や通行人に中を見られることはまずない。
 ディナーが終盤に成ると赤座元太は瀬尾将に合図してこっちが先にやると浪江の膣の奥に入った棘付きローターのスイッチを入れた。
 「う・・・・・・・・・・・・・」
 浪江は躰を硬くする。顔を伏せて歯を食い縛って堪える。
 首を振っていやいやをしながらテーブルを掴む。さらに目を瞑って太腿を捩って今度はスカートの裾を強く掴んで堪える。
 赤座元太は嬉しそうに浪江の表情を伺う。
 浪江の顔は微動し続けて腰は捩るようにくねる。
 瀬尾将もそれを覗き込む。
 浪江は背中を丸めて股間を両手で押さえた。表情を軋ませて上体が究極に藻掻く。誰からも異常に見える。
 周りの目が集まりだした。浪江の苦悶に藻掻く表情が堪らなく刺激する。
 給仕のスーパーコンパニオンがデザートを運んで来た。
 赤座元太はここで一度スイッチを切る。
 スーパーコンパニオンはデザートをテーブルに置いて浪江の股間に目を落としてから去って行く。
 赤座元太は次に尿道バイブのスイッチを入れる。
 「ううーーー」
 浪江は堪らず声を漏らしてしまう。
 近隣の席の面々が浪江の表情を覗き込む。
 浪江は顔を伏せて藻掻く。
 堪えられずシートから降りて床に蹲る。
 香乃子と弘枝だけが切羽詰まって青ざめた表情でそれを見ていた。次は自分である。
 「あ、ああ」
 浪江は僅かに尿が漏れてしまって声を漏らしてしまう。
 ワンピースのお尻に染みが見えた。
 周りの視線がスカートの後ろに集まる。
 浪江もそれを感じ取って顔を真っ赤にして固まってしまう。
 赤座元太は浪江の膣の奥に収まった棘付きバイブのスイッチも入れる。
 「あ、ああーーーーー」
 浪江はさらに蹲って躰を縮める。
 「だめーーーーーーーーーーーーーー」
 ストッキングから染みが広がった。尿が床に流れ落ちる。
 「あはあ。あは。あは」
 浪江は顔を覆って嗚咽してしまう。
 「お客様大丈夫ですか」
 スーパーコンパニオンがモップを持って来た。
 「心配要らん。こいつの女に物が入っていてこう成った」
 赤座元太はスーパーコンパニオンを制する。そしてチップを渡した。
 赤座元太が浪江の腋を持って立たせる。
 「美しいお漏らしで御座いましたよ」
 スーパーコンパニオンは態とこんな声を掛ける。
 浪江は堪らず個室に逃げるように走り出した。
 そして個室の前で鍵がないので蹲る。
 赤座元太が後ろから来てカードキーで開けて中に入れた。
 浪江は号泣してしまう。
 ラウンジカーでは次に香乃子が蹲って藻掻き続けていた。
 瀬尾将はクリトリスのカバーの中の極小のマイクロローターと尿道バイブを交互に動かしていた。
 そろそろと両方スイッチを入れる。
 「あはあーーーーー。あ、ああ」
 香乃子も失禁してしまった。
 「あう。あう。あう」
 顔を両手で覆って嗚咽してしまう。
 尿はワンピースを濡らしストッキングも染みが充満していた。
 「あらあ。こちらも美しいお漏らしですこと」
 配膳のスーパーコンパニオンはまた態と詰る。
 瀬尾将もチップを渡す。
 そのまま後ろから香乃子の両腋に手を入れて躰を持ち上げて無理やり立たせて部屋に引き上げた。
 何と客から拍手が沸く。
 浪江は部屋に戻って泣きながら濡れたワンピースと下着を脱いで尿道バイブとローターを外そうとする。
 赤座元太はまたスイッチを入れた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーー。私をみんなの前で辱める目的は済んだでしょう」
 赤座元太は哂っている。
 「あはあーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江は藻掻く。
 「いいじゃないか。一回逝ってしまえ。そうしたらシャワーカードをやる」
 赤座元太は強引に押さえる。
 浪江は仕方なく躰を任せてしまう。
 香乃子も部屋に戻って泣き崩れていた。
 「酷い。どうしても私の漏らす姿を晒しものにしたかったのね」
 香乃子は個室の床に座り込んで瀬尾将を見上げて恨み言を吐く。
 「あんたも耐えられなかったじゃないか」
 瀬尾将は嘲る。
 「耐えられる訳ないでしょう。こんな物付けて誰だってむりだよーーーーーーーーーーー」
 香乃子はさらに号泣する。
 「無理なら素直に漏らして周りを愉しませろよ。あんたの仕事だろ」
 瀬尾将は金を払っているのでさらに強く主張する。
 「だってあそこで何人にも見られて囲まれて恥ずかしさが違うよ」
 「お前ショーで三十人くらいの会員の前でやったのだろ」
 「それとこれは。あのタイミングでは」
 香乃子はさらに涙を流す。
 ラウンジカーでは食事が終わった面々が立とうとしていた。
 「待ってください。もう一人」
 宇治原歳加年が他の会員に声を掛けて呼び戻す。
 全員が振り向いて宇治原歳加年の連れていた弘枝を見る。
 宇治原歳加年は直ぐに弘枝の膣の奥に入った棘付きローターのスイッチを入れる。
 「・・・・・」
 弘枝は顔を伏せて藻掻く。
 堪らず股間を両手で押さえる。
 さらにワンピースの裾を握って腰を捩って藻掻く。
 全員の目が弘枝の下半身に集中していた。
 「あ、ああーーー。ああ。ああ」
 弘枝の躰はぶるぶる震える。
 「何が入っているのですか」
 会員の一人が宇治原歳加年に確認する。
 「お〇〇この奥に棘の付いたローターが。そして尿道に尿道バイブが入っています」
 宇治原歳加年はそう答えて尿道バイブのスイッチも入れる。
 「うぐうーーーーーーーーー」
 弘枝は床に蹲る。
 「おーーもらし。おーーもらし」
 何と掛け声をかけ始めた。
 弘枝は床に座り込んでしまう。顔を胸の方に丸め込んで堪え続ける。
 なかなか期待のお漏らしに至らない。
 弘枝は床に股間をぴったり着くように両方の膝を横にして座り込む。ワンピースの裾の中に手を入れて押さえて藻掻く。
 宇治原歳加年はリモコンを手に取りだしてスライドスイッチをハイにする。
 「ううーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は膣に力を入れて押し出そうとする。
 「あーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー。あっはーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも敵わない。
 尿道のバイブが失禁尿に流されて床に水溜まりが広がる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は断末魔の叫びをあげる。
 床に手を着いて蹲って動かない。
 拍手が沸く。
 「お客さん。掃除しますからお部屋に戻って下さい」
 またスーパーコンパニオンが意地悪な声を掛ける。
 宇治原歳加年もチップを渡す。
 腕を腋の手前で掴んで立たせようとするが動かない。もう一人青木学が手伝って立たせる。
 そのまま部屋まで引きずって行く。
 「貴方はほんとに酷い人ね。この前も凄い事したよね」
 弘枝はしんねり恨み言を言う。
 「若いコンビニの店員と二人分払ったじゃないか」
 宇治原歳加年はプレイ中に近所のコンビニの若いイケメン店員を呼んで弘枝の全裸以上の逆さ吊るしで女の部分丸出しの姿を見せてしまう。
 さらにプレイに参加させてあくどい悪戯をさせた。
 「それだって。あのコンビニで買い物できないよーー」
 いくら二人分貰っても愛好会のお客二人とは違うと言いたい。
 だが弘枝はそのあと若い店員を誘い出して遊んでしまった。逆に性儀を教えて玩具にしてしまったのである。
 
 如月鬼堂らのツアーは東海道線を機関車二重連に引かれてサンライズ出雲と瀬戸に離されながら進んでいた。
 電車特急より遅いと言っても百キロは出る。普通電車に抜かれることはない。
 本多椿らは個室を廻っていた。
 如月鬼堂と館山弁護士、杉下一行は瀬里菜を交えてラウンジカーで飲み続けている。珠洲はミニチュアダックスのペーと留守番である。
 「しかしあの事件のあとマスコミと野党政治家と知識階級の騒ぎ方は異常過ぎましたな」
 杉下一行は連日同じ非難を続けるマスコミ報道にうんざりしていた。
 「一方的に潔癖社会に成り過ぎだ。逮捕された保育士の虐待と言ってもピンとこない。自分らの子供の頃は当然のようにやられていた」
 如月鬼堂も現代の潔癖社会にうんざりしている。
 「私なんか先公に何回殴られたか」
 杉下一行は不良に近い学生時代であった。
 「暫くあの手の事件は起きて欲しくありませんな」
 館山弁護士も向井十夢の事件のあと長野山荘立て籠もり事件が起こってやれやれである。
 こっちの活動に影響が来ないか戦々恐々する毎日であった。
 「以前のように撮影に抽選で何人か会員を参加させてはどうでしょう」
 杉下一行の意見である。
 「そう言えば録画の時は何人か参加させていたな」
 如月鬼堂も二年近く前を思い出す。ファッション喫茶でショーをやらなくなっても会員の増加は止まってない。
 だが不満が出ないように考える必要はある。
 今回も和歌山の企画と比べて向こうが勝っていた。
 
 十二月十七日。
 山井和徳と亜希江夫妻は長野市内の空きビルを買い取った。
 やや都会の範囲だが人通りは少ない。車で入って目に付かず不自然でもない。
 川口の会長は拉致した女を運び込むのに問題のない建物として此処を選んで買い取らせた。
 夫妻は此処に住居も移す。だが住民票はそのままである。
 一人目の女が運び込まれた。
 岸本璃紗二十五歳。東日本会社線蘇我運輸区の車掌である。
 君津市内の自宅に駅から自転車で戻る途中を拉致された。
 追い越すトラックから催涙ガスを掛けられる。倒れたところをコンテナに入れて縛られさらに麻酔を打たれた。
 キャリーバックに入れられて客を乗せたタクシーが長野まで賃走で運ぶ。
 客の役割の男が夫妻のビルの通用口からキャリーバックを運び込んで放置する。メールで連絡を受けた夫妻がそれを回収した。
 夫妻は川口の会長の指示通り忍者姿黒装束に成る。
 その衣装は拉致を請け負った組織から支給されていた。
 川口の会長らの儲けは遺体処理代金だけである。拉致の分は組織に支払われる。撮影する事は川口の会長らが請け負う条件としていた。
 既にカメラが三台設置されている。
 固定カメラで撮影して印刷会社の社長があとから編集する予定である。始まったらリアルタイムでオンライン送信する。
 夫妻は一人に付き処分まで含めて三千万を支払う。
 支払いはマネーロンダリングをサポートする別の組織の口座に入金して其処からそれぞれに支払われる。
 入金そのものからマネーロンダリングを通していた。
 夫妻は一人のSM嬢をプレイ中に誤って殺してしまった時から猟奇と成ってしまっている。
 「可愛い子よ。まだ若い。この命を奪えるのよ。たっぷり愉しみましょう」
 亜希江はSM嬢の首を吊るして何度も白目を愉しんだ。
 時間をぎりぎりまで伸ばしてこれでもと続ける。興奮度がとことん上がってとうとう限界を超えて最後に殺してしまった。
 今はこの女の子を殺してしまう事に異常に興奮している。
 この夫婦に男女の営みは当初だけである。子供は居ない。SMは亜希江の趣味である。
 だが亜希江に男を虐める趣味はない。若い女を弄繰り回して女の性を剥き出しにさせて玩具にする。
 夫の山井和徳はお付き合いである。
 その代わり素人以外の女性遊びは黙認されていた。
 夫妻は岸本璃紗を眠らせたまま縛り直す。
 まずは川口の会長の要求を先に実行する。
 全裸、乳房、女の部分のアップ、さらに広げたアップ、そしてクスコを入れた奥の部分の撮影である。
 これまでの事件の類似犯に見せかける為と説明されていた。
 最初は高手小手に縛って空中に脚首の縛りだけで逆さ吊るしにする。
 岸本璃紗の脚首を縛り合わせた縄にフックを付けて天井から下がったチェーンブロックのフックに吊るしていた。
 上げ下ろしはチェーンブロックの鎖を引いて行う。
 亜希江が鞭を持つ。
 持ち手の部分以外一メートルくらいのテープ状の革の鞭である。
 最初は腰の部分を狙って叩く。
 「う、う、うう」
 岸本璃紗は衝撃に意識を戻し始める。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーー」
 逆さ吊るしに気付いて強烈に叫ぶ。
 「なにこれーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに忍者姿黒装束を見てさらに叫ぶ。
 「諦めな」
 亜希江はそう宣告してさらに叩く。
 「うーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は焦って叫び上げる。
 自転車で走っていて行き成り催涙ガスに倒れた。
 「やめてーーーーーーーーーー。此処はどこよーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖の事態に居場所の不安を叫ぶ。
 「諦めな。貴女が拉致されたところから百キロ以上よ」
 亜希江はそう宣告して次を叩く。鞭は艶めかしい太腿に一周回り込む。亜希江は何処から拉致したかは聞いてない。あてずっぽうである。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーー」
 既に最初に叩いた腰のあたりに真っ赤な鞭の痕が浮かんでいた。白い肌に浮かぶ鞭の痕の紅さはサディストを興奮させる。
 「あんたも叩いてよ」
 亜希江は夫を促す。
 山井和徳も鞭を持つ。
 こっちは先端が細い一本鞭である。
 真っすぐ逆さ吊るしになった岸本璃紗の二本並んだ太腿。山井和徳はその隙間から股間を狙う。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。女の部分の粘膜を強く叩いていた。
 岸本璃紗の躰は腹を外に反り振り子のように揺れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。いたあいーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に歪んだ表情を破裂させて叫ぶ。
 今度は亜希江が横から叩く。乳房の直ぐ下を叩いていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岸本璃紗の躰は弓なりに仰け反って空中で強く振れる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き声交じりに叫ぶ。
 山井和徳が正面から股間に叩きこむ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は強烈な痛みに躰を左右に揺する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでわたしをーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 何で自分がこんな目に遭わされるか。あり得ない。あってはならない事態のパニック。そして怒りと恐怖の狭間で叫ぶ。
 「運が悪かったね。闇サイトにリクエストしたら偶々あんたを拉致してくれたのよ」
 亜希江は構わずばらしてしまう。どうせ殺すのである。
 「そんなーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は運が悪かったでは済まない。奥からカメラが撮影しているのも判っていた。
 自分の裸もさらにもっと酷い姿も公開されてしまう。
 次の鞭が乳房に飛んでくる。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鞭は乳房を並べて薙いで背中に回り込む。
 「ぐうううーーーーーーーーーーー」
 痛みに藻掻く。岸本璃紗の躰は絡んだ鞭が解け落ちると振り子の様に空中を撥ねる。
 山井和徳がまた股間に叩き込む。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがあああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は遂に失禁してしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き叫ぶ。
 「おいおい漏らしちっやたのかよ」
 山井和徳はお漏らしを詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗はさらに泣き叫ぶ。
 亜希江はドテと股間の黒い塊に脱毛クリームを塗りこむ。
 「あーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は違和感に叫ぶ。
 「脱毛クリーム。貴女の股間を綺麗な紅い皮膚を丸出しにするのよ」
 亜希江は愉しそうに言う。
 「えーーーーーーーーーーー。毛が無くなっちゃうよーーーーーーー」
 抗議しても塗ってしまえば既に手遅れである。
 「諦めなさい」
 亜希江はにべもない。
 「どうしてそんなことするのよーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は理不尽な仕打ちに堪らず抗議する。
 「貴女の美しい股間を丸出しにして公開する為よ。毛は邪魔でしょう」
 SMに陰毛は要らないとの勝手な見解である。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外はすっかり寒い。ガラス窓の内側で冬の空気で澄み渡った麓の町見下ろしながらバーベキューを焼いてビールと日本酒で飲み明かす。
 「二つの列車どこかですれ違うのじゃないか」
 印刷会社の社長が牛タンを焼きながら二つの企画を見比べる。
 「そうだな。俺は和歌山の企画がいいな」
 葬儀会社の社長である。
 「しかし女の質は如月鬼堂の奴隷の方が上だぜ」
 医者の男は自分の見解を言う。
 「しかし女が足りない」
 葬儀会社の社長は会員の人数に女が足りないから自分なら不満を感じると言いたい。
 「どっちが良いかな」
 「長野は」
 「いま始まったばかりで撮影しながら自動で動画が転送されている。これから編集する。カメラ三台纏めて来ているよ」
 「夫婦の金が尽きてから公開だな」
 「そうだ。ゆっくり編集してくれ。その前に遺体の処分だ」
 この夫婦の資金が尽きて自決してから行方不明の女性の動画が公開されるという目論見である。
 この夫妻の性癖から始まった犯罪と悲劇ではあった。
 そして自ら舞い込んで要求して来たのである。
 だが川口の会長は資産の総てを闇組織と自分らで吸い上げて趣味を満喫しようとしている。
 切っ掛けはこの夫妻がマネーロンダリングをサポートする組織の口座を持っていた事からであった。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 亜希江は脱毛クリームで浮かせた岸本璃紗のドテの黒い塊を指で毟るように抜いてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は抜かれてゆく陰毛に堪えられず悲鳴を上げ続ける。
 「真っ赤な皮膚が丸出しで綺麗よ。アップで公開しましょうね」
 亜希江はじっくり詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗には突然起きたあり得ない悲劇である。
 パニックのまま叫び続けるしかなかった。
 「一度降ろすから腕を縛って。高手小手」
 亜希江は夫に要求する。
 山井和徳が逆さ吊るしのまま高手小手に縛り終わると亜希江は吊るしを一度高くする。
 その間に山井和徳が岸本璃紗の真下に六人かけ位のダイニングテーブルを持って来た。
 その上に仰向けに寝かすように降ろす。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 膝から脚首に片方ずつ縄を掛ける。それを天井から離れた位置に下がった二本のフックに通した。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吊るす為に最初に縛った脚首の縛りを解く。
 二人で左右のフックに通した縄を引いて股間を強く開いてその縄をフックに縛り付ける。
 岸本璃紗は膝をくの字に寄せて閉じようとするが閉じない。
 「やっちゃえば。若いから起つでしょ。私に遠慮はいらない」
 亜希江は夫に強姦を促す。
 山井和徳は忍者姿黒装束の股間部分を開いてペニスを取り出す。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗はそれを見て強姦されると強烈に叫ぶ。
 山井和徳はスキンを掛けようとする。
 「要らないよ。生の方が悦ばれるよ」
 亜希江は生強姦を要求する。
 「しかし」
 山井和徳は跡が付くとやや躊躇う。
 「完全に消滅するのよ」
 亜希江は乾式メタン発酵で完全に消滅するから大丈夫と言う。
 「そうだな」
 山井和徳は岸本璃紗の内腿を両手で押し広げて体を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳は容赦なく岸本璃紗に突っ込んでしまう。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は藻掻き暴れる。
 山井和徳は岸本璃紗の太腿に腕を回して躰を無理やり引き寄せてさおを押し込み続ける。
 「ああーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は叫び藻掻き続ける。
 岸本璃紗が藻掻くほど山井和徳の興奮度は一気に上がってゆく。十分と掛からず果ててしまった。
 岸本璃紗は涙を流している。そして膣口から情液が流れ出ていた。これも確りカメラに反映する。
 まだ岸本璃紗に逝き顔を晒させてから本格的に加虐を愉しみたい。
 亜希江は責め具を考える。
 「絶対に逝き顔を画面に晒しものにすべきよ」
 亜希江は責め具を小さいテーブルに並べる。
 「痛みと快感を交互に与えるか」
 「そう。かなりねばって抵抗しそうよ」
 まずはクスコを装入して膣の奥を広げた。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 内部をカメラに公開する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・・・あはあーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恥ずかしさに高ぶった息遣いに成る。
 奥に真っ赤な子宮口が確認できた。
 亜希江はクスコの向きを横にする。子宮口は見えなく成るが尿道口が金属の嘴二枚の間に嵌り込む。
 亜希江はその尿道口にブジーを突っ込んでしまう。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は表情を軋ませて痛みに悲鳴を上げる。
 山井和徳はそのブジーにトランスに接続したワニ口クリップの赤と黒二つを接続した。
 亜希江がトランスのつまみを回して電流を流す。
 「うーーーーーーーーーーーーーぐううーーーーーーーーーーーーー。うーぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は頭を振って悲鳴を絞り出して藻掻く。
 山井和徳はリモコンから伸びたアームの先端に小さなローターの付いたアイテムを持つ。
 杉下一行のポルノショップで販売しているオリジナルアイテムである。
 これが動画に出てくる度に杉下一行の会社に捜査が入る。全くもって迷惑な話である。
 亜希江がブジーに繋いだ電流を切ると山井和徳はそのマイクロローターを膣の奥の天井部に当てるように差し込む。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は大口を破裂させて声を上げてしまう。
 究極の部分をピンポイントに責められて岸本璃紗はまったく抵抗できない。
 適当なところで亜希江がまた尿道に刺さったブジーに電流を流す。
 「ううごおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江は直ぐに電流を切る。
 山井和徳は責め続けた。
 
 和歌山県の岬ビューホテルのツアーである。
 二日目のディナーでも三人のSMスーパーコンパニオンが膣に入れたローターと尿道に入れたバイブで失禁させられてしまう。
 昨日浪江らの蹲った失禁を見た別の会員が我もと準備する。許しを請うSMスーパーコンパニオンに強引に行ってしまう。
 泣き崩れるSMスーパーコンパニオンに会員らは満足を極めた。
 「みんな貴方に感染したのね」
 弘枝は宇治原歳加年にまだ恨みの言葉を吐く。
 「いいじゃないか。みんなやったから恥ずかしさが半減だろ」
 宇治原歳加年は全く悪びれない。
 「それにしてもあのコンパニオンは許せない」
 「なかなか究極の素見しをやってくれるな」
 「ううーーん。許せない。あのスーパーコンパニオン最終日のショーに買い取ってよ」
 「それで」
 「だってバイブだけならSMスーパーコンパニオンでなくてもできない」
 「あーーーーーーーー。そうか。あの女をショーの前座で辱めて愉しむか」
 宇治原歳加年は別の愉しみを浮かべた。
 あのスーパーコンパニオンも悪くない。通常のスーパーコンパニオンにぎりぎりの責めができるのである。
 「そうよ」
 「赤座と言ったな。明日の朝食の時にあいつ等と話し合ってみるか」
 弘枝の怒りの儘に事は進みつつあった。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 岸本璃紗はマイクロローターのピンポイントの責めに何回も逝き顔を晒してしまった。
 今は失禁したあとに失神してしまっている。
 亜希江は山井和徳に電子鞭を渡す。
 二十センチくらいの棒状の物で先端の端子を押し付けるとパチィーンと音が出て身体に衝撃が奔る。
 これを失神している岸本璃紗の乳房に当てる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は一気に意識を回復して悲鳴を絞りだす。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は怯え切った表情で山井和徳を見る。
 もう片方の乳房に当てる。
 バティーー。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は飛び上がるように震撼する。
 山井和徳は股間付近に向ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は電子鞭の先端を見て悲鳴を上げる。
 山井和徳は女の部分をやや外して無毛に成った真っ赤な大陰唇に当てる。
 「ひゃはあーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は大口を破裂させて躰を震撼させ奇声の様な悲鳴を上げる。
 続けて反対側の真っ赤な大陰唇に当てる。
 「ひゃはああーーーーーーーーーーーーーーふぁはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岸本璃紗の目から玉の様な涙が零れる。
 次は会陰に当てた。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岸本璃紗はさらに躰を震撼させる。
 亜希江は太さ十五ミリくらいで先端が半球形に成った金属棒を取り出す。
 山井和徳が受け取って膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き悲鳴に成ってしまう。
 亜希江はその金属棒が膣の外に出た部分に充電クリップを接続した。
 容赦なく電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の表情はさらに破裂する。悲鳴と一緒に涎が飛ぶ。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江はなかなか電流を切らない。
 岸本璃紗が白目に成ったところで切る。
 「あふーーーーーーーー」
 そのまま首が倒れてしまう。
 金属棒を抜くと少しの尿が流れ出た。
 山井和徳は岸本璃紗を麻酔で眠らせて躰をテーブルに固定する。毛布を掛けてその日は休む。
 
 如月鬼堂のツアー列車である。
 夕食のディナーが終了してバータイムも終了する。インターネットアダルト放送の準備に掛かっていた。
 列車は山陰線を出雲に近付いている。出雲駅で運転停車して撮影クルーが乗り込む。
 「日本の防衛費をGDP2%にする為に総理は法人税の増税を提言しました。民事党内からかなりの反対意見が出ています」
 高島波瑠は本日純白の水着姿である。列車の中から中継なので下着やトップレスは見合わせた。
 「防衛強化は五割以上の国民が賛成している模様ですが増税と成るのは別と思われます」
 岡田有美も浅葱色の水着姿で読む。
 「本日は愛好会のツアーの列車の中からの放送です」
 本多椿はピンクの水着姿である。
 「やはり増税や国債ではなく無駄を削って捻出と言う意見が多いようです」
 続いて高島波瑠が読む。
 「一部財源に復興財源を充てる方針が出されています。これにも与党内から反論が出ています」
 岡田有美が読むと同時に列車は米子駅に入る。
 米子駅には和歌山県の岬ビューホテルのツアー列車が運転停車していた。
 窓から数名が手を振るが如月鬼堂のツアーはカーテンを閉めている。また寝台車は通路側で全て個室のドアは閉まっていた。
 そしてそのまま米子駅を通過する。
 「鬼堂先生。総理は国民に防衛の強化は理解されているのでその増税なら行けるとの見解のようですが。やはり増税は厳しいようですね」
 「論外です。今度は現内閣が持たないだけではなく地方がまず破れます。さらに政権交代の危険すらあります」
 「それでは増税は絶対にダメですか」
 「増税が無くても政権交代の危険が迫っています」
 「それでは立憲国民党政権が誕生とか」
 「さすがにそれはないでしょう」
 如月鬼堂は呆れて哂ってしまう。そしてさらに続けた。
 「ですが昭和維新党が躍進して立憲国民を巻き込んで連立政権は有ります。そう成ってしまえばよりリベラルに近付いて風俗、売春は抑圧されます」
 「無駄を削るとしたらどんな策が有りますか」
 如月鬼堂は以下のように述べた。
 統計法を廃止して統計調査の類を全部廃止する事である。
 工業統計調査や基幹統計調査だけではなく各省で似たような調査を幾つも行っている。
 これに経理関係者は本来の業務以外に余分な時間を取られて迷惑しています。合計すれば莫大な節約に成ると思う。
 「増税どころか今は減税が求められますね」
 長野山荘人質立て籠もり事件の報道は知識層の大きな怒りを買ってまだ燻っていたが本多椿は全く触れないで終わらせた。
 
 和歌山県岬ビューホテルのツアー列車は米子で機関車を付け替えて向きを変えて伯備線を岡山経由で和歌山に戻る。
 寝台列車の個室ではたいしたプレイはできない。媾うだけと成ってしまう。
 サロンカーに六人が集まった。
 浪江と赤座元太、弘枝と宇治原歳加年、香乃子と瀬尾将である。
 寝台特急は振り子構造ではない。カーブの多い伯備線内はかなり速度を落として走る。
 電気の消された備中高梁をゆっくり通過していた。
 弘枝が怒りを覚えたコンパニオンは横溝亜寿香という。
 既に瀬尾将が岡田弥一郎に確認していた。
 男三人も亜寿香の容姿に虐める願望が滾っている。
 浪江と香乃子も弘枝同様に怒りが沸騰していた。
 「明日のショーの生贄は誰なのだ」
 「寮に居る女性ではないみたいよ」
 香乃子は一度ショーを務めている。
 「例のやくざが斡旋したのでは」
 「ならば期待できるな。駒江は良かった」
 宇治原歳加年は箱守駒江を気に入っていた。今は隣駅の温泉町で雇われ女将をやっている。
 「とにかく三人で交渉して亜寿香嬢をショーの前座に入れさせよう」
 「ねえ。その女にバイブとか入れるのと無線リモコンのスイッチを私たちにやらせてくれない」
 「いいのじゃない。女の方がえぐく行けるよ」
 宇治原歳加年は納得する。
 「そうだな」
 赤座元太も了解した。
 そのまま六人は飲み明かして朝食の後で眠った。
 
 十二月十八日。
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 昼近くに起きて朝昼兼用食を摂る。
 岸本璃紗には点滴をセットしてあった。
 高手小手で胸部を縛る。テーブルの上で脚をX字開脚に吊るして昨日と同じ状態にして始める。
 電子鞭を岸本璃紗のクリトリスを包んだ包皮の直ぐ上に当てる。
 「うぐ、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は藻掻くように躰を揺すって意識を回復した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の二人を見て直ぐ恐怖に固まる。
 山井和徳は滅菌袋に入った尿道カテーテルを取り出す。
 それを岸本璃紗の尿道に突っ込む
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 雑に突っ込むのでかなり痛そうである。
 そのまま尿を尿瓶に抜き取ってしまう。
 続いて尿道にブジーを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 これも強烈に痛いようである。
 さらに山井和徳の両手の指で膣口を大きく広げた。奥に真っ赤な子宮口が見え隠れする。
 亜希江がそれを目掛けてもう一本のブジーを突っ込む。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は頭を強く振って藻掻く。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 岸本璃紗は痛みに藻掻き暴れ涙を溢れさせる。
 山井和徳は尿道のブジーと子宮に刺さったブジーを交互に動かす。
 「あーーーーーーーーーは。あは。あはあーーーーーーーーーーーーーー。があはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は猛然と強烈な痛みに藻掻く。
 山井和徳はそれでもまだ交互に動かす。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は歯を剥き出し大口を破裂させて藻掻き暴れ続ける。
 「あーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き叫ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 岸本璃紗は山井和徳がブジーを動かす手を止めても暫く藻掻き荒い息遣いを続けた。
 山井和徳は二本ともブジーを抜く。
 「あはん。あはん。あはん。ああはん。あはん」
 岸本璃紗は嗚咽し続ける。
 亜希江は岸本璃紗の膣にローターを三つ入れてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は表情を歪めて官能に藻掻く。
 ブジーの痛みとは表情が違う。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は暫く藻掻き続けた。
 「あはあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 なんと岸本璃紗は膀胱を空にされたのに潮を噴き上げてしまう。
 寝かされていた間は排泄をしていない。膀胱を空にしても尿は直ぐに少し溜まっていた。
 確りこの姿も動画に収められてしまう。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 日曜日の昼近くに全員が集まった。
 今日は鍋料理と瓶ビールである。
 「なかなか残酷だな。あれ相当に痛いぞ」
 医者の男は満足そうに送られて来る録画を見ている。
 「あの女もう縛ってなくても暫く動けないな」
 印刷会社の社長も手応えを強く受け止めていた。
 「次は手配しているのか」
 「いいやこの女を処分してからだ」
 川口の会長はゆっくり進める予定である。
 「いつ頃処分に成るのだ」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「まだまだこの先が壮絶だよ」
 川口の会長はゆっくり愉しめとの姿勢である。
 「殺すまではまだまだか」
 葬儀会社の社長はいつ殺すのかその残忍さに興味深い。
 「何度も生死の境目を愉しむつもりだ」
 「残酷な小母さんだな」
 医者の男は自分を棚に上げてそう言う。
 
 和歌山県の岬ビューホテルのツアー列車は天王寺を過ぎて阪和線に入る。
 横溝亜寿香は青木学と岡田弥一郎からショーの前座に出る事を告げられた。
 「そんな!私はSMスーパーコンパニオンではありません」
 「だからバイブだけだよ。お三方のご指名だ」
 「えーーーーーーーーーー。いやですよーーーーーーーーーーー」
 「断れないよ。スーパーコンパニオンの範囲だ」
 「えーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は報復されると感じ取った。
 だが岡田弥一郎が許す筈はない。
 それ以前に弘枝らは横溝亜寿香を逃げないように押さえる心算である。
 横溝亜寿香は寮に生活していた。逃げる事はできない。
 SMスーパーコンパニオンが自分らの仕事を優先的に持って行く。今回この時とばかり虐めたくなった。
 彼女らは寮費も賄も無料である。自分らは金を取られる。それでもSMはできない。
 座敷で目の前の客に弄られるのとは違う。ショーは限りなく恥ずかしいと思う。横溝亜寿香は今から恐々と怯える。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 二人は岸本璃紗の躰を一度湯に浸けた。
 移動できるバスタブに湯を張っている。
 次は蝋燭まみれにする準備をしていた。
 食事を摂らせようがないので昨夜は点滴をしたが今は栄養ゼリーを二本飲ませる。
 抵抗する様子はない。もし抵抗すれば直ぐにスタンガンで押さえる。
 さらにビル全体に鍵は掛けてある。中からも鍵が無いと開けられない。そういう構造にしてあった。
 そしていま岸本璃紗に逃げる力はない筈である。
 亜希江は蝋燭を何本も立てて燃やし続けていた。芯の周りが抉れて溶けた蝋涙が溜まっている。
 山井和徳が岸本璃紗の躰を湯から抱き上げて出す。
 そのまま床に大の字に磔にしてしまう。
 溶けていた蝋涙を全部ビーカーに移す。そのまま掛けても大方は問題ない。直に掛けるより少し温度が下がるのでやや考慮していた。
 それを乳房の上から流す。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は表情を破裂させて悲鳴を上げる。
 容赦なく腹から腰、太腿に掛けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーー」
 それ程熱くはない筈である。それでも岸本璃紗は躰を震撼させて悲鳴を上げ続けた。
 「ふふ。まだ熱くなるのはこれからよ」
 亜希江は含み哂いを見せる。
 「あ、ああーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は震えながら恐怖に声を上げる。
 山井和徳と亜希江はハロゲンランプをセットした電気ストーブを左右に三台ずつ置く。
 躰に掛かった蝋涙をもう一度溶かす目論見である。
 一気に熱が岸本璃紗の躰を襲う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 耐えられない熱さではない。今の恐ろしい状況が岸本璃紗を泣き喚かせるのである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰の上の蝋涙は直ぐに溶け始める。躰から一部が流れてしまう。それよりもハロゲンが熱い。
 これは目論見が失敗であった。ハロゲンが熱すぎる。
 ストーブを片付けて諦めて暫く放置して鞭で叩くことにした。
 「もうかえらせてーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き叫ぶ。
 「全部撮影しないと駄目よ」
 亜希江は帰す心算はないがはぐらかしておく。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。もうじゅうぶんでしょう」
 岸本璃紗は泣きながら訴える。
 「だーめ」
 亜希江は全く動じない。次の準備に蝋涙の硬さを確認して鞭を選ぶ。
 岸本璃紗は動画が公開されてしまえばもう乗務には戻れない。いや会社に出社もできないと思う。
 もうどうにもならない。それでも今は此処から逃れたい。
 山井和徳と亜希江は鞭を構える。先端が長方形の革二枚縫い合わせた一本鞭である。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に顔を凍らせる。
 乳房の谷間に残った蝋涙を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は床に磔にされた躰を迫り上げて藻掻く。
 亜希江らは容赦なく乳房の蝋涙を叩き割り続ける。
 「ううーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は痛みに躰を捩り藻掻き大の字に磔られた躰を暴れさせ悲鳴を上げ続けた。
 ある程度落ちたところで亜希江がタオルで岸本璃紗の躰に残った細かいのを拭き落とす。
 「浣腸して排泄も公開ね」
 亜希江は次のプログラムを宣言してしまう。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。うんこはやめてーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は顔を強く振って拒絶する。
 便を漏らす姿まで公開されてしまう。パニックに成って藻掻き続けた。
 山井和徳と亜希江はもう一度岸本璃紗を拷問椅子に固定する。
 岸本璃紗の躰は全く抵抗できない。喚き続けるだけである。
 亜希江は浣腸器にグリセリンを吸い上げる。他の動画では冷やした水で苦しめているが亜希江らは固体で出させて辱めたい。
 
 和歌山県の岬ビューホテルのツアーはホテルに戻った。
 横溝亜寿香は弘枝らに囲まれて宴会場に連れ込まれる。
 既に宴席は準備されていた。生贄のSMスーパーコンパニオンは控えの間に待機していた。
 「これからメインイベントのSM残酷ショーです。最初に前座でスーパーコンパニオンの横溝亜寿香さんです。破廉恥ショーをお愉しみください」
 岡田弥一郎が紹介する。
 もう既に情報は行き渡っていた。満場の拍手に成る。
 「この前座は赤座元太さん。宇治原歳加年さん。瀬尾将さんによる特別リクエストです」
 青木学がさらに付け加えた。
 弘枝と香乃子が横溝亜寿香を座敷の真ん中に引っ張り出す。
 浪江と赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将が押さえて弘枝と香乃子が服を脱がす。履いていたショーツは染み付きで宴席に回された。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は回されるショーツを目で追って叫ぶ。
 会員は全く動じない。会陰に当たっている二重布の部分を翳しながらショーツは回されてゆく。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は辛そうにそれを目で追う。
 浪江と赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将の四人が押さえて弘枝と香乃子が責める体制である。
 赤座元太と瀬尾将が膝を抱えて大股開きにする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。全部まるみえーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は藻掻き叫ぶ。
 後ろのスクリーンには拡大して投影されていた。
 スーパーコンパニオンなのでお座敷で女の部分は見せる。さらに自由に弄らせる。
 だがこのような集団の前に晒された事はない。
 「お黙りなさい。スーパーコンパニオンでしょう」
 弘枝が叱咤する。
 「それだって。こんな人数の前で」
 横溝亜寿香はまだ抗議姿勢である。
 腕は広げて宇治原歳加年と浪江が押さえている。横溝亜寿香が躰を捩って暴れて股間を閉じようとしてもがっちり押さえられていて閉じられない。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は喚き散らす。
 「黙りなさい!!仕事でしょ」
 弘枝が叱咤する。
 香乃子は横溝亜寿香のクリトリスを包んだ包皮を剥いて自分が付けられたローターの入ったカバーを当てる。
 「あーーー。あはあーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はこれだけで耐えられない。腰を振らんと藻掻き暴れた。
 赤座元太と瀬尾将は強い力で押さえる。
 「あーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝がクスコを取り出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなのきいてないよーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はクスコで女を広げられると判って猛然と叫ぶ。
 弘枝は横溝亜寿香の女の部分を指で広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに顔を真っ赤にさせて叫ぶ。
 弘枝はさらにクスコを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は驚愕の表情で喚き散らす。
 弘枝は容赦なく奥を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 遂に女の奥が公開されてしまって横溝亜寿香は泣き喚く。
 くっきりと真っ赤な子宮口がスクリーンに公開された。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は何処までも喚き続ける。
 「静かにしな!スーパーコンパニオンだろ。サービスの内でしょ」
 弘枝はさらに叱咤する。
 座からは歓迎の拍手が沸く。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は紅潮した顔を振って喚く。
 弘枝はクスコの奥を鑑賞させてから無線操作の棘付きローターを膣の奥に突っ込む。
 既にスイッチが入っていた。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 既に横溝亜寿香の躰は震撼していた。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。いっちゃうよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の股間が痙攣している。スクリーンには奥で暴れる棘付きローターと股間の痙攣がくっきり確認された。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は首を右に左に振って藻掻き続ける。
 香乃子は尿道バイブを取り出す。
 クリトリスにカバーを当てたまま尿道バイブを入れようとしていた。
 それを見て弘枝はクスコを抜き取る。
 香乃子は指で横溝亜寿香の女の部分を広げて尿道の亀裂を剥き出す。そこに尿道バイブを入れてしまう。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は違和感の強い感触に藻掻く。
 香乃子はゆっくり動かす。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰を震撼させ暴れ続けた。
 「結構しぶといね」
 弘枝は膣にローターを二つ追加した。
 「あ、あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は強く波打って次の瞬間沈んでしまう。
 「あはあーーーーーー。あはあ。あはあ。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 「逝っちゃたのね」
 弘枝はそれでも責めを止めない。
 「あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 逝った後である。さらに深く堕ちてしまう。
 香乃子は尿道バイブを軽く動かして抜く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の尿道から潮が噴き上げる。
 「あーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーー」
 続けて二発、三発と噴き上げる。三発目はなかなか治まらない。
 座敷からは満場の拍手である。
 「亜寿香ちゃーーーん。良かったよーーーーーーーーーー」
 知っている会員がヤジを飛ばす。
 横溝亜寿香は羞恥の坩堝に震撼して痙攣している躰を畳に沈める。暫く藻掻き続けた。
 弘枝らはローターを止める。
 香乃子はクリトリスに被せたカバーを外す。
 有線ではないので赤座元太と瀬尾将が指で両側から膣を広げて弘枝が指でローターを取り出す。
 「あ、ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一度膣の奥が広がって弘枝の指で一つずつ出した。
 「いやーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ」
 横溝亜寿香は浪江と宇治原歳加年が腕の押さえを離したので両手で顔を覆ってしまう。
 弘枝らはやっと留飲を下げた。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 岸本璃紗は拷問椅子に大股開きに固定されて便意に藻掻き続けていた。
 「う、ううーーーーーーーーーー。うふうーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗のアナルは便が襲って来て薬が徐々に漏れ出している。
 「諦めて出しちゃいな」
 亜希江は苦しむ岸本璃紗を追い立てる。
 「だめーーーーーーーーーーー。女の子がうんこを公開されるのがどんな事か。たえられないよーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣き叫ぶ。
 「いつまで耐えられるかしら」
 亜希江は薄ら哂いを浮かべている。
 「押してやろう」
 山井和徳は下腹を押さえる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の悲鳴と共にアナルが一気に膨らんで便が飛び出す。一気に流れ出て拷問椅子に受けている透明な壺に落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 岸本璃紗は号泣の涙を流す。
 山井和徳と亜希江は移動できるバスタブの湯を入れ替えて岸本璃紗をもう一度湯に浸けた。
 岸本璃紗は泣き濡れたままぐったり湯に浸かる。
 「次は二つの穴で気持ち良くなって逝き顔を愉しませて貰うわよ」
 亜希江は次の恥ずかしめを宣告する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーん。もう帰らしてーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は涙をぽろぽろ溢している。
 既にドリルバイブが二本用意されていた。一本はアナル用で細い。
 
 如月鬼堂のツアー列車である。
 山陰線を京都に抜けて湖西線から敦賀に入る。一部第三セクターの区間を二つ抜けて直江津から長岡に入った。
 既にディナーが終わってパブタイムである。
 如月鬼堂ら瀬里菜を含めた六名がサロンカーの端の両側八席で飲みながら会議を開いていた。
 「新年会はどうします」
 杉下一行が切りだす。
 「三店舗とも二日と三日を抽選でこっちは豊洲からオンラインにてモニター出席でどうかな」
 如月鬼堂は膨れ上がった会なので運営に困っている。
 「会員も一部モニター参加ですか」
 「そうだな」
 「撮影は次から抽選で呼びますか」
 「十人だな。焼け石に水だがやらないよりは良いか」
 「そうです」
 「局部を見せないソフトなショーでもSM嬢が会場を回るので結構喜ばれていますよ」
 館山弁護士はハードが動画だけに成ってもソフトショーと触れ合いがあればそれなりに事情を組んで喜ばれていると見ていた。
 「それだと良いが」
 如月鬼堂もそう納得したい。
 「連続強姦グループの後ろ盾に成った事件の方は暫く静かに成ってくれますかね」
 杉下一行は販売アイテムが動画で使われる度に警察の捜査が入って迷惑極まりない。
 「しかし支援を受ける犯罪者はどこから繋がるのでしょうね」
 館山弁護士は疑問を提示する。
 「以前には相談サイトが有りましたけど。今は消えてしまっています」
 杉下一行もそこは疑問である。
 「向井十夢の事件から繋がりが判らないな」
 如月鬼堂もその辺りから疑問に思っていた。
 「相談サイトが有ったとしても警察はあのグループには辿り着かないのでしょう」
 福富麻次郎は用心深過ぎると言いたい。
 「向井十夢の事件には奴らは関わってないでしょう」
 「事件そのものはな。だが資金関係に何らかの繋がりはある。向井十夢が支援を要求して断られたのじゃないか」
 「向井正樹氏の金の流れですか」
 「警察には全く判らないと答えた件ですね」
 「そうだ」
 「その辺りにルートが有ると」
 「そうも考えられないか」
 「そうですね」
 「どうでも静かに成って貰いたいですね」
 杉下一行はかなり迷惑である。
 このまま列車は方向を変えて上越線を走って高崎線経由で東京に朝6時15分に着く予定であった。
 天候が悪化して大雪で雪に強い筈の上越線を徐行してかなりの遅れが出てしまう。
 既に普通電車は運休と成っていた。
 
 十二月十九日。
 如月鬼堂のツアー列車は越後湯沢に六時過ぎに着いた。
 如月鬼堂らは此処で下車する。
 一緒に予定の有る者は新幹線に乗り換えた。豪雪で最後はお流れ解散と成ってしまったのである。
 もう少し遅ければ途中で足止めの危険もあった。
 そのあと列車は東京駅には入線できず上野駅十三番ホームに着く。此処で終了である。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 岸本璃紗は二本のドリルバイブに責められて何度も不本意な逝き顔を晒させられて失神してしまった。
 そのまま麻酔を打たれて毛布を掛けて眠らされて朝に成る。
 山井和徳と亜希江夫妻遅い朝食を摂ってまた岸本璃紗は夜間の点滴と栄養ゼリーを飲ませた。
 今日は拷問椅子を電気椅子にする。
 じっくり白目を何度も愉しみたい。
 また移動式のバスタブを大きなバットの上に置いている。シャワースタンドも接続した。
 上水も排水も繋がっている。
 今日は髪の毛を洗う。
 岸本璃紗の躰を綺麗にしたところで拷問椅子に磔にする。
 スタンガンに接続した線の先に針を繋いでいた。それが三本。
 「いったいいつ帰してくれるの」
 岸本璃紗は恐怖に震えながら訪ねる。
 「今日で終わりね。明日以降に目が覚めたら病院のベッドね」
 亜希江は?を言う。
 岸本璃紗もこれまで拉致されて気付いたら病院のベッドであった話は聞いていた。今日一杯堪えれば解放されるとやや安堵してしまう。
 亜希江はスタンガンに繋いだ一本の針を右の乳輪の下を潜らせる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳が左の乳輪に刺す。これも乳輪の下を潜らせた。
 「ううーーーーーーーーーーーーー」
 最後の一本はクリトリスの下を潜らせる。
 「うう、うぐううーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣きそうな表情で目を細めて震えながら二人を見ていた。
 亜希江はスタンガンを翳す。
 「あはあーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖の悲鳴を漏らす。
 亜希江はそれを愉快そうに見てスイッチを入れる。
 「あふぁあーーーーーーーーーー。ふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は甲高い悲鳴を漏らす。
 亜希江は電圧を上げる。
 「ふはあーーーーーーーーーー。ふわあーーーーーーーーーー。ふああーーーーーーーーーー。ふぉはあわあーーーーーーー」
 岸本璃紗は一気に白目を剥きかかった。
 「ふぁはあーーーーーーーーーーー。ふはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふああーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰はがくがく震える。目を細めて白目と黒目を繰り返す。
 亜希江は適度に電源を切る。
 「あはああーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 岸本璃紗の躰はがくがく震えたまま荒い息遣いを続けた。
 今度は十個くらいのクリップを銅線で繋いだ物を二系統取り出す。
 それを二人で乳房の外側から岸本璃紗の躰の両側を鋏んでゆく。太腿を膝の手前まで鋏み付けた。これを別のスタンガンに繋ぐ。
 「あーーーーーーーはあーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーはあーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖の悲鳴を漏らして怯えた目で震え続ける。
 クリップで鋏んだ外側の二系統に繋いだスタンガンのスイッチを入れた。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰は強烈に小刻みに震撼する。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰はさらに強く震撼した。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーー。ふああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに乳首とクリトリスの下を潜った針に繋いだスタンガンもスイッチを入れた。
 岸本璃紗の躰は一瞬がくがくと震撼する。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗はまた白目を剥きかけた。
 「はあーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の尿道から失禁尿がだらだらと流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は藻掻きながら漏らし続けた。
 二人はスタンガンのスイッチを切る。
 「あはあーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 岸本璃紗は白目を剥きかけながら失神には至ってない。
 しばらく放置して息遣いが治まるのを待つ。
 治まったと見た瞬間スタンガンのスイッチが入る。
 「ぐうわーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰は一気に強烈に震撼する。
 太腿に力が入ってそれがガクガク揺れ出す。
 局部と乳首の針も躰に流した銅線でつながったクリップにもスタンガンのスイッチは入っていた。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーあふぁあーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は口を半開きに甲高い悲鳴を漏らす。そして白目を剥きかけては黒目に戻るのを繰り返した。
 「あふぁあーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は遂に口から泡を噴き出す。
 亜希江はここでスイッチを切る。
 そのまま白目を剥いて失禁尿が流れ出た。
 山井和徳がやや慌てて岸本璃紗の顔を連続ビンタする。
 「ふふぁーー」
 岸本璃紗は直ぐに目を開いた。
 まだまだ終わりは今ではない。もっと愉しみたいのである。
 山井和徳と亜希江がクリップを繋いだ銅線を一本ずつ持つ。
 亜希江が先に右の一本を引きちぎるように一気に引っ張る。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗が拷問椅子から迫り上がって表情は破裂する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに藻掻き暴れる。
 続いて山井和徳が引っ張る体制に成る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたあーーーーーーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖の表情で大口を破裂させて叫ぶ。
 目から涙が溢れていた。
 それでも山井和徳は一気に引っ張る。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は号泣の涙を流して躰を振って痛みに暴れ藻掻く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーん。ああーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ」
 岸本璃紗は暫く泣き続けた。
 亜希江らは悲鳴のあとまた逝き顔を愉しみたい。
 またリモコンから伸びたアームの先端に小さなローターの付いたアイテムを取り出す。
 そして岸本璃紗の膣にクスコを挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は悲鳴混じりの声で訴える。
 「安心しろ気持ち良くなるだけだ」
 山井和徳は痛くないと言葉だけ宥める。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。おもちゃにしないでーーーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも容赦なくクスコを横向きのまま広げる。
 左右に膣壁が広がって膣天井部と底部が金属の嘴の間に広がった。尿道の亀裂は二枚の金属の嘴の間に挟まっている。
 中をじっくり撮影して動画に収めた。
 山井和徳はマイクロローターのリモコンを握って先端を膣天井部の奥に当ててしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳はリモコンのスイッチを入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーん」
 岸本璃紗はこの責めに耐えられない。
 亜希江は尿道バイブを持っている。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 既に岸本璃紗はの躰は拷問椅子から迫り上がって藻掻き始めていた。
 亜希江は岸本璃紗のアクメを確認してから尿道バイブを突っ込みたい。
 山井和徳は岸本璃紗の股間の真下にしゃがんで下から的確に女の一番敏感な部分を責め続ける。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は藻掻き抵抗し続けた。
 「あーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 上半身を右に左に振って逃れんと藻掻き抵抗する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は強く迫り上がり震撼した。そのまま沈んで震撼し続ける。股間は強く痙攣が確認された。
 「あはあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 岸本璃紗の躰全体が震撼し続けて股間は痙攣し続けていた。
 このタイミングで亜希江は岸本璃紗の尿道の亀裂に細い尿道バイブを突っ込んでしまう。
 「あう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は異物の侵入に声を上げてしまった。
 亜希江はその尿道バイブをゆっくり回しながらピストンする。
 「うーーーーーーーーーーーうふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江の責めに合わせて山井和徳も岸本璃紗の膣天井部奥の責めを再開した。
 「あーーはあーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。へんになっちゃうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗はさらに強く藻掻く。
 それでも二人は嬉々と岸本璃紗という玩具を愉しむ。
 既に岸本璃紗の膣の中は女の液で濡れが溜まっていた。
 山井和徳は片手で責めながら片手でスポイトを使って膣液を吸い取ってコップに移す。
 「おい。いっぱい濡れているぞ」
 山井和徳は態と詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーだめーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰は小刻みに震撼し続けていた。
 山井和徳はコップに移した膣液をカメラに翳す。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恥ずかしさに堪えられない。
 顔は紅に染まっていた。
 責めに屈した自分の姿が社会にばら撒かれる。恥ずかし過ぎる逝き顔も性器もその奥までそして排泄も丸出しである。
 何としても逝ってしまうのは避けたい。
 だがもうそれも晒してしまったのか眠らされたのか気を失ったのか。その時どんな姿を晒したのか不安である。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰全体に力が入ってガクガク震撼する。股間の痙攣も顕著になる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰は強く迫り上がって瞬間固まる。そのまま弾けて沈む。
 また白目を剥いてしまった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日は寒い。大きな鍋でおでんを煮ていた。
 昨夜から何度も沸騰させては火を止めて密閉する。昆布出汁だけだがすじや昆布、つみいれなどの具材から出汁が出る。
 関東でしか入れないものだがちくわぶが柔らかく壊れる寸前に成って美味い。
 また日本酒は冷が良い。寒くてもビールは氷水に浸けて冷やす。
 おでん鍋の中に小さな金属の器を入れて別に生の牛肉を温める。
 「如月鬼堂のツアーは最後失敗かな」
 葬儀会社の社長は自分が排除されたので恨みが籠っている。最後がお流れ解散であっただけだがそう言いたい。
 「天候だけだろ」
 川口の会長はそれほど関心が無い。
 「雪で上越線の普通電車は止まっていたな」
 医者の男である。
 「ツアーの貸し切り列車が止まっても報道はされない。まともに帰り着かなかっただけは確かだろ。道路の方が問題だな」
 運送会社の社長はそっちより新潟方面の運送が心配である。
 だが陣頭指揮などには行かない。良いご身分かもしれない。
 「遅れて長岡辺りで朝の新幹線じゃないか」
 印刷会社の社長も心配はしないが関心はある。
 「あっちは米子から曲がったから問題なしだろ」
 岬ビューホテルのツアーの事である。
 「戻ってホテルのショーで普通のスーパーコンパニオンを三人の会員が指名で出した。それがなかなか好評だったらしい」
 葬儀会社の社長はこっちの情報を得ていた。
 「ところで川口の女将は何も言ってこないか。そろそろ加虐心を癒す充電がしたいな」
 医者の男である。
 「来てないな。生駒も同じだ」
 川口の会長は皆無と答えた。
 「コロナの規制が無くなったからと言うわけではないだろ」
 「そうだな。所詮伝手だからな。種切れじゃないかな」
 「それじゃもうあてに成らないな」
 「またこっちで調達するか」
 「拉致か」
 「いいや。以前のように罠に落として」
 「それならあっちの組織に二百万払って」
 「まあ。今は見物で我慢しろ」
 川口の会長は消極的である。
 「あっちはまだ進まないのか」
 「もう直だろ。消したが動画の中の会話に今日で終わりと言っていたな」
 印刷会社の社長が編集していた。
 「やっぱり最後は吊るして絞首刑か」
 「そうだろう。電気椅子擬きは既にやって口から泡を噴いた」
 「これが公開されたら長野山荘人質立て籠もり事件の動画とは別の意味で世間が驚愕するのじゃないか」
 「海外でも相当の事件として報道されている。警察の非難も頂上だしな」
 「だから今は余計な動きは避けるべきだ」
 川口の会長は医者の男の欲求を抑えたい。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 新潟県の雪の状況から如月鬼堂らはこちらに移った。珠洲と瀬里菜、ミニチュアダックスのペーも一緒である。
 最上階の6LDK。越後湯沢に比べたら一段狭い。だが如月鬼堂の所有するマンションで一番高い。東京湾と都内が別の窓から一望できる。
 上野駅まで引率した杉下一行と福富麻次郎も着いていた。
 そして樽常マネージャーが新人SM嬢のポートを持参している。
 豊洲には囲炉裏は無い。カウンターに如月鬼堂が座り珠洲と瀬里菜はカウンターの内側に居る。
 客人だけテーブル席である。
 館山弁護士、大河内税理士とテレビ会議を繋ぐ。
 直ぐに新人SM嬢の審査と成った。
 女は桧垣佳乃という。
 色白で秋田美人である。か細さと古風な顔立ちが良い。確り者に見える表情が虐めたくなる。
 ポートで全裸の三面図、性器、乳房のアップを確認した。
 全員一致でOKである。
 「樽常さん新人が出るのに随分空きましたね」
 福富麻次郎は提案が少なかった事を指摘する。
 「そう仰られても審査基準が厳しくて。クラブでは使えてもこちらでは」
 樽常マネージャーは審査の厳しさにやや不満である。
 「その分高額には成りますよ」
 杉下一行は金額レベルから妥当と言いたい。
 「新年会で使いますか」
 樽常マネージャーは今度こそ自信ありと強気であった。
 「正月全会場を回らせますか」
 大河内税理士は乗り気である。
 「うん」
 如月鬼堂も納得した。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。
 岡田弥一郎は青木学と弘枝に料理を振舞っていた。
 「向こうのツアーは雪に妨害されたか」
 岡田弥一郎はニュースしか見てない。
 「いやあ。到着が遅れただけだ。上越線を徐行で走って東京駅に入れなくて上野で終了したらしい。鬼堂は途中で降りて新幹線に乗り換えた」
 青木学は会員伝いの情報を得ている。
 「新年会も有るよね」
 弘枝が確認する。
 「有るさ。正月にホテルを遊ばせる手はない」
 「一般の客では埋まらないのか」
 「うちはファミリー向けじゃないし。ファミリーじゃ利益が少ない」
 「そうよ」
 弘枝も同意する。ファミリーでは自分らには全く稼ぎに成らない。
 「警察はあれっきりか」
 「ああ。駅前にも山側にも隠しカメラ付けたからな。そっちは護れる」
 「二泊で行くか」
 「そうだな。一泊だけも有りと言う事で」
 「ねえ。SMショーより普通のスーパーコンパニオンの横溝亜寿香のお漏らしがみんなの興奮を誘ってなかった」
 弘枝は自分の提案を成功と言いたい。
 「そういう見かたもあるかな」
 青木学はやや濁しながらやや認める。
 「ねえ。もう一回あの女使いません」
 「お前。まだ虐めたいのか」
 岡田弥一郎は弘枝が意地悪に滾っているのを分かっている。
 「だって」
 「あのコンパニオンの顔と表情があの姿にしてお客を満足させるようだな」
 「いっそ。SMに堕とせないの」
 弘枝はさらに虐めを促進したい。
 「本人はSMまでできないと言っている」
 青木学は押しにくい。
 「SMのリクエストがいっぱい来ていてそっちをやらなければ仕事が無いと言ってしまえば」
 弘枝はさらに図に乗る。
 「そんなのことを言ったら他所に行くだろ」
 岡田弥一郎は聞く訳がないと言いたい。
 「そうでもないかもな。他に寮が有ってコンパニオンで稼げるところは現在のところは難しい」
 青木学は押しようによっては可能と思う。
 「やろうよ。赤座さんと宇治原さんと瀬尾さんにリクエストして貰って」
 弘枝はさらに押す。
 そしてメールで赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将にリクエストの要請をおこなってしまう。
 「何やっている」
 岡田弥一郎は弘枝の行動を見て確認する。
 「三人に要請したの」
 「ふーーーん。気が早いな」
 「まあやって見よう」
 青木学は腰を上げる。
 「一人ぐらい辞めても良いか」
 「駄目だよ。辞めさせないで虐めないと」
 弘枝は何としても虐めたい。
 
 横溝亜寿香はあれから他で稼げるコンパニオン事務所を探していた。
 インターネットや女性専門の求人誌を調べたが金津か雄琴のソープくらいしか行き先はない。
 それも顔出しをしないと客はあまり付かないらしい。
 此処から逃れたいが此処より悪い条件に成ってしまう。
 横溝亜寿香は三歳の子供を抱えている。コロナで稼ぎの無くなった夫と別離して此処に来た。
 いま夫は休業要請が無くなって人手が足りなくなり仕事に就いているらしいが共働きでないと生活は難しい。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 二人は岸本璃紗を失神させたまま食事を済ませた。
 「さて。最後の愉しみよ」
 「その前にもう少し電流で遊ぼう」
 亜希江の言葉に山井和徳は金を使ったのだからとことん遊ぼうという考えである。
 山井和徳は岸本璃紗の乳首と女の部分のびらびら、さらに舌を引っ張り出してクリップで留める。
 総て小型のトランスに繋がっている。
 アンペアを低くしてボルトを上げる仕様である。
 「あ、があーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は舌を鋏まれて意識を戻して声を上げる。
 「うごーーーーーーーーー。うごーーーーーーーー」
 舌を鋏んだクリップは落ちてしまった。
 山井和徳は乳首に電流を流す。
 「あがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。いたあいーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーー」
 岸本璃紗の躰はブルブル震撼する。
 表情を破裂させて究極の悲鳴を上げる。
 「あがあーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は緊迫した悲鳴を上げ続ける。
 山井和徳は岸本璃紗の破裂した表情と究極に叫ぶ悲鳴から快感に痺れてなかなか止められない。
 加虐心が滾って体が究極に熱くなる。
 それでも一度電流を止める。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ」
 岸本璃紗の表情が緩んで息遣いを漏らす。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。死んじゃうよーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に叫ぶ。
 「死なない。痛いだけだ」
 山井和徳は簡単な事のように言い放つ。
 「そんなーーーーーー。どうして言えるの」
 岸本璃紗は簡単に言われて恐怖から言い返してしまう。
 「ボルトが高くてもアンペアがずっと低い」
 「まあ心臓が弱いとショック死は有るらしいけど。貴女電車の車掌でしょ。平気よ」
 亜希江が横から言い放つ。
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 「やめられないよ。今度はお○○こだ」
 「いやーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳はスイッチを入れる。
 「あがあーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー。痛い。痛い」
 岸本璃紗の股間は痙攣するように震える。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あがーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は究極の悲鳴を機関銃のように絞りだす。
 山井和徳は電流を止める。
 「あはあーーーーーーー。ああん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 止めると女の部分のびらびらの閉じ合わせた間から零れるように細い尿が流れ出す。
 「ふっふっふっふ」
 山井和徳は悦びに浸る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は疲弊した声で訴える。
 山井和徳は乳首に付けたクリップに繋がった線のスイッチを入れる。
 「あがあーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は究極のサイレンのように短い悲鳴を上げ続けた。
 山井和徳はSMの趣味はなかったが今は岸本璃紗の苦しむ姿に陶酔してしまっている。
 「あがあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。いたーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーー」
 岸本璃紗はどこまでも叫び続ける。
 山井和徳は岸本璃紗の女の部分を鋏んだクリップに繋がった線のスイッチも入れてしまう。
 「あぐがあーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーー。あがーーーーーーーーー」
 山井和徳は益々興奮してしまう。
 「切って」
 亜希江が一度止める。
 「大丈夫だろ」
 そう言いながら山井和徳は亜希江の言う通りスイッチを切る。
 「興奮し過ぎよ。首絞めてあげるから一度抜いてしまいなさい」
 亜希江は夫の興奮を静めたいらしい。
 「ああ」
 山井和徳は一応納得する。
 亜希江は岸本璃紗の首に縄を巻く。
 「や、やめて」
 岸本璃紗は驚き叫ぶ。
 山井和徳は一物を取り出す。
 「あーーーーーーーーーー。もういやよーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は強姦されると判って叫ぶ。
 「もう一回やってしまったから同じだろ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は二回目でも大人しく諦められない。叫び拒絶する。
 亜希江は先に一回首を絞める。
 「・・・・・」
 岸本璃紗は苦しみ固まる。
 亜希江は力を抜く。
 緩んだ瞬間に乗じて山井和徳は岸本璃紗に一気に挿入する。
 「う、ぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は挿入に藻掻く。
 山井和徳は強く突き続ける。
 「あーーーーーーーーーーん。いやーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は藻掻き続けた。
 亜希江は頃合いを見てもう一度首を絞める。
 「う」
 山井和徳は一気に奥深く突く。
 岸本璃紗の躰は迫り上がって藻掻いて止まる。
 山井和徳は一気に果てた。
 亜希江は絞めを離す。
 山井和徳の情液は岸本璃紗の奥深く流れ込んだ。
 「あはーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は絞めから解放されて泣き喚く。
 亜希江はクスコを入れて岸本璃紗の膣の中を洗う。
 岸本璃紗は沈んだように動かない。
 
 岸本璃紗二十五歳。東日本会社線蘇我運輸区の車掌の行方不明が報道されていた。
 そして連続して多発する拉致拷問事件及び模倣犯の事件が疑われている。
 十七日帰る予定が自宅に帰らず携帯には連絡が付かず。GPS反応もない。
 自転車は駅の駐輪場から無くなっていて駅の防犯カメラに映像は確認された。
 自転車もその後発見されてない。
 どこかに向かったとは考えにくく拉致が疑われる。
 だが動画などが公開された情報はまだないとの報道であった。
 
 亜希江は強姦されて泣き濡れている岸本璃紗の首に二本に折った縄を二重に掛けた。
 首で吊るす準備である。
 高手小手の縛り以外を山井和徳が解いてしまう。拷問椅子から岸本璃紗の躰は分離された。
 山井和徳は亜希江が首に掛けた縄を天井から下がったフックに通す。
 亜希江が拷問椅子を後ろに引っ張る。
 山井和徳は岸本璃紗の躰を一気に引き上げる。
 「う」
 岸本璃紗の躰は宙に吊るされた。岸本璃紗の躰は脚を不安定に動かして空中で藻掻く。
 岸本璃紗は白目を剥いて空中に吊る下がった。
 亜希江は時間を見る。
 「はい」
 一分丁度で合図する。
 山井和徳は吊るしを緩めて岸本璃紗の躰を抱えて床に降ろす。
 カツを入れる。
 「あはあーーーー」
 岸本璃紗は意識を回復した。
 「あーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に喚く。
 暫く治まるのを待って再び亜希江が縄を掛ける。
 「やめてーーーーーーーーーーー。こわいーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に叫ぶ。
 山井和徳は構わずフックに通して引っ張り上げてしまう。
 岸本璃紗の躰が空中で藻掻くように不安定に揺れる。
 また白目を剥いて吊り下がって仕舞う。
 「はい」
 亜希江は二分で合図した。
 山井和徳は急いで降ろして首の縄を外してカツを入れる。
 岸本璃紗の躰はぐったり床に倒れたまま動かない。
 だがまだ便も鼻水も垂らしてない。
 山井和徳は岸本璃紗をビンタする。
 構わず連打で叩く。
 「あはーーーーーーーー」
 岸本璃紗は恐怖に慄き躰はブルブル震えていた。
 「やめてーーーーーーーーー。こわいよーーーーーーーーー。ころすのーーーーーーーーーーーーーー」
 岸本璃紗は泣きながら訴える。
 山井和徳も亜希江も何も答えない。
 そのままもう一度縄を首に回す。
 「あーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳が岸本璃紗の躰を押さえた。
 亜希江は縄を強く締める。
 「う、ぐ」
 山井和徳が一気に引っ張る。
 岸本璃紗の躰は強く揺れた。
 山井和徳は縄をフックに通してまた吊るし上げる。
 岸本璃紗の躰は暫く不自然に揺れるが直ぐに白目を?いてだらりと吊る下がってしまった。
 今度は降ろす気はない。
 やがて鼻水が流れ出て小水も垂れるように流れ落ちる。便もアナルから僅かに流れ落ちた。
 そのまま暫く待つ。
 先に床を綺麗に掃除する。
 二十分くらい待って吊るしから降ろした。
 全部縄を解いてぬるま湯で躰を洗う。
 じっくり死に顔をみて躰中を点検する。遺体の各部分もカメラに収めた。
 綺麗な躰である。
 白い着物を着せてキャリーバックに収めて一階に降ろす。
 マネーロンダリングを仲介する組織の連絡網を使って回収を依頼した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「終わったようだな」
 印刷会社の社長は岸本璃紗の最後の動画を取得した。
 「そうだな。処分の依頼も来た」
 川口の会長もメールを受け取っている。
 「年内の処分は無理だな。乾式メタン発酵は三十日まで連続稼働だ」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「正月にやって貰おう」
 「これ公開されたら良識派知識層コメンテータらの口を揃えた同じ言葉の非難が楽しみだな」
 医者の男は社会の騒めきを愉しみにしていた。
 「次の手配も正月明けだ。公開はまだまだ先だ」
 川口の会長は山井和徳と亜希江夫妻の資金が尽きるのはかなり先と見ていたのである。
 「報道は拉致拷問事件を疑っていたな」
 「そうなるだろ。そのうち動画が公開されないので別の憶測に成る。忘れた頃に出てその騒ぎがなかなか良いな」
 この男らはとことん愉しみに飢えていた。
 「ところであの夫妻。長野に住民票は移さなかったのだな」
 「俺が指導した。ゴミ袋有料でさらに名前まで書かせる県に住民税など払うなと」
 「それはそうだな。住民税払っても独身者や子供のない夫妻には何の恩恵もない」
 葬儀会社の社長も同意見であった。
 「ふるさと納税払って分散しても払う税額はトータルで増えてしまう。だが千葉や長野の様な自治体にはそれで外に分散して枯らせて仕舞うのが良い」
 川口の会長は強く主張する。
 「それはそうだな」
 医者の男も深く納得した。
 
 十二月二十日。
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内のビル。
 運送会社に偽装した闇組織の男二人が岸本璃紗の遺体を発送伝票の貼られたキャリーバックで回収した。
 そのまま山間部の人目のない場所でキャンピングカーに移される。
 キャンピッグカーの中で死化粧を整えて棺に納められた。
 そのまま霊柩車に引き渡されて暫く秘密の場所に安置されることとなる。
 年末で産業廃棄場がフル稼働していた。処分は正月まで待つ。
 
 十二月三十日。
 山井和徳と亜希江夫妻は次の生贄の確保が一月五日以降に成るとのことで正月旅行に出かけた。
 なんと和歌山県の岬ビューホテルを予約したのである。二日から満室なので二日にチェックアウトして戻ることにした。
 サンライズ瀬戸が取れたので四国に出て東京経由で一泊して五日に長野に戻る。何故か生贄の居ない日は長野に居たくなかったのである。
 
 一月二日。
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 新年会は今日と明日。だが如月鬼堂はテレビ会議で参加する。
 三つの会場では時間を分担して局部まで出さないSMショーを行う。
 モニターに挨拶する以外は豊洲のマンションには珠洲と瀬里菜あとはミニチュアダックスのペーだけである。
 静かな正月と成った。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。
 本来昼からチェックインできるが山井和徳と亜希江夫妻が正午にアウトしたので全員に部屋が準備できなかった。
 会員を宴会場に通してショーの途中でホテル側にて部屋に荷物を入れることと成ってしまう。
 関係のない者に愛好会の姿は見せたくないのである。
 横溝亜寿香が一日目を務める。
 横溝亜寿香は青木学と岡田弥一郎に唯々諾々承諾させられてしまった。
 抵抗する姿勢は見せたが既に此処に留まるしかないと諦めていたのである。
 弘枝は自殺したく成るくらいに虐めたい。
 宇治原歳加年に今回も佐野幸春を呼ぶように要請した。
 ホテルの三十八室を埋める会員が集まっている。部屋数はまだ有るがSMスーパーコンパニオンが足りない。
 普通のスーパーコンパニオンに青木学がSMでの稼働をお願いしたがそこまでであった。
 参加者はツアーに参加した者と半々である。
 横溝亜寿香は震えながら腰巻の上に肌襦袢の姿で入って来た。
 ステージは使わず宴会場の真ん中を広く開けてターンテーブルが設置されている。その直径は三メートル。
 如月鬼堂のファッション喫茶の演題を中心部分の回転テーブルだけにしたものである。
 弘枝と宇治原歳加年が待ち構えていた。
 二人を見て横溝亜寿香はさらに震え慄く。
 横溝亜寿香は弘枝と宇治原歳加年の手で肌襦袢を解かれ腰巻も脱がされて全裸に剥かれてしまった。
 横溝亜寿香は恥ずかしさに座敷に躰を丸める。
 「何しているの。SMスーパーコンパニオンに成ったのでしょ。皆様に裸を見せないと」
 弘枝は容赦なく叱咤する。
 宇治原歳加年が腋を両方持って無理やり立たせた。
 「あ、ああ」
 横溝亜寿香の顔は恥ずかしさに真紅に染まっていた。
 赤座元太も立ち上がって手伝う。
 ターンテーブルの上に乗せてお尻を着かせる。
 宇治原歳加年が横溝亜寿香を高手小手に縛り始めた。
 その間に赤座元太が片方の膝から脚首に縄を掛ける。反対側の脚にも同じように縄を掛けた。
 天井から円盤が下がっていてその円盤にフックが三本下がっている。
 円盤はターンテーブルと同期を取って回転する仕組みに造られていた。
 高手小手に縛った後ろにフックを付けてターンテーブルに埋め込まれたフックに縄で繋ぐ。
 それぞれ脚を縛った縄を片方ずつ円盤から下がったフックに通して張る。
 横溝亜寿香の躰はX字開脚にされてしまった。
 「さあ。皆さんにお○○こをよーく見て貰いましょうね」
 弘枝はそう宣言して横溝亜寿香の躰の後ろで脚を広げてお尻を着く。ミニスカートが捲れ上がってピンクのショーツは丸出しに成る。
 弘枝は横溝亜寿香の躰に手を回して女の部分を指で両側から広げてしまう。
 「あ」
 横溝亜寿香は悲鳴を上げ掛けて抑える。
 青木学はターンテーブルを回す。
 ここまではストリップショーの範囲である。
 だが普段の横溝亜寿香は個人のお座敷だけで多人数に見られたのはツアーの日が最初であった。まだまだ堪えられない。
 横溝亜寿香の躰はブルブル震えている。
 初めて横溝亜寿香を見る会員が半分を超えていた。じっくりその部分を覗き込む。その視線に横溝亜寿香はさらに震える。
 さらにターンテーブルに設置された小型のカメラから横溝亜寿香の女の部分がスクリーンに拡大された。
 横溝亜寿香はそれを見て堪らない表情をさらに歪める。
 「まだまだよ」
 弘枝はもっと恥ずかしい事が待っていると耳打ちしたのである。
 宇治原歳加年がクスコを持ってターンテーブルに乗った。
 「ああ」
 何をされるか分かった横溝亜寿香は堪らない恥ずかしに泣きそうな表情を強く歪める。
 「さあ。お○○この奥までじっくり鑑賞してもらいましょうね」
 弘枝は得意満面に詰る。
 「あはーーーーー。・・・・・・あはあーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は全く堪えられない。既に上擦った息遣いを漏らしていた。
 また客も横溝亜寿香の堪えられない生さに興奮度が上がってしまう。
 何人かは躰を席から伸ばして先の畳に手を着いて腕立て伏せの様な姿勢で覗き込む。
 宇治原歳加年はワセリンをたっぷり塗ったクスコを横溝亜寿香の膣に挿入する。
 「う、ううーーーーーーー」
 宇治原歳加年が螺子を回して広げると横溝亜寿香の女の奥がスクリーンに鮮明に拡大された。
 「ああ・・・・あはあ・・・・ああ・・・・・あはあーー・・・・」
 横溝亜寿香は堪えられない恥ずかしさに興奮度の高まった息遣いを漏らし続ける。
 それでもターンテーブルは回り続けた。
 「さあ。それでは鰌掬いです」
 青木学が宣言する。
 「鰌を掬って彼女のおっぱいに鞭を当てる権利です」
 続いてそう岡田弥一郎が宣伝する。
 鰌の入った水槽が台車に載せて仲居の手で運ばれた。
 「それでは鰌を掬って彼女のお○○こを開いたクスコに入れられたらおっぱいスパンキングの権利獲得です」
 一番確信部分は弘枝が宣言した。
 「えーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恐怖の表情に固まる。
 女の部分に生きた鰌が入ってしまうのである。
 水槽の前に数人の列ができてしまった。
 鰌掬いの意味が違う。踊りではない。網で鰌を掬って手で掴んでクスコに投げ込むのである。
 鰌を小さな網で掬うのは簡単である。だが手で掴んで投げ込むのは難しい。
 一人目が掬ったが掴んだ鰌は逃げて畳に撥ねてしまう。
 横溝亜寿香は震えながらそれを見ていた。
 二人目が掬う。
 横溝亜寿香は鰌に逃げてと願うばかりである。
 二人目も掴めないで鰌は座敷に撥ねてしまう。
 五人目まで鰌は逃げてしまった。
 「おい。上手く行かないじゃないか」
 岡田弥一郎は弘枝に文句を言う。
 「じゃ。あたしがやるよ」
 弘枝は畳に撥ねた鰌を簡単に掴む。そして横溝亜寿香の膣を広げたクスコに投げ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は暴れ喚きまくる。
 鰌はクスコの中で暴れ撥ね続けた。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き喚く。
 弘枝はもう一匹掴む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 気丈な女の泣き悲鳴である。
 弘枝はそれを堪能するようにクスコに投げ込む。
 「あは、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香の表情は破裂する。
 「ふふ。まだまだよ」
 弘枝は北叟笑む。
 そして鰌の尾っぽを抓んで水槽に戻した。
 「あはあーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横溝亜寿香は荒い息遣いを続ける。
 弘枝がおっぱいを叩くスパンキングを持つ。
 一本鞭の先端に蠅叩きの様な革の四角いスパンキングが付いている。
 それを横溝亜寿香の乳房に叩きつけた。
 「うぐーーーーーーーーーーーー」
 柔らかい乳房に革の平面が叩きつけられる。これは痛い。そして横溝亜寿香は初めて痛みを受ける。
 弘枝は二発目を叩きつけた。
 「ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は痛みに表情を強烈に歪める。
 「参加された方。一発ずつどうぞ」
 青木学が勝手にサービスを変更する。
 弘枝は最初に鰌を掬った年配者に鞭を渡す。
 横溝亜寿香は順に五発叩かれて金切り声で悲鳴を上げる。目には涙が溢れかけていた。
 まだ股間にクスコは入ったままである。
 「次は鰻イレポンです」
 青木学が宣言すると盥に入った鰻が運ばれる。
 弘枝はスネークフックで鰻を掴む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はそれが膣に突っ込まれると分かって恐怖に金切り声の悲鳴を上げた。
 宇治原歳加年がスネークフックを受取る。そして鰻を掴む。
 「いやあーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は恐怖にがたがた震える。
 宇治原歳加年は鰻の頭をクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪えられずサイレンのように悲鳴を上げながら失禁してしまった。
 宇治原歳加年は直ぐに鰻を抜いてしまう。
 満場の拍手が沸く。
 失禁が治まったところで赤座元太がスネークフックを持つ。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き喚く。
 赤座元太はターンテーブルに膝を着いて鰻を掴んだまま横溝亜寿香の泣き顔を覗き込む。
 「あーーーーーーーーーだめーーーーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰をブルブル震えさせてサイレンのように喚く。
 それでも赤座元太はクスコに鰻の頭を突っ込んでしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう失禁はない。
 赤座元太は少しだけピストンする。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香は涙の溢れた顔を恐怖に固まったまま小刻みに震撼させた。破裂した口からもう悲鳴すら出ない。
 赤座元太が鰻を抜くと号泣の涙が一気に溢れた。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の震えはなかなか止まらない。
 宇治原歳加年が横溝亜寿香を高手小手に縛った背後をターンテーブルのフックに繋いだ縄を解く。
 高手小手の縛りはそのままである。
 円盤から下がったフックに引っかけたX字開脚の吊るしから脚を外してターンテーブルに降ろす。
 赤座元太と瀬尾将も手伝って太腿の付け根に左右それぞれ二重の縄を掛けた。
 その縄にそれぞれフックを付ける。
 弘枝も加わって四人で左右同時に行う。
 そのフックを天井から下がった脚首を吊るしていた二本のフックに引掛ける。その滑車の縄を四人で引っ張り上げた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴を上げる横溝亜寿香の躰は空中に大股開きの逆さ吊るしに成ってしまった。女の部分もアナルも丸出しである。
 さらに弘江と宇治原歳加年が膝から脚首を縛っていた縄の先端をターンテーブルの縁に埋め込まれたフックに縛った。
 横溝亜寿香の躰は空中に船の怒りを逆さにした姿に吊るされている。
 「それでは若いイケメンゲストの登場です」
 青木学がアナウンスした。
 駅前のコンビニ店員で大学生である。
 綺麗なイケメンなので横溝亜寿香らもその顔はよく覚えていた。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はその顔を見て今の自分の堪えられない姿から驚愕の悲鳴を上げてしまう。
 「彼は私がアルバイトで雇って来てもらいました。超イケメンに彼女を辱めて貰います」
 宇治原歳加年が宣言する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなのこまるよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は慌てふためき叫ぶ。
 既に佐野幸春は宴会場に入って来ていた。宇治原歳加年に手招きされ進んで逆さ吊るしの横溝亜寿香の前に立つ。
 「来ないでーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は佐野幸春に叫ぶ。
 「さあ。新人SMスーパーコンパニオンの女を広げて上からのカメラに公開して」
 宇治原歳加年は容赦のない指示をする。
 「あーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の声は震えていた。
 それは会員らを心底から陶酔させる。
 佐野幸春は指で横溝亜寿香の女の部分の薄小豆色の粘膜を広げた。
 「いやあーーーーーーーーー」
 薄い緋色の内部がスクリーンに拡大される。
 「やめてよーーーーーーーー。どうしてこんな所に態々このお兄さん連れて来るの」
 横溝亜寿香はパニックである。
 「は、は、は、は。みんなお前のパニックを悦んでいる」
 宇治原歳加年は哂う。
 「こんな姿見られたらわたし此処に居てコンビニで買い物もできないよ」
 横溝亜寿香は抗議を続ける。
 「はっはっはっは。彼が店員の日に行けば悦んで哂って迎えてくれるよ。お前の服の下を見透かしながら」
 宇治原歳加年は愉快そうである。
 弘枝が拍手をして周りの拍手を誘う。
 満場の拍手に成る。
 宴会場は興奮の坩堝と成った。横溝亜寿香は気の遠くなる恥ずかしさに堪えるしかない。
 「さあお兄ちゃん。これでお○○この奥。思いっきり広げて」
 宇治原歳加年はそう言ってクスコを渡す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き叫ぶ。
 「お兄ちゃん。遠慮しないで。どんどん責めてよ」
 別の会員が詰る。
 佐野幸春は初めてではない。構わず膣に指を突っ込んで濡れを確認する。
 「あ、ああーーーーーーーーー」
 クスコにワセリンを塗って突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 螺子を回して広げてしまう。
 青木学はカメラの位置を微調整する。クスコの奥がくっきりスクリーンに拡大された。
 宇治原歳加年は耳かきよりやや大きなロングスプーンを佐野幸春に渡す。
 「それでお○○この中の粕を取ってこれに載せて」
 宇治原歳加年はさらに黒いプラスチックの板を翳す。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪らない屈辱に悲鳴を上げる。
 佐野幸春はまったく躊躇しない。横溝亜寿香の膣の奥にロングスプーンを突っ込む。
 「あ、あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 スクリーンには粕を掬う姿が拡大されて克明に確認された。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は自分の躰から取られた粕に悲鳴を漏らす。
 宇治原歳加年が板で受ける。
 佐野幸春は三回掬って粕が無いのを確認した。
 「次はこれで責めろ」
 リモコンから延びた柄の先にマイクロローターの付いたアイテムを二本渡す。
 「はい」
 佐野幸春には既に使い方が判っていた。
 後ろ側に回って女の一番敏感な部分に八の字にして二本とも先端を当てる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめよーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は究極に敏感な部分に当てられて慌て藻掻く。
 「お前良く分かっているじゃないか」
 宇治原歳加年は佐野幸春の責めに驚く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー。そこだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰を右に左に捩って藻掻いていた。
 佐野幸春は構わず娼婦の泣き所を責め続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪えられず声を漏らしながら藻掻き続けた。
 「中濡れているか」
 宇治原歳加年が横からスポイトを突っ込む。膣の中の濡れを吸い上げてカットグラスに流す。
 一回でカットグラスに半分くらい溜まる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーー。だめーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の逆さ吊るしの躰は小刻みに震撼していた。
 宇治原歳加年はさらに吸い上げる。
 カットグラスをコップに替えた。
 「お兄ちゃん。いいよーーーーーーーーー」
 また会員が一人詰る。
 その間に弘枝は浣腸の準備をしていた。
 バケツの水に氷を大量に入れて掻き回す。
 浣腸器とアナル栓も準備している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の股間は痙攣していた。
 弘枝が立ち上がって近付く。手には尿道バイブを持っていた。
 横溝亜寿香の躰の斜め前に立って尿道バイブを突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は二回くらいピストンして直ぐ抜く。
 横溝亜寿香の尿道の亀裂から僅かに一条潮が噴き上げる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐野幸春は構わず責め続ける。
 二本八の字に突っ込んだマイクロローターの先端を交互に敏感な部分をスライドさせる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は強く弾ける。
 それでも佐野幸春は構わずマイクロローターの先端で横溝亜寿香の敏感な部分をまだ抉るようにスライドさせて責め続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。またーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は強く仰け反る。
 佐野幸春はローターの先端の動きを止めて強く押し付けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は強く弾けたまま固まって堕ちる。だらりとぶら下がる。それでも躰は小刻みに震撼して股間は痙攣を続けていた。
 宇治原歳加年はさらにクスコの中の濡れを抜き取る。
 それをカメラに翳す。
 満場の拍手が沸く。
 横溝亜寿香の女のプライドをとことん叩く拍手である。
 赤座元太と瀬尾将も手伝って佐野幸春を含めた四人で掛かってここで一度横溝亜寿香を吊るしから降ろす。
 弘枝がその間にターンテーブルに拷問椅子を載せる。
 逆さ吊るしに成っていた横溝亜寿香の躰を今度はその拷問椅子に乗せて固定してしまう。
 「はい次はこれ」
 弘枝が氷水を浣腸器に吸い上げて冷たいシリンダーを佐野幸春に渡す。
 佐野幸春は笑みを浮かべて横溝亜寿香の顔を見る。これまで逆さ吊るしの顔しか見てなかった。
 美人である。可愛いとは思わない。虐めても辱めても罪悪感の沸かない大人の女である。
 「えーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーーーーーー」
 強制アクメで二回強く上り詰めて恥ずかしさに崩壊していた横溝亜寿香はシリンダーを見て強烈に拒絶する。
 佐野幸春は容赦なく横溝亜寿香のアナルに浣腸器を差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーー。それはゆるしてーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き叫ぶ。
 佐野幸春は構わずシリンダーを押し続ける。
 「ねえ。お願い赦して」
 横溝亜寿香は佐野幸春に語り掛ける。
 「僕は宇治原さんに雇われたアルバイトですよ」
 佐野幸春はそっちに言ってくれとの態度である。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に冷やした冷水が侵入して一気に腹の痛みが横溝亜寿香を襲う。躰は痛みに藻掻く。
 「いたいーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は究極に顔を軋ませて言葉を絞りだす。
 「それじゃこれをねじ込んで」
 弘枝が浣腸器を受取って替わりにアナル栓を渡す。
 佐野幸春はそれを素早く横溝亜寿香のアナルにねじ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。あーーはあ、あーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は顔を引き攣らせて藻掻く。
 「うんこしないと痛いわね。このお兄さんにコンビニのお兄さん私の排泄姿をじっくり見てくださいと言うのよ。そうしないと抜いてあげない」
 弘枝は加虐心をたっぷり込めて要求する。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は痛みに耐えられない。この数の客とこの青年の前での羞恥も堪えられない。
 「言わないといつまでも苦しむぞ。もうこの青年におしっこまで見られたのだ。諦めろ」
 宇治原歳加年がさらに追い詰める。
 「ああ。酷いい。酷過ぎるよーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は引き攣った表情をさらに歪め絞って藻掻き続ける。
 どうしてこんな目に遭うのか。スーパーコンパニオンでさえ断腸の思いで成った。それでもあまり稼げない。
 他に探したがSMに行き着く。
 ソープで高級店なら少しは稼げると思ったが顔出しをしてしまったらその先が辛い。
 キャバ嬢になれば今のところと違って託児所代が高い。
 OLなら世間的な時間帯だから八万くらいで済む。キャバ嬢の場合二十万くらい掛かってしまう。
 OLで自分の給料だけなら生活がぎりぎりである。
 SMに転向させられても自分だけ何でこんな事に成ってしまうのか。
 この弘枝と言う女が悪いのか。
 「う、ううぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう耐えられない。
 そしてもう助かる道はない。
 この連中がトイレに行かせてくれる事はあり得ない。
 「どうする」
 宇治原歳加年はまた追い詰める。
 「おーーーい。姉ちゃん。その綺麗な腰から出すのをみせてよーーーーーーーーーー」
 また会員が一人詰る。
 弘枝がプリントアウトした文言を横溝亜寿香の目前に翳す。
 「ああ。ううーーーーーーーー。コンビニのお兄さん。わたしの。ううーーー。私の排泄姿を。ぐぐううーーー。じっくり見てください」
 横溝亜寿香は到底言えない羞恥の言葉を吐き出して女のプライドの破局を跨いでしまった。
 満場の拍手が沸く。
 青木学が拷問椅子の真下に深く大きな水槽を持って来て置く。
 「さあ。栓を抜いてあげて」
 弘枝はそれも佐野幸春の手でやらせたい。横からそう指示した。
 佐野幸春はアナル栓に手を掛ける。
 「ああ」
 横溝亜寿香は苦しさと羞恥の極致に土色の顔を逸らせて堪える。
 佐野幸春はアナル栓をグイグイ揺すって抜き取る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の悲鳴と共に茶色い水が流れ出す。
 ブブ、ブオオーーーーーーーーーーーーーーー。
 横溝亜寿香の羞恥心を引き裂く音である。
 「あは。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は涙を溢れさせる。
 佐野幸春はその表情を覗き込む。
 横溝亜寿香は堪らず顔を強く背けた。
 「ううーーーーーーー。酷い。酷過ぎる」
 泣き悲鳴か痛みの悲鳴か。横溝亜寿香はさらに一気に涙を溢れさせる。
 水槽には茶色い水に混じって小さな便の欠片が落ちて行く。
 排便が治まっても横溝亜寿香はまだ苦しみ続けた。
 青木学が一度拷問椅子から降ろしてシャワータイムを与える。
 ここで十五分の休憩と成った。
 何人かがトイレに向かう。
 
 熱海。如月鬼堂のファッション喫茶である。
 大相撲の升席をモデルに造られていた。中央に四角い演壇が有りその中に丸い回転テーブルが内包されている。
 天上は四面に二台ずつ大型モニターが吊られていた。
 升席は四百名収容可能だが今は透明なアクリル板で仕切られていて半分の二百名で運用されている。
 会場内は二十人くらいのコンパニオンが給仕と会話やお触りのサービスをしていた。本日は腰の部分を除いて半透明な浴衣一枚の姿である。
 下着は着けてない。腰はミニスカート丈の湯文字を巻いている。手を入れられるように考慮されていた。
 常にステージでショーが行われてコンパニオンは交代で出演する。
 だがSM愛好会の会合や本日の様な新年会の場合はSM嬢が来てSMショーが行われる。
 ステージでは新人SM嬢桧垣佳乃が駿河問いに吊るされていた。
 六月以来局部を隠すごく僅かな布のスキャンティを履いている。
 桧垣佳乃は手首どうし脚首どうし縛り合わされそれを背中の上で纏めて縛られ四本纏めて天井から吊るされていた。
 かなり苦しい吊るしである。
 桧垣佳乃は今日が初めてのショーだが既にダウンロード版の撮影は終わって海外サイトから会員に配られていた。
 それなりに吊るしなどの訓練は如月鬼堂と杉下一行から受けている。
 現在はショーの日はもとより平日も会員のみの営業とされていた。愛好会の会員数が二千人を超えてそれだけで十分に営業が成り立つ。
 但し会員登録には館山弁護士事務所の厳しい審査がある。
 本日も熱海、生駒、長野の三つの会場に抽選で二百人ずつ入っていた。
 現在生駒と長野では桧垣佳乃のショーをモニターで見ている。
 時間で生駒、熱海でそれぞれ別のSM嬢のショーに代わるのである。
 桧垣佳乃の躰は空中に五角形を描いて乳房から太腿までが下を向いていた。
 演台に螺子止めされたフックに縛り付けたタコ糸の先端にピンチが付けられた物が五十本用意されている。
 このピンチを抽選で当たった四人の会員の手で桧垣佳乃の躰の下を向いたフロント面に鋏み付けて行く。
 鋏まれている間もかなりの痛みである。桧垣佳乃の表情は苦痛に歪み切っていた。
 この駿河問いの吊るしを引っ張り上げると躰に付けられたピンチが一気に飛ぶ。衝撃の悲鳴が愉しめる。
 その瞬間を多くの会員が注目していた。
 客席を回るコンパニオンも指名制である。指名されれば時給やショーの手当て以外に収入が入る。
 席に飲み物や料理を配膳すれば暫く躰を触らせる。
 殆どが着物を捲って下の短い湯文字の中に手を入れられていた。
 本日は杉下一行が長野に行き本多椿が生駒に行っている。それで司会は店長の荒井枝理が行う。
 「それではこの駿河問いを十五センチ上に引き上げます。ピンチ五十個が一気に彼女の躰から飛びます。物凄い衝撃です。実は私もやりました」
 既にピンチ五十個が鋏み終わっていた。
 会員四人が一緒に滑車の縄を引く。
 モニターのカウンターが十秒前を刻む。音声も流れる。店長荒井枝理の声である。
 「十、九、八、・・・・・二、一、〇」
 四人で一本の縄を引く。桧垣佳乃の吊るされた躰は引っ張り上げられた。
 床からタコ糸で繋がれていたピンチはほぼ一斉に肌から毟られるように外れて床に落ちて弾ける。
 「ぐああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桧垣佳乃の躰は空中に一瞬固まった。そして一気に強烈に暴れる。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が続く。
 躰のフロント面全体の強烈な痛みに暫く空中で藻掻き暴れた。
 壮絶な光景に満場の拍手が沸く。
 次の瞬間桧垣佳乃の股間を僅かに包むスキャンティの中から小水が漏れ出る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー」
 桧垣佳乃は漏らしてしまって大きなため息の様な悲鳴を漏らす。
 今度は拍手の代わりに乾杯のジョッキを持った手が上がる。此処での恒例である。
 ビール小瓶、日本酒、生ビール中ジョッキ、料理が総て一品二千円である。指名された席に配膳したコンパニオンにも二割がバックされる。
 高いが文句を言う者は皆無である。
 ここで桧垣佳乃は吊るしから降ろされて荒井枝理の手を借りてシャワールームに引き上げた。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。大宴会場である。
 佐野幸春は時給一万円を二時間分貰って帰った。
 横溝亜寿香はシャワータイムを終えてまた高手小手に縛られ逆さ吊るしにされていた。
 今度は脚首と膝をそれぞれ合わせて縛られ逆さの一文字にされている。
 乳房から膝までのフロント面に五十個くらいのクリップが鋏付けられていた。
 「抽選で当たった方から順に二発ずつ鞭でクリップを叩き落として貰います。鞭はお好きな物をお使いください」
 青木学が会場にアナウンスする。
 宇治原歳加年と弘枝は自分らの席に戻った。
 横溝亜寿香は既にクリップに鋏まれた痛みに苦しんでいる。
 そしてこのクリップを何人も掛かって叩き落とされる痛みは想像するだけで恐怖である。
 横溝亜寿香はシャワールームの中で泣き続けた。
 佐野幸春が帰って縛る担当が代わってホッとしたのも束の間である。
 本日の横溝亜寿香の収入を計算する。会員一人十万。身体の一部を破壊されるハードショーではない。
 クラブとホテルの取り分を引いて五万掛ける三十七プラス一で百九十万。プラス一は佐野幸春の分である。
 さらに赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将の特別指名で三十万。合計二百二十万と成った。
 多少のハードは仕方ない筈である。
 抽せんで当たった一人目が鞭を選ぶ。先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭を選んだ。
 逆さ吊るしで膝を合わせて縛られていてもスリムな横溝亜寿香の股間には隙間ができる。
 そこには女の部分を閉じ合わせた薄小豆色のびらびらを鋏んだクリップが三本見えていた。
 男は真っ先にそれを狙う。
 逆さ吊るしで下から鞭を構える男を見る。横溝亜寿香には途轍もなく恐怖である。
 男はじっくり狙いを定める。
 左右の内腿の間に鞭の先端を叩き込んだ。
 ビシャ。
 内の二本に直撃していたがクリップは落ちない。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クリップが落ちなくても鞭が肌に直撃しなくてもこれは痛い。
 男は落ちなくて射撃で外したように熱くなる。
 慎重に狙いを定める。
 だが落とせる見込みがない。
 男は狙いを変えた。
 鞭の狙いを下に向けて乳房の数本を叩く。
 ビシャーーーーーーーン。
 三本が一気に飛んだ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 横溝亜寿香の躰は背中を丸めて首から上が迫り上がるように前に折れた。そのまま反動で後ろに反る。
 「あーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 二人目が交代する。
 二人目は態とバラ鞭を選ぶ。固いバラ鞭が有るのにやや柔らかい物を選んだ。
 この男に叩き落す意思はない。
 やや緩めに横溝亜寿香の躰のフロント面を舐めるようにはたく。
 シャーーーーーーーーン。
 それでも一本が落ちたが何本かが鋏が緩くなった。これがこの男の狙いである。白髪で六十年配に見えた。
 葬儀会社の社長の知り合いである。これまで情報はこの男から流されていた。
 もう一度同じように構える。
 今度は太腿の数十本を舐めるようにはたく。
 「ああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香から甲高い悲鳴が鳴り響く。
 三本が落ちたが何本かの鋏が浅くなった。
 「うーーーーーーーーー。うふうーーーーーーーーーーーーー」
 繊細な痛みに横溝亜寿香の表情が究極に軋む。甲高い悲鳴を漏らしながら躰はぶるぶる震えている。
 男はそのピンチの浅くなった部分をじっくり確認して納得の笑みを浮かべた。
 三人目が代わる。
 この男は教鞭の様な竹の鞭を選ぶ。
 一人目と同じように股間の隙間に見える女の部分のびらびらを鋏んだ三本の一番手前を狙う。
 バシャーー。
 やはり落ちない。
 その男は別の手を考える。
 竹の鞭をクリップと鋏まれたびらびらの三角の隙間に通す。三本とも貫いて通してしまう。
 横溝亜寿香の躰の横に立って竹の鞭の両側を持つ。
 それを一気に引っ張り上げた。クリップは女の部分のびらびらから三本とも毟り取られた。
 「あぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がり横溝亜寿香の躰は強く揺すって暴れる。
 壮絶な痛みである。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいよーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は瀕死に痛みを訴えていた。
 弘枝が近寄って女の部分を確認する。
 「粘膜が斬れて血が出ている。いたそーーーーーー」
 弘枝の言い方はあまり大変さに対応するより嬉しそうである。
 青木学が立ち上がった。
 びらびらを開いて確認する。
 「い、いたいーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに悲鳴を上げる。
 「血が出ているがこの程度は痛みだけで問題はない。ハードプレイの許容範囲だよ。撮影ではよくある」
 青木学はそのまま戻ってしまう。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はその瞬間は中止にして貰えると思った。それが何ともないとあしらわれてしまう。
 四人目が掛かる。
 「えーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は続行に驚く。
 二人目が鋏をずらした数本を叩く。
 「ひぃぃいーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は甲高い悲鳴を上げる。
 一本が落ちて二本の鋏がさらにずれた。
 落ちた一本の鋏んでいた痕は皮膚が小刻みに剥けて血が僅かに点の様に滲み出ている。
 「あはあーーーーーーーーーん。あはん。あはん」
 横溝亜寿香は涙を溢れさせた。
 弘枝は哂いを浮かべてその顔を覗き込む。
 座の面々は静まり生唾を飲んでその部分を拡大されたモニターで見ている。
 四人目は二発目でさらに鋏みのずれた二本を狙う。
 「あーーーーーーふぁあーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の恐怖に震えた悲鳴である。
 二本とも叩き落した。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふぁあーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の顔が強烈に軋んで甲高い悲鳴が座敷を劈く。
 さらに涙は溢れる。
 それでも五人目が構えた。
 全部飛ぶまで終了はしない。
 「ああ。あはあーーーー」
 横溝亜寿香はそれを見て苦しい息遣いを漏らす。
 今度は固い六条鞭である。
 太腿に鋏み付けられたたくさんのピンチを掃うように叩く。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は悲鳴を絞りだす。
 かなりの量が飛んだが二本だけ鋏が浅くなって残った。
 僅かに白く肌理の細かい皮膚を鋏んでいるのが異常に痛さを感じさせる。
 ピンチが飛んだ痕はくっきり鋏まれた皮膚の窪みが確認された。
 「あはあーーーーーーーーーん。ああはん。あはん。あはん」
 横溝亜寿香の躰はブルブル震えて泣き続ける。
 五人目の男は六条鞭を先端が長方形の革二枚を縫い合わせた一本鞭に替えた。
 それで鋏が浅くなってぶら下がった二本のピンチを掃うように叩く。
 「うふぁあーーーーーーーーーーーー。ふぁあーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰を揺すって藻掻く。
 既に六人目は待ち構えていた。
 今度は先端が細長い一本鞭である。
 それで腹の部分のピンチを下から上に肌を舐めて抉るように振り上げた
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気にピンチは飛んでしまう。
 「あはあはあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は声を絞りだして泣き喚く。
 さらに二発目はピンチの飛んだ後の乳房を横に薙ぐ。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーあはあはああーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の泣き悲鳴はさらに悲痛に成る。
 残ったピンチはあと二つである。
 七人目も待ち構えていた。そのまま同じ一本鞭を引き継ぐ。
 ピンチは狙わない。
 同じように乳房を横に薙ぐ。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐごごおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ふぁはあ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに大口を破裂させ涙を飛ばして悲鳴を上げた。
 躰は強く反り跳ね返って振り子のように前後ろに揺れる。
 「みなさーーん。手加減しないで。彼女これまでの最高額よ」
 弘枝は意地悪くさらに会員らの虐めにはっぱを掛けた。
 「あはあーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香は荒い息遣いのまま悲痛な目で恨みを込めて弘枝を見る。
 七人目の会員はさらに乳房を薙ぐ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、うーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーー。ああ。あはあ。はあ。はあ」
 既に横溝亜寿香の乳房には赤い筋が数本クロスしていた。そして躰中ピンチの鋏んだ痕が確認される。
 さらに八人目が立つ。
 「えーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香はもう耐えられない。いったいいつまで続くのか。全身に痛みが奔っている。
 八人目も荒い息遣いの横溝亜寿香の乳房を狙って強く振りかぶる。
 ビシーーーーーーーーーーーーン。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。あはあん。あはん。あはん。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の躰は強く暴れる。
 それでももう一発叩きつける。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーー。ああーーーーー。あはあ。ああ。ああ」
 横溝亜寿香は強烈に藻掻き暴れる。
 乳首の周りは鞭の紅い筋で無残極まりない。
 「あと一人」
 さすがに青木学が終了を宣告する。
 その一人が残った二本を叩き落して終了した。
 横溝亜寿香は痛み止めを貰ってホテルの大浴場の女湯に浸かって泣きながら痛みを癒す。
 ある程度痛みが治まって寮の部屋に戻った。
 二時間くらいで痛み止めは切れる。
 種類を変えて飲む。部屋でも湯に浸かって痛みに耐えた。娘が居るのでホテルの女湯で癒して来たかったがなかなか痛みは治まらない。
 そして弘枝への怒りがむくむく持ち上がっていた。
 堪えがたい辱めの上に酷い痛みである。弘枝が手を出さなければあの辱めはなかったと思う。
 宇治原歳加年が呼んだと言っても弘枝の要求に違いない。
 弘枝の指摘の通り金には成った。この金を得なければどうにもならない。それは分かっている。
 それでも今日の内容は堪えられない。
 そして弘枝とアルバイト料まで貰った佐野幸春に報復したい。
 横溝亜寿香はどう報復するか悩み続けた。
 
 一月十五日。
 静岡県宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 豊洲が狭く使いにくいので早めに此処に移った。越後湯沢よりは狭いが窓から冬の海が綺麗である。
 愛好会の主なメンバーと樽常マネージャー、編集の小川綾香が来ていた。
 「ツアーの要求と裏全裸美人コンテストの要求が高く成っています」
 杉下一行と福富麻次郎が報告する。
 「ツアーは失敗に思えたがな」
 如月鬼堂は最後の結末が気に成っていた。
 「それでも今回の参加に漏れた会員から要求が出ています」
 「そうなのか瀬里菜」
 メールを集計するのは瀬里菜である。
 「そうだよ。パパに報告したよ」
 如月鬼堂は全く気に留めてなかった。
 「あーーーーーー。忘れている」
 珠洲も非難する。
 「やった方が良いのか」
 「そうです」
 杉下一行がきっぱり答える。
 「同じコースか」
 「雪の多い東北、新潟を避けて南に回りましょう」
 「いつだ」
 「二十七の夜出発でどうでしょう」
 「それじゃ瀬里菜と打ち合わせてくれ」
 如月鬼堂は了解した。
 「問題は裏全裸美人コンテストです」
 福富麻次郎は何としてもやってほしい。
 「表の方も要求はされているが」
 如月鬼堂は乗り気でない。
 「先生。表はできますよ」
 福富麻次郎はさらに押す。
 「うむ」
 如月鬼堂は乗り気のない表情である。
 「先生。うちもやってほしいのですが」
 編集の小川綾香である。
 「裏をどうやってやる」
 「Webで審査して会場では投票と結果発表と表彰式です」
 福富麻次郎は大方計画をしていた。
 「女性はどうする」
 「今日二人案を持って来られました」
 福富麻次郎は樽常マネージャーを促す。
 「弥作穂乃果と増田瑛梨奈です」
 樽常マネージャーはタブレット端末でポートを見せる。
 「既に四人賛成か」
 如月鬼堂は大河内税理士、館山弁護士、杉下一行と福富麻次郎の審査結果を確認する。
 「そうです」
 「ならば進めれば良い」
 如月鬼堂はそれなら後は任せると言う態度である。
 「しかし二週間でツアーの席は埋まるか」
 如月鬼堂はややずれていた。
 「パパ何言っているの。既に優先順位で満席よ」
 「そうだったか」
 如月鬼堂は執筆の方に頭が行っている。
 「それとパパ。プレイルームのお掃除の人達。給料上げてあげないと物価高で厳しいよ」
 珠洲はこっちも考慮しろと訴える。
 「日当一万では安いか」
 「日払いのえぐい派遣会社に比べたらまだ安くないけど。内容が内容だけに考えてあげなよ」
 瀬里菜は大手格安スーパーの社員だったが珠洲は別のスーパーでパート勤務だった。苦しい内情は良く分かる。
 「いくらにすれば良い」
 如月鬼堂は珠洲の意見にお前はどっちの味方だと言う態度である。
 「先生。プレイルームの値段を上げても大丈夫ですよ」
 杉下一行は金の余っている連中が使うから問題ないとアドバイスする。
 「そうか。で」
 如月鬼堂は珠洲の方を見る。
 「一万五千円くらい」
 「随分好待遇だな。どっかのアパレルメーカーじゃないぞ」
 「でも掃除する内容が問題だよ」
 「そうですね。使用料二割上げたら十分賄えますよ」
 管理を手伝う杉下一行もその方がやり易い。
 この日如月鬼堂は総て押し切られてしまった。
 
 一月十七日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 本日も寒い。と言っても晴れている。上質な肉が入ったのでバーベキューで生ビールである。
 「遂にあの夫妻が次を要求して来た」
 川口の会長が報告する。
 「次の動画も溜まるのか」
 「それがややきな臭い」
 「ほう」
 「あっちの組織の男が拉致したのが女性警察官だ」
 「なんと」
 「それで組織の二人が追加料金なしで立ち会うらしい」
 「それも面白いじゃないか」
 医者の男は期待している。
 「それが冤罪グループの奴で昔逮捕された女性警察官らしい」
 「益々面白くないか」
 医者の男はさらに期待を膨らませた。
 「余計な事が起きなければ良いが」
 川口の会長はやや心配している。
 「完全に始末するのだろ」
 「無論そうだが。さらに別のグループも見張っている」
 「ならば問題なかろう。蘇我運輸区の車掌の行方不明もそれほど騒がれなくなったしな」
 「火事や事件も多いからな」
 「また如月鬼堂の愛好会のツアーが走るらしい」
 印刷会社の社長が情報をキャッチしていた。
 「ふん。また雪で立ち往生しないかな」
 葬儀会社の社長は失敗に期待している。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内のビルである。
 組織の男二人が南郷美涼巡査長を運んで来た。
 「置いて行くのでは」
 山井和徳は二人が待っているのに驚く。
 「ちょっと訳ありで。婦人警官なのです。それで我々が立ち会います」
 「ああ。そう」
 「追加請求は有りませんので」
 「それじゃお願いします」
 亜希江が答える。
 四人は直ぐに忍者姿黒装束に着替えた。
 「依頼人。何から行きます」
 「最初は撮影よ。条件に入っている動画に必要な撮影からです」
 キャリーバックから南郷美涼巡査長を出す。
 既に全裸で縄を掛けてあった。
 「全裸で性器とか撮影できるようにして下さい」
 山井和徳は縛ることは任せる姿勢である。
 「暴れ出したら私達では手に負えないわね」
 亜希江も危険は理解していた。
 「床に磔にしよう」
 忍者姿黒装束の一人が床のボルト穴を見つけてそう決めてしまう。
 この男が監視役である。
 もう一人の男が以前にこの婦警に冤罪で逮捕された。強い恨みを持っていて今回標的にした。
 二人の忍者姿黒装束は三本の鉄パイプをコの字型に組み合わせて脚首、手首を固定する。脚も腕も広げて大の字に磔にしてしまう。
 南郷美涼巡査長は自宅で寝ている深夜に催涙ガスを流された。
 そのまま簀巻きにしてパッカー車に投げ込まれて運び出されてしまう。警察犬に追跡されないよう多量の動植物性残さの中に入れて運ばれた。
 動植物性残さにはさらに合成したエッセンスが掛けられている。
 よって南郷美涼巡査長は自宅で寝ていたままの意識しかない。
 「四か所じゃ危険だ。膝上と肘を固定しよう」
 監視役の男は用心深い。
 さらに腹もベルトを当てて床にボルトで打ち込んで押さえた。
 全裸は天井からのカメラが収めている。顔、乳房、乳首のアップも撮影した。
 女の部分は床にカメラを設置して撮影する。
 クスコも挿入して奥まで撮影を終えた。
 ブジーにスタンガンに繋いだワニ口クリップを接続した。
 「起こしますよ」
 「どうぞ」
 亜希江が了解する。
 恨みを持つ男がそのブジーを南郷美涼巡査長の尿道に突っ込む。
 「うぐ」
 監視役の男がスタンガンのスイッチを入れる。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は股間を暴れさせて藻掻く。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は何だか判らず藻掻き暴れ続ける。
 監視役の男はスタンガンのスイッチを切る。
 「なにーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は忍者姿黒装束の四人を見て叫び声を上げる。
 「気付いたわね」
 亜希江が声を掛ける。
 「なによーーーーーーーーーーー。これなにーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は藻掻くが躰はほとんど動かない。
 「ご自宅で眠っていたまま運ばせていただきました。ご家族はそのままです。ご安心ください」
 監視役の男が状況を語る。
 「お前ら。こんな事して」
 「逮捕される。重罪。はっはっはっは。そんなの充分に判っているけど。これまで誰も捕まってないわね」
 亜希江が嘲哂う。
 「おのれーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は警察官として亜希江の言葉に口惜しさを滾らせて叫ぶ。
 「貴女の裸。隅々までお○○この奥まで撮影したわよ。編集するところへ送ったから近々公開されるよ」
 亜希江が絶望の宣告をする。
 「あなた方は組織なのね」
 南郷美涼巡査長はこんな姿に成っても真相を探りたくなる。
 「どうかしら。そっちの二人は組織かも」
 亜希江は適当に答える。
 「私を拉致しても警察が直ぐ追いかけるよ。警察犬が追跡するからね」
 南郷美涼巡査長はまだ強気である。
 「はっはっはっは。そんな低級な拉致はしないよ。これまで追跡できたためしが有るか」
 監視役の男は嘲哂う。
 「ああ」
 南郷美涼巡査長も自分が捜査に関わってないが籠城した事件以外は追跡できてないと認識していた。
 「いくら警察犬でも潜水艦で運んだら追跡できないだろ」
 監視役の言葉はまんざらはったりではない。
 「そんな。そんな事できるものですか」
 南郷美涼巡査長は信じない。
 「まあ。二、三日経ってみれば分かるよ」
 監視役の男は自信満々に答える。
 「さて。依頼人何からやりますか」
 恨みを持つ男が確認する。
 「口答えしなくなるまで泣かせましょう」
 亜希江は女性警察官と聞いて強烈に拷問したい。
 「電流責めから行きますか」
 恨みを持つ男が提案する。
 「いいわね」
 亜希江は納得する。
 恨みを持つ男が小道具を取り出す。
 大量の注射針と長い銅線に小さなワッシャーの様な金属部品を等間隔にぶら下げた物である。
 注射針は長さ五センチと長い。
 恨みを持つ男は小さなワッシャーをぶら下げた長い銅線をリールから引いて南郷美涼巡査長の躰の上を這した。
 乳房から膝までの長さで切ってリールを監視役に渡す。
 監視役の男ももう一系統南郷美涼巡査長の躰に引く。
 恨みを持つ男はワッシャーの様な金属の輪に注射針を通す。その一本目を左の南郷美涼巡査長の乳首の下を潜らせる。
 「ううーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 構わずワッシャーに通して等間隔に刺して行く
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は叫び続けた。
 亜希江が鞭を持って来る。先端が蠅叩きの様な一本鞭である。
 「煩い」
 それで南郷美涼巡査長の顔をビンタする。
 「ううーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 極めて屈辱的な叩き方である。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江は構わず叩き続けた。
 二人は南郷美涼巡査長が躰を捩って抵抗するのを押さえながら淡々と注射針を刺して行く。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。こらやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「煩いな!こらじゃないだろ」
 亜希江はさらに強く南郷美涼巡査長の頬を叩く。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 相応に強い叩き方である。
 亜希江は立って上から床に磔の南郷美涼巡査長の頬に鞭の平面を叩きつける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に南郷美涼巡査長の色白の顔は紅が浮いていた。
 「うおーーーーーーーーーー」
 恨みを持つ男は南郷美涼巡査長の膝上まで注射針を刺し終えた。
 南郷美涼巡査長の尿道にはブジーが刺さったままである。
 恨みを持つ男はそれを抜かないで大股開きの南郷美涼巡査長の小陰唇を二枚合わせて抓む。
 そのびらびらの根元にも注射針を刺し貫いた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 続けて刺し貫く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 並べて七本刺し貫いた。
 その注射針の根元に銅線を巻き付けて行く。その先端をトランスに繋いだ。乳首から膝までの二系統もトランスに繋いでいる。
 「依頼人。準備できましたよ」
 監視役の男が報告する。
 念の入った電流責めである。
 「やって」
 亜希江はまずはプロに任せたい。
 「我々は依頼人のサポートに来ています。依頼人が直に責められた方が宜しいのでは」
 監視役の男は亜希江らに遊んでもらいたい。
 「プロのやり方を見たいの。婦警でしょ。強いから簡単には死なないでしょう。お手本を見てからじっくり責めます」
 亜希江は先に責めさせる意志である。
 「畏まりました」
 監視役の男が恨みを持つ男に目で合図する。
 恨みを持つ男は乳首から繋がった左右の二系統のトランスのダイヤルつまみを回した。
 「ぐ、ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長の躰が硬直して震撼する。そして大口を破裂させて悲鳴を轟かせた。
 「うう。・・・・・うう。・・・・・うう。・・・・・」
 目を見開いて躰をガタガタ震えさせる。
 恨みを持つ男はトランスの電圧を上げてしまう。
 「ああーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー。・・・・・うう。・・・・・うう。・・・・・うう」
 南郷美涼巡査長はさらに表情を強く歪めて弧を描くように頭を振る。
 「うう・・・・・。うう・・・・・。うう・・・・・。うう・・・・・」
 南郷美涼巡査長の表情は徐々に恍惚に成ってきた。
 恨みを持つ男は急いで電流を切る。
 「あはあーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は苦しい息遣いを続けた。
 数分待って恨みを持つ男は小陰唇を貫いた針に電流を流す。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう・・・・・。うう・・・・・」
 南郷美涼巡査長の表情は一気に軋む。
 「うう・・・・。うう・・・・・。うう・・・・・」
 腰はガタガタ震える。頭を強く捩って痛みに藻掻く。
 監視役の男が尿道に刺さったままであったブジーを抜き取ってしまう。
 恨みを持つ男は乳首から繋がった二系統に電流を流す。
 「うーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーー。うう。うう・・・・・。うう・・・・・。うう・・・・・」
 南郷美涼巡査長の躰はさらに強く震撼していた。
 「うう・・・・・。だめ。・・・・・うう。だめ。うう・・・・・」
 躰はガタガタ震え続ける。
 「あ、あーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は遂に失禁してしまった。緩やかに小水が流れ落ちる。
 恨みを持つ男は直ぐに電流を止めた。
 「あは。・・・・・あは。・・・・・ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長の震えはなかなか止まらない。
 股間の間には小水の水溜りが広がっていた。
 監視役の男がそれをバキュームで吸い取る。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 恨みを持つ男はまだ震えている南郷美涼巡査長の股間の針を繋いだ銅線を巻き戻して外す。
 そこからゆっくり針を一本抜く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 刺された時より痛い悲鳴である。
 恨みを持つ男は愉しみながら小陰唇を抓んで二本目を抜く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は眉間に三重に皺を刻んで悲鳴を上げる。
 恨みを持つ男は悲鳴を七本分愉しんだあと膣にクスコを突っ込む。
 「やめろーーーーーーーーーー。なにするーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は女の部分を広げられて怒り叫ぶ。
 「もうとっくに貴女の女の奥は撮影済みよ」
 亜希江がそう宣告する。そしてその部分の録画をモニターに映し出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は女の部分のアップに成ってクスコの中が拡大されると悲鳴を上げる。
 恨みを持つ男は電子鞭を手にする。
 「ねえ。これどうするの」
 亜希江は二系統の銅線で繋がった注射針を指差す。
 「先に引き抜きますか」
 監視役の男が亜希江に確認する。
 「はい」
 「片側持っていただけますか。電流を流します」
 監視役の男はゴム手袋を差し出す。
 亜希江は山井和徳に促す。
 恨みを持つ男が右の系統を指差して電流を流す。
 「うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳が乳首側を掴んで監視役の男が膝の上を掴む。
 「行きます」
 監視役の男が山井和徳に合図する。
 注射針は乳首からと太腿から一本ずつ飛ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長はサイレンの様に悲鳴を上げ続けた。
 「あーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は藻掻き続ける。
 「こっちも行きます」
 恨みを持つ男はもう片方を示して電流を流す。
 「うーーーーーーーー。うはあーーーーーーーーーー。」
 今度も両方から一気に引っ張る。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴になった。電流の痛みと抜く傷みのミックスである。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長の躰はブルブル震えていた。
 恨みを持つ男は手にしていた電子鞭を痛みが去らない南郷美涼巡査長の乳輪に押し付ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 反対側の乳輪にも当てる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに南郷美涼巡査長の躰は僅かに撥ねる。
 「ああーーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 次はクスコの刺さったすぐ横の大陰唇に当てた。
 「ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにその反対側に当てる。
 「うう、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長の目には涙が溢れ出ていた。
 恨みを持つ男は覆面の下でにんまり北叟笑む。
 亜希江も横目で見て哂う。
 「行きますよ」
 恨みを持つ男はそう宣言してクリトリスを剥く。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は慌てて叫ぶ。
 恨みを持つ男は容赦なくクリトリスに電子鞭を当てる。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は僅かに失禁してしまう。
 「さあ。これが本番です」
 恨みを持つ男はそう言ってクスコの奥に電子鞭を突っ込む。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・」
 南郷美涼巡査長はそのまま白目を剥いてしまった。
 恐ろしく残酷な刑である。
 ここで南郷美涼巡査長の躰にシートを掛ける。
 四人は食事を始めた。
 
 和歌山。コンパニオンの寮に成っている温泉ホテルの建物である。
 横溝亜寿香は猛り狂って弘枝の部屋に押し掛けた。
 廊下ですれ違って躰が僅かに触れたのがトリガーである。
 横溝亜寿香は弘枝に掴み掛った。
 弘枝は足早に部屋に向かう。横溝亜寿香はその腕を掴んだまま付いて行く。
 弘枝が部屋のドアを開けると押し込んで横溝亜寿香が滑り込む。
 「なによーーーーーーーーーーーーーー」
 弘枝は横溝亜寿香の躰を投げ飛ばして叫ぶ。
 「何で私を陥れるの」
 「列車の中で詰っただろ」
 「それだけであそこまでするの」
 「何であんなこと言ったのよ」
 「あんたらがみんな仕事持って行くからだよ。それにあんたらみんなただじゃないか。部屋代も食費も」
 「だから何よ。SMスーパーコンパニオンに成れば良いじゃない」
 「あんな酷い事。堪えられないよ」
 「あたし達もやってんだよ。あんた今回最高額だよ。躰を一部潰させた二人は別だけど」
 「だからってコンビニの男の子連れて来なくても。買い物にも行けないよ」
 「土日以外居ないよ。恥ずかしかったら食べちゃえば。一緒にお風呂入ったら同じよ」
 「ああ。そう」
 横溝亜寿香もそう言われて考えてしまう。
 「呼んでやろうか。一緒に遊んじゃお」
 弘枝は軽く言う。
 「うん」
 弘枝は佐野幸春に連絡する。
 「いま何処」
 「学内」
 「そう。今日一泊帰らない。この間の女も一緒。お風呂入ってあげなよ。コンビニに行けないって」
 「八時くらいに成りますよ」
 「明日始発で戻れば良いよね」
 「はい」
 佐野幸春と話は付いた。弘枝は青木学に普段使ってない大浴場の使用許可を取る。
 「貴女付き合っているの」
 「ううん。あいつ彼女居るよ」
 「それでーー」
 「あたしも宇治原に同じ事されたの。だから食べちゃった」
 弘枝は淡々とうそぶく。
 佐野幸春は八時を少し過ぎて弘枝の部屋に来た。
 既に弘枝は大浴場の男湯の一つに湯を入れている。
 「寒いね。温泉に入ろ」
 弘枝はそう言って大浴場に引っ張った。
 躰を流して湯に浸かると横溝亜寿香は佐野幸春に躰を寄せる。
 浴槽の縁に座らせた。
 「良いでしょ。舐めて」
 佐野幸春は黙って頷く。
 横溝亜寿香は口に含んで舌で細かく一物を舐める。
 弘枝は浴槽の離れた所に浸かってそれを見ていた。
 「ねえ。出して。飲ませて」
 横溝亜寿香は佐野幸春がなかなか逝かないので要求する。
 「うん。もう少し掛かるよ」
 横溝亜寿香は口に亀頭を含んだままさらに強く鈴口を舌先で舐めて刺激を与え続けた。
 それでも佐野幸春はなかなか果てない。
 それで佐野幸春は手を伸ばして横溝亜寿香の乳房を掴む。指の間に乳首を鋏んで親指で弄る。
 三十分くらい掛かって佐野幸春はようやく横溝亜寿香の口の中に果てた。
 横溝亜寿香はさらに佐野幸春を湯に浸けて縁の直ぐ下の底から一段上がったところに座らせる。
 そのまま膝を跨いで股間で一物を飲み込む。
 乳房を胸に押し付けて股間を僅かに動かす。
 弘枝はそれを見て洗い場にビニールマットを敷いてやる。
 横溝亜寿香はそれを見て桶で湯を掛けて佐野幸春を促す。
 「上に成って」
 横溝亜寿香はそう言ってマットの枕代わりの膨らみ部分に腕を回して安定を確保する。
 佐野幸春はマットにぎこちなく座り横溝亜寿香の脚を広げた。
 そのまま横溝亜寿香の肩に掴まって挿入する。
 佐野幸春は片手でマットの上に掴まり片手は横溝亜寿香の肩を持って激しく動く。
 「あ、あーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は切ない声を漏らす。
 
 長野。山井和徳と亜希江夫妻のビル。
 亜希江らは南郷美涼巡査長には麻酔を打ち点滴をセットしてその日は料理と酒で客人をもてなす事にした。
 じっくり時間を掛けて虐め抜きたい。
 女性警察官と聞いた時から山井和徳と亜希江には残忍な気持ちが滾っていた。
 「そちらの方。あの婦警を知っているのじゃない」
 亜希江は恨みを持つ男に言う。
 「こいつ冤罪で逮捕されているのですよ」
 監視役の男は簡単に明かしてしまう。
 気が緩んでいるのではない。何が有っても始末する自信がある。
 「殺したい」
 亜希江は表情を覗き込む。
 「いいえ。今回の生け贄にしただけで充分ですよ」
 恨みを持つ男は拷問して殺す依頼人に納めただけで充分である。
 「婦警と聞いては殺すまでも散々いたぶりたいですな」
 山井和徳の可逆心はさらに滾ってきていた。
 「鞭で全身蚯蚓腫れにして眠らせないと言うのはどうでしょう」
 監視役の男の提案である。
 「じっくり一週間くらい虐め抜きたいですね」
 山井和徳は一人目の女の時より加虐心旺盛である。
 「その前に三人で輪姦すのも忘れないでね」
 亜希江は屈辱したいのと川口の会長の要求も満たしたい。
 「それでは明日にでもさっさと片付けてしまいましょう」
 監視役の男は躰をズタズタにする前が良いと考えている。
 「ならば明日の朝食の後で」
 山井和徳も承知する。
 
 和歌山。コンパニオンの寮に成っている温泉ホテルの建物である。
 佐野幸春はマットの上で横溝亜寿香の中に二回目を果ててから弘枝にも抜かれてしまった。
 若くてもさすがに三回目は水の様な情液を流しただけである。
 横溝亜寿香は先に自分の部屋に引き上げた。
 「ねえ。彼女どうしたの」
 弘枝は当事者なのに他人事のように言う。
 「森田緋香莉の事」
 「そうよ。行方不明で警察が来て大変だったのよ。あれっきり」
 「そうですね」
 「ねえ。新しい彼女ができたの」
 「まあ」
 佐野幸春は否定しない。
 「前の彼女は全く音沙汰なし」
 「動画が出たらしいけど。警察も遺体が出ないし騒いでいる拉致拷問事件とも繋がらないので模倣犯による動画公開に堪えられず蒸発と見ていました」
 佐野幸春には既に過去の事と成っていた。
 「この付近の防犯カメラに写っていたのでホテルの中まで鑑識が来て」
 「嫉妬深かったからな。僕の周りを疑ったのかな」
 佐野幸春は真実を全く知らない。
 
 一月十八日。
 長野。山井和徳と亜希江夫妻のビル。
 南郷美涼巡査長は拷問椅子に移され眠らされて点滴を打たれていた。
 亜希江がスタンガンを乳房に当てる。
 「う、ううーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は周りを見回す。
 山井和徳は二人に先を促した。
 だが監視役の男は強引に山井和徳を押し出す。
 山井和徳が一物を出して迫る。
 「あーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は気丈に叫ぶ。
 亜希江が先端の平たい一本鞭で南郷美涼巡査長の顔を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳は南郷美涼巡査長の膣に指を突っ込む。強引に入路を探った。
 そのまま突っ込もうとするが南郷美涼巡査長は一物には膣圧で抵抗する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は躰を振って暴れ藻掻く。
 亜希江はさらに鞭の平たい面で南郷美涼巡査長の頬を叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳はその間に一気に突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は強烈に叫ぶ。
 監視役の男が南郷美涼巡査長の乳房に電子鞭を当てる。
 「うごーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江はさらに叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳は一気に奥まで速いピッチで突き続ける。
 「お、おおーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は叫び続けた。
 山井和徳が果てたところで一度膣の中を洗う。
 続けて二人が姦輪した。
 ここからが本来の拷問である。
 山井和徳がハンドルを回して拷問椅子をぎりぎりまで倒す。さらに肘掛けを外してしまう。
 鞭を当てる妨げにならないように配慮である。
 南郷美涼巡査長の腕は拷問椅子の背の裏側で互い違いに重ねて縛り合わされている。
 亜希江は先端の細い一本鞭を二本と先端が長方形の革を二枚縫い合わせた一本鞭を一本用意した。
 恨みを持つ男を正面に促して先端が長方形の革の一本鞭を渡す。
 「貴方はお○○こを叩くのよ」
 亜希江はやんわり笑顔で指示する。
 次は監視役と夫の山井和徳を拷問椅子の両側に立たせて先端の細い一本鞭を渡した。
 さすがの南郷美涼巡査長も相当の鞭打ちをされると察する。恐怖に表情を凍らせた。
 それでもずっと四人の特徴を伺っている。
 これまで通り忍者姿黒装束で覆面から出た目の部分はサングラスで隠していた。背丈以外の特徴は掴めない。
 山井和徳が右側から乳房を二つ揃えて薙ぐように叩く。
 「ぐうわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強い叩き方で一気に蚯蚓腫れが浮いた。
 「あーーーーーーーーはあーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は迫り上げた躰を硬くして震撼させる。
 蚯蚓腫れはたちまち紅くなる。
 同じ一本鞭でもSMクラブ嬢などが鞄に入れて持って来るプレイ用とは違う。
 ダメージはかなり強い。
 亜希江は金柑の実を搾っていた。
 監視役の男が左側から乳房を両方並べて叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長の顔は大口が破裂して躰を迫り上げ拷問椅子を揺するように震撼する。
 「ぐぐう、あ、あ、あ、あーーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は強烈な痛みに藻掻く。
 拷問椅子に磔にされていて痛む乳房を庇って押さえたり摩ったりする事さえできない。
 亜希江は金柑を搾る手を休めて恨みを持つ男を指差す。
 恨みを持つ男は鞭の狙いを定めて構える。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は一番弱い部分を叩かれると察した。
 恨みを持つ男は南郷美涼巡査長の表情を覆面の下で噛みしめながら加虐心を強く籠めて閉じ合わせた女の部分を叩く。
 「ぐが、がーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は強烈な痛みに硬い動きで藻掻く。
 目は若干涙が滲んでいた。
 この一本鞭は革二枚合わせただけではない。縫い合わせて中には金属の芯も入っていた。
 だが亜希江はもっと残酷な事を予定している。
 「もっと強く叩いて。皮膚が割れるくらいよ」
 亜希江は強く要求する。
 南郷美涼巡査長は驚愕の表情で亜希江を見る。
 声と動きから年配の女性としか判らない。
 山井和徳が力を込めて右から叩く。
 乳房には二本の鞭の痕が右の乳首の下でクロスしていた。
 「ぐううーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させた南郷美涼巡査長の目から涙が流れ落ちる。
 「うぐううーーーーーーーーーー。うはあーーーーーーーーー。ああーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は藻掻き続ける。
 恨みを持つ男が女の部分を三回目に叩いた時。南郷美涼巡査長は失禁してしまった。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は藻掻きながら小水を垂れ流した。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は口惜しさに藻掻き涙を溢れさせる。
 既に乳房は鞭の深紅の筋だらけで無残な状態に成っていた。
 これが亜希江の目論見である。
 「さあ。みんなでこの女の蚯蚓腫れにこれを塗りましょう」
 亜希江は恐ろしい事を静かに提案した。
 擂った金柑をグラスに分けて全員に渡す。
 南郷美涼巡査長も何をされるか察しがついている。恐々と身構えていた。
 少量を手に垂らして亜希江と山井和徳が片方ずつ乳房にその掌を被せる。
 組織の二人も手に垂らす。それを左右の太腿の蚯蚓腫れに被せるように付け根から膝上まで塗ってしまう。
 一秒、二秒。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーうおーーーーーーうおーーーーーーうおーーーーーーうおーーーーーーうおーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は強烈に躰を暴れさせて沁みる痛みに狂ったような悲鳴を上げてしまう。
 「お、おおーーーーーーーーーーーーーー。うおお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 しかし沁みる痛みは数十秒である。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 それでも南郷美涼巡査長の躰はまだ震えていた。
 「蚯蚓腫れが酷い所に確り塗りましょう」
 亜希江は淡々とまた残酷な事を言う。
 「やめろーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は堪らず叫ぶ。
 「お黙り」
 亜希江はビンタする。
 「うぐーーーーーーーー」
 恨みを持つ男が左の太腿のくっきりした鞭の痕に指先で塗る。
 「う、うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーうおーーーーーーーーーーうおーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は固定された脚を蹴り上げるように暴れた。
 暫くその姿を堪能して治まるのを待つ。
 さらに残酷に山井和徳が乳房のやや血の滲んだ深紅の筋に塗る。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー。ぐおお、おーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は涙を溢れさせながら狂ったように喚き続けた。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。」
 短い時間の痛みだが南郷美涼巡査長は強烈に沁みて堪えられない。
 「次はお〇〇こに塗って。粘膜はめちゃくちゃ痛いよ。効くわ」
 亜希江は苦しめる事に加虐心が昂ぶり切っていた。治まるところを知らないらしい。
 「や、や、やめろーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は恐怖に震えている。
 恨みを持つ男が女の部分の粘膜を抓んで塗る。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーうおーーーーーーーーーうおーーーーーーーーうおーーーーーーーー」
 涙は一気に溢れる。躰を揺すって藻掻く。
 「いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい」
 南郷美涼巡査長はさらに藻掻き暴れる。
 拷問椅子は強く軋む。
 「さあ。お○○こを叩いて」
 亜希江は恨みを持つ男にもう一度鞭を渡す。先端が長方形の革二枚を縫い合わせて中に金属の芯が入った一本鞭である。
 「二人でお○○こを広げて」
 亜希江はまた淡々と恐ろしい責めを要求する。
 「や、やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は震えながら恐ろしい責めに叫ぶ。
 山井和徳と監視役の男が両側から南郷美涼巡査長の女の部分のびらびらをピンセットで引っ張る。
 「いやーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 「婦警さん。今更だよ。もう十分に局部は動画に撮影されている」
 監視役の男がそう言って詰る。
 恨みを持つ男が鞭を振り被った。
 広がったピンクの部分に鞭の先端の狙いを定める。
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は恐怖の叫びを上げる。
 恨みを持つ男が振り下ろす。先端は確り尿道の小さな亀裂付近を叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は目を大きく見開き大口を破裂させて悲鳴を絞りだす。
 「あわあーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 南郷美涼巡査長は顔をブルブル振って痛みに悶える。躰は強く固い動きで暴れる。
 拷問椅子ががくがく揺れた。
 「もう一発」
 亜希江はさらに要求する。
 恨みを持つ男が鞭を振り被る。
 山井和徳と監視役の男がもう一度ピンセットで南郷美涼巡査長の女の部分を広げた。
 「あーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に南郷美涼巡査長の顔は涙に濡れている。気丈だった婦人警官の姿はもうない。
 恨みを持つ男は鞭を振り下ろす。もう一度尿道口付近を強く叩いていた。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 迫り上がった股間が固まり一気に右に捩る。そこで固まりまた左に強く捩る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長はやり場のない痛みに強烈に藻掻き暴れた。
 「さあ。塗って」
 亜希江の容赦ない言葉が静かに響く。
 「あおーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は驚愕の表情で躰を震えさせる。
 恨みを持つ男は容赦なく指先に掛けて二人がピンセットで引っ張った内側の粘膜に擦るように塗る。
 容赦のない残忍さに滾っていた。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・」
 南郷美涼巡査長は失禁してそのまま一気に白目を剥いてしまう。
 躰は拷問椅子に沈んだままである。
 「この女の毛を全部抜いちゃいましょ」
 亜希江は脱毛クリームを取り出す。
 「貴方はドテよ」
 恨みを持つ男にそう指示する。
 「二人は私と一緒に頭皮に塗って」
 亜希江はパイパンで丸坊主にしようしていた。
 南郷美涼巡査長に麻酔を打ってから髪の毛を三人で毟ってしまう。恨みを持つ男は陰毛を毟り取った。
 亜希江は暫く南郷美涼巡査長放置してその日も二人の組織の男らに食事と酒を振舞う。
 食事の後で南郷美涼巡査長に麻酔を当てて点滴をセットした。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。
 横溝亜寿香は赤座元太に指名された。
 青木学が立ち会ってプレイ内容の確認を行う。
 八時間十五万。
 動画撮影顔出し局部まで十万。
 一本鞭まで制限なし十万。
 責め。ドリルバイブまで制限なし五万。
 剃毛。二万。
 吊るし等制限なし五万。
 子宮責め五万。
 合計五十二万である。
 「鞭は前鞭だ」
 赤座元太は念押しに言う。
 「え、え」
 横溝亜寿香はたじろぐ。
 「この値段ではね」
 青木学が押し切る。
 「は、い」
 横溝亜寿香は仕方なく返事をする。
 クラブの取り分引いて三十五万である。稼いでおくしかない。
 ホテルの使用料をSMコースでのプランで払うのでこの場合はショーの時と違って取り分を引かない。
 赤座元太は部屋に入るなり横溝亜寿香の躰を抱きしめて唇を貪る。
 そして押さえたまま一気に服を脱がす。
 まずは全裸にした横溝亜寿香の躰を拷問椅子に磔にしてしまう。
 カメラは正面に三台と真上に一台セットした。
 拷問椅子のハンドルを回して股間を広げる。
 もう一つのハンドルで拷問椅子全体を後ろに倒す。
 股間は正面を向いてカメラに晒されてしまった。
 赤座元太は横溝亜寿香の女の部分を広げてピンクの粘膜から粕を採取する。それを黒いプラ板に載せた。
 「あはあ」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに辛い息を漏らす。
 赤座元太はにんまり悦ぶ。
 膣の外を取り終わるとクスコを挿入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は冷たさに悲鳴を漏らした。
 赤座元太は横溝亜寿香の膣の奥にロングスプーンを突っ込んで粕を掬い出す。
 「あ、ああ」
 「どうだ。洗ってあっても粕は残っている」
 「いやあーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに顔を叛ける。
 赤座元太は構わず粕を掬い続けた。
 「ねえ。貴方これをインターネットで公開しないよね」
 横溝亜寿香は心配な事を確認する。
 「馬鹿言え。局部が写っているのだ。これを公開したら俺は逮捕されるよ」
 「だってそんなのAVで出ているよ」
 「それは配給会社がその国の法律に触れない国に現地法人を持っているからだよ」
 「そう。でも海外に持って行ったらできるのね」
 「其処に現地法人が無ければ駄目だ」
 「その法人に渡したらできるの」
 「それも駄目だ。お前と公開できる契約をしてなければそういう会社は公開しない」
 「ふーーん」
 「さらに契約をしてないものを公開したらお前は訴える事ができる」
 「そうか」
 「まあ。俺が後日愉しむのと友人と見る程度だ」
 「判った」
 「中をどうされているか見ろ」
 赤座元太は拷問椅子の横にテーブルを持って来る。
 其処にパソコンを置いて横溝亜寿香の膣の中を撮影しているカメラの内容を映し出す。
 「あーーーーーー。いやあ。ああ」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに首を振る。
 「よく見るのだよ。見て恥ずかしさを噛みしめるのもサービスだ」
 「ええーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに堪えられない。
 「ほーら。何処を弄られているか見ないと」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 「今日は忘れられない日だな」
 「もうそんな日ばっかりだよ」
 横溝亜寿香はツアーが戻った日から堪えられない事の連続であった。
 「だからその上を行こうと」
 「え、ええーーーーーーーーーーーー」
 「よく見ていろ。子宮責めから行くからな」
 「なにそれ」
 「さっきの見積もりの一行に有ったぞ」
 「ああ」
 横溝亜寿香は鞭に気を取られてそっちを確認しなかった。
 赤座元太はやや長めのブジーを手にする。
 「相当に痛いぞ」
 「え、えーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は驚愕の表情に成る。
 「行くよ」
 「ああーー、ああ」
 横溝亜寿香は恐怖に縮み上がる。
 赤座元太は横溝亜寿香の膣の奥に真っ赤に盛り上がった中心の僅かな亀裂を目掛けてブジーの先端を突っ込む。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は強烈な痛みに太腿を怒張させて固まり上半身を揺すって暴れさせた。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太はブジーを抜く。
 「あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は鈍い動作で股間を揺すって藻掻き続ける。
 目から涙が溢れていた。
 「いたいよーーーーーーーーーーー」
 「暫く動けないぞ」
 「えーーーーーー」
 横溝亜寿香は辛そうな表情をさらに歪める。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士とテレビ会議が繋がっていた。
 「また一人女性警察官が行方不明です」
 館山弁護士が情報を伝える。
 「千葉の車掌も行方不明のままだな」
 「遺体も出ませんし以前のような動画の公開も有りません」
 「何とも言えないが。あの連中が関わった事件臭いな」
 如月鬼堂はどうにもそう思える。
 「動画が出なくて解放もされない。遺体が出る事もない。今度は何を考えているのでしょう」
 館山弁護士は早めに事態を見極めたい。
 「和歌山でも少し前。女子大生が行方不明のままだな」
 「そんな事件も有りましたね。かなり警察は岬ビューホテルを捜査したようですが何も出ていません」
 「もっと以前に遺体が出なくて動画だけがばら撒かれた。動画が出ないのはこの二件だけだ」
 如月鬼堂は新たなる目論見と見ていた。
 「鬼堂先生が以前に仰っていたように遺体を完全に処分する機関が有るのかもしれません」
 館山弁護士らには謎だらけである。
 杉下一行と福富麻次郎にテレビ会議が繋がった。
 「二十七日からのツアーは問題なく手配できました」
 福富麻次郎が報告する。
 「東京発か」
 「そうです。下関回りです。山陰がやや不安ですが近くなって天気予報によってはコースを変更します」
 「それなら問題ないな」
 如月鬼堂周辺はまあまあ平和である。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日も晴れていた。空気は澄んで外は寒いが麓の町は綺麗に見えている。もう直暗くなる時間である。
 今日はマグロ他魚介が届いていた。
 マグロは一部刺身で一部はしゃぶしゃぶにする。寒いのでその方が良い。
 「しかししゃぶしゃぶならカジキのトロの方が合うな」
 「本マグロの中トロでは勿体ないか」
 「まあ良いのじゃない」
 「ところであの夫婦なかなかやるぞ。女性警察官の泣き悲鳴。これが公開されたら大騒ぎだな。マニアは永久保存版だ」
 印刷会社の社長は悦んでいる。
 「それは期待したいな」
 医者の男も世の中を騒がせたい。
 「いつ公開できるかな」
 川口の会長は長く続くと見ていた。
 「何か他に面白い事は無いのか」
 医者の男は退屈している。
 「あの夫婦の資金が尽きる前に何か騒がせるか」
 運送会社の社長である。
 「今は連続強盗事件の方にマスコミと警察の関心が行っている」
 川口の会長も問題ない時期と言う。
 「そうだな」
 葬儀会社の社長である。
 「なにか実行役を探さないと」
 「我々で愉しんではどうだ」
 「それなら合法を保たないと」
 その夜に意見は纏まらなかった。
 
 和歌山。岬ビューホテルの赤座元太のプレイしている部屋である。
 横溝亜寿香の躰は乳房と太腿に何本も鞭の痕が奔って無残に成っていた。
 先端の細い一本鞭で叩いた紅い筋だらけである。
 「あはあ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香は荒い息遣いを吐きながら痛みに藻掻いている。
 「ねえ。ずっと時間いっぱい叩くの」
 横溝亜寿香はもう堪えられない。
 「そんなの俺の方が無理だよ」
 赤座元太はそう言って先端が四角い蠅叩きの様な鞭に持ち替えた。
 平たい革の表面で乳房を叩く。
 「う、うう、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蚯蚓腫れの上からである。
 横溝亜寿香は堪らない悲鳴を絞りだす。
 「もう直。叩くのは終わらせて気持ち良くしてやる。だがプレイ時間が終わるまで痛み止めは飲まさないぞ」
 赤座元太は残酷な目的を宣告する。
 「え、ええーーーーーーー」
 横溝亜寿香はあと五時間近くこの痛みに堪えなくてはならない。
 もう片方の乳房も蚯蚓腫れの上から叩く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の目からは涙が何度も溢れている。
 赤座元太は十発くらい叩いて横溝亜寿香の悲鳴を愉しんで鞭を置いた。
 だが今度は左右の乳首をクリップで鋏んでしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は顔を強く歪めて悲鳴を上げる。
 「これを二時間付けておく」
 「えーーーーーーーーーー。乳首落ちちゃうよ」
 横溝亜寿香は悲痛に訴える。
 「それには三日は掛かる。二時間では取る時にモーレツに痛いだけだ」
 そう言って赤座元太はもう一度横溝亜寿香の膣にクスコを装入する。
 「えーーーーーー。まだそれーーーーーーーーーー」
 「今度は気持ち良くするのだ。気持ち良くなれば痛みは薄れる」
 「うそーーーーーー」
 「やって見れば判る」
 赤座元太はリモコンから伸びたアームの先に小さなマイクロローターがL字に付いたアイテムを翳す。
 「これを覚えているよな」
 「あ、ああーーーーーーーーー」
 既に横溝亜寿香はそのアイテムで散々女の性を弄ばれた。
 クスコの中が照らされてまたパソコンに映像を映し出す。
 「さあ。行くよ」
 赤座元太は画像を見ながら膣天井部の女の一番敏感な部分に当てる。
 「あーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香の表情は一気に軋み大口を破裂させる。
 躰の痛みから嫌でも官能を受け入れてしまう。
 膣の中は直ぐに濡れ始めた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は震撼し始める。
 「あーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は藻掻きながら股間は痙攣し始めた。
 膣の中は膣液が溜まっている。
 赤座元太は一度マイクロローターを出す。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横溝亜寿香の躰は痙攣したままである。
 スポイトで濡れを吸い取ってビーカーに流す。
 もう一度マイクロローターを突っ込む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は直ぐにマイクロローターの責めに蹂躙されてしまう。
 
 豊洲。如月鬼堂の所有するプレイルームの一つである。
 南七香はまた大河内税理士に呼ばれてしまった。
 もう事業が回復したのでこの世界からは離れたい。だが事業を継続する資金を稼ぐのに大河内税理士に多大に協力して貰った。
 「ねえ。もう躰の関係だけで赦してください」
 南七香は縋るように頼み込む。
 「判ったよ。今回で終わりにする。だから撮影させてくれ。外には絶対に出さない」
 「うん」
 南七香は仕方なく承諾した。
 大河内税理士はプレイルームの備品のカメラをセットする。
 南七香は服を脱いでシャワーを使おうとする。
 「待って。そのままやらせてくれ」
 大河内税理士は洗って欲しくない。
 「ああ」
 南七香は大河内税理士の目論見を察した。
 汚れた躰を弄らせるしかない。
 ショーツを脱ぐと大河内税理士はそれを要求する。
 南七香は仕方なくそれを渡した。
 大河内税理士はそれを広げて股間に当たっていた部分を外に出す。
 「ああ」
 さらにそれを撮影してしまう。
 そして南七香を産婦人科診察台に乗せる。
 「ねえ。本当に会員にも見せない。会員の海外サイトに載せたりしないよね」
 南七香は不安で念を押す。
 「そんな事したら鬼堂先生に破門されるばかりかあんたに訴えられる」
 「そう。判った」
 南七香はその言葉を信じるしかない。
 もとより会員に配った動画も残ってしまっている。それらで数千万は稼いできた。
 そして大河内税理士とSMの関係は終わらせたいが税務はお願いしたい。国税出身で融通の利く税理士は他に居ない。
 国税出身が税理士の印を押せばまず税務署は調査に来ない。
 また所轄の税務署が調査で申告漏れと指摘しても強い抵抗をして貰える。
 大河内税理士は南七香の女の部位を部分的に撮影してゆく。
 女の部分を指で開いてさらに膣も両手の指で広げる。クリトリスも剥く。
 さらにクスコを挿入して中まで撮影する。粕や濡れもカメラに収めた。
 「ねえ。それ会の動画にもあるでしょう」
 南七香は態々取らなくてもと言いたい。
 「そうだが。俺のオリジナルを取っておきたいのだ」
 「そう。これからも見る事はできるよ」
 南七香は今更結婚は諦めていた。事業を護るだけである。恥ずかし過ぎる動画が社会にばら撒かれて結婚など到底考えられない。
 「今の君が撮って置きたいのだ」
 「ねえ。私を税務署から護ってくれる」
 南七香はこれを確認せずに居られない。
 「もちろんだよ。俺が決算書に税理士印を押して追徴など掛けたらその税務署に国税から査察入れてやる」
 大河内税理士は自信満々である。
 「そう」
 南七香はそれなら仕方ないと思う。
 
 和歌山。岬ビューホテルの赤座元太のプレイしている部屋である。
 横溝亜寿香は赤座元太にマイクロローターで責め続けられ躰は崩壊状態で拷問椅子に沈んでいた。
 まったく立ち上がれる状態ではない。
 赤座元太は二時間を待ったところである。
 横溝亜寿香の乳首はクリップで鋏まれたままであった。
 「さあ取るよ。強烈に痛いぞ」
 赤座元太は乳首のクリップを指さして言う。
 「えーーーーーーー」
 横溝亜寿香は逃れる事のできない痛みが目の前に迫って恐怖に震える。
 赤座元太は左のクリップを掴む。
 「行くよ」
 クリップを掴んだまま横溝亜寿香の表情を覗く。
 「あ、ああ」
 横溝亜寿香は目を細めて眉間に皺を寄せて身構える。
 赤座元太はクリップを強く握って乳首から外した。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰を振り、顔を大きく振って藻掻き悲鳴を上げる。究極に暴れて拷問椅子を揺すった。
 「ぐうう、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は涙を溢れさせる。
 赤座元太は右側も?んで外す。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに涙を溢れさせ狂ったように藻掻く。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は強烈に悲鳴を叫び上げながら失禁してしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は躰をぶるぶる震えさせながら失禁尿を垂れ流した。
 赤座元太は治まるのを待って横溝亜寿香の乳房を両方の掌で?んで揉む。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーぐあーーーーーーーーーーーーーーぐあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は強烈な痛みに喚き続けた。
 それも三十分くらいで治まる。
 赤座元太はこれまでの横溝亜寿香の恥ずかしい録画を部屋の明りを落として部屋の壁に再生し始めた。
 横溝亜寿香は辛い表情でそれを見る。
 「どうだお前の性器がくっきり」
 「いやあーーーーーーーーーーー。自分のお○○こ見たら不幸に成っちゃうのだよ」
 横溝亜寿香は何処かの田舎の迷信を辛そうに言う。
 「もう成っているじゃないか」
 「酷ーーーい。そうだけど」
 横溝亜寿香は充分に噛みしめているがそう言われればさらに辛さが去来する。
 「よーく見てよ。お〇〇この奥。子宮口の周りに粕が付着しているやろ」
 赤座元太はさらに詰って愉しむ。
 画面ではロングスプーンが奥に差しこまれて汚れを掬い取っていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。そんなの採るの。ひどいよーーーーーーーーーーーーー」
 「若い男にも採られたやろ」
 赤座元太は宇治原歳加年が佐野幸春にやらせた辱めを思い出させる。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。もう。もういやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は赤座元太の羞恥心を抉るように逆撫でする言葉にまだ堪えられない。
 赤座元太はそれがあっけらかんと成る前に虐めておきたかったのである。
 「子宮の奥は痛かったな」
 「まだ腰が重いよ」
 横溝亜寿香はさらに辛そうに言う。
 「でも気持ち良く成っただろ」
 「そんなーーーーーー。弄られて辛いだけだよ」
 横溝亜寿香は認める事ができない。
 「凄い逝き顔だったよ」
 赤座元太はとことん嬲りたい。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪えられない。
 赤座元太は今の横溝亜寿香を弄ってさらに愉しみたい。
 続いて横溝亜寿香がマイクロローターで責め続けられ逝き顔を晒しまくる場面に成る。
 「どうや」
 「いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は顔を逸らせて涙を流す。
 「認めろ」
 赤座元太は執拗に追い詰めた。
 「判ったよ。逝っちゃったよ。もうやめてーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は涙を溢れさせる。
 赤座元太の責めもここまでである。
 横溝亜寿香は鞭で叩かれた蚯蚓腫れの痛みと子宮を突かれたダメージで動けないまま堪え続ける時間を過ごした。
 
 一月二十五日。
 長野。山井和徳と亜希江夫妻のビル。
 南郷美涼巡査長は鞭の蚯蚓腫れの痛みに数日藻掻き続けた。
 亜希江は何回も金柑の汁を塗り続ける。
 眠らせ点滴をしながら起きたら金柑を塗って責めた。蚯蚓腫れが引き始めると上から叩く。そこにまた金柑を塗る。
 それが一週間続いた。
 南郷美涼巡査長はそれでもなかなか殺せーーとは叫ばない。
 亜希江はそれを待っている。
 南郷美涼巡査長は恨みを持つ男の方の正体を徐々に感じ取っていた。
 此処を抜け出せるか解放されたら今度こそ捜査に掛かれる。何としても生きて帰りたい。
 だが逃げられるチャンスは全くない。
 既に躰は相当に衰弱していた。
 一人の男は山川達樹に違いない。一度自分が逮捕した。ストーカーという訴えが有ったからである。
 山川達樹は処分保留で釈放された。
 だが後日別の事件で訴えた女の方が詐欺師と判る。それで暫く監視をしていたがそれも解かれた。
 その後行方は判らない。事件で失ったものも多かったようである。南郷美涼巡査長にそれに対しての反省は全くない。
 あくまで女性の訴えを護る立場で動いたとの考えである。
 係長には逮捕は行き過ぎと言われたが南郷美涼巡査長はそう思ってない。
 とにかく今度こそこいつを逮捕して後ろに居る連中を暴き出す事だけを考えていた。
 「まだ音を上げませんね」
 監視役の男は南郷美涼巡査長がなかなかしぶとく亜希江の希望通りに行かないのでそう呟く。
 もう南郷美涼巡査長の躰は鞭の痕が上から重なって無残極まりない。
 「もっと叩くのよ。叩き殺しても良いわ」
 亜希江はとことん滾っている。
 「やりますか」
 亜希江はさらに強い鞭を持ち出す。それは剥き出しのワイヤーがU字に成った物である。
 亜希江はさらに金柑を搾り続けた。
 二人に譲られて山井和徳が最初に構える。
 「あ、あーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長はそのワイヤー剥き出しの鞭を見て叫ぶ。
 山井和徳は構わず振り下ろす。
 乳房の蚯蚓腫れの上から叩いていた。
 「ぐう、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長の表情を破裂させた悲鳴が轟く。
 三人が順番に数回乳房と太腿を叩いて亜希江が金柑の汁を塗る。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は暴れ喚き続けた。
 
 一月二十八日。
 鞭と金柑の責めが三日続いた。
 南郷美涼巡査長は失禁と失神を重ねる。
 眠らせて点滴しては翌日また掛かった。
 山井和徳は女性警察官でなければもう叩けない状況である。だが交通取り締まりで婦警に怒りを強く持っていた。だからそれでも叩き続けられる。
 組織の二人は全く動じてない。
 南郷美涼巡査長の躰は蚯蚓腫れが割れて何か所も血が滲んでいた。
 恨みを持つ男は容赦なくワイヤーの鞭で女の部分の粘膜を叩く。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は藻掻き固定された躰を暴れさせ拷問椅子を揺すって悲鳴を轟かせる。
 同じ女の部分の粘膜を監視役の男が叩く。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ころせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は遂に亜希江の待っていた一言を叫んでしまう。
 生きて帰って山川達樹を逮捕すると心に刻んで堪えていたが遂に痛みの極致に一瞬のブチ切れで叫んでしまった。
 「良いわよ」
 亜希江は簡単に宣告する。
 山井和徳は南郷美涼巡査長を拷問椅子に磔のまま首に縄を巻き付ける。
 三人で拷問椅子に磔のまま一気に引っ張り上げた。
 「ぐ」
 一分で拷問椅子ごと落とす。
 顔をスパンキングで叩いて生きている事を確認する。
 そのままクロロフォルムで眠らせた。
 拷問椅子の磔から剥がす。
 高手小手に縛り直してさらに膝と脚首を両方合わせて縛り合わせる。
 これで暴れる事はできない。
 今度は亜希江が南郷美涼巡査長をスタンガンで起こす。
 「あはーー」
 既に首に縄は掛けて滑車に通してある。
 山井和徳が一気に引っ張った。
 空中に吊るし上がった南郷美涼巡査長の躰を二人の男が左右から竹刀で叩く。
 南郷美涼巡査長の躰は空中で縛った丸太の振り子のように揺れる。
 また一分で床に降ろす。
 縄を緩めて山井和徳がビンタする。
 「ふぁあーー」
 南郷美涼巡査長は目を開いて顔を強く振る。
 「や、やめろーーーーーーーーーーーー」
 南郷美涼巡査長は震えた声で叫ぶ。
 「ご希望通りよ。ちょっと時間が足りなかったけど」
 亜希江は極めて冷静な声でそう言う。
 「やめろーーーーーーーーー。さつじんざいだーーーーーーーーー」
 「ふぁあっふぁっふぁっふぁ。もう何も怖くない。今更。何罪でも死刑だな」
 山井和徳が乾いた哂いでそう言い返した。
 「やめろーーーーーーーーーー。ころすなーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 「警察官でしょう。死ぬ覚悟はできているわね」
 亜希江は当然の如く言う。
 「やめてーーーーーーーーー。ころさないでーーーーーーーーーー」
 山井和徳がもう一度縄を引っ張る。
 「やめてーーーーーーー。たすけ・・・・・・・」
 南郷美涼巡査長の叫びは縄が絞まって消えた。
 躰は床から離れると脚首と膝が縛られているのでまた丸太の様に振れる。
 そのまま動かなくなるまで放置した。
 やがて小水が流れ出し、便がゆったり落ちる。鼻水は垂れ口から涎が落ちた。
 組織の男二人が作業服姿で南郷美涼巡査長を詰めたキャリーバックを段ボールに詰めて運び出す。
 この運送会社を装った車のやや前方を組織の車が走る。前路警戒である。
 もとより検問などのないコースを走っていた。既に組織が確認したデータが存在していたのである。
 防犯カメラも大方避けていた。
 
