SadoのSM小説 人工知能管理者のSM帝國

その一
新たなる独裁政権   
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。


 二〇三十年清明上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 遂に第三次世界戦争は起こって終息した。その結果世界の九十五パーセントの人類が滅亡した。
 残ったのは火の出国日本の約半分とイングランドだけであった。
 引き金を引いたのは北朝鮮である。八年君臨したトランプ大統領の引退後大統領になった民主党ベイソン大統領への不満が爆発した。
 戦争の主力は核兵器と人工知能に支配されたロボット師団からなる軍集団である。
 核兵器が大陸をことごとく蹂躙した。直撃を受けなければ核に影響されないロボット師団が最後の戦いとなった。
 この人工知能の人工知能を支配する中枢を設計したコンサルSEが最後の実験を握った。これが葛城修一である。
 ロボットも軍も人もあらゆるシステムが殆ど人工知能に支配された。しかし人工知能と雖も基本理念は人間が作る。
 人工知能に方向性を与えられるのはその設計チームである。だがそのリーダーが排他的にその実権を握った。
 それでも核戦争が全世界に完全に及ぶはずは無い。
 この人工知能を支配する人物がロボット師団を使って滅亡した中国の核兵器を当事国以外にも落としたのである。
 戦争は何処までも拡大した。
 世界戦争で残った他国の人工知能軍を殲滅して生き残った日本の東半分の実権を握った。そして都市に戒厳令が敷かれた。
 破壊された世界を人工知能の指揮する爆撃機が破壊しまくった。それ以上戦闘を起こさないため総てを破壊した。
 
 新しい日本の首都姉ヶ崎グランドシティ。核の影響から完全に遮断された街である。
 世界戦争の終結整理戦闘。この街はその最中に人工知能の設計と指揮によりロボット工員の手で急増された。
 地底都市に逃れた日本人がようやく地上に戻って住むこととなった。
 その中央部。最上階の大会議室である。
 新しい政府に反逆する集団もある。その一人の女が捕らえられ拷問が行われようとしていた。
 女は全裸で拷問椅子に乗せられている。椅子の角度は四十五度に後ろに倒され股間は九十度に開かれて女の部分は丸出しである。
 「主席。準備は出来ました」
 緊縛師姿の男が報告する。
 女の周りを遠巻きにして葛城修一主席を正面に椅子に座って囲んでいる。その後ろはロボット兵士がさらに囲んでいる。
 「いつも通りだ。一通り尋問して話さなければ拷問。それで駄目なら反逆分子としての処分だ」
 葛城修一主席は通常通りとの指示を出す。
 初期段階担当の職員が立ち上がる。
 「尋問に応じるか」
 職員は静かに確認する。
 「何言っているの。こんな大勢の前でこんな格好にして」
 女は天井を見ながら藻掻く。
 「良いか。もう昔の民主国家ではない。社会主義も資本主義も世界は滅びたのだ」
 「こんな事いつまでも続きません」
 「我々が総てを支配していることが分からないようですね」
 「誰が認めるか。あなた方は元日本政府の人工知能とロボット師団を全部奪って制圧しただけでしょう」
 女は怒りをぶつける。
 「基幹のソフトを設計したのは今の主席です。そして世界戦争からこの一部地域の治安を安定させました」
 「何で女だけ売春婦にするんだよ」
 「献身婦です」
 「何も違わないよ。太平洋戦争で日本陸軍が慰安婦を女子挺身隊で集めたのと同じ言い方だよ」
 「主席。こいつかなり筋金入りです」
 「存分に責めましょう」
 葛城修一主席はきっぱり命令する。
 職員は全体を見渡す。
 「では焼き剃毛から参ります」
 職員は蝋燭に点火する。
 金属の櫛を女の陰毛に充てる。軽く陰毛を持ち上げ起たせて蝋燭の炎で焼く。一瞬陰毛に火が点き瞬時に溶ける。
 「ううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 金属の櫛で肌は保護しているが熱さは避けられない。
 「う