 同日。二十二時。東京駅。
 如月鬼堂の愛好会主催のツアーが出発した。
 今回女性の数は二十名。裏全裸美人コンテストに出る女性は全員参加する。
 長野、熱海、生駒のファッション喫茶のコンパニオンと福富麻次郎の風俗の女性も混じっていた。
 本多椿らは既に優勝しているのでツアーには参加するがもうコンテストには出場しない。
 なかなか予約の取れない女性が五人入っていて優先順位かつ抽選に当たった会員には嬉しい企画らしい。
 今回もサンライズ瀬戸、出雲の直ぐ後ろを走る。
 岡山まで速度が遅いので無停車で行き岡山でサンライズの切り離し時間に瀬戸を抜く。
 そのまま瀬戸大橋を渡って予讃線から土讃線に入る。
 編成の関係上特急の退避駅が限られていた。客車列車なので2700系気動車より走行速度が遅い。
 琴平で機関車を付け替える。此処までしか電化されてない。
 此処で二つの編成に分割となる。阿波池田、土佐山田、高知で特急を退避して比較的特急の停車駅の多い区間を窪川まで無停車で逃げ切ってしまう。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 長野の夫妻から南郷美涼巡査長の遺体の発送通知と最後の動画が送られた時は川口の会長と葬儀会社の社長だけであった。
 「この婦警の目の動き何か気に成るな」
 「うん」
 葬儀会社の社長も同意する。
 「明日。印刷屋に検討して貰おう」
 「そうだな。だがこれなかなか残酷の極致だぞ」
 「山井亜希江の恐ろしさだな」
 川口の会長も驚愕していた。
 「それともしこの婦警の目つきから過去の逮捕者を洗ったら危険はないかな」
 「無くはない」
 二人は吟醸酒を酌み交わしていた。
 「だがこれを配信しないと面白みはないぞ」
 「まあ。あっちの組織に辿り着くことはないだろう」
 「監視役が来ていたのだから組織は危険を承知してないか」
 「確認しよう」
 闇組織の回答は以下の通りであった。
 『全く問題はない。冤罪班のメンバーは死亡届が出ている。現在は購入した別の戸籍である』
 「それならこのままで捜査をすれば混乱だな」
 「そうだ。だがいつに成ったら公開できるかな」
 川口の会長は山井夫妻が終わるまで公開できないと言う。
 「まだ夫妻の金は続くのか」
 「少なく見積もってもあと二人以上は行けるな」
 「医者が何かやりたくて痺れているぞ」
 「そろそろだな。依頼が来なければ。それと例の三人が仕事を要求している。玉川は動画投稿サイトで稼げているようだが」
 「あんな鉄道おたくの動画が」
 葬儀会社の社長は納得が行かない。
 「廃線に成る寸前に撮ったローカル線の前面展望が物凄い閲覧数らしい。解説までして今や有名人だ」
 「奴ら二人に拉致させるか」
 「明日話し合おう」
 川口の会長は眠って葬儀会社の社長は麓の自社施設に戻った。
 
 一月二十八日。
 如月鬼堂らの愛好会のツアーは岡山駅を六時二十八分に通過した。
 このまま七時二十分くらいに多度津に着く。
 SM嬢、コンパニオン、風俗嬢が指名の部屋を回っている。
 サロンカーには如月鬼堂と杉下一行、福富麻次郎、館山弁護士、本多椿が飲みながら会議を行っていた。
 今夜はこの車両からインターネットアダルト放送が行われる。その打ち合わせを行っていたのである。
 「今日は多度津でこの列車は二つの編成に分割されます。四国を大方一周して多度津に戻るまで分割した二編成で走ります」
 福富麻次郎が如月鬼堂に説明する。だが福富麻次郎は間違えていた。
 土讃線に入る多度津で対向列車と特急をやり過ごすのにかなり停車するが分割は機関車を付け替える琴平である。
 此処で電気機関車がジーゼル機関車に代わる。
 「クルーが乗り込むのは」
 如月鬼堂の確認はインターネットアダルト放送の撮影クルーの事である。
 「岡山で進行方向を変える時です」
 杉下一行が答えた。
 「それまでに岡山に入るのか」
 「その予定です」
 「遅れたら」
 「クルーの方が移動します」
 「ところで今日のテーマはどうされます」
 館山弁護士である。
 「子育て支援と騒がれていますよ」
 本多椿は如月鬼堂の嫌がるネタを突ついてみる。
 「あの番組では触らない事だ。少子化は既にどうにもならない。少子化でも経済が活性化できる政策を考えるべきだ」
 如月鬼堂は政治家ではない。此処だけと言いたいように言ってしまう。
 「少子化でも経済が活性化するにはどうすれば」
 本多椿は使わないネタなのに突っ込んで愉しむ。
 「ロボット化を一気に進めるべきだ。人が農業、工業など労務に従事しないで収入が得られる社会にすべき」
 「できるの」
 「失われた三十年を取り戻してロボット化AI化を本来日本の成長する姿に戻して進めなければ本当に日本の将来はない」
 如月鬼堂はやや怒りを込めていた。
 「まったくです。ここだけの話ですが家族者ばかり優遇社会です。我々には殆ど恩恵がないのに税金を取られ捲りです」
 杉下一行もこの面々の中だけと不満を破裂させた。
 「私も同感です。住民税が一番ばからしいです」
 福富麻次郎も一緒に不満を漏らす。
 「行方不明の蘇我車掌区の車掌と女性警察官は取り上げるしかないですね」
 本多椿は二人が不満を言い終わるのを待って次の件を割り込む。
 「連続拉致強姦事件の犯人らが後ろで係わる事件の可能性が濃厚と軽く断言して終わろう」
 「電気料金の異常な高騰を取り上げますか」
 「そうだな。生活破綻に繋がる緊急事態。緊急事態宣言を出して原発全面再稼働すべきと言うか」
 「その程度は問題ないですね」
 館山弁護士も制御はしない。
 「民放も局によってテレビ太陽など反対を強く唱えるコメンテーターが多いですが。テレビ関東など推進する企画も組んでいます」
 福富麻次郎も賛成する。
 「裏全裸美人コンテストの審査用動画の撮影は終わりましたか」
 如月鬼堂は福富麻次郎に確認した。こっちの制作は福富麻次郎の領分である。
 「あと二人です。熱海店が一名。生駒が一名です。来週中には公開できます」
 「順調だな」
 如月鬼堂は納得する。
 列車が瀬戸大橋を渡って予讃線に入る辺りでサロンカーは朝食バイキングが始まった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 昼近くに全員が集まった。
 宅配便で本日の料理ネタが届く。
 鮪の大トロがしゃぶしゃぶになり松阪牛のシャトーブリアンが鉄板で焼かれる。外が寒くても生ビールが良い。
 川口の会長は次の依頼を受信した。
 女に貢がされ別れ話を切り出された男である。
 別れ話に逆上したらストーカーと警察に相談されてしまった。
 警察から男に厳重勧告が来てしまう。
 それでもまだ資産は残っていた。
 ただ殺すのでは納得できないらしい。
 社会的に葬りたい希望である。
 川口の会長は全員に報告する。
 「どういう女だ」
 医者の男である。
 「インターネット上のフリマをやっている女社長だ。なかなかの美人だぞ」
 川口の会長もやる気満々である。
 「虐め甲斐が有るな」
 「それがな。本人金は出すが手は出したくないらしい」
 「それじゃ俺たちで」
 「それは危険だ。こっちの玩具は金で解決だ」
 「まあ。そうだな」
 「今回は前金二十五万の二人に攫わせてあっちの夫妻に振って一石二鳥と行きたいな」
 「なるほど」
 「二重取りか」
 「そのくらい良かろう。あっちの組織も承知している」
 「この間の婦警と同じような事情だな。同じ奴にやってもらえばどうだ」
 「俺もそう思った。だが仕事は一人一回だけらしい」
 「なるほど」
 「それで東秀夫らにやらせるか」
 「いいや。東秀夫と寺門一は攫うだけだ。サポートは別の二人が来る」
 亜希江は今回からサポートを要求した。
 
 如月鬼堂らのツアー列車は予定通り岡山に着いた。
 此処でもう一度十六両に一本で連結されて小倉方面に向かう。
 インターネットアダルト放送の撮影クルーも乗り込みサロンカーの内一輌がスタジオと成った。
 「本日はツアー列車のサロンカーの車内からです。水着姿のままで進めて参ります」
 メインキャスター役の本多椿の挨拶で始まる。
 「蘇我運輸区の車掌岸本璃紗さんと浦和警察署の南郷美涼巡査長が消息を絶って二週間以上が経ちます」
 高嶋波瑠は薄いローズのビキニに純白のレースのスカートを巻いた姿である。
 「これ迄の連続拉致強姦事件の犯人らかその模倣犯が疑われる事件のような動画の拡散は現在のところ確認されていません。解放される事もなく遺体で発見という最悪の事態にも至っていません」
 岡田有美も薄い紫のビキニに純白のレースのスカートを巻いていた。
 「状況からただの失跡とは考えられません。鬼堂先生如何でしょう」
 本多椿はキャスターらしい純白のスーツ姿である。
 「確かにただの失跡とは考えられません。これ迄動画が拡散されて被害者が解放されずに遺体も発見されない事件は有りました」
 「この二人の事件はどうでしょう」
 「模倣犯が何日も監禁しているか。別の目論見が有ると思えます」
 如月鬼堂はもう少し思うところが有るが確信には触れたくない。やんわり仄めかす発言を行った。
 「電気料金が途轍もなく高騰しています。一般家庭の生活を破綻させるレベルと成ってしまいました。豪雪地帯で払えない家庭が電気を止められると命の危険に曝されます」
 高嶋波瑠は脱ぐ事のできない車内なので脚上げポーズで魅せる。
 「国の補助金対策も焼石に水と成りつつあります。円高とロシアのウクライナ侵攻で高騰した化石燃料でいつまで耐えようと言うのでしょうか」
 岡田有美も綺麗なポーズを見せた。
 「総理は原発を動かす方向に舵を切ろうとの姿勢を仄めかしていますが実現とは距離以上の絶望感すら感じられます。鬼堂先生のご意見は」
 本多椿は報道内容をかなり傾けてから如月鬼堂に振る。
 「私はコロナの緊急事態発令にはかなり非難をしました。ですがこれは緊急事態です」
 既に如月鬼堂は原発の稼働に強く反対を唱えるコメンテーターに強い怒りを持っていた。
 「緊急事態ですか」
 「飛行機が墜落したから飛行機を全部飛ばさない。電車が脱線転覆事故を起こしたから電車を全部運行しないという事はありません。原発を全部止めてしまうのは集団ヒステリーとしか言いようがありません」
 如月鬼堂はさらに強引な発言に出てしまう。
 「一部再起動に漕ぎ着けている原発もあります。原発の稼働している電力会社は割りと値上げ申請をしていません」
 本多椿が割り込んで発言にブレーキを掛ける。
 「この際には緊急事態として原発全面稼働を指示すべきです。災害の規模の問題と言うならば化石燃料による温暖化はもっともっと大きな災害以上です」
 
二月十五日。
 東秀夫と寺門一は廃棄物収集運搬車とスカイポーター車を指示された場所に取りに来た。
 既に瑞浪花那のマンションの管理室は閉まっていた。
 鍵の形式は入手している。その万能キーを持って作業服姿で正面玄関口から入る。
 防犯カメラの位置も情報を得ていた。
 マスクをして目の部分に僅かに変装を凝らしている。
 寺門一はスカイポーター車のゴンドラを瑞浪花那の部屋のベランダに横付けていた。
 東秀夫は鍵穴から寺門一は窓から催涙ガスを流す。
 東秀夫は鍵を開け特注工具でチェーンを切って中に入る。
 新しいチェーンに交換して中から施錠してしまう。
 内側から窓を開けて寺門一を中に入れる。
 催涙ガスで眠っている瑞浪花那を縛ってキャリーバッグに詰めて窓から運び出してしまう。
 空地でキャリーバッグを廃棄物収集運搬車に載せ替えて東秀夫が長野市内の所定の駐車場に置いて来る。
 廃棄物収集運搬車には瑞浪花那の匂いを消す強い匂いの動植物性残さが積まれていた。
 寺門一はスカイポーター車を元の場所に戻す。
 二人は川口の会長に迂回メールで連絡して後金七十五万ずつを入金して貰う。
 フィリピン辺りから指示の来る半グレ組織と違い確実な手法で高額に稼げた。
 半グレ組織は末端を粗末にする。だから何回も行う間に徐々にではあるが確実に捜査は主犯格に行き着くのである。
 
二月十六日。
 組織の派遣員二人はパッカー車から出したキャリーバッグを段ボールに入れて配送伝票を貼って軽トラで山井夫妻のビルに運び込む。
 山井夫妻は既に黒装束に着替えていた。
 二人の派遣員も着替える。
 忍者姿黒装束にサングラスを掛けて瑞浪花那をキャリーバッグから出す。
 「依頼人。どの様に」
 「その前にこっちを見て」
 亜希江は川口の会長の指示文面を見せる。
 「了解です。この内容を盛り込みます」
 「先に細かい要求を片付けてくださる。電気椅子はこっちの追加拷問の後で」
 亜希江はそう要求した。
 二人の忍者姿黒装束は眠っている瑞浪花那の縛りを解いて全裸にする。
 そのまま床に仰向けに寝かせた。
 三本の鉄パイプをコの字に組んで腰を床にボルトで固定する。
 さらに両腕を広げてU字金具六個で二の腕、肘、手首を固定した。
 膝上と脚首にそれぞれ円筒形の金具を填める。
 鎖を膝、脚首の順に鎖を引っ掛けその先端を離れた天井に下がったフックに引っ掛け天井から脚を吊って大股開きにしてしまった。
 「人によってやり方は様々ね」
 亜希江は頑丈に組まれた大股開きに感心している。
 「どうぞ。起こしてください」
 長身の忍者姿黒装束が亜希江らを促す。
 山井和徳が鞭を取り出した。
 瑞浪花那の乳房の横に立って女の部分を狙って叩く。
 強く当たっているがまだ反応しない。
 もう一発力を込めて叩く。
 まだ反応しない。
 中肉中背の忍者姿黒装束が電子鞭を二本取り出して山井夫妻に渡した。
 亜希江は山井和徳を促す。
 山井和徳は考えてからそれを瑞浪花那の美人顔を見て頬に当てる。
 「ぐわーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の躰は反射的に強烈に震撼した。
 顔を強く振って目を開く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。なに。ああ。なによーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は朦朧とした状態から叫ぶ。
 直ぐに忍者姿黒装束に囲まれていると判った。
 「ああ。なに。何で」
 震えた声で叫ぶ。
 「諦めなさい」
 亜希江はつよい口調で宣告する。
 「誰よ!何でよ」
 瑞浪花那はさらに取り乱して叫ぶ。
 「誰、何でには答えられない」
 長身の忍者姿は抑揚のない声で答えた。
 瑞浪花那は正面のカメラに気付く。大股開きで閉じる事もできない。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は喚き散らす。
 組織の二人が両側から女の部分を広げてカメラに翳した。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はさらにパニックに成り喚き散らす。
 中肉中背の男が綿棒の耳かきの部分でピンクの粘膜の粕を採取する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーなにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーー」
 恥ずかしい部分の汚れを黒い板に載せられて撮影されてしまった。もう他人事ではない。自分がいま犠牲者である。
 長身の男がクリトリスを剥く。
 中肉中背の男が横から綿棒の耳かき部分で粕を掬い取る。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はどうでも喚くしかない。
 これが社会に拡散されたら。それ以前に生きて帰してもらえるのか。それも心配に成る。
 もし殺されたらこれまで苦労して作り上げて来た会社はどうなるのか。絶対に諦められない。
 瑞浪花那がいくら喚いても男らは全く動じない。
 「私をどうするのよーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は堪えられず確認する。
 「ニユース見ているでしょう。判らない」
 亜希江は当然のように言う。
 「ころすのーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は堪えられない。言ってしまう。
 「さあ。そこまでは私達には判らないわね」
 亜希江は態とはぐらかす。まだ殺すとは言いたくない。
 瑞浪花那は益々恐怖に溺れて行く。
 山井和徳がバケツに氷水を運んで来た。
 亜希江が浣腸器に吸い上げる。
 「なによーーーーーーーーーそれーーーーーーーーー」
 「見て判らない浣腸よ」
 亜希江は涼しい口調で当たり前のように答えた。
 瑞浪花那は他の犠牲者の動画を一度も見た事はない。
 今の姿で浣腸されたら牛や馬が牛舎などで漏らすように便の出るところまで社会にばら撒かれてしまう。
 絶対に死にたくはない。でも生きて帰っても尋常ではない。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳は容赦なく浣腸器をアナルに差し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那が喚き散らしても冷水は直腸に一気に流れ込んで来る。
 「あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーつめたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに喚き躰を振って暴れる。
 組織の二人が腰を強く押さえた。もとより暴れても腰は動かないように固定されている。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に強烈な痛みが瑞浪花那を襲っていた。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐ、ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を究極に歪めて振って悲鳴を絞り出している。
 山井和徳はゆっくり注入してゆく。
 組織の二人は斜め横から苦しむ瑞浪花那の表情をじっくり見ていた。亜希江は瑞浪花那の頭の後ろから覗き込んでいる。
 「ぐぐ、ぐぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は究極に顔を捻って藻掻き続ける。
 亜希江はアナル栓を手にしていた。
 二百CCだが充分に効果は期待できる。
 注入し終わって山井和徳が浣腸器を抜くと亜希江がアナル栓を渡す。
 だが間に合わない。
 瑞浪花那のアナルから茶色い水が噴き出した。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーー」
 腹の痛みに苦しみ藻掻き続ける瑞浪花那のアナルから徐々に濃いどろどろの便が流れ出す。
 既に中肉中背の男が透明で大きな尿瓶を受けていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 かなりの便が出て冷たい水も出てしまったが瑞浪花那の苦しみは治まらない。
 「ねえ。かなり恥ずかしいのが撮れたわよ」
 亜希江は笑顔で詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は苦しみの上に途轍もない姿を撮られている。うわ言のように喚き続けた。
 中肉中背の男がアナル付近の汚れを微温湯で濡らしたガーゼで拭いている。
 男に股間を拭かれる屈辱もそれどころではない。
 長身の男がクスコをアナルに差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーー」
 長身の男は天井から下がったモニターを指差す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はモニターに拡大された自分の股間に悲鳴を上げる。
 長身の男はクスコの螺子を回して女の奥を広げた。
 中肉中背の男が中をペンライトで照らす。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 モニターには真っ赤な子宮口がくっきりペンライトに照らされている。
 「あーーーーーーーーーーーー。なんでこんな。こんなところを」
 瑞浪花那の躰はぶるぶる震えていた。
 「あはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。はあ。あはあーーーーーーーーーー。はあ。あはあーーーーーーー」
 瑞浪花那は女の奥を曝け出された堪らない恥ずかしさに上擦った息遣いを漏らし続ける。
 「これは何かしら。奥に白い濁った物が」
 亜希江が意地悪く指摘する。
 山井和徳がロングスプーンでそれを掬い取る。
 「いやあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山井和徳はそれを黒いプラ板に載せてカメラに翳す。
 「えあああーーーーーーーーーーーーーー。えああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は狂ったように顔を振って藻掻き喚く。
 「さあ。この後は逝き顔を晒してもらうわね」
 亜希江は瑞浪花那をさらに追い込む目論見を宣告した。
 「・・・・・」
 瑞浪花那はもう言葉も出ないのかサングラスの奥の亜希江を睨み続ける。
 亜希江は小ぶりのローターと尿道バイブ、そしてリモコンから伸びたアームの先にマイクロローターの付いたアイテムを出す。
 山井和徳に小ぶりのローターを渡してクリトリスを指差した。
 「貴方は奥の泣き所ね」
 背の高い男にマイクロロータを渡してそう言う。
 「貴方は尿道責め」
 中肉中背の男に尿道バイブを渡した。
 「えーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は尿道バイブという知らない恐ろしそうな名称を聞いて慄く。いったい何をされるのか恐ろしい事である。
 まずは山井和徳が瑞浪花那のクリトリスを剥いて小ぶりのローターを当てる。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、うふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて背の高い男がクスコの向きを横にして膣の奥、娼婦の泣き所に柄の先に付いたマイクロロータを当てる。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。そこはだめーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の表情は一気に破裂して顔を捩って藻掻き叫ぶ。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日はおでんに日本酒で暖まりながら飲んでいた。外は晴れているが寒いらしく空気は綺麗に澄んでいる。
 「今度は要求通りだな」
 印刷会社の社長である。
 亜希江らから送られて来ている動画を編集していた。
 「ちゃんと意識のあるところで辱め部分を撮ってくれているか」
 「女は狂ったように喚き続けていますよ」
 「それは良い。この一本は先に公開するからな」
 川口の会長も状況は気に成っている。
 「依頼人はこの女社長の会社を潰したいのだな」
 「そうだ。貢がされた金を会社の資本金にされて出資者のまま別れを宣告された。出資金は帰さない。配当などない上場しない会社だ」
 「金を取り戻せないなら潰すか。御尤もだな」
 葬儀会社の社長も同意する。
 「当の本人はアリバイ作りにグループで海外旅行か。念が行っているな」
 医者の男である。
 「アリバイを作らなくてもこの犯罪で疑いの対象にさえ成らないがな」
 川口の会長もさすがにその用心は不要との見解である。
 「そうだな。忍者姿黒装束と言っても依頼人の体型とはどれも一致しない」
 印刷会社の社長も保証する。
 「この女社長が帰らなければ会社は潰れるか」
 「多分。この女一人の力量で切り開いたワンマン経営だ。長くは持つまい」
 「別勘定で潰してやる手も有るけどな」
 六人は欲求不満が癒されて満足そうである。
 
 熱海。如月鬼堂のファッション喫茶である。
 裏全裸美人コンテストのリハーサルが行われていた。
 日曜日の本番に合わせて審査用の動画は海外サイトにアップされている。
 審査会場では性器を見せない範囲で本番ステージが行われる手筈である。
 風俗嬢と雖も大勢の見る前で全裸は行ってない。ぶっつけ本番とは行かない。
 リハーサルなので如月鬼堂は来てない。
 福富麻次郎と杉下一行、そして店長の荒井枝理だけで進めていた。
 客席は店の女の子とボーイ、そして金持ちで暇を持て余している会員が昼間から飲んでいるだけである。
 女の子は全員小さな局部を隠すだけのスキャンティ一枚で躰を隅々まで披露する。
 当日の司会は本多椿だが本日は店長の荒井枝理が代行していた。
 正面の客席に固めて三十人くらいの見物人しか居ない。それでも女性たちの動きは固い。
 一部の会員はそのリハーサルを聞きつけて女の子のぎこちなく脱ぐ姿を愉しんでいた。
 
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 三つの責めで散々逝き顔を晒してしまった瑞浪花那は中肉中背の男が尿道バイブを抜いた瞬間に失禁尿を漏らしてしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「素晴らしい場面が撮れたわね」
 亜希江は覆面の下でにんまり悦ぶ。
 「あ、あああーーーーーーーーーーーーーん。あはあん。ああん。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 瑞浪花那の荒い息遣いはなかなか治まらない。
 「ねえ。貴女。尿道で気持ち良くなったのよ。分かる」
 亜希江はさらに瑞浪花那を詰る。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーー。こんな姿にして弄り回してだれだっておかしくなるよーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の顔は激しく紅潮して堪らず言い返した。
 「どうでもあんたの躰から潮が噴き上げたよ。そして動画に収まった。見る人がどう受け取るかだ。尿道で逝ってしまった顔は良かったな」
 中肉中背の男の方が詰る。
 「いま別の所で編集している。一発目は明日にでも公開される」
 長身の男は相変わらず淡々としゃべる。
 「・・・・・」
 瑞浪花那は絶望に言葉も出ない。他の場所に渡って編集されているならば止める事さえ不可能である。
 こんなものが拡散されたらいくら被害者と訴えても同情されてもどうにもならない。
 それでも瑞浪花那は自分が築いた会社は護りたい。
 「何であなた方は私にこんな酷い事をするの。何の目的なの。何の意味が有るのよ」
 瑞浪花那はヒステリックに捲し立てた。
 「だから「何で」には答えられない。誰でも良いのだよ。依頼人と共に社会に復讐している」
 長身の男はまた抑揚のない声で答える。
 「依頼人?依頼人は誰よ」
 瑞浪花那はその言葉に反応した。
 「私達」
 亜希江はきっぱりと答える。
 「何で依頼するの」
 「遊び。憂さ晴らし」
 亜希江は馬鹿にしたように宣言する。だが社会への復讐とは言わなかった。
 川口の会長でさえ亜希江らのエスカレートした遊びには驚愕している。
 自分らの事は棚の上に避けてその邪悪な心に理解不能との評価であった。
 「まだ条件に輪姦すのが残っているけど明日にしましょう」
 「そうですね。一度この女の興奮度を冷ましてから掛かりましょう」
 中肉中背の男が瑞浪花那に麻酔を注射して眠らせる。点滴をセットして本日は終了である。
 亜希江は二人に食事を振舞った。
 
 翌朝。二月十八日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 朝一番に杉下一行からメールで動画が届いていた。
 如月鬼堂は起きて急いでシャワーを使って口を洗う。
 朝食に生ラーメンを作って動画とテレビ会議に掛かる。
 「この女は」
 「インターネット内でフリマを開催している女社長です」
 館山弁護士が答えた。
 「四人黒装束が居るがこれまでとは別の人間だな」
 長野の山荘の面々は全員死んでいる。それ以前の忍者姿黒装束と比べていた。
 「そのようです」
 杉下一行も同意する。
 画面では三人の男が順番に瑞浪花那を輪姦していた。
 「一人は女だな。動きから若くはない」
 如月鬼堂の分析である。
 「依頼者はこの女なのですね。字幕で『私達』と出ていました」
 瑞浪花那の声以外は消して字幕と成っていた。
 「しかし『遊び。憂さ晴らし』とは」
 館山弁護士はその字幕に呆れている。
 「異常に恐ろしい女かもしれんな」
 如月鬼堂は種類の違う犯行と見ていた。
 「するとこれは模倣犯ですかね」
 館山弁護士である。
 「いや先生。違うよ。依頼人と言っている。あの連中を通して依頼した組織の派遣員だ」
 如月鬼堂はあくまで連続拉致強姦事件の犯人らの介在した事件と決めつけた。
 「行方不明の二人はどうなったのでしょう」
 館山弁護士は瑞浪花那だけが公開された不可解を言っている。
 「確かに不可解だ」
 如月鬼堂もそれは引っかかっていた。
 画面は山井和徳から始まった三人目となる中肉中背の男の強姦が終わって瑞浪花那の膣を洗っている。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 瑞浪花那は強姦されている間ずっと叫び続けていたが今は荒い息遣いが徐々に治まりつつあった。
 瑞浪花那の躰は崩壊したように拷問椅子に沈んでいる。
 
 時間軸は一日戻る。二月十七日。
 山井和徳と亜希江夫妻の長野市内の空きビルである。
 亜希江は輪姦すのが終わって瑞浪花那を眠らせて点滴をセットした。
 そのまま昼食に掛かる。
 「生意気な女よ。狂う寸前まで恐怖を味合わせましょう」
 「蛇で行きますか」
 「ええ。鞭で蚯蚓腫れにして金柑の汁を塗って虫と蛇」
 亜希江はさらに追加する。
 「依頼人その後は」
 「今回は電気椅子で徐々に殺しましょう」
 亜希江の異常な加虐心はさらに滾っていた。
 
 昼食が終わって暫くの休憩の後。
 瑞浪花那の点滴が外されて鞭が用意された。
 先端の細長い一本鞭とワイヤーでできたバラ鞭である。
 組織の二人もそれを見てやや慄く。
 「この鞭で叩いて起こして蚯蚓腫れだらけにして」
 亜希江は年配女性の強い口調で要求する。
 「畏まりました」
 長身の男が了解した。
 長身の男は革の一本鞭を取ろうとするが亜希江はそれを制してワイヤーのバラ鞭を持たせる。
 「それでこの真っ白いおっぱいを蚯蚓腫れにして」
 亜希江の要求は強い命令口調である。
 長身の男はワイヤーのバラ鞭を瑞浪花那の乳房を横から二つ並べて叩く。
 「うご、うう、ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の躰は急激に迫り上がって固まる。そのまま震撼させて暴れ唸り声を絞りだす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は強烈な痛みに藻掻き続ける。
 「ぐわはーーーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 瑞浪花那の藻掻く姿はなかなか治まらない。
 「もう一発」
 亜希江は容赦なく要求する。
 「は、はい」
 長身の男はややたじろぐ。
 瑞浪花那の乳房は蚯蚓腫れが数本奔ってそれが深紅に浮いて来ていた。
 鞭の先端が当たった左の乳房は痕が集中している。
 中肉中背の男の男が鞭を引き取った。そして構える。
 「あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はそれを見て泣き声混じりに叫ぶ。
 中肉中背の男は容赦なく右の乳房に叩きつけた。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の躰は拷問椅子から浮き強烈に震撼する。
 「うぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は顔を振って涙を飛ばし痛みに藻掻き続けた。
 「太腿も蚯蚓腫れにして」
 亜希江はたて続けに要求する。
 横から山井和徳が鞭を受取って構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また瑞浪花那の泣き悲鳴が轟く。
 山井和徳も加虐心が滾っている。容赦なく艶めかしい左の太腿に正面から叩きつけた。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の躰は瞬間固まる。そして痛みに全身が震撼する。首を強く捻り顔を軋ませて悲鳴を絞りだした。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那から涙が溢れ出る。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああん。ああ。ああ。はあ。はあ」
 瑞浪花那は涙をぽろぽろ溢して藻掻き続けた。
 亜希江は右の太腿を指さす。
 山井和徳は鞭を長身の男に渡した。
 長身の男は瑞浪花那の右側に回る。
 大股開きに成った右の太腿を縦にほぼ太腿全体を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はぶるぶる躰を震えさせ藻掻きながら悲鳴を絞り出す。
 「あはあーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はさらに涙を溢れさせ痛みに震え続けた。
 亜希江はまた金柑を幾つも搾る。鞭の痛みの上にこの苦しみを愉しもうと言うのである。
 瑞浪花那に微塵の同情もない。
 「さあ。これをこの女の蚯蚓腫れに塗りたくってもっと藻掻くのを愉しむのよ。若くして女社長たっぷり虐めましょう」
 亜希江は三人に小さいグラスに入れた金柑の汁を配る。
 瑞浪花那にもそれが柑橘類の汁と判った。
 唇をぶるぶる震えさせ恐怖に慄いている。これを塗られたらとても耐えられない。
 中肉中背の男が最初に手に付けた金柑の汁を瑞浪花那の左の乳房を掴んで擦り付ける。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふううーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふううーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は躰を強い力で硬く揺すって藻掻く。
 それを暫く鑑賞する。
 強烈な痛みは十数秒で引く。暫く沁みるが堪えられなくはない。
 「次」
 亜希江が強い口調で促す。
 「ひええーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はまた泣叫ぶ。
 山井和徳が右の乳房を掴む。そして捻るように回して塗りつける。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの様に瑞浪花那の絞りだす悲鳴は続いた。
 亜希江はそれをじっくり鑑賞している。
 そして長身の男の方を見た。
 サングラスに隠れた視線でもやれと言う意志は伝わる。
 組織の男でもさすがにたじろぐ。それを一呼吸押さえて両手に塗る。
 そのまま両方の太腿を掴んでその掌で蚯蚓腫れに成った部分をなぞるようにスライドさせた。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーーーーーーー。うぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の破裂してひっしゃげた顔から涙が溢れ落ちる。次の瞬間失禁してしまった。
 組織の二人が床を掃除して瑞浪花那の股間を拭く。
 暫くコーヒーを入れて休憩した。
 
 二月十八日。如月鬼堂の居間である。
 「動画はこれで終わっていますが続きが有りそうですね」
 杉下一行は不自然な終わり方と言う。
 「まだ瑞浪花那は解放されませんし遺体も出ていません」
 館山弁護士もさらに懐疑になる。
 「かなり残酷だ。五十代から六十代の女性と思しきが指示をしている。目的動機が全く読めないな」
 如月鬼堂も全景が読めない。
 そしてそのままインターネットアダルト放送のスタジオに向かった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 天気はこの先崩れる予報だったがまだ外は澄み切って晴れていた。
 今日は寿司の桶を出前で取って刺身と日本酒をコップ酒である。
 「途中までしか公開しないのだな」
 「一部公開と話してある」
 川口の会長は瑞浪花那を社会的に葬れば依頼人の目的は達成されると考えていた。
 「あれで会社は潰れるか」
 葬儀会社の社長である。
 「潰れなければ瑞浪花那の小切手を自宅の所持品から回収させている」
 「前金二十五後金七十五の二人にか」
 「そうだ」
 「それを流したら跡が付くだろう」
 「幾つかの金融会社が倒産して夜逃げする。どうせトンネル会社だ」
 「マネーロンダリングの闇システムを運用する組織経由か」
 「そうだ一銭にも成らなくて手数料は高い。それが必要に成れば依頼人に全部請求する」
 「どうせこの会社の口座にあり得ない金額を回すのだな」
 「そうだ。だから二枚続けて不渡りに成る」
 「そういう事か」
 「しかしあの小母さん徹底的に残酷だな」
 「若い美人で生意気な女が嫌いらしい」
 「俺も嫌いだが」
 「まあ。高みの見物をしよう」
 「もう直。遺体は回収される。日曜日には綺麗に処分されてガスと堆肥になってしまう」
 川口の会長は哂っていた。
 
 二月十九日。
 熱海。如月鬼堂が経営するファッション喫茶である。
 如月鬼堂はインターネットアダルト放送の翌朝東京のホテルから本多椿らと一緒に熱海に入った。
 裏全裸美人コンテストの当日である。
 店長の荒井枝理は初回の優勝者だがその時点とは賞金の額が莫大に膨れ上がっていた。
 四年前とは会員数が五十倍以上に増えたからである。
 本日の出演者は十名。如月鬼堂のSM系AVの出演者から五名。
 ファッション喫茶のコンパニオンから三名。福富麻次郎の風俗チェーンから二名である。
 特別審査員は九名。
 如月鬼堂、館山弁護士、福富麻次郎、大河内税理士、杉下一行、珠洲、瀬里菜、雨倉編集長、そして店長の荒井枝理である。
 順番に脱ぐところから始まり縛りの姿を披露する。本人が演出したい縛り方を選べる。縛るのは杉下一行である。
 如月鬼堂らの直ぐ後に館山弁護士が着いた。
 「今回の被害者瑞浪花那は自宅から攫われています。会社の従業員は自宅に帰ったと証言しています」
 「警察は瑞浪花那の自宅を捜査したのだな」
 「そうです。何も壊されてないし全く痕跡は有りません。南郷美涼巡査長のケースと同じです」
 「連続強盗事件の実行犯とは大違いだな」
 「指導する側が使い捨てとは考えてないのですね」
 「使い捨ては使い捨てだろ。ただ指導レベルが雲梯に違うだけだ」
 「昨夜の放送は随分分析されましたね」
 「テレビ太陽で元警察官のコメンテーターも同じような解説だったが」
 「そうですね」
 「とにかく今回は何もかも不可解過ぎる。あの年配女性が依頼人は自分と言ってかなり残酷な拷問を指示していた。そこが最大の謎だ」
 「前の二人もこの連中ですかね」
 「今回の動画は海外のアダルト系動画配信サイトの複数にアップされて拡散されたようです。数時間で削除されたようですが」
 「うーん。早急に削除が好ましいな」
 「それとこの瑞浪花那という女社長。一人の男性をストーカーで警察に告発しています。本人は仲間と海外に旅行中でしたが」
 「そいつがあの連中に依頼したとか」
 「可能性は低いですが」
 「だが。あの年配女性共々組織の人間とも考えられる。今回全員の体型に著しく特徴がある」
 如月鬼堂は依頼人を隠す意図があるかもしれないと言いたい。
 「その男に合う体型は居ないようです。そして瑞浪花那が拉致されたと思われる十六日より一週間前から日本を出ていました」
 「うーん。可能性は有るが警察はそれだけじゃ逮捕はできまい。この事件には動機も小さいな」
 「しかし福岡では殺しています」
 「違うよ。単純に激情して殺す奴なら海外に居て多額の金を使って依頼まではしない。そこまでする動機には小さい」
 「確かにあの連中に依頼するには数千万は使っていますね」
 「それに総てのストーカーが殺人に至るとは限らない」
 「そうなるとこの動機は何でしょうね」
 「前に行方不明の二人が明らかに成らないとな」
 如月鬼堂は三つが関連した事件と見ていた。
 
 和歌山。岬ビューホテル。
 この週も会員を集めたイベントが行われている。
 会員投票で続けて今回も横溝亜寿香が生贄にされていた。
 聞いた瞬間横溝亜寿香はかなり動揺したが金を稼いでおくしかない。そんなに何回もショーは回って来ない。
 唯々諾々承諾してしまう。
 昨夜は下痢が止まらなかった。
 横溝亜寿香は今日も震えながら肌襦袢にその下は腰巻一枚の姿で宴会場に入って来る。
 硬い表情である。そして微妙に震えが分かる。
 ターンテーブルの上に産婦人科診察台が置かれていた。
 弘枝や宇治原歳加年は今回前に出ない。
 特別リクエストを出して追加負担をしたのは隅田会系大船一家の木村草太若頭補佐である。
 宴席では木村金融を名乗っていた。
 その席には香乃子が付いている。
 横溝亜寿香は香乃子が弘江の代わりと思った。
 木村草太若頭補佐は横溝亜寿香がターンテーブルの上に乗ると昔の待合で仲居を呼ぶように手を叩く。
 若いイケメン男が一人入って来た。
 横溝亜寿香は何となく見た気がして嫌な予感がする。
 「今日のアルバイト高田淳乃くんです。亜寿香嬢をたっぷり辱めて姦女真紅に染めて貰います」
 (注:昔からある言葉は姦娘真紅です)
 木村草太若頭補佐は良く通る声で紹介した。
 横溝亜寿香は名前を聞いて直ぐに分かってしまう。特急電車で時々見るJRの車掌である。
 イケメンだから覚えている。ネームプレートもつい態々確認までしてしまっていた。
 態々意地悪くこんな奴を連れて来てと思う。意地悪に念が入っている。
 「高田くん。彼女をマッパにしてこの診察台に縛り付けて」
 既に木村草太若頭補佐は香乃子をモデルに予行演習を行っていた。
 高田淳乃は木村草太若頭補佐をやくざとは知らない。闇金の社長とは聞いていた。
 JR西日本の車掌である木村草太若頭補佐がやくざと判ればさすがにアルバイトはできない。
 木村草太若頭補佐の経営するのは闇金だけではない。キャバクラもピンサロも経営している。
 それも自ら陣頭指揮をする訳ではない。若頭補佐と言っても隅田会の二次組織の会長である。
 金融は杉本金融というレディースローン親会社で融資が通らなかった女性に風俗業で働く条件でバンスを肩代わりする。
 仕事の斡旋は隅田会の別の組の配下が行う。
 香乃子はそんな中でこの旅館に斡旋させられた。木村草太若頭補佐とは少なからぬ繋がりがある。
 高田淳乃は横溝亜寿香の肌襦袢を脱がして腰巻一枚にした。横溝亜寿香の色白で肌理細かい乳房が露わに成る。
 高田淳乃は横溝亜寿香の躰に生唾を覚えた。
 腰巻の紐も解く。
 腰の形は実に綺麗である。
 「高手小手だ。教えた通りに」
 木村草太若頭補佐が指示する。
 高田淳乃は横溝亜寿香の肩を押し下げて膝を着かせて手を後ろに回して縛り始める。
 何回か香乃子の躰で練習した。時間は掛かるがそれなりに縛れる。
 「今度の事件。昨夜のインタネットの放送で如月鬼堂もあの女社長の拉致拷問事件には解らない点が多いと言っていたな」
 青木学は縛りの間に岡田弥一郎に話し掛ける。
 「確かに如月鬼堂でなくても以前に行方不明の二人も限りなくあの手の拉致拷問事件だし。あの途中切れの動画も不自然だ」
 岡田弥一郎も確り動画を見ていた。
 「あっちから何か聞けないのか」
 「無理だよ。危険極まりない」
 「そうか。あの処分はして貰ったが余計な事は関わらないか」
 「そうだよ」
 岡田弥一郎は異常に恐れていた。
 高田淳乃は横溝亜寿香の躰を高手小手に縛り終えて産婦人科診察台に寝かせる。続いて膝から脚首に縄を掛けた。
 天井から円盤が下がっていてその円盤にフックが三本下がっている。そのフックに通して引っ張り上げた。
 もう片脚も同じように縛って吊るし上げる。
 天上の円盤はターンテーブルと同期をとって回転する仕組みである。
 横溝亜寿香の下半身はX字開脚にされてしまった。
 ターンテーブルは回り始める。横溝亜寿香の恥ずかしい部分は全部丸出しで客席を向けて回っていた。
 横溝亜寿香にはいま横に居る若い男が一番恥ずかしい。
 前回居た客と今回初めての客が半々くらいである。SMスーパーコンパニオンの顔ぶれは全く変わらない。
 客はもうそれほど気に成らない。次にいやなのは同僚の女性である。
 「高田くん。彼女のお○○こをよく見ながらお客さんの方に広げて見せて」
 木村草太若頭補佐の言葉は横溝亜寿香の神経に刺さる。態々若いイケメンによく見て広げろが堪らない。
 「薄橙の内側を開いたらさらに膣の入口に両手の指を入れて強く広げて」
 木村草太若頭補佐はさらなる辱めを指示する。
 カテーテルタイプのカメラがアームと一緒に降りて来た。
 青木学がパソコンの画面を見ながら角度を調節する。カメラ自体が光を放って高田淳乃の指で広げている膣口がやや奥まで見えた。
 それが宴会場の四枚の大型モニターに拡大反映される。
 まだ子宮口までは光が届かない。
 「さあ。その女の膣の入口が淵に成った内側を指でゆっくり弄って行って」
 高田淳乃はその通りに広げた膣口の深い縦穴の淵の様な部分をじっくりまさぐる。
 「う、・・・・・・・う、・・・・・」
 横溝亜寿香は表情を歪めて声を抑える。
 木村草太若頭補佐はスポイトでローションを局部に垂らす。
 高田淳乃はそれを指先で塗るように伸ばして膣口を弄る。
 「あーーーーーーーーーー。ああ。あはあーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は早くも恥ずかしい声を漏らしてしまう。
 高田淳乃はさらに気持ちを込めて弄る。申し分のないくらい綺麗な女の部分である。
 アルバイト料を貰って弄れる。かなりの役得である。特急列車の中で何回か見かけた。
 美形なので二回見れば覚えてしまう。若い頃はそうである。木村草太若頭補佐くらいに成ると列車で見たくらいでは覚えない。
 高田淳乃は横溝亜寿香の柔肌の感触を味わいながらじっくり弄り続ける。
 「あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。あはあーーーーーーーーーー」
 もう少し風俗で客の弄りになれれば声は抑えられる。
 横溝亜寿香はまだ経験が浅いのである。
 見ている香乃子は横溝亜寿香に今が一番辛いと分かっている。もう少し堪えれば楽に成る。
 だが客のあしらいに慣れてしまうと年配のマニアには詰まらない。
 客には今の横溝亜寿香は実に美味しいSMスーパーコンパニオンである。
 木村草太若頭補佐は高田淳乃の前にクスコを差し出す。
 「それで姉ちゃんのお○○この奥を広げてやって」
 そう指示して高田淳乃の持ったクスコにローションを掛ける。
 高田淳乃はそのクスコを今まで弄っていた膣口に挿入してゆく。さすがに優しく丁寧に入れる。
 カメラは局部だけをアップにしていた。
 既に一度この宴会場でやられたとは言え堪らなく恥かしい。
 それでも横溝亜寿香は一瞬モニターを確認して目を瞑ってしまう。恥ずかしさにくらくらしていた。
 カメラは角度を変えて横溝亜寿香の女の奥の広がりを見せて行く。
 入口からカメラを当てただけでは正面しか映らない。
 奥はもっと広いのである。奥に子宮口が見えるが角度を変えればその周りの生々しさも映る。
 「ねえちゃん。モニター見ろ。お前の一番恥ずかしい部分の奥が鮮明に見えるぞ」
 木村草太若頭補佐は横溝亜寿香がまだ新人で堪えられないと分かって言葉を極めて詰る。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香は何も答えられない。目を開けられない。顔は真っ赤に紅潮していた。
 「そら目を開けてみろ。どんな物が映っているか」
 木村草太若頭補佐はさらに追い詰める。
 「いや」
 横溝亜寿香は目をきつく瞑って首を振ってしまう。
 「高田くん。ねえちゃん。よくお○○この中洗って来たようだけど。よく掬ったら何かは取れる」
 木村草太若頭補佐はそう言ってロングスプーンを渡す。
 「はい」
 「モニター見ながらじっくり取り出して」
 「・・・・・」
 横溝亜寿香は堪らない恥ずかしさに縮み上がった。
 高田淳乃は横溝亜寿香の膣の奥に子宮口が盛り上がった周りの窪みを抉るようにロングスプーンの先端を回す。
 「いやあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は女の奥を弄られる感触に悲鳴を漏らしてしまう。
 木村草太若頭補佐が黒いプラスチックの板を差し出した。
 高田淳乃はロングスプーンに掬った僅かな滑りをそこに落とす。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪らない屈辱に躰を揺すって首を振って声を漏らしてしまう。
 「じっくり濡らしてやろうや」
 木村草太若頭補佐はクリトリスに掛けるカバーの様な物を取り出す。
 細い二本線でリモコンから繋がっていてカバーの奥にかなり小さなマイクロローターが仕込まれていた。
 香乃子が横に来て横溝亜寿香のクリトリスを剥いて被せる。そしてリモコンのスイッチを入れてしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。あっふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あっふぁああーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香には耐えられない刺激である。
 木村草太若頭補佐は高田淳乃に先がぼさぼさに広がった筆を渡す。
 「高田くんそれでクスコの奥をじっくり撫でて。濡れを引き出してや」
 高田淳乃は躰を低くして下からその筆をクスコの奥に突っ込む。中は見えないのでゆっくり回す。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香からサイレンの様に甲高い悲鳴が上がる。
 高田淳乃はそれを愉しみながらじっくり回す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は微妙に震撼して股間は痙攣していた。そして表情は崩れ切っている。
 高田淳乃は面白いように回す。
 「ああーーーふぁあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。あっふぁあーーーーーーーーーーーーああ」
 横溝亜寿香の躰は藻掻き震撼し続けていた。
 木村草太若頭補佐は鞭の準備をしている。
 青木学が木村草太若頭補佐の要求で準備したドリルバイブを持って来てワゴンの上に置く。
 「いやあーーーーーーーーーん。あーーふぁあーーーーーーーーーー。ああ。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は真っ赤な表情を逸らせて藻掻き続けていた。
 「あーーーーーーーーーふぁああーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁尿がクスコに鋏まれた尿道口から噴き上げてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 香乃子は横溝亜寿香のX字開脚にされた太腿の向こう側でクリトリスに被せたカバーの中のマイクロローターを操作している。
 ミニスカートで片膝を着いて僅かにスカートの奥の真っ赤なショーツを覗かせていた。
 香乃子も会員の指名を多くとりたい。
 見える事を計算してサービスである。
 高田淳乃は横溝亜寿香が漏らしたのでさらに熱くなって責め続けていた。
 「あっふぁああーーーーーーーー。あっふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あっふふああーーーーーーーーーー。ああ」
 横溝亜寿香はさらに藻掻き続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また失禁尿を噴き上げてしまう。
 「そろそろ中も良い頃だろう」
 高田淳乃は筆を抜き取る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 膣の中の濡れが流れ落ちた。
 木村草太若頭補佐がスポイトで膣の中の濡れを吸い取る。それをグラスに流した。
 青木学が取りに来てカメラに翳してからオークションに掛ける。
 「あんたそのまま責めて」
 木村草太若頭補佐は香乃子にそう言ってクスコを抜き取ってしまう。ぬめりが付着していた。
 これもカメラに翳す。
 青木学が引き取ってこっちもそのままオークションに掛ける。
 木村草太若頭補佐はドリルバイブにローションを塗って横溝亜寿香に挿入してしまう。
 そのまま高田淳乃に顔で合図して渡す。
 高田淳乃は直ぐにスイッチを入れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な刺激に横溝亜寿香の表情は一気に破裂した。
 既に緩く成っていた膣から液が飛び散る。
 高田淳乃はさらに興奮度が上がってしまった。
 横溝亜寿香が藻掻き押し出そうとするのを確り押さえて責め続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーだめーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさっきよりさらに強く藻掻いていた。
 木村草太若頭補佐は横溝亜寿香が逝ってしまう寸前の瞬間を待って鞭を構えている。
 香乃子はクリトリスのカバーを確り押さえて責め続けていた。
 当初回転だけだったドリルバイブは回転しながら振動とピストン運動をする。強烈な刺激である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰はさらに震撼して藻掻く。膣付近は痙攣していた。
 木村草太若頭補佐はターンテーブルの外に立って構えている。
 横溝亜寿香の乳房が木村草太若頭補佐の真横を向いた時に並んだ乳房に一発叩きつけた。
 「あふあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は固まって強く破裂するように震撼する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に藻掻く。
 香乃子と高田淳乃はさらに責め続けていた。
 木村草太若頭補佐は横溝亜寿香の高まりがもう一度来たところでさらに一発お見舞いする。
 「あふぁああっふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は迫り上がって固まって診察台に沈む。そのまま白目を剥いてしまった。
 此処で休憩が入る。
 会員らは失神して白目を剥いた躯姿の横溝亜寿香の躰をじっくり見て行く。
 「裏のAV配信。何かまだ足りない。もっと出て来ないものかな」
 青木学は中途半端に公開された瑞浪花那の動画に物足りなさを感じていた。まだ先が有ると期待している。
 「あれは瑞浪花那の会社を潰す目的じゃないのか」
 岡田弥一郎は連続拉致強姦事件の犯人らの関連ではないと考えていた。
 「それで殺すまではやらず拉致したまま会社の倒産を待つか」
 青木学もその線も有りと思う。
 「既に倒産じゃないか」
 岡田弥一郎は総て終わったという。
 「しかしライバル会社は無いよ」
 「会場や空き地でのフリマをやっている会社は有る。フリマでなくても中古販売の手数料で儲ける会社もある」
 「瑞浪花那の会社を潰して利する会社が有るかな」
 青木学は今一疑問である。
 「殺してあっちに遺体処分を頼んだのなら殺す場面も公開した方が良いはずだと思う」
 「それはそうだが。何か不完全燃焼だな」
 青木学はもっとハードな事に期待している。
 木村草太若頭補佐は蛇と蚯蚓を準備していた。
 横溝亜寿香の膣にはクスコが入ったままである。
 木村草太若頭補佐は高田淳乃の前に蚯蚓の入ったボウルとピンセットを二本差し出す。
 「高田くん。蚯蚓二匹姉ちゃんの〇〇こに入れてやれ」
 高田淳乃は二本のピンセットで蚯蚓を掴み取る。そして器用にクスコの中に流し込んだ。
 横溝亜寿香はまだ失神したままである。
 木村草太若頭補佐は次に小さな開口器を渡す。
 「それで姉ちゃんの尿道開いて」
 高田淳乃は小さな開口器を受取って横溝亜寿香の膣を広げたクスコの金属の嘴の谷間に挟まれている尿道口に差し込む。
 「う、ううーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は意識を戻して強烈に叫ぶ。
 木村草太若頭補佐はボウルに残った蚯蚓を指さす。
 高田淳乃はそれをピンセット二本で抓んで尿道口を広げた小さなクスコに押し込む。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は堪らない不快感に泣き叫ぶ。
 「こっちを見ろ」
 木村草太若頭補佐は蛇の入った水槽を指さす。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに強烈に叫ぶ。
 躰は恐怖にぶるぶる震えていた。
 「姉ちゃんの○○この中にも一匹入っているぞ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は半狂乱に成って叫ぶ。
 木村草太若頭補佐は膣の蚯蚓をピンセットで取り出して翳す。
 「安心しろ蚯蚓だ」
 「それでもだめーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまだ半狂乱に叫び続けた。
 木村草太若頭補佐はもう一匹の蚯蚓も膣から取り出して高田淳乃に合図する。
 高田淳乃はそれを受けて尿道に途中まで差し込んであった蚯蚓を抜き取ってしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああ。あ、ああーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ」
 横溝亜寿香は究極に表情を崩して涙をぽろぽろ溢す。
 「ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の躰はまだ震えていた。
 「高田くんもういいよ。後ろで見ていろ」
 木村草太若頭補佐はそう言って香乃子を呼ぶ。
 そして尿道カテーテルを滅菌梱包から取り出す。
 香乃子にそれを持たせて腰をバスタオルで隠そうとする。
 「いいです」
 香乃子はそのままスカートを抜いてショーツも降ろしてしまう。
 木村草太若頭補佐はカテーテルの中程を香乃子に持たせる。
 「そこを強く抓んでいろ」
 そう言って香乃子の尿道に差し込む。
 「姉ちゃん。○○この中と尿道洗ってやるよ」
 そう言って香乃子に横溝亜寿香の膣に刺さったクスコを指さす。
 「うん」
 香乃子はにんまり頷く。
 「良いか半分だけ出せ」
 「いやあーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーー」
 香乃子の小水はカテーテルを通して横溝亜寿香の膣に流し込まれた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまた半狂乱に成る。
 木村草太若頭補佐が途中で制してカテーテルを抓む。そのまま横溝亜寿香の尿道を広げた小さな開口器に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その間に青木学はターンテーブルの横溝亜寿香の股間の下とターンテーブルの外周に吸収シートを敷いて行く。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。こんなんきいてないよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は完全にブチ切れていた。
 香乃子は出し終わってカテーテルを抜く。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーーー。こんなことまでするかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は怒りを破裂させる。
 木村草太若頭補佐は横溝亜寿香をビンタした。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして尿道の開口器を抜きクスコを抜き取る。
 ターンテーブルが回りながら横溝亜寿香は膀胱に流れ込んだ香乃子の尿をまき散らす。
 放尿シーンに満場の拍手が沸く。
 「あはあ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 横溝亜寿香は堪らない屈辱と他人の尿が躰に入った恐怖に震え藻掻き続けた。
 「後は鞭打ちです。お一人二発ずつ」
 そう言って木村草太若頭補佐は後ろに下がって高田淳乃の横に座る。香乃子も身支度を整えて横に座った。
 抽選ではない。全員に叩かれてしまう。すごい数である。
 横溝亜寿香はさらに恐々とする。
 赤座元太に蚯蚓腫れにされた鞭の痕が消えたばかりである。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 今日も晴れていて麓の街がすっきり見渡せる。寿司屋から出前で握りと刺身を取ってビールと日本酒で飲んでいた。
 「児童手当で煩い議論だらけだな。俺たちは恩恵なしで税金取られるばかりだ。年金と生活保護費を上げれば購買力が一気に上がって経済は良くなる」
 医者の男のボヤキである。
 「おいおい。先生。如月鬼堂の言い回しだぞ」
 葬儀会社の社長が咎める。愛好会を追い出されたこの男には鼻につく。
 「児童手当を増やしても少子化は解決しない。俺たちから多量に取る税金に腹が立つ」
 印刷会社の社長も怒りを感じていた。
 「やって欲しくは無いが児童手当止めて保育園から大学まで教育を無償化すれば子供は増える」
 川口の会長の分析である。
 「そうだ子供を食わせるだけなら大した事ではない。昔は父ちゃんの稼ぎで総てが賄えた。金持ち以外は尋常小学校で終わりだからな」
 「今は大学まで出さないと社会で生きて行けないか」
 「そうだな」
 川口の会長は哂う。
 「山井夫妻の三本目の動画の最後の部分を編集した。見てくれ」
 印刷会社の社長である。
 そのあと瑞浪花那は鞭で叩かれ続けた。蚯蚓腫れに金柑の汁を塗られて南郷美涼巡査長以上に喚き暴れ続けて失神を繰り返す。
 途中から水絆創膏に切り換えたが喚き散らし暴れる事は変わらない。
 亜希江は蛇と虫も用意していた。
 失神した瑞浪花那の躰にカナブンを撒く。
 長身の男が電子鞭を瑞浪花那の躰に当てる。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は躰に載ったカナブンに強烈に喚き散らす。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーいやあーたすけてーーーーーーー」
 狂ったように叫び続けた。
 「だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーたすけてーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は藻掻き暴れ拷問椅子は軋む。
 四人は暫くこれを愉しんでから殺虫剤を掛けてカナブンを殺した。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。あは。はあ。はあ。はあ」
 瑞浪花那は震え続けていた。
 中肉中背の男が水槽から素手で蛇を掴みだす。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は蛇を見て悲鳴を上げる。
 山井和徳が瑞浪花那の膣にまたクスコを刺し込んで広げた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は蛇を女の部分に入れられると瞬時に判って猛烈に叫ぶ。
 「決まっているわよ。貴女のお○○こに蛇のイレポンよ」
 亜希江は当然のように言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。きいくるうよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は泣き叫ぶ。
 「狂っても良いわよ。狂ったら貴女の会社は終わりね」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。おねがいやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はさらに泣き叫ぶ。
 中肉中背の男は構わず蛇の頭をクスコの口に近付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那の断末魔の叫びが一条轟く。
 中肉中背の男は容赦なく蛇の頭をクスコに突っ込んで動かす。
 「あーーーーーーーーーふぁあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあふぁああーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は狂ったサイレンの様に喚き散らした。
 そしてまた失神してしまう。
 亜希江らは電気椅子擬きの準備に掛かった。
 まずクスコを抜き取る。
 トランスが準備され五本の線が繋がれる。
 頭には鉄条網を巻く。両方の乳輪の下に電線に繋がった針を刺して潜らせ貫いた。
 さらに女の部分に横から突き刺してびらびらを二枚合わせて貫く。
 そして腰に鉄条網を巻き付けた。
 山井和徳がトランスの摘みを回す。
 「うぐ、ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・」
 瑞浪花那の躰はぶるぶる震撼した。
 適当に電流を切る。
 瑞浪花那の首は倒れた。
 「あふぁあーーーーーー。ああ」
 次の瞬間意識を回復した。
 「あーーーーーーら。気が狂わなかったじゃない」
 亜希江は残念そうに言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「ふっふっふ」
 「電気椅子の気分はどうだ」
 長身の男が詰るように尋ねる。
 「あーーーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。ころさないでーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は自分の躰に付けられた凶器に気付いて叫ぶ。
 「ふふ」
 亜希江は不敵な哂いを浮かべる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那にはその表情は見えない。忍者姿の覆面が目以外を隠している。目はサングラスが隠していた。
 それでも瑞浪花那にその空気が読める。
 山井和徳が電流を流す。
 「うおーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・」
 瑞浪花那の躰はまた強く震撼する。
 口から僅かに泡が噴き出した。
 ここで一旦切る。
 また瑞浪花那の首は倒れた。
 亜希江がビンタする。
 「ふ、ふぁあーーーーーーー」
 意識を回復した瑞浪花那の口から泡が散った。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーー。ころさないでーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那はうわ言の様に命乞いをする。
 「ふふ」
 また亜希江は不敵な哂いを浮かべる。
 「やめてーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 瑞浪花那は涙のない泣き悲鳴で叫ぶ。
 山井和徳がもう一度電流を流した。
 「あはーーーーーーーーー。・・・・・・・・・・」
 瑞浪花那の躰はまたぶるぶる震える。
 今度は暫く切らない。やがて口から泡を噴く。
 十分以上電流を流して切った。口から泡と涎が流れ鼻血も垂れる。そして小水が静かに流れ出した。
 
 和歌山。岬ビューホテルの宴会場である。
 横溝亜寿香の躰は全身鞭で叩かれて真っ赤な痕だらけに成っていた。
 股間を三十発くらい叩かれて大陰唇の周りが真紅に染まっている。
 乳房も同じくらい叩かれた。蚯蚓腫れが何本も重なり紅く筋に成って無残極まりない。
 横溝亜寿香の荒い息遣いがようやく治まったところである。
 木村草太若頭補佐は水絆創膏を取り出す。
 「さあ。傷に薬を塗るからな」
 「あ、ああ」
 横溝亜寿香は瞬間嫌な予感がした。痛い薬ではないのか。
 「水絆創膏だ。傷を消毒して傷口を塞いでくれる。良い薬だが沁みていたーーーあいのだよ」
 木村草太若頭補佐は愉しそうに言う。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恐怖の表情に成って身構える。
 木村草太若頭補佐はそれを横溝亜寿香の乳房の蚯蚓腫れに塗り込む。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は沁みる強烈な痛みに喚き暴れる。
 「があーーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーー。いたいーーーーーーー」
 横溝亜寿香は喚き続けた。
 木村草太若頭補佐は続いて股間にも塗ろうと横溝亜寿香の究極な痛みが治まるのを待っている。
 横溝亜寿香の苦しみが治まりかける状況を見て木村草太若頭補佐はもう一度水絆創膏を手にした。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は耐えられない。強烈に叫ぶ。
 木村草太若頭補佐は次に太腿の蚯蚓腫れに塗る。
 「うーーーーーーーぐあーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーー。があ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は塗られた方の脚を硬直させ躰を強烈に揺すって泣き叫ぶ。
 「痛い。痛い。痛い。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目から涙が溢れていた。短い時間で治まるが強烈に痛い。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。もう許して。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き叫んで許しを訴える。
 木村草太若頭補佐も会員らもその姿を愉しんでいた。
 「こっちも塗らないと。傷だらけだよ」
 木村草太若頭補佐はさらに揶揄う。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。もう。もう。ゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに泣き叫ぶ。
 「だってS?プレイだろ。痛みに泣き叫ぶ。それが身を持ったサービスだろ」
 木村草太若頭補佐はさらにふざける。
 そしてもう片方の太腿に手を伸ばす。
 「ああーーーーーーーーーーーー。許してーーーーーーーーーーーー」
 その悲鳴の真っ只中太腿を撫でるように塗る。
 「ふひゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香から涙はぽろぽろ溢れてやがて号泣する。
 「まだ感じんなところが残っているよ」
 木村草太若頭補佐は愉しそうに指摘する。
 「あーーーーーーーーーーーー。そこは許してーーーーーーーーーーーー。もう許してーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は半狂乱に成って許しを請う。
 「まあ。我慢しろ。医者に行っても痛い。姉ちゃんの躰を綺麗に治してまた叩きたいのや」
 そう言って木村草太若頭補佐は横溝亜寿香の大陰唇に塗りたくる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーん。ぐうわあーーーーーーーーーーーー。あ、ああがあか、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は汗を噴き、顔は涙と汗でぐちゃぐちゃである。
 木村草太若頭補佐は暫く横溝亜寿香の壮絶な状況が治まるのを待つ。
 そしてもう一度クスコを翳して蛇の入った水槽を指差す。
 「そ、そ、それはだめーーーーーーーーーーーー。ほんとにだめーーーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は猛然と拒絶する。
 「青木。良いだろ。蛇、お○○こに入れて」
 木村草太若頭補佐は青木学に態と確認する。
 「木村さん。それには追加料金ですよ。全員にあと百万を分担するか。多数決を取りませんと」
 青木学は分かっていて態とそんなことを言う。
 「だめだよーーーーーーーーーーーー。百万でもだめーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまた泣き叫ぶ。
 「本人が駄目と言いますので。次も愉しむ為に今回はここまでで」
 青木学が打ち切って終了と成った。
 
 三月一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 気候は早くも暖かく成りつつあった。
 まだ室内で魚介類と肉を焼いていた。生ビールが丁度良い。
 「何も依頼はないのか」
 医者の男は詰まらなそうに言う。
 「いっそダミーの募集を掛けて良い女だけ引っ張って生け贄にしてはどうだ」
 運送会社の社長である。
 「拉致とどう違う」
 医者の男はこれまでと何が違うと言いたい。
 「我々がやるにはストレート過ぎるから経由しようと言うのや」
 「受け子、掛け子、実行役を募る逆をやるか」
 葬儀会社の社長は公募して罠に嵌るところが面白いと思った。
 「そうだな。AIが受付してAIが面接して良い女だけ拾って一度海外に連れ出すか」
 印刷会社の社長も乗り気に成る。
 「それも考えてみよう。和歌山の女ハードに出来ないのか」
 医者の男は女を破壊したくてうずうずしていた。
 「躰の一部を潰すまではやるまい」
 川口の会長は否定する。
 「この前の木村若頭補佐。何かないのか」
 「有ったら声掛けてくれと言っている」
 「応募者を罠に掛ける方が面白いかもな」
 医者の男も考え直す。
 「少し検討しよう」
 川口の会長もやや乗り気に成った。
 
 横溝亜寿香は特急列車で大阪に向かう。
 高田淳乃の乗務する列車をホームで狙った。特急券を買わずに自由席に乗り込む。
 高田淳乃が車内改札に来るのを待つ。
 大阪まで精算をさせて列車が空いている区間の内にアドレスを交換した。
 高田淳乃は簡単に乗ってしまう。
 大阪に着いて予定を確認してホテルに連れ込んでしまった。
 あれから佐野幸治とも躰を重ねている。
 どつちもイケメンである。
 辛いS?の座敷を続ける横溝亜寿香には辛さを紛らす唯一の癒しであった。
 
 三月二日。
 宇佐美。如月鬼堂のマンション。その海が望める露天風呂である。
 如月鬼堂は湯に浸かりながら桶を浮かべてざる蕎麦を食べていた。
 珠洲と瀬里菜が桶にサンドイッチとジュースを載せて入って来る。三人とも全裸である。
 「パパ。ゆっくりしていると編集の小母さんが来ちゃうよ」
 珠洲がやや揶揄うように言う。
 「館山先生と椿だけじゃないのか」
 如月鬼堂は何しに来るのだと言う態度である。
 「この間全裸美人コンテストで優勝した加賀美明日香さんの特集を出したのだって」
 瀬里菜がそう説明した。
 「それなら福富と杉下に対応して貰おう」
 如月鬼堂はそう言って食べ終わった蕎麦を桶ごと露天風呂の縁に出す。そして湯に浸かり直して一面に広がった海原に目をやる。
 「いつ湯沢に戻るの」
 瀬里菜が何気なく確認する。
 「海が広がっているこっちの方が良いか」
 「パパがこっちの方が落ち着くのじゃない」
 「あっちの方が広いからな。海は良いがな」
 毎年三月末から四月に戻る。
 居間で電話が鳴っているが三人とも動かない。折り返せば良いと言う考えである。
 それからも十分くらい湯に浸かって如月鬼堂が先に出た。
 電話は小川綾香だったので折り返しは後回しにして福富麻次郎と杉下一行に連絡を取る。
 そのうち瀬里菜が館山弁護士を迎えに行ったので折り返しはしない。
 だが館山弁護士と一緒に着いたのは小川綾香だけでなく雨倉編集長も一緒であった。
 「ちょっと風呂に入っていまして。失礼いたしました」
 如月鬼堂は編集長にだけ形だけ詫びる。
 「いえいえ。瀬里菜お嬢様にお迎えに来て頂きましたので」
 「加賀美明日香の特集は前にやりましたね。まだ売れますか」
 既に福富麻次郎と杉下一行とテレビ会議は繋がっていた。
 加賀美明日香の件は二人に任せてしまう。
 「今週はどうします」
 館山弁護士は四日の土曜日を気遣って来ていた。
 「あれからあの関連は静かだからね」
 「警察は南郷巡査長の件を筆頭に力を入れていますが。連続強盗事件の様には進展が見られません」
 そこに本多椿が着いた。
 「今週はどうします」
 「あの番組に合う議題は無いよ」
 如月鬼堂は呑気にあくびしている。
 「ウクライナ問題の行方は」
 「また知識階級の怒りを買うか」
 「鬼堂先生。今は駄目ですよ。あそこは西側ではないとか二代前の大統領のままだったら戦争は無かったなどは」
 「しかし。兵器の支援と経済制裁なんかしないで難民の受け入れだけにしていたらとっくに戦争は終わっている」
 如月鬼堂は此処だけの話と言い放題に言う。
 如月鬼堂もロシアを擁護するつもりはない。
 だがウクライナの為に世界経済が厳しくなりエネルギー問題が悪化する。ウクライナの西側に線を引いてどっちも不可侵が良いと言う考えである。
 さらに核戦争に移行しないとも言えない危険すら僅かながら考えられないこともない。
 アメリカがトランプ政権のままだったら戦争はもう終わっていたかもしれないとさえ思う。
 ウクライナが西側に成ってくれなかった方が良かったとの見解である。
 「駄目ですよそれは」
 館山弁護士は如月鬼堂の意見をこれまで聞いていて強く止める意志である。
 「どっちの見解も有りなら台湾有事じゃないですか」
 本多椿がそこを中和する。
 「それで行くか」
 何とか安定方向に成りつつあった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日はかなり温かい。バーベキューと生ビールで飲んでいた。
 「花粉は随分舞っているようだな。まあエルピナンで完全に止まるが」
 医者の男のボヤキである。
 「あのご夫婦また要求して来たよ」
 川口の会長が報告する。
 「よく金が続くな」
 「まあ。前金で貰っているからな」
 「今度はどうする。JRの車掌、婦人警察官、女社長。何か思いっきり騒ぐ奴はないかな」
 「その前に公開しない事には」
 「そうだな。そっちも交渉するか」
 川口の会長も蘇我運輸区の車掌の拉致から期間が空きすぎるとそろそろ考えてしまう。
 「そうだよ。間が空きすぎるとショッキングさが薄れる」
 葬儀会社の社長もそう考えていた。
 「ところでAI擬きの準備は良いか」
 「大丈夫だ」
 印刷会社の社長が答えた。
 「海外で救済活動と事業を行う会社を立ち上げた事にして従業員を募集する」
 「SNSでか」
 「まさか。それじゃ詐欺と強盗の連中と変わらない。ネット上の求人サイトに堂々と出す」
 「足が付かないのか」
 「日本は無人の事務所にサーバーが有れば良い」
 「現地は」
 「あっちの組織に用意はして貰う」
 「それも通信だけか」
 「そうだ。AIに面接させて就業に渡航させる。選考して採用が決まったら現地からテレビ会議で回答する」
 「それで渡航させる途中で拉致か」
 「いいや。渡航させる。最初から往復の航空券を渡す」
 「安心させる為帰りの航空券も有りか」
 「さらに給与の前渡しも行う」
 「何処で渡すのだ」
 「関西空港駅だ」
 「我々も行くのか」
 「まさか。現地で拉致して潜水艦でこっちに戻す」
 「何だそれは」
 今度は運送会社の社長が驚く。
 「心配するなこれまで日本、韓国、ロシアに麻薬を運んでいる。その武装とロケット弾や魚雷は俺が作った」
 「日本に陸揚げは。麻薬はボートでも女は簡単には」
 「国によって違うが保養施設や別荘に見せかけた建物に海底から侵入する。潜水艦は海上に浮上する事も港に入る事もない」
 「日本で愉しんで最後は遺体処分か」
 「いいや。もう一度現地で開放する。後は自分で帰って貰う」
 「帰りの航空券は手元に有りか」
 医者の男も深く納得する。
 「あの夫妻。海外に逃げて貰って次の生贄は海外でというのはどうかな」
 医者の男の提案である。
 「良いかもしれんな」
 川口の会長も納得した。
 
 三月三日。
 外村芽生は株式会社UYRの求人に応募した。
 求人サイトから応募ボタンを押すとAIからスマホに連絡が入る。
 幾つかの質問がなされた。
 海外赴任と成る。R国である。帰国は三か月に一回。直ぐに出発可能か。そしてクレジットカードを持っているか確認された。
 赴任してから現地の言葉を覚えて現地スタッフを使って工場を運営する。現在は建設段階である。
 途上国であるR国で水道、住居などを提供しながら街の発展に貢献するなどそれらしいことが説明された。
 審査に二日待たされてAIから回答が来る。
 その間に本人の容姿確認を行っていた。顔写真は登録時にAI擬きが撮影している。
 その情報をもとに本人に判らないように東秀夫又は寺門一が容姿の確認とスタイルを撮影する。
 
 三月五日。
 AI擬きから採用に連絡が入る。
 現地の宿舎、工場の一部、会社概要が紹介された。
 そのあと現地スタッフに代わる。
 AIが編集した画像に別の国に居る組織の女性が声だけ出演していた。
 口元はマスクを掛けていて声に合わせて顔の表情が動く。
 この部分はAI擬きではなくAIを使って印刷会社の社長が作成していた。
 外村芽生は教えられた予約番号で航空券を受取りクレジットカードで払う。
 三月八日。
 関空に待っていた日本駐在社員から航空券の代金と前渡しの給料を受け取って飛行機に乗った。
 この駐在社員は今回限りで前金二十五万。後金二十五万のアルバイトである。東秀夫又は寺門一らは使わない。
 今回六人がR国に渡った。この男はこの六人の女性に金を清算しただけである。それ以上の事は何も知らない。
 身元はきっちり確認されているので金の持ち逃げはできない。
 外村芽生がR国に着くと日本人男性が二人出迎えていた。
 この二人は今回のみ仕事に就く。川口の会長が手配する組織から来ている。終了後は山から下りない。
 六人を潜水艦で運びR国で最後に開放するまでの役割と外村芽生のみ山井夫妻に渡すまでの担当である。
 亜希江らのサポートは別の二人が行う。
 
 三月九日。
 山井和徳と亜希江はT国に着いた。斡旋されて買った別荘である。
 其処は海に面していて外国人の住居やホテルが多く建ち治安の良い場所であった。
 何とその隣は潜水艦が海中から入る組織のアジトである。隣と言っても車で一、二分は掛かる。
 
 三月十日。
 二人の男がキャリーバックに入れた外村芽生を運び込んで来た。残る五人は空港で拉致した二人が潜水艦に便乗して日本に運ぶ。
 床に設置した大型で透明な水槽の底に外村芽生を固定する。まだ眠らせたままである。
 水槽だが水は入れてない。元々この家に有った物である。
 淵は高さ一メートル。湯を張る事もできる。大きさは二×三メートルある。
 底にはナットが埋め込まれていて外村芽生の躰を大の字にして手首、脚首、腰をコの字型に組んだ鉄パイプで固定した。
 「依頼人準備できました」
 忍者姿黒装束に成った一人が告げる。
 「最初はこの女の恥ずかしい躰を総てカメラに収めて。それから三人で輪姦して。今日はそこまで」
 山井和徳が電子鞭で外村芽生を起こす。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。どこーーーーーーーーーーーーーー。此処は。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は忍者姿黒装束に気が付いて更なる悲鳴を上げる。
 「諦めなさい」
 亜希江は非情に宣告する。
 「部長と課長は」
 一人は声から年配女性。残る三名は出迎えに来た二人とは背の高さが違う。
 「車の二人なら死んだよ」
 黒装束の一人が答える。脅かしである。
 外村芽生は恐怖に慄く。
 山井和徳が水槽の中に入って剃毛する。
 一人がカメラで外村芽生の躰を撮影してゆく。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。撮らないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。撮るなーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 剃毛を始めた一人容赦なく叫び続ける外村芽生のドテの黒い塊をカットする。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 朝一番杉下一行からメールが入った。
 東日本会社線蘇我運輸区の車掌岸本璃紗と浦和警察署の南郷美涼巡査長の動画及び瑞浪花那の残りの殺害部分の動画が一気に配信された。
 報道はまた一気に震撼する。
 館山弁護士から連絡が入った。宇佐美に向かっているとの事である。
 
 T国海沿いの別荘である。
 外村芽生は泣き叫びながら恥ずかしすぎる姿を隅々まで撮影されてさらに三人の男に輪姦されて麻酔で眠っていた。
 男らが三人掛かって外村芽生の躰に蜜を垂らす。
 特に女の部分には大量に掛ける。
 籠台車に入れて仔豚が三匹運ばれた。
 それを抱いて水槽の中に一匹ずつ入れる。
 仔豚は外村芽生の躰に塗られた蜜を舐めまくる。
 股間の間に置いた一匹が激しく舐めた。
 もう一匹もそっちに移動した。
 黒装束の一人が乳房に大量に蜜を流す。
 残る一匹はそれを舐める。
 「あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を回復した外村芽生は不快な感触に悲鳴を上げた。
 四人はどっと笑う。
 「あーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は躰をぶるぶる震えさせ藻掻き喚き続けた。
 二匹が外村芽生の女の部分を舐め続けている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 外村芽生は涙を溢れさせてどこまでも藻掻き喚き続けた。
 そのドテからさらに蜜を流す。
 仔豚はぺろぺろ舐める。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士が着いて本多椿も前日打ち合わせに来ていた。
 杉下一行とはテレビ会議が繋がっている。
 「殺されていたか」
 如月鬼堂も公開処刑に慄いている。
 「どの動画もみんな同じ面々のようです」
 杉下一行は最初に全体を見通していた。
 「この年配の女性と思しきが首謀者でしょうね。これまで以上に残酷です」
 館山弁護士は年配女性の残酷さを強く感じている。
 「長野山荘人質立て籠もり事件の方が実質残酷だ。この年配の女の字幕に表された台詞がそう思わせるだけだ」
 「そうですけど。何か別の意味で嫌な残酷さを感じますよ」
 本多椿も館山弁護士に同調する。
 「遺体をどう始末するのかな」
 如月鬼堂は以前からの疑問である。
 「摩周湖に投げるのか沖合に捨てるのか」
 館山弁護士も首を捻る。
 「殺して遺体が出ないのはあの六人の仕業だな。そんなに遺体が出ない方法で殺せる犯人は居ない」
 如月鬼堂はそう結論を出してしまった。

 
 最期のSM小説家 三十八幕 SMに資産をつぎ込む夫婦 完 





 最期のSM小説家 第三十九幕 謎の海外進出企業


 二〇二十三年春分上元。太陰太陽暦二月十九日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十三年三月十一日。
 
 三月十一日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「行方不明を報じられていましたJR蘇我運輸区の車掌岸本璃紗さんと浦和警察署の南郷美涼巡査長及び瑞浪花那さんの動画の続きが流されました」
 高嶋波琉が純白のブラを外しながらニュースを読む。
 毎週恒例の如月鬼堂の番組である。
 「動画の内容では何とも痛わしい事ですがこの三名は殺されていました。これまでにこの関連の事件で遺体の出ていないケースは今回を含めて五件です」
 岡田有美も今夜は純白の下着姿である。そのブラを厳かに外して乳首を見せる作法はこのようにという動作で脱ぎながら読む。
 二人を比べてその美しさはどちらも遜色がない。
 「鬼堂先生。この犯人は例の連続拉致強姦事件の容疑者が関わっているのでしょうか」
 本多椿も純白のブラをゆっくり乳房から剥がしながら如月鬼堂に振る。
 「恐らくそうと考えられます。これまでの完全に遺体が見つからない犯行は易々とできません。殆ど遺体は出てきます。このグループしか考えられません」
 如月鬼堂は強気で断定してしまう。
 「今回の三件の事件は忍者姿黒装束にサングラスでも奥の二人までは同じ人物と思えます。後の二回だけの手前の二人は違う人物のように思われます」
 高嶋波琉がショーツを脱ぎながら前を手で隠して読む。
 「被害者の声以外字幕に編集されています。それでも奥の一人指示を出しているように見えるのは年配の女性と思われます」
 岡田有美もショーツを脱いで前を隠して読んだ。
 「鬼堂先生この変化はどう思われますか」
 本多椿は透明なガラスのテーブルに座っているがショーツは取らない。
 「奥の二人がこの件の依頼人で手前の二人は連続拉致強姦事件の犯人が介在して依頼を受けて拉致を敢行した闇組織の実行犯と思われます」
 如月鬼堂は同じ憶測を繰り返した。
 「この二人は何も犯行声明を出していません。連続拉致強姦事件の犯人が独自に行った過去の犯行以外はそれなりに犯行理由が分かるか犯行声明が有りました」
 本多椿が途中まで解説して如月鬼堂に振る。
 「そこが不気味です。殺す理由もただの残酷行為にしか見えません。猛獣が獲物を襲うような極めて邪悪な犯行に見えます」
 如月鬼堂の語気にやや感情が籠って聞こえた。
 「この二人は夫婦かパートナーでしょうか」
 「恐らく。大方年配の女性らしき人物が指示を出しています。岸本璃紗さんの時は二人だけですがその後はサポートも依頼したのでしょう」
 「二人目が女性警察官でサポートの必要は分かりますが。この時南郷巡査長の片方の男性を見る目が何かを訴えているように思われました」
 「その件は弁護士の館山先生が調べました」
 如月鬼堂はそう言い出して以下のように説明を続ける。
 この女性警察官に恨みを持つ犯罪者などを調べました。それで冤罪で捕まえた男性一人に行き着きます。
 当初ストーカーの訴えを受けてその後の行動を見て南郷美涼巡査長がこの人物を逮捕していました。
 だが後日この訴えた女性の方が詐欺師であると判明するのです。
 その男性をさらに調べましたが死亡届が出されれていたとの事です。大方その人物にどこかが似ていたのではないかと如月鬼堂は解説した。
 
 T国海沿いの別荘である。
 外村芽生は仔豚に舐め回されたあと泣きわめき続けて十二時間くらい眠らされていた。
 四人は遅めの朝昼兼用食を摂って外村芽生を電子鞭で起こす。
 「う、ううおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は起きた感触で充分に眠っていたことが分かる。そして昨日の恐ろしい事態が蘇った。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 目を開けて忍者姿黒装束の四人が視線に入って悲鳴を漏らす。
 外村芽生の躰は水槽の底に大の字にされ鉄パイプをコの字に組んだ物で固定されたままである。
 「仔豚に舐めて貰って気持ち良かったでしょう」
 亜希江が詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は堪らず叫ぶ。
 亜希江はパンプスの先で顔を蹴る。
 「うぐうーーーーーーー」
 外村芽生は強烈に顔を歪めて声を漏らす。
 「この女の躰をおしっこで洗ってあげましょう」
 そう言って亜希江は山井和徳にクスコを渡す。
 山井和徳は外村芽生の股間側に回って膣にクスコを挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーー」
 そにまま螺子を回して奥まで抉じ開ける。
 「あーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は恥ずかしい部分を抉じ開けられて高ぶった息遣いを漏らす。
 亜希江は筒に長いカテーテルが付けられた物を三本取り出す。
 筒はペニスを入れるように作られていて真っ黒で透けてない。
 カテーテルの先端には引っかける金具が装着されてクリップが付いていた。
 さらに亜希江は外村芽生の口を指で剥いてラジオペンを歯の間に刺し込んで口を抉じ開ける。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は声を上げて抵抗するがその間に山井和徳が口の開口器を押し込んでしまう。
 筒にカテーテルが付けられた小道具は三本。
 山井和徳はそれを外村芽生の口の開口器に接続する。
 何をされるか判って外村芽生は藻掻く。
 後の二人の忍者姿黒装束はクスコに接続した。
 さらに亜希江は外村芽生の顔の部分を左右からL字の鉄板で鋏む。それを床にボルトで固定した。
 これで口は横にできない。
 「やって」
 亜希江が合図する。
 一斉に小水が流された。
 口は直ぐに溢れる。
 膣はそのまま奥の子宮口に当たって外に流れ出てしまう。
 亜希江が膣の二本を途中で外して外村芽生の躰に掛ける。
 「ぶはあーーーーーーーーーー。ぶああーーーーーーーーーーーー。ぶはあーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は口に流れ込む小水を強く吐き出す。
 喉から強く吐き出すが全部は出ない。不快な小水が口の中に充満して一部喉に浸透する。
 既に外村芽生の躰は三人の男らの小水に塗れていた。
 三人が流し終わって亜希江はクスコと開口器だけ外す。
 さらに亜希江は鞭を三本取り出した。全部先の細い一本鞭である。
 外村芽生はその鞭を見て驚愕する。今の不快極まりない躰を鞭で叩かれる。恐ろしい事態に為す術もない。
 「やって」
 また亜希江が要求した。
 山井和徳は二人に先を譲る。
 一人目に中肉中背ややがっしりタイプの男が外村芽生の広げられている右の太腿の外側に立って構えた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見た外村芽生からヒステリックな悲鳴が上がる。
 その男は乳房を目掛けて振り下ろす。
 二つの乳房を左上から斜めに叩いた。
 「ぐ、ぐ、が、があ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は強烈に顔の表情をへしゃげて悲鳴を絞りだす。
 男は続いてもう一発お見舞いする。
 今度も斜めに乳房を二つとも叩いていた。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は顔を振り躰を震撼させて痛みに藻掻く。
 そして一発目の痕に蚯蚓腫れが浮きてくる。
 さらに三発目を叩く。
 右の乳房を叩いた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は躰を硬直させ顔を破裂させて藻掻く。
 一発目の痕は紅い筋が浮く。二発目の痕も蚯蚓腫れが浮いてくる。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーー。い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に外村芽生から大粒の涙が浮き上がっていた。
 二人目が山井和徳に譲る。
 山井和徳は外村芽生の左肩の上に立つ。
 そのまま女の部分を狙って構えた。
 鞭の先端付近が既に剃毛されたドテから股間の閉じ合わせた粘膜を叩く。
 「う、ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は頭を擡げて躰を迫り上げ瞬間固まる。そして強く揺すって藻掻く。涙は溢れていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに痛みに躰を突っ張ったまま揺する。
 乳房には深紅の筋が三本浮いていた。
 「う、ううーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は涙を溢しながら叫ぶ。
 それでも山井和徳は股間にもう一発叩き込む。
 鞭は女の部分の閉じ合わせたびらびらを叩き割るように命中する。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は腰を迫り上げて固まる。悲鳴を轟かせて躰を震撼させながら床に沈む。そして失禁してしまった。
 「あーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 さらに号泣の涙を溢れさせる。
 山井和徳がもう一人の中背で標準体型の男を促す。
 その男は外村芽生の左の脚元に立つ。
 外村芽生の艶めいた太腿を縦に叩く。
 「ぐーーうーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は固定された太腿を捩って藻掻く。
 その間に中肉中背ややがっしりタイプの男が外村芽生の股間付近に流れ出た失禁尿をバキュームで吸い取る。
 「あはあーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 外村芽生は痛みに荒い息遣いを続けた。
 まだ亜希江の感覚では軽微である。それでも失禁が撮れてやや満足していた。
 ここで一時休憩して飲み始める。
 
 残る五人を乗せてT国で拉致した二人が便乗する組織の潜水艦は東京湾の海底を航行していた。
 そのリゾート施設は百二十七号線の海に面した崖に建てられている。
 潜水艦は近くの海底から洞窟に侵入した。
 侵入すると入口の水門が閉まる。
 洞窟内部を排水して水位を下げて桟橋に接岸した。
 キャリーバックに入れた女性五人と覚せい剤を降ろす。末端価格で五億円くらいに成る。
 麻薬検知犬に探知される事も税関で捕まる事もない。
 この組織はアジア中に運ぶだけである。
 女性はこの五人の内三人は暫くこの保養施設に残す。
 二つのキャリーバックのみ迎えに来たパッカー車に積み込む。組織の二人は此処でしばらく滞在する。
 麻薬は隅田会系大船一家に雇われたごみ処分業者が取りに来た。
 パッカー車に積んだキャリーバックは廃棄物収集運搬処分業の社長が経営する処分場に着く。
 此処から病院出しの霊柩車に乗せ換えて葬儀会社の社長が経営する連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトの麓の施設に着いた。
 此処で再びキャリーバックに詰め替えて山の上に隠していたキャンピングカーで山の中腹のアジトに運ぶ。
 そしてアジトの地下に運び込まれた。
 
 T国。海沿いの別荘である。
 外村芽生は小水を掛けられた躰に鞭を当てられ蚯蚓腫れが深紅に成って無残極まりない姿で床に寝かされていた。
 亜希江はまだ鞭が足りないと思っている。
 金柑がこちらで手に入らないのでレモンを搾っていた。
 「さあもっとずたずたに叩いて」
 亜希江は休憩の終わった三人に要求する。
 中肉中背がっしりタイプの男が構えた。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は泣き叫ぶ。
 男はそれを無視して乳房を叩く。
 鞭は前に叩いた深紅の筋をクロスして叩いていた。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生から強烈な悲鳴が壊れた声で轟く。
 そして一気に涙が溢れた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は既に号泣状態である。
 「いいよ。そうやって蚯蚓腫れが割れるまで叩いて」
 亜希江は残酷極まりない指示を出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生はさらに喚く。
 躰が小水で濡らされた状態での鞭はかなり精神的に追い込んでいた。
 男はさらに左の乳房の鞭の深紅の痕をクロスするように叩く。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生の大口を破裂した表情から号泣の涙が溢れた。
 そして目を朦朧とさせて痛みに藻掻き続ける。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。あは。あは。あ。・・・・・」
 外村芽生は荒い息遣いをしながら白目を剥いてしまう。
 「行くよ」
 亜希江は搾ったレモンの汁を霧吹きに入れていた。
 それを失神した外村芽生の蚯蚓腫れが深紅に成り一部割れた乳房に吹き掛けてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーー。ぐあああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに意識を戻した外村芽生は猛然と暴れ泣き叫ぶ。
 亜希江はそれでも太腿に掛け股間にも掛けてしまった。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は狂ったように暴れる。
 「いたいーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生はもう一度僅かに失禁して泣き喚き藻掻き続けた。
 「はああーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。あは。あ」
 そして痛みが薄れた頃に再び意識朦朧として眠ってしまう。
 
 三月十二日。
 日本では外村芽生の親族が騒いだのを皮切りに六人の行方不明が報道を騒がせていた。
 六人のスマホは全く連絡が付かない。
 就職したはずの海外の日本企業にも全く連絡が付かない。求人サイトにあった日本の連絡先も同じである。
 
 網代駅。
 如月鬼堂は十時三十六分着の特急で帰り着く。
 この駅まで瀬里菜が迎えに来ていた。
 「館山先生とテレビ会議が繋がっているよ。T国で日本企業に就職した女性六人が連絡不通なのだって」
 「ホテルを出た時のニュースでは言って無かったな」
 如月鬼堂は東京のホテルを八時に出て東京から九時丁度発の踊り子号に乗って来た。
 「報道番組は一昨日からの岸本璃紗さんと浦和警察署の南郷巡査長なんかのニュースとT国で行方不明の件で大加熱よ」
 電車の一駅分を車では乗り応えが有る。
 この時間に如月鬼堂は瀬里菜から概略を聞いてタブレット端末で内容を確認する。
 居間に入ると珠洲がミニチュアダックスのペーを抱いて館山弁護士とテレビ会議で雑談していた。
 「鬼堂先生。さらに複雑に成ってきましたよ」
 館山弁護士は事件がさらに拡大して悪化したと見ていた。
 「T国も奴らかな」
 「何とも言えませんが。狙われた女性の年齢層から奴らか模倣犯の可能性が高いです」
 「うーん」
 「一気に六人就業に見せかけて海外に誘い出して拉致です。堂々と求人サイトに出してAIが面接と手が込んでいます」
 「途上国での就業か。国際貢献だとか若い世代が理想を持ってやりたがる仕事だ」
 「かなり求人サイトから応募がされていて六人が選ばれたようです」
 「容姿スタイルを確認して美形だけが合格だな」
 「そのようですね」
 「これで動画が出たら大事だな」
 「既に前の三名だけで大事です」
 「規制がいろいろ厳しくならなければ良いがな。現代社会は何かあれば直ぐ規制に繋がる」
 如月鬼堂はそっちが嫌である。
 「暫く連続強盗と特殊詐欺の方に社会が向いていてくれたのですが」
 館山弁護士も一息ついたがまた警戒が必要と言いたい。いつ自分らの世界に規制が掛かるかそっちが心配なのである。
 「そうだな。あっちの警戒も行われているがまた検問だらけだな」
 それ自体は如月鬼堂に関係ない。だが検問だらけで経済は悪化すると考えられる。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 六人で協議して防護服、頭巾、マスク、サングラスより忍者姿黒装束にサングラスであっちの組織に合わせる方法が選択された。
 用心して画面に出るのは四人だけと決める。二人ずつ交代する予定である。
 最初の生贄は滝本茉由という。二十三歳で就職した企業を辞めて派遣で働いていた女性である。
 国連職員に転向した元アナウンサーの若い頃に似ている。五人にそれぞれ女の何を喪失させるか既に予定が立てられていた。
 麻酔で眠ったままの滝本茉由を全裸に剥いてしまう。
 高手小手に縛って診察台に乗せる。
 前と同じ物を見せてはいけないので新しい診察台を分解して運び込んで古い物はさらに地下に降ろした。
 診察台には腰と太腿、脚首で固定する。態と少しだけ動けるようにして苦しむ醜態を動画に収めたい。
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長の二人が撮影に掛かる。
 全裸をカメラに収めて女の部分からその奥まで詳細に撮影するまでは同じである。
 撮影の途中で診察台に電流を流す。
 「ふうーー。ふはあーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は意識を回復して真上の手術室のライトに目が行った。一瞬病院と思ったが次に忍者姿黒装束に目が行く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 驚愕の悲鳴が上がった。
 そして全裸で縛られていると悟る。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次に撮影に気付いて叫ぶ。
 医者の男が女の部分を診察の要領で幾通りにも広げてカメラに公開する。角度を変えてその部分を詳細に広げた。
 これまでの動画より詳細にその部分が映像に焼き付く。
 さらにワセリンを塗って慣れた動作でクスコを突っ込む。
 滝本茉由は弄られて喚き続けていた。
 「おい。医者と判ってしまうぞ」
 川口の会長が小声で耳打ちして注意する。
 「皆同じようにやれば良い」
 うーん。医者の集団と見せるか。
 川口の会長は言葉に出さずそう思った。
 クスコの中も角度を変えてカテーテルタイプのカメラで光を当てて詳細に公開する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由はさらに喚き続けた。
 印刷会社の社長はモニターを見ながらカメラをリモコンで動かす。この二人の姿は滝本茉由には見えない。
 黒いカーテンの外側で操作していた。
 滝本茉由の膣の奥には数日分の汚れが充満している。
 医者の男は先端が掬えるように成った金属のへらで掬う。それをプレパラートの上に乗せる。
 何回か掬うとかなりリアルな汚れが取り出された。
 医者の男はそれを翳して指さす。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は顔を振って強烈に叫ぶ。
 「もう判っているだろう。世界中に公開するからな」
 川口の会長が横から宣告する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は泣き悲鳴で訴えていた。
 「もう。お前の全裸、乳房、乳首、広げたお○○こ、アナル、お○○この奥まで全部撮影した。諦めろ」
 医者の男が駄目押だと宣告する。
 「やだよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめだよーーーーーーーーーーーーーーーーー。何日も洗えなかったよーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は狂ったように泣き叫ぶ。
 「諦めろ。被害者はどんどん増える。AVより良い女揃いと密にコレクションする奴も沢山いるらしい」
 川口の会長は被害者が増えれば当たり前に成るとでも言いたいらしい。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。なんでわたしなのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は数日前まで怒りを覚えながらも他人事であった。いま自分の現実と成ってその渦中に落ちている。
 諦められる訳はない。だが喚く以外何もできない。
 「さあ。輪姦すからな」
 川口の会長は当然のように言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はんざいだよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は堪らず叫ぶがそんな言葉しかとっさに出ない。
 「はっはっはっはっは。とっくに犯罪や」
 川口の会長は高笑いする。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。百年呪ってやる」
 滝本茉由は混乱しながらもとっさに浮かぶ言葉を叫ぶ。
 「はっはっはっは。俺たちあと百年は到底生きない。お前も無理だ。生きている間俺たちを呪い続けるのは承知の上だ」
 川口の会長は愉快そうにさらに詰る。
 「うぬ・・・・・」
 滝本茉由の躰はぶるぶる震えていた。
 籤で予め決めていた順番に滝本茉由を強姦してゆく。
 
 T国。海沿いの別荘である。
 亜希江らはゆっくり食事を摂って午後から外村芽生の拷問に掛かった。
 外村芽生は床に組み合わせた鉄パイプで固定されたままである。
 眠らせたまま拷問椅子に移す。
 拷問椅子やSMの道具は飛行機では運べない。分解して潜水艦で運んで来て昨日ようやく組み立てが終わった。
 T国に定住して長野のビルを完全に処分してしまえば捜査が及ぶ事は無いとの川口の会長の見解である。
 亜希江らは日本の従来の豪邸も売り飛ばして来た。此処に定住なら自害を考えなくてももう少し遊べる。
 子供の居ない金持ちの資産を投入した大犯罪の遊びである。
 生活は二人の年金で充分に足りた。
 中肉中背ややがっしりタイプの男が電子鞭で起こす。
 「ふぁあふぁあーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は充分に眠った感覚で意識を回復した。
 中背で標準体型の男が膣にクスコを挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生に直ぐに恐怖の状況下が蘇った。強烈な泣き悲鳴で拒絶する。
 「気持ち良くしてあげるのよ。おとなしくしなさい」
 亜希江は和らげに叱咤する。
 「やだあーーーーーーーーーーーー。気持ち良くなんかならない」
 外村芽生はそれも拒絶した。
 「気持ち良くならないのね」
 亜希江が念を押す。
 「成りません」
 外村芽生はきっちり否定する。
 「それじゃ気持ち良くなって逝っちゃったらお○○こ感じなくしちゃうよ。いいわね」
 亜希江は強い口調で恐ろしい宣告をしてしまう。
 「成りません」
 外村芽生はもう一度きっちり否定した。
 「判った時間は三十分。ポリグラフ着けて逝っちゃったらお○○ことクリトリス焼いちゃうよ」
 「ひどいーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は驚愕する。
 「もう遅いよ。三十分耐えるのね」
 亜希江はスマホのタイマーを入れる。
 山井和徳がクリトリスを剥いてローターを当てた。
 「あは」
 外村芽生は慌てて声を殺す。
 組織の二人がリモコンから伸びたアームの先にマイクロローターの付いたアイテムをクスコの奥に侵入させた。
 二人は拷問椅子の左右に躰を避けてモニターでクスコの内部を確認する。
 一人が膣天井部の奥の娼婦の泣き所を責め始めた。
 もう一人がその反対側を責める。
 予め亜希江が指示を出していた。
 「あは・・・・・・・・・・・・・」
 外村芽生は表情を究極に歪めながらも必死に声を抑える。
 男らは淡々と責め続けた。
 僅かな時間で外村芽生の躰は震撼する。股間は微妙に痙攣していた。
 やがて外村芽生の躰は拷問椅子から迫り上がって強く固まる。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が上がり失禁してしまう。
 責める為に横向きに入ったクスコ。その金属の嘴の間に嵌り込んだ尿道口から失禁尿は飛び出していた。
 男らはそれでも責め続ける。
 正面には吸収シートを何枚も敷いていた。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 再び外村芽生の躰は硬直する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な逝き声が一条轟く。
 躰は静かに拷問椅子に沈む。
 緩やかに躰全体が揺れていたが失神していた。
 亜希江がクスコを抜いて股間付近を拭く。
 男らが吸収シートを片付けた。
 中肉中背ややがっしり目の男が電子鞭で起こす。
 「あーーー。はーーーーーーーーー」
 外村芽生は直ぐに意識を戻した。
 「完全に逝ったわね。失神したのよ。これ以上強く逝った証明は無いわね」
 亜希江は愉快そうである。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなのないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は泣き悲鳴で抗議する。
 「それじゃもう一回。今度は尿道よ。これなら三十分耐えられるわねえ」
 亜希江の意地悪さを湛えた涼しい表情は覆面の下でも声から類推できた。
 外村芽生はもとより責めている組織の二人でさえ腹の底が涼しくなる。
 亜希江は尿道バイブを取り出して中背で標準体型の男に渡した。
 男は指で外村芽生の緩んだ女の部分をさらに広げて尿道の亀裂を剥き出す。
 そこにたっぷりローションを塗った尿道バイブをゆっくり挿入してゆく。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ローションが塗られていても衝撃は強い。
 男はゆっくりピストンさせる。
 そして振動するスイッチを入れた。
 「は、はあーーーーーーーーーーーーーー。あは、はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奇妙な感触に外村芽生の躰は悶える。
 「あはあはーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはふぁあーーーーーーーーーーーー」
 堪えられず外村芽生の躰はぶるぶる震撼していた。
 外村芽生の股間は徐々に熱くなる。
 男はさらに尿道バイブに回転運動を加えた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生の躰は一気に迫り上がって股間が震撼する。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生の躰は迫り上がって硬直したまま悶え続けた。頭は反り返って突っ張り続ける。
 心電図は大きな波動を刻み続けていた。
 そして静かに拷問椅子に沈む。
 暫くそのままにして官能が静まったころ合いで亜希江がビンタする。
 「は、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は目を開く。
 「どう。これが今の心電図よ」
 「うそーーーーーー。変に成っちゃた」
 「認めたわね。お○○ことおくりちゃんの処刑の前にもっと気持ち良くしてあげる。最後の悦びよ」
 亜希江は日本から潜水艦が運んだドリルバイブを持ち出す。
 「お二人で両側からカメラを遮らないように持って下さい」
 亜希江の言葉は丁寧だが細かく指示したがる年配女性の典型である。
 二人の男らは慎重にドリルバイブを受け取る。ローションを塗って外村芽生の女に挿入した。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は強烈な物が自分の躰に入ってきて声を上げてしまう。
 一気にスイッチを入れて始動する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生の躰は一気に震撼する。
 「うぅ、うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は表情を究極に歪めて大口を破裂させて藻掻き声を上げてしまう。
 ドリルバイブの猛攻にまったく抵抗できない。
 二名の組織の男らは外村芽生が押し出そうとするドリルバイブを強く押さえ続ける。
 「うーーーーーーーーーーーー。ううぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生はドリルバイブの猛攻撃に完全に蹂躙されていた。
 十分くらい藻掻き続けたが失神してしまう。
 男らはドリルバイブを入れたまま持って構えていた。
 少し休憩を入れて電子鞭で起こす。
 もう一度ドリルバイブを始動する。
 「だめーーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は拒絶していた。
 それでも男らは責める。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外村芽生は躰を捩り藻掻き暴れ続けた。
 そして僅かな時間でまた失神してしまう。
 「もう一度クリと奥をピンポイントで行きましょう」
 亜希江は入念に女の悦びを教えようとする。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 滝本茉由は強姦されて診察台に沈んでいた。
 「お前。不覚にも気持ち良く成ったな」
 医者の男が詰る。
 「ならないよーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由はヒステリックに否定する。
 「それじゃ映像を見せてやる」
 川口の会長がスクリーンに強姦シーンの映像を出す。
 滝本茉由は到底見られない。顔を叛ける。
 「良く見ろ。これが世界に公開されるのだ。お前を知っている男らもみんな見る」
 「やめろーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は狂ったように叫ぶ。
 「諦めろ。AVに就職して沢山稼げ。お前なら何本出しても売れる」
 今度は運送会社の社長が詰るように宣告する。
 「はっはっはっはっは」
 医者の男は高笑いしてしまう。
 「勝手に人の人生変えるなーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は無駄でも怒りの限り叫ばずに居られない。
 「もう変わってしまったな。超高級AVの無料公開だ。はっはっはっはっは」
 今度は廃棄物収集運搬処分業の社長が詰った。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーー。お前らがこんなひどいまねしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は涙を飛ばして叫ぶ。
 「その可愛い顔が全裸でお○○こ丸出しで怒る。なかなか。これは売れるよ。AVのスカウトが来るぞ」
 今度は医者の男が詰った。
 「おのれーーーーーーーーー」
 滝本茉由は怒りにぶるぶる震える。
 此処で医者の男が麻酔を掛けてしまう。
 「十字架に磔てこいつの悲鳴をたっぷり動画に流してやろう」
 眠らせたまま四人で十字架に磔にしてしまう。十字架の横の柱に手首、肘、二の腕を縛り付けた。
 右の脚首と膝だけ十字架の縦の柱に縛る。態と左脚と腰が動かせるようにしておく。
 「鞭でずたずたにするか」
 「泣き喚く姿を放映したいな。集めている奴らは悦ぶぞ」
 医者の男は虐める意志が滾っていた。
 男らは十字架に磔たまま麻酔が冷める二時間を飲みながら待つ。全員が上のテラスに上がった。
 外は綺麗に晴れているがもう寒くはない。
 また空気も濁ってはいないが真冬の様には澄んでもいない。
 スーツの上着だけで丁度良い気候である。
 一年中こうだと良い。
 バーベキューを焼いて生ビールで乾杯する。
 可愛い美人を姦輪した後はビールが旨い。
 「しかしこんな動画が幾度もばら撒かれて如月鬼堂など損害甚大だな」
 「そうだよ。会員は別にして一般にはAVの販売数は激減だろ」
 葬儀会社の社長は自分の報復を兼ねて喜んでいた。
 「だが主な収入は小説だろ」
 「あとファッション喫茶とプレイルームだ」
 「収入には影響ないか」
 「収入はどうでも自分が監修した女優らのAVが売れ行きダウンは怒り心頭だろう」
 「如月鬼堂の監修はそれなりに良い女ばかりだ。だがAVの大方が無修正だと二戦級以下だ。そっちが減っただけじゃないのか」
 医者の男はそこを指摘する。
 「いや全体的に減っている。そうでなければならん。如月鬼堂監修の売り上げが減って貰いたい」
 葬儀会社の社長は何としても如月鬼堂を低迷させたい。
 「向こうも相当に怒っているのじゃないか。館山を始め弁護士事務所が向井十夢の捜査までやりおった」
 印刷会社の社長はそこまでやるには相当困っていると見ていた。
 「愛好会の首脳部が怒っている事は間違いないな」
 川口の会長もそれは認める。
 「今回の女達。最後は全員揃えてR国で開放か」
 「山井夫妻に回した一人を除いてはな」
 「あっちはまた遺体処理か」
 T国から回収して日本で処理は手間が掛かる。
 「いいや今度は処理をしない。R国で他の五人と一緒だ」
 川口の会長はきっぱり否定する。
 「一人だけ遺体か」
 「そうだ」
 
 T国。海沿いの別荘である。
 外村芽生は逝き顔を晒しまくって躯状態を晒していた。女の部分は自身の膣液で濡れまくり小陰唇はよれよれに崩れている。
 亜希江は僅かな時間で女の悦びの奥の奥まで若い女に教えたのである。
 究極に奏でる極度な逝き声が動画にたっぷり収録された。
 処刑はまだ先である。
 亜希江は今回の生贄外村芽生は遺体処理をしないので残酷な躰にして解放が面白いとも考えていた。
 どちらにしても回収まで日数が有る。まだまだ残酷な仕打をして傷を深く残したい。
 「既に剃毛しちゃったの失敗した。脱毛クリームで抜いてしまえば良かった」
 亜希江は残念がる。
 「開放日ぎりぎりに塗れば僅かに伸びます。それと髪の毛の一部はどうでしょう。例えば縦に真ん中一本とかは」
 中背で標準体型の男が提案する。
 「おい。これは生かして帰すか」
 山井和徳が確認する。
 「傷を負って自殺するかどう展開するか解放して見ない」
 「そうか」
 山井和徳は好きにすれば良いという考えである。
 電気椅子擬きも絞首刑もやった。違うパターンも良いと思っている。
 亜希江は脱毛クリームを眉間の上額の真ん中から後頭部に向けて一本で強く塗った。
 さらにオヤジの禿げ始める真ん中部分に丸く塗る。
 「ふっふっふ」
 亜希江は意地悪さを発揮した虐めに満足そうに哂う。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 印刷会社の社長は生ビールを飲みながら亜希江らから送られた動画を編集していた。
 「なかなか向こうもやるな。だがこのやり方では殺す気はないのではないか」
 他の五人も飲みながら確認する。
 「そうかもしれんな」
 川口の会長もそう思った。
 「そろそろ叩きに行こう」
 医者の男が声を掛ける。
 六人は井戸に見せかけた入口から地下に降りる。
 滝本茉由は十字架に磔られて躰は横の柱にぶら下がっていた。麻酔は冷めている。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。ここからだせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 四人が黒いカーテンから入って来たのを待ち兼ねたように抗議した。
 医者の男が他の三人に目で確認して鞭を持つ。
 一気に乳房を真横に薙ぐ。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は悲鳴を轟かせ十字架を背負うように瞬間固まって左脚の膝を蹴り上げた。
 医者の男はもう一発叩き込む。
 「ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は同じように膝を蹴り上げて藻掻く。
 乳房には微かな蚯蚓腫れがクロスして浮いてきた。
 滝本茉由は痛みに震えながら医者の男を睨み見る。
 医者の男は次の一発を腰に叩き込む。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は左脚を振って痛みに藻掻く。
 医者の男は次の一発を艶めいた太腿に叩き込む。二本そろえて叩いていた。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由はまた十字架をお尻で押すように躰をやや前に倒して震撼させる。
 乳房の蚯蚓腫れは紅くなってきていた。
 腰は相当強く当たったのか深紅に筋が強く引いている。
 五発目に左の乳首に叩き込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は痛みに首を振り躰を揺すって藻掻く。
 医者の男は鞭を運搬処分業の社長に渡す。
 滝本茉由は痛みに藻掻きながら忍者姿黒装束の四人を睨み回していた。
 川口の会長は竹刀を用意している。
 
 埼玉県警。専従班の会議室である。
 再び班長には中宮警視正が就いていた。
 合同捜査会議から戻って専従班はあくまで連続拉致強姦事件の犯人を追う事に成っていた。
 「警視庁の取り調べで六人に航空運賃を精算して給料の仮払いをした男はこの六人とは別の求人サイトから応募していました」
 神谷悠乃警部補の確認である。
 R国に進出中の日本企業から依頼され自分の口座に受け取って空港で六人に会って支払いをした。
 六人が受け取ってサインを貰った書類は日本の無人の本社に送られていたとの事である。
 給料も六万円を受け取っていた。
 これだけでは犯罪の片棒とは言えない。取り調べは行ったが解放されている。
 「これはただのアルバイトですね。闇サイトではなく正規の求人サイトです」
 「連続拉致強姦事件の犯人の可能性は」
 「何とも言えませんね」
 「模倣犯にしても手が込んでいます」
 「あっちの空港で出迎えは二名ですが空港の防犯カメラの映像が送られてきまして捜査の結果二人とも死亡届が出ていました」
 「その病院は」
 「何れも火災で死亡です。自宅で連絡が着かず遺体を本人と断定されていました」
 どちらも凶悪犯で自殺とみられていた。
 「それを今更こっちが洗ってもどうにもならないな」
 「問題は渡航履歴が有りません」
 「ずっと以前からR国に逃亡して居たか」
 「死亡届が出された段階でな」
 死亡届は警察が出していた。
 「二人の捜査はR国の警察が行っていますが行方は掴めていません」
 「でも連続拉致強姦事件の犯人らがR国に渡航した可能性は低いです」
 「連続拉致強姦事件の犯人らがR国から被害者等を呼び込んだ可能性は極めて低いな。この連中が裏で協力している可能性は有るかというところだな」
 「この連中が海外に行って犯行を計画するには逆にリスクがあります」
 「そうだな。この六人の犯人を一気に絞れる」
 「すると空港で迎えた二人が六人から協力依頼を受けて拉致を実行した犯人である可能性が高いですね」
 専従班は念の為R国に渡航した人物を総て洗った。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトの地下である。
 滝本茉由は三人に鞭で叩かれて壮絶な姿に成っていた。
 乳房、腰、太腿に深紅に成った蚯蚓腫れが何本もクロスしていて無残極まりない。
 最後に川口の会長がその上から竹刀で叩く。
 「ぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は躰と顔から汗を噴いて涙を溢れさせていた。
 蚯蚓腫れの上から竹刀で叩かれる痛烈な痛みである。
 川口の会長は容赦なく叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうやめてーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は号泣していた。
 蚯蚓腫れを上から数発叩かれて一部割れて血も滲んでいる。
 運送会社の社長が小さな水羊羹の玉の様な風船に液体の入った物を両方の肩に三個ずつ糸で吊るす。
 医者の男と廃棄物収集運搬処分業の社長が吹き矢を構えた。
 「女。その小さな風船には金柑の汁が入っている。それが割れると鞭の傷に掛かる。痛いぞーーーーーーーー」
 川口の会長が恐怖を煽るべく言う。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。もう痛くて堪らないよーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由は悲痛な表情をさらに歪めて訴える。
 「悲鳴が聞きたいのだ」
 医者の男が愉しそうに言う。
 二人が一斉に吹く。
 左右どっちも真ん中の一個に当たる。風船は割れて吹き矢は床に落ち金柑の汁は乳房の蚯蚓腫れに飛び散った。
 「あはん。あは。あはん。あはん。ああ。あはん。あは。あはん。ああ。ああ。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーー」
 滝本茉由は狂ったように躰を震えさせて泣き喚く。
 「まだ残っているぞ」
 川口の会長が宣言する。
 「だめーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 滝本茉由は泣き悲鳴で訴える。
 二人が一斉に吹く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由の恐怖に震え上がった甲高い悲鳴が轟く。
 今度は内側の二つが割れた。金柑の汁は飛び散る。
 「あはああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーん。ああ。あはん。ああ。あはあん。やめてーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーー」
 滝本茉由は泣き叫ぶ。金柑の汁は躰を流れて腰の蚯蚓腫れに到達する。
 「うーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。いたいーーーーーーー」
 滝本茉由は狂ったように躰を揺すって泣き喚く。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああ。ああーーー。ああーーーん。もうだめーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙はぽろぽろ零れる。
 「もう一個」
 川口の会長が指摘する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。もうたえられないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーー」
 滝本茉由はさらに涙を溢れさせた。
 ここで一度麻酔を掛けて僅かに眠らせる。
 もう一度診察台に乗せて固定した。
 暫くの休憩のあと今度はドリルバイブと電マ、ローターで責め続ける。
 滝本茉由はとことん逝き顔を晒して二回失神してしまう。
 医者の男がここでまた麻酔を掛ける。残酷な手術が行われて後日他の五人と次に目が覚めた時はR国の海岸である。
 
 三月十三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 気温の上昇が早かったので既にこっちに戻ってしまった。
 本日は愛好会の主な面々と三店舗の店長も来ている。
 「また騒がしくなったね」
 熱海の店長荒井枝理が呟く。
 「騒ぎが隠れていただけです」
 館山弁護士の見解である。
 「今度は全く事態が読めないな」
 如月鬼堂は謎が多過ぎると思っていた。
 「しかし。和歌山にはおかしなクラブができるし。次々と犯罪者が現れるな」
 大河内税理士も暗雲にぼやく。
 「次のツアーの要求も出ています」
 福富麻次郎はそっちが議題と言いたい。
 「福富さん。そっちはよろしくだ」
 如月鬼堂はあっさり振ってしまう。
 「警察も相当に困っているでしょう」
 館山弁護士の想定である。
 「あの連中に依頼した奴が海外に居たのですか」
 「出迎えた二人が犯人とは思えないな」
 如月鬼堂の見解である。
 「日本で金を渡したアルバイトと同様か。それとも闇組織の派遣員とか」
 杉下一行は漠然と言う。
 「組織しかないです。死亡届が出ていると確認しています」
 館山弁護士がきっぱり答えた。
 「連続拉致強姦事件の犯人六人が海外に呼び寄せて犯行するとか」
 「荒井さん。それは逆に犯人の範囲が絞られます。狡猾なこの連中がその手に出るとは思えません」
 館山弁護士が荒井枝理の意見をきっぱり否定した。
 「どうであれ日本の警察はお手上げだな」
 生駒の店長である。
 「そろそろ警察庁長官が辞任かな」
 大河内税理士はそっちには期待したいらしい。恨みが有る訳ではない。自分より出世した人物が潰れれば嬉しい。
 如月鬼堂は土曜日の放送まであと五日ある。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。
 離れ座敷で岡田弥一郎は青木学と木村草太若頭補佐に昼から懐石料理と酒を振舞っていた。
 「三人全部殺されていましたね」
 「なかなか蛇の生殺し的な放映でしたね。遺体は何処に行ったのでしょう」
 三人とも分かっていた。
 木村草太若頭補佐は以前より遺体の処分を依頼している。廃棄物収集運搬処分業の社長とは持ちつ持たれつの関係である。
 岡田弥一郎らはつい去年の数か月前に森田緋香莉の遺体処分を依頼した。
 どちらも何処かで共犯である。
 分かっていても木村草太若頭補佐は何も言わない。
 「次の生贄は如何でしょう」
 「こういう子だが」
 木村草太若頭補佐はUSBを出す。
 青木学がそれをパソコンに反映させる。
 「高田アドリアナ。二十八だ。チェコと日本の混血だ」
 「訳ありですか」
 「勿論。犯罪者の娘だ。終わったら保釈にして国に逃亡させる」
 「保釈でどうやって海外に」
 青木学はつい突っ込んでしまう。
 「そこまで入り込むな」
 木村草太若頭補佐はや強い口調に成る。
 「ああ。すみません。弾みでつい」
 青木学は直ぐに詫びた。
 「うん」
 木村草太若頭補佐は詫びに頷く。
 「して。どこまで可能で」
 「うん。母親の保釈金に五百万必要だ。それ以外に渡航費用、医者、こっちの手数料だ。どこまで出せる」
 「一本でどうでしょう」
 「治る範囲か。二本だな。少なくても一.五」
 「判りました二本で」
 ホテルで行う今週の愛好会の生贄である。SMスーパーコンパニオンで済ませる予定だったが残酷ショーが期待されている。
 木村草太若頭補佐から打診された話であった。
 
 三月十九日。
 T国海沿いの別荘である。
 外村芽生を組織の二人が運び出す日が来た。
 亜希江が目論む最後の身体処刑拷問を行う。
 山井和徳が電子鞭で麻酔から起こす。
 「あーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーー」
 外山芽生は毎日マイクロローターとドリルバイブ、電マで散々責められた。
 「そうね。今日はお約束通り女の感じる機能を処刑するのよ。昨日までの悦びは永久に無くなるのよ。いいわね」
 亜希江はしんねりした口調で言葉の底にこの上ない愉しみを込めて言う。
 「やーーーーーーーーーーめてーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「何言っているのきっぱり宣告したでしょ」
 亜希江はこの断末魔の叫びを愉しみにしていた。
 寝かせて点滴を行っていたので最大に倒していた拷問椅子の背をかなり斜めに立てる。
 焼かれるクリトリスと膣を見せる目論見である。
 股間は大股開きに広がったままで脚はやや斜め上に跳ね上がっていた。
 細く小さな半田鏝を取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 外山芽生はそれを見て涙を流して悲鳴を上げた。
 さらに希硫酸を出す。
 「これでお○○この中を焼くのよ。でも直ぐ麻酔打ってあげる。解放する時痛み止めも持たせてあげる」
 亜希江は淡々と語る。
 「いや。いや。だめ。だめ。やめて。やめてーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーん」
 外山芽生は号泣してしまう。
 亜希江は益々悦びに浸る。
 山井和徳がクリトリスを剥く。
 「いや。いや。だめ。だめ。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 亜希江は中背で標準体型の男に半田鏝を渡す。
 男は山井和徳が広げたクリトリスを根元から焼く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 外山芽生の断末魔の悲鳴が轟く。
 男はじっくり周りから焼いて中心を焼いてしまう。
 「あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 外山芽生の悲鳴はサイレンと成る。
 亜希江はそれを心底愉しみながら躰の奥から熱くなっていた。
 希硫酸の瓶と筆を中肉中背ややがっしりタイプの男に渡す。
 山井和徳が外山芽生の女の部分をクスコで広げる。
 「・・・・・」
 外山芽生はもう恐怖に声が出ない。
 もう一人の中背で標準体型の男が局部麻酔の準備をしていた。
 中肉中背ややがっしりタイプの男は筆を希硫酸に浸ける。
 「あ・・・・・」
 そのままクスコに突っ込む。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぎゃああーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴が轟く。
 中肉中背ややがっしりタイプの男はクスコを抜きながら膣口まで筆を滑らせ回した。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 外山芽生は涙を飛ばして顔を振って藻掻き続ける。
 中背で標準体型の男が局部麻酔を打つ。
 さらに全身麻酔で完全に眠らせた。
 がっちり縛ってキャリーバックに詰める。頭の抜け毛を隠す蔓を入れておく。
 そのまま組織の二人が運び出す。
 再び潜水艦に積まれて日本から戻された五人と一緒にR国の海岸に大きなゴムボートで流された。
 最初に外村芽生が意識を回復して他の五人を起こして砂浜に上がる。
 皆自分の荷物に気付いてゴムボートから出す。
 「これ」
 一人がパウチされた案内的な文書を見つけた。
 「詳しい案内が書かれている」
 現在地、日本から派遣警察官の居る警察署の場所、空港、帰りの航空券が各自荷物の中に存在が記載されていた。
 日本から出発するとき受け取った現金荷物はそのままであった。だが唯一スマホは無くなっている。
 六人は痛み止めを持っており日本に戻って病院に行くこととした。
 
 三月二十一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 朝から館山弁護士と杉下一行が来訪していた。
 「日本から出発して行方不明だった六人は解放されました。動画は何処にも流れていないようです」
 杉下一行はまだ動画は確認できてないと報告する。
 「六人の供述内容で五人までは犯人は全員が男性と供述しています。外村芽生だけが一人年配とおぼしき女性がいてその女性が指示を出していたと供述しています」
 館山弁護士が捜査当局から得た報道前の情報である。
 「それでは歴然としたな。連続拉致強姦事件の犯人六人が闇組織に依頼して年配女性の犯人らとそれ以外の新たなる依頼者に振ったと考えられる」
 如月鬼堂はそこまで確信と見る。
 「しかし。今度は殺していません」
 杉下一行の指摘である。
 「絞首刑が二人。電気が一人だった。最後は生かして残酷刑を愉しむか」
 如月鬼堂はここも決めつけた。
 杉下一行に事務所から連絡が入る。
 「なに。直ぐにグループアドレスに送って」
 「動画が配信されました」
 直ぐにモニターで開く。
 最初に配信されたのは滝本茉由の動画であった。忍者姿黒装束の男と見られる四人が責めている。
 
 滝本茉由ら六人はその日の便で日本に帰国して帝都大学病院に収容された。
 痛み止めで辛うじて平常を保っていたが精神的にも肉体的にもダメージが大きすぎる。
 病院に収容後は安静状態と成ってしまった。
 R国を出発前に僅かな聞き取りができただけである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 最後は医者の男が滝本茉由の子宮を摘出する残酷な場面で終わっていた。
 「確かに忍者姿黒装束が四人。四人で輪姦していますから全員男です。海外在住の四人ですかね」
 杉下一行も謎だらけと思う。
 「分からないな。やり方は連続拉致強姦事件の犯人六人のパターンだが」
 如月鬼堂は海外に流れたことが違和感である。
 「あの連中が態々海外に行くとは思えません」
 館山弁護士はそこをきっちり押さえる。
 「あっちで拉致して日本に運ぶとは考えられないな」
 如月鬼堂は無謀と言える疑問を言ってみる。
 「絶対に空は無理です。船に密航も難しいです」
 館山弁護士は全面否定する。
 
 三月二十二日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 朝一番杉下一行からメールが届いた。
 二本目の動画が配信されたのである。
 被害者は桜田菜々美三十歳。なんと大手企業を退職したばかりでこの求人に応募していた。
 偽の求人情報が魅力的に見えたのである。
 滝本茉由の時とバックも診察台も変わらない。
 動いている四人はやや違う気がする。そこがどうも判りにくい。
 桜田菜々美が全裸で診察台に固定されている場面からである。
 医者の男が鞭で叩き起こす。
 「ぐ、ぐぐ、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いーーーーーーーーーたいーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は目をしょぼつかせる。
 容赦なくもう一発叩く。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は怒りに猛然と叫ぶ。
 「女。事態が判るか」
 桜田菜々美は周りを見回す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 驚きと恐怖に怯えた叫びである。
 容赦なくカメラは桜田菜々美の躰を部分的に映して行く。
 桜田菜々美の目には三台のカメラが自動で動いているように見える。
 黒いカーテンの向こう側で運送会社の社長と川口の会長が操作していた。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。とるなあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は夢中で叫ぶ。
 医者の男は桜田菜々美の女の部分を広げて薄橙の粘膜を剥き出す。診察するように膣口も指で広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。さわるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は猛然と叫ぶ。
 クリトリスも剥く。そしてクリームを塗って指先で刺激する。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は叫び、暴れ、藻掻く。
 医者の男はクスコを挿入した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 螺子を回して奥を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美がいくら喚いても医者の男は淡々と続けてゆく。
 ロングスプーンで中の汚れを採取する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 取り出された膣内の分泌物に桜田菜々美は悲鳴を上げた。
 桜田菜々美の想定の範囲に到底無い辱めである。
 それを黒いプラスチックの板に載せる。
 数日洗ってない女の部分の奥の汚れである。
 医者の男はさらに掬い出す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美堪らない屈辱と閉じられない脚に藻掻く。診察台はグラグラ揺れていた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は半狂乱である。
 「煩いな」
 医者の男はブジーを手にする。
 クスコで広げた膣の奥に薄紅色に盛り上がった部分の中心に亀頭の中心部の様な亀裂。それにブジーの先端を突っ込む。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は強烈な痛みに藻掻き暴れ続けた。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は痛みに診察台の上で固まる。表情は究極に軋む。
 そして涙が滲み出た。
 「暫く動けないぞ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。何で私がこんなめにーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーいいたいーーーー」
 桜田菜々美は藻掻き苦しみながら言葉を絞りだす。
 「もう一発行こう」
 印刷会社の社長がブジーを受取る。
 「ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は驚き驚愕の表情で叫ぶ。
 印刷会社の社長は容赦なくクスコの中にブジーを差し込む。
 モニターの映像を確認しながら子宮口に刺す。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美の躰は強烈に震撼した。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。子宮壊れるーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美の目からは涙が溢れている。
 「子宮は最後に撤去する」
 医者の男は淡々と言う。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は泣き叫ぶ。
 
 「どう見ても左側の男は医者だな。防護服と違うこの姿かたちからは断定できないが」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の犯人らという意識が捨てられない。
 「医者は何処にでも居ます」
 館山弁護士は否定する。
 「外山芽生の供述の年配の女性が居たというのは。日本に女性を運んだと思うがな」
 如月鬼堂はそこが捨てきれない。
 「その手段が無いです」
 館山弁護士は無理と言い切る。
 「潜水艦とか」
 如月鬼堂も当てずっぽうである。
 「何処の軍が協力しますか」
 館山弁護士はさらに否定する。
 「しかし外山芽生の供述の年配の女性が居たというのはこの間にこの犯人がR国に移動していなければならない」
 如月鬼堂はそっちの疑問はどうなると言いたい。
 「まだ警察は渡航者を洗い切っていません」
 「そうだな」
 如月鬼堂も期待は薄いがそれを待つしかないと理解した。
 
 桜田菜々美は子宮を刺し込まれた痛みに藻掻き続けている。
 「お前の恥ずかしい姿は全世界に配信される。どんどん犠牲者は増えている。コレクションする者は沢山居る」
 葬儀会社の社長が絶望の宣告をする。
 「やだあーーーーーーーーーーー。やだよーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は顔を振って喚き続ける。
 恐ろしい自分の姿を撮影されているのにどうにもできない。これが公開されたらどうなるのか。生きて居られない。
 「諦めろ。AV女優に成れ。稼げるぞ」
 印刷会社の社長が詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーー。そんなのできないよーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は完全にパニックである。子宮の痛みはまだ治まらない。モニターには自分の見た事もない恥ずかしい部分の奥が映っている。
 医者の男は廃棄物収集運搬処分業の社長に尿道カテーテルを渡す。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はクスコの螺子を緩めて向きを横にした。尿道の亀裂がクスコの二枚の金属の間に嵌りこむ。
 「いやだーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は次の恐ろしい事に叫び抗議する。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はカテーテルを尿道の亀裂に差し込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美はカテーテルの侵入に悲鳴を上げる。
 廃棄物収集運搬処分業の社長が摘んでいる位置まで尿が流れ出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は尿が管に伝って出て驚きの声を上げる。
 廃棄物収集運搬処分業の社長は管の先を尿瓶に入れて指を離す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿は静かに尿瓶に流れ出る。
 桜田菜々美は止まらない尿に慌てるが成す術はない。
 「はっはっは。こんな可愛い子のお○○こもおしっこも全部公開だ」
 葬儀会社の社長が嘲笑う。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。ひれつだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は堪らず夢中で叫ぶ。
 この後ギャーギャー喚く桜田菜々美を四人で姦輪した。
 一人ずつ膣を洗って交代して輪姦してゆく。
 情液に濡れた女の部分もアップで公開されている。この女は輪姦されてしまったという烙印を確り撮影されていた。
 
 「これでは二本の動画の男四人が同一人物かどうかすらわからないな」
 「無理ですよこの衣装では。被害女性の声以外字幕に成っています」
 「そうだが」
 如月鬼堂は女性を何らかの方法で日本に運んでR国に戻して解放したか犯人らが判らない方法で移動したとしか思えない。
 「最近は誰でも入れるメールアドレスに公開されています。パスワードが固定なのです」
 杉下一行の得た情報である。
 「これではAVの売り上げ激減だな」
 如月鬼堂は嘆く。
 「あの六人が突き止められて逮捕されたら終わるのですかね」
 館山弁護士の疑問である。
 「あいつ等の後ろ盾が無ければ模倣犯は直ぐに捕まる。北海道で二件重なった模倣事件が良い例だ」
 如月鬼堂は断言してしまう。
 「どうやったら逮捕できますかね。何か失敗してくれない限りは」
 館山弁護士はいつか失敗すると見ている。
 「逮捕されなくても良いが何処かで死んでくれ」
 如月鬼堂は以前からそれが一番良いと思っていた。
 「やはり関連した幾つかの犯罪組織が有ってその規模が大きい事ですかね」
 「そうだよ。個人が殺人を起こせば何処かに証拠が残って九分九厘犯人に辿り着く。冤罪は有るが。上手な組織が人を殺しても事件にすらならない」
 如月鬼堂はこの犯人は捕まらないと見ている。
 
 葬儀会社の社長と印刷会社の社長で桜田菜々美の躰に糸で繋いだ洗濯鋏みを鋏み付けていた。
 葬儀会社の社長はこのプレイが好きである。
 洗濯鋏は二系統ずつ四本の糸に繋がっていた。
 そのうち二本は腋の少し下から躰の両横を膝上まで三センチ置きに鋏み付けている。
 後の二本は乳房の上から乳首、乳房の裾野、五センチ置きに腹の横を通ってドテの横から女の部分のびらびらまで鋏んでいた。
 桜田菜々美はもう叫ぶ力もなく恐々と震えている。
 医者の男がクリトリスの下に針を通した。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 その針にトランスに繋がった電線のワニ口クリップを接続する。
 「いやあーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は恐怖に震える。
 「行くぞ」
 医者の男はトランスのスイッチに手をやる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 摘みを回して電流を流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は強烈に藻掻き震え暴れる。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美はサイレンの様に悲鳴を上げた。
 「どうだ。気持ち良いか」
 医者の男はふざける。
 「いたいよーーーーーーーーーー。いたいいーーーーーーー」
 桜田菜々美は泣き叫ぶ。
 「今度はおっぱいに行こう」
 葬儀会社の社長が宣告する。
 印刷会社の社長と両側から乳輪の下に針を通す。
 「うーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は甲高い悲鳴を上げる。
 その針にもトランスから伸びた線の先端に付いたワニ口クリップを両側に接続する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。いたいからーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は喚き拒絶していた。
 「行くよ」
 医者の男がトランスに手を掛ける。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は摘まみを回す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は大口を強烈に破裂させて喚き叫ぶ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は藻掻き震え続けた。
 「行くぞ」
 葬儀会社の社長が印刷会社の社長に合図する。
 二人で躰の両腋の洗濯鋏みを繋いだ糸を一気に引っ張る。
 洗濯鋏みはドミノ倒しの様に続けざまに飛ぶ。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごーーーーーーーーーーーーーー。ぐごーーーーーーーーーぐごーーーーーーーーー」
 桜田菜々美はさらに狂ったように暴れる。
 医者の男が電流を切っていた。
 「ぐごーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は僅かな失禁尿を飛び散らして泣き喚く。
 壮絶な痛みである。
 「お前まだクリップでないだけ穏やかなのだぞ」
 葬儀会社の社長が書類を鋏む黒いクリップを翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は涙を飛ばして猛然と拒絶する。
 「お前もう二本残っているぞ」
 医者の男が泣き面の桜田菜々美にさらに煽る。
 「いやだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美はさらに喚く。
 「お前はAV女優に成るのだ。躰の表面は傷つけないで綺麗にしておかないとな」
 印刷会社の社長が詰る。
 「はっはっはっはっは」
 葬儀会社の社長が笑い飛ばす。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。AVになんかならないーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美はさらに吠える。
 「行くぞ」
 医者の男がトランスの摘みに手を掛けた。
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長が洗濯鋏みを繋いだ糸を一本ずつ乳房の側から掴む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は恐怖に叫ぶ。
 医者の男がトランスのスイッチを回した。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は大口を強烈に破裂させて叫ぶ。
 葬儀会社の社長らはまだ悲鳴を愉しむ。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は顎が外れんばかりに大口を強烈に破裂させて泣き叫ぶ。
 「行くぞ」
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長は一気に体ごと動いて引っ張っり二本の糸を剥がす。洗濯鋏みは空中に飛ぶ。
 女の部分を鋏んだ洗濯鋏みは強烈にびらびらを引っ張って伸ばし飛んだ。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーー。がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがーーーーーーーーーーーーがーーーーーーーーーーーー」
 診察台はグラグラ揺れる。
 桜田菜々美の目からは涙が溢れていた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ」
 桜田菜々美から涙がぽろぽろ零れる。
 「さあ。最後にお前の逝き顔も撮らないとな」
 医者の男がぼそりと言う。
 そしてリモコンから伸びたアームの先に小さなローターが付いたアイテムを翳す。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「それじゃ痛いのをもっと行くか」
 「だめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーー」
 「それじゃこっちだ。逝き顔を撮影されたくなければ頑張って逝かないように堪えれば良いだろ」
 医者の男が詰る。
 「そんなので責めたら誰でも変に成るようーーーーーーーーーー」
 桜田菜々美は涙声で訴える。
 「良いじゃないか。もうAV女優に成るのだよ」
 「いやだーーーーーーーーー。私は普通に就職して結婚して・・・・・」
 桜田菜々美の言葉は途中で反論が途切れてしまう。
 「それは無理だ今日子宮を撤去する。結婚はできない。AVで稼げ。それが多くの人を悦ばす」
 葬儀会社の社長が最終宣告してしまう。
 もう一度クスコが入れられた。そして躰に心電図が付けられる。
 印刷会社の社長がクスコの中に柄の先のローターを差し込む。
 モニターに内部が拡大された。
 印刷会社の社長は女の一番敏感な部分にぴったり当てる。
 スイッチが入った。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そこはだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に桜田菜々美の躰は震撼している。
 
 「女性によって反応は違いますが。責める内容はこれまでと殆ど変わらないですね」
 杉下一行の言い分である。
 本日は如月鬼堂と館山弁護士、杉下一行の三名だけがテレビ会議で繋がっていた。
 「あんたはどう思う。これはあの六人の内の四人か」
 「やる事は似ていてもそれは無いでしょう。以前の動画を参考にやっているのでしょう。同じ事がやりたくなるのではないですか」
 杉下一行も否定する。
 「それじゃこの場所はR国なのか」
 「それしか考えられませんよ。R国でも隣国と国を跨げばそれなりに何かが残ります。増して日本には絶対無理です」
 館山弁護士はまたきっぱり否定する。
 このオンライン会議に本多椿が加わった。
 「こんにちは週末の打ち合わせに入っていますか」
 「本多さんにも送りましたよ。動画の検証中です」
 「前も解決しないのにやれやれですね。三十一日からのツアーはもう確定したのですか」
 「それは福富さん任せだよ」
 如月鬼堂は行くだけという意識である。
 「R国に行った一人外山芽生さんの供述に年配の女性が居たというの何か気に成ります」
 本多椿は如月鬼堂と同じ疑問を呈する。
 「そうだよな」
 「もし前の三本の動画に出て来る年配らしい女性だったら今度は捕まるのじゃないですか」
 本多椿は何か進展すると期待していた。
 
 桜田菜々美は何回も逝き顔をされして失神してしまっている。そのまま麻酔を掛けて子宮を摘出する場面まで公開されていた。
 二本目の動画はこれで終了である。
 
 「いったい犯人は何が目的なのでしょう。こんな事までしてSMの領域は完全に逸脱しています」
 本多椿の批判である。
 「現代社会に対する昭和世代の一部の怒りと思ったが。だんだん何とも言えなく成って来た」
 「土曜日までどうします」
 「まだ何本か動画が公開されるのじゃないか。外山芽生の動画が公開されれば何かはっきりするか。疑問が歴然とするかだな」
 「ぎりぎりまで待ちますか」
 「そうだな。大方のニュースがWBCで独占してくれていて助かるよ」
 如月鬼堂はこれが幸いと見ていた。
 
 三月二十三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 福富麻次郎と荒井枝理、本多椿が来ていた。一応月末の三回目のツアーの打ち合わせである。
 「今回は北の方で問題ないかと」
 福富麻次郎が企画を切りだす。
 「・・・・・」
 如月鬼堂は静観している。既に昼からビールである。
 「上野発に成って上野に戻りますが秋田東北循環です」
 そんな打ち合わせの最中に杉下一行からメールが入った。
 そして仕出し屋から料理が届く。
 如月鬼堂は大河内税理士とテレビ会議を繋いでツアーの確認をそっちに任せてしまう。
 館山弁護士ともテレビ会議は繋がった。
 待っていた外山芽生の動画である。
 「これは以前の三本に出ていた年配女性と年配男性それに別の二人。そうじゃないですか」
 如月鬼堂にはどうにもそう見える。
 「そう見せかけて混乱を誘っているのではないですか」
 館山弁護士はあくまで正論である。
 「似た体型の人物を使ってか」
 「そんなところでしょう」
 「この一人だけ混乱の為日本でやった年配女性を演出したか。それでも現地に最適な人間が必要だな。誰でもこんな真似はしない」
 「まあ。闇組織の人間らしきが現地に居るのもかなり不自然ですが」
 「謎だらけですね」
 本多椿も不可解さを感じていた。
 「ハードさというか残虐さはこの年配女性の関わっている前の三本と大差ははないな」
 「これは酷いよ。殺すより残酷。性器もクリトリスも焼いて下の毛だけじゃなく髪の毛の真中を強制的に脱毛なんて。酷すぎる」
 本多椿は強く非難した。
 
 埼玉県警。専従班の会議室である。
 「これは別人です。瑞浪花那さんが行方不明になった日からR国に渡航した人物を全部調べましたが隣国を含めて該当者は見当たりません」
 神谷悠乃警部補が報告する。
 「R国への渡航者はそんなに多くないからな」
 中宮警視正も認めてしまう。
 「そう成ると空港に出迎えた二人もこの女性も二つの動画の四人の男もR国に居た事に成ります」
 「その割に犯人が絞れないか」
 「そうです」
 「日本から密航か。R国で拉致して日本から往復密航か」
 「そんなルートが有るでしょうか。渡航歴のない二人も問題ですが」
 「死亡届が出ている二人がその二人なのか。そしてどう渡航したかだな」
 「以前なら他人の戸籍で作ったパスポートで渡航していた可能性は考えられます」
 「すると何人もそのような仲間が居て今回の事件を起こしたか」
 「そして連続拉致強姦事件の犯人六人と何処かに繋がりが有ったとは考えられます」
 「明日の合同捜査会議で話し合ってみよう」
 中宮警視正はそう結論を出す。
 
 三月二十四日。
 和歌山県の岬ビューホテル。
 昼過ぎに高田アドリアナは木村草太若頭補佐に連れて来られた。
 「お母さんの保釈金と逃亡費用。医療費と手数料は別途こちらで払いますので一千万です」
 青木学が百万の帯封を十束差し出す。
 高田アドリアナはそれをバックに仕舞う。
 「表面的には直すがお母さんの保釈と逃亡で乳首とクリと膣の感度を失うぞ」
 岡田弥一郎が念を押す。
 「実はママは私の身代わりなの」
 高田アドリアナは真実を打ち分けてしまう。
 「何をやったの」
 「人殺した」
 「よく保釈に成ったね」
 「ママは持病が。それに私にストーカーした事に」
 「そうかあんたのお母さんが身代わりに成った事でそんな理由が付けられたのだな」
 「うん。ホントは私が騙したの」
 「それじゃ仕方ないな」
 「うん」
 「風呂に入らないでくれよ。今のまま六時からのショーだ」
 「うん。お○○こ汚れているよ」
 「いいな」
 「いいよ」
 チェックインは三時だが早い会員はもう来ていた。
 「今日は全部で五十名です」
 青木学が木村草太若頭補佐に答える。そしてもう一千万を差し出した。医者は木村草太若頭補佐が手配する。
 チェックインした部屋からSMスーパーコンパニオンもその部屋に挨拶して入る。その時間からプレイ料金は計算される。
 浪江には赤座元太、弘枝は宇治原歳加年、香乃子が木村草太若頭補佐に付いたので瀬尾将には横溝亜寿香と成った。
 高田アドリアナは六時の開始まで控室で破裂しそうな心臓で待つ。
 宇治原歳加年と弘枝は部屋に付いている専用露天風呂に浸かっていた。
 「今日は誰れが責めるの」
 弘枝は何も聞いてない。
 「全部青木の司会に従って抽せんらしい」
 宇治原歳加年は当たる率は低いと言いたい。
 「乳首斬っちゃうのでしょう。後始末は」
 「木村さんが医者を連れて来るらしい」
 「乳房も煙草で焼く。クリも潰すらしい」
 「問題に成っている犯罪の動画と変わらないのじゃない」
 「こっちは金で解決だ」
 宇治原歳加年は送られて来たポートを見せる。
 「混血」
 「チェコと日本らしい」
 「綺麗だね。勿体ない」
 時間十分前に宇治原歳加年は浴衣を着て弘枝はコンパニオンのミニスカスーツで宴会場に入る。
 高田アドリアナは日本の長襦袢姿で宴会場に入って来た。
 青木学が紹介をして長襦袢を脱がせる。下は湯文字一枚である。
 綺麗な乳房とローズ色の乳首が露わに成った。
 綺麗な乳房とローズ色の乳首が露わに成った。
 湯文字一枚のまま青木学はターンテーブルの上の拷問椅子に乗せる。背凭れは殆ど倒してない。
 腰をベルトで固定する。
 腕は頭の上で縛り合わせた。それを天井の円盤からターンテーブルの中央に下がった滑車のフックに引っかけて上から強く張る。
 岡田弥一郎も手伝って片方ずつ膝から脚首に縄を掛けて天井の円盤の側面に下がった滑車のフックに引っ張り吊るし上げた。
 拷問椅子の脚乗せ部分は使わない。
 高田アドリアナはターンテーブルの上で拷問椅子に大股開きのX字開脚にされてしまった。
 黒い塊はベース型に処理されていたので小陰唇は丸見えである。
 ターンテーブルが回転すると円盤も同期をとって回転する。
 「剃毛からです。ルーレットで当たった席番の方お願いします」
 青木学が声を掛けた。
 宴会場の四面の大型モニターは常に高田アドリアナの正面から映しているが一時的にルーレットに替わって回転する。
 青木学は当たった会員に脱毛クリームを渡す。
 「全部抜いてしまうので」
 「そうです」
 「剃毛ではなく脱毛ですな」
 会員は嬉しそうである。
 掌に脱毛クリームをたっぷり出してドテの陰毛全体に塗して強く擦り込む。
 「あはあ」
 高田アドリアナは息を漏らす。
 確り契約に書かれているので仕方ない。一部法律に触れる契約だが今の高田アドリアナには訴えたり文句を言うどころではない。
 医者によるケアが終わったらチェコに逃げ帰る。
 強制的に脱毛されてしまうのは抵抗があるが仕方ない。
 チェコに帰ればAVで働く。チェコでは大方がパイパンのAV嬢である。
 青木学は次の抽選を行う。
 そしてクスコを翳した。
 脱毛の会員は一度席に戻る。当然抜き取るところもやらせて貰える。
 高田アドリアナは遂に女の奥まで見られてしまう。
 母はチェコだが父は日本人。日本社会との性の感覚にギャップが大きい。日本の感覚ではかなり辛い事である。
 だが今日の内容では序盤らしい。
 洗うなと言われてそこまでと思ったが金額を考えて承諾した。別にそれなら割り切れなくはない。
 父は母が浮気をしたので離婚した。
 正確にはAVでアルバイトをして小遣いを稼いだのである。
 母は元々チェコでAVに出ていたと聞いている。
 女の部分を開いておしっこを公開する場面や自分でクスコを入れて奥まで公開しているAVを男友達らに見せられた。
 シリーズで他の女優のも沢山有った。
 元々AV女優だったと知っていたのだが実物を見たときはショッキング感を隠せなかった。
 男友達らは高田アドリアナのショックを期待していたのである。
 そのまま四人に輪姦された。もとより承知の上で多人数が入れるファッションホテルに入ったのである。
 四人が二順して最後はアナルと両方に二人のサンドイッチにされた。何回逝ったかもう解らない。
 会員は高田アドリアナの膣にクスコを挿入して奥まで広げていた。
 天井の円盤から下がったカテーテルタイプのライトで照らされて内部とその付近がスクリーンに拡大されている。
 恥ずかしいがもう割り切ることにした。
 見られているが男性は全部おやじばかり。今更あまり気にならない。若い女性が嫌だが全部SMスーパーコンパニオンらしい。
 同じ事をされる女性らである。それなら良いと思う。
 会員はロングスプーンで膣の奥の汚れを掬いだしていた。
 それを目の前で翳されてしまう。
 高田アドリアナはこんな事がしたいのかと思ったが一応顔を逸らせる。
 寧ろこんな事だけで済んでくれたらと思う。この先体を破壊される痛みが待っている。
 女の感じる部分を焼かれてしまう。
 木村草太若頭補佐にクリは形だけだが膣の奥はある程度直してくれる医者だと聞いている。
 だが絶対にそれは言うなと念を押されていた。
 「お前の奥の汚れがこんなに出たぞ」
 会員は詰ってくる。
 高田アドリアナは一応顔を顰めて逸らせておく。
 青木学はローターを四個取り出した。
 またルーレットが回る。
 一人一回くらいしか当たらない抽選である。この辺で当たってもありがたくはない。
 会員はクスコを抜いて膣にローターを三個挿入する。
 さすがに高田アドリアナもローターを三個入れられたのは初めてである。
 最後の一個でクリを責め始める前に最初の会員がドテの陰毛を抜く。簡単に取れてしまう。
 綺麗に拭くと薄っすら紅みの掛かった皮膚が綺麗である。
 高田アドリアナは躰の色が極めて白い。チェコは日焼け気味の肌の色も多い。
 白く肌理の細かい肌にその部分の紅さが生えて美しい。
 会員は入念にガーゼでその部分を拭く。
 既に高田アドリアナの膣の中では三つのローターが暴れていた。
 ローター担当の会員は指先でクリトリスを剥く。
 既に高田アドリアナの表情は軋んでいた。
 その会員はさらに剥き出したクリトリスにローターを当てる。
 「あ、あ、あはーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナもこのもう攻撃には堪えられない。
 躰は強く軋み藻掻く。
 ターンテーブルは回転するがモニターには正面からの高田アドリアナの藻掻く姿が映し出されている。
 青木学は腸カテーテルを準備していた。
 それはイルリガードルスタンドに吊るしたボトルタンクに接続している。
 クリトリスを責める会員にその先端を渡す。
 薬のボトルタンクにはグリセリンに氷が入れられていた。
 会員はクリトリスにローターを当てながら腸カテーテルを高田アドリアナのアナルに差し込む。
 コックを回すと冷えたグリセリンが一気に直腸に流れ込む。
 「ぐうう。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たいグリセリンが腹を襲う。
 高田アドリアナは藻掻き苦しむ。
 これではローターには意識が行かない。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいいーーーーーーーーーーーーーーー」
 ベルトで固定された腰と吊るされた脚を捩って藻掻き苦しみ続けていた。
 まだ腸カテーテルは流し込んでいる。
 高田アドリアナはどこまでも藻掻き続けた。
 会員はカテーテルの途中を持って青子学の方を見る。アナル栓を捻じ込む前にカテーテルを抜いたら直ぐに逆流しそうである。
 青木学はコックを閉める。
 そして素早く抜いて肛門が収縮する瞬間にアナル栓を捻じ込む。
 「う、うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 青木学は漏らすタイミングを与えないで捻じ込んでしまった。
 拍手が沸く。
 「もうたすけてーーーーーーーーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナは苦痛を訴える。恥どころではない。
 また拍手が沸く。やった。追い詰めたという拍手である。
 岡田弥一郎の手で直ぐに水槽が置かれた。
 拷問椅子のお尻の下には吸収シートが敷かれる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。はやくーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナは涙を溢れさせていた。
 会員の手でアナル栓が抜かれる。
 震える高田アドリアナから茶色い水が流れ出て細かく成った便が噴出した。さらに緩い便が絞りだすように出て来る。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナは苦しみ藻掻き続けた。恥より堪えられない苦しみに総て出し切るしかない。
 換気扇は強力に作動していた。
 それでも匂いは充満する。顔が綺麗でスタイルが良い女でなければ宴会場から退避したい光景である。
 膣のローターは入ったままであった。
 直腸の苦しみが治まるとそっちが効いてくる。
 高田アドリアナの藻掻き方が苦しみから官能に変わり始めた。
 会員はもう一度クリトリスにローターを当てる。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナは急激に官能に上り詰める。苦しさからの脱出である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナの躰は迫り上がって固まる。そして強く撥ねて反り返った。
 次の瞬間静かに沈む。
 それでも躰は震撼したままで女の部分はまだ痙攣している。
 「それでは次です」
 モニターが切り替わってルーレットが回った。当たったのは宇治原歳加年である。
 弘枝を伴ってターンテーブルに上がった。
 責め具はワゴンに数種類用意されている。
 宇治原歳加年は責め方を弘江に任せた。
 弘枝は高田アドリアナの女の部分をよく検分する。
 「大分開発されているよ」
 弘枝は膣の奥に指を突っ込む。
 「ううん」
 奥が深すぎるのである。
 クスコをもう一度挿入する。
 中を広げてリモコンの先に柄が伸びてマイクロローターの付いた杉下一行のポルノショップ製のアイテムを突っ込む。
 「ねえ。かなり深いよ。全部一斉に責めて良いのじゃない」
 宇治原歳加年はカテーテルカメラを奥まで挿入する。別のモニターに内部を投影して敏感な部分を探る。
 弘枝はアナルバイブにローションを塗ってアナルに差し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 充分に開発されたアナルである。
 弘枝は宇治原歳加年にもう一本柄付きのマイクロローターを渡す。
 そして下を指さした。
 娼婦の泣き所の反対側も責めろという要求である。
 弘枝の神経は昂っていた。
 悦びを一般の女以上に知った女である。その悦びをこの後で潰してしまう。どうにも堪えられない(こたえられない)。
 弘枝は残酷の坩堝に飲まれていた。
 宇治原歳加年にもそれは伝わる。
 「うふう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナの躰は責めに蹂躙されていた。
 弘枝は柄付きマイクロローター二本とアナルバイブで責めながら尿道バイブを取り出す。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 あれから残る三人の女性の動画は公開されてない。
 今日は仕出し屋から野立弁当が運ばれていた。三つの重に刺身と天ぷらその他が盛られている。
 真性奴隷女の館の樽常マネージャーとテレビ会議が繋がっていた。
 三月三十一日から予定されている次のツアーに乗せるM女性の打ち合わせである。
 「本多さん達は自分らのお客の参加は終わったから新しい女性を乗せたらと言っています」
 次の優先順位を乗せて本多椿らが参加しても本来のお客で指名が埋まっていて新たな営業に繋がらないからである。
 「それは駄目よ。申し込んでいる人達は高島波瑠さん達が目的よ」
 瀬里菜が直ぐに否定する。
 「次回から参加する女性を先に発表しないとな」
 如月鬼堂も瀬里菜の言い分の通りと思う。
 瀬里菜が本多椿に電話をして自ら説明した。
 「椿さんは行くのは納得したけど指名の余地のあるメンバーをもっと多く乗せたらどうかと言うの」
 「そう成るとギャラが問題だな」
 如月鬼堂は福富麻次郎に連絡を取る。
 「先生。それなら車両を二両くらい増結しましょう」
 「そうか」
 「四国の時は難しかったですけど。今回は可能です」
 「それじゃ後は瀬里菜と話し合ってくれ」
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 外は曇り空である。
 愉しみが終わった倦怠感も有る。
 寿司と刺身の出前を取って日本酒をコップ酒であった。
 今日は医者の男を除いて五人である。
 医者の男は大阪の個人病院に向かった。
 「後の三本はいつ公開する」
 印刷会社の社長である。
 「急ぐ事は無い。三本の公開で充分に混乱している」
 川口の会長はじっくり構えていた。
 「誰一人捜査が行き着く事は無いな」
 葬儀会社の社長も悠然としている。
 「当分は静かにしている事だな」
 運送会社の社長も充分に堪能した気分である。
 「何人か自殺するかな」
 「いまのところその傾向は無い。病院も確り管理している」
 「一人くらいでもAVに成ってくれたら面白いのだが」
 廃棄物収集運搬処分業の社長はまだ社会を踏みつけたい。綺麗に成りすぎた理想論しか認めない社会に一矢の気分である。
 「そうだな遺体で処分は最後の手段だ。生かして社会に残すのが良い」
 川口の会長の結論である。
 その時警報が鳴った。
 車両が山道に侵入したのである。
 「警察だな」
 川口の会長が一人対応する。二人が残り二人が地下に下がった。
 警察の車はテラスの下の坂道で赤外線スコープを使っている。
 「何もないな」
 中宮警視正は首を振る。
 「そうですね。ただの山荘です」
 神谷悠乃警部補も同意する。
 川口の会長らも何度も赤外線スコープで確認していた。正面の岩で内部は確認できない。
 中宮警視正は一応山小屋に向かう。
 「何回かお願いしているとは思いますがご協力を」
 中宮警視正と神谷悠乃警部補が警察手帳を提示する。
 「どうぞ」
 一応中に入った。
 「こちらは」
 「友人で私はこの下の葬儀会社の者です」
 「私は印刷会社を経営しております」
 二人は淡々と答えた。
 「一応お車を拝見できますか」
 「どうぞ」
 川口の会長が案内する。
 「以前にこの車の便座を持ち帰られました」
 「ご協力ありがとうございます」
 神谷悠乃警部補は車のタイヤを撮影して道の轍を確認した。
 「この車以外来ていませんね。この二台の車の跡だけです」
 問題なしで二人は帰って行った。
 「中宮と言ったな。専従班の班長らしい」
 「自ら来たか」
 「そうだ自ら此処は関係ないと証明に来たようなものだ」
 「ふはっはっはっは」
 葬儀会社の社長は笑い飛ばす。
 中宮警視正らの車が山道を麓まで下るのを確認してまた五人で飲み始めた。
 他の四人の車は葬儀会社の駐車場に止めている。
 「あの警視正一度解任されてまた戻って来たな」
 そこまで情報が入っていたのである。
 
 和歌山。岬ヴューホテルの宴会場である。
 高田アドリアナは宇治原歳加年や瀬尾将らの責めで二回失神した。
 さらに十数人に鞭打ちされて躰中真っ赤な筋だらけに成っている。一部血が鬱血して無残である。
 次のルーレットが回る。
 「次は蚯蚓腫れに金柑の汁です。このプレイは如月鬼堂のショーでは禁じ手に成っています」
 青木学は宴会場の期待感を煽るように言う。
 高田アドリアナは恐怖に慄き震える。
 何となくこの痛みが分かるようである。
 当たった会員は金柑の実を沢山搾る。
 高田アドリアナはそれを震えながら見ていた。口元が震えているのが宴席からも良く分かる。
 会員は搾った金柑の汁を霧吹きに入れた。
 まずは太腿の蚯蚓腫れを狙う。
 蚯蚓腫れは白く艶めいた太腿を深紅に染めて一部割れていた。
 そこに吹き掛ける。
 「う、うぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 高田アドリアナの躰は拷問椅子の上で仰け反る。
 天上の円盤からの吊るしを揺すって強烈に藻掻く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい。いたい」
 泣き喚く。
 高田アドリアナの可愛い顔が般若の形相に成って叫び続けた。
 それでも一、二分で大方治まる。
 「あはあーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 高田アドリアナの躰は震え続けていた。
 会員は乳房に掛ける。片方ずつシュ、シュと両方に一気に掛ける。
 「ぐう、うう、うぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 また高田アドリアナは表情を破裂させて叫ぶ。
 高田アドリアナは機関銃のように痛いを叫び続けた。
 治まるのを待って最後に股間の蚯蚓腫れを狙う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴である。
 会員はびらびらの粘膜に二振り掛けた。
 「はあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 高田アドリアナは号泣の涙を溢れさせて喚き続けた。
 治まったところで最後の時間である。
 青木学らが呼んだ会場の医者の手で乳房と女の部分付近に局部麻酔を注射してゆく。
 最後のショーの準備である。
 高田アドリアナは観念した表情に成った。
 「最初は煙草です」
 青木学のアナウンスでルーレットが回る。
 当たった会員がターンテーブルに上がる。
 「片側に集中して下さい」
 青木学は会員に煙草を渡してそう注文を付けた。
 会員が煙草を咥えて青木学が火を点ける。
 高田アドリアナは恐々とそれを見ていた。
 もう早く終わって病院に運んでほしい。
 此処に居る医者は応急処置だけらしい。その後大阪の病院に運ばれると聞いていた。
 会員は美味そうに煙草を吸ってそれを高田アドリアナの右の乳房に押し付ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナは恐怖の表情を歪めて目は点に成っていた。
 次のルーレットが回る。
 痛みは局部麻酔で押さえられている。だが痛みが抑えられながらも強い衝撃感がある。
 自分の皮膚が悲鳴を上げているのは良く分かる。
 十人に煙草を押し付けられ右の乳房は悲惨極まりない。最後の一人はローズ色の乳輪に押し付けて行った。
 高田アドリアナは本当に真から残酷な人ばかりと思う。だがそんな人がいて金を貰えなければ母とチェコに逃亡できない。
 次のルーレットが回った。
 青木学が呼んだ医者は止血パットを持って構えている。
 岡田弥一郎が高枝切り鋏を三方に載せて準備していた。
 当たった会員は大悦びである。
 高枝斬り鋏に巻いた白い紙を外して鋏の刃の部分を開く。
 高田アドリアナは恐怖極まって固まっている。
 会員は高枝斬り鋏の歯の部分を左の乳房に当てた。
 高田アドリアナは会員の顔をひが目で見る。観念はしていても躰は震える。
 「方々。行きますよ」
 「おーーーーーーーーーーー」
 「女。観念しろ」
 余計な掛け声である。
 観念していた高田アドリアナの心を揺さぶる。
 「う」
 高田アドリアナは微かに目を見開いて瞑る。
 男の力が高枝斬り鋏に篭る。そして一気に鋏む。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が飛び散って乳首が撥ね飛んだ。
 血が噴流する。
 医者はガーゼを当てて止血パット素早く貼る。
 「次はクリトリスです」
 次のルーレットが回る。
 青木学は当たった会員に小さな半田鏝を渡す。
 熱くなる時間を待つ間が高田アドリアナの恐怖感を炙り続ける。
 青木学は煙草を差し出す。
 「先に焼いてから刺して下さい」
 会員は煙草を咥える。
 青木学がまた火を点けた。
 「ああ」
 高田アドリアナは緊迫した息遣いを吐き出す。
 会員は高田アドリアナのクリトリスの包皮を剥く。
 「あはあ」
 高田アドリアナはさらに震える。
 会員は煙草を指三本に持ち変えた。そのまま一気にクリトリスのピンクの玉に押し当ててしまう。
 「あーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ」
 高田アドリアナは恐怖に顔を歪めたまま目を瞑る。
 「あはーーーーーー。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 高田アドリアナは臆した表情で会員をみている。
 医者が局部麻酔を注射する。
 「あ、ああ」
 高田アドリアナは震えた息を漏らす。
 既に半田鏝が熱く成っていた。
 会員はそれを手に持つ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナはまた怯え悲鳴を漏らす。
 その細い先端でピンクの玉に突き刺してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高田アドリアナから強烈な絶望の悲鳴が上がる。
 「これから膣の中を全部焼きます」
 青木学が宣告した。
 宴会場は静まり返っている。
 今度は通常の半田鏝が用意された。
 高田アドリアナの躰は微かに震えている。
 焼く担当は三人が抽選で選出された。
 医者が入念に位置を変えて局部麻酔を何回か打つ。
 高田アドリアナの躰はまだ微妙に震えているが据わった目で三人の会員を順に見て行く。
 青木学は金属棒を曲げて造られた開口器を会員に渡す。
 「これで角度を変えて完全に焼いて下さい」
 受け取った会員は納得した顔に成る。
 そしてそのままその開口器具を膣に突っ込む。
 「・・・・・」
 高田アドリアナは会員の顔を見据えている。
 スクリーンには高田アドリアナのその部分の後ろに顔が映ったアップが表示されていた。
 宴会場全体が焼かれる高田アドリアナの女の部分に集中している。
 開口器は高田アドリアナの膣を究極に大きく開いた。奥の広がりが見えて子宮口はやや上部に小さく出っ張っている。
 奥の深い内部が十分に確認された。
 座からは無言のどよめきが沸く。
 そして高田アドリアナから油汗が流れ落ちる。
 一人目の会員は半田鏝の温度を確認して膣の奥に突っ込む。
 内部を拡大したモニターを見ながら中を焼いて行く。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みは麻酔で押さえられていた。それでも躰を焼かれている。それだけで痛みが無くても悲鳴は抑えられない。
 僅かに煙が上がる。
 「ああ、あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ある程度焼いたら二人目が交代する。
 三人目は半田鏝ではなく。焼き残した部分に希硫酸を大きい綿棒でじっくり塗る。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また高田アドリアナは驚きの悲鳴を上げてしまう。
 終って拷問椅子から降ろすとぐったり畳にへたってしまった。
 これで終了である。
 医者は既に病院の救急車を待機させていた。このまま麻酔を掛けて大阪の病院に搬送する。
 木村草太若頭補佐が一人同乗して行く。
 
 三月二十九日。
 高田アドリアナは大阪の病院で手術からようやく麻酔が切れて目を覚ました。
 利根川元教授は高田アドリアナに状況を説明する。
 「木村さんの要求する膣内の感度とクリトリスの感度はほぼ正常な範囲で治りました。乳房の痕も綺麗に成っています」
 「ありがとうございます」
 高田アドリアナは瞬間安堵したように礼を言う。
 「しかしだね。私の聞いてない予定に無かった事態が起きていました」
 利根川元教授は重い口調で語り始める。
 「え、ええ」
 高田アドリアナは一気に衝撃の表情に成る。
 「運ばれてきた時点で子宮がどうにもならない状態でした。已むを得ず緊急手術で撤去しました」
 「ええーー。あ、ああーーーーーーーー。あの客」
 高田アドリアナは最後に膣に何か塗った客だと思った。
 だが真実は違う。利根川元教授が愉しみでやってしまったのである。
 「ああ」
 高田アドリアナはこれで結婚はできないと落胆する。
 もとより母親に成って子育てなどは考えてない。チェコに逃げたらAV女優に成る。
 だがその先の自分も高く売りたい。
 これまで高田アドリアナは男を散々利用して来た。
 自分に少しでも男女の関わりを持ったら男は多額の金を出して当たり前と思っている。
 風俗などの安い金で何人もとやっては割が合わない。自分の美貌を利用して金持ちから高額な支援を得る事が極めて合理的である。
 男が自分の躰に触れられたのだから財産を差し出して当然と考えている。
 そのやり方が今度の事件を生んでしまった。
 その男からも多額の金を引き出している。引き出せるだけ引き出した。それで別れ話を切り出したが法的処置に出る雰囲気を匂わせて来る。
 正当防衛に見せかけて殺そうとしたが失敗した。
 自分の躰を使うだけ使ったら年配の金持ちと結婚して遺産にありつきたい。子供ができない躰ではそれが難しい。
 病院は場所を借りただけで闇的非合法な処置なのでカルテも何も残せないと言われた。
 何とか報復したいがチェコに逃げ帰らないと危険である。
 母が逃げた後から自分に捜査が及ぶ危険を木村草太若頭補佐から警告されていた。
 それは充分に理解が行く。
 素直に自分に金を提供して諦めないあの男が悪い。自分の素晴らしい躰に短いペニスを入れて満足したのだから当然の筈だと思う。
 僅かな会費で自分の躰の中に何かを塗った。あの会員からは全財産を出させたい。何としても許せない。
 だが殺人犯に成る訳には行かない。今は逃げるしかない。
 高田アドリアナは悔し涙を飲んでチェコに逃げ帰った。
 
 三月三十一日。
 如月鬼堂の主催する愛好会の三回目のツアーの出発日である。
 22:05上野駅十三番ホームから出発する。
 何とこの列車が深夜走行中に四本目の動画が公開された。
 犠牲者は朝日來未二十三歳。
 「応募者の中から選んだだけにスタイル良く美形ばかりですな」
 福富麻次郎は満足げに見ている。
 食堂車の横並びのボックスを二つ使って六人で確認していた。
 「今度も男は四人。同じ忍者姿黒装束です」
 館山弁護士は検証に掛かっている。
 「これで後は二人ですね」
 本多椿は個室を回ってない。全員が全部の部屋には当たらない。本多椿はうんと回る数を絞っていた。
 「小出しにしてじっくり社会を騒がせたいのだな」
 如月鬼堂は苦々しい表情で隅の席で見ている。
 
 同じ黒いカーテンで囲われた部屋。大股開きにする診察台。その上に朝日來未が全裸で磔にされていた。
 最初に行う事はどの動画も同じである。
 朝日來未の全裸及び女躰の部品を公開して行く。
 「この女は焼くのか。子宮を取る方か」
 「こいつは膣を焼く」
 医者の男が答える。
 既に全員の最終拷問方針が決まっていた。
 葬儀会社の社長と運送会社の社長が朝日來未の躰に銅線で繋いだクリップを付けて行く。
 まだ麻酔は効いていた。
 乳房の上から太腿まで二系統で縦に鋏み付けてゆく。
 「どっちで起こす」
 医者の男が確認する。
 「そりゃ電流だろ。起こして引っ張る衝撃で悲鳴を愉しもう」
 葬儀会社の社長はそう答えた。
 「そうだな」
 撮影には廃棄物収集運搬処理業の社長が入って川口の会長と印刷会社の社長が交代で入る。
 常に映像には四人だけである。
 「良し行くよ」
 医者の男がトランスの摘みを回す。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未の躰は迫り上がって強烈に震撼した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は藻掻きながら強烈に驚きの悲鳴を上げる。
 目に入ったのは四人の忍者姿黒装束である。次に自分が全裸で大股開きに台の上に縛られている事に気付く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は既に電流を切っていた。
 「諦めろ。お前の姿は撮影されている」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 葬儀会社の社長と運送会社の社長が朝日來未の躰に付けた銅線を掴む。
 「行くぞ」
 「あーーーーーーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は驚愕の表情で自分の躰に付けられた銅線とクリップを見る。
 葬儀会社の社長と運送会社の社長は一気に引っ張る。
 太腿から乳房までドミノの様に続けざまにクリップが飛ぶ。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は迫り上げた躰を強烈に揺すって悲鳴を上げ続ける。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は大口を真上に向けて喚き続けた。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は訳の分からない事態に叫び続ける。
 「お前は空港からの途中で拉致されたのだ」
 医者の男が宣言する。
 潜水艦で運ばれ五日以上眠らされていたのである。
 「なんでよーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は分からない事態に叫ぶ。
 「お前の無料無修正AVを世界にばら撒く為だ」
 運送会社の社長が宣告する。
 「そんなーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。わたしはかんけいないよーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は突然起きた恐ろしい事態にただ喚くしかない。
 「正面のモニターを見ろ」
 医者の男が宣告する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未の大股開きの姿が拡大されていた。
 「お前のま○○だ」
 医者の男が朝日來未の小陰唇を指で広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未のは一度も見た事のない自分の女の部分の内側である。
 「あーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は両手の指で小陰唇を両側から強く引っ張って膣口を小さな円形に広げる。その中はまだ真っ暗で見えない。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は膣に両手の人差し指を突っ込んで膣口を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三角に広がったピンクの粘膜の中に膣口がさらに広がり膣内部の壁までくっきりモニターに剥き出しになる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未堪らず叫び続ける。
 暫くその部分を公開してさらに医者の男はクスコを手にする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未にも医療器具ということは分かった。
 医者の男は慣れた手つきでワセリンを塗って朝日來未の膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は螺子を回して大きく開いて奥まで広げた。そしてライトで内部を照らす。
 「よく見ろこれがお前の膣の中だ。一番奥に濃いピンクに盛り上がった部分の真中に亀裂が有る。これが子宮口だ」
 医者の男は態々説明する。
 「やめろおーーーーーーーーーーーーーーーーー。こんなとこあけるなーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は堪えられない羞恥に叫ぶ。
 「もっとよく見ろ。白く濁った物が付着している。膣の中の汚れだ」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は泣き悲鳴に成る。
 医者の男はへらでそれを掬い出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに甲高い泣き悲鳴に成る。
 眠らせてある間も点滴と水分補給は行っていた。小水も抜いている。それでも相当に溜まっている筈である。
 医者の男はクスコを抜く。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 朝日來未は荒い息遣いを続けた。
 医者の男はブジーを手にする。
 「あーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未はヒステリー状態に成って叫ぶ。
 医者の男は指で小陰唇を広げて尿道の小さな亀裂にブジーを突っ込む。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに抜く。
 そのまま朝日來未の尿道から小水が流れ出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は恐ろしい事態に泣き叫ぶ。
 小陰唇は医者の男の手で広げられて小水が尿道の亀裂から直に流れ出ている。その姿がスクリーンに拡大されているのである。
 「だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断続的に止まるがまた流れ出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはあん」
 朝日來未は泣き喚き続けた。
 「良いか。このお前の姿が全世界に動画でばら撒かれるのや。ニュースで訊いているだろ」
 葬儀会社の社長が宣告する。
 「何でこんな事するのーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未はまた堪らず叫ぶ。
 「集めている御仁も多々居られる。そのご期待に答えるのや」
 「そんな事してなんになるのーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未はヒステリー状態である。
 「お前を表社会から社会的に抹消するのだ。これからはAV女優で生きて行くのだ」
 運送会社の社長が宣言する。
 「いやだよおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。AV女優なんかにならないよーーーーーーーーーーーーー」
 「もうそれしかない」
 今度は医者の男である。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。私は国際貢献する。そういう仕事をするのーーーーーーーーーーーーーー。AVなんかじゃない」
 朝日來未はヒステリー状態ながら藻掻くように正論を叫ぶ。
 「そういう奴を引き摺り下ろすのが俺たちの愉しみだ」
 葬儀会社の社長が嘲るように宣告する。
 「はっはっはっは」
 医者の男が哂う。
 「ひどいよーーーーーーーーーーーーーーー。ひどい。ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーん」
 朝日來未は遂に号泣してしまう。
 「これからお前を輪姦す。それも公開する。それが出まわったらもうAV以外できない」
 「お前の知り合いも周りの男らもみんな見るぞ」
 「知っている女と分かれば尚更手に入れようとする」
 「はっはっはっは」
 直ぐに強姦が始まる。いくら朝日來未が泣き喚いても男らを刺激するだけである。一人ずつ膣口から情液が流れ出て洗うところまで公開されていた。
 
 「これは二週間から十日前ぐらいに撮ったものでしょうね」
 館山弁護士は強姦シーンを確認しながら言う。
 「この子は最後にどうされたのです」
 如月鬼堂は館山弁護士の情報を聞く。
 「膣とクリトリスを焼かれて表面的な処理は行われていたようです」
 「医者の手が入っていると言う事だな」
 「そうです」
 如月鬼堂にはどこまでも連続拉致強姦事件の犯人の手による直接の犯行に思えてならない。
 
 四人が姦輪したあと残る二人も撮影なしで姦輪す。さらに一巡する。その後器具で責められて失神してしまった。
 運送会社の社長が朝日來未のドテの黒い塊に強力な粘着テープを貼る。そして確り擦って強く陰毛を粘着させた。
 医者の男が浣腸器に冷やしたグリセリンを吸い上げる。
 そして朝日來未のアナルに注入して行く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は直腸に冷たい液が入って来て意識を回復して悲鳴を絞りだす。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 藻掻き続ける。
 「浣腸してうんこを出すシーンも公開しないとな」
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「もうどうにもならん」
 既にグリセリンが朝日來未の直腸を究極の状態にしている。もう出す以外逃れる術はない。
 その状態で印刷会社の社長と川口の会長が粘着テープを抓む。
 「行こう」
 川口の会長が合図する。
 一気に二人が引っぺがす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は陰毛が一気に抜かれる痛みと腹の痛みの両方に責められていた。
 「どうする」
 医者の男がアナル栓を叩いて詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーー。くるしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その間に葬儀会社の社長がもう一度ドテの陰毛に粘着テープを貼る。
 「どうだ。うんこ出すか」
 「・・・・・」
 朝日來未は苦しみ藻掻きながら恨みの目を返す。
 「まだ我慢するか」
 その間に葬儀会社の社長が粘着テープを引っぺがす。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 陰毛はまだ残っている。
 「どうする」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーぬけーーーーーーーーー」
 朝日來未は苦しみながら怒りの限り叫ぶ。
 「抜いて下さいと言え」
 「あーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぬいてくださいーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーん」
 朝日來未は涙を溢れさせた。
 医者の男はアナル栓を抜く。
 下には透明で大きなボウルが受けて有った。
 ブルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 強烈な臭いと共に茶色い水と繋がった便が流れ落ちる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 朝日來未は号泣しながら便を流し出す。
 四人はもう一度責め具を用意していた。
 これからさらに女の悦びを教えてしまう。朝日來未はまだ大きな女の悦びは知らない。それを一気に開発する。
 そして最後の残酷な処置に掛かるのである。
 
 如月鬼堂らの列車は新潟に差し掛かっていた。
 六人は夜食を貰いながらビールを飲んで確認を続けている。
 如月鬼堂にはいくら検証しても連続拉致強姦事件の犯人六人のグループの仕業にしか見えない。
 「先生。奴らが演出してやらせていればこう成るのではないですか」
 「うーーん」
 如月鬼堂は唸りながら杉下一行を見る。
 「そうですよ。奴らがR国に行くこともR国から態々日本に運ぶ事もないですよ」
 杉下一行も否定する。
 「ねえ。今回の六人これからどうなるのですか」
 本多椿は被害者のこの先を心配する。
 「まあ。被害者で自殺をしたのは僅か数人だよ」
 館山弁護士は曖昧に濁す。
 「でも悲惨だよね」
 本多椿は何とも許せない。
 「そうだ」
 如月鬼堂もきっぱり本多椿の言い分を認める。
 「あれじゃ絶望よ。あんまりにも残酷すぎるよ」
 本多椿は涙を溢れさせていた。
 
 朝日來未は苦しみが去って放心状態である。
 「さあ。別の痛みをやるからな」
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は一気に悲鳴に成った。
 「その次は気持ちよくしてやる。一回我慢しろ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。きもちよくなんかしなくていいよーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未はさらに泣き叫ぶ。
 「そうか。気持ち良くならなくてよいか。そうか」
 医者の男は含み顔で言う。
 朝日來未は聞くどころではない。
 医者の男は朝日來未の膣をもう一度クスコで広げる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は猛然と喚きだす。
 医者の男は長めのブジーを手にする。
 「痛いぞ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は何だか解ってないが怖いものを目前に強烈に叫ぶ。
 医者の男は朝日來未のクスコの奥に盛り上がった中心部分の亀裂にブジーの先端を突っ込む。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴となる。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いい、たいーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は苦しみに崩れながら怒りを剥きだす。
 「はっはっはっはっは。子宮を突いただけだ」
 印刷会社の社長と川口の会長がリモコンから伸びた先に小さなローターの付いたアイテムを持ち出す。
 杉下一行のポルノショップで通販している物である。これが出る度に杉下一行の会社に捜査が入る。
 これまでに入手ルートから何かが割れた事は一度も無い。
 「なんでそんなことをーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は理不尽な仕打ちに痛み苦しみ怒りの坩堝である。
 「これはSM動画だよ。お〇〇この奥の子宮を突き刺されてお前の苦しむ姿を御鑑賞頂く為だよ。鑑賞するSの小父さん達は大悦びだ」
 川口の会長が詰りながら説明する。
 「そうだよ。さおがあまり起たなく成った腎虚の小父さんも興奮してビンビンに成るぞ。多大な人助けだ」
 今度は葬儀会社の社長が詰る。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんで私がそんなめに遭うのーーーーーーーーーーーーー。助平親父の餌食にするなーーーーーー」
 朝日來未は藻掻きながらさらに怒りを破裂させる。
 「さあ。次は逝き顔だ」
 川口の会長がクスコを横向きにする。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 内部を拡大したモニターを確認し乍ら印刷会社の社長と川口の会長がリモコンから伸びた先に付いた小さなローターを一番敏感な部分に当てる。
 「うーーーーーーー。うふうーーーーーーーーーーーーーーーん。うーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーー」
 朝日來未は一気に顔を軋ませ堪えられない声を漏らす。
 葬儀会社の社長が下から潜って手を出してアナルパールを挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は堪えられない強い刺激に藻掻き続ける。
 そして数分と持たずに躰を競り上げ強く一瞬固まってしまう。そして一気に弾けた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 朝日來未の躰はがくがく震えている。
 三名は容赦なく責め続けた。
 朝日來未は二回上り詰め三回目に失神してしまう。
 医者の男は小さな穴の空いた直径二ミリくらいの丸い球を繋いだアイテムを取り出す。
 アナルパールの超マイクロ版である。
 川口の会長が失神している朝日來未を電子鞭で起こす。
 「うう。あーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未意識が戻ると一気に叫ぶ。
 川口の会長と葬儀会社の社長が膣の中をリモコンから伸びた先に付いた小さなローターで責め始める。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は堪らず泣き叫ぶ。
 医者の男は超マイクロ版アナルパールをクスコの金属の谷間に填まり込んだ尿道口に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未はとんでもないところに異物を突っ込まれて慌て喚く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は堪らない感触に奇声を発してしまう。
 医者の男はゆっくり奥まで突っ込んで出し入れさせた。
 斜め後ろから印刷会社の社長がクリトリスを剥いてローターを当てる。
 「あーーーーーーーーーー。あはあん。あはあん。あはあ。あはん。あはあん。あはあーーーーーーーーーん。あっはん。あはあん。あはん。あはん」
 朝日來未は躰を捩り反らせて藻掻き震撼させ続けた。
 やがてもう一度白目を剥いてしまう。
 四人は遂に残酷な準備に掛かった。
 医者の男は局部麻酔を準備する。
 そして失神している間に打ってしまう。
 「あーーーーーーー。なにしてるのーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は局部に注射をされて驚きの抗議になる。
 「はっはっはっはっは。これからお前の膣とクリトリスを焼く」
 印刷会社の社長が宣告する。
 「なんだとーーーーーーーーーーーーー。ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は猛然と叫ぶ。
 「お前。気持ち良く成らなくて良いと言ったじゃないか。だから感じなくするのだよ」
 医者の男は茶化す様に言う。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。お前らに弄られて気持ちよく成らなくて良いと言ったのよ。勝手な事するなーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は慌て怒り叫ぶ。
 「お前らだと!!」
 印刷会社の社長がびんたする。
 「うーーーーーーーー。ちくしょうーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は怒りに涙を溢れさせる。
 「どうであれ実行するのみだ。麻酔を打ったから焼く時の痛みはないよ」
 医者の男は嘲ている。
 「そんなーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は喚き続けた。
 葬儀会社の社長が小さな半田鏝が熱く成ったのを確認して朝日來未のクリトリスを剥く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未驚愕の表情を振って喚き続けた。
 葬儀会社の社長は無言で半田鏝の先をクリトリスに突き刺す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして抉る。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 気丈だった朝日來未が怯えた表情を崩し切って泣き喚く。涙は溢れていた。
 痛くは無くてもやられている事の恐ろしさに藻掻き泣き喚くのである。
 川口の会長が希硫酸に大きな綿棒を漬ける。
 「あーーーーーーー。そ、それ、なにーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朝日來未は恐怖に震えた声である。
 「お前のま○○の中を焼いて感じなくする」
 川口の会長は抑揚のない声で言う。
 「お、おお、うおーーーーーーー。ああ。あーーーーーーーーー」
 朝日來未の躰はガタガタ震える。
 川口の会長は容赦なくクスコの中に突っ込む。
 あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 朝日來未は喚き散らす。
 動画はこれで終了していた。
 そのあと医者の男はやけどの治療だけしている。
 
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ひどいよーーーーーーーーーー。ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 見ていた本多椿は怒りに泣き出してしまう。
 誰も宥めるどころではない。此処の面々は困っているのである。特に館山弁護士は影響を懸念して捜査まで行った。
 「まったく。何処かで静かに死んで貰いたい」
 如月鬼堂は怒りを吐き出す。
 「どうして外国にいる詐欺グループや強盗グループは捕まるのにこいつ等は捕まらないの」
 本多椿は怒りに声が震えていた。
 「この六人の経済力とバックの組織群も大きすぎる。普通ならとっくに捕まっている」
 言い続けてきた如月鬼堂の見解である。
 「組織群ですか」
 本多椿はその部分を聞き逃してない。
 「まず手助けする正体不明のスタッフを派遣する組織だ。そして大規模な闇銀行というかマネーロンダリングを助ける組織だ」
 「その二つですか」
 館山弁護士が確認する。
 「あと考えられるのは武器を作る組織だ」
 「やくざはかかわってないですか」
 「無いとは言えないが主力ではないと思う」
 「まさか武器を提供する組織が潜水艦を造ったとか」
 杉下一行である。
 「建造はさすがにできないだろうが払い下げの艦を修理して運行するくらいは考えられる」
 如月鬼堂はきっぱり言い切った。
 「そうしますと先生は組織のスタッフを潜水艦で運んで六人の女性をR国から逆に日本に運んで撮影の後にR国に戻したと仰いますか」
 「その可能性があると言いたい」
 如月鬼堂はまだ当てずっぽうの範囲である。
 列車は新潟を過ぎていた。羽越本線に入っている。
 そのまま六人は部屋に戻って仮眠を取った。
 
 四月一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 窓から下はゆったり晴れている。
 気温も丁度良い。
 デッキに出てバーベキューでも良い気候である。
 「何か終わってしまうとまだ物足りないな」
 「今頃病院は悲痛な状態だぞ」
 「朝日來未なんか気が狂うのじゃないか」
 「それを目の当たりにできないのが残念だな」
 「次はいつ公開する」
 「今夜アダルト放送で如月鬼堂の番組があるだろう。その反応を聞いてからにしよう」
 「奴の推測か」
 葬儀会社の社長はやや嘲る。
 「そうだ。それによって引き延ばすか。早くするか考えよう」
 川口の会長は時期を見計らっていた。
 「如月鬼堂がアダルトチャンネルで何をしゃべっても社会的に大きな影響はないが」
 葬儀会社の社長は気に入らない。
 「意外と警察官が奴らSM作家を我々と同類項に見て捜査に参考にする。だから奴の見解によって焦らし方を考えたい」
 「そんなに意味が有るか」
 「奴の懐刀の館山弁護士は報道に出ない情報を得ている。だからその見解が重要になる」
 「館山か」
 葬儀会社の社長は吐き捨てる口調になる。自分を如月鬼堂のSM愛好会から追い出したのは館山弁護士である。
 
 如月鬼堂のツアーである。
 列車は五能線に入っていた。
 夜のディナーも終わって会員は部屋に戻っている。本多椿、高嶋波琉、岡田由美以外の女性は客室を回っていた。
 インターネットアダルト放送のクルーは秋田駅で乗り込んで準備している。
 「どう行きます。さっきの通り憶測を言ってしまいます」
 本多椿が確認する。
 如月鬼堂は館山弁護士を振り向く。
 「憶測だから良いのではないですか。面白おかしく聞いてもらいましょう」
 館山弁護士はまだ異論が有るがそれを含めてそう答えた。
 そして館山弁護士は撮影範囲外に出てしまう。
 本多椿、岡田由美、高嶋波琉そして如月鬼堂だけでスタートした。
 「遂に四人目の被害者の動画も流出しました。犯人らはいったい何処に居てこの動画を作ったのでしょう。疑問だらけです」
 岡田由美が純白の水着姿で読む。
 一応貸し切りでもJRの車内である。多少は考慮していた。
 「幾つかの部分でこの手の犯行の元祖と言うべき連続拉致強姦事件の犯人らの手口に共通しています」
 高嶋波琉が薄水色の水着姿で読む。
 カンペを書いているのは本多椿である。
 「いったいいつまで続くのでしょう。外国に居る詐欺グループや強盗グループは捕まるのにこの犯人等は捕まらないのでしょう」
 本多椿が感情の籠った涙声で語る。
 「この度何で六人の被害者はR国まで渡航させられたのでしょう。そして日本と殆ど同じ犯行が行われました」
 岡田由美は脱がない代わりに僅かにポーズを決める。
 「疑問は同じような犯人像がR国に在住の日本人に居たのでしょうか。被害者らの共通した証言から犯人グループは日本人としか考えられません」
 高嶋波琉も僅かにポーズを決めた。
 「この部分が大きな疑問です。最近R国に渡航した日本人に該当者と思える人物に行き渡りません。以前からの在住者と思われますが絞れません」
 本多椿はこのあたりで如月鬼堂に振る。
 「私はこの犯人は年配女性らしき人物が関わる一本を除いて連続拉致強姦事件の犯人らの究極の犯罪ではないかと思っています」
 如月鬼堂は憶測の範囲という建前で爆弾発言する。
 「しかしこの犯人に合う人物のR国への渡航者が該当しません。以前からの在住者と考えるにも無理があります」
 「この犯人は全員が大きな経済力を持っていると考えられます。そして複数の犯罪組織と繋がりが考えられます」
 その後如月鬼堂は先程のラウンジの会話の通り語った。
 
 和歌山県の岬ビューホテル。
 離れの間である。
 岡田弥一郎が青木学と木村草太若頭補佐に酒と料理をふるまっていた。
 「高田アドリアナ。大分ごねていたよ。子宮が撤去されてしまったって」
 木村草太若頭補佐は高田アドリアナから話以上の事に成ったと散々怒りをぶつけられている。
 「してもっと金を出せとか」
 「いいや。それは撥ねつけたよ」
 「しかし何で子宮が」
 「最後に会員の一人に膣の中に希硫酸を塗られたらしい」
 「ああ。でもあんな事で。モニターに映っていましたけど子宮には突っ込んでいませんよ」
 「俺も見ていた」
 「それなのに」
 「利根川元教授は危急の状態だったと仰っていた」
 木村草太若頭補佐も利根川元教授が愉しみにやった事は知らなかった。
 「元教授」
 「利根川元教授は医師免許をお持ちだが医者は廃業されている。昔某有名大学の派閥争いで辞められた」
 「焼いたクリトリスと膣の内部はどうなりましたので」
 青木学はこっちの結果が気になる。
 「概ね治ったらしい」
 「感度が戻ったとか」
 「利根川元教授は八割方は戻せるらしい」
 「それじゃ子宮が撤去されなければギャラの取り逃げやないですか」
 岡田弥一郎は不満を漏らす。
 「まあ充分愉しんだやろ」
 木村草太若頭補佐強い口調で抑える。
 「ところで如月鬼堂はこの間のR国に呼ばれて拉致された六人が潜水艦で日本に戻されたとか言っていましたね」
 「奴の当てずっぽうな憶測だろ」
 木村草太若頭補佐は大方の内容が分かるが何も言わない。高田アドリアナとその母の逃亡も途中までその潜水艦が行った。
 
 四月十三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 九時過ぎに杉下一行からメールが入った。
 五本目の動画が公開されたのである。
 如月鬼堂はシャワーを浴びていた。
 珠洲と瀬里菜はパンとサラダ、トマトジュース、アイスコーヒーの朝食を摂っている。
 如月鬼堂は髪を乾かして自分でうどん、そば、ラーメンの何れかを作るのだが先にメールを確認した。
 「五本目か」
 珠洲がテレビ会議だけ繋いでセッチングだけする。
 川原秋埜二十五歳。元経産省公務員と出る。態々転職して引っ掛かった被害者である。
 如月鬼堂の良く使う縛り方で大股開きの逆さ吊るしにされていた。
 両方の太腿の付け根に縄が二重に掛けられそれにフックを付けて天井から下がった二本の滑車のフックに引っ掛けて吊るされている。
 大股開きだが右脚は脹脛と内腿を合わせて縛られていた。左脚は斜め下に伸びて離れた壁から引っ張られている。
 腕は胸部共に高手小手に縛られて動かせない。
 股間は斜め上を向いて丸出しでアナルはほぼ真上を向き女の部分のびらびらは二枚合わせてぴんと突っ張って斜め前に突き出していた。
 綺麗な小陰唇である。
 顔は真下に吊る下がっているので正面を向いたポートが左上に埋め込まれていた。
 きりりとした小作りの美人顔である。
 まだ眠らされたままの様子で躰は空中にぶら下がっていた。
 逆さまにされていてもスマートな体型と判る。部分的にアップで拡大されると色白で肌の肌理も細かい。
 相変わらず忍者姿黒装束が四人動いている。
 運送会社の社長と廃棄物収集運搬処分業の社長が後ろに回って川原秋埜の女の部分のぴんと立ったびらびらを両方から割って広げてしまう。
 映像は上からのカメラに切り替わった。
 桃の実より薄いピンクの粘膜が綺麗に広がる。
 医者の男が手前に座っていた。医者の男が葬儀会社の社長に長めのブジーを渡す。
 川口の会長と印刷会社の社長は幕の後ろで撮影に回っていた。
 葬儀会社の社長はブジーを持って二人の間に割り込む。
 運送会社の社長と廃棄物収集運搬処分業の社長は指を二本ずつ川原秋埜の膣に突っ込んで膣口を大きく広げた。
 葬儀会社の社長が奥を覗き込んでローズ色に見える盛り上がった粘膜の中心にある鈴口の様な亀裂にブジーの先端を突っ込む。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は強烈な悲鳴を上げて意識を回復した。
 「ぐうう、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は強烈に躰を捩って藻掻く。
 「どこーーーーーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は驚愕の事態に慌て悲鳴を上げた。
 「目の前のモニターを見ろ。お前の姿が映っている」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は堪らず夢中で叫ぶ。そして躰はブジーを子宮に突っ込まれた痛みに藻掻き震えている。
 「なんでーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は恐ろしい自分の姿に何故こう成ったのか全く分からない。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。ここからおろせーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに叫ぶ。
 「俺たちの姿を見て判らないか」
 医者の男が声を掛ける。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は大きく目を見開いて大口を破裂させて叫ぶ。
 「分かったか」
 医者の男が確認する。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。なんでよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでわたしをーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は上ずった声でさらに叫ぶ。
 「罠に引っかかって応募したからだよ。その中で裸を晒し者にして悦ばれる奴だけ選んだ。諦めろ」
 葬儀会社の社長が宣言する。
 「なんでそんなことするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は痛みに藻掻きながら叫ぶ。
 「お前ら女が強く成り過ぎた。風俗、売春、SM、無修正AV女優が減ってしまった。居ても無修正に良い女が少ない。だから強制制作だ」
 葬儀会社の社長はさらに嘲る。
 「女性の人権無視だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 言うだけ無駄も何もない。川原秋埜はそう叫ぶしか言葉が浮かばない。
 「最初から無視しなければ現状を覆せない。世界の傾向も日本の法律も元から無視だよ」
 葬儀会社の社長は弄り、嘲るのを愉しむ。
 「犯罪だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はそれでも反論を叫ばずにいられない。
 「はっはっはっは。お前。最初から犯罪だよ。だが捕まらなければ良い。こっちの組織で捕まった例はない。捕まるのは模倣犯だけだ」
 「そ・し・きーー」
 川原秋埜は恐怖に震え慄く。
 「モニターを見ろ。お前の恥ずかしい部分のアップだ」
 医者の男がこれまでに撮った動画を再生する。
 「あはあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は驚愕の内容に目を剥く。顔を振って喚き叫ぶ。
 「お前のお○○こだ。その広がった内部の粘膜。そして膣口の周りの壁も綺麗に映っている。最後は奥の子宮口だ。これが全部社会に流れる」
 医者の男は淡々と宣告する。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーはあーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は絶望の叫びに成る。
 葬儀会社の社長は床に膝を突いて逆さ吊るしの川原秋埜の顔をビンタする。
 「うぐううーーーーーーーーーーーー」
 さらに叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 数発立て続けに叩いた。
 「お前の○○こ中の汚れを採取してやる」
 葬儀会社の社長が後ろからそう宣告して上を向いたクスコの中にロングスプーンを突っ込む。
 ビンタしていた葬儀会社の社長が立ったので正面下方に置かれたモニターに映し出されているのが川原秋埜にも見えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は腰を捩って藻掻くが運送会社の社長と廃棄物収集運搬処分業の社長に抑えられている。
 葬儀会社の社長はロングスプーンで滑って白く斑に成った物質を掬い出す。
 「いやあーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーいやあよーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は泣き悲鳴に成る。
 「こんなものまで配信される。永久保存版だ。お前の周りの男も元の上司もみんな見るぞ。集めている奴は沢山いる」
 また葬儀会社の社長が詰る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はんざいだーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は頭を振って狂ったように叫ぶ。
 「いくら犯罪でも我々は捕まらない。お前の羞恥極まりないSM系AV動画は一度配信したら永久に残る」
 医者の男が諭すように嘲る。
 「役所など一人が入手したら皆にUSBで回すぞ」
 印刷会社の社長の詰る言葉は川原秋埜の心に突き刺さる。川原秋埜もその通りだと思う。表面はモラル的な発言をするが内部はそんなものに違いない。
 「二次的に販売して逮捕された奴は何人か居たな。黙ってお裾分けしておけば良いものを」
 葬儀会社の社長は川原秋埜の膣の奥の滑りを掬い乍ら言う。
 川原秋埜は泣き叫び続けた。
 「まず悦びを教えてやろう」
 医者の男がぼそりと宣告する。
 今回は輪姦す前に悦びを教える手順である。
 運送会社の社長と廃棄物収集運搬処分業の社長が川原秋埜を吊るしから降ろして診察台に寝かせる。
 高手小手の縛りはそのままである。
 女の性を責める責め具が何点も準備されていた。
 子宮を突き刺されて川原秋埜に抵抗する力はない。男らの為すまま診察台に大股開きに固定されてしまった。
 浣腸して直腸を空にするところからである。
 イルリガードルスタンドが立てられ栄養ボトルタンクに氷の入った石鹸水が用意された。
 「さあ浣腸してから三つの穴を責めるからな」
 葬儀会社の社長が宣告する。
 「いやだよーーーーーーーーーー。そんな水じゃおなか痛くなるよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は氷水に慄いて拒絶状態に成る。
 葬儀会社の社長の手で容赦なく腸カテーテルがアナルに突っ込まれた。
 「あーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は泣き叫ぶ。
 藻掻いてもどうにもならない。
 冷たい浣腸液が直腸に侵入する。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが川原秋埜を襲う。
 医者の男は浣腸器に冷たい水を吸い上げた。その先端に尿道カテーテルの様な管を接続する。
 その先端を川原秋埜の尿道の亀裂に突っ込んで尿道から膀胱に注入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなにするのーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は途轍もない事をされてパニック状態である。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、杉下一行とテレビ会議が繋がっていた。
 「この一本は大分内容が違いますね」
 館山弁護士である。
 「嫌な吊るし方をしてくれたな。そして膀胱と直腸を両方冷やすか」
 如月鬼堂は嫌な気分でそれを見ていた。
 「この女性だけ膣内を焼かれて子宮も撤去されていたようです」
 館山弁護士が得た極秘情報である。
 「うーーん。やり方は違えていてもいくら見ても連続拉致強姦事件の犯人としか思えないがな」
 如月鬼堂は内容からさらに確信を持ってしまった。
 「大きな組織が日本にもR国にも拠点が在って交代でやっているとは思えませんか。演出している人間だけが同一人物で」
 館山弁護士は如月鬼堂の憶測は無理があると言いたい。
 「R国にも以前からあの六人の仲間が居ると言う事か」
 「その方が自然です。例え潜水艦が存在しても上陸する時などに無理があります。R国はともかく日本では無理です」
 館山弁護士は潜水艦が堂々と港には入らない。夜間でもセイルを海上に出してゴムボートなどに移ればキャッチされると言いたい。
 「海中から入れる桟橋が建物の地下に有るとは考えられないか」
 「それじゃ昔のアクションドラマですよ。スパイ映画などそんな豪快なシーンがありました」
 館山弁護士は小説家の見解だと否定してしまう。
 
 川原秋埜は膀胱に冷水を流し込まれて尿道から水と小水を垂れ流すシーンを撮られてしまった。
 さらに耐えられなく成って言えないセリフを言ってしまう。
 「はい。うんこ見てください」
 苦しみ藻掻いているのをきっちり言うまで焦らされて堪えられず遂に言わされてしまったのである。
 川原秋埜の苦しみながら便を暴発させるように何回も音を立てて垂れ流すシーンが暫く収められていた。
 そして杉下一行のポルノショップ製のアイテムで三穴を責められ逝き顔を晒し続ける。
 葬儀会社の社長がアナルにアナル栓の奥にアナルバイブの付いたアイテムを川原秋埜に挿入してスイッチを入れる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 再びクスコが挿入された。
 運送会社の社長はリモコンから伸びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムで膣天井部の一番敏感な部分を責める。
 さらに葬儀会社の社長はクリトリスを剥いてカバーを装着した。その中にも小さなマイクロローターが仕込まれている。
 そして廃棄物収集運搬処理業の社長が尿道バイブを突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は尿道に突っ込まれた違和感に叫ぶ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーん」
 川原秋埜は堪らない責めに藻掻き暴れ続けた。
 「あーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーんああん。あはあん」
 川原秋埜の躰は暴れ続けていたが一気に固まる。そしてそのまま失神してしまう。
 何回かそれを繰り返した。そして躯姿を晒す。
 その後四人が輪姦すシーンが収録されていた。実際は六人が二回ずつ輪姦している。川原秋埜には四人かどうかすら分からない。
 輪姦された後もアイテムで膣の奥。、アナル、尿道、クリトリスを責め続けられ何回も失神を繰り返した。
 川原秋埜は躯状態で診察台に倒れこんでいる。
 ここで画面が切り替わった。
 川原秋埜は両腕を広げて十字架に磔にされている。
 モデルガンの様なライフルがスタンドにセットされていた。
 中に詰まっているのは玩具の銀玉である。
 銀玉と言っても当たればそれなりに痛い。川原秋埜は全裸で磔にされている。さすがに目にはプラスティックのメガネが当てられていた。
 だが躰の当たり所によっては相当に痛い。ボディに当たれば小さな蚯蚓腫れには成る。
 白く肌理の細かい女の肌には強烈である。
 最初に撃つのは廃棄物収集運搬処分業の社長。川原秋埜はまだ意識を戻してない。
 ドテの黒い塊は無くなっている。失神している間に脱毛クリームで抜いてしまった。
 廃棄物収集運搬処理業の社長は一発目にそのドテを狙って撃つ。
 「う、う、ふーーー。うーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は意識を戻して前を見る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー」
 ライフルを見て叫ぶ。
 廃棄物収集運搬処理業の社長は二発目を撃つ。
 今度は右の太腿のやや内側に当たった。
 「うふうーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は脚を蹴上げる。
 廃棄物収集運搬処理業の社長は三発目を撃つ。
 左の乳房に当たる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 壮絶な表情で悲鳴を上げる。左脚は胸の近くまで膝が蹴り上がった。
 川原秋埜の右脚だけが十字架の柱の根元に固定されている。
 腰がベルトで柱に固定され腕は両方二の腕、肘、手首の三か所で十字架に吊るされていた。
 廃棄物収集運搬処理業の社長は続いて一気に乳房付近を狙って連射する。
 「ぐああーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 川原秋埜は藻掻いて強烈に喚く。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 連射が終わっても藻掻き暴れ悲鳴を上げ続けた。
 運送会社の社長が交代する。
 今度はドテの辺りを狙う。
 これも連射である。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーぐがあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 また強烈に叫ぶ。また壮絶な表情である。そして躰を庇うように膝を上げる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーー」
 その膝から腿に連発で当たる。
 「あはあーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーん。ああはん。あはん。あはん。あはん」
 川原秋埜は涙を流し鼻水を垂らして泣き叫び続けた。
 乳房もドテも集中して蚯蚓腫れが密集している。そして躰全体に紅く成った蚯蚓腫れが飛び散っていた。
 実に凄惨な姿である。
 それでも印刷会社の社長は次を狙う。
 臍に狙いを定めて一発。
 「うぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は痛みに躰を振って藻掻く。躰を動く限り丸め左脚の膝は顎に付く位まで跳ね上がっていた。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 また涙と鼻水を垂らす。
 銀玉は臍の窪みに填まり込んでいた。
 運送会社の社長は次に女の部分を狙う。
 一発クリトリスを包んだ包皮に当たる。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また左脚が跳ね上がる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはん。あはん。あはん。あはん」
 また涙が溢れた。
 運送会社の社長はさらに微調整して女の部分を狙う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はそれを見て悲鳴を上げる。
 今度は閉じ合わせた粘膜に当たって撥ねた。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 川原秋埜は躰を揺すり強く首を振って涙を飛ばして藻掻く。
 「あーーーーーーーーあはん。あはん。あはん。あはん」
 さらに涙が溢れ落ちる。
 運送会社の社長は治まるのを待ってもう一発狙いを定める。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は堪らない痛みに泣き叫ぶ。
 それでも運送会社の社長は同じ狙いで撃つ。
 「ぐ、ぐ、ぐぐ、うーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は腰を硬く揺すって藻掻く。
 銀玉は女の部分の粘膜の割れ目に刺さっていた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁尿がぽたぽた流れ落ちる。そして一気に流れ落ちた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はガタガタ躰を震えさせ続けた。
 だがこれで終わりではない。
 葬儀会社の社長がラケットの様な革の鞭を持って来た。
 これで蚯蚓腫れだらけの川原秋埜の躰を叩こうというのである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はそれ見てまた強烈な悲鳴を上げた。
 葬儀会社の社長は蚯蚓腫れが密集した左の乳房を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は痛みに躰を前に倒し脚を蹴り上げる。膝が乳房に付く位に腰が曲がって膝が撥ね上がった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーはん。あはん。あはん。あはん」
 涙がぽろぽろ零れる。
 次は太腿の蚯蚓腫れを叩く。
 「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 脚を蹴り上げて藻掻く。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 川原秋埜は痛みに躰を震えさせていた。
 次は廃棄物収集運搬処理業の社長が細長い一本鞭を持って来る。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーー」
 川原秋埜はさらに泣き叫ぶ。
 それでも廃棄物収集運搬処理業の社長は川原秋埜の乳房に鞭の先端を横に叩き込む。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 また川原秋埜の膝が蹴り上がる。
 涙は溢れて鼻水が流れ落ちた。
 このあと数発叩いて十字架から降ろしたら川原秋埜は床に崩れる。
 本来ならここで医者の男が最後の処置に掛かるのである。
 だがしばらく休ませて麻酔を掛けて躰の表面の手当だけした。
 躰の表面の熱が引いた時点で医者の男は診察台に大股開きに固定したまま股間付近に局部麻酔を掛ける。
 準備が完了して電子鞭で起こす。
 「随分逝き顔を晒したな。これも世界中に公開される」
 医者の男が語る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。あんなアイテム使って責めたら誰だっておかしくなるよ。酷い強制だよ」
 川原秋埜は怒りに滾る。
 黒い幕の裏で川口の会長が録画を再生する。川原秋埜が上り詰めて失神する場面である。
 「や、やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は自分の恥ずかしすぎる姿に喚き散らし抗議する。
 「どうであれお前の躰は奥深い快感を味わった。失神が動かない確証だ。女の躰は完全に逝ってしまったら失神してしまう」
 葬儀会社の社長が強く言い渡す。
 「そ、そんな」
 川原秋埜の声は震えていた。
 「良いか。お前が認めようと認めまいとその悦びは今日以降永久に無くなる。お前の膣の中とクリトリスを焼く」
 「な、なに。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は驚愕の表情で震える。
 「諦めろ。それが目的であそこまで官能の奥を教えたのだ」
 葬儀会社の社長はこれで目的達成と宣言する。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はあまりの宣告に断末魔である。
 「これから膣の中とクリトリスを焼いて完全に感じなくする。さらに子宮を撤去する」
 今度は医者の男が宣告する。
 「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜にはさらに驚愕の事態である。
 「だがな。お前が解放されたらAV女優に成ると約束するなら膣とクリトリスは許してやる」
 医者の男が交換条件を言い渡した。
 「そ、そんな、そんな事できないよ」
 川原秋埜の人生にあり得ない有っては成らない事である。
 「お前にはもうその道しかないぞ。結婚もできない。周りの男性、いや女性も居るかな。お前の裸以上の姿を知っている。その中で普通の仕事ができるか」
 葬儀会社の社長が諭すように詰る。
 「勝手に人の人生決めるなーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は震える声で怒り叫ぶ。
 「勝手に決めるのはお前らをマスコミ教育する知識階級だ。一部の知識階級だけのモラルで法律以上に社会的に強制する。だから俺たちも強引に行く」
 「お前らは非合法だろ」
 「今の社会体制に非合法だ。如何なる時も革命もクーデターも非合法だ。我々は捕まらない限りこれを続ける」
 葬儀会社の社長は委細構わない。そう宣言する。
 「いつか捕まるよーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はその言葉しか出て来なかった。
 「いつか所在がばれるかもしれん。その時は組織が俺たちを抹消する。だがその先も他の者が続ける」
 医者の男のハッタリである。
 「・・・・・」
 川原秋埜は怒りに沸騰しながらもう言葉も返せない。
 「さあ。どうする」
 運送会社の社長が追い詰める。
 医者の男は麻酔の準備をして構えていた。
 「そ、そんな。AVなんてできないよ」
 川原秋埜は追い詰められて怒りも沸騰しておろおろする。
 「じゃ何をする」
 「ひどい。酷い。酷いよーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 泣き出してしまう。
 「以前にな。AVに成ると約束した女が成らなかった。もう一回組織の別の男らが拉致して全部焼いた。その時は乳首も斬り取るぞ」
 「あふぁあーーーーーー。ああーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜はもう堪えられない狂ったように吠え喚く。
 再び医者の男がクスコを挿入する。
 「安心しろ。局部麻酔で痛みはない」
 医者の男は淡々という。
 運送会社の社長が綿棒を受け取って希硫酸に浸ける。
 廃棄物収集運搬処理業の社長がピンセットでクリトリスを剥く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜の表情が恐怖に固まる。
 運送会社の社長は綿棒の先をクリトリスのピンクの粘膜の玉に押し当ててしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜から断末魔の悲鳴が轟く。
 運送会社の社長は葬儀会社の社長に綿棒と希硫酸の瓶を渡す。
 「まってー」
 川原秋埜は恐怖に掠れた声で叫ぶ。
 「もう遅い」
 葬儀会社の社長は加虐心が止まらない。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーー。まってよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 葬儀会社の社長は無心で希硫酸に綿棒を浸す。
 「まってーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーー。おねがいまってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川原秋埜は涙こそ無いが悲痛な泣き顔を凍らせて叫ぶ。
 葬儀会社の社長はその表情を堪能しながら綿棒をクスコの奥に差し込んで回してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男が麻酔を当てる。
 葬儀会社の社長はその後も入念に焼く。
 最後は医者の男が子宮を撤去してしまう。
 動画はこれで終了していた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 本多椿がテレビ会議を繋いで来た。
 「酷すぎます。どんどん残酷に成りますよ」
 本多椿は怒りが収まらない。
 「これまでもこのレベルはやっていました。今回は子宮を取りだすところまで公開したのです」
 館山弁護士は冷静にそう捉えている。
 「絶対に日本人ですよね」
 「被害者六人とも間違いなく日本語で外国人の様なアクセントは無かったと証言しています」
 「私はあの六人がやっているようにしか見えない」
 如月鬼堂はその見解を捨てられない。
 「一人外村芽生だけが日本より温暖な気候の場所のようだと答えていました。後の五人は全く分からないと答えていました」
 館山弁護士はの得た情報である。
 「テレビのワイドショーでも一部そんな報道が有ったな」
 如月鬼堂も把握していた。
 
 四月二十三日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外は綺麗に晴れていたが連日の温暖な気温はやや下がってうっすら寒さを感じられた。
 今日はテラスに出ないで室内でバーベキューと瓶ビールである。
 麓の街は空気が澄んで綺麗に見える。
 「もう同じ手は使えないな」
 医者の男はまだ次を遊びたい。
 「同じ手ではないが潜水艦で運ぶのはできる」
 川口の会長はそれなりに何か方法は有ると言う。
 「そうだな別の方法で海外に呼び出せばよい」
 印刷会社の社長も他の手を考える。
 「以前に玉川亮を使ってツアーをやったな」
 印刷会社の社長である。
 「それを海外版で企画するか」
 川口の会長は珍しく乗り気である
 「月初めに如月鬼堂が潜水艦で運んだと言っていたな」
 「問題はないよ。誰も本気で取り合わない」
 「ツアーで運び出す方向で作戦を練るか」
 印刷会社の社長は作戦を検討したい。
 「そうだな」
 川口の会長も了解した。
 
 四月二十四日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は朝七時に瀬里菜に起こされた。
 「パパ。杉下さん。テレビ会議よ」
 「ああ。また配信されたか」
 「そうよ」
 如月鬼堂はシャワーを浴びてラーメンを作った。食べながら動画を確認する。
 最後の犠牲者は常盤里歩である。
 二十三歳。一年メーカーに勤めて転職した。それがこの事態に遭遇したのである。
 常盤里歩はいま全裸にされ診察台に大股開で磔にされていた。
 川口の会長が電子鞭を大陰唇に当てる。
 「うぐーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は瞬時に意識を回復して悲鳴を上げた。
 目の前に忍者姿黒装束が四人居る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。なんでえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩はとっさに事態を悟って叫ぶ。そして躰の戒めを揺する。直ぐに全裸で縛られていると判った。
 「諦めろ。お前の無修正無料AVの撮影開始だ」
 川口の会長が宣告する。
 「目の前のモニターを見ろ。お前の姿だ」
 印刷会社の社長がモニターを指さす。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩には恐ろしい姿である。絶対に隠さなければならない部分がど真ん中に丸出しにされている。
 印刷会社の社長が常盤里歩の太腿の下にしゃがんで指で女の部分を広げてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いあやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなとこあけないでーーーーーーー」
 常盤里歩は目を吊り上げ顔を震撼させて叫ぶ。
 「はっはっはっは。お前の女の部分が全世界に公開される。奇麗なま○○だぜ。中が薄紅でびらびらもまだ濃い紅だ」
 医者の男がその部分を言葉にして詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩はヒステリー状態である。
 「膣液が乾いて白い膜に成って付着しているぞ」
 印刷会社の社長はそう言ってヘラでそれを掬い取る。黒いプラ板に載せて常盤里歩の目前に翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は目を剥き大口を破裂させて叫ぶ。
 「諦めろ。この動画は世界中の個人のファイルに永久に残る。これまでの被害者のニュースを聞いているだろ」
 川口の会長が引導を渡すように言う。
 「そんなーーーーーーーーーーーーー。なんで私がこんなことされるのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は理不尽な事態に直面して動揺の極致に成りヒステリックに叫ぶ。
 「応募した中からAVに適した女だけを六人選んだ。その一人だ」
 「そんなーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 印刷会社の社長は医者の男からクスコを受け取ってローションを塗って常盤里歩の膣に挿入する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は冷たい金属の異物の挿入に喚き散らす。
 印刷会社の社長は螺子を回して内部を広げる。さらにカテーテルタイプのカメラをクスコの縁に接続する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それがモニターに拡大された。常盤里歩は見た瞬間に悲鳴を上げる。
 「お前の膣の内部だ。奥の紅に盛り上がった中心のさらに紅が濃い部分の割れ目が子宮口だ。これも全世界に公開される」
 医者の男が淡々と説明する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は恥ずかしさに顔を真っ赤に染めて荒い息を吐き出す。もう恥ずかしさにどうにも成らない。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は恥ずかしさに染まった顔を横に逸らして荒い息を吐き続けた。
 医者の男が印刷会社の社長にロングスプーンを渡す。
 「お前の膣の中にいっぱい汚れや粕が付着しているのや。それを今から取り出すからな」
 薄紅色の粘膜の盛り上がりの周りに白い泡の様な物が付着している。拡大したモニターにくっきり確認できた。
 「へえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は恐ろしく恥ずかしい事態に嬌声を上げてしまう。
 印刷会社の社長は常盤里歩の膣の中の滑りを黒いプラ板に載せる。
 「あ、はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は堪らない恥ずかしさに泣き悲鳴に成る。
 それでも印刷会社の社長は数回掬い取る。そしてカメラと常盤里歩の目前に翳す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は涙を流している。
 「メールを受け取った奴らは永久保存だな。こんな華奢で綺麗な女の一番恥ずかしい物がくっきりだ」
 葬儀会社の社長が詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いきてゆけないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は堪らずそう叫んでしまう。
 「死んでも動画は永久に見続けられる」
 川口の会長が断言してしまう。
 「ひどいよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こんなのタダで配って何に成るのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は金儲けでもないのに何でそんな事すると言いたい。
 「無修正AVに良い女が少ない。居ても一握り。だから数年前から俺たちの組織が補給しているのだよ」
 川口の会長が淡々と語る。
 「何でそんな事するのよーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は堪らない仕打ちにパニックに成って叫んでいる。
 「女の地位が上がり過ぎて女性優遇社会に成り過ぎた。だから社会にお仕置きだ。お前らはその見せしめだよ」
 葬儀会社の社長が答える。
 「何で。女性優遇社会なの。日本は世界で女性の地位が低いって言っているでしょう」
 常盤里歩は堪らず反論する。
 「それは知識階級の言い分だ。それも小母さん知識階級がメインだ。政治家と会社経営陣に女が少ないだけだ。社会の中では優遇されている」
 今度は川口の会長が答えた。
 「政治家は女性だから立候補しにくい訳でも当選しない訳でもない。寧ろ有利だ。成り手が少ないのは日本の女性の価値観だ」
 さらに葬儀会社の社長が付け加える。
 「そんなのちがうよーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は強固に否定したい。
 その間に印刷会社の社長がドテの黒い塊に脱毛クリームを塗る。
 「えーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は何かをされたと感じてまた叫ぶ。
 「脱毛クリームだ。お前をパイパンにする」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでそんなことするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は喚くように叫ぶ。
 「AV女優はそこを綺麗にした方が良いのだよ。この動画が社会に公開されたらこの先お前はAV女優に成るしかない」
 印刷会社の社長が淡々と宣告する。
 「勝手に決めるなーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は涙を振り飛ばして叫ぶ。
 葬儀会社の社長が常盤里歩の泣き叫ぶのを無視して左の乳首にクリップを鋏付ける。
 「いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は乳首を鋏まれた痛みに強烈に叫ぶ。
 もう片方の乳首も鋏む。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 葬儀会社の社長は乳首を鋏んだクリップに電線の繋がった先のワニ口クリップを接続する。
 反対側はスタンガンの端子に接続した。
 「なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は恐怖の坩堝に叫ばずに居られない。
 葬儀会社の社長は構わず電流を流す。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は大口を破裂させて泣き叫ぶ。
 葬儀会社の社長はその表情を愉しむ。
 「あはあーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたいーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は大口を破裂させて悲鳴を上げ続ける。
 葬儀会社の社長は一度電流を切る。
 「あはあ。ああはあ。はあ。はあ。はあ」
 常盤里歩は荒い息遣いで暫く藻掻き続ける。
 葬儀会社の社長は頃合いを見てもう一度スイッチを入れようとする。
 「あーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーー」
 葬儀会社の社長は常盤里歩の叫びを無視してスイッチを入れた。
 「あはーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーいたい。いたい」
 常盤里歩は大口を破裂させ躰を震撼させる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は遂に失禁してしまう。
 クスコの周りから濁流の様に小水が流れ落ちる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーああーーーーーー」
 常盤里歩は驚愕の事態に泣き喚く。
 葬儀会社の社長は直ぐさま電流を切っている。
 床には吸収シートが敷かれていた。
 相当の量が流れ出ている。眠らせたまま移動監禁中はバルーンカテーテルと尿タンクを接続されていた。
 此処に運ばれてからは点滴の補給だけだがかなり溜まっていたようである。
 「あはあーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 常盤里歩は失禁が治まっても震え荒い息遣いを続けた。
 「さてそろそろ良いかな」
 印刷会社の社長が櫛を取りだす。脱毛クリームを塗っていた陰毛を掬うように一気に抜き取る。
 簡単に全部落ちてしまった。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は恐ろしい事態にまた泣き叫ぶ。
 「綺麗なパイパンだぞ」
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 常盤里歩は泣き続ける。
 今度は川口の会長が長めのブジーを手にする。
 クスコの奥に差し込む。モニターを見ながら子宮口に突っ込む。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は上体を迫り上げて藻掻く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は強烈な痛みに涙を溢れさせていた。
 川口の会長はそのブジーに乳首の鰐口クリップを片方外して接続する。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は何をされるか分かって悲鳴を上げる。
 川口の会長はスタンガンのスイッチを入れた。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩の躰は藻掻き震撼する。
 やがて白目を剥いてしまった。
 ここで全員が掛かって輪姦す。
 運搬処理業の社長と廃棄物収集運搬処分業の社長は撮影に回っていたが画面上を四人にして交代で輪姦した。
 
 如月鬼堂の居間では杉下一行と館山弁護士とテレビ会議が繋がっていた。
 「字幕の内容からは先生の仰る連続拉致強姦事件の犯人らとしか思えませんね。謎が多いです」
 杉下一行も不可解さを感じる。
 「この組織の共通したやり口とも思えますが。R国在住の日本人から容疑者らしきも出ないようですね」
 館山弁護士も謎を感じていた。
 だが闇の組織が世界で如月鬼堂の言うように大規模に成っているとは考えにくい。
 「しかし今の責めは強烈だな。乳首は鋏んだままだ。この状態で輪姦すかな」
 如月鬼堂にして責めのハードさに慄いていた。
 「この女性は日本の病院で已む無く子宮を撤去しています」
 館山弁護士の得た情報である。
 
 常盤里歩は輪姦されている最中に意識を戻して泣き叫んでいた。
 「いやだーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川口の会長はビンタする。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 六人が二回ずつ輪姦したが常盤里歩には四人で三回ぐらいかなとしか分かってない。
 終わって常盤里歩は一度診察台から降ろされた。
 だが自分では立てない。床に腰を下ろしたままである。
 「姉ちゃん。そのクリップ取ろうか」
 医者の男である。
 常盤里歩は痛み続けていたクリップを左から掴む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に叫んで床を叩く。そして痛みに耐えられず転がる。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴を上げて何度も床を叩いて暴れ藻掻き続けた。
 「お姉ちゃん。もう一個有るよ」
 葬儀会社の社長が指摘する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうだめーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩はもう堪えられない涙をぽろぽろ溢す。
 「早く取らないとどんどん痛みが増すぞ」
 葬儀会社の社長はさらに追い詰める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は号泣しながらクリップを掴んで投げる。
 カメラに当たったが支障はない。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 常盤里歩は床を転げ藻掻き続ける。
 適度なところで四人が掛かって捕まえて大股開きにする。そしてもう一度膣にクスコを突っ込む。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 固定されてなくても常盤里歩に抵抗する力は全くない。
 医者の男がペンライトで中を照らして長いスポイトで薬品を流し込んだ。
 「うぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのあと麻酔を掛ける。
 動画はこれで終了していた。
 
 如月鬼堂は居間で見終わって放心状態である。
 「床の形状が前と違いますね」
 館山弁護士は以前の連続拉致強姦事件の犯人らの動画とは床の形状が違うと指摘する。
 「そうだな」
 如月鬼堂もそれは認めた。
 「R国の警察は日本から犯罪者らが密入国と片づけてしまったようです」
 館山弁護士は捜査が行き詰まりと言いたい。
 
 四月二十五日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 今日は寿司と刺身の盛り合わせを取って日本酒で飲んでいた。
 「飛行機はチャーターしたよ」
 印刷会社の社長である。
 「女は海外ツアーコンパニオンで募集したのだな」
 川口の会長が確認する。
 「客の男はどうする」
 葬儀会社の社長である。
 「そっちも募集を掛けた」
 「女の審査は」
 「あの二人に前金二十五万。後金七十五万でやって貰う」
 「リストを渡して現地で確認か」
 「コンパニオンの募集だからそれなりのが来るだろう」
 運送会社の社長は楽観する。
 「いやそうとは言えないよ。いまは容姿端麗と書けないから結構三戦級がゴロゴロだ」
 「女性向けの求人誌だろ」
 「それでもだ」
 「客の男はエキスポラの名目か」
 「そうだよ。コンパニオンの訓練名目だ」
 「あっちの組織の人間二人に引っ張って行ってもらえば問題はない」
 計画は一挙に進んでいた。
 
 四月二十九日。
 ツアーは客のアルバイト十八人。コンパニオン五人を乗せて闇組織の男二人が引率して出発する。
 R国に着くとバスが待っていた。
 運転士は現地人だが組織の息の掛かった男である。
 サングラスとマスクであまり顔は出してなかった。さらに運転席はガラス板で仕切られている。
 途中通行量の少ないトンネルの中で催眠薬を流す。
 組織の二人も倒れるが全員眠ったのを確認して運転手が起こした。男ら十八人はそのままにする。
 別にキャンピングカーが用意されていた。
 女性五人だけに麻酔を強化してそっちに移す。
 バスは置き去りにして組織の潜水艦が着ける建物に向かう。
 バスは盗難車を改造したものである。
 男性の応募アルバイトは給料も貰えず海外に置き去りにされてしまった。
 
 四月三十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーが集まっていた。
 今日は次のツアーとGW最終日のショーの打ち合わせである。
 真性奴隷女の館の樽常マネージャーが新しい女性のポートを持ち込んでいた。
 その最中の報道である。
 R国で男性十八名がツアーの乗り捨てられたバスの中で眠らされて発見され同乗のコンパニオン女性五名が行方不明と報じられた。
 「また奴らの仕業か」
 如月鬼堂がぼやく。
 「そのようですな。コンパニオン五人の拉致が目的でしょう」
 杉下一行もそう思う。

 
 最期のSM小説家 第三十九幕 謎の海外進出企業 完 





 最期のSM小説家 第四十幕 海外ツアーの悲劇

 二〇二十三年清明下元。太陰太陽暦三月十一日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十三年四月三十日。
 
 四月三十日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーと樽床マネージャーが集まっていた。
 今日は次のツアーとGW最終日のショーの打ち合わせである。
 事件はその最中に報道された。
 R国で男性十八名がツアーの乗り捨てられたバスの中で眠らされて発見される。そして添乗員及びコンパニオン女性五名が行方不明と報じられた。
 「またR国ですね」
 大河内税理士はそう呟く。
 「R国に組織の拠点の様なものが在るのではないですか」
 館山弁護士は拠点が在って其処の連中がやっているのではないかとの見解である。
 「しかし館山先生。R国に該当するような滞在者は考えられないとのことだったね」
 如月鬼堂はそれも成り立たないと言いたい。
 「日本人が密航でR国に入る事もあり得ないとは言えません」
 「確かに闇組織の連中だけが密航なら無いとは言えないな」
 「途上国なら政府の監視の行かない場所は有ります」
 「日本でも無いとは言えない」
 「どちらにしてもかなりの費用を掛けています。その目的が謎です」
 館山弁護士は金を掛けて何が目的と言いたい。
 「動画の中の字幕通りじゃないか」
 「それにあんな巨額の費用を使いますか」
 「遊びだろ。それだけ収益が有るのだ」
 「謎ですね」
 館山弁護士はあくまで不可解との見解である。
 
 五月二日。
 拉致したコンパニオン女性五人を乗せてR国で拉致した二人が便乗する組織の潜水艦は東京湾の海底を航行して内房のリゾート施設に着く。
 そのリゾート施設は百二十七号線の海に面した崖に建てられている。
 潜水艦は近くの海底から洞窟に侵入する。
 所定の位置まで侵入すると後ろの関門が閉まった。洞窟の海水が半分くらい排水される。
 前の関門が開いて潜水艦は桟橋に侵入する。
 地下七階くらいの深さである。
 今回はこの施設を使う。
 先行して組織の男二人が待っていた。
 川口の会長ら六人もこっちに向かっている。
 コンパニオンに応募した女性五人は眠らされたまま全裸で縛られてバルーンカテーテルを尿道に挿入され尿パックを付けられていた。
 四人で一人ずつ女性を産婦人科診察台に乗せる。
 バルーンカテーテルと尿パックは接続したままである。
 これで川口の会長らが着くまで点滴を行う。
 
 川口の会長らは君津まで電車に乗って来た。此処で六人が落ち合う。
 前もって駐車場に止めてあった偽ナンバーの車で向かった。
 「今回も良くこれだけ粒選りが確保できたな」
 葬儀会社の社長である。
 運転しているのは運送会社の社長。助手席に川口の会長が居る。
 四人はボックスシートである。
 「無修正AVの極上がこれで十一本に成るな」
 「いいや。今回は五人全部で一本だ。何回かに分けて配信するが」
 配信は印刷会社の社長が担当する。
 「今回は十人で責める。あっちの組織のが四人加わる」
 助手席の川口の会長である。
 「R国で日本人が十人か。益々捜査は謎だらけだな」
 廃棄物収集運搬処理業の社長は悦ぶ。
 「捜査は混乱する。マスコミは騒ぐ。警察庁長官も埼玉県警本部長もお辞めいただきますか」
 葬儀会社の社長も悦びの表情である。
 
 内房のリゾート施設では四人で所定の撮影を行っていた。
 五人とも拷問椅子を並べて確り固定されている。
 眠らせたままの全裸。顔、乳房、太腿、性器のアップ。さらに性器を開いたアップ。さらに指で膣口を広げて一人ずつ撮影を終えていた。
 バルーンカテーテルと尿パックは既に外されている。
 連続拉致強姦事件の犯人六人はリゾート施設に着くと一度宿泊する部屋に入った。拷問の行われるのは地下二階である。
 地下一階より下に行くにはピットの水を抜く。その奥に隠された入口が造られていた。
 いま水は抜かれているがそれでも地下二階以下への入口は通常では判らない仕組みである。
 六人は地下二階の控室で着替えた。
 四人の男らもこれまで通り忍者姿黒装束にサングラスである。
 二人ずつ掛かって電流責めの準備をする。
 両方の乳輪の下にそれぞれ針を通す。クリトリスの下にも通してトランスの電源端子に繋がった鰐口クリップを左右に接続する。
 頭には鉄条網の輪っかを被せる。これもトランスに繋ぐ。
 五人一斉に電流を流す。
 うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 全員強烈な悲鳴が上がる。その後は躰がガタガタ震えるだけである。
 電流を切ると全員荒い息遣いに成る。
 全員ショックのあと目に入った忍者姿黒装束に震え口をパクパクさせ慄く。
 女性五人の正面に一人ずつモニターが下がっている。そこにそれぞれ眠らせたまま撮影した動画が流される。
 「あはあーーーーーーーーーーーー」
 全員震えながら声を漏らす。
 「もう俺たちが何だか判るな」
 宣告するのは引率した以外の組織の男である。
 「あーーーーーーーーー」
 絶望の悲鳴が全員から流れた。
 「お前らの恥ずかしい姿は全世界にメールで配信される。この先無修正AV以外に道はない」
 組織の男が川口の会長らに代わって宣言する。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一人が泣き叫ぶ。
 「もう逃れる道はない」
 男は断言する。
 一番右端の女性から印刷会社の社長がクリトリスの針を抜く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 針を抜く痛みである。
 そして印刷会社の社長はクスコを挿入した。全員の前のモニターがその女性の映像に成る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 自分の女の奥がクスコで広げられた女性は悲鳴を上げる。
 「一人ずつ責めるからな。後の四人は騒ぐと電流を流すからな」
 既に電気椅子並みに流されていた。十分な脅しである。
 これまで通り印刷会社の社長は膣の奥の汚れを取り出す。
 「あは、あはあ。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 モニターに映った膣の中の作業を見て喚く。
 この女性は北村華という。二十八歳に成る。
 OLをしていたがクレジットカードの残高が厳しくギャラの良い仕事に飛び付いたのが罠に落ちてしまった。
 
 五月三日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 十時を回って杉下一行からメールが届いた。
 また動画が公開された。規模は小さい。作りも雑であった。
 さらに危険を顧みず動画投稿サイトに投稿されている。
 忍者姿ではなく防護服にマスク、サングラスである。
 全員が六十過ぎというところが連続拉致強姦事件の犯人六人と同じであった。
 「これは模倣犯だな」
 画面を見ただけで如月鬼堂が呟く。
 「そのようです」
 杉下一行も認める。
 被害者は人材派遣会社TCCの社員。宇垣佳織という。三十手前の華奢な美人である。
 だが可愛らしさは無い。整った美人顔だが如何にも潔癖さを感じさせる。丁寧語で接しているが言葉に自分が上だという知的女性の威圧感がある。
 拉致されたのはGWに入る前日二十八日の夜であった。
 アウトソーシング先の更衣室で最後に帰るところを後ろから羽交い絞めにされクロロフォルムを当てられてしまう。
 拉致したのはその派遣会社の派遣スタッフ六人である。
 その内の一人桧山昭雄の両親が生前に住んでいて今無人に成っている山の中の一軒家に運び込んだ。
 山奥の地図に無い道を進んだ奥地に入る。
 通常なら和風建築を想像するがレンガ造りの山小屋である。
 犯罪が海外で発生していてGWで検問も行われてなかった。
 全く何の障害もなく山小屋に着く。
 宇垣佳織は全裸にされ壁に磔るように吊るされた。
 レンガの壁面にボルトが三本横並びに埋め込まれ真ん中の一本に手首を縛り合わせてその縄を引っ掛けられている。
 両方の膝に縄を掛けられ左右の二本のボルトにぞれぞれ吊るされて躰全体がM字開脚に吊るされていた。
 「どうやって起こす」
 「蠅叩きでビンタだ」
 二人が蠅叩きを持つ。
 両方から宇垣佳織の頬を叩く。
 「ぐ、ぐう、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は目を開いた。
 「なによーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は辺りを見回し叫ぶ。
 目に入ったのは暗い部屋。自分だけがスポットライトに照らされている。全裸で吊るされている事まで理解した。
 男が六人。防護服、マスク、サングラス。二年くらい前の連続拉致強姦事件の報道内容を思い出す。
 二人の男は続いて叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。やめなさいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は気丈に叫ぶ。
 「やめなさいーーーーーーーー。上等や」
 起こった男は蠅叩きを叩いていた男から取り上げて叩く。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に強い叩き方である。
 「うーーーーーーーーーーー。のれーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は唾を飛ばして怒りにわなわな震える。
 次が代わって叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう。おのれーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織はまだ気丈に叫ぶ。
 さらに次が代わって叩く。この面々は宇垣佳織に怒りが滾っていた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織が顔を振ると怒りの涙が飛び散る。
 「いい加減公開する動画を作ろう」
 「あーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織はカメラが三台回っている事に気付いた。
 男が二人両側から宇垣佳織の女の部分の粘膜を広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。さわるなーーーーーーーーーーー」
 もう一人が蠅叩きでまたビンタする。
 「うぐーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。撮るなーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は堪らない屈辱に怒り喚く。
 さらに二人の男は両側から膣口に指を突っ込んで強く広げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなんてことするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は震えながら目は吊り上がっている。
 「ピンクの部分が丸見えだよ。御多分に漏れず公開するからな」
 桧山昭雄が詰る。
 「お前ら。そんな恰好しても誰か分かるのだよ。逮捕されたら二十年は出て来られないよ」
 宇垣佳織は強気で突っ込む。
 「じゃ俺は誰だ」
 「桧山だろ」
 「そうか分かるのなら生かして帰せないな」
 桧山昭雄は脅しではない。本気である。既に暖炉で焼いて骨を粉にして川に流すところまで考えていた。
 「必ず捕まるよ」
 「やってみないとな。お前の恥は永久に残る。派遣スタッフもお前の会社の上司もみんな取得するぞ」
 「必ず逮捕されるよ」
 「フリーアドレス集めてお前のタブレットから配信するのだ。動画投稿サイトにもお前のSNSにも投稿だ」
 「馬鹿な事はやめなさい」
 「年上にそんな口きくか。だからお仕置きだ」
 男はまた蠅叩きで顔を叩く。
 「やめろーーーーーーーーーーー。女の顔を叩くかーーーーーーーーーーーー。良いと思っているのかーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は自分の方が偉いという意識である。自分は社員であり指揮命令する側。この親父らは一回のスタッフと見下していた。
 「姉ちゃん。お○○こに粕いっぱい付いているぞ」
 そう言って指で掬い取る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。猥褻行為じゃ済まないぞーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織はまだ強気で叫ぶ。
 「もうここまで来ているよ。最後までやるだけだ」
 宇垣佳織の膣口を指で広げていた一人がクスコを手にする。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんな物入れるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 どこまでも宇垣佳織の気丈さは崩れない。
 男は構わず宇垣佳織の膣に突っ込む。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ローションも何も塗ってない。
 宇垣佳織が叫んでも無視して螺子を回して奥を広げる。
 「モニターを見ろ」
 別の男は中をペンライトで照らしてモニターに投影する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんてことを!!。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は堪らない屈辱に藻掻き叫ぶ。
 「はっはっはっは。子宮口も膣壁も丸見えだよ。宇垣佳織二十八歳。女の奥の院を大公開だ」
 「スタッフ連中もお前の会社の上司も悦ぶぞ。口ではけしからんと言うがな」
 「そうだこっそりじっくり見放題だ」
 男らは口々に詰る。
 「お前ら絶対に逮捕だ。徹底的に訴えて戦ってやる」
 宇垣佳織はまだ気丈である。
 「だから此処の暖炉で焼いて火葬だ。訴える事も戦う事もできないよ」
 桧山昭雄は嘲る。
 「それだって警察の手は回るよ。逮捕されるよ」
 宇垣佳織はあくまで正論を唱える。
 「此処が何処かも判らん」
 「そうだ俺たちはGW明けからしかとして仕事に戻れば良い」
 男の一人が他の動画を真似して膣の奥の汚れをロングスプーンで採取する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は叫ばずにいられない。
 男はロングスプーンで掬った滑りを目前に翳す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は恥ずかしさと怒りの限り叫ぶ。
 「うるせえなーーーーーーーーーーーーーー」
 別の男がブジーを持ち出す。
 モニターを見ながら奥の子宮口に突っ込んでしまう。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は強烈な悲鳴を上げた。
 「これで暫くは大人しくなる」
 刺した男は哂っている。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は藻?き苦しむ。
 男らは宇垣佳織の吊るしをやや低くして腰の高さを挿入しやすい高さに調節した。
 ここで一度カメラを止める。
 自分らの性器は見せないように用心はしたらしい。
 
 内房のリゾート施設ではこの動画の配信を確認して如月鬼堂らのように確認を行っていた。
 女性らは眠らせたままである。
 「馬鹿かこいつ等直ぐに捕まるぞ」
 川口の会長は呆れた口調で言う。
 「少し公開を伸ばさないとこっちの動画の効果が薄いな」
 医者の男である。
 「そうだな」
 印刷会社の社長も邪魔という意識である。
 「依頼人。こっちの部落に近すぎます。もしそちらで無償にて特攻ドローンを提供していただけましたらこっちで決着をつけるとの事です」
 組織の男が川口の会長に提案する。
 「よく場所が分かったな」
 「あの建物は以前に調査しています。昔は山荘として営業していましたが老夫婦が他界して空き家でした。壁の特徴から間違いありません」
 「それじゃ警察は直ぐに辿り着くな」
 葬儀会社の社長も簡単に捕まると理解する。
 「そうです」
 「今ラインから抜けない。山のストックから出す。誰か俺を君津の駅まで送ってくれ。向こうには取りに来てくれるだろ」
 いま製造は川口の会長の秘密工場で組織から派遣された者たちが製造している。それが急がれていてそのラインからは抜けない。
 それで川口の会長が山奥に保管しているストックから出すというのである。
 「ええ。大丈夫です」
 川口の会長と組織の男一人が出発した。
 
 男らは宇垣佳織を輪姦そうとしていたが躰の微妙な震えを感じ取る。
 既に拉致から十時間以上経っていた。尿意が限界なのである。
 もう一度カメラを回す。
 そして左右から手で股間を叩く。
 「あーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は遂に失禁してしまった。
 「これは良いものが撮れたな」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男が二人両側から女の部分のびらびらを引っ張る。尿道口の亀裂が膨らんで直に出るシーンが撮影されてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は止まらない尿に如何ともしがたい。
 男らは愉しそうに眺めて終わったら股間を拭いてもう一度カメラを止めて輪姦す。
 
 内房のリゾート施設では確認しながら印刷会社の社長が宇垣佳織の口の動きをAIで分析していた。
 「これ女の悲鳴以外声を消しています。男らの言葉は字幕編集以外に分かりませんが女の言葉は解析できます」
 印刷会社の社長は組織の三人に言っていた。
 「それじゃ警察も大方の察しが付くな」
 医者の男も事態を悟る。
 「直ぐに察しが付いて派遣のスタッフの仕業と判ります」
 「それでは後始末した方が良いですね」
 「うーん。そうだよな」
 葬儀会社の社長も同意を示す。
 
 男らは強姦のあと鞭を持ち出す。
 「先にやっちまったこの部分をアップで撮影しよう」
 自分らの安全を考えて輪姦す間はカメラを切っている。他の動画を参考にして一人ずつ膣の中は洗った。
 最後の一人は洗ってない。
 ぐちゃぐちゃに成った女の部分をアップで撮影して輪姦された女の烙印を印象付ける目論見である。
 年配者の発想と言える。宇垣佳織はぐったりしたまま動かない。
 桧山昭雄がもう一度クスコを挿入して情液が流し込まれた膣内をアップで撮影する。
 「うぬーーーーーーーー」
 宇垣佳織は怒りに震え続ける。
 二人が既に鞭を構えていた。
 桧山昭雄がクスコを抜き取ると一人が鞭を振り被る。
 M字開脚に吊るされた女の部分を狙う。
 既にその部分は輪姦されて粘膜のびらびらがよれよれに成ってぐぐちゃぐちゃで半開きある。
 先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭。それが的確に叩き付けられた。
 宇垣佳織は躱すこともできない。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに表情が破裂する。
 もう一人が構える。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織はそれを見て恐怖の悲鳴を上げてしまう。
 その男は先端が細長い一本鞭を同じところに右側から叩き付けた。
 「ぐぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織の躰が一瞬固まって震撼する。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は痛みに藻掻き続ける。
 男らは代わる代わる叩き続けた。
 宇垣佳織は三十数回で失神してしまう。
 男らは口と鼻にクロロフォルムを当てて吊るしから降ろして床に大の字に磔にする。
 「失神している間に口にしょんべん流し込もう」
 桧山昭雄がそう言って宇垣佳織の口を開口器で広げる。
 一人がカメラを背にして一物を出して失神したままの宇垣佳織の口に小水を流し込む。
 「堪らないな」
 口がいっぱいに成ると顔に掛ける。白目を剥いた眼にも掛けた。
 一人がもう一度宇垣佳織の女の部分を鞭で叩く。
 「ぐぼ。ごごおーーーーーーーーーーーー。ごほおーーーーーーーーーん。ぐおーーーーーーーーーーーーん。ぐほん。ごほん。ごほん」
 宇垣佳織は叩かれた股間の痛みと気管に入った尿に咽び藻掻き続ける。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーおしっこーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は狂ったように叫ぶ。
 二人目がカメラを背に宇垣佳織の躰を跨ぐ。
 同じように顔を目掛けて小水を掛ける。
 宇垣佳織は目をきつく瞑って声も出せない。
 男らは満足そうに宇垣佳織に小水を掛け捲った。
 「あが、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。なんていうことをーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は濡れた顔を振って猛り狂う。
 男らはバケツの水を宇垣佳織の頭から掛けて一応顔と髪を洗う。
 「X字開脚にしよう」
 三人ずつ掛かって両脚に脚首から膝に縄を掛ける。天井から下がったフックに引っ掛けて脚を吊るし上げてしまう。
 腰が浮き上がるまで引っ張る。股間が斜め上に向く高さに調節する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は濡れた顔を振って藻掻く。
 「さあ。ま○こをおしっこで洗ってやろう」
 一人が提案する。
 「全員流してしまったぞ」
 「それじゃ向こうでビール飲んで貯めよう」
 「いっそビールで洗うのは」
 「どうだろうやってみるか」
 「まだ剃毛してないぞ。トイレの隣の部屋に脱毛クリームが有ったな」
 「かなり古いが使ってみるか」
 ドテの黒い塊に塗り込む。
 「なにしているのーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は恐ろしい目論見を悟って喚く。
 「脱毛クリームだ。ここを完全なパイパンにする」
 「はっはっはっはっは」
 「うぬれーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は怒り気持ち悪さに唾を吐き出す。
 「こら口開けろ」
 一人がビールを近づける。
 宇垣佳織は状況から口を開ける。
 流し込まれたビールで嗽して吐き出す。
 「こっちも洗いましょう」
 一人がクスコを押し込む。
 「うーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 まだ抗議する気力は有るらしい。
 そのクスコの中にビールを流し込む。
 桧山昭雄が薔薇の枝の鞭を持って来る。
 「この綺麗な乳房叩いて血みどろにしよう」
 桧山昭雄は他の五人の前に薔薇の鞭を差し出す。
 一人が受け取って床に張り付けた宇垣佳織の右の乳房を上から叩く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に皮膚が引き剥けて血が滲みだす。
 「おーーーーーーーーーー」
 男は悦びの歓声を上げる。
 「ううーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は痛みにさらに躰を震撼させる。
 次が受け取って叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに右の乳房から血が滲み出る。
 「あはあーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は乳房の血に慄く。
 「そろそろ良いかな」
 脱毛クリームを塗った男が宇垣佳織の陰毛を引っ張る。軽く抜けて来た。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は驚愕の表情に成る。
 「ふふ」
 笑みを浮かべて抓んでは抜く。
 「一気にビールで流してしまえば」
 その男はビールを掛けて指で押し流す。
 「はっはっはっは」
 男は愉快そうに陰部を無毛にする。
 「あ、あはあーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は首を振って嘆く。
 それからも男らは薔薇の鞭で叩き続けた。
 「ま○このビール抜いて蝋燭流し込もう」
 「その前にこの乳房水絆創膏で治療しよう」
 「そうだな。消毒と傷の手当だ」
 「それは良い。沁みるぞーーーーーーーーーー」
 直ぐに水絆創膏が用意された。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織には何だか分からないがさらに恐ろしい事をされると感じて叫ぶ。
 「水絆創膏だ。傷の保護だよ。だがちょっと沁みるのだ」
 桧山昭雄が詰るように説明する。
 「・・・・・」
 宇垣佳織は恐怖に首を振る。
 一人が水絆創膏を手に流して宇垣佳織の乳房を掴んで塗りまわす。
 「あがあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああがああーーーーーーーーーーー。ああがああーーーーー」
 宇垣佳織は強烈に躰を震撼させて喚き散らす。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織は暴れ続けた。
 そしてクスコからビールが飛び散る。中でビールが揺れてアルコール中毒もやや進む。
 男らはクスコのビールを抜いて?燭に点火する。全員が一本ずつ持つ。
 カメラに正面は開けるので三人ずつ三方からクスコに流す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃああーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織はまた躰を揺すって藻掻き強烈に叫ぶ。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああがあーーーーーーーーーーーーーーー」
 宇垣佳織がいくら暴れても男らは淡々とクスコの中に垂らし続ける。
 だが途中位から叫ばなくなってしまう。
 半分くらいまで来るとそんなにもう熱くない。
 宇垣佳織は男らを睨み続けていた。
 「どうする」
 「?燭よりもっと強いアルコール流し込んだらどうなるかな。ビールで少し顔が火照っていたからな」
 「やってみるか」
 桧山昭雄がテキーラを持って来る。
 一度クスコを抜き取ってクスコと一緒に蝋涙を取りだす。さらにクスコで広げてピンセットで蝋涙の欠片を取る。
 ある程度で破片は諦めてテキーラを流し込む。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 既に宇垣佳織はかなりのアルコール中毒を感じ取っていた。
 そのまま放置である。
 
 埼玉県警専従班の部屋。
 同じように動画を確認しながら宇垣佳織の口の動きを観察していた。
 「この犯人はこの女性と同じ職場に派遣されている契約スタッフの可能性が高いです」
 神谷悠乃警部補である。
 「此処のスタッフ全員のスマホのリストを提出して貰おう」
 中宮警視正が指示する。
 「そっちに絞りますね」
 「スマホのGPS情報で六人が固まっているかGPSを切っているスタッフが怪しい」
 「そうですね。これは追い詰められますね」
 何とこの六人は宇垣佳織のスマホはロッカーに残したが自分らの位置情報は切ってなかった。
 「六人が固まっています。山形県の山中です」
 「やったぞ。山形県警に応援要請だ」
 警察は直ぐに動いた。
 
 闇組織の監視員もこの警察の動きを察知している。
 既に特攻ドローンは山小屋の付近に待機していた。
 
 男らは宇垣佳織が急性アルコール中毒で苦しむのを愉しみながら尿道カテーテルを突っ込んで垂れ流しを撮影した。
 五月三日に宇垣佳織の動画を配信して眠らせて縛ったまま暖炉で焼く。骨を粉にして川に散骨してしまう。
 さらに暖炉で何度も薪を燃やしてさらにサンポールで暖炉を洗った。これを繰り返す。
 宇垣佳織のタブレット端末も粉々にして川に捨てる。
 この六人の行動は動画公開から数時間後には既に闇組織が完全に見張っていたのである。
 山形県警がこの山荘に向かったのは午後の三時を回っていた。
 六人は処分が終わって一息つく。そのまま持ち込んだビールでバーベキューを楽しんでいた。
 闇組織は山形県の捜査班と警察部隊が山に入る直前に特攻ドローンを突入させる。
 強力な爆発力でレンガ造りの建物が崩壊して火の海と成った。
 警察が着いた時点では大火災でヘリによる消火が行われる事態である。
 建物外周の庭が広かったので山火事は免れた。
 だが建物は完全に倒壊している。
 火災鎮火後六人分の黒焦げで性別年齢不明の遺体が発見された。一人足りないことに成る。
 
 五月三日夜。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーと本多椿が来ていた。
 寿司屋から握りと刺身の出前が届いて飲みながらを報道番組見て事態を見守っている。
 「警察は自爆火災と見ていますね」
 大河内税理士が報道内容を見て言う。
 「爆発が起きたのかな」
 如月鬼堂もレンガの壁の崩壊状況から爆発を推測する。
 「警察の動きは速かったですが意外な結末ですね」
 館山弁護士である。
 「被害者が犯人に気づいていたのが大きいな」
 「三台のカメラで撮影していながら編集段階で見せないようにできてないのですね」
 「スマホのGPSさえ切ってない。そっちに考えが行ってなかったのだ」
 如月鬼堂は馬鹿な模倣犯という見解である。
 「しかしこの六人に自爆というのは違和感が有りませんか」
 館山弁護士が疑問を呈する。
 「有るな」
 如月鬼堂も同意見である。
 「どうしてですか」
 本多椿は疑問ではない。確認である。
 「この五人は簡単にばれると思ってない。あの女性を葬ってそのまま迷宮入りくらいに考えていた。自殺などはしない」
 「それじゃ。連続拉致強姦事件の犯人六人がこの犯人六人を抹殺ですか」
 「連続拉致強姦事件の犯人六人が協力関係にある闇組織の仕業だろう」
 如月鬼堂のこれまでの見解である。
 「しかし鬼堂先生。組織とか連続拉致強姦事件の犯人六人にしても危険を冒してこの犯人を抹殺する必要がありますか」
 館山弁護士の異論である。
 「前にもあったな」
 「鬼塚慎登ですか」
 「いいや奴の場合は組織か連続拉致強姦事件の犯人六人が関わっていた。むしろ津田泰三だ」
 如月鬼堂は暴走族四人だけが捕まって行方不明のままの津田泰三は闇組織が処分したと見ていた。
 「何故です。奴らに何の影響が有るのです」
 館山弁護士は納得が行かない。
 「奴らのポリシーの様なものだろう。この手の犯罪者は警察に捕まっていろんなものを社会に明かしてはならないと」
 如月鬼堂の思い込みとしか聞けない考えである。
 「それで片っ端から処分ですか」
 館山弁護士は反論までは控えた。館山弁護士にもそんな意識が感じ取れないことも無いのである。
 「連続拉致強姦事件の犯人六人の意識は現代社会への何らかの反動だ。それを財力に明かして遊び半分に事件を起こして満足している」
 如月鬼堂は強い確信のように言う。
 「しかしこの六人を葬るに自爆ドローンを買いますか」
 大河内税理士は高すぎると言いたい。
 「いいや。買ったのではないな。この関連の何処かで作っていると思う」
 「そうですね。そうでなければ何らかの尻尾を掴まれます」
 館山弁護士もそうでなければ使わないと見ている。
 「前もって爆弾を仕掛けるなど今度はあり得ない」
 「そうですね」
 本多椿も理解する。
 「そうですね。外からの攻撃しかあり得ません。まして山道。工作は難しいです」
 館山弁護士もそこは認めた。
 「この模倣犯の六人はどんな目的なのですか」
 また本多椿の疑問である。
 「この派遣会社の社員の女性に強い怒りを持っていたのだろう。字幕の内容からそう思える」
 「年上にそんな口きくか。だからお仕置きだの部分ですか」
 それくらいしか類推できる字幕は無い。
 「そうだ。あと女性の口の利き方だ。普段から異常にカリカリした女だ。この六十代の親父連中には我慢ならなかったのだろう」
 如月鬼堂は以前に北海道警で四十代の女性警部に散々抵抗して嫌がらせしていた所轄の老練な警部補以上だと思った。
 「土曜日はどうします」
 館山弁護士はあと三日後のスタジオの心配である。
 「まあ。自爆が疑問だとの見解以上には触らない事だな」
 如月鬼堂も今度は余計な事は言わない心算らしい。
 
 内房のリゾート施設。
 川口の会長が戻った。
 五人のコンパニオンに応募して拉致された女性は一斉に乳首に刺さった針に電流を流されて起こされる。
 一斉に悲鳴が上がった。
 北村華。二十八歳の拷問の再開である。
 クスコが刺さったままであった。北村華はそのクスコに電流を流されてしまう。痛みに一番強い悲鳴を上げた。
 忍者姿黒装束の一人がさらに膣の奥から汚れを取りだす。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は恥ずかしさに震えさらに悲鳴を上げる。
 「お前の恥ずかしい姿はすべて全世界に公開だ」
 宣告する男は一人である。
 汚れを取り出す男は淡々と作業する。
 続いて北村華の尿道にブジーを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー」
 北村華はブジーの侵入に叫ぶ。
 既に膀胱はパンパンである。
 だがその前に二つ隣の中央の女が失禁してしまった。
 そっちのカメラに切り換える。そして運送会社の社長が慌てて吸収シートを床に投げて敷く。
 そして近くに居た忍者姿黒装束が小陰唇を広げて尿道の亀裂から直に出るシーンをカメラに収めた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 女は泣きながら失禁尿を流し続ける。
 この女は大内亜季という。二十五歳。フリーターである。
 その間に北村華も失禁してしまう。下には吸収シートが敷かれていた。
 こっちもブジーを突っ込んだ男が女の部分を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。」
 北村華も恥ずかしさの極致の姿が撮影されてしまう。
 「お前はこれから浣腸だ。そして膀胱と直腸に愉しい物を入れてやる」
 語り手の男が北村華を指さして宣言する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。まだなにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は悲鳴のように叫ぶ。
 「まだ序の口以前だ」
 葬儀会社の社長がその間に浣腸器に板氷で冷やした石鹸水を吸い上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は冷やした石鹸水を見て悲鳴を上げる。
 「いやだあーーーーーーーーー。そんなんいやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おなかいたくなるよーーーーーーーーー」
 北村華は泣き叫ぶ。
 「そう成るように冷やしているのだ」
 「えーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束の男は葬儀会社の社長から浣腸器を受け取って北村華のアナルに先端を突っ込む。
 「あはあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 北村華は情けない表情を崩し切って叫ぶ。
 「あ、あああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は一気に冷たい石鹸水が直腸に入って来て強烈に悲鳴を上げる。
 「膀胱にも行くぞ。こっちは冷たく冷やしたビールだ」
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は驚愕の悲鳴に成る。
 残る四人は怯え切っていた。
 医者の男が尿道に両方出口のカテーテルを挿入する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は赤子の様に泣き叫ぶ。
 医者の男はバルーンカテーテルに水を入れる注射器の様な物に冷やしたビールを吸い上げた。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いたいよーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は直腸に入った冷たい石鹸水に腹の痛みに襲われ尿道に恐ろしい事をされて狂ったように喚き続けた。
 忍者姿黒装束の男は二百CCでアナル栓をしてしまう。
 医者の男はもう一回ビールを吸い上げてカテーテルに接続して流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー」
 北村華は涙を流していた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は痛みと苦しさに般若の形相に涙を溢れさせて藻掻き続けた。
 葬儀会社の社長は北村華の腹を上から押さえる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は痛みに藻掻く。
 医者の男はカテーテルを抜く。
 「出して良いぞ」
 医者の男は北村華の女の部分を拡げて言う。
 その言葉と同時に北村華の尿道の亀裂からビールが逆流する。尿道にアルコールは猛烈な痛みである。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は一見気丈そうに見えたがかなり脆い。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 北村華は涙をぽろぽろ溢す。
 葬儀会社の社長が汚物入れの透明なプラスチックの箱を拷問椅子の股間の下にセットする。
 準備完了である。
 拷問椅子のアナルの部分は半円形に座が繰り抜かれている。
 「さあ。これ抜いてほしいか」
 語り手の男がアナル栓を指差して北村華に言う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 北村華はさらに泣き叫ぶ。
 「うんこ出ますから抜いてくださいと言わないといつまでも苦しいぞ」
 語り手の男はさらに追い詰める。
 「あーーーーーーーーーーーーーもうだめーーーーーーーーーぬいてくださいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は全く堪えられない。
 「うんこ出ますは」
 語り手の男はまだ詰る。
 「おねがいーーーーーーーーーーーー。うんこで・ま・す。ぬいてくださいーーーーーーーーーーー」
 限界とみて医者の男の手でアナル栓は抜かれた。
 ズブーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 茶色い水と崩れた便が透明なプラスチックの箱に落ちる。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は苦しみ躰を捩りながら残りの便を絞り出す。
 その時。残りの三人が僅かな差でほぼ一斉に失禁尿を漏らした。
 女性らは北村華の浣腸が破裂したタイミングで溜まってパンパンに成って耐えられない尿を漏らしたら目立たないと思ったかもしれない。
 それぞれ吸収シートは敷かれている。撮影もそれぞれ忍者姿黒装束が付いているので問題なく行われた。
 小陰唇を広げて尿道口から直に出る姿が確り撮影される。編集して総て順番に公開する段取りである。
 北村華は排便のあと僅かな小水を排泄してしまう。もう恥ずかしいどころではない。痛みから逃れるに必死である。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 北村華の躰は震えている。そして藻掻き荒い息遣いを続けた。
 医者の男は北村華に尿道バイブを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーー。そんなとこにいれないでーーーーーーーーーー」
 北村華は恐怖の表情を振って叫ぶ。
 医者の男は尿道バイブを組織の男に預けてクスコとアナル開口器を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男はボサボサの太い筆を二本持ち出す。それを膣とアナルに突っ込んで回す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は責めに堪えられない。腰をやや浮かせて捩って藻掻く。
 筆は中でぐっしょり濡れている。北村華の膣の中は既に膣液で充満していたのである。
 アナルはややローションを流していた。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。へんになるよーーーーーーーー」
 北村華は頭を真上に反らせて大口を開けて藻掻き続ける。
 股間は微かに痙攣が確認された。
 尿道を責める組織の男が少しずつ責めを強化する。
 「あふぁああーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子に固定された北村華の躰は腰が迫り上がって弓なりに反っていた。
 弓なりに反ったまま震撼する。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーー。。あふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。だめーーーーーーーーーーーーー」
 北村華の躰は強く突っ張る。そして沈む。
 それでも医者の男と組織の男は手を休めない。
 北村華は三回上り詰めて失神してしまう。白目を剥いた躯姿も確り入念に撮影された。
 一度クスコと開口器を抜く。
 医者の男は北村華の小陰唇にピアス穴を開ける。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は繊細かつ強烈な痛みに直ぐに意識を回復した。
 医者の男は北村華の小陰唇二枚をピアスで止めてしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。そんなことしないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は大切な部分に恐ろしい事をされて堪らず泣き叫ぶ。
 「どうだ。気持ち良くなっただろ」
 語り手の男が決めつけるように言う。
 「強引な玩具だよ。誰だってあんな事されたら変に成るよ」
 北村華は泣き声混じりに訴える。
 「失神したじゃないか。失神したら女の躰は完全に逝ってしまっている。それ以前に動画を見ただけで誰もが逝ったと判る。それも三回だ」
 語り手の男は決めつけてしまう。
 医者の男はピアスを外す。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜く時も痛い。
 もう一度クスコを入れて広げる。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 北村華は泣き喚く。
 医者の男はスポイトで膣の濡れを吸い出す。それを広口瓶に流す。さらにロングスプーンで中の滑りを掬い取る。
 それを黒いプラスチックの板に乗せて翳した。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は堪らない恥ずかしさに悲鳴を上げる。
 「どんだけお前が気持ち良かったか。これが証拠だ。こんな動画が社会に公開されたらもうAV嬢に成るしか生きて行けないぞ」
 語り手の男は容赦なく詰る。
 「ひどいよおーーーーーーーーそんなのーーーーーーーーーーー。稼ぎに成るから来たのに。ただでこんな酷い事してーーーーーーーーーー」
 北村華はパニックになりながら訳解らず抗議する。
 「金を貰えば良いのか」
 「良くないよ。寝るくらいはレート次第で覚悟していたけどこんな酷い事はないよーーーーーーーーーーー」
 北村華にはそこまででも大きな割きりであった。
 「金は払ってやるぞ。最初に前渡金十万入れただろ。残り一人一千万だ。だがそれをマスコミとかに公開したら税金たっぷりとられるぞ」
 確かに無情にも税金に結びついてしまう。
 「ええ。・・・・・」
 北村華は一瞬我を失った。
 この一千万の部分は公開時にカットする。
 「あとはAVで稼げ。お前なら賃貸マンションの二、三軒は建てられるぞ。一生安泰だ」
 医者の男と組織の男は蝋燭に点火した。
 組織の男は北村華の乳房に医者の男は女の部分に掛ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーー。ああーーー。ああ。ああ。あはあーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーああ」
 北村華は泣き叫び続ける。
 股間も乳房も蝋涙で真赤に成っていた。
 この連中のやる事にしてはソフトだが北村華には強烈である。
 「はあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。あはああーーーーーーーーーーーん。ああん。ああん」
 「お前。そんなに熱くないだろ」
 「熱いよーーーーーーーー。こわいいよーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーん」
 堪えられない熱さではないが北村華は泣き叫び続けた。
 「はっはっはっは。その方がAVには成るがな。なかなか良い悲鳴だ」
 語り手の男はさらに詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人は適度に止めて鞭を手にする。
 先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。これで乾いた蝋涙を叩き割る。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーん」
 蝋涙が砕けて皮膚が剥き出す。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーん」
 乳房の蝋涙が砕けるともろに乳房の皮膚を叩かれる。北村華は藻掻き乍ら悲鳴を絞り出す。
 悲鳴を絞り出す表情が加虐心を堪能させてくれる。
 「さあ。最後の選択だ。お前は女の悦びの奥まで知ってしまった。それをこれから永久に封印する」
 「・・・・・」
 北村華は泣き濡れた顔で語り手の方を見る。何を言っているのだと思う。
 「よく聞け。これからお前のクリトリスと膣の中を焼く。そして子宮を撤去する。永久に官能とはおさらばだ。そして子供も産めない」
 語り手の男は淡々と語る。
 「そんなーーーーーーーーーーーー。いやだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は半狂乱である。
 「だがな。お前がAV女優に成るなら膣とクリトリスは赦してやる」
 語り手の男は交換条件を提示した。
 「子宮は」
 「撤去だ」
 語り手の男は当然のように断定する。
 「そんなーーーーーーーーーーー。女じゃなくなちゃうよ」
 北村華はさらに叫び訴える。
 「AV女優にそんな物は要らない。その躰で男を悦ばせて稼ぎ捲くれば良い。若い間に資産作って年取ったらお酒を注いで生きて行くのだ」
 「そんなーーーーーーーーーーーーーーー。人の人生勝手に決めるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北村華は涙をぽろぽろ溢す。
 既に医者の男は麻酔の準備をしていた。
 「早く決めないと全部やってしまうぞ」
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。AV女優になるよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。子宮も残してよーーーーーーーー」
 「駄目だ」
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 「良いか。日本に帰ってAV女優に成らないと同じ組織の者が拉致して今度は膣もクリも乳首も取ってしまうぞ」
 語り手の男はさらに念を押す。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その時麻酔が掛かってしまう。
 そして子宮摘出手術が公開された。
 
 五月六日。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「警察は動画から犯人の居場所を簡単に突き止めました。群馬県警が到着した時は犯行現場と思われる山小屋は焼け落ちていました」
 高嶋波琉が真赤なワンピースを脱ぎながら読む。
 「発見された遺体の鑑定から宇垣佳織さんの遺体は無かったようです。犯人らが既に遺棄した可能性が考えられます」
 岡田有美がピンクのワンピースを脱ぎながら読んだ。
 「この犯人は派遣会社TCCの派遣スタッフでした。そして宇垣佳織さんはこの派遣会社の社員でアウトソーシング現場のサブリーダーでした」
 高嶋波琉が純白のブラを外す。
 「現場と成った山小屋は犯人の一人で桧山昭雄の両親が以前は住んでいましたが亡くなってから無人と成っていました」
 岡田有美も純白のブラを外して乳首を公開する。毎回見ていてもその瞬間を注目する者は多い。
 「警察はこの山小屋の火災は外から爆弾の様な物が投げ込まれたか自爆ドローンなどによる破壊と見ています」
 高嶋波琉が前を隠しながらショーツを脱ぐ。
 「爆破は犯人の自爆か外からの攻撃かは解っていません。警察は宇垣佳織さんの遺体を探して付近の山の捜索を続けています」
 岡田有美もショーツを脱いで読む。今回から着用下着のプレゼント応募が開始された。
 その応募方法が字幕で出る。
 「短絡な犯行と思われますが。逆に謎も残っています。鬼堂先生この犯人の犯行目的は何だったのでしょう」
 本多椿が如月鬼堂に振る。
 「この犯人は全員六十代と判明しています。動画の動きからも年配者とみられました。時代の大きなギャップでしょう」
 如月鬼堂はそう切り出して次のように述べた。
 この人たちの世代は年配者には気を使い上司には理不尽でも丁寧に従ってきました。
 パワハラなどという言葉すらなく上司は威張り無理難題を押し付けてきます。
 さらに上司らの同僚女性への今で言うセクハラ行為も指を咥えて見て来たのです。
 自分らの代に成ったらそんな事は絶対にできない。職を追われるか既に犯罪すれすれです。
 さらに部下に気を使わなければなりません。若い女性の持つセクハラの認識と自分らの日常常識に大きなギャップがあります。
 さらにこの被害女性はかなり年配男性に強く指揮命令者態度で当たると推測され非常に高圧だったと思います。
 この犯人らの世代は例え部下でも年配者に気を使ってきました。
 この女性の日常のパワハラに近い態度に我慢が成らなかったのだと思います。しかしこの手の女性のパワハラは殆ど非難されません。
 そしてこの世代は定年に成っても殆ど年金だけでは生活ができないのです。それを派遣で補うにも年配者にはかすの仕事しかくれません。
 そんなギャップの爆発と思われます。
 「やはり格差社会が問題なのでしょうか」
 本多椿は如月鬼堂の言いたい事を悟って進行の舵を切る。
 「格差は確かにあります。ですが三十年前より富裕層も落ちています。日本の企業も富裕層も世界ランク上位に沢山いました。今は皆無に近いです」
 如月鬼堂は格差というより日本全体が落ちているというのである。
 「高額所得者への税率の上限が高度成長期と比べて下がったのが格差の原因と言われますが」
 「それは違うと思います。格差は元からあります。中間層が一般層により近く成ったとは言えます。それがさらに格差に見えるのです」
 「もっと富裕層から税金を取るべきではないのですか」
 「世界的に税金は下がっています。富裕層からさらに取れば金持ちは足が有ります。海外に逃げてしまって日本に税金が入りません」
 「でも税金だけではなく年金も社会保険料も一般層の負担が増えています」
 「だから思い切って官と民の比率を見直すのです。自治体の廃止が良いのです。そして庶民に富裕層の金が流れなくなったのが原因です」
 「以前に鬼堂先生の言われた自治体を廃止して一般層の税負担を減らすのですね。何故富裕層の金が庶民に流れなくなったのですか」
 如月鬼堂はこれまでの持論を繰り返した。
 失われた三十年は綺麗な社会に成り過ぎたのが原因です。
 そして経済を底辺で支えていた風俗、売春が大きく衰退した。アングラマネーが減ったのが大きな原因です。
 税金を払ったお金は天下晴れて預金できますから貯蓄性向となる。アングラマネーは使うしかない。これは消費性向に流れます。
 知識層の理想だけで法律以上に綺麗な社会に成ったのが貧乏社会の原因と言えます。
 世の中は陰と陽が半々でバランスが取れると思う。奇麗すぎる社会に成って社会の底辺と裏で回っていた金が流れなく成ってしまいました。
 ですから所得の低い層に支援を増やして子育て政策などは諦めるのです。
 所得の低い層の負担を減らし支援を増やせば確実に消費性向に流れ経済は一気に回復します。
 
 五月十日。
 北村華、大内亜季、浜田祐実、古仲沙良、浦海七奈美はR国の海岸に近い空き地に解放された。
 日本に帰る方法、帰りの航空券、帰って病院に行くまでの痛み止め、その他必要事項がクリアファイルで首から下げられている。
 大内亜季が最初に意識を回復して他の四人を起こした。
 五人はそのままバスの停留所まで歩いて空港まで乗り継ぐ。航空券のチェックイン時に空港で警察に保護された。
 事情聴取のため便を変更して日本から派遣されていた警察官の保護のもと日本に戻る。
 そのまま病院に収容された。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会の主なメンバーが集まり樽常マネージャーも来ていた。
 今度はスタジオ版の全裸美人コンテストの打合せである。
 福富麻次郎にはコロナのせいで期間が空いていて悲願の達成と成った。
 大方の打合せは福富麻次郎と樽常マネージャーで行われる。如月鬼堂はそっち任せである。
 そんな時にR国で女性五人解放のニユースが流れた。
 まだ動画の公開は無い。
 館山弁護士は事務所に連絡して情報収集に掛かった。杉下一行も会社に連絡する。動画の配信に注意を払ったのである。
 「だいぶ日数が空きましたね」
 館山弁護士は長かったと言う。
 「模倣犯の事件が風化するのを待ったのでしょうか」
 杉下一行である。
 「模倣犯もあるがサミットでこっちが手薄の成るのを待っているのだろう」
 如月鬼堂の見解はサミットに全国から大量動員して対応するので警備不足に成る期間を待つと言いたい。
 「確かにそれもありますね」
 館山弁護士も納得する。
 その日は動画の公開は無かった。
 
 五月十七日。
 遂に一本目の動画が公開された。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 朝一番杉下一行がメールを転送して来た。
 直ぐに館山弁護士ともテレビ会議が繋がる。
 「何と忍者姿黒装束が十人か」
 如月鬼堂も慄く。
 五人の犠牲者の全裸や性器のアップ、膣の奥や放尿シーンは一括公開されていたが北村華一人分で続きは近日公開と成っていた。
 「驚きましたね。十人掛かって五人一遍にやっていますね」
 館山弁護士もやり方が変わったと驚嘆している。
 「豪華版を出して視聴者を増やす目的だな」
 「正にサミットに絡ませてきましたね」
 杉下一行は如月鬼堂の予測通りと言う。
 「しかし今回の犠牲者はある程度アダルトな仕事と承知して行っていますね」
 「確かにそうだ。コンパニオンと言っても海外に出て売春くらいは有る前提だな」
 「北村華はAV女優に成るのでしょうか」
 「今度は成るだろう。以前には逃げてもう一回拉致された女が居たが」
 「今回はAV女優を作る狙いですか」
 杉下一行の見解である。
 「遊び序だろう。こんな拉致拷問事件からAV女優に転向したら社会的に大きな問題だぞ」
 「もしそう成ったら人気者に成りそうな女性ばかりです」
 「あのように募集したらかなり選別ができる」
 「愛好会で使えないのが残念です」
 「馬鹿を言うな。こっちが窮地に立たされる」
 如月鬼堂も内心惜しいとは思うが間違っても言えない。
 「そうですね」
 館山弁護士も危険と同意する。
 そこに本多椿がテレビ会議を繋いで来た。
 もう水曜日である。こんなものが公開されたらまた準備しなければならない。
 「ところで椿。前回下着のプレゼントを開始したな」
 「はい」
 「もう少しハードなプレゼントを増やしたいのだが」
 「たとえば」
 「スタジオで濡れて貰って膣の中にハンカチを捻じ込んで真空パックでプレゼントしたい」
 「え、ええーーーーーーーーーー」
 究極に恥ずかしい。さすがに本多椿でも二の足を踏む。
 「相談しておいてよ」
 「濡らすのに責めるのは先生だけですよね」
 「そうだな。それとも自慰か椿がやるか」
 「先生がやって下さい」
 「話し合ってくれ」
 「判りました」
 
 五月十八日。
 二本目が公開された。
 二人目の犠牲者は浦海七奈美である。
 拷問椅子に五人が磔にされている状態は変わらない。
 だが北村華他三名は完全に眠らされて点滴を打たれバルーンカテーテルを挿入され尿袋に垂れ流しである。
 浦海七奈美は両脚ともそれぞれ膝から脚首に縄を掛けられ天井から下がった滑車に吊るされて股間がX字開脚にされていた。
 腕は拷問椅子の背の後ろで手首を互い違いに縛られたままである。
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長が鞭を持っている。
 正面のカメラを遮らないよう斜め左右に立っていた。
 先に股間の黒い塊に脱毛クリームを塗ってしまう。
 「えーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は異物を塗られて叫ぶ。
 「脱毛クリームだ。お前はこれからパイパンだよ」
 また語り手の男が宣告した。
 「やだよーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あらってーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は泣き叫ぶ。
 「駄目だ」
 語り手の男はにべもない。
 もう一人組織の男が蝋燭に点火して浦海七奈美の左横に立って腹の側から手を伸ばして女の部分に垂らす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は躰を直ぐに揺すって悲鳴を轟かせた。
 隣で北村華が全身蝋涙で真赤にされていたのを見ていたのである。
 浦海七奈美には初めて受ける蝋涙の洗礼である。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーあついーーーーー」
 浦海七奈美は猛烈に泣き喚く。
 男は構わず股間を真っ赤に染める。
 脱毛クリームを塗った陰毛から閉じ合わせた女の部分の粘膜が蝋涙に埋まって行く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああ。ああ。あついーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は泣き叫び続ける。
 「お前。耐えられる熱さだろ」
 語り手の男が強い口調で言う。
 「だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。あついーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美はさらに泣き喚き拒絶する。
 熱さに耐えられる耐えられないではない。全てが恐怖に覆われている。完全にヒステリー状態である。
 組織の男は浦海七奈美の股間が真赤な蝋涙で埋まったところで蝋燭の責めを終了してしまう。
 印刷会社の社長が鞭を振り被る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は鞭を見て恐怖の悲鳴を上げた。
 印刷会社の社長は浦海七奈美の女の部分に被った蝋涙の上から強く叩く。一部固まった蝋涙が割れて落ちた。
 「ぐ、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美の恐怖に凍っていた表情が破裂する。
 葬儀会社の社長が同じところを上から叩く。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は藻掻くように躰を振って悲鳴を絞り出す。
 股間の蝋涙はかなり砕け落ちていた。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士と杉下一行が来ていた。
 本多椿も客をこっちに呼んで越後湯沢のプレイルームを使っている。終わったら合流する予定であった。
 以前に温泉付きプレイルームを作ったその一つの部屋である。
 「まさにサミットの厳戒態勢の真最中ですな」
 館山弁護士も動画の公開が如月鬼堂の予測通りと認める。
 「今回も五人とも何処に居たかは判らないと供述していますね。拷問の場所は全く不明です」
 杉下一行はこれまでと状況は変わらないと言う。
 「やり方は全く一緒だ。だが今回の事件の最中に山形の山荘の処分が行われたな」
 山形の派遣会社OLの事件はR国でコンパニオン五人行方不明の後である。そしてそのずっと後にR国で攫われた女性五人が解放された。
 「組織が大きいだけではないですか。計画判断を下しているのがあの六人で実行は奴らが委託する闇組織と」
 館山弁護士はそれが行き着く結論だと言う。
 「床が明らかに違うな。先月と同じ場所ではない」
 如月鬼堂は床の違いを指摘する。
 「確かに前回より広い場所です」
 館山弁護士もキャパが違うと指摘した。
 「これはやっぱりR国ではないですか」
 杉下一行もその可能性が現実と見る。
 「今度は木村華にAV女優に成れと強制してまいすね」
 館山弁護士が字幕の内容から指摘する。
 「前にもあったが。その被害者はAVには成らなくて。確かもう一度拉致されてずたずたにされたな」
 如月鬼堂は覚えていた。
 「しかし何で今回はそう出たのでしょう」
 館山弁護士は一度やって成功しなかったのにと思う。
 「もとより風俗系女性求人誌だ。そういう目論見だったのじゃないのか」
 如月鬼堂はその目的を含めた犯人らの企画だったと言いたい。
 「最初から海外で割り切りを含めたツアーコンパニオンですか」
 杉下一行もそこまでなのかと意外であった。
 「そう匂わせて出発前にいくらか払っているのじゃないか」
 如月鬼堂は割り切りを匂わせて前渡金で信じ込ませたと言いたい。
 「転ぶ可能性のある女性を選んだとか」
 「諦め易くかつ容姿、スタイルで選んだのだろう。絶対潔癖な女性は転ぶ可能性はない」
 如月鬼堂はそこまで考慮したと決めつける。
 「そんな事して何の利益に成りますか」
 館山弁護士はそこが納得行かない。
 「利益には成るまい。奴らの遊びと社会への嘲りじゃないか」
 「相当な金が掛かっていますよ」
 「これまでもそうだ。相当に金が有って家族、特に配偶者が居ない連中だ。そしてまともに稼いだ金ではない」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の犯人らの人物像をほぼ類推できている。
 「しかし犯罪に手を染めて危険を犯して稼いだ金をこんな風にふんだんにばら撒きますか」
 館山弁護士はそこが理解行かない。
 「これが奴らの最大の悦びだろう。それに危険を犯してない。十分に安全に稼げるのだ。そこらの強盗や詐欺とは違う」
 「永久に捕まらないと」
 館山弁護士は怒りを込めていた。
 「永久に捕まらないか。自決するか。他の組織が始末するかだな」
 この連続拉致強姦事件の犯人らに対する如月鬼堂のこれまでの持論である。
 「真相は永久に闇の中ですか」
 館山弁護士は如月鬼堂の持論をそう確認しただけで納得はしてない。
 「そう思う」
 如月鬼堂のぶれない結論である。
 
 動画では浦海七奈美が強烈な悲鳴を上げながら股間部分を三十回くらい叩かれて閉じ合わせた女の部分が崩れ緩んでいた。
 脱毛したので大陰唇やドテの皮膚が鞭の痕で真赤に成っている。無残極まりない。それでも僅かに小さな蝋涙の欠片が皮膚に残っていた。
 それからさらに浣腸され冷たい浣腸液に泣き喚き苦しみながら排便姿も公開されてしまう。
 浦海七奈美は顔を拷問椅子の背に横に寝かせるように逸らせて恥ずかしさと痛みに堪え続けている。
 「あはあーーーー。・・・・・・あはあーーーーーーーー。・・・・・ああ。ああ。・・・・・・ああ」
 音量を上げると浦海七奈美の微かな息遣いが確認できた。
 男らは疲弊している浦海七奈美の女を責める準備に掛かる。
 もう一度浦海七奈美の膣にクスコが挿入された。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。まだなにするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は泣き声混じりに叫び抗議する。そして悲痛な表情を崩し切って忍者姿黒装束の男らを見上げていた。
 「今度はお前の逝き顔を公開する」
 語り手の言葉が浦海七奈美に突き刺さる。
 葬儀会社の社長がクリトリスの包皮を剥いてピンクの膨らみを剥き出しにしてローターを当てる。
 「あ、ああーーーー。ああ。いやあーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は刺激に堪らず声を漏らしてしまう。そして叫び拒絶する。
 印刷会社の社長がリモコンから伸びたアームの先端にL字に付いたマイクロローターをクスコの奥に突っ込む。
 マイクロローターの大きさは金属皮膜抵抗くらいで極めて小さい。女の一番敏感な部分をピンポイントに責めることができるのである。
 
 「畜生。また家の製品を使って。せめて自分らで作れーーーーーーーーー。ばかやろーーーーー」
 杉下一行は舌打ちして怒る。
 「同じ責め方だな」
 如月鬼堂は女性が代わるだけで責め方は変わらないと言いたい。
 「またこのまま逝き顔を晒させて女の機能を潰すと脅かして強制的にAV嬢に成れですな」
 杉下一行も同じパターンと言う。
 「こいつらの趣味だろう。今までは殆どが破壊された。今回はAV女優に強制しているが。悦びを奥まで教えてその機能を潰す。ここが願望の極致らしい」
 如月鬼堂はそう分析する。
 館山弁護士はやや嫌な気分である。
 以前に川口の旅館に女性の債務者を斡旋していた。被害者の取りようのない賠償を引き出す目的であった。その客の手口もこれに似ているのである。
 
 動画では時間を掛けて浦海七奈美が一回失禁して二回失神した。
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長はそれでも責め続ける。
 だが責めるのはこれまでと違ってクリトリスと膣の天井部だけである。アナルや尿道は責めてない。
 「ああ。あはああーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 再び浦海七奈美の躰は拷問椅子の上で仰け反る。
 浦海七奈美の股間はぐちょり濡れてクスコの中は膣液に満たされていた。
 横から組織の一人がスポイトで濡れを吸い取る。それを六オンスのグラスに流す。そしてカメラと浦海七奈美の目前に翳した。
 「・・・・・」
 浦海七奈美は無言で顔を叛ける。
 「お前の膣の中は気持ちよく成って流れ出た雌臭たっぷりの女の液で充満していたぞ」
 「・・・・・」
 語り手は言葉を極めて詰った。
 それでも浦海七奈美は無言で首を振る。
 「もうお前は失禁も失神もした。逝き捲くったんだ。失神したら女の躰は完全に逝っている。正直に認めろ」
 語り手の男は強い口調でずけずけ言い被せる。
 浦海七奈美はもう反論するどころではない。
 「あーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長の責めに完全に蹂躙されている。
 拷問椅子の上で躰を迫り上げて仰け反って藻掻き続けていた。
 次の瞬間。潮が放水銃の様に三メートルくらい強く飛ぶ。
 「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させていたが声は出てない。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 浦海七奈美は暫く荒い息遣いを続けて拷問椅子に沈む。躰全体がぶるぶる震撼していた。
 「お前は本物の潮を噴いたぞ。今のはおしっこではない。スキーン腺液という物だ。強い性的刺激で出るものだ。お前はそこまで官能を味わった」
 語り手は淡々と語る。
 「そんなあ。無理やりだよ」
 浦海七奈美は力なく言い返す。
 「画像を見たら誰でも躰の激しい動きで判る。そして乳首が綺麗に起っている。はっはっはっは」
 語り手は詰って追い打ちを掛ける。
 そしてビンビンに起った乳首の拡大画像がモニターに投影された。
 「いやあ」
 浦海七奈美は目を逸らせる。
 「逃げるな。お前は既に普通の性生活では味わえない官能を味わっている。そしてその生々しい逝き姿と逝き顔を映像に晒した。無修正AVの真骨頂だ」
 語り手は強い口調で断定する。
 「いやだよーーーーーーーーーー。こんな物作っていったい何するのよ。何になるの」
 浦海七奈美は恐ろしさと恥ずかしさの中で辛うじて浮かんできた言葉を吐き出した。
 「公開するのだよ。全世界にこの動画を流してお前は無修正AV女優同然に成る」
 「そんな事して何に成るのよ」
 「依頼人の満足だ」
 「そんなーーーー。誰が依頼するの」
 浦海七奈美はヒステリックに涙声で喚く。
 「はっはっはっは。答える訳には行かないな」
 語り手は茶化しながら言う。
 「ひどいよーーーーーーーー。酷い。こんな姿にして。女の躰を玩具にして。酷すぎるよ」
 浦海七奈美は泣きながら訴える。
 「次は痛みを与える」
 語り手は簡単に言う。
 「えーーーーーーーー。いやだよーーーーーーーーー。もうたくさんいたぶられたよ。もうゆるしてよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は涙をぽろぽろ溢す。
 「まだ序の口だ。今度は性感帯を甚振る」
 語り手は淡々とさらに宣告した。
 「いやあーーーーーーーーーーー。いや。いや。もう赦してーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は躰を揺すって拒絶する。
 葬儀会社の社長がブジーを手にした。
 「煩い。暫く静かに成れ」
 そう呟いてそれをモニターの拡大映像を見ながら膣の奥を探り子宮口の亀裂に突っ込む。
 「ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美の太腿の筋肉が怒張して躰を震撼させ悲鳴を絞り出す。
 「ぐううーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に藻掻く。号泣しながらさらに悲鳴を絞り出した。
 浦海七奈美の苦しみがやや収まったところで葬儀会社の社長がクスコにトランスから繋がった線の先に付いた鰐口を接続する。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は何をされるか恐怖に喚く。
 「今度は電流だ」
 語り手は軽く宣告した。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は頭を後ろに倒して叫ぶ。
 印刷会社の社長がトランスのダイヤルを回す。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 浦海七奈美は大口を破裂させて悲鳴を上げる。
 印刷会社の社長と葬儀会社の社長は嬉しそうにその表情を見ていた。
 「あがあーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美の顔は汗を噴きさらに涙を溢れさせている。
 印刷会社の社長は一度電流を切った。
 「あはあーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。やめてーーーーーーーーー。しんじゃうよーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は怯えた表情を振って藻掻き続ける。
 「死ぬような電圧ではない。膣の粘膜がちょっと痛いだけだ」
 語り手はたいした事は無いと言ってしまう。
 「ちょっとじゃないよーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は堪えられず喚き散らす。
 「まーだだよーーーーーーーーー」
 語り手はふざける。
 印刷会社の社長はまたダイヤルを回す。
 「あーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は直ぐに泣き叫ぶ。
 画面には浦海七奈美の恐怖に破裂した顔が焼き付く。
 「あーーーーーはあーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は究極に顔を軋ませ絞るように藻掻く。
 「あーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 やがて浦海七奈美の表情は恍惚に成り掛けた。
 印刷会社の社長は電流を切る。
 「あはあーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。やめてーーーーーーーーーーーーー。なんでここまでするのーーーーーーーーいたいーーーーーーー」
 浦海七奈美は荒い息遣いが終って抗議する。
 「AVでもSM系だからだ」
 語り手は簡単に言い放つ。
 「もうゆるしてーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は堪えられないと涙を溢れさせる。
 「どうだ。逝ってしまう責めの方が良いだろう」
 「どっちも要らないよーーーーーーーーーー。なにもされたくないよーーーーーーーーーーー。早く帰らせてーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美はヒステリックに成って泣き喚く。
 「帰る前に処刑だ」
 語り手はボソッと言う。
 「しょけいーーーーーーーーー。なんでよーーーーーーーーー。いやだよーーーーーーーーーーー」
 「駄目だ。お前は官能の奥地まで知った。それを今日限りシャットアウトして女を終了して貰う」
 「そ、そんなーーー。そんなーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は震え慄く。声も震えていた。
 「よく聞け。子宮を撤去する。子供は生めない。そしてクリトリスを焼いて膣の中の敏感な部分を全部焼く」
 「やだよーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は強烈にパニックである。
 「だがな。お前が日本に帰ったら何処かでAV女優に成るならクリトリスと膣は執行猶予だ」
 「そんな。何でそんなこと決めるの。ひどすぎるよーーーーーーーーーーーーー。そんなのないよーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美はぽろぽろ涙を溢す。
 「お前はこの動画が配信されたらAV女優以外に生きる道はないぞ」
 語り手は追い詰める。
 「ひどいよーーーーーーーーーーーーーー。そんなのないよーーーーーーーーーーーーーーーー。私の人権は!!」
 浦海七奈美は狂った様に叫び抗議した。
 「諦めろ。バラ色の人生も禍で瞬時に転落する。お前の転落はツアーコンパニオンに応募した時だ。だがな。これから稼いで財産作る道はある」
 語り手は抑揚のない声で言う。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。勝手に私の人生付け替えるなーーーーーーーーーーーーーーー」
 「諦めろ。早く決めないと全部焼くぞ」
 語り手はさらに追い詰める。
 「どうして無理やりAVにするのーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は恐怖に震えながら食い下がらずに居られない。
 「いまのAV女優の質が低いから容姿の良い女を強制転職だ。そういう依頼人のご要望だ」
 「どうしてAVの質を上げないといけないの」
 「依頼人は沢山の資産を投入している。女の地位が上がり過ぎた。女性優遇社会に反撃だ。そして無修正AVをばらまかれる犠牲者を量産する」
 「そんなーーー。女性の地位は上がってないよーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は堪えられずマスコミと同じ論理の反論をそのまま返した。
 「良いか。昔はな全国至る所に遊郭が有った。その時代に日本は高度成長した。今はちょっとしたことで女の言い分だけでセクハラと言われてしまう」
 「だからって私達をAVにしなくても」
 「社会と女の地位向上への制裁だ。この前の六人はAV女優の手段も無かった。無条件に悦びを終了して子宮撤去だ」
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は恐怖にパニックの悲鳴を漏らす。
 「どうだ。諦めろ」
 「いま約束してAV女優に成らなかったらどうなるの」
 「以前にな。二回拉致された女が居た。乳首も斬られた」
 「そんな。成れなかったら」
 「多分。解放されて直ぐには受け入れる会社は厳しいかもな」
 「それじゃーーー」
 浦海七奈美はどうしろと言うのと言う表情である。
 「渡り歩け。最初はソープかSMクラブに努めたら一年は待ってやる」
 「ひどいーーーーーーー」
 「お前。割り切りまでは覚悟して来ただろう」
 「そうだけど」
 「この先。今の動画が公開されて真面目に働けるか。道を歩いても駅で電車を待ってもお前の性器や逝き顔を見た男らとすれ違うのだ」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は目を見開いて恐怖の表情を振る。
 「もう諦めろ。感度が残っていればAV女優で稼げる。もう結婚もOLも公務員もできない」
 「何で子宮を取るの。結婚できないよ」
 「できないようにしている。AV女優もソープ嬢もそれが無い方が良い。その綺麗な躰と顔でたくさんの男に奉仕だ。それが正しい社会貢献だ」
 「私を無理やりAV女優やソープ嬢にして稼がせてこれからどれだけ搾取するのよ」
 浦海七奈美は悲鳴の様に叫ぶ。
 「そんな酷い事はしない。稼いだ金はお前の物だ。税金取られないように上手に稼げ」
 語り手はまるで善人の様な口調である。
 「諦められないけど。感じなくなりたくないからAVやるよ。あーーーーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 浦海七奈美はまた号泣してしまう。
 「良いか一年以内だぞ。それまでもソープかSMクラブだ。分かったな。そうでないとまたこう成るぞ。そして性器も乳首も無く成る」
 語り手は念を押す如く繰り返す。
 「どうして子宮取るのよ」
 「一つは依頼人の趣味だ。一つは子育て応援社会への反動だ。独身者は国税、住民税を絞り取られて家族者にばら撒かれる。それに怒ってらっしゃる」
 「そんな僅か数人の子宮を取っても」
 「社会への衝撃が目的だ」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浦海七奈美は躰を震えさせて藻掻き泣く。
 ここで浦海七奈美に麻酔が掛けられた。
 語り手の言葉はこれまで通り字幕に編集されている。
 
 「先生の分析の通りでした」
 館山弁護士も字幕の内容から犯人らの本意が如月鬼堂の分析した内容と違わないと認めた。
 「これがこの犯人の最高の悦びだ。その為に金を稼いで使い捲くる。後に残す子孫など居ない連中だ」
 如月鬼堂はそれが連続拉致強姦事件の犯人らの犯人像の一面と言いたい。
 「とんでもないですな。それでは金に飽かして何でも好き勝手にやり放題ですよ」
 館山弁護士は驚愕している。
 「俺はどうしても子宮を撤去したりする医者は一人だと思うのだが」
 如月鬼堂はここも一貫した主張を繰り返す。
 「二人約束しましたね。AV嬢に成ると。この先どうしますかね」
 杉下一行の疑問である。
 「成るだろう。何れは。業界側が直ぐは受け入れにくいが。犯人らもそこは考慮していた」
 如月鬼堂はこれも断言してしまう。
 五月二十日のインターネットアダルト放送はサミットの話題にかなり逃げた。如月鬼堂の強い見解は次回廻しにする。
 
 五月二十七日。
 三人目の動画が公開された。
 大内亜季二十五歳。フリーターである。
 これも如月鬼堂の想定の通りサミットの余韻が覚めた後であった。
 大内亜季は眠らされたままである。
 股間に脱毛クリームが塗られていた。
 川口の会長が太腿を押さえる。運送会社の社長がクスコを挿入して螺子を回して内部を広げた。
 運送会社の社長はブジーを手にする。通常より長いブジーである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 先週から本多椿が泊まっていた。客をこっちに呼んで越後湯沢のプレイルームを使う。
 館山弁護士と杉下一行にテレビ会議が繋がって珠洲と瀬里菜を入れた四人で検証していた。
 「あれを子宮口に刺すの」
 本多椿が悲痛そうに呟く。
 
 運送会社の社長がモニターで拡大された内部を確認しながら薄紅色の粘膜の盛り上がりの中心に紅が濃く成った亀裂にブジーの先端を突っ込む。
 「ぐ、ぐ、ぐ、ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は大口を破裂させて悲鳴を上げて意識を回復した。
 「いーーーーーーーーーーーーーーーーたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は堪らない痛みに叫ぶ。
 「これからお前の番だ」
 語り手はさらりと言い切る。
 「何でこんな痛い事するのーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は猛然と抗議する。
 「AVでもSMなのだ。たっぷり悲鳴を愉しませて貰う」
 「何でよ。十万ぽっち振り込んだだけでこんな事するのよ」
 「はっはっはっは。あと一千万振り込んだ口座を持たせてやるよ。だが解放されて警察にしゃべったら半分以上税金だ」
 「え。一千万」
 大内亜季は一瞬たじろいだ。
 「何で騙して連れて来てこんな目に遭わせるの。最初からAVで募集すれば良いでしょう」
 大内亜季はそれでも禍に納得行かない。的外れの抗議をしてしまう。
 「それでは社会的衝撃が無い。さらに女の質が落ちる。それにこれは無償配布だ。より多くの目に触れる」
 語り手は淡々としゃべる。
 既に運送会社の社長と川口の会長が鞭を持っていた。先端が細長い一本鞭である。
 両側から大内亜季の乳房を狙う。
 川口の会長が一発目を叩く。左の乳房を横に薙いだ。蚯蚓腫れを作りたい。
 「ぐーーーーーーーうーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は叩かれて川口の会長を怯えた目で見る。
 運送会社の社長が構える。今度は右の乳房を横に薙ぐ。
 「ぐ、ぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季の躰は拷問椅子の上で大きく震撼する。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 大内亜季は顔を振って荒い息遣いでぶるぶる震えていた。
 川口の会長はさらに構える。
 「はあ。はあ。ああーーーーーーーーーーー」
 川口の会長は怯えて悲鳴を漏らす大内亜季の左の乳房を的確に薙ぐ。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は顔を振って躰を震撼させ痛みに藻掻く。
 「あはあ。はあ。はあ。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ。
 運送会社の社長が右の乳房を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季から涙が溢れる。
 
 「一昨日長野で警察官二人が撃たれる事件が有ったから一日公開を伸ばしたのですね」
 館山弁護士の見解である。
 「そうだろうな。単純な立て籠もり事件だが衝撃は大きかった」
 如月鬼堂も館山弁護士の見解に同意する。
 「今日だと今夜のスタジオが難しいです」
 本多椿は悪いタイミングと言う。
 「少し切り口を変えて同じ見解を繰り返すしかない」
 如月鬼堂はそれなりにはしゃべれると思っていた。
 
 大内亜季の両方の乳房は蚯蚓腫れが何本も紅く腫れて無残極まりない。乳房の蚯蚓腫れはそんなに盛り上がらない。
 深紅の筋が痛々しいだけである。
 川口の会長が蝋燭に点火した。
 「えーーーーーーーーー」
 大内亜季はそれを鞭の痕に垂らされると判って驚愕する。
 運送会社の社長はその間に金柑の実を搾る。
 川口の会長が左の乳房の蚯蚓腫れに蝋涙を垂らす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーあーーーーーーーあーーーーーーーあーーーーーー」
 大内亜季は強烈な悲鳴に成る。
 「まだまだ序の口だ」
 語り手は静かに宣告した。
 「あはあん。はあ。はあ。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季はまた涙を溢れさせる。
 左の乳房は真っ赤な蝋涙が蚯蚓腫れの上に点在して無残さを増していた。
 運送会社の社長が搾った金柑の汁を掌に流して一気に右の乳房に被せる。そして強く揉み回す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーああーーーー。あーーーーーーああーーーーーー。あーーーーーーああーーーーーーー」
 大内亜季の躰は強烈に暴れる。拷問椅子は軋む。そしてサイレンの様に悲鳴を上げ続けた。
 「ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーああーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ」
 大内亜季は痛みに震え藻掻き涙をぽろぽろ溢す。
 「もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また泣き叫ぶ。
 川口の会長がまた杉下一行のポルノショップ製のアイテムを取り出す。まだ股間にクスコは入ったままである。
 運送会社の社長はローターを取り出す。
 「女。今度は逝き顔を晒して貰うぞ」
 語り手が宣告する。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 天気は晴れているが数日前ほど熱くはない。寿司桶の出前と刺身を数枚取って日本酒とビールで乾杯していた。
 窓から麓の町は綺麗に見渡せる。
 「公開を一日ずらしたのか」
 廃棄物収集運搬処理業の社長である。
 「仕方ない。衝撃の強い事件が起きてしまった」
 印刷会社の社長がそう答えた。
 「もう少し待っても良かったかもしれんな」
 川口の会長である。
 「ところで五人の女どうした」
 葬儀会社の社長はその後が気に成っていた。
 「退院してそれぞれソープランドに努めたまでは確認している」
 組織に頼んだ報告は川口の会長が受けている。
 北村華は青森。大内亜季はいわき。浜田祐実は土浦。古仲沙良は千葉。浦海七奈美は秋田と報告されていた。
 「吉原には一人も行かないな」
 「メジャーすぎる。ひっそりやろうと考えるだろ。そして出身地から離れたところを選ぶ」
 「今回は成功しそうだな」
 葬儀会社の社長は期待する。
 「一年以内にAVデビューしてくれればな」
 「もし放棄したら一人処分すれば後は直ぐに実行する」
 川口の会長は見せしめに一人処刑すれば充分と言う。
 「どうだ。また五個も子宮を摘出して満足か」
 葬儀会社の社長が医者の男に聞く。
 「ああ。満足だが。女全部子宮を取ってやりたい。あれさえ無ければ妊娠はしない」
 医者の男は冗談だが屈折した言葉を吐く。まだ物足りないらしい。
 「それじゃ人類が絶滅するぞ」
 「知った事か。俺たちの玩具に成る女が居れば後はどうでも良い」
 「まあ。全部の女から子宮を取るのは医者が総動員しても無理だ」
 「まあ。社会を震撼させれば充分よ。今回の動画はそれほどハードではない。だが字幕の内容から衝撃は大きい」
 川口の会長は社会に衝撃を与えられると期待していた。
 「警察は海外では手の出しようがない」
 「だが国内に計画しているグループが居ると見解は出ている」
 「如月鬼堂がまた潜水艦とか騒がないか」
 「いくら騒いでもマスコミすら取り上げない」
 自身は持っている。だが当事者としては心配に成るのである。
 
 「あーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーー。またいっちゃうーーーーーーーーーー。もうむりだよーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は既に三回逝き顔を晒した。
 川口の会長と運送会社の社長の責めに簡単に逝ってしまう。
 二回目、三回目は速い。
 「いくら逝っても女は死なない。気持ち良く成り放題だ」
 語り手は大内亜季の叫びを全く取り合わない。
 既に大内亜季は強烈な逝き声を上げていた。
 それでも川口の会長と運送会社の社長は責め続ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季の躰は拷問椅子の上で思いっきり仰け反って官能に藻掻くように躰を震撼させる。膣付近は痙攣がはっきり確認された。
 だがまだ失禁も失神もしてない。
 組織の忍者姿黒装束が電流責めの準備をしている。
 「それじゃそろそろ痛みに切り換えよう」
 語り手がぼそりと言う。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーー。もういたいのいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は泣き叫ぶ。先程の痛みが相当に答えたらしい。
 川口の会長と運送会社の社長が両側から乳輪の下に針を潜らせる。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は大口を破裂させて悲鳴を上げた。
 組織の忍者姿黒装束がその針の両端にトランスに繋がった赤と黒の鰐口クリップを接続する。
 さらにクスコにも接続した。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は恐怖に悲鳴を上げる。
 川口の会長がトランスの摘みを回す。
 最初は乳首の下の針に流した。
 「ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい」
 大内亜季は一気に泣き叫ぶ。
 川口の会長と運送会社の社長はじっくり喚き散らす大内亜季の表情を愉しむ。
 「うーぐうーーーーーーーーーー。い、いたいーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー」
 大内亜季は藻掻き泣き叫ぶ。
 大口を破裂させて悲鳴を上げ続ける姿が暫く画面に焼き付いた。
 川口の会長は適度に一回電流を止める。
 「あはあーーーーーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 大内亜季は涙を振り飛ばして荒い息遣いを続けた。
 川口の会長は続いてクスコに電流を流す。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は躰を細かく震撼させて藻掻く。
 「あがあーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は表情が恍惚に成り掛けては頭を振って藻掻きまた恍惚に成り掛ける。そしてまた頭を振って痛みを訴える。
 川口の会長は五、六回繰り返した。
 「次は蛇イレポンだ」
 語り手はまた簡単な事のように宣告する。
 「えーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。だめだよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は蛇と聞いて驚愕の表情を破裂させて叫ぶ。
 忍者姿黒装束が水槽から蛇を取り出して翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は強烈に叫ぶ。
 クスコは横向きに入っていた。金属の嘴二枚の間に填まり込んだ尿道の亀裂から小水が流れ出す。
 下には吸収シートが敷かれていた。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束は蛇を水槽に仕舞う。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 大内亜季の躰はまだ震えていた。
 「次はお前の排便姿も公開する。浣腸だ」
 「やだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 だがそのまま浣腸され排便姿も公開されてしまう。
 ここでクスコは抜かれる。
 川口の会長と運送会社の社長は二本のドリルバイブを用意していた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーーー」
 大内亜季はドリルバイブを見て驚愕の叫び声を上げてしまう。
 「これでもっと気持ち良くしてやる」
 語り手はまた簡単な事のように宣告する。
 「やだよーーーーーーーーーーーー。そんなのこわれちゃうよーーーーーーーーー。やだよーーーーーーーーーーーーーー」
 運送会社の社長が浣腸したばかりのアナルにスポイトでローションを流し込む。さらに指で蕾に塗って解す。
 「いやだよーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は泣き顔で首を振る。
 運送会社の社長は容赦なく大内亜季のアナルに細目のドリルバイブを挿入してしまう。
 「うふううーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 今の状態では痛くはないようである。
 アナルのドリルバイブは当面動かさない。
 川口の会長もローションをたっぷり塗って膣に挿入する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に大内亜季の膣は十分に解されていた。二穴に入ると気持ち良いのである。
 川口の会長は膣のドリルバイブだけローでじりじり動かす。
 軽い振動と回転運動だけさせる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季の表情は軋み歪む。躰を捩り震撼させる。
 「あはああーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに強烈で甲高い逝き声が上がる。
 大内亜季の逝き声はサイレンの様に続いた。
 既に大内亜季が何回も上り詰めている事は画面からも確認できる。だが一回も失神はしてない。
 「このくらいだな」
 川口の会長が語り手に合図する。
 「さあてお前は今日一日で官能の奥まで味わった。その綺麗なま○こではここまで気持ち良く成った事は無い筈だ」
 語り手は決めつけてしまう。
 「・・・・・」
 大内亜季は何も言い返せない。失禁までした恐怖の震えはまだ治まってない。
 「これからお前の感じる機能を完全に破壊する。女の悦びとは今日で完全におさらばだ。そして子宮を撤去する。もう結婚はできない」
 語り手は淡々と語る。
 「えーーーーー。そんなーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は悲痛に叫ぶ。
 「だが。お前がAV女優に成るならクリを潰して膣を焼くのは執行猶予する。子宮は撤去する」
 語り手はやや強い口調に成る。
 「そんなーーーーーーーーーー。結婚できないよ」
 「AV女優は結婚しなくて子供も要らない。その綺麗な躰でたくさんの男に奉仕しろ。それがお前の生まれて来た役割だ」
 語り手はさらに強い口調に成る。
 「そんなーーーーーーーー」
 大内亜季の表情は悶絶状態である。
 「よく考えろ。これまでの撮影が全部公開される。お前のま○この奥までしょんべん出す姿も全裸も全部公開されるのだ。AVか風俗以外では働けない」
 語り手は諭すように言う。
 「あーーーーーーーーーー。ひどい。酷すぎる。ああ。ああ。もうAVで稼ぐしかないよーーーーー」
 大内亜季は早く状況を悟りつつ悲鳴の様に叫ぶ。
 「そうだ。そして直ぐには何処も制作しないかもしれない。一時的にソープかSMクラブで働け。そして一年以内にAV女優に成れ」
 「成らなかったらどうするの」
 「もう一度我々の仲間が拉致してクリトリスと膣を処刑する。その時は乳首も斬り取る」
 「あ、ああーーーーーーーーーーー」
 大内亜季はさらに恐怖に慄く。
 「どうして。そんなところに追い詰めるの。コンパニオンに応募して来ただけだよーーーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は怯えながらも言わずに居られなかった。
 「罠にはまったのだ。依頼人の目的は顔とスタイルの良い女をAVと風俗に転身させることだ」
 「何で子宮を取っちゃうのよ」
 「風俗嬢に子宮は要らない。子宮が有るから女は強い。航空母艦は艦載機が無ければ一番弱い軍艦だ。淀君は秀頼を生んだから北政所を凌いだ」
 「え、ええ。なに」
 大内亜季には意味が通じなかった。
 「そして依頼人の子育て応援社会に対する反撃だ。独身者は税金を取られまくりだ。子宮を取るのは依頼人の趣味だ。はっはっはっは」
 「そんなーーーーーーーーーーー。ひどすぎるよーーーーーーーーーーー」
 大内亜季は泣き続ける。
 「子宮が無ければ妊娠しない。風俗もAVも働き放題だ」
 ここで大内亜季に麻酔が掛けられてしまう。
 
 如月鬼堂らは時間が無くなった。スタジオに向かわなければならない。動画の確認を中止して出発した。
 本多椿を伴って珠洲の運転する車で越後湯沢に出る。
 e700系新幹線のグランクラスに乗った。
 車内で打合せを続けたかったが空いていると予測していたグランクラスにも客が居ので打合せはチャットに成ってしまう。
 
 埼玉県警。専従班の部屋である。
 「拷問はR国で行われたとしても動画の配信は日本国内だな」
 中宮警視正は何とか逮捕に結び付けたい。
 「そう思いますが。行き詰まりですよ」
 意気盛んに捜査に燃えていた神谷悠乃警部補も意気消沈している。
 「問題はR国で女性五人が行方不明になって解放されるその間に山形であの山小屋が破壊された」
 「確かに連続拉致強姦事件の犯人らが関わっている可能性が高いと思います」
 「そうだよ」
 「確かに焼け跡の詳細な検証でドローンの様な物で攻撃された可能性が高いです。こっちの犯人らが用意できる物ではありません」
 「そうだ。あの連中がやったに違いない」
 「ですが爆発火災現場から出た破片から出所を特定できるものが皆無です」
 どんなに破壊力が有っても金属の部品は残ってしまう。川口の会長はそれを充分に考慮して設計していた。
 「海外で使われた自爆ドローンにも一切の部品の出所が分からない物が有ったな」
 中宮警視正も朧げに見えるものが有るようで何も掴めない。
 
 五月三十一日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 印刷会社の社長は四本目の動画公開の準備をしていた。
 行き成りJアラートが出る。
 総てのチャンネルが北朝鮮のミサイルにJアラートに成ってしまう。
 「公開延期だ」
 川口の会長が苦々しく諦める。
 だが一時と経たないでアラートは消えて従来の放送内容に戻った。
 印刷会社の社長は九時くらいまで待って送信する。
 「ここまで騒ぐものかな」
 「まったくだ。日本の追跡能力が極めて低いだけだろ」
 「弾道が乗っているわけじゃない。落ちてきても火災程度だろ」
 「まあ。今の日本じゃ警戒に警戒。それでも落ち度は非難される」
 「ばかげているな」
 「もっと天誅してやろう」
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 九時半に杉下一行からメールが入った。既に如月鬼堂は起きてシャワーも済ませていた。
 四人目の犠牲者は浜田祐実二十九歳である。
 当初川口の会長らはもう少し違う女の選択がっても良いかと思った。だが全裸にして化粧を落としたらかなり良い女であった。
 化粧がやや濃すぎたらしい。顔立ちを際立たせすぎる化粧が良くなかったのである。
 木村華の拷問の始まった少し後に何人かが漏らした時点から眠らされたままである。
 膣とアナルにクスコと開口器を入れて二つの穴を並べて公開する。
 浜田祐実の両方の乳首には書類を鋏む黒いクリップが付けられていた。
 ピッタリ二時間を図っている。
 これを取る痛みで起こすのである。
 廃棄物収集運搬処分業の社長が右の乳首を鋏んでいたクリップを外した。
 「ぐ、・・・ぐ、・・・うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を回復した浜田祐実は固定された拷問椅子の上で強烈に暴れる。
 今まで二時間鋏まれていて圧迫されていた肉が戻る痛みである。鋏まれている痛みの数十倍に痛い。
 「ぐがああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は何処までも躰を振って顔を振り藻掻き暴れる。
 「いたあいーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたあいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は泣き叫ぶ。
 「もう一個有るぞ」
 医者の男が左の乳首を指さす」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は痛みにパニックである。
 医者の男がそれを抓んで外す。
 「ぐ、ぐ、ぐぐ、ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実はもう一度表情を破裂させて強烈に悲鳴を絞り出す。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実の悲鳴はサイレンの如く何処までも鳴り響く。
 そして失禁してしまった。
 床には吸収シートが敷かれている。
 廃棄物収集運搬処分業の社長と医者の男が両側から浜田祐実の乳房を片方ずつ揉む。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は激痛に喚き続ける。
 二人は十五分くらい浜田祐実の痛みに藻掻き暴れ泣き叫ぶ姿を愉しんだ。
 揉んでやや痛みが和らいだところである。
 「どうだ女。強烈に痛かったな」
 語り手の男である。
 「いたいよーーーーーーーーーーーーーー。なんでこんなことするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は怒りと恐怖の限り叫ぶ。
 「SM動画として配信するからだ。お前の悲鳴を悦ぶ面々に愉しんで貰う」
 語り手は淡々と語る。
 「私をどうするの。早く返してよ」
 「全部撮影して帰してやる。来週くらいには日本に帰れるよ」
 「酷いよコンパニオンのバイトで募集して十万だけでこんな目に合わせるなんて」
 ここでまた一千万の話が出るが動画からはカットされている。
 続いて浣腸が行われた。
 「さあ。今度は気持ち良くしてやる。お前のま○こは殆ど使われてない。お前の知らない悦びを沢山教えてやる」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。早く帰らせてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は泣き叫ぶ。
 廃棄物収集運搬処分業の社長が二本の柄付きローターを取り出す。
 これまでも出ていた杉下一行のポルノショップで販売されている。リモコンから伸びた柄の先にL字にマイクロローターの付いた物である。
 そのうち一本は金属皮膜抵抗くらい小さなローター。だが一本のローター
は抗生剤の二百五十ミリのカプセルくらいはある。
 大きい方をアナルの開口器にローターを上に向けて奥に突っ込む。
 その先端を直腸と膣が一番近く成る部分に当てる。最初は当てるだけで動かさない。
 もう一本のマイクロローターの先端を膣の奥へ入れて膣天井部の一番敏感部分に当てる。そして膣のローターだけ動かす。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は既に腰を捩っていた。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はゆっくり責める。最初は膣で完全燃焼させる目論見である。
 「あはあはあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 浜田祐実は敏感な部分の責めに全く堪えられない。大口を天井に向けて破裂させて逝き声を上げる。
 医者の男はアナルの開口器にスポイトでローションを流し込む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は膣天井部の責めに藻掻き続ける。
 躰は拷問椅子の上で腰を迫り上げ仰け反っていた。
 そしてさらに強く仰け反って震撼する。股間は痙攣していた。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はアナルのローターも低速で動かす。僅かな微振動を与えるだけである。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーー」
 廃棄物収集運搬処分業の社長は二本のマイクロローターでじっくり責める。
 浜田祐実は膣の責めで一回。膣とアナルの責めで二回上り詰めた。
 失神が目論見だったが?み合わない。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はアナルのローターを抜いてしまう。
 医者の男がアナルの開口器を抜いて廃棄物収集運搬処分業の社長にアナルバイブを渡す。
 既にアナルの中はローションに塗れていたが廃棄物収集運搬処分業の社長はアナルバイブにローションを塗る。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はアナルに深くアナルバイブを挿入してしまう。
 膣に入れていたマイクロローターを天井部の責めからその反対側底部の奥を責めに切り換えた。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は尿道バイブを持って待機している。
 
 如月鬼堂の居間では立山弁護士、杉下一行、本多椿とテレビ会議が繋がっていた。
 珠洲と瀬里菜は台風二号の進路を気にしている。動画より台風情報に注意していた。
 「太平洋上を逸れて行くからこっちには影響ないね」
 瀬里菜は安堵している。
 「何で台風はいつもフィリピン沖で発生して沖縄近海まで来たら右に進路を取るのかしら」
 珠洲は自然に向かって不満を漏らす。
 「高気圧の影響だと言っていたよ」
 瀬里菜も断片的にしか分かってない。
 「真っすぐ北上してくれたら日本に殆ど影響ないのにね」
 「瀬里菜。こっちには影響ないか」
 如月鬼堂は土曜日東京に向かって日曜日に帰る。
 「無いみたい。でも東海道新幹線は判らないよ」
 「そうか。そっちは台風に注意してくれ。台風より梅雨前線の動きが問題だ。雨が長く降ると危険だ」
 如月鬼堂は動画に集中する。
 「先生。結果は変わらないですね。五人とも病院の診察で子宮を取られています。そしてそれぞれソープに努めています」
 館山弁護士は大方もう結末は決まったと言いたい。
 「今回はAV嬢を五人作る目的だな。そして女の性を強引に開発して調教している」
 「金を掛けて何の利益にも成りませんな」
 館山弁護士はいつまで無駄な事に金を掛けるかと言いたい。
 「まだまだ止められないのじゃないか」
 「しかし先生。黒装束は全部日本人ですか」
 杉下一行の疑問である。
 「前回までは被害者の証言で日本人の日本語だったとの事でしたが。今回は全員がしゃべっていません。字幕に成っていますがナレーターの様なのが一人でしゃべっています」
 館山弁護士もそこを分析する。
 「日本人でこの人数が居なかったからナレーターが一人で語っているのではないですか」
 杉下一行もその推測である。
 「俺は日本に運んでいると思うな。連続拉致強姦事件の犯人六人と組織の派遣員四人だ」
 如月鬼堂は根拠を示すことなくまた決めてしまう。あくまで類推と感で推し量る。
 そして犯人の意図と経済力を理解できるからである。
 
 浜田祐実はアナルが性感である事を教えられ尿道を責められ受けた事のない感覚に喚き拒絶しながら深い逝き顔を晒してしまった。
 「さあ。お前はアナルが性感帯である事を今日知った。さらに尿道が気持ち良くなる事も知ってしまった」
 語り手は静に語る。
 「・・・・・」
 浜田祐実は崩壊状態で何も言えない。
 「お前の官能は今日で終了する。膣の中の感じる部分の総てを焼く。クリトリスも焼き潰す。そして子宮を摘出する」
 語り手はきっぱり宣告する。
 「えーーーーーーーーー。なんですってーーーーーーーーーー」
 官能に包まれて倒れていた浜田祐実は急激に躰に電流が奔った様に反応する。
 「今日で感じない女にする。お前の綺麗なま○こも焼き潰す」
 語り手はさらに強い口調で断言した。
 「いやよーーーーーーーーーーーーー。なんでよーーーーーーーーーー。なんでそこまでするの」
 浜田祐実は毅然と言い返す。
 「依頼人の趣味だ。だがお前が日本に帰ったらAV女優に成るなら子宮以外は執行を猶予する」
 ふざけた言い方だが語り手は真面目な口調で語る。
 「何で子宮を取るのよーーーーーーーーーーーー―」
 「お前はこれからAVとソープ、SMクラブで生きて行く。子宮は要らない」
 「私は結婚して子供を産むの」
 「馬鹿を抜かせ!!海外で法律に触れない売春コンパニオンに応募したのだぞ。結婚子供はなしだ!!」
 語り手は強い言葉を叩き伏せる。
 「なんでーーーーーー。そんな事になるのーーーーーーーーーーーー。コンパニオンのアルバイトに応募しただけだよーーーーーーーーー」
 浜田祐実は涙声で叫ぶ。
 「その時点でお前の運命は変わった。依頼人の罠に嵌ったのだ」
 「何処に居るの依頼人は」
 「依頼人は日本で送られて来た動画を編集してばら撒く準備をしている」
 「なんでこんなことするのーーーーーーーーーーーーー」
 「だから依頼人の趣味だ。そして女性優遇社会への天誅だ。さらに子育て応援に反旗だ。お前らはその見せしめだ」
 「女は優遇されてない!少しずつ地位を確立しているのよ」
 コンパニオンに応募した浜田祐実なのに突然テレビで訊いたような台詞を吐いて反論する。
 その言葉に廃棄物収集運搬処分業の社長が鞭を持って浜田祐実の乳房を強く叩く。強い怒りを込めていた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は突然の鞭に表情を破裂させる。そして強い痛みに悲鳴を絞り出す。
 先端の細長い一本鞭である。
 今度は医者の男が構える。
 こっちは先端が長方形の革一枚の一本鞭である。革は柔らかく撓るが分厚い。叩かれればかなり痛い。
 その先端で浜田祐実の乳首をピンポイントに叩く。
 「ふ、ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は悲鳴を絞り出しながら二人の覆面姿を交互に見る。
 恐ろしいくらい見分けがつかない。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 廃棄物収集運搬処分業の社長が両方の乳房を並べて細い先端で薙ぐ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房は強くへしゃげる。
 浜田祐実は表情を軋ませて悲鳴を絞り出す。
 標準サイズの乳房だが綺麗に丸く形は良い。垂れることなく柔らかさを湛えている。
 その肌理の細かい乳房の皮膚に深紅の鞭の痕が奔っていた。二発目の痕も直ぐに深紅に浮いてくる。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 浜田祐実は既に荒い息遣いである。
 医者の男は深紅の筋の上から叩く。
 「うぐうーーーーーーうーーーーーーーーうーーーーーーーーー」
 浜田祐実は躰を揺すって藻掻く。歯を剥き出しほうれい線が強く窪む。
 分厚い長方形の革は撓るが叩き付けられるとかなり痛い。
 「ううーー。うふうーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 浜田祐実は怯えた表情で二人を見上げた。
 医者の男が両方の乳首にピンチを鋏み付ける。
 「あーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー」
 廃棄物収集運搬処分業の社長が細い鞭の先端でそのピンチを叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 顔を振って痛みを訴える。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はもう一回構える。もう片方の乳首のピンチを狙う。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。乳首斬れちゃうよ」
 浜田祐実は泣き悲鳴で訴える。
 「そのピンチでは斬れない」
 語り手は言い切る。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はピンチの先端を叩く。
 ピンチは少しずれる。
 「うふ、ふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は甲高い悲鳴を上げる。そして怯えた表情で首を振る。
 今度は医者の男が叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実の口が縦に大きく破裂してさらに甲高い悲鳴が轟く。
 ピンチは太腿に落ちていた。
 廃棄物収集運搬処分業の社長はもう一発構える。
 「もういやーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一度乳房を二つ並べて横に薙ぐ。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は動かない脚を強く蹴り上げて拷問椅子を震撼させて暴れ藻掻いて悲鳴を絞り出した。
 医者の男は次に黒いクリップで浜田祐実の乳首を鋏む。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーー」
 もう片方も鋏む
 「うう。だめよーーーーーーーーーーーーーー。乳首千切れちゃうよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は泣き叫ぶ。
 「千切れはしない。今度は電子鞭だ」
 語り手が後ろから宣言する。
 「えーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は表情を究極に歪めた。
 医者の男が電子鞭を手にする。
 廃棄物収集運搬処分業の社長も持っていた。
 医者の男が左の乳首のクリップに当てる。
 「あがーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい」
 浜田祐実は表情を破裂させて喚き続けた。
 医者の男は二十秒くらいで離す。
 「あはん。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 浜田祐実は涙を溢しながら荒い息遣いを続けた。
 さらに廃棄物収集運搬処分業の社長が右の乳首を鋏んだクリップに当てる。
 「あが、ああーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。があーーーーーーーーーいたい。いたい」
 浜田祐実は泣き喚き続けた。
 医者の男も左の乳首を鋏んだクリップに当てる。
 「ぐがあーーーーーーー。があーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーいたい。いたい。いたい」
 浜田祐実はサイレンのように喚き続けた。
 そこに葬儀会社の社長が搾った金柑を持って来る。
 医者の男と廃棄物収集運搬処分業の社長がそれを手に垂らす。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実にもそれが柑橘類と判る。乳房の鞭の痕に塗られると判って怯える。
 その予想通り二人が両側から浜田祐実の乳房を掌で掴む。
 「うぐーーーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は固定された躰を猛然と暴れさせ拷問椅子を軋ませる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 どこまでも小刻みなサイレンの様に悲鳴は止まらない。
 それでも強烈に沁みるのは長くて三十秒くらいである。
 「あはあん。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 浜田祐実は震え続けていた。
 「良いか。女は充分優遇されている。今や結婚して子供ができたら男は家族の奴隷だ。それでもまだ地位向上だとほざく知識人が主流だ。依頼人はそれに怒っておる」
 「だからって私の子宮取るなよーーーーーーーーーーーーー」
 それでも浜田祐実は叫ぶ。
 「お前の綺麗な躰は沢山の男に尽くし提供するために有る。ソープで躰を貸してAVでその隅々まで公開してSMで憂さ晴らしに提供する為だ」
 語り手は押さえつける口調である。
 「そんなーーーーーーーーー。勝手に決めないでーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は堪らず吠えるように叫ぶ。
 「お前はその目的で依頼人に選ばれたのだ。二つに一つしかない。躰を提供し続けて金をか稼ぐか。女の総てを失って廃人に成って静かに生きるか」
 語り手は全く動じない。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は懊悩する。
 「もう諦めろ」
 語り手は引導印度を渡す如く言う。
 「AV女優に成るよ。それしかないだろ。あんな姿ばら撒かれたら。でもーーーーーーーーーーー子宮は残してよーーーーーー」
 「駄目だ。子宮が有れば要らない子供ができてしまう。そう成ると体型が崩れる。無いのが美しさを保つ秘訣だ」
 「そんなーーーーーーーーーーーーーーー」
 「良いか。一年以内にAV女優に成れ。それまではソープかSMクラブに努めろ。そうでなければ組織の他の者が拉致して刑を執行する」
 「えーーーーーーーーーー」
 「その時はま○こを焼かれてその綺麗な小陰唇も無残な姿だ。そして乳首も斬り落とす」
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浜田祐実は受け入れられない理不尽すぎる現実に藻掻く。
 「もう諦めろ」
 「お前らいつか捕まるぞ」
 浜田祐実はそれでも一言言わずにはいられない。
 「そんな事は無い。仕事は一人一回限りだ。捕まる危険が有ったら組織に抹消される。それに我々はこの世に存在しない人間だ」
 「どういう事」
 「お前はそこまで知る必要はない」
 ここで浜田祐実に麻酔が当てられた。
 そのまま医者の男の手で子宮摘出手術が行われる。
 浜田祐実が次に意識を回復した時はR国の海岸に近い空き地に五人で解放されていたのである。
 
 「随分抵抗していましたね。あれだけ抵抗していても怖くてソープに努めてしまうのですね」
 館山弁護士もこの連中の怖さに驚愕していた。
 「それ以前に他に何もできないよ」
 如月鬼堂は動画が公開されたら諦めるしかないと見ている。
 
 六月一日。
 長野市内の空きビル。
 山井和徳と亜希江夫妻が一時的に使っていたビルである。
 山井夫妻が売ってしまってから買い手もテナントも入ってない。
 不動産会社が管理していた。
 そのビルの前で少女たち三人は沖島千秋を待っている。
 少女らはこのビルを管理する不動産会社社員の石橋道博に高額の小遣いで頼まれてしまった。
 沖島千秋は少女らのアルバイト先の派遣社員である。
 少女らのアルバイトも派遣会社から派遣される。同じ派遣だが立場が違う。沖島千秋は少女らに指揮命令する。
 少女らは日払い派遣で沖島千秋は長期契約の派遣社員である。
 そして少女らに厳しい。
 だから少女らは一人五万円で簡単に引き受けてしまった。
 「沖島さん。ちょっと見てほしい物が有るのですけど」
 一人の少女が会社の顧客リストの様な物をちらつかせる。
 本物ではない。それらしく見せかけて造ったものである。
 「ちょっとそれは」
 沖島千秋は驚きのお余り誘導されるままビルに入ってしまう。普段は空いてない。エレベーターの電源も切られている。
 この日だけ前もって石橋道博が電源を入れて待っていた。
 沖島千秋は派遣の仕事の他にスナックでアルバイトもしている。今はその帰りである。
 そして石橋道博はその店によく行く客であった。
 一人の少女はエレベーターに乗り込む。
 沖島千秋はそれを追いかけた。
 後ろから来た少女二人が沖島千秋をエレベーターの中に押し込んで蹴飛ばす。
 先に入った少女は名簿を捨ててエレベーターから飛び出してしまう。
 エレベーターのドアが閉まって地下に直行する。
 其処には石橋道博が待っていた。
 「あーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は瞬間身構えた。
 石橋道博は飛び掛かって口をクロロホルムの染み込ませたタオルで押さえる。
 沖島千秋はそのまま石橋道博の腕の中に倒れてしまう。
 其処で全裸にして床に磔にする。
 地下室から拷問椅子やそれと判る物は撤去されている。床や壁、天井のボルトを埋め込む切り込みは残っていた。
 石橋道博は会社が買い戻したとき何か使えると思って計画を思いつく。
 沖島千秋は石橋道博が何度も誘ったがデートに応じなかった。いつか思う存分に自由にしたい。
 その願望が滾ってしまっていた。
 床に大股開きで大の字に磔にする。
 ボルトやフックは抜かれていたがボルトの穴は切られたままである。そこにフックを捻じ込んでおいた。
 管理の名目で今日までに何度も入って全部準備を整えている。
 まずは脱毛クリームで永久剃毛をする。
 ドテと大陰唇にクリームを塗りこんで暫く待つ。
 石橋道博は余命宣告をされていた。あと半年は生きられない。沖島千秋を道連れにしたい。
 もしも誘いに応じて抱かせてくれていたら道連れまではしなかった。身勝手な思い付きとは分かっている。
 だが一心に進んで制御は全く利かない。
 どう身勝手でも自分は死ぬ。欲しい物はこの女の躰だけである。
 給料の大方をスナックにつぎ込んでいた。週に二日。沖島千秋の来る日だけである。
 撮影機材の準備をしている。
 これまでも連続拉致強姦事件の犯人六人らやその模倣犯から配信される動画を集めていた。
 沖島千秋もそれと同じようにしたい。
 沖島千秋の躰を床に磔にした全裸を撮影して乳房、女の部分、それを広げたアップ。さらにクスコを挿入して女の奥まで撮影したい。
 インターネットの海外サイトで見るAV女優などと比べて綺麗な女の部分である。
 薄橙の内部の粘膜に尿道の亀裂と複雑に閉じた膣口が確認された。
 綺麗な女の部分でも開いて触ると粕が取れてくる。
 石橋道博の興奮度がさらに上がってしまう。
 喉の奥から興奮が込み上げていた。
 クスコを挿入する。
 螺子を回して広げると生々しい女の奥が露わに成る。
 ピンクグレーに濁った粘膜の盛り上がりの中心に小さな子宮口の亀裂が確認された。
 これまでの動画と同じレベルの公開である。
 撮影が終わったらカメラを固定しておく。
 陰毛に塗った脱毛クリームが既に効いていた。
 ドテの黒い塊を全部抜いてしまう。
 さらにドテから股間部分をよく洗った。
 石橋道博はそのまま沖島千秋の躰に重なる。
 まずは思いを果たすべく挿入する。
 滾っていた願望の限り激しく挿入を続けた。そして入念に唇を貪る。
 願望の限り沖島千秋の中に二回果てた。DNAが残ると分かっている。それまでに全てを終わらせる心算であった。
 バケツに冷たい水を用意する。それを浣腸器に吸い上げた。
 浣腸器の先端を沖島千秋のアナルに突っ込む。
 シリンダーを押して冷やした水を沖島千秋の直腸に流し込んで行く。
 もう直ぐ意識を回復する筈である。
 冷たい水はじわじわ入って行く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は強烈な腹の痛みに意識を回復した。
 「うぐ、う、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は床に固定された手首と脚首を揺すって藻掻く。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。石橋ーーーーーーーーー。こらやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は痛みに究極に表情を歪めて藻掻き叫ぶ。
 「もう遅い。お前の恥ずかしい姿は全部カメラに収めた。明日全世界にばらまく」
 石橋道博は強い口調で宣告する。
 「なんだとーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋はカメラに気付いて驚愕する。
 「腹が痛いだろ。もう直うんこを漏らす姿も撮影だ」
 石橋道博は勝ち誇っている。
 「付き合ってやらないからってこんな事していいのか」
 沖島千秋は藻掻きながら叫ぶ。
 石橋道博は浣腸器を抜いてアナル栓を捻じ込む。
 「う、うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は痛みに表情を軋ませて藻掻く。
 「苦しいか」
 「決まってんだろ!!」
 「はっはっはっは。暫く藻がけ。動画を取得した奴らが悦ぶ」
 「お前なんかがこんな事しても直ぐに逮捕されるぞ」
 沖島千秋は石橋道博如きがこんな犯罪を目論んでも訴えて制裁できると確信して見下した言い方である。
 以前から沖島千秋は石橋道博を店の客でなければ相手にする価値のない男と見下している。
 「多分これまでの事件のニュースからリミットは明日の夕方だな」
 石橋道博は落ち着いた口調でそう返した。
 「あの女の子達まで利用して。犯罪に加担させて。うう、うぐううーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は腹の痛みに強く躰を捩っている。
 「お前の事言って一人五万出したら喜んで協力したよ」
 石橋道博は少女らが沖島千秋に反感を持っていたと理解している。同じ派遣会社から選んで成功と言いたい。
 「お前のやっている事分かっているのか」
 「充分に分かっているよ。どうする。そろそろアナル栓抜いて排泄した方が良いのじゃ」
 石橋道博は舌なめずりした言い方である。
 「うぬれーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋はどうしようもない状況に唸る。
 「その戒めは解かないぞ。此処で排泄するかいつまでも苦しむかだ」
 石橋道博は薄哂いを浮かべていた。
 「うぬれーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は強烈に藻掻く。
 「いま世の中に出回っている海賊動画では『わたしのうんこを見てください』と言わせるのだ。言うまで苦しませるのだ。どうする」
 石橋道博は愉しそうに語る。
 「うーーーーーーーーぐ、ううーーーーーーーーーーーー」
 それでも沖島千秋は藻掻き続けた。それでもうんこを見てくださいとは言えない。
 やがて石橋道博の方が焦れて来る。
 朝には拷問を終わらせて此処を出たい。死は元より覚悟している。だが捕まりたくはない。
 仕方なしにアナル栓を抜く。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋はアナル栓をぐらぐら捩られて呻く。
 ぶう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 茶色い水と千切れた便が一気に床に流れ出る。
 石橋道博はホースで水を流して床を洗い流す。沖島千秋の股間も水で洗う。
 「う、う、ううーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は冷たさに悲鳴を上げる。
 石橋道博は鞭を持ち出す。
 先端が長方形の革一枚の一本鞭である。
 石橋道博は沖島千秋の左肩の位置に立つ。其処から大股開きに広げられた女の部分を狙う。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は鞭を見て悲鳴を上げる。
 石橋道博は沖島千秋の閉じ合わせた小陰唇に狙いを定めてこれが叩きたかったと思いを込めて振り下ろす。
 「うぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は大口を破裂させて悲鳴を上げる。
 石橋道博はこの女の部分を血が滲むまで叩きたい。
 二発目を振り下ろす。
 「ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋の躰は痛みにぶるぶる震える。
 「あはあーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 沖島千秋は藻掻きながら荒い息遣いである。
 石橋道博は加虐心を剥き出しに自分の思う通りに成らなかった女に怒りを破裂させて叩き続けた。
 
 六月二日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は珠洲に起こされて慌ててシャワーを浴びた。
 既に館山弁護士と杉下一行にテレビ会議が繋がっている。
 如月鬼堂がいつも自分で作る冷やしうどんを瀬里菜が作っていた。
 それを食べながら動画の確認をする。
 「最後の五本目ではないな」
 如月鬼堂は見た瞬間違いを悟る。
 「また模倣犯です。後を絶ちませんな」
 館山弁護士はテレビ会議の画面から呆れた表情を示す。
 「メールで配られて動画配信サイト数か所にアップされていました。被害者と同じ職場の同僚が気付いて警察に通報したようです」
 杉下一行が経過を説明した。
 「この場所は」
 「長野らしい事は被害者が副業の飲食店を出た時間から推測されます。警察が防犯カメラを解析中です」
 館山弁護士はそこまで情報を得ていた。
 「直ぐに犯人は割れるな」
 如月鬼堂は社会に衝撃を与えて騒がせるが直ぐに解決と見ている。
 
 石橋道博は沖島千秋の股間の粘膜を三十回くらい叩いた。
 沖島千秋は強烈な悲鳴を上げ続け泣き喚いて涙を何度も溢れさせる。壮絶な光景が続いた。
 沖島千秋の土手から大陰唇は鞭の深紅の筋が幾重にも重なって無残極まりない。血も滲んでいた。
 石橋道博は一度鞭を置く。
 一本ずつ滅菌梱包された注射針を取り出す。
 石橋道博は沖島千秋のクリトリスを包んだ包皮を剥く。
 そのピンクの小さな膨らみに注射針を突き刺す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 石橋道博はもう一本注射針を滅菌梱包から出す。
 それもクリトリスに突き刺す。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋の頭を反り返らせ大口を破裂させた悲鳴が轟いた。
 「あはあ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 沖島千秋は涙を溢れさせ躰をぶるぶる震えさせ荒い息遣いを続ける。
 石橋道博はもう一度鞭を構えた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は恐怖に震えて叫ぶ。
 石橋道博はその鞭をクリトリスに刺さった注射針目掛けて振り下ろす。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがががああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋の躰は瞬間固まって次に強烈に暴れる。
 「ごおーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐおおーーーーーーーーーーーー。おうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は治まらない痛みに喚き暴れ続けた。
 そして遂に失禁してしまう。閉じ合わせた綺麗な粘膜が鞭で叩かれて無残に崩れている。その部分から小水が流れ出る。
 「あはあーーーーーーーー。あはん。あはん。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 沖島千秋は何処までも荒い息遣いで藻掻き続ける。
 石橋道博はもう一回振り被った。
 「あーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・」
 沖島千秋の恐怖に怯える悲鳴は途中で掠れてしまう。
 石橋道博の振り下ろした鞭は恐怖の断末魔に震える沖島千秋のクリトリスに刺さった注射針を直撃する。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は藻掻きながら大口を破裂させたまま声のない悲鳴を上げ続ける。そしてそのまま白目を剥いてしまった。
 石橋道博もう一度沖島千秋の口にクロロホルムを当てる。
 クリトリスの針を抜く。血が流れ出た。小陰唇も血が滲んでいる。
 壁にも残っていたフックの跡にフックを捻じ込んで用意していた。腕を広げた状態に両方の手首を縛り付けて壁に磔にする。
 腰は壁に設えておいたベルトを巻いて留めた。
 両脚の脚首を縛る。
 今度は先端がU字のワイヤーになった一本鞭を取り出す。
 それで沖島千秋の乳房を横から薙ぐ。
 「ぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一発で意識を回復した。
 恐怖に震え怯えた目で石橋道博を見る。
 石橋道博は構わず二発目を叩き込む。
 一発目の痕が深紅に乳房に残っていた。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は強烈な悲鳴を絞り出し背中を丸める。首を乳房の近くまで倒して痛みに藻掻き続けた。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 沖島千秋の躰はぶるぶる震える。
 石橋道博は片手で沖島千秋の髪を掴んで首を持ち上げ乳房に鞭を叩き込む。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋は石橋道博の掴んだ髪を振り解いて痛みに藻掻き暴れる。
 壮絶な光景である。
 石橋道博はもう一度髪を掴んで首を持ち上げて乳房に鞭を叩き込む。
 「ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に沖島千秋の乳房はU字のワイヤー鞭の痕で無残な姿に成っていた。
 
 「これはAIで画像編集していますね。本人の姿だけモザイクを一括で処理しています」
 杉下一行の分析である。
 「しかし自分の姿は消してバックはそのままだな」
 如月鬼堂は不完全な処理と言う。
 「どっちみち直ぐに犯人に行き着くでしょう」
 館山弁護士も簡単に見ていた。
 「しかし。この犯人はこの女にかなり強い憎しみを持っているな。尋常な叩き方ではない」
 如月鬼堂は犯人の男の感情を読み取る。
 「どうせ詰まらない逆恨みでしょう」
 館山弁護士は見下してしまう。
 
 石橋道博は乳房も三十回くらい叩いた。
 両方の乳房とその周りにも鞭の痕が幾重にも重なって一部割れて血が流れている。
 白く肌理の細かい周りの皮膚と対比していっそう無残さを奏でていた。
 石橋道博はメスを取り出す。
 まずは小陰唇の粘膜部分を一気に切り落としてしまう。
 「あ、ああ、ああ、あ、あーーーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が流れ落ちる。
 沖島千秋は引き攣った表情で固まる。
 次は乳首を抓んで乳輪の根元から斬り落とす。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。お、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 沖島千秋の躰はがくがく震える。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 血がどばっと流れ出る。
 反対側の乳首も斬り落とす。
 石橋道博の手も血まみれである。
 僅かに情けか出血多量でこのまま死ぬ沖島千秋をもう一度クロロホルムを当てて眠らせる。
 動画は此処で終了していた。
 
 石橋道博はそのまま手を洗って鍵を閉めて自宅に戻る。
 もう既に五時を回って空は白んでいた。
 自宅で着替えだけして僅かな荷物で朝一番の北陸新幹線で大宮に向かう。
 大宮で東北新幹線の新函館北斗行きに乗る。
 既に自宅で動画を購入したメールアドレスにばらまき動画投稿サイト数か所にアップした。
 時間の問題で警察は自分に辿り着くと分かっている。
 新幹線はグランクラスに乗った。最後の旅である。ビールを飲みながらスマホでテレビ放送を確認していた。
 新青森までは何もニュースに出てない。
 十時過ぎからの女性キャスターの名前の付いたニュース番組で警察の捜査が始まった旨が報道された。
 札幌行き特急北斗に乗り換える。
 何とか摩周湖に辿り着きたい。摩周湖に身を投げれば遺体は浮かばないと聞いていた。そして捜索も行わないらしい。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「これは大変だぞ。この場所はあのビルの中だ」
 動画を見た川口の会長は瞬時に危険を察した。
 「ああ。山井夫妻の使ったビル」
 動画を処理した印刷会社の社長も直ぐに判る。
 「時間の問題で辿り着く。あのビルの前には防犯カメラは無い。それでも今日中には警察の手が回る。そして鑑識が入れば何か出る」
 川口の会長は最後的状況を推測した。
 「そうだな。いくら掃除しても被害者のDNAくらいは残っている」
 医者の男も確実にまずいと言う。
 「山井夫妻には覚悟を決めて貰わないと」
 「空きビルに成っていた筈だな。誰かが入り込んで使いよったな。選りによって」
 「次のテナントを入れておけば良かったな」
 「もう遅い。山井夫妻と話し合おう」
 山井夫妻がT国に移住した事は直ぐに判る。T国の警察が協力すれば直ぐに強制送還されてしまう。
 「取り敢えずは隣の組織のアジトに移って貰おう」
 隣は潜水艦が海中から入る組織のアジトである。だが隣と言っても車で一、二分は掛かる。
 「其処から潜水艦で逃がすか」
 「いいや。多分最後の覚悟を決めるだろう」
 川口の会長はそう推測する。
 説明を受けて山井夫妻は最後の生贄を要求した。逃げきれない事は十分に理解できるらしい。
 一度潜水艦で日本に戻して生贄を提供する。
 山井夫妻はその日の内に組織のアジトに移動した。
 潜水艦でT国を脱出は手配の都合で十日後に成る。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 本多椿がプレイルームの客の対応を終えて明日のインターネットアダルト放送の打合せに移動して来ていた。
 「明日はそんなに難しくない」
 如月鬼堂はやや楽観気味である。
 「そうですね」
 本多椿もほぼ楽観している。
 警察はその日の夕方に犯行現場のビルに辿り着いた。
 担当者が休んでいたので店長がビルに案内する。地下室に磔にされて血まみれで死んでいる沖島千秋が発見された。
 昨夜アルバイト先のスナックを出てからの沖島千秋の足取りを防犯カメラで追って来て少し手前で足取りが消えている。
 一番可能性が有るのはこの空きビルと成った。
 そしてその日休んでいたこのビルの担当者石橋道博の疑いが濃厚と成る。さらに沖島千秋がアルバイトしていた飲食店の客であったと判明する。
 警察は石橋道博のマンションの部屋に令状を取って翌日捜査に入った。
 部屋の中で血の付いた衣類が発見される。
 直ぐに石橋道博の足取りを追う。足取りは釧網線の摩周駅で途絶えた。弟子屈町一帯に捜査が行われる。
 土曜日の昼のニュースで摩周湖に身を投げた可能性が濃厚と伝えられた。
 さらに石橋道博の余命が半年であった事も判明する。
 
 如月鬼堂と本多椿は上越新幹線で東京に向かっていた。
 「衝撃は大きかったが単純な事件だったな」
 如月鬼堂は結論を出してしまう。
 「今度は連続拉致強姦事件の犯人が後ろで何かする事も無かったのですね」
 「そうだ」
 「結局この石橋は沖島千秋のアルバイトする店に通ってデートに応じて貰えなかったから犯行に至ったと言う事ですね」
 「そうだな。余命が無かったのが犯行に進んでしまったのだ」
 「少女たちは自分たちの持っていたグループの名簿を職場の個人情報と勘違いして追って来たのでビルに逃げ込んだと言っていますが」
 「それは警察があっけなく白状させるよ」
 
 六月十一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士が連絡して来た。直ぐにテレビ会議を繋ぐ。
 「長野の犯行現場に成ったビルですが鑑識の現場検証で意外なものが発覚しました」
 瑞浪花那のDNAが出たのである。
 このビルがその時の犯行現場の可能性が有ると思われた。
 
 六月十二日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 今日も館山弁護士が連絡して来る。直ぐにテレビ会議を繋ぐ。順次大河内税理士、杉下一行、福富麻次郎、本多椿と繋がった。
 今度こそ全容解明と行かないまでもかなりの事が明るみに成ると色めき立っている。
 浦和警察署の南郷美涼巡査長のDNAも見つかった。
 以前のビルの持ち主は山井和徳と判明する。そしてT国に移住した事も確認された。
 だがまたここで非合理的な現実にぶつかってしまう。
 山井夫妻の移住したのはT国。外村芽生が拉致され拷問されて解放されたのはR国である。
 山井夫妻のR国への渡航記録はない。
 如月鬼堂の特異な発想を裏付けているとさえ思われた。
 
 六月十三日。
 内房のリゾート施設である。
 山井夫妻は潜水艦で日本に戻った。
 先に公開する動画が残っているので夫妻には内房のリゾート施設でそのまま滞在して貰う事に成る。
 そして印刷会社の社長が最後の五本目の動画を配信した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 杉下一行からメールが届いてこれまで通り館山弁護士、杉下一行とテレビ会議が繋がっていた。
 如月鬼堂は九時半に起きてシャワーを浴び十時を回って朝食の蕎麦を食べながらである。
 最後の被害者は古仲沙良二十六歳。直前までエステチックサロンに勤務していた。
 贅沢しすぎてクレジット残高が膨らんでしまったので高額アルバイトを探して罠に嵌ったのである。
 Fカップの乳房は寝かせると広がってしまう。拷問椅子の背を斜めに上体を殆ど起こすと乳房は柔らかさと豊満さを湛える。
 シリコンなどは入ってない。芯まで柔らかい。鞭で叩くと強烈に痛く無残な痕に成りそうである。
 乳房の大きさの割に乳輪は小さく乳首の色は薄紅である。
 肌の肌理が細かく白い。薄紅の乳首と小さめの乳輪がくっきり存在感を主張していた。
 大股開きで拷問椅子に固定された太腿は太ってはいないが異常に柔らかさを感じさせる。こちらも叩くと直ぐに傷付きそうである。
 全体に壊れそうな体型と言える。
 組織の男が二人。一人はがっしりタイプで一人は痩せ型である。だがこの忍者姿黒装束は僅かにしかその違いを感じさせない。
 二人の忍者姿黒装束は左右から古仲沙良の乳輪の根元付近を二本の金属の箸で鋏む。
 その両端を輪ゴムで何回も引っ掛けて強く止めてしまう。
 まだ古仲沙良は寝かされたままである。
 二人はスタンガンを手にした。
 両方から一気に金属の箸に当てる。
 「う、ぐ、うう、ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は暴れ強烈な悲鳴で意識を回復した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーん」
 古仲沙良は体を揺すって泣き叫ぶ。
 スタンガンの痛みは去っても乳房を鋏まれてかなりの痛みである。
 「お前の拷問で最後だ。たっぷり泣いて逝き顔も晒して貰う」
 語り手が宣告する。
 「いやだよーーーーーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は猛然と抗議した。
 だが躰はがっちり拷問椅子に固定されている。
 「騒いでも無駄だ。お前らの動画は全世界にばら撒かれる」
 語り手は淡々と当然の様に語る。
 「ちくしょーーーーーーーーーーー。高収入アルバイトで騙して。酷い。酷すぎるよ」
 古仲沙良はさらに抗議する。
 「黙れ!お前とて半分売春まがいと承知していただろ」
 語り手は強い口調に成る。
 「その何十倍も酷い事しているだろ。こんなのないよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。早くこれ取ってよ」
 古仲沙良はさらに強く喚き抗議する。
 「それは二時間取らない。取る時の痛みを蓄積するためだ。今の痛みが総てではない。取る時はその数倍だ」
 語り手は淡々と恐ろしい宣告をする。
 「そんなーーーーーーーーー。それじゃーーー乳首もぎとれちゃうよーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は悲痛に叫ぶ。
 「二時間ではそんな事にまでは成らない。もぎ取れるのには三日は掛かる。だがそんな面倒は行わない。斬る時はメスで切り落とす」
 語り手はさらに淡々と恐ろしい宣言を続けた。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなのないよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良はさらに究極に叫ぶ。
 「落ち着け!今はそこまでしない。この先解放されてからのお前の在り方によっては次に他の仲間が斬り落とす」
 語り手はまた強い口調に成る。
 「えーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は恐ろしい宣告に驚愕する。
 痩せ型の忍者姿黒装束が注射針を滅菌梱包から取り出す。
 がっしりタイプの忍者姿黒装束が古仲沙良のクリトリスを剥く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は針を見て拒絶する悲鳴を上げた。
 剥き出した粘膜の盛り上がりに針を突き刺す。
 「ぐう、がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良の表情が究極に歪み破裂して悲鳴を轟かせた。これは強烈に痛いのである。
 ?せ型がクリトリスを剥くのを代わった。
 がっしりタイプが滅菌梱包から注射針を取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は二本目の針を見て喚き叫ぶ。
 がっしりタイプはクリトリスの下から刺す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま突き刺して貫く。
 「うーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴が上がる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 古仲沙良は震え荒い息遣いを続けた。
 二人の忍者姿黒装束はスタンガンを手にする。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良はそれを見て悲鳴を上げる。
 「今度は電流責めだ」
 語り手は抑揚のない声で恐ろしい拷問を宣告した。
 二人は各々自分の刺した針にスタンガンを当てる。
 「うがあーーーーーーーーーーーーーー。うがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いた。いたい。いたい。いたい」
 古仲沙良は強烈に叫ぶ。
 何回か繰り返して古仲沙良の悲鳴と究極に痛みに苦しむ表情を画面に焼き付けた。
 ?せ型の方から突き刺した注射針を抜く。
 「うーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーー」
 抜く時は刺す時より痛い。血の玉が浮き出し崩れて流れた。
 甲高い悲鳴と究極に軋む古仲沙良の表情が見る者の加虐心を満足させる。
 続いてがっしりタイプが抜く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに甲高い悲鳴が上がる。古仲沙良の柔らかい美人顔は縦に破裂して歯を剥き出す。
 その間に痩せ型が金柑の実を搾る。
 一個か二個で充分である。
 古仲沙良の?いたままのクリトリス。その部分は針が抜かれたあと無残に血に塗れていた。
 その上から搾った金柑の汁を掛ける。
 「ぐーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーぐおーーーーーーーーぐおーーーーーーーーー」
 古仲沙良は究極に沁みる痛みに喚き暴れた。
 「ぐおーーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーーーぐぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子に磔にされた躰が強烈に暴れて拷問椅子は強く軋んだ。
 「あはあーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 痛みは直ぐに薄らぐが古仲沙良は荒い息遣いを続けた。
 二人の忍者姿黒装束は次の準備をする。
 
 「既にこの五人はソープランドに出ているのだな」
 如月鬼堂はこの先が異常に気に成る。
 「そうです。なかなか人気で予約が埋まっているらしいです。遠くからホテルを取って来る者まで居るようです」
 杉下一行が状況を掴んでいた。
 当然そう成る。店のホームページや雑誌に顔出しも行っていた。だがそれ以上にネットで評判は拡散される。
 当然R国に旅行するコンパニオンに応募して被害に遭ってSM動画を公開された女性と認識して客は来ていた。
 どれを選んでも良い女である。
 店は特別コースを設定して高額にした。それでも予約は先まで埋まる。
 「AVのスカウトはまだ動かないか」
 「情報は入っていませんが。多分ほとぼりが冷めるのを待つことはないと思われます」
 「奴らの策は完全に成功か」
 「そのようです」
 「思った以上だな」
 如月鬼堂は苦々しい。
 
 神谷悠乃警部補は残務明けの非番の日の午前中に実家に帰宅しようとしていた。組織はこれをキャッチしていたのである。
 館山駅の東口を出てコンビニの角を曲がった。
 すれ違いざまに男が胸に触って逃げる。神谷悠乃警部補は即座に追い掛けた。男は路地に逃げ込む。
 建物の陰から男が二人飛び掛かる。
 触った男は踵を返して襲い掛かった。三人ともそれなりに有段者である。
 神谷悠乃警部補にクロロホルムを当てて確保した。
 そのまま袋を被せてパッカー車に投げ込む。
 パッカー車の中で縛って麻酔を打つ。
 さらに躰全体に強い匂いのスプレーを掛けた。
 そして別のパッカー車が運んで来た匂いの強い物質が上から投げ込まれる。
 そのままパッカー車は二台で出発した。
 僅か二分足らずの犯行である。
 
 如月鬼堂の居間に珍客が現れた。
 一人はいつも来る福富麻次郎である。その連れが何とも言えない。見掛けは若い女性である。
 自力で歩いて来た。動きも女性の動きである。
 如月鬼堂が囲炉裏端に座っているので奥のソファーに並んで座った。
 「アンドロイドか」
 如月鬼堂は僅かな違いからそう確認する。
 「そうです。モデルの子が店に居ります」
 ダッチワイフが格段に進化したものである。ダッチワイフの骨組構造に二足歩行ロボットを内蔵した。
 如月鬼堂が動画に掛かっているので福富麻次郎も大型モニターからそれを見る。連れて来られたロボット女性は驚きの表情を見せる。
 表情や感情まで示すらしい。
 
 古仲沙良はローターとドリルバイブで責められ何回も逝き顔を晒した。膣液も大量に流して失禁もしたのである。
 そして最後に失神していま倒れている。
 女の部分はドリルバイブに散々責められてぐちゃぐちゃに成っていた。
 二時間近い責めに轟音の様な逝き声をとことん上げ続け何度も女躰が強く波打ってもんどり打つ。その繰り返しであった。
 乳首の手前には金属の箸が輪ゴムで二本留められていて乳首が無残な状態である。
 忍者姿黒装束の二人がこの巻き付けた輪ゴムを左右両側からカッターで切り落とす。
 両方の乳房から金属の箸がするりと落ちた。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 行き成り古仲沙良は強烈な悲鳴を轟かせる。
 これまで二時間強く圧迫されていた乳房の筋肉が解放される痛みである。鋏まれていた間の数倍痛い。
 躰は拷問椅子から迫り上がって藻掻く。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は狂った様に藻掻き暴れ悲鳴を轟かせる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪えられない痛みに藻掻き続けた。
 「あはああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 二人の忍者姿黒装束が両側から乳房を揉む。
 あと二人印刷会社の社長と葬儀会社の社長が手伝って肩を押さえた。
 「ぐわああああーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあああーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が十分以上続く。
 「うおーーーーーーーーー。ううーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 強烈な悲鳴は徐々に弱く成りやがて荒い息遣いに成り徐々に痛みは薄らいだようである。
 「さあて。痛みも味わったが。官能も女の性の奥地まで味わった。失神が何よりの証拠だ。そして素晴しいSM系AVが制作された」
 語り手はゆっくり語る。
 「酷いよ。こんなのばら撒くなんて」
 古仲沙良は涙を流している。
 「どうしようともう逃れる道はない。既に動画は日本に転送されている。確実に公開される」
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーん」
 古仲沙良は号泣状態に成ってしまう。
 「お前の官能はさっきの悦びが最後だ。これからお前の子宮を撤去して膣を焼く。クリトリスも焼く。もう生涯女の悦びを感じる事は無い」
 語り手は静かな口調だがきっぱりとした言い方である。
 「な、なんだとーーーーーーーーーーーーー」
 泣いていた古仲沙良は驚愕の表情に成って言い返す。
 「よく聞け。お前が日本に帰ってAV女優に成ると約束するなら膣とクリトリスは執行猶予する」
 「子宮は」
 「撤去だ」
 語り手は強く断言する。
 「いやーーーーーーーーーーーーー。子供できないし結婚もできないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 古仲沙良は泣き叫ぶ。
 「AV女優に亭主も子供も要らない。躰が劣化するだけだ」
 これまでと同じような問答が続いて結果は同じであった。
 
 動画が終わったので福富麻次郎が新商品の説明を始める。
 「脱いで」
 福富麻次郎はロボットの女性に命令する。
 ロボット女性はしなやかな動きでじっくり躰を見せて服を下着まで脱いでしまう。
 「お○○こを見せて」
 ロボット女性はソファーの上でV字開脚の大股開きに成る。自分の手で女の部分を開く。
 実に精巧にできていた。
 小陰唇が柔らかく広がりピンクの部分が露出する。膣口もモデルの女性そのままにコピーされていて奥まで膣の構造が造られていた。
 「濡れているじゃないか」
 如月鬼堂は造りの綿密さに感嘆する。
 「そうです。膣液と同じ匂いと硬さに調合されています」
 「それをアンドロイド型のダッチワイフとして売るのか」
 「これAI内臓で動きますが。モデルの女性と連動もできます」
 福富麻次郎は得意げに説明を続けた。
 単体で動くダッチワイフとしてSEXもできるがオンラインで店と繋いでそっくりの本物の風俗嬢と連動も可能である。
 その場合男性アンドロイドが挿入する。客と同じように動く。ロボット女性もモデルの風俗嬢と同じ動きをする。
 モデルの風俗嬢と繋がっている感度が客の男性に伝わるのである。モデル嬢の膣にも男性客の動きがそのまま再現される。
 違うのは男性アンドロイドが同型にできた一種類でそのさおが一定と言う事である。
 コロナ過で店舗営業が著しく制限された時に発達したオンライン風俗の機能をさらに格段に強化した。
 自分で動いてくれるダッチワイフである。
 二足歩行ができるので掃除や荷物運びもやってくれる。多少重い荷物も運んでもらえるが料理はできない。
 絶対ダメなのは風呂である。
 人の肌に限りなく近く体温もあり唾液も膣液も出せて自分で補填する。
 口取りも行う。処理後の口や膣の洗浄も自分で行う。
 声はモデルの風俗嬢のものであり喘ぎ声も出す。痛みには悲鳴も上げてしまう。その段階によってAIが調節する。
 膣の内部も子宮口も作られていてクスコで開く事もできる。
 逆に膣内部はモデル嬢と同じように作られていて従来のダッチワイフ程の刺激は無い。
 膣液の補給や洗浄にはその部分を取り外す。
 それには子宮口に器具を突っ込む。その時強烈な悲鳴もモデル嬢の声そのままである。
 実際にモデル嬢に痛みを与えて録音したものをAIが痛みと状況に応じて変化させる。
 「こういう物が売れる時代に成ってしまったか」
 如月鬼堂は明らかな風俗売春の衰退と嘆く。
 「縛りの練習にも使えます」
 「傷ついたり汚れたりした場合は」
 「汚れは専用の洗浄液で拭けます。強く汚れた場合と傷は修理に出していただきます」
 「価格は」
 如月鬼堂はこんな物作ってどんだけコストが掛かるかと言いたい。
 「オプションを入れないで百二十万です」
 福富麻次郎はここまで下げるのに随分努力を重ねた。
 「ダッチワイフの十倍だな」
 如月鬼堂は高いと言いたい。
 「それが結構引き合いが来ています」
 「モデルは」
 「家のグループ内で全裸美人コンテスト行いまして上位者五人をモデルに制作しました」
 「直接風俗に行った方が良いのでは」
 「ソープ以外性交はできません」
 「そうだったな」
 「それで車椅子を押したり主人をベッドに運んだり介護もやってくれます」
 「そんなに力が有るのか」
 「人の腰の機能を強化する器具の機能を応用しています。重い物もそれなりに行けます」
 如月鬼堂は如何とも言えない。
 
 いわき小名浜。
 ソープ重役室。
 大内亜季はVIPコースで店に出ていた。百二十分十万のコースである。この店にVIP室は以前から存在した。
 だがこれまでは百二十分六万である。
 大内亜季だけ特別にこの価格となった。
 週に二日しか働かない。既に七月半ばまで予約で埋まっている。一日三人限りである。
 それ以上やると皮膚が荒れる。それではAVが高く売れない。そこを考慮して週に二日で抑えていた。
 湯船に客の腰を浮かせてさおを口で舐める。
 六十年配の客でなかなか出さない。
 「逝かない」
 「そんなに何回もできない。ベッドで一回だけだ」
 「そう。じゃああとで」
 マットプレイも刺激するだけで済ませる。
 みな拉致された事を深く訊いて来るがこの客は無口である。
 「ねえ。私が酷い動画出されたの知ってる」
 「ああ。見たよ。良い躰だ。期待して来た」
 「そう。ありがとう」
 遊び慣れた客かもしれない。ホッとする。
 「今年中にはAVに行っちゃうの」
 「うん。そうらしいね。出たら買うよ」
 優しいのはこの客だけであった。本来三回出せるのに一回で十万置いて行く。大内亜季は何度も来て欲しいと思った。
 
 六月十四日。
 神谷悠乃警部補は空き地でパッカー車から他のトラックに移されて酸素ボンベ付のカプセルに納められる。
 夜間にカプセルはボートで運ばれ千葉の海中に投下された。
 翌朝早く潜水夫が回収して潜水艦の入る入口から運び込む。
 神谷悠乃警部補は内房のリゾート施設で山井夫妻に提供される。その為に拉致されたのである。
 山井夫妻は総ての資産を整理した。
 これまで散々散財したがそれでも一億近くが浮く。総て川口の会長の闇口座にマネーロンダリングをサポートする組織を通して支払われる。
 これから潜水艦でのT国からの移動費用。闇組織の派遣員三人分。遺体の処理費が支払われた。
 北村華らを拷問した部屋が黒いカーテンで仕切られて三分の一の広さにされる。その真ん中に拷問椅子が置かれた。
 今回は拉致した三名が山井夫妻を手伝う。
 ここから撮影が開始された。
 組織の三人が忍者姿黒装束で行う。その内一人は撮影を担当する。
 二人が掛かって神谷悠乃警部補のよれよれに成った服を脱がせる。全裸にして拷問椅子に乗せて縄とベルトで磔にしてしまう。
 下着の汚れも確り撮影する。
 大股開きに股間を広げられて性器もアップで撮影した。
 ここで山井夫妻を招き入れる。
 「この女は」
 どんな素性かと言う亜希江の質問である。
 「連続拉致強姦事件の専従班所属する神谷悠乃警部補です」
 忍者姿黒装束の一人が答える。
 「そう。最適な道連れね」
 亜希江は悦んだ。一番罪悪感の湧かない女である。心行くまで苦しめたい。加虐心が一気に沸騰した。
 亜希江は電子鞭やスタンガンを使わずビンタする。数十回叩いて神谷悠乃警部補はようやく目を開いた。
 「こらーーーーーーーーーーーー。なにするーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補はの前には忍者姿黒装束が四人である。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーー」
 驚愕の表情に成る。
 「神谷悠乃警部補。私が誰か分かるわね」
 亜希江は既に正体が割れていると分かっている。
 「山井亜希江」
 「そうよ」
 「此処はいったい何処」
 T国に居る筈の山井亜希江が目の前に居る。
 「どこかしら」
 亜希江は答えない。
 神谷悠乃警部補は何か日本国内のように思った。T国の警察に紹介した時は購入した家には数日戻ってないとの答えだった。
 亜希江は先端が四角い革の蠅叩きの様な一本鞭を持つ。
 それで神谷悠乃警部補の頬を叩く。
 「うーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は警察官の口調で怒鳴る。
 亜希江は容赦なくさらに叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補さらに強く叫ぶ。
 「四人で輪姦して」
 亜希江はまず組織の三人に言う。
 組織の二人は山井和徳氏に先を譲るが山井和徳氏は組織の三人に強く譲る。
 「あんたが山井ね」
 神谷悠乃警部補は顔で山井和徳氏を指し示す。
 山井和徳は否定も何もしない。
 一人目の忍者姿黒装束が挿入する。さおだけを出していてカメラは男には後ろからなのでさおは映らない。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こらやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は無駄でも叫ぶ。
 男は一気に突っ込む。
 だが神谷悠乃警部補は膣口を強く絞めて入れさせない。
 男は神谷悠乃警部補の膣口に指を突っ込む。両手の人差し指を入れて強引に広げる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は藻掻く。
 男は一気に挿入してしまう。
 下からのカメラが神谷悠乃警部補の膣に入っている状況だけを収録する。
 男は膣を閉める神谷悠乃警部補に強い力でさおを動かす。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴でも逝き声でもない抵抗する叫びである。
 二人の忍者姿黒装束が神谷悠乃警部補の太腿を抱える様に強く押さえていた。
 神谷悠乃警部補から腰を動かして挿入している男のさおに異常な力が入らない配慮である。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーー。うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 それでも神谷悠乃警部補は藻掻く。
 男は時間を掛けずに意識を調節して早く果てる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 情液が流れ込んだ悲鳴である。
 男は素早く抜く。
 神谷悠乃警部補の膣口から情液が流れ出た様子が拡大された。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーー。強姦で二十年だーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は堪らずその場で浮かんだ怒りの言葉を叫ぶ。
 「それは逮捕された時よ。私達がどんなに逮捕されないか貴女方は良く分かっているわね」
 亜希江は詰るように言う。
 「何れ逮捕されるよ。警察は甘くないよ」
 神谷悠乃警部補は怒りを込めて言葉を返した。
 「そうね。捕まるのは馬鹿な模倣犯だけね。連続拉致強姦事件はいつ解決するのかしら。冤罪者を逮捕して被害者は間違って冤罪者に報復なんて」
 亜希江はさらに馬鹿にするように言葉に含みを込めて言う。最初の防護服の事件の六人と原直子の事件を詰っているのである。
 「うぬーーーーーーーーーーーーーー」
 専従班は悔しさに藻掻く毎日であった。
 
 埼玉県警専従班の部屋。
 「神谷悠乃警部補の消息は館山でぷっつり切れています。警察犬も其処から探知できません」
 松任谷巡査部長が報告する。
 「もう一つ強い匂いが其処から繋がっていたと有るが」
 「その追跡も無意味でした。廃棄物運搬会社の車庫で切れていました。匂いの出発点は木更津の倉庫でした」
 「中身は」
 「動植物性の残渣です。マニュフェストも確認させてもらいました」
 「うーーん」
 中宮警視正も行き詰まった。
 これまでも警察犬の追及が叶わなかったのである。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 雨は止んで曇り空である。麓の町はどんより見える。
 今日は肉と魚介類を焼いて瓶ビールである。
 「あの夫妻にはうってつけの獲物だな」
 印刷会社の社長は飲みながら送られて来た画像を編集する。
 「刑事の財布を掏るような危険を犯してまでと思うが。なんとも鮮やかだったな」
 葬儀会社の社長は組織の三人の手口に感心する。
 「これであの警部補の遺体も永久に出ない。何とも愉快だな」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「今回は子宮を取れなくてがっかりか」
 川口の会長が医者の男に言う。
 「生かして返さないなら取っても意味はない」
 生き永らえて苦しんで貰わなければ意味がない。医者の男の残忍極まりない言葉である。
 
 内房のリゾート施設。
 輪姦すのが終って亜希江がここまでの動画を神谷悠乃警部補に再生して見せていた。
 これまでの動画同様に神谷悠乃警部補の性器の奥まで公開され汚れを取り出すシーンまで撮影されている。
 これが数日後に公開されてしまう。
 中宮警視正も同僚も若い男性刑事も鑑識も見る。
 神谷悠乃警部補はどうする手立ても無い。警察の捜査が進んでくれるのを期待したい。そしてもう自分は警察を辞めるしかない。
 それ以前に自分は殺されるのではないか。そんな恐怖が頭を過る。
 「亜希江さん。貴女は何でこんな事をするの」
 神谷悠乃警部補は亜希江の動機を聞きたい。
 「お遊びよ。若い女を苦しめる愉しみ」
 亜希江は馬鹿にするように言う。
 「嘘よ。そんな事に財産を叩くような事までするの。相当の金額を闇の組織とかに払っているでしょう」
 神谷悠乃警部補は突っ込む。
 「だって。もう先がないもの。相続者も居ないし。愉しむだけ」
 「もっとまともな事に使ったら。寄付とか」
 神谷悠乃警部補は真直ぐ極まりない。この犯罪者に言うだけ無駄な正論の極致である。
 「ご冗談でしょう。寄付なら社会を破壊する方に使いたいわ」
 亜希江は嘲哂う。
 「何でそこまで人を傷付けるのが愉しみなの」
 「あーーら。自分の人生が終わるのよ。何人道連れにしてもいいじゃなーーーーーーーーい」
 亜希江はさらに嘲哂う。
 「自分が死ぬなら人類を終わらせても良いと言うの」
 「そうよ。できたらね。プーチンもそうするのじゃないかしら。私は一番憎らしい若い女を破壊するのよ」
 「何で若い女なの」
 神谷悠乃警部補は怒りを破裂させる。
 亜希江は先端が四角い蠅叩きの様な一本鞭で神谷悠乃警部補の頬を叩く。
 「うーーーー」
 「あんたはそこまで知らなくていいのよ」
 もう一発叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーー」
 「駿河問いにして」
 亜希江は二人に要求する。
 一人が神谷悠乃警部補にクロロホルムを充てた。
 警察官である。用心深く眠らせて吊るす。
 
 六月二十八日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 朝一番館山弁護士と杉下一行がテレビ会議を繋いで来た。
 如月鬼堂は瀬里菜に起こされてシャワーを浴びている。
 朝食がまだなので珠洲が自分らの分と一緒にサンドイッチを作り瀬里菜がサイフォンでコーヒーを淹れた。
 如月鬼堂はいつもラーメンか饂飩、蕎麦を自分で作る。
 昨夜の原稿が遅れて起きるのがさらに遅れた。
 神谷悠乃警部補の動画が公開されたのである。
 「拷問しているのは山井夫妻と思われます」
 館山弁護士は興奮していた。
 「それで被害者が日本で拉致された神谷悠乃警部補か。明らかに物理的に無理が有るな」
 如月鬼堂は驚かない。
 テレビは大型スクリーンに報道番組が放映されていた。瀬里菜が準備したのである。
 如月鬼堂もモニターに動画を再生する。
 元警察官のコメンテーターはT国にいる山井夫妻がどう移動したかが最大の謎と言う。
 T国に居る筈の山井夫妻がR国に移動できても何らかの手段が有ったかもしれないと見ていた。
 だが、神谷悠乃警部補を日本から運び出すのも山井夫妻が日本に入国するのも無理が有り過ぎると言う。
 「この前と同じ場所か。黒い幕で狭く囲んでいるが床が同じようだな」
 「そうとは言えませんよ。床はAIが加工した画像かもしれません。いいえ。AI以前にも可能です」
 館山弁護士もあれから考えた。
 「そうだな」
 如月鬼堂も以前の憶測がずれていたと納得する。
 
 動画では神谷悠乃警部補が駿河問いに吊るされていた。
 手首と脚首を背中の上で四本合わせて縛られ風呂敷包みを吊るした様な形である。首だけがべこの様に肩の間からはみ出していた。
 亜希江が近付く。
 先端が四角い革で蠅叩きの様に成った一本鞭で神谷悠乃警部補の顔を叩く。
 一発で意識を回復しないので連打する。
 「う、う、うう」
 神谷悠乃警部補は虚ろに目を開いて辺りを見る。そして亜希江を睨み返す。
 「鞭で叩いて」
 そう言って亜希江は数種類の鞭をテーブルに並べた。
 山井和徳は座ったままで二人が鞭を持つ。
 残る一人は輪姦す時だけ交代したが撮影に徹している。
 神谷悠乃警部補の躰は横から見ると空中に五角形を描いていた。胸から膝まではほぼ半円を描く。
 膝と肩で折れて頂点は手首を合わせて縛られ脚首も合わせて縛られている。
 その二つの縛りをOの字型のフックで纏めて天井から下がった滑車のフックに吊るされていた。
 神谷悠乃警部補は苦しい駿河問いの吊るしに藻掻き続けている。
 正面に立つと乳房が斜め下を向いて標準サイズの美しさを見せていた。
 一人がその正面から先端がU字に成ったワイヤーの鞭を持ってそれを叩く。
 U字の部分が乳輪を囲むように神谷悠乃警部補の左の乳房を叩いた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 男は覆面の下でほくそ笑む。
 二発目を構える。
 「おーーーーーーーのれーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は怒りに煮え滾る。
 左の乳房には蚯蚓腫れがU字に浮いていた。
 その上から叩き付ける。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は空中で藻掻きながら悲鳴を絞り出す。
 一発目は蚯蚓腫れが紅く成っている。
 「ねえ。そろそろ尿意が限界じゃない」
 これまでのやり方から拉致して一時はカテーテルで抜き点滴を打っていた筈である。
 それから拷問椅子に乗せてさらに駿河問いにした。既に十時間近い。
 「そうです」
 もう一人の忍者姿黒装束が答える。
 「後ろから叩いて。お漏らしさせちゃいましょう」
 亜希江は女性警察官の羞恥の籠った動画を配信したい。
 男は先端が長方形の革二枚の一本鞭を持つ。
 下からドテの部分を叩く。
 「うーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 男は構わず連打する。
 「おーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーー。お、おおーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叩き続ける。
 「うおーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は一分足らずで無念の失禁をしてしまう。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 止められない。もう流し続けるしかない。
 「ふ、ふ、っふ、ふふ。婦警さんのお漏らし公開。この動画を取得して悦ぶ人は沢山いるわね」
 亜希江は嬉しそうに嘲る。
 「うぬーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は怒ってもどうにもならない。無念だが限界である。
 「婦警さんが耐えられずお漏らし。最高だわ」
 亜希江は成功と悦ぶ。
 「おのれ!卑劣なーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は堪らず言葉を吐き出す。
 「その言葉。悦ぶ人は心底悦ぶわね」
 亜希江はさらに詰って愉しむ。
 「うう。うぬーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は口惜しさに藻掻き続ける。
 一人目がまたU字ワイヤーの鞭で右の乳房を狙って叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は痛みに空中で藻掻く。吊るされた腹が強く迫り上がる。
 
 「館山先生。この女性警察官は埼玉県警神谷悠乃警部補と字幕に出ていましたが」
 如月鬼堂は所属が気に成った。
 「ご存じ無かったですか。連続拉致強姦事件の専従班で中宮警視正の指揮下です」
 「なんと。そこまで大胆にやるか。挑戦と言うより苔にしているな」
 如月鬼堂は神谷悠乃警部補の行方不明は聞いていた。
 だが連続拉致強姦事件の専従班とは確認してない。もしかしてと思ったがその通りであった。
 
 鞭打ちのあと駿河問いの吊るしのまま床のフックから糸で引っ張った黒いクリップを五十本も躰中に鋏まれた。
 吊るしの高さを上げればクリップは白い肌を引き千切るように飛ぶ。それは一部蚯蚓腫れの上を鋏んでいた。
 亜希江らは料理を出してビールを飲み始める。神谷悠乃警部補を暫くそのまま放置していた。
 
 既にこの動画の公開以前に神谷悠乃警部補も亜希江と山井和徳もこの世に居ない。
 廃棄物収集運搬業が運んで乾式メタン発酵で処分されていた。
 躰の水分は蒸発され大量の動植物性残渣と一緒に発電用のガスと堆肥と成って完全に消滅している。
 永久に遺体も何も出て来ないのである。
 
 画面には躰のフロント面全体を下からクリップで鋏まれ苦しみ歪む神谷悠乃警部補の表情がアップに成っている。
 「そろそろ良いわね」
 亜希江は時間を計っていた。
 「これを引いて下さい」
 組織の男が山井和徳に勧める。
 「良いわよ。一気に引っ張って」
 山井和徳は縄に体重を掛けて一気に引っ張る。
 神谷悠乃警部補の躰は五十センチくらい引っ張り上げられた。
 一秒くらいの差でクリップは一気に神谷悠乃警部補の躰から引き抜け飛んで床に落ちる。
 「ぐがわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ががああーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は脚首を縛り合わされた脚を膝で互い違いに蹴る。腰は迫り上がって瞬間空中に固まる。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして強く弾ける。
 顔は究極に軋み歯を剥き出す。
 「ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに躰を硬い動きで揺すって暴れる。
 そして失禁した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は小水を垂れ流すとそのまま白目を剥いてしまう。
 壮絶な光景であった。
 神谷悠乃警部補の躰のフロント面全体にクリップで鋏んだ痕がくっきり残っている。さらに鞭で叩いた蚯蚓腫れから血が滲んでいた。
 失神したまま組織の二人で拷問椅子に移す。
 ベルトと縄で固定する。
 腕は椅子の背の後ろで手首を互い違いに縛り合わせた。
 「依頼人。完了です」
 組織の男が報告する。
 「これを塗って起こして」
 亜希江は金柑をたくさん絞っていた。
 「・・・・・」
 組織の男は神谷悠乃警部補の躰のフロント面を見てやや躊躇う。
 もう一人が手を出す。
 その両方の掌に掛ける。そして自分の手にも掛けた。
 「行くよ」
 もう一人が合図する。
 二人で両側に立つ。
 乳房と太腿に一気に掌を被せて両手を腹に向けて擦る。
 二人で左右同時である。
 「うごーーーーーーーーーーーー。うごーーーーーーーーうごーーーーーーーーーーーうごーーーーーーーーーーーーうごーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は一気に意識を回復して暴れ悲鳴を轟かせた。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に沁みる。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は頭を振って表情を破裂させて暴れ続けた。
 その日は麻酔を打って拷問椅子のまま寝かせる。
 亜希江らは最後の夜を飲み明かして僅かに眠った。
 
 動画は翌朝。
 神谷悠乃警部補は拷問椅子に眠らされたままである。
 鉄の箱の中に大量のコークスが燃えて鉄の棒とアームの先端に刻印が付いた物が真赤に焼かれていた。
 神谷悠乃警部補の乳輪の下にトランスから繋がった針を突き通す。左右両方である。
 さらにクリトリスの下にも潜らせる。
 そして頭にはステンレスのベルトが巻かれてそれもトランスに繋がっていた。
 さらに首に天井から下がった絞首刑の縄が巻かれる。
 「いいよ。やって」
 亜希江が組織の男に要求した。
 「はい」
 組織の男が瞬間トランスの電流を流す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補は瞬時に意識を回復した。
 「なに。これ」
 神谷悠乃警部補は躰に付けられた物に慄く。
 「これで処刑よ。選ばせてあげる。一つは絞首刑。一つは電気椅子擬き。一つはお○○こから焼き鏝を内蔵に突っ込んで死刑よ」
 亜希江は極めて感情を押さえて語った心算である。
 「以前に婦警がこんな殺され方しましたね。昔の言い方で暴走族みたいな若者に」
 組織の男が付け加えた。
 「どれを選んでもいいのよ。決めなければ貴女には絞首刑が正解かしら」
 亜希江は警察官だから日本の死刑が妥当と言う。
 神谷悠乃警部補はこう成るとほぼ感じ取っていた。
 「死ぬ前に三つ教えてよ。そのくらいはいいでしょ」
 神谷悠乃警部補は責めてこれまでの疑問を片付けたい。
 亜希江は撮影している組織の男を見る。神谷悠乃警部補の知りたい事は概ね分かる。
 組織の男は手元のノートパソコンを見た。首を縦に振る。
 「何」
 亜希江の声は落ち着いていた。
 「此処は何処ですか」
 「日本。内房」
 「貴女はどうやって日本に帰ったのですか」
 「如月鬼堂とかがアダルトテレビで言っていたでしょう。潜水艦よ。この下の海底から入ったわ」
 「・・・・・」
 「麻薬の密輸も一緒よ」
 「・・・・・」
 神谷悠乃警部補は暫く口が聞けなかった。
 「あと一つは」
 「何で若い女性を狙うのですか」
 神谷悠乃警部補は愉しみでは納得できない。
 「私はもう子供の産めない体なの。私のたった一人の息子が痴漢冤罪で電車に飛び込んだの」
 「何で冤罪と決めるの」
 神谷悠乃警部補は警察官の言葉に成る。
 「本物の痴漢が事態を見て名乗り出たのよ」
 亜希江の言葉は刺す様に強い。
 「復讐する相手はそっちじゃないですか」
 神谷悠乃警部補は痴漢だけが悪いと言う。
 「間違えて捕まえた女とその父親はその時の主人が日本刀で叩き斬ったわ」
 亜希江は神谷悠乃警部補の言葉に取り合わず怒りの言葉を叩き付けた。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 神谷悠乃警部補も思い当たる事件が有った。
 「正論を唱える美形の女なら誰でもいいの。私が成り立たないから何人でも拷問して痴態の羞恥を世間に晒して殺すのよ」
 「そんな関係ない人に復讐なんて。もっと社会に対して働き掛ける方法もあります」
 亜希江には全く関係ない正論でしかない。
 「貴女方の正攻法。命のダイヤルとか。はっはっはっは。そこに電話して借金が消えるの。逃げた恋人が戻るの。失った地位が回復するの。辛い辛い一から以前のマイナスからの努力しかないね」
 「だからって関係ない人に・・・・・」
 「私の納得は社会に復讐だけよ」
 「それじゃ貴女は社会に復讐なら核爆弾のスイッチが有ったら皆殺しにするのですか」
 「スイッチが有ったら押したいわ。でもそんなものはない。だから資産を叩いて復讐したの」
 「そんな」
 「もういいでしょう。最期に教えてあげる。貴女も私達も死体は全く残らない。乾式メタン発酵で動植物性残渣と一緒に処分される」
 「乾式メタン発酵。産業廃棄」
 「そう水分は蒸発。躰はガスと堆肥ね」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 「警察が頑張っても捜査が及ばない事が分かった」
 「ああーーー」
 神谷悠乃警部補はあまりの手口の大きさに驚愕して言葉も出ない。
 「やって」
 亜希江は二人の忍者姿黒装束に要求した。
 神谷悠乃警部補の首が吊るされて拷問椅子の戒めが外される。
 戒めが取れると同時に神谷悠乃警部補の躰は一気に吊るし上がった。
 山井和徳と亜希江は日本酒に毒を入れて乾杯する。
 このあと動画は編集されて日を置いて公開されたのである。
 もちろん最後の会話はカットされていた。
 
 
 最期のSM小説家 第四十幕 海外ツアーの悲劇 完 





 最期のSM小説家 第四十一幕 精密人間型ロボット

 二〇二十三年芒種下元。太陰太陽暦五月十四日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十三年七月一日。
 
 七月一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 朝から館山弁護士と本多椿が来ていた。
 「山井亜希江。以前は大河原祥平の妻でした。大河原祥平は息子の痴漢冤罪の報復で斬殺事件を起こして行方不明です」
 館山弁護士は事件の後で山井亜希江の調査を行っている。
 「川に身投げしたのでは」
 如月鬼堂もその事件を覚えていた。
 「遺体は上がっていません」
 「腹を斬った痕跡があったのでは。生きてはおるまい」
 「多分」
 「亜希江はその報復の延長を不特定多数に行っているの」
 本多椿は前の旦那が相手を殺しただけでは満足しなかったのと言いたい。
 「そうかもしれないな。あの異常なやり方はそれでやや理解が行く」
 「亜希江の一人息子の洋一には妻と子供も居ました。元妻の浪江はいま和歌山で働いています」
 「まさか。岬ビューホテル関連の」
 「そうです。旧姓に戻っていましたが。そこのSMコンパニオンでした」
 「それで亜希江と山井は日本に戻っていたのか」
 「いや。そこは何も」
 「しかし。山井氏は関係ないじゃないか。何の為に資産を叩いてまで協力するのだ」
 「まず山井氏は余命が無かったのです」
 「それだって」
 「山井氏に身内は居ません。そして亜希江は山井氏が女遊びするに目を瞑るだけではなくかなり協力していました」
 「それがいつか亜希江の報復と重なったか」
 「そんなところでしょうね」
 館山弁護士らの調査でも断片的にしか解明できない。
 
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 SM女優の下着のプレゼントに続いて今回から濡れたタンポンのプレゼントが始まった。
 如月鬼堂が高嶋波琉の女の部分に指を二本突っ込む。
 高嶋波琉は平べったく背のない奥行きが倍のベンチタイプのレザーのソファーに下半身を横たえていた。
 ソファーに片手を突いて上半身はやや斜めに立てている。
 女の局部はぎりぎり映らない角度で撮影していた。
 高嶋波琉は声を押さえている。究極に喘ぐ表情が画面に揺れ続けた。
 如月鬼堂は適度に濡れを確認してタンポンを挿入してしまう。
 「あはあ。・・・・あはあ」
 高嶋波琉は暫く呼吸を整える。
 如月鬼堂は続いて岡田有美を責めた。
 プレゼントはブラ、ショーツ、濡れたタンポンを真空パックである。
 「山井亜希江は八年前痴漢冤罪で電車に飛び込んだ会社員の母親でした。亜希江の元夫は間違えて訴えた女性を斬殺して自決しました」
 高嶋波瑠はタンポンを入れたままニュースを読む。腰にはフェイスタオルを巻いているだけである。
 「山井容疑者夫妻はT国に移住したまま日本には入国していませんでした。神谷悠乃警部補は館山市で行方不明に成ったまま動画の中で山井亜希江らに殺されました」
 岡田有美もフェイスタオル一枚である。その裾からタンポンに糸が僅かに垂れていてエロさを際立たせる。
 「鬼堂先生。今回の神谷悠乃警部補の拷問撮影が行われたのはやはり日本でしょうか」
 本多椿は打合せ通りに如月鬼堂に振る。
 「日本で行われたと思います。遺体の処分には都合上日本で行う方が良いと思います。私はこれまでの遺体処分の手段が日本に有ると思っています」
 「山井容疑者夫妻はどうやって日本に入国したのでしょう」
 如月鬼堂はこれまで通り潜水艦で地下の基地に進入する推測を続けた。
 「ストーカー殺人や交際中の別れ話で女性が殺されてしまう事件が相次いでいます」
 高嶋波琉がフェイスタオルの内側でタンポンを抜きながら読む。
 「警察は被害者に逮捕を決断して貰わないと手が打てないと言います。また法改正が必要とも述べています」
 岡田有美が続けた。
 「鬼堂先生。逮捕しても殴った程度では罰金刑で直ぐに釈放されて危険が増す場合もあるとも言われます」
 ここで本多椿が如月鬼堂に振る。
 「ここで規制をこれ以上強化する事は自然な人間関係を歪めてしまいます。今やナンパされただけで警察を呼ぶ女性まで出ています」
 如月鬼堂はここで一般世論に背を向ける。
 「それではストーカー殺人や交際のトラブルによる殺人は対応できないですね」
 「私は逮捕とか規制とかではなく。危険が感じられる件に関しては男性を規制して人権を剥奪より外から見張って女性を警護するべきと思います」
 「遠隔から警護して殺害行為に出たら未遂で逮捕ですか」
 「そうです。そこまで至れば現行法でもかなりの拘束が可能です」
 もうここ一、二年如月鬼堂の発言は特異なものとされてアダルトチャンネンルの範囲と非難は来ないのである。
 
 七月九日。
 さいたま市大宮区宮町。
 三輪三千夫は事業に成功してようやく貧乏から逃れさらに庶民からも解放された。
 貧乏ながらSEをやってやや成功する。月七十万の単金というやや高い給料で三年働いて資金を作った。
 蓄積だけではない。
 キャピタルゲインと為替差益で膨らませた。
 政府がドル売りする直前にドル売り円買いする。
 八十円台で買ったドルを百五十円で売ったのである。政府と一緒にぼろ儲けした。
 だが手を出したのは風俗業である。
 三輪三千夫は如月鬼堂に憧れた。SMが生甲斐である。
 そのSMクラブを開業した。
 中古マンションのルームを幾つか買い取って事務所とプレイルームを作った。宣伝費を掛けてもたいした事は無い。
 ホームページは自分の技術で作る。
 費用が掛かるのは女性の借金の肩代わり。バンスである。
 バンスで女性を縛って働かせる。
 ハードSMを謳い文句にしていた。
 女性はそれなりに集まって客も一気に集まる。コロナも開けて順調に稼げる体制である。
 何よりも自分が愉しみたい。
 影のオーナーに成りマネージャーを雇った。
 そして一人の女に目を付けている。
 その女性を指名して客として来ていた。
 マネージャーと打合せ済みである。
 事務所に女性と客を呼んで料金、プレイ内容の打合せを行う。
 「此処でプレイ内容について打合せをされてからがよろしいと思われます。後でこれはメニューに有るのに拒否されたなどの事が無いようにです」
 マネージャーは毎回同じ事を言っている。
 実際に現場で女性が辛いプレイを上手に逃れて金額に見合わなくする事を防いでいるのである。
 一方プレイを超えた危険な客を抑止もする。
 「スーパーハードコース基本料金六時間十五万がございます。これにオプションで如何でしょう」
 マネージャーが三輪三千夫に提案した。打合せの通りである。
 「うん」
 三輪三千夫は軽く応じる。
 「撮影はインターネットに公開したり販売したりしない条件で顔、局部撮影OKで追加十万です。動画、静止画を問いません」
 「うん」
 呼ばれた女性は紀咲槙乃という。丁度三十に成る。源氏名をますみで出ていた。細身で大人顔の美人である。
 三輪三千夫は虐めたい加虐心を滾らせていた。
 既に紀咲槙乃はクラブのサイトに乳首まで公開している。
 「スーパーハードコースでは鞭はバラ鞭無制限。一本鞭は前鞭十回までです。局部は別途。顔はビンタのみで五発までです」
 「オプションは」
 「乳房一本鞭無制限で八万追加。局部を含む無制限で十五万追加です」
 「それじゃ十五万追加だな」
 既に四十万である。
 紀咲槙乃は慄いている。
 「他にご要望は」
 「ビンタは」
 「無制限には五万追加です」
 「剃毛は」
 「一万です」
 「鞭の痕に檸檬か金柑を塗りたい」
 「え、ええーーー」
 紀咲槙乃は恐怖の表情に成る。
 「それも五万追加です。よろしいですねますみさん」
 これで五十一万である。
 「はい」
 拒否したいが飲み込むような返事である。
 「他には」
 「羞恥責めを希望する」
 「それは特に追加は」
 「部屋に入ったら躰を洗わないで服を脱がせてクスコを使いたい。粕を取るところも撮影したい」
 「え、ええ」
 紀咲槙乃はとんでもないという表情である。
 「ますみさん。これはハードでも躰に痕が付くわけでも極端に痛い訳でもありません。受けていただけますね」
 マネージャーは当然の事と強く念を押す。
 「は、はい」
 紀咲槙乃は堪らなく嫌だが五十一万である。全額が紀咲槙乃の取り分と成る。客はクラブにその三割の手数料とルーム代を支払う。
 仕方なく応じてしまった。
 三輪三千夫はルーム代と撮影設備使用料を含めて七十八万を支払う。
 そのままルームに移動した。
 紀咲槙乃は心臓がバクバク鼓動を打っている。
 通常は二時間のハードで六万くらいである。二人付いても十二万。それが一日置きなので五十一万は一週間分以上の稼ぎと成る。
 相当に辛そうだが耐えるしかない。
 ホテルの部屋に入ると三輪三千夫は紀咲槙乃の躰を押さえて手首を縛って柱に押し付ける。
 柱の上から下がったフックに手首の縄を引っ掛けて手を上から吊ってしまう。
 爪先は床に着いていた。
 三輪三千夫は紀咲槙乃のブラウスのボタンを外して前を開けてブラを外して乳首まで丸出しにする。
 カメラは正面から撮影していた。
 スカートも落とす。
 肩からブラウスが引っ掛かっているが下半身はストッキングにショーツが包まれた姿である。
 これもスタイルが良ければ女の姿として美しい。
 三輪三千夫はストッキングをゆっくり脱がして汗の濡れを確認した。
 ショーツも脱がして股間の濡れを指で確認する。
 紀咲槙乃は恥ずかしさに顔を叛けた。
 三輪三千夫はそのまま紀咲槙乃の肩を抱いて唇を貪る。
 紀咲槙乃は当然受け入れるしかない。
 三輪三千夫は手首の縄をフックから外して一度縛りを解く。
 紀咲槙乃を拷問椅子に乗せる。
 カメラは台車に乗っているので簡単に角度を変えられた。
 膝と腰を縄とベルトで固定する。腕は椅子の背の後ろに回して手首を互い違いに縛り合わせた。
 ハンドルを回して股間を限界まで広げる。
 「あはあ・・ああ」
 紀咲槙乃はやや辛い息遣いを漏らす。自分の一番恥ずかしい部分がアップで映っていたのである。
 カメラの撮影内容は二か所のモニターに映っていた。
 如月鬼堂のビデオや犯罪でばら撒かれた動画で勉強して三輪三千夫の好みでプレイルームの構造や設備を作った。
 紀咲槙乃はまだそんなにプレイの回数をこなしてない。ほぼ素人同然なのである。
 三輪三千夫は紀咲槙乃の一番恥ずかしい部分を指で広げる。
 「あ、ああ」
 紀咲槙乃は目を瞑って強く顔を逸らせた。
 ピンクの内側の粘膜から綿棒の耳掻き部分で粕を掬い取ってガラスの板に載せた。
 「え、ええーー」
 これも確り動画に収められてしまう。
 三輪三千夫はドテと大陰唇の陰毛にローションを掛ける。
 一枚刃の剃刀でドテから剃って行く。
 紀咲槙乃は刃が怖いので今度は画面を凝視していた。
 陰毛が剃り堕とされて紅の強い皮膚が剥き出しに成る。二人だけと雖も堪らなく恥ずかしい。
 三輪三千夫は剃り終わると股間部分をガーゼで綺麗に拭く。
 「剃ると綺麗な女の部分だぜ」
 「いやあーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は悲鳴の様に拒絶する。
 濃い密林の股間部分であった。剃った後の周りの皮膚より濃い紅さが際立つのがショックである。
 紀咲槙乃は色白というよりは僅かに濃い皮膚の色だがその部分は際立つ。
 三輪三千夫は剃った後の完全に剥き出しに成った紀咲槙乃の女の部分のびらびらをもう一度広げた。
 「綺麗だよ。ま○こが」
 「いやあーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 慣れたSM嬢なら無言か笑って済む。
 紀咲槙乃は恥ずかしさに神経の奥から疲弊していた。
 三輪三千夫はクスコを膣口から挿入する。
 中はそれなりに濡れていてすんなり奥まで入った。
 紀咲槙乃は目が点に成って恥ずかしさに顔は紅潮して口許は歪んでいる。
 三輪三千夫はクスコの螺子を回して目一杯広げた。
 レーザーを調性してカメラの横からクスコの中を照らす。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は恥ずかしさに表情を崩し切って声を上げてしまう。
 慣れてしまえば愉しめない女の感情の起伏である。
 三輪三千夫は心底悦んでいた。
 「あはあーーーーー。・・・・・あはあ。・・・・・あはあ」
 紀咲槙乃は恥ずかしさに堪えられない吐息を漏らす。
 今度はロングスプーンを取り出した。
 「え、ええーーーーー」
 紀咲槙乃は恥ずかしさにどうにも堪らない。
 膣の中には白い雲の様なゼリー状の汚れが見える。三輪三千夫はそれを掬いだしてガラス板に載せた。
 「よく見て」
 三輪三千夫は紀咲槙乃の目の前に翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。みたくなーーーい」
 紀咲槙乃は恥ずかしさと辛さに首を振る。
 三輪三千夫はとことん中を掬って汚れを取り出した。
 「あーーーーーーーーあん。もう。いやあーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は恥ずかしさの極致に疲弊している。
 大人顔の三十女が少女の様に恥ずかしさに悶える姿に三輪三千夫は加虐心を満足させた。
 今度は吸収シートを床に敷く。
 さらにボウルを受ける。
 クスコを抜いて女の部分を指で広げた。
 「おしっこしてよ」
 三輪三千夫は要求する。
 「えーーーーーーーーー。そんな。この状態じゃ出ないです」
 紀咲槙乃は無理と訴える。
 「出るまで待つよ。開いて尿道口から直に出るところを見たいのだよ」
 三輪三千夫は何としてもこの羞恥の姿が取りたいのである。
 「冷やしてやろうか」
 冷蔵庫から冷えたビールを持って来てドテの上に置く。
 「ああ」
 それでも紀咲槙乃は出すしかないと観念して股間の意識を緩める。それでもなかなか出ない。
 三輪三千夫はビールを取り換えてさらに冷やす。
 それでもなかなか出ない。
 三輪三千夫はビール瓶でドテを強く擦る。
 「う、ううーーーーー」
 暫く擦ってようやく流れ出した。
 今度は止まらない。ボウルから外れて吸収シートに落ちる。
 全部出し終わって僅かにボウルに流れ込んでいた。
 「良いものが撮れたよ」
 三輪三千夫は拷問椅子の戒めを解く。
 「十五分やる。シャワータイムだ」
 紀咲槙乃はほっとした様に拷問椅子から降りて浴室に消えた。
 だがハードプレイはこれからである。今度は痛い思いをさせられると思うと穏やかには居られない。
 浴室から出たくない。十五分は短い。
 怒らせてはならない。呼ばれる前にタオルを巻いて出た。
 まだ時間は一時間しか過ぎてない。
 三輪三千夫は既に鞭を準備している。そしてカメラは十字架に向けてセットされていた。
 「何か飲んで一服して」
 思い掛けない言葉が返って来た。
 「ああ。はい」
 紀咲槙乃は戸惑った返事をしてしまう。
 「冷蔵庫から好きなもの出して」
 そう言って三輪三千夫もビールを飲む。
 紀咲槙乃が働かなければ成らなかったのは死んだ夫の負債である。
 商売は上手く行っていると思っていた。
 だが整理すると負債が残ってしまう。紀咲槙乃に商売の引継ぎはできない。技術的職業である。
 債権者は容赦なく請求して来た。
 家とかを整理して一千万くらいが足りない。
 本来相続放棄を掛ければ済んだのである。
 だがその期限の三か月を過ぎてしまった。それ以前に紀咲槙乃は相続放棄する事さえ知らなかったのである。
 風俗で働く条件でレディース金融から借金しようとしたが仕事先が決まってから来てくれと言われてしまう。
 行き当たったのが今のクラブだった。
 そしてレディース金融から借りなくても無利息でと提案される。内容を聞いて辛いと思ったがレディース金融の金利は高い。
 唯々諾々働くことと成る。
 子供が小さい。債権者に何度も来られるのは堪えられなかった。
 「さあ。一時間半くらい泣いて貰おうか」
 三輪三千夫が立ち上がる。
 「残りの時間は」
 「まさか。四時間半も叩き続けたら救急車ものだ」
 「それじゃ」
 「まあ。寿司でも取って飲みながら君の恥ずかし過ぎる動画を一緒に観賞しよう。最後にお別れのビンタだけさせてくれ」
 「ああ」
 紀咲槙乃はやや安堵したが一時間半でもそれは凄い拷問であった。
 まずは十字架に磔にされる。
 十字架の横柱の端に手首を縄でぐるぐる巻きにされた。
 腕は全く抜けない。
 右の脚首だけ十字架の根元に縛られた。何故か左脚は動く。
 態と痛みに藻掻く紀咲槙乃の姿を愉しみたいのである。
 三輪三千夫は鞭で無制限の金額を払っている。だが鞭はスーパーハードの倍くらいしか予定してない。その先が愉しみなのである。
 最初は先端が細長い一本鞭を持つ。
 三輪三千夫は実質のオーナーである。あまり強い痕は付けたくない。何日も休業させては売上に響く。
 斜め横に立って乳房を二つ横に並べて薙ぐ。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の左膝が蹴り上がって背中が強く屈む。
 「うう、ううーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は膝を蹴り上げたまま藻掻く。
 三輪三千夫は二発目を構えた。
 紀咲槙乃は辛い表情で踏ん張るように身構える。
 鞭は的確に乳房を横に並べて薙ぐ。
 「ぐぐ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の左膝はまた強く蹴り上がる。
 お尻は十字架が強く軋むくらい後ろに突っ張っていた。
 一発目の鞭の痕が僅かに蚯蚓腫れに成り紅い筋が浮いてくる。
 三輪三千夫は太腿に狙いを定める。
 今度は艶めいた部分を二本揃えて薙ぐ。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は左脚をくの字に右の太腿を庇うように重ねて躰を震えさせた。
 三輪三千夫は一本鞭の先端が四角いスパンキングに成った物に持ち替える。
 痕を付けるのはこのくらいで良い。あとは叩く愉しみを満喫すれば鞭は充分である。
 鞭の先端を乳房に被せるように叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 巨乳ではない。垂れるほど柔らかくもない。掌にややはみ出すサイズである。叩いた感触は充分満足できる。
 三輪三千夫は乳房と太腿を三十回くらいずつ叩いた。
 後は女の部分を叩きたい。
 一旦十字架の磔から降ろす。
 そのまま手を引く。躰を引き寄せる。
 柔らかい革の蠅叩きの様なスパンキングだが乳房をもろに叩かれれば相当に痛い。それが三十回である。
 顔は涙と汗に濡れていた。それを弄るようにガーゼで拭く。
 「うう」
 紀咲槙乃は瞬間顔を逸らせた。
 「拭かせろ」
 紀咲槙乃はプレイと思い直して顔を向け直す。
 三輪三千夫は涙と汗を吹き落として唇を強く貪る。
 そのまま抱き上げて拷問椅子に乗せてしまう。
 股間を九十度開いた状態で縄とベルトで固定した。
 女の部分は無防備に丸出しに晒されて躰が固定されていて避ける事も庇う事もできない。
 三輪三千夫は先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭を持ている。
 ピンポイントに閉じ合わせた二枚の粘膜を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰が瞬間弾けて強く軋む。悲鳴と共にそのまま沈む。
 三輪三千夫は二発目を構える。
 興奮度は最高潮である。
 紀咲槙乃の躰は微妙に震えていた。
 三千夫は二発目を振り下ろす。やや縦斜めに小陰唇を叩いていた。
 「うーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は躰を硬くして藻掻く。
 三輪三千夫は叩いた感触でその充実感に浸る。
 
 埼玉県川越市。
 ミニパトは十六号の一本内側の対面一車線の歩道のない道を走行していた。
 突然女性に呼び止められて横道に入る。
 脇道を二回曲がって黒いライトバンの横に女性警察官姿の女が立っていた。
 ミニパトから二人の女性警察官が下りる。
 「どうしました」
 黒いライトバンの横に居た女性警察官がその方を向く。
 何とミニパトから降りた一人と全くそっくりである。
 「貴女は」
 その瞬間ライトバンの横の女性警察官と呼び止めた女がミニパトの二人に襲い掛かる。
 拳で鳩尾を一発。
 二人とも意識を失う。
 運転席にいたもう一人も降りて手伝う。
 立っていた女性警察官とそっくりな一人に麻酔を打つ。
 そのまま寝袋の様な袋に詰めてしまう。これは人の匂いを外部に漏らさない材質でできていた。
 それを黒いライトバンの中の棺サイズのダンボール箱に収める。
 棺サイズの段ボール箱はライトバンの後部座席を片側倒して積まれていた。
 もう一つの段ボールに呼び止めた女性を収めてその上から載せる。
 もう一人の女性警察官を気絶させたままミニパトの助手席に乗せた。
 黒のライトバンが先行する。
 運転して来た女性警察官にそっくりな女性警察官が運転して出発する。
 ミニパトは途中で川越市内の空き家に成っていた農家の駐車場に入った。
 そこで運転して来たそっくりの女性警察官が意識を失っている女性警察官に注射を打つ。
 ミニパトはそこに放置してしまう。
 そっくりな女性警察官はライトバンの後部座席に移る。走りながら警察官の制服を脱ぐ。
 さらに川越市内の空き地でパッカー車と接続して女性警察官を入れた箱だけパッカー車に移す。
 パッカー車に積んで来た同じ大きさのダンボールにそっくりな女性警察官を下着姿で収めた。
 そのままライトバンは出発する。
 パッカー車も別方向に向かった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 外は曇り空だが気温はそれなりに暑い。
 冷房を利かした室内で炉端焼きと生ビールで飲んでいた。
 「新しい拉致の方法が始まった。今回我々は編集と拡散。そして遺体処分だけだが」
 川口の会長から爆弾発言が始まる。
 「あっちの組織が単独でやるとか」
 葬儀会社の社長である。
 「そうだ。冤罪者の班が鬱憤晴らしと報復だ」
 「まあ。それならぼろを出す事はあるまい。高みの見物だな」
 医者の男は炉端でホタテを焼いていた。
 「それで新しい拉致の方法とは」
 「これを見て」
 川口の会長はモニターに録画を出す。
 「たった今行われた」
 女性警察官一人拉致。一人殺害放置シーンである。
 「女だけで」
 葬儀会社の社長は女が担当に注目した。
 「よく見てくれ。何か違わない」
 「これまさか。人間型ロボット」
 最初に印刷会社の社長が見抜く。
 「そうだ。ダッチワイフの骨格を二足歩行ロボットに入れ替えた」
 「うーーん」
 葬儀会社の社長は唸りながら動画を見る。
 「如月鬼堂の愛好会の幹部に福冨麻次郎と言うのが居る。そいつの風俗店で風俗嬢モデルにして動くダッチワイフとして販売していた」
 「それを使ったか」
 「そのダッチワイフはボディガードにも成る。その設計図を奪ってさらに改造した」
 「それは面白い。婦人警官が拉致対象では子宮は取らないな。遺体処分だからな」
 医者の男はそれが残念である。
 
 大宮市宮町のマンションのプレイルーム。
 紀咲槙乃は三輪三千夫に拷問椅子に磔にされたまま女の部分を叩かれて涙を流し続けて遂に失禁してしまった。
 三輪三千夫の悦びは佳境である。
 シャワータイムを与えられて浴室からバスタオルを巻いて出て来た。
 「鰻と寿司どっちが良い」
 三輪三千夫は食事休憩の態勢である。
 「ありがとうございます。私はどちらでも」
 「それじゃ寿司でいいね」
 「はい」
 三輪三千夫は冷蔵庫からビールを出す。
 「バスロープを着た方が良い。出前とビールの追加を頼んだのでマネージャーが来る」
 「はい」
 三輪三千夫はスーツ姿のままである。紀咲槙乃だけパスロープを羽織る。
 「綺麗に撮れていたぞ」
 三輪三千夫は紀咲槙乃の躰を自分の体に寄せてモニターに録画を映し出した。
 「えーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は自分の脱がされる姿が映っただけで恥ずかしさに表情を崩す。
 「綺麗だよ」
 モニターには剃毛されてパイパンに成った紀咲槙乃の女の部分がアップに成っていた。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は恥ずかしさに両手で顔を覆う。
 そこに出前とビールが届いたので一度モニターを止める。
 
 埼玉県警川越署ではミニパトが一台警邏中に行方不明と成り大騒ぎと成っていた。
 行方不明に成ったのは小宮仁美巡査と河口春香巡査部長である。
 「位置情報が切れています」
 「最後に確認された場所は」
 「十六号をロジャースの角を過ぎて広栄町南の信号を入ったあたりです」
 「其処から位置情報が切れているのだな」
 「そうです。その地点には何の痕跡も有りません」
 
 大宮市宮町のマンションのプレイルーム。
 食事が終って三輪三千夫は紀咲槙乃をもう一度全裸にした。躰を弄りながら録画の続きを見る。
 「ここからだよ。君のお○○この奥が見えるよ」
 三輪三千夫は態と言葉にして紀咲槙乃の恥ずかしさを突く。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあ。みたくないーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「じっくり一緒に見て恥ずかしさを噛みしめるのもプレイの内だよ」
 「え、ええーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は恥ずかしさに紅潮した顔を手で覆っている。
 「そら粕を掬いだす部分だよ」
 三輪三千夫はそう言って紀咲槙乃の顔を無理やりモニターに向けてしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は躰を揺すって藻掻く。
 三輪三千夫はその唇を強引に重ねて貪る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 離すと紀咲槙乃は荒い息遣いに成る。
 三輪三千夫は終わる時間の少し前にビンタを十発くらい叩いてまた紀咲槙乃から涙を溢れさせた。
 車代に十万包んでやる。
 「次は朝から躰を洗わないで愉しませてくれるか」
 数秒の沈黙が流れる。
 貰った金額を考えればこれを受ける方が良い。
 鞭の回数は少ないが二時間八万で内容はそんなに変わらないプレイをされてきた。それを考えれば仕方ない。
 「はい」
 言葉を飲み込むような返事に成ってしまった。
 
 その後ミニパトは二か所の防犯カメラに河口春香巡査部長が運転する姿が確認された。
 そして空き家の敷地の中で発見される。
 中には小宮仁美巡査が遺体で発見された。
 警察犬で河口春香巡査部長の行方を追おうとしたがこの場所から匂いが確認できない。
 日曜日の夜の報道番組で初めて事態が報道された。
 
 七月十日。
 河口春香巡査部長は群馬県の山奥で人の行かない部落の地下要塞に運ばれた。
 此処は川口の会長らの依頼で拉致や拷問を手伝う闇組織の一拠点である。
 その後も追跡中のパトカー行方不明や通勤中の女性警察官が行方不明など他に三名の女性警察官が拉致された。
 四人ともこの地下要塞に監禁されている。
 夕方から夜に掛けての速報では順次被害者が増えて都合四人の行方不明が報じられた。
 連続拉致強姦事件の犯人に関連した拉致が疑われる。
 当初行方の判ってない河口春香巡査部長が小宮仁美巡査の殺害に関して何かを知っているとの見解であった。
 完全に一転して河口春香巡査部長も拉致されたとの見解に変わる。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、本多椿とテレビ会議が繋がっていた。
 「犯人は途中で河口春香巡査部長だけ降ろして別の車で拉致した。この空き家までミニパトを運転して来て小宮仁美巡査を殺害して遺棄した」
 如月鬼堂は報道内容を断片的に集めて推測する。
 「この二人の女性警察官が乗ったミニパトが位置情報を絶ったのが広栄町南の信号付近です。その後二か所の防犯カメラに河口春香巡査部長の運転する姿が確認されました」
 館山弁護士が得た情報からである。
 「それじゃ二つ目の防犯カメラとミニパトが放置された空き家の途中で河口春香巡査部長が拉致された訳だな」
 「それが違うのです。警察犬の追跡で小宮仁美巡査の痕跡は広栄町南付近から遺棄現場まで繋がっていました。ですが河口春香巡査部長の痕跡は広栄町南で消えていました」
 「それでは防犯カメラに河口春香巡査部長の姿が映っていたのは不自然だな」
 「そうなのです」
 「まさか防犯カメラがAI画像とか」
 「それも無理がありすぎます。防犯カメラは民間の物ではありません」
 「不審車両を追跡したミニパトは二人とも行方不明だな」
 「そっちも不思議な事があります。ミニパトの乗り捨てられた場所まで二人の女性警察官の痕跡が無いのです」
 「これまでも警察犬の追跡は皆無だったな」
 「そうですが。拉致される前に痕跡が消えてしまうのは」
 「また謎だな」
 如月鬼堂も謎に包まれる。
 
 群馬県の山奥で人の行かない部落の地下要塞。
 黒い暗幕に囲まれた部屋。天井からのスポットライトが拷問椅子を照らしている。
 水色の鉄パイプで組まれた拷問椅子である。
 脚は百二十度に広げられて脚首と膝で四本の短い鉄パイプを四角く組んでがっしり押さえられている。
 お尻がぎりぎりの大きさの座に乗った状態である。
 背中の後ろは幅十センチの背凭れに押し付けられ手は上に長く左右やや扇型に伸びた鉄パイプに手首と肘を固定されている。
 全裸で磔にされている犠牲者は埼玉県警刑事課の宮藤遥巡査部長である。
 通勤中に近付いて来た河口春香巡査部長とそっくりな女性に裏道に誘導され拉致された。
 忍者姿黒装束は六人である。
 内二人は撮影を担当する。
 さらに河口春香巡査部長と宮藤遥巡査部長にそっくりなアンドロイドが女性警察官の姿で立っていた。
 その宮藤遥巡査部長のアンドロイドが電子鞭で起こす。
 電子鞭は乳輪を直撃していた。
 「う、うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は焦点の定まらない目を凝らす。
 正面からのスポットライトが照らされる。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は忍者姿黒装束と自分にそっくりな婦人警官に一気に驚く。そして拘束された躰を揺すって藻掻く。
 「ふっふっふ。驚いたでしょう。でももうどうにも成りません。状況は判りますね宮藤遥巡査部長」
 アンドロイドの声も宮藤遥巡査部長にそっくりである。
 「あ、ああ。貴女は何者」
 「まだ解らない」
 宮藤遥巡査部長は自分そっくりの女の姿をまじまじと見る。
 アンドロイドは制服を脱いでゆく。
 ブラジャーを取ると乳房や乳輪、そして乳首の色は違う。首以外は標準女躰である。
 宮藤遥巡査部長の乳房が大きい。そして僅かに垂れ気味である。乳首の色も鳥のトサカの様に赤い。
 標準女躰は薄紅。乳房は標準サイズのCカップである。
 さらにスカートも脱ぎストッキングもショーツも取る。
 股間の形は自然な宮藤遥巡査部長も綺麗だが標準女躰は完璧にマネキン仕様である。
 もう一人河口春香巡査部長のアンドロイドも全裸に成る。首から上以外は全く同じ全裸である。
 「えーーーーーーーーー。ひょっとしてロボット」
 宮藤遥巡査部長は懐疑的な表情でそう呟く。
 「ご名答ですな。何に騙されたかお分かりですね」
 今度は忍者姿黒装束の語り手が宣告する。前回もこの語り手の男が担当していた。
 「目的は何。何で私を」
 宮藤遥巡査部長は怒りに滾っていた。
 「我々は日本社会から弾き出されたアウトローの集団だ。戸籍を持たない者。冤罪者。刑期を終えてまともに社会復帰の許されない者も居る」
 「連続拉致強姦事件の六人ね」
 「あの依頼人六人とは別の組織だ。これ迄に依頼を受けて協力はした。我々は冤罪者の班だ。既に戸籍は抹消されている」
 「・・・・・」
 容易ならない存在である。宮藤遥巡査部長は驚きに言葉が出ない。
 そして目の前にこれ迄に世間を騒がせてきた犯罪組織の一部が居る。
 「これは俺達独自の日本社会と警察への報復だ」
 語り手の男は淡々と抑揚のない口調である。
 「それで私がその報復のやり玉なの」
 宮藤遥巡査部長にも概ねの事態は確認できた。
 「そうだ。お前の他にあと三人確保した。全部今のアンドロイドを使って」
 「そんな」
 「人間より格闘能力は高い。お前も一発殴られて気絶しただろ」
 「ああ」
 宮藤遥巡査部長は自分にそっくりな女に殴られて今まで意識がない。
 「女の皮は被っているが男のプロレスラーより強い」
 「それだって捕まるよ」
 宮藤遥巡査部長は咄嗟に出た反論を返す。
 「捕まったら自爆する。もっと被害甚大だな」
 警察は此処に辿り着けるのか。これ迄に警察犬の追跡も不可能だったと聞いていた。
 「それではこれから世界にばら蒔くAV動画の撮影を行う。刑事課巡査部長殿の無修正AVでございます」
 「おのれー。ふざけるな」
 「至って真面目でございます。ばら蒔けば警察の威信はズタズタ。巡査部長殿の恥ずかしすぎる姿は同僚、幹部、後輩までご鑑賞と成ります」
 「あ、ああーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はどうにもならない事態に慄くばかりである。
 
 七月十一日。
 越後湯沢。如月鬼道の居間。
 朝一番杉下一行がメールを送ってきた。
 行方不明に成っていた女性警察官の一人の拷問動画が公開されたのである。
 如月鬼道は予期していたのか既にシャワーを浴び朝食の冷やし月見狸饂飩を作り終えていた。
 天かすは惣菜屋から取り寄せ卵は黄身だけ生で載せ白身は茹でる拘りようである。
 珠洲と瀬里菜はサンドイッチとコーヒーで珠洲がサンドイッチを作り瀬里菜がコーヒーを淹れる。
 館山弁護士、本多椿ともテレビ会議が繋がった。
 「まったく同じ演出ですね。忍者姿が四人です」
 本多椿は拷問現場全体が流れたところでそう言う。
 「これ迄と違うのは白昼堂々と拉致しています」
 館山弁護士は拉致のやり方が大胆に成ったとの見解である。
 「女性警察官を狙って白昼堂々と拉致か。警察への挑戦か。それとも報復か」
 如月鬼道は犯人の意図をそう絞る。
 画面では鉄パイプで組まれた拷問椅子の上で宮藤遥巡査部長は顔をカメラから反らそうとしていた。
 その宮藤遥巡査部長の頭を後ろから一人の忍者姿黒装束が無理矢理押さえて前を向かせる。
 「うぬうーー」
 宮藤遥巡査部長は藻掻くがきっちり前を向かせられてしまう。
 全身のヌードから丸出しにされた乳房をアップにされ下半身のアップへと下がってゆく。
 極端に広がった股間には二枚細く閉じ合わせた小陰唇の粘膜がくっきりその姿を晒す。その下にアナルの蕾も確認された。
 忍者姿黒装束が二人で広がった左右の太腿の後ろから小陰唇を大きく広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こらあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は無駄でもそう叫ぶしかない。
 丸出しに成った薄橙の粘膜と尿道の小さな亀裂、膣口を暫くアップのままにした。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こらあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「綺麗なま○こですよ。膣の入口が複雑に襞で閉じていてなかなか見応えもあります」
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らす叫ぶ。
 二人の忍者姿黒装束が左右から宮藤遥巡査部長の膣口に指を入れる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。強制わいせつだあーーーーーーーーー」
 二人の忍者姿黒装束は宮藤遥巡査部長の叫びを無視して構わず左右から膣口を大きく広げてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こらあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らない屈辱に慌てふためき喚き散らした。
 もう一人の忍者姿黒装束がクスコを翳す。
 「あーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長にも何をされるか充分に分かる。
 「今度はその美しいピンクの使用頻度の少なかったお○○この奥の奥を撮影させて頂きます。
 語り手の男は詰るように宣告した。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。凌辱魔。変態魔。幼稚な男の浅墓な行為だーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はどうでも叫び続けて言葉の抵抗しかない。
 「何とでも仰い。我々は貴女を屈辱と羞恥のどん底に堕として社会にその刻印を押すだけです。たくさんの人が密かに永久保存いたします」
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はこのままではどうにもな成らない。警察が辿り着いてくれる可能性は低いと思わざるを得ない。
 拉致されて犯人らの組織の大きさを感じつつある。
 既に耳たぶまで躰の熱さを感じる。怒りに滾っているがそれを破裂させるだけしかない。
 宮藤遥巡査部長の膣にクスコが挿入された。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は怒りに声を上げるだけである。
 忍者姿黒装束は螺子を回してクスコを広げる。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は無駄でも叫んでしまう。
 クスコの中をレーザーで照らされる。
 「あ、ああーーー」
 正面のモニターに自分の大股開きの全裸が投影されていてその下にもう一枚のモニターにクスコの中が拡大表示された。
 宮藤遥巡査部長はそれに悲鳴を上げたのである。
 忍者姿黒装束はクスコの中にロングスプーンを突っ込む。これも連続拉致強姦事件の犯人らのやり方である。
 「あーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は強烈に叫ぶ。
 「巡査部長殿のお○○この奥がたっぷり汚れておりますのでそれを公開するのでございます」
 語り手は猫撫で声で詰り口調である。
 忍者姿黒装束は膣の奥から滑った分泌物を掬い出す。
 「いやーーーーーーーーーー。なんてこと。何でこんなことするーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は驚愕の羞恥に狼狽して叫び喚く。
 「巡査部長殿。これまでの動画と同じですよ」
 語り手はこれが普通という態度である。
 「そんなもの見るわけ無いだろ」
 「おやおや。警察内部で検証されないのですか」
 「その捜査に携わってないから見ないよ」
 「横流して見るのは男性だけなのでしょうかね」
 その間にも忍者姿黒装束はもっと掬い出し続ける。
 「こらーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長はさらに強く叫ぶ。
 「充分に取れましたよ。巡査部長殿」
 語り手は詰り続ける。
 「やめろーーーーーー」
 「もう充分に取れましたよ。どうですスクリーンを見て下さい。なかなか生々しい汚れが」
 語り手は態と充分にを繰り返す。
 「おーーーーーのれーーーーーーーーーー。絶対に逮捕してやる」
 「巡査部長殿。それは無理と云うものですよ」
 語り手はさらに舌舐めずりするように詰り口調で揶揄う。
 「うぬうーーーーーーー。くそーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は怒りにわなわな震え藻掻く。
 藻掻くと拷問椅子は撓るように揺れる。固定されている躰に強い不安定感を覚えさせた。
 「おやおや。エリート警察官がそんな言葉を吐いて宜しいのでしょうか。その言葉も公開されます」
 語り手は益々嬉しそうである。
 「おのれ。何としても逮捕してやる」
 宮藤遥巡査部長の言葉だけは決意が籠っているが現実は頼りない。
 「これ迄我々の関連で捕まった者は居りませんよ」
 語り手は覆面の下で哂う。
 「それだって捜査は続いているのよ。いつか必ず捕まえる」
 宮藤遥巡査部長は少し開き直ったか強気で断言する。
 「はあっはっは。毎回違う者が担当します。担当した者は二度と下界に降りません」
 「いつか此処に乗り込むよ」
 宮藤遥巡査部長はまだ強気で言い返す。
 「はっはっはっは。此処一か所では御座いません。日本の警察権の及ばない場所にも御座います」
 語り手は得意そうに語るが後半は嘘である。
 「あ、ああーー」
 だが宮藤遥巡査部長はR国の事件を思い出す。そしてその地理的矛盾も謎が解けてない。
 忍者姿黒装束二人がマイクロローターを翳した。
 リモコンから伸びたアームの先端にL字に長さ十ミリくらいの小さなローターが付いている。
 これで女の一番敏感な部分をピンポイントに責めるのである。
 「これが何だか解りますか。これが動画に出て来る度に何処かを出所と勘違いして捜査をされます。あっちのグループが作っているのですがね」
 嘘ではない。毎回買ってルートを追跡されるような事はしない。
 忍者姿黒装束が宮藤遥巡査部長の膣に刺さったクスコの角度を変える。
 マイクロロータの先端を突っ込む。一人が膣天井部。一人がその反対側の奥を狙う。
 「う、うう、ううーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らず声を上げてしまう。
 二人の忍者姿黒装束は淡々と同じ責めを続ける。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は責めから逃れようと藻掻く。
 だがここまでの強気の反論に比べて抵抗力は無い。
 
 「やはりマイクロロータはコピーだったのですね」
 杉下一行は毎回無駄と判っていて調べに来る警察が忌々しい。従業員が時間を取られるのが腹立たしいのである。
 「だが最初の一個は購入している。最もそこからあのグループに辿り着くのは決め手がない」
 如月鬼堂も無駄な捜査の繰り返しと認める。
 「購入したのは一本でしょう。二本出て来るのですから。そこからして複数買った者です。現実はSMホテルにも置いています」
 「其処で外観だけ写真を撮れば良いか」
 「所詮。電動歯ブラシをアームの長さを変えて先端にブラシの代わりにマイクロロータを付けただけです。どこでも作れます」
 杉下一行は警察の度重なる捜査で不満が溜まっている。
 画面では僅かな時間の責めで宮藤遥巡査部長が失神してしまった。
 忍者姿黒装束は失神したままの宮藤遥巡査部長を交代で輪姦し始める。
 
 「同じ場所ではないな」
 如月鬼堂の画面から受けるイメージである。
 「床が違いますが。何とも演出できます。さすがに時間的には日本国内でしょう」
 館山弁護士もそう推察する。
 「全部埼玉県警から拉致していますね」
 本多椿である。
 「そんなに距離は運んでない事に成るな」
 「そうですが。字幕の内容が気に成ります。戸籍が無いとか冤罪者の班とか既に戸籍が抹消されている等と」
 「以前に戸籍のない部落は壊滅したのだろ」
 如月鬼堂は数年前の事件を思い出す。
 「そうですが。まだ他にも存在するのでしょうね」
 「何か冤罪者の班と言われると恨みが深そうですね」
 「端澄敏郎の日本社会に報復に同調した四人の忍者姿黒装束も冤罪者の班とか言っていたな」
 「多分同じ組織でしょう。ただあの時は決死隊でした。今度は連続拉致強姦事件の犯人のように生き延びる方向でしょう」
 
 画面では輪姦されて猛り狂う宮藤遥巡査部長の口を忍者姿黒装束が二人で二本のラジオペンチで強引に開く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 あと一人がそのまま喉に太いカテーテルを突っ込む。
 「ぐぐ、ぐぐ、ぐ」
 さらに輪姦されてぐちゃぐちゃに成った宮藤遥巡査部長の女の部分を開いて尿道を剥き出す。
 その濡れた亀裂にバルーンカテーテルを突っ込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長の喉の奥からくぐもった悲鳴が上がる。
 忍者姿黒装束が一人踏み台に上がる。カメラを背にして社会の窓を開けてペニスを出す。
 宮藤遥巡査部長の喉に突っ込んだカテーテルの反対側に装着した漏斗から小水を流し込む。
 「う、わ、わ、わ、わ、わーーーーーーーーーー」
 直接生温い小水が胃に入って来るのである。不快感極まりない。宮藤遥巡査部長は驚き、怒り、狂った表情で固まる。
 尿道に挿入したバルーンカテーテルからは受けているガラス容器に宮藤遥巡査部長の排尿が流れ出る。
 宮藤遥巡査部長には気が遠くなるような恐ろしい状況である。
 一人の忍者姿黒装束が小水を出し終わると二人目は冷えた瓶ビールを持って来る。
 それを漏斗から流し込む。
 「うう、むう、うう、ううーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は急激に冷たいビールが一気に胃に流し込まれて藻掻く。
 次の忍者姿黒装束は冷やした日本酒を用意して待っていた。
 宮藤遥巡査部長は恐怖に顔を震えさせて苦しむ。多量のアルコールと冷たさにどうにもならない。
 そしてバルーンカテーテルで垂れ流した宮藤遥巡査部長の小水はガラスの容器に二杯目である。
 忍者姿黒装束はそのガラス容器を氷水の入ったバットの中に置く。
 
 「何か凄くえげつないですね」
 本多椿は見ていて躰がむずむずする。堪らなく嫌な責めである。この連中は被害者が女性警察官なので概ね殺すと見ていた。
 「何としても社会に深い衝撃を与えたいと思えるな」
 「恨みですか」
 「それ以上だろ。字幕でアウトローと言っていた。内戦に近い意識じゃないのか」
 「あっちの連中もそうですかね」
 「違うと思う。あの連中は恨みではなく遊びが主体だ。但し今の社会に強く反動している」
 「反動ですか」
 本多椿はいまいち意味が解せない。
 「革新、保守、反動の反動だ」
 「ええ。革新、保守、それが反動と」
 本多椿の世代はこんな言葉にあまり関わらない。
 「革新は新しい体制に。保守派は現状維持。反動は昔の体制に戻す」
 如月鬼堂は学生運動の世代よりは後であるが日教組系の高校教師がこんなことまで教えたのである。
 「え、ええーーーーーーーーーーーー」
 本多椿は画面を見ながら悲鳴を上げた。
 画面ではバットの氷水に置いて冷やしてあった宮藤遥巡査部長の小水を漏斗から流し込む。
 如月鬼堂はこう成ると最初から見ていた。
 「この場所は関東圏でしょうね」
 館山弁護士はそう絞り込む。
 「ヘリや飛行機、新幹線を使うとは思えない。その範囲だな」
 如月鬼堂も同じ見解である。
 
 画面ではここで宮藤遥巡査部長の尿道に差し込まれていたバルーンカテーテルが抜かれた。
 一人の忍者姿黒装束が鞭を手にしている。
 先端は平べったい革で蠅叩きの様な鞭である。
 宮藤遥巡査部長はアルコール中毒と躰の冷えで白目状態に成っていた。
 鞭を持った男は宮藤遥巡査部長のドテを鞭で連打する。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らず叫ぶ。
 その男は全く動じないで叩き続けた。
 宮藤遥巡査部長は失禁して直接尿を垂れ流してしまう。
 二人の忍者姿黒装束が左右から小陰唇を引っ張って尿道の亀裂から直に流れ出る姿を公開する。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長は堪らない羞恥に藻掻き続けた。
 不快感は頂点を超えてどうにもならない。
 そしてアルコール中毒で虫の息である。
 小水は垂れ流しのままに成ってしまった。
 さらに冷えと体力の疲弊からカレー状の便を拷問椅子の股間の下にセットされた透明な壺に垂れ流してしまう。
 
 本多椿は手で顔を覆ってしまった。
 ここで字幕が流れる。
 『本日はここまでです。明日躰を綺麗にして処刑します』
 「凄かった」
 本多椿は疲弊していた。
 「派遣会社の年輩スタッフが六人で社員の女を山荘に拉致した事件で連中がいち早く動いたな」
 連続拉致強姦事件の犯人らしきが模倣犯の年輩派遣スタッフを警察が現場に着く前に始末した。
 如月鬼堂はこの時の動きの速さを何かあると疑う。
 「あれは群馬でしたね」
 「これまでも連続拉致強姦事件の犯人らが模倣犯を捕まる前に始末していたが。この連中のアジトか何かに近いから始末したとは考えられないか」
 如月鬼堂の憶測である。
 「その可能性が無いとは言えませんが。山荘や山の中の一軒家など警察が徹底して洗っています」
 館山弁護士は警察もその点は洗うだろうけど犯行現場に辿り着ける可能性は低いと見る。
 如月鬼堂の居間に仕出し屋から出前が届いたのでここでテレビ会議を打ち切った。
 
 群馬県の山奥で人の行かない部落の地下要塞。
 宮藤遥巡査部長の処刑は翌日行われて撮影を済ませた。
 既に群馬県警が付近まで捜査に来ている。
 地下要塞の真上の民家にも警察は来た。この民家は見張りを行うだけである。地下要塞には繋がってない。
 だが麓まで見渡が利く位置に存在する。
 今回は遺体を運び出すことは断念した。
 地下要塞で宮藤遥巡査部長の躰を解体して特注の大きさのミキサーに掛ける。万一遺体の処理を中で行わなけば成らない場合の予備であった。
 人間ミキサーと呼んでいる。
 液体は蒸発させてさらに粉末に近く成った物を生ごみ乾燥機で乾燥させた。
 これを堆肥に見せかけて運び出す。
 そして乾式メタン発酵を行う産業廃棄物処理場で処理された動植物性残渣から出る堆肥に混ぜてしまう。
 警察は派遣会社のスタッフらが籠った山荘の在った山を集中的に捜査していた。だが完全に無駄の繰り返しに終わってしまう。
 地下要塞の真上まで警察の捜査は及んだ。
 山頂の民家から警察の動きが逐一彼らに入る。
 警察の捜査が引き上げるまで移動は見合わせて次の河口春香巡査部長の撮影に掛かった。
 河口春香巡査部長の躰は宮藤遥巡査部長と全く同じように拷問椅子に磔にされている。
 河口春香巡査部長の姿に作られたアンドロイドが女性警察官の姿で電子鞭を使って眠らされていた河口春香巡査部長を起こす。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は衝撃に呻き声を漏らして意識を回復した。
 「あ、ああ。あんたは」
 河口春香巡査部長に作られたアンドロイドを見て意識を失う前の記憶が点滅して驚きの声を上げる。
 河口春香巡査部長は自分にそっくりな女に鳩尾を殴られた。
 「私が何だか判る」
 アンドロイドは意味深に尋ねる。
 「何よ。貴女は何者なの」
 河口春香巡査部長は自分の姿に藻掻きながらそう叫ぶ。殆どパニック状態である。
 「まだ解らない」
 河口春香巡査部長に作られたアンドロイドはそう言って笑う。そして服を脱ぎ始める。
 「えーーーーーーーーーーー。人間型ロボット」
 河口春香巡査部長は半信半疑ながらそう当たりを付けた。皮膚が成功にできていて見分けが付かない。
 「そうよ」
 「ご名答。河口春香巡査部長殿。拉致の方法が大変革しました。捕まれば自爆します。格闘は人間とは桁違いです」
 ここで語り手が放し掛ける。
 「あ、ああ。そんな」
 河口春香巡査部長は驚きのあまり狼狽する。
 そして目に入って来たのは忍者姿黒装束である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに驚きの悲鳴を上げた。
 「河口春香巡査部長殿は今どのような状況に置かれているかお分かりですね」
 語り手はじっくり詰る言い方である。
 「・・・・・」
 河口春香巡査部長は震えて声も出ない。
 躰は揺すっても動かないどころか揺すると不安定に躰が揺れる。そういう拷問椅子の作りである。
 「どうしました。河口春香巡査部長殿」
 語り手は態と煽る。
 「一緒に居た。小宮巡査は何処に行ったの」
 「おやおや。部下を気遣う余裕が有りましたか」
 語り手は揶揄う。
 「私が殺したの。貴女の姿で」
 横からアンドロイドが答えた。
 「えーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は驚愕の表情で固まる。
 「あと一人は動画にする価値が御座いませんでしたのでミニパトの中でお亡くなり頂きました」
 語り手は当然のように言う。
 「な、なんて言う事を」
 河口春香巡査部長は価値がないから殺したと言う言葉に声が震えた。
 「これからご自身の事を心配してください。これまで以上の動画が社会にばら撒かれます。貴女の上司も同僚も部下も見ます」
 語り手は悠然と語る。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長はただ慄くばかりである。
 そして宮藤遥巡査部長と同じように撮影が開始された。
 
 七月十六日。
 関東は茹だる様に暑い。だが秋田では雄物川が氾濫水位と成り究極の状態である。江戸時代から氾濫する川で何回も流れを変えていた。
 そして桧山川、太平川で氾濫が起きる。
 秋田新幹線は連日運休と成り県は緊急安全確保が出ていた。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 炉端で野菜と魚を焼きながら寿司の出前を取って生ビールを飲み続けて暑さを凌いでいた。
 「あちこち熱中症で運ばれているらしいな」
 川口の会長は他人事である。
 「秋田は川の氾濫で大変だと言うのに」
 葬儀会社の社長は同じ日本でえらい違いと言いたい。
 「全部温暖化のせいか」
 印刷会社の社長である。
 「そう言われているな」
 運送会社の会長はホタテを炉端で焼いていた。
 「何をしても食い止められないのだろ」
 産業廃棄物収集運搬処理業の社長はいくら騒いでも温暖化対策は無駄と言いたい。
 「俺たちの生きている間は大丈夫だろう。散々愉しんで終われば良い」
 医者の男は自分に関係ない。安全圏に居ると言う意識である。
 「群馬の組織の方から遺体は非常設備で処分して堆肥で渡すと言って来た」
 川口の会長が報告する。
 「それが良い。いま輸送は危険だ」
 運送会社の社長も納得である。
 「あの派遣会社の馬鹿親父どもを処分したのが裏目じゃないのか」
 医者の男は余計な処分をしたと言いたい。
 「そうだな」
 「しかし群馬県警はあれだけ動員して空振りだろ」
 「油断はできないよ」
 こっちでも状況を慎重に見張っている。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 この日はSM愛好会の主力が集まる予定に成っていた。
 定期的な愛好会の会合とショーの打合せを行う。もう会員は二千人を超えていた。
 ファッション喫茶熱海、長野、生駒の店長も来る予定である。そして本多椿は如月鬼堂と一緒の新幹線で来た。
 其処へ杉下一行がメールを送って来て本人も越後湯沢に向かっている。
 珠洲と瀬里菜が車二台で送迎していた。
 全員が揃ったところで一緒に確認する。
 
 動画は宮藤遥巡査部長の処刑場面から始まっていた。
 既にテレビの各チャンネルでは緊急速報が流れている。
 『行方不明の埼玉県警女性警察官の一人宮藤遥巡査部長が犯人らに殺害された模様』
 宮藤遥巡査部長は二人の女性警察官姿のアンドロイドに両脇を押さえられて首には縄が掛かっていた。
 胸部は高手小手に縛られている。
 アンドロイドは宮藤遥巡査部長と河口春香巡査部長にそっくりに作られた二体である。
 見ている福富麻次郎は穏やかではない。肌の作りなどが自分のところで開発したアンドロイドそっくりなのである。
 今度は自分のところにしつこい捜査が入ると覚悟しなければならない。
 「あれはアンドロイドだな」
 如月鬼堂が核心を持って言う。
 「そうですね」
 館山弁護士も納得する。
 「これで河口春香巡査部長の痕跡が広栄町南で消えていた説明は付くな。防犯カメラに映っていたのは河口春香巡査部長のアンドロイドだ」
 如月鬼堂はさらに断言する。
 「それじゃ人間ではなく。あのアンドロイドが四人の女性警察官を拉致したのですか」
 館山弁護士も驚愕の表情である。
 「荷物も運ぶしボディガードにも成る。十分な戦闘能力が有ってAI機能をもって自力で移動する」
 「ああ」
 「福富さんそこまで可能だな」
 「ああ。そうです。ああ。館山先生助けてください」
 福富麻次郎は館山弁護士に助けを求めた。
 「弁選だけ作成しておきましょう。野村先生と野崎先生にも加わって頂いて」
 館山弁護士も率直に応じた。
 画面は宮藤遥巡査部長が首の縄で吊るし上げられてゆく。
 脚を揺すって藻掻いている。
 忍者姿黒装束が二人引っ張って吊るし上げたまま先端を床のフックに縛ってしまう。
 宮藤遥巡査部長の躰は暫く不自然に揺れる。やがて白目を?いてだらりと吊る下がってしまった。
 降ろす気はない。
 やがて鼻水が長く流れ出て小水も垂れるように流れ落ちる。便もアナルから流れ落ちた。
 そのまま暫く待つ。
 忍者姿黒装束が二人で床を掃除する。
 そのまま二十分くらい待って吊るしから降ろした。
 全部縄を解く。そして躰を洗う。
 ここで画面は切り替わった。
 河口春香巡査部長の躰が宮藤遥巡査部長と全く同じように拷問椅子に磔にされている。
 大股開きの全裸で拷問椅子にしっかり固定された躰を全容から部分的アップで公開して行く。
 乳房の大きさはアンドロイドより小さいが形は良い。乳輪は小さく乳首も小粒で薄紅色である。
 程の良いくびれで肌の色は白く肌理が細かい。
 ドテの黒い塊は処理されておらず濃い密林状態である。
 忍者姿黒装束が鋏でカットする。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は藻掻き叫ぶ。
 「動くな。怪我するぞ」
 語り手が強い口調で咎める。
 「何で切るのよ」
 「河口春香巡査部長殿の局部を公開する為です」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 「怪我したくなければ動くな」
 語り手は強く叱咤する。
 忍者姿黒装束は容赦なくカットしてローションを流す。
 手間の掛かる大陰唇から剃ってゆく。
 あと一人がドテに掛かる。
 河口春香巡査部長はただそれを神経質な目で睨むだけである。
 剃り終わると濃い陰毛の下は皮膚の紅さが際立つ。色白なのでいっそう際立って見える。
 忍者姿黒装束が二人両側から河口春香巡査部長の女の部分を広げる。
 河口春香巡査部長は既に二日監禁されていた。
 眠らせたまま点滴で栄養補給してバルーンカテーテルで尿は抜かれている。
 だがその部分は白い粕がみっしり付着していた。
 その部分は正面のモニターにも投影されている。
 河口春香巡査部長のその部分は綺麗な薄紅色の薄い粘膜が細く二枚閉じ合わせていた。開いてもピンとしている。
 内部は薄い緋色である。
 「河口春香巡査部長。奇麗なお○○こが粕で汚れていますよ。これも全世界に公開されます」
 語り手は淡々とした口調である。
 「・・・・・」
 河口春香巡査部長は悔しさに口を歪めて藻掻く。
 さらにクスコを挿入されてしまう。
 内部をレーザーで照らす。奥にやや色の濃い子宮口の周りの粘膜が盛り上がっている。
 その中の汚れも採取する。
 これまで通りの一貫した内容である。
 
 「この女性警察官も後の二人も既に殺されているのでしょうね」
 館山弁護士はそう推測する。
 「二本目以降は遺体処分を済ませてから公開したか」
 如月鬼堂もそう推測した。
 「女性警察官の場合は必ず殺すのね」
 本多椿はそう見ている。
 「まあ。殺さないと一般より足が付く危険が高いでしょう」
 館山弁護士も必ず殺すと見ていた。
 「この場所は群馬なのでしょうか」
 杉下一行は警察が集中捜査して何も出なかったがそれでも群馬に在る可能性を感じている。
 「俺はそう思う」
 如月鬼堂はまた断言してしまう。
 「こう成るとさらに捜査は難しくなりますよ」
 館山弁護士は状況をそう推測する。
 「そうですね。ロボットでは警察犬の追及も不可能です。体型や動きによる特徴で割り出すのも難しいです」
 杉下一行もそう思った。
 「福富さん。あれは頭だけ換えられますか」
 館山弁護士はそこを追及する。
 「換えられます。ダッチワイフと同じです」
 「やはり。それでは自由自在に何でもできる。万一無理が有ったら自爆も考えられるな」
 如月鬼堂もそれは考慮していた。
 「爆弾を体内に内蔵ですか」
 「この犯人連中なら当然それはやっているだろ」
 如月鬼堂はここも断言してしまう。
 
 画面では忍者姿黒装束が二人掛かって銅線で繋いだ黒いクリップを河口春香巡査部長の躰に二系統鋏み付けていた。
 乳房の上部から始めて乳首を確り鋏み腹の横を通して小陰唇を鋏む。さらに内腿を膝の横まで鋏みつけている。
 同線はトランスに繋がっていた。
 電流を流す。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は次の瞬間白目を剥いてしまった。
 
 「かなり際どい電圧だな」
 如月鬼堂が驚きの声を上げる。
 「そうですよ。この段階で殺すとは思えませんが」
 杉下一行も驚愕していた。
 
 『二時間経過しました』
 字幕が表示される。余分な時間はカットしていた。
 「これを二時間か。壮絶だな」
 如月鬼堂も全身にクリップを鋏んだまま二時間に慄いている。
 
 画面では気絶した儘の河口春香巡査部長の躰に付いた銅線に電流を流す。
 今度は意識を回復させる程度である。
 「河口春香巡査部長殿。気絶してから二時間眠って貰いました。これから一気にそのクリップを引き飛ばします。壮絶な痛みです」
 語り手は抑揚のない口調で宣告した。
 「うぐうーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は鋏まれているだけで相当に痛い。
 忍者姿黒装束が二人膝の側から銅線を掴んでいる。その手には軍手が掛かっていた。
 「行きますよ。五、四、三、二、一」
 語り手は河口春香巡査部長の恐怖感を煽るべく秒読みする。
 二人の忍者姿黒装束が一気に引っ張る。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 二系統ともクリップは一気に空中に飛んだ。
 「ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子は強烈に揺れ軋む。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子に確り固定された河口春香巡査部長の躰が突っ張って固まる。それが強く弾ける。
 拷問椅子は微妙に軋み揺れていた。嫌な揺れ方である。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長の躰はまた固まっては弾ける。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長の躰は藻掻き暴れるのが暫く続いた。
 そして失禁してしまう。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長の躰は失禁しながら藻掻き続ける。
 忍者姿黒装束が二人で電マを二本ずつ持つ。これで河口春香巡査部長の躰をマッサージする。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人の忍者姿黒装束がもう一度クスコを挿入する。
 またリモコンから伸びたアームの先端にL字にマイクロローターの付いたアイテムで河口春香巡査部長の女の奥の敏感な部分を責める。
 「あはああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長は暫く強烈な声を上げ続けた。
 十分位で失神してしまう。
 『本日はここまでです』
 動画はここで終了していた。
 
 七月二十四日。
 台風五号は日本本土には近付かないらしい。石垣などでは船を陸に上げて対処が行われていた。
 珍しく日本列島に曲がらず大陸に行ってくれるらしい。
 あれから暫く次の動画は配信されない。
 だが、今度は強烈に社会に衝撃を与える事件が発覚した。
 
 一週間前。
 槙坂真莉愛高校二年生が自殺。
 立体交差の歩道橋から身を投げたのである。躰は地下一階部分の道路に落下。自殺原因に苛めが疑われていた。
 その苛めの内容が発覚したのである。
 クラスの大方がグルと言うか黙認状態であった。
 問題はその苛めの内容である。
 SNSに前後を考えないで動画を公開する若者が後を絶たない。
 そして動画を撮ったのも公開したのも苛めの主犯ではない。傍観していた生徒である。
 五月の終わり位から苛めは始まった。
 最初は女の子の苛めから始まる。それに男子が引っ張られて一緒に寄って集って裸にしてしまう。
 段々それがエスカレートする。
 最初は体育館の倉庫だったがやがて教室で休み時間に全員の前で脱がしてしまう。
 槙坂真莉愛の女の部分を広げてほぼクラス全員が見てしまった。
 一回では済まない。何度も脱がされて他のクラスの生徒まで連れて来る。
 本人が申告しない限り教師に知らせるなど誰もしない。
 徐々に内容がエスカレートした。
 そうさせるのは社会にばら撒かれるSM動画である。
 縄が持ち込まれて縛ってしまう。それが吊るしに発展する。男子の数名が主体であった。女子もそれを煽る。
 ばら撒かれる犯罪動画の縛り方をよく研究する。それを槙坂真莉愛の躰で試すのである。
 それでも今月に入るまでは最期の一線は越えなかった。脱がす、見る、縛る、叩く迄である。
 だが男子数名はさらにエスカレートした。
 金曜日の最後の授業が終わったあと槙坂真莉愛をクラブ活動の実験室に連れ込む。主犯の男子と女子数名で計画していた。
 クラスの大方が一緒に入る。
 男子数名と女子の半数くらいは帰ってしまった。
 槙坂真莉愛は抵抗してもどうにもならないからやられる儘である。
 そして撮影している者が二人居る。
 うち一人は主犯の一人だがそれ以外に女子が一人撮影していた。
 これがSNSに公開されたのである。
 裸にされるのはこれまで通り。槙坂真莉愛は撮影している事にも気付いた。止めさせたいが何も言えない。
 やられてしまう儘である。
 主犯の男子二人は高手小手の縛りまで覚えてしまっていた。
 槙坂真莉愛は高手小手に縛られ作業台の上に寝かされる。
 さらに膝から脚首に縄を掛けられ天井に捻じ込んだ引っ掛け金具に通して片方ずつ脚を吊るされてX字開脚にされてしまった。
 もう女の部分は何回も見られている。
 今日は撮影されてしまう。
 だがそれだけではなかった。
 「今日はお○○この奥まで見せて貰うよ」
 最初に男子を巻き込んだ苛めの発起人の女子が宣告する。
 「・・・・・」
 槙坂真莉愛は恐怖に引き攣る。
 「処女膜破ちゃうから」
 主犯の男子が宣告する。
 「えーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。それはやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 槙坂真莉愛は泣き叫ぶ。
 「だーめ。もう決めちゃったの」
 また発起人の女子である。槙坂真莉愛が嫌いらしい。
 この女子が槙坂真莉愛を徹底して苛められっ子に突き堕としてしまったのである。
 男子がクスコを取り出す。
 「あーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 槙坂真莉愛は驚愕の表情で叫ぶ。
 「処女破ったらみんなで気持ち良くしてあげるから」
 発起人の女子は恐ろしい事を宥めるように言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 槙坂真莉愛は顔を振って泣き叫ぶ。
 「さあ。行くよ」
 男子はクスコを翳す。
 何人かから拍手が沸く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫んでもこの面々の興奮は止まらない。
 見ている者も止めたりはしない。
 女子が二人で両側から槙坂真莉愛の女の分部を開く。
 「あーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーー」
 槙坂真莉愛は狂ったように叫ぶ。
 男子がクスコを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 槙坂真莉愛から号泣の悲鳴が轟く。
 男子は螺子を回して一気に奥を広げる。
 クスコの金属は赤い血で濡れていた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 槙坂真莉愛は泣き続けた。
 発起人の女子がペンライトで中を照らす。
 順番に覗き込む。
 撮影していた以外の一人がスマホで中を撮って槙坂真莉愛の目の前に翳す。
 「どう。貴女のお○○この中よ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはあん。あーーーーーーーーはん。あはん。あはん。あはん」
 槙坂真莉愛は唯々泣くばかりである。
 そして遂に輪姦してしまう。
 撮影を担当していた男子はここまでしか撮影しない。だが後ろで撮っていた女子は輪姦すところも撮ってしまう。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 SNSは直ぐに削除されたが杉下一行の事務所は取得していた。それをメールで添付してくる。
 十時近くに起きた如月鬼堂はシャワーを浴びて朝食のラーメンを作っていた。
 珠洲から話は聞いたが例の組織の動画ではないと聞いてゆっくりである。
 「鬼堂先生。このようなところに波及すると社会的に締め付けが厳しくなりますよ」
 館山弁護士は危惧する。
 「そうだが。学校の苛めはキャンバスの中で解決して貰わんとな」
 如月鬼堂は憮然としている。
 「確かに防ぎようが有りません」
 十時台の年配女性キャスターの名が付いた報道番組は内容を変更してこのニュースである。
 だが館山弁護士はの懸念以上にこの事件報道は連続拉致強姦事件に繋がる一連の事件が解決できない警察を追い詰めることと成った。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 今日は冷房を効かせて焼肉である。
 「また邪魔が入ったな」
 印刷会社の社長はぼやく。
 「配信前で良かった。この報道が落ち着くまで待とう」
 葬儀会社の社長も効果が散漫に成ることを恐れる。
 「そうだな。それより館山と言う弁護士。専従班に乗り込んで捜査を動かしてロボットの図面を持ち出した奴を突き止めさせた」
 川口の会長は館山弁護士の行動を忌々しく語った。
 「福富を護るためか」
 葬儀会社の社長も忌々しい。
 「そうだろう」
 図面はロボットを骨組みにして外観を包むダッチワイフの制作メーカーで盗まれた。
 一人のスタッフがパソコンから盗み出して姿を消してしまったのである。
 専従班はこの男を追ったがマイナンバーを造る前の住基ネットカードの段階から他人の戸籍を使っていた。
 その男の出身地で写真を見せると人物がすり替わっている事が判明する。そして成り替わっていた人物は刑期を終えた殺人犯と判明した。
 さらにこの男は死亡届が出されていたのである。
 その男は今回の拉致拷問に加わっている。
 警察の手が伸びるのはそこまでであった。
 館山弁護士はアンドロイドの出所をこっちからリークして警察に設計図の行き先を調べさせたのである。
 アンドロイドの製造台数は限られている。一体ずつ行き先を突き止めれば福富麻次郎が関係ない事は証明された。
 たくさん売れる前で良かったのである。
 
 七月二十五日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 今日は真性M女性の館の樽常マネージャーが来ていた。
 「大宮に新しくハードSMクラブができたのか」
 「ええ」
 「何か問題か」
 「かなりハードの客が流れます。会員も行っているようです。それは良いのですが。大庭信一郎が現れたらしいのです」
 「うーーん。まあ。其処で問題は起こさないだろうがな」
 如月鬼堂も苦い顔である。
 「やっぱり大庭信一郎が連続拉致強姦事件の犯人六人の一人なのですかね」
 「確信は無いよ。館山先生はかなり疑っていたが」
 充分に社会的地位のある人物でもある。確たる証拠なしに滅多なことは言えない。
 「どうします」
 「館山先生に言っておくよ」
 「はい」
 「客が流れるのが困るか」
 「いいえ。捌き切れていません。流れるのは仕方ありません」
 「危険なのは和歌山と其処か」
 「そうです」
 「大庭信一郎とこっちの会員に接点ができなければ良いのだがな」
 「そうですね」
 「葬儀会社の社長だ。館山先生がそれなりに疑いを匂わせたので危険な動きはしないと思うが」
 如月鬼堂は万一大庭信一郎が連続拉致強姦事件の犯人の一人でもそれなら危険な接触は避けると見ている。
 そして大庭信一郎が和歌山の岬ヴューホテルにも関連していると情報は得ていた。
 
 群馬県の山奥で人の行かない部落の地下要塞。
 四人とも撮影も処分も終っていた。
 彼ら冤罪者の班も此処に住んでいる訳ではない。太陽の当たらない地下要塞に長くは籠れない。
 地下要塞の出口は麓の町の建物の中に在った。
 そして彼らが住むのは別の山に建つ企業の保養施設に見せかけた建物である。
 其処に逗留客の様に滞在する。
 警察の捜査が及んでも施設の地下に隠れられる。
 大方は管理人が対応して終わりである。
 彼らには女も提供される。この保養施設の職員のように働く女達である。
 彼女らも戸籍を持たない。この組織のオーナーに助けられているのである。
 「二回警察に迫られたな」
 「ああ。寸前まで来た」
 「要塞の上の山小屋まで来たな。だが要塞の存在は掴めなかった」
 語り手の男である。
 「此処に乗り込まれる事はないか」
 「ない」
 「既に四人の婦警は堆肥に混ぜて此処を出て工場で処分された。此処に乗り込まれて出るのはルミノール反応だけだが」
 「それも微量しか出ない。だがDNAは残る。だがその前にこの要塞は破壊される。我々も処分される」
 「覚悟はできている。まだ愉しまないか」
 「そうだな。折角アンドロイドを六体も作ったのだ」
 部品とAIは川口の会長の秘密工場で製造した。ダッチワイフの外見は工場から図面を盗み出した男を中心に作成したのである。
 
 七月二十七日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 如月鬼堂は八時過ぎに瀬里菜に起こされた。
 杉下一行がメールを送りテレビ会議を接続して来たのである。
 如月鬼堂は慌ててシャワーを使う。
 朝食は珠洲がサンドイッチを作り瀬里菜がコーヒーを淹れる。
 三人目の動画が配信された。
 河口春香巡査部長の処刑シーンからである。
 薄明りの地下室らしい空間の中。河口春香巡査部長は全裸で床に倒れていた。
 女が四人忍者姿黒装束姿だが顔は完全に隠してない。目から下顎までは覆面を掛けてなかった。
 宮藤遥巡査部長のアンドロイドが電子鞭で河口春香巡査部長を起こす。
 「あはあーーーーーーーーー」
 河口春香巡査部長はふらつきながら立ち上がった。
 アンドロイド四人とも日本刀の真剣を構えている。
 四人の顔は今回拉致された四人の女性警察官である。
 河口春香巡査部長のアンドロイドが斬り込む。
 本物の河口春香巡査部長は後ろに躰を引く。
 河口春香巡査部長のアンドロイドは踏み込んで左の乳房を縦に斬る。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮藤遥巡査部長のアンドロイドが斬り込む。乳房を二つ並べて横に薙ぐ。
 かなりの血が飛び散った。
 一人が首を飛ばす。
 ここで画面は切り替わった。
 
 下村沙里巡査長は眠らされたまま画面中央に逆さ吊るしにされている。
 如月鬼堂がよく使う吊るし方である。
 両方の太腿の付け根に縄を二重に掛けそれに付けたフックを天井から下がった滑車のフックで吊るしていた。
 太腿は八の字に広がり中心部分に女の分部とアナルが丸出しである。
 忍者姿黒装束が鞭でその女の分部を叩く。
 「う、うう、うおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は痛みに意識を回復した。
 「あーーーーーーーー。なにーーーーーーーー。なにこれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 逆さ吊るしにされた状態に慌てふためく。
 「下村沙里巡査長殿。良く周りを見て下さい」
 語り手が言葉を掛ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は忍者姿黒装束の数名を見て驚愕の叫びを上げた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の事態が一気に頭の中に去来する。
 ミニパトで不審車両を追跡した。
 別のミニパトが不審車両の前に入り込んで止める。それを見てミニパトを降りて不審車両の運転者を確保しようとした。
 その時不審車両を止めたミニパトの女性警察官に行き成り羽交い絞めにされる。鳩尾を殴られてしまった。そのまま意識が遠退く。
 あれは罠だったのだといま理解した。
 忍者姿黒装束は容赦なく下村沙里巡査長の股間を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の躰は痛みに藻掻き揺れる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は堪らず叫ぶ。
 忍者姿黒装束は二人交代で容赦なく叩く。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もろに閉じ合わせた女の分部の粘膜を叩いていた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭である。
 もう一人が叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の躰は頭を前に強く持ち上げて後ろに跳ね返る。
 痛みに躰はぶるぶる震えていた。
 「あはあーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 下村沙里巡査長の睫毛は既に涙に濡れている。
 次の忍者姿黒装束は鞭を横に持って乳首を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の口から涎が飛ぶ。
 「あはあーー。あはあーーーーーーん。ああん。あはん」
 下村沙里巡査長は抗議どころではない。痛みに藻掻き続ける。
 忍者姿黒装束がもう一人鞭を構えた。今度は先端が細長い一本鞭である。
 きっちり女の分部を。そのびらびらの合わせ目を狙う。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は恐怖に固まる。
 男は正確に振り下ろす。
 「ぐ、ぐぐ、ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の頭は背を丸めて腰の位置まで迫り上がる。
 そのまま後ろに弾けて強烈に揺れた。
 「ああーーーーーーーーーー。あがあはあーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐあああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の女の分部の粘膜から血が滲み出ている。
 「ぐあはああーーーーーーーーん。ああん。ああ。ああ」
 下村沙里巡査長は痛みにどうにも堪えられない。
 一人の忍者姿黒装束がバケツに水を持って来た。
 「あーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長はそれを見て悲鳴を上げる。
 忍者姿黒装束はそのまま下村沙里巡査長の股間に向けてぶっかけた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 下村沙里巡査長の躰は究極に震える。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして失禁してしまった。
 躰が濡れていても流れ出る尿の筋がきっちり見える。それは逆さ吊るしの顔に流れて来た。
 「うふふううーーーーーー」
 目を瞑って耐える。
 ここで一旦下村沙里巡査長の躰を床に降ろす。
 さらにバケツで水を掛けて躰を洗う。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は強烈に躰を揺すって振る。
 そのまま拷問椅子に磔にされた。
 忍者姿黒装束が二人両側から下村沙里巡査長の小陰唇を広げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は強烈に顔を顰めて叫ぶ。
 そのピンクの内側がスクリーンに拡大された。
 「おやあーーーーーーーー。下村沙里巡査長殿はまだ処女だったのですか。これは滅多に見られないものを公開できました」
 語り手は悦びを込めて詰る口調である。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー。にんぴにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は号泣してしまう。
 「残念ながら金属のクスコでぶち抜かしていただきます」
 語り手は淡々と宣告する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は涙を溢れさせながら顔を振って吠えるように叫ぶ。言葉には成らない。
 忍者姿黒装束の一人がクスコを突っ込む。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長の無念の叫びである。
 クスコの螺子を回してこれまで通り中まで公開する。
 レーザーで内部を照らす。
 「えーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーーー。・・・・・・あはあーーーーー」
 下村沙里巡査長は恥ずかしさに興奮した息遣いを漏らし続けた。
 カテーテルで洗浄液を流して中を洗う。
 忍者姿黒装束はブジーを手にする。
 「中を綺麗に洗いました。次はブジーで奥の子宮口をぶっ刺します。相当に痛いです」
 語り手はさらに残酷な宣告をした。
 「うぬーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は固まった表情でスクリーンを睨む。
 忍者姿黒装束がブジーをクスコの中に差し込む。
 スクリーンでクスコの奥に真っ赤な粘膜の盛り上がりの中心に窪んだ亀裂を確認する。それを目掛けてブジーを突っ込む。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は躰を硬くして太腿は怒張する。躰は瞬間固まり強烈な悲鳴が轟いた。
 「あがあーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 下村沙里巡査長はぶるぶる震える。
 「折角の初物でございます。全員で輪姦させていただきます」
 語り手は序にと言う口調である。
 一人目がカメラを背にして一物を出す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は猛然と叫ぶ。
 忍者姿黒装束らは淡々と作業を行う。
 
 如月鬼堂らが動画の閲覧中に次の事件が発覚する。
 今度は捜査中の埼玉県警の捜査官が二人行方不明である。
 埼玉県の山間部で一軒家を捜査していた。通信が途絶えて八時間に成る。捜査車両ごと行方不明である。
 既に埼玉県警が捜査員を投入していた。
 行方不明は吉永順一巡査部長と森川千里巡査長である。
 「またやられたな」
 「山間部の一軒家を捜査していましたからね」
 「今度は女性警察官だけを狙っているな。余裕しゃくしゃく遊んでいるようだな」
 如月鬼堂も今度は恐ろしさを噛みしめていた。
 「万一捕まるような失敗をしても自爆しますか」
 「多分囮を出しても実行犯を見張る集団も居るだろ。捜査状況も防犯カメラの位置も総て掴んでいる」
 「何を突き止めても全容解明は相当厳しいですね」
 館山弁護士も難しさを悟る。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 連日の猛暑である。
 本日は冷房の効いたテラスでバーベキューと生ビールで飲んでいる。
 麓の町は暑さでぼやけて見える。
 「またやったか」
 印刷会社の社長は呆れていた。
 「アンドロイドを手に入れてやり放題だな」
 医者の男は自分にも回してもらいたいと思う。
 「まあ。万一の場合は死ぬ覚悟はあるだろう」
 川口の会長は報復に出ている面々の恨みの深さを知っている。
 この面々はテラスに冷気を満たすにかなりの電力を使っていた。太陽光も風力発電も設備していたが電力会社の電気も大量に使う。
 節電の意識は全くない。
 「こっちもアンドロイドを準備するか」
 運送会社の社長である。
 「いいや。依頼した方が良い。我々は安全圏に居るべきだ」
 川口の会長は用心深い。
 「ところでハードができる新しいSMクラブが営業始めた」
 葬儀会社の社長である。
 「川口の女将と生駒の女将は何も言って来ないか」
 医者の男はまだあっちの遊びに期待していた。
 「ないな。コロナが終ったからな」
 川口の会長はそっちには期待できないと言う。
 
 動画では下村沙里巡査長が拷問椅子に眠らされたまま全身にクリップを鋏まれていた。
 クリップは銅線で繋がれている。
 乳房の上から鋏んで乳首を鋏んで五センチ置きに腹の左右を通って内腿を膝の手前まで鋏んでいた。
 膣には横向きにクスコが差し込まれてそれも銅線が繋がれている。
 忍者姿黒装束が尿道カテーテルを滅菌梱包から出す。
 それをクスコの金属二枚の間に填まった尿道口に差し込む。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 下村沙里巡査長は一撃で意識を戻した。
 尿道カテーテルで尿を抜き取って膀胱を空にする。
 忍者姿黒装束はカテーテルを抜いてブジーを突っ込む。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 ブジーも銅線で繋ぐ。
 下村沙里巡査長は何をされるのか恐々としている。
 全身鋏まれたクリップがかなり痛い。
 躰は恐怖に僅かに震えが確認される。
 「さて。電流責めです」
 語り手は簡単に宣告した。
 三人目の忍者姿黒装束がトランスの摘みを回して下村沙里巡査長の躰のセンターを鋏んだ二系統に電流を流す。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー。・・・・・はあ。・・・・・はあ。・・・・・はあ」
 下村沙里巡査長の躰はぐらぐら揺れる。
 
 如月鬼堂の居間のテレビ会議には館山弁護士、杉下一行、本多椿の他に樽常マネージャーにも繋がっていた。
 「鬼堂先生。福富さんが進化したダッチワイフと二足歩行ロボットを合体させてアンドロイド風俗嬢を作ったと聞いていますが」
 樽常マネージャーは最近AIが危機感を持った話題と成っているのでかなり気にしていた。
 「闇組織にも利用された。設計図を奪われて」
 「えーーーーーーーーー。それじゃ」
 「まあ。館山先生が先手を打って捜査をさせたので難を逃れた」
 「そうですか。それは。でそっちの商売は」
 樽常マネージャーはアンドロイドを使った風俗商売の状況が気に成る。
 「アンドロイド自体は大分売れているらしい。福富さんの風俗嬢とオンラインで遊ぶ企画だからな」
 「以前のコロナ対策の様な」
 「それが進化した」
 「そういう傾向に成って行きますかね」
 「まさか。その分野は生の人間にAIが代わる事は無いよ」
 「そうだと」
 樽常マネージャーは如月鬼堂の言葉に束の間の安堵を覚えた。将来は全く未知数である。
 
 画面では下村沙里巡査長がクスコに電流を流されて恍惚の表情を振って藻掻いていた。
 「次は尿道です」
 尿道に突き刺したブジーに電流を流す。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい」
 下村沙里巡査長は痛みに叫び続ける。
 暫く下村沙里巡査長の苦しむ姿と強烈に軋む表情を流し続けた。
 なかなか加虐心を刺激してくれる光景である。
 次は尿道のブジーだけ抜いて全部に電流を流す。
 「ぐはあーーーーーーーーーーーー。・・・・・ああ。・・・・・ああ。・・・・・ああ。。・・・・・ああ」
 下村沙里巡査長の躰は震え続ける。
 やがて口から泡を噴く。
 一度電流を切った。
 「あはあ。ああーー。はあ。はあ」
 まだ生きていた。
 
 「色んな殺し方しますが遺体をどう処分するんでしょう」
 館山弁護士はそこが一番疑問である。
 「この場所で処分できるのじゃないか」
 如月鬼堂の憶測である。
 「山の中と雖も遺体を焼けば匂いが出ます」
 「焼く、埋めるは無いと思う」
 「どういう処分が有りますか」
 「解らん。謎だ。だが遺体はもう何処にも無いと思う」
 如月鬼堂はまた言い切ってしまう。
 「完全に処分できると」
 「それ以外にこの犯人らの自信はあり得ない」
 「相当の設備が要るでしょうね」
 「そう思うが」
 如月鬼堂も考え続けていたが答えが出ない。
 
 画面では下村沙里巡査長が二度目の電流責めにされていた。
 躰はぐらぐら揺れて口から泡を噴く。
 大量に泡を噴いて躰に流れる。
 便が垂れる。
 小水も少量が流れ出た。
 今度は完全に死んでいる。
 動画はこれで終了していた。
 
 報道番組は沸騰している。
 さらにサッポロのラブホテルで首を切断して頭部を持ち去った殺人事件と中古車販売業の保険金詐欺で社長が辞任した報道である。
 そして捜査中で行方不明の男性警察官吉永順一巡査部長が遺体で発見された。女性警察官森川千里巡査長は行方不明のままである。
 さらに速報が出る。ロボット家政婦が強盗四人を撃退した。
 福富麻次郎が販売している風俗嬢そっくりに作られたアンドロイドである。
 ミニスカート姿の女性二人が濡れ縁から侵入した強盗に対峙した。
 強盗四人は女二人と押さえに掛かる。
 だが女性は持っていた金属の棒を取り上げ強盗は殴られ骨折して逮捕された。
 警察に通報もアンドロイドが行う。
 強盗四人はよく報道に出て来る実行役である。
 駆けつけた警察官もアンドロイドと判らなかった。そのくらい表面が精巧にできている。
 もちろんこの家の主が性的満足のために購入した物である。
 福富麻次郎が如月鬼堂に説明した通り力仕事も防犯にも使える。
 搭載されたAIの判断で強盗を阻止、逮捕して資産を防衛したのである。
 
 七月二十八日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 翌日のインターネットアダルト放送に備えての打合せが行われている。
 館山弁護士と本多椿が午前中に着いていた。
 「今回はこのアンドロイドの話題中心で行きませんか」
 本多椿の意見である。
 「実際にモデルの風俗嬢も呼んだらどうかな」
 如月鬼堂はそっちに持ってゆくには異論はない。
 「折角突き止めたこの人物の素性もお願いしますよ」
 館山弁護士はそっちも要求する。ダッチワイフを作る工場から図面を盗み出した男の事である。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 茹だるような暑さは全く変わらない。
 今日は冷房の効いた室内で寿司と刺身、焼き肉、焼き魚介類である。
 「何かパッとしないな。衝撃がいまいち足りない。あの真正面しか見ないで経済を衰退させるコメンテーター連中の怒涛の非難を期待していたのに」
 医者の男はホタテを焼くのが好きである。
 「先生はそっちが快感ですか」
 葬儀会社の社長は肉を焼いている。シャトーブリアンである。
 「確かにいまいち騒ぎ方が緩慢だな」
 川口の会長も不満足である。
 「被害者が警察官だからか」
 運送会社の社長である。
 「いいや。中古車販売の不正と女がホテルで頭部切除。その動機に謎が深すぎる。そして野球のトレードだ。警察官で薄れる部分もある」
 印刷会社の社長の分析である。
 「復讐が目的でやる事は派手にやったが責めが足りないのじゃないか」
 医者の男はそこが不満である。
 「そうだな。輪姦すところなんか淡々と終わらせている」
 「だろ」
 「少しアドバイスするか」
 川口の会長はそう思った。
 
 さいたま市大宮区宮町。
 三輪三千夫はクラブのオーナーでありながら店のSM嬢紀咲槙乃を客として指名した。
 同じようにハードメニューをマネージャーに確認させる。
 前日から話は通してある。
 紀咲槙乃は五十万に成るので前回の約束通りにして来た。
 一度じっくり詳細かつ執拗に撮られた恥ずかしい姿である。もう一回撮られてもリスクは同じと思うしかない。
 プレイルームに入る。
 三輪三千夫は紀咲槙乃に冷蔵庫の飲み物を勧めた。ソファーに座らせて撮影設備の設置を調整する。
 「そっちの台に」
 三輪三千夫は産婦人科診察台を示す。
 「脱いで」
 紀咲槙乃は自分で服を脱ぐか確認した。
 「そのままでいい」
 三輪三千夫は自分で脱がせる気はない。脱がすのも愉しみである。
 紀咲槙乃は診察台に腰を下ろして躰を横たえた。
 三輪三千夫は肩の後ろに手を回して顔を引き寄せてまず唇を貪る。
 紀咲槙乃は受け入れるしかない。
 腰だけ診察台にベルトで止めてスカートを捲り上げる。下半身が一気に下着姿を晒す。
 ストキングを下ろしてショーツも一気に脱がしてしまう。
 脚に乗せ台に脚を乗せて大股開きにして膝を縄で固定する。
 「さあて。汚れたままかな」
 三輪三千夫は約束通りかと確認する。
 「はい」
 紀咲槙乃は目を瞑って顔を逸らせる。高額な金を貰う以上約束通り従うしかない。
 三輪三千夫は紀咲槙乃の女の分部を広げた。
 薄い緋色の部分には斑に近いように粕が確認できる。
 「腐った雌臭だ」
 三輪三千夫は態と酷い言葉を吐く。
 「いやあーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は堪らず叫んでしまう。
 「約束通りだ。匂いは撮影できない。言葉で残しておかないと」
 「えーーーーーーーーー。そこまで」
 紀咲槙乃は表情を強く歪めた。
 三輪三千夫は紀咲槙乃をとことん辱めたい。
 まずは薄い緋色の部分の粕を採取する。
 「・・・・・」
 顔を強く反らせているが前回ほどの反応はない。
 「大方生え揃ったな」
 三輪三千夫は紀咲槙乃の陰毛を抓む。
 ローションを掛けて剃毛する。前回剃毛していて生えたばかりの毛は柔らかい。大陰唇の部分がやや手間が掛かっただけである。
 クスコを挿入する。
 これも前回ほどは興奮度が見えない。
 奥から濁った膣液に混じった粕をロングスプーンで取り出す。
 「この間ね。大庭という人に付いたの。凄く嫌だった」
 紀咲槙乃はぽつりを語り始めた。
 「ほう」
 「その人ね。五百万で乳首斬らせないかって言うの。整形代は別に払うと言うの。医者も手配するって」
 「それは安いな」
 「コロナで経営不振に陥る人が多かったので内密に斡旋していた旅館が有ったのだって」
 「危険な人間だな。マネージャーに言った」
 「ううん。トラブルに成ったら困るから」
 「そのお客は受けない方がいいと思うな。危険な人間だよ。マネージャーに断って貰えばいい」
 三輪三千夫はオーナーとしてはとんでもない客である。
 「うん。そうかあ」
 紀咲槙乃は頼りなく納得する。
 その後も三輪三千夫は前回と同じようなプレイを行った。
 三輪三千夫は紀咲槙乃をとことん辱めて女の総てを白日に晒して虐めたい。やや茶褐色だが美しい肌を叩いて蚯蚓腫れと悲鳴が愉しみたい。
 「同じような動画を撮るのですね」
 「日によって女は微妙に違う。同じようでも良いのだ」
 あくまで三輪三千夫の個人的満足である。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 出前の寿司を取って雑談していた。
 テレビのニュース番組が速報を告げる。
 『吉永順一巡査部長と森川千里巡査長が乗っていた捜査車両を荒川の河川敷で発見』
 「吉永順一巡査部長の遺体発見現場とはかなり離れているな」
 「そうですね」
 「四本目の動画は出ませんね」
 本多椿は明日の報道スタジオの前に出てほしくない。
 「地底に相当大きな施設が無いと前の事件と今度の事件の現場の説明が付かない」
 「前回のR国ツアーの事件が潜水艦で日本に運ばれたと仮定しましても海岸線の近くでなければ内陸部へは運ばないと思います」
 「あの時R国に神谷悠乃警部補を運ぶのは時間的に無理だ」
 「そうですね。山井夫妻が移動したと見るべきです」
 館山弁護士もそこまでは納得する。
 「そうすると山井夫妻が神谷悠乃警部補を拷問した場所と今回の場所は別と言う事だな」
 「そうじゃないですか。今回拉致された場所はかなり内陸部です」
 「主犯が違うと見られるからな」
 「R国のツアーとその前のR国海外企業の事件は連続拉致強姦事件の犯人が主犯で今回は依頼を受けていた闇組織の冤罪班が主犯ですか」
 「そうだな」
 如月鬼堂も状況を絞れるようで何か混沌としている。
 
 七月三十日。
 如月鬼堂は杉下一行からメールを貰って東京駅六時八分の新幹線で本多椿を伴って越後湯沢に戻った。
 駅には瀬里菜が迎えに来ている。
 杉下一行も館山弁護士も既に如月鬼堂の居間に着いていた。
 遂に四人目の竹下彩里警部補の動画が公開されたのである。
 下村沙里巡査長と一緒に拉致された。二十八歳のエリート警部補である。
 前の三名と同じ拷問椅子に大股開きに磔にされている。同じように躰を撮影されていた。
 まだ眠らされたままである。
 忍者姿黒装束が二人。先端が四角い蠅叩きの様な一本鞭を持っている。
 それで竹下彩里警部補の頬を両側から叩く。
 「ぶおーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーー」
 竹下彩里警部補は顔を振って目をぱちぱちさせる。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんなのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は驚きの叫びを上げた。
 「竹下彩里警部補殿。よおく周りを見て下さい。どのような立場に置かれているか」
 語り手が静かに宣告する。
 「あ、あわああーーーーーーーーーーーーーー。お、お前たちは」
 竹下彩里警部補は驚きと怒りの表情である。
 「竹下彩里警部補殿。慌てても手遅れでございます」
 「どうするのよ」
 「はっはっはっは。これまでの動画と同じですよ」
 「あ、ああーーー。・・・・・」
 竹下彩里警部補は藻掻くが拷問椅子は軋むように揺れる。
 「前のスクリーンを見て下さい。寝ておられる間に撮影しました。まあ最初の部分はみな同じです」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はスクリーンに自分の大股開きの全裸が投影されて悲鳴を上げる。
 乳房、乳首のアップ。臍に下がり女の分部のアップに成る。それが両側から広げられた。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は自分でも見た事のない部分である。
 「あまりお使いに成ってないご様子です。薄小豆の縁に中は綺麗な薄橙です」
 「やめなさい。下劣な」
 竹下彩里警部補は警察官口調で叫ぶ。
 「はっはっはっは。これが世界中にばら撒かれます。もうアドレスは八千万くらい収集しております。さらにそこから二次三次と拡散されます」
 語り手は竹下彩里警部補が怒れば逆撫でして揶揄う。
 「貴方達は何者なの」
 「我々は日本社会から弾き出されたアウトローです。戸籍を持たない者。冤罪者。刑期を終えてまともに社会復帰の許されない者も居る。その中で冤罪者の班です」
 語り手はこれまでと同じことを語る。
 「連続拉致強姦事件の犯人なのね」
 「いいえ違います。でもそのグループの依頼を受けた仕事を仲間がやりました。今回は我々の目的です」
 語り手は全く抑揚のない言い方である。
 「此処がその組織の本拠地なの」
 竹下彩里警部補は自分の恥ずかしい姿がモニターに投影されている中でも気丈に闘う。
 「いいえ。拠点は幾つもございます」
 「目的は何なの」
 竹下彩里警部補は目を細めながらも気丈にまだ追及する。スクリーンには小陰唇の粘膜がアップで生々しく投影されていた。
 「冤罪で時間と人生を消耗させられた事への社会と警察への報復です」
 語り手はきっぱりした言い方である。
 「そんな。努力して無罪を立証するべきでしょう」
 「そんな一方的正論。聞く耳持ちません。立証したところで消耗させられた時間と人生は何も返りません」
 語り手は怒りを殺して淡々と語る。寧ろそれが竹下彩里警部補を心底恐れさせた。
 「それだって関係のない社会と無関係な人に」
 言葉はまだ気丈だがスクリーンでは竹下彩里警部補の小陰唇がまた広げられて強く目を逸らせてしまう。
 「貴女方は無関係ではない!警察組織の一員です」
 語り手の語気はやや強くなったが直ぐ平常に戻る。
 「ああ」
 スクリーンでは竹下彩里警部補の女の分部にクスコが挿入された。
 「我々は闇の仕事で大きな利益を得ています。それ以外に生きる道はないのです。これは報復と我々の満足です」
 語り手は何処までも淡々とした口調で語る。
 「・・・・・あはあ」
 スクリーンではクスコで広げた竹下彩里警部補の女の奥がアップに成っていた。さすがに気丈だった竹下彩里警部補も臆してしまう。
 「竹下彩里警部補殿。画面をよく見て下さい。この先動画はもっと大変な事に成りますよ」
 語り手は揶揄う口調に成る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は強烈な悲鳴を上げてしまった。スクリーンではクスコに蛇が挿入されてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻き叫ぶ。
 「や、やめろーーーーーーーーーーーーー」
 既に声は震えていた。
 「此処に居ますよ」
 忍者姿黒装束が水槽から蛇を掴み出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束は竹下彩里警部補の腰に蛇を載せてしまう。
 「・・・・・」
 だが今度は取り乱さない。
 もう一人忍者姿黒装束がクスコを取り出す。
 「あーーーーー。なにーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はさすがに恐々とする。
 忍者姿黒装束が今度は意識のある竹下彩里警部補の女の分部に一気にクスコを差し込んでしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が腰に置いた蛇を掴み直す。
 忍者姿黒装束はクスコを螺子で広げる前に竹下彩里警部補のクリトリスを指で剥く。
 蛇を嗾けて竹下彩里警部補のクリトリスを舐めさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あ、あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は緊迫した叫び声に成ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 唖然と叫び続ける。
 忍者姿黒装束は適度に蛇を持ち直す。クスコの螺子を回して広げる。そして今度はクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はさらに強烈な悲鳴に成る。
 「はっはっはっは。女刑事でも蛇は駄目なご様子で」
 語り手はまた揶揄う口調である。
 「こんなところにいれるかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに耐えられず竹下彩里警部補は喚き散らす。
 「今度はお口に行きましょう」
 語り手は軽い口調で宣告する。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は驚愕の表情で叫ぶ。
 忍者姿黒装束が一人後ろから頭を押えた。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 一人が指で唇を抉じ開けて歯の間にブジーを突っこむ。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奥まで掻き廻す。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が竹下彩里警部補の顎の力が緩んだところでラジオペンチを歯の間に差し込んで口を抉じ開けてしまう。
 「うがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 語り手の男が開口器を歯の間に突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻くが開口器はきっちり口を開いていた。
 一人の忍者姿黒装束が膣の蛇を抜いて口に突っ込む。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーー」
 蛇は竹下彩里警部補の口の中で暴れる。
 「ぐがあーーーーーーぐがあーーーーーーーーーぐがあーーーーーぐぐーーーぐうーーーーーーーーーぐぐうーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻き続けるがやがて白目を剥いてしまう。
 ここで蛇は水槽に戻す。
 忍者姿黒装束が二人掛かって拷問椅子の背を後ろに倒して竹下彩里警部補の頭が腰と平行に成るまで下げた。
 一人の忍者姿黒装束が電子鞭で竹下彩里警部補の乳房に衝撃を与える。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は直ぐに意識を戻して気持ち悪さに震え藻掻く。
 「蛇の感触で気持ち悪いのでしょう。微温湯で洗ってあげましょう」
 一人の忍者姿黒装束がカメラを背にして竹下彩里警部補の股間の前に立つ。
 一物を出してクスコの中に小水を流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が拷問椅子の左右に踏み台を置いて竹下彩里警部補の腹を跨いでカメラを背に立つ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は口に開口器が入ったままくぐもった声で叫ぶ。
 この男も一物を出す。
 あと一人が両手で竹下彩里警部補の頭を押えた。
 まず竹下彩里警部補の顔に掛ける。
 竹下彩里警部補はきつく目を瞑って堪える。
 忍者姿黒装束は竹下彩里警部補の顔を小水で洗って徐々に口に狙いを定めて流し込む。
 「ごがあーーーーーーーーーー。ごがあーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は押さえられた顔を振って小水を外に跳ね返そうと藻掻き続けた。
 小水を出し終ったら忍者姿黒装束の一人が開口器を抜いてクスコも抜く。そのまま顔にバケツの水をぶっかける。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人掛かって拷問椅子の背を持ち上げて上半身を斜め上に向けた。その姿勢でグラスの水をあてがう。
 竹下彩里警部補はそれを口に含んで吐き出す。
 既にグラスを持った男に吐き掛ける気力はないらしい。そのまま二回口に含んで吐き出した。
 吐き掛けるより嗽が急務だったようである。
 忍者姿黒装束は続いて竹下彩里警部補の女の分部に膣洗浄液を突っこんで中を洗う。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 暫く竹下彩里警部補の荒い息遣いが続いた。
 
 「これはいつ頃撮った物なのでしょうかね」
 館山弁護士は大分日にちが経っていて既に竹下彩里警部補は殺されていると見ていた。
 「そうだな。拉致されてから三週間だ。とっくに処分は終わっているな」
 如月鬼堂もそう納得する。
 「生きている可能性はないよね」
 本多椿もそう思う。
 「この犯人のこれまでの傾向から確実に殺して遺体処分している。女性警察官で生きて帰った例はない」
 如月鬼堂は確りチェックしていた。
 「そうです」
 館山弁護士も確認している。
 「これまでの遺体処分は全部同じ場所ではないですよね」
 杉下一行は運搬のリスクを考えると長距離を移動するとは思えない。
 「完全に消えてしまう方法としか考えられない。それには大掛かりな設備が必要だと思う」
 「もしかして遺体処分を請け負う組織とか」
 「それも無理がある。取れる処分料にも限度はある。何かのシステムを流用しているか大掛かりな設備ではなくて完全消滅できる手段が有るかだな」
 如月鬼堂も想定が付かない。
 「火葬場を使えば足が付きます」
 「そうだな」
 「廃棄物処分場も警察はチェックしています」
 「当然だ」
 「ねえ。トイレの詰まりを溶かす薬で人の躰が解けるのですよね」
 本多椿はそっちを考えてみる。
 「いいや。警察は下水も調べている。ここまで来たら相当な捜査を行っています」
 館山弁護士は下水に大量に流せば足が付くと言う。遺体が出なくてもその出所を突き止めれば次に逮捕に繋げる。
 「そうだな」
 如月鬼堂もそれは理解していた。
 「謎ですね」
 「謎だ」
 二人して答えさえ浮かばない。
 「先週行方不明の森川千里巡査長も既にもう拷問を撮影されて遺体処分されているのでしょうな」
 杉下一行もそんな想定に成る。
 「あの場所で拉致されて何処に連れて行くのか。規模から山小屋や部落ではないぞ。地底に要塞でも造っているのじゃないか」
 如月鬼堂はそんなレベルを考える。
 「しかし先生。それには工事とかの人員が全部組織内でないと無理があります。人を雇えば何処からか漏れます」
 館山弁護士はまた疑問視する。
 「それを乗り越える規模の組織じゃないのか」
 如月鬼堂は敵を大きく見ていた。
 「そうなれば連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトはそんなに大きな場所ではないですよね」
 「そうじゃないか館山先生。最初の頃の動画はもっとこじんまりしていなかったか」
 「だとしますと次第に大きな案件に成って組織と手を組んだのですね」
 「そうじゃないのか」
 「はあ。そうかもしれません」
 館山弁護士も状況の流れからそのように見るしかないと思えた。
 「多分。連続拉致強姦事件の犯人六人を捕まえるより組織の末端のミスを探してそこから崩す。そっちに可能性があると思う。警察がどう動くかだが」
 
 画面ではドリルバイブが準備されていた。
 動画を配信するに逝き顔は必須である。
 忍者姿黒装束らは竹下彩里警部補をここまで汚してしまうと輪姦す気分にはならない。
 「今度はいい声で鳴いて逝き顔を晒していただきますよ」
 語り手が宣告する。
 「逝く分けないだろ」
 竹下彩里警部補は自分の常識の範囲である。強姦で気持ち良くはならないと言い切る。
 「そうですかこういった道具を御存じないですか」
 語り手はマイクロローターとドリルバイブを示す。
 「なによそれ」
 竹下彩里警部補はドリルバイブに驚愕する。
 警邏科の女性警察官である。そんな物まで見た事は無い。
 忍者姿黒装束はもう一度竹下彩里警部補の膣にクスコを挿入する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 「竹下彩里警部補殿。気持ち良くなることは無いと豪語されたのでは」
 「そんな機械使って」
 忍者姿黒装束は会話に委細関わらず作業する。
 大型のクスコを横向きに突っ込んで奥まで広げて準備して行く。
 もう一人がスポイトで竹下彩里警部補の膣の奥にローションを流し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻くが抵抗のしようがない。
 「浣腸してアナルも抜きましょう」
 語り手は作業している二人に要求しながら浣腸を宣告する。
 一人の忍者姿黒装束が浣腸器とバケツに氷を入れて冷水を持って来た。
 「竹下彩里警部補殿。今度は排便を披露していただきます」
 語り手は淡々と宣告する。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は怒りに沸騰する。排便まで公開されてしまう。心の中以外総てが晒し者である。
 忍者姿黒装束は容赦なく浣腸器に吸い上げた冷水を竹下彩里警部補のアナルに注入する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷水が直腸に入ると強烈に痛い。
 忍者姿黒装束二人が竹下彩里警部補の太腿を両側から押さえる。
 竹下彩里警部補が藻掻いても二人の押さえが効いて忍者姿黒装束は確り浣腸器を押えて注入し続けた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は冷水では排便の恥どころではない。究極に刺す腹の痛みに堪えられない。
 忍者姿黒装束らは敢えてアナル栓をしてない。
 「う、うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ズブーーーーーーーーーーーーーーーー。
 竹下彩里警部補はもう何の制御も利かない。一気に緩んだ便が流れ出してしまった。
 「うう、うふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。・・・・・」
 竹下彩里警部補は悔しさに言葉を吐き付けようとして恥ずかしさに留まる。
 一人の忍者姿黒装束が股間からアナルを洗い流す。
 「う、ううーーーーーーーーー」
 浣腸に使った水の残りである。かなり冷たい。
 クスコで開いたままの膣の奥も洗う。
 「ああ。ううーーーーーーーーー」
 もう一人がもう一回ローションを流し込む。
 あと一人がアナル用のドリルバイブを持って来る。
 たっぷりローションを塗って浣腸したばかりのアナルに突っ込む。
 「うーーーーーーーーぐーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻き乍ら叫ぶ。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束はゆっくりローで振動を与えてゆく。
 もう一人がクスコの奥を照らしてモニターで確認しながらマイクロローターを突っ込む。
 膣天井部の一番敏感な部分にマイクロローターの先端を当てる。
 「竹下彩里警部補殿。貴女の一番敏感な部分を責めますよ。どこまで耐えられますかな」
 語り手が宣告する。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は言い返す余地すらない。全く耐えられない。声を殺す事さえできないのである。
 三人目の忍者姿黒装束がマイクロローターをもう一本突っこむ。
 今度はGスポットの反対側を責める。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補の顔は歪み切って表情が藻掻き続けている。
 耐えるどころではない。どんどん追い詰められてゆく。
 五分と持たないで失神してしまった。
 白目を剥いて大口を開いた躯状態である。ここでアナルのドリルバイブを抜いてしまう。
 忍者姿黒装束が二人鞭を手にする。
 先端に四角く平たい革の付いた蠅叩きの様な鞭である。
 三人目の忍者姿黒装束がクスコも抜いてしまう。
 一人が竹下彩里警部補の左の乳房を狙って叩き下ろす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な叩き方で竹下彩里警部補は一気に意識を回復した。
 「竹下彩里警部補殿。気持ち良すぎて失神してしまいましたね」
 語り手はやんわり揶揄う。
 そしてモニターにその姿が再現される。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補にとっては恐ろしい自分の姿である。気持ち良さを無理やり抑えようと藻掻いている。
 そしてクスコから恥ずかしい膣液が流れ出ていた。
 「失神までして感じなかったでは通用しません。竹下彩里警部補殿は百パーセント逝ってしまったのです」
 語り手はきっぱり言葉で押さえつけて断言してしまう。
 責めに堪えられず女の性を晒してしまったと見る者に歴然と判る。
 「あんな道具を使って強制的にやったのだろ」
 竹下彩里警部補は言い訳でも辛うじて一言を返した。
 「どうであれ竹下彩里警部補殿の完全な逝き姿とその躯の姿は世界に公開されます。上司も同僚も部下も見てしまいます」
 「おのれーーーーーーーーーーーー。汚いやり方して!!」
 竹下彩里警部補は怒りを破裂させた。
 「竹下彩里警部補殿。いくらでも吠えて下さい。不格好なだけです。貴女がそんなに嫌なら何処までも意地を通せば良かったのです」
 語り手はさらに追い詰めて愉しむ。
 「・・・・・」
 竹下彩里警部補はわなわな怒りに震える。
 忍者姿黒装束が鞭を振り下ろす。
 今度は右の乳房を包むように叩き付けられた。革の平面でスパンキングはかなり痛い。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 左側の忍者姿黒装束が振り下ろす。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次は右の内腿に叩き付ける。
 竹下彩里警部補は唾を飛ばして悲鳴を絞り出す。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて左の内腿を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 三人目の忍者姿黒装束がカメラを避けて正面斜め前に立つ。
 今度はクリトリスを包んだ包皮を叩いた。こっちは先端が長方形の一本鞭である。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みである。竹下彩里警部補の表情が究極に軋む。大口を破裂させて悲鳴を絞り出す。
 最初に叩いた二人も先端が四角い太さ一センチくらいのゴムが棒状の一本鞭に持ち代えていた。先端の細いゴム製の部分は重みがある。
 これを竹下彩里警部補の肌理細かい乳房の肌に叩き付ける。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐうううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補の表情はさらに強く破裂する。
 もう一人も右の乳房を叩く。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 先に叩いた左の乳房はみるみる蚯蚓腫れが浮いてくる。それが徐々に紅く染まってゆく。
 今度は三人目が女の分部を散々責められて生々しく崩れてやや広がったびらびらを叩く。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補の躰は戒めに抑えられていながらも拷問椅子の上で僅かに迫り上がって固まる。
 そして藻掻くように躰を震撼させた。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛い。
 三人目の忍者姿黒装束はもう一発叩き付ける。崩れた小陰唇を割って中の粘膜を叩いていた。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は頭を振って痛みに藻掻く。小陰唇からやや血が滲んでいた。目からは涙の玉が浮き壊れて流れる。
 エリート警察官では同情は沸かない。溜飲の下がる思いで観る者も少なくはない。
 最初の二人が左右から続けて竹下彩里警部補の乳房を叩く。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は悲鳴を絞り出し藻掻き暴れた。
 目からは涙がさらに溢れて顔は汗に塗れて無残である。
 乳房は鞭の紅い筋がくっきり浮いていた。
 三人目の忍者姿黒装束がローターを三つとアナル用のドリルバイブをそれぞれ二人に渡す。
 「竹下彩里警部補殿。もう一度綺麗な声で泣いて貰います」
 また語り手が宣告した。
 一人はアナル用のドリルバイブにローションを塗る。
 もう一人は竹下彩里警部補の膣にローターを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめろーーーーーーーーーー」
 全部で三つ入れてしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一個のローターを三人目が持っている。
 ドリルバイブを持った忍者姿黒装束がアナルに挿入してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐにスイッチを入れて振動させる。そしてローターのスイッチも入った。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補の表情は一気に軋む。
 
 「今回は輪姦さないですね。道具で済ませています」
 杉下一行は犯人らが強姦の烙印を押してないと言う。
 「もとより女に不足してない連中だな。小便まで流し込んだ女に入れる気にはならないのだろう」
 如月鬼堂は普通の性犯罪者の類とは違うと言う。
 「目的は遊びではないのですな」
 館山弁護士もそう理解する。
 「責める事は遊びを兼ねている。奇麗な女だがどうしても入れたいとまで思わないのだろ。屈辱してばら撒くそれだけだろ」
 如月鬼堂は闇組織の冤罪班の意識をとことん読んでいた。そして叩き付けるように言う。
 「鬼堂先生は警察と社会に対する報復に虐めると言う遊びが含まれていると思われるのですね」
 館山弁護士はほぼ如月鬼堂の言い分を理解したが以前には輪姦していたと言いたい。
 「以前に被害者を態々輪姦していたのは依頼人からの要求を遂行しただけだろう」
 如月鬼堂はそう解析していた。
 
 埼玉県警。専従班の部屋である。
 「どう考えても埼玉か群馬の山間部としか考えられません」
 この刑事は検問と防犯カメラに触れない範囲をそう主張する。
 「如月鬼堂はインターネットの放送で山の中に要塞とか言っていましたが」
 この刑事は捜査の建前として放送を閲覧していた。
 「馬鹿げている。漫画や小説じゃない。そんな物を造れば何らかの情報は掴める。組織の人間だけで工事するなら限られた規模だ」
 中宮警視正は認めない。
 「山の中と思わせてビルの地下とかはないでしょうか」
 若い捜査員の意見である。
 「山井夫妻の場合はビルの地下でした」
 もう一人の捜査員もそれを疑う。
 「これでここのところだけで警察関係者が六人やられてしまった。何としても解決せねばならない」
 中宮警視正は追い詰められていた。
 「いくら防犯カメラを解析しても皆無です」
 「防犯カメラを避ける方法が有ればこの地域とは限らないのではないですか」
 どこまでも議論は纏まらない。
 
 如月鬼堂の居間。スクリーンは動画閲覧が続いていた。
 さらに三人目の忍者姿黒装束がローターでクリトリスを責めている。
 膣の中では三個のローターが暴れ続けアナルはドリルバイブが振動し続けていた。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は何処までも藻掻き続ける。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補の小陰唇の間から小水が弧を描いて噴き上げてしまった。
 遂に失禁してしまったのである。
 忍者姿黒装束らは失禁尿が全部出るまで待つ。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 失禁尿は断続的に噴き上げる。
 四回噴き上げて出切ったようである。
 「竹下彩里警部補殿。遂に失禁尿まで公開していただきました」
 語り手は悦びに溢れた声で揶揄う。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーん」
 竹下彩里警部補は藻掻くが如何ともできない。
 「これからじっくり処刑いたします」
 語り手はきっちり宣告した。
 既に金属の棒の先にT字に四角い金具の付いた焼き鏝が熱く成っている。さらに金属を鋏むような鏝も熱く成っていた。
 忍者姿黒装束二人がT字の焼き鏝を一本ずつ持つ。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに竹下彩里警部補は焼き鏝を見て悲鳴を上げた。
 二人が左の乳首の上と下に近づける。
 「あ、あーーーーーーーーーーー」
 一気に押し付けてしまう。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がった。
 五秒くらい押し付けて離す。
 乳房にはくっきり二本の焼き印の痕が黒く付いていた。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鏝を火に戻して次の二本を取り出す。
 今度は左の乳首の左右に当てた。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 左の乳首の周りに四角い焼き印が押されてしまった。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は壮絶な表情で藻掻く。
 一人が竹下彩里警部補の女の分部のびらびらを広げる。
 もう一人が広がったピンクの部分に焼き鏝の先端を縦に当ててしまう。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三人目の忍者姿黒装束が鋏む鏝で小陰唇を狙う。
 指で開いていた忍者姿黒装束は手を離す。
 三人目の忍者姿黒装束が竹下彩里警部補の小陰唇を二枚合わせて焼き鏝で鋏む。暫く鋏んで放す。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は白目を剥きかける。
 「ぐぐうーーーーーーーーーーーーー」
 「竹下彩里警部補殿。これで貴女のお○○こはくっついて開きません」
 語り手の言葉が聞こえたかどうか分からない。竹下彩里警部補は完全に失神している。
 動画はここで終了していた。
 
 「あーーーーーーーーー。凄かった」
 本多椿は恐ろしさにそう嘆いた。
 「この先は見せないで殺害ですか」
 館山弁護士もそう結末を読まざるを得ない。
 「あそこまでやってしまえば続きの動画はないだろう」
 「これが一番ハードでしょうか」
 本多椿は最期の印象が強すぎた。
 「どうだろう。どれも破壊的拷問としか言えない」
 如月鬼堂には自分らの仕事と活動を妨げる以外の何者でもない。
 「何か危険がいっぱいですね」
 本多椿も連続拉致強姦事件の犯人やその先の闇組織、それ以外にも岬ビューホテルの関連である。
 さらに大宮のオープンしたSMクラブと危険が頭を駆け巡る。
 「何とか冤罪者の班とかの襤褸を掴めないものかな」
 如月鬼堂は無理と判ってぼやく。
 「そこから一網打尽にできたら良いのですがね」
 館山弁護士も可能性は低いと見て冷ややかである。
 「そこまで行かなくても。奴らが蜥蜴の尻尾切りに成っても。連続拉致強姦事件の犯人六人も動きにくくなる。無謀には動かない連中だ」
 如月鬼堂はこの冤罪者の班が何処かで襤褸を出してくれたら暫くは安泰すると見ていた。
 
 またアンドロイドが事件を防いだ報道である。
 ストーカー殺人とはやや違うが結婚を断られた女が二十二年上の男性を絞め殺そうとした。
 なんと女は引退したばかりだが超人気の美人女子プロレスラーである。
 天葛香苗という。三十歳丁度で引退した。
 スレンダーな美人。それが重戦車のようなガタイのレスラーを叩く。混合試合から男性レスラーとシングルマッチまで行う。
 三橋貴明は天葛香苗の試合を時々見ていた。応援しているわけではない。ある意味で性的満足である。
 天葛香苗もその存在に気付いていた。そして応援していないのに自分の試合だけ見ている事も気づいている。
 プロレス観戦する層とはイメージが違う。明らかに人種が違うのである。
 そして天葛香苗が負けたり絞められて苦しむ場面に見せない表情の中に興奮を見てしまう。
 それは徐々に確実に実感として感じ取れるように成りつつあった。
 天葛香苗は三橋貴明に日増しに興味を深めてゆく。
 そんな時にグッツの販売会場を三橋貴明が通り過ぎて行った。トイレに向かう振りをしてあとを追う。
 「ねえ。私が負けると興奮する」
 行く手に立って行き成り声を掛ける。
 「する」
 三橋貴明はきっぱり答えた。ファンが自分らに気を遣うような意識は全く感じられない。
 「サディストでしょ」
 さらに強引に突っ込む。
 「否定はしない。だが私は入場料を払った一人の客だ。どういう意識で見ようと妨害などしない限り問題はない筈だ」
 三橋貴明は突っぱねる。
 「別に文句を言う心算はないよ。ねえ。私虐めたくない」
 「はっはっは。それは無理だよ。私は格闘技も何もやってない。もしもリングに上がったらあんたのキック一発で死亡だよ」
 天葛香苗は三橋貴明を横の通路に引っ張った。
 「プレレスじゃないのよ。私は抵抗しない。縛っていいのよ」
 「私があんたに何をやっても効果はない」
 三橋貴明は呆れた表情である。
 「鞭を使ったら。私を全裸にして」
 既に天葛香苗は興奮していた。
 「一体いくら払えば良いのかな」
 三橋貴明はやや答えに困る。
 「お金は要らないよ。うふふ。一日付き合って。一緒に入れる露天風呂のあるような温泉とかで」
 「あんたが有名人でなかったら罠があるとしか思えない話だな」
 三橋貴明は訝しがっていた。
 「そんなに女を信じないのね。携帯かL〇NEかメアド教えて」
 「いいよ」
 三橋貴明はあっさりスマホを開いて番号を見せた。
 「私のは」
 天葛香苗は自分の番号を教えようとする。
 「今の時点では聞かない方が無難だ」
 三橋貴明はそのまま立ち去った。
 天葛香苗は三橋貴明の自分らを一切持ち上げる事もなく丁寧に扱う意思もない態度にさらに燃え上がってしまう。
 三橋貴明は電話での誘いにはあっさり応じた。
 そして露天風呂付客室のあるホテルを提案され試合のない日を強引に開けて約束を取り付ける。
 三橋貴明は車を運転しないので天葛香苗はマスクとサングラスで特急電車を使って一緒に向かった。
 「何をしてもいいよ。痛みなら相当堪えられる」
 天葛香苗は三橋貴明の性癖が知りたい。
 「痛みはそんなに効果がない。レスラーに任せた方が良い。寧ろ女の性を責めたいな」
 「うん」
 天葛香苗は躰を任せた。為されるが侭に指使いだけで何回も上り詰めて失神を繰り返した。
 気持ちは三橋貴明にどんどん傾いて行く。
 天葛香苗から誘って何度もデートを重ねた。
 三橋貴明は勤め人ではない。
 株取引だけで生計を立てていた。
 「上がると解かっている株が下がっている問いに買う。上がり具合を見て早く売る。キャピタルゲインで安全に稼ぐのはそれが良い」
 三橋貴明はインカムゲインもやっていた。
 天葛香苗には全く自分の周りにない異質の男であったのである。
 「ねえ。どうして女子プロレスなんて見に来たの」
 天葛香苗は本位を突いた。
 「それはスレンダーで美人の君がブルドーザーのようなレスラーにぼこぼこにされるのが刺激的だからだよ」
 「私の悲鳴や苦しい表情で感じるの」
 「まあ腎虚の老人がビンビンに起つようなものだな」
 「そうなのね。私を応援しているとは全く思えないのによく私の試合見に来る異質な人。ずっと気に成っていたの」
 「へえ。客席見る余裕があるのか」
 「普通はない。でもあまりにも異質だったから。私が新人なんかとやるときは来ないよね」
 「君が勝つと解かっているからね」
 「やっぱりサディスト」
 天葛香苗は三橋貴明の自分を虐めたい願望を強く実感する。
 「否定はしない」
 「SMクラブに行くの」
 「昔は行っていた。今は良いところがない」
 「如月鬼堂って知っている」
 「そりゃあ。その世界の有名人だからな」
 「そのクラブって言うか会には入らないの」
 「紹介者が居ないと駄目らしい。館山という弁護士の事務所が審査していて厳しいらしい」
 三橋貴明は落とされたのである。
 「そっちの台に」
 三輪三千夫は産婦人科診察台を示す。
 「脱いで」
 紀咲槙乃は自分で服を脱ぐか確認した。
 「そのままでいい」
 三輪三千夫は自分で脱がせる気はない。脱がすのも愉しみである。
 紀咲槙乃は診察台に腰を下ろして躰を横たえた。
 三輪三千夫は肩の後ろに手を回して顔を引き寄せてまず唇を貪る。
 紀咲槙乃は受け入れるしかない。
 腰だけ診察台にベルトで止めてスカートを捲り上げる。下半身が一気に下着姿を晒す。
 ストキングを下ろしてショーツも一気に脱がしてしまう。
 脚に乗せ台に脚を乗せて大股開きにして膝を縄で固定する。
 「さあて。汚れたままかな」
 三輪三千夫は約束通りかと確認する。
 「はい」
 紀咲槙乃は目を瞑って顔を逸らせる。高額な金を貰う以上約束通り従うしかない。
 三輪三千夫は紀咲槙乃の女の分部を広げた。
 薄い緋色の部分には斑に近いように粕が確認できる。
 「腐った雌臭だ」
 三輪三千夫は態と酷い言葉を吐く。
 「いやあーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は堪らず叫んでしまう。
 「約束通りだ。匂いは撮影できない。言葉で残しておかないと」
 「えーーーーーーーーー。そこまで」
 紀咲槙乃は表情を強く歪めた。
 三輪三千夫は紀咲槙乃をとことん辱めたい。
 まずは薄い緋色の部分の粕を採取する。
 「・・・・・」
 顔を強く反らせているが前回ほどの反応はない。
 「大方生え揃ったな」
 三輪三千夫は紀咲槙乃の陰毛を抓む。
 ローションを掛けて剃毛する。前回剃毛していて生えたばかりの毛は柔らかい。大陰唇の部分がやや手間が掛かっただけである。
 クスコを挿入する。
 これも前回ほどは興奮度が見えない。
 奥から濁った膣液に混じった粕をロングスプーンで取り出す。
 「この間ね。大庭という人に付いたの。凄く嫌だった」
 紀咲槙乃はぽつりを語り始めた。
 「ほう」
 「その人ね。五百万で乳首斬らせないかって言うの。整形代は別に払うと言うの。医者も手配するって」
 「それは安いな」
 「コロナで経営不振に陥る人が多かったので内密に斡旋していた旅館が有ったのだって」
 「危険な人間だな。マネージャーに言った」
 「ううん。トラブルに成ったら困るから」
 「そのお客は受けない方がいいと思うな。危険な人間だよ。マネージャーに断って貰えばいい」
 三輪三千夫はオーナーとしてはとんでもない客である。
 「うん。そうかあ」
 紀咲槙乃は頼りなく納得する。
 その後も三輪三千夫は前回と同じようなプレイを行った。
 三輪三千夫は紀咲槙乃をとことん辱めて女の総てを白日に晒して虐めたい。やや茶褐色だが美しい肌を叩いて蚯蚓腫れと悲鳴が愉しみたい。
 「同じような動画を撮るのですね」
 「日によって女は微妙に違う。同じようでも良いのだ」
 あくまで三輪三千夫の個人的満足である。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 出前の寿司を取って雑談していた。
 テレビのニュース番組が速報を告げる。
 『吉永順一巡査部長と森川千里巡査長が乗っていた捜査車両を荒川の河川敷で発見』
 「吉永順一巡査部長の遺体発見現場とはかなり離れているな」
 「そうですね」
 「四本目の動画は出ませんね」
 本多椿は明日の報道スタジオの前に出てほしくない。
 「地底に相当大きな施設が無いと前の事件と今度の事件の現場の説明が付かない」
 「前回のR国ツアーの事件が潜水艦で日本に運ばれたと仮定しましても海岸線の近くでなければ内陸部へは運ばないと思います」
 「あの時R国に神谷悠乃警部補を運ぶのは時間的に無理だ」
 「そうですね。山井夫妻が移動したと見るべきです」
 館山弁護士もそこまでは納得する。
 「そうすると山井夫妻が神谷悠乃警部補を拷問した場所と今回の場所は別と言う事だな」
 「そうじゃないですか。今回拉致された場所はかなり内陸部です」
 「主犯が違うと見られるからな」
 「R国のツアーとその前のR国海外企業の事件は連続拉致強姦事件の犯人が主犯で今回は依頼を受けていた闇組織の冤罪班が主犯ですか」
 「そうだな」
 如月鬼堂も状況を絞れるようで何か混沌としている。
 
 七月三十日。
 如月鬼堂は杉下一行からメールを貰って東京駅六時八分の新幹線で本多椿を伴って越後湯沢に戻った。
 駅には瀬里菜が迎えに来ている。
 杉下一行も館山弁護士も既に如月鬼堂の居間に着いていた。
 遂に四人目の竹下彩里警部補の動画が公開されたのである。
 下村沙里巡査長と一緒に拉致された。二十八歳のエリート警部補である。
 前の三名と同じ拷問椅子に大股開きに磔にされている。同じように躰を撮影されていた。
 まだ眠らされたままである。
 忍者姿黒装束が二人。先端が四角い蠅叩きの様な一本鞭を持っている。
 それで竹下彩里警部補の頬を両側から叩く。
 「ぶおーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーー」
 竹下彩里警部補は顔を振って目をぱちぱちさせる。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんなのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は驚きの叫びを上げた。
 「竹下彩里警部補殿。よおく周りを見て下さい。どのような立場に置かれているか」
 語り手が静かに宣告する。
 「あ、あわああーーーーーーーーーーーーーー。お、お前たちは」
 竹下彩里警部補は驚きと怒りの表情である。
 「竹下彩里警部補殿。慌てても手遅れでございます」
 「どうするのよ」
 「はっはっはっは。これまでの動画と同じですよ」
 「あ、ああーーー。・・・・・」
 竹下彩里警部補は藻掻くが拷問椅子は軋むように揺れる。
 「前のスクリーンを見て下さい。寝ておられる間に撮影しました。まあ最初の部分はみな同じです」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はスクリーンに自分の大股開きの全裸が投影されて悲鳴を上げる。
 乳房、乳首のアップ。臍に下がり女の分部のアップに成る。それが両側から広げられた。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は自分でも見た事のない部分である。
 「あまりお使いに成ってないご様子です。薄小豆の縁に中は綺麗な薄橙です」
 「やめなさい。下劣な」
 竹下彩里警部補は警察官口調で叫ぶ。
 「はっはっはっは。これが世界中にばら撒かれます。もうアドレスは八千万くらい収集しております。さらにそこから二次三次と拡散されます」
 語り手は竹下彩里警部補が怒れば逆撫でして揶揄う。
 「貴方達は何者なの」
 「我々は日本社会から弾き出されたアウトローです。戸籍を持たない者。冤罪者。刑期を終えてまともに社会復帰の許されない者も居る。その中で冤罪者の班です」
 語り手はこれまでと同じことを語る。
 「連続拉致強姦事件の犯人なのね」
 「いいえ違います。でもそのグループの依頼を受けた仕事を仲間がやりました。今回は我々の目的です」
 語り手は全く抑揚のない言い方である。
 「此処がその組織の本拠地なの」
 竹下彩里警部補は自分の恥ずかしい姿がモニターに投影されている中でも気丈に闘う。
 「いいえ。拠点は幾つもございます」
 「目的は何なの」
 竹下彩里警部補は目を細めながらも気丈にまだ追及する。スクリーンには小陰唇の粘膜がアップで生々しく投影されていた。
 「冤罪で時間と人生を消耗させられた事への社会と警察への報復です」
 語り手はきっぱりした言い方である。
 「そんな。努力して無罪を立証するべきでしょう」
 「そんな一方的正論。聞く耳持ちません。立証したところで消耗させられた時間と人生は何も返りません」
 語り手は怒りを殺して淡々と語る。寧ろそれが竹下彩里警部補を心底恐れさせた。
 「それだって関係のない社会と無関係な人に」
 言葉はまだ気丈だがスクリーンでは竹下彩里警部補の小陰唇がまた広げられて強く目を逸らせてしまう。
 「貴女方は無関係ではない!警察組織の一員です」
 語り手の語気はやや強くなったが直ぐ平常に戻る。
 「ああ」
 スクリーンでは竹下彩里警部補の女の分部にクスコが挿入された。
 「我々は闇の仕事で大きな利益を得ています。それ以外に生きる道はないのです。これは報復と我々の満足です」
 語り手は何処までも淡々とした口調で語る。
 「・・・・・あはあ」
 スクリーンではクスコで広げた竹下彩里警部補の女の奥がアップに成っていた。さすがに気丈だった竹下彩里警部補も臆してしまう。
 「竹下彩里警部補殿。画面をよく見て下さい。この先動画はもっと大変な事に成りますよ」
 語り手は揶揄う口調に成る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は強烈な悲鳴を上げてしまった。スクリーンではクスコに蛇が挿入されてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻き叫ぶ。
 「や、やめろーーーーーーーーーーーーー」
 既に声は震えていた。
 「此処に居ますよ」
 忍者姿黒装束が水槽から蛇を掴み出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束は竹下彩里警部補の腰に蛇を載せてしまう。
 「・・・・・」
 だが今度は取り乱さない。
 もう一人忍者姿黒装束がクスコを取り出す。
 「あーーーーー。なにーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はさすがに恐々とする。
 忍者姿黒装束が今度は意識のある竹下彩里警部補の女の分部に一気にクスコを差し込んでしまう。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が腰に置いた蛇を掴み直す。
 忍者姿黒装束はクスコを螺子で広げる前に竹下彩里警部補のクリトリスを指で剥く。
 蛇を嗾けて竹下彩里警部補のクリトリスを舐めさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あ、あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は緊迫した叫び声に成ってしまう。
 「あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー」
 唖然と叫び続ける。
 忍者姿黒装束は適度に蛇を持ち直す。クスコの螺子を回して広げる。そして今度はクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補はさらに強烈な悲鳴に成る。
 「はっはっはっは。女刑事でも蛇は駄目なご様子で」
 語り手はまた揶揄う口調である。
 「こんなところにいれるかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに耐えられず竹下彩里警部補は喚き散らす。
 「今度はお口に行きましょう」
 語り手は軽い口調で宣告する。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は驚愕の表情で叫ぶ。
 忍者姿黒装束が一人後ろから頭を押えた。
 「やめろーーーーーーーーーーーー」
 一人が指で唇を抉じ開けて歯の間にブジーを突っこむ。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 奥まで掻き廻す。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が竹下彩里警部補の顎の力が緩んだところでラジオペンチを歯の間に差し込んで口を抉じ開けてしまう。
 「うがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 語り手の男が開口器を歯の間に突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻くが開口器はきっちり口を開いていた。
 一人の忍者姿黒装束が膣の蛇を抜いて口に突っ込む。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーー」
 蛇は竹下彩里警部補の口の中で暴れる。
 「ぐがあーーーーーーぐがあーーーーーーーーーぐがあーーーーーぐぐーーーぐうーーーーーーーーーぐぐうーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻き続けるがやがて白目を剥いてしまう。
 ここで蛇は水槽に戻す。
 忍者姿黒装束が二人掛かって拷問椅子の背を後ろに倒して竹下彩里警部補の頭が腰と平行に成るまで下げた。
 一人の忍者姿黒装束が電子鞭で竹下彩里警部補の乳房に衝撃を与える。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は直ぐに意識を戻して気持ち悪さに震え藻掻く。
 「蛇の感触で気持ち悪いのでしょう。微温湯で洗ってあげましょう」
 一人の忍者姿黒装束がカメラを背にして竹下彩里警部補の股間の前に立つ。
 一物を出してクスコの中に小水を流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一人が拷問椅子の左右に踏み台を置いて竹下彩里警部補の腹を跨いでカメラを背に立つ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は口に開口器が入ったままくぐもった声で叫ぶ。
 この男も一物を出す。
 あと一人が両手で竹下彩里警部補の頭を押えた。
 まず竹下彩里警部補の顔に掛ける。
 竹下彩里警部補はきつく目を瞑って堪える。
 忍者姿黒装束は竹下彩里警部補の顔を小水で洗って徐々に口に狙いを定めて流し込む。
 「ごがあーーーーーーーーーー。ごがあーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は押さえられた顔を振って小水を外に跳ね返そうと藻掻き続けた。
 小水を出し終ったら忍者姿黒装束の一人が開口器を抜いてクスコも抜く。そのまま顔にバケツの水をぶっかける。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二人掛かって拷問椅子の背を持ち上げて上半身を斜め上に向けた。その姿勢でグラスの水をあてがう。
 竹下彩里警部補はそれを口に含んで吐き出す。
 既にグラスを持った男に吐き掛ける気力はないらしい。そのまま二回口に含んで吐き出した。
 吐き掛けるより嗽が急務だったようである。
 忍者姿黒装束は続いて竹下彩里警部補の女の分部に膣洗浄液を突っこんで中を洗う。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 暫く竹下彩里警部補の荒い息遣いが続いた。
 
 「これはいつ頃撮った物なのでしょうかね」
 館山弁護士は大分日にちが経っていて既に竹下彩里警部補は殺されていると見ていた。
 「そうだな。拉致されてから三週間だ。とっくに処分は終わっているな」
 如月鬼堂もそう納得する。
 「生きている可能性はないよね」
 本多椿もそう思う。
 「この犯人のこれまでの傾向から確実に殺して遺体処分している。女性警察官で生きて帰った例はない」
 如月鬼堂は確りチェックしていた。
 「そうです」
 館山弁護士も確認している。
 「これまでの遺体処分は全部同じ場所ではないですよね」
 杉下一行は運搬のリスクを考えると長距離を移動するとは思えない。
 「完全に消えてしまう方法としか考えられない。それには大掛かりな設備が必要だと思う」
 「もしかして遺体処分を請け負う組織とか」
 「それも無理がある。取れる処分料にも限度はある。何かのシステムを流用しているか大掛かりな設備ではなくて完全消滅できる手段が有るかだな」
 如月鬼堂も想定が付かない。
 「火葬場を使えば足が付きます」
 「そうだな」
 「廃棄物処分場も警察はチェックしています」
 「当然だ」
 「ねえ。トイレの詰まりを溶かす薬で人の躰が解けるのですよね」
 本多椿はそっちを考えてみる。
 「いいや。警察は下水も調べている。ここまで来たら相当な捜査を行っています」
 館山弁護士は下水に大量に流せば足が付くと言う。遺体が出なくてもその出所を突き止めれば次に逮捕に繋げる。
 「そうだな」
 如月鬼堂もそれは理解していた。
 「謎ですね」
 「謎だ」
 二人して答えさえ浮かばない。
 「先週行方不明の森川千里巡査長も既にもう拷問を撮影されて遺体処分されているのでしょうな」
 杉下一行もそんな想定に成る。
 「あの場所で拉致されて何処に連れて行くのか。規模から山小屋や部落ではないぞ。地底に要塞でも造っているのじゃないか」
 如月鬼堂はそんなレベルを考える。
 「しかし先生。それには工事とかの人員が全部組織内でないと無理があります。人を雇えば何処からか漏れます」
 館山弁護士はまた疑問視する。
 「それを乗り越える規模の組織じゃないのか」
 如月鬼堂は敵を大きく見ていた。
 「そうなれば連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトはそんなに大きな場所ではないですよね」
 「そうじゃないか館山先生。最初の頃の動画はもっとこじんまりしていなかったか」
 「だとしますと次第に大きな案件に成って組織と手を組んだのですね」
 「そうじゃないのか」
 「はあ。そうかもしれません」
 館山弁護士も状況の流れからそのように見るしかないと思えた。
 「多分。連続拉致強姦事件の犯人六人を捕まえるより組織の末端のミスを探してそこから崩す。そっちに可能性があると思う。警察がどう動くかだが」
 
 画面ではドリルバイブが準備されていた。
 動画を配信するに逝き顔は必須である。
 忍者姿黒装束らは竹下彩里警部補をここまで汚してしまうと輪姦す気分にはならない。
 「今度はいい声で鳴いて逝き顔を晒していただきますよ」
 語り手が宣告する。
 「逝く分けないだろ」
 竹下彩里警部補は自分の常識の範囲である。強姦で気持ち良くはならないと言い切る。
 「そうですかこういった道具を御存じないですか」
 語り手はマイクロローターとドリルバイブを示す。
 「なによそれ」
 竹下彩里警部補はドリルバイブに驚愕する。
 警邏科の女性警察官である。そんな物まで見た事は無い。
 忍者姿黒装束はもう一度竹下彩里警部補の膣にクスコを挿入する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーー」
 「竹下彩里警部補殿。気持ち良くなることは無いと豪語されたのでは」
 「そんな機械使って」
 忍者姿黒装束は会話に委細関わらず作業する。
 大型のクスコを横向きに突っ込んで奥まで広げて準備して行く。
 もう一人がスポイトで竹下彩里警部補の膣の奥にローションを流し込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は藻掻くが抵抗のしようがない。
 「浣腸してアナルも抜きましょう」
 語り手は作業している二人に要求しながら浣腸を宣告する。
 一人の忍者姿黒装束が浣腸器とバケツに氷を入れて冷水を持って来た。
 「竹下彩里警部補殿。今度は排便を披露していただきます」
 語り手は淡々と宣告する。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹下彩里警部補は怒りに沸騰する。排便まで公開されてしまう。心の中以外総てが晒し者である。
 忍者姿黒装束は容赦なく浣腸器に吸い上げた冷水を竹下彩里警部補のアナルに注入する。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷水が直腸に入ると強烈に痛い。
 先端が長方形の革二枚の一本鞭である。
 紀咲槙乃はさらに恐怖に震えてしまう。二時間付けて鞭で叩き落される。尋常な恐怖ではない。
 的確に狙って洗濯鋏を叩き落とす。
 右の乳房の右側から叩いた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 躰は強く藻掻き硬く揺する。
 普通に乳首を鋏んだ洗濯鋏を鞭で落としたのとは違う。
 二発目は右の乳首を落とす。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーがはあーーーーーーーーーいたいいーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は涙と涎を振り飛ばした。般若の表情を破裂させて狂った様に泣き叫ぶ。
 三発目も続いて叩き落とす。
 僅かな時間に六本を叩き落としたが紀咲槙乃は猛狂女の様に暴れ続けた。
 十字架はぐらぐら揺れ磔の縄は僅かに緩んでいる。
 「ぐがあああーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な叫びを繰り返す。
 三輪三千夫は前に膝を着いて表情を見ながら両方の乳房を掴む。
 「ぐおーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーおーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーおーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は揉まれても強烈な痛みに轟音の様な叫びを上げる。それがサイレンの様に喚き続けた。
 涙はぼろぼろ零れる。
 揉み続けて三十分くらいで徐々に悲鳴は治まり荒い息遣いも治まった。
 三輪三千夫は紀咲槙乃の戒めを脚首から解いてソファーに座らせる。
 紀咲槙乃は躰を丸めて震えていた。
 「痛かったな。普通に洗濯鋏を叩き落としても瞬間の痛みだが二時間鋏んだままだったから壮絶な痛みに成ったのだよ」
 三輪三千夫は紀咲槙乃が落ち着いたところで説明する。
 「判っていました。大庭と言う客に二時間付けられて泣きに泣きました。鋏まれていた痛みより鋏まれていた肉が戻る痛みが壮絶だって」
 紀咲槙乃は辛い表情で重々しく語る。
 「乳首斬らせろと言った客か」
 「そう」
 紀咲槙乃は吐き捨てる言い方である。余程嫌な客だったらしい。
 「一週間くらい乳首の感覚が無かったか」
 「うん」
 紀咲槙乃は三輪三千夫には仕方ないと思っていた。
 本日は撮影なしで五十万貰っている。
 
 八月九日。
 三輪三千夫の自宅に専従班の捜査が入った。
 理由は地下室の存在である。
 「埼玉県警捜査一課専従班の中宮です。連続拉致強姦事件に関連した事件の捜査なのですがご協力いただけないでしょうか」
 中宮警視正は丁重に申し出る。
 「何の協力でしょう」
 三輪三千夫は訝しがりながら確認する。
 「こちらに地下室が御座います。こちらを調査させていただきたいのですが」
 中宮警視正は静かな口調で事件に関わる核心部分の捜査をお願いした。
 「確かに在ります。SMルームとして造りましたから。まだ一回も目的には使っておりません。ご自由にお調べください」
 三輪三千夫は言い切ってしまう。全く無関係と自信を持てる。
 工事の人達の諮問くらいしか出て来ない筈である。
 「ありがとうございます」
 中宮警視正は礼を述べながら可能性は薄いと感じた。
 「こちらにはお一人で」
 ここから質問を金澤佳志乃警部補が代わる。三十代前半のエリート警察官である。
 そして拉致されて行方不明の森川千里巡査長の以前の上司であった。
 「そうです」
 「お仕事は」
 「収入源は株取引と為替です。インカムゲインとキャピタルゲイン。そして為替差益が主な収入源です」
 三輪三千夫は通帳を差し出してしまう。
 「拝見させていただきます」
 金澤佳志乃警部補はそのまま中宮警視正に渡す。
 中宮警視正パソコンを取り出した。利益を簡単に計算する。
 「これは凄い利益ですね。75円32銭で買った十億円分のドルを百五十一円十銭で売却ですか」
 「確定申告で殆ど税金に持って行かれますよ」
 三輪三千夫は不満をぶちまけてしまう。
 「しかし結構な収入です」
 半分以下に成っても中宮警視正から見れば途轍もない収入である。
 「鑑識捜査は今からですか」
 三輪三千夫には時間の都合もある。
 「そうですね」
 金澤佳志乃警部補はきっぱり宣言する。
 「地下室の捜査は自由にやって頂いて構いませんが私は予約が有るので出なければなりません。取止めるとキャンセル料が掛かりますので」
 「まあ。拘束はできませんがどちらへ」
 金澤佳志乃警部補はそれでも行く先まで確認する。かなり強引な捜査と言えるのではないだろうか。
 「実はSMクラブで予約していまして」
 三輪三千夫もその内容を悪びれもしない。
 「どちらの」
 パソコンからクラブのサイトを見せる。
 金澤佳志乃警部補はなんと強引に電話を掛けてしまう。三輪三千夫はこういった警察官が難しい事件で冤罪を作るのだなと思った。
 「クラブ麗です」
 マネージャーが出る。
 「埼玉県警捜査一課専従班の金澤です。本日そちらに三輪さんの予約は入っていますか」
 「今日と言いますか二十四時から六時間頂いております」
 「ありがとうございます」
 確認はできた。
 「あと一つだけ。このロボットは何でしょう」
 中宮警視正が確認する。
 ミニスカート姿の女性の人形が立っていた。
 「それ。ダッチワイフです。縛りの練習に使っています。問題に成っていますロボットには見えますが自分で動いたりはしません」
 「いくらぐらいですか」
 「これは十八万ですが。地下にも二体有ります。二十八万と九万です」
 「ダッチワイフ。空気を入れて使う人形の様な物を想像しておりましたが随分成功にできていますね」
 「そのダッチワイフの中に骨組みの代わりに二足歩行ロボットを内蔵した物がこの間強盗を撃退したのでしょう」
 三輪三千夫はニュースで見た内容を言う。拉致に使われた事も知っているが敢えて強盗を撃退した方を取り上げた。
 「この縛り方は何と言うのでしょう」
 金澤佳志乃警部補はいかがわしく思って確認してしまう。
 一体は十字架に磔られ一体は吊るされていた。
 「拷問椅子に乗っているのが高手小手と言います。吊るされているのが駿河問いです」
 三輪三千夫はきっぱり専門用語で答える。
 「大分SMが深いご趣味で」
 「その為に金を稼いでいます」
 三輪三千夫はこれもきっぱり言い切る。
 「ちなみにその元金はどのように稼がれたのですか」
 「昔はSEをやっていました。開発が暗礁に乗り上げた案件を一人で一括下請けします。年収で五千万くらいに成りました。それをキャピタルゲインで」
 「それは凄いですね」
 中宮警視正は驚嘆する。
 「捜査が終ったらカギは」
 金澤佳志乃警部補が確認しておく。
 ポストに入れておいてください。
 「それでは後日お返しに参ります」
 「暫く仕事をしますので」
 三輪三千夫はパソコンのマルチモニター四台に向かう。出かけるのは二十二時でまだ時間がある。
 結局何も出なかった。そして鑑識捜査は三輪三千夫が出掛けるより早く終ってしまう。
 まったく無駄な捜査であった。金澤佳志乃警部補の質問はさらに無駄そのものと言える。
 「ご協力ありがとうございました」
 中宮警視正らは帰った。
 
 八月十日。
 和歌山。岬ビューホテルの離れの間である。
 木村草太若頭補佐が来訪して青子学と岡田弥一郎が対応していた。
 「来週には入れて貰えないか」
 木村草太若頭補佐が要求する。今回の生贄も早く金が必要である。
 「ま。台風が去った事で。話は回してありますから集められるとは思います」
 岡田弥一郎はぎこちない答えである。
 八月の十八日から二泊で打診はしていた。
 
 八月十二日。
 台風七号は関東に接近している。新幹線がいつ止まるか分からない。台風の進路は大方予測されてはいるが予想円はまだ大きい。
 インターネットアダルト放送のスタジオである。
 岡田由美がソファーに横たえて着衣のまま如月鬼堂に女の分部を責められていた。
 「あはああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 如月鬼堂は岡田由美に適度にアクメを晒させてタンポンを挿入してしまう。
 スカートの中でショーツをずらしての挿入で局部はカメラに映らない。
 「行方不明を報道されていました森川千里巡査長はまだ見つかっていません。またこれまでのような動画も公開されていません」
 岡田由美は読みながらジャケットを脱いでスカートも脱ぐ。
 高嶋波琉は如月鬼堂が岡田由美を責めている間に自分でタンポンを挿入していた。
 「警察は派遣会社の年輩スタッフ六人の事件で山荘が爆破され群馬の山中から埼玉の山間部を重点的に捜査しましたが進展はない模様です」
 高嶋波琉もジャケットを脱ぎスカートを脱いで読む。
 「捜査範囲から外には防犯カメラに映らないで車両が移動はできないとの事です。最近この地帯の防犯カメラは強化されていました」
 岡田由美は純白のブラを外す。
 毎回見慣れているが美しい乳首と乳房がアップに成る。
 「遺体の処分がどう行われたのかが最大の謎です。警察犬による捜査にも全く引っ掛かりません」
 高嶋波琉も純白のブラを外した。
 「埼玉県警と群馬県警が合同でこの一帯の外周に防犯カメラを強化していました。森川千里巡査長はこの範囲内で行方不明に成りました」
 岡田由美は局部にタオルを当ててショーツを脱ぐ。
 「警察の捜査範囲はこの周囲に進んでいます。ですがR国から日本へ運ぶ手段も解明されていません。山井夫妻がどうやって日本に戻ったかもまったく謎のままです」
 同じように高嶋波琉も純白のショーツを脱ぐ。
 下着とタンポンは本日の視聴者プレゼントと成る。応募は放送時間内の締め切り迄にインターネットから番組ホームページよりと字幕が出た。
 締め切り時間とURLが表示される。
 「鬼堂先生。この犯人が被害者の女性警察官に拷問を行った場所はこの範囲に存在するのでしょうか」
 本多椿はここで如月鬼堂に振ってしまう。
 「私はこの範囲内に犯人らの地底の要塞の様なものが有ると思っています。組織の規模は相当に大きいと思います」
 如月鬼堂は構わず持論を展開し始めた。
 「犯人はこの範囲内から被害者を動かしてないのでしょうか」
 本多椿はさらに如月鬼堂乃持論を誘い出す。
 「最初に拉致された四人の女性警察官は川越市内から運び込んでいます。何らかの輸送手段があると思います」
 「その場合何で警察犬の追跡に引っ掛からないのでしょう」
 「強い匂いの中に混ぜて運搬していてさらに外に匂いを出さない物質に密閉されているのではないでしょうか」
 完全に如月鬼堂の憶測でしかない。それでも委細構わず述べてしまう。視聴者も多くがそれに期待していた。
 「そんな物質が存在しますか」
 「現状では存在しません。開発もされていません。闇組織が開発したのではないでしょうか。それ以外は考えられません」
 「それではこの犯人らを逮捕は不可能ですか」
 「連続拉致強姦事件の犯人六人を捕まえるのは限りなく難しいと思いますが冤罪者の班とか言っている連中の僅かな襤褸を見つけ出すのが最善です」
 「どうしてでしょう」
 「組織の人数が多い分襤褸を出す可能性は高くなります」
 如月鬼堂はここに僅かな期待を持っていた。
 「どんな可能性が考えられますか」
 「新しく設置した防犯カメラを重点に犯罪歴が有って死亡届の出ている人物を探す事です」
 「新しい防犯カメラに映る可能性が有りますか」
 「まず組織は防犯カメラの所在情報を全国的に持っていると思われます。犯人らが何時でも地下に居るとは思えません。安全範囲は動くでしょう」
 如月鬼堂はやや希望を持たせて打ち切ってしまう。
 このあと岡田由美と高嶋波琉が股間からタンポンを抜いて番組中に行われた応募が締め切られ抽選が行われた。
 
 八月十四日。
 台風七号は明日を目途に近畿に近付いていた。関東直撃はなさそうである。新幹線は計画運休が報じられていた。
 埼玉県警専従班の部屋である。
 若いITオタクの捜査員が執念の発見らしきを得た。
 「この人物。徒歩ですが瞬間マスクを取ってサングラスを外しました。路上殺人未遂で逮捕された神丘裕二と思われます。既に死亡届が出ています」
 それから詳細に確認が行われる。
 「この事件が冤罪だったのか」
 「取り調べによる自白だけですね」
 「可能性は高いな」
 そして中宮警視正の指示でその付近一帯に張り込みが開始された。
 其処は群馬と埼玉の境目で埼玉側である。
 そして警察犬を動員して五人の犠牲者と成った女性警察官の追跡も行われた。
 だがこっちの成果は無いようである。
 群馬県側の企業の保養施設にも群馬県警が捜査に入った。
 既に近付く者の動きは組織のカメラがキャッチしている。客室の者は全部地下の通路を通って退避していた。
 管理人が対応して終ってしまう。
 
 八月十五日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 冷房をガンガン利かせて室内でバーベキューを行う。生ビールはキリキリに冷やしていた。
 「冤罪者の班と言う部分はカットすべきだったな」
 川口の会長は危険を察知した。
 「端澄敏郎の事件でも出ているぞ」
 医者の男は今更と言う。
 「そうだが今度は的を絞られてしまう。如月鬼堂もそんな事を仄めかしているぞ」
 端澄敏郎の事件では立て籠もって全員自決した。場所を特定される以前に立て籠もりである。
 「危険か」
 印刷会社の社長である。そこまでは考えなかった。
 「危険だな」
 川口の会長はきっぱり断言する。
 「あっちの組織に警告するか」
 「ああ」
 川口の会長にはいつもにない緊張感が走っていた。
 
 埼玉県の奥地。そして群馬との県境である。
 中宮警視正らは十二人体制で張り込みに入っていた。
 捜査車両三台である。
 だが組織側も警戒していた。
 問題は出掛けた二人である。戻って来るまで鳥に見せかけた小型のドローンが追尾していた。
 だがこの面々でも此処は安全地帯と警戒は緩い。
 企業の保養施設に警察が来たが何も出なかった。これに安堵して緊張感が足りなかったのである。
 組織の地下要塞の入口と成る建物に居た四人も捜査車両の存在に気付いてなかった。
 最初の捜査車両の四人が帰って来る二人に職務質問を掛ける。
 鳥に見せかけたドローンの映像からようやく状況が確認された。
 地下要塞の入口と成る建物に居た四人がまず早急にアンドロイド二体を向かわせる。
 ミニスカートのまま人間の倍くらいのスピードで走る。
 自分らも直ぐ後ろから向かう。
 だがこれがこの連中の間違いであった。
 四人の刑事は警察官の身分証を提示する。
 「ご協力お願いします」
 刑事らは犯罪履歴が有って死亡届の出ている該当者のリストを作成していた。
 「どうやら逃れられないらしいな」
 男に凶悪な形相が奔る。
 二人は行き成り刑事にナイフで飛び掛かった。
 かなりの訓練を受けている。動きは強烈に素早い。二人の若い刑事は躱す事ができない。
 「うおーーーーーーー」
 両名とも心臓を刺されれてしまった。
 残った二人の刑事は拳銃を取り出す。
 組織の男二人はそれを回し蹴りで躱した。
 そこにミニスカートのロボットが走り込んで来る。
 飛んで二人の刑事に飛び付く。
 組織の二人もその刑事を掴む。
 ロボットは瞬間に自爆した。
 組織の二人も刑事二人もすっ飛んでしまう。
 もう一体が一台の捜査車両を見つけて飛び込む。
 この四人の刑事もロボットの爆発で飛ばされてしまう。
 さらに後ろから組織の四人が来る。
 中宮警視正らは爆風を聞いて車から出ていた。そのまま爆風の方に向かう。
 組織の四人はその後ろから追いつく。
 中宮警視正らも気付いて撃ち合いになる。
 既に応援を呼んでいた。
 中宮警視正らはロボットに爆破された二台目の捜査車両を遮蔽物にして裏側から撃ち合う。
 組織の三名を射殺して刑事二名も被弾した。最後の一人に金澤佳志乃警部補が後ろに回り込む。
 自殺しようとする男の拳銃を押えた。
 中宮警視正と二人で辛うじて最後の一人を逮捕する。
 警察の損害は殉職者八名。重症二名である。
 またもやロボットを使った犯罪に大被害を被ってしまった。中宮警視正の責任は極めて重い。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は原稿を書きながらニュース速報に気付く。
 『連続女性警察官拉致拷問殺害事件の犯人の一人を逮捕。専従班に殉職者八名。重症二名。犯人グループも五名が死亡』
 直ぐに館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 「先生。遂に成果が出ましたよ」
 館山弁護士はインターネットアダルト放送のヒントで成功とやや悦ぶ。
 「だが犠牲も大きい。それにこの犯人は何もしゃべらない」
 如月鬼堂は成果と言うには冷めていた。
 「でもさすがに組織が暗殺に来るのは無理でしょう」
 館山弁護士は如何に組織と雖も留置場の中までは及ばないと言う。
 「来ないと思う。その男がしゃべらない事に掛けるしかない筈だ。その男とて総てを知る訳ではない」
 「さすがに拷問はできません。しゃべらないまま送検して起訴して裁判の可能性も有ります」
 館山弁護士もそれは認める。
 
 八月十六日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は九時過ぎに起きた。
 シャワーを浴びて朝食のラーメンを作って執筆に掛かる。
 十時をやや回って年配女性アナウンサーの名前の付いた報道番組である。
 「昨日逮捕された連続女性警察官拉致拷問殺害事件の犯人神永和夫は死亡届を出して吉岡一の戸籍を使っていました。容疑は認めています」
 若い女性アナウンサーがニュースを読む。
 報道に公開された内容は僅かである。
 「神永和夫は動機だけ語った模様です。自分は冤罪で人生を潰された。だから社会、特に警察に復讐していると語っています。それ以外は何も答えず雑談にも応じないとの事です」
 如月鬼堂の予測通りである。
 さらに警察官の殉職者と重症の二名の状況が報道され射殺とロボットの自爆で死んだ犯人五人の本名も公開さる。
 その全員に死亡届が出されていた。
 そして他に進展がないので犯人らが冤罪と主張するそれぞれの過去の事件が詳細に一件ずつ解説報道される。
 内容は大きなスクリーンに整理されていた。
 その後も群馬県警と埼玉県警がローラーを掛けるように捜査を行っているが何も出てない。
 
 八月十七日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は朝早く起こされた。急いでシャワーを浴びて準備する。
 杉下一行とテレビ会議が繋がっていた。
 館山弁護士も直ぐに繋いで来る。
 森川千里巡査長の動画が公開されたのである。
 少し遅れて本多椿も繋いで来た。
 森川千里巡査長の躰はこれまでと同じオリジナルの拷問椅子に大股開きに固定されている。
 まだ眠らされたままである。
 忍者姿黒装束の一人が放水銃を森川千里巡査長の女の分部に当てる。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は冷たさと衝撃に一気に意識を回復した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これまでの四人と違う。森川千里巡査長は既に自分がこの犯人に拉致されたと認識している。
 「森川千里巡査長。専従班になんか成るからこんな事に成ってしまったのですよ」
 語り手が揶揄うように話し始めた。
 「専従班じゃないよ。応援で入っていたのよ」
 森川千里巡査長は思わず言い返す。
 「それはお気の毒で。でも情容赦は御座いません。コレクションされている方も世には沢山居られます。そのご期待に沿う内容で行きます」
 語り手はきっちり宣告する。
 
 「バックも語り手の立ち位置もカメラの視点も全く変わりませんね」
 杉下一行は同じ場所だと言う。
 「ファイルが大きいな」
 「解像度が上がっていますよ」
 「今回のアジトか基地を捨てたから解像度を上げたか」
 如月鬼堂の想定である。
 
 忍者姿黒装束が二人両側から森川千里巡査長の女の分部の粘膜を広げる。
 それが一気に拡大描写に成った。
 紅からピンクに色の変化が克明に見える。そして膣口の襞のごく薄いピンクも鮮明である。
 粕の様な物も克明に確認された。
 尿道の小さな亀裂も少し顔を見せるクリトリスも美しい。
 「どうですか。森川千里巡査長殿の性器がくっきりです」
 それは森川千里巡査長の正面のモニターに公開されていた。
 「おのれ!げすーーーーーー」
 森川千里巡査長は怒りに叫ぶがそんな言葉しか出て来ない。
 二人の忍者姿黒装束が両側から膣口に指を突っ込んで膣口をゴムの様に伸ばして広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は思わず悲鳴を上げてしまう。
 その部分には粕が群集していた。
 ピンクの粘膜に付着した粕がくっきりモニターに映っている。
 「やだあ。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は堪らない恥ずかしさである。顔は瞬間紅に染まる。躰は藻掻いて強く震えていた。
 三人目の忍者姿黒装束が拷問椅子の下に膝を着いてロングスプーンでその粕を黒いプラ板に載せる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は恥ずかしさに呂律が回ってない。
 「森川千里巡査長殿のお○○この粕でございます」
 語り手は揶揄う。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。げすーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は同じ言葉で罵る。頭は真っ白である。
 今度はクスコを突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーなにするーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は有ってはならない屈辱に猛然と叫ぶ。
 忍者姿黒装束は螺子を回して奥まで広げる。角度を調節してカメラに奥の子宮口をくっきり映す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は堪らない恥ずかしさにただ喚くだけである。
 「森川千里巡査長殿。女の奥の奥がくっきり公開されました。紅の濃い盛り上がりの中心部分の亀裂が子宮口でございます」
 語り手は態と森川千里巡査長の神経を詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 「ここにも粕が確認されます」
 三人目の忍者姿黒装束がまたロングスプーンを突っこんで粕を掬いだす。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は強烈に甲高い声で叫ぶ。
 暫く女の奥の奥を公開してクスコを抜く。
 右側の忍者姿黒装束がドリルバイブの先端に疑似男根ではなく尿道バイブの付いた物を持って来る。
 ローションをたっぷり塗ってその先端を森川千里巡査長の尿道の亀裂に突っ込む。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は痛みに悲鳴を上げる。ローションを塗っていても尿道は相当に痛いようである。
 忍者姿黒装束は暫く小刻みにゆっくりピストンする。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は泣き悲鳴に成る。
 忍者姿黒装束はさらにスイッチを入れて振動させる。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は藻掻き喚く。
 忍者姿黒装束は先端の尿道バイブを一気に抜いてしまう。
 その直後に尿道の亀裂から尿が噴き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は止まらない放尿に泣き叫ぶ。
 拷問椅子の下には既に吸収シートが敷かれていた。
 計画された放尿シーンである。
 溜まっていたのでいつまでも終わらない。
 「ああ。あはああーーーーーーーーーーーん。あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は恐ろしい羞恥の姿に震え続けていた。
 「森川千里巡査長殿。おしっこも公開していただきました。さらに定番メニューの浣腸です」
 語り手は淡々と語る。
 『編集するグループから責めが単調だと評価が出てしまいましたので今回はもっとハードにいたします』
 そんな字幕が流れた。
 
 「やれやれ連続拉致強姦事件の犯人グループから評価が出たか」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の犯人らが編集していると決めてしまう。
 「やはりあの連中が編集しているのでしょうね」
 館山弁護士も同意する。
 「編集の仕方も配信ルートも同じじゃないか」
 「そうですね」
 
 今回はイチジク浣腸を使う。だが氷水と浣腸器も用意されていた。
 二段構えの攻撃である。
 イチジク浣腸を三個流し込む。アナル栓はしない。
 自然に流れ出すまで放置する。
 
 埼玉県警専従班の部屋である。
 神永和夫の取り調べ中だが国選弁護人が接見している。
 中宮警視正らはその間に配信されてしまった動画の検証を行っていた。
 「ああ。森川」
 金澤佳志乃警部補は見るに堪えられない。元は自分の部下である。捜査の応援を頼んでこんな事に成ってしまった。
 そして中宮警視正はかなりの窮地に立たされている。神永和夫を逮捕したが班の七割を殉職させてしまった。
 そしてその神永和夫に口を割らせるのは絶望的である。
 
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 悲鳴と共に森川千里巡査長のアナルからは繋がった便が流れ落ちてしまう。匂いは強烈だが動画には反映されない。
 忍者姿黒装束は浣腸器に冷たい氷水を吸い上げて待っていた。
 一頻り便が流れ出たところで忍者姿黒装束はすかさず浣腸器の先端をアナルに突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は浣腸器の侵入に悲鳴を上げる。
 「森川千里巡査長殿これでうんこも公開です。さらに直腸を冷水で綺麗に洗って二穴挿入で逝き声と逝き顔を晒していただきます。そのあと拷問です」
 語り手はまた淡々と語った。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は腹の痛みに苦しみ出す。冷水が直腸を強烈に襲っているのである。
 今度はアナル栓を捻じ込む。
 「うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は拷問椅子を揺すって藻掻き続ける。
 揺すると気持ち悪い揺れが森川千里巡査長を襲う。
 忍者姿黒装束は電子鞭を持ち出した。
 苦しむ森川千里巡査長の乳房に電子鞭を当てる。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長の表情が破裂して悲鳴が上がった。
 もう一人が内腿に当てる。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長の躰が震撼する。
 五回当てられて森川千里巡査長は白目を剥いてしまった。実に早かった。本来は堪えられる範囲である。
 アナル栓を抜いて直腸の水を流し出す。
 股間をよく拭いてローションを流し込む。
 ドリルバイブが二本用意されていた。
 失神したままの森川千里巡査長の膣とアナルにドリルバイブを挿入する。
 一気にハイで回してしまう。
 膣は回転運動とピストンをしてアナルが振動する。
 「がああはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーー」
 また森川千里巡査長は一気に意識を回復して強烈に叫ぶ。
 躰は拷問椅子の上で一気に迫り上がる。太腿の筋肉は怒張して躰は強く震撼していた。
 「ぐうがああはああーーーーーーーーーーーーーー。あはあああーーーーーーーーーーーーーーーーああーーん。はあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 森川千里巡査長は顔を後ろに反らせて大口を破裂させて叫び藻掻く。
 受けた事のない二穴の責めの強烈な刺激に全く抵抗できない。
 五分くらい轟音の様な声を上げ続けてまた白目を剥いてしまった。
 忍者姿黒装束らは二本ともドリルバイブを抜いてしまう。
 左右の肩から股間に二本の銅線を渡す。
 その銅線を乳房の上の部分から黒い書類を鋏むクリップで森川千里巡査長の躰に鋏付けて行く。
 鋏む口の部分が十五ミリくらいの小さなクリップである。だがこの拷問に使うにはかなり強烈と言える。
 銅線はクリップで森川千里巡査長の皮膚と一緒に鋏まれてその部分の皮膚に密着していた。
 乳首を鋏み乳房の下を鋏み三センチ置き位に臍の横を通ってドテの横を鋏んで片側ずつ小陰唇を鋏む。
 そして内腿を膝の手前まで鋏んでくる。
 銅線の先端はスタンガンから伸びた鰐口クリップが接続されていた。
 一気にスタンガンのスイッチを入れる。
 「ぐぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子の上で森川千里巡査長の躰が強烈に震撼する。
 「いたーーい。いたい。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい」
 森川千里巡査長は顔を振って泣き叫ぶ。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーー。いたいいいーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーー。いたいーーーーー」
 森川千里巡査長は大口を破裂させて藻掻き叫び続けた。
 「あ、あああーーーーーーーーーーー。あ、あああーーーーーーーーーーーーーーん。ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 目から涙を振り飛ばして泣き叫び続ける。
 「いたい。いたい。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたいーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は目を強く瞑って眉を八の字に眉間に強く皴を寄せて大口を破裂させて泣き叫び続けた。
 やがてまた声が薄れて白目を剥いてしまう。
 女性警察官と雖も堪えられない壮絶な拷問である。
 
 「これで暫くは治まるでしょうか」
 杉下一行は犯人らが一人捕まって五人が射殺された。暫くは静かに成ると希望を持ちたい。
 「もっと組織をある程度を解明して残った部分も動けなくなるまで行かないとまだまだ治まらない。これでは何も解明できてない」
 如月鬼堂は冤罪者の班を一人逮捕したが何もしゃべらない。そして組織は全く解明されないと見ている。
 さらにこのレベルでは当初の連続拉致強姦事件の犯人らにはまったく影響が無いと見ていた。
 「それでは連続拉致強姦事件の犯人らがまた直ぐに動きますか」
 館山弁護士も心配する。
 「多分模倣犯が先だろう。模倣犯が動けば奴らは待つ」
 「それも困りますね」
 「作られたダミーの拷問動画で満足してほしいものだ。それが現実を求める僅かな輩の手で犯罪が連鎖反応に成ってしまっている」
 如月鬼堂は風俗関連への締め付けだけが心配である。
 「風俗、売春、SMクラブ、海外販売の無修正動画で治まってほしいものですが奴らの経済力が基盤ですかね」
 「それもある。模倣犯には経済力がない。だから簡単に捕まる」
 「まだ模倣犯は増えるのでしょうか」
 「社会に不満を持つ人は多い。売春、風俗が経済的理由と知識階級のモラルで衰退して行き場がなくなる。それでも大概はアダルト動画や二線級の風俗で治める。僅かな人間がその箍が外れるだけだった」
 「秋葉原事件や放火事件ですな」
 「そうだ。それならここまでの事には成らない。それがあの六人の経済力と知力を持った犯罪で覆ってしまった」
 「風俗売春は社会の安定に必要ですな」
 杉下一行はしみじみ言う。
 「総ての人間が今の知識層の言う理想社会では性的満足は得られない。総てがそれで治まる時代は永久に来ない」
 如月鬼堂は断言してしまう。
 
 忍者姿黒装束が四人で森川千里巡査長の躰にクリップで鋏みつけた銅線二系統を片側ずつ持つ。
 「一気にこれを引っぺがします。壮絶な光景をお愉しみ下さい」
 語り手が宣言する。
 字幕に秒読みが出た。
 あとで挿入した秒読みらしい。
 四人が一斉に引っ張る。
 大方が一気に空中に浮く。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長の躰は拷問椅子をぐらぐら揺すって狂ったように暴れる。
 左の乳房付近と右の小陰唇が遅れて飛んだ。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長の躰は暴れ瞬間固まっては弾ける。叫びながら何度もそれを繰り返した。壮絶な光景である。
 躰中にクリップの痕がくっきり紅く残っていた。一部皮が引き破れて血が滲んでいる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長の躰はいつまでも藻掻き続けた。
 「あはあーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いはなかなか治まらない。
 忍者姿黒装束の一人がクスコを持って来てもう一回森川千里巡査長の膣に挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束は森川千里巡査長の叫びを無視してクスコの螺子を回して膣の奥を広げる。
 もう一人がスポイトに液体を吸い上げた。
 「森川千里巡査長殿。今度は希硫酸です」
 語り手は淡々と宣告する。
 「なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は堪らず叫ぶ。
 忍者姿黒装束は膣の奥をモニターで確認しながらスポイトの先端を奥の子宮口に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 僅かな量だが一気に流し込む。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壮絶な悲鳴である。
 そしてまた気絶してしまう。
 二人の忍者姿黒装束がヘッドセットを着ける。
 医者の男と遠隔操作である。
 一人がメスを持つ。
 もう一人が止血パットを持っていた。
 三人目の忍者姿黒装束が麻酔を当てる。
 ここからは完全に麻酔を掛けて行う。
 まず一人が乳首を抓んでメスで斬り落とす。もう一人がすかさず止血パットを貼る。
 乳首の次は小陰唇をメスで斬り落とす。血が溢れ出る。これもすかさず止血パットを貼った。
 ここで画面が切り替わる。
 時間が経過されていたのである。
 森川千里巡査長は産婦人科診察台に固定されていた。
 乳首を斬った乳房を縫い合わせる。
 小陰唇を切り落とした女の分部も縫い合わせた。尿道にカテーテルだけ差し込まれている。
 ここでまた画面が切り替わった。
 さらに日数が経過したのである。
 森川千里巡査長は同じように産婦人科診察台に固定されている。
 忍者姿黒装束の一人が電子鞭で起こす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に悲鳴を上げて意識を回復した。
 拷問椅子から診察台に換わっただけで大股開きは変わらない。
 腹はベルトで固定されている。膝だけ脚乗せ台に縄で縛られ手首は頭の上に伸ばして縛り合わせて診察台の金具に固定されていた。
 「森川千里巡査長殿。何日かお休みでした。モニターに映った貴女の躰をよく見て下さい」
 語り手は丁寧な口調で語り掛ける。
 「え、ええーーーーーーーーーーー」
 「お○○こは縫われています。乳首は切り落としました。そして縫っています。これから抜糸を致します」
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 森川千里巡査長の躰は瞬間迫り上がって固まる。そのまま号泣の悲鳴が上がった。
 「きちがいーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は目を剥いて叫ぶ。
 忍者姿黒装束が二人掛かる。
 今度はヘッドセットを着けてない。乳房から掛かった。
 一人が縫合糸の結紮部分をピンセットで引っ張る。
 もう一人が縫合糸の皮膚に埋没していた部分をメスで切る。
 傷口が?がれない事を確認しながら一針分の糸を抜く。
 「あはーーーーーーーーーーー。ああ」
 それ程痛くはないようである。
 森川千里巡査長から悲鳴は無いが大粒の涙が溢れ出た。乳首が斬り落とされて無くなっている。何も考えられない衝撃である。
 乳房は七針縫われていた。
 抜糸した後はサージカルテープを貼る。
 続いて女の部分を塗った縫合糸を抜糸した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 森川千里巡査長は号泣してしまう。
 動画はここで終了していた。
 
 「あの。この女性警察官は解放されるの」
 本多椿はあそこまで悲痛な躰にしたから逆に生かすかと思った。
 「いや。解放はしないよ。ただ残酷な場面を焼き付けたかったのだろう」
 如月鬼堂は投げやりに答えた。
 現時点でこの拷問を行った六人は専従班の捜査でロボットの自爆と銃撃戦で五人が死に語り手の男一人が逮捕されていたのである。
 それは森川千里巡査長の遺体がミキサーで処理されて動植物性残渣と一緒に乾式メタン発酵の工場に運ばれ処分された後であった。
 よって森川千里巡査長は消息不明のままと成ったのである。
 神永和夫はその後も一切何もしゃべらない。
 話したのは拷問に掛けた女性警察官は五人とも殺害したというだけである。その方法も遺体の処分方法も一切黙秘したままであった。
 組織の事は一切しゃべらない。自分は冤罪で人生を潰された。他の仲間も同じである。
 組織はこれからも報復を続けてくれる。俺はどう対応しても死刑と分かっているから何もしゃべる必要はない。
 組織の足を微塵にも引っ張りたくないとだけ語った。
 神永和夫は語り手を務めていた筋金入りの凶悪犯である。如何なる説得にも一切動じない。
 
 
 最期のSM小説家 第四十一幕 精密人間型ロボット 完 





 最期のSM小説家 第四十二幕 報復挽歌


 二〇二十三年立秋上元。太陰太陽暦七月三日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十三年八月十八日。
 
 和歌山。岬ビューホテル。
 十二時台から会員の客がチェックインし始めた。
 明日のショーのあと迄の二泊をSMコンパニオンが一緒に過ごす。
 ショーの行われる宴会場に入るのはSMコンパニオンを伴って三十組六十人である。
 会員はホテル二泊分とコンパニオンの花代。そしてショーの費用を分担する。如月鬼堂の愛好会とは比べ物に成らない高い費用負担である。
 だが困る者も文句を言う者も居ない。皆この三日間に大きな期待を掛けている。これ以上の愉しみは無いのである。
 最早経済大国と言えるのか。沈み切った日本経済。それでも有る所に金は有るのである。
 だがその金は現代では自由に使えない。主婦の管理する預金に凍結されていた。その中で一握りが自由に金を使える。
 浪江は赤座元太に弘枝は宇治原歳加年に香乃子は瀬尾将に指名されていた。
 一日目はSMコンパニオンとのプレイである。宴会場ではなく客室で過ごす。
 此処も人間型ロボットが導入された。
 四体購入して配膳と宴会場の準備など人手不足を補っている。
 さすがに闇組織の物ではない。福富麻次郎の風俗店から購入していた。
 仲居は普通の着物姿だがロボットは膝上二十五センチで切っている。触っても捲っても文句は言わない。
 だがロボットと判って触る者もまた居ない。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 翌日の打合せに館山弁護士と本多椿が来ていた。
 あれから神永和夫の取り調べに進展は無いようである。
 報道番組は神永和夫の冤罪と主張する過去の事件や僅かに分かっている内容だけを繰り返し報道していた。
 「アンドロイド二体と冤罪班の四人は群馬側から来たことは確かです」
 館山弁護士もこの地帯に絞るしかないとの考えに至る。
 「散々捜査をして出て来なかった地域だな」
 如月鬼堂は簡単な手段では見つからないと見ていた。そして今更見つかっても既に放棄されていると見ている。
 「個人の土地が殆どです。赤外線探知と警察犬での捜査しかできません」
 「人の匂いを漏らさない何かを開発したんだな」
 また如月鬼堂の推測である。
 「そんな材質が有りますかね」
 「一般に必要ないから開発されないのだろ。広栄町南の信号付近からロボットが運転したとしても攫って行った河口春香巡査部長の航跡は残る」
 如月鬼堂はその時点の矛盾を突く。
 「そうですね」
 「何か匂いの強い物に包んだとか」
 本多椿の意見である。
 「それも考えたがそれでも訓練された警察犬は嗅ぎ分けるらしい」
 「手掛かりなしに個人の山は掘れないですね」
 館山弁護士も行き詰まりと見る。
 
 八月十九日。
 和歌山。岬ビューホテル。
 今日の生贄は山川里咲二十七歳。
 木村草太若頭補佐が十三時に連れて来た。
 青木学は一千万をテーブルに置く。
 ショーの内容に念を押す。
 「はい」
 山川里咲は小さく答えた。
 そして一千万を木村草太若頭補佐の方に押しやる。
 木村草太若頭補佐は杉本金融から引き取って来た消費金銭貸借証書を山川里咲に返した。
 返済は既に木村草太若頭補佐が立て替えて終わっている。
 山川里咲は木村草太若頭補佐に引導を渡され覚悟を決めて来ているが躰は微妙に震えていた。
 会員は朝昼兼用のバイキングの最中である。
 山川里咲は控えの間で時間まで待機させられた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 猛暑が完全に支配している。そして八木沢ダムを始めとして水不足が迫っていた。
 クーラーをガンガン効かせて生ビールをサーバーから飲みながら海鮮と肉を焼いている。
 今日は五人である。医者の男は大阪に向かった。
 「神永和夫は危険がないのか」
 印刷会社の社長である。
 「奴が警察にどんなに説得されても協力する事は無い。取引しても死刑が免れない事は判っている」
 川口の会長は自信を持っていた。
 「移送中に特攻ドローン使うとかできないのか」
 「AI搭載タイプなら自動操縦で移送車両に突っ込めなくはない。だが奴が何もしゃべらないで裁判を終えて死刑が一番警察のダメージだ」
 「そうだが」
 葬儀会社の社長は難しい表情である。
 
 和歌山。岬ビューホテルの宴会場。
 中央に円形の回転演台が設えてある。
 その中央に拷問椅子が置かれ三百六十度回転する。四面の壁に大型モニターが置かれ拷問椅子の上の姿が拡大投影されるのである。
 料理は既に配膳されていた。
 仲居は一人しか残さない。
 仕出し屋から取っているので料理人は休ませている。前回までは酒類の追加をSMコンパニオンが取りに行っていた。
 今回からロボットが導入されている。
 三十席六十人と青木学と岡田弥一郎が会場内に入っていた。
 山川里咲はミニワンピース姿で入って来る。
 青木学が演台に乗って服を脱ぐように指示した。
 ワンピースのチャックを下ろす山川里咲の手は震えている。
 それでも肩からワンピースを落とした。
 六十二人の目が見ている。
 ブラに手を掛けフォックを外したがなかなか胸から取れない。
 ブラの下に手を入れて乳首を覆いながらブラを肩から抜く。山川里咲が片手で乳房を隠したままブラが演台に落ちた。
 恥ずかしさに顔は紅く染まっている。
 「おっぱい隠すな」
 ヤジが飛ぶ。
 「両手でショーツも脱げ」
 別のヤジが飛ぶ。
 躰はぶるぶる震える。よろめき乍らショーツを下ろした。
 青木学が立ち上がって山川里咲の躰を拷問椅子に乗せる。
 脚を持ち上げて脚乗せ台に縛り付けてしまう。
 もう片方も持ち上げる。
 女の分部が丸出しに成った。
 「はあーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は深紅に成った顔を拷問椅子の背に押し付けて目を瞑って恥ずかしさに固まる。
 青木学が山川里咲の女の分部のびらびらを広げてしまう。
 綺麗なピンクの粘膜が広がった。まだ若さを感じさせる。縁の分部も薄小豆色で極めて綺麗である。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲はきつく目を閉じて躰は微妙に藻掻く。
 「こらーーーーーーーーーー。スクリーに映った自分のま○○こみろ!」
 またヤジが飛ぶ。
 恥ずかしさにどうにもならない山川里咲を詰る。横に居るコンパニオンならなんともない状況である。
 一般的な女である山川里咲の今だけ愉しめる羞恥の姿と言える。
 宴会場の興奮度は一気に上がっていた。
 「あはあーーーーーーーー。・・・・・あはーーー。・・・・・あはあーーーーーーーー」
 山川里咲の恥ずかしさに興奮度の上がった息遣いが聞こえて来る。
 「最初は電マです」
 モニターにルーレットが出て抽選する。
 当たった会員が電マで山川里咲のクリトリスを責める。
 「あはん。ああーーーーー。あはあはあん。ああーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。ああーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は全く抵抗できない。
 電マに翻弄され藻掻き続ける。
 責める方は遊び慣れた男である。
 「はああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は僅かな時間で失禁してしまう。
 満場の拍手が沸いた。
 山川里咲は真っ赤に染まった顔を横に逸らす。目を強く瞑って固まってしまった。
 その深紅の達磨姿にさらに拍手が強くなる。
 山川里咲は始まったばかりなのに生きた心地ではない。
 青木学が潮で濡れた演台を拭く。
 「次は浣腸です」
 またルーレットが回った。
 今回から全員が何らかの責めで一回目が当たり最後の究極部分は二回目の抽選と成る。
 最初に当たってしまうとがっかりするのでシステムを変更した。
 浣腸器と冷水が運ばれて来る。バケツに氷が入っていた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は氷水で浣腸されると分かって恐怖の悲鳴を上げる。
 拷問椅子の下に水槽が置かれた。
 当たった会員が浣腸器に氷水を吸い上げる。
 「あ、ああーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は吸い上げられる冷水にさらに悲鳴を上げた。
 会員は悦びの表情で浣腸器を構える。
 山川里咲は恐怖に藻掻いていた。
 会員は席のコンパニオンに抑えさせる。
 他のコンパニオンも手伝って山川里咲の両方の太腿を強く押さえて動くのを制御した。
 その間に会員がアナルに浣腸器を差し込む。
 「あ、あはああーーーーーーーーーーん。あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 山川里咲は泣き悲鳴を上げる。
 浣腸液は容赦なく直腸に注入されてゆく。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は腹の痛みが襲って来て呻き声を絞り出す。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 四人のコンパニオンの押さえを振り退けるくらいに強い藻掻きである。
 会員はシリンダーを押すのに限界を感じたのか抜いてしまう。
 ズブーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 山川里咲のアナルから一気に茶色い水と崩れた便が流れ出す。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は号泣してしまう。
 コンパニオンは一気に離れた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は便を絞り出しながら藻掻き続ける。
 暫く藻掻くのを鑑賞してアナル付近を濡れタオルで拭く。
 ドリルバイブが二本用意された。
 一本はアナル用である。
 次のルーレットが回る。
 当たった会員は二穴挿入だからあと一人と確認した。
 青木学はコンパニオンに手伝わせろと指さす。
 席のコンパニオンがローションたっぷり塗ってアナルに突っこむ。
 「え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲はドリルバイブを見て驚愕している。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲はアナルに捻じ込まれて悲鳴を漏らす。
 更に会員が膣に突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は恐怖に喚き散らす。
 会員は容赦なく奥まで突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐにスイッチが入った。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 「依頼人が来たぞ」
 川口の会長が報告する。
 「何」
 「財産を税金の申告前に使い切って何人もの美人を道連れに死にたいと言う奴だ」
 「病気か」
 運送会社の社長である。
 「余命一年らしい」
 「だがどのように攫う」
 葬儀会社の社長は状況が難しいと言う。
 「そうだよな。余程考えないとな」
 「クルーザー使って一度潜水艦に収容してはどうかな」
 「クルーザーをどうする。跡が付かないか」
 「そうだな」
 「攫うのはあっちの組織に委託だろ」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「そうだ。クルーザーより特攻船を使おう」
 「ビーチに寝ている女を浚うか」
 「特攻船て無人の水上ドローンじゃないのか。何人も乗れないだろ」
 「違う。そっちはラインから抜けない。むかし根室辺りで違法操業に使っていた。その未納品の余りが有る」
 「しかし土用波だぞ。女が居るか」
 「南伊豆なら居る。クラゲが発生しないから」
 「ふーん」
 葬儀会社の社長は一瞬クラゲが異常発生しているから大丈夫かと思った。だが海水浴場さえやっていればビーチに女は居ると考え直した。
 
 和歌山。岬ビューホテルの宴会場。
 山川里咲は二穴挿入したドリルバイブの総攻撃に数回逝き顔を晒して失神してしまっていた。
 その姿を入れ代わり立ち代わり観察する。
 山川里咲は小学校の教諭である。
 木村草太若頭補佐の罠にはめられた。本人はその裏を知らない。
 今回のショーに出演は飲酒運転の賠償金である。
 職場でアルコールを飲まされてしまった。それも居酒屋とはいえ表沙汰にできないアルバイトである。
 誰かにこっそりアルコールを飲まされてしまった。
 客の皆さん何か飲んで下さいでノンアルコールカクテルを貰った。
 車の人はノンアルコールカクテルと言う掛け声が掛かったのである。
 その時はノンアルコールと疑わなかった。そのまま車を運転して帰る。
 その帰り道に自転車が走行に絡んで来た。
 信号のない交差点に差し掛かった時自転車が急ブレーキを踏む。その陰から人が出て来たのが見えなかった。
 自転車は無関係なので走り去る。
 年配の男性はガラ携で何処かに連絡した。
 「撥ねられた」
 直ぐに会社の人らしきが飛んで来る。
 「大変だ。会社潰れるぞ」
 一人が叫ぶ。
 「あんた酒飲んでいるね」
 「いいえ」
 「嘘よ。臭いする」
 女が山川里咲の口にハンカチを当てた。
 「息を吐いて」
 山川里咲はその通りにする。飲んでいる心算はなかった。
 女はそのハンカチの匂いを嗅がせる。
 「え、ええ」
 山川里咲はその時点でノンアルコールでなかったと気付いた。既に手遅れである。
 「この人は社長だけど特殊な技術者なの。この人が入院すると会社潰れるの」
 そのまま若い男性が呼んだ車で病院に運ぶ。
 女が山川里咲の車の運転を代わった。
 「持病が有るので掛かり付けの病院に運びます」
 その病院には弁護士が来ていて一方的交渉が始まったのである。
 山川里咲には飲酒運転もアルバイトもばれてはまずい。
 「あんたも飲酒運転だがこっちも困る。示談で解決したい。社長の休業中の損失する売上を保証してほしい。保険では充当不可能です」
 小学校の教諭でも弁護士と交渉する知識は無かった。
 唯々諾々身柄を木村草太若頭補佐に引き渡されてしまう。
 取り敢えず風俗で働いて返す約束で一千万を借金した。
 だが山川里咲は数か月風俗で働いて帰す訳には行かない。そこからは木村草太若頭補佐の提案に従うしかなかった。
 きっちり引導を渡されたのである。
 「次は尿道バイブです。失神しています。ここからお任せいたします」
 青木学がマイクで宣言する。
 ルーレットが回る。当たったのは宇治原歳加年である。
 宇治原歳加年はそれを敢えて弘枝にやらせる。
 弘枝はブジーを突っ込み強く動かした。
 「うぐうーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は痛みに意識を回復して悲鳴を上げる。
 弘江は尿道バイブにローションをたっぷり塗って尿道にも流し込む。
 女の手で山川里咲の尿道に尿道バイブが挿入される。弘枝は震動をさせながらじっくり動かす。
 「あーはーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は尿道の違和感に藻掻いた。
 弘枝は容赦なく尿道の奥まで尿道バイブを突っ込む。
 震動させたまま前後に微動させる。
 山川里咲は小学校にばれずに飲酒運転の事故もばれずに金を払って済ませる方法はこれしか無いと自分に言い聞かせて来た。
 それでも山川里咲には想像もしなかった世界である。
 木村草太若頭補佐に話を聞いて驚愕した。飲酒運転の事故と成れば危険運転と成る。懲役は免れない。
 それで賠償が逃れられる訳でもない。
 被害者は刑務所に入ってもらいたくなかった。
 横山弁護士はそこを強く説明していまの決断に追いやったのである。
 ここまで恥ずかしい内容に成るとは想像もつかなかった。
 更に乳首を斬られ女の分部を焼かれる。
 見た目は回復するし感度も戻して貰えるとは聞いていた。
 仕事と日常を護り刑務所行きを免れるためにはやむを得ない。
 その日の内に借金をさせられた。
 飲酒運転の証拠が消えないうちである。
 「あはああーーーーーーーーーーーー。あふぁはふぁふはあーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーああーーーーーーーーーーああ」
 山川里咲は繊細な部分の責めに堪えられない。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は藻掻き続けた。
 弘枝は淡々と責める。
 「いやあん。いやん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の躰は拷問椅子の上で強く反り返っていた。
 やがて弾けて沈む。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 暫く荒い息遣いが続いた。
 「恥ずかしいな。尿道で逝ってしまったぞ」
 また会員が詰る。
 山川里咲は泣いてしまった。
 堪らない羞恥の晒し者にもう堪えられない。
 ここで休憩が入れられた。
 山川里咲はシャワーを浴びながら泣き続ける。
 演台から拷問椅子が降ろされて十字架が立てられた。
 シャワーから山川里咲が戻って来る。
 その十字架の横の柱に手首と肘、二の腕を縛られた。
 更に右脚を十字架の縦の柱の下に固定される。
 鞭が用意されていた。
 山川里咲にもその鞭で叩かれると分かる。
 ルーレットが回って五人の当選者を選出した。
 「最初は乳房と太腿です」
 一人目が一本鞭を構える。先端が長細くなった物である。円形テーブルの上に十字架の斜め前に立って横に乳房を薙ぐように構えた。
 「・・・・・」
 山川里咲に強い怯えの表情が奔る。
 会員は乳房へ横に鞭の先端を叩き込む。
 「う、ぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の左膝が蹴り上がる。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーああーーーーーーーーーーん」
 痛みに躰を揺すって藻掻く。
 会員は二発目を構える。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲から恐怖の悲鳴が上がった。
 会員は同じ角度で叩き込む。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の躰が十字架にぶら下がり左脚が乳房の近くまで蹴り上がった。
 「ぐあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああ」
 一発目に叩いた痕が真赤な筋に成って浮いていた。
 五発乳房を叩いて次に交代する。既に真っ赤な鞭の痕が幾つも奔って無残な乳房に成っていた。
 二人目の会員は教鞭の様な竹の鞭を持つ。
 青木学が演台に上がって左の脚首も固定してしまう。
 今度は太腿を狙う。
 太腿の中心の一番艶めいた部分を二本揃えて横筋を書くように叩く。
 竹の鞭は一発で直ぐに蚯蚓腫れに成ってしまう。
 「う、ううーーー」
 この会員は山川里咲の太腿にメモリの様に五本の真っ赤な痕を刻んだ。
 青木学は次の会員に先端が長方形の革二枚重ねた一本鞭を渡す。
 そして山川里咲の左脚を十字架の根元から外して脚首は縄を掛けたまま十字架の横柱の先端のフックに縛り付けた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の股間が大きく広がって女の分部が丸出しに成る。
 アンダーから女の分部を叩かせる嗜好である。
 会員は閉じ合わせた小陰唇の粘膜を狙って下から叩き上げる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈に痛そうである。
 「ぐう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は吊るされた左脚を強くくの字に曲げて蹴る。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに躰を捩って藻掻く。
 会員は興奮度が一気に上がる。続けざまに叩く。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の目から涙が溢れていた。
 会員は三発続けて叩いて鞭を持ち直す。
 五発目は鞭を短く持ち替えて力を込めて叩き上げる。だが逸れて内腿を叩いていた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーー」
 内腿も相当に痛い。躰を揺すって藻掻く。
 青木学は次の会員に同じ鞭を持たせて竹の洗濯鋏を五本渡す。
 そして洗濯鋏で女の分部を鋏む仕草を示した。
 会員は五本全部並べて女の分部のびらびらを二枚合わせて鋏んでしまう。
 「・・・・・」
 山川里咲は驚愕した表情で震える。
 これを鞭で叩き落とされるのである。
 そして鞭の傷みで全身がヒリヒリしていた。
 山川里咲の躰は殆ど十字架にぶら下がっている。縛りを解いたら床に崩れそうである。
 会員は十字架の横柱に吊るされた左脚側に立つ。
 今度は斜め上から叩く。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯鋏は揺れるが飛ばない。
 二発目は鞭を短く持つ。
 同じ角度で叩く。
 「ぐふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 洗濯鋏三本の鋏が小さくずれる。山川里咲から甲高い悲鳴が上がった。
 「うーーーふううーーーーーーーーーーーーーーーー」
 同じように三発目を叩く。
 「ぐふふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 更に甲高い悲鳴が上がる。目から号泣するように涙が溢れた。
 二本が飛んで三本目がさらにずれて鋏が僅かに成ってぶら下がっている。さらに四本目も鋏みがずれて小さくなっていた。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーああーーーーーーーーーーーーーん」
 山川里咲は顔を振って泣き喚く。
 四発目を叩く。この会員も強く興奮していた。
 「ぐふふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふ、ふぁうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 僅かに鋏んでぶら下がっていた三本目が飛ぶ。四本目の鋏が浅く成ってぶら下がった。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーん」
 山川里咲はさらに強く号泣する。
 慣れたSM嬢なら声を上げる程度で堪えられる。海外物のSM動画ではもっと過激である。
 だがそれに演技を含んでもいてオーバーに成っていても演技なしの山川里咲の苦しみようが物凄い。
 普通の人なら引いてしまう光景である。
 だが此処の面々は興奮の坩堝と成っていた。
 会員は力を込めて狙いを定めて五発目を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は二本とも飛んでしまった。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は痛みに藻掻き泣き続けた。
 青木学は鞭で抽選した五人目の会員に同じ鞭と竹の洗濯鋏五本を渡して乳首付近を指さす。
 その会員は左右の乳首に一本ずつ鋏む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は鋏まれただけで悲鳴を上げた。
 残りは鞭の痕の蚯蚓腫れ三か所を鋏む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーん」
 山川里咲は十字架にぶら下がって蒼い表情で震える。
 五人目の会員もやや興奮した息を殺し切れてない。加虐心はとことん滾っている。
 今日この宴会場でこの若い女の乳首を斬り落とされるのである。誰が斬り落としの籤に当たるかは判らない。
 自分が斬れたら最高に良い。
 だが今その乳房の周辺に僅かでも傷をつけたい。
 その高まった興奮度で乳首の洗濯鋏を叩く。
 ビシャーーーーーー。
 洗濯鋏は一発で飛ぶ。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲から涙が溢れている。だが小陰唇の時の悲鳴ほどではない。
 慣れたSM嬢なら洗濯鋏で乳首を鋏まれたら鞭の前に差し出すと言っていた。洗濯鋏を叩き落とされたら痛いが早く落として貰うのが最善との事である。
 会員は次の一発に考えた。乳首のを叩き落としながら後の二つの抓みをずらしてやろう。
 乳首の洗濯鋏の根元を強く払って乳房の蚯蚓腫れを鋏んだ二本を舐めるように振り降ろした。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふうふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲から強烈に甲高い悲鳴が上がる。
 乳首の一本は飛んだ。乳房の蚯蚓腫れを鋏んだ二本は僅かな皮膚を抓んでぶら下がっている。
 会員の興奮度はさら上がった。
 その二本を鞭のアームの部分で二本一度に叩き落とす。
 「ふふぁあーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 既に紅く成った蚯蚓腫れが割れて血が滲んでいた。
 「あーーーーーーーあはん。あはあん。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲はまた号泣してしまう。
 十字架に力なくぶら下がって小刻みに躰を振って怯え半狂乱である。
 会員は興奮の限り最後の一本に洗濯鋏を根元から強く叩き落とす。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、ふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふああーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は痛みに強烈に躰を暴れさせ涙を溢れさせた。
 青木学の目にも山川里咲がもう自力で立てない事は分る。
 身近な会員三人に手伝って貰って山川里咲の躰を十字架から降ろす。そのよろめく躰を拷問椅子に移した。
 「今度は気持ち良く成って貰いましょう」
 青木学は山川里咲にクスコを挿入する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は女の部分のさらに奥を広げられて悲鳴を上げた。
 「このアイテムです」
 青木学はリモコンから伸びたアームの先端にL字にマイマイクロローター付いたアイテムを翳す。
 杉下一行のポルノショップで販売されている物である。
 「これを二人でこの女の一番敏感な部分を責めて頂きます」
 山川里咲のクスコの奥はカテーテルタイプのライトに照らされてスクリーンに拡大表示されている。
 「あはあ。・・・・・あはああ。・・・・・あはあ」
 山川里咲は恥ずかしさに興奮した息遣いを漏らす。
 これを録画されている。会員以外には配らないしコピーガードは掛かっていると言われていた。
 それでも自分のこんな姿を見続けられると思うと堪らない。
 抽選で会員二人が演壇のテーブルに上がった。
 拷問椅子の両側からスクリーンを見ながら山川里咲の女の奥を責める。
 「あ、ううーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 スポイトでローションを流されて娼婦の泣き所を二人で責められている。
 山川里咲に抑える事は全くできない。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 五人で飲みながら闇組織の別の班と打合せができていた。
 「ロボット五体で決行させるらしい」
 川口の会長が切り出す。
 「やはり特攻船か」
 葬儀会社の社長は特攻船を出すと足が付かないかと言いたい。
 「船は拝借するらしい。エンジンだけ提供してくれだって」
 「クルーザーか釣り船を略奪してエンジンを付け替えるか」
 「そうだ」
 「しかしあのロボット水は大丈夫か」
 印刷会社の社長である。
 「ダイビングウェットスーツを着せるのだ」
 「成程。頭まで潜らないからな」
 「潜水艦に収容する時は深度三十くらいの海底に投下して潜水夫が拾う」
 「そして拝借した船は自爆か」
 運送会社の社長は後始末を気にした。
 「水上ドローンで撃沈する」
 「何時やる」
 「明日だ」
 「拷問は」
 「この前俺たちがやった場所だ」
 「千葉か」
 「そうだ。今回は医者に手伝ってもらう」
 また凶悪な計画が動き出していた。
 
 和歌山。岬ビューホテルの宴会場。
 山川里咲は二人ずつ四組八人に膣の奥を責め荒れて何回も行き顔を晒して二回失神した。
 更に尿道を尿道バイブで責められて逝き顔を晒して失禁してしまう。
 女の性を全部曝け出さされてそれを破壊される。何か話に聞いていた海賊動画の内容を思い出した。
 山川里咲はこれで医療費を出して回復させてくれなければあの犯人と一緒だと思う。
 この面々に犯人が要るのではないかとさえ思った。
 だが自分が何かを話す事は絶対にできない。何としてもこれからの人生を護るためである。
 
 八月二十日。
 南伊豆の海岸。
 海岸線を鳥に見せかけたドローンが偵察する。
 水着姿の女性を物色していた。
 そして二人の女を選ぶ。
 ダイビングウェットスーツ姿の女が四人海の家の裏から飛び出して来る。
 それに合わせてレジャーボートの様な釣り船が海岸に近付く。今はスピードを殺していた。
 ビーチのパラソルの下で寝ている女性二人がダイビングウェットスーツ姿の女四人に攫われる。
 四人の女は女性二人を抱えたまま近付いて来た釣り船に女性を投げ込んで自分らも乗り込む。
 レジャーボートの様な釣り船は高速で沖に向かって走り去る。
 五十ノットを超えていた。船の安全性は無視している。巡視船が追いかけても追いつかない速度である。
 直ぐに通報されたが相当の沖合まで行ってしまった。
 女性二人をカプセルに閉じ込めて海に流す。
 ロボット六体も次々にカプセルに入って他のロボットが投げ込む。
 海から潜水服が上がって来た。
 最後の二体もカプセルに入れて海に投げ込んで自身も飛び込む。
 海中にも潜水夫が二人いてカプセルを潜水艦の艦尾の甲板に載せたチャンバーから中に収容する。
 潜水艦の構造からチャンバーに注水して上のハッチから潜水夫がカプセルを入れて自分らも中に入った。
 チャンバーを排水して下のハッチから潜水艦に入る。
 収容が終ると潜水艦は潜望鏡深度で甲板に繋いでいた水上ドローンを発進する。レジャーボートの様な釣り船に当たって轟沈した。
 連絡を受けた海上保安庁のヘリが索敵に来たが手遅れである。
 沈没したレジャーボートの様な釣り船を捜すのは簡単ではない。
 行方不明で捜索が続いた。
 潜水艦は東京湾の海底を航行して内房のリゾート施設に着く。保養施設の海底から二つの関門を通って地下の桟橋に入るのである。
 女性二人は眠らされ縛られ点滴を打たれて密室に保存された。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 テレビモニターで報道内容を確認していた。
 居間に居るのは如月鬼堂と珠洲、瀬里菜、ミニチュアダックスのぺーだけである。ペーは居間を勝手に動き回る。
 「また奴らの関連の仕業だな」
 如月鬼堂はそう呟く。
 「攫って行ったのはまたアンドロイド」
 瀬里菜である。
 「そうだろ。しかし手が込んでいるな」
 「でも同じ手は一回限りでしょう」
 「それがさらに手が込んできた」
 「ねえ。中宮って言う人。どうなったの」
 珠洲が走り回っていたペーを抱き抱えて言う。
 「多分更迭だろ」
 如月鬼堂はそっちには無関心である。
 「館山先生と繋がったよ」
 館山弁護士とテレビ会議が繋がった事を瀬里菜が知らせた。
 「改造した釣り船と思われる漂流物が見つかったようです。自爆したか大型船にぶつかって大破したか何らかの手段で破壊された模様です」
 館山弁護士は一早く情報を得ている。
 「連続拉致強姦事件の犯人に関連した事件ではなかったか」
 如月鬼堂はこの時は少し事件の内容が違うと思ってしまった。
 
 八月二十五日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 報道番組では以下の事が分かった。
 釣り船の残骸が引き上げられて本来四十馬力だったエンジンが二百馬力二基に変えられていた事。遺体らしきは一切発見されてない。
 釣り船は下田の港から盗まれた物と確認される。
 ダイビングウェットスーツを着た女性四人が何者かはまだ不明。
 拉致された被害者は豊田沙良二十五歳及び納村優菜二十三歳と判明した。
 両名に繋がりは全くない。
 海岸で豊田沙良と納村優菜を攫った四人の女は防犯カメラに何回かその姿が確認された。
 捜査の進展でよく似た女性には行き当たっただが四人ともその時間のアリバイが有った。そして四人の間の関連性もない。
 「館山先生。これやっぱりロボットでしょう。二人の女性を潜水艦で運び去ったのだよ」
 「それだとストーリーは繋がります。あの連中の関連ではあるのでしょうね」
 館山弁護士は如月鬼堂の見解をやんわりはぐらかした。
 
 八月二十八日。
 山川里咲は大阪の病院で手術からようやく麻酔が切れて目を覚ました。
 恐ろしすぎる状況が蘇る。
 高枝斬り鋏で右の乳首を斬り堕とされた。鋏まれて押し上げられた乳首が乳輪ごと飛ぶ。
 半狂乱に成って悲鳴を上げた。
 強烈な痛みが襲ってくる。医者らしきが麻酔を打ってくれた。
 目の前に居る利根川元教授ではない。
 クリを指されて斬られた。そのあと膣に希硫酸を塗られてしまう。
 その時の会員の言葉が頭に焼き付いている。
 『もうお前はアナルと尿道しか感じないぞ。表面は綺麗に成るらしいが』
 会員は感度を修復してくれる約束は知らないらしい。
 自分にこれまで知らなかった女の性を奥の奥まで教えて何度も上り詰めさせた。その後に悦びに封印をしようというのである。何という残酷さだろう。
 給料が上がらず物価だけ上がって税金を薄給から搾り取られてみんな喘いでいる。このご時世にあんな事に多額の金を使う。
 何という酷い奴らだろうか。許し難い。だがその金で自分は平穏を取り戻すしかなかった。
 もし同僚に話したら『貴女は罪を認めて法の裁きを受けて罪を償うべきよ』と言われてしまう。
 逃れる事を勧めてはくれない。そんな時代に成ってしまったのである。
 「膣の感度は大方戻っていますよ。乳房と乳首も大方揃えています。乳腺も繋がっています」
 利根川元教授は静かな口調でそう語った。
 「ありがとうございます」
 そのあと利根川元教授の指でクリトリスと膣の奥と乳首の感度を確認してくれて安堵する。
 木村草太若頭補佐に感度が戻る事は現場では絶対に言わないよう厳重に注意されていた。
 「ただ一つ想定外で膣を希硫酸で焼いてくれたので子宮がどうにもならなくて摘出いたしました」
 利根川元教授は気の毒そうに静かに話す。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は驚愕の表情に成った。
 暫く口が利けない。
 そして間を置いて嗚咽してさらに号泣してしまった。
 最後に痛みに苦しむ私のクスコの中に角度を変えて念入りに希硫酸を塗っていた会員の顔はしっかり覚えている。
 絶対に許せない。
 乳首を斬られて痛み止めを打たれて今度はクリトリスに針を刺された。その後カッターで切られて痛みに朦朧としていたが瞬間は覚えている。
 泣き止んだ時には利根川元教授は部屋を出てしまっていた。
 木村草太若頭補佐に病院は手術に関係ない。利根川元教授が場所を借りているだけだと言われた。
 大手の大学病院を引退した医師だと聞いている。
 もう子供は産めない躰と成ってしまった。
 大きすぎる代償だったと思う。それでも飲酒運転事故で刑務所は行きたくない。どうにも運が悪かった。
 そのまま病院に挨拶をして帰路に着く。
 近鉄で名古屋に出て新幹線に乗り換えた。
 一体誰が自分のカクテルにアルコールを入れたのだろう。カウンターの男が間違えたのか。質す訳には行かない。
 飲む間トイレには立ってない。
 まさか罠。
 自転車は自分を遮るように走っていた。だからそっちに気を取られ横道から来る人物に気付かない。
 まさか弁護士も店も被害者も自転車もグルではないか。
 そうだ。そうに違いない。
 怒りが込み上げてきた。酷い。あまりにも酷い。
 あそこの会員は金を払っていると思う。
 私の借金した一千万も客から集めた差額もコンパニオンの花代と病院の費用を除いて結託した奴らが山分けしたに違いない。
 山川里咲は新幹線の窓際の席で顔を隠して泣いてしまった。
 そしてどうしたら復讐ができるのか。警察に行ったら自分が飲酒運転で逮捕されて終るに違いない。
 横山弁護士は確信犯だと思う。被害者の社長も従業員らしきも。さらに飲んで下さいと言った客も。店のスタッフも買収されていたに違いない。
 どうしたら真相を確認して復讐できるのだろうか。怒りに悶々としながら頭の中を状況が駆け巡る。
 誰が主犯なのか。横山弁護士に違いない。
 そうだあのような会合は今回が初めてではないのではないか。
 そう成ると木村草太若頭補佐は毎回斡旋している。
 だが居酒屋は毎回あそこではあり得ない。自分だけが被害者の筈である。
 車で撥ねた社長も怪我をしていたし今回限りと思う。
 資金繰りに行き詰まって横山弁護士の策に乗った考えられる。
 そして山川里咲は復讐すべき相手をノミネートして行く。
 新幹線が東京に着く頃には結論が出ていた。涙も枯れている。
 どのように復讐するかは暫く考えるしかない。
 
 九月十一日。
 如月鬼堂は越後湯沢九時四十分着の新幹線の中で杉下一行からメールを受け取った。
 太平洋上で破壊された釣り船から消えた二人。豊田沙良と納村優菜の動画が公開されたのである。
 駅には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「館山先生と杉下社長がお着きになっているよ」
 「動画がばら撒かれたとメールが入っていた」
 「またあの連中の犯罪だったのね」
 「どう見てもそうだろう。今度こそ間違いなく潜水艦で運んだのだ」
 如月鬼堂の見解はぶれない。
 居間でも如月鬼堂を待ちながら議論が行われていた。
 「海底を潜水夫が浚っても遺体一つ出ないのです。潜水艦で運んだという鬼堂先生の見解通りではないかな」
 杉下一行も潜水艦説に傾いていた。
 「どこまで大掛かりなのでしょうね」
 館山弁護士も驚嘆している。
 「逮捕された神永和夫は何もしゃべらないままなのでしょう」
 「送検されたまま黙秘して雑談にも応じないらしいです」
 「何処までも奴らのペースですね」
 「連続拉致強姦事件の奴らの正体すら掴めてないです。そこに冤罪者の班とかの闇組織に潜水艦を持つ組織。大規模な闇銀行の様な組織です」
 館山弁護士の状況整理もここまでは如月鬼堂と変わらない。
 「案外ですね。連続拉致強姦事件の犯人らの収入源の一部が武器の密造ではないですか」
 杉下一行の推測である。
 「確かにこれまでテロに武器が度々出てきています」
 館山弁護士もそれは薄々認識している。
 そこに瀬里菜の送迎で如月鬼堂と本多椿が戻って来た。
 直ぐに動画の検証に掛かる。
 女性警察官らが拷問された場所のイメージではない。
 コンパニオンに応募した女性らが拷問を受けた部屋と同じようなイメージである。
 ただ拷問椅子ではなく産婦人科診察台に乗せられていた。
 そして二人同時である。
 二人の全裸を比べるように並べられていた。
 だが二人の体形に大きな差はない。
 豊田沙良の身長が僅かに高いだけである。
 顔もうりざね型の美人顔。今は眠らされ瞑っているが納村優菜の目がやや大きく思える。
 豊田沙良は大手企業秘書課勤務。納村優菜は地方公務員である。
 忍者姿黒装束が四人動いていた。
 他に一人仮面姿の男が加わっている。忍者姿ではない。通常のスーツを着ている。体形などを隠す意思はない。
 これが川口の会長に依頼した人物である。
 金城宅磨という。
 カメラはに分割して二人を全身から部分的に比較する。この部分は川口の会長の指示である。
 これまでの動画と同様に女の羞恥を総て公開してしまう。社会的に女性の人権を葬る目的である。
 もう何人もの女性の動画が社会のローカルにばら撒かれ潜在している。それを管理補完する闇サイトまで存在していた。
 闇のサーバー貸し出しサイトである。
 二人比べて乳房の大きさはほぼ変わらない。
 男の掌に収まる大きさである。だが乳房が柔らかく撓らず弾力を持っていて乳首が強く突き出ている。
 どちらも乳輪は小さい。乳首は十ミリくらい突起している。その大きさも殆ど変わらない。
 豊田沙良は紅い。納村優菜は薄紅である。
 どっちも肌の肌理は細かい。
 腰の括れ具合も遜色はない。
 ドテの黒い塊はどちらも奇麗に処理されていて形は良く外に向いてやや毛足が立っている。
 それぞれ脚首と膝が脚乗せ部分に固定されていた。忍者姿黒装束が二人掛かってを操作するハンドルを回して股間を広げてしまう。
 一挙に百五十度くらいに広げられた。
 二人の女の部分は丸出しに成る。
 どちらも大陰唇の陰毛は処理されていた。
 閉じ合わせた女の部分。その粘膜の形はやや違う。
 納村優菜のその部分は鳥の鶏冠の様にピンと突っ張った粘膜が二枚閉じ合わせている。
 豊田沙良のその部分は細く突起の少ない粘膜が二本並んでいた。どちらもドドメ色感はない。
 忍者姿黒装束四人がそれぞれ二台の診察台の脚乗せの後ろ側に回る。
 四人の区別は全くつかない。
 忍者の覆面にサングラス。顔は全く分からない。
 カメラに公開するべく二人の女の部分を広げてしまう。
 これもどちらもごく薄い緋色である。
 広げた縁の部分も薄い小豆色。奇麗で若いその部分を感じさせる。
 納村優菜の縁はぴんと張った小陰唇の上部内側はやや紅が濃い。
 陰毛を処理してある大陰唇の薄紅の皮膚と対比してなかなか生々しさを感じさせる。
 どちらもさすがに処女ではない。
 豊田沙良の膣口は襞が重なっている。納村優菜のその部分は粘膜が渦を巻くように閉じていた。
 この連中の動画の標準パターンの最後としてクスコを挿入して広げる。女の奥の奥を公開である。
 レーザーで中を照らす。
 奥に粘膜の盛り上がりがあってその中心に亀裂が確認される。
 納村優菜の方が盛り上がった粘膜の紅が薄くグレーと斑である。
 金城宅磨がリモコンの先に伸びたアームの先端にL字にマイクロローターの付いたアイテムを忍者姿黒装束に一本ずつ渡す。
 「この刺激で意識を回復してもらいましょう」
 忍者姿黒装束は二人に二人ずつ掛かった。それぞれ二本のマイクロローターの先端で膣天井部の女の一番敏感な部分を責める。
 「う、ううーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 先に納村優菜が意識を回復した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 海岸で行き成り二人の女に海に引っ張られて船に運ばれてそこで口を押えられてから意識がない。
 「どこーー。ここーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は朦朧としながら周りを確認しようとする。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良も意識を回復した。
 そして忍者姿黒装束を見て叫ぶ。
 豊田沙良も船の上で口を押さえられてから意識がない。
 忍者姿黒装束らは二人が意識を回復したので責めを一度中止する。
 「もう諦めろ。スクリーンを見ろお前らの姿だ」
 金城宅磨が宣告する。
 ここまでの撮影がスクリーンに再現された。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は自分の性器が映って拡大されると猛然と叫ぶ。
 豊田沙良は納村優菜が叫んでしまったので声を出さなかった。
 「もう遅い。この姿が公開されたら表は歩けない」
 金城宅磨はあざ哂うように言う。
 「やめてーーーーーーーーーーー。何で私たちがこんなことされるの」
 今度は豊田沙良が抗議する。
 「海岸で物色して手ごろなのを選んだ。容姿が対象範囲だっただけだ。災難と諦めろ」
 金城宅磨は身勝手承知の発言を堂々と言う。
 「ふ、ふざけないでよ。目的は何よ!!」
 豊田沙良は産婦人科診察台を揺すって藻掻き叫ぶ。
 「はっはっはっは。これまで通りSM動画の配信だよ。今度は俺がリクエストした」
 「やめろーーーーーーーーーーーーー。ここからおろせーーーーーーーー」
 豊田沙良は無駄と分かっても叫ぶ。
 「やーーーーーーだよ」
 金城宅磨は完全にふざけている。
 何かこれまでとイメージが違った。だがこれまで以上に残酷に展開するのである。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スクリーンではクスコで開いた女の奥が広がって拡大され子宮口まで鮮明に映されている。納村優菜が悲鳴を上げた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良もそれに気付いて慄いて悲鳴を上げる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜はまた猛然と叫ぶ。
 「無駄だ。諦めろと言っているでしょ」
 金城宅磨は完全にふざけた口調である。
 「あきらめられるわけないだろーーーーーーーーーーーー」
 今度は豊田沙良が叫ぶ。
 「こっちも多額の金使っているのだよな。やめられないなーーーーーーーー。一億だよーーーーーー。本来三月に払う税金だけど」
 金城宅磨はさらに悪乗りしてしゃべる。
 「税金使ってしまってこんな事してーーーーーーーーー」
 納村優菜はさらに怒りを沸騰させた。
 「税金は納税者が死んだらチャラ。俺の命は三月までない。はっはっはっは」
 金城宅磨はさらにふざける。
 「依頼人。そろそろ台本通りに」
 忍者姿黒装束の一人が先を促す。
 「まあまあ。好きに遊んで貰いましょう。危ないところは向こうでカットされますよ」
 他の忍者姿黒装束が宥める。
 カットはされなかったようである。川口の会長はこの部分を社会に公開してあざけ哂いたかったのである。
 金城宅磨は脱毛クリームを取り出した。
 それを豊田沙良からドテの黒い塊に塗すように塗る。
 「なにーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は異物を塗られて叫ぶ。
 「脱毛クリームだ。永久にパイパンだよ」
 金城宅磨は愉しそうに宣言する。
 「あーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は取り返しのつかない暴挙に慄き強烈に叫ぶ。
 「もう遅い」
 続いて納村優菜にも塗る。
 「あーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜も腰を引いて叫ぶ。
 金城宅磨はたっぷり塗して陰毛の下の肌に擦り込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 納村優菜は藻掻くがどうにもならない。
 次は豊田沙良の眉毛に塗ろうとした。
 「あ、あーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良が顔を避けるので後ろから忍者姿黒装束が押さえる。
 金城宅磨は強引に擦り込む。
 「いやーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 片手で米神を掴んで強引に塗る。
 続いて忍者姿黒装束が納村優菜の頭を押さえた。
 「あーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は泣き叫ぶ。
 金城宅磨が米神を掴んで眉毛にも塗り込む。
 「あーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーー。なんてことするのーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は狂ったように怒りを沸騰させる。
 金城宅磨にはまだまだ序章以前である。
 ここで一度クスコを抜く。
 金城宅磨は忍者姿黒装束を納村優菜に促して自分は豊田沙良に向かう。
 ファスナーを下ろして一物を出す。
 「ああ」
 豊田沙良はそれを見て顔を逸らす。
 金城宅磨は挿入に掛かる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーー」
 豊田沙良はさらに泣き叫ぶ。
 金城宅磨は強引に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーあん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は藻掻き腰を捩って悲鳴を上げる。
 金城宅磨は腰を掴んで強く動く。
 「あはあーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は泣き叫び続ける。
 だが忍者姿黒装束は最初の挿入を依頼人の金城宅磨に譲ろうと待つ。
 金城宅磨は興奮度が上がっていた。豊田沙良は美人かつ良い躰である。
 両手で乳房を掴んで豊田沙良の女の中に生で果ててしまった。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は生中出しされて狂ったように喚く。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああんあはん。あはん。あはん」
 涙をぽろぽろ零す。
 忍者姿黒装束は金城宅磨に納村優菜に向かうよう促した。
 金城宅磨は果てたばかりだが女が代わればまた起つ。
 納村優菜も美人かつスタイルは抜群である。もとよりそういう女を物色した。
 直ぐに納村優菜に掛かる。
 「あーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜から恐怖の悲鳴が上がった。
 金城宅磨は腰を掴んで一気に突っ込む。
 「う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は逸らした顔を顰めて堪える。
 「うう。・・・・・うう。・・・・・うう」
 納村優菜は喚く事はしなかった。呻き声を漏らしながら堪える。
 
 「これは以前にあったな。依頼者が居てそれを支援するパターンだな」
 如月鬼堂はそう呟く。今度はこっちのパターンとの見方である。
 「今度はあのややふざけた男が依頼人ですか」
 館山弁護士が吐き捨てるように言う。
 「死ぬ心算なのか余命がないかだな」
 「一億ですか」
 杉下一行は呆れた表情である。
 「あの忍者姿の四人の派遣料と動画の配信手数料、遺体の処分料とかだろ」
 「金は現金ですか」
 本多椿はマネーロンダリングなど闇資金を交換する組織で闇銀行の様な存在は知らない。
 「交換する闇銀行があるらしいです」
 館山弁護士が答える。
 「一人逮捕されてもう一月に成りますが何も変わりませんね」
 杉下一行も分かっていても連続拉致強姦事件の六人の牙城が崩れない事が何とも言えない。
 「あの二人も殺されるのね」
 「もしかしたらだが。一人があの男の道連れで一人は悲惨な躰にして開放するかもしれんな」
 「どうして」
 「あの男が異常に残酷に見えるのだ。そんな気がする」
 如月鬼堂は感だけである。
 「先生のその言い方よく当たるよね」
 本多椿も異常に残酷な性格に見える。これまでの犯人も残酷だが如月鬼堂の言葉を聞いて何か異様な感じがした。
 画面では一々見る必要のない輪姦すシーンが終わったので一同はまた画面に集中する。
 
 金城宅磨は蛇を手にしていた。
 そして豊田沙良を指差し忍者姿黒装束の一人を促す。
 その忍者姿黒装束はクスコを持って豊田沙良の膣に挿入する。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は直ぐに蛇を膣に入れられてしまうと思った。
 金城宅磨は蛇の尻尾を豊田沙良の内腿に垂らす。
 「いやああーーーーーーーーーーーん。いやーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は強姦より切羽詰まった悲鳴に成ってしまう。
 金城宅磨はそのまま豊田沙良の内腿を蛇の尻尾で掠って乳房の手前までじっくり擦る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 顔に近付くと強烈な悲鳴に成る。
 胸の谷間から臍、ドテと下げてゆく。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーあ、ああーーーーーーーーーーーーーーーんああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 悲鳴は金切り声に成った。
 金城宅磨は蛇を持って豊田沙良から離れる。
 「あはあーーーーーーーーーん。ああーーん。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 豊田沙良の荒い息遣いはなかなか治まらない。
 「あんたは止めとこう。気が狂ってしまいそうだな。それでは最後まで愉しみがない」
 金城宅磨は状況を見抜いたように言う。
 その言い方がさらに寒気を覚えさせた。
 金城宅磨は納村優菜を示す。
 忍者姿黒装束はクスコを納村優菜の膣に突っ込む。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜も叫ぶ。
 金城宅磨はにたりと笑う。仮面を被っていても表情が組み取れた。
 そのまま蛇を腹に載せてしまう。
 「うう」
 納村優菜情けない表情で金城宅磨を見る。
 金城宅磨はもう一匹水槽から持ってきた。
 それを二つ折りにするように蛇の腹を右の太腿に載せてしまう。
 「・・・・・」
 納村優菜から声はなく怒りの目つきで金城宅磨を見る。
 「入れるぞ」
 金城宅磨は腹に載っていた蛇の頭のやや下を掴む。
 「あ、あはーーーーーーーーー」
 納村優菜の表情が引き攣る。
 金城宅磨は一気に蛇の頭をクスコに突っ込む。
 「あ、は・・・・・・。ふはぁ」
 納村優菜の口から僅かに泡が噴き出す。
 金城宅磨は直ぐに抜く。
 抜いた蛇を納村優菜の左の太腿に二つ折りにするように腹の部分を載せてしまう。
 「あはぁ。あは。ああ」
 最初に左の太腿に載せた蛇が体をくねくね折って太腿の上に登る。
 「あ、ああ」
 納村優菜の口からさらに泡が流れ落ちた。
 蛇は納村優菜の内腿から膝に登って脚首に向かって這う。
 金城宅磨は左脚の蛇を掴んで水槽に戻す。
 さらに右脚の上を這う蛇も掴んで水槽に戻した。
 金城宅磨はもう一度忍者姿黒装束四人にリモコンの先に伸びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムを渡す。
 そのまま二人が失神するまで責め続けられた。
 二人ずつ掛かって膣天井部の女の一番敏感な部分を責める。
 強姦で輪姦されても感じる事なく耐え続けたがこっちの責めには堪えられない。逝き声と逝き顔を晒してしまった。
 そして脱毛クリームを塗ったドテを拭く。奇麗にパイパンに成っていた。
 最後に字幕が出る。
 『近日続きを配給』
 
 「ここで続きですか」
 館山弁護士は拉致されてからかなり日が経っていると訝しがる。
 「二人しか拉致してなくて一緒に公開だから世間を騒がせる期間を長引かせる目論見じゃないのか」
 如月鬼堂は達観していた。
 「そうしたら暫らく拉致は無いですか」
 「うーん。どうでしょうね」
 館山弁護士は本多椿の質問に難しい表情に成る。
 「確かに前のように簡単にはできないと考えているだろう。それでビーチから漁船に運ぶ手を使ったのだから」
 「何か次の手段を思い付くまでは動かないですね」
 「多分。館山先生の言う通りどちらとも言えない。この犯人は行き成り動く。動かない時は暫く何もない。だが前のように簡単に拉致はしなくなると思う」
 「もう襤褸は出さないのでしょうかね」
 杉下一行はもう一回襤褸を出したら何か進展するのではないかとやや期待していた。
 「冤罪者の班とかが勝手に動かなければ襤褸は出ないな」
 如月鬼堂は連続拉致強姦事件の犯人はまず襤褸は出さないと見ている。
 「連続拉致強姦事件の犯人らは完璧だという事ですか」
 杉下一行の確認である。
 「六人の中に諸葛孔明の様な奴が一人いるのではないか」
 如月鬼堂は究極の知恵袋は一人と考えていた。
 「そうかもしれませんな」
 館山弁護士も同意する。
 
 九月十三日。
 山川里咲はようやく横山弁護士の家を突き止めた。
 違法を承知で車からドローンを飛ばして家の周りを偵察する。
 番犬を発見した。
 番犬が居なければ裏の通用口のセキュリティーはやや緩い。
 さらに家族が居ない事を確認した。
 犬を眠らせたら襲撃は可能である。
 そして横山弁護士から復讐に必要な金を奪おうと計画する。
 山川里咲はそのまま引き上げた。その日は状況を確認して帰って策を練り直す心算である。
 そしてもう一人のターゲットは山川里咲に希硫酸を塗った男に向く。
 その男の所在を突き止めたい。
 和歌山に来るとしたら週末である。三連休なのでその三日目の昼以降にホテルを出ると狙いを定める。
 十八日の十時から駅付近に車を止めてドローンを樹木の下に隠して見張る予定でいた。
 
 九月十八日。
 朝十時からホテルをチェックアウトする赤座元太を待ち伏せる。
 乗り捨てできるレンタカーで来ていた。
 列車に乗ると踏んでいる。そのまま尾行して家を突き止めたい。
 岬ビューホテルでは二泊のイベントが行われていた。
 今回は山川里咲のような生贄は居ない。
 その分費用は小さい。満足も八分目である。それでも月に一回はイベントが行われ会員はさらに数回岬ビューホテルに来る。
 此処で行われるSMが最高の悦びという連中である。
 そして十二時を少し回って参加者らはホテルをチェックアウトして駅に向かって来た。
 赤座元太も出て来る。山川里咲の女の奥に希硫酸を塗った男である。
 特急に乗るのを確認する。名古屋方面に向かうと確認した。
 自由席特急券で乗り込む。時々デッキに立って降りるのを確認しながら尾行を続ける。
 名古屋で新幹線に乗り換えて東京に着いた。
 世田谷区の家まで尾行に成功したのである。
 
 九月二十日。
 三橋貴明はクラブ麗で紀咲槙乃を指名した。
 天葛香苗で散々愉しんで味を占めてしまっている。
 如月鬼堂の監修する真性奴隷女の館では思うように指名が取れない。女躰アンドロイドロボットを縛って練習しても加虐心は満たされない。
 やっとクラブ麗に辿り着いたのである。
 マネージャーが立ち会ってプレイ内容の確認を行う。
 三橋貴明の要求したプレイは三輪三千夫の内容とほぼ変わらなかった。
 紀咲槙乃に五十万を払ってクラブに手数料十五万を払ってプレイルームに向かう。
 全裸に剥いて三橋貴明も脱いで一緒に湯に浸かる。
 三橋貴明が湯船の先端を背にして足を広げて腰を着く。紀咲槙乃の躰を背中向けて抱き寄せて手は躰の前に回して乳房を掴む。
 「麗は初めて」
 「そうだよ。如月鬼堂の監修する真性奴隷女の館は会員優先でなかなか取れない。ホームページでこのクラブを検索してあんたのポートを見た」
 「そう。五十万も掛けてくれたのね」
 「その分愉しませて貰うよ」
 「うん」
 紀咲槙乃はこのお陰で一気にバンスが消えたのである。今日は仕方ないと観念する。
 浴室から出て三橋貴明は紀咲槙乃を如月鬼堂の縛り方を真似て逆さ吊るしにしてしまう。
 紀咲槙乃の体形は天葛香苗によく似ていた。
 ただ天葛香苗の様な凄味はなく気丈には見えるが静かな表情である。
 両方の太腿の付け根に二重に廻して縄を掛ける。それにフックを付けてそのフックを天井から下がった二本の滑車のフックに接続して吊るし上げていた。
 股間はほぼ真上を向いて太腿は八の字に広がっている。
 脚首に掛けた縄は離れた床から引っ張っていた。
 紀咲槙乃の躰は空中に船の錨を逆さまにした形に吊るされている。
 三橋貴明は鞭を手にした。
 先端が長方形の革二枚の一本鞭である。
 紀咲槙乃に戦慄が奔った。
 女の部分を叩かれると怯える。
 三橋貴明が振り被る。
 「行くよ」
 「ああ」
 紀咲槙乃の表情が固まる。
 三橋貴明は左の内腿から叩く。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 内腿は柔らかい肌で相当に痛い。
 紀咲槙乃の躰は右に左に捩れて揺れる。
 次は大陰唇を狙う。
 まだ女の部分には当てない。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰は後ろに頭が強く反った。その反動で前に迫り上がる。
 一発目の内腿の痕は蚯蚓腫れが浮いていた。
 次は鞭をアンダーに持って逆さ吊るしの乳房を叩く。
 「うぐああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰は強烈に揺れて振り子の様に動く。
 最初に叩いた内腿の痕は蚯蚓腫れが赤く成っていた。
 三橋貴明はここで一度鞭を置く。
 そしてドテにローションを塗る。
 「剃毛を忘れていた」
 「えーー。この体制で」
 紀咲槙乃は逆さ吊るしのままでは辛い。
 三橋貴明は容赦なくドテの黒い陰りにローションを塗る。
 三輪三千夫が剃ってから生え揃ったばかりである。そんなに濃くはない。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 愛好会のメンバーが集まっていた。大河内税理士、福富麻次郎、館山弁護士、杉下一行、雨倉編集長、樽常マネジャー、本多椿である。
 ここのところ編集の小川綾香は来てない。雨倉編集長が直接担当している。評判が悪いと理解されたからである。
 珠洲と瀬里菜は話に入らないのでカウンターに逃れていた。
 次のショーの打ち合わせである。
 そして表の全裸美人コンテストの規格がインターネットアダルト放送局に承認された。
 福富麻次郎はホクホクである。裏が終わったばかりでさらに収入に成る。
 風俗業も回復したとは言えコロナ前には戻らない。
 アンドロイドは売れているが風俗嬢のオプションはいまいち人気が薄かった。
 こっちの稼ぎは大きい。
 「もうそろそろ十日近くなりますがあの続きを公開しませんね」
 館山弁護士はそっちを気にしていた。
 「鬼堂先生っはどっちか一人開放されるかもしれないと仰いましたね。それってもう無いですよね」
 本多椿は前回の動画確認の終わりの言葉を思い出して確認する。
 「いやまだ分からない。先に動画が公開されたら可能性は低い」
 如月鬼堂は一人開放してから動画を公開すると見ていた。
 
 さいたま市大宮区宮町。クラブ麗のプレイルーム。
 三橋貴明は逆さ吊るしで股間を広げてほぼ真上を向いている膣にクスコを挿入した。
 「ここを覗くのを忘れていたよ」
 「みんなその中を見るよね」
 「どうしても見たいよ」
 「みんな同じでしょう」
 紀咲槙乃は女の子なら皆同じ作りと言いたい。
 「そうでもない。同じ女でも日によって違う。汚れ方の生々しさが」
 「同じ事を言う人が居た。貴方と同じように撮影込みで毎回五十万使ってくれる」
 紀咲槙乃は三輪三千夫を思い出している。
 「結構な収入に成るのじゃないか」
 「全部借金返済よ」
 また紀咲槙乃は思わず言ってしまった。
 三橋貴明はロングスプーンで膣の中を探る。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃はこれまでに同じ事をされているが恥ずかしさの極みである。
 「それじゃ大変だな。早く返済して金を残さないとな」
 三橋貴明は紀咲槙乃の反応は無視している。天葛香苗を思い出した。殺されかけたがここまでは何も言わずにやらせてくれたのである。
 「ねえ。私あと数年しか稼げない」
 「そうだね。今は気丈そうな顔で虐めても哀れみが少ない。だからサディストの虐め心を滾らせる。だが早く老けるタイプだ。そうなると一気に引く」
 三橋貴明は気遣いなくずばずば言ってしまう。
 「やっぱそうなの」
 紀咲槙乃はもう自覚したが危機感が堪らない。
 「ねえ。私は囲って貰えない」
 紀咲槙乃は分かっていても確認したい。
 「子供が居ては無理だな。それにそういうタイプではない」
 「何で判るの」
 「会陰だ。縫った痕がある」
 「ううん」
 その言葉は紀咲槙乃の奥に沁みた。
 「それに呼び方は知らないが躰に僅かに線が入る。妊娠中に膨らんだ皮膚が戻った時残る痕のようなものだな」
 三橋貴明はさらに膣の奥から粕を掬い出す。
 「はい」
 紀咲槙乃は三輪三千夫とほぼ同じ答えに沈んでしまう。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 朝夕はやや緩和したがまだ残暑は厳しい。
 出前の寿司と刺身。ハムや生肉をつまんで冷酒である。
 「そろそろ二段目を公開しないのか」
 医者の男は社会を騒がすに時間が空き過ぎたと思っている。
 「明日の未明に豊田沙良を潜水艦からビーチに流す。その後に公開だ」
 川口の会長は段取りを済ませていた。
 「しかし。病院に運ばれて医者が見たら驚愕するな」
 金城宅磨の要求通り最後の処置は医者の男がやった。
 「凄かったな」
 編集したのは印刷会社の社長である。
 「明日の報道が愉しみだな」
 葬儀会社の社長は社会が騒ぐのが嬉しい。
 「残酷すぎて内容は報道されないだろ」
 川口の会長は報道では内容を暈されると言う。
 「コメンテーターらの正論を損なわない定型文のような非難の言葉が面白いだけだ」
 葬儀会社の社長はとことん正論が嫌いである。
 「詰まらない時代に成ったものだ」
 川口の会長は自分らの若い時代が良かったと言いたい。
 
 さいたま市大宮区宮町。クラブ麗のプレイルーム。
 三橋貴明は紀咲槙乃の膣に?燭を差し込んでしまった。
 さらに細いのを尿道にも刺し込もうとする。
 「待ってーーーーーーー。何処に入れるの!!」
 紀咲槙乃は逆さ吊るしの下から首を擡げて尿道に入れられると判って叫ぶ。
 「尿道や」
 三橋貴明は強気で答える。強引にやる構えである。
 「駄目。蝋燭の欠片が中に残ちゃうよ」
 「大丈夫。ちゃんと金属のサックに入っている」
 三橋貴明は昔の鉛筆に掛けていたような金属のサックの細い物を翳す。
 「ああ」
 紀咲槙乃は痛いのは堪らないがそれなら仕方ないと思う。
 三橋貴明は紀咲槙乃の尿道の小さな亀裂にサックの先端を刺し込む。
 「うぐううーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううぐうーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰に力が入って固まる。さらにその躰を揺すって藻掻く。
 「あはあーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーーーー」
 三橋貴明は容赦なくそれを尿道の口で回す。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は繊細な部分の痛みにさらに悲鳴を漏らす。
 さらにアナルにも鉛筆サイズの物を差し込む。
 「あーーーーーーーーーー」
 三橋貴明は三本の?燭に点火した。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は蝋涙の落下に震える。
 「これでドテを鞭で叩くのだよ」
 三橋貴明はそう言って紀咲槙乃の顔にフェイスガードを掛けた。
 顔だけは避けなければならない。
 三橋貴明はまた一本鞭を手にした。
 剃毛したドテを叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰が震撼した。
 蝋涙は飛び散る。
 続けてドテを叩く。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰はさらに振り子の様に揺れる。
 蝋涙が一部躰のフロント面に落ちた。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖感から声が上がるが熱くはない。
 さらにドテを叩く。一発目の痕がやや蚯蚓腫れに成っている。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに蝋涙は躰のフロント面に落ちた。
 「ああーー」
 三橋貴明は形の良いドテを蚯蚓腫れで無残にしたい。
 一部蚯蚓腫れの上に蝋涙が飛び散っていた。
 その上から叩く。
 既に蝋涙は飛び散った以外に股間に流れていた。尿道の蝋燭からは粘膜に流れ落ちている。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 鞭の痕は蚯蚓腫れの上から叩かれてクロスしていた。
 尿道の蝋燭は剥きだした部分が燃えてしまっている。
 三橋貴明はそれを抜いて膣のクスコに差した長い蝋燭とアナルの蝋燭も抜いてしまう。
 アナルの蝋燭は消して投げる。
 膣から抜いた蝋燭をクスコの中に垂らす。
 「あーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 紀咲槙乃は強烈な悲鳴を上げた。
 躰は真下に吊る下がったまま微妙に震えている。
 三橋貴明は容赦なく垂らし続けた。
 「いやあーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーん。いやああーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は恐怖に叫び続ける。
 三橋貴明は適度なところで火を消して蝋燭を置く。
 「あはあーーーーーーーーん。あはあ。ああ。ああ。ああ」
 紀咲槙乃は荒い息遣いで震え続ける。
 そのまま紀咲槙乃の躰を吊るしからゆっくり下げてゆく。
 床に降ろしてフックを外して太腿の付け根の縄を解き高手小手の縄も解いた。クスコは刺さったままである。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 まだ紀咲槙乃の躰は震えていた。
 三橋貴明はそのまま紀咲槙乃の躰を拷問椅子に乗せる。
 乗せるだけで固定はしない。
 クスコの中に長いピンセットとロングスプーンを入れて蝋涙を掬いだす。
 何回か取り出して中を洗った。
 紀咲槙乃のドテの蚯蚓腫れは真っ赤に幾重にも重なっていて一部割れて僅かに血も滲んでいた。
 それを見る三橋貴明の加虐心は込み上げている。
 「少し湯に浸かって来て」
 「どのくらい宜しいですか」
 「三十分。温めの湯でよく癒して来て」
 三橋貴明はドテに目をやる。
 「ありがとうございます」
 紀咲槙乃はややふらつきびっこを引くように浴室に消えた。
 その間に三橋貴明は解いて散らばった縄を整える。そして十露盤板の準備を行う。
 まだまだ紀咲槙乃の悲鳴を愉しみたい。
 準備ができたらビールと乾いたつまみを出す。
 グラス二つに注いで一個を浴室に持って行く。
 「開けるよ」
 「はい」
 紀咲槙乃は静かに湯に浸かっていた。
 三橋貴明はビールのグラスを浴槽の端の大きな淵に置く。
 「ゆっくり」
 そう言って戻って飲み始めた。
 紀咲槙乃は膣の中に静かに指を入れて確認する。
 驚いた割に軽微ではあった。
 やや安堵してビールを飲む。
 まだまだこんな事では済まない。時間もたっぷりある。
 
 内房のリゾート施設。潜水艦が東京湾の海底を航行してリゾート施設の地下の桟橋に入港した。
 此処の上の建物が豊田沙良と納村優菜の拷問場所である。
 豊田沙良は全裸でサーフィンに縛り付けられている。
 眠らされて点滴を打たれていた。
 サーフィンの裏側には小型のエンジンが装着されている。
 この状態で南伊豆の海岸の沖合で潜水艦から流す。
 豊田沙良は悲惨な姿にされていた。
 髪の毛はなくスキンヘッドである。
 ドテの黒い塊もない。
 そして左の乳首は乳輪ごと何もない。斬り落とされ縫われていた。
 女の部分も小陰唇が斬り落とされ大陰唇の中で縫い合わされ尿道から延ばされた管だけが出ている。
 恐ろしい拷問の挙句に悲惨な解放である。
 潜水艦の乗員は今夜この施設で休む。明日の未明前に出港して南伊豆の海岸に豊田沙良を流す予定であった。
 
 さいたま市大宮区。クラブ麗のプレイルームである。
 三橋貴明は湯から上がってさらにビール休憩をさせていた紀咲槙乃をまた高手小手に縛ってしまう。
 その躰を十露盤板の方に促す。
 四角い枠に角を上にした七本の角材が打ち付けられている。座れば向う脛が角に突き上げられて相当に痛いと思えた。
 紀咲槙乃は十露盤板に慄く。
 三橋貴明は紀咲槙乃の肩を押して上に座らせる。
 「この拷問は初めてか」
 「はい」
 紀咲槙乃の躰は十露盤板の痛みにぎこちなく揺らいでいた。
 さすがに石の板は載せない。
 奥行き五十センチ。幅七十。厚みが五センチのポリタンクが三枚用意されていた。
 「この上に載せるのね」
 「見た事あるかい」
 「ううん」
 紀咲槙乃は首を振る。
 「本来は石の板を載せるのだ」
 「え、ええ」
 「それじゃ太腿に傷が付くからポリタンクに水を入れる」
 「え、ええ」
 水を入れられたら相当に重い。紀咲槙乃は堪えられそうにないと思う。
 三橋貴明は三枚のポリタンクを紀咲槙乃の膝に載せて両側二か所縦に縄で縛った。
 縄で三つ重ねて縛ったポリタンクの紀咲槙乃の腹に当たる断面。そこに縄を通して躰の後ろに回してもう片側の断面に通して縛る。
 これで簡単にタンクは落ちない。
 三橋貴明はリールに巻かれたホースを浴室の水栓に繋いで伸ばして来る。
 先端には水を止めるコックが付いていた。
 一番下のタンクの口の蓋を取ってコックを差し込む。
 「あ、ああ」
 紀咲槙乃は恐怖の息遣いを漏らした。
 水は強い勢いでタンクに侵入する。
 座るだけでも痛い十露盤板である。
 紀咲槙乃の躰は藻掻くように揺れていた。
 一個目が満タンに成る。
 三橋貴明は蓋を閉めて二個目に水を注入し始めた。
 「う、ううーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は涙のない恐怖の泣き顔で三橋貴明を見る。
 「う、うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 既に相当に圧迫されていた。
 紀咲槙乃の躰はぐらぐら揺れる。
 「う、うぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 藻掻く。そして涙が溢れだす。
 二つ目が満タンに成る。
 三橋貴明はそれの蓋も閉めた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰は苦しみ藻掻く。
 そして追い詰められ緊迫した目で三橋貴明を見る。
 三橋貴明は三つ目のタンクの蓋を開けようとする。
 「・・・・・」
 紀咲槙乃はもう無理と涙顔で首を振る。
 三橋貴明はタンクの下に手を入れて膝から腿に触ってゆく。
 紀咲槙乃の顔は痛みに歪み切っていた。
 三橋貴明はさすがに三つ目のタンクの注水は諦める。
 少しだけタンクの上に手を置いて押す。
 「うーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成った。
 そして十露盤板の下から失禁尿が流れ出してしまう。
 三橋貴明は一瞬悦びの表情を浮かべた。だが仕方なくタンクを三つ縛った片側の縄を解く。
 後ろに回した縄も緩む。
 その縄を外してタンクを反対側に退かす。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰は縛られたまま十露盤板の斜め前に倒れる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーー」
 床を半回転転がって痺れて圧迫された痛みに十露盤板の筋がくっきり入った脚。それを折ったまま上に上げて藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 緊迫した悲鳴は続いた。
 三橋貴明は高手小手の縄も解いて紀咲槙乃の躰を抱き上げてベッドに運ぶ。
 紀咲槙乃は手が自由になったので痺れて攣ってしまった脚を手で持って押さえ痛みに藻掻き続ける。
 三橋貴明はここまで壮絶に成るとは思ってなかった。
 取り敢えず浴槽に熱くない程度の湯を張る。そして暫く紀咲槙乃の苦しむ姿を堪能した。
 天葛香苗の場合は苦しんだがもう少し堪えられたのである。そこは普通の人とプロレスラーの違いと理解する。
 少しやり過ぎたかもしれない。
 「歩けるか」
 「・・・・・」
 紀咲槙乃は首を振る。
 脚に触る。
 「痺れているのか」
 「・・・・・」
 紀咲槙乃は表情を歪めて頷く。
 暫く治まるまで待つしかない。
 「動けるようになったらバスを使え。熱くない程度にしてある。三十分くらい癒して来い」
 「すみません」
 紀咲槙乃はややほっとした。
 「食事を頼むが鰻重か寿司らしい。どっちが良い」
 「ご主人様と一緒で」
 「それじゃ寿司で良いな」
 「はい」
 ようやく紀咲槙乃は立ち上がって浴室に向かった。
 「出て来る時ガウンを着てね」
 「はい」
 「この後は鞭とびんたで終わらせる。もう安心して」
 「はい。それは」
 紀咲槙乃は安心とは言えないがそのプレイは花代のメインである。受けなければならない。
 
 九月二十一日。
 南伊豆の海岸に流れ着いた豊田沙良が朝の八時ころ発見された。発見者は朝の散歩に来たアベックである。
 流れ着いて三時間以上が過ぎていた。
 発見者はその姿に驚愕する。
 警察が来てここの海岸で拉致された女性で豊田沙良と判明した。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は瀬里菜に八時に起こされた。杉下一行から連絡が入って動画が公開されたのである。
 起きてシャワーを浴びて朝食の準備をしていると豊田沙良が海岸に流れ着いた報道が入った。
 杉下一行は十時過ぎに着く。館山弁護士ともテレビ会議が繋がった。
 画面には豊田沙良一人だけである。
 そして今度は拷問椅子に乗せられている。
 だがベルトだけで固定されていた。眠ったままである。
 忍者姿黒装束は四人。金城宅磨も居る。
 一人はドリルバイブを持っていた。一人は電マを持ち、一人は尿道バイブを持っている。
 あと一人は変わったアイテムを手にしていた。
 金城宅磨が豊田沙良の顔をびんたする。
 「う、うう」
 もう一発叩く。
 「うーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 さらに叩く。
 「うおーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は完全に意識を回復した。
 金城宅磨はさらに叩く。かなり気持ちよさそうである。
 「うおーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は悲痛な表情で叫ぶ。
 もう一発叩く。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の目から涙が溢れ出る。
 もう一発叩く。金城宅磨は痛快な表情である。
 「う、うう、うーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は号泣状態である。
 金城宅磨はドリルバイブを持った忍者姿黒装束に合図する。
 その忍者姿黒装束はドリルバイブの先端に装着された疑似男根にワセリンを塗って豊田沙良の膣に挿入する。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は挿入に悲鳴を上げて泣き叫ぶ。
 忍者姿黒装束は構わずスイッチを入れる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の表情は一気に破裂する。
 「気持ちよく成れ。この後は拷問だぞ」
 金城宅磨は強い口調で宣告する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は拷問椅子の上で大股開きの太腿を怒張させて躰を揺すっていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーやめろーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良はと轟音のような声を上げながら叫び続ける。
 金城宅磨は電マを持った忍者姿黒装束に合図した。
 その忍者姿黒装束はクリトリスの包皮の上から電マを充てる。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は太腿の肉を怒張させ手に力を入れて戒めを引っ張りながら藻掻き叫び続けた。
 「ぐうあはああーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーー」
 いくら抵抗しても耐えられる責めではない。
 「あーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の躰は強烈に震撼した。
 それでも責めは休めない。
 既に三角木馬が用意されていた。
 金城宅磨は尿道バイブを持った忍者姿黒装束に合図する。
 その忍者姿黒装束は豊田沙良の右の太腿の向こう側に回って尿道の亀裂に小さな尿道バイブをゆっくり突っ込む。
 下ではドリルバイブが膣にめり込んでピストンしていた。上では電マがクリトリスを責め続けている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は尿道に遺物が入って驚きと拒絶の悲鳴を上げた。
 「あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相変わらず太腿は怒張して腰は動く限り迫り上がって藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーあはんあはんあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の躰は藻掻き震撼して大きく弾けた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはん。あはん。ああ。ああ。ああ」
 そして一気に沈む。
 それでも責めは続いた。
 
 「あの仮面の男が全て指示しているのね」
 本多椿はいかにも酷い男と見ている。
 「流れ着いた豊田沙良の躰は壮絶な状態らしいです」
 館山弁護士はある程度情報を得ていた。
 「報道は具体的には何も言いませんね」
 杉下一行は一回最後まで見ている。
 「鬼堂先生の言っていた通り一人は解放されましたね」
 本多椿は如月鬼堂の予測通りだったと言う。
 「後の一人が道連れだな」
 「あの男は死ぬのですか」
 「そうだろう。それ以外この運びでは考えられない」
 「あの連中はそんな事にも協力するのですね」
 「世間を騒がせれば満足なのだろう」
 「あの忍者姿は」
 「組織の別の班じゃないか」
 「いよいよ組織の規模と犯罪規模の大きさが明らかに成ってきましたね」
 杉下一行は事態の大きさに感慨する。
 
 豊田沙良は数回逝き顔を晒して失神してしまった。
 既に蝋燭が数十本点火されて芯の周りに蝋涙が溶けている。
 金城宅磨は円筒形の棒状のブラシを取り出す。
 それにローションを掛けて豊田沙良の膣に挿入する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーー」
 さらにそれを膣の中で回す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい」
 豊田沙良は痛みに喚きだす。
 粘膜を管の中を掃除するようなブラシで擦られているのである。
 「あはあーーーーーーん。ああん。いたい。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は躰を固くして強烈に泣き叫ぶ。
 金城宅磨は適度にブラシを抜く。一部に点の様に血が付着していた。
 「固定を強化して頂けますか」
 金城宅磨は忍者姿黒装束に要求する。
 ベルトでしか固定してなかった。これを縄で強化する。
 そしてハンドルを回して頭を倒して股間を真上に近くまで向けた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 金城宅磨はその膣にもう一回クスコを挿入する。今度は金属ではなく強化プラスティック製である。
 さらに忍者姿黒装束に合図して蝋燭を指さす。
 一人二本ずつ蝋涙が熱湯の様に溶けた蝋燭を持つ。
 金城宅磨から順にクスコに流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がる。
 普通の状態でも熱い。それが内部の粘膜が傷だらけなのである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 サイレンの様な悲鳴が轟き続けた。
 手の空いた金城宅磨がクスコの中に太めの糸を垂らす。
 「あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良から狂ったサイレンの様な悲鳴はどこまでも続く。
 ?燭から溶けた蝋涙を三十本くらい流し終わると蝋涙はクスコの口まで溜まった。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 豊田沙良は荒い息遣いで震え続けた。
 金城宅磨はクスコに垂らした芯をクスコの口で切る。
 そしてその芯に点火した。
 「いやーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は震え泣き喚く。
 さらに残った蝋燭の蝋涙を四人の忍者姿黒装束が豊田沙良の躰に流す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は狂ったように悲鳴を上げ続けた。
 
 「あれでは膣の中は大火傷だな」
 如月鬼堂は動画を見ていてそう呟く。
 「まだまだですよ」
 杉下一行は恐ろしい内容に驚愕していた。
 「ええ。膣の中血まみれで熱蝋流したのよね」
 本多椿はその状況に驚愕している。
 「これまでも半田鏝で焼いたり硫酸を流したりとありましたがそれと変わらないですね」
 「そうだよ。凄まじい内容だ」
 如月鬼堂も仮面の男の残忍性を噛みしめている。
 「しかしあの男。警察が所在を突き止めませんか」
 館山弁護士は忍者姿黒装束に比べて所在を確認しやすいと言う。
 「まあ。判る時には生きておるまい。当然身の回りを整理してこの拷問場所にいるのだろう」
 「それじゃ。税金を払う分を全部使い切ってのセリフは態と残したのですか」
 「そのあたりにこの仮面の男がこんな犯罪を行う動機があるかもしれないな」
 また如月鬼堂の憶測である。
 
 画面では忍者姿黒装束の一人がヘッドセットを着けて指示を受けながら豊田沙良の大陰唇に注射を打つ。
 豊田沙良は中で固まっていた蝋涙がもう一度芯の点火によって中で溶ける。豊田沙良はもう一度失神してしまった。
 金城宅磨はクスコを抜いてもう一度大きめの金属のクスコを挿入する。
 蝋涙はもう一度固まっていた。
 それをピンセットで取り出して中を洗う。
 中の粘膜は悲惨な状態である。
 その後も忍者姿黒装束は医者の男と通信しながら麻酔を注射する。膣の奥の痛みを一時的に抑える為である。
 
 「一体何を考えているのだ」
 如月鬼堂はそう呟く。
 「・・・・・」
 全部先に見た杉下一行は何とも言えない表情である。
 「どうやら沖合からサーフィンに縛り付けてそのサーフィンの裏に小型のエンジンを装着して沖合から流したようです」
 「しかし。二十五の未婚の女性にここまでダメージを与えますかね」
 館山弁護士も犯人の残忍さに呆れていた。
 「殺すより残酷だな」
 如月鬼堂はきっぱり断言する。
 「こっちの娘の蛇の挿入を止まったのは生きて辛さを味合わせようと気が狂わない配慮ですか」
 「そうだよ。とことん残酷だ」
 「あの仮面の男が考えたの」
 「どうだろう。向こうの六人と打ち合わせているのじゃないか」
 「以前にも似たようなのは有りましたね」
 館山弁護士は過去の事件を振り返ればそれが徐々にハードに発展していると思う。
 
 画面では豊田沙良が今度は拷問椅子から降ろされて高手小手に縛られた。
 そして三角木馬が引き出される。
 一メートルくらいの鉄柱の上に底辺の幅二百ミリ高さ二百ミリ奥行き一メートルの三角の鞍が載っていた。
 豊田沙良を高手小手に縛った後ろの縛り目にフックを付ける。
 そのフックに縄を通して天井から下がったフックに通して引き上げられるようにしておく。
 三角木馬の鞍を一度低く下げて眠らせたまま豊田沙良の腰を跨がせる。
 そのまま両側から二人が押さえて一人がハンドルを回して三角木馬の鞍を上昇させる。
 あと一人が天井のフックに引っかけた縄を引っ張って豊田沙良の躰を真っすぐに引っ張った。
 豊田沙良の躰は天井からの縄で真っすぐを確保して全体重は三角木馬の頂点に乗っている。
 それは女の部分のビラビラで咥えながら会陰で乗っていた。
 三角木馬の頂点はX字の金属が逆さにカバーの様に貼られている。先端は一ミリくらい丸めてあるが全体重が掛かって動けば皮膚が剥けるように斬れる。
 金城宅磨が三角木馬の外側に垂れ下がった豊田沙良の太腿に電子鞭を充てて起こす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は空中に変な物を跨がされた不安定な状況に慄き悲鳴を上げた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相当に苦しい様子である。
 金城宅磨は鞭を持つ。先端が細い一本鞭である。
 三角木馬に乗った豊田沙良の乳房は金城宅磨の目の高さに来ていた。
 それを横に薙ぐ。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三角木馬の上で豊田沙良の躰は強く揺れてさらに震撼する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 全体重の掛かった会陰が擦れて痛い。
 金城宅磨はさらに構えた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は悲痛な表情で悲鳴を上げる。
 金城宅磨は構わず乳房を薙ぐ。
 「うーーーーーーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三角木馬の上で豊田沙良の躰は揺れてさらにスライドしてしまう。
 「うぐーーーうーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の躰は三角木馬の上で悲痛に藻掻く。顔は汗を噴いていた。
 乳房の鞭の痕は既に蚯蚓腫れが紅く滲んでいる。
 それでも金城宅磨は乳房を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は高手小手に縛られた躰を前に倒すようにして究極に藻掻く。涙は溢れるように流れ出る。
 
 「三角木馬の先端で全体重が股間に掛かる。会陰と下手をすれば膣口付近の粘膜が擦り切れる。既に木馬の上に血が滲んでいるかもしれん」
 如月鬼堂は状況をそう推察した。
 「えーーーー。凄い痛みです」
 本多椿は悲痛な表情に成っている。
 
 画面では豊田沙良が三角木馬から降ろされ股間の痛みに蹲って震え藻?いていた。
 三角木馬の金属部分にはアップに成ると血が確認された。
 「いたいーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 忍者姿黒装束が四人掛かって豊田沙良の躰を抱き上げて産婦人科診察台に移して膝、腰、を縄で固定する。
 腕は診察台の裏で手首を互い違いに縛り合わせて固定してしまう。
 金城宅磨は金属棒の先にT字の金具が付いた焼き鏝を焼いていた。
 忍者姿黒装束が二人左右からピンセットで豊田沙良の小陰唇を抓んで引っ張ってピンクの部分を広げてしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は焼き鏝を見て断末魔の悲鳴を上げる。
 金城宅磨はピンクの部分に焼き鏝を縦に当ててしまう。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がった。
 忍者姿黒装束はピンセットを放す。
 金城宅磨も焼き鏝を引き離した。
 忍者姿黒装束は二本のピンセットで豊田沙良の小陰唇の粘膜を二枚合わせて鋏む。
 暫くそれを押さえて密着させた。
 「あはあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 豊田沙良は恐怖に震え続ける。
 忍者姿黒装束がまたヘッドセットを着けて医者の男のアドバイスを受けながら患部に麻酔を打つ。
 さらに別の忍者姿黒装束がバルーンカテーテルを突っ込む。
 あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーー」
 既に粘膜どうし張り付いてしまっていた。強引に一部開いて尿道口を見つけて突っ込んだのである。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 針の無い注射器の様な物でカテーテルの奥に注入して抜けないようにする。
 豊田沙良は痛みに意識朦朧としていた。
 金城宅磨はビンタする。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良は目を凝らして金城宅磨を睨む。
 忍者姿黒装束の一人が医療用手袋を填め持針器と縫合針を用意する。
 三部の一円を描く縫合針に縫合糸を通す。
 「・・・・・」
 豊田沙良は女の部分を縫われると分かって恐怖に固まる。
 忍者姿黒装束は持針器で縫合針を抓んで豊田沙良の小陰唇に突き刺す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 麻酔は打ったが小陰唇の粘膜には効いてない。
 それを抜く。
 「ううぐぐうーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の顔は引き攣っていた。
 金城宅磨はそれを悦びの表情で見ながら高枝切り鋏を取り出す。
 忍者姿黒装束は最初の一針を結ぶ。
 「あうーーーーーーーーーー」
 豊田沙良の表情がまた引き攣る。
 豊田沙良の悲鳴を愉しみながら五針縫った。
 忍者姿黒装束の一人が全身麻酔の準備をしている。
 金城宅磨は高枝斬り鋏の刃を開いて左の乳輪を鋏むように充てた。
 「ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 豊田沙良から驚愕の悲鳴が上がる。
 忍者姿黒装束が止血パットを構えて待つ。
 金城宅磨は一気に鋏斬る。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が飛び散った。
 忍者姿黒装束がすかさず止血パットを貼る。
 ここで動画は終了して予告編と字幕が出た。
 納村優菜は拷問椅子に乗った金城宅磨の腰の上に大股開きで乗せられて膝を脚乗せ台に縛られている。
 女の部分には金城宅磨の一物が深く侵入していた。
 納村優菜のフロント面には縦に凧糸に繋がれた洗濯バサミが六系統流れている。洗濯バサミは三センチおきに鋏んでいた。
 凧糸は離れた柱から繋がれている。
 凧糸の長さは二系統ずつ三パターンに違う。
 拷問椅子を後ろに引っ張ると三回に分けて洗濯鋏が一挙に毟り取られて飛ぶ。
 それが二系統ずつ連続三回起こるのである。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最初の二系統が飛んだところで予告は終了していた。
 
 九月二十五日。
 世田谷区上馬。横山弁護士の屋敷である。
 山川里咲はドローンで餌を落として犬を毒殺した。
 ベランダから侵入する。
 眠っている横山弁護士の二つの睾丸を二本のペンチで掴んで握り潰す。
 「ぐぐぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横山弁護士は一瞬目を覚ますがそのまま気絶してしまう。
 山川里咲は現金だけ奪って立ち去った。
 
 翌朝。九月二十六日。
 横山弁護士は病院に運ばれ警察が検証を行う。
 犯人が犬を毒殺して裏側からベランダに侵入したと想定された。
 横山弁護士は犯人に心当たりは無い。一瞬しか姿を見て無い。サングラスとマスクで顔は分からなかったと答える。
 そして女の姿のように思えたと付け加えた。
 
 九月二十七日。
 木村草太若頭補佐が横山弁護士を見舞う。
 横山弁護士と木村草太若頭補佐の犯人についての見解は山川里咲が復讐に来たものと一致した。
 木村草太若頭補佐は山川里咲の処置を利根川元教授に確認して子宮を摘出したと情報を得る。
 それで山川里咲が復讐に奔ったとの見解に成ったのである。
 そして木村草太若頭補佐は青木学に確認して山川里咲が次に膣内を焼いた赤座元太を狙うと予測する。
 赤座元太の家に組員を配置した。
 
 十月一日。
 世田谷区烏山。
 赤座元太の屋敷もドローンで調査している。
 昼間は家政婦が来たりハウスクリーニングが出入りしたりしていた。
 夜は赤座元太一人である。
 山川里咲は裏の通用口の横の窓が壊し易く寝室から離れていた。それが狙い目であると計画していた。
 だがその夜は鍵も掛かってない。木村草太若頭補佐の配下の組員が詰めていたからである。
 そんな事は考えるまでもなく山川里咲は通用口から侵入した。
 キッチンに入ったところで三人の組員が身柄を押さえる。
 クロロホルムを嗅がせて縛ってしまう。キャリーバックに詰めた。
 そのまま山川里咲の乗ってきた車で山川里咲のアパートの近くまで行く。一度部屋に運び込む。
 そして特殊な袋に入れる。中には酸素ボンベも仕込まれていた。
 入手経路は説明するまでもない。
 そのまま木村草太若頭補佐の屋敷に運び込む。
 高い塀で囲まれていて防音も行き届いていた。
 
 十月二日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 今日は珠洲と瀬里菜そしてミニチュアダックスフンドのペーだけである。
 「パパ。パパの興味有りそうな記事だよ」
 瀬里菜がニュースなどを二次的に掲載しているサイトから見つけて教えた。
 交際中の年配男性を殺人未遂で逮捕された元人気女子プロレスラー天葛香苗。殺人未遂に至る動機。
 「あのロボットが防いだ二つ目の事件か」
 如月鬼堂はロボットが防いだ事で覚えていた。
 「そうよ。その被害者と呼ばれている伯父さんSM趣味だったのだって」
 「それが何で女子プロレスラーに」
 「この人伯父さんが好きだったから凄く尽くしたのよ」
 「出会いは観戦に来ていた客」
 「そう。いつかその周りと違いすぎるイメージに興味を持ちすぎたの」
 「しかし女子プロレスラーにしては良すぎる女だな」
 「そのスタイルで強いのだって。混合戦で男もホールしちゃうんだって」
 「おかしな話だなSM趣味がこいつのファンに成るか」
 「それが天葛香苗の方から誘ったのだって。でもその伯父さん何でいつも試合を観ていたのかな」
 「それはこの女がズタズタにやられるのが快感だったのだろ」
 「ああ」
 瀬里菜はようやく理解した。
 「その男の性癖を受け入れたところが謎だが。プロレスラーだ。鞭や縛り吊るしくらいなんの事はない」
 如月鬼堂は撮影で女子プロレスラーを縛って拷問した事もある。
 こんなこと書いてあるよ。
 『あの人が悦んでくれるなら痛みはそんなに辛くなかった。究極に恥ずかし仕打ちも受け入れた。
 指で責められるだけでこれまでにないくらい気持ちよくなってしまう。
 失禁もさせられて?き出しにされた尿道口から出るところまで見られてしまうことも。そして何度も失神してしまった。
 もうこの悦びをなしではいられない。
 あの人の存在なしでは考えられなかった』
 瀬里菜が読み上げた。
 「これだけではないな。もっと深い理由があるか。あまりにもバカげた理由かだ」
 如月鬼堂はまた断言してしまう。
 「パパ。もっと理由があると言うの」
 珠洲が会話に割って入った。
 「そしてこの女は刑期を終えたら復讐に来る。と言うよりもう一度殺しに来るだろう」
 「そう」
 珠洲も瀬里菜も何となく頷いた。
 
 十月三日。
 木村草太若頭補佐の屋敷である。
 山川里咲を拷問する面々が揃った。
 そして港区第十一小学校教諭山川里咲の行方不明が報道されている。
 この部屋は地下室ではない。だが窓も無く防音装置は完備されていた。
 山川里咲は駿河問いに吊るされて電子鞭で起こされる。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は赤座元太の家の通用口から忍び込んだ。なぜか鍵は開いていて中まで入ってしまう。
 そこで三人のスーツ姿の男に押さえられた。
 四十八時間眠らされていたのである。
 「お前。横山先生にお門違いの復讐に来たな」
 木村草太若頭補佐が開口一番その言葉を突き刺す。
 「みんなグルだろ。寄って集って私を騙してあんなショーに出して金を稼がせて」
 山川里咲は喚くように反論する。
 「黙れ!お前は飲酒運転で人を撥ねたのだ!あの時間違いなく酒の匂いがしたぞ」
 横山弁護士が言葉を叩きつける。
 「ちがうよーーーーーーーーーーー。アルバイトしていた居酒屋でノンアルコールと言ってカクテル飲ました。そいつらまでグルだろーーーーーー」
 山川里咲は駿河問いに苦しみながら言葉を絞り出す。
 「お前が何処でアルバイトしていたか知るか!!」
 横山弁護士はさらに言葉を荒げた。
 「まあ。横山先生。きっちりお仕置きしましょう。段取りはお任せください」
 木村草太若頭補佐が静かに宥める。
 既に撮影の準備だ行われていた。
 これは経緯上警察が辿り着けるので公開はしない。そう成ると岬ビューホテルにも影響してしまう。
 闇から闇の葬るしかないのである。
 既に山川里咲の部屋から危険な証拠品は回収してあった。
 一応駿河問いのまま全裸や性器を撮影する。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の性器を広げられて叫ぶ。
 組員が片方ずつ太腿を抱えてクスコも突っ込む。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに表情を破裂させて叫ぶ。
 「お〇〇この奥までくっきり見えますよ」
 木村草太若頭補佐がペンライトをクスコの奥に当てながら詰る。
 目の前のモニターにその中が拡大された。
 組員らはゲラゲラ笑う。
 「おまえら連続犯罪の仲間だな」
 山川里咲は連続拉強姦事件の犯人らの関連と決めてしまう。
 「違うよ。俺たちは隅田会系大船一家木村組だ」
 「やくざ」
 山川里咲にさらなる戦慄が奔る。
 「少し甚振ってからたっぷりいい声で鳴いて貰いましょう」
 赤座元太も呼ばれていた。その赤座元太が宣告する。
 銅線で繋がれたクリップで乳首を鋏む。その銅線は床のフックから引っ張られている。
 そして横山弁護士はの持つスタンガンに繋がっていた。
 「くらえーーーーーーーー」
 横山弁護士はスタンガンのスイッチを入れる。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー。い、いいたいーーーーーーーーーーーーーーーいたい。いたい。いたい」
 山川里咲は猛烈に叫ぶ。
 「うぐーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。うぐーーーーーーーーーうぐーーーーーーーーーー。いたい。いたーーーーい」
 泣き叫び吊るされた躰を藻掻き暴れる。
 横山弁護士はなかなかスイッチを切らない。
 組員が横山弁護士に鞭を渡す。先端が四角い革で蠅叩きの様な鞭である。
 横山弁護士は一度スタンガンのボタンから指を外して鞭を受け取る。
 それで山川里咲の顔を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙目で横山弁護士を見る。
 さらに叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲から涙が飛び散る。
 さらに叩く。
 「ぐーーーーーーーーーーーーーーーー。あは。あーーーーーーーーーーん」
 涙は溢れる。
 横山弁護士はまたスタンガンのスイッチを入れた。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい」
 山川里咲は大口を破裂させて叫び続ける。
 組員はさらにもう一個スタンガンを取り出す。
 それも銅線で繋いで床のフックを通して今度はクリトリスを鋏む。
 「ぐぎゅうーーーーーーーーーーーー。うごおーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫び暴れる。
 組員はそっちのスイッチも入れる。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は強烈に泣き叫ぶ。
 「ドリルバイブからだ」
 木村草太若頭補佐が組員らに指示する。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい」
 組員らは泣き叫び藻?き続ける山川里咲の太腿を掴んで股間を広げる。
 クリトリスを鋏んだクリップに繋がったスタンガンを持った組員はスイッチを切った。
 横山弁護士もそれを見て切る。
 「あはあーーーーーーー。あはん。あはん。ああ。はあ。はあ。はあ」
 山川里咲は荒い息遣いで藻掻き続けた。
 組員はクリトリスのクリップだけ取る。
 乳首は鋏んだままである。
 組員らはドリルバイブにローションを塗って二人の組員が広げた股間に突っ込む。
 「あ、ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 ドリルバイブのスイッチを入れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は表情を歪め切って声を絞り出す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は強烈な責めに藻掻き続けた。
 組員二人は抜けないように山川里咲の太腿を抱え続ける。
 「電マ」
 木村草太若頭補佐が指示した。
 別の組員が電マを持って来る。山川里咲の吊るされた下にしゃがんで電マをクリトリスに当ててしまう。
 「うう。おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は強烈な責めに藻掻き続ける。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。お、おーーおおーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は強烈に顔を捩って躰を震撼させ続けた。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の躰は空中で弾ける。
 「逝ったな。さらに責めろ」
 木村草太若頭補佐はとことん逝かせる心算である。
 ドリルバイブも電マもそのまま責め続ける。
 山川里咲は数回逝き顔を晒した。
 木村草太若頭補佐は失神するまで続けるさせる意思である。
 横山弁護士は失神したあと乳首のクリップにスタンガンの電流を当てるべく待ち構えていた。
 組員はドリルバイブのピストン運動を早くする。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は強烈に悶え続けた。
 数分と持たないで失神してしまう。
 そこで飲みながら時間を計って待つ。
 「木村さん。この先は」
 赤座元太がどうするのか確認する。
 「あれを二時間待ってもう一度苦しめてから飛ばすのだよ」
 「ああ」
 赤澤元太もその意味は分かる。
 「そしてドリルバイブの責めでずるずるに成った女の部分を今度はこいつらの一物で逝かせる」
 「おお」
 「あの状態ならいくら拒絶してもヒイヒイよがって逝き声で鳴くだけだ」
 「成程」
 赤座元太も納得する。
 「たっぷり躰甚振ってずたずたにしてから処分だな」
 「まあ。生かして返せば問題が起きますな」
 「そうだ。こっちにも手が回るし岬ビューホテルも巻き込む」
 「そうですね」
 「で。どう処分するので」
 「それは聞くな」
 木村草太若頭補佐は強い口調である。
 赤座元太も概ねやくざと分かっていた。それ以上は追及しない。
 「はい」
 「まあ。遺体が出る事はない」
 木村草太若頭補佐は静かな口調で断言した。
 「そうですか」
 その言葉には赤座元太も震え上がってしまう。
 そして二時間が経過した。
 「横山先生」
 木村草太若頭補佐が合図する。
 「おう」
 横山弁護士はまたスタンガンのスイッチを入れた。
 「う、うう、うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を回復した山川里咲は強烈に苦しみ悲鳴を絞り出す。
 「さあ。赤座さん。そのまま吊るしを一気に引き上げて」
 木村草太若頭補佐は赤座元太に愉しみを与える。
 「はい」
 赤座元太は山川里咲を駿河問いに吊るした縄を引く。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吊るしが一気に上昇してクリップが引き千切るように飛ぶ。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は空中で躰を迫り上げて脚を固く互い違いに蹴るように揺すって暴れた。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振って痛みに藻掻く。
 そのまま失禁してしまった。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか失禁は終わらない。
 横山弁護士はそれでも満足ではなかった。
 「おい。そろそろやれ」
 木村草太若頭補佐は組員らの輪姦す指示をする。
 山川里咲は全く抵抗できない。
 逝き声を上げ続けて逝きまくった。
 そこはやくざである。忍者姿黒装束が輪姦すのとはレベルが雲泥に違う。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 ようやく涼しくなった。
 そんな印象である。
 バーベキューを焼いて生ビールで乾杯していた。
 「木村草太若頭補佐から遺体の処分を依頼してきた」
 川口の会長が廃棄物収集運搬処分業の社長に言う。
 「今頃なんだ。輸送は大丈夫か」
 まだ検問は終了してない。
 「一応臭いが漏れない袋は渡してある」
 「しかしよく開発したな」
 葬儀会社の社長は感心していた。
 「日本の警察の最終兵器は犬の臭覚だからな」
 「そうだな」
 印刷会社の社長も同意する。
 「行方不明の被害者でなければ犬の心配はない」
 「まさか。朝のニュースの小学校の教諭じゃないだろうな」
 葬儀会社の社長は朝のニュースを心配する。
 「拉致はやらんと思うがな」
 川口の会長はこれまで木村草太若頭補佐は罠に嵌めて合法化するので拉致は行わないと見ていた。
 「まあ。どっちにしても大丈夫だろ」
 「そうだ」
 「木村さん。こっちの為に罠に嵌めて川口の女将に回してくれないのか」
 医者の男である。
 この男はこの時。山川里咲が拉致された小学校の教諭とは気付かなかった。
 「最近は和歌山にばかり回している」
 「そうか」
 「金城宅磨と道連れの女の処分は終わったのでだろ」
 葬儀会社の社長はそっちの動きは聞いてなかった。
 「そうだ。日曜日に公開するよ」
 印刷会社の社長は編集を終えていたのである。
 
 木村草太若頭補佐の屋敷。
 山川里咲は駿河問いから降ろされて床に倒れていた。
 そのまま組員らが拷問椅子に磔にする。
 「随分気持ちよくなったな」
 赤座元太が詰った。
 「くそーーーー。お前を殺してやりたい」
 山川里咲は赤座元太を見て怒りが沸騰する。
 「ふん。今日は元教授の処置はない」
 赤澤元太はさらに哂う。
 「・・・・・」
 山川里咲はまだ殺されるとは思ってなかった。
 「まず乳首から焼いてしまおう。赤座さん。横山先生片方ずつどうぞ。既に熱いです」
 木村草太若頭補佐は二人に温めてあった半田鏝を渡す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲はそれを見て強烈に叫ぶ。
 横山弁護士は容赦ない。玉を潰されたのである。
 「・・・・・」
 二人は無言の合図で一気に乳房を焼く。
 乳首より乳房の肌理の細かい白い肌を狙った。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が部屋を震撼する。
 それでも問題はない。防音は完璧である。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 山川里咲は震えたまま荒い息遣いを続けた。
 「それではお二人にクリかま〇こを選んでいただきましょう」
 「それは横山先生から」
 赤座元太はまだ被害を受けてない。被害を受けた横山弁護士に譲る。
 横山弁護士は膣を焼く方を選択した。そして赤座元太にクリから焼くように促す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太はクリトリスを指で剥く。
 組員がピンセットを渡す。
 赤座元太はそれで剥き直す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は泣き叫ぶ。
 赤座元太は半田鏝の先をクリトリスの盛り上がりに突き刺した。
 「がはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 「あはあーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ」
 山川里咲の躰は強く震撼していた。
 赤座元太の興奮度はやや落ち着く。横山弁護士の興奮度はさらに上がる。
 今度は横山弁護士が山川里咲の小陰唇を指で広げた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲は恐怖に震える。
 組員が渡した半田鏝は熱く成る部分が長い。膣の奥まで届くように配慮されていた。
 横山弁護士が半田鏝を山川里咲の膣に向けて構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーまってーーーーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の表情は恐怖に破裂していた。
 横山弁護士は一気に膣口に半田鏝の先端を突っ込む。
 「ぐあーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーあはあはあーーーーーーーーーーあはあはあーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の躰は拷問椅子を揺すって藻掻く。
 横山弁護士はさらに掻き回す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーあははあーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーあはあはあーーーーーーーーーーー」
 山川里咲の躰は強烈に暴れる。拷問椅子はぐらぐら揺れた。
 あまりの暴れ方に半田鏝は抜けてしまう。
 横山弁護士は諦めて終わりにした。
 「あはあ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 山川里咲は痛みに躰を震撼させ荒い息遣いで藻掻き続けた。
 此処で組員が全身麻酔と局部麻酔を打つ。
 そのまま運んで来た袋に詰めてキャリーバックに収めて乾式メタン発酵の工場に運ぶ。
 途中で迎えに来たパッカー車に引き渡した。
 報復に失敗した山川里咲は生きたまま処分されてしまう。
 
 十月五日。
 山川里咲の失跡に関する警察の捜査は意外な方向に向かった。
 警察犬は横山弁護士の家に辿り着く。さらに赤座元太の家に辿り着きどっちも一度自宅に戻っていた。
 横山弁護士宅の強盗傷害犯は山川里咲と断定される。さらに赤座元太の家に警察は捜査に入った。
 警察の何か盗まれた物は無いかの質問に屋内を調べる。赤澤元太は現金五十万の紛失に気付いた振りをした。
 結果山川里咲は強盗と窃盗のに嫌悪事件を起こして逃走と断定されてしまったのである。
 
 十月七日。
 さいたま市大宮区宮町のSMクラブ麗の事務所である。
 三橋貴明はまた紀咲槙乃を指名した。
 「ますみ。実は明日の指名が入っておりまして。ハードですと少し先に成ります。本日ですとソフトだけでお願いします」
 ますみは紀咲槙乃の源氏名である。マネージャーは明日三輪三千夫の予約が入っているのでハードはできないと説明した。
 「私と同じようなプレイをする人」
 三橋貴明は紀咲槙乃に確認する。
 「そうだけど」
 「その人と話し合って一緒にできないかな」
 「ええ」
 「お互い参考に成りことも有るかもしれないし。二人だとやり易い事もあるのでね」
 「聞いてみてもいいけど。私が損しないように考えてね」
 「二人合わせて時間とか調整して倍額に成れば良いだろ」
 「うん」
 紀咲槙乃が三輪三千夫に交渉した。
 三輪三千夫は直ぐに行くと回答する。
 取り敢えずソフト料金を払ってプレイルームで待つことにした。
 何も行わない。ビールを飲みながら待つだけである。
 二人は話が合った。
 翌日三輪三千夫の予約を三時間伸ばして二人で百万の契約とする。
 二人で交互にやれば撮影とかが詳細にできてさらに吊るしなどが可能と成るのである。
 その日は三人で飲みながらソフトのプレイ時間いっぱいSM談義が行われた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 雨上がり。曇り空が晴れ始めていたが町はまだ濡れていた。
 今日はステーキを鉄板で焼いて僅かに下がったらしい瓶ビールを飲んでいる。
 「警察は安易な方向で片付けたな」
 「警察犬が後をつけてそういう結論だ」
 「実際は木村草太若頭補佐の依頼で横山とかいう悪徳弁護士に罠に嵌められた女が報復したのだろ」
 「その通りだ。八月の半ば過ぎの岬ビューホテルの特別なショーに出された女だ」
 葬儀会社の社長は知人から情報を得ている。
 「それじゃ」
 医者の男は言い掛けて止まった。
 「上手く後始末をしたのだ。問題はない」
 川口の会長は断言する。
 「既にガスと発酵残渣か」
 「そうだよ」
 川口の会長は危うかったが結果的に今回の守備は上々と言いたい。
 「今日は途中で失礼する。明日はまた特殊医療のアルバイトで大阪の病院に向かうので」
 医者の男は先に帰った。
 
 十月八日。三連休の二日目である。
 和歌山。岬ビューホテル。
 上川紗月は木村草太若頭補佐に連れられて昼に着いた。
 横山弁護士らに同じ手で嵌められたのである。
 二十九歳。職業は居酒屋のアルバイトで働き始めた。
 青木学は一千万をテーブルに置く。
 「内容は了解してもらっていますね」
 青木学は一言念を押す。
 「・・・・・」
 上川紗月は言葉が出ない。無言で頷いた。
 そして貰った一千万を木村草太若頭補佐に渡す。
 木村草太若頭補佐は消費金銭貸借証書を返した。
 既に立て替えて返済している。
 「終わる頃に迎えに来る」
 木村草太若頭補佐は上川紗月にそう言い置いて現金を持って出て行く。
 上川紗月は山川里咲と同じ手で陥れられた。
 横山弁護士に畳み掛けられてその日のうちに杉本金融から借金をしてしまったのである。
 逮捕、そして危険運転障害は怖かった。
 自分の飲んだアルコールの匂いは分からない。ノンアルコールカクテルと疑わなかった。
 誰かがトイレに立った間に入れたに違いない。
 だが確認したら飲酒運転がばれてしまいかねない。横山弁護士からも注意された。
 あちらとしても飲酒運転を黙認して示談で済ませるのである。
 「貴女に刑務所に行ってもらっても会社は救われない。休業補償と入院費を弁済してくれたら示談にする」
 そう言って横山弁護士が呼ばれた。そして確り因果を含まれて木村草太若頭補佐はに身柄を渡されたのである。
 病院も話がつく個人病院であった。
 上川紗月は控室で三時まで待たされる。シャワーを浴びて暫く横に成った。
 食事を勧められたが食べる気分ではない。
 会員らは二泊の予定で昨夜から泊まっていた。
 三時を目途に大宴会場に入って来る。
 料理は仕出し屋から取り寄せて既に配膳されていた。
 ビールなどの追加は前回からロボットの仲居が配膳する。
 秘密の宴会なので従業員は使わない。以前は席に着いたSMコンパニオンが取りに行っていた。
 青木学が三時丁度に上川紗月を座敷に引っ張り出す。
 既に全裸にされ高手小手に胸部を縛られていた。
 震えた足取りで青木学に牽かれて来る。
 そのまま直径三メートルの円形回転テーブルの上に座らせた。
 今回からまた進行方法が変わる。
 ルーレットが三十人の会員から順番に指名してゆく。ここまでは前回同様である。
 今回はルーレットに順番が当たった会員がプレイの候補から番号を選ぶ。
 最後の究極のプレイは前回同様二度目の抽選となる。
 高手小手に縛られて正座する上川紗月の姿はなかなか美しく艶めいていた。
 最初のルーレットは宇治原歳加年に当たってしまう。
 鞭系、スカトロ系、性器羞恥責め系、鬼逝かせ系、その他拷問系のジャンルからその中の番号を選ぶ。
 宇治原歳加年は性器羞恥責め系9番を選んだ。
 バルーンカテーテル挿入である。
 細い尿道にバルーンカテーテルは太くて痛く入りにくい。
 「最初に抜いてしまって良いの」
 宇治原歳加年は青木学に確認する。
 「気にしないでいいですよ。必要に成ったら手段を講じます」
 行き当たり順なので尿を残す事は考えない。
 岡田弥一郎と二人でターンテーブルに拷問椅子を載せた。
 宇治原歳加年はその上に上川紗月を抱き上げて乗せる。
 膝だけ脚乗せ台に縄で固定した。
 上川紗月の女の部分を広げて尿道口を剥き出す。
 キシロカインゼリーを塗ったバルーンカテーテルの先端をねじ込む。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月から強烈な悲鳴が上がる。太腿の筋肉が怒張して躰に力が入って身構えていた。
 宇治原歳加年はさらにねじ込む。
 「うぐううーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐぐうううーーーーーーーーーーーーーー」
 まったく入って行かない。
 宇治原歳加年は一度抜いてキシロカインゼリーをたっぷり塗る。
 そしてもう一度ねじ込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の全身に力が入って表情を強烈に軋ませて藻掻く。
 宇治原歳加年は先端が入ったまましばらく待つ。
 少し待てばキシロカインゼリーが効いてくる。
 宇治原歳加年は自分の席のコンパニオンと赤座元太の席のコンパニオンに加勢を求めた。
 五分待って二人に左右とも太腿を押さえてもらってもう一度突っ込む。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 今度はすんなり奥まで入った。
 針の無い小さな注射器で水の吸入口から水を流し込む。
 中でバルーンの先端を膨らませて抜けなくしたのである。
 透明なボウルで受けて管を抓んでいた指を放す。
 上川紗月の尿がボウルに流れ出た。溜まってなかったので直ぐに終わってしまう。
 次は六十年配の会員に当たった。
 選んだのはその他拷問系の五番である。
 宇治原歳加年は青木学にバルーンカテーテルを抜く確認を取る。
 「少し待って」
 青木学はそのままを指示した。
 六十年配の会員が当たったのは連結ピンチ引っぺがしである。
 バルーンカテーテルを入れたまま垂れ流し状態で宇治原歳加年は席に戻った。
 上川紗月を拷問椅子に磔にしたまま凧糸で繋いだ二系統のピンチを躰に鋏つけて行く。
 「うう。・・・・・うう、う。・・・・・うう」
 上川紗月は鋏まれただけで痛みに声を漏らす。
 乳首、乳房の下、続けて三センチ置きにドテの両側まで鋏んで小陰唇を片側ずつ鋏む。
 さらに大股開きの内腿を膝の手前まで鋏んだ。
 上川紗月の躰は恐怖に微妙に震えている。
 「姉ちゃん。これ一気に引っ張って飛ばすのだが」
 「あふぁあ」
 「相当痛いが少しだけ楽にしてやるよ」
 六十年配の男はローターを二個取り出す。それを上川紗月の膣に突っ込む。
 「あーーはーーーーーーーーー。あはああーーーーー。ああーーーーーー」
 二つで責められるとかなり効く。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああ。ああ。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 カテーテルから尿が噴き出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 宴席からは拍手が沸く。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の躰は拷問椅子の上で強く震撼する。腹から腰が強く脈を打つように弾けた。
 その瞬間六十年配の男は二本の凧糸を一気に引く。
 ピンチは瞬時に全部飛ぶ。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は大口を破裂させて強烈な悲鳴を上げた。
 「あはあーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 上川紗月の躰は暫く震えが止まらない。
 次のルーレットが回って三十代の男が当たった。
 選んだのは鬼逝かせ系7。
 開いて表示された内容はドリルバイブ責め十五分である。
 ここでバルーンカテーテルは抜いてしまう。
 拷問椅子の固定がもう一度強化された。
 三十代の男は上川紗月の膣に指を突っ込む。
 「あはあん。ああーーー。ああーーー」
 上川紗月はまた声を上げてしまう。
 濡れ具合の確認をしたのである。
 スポイトでローションを流し込む。
 上川紗月はドリルバイブの恐ろしい姿に慄いている。
 三十代の男は満足そうに上川紗月の女の部分を指で開いてじっくり観察してからドリルバイブの先端を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は目を瞑って顔を軋ませる。
 スイッチが入った。
 「あがああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 一気に表情は破裂する。
 上川紗月は全く抵抗できない。受けたことの無い強烈な責めである。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 『小学校教諭山川里咲の失跡。実は横山弁護士宅の強盗傷害犯。さらに建設業社長赤座元太宅にも窃盗。簡単に金品が手に入ったので社長に怪我無し』
 この報道を見ていて如月鬼堂は疑った。
 「館山先生これは何か違うような気がします」
 如月鬼堂はテレビ会議を繋いでいた館山弁護士に疑問を投げ掛ける。
 「確かに疑問は感じますが」
 館山弁護士も違和感はあった。
 「あくまで推測の範囲だがこの小学校の教諭とやら罠に嵌められたのじゃないか」
 「動画が配信されますかね」
 「それは無いだろう。あくまで闇から闇に葬ったのだから」
 「拉致ではないとしますと罠に嵌めて事故か何かの弁済金で」
 「ショーに出してかなりの事をしたか。そして何かのやり過ぎで女が復讐に出たのではないか」
 「復讐が横山弁護士宅の強盗障害ですか」
 「この弁護士に嵌められたと考えるのが自然だよ」
 「ねえ。パパ。それじゃこの人強盗じゃないの」
 珠洲がテレビ会議の後ろから話に割り込む。
 「どう見ても強盗には不自然だろ」
 「そうだよね。この人逮捕されちゃうの」
 「されないよ。自宅から逃走の足取りが見えないのだから。もう殺されて遺体も処分されている」
 如月鬼堂は憶測ながら確信のように断言してしまう。
 「もしかして岬ビューホテルのショーに出されていたのでは」
 「それだと容易ならないな。岬ビューホテルのショーは相当危険を孕んでいると見なければならないな」
 「これまで通り遺体を処分したのでしょうか」
 「それしか考えられない。そうなるとあの連中の関わりも考えられる。館山先生。横山と言う弁護士は」
 「私は知りません。聞いてみます」
 館山弁護士はテレビ会議から離れた。
 「ねえ。パパ。あの人は嵌められて最後殺されちゃったの」
 「報復に出たからだろうな」
 「報復するほどの事をされたの」
 「嵌められた事に気付いて報復したか。かなり酷い後遺症を残す事をされたかだな」
 「かなりの悪徳弁護士のようですね。そして裁判などにはあまり出て来ないようです」
 館山弁護士がテレビ会議に戻って来た。
 「ひょっとして岬ビューホテルのショーは生贄をかなりの非合法手段で確保しているのか」
 「その可能性ありですね」
 「しかし警察は簡単に結論を出してしまったな」
 「そうですね。泥沼に嵌りたくなかったのでしょう」
 館山弁護士もそっちに片付けてしまう。
 「ねえ。パパ。この人嵌められて躰ズタズタにされて報復に失敗して殺されてしまって強盗扱いのままだよね」
 「化けて出るかな」
 「凄い悔しいだろうね」
 珠洲は強く憐れむ表情である。
 「鬼道先生。次のスタジオで何か言いますか」
 「いいや。あくまで想定。これには手を出さない方が良いだろう」
 「そうですよ」
 館山弁護士は如月鬼堂の暴走を心配していた。
 「そうだよね」
 珠洲も安全を考えれば如月鬼堂は何も言わない方が良いと思う。
 「せめて奴らの会合を下火にしたいものだな。このままではまた何か規制が強化されてしまう」
 「それが一番問題ですね」
 館山弁護士もそっちを心配する。
 
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場である。
 上川紗月はドリルバイブの責めに僅か十五分で三回失神してしまった。
 今も躯姿で拷問椅子に沈んだままである。
 白目を?いた表情はあまり美しくないが可愛い美人だけに皆じっくり鑑賞していた。
 休憩時間に成っていたが上川紗月の女の部分にクスコが突っ込まれて内部がモニターに拡大されている。
 アイドルの顔に作られたロボットの仲居が露出度の高い姿でビールを運んで来た。
 「あの殆ど使ってないま〇〇の中焼いちゃうのよね」
 弘枝が目を輝かせて宇治原歳加年に言う。
 「また赤座さんがやりたそうだな」
 赤澤元太はギラギラと上川紗月の姿を見ていた。
 「また。ねえ。八月の女。赤座さんの家に忍び込んだのでしょ。復讐じゃない」
 弘江は宇治原歳加年の耳元で囁く。
 「そうだろ。上手く誤魔化してその前の事件の延長で赤座さんの件は窃盗事件で済んだのだろ」
 宇治原歳加年の想像である。此処の客は横山弁護士の関与は知らない。
 「あれだけ女の悦びの奥の奥を教えて感じなくされたら復讐するよね」
 弘江は内容の恐ろしさと他人の不運を愉しむ残虐性の半々である。
 「君なら絶対復讐するな」
 「うん」
 弘江は当然と言う表情である。
 既に会場は興奮の坩堝と成っていた。
 「しかし赤座さんも希硫酸とはね。焼くより悲惨な結果じゃないのかな。子宮も駄目に成って撤去とか」
 宇治原歳加年はやややり過ぎと思う。
 「それって凄いね」
 弘江は全く同情より興奮していた。山川里咲が知的美人だったので残虐な気分が沸いてしまうのである。
 次のルーレットが回った。
 当たったのは瀬尾将である。
 選んだのはその他拷問系5。内容はドテ焼きまたは陰毛撤去である。
 「ドテの黒い塊を焼いても粘着テープで抜いても脱毛クリームも有りです」
 青木学がアナウンスした。
 上川紗月は失神した躯姿の儘である。
 瀬尾勝はもっと残酷である。
 まず席についていた香乃子を呼ぶ。
 「えーー。半分粘着テープで抜きます。残りは蝋燭の炎で焼きます」
 瀬尾勝は座にそう宣言した。
 香乃子に片側を持たせてきっちり左半分のドテに粘着テープを貼る。
 二人でそれを擦って強く粘着させた。
 その摩擦で上川紗月は意識を回復してしまう。
 「えーーーーーーーーー」
 上川紗月は陰毛が抜かれる事は既に木村草太若頭補佐から因果を含まされていた。
 それでも目の前の現実に慄いてしまう。
 香乃子が粘着テープの下側の両方の角を持つ。
 瀬尾勝は慄きながらも諦めに変わる上川紗月の表情を愉しみながら上の角を抓む。
 「行くよ」
 「ああ」
 瀬尾勝は一気に引っ張る。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月から美形に似合わない悲鳴が上がった。
 一気に左半分のさらに半分くらいの陰毛が粘着テープに付いて引っ張られて抜ける。
 次の粘着テープを切って同じところに当てた。また二人で何度も擦って陰毛を粘着テープに付着させる。
 「ああーーー」
 また二人で両方の角を持って引き剥がす。
 「ぐがはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大方が抜けたがまだぱらぱらと残っている。上川紗月の目からは大粒の涙が溢れていた。
 残った左半分の陰毛を毛抜きピンセットで抜く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 香乃子がピンセットを受け取ってさらに抜いた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の表情は痛みに強烈に軋む。
 瀬尾勝は金属の櫛を香乃子に渡す。
 香乃子は残った右半分の陰毛の下に櫛を差し込んで陰毛を掬い上げる。それを蝋燭の炎で焼く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 陰毛は一気に縮れて溶けてしまう。
 二、三回焼いて残りはローションを掛ける。T字カミソリでじっくり剃ってしまった。
 次のルーレットが回る。
 当たったのは五十代の会員である。
 究極の逝かせ系5を選んだ。
 ドリルバイブではない。マイクロロータ―二本である。
 五十代の会員はクスコを突っ込む。
 螺子を回して広げてしまう。一回ペンライトで中を照らした。
 「いやああーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん」
 上川紗月は膣の奥が広がって堪らず悲鳴を上げる。
 五十代の会員はそのクスコを横に向きに直す。膣天井部を責めるのにクスコの金属の嘴を退かせたのである。
 五十代の男も席のコンパニオンを呼ぶ。
 二人で一本ずつリモコンから伸びたアームの先端にL字に付いたマイクロロータ―で膣の奥を責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月はピンポイントに一番敏感な部分を責められてこれも全く抵抗ができない。
 最初から責めに蹂躙されてしまう。
 
 さいたま市大宮区宮町のプレイルーム。
 三橋貴明と三輪三千夫は六時からの予約で入った。
 前日から打ち合わせ済みなのでクラブ麗の事務所には寄らない。
 既にプレイの分担は決まっていた。プレイに当たらない方が撮影を行う。
 こうなると固定カメラではなく詳細に撮影できる。
 紀咲槙乃は纏まった金額に成ったが恥ずかしさはなかなかのものである。
 この二人が手を組んだがこの先どうなるかは分らない。
 しかし紀咲槙乃はこの二人から今は収入を得るのがメインである。
 長くて一年。いや半年持てば良いかもしれない。その先をどう稼ぐかが不安である。
 一枚ずつ服を脱がすところから始められた。昨日から下着を替えないで来る約束である。
 脱がすのは三橋貴明。三輪三千夫が至近距離で撮影する。
 紀咲槙乃の鼓動が一気に早く成った。
 どんなに気を使っても女性の下着には染みが付く。
 三橋貴明は脱がしたショーツの染みの部分を表にして三輪三千夫に撮影させる。さらにそれを真空パックにした。
 「これにあんたの写真を付けて事務所に飾ろう。二人の共有財産だ」
 三輪三千夫が勝手な宣告をする。
 「えーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は堪らず表情を崩してしまう。
 「いいじゃないか。指名沢山取れるぞ」
 三橋貴明が揶揄う。
 「そんな。みんな同じ事しますよ」
 紀咲槙乃は恥ずかしくて堪らない。
 「するかもな。そして汚れた下着はお土産だな。持って帰って永久に保管されてしまうぞ」
 三輪三千夫は哂っている。
 「もう。凄い苛め」
 紀咲槙乃はついそう漏らしてしまう。
 「もう。何か月に成る。このくらい笑っているぞ」
 三輪三千夫は紀咲槙乃がそう成れない女と知って詰っている。
 三橋貴明は紀咲槙乃を拷問椅子に乗せて大股開きにしてしまう。そのまま縄で膝を脚乗せに固定して腰をベルトで固定した。
 女の部分を広げる。
 「お姉ちゃん濡れているよ」
 今度は三橋貴明が詰る。
 「そんな。弄るからです」
 「まだ弄ってないよ。期待して濡れているのじゃ」
 「そんなあーーーーーーーー」
 紀咲槙乃はこれから弄られると判っている。二人とも年配だが奇麗な男である。こんなプレイでなければ嫌ではない。
 逆にこの二人にそんな風に詰られると堪えがたい。
 三輪三千夫がクスコを差し込む。
 三橋貴明が撮影を交代した。
 「あはあーーーーーーーーーー。・・・・・あはあーーーーーーー」
 紀咲槙乃の恥ずかしさに堪える息遣いが聞こえる。汚れた膣の中を今日は克明に撮られてしまう。堪らなく恥ずかしいのである。
 
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場。
 上川紗月はまた失神した躯姿でに成っていた。
 次に当たった赤座元太が十字架に磔を要求する。
 失神したまま上川紗月を青木学と岡田弥一郎が宇治原歳加年の手を借りて四人で十字架に磔にしてしまう。
 上川紗月は十字架に両方の肘から手首をぐるぐる巻きに縛られてぶら下がりながら意識を回復した。
 「あ、はあーーーーーーーーーーー」
 そして鞭を構えている赤座元太を見て慄く。
 だが赤座元太は先端が四角い革で蠅叩きの様な一本鞭を選んでいた。
 ここで真っ赤な蚯蚓腫れにするよりもし自分が当たったら奇麗な乳首を斬りたいという願望からである。
 赤座元太は鞭を横に振り被って乳房をびんたするように叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の右膝が強く蹴り上がった。
 容の良い乳房である。白く肌理が細かい。赤澤元太の叩きたい加虐心は究極に滾る。
 赤座元太は今夜この乳首を斬れたらと思う。
 そんな想いを籠めて二発目を叩く。もう片方の乳房を鞭の革の平面でびんたする。
 「うーーーーうぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の躰が前に倒れるように引っぱられ右膝が強く乳房の手前まで蹴上がった。
 「うふーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーーーーー」
 相当な痛みである。
 赤座元太は構わず叩く。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三発目で上川紗月から涙が零れていた。
 「あはあーーーーーーーーー。あはあはあーーーーーーーーーーーん」
 それでも赤座元太は四発目を叩く。
 「うぐぐがはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月の躰は痛みに震え十字架に腕の縛りだけでぶら下がる。
 赤座元太は最後の一発と力を籠めて叩く。
 「ぐうがはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月から号泣のように涙が溢れた。
 次のルーレットが回る。
 当たったのは六十代後半の会員である。だが白髪を染めて五十代そこそこに見える。
 選んだのは性器羞恥責め系1。
 表示されたのは本格尿道責めフリーである。
 青木学がと宇治原歳加年が手伝って上川紗月を十字架から拷問椅子に移した。
 大道具の移動は岡田弥一郎が行う。
 これまでの会合では岡田弥一郎は警察の摘発に備えて外を見張るモニターと撮影に集中していた。
 前回からそれにもロボットが配置されている。
 総て福富麻次郎の販社から購入していた。
 六十代後半の会員は普通の細い尿道カテーテルで上川紗月の膀胱の尿を全部抜き取る。
 そして席のコンパニオンを呼んだ。
 呼ばれたのは駒木帆乃佳である。
 彼女はSMコンパニオンではない。普通のスーパーコンパニオンである。
 人数が足りなく青木学に説得されて仕方なく今回のみSMコンパニオンを勤めていた。
 昨夜はこの会員に散々泣かされたのである。
 だが初回SMコンパニオンを受ける事で奨励金を貰っている。そして金が必要であった。堪えるしかないと言い聞かせている。
 六十代後半の会員は駒木帆乃佳にスカートを履いたままストッキングと下着を取る要求をした。
 駒木帆乃佳は躊躇ったが仕方なくスカートの中に手を入れてストッキングとショーツを一気に脱ぐ。
 六十代後半の会員は上川紗月を磔にした拷問椅子のひじ掛けに乗って跨ぐように指示した。
 「えーーーーーーーーー」
 浪江と弘枝が気を利かして立ち上がる。躊躇う駒木帆乃佳の躰を後ろから支えて登らせてしまう。
 六十代後半の会員は上川紗月の尿道にカテーテルを逆に挿入した。
 「あはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は敏感な尿道の粘膜に痛みを伴う嫌な侵入感触である。
 その反対側を駒木帆乃佳の尿道に差し込もうとする。
 「えーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳は拒絶の姿勢である。
 「あんたのおしっこをこの女の中に排泄するのや」
 六十代後半の会員はやや強い口調に成った。
 「なんで。何でそんな事を」
 駒木帆乃佳は強烈な目で六十代後半の会員を見る。
 「協力して。プレイだから。会員の皆さんはこの人の要求額で払っているのだよ」
 青木学が近寄って説得した。
 「はい」
 駒木帆乃佳は仕方なく受け入れる。
 六十代後半の会員はやや不満な表情で駒木帆乃佳の尿道にカテーテルを差し込んだ。
 「いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は他人の尿の侵入にサイレンの様な切迫した悲鳴を上げた。
 「いや。いや。いや。いや」
 駒木帆乃佳も抜き取られてゆく尿に堪らず叫んでしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん」
 上川紗月は泣いてしまった。
 六十代後半の会員は駒木帆乃佳の方からカテーテルを抜く。
 浪江と弘枝が支えから離れる。拷問椅子の肘掛けに乗っていた駒木帆乃佳は直ぐに降りてしまう。
 さらに上川紗月の尿道からもカテーテルを抜く。
 上川紗月は不快感の極致である。膀胱に注入されてしまった他人の尿をそのまま直に尿道から垂れ流した。
 ターンテーブルには青木学の手で吸収シートが敷かれている。
 「あはん。あはん。あはん」
 上川紗月は泣き続けた。完全に人権を踏みにじられた恐ろしすぎる仕打ちである。
 駒木帆乃佳は厳しい表情でその姿を見ていた。
 次は四十代小太りの会員である。
 選んだのはその他拷問系4。
 表示された内容は顔面潮シャワーであった。顔におしっこを掛けるだけだが回りくどく表現されている。
 上川紗月の等身大が寝かせて入る透明なアクリルの水槽が運ばれる。
 拷問椅子から上川紗月を下ろして中に寝かせた。
 岡田弥一郎が上川紗月の顔の両側水槽の外に脚を載せる台を置く。
 四十代小太りの会員も席のコンパニオンを呼ぶ。
 青木学が口の開口器を会員に渡して上川紗月の顔が背けられないように頭の両側にL字金具版を入れた。
 四十代小太りの会員は開口器を上川紗月の唇にあてがう。
 「開け」
 そう言われて上川紗月は従うしかない。辛い表情で会員を見ながら仕方なく口を開いた。
 四十代小太りの会員は上川紗月の口に開口器を押し込む。
 そして席のコンパニオンに小水を流し込む要求をする。
 さらに近くの席に居た浪江と弘枝にも掛ける要求をした。
 二人は頷く。
 だが席のコンパニオンはスカートのままショーツを脱いで上川紗月の顔の上で水槽を跨いだがなかなか小水が出せない。
 上川紗月は水槽の中から上目遣いにコンパニオンを睨んでいる。
 「駄目ならカテーテルで抜くか」
 四十代小太りの会員はコンパニオンに非情な通告をする。
 「まって」
 次の瞬間小水が流れ出す。狙いが定まらず顔に撥ねてしまう。上川紗月は眼をきつく瞑って堪える。
 そのあと浪江と弘枝が掛けてさらに二人が掛けた。
 もう躰全体を洗わないと続行不可能である。
 上川紗月は水槽のまま浴室に運ばれてシャワータイムと成る。
 宴会場は十五分の休憩となった。
 我慢していた会員とコンパニオンが一斉にトイレ向かう。
 
 さいたま市大宮区宮町のプレイルーム。
 紀咲槙乃は三橋貴明に乳房を鞭で叩かれて蚯蚓腫れだらけにされる。紀咲槙乃は暴れ泣きながら悲鳴を上げ続けた。
 三橋貴明は紀咲槙乃の究極の悲鳴を愉しんでから金柑の汁を蚯蚓腫れに塗ってしまう。
 紀咲槙乃は狂ったような悲鳴を上げて床を転げ回った。
 今もまだ泣き続けている。
 三橋貴明は紀咲槙乃を浴室に誘導した。
 暫く泣きながら休憩である。
 三輪三千夫が三橋貴明と紀咲槙乃に相談して夕食を注文した。ビールを抜いて飲み始める。
 「指名して愉しめる女が一人だけですな」
 三橋貴明は折角究極のハードコースが有るのに年配の女性ばかりとぼやく。
 「なかなか成り手は少ないですね。居る所には居るのですが」
 三輪三千夫は如月鬼堂の監修する真性奴隷女の館の事を言っている。
 「如月鬼堂の息の掛かったクラブですか」
 「そうです」
 「会員でないと満足の行く子は指名できません。私は紹介者が無いので断られました」
 三橋貴明はかなり不満である。
 三輪三千夫は女性の集め方に再検討を考えるべきと思った。
 
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場。
 上川紗月はあれから何度も失神したり倒れたりした。
 今は円形テーブルの上で正座させられている。
 正座と言っても高手小手に縛られ乳首は突き出され手は後ろで縛られて動かせない。
 正座の上から両膝を合わせてベルトで固定されていた。
 希望が叶ったのか偶然か赤澤元太が高枝斬り鋏を持っている。
 上川紗月はこの男の顔は絶対に忘れないと心に刻む。
 既に病院所有の救急車が宴会場の直ぐ外の駐車場に待機している。大阪の病院から来ていた。
 この後上川紗月を搬送して利根川元教授が待つ病院である。
 医者らしき白衣が一人止血パットを持って待機していた。
 赤座元太は上川紗月の左の乳輪の上下に先端の刃の部分を開いた高枝斬り鋏を当てている。
 「行きます」
 赤澤元太が座敷に宣告する。
 一気に鋏斬った。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は目を瞑って断末魔の悲鳴を絞り出す。
 血が溢れ出た。
 医者らしき白衣が即座に処置する。
 上川紗月の躰はぶるぶる震えていた。
 止血パットを貼って痛み止めを注射してしまう。
 六十代後半の会員が細い半田鏝を持っていた。
 そして宇治原歳加年が細く長い物とやや太さのある二本の半田鏝を温めて持っている。
 上川紗月は倒れかけながら薄れる意識の中でこの二人も絶対に忘れないと心に刻んだ。
 そのあと殆ど意識がない。
 
 十月九日。
 朝から時雨れていた。
 如月鬼堂は瀬里菜に起こされてシャワーを使って珠洲が余分に作ってくれたサンドイッチの朝食と瀬里菜の淹れたコーヒーで済ませる。
 直ぐにテレビ会議に掛かった。
 杉下一行がメールを送ってきたのである。
 納村優菜の動画が公開された。
 「鬼堂先生の予測通りこっちの女性は解放されませんでしたね」
 杉下一行は如月鬼堂の予測通りと言う。
 「拉致されてからかなり経っているな」
 「拉致されたのは八月二十日です」
 館山弁護士が答えた。
 もう五十日に成る。
 画面では納村優菜が床に大の字に磔にされていた。
 相変わらず水槽には蛇が蠢いている。
 金城宅磨の姿しか見えない。
 忍者姿黒装束はカメラの視界の外らしい。
 金城宅磨は大の字に床に磔にした納村優菜の胸に馬乗りに成る。
 納村優菜は意識を失ったままのようである。
 金城宅磨はその顔をビンタする。
 「う、うう」
 納村優菜は直ぐに目を見開いて金城宅磨を見上げた。
 金城宅磨は水槽から蛇を掴み取る。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜はそれを見て表情を歪めて悲鳴を上げた。
 金城宅磨はその蛇を納村優菜の腹に載せる。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあああーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は強烈に叫ぶ。
 金城宅磨は構わずまだ二匹掴んで腹に載せる。
 蛇は納村優菜の躰を這う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 納村優菜の悲鳴はサイレンと成る。
 金城宅磨は笑いながらそれを一度退かす。
 「あはああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 納村優菜は荒い息遣いで震えていた。
 金城宅磨は忍者姿黒装束にクスコを要求する。
 忍者姿黒装束が二人掛かってローションをたっぷり塗ったクスコを大股開きにされた納村優菜の膣に挿入してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は緊迫した叫び声を上げる。
 忍者姿黒装束は構わず螺子を回して奥を広げてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は叫び続けた。
 金城宅磨は蛇を掴む。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な叫ぶ声である。
 金城宅磨は容赦なく蛇の頭をクスコに突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ、あああーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は泣き叫び続ける。
 金城宅磨は適度にピストンして直ぐに抜いてしまう。
 「あはあーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。あはん」
 納村優菜は荒い息遣いでぽろぽろ涙を零す。
 金城宅磨は納村優菜の膣の中を放水銃の水勢をやや緩くして洗う。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーー」
 今度は冷たさと痛みに悲鳴を上げた。
 「ああ。あはあーーーー。ああ。ああ」
 金城宅磨はまた忍者姿黒装束に要求する。
 口を開く要求である。
 忍者姿黒装束が二人で納村優菜の頭を押さえて唇を指で広げた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。それはやめてーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は何をされるか分かったようである。
 忍者姿黒装束が二人でラジオペンを持って納村優菜の歯を強引にこじ開けてしまう。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜はまた泣き叫ぶ。滲んだ声の悲鳴である。
 金城宅磨はゆっくり蛇を掴む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は狂ったように泣き叫んでいる。
 蛇は舌を伸ばしていた。
 金城宅磨はその舌で納村優菜の鼻の頭を舐めさせる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーー。ういおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は叫びながら藻掻き続けた。
 金城宅磨は一気に蛇の頭を忍者姿黒装束が二人で広げている歯の間に突っ込んでしまう。
 「うごごおーーーーーーーーーー。うごごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおおーーーーーーーーー」
 納村優菜は目を見開いて固まる。
 金城宅磨は直ぐに抜いてしまう。
 納村優菜の首を持ち上げてペットボトルの水を与えてボウルで受けた。
 納村優菜はペットボトルの水を口に受けてボウルに吐き出す。嗽を数回繰り返した。
 「あはあーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 納村優菜は荒い息遣いを続ける。
 金城宅磨は納村優菜の乳首を黒い書類を挟むクリップで鋏みつける。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう片方も鋏む。
 「・・・・・」
 二つ目は顔を顰めただけである。
 そのクリップにスタンガンの端子に繋いだ鰐口クリップを接続してしまう。
 スタンガンは忍者姿黒装束二人にそれぞれ渡す。
 続いて小陰唇二枚を片方ずつ鋏む。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は強烈に叫ぶ。
 金城宅磨は構わずもう片方も鋏む。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また涙が溢れる。
 この二つにもスタンガンから伸びた鰐口クリップを接続した。
 これもそれぞれ忍者姿黒装束に渡す。
 「乳首から」
 金城宅磨は電流を流す要求をする。
 忍者姿黒装束二人がスイッチを入れた。
 「ぐうーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい。いたい」
 納村優菜は蒼白な表情で喚き続ける。
 金城宅磨は適度に切る合図をした。
 「がはあーーーーーーー。あーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は震えながら荒い息遣いで痛みを訴える。
 「下」
 今度は小陰唇を鋏んだクリップに繋がったスタンガン二台から電流を流した。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいたーーーいたいーーーいたいーーー」
 また納村優菜は強烈に表情を破裂させて叫ぶ。
 「がはあーーーーーーーいたいーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーー」
 どこまでも猛然と叫び続けた。
 金城宅磨はまた適度に切る合図をする。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーー」
 納村優菜は涙を溢れさせて痛みを訴えていた。
 金城宅磨は同時に流す合図をする。
 「ぐがあーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーー。ぐがあーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーー」
 どこまでも痛みに狂ったように藻?き叫ぶ納村優菜の表情は金城宅磨の加虐心を堪能させた。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜強烈に泣き叫び続ける。
 金城宅磨はまだ満足ではない。
 少し間を置いて電流を流す合図をする。
 「ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いた。いたい。いたい」
 納村優菜は喚き続ける。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい。いたい」
 長めに流したが切る合図をした。
 「あはあーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーー。いたいよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 金城宅磨はまだ許さない。
 もう一度流す合図をする。
 「がはーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は大股開きにされた腰を揺すって藻掻く。
 「だめーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。でるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束は一斉にスイッチを切った。
 失禁尿は流れ続けた。
 「あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫び続ける。
 納村優菜は失禁が終わると躯の様な姿で床に沈む。
 忍者姿黒装束は濡れた床をバキュームで吸い取る。
 
 「これはだいぶ前に撮影されたのではないか」
 「どうしてですか」
 本多椿もテレビ会議を繋いできていた。
 「これだけの日数で監禁されていたらもっと体形に変化が出る」
 「ああ」
 「そうですね最初の動画と躰の変化は有りません」
 館山弁護士も認める。
 「多分この仮面の男と納村優菜さんはもう生きてないのではないか」
 「既に遺体を処分してしまっている可能性もありますね」
 館山弁護士もそう思った。
 「何でこんなに期間を開けたのですか」
 本多椿はテレビ会議の向こうから疑問を如月鬼堂に投げる。
 「多分。警察の捜査を揺さぶって遊んでいるのではないか。あと他にネタが無いから長引かせたかだな」
 如月鬼堂の見解である。
 
 納村優菜は拷問椅子に乗った金城宅磨の腰の上に大股開きで乗せられて膝を脚乗せ台に縛られている。
 腕は頭の上で手首を縛り合わされて天井のレールを流れる滑車に吊るされていた。
 予告編にあった場面である。
 女の部分には金城宅磨の一物が深く侵入していた。犯された儘の状態である。
 納村優菜のフロント面には縦に凧糸に繋がれた洗濯バサミが六系統三センチおきに鋏まれていた。
 凧糸の長さは二系統ずつ三パターンに変えられている。
 一つのパターンは納村優菜の躰の側面を腋から膝の手前まで太腿の側面に鋏んで来ていた。
 二つ目のパターンは乳房の外側から腹の側面を通って腰から太腿の中心を膝上まで鋏んできている。
 三つ目のパターンは乳首から乳房の麓を鋏んで腹の横からドテ、金城宅磨の一物を飲み込んだ小陰唇、内腿を膝の手前まで鋏んでいた。
 凧糸の長さは真ん中の二系統が一番長い。
 凧糸は離れた柱から繋がれている。
 拷問椅子を後ろに引っ張ると三回に分けて洗濯鋏が一挙に毟り取られて飛ぶ。
 それが二系統ずつ連続三回起こるのである。
 拷問椅子にはキャスターが付いていた。
 これを忍者姿黒装束二人が後ろから引っ張る。
 一番短い両側面の二系統が一気に飛んだ。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は大口を破裂させた強烈な悲鳴と成る。
 金城宅磨の手はきっちり洗濯バサミが飛んだ納村優菜の腰を押さえた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は拷問椅子の脚乗せに固定された脚を暴れさせて藻掻く。
 金城宅磨のペニスは強く刺激された。
 さらに拷問椅子は後ろに引かれる。
 乳房の横から太腿の中心を膝まで鋏んだ二列が一気に飛ぶ。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は涙を飛ばして狂ったように躰を振って藻掻き暴れた。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は壮絶な表情である。
 金城宅磨は抜けそうな腰を押さえて中で強くさおをいきませていた。
 さらに拷問椅子は後ろに引かれる。
 乳首から小陰唇、内腿を鋏んだ洗濯バサミが一気に飛ぶ。
 「ぐーーーーーーーーーーーーー・・・・・・ぐがわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜の躰は強烈に震撼する。
 それでも金城宅磨は確りその腰を押さえていた。
 そして遂に究極の刺激に納村優菜の中に果ててしまう。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜はさらに暴れて拷問椅子にしなだれてしまった。
 金城宅磨はさおを納村優菜の膣から抜いて拷問椅子から降りる。納村優菜の躰は拷問椅子に沈む。
 その躰中洗濯バサミが飛んで皮膚を引き破った痕だらけである。そして膣口から金城宅磨の情液が流れ出ている。
 動画はここで終了していた。
 このあと納村優菜の躰は眠らされたまま乾式メタン発酵の廃棄物処分工場に運ばれる。
 従業員の居ない休日に闇組織のメンバーが処分する手筈である。
 金城宅磨は生きたまま。
 納村優菜は此処で電子鞭を当てて意識を回復させた。
 金城宅磨が納村優菜に挿したまま闇組織の隊員が上から二人を縛ってしまう。
 「俺と一緒に死んでもらうぞ」
 金城宅磨は納村優菜に最後の宣告をする。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ころさないでーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜は掠れた声で叫ぶ。
 そのまま二人は破砕処理層に投げ込まれた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 納村優菜の悲鳴とともに一瞬でミンチとなってしまう。
 これが連続拉致強姦事件の六人が闇組織の手を借りて金城宅磨から一億円の手数料を取って行った総てであった。
 
 「これで総てですか」
 「そうだろう」
 「納村優菜さんはあの仮面の男と無理心中させられたという事」
 本多椿はあまりの事に呆然としてしまっていた。
 「何かあの仮面の男から手掛かりが有りそうですが」
 「あの男は警察が誰か突き止めるだろう。それは奴らも承知の上だ。家財産は本人が処分してからだろう」
 「それじゃ。あの仮面の男は判明してもそれ以上先に捜査は進まないですね」
 「そういう事だ」
 如月鬼堂は土曜日には淡々と解説する心算である。
 
 十月十四日。
 上川紗月は大阪の病院を退院する。
 利根川元教授は上川紗月の膣とクリトリスの感度が戻った事を医療器具で示した。
 「はい。ありがとうございます」
 乳首も奇麗に成形されていて僅かに左右の段差を感じる程度である。
 「ですが一つ困った事が有りまして。子宮口の奥まで焼かれていました。危険な状態でしたので已む無く子宮は摘出いたしました」
 利根川元教授は静かな口調で説明した。
 「え、ええーーーーーーーー」
 上川紗月はそれ以上暫く言葉が出ない。
 「お気の毒ですがそれ以上はどうにもできませんでした」
 利根川元教授の言葉は上川紗月の耳に遠く聞こえた。そして宇治原歳加年の顔が浮かぶ。
 あいつだ。あいつが犯人だ。そんな事まで条件に入ってない。
 上川紗月は怒りと絶望に呆然としていた。気付いたら利根川元教授の姿は無かった。
 そのまま山川里咲と同じように東京に戻る。
 部屋に帰って泣き続けた。
 寝付けないで呆然と部屋を見る。すると女性の姿が現れた。
 「えーーーーーーーー」
 直ぐにぼやけて消えたが何処かで見た記憶がある。
 次の瞬間テレビの放送内容を思い出す。
 消息不明でまた海賊動画を流す組織に拉致されたと思われていたら横山弁護士宅に入った強盗という警察の発表である。
 「ああ。横山」
 上川紗月の頭の中で事態が点滅した。
 自分を今の状態に追いやったのも横山弁護士である。
 あの温泉ホテルのショーは何度も行われているのではないか。毎回あるような対応だった。
 あんな事をされたのは自分が初めてではない。
 山川里咲も同じ被害者ではないか。
 ノンアルコールカクテルにアルコールが入っていたのも最初から罠ではないのか。全員がグルに違いない。
 「君が今日直ぐに金を借りてくれなければ警察に渡すしかない。だがそれではこの人たちは救われない」
 横山弁護士の言葉に押しやられた。
 木村草太を紹介されて杉本金融から借金する。木村草太が返済手段は紹介すると言って保証人に成った。
 そうでなければ借りられる筈はない。
 そして恐ろしい内容が待っていた。
 一発で稼げて飲酒運転事故で刑務所行きを免れる手段と言われて唯唯諾諾である。
 会員を集めてあんなショーを行うあの温泉がいけない。
 あの温泉の連中がショーの生贄に横山弁護士らに自分らのような犠牲者を作らせていたのだ。
 山川里咲は横山弁護士の家に強盗に入ったのではない。復讐したのだ。ああ。そして二件目が赤座元太。
 ひょっとして自分がアルバイトに入った居酒屋もグル。
 もしかして山川里咲もあそこで飲まされたのでは。
 
 十月十五日。
 上川紗月は居酒屋の近くで車を止めて待ち伏せた。
 顔を知っている無難な客が通るのを待つ
 そして時々気さくにしゃべった六十くらいの客を捕まえた。
 「ああ。あんたは」
 「お願いします。ちょっと教えて下さい」
 「うん」
 「この人覚えていませんか」
 「ああ。そう。行方不明と捜査したら実は強盗だった。店に居たよ。小学校の先生と言っていた。夏休みだけアルバイトやっていたな」
 「やっぱり」
 「まだ最終日じゃなかったのにあんたと同じように突然来なくなったよな」
 「最後の日。山川里咲さんカクテル飲みました」
 「そうだよ。あの日も同じ客だったよ。店の人全員にカクテルご馳走していたよ」
 「やっぱり」
 「めったに来ない人だけどな。あれで三回目だな。そう言えばその時の人もそれっきり来ない」
 「ありがとうございます」
 上川紗月は完全に確信を持った。
 あまりにも酷い事である。飲酒運転から計画された罠だった。一千万の慰謝料はこいつらの利益に分配されたのである。
 こんな酷すぎる話はない。
 そしてノンアルコールと言ってアルコールを飲ませたのはマスターに違いない。入店した時から計画されていたと思う。
 絶対に許せない。復讐以外考えられない。警察に行っても無駄な事だけは分かっていた。
 だが山川里咲とは違って復讐するは岬ビューホテルと思ったのである。
 
 十月二十日。
 和歌山。上川紗月は車に潜んで岬ビューホテルに行く会員を見張った。
 自分の姿を隠してドライブレコーダーに岬ビューホテルに入る客を録画したのである。
 昼頃に木村草太若頭補佐が来て一時間くらいで帰った。
 夕方。赤座元太、宇治原歳加年も来ている。殆ど座敷に居た会員が入っていった。
 上川紗月はこの面々が金曜、土曜と二泊すると確信する。
 山川里咲はこの面々に復讐しようとして殺されたに違いない。だからその霊が自分に真実を知らせに現れた。
 この面々を全部焼き殺すべきである。そう心に誓う。
 駅からホテルまで裏手は草むらである。これにガソリンで火を放ったら焼き殺せる。上川紗月はそう目算を立てた。
 ガソリン携行缶を準備しなくてはならない。
 翌日にした。
 
 十月二十一日。
 上川紗月はガソリン携行缶五缶と時限点火装置を用意して和歌山に向かう。
 風向きを考慮して駅側の草むらかホテルの奥かその横かを判断して仕掛ける。
 自分は現場を離れて逃げると考えていた。あの面々は主催者に至るまで殺すべきである。
 暗くなってから準備を整えて車で現場を離れる。
 だが誤算があった。風向きが変わったのである。
 火は駅方向に燃え広がった。
 消防が出動して消火したがかなりの大火である。燃えたのは民家と商店であった。
 岬ビューホテルでは周囲に防犯カメラを巡らせている。ショーの内容から警察の踏み込みを警戒して仕掛けられていた。
 一つ間違えば自分らが焼き尽くされる火災である。
 そして木村草太若頭補佐は上川紗月の車に気付く。
 岬ビューホテルでは犯人を上川紗月と断定した。警察より先に上川紗月の身柄を押さえて処分することである。
 
 十月二十二日。
 木村草太若頭補佐は事態の重要性から川口の会長を通して闇組織に処分を依頼した。
 川口の会長の依頼で組織は直ぐに動く。住居は確認されているのである。警察より先に辿り着く。
 上川紗月は失敗したことに懊悩していた。
 木村草太若頭補佐らが自分を捕まえる事は念頭にない。
 既に上川紗月の部屋にはスパイカメラが投入されている。眠った事を確認して拉致を敢行された。
 運ばれたのは内房のリゾートからやや近い乾式メタン発酵の廃棄処理物施設である。
 其処には木村草太若頭補佐と横山弁護士、組織の男が二人待っていた。
 上川紗月は眠らされて運ばれて来てそのまま壁に磔にされる。
 横山弁護士が鞭で顔を叩いて起こす。先端が平たい一本鞭である。
 「うぐ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は一発で意識を回復した。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。お前らは」
 四人を見て驚きの声を上げる。
 「何がお前らだ!ホテル焼こうとしたな」
 「あんなホテル焼いて当然だ」
 上川紗月は言い返しながら殺される恐怖が一気に去来していた。
 組織の男が今度は鞭の先端でビンタする。先端が四角い革の蠅叩きの様な一本鞭である。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 岬ビューホテルの宴会でも叩かれた鞭である。判っていても強烈に痛い。
 山川里咲はこの連中に殺されたに違いない。
 そして自分が寝ている間に拉致されたと悟る。
 さらにいま恐ろしい姿で壁に磔にされていると理解した。
 頭の上で縛り合わされた手首とX字開脚にされた脚首の三点で吊るされている。かなり辛い吊るしである。
 次はもう一人の組織の男が同じ鞭で頬を叩く。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に上川紗月の頬は真っ赤に染まっていた。
 「折角奇麗に成形されたのにな」
 木村草太若頭補佐は上川紗月の乳房に鞭を当てて言う。
 「全部罠に嵌めたのじゃないか。嘘の事故だろ!山川里咲も同じように騙しただろ」
 上川紗月は堪らずそう言ってしまう。
 横山弁護士は哂う。
 木村草太若頭補佐は上川紗月の乳房を平たい鞭でビンタする。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は痛みに悲鳴を絞り出しながら確実に殺されると戦慄が奔っていた。
 「そこまで調べたか」
 横山弁護士の表情が歪んだ。
 木村草太若頭補佐は横山弁護士に鞭を渡す。
 先端が四角い長方形のゴムで棒状に成った一本鞭である。
 横山弁護士はそれで剥き出しにされた上川紗月の女の部分を叩く。
 「うぐう、うふーーーーー。ぐうふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は強烈な悲鳴を絞り出した。
 痛みに躰は小さくぶるぶる震えている。
 「そうだよ。マスターも客も被害者も自転車の男も全部仲間だ。お前で三人目だよ」
 横山弁護士はあっけらかんと言ってしまう。
 「そうだろ」
 「それがどうした。もうお前は死ぬのだ」
 横山弁護士はもう一発上川紗月の女の部分を叩いた。
 「うぐうう、うぐううーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は痛みに顔と躰を強く捩って藻掻き悲鳴を絞り出す。そして失禁してしまった。
 あっはっはっはっは。
 全員から陰湿な哂いが漏れる。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーー。殺されたらばけてでてやるーーーーーーーーーーーーー」
 上川紗月は痛みに藻掻きながら無念の限りの言葉を絞り出した。
 「お前の幽霊か。それは歓迎だな。是非裸で出てくれ」
 横山弁護士が揶揄う。
 「そうだ。全裸のまま死ねば全裸の幽霊だな」
 木村草太若頭補佐もあざけていた。
 「絶対にお前らの犯罪を明るみに出してやる」
 上川紗月の怨念は煮え滾っている。
 「幽霊が何を証言しても警察は取り合わない」
 木村草太若頭補佐は自信をもってあざけ哂う。
 「そんな事はないよ。幽霊から遺体が見つかって犯人が逮捕された事例も有るよ。私に罠を教えたのは山川里咲だよ。こんな巨悪がまかり通るか!!」
 上川紗月は鬱積した怒りを吐き出すように言い切ってしまった。
 「はっはっはっは。それも無理だ。お前の遺体は残らない。あれを見ろ」
 壁に磔にされた上川紗月の正面には廃棄物最終処分設備が置かれている。
 「・・・・・」
 上川紗月には何だか解からない。だが途轍もなく恐ろしい物に見えた。
 「これは乾式メタン発酵という。主に動植物性の残渣を処分する。残るのはガスと堆肥だ。ガスは発電。堆肥は動物の餌だ。何も残らない」
 木村草太若頭補佐は悠然と語る。
 「ああ。私をそこに・・・・・」
 上川紗月は絶望の表情である。
 「これで化けて出られるか」
 今度は横山弁護士があざけ哂う。
 「出てやる!絶対に出てやる!!肉体が火葬されても魂は存在するよ。必ずお前らの犯罪を明るみにしてやる」
 上川紗月は言い切ってしまった。そして絶対に許せない怨念を心に刻む。
 そのあと四人は上川紗月を半殺しにする勢いで叩き続けた。
 そして予定通り処分されたのである。
 
 十月二十六日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は何故か早く起きてシャワーを使いラーメンを作っていた。
 袋麺ではない。生めんを茹でてスープも好みに合った物を数点まとめ買いをしている。
 テレビはイスラエルとハマスのニュースである。
 国連ではアメリカがロシアの提案を拒否してアメリカの提案をロシアと中国が拒否権を使った。
 「世界はイスラム、社会主義、自由主義と三つの勢力の対立だ。何処まで行っても解決はない」
 如月鬼堂は一人ぼやく。
 「ねえ。常任理事国の拒否権を廃止したらどうなるの」
 珠洲がサンドイッチとコーヒーを食べながら如月鬼堂に聞いてみる。
 「珠洲はどう思う」
 如月鬼堂は逆に珠洲の見解を聞く。
 「大国が国連を脱退して国連の価値が無くなる」
 「日本が連盟を脱退した以上だな」
 如月鬼堂はニュースコメンテーターの見解を無駄な意見と達観していた。
 
 
 最期のSM小説家 第四十二幕 報復挽歌 完 





 最期のSM小説家 第四十三幕 続報復挽歌 


 二〇二十三年霜降上元。太陰太陽暦九月十九日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十三年十一月二日。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士、大河内税理士、杉下一行、福富麻次郎、本多椿が来ている。
 二フロア分の吹き抜けの居間に床を嵩上げした火の無い囲炉裏の周りに集まっていた。
 仕出し屋から届いた刺盛りでビールを飲みながらの会合である。
 珠洲と瀬里菜はカウンターに離れていた。
 「確かに鬼堂先生のお仰る通り。山川里咲の横山弁護士宅強盗と和歌山のガソリン放火は岬ビューホテルの関連が匂います」
 館山弁護士も岬ビューホテルの関連で危険な事が起きていると懸念を示す。そして館山弁護士はその裏で横山弁護士の役割に思い当たる。
 「横山弁護士と岬ビューホテルの関連は無いのだな」
 この関連が無いことを願う。
 「会員でない事は確かですが。空き巣に入られた赤座社長はあそこの会員でほぼ毎週出入りしています」
 館山弁護士は横山弁護士をかなり調べた。赤座元太は入会審査している。その時断った人物なのである。
 「するとガソリン放火も行方不明の山川里咲か。それだと不自然だな」
 如月鬼堂はその時点では山川里咲はこの世に居ないと見ていた。
 「捜査線上に上川紗月という女性の車が上がっています。それが上川紗月も行方不明なのです」
 館山弁護士は捜査情報を得ている。
 「二人とも遺体処分されたと見るべきだな」
 如月鬼堂は岬ビューホテルがやった事で規制強化に繋がることが心配である。
 現代では何でも規制して奇麗な社会にしようという知識階級のこぞった意見が主流と成っている。
 如月鬼堂は規制のない自由な社会であってほしい。
 二千二十四年問題とマスコミは言う。
 昔は現状を無視して法律は施行されなかった。如月鬼堂はこの規制に反対である。
 今は規制を延期か撤廃して無人運転、自動運転、ロボット化が確立するまで現状を考慮すべきと言ってきた。
 だがインターネットアダルト放送では大きな影響力はない。
 逆に影響力が有れば言論の袋叩きにされているかも知れない。
 「岬ビューホテルは連続拉致強姦事件の連中とどこかで繋がりが有るのでしょうね」
 館山弁護士の確信に近い憶測である。
 「遺体を処分しているならそのジョイントに成る人物がどこかに居る筈だ」
 「そうですね」
 館山弁護士も苦い顔である。
 「もし警察犬を使って岬ビューホテルに上川紗月の捜査をしたらどうなるのですか」
 本多椿はその危険を推察した。
 「あそこでやっている事がかなり明るみに成るが上川紗月がお座敷のSMショーに出ただけではだれも逮捕できない」
 如月鬼堂は言下に否定する。
 「あっちの関連が明るみに成る事は」
 「それはない。関連が有ってもそのジョイント役すら相手が誰か知らないと思う」
 これも如月鬼堂は否定した。
 「そこまで突っ込まないでしょう。問題視している刑事が居ても上が捜査に進まないでしょう」
 館山弁護士も警察犬捜査は行わないと見ている。
 「でもショーに出されて復讐に出たとしたらどうでしょう」
 「SMショーの出演は合意の上ときちんと承諾の書面を作っていますよ。高額な借金か何かが有るはずです」
 「館山先生。大宮のクラブ麗はどうでしょう」
 「あまり問題ないですね。ホームページでかなりハードなメニューを謳っているだけで女性集めに苦慮している様子です」
 館山弁護士は如月鬼堂の懸念に調査結果は今のところは問題ないとの見解を示した。
 
 和歌山。岬ビューホテル。
 今回は究極のハードショーはない。
 それでも青木学が主宰するSM愛好会の面々が集まって来ていた。
 彼らの多くが二日、三日、四日と三泊する。
 駅前は警察が検証を続けていた。
 在籍のコンパニオンでショーは行うが危険は避けて深夜としたのである。
 生贄のコンパニオンは横溝亜寿香が指名された。
 本人は嫌がったが青木学と岡田弥一郎が強引に説得する。金の必要性から唯唯諾諾承諾してしまった。
 本日は大宴会場ではなくまだばらばらに部屋でプレイである。
 山川里咲は強盗で逃走。上川紗月は放火犯で逃走中と成っていて会員にやや動揺が奔っていた。
 赤座元太と宇治原歳加年、瀬尾将は小宴会場に浪江、弘枝、香乃子を呼んで六人でプレイしながら飲んでいる。
 山川里咲の事件の事情は赤座元太から伝えられていた。
 「でも山川里咲。飲酒運転を揉み消して示談にしてその示談金稼ぎにショーに出たのよね」
 弘枝は復讐とはお門違い。自分らのように働けと言いたい。
 「横山という弁護士に騙されたと勘違いしているのだよ」
 赤座元太自身も逆恨みと思っていた。
 「行方不明と思われた小学校教諭の山川里咲を拉致されたと思って警察犬で捜査したらその弁護士の家に行き着いたのでしょう。その後は捕まらないの」
 香乃子は興味本位である。
 「指名手配中らしい」
 赤座元太も会員仲間でも殺して遺体処分とは言えない。
 浪江も弘枝も香乃子も全裸である。
 料理を運ぶのはロボット仲居なので何も気にしない。
 三人ともドテの黒い塊が生え揃っていたので浪江から順番に剃毛していた。
 「それで上川紗月は此処を焼こうとガソリン撒いて火を点けたの。なんかやばくない」
 香乃子はきな臭さを感じている。
 「ショーに出演する承諾は書面で取ってあるのだろ」
 「その筈だな。そう聞いている」
 「私たちに影響なのよね」
 「まあ。刑事的には無いだろ。仕事が無くなるのと寮が無くなるのは避けられないかも知れないな」
 「えーーーーーーー。そんな」
 弘枝は絶対に困る。
 「まあ。そんな事には成らないな」
 赤座元太は達観していた。
 「刑事が踏み込んで来ないの」
 「こっちは被害者だよ。横山という弁護士も」
 宇治原歳加年は否定する。
 「でもさ。此処が無くなったらどうする」
 香乃子もやはり心配である。
 「大宮にハードなSMクラブができたぞ」
 瀬尾将はクラブ麗を知っていた。
 「そんなのじゃ」
 弘枝は駄目と思う。
 「万一此処が手入れで潰されたら地下クラブでも作るか」
 宇治原歳加年がポツリと言った。本気ではない。言ってみただけである。
 「それは必要かもしれないな。俺たちは如月鬼堂監修のクラブでは遊べない」
 そんな会話の中で浪江の剃毛が終わって三人の男がその部分を点検した。
 次は弘枝の剃毛が始まる。
 
 隣の小宴会場では岡田弥一郎が青木学と一緒に木村草太若頭補佐に料理と酒を振舞っていた。
 「この女ですか」
 「今月中に金が必要だ」
 「はい。二十五日あたりで」
 「如何ほど」
 「二千万」
 「えーーーーーーー」
 岡田弥一郎が慄く。
 「木村さんそれは無理」
 青木学は否定した。会員の負担が高すぎる。他に医療費や手数料も必要になる上コンパニオンの花代も掛かるのである。
 「仕方ないな。他を当たろう」
 木村草太若頭補佐の充ては川口の会長である。
 二千万が無理とは考えてなかった。
 「ちょっと待ってください。何人かに相談してみます」
 岡田弥一郎が考え直す。
 「そうだな」
 
 岡田弥一郎は隣の小宴会場に行く。
 赤座元太らの宴会場である。
 女のポートを見せて増額を提示した。顔だけではない。全裸の部分アップまである。
 「いいよ」
 宇治原歳加年も赤座元太も瀬尾将も納得した。
 「岡田さん。価格より後で報復に来ることが無いようにね」
 赤座元太は釘を刺した心算である。
 岡田弥一郎は逃げるように頷いて部屋を出て行く。
 「しかし俺は山川里咲の膣に希硫酸を塗ったが子宮には流れてないと思うがな。何故か子宮が摘出されたらしい」
 赤座元太はそこまでやってないと言いたい。
 「いや。俺は子宮口の中まで半田鏝を突っ込んだな。細いのが有ったから」
 宇治原歳加年はきっぱり認めてしまう。
 「そのくらいは受けて貰わないと。一夜であれだけ稼ぐのだからな」
 瀬尾勝は宇治原歳加年に同意する。
 「そうよ。私たちの何か月分」
 弘枝は自分のギャラと比べて言う。
 「そうよね」
 浪江も同意した。
 「連れて来る過程に問題が有るかもしれないがな」
 赤座元太は自分ら以前の問題と言う。
 「だって飲酒運転で横山という悪徳弁護士が間に入って示談にして刑務所行き免れたのでしょ」
 弘枝はそのくらい仕方ないと言いたい。
 「子宮が摘出に成る条件は入ってなかったのかな」
 赤座元太はそう推測する。詳しくは聞いてない。
 「確かに条件に入れにくいな」
 瀬尾勝もそこは難しさを理解する。
 「でも膣とクリの感度は戻るのでしょ。乳首も奇麗に成形。それではあの金額は高すぎるよ」
 弘枝は認めたくない。
 「それじゃ女の戦いをしてもらおう」
 赤座元太が切り出す。そして両側にバイブレーターが付いたアイテムを持ち出した。疑似男根の部分にはイボが付いている。
 「これを女に咥えて締めの緩い方が回ってしまう。回って声を出した方が負け。一回目負けたらテーブルの上でおしっこ」
 浪江らは仕方なく頷く。
 「二回負けるとや」
 「なに」
 「勝った方のおしっこを膀胱に受けて貰う」
 赤座元太は強い口調で宣言した。
 「えーーー。前に横溝亜寿香にやった事よ」
 それでも弘枝は嫌がっている。
 「じゃ三人が一回ずつ負けたら」
 浪江が一回ずつ負ける含みを込めて言う。
 「誰かが二回負けるまで続行や」
 「おしっこはそんなに出ないよ」
 弘枝が無理と言いたい。
 「ビールが有る」
 赤座元太は飲めば出ると言う。
 畳に座布団を並べて浪江と香乃子が股間を向き合って横に成る。脚を各々X字に折ってクロスさせて股間を寄せる。
 赤座元太が香乃子に先に差し込む。さらに二人の股間を寄せさせて浪江に入れた。
 「確り咥えて構えろ」
 二人とも膣に力を入れる。
 赤座元太がスイッチを入れた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 浪江の方が回ってしまう。そして思わず声を出してしまった。
 「香乃子の勝ち」
 浪江がテーブルに乗って透明なボウルを跨ぐ。
 女の部分を開いて尿道口を見せて直におしっこを出す。
 一回が終了である。
 排泄姿だけならいつも見られている三人。今更たいした事ではない。
 二回戦は香乃子と弘枝である。
 弘枝の方が回ってしまった。
 弘枝は声を押さえて粘るがバイブレーターは弘枝側が回っている。
 「うぐ・・・・・」
 「はーい。香乃子の勝ち」
 赤座元太は僅かな呻き声も許さない。
 弘枝もおしっこを披露した。
 最後は浪江と弘枝で対戦に成る。
 「ねえ。勝ってもおしっこ出ないよ」
 弘枝が宣言してしまう。
 「良いのだよ。こいつが出す」
 赤座元太は香乃子を顎で示す。
 二人はバイブレーターを咥えて真剣に身構えた。
 「構えて」
 今度は瀬尾将がスイッチを入れる。
 「・・・・・」
 「・・・・・」
 二人とも無言で藻掻く。
 最初浪江が回っていたが弘枝の方が回る。
 二人の脚がクロスした部分が軋み合う。
 弘枝が踏ん張ってまた浪江の方が回ってしまった。
 「あが」
 「はい。弘枝」
 勝負はついた。
 浪江が二枚の座布団に泣かされて股間を開く。
 香乃子が先に正常な方向で尿道カテーテルを尿道口に入れる。香乃子は渡されて自分で入れてしまった。
 尿が流れ出ないように指でカテーテルの中程を抓んでいる。
 宇治原歳加年がその反対側を浪江の尿道に差し込む。
 香乃子の尿が浪江の膀胱に流れ込んでしまった。
 
 十一月四日深夜。
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場。
 横溝亜寿香を生贄にしたSMショーが始まる。
 投票で虐めたいSMコンパニオンナンバーワンである。
 三日中に会員三十人は全員チェックインしてコンパニオン三十名と共に六十二名が宴会場に居る。
 これだけが悦びの連中である。
 横溝亜寿香は普通のコンパニオンのミニスカスーツ姿で出て来た。
 満場の拍手が沸く。
 弘枝らはこの女を虐める事に積極的に成っていた。
 以前のイベントで怒りを感じて以来である。一度虐めたいと決められるとなかなか人間の心理は変更されない。
 長身で脚は奇麗。涼しい美人顔である。虐めても罪悪感が無い。
 国会議員にでも成ったら年配の与党議員をとことん叩く若い野党女性議員のイメージさえある。
 横溝亜寿香は座敷中央に設置された回転する演題の上に立っている。
 「自分で脱げるだろ。脱げ」
 青木学から強い命令が飛ぶ。
 回転テーブルがゆっくり回り始めた。
 「・・・・・」
 「立ったまま前向いて脱げよ」
 そして宴会場四面のモニターに正面からの映像が投影される。カメラは天井の円盤に設置されていて回転演台と同期していた。
 横溝亜寿香は黙ってジャケットのボタンを外して脱ぎ始める。
 身体を損傷させる闇のハードショーではないが今夜だけで百五十万が提示されていた。一人の負担は五万である。
 此処の面々には一日の小遣い程度で痛くも痒くもない。
 横溝亜寿香には辛すぎてもこの収入を得るしかない。
 スカートを落として純白のブラも外す。
 容の良いお椀型の乳房が露に成る。肌の肌理は細かい。
 乳首と乳輪は薄紅色だが奇麗で乳輪は直径二十五ミリ程度で理想的なサイズである。
 ショーツを下ろすとドテの黒い塊は小さく整えられていた。
 「お尻を着いて大切な部分を」
 青木学から当然のように要求が飛ぶ。
 もう全員が一回以上見たその部分である。それでも全員の目が集中する。
 股を大きく開いてびらびらが閉じ合わせたまま一周回る。
 そして両手の指で小陰唇を広げて薄橙の粘膜を晒して膣口と尿道口を見せて一回転した。
 そこに若い男が四人入って来る。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香に動揺が奔った。
 うち二人は佐野幸春と高田淳乃である。
 横溝亜寿香は立ち上がってしまう。
 「宇治原さんに頼まれてね」
 佐野幸春は事前に連絡しなかったのである。
 高田淳乃も軽く顔で会釈する。
 横溝亜寿香はどうして先に言ってくれなかったのかと思うが宇治原歳加年が確り口止めをしたに違いない。
 それでも内緒で教えてくれたらと思う。
 あとの二人もそれなりにイケメンである。一人はどこかの駅で見かけた。JRの駅員だと思う。
 そして佐野幸春と高田淳乃は横溝亜寿香が二人と遊んでいるとは知らなかったのである。
 「彼女を今日はこの四人で責めて貰います」
 青木学が宣言する。
 会員らは若いイケメンに弄らして辱しめる嗜好を愉しんでいた。
 だが横溝亜寿香には三回目である。四人に増やしたが効果の程はわからない。
 青木学は宇治原歳加年を促す。
 宇治原歳加年は拷問椅子を演台に載せる。そして四人のイケメンに仕草で抱き抱えて乗せるよう促す。
 全裸で服を着けた若い男の手で抱き抱えられる佐野幸春と高田淳乃はよいが二人は初対面である。
 下半身側をその二人が持っている。
 横溝亜寿香は拷問椅子の上で大股開きに固定されてしまった。
 二人の視線は女の部分から目を逸らせている。
 それが逆に横溝亜寿香の恥じ心を突き刺す。
 宇治原歳加年は佐野幸春と高田淳乃に宴席が囲っている後ろの椅子に待機するように促した。
 責めるのは残った二人だけでやらせる目論みのようである。
 宇治原歳加年が一人にクスコを渡してもう一人にロングスプーンとカットグラスを渡す。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香の表情が曇る。
 恐ろしく恥ずかしい事をイケメン二人にやらせると察しが付く。
 「それを姉ちゃんのお〇〇こに突っ込んで奥を広げて」
 宇治原歳加年はクスコを渡した細面で硬めの表情のイケメンに言う。この男は佐川圭司という。
 横から香乃子がクスコにローションを掛ける。
 「まず。お姉ちゃんのお〇〇こ広げて」
 佐川圭司は横溝亜寿香の薄小豆色の粘膜を指先で割って広げた。
 横溝亜寿香の表情は恥ずかしさに火照ったように固まる。
 佐川圭司はじっくり横溝亜寿香の女の部分を観察してクスコの先端を差し込む。一気に入れてしまう。
 「螺子を回して奥を広げて」
 宇治原歳加年の指示が飛ぶ。
 佐川圭司が螺子を回して膣の奥を目いっぱい広げるとその奥に薄紅色の粘膜の盛り上がりが露に成ってその中央に鬼頭の先の様な亀裂が見えた。
 それが岡田弥一郎の操作でカメラの照準を合わせてモニターに拡大して投影される。
 「あーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに僅かな息を漏らした。
 「さあ。そっちのお兄ちゃん。そのロングスプーンでお姉ちゃんのお〇〇この奥を掃除して汚れを掬いだして」
 宇治原歳加年がもう一人のイケメンに指示する。こっちはやや優しめの表情のイケメンである。村崎純という。JR新宮駅の駅員である。
 遠慮がちに中を覗きながら奥から掬い出した。
 それをカットグラスに受ける。
 「もっと」
 宇治原歳加年が遠慮がちな村崎純にさらに要求した。
 要求されて村崎純は中をじっくり覗く。そしてもう一回救い出した。
 「あはーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまた辛い息遣いを漏らす。
 「もっと」
 宇治原歳加年がさらに要求する。
 村崎純はロングスプーンで奥を掻き回す。
 掬ったが僅かに取れただけである。
 「その先端で奥を責めて少し濡らせ」
 宇治原歳加年はロングスプーンを自分の手に取って膣天井部の敏感な部分をその先端で示す。
 「ここを弄るのだよ。じっくりな」
 そう言ってロングスプーンを村崎純の手に戻す。
 村崎純はぎこちない手で膣天井部を弄る。
 「いいよ。その調子だ」
 横溝亜寿香は恥ずかしさに崩れ火照った顔を強く逸らして堪えていた。
 「う。・・・・・うう。・・・・・う、うう。・・・・・うーーーーー」
 横溝亜寿香は躰を捩る。宇治原歳加年がアドバイスして数分責めると抑えている声を微かに漏らし始めた。
 声よりも躰を捩って藻掻く方が会員らを興奮させる。
 此処の面々には見慣れた光景でも女によっては興奮度が上がってしまう。
 会員らには横溝亜寿香が一番辱めたい女である。
 宇治原歳加年が佐川圭司にスポイトを渡す。
 「これで濡れを吸い取って」
 カットグラスに入れるよう促す。
 既に横溝亜寿香は膣の奥にたっぷり濡れを溜めていた。
 それを佐川圭司がスポイトで吸い出す。それを宇治原歳加年が掲げるカットグラスに流し込む。
 横溝亜寿香の躰はさらに強く藻掻き震撼する。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は迫り上がって固まる。そしてそのまま強く悶えて落ちるように沈む。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 躰を震撼させながら荒い息遣いが続いた。
 「責め続けろ」
 宇治原歳加年が叱咤する。
 村崎純は止まっていた手を動かす。
 「いやぁ。いやーーーーーーーーーー。あはああん。やめてーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は一気に藻掻き出した。
 「兄ちゃんその調子だ」
 宇治原歳加年はさらに煽る。
 
 さいたま市大宮区宮町のプレイルーム。
 紀咲槙乃は三橋貴明と三輪三千夫に指名を受けて朝までコースの最中である。
 まだ三人で湯に浸かってビールを飲みながら夜食の鰻重の搬入を待っていた。
 「先週変な客が来たの」
 紀咲槙乃がそう切り出した。
 「またあいつ」
 三輪三千夫は大庭信一郎の事を思い浮かべた。
 「あれよりも嫌な奴なの。瀬尾将というの」
 「ふうん」
 三輪三千夫に思い当たる名前ではない。
 「そいつが」
 三橋貴明が先を促す。
 それは先週の木曜日であった。
 瀬尾将は三輪三千夫らと同じように前鞭無制限、撮影有りで五十万のコースで来たのである。
 ホームページの写真で顔は暈されていてもスタイルで選んでくれた。
 悲鳴だけでは満足しない。紀咲槙乃が失禁するまで叩かれた。
 紀咲槙乃は十字架にぶら下がって失禁してしまう。
 尿道カテーテルでおしっこを抜かれた。
 それだけなら普通のプレイである。
 瀬尾勝はそれから尿道バイブで責め続けた。これもかなりの変態だがSMのハードプレイの範囲である。
 だがそれから尿道カテーテルの排出口側を膀胱に突っ込まれてしまう。
 「うーーーーー。痛い」
 ローションを塗ってはいたが通常の侵入より痛い。
 尿道カテーテルの反対側をカットして小さなロートを装着した。
 紀咲槙乃から排出した尿を氷で冷やして逆に流し込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は冷たい尿の侵入に冷たさと恐ろしいプレイに恐怖の悲鳴を上げてしまう。
 「何ですかこれ」
 紀咲槙乃は多額に貰ってはいたが堪らず言ってしまった。
 「お前の尿だ問題あるまい」
 瀬尾勝は当然のように言う。
 紀咲槙乃は瀬尾勝の残忍そうな表情に驚愕してしまった。
 瀬尾勝は尿の注入が終わるとカテーテルの管を抓んで排泄させない。
 紀咲槙乃は暫く苦しみ続けさせられた。
 「うぐうーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬尾勝は藻掻き苦しみに表情を歪め続ける紀咲槙乃を愉しむ。
 「うぐううーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬尾勝は苦しむ紀咲槙乃の唇を暫く貪った。
 そのあと尿道カテーテルを抜かれて意識朦朧としながら排泄したのである。
 その後さらに冷水で浣腸されてしまった。
 紀咲槙乃は腹の痛みと冷たさに苦しみ藻掻き続ける。
 瀬尾勝は紀咲槙乃の苦しみをとことん愉しむ。
 「ううぐううーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーいたいーーーーーーー」
 紀咲槙乃は瀕死の苦しみを続けた。
 そして堪らず泣き喚く。
 瀬尾勝はそれでも愉しみ続けた。
 十分くらい苦しませてようやくアナル栓を抜いてくれたのである。
 排泄のあと紀咲槙乃は床に倒れてしまった。
 瀬尾勝が浴室に運んでくれて暫く休ませて貰う。
 三十分くらい休ませて貰ったら声を掛けて瀬尾勝が浴室に入って来た。
 女の部分を三十分近く弄られる。あまり熱くない湯に成っていたのでのぼせはしなかった。
 そこで恐ろしい事を言われる。
 「どうや。この先稼げて一、二年だな。一千万でこの中焼かせないか」
 瀬尾勝は紀咲槙乃の女に指を入れたままそう言って来た。
 「えーーーーーーーーー。何言っているの」
 紀咲槙乃は驚愕の表情に成ってしまう。
 「だからさ。多少身体を犠牲にするけど。一気に稼がないかという事だよ。和歌山のホテルで俺の様な会員が集っていてそのショーなのだ」
 瀬尾勝はやんわり説明している心算である。
 「なんでーーーーーーーーーー。私感じなくなったらどうして生きて行くのよーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は思わず言い返してしまった。
 「医療費は会が負担して。ちょとできる闇医者が居て感度は七割くらい戻るらしいのだが」
 瀬尾勝はさらにやんわり口調で説明する。
 「嫌よ。絶対嫌。もし戻らなかったら。わたし子供抱えて自殺もできないじゃない」
 紀咲槙乃は表情を強張らせて拒絶した。
 「そうか。一発で稼げる良い話だと思うがな」
 「だめーーーーーーー。絶対だめ!!」
 「分かった。まあ。その気に成ったら連絡してよ」
 瀬尾勝は名刺をくれた。
 「関東興行バス運転手育成会。代表取締役社長。へえーー。そんな人がそんな遊びの会に入っているのね」
 表の顔とは大違いである。
 「これ女性運転手を育成してバス会社に紹介する会社なのだよ。原直子って報復で事件起こしたの居ただろ。あれうちの紹介だよ」
 「解からない事件だったけどね。そうなの」
 「まあ。ゆっくり考えて」
 そう言って車代をくれて瀬尾勝は帰った。紀咲槙乃は三橋貴明と三輪三千夫にそう話した。
 「和歌山って言ったね。岬ビューホテルの会合だな」
 三橋貴明は直ぐに思い出す。
 「そうだな」
 三輪三千夫も知っていた。
 この二人も蛇の道は蛇である。
 「しかしそれは断って良かったな」
 「そうよ。何で一千万だけで女を失うのよ」
 「その医者が直すというのは確かなのかな」
 三橋貴明は疑わしいと言う。
 「あそこで放火が有ったな。容疑者が上川紗月とか報道されていたが行方不明だ」
 三輪三千夫は事件の報道を思い出す。
 「殺された可能性も有るな」
 三橋貴明も何となくそんなイメージが沸く。
 「しかし。相当の金持ちの集まりだな。闇の医療費とあんたに払うギャラその他で三千万だ。三十人として一人一回百万のショーだ」
 「それを毎月。さらにSMコンパニオンの花代も払ってホテル代が二泊以上だな」
 「そう言うお二人も」
 「いやいや。もっと上のレベルの奴らばかりだよ」
 「そうだな。俺たちは自宅でパソコンの画面四つで稼ぐ程度だ」
 そう思えばこの二人は趣味が同じで同業でもある。
 「あたし。あの後二日ぐらい寝込んじゃった」
 紀咲槙乃は酷い客だったとつくづく言う。
 
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場。
 横溝亜寿香は数回逝き顔を晒して荒い息遣いを漏らして躰を微妙に震撼させていた。
 「さあ。二人掛かってお姉ちゃんの逝っちゃったお〇〇こに指入れて思いっきり広げて」
 宇治原歳加年が初めて会うイケメンの手でさらに辱める指示をだす。
 此処で金を払っている会員ではない。服を着た見ず知らずのイケメンに全裸以上の自分。その一番恥ずかしい部分を弄られる。
 横溝亜寿香には一生心に残る辱めである。
 佐野幸春と高田淳乃は愉しんでしまった。これで心の悔しさ惨めさはやや解消したのである。
 だがこの二人のイケメンを食べてしまうのは難しい。
 宇治原歳加年のやる事の酷さをとことん噛みしめる。十分に自分の心の内を見透かされていた。
 総て計算して自分を弄っているのである。
 クスコで奥まで見られた。いま膣口を若い男二人に広げられている。同じ部分でもまた違う恥ずかしさである。
 そして最も極めつけな嬲りと言える。
 「おーーーーーー。子宮口まで見えたぞ」
 客が詰る。
 スクリーンには指で広げた膣の奥が覗いていてそれが拡大されていた。
 イケメン二人はその部分を直視しない。
 「兄ちゃんたち。お姉ちゃんのお〇〇この奥よく見て記憶に確り残しておくのだよ」
 宇治原歳加年の言葉が横溝亜寿香に突き刺さる。
 恥ずかしさと同時に宇治原歳加年への怒りがむらむら込み上げる。
 横溝亜寿香にはこの後で浣腸が待っていると想定が付く。
 この男に復讐する方法は無いだろうか。娘に影響してはならない。ここがネックである。
 横溝亜寿香は恥ずかしさの極致に包まれた頭の中で問答を繰り返していた。
 ロボットの仲居が板氷を入れた水のバケツを運んで来る。
 そして青木学が極太の浣腸器を持っていた。
 最悪の予測通りである。
 「さあお兄ちゃん達。お姉ちゃんに浣腸して」
 そう言って宇治原歳加年が氷水を浣腸器に吸い上げる。かなりの量である。
 右に居た村崎純が受け取る。
 佐川圭司は太腿の向こう側に回って腰を押さえた。
 ぎこちない手で村崎純が浣腸器の先端を横溝亜寿香のアナルに刺し込む。
 「うむ」
 横溝亜寿香は僅かに表情を顰める。
 冷水はゆっくり横溝亜寿香の直腸に流れ込んでゆく。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に冷たさが横溝亜寿香の体内に去来する。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーん。うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は冷たさに藻掻く。
 「その位で良い。アナル栓して」
 宇治原歳加年は大型浣腸器の半分手前で止める。
 村崎純はぎこちない手で青木学から渡されたアナル栓をねじ込む。
 「うぐうーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は冷たさに震えていた。
 「さあ。暫くお姉ちゃんの苦しみを鑑賞だ」
 宇治原歳加年は弘枝の待つ席に戻る。
 横溝亜寿香はもう耐えられない。呻き続けていた。
 ロボットの仲居が村崎純と佐川圭司に生ビールと小袋のかわき物を配る。既に佐野幸春と高田淳乃には生ビールとつまみが提供されていた。
 「あいつショーは凄い人気だね。今回二十二票だよ」
 弘枝はSMコンパニオンの指名数は多くないのにと思う。
 「良い女でスタイルも良い。だが好かれてはいないようだ」
 宇治原歳加年の評価である。
 「ふうん。何で貴方が担当なの」
 「前に指名したからじゃないか。突然言われたのだよ。もうじき赤座さんと交代だろ」
 どうやら今回は計画的ではないらしい。
 横溝亜寿香はそう分かっても怒りは消えない。
 この連中がSMコンパニオンに陥れたきっかけである。そして前回この六人に散々精神と肉体の両方を虐め抜かれた。
 「若いイケメンで辱める貴方の企画が大うけね」
 弘枝が最初の犠牲者である。
 だがそれを弘枝が横溝亜寿香に転用した。
 横溝亜寿香は苦しみながらその言葉も聞き逃さない。
 できれば六人に報復したい。
 横溝亜寿香は拷問椅子の上で壊れんばかりの表情で苦しんでいた。
 「そろそろ」
 青木学が宇治原歳加年を促す。
 「苦しいだろ」
 横溝亜寿香は苦しみに躰も首も捩っている。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は宇治原歳加年をひが目で睨み返す。
 「お兄さんに私のうんこする姿をじっくり見てと言うのだ」
 「ああ」
 「観念しろ。いつまでも放置だぞ」
 宇治原歳加年は残酷にそう宣告する。
 横溝亜寿香は一回やられている。これ以上は苦しめない。
 「お兄さんたち。私のうんこの姿を。・・・みて」
 「じっくりが抜けているよ」
 宇治原歳加年はメモを広げる。
 「あ、ああん。お兄さんたち。私のうんこの姿を。じっくり。・・・見て」
 横溝亜寿香は苦しみながら屈辱のどん底を受け入れてしまう。
 心の底から宇治原歳加年への恨みを込めていた。
 「さあ。抜いてやって」
 宇治原歳加年は佐川圭司に言う。そして村崎純の躰を避けさせた。
 佐川圭司は横溝亜寿香の太腿の向こう側から手を伸ばす。
 既に大きな水槽が青木学の手で股間の真下にセットされていた。
 佐川圭司はアナル栓を右左に動かして抜き取る。
 一気に茶色い水が噴流した。
 便らしきは殆どない。
 横溝亜寿香は今朝から三食抜いている。浣腸を予測して食べないのではない。今日のショーを思うと何も食べられなかった。
 さらに下痢を繰り返したのである。
 直腸を奇麗にしただけであった。
 宇治原歳加年は渋い表情である。
 「それでは赤座さん」
 ここで青木学が赤座元太の交代を宣告する。
 「お兄ちゃん達さ。これでこの女を徹底的に責めて」
 赤座元太はドリルバイブを二本用意していた。
 一本ずつ渡す。
 「こっちがま〇〇だ」
 それを佐川圭司に渡した。
 「こっちがいま浣腸で奇麗にしたアナルだ」
 赤座元太は二穴挿入を指示する。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 三連休の初日。バーベキューは終わっても飲み続けていた。
 「しかし岬ビューホテルのショー少しやばくないか」
 印刷会社の社長が懸念を漏らす。
 「木村というやくざの関連だな。同じルートで騙した女二人に報復された。かなり警戒が必要だ」
 川口の会長も慎重に成る。
 「温泉の宴会場で過激なショーが有っても警察が介入はこれまでない。今度も上川紗月は駅を狙った犯行と報道されていたな」
 葬儀会社の社長は岬ビューホテルの会員に知り合いが居た。一応大丈夫と言いたい。
 「警察が二か所で別々に見当違いをしてくれたから良いが。この二人が繋がっても。横山という弁護士が二人に繋がっても。働いていた居酒屋に繋がっても不味い」
 川口の会長はぎりぎり助かっていると言いたい。
 「如月鬼堂とやらが憶測で何か言わないか」
 印刷会社の社長の懸念である。
 「それは無いだろう。奴とてこんな事件が大きく解明されて岬ビューホテルに警察の捜査が入って規制が強化される事は好ましくない」
 川口の会長もここはきっぱり言い切る。
 「だが見張る訳にも行かない」
 「警察の動きは掴んでいるのだろ」
 「今のところは岬ビューホテルには捜査は及ばない」
 「二人が同じ居酒屋から騙されて同じ手口でショーに出されたのは危険だな。さらに木村というやくざの関りが」
 「おい。それ川口に女連れて来なかったか」
 「同じ組かも知れんな」
 「何回もやっているのではないか」
 「かも知れん」
 川口の会長はややばつが悪い。以前に自分が指南した手口のようである。
 「整理するとストーリーはこうだな。居酒屋でノンアルコールと偽ってアルコールを飲ませて事故を捏造する」
 大体の工程を医者の男が整理した。
 「これ以上同じ手を使わなければ問題ないのではないか」
 葬儀会社の社長は楽観論に成る。
 「もしも横山という弁護士や木村というやくざが捕まったらどうなる」
 「和歌山は一毛打順だな。やくざなど捕まったら洗いざらい吐いてしまう。神永和夫とは違う」
 「それじゃこっちの工場の事もばれるぞ」
 廃棄物処理収集運搬業の社長である。
 「それならその前にあっちの組織が処分する」
 「遺体の事は最後までしゃべるまい」
 「そうだ。工場の従業員は何も知らない」
 「しかし社長の関りはばれるかもな」
 「木村と横山を逃亡させれば問題ない」
 葬儀会社の社長は言い切った。
 「いや。木村は処分すれば組が面倒だから逃亡させる。やくざは海外からでも稼げる。横山は始末だな」
 川口の会長はきっぱり結論を出す。
 「成程」
 葬儀会社の社長も理解した。
 「今後は処分場までは入れない事だ」
 川口の会長は廃棄物収集運搬処分業の社長に釘を刺す。
 
 和歌山。岬ビューホテルの大宴会場。
 横溝亜寿香は二本のドリルバイブで散々責めまくられた。
 赤座元太の執拗な指示で三回失神を繰り返していまは失神したままである。
 赤座元太と瀬尾勝は蛇と蜥蜴、カメレオンを準備していた。餌はカナブンである。
 「兄ちゃん達。蛇大丈夫か」
 赤座元太が佐川圭司と村崎純に一応確認する。
 「い、いいえーーーーーーーー」
 佐川圭司は後退りした。
 「毒が無ければ大丈夫ですよ」
 村崎純は平然としている。
 赤座元太は佐川圭司にクスコを渡す。
 「この女の膣開いてよ」
 佐川圭司はもう一回失神して白目を剥いたままの横溝亜寿香の膣口にクスコを差し込む。
 「良し。少し逃げて」
 赤座元太は佐川圭司を退避させた。
 村崎純にスネークフックを渡す。
 ロボットの仲居が水槽に入れた蛇を台車で運んで来た。
 「この蛇を失神しているうちにこの女のお〇〇こに入れてやって」
 赤座元太が非情な指示をする。
 座は色めき立った。
 村崎純は瞬間息を呑む。
 だが水槽に手を突っ込んで素手で蛇を掴んでしまう。毒の無い大人しい縞蛇である。
 スネークフックは畳に置いてしまった。
 蛇の首の五センチくらい手前と尻尾を持ってクスコに近付ける。
 座敷は完全に静まり返っていた。
 声の無いざわめきが演台を包んでいる。
 村崎純は蛇の頭をクスコに滑り込ませた。
 「ゆっくり動かして」
 赤座元太はクスコの中でピストンを要求する。
 村崎純は蛇が苦しくないようにゆっくり動かす。
 座のサディストな会員には生唾の悦びである。
 この女なら良い。何処までも残酷にしたいのである。
 「そんなもので良かろう。本人が見たら気が狂うか。夢に出てきて当分魘されるな」
 赤座元太はほくそ笑む。
 村崎純はゆっくり蛇の頭をクスコから抜き取る。
 そのまま水槽に戻した。
 「おーーい。口にも」
 四十代の会員が要求する。
 青木学が口の開口器を持って来て佐川圭司に渡した。
 佐川圭司はそれで横溝亜寿香の口を指で開いて歯を抉じ開ける。刺激をしないように口に填め込む。
 宴会場はまた静まり返っていた。
 そして無言のざわめきが演台を包む。
 横溝亜寿香の失神は深い。
 村崎純はもう一度蛇を掴む。
 見ている会員の表情は興奮の坩堝である。
 村崎純は横溝亜寿香の肩に手を置いて口の開口器に蛇を突っ込む。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は瞬間意識を回復した。
 村崎純は慌てて抜く。
 「ぶふぉーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 口の開口器は抜けて落ちた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーー」
 横溝亜寿香は脚を蹴るようにばたつかせて暴れる。
 「なにするのーーーーーーーーーーーー。そんなのきいてないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙を振り飛ばして喚き散らす。
 赤座元太が前に立つ。
 構わずビンタする。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はブチ切れていた。
 赤座元太は構わずもう一発叩く。
 「あれを見ろ」
 岡田弥一郎が録画をモニターに流していた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は狂ったように泣き叫ぶ。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恐怖の表情を破裂させて喚き続ける。
 そして口から泡を噴いてしまう。
 宴席からは拍手が沸く。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーー。うおお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ううーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はさらに嗚咽する。
 「よーくみろーーーーーーー。お前のま〇〇に蛇イレポンや」
 赤座元太は言葉を覆い被せるような言い方である。
 「こんなの範囲外だよーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は涙を振り飛ばして抗議姿勢で叫ぶ。
 だが会員らはもとより岡田弥一郎も青木学も赤座元太を止めようとはしない。
 興奮しながらやり過ぎではないかと思う者も居るが誰も何も言わない。
 「素面でもう一回」
 六十代くらいの会員がやじのように叫ぶ。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は驚愕の表情で叫び返す。
 まだクスコは抜いてなかった。
 赤座元太は村崎純に顎で合図する。
 村崎純はもう一度水槽の中の蛇を掴む。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーいや。いや。いやよ。いやああーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は強烈に叫ぶ。
 さすがに村崎純は蛇を持ったままたじろぐ。
 「女。もう一回入ったんだぞ」
 赤座元太は強気に言葉を浴びせた。
 「だめーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。だめよ・・・・ああーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。ああーーーー」
 横溝亜寿香は震えた声で拒絶し続ける。
 そして僅かに失禁してしまった。
 また拍手が沸く。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。駄目ーーーーーーーーーー。止めてーーーーーーーーー。駄目。駄目。駄目。だめーーーーーーーーーーー」
 泣き喚き散らす。
 さすがに村崎純は動けない。
 赤座元太はがスネークフックで蛇を掴んで受け取る。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は強烈に泣き叫ぶ。
 表情は歪み切って破裂していた。
 それでも赤座元太は蛇の頭をクスコに近付ける。
 「あ、ああーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 究極に怯えた断末魔の表情である。
 それでも赤座元太はクスコに入れてしまう。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は暴れ藻掻き喚き続ける。
 村崎純は会員らの後ろに引いてしまった。それを見て佐川圭司も後ろに回って逃れてしまう。
 赤座元太はその蛇をピストンする。
 「うごおーーーーーーーーーーー。うがーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。ぎゃあああーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は狂ったように暴れていた。
 会員らの目はその一点に集中して凝視している。
 「あーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーー・・・・・」
 横溝亜寿香はそのまま失神してしまった。
 赤座元太もそのまま蛇を抜き取って水槽に戻す。
 四人の若いイケメンらは後ろで固まって慄いていた。
 赤座元太がクスコを抜くと濁った液がどろりと流れ出る。
 会員らは立って白目を剥いた横溝亜寿香の美人顔を覗き込む。
 今夜はこれでお開きと成る。
 会員らは部屋に引き上げてコンパニオンらは寮に戻って休む。
 横溝亜寿香は戒めだけ外されて座敷の畳に放置された。さすがに布団に乗せて毛布は掛けておく。
 「青木さん大丈夫か」
 岡田弥一郎は一抹の不安を口にする。
 「あの女は何処にも行けないよ。此処で稼ぐ以外に無い。泣き寝入りだ」
 「そうか」
 岡田弥一郎はそれ以上気にしなかった。
 青木学も強引にやってしまったのは計画の上である。会員らの悦びにこの犠牲が必要であった。
 このあと横溝亜寿香が猛然と抗議して来る事は承知の上である。
 
 十一月五日。
 如月鬼堂は本多椿と一緒に上越新幹線で帰り着いた。
 本多椿はプレイルームに向かう。
 如月鬼堂には瀬里菜が迎えに来ていた。
 「今日は誰も来てないだろうな」
 如月鬼堂は来客対応が忙しすぎる。
 「大丈夫静かよ」
 瀬里菜は可愛く答えた。
 「検問はそろそろ落ち着いたな」
 「成果は無いままね」
 瀬里菜は少し馬鹿にしてこっそり笑う。
 そこに男女三人が近寄って来た。
 紀咲槙乃と三橋貴明、三輪三千夫である。
 紀咲槙乃が前に出て話し掛ける。
 「如月鬼堂先生ですね。クラブ麗で働いております紀咲槙乃と申します。少しだけお耳に入れたい事がございまして」
 男性では相手にされないと考えて紀咲槙乃が声を掛けた。
 「どういう」
 如月鬼堂はやや不穏な表情をしたが風俗嬢なので話を聞く。
 「実は和歌山の岬ビューホテルのショーの事なのです」
 「そっちのお二人は」
 「私のお客です」
 「ふーうん。三人は車に乗れないな」
 如月鬼堂はコンコースの人気の無い辺りに移動した。
 「どういう事でしょう」
 「実はクラブ麗に来た瀬尾というお客さんにそこの危険なショーに誘われたのです。成形はするから一千万で乳首を斬らせろと言うのです。」
 「うーん。やはりそんな事をやっているのだな」
 「瀬里菜。珠洲に連絡して。先にこの三人をお連れして。俺は此処で待つ」
 「うん」
 瀬里菜は車に三人を案内した。
 如月鬼堂は珠洲が迎えに来てマンションに戻ると館山弁護士にテレビ会議を繋ぐ。
 「来たのはその男一人ですか」
 「もう一人岬ビューホテルのショーと関係が有るかは判りませんが大場信一郎という人が同じような要求を」
 「なに。大場が来たと」
 「ええ」
 「危険や人物だよ。客にしない方が良い」
 「ええ。三輪さんにそう言われてマネージャに断って貰いました」
 紀咲槙乃はそう言って三輪三千夫を躰で示した。
 「館山先生。そう言う話です」
 「まあ。予測の通りです」
 館山弁護士の想定の範囲である。
 「お二人は私のSM愛好会の会員ではないですね」
 「ええ。紹介者がないので断られました。真性奴隷女の館もなかなか指名が取れません」
 三橋貴明がそう答えた。
 「ご職業は」
 「株取引です」
 「どのくらい使ってくれるの」
 如月鬼堂は紀咲槙乃の方に聞く。
 「一回五十万です。この人女子プレレスラーに殺されかけた人です」
 紀咲槙乃は笑いながら言ってしまう。
 「あーー。あのニュースね」
 珠洲と瀬里菜もカウンターから振り返る。
 「原因は結婚を断ったからではないですね」
 如月鬼堂はズバリ言ってしまう。
 「はい。私が悪いんです」
 三橋貴明はあっさり認めてしまった。
 「何をしたのですか」
 如月鬼堂は笑いながら訊ねる。
 「実は」
 三橋貴明は悪びれながら究極のポートをアダルトSNSに公開した事を告白した。
 「それは殺されますね。本当の理由を警察に言わなかったのは幸いのようですがまた狙われますよ」
 如月鬼堂は真顔で警告する。
 「はい」
 「外ではロボットは護ってくれません」
 「そうですね」
 「ところでそちらの方は」
 如月鬼堂は三輪三千夫の方を向いて言う。
 「私は」
 三輪三千夫は名刺を差し出す。
 「クラブ麗のオーナーさんですか」
 「はあ」
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃から驚きの声が上がる。
 三橋貴明も唖然としていた。
 「彼女に偽ってお客さんとして遊んでいたのですね」
 如月鬼堂は冷たく哂っている。
 「私。あと二、三年しか稼げないですか」
 紀咲槙乃は二人に言われた事を聞いてしまう。
 「それは三輪さんの方がお分かりでは」
 如月鬼堂は答えを避ける。
 「いやいや。私どもが言った事を確かめているのです」
 三輪三千夫は言い訳した。
 「稼ぎ方でしょう。どうしても収入は減りますよ。通り一遍に言っているように見えても心から言っている人と巧みに心の底から言っているようでリップサービスでしかない人も居ます。それが見抜けない人がホストに嵌ります。苦労したのか貴女はそれが見抜けるようです。それならやりようはあります」
 如月鬼堂は曖昧に答えてしまう。
 「そうですか。私はこの先どうすれば良いのでしょう」
 「まあ。SMで一気には今だけです。でも昔ね。池袋のグランドキャバレーにはダントツのナンバーワンが居た。四十代後半で明らかに小母さんの容姿だ」
 「はい」
 「若い時からの蓄積が指名に繋がっている。それも余裕のある年配の客ばかりだ。そのホステスが付く時間は僅か。あとは若いヘルプを選りすぐって付ける。そんな事を参考に考えてよ」
 「はい」
 紀咲槙乃も如月鬼堂の真意は理解した。
 「貴女はホストに嵌る事は絶対にない。それなら稼ぎは蓄積されます。私の関連のクラブでも何人か支援しています。ホストに嵌る者は居ません」
 如月鬼堂はホストに嵌ったらいくら稼いでも使って終わり。ホストの縁は切れて何も残らない。悲惨な中年時代が待っていると言いたい。
 「はい」
 紀咲槙乃は深く頷いた。
 「確かに岬ビューホテルのショーは困りものですね。また大事に成れば規制が強化されます」
 「そうなのです」
 三輪三千夫も神妙な表情である。
 「テレビ太陽なんかのコメンテーターが散々騒ぎますね」
 三橋貴明もそれが心配。自分らの愉しみが徐々に規制されて行く。それが徐々にではあるが確実に進行していた。
 「斬り落とした後の医療費は出すのでしょうね」
 「そう言っていました。表面は変わらないと。性器も焼かれてあとで七割方感度は戻るとか。でも充てに成らない話です」
 紀咲槙乃はやや怒りを剥き出しいる。
 「館山先生。二人はここまで承諾して出たのだな」
 「でしょうね」
 「そうなると結果に報復ではなく嵌められたのが後で判ったかだな」
 「そう成りますか」
 二人の見解はほぼ一致したらしい。
 「どういう事でしょう」
 三輪三千夫が話の内容が分からず突っ込んでしまう。
 如月鬼堂はこれまでの岬ビューホテルの近隣放火と横山弁護士宅に強盗に入った女の件を話した。
 「あくまで憶測だが」
 最後にそう付け加える。
 「そう言う事なのですか」
 三輪三千夫も頷けはするが考えもしなかった。
 「このホテルは会員を繋ぎ留めもっと稼ぐために越えられない線を越えて禁断の木の実を与えてしまった。一度与えらたらそれなしでは満足しなくなる。それが常習化したのです。麻薬と同じで何れは滅びます。その時が怖いですね」
 「その通りです」
 三輪三千夫も深く同意する。
 「滅びるとは警察が踏み込むのですか」
 紀咲槙乃は女性が心配に成る。
 「普通にSMショーまでなら続けられるでしょうけど。そこまでやっては何れ事件に成ります。今でもきな臭さが滲んでいます」
 「そうしたら其処の女の子は」
 「まあ。局部を出したショーの最中や売春行為が無ければ保護の範囲です。寧ろその後で働いていた女性は困ります。三輪さんが引き取られては」
 「ああ。はい。ありがとうございます」
 このあと三輪三千夫と三橋貴明は如月鬼堂の推薦で愛好会に入会した。
 
 和歌山。コンパニオンの寮に成っている元旅館の建物である。
 横溝亜寿香は怒りに悶々としていた。
 誰も居ない宴会場で目を覚ますと布団に寝かされ毛布は掛けられていたが全裸のままである。
 ショーに着て入ったコンパニオンのスーツを着て寮に戻って来た。
 蛇を入れられた記憶が蘇る。シャワーで何回も洗った。それでも不快感が頭を去らない。
 絶対にやり過ぎだと思う。
 文句を言ったらどうなるのか。此処に居られなくなったら困る。
 ソープで顔出しして稼ぐのはできない。他のSMクラブでも顔出しはしなくてはならない。
 何故か自分は此処の会員らに標的にされている。他の子ならあそこまでやらない。
 イケメンを連れて来る意地悪が堪らない。
 あいつらを呼び出してとっちめないと気が済まない。怒りが沸騰して来る。
 だがそう思いながら精神的な疲れとダメージからもう一度倒れてしまった。
 
 十一月二十二日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 すっかり寒くなって麓の町は空気が澄み透き通って奇麗に見える。
 今日はおでんと寿司、日本酒で飲み続けていた。
 「全て静かに成ったな」
 「全て落ち着いた。神永和夫は公判でも糠に釘だ」
 川口の会長は哂っている。
 「だが面白い事が足りない」
 医者の男は焦れていた。
 「一人虐めたい女が居るのだ」
 葬儀会社の社長が切り出す。
 「ほう」
 医者の男が反応する。
 「新しく大宮にできたSMクラブだがな」
 「逆に難しくないか」
 川口の会長は疑問を呈した。
 「そうだが。何とか罠に嵌めたいのだ」
 おでんは煮えてちくわぶが柔らかく成っている。熱いおでんにひや酒が丁度良い。
 葬儀会社の社長は撮影した動画を再生する。
 「ますみという源氏名だが本名は紀咲槙乃という」
 「なかなか良い女だ。三十過ぎだが虐めるには丁度良い時期だ」
 医者の男は納得する。
 「だがどうやって堕す」
 「正攻法で行くのは。クラブで順番に連係プレイはどうだ」
 「それは無理だ。ハードコースでは日にちを開けられるよ」
 「そうだな。あのマネージャーは確りしている」
 葬儀会社の社長はやや苦い顔である。
 「こうして見ていると堕としたくなるな」
 医者の男は動画をみながらかなり乗り気に成っていた。
 「少し身辺調査をして方法を考えよう」
 印刷会社の社長も乗り気に成る。
 「まあ。慎重に進めよう」
 川口の会長も乗り気である。
 
 越後湯沢。如月鬼堂の居間。
 「今年は暖冬なのかな」
 如月鬼堂は窓の外を見て呟く。
 囲炉裏端にはおでん鍋が温められている。
 相変わらず如月鬼堂はビールである。
 荒井絵里と本多椿が来ていた。
 珠洲と瀬里菜は大河内税理士を迎えに行っていた。何故か大河内税理士の時は二人で行く。
 「そんな事を予報士が言っていたような気がします」
 荒井絵里が曖昧な記憶を言う。
 「そうですね。少し前に聞いたような」
 本多椿も曖昧である。
 「行き成り雪に閉ざされたりしてな」
 如月鬼堂は予報士もあてに成らないらしい。
 「今年も早めに豊洲に移られますか」
 荒井絵里はおでんの大根を箸でちぎって冷ましながら言う。
 「本当に天候が急変しますね」
 本多椿は牛筋ではなく昔ながらの魚のすり身の筋をつまみながら冷酒を飲んでいた。
 「温暖化はいくら騒いでも十年や二十年でどうにもならない。化石燃料よりは原発がましだが。太陽光と風力にすべきと原発を強く否定する輩が問題だ」
 「自治体が許可しないのでは」
 「そうだ。自分の地域を護りたいからな」
 「風力や太陽光の様な補助的なエネルギーではなく原発に代わるエネルギーが見つかるまでは稼働すべきだ」
 「補助金が出ても原発稼働時よりは電気代は高いですね」
 「そうだ。理想より低所得層の電気代負担が大きすぎる。これが経済に大きく影響している」
 「先生の周りの人にはあまり痛くないですね」
 「そうだ。役人や政治家も同じだ。減税より低所得層の補助金と原発再稼働で電気代の軽減が経済効果だ」
 「低所得層の使えるお金を増やすのですね」
 呑気な如月鬼堂の居間の会話は徒然に流れる。
 
 名古屋。東新町のラブホテルの団体利用のルーム。
 横溝亜寿香はようやく佐野幸春と高田淳乃、佐川圭司、村崎純を集める事ができた。
 「俺たちは亜寿香お姉さんの稼ぎに協力しろと言われただけだよ」
 佐野幸春は言われたとおりに協力したという言い分である。
 「何で連絡してくれなかったのよ」
 「青木さんが総て打ち合わせ済みと言っていたし。騒いだり拒絶したりするのは会員らを悦ばせる為だから気にせずにやれと言われていたよ」
 高田淳乃が答えた。
 総ては青木学が調整して進めていたのである。
 「蛇の話も聞いていたの」
 横溝亜寿香はやや語気が弱く成っている。
 「そうだよ。だから彼を呼んだのだよ」
 高田淳乃はきっぱりい分けした。
 「俺も繰り返し言われました。狂ったように泣き叫ぶけど全部芝居だからねと。躊躇する素振りを見せながら決行するのだと」
 村崎純もきっぱり説明する。
 「貴方は蛇が平気なのね」
 「はい。飼っていますから。?む蛇ではないし。毒もありません。寧ろああいう事に何度も使うと早く死んでしまいます」
 「亜寿香さんお金は貰えたのでしょう」
 「そうだけど」
 「しかし。会員の興奮は異常でしたね。何かあの空間が異常すぎると思いました」
 佐川圭司の印象である。
 「コンパニオンの女の人も興奮していたよね」
 佐野幸春も宴会場の興奮の坩堝を強く感じていた。
 「だってああいう趣味の人の集まりだもの」
 「しかし。凄い金払うよね」
 「まあ。外人の富裕層向けの高いホテルもあるからね」
 「でもそれがほとんど毎週だろ」
 佐野幸春はやや呆れ気味かつ経済力に慄いている。
 「ショーの無い時は二泊か一泊でSMコンパニオン遊びだけなのよ。ショーは月に一回以下なの」
 横溝亜寿香はそこまでは多くないと言う。
 「それでも有る所には有るよな」
 「ねえ。まだ私と遊んでくれる」
 横溝亜寿香は佐野幸春と高田淳乃に言っている。
 「全然OKですよ」
 「うん」
 高田淳乃も頷く。
 「ねえ。それじゃ四人で私が失神するまで輪姦してくれる」
 横溝亜寿香はこの時とばかり要求してしまう。
 四人は承諾した。
 ホスト遊びと違って若いイケメンでも無料である。
 
 十一月二十七日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 全員が忍者姿黒装束である。
 葬儀会社の社長は居ない。代わりに組織の男が一人混じっている。
 女が搬入されて来た。
 紀咲槇乃である。
 眠らされて特殊な袋に入れられている。
 拉致を敢行したのは寺門一、玉川亮、東秀雄の三名である。
 前金二十五万。後金七十五万で引き受けた。
 今回川口の会長らが一気に拉致に走ったのは紀咲槇乃の住居がセキュリティの低い住宅かつ地域であった。
 今回は紀咲槇乃の住むアパートの住人全部を眠らせる。さらに周りの住宅も眠らせた。
 匂いの無い催眠ガスを車から流す。
 近隣及びアパートに若い人が少なかったのでこの手段が選ばれた。近隣に防犯カメラもない。
 眠らせた紀咲槇乃だけを運び出す。
 アパートは八部屋だが五部屋は現在空き家であった。
 その部屋に玉川亮と寺門一がガスマスクを着けて待機する。
 東秀雄が車で催涙ガスをまく。
 アパート内は一部屋ごとにスプレーで催眠ガスを注入した。
 三人の役割は所定の場所まで運ぶだけである。
 其処からは組織の男が引き取ってアジトまで運んだ。
 東秀雄らは空き家になっている一軒家に置いて立ち去るだけである。
 乗って帰る車は少し離れた場所に三人バラバラに止めていた。
 置き去った連絡をする。
 「速やかに離れろ。後金は明日入金される」
 それだけの答えが返ってきた。
 催眠ガスを撒いた車はアンドロイドの女性が回収する。
 
 十一月二十九日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は七時過ぎに珠洲に起こされた。
 「パパ。テレビ会議」
 杉下一行からである。
 慌ててシャワーを使う。
 「パパ。ラーメン作ろうか」
 いつも如月鬼堂は自分でラーメンかうどん、そばを作る。珠洲と瀬里菜はサンドイッチかピザトースト、クロワッサンとコーヒーである。
 「サンドイッチでいい」
 合わせたのではない。テレビ会議に掛かりながら食べるのである。
 瀬里菜がコーヒーを淹れる。
 珠洲はピザトーストの予定でいたがサンドイッチに変更した。
 紀咲槇乃の動画が公開されたのである。
 如月鬼堂は瞬間サンドイッチを持ったまま動きが止まった。
 なぜか今回は女の身元を字幕で公開してない。
 「これは最初から出てきた奴らのアジトだな」
 如月鬼堂は直感的に指摘してしまう。
 「その可能性は高いですね」
 既に館山弁護士ともテレビ会議は繋がっていた。
 紀咲槇乃は全裸にされて産婦人科診察台に固定されている。
 「確り者の美人。スタイルは良い。本人が言うようにこの仕事には限界年齢だが今が最高かもしれない」
 如月鬼堂はここだけと率直な感想を言ってしまう。
 「そうですね。この女は若い時より今の方が良い女かもしれません」
 杉下一行の女を知り尽くした見解である。
 「大場信一郎が目をつけて奴らが拉致に出たのだな」
 「だとすれば逮捕の糸口ができそうですが」
 館山弁護士はそんな可能性が見えるが難しいという見解で言う。
 「まあ。奴らはそんな危険を犯すまい」
 如月鬼堂も尻尾を掴まれる事はしないと見ていた。
 画面ではこれまで通り紀咲槇乃の躰を隅々まで撮影され全身から部分まで詳細に公開されてしまう。
 女の部分の開いた内側の緋色の部分もさらにクスコで広げた女の奥まで公開される。
 これまでのお約束通りである。
 「鬼堂先生。紀咲槇乃さん。既に解放されています。荒川の上流で救助されたようです」
 「生きていたのだな」
 それを聞いて珠洲がニュース番組のチャンネルを探して実況している局を見つけた。
 「そうですね。解放してから動画を公開したのですね」
 如月鬼堂らは一度動画の閲覧を止めて報道内容を確認する。
 流されたゴムボートが放映されていて病院に運ばれたがまだ意識を回復してない。
 医療的処置が施されていて生命に別状はなさそうとの報道内容である。
 「以前と同じところに流したね」
 「そうです。あの時も古いゴムボートでした」
 館山弁護士も覚えている。
 まだ報道では身元は判明してない。ただ動画が公開されて拉致され拷問を受けた模様とだけ報じられている。
 「意識を回復したら判るだろう。あまり公表されない方が良い」
 如月鬼堂らは動画の閲覧を再開した。
 画面では頼りなく生え揃ったドテの陰毛にローションを塗って剃毛している。
 白く肌理の細かい紀咲槇乃の躰である。剃毛したドテから大陰唇の皮膚の紅みが美しい。
 医者の男がクリトリスの包皮の上から微電流のスタンガンを当てる。
 「う、うう、うぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は強烈な悲鳴を上げて意識を回復した。
 目の前は六人の忍者姿黒装束である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なによこれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見て恐怖の表情を破裂させて叫ぶ。
 「突然眠く成ってそのまま此処に着いたのですよ」
 忍者姿黒装束の一人がやんわり語る。組織の男である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は自分が全裸で大股開きにされて診察台に磔にされている事を悟る。
 「なんで!なんで!わたしがーーーーーーーーーーーー」
 喚き散らした。
 「クラブのホームページから選ばせていただきました。よく身辺調査を致しまして浚い易い環境でした」
 また組織の男がやんわり語る。
 「何で私のようなどん底に苦しんでいる女をこんな目に遭わせるの」
 紀咲槇乃はヒステリックに叫ぶ。
 「虐めたいタイプだよ」
 医者の男が本音半分に揶揄う。
 如月鬼堂は診察台のまま六人が輪姦すシーンは早送りで飛ばして先に進めた。
 紀咲槇乃はかなり踏ん張ったが輪姦されて逝き顔まで晒してしまう。
 「この連中はあれでDNAが残らないように処理するのですね」
 館山弁護士は完全な後始末に感心している。
 続いて画面では杉下一行のポルノショップで販売されているアイテムと同じ物を取り出した。
 ぐちゃぐちゃに成った股間を浣腸器に入れた微温湯で入念に洗う。そしてもう一度クスコを挿入する。
 組織の男が二本使って責める。
 如月鬼堂らはここも早送りの確認で済ませた。
 「こうやって逝き顔を晒して社会に羞恥を晒しても風俗嬢では大して意味はないでしょう」
 館山弁護士は余分な作業と言う。
 「そうでもなかろう。奴らの目論見よりこの人は社会に自分の姿を出したくない。その手の雑誌にも顔出しをしない。だからハードでも特定の客以外に見せないSMクラブを選んでいる」
 「そこまで考えていますか」
 「いいや。それより奴らはもっと残酷な愉しみを考えている。失神するまでの悦びを何度も教えて最後に性機能を抹殺する気だ」
 如月鬼堂はまた憶測で言ってしまった。
 「えーーーーーーーーーー。ひどいーーーーーーーーーーーーー」
 聞いていて珠洲が思わず叫んでしまう。
 紀咲槇乃は娼婦の泣き所を二本の小さなマイクロローターでピンポイントに責められてまったく堪えられない。
 大きな逝き声を上げ続けていた。
 クスコの口からは膣液が流れ出ている。診察台は股間の下の部分が液溜りに成っていた。
 六人は交代で責める。
 紀咲槇乃は十回以上逝き顔を晒した。
 そしてついに失神してしまう。
 すっきりした美人顔が白目を剥いた躯姿を晒している。
 それでも六人は許さない。
 川口の会長が電子鞭を乳房に充てた。
 「がはーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃の躰が診察台の上で跳ねる。そして衝撃の声が上がった。
 「失神するまで気持ち良く成りましたね」
 印刷会社の社長が詰る。
 医者の男が二本のアームの先のローターを敏感な部分に当てる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は堪らず喚く。
 医者の男は中をカテーテルライトで照らして確り目標を定めて責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあがああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は後頭部を強く捩って藻?く。数十秒で逝ってしまう。
 医者の男はどこまでも玩具にする如く責め続けた。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。いやあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は強烈に藻掻く。そして二回目の躯姿を晒してしまった。
 六人は次の準備に掛かる。
 医者の男が腸カテーテルでアナルにグリセリンを流し込む。
 大股開きの股間の下に透明な壺がセットされた。
 「まだまだアクメを晒させるようだな」
 如月鬼堂はしつこく責めると見る。
 「ねえ。この人自殺しちゃわない。こんな姿を晒したうえに女の悦びを絶たれたら」
 珠洲は強くこの先が心配である。一度此処に来た人なので気に成る。
 「死ねないだろ」
 「どうして」
 珠洲には解らない。
 「この人は子供を産んでいる。護らなければならないものが有れば死ねない」
 如月鬼堂はきっぱり断言してしまう。
 「でも子供と一緒にとか」
 「いいや。この人はそんなことはしない」
 如月鬼堂は紀咲槇乃の人格も見抜いていた。
 「そう」
 「心配はこの人が報復に出たときだな」
 「返り討ち」
 「相手が悪すぎる」
 「以前に逮捕されたバスの女性運転手のようになっちゃうの」
 珠洲が言うのは防護服の六人に強姦されて報復に出た原直子のことである。
 「関係のない人にまで危害を加えるような馬鹿な真似もしない」
 如月鬼堂はこれもきっぱり断言してしまう。
 「ねえ。パパ。どうしてこの人に子供が居ると解るの」
 今度は瀬里菜が疑問を投げた。
 「よく画像を見て。会陰の部分に縫った痕がある」
 如月鬼堂は動画を停止して指摘する。
 「あ、ああ」
 かなり解像度は高い。瀬里菜にも十分に確認できた。
 スクリーンでは浣腸の苦しみで意識を戻した紀咲槇乃は診察台にセットされた壺に緩んだ便を垂れ流す。
 絶対に見せられない破局の姿も晒してしまった。
 目からは涙が溢れ出ている。
 紀咲槇乃は客にプレイで浣腸されてきたからと言ってもそれは違う。絶対に許せない。
 医者の男は紀咲槇乃のアナル付近を簡単に洗う。
 そしてアナルに微温湯を流し込む。
 もう一度直腸を軽く洗ったのである。
 医者の男は紀咲槇乃の直腸に小さめのローターを押し込む。
 さらに膣に刺さっていたクスコを抜いて通常サイズのローターを三つ押し込んでしまう。
 一気にスイッチを入れた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。もうむりーーーーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は藻掻き泣き叫ぶ。
 そして五、六分で失禁してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は悲鳴を上げながら失禁尿を流し続けた。
 尿が出きってもローターは膣と直腸で暴れたままである。
 さらに運送会社の社長がクリトリスを剥いて女の亀頭にマイクロローターを当ててしまう。
 「うぐうふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃の表情は強烈に破裂する。
 「あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に後頭部が藻掻く。
 今が旬の頂点である美人の強烈な逝き顔。見慣れた如月鬼堂でさえそそらされる。
 紀咲槇乃は僅かな時間でまた失神してしまう。
 医者の男が医療用手袋を掛けて紀咲槇乃の尿道に細いカテーテルを逆に突っ込む。
 やんわり入れても痛い筈である。まだ紀咲槙乃は意識を回復しない。
 組織の男がカメラを背にして一物を出す。
 医者の男が組織の男を押すようにさらに紀咲槙乃の股間に近付ける。
 紀咲槙乃の尿道に突っ込んだカテーテルの反対側を組織の男のペニスを持って尿道に差し込んでしまう。
 ゆっくり組織の男の尿が紀咲槙乃の膀胱に流れ込む。
 「恐ろしいプレイだ」
 如月鬼堂でさええげつなさに慄く。
 医者の男は適度なところで紀咲槙乃の尿道からカテーテルを抜いて診察台に接続した壺に突っ込む。
 組織の男は流し終わったらカテーテルを抜いて下がる。
 医者の男は長めの尿道バイブを紀咲槙乃の尿道に突っ込む。
 それをゆっくり長いスパンでピストンさせた。
 紀咲槙乃の尿道から僅かずつ尿が滲み出る。
 淫靡極まりない光景である。
 「あーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃はようやく目を見開いた。そして尿道の違和感に気付く。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 驚愕の表情で叫ぶ。
 「あんたの膀胱には男の尿が入っています。それを少しずつ流しながら尿道で逝ってもらいます」
 医者の男は静かに宣告する。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーきちがいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は驚愕の叫び声を上げた。
 尿道バイブはクラブのプレイでやられた事が有る。だが今のはさらに違和感が強い。
 「ひどい。ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーきちがいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は焦点の定まらない表情で空を見ながら叫ぶ。
 医者の男は全く動じない。
 同じペースでピストンを続ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は後頭部を振って藻掻きながら叫ぶ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は強烈に表情を軋ませ頭を捩ってさらに藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーん。がはあーーーーーーーーーーーー。ぐわはあーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰は診察台の上で突っ張り固まる。そして弾けた。
 「あーーーーーーーーーーーーあはんはあん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに突っ張り固まる。
 「ぐはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また弾けた。
 医者の男はそれでもピストンを続ける。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに強く藻掻く。そして躰が迫り上がる。
 「ぐはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃の躰はまた迫り上がって固まった。
 「はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間堕ちる。
 「どうだ尿道も気持ちよいだろ」
 「あはあーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 川口の会長が横から詰る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あんまりよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槙乃は怒りの限り叫ぶ。
 医者の男は尿道バイブを抜く。
 「残りの尿を出してしまえ」
 そしてさらに残酷な要求を出した。
 紀咲槙乃の女の部分は既にぐちゃぐちゃに成って奇麗に閉じ合わせてはいない。内部の濡れた粘膜が覗いていた。
 紀咲槙乃は自分の体内に流し込まれた不快極まりない物を何としても出すしかない。
 大股開きの姿で半開きの女の部分から尿が流れ出す。
 川口の会長が紀咲槇乃の太腿の向こう側から尿が流れ出ている女の部分のビラビラを指で広げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃の悲鳴が流れる中で尿道口から直に小水が流れ出る姿が数十秒公開されてしまう。
 尿を流し終わると診察台の上に意識朦朧と沈んでしまった。
 「随分気持ち良く成ったでしょう」
 印刷会社の社長が詰る。
 ここから少しの間映像がカットされていた。
 「あんたは解放してやる。子供が居るからな」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長が語る。
 「・・・・・」
 紀咲槇乃に緊張が奔る。
 「だがな。乳首を斬らせて貰う」
 今度は運送会社の社長が宣告した。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は顔を右に左に動かして叫ぶ。
 「それだけではない。子宮を撤去してお○○この中を焼く。クリも焼く。もう尿道とお尻以外感じなくなる」
 究極の部分は医者の男が宣告する。
 紀咲槇乃もこれまでに拉致された被害者の現状は聞いていた。
 この状態では逃れようがない。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。いあやあ。いや。いや。いや。やめてーーーーーーーーーーーーー。おねがいやめてーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は叫ぶしかない。
 「だがな。あんたも風俗が続けられないと困る。闇の口座に五千万入れてやる。それで諦めろ」
 医者の男が宣告した。
 「・・・・・」
 紀咲槇乃の唇は震えている。
 五千万貰っても納得できる話ではない。だがそれすら無ければ。躰を潰されては風俗で稼げない。さらにこの先どうにも成らない。
 酷すぎる。絶対に許せない。
 「良いか。通帳とキャシュカードが後日届く。使い方は書いてある。警察に言っても俺たちは困らない。だが押収される危険はあるぞ」
 川口の会長が説明した。
 紀咲槇乃に恐怖の旋律が奔り続ける。躰は微妙に震えていた。
 「いくら。・・・・・いくらお金を払うと言ってもひどすぎるよーーーーーーーーーーーー。ああーーーあはあーーーーーーーーーーーーーん」
 紀咲槇乃は半分ヒステリー状態に成り泣き叫ぶ。
 「これまでに金を出してやるのはあんただけだ。風俗嬢だからな」
 川口の会長が本音を漏らした。
 「まあ。和歌山辺りのショーでは回復させる医者を使っているらしい。だが五千万の半分は消えて行くぞ」
 印刷会社の社長が情報を匂わす。
 「どっちを選ぶかはあんたの自由だ」
 医者の男が突き放す。
 「だが我々は和歌山と繋がりは無い。自分で探して貰うしかない」
 川口の会長は関わりの無い事を断っておく。
 
 十二月一日。
 紀咲槇乃が意識を回復したのは埼玉県の病院である。
 金澤佳志乃警部補が配下の女性巡査長を伴って事情聴取に来ていた。
 「大場信一郎の声は六人の中には居なかったのね」
 「はい。一人ずつ声の違いを確認しましたので」
 「それじゃ如月鬼堂とかの推測とは違うという事ね」
 金澤佳志乃警部補はあっさり却下してしまう。
 その後二時間くらい聴取したが犯行現場も犯人像も全く掴めなかった。これまでと全く変わらない。
 その夜も恐ろしい記憶が蘇った。
 乳輪の両側に高枝切り鋏の刃を開いて当てられる。組織派遣の男である。
 鋏み斬った。
 「ぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 猛然と悲鳴を上げたがそのまま意識朦朧と成ってしまう。
 医者の男が直ぐに処置に掛かる。
 次に紀咲槇乃の意識が戻ったら乳房は縫い合わされていた。
 思わず涙が溢れ出てしまう。
 運送会社の社長が小さな半田鏝を構えていた。
 川口の会長が指でクリを剥く。
 運送会社の社長は半田鏝の先端をクリトリスの玉に突き刺す。
 「うがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男が痛み止めを打つ。
 そのあと膣を焼くのに角度を変えて何本も痛み止めが打たれた。
 正面のモニターにクスコで広げられた膣の中を焼かれる光景が映し出されている。絶望の思いでそれを見ながらまた意識がなくなった。
 次に気付いたのはこの病院である。
 医師の話では膣が大方焼かれて子宮が摘出されている。クリトリスも焼かれて膣もクリトリスも一応の処置はされていたという。
 退院には一週間くらい掛かるらしい。
 
 十二月九日。
 如月鬼堂が紀咲槇乃の入院する病室に館山弁護士と本多椿を伴って見舞いに現れた。
 警察の訪問がほぼ終わった時期を見計らったのである。
 「大場信一郎は居なかったのですね」
 「はい」
 「いつも参加しない会社の社員旅行に同行していたようです」
 館山弁護士は調べていたのである。
 「槇乃さんに当たりをつけたのは大場信一郎でしょう。その時撮影もしませんでしたか」
 「八万で動画撮影もありました」
 「そうでしょう。その動画が起点です。六人で見て計画したのでしょう」
 「何で私のような不幸な女を態々狙うのですか」
 そこまで言うと紀咲槇乃は嗚咽してしまう。
 失わされた膣の感度を治せる医者がいるという話に館山弁護士が反応する。
 そして和歌山辺りでの調査を約束した。
 
 その日の夜。インターネットアダルト放送のスタジオである。
 「連続拉致強姦事件の犯人六人による被害者は本日退院しました。既に十日が経ちますが警察の捜査が犯人に行き着くことはありません」
 高嶋波琉が純白のワンピースを脱ぎ捨てながら読む。
 「動画から犯行現場は以前と同じ場所と思われます。この六人の犯人らが直接手を下すのは暫くなかったと思われます」
 岡田有美もコバルトブルーのワンピースを脱ぎながら読んだ。
 「この場所は以前から全く変わってないと思われます。いまだに何処に運ばれたのか謎のままです」
 本多椿も立ってピンクのワンピースを脱ぐ。
 「埼玉、群馬、栃木に絞られますがそれ以上は皆無です。恐らく警察は捜査に入っていて其処と判らないものと思われます」
 如月鬼堂もそれ以上臆測すら出せない。
 「総理は経済と言い続けてきましたがそれどころではなくなりました。給付金は年内に配られるのでしょうか」
 高嶋波瑠は読みながら純白のブラを外す。
 「減税は全く評価されませんでした。でも低所得層への給付はなんとか実施して貰いたいです」
 岡田有美も濃紺のブラを外した。
 「物価の上昇に賃上げが追い付いていません。鬼堂先生岸元総理の対策で経済は良くなるのでしょうか」
 本多椿もブラを外してしまう。
 「抜本的に民事党の政策は間違っています」
 如月鬼堂はそう切り出して以下のように語った。
 賃上げ要請を行ったが大手企業が賃上げに踏み切ればその為に物価も跳ね上げてしまう。
 中小企業も賃上げしなくてはならず上げられるところは値上げに踏み切る。
 各企業が値上げして値上げの相乗効果でさらに物価はコントロールが効かず上昇を続けてしまう。
 年金、生活保護費は殆んど上がらない。低所得層の購買力がさらに落ちる。
 やることが逆なのです。
 賃上げ要請を先に行うべきではなかったのです。
 低所得層は買いたい物が買えないのではないのです。買わなければならない物を抑えているのです。
 低所得層の経済力を回復させれば収入は限りなく満額に近く消費性向に流れざるを得ません。
 物価の上昇を煽らず薄利多売でも社会の裾野の購買力が上がれば賃上げの余力が出てきます。
 
 十二月十日。
 和歌山。白浜温泉のファッションホテル。
 横溝亜寿香は佐野幸春を呼び出した。
 一月以上経っても横溝亜寿香の怒りは去らない。
 青木学、赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾勝が許せないのである。
 佐野幸春を呼んだのは憂さ晴らし。ただでホスト級の男を直に愉しむ。彼らは四人と交互に付き合っても文句は言わない。
 そして彼女は別に居るのである。
 あの四人に何とか報復がしたい。
 だが金の入る手段を潰さないで有効な手段が見つからない。若い男らで愉しみ紛らわしながら悶々とした日々を送っていた。
 「ねえ。三回目行ける」
 横溝亜寿香は佐野幸春から二回抜き取ってまだ要求する。
 「まだ起つよ。入れるだけだったら」
 「舐めて」
 佐野幸春は横溝亜寿香の女の部分を開く。そしてクリを剥いた。じっくり眺めて舐める。
 「ねえ。膣口を指で広げて舐めて」
 横溝亜寿香はさらに要求を拡大する。
 佐野幸春もさらに乗り気である。自分の彼女にはこんな事はできない。年上と雖も抜群の美人のこの部分をとことん弄れる。どこまでものめり込む。
 
 退院した紀咲槇乃はアパートに戻ってから宅配便で通帳、キャシュカード、USBメモリを二つ受け取った。
 一つのUSBは社会に撒かれた紀咲槇乃の忌まわしい動画である。もう一つには預金の下ろし方が書かれていた。
 闇金に行きUSBに記載された暗証で裏社会のATMに入る。二千万を現金で出した。
 残りをUSBのマニュアルに書かれた方法でマネーロンダリング方式に自分の口座三つに振り分けて送金してしまう。
 何としても子供の将来の為に確保しなければならない。
 
 十二月十四日。
 和歌山。岬ビューホテルとは一駅違いの温泉街である。
 館山弁護士は横山深雪に辿り着いた。
 如月鬼堂と紀咲槇乃を連れて宿泊する。
 如月鬼堂は先月の事件の犠牲者であることを匂わす。
 「私。回復させてくれるお医者を知っています」
 大阪の病院を紹介された。頼めば利根川元教授を呼んでくれると説明して紹介の電話も入れてくれた。
 館山弁護士は大場信一郎の写真を見せて確認したかったが止めておく。
 大場信一郎らが生駒の旅館で動画と同じ事をやったと当たりを付けていた。この女将は躰を提供してこの旅館を護ったと察しもついている。
 館山弁護士もこの線ではそれ以上大場信一郎らを追及したくはない。
 
 十二月十六日。
 和歌山。岬ビューホテル。
 今月は連休がない。深夜のショーとなる。
 生贄は在籍のコンパニオンで充当された。桜田明亜という。
 今回も投票で選ばれた。
 そして普通のスーパーコンパニオンである。
 桜田明亜は泣きながら拒絶した。
 それを数日掛けて説得したのである。
 桜田明亜はコンパニオンのミニスカスーツで登場する。
 六十二名が入った座敷である。
 桜田明亜の躰は座敷の人数で震えていた。
 いくらスーパーコンパニオンでもこの人数の前で脱ぐのは躊躇う。
 回転テーブルが回り始めた。
 震えた手でジャケットを脱ぐ。
 スカートのファスナーがなかなか下りない。
 会員らの目にありありと桜田明亜の手の震えが判る。
 香乃子が立って脱がすのを手伝う。
 ブラを外すと大きさは男の掌に収まるが形の良い乳房が露に成った。乳輪は小さく薄紅に突起した乳首の周りに僅かな存在感がある。
 ショーツを脱がすと黒い塊が咲き誇っていた。
 青木学が演台に拷問椅子を載せる。
 剃毛からである。
 直ぐにモニターがルーレットに変わる。
 剃毛は三十代のやや小太りの会員が当たった。
 桜田明亜は拷問椅子に乗せられて大股開きにされてしまうと拷問椅子の背に顔を付けて下を向いて固まってしまう。
 会員はまず鋏で陰毛をカットする。
 カットした陰毛は競りに掛けられた。
 剃毛が終わると白く肌理の細かい周りの皮膚に比べて紅い皮膚が丸出しに成ってその部分の淫靡さが引き立つ。
 会員は桜田明亜の女の部分を指で広げる。スクリーンにそれが拡大された。
 桜田明亜は泣きそうな表情を真っ赤にして堪える。
 ここでモニターがルーレットに代わって次の会員が抽選された。
 当たったのは宇治原歳加年である。
 再びモニターは桜田明亜の女の部分のアップに成る。
 「お姉ちゃん。こうやってお○○こを広げると膣液が乾いて固まって膜に成っているよ」
 宇治原歳加年は究極の詰り文句を吐きつけた。
 「いやあーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーー。だめ。いや。いや」
 桜田明亜は赤達磨の表情を逸らせて堪らない恥ずかしさに壊れそうに成りながら拒絶する。
 宇治原歳加年はその膜をピンセットで採取してモニターに翳した。
 「あ、あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーー。いやあーーーーー。いや。いや。いや」
 桜田明亜は真紅に染まった顔を振って藻掻くように拒絶する。
 「お姉ちゃん。もっとお○○こを分解してじっくり観察しようね」
 宇治原歳加年の言葉は桜田明亜の脳天に突き刺さった。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーああーーーーーー」
 桜田明亜は行き場のない恥ずかしさに意識が宙に浮く。
 宇治原歳加年は指で広げた小陰唇の内側の薄い緋色の部分からスプーンの先で粕を採取する。
 それを黒いプラスチックの板に載せて翳してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 恥ずかしさに追い詰められた悲鳴である。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は意識が飛んでしまいそうな恥ずかしさ。堪らず叫び続けた。
 いつの間にか桜田明亜の脱いだ下着が宴会場を回されている。続いて黒い板も回された。
 「えーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 先月入ったばかりの新人コンパニオン。個別の座敷で対応する客には全裸で躰を弄らせる。
 だがこんな人数で全裸だけでも熱病に侵されたように躰は震える。
 これがサディストの客には堪らなく嬉しい。
 今だけの愉しみである。
 あと数回ショーや座敷に出れば平然と客の前でオナニーを見せるように成ってしまう。
 宇治原歳加年はクスコを取り出した。
 桜田明亜にもそれが何をするか分かっている。
 「さあ。姉ちゃん。女の一番奥を見せて貰うからね」
 宇治原歳加年はしんねりとした口調で言う。
 「ああーーー。はい」
 言い渡されていたことではある。聞くしかないことは判っている。それでもこの宴会場の中である。
 泣き出しそうな声で返事をする。
 桜田明亜はもうどうにでもなれと頭は真っ白に成っていた。
 宇治原歳加年は恥ずかしさに震える桜田明亜の女の部分を指で広げて膣口にクスコの先端を刺し込む。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は分かっていても悲鳴を抑えられない。
 宇治原歳加年はじっくりクスコの螺子を回して女の奥の院を広げる。
 膣の内壁が広がってゆく。紅と薄橙の斑である。その奥にローズ色に近い子宮口の周りの粘膜の盛り上がりが姿を現した。
 中心には子宮口の亀裂が確認される。
 そしてローズ色に近い奥の粘膜に白く濁った膣液の様な付着物が確認された。
 スクリーンにくっきりとクスコの楕円の内部が拡大されている。
 「・・・・・」
 顔を叛けても恥ずかしさはさらに桜田明亜の脳天を突く。
 宇治原歳加年はロングスプーンで付着物を救い出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜はまた泣き悲鳴に成る。
 同じように黒い板に載せてカメラに翳した。そしてまたそのまま宴席に回覧される。
 宇治原歳加年はさらに膣の奥から白く濁った液を掬い出した。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は目を細め眉間に三重に皺を刻んで顔を振って泣き悲鳴を上げる。
 会員一人五万。合計百五十万を提示されていた。スーパーコンパニオン一か月の稼ぎより大きいのである。
 ルーレットが回って六十代の会員が交代した。
 大きな先の固めてないぼさぼさの筆を持っている。
 まずは膣にローションを流し込む。
 筆を膣の奥に突っ込んで回す。
 「あーーーーーーーーーーーーーはんはあん。あああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は敏感な部分を弄(まさぐ)られて声を抑えられない。
 六十代の会員は娼婦の泣き処を含めた膣の奥を大筆で弄り続ける。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は六十代の会員が責めるままに藻掻き続けるだけである。
 クスコの口からは既にどろりとして白と半透明が斑に濁った膣液が流れ出ていた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 六十代の会員は筆を強く奥で回して毛の部分を口まで引く。
 桜田明亜の膣液が洪水の様に流れ出た。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その膣液を六十代の会員の席に付いていたSMコンパニオンが機転を利かしてグラスで受けてしまう。
 それをカメラに翳したが桜田明亜は悲鳴どころではない。
 股間が強く震撼して腰が迫り上がり上半身を捩って迫る官能に抵抗していた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜の躰は拷問椅子の上で強く突っ張る。そして弾ける。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにまた突っ張る。もう一度弾けた。
 そのまま拷問椅子に沈んで躰を震撼させ続けた。
 六十代の会員は細い面相筆に持ち替える。
 クスコの上に押し上げられた尿道の亀裂を責め始めた。さらにもう一本手にしてクスコの金属の嘴の間に剥き出した横の膣壁を弄る。
 「はあーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁあーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一番敏感な部分を外されて周辺を弄られ切ない声を漏らす。
 六十代の会員は席のコンパニオンに目と顔の動きで合図する。
 「尿道バイブ」
 会員口元が席のコンパニオンに尿道バイブを突っ込めと指示していた。
 コンパニオンは尿道バイブを青木学の席に取りに行く。
 「えーーーーーーーーーーーー。なにそれーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜はそれを見たことはない。だが何となく嫌な想像がつく。
 六十代の会員はクスコの向きを九十度ずらす。尿道がクスコの二枚の金属の谷間に嵌まり込む。
 コンパニオンは拷問椅子の横にしゃがんで桜田明亜の尿道の小さな亀裂に尿道バイブを挿入する。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー。は、ふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はふぁあーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は強烈な違和感に藻?き叫ぶ。
 六十代の会員はクスコの角度を変えて広がった膣天井部を細い面相筆で弄る。
 「ああ、はふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーー」
 女の一番敏感な部分と尿道を同時に責められて為されるが儘に反応し続けるだけである。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また桜田明亜の躰は拷問椅子から迫り上がって上半身を強く捩って藻掻く。
 腰はガタガタに震撼していた。
 コンパニオンは頃合いを見て尿道バイブを奥まで突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーはん。はん。はん。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また桜田明亜の躰が強く弾ける。迫り上がったまま一瞬間固まる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして弾けて沈んだ。
 そのまま白目を剥いてしまう。
 ここで休憩が入れられた。
 この光景にたった一人強く怒っているコンパニオンが居た。
 横溝亜寿香である。
 桜田明亜がいま羞恥の極致にあっても自分が受けた仕打ちに比べたらかなりソフトだとしか思えない。
 なぜ自分だけがあそこまでやられたのか。全く納得が行かない。
 宇治原歳加年、赤座元太、瀬尾勝らとその懇意のコンパニオンらが青木学を動かしたとしか思えない。
 失神してしまった桜田明亜を会員らが次々に覗き込み写真まで取ってゆく。
 それでも横溝亜寿香の怒り沸騰は治まらない。
 もっと桜田明亜が自分と同じレベルに虐められなければ。この先どんなプレイが出るか。それは未定だがそんなにハードになるとは思えない。
 第一自分を羞恥のどん底に堕とした若いイケメンが呼ばれてない。これが許せない。
 横溝亜寿香のは休憩中にトイレに行く。その序でに佐野幸春に電話して確認した。
 「俺は呼ばれてないよ。他の奴らに聞いてみようか」
 「うん。席に付いているからお願い」
 佐野幸春は宴席に居るのならメールで回答すると言ってくれた。
 横溝亜寿香の怒りはさらに拡大して行く。
 プレイは再開された。
 ルーレットは三十代のややイケメンの会員が当たる。
 青子学と岡田弥一郎の二人が掛かって演台に十字架を載せた。
 失神したままの桜田明亜を電子鞭で起こす。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は直ぐに意識を回復して周りを見回した。
 自分が失神してしまった事に気付いてさらに恥ずかしさを噛み締める。
 青木学と岡田弥一郎が二人で桜田明亜を拷問椅子から降ろす。宇治原歳加年と瀬尾勝も手伝って十字架に磔にしようとする。
 三十代ややイケメンの会員は鞭を二本選んで待ち構えている。
 桜田明亜は十字架の横の柱に両腕を広げて手首、肘、二の腕の三か所で固定された。一か所ごとに強くぐるぐる巻きに縄を掛けられる。
 さらに右の脚首を十字架の根元に固定されてしまう。
 「完了です」
 青木学が会員に準備ができたことを伝えた。
 この男は横溝亜寿香の目からも残酷に見える。自分も一回鞭で叩かれた。
 乳房を狙っているのが判る。
 演台が回転し始めた。
 三十代のややイケメンの会員は演台に上って十字架の左側に立つ。
 最初は先端の細くなった一本鞭を持った。
 両方の乳房を目掛けて横に薙ぐ。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 衝動で左脚の膝が乳房の直ぐ下まで蹴り上がった。
 桜田明亜は生まれて初めて受ける鞭の衝撃である。
 「ぐ、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈に躰を震撼させて藻掻く。
 この男は一代で築いた会長の息子でいま二代目社長に就任していた。まだ結婚はしてない。
 SMに目覚めて今は遊ぶだけ遊びたい。
 横溝亜寿香の目にも無茶振りする会員と映っていた。
 二発目を構える。
 「・・・・・」
 桜田明亜は恐怖に引き攣った表情でそれを見る。
 容赦なく叩いた上からまた薙ぐ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふ、う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 跳ね上がった桜田明亜の膝は乳房を庇うように跳ね上がったままそこで躰を強く震えさせて藻掻く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。ああん。はあ。はあ。はあ。はあ」
 叩かれた後しばらく荒い息遣いである。
 十字架にぶら下がるようにして躰を振って藻掻き続けた。
 そして乳房に真っ赤な筋が浮かび出している。
 かなり強い鞭である。
 さらに桜田明亜の目から涙が溢れだした。
 「ううん。ううーー。うはん」
 三十代のややイケメンの会員は効果を悦びの目で愉しむ。そしてその上から三発目を叩き込んだ。
 「あおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜の躰はブルブル震える。
 かなり的確に強い力で乳房を叩いていた。
 「ぐわはあーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いで震えながら涙をぽろぽろ零す。
 それでも男は息遣いの終わるのを待たない。
 構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は涙を振り飛ばして叫ぶ。まだ痛みが引いてない。この状態で叩かれては堪えられない。
 鞭はその叫びを叩き割るように乳房の膨らみをへしゃげる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また膝を強く蹴り上げた。そしてそのまま腰が崩れて十字架にぶら下がってしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐあふぁああーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。はーーあはん」
 桜田明亜は腰の力が抜けてしまった。強く縛られた両腕で十字架にぶら下がったまま泣き続ける。
 三十代のややイケメンの会員はその太腿を両脚揃えて薙いだ。
 「うごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は十字架にぶら下がったままさらに躰を震撼させる。
 三十代のややイケメンの会員は割り当て回数に成ったのにもう一発構えたが青木学が制した。
 この会員はここまでである。
 桜田明亜は十字架から降ろされて青木学の手で演台にま〇ぐり返しにされた。
 そして演台の高さが五十センチ上昇する。
 「電子鞭です」
 モニターがルーレットに変わって四十代の会員が抽選された。
 「何処に当てても良いか」
 四十代の会員の目は桜田明亜の女の部分を見ている。
 「はい。一人五発ですが局部と乳首は一人一回です」
 青木学は確り制限した。
 横溝亜寿香はそれも気に入らない。完全に自分の時より軽いと思う。
 四十代の会員は制限を弁えて乳輪のギリギリ手前に当てた。
 「うがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜の躰は瞬間弾けて震撼する。
 「い、いたいいーーーーーーーーーーーーーーー」
 表情は強烈に青ざめていた。
 四十代の会員は二発目を先ほど剃毛されたドテに当てる。
 「あーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 強烈に躰が弾けて震撼する。そして顔はブルブル震えた。
 電子鞭が相当に怖いらしい。
 四十代の会員は三発目を乳首に当ててしまう。
 「ぐがあはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 さらに強烈に弾ける。
 そして顔は汗を噴き涙も滲んでいた。
 「いーーーーーーーーーーーーたい。いたい。いたい。いたい」
 桜田明亜は泣き叫ぶ。
 電子鞭が異常に怖い。
 四発目はクリトリスの包皮に当てた。
 「ぐーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は腰を迫り上げて震撼させ藻掻く。
 四十代の会員は最後の愉しみと女の部分を指で開いた。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。それはだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖に顔を振って泣き叫ぶ。
 電子鞭を粘膜に近づける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖に表情は破裂していた。
 四十代の会員は尿道と膣の間の粘膜に当てる。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に引き攣った悲鳴である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に失禁してしまった。
 休憩を入れて青木学が桜田明亜の股間と腹から首筋に流れた潮を拭き取る。
 モニターはルーレットに変わって次の会員が選出された。
 当たったのは横溝亜寿香が付いている会員である。
 横溝亜寿香はこの会員にずっと女の部分に指を入れられていた。
 五十代の恰幅の良い男である。福岡南新地、雄琴、金津、大宮、吉原、いわきにソープランドを経営している。
 何度も唇を貪り乳房に手を当てて女の部分に指を入れながら観戦していた。その興奮度が指や手、口から伝わってくる。
 十分な花代を貰っているのでされるが儘である。
 「俺が当たったな。お前あの女に怒っているだろ」
 「ううん。私と同じくらいハードにしてほしいの」
 「やるか」
 五十代恰幅の良い男は面白いから横溝亜寿香にやらせようと勧める。
 「ううん。お○○こに最後の一発突っ込んで」
 もうこの男が個室でプレイする時間はない。横溝亜寿香はこの責めが自分に返ってくることはないと思い構わず言ってしまった。
 自分がやる訳には行かない。その次に自分が生贄に成ったらもっとハードに成ってしまう。
 五十代恰幅の良い男が立ち上がる。
 桜田明亜は失禁尿を拭かれても躰はブルブル震えていた。
 最初からクリトリスの包皮の上に当てる。
 「あがあーーーーーーーーーーー。ぐう、ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また目に涙を浮かべながら躰を強く振って藻掻く。
 「ふふぁあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか震えは治まらない。涙は号泣のように流れ出る。
 次は大陰唇に当てた。
 「あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように藻掻き暴れ悲鳴を絞り出す。
 五十代恰幅の良い男はもう一回大陰唇を狙って構えた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は涙を溢れさせ顔を強く振って拒絶する。
 横溝亜寿香の興奮度は一気に上がった。
 五十代恰幅の良い男は横溝亜寿香の方をちらり見て哂う。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は眉間に三重に皺を作って強烈な泣き顔で叫ぶ。
 五十代恰幅の良い男はそのまま押し付ける。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に藻掻く姿が会員らの脳天を淫靡に刺激し続けた。宴会場は興奮の坩堝である。
 あと二発。最後の一発に期待を賭けて横溝亜寿香の興奮は高まる。
 桜田明亜の躰はま〇ぐり返しのまま震え続けていた。
 「あーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。あはあ」
 うわ言のような息遣いである。
 五十代恰幅の良い男は予測に反して四発目を臍に当てる。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 桜田明亜は腰を強く揺すって藻掻く
 「うぐうーーーーーーーうーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を揺すって涙を流していた。
 最後の一発にいよいよと横溝亜寿香は躰を乗り出す。
 五十代の恰幅の良い男は桜田明亜の小陰唇を指で広げる。
 「えーーーーーーーーーーそんなーーーーー」
 桜田明亜は泣きべそ顔で叫ぶ。
 五十代の恰幅の良い男は電子鞭のボタンを押さないで膣口に先端を刺し込む。
 「・・・・・」
 桜田明亜は痛みが襲わなかったので瞬間悲鳴を抑えた。
 五十代の恰幅の良い男は電子鞭を弱めに調整する。
 女で商売する者である。女性を潰す事は避ける習性がついている。
 もう一度横溝亜寿香を一瞥してボタンを掴む。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間が強烈に弾ける。
 桜田明亜はそのまま口から泡を噴き白目を剥いて失禁尿を垂れ流してしまう。
 宴会場は瞬間無言のどよめきに包まれた。
 青木学はここで休憩を入れて桜田明亜の様子を見る。
 「かなり弱くしたつもりだがな」
 五十代の恰幅の良い男はやや言い訳気味に言う。
 青木学は五十代の恰幅の良い男と宇治原歳加年の手を借りて縛めを解いて布団に寝かせる。
 数回ビンタして意識は戻った。
 「ああふぁあああ。あ、ああーーーーーーーーーーん」
 桜田明亜は恐怖に震える。
 休憩が終わりもう一度まんぐり返しに演台の上で縛る。
 ルーレットは赤座元太に当たった。
 青木学はリモコンから延びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムと尿道バイブを渡す。
 「気持ち良くして失神か」
 赤座元太もここは青木学の意図を組む。
 「それが」
 青木学も今回はそれが無難と詫びる。
 「可愛い子だ。今回で潰すことはないな」
 赤座元太も先を考える。
 横溝亜寿香はその言葉にまた怒りが沸き上がる。
 自分なら潰しても良いのだな。そういう意向と受け取ってしまう。
 だが適切に自分が傷つかないで報復する手段は今日までいくら考えても思い当たらない。
 
 十二月十八日。
 紀咲槙乃は大阪の病院で手術後の状況を聞いていた。
 利根川元教授の説明でクラブ麗の仕事には支障が無いとだけは納得する。
 子宮は摘出されていてもう結婚も子供も産めない。そこは運ばれた埼玉の病院の診断と変わらない。
 斬られた乳首は成形され感度は戻っていた。
 クリトリスと膣の感度も利根川教授の指で概ね証明されたのである。
 医療費は約一千万で済んだ。
 紀咲槇乃はある程度の状況は回復したが連続拉致強姦事件の六人への怒りは一時たりと治まらない。
 もしも感度が戻らなくて子供を背負って生きて行くのは気が狂ってしまいかねないと思う。
 子供は居たら自殺はできない。それを知って女の苦しみを愉快に愉しむ何とも酷すぎる。それがあの連中の遊びなのである。
 自分のような不幸のどん底の女をどうしてこんな目に遭わせるのか。五千万を風俗嬢だからくれたと言う。
 そんな事で許せる訳はない。
 如月鬼堂は大場信一郎がその中に居なくても関係ないとは言い切れないと言っていた。
 その線から行くしかない。
 紀咲槇乃は新幹線を乗り継いで大宮駅まで着く間に決意を固めた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 暖冬と雖も寒い。おでんを煮ながら日本酒をコップ酒で飲み続けていた。
 「山田錦。俺たちが若いころは二銘柄しかなかったが随分増えたな」
 印刷会社の社長が昔を思い浮かべる。
 「日本酒はかなり旨くなった。もう殆どお燗する奴はいないな」
 川口の会長である。
 「もとより純米や吟醸は冷で飲んで旨いものだ」
 葬儀会社の社長が断言する。
 「しかし今の庶民は知識階級とマスコミのいう事をそのまま鵜呑みに受け入れだな」
 廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「まったく。必要悪が分からない。政治と金で汚い金が増えても世の中の景気が良く成れば良い。江戸庶民は田沼時代を良かったと言えた」
 川口の会長がぼやく。
 十代将軍家治時代の賄賂老中田沼意次の下屋敷には賄賂を持った相談者が多く押し掛ける。
 江戸の町は潤っていた。
 それが松平定信の代に成って厳しく締め付けられる。綺麗な社会に成れば貧乏に成る。
 汚い金ほど庶民社会を潤してくれるのである。
 だから江戸時代の庶民はストレートに田沼時代を懐かしがった。
 「あの裏金は安田一強時代のものだろ。その時の指導者はもう居ない。汚い金の規模が小さい分経済も良く成らなかったが」
 印刷会社の社長は皮肉りながらどっちも避難している。
 「どうせ。近々岸元内閣退陣で幕引きだろ。政権交代には至らない」
 川口の会長の見解である。
 「的外れの政策ばかりだ。少子化対策などやるだけ無駄。経済と叫んで経済対策は二階から目薬。給付は多少効果ありだが減税は全く意味がない」
 印刷会社の社長は役に立たない内閣には退陣してもらうが良いと言う。
 「広島で余分なことして一時的に支持率回復させたがな」
 「全く余分な事だ。ゼレンスキーなど連れて来て日本がロシアの矢面に成ることはない」
 印刷会社の社長は言い切ってしまう。
 「知識層は挙ってウクライナもパレスチナも日本の役割はと言うが日本が手を出すことではない」
 葬儀会社の社長も同意見である。
 「その通りだ」
 川口の会長も認めた。
 「アングラマネーで内需を拡大して潤ってくれるのが一番良い。ホストに厳しくするが女がホストに嵌って風俗で稼いでくれるのが内需の拡大だ」
 「たくさんの男に身を任せて少しずつ稼ぐ。それを集めて所詮悪銭身に付かずでホスト遊びして嫌な思いとの気持ちのバランスに消耗する」
 「ホストとて店を持つのは僅かな一握り。大方は所詮悪銭身に付かずで消耗して巷に流れてしまう」
 「そうだそれこそ経済効果だ。如月鬼堂とかの言う通り税金を払った金は主婦の管理する預金に凍結する。アングラマネーは使うしかない」
 「しかし嫌な世の中に成ったな。女が痴漢だ、セクハラだ、性的虐待と言えば総て通ってしまう。肉の塊の様な女に性的欲求など起きはしない」
 葬儀会社の社長は強く怒りを吐く。
 「ところであのSMクラブの女。乳首整形して膣とクリの感度だけ回復したのだろ」
 「SMクラブ嬢は続けられる」
 「ちょっと早かったな。もう少し苦しんで欲しかったな」
 「そうだな。だがそれよりもう少し潔癖社会に天誅したいな」
 葬儀会社の社長が言い出す。
 「賛成だ」
 運送会社の社長も同意した。
 「今度の目標は」
 「立憲国民党で立候補して落選した女優はどうだ」
 「少し歳じゃないか」
 「まだ三十代だ」
 「それに天誅にはピッタリだ」
 話は纏まった。
 練りに練った作戦で杜永千郷の拉致は行われる。
 専用にロボット一体が用意され寺門一、玉川亮、東秀雄の三名に前金二十五万。後金七十五万で依頼された。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 今年は一週間早く越後湯沢から豊洲に移動した。毎年の移動工程である。
 一月の下旬には宇佐美に移動する。
 豊洲は越後湯沢の半分以下のスペースだが素晴らしいロケーション。だが使うのは年に一か月だけである。
 残る期間は一部の部屋を閉鎖してプレイルームに貸し出していた。
 如月鬼堂の所有するプレイルームはかなりの物件を持っている。この収入は目立たないがかなりのものである。
 だが、掃除と管理の人件費が掛かる。
 「ねえ。パパ。今年も年末手当出してあげないと。給付はまだ実行されないし。減税は支持率が下落するくらい意味がないよ」
 特別な汚れ方のするプレイルームである。珠洲はその掃除頼んでいるパートの生活を心配する。
 「政治資金に火が付いたのでそっちはお座成りか」
 如月鬼堂もこのパートは大切である。
 「判らないけど。でも間違いなくみんな生活は苦しいよ」
 珠洲は如月鬼堂の養女に成るまではパートで働いていた。生活の苦しさが十分に解る。
 「どうすれば良い」
 如月鬼堂は珠洲の計算任せにするしかない。
 「パート一人ごとの一か月の平均収入を一時金で支給してあげようよ」
 珠洲は世の中が収入より物価が上がって苦しいと理解している。だが如月鬼堂は十分に潤っていた。
 珠洲の管理するのは大宮の事務所とプレイルーム。パートや年金生活者は物価だけ上がって苦しい実情を目の当たりにしている。
 大手企業や公務員の年収に比べてドライバーの年収は低いと言うがパートはその半分くらいまで下がるのである。
 「うん。あれをやってもらうのだからな」
 如月鬼堂にも重要な収入源を支える大切なパートと言える。
 愛好会はサークルなので収入にはならない。その会員のプレイルーム利用が収入源と成っていた。
 「あと時給も上げないと」
 「去年一.五倍にしたじゃないか」
 「事務の時給が千八百円平均なの。仕事内容からうちはそれに合わせてあげようよ」
 「うーーん」
 如月鬼堂は瞬間唸ってしまう。
 「いくら社会全体は苦しくても十分にお金の有り余っている人達が使うのだから使用料を上げればいいじゃない」
 「そうだな」
 結局如月鬼堂は今年も珠洲に押し切られてしまったのである。
 そのとき館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 「紀咲槇乃の手術が無事に成功して帰ったとのことです」
 館山弁護士は詳しい状況を如月鬼堂に伝える。
 「子宮以外はそれなりに回復したのだな」
 「そうです。本人はまだ辛い様子ですが」
 「仕方なかろう」
 如月鬼堂も館山弁護士も紀咲槇乃が報復に出ることは予期しなかった。
 
 和歌山。青木学が運営するコンパニオン事務所の寮である。
 桜田明亜はショーの翌日全く起き上がれなかった。
 肉体も苦しいが精神的なショックが強すぎたのである。
 青木学は横溝亜寿香が席の会員にハードな提案をしたのが桜田明亜を異常に辛くしたと見ている。
 結局ショーは会員全部に回らず終了してしまった。
 横溝亜寿香への風当たりはさらに強くなる。
 一方横溝亜寿香は怒りに悶々としていた。
 此処に居ても自分だけが標的にされハードに扱われる。もう顔出しを一時的に割り切って金津の高級店で数年働く事を考えてしまう。
 そして此処を離れるならあの三人に報復したい。
 横溝亜寿香は気分が落ち着かない紛らしに若い男に連絡を取る。高田淳乃が掴まった。
 名古屋に出て東新町のラブホテルで逢う。
 横溝亜寿香には若い男と遊ぶのが唯一の悦びである。高田淳乃は明日の乗務があるので夜には解放しなくてはならない。
 狂ったように求めた。
 高田淳乃も若い彼女にはできない事をさせて貰える。明るい部屋や風呂の中で躰を絡めた。
 二回抜かれたが女の奥までアイテムで弄らせて貰えるのが嬉しい。
 若い彼女と言っても横溝亜寿香と五つくらいの違いである。
 だが普通の日常を送る女性と風俗嬢の性に対する大きな差と言える。
 そして彼女と比べたら横溝亜寿香は遥かに良い女である。
 「ねえ。私が金津で働いても遊んでくれる」
 「いいよ。お店には行けないけど」
 「来ちゃだめよ」
 横溝亜寿香にとって高田淳乃らは仕事とは別である。
 その日は栄のホテルで食事をして高田淳乃は勤務に向かった。横溝亜寿香はビジネスホテルに泊まって翌日金津に面接に向かう。
 店長は横溝亜寿香を見て殊の外満足な表情である。
 「貴女なら顔出ししなくても指名取れると思いますよ。出しても一回だけで十分ですよ」
 勿論リップサービスである。
 一回出せばズルズルと何度でも出してしまう。
 岬ビューホテルのように寮はない。アパートに子供と入居するしかなかった。
 それでも店に出ている時間の託児所と言い訳電話だけは完備している。
 百五十分十万の店である。容姿、スタイルともに求められる。面接で全裸に成った。
 自分の収入は客一人につき七万である。そこからある程度のものを引かれる。
 だが今の横溝亜寿香の胸中は報復だけである。
 
 十二月二十日。
 地域によっては豪雪に見舞われていた。
 杜永千郷を赤坂に迎えに行くタクシーを組織が狙う。
 ロボットはその運転手そっくりに作られていた。
 ロボットが目標のタクシーに客として乗り込む。タクシーの走行中に催涙ガスを使った。
 運転手が眠ったところで直ぐに助手席に移動してロボットがハンドル操作する。安全な無人家屋の裏に止めて運転手の衣服を奪う。
 そのまま運転手を簀巻きにして放置した。
 ロボットが運転手のスマホを持って杜永千郷を迎えに行く。
 赤坂で待って杜永千郷を乗せて自宅に向かう。途中で催涙ガスを充満させて眠らせた。
 運転手を簀巻きにした無人家屋まで来てタクシーを放置する。
 此処で玉川亮が病院出しの霊柩車で待っていた。
 眠らされたままの杜永千郷に麻酔を注射する。そのまま特殊な袋に入れてさらに棺に入れて出発した。
 途中から東秀雄が交代する。
 東松山で寺門一がパッカー車で待っていた。
 棺ごとパッカー車の中に放り込む。
 寺門一もパッカー車を指定された空き地に止めて其処を去る。
 海外を経由した携帯番号で川口の会長に完了を連絡した。
 「金は明日入る。暫く温泉にでも浸かっていろ」
 「判りました」
 寺門一らも何の為にこんな迂回移送をするのかは分からない。これが川口の会長の用心深さである。
 総て防犯カメラの位置はデータが取得されていた。それを避けて移送するのである。
 最後は普段山奥に隠しているキャンピングカーでアジトに運ぶ。
 
 十二月二十一日。
 豊洲。如月鬼堂の居間。
 十時を大幅回ってベテラン女性アナウンサーの名前の付いた報道番組である。突然緊急速報で杜永千郷の行方不明が報じられた。
 杜永千郷を乗せたタクシー車両とす巻きにされた運転手が発見される。だが杜永千郷の行方は分からない。
 「また奴らが動いたな」
 「立憲国民党から立候補して落選した女優でしょ」
 珠洲は覚えていた。後ろから瀬里菜の淹れたコーヒーを差し出しながらテレビ画面を見て言う。
 「何が狙いなのか。主張を込めた拉致かもしれん」
 大方の報道が政治資金問題で覆いつくされている。その真っただ中でそれほど若くはない女である。
 世間を強く騒がせたいこの犯人の意図は理解できる。
 間も無く館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 ロボットがタクシーを奪って運転士に成り済まして杜永千郷を拉致したまでは推測できたのである。
 それ以外の事態はまだ憶測さえつかない。
 その後に本多椿も加わって土曜日までに進展した場合の打ち合わせが続けられた。
 
 さいたま市大宮区。クラブ麗のプレイルームである。
 紀咲槇乃は大場信一郎の身辺を執拗に洗っていた。週に一回だけクラブに稼ぎに来る。
 その日はスタンダードコースで僅かな稼ぎだった。
 そのまま調査に向かう。
 大場信一郎は殆ど本社に出ない。大方の運営は副社長と専務が行っていた。
 どちらも親族ではない。
 大場信一郎に親族はいない。どちらも子飼いの従業員である。
 普段は埼玉奥地の営業所に隣接した自宅に居るらしい。
 近くの友人の山荘で飲んでいることが多いと突き止めた。
 其処が連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトではないか。紀咲槇乃はそう色めき立ってしまう。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 杜永千郷は地下に運び込まれたままであった。
 魚介類を焼きながら生ビールで杜永千郷を拷問する会議中である。
 「思いっきり怒らせてあの女の気性の強さを剥き出しにして叩こう。いくら主張しても知識階級の受け売り理論だけと叩けば面白い」
 印刷会社の社長は気性が強いが根本的理論武装が無いと曝け出して理論的に叩いてから裸を晒しものにしようと言う。
 「年齢の割に躰は綺麗だったな」
 医者の男である。
 「そんなに使ってないイメージだな」
 葬儀会社の社長は杜永千郷に男性経験は多くないと見た。
 「何回も失神させて躯を晒しものにするか」
 運送会社の社長である。
 「蛇で半分ノイローゼにしてやろう」
 医者の男はとことん後遺症を作りたい。
 「そうだな。気狂いにまではしないで苦しみを味わい続けて貰うか」
 葬儀会社の社長は乗る。
 「いいや。正常なままの方が良い」
 川口の会長は反対する。
 「しかし検察は遂に元官房長官の事情聴取に踏み切ったな」
 「どう見ても火達磨だからな」
 「今の総理が退陣して概ねの幕引きだろ」
 「退陣は間違いないが。幕引きには成るかな。そして来年は政治が何もできず経済は自然回復と見るな」
 川口の会長の見解である。
 「夜から始めるか」
 「そうだな」
 医者の男が地下に降りて準備を始めた。
 眠ったままの杜永千郷の膣にスポイトでウオッカを流し込む。少し悪戯をしたである。
 上の階では火を使っていても寒い。年配者ばかりなので暖房を焚いて飲むと眠く成ってしまう。
 寒いだけに麓の町は空気が澄んで綺麗に見える。
 本日は鉄板ではなく七輪が六個使われていた。中は練炭である。上でホタテ、ハマグリ、牡蠣、鮑が焼かれている。
 天井には強力な換気扇が回っていた。
 鮑が貝殻の上で焼かれて踊る。動きが止まったら焼き上がりである。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間。
 二十三区内なので主なメンバーが集まり易い。
 正月の愛好会の催し物の打ち合わせである。
 大河内税理士、館山弁護士、杉下一行、福富麻次郎、そして熱海、長野、生駒の三店舗の店長及び真性奴隷女の館の樽常マネージャが来ていた。
 「今回は三店舗の他に全部のプレイルームも使って観音ホールも使って分散型で行いたいと考えております」
 大河内税理士が立案者である。
 寿司桶が四枚出前されてビールが注がれていた。
 「一日だけだな」
 「二日の夕方から三日の夕方まででどうでしょうか」
 「うん。女性の数は」
 「三店舗はコンパニオンだけです。ショーはプレイルームで時間交代です」
 「各会場への中継と配るファイルはカメラの角度を変えれば良いか」
 会場で共有して見るのは局部を出さない。後日配るものは海外サイトから無修正をダウンロードする。
 「そうです」
 「だが会員に撮影させるか」
 「いいえ。二クルーで撮影部隊が交互に移動します」
 「成程」
 「しかし会員の負担額は高くなるな」
 「既に瀬里菜さんにアンケートは取って頂いております」
 「パパ。プレイルームは抽選よ。そこだけ多く負担して貰うの」
 瀬里菜がカウンターから説明した。
 「他の人達は異論はなし」
 如月鬼堂は全員に確認する。
 「アンケート結果ではプレイルーム希望者が多く負担金の問題は有りません」
 大河内税理士が断言してしまう。
 異論を言う者も居なかった。
 「そうか」
 如月鬼堂も納得する。
 「ただ総てのプレイルームがショーに成る訳ではないです。二十四会場だけです」
 大河内税理士が忘れていたように付け加える。
 「残りのプレイルームは」
 「ショーに出ないクラブ嬢が行きます」
 「そうか。全部動員だな」
 話は纏まった。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。その地下のスペースである。
 杜永千郷は壁に全裸でX字開脚に吊るされていた。
 両腕を広げて二の腕、肘、手首の三か所を壁に埋め込んだフックに縛った縄で吊るされている。
 乳房の下の縄が壁のフックに吊るされていた。
 腰にはベルトが巻かれている。そしてX字開脚にされた脚を膝から脚首に掛けた縄が壁のフックから吊るされていた。
 杜永千郷はまだ麻酔で眠らされたままである。
 躰にスポットライトを当てて開始する。
 川口の会長が先端に四角い蠅叩きの様な革のスパンキングが付いた一本鞭を持つ。
 それでビンタする。
 撮影は印刷会社の社長である。
 まだ意識を回復しない。
 二発。三発。川口の会長はさらに力を籠める。
 四発。
 「うぐう」
 杜永千郷はようやく目をしょぼしょぼさせた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間。顔を振って強烈に叫ぶ。
 自分だけがスポットライトを浴びていた。
 黒装束が六人。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おま、え、ら・・・・・あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は事態を悟ってさらに強烈に叫ぶ。
 局を出てタクシーが迎えに来ていた。いつもの運転手。そのまま眠ってしまったようである。
 「なぜ」
 杜永千郷はどうしてこう成ったか分からず呟いてしまった。
 「テレビであんたが行方不明。乗せたタクシーの運転手は空き家で簀巻きにされていたと報じられていたぞ」
 葬儀会社の社長が状況を説明してやる。
 「何で私を浚うの。私は人気女優よ!!」
 杜永千郷はヒステリックに叫ぶ。
 「ほう。選挙は落選。女優業も斜陽じゃないのか」
 葬儀会社の社長が言葉を叩きつける。
 「そんな事ありません」
 杜永千郷は強気に否定した。
 「この動画が公開されたら今度は無修正AV女優で人気が上がるでしょう」
 今度は運送会社の社長が詰る。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。さつえいするなーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は奥のカメラに気づいた。
 「あきらめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川口の会長がX字開脚にした杜永千郷の内腿を同じ鞭で叩く。
 「うぐーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はまだ強気で吠える。
 「お○○こ丸出しでいくらでも吠えろ」
 川口の会長が同じ鞭で股間をひっぱたく。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。い、いい、たいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は吊るされた躰を揺すって叫ぶ。
 「このご時世だよ。立憲国民党を代表してお前にお仕置きだ!」
 今度は産業廃棄物収集運搬処分業の社長が杜永千郷の女の部分を叩いた。先端が長方形の革二枚に成った一本鞭である
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに小刻みに躰を暴れさせて藻掻く。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 痛みはなかなか治まらない。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あたしはぎいんじゃないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は震える声で叫ぶ。
 「おばさんじゃ動画に成らない。お前が辛うじて対象者になる。俺たちの綺麗事社会への怒りだ。経済の足を引っ張るな!!」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長は包皮が被ったままのクリトリスを鞭の先端で叩く。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は大口を破裂させ悲鳴を絞り出す。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 指名手配さえできてない連続凶悪犯である。警察の捜査に全く引っかからない。既に杜永千郷は恐怖を通り過ぎていた。
 「絶対に許さないぞーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はそれでも腹の底から怒りを叫ぶ。
 「ぐふぁあーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーー。ああ。ああ。あは。はあ。はあ。はあ。はあ」
 何処までも荒い息遣いで痛みに藻掻く。
 「良いか。社会の末端に金が回らないと俺たちは本当に儲からないのだ。お前らの政策で綺麗な金だけに成ると末端から冷える」
 今度は運送会社の社長が言葉の最後に叩きつける。
 だが表の収入が冷えるだけである。この連中は闇では十分に儲かっていた。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷の目は怒りの表情で忍者姿黒装束を睨んだまま眉間に強い皺を刻んで大口を破裂させる。
 表情の濃い杜永千郷である。怒り苦しむ表情が加虐心をそそらせた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんことないーーーーーーーーーーーーーーーー。私たちは末端の味方だ。ぐぐううーーーー」
 杜永千郷は強い眼力で痛みと反論を訴える。
 「お前らの綺麗な社会と綺麗な金にしようと追及する事が巷に金が回らなくするのだ。お前らが邪魔なのだ」
 川口の会長が苦しむ杜永千郷に言葉を叩きつけた。
 「がはあーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。なんでよーーーーーーーーーーーーー」
 「どっかのエロ小説家の言葉じゃないが税金を払った金は堂々と主婦の管理する預金に凍結する。アングラマネーは使うしかない。それが末端経済を潤す」
 「そんなあーーーーーーーーーーー」
 「世の中汚い金と綺麗な金がバランスとれていて良いのだ」
 杜永千郷の言葉を遮って川口の会長が言葉を浴びせる。
 「それじゃ悪が蔓延るよ」
 「必要悪だ」
 そのとき壁の両側から運送会社の社長と産業廃棄物収集運搬処分業の社長が指で杜永千郷の女の部分を広げた。
 「やめろーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 「ふぁふぁふぁふふぁ。社会に衆議院選挙に落選した二線級有名人候補杜永千郷の局部公開だ」
 印刷会社の社長がカメラの横から詰る。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は喚き続けた。
 医者の男がクスコを翳す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 その前に両側から運送会社の社長と産業廃棄物収集運搬処分業の社長が杜永千郷の膣口に指を突っ込む。それを左右に強く広げた。
 「こらーーーーーーーーーーなにするーーーーーーーーーー」
 気性の強い女の口調で叫ぶ。
 薄橙と紅の斑になった内側の粘膜がモニターにアップに成った。
 「女優さん。お○○この粕も確りアップで公開ですよ。マニアの方が永久保存です」
 印刷会社の社長がまた詰る。
 「やめろーーーーーーーーーー。うはあーーーーーん。ううふぁああんーーーーーーーーーー」
 遂に泣きだしてしまう。
 「ふぁふぁふぁふぁ。この上なく恥ずかしいねえ女優さん」
 印刷会社の社長がさらに詰って愉しむ。
 「おーーのれーーー。ふはあーーーーーん。ううーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は怒りを破裂させて泣く。
 それを無視して医者の男は二人が指で強く広げている膣口にワセリンを塗ったクスコを挿入する。
 「あはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 号泣してしまう。
 印刷会社の社長がレーザーでクスコの中を照らす。
 中は薄橙の粘膜が広がっている。
 その奥には薄橙の盛り上がりが確認されその中心に鈴口の様な亀裂がくっきり見えた。
 「女優杜永千郷の女の奥の院で御座います」
 また印刷会社の社長が詰る。
 「子宮口付近の盛り上がりの周りに膣液の少し固まった粕が」
 運送会社の社長が指摘してしまう。
 「ううーーーーーーーーーーーーん。ううふぁああーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き喚く杜永千郷の美人顔が究極に可逆心をそそらせた。
 医者の男が長いピンセットで粕を絡め取る。そのまま杜永千郷の目前に翳してカメラにも翳す。
 「あーーーーーーーーーー。ああはーーーーーーーーーー。うう。だめ。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はまた涙を溢れさせた。
 医者の男はさらにピンセットで中を探る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は顔を振って悶えるように叫ぶ。
 医者の男が僅かな粕をピンセットの先で抓みだす。
 「いーーーーーーやーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに顔を強く振って泣き叫ぶ。
 「さあ。次は逝き顔と潮吹きだ」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。こんな凌辱されて逝くわけないぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はまだ強気で叫んでいた。
 「これを見ろ」
 川口の会長がテーブルを指さす。
 テーブルの上に電マ、ローター数個、ドリルバイブ、柄付マイクロローター二本、尿道バイブが置かれていた。
 「ちくしょーーーーーーーーーーーー。そんなもので!」
 「ふっふっふ。耐えられた奴は居らん」
 医者の男がクスコの向きを九十度回す。膣天井部を責める為である。
 運送会社の社長と産業廃棄物収集運搬処分業の社長がリモコンの先に延びたアームの先端にL字にマイクロローターの付いたアイテムを持つ。
 片手で太腿を掴んでクスコの奥にある敏感な部分を探ってマイクロローターを当ててスイッチを入れた。
 「ううーーー。うう。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は吊るされた躰を揺すって藻掻く。最初から声は抑えられない。
 顔を強く振って藻掻き続けた。
 「うはあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー。ううぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 襲ってくる理不尽な官能に無理に堪える表情は異常に美しく加虐心の強い者をそそらせる。
 「う、うう。ううーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 眉間に三重に刻んだ皺とほうれい線が微妙に時に険しく揺れた。
 きつく瞑った目から僅かな涙が零れてしまう。
 「ううーーーーーーー。うう。いやああーーーーーーーーーーー。いや。あはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーー。うぐうーーーー」
 杜永千郷は十分以上抵抗を続けた。
 「うーーーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 吊るされた腰をやや突き出して固まる。その躰を捩ってまた位置を変えて固まった。
 「いやあーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クスコの二枚の金属の間に嵌った尿道口から失禁尿が飛び出してしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿は断続的に弧を描いて流れ出す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。はあーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 杜永千郷は悔しさの籠った表情で目を伏せて荒い息遣いで震えが止まらない。
 風俗やAVに関与しない表社会だけの女。そんな優杜永千郷には有り得ない屈辱である。
 「ちくしょう。なんてことをーーーーーーーーー」
 息遣いが治まりかけると歯を剥き出して叫び怒りを破裂させた。
 「まだまだ。失神するまでだ」
 川口の会長が宣告する。
 「女の悦びを躰の髄まで覚えて貰う」
 医者の男である。
 「そんなことしてーーーーーーーーーーー。なんに」
 「お前の躰はまだ僅かにしか女の悦びを知らない。女の悦びをとことん覚えさせてそれを絶つ」
 「なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 
 十二月二十五日。
 早朝。上総松丘駅で久留里線始発上りの運転士が置き去りのキャリーバックを発見して通報した。
 中に収納されていたのは全裸の杜永千郷である。
 朝の報道番組で速報が流された。
 杜永千郷は眠らされたままで病院に搬送され生命に別状はない。だが躰に障害は受けている模様と報道された。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は報道番組を見た珠洲に起こされた。
 急いでシャワーを浴びる。
 だが杉下一行から現時点でまだ動画は配信されてないとメールが入っていた。
 如月鬼堂はゆっくり朝食のラーメンを作って報道番組を確認する。
 館山弁護士がテレビ会議を繋いで来た。
 「杜永千郷はかなりのこん睡状態の様です。今度も乳首を斬られていて局部を縫われていてその内部も焼かれているとの事です」
 館山弁護士は得られた情報を伝えてきたのである。
 「動画で騒がすのは正月かな」
 如月鬼堂は何となくそんな予感がした。
 「私は民事党の政治資金問題の騒ぎに割り込む事で報道を分散させる目論見と思うのですが」
 「そして社会の混乱を拡散か。館山先生の仰る通りだな。すると年内かな」
 如月鬼堂もそこは考える。
 「いいえ。動画が拡散されなくても報道は年内過熱します。そう考えますと正月がタイミングかもしれません」
 「どっちにせよ三十日のスタジオはない」
 如月鬼堂は暫く検討時間が有るとの見解に成っていた。
 
 十二月二十六日。
 和歌山。岬ビューホテルの客室である。
 殆どの会員は既に日曜日にチェックアウトしている。
 赤座元太と宇治原歳加年、瀬尾勝がまた訪れて飲み続けていた。
 コンパニオンは弘江だけである。
 「亜寿香が辞めたんだよ」
 弘江が切り出した。
 「どこ行ったんや」
 赤座元太が警戒の表情に成る。
 「判らない。自分だけハードにされると怒っていたのだって」
 弘江は佐野幸春から聞いただけである。
 「我々に報復でも考えてなければよいがな」
 既に生贄二人が報復に走っている。それで赤座元太はかなり警戒心が強く成っていた。
 「報復だったら俺たち三人か」
 宇治原歳加年も横溝亜寿香が報復に狙うなら自分らと弁えてはいる。
 「だが亜寿香は若いイケメンらと遊んでいるのだろ」
 瀬尾勝は恥ずかしいプレイをさせられた分愉しんでもいると言いたい。
 「四人にあそこ舐めさせて輪姦してくれって要求したらいよ」
 弘江に横溝亜寿香の行動は筒抜けらしい。
 「報復に来たらどうする」
 「その時は闇のショーでも開いてま〇この中焼いちまおう」
 赤座元太が過激に成る。
 「おい。警察沙汰だぞ」
 宇治原歳加年は何を言っていると咎める表情である。
 「後始末のルートもある」
 赤座元太はもう彼らを仲間内と巻き込む心算でいた。
 「そうね。青木と岡田が知っているよ」
 弘江も一回関わっていたのである。
 「ところで正月の生贄はどうなっているのや」
 「亜寿香が投票で選ばれていたけど辞めたからね」
 弘江は誰に成るか知らなかった。
 「また木村さんに連れて来て貰いたいな」
 宇治原歳加年はそっちに期待する。
 「そうだよな。究極のお仕置きがやりたいものだ」
 瀬尾勝もそれがやりたいらしい。
 
 十二月二十七日。
 埼玉県警。専従班の部屋。
 紀咲槇乃は金澤佳志乃警部補を訪ねた。
 「あの山は何回か捜査しています。私も行きました。キャンピングカーとワンボックスカーも調べたの。全く関係ありません」
 「あの山小屋の地下に何か有るとは考えられませんか」
 紀咲槇乃はやや食い下がる。
 「いいえ。あの山小屋は岩盤の上に立っているのよ。赤外線センサーで確認しています。地下室など有り得ない」
 金澤佳志乃警部補は全く取り合わない。
 紀咲槇乃は仕方なく引き下がった。
 
 横溝亜寿香は宇治原歳加年、赤座元太、瀬尾勝に報復する手伝いに闇バイトを募る。
 そして赤座元太らに呼び掛けた。
 クラブではなく直接契約でプレイをお願いします。
 名古屋市の奥地大久手の空き家を確保した。
 催眠薬で全員眠らせる。そして隣の家に隠れさせた闇バイト二人に自分だけ起こしてもらう。
 そして三人の玉を潰してやると目論む。
 三人は誘いに応じた。
 だが赤座元太らもこれが報復の罠と感じ取っている。
 赤座元太は木村草太若頭補佐に連絡をする。そして警護を依頼した。
 木村草太若頭補佐は配下を二人連れて赤座元太らを尾行する。
 そしてプレイを行う場所として横溝亜寿香が指定した家まで行く。
 横溝亜寿香は空き家で待っていた。
 赤座元太らは三人だけで家に入る。スマホは木村草太若頭補佐と繋がったままである。
 「どういう風の吹き回しかな」
 赤座元太は俺たちに反抗的だったという態度である。
 「だって稼がないと。ソープだけじゃ足りないの」
 横溝亜寿香は女の我儘ごめんねという態度で繕う。
 「一人十万でいいのだな」
 「でも店に出られないから鞭の痕は無しね」
 「平たいスパンキングなら痛いだけで一時的に表面が赤くなるだけだ」
 「うん」
 横溝亜寿香は確り金を受け取ってしまう。
 三名が入ったところで隣に待機していた闇バイトの二人が催涙ガスを流す。
 「あ、ああ。催涙ガス」
 赤座元太は気付いて叫ぶ。木村草太若頭補佐に聞こえるようにである。
 木村草太若頭補佐らはガスがやや治まるまで待つ。
 隣の家からガスマスクを付けた二人が出てくる。
 木村草太若頭補佐らはこの二人の役割を直ぐに察知した。
 家に入った瞬間後ろから二人を確保する。
 「お前ら女に雇われた違法バイトだな」
 「うう」
 やくざ三人に掴まれて若い二人は震え上がった。
 「いま退散して何も言わなければ不問にしてやる。金は諦めるんだな」
 木村草太若頭補佐の声は怯えている二人に突き刺さる。
 「はい。そうします。ゆるしてーーーーーーーーー」
 「とっととゆけーーーーー」
 二人はガスマスクを捨てて走り去った。
 木村草太若頭補佐は三人を起こす。
 そして横溝亜寿香に麻酔を注射して組織から支給されていた特殊な袋に収めてキャリーバックに詰める。
 そのまま木村草太若頭補佐の車と宇治原歳加年の車で出発した。
 木村草太若頭補佐の高い塀の家に運び込む。既に走行中の車内で遺体処分の手配を済ませていた。
 そして川口の会長から指示を受けて横溝亜寿香のスマホを確保して組員が指定された引き渡し場所に向かう。
 木村草太若頭補佐が不用意に帰らしてしまった闇バイトの二人に見張りを付ける為である。
 横溝亜寿香は木村草太若頭補佐の家の地下室に運ばれた。
 全裸にして拷問椅子に固定する。
 まだ眠ったままである。
 そのまま酒盛りと成った。
 横溝亜寿香が起きるまでそのまま飲み食いしながら待つ。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 正月二日からの愛好会の会合で行うショーの打ち合わせが行われていた。
 だがそっちは大河内税理士を中心に杉下一行、福富麻次郎及び三店舗の店長と真性奴隷女の館の樽常マネージャー任せである。
 如月鬼堂は館山弁護士と本多椿で杜永千郷の拉致問題の検証を行っていた。
 「奴らは防犯カメラの日本地図に匹敵する情報を持っているな」
 「以前にもそう言って居られましたね。それだけのデータを握る組織が何処かに有るのでしょうか」
 「これまでの状況から常に調査を行っているとしか考えられない」
 「でも総ての防犯カメラを避けなければならないということも」
 「遺棄現場付近にはない」
 「ええ。以前には四国まで運んでいました」
 「六日までには公開されるだろう。どこを視点に解説するかだ。紀咲槇乃が拷問された場所は以前と同じ場所だ」
 「春ごろにはもっと広い場所でした」
 「以前と変わったのは防護服が黒装束に統一された」
 「紀咲槇乃は風俗嬢です。これは初めてです。杜永千郷はまだ昏睡状態です。聴取もできません。さらに身体の損傷がかなり酷いとの事です」
 「そこが社会への強烈な不満をぶちまけていると言えるな。そして政治と金の問題のさ中だ」
 「その辺りで犯人像に迫る方向では」
 ここで本多椿が意見を挟んだ。
 「それで行くか」
 「それが無難でしょうか」
 館山弁護士はやや心配である。
 
 木村草太若頭補佐の屋敷。
 「そろそろ起こしますか」
 皆料理も食べ尽くしたころ赤座元太が呼び掛ける。
 「やろう」
 木村草太若頭補佐も了解した。
 そして赤座元太にスパンキングを渡す。
 革でできた団扇の様なスパンキングである。
 赤座元太はそれで横溝亜寿香の頬をびんたする。
 一発。二発。
 「う、うぐ。うう」
 横溝亜寿香は目をしょぼしょぼさせた。
 「こら。叩くんじゃないよ」
 横溝亜寿香は闇バイトの若い二人の心算である。
 「とんだ報復の失敗だな」
 「えーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は赤座元太の声に驚く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 事態を悟って悲鳴を上げる。
 「はっはっはっは」
 「報復は返り討ちのお仕置きだな」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は狼狽と怒りの混沌状態である。
 「俺たちを眠らせてどうする心算だったのだ」
 赤座元太は舌なめずりする口調で確認した。
 「ちくしょうーーーーーーーーーーー。お前らの金玉潰してやったんだよ!」
 横溝亜寿香は自暴自棄。怒りを爆発させてしまう。
 「そうか。それに匹敵するお仕置きだな。どうせお前はもうショーに出ないのだ」
 赤座元太は愉しそうに含みを顔に示す。
 「うぬーーーーーーーーーーーーーー」
 藻?いても横溝亜寿香の躰は確り拷問椅子に磔にされていた。
 「先に輪姦してしまおう」
 宇治原歳加年が提案する。
 「そうだな」
 さいころで順番を決めた。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 朝は寒かったが日中はやや暖かい。日本海側は大雪と大騒ぎだがこっちは暖冬。冷えているのは一般庶民の財布だけである。
 今日もおでんが煮えている。そして寿司屋から出前させた刺身の桶が置かれていた。
 「大船一家の木村若頭また遺体処分を頼んで来た」
 川口の会長が報告する。
 「和歌山絡みか」
 「そうだ。あそこのコンパニオンが辞めて報復を仕掛けて来たらしい。逆に確保してお仕置き拷問。そのあとの処分だ」
 「よく問題が起こるな」
 葬儀会社の社長も懸念を示す。
 「女が闇バイトを雇ったがそいつらを恫喝だけで帰してしまった」
 「それは不味いな」
 印刷会社の社長も危険を感じた。
 「それで女のスマホを所定のルートでこっちに送らせた」
 「見張りを頼んだか」
 「ああ。頼んだ」
 「高い請求だな」
 「仕方あるまい」
 「しかしこれで問題は三人目だな」
 「今回は岬ビューホテルではなく会員三人に報復に出たらしい」
 「あそこ自体を見張るべきかな」
 「組織から会員を一人入れるか」
 「それが良いな」
 「動画はいつ公開する」
 「正月だ」
 「検察が正月返上で働く真っただ中だな」
 「その目論見だ」
 「今度は限りなく残酷にやったからな。マスコミは沸騰するぞ」
 医者の男はそこに期待押している。
 
 木村草太若頭補佐の屋敷である。
 横溝亜寿香を四人が輪姦してさらに木村草太若頭補佐の配下の組員が輪姦した。横溝亜寿香は輪姦されて二回も逝き顔を晒してしまう。
 「この女。強姦で二回も逝くとはな」
 木村草太若頭補佐は呆れる。
 そして拷問椅子に沈んで躯状態を晒していた。
 宇治原歳加年が電気責めの準備に掛かる。
 金属とセラミックでできたこけし型の物を膣に挿入してそれをスタンガンに繋いだ。
 木村草太若頭補佐は離れて蛇の準備に掛かっている。
 「さあ。お〇○こに電流流すぞ」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は咄嗟に叫ぶ。
 宇治原歳加年はスタンガンのボタンを押さえた。
 「うぐああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は表情を軋ませ大口を破裂させる。
 「いたいーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーー。いたい。いたい。いたいーーーー。ぐああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に究極に喚き出す。
 宇治原歳加年は哂いを浮かべてその姿を愉しむ。
 適度にボタンを外す。
 「あはあーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の躰は荒い息遣いで震え続けた。
 宇治原歳加年は治まり掛けるのを待ってまたボタンを押さえる。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に痛みに藻掻く。宇治原歳加年はその姿をとことん愉しみたい。
 「あーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーいたいよーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は大口を破裂させ顔を振って藻掻く。躰は微妙に震えているのが判る。
 宇治原歳加年は五回くらい繰り返した。
 「あはあーーーーーーーーーーー。あはん。いたいーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は遂に失禁してしまう。
 後ろから拍手が沸く。宇治原歳加年は直ぐにスイッチを離した。
 「あはあーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あーーーーーはん。ああ。ああ。ああはん。ああ」
 横溝亜寿香は失禁尿が終わると泣き続ける。
 瀬尾勝はやや太めの歯間ブラシを手にしていた。
 失禁が終わってまだ微妙に震えている横溝亜寿香の股間を拭いてクスコを抜く。そして女の部分のビラビラを指で広げる。
 開いて露に成った尿道の亀裂に歯間ブラシを突っ込んだ。
 「ぐがあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は表情を破裂させて強烈に叫ぶ。
 「ぐはああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 強烈に暴れ藻掻く。
 瀬尾勝はさらに強く奥に突っ込む。
 「ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーー」
 さらに躰を震撼させて切迫した悲鳴を上げる。
 瀬尾勝は一回抜いた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああ。ああ。ああ。あはあーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は僅かにまた失禁してしまう。
 「うはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 流れる尿が尿道に強烈に沁みたのである。
 「あはああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 また痛みに慟哭してしまった。
 全員が美人の泣き顔を悦んで見る。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いで藻掻き続けた。
 赤座元太は金柑を搾っている。
 それをスポイトで吸い上げた。それを膣に近づける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恐怖に泣き叫ぶ。
 赤座元太はそれを無視して指で女の部分のビラビラを開く。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スポイトの先端を膣に差し込んで注入した。
 「がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に暴れる。脚を交互に揺すって腰を暴れさせ藻掻く。
 「うはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あは。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーん」
 強烈な号泣である。
 「まだまだだ。次は尿道にゆく」
 赤座元太は冷たい表情で一瞥して言う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させて拒絶する。
 赤座元太はスポイトに金柑の汁を吸い上げた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーまってーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は切迫して泣き叫ぶ。
 赤座元太は横溝亜寿香の女の部分をまた指で広げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は涙を溢れさせて叫ぶ。
 赤座元太はそれを一瞥して尿道の亀裂にスポイトの先端を差し込む。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように暴れる。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振りさらに脚を揺すり全身で拷問椅子を揺すって藻掻き暴れた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに躰を固くして強く断続的に暴れる。拷問椅子は究極に軋む。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま白目を剥いてしまった。
 「ふぁっはっはっはっは」
 赤座元太はそれを見て高笑いする。
 「しかし殺すにはもったいない美人かつ素晴らしい躰だ」
 宇治原歳加年は拷問椅子に沈んだ横溝亜寿香の姿をじっくり眺めて言う。
 「そうだよな。だが生かして帰せばこっちがやばい」
 「そうだよな」
 「辞めないであのままやっていたらショーでまだまだ虐めて愉しめたし。こいつも稼げたのだ。ソープじゃ高給店でもあそこの半分にもなるまい」
 「仕方あるまい」
 「そうだ。俺たちの玉潰す。絶対に許さん」
 赤座元太は怒り沸騰していた。
 木村草太若頭補佐がスネークフックで蛇を掴んで来る。
 クスコを使わないで直に膣に頭を突っ込んでしまう。
 膣に蛇の頭が潜り込んだところで赤座元太が乳輪に電子鞭を当てる。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一発で意識を戻す。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は蛇の恐怖に口から泡を噴いてしまう。
 「・・・・・」
 泡を噴きながらもう声も出ない。
 木村草太若頭補佐はもっと凶暴な蛇を用意していた。
 アカマタである。
 毒はない。だが異常に凶暴でハブを食べることもある。主に沖縄、奄美に生息する。
 横溝亜寿香は震え続けていた。
 木村草太若頭補佐はお構いなしに蛇の頭を膣の中でゆっくり動かす。
 「うふぁあっふぁあーーーーーーーーーー」
 口から出た泡は顎から垂れ落ちる。
 また目から涙が溢れた。
 「あふぁああーーーーーーーーー。ふぁはああーーーーーーーーーーーーふぁああーーーーーーーーーーーふぁあーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまたそのまま白目を剥いてしまった。
 「気が狂うかな」
 瀬尾勝がやや心配する。
 「どうせ処分するのだ。構わんよ」
 赤座元太はどっちでも良い。
 「いや。ぎりぎりまで正気の方が愉しめる」
 宇治原歳加年はマジ悲鳴がまだまだ愉しみたい。
 それを聞いて木村草太若頭補佐は一度蛇を抜いて水槽に戻した。
 「悲鳴がお好みですか」
 「この女の悲鳴、涙、失禁は格別だよ」
 宇治原歳加年はとことん横溝亜寿香を玩具にしたい。
 美人スタイルも絶品である。だが自分の女にしたいタイプではない。とことん躰の隅々までを玩具にしたいだけである。
 そして憐憫の情は全く沸かない。
 木村草太若頭補佐は口が一センチくらいの黒いクリップを大量に持って来る。
 「この前の動画の通りやりますか」
 「繋いだクリップを一気に」
 「四段階はなかなかの見ものでした。電流を流しながら行きましょう」
 木村草太若頭補佐が提案する。
 失神したままの横溝亜寿香の躰に四人で一気に鋏み付けて行く。
 「うーーーーーーーうぐうーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 全身にクリップが鋏まれていた。もう何を叫んでもこの連中は許さない。
 横溝亜寿香は為されるが儘どうすることもできない。
 震える横溝亜寿香の躰に四人は淡々とクリップを鋏んでゆく。
 木村草太若頭補佐は脇の下から横溝亜寿香の躰の横を三センチ置きに鋏んで太腿の横を膝まで左右両側に鋏んでいた。
 瀬尾勝は乳房の外側から同じように三センチ置きに太腿の中心を膝上まで鋏んでいる。
 宇治原歳加年は乳首から同じく三センチ置きに臍の両横を鋏んでドテから大陰唇まで鋏んでいた。
 そして赤座元太は小陰唇を片側ずつ三つ鋏んで内腿を膝までこれも三センチ置きに鋏んでいる。
 横溝亜寿香もこれを引っ張り飛ばされたら強烈な痛みと判っていた。
 それも凧糸で繋いでいるのではない。細い導線で繋がれていた。片方の端はトランスに繋がっている。
 もう片方の端は柱に縛り付けられていた。銅線の長さはパターンごとに代えられている。
 拷問椅子を後ろに引っ張れば順番に飛ぶ。
 横溝亜寿香は恐怖に震えていた。
 「さあて。電流流すぞ」
 赤座元太が宣告する。
 「あ、はあ。ああ・・・・・」
 横溝亜寿香は恐怖に震えるだけである。
 木村草太若頭補佐がトランスのスイッチを回して横溝亜寿香の側面を鋏んだ二系統に電流を流す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うがあああーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰は小刻みに震えている。
 「いーーーーーたい。いたい。いたいーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫び藻掻き続けた。
 木村草太若頭補佐は適度に電流を切る。
 「あふぁあーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の躰は震え続け荒い息遣いを続けた。
 今度は赤座元太が八本全部に電流を流す。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香の躰はまた小刻みに震撼して壮絶な表情で大口を破裂させて痛みを叫び続ける。
 「いたいーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーーーーーーぐうがふぁああーーーーーーーーーー」
 遂に僅かな尿を失禁してしまう。
 赤座元太は直ぐに電流を切った。
 「ぐあふぁあーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 横溝亜寿香の躰は拷問椅子に沈んで蒼白な表情である。
 「さあて。引っ張るか。四段階に飛ぶからな」
 赤座元太が恐ろしい宣告をする。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は四段階と聞いてその恐ろしさに驚愕の悲鳴である。
 木村草太若頭補佐の配下の組員が二人拷問椅子の後ろに付いた。
 「よし。二歩引け」
 二人の組員がゆっくり引っ張る。
 一番短いのが腋から膝に掛けて躰の側面の二系統である。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーぐうがああーーーーーーーーーーーーー」
 クリップは下から順に一瞬でドミノの様に飛んだ。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が地下室を劈く。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはん。あはん。あはん。あはん」
 横溝亜寿香は痛みに涙をぽろぽろ零す。
 「あと二歩」
 木村草太若頭補佐が組員に指示した。
 今度は乳房の横から太腿に真っ直ぐ伸びた二系統が引っ張られる。膝から乳房に向かって順に一気に飛んだ。
 「ぐふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は狂ったように躰を揺すって強烈な悲鳴を上げ続ける。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに半狂乱である。
 クリップが飛んだ痕は数か所皮膚が?けて一部血が滲んでいた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 「あと二歩」
 木村草太若頭補佐が容赦なく指示する。
 二人の組員がゆっくり引っ張る。
 今度は乳首から大陰唇に向かって流された二系統が引っ張られた。
 大陰唇から飛んで乳首まで一気に飛ぶ。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は遂に白目を剥いてしまった。
 最後は内腿から小陰唇を鋏んだ二系統である。
 「良し最後」
 木村草太若頭補佐は失神したまま引っ張る指示を出す。
 内腿の下の方から小陰唇まで一気に飛ぶ。そして小陰唇が無残に引っ張られて延びて弾けた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーー」
 失神していたのが直ぐに強烈な悲鳴に成る。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 猛然と拷問椅子を揺すって暴れた。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーー。ああ。ああ。ああ」
 顔は汗と涙でぐちゃぐちゃである。
 小陰唇は血にまみれていた。
 数か所強く引っ張られ表面が斬れている。
 「ぐあふぁあん。あはん。あはん。あはん。あはああーーーーーーーーーーーん。ぐあふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 どうにもならない強烈な痛みが横溝亜寿香を襲っていた。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 何処までも悲鳴は治まらない。
 木村草太若頭補佐が麻薬のアンプルを持って来る。
 違法に手に入れたものである。
 病院では厳重に管理され院長の許可が無ければ打てない。
 もし一本でも落としたら破片まで全部拾って保管する。
 半狂乱の悲鳴を上げる横溝亜寿香に麻薬のアンプルを注射してしまう。
 痛みは瞬時に治まった。
 「あふぁーーーーーーーーーーーー。あぁーーーーーーーーーーーーー」
 今度は安堵したため息である。
 「まだ許さないよ」
 赤座元太が宣告する。
 木村草太若頭補佐がクスコとボウルに入れた蛞蝓を渡す。
 「お前のま〇この中でこの蛞蝓を溶かしてやる。
 「ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香には屈辱と言うより痛みとは別の恐怖である。
 宇治原歳加年がクスコで横溝亜寿香の膣を横に広げてしまう。
 そのクスコの外側には小陰唇の血が滲んで付着していた。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瀬尾勝がピンセットで蛞蝓を抓んで膣の粘膜の上に直に置く。
 「うふぁああーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香はまた涙を溢れさせた。
 赤座元太がロングスプーンで粗塩を掬って膣の中に侵入させる。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香はさらに涙を溢れさせた。
 赤座元太は蛞蝓に塩を被せる。
 一気に蛞蝓は萎んで水が膣の粘膜に染み渡った。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は堪えられない不快感に号泣してしまう。
 「今度は口だ」
 赤座元太はさらに恐ろしい宣告をする。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香は恐怖に悲鳴も出ない。
 瀬尾勝と赤座元太がラジオペンで両側から横溝亜寿香の口をこじ開ける。
 「ぐうお、おお、おーーーーーーーーーーーーーー」
 口から涎が流れ落ちた。
 宇治原歳加年がロングスプーンで蛞蝓を掬って開いた口に突っ込む。
 「ぐあお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに宇治原歳加年は粗塩を掬って口に突っ込んでしまう。
 「がふぉーーーーーーーーーー。ぐあふぉおーーーーーーーーーーーー」
 二人はラジオペンを抜く。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は一気に蛞蝓の死骸と唾液を吐き出す。
 「ぶふぁあーーーーーーーーーーーー。ぶふぁああーーーーーーーーーーー」
 何回も口の中の不快感を吐き出した。
 木村草太若頭補佐が準備していたアカマタを水槽に入れて台車で運んで来る。
 「こいつで乳首噛ませよう」
 「それもいいかな」
 赤座元太は悦ぶ。
 「ひやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は恐怖に悲鳴を上げる。
 木村草太若頭補佐は赤座元太にスネークフックを渡す。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は蛇も怖い。そして乳首を噛み切られる。断末魔に成って喚き散らした。
 赤座元太はスネークフックで掴んだ蛇の頭を突き出して横溝亜寿香の乳首に当ててしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 アカマタは?みついた。
 だが乳首と乳輪に歯型がついて血が滲んだだけである。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 横溝亜寿香は号泣する。
 「あれえ。効果ないよ」
 赤座元太は期待外れである。
 宇治原歳加年がスネークフックを受け取ってアカマタに小陰唇を噛ませた。
 「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は血が流れ出る。
 「こいつじゃ駄目ですよ。希硫酸で焼いちゃいましょ」
 赤座元太は自分のやり方を主張する。もう二人の膣の中を焼いていた。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は驚愕して叫ぶ。
 宇治原歳加年がクスコを突っ込んで広げた。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太は希硫酸の瓶に刷毛を浸ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめまってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は断末魔の叫びを上げた。
 赤座元太はこれ以上ない残酷な表情でクスコの奥に刷毛を突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴が上がった。
 刷毛を一番敏感な部分に擦る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 半狂乱の悲鳴である。
 そしてそのまま失神してしまう。
 赤座元太は残酷な悦びの表情を浮かべて膣天井部に塗り底部に塗る。
 そしてクスコの角度を変えた。
 膣の横の壁にも塗る。
 最後に子宮口に小さな開口器を突っ込む。
 そこにスポイトで希硫酸を流し込んだ。
 「これで完了だな」
 宇治原歳加年がクリトリスの包皮を剥いてカッターで削り落とす。
 その間に木村草太若頭補佐が麻酔を注射する。
 「もう少し日数を掛けよう。乳首を斬って縫ってしまおう。ま〇こもクリも感じなく成ったことを思い知って貰おう。それから遺体処分だ」
 そしてとことん残酷な提案をした。
 「それは良い。壮絶な躰にされたことを思い知ってあの世に行ってもらうか」
 赤座元太は変わらず残酷な哂いを湛えている。
 「そうだ」
 「俺たちの玉を潰そうなどと。それには当然の刑だ」
 宇治原歳加年も納得した。
 「それじゃ。乳首を斬って乳房を縫合しましょう。そして一時的に回復処置を行いましょう」
 最高に残酷な決議がなされる。そしてこの連中の最後のお愉しみは後日と成った。
 
 一月四日。
 豊洲。如月鬼堂はの居間である。
 未だに杜永千郷の動画は公開されない。
 愛好会の会合としてのショーは終了した。
 居間には珠洲と瀬里菜の他に館山弁護士と本多椿が来ている。そして杉下一行とテレビ会議が繋がっていた。
 「さすがに奴らも動画の公開は延期ですね」
 館山弁護士は正月から地震と飛行機事故では公開を延期したものと推測している。
 「しかし驚いた年明けだな」
 「最初はここまで大きいとは思わなかった。三夜開けて凄い被害ですね」
 本多椿も今朝の報道番組で徐々にはっきりしてきた被害の大きさに驚いていた。さらに他の地域でも大規模な火災が起きている。
 「それと鬼堂先生。紀咲槇乃が専従班に大場信一郎が犯人の仲間で埼玉支社の後ろの山に在る山荘が拠点じゃないかと相談に行ったらしいです」
 館山弁護士は自分の得た情報を伝えた。
 「それじゃ。紀咲槇乃は復讐しようと大場信一郎を手始めに犯人捜しをやっているのか」
 如月鬼堂は驚愕してしまう。
 「そのようですが」
 「危険だぞ」
 「でも」
 館山弁護士は恨みが強いから動くのは止められないと思っていた。
 「駄目だやめさせよう」
 如月鬼堂は三輪三千夫に確認を取って紀咲槇乃のアパートに向かう。
 紀咲槇乃は娘と一緒に部屋に居た。
 「鬼堂先生」
 「失礼しますよ」
 取り敢えず子供に手土産の菓子を渡す。
 「どうもありがとう」
 「すみません」
 紀咲槇乃は娘が受け取ってしまったので礼を言って済ませてしまう。
 「ところで危ない事をしていませんか」
 如月鬼堂は単刀直入に言葉を突き付けた。
 「はあ」
 紀咲槇乃は言葉を飲み込む。
 「埼玉県警の専従班に聞きましたよ」
 館山弁護士は情報元を言ってしまう。
 「大場信一郎を追うのは危険です」
 「でも金澤警部補が仰るにあそこは赤外線スコープまで使って十分に調査したが何も無かったと」
 紀咲槇乃は連続拉致強姦事件の犯人のアジトは大場信一郎の葬儀会社支店の裏山に建つ山荘ではなかったと言う。
 「そんなに簡単に尻尾は出さないです。相当な警戒をしています。この犯人の恐ろしさは計り知れない」
 「はい。でも私はどうしても。あんな酷い姿を社会にばら撒かれて。絶対に許せません」
 紀咲槇乃は涙を振り飛ばして泣き喚く。
 「許せないのは当然です。でも貴女の刃が立つ相手ではありません。警察官でさえ何人も殉職しています。危険すぎます」
 如月鬼堂らしくない正論の説得である。
 「はい。それでも」
 「もし貴女に何かあったら。お嬢さんはどうなります」
 今度は館山弁護士が説得に入る。
 「このまま奴らの犯行アジトを暴こうと動いて察知されたら確実に拉致されて次は殺されます。奴らのやり方では遺体すら出ません」
 「え、ええ」
 紀咲槇乃は如月鬼堂を見上げた。
 「それだけではない。証拠隠滅の為にはお嬢さん手を出さないという保証もないですよ」
 「え、ええーー。あーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 紀咲槇乃はやり場のない怒りに畳を叩いて藻掻き涙を零す。
 「それは万一の話ではありませんよ。五割以上の危険がありますよ」
 「そ、そうなんですか。あはあーーーーーーーーーーーーーーーん」
 紀咲槇乃にもよく考えれば犯人の恐ろしさも危険も十分に解る。それでも悔しさ以上の怒りが収まらない。
 「どう動いても。これ以上の被害しかあり得ない。動かない事です」
 如月鬼堂の語気は強い。
 だが警察に任せろとも言わなかった。
 「悔しい。こんな酷い事って。悔しいーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 悔しさに泣き喚く。怒りをぶつける。それは如月鬼堂の言う意味が心底理解できたからである。
 「貴女はここまで壮絶な逆強に堪えて憂さ晴らしすらしなかった。お嬢さんとの暮らしを躰で護って来た。それを護ってこれ以上の危険を避けるのです」
 「判りました」
 紀咲槇乃は涙を拭いて静かに答える。
 「それと既に此処に居るのも危険です。完全に安全とは言えないが暫く私が大宮に居場所を提供します。移ってください」
 「はい。申し訳ございません」
 紀咲槇乃黙って従った。
 「プレイルームを一個提供しますか」
 「いや。大宮の事務所の倉庫を開ける。もう在庫はしなくなった。と言ってプレイルームにはできない」
 如月鬼堂の持ち物件では精いっぱい安全な場所である。
 「そうですねあそこなら大分安全ですね」
 館山弁護士も納得した。
 
 一月五日。
 地震と飛行機衝突事故でマスコミが番組変更でこの二つの報道に集中している最中である。
 さらに電車内の無差別殺人未遂で女が逮捕され同じようにカッターを振り回す男も逮捕される。
 だがさらに陰湿な劇場型犯罪が起きた。
 惣菜などの無人販売店がかなり増えている。そして代金を払わないで持って行く貧困者の犯罪も時々報じられていた。
 その複数の店舗で餃子を買ったお客が死亡する事件が起きてしまう。
 生産性毒物が検出される。
 防犯カメラの映像では二人の人物が疑われた。一人が防犯カメラを遮って一人が小さな注射器の様なもので注入したと思われる。
 そして無差別にメールが大量に撒かれた。
 『無人販売は止めろ。自動販売機を設置しろ。さもなくばもっと被害を拡大させる』
 金の要求はないが昔のグリコ森永事件を思わせる。
 二人の人物は複数の店舗で防犯カメラにその姿が確認された。
 防犯カメラの痕跡を追及して犯行を行った時間の動きは確認されたが何処から来たか何処へ逃げたか足取りは全く掴めない。
 防犯カメラの画像から買い物最中の主婦の姿である。三十前後と思われた。
 だが鑑識の解析結果は二体のロボットと判明する。
 連続拉致強姦事件の犯人ら及び神永和夫らの組織の犯行が疑われた。
 
 一月六日。
 木村草太若頭補佐の屋敷の地下室である。
 赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将の三人が組員の迎えの車で此処に到着した。
 年末に横溝亜寿香に悲惨な拷問を行ってその医療的処置が終わって表面的に回復した段階と成っている。
 今日は最終処分と横溝亜寿香に悲惨な躰を実感させてその慟哭する姿を愉しみにしてきたのである。
 横溝亜寿香は木村草太若頭補佐の屋敷の地下に置かれていた産婦人科診察台に縄で確り固定されていた。
 寝かせるパターンではなく背凭れが高角に跳ねあがっている。
 SM拷問遊びで女を弄って顔と女の部分が同時に見えるように動画の画面に撮影する目的である。
 乳首を斬ってしまった乳房は縫って抜糸までされていた。大股開きにされた女の部分は小陰唇を縫い合わされたままである。
 そして躰のフロント面には鋏んでいたクリップを引き飛ばされた痕が無数に残っていた。
 血の滲みや鬱血はもう消えている。
 「さあ。起こしましょう」
 木村草太若頭補佐が開始を宣言する。
 赤座元太がビンタで起こす。
 一発。二発。三発。さらに連打。
 顔が歪むくらい叩いた。
 横溝亜寿香の美人顔を叩くのは気持ちが良いらしい。
 「う。・・・・・うう。うーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 意識を回復した横溝亜寿香の躰は究極に震えた。
 「左の乳房を見ろ」
 「え、ええ。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 そして縫われた部分を手で触る。今回腕は固定してない。自ら触って悲惨さを実感させる為である。
 「・・・・・」
 横溝亜寿香は悲鳴のあと怒りの言葉が声に成らない。
 涙が一気に溢れた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に号泣してしまう。
 「股間を見ろ」
 木村草太若頭補佐はモニターに拡大した。
 「あーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーー」
 縫合糸で縫われた状態である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は指でその部分を抓んで慄きの声を上げた。
 「さて。抜糸して中がどう成っているかご自身で触ってもらいましょう」
 木村草太若頭補佐は宇治原歳加年にトレイに載せた縫合糸を切る小さな鋏とピンセットを渡す。
 赤座元太と瀬尾勝が片方ずつ横溝亜寿香の腕を押さえた。
 宇治原歳加年は四針縫われている中程のを切る。そして縫い目の反対から引き抜く。
 「う、うぐ、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させた悲鳴である。そして涎が垂れて涙が溢れていた。
 次も切る。
 「う」
 横溝亜寿香の表情が眩む。美人顔ゆえ強くそそらせる表情である。
 またカットした反対側から引き抜く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に表情が軋み悲鳴を絞り出した。
 宇治原歳加年は瀬尾勝と交代する。
 一番上と一番下の二針が残っていた。
 瀬尾勝は宇治原歳加年が真ん中二針を切ったのでピンセットで小陰唇を僅かに広げる。
 下の一針を小陰唇の間に鋏を入れて切った。
 「うう」
 ピンセットで切り落とした縫合糸を両側から引き抜く。
 「うう。うう」
 この方が痛くないようである。
 瀬尾勝は一番上の一針を宇治原歳加年と同じように外側を切る。
 「う」
 今度は反対側からピンセットを上下に揺すってジグザグに引いて縫合糸を抜いた。
 「うーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また横溝亜寿香から涙が溢れる。
 瀬尾勝は縫ってあった小陰唇のビラビラを指で左右に引っ張る。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ピンクの部分が剥き出しに成った。
 「さあ。自分の指で膣の中を触ってみろ。そして感じなくなったことを実感しろ」
 木村草太若頭補佐が残酷な期待を込めた言葉を投げる。
 「うぬう」
 横溝亜寿香は酷すぎる仕打ちに恨みを込めた表情で木村草太若頭補佐を見上げた。
 それでも自分で膣に指を入れる。
 奥深く入れて弄り続けた。
 やがて号泣の涙を溢れさせる。
 「どうせあの世行きだがな」
 赤座元太がぼそりと言ってしまう。
 「私。子供が居るの。帰らないと飢え死にしてしまうーーーーーーーー」
 今度は悲痛な表情で訴える。
 「心配は要らない。お嬢さんは確保した」
 「何だって」
 「お前を始末しても娘が残るとあとあと捜査の対象に成る。だから一緒にあの世に送ってやる」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。愛理に手を出さないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「駄目だ」
 「そうだ。我々の安全確保が最優先だよ」
 赤座元太がさらに宣言する。
 「黙ってショーに出ていれば十分に稼げたのにな」
 瀬尾勝が呟く。
 「何で私だけあんなに酷い仕打ちにするのよーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は叫び喚く。
 「お前が先に弘江らに喧嘩吹っ掛けたのだ」
 宇治原歳加年が反論する。
 「それ以上にみんなお前を虐めたいのだよ。だから何回も投票で指名が集まったのだ」
 赤座元太はこれがみんなの本音と言う。
 「そうだお前を虐めるのが一番すっきりする」
 宇治原歳加年も本音を浴びせた。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。愛理をころさないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 横溝亜寿香は泣き喚き続ける。
 木村草太若頭補佐が麻酔を打って眠らせてしまう。
 如月鬼堂の紀咲槇乃への警告はその通りにであった。それは横溝亜寿香で実証されていたのである。
 
 一月七日。
 豊洲。如月鬼堂の居間。
 食品の無人販売店は全般的に休業を余儀なくされていた。
 『無人販売は邪道だ。グリコ森永事件を忘れたか。全て自販機にしない限りまた被害が拡大する』
 こんなメールが何回か撒かれいる。
 そして杜永千郷の動画はまだ配信されない。
 如月鬼堂は館山弁護士と杉下一行、本多椿とテレビ会議を繋いでいた。
 「あとはメールの脅しだけだな」
 如月鬼堂はこの時間稼ぎで社会を震撼させる事件は繋ぎと見ていた。そしてこれ以上は進展しないとみている。
 「まあ。メールだけで無人販売店は全滅ですね」
 「大方が地震と飛行機事故の報道だ。政治資金問題で国会議員の逮捕でさえ低レベルの報道に追いやられている」
 「それでは当分動画は公開しませんね」
 「いいや。今週のどこかじゃないか。少なくとも二十二日よりは前だ」
 「この犯人らはいったい無人店舗にあんな物仕掛けて何が目的ですか」
 本多椿の疑問である。
 「騒ぎを起こして世の中を震撼させたいだけでしょう」
 館山弁護士が答える。
 「だってあんな小さな商売狙っても」
 「連続拉致強姦事件の犯人らの原点は劇場型犯罪だ。繋ぎにはやりやすい標的だったのだろ」
 「影響は低いですね」
 「そうでもない。コンビニも無人店舗化している。そういう意味では静かに衝撃は浸透していく」
 「しかし鬼堂先生。この犯罪はこの犯人にしては失敗でしょう」
 館山弁護士は失敗と断定する。
 「そうでもない。犯人らはこの事件を起こすことで報道の衝撃と報道の時間配分を見たかったのだろ」
 如月鬼堂は達観しながら犯人の意思をある程度推測していた。
 
 横溝亜寿香と娘の愛理は麻酔で眠らされたまま乾式メタン発酵の破砕処理機に投げ込まれた。
 産業物廃棄物処分場の三連休の間に処分されたのである。それは処分場職員に入り込んでいる闇組織の組織員の手で行われた。
 さらに横溝亜寿香のショーで貯めた預金は木村草太若頭補佐の組に収納されてしまった。
 何も表社会に明らかに成る部分はない。
 
 一月九日。
 豊洲。如月鬼堂の居間。
 ようやく地震の被害状況がはっきりし始めてきた。支援はなかなか行き届かないらしい。
 如月鬼堂はいつもより早く目が覚めた。
 蕎麦を茹でてシャワーを浴びる。
 そして杉下一行からメールが届く。
 「遂に配信されてしまったか。まあ奴らにも地震と飛行機の衝突は想定外だったな」
 「それが。内容がえげつないです」
 「これまでだってそうだろ」
 「いいえ。これまではあそこまで公開していません」
 動画を確認してゆく。
 杜永千郷の逝き顔は十数回繰り返された。
 如月鬼堂は早送りしてしまう。
 「やれやれ俺の昔の発言をコピーしやがって」
 「そうですよ。そしてまたうちのアイテムを使っています」
 杉下一行は怒りが治まらない。
 このアイテムが犯人らの動画に出る度に店舗に警察の捜査が入る。形だけと雖もうざいでは済まない。
 
 画面では六人の忍者姿黒装束が動いている。杜永千郷は早送りのなか三回目の失神を迎えていた。
 運送会社の社長が失神している杜永千郷にバケツで水を掛ける。
 「うーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は息を吹き返して冷たい水に躰を揺すって暴れた。
 「さて気持ち良く成りすぎたな」
 川口の会長が詰る。
 「ちがうーーーーーーーーーーー。お前らがーーーーーーーーー変な道具使ってーーーーーーーーーーーー。おもちゃにしたんだろーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は怒りを破裂させた。
 「ふぁっはっはっは。嫌なら何処までも気持ち良くは成らないだろ。嫌悪していれば濡れもしないよ」
 医者の男が代わって指摘した。
 「なにいっているんだーーーーーーーーーーーーーーー。あんなずるいどうぐつかってーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はさらにブチ切れて反論する。
 「まあ。この動画を見た人達がどう心の底で思うかだな。表面で非難しても逝ってしまった顔は画面に焼き付いておるわ」
 印刷会社の社長が決めつけてしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は自分の狂ったように声を上げてしまった姿が社会に公開される事に怯んでしまった。
 医者の男と産業廃棄物収集運搬処分業の社長が電流責めの準備に掛かる。
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長は大きめの鰐口クリップをスタンガンに繋いで準備していた。
 それで乳輪ごと左のバストトップを鋏む。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は強烈な痛みに悲鳴を絞り出した。
 続いて右のバストトップも同じように乳輪ごと鋏む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男は杜永千郷の膣を広げたままに成っていたクスコに別のスタンガンに繋いだ鰐口クリップを接続した。
 それを印刷会社の社長に渡して撮影を代わる。
 「さあ。電流責めだ」
 医者の男が撮影しながら宣告した。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーー。もう何で私をこんな目に遭わせるのーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は堪らず抗議する。
 「だから俺たちはお前の立候補した党が嫌いなのだよ。与党の政治資金問題に乗じて伸し上がろうなどとな」
 印刷会社の社長がそれに答えて宣言した。
 「私は落選したの!関係ないの」
 「関係は有る。立候補したは加担したのだ。それにこの動画に出して保存してくれそうなのが他に居ない。多少歳は取っているがまだ女の躰だ」
 川口の会長は嘲るような言い方である。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーー。女を歳と躰だけで定めるなーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷はまだ言い返す。旅番組やバラエティに出る時の気丈さはまだ怯まない。
 「この動画を保存する者の基準は俺たちと変わらない」
 医者の男は正論などこの際関係ないと言う。
 「こんな事しても立憲国民党に影響はないぞ」
 杜永千郷はさらに正論で反論する。
 「この動画はな。お前らの政党が嫌いな個人の意識を強く刺激するのや。そして現代社会に不満な分子の意識に渙発する」
 「そんなことになるかーーーーーーーーーーーー。みんな怒りの気持ちで見て強く非難するぞーーーーーーーーーーー」
 何処までも杜永千郷には正論しかない。
 そして知識階級の意見しか知らない。それをそのまま復唱するように意見を言ってきただけの女である。
 「マスコミが拡散する知識階級の意見を鵜呑みにして社会を考える奴らはそうだ。だがそうでない潜在分子の犯罪が表面に出るのはまだ氷山の一角だ」
 「現代社会への不満は底辺の大衆と資産家の一部に強く内在している。それを渙発するのだ」
 途中から川口の会長が代わって宣言した。
 「もう良いだろ」
 医者の男は産業廃棄物収集運搬処分業の社長と印刷会社の社長に早く電流を流せと促す。
 まずは産業廃棄物収集運搬処分業の社長が乳房を鋏んだクリップにスタンガンの電流を流した。
 「ぐがあああーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は強烈な痛みが乳房を襲って大口を破裂させて強烈な悲鳴を上げる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーー」
 襲い続ける痛みに藻掻き喚き続ける。
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長は適度にスイッチを切った。
 「あふぁああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 杜永千郷は震えながら荒い息遣いを続ける。
 次は印刷会社の社長が膣に刺さったクスコにスタンガンの電流を流す。
 「ぐわああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は頭を振って藻掻き悲鳴を上げる。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーーーーー」
 また襲い続ける痛みに躰を震撼させ喚き続けた。
 印刷会社の社長がスイッチを切らないうちに産業廃棄物収集運搬処分業の社長が乳房のクリップに繋がったスタンガンのスイッチを入れてしまう。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・・」
 杜永千郷は頭を緩く振りながらその表情は瞬時に恍惚に成る。やがて白目を剥いてしまった。
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長も印刷会社の社長も直ぐにスイッチを切る。
 「死なない範囲で行かないとな」
 川口の会長は哂っていた。
 「そうだよ。この女の悲惨な姿を社会に戻さないと効果が薄い」
 印刷会社の社長も最大限に悲惨な姿にして社会に公開する事を目論んでいる。
 「次はま〇こに蛇。口に蛞蝓だ。そして水ぶっかけて起こそう」
 川口の会長が提案した。
 クリップが全部外される。クスコはそのままである。
 口にも開口器を突っ込む。
 医者の男が網袋から縞蛇を取り出す。
 撮影をまた印刷会社の社長が交代した。
 医者の男は蛇の頭をクスコに突っ込んでしまう。
 運送会社の社長がボウルに入れた蛞蝓を冷蔵庫から持って来る。
 川口の会長がそれを箸で掴んで口に投げ込む。
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長が粗塩をスプーンで口に突っ込んで蛞蝓を口の中で萎ませてしまう。
 川口の会長が蛇口から繋いだホースで杜永千郷の躰に水を掛ける。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があはあーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は冷たい水を躱そうと躰を逸らせ捩り振って藻掻く。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そして口から蛞蝓を吐き出す。
 「がはあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は冷たさと不快感に暴れ藻掻き唾を吐き続けた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 そして膣に突っ込まれた蛇に気づいて狂ったように藻掻き暴れ悲鳴を上げ続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーあがあーーーーーーーーーーーーーー」
 藻掻き腰を動く限り蛇を振り落とそうと暴れた。
 拷問椅子は軋み続ける。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああがああーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように藻掻き暴れ続けた。
 医者の男が適度に蛇を抜き取る。
 そのまま蛇を網袋に戻したが死んでいた。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あああーーーーーーーーーーーーーん」
 杜永千郷は号泣しながらさらに失禁してしまう。
 「あはあん。あはん。あはん。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 涙はぽろぽろ溢れる。
 そして震え続けた。
 
 「これ物凄く長そうだな」
 如月鬼堂はファイルの大きさに驚いている。
 「そうです。今回は一人に念が入っています」
 杉下一行も今回は特別と言う。
 「この連中の目論む効果はどうかな。混乱の中の相乗効果とも、天災の大きな悲劇に隅に追いやられるとも考えられるが」
 如月鬼堂も直ぐには予測が立たない。
 「相乗効果が有りますかね」
 杉下一行は疑問を呈する。
 「奴らが言っているように不満分子はたくさん居る。それを渙発されて模倣犯が増える可能性はないとは言えない」
 「自然災害の真っただ中で」
 「電車の中で暴れた女や街で暴れた男。先は見えない。災害の中で略奪や詐欺まがいとかぼったくり商売まで横行している」
 「それをさらに渙発すると」
 「個人主義者はリベラルが絶対モラルとする層に不満を持つ。個人主義者にとってリベラルは全体主義でしかない」
 「よく解りませんが」
 杉下一行は如月鬼堂の極論と言いたい。
 「アメリカの二大政党の分断という対立以上の矛盾。これに中間はない。妥協点はない。岩盤支持層には宗教的な価値観の違いがあるが個人主義者はトランプの方が個人の利益を守ってくれると考える」
 「個人主義者の不満が蓄積していると」
 「そうだ。この連中はそれをこの動画で渙発して犯罪をたくさん勃発させたいのだ」
 「大衆の中に見えない不満分子が多く蓄積していて。それを大衆が一番入りやすいエロ動画の中で渙発して犯罪を誘発ですか」
 「そういう目論見じゃないか」
 「鬼堂先生。それを土曜日に発言されますか」
 館山弁護士はインターネットアダルト放送の発言を心配する。
 「いいや。今は止めておくよ。悪くして犯罪が勃発してしまってからの解説で良い」
 「そうですね」
 館山弁護士は安堵した。
 
 杜永千郷は再び産婦人科診察台に移されて麻酔で眠らされる。
 「今回は顔に傷を残しましょう。それから乳首を斬り落として縫って整形まで。膣内を焼いて感じなくする」
 川口の会長が要望を言い始めた。
 「それから子宮を摘出して小陰唇も切り落とす。その部分を縫い合わせて整形する。クリトリスを焼いて包皮も縫い合わせる。それで良いか」
 ここからは医者の男が行う。自らの願望を追加して概要を確認した。
 「ああ」
 川口の会長が納得する。
 ここで印刷会社の社長の他に運送会社の社長と産業廃棄物集運搬処分業の社長が撮影に加わって画面から引く。
 新たに二人のスタッフが加わった。
 闇組織からの派遣員である。
 彼らは戸籍の無い部落からの出身者で医者の男から医療の訓練を受けていた。
 普段は戸籍を持たない部落の医療を無免許で担当している。
 一人が麻酔を担当して一人が手術の助手を行う。
 「まずは乳首と乳輪を切断して縫合だ」
 そこから拷問とその後始末の手術が行われた。
 そして中三日。通常より短い日数で抜糸を行う。
 それはこの医者の男の技量である。
 杜永千郷は眠りから起こされた。忍者姿黒装束は六人に戻っている。
 「よく眠ったな。もう総てが終わった」
 「ええーー」
 僅かな電気ショックで意識を回復した。
 「お前の躰をよく見ろ!正面のモニターだ」
 医者の男はこの瞬間の悦びと快楽の極致を踏む気分で宣告する。
 「え、ええ。えーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 左の乳首が全くない。よく見ると縫い合わされた痕が見えた。
 「ふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷は驚愕の声を上げる。
 「まだだ!股間を見ろ」
 「・・・・・」
 脚は拷問椅子に固定されて百二十度くらいに開かれていた。そこには閉じ合わせた小陰唇が突き出している筈である。
 何もない真っ平ではないが紅い皮膚と皮膚が縫い合わされていた。
 「お小水の管だけ繋いである」
 「ふ、ふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 これ以上ない驚愕の悲鳴である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杜永千郷の絶望の悲鳴が長く轟いた。
 よく見るとクリトリスを包んだ部分もない。
 「お前は女の機能を完全に失ったのだ。子宮は撤去した。膣も焼いて閉じている。クリトリスも無い。アナル性交もできない。人工肛門だ」
 医者の男は杜永千郷の表情を愉しみながら淡々と言う。
 杜永千郷はモニターを見たまま固まってしまった。
 動画はここで終了している。
 
 「何とも言えない猟奇だな。これは到底SMではない」
 如月鬼堂は後味の悪さにそう断言した。
 「私の言った通りではありませんか」
 「それ以上だ」
 さすがの如月鬼堂も杉下一行の問い掛けに感想すら出ない。
 「ああ。あの。顔にも縫った痕が」
 本多椿がテレビ会議の向こうで悲鳴に近い声を上げた。
 「この先どう成りますか」
 杉下一行は社会の反応を思う。
 「まず立憲国民党が政府に対策を抗議するでしょう」
 「そうすると政府は逆に口先だけの一応無難な回答ですな」
 杉下一行は館山弁護士の回答を皮肉る。
 「そして報道番組でコメンテーターはできない正論をとことん叩き続けるけるだけ。そして言いつくした正論による非難の応酬ですね」
 本多椿まで皮肉る。
 「まあ。飛行機事故はほぼ収まったが。天災の報道が大方を占めている。そして台湾。これは変わらない。この報道は小さめに成る」
 如月鬼堂は犯人らの意図は縮小されて騒ぎは小さいと言いたい。
 「そしてこれまで通りの一斉検問。さらに可能性のある建物の立ち入り調査ですね」
 館山弁護士も警察は無駄な事でもやるだけやるしかないから行うと言いたい。
 
 一月十三日。
 インターネットアダルト放送のスタジオ。
 杜永千郷の事件で如月鬼堂が何を言うかその手の世界観に掛かる層の視聴率がかなり上がっていた。
 局は儲かるが如月鬼堂にはあまり有難くない。
 「暫く沈黙していた被害者の動画がばら撒かれました。今回は字幕に犯人の犯行声明もどきの内容がかなり含まれています」
 高嶋波琉が薄紫のブラを外しながら読む。
 「これまでの内容をさらに数倍悲痛極まりなくするものでした。そして被害者は顔にも傷を受けたものと思われます」
 岡田有美は純白でレースのブラを外しながら読んだ。取る前から乳首が透けている。ファッションショーでは普通に存在する下着ではある。
 この放送では逆に透けない物を着用してそれを外した方が良いかもしれない。
 「今回は天災や飛行機事故で犯人の目的は大分削がれたと思われます。九日に拡散したのはどんな意味だったのでしょうか」
 高嶋波琉は股間を手で隠してショーツも脱ぐ。
 「犯人は動画の字幕で特定の野党を攻撃する内容の発言を行っており政治資金の不正には目を瞑れと言っています」
 岡田有美もレースのショーツを手で股間を押さえて脱いでしまった。
 「鬼堂先生。今回の犯人の目的はいったい何でしょう」
 本多椿は下着姿のままである。
 「私が思いつく事では一つは社会に潜在する現代社会への不満分子を渙発する事。一つは野党からの若い女性の立候補者を怯えさせる事。そしてこの犯人らの資金を投じた憂さ晴らしです」
 如月鬼堂は館山弁護士との打ち合わせを無視して言ってしまった。
 「何となく犯人らの体質が分かってきますね。そして今の状況でも目的は果たしているのでしょうか」
 「果たしていると思います。犯人らは莫大な費用を掛けています。誤算はしない連中です」
 如月鬼堂はきっぱり断言してしまう。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 かなり寒く。風は強い。麓の町は澄んで綺麗に見える。
 バーべキューで飛騨牛と海鮮を焼いて瓶ビールで乾杯していた。
 窓の内側はガスで温める暖炉と鉄板の熱で暖かい。
 「一応マスコミは騒いだが効果は有るのか」
 運送会社の社長である。
 「効果は判らない。だが地震や飛行機事故は関係ない。野党の立候補者で若い女は確実に出ない。問題は不満分子が動くかだ」
 川口の会長はほぼ断言していた。
 「しかしあそこまでやったからな。マスコミは内容を報道してくれないが情報は拡散されると思う」
 印刷会社の社長も自信ありそうである。
 「荒れてくれたら面白いのだがな」
 医者の男はかなり結果に期待していた。
 
 一月十五日。
 豊洲。如月鬼堂の居間である。
 主な面々が集まっていた。
 此処には囲炉裏端は無い。カウンターにおでんが煮えて寿司桶が三枚載っていた。
 「会員数が増えすぎた。そろそろ打ち切りたい」
 如月鬼堂がぼやく。遂に二千人に近づいていた。
 「鬼堂先生。それは無理ですよ。紹介制をとっている以上何処までもねじ込んできます。それにアダルト放送が許しませんよ」
 福富麻次郎である。
 「あっちの加入者に影響か」
 「はい」
 「それは無いだろう」
 「しかし会員は紹介が通らないと上位の我々までエスカレーションしてきますよ」
 「だがもう限界だ」
 「鬼堂先生。班に分解しませんか。各店舗収容四百人です。地域で六分割にしてどうでしょう」
 「みんなで話し合ってくれ」
 如月鬼堂はパソコンを持って奥のテーブルに移ってしまった。原稿が遅れていたのである。
 「一店舗に二つの班が配分されるのね」
 荒井絵里は反対ではない。その方が熱海店の収益は増す。
 「しかし。真性奴隷女の館と長野のクラブでは女の子が追い付かないな」
 大河内税理士はそっちを心配する。
 「そっちの増員は簡単には行かないですな」
 福富麻次郎も難しい顔に成ってしまう。
 「でもショーの出場者は足りるでしょう」
 荒井絵里はそれだけで良い。
 「鬼堂先生の仰る通りこれ以上は拡大しない方が良い」
 館山弁護士は打ち止めに賛成である。
 「大宮の麗を仲間にしてどうでしょう」
 福富麻次郎は少しでも増えると考えた。
 「小さすぎるし年配が多い。こっちの会員には向きません」
 杉下一行は言下に否定する。
 話は纏まらないで夜は更けて行った。
 
 一月十六日。
 大宮。如月鬼堂の旧事務所の一角を紀咲槇乃に貸し出された部屋である。
 紀咲槙乃は如月鬼堂の諭に従って報復は諦めた。
 だが簡単に怒りは治まらない。
 内容を捩った暴露動画を作成してしまった。
 これを動画公開サイトにアップロードしてしまう。
 紀咲槇乃はここまでは危険はないと安易に考えていた。
 実写ではない。また名称も全て変えてあった。人形を使った説明画面に字幕が流れて行くだけである。
 紀咲槇乃を拉致拷問した犯人が見事に紀咲槇乃の捜査で警察に逮捕されて死刑判決を受ける内容である。
 
 一月十七日。
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジト。
 空は綺麗に晴れて空気が澄んでいるが極めて寒い。今月が寒さの極致と思われる。
 今日はおでんを煮て鉄板でステーキを焼いていた。
 「あっちの組織から一応の警告だ。此処のスタイルらしきを暴いて俺たちが逮捕される動画が投稿されていた」
 川口の会長が切り出す。
 六人で樽から注いだコップ酒を飲みながら確認した。
 「これはあの女がモデルか。紀咲槇乃」
 印刷会社の社長が推測する。
 「そのようだな」
 葬儀会社の社長である。
 「このSMクラブに遊びに行って乳首斬らせろと言った社長はあんたか」
 川口の会長が指摘した。
 「そうらしい」
 「業種は引っ越し会社の社長だが。此処の条件に近いな」
 「と成るとアップしたのは紀咲槇乃自身」
 印刷会社の社長が断定する。
 「あっちの組織から一億円で全部任せないかと言って来た」
 飲みながら話し合いは続いた。
 
 一月十八日。
 和歌山。岬ビューホテルの小宴会場。
 青木学と岡田弥一郎は赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将の三名に協力を得て新人SM嬢にギャラを払った訓練を行っていた。
 女は石川茉希という。二十八に成る。美人、細身、小作りの顔だが可愛らしさも有る。
 「沙奈枝と申します。よろしくお願いいたします」
 ミニスカートで畳に正座して手を着いて源氏名で挨拶する。
 石川茉希は暴力男から逃げて来ていた。
 寮が有って食事が提供されて子供をまとめて見てくれる託児所もどきの対応も行う。
 そして暴力男からは護られるのである。
 石川茉希は自分が暴力を受けるのは堪えてきた。だが娘も暴行を受ける。だから逃げるしかなかった。
 そして辿り着いたのが和歌山である。
 「さあ。立って。我々の方を見て服を脱いで」
 宇治原歳加年が命令する。
 「はい」
 石川茉希はそんなにおくびれてない。
 淡々と全裸に成ってしまう。
 SMコンパニオンを承諾したのも稼ぐしかないからである。
 「逆さ吊るしで行くか」
 赤座元太が提案する。
 「うん」
 宇治原歳加年も同意した。
 まず宇治原歳加年が石川茉希を高手小手に縛る。
 そのまま畳に仰向けに倒す。
 赤座元太と瀬尾勝がそれぞれ太腿に二重に縄を掛けてそれにフックを付けた。
 その間に宇治原歳加年が青木学に手伝ってもらって天井から滑車を二本セットする。
 そのフックを下げて太腿のフックに接続した。
 宇治原歳加年が寝かせた石川茉希の躰の下に足を潜らせて衝撃を和らげる。
 赤座元太と瀬尾勝が滑車の縄を引っ張って吊るし上げてしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希は初めての吊るしに悲鳴を漏らす。
 一気に石川茉希は大股開きの逆さ吊るしにされてしまった。
 宇治原歳加年と青木学でそれぞれ斜めに広がった脚の膝から脚首に縄を掛けて離れた壁のフックに縛る。
 「あはあ。はあ。はあ」
 石川茉希の躰は空中に船の錨を逆さまにした形で吊るされて荒い息遣いで藻掻く。
 「どうや。あんたの一番恥ずかしい部分が上を向いて全開や」
 「あ、ああ」
 石川茉希は恥ずかしさに上ずった声を漏らす。
 「そのまま前のモニターをよく見ろ」
 天井からのカメラが丸出しの女の部分を拡大して映し出している。
 「あは、あはは、はあ」
 石川茉希はくらくらしながら恥ずかしさに眩む声を漏らす。
 宇治原歳加年が後に回って石川茉希の閉じ合わせた女の部分のビラビラを広げてしまう。
 紅から薄橙に斑に成った内側が克明にモニターに映った。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 全裸までは淡々と脱いだがこんな責めにはまだ免疫が無い。
 逆さ吊るしの顔は紅く染まっていた。
 瀬尾勝が手伝って宇治原歳加年と二人で膣口を両側から人差し指の先端を突っ込んで広げてしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。そんなにしちゃあ」
 石川茉希堪らず顔を逸らせて小さく叫ぶ。
 「綺麗だよ姉ちゃん。実に生々しい。いい色だよ」
 赤座元太がいつものように詰った。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。はずかしいよーーーーーーーーーー」
 恥ずかしさに崩れる。その顔は堪らなく艶めかしい。
 「あ、あああーーーーーーーーーーーん。もの凄く恥ずかしいですよ」
 恥ずかしさを訴えるその表情は実に可愛い。そして心底そそらせた。
 「お姉ちゃん粕が見つかったよ」
 「えーーーーーーーーーー。洗いましたよ」
 石川茉希はもうどうにも恥ずかしさの極致に追い詰められた表情である。
 「いま取ってやる」
 赤座元太がピンセットで宇治原歳加年と瀬尾勝が広げた膣口の内側の淵から粕を抓む。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希はモニターに映った膣の粘膜から採取された粕を見て悲鳴を上げてしまう。
 「どうだ。洗っても残っているものや」
 「あーーーーーーーーーーーーはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希は涙こそないが泣き悲鳴で首を振る。
 「もう少し探そう」
 そう言ってクスコを取り出す。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希は甲高い悲鳴に成ってしまう。
 赤座元太はほぼ真上を向いた石川茉希の膣口にクスコを突っ込んで広げてしまった。
 「あーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 上からスポットライトが照らしている。女の奥が鮮明に成ってしまった。石川茉希はそれを見て強烈な悲鳴を上げる。
 赤座元太はロングスプーンを取り出した。それで膣の中を探る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 赤座元太が真っ赤な子宮口の麓に付着した唾液上の濁った物を掬う。それがモニターにくっきり映ったのである。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。はずかしすぎるよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希は泣き声で訴える。
 「愉しませろよ」
 赤座元太は突っぱねた。
 「ものすごーーーーーーーーーーく。もの凄く。恥ずかしいのですよ」
 石川茉希は泣き声で訴える。
 赤座元太は採取した硬めの唾液の様な物質をガラス板に載せて石川茉希の目前に翳した。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な泣き声の様な悲鳴で拒絶する。
 「じゃ。中をもっと濡らしてやろう」
 赤座元太は宇治原歳加年にリモコンから伸びたアームの先端にL字にマイクロローターの付いたアイテムを渡す。
 宇治原歳加年はそれを受け取ってクスコの向きを九十度ずらした。膣天井部が?き出しに成る。
 マイクロローターを膣の奥に差し込んで娼婦の泣き所に当ててローでスイッチを入れた。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希に堪えられる刺激ではない。一気に声を上げてしまう。
 宇治原歳加年はじっくり責める。
 「この女を来月のショーに」
 「その予定だよ」
 「何処まで因果を」
 「まだまだ。これから」
 青木学はまだ何もしてない。因果を含める段階じゃないのである。
 「あと何日ある」
 赤座元太は間に合わないと言う。
 「だから今夜の調教だよ」
 青木学は一か八かに心算である。
 「他に無いのかい」
 「今のところな」
 「十二月の子は」
 赤座元太は桜田明亜の事を言っている。
 「駄目だよ怖がってしまってスーパーコンパニオン以外はやらない」
 「あの女がソープランドチェーンの社長に嗾けたからだな」
 「まったくや。少し我慢したら大きく稼げたのにな」
 「ショーにはピッタリの女だった。自分より桜田明亜のショーが軽いのが気に入らなかったのだよ」
 赤座元太は源氏名では呼ばない。既に本名を知ってしまっていた。
 「徐々に慣らさないとな」
 「亜寿香に少し高く払ってやればああ成らなかったかもな」
 赤座元太は金が違えば出て行かなかったと言いたい。
 「うん」
 青木学もそれは感じていた。以前はそこまで考えが及ばなかったのである。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 石川茉希は遂に潮を噴き上げてしまった。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。もうむりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また泣き悲鳴で叫ぶ。
 「女はいくら逝っても問題ない」
 宇治原歳加年は取り合わない。さらに責め続ける。
 「だめーーーーーーーーーーーーーー。でちゃったよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに泣き声で叫ぶ。
 「大歓迎だ。漏らした方が客は悦ぶ」
 「はずかしいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 プレイが始まる前は落ち着いた大人の女の対応をしていた。それが完全に崩れて女の子に成ってしまっている。
 「それを提供してくれてあんたは稼げるのだ。割り切れ」
 岡田弥一郎が強い口調で叱咤した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 石川茉希は遂に泣いてしまう。
 「まあ。泣くのは構わないし。恥ずかしさに喚くのも客を悦ばせる。拒否はいけないよ」
 今度は青木学が諭した。
 「はい」
 「だが。今日のように恥ずかしがってくれた方が良い。その方が客は強く興奮する」
 「痛みに堪えろと仰いましたね。こんな事しないで、叩いたら、いいでしょう。ううーーーん」
 石川茉希はさらに泣く。
 「どっちも必要なのだよ」
 「あはあーーーーーーーーーーー」
 追い詰められた泣き方である。
 「纏まった金が要るのじゃないか。此処でなら作れる。だが可能なのは後五年くらいの内だ」
 「はい」
 「いいか。痴漢や猥褻で高い慰謝料は取れる。だがこっちから風俗や売春で稼ぐにはレートは慰謝料には到底及ばない」
 「はい」
 「でも少しずつ沢山からかき集めれば大きな金に成る」
 「はい」
 「来月の三連休に此処でショーがある。大宴会場に客が三十人。コンパニオンも三十人。六時間で百五十万に成る」
 「私が」
 「そうだ。やって貰う。その先の指名も付く」
 「はい」
 石川茉希はあっさり了解してしまった。
 仕方ないのである。金を得なければならない。僅かな所持金で着の身着の儘此処に辿り着いた。
 風俗求人誌を見て来たのである。
 もう泣いてない。
 「良いか。痛い事も恥ずかしい事も受けなければならない。一切躰の何処も隠せない。排泄もだ。動画も撮られる」
 「は、・・・はい」
 石川茉希は飲み込むような返事である。
 「SNSに出されたり販売されたりは無い。此処の会員は社会的に立場のある人ばかりだ。金も有る。自分が愉しむ以上の事は無い」
 「はい」
 「鞭の痕は暫く残る。概ね怪我は無いが医療は保証する。内容によっては慰謝料も請求する。表社会に出す慰謝料ではないがな」
 「はい」
 青木学が最初思ったより説得は難しくなかった。
 
 一月二十三日。
 東北、上越、北陸新幹線は大宮付近の架線事故で止まっている。
 そして明日から日本海側と愛知、九州、四国で雪の予想である。
 民事党は三つの派閥が解散した。検察は大方の党幹部の立件を見送って会計責任者が在宅起訴又は略式起訴されたのである。
 何処のチャンネルもコメンテーターが政治資金の在り方で正論を並べ続けていた。
 月並みな理想を並べる繰り返し。経済政策は停滞する一方である。
 一人答弁の下手な威張っただけの代議士が検察の任意取り調べにも上手く対応できなかったのか離党して議員辞職した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 先行きの予報でも日本海側がそんなには寒くないらしい。だが空はやや雲が掛かっていてどんよりしている。
 相変わらず肉と魚介類を焼いて生ビールで乾杯していた。
 「しかし今日議員辞職したおっさん。あれほど下手な会見は無いな」
 川口の会長が会見の報道を見て呆れる。
 「そうだよ。秘書にも見放されたか」
 医者の男の推測でしかない。
 「不記載の指示は有ったかに俺は何も聞いてないで良いだろ。秘書が以前に記載しない説明をしたと言い切るから聞いていたのだと思うで良いのだ」
 印刷会社の社長である。
 「覚えてないが秘書がそう言うから自分の責任を認めたで」
 川口の会長も同じ見解を言う。
 「そんなので曖昧にして上手に逃げれば良い」
 この面々は完全に嘲笑っている。
 「まったくマスコミはテレビも週刊誌も世の中を綺麗にしようと経済の足ばかり引っ張る」
 葬儀会社の社長は不満である。
 「まあ今年多少上向いても日本が昔の経済大国に戻る事は俺たちの生きている間にはない」
 川口の会長も綺麗事社会に大きく怒りを持っている。
 「やった割には誰も乗って来ないな」
 医者の男は不満分子が立ち上がることに期待していた。
 「まあ。待てそのうち何か起きる」
 川口の会長はじっくり待てばよいと言う。
 「しかし現代の役人には正攻法しかないのか。汚い金が社会に充満すれば使いまくる。それが庶民に落ちて其処から消費税で回収できる」
 印刷会社の社長が嘆く。
 「今の役人に目を瞑るという考えはない」
 「そうだな」
 「プライマリーバランスが回復しても大して景気は良く成らない」
 川口の会長の見解である。
 「風俗が衰退したのは表面的に綺麗に成った日本人の倫理観ではない。アングラマネーが減ったから衰退しているのだ」
 「だから一般の給料が上がっても税金や社会保障費に取り上げられて消費性向は冷えるだけだ」
 「格差など関係ないな」
 「まったくない。アングラマネーが無いから風俗売春で拡散されない。それで最下層に金が行き渡らない。だから俺たちの回収も少ない」
 印刷会社の社長が断言してしまう。
 「表はな」
 運送会社の社長である。
 「裏で稼ぐしか無かろう」
 葬儀会社の社長は怒りながら諦めていた。
 「ところであの紀咲槇乃の居所が分からないらしい。大宮のプレイルームに仕事に来た時を狙うとの事だ」
 川口の会長が状況を説明した。
 「如月鬼堂とかが匿ったか」
 「多分な」
 「確り始末付けて貰えるだろう」
 文句を言っても十分に潤っている連中である。
 
 豊洲。如月鬼堂の居間。
 今月は宇佐美に移動する。毎年の移動である。越後湯沢の雪が解ける三月末から四月に戻る。
 移動と言っても一部の衣類とパソコンのデータぐらいである。
 家具や大方の物はマンションごとに現地の物を使う。
 如月鬼堂はノートパソコンに向かっていた。原稿を締め切りまでに書き上げたいのである。
 カウンターには鍋が掛かって如月鬼堂はビールを飲みながら瀬里菜のよそってくれた牡蠣を抓んでいた。
 「パパ。新幹線終日運休だって」
 珠洲がお茶を飲みながら鍋を突いて言う。
 「越後湯沢に居る時でなくて良かったな」
 「大丈夫でしょう。今日は動かない日だから」
 「そうだが」
 「パパ。進んでないね」
 邪魔しないように珠洲はビルを注いでカウンターに戻った。
 
 一月二十四日。
 日本海側は雪でも関東は晴れている。だが異常に寒い。
 天葛香苗は殺人未遂でも執行猶予に成った。懲役三年。執行猶予五年である。
 三橋貴明の動きを掴みたいが下手には動けない。
 家の中ではロボット二体に護られている。
 それではさすがの女子プロレスラーでも手が出せない。これに押さえられたのである。
 私立探偵は悪い噂も聞くので過去に僅かに接触のあった自分のファンに折り入って頼む。
 そして大宮のSMクラブのプレイルームに現れるまで突き止めて貰った。
 
 連続拉致強姦事件の犯人らと協力関係にある闇組織の男三人は紀咲槇乃の動きを追っていた。
 この三人は刑期を終えた殺人犯の班である。
 紀咲槇乃は自宅アパートを引き払っている。
 如月鬼堂の運営するプレイルームや自宅を調べたが何処にも滞在している形跡はない。
 そして如月鬼堂の元住居で現在は同人誌の様に自主販売する為の印刷発送事務所に成っているマンションの一角に滞在まで突き止めた。
 そしてクラブ麗のプレイルームに週に一回客を取って稼いでいる。
 如月鬼堂の事務所は人の出入りが多い。夜間でも拉致するには防犯カメラの配置などで難しい場所である。
 逆にクラブ麗のプレイルームは大栄橋付近のコンビニを避ければ防犯カメラが無い。
 そして三橋貴明が紀咲槇乃を予約して二人が十九時にプレイルームに入った。
 組織の二人は既にプレイルームをマークして紀咲槇乃が入るのを確認する。
 だが同じように三橋貴明を天葛香苗が見張っていた。
 プレイに入る前に三橋貴明が食事を頼んでそれが搬入される。
 既に組織の二人が通風孔から天井裏に侵入して催涙ガスの準備をしていた。
 残る一人はPSに隠れて待機する。
 天葛香苗は前日に協力者に同じクラブの女性とプレイさせてルームキーのコピーを取っている。
 コンビニの搬入に見せかけてプレイ中にカギを受け取ってコピーして二回目の搬入で返す。
 女は全裸なのでそっちを見る余地はなかった。
 運悪く天葛香苗の侵入と組織の三人の拉致行動の時間が一致してしまう。
 紀咲槇乃は十字架に磔にされていた。
 三橋貴明は鞭を持って乳房を狙って叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 天井裏の一人が催涙ガスを流した。
 三橋貴明が鞭を振り被ったまま倒れてしまう。
 紀咲槇乃も十字架に磔のまま意識を失って垂れ下がってしまった。
 天葛香苗が着く前に組織の男が室内に突っ込む。
 そこに天葛香苗が合鍵を使って侵入する。
 一人がサイレンサーで余分な三橋貴明を銃撃した。
 それを見た瞬間天葛香苗は男に飛び掛かる。
 一人は床に転倒して一人は天葛香苗に腕を押さえられた。
 PSに隠れていた一人が後から飛び込んで天葛香苗に催涙銃を撃ち込む。
 三人は急いで天葛香苗と紀咲槇乃の二人を特殊な袋に詰めキャンピングカーで運び出した。
 三橋貴明を運び出すには無理があったので放置してしまう。
 PSに隠れて居た男は瞬間に天葛香苗を女と見て催涙銃を使ったのである。
 組織の三人は落合場所まで向かうと別のパッカー車が待っていた。
 其処で別の組織の男二人が引き継いで内房のリゾート施設に運び込む。
 二人を拷問椅子に厳重に固定して海外経由の回線で川口の会長に報告する。
 組織の男らは二人に点滴をセットして行った。
 
 一月二十五日。
 クラブ麗のマネージャーがプレイルームを確認して救急車を呼ぶ。
 三橋貴明は一命を取り止めた。
 その供述の断片から紀咲槇乃が拉致されたとほぼ断定される。
 一度連続拉致強姦事件の犯人と思しきに拉致された被害者と判って報道が再沸騰した。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 如月鬼堂は今朝豊洲から移動して来た。珠洲の運転する車の中で報道を確認する。
 そして三輪三千夫からの連絡で詳細を知った。
 「槇乃さんは強く説得したのにあの犯人の調査を続けていたのか」
 「いいえ。それは留まったと思います。ただ動画投稿サイトに事件の真相をイメージするような動画を投稿していました」
 「なんと」
 「三橋さんは一命を取り止めましたが槇乃さんを磔にしてプレイの最中に眠く成って倒れたと供述しています」
 「犯人は完全に死亡を確認しなかったのだな」
 如月鬼堂は実行犯に油断があったと見た。
 さらにニュースを見て天葛香苗に協力したファンの男が名乗り出る。そこで天葛香苗の行方不明も確認された。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 六人は内房のリゾート施設に向かう前に報道を確認した。
 「一つ失敗しおったな」
 葬儀会社の社長が呟く。
 「まあ。問題は無い。捜査が辿り着く事は無い」
 川口の会長は問題ないと言う。
 六人は君津まで電車で向かった。君津から分かれてリゾート施設に入る。
 「引退したプロレスラーの女だ」
 印刷会社の社長が気付く。
 「天葛香苗だな。そうなると厳重に押さえないと危険だな」
 運送会社の社長が磔を厳重にした。
 「こいつが殺しそこなった男に復讐に来てバッティングしたのだ」
 「そうらしい」
 「どっちからやる」
 「この元女子プロレスラーからだな」
 「動画公開して開放するか」
 「いいや。こいつは始末した方が良い」
 川口の会長は慎重に成る。
 「撮影は」
 「どうせ行方不明は報道されている。ばら撒いたら悦ぶ輩はたくさん居る」
 「そうだな」
 医者の男も賛成する。
 印刷会社の社長は撮影の準備に掛かっていた。
 六人は天葛香苗を麻酔で眠らせたまま輪姦してしまう。
 それが終わってから撮影を始めた。
 医者の男がスタンガンで天葛香苗を起こす。
 「う、うぐう、うーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 天葛香苗は眠りから覚めるようにゆっくり意識を回復した。
 「何だお前らは!!」
 天葛香苗は六人を見て慄く。
 そして拷問椅子の上に全裸の自分に気付いて躰を藻掻くように揺する。
 全員忍者姿黒装束である。
 「ああーーー。連続拉致事件の」
 「判ったようだな。我々の実行役があんたの行動とバッティングしたようだ」
 医者の男が状況を説明する。
 「ああ。ああ。それで」
 サングラスにマスク姿の男だった。部屋に自分が飛び込んだ寸前に三橋貴明を射殺した光景が浮かぶ。
 「三橋は」
 「実行役が死亡を確認しなかった。病院に運ばれて一命を取り止めた」
 「ああ」
 天葛香苗は複雑な気分でやや安堵した。
 医者の男は続いて紀咲槇乃もスタンガンで起こす。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃も瞬時に意識を回復した。
 「どうしてこう成ったか分かるか」
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は忍者姿黒装束を見て驚愕の悲鳴を上げる。
 最早絶望である。
 如月鬼堂の忠告に従った心算でいた。動画を投稿しただけでこう成ったのか。一番に浮かぶのは娘がどうなったかである。
 「大人しくしていたらあれ以上の事には成らなかったのに」
 川口の会長が囁く。
 「子供は安心しろ。如月鬼堂とかの事務所の奥に居たからそのままだ」
 今度は運送会社の社長が告げた。
 紀咲槇乃は安堵をしたもののその先どう成るかが心配である。
 自分が此処から帰れなければ施設送りに成ってしまう。
 「こっちの女がどう成るか見ていろ」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長が宣言する。
 「姉ちゃん余計なところに出て来たな」
 運送会社の社長は邪魔しやがってと言わんばかりである。
 天葛香苗は憮然と座った目つきで男らを見回す。
 運送会社の社長は竹刀を持っていた。川口の会長はワイヤーをU字にした鞭を持っている。
 運送会社の社長が竹刀で天葛香苗の乳房を叩く。
 「う」
 天葛香苗は睨み返す。
 川口の会長が反対側から乳房を叩く。ワイヤーのU字部分を乳首の周りに叩きつけた。かなり力が入っている。
 「ぐう」
 鈍い悲鳴しか出ない。
 医者の男が乳輪の横にスタンガンを押し付ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに悲鳴が上がってしまう。
 「電気責めの方が面白いな」
 「その前にきっちり撮影して公開動画を作らないと」
 印刷会社の社長が要求する。
 天葛香苗は何処を撮影されても騒がなかった。
 「ま〇この奥に電流流してやる」
 医者の男である。
 クスコで膣の奥を撮影したままに成っていた。
 医者の男はクスコを横向きに入れ直す。奥の子宮口にブジーの先端を突っ込む。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに堪えられない。
 続いて尿道口にもブジーを突っ込む。
 「うぐう」
 痛いが天葛香苗には軽微らしい。
 医者の男が子宮口に刺さったブジーにスタンガンに繋いだ鰐口クリップを繋ぐ。川口の会長は尿道に突き刺さったブジーに繋いだ。
 天葛香苗は座った目つきで二人を見ている。
 川口の会長がスタンガンのスイッチを入れた。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さすがに苦しみ藻掻いて悲鳴を上げる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーー」
 藻掻き続けた。
 医者の男は一度尿道のブジーを抜く。そしてカテーテルを突っ込む。
 尿を抜いて大きなビーカーに受ける。
 寝かされていただけにかなりの量が出た。
 その間に葬儀会社の社長と産業廃棄物収集運搬処分業の社長が黒い幕の向こうで小水をビーカーに取ってくる。
 医者の男は管だけのカテーテルを突っ込む。本来膀胱に入る部分の先端を切ったのである。
 二人が持って来た尿を先端が細くシリンダーの太い注射器に吸い上げた。
 天葛香苗はさすがに恐ろしい物を見る表情に成る。
 「なにーーーーーーーーーーーーーー」
 医者の男はカテーテルの反対側に注射器の本来なら針を付ける先端を接続した。現代のような使い捨てでない昔の注射器である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 猛烈に叫ぶ。天葛香苗がリングで上げる雄叫びの声と変わらない。
 「なかなかの迫力や」
 医者の男は哂いながら淡々と尿を流し込んでゆく。
 「あーーーーーーーーーーーーー。きちがいーーーーーーーーーーー」
 堪えられない不快さ為す術がない。さすがに慄く叫びに成る。
 注入が終わると次に医者の男は子宮口に刺さったブジーにスタンガンの電流を流す。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫ぶと同時に尿道から尿が漏れ出す。
 一度膀胱を空にしてから入れられた他人の尿である。
 医者の男は直ぐにスタンガンのスイッチを離す。
 紀咲槇乃はもう一台の拷問椅子に磔にされてこの状況を見ている。躰がぶるぶる震えていた。
 元人気女子プロレスラー天葛香苗の人格を完全に踏み躙る仕打ちである。
 そしてこれが後日動画でばら撒かれる。
 天葛香苗もこれまでの報道でそれは判っていた。
 大股開きで膣の中を丸出しにされて痛みに漏らしてしまう姿である。
 この犯人らの恐ろしさを噛み締めるしかない。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 尿が出切って天葛香苗は怒りに猛ぶ声を上げる。力の限り拷問椅子を揺すって暴れ軋ませた。
 運送会社の社長と産業廃棄物収集運搬処分業の社長が日本刀の抜き身を構えている。
 それぞれその刃先を天葛香苗の乳房に充てた。
 「・・・・・」
 乳首を斬り落とされると悟る。さすがに声も出ない。
 二人は同時に振り被って振り下ろした。
 乳輪ごと乳首が飛ぶ。血がドバっと流れる。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 続いて葬儀会社の社長が腹を横に薙いだ。
 血飛沫が飛ぶ。
 天葛香苗は動かなくなった。やがて血を失って絶命する。
 医者の男が紀咲槇乃に近付く。
 「さあ。あんたの番だ」
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーころさないでーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は何としても子供のところに帰りたい。
 「ここからあんたの挽歌だ」
 川口の会長が宣言してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃は泣き叫ぶ。
 「あんたの残した金はあの館山とかいう敏腕弁護士が保護してくれるよ。施設送りには成るだろうが」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめよーーーーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃はさらに泣き叫ぶ。
 「死に方を選ばしてやる」
 川口の会長が宣言する。
 「いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。かえらせてーーーーーーーーーーーーーー」
 パニック以上。半狂乱に訴えた。
 「一つはこの女の様に血を失って死ぬか。一つは電気椅子。最後は生きて眠ったまま破砕処理機だ」
 川口の会長は淡々と言う。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーなつみーーーーーーーーー」
 紀咲槇乃はもう何も考えられない。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 館山弁護士とテレビ会議が繋がっていた。
 「しかしSNSは風俗嬢と判ると酷い書き込みだ」
 如月鬼堂は怒りを剥き出す。
 「何を書いても本人が訴えようがないですよ」
 館山弁護士は本人死亡又は行方不明では法的処置を取れないと言う。
 「生きて帰っても本人はこれ以上騒ぎたくない」
 この流れで犯人らが紀咲槇乃を生かして帰す事は無い。
 
 一月二十六日。
 天葛香苗の動画だけが大量のメールでばら撒かれた。

 
 最期のSM小説家 第四十三幕 続報復挽歌 完 





 最期のSM小説家 第四十四幕 新たなる劇場型犯罪 


 二〇二十三年大寒中元。太陰太陽暦十二月二十二日。
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 二〇二十四年二月一日。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 如月鬼堂はゆっくりシャワーを使って朝食のラーメンを作って食べた。
 今朝は味噌バターラーメン。メンマ、卵、海苔、もずくが入っている。
 瀬里菜がカリタで淹れてくれたコーヒーを飲みながら囲炉裏端で執筆内容を思案していた。
 逃亡していた過激派が病院で死亡したことの関連ニュース。政治の裏金の使途を追及しようとコメンテーターが意見を述べ合う報道がメインである。
 「ねえ。パパ。あのお金いったい何に使ったの」
 珠洲が横でテレビを見ながら話し掛ける。
 「政務活動費だろ」
 如月鬼堂は検察が立件を見送るのが正しいという答えである。
 「それじゃ何で隠すの」
 珠洲は如月鬼堂の答えが気に入らないらしい。
 「キックバックを記載しないと言う事を政治家は知らなかった。会計担当者は長年派閥からの指示通りにやっていた。だから正規のお金と一緒に使った」
 「それじゃ悪くないみたいよ」
 珠洲は不満である。
 「それ以前にどの政党も権力争いだ。善など何処にも無い」
 「誰が記載しないと指示したの」
 「おそらく杜永元総理、亡くなった細河元会長のラインじゃないか」
 「それじゃあとは関係ないの」
 「無くはない。だが不記載にしても個々の議員に大きな資金には成ってない。派閥に居て会計責任者は指示に従うしかない。大方は煽りを食っただけだな」
 如月鬼堂は無駄な事に時間を使っているという意識である。
 「無くはないとは」
 珠洲はさらに不満である。
 「何人かはバックに期待はしていた。だが不記載にする必要はなかった」
 「射殺された安田元総理が止めさせようとしたのは」
 「キックバックを廃止したかったのだろ。一部を除いて大した見返りではない。不記載を知っていたかどうかも定かではない」
 「じゃ何故不記載を指示したの」
 「恐らくもっと大きな金額の裏金に期待していたか。派閥の結束を裏金で固めたい意図かもしれない」
 「大方の議員は派閥に居て利益は薄かったの」
 「結果的にはそういう事だ。だがこれまでは派閥に居て大臣ポスト、選挙区、応援、さらに細河が握っていた教団の票田だな」
 「それじゃ今回はその報いが来たのね」
 「安田派を選んだことで失敗して大きな割を食ったと言う事だ。だが本当に割を食っているのはこんな事で政治が停滞して財布がまた冷える最下層だ」
 「民事党の中で正しい人は居ないの」
 「正しく見える位置に居る人は居る。野党も同じだ。民事党の失敗に付け込んで蔓延ろうとしているだけだ」
 「それじゃみんな悪と言う事」
 「悪かどうかは知らない。みんな自分の利益と金。そして出世と権力だけだよ。それが悪いとは言わないが」
 如月鬼堂は裏金を一々非難する気はない。寧ろ野党が蔓延って経済が今以上悪く成ったり風俗が規制されたりは嬉しくない。
 「偉くなって権力に近くなるとそれぞれの利害が最優先に成るのね」
 珠洲はなんとなく如月鬼堂の言いたい事は理解した。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 二月にしてはやや暖かめの気候に寿司桶を出前させて冷たい生ビールで乾杯している。
 「何か面白い事が起きるらしいな」
 医者の男は今日の集まりに期待していた。
 「四人集めた。百万。香典として小遣いを渡した」
 川口の会長は既に作戦を開始している。
 「何かやらせて死んで貰うか」
 「そうだ」
 「よく集まったな。不満分子は沢山埋もれているが」
 「四人で四百万とは安いな」
 「そいつらの目的も果たせる。あっちの組織から二人監視に出て貰う」
 「何をやる」
 「一々正論翳して経済の足を引っ張る御仁と偉い井原絹代の娘を公開処刑するのだ」
 川口の会長は既に準備を整えていた。
 「それは愉快だ」
 「誰が標的だ」
 葬儀会社の社長である。
 「一人は週刊太陽の編集長の娘だ」
 「うん」
 印刷会社の社長は不敵に哂う。
 「一人は風俗を何かと規制したがる立憲国民党の女性議員の妹」
 「あいつか。あいつもお仕置きすべきだが。もう女の価値は無いな。それで妹が代わりか」
 医者の男の日頃からの鬱憤である。
 「一人はテレビ太陽を退職してコメンテーターやっているうざい男の姪だ」
 「それは良いぞ。俺はあいつが気に入らん」
 今度は葬儀会社の社長が悦ぶ。
 「さらに今回裏金を摘発した大学理事長の孫娘だ」
 「それは大騒ぎが期待出来るな」
 医者の男が悦び期待にほくそ笑む。
 「それから原発に強く反対する叔母さんコメンテーターの末娘」
 「経済の足を引っ張ることに変わりないな」
 印刷会社の社長がそれも有りと認める。
 飲み会は盛り上がりに盛り上がって行く。
 
 二月二日。
 仙台。国分町。
 榊原達夫は川口の会長から迂回振り込みで百万を貰った。
 会社を経営していた社長である。税務調査で破産した。
 吉原でボーイをやって食い繋いでいたがその仕事もコロナの影響で客が減って経営形態が変わって解雇されてしまう。
 掃除会社で働いていたが体力の限界が来ていた。
 仙台でハードなSMクラブが在ると知って此処で使い切る所存である。
 クラブのマネージャー立ち会いの上で女性と話をつけて五十万のプレイ代と入会金を払ってSMのできるファッションホテルに向かう。
 女はまだ二十五歳。立壁侑里菜という。
 一緒に湯に浸かりながら唇を貪り女の部分に指を滑り込ませる。
 顔付きは気丈そうだが殆んど無口で弱々しい口調である。
 「あはあ」
 奥の敏感な部分に侵入すると立壁侑里菜は声を漏らしてしまった。
 顔は十人並みだがスタイルは良い。
 何よりも脚が綺麗である。内腿に余分な肉もない。
 肌も肌理が細かく色白である。
 乳輪は三十ミリくらいで乳首は程よく突起している。
 全体が薄紅色で若さを感じさせた。
 この躰をズタズタにしたい。前鞭無制限で局部もOKの了解は取った。
 時間は十二時間。ゆっくり責めれば良い。
 立壁侑里菜は一千万のバンスを背負っている。
 若くして商売を始めて失敗した。
 破産宣告で消えない借金が残っている。
 ぎりぎり迄メーカーが支援してくれたが破産宣告をしても返すという条項の有る文書にサインしてしまったのである。
 知り合いに遭遇したくないので東京を離れて仙台に来た。
 榊原達夫は立壁侑里菜を壁に面した浴槽の淵に座らせる。
 股間を覆う黒い塊にローションを掛けて塗す。
 まずは剃毛からである。
 床屋が使う剃刀で陰毛の根元から剃る。一気にローションに濡れた黒い塊が浮き上がった。
 それを退かすと黒い塊の下は紅い皮膚が剥き出してくる。土手を綺麗に剃ってしまう。
 肌理の細かい紅い皮膚がなかなかそそらせてくれる。
 大陰唇の間に挟まった細長い二枚貝がなかなか良い。クリトリスを包んだ包皮の下に延びる小陰唇が薄っすらと紅みが掛かって生々しい。
 そんなには使ってない女の部分である。
 指で広げると中は薄い緋色から薄橙になる。膣口の周りが淡い薄橙である。
 さらに両手の指で膣口を割る。
 波打った薄橙の粘膜の壁が広がった。湯の中で指を入れて弄ったので粕は残ってない。
 如月鬼堂の小説に出てくるように粕を掬ってそれを目前に翳して辱めたかったが失敗である。
 この若い女の美しい乳房とまだ綺麗な女の部分をずたずたにできると思うと六十五歳にも成って興奮が込み上げてしまう。
 浴室から出して躰を拭いて拷問椅子に固定する。
 クスコを取り出して膣に挿入して広げてしまう。
 カテーテルカメラを繋いで内部をスクリーンに投影した。
 「どうだ。ねえちゃんの女の奥だ」
 榊原達夫は詰る。
 「う、うん」
 何度も見せられている反応である。
 子宮頸管拡張器を取り出す。
 それを子宮口に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は強烈な悲鳴を上げる。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。あはあん。ああん。あはん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 抜いても痛みに藻掻き泣き続けた。
 「痛かったね。次は痒みだ」
 榊原達夫は残酷な宣言をする。
 今度は小さな袋に密封された山芋の擂り汁をを取り出した。
 コンビニで買った蕎麦に入っていた物である。
 それをクスコの奥に流し込む。そしてクスコは抜いてしまう。
 「痒く成るよ」
 「・・・・・」
 立壁侑里菜は辛い表情で堪えるしかない。この客から破格のプレイ料金を貰ったのである。
 榊原達夫は暫く立壁侑里菜を放置した。
 痒みが効いてくるのを待つ。
 
 名古屋市中区栄。
 塚原瑞樹も百万の前倒し香典を受け取った。
 若い女をとことん玩具にしたい。ハードより若さを求める。
 SMクラブを梯子しようという目論見である。
 スマホで検索してタイプに近い女を選ぶ。
 通常のハードを選んだ。
 クラブのプレイルームに入る。
 
 その間に五人の拉致は一斉に行われた。
 ロボットが拉致して一度潜水艦に回収する。内房のリゾート施設に海底の洞窟から潜水艦で侵入して施設の地下に運び込む。
 拷問椅子で眠らせたまま点滴をセットして尿道カテーテルを挿入して拷問椅子にセットされた壺に排泄させる。
 一人目の犠牲者は立憲国民党の女性議員の妹で田代未代二十九歳である。
 二人目も全裸にされ拷問椅子に乗せられた。
 週刊太陽の編集長の娘で落合静香三十二歳である。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 本多椿が来ていた。翌日のスタジオの打ち合わせである。
 館山弁護士とはテレビ会議が繋がっている。
 明日のテーマはなかなか決まらない。
 「裏金の問題は触れたくない。地震も触れないことだ」
 「そうですね」
 館山弁護士もそれに賛成である。
 「ところで上永外務大臣は麻留副総裁の言葉に何も怒らないの」
 本多椿が打ち合わせの合間とポツリと言う。
 「波風立てない以前に相手にしてないのだろ」
 「え、え。相手にしてないの」
 「例えばだ。老人ホームで容姿の事や女性蔑視の発言をしても介護師は一々怒らないだろ」
 「でも野党の女性議員は強く怒っていますよ」
 「それはあっちの立場ではそうだろ。上永外務大臣はやる事をやって行く考えだ。岸元総理に対しても同じだよ」
 「相手にしてないと」
 「力量の足りなさを見抜いて問題に成らない範囲で勝手に動く。野党と違ってくだらないことで争う気は無いのだよ」
 「期待できる人なの」
 「どうだろう。それ以上力を付けてほしくは無いが」
 「嫌なの」
 「私は嫌だな」
 「岸元総理は何で支持率が上がらないの」
 「最近支持率が落ちるのは裏金問題かもしれないが。元々下がっていた。経済、経済と唱えても対策が不十分だ。総てにおいてそれが言える」
 「明日はそれで行きます」
 本多椿はこれで行けるかもしれないと思った。
 「一番無難かもな」
 如月鬼堂はまだ憂鬱である。紀咲槇乃の行方不明。娘は館山弁護士が一応の対応をしていた。
 
 仙台。国分町のファッションホテル。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーん。うう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。うふうーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は拷問椅子の上で痒みに藻?いている。
 「どうだそろそろ掻き回してやろう」
 榊原達夫はドリルバイブを翳す。
 「え、ええーーーーーーーーーーー。そんなのこわいーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は泣きそうな表情である。
 「痒いだろ。掻き回してやる」
 「あ、ああーーーーーーーーーん。かゆいよーーーーーーーーーーー」
 痒みにも堪えられない。だがドリルバイブは怖い。
 ローションを塗る必要ない。既に膣口から膣液と山芋の汁が混じって流れ出ていた。
 榊原達夫は容赦なく突っ込む。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スイッチが入った。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は大口を破裂させて声を上げてしまう。
 「気持ち良いだろ」
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。こわいよーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 榊原達夫は何処までも責め続ける。
 
 名古屋市中区栄。SMクラブのプレイルームである。
 塚原瑞樹はSM嬢を逆さ吊るしにしていた。
 SM嬢は日向桂里奈という。
 天井から下がった二台のチェーンブロックに引っ掛けて吊るしていた。
 両方の太腿の付け根に各々二重に縄を掛けてその縄に付けたフックをチェーンブロックのフックで吊るしている。
 股間が真上を向いた大股開きの姿である。
 その膣口にクスコを突っ込む。膣の奥を大きく広げた。
 リモコンから伸びたアームの先にマイクロローターの付いたアイテムで膣天井部を責める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーん。あはん。あはあん。あはん」
 日向桂里奈は行き成りの責めに声を上げて藻掻く。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な刺激に藻掻き続ける。
 
 内房のリゾート施設。
 三人目と四人目が運ばれて来た。
 リゾート施設に居るのは組織の男二人だけである。
 運ばれた一人はテレビ太陽を退職してコメンテーターやっている煩い男の姪で玉井蛍という。
 もう一人は今回裏金を摘発した大学理事長の孫娘で北条優樹菜である。
 組織の二人が同じように眠らせたまま全裸にして拷問椅子に磔る。
 同じように点滴とカテーテルをセットした。
 そして潜水艦はあと一人を回収に向かう。
 拉致を行ったロボットも一緒に潜水艦で着いていた。
 
 仙台。国分町のファッションホテル。
 立壁侑里菜は失神している。
 痒みにドリルバイブの責めで官能を受け入れざるを得なかった。
 榊原達夫は立壁侑里菜の頬をびんたする。
 「うう」
 数発叩いて立壁侑里菜は意識を戻した。
 「痒いだろ」
 「う、ううーーーーん」
 立壁侑里菜は痒みに顔を震撼させる。
 「一発入れさせるなら酢で洗ってやろう」
 SMクラブでは挿入はアナルのみである。榊原達夫は条件を付けて交渉する。
 「内緒だよ」
 「そうだな。内緒だな」
 話はついた。
 クスコを入れて内部を酢で霧吹きする。そのあと何回か水で洗った。
 それから軽く挿入する。果てるまではやらない。入れればよいのである。
 ここからハードにしたい。
 部屋の壁のフックに両腕を広げて磔にする。
 鞭を取り出した。
 立壁侑里菜は前鞭無制限を了解している。それでもいざ来ると成ると緊張が奔った。
 躰は微妙に震えている。
 榊原達夫は斜め前に立って片手で鞭を持ってもう片方の手で先端を持つ。
 狙いを定めて持つ手を変えた。
 先端が細長い一本鞭である。叩かれれば確実に痕が付く。
 流すように乳房を横に薙いだ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜の躰は瞬間固まって反動で膝を蹴り上げる。
 「うはあーーーーーー。はあ。はあ」
 痛みにブルブル震えた。
 榊原達夫は二発目を同じように乳房に流す。
 「うぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また膝を蹴り上げて藻掻く。
 榊原達夫はこの綺麗な乳房を蚯蚓腫れにしたい。
 一発目の痕が紅い筋に成って浮いてきていた。
 その上から三発目を薙ぐ。
 「うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 背中を動く限り丸めて膝は乳房に当たる寸前まで跳ね上がった。
 「あはあーーーーーーーーーー。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 立壁侑里菜は荒い息遣いで藻掻き続ける。
 榊原達夫は次の一発を股間付近に叩きつけた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 脚を交互に揺すって痛みに藻掻く。
 次の一発は太腿を揃えて薙いだ。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 背中を丸めて痛みに躰を震撼させる。
 立壁侑里菜には高額プランのハードコースはこれが初めてである。
 何発叩かれるか分からない。
 拒絶はできない。どこまで耐えられるかも分からない。
 次の一発が乳房に飛んで来た。先端は左の乳首を直撃している。
 「ぐがあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 膝を蹴り上げその位置で瞬間固まった。
 「あはあーーーーーーーー。ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 震え藻掻きながら脚を下ろす。
 榊原達夫はさらに乳房を狙って構える。
 「あはあーーーーーーーー。まって。少し待って」
 痛みが薄れるのを待って欲しい。涙声で訴える。
 「無制限だろ」
 榊原達夫は興奮に滾っていたのを止められて言葉を荒げてしまう。
 「まって。ああ。受けないと言わないから。あはあ。少し待って。あはあ。間を少し開けて。出ないと息が止まっちゃう。あはあ。はあ。はあ」
 立壁侑里菜は苦しい息遣いで訴え続けた。
 榊原達夫は仕方なく一度鞭を持つ手を下ろす。
 立壁侑里菜は壁のフックに吊るされた腕にぶら下がってしまう。
 少し待って榊原達夫は鞭を振り被る。
 もう待ってとは言えない。立壁侑里菜は身構えた。
 榊原達夫は間を置いた分だけ滾った加虐心からさらに力を込めて一本鞭を乳房に流す。
 「ぐがはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また立壁侑里菜の背中が丸まって膝が強烈に蹴り上がった。
 「がふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 膝が乳房を擦らんばかりにその手前で揺すって藻掻く。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いが続いた。
 榊原達夫はやや落ち着いたところで構える。
 「ああ」
 立壁侑里菜は辛さを表情に滲ませてしまう。
 その表情が榊原達夫をさらに熱くする。
 鞭に力が籠った。
 「あ」
 その感覚が立壁侑里菜に伝わってしまう。
 強く力の籠った鞭の先端が乳房を横に引っ張るように薙ぐ。
 「ぐーーーーーーーーーーがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 表情を強く破裂させた悲鳴が上がる。上体は前に強く折れて膝は斜めに強く蹴り上がった。
 「ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は悲痛に歪んだ顔を振って悲鳴を絞り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーー。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 壁のフックにぶら下がるように腰が下がって荒い息遣いが続いた。
 
 名古屋市中区栄。SMクラブのプレイルームである。
 日向桂里奈は塚原瑞樹の執拗な責めに逆さ吊るしのまま失神してしまった。
 その前に失禁を繰り返して床は潮でびしょ濡れである。
 日向桂里奈の躰は空中に船の錨を逆さまにしたような形で逆さ吊るしにされていた。
 股間は大股開きで両方の脚は左右に斜め下を向いて延びている。
 塚原瑞樹は斜め上を向いて丸出しに成って潮で濡れた日向桂里奈の女の部分を指で広げてクスコを差し込む。
 上からのカメラを下げてクスコに接近させた。
 鞭を手にする。先端が細長い一本鞭である。
 一応ハードコースだから叩いても構わない。
 だがかなり制約も言われていた。
 取り敢えず乳房を叩く。
 一回。二回。三回。
 「うぐうーーーーーーーーーーー。がふぉん。がふぉん。ぐおふぉん」
 日向桂里奈は意識を回復して咳ばらいを繰り返した。
 「どうだ。何回も逝って潮で躰も床もびしょ濡れだ」
 塚原瑞樹は詰る。
 「だって。あんなのであんなに責められたら誰でも変に成るよ。やりすぎだよーーーーーー」
 日向桂里奈は恥ずかしさと失神の怖さに反論してしまう。
 「モニターを見ろ。あんたのお〇〇この中がアップだ」
 塚原瑞樹は日向桂里奈の顔の正面に移動したモニターを示す。
 「あーーーーーーーはん。あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 日向桂里奈は究極に恥ずかしいものを晒されて慌て叫んでしまう。
 「見た事ないの」
 「ないよ!見たくないーー!恥ずかしいよーーーーーーーー」
 「見られた事は」
 「有るけど。プレイで何回かと。あと病院」
 「よーーく見ていて。中から濡れとか分泌物を取り出すから」
 「えーーーーーーーーーーーーーーー」
 堪らないという反応である。
 塚原瑞樹は踏み台に上ってクスコの上からロングスプーンを差し込む。
 「あは。あは。ああ」
 日向桂里奈は堪らない感触に声を上げてしまう。
 塚原瑞樹は白く濁った滑りを掬い出して黒い小皿に載せる。
 一旦踏み台から降りて日向桂里奈の視線の先の床に置く。
 「いーーーーーーーーーやーーーーーーーーーーーーーー。あはあはああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 また堪らず悲鳴を上げてしまう。
 塚原瑞樹には満足な羞恥責めである。
 そしてクスコを抜くと剃毛がしたく成った。
 「これ剃っていいだろ」
 「追加一万円ですよ」
 「判った」
 踏み台から降りて財布から一万円札を抜き取って日向桂里奈のバックの持ち手に引っかける。
 それを指さして日向桂里奈に示した。
 「うん」
 「いいだろ」
 「あーーーーーーーーーん。このまま」
 「丁度上を向いていて」
 「えーーーーーーーーーー。診察台かあっちの椅子にしてよ」
 さすがに逆さ吊るしのままは辛い。
 仕方なしに吊るしを下げて床に降ろす。高手小手の縄と太腿の縄を解いて一度シャワーに行かせる。
 降ろした床が潮で濡れていたからである。
 色白で痩せ型。綺麗な躰の線。何としても剃毛したその部分が愉しみたい。
 
 仙台。国分町のファッションホテル。
 立壁侑里菜は全身に鞭の真紅の筋が奔って一部鬱血していた。
 顔は涙と汗で化粧が解けてマスカラも流れて無残である。
 一度休憩を入れさせて湯に浸かって化粧直しをさせた。
 榊原達夫はビールを飲んでテレビを見ながら待っている。
 立壁侑里菜は浴室の中で泣いていた。
 時間が長く成り過ぎたので髪を乾かして顔と躰を拭いて出る。
 「ごめんなさい」
 立壁侑里菜は遅れたので取り敢えず謝った。
 榊原達夫はグラスをもう一個出してビールを注いでやる。
 「飲むか」
 「はい。ありがとうございます」
 立壁侑里菜は消えそうな声で礼を言う。
 「バスロープ羽織って。食事頼むから」
 「はい」
 「寿司で良いか。それとも鰻」
 「どちらでも」
 握りの特上を二人前とビールの追加を頼んだ。
 「あとプレイは」
 「食事の後だ。一時間くらい休憩だよ」
 まだハードメニューは殆どこなしてない。
 立壁侑里菜はこの先が不安である。
 榊原達夫は明日の昼まで寝て高級ソープで遊んで何処かで飲む。そしてその翌日は千葉に向かう。
 本番はそこからである。同じ事を今度は真剣にやる。既に前渡しの香典は貰った。覚悟はできている。
 立壁侑里菜は鞭だけでかなり疲弊していた。それでももう少し虐めたい。
 
 内房のリゾート施設。
 最後の五人目の犠牲者が潜水艦で運ばれて来た。
 原発に強く反対するコメンテーターの叔母さんの末娘。井原佐那二十七歳である。
 そして拷問を手伝うロボットも揃った。
 明後日から始める榊原達夫がトップである。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 行方不明の報道が始まっていた。
 館山弁護士はテレビ会議のままである。珠洲と瀬里菜の他に本多椿が居た。今日は此処に泊まる。
 「かなり際どい事を狙っているな」
 拉致された女性から連続拉致強姦事件の犯人らの関わった事件とほぼ断定されていた。
 「えーー。悪いタイミングですよ」
 本多椿は困った表情である。
 これで明日のテーマは予定変更しなければならない。
 「まだ進展はそんなにないと思う。少しだけ触れて予定通り行こう」
 如月鬼堂はまだ楽観できるという。
 「そうですね。明日直ぐに動画公開はないでしょう」
 館山弁護士も同意見である。
 「しかし。このタイミングで来るかな」
 「まだ政治資金不記載も地震も治まってないのに」
 「相当に不満が溜まっているな」
 「目的は」
 「騒がせたいだけだ。どんなに拡散しても奴らの意見が主流に成る事はない。分かっていてやっている連中だ。巨費を投入した遊びだ」
 「いつに成ったら終わるのでしょうね」
 「奴らが死んだら終わりだ」
 「逮捕は」
 「逮捕はない。その前に自害する」
 如月鬼堂は言い切ってしまった。
 
 仙台。国分町のファッションホテル。
 立壁侑里菜は床に大の字に磔にされている。
 躰には鞭の蚯蚓腫れが紅く成った筋が何本も走っていた。一部鬱血もしている。榊原達夫はその蚯蚓腫れに蝋燭を落とす。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。うふうーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は躰を右に左に強烈に捩って強い悲鳴を絞り出していた。
 「どうした蝋燭は何回もやっているだろう」
 榊原達夫は立壁侑里菜があまり切迫した声を出すので意外と思ったのである。
 「だって。この蚯蚓腫れに落としたら」
 立壁侑里菜は悲痛な表情で受けている躰の状態が違うと言う。
 そして榊原達夫は蝋燭の火を斜め下にして持っていた。
 蝋燭は斜め上か平行に持てばそれほど熱くない。斜め下にすると一気に熱くなる。距離より角度である。
 暖かい部屋で濡れた躰より寒い部屋で乾いた状態が熱さを強く感じる。
 その言葉を聞いても榊原達夫は止めない。
 立壁侑里菜の悲鳴に熱く成り過ぎて陶酔していた。
 蚯蚓腫れが何本も奔った白く美しい太腿にぽたぽた垂らしてゆく。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あーーふぁああーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は何処までも緊迫した悲鳴を上げて床に磔られた躰を躱すように動く限り暴れさせる。
 「あーーーーーーーーーーーふぁんふぁあん。あはん。あはああーーーーーーーーーーーーー。あふぁああ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 乳房から腰まで真っ赤な蝋涙が躰に積もっていた。太腿も僅かな時間で真っ赤に成った。
 蚯蚓腫れを外すと悲鳴は緩く成る。
 「さあ。ま〇こに落とさせてくれ」
 構わず落とせるが敢えて要求した。
 「あーーーーー。は、はい」
 プレイ内容は事前に事務所で確認されている。辛くても応じるしかない。
 「自分で開いてくれ」
 榊原達夫は静かに究極の要求をする。そして手首の戒めを解いた。敢えて藻掻くのを愉しむため腰のベルトは掛けてない。
 「えーーーーーーーー。この中に」
 立壁侑里菜は辛い表情をさらに濃くしていた。
 「そうだよ。やらせてくれ。VIP真性Mコースだろ」
 榊原達夫は強硬に出る。
 「は・い・・・・」
 立壁侑里菜は辛い表情を強張らせて両手の指で女の部分のビラビラを開く。中は薄い緋色である。
 手も広げた女の部分も震えていた。
 榊原達夫は上から片手で広げている立壁侑里菜の手を押さえて片手で蝋涙を垂らす。
 「うぎゃああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふふうふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 立壁侑里菜は手を放して床に手を着いて躰を捩って藻掻き暴れた。
 「あーーーーーーーーーーはん。あはん。あはあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーん」
 また号泣してしまう。
 今度は榊原達夫が立壁侑里菜の女の部分を片手で開いて芯の周りに溶けた蝋涙を流すように掛けた。
 「あーーーーーーーーーーふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は顔を天井に向けて逸らす。瞬間躰は固まる。そして強烈に甲高い悲鳴に成った。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いに成ったがそれほどの余韻はない。
 ショックが大きかっただけである。
 榊原達夫は腹部の固まった蝋涙から剥がす。
 腹部を鞭で叩く事は避けていた。如月鬼堂の著書に腹部は特に横腹は内臓を壊す危険ありと書かれていたからである。
 榊原達夫は先端が長方形の革二枚の鞭を持つ。
 乳房に被った蝋涙から叩き割る。
 「ぐーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は上体を半分起こして手を斜め後ろに着いた状態である。
 榊原達夫は乳房の蝋涙を鞭で叩き割って剥がして太腿も叩き割って剥がした。
 ドテの上に被ったのを叩き割ってから最後は女の部分に被った蝋涙を狙う。
 榊原達夫は立壁侑里菜の躰の斜め横に立っている。
 「あ、ああ」
 立壁侑里菜は表情を強張らせた。
 蝋涙は半開きの小陰唇とその間に固まっている。ぐちゃぐちゃ状態である。
 榊原達夫は狙いを込める。
 「ふ、ふぁーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜から恐怖の悲鳴が上がった。
 榊原達夫はそれを叩き割る。
 「ぐうふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を強く揺すって藻掻く。
 さらに振り被った。
 「あーーーーーーー」
 立壁侑里菜は辛い表情でそれを見上げる。
 榊原達夫は一気に振り下ろす。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ蝋涙がクッションに成っている。
 榊原達夫は残った蝋涙を指で掃除してしまう。
 「これで最後だ。ここを開いて二発叩かせてくれ」
 榊原達夫は言い聞かせるように言う。
 「・・・・・」
 瞬間。立壁侑里菜は榊原達夫を見上げて固まる。
 「二発だけだよ。これで終了だ。躰洗って帰っていいよ」
 「まだ時間が半分くらいよ」
 「いいよ。だから二発だけ」
 「・・・・・うん」
 立壁侑里菜はやや呼吸を置いて納得した。
 ここで床に磔にした脚の戒めを外す。
 立壁侑里菜は柱に背中を当ててお尻を着いたまま股を大きく開いて両手の指で女の部分を開いた。
 榊原達夫は立壁侑里菜の躰の斜め後ろに立って広がった薄い緋色の部分に狙いを定める。
 立壁侑里菜の躰は微妙に震えていた。
 榊原達夫は思いを込めて叩き込む。
 きっちり薄い緋色の部分を叩いていた。
 「ぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜はそのまま女の部分を両手で押さえて頭を床に倒して蹲る。
 「うーーーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間を押さえたまま床を転げた。
 べったり床に内腿を着いて座って片手で股間を押さえて片手で床を叩く。
 「ぐふぁあーーーーーーーーーーー。ぐふぁあーーーーーーーーー。ぐうふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 なかなか痛みは治まらない。
 涙を零しながら床を叩く。
 榊原達夫は治まるころ合いを見て指を一本立てる。
 「まって」
 立壁侑里菜は応じるしかない。顔を縦に振ってそう答えた。
 そしてもう一度柱を背にして脚を広げて自分の股間を確認する。
 そっとその部分に触る。
 しばらく擦るようにして点検しながら強く開いた。そして覚悟した目で榊原達夫を見上げる。
 榊原達夫はもう一回同じ位置に立つ。
 これが最後と思いを込めて狙いを定める。鞭を短めに持つ。
 的確に薄い緋色の部分を叩いた。
 「う、うう、うぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 立壁侑里菜は股間を押さえて横に床を転げる。そして号泣の涙が溢れた。
 「あはん。あはん。あはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 起き上がっては股間を押さえて頭を床に着けて藻掻く。
 薄い緋色の部分には血が滲んでいた。
 「あーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 また涙がぽろぽろ零れる。
 「シャワーいいですね」
 力なく消えそうな言葉でそう確認した。
 「うん」
 立壁侑里菜はそのまま股間を押さえてシャワールームに向かう。
 シャワールームに入るなりさらに号泣した。
 抜いてなかった湯に浸かってさらに上から湯を追加する。
 これでも事務所で確認した内容は全部こなしてない。時間もまだ半分より手前である。時間いっぱいだったらどう成ったか。
 とても堪えられない。
 一千万のバンスを消すにはこれを受けるしかないのか。どこまでも不安に沈んで行く。
 榊原達夫は別途に十万を掴んで出て来るのを待っていた。
 浴室からバスタオルを巻いて出て来た立壁侑里菜の唇を暫く貪る。
 「これ少ないけど車代だ」
 そう言って十万を渡す。
 「あ、ありがとう」
 立壁侑里菜はもう一度唇を受け入れてから服を着けてクラブに電話する。
 「お客様の都合でお帰りです」
 そう告げて電話を代わった。
 「大丈夫です。明後日が雪なので少し早めに予定をこなしておくので今日は寝ます」
 そう答えて二人でプレイルームを出てしまう。
 
 二月五日。
 榊原達夫は午後から首都圏は雪の予想なので早めに東京に着いて内房線で君津に向かった。
 降る雪が内房線の旧型車両を包み始める。君津が快速電車の終点である。
 君津にはロボットが運転する車が待っていた。
 勿論違法だが実在する本物をロボットの写真に偽造した運転免許証を携帯している。
 そのまま内房のリゾート施設に入った。
 このロボットも榊原達夫の拷問作業を手伝う。
 
 二月八日。
 ようやく大雪から首都高の通行止めが解除された。
 如月鬼堂は瀬里菜に起されてシャワーを浴びる。
 窓から雪の残った景色の向こうに青い海が綺麗に見えていた。
 杉下一行がメールを送って来たのである。
 既に館山弁護士、杉下一行とテレビ会議が繋がっていた。
 瀬里菜がコーヒーを淹れて珠洲がサンドイッチを用意している。
 一人目の犠牲者で立憲国民党女性議員の妹で田代未代二十九歳の動画がばら撒かれた。
 如月鬼堂はサンドイッチを食べながら動画の確認に掛かる。
 ミニチュアダックスのペーが囲炉裏端の嵩上げされた上を走り回っていた。
 珠洲が捕まえて抱きかかえる。
 続いて本多椿がテレビ会議を繋いで来た。
 画面は以前に見た場所のように思える。
 その時は忍者姿黒装束が十人居た。
 今回忍者姿黒装束は一人。そして全裸に忍者の覆面だけした女が四人付いている。ロボットと思われる。
 田代未代は全裸で拷問椅子に磔にされ厳重に固定されていた。
 その躰を部分的にアップにする。
 拉致されたのは夜中に寝ている時である。
 そのまま運ばれて今日まで眠らされて点滴で栄養補給して尿道カテーテルを装着されて排泄を管理されていた。
 拉致された事すら本人は知らない。
 姉や家族は三日前から大騒ぎしていた。
 意識を回復させる前に田代未代の躰を詳細に公開している。
 女の部分を開いてアップにする。さらにクスコを挿入して奥まで見せてしまった。
 乳房はそんなに大きくはないが形は良い。乳輪は小さく紅い乳首だけが突起していて目立つ。
 脚も細く色白で肌の肌理も細かく美しい。
 ロボットの女が二人掛かってドテの黒い塊にローションを掛けて剃毛に掛かる。形を整えてない陰毛なので剃るのに時間が掛かった。
 女姿のロボットが剃毛を行っている間に田代未代のプロフィールが字幕表示される。
 忍者姿黒装束にサングラスの榊原達夫は電子鞭を持って待っていた。
 榊原達夫はやや震えている。
 依頼者の思想までは分からない。自分は税金で会社を失った。日本社会に復讐したい。
 もう体力的に仕事も続けられない。生活保護に成ってまで生きて行く心算はない。
 会社が無事だったらとどれだけ思うかしれない。強引かつ出鱈目強硬な税務調査が原因である。
 裁判には勝ったが口座の差し押さえ凍結などで会社は潰されてしまった。その賠償はされない。
 税務調査が入ったら戦わず修正申告に応じるしかないのかとさえ思う。
 闇サイトの取引で百万の前渡し香典を貰った。これで最後の豪遊をさせて貰えたのである。
 到底今の所得ではできない遊びを最後に愉しんだ。
 事業が盛況だった時代には月に二、三回愉しめたのである。
 立憲国民党女性議員の妹で田代未代を拷問する事が自分の直接復讐ではない。だがあの女性議員の存在は虫唾が奔る。
 利害は一致した。苦しまないで逝けるよう後始末もして貰える。
 女性姿のロボットが剃毛作業を終えて股間を丁寧に拭いていた。
 『これから立憲国民党参議院議員田代綾香の妹を拷問する。同議員の発言に対する闇からの抗議である。
 裏金は必要。アダルトは必要。日本社会は売春に理屈の紙一重で目を瞑って来た。それが日本経済と治安を下支えして来たのである。
 与党の裏金を突っついて議席を蔓延ろうとするだけの野党。与党を指示はしないがお前らの政権には成ってほしくない。
 闇からの抗議によりあと四人が犠牲に成る。
 犠牲者を出したくなければ発言に気を付けろ』
 字幕は剃毛が終わるまで何回も流れた。
 榊原達夫はいよいよ電子鞭で田代未代を起こして拷問を始めなくてはならない。躰の震えを感じながら深呼吸する。
 そして意を決した。
 電子鞭を田代未代の乳輪すれすれの乳房に当てる。
 「あうっ、う、うう」
 田代未代はぼやける目をぱちぱちさせた。
 そして動かない躰を揺する。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 自分の置かれた状況に悲鳴を上げた。
 「な、な、なによーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 忍者姿黒装束の男を見て恐怖の悲鳴に成る。
 「あのモニターを見ろ。今のあんたの姿だ。そして字幕が流れている読め」
 榊原達夫は僅かに震えた口調で言う。
 そこには全裸で大股開きにされて特殊な拷問椅子に磔られた田代未代の姿が投影されていた。
 「何で私が犠牲に成るのよ!」
 田代未代は既にどうにもならない状況に怒り叫ぶ。
 「依頼者の都合だ。俺はあんたを拷問するだけの役割。あとは字幕の通りだ」
 「あ、ああーーーーーーーーー。依頼人はあの犯罪者の連続拉致強姦の集団なの」
 「そうらしいな」
 榊原達夫は田代未代が怒り慌てふためくと逆に落ち着く。
 「何で女性は全裸なの顔だけ被って」
 「あんたが暴れたときの抑えだよ。よおく見ろ人ではない」
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。ニュースで言っていた拉致ロボット」
 「そういう事だ。眠っているあんたを運び出した」
 「うぬーーーーーーーーーーーーーーー。何で姉の代わりにあたしがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は既に取り返しのつかない怒りを腹の底から藻掻き叫んだ。
 「それはな。あんたの姉さんをAVにしても誰も悦ばない。コレクションに加えないのだ。だから代役だ。そしてその方が社会に衝撃が大きい」
 榊原達夫は自分の想定の範囲で詰る。
 「そんな事をする目的は何なの!!」
 田代未代は怒りと恐怖に震えた声で叫ぶ。
 「字幕の通りだろ。俺はそれ以上知らない。前渡しの香典を貰って心行くまで遊ばせて貰った。あとは約束を果たすのみだ」
 榊原達夫は淡々と語る。
 「なんなのそれーーーーーー。何でーーーーー。私がそのぎせいになるのーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代の怒りはさらに沸騰した。
 「だまれーーーーーーーー」
 榊原達夫は田代未代の乳房の谷間に電子鞭を当ててしまう。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに田代未代の躰は震撼する。
 「俺はな。強引な税務調査の濡れ衣で事業を失った。もう失うものはない。落ちるところまで落ちた。だから依頼人の社会に天誅。俺は報復で一致した」
 「そんなの身勝手だろ。濡れ衣なら裁判やればいいじゃないか!復讐はお門違いだよ」
 「どうでもよい。事業が倒産してから訴えても始まらない。税務署はな。何でも修正申告を取りたいのだ。話に応じないと更正決定掛ける。そんな社会だ」
 「そんな身勝手な!自己中だ!」
 「だまれーーーーーーーーーー。俺は日本の役人全部殺しても飽き足りんわ」
 榊原達夫は田代未代の内腿に電子鞭を押し付けた。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一発反対側の内腿に押し付ける。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代の躰は強烈に弾けた。そして拷問椅子が軋む。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 榊原達夫は田代未代の剃毛の終わった大陰唇に当てた。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代の躰は強烈に藻掻く。
 榊原達夫は構わずドテに当てる。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 榊原達夫の責める手はなかなか止まらない。
 
 「今回は逆だな。連続拉致強姦事件の連中が依頼者でこの男は前渡しの香典で雇われたと言う事だな」
 今回は体制が逆に成ったと如月鬼堂は見る。
 「香典という事はこの男は役が済んだら抹殺されますな」
 杉下一行は香典といういい方から殺される覚悟と言う。
 
 「要求は浣腸です」
 川口の会長らは女姿のロボットに命令を伝えていた。
 女姿のロボットの一体が浣腸器に冷やした石鹸水を注入して榊原達夫に渡す。
 動画の画面からはアップに成ってもロボットか女躰か見分けがつかないくらい精巧に皮膚ができていた。
 榊原達夫は大股開きの田代未代のアナルに浣腸器の先端を突っ込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は浣腸の恐ろしさに猛然と叫ぶ。
 榊原達夫はシリンダーを押して冷たいせっけん液を直腸に流し込む。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。つめたいーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に腹の痛みが田代未代を襲う。
 榊原達夫は泣き喚く田代未代の直腸に冷たい液を注入し続けた。
 
 仙台国分町。
 立壁侑里菜はSMクラブの事務所でマネージャーらと拡散された動画を見ている。
 「ねえ。あの人ひょっとしたら一昨日五十万のコースで来てくれた人じゃないかな」
 立壁侑里菜は半信半疑で呟く。
 「何故。そう思う。あの黒装束じゃ判らないぞ」
 「うん。何か動き方とか声が似ているの。仕草がそんな風に思える」
 「おい。余計なこと言うな。警察が捜査しても捕まらない犯人が後ろ盾だ。警察に言ったらこっちが痛くない腹を探られる」
 「ああ」
 「良いか。お前も稼げなくなるぞ。そうしたらバンスは他に行く」
 「うん。判っている。何も言わないよ」
 「最近は馬鹿な正義感を持って言ってはいけない客の事をばらす女がたまに居る。困ったものだよ」
 マネージャーはクラブを護る事が大切である。
 
 動画では田代未代が浣腸の苦しみに拷問椅子の上で藻掻き泣き叫んでいた。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は耐えられず目から涙を滲ませている。
 榊原達夫は浣腸器を抜くと直ぐにアナル栓を押し込んでしまった。
 「あは。あがあ。あはあーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は苦しみにどうにもならない。
 「ふっふっふ。これを入れたまま暫く苦しんで貰うよ。マイクに残る声でうんこ出させてくださいと言わないとこれ抜かないからね」
 押し込んだアナル栓に視線をやって宣告する。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー」
 田代未代はさらに藻掻く。
 「どうぞ御ビールを用意いたしました」
 女姿のロボットが生ビールと乾き物を運んで来た。
 ロボットと判っていてもぞくりとする女躰である。ここまで精巧にできる時代になっかと思う。
 AIとスリーディプリンターの連携による成果である。
 榊原達夫は苦しむ田代未代の斜め前に座ってビールを飲みながらじっくり構えた。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は涙を流し表情を究極に軋ませて藻掻き続ける。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに耐えられない。
 「うんこ出させてくださいと言いな。その言葉の後に確り恥ずかしい排泄が動画に公開される」
 榊原達夫は嘲る。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに泣き喚く。
 「まあ。いつまでも苦しめ」
 榊原達夫は動じない。
 女姿のロボットが二杯目の生ビールを運んで来る。
 「あーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しさは華僑である。
 「早く言えよ。どうせ恥ずかしい動画は社会にばら撒かれるのだ」
 まだまだ責めは序の口。二杯目のビールを飲みながら榊原達夫はじっくり構える。
 「ああ。だめ。もうだめ。うんこ出させてください」
 田代未代は遂に耐えられず言ってしまった。
 「ふっふっふっふ」
 「はやくーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ。
 拷問椅子の股間の下には透明で大きな四角い水槽が受けてあった。
 榊原達夫は捻りながらアナル栓を抜き取る。
 一気に茶色い水が水槽に流れ出た。
 終わりのあたりからドロドロの便が音を立てて流れ落ちる。
 「素晴らしい排泄が取れたな」
 榊原達夫は残ったビールを一気に飲む。
 ここで動画は切り替わる。
 拷問椅子の周りは綺麗に片付けられて田代未代の躰も拭かれていた。
 女姿全裸で覆面だけ付けたロボット二体がドリルバイブを持って構えている。
 「あーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はヒステリックに叫ぶ。
 ようやく腹の痛みが引いたところである。
 「気持ち良くしてやるのだよ。逝き顔も動画で公開だ」
 「なにそれーーーーーーーーー。そんなの入れたら壊れるだろ!!」
 田代未代はドリルバイブを知らない。異常に恐ろしい物に見えた。
 一体のロボットがしゃがんで下からアナルに挿入する。
 「う。ううーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ローションをたっぷり塗っている。さらにアナルには座薬を挿入して既に中で溶けている筈である。
 痛いよりショックが大きい。
 もう一体のロボットがその横にしゃがんで膣に挿入する。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はさらに叫ぶ。
 榊原達夫は拷問椅子の後ろに回って前に手を回して両手で乳房を掴む。
 二体のロボットはドリルバイブのスイッチを入れた。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は大口を破裂させて声を上げ躰は強烈に軋み藻掻く。
 女姿のロボット二体は田代未代が失神するまで責めた。
 
 「犯人はこの先どう出るでしょうかね。何か要求して来るのでは」
 館山弁護士は何か要求するのではないかと思っていたのである。
 「このタイミングでは無いだろ」
 如月鬼堂は否定する。
 「あの女性はどう成ります」
 「多分杜永千郷氏と同じ結果じゃないか」
 「解放はすると」
 「多分すると思う。目的はこの女性の姉の議員を苦しめる事だ。他の四人の拉致被害者も同じだろう」
 如月鬼堂は田代未代の姉で立憲国民党参議院議員田代綾香をもっと苦しめる為に悲惨な躰にして解放すると見ていた。
 「何の為にあの男に前払いの香典まで払って拷問させるのですか」
 館山弁護士はそこが不可解である。
 「奴らの演出だろ。現代社会に不満な者を一人でも多く登場させたいのじゃないか」
 如月鬼堂には連続拉致強姦事件の犯人らの首謀者と思しき人物の思考が概ね理解できていた。
 「また奴らの遊びですね」
 「そうだ。さらに佳境に成ったと言える」
 「目的は何でしょう」
 「字幕の通りじゃないか」
 如月鬼堂は当たり前と言わんばかりである。
 「あんなものばら撒いても現代社会で呼応する者はほんの僅かです。意味が無いですよ」
 館山弁護士は納得が行かない。
 「そのほんの僅かがいま拷問している奴じゃないのか」
 「ただそれだけの為」
 「そうとは言い切れん。充分に大きな衝撃だよ」
 如月鬼堂は僅かな事ではないとの見解である。
 
 画面では失神してしまった田代未代からドリルバイブ二本を抜いた後にクスコが挿入された。
 中の濡れをロングスプーンでワイングラスに取り出す。
 さらに滑りの強い部分を黒い皿に取り出した。
 その時点で榊原達夫は電子鞭で失神していた田代未代を起こす。
 「うっぐうーーーーーーーーーーー」
 田代未代は痛みに声を上げて意識を回復する。
 「よく見ろあんたの膣から取り出した」
 正面のモニターには田代未代の女の奥が拡大されていた。
 「やだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は堪らない屈辱に慌て叫ぶ。
 「あんたが逝き声をあげて失神するまでとま〇この中から濡れを取り出すシーンまで収録された。これも世界中にばら撒く」
 榊原達夫は表示された字幕を読んで残酷な仕打ちを宣言した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐ろしい自分の姿が公開される。田代未代はヒステリックに泣き叫ぶ。
 ここで女姿のロボット四体が掛かって田代未代の躰を拷問椅子から降ろして床にうつ伏せにねじ伏せた。
 脚首と脚首、手首と手首を縛り合わせてその縄にまとめて一個のフックを付ける。それを天井から下がった滑車のフックに引っ掛けて吊るし上げた。
 田代未代の躰は手首、脚首四本を纏めて吊るされボディは空中に五角形を描いている。駿河問いの苦しい吊るしである。
 榊原達夫は田代未代の両方の乳首に書類を纏める黒いクリップを鋏む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は痛みに悲鳴を上げてしまう。
 榊原達夫はそのクリップに鰐口クリップを接続する。その鰐口クリップから伸びた線の反対側の鰐口クリップをスタンガンの端子に接続した。
 それを一体の女姿のロボットに持たせる。
 さらに吊るされて斜め上に弧を描く太腿をより分けて女の部分のビラビラの片側をクリップで鋏む。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は強烈な悲鳴を上げる。
 さらにもう片方のビラビラももう一個のクリップで鋏む。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は空中で痛みに藻掻く。
 そのクリップにも鰐口クリップを接続して繋がった線の反対側を別のスタンガンの端子に繋いだ。
 先にスタンガンを渡した女姿のロボットに合図する。
 その女姿のロボットは覆面を脱ぎ捨てた。
 「あーーーーーーーーーーーーー」
 何とその顔は姉の立憲国民党参議院議員田代綾香にそっくりに作られていたのである。
 そのロボットがスタンガンのスイッチを入れる。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーー」
 田代未代は大口を破裂させて悲鳴を上げた。
 「いたいーーーーーーーーーーーーー。いたい。いたい。いたい。いたい」
 田代未代は痛みに叫び続ける。
 榊原達夫はスタンガンのスイッチを持って田代綾香にそっくりに作られたロボットに合図する。
 ロボットはスイッチを切った。
 「がふぁあーーーーーーーー。あはあーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 田代未代は荒い息遣いで暫く震え続ける。
 榊原達夫はその息遣いが治まり掛けるころ小陰唇に繋いだスタンガンのスイッチを入れた。
 「あがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーいたいーーーーーーーー」
 田代未代の躰はぶるぶる震えて悲鳴を絞り出す。
 
 「このロボットを使って拉致を敢行したな。姉の顔だったら誰も疑わない」
 如月鬼堂は瞬間驚きの声に成っていた。
 「この手を使われたら拉致は極めてスムーズに行ってしまいますよ」
 館山弁護士も堂々と種明かしすることに慄く。
 「これじゃAIのフェイク画像どころじゃないです」
 本多椿も事態の恐ろしさを噛み締める。
 「こうなったら明日は徹底解説で行こう」
 如月鬼堂は思い切ってやると決断する。
 「そうですね。その方が宜しいです」
 館山弁護士も反対しない。
 これで明日のインターネットアダルト放送の対応は確定したのである。
 
 画面では田代未代が強烈な悲鳴を上げ続けていた。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットが乳房を鋏んだクリップにスタンガンの電流を送っている。
 榊原達夫はそれを止めないで小陰唇を鋏んでいたクリップに電流を流す。
 「ぐふぁあーーーーーーーー。ぐふぁあーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は遂に失禁してしまった。
 直ぐに両方スタンガンのスイッチを切る。
 「あふぁああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 榊原達夫はロボット二体に太腿を両側から広げさせる。自分は背中側に回って女の部分を開く。
 尿道の小さな亀裂が膨らんで直に尿が出るところをカメラに公開した。
 「あふぁあーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 田代未代はどうにも抵抗できないで為されるが儘である。苦しみと無念の息遣いが続いた。
 榊原達夫は田代未代の失禁が終わったところで吊るしから降ろす。
 縄を解いても抵抗する力も気力もないぐったりと床に崩れてしまう。
 小水の溜まった上に倒れてしまったのである。
 ロボット二体が緩めの放水銃で田代未代の全身に水を掛ける。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 冷たさに強烈に藻掻き暴れた。
 失禁尿を洗い落としたところでロボットが四体で田代未代の躰を起たせて十字架に両腕を広げて横の柱に縄でぐるぐる巻きにして磔てしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 田代未代は腕の縄だけで十字架にぶら下がってしまった。
 躰の力が完全に抜けている。
 榊原達夫はその田代未代に向けて鞭を構えた。
 先端が細長く硬い一本鞭である。
 その榊原達夫に姉の田代綾香にそっくりに造られた女姿のロボットがワイヤーの鞭を渡す。
 くっきり躰に痕を付けろと言う指示らしい。
 先端がU字に折り返したワイヤーの鞭である。
 榊原達夫は立壁侑里菜に対してプレイした時と違って田代未代に全く同情や情けは沸かない。
 とことん叩きたいという興奮だけが全身に充満していた。
 斜め横に立って力を込めて田代未代の乳房に鞭のU字の先端を叩き込む。
 「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は十字架に躰がぶら下がったまま左膝を蹴り上げた。躰は強く震撼する。壮絶な痛みに涎を飛ばして悲鳴を上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ぐううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに躰がぶら下がったまま藻掻く。脚は全く踏ん張れない。
 榊原達夫はさらに構える。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は恐怖に掠れた声で叫ぶ。
 躰をぶるぶる震えさせて身構える。
 榊原達夫は震える乳房にまた鞭のU字の先端を叩き込む。
 「ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は十字架を揺すって叫び暴れる。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。わたしにかんけいないよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は堪らずに狂ったように喚く。
 榊原達夫はさらに構える。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は十字架にぶら下がったまま強烈な鞭の恐怖に慄き喚く。
 榊原達夫はそれを構わず叩いた。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は背中を丸めて脚を蹴り上げて悲鳴を絞り出す。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま腰が落ちてまたぶら下がってしまう。
 「いーーーーーーーーーーたいいーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー」
 十字架にぶら下がって泣き喚く。
 既に白く肌理の細かかった乳房は鞭のU字の痕が真っ赤に重なって無残極まりない。
 「あーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 田代未代は堪えられずぽろぽろ涙を流した。
 ロボットはここで田代未代を十字架から外して診察台に乗せて手首、脚首、膝、腰を固定する。
 既にロボットの手で多量の蝋燭に点火されていた。
 「あーーーーーーーーーーーーあはーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 芯の周りに蝋涙が溶けて熱蝋状態である。田代未代はそれを掛けられると直ぐに気付いた。
 堪らず喚き散らす。
 また姉の田代綾香にそっくりなロボットが蝋燭を二本榊原達夫に渡して自分も二本持つ。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーー」
 二人が診察台の左右に立った。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代の鞭で真っ赤な痕だらけの乳房に流すように掛ける。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は診察台に固定された躰を右に左に捩って暴れた。
 両方の乳房が真っ赤な蝋涙に包まれる。僅かな瞬間の出来事である。
 「ぐふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真っ赤に成り一部割れた蚯蚓腫れに一気に被った。普通の蝋燭の熱さではない。田代未代はどこまでも暴れまくる。
 また姉の田代綾香にそっくりなロボットが榊原達夫に鞭を渡す。今度は先端が長方形の革二枚縫い合わせて中に芯の入った一本鞭である。
 そして田代未代の女の部分と内腿、太腿を示す。
 今度は下半身を責めようという事である。
 「まだなにするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はヒステリックな声で叫ぶ。
 「おっぱいをずたずたにしたから今度はま〇ことその艶めいた太腿だ」
 榊原達夫は一切容赦しないと言う口調である。
 診察台の横に立って田代未代の乳房の右側から開帳台の脚乗せ部分に固定されて大股開きにされた女の部分を狙う。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代からさらに恐怖の悲鳴が上がった。
 閉じ合わせた女の部分の粘膜をやや斜めに硬い芯の入った鞭の先端がきっちり叩く。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代の躰は瞬間開帳台の上で力の限り突っ張る。そして強烈に弾けた。さらに力の限り逆に突っ張る。やがてそのまま震撼した。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ」
 暫く藻掻き続ける。
 榊原達夫は構わず二発目を構えた。
 「・・・・・」
 田代未代の表情が恐怖に固まる。
 左の内腿から太腿の頂点まで引っ張るように叩いた。
 女の脚の一番美しい部分である。
 「ぐごおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 腰が弾けて瞬間僅かに迫り上がって固まる。そして暴れながら開帳台に沈む。
 芯の入った一本鞭である。瞬間に蚯蚓腫れが浮く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は痛みに藻掻く。
 その蚯蚓腫れは直ぐに紅く成った。
 「あはあ。はあ。はあ。はあ」
 苦しみ続ける。
 榊原達夫はそこにもう一発叩き込む。
 「あがうううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は歯を剥き出して般若の表情をさらに破裂させて悲鳴を絞り出した。
 目から涙が溢れる。
 榊原達夫はまた女の部分を狙う。
 「あーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーだめーーーーーーあーーーーーーーーー」
 田代未代は狂ったように顔を振って拒絶して叫び続ける。
 
 和歌山。岬ビューホテル。離れの間である。
 木村草太若頭補佐が来ていた。
 岡田弥一郎が料理と酒を振舞い青木学と呼ばれた赤座元太、宇治原歳加年、瀬尾将が対応している。
 「明日からショーが有りまして。此処のコンパニオンですが」
 木村草太若頭補佐は今月一人高額バンスの女を受け入れてくれと来ていたのである。
 「三連休がもう一つあるじゃないか」
 木村草太若頭補佐はどうあってもねじ込みたい。
 「明日から会員が集まります。それまで待っていただけませんか」
 青木学は参加人数が心配である。
 「皆さんはどうなの」
 木村草太若頭補佐は赤座元太らに聞く。
 「我々はOKだよ。なあ」
 赤座元太は二人に同意を求めた。
 「いいとも」
 「うん」
 宇治原歳加年も瀬尾勝もOKである。
 明日の夕方には会員が集まって来る。木村草太若頭補佐は押し切りたいが今は川口の会長らに提示は難しい。
 いま向こうは五人拉致して社会を騒がせている最中ではないかと推定して遠慮していたのである。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 まだ動画の続きを確認していた。
 田代未代の太腿にはメモリの様に真っ赤な筋が数本並んでいる。左脚だけ集中的に叩かれた。
 女の部分も数回叩かれて粘膜から血が滲んでいる。
 女姿のロボットはたっぷり蝋涙が芯の周りに溶けた蝋燭二本を榊原達夫に渡した。そして田代未代の女の部分を掌で指す。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見て痛みに朦朧としていた田代未代から猛烈な悲鳴が上がる。
 その真っただ中。二本の蝋燭から溶けた蝋涙を股間に流す。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴だが最初の蝋燭よりは軽微である。
 「あふぁあーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 田代未代は涙目で榊原達夫を睨み返した。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットが次の二本を渡す。
 「あーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 半分泣き声で叫ぶ。
 榊原達夫は左の太腿に二本を一気に流す。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はまた躰を強く突っ張り軋ませ藻掻く。
 女姿のロボットが二体で開帳台の脚乗せ部分を上に向けて持ち上げた。
 両脚を斜め上に向けてV字開脚にしてしまう。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 その女の部分に鎖で重しの繋がったクリップを鋏む。片側ずつ小陰唇を鋏んでを広げてしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。もうなにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はさらに喚き叫ぶ。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットがもう一度同じ鞭を渡す。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐ろしい仕打ちに狂ったように叫ぶ。
 田代未代は顔を横にずらしてV字開脚にされた腰の向こうに立つ榊原達夫の構えた鞭を見る。
 先端が長方形の革二枚縫い合わせて芯の入った一本鞭である。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 榊原達夫はきっちり狙いを定めて振り下ろした。
 鞭の先端の部分が広がった粘膜を正確に叩いている。
 「ぐごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 瞬間腰を迫り上げて固まる。そのまま強く左に腰を引っ張る。そこで固まって強烈に悲鳴を絞り出した。
 「ぐがふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに右に腰を引っ張る。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂にその部分が濡れ始めて僅かな小水が細く流れ始めた。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 失禁に号泣してしまう。
 その間に二体のロボットがもっとたくさんの蝋燭に点火していた。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットが榊原達夫に一本渡す。
 「え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はそれを今叩いた部分に掛けられると悟る。躰は恐怖にブルブル震えていた。
 榊原達夫は容赦なく広がった薄い緋色の部分に掛け流してしまう。
 「ううーーー。うふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴が上がる。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーがふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーがふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は躰を揺すって喚き続けた。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットが小陰唇を鋏んだクリップの重りを掴んで一気に引っ張り取る。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 反対側も引っ張って取った。
 「ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代はお尻を硬く揺すって藻掻く。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットはそのまま蝋涙を被った膣にクスコを突っ込んでしまう。
 「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強引に膣の奥まで広げた。ここで上からのカメラに切り替わる。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットからリモコンの先に延びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムが榊原達夫に渡された。
 榊原達夫はこれで膣天井部の奥の敏感な部分を責める。
 
 田代未代はゴムボートに乗せられて未明に大島の波浮港に流れ着いていたのである。
 漁船と漁船の陰に流れ着いていて発見されたのが昼を過ぎていた。
 病院に運ばれて生命に別条は無かったが悲惨な姿である。
 ゴムボートは無線で遠隔操作されていた。
 乳房に彫られた文字の火傷は応急処置のみ。膣内は火傷。子宮は撤去されている。だが生命に別条はない。
 
 動画では敏感な部分を責め続けられて田代未代が逝き顔を晒してしまう。
 膣内の濡れをスポイトで吸い上げて試験管に流し込んで動画に晒されてしまった。
 女姿のロボットらはリレーでローソクを渡す体制である。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は驚愕して強烈な叫び声を上げる。
 榊原達夫は溶けて熱蝋の状態の蝋涙をクスコの中に流し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は狂ったように叫び続けた。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットは半田鏝を準備している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叫び続ける田代未代にそれは目に入らない。
 蝋涙が膣の口まで来ると姉の田代綾香にそっくりなロボットが榊原達夫に半田鏝を渡して上からクスコの口を指さす。
 榊原達夫は半田鏝をクスコに流し込んだ蝋涙の中に突っ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田代未代は喚き続けるばかりである。
 「ぐあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 溶けた熱蝋に湯沸かしヒータを入れたようなものである。
 田代未代はやがて白目を剥いてしまう。
 完全に膣の中は火傷していた。
 ここで女姿のロボットが高く上げた開帳台の脚乗せを元に戻す。
 姉の田代綾香にそっくりなロボットが別の半田鏝を榊原達夫に渡した。
 「これで乳房に落書きを」
 田代未代の乳房は真っ赤な蝋涙を被ったままである。
 榊原達夫はその上から半田鏝を差し込んで蝋涙を割りながら両方の乳房に渡って『スケベ女』と書いてしまう。
 失神していた田代未代は泣き喚き続けた。
 ここで忍者姿黒装束が三人出て来る。
 既に麻酔の準備ができていた。
 だが動画はここで終了している。
 
 「今度は途轍もない大騒ぎに成るな」
 如月鬼堂は動画の効果を推察した。
 「既に姉の立憲国民党議員の田代綾香が警察に猛抗議しているようです」
 館山弁護士が得た情報である。
 「犯人らの目的通りだな」
 如月鬼堂と本多椿は明日の準備打ち合わせに入った。
 
 名古屋市中区栄。SMクラブのプレイルームである。
 塚原瑞樹はSMクラブを梯子して最後の一人とプレイしていた。
 女は春日珠樹という。三十丁度で大人の女の風貌である。プロという程ではない。OLのアルバイトである。
 最後はソフトコースで究極に辱めたい。
 剃毛のオプションだけ追加二万円で付けた。
 明日は千葉に向かう約束である。
 塚原瑞樹は春日珠樹を産婦人科診察台に固定した。
 背凭れをあまり倒さず百十度くらいに跳ね上げて脚乗せ部分を強く横に広げて脚首だけ縄で縛っている。
 この産婦人科診察台は本来脚を乗せるだけで固定しない簡易な作りである。
 股間は百六十度くらいに広げられていた。
 春日珠樹は先にシャワーを主張したが許さない。強引に全裸にしていまの姿にしてしまった。
 「洗ってないと小股臭いよ」
 「それを噛み締めて貰う」
 「え、ええーーーーーーーーーー」
 塚原瑞樹はそのまま剃毛に掛かる。
 シェービングクリームを塗る。だがその中に脱毛クリームを混ぜていた。
 暫く塗ったままにしてトイレに行ってしまう。
 戻って来てやや泡が消えているので追加でさらに塗り込む。
 そのまま一枚刃の剃刀で陰毛の根元を掬うように剃って行く。
 春日珠樹は神経質そうな目でそれを追っていた。
 何となく抜けているように思えるが剃っている感じである。
 剃毛を終えて剃った部分を濡れたおしぼりで拭く。陰毛の下に成っていた紅みの強い皮膚が肌理の細かい白い皮膚に対比して美しい。
 肌理の粗い皮膚だとこの紅い部分は美しくない。
 拭き終わったところで女の部分を指で広げる。
 春日珠樹は既に顔を逸らせていた。
 恥ずかしさにその表情が微妙に歪む。それが愉しみである。
 広がった薄橙の粘膜の周りの縁は薄い小豆色で美しい女の部分と言える。
 塚原瑞樹は片側が耳かきに成った綿棒で粘膜から粕を掬う。
 「え、ええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹は恥ずかしさに悲鳴を漏らす。
 塚原瑞樹はそれを黒いプラ板に載せる。
 「い、いやーーーーーーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹は眉間に皺を刻んでさらに悲鳴を上げた。
 塚原瑞樹はこれがとことん愉しみである。
 続いて床にブルーシートを敷いてその上に吸収シートを並べた。
 「おしっこ出してよ」
 春日珠樹に要求する。
 「えーーーーーーーーーーーー。むりーーーーーーーーーーーーー」
 そう言われても簡単には出ない。
 塚原瑞樹は尿道カテーテルを翳す。
 「これで抜くか。バルーンじゃないからそんなに痛くないよ」
 「あ、ああーーーーーーーーー。まって。少し待って出してみるから」
 塚原瑞樹は指で小陰唇を広げて待つ。
 春日珠樹はじっと躰の力を抜いて出そうとする。
 一分。二分。沈黙の時間は長い。
 塚原瑞樹は滅菌された梱包からカテーテルを取り出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴と共に尿が流れ出した。
 塚原瑞樹は急いでもう一回小陰唇を指で広げて尿道の亀裂から直に出るのをじっくり鑑賞する。
 春日珠樹は恥ずかしさに目を逸らせて堪え続けていた。
 それを鏡で見せる。
 「見ろ」
 「いやあ」
 強く表情を崩す。
 「見て恥ずかしさを受け入れるのもSMクラブのサービスだろ」
 「あ、ああはあん」
 それでも春日珠樹は一瞬見た。
 「どうだ。尿道の亀裂が広がって直に出ている。それを生で俺に見られていたのだ」
 塚原瑞樹は春日珠樹の羞恥心を掻き回すように詰る。
 「・・・・」
 春日珠樹は表情を崩して離れた壁を見ていた。
 さらに塚原瑞樹はクスコを取り出す。
 「ああ」
 春日珠樹はこれもメニューに入っていると分かっていた。それでも嫌なものである。
 塚原瑞樹は指で春日珠樹の膣の中を探った。
 「あ、ああ」
 濡れが足りないのでクスコにローションを塗る。
 女の部分を指で広げて膣口を確認しながらクスコを挿入して螺子を回して中を広げて行く。
 それがプレイルーム備え付けのカメラでモニターに投影される。
 塚原瑞樹はモニターの設備は見ていた。だがカメラの存在にいま気づいたのである。
 クスコを入れる前にカメラの位置を調整した。
 春日珠樹の後頭部を持って顔をそっちに向ける。
 「ああ」
 塚原瑞樹がペンライトで中を照らすと無数の粕が確認された。
 「・・・・・」
 春日珠樹は表情を歪めて顔を逸らせる。
 塚原瑞樹はそれを一部スプーンで掬い出す。
 白く濁ったクリーム状の液を黒い皿に乗せた。それを目の前に翳す。
 「えーーーーーーーーーーー。洗らわしてくれないからあ」
 春日珠樹は眉間に強い皺を刻んで不満を漏らす。
 「何を言うか。洗わないであんたの躰の汚れを採取して辱めるから羞恥責めだよ。恥ずかしさに堪えられない表情を愉しませてくれなきゃ」
 塚原瑞樹はやんわり反論した。
 「ううーーん」
 さらにクスコの中に水を流し込む。
 それをスポイトで吸い上げてグラスに流し込んで目の前に翳した。
 「たっぷり粕が浮いている」
 塚原瑞樹は嬉しそうに指摘する。
 「もうーーーーーーーーー」
 春日珠樹は真に恥ずかしい表情である。
 さらに塚原瑞樹は浣腸器と尿道バイブを取り出した。
 あくまでソフトコースである。甚振る事はできない。そしてソフトしかやらない若く可愛い女である。

 「え、えーーーーーーーーー。浣腸も」
 春日珠樹はもう不満を漏らす。
 だが躰は確り産婦人科診察台に固定されている。
 「これが解るか」
 塚原瑞樹は尿道バイブを翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーん。そんなのーーーー。入れたら変になっちゃうよーーーー」
 春日珠樹は拒絶する。
 塚原瑞樹は容赦なく春日珠樹の女の部分を広げて尿道の小さな亀裂に尿道バイブを差し込んでしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーん。だめだよーーーーーーーーーーーー」
 「ちゃんとメニューに書いてあるよ」
 「え、ええーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹はよく覚えていなかった。
 塚原瑞樹はそれを回転させながらピストンさせる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹は躰を捩って藻掻く。
 「いやああーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振って拒否ながら藻掻き続けた。
 「だめーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 春日珠樹は顔を真上に反らせて異常な刺激に藻掻く。
 塚原瑞樹は尿道バイブを奥まで差し込んで回転させたまま浣腸器に石鹸水を吸い上げる。
 それをアナルに差し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなの堪えられないよーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹は泣きそうな表情で叫ぶ。
 塚原瑞樹は片手で尿道バイブを操作して片手で浣腸器を持って腹でシリンダーを押す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーあはん。あはん。あはん」
 春日珠樹は首を振り続けていた。
 塚原瑞樹は残り時間を考えて二百CCで諦める。アナル栓をねじ込んで今度はバイブレーターを持つ。
 尿道を責めながら膣にも突っ込んでしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん。そんなのむりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。むりだよーーーーーーーーーーーーー」
 春日珠樹は強烈に首を振って拒絶する。
 
 内房のリゾート施設。
 連続拉致強姦事件の犯人六人が焼肉で飲みながら反響を愉しんでいた。
 「なかなかの反応じゃないか」
 川口の会長が成果を湛える。
 「あのむかつく議員。ヒステリー状態で警察に抗議していたな」
 葬儀会社の社長が悦ぶ。
 「はっはっは。愉快!愉快!」
 医者の男は高笑いである。
 「明日はあの週刊誌の編集長の娘だったかな」
 葬儀会社の社長が明日の愉しみを確認する。
 「そうだくだらないすっぱ抜きで経済の足を引っ張る週刊誌だ。半分いい加減な記事かもしれない。廃刊に成れば良いものを」
 印刷会社の社長はこの編集長と雑誌が嫌いである。
 「コメンテーターの決まったような正論が騒ぎまくる。言う事は誰も同じ方向。決まり文句だ」
 医者の男はマスコミが避難すればするほど愉快に成る。
 「いくら非難しても解決にはならない」
 川口の会長は嘲哂う。
 「次の奴は明日来るのだな」
 「来る筈だ。人生最後の愉しみに」
 「そうだな。それは確かに来る」
 医者の男も納得した。
 
 二月十一日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 祭日だが朝から田代綾香の怒りの会見が延々と行われていた。
 「この女性議員には連続拉致強姦事件の犯人像が見えてないな。警察は真剣に捜査している。だが知能犯が捕まらない例は多い」
 如月鬼堂は囲炉裏端で原稿をパソコンに打ち込みながら呟く。
 「確かに知能犯だね」
 瀬里菜も頷いた。
 「知能犯の上に財力が有る。さらに連携する国際的な闇組織と姿を現さなかった日本の二つの裏社会と繋がっている。逮捕は不可能だ」
 「知能犯ってそんなに掴まってないの」
 瀬里菜はコーヒーとサンドイッチの朝食である。
 如月鬼堂は原稿の追い上げで珠洲の作ったサンドイッチと瀬里菜の淹れてくれたコーヒーで今日の朝食は済ませていた。
 「三億円事件以来。強奪、詐欺、横領事件は未解決が多い。この犯人はそれ以上だ」
 珠洲や瀬里菜の生まれる前の時代の事件である。それ以降も三億円事件同様に未解決の事件が幾つも存在した。
 「田代未代さんロボットとお姉さんの見分け付かなかったのかな」
 「夜ではまず無理だな。かなり外観は巧妙にできている。福富さんのロボット以上だよ」
 そんな時に杉下一行とテレビ会議が繋がる。
 同時にメールも届いていた。
 週刊太陽の編集長の娘で落合静香三十二歳の動画がばら撒かれたのである。
 続いて館山弁護士とテレビ会議が繋がった。
 珠洲が動画をモニターにセットする。
 落合静香は拷問椅子に全裸で大股開きにされ固定されている。この場面から始まっていた。
 まだ点滴がセットされたままで尿道カテーテルも繋がっていて小水は拷問椅子の前に台が立てられてその上に置かれた尿瓶に流されている。
 色白でスレンダーだが太腿にはやや筋肉感がある。
 顔立ちから如何にも正統派で気性の強い女と思われる。
 忍者姿黒装束が一人。田代綾香にそっくりな全裸の女躰ロボットが一人。忍者覆面姿の全裸の女躰ロボットが一人出て来た。
 さらにパーカーとジーパン姿の男が一人出て来る。この男は落合静香のお父さん落合亮にそっくりなロボットである。
 
 「今回はこの手で一斉に敢行したな」
 如月鬼堂は五人ともそっくりなロボットを使う同じ手口と推測する。
 「今回も人間は一人だけですね」
 館山弁護士も画像をそう分析した。
 「この忍者姿が前渡しの香典を貰ったな」
 如月鬼堂もほぼ同じパターンと見る。
 その時テレビの報道番組の最中に速報が入った。
 『拉致されたと推測されていた落合静香さんが高萩海水浴場にゴムボートで流れ着いていたのを発見』
 「また配信と同時だな」
 
 塚原瑞樹は性犯罪者にでっち上げられた過去を持つ。十年前は高校教師だった。でっち上げたのは担任の女子生徒である。
 慰謝料をくれと恐喝された。くれないと先生に痴漢されたと訴えちゃうよというのである。
 一人が被害者で一人が証人と成っていた。
 塚原瑞樹は身に覚えのない恐喝に烈火の如く怒る。だがそのまま別の教師に訴えられてしまう。
 無実を主張したが全く認められない。
 風俗店への出入りが判って警察は犯人と決めてしまい起訴された。被害者の供述の曖昧さから裁判では無罪と成る。
 検察も控訴を見送った。
 偽被害者が取り下げたからである。
 それでも務めていた高校は懲戒解雇のままで復帰はできなかった。
 その後はパチンコ店で働いていたが腰を悪くして止め生活保護に落ちてしまう。その後もろくな仕事は見つからなかったのである。
 闇バイトなどに乗る心算は無かった。だが復讐という文字に吊られて一時的なサイトに入ってしまう。
 それは復讐のやり方を書いた物語の様なサイトであった。
 だが裏では閲覧者を逆探知できる仕組みが内在していたのである。完全に個人を特定してその人物を調べてからアプローチが来る。
 塚原瑞樹はそれに乗ってしまった。後悔はしてない。
 落合静香の点滴が外され尿道カテーテルも抜かれた。
 全裸姿が部分的にアップに成り女の部分が広げられる。さらにクスコが挿入されて内部が子宮口まで公開された。
 この部分はお約束通りである。
 ここで字幕が流れて落合静香のプロフィールが公開された。
 さらに田代綾香にそっくりなロボットが股間の黒い塊に脱毛クリームを塗る。
 「そろそろ起こしましょう」
 落合亮にそっくりなロボットが塚原瑞樹に鞭を渡して言う。先端が細長い一本鞭である。
 塚原瑞樹はそれで股間を狙って構えた。
 既に覆面の内側では加虐心が滾っている。
 昨日までのSMクラブの女とは違う。とことん拷問したい。
 一発目から小陰唇の粘膜を叩く。
 一発叩いて暫く待つ。反応は無い。
 次を叩く。同じ小陰唇を確り叩いている。
 まだ反応は無い。
 三発目を構えた。
 「うぐう」
 意識を戻して動こうと藻?き出す。顔を振って目を開く。
 「パパ。なによこれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 最初に落合静香の目に落合亮にそっくりなロボット姿が入った。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに驚愕の悲鳴に成る。次に忍者姿黒装束が目に入った。
 「なんで。何やっているの。パパあーーーーーー」
 「よく見ろ。それはお前のお父さんにそっくりに造られたロボットだ」
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は驚きの表情で瞬間事態を噛み締める。父だと思って部屋に入れてしまった。そこから記憶が無い。
 「あーーーーーーーーーーーー。あんたがたは。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は恐ろしい事態をようやく理解した。
 「ようやく判ったようだな」
 「なんでよーーーーーーーーーーーーー。これを外しなさい!」
 落合静香は怒りの限り叫ぶ。
 塚原瑞樹は構えた鞭をもう一発振り下ろした。
 「ぐごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 塚原瑞樹は般若の形相で顔を振って悲鳴を絞り出す。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おのれーーーーーーーーーーーーーーーー。はんざいだぞーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香はさらに怒りを滾らせて叫ぶ。
 「最初から犯罪だよ。そしてあんたの裸は隅々まで全世界に公開される」
 塚原瑞樹は淡々と他人事のように言う。
 「お前は誰だ。模倣犯だろ」
 「違うよ。俺はその依頼主から百万の前渡し香典を貰って依頼を実行している。そして俺自身の社会への報復でもある」
 「馬鹿な事は止めなさい!!」
 「終わったら組織は俺を安楽死させてくれる。貰った百万で散々遊んで来た。思い残す事は社会への報復だ。その生贄があんただ」
 「何で私なのよ」
 「いま字幕が出る。見ろ」
 塚原瑞樹はモニターを指さす。
 「ああ」
 そこには落合静香のいまの姿が反映されている。恐ろしい姿である。これが大量メールでばら撒かれる事はニュースで知っていた。
 『週刊太陽に天誅する。編集長に代わってその娘にお仕置きする。お前らのスクープは知識層からは善でも社会と経済を凍て付かせる。必要悪を破壊する。だから天誅する』
 「何をふざけた事を!あたしに関係ないよ!!」
 落合静香はさらにブチ切れる。
 「うるさーーい」
 塚原瑞樹は鞭を乳房に叩きつけた。
 「うごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は拷問椅子を揺すって藻掻き悲鳴を絞り出す。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーー。こんな事して。ただじゃすまないぞ!!」
 「捕まる事はない。これが終わったら俺は安楽死だよ」
 「何でそんな事を」
 「依頼人の目的に俺の日本社会への報復が一致したからだよ」
 そのまま鞭を振り被る。
 一気に股間を叩く。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は拷問椅子を軋ませて藻掻き不覚にも涎を飛ばして悲鳴を上げる。
 一部脱毛クリームを塗った陰毛が飛んだので一気に手で引っ張ってしまう。
 ごっそり抜けてしまった。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は突然の脱毛に悲鳴を上げる。
 「何したのよ」
 「脱毛クリームだよ」
 「おのれ」
 落合静香は怒りを剥き出す。
 横から田代綾香にそっくりなロボットが股間を暖かい濡れタオルで拭く。
 完全に紅い皮膚が露出してパイパンに成っていた。
 「こんな事して。こんな事して何に成るの!!」
 落合静香は恥ずかしさの極致にわなわな震えた声で怒り叫ぶ。
 「これまでのシリーズの一環だよ。コレクションしてくれている者は世界中に沢山居る」
 今度は落合亮にそっくりに造られたロボットが宣告した。何と声までそっくりに調整されている。
 「あ、あわあ」
 落合静香は父親そっくりなロボットの言う違和感に泡食ってしまう。
 「まだまだこれからだよ。あんたの恥をたくさん社会に晒すのだ」
 続いて塚原瑞樹が宣告する。
 一体だけ忍者の覆面で全裸姿の女躰ロボットが先端を半円形に曲げた大きめの針を六本とクスコを金属のさらに載せて来た。
 針には太い凧糸が繋がっている。
 塚原瑞樹がその一本を手にした。片手で落合静香の右側の小陰唇を抓んで引っ張る。
 小陰唇の内側のローズ色の部分を突き刺す。それを押し込んで大陰唇と小陰唇の谷間にある粘膜の様な部分に突き通した。
 落合静香はこの部分に窪みが深くできるタイプである。この窪みは普段は大陰唇の下に隠れている。
 「うぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は強烈な痛みに目をきつく瞑って上向きに反らせた顔を震撼させて藻掻く。
 皮膚が強く針に突き上げられてもなかなか貫通しない。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 塚原瑞樹が強く押し切って貫く。
 拷問椅子の右側に居た女姿のロボットがその針に繋がった凧糸の先端を指で抓んだ。
 それを拷問椅子の肘に手首を縛った縄に結び付けて強く引っ張ってしまう。
 「あふぁああーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 落合静香の躰は痛みに震えている。
 塚原瑞樹は右の小陰唇を抓んだまま二本目を手にした。
 「あふぁあーーーーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴を上げてしまう。
 これも小陰唇の内側から大陰唇と小陰唇の間の窪みの粘膜質の皮膚に向けて貫く。
 「うぐうぐうう。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は躰を揺すって顔を上に叛けて大口を破裂させて悲鳴を絞り出し続ける。そして目から涙が溢れ出ていた。
 「うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 同じように刺し貫き続けて片側三本の計六本が小陰唇の内側から大陰唇と小陰唇の間の窪みに貫かれていた。
 これだけの強烈な責めと落合静香の悲痛な叫びが画面に焼き付きその趣味の輩をとことん興奮させる。
 落合静香の女の部分は強く六本の針で広げられ紅と薄橙の濁った内部を晒して膣口と尿道の亀裂がくっきり確認できた。
 塚原瑞樹はその膣口にクスコを押し込む。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 この部分を刺激されると針で貫かれた粘膜が相当に痛い。
 目から溢れ出た涙が既に乾いていた。
 落合亮にそっくりに造られたロボットが塚原瑞樹にロングスプーンを渡して黒いプラスチックの皿を受け皿の様に構える。
 「さあ。お前の数日洗ってない躰の隠れた部分の汚れと粕を採取してやる」
 落合亮にそっくりに造られたロボットがまた辱める宣告をした。
 落合静香は眉間に皺を刻んで堪らない表情を崩して自分の股間を見下ろす。
 塚原瑞樹がロングスプーンで小陰唇の内側の粕から掬う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は恥ずかしさに堪らず叫ぶ。
 
 「しかし何かを要求する訳ではないが。恐ろしい脅迫だな。今後発言次第で身内がいつ犠牲に成るか分からないと言う脅しだ」
 如月鬼堂も大方目的を推測していたものの驚愕してしまう。
 「何とも悪知恵の限りを考えたものですね。本来当てつけられた被害者そっくりが逆の位置で語る。フェイク動画以上ですよ」
 館山弁護士も恐ろしさを噛み締める。
 「表情や顔立ちから気丈な女に見える。もっと理論的に言い返しそうだが恥ずかしさと痛みと驚きに圧迫されてしまったかな」
 如月鬼堂は落合静香がもっと現代の知識階級やコメンテーターの理論を引用して犯人を非難する言葉が吐かれると思っていた。
 「あの状況ではどんな人間でも臆してしまいますよ」
 館山弁護士はあの極限状態では人は存分に知能を発揮できないと言う。
 
 和歌山。岬ビューホテル。
 石川茉希のショーは今日の未明に終了した。
 一眠りしたあと離れでメールに大量配信された海賊動画を鑑賞しながら八人が集まっている。
 浪江と赤座元太、弘枝と宇治原歳加年、香乃子と瀬尾将の三組が離れ座敷で青木学らと二週後の件で飲みながら話し合っていた。
 「予定が入れられない会員が七人だったよな」
 赤座元太が切り出す。
 その分分担金が増える。
 「我々三人で五百万ずつ出して他の分担金を増やさないでメインをやらせて貰うのはどうかな」
 瀬尾勝の提案である。
 「月に二回は予定してないから人数が減るのは仕方ないな。会員を増やすのはその先で困る。俺は五百でいいよ」
 宇治原歳加年は納得した。
 「俺は異論無いな」
 赤座元太は当然と納得する。
 究極の部分をやりたいのである。この三人にはこのくらいは痛くない。そして財産を残したい身内は居ない。
 「しかしあの子泣きながらよく耐えたな」
 石川茉希の事である。宇治原歳加年は大満足であった。
 小陰唇に何本も針を通されて泣きに泣く。そして電流で失禁して失神してしまう。
 一回目からかなりハードであった。
 「二十四日はこの海賊動画並みにハードで行きたいな」
 赤座元太が呟く。
 「そうしましょう。木村さんには今回も倍額を要求されました」
 青木学も了解した。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 動画の確認が続いていた。
 塚原瑞樹は落合静香の膣の奥から何回も分泌物を掬い出して動画にアップで公開している。
 落合静香は疲弊した表情で顔を強く逸らせていた。
 「ああ。・・・・・ああ。・・・・・」
 断続的に恥ずかしさに堪えられない息遣いを繰り返す。それを態とマイクに強く拾っている。
 「どうです。あんたのお〇〇この粕と膣の奥の分泌物です」
 塚原瑞樹は淡々と詰る言葉を吐く。
 「・・・・・」
 落合静香は顔を逸らせたまま何も言えない。
 「次は逝き顔を晒して貰うぞ。痛いだろ気持ち良く成ったらな」
 落合亮にそっくりなロボットが電動歯ブラシを長くした様なアイテムを翳す。
 杉下一行の怒りが破裂するアイテムである。
 最近は杉下一行のポルノショップ製でないことが証明されつつあった。
 以前はこれが出て来る度に杉下一行のポルノショップに捜査が入る。業を煮やしていたのである。
 「何それ」
 落合静香は奇妙な道具に警戒顔に成る。
 塚原瑞樹はクスコの向きを変えた。
 「これで静香の膣の奥の一番敏感なところを局部責めだよ。おまえの逝き顔が公開されてしまうのだ。動画を見た者はその度に見比べる」
 何と父親の落合亮にそっくりなロボットが詰る。
 落合静香はフェイク動画もどきの偽物のロボットと判っていても嫌な気分がさらに増す。
 塚原瑞樹はリモコンから伸びたアームの先端にマイクロローターの付いたアイテムをクスコの奥に差し込む。
 田代綾香にそっくりなロボットがペンライトで中を照らす。
 塚原瑞樹にはやりなれた事である。
 一番敏感な部分を探ってスイッチを入れた。
 「うぐ。うう。うぐ。うーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は堪らず躰を捩って藻掻く。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に喚く。
 塚原瑞樹は淡々と責め続ける。
 落合静香の膣の中は完全に濡れていた。
 それを確り画面に拡大する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーあはあん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は責めに耐えられず藻掻き続けた。
 この状態で逝かされてしまう姿は晒せない。
 
 札幌。薄野。SM系ファッションホテル。
 鏑木俊輔も川口の会長から百万の前渡しの香典を受け取った。
 指名した女とは二年ぶりである。
 遊びたくても遊べない日々が続いていた。
 「もう終わったの」
 「警察の捜査は終わった。在宅起訴でこれからだよ」
 女は藤圭香と言う。
 大きめの浴槽に二人で浸かっていた。
 鏑木俊輔が千葉に行くのは二十三日である。
 帰りの航空券も便の予約も済んでいた。それまでは薄野で遊ぶ。
 鏑木俊輔は湯の中で藤圭香と躰を繋いでしまう。SMクラブで本番は無い。アナルだけである。
 だが以前から別途チップの約束で入れていた。クラブに内緒の上で藤圭香は了解している。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 動画の確認が続いていた。
 「ああーーふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 既に落合静香の膣に刺さったクスコから膣液が流れ出ている。それを女姿のロボットが股間の下にしゃがみ込んでコップで受けていた。
 落合静香には羞恥の極みである。
 逝き顔は何回も撮影できていた。
 やっと膣からマイクロローターが抜かれクスコも抜かれる。だが半円形の針六本は女の部分を広げたままである。
 「ふふぁあーーーーーーーーーー。ふぁあーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 アクメの余韻はなかなか治まらない。躰は痙攣を続けていた。
 田代綾香にそっくりなロボットがもっと大きな縫合針の様な物を二本とスタンガンを四つ持って来た。
 「あ、ふぁあ、あーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は恐怖に慄き固まる。そして怯え切った悲鳴に成ってしまう。
 落合亮にそっくりなロボットが乳首を抓んで乳輪の下を指さす。
 塚原瑞樹がその針を抓んで持ち片手で乳首を抓んで引っ張る。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は切迫した声で叫ぶ。
 塚原瑞樹は容赦なく右の乳輪の下から突き刺す。
 「ぐふううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 左の乳輪の下まで潜らせて突き出した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 号泣の涙が溢れる。
 塚原瑞樹はもう一個を抓む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は涙声で訴えた。
 逆に塚原瑞樹の加虐心が沸騰する。
 年甲斐もなく黒装束の下の一物は腹に向かっていきり起っていた。それでも体系がはっきり出ない忍者姿では画面から確認されない。
 左の乳首を抓む。
 「あーーーーーーーーーーふぁあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断末魔の叫びである。
 塚原瑞樹は乳輪の右外側から一気に突き刺して反対側から突き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は涙を振り飛ばして泣き叫ぶ。
 肌理の細かい美しい乳房を破壊された無残な姿である。
 田代綾香にそっくりなロボットが右の乳輪の下を潜った針にスタンガンに繋いだ線の鰐口クリップを接続する。
 さらに落合亮にそっくりなロボットが同じ様に左の針に接続した。
 それぞれがスタンガンを持っている。
 忍者覆面姿の全裸の女躰ロボットが塚原瑞樹に鰐口で繋ぐ線を接続したスタンガンを二つ渡した。
 さらに塚原瑞樹は熱くなる。
 落合静香の女の部分を大きく広げた片側三本ずつの針六本。両側ともその真ん中の一本に鰐口クリップを接続した。
 田代綾香にそっくりなロボットと落合亮にそっくりなロボットが同時にスタンガンのボタンを握る。
 「ぐわああーーーーーーーーーあわあわーーーーーーーーーーーーー。ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーー」
 落合静香の躰が拷問椅子の上で動く限り迫り上がって震撼した。大口を破裂させた悲鳴が轟く。
 「いたいーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙を溢れさせながら叫ぶ。
 二体のロボットは暫く落合静香の驚愕の悲鳴を動画に焼き付けてボタンを放した。
 「がふぁあーーーーーーーーーーー。ふぁあーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 落合静香は強烈に疲弊して荒い息遣いを漏らし続ける。
 やや間を置いて塚原瑞樹が二つのスタンガンのボタンを掴む。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーー」
 また落合静香の躰が強く迫り上がったまま震撼する。
 「いたいーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーー。いたいいーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香の躰はぶるぶる震え続ける。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 落合静香は切羽詰まった悲鳴に成った。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 広げられて丸出しに成った尿道の亀裂から失禁尿が断続的に小刻みに続けて漏れ始めた。
 塚原瑞樹は直ぐにスタンガンのボタンを放す。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 落合静香は号泣しながら失禁尿を垂れ流した。
 
 「落合静香さんの父親で週刊太陽の編集長が倒れて救急車で運ばれました」
 館山弁護士が如月鬼堂に報告する。
 「当事者は堪らないな。それも自分より娘が自分に対する反逆テロの犠牲に成っている」
 「この手を使われたらどのくらい影響するの」
 本多椿も今回初めて恐ろしさに気付いた。
 「新しいタイプの劇場型犯罪だが。これで発言を押さえたり記事の掲載をやめたりする事はない。当事者の恐怖感が計り知れないが」
 「前にもありましたね。立候補を止めろと言う脅しが」
 館山弁護士は大下洋子候補の妹が拉致されて立候補の取り下げるよう脅迫された事件である。
 「あれも恐ろしい脅しだったがあれとは内容が違うな。犠牲にされる親族が悲痛すぎるところは同じだが」
 如月鬼堂は交換条件も何も出さず実行されて社会に恐ろしいものをばら撒かれてしまう。防ぎようのない恐ろしさだと言う。
 
 画面では田代未代と同じ事が行われていた。
 拷問椅子を強く倒して股間を真上に向けもう一度クスコが差し込まれる。そしてたくさんの蝋燭を溶かして蝋涙が流し込まれた。
 その蝋涙の中に半田ごてが突っ込まれて膣の中を焼かれてしまう。
 さらに半田鏝で乳房に落書きがされた。
 今度は『淫乱女』と書かれてしまう。
 そのあとは三人の忍者姿黒装束が交代して動画は終了していた。
 
 二月二十三日。
 和歌山。岬ビューホテル。
 深夜に成ってからの大宴会場である。
 会員二十三名とコンパニオンも二十三名で究極のショーが行われていた。
 生贄は佐藤カタリーナ二十七歳。日本人の父とチェコ人の母から生まれた混血である。
 ロシアのフェギアスケート選手を思わせるような色白でスレンダーな美人。身長が百七十五と背はかなり高い。
 既にターンテーブルとして回る演台に拷問椅子が載せられて佐藤カタリーナは全裸の大股開きで磔にされていた。
 「焼いたりしない限り何を突っ込んでも構いません。床柱の次のお席からお一人ずつどうぞ」
 青木学が全員を促す。
 最初は六十代の会員が立ち上がる。
 指で女の部分を広げた。閉じた状態では小陰唇の粘膜が二本小豆色である。
 中は薄橙だが尿道の亀裂と膣口の間にやや盛り上がった部分が紅い。
 膣口は単調に閉じていた。
 六十代の会員はクスコを突っ込む。
 一時金を稼ぐ事情は殺された二人と同じである。証拠にもなく同じ罠に嵌めていた。
 ボウルに蛞蝓を用意している。
 それを箸で膣の奥に置く。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴を上げた。
 「心配するな。養殖した蛞蝓だ」
 「それだってーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナはそれでも気持ち悪さは変わらない。
 六十代の会員はロングスプーンで粗塩を掬う。
 「この女。奥が深いぞ。十数センチ有る」
 六十代の会員はロングスプーンの先で粗塩を蛞蝓に掛ける。
 蛞蝓は半分溶けて萎む。膣の中の粘膜に水が染み渡った。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん」
 佐藤カタリーナは堪らない感触に泣き悲鳴を上げる。
 青木学がピンセットで取れないので長い箸を持って来て萎んだ蛞蝓の死骸を取り出した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん」
 一人目からハードである。だが仕方ない。会員一人の負担が倍に成ったのである。
 二人目が立ち上がった。
 太い筆を持って来る。先端が固めてないぼさぼさの筆である。
 それをクスコの奥まで突っ込む。
 ゆっくり回転と反転を繰り返す。
 「あーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーんあーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナは敏感な部分を弄られて声を上げてしまう。
 会員は逝き顔を晒すまで許さなかった。
 三人目は鞭を持っている。一本のワイヤーが先端をU字にして二本に成った物である。
 これで乳房を叩く。U字の先端が乳輪を囲むようにさく裂した。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 白くやや大きめの乳房に蚯蚓腫れが浮かぶ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナは痛みに顔を究極に歪める。
 二発目を構えた。
 一発目の蚯蚓腫れが真っ赤な筋に浮いて来ている。
 その上から二発目を叩く。
 「ぐふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 薄橙の乳輪の真ん中に小さな乳首の突起がある。乳輪より少しだけ色が濃い。
 乳輪は二十五ミリくらいである。
 乳房の大きさに比べて中心に小さく咲いている。
 一発目の痕にややずれて二発目の蚯蚓腫れが浮く。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナは拷問椅子の上で背を丸めて痛みに藻掻く。
 四人目が小さめのレモン搾りで金柑を搾って準備している。
 三人目は十発叩いた。
 値段が上がった分一人の鞭の制限数も倍に成ったのである。
 佐藤カタリーナの乳房と太腿が鞭で打たれて真っ赤な蚯蚓腫れで無残に成っていた。
 四人目が手に金柑の汁をたっぷり垂らして佐藤カタリーナの乳房を両手の掌で掴む。
 「うぐうううーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうぎゅううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナは強烈に表情を歪めて悲鳴を絞り出し藻掻く。
 「ぐふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 四人目の会員が手を放しても藻掻き悲鳴を絞り出し続けた。
 その次が残った金柑の汁を太腿の蚯蚓腫れに塗ってさらに佐藤カタリーナの藻掻き苦しむ悲鳴を愉しむ。
 十二人目と十三人目が手を組んでいた。
 「あの動画の真似したかったが普通の縫合針しか手に入らなかったよ」
 二人で三本ずつ女の部分を指し貫いて引っ張るのである。
 「あの動画は良かったな」
 この二人の加虐心に思いっきり火が点いたらしい。
 十二人目が佐藤カタリーナの小豆色の小陰唇を抓んで内側の薄橙の粘膜から突き刺す。
 「ぐふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 細い針なので一気に大陰唇に突き通した。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成る。
 それでも落合静香の動画に比べたら軽微である。
 貫いた針にテグスを通す。それを動画と同じように拷問椅子の肘に結び付けてしまう。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 糸を引っ張っても痛いようである。
 片側三本通して十三人目が反対側に掛かる。
 こっちも一気に薄橙の内側から大陰唇に突き通した。
 「うぐう、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナの太腿の筋肉が怒張して上半身を捩って藻掻き悲鳴を絞り出す。そして目からは涙が溢れ続けていた。
 片側三本ずつ六本の縫合針が佐藤カタリーナの女の部分を強く広げている。
 次がこの状態でブジーを取り出す。
 それを尿道の小さな亀裂に突っ込む。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらにそれを回しながらピストンしてしまう。
 「うぐうーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナの顔が究極に歪んで大股開きの太腿が怒張する。
 スマートな脚の筋肉が強く張っていた。
 その間に次の会員二人がスタンガンの端子から鰐口クリップで繋いだ線の反対側をそれぞれ動画の様に真ん中の一本に接続する。
 二人はブジーを差した会員が抜くのを待っていた。
 佐藤カタリーナの恐怖感はさらに増す。
 ブジーが抜かれると同時に二人がスタンガンのボタンを握る。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナの躰は強烈に震撼する。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き叫ぶ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 そのまま失禁してしまった。
 二人は直ぐにスタンガンのボタンを放す。
 青木学が慌てて吸収シートを演台に敷く。
 丸出しの尿道の亀裂から直接失禁尿が流れ出る光景を愉しんだ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナにはこれまでの生涯で有り得なかった屈辱である。
 「あはあーーーーーーーーーんああん。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 失禁が終わって荒い息遣いが終わったら二人の会員はもう一度スタンガンのボタンを握った。
 「ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナの躰は瞬時に震撼する。
 「いたいーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いたいーーーーーーーーーーー」
 二人は何処までも責め続けた。
 「時間です」
 青木学が止めて終了する。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーー。あはふぁああーーーーーーーーーーん。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 佐藤カタリーナの躰は暫く震え続けた。
 青木学は休憩を入れたかったが次の会員が小陰唇を広げた針をそのまま使いたいと希望したので続行に成る。
 次の会員は特殊浴場を全国に経営する会長である。
 会長は縫合針で広がったままの佐藤カタリーナの膣口にクスコを挿入してしまう。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クスコの痛みではない。小陰唇を引っ張っている針の動く痛みである。
 こじ開けた膣の奥には粘膜の盛り上がりがやや下向きに歪んだ子宮口がくっきり確認された。
 会長は長い綿棒を手に取る。
 それをクスコの奥に差し込んで子宮口を撫でながらその亀裂に突っ込む。
 「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナの表情は一気に破裂した。
 「ぐおーーーーーーーーーぐおーーーーーーーーーー。ぐお。ぐお。ぐぐおおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 三センチくらい子宮に突っ込んでいる。強烈な痛みに藻掻き続けた。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 佐藤カタリーナの目から涙が溢れる。
 会長は綿棒を子宮口に突っ込んだまま縫合針を抜く。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 抜く時も強烈に痛い。
 二本目を引っ張る。
 「ぐふうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相当に痛い様子である。
 会長は右の一番下を後にして左の上を抜く。
 「ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤カタリーナはまた僅かに失禁してしまう。潮はクスコの上で左右に分かれて流れた。
 会長が子宮口に突っ込んだ綿棒を回しながら四本目を抜く。
 「ぐぐうーーーーーーーーーー。・・・・・」
 佐藤カタリーナは首が倒れてしまった。
 白目を剥いている。
 ここで休憩に成った。
 「あと三人だな。攫われた女」
 赤座元太が二人に切り出す。
 「二人目が公開されてかれこれ二週間だな。早く愉しませてほしいな」
 瀬尾勝も公開が待ち遠しい。被害者に同情や犯人へに批判は全くない。
 「俺の大嫌いな編集長。倒れたまま出て来ないらしいな」
 宇治原歳加年である。
 「解放された二人の女も退院してないらしいな」
 「一般の病院じゃ焼かれた膣の回復は無いな」
 「そりゃそうだろ。そんな医者他には居ないよ」
 「しかし家族でもえらいとばっちりね」
 弘江はそっちが気に成る。
 「あんたならどうする」
 宇治原歳加年が弘江に聞く。
 「どうにもできないね。犯人に復讐もできないし。あの議員の姉だったら殺すかな。でもああ成ったら生きていてもしょうがないね」
 弘江は怒りの持って行きようが無いと言う。
 「そうだよね」
 浪江も同調する。
 「まあ。此処の面々が標的に成る事はないよ」
 赤座元太は気にしない自分らは安全圏と言う。そしてどんな拷問が行われるか次が愉しみである。
 「今日はどうする。俺はあの女の小陰唇を切ってしまいたいな」
 「それだけ」
 「あれを全部メスで切り落とすのだよ」
 「あ、ああーーー。それ残酷」
 弘江はこっちの事は悦ぶ。
 「それじゃ俺が希硫酸流し込ませて貰うか」
 瀬尾勝が膣と子宮を潰すと言う。
 「宇治原さんはどうする」
 「乳首斬ってしまうか」
 残酷な話し合いである。
 「そうだな。払った金からそのくらいはな」
 「治らないのは子宮と乳首だな」
 「乳首は見た目だけは治るのだろ」
 「そうだが。悲惨さを考えれば満足だな」
 青木学と岡田弥一郎がこの間に佐藤カタリーナの躰を拭いて次の準備をしていた。
 
 二月二十九日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間である。
 報道番組では裏金問題で政倫審をめぐって与党と野党の駆け引きが延々と続いていた。
 そんな矢先。朝早く三本目の動画が拡散されて杉下一行からメールが届く。
 「また嫌な日に来たな」
 今日は木曜日である。
 如月鬼堂は既に朝食のうどんを作っていた。
 テレビと動画の再生を同時に見る。
 館山弁護士も本多椿もテレビ会議を繋いで来た。
 三人目の被害者はテレビ太陽を退職してコメンテーターをやっている煩い男の姪で玉井蛍二十七歳である。
 壁にボルトで埋め込まれた台座に乗って腕は両方真上に延ばして手首と肘を三本の細めの鉄パイプを箱型に囲んで止められている。
 脚も斜め上に引っ張られ脚首と膝上で同じように箱型に組まれた三本の鉄パイプで押さえられていた。
 全裸で女の部分もアナルも丸出しである。
 スレンダーとは行かないがそれなりのスタイルと言える。
 太腿が太いとまで行かないがそれなりに肉を付けていた。やわらかく艶めいた脚である。このくらいの躰の形を好む人もいる。
 柔らかい顔立ちの美系顔である。
 肌の色は白い。標準サイズの乳房。薄紅の乳輪。乳首が乳輪より僅かに濃い。
 女の部分の閉じ合わせたビラビラも二本並んで細く縦に長い。色も薄紅と若さを感じさせる。
 まだ眠らされたままである。
 躰全体が弱々しく艶めいている。
 甥の玉川哲夫の強い理屈男の表情とは正反対と言える。
 忍者姿黒装束が一人。また玉井哲夫にそっくりなロボットが背広姿。そして田代綾香にそっくりなロボット。
 さらに玉井哲夫と同じ番組に出る若いアナウンサー加藤鮎香にそっくりな女姿のロボットである。
 今回は全裸のロボットは居ない。
 今回の忍者姿黒装束は鏑木俊輔である。
 そして玉井哲夫とそっくりなロボットが電子鞭を持つ。
 それを鏑木俊輔に渡さず自ら玉井蛍の乳房の谷間に当ててしまう。
 「う、うう、うぐーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は顔を振ってしょぼしょぼさせながら目を開く。
 「哲夫さん何するの」
 甥でも歳が離れている。哲夫は五十五歳である。まだ忍者姿黒装束には気付かない。
 「なによこれーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はずしてよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 慌てて叫ぶ。そして鉄パイプを揺すって藻掻く。
 「よく見ろ。それは玉井氏にそっくりなロボットだ」
 鏑木俊輔が種を明かす。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は強烈な驚きの悲鳴を上げた。
 「事態が判ったか」
 「ああ。わたしを行き成り眠らせたのは」
 「そうだよ。あんたは玉井氏と思ってそっくりに作られたロボットを部屋に入れてしまったのだ」
 「あ、ああーーーーーーーーーーー。なんで」
 玉井蛍は次に田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットに気付いた。
 「そっちもロボットだよ」
 「あーーーーーーーーーーー」
 「その田代綾香にそっくりなロボットは既に妹を浚って任務を果たした」
 「えーーーーーーー。わたしをどうするの」
 玉井蛍の表情は恐怖に凍っている。
 「少しはニュースとかで知っているだろ。あんたのハードSM猥褻動画を公開する」
 鏑木俊輔は簡単な事のように言う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーいやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでわたしがーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は強烈に喚く。
 「玉井哲夫氏に天誅や。代わりにあんたが拷問されるのだ」
 「なんでよーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 代わりにという言い方に玉井蛍の怒りが破裂する。
 「俺が裸に成って拷問されてもみな動画を捨ててしまう。お前なら永久保存してくれる者が世界には沢山居る」
 玉井哲夫にそっくりなロボットが答える。異様な光景である。
 「なにいっているのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は堪らず叫ぶ。
 「よく見ろ。お前の姿だ」
 正面のモニターに壁にV字開脚の磔にされた玉井蛍の姿が投影された。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに喚き叫ぶ。
 「これを見て玉井氏には狂って貰いましょう」
 鏑木俊輔は笑みの籠った声で言う。だが覆面にサングラスでその表情は見えない。
 「何で天誅なのよーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は怒りに震えた声である。
 「いま字幕が出る」
 鏑木俊輔はモニターを指さす。
 『リベラル派全体主義者玉井哲夫に天誅する。個人主義者は皆お前に怒っている。もう二度とテレビで能書きたれるな。個人主義者を攻撃するな。
 どんなに頑張ってもお前の応援する野党が躍進する事はない。
 トランプを指示する半数前後のアメリカ人より日本人は保守的だ。
 表面では周りの主張に合わせるが中身は個人主義である』
 「こんなの私にかんけいないよーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍はとんだとばっちりと抗議する。
 「確かにとばっちりだな。お前の親戚に玉井氏が居た事が災難だ。諦めろ」
 鏑木俊輔は強い口調で嘲る。
 そして女の部分を指で広げてモニターにアップで公開してしまう。
 縁が僅かに薄紅で内部は薄橙で単調な作りである。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は強烈に喚く。
 自分でも見た事のない部分である。
 「これが全世界に公開される。もう眠っている間に一回撮影しているがな」
 鏑木俊輔はまた淡々と宣告する。
 「なんでーーーーーーーーーーーーー。何でこんな事するのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 どうにも堪えられない。異常な屈辱である。
 「だから玉井哲夫を苦しめる為だよ。こんな最適な手段はない」
 「ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「その言葉が玉井哲夫にも届くぜ」
 鏑木俊輔は覆面の下で哂う。
 その玉井哲夫にそっくりなロボットが鏑木俊輔に今度はクスコを渡す。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は何をされるか分かって強烈に拒絶した。
 鏑木俊輔が持つクスコに玉井哲夫にそっくりなロボットがワセリンを塗る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 さらに拒絶して叫ぶ。
 鏑木俊輔は一気に押し込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大口を破裂させて叫んだ。
 螺子を回して奥を広げてしまう。
 それがモニターに拡大された。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーいやあーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍には気が狂いそうな事態である。
 
 阿字ヶ浦海水浴場。テトラポットの防波堤が有る。その向こう側に流れ着いたゴムボートが発見されたのは十時を回っていた。
 中には全裸の玉井蛍が乗せられている。眠らされたままである。
 また速報が流れた。ベテラン女性アナウンサーの名前の付いた番組。そしてこの犯人を強く非難していた最中である。
 「鬼堂先生。あのゴムボートとエンジンですが製造したメーカーも部品のメーカーも判らないそうです」
 館山弁護士が得た情報である。
 「部品も同じだな。メーカーの同等品を作る工場も有るがそれもどの工場も違うと言うのだろ」
 如月鬼堂は大方想定が付いている。
 「そうです。同等の部品は有りますが其処で製造されたものではないとの事でした」
 「それじゃまさか。犯人らが作ったのですか」
 本多椿の疑問である。
 「奴らが設計して関連した組織に造らせたか。関連した組織が奴らの工場に闇人員を派遣しているかだ」
 「先生は武器も製造していると仰いますか」
 「多分。それが裏の収益じゃないか」
 「そう成りますとゴムボートは潜水艦から流したのですね」
 「俺はそう思っている」
 「砲弾やミサイルも作っているのでしょうか」
 本多椿はそこまで想像した。
 「そこまではできないだろ。売るには相当の量が必要だ。闇販売しているのは特攻ドローン程度だろ」
 如月鬼堂は大量の運搬はできないと見ている。運ぶのはあくまで潜水艦と見ていたのである。
 「かなりの技術力がありますね」
 「そうだな。あのロボットの精度を見ても相当の物だ」
 
 動画の画面ではこれまで通り玉井蛍の膣の奥から分泌物が掬い出され強烈な羞恥に泣き叫ぶ姿がとことん公開された。
 それから田代綾香にそっくりなロボットが玉井蛍の膣の中を洗う。
 さらに加藤鮎香にそっくりなロボットが浣腸の準備をしていた。バケツに板氷が入って水がきりきりに冷やされている。
 それをシリンダーに吸い上げて鏑木俊輔に渡した。
 「いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 冷たい水がアナルから直腸に流し込まれると十分に理解できる。そしてその挙句に羞恥の破局の姿が晒されてしまう。
 鏑木俊輔は医療用手袋の上から軍手を掛けて浣腸器を受け取る。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は恐怖に慄き叫ぶ。
 鏑木俊輔は一気にアナルに差し込む。まだクスコは膣に入ったままである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍の叫びを無視して鏑木俊輔はシリンダーを押す。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 直腸に侵入して来た冷たい液に泣き悲鳴を上げる。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 連中は内房のリゾート施設には居ない。
 あと残った生贄は二人。リゾート施設には見張りに組織の男二人とロボットだけである。
 アジトの外は曇り。下の街はどんよりと見える。
 やや寒いので鍋と魚介類を焼いていた。
 日本酒が合う日である。
 今日は五人だけ。医者の男は大阪に行っていた。
 「こいつ病院で意識回復したら自殺かな」
 印刷会社の社長である。
 「その前に気が狂っている可能性もある」
 川口の会長はこの女だけ強い責めを行う指示をした。
 「あいつだけは徹底的に痛手を与えたい」
 葬儀会社の社長も玉井哲夫が嫌いである。
 「あいつも自殺しないかな」
 運送会社の社長も玉井哲夫に怒りが籠っていた。
 「自殺する男ではない」
 川口の会長は否定する。
 「だが番組は欠席だな」
 葬儀会社の社長はそれを真から悦んでいた。
 「さすがに今は出られないだろ」
 「週刊太陽の編集長も入院したままだな」
 「田代綾香だけ国会でも警察でも暴れ放題だな」
 「怒りをぶつけ続けて犠牲に成った妹へはこの通り戦っていますか」
 「家族は議員を止めろと言わないのかな」
 「田代未代は自殺しそうもないかな」
 「その前に退院できてない」
 「そうだな。まだこれからだな」
 「まずまず成功でしょう。マスコミはガンガン騒いでいる」
 産業廃棄物収集運搬処分業の社長である。
 「そして無駄な検問だらけだ」
 川口の会長は非難ではない。嘲笑っているのである。
 「模倣犯かもっと希望者が出てくれないかな」
 医者の男の代わりに葬儀会社の社長が言う。
 「これからだ。季節の変わり目に期待しよう」
 「そうだな」
 この連中の遊びは留まるところが無い。
 
 動画の画面は玉井蛍が冷たい浣腸液による腹の痛みに苦しみ続けていた。
 鏑木俊輔は苦しみのどん底に藻掻く玉井蛍の絶対に言えない言葉を要求する。
 「ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー」
 壁に磔にされた躰を動く限り右に左に捩って痛みに堪えられない。
 「痛いだろ。私の排泄姿をご鑑賞下さいと言え」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は要求どころではない。苦しみにどうにもならない。
 「どうあってもあんたの排泄は動画に公開や。苦しまないで言ったらどうだ」
 鏑木俊輔はじっくり構える。
 「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーー」
 怒りを剥き出しながらも藻掻く。
 「もっと追加しても良いぞ」
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。あくまーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は涙を溢れさせながら藻掻き続ける。
 「依頼人の指示。二穴挿入のあと犯してください」
 加藤鮎香にそっくりなロボットが鏑木俊輔に伝えた。
 田代綾香にそっくりなロボットが台座の下に透明な水槽を置く。
 そして玉川哲夫にそっくりなロボットが台座を外してしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 台座を外しても玉井蛍の躰は落ちない。
 玉井哲夫にそっくりなロボットがアナル栓を抜く。
 「うう、ううーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 水道の蛇口を柔らかく捻ったように茶色い水が流れ出る。
 便は殆ど溶けてしまっていて最後の方に小さな破片が茶色い水に流されて出ただけである。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーんあはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん」
 玉井蛍は号泣状態に成ってしまった。
 「あはああーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 まだ苦しみ続けている。
 鏑木俊輔はもう一回浣腸器に注入しようと構えた。
 「待って下さい。洗うだけなら微温湯で」
 田代綾香にそっくりなロボットが止める。
 同情した訳ではない。二穴挿入の効果を早く出したいからである。
 その間に加藤鮎香にそっくりなロボットが微温湯をバケツに入れて持って来て前に置く。
 鏑木俊輔は三回くらい微温湯をシリンダーに吸い取っては直腸を洗った。
 玉井哲夫にそっくりなロボットがドリルバイブを持って来る。疑似男根の大きさからアナル用である。
 そしてマイクロローターを鏑木俊輔に渡す。
 玉井哲夫にそっくりなロボットがアナルにドリルバイブを突っ込む。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 玉井蛍には強烈な衝撃である。
 鏑木俊輔はリモコンから伸びたアームの先にマイクロローターの付いたアイテムで膣の奥を責める。
 
 「パパ。出前届いたよ」
 瀬里菜が仕出し屋の配達から受け取って囲炉裏に運んでくれた。
 野立て弁当である。
 見なくても良い部分なので食べながら報道番組に目をやる。
 珠洲がビールを抜いて二重構造の金属で冷めないグラスに注いでくれた。
 「みんな政理審に出ないって言ったら総理が出るって」
 「どうも総理、安田派の五人、党の調整している面々と大分疎通が有りそうだな」
 居間の大きな窓からは遠くに海原が望める。
 ビールを飲みながら良いロケーションで食事である。
 画面では玉井蛍が二穴挿入の責めに堪えられず逝き声を上げ続けていた。だが偶に目をやるだけで食事を進める。
 「ねえ。何であの人達政理審逃げるの」
 珠洲はそこが疑問である。
 「逃げない方が得だと思う。このメンバーは自分らが政界に残れなければ党などどうでも良いのだ。そして他からもっと大きな力が動いている」
 「そうなの」
 珠洲はそれ以上聞かなかった。
 「先生。今週はどうします。明後日ですよ」
 本多椿は土曜日を心配する。
 「さっきのレベルで少し爆弾発言でも良いのじゃないか」
 如月鬼堂はこの辺りで良いと強気に成った。
 
 画面では玉井蛍が失禁して失神するまで責め続けられている。
 田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットも加わってクリトリスと尿道の責めまで追加されていた。
 
 「ねえ。パパ。こんなにマスコミが叩いても総理の支持はどんどん下がるけど民事党の支持はあんまり下がらなくて流れに乗っているようで立憲国民の支持は殆ど上がらないよね」
 また珠洲が割り込む。
 「アメリカでトランプ支持者と民主党支持者で分断と言うだろ。日本はそれ以上に保守が多いのだよ」
 「でも国民の意見は」
 「マスコミに追従して非難はするけど。表向き個人の利害を抑えはするけど。今以上に革新、リベラルに成ってほしくない本音が根にあるのだよ」
 「そうか」
 珠洲はパートの給料の件以外では如月鬼堂に反論はしない。パートの給料も如月鬼堂の現在の体制を守りたいからである。
 「先生。政理審の件も入れますか」
 「〇旗の逆の視点でいいのじゃないか」
 如月鬼堂はこれも打って出る姿勢である。
 
 動画の画面では玉井蛍が遂に失神して白目を剥いてしまった。
 鏑木俊輔が玉井蛍の膣の中から濡れを取り出してグラスに流し込む。
 ここで田代綾香にそっくりなロボットと玉井哲夫にそっくりなロボットが玉井蛍の躰を壁の磔から降ろす。
 ドリルバイブの責めが続いて玉井蛍のアナルは口が大きく広がっていた。
 加藤鮎香にそっくりなロボットが水槽に入れた蛇を数匹運び込んで来る。
 鏑木俊輔は後ろに下がった。
 玉井哲夫にそっくりなロボットがビンタで玉井蛍を起こす。
 「あふぁあーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は周りを見渡す。
 玉井哲夫にそっくりなロボットが玉井蛍の躰を後ろから抱いて自ら床に背中を着いてその上に抱き抱えてアナルに疑似男根を挿入してしまう。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は悲痛に表情を崩して叫ぶ。
 異様な光景である。
 知らないで見れば甥の哲夫に蛍が下から抱かれている事に成る。
 鏑木俊輔が上から被さって膣に挿入してしまう。
 犯した烙印を押す目論見である。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍はまだ藻掻き抵抗しようとする。
 だがロボットの力は強い。
 鏑木俊輔は何の抵抗も受けずに玉井蛍を犯して責め続けた。
 今回は生挿入で完全に犯してしまう。
 DNAが残っても構わない。警察が辿り着いても鏑木俊輔の体は消滅した後である。
 鏑木俊輔が中で果てると田代綾香にそっくりなロボットが指で玉井蛍の膣から情液を指で掻き出す。
 玉井蛍は抵抗力を失っていた。
 玉井哲夫にそっくりなロボットが玉井蛍の躰を押さえたまま両足を絡めて玉井蛍の脚を大股開きにして押さえる。
 田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットが水槽から蛇を一匹ずつ掴み出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍の強烈は悲鳴が轟く。
 加藤鮎香にそっくりなロボットが二穴挿入で大きく開いたままだったアナルに蛇を突っ込む。
 「あがふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 壊れたサイレンの様な悲鳴に成る。
 田代綾香にそっくりなロボットが膣に鏑木俊輔が一度抜いた開口器を挿入して蛇の頭を挿入する。
 「・・・・・」
 玉井蛍は大口を破裂させたが声が出ない。躰はぶるぶる震える。そして白目を剥いてしまう。
 暫くそのまま放置されて蛇が抜かれて片付けられた。
 玉井哲夫にそっくりなロボットが玉井蛍の躰を抱きかかえて産婦人科診察台に移す。
 ここで鏑木俊輔も引き上げて忍者姿黒装束三名と交代した。
 うち一人は医者の男。残る二人はこれまで助手と麻酔を担当して来た組織の二人である。
 医者の男は一度玉井蛍を電子鞭で起こした。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーー。ふふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーー」
 玉井蛍は狂ったように喚き散らす。
 医者の男は乳首を抓んで乳輪をメスで斬ってしまう。
 「・・・・・」
 玉井蛍は恐怖に声も出ない。
 医者の男が斬り落とすと助手が止血する。
 動画はここで終了していた。
 
 三月五日。
 大阪京橋の病院。
 佐藤カタリーナは利根川元教授の手術を受けて退院日である。
 利根川元教授は数日前に佐藤カタリーナに状況を説明した。だが退院日を待たずに戻ってしまう。
 佐藤カタリーナは手術の結果を聞いて泣き続けた。
 斬られてしまった乳首は綺麗に整形されて感度はある。だが左右の段差を感じさせる。
 宇治原歳加年にメスで斬られるとき悲鳴を上げてから僅かな間に意識朦朧と成っていた。
 意識の無い内に膣口を隠す粘膜を斬られていたらしい。
 利根川元教授が残った粘膜を上手に丸めて整形してくれたので股を広げても大陰唇の真ん中に二本細い粘膜の筋が辛うじて閉じてくれている。
 膣の感度は八割方と言われたが概ね戻っていた。
 子宮は希硫酸を流し込まれて撤去されてしまっている。
 飲酒運転の極秘の賠償は終わって杉本金融には一千万を返して自分の手元に一千万が残った。
 あの人たちはいったい何だろう。自分にあの酷い仕打ちを愉しむ為にあの人数で医療費を含めて四千万くらいを出し合ったらしい。
 金が有り余っている富裕層に違いない。
 自分はこの稼ぎが無ければ刑務所行きだった。飲酒運転は重い。だが自分の意志で飲酒した訳ではない。
 あのカクテルはノンアルコールの筈。なのに事故現場で行き成り飲酒運転と言われてしまう。
 自分の息をハンカチに当てて匂いを嗅いだら驚愕した。
 もうどうにもならない。言いなりに従うしかなかったのである。
 あの金で助かったが複雑な気持ちに成る。
 あそこまでしないと満足しないのか。やはり日本人は高い思想の民族に見えて残酷な反面が有ると思う。
 これからどうするのか形だけ病院に礼を言って戻る事にした。
 帰りの新幹線の中で赤座元太、瀬尾勝、宇治原歳加年の三人の顔が頭から離れない。
 自分に究極の残酷を働いた三人である。
 何処の誰かも判らない。でもあの温泉ホテルにしょっちゅう出入りしているに違いない。
 そしてあんなショーが時々行われるに違いないと思う。
 佐藤カタリーナは新幹線の窓に顔を伏せて泣いてしまった。
 
 三月十日。
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 窓の外には遠く海原が広がっている。このロケーションだけが宇佐美のマンションの魅力である。
 設備と間取りで便利な越後湯沢に戻りたいがまだ早い。
 如月鬼堂は本多椿と九時二十分に宇佐美に着いた。珠洲の出迎えで戻って来たばかりである。
 館山弁護士と杉下一行が先に着いて待っていた。
 「新幹線こだまと普通電車乗り継ぎですか」
 「ああ。此処は不便だよ」
 越後湯沢なら雪さえなければ新幹線一本である。
 だが上越新幹線の本数は減ってしまった。昼間は新幹線が一本。そして在来線の越後湯沢までの接続が無い。
 「やっと四人目の動画が流されました」
 「たっぷり時間を掛けて小出しに社会を騒がせる目論見だな」
 如月鬼堂は乗り換えが小刻みなのでまだPCを開いてメールを確認してなかった。
 囲炉裏端に四人座って大型のスクリーンで確認する。
 
 四人目の被害者は今回裏金を摘発した大学理事長北条鉄之助の孫娘で北条優樹菜である。
 細いスレンダーな躰つきで色白。身長も百七十くらいと思われた。
 今回も壁に埋め込んだ台座に乗って三本組み合わせた鉄パイプで磔にされている。
 V字開脚ではなく脚は左右に大きく開いていた。膝を頂点にカモメの羽根の形に広げられている。
 股間部分はぱっくり丸出しで眠らされたままである。拉致されてからこの撮影時点まで点滴で生かされていた。
 また忍者姿黒装束が一人。田代綾香にそっくりなロボット。アナウンサー加藤鮎香にそっくりなロボット。
 そしてまたもや大学理事長北条鉄之助にそっくりに作られたロボットである。
 
 「あの忍者姿黒装束。毎回別の人間ですよね」
 「そうだろ。見分けはつかないが声が違うし。動きも微妙に違う」
 如月鬼堂は杉下一行のややブレた疑問に当然のように答える。
 「しかし今回は声まで出してしまっています。跡が付くと警戒しないのでしょうか」
 「これが公開された時点で生きてないのじゃないか」
 「え、え」
 「そうですね。前渡しの香典とまで言っていました。いつまでも生かしておかないでしょうね」
 館山弁護士も同意見である。
 報道番組が速報を伝えた。
 『拉致されて行方不明とされていた北条優樹菜さん。千葉県の君ヶ浜で発見。ゴムボートで流れ着いた模様。命に別条はなし』
 十時を回ったばかりである。
 
 画面では忍者姿黒装束が電子鞭で北条優樹菜を起こす。
 この忍者姿黒装束は間宮祥太と言う。元代議士の秘書である。五年前裏金問題の責任を取った。
 代議士は連座制を免れたが次に選挙に落ちて既に他界している。
 「うぐ。うう」
 北条優樹菜は目を開いたが辺りがぼやけているようである。
 躰を揺する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーーー。お爺さん。いったいなにするのーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜も祖父を部屋に入れてからずっと眠らされていた。
 「よく見ろお前を攫ったのは北条鉄之助にそっくりに作られたロボットだ」
 間宮祥太が宣告する。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーたすけてーーーーーーーーーーーーーー」
 堪らず取り乱して叫ぶ。
 「もう遅い。お前のいまの姿は全世界に公開される」
 間宮祥太は当然の事のように言う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おまえらは!あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。連続拉致犯」
 北条優樹菜はようやく忍者姿黒装束に気付いた。
 「ようやく判ったか。見慣れた顔だがそっちの女二人もそっくりに作られたロボットだ」
 「あーーーーーーーーーーーーーー。なんで」
 北条優樹菜は絶望に藻掻く。
 「お前が北条鉄之助理事長の孫娘だからだ」
 間宮祥太は堂々と宣告する。
 「そんな。北条が裏金を告発したから」
 「その通り。北条理事長を苦しめる為お前の恥ずかしい姿を社会にばら撒いて悲惨な躰にして帰す。これ以上の戒めはない」
 「卑劣だーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「もとよりその心算だ。一切手加減はない」
 「なにをしようというのーーーーーーーーーーーーーー」
 「まずはお前の社会に顔向けできない恥ずかしい姿を撮影する」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。おまえはなにものだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「俺は依頼人から百万の前渡しの香典を貰った。実行するのみだ」
 「依頼人は誰よーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「お前も知っている連続拉致強姦事件の本家だ」
 「それは何者なの!」
 「はっはっはっは。それは俺も知らない。よく考えろ本家が招待明かす訳ないだろ」
 「お前は何でそんな事引き受ける!!」
 「お前の祖父の様な正義感が嫌いだからだ!そんな正義のお陰でアングラマネーが無く成って綺麗な金は預金に凍結して貧乏社会だ!!」
 「そんなーーーーーーーー。わたしに関係ないよーーーーーーーーーー」
 「そうやって騒げ。騒ぐほど北条鉄之助は苦しみ世間はもっと騒ぐ」
 間宮祥太は愉快そうに嘲るように言う。
 「何の為にそんな事するのーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜はかなりヒステリー状態である。
 「だから北条鉄之助を苦しめる為だと言っただろ」
 「何で依頼人の連中はそんな事する」
 「俺が一致したのは依頼人も俺も綺麗に成った社会に反逆しているのよ!社会に金が溢れないから綺麗事社会を主張する奴らに天誅しているのよ」
 あくまで間宮祥太の受けた印象の範囲である。
 田代綾香にそっくりなロボットとアナウンサー加藤鮎香にそっくりなロボットが壁の両側から指で引っ張って北条優樹菜の女の部分を広げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。なにするやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は躰を揺すって叫ぶ。
 「前のスクリーンを見ろ。映ったお前の姿が動画でばら撒かれる」
 間宮祥太は愉快そうに宣告する。
 「やめろーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は狂ったように叫ぶ。
 「貴女が拉致されてから一か月経っているのよ。お〇〇この中滅茶苦茶に汚れているわよ」
 加藤鮎香にそっくりなロボットが素見す。
 「えーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は一か月に驚愕する。
 「さあ。お掃除して貰いましょう」
 そう言って田代綾香にそっくりなロボットが間宮祥太にロングスプーンを渡した。
 「なにするのーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は訳分からず叫ぶ。
 間宮祥太はロングスプーンの先端で二体のロボットが広げている北条優樹菜の小陰唇の内側のピンクの部分から粕を掬う。
 「あーーーーーーーーーーーーーーー。なにするのーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は強烈な羞恥と屈辱に堪らず狂ったように叫ぶ。
 「モニターよく見て」
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。こらやめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 完全にパニック以上である。
 間宮祥太は掬った粕を黒い皿に乗せて北条優樹菜の目前とカメラに翳す。
 黒い皿を渡したのは北条鉄之助にそっくりに作られたロボットである。
 「まだまだ」
 間宮祥太はピンクの粘膜の上から強く抉るように粕を掬い取ってしまう。かなり痛い。
 「ううーーーー。うぐうーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 何処までも喚き続ける。
 北条鉄之助にそっくりに作られたロボットがクスコを渡す。
 「あーーーーーーーーーーーーーなにーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜はクスコを見て喚き拒絶する。
 間宮祥太は淡々とワセリンを塗って挿入してしまう。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を揺すって藻掻く。
 女躰ロボット二体が強く押さえる。
 間宮祥太は螺子を回して奥を広げてしまう。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 モニターに膣の奥がくっきり拡大されて映る。
 北条優樹菜はどうにも堪えられない。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂ったように叫び続けた。
 間宮祥太は容赦なくクリーム色に濁った滑りを掬い出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやだあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを黒い皿に載せてカメラに翳した。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は完全にパニックに成ったヒステリー状態である。
 間宮祥太はスタンガンを手にする。
 「うるせーーーな」
 スタンガンを北条優樹菜の内腿に当ててしまう。
 「うがふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜の躰は強烈に弾ける。顔を大きく逸らせて大口を破裂させて悲鳴を上げる。
 間宮祥太はさらにドテに押し付けた。
 「ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鉄パイプに固定された脚が動く限り藻?く。
 北条鉄之助にそっくりに作られたロボットがロングスプーンを持って膣の中を掻き出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ黄ばんだ白い塊が採取される。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は無駄と判っていても叫ばずに居られない。
 「見ろ字幕が流れる」
 北条鉄之助理事長にそっくりに作られたロボットが指摘する。
 『北条鉄之助理事長に天誅する。お前は僅かな裏金を指摘して自分の思想に合った政党に政権を転覆しようと目論んだ。
 あの程度の裏金で票を買う事などできない。
 騒いで経済対策を遅らせて日本経済を後退させるだけである。
 無駄な事だ一般市民は知識層と同じ意識ではない。僅かな金で煩くして綺麗な社会にしようとすればする程世の中に金は回らない。
 経済は下から冷えて行く。どんなに株価が上がっても最下層に金は回らない。
 いくら賃上げを叫んで物価を上昇させても最下層に購買力が無ければ消費は低迷する。どこまで行っても物価に賃上げは追い付かない。
 既に日本は滅びゆく経済大国である。
 失われた三十年は綺麗な社会に成ってアングラマネーが激減したのが一番大きな要因と言える。
 温泉に団体は来ない。ファミリーではホテルも綺麗どころも稼げない。風俗店はどんどん消えて行く。
 意識が変わったのではない。そっちに使う金が無いのである。
 お前の様な知識階級のせいだ。
 だから娘に天誅する。それが一番苦しい筈だ。そして次はお前だ』
 字幕は三回流れた。
 北条優樹菜は怒りに興奮した息遣いを漏らしながらそれを読んでいた。
 「ふざけるなーーーーーーーーーーーーーーー。それじゃいつまでたっても日本は良い社会に成らないだろ!!」
 「だまれーーーーーーーーーーーーーーー」
 間宮祥太は北条優樹菜の膣に刺さったクスコにスタンガンを当てる。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。・・・・・」
 北条優樹菜は白目を剥いてしまった。
 アナウンサー加藤鮎香にそっくりなロボットが浣腸器に冷やしたグリセリンを入れて持って来る。
 間宮祥太はそれを気絶している北条優樹菜のアナルに差し込む。
 浣腸液が半分くらい入ったところで北条優樹菜は意識を戻した。そして強く藻掻く。
 「ぐわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 浣腸器が押し退けられて一気にアナルから漏らしてしまう。
 間宮祥太は慌てて避けた。
 
 大阪。SMクラブのプレイルーム。
 宮崎能収は百万の前渡し香典を貰った五人目の男である。
 今日の遊びを最後に約束した仕事に向かう。
 ここまで五件のSMクラブを梯子した。使ったのは五十万弱である。この先二日後には自分は生涯を閉じる。
 もう何をしてもかまわない覚悟で本日は五十万弱の契約をした。
 十二時間の契約である。
 零時三十三分大阪発の寝台特急の個室を予約している。明日の七時八分に東京に着く。
 最後に指名した女は根津珠奈という。まだ二十六歳と若い。
 それなのに事業を始めて社長である。
 足りない運転資金をSMクラブで稼ぎに来ていた。
 一本鞭無制限。ビンタ無制限。撮影と膣への挿入、躰を斬る焼く以外NGなしの契約である。
 生物もOKと成っていた。
 ピアス穴ぐらいは許されますとマネージャーの確認もある。
 裸にして拷問椅子に乗せて一通り弄って逝き顔を鑑賞する。夕食を摂ってそれから牙を剥いて拷問に掛かる予定である。
 あと二日の命。何をしても逃げてしまえばそれまで。今日の成り行き次第と思っている。
 若くして社長というのが虐め心に火が点いた。思いっきり残酷に扱いたい気分である。
 
 画面では北条優樹菜が便を漏らしてしまった後の掃除が終わって間宮祥太が直に挿入して強姦の洗礼を浴びせた。
 そのあと二本のドリルバイブで責めてさらに尿道バイブで責めて逝き顔を晒させて潮も噴かせてしまう。
 そのまま失神してしまった。
 北条鉄之助にそっくりなロボットが蛇を掴んで来る。それをクスコの中に突っ込んでしまう。
 間宮祥太は乳房にスタンガンを当てる。
 「ぐがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 直ぐに意識を回復した。
 「モニターを見ろ」
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。・・・・・」
 北条優樹菜はまた白目を剥いて口から泡を噴いてしまう。
 田代綾香にそっくりなロボットが大きな釣り針を持って来る。
 そしてアナウンサー加藤鮎香にそっくりな女姿のロボットと一緒に北条優樹菜の太腿を両側からがっちり押さえた。
 間宮祥太はその釣り針を手にする。
 その間に北条鉄之助にそっくりなロボットが蝋燭に点火していた。
 間宮祥太は北条優樹菜の左の小陰唇を指で抓む。引っ張って片側だけピンクの内部を剥き出す。
 小陰唇のピンクの内側から大陰唇に向かって大きな釣り針を突き刺した。
 「ぐがあふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は強烈な悲鳴を上げて意識を回復する。
 間宮祥太は強く力を入れて釣り針を突き上げる。大陰唇の皮膚が強く押し上げられた。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振って痛みに大口を破裂させた悲鳴を絞り続ける。
 強く押し上げて大陰唇から針が突き抜けた。
 「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜は強烈に藻掻き続ける。
 「やめろーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーー」
 涙を溢れさせて藻掻く。
 間宮祥太は構わずもう一本掴んで右の小陰唇を引っ張る。
 ピンクの内側から大陰唇に向けて突っ込む。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに手首を鉄パイプに押さえられたまま壁を叩く。
 「ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 間宮祥太は強く突き抜こうと押す。
 大陰唇の皮膚が針に押し上げられるがなかなか突き抜けない。
 力でぐりぐり押す。
 「あーーーーーーーーーーーーーがあーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあがああーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜はの顔は強烈に歪む。
 間宮祥太はさらに力を入れて押す。
 「がふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 号泣の涙が溢れた。
 ようやく釣り針が大陰唇に突き抜ける。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜の藻?き苦しむ顔が画面に焼き付く。
 田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットが両側から突き刺さっている釣り針にテグスを通す。
 そのテグスを北条優樹菜の膝を押さえた左右の鉄パイプに縛り付けて女の部分を広げた状態に固定してしまう。
 間宮祥太は広がった膣口にもう一度クスコを挿入する。
 「うう、ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クスコを突っ込むだけで突き刺さった釣り針が強烈に痛む。
 ロボットが三体掛かって溶けて液状に成った蝋燭をビーカーに流し込んで準備する。
 間宮祥太は金属の湾曲したへらをクスコの口に当てた。
 それにビーカーに集めた熱蝋を流し込む。
 熱蝋は一気に膣の奥に流れ込んだ。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜はまた狂ったように悲鳴を上げ続けて失神してしまう。
 間宮祥太は北条鉄之助理事長にそっくりなロボットから半田鏝を受け取る。
 それでクリトリスを焼く。
 「・・・・・ぐお。ぐうーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 失神から意識を戻した北条優樹菜の藻掻く悲鳴が轟いた。
 続いて蝋涙を流し込んだクスコに半田鏝の先端部分を突っ込む。
 そのまま温く冷めた蝋涙がまた熱く成るのを待つ。
 北条鉄之助理事長にそっくりなロボットがもう一本半田鏝を差し出してクスコに突っ込んだ半田鏝を持つのを代わる。
 間宮祥太はそれを受け取って乳房に近づけた。
 「あーーーーーーーーーーーーーーふぁあーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜からさらなる恐怖の悲鳴が上がる。
 間宮祥太は落書きではなく白く肌理の細かい乳房に半田鏝の熱く成った部分を横にして当ててしまう。
 「ぐうおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 転がすように動かして乳房の皮膚を焼く。
 「ぐがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 北条優樹菜はそのまままた白目を剥いてしまった。
 間宮祥太は何処まで残酷にできるかまだ責めたい。
 この女を絶望の極致に堕として自分らを恨む事は一向に構わない。その恨みが少しでも北条鉄之助理事長にも向かえば成功と思う。
 そして北条鉄之助理事長が苦しみ同じような思想の知識層が言葉で非難し続けても心の底で恐怖感を味わえば良い。
 これが依頼人と自分の共通した意志だと思う。
 「電子メスは有りませんか」
 間宮祥太がロボットに要求する。
 別の忍者姿黒装束が高枝斬り鋏を持って来て渡した。
 「こっちの方が残酷に見えます」
 既に三人の忍者姿黒装束が待機していたのである。
 「同じ右側を斬って。片方綺麗に残した方が良い。その方がよりダメージが深い」
 医者の男が指示した。
 間宮祥太は依頼人の一人と思って従う。
 高枝斬り鋏の刃を開いて右の乳輪の外周に当てる。
 鋏んで伸ばす。そして一気に鋏み斬った。
 血が飛び散る。
 ここで三人が交代した。
 動画はここで終了している。
 
 「しかし奴らは何処までも次の手を考えますね。先生の希望されるどっかで静かに死んでもらえばは当分有り得ませんな」
 館山弁護士はしみじみそう嘆く。
 「この拷問場所は何処でしょうね」
 杉下一行は連続拉致強姦事件の犯人らが二つの拷問場所を使っていると認識していた。
 「こっちは潜水艦から運び込める立地だよ。そして一気に拉致して開放には何日も空いている。潜水艦の運航の都合じゃないか」
 「そうですね。その可能性はあります」
 館山弁護士ももう如月鬼堂の潜水艦説を否定しない。
 
 大阪。SMクラブのプレイルーム。
 宮崎能収は根津珠奈を後ろ手に縛って脚首を縛り合わせて逆さ吊るしにした。
 根津珠奈の躰は頭が床から二十センチくらいに天井から縦一文字に吊るされている。
 宮崎能収は卓球のラケットの様な形のスパンキングで持ち手の部分がやや長い物を手にしていた。
 床に膝を着いて自分の肩の高さにある乳房を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ややくぐもった声の悲鳴が良い。
 平たい革で長めのアームを持って柔らかい乳房を叩く。かなり痛い筈である。
 続けて叩く。
 「う、ううぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈は顔を真下に向けて悲鳴を絞り出す。
 かなり力の入った叩き方である。
 根津珠奈の乳房は片手にやや余る大きさ。叩かれれば強くへしゃげる。色は白く肌の肌理は細かい。
 乳輪は小さく鶏の鶏冠の様に赤い。
 宮崎能収は叩き続けた。
 興奮度はどんどん増す。
 「うう、うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーん」
 根津珠奈の悲鳴は徐々に涙声に成る。
 「あはふぁあーーーーーーーーーーああーーーーーーん。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 顔は涙に塗れて涎と僅かに涙が床に垂れ落ちた。
 宮崎能収は立ち上がって艶めいた太腿を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈の躰が空中で震撼する。
 宮崎能収はスパンキングを置いて教鞭の様な竹の鞭を持つ。
 それで二本揃えて吊るされた太腿の頂点を叩く。
 「ぐうふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈は頭を前に擡げ振り子のように後ろに振って悲鳴を絞り出す。
 瞬時に蚯蚓腫れが浮く。
 少しずらしてまた叩く。
 「ぐうふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈の頭は反動で前に強く跳ね上がる。
 最初の蚯蚓腫れは既に紅く成っていた。
 宮崎能収は根津珠奈の綺麗な太腿をずたずたにしたい。紅い筋が浮くだけで全身が熱くなる。
 二十発くらい叩いた。
 根津珠奈の色白の太腿は真っ赤な筋が何本も浮き出して無残極まりない。一部鬱血も見られる。
 次は股間の隙間に覗く女の部分を叩く。
 「うぐうーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成った。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 吊るされた躰を不規則に捩って藻掻く。
 そしてそのまま暫く微妙に震え続ける。
 宮崎能収は満足そうにその姿を堪能した。
 ここで一回吊るしから降ろす。
 根津珠奈は泣き濡れていた。
 宮崎能収はその唇を貪ろうとする。
 根津珠奈は躱す。
 「待って。洗ってから」
 仕方なく一度シャワー休憩を与える。
 部屋の冷蔵庫のビールを飲み、乾き物をつまみながら待つ。
 宮崎能収は根津珠奈に加虐心が滾ってしまった。何か傷を残すような事がしたい。
 最後は眠らせて縄を解いて自分が先に出る。
 ラブホテルではなくマンションタイプのプレイルームなのでやり易い。
 プレイ時間終了まで行わないのでクラブが疑って連絡はしてこない筈である。
 途中確認が来ても本人を出せばよい。
 来るとしたら終わり近辺か中程である。
 根津珠奈はかなり長めの休憩でバスルームから出て来た。
 バスタオルを躰に巻いて来たので唇を濃厚に貪ってからバスタオルを?き取って拷問椅子に磔にしてしまう。
 
 和歌山。岬ビューホテル。小宴会場である。
 何人か会員が集まってばら撒かれた動画を鑑賞していた。
 「警察は全く手が出ないな」
 宇治原歳加年は他人事のように言う。
 「まあ愉しませて貰おう。どうせ非難している奴らもこっそり見ているのだ」
 赤座元太は連続拉致強姦事件の犯人にある程度近い位置にいた。だがそれが誰だかは知らない。
 青木学と岡田弥一郎も同様である。
 「三月は誰をショーに出す」
 瀬尾勝は次のショーを心配する。
 「先月二回やってしまったからな。四月まで待とうよ。連休もないし」
 青木学は動員が心配である。
 「もう一本入れたいな」
 岡田弥一郎はホテルの売上が欲しい。
 「三月は三月で終わりのころにやりましょう」
 瀬尾勝も愉しみが欲しい。
 「駒木帆乃佳でどうや」
 赤座元太が要求する。
 「いやーーーーーーー。あの時引いていましたから。SMは嫌や言うてましたな」
 青木学は難しそうな表情である。
 「いっそ今回は安くしてハードなしの羞恥責めだけでどうかな。あいつならそれでも行けるよ」
 赤座元太は強く押す。
 「それだと助かるな。料理と宿泊は同じだしな」
 岡田弥一郎は是非やって欲しい。
 そして駒木帆乃佳が寮から呼ばれた。
 「ええーー。ハード無しだといくらくれるの」
 駒木帆乃佳は金次第らしい。
 「此処の女の子のハードで全員集まって三百万だ。人数による」
 「じゃその半分くれない」
 「決まったな」
 赤座元太はOKを示してしまう。
 「そんなところだよ」
 宇治原歳加年も了解を表明した。
 「三十、三十一でやって帰りが一日に掛かると出られない奴が増える。二十三、二十四で行こう」
 青木学が決めてしまった。
 そして駒木帆乃佳は座敷に呼ばれたので今夜もコンパニオンの仕事に就いたのである。
 
 大阪。SMクラブのプレイルーム。
 宮崎能収は根津珠奈の女の部分を究極に弄んだ。
 クラブからの中間確認の電話は済んでいる。拷問椅子の上の根津珠奈に受話器を当てて対応させた。
 次の確認は終了の十分前である。終了はプレイルームに入った時間の電話確認から十二時十五分となる。
 潮吹き、カテーテルで導尿、尿道責め、バイブの二穴挿入の失禁と失神まで行った。
 「ピアスの穴ぐらいはOKだったね」
 宮崎能収は十センチくらいの針を数本取り出す。
 「・・・・・」
 根津珠奈は仕方ないと無言で頷いた。
 小陰唇を二枚合わせて抓む。
 「あ、ああ」
 突き刺されると分かって諦めながらの辛い声を漏らす。
 一気に突き刺してしまう。
 「うふうーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈は顔を歪めてやや甲高い悲鳴を漏らす。
 宮崎能収は二本目を取り出した。
 「・・・・・」
 辛そうに表情を歪めて身構える。
 一本目と斜めにクロスするように突き刺す。
 「ぐふうーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈は眉間に強い皺を刻んで大口を縦に破裂させて悲鳴を上げる。
 一本目と二本目は先端がクロスして接触させた。
 次は刺し込む側を二本目の下を潜らせて接触させて抓んだ指の下に刺し込んで貫く。
 「ぐうーーふふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈の痛みに強烈に軋む表情が宮崎能収を熱くさせる。
 四本目はまた先端でクロス接触するように突き刺す。
 「ふーーふぁああーーーーーーーーーふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を震撼させて強烈な悲鳴が上がった。
 宮崎能収はスタンガンを取り出す。
 根津珠奈に緊張が奔る。
 突き刺した針に当ててスイッチを押してしまう。
 「ぐふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー」
 根津珠奈の顔は強烈に軋む。
 「いたい。いたい。いたいーーーーーーーーーー。うぐううーーーーーー」
 大口を破裂させたまま何処までも悲鳴が轟く。
 宮崎能収は失神が狙いである。
 さらに電圧を上げた。
 「ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 根津珠奈は数分で白目を剥いてしまう。
 序でに失禁もしていた。
 少し前に尿道カテーテルで導尿していたので量は少ない。小陰唇の間から僅かに流れ出ていた。
 まずは失神させたまま麻酔を注射する。
 続いて針を抜いてゆく。
 僅かに血が滲む。
 そして解放した小陰唇の間から中に留まっていた尿が流れる。実に淫靡な光景である。
 宮崎能収は社会の窓を開いて一物を取り出す。
 ここで眠らせたまま挿入してしまう。
 溜まっていた興奮から二分くらいで果てた。
 中で確り絞り出す。
 クスコを差し込んで一応洗っておく。
 妊娠してしまったらゆっくり気付けば良い。付き合っている男でも居たらそいつの子供と思ってくれたら尚良い。
 避妊はしていると思うが何かのミスと思えば面白いと考えた。
 膣の奥に局部麻酔を打つ。
 さらにクリトリス付近にも打った。
 少し考えて鞭の蚯蚓腫れが何本も紅く成った乳房にも打つ。
 半田鏝を温める。
 加虐心は滾り切ってもう後戻りはない。
 まずは膣の奥。
 カテーテルカメラをクスコの枠にセットしてモニターに投影させた。ペンライトで照らして中を確認する。
 膣天井部の女の一番敏感な部分を焼く。
 根津珠奈の失神したままの表情を伺いながら高まる興奮度を押さえて執拗に焼いた。
 次にクリトリスを剥いてピンクの玉を剥き出す。それに半田鏝の先端を突き当てて焼いてしまう。
 感度が戻らないように執拗に焼いた。
 最後に乳房の鞭の蚯蚓腫れに紛らせて一筋焼いてしまう。
 急いで身支度をして拷問椅子の戒めを解く。
 そのままマンションを出て通りでタクシーを拾って大阪駅に向かう。
 スマホの位置情報を切って電源も切った。
 寝台特急が来るまで時間が有ったのでコンビニでビールとつまみ、弁当を買い込む。
 板氷も買った。
 A個室が取れていたので流しでビールを冷やせる。
 
 プレイルームの電話が鳴り響いていたが誰も出ない。
 マネージャーが確認に来た。
 拷問椅子に寝ていた根津珠奈を起こす。
 根津珠奈のバックは残っていて中から金も盗まれてない。
 一応無事だったのでマネージャーは帰って根津珠奈は一人でシャワーを浴びて衣装を着けた。
 局部麻酔が効いていたのでこの時点では悲痛な事態にまだ気付かなかったのである。
 
 零時三十三分大阪発東京行きがホームに入って来た。
 宮崎能収は寝台特急の個室に入る。
 直ぐ車掌が来て車内改札を済ませると飲み始めた。
 まだ興奮から覚めない。
 随分残酷な事をしてしまった。若くして女社長。その事業の運転資金作りというのが癪に障ったのである。
 明日はもっと残酷にしたい。
 宮崎能収は原発関連の下請け会社の役員だった。
 贅沢三昧に過ごしてきたが原発事故のあと数年経って会社そのものが廃業と成る。発注元の企業は運営支援会社などとして存続していた。
 無能な仙谷直人総理の原発停止策で潰されたのである。
 原発の再稼働に反対する知識層の意見に怒りを貯め続けて来た。明日はその一人の一番若い娘に報復ができる。
 興奮度は何処までも上がって行く。
 これまでの動画は全部見た。
 あのどの拷問以上に残酷にしたい。
 自分にこの報復相手を選んでくれたと感謝する。
 明日を最後に社会に報復をして自分の命を閉じる。
 未練はない。希望の無い僅かな年金生活に疲れた。
 子供は居ない。妻は自分に見切りをつけて他の男と再婚した。
 宮崎能収は寝台特急では朝まで飲み続ける。
 東京駅から快速で君津に向かう。
 約束は一時である。
 機密のビジネスホテルを予約した。二泊分払って四時間くらい休む。
 
 根津珠奈はその日は部屋に帰って休んだ。翌朝痛みで目が覚める。
 マネージャーに直接電話した。
 問題の無い医者を紹介される。其処で膣の中とクリトリス、乳房を焼かれたと知ることと成ったのである。
 傷害罪で訴えられるが治療費と慰謝料を請求した方が良い。
 マネージャーは公にしたくない。根津珠奈もそれは困る。
 だが宮崎能収には一切連絡が付かなかった。
 クラブが治療費を持って慰謝料は泣き寝入りするしかない。
 
 三月十八日。
 如月鬼堂の居間である。
 五人目の動画はまだばら撒かれていない。
 国会中継が行われていた。
 共〇党の年配女性代議士が総理を強く非難するような上から目線の口調で年金支給額の大幅見直しを提言する。
 年金はかなりの運用益が出ていた。大手の賃上げは満額回答の連続である。
 如月鬼堂もこれで年金支給額の大きな見直しをしてくれればその金額は消費性向に回って裾野から購買力が増して経済は良く成ると思う。
 だがこの党が提言したのでは岸元総理は聞く事はない。与党内から提言を出て欲しいものである。
 如月鬼堂は朝から執筆に集中していた。
 今週の分が完成したころ国会中継が他のニュースを挟んで政理審に切り替わった。
 何か出て来るかとマスコミは期待していたが衆議院の四人参議院の三人と何も変わらない。
 如月鬼堂はまず結果は判っていると殆ど聞いてない。
 「ねえ。パパ。全員嘘ついているよね」
 珠洲と瀬里奈は確り中継を見ていた。
 「誰が提案したかに拘っているが。本当に曖昧じゃないか。俺たちの昔の仕事では議事録を取っていても本来後日関係者に配って異論が出たら修正する」
 「それじゃ本当に曖昧なの」
 「議事録でさえ書いた人と発言者で食い違う。自分の身内が書いた内容でも自分の発言と違う。逆に客とは一致したりする」
 「じゃパパが書いて訂正させられた事も有るの」
 「何回も有る。それも自分の記述と客とこっちの発言者と三通り違ったりするよ」
 「それじゃキックバックの継続は誰が決めたの」
 珠洲は如月鬼堂の見解に興味を持って追及する。
 「こういうケースは考えられる。その日は何も決まらなかった。後日この五人より影響力の有る人物が事務局長に指示した場合だ」
 「それは誰」
 「可能性は杜永元総理、亡くなった細河元会長、そしてまず関係ないが大泉元総理だ」
 「それじゃこの五人は決めてないの」
 「幹部と言ってもどれも小物だよ。五人ともあれだけの派閥に一人で影響力は持たないよ」
 如月鬼堂はやや呆れていた。
 「何でみんなこの五人を責めるの」
 「それはな。野党は民事党の議席を少しでも減らしたい。知識層は民事党よりもっとリベラルな党に交代させたい」
 「そうだね」
 「マスコミは大衆の興味の湧く方に報道する。公平にと言いつつリベラルのモラルが正義と根付いてそっちのコメンテーターを出演させる」
 如月鬼堂も不満である。綺麗すぎる社会より風俗、売春が認められる自由で愉しみの多い社会に戻って欲しい。
 「ねえ。それじゃどうしてこの五人に限らず派閥の誰も影の権力の名前を言わないの」
 「この裏金自体が派閥の結束を縛る担保の様な物じゃないのか。僅かな金額を記載させないのはその為だろ」
 「ふーーん。それだから」
 「そしてもっと重い担保が有るのじゃないか。だから若い議員たちは自分からは何も言わない。幹部にトリガーを引いて貰って影の権力を排除させて自分らは将来の安全を確保したいのじゃないか」
 如月鬼堂もインターネットアダルト放送では言わない話である。
 そんな時。速報が流れた。
 『拉致されたと見られていた井原佐那さんが以布利港沖第三防波堤北灯台にゴムボートで漂着。命に別条なし』
 「ああ。五人目」
 珠洲がモニターを見ていて呟く。
 如月鬼堂もテレビモニターに注目して二回目に流れる速報を確認する。
 それから暫く経って杉下一行からメールが届いた。
 昼間に潜水艦からゴムボートを流すとは考えられない。
 発見が遅かったと思われる。
 そして発見の速報を待って動画を拡散したと推測されたのである。
 十分くらいで館山弁護士、本多椿とテレビ会議が繋がった。
 如月鬼堂は大型モニターに接続したパソコンから動画を再生する。
 「ねえパパ。夕食どうする」
 瀬里菜が時間を見て確認した。
 「寿司頼んで」
 「今日は誰も来ないよね」
 客人が来なければ三人前で良い。
 「うん。テレビ会議だからね」
 瀬里菜が電話で握りの一人半を三人前注文する。
 珠洲も瀬里菜も若く一人前の寿司では足りない。
 画面では井原佐那が根津珠奈と同じように後ろ手に腕を縛られて脚首を縛り合わせただけの縦一文字の逆さ吊るしにされていた。
 太腿に余分な肉はない。股間部分の細長い三角の隙間の根元にくっきり閉じ合わせた女の部分が確認される。
 忍者姿黒装束で出て来るのは宮崎能収である。
 他にこれまで出た田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットが両脇に立っていた。
 そして今回は井原佐那の姉にそっくりロボットである。
 三体とも服は着けている。
 二月二日から井原佐那は眠らされたままである。一月半も経っていた。
 一人と三体で作業を開始する。
 銅線で繋いだクリップを四系統用意していた。
 これを井原佐那の躰のフロント面と裏面に鋏つけて行く。
 逆さ吊るしの膝上から腰、腹の横を伝って乳房の下、乳輪まで鋏んだ。左右対称である。
 裏側は内腿から鋏んで女の部分のビラビラを片側ずつ鋏んでお尻から背中まで繋がっている。
 これを一斉に引っ張って飛ばして意識を回復させる予定である。
 局部の撮影は既に済ませていた。
 銅線はトランスに繋がっている。
 一気に電流を流す。
 井原佐那の躰が震撼した。
 そして各一本ずつ銅線を引っ張る。
 「ぐがあーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴で意識を回復した。
 「ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーー。なにーーーーーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は事態が判らず取り乱す。
 「おねーちゃん。なによこれーーーーーーーーーーーーーーー」
 姉が部屋に入って来て突然口にタオルを当てられた。そのまま今まで眠っていたのである。
 「それはお前のお姉さんそっくりなロボットだ」
 「え、えーーー」
 「お前を拉致してから四十日が過ぎている。その間眠っていたのだ」
 宮崎能収が説明する。
 「え、えーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那はようやく忍者姿黒装束に気付いた。
 宮崎能収は井原佐那の逆さ吊るしの太腿を一本鞭で叩く。先端が細長い一本鞭である。
 「ぐおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに叫ぶ。
 直ぐに蚯蚓腫れが浮く。
 既にクリップを引き飛ばした痕が無数に点在。鋏まれていた皮膚の窪みがくっきり残っている。
 一部皮膚が剥けて血が滲んでいた。
 「何でーー私をーーー!」
 井原佐那は驚愕の事態に叫ぶ。
 宮崎能収はしゃがんで構わず乳房に鞭の先端を叩き込む。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那の躰は振り子のように揺れる。
 「お前の母親が原発再稼働の邪魔ばかりする。だから代わりに天誅だ」
 宮崎能収はそう言ってもう一発太腿を叩く。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーー。なんでよーーーーーーーーーーーー。わたしにかんけいないよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 理不尽な答と甚振りに強烈に喚いた。
 「お前のお母さん裸にして動画を撒いても誰も保存しない。だから代わりだ。そしてその方がもっとお前のお母さんは堪える」
 「そんなーーーーーーーーーーーーー。お前らの助平な都合で!ひどすぎるーーーーーーーーーーーーーーー」
 その間にロボットが三体掛かって井原佐那を吊るしから降ろす。
 そして壁に用意した三本コの字に組んだ鉄パイプに手首、膝、脚首を填め込んで磔にした。
 「やめろーーーーーーーーーーー。きょうせいわいせつだぞーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は何処までも喚き続ける。
 大股開きにされ両膝の内側に通した鉄パイプに体重が乗っていた。この鉄パイプは縦にコの字を組まれている。
 脚首は斜めにコの字の鉄パイプが押さえていた。
 腕は左右に広げて二の腕、肘、手首を縦に組んだコの字の鉄パイプが押さえている。
 そして壁に真っ直ぐ突き刺した鉄パイプ二本の間に僅かにお尻が嵌まり込む。
 恥ずかしすぎる姿である。
 宮崎能収はこの体制で井原佐那の乳房を横に並べて一本鞭で薙ぐ。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は目を瞑って顔を震撼させて悲鳴を絞りだす。
 「よくみろーーーーーーーー。お前が眠っている間に撮った動画だ」
 モニターには井原佐那が眠らされたまま開帳台に固定されていて大股開きで投影されていた。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。なによーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に叫び取り乱してしまう。
 乳房、乳首、太腿、股間がアップに成る。
 田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットが両側から手を出す。
 複雑に閉じ合わせた井原佐那の女の部分の粘膜を広げてやや薄めの緋色の部分をカメラに公開した。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんてことするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那はあまりの衝撃に崩れ切った表情で叫ぶ。
 だがそれだけでは済まさない。
 今度は意識の有る井原佐那の女の部分を同じロボットが広げてしまう。
 「あ、あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔を振って藻掻き叫ぶ。
 「随分汚れているぞ」
 宮崎能収は予定していたように素見す。
 四十日である。途中で支障のない程度に組織の二人が躰を洗浄していたが適度に汚れていた。
 スクリーンに拡大すると膣口付近に粕が密集している。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやめてーーーーーーーーーーーーー」
 有り得ない恥ずかしめである。
 宮崎能収はロングスプーンの先端でその粕を集める。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーーーーいやーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は喚き続けた。
 宮崎能収は黒い皿に乗せてそれを井原佐那の目前に翳す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでーーーーーーーー。なんでこんなことするのーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 真っ赤に染まった顔で怒り叫ぶ。
 「お前の羞恥を社会に晒して外を歩けなくする。お前の母親は苦しむ。俺の現代社会への報復だ」
 宮崎能収は嘲哂う。
 「こんな模倣犯して!必ず掴まるよ」
 井原佐那は怒りの限りそう叫んだ。
 「ふぁはっはっはっは。模倣犯ではない。連続拉致拷問事件のご本人らからご協力いただいて俺はこの報復をやっている」
 「何の報復よ!身勝手なこと言うな」
 「お前の母親の様なコメンテーター連中が原発を止めさせ再稼働を妨害する。だから俺が役員していた会社は廃業した。だから報復だ!!」
 宮崎能収は怒りを底からぶちまける。
 「そんなのわたしにかんけないよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は理不尽なこの事態にさらに怒り沸騰する。
 「俺はな。連続拉致拷問事件のご本人らから百万の前渡し香典を頂いて心残す事なく遊んで来た。これが以来の実行だ。俺にピッタリの依頼だ」
 宮崎能収は井原佐那の怒りを無視してクスコを取り出す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーなにそれーーーーーーーーーーーやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は何をされるか直ぐに判った。更なる辱めに猛然と叫び拒絶する。
 宮崎能収は一気に膣に突っ込む。
 「い、いいたいーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮崎能収はワセリンを塗るのを忘れていた。だがお構い無しである。螺子を回して膣の奥を広げてしまう。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は半狂乱である。
 モニターにゼリー状に成った膣液に汚れた子宮口がアップになった。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狼狽してしまう。
 宮崎能収はロングスプーンでその奥からゼリー状の膣液を掬い出す。
 「ああ。ああ。ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーー」
 井原佐那はまた半狂乱に喚く。
 その間に加藤鮎香にそっくりなロボットがバケツの水に板氷を入れて来た。井原佐那の姉にそっくりなロボットが浣腸器を持って来る。
 そしてバケツの中の氷で冷やした水を浣腸器に吸い上げて準備していた。
 宮崎能収はゼリー状の濁った膣液を黒い皿に載せて翳す。
 「どうや」
 「あふぁあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 井原佐那は慄き首を振るが言葉を返せない。
 井原佐那の姉にそっくりなロボットが宮崎能収に冷たい浣腸器を差し出す。
 宮崎能収は軍手を掛けてそれを受け取る。
 「あ、あ、ああ、あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は浣腸器を見てさらに慄きパニックした悲鳴を上げてしまう。
 宮崎能収は容赦なくアナルに挿入してシリンダーを押す。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は直腸に侵入した水の冷たさにサイレンの様な悲鳴に成る。
 
 「この忍者姿黒装束の男。誰だか絞れるかな」
 如月鬼堂は何気なく呟いた。
 「廃業した原発関連会社の役員で行方が判らない者。ある程度絞れても時間は掛かるでしょう」
 「既に今の時点で生きてないだろうから。絞っても大元の奴らには到底行き着かないか」
 「そうですよ。先生らしくもない」
 館山弁護士は当然警察もそういう捜査を行うが無駄と言う。
 「一瞬あそこまでしゃべったから。ううんと思ったがそうだな」
 如月鬼堂も笑うしかない。
 「ねえパパ。井原さんて番組全部欠席でしょう」
 「田代綾香以外は全員お静かにされている」
 「もの凄い衝撃です。どんなに知識階級のコメンテーターが挙って非難しても被害が大きすぎます」
 館山弁護士も無難に物を言う。
 
 画面では井原佐那が冷たい浣腸液で究極の腹痛に藻掻き続けていた。
 既にドリルバイブ二本と電マ、そしてマイクロローター迄用意されている。
 
 和歌山。岬ビューホテル離れの間である。
 浪江と赤座元太、弘枝と宇治原歳加年、香乃子と瀬尾将が動画を見ながら遊びに呆けていた。
 浪江も弘江も香乃子も全裸である。
 今夜は動画の鑑賞半分なのでSM無しでコンパニオン料金となる。
 「しかしこの女。散々喚くな」
 赤座元太は井原佐那の疲弊状況に異常に悦びを感じていた。
 「そりゃコンパニオンすらやらない表社会の一般人だよ。あんな事されたら喚くは叫ぶは半狂乱だぜ」
 宇治原歳加年も悦んでいる。
 「この磔。相当に苦しいよね」
 浪江が壁に背中を当てて同じ格好をしてみた。
 「恥ずかしいだけだろ」
 「しかしロボットに掛かったらあっさり磔にされてしまったな」
 「まあいくら喚いても無駄やな」
 「来週は若いイケメン呼んでいるのだろ」
 「そりゃあ。そのくらいは虐めないと」
 「連絡してあるよ。だがまた美人の乳首斬りたいな」
 宇治原歳加年は病みつきになってしまっている。
 先月佐藤カタリーナの乳首を斬ったばかりである。
 「そんな事言っているとまた復讐に来られるぞ」
 瀬尾勝が揶揄う。
 「まあ。来週は精神的な虐めだけだよ」
 若いイケメンが二人も来るとは駒木帆乃佳は夢にも思ってない。それがこの三人の愉しみである。
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 寿司の出前が届いていた。
 動画は浣腸が終わって電マ、マイクロローター、ドリルバイブの二穴挿入のあと尿道責めが続いて井原佐那は二回失神している。
 そのあと宮崎能収が犯して生で果ててしまっていた。
 如月鬼堂はあまり見る場面ではないので一気に食事を済ませてビールを飲んでいる。
 「しかし先生。強烈な劇場型犯罪に成りましたね。大リーグの韓国開幕戦とこのニュースで裏金問題がかなり鳴りを潜めました」
 館山弁護士も強姦場面はあまり見てない。
 「検問だらけで一般市民は大迷惑だ」
 如月鬼堂はそっちに意識が行く。
 「何故。ゴムボートで流れ着くのに船や潜水艦を探さないのでしょう」
 本多椿の疑問である。
 「そこまで認めてないよ。巡視船は警戒しているだろう」
 「それでも見つからないのですか」
 「潜水艦から巡視船を見つけるのは簡単だ。巡視船から潜水艦は簡単に見つけられない」
 「まだこの方法で拉致が続きますかね」
 館山弁護士はこの犯罪で法律の規制強化を心配する。規制強化は決して良い事ではない。
 「同じ手は使わないと思うがな。便乗して復讐を企てる者はまだ出てくるかもしれないな」
 「これで警察が検挙し易くするために何かの規制強化が起きれば逆に経済にはマイナスです」
 「その通りだが絶対安全な位置に居て劇場型犯罪を行う。自分らはアングラマネーで潤っているに違いない」
 「いくらこいつらが犯行声明で経済を凍て付かせると言ってもこれも凍て付かせていませんか」
 「そんな意見はコメンテーターに任せれば良い」
 如月鬼堂はどう転んでも日本経済は一時良く成っても落ちて行くだけと見ている。
 そして規制には反対だがその規制で経済は大きくは落ちない。寧ろ二〇二四年規制の方が格段に大きく影響すると思う。
 
 画面では井原佐那が宮崎能収の強姦のあともう一回尿道と膣の奥を責められて失神を繰り返していた。
 そして忍者姿黒装束が二人増えている。そこに字幕が流れた。
 『これから刺青を行います』
 失神した井原佐那に麻酔が打たれる。
 宮崎能収が刺青の図柄を用意していた。それが画面に公開される。
 墨だけで描かれた図柄で色は彫師任せである。
 女の部分を二匹のネズミが噛んで引っ張り開いてカラスが膣口を嘴で突いていた。膣口が丁度臍になる。
 グロテスクかつ残酷な図柄である。
 宮崎能収は半田鏝で落書きしても将来整形できると言う。刺青は簡単には消せない。
 二人増えた忍者姿黒装束が作業に掛かった。
 ここで字幕が出る。
 『原発反対者の末娘を天誅した。原発を止めて化石燃料で化石賞。低所得者を苦しめるばかり。原発止めれば温暖化。無能な国民党が止めた原発を民事党の再稼働を妨害する輩。元原発関連会社の役員を雇って天誅する。これで終わりではない。井原絹代を筆頭に原発に反対する輩は苦しめ』
 
 「何とも猟奇ですな」
 館山弁護士は驚嘆している。
 「この五人目が一番残酷です」
 本多椿も刺青には慄いていた。
 「基本的にやるメニューは決まっていたが今回さらにエスカレートした。刺青はこの五人目の黒装束の要求だろうが彫り師までいたとはな」
 如月鬼堂も今後のエスカレートの兆候を感じている。
 
 連続拉致強姦事件の犯人六人のアジトである。
 まだ寒い。
 おでんを煮て魚介類を焼いていた。
 おでんには日本酒が良いらしい。
 「子宮を五つも摘出できて嬉しいか」
 川口の会長が医者の男に言う。
 「ああ。とっても満足だな。女は子供ができないのが良い」
 「不満分子がまた上がって来た」
 川口の会長は哂いを秘めていた。
 「まだ同じ手を使うか」
 印刷会社の社長である。
 「今度は日曜の朝の元編集長で煩いレギュラーコメンテーターの娘だ」
 「江村克子か」
 「そうだ。親友そっくりの女を作る。一緒に出先で拉致すればよい」
 「依頼を実行するのは」
 「四人だ」
 「四人に香典払ったのか」
 葬儀会社の社長である。今回は乾式メタン発酵の処理後に遺骨の無い五人の無縁仏の合葬を引き受けた。
 「僅か四百万だ。やや安い方のキックバックの金額だ」
 「ふぁっはっはっはっは。それは確かに安い」
 医者の男は高笑いする。
 「まったく騒ぐような金額じゃない。嘗ては経済大国の日本。裏金はゼロが二つ少なくてこんなものですと」
 運送会社の社長が嘲る。
 「攫うのは一人で実行は四人か」
 「今回はな。ロボット無しで本格責めやって貰おう」
 
 宇佐美。如月鬼堂の居間。
 食事も終わって如月鬼堂は乾き物だけでビールを飲んでいた。
 
 画面では刺青が終わってアップで公開されている。
 女躰の腹に大きな刺青である。悲惨な事はこの上ない。
 そしてその広げられた女の部分の画像は本人そっくりの色合いに成っていた。
 さらにカラスとネズミのグロさが何とも言えない。
 宮崎能収が黒いクリップを取り出して乳首を鋏む。
 そのクリップにスタンガンの端子に繋いだ鰐口クリップを接続した。
 「それでは起こします」
 宮崎能収がスタンガンのスイッチを掴む。
 「うう。ぐぐ。うぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は強烈な声を上げて意識を戻す。
 「ふふ。お目覚め」
 「ああ」
 怒りの籠った目で辺りを見回す。
 「スクリーンを見て」
 「え、ええーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は自分の躰に何か絵が描かれていると思った。
 「目を下に落としてよく見ろ」
 「え、えーーーーーーーーーーーー」
 「判らないか。刺青だ」
 「・・・・・」
 ロボット三体が掛かって右手の鉄パイプを外す。
 「自分で触ってみろ」
 井原佐那は解放された右手を腹に当てる。
 「・・・・・」
 触って判る物ではないかもしれない。だが彫ったばかり。皮膚にそれなりに違和感はある。
 「ああ。あ、ああ」
 井原佐那はスクリーンを見ながら固まってしまう。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 スクリーンを見つめたまま叫ぶ。
 「いやああーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあはん。あはん。あはん」
 涙が一気に溢れた。
 ここまでやってもまだ終わりではない。
 宮崎能収は根津珠奈にやったことは全部やりたい。
 だがそれ以上にこの女の美しい太腿も潰したい。ミニスカートも履けなくしたいのである。
 自らタトゥーマシンを持つ。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーん。もうやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は泣き叫ぶ。
 宮崎能収は井原佐那の左の太腿に文字を描き始めた。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いや。いや。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 泣き喚く。
 
 「こ、これ、執拗に刺青を」
 館山弁護士はこの男の執拗な残忍さに慄いていた。
 「死ぬ前に最後の加虐心を燃え尽きようと言うのだな。そして原発を停止しようと意見を吐くコメンテータに最後まで怒りを滾らせている」
 如月鬼堂は怨念と加虐心の相乗効果と言う。
 
 画面では井原佐那の太腿に『淫乱女』と汚い字の刺青が描かれていた。
 まだこれで終了ではない。
 「あーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。あはん」
 もう井原佐那は泣き続けるばかりである。
 また田代綾香にそっくりなロボットと加藤鮎香にそっくりなロボットが両側から井原佐那の女の部分を引っ張って広げる。
 やや薄めの緋色の部分がモニターに拡大された。
 「・・・・・」
 もう井原佐那は声も出ない。
 宮崎能収は長い針を持つ。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の悲鳴が上がった。
 それを広げられた小陰唇の内側の粘膜に刺す。
 「ううふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに破裂した大口を震えさせて声を絞り出した。
 そしてピンクの部分に潜らせて少し離して突き抜けさせる。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は恐怖に引き攣った表情である。
 片側の粘膜が内側で波状の串刺しに成ってしまった。
 田代綾香にそっくりなロボットが手を放しても粘膜は広がったままである。
 「あふぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 井原佐那は強烈な痛みに叫ぶ。
 そして痛みに藻掻きながら井原佐那の表情は凍り付いていた。
 もう片方も内側の下の方から突き刺す。
 「ぐうがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強く仰向けに反らせた顔は大口を破裂させて悲鳴を上げ続ける。
 同じように内側から串刺しにされてしまう。
 「ああーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーん。ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 井原佐那は号泣し続けた。
 顔は汗を噴き涙が溢れぐちゃぐちゃである。
 宮崎能収はその針にスタンガンと繋がった線の鰐口クリップを接続する。
 「あふぁあーーーーーーー。あふぁーーーーーーー。あふぁーーーーーーー」
 井原佐那は震えていた。
 右側のスタンガンのボタンを掴む。
 「うーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーぐーーーーーーーーーーーーーーーーぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーー」
 強烈に固まった井原佐那の躰が小刻みに震撼する。
 「い、いたいーーーーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 喚き続けた。
 宮崎能収は一度スタンガンのボタンを放す。
 「あふぁあーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いを続ける。顔は涙と汗に濡れていた。
 宮崎能収の興奮度は治まらない。
 今度は両方一気にボタンを掴む。
 「うぐーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーーーーー。いたいーーーーーーー」
 表情は一気に破裂して躰は震撼する。
 
 「パパ。テレビ」
 緊急速報が流れていたのを瀬里菜が知らせた。
 『元現代経済新報編集長で日曜コメンテーター江村克子さんの三女で江村真奈美さんが行方不明。昨夜自宅に戻らず。本日勤務先にも無断欠勤』
 既に拉致被害が疑われている。
 「またか。五人同日に一度に行ったからこの一人を最後に暫く静かに成ると思ったが」
 如月鬼堂はまだ続くとは思っていなかった。
 「希望者が来たからではないですか」
 杉下一行は希望者が来ると思っていたのである。
 「前払いの香典と言っているぞ」
 「そうです。過去に地位が有っていま落ちぶれている人は現在の日本は非常に辛いです。そして過去の富貴を潰された恨みが滾っています」
 「分からなくもないが死を覚悟してか」
 「多くは居ないでしょう。通常は不満が溜まっていてもなかなかテロには至りません」
 「そうだな。秋葉原事件やアニメーターをガソリンで焼き払った奴は稀な存在だ。連続拉致強姦事件の奴らは不満分子を上手に拾うのだな」
 如月鬼堂も状況の整理がつく。
 「そうですね。どうやって拾うのかは判りませんが」
 「北条鉄之助が引退を表明しましたね」
 館山弁護士の得た情報である。
 「妻や家族に責められたのじゃないか」
 「そうかもしれませんね」
 娘や家族からすれば北条鉄之助が正義感など発揮しないで大学理事長の仕事だけやっていれば起きなかった悲劇である。
 
 画面では井原佐那が宮崎能収にスタンガンで責め続けられて失禁してしまっていた。
 失禁尿が飛び散る姿が暫く公開される。
 宮崎能収は井原佐那の膣にクスコを横向きに挿入して奥を広げた。スタンガンに繋がった鰐口クリップは外したが針は抜いてない。
 井原佐那はもう叫んだり抗議したりする力も無いようである。
 井原佐那の姉にそっくりなロボットが宮崎能収に細く長い半田鏝を渡す。
 「ああ」
 焼かれると判って井原佐那の表情が恐怖に歪む。
 井原佐那の姉にそっくりなロボットがクスコの中をペンライトで照らした。
 宮崎能収は高まった加虐心のまま半田鏝の先端をクスコの奥に突っ込む。そのまま膣天井部の奥に当ててしまう。
 「うがああーーーーーーーーーーーーーーー。がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴に成った。
 宮崎能収はじっくり焼き続ける。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーー。ががあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那から強烈な悲鳴が続いた。
 宮崎能収はクスコを抜き取る。
 さらに指でクリトリスを剥く。
 「うぐうーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーーー。うぐうーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は痛みに唸り藻掻き続ける。
 宮崎能収は井原佐那のクリトリスに半田鏝の先端を突き刺すように当ててしまう。
 「うぐうーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがふぁああーーーーーーーーーーーーー」
 さらに強烈に暴れ藻掻く。
 別の忍者姿黒装束が出て来て局部麻酔を注射する。
 そして左側の小陰唇を串刺した針を抜いた。
 血が流れ出る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 右も抜く。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん」
 あと一人の忍者姿黒装束が高枝斬り鋏を持って来て宮崎能収に渡した。そして右の乳首を指さす。
 「いやーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 井原佐那は無我夢中で叫ぶ。
 宮崎能収は高枝斬り鋏の刃を広げる。
 「・・・・・」
 恐怖で声も出ない。
 鋏の刃を右の乳輪の外周に当てる。
 「・・・・・」
 鋏んで潰す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 宮崎能収は一気に鋏斬った。
 「うごおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 忍者姿黒装束が止血パットを当てる。
 そしてもう一人が麻酔を注射した。
 動画はこれで終了である。
 
 「これまでで一番酷かったな」
 如月鬼堂は今回の前渡し香典を貰った男の究極の残忍さに何とも言えない。
 
 三月二十三日。
 和歌山。岬ビューホテル大宴会場。
 二十三時開始である。
 三十の宴席が出て一人ずつコンパニオンが付いていた。
 中央に回転する演台が置かれて宴席がそれを囲んでいる。
 生贄は前回話の付いた駒木帆乃佳である。
 佐野幸春と高田淳乃は別室に待機していた。
 青木学が控えの間からコンパニオン姿の駒木帆乃佳を連れて来る。
 演台の上には拷問椅子が載せられ背凭れが平らに近く倒されていた。
 青木学が全裸を要求する。
 会員三十人。コンパニオン三十人の六十人の前で脱ぐ。いくらお座敷スーパーコンパニオンでも恥ずかしさの極致である。
 その先は全裸のまま拷問椅子で大股開きに成らなければならない。
 駒木帆乃佳の躰は既に震えていた。
 それでも貰っているギャラは高額である。覚悟を決めて脱ぐしかない。
 全裸になって大股開きで拷問椅子に確り固定されてしまう。
 一回目のルーレットが回って一人目の会員が抽選された。
 最初は指だけの責めである。
 当たったのはソープランドチェーンの会長。駒木帆乃佳を席に呼んだ事も有った。
 会長はまずクリトリスを剥く。
 片手の指を小陰唇の上に当ててもう片手でまずはクリトリスをじっくり責め始めた。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーー。ああ。あふぁああーーーー」
 駒木帆乃佳は僅か十分で逝き声を漏らし始めてしまう。
 そして小陰唇に置いた会長の指に内部の濡れが伝わり始めた。
 会長は小陰唇を広げて薄橙の部分を弄り始める。
 「あふぁああーーーーーーーーーーーー。・・・・・ああ。・・・・・ああ。ああ。あふぁああーーーーーーーーーーーーー」
 会長の二本の指は膣に侵入して行く。
 「あーーーふぁあーーーーーーーーああーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳の躰は拷問椅子に寝たまま強く捩り続けていた。
 会長の指は一番敏感な部分に到達する。
 「う、ううーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。あーーーーーーーーーーー。あふぁあーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳は頭を強く奥に反らせて口を半開きに逝き声を漏らし続ける。
 そして強く頭を振って躰を震撼させた。
 「あーーーーーーーーーーーー。あふぁああーーーーーーーーーーーん。あふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 軽く逝ってしまってはいるが声を抑えなかっただけのようである。
 やがて時間切れとなる。
 次のルーレットは宇治原歳加年が当たった。
 題目は膣内清掃である。
 「当たったのは私ですがアルバイトを呼んでいます」
 そう言って別室から佐野幸春を連れて来る。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーー。なんでーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 時々近くのコンビニに居るイケメンの若い店員である。
 駒木帆乃佳は前から意識していた。
 それが大股開きの全裸で拷問椅子に縛られている姿の前に現れたのである。
 「究極の部分は若いイケメンにやって貰おうとな」
 宇治原歳加年が宣言する。
 「そんなのーーー。聞いてないよーーーーーーーーーーー。いあやだよーーーーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 宇治原歳加年がクスコを佐野幸春に渡す。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーそんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだめーーーーーーーーーーーーー。人数がふえているよ!」
 駒木帆乃佳は契約違いと訴える。
 「俺が二人分払うよ。それで良いだろ」
 宇治原歳加年は金を出すと強行的に出た。
 「そんなーーーーーーーーーーーーーーー。コンビニの人はだめだよーーーーーーーー。困るよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳はパニックである。
 「お前もう今更だよ。ここまで見られてしまったぞ。金貰った方が良いぞ」
 赤座元太が野次半分宣告した。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーー。ひどいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。コンビニゆけないよーーーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳は涙を溢れさせている。
 「日曜日に行かなければ大丈夫だ」
 今度は瀬尾勝がヤジを飛ばす。
 佐野幸春は淡々とクスコを受け取った。
 「・・・・・」
 駒木帆乃佳の全身が委縮してしまう。
 佐野幸春が手にしたクスコに宇治原歳加年がワセリンを塗ってやる。
 駒木帆乃佳は顔を強く逸らせて恥ずかしさに固まってしまった。
 佐野幸春は構わずクスコを駒木帆乃佳の膣に挿入する。もう慣れた手つきである。
 そして螺子を回して中を広げてしまう。
 駒木帆乃佳は顔を拷問椅子の背凭れに強く押し付けて堪える。
 青木学がマイクロカメラをクスコの縁に接続した。四つの壁面のモニーターに膣の奥がくっきり拡大されてしまう。
 「・・・・・」
 駒木帆乃佳は恥ずかしさの極致に声も出ない。
 弘江がロングスプーンと黒い板をトレーに載せて近づく。
 「さあ。膣の中をお掃除ですよ」
 弘江が嬉しそうに宣告する。
 「えーーーーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳は恥ずかしさに躰が宙に浮く思いである。
 佐野幸春は演台に膝を着いてカメラの光が照らした奥にロングスプーンを突っ込む。
 とろろ状の膣液を掬い出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳は恥ずかしさに泣き悲鳴に成ってしまう。
 佐野幸春は何回も掬い出す。
 そして弘江が構えている黒い板の上に載せて行く。
 弘江は拷問椅子の反対側に回ってその黒い板を駒木帆乃佳の目の前に翳す。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーん」
 駒木帆乃佳は首を振って号泣してしまう。
 もう堪えられる恥ずかしさではない。
 一同はこの瞬間を愉しみにしていた。
 座敷全体から拍手が上がる。
 「・・・・・」
 駒木帆乃佳は紅潮した表情のまま固まってしまう。
 次のルーレットが回る。
 今度は赤座元太が当たった。
 題目は浣腸である。
 赤座元太も控えの間から高田淳乃を連れて来た。
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 駒木帆乃佳もJRの車掌と知っている。
 特急くろしおで何度か見ていた。
 恐ろしい仕打ちである。
 「俺も二人分払うぞ」
 赤座元太も当然のように言う。
 こうして駒木帆乃佳の羞恥地獄の夜は朝まで続いたのである。
 
 四月一日。
 越後湯沢。如月鬼堂の居間である。
 三月の終わりに宇佐美からこっちに戻った。
 今日は主なメンバーが集まっている。
 次の愛好会のショーの打ち合わせである。
 大河内税理士、館山弁護士、杉下一行、福富麻次郎、本多椿、荒井絵里と長野、生駒の店長が来ている。
 だが、その面々の前で六本目の海賊動画が公開された。
 杉下一行の事務所から連絡が入ってファイルが送られて来る。
 囲炉裏端ではなく会議テーブルに集まって時間の関係から見ながら会議も進めるのである。
 そしてテレビモニターにニュース番組の速報が流れた。
 『行方不明でした元現代経済新報編集長で日曜コメンテーター江村克子さんの三女で江村真奈美さん。足摺岬にゴムボートで発見。命に別状なし』
 「やれやれこれで何か規制が強化されるのが心配だ」
 如月鬼堂はこの連中が現代の知識階級に怒るなら事件だけで済ませて欲しい。SMに紐づけて貰いたくない。
 この事件の要因に成った発言には如月鬼堂とて総て反対である。
 「あの連続拉致事件の六人に呪いを掛けて始末できるなら今すぐやりたい」
 大河内税理士は怒りを滾らせた。
 「駄目ですよ大河内先生。人を呪えば穴二つです」
 福富麻次郎がやんわり窘める。
 「確かに呪いを掛けたと思われる占い師が死んだと言う話は時々聞きます」
 生駒の店長である。
 「しかし総理は自分だけ護ったな。派閥の小物幹部四人だけ蜥蜴の尻尾斬り。本当の闇将軍には手を出せず」
 大河内税理士は別の毒舌に成る。
 「何に使ったより何の為に不記載にする必要が有ったかが一番の問題だよ」
 如月鬼堂はこの場だけ言ってはいけない事を言ってしまう。
 「国民の怒りと言うコメントが一番笑えます。野党とマスコミが国民の感情論を煽った怒りでしかないです」
 杉下一行も嘲る。
 「日本人は周りに合わせるだけだからですね」
 館山弁護士はそう言ってファイルを再生した。
 
 今回も江村真奈美は玉井蛍の時と同じように全裸で壁に組んだ鉄パイプで磔にされている。お尻も壁にボルトで固定した台座に乗っていた。
 股間は完全に開かれ両膝は三本組んでコの字を縦にした鉄パイプで押さえられ脚首は斜めにしたコの字の鉄パイプで押さえられた状態である。
 腕は左右に広げて二の腕、肘、手首をコの字を縦に組んだ鉄パイプで押さえられている。
 まだ眠らされたまま動かない。頭は斜めに成って壁に寄り掛かっている。
 今回は忍者姿黒装束が四人出ていた。
 他に服を着た女性はロボットである。
 江村真奈美の友人の姿で車の中で眠らせて拉致した。
 その友人は田村柚希と言う。
 カメラはズームに成って江村真奈美の顔をアップにする。
 続いて乳房、乳首をアップにして胸全体のアップに成った。そのまま太腿のアップに成る。
 そして股間をアップにして暫く制止した。
 忍者姿黒装束が二人両側から女の部分を広げる。
 また暫く制止した。
 三人目の忍者姿黒装束がクスコにワセリンを塗って二人が広げている膣に挿入する。また暫くカメラは制止である。
 田村柚希にそっくりに作られたロボットがトレイに針と黒い書類を鋏むクリップ、スタンガンを四つ載せていた。
 忍者姿黒装束が四人で針を一本ずつ取る。
 クリップでも針でも好みだったが四人とも針を取った。
 二人が両側から左右とも乳輪の下を潜らせて刺し貫いてしまう。
 田村柚希にそっくりなロボットがクスコを抜く。
 残った二人の忍者姿黒装束が片側ずつ小陰唇を二つ折にして抓む。其処に針を刺し貫いてしまった。
 四人が田村柚季にそっくりなロボットが持つトレイからスタンガンを取る。
 スタンガンには鰐口クリップの付いた銅線が繋がっていた。
 それを一人ずつ刺し貫いた針に繋ぐ。
 四人が一斉にスイッチを握った。
 「ぐぐ、ぐ、ぐぐっがふぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江村真奈美は一気に意識を回復する。
 「がが、ああーーががふぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に藻掻く。
 四人ともスイッチを放した。
 「がふぁああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 田村柚季にそっくりなロボットが荒い息遣いに藻掻く江村真奈美の正面に立っている。
 「なにするのーーーーーーーーーーーーーー」
 江村真奈美は田村柚季にそっくりなロボットに向かって叫ぶ。
 「よく見ろ。お前を攫ったのはそっくりに作ったロボットだ」
 突然。忍者姿黒装束が四人前に立つ。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江村真奈美は恐ろしい事態を悟って取り乱した叫びを上げてしまう。
 「ニュースを見ていたらもう判るな。何故お前が攫われたか」
 その男は淡々と抑揚のない声で言った。まるで台詞を読む言い方である。
 「ああ。ママの身代わり」
 泣きそうな声である。
 「これまでに撮影したお前の動画だ。よく見ておけ。これが全世界にばら撒かれる」
 この男も台詞を読むような言い方をした。
 江村真奈美の正面のモニターに眠らされたままの全裸姿がアップに成る。
 「あ、ああ」
 全裸で大股開き。性器もアナルも丸見えである。
 「いやああーーーーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん」
 江村真奈美も話には聞いていた。
 だが恐ろしい現物をいま初めて見る。
 自分のこの姿が社会に晒されるのである。
 そして自分でも見た事のない女の部分を広げられてしまった。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 ただ叫ぶだけである。
 もう何がどう成るか思考回路は停止していた。
 クスコが挿入されて医者以外見ないと思っていた女の奥がモニターに鮮明に拡大されている。
 「あ、ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。そんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江村真奈美は驚愕の叫び声を上げてしまった。


続きは近日公開


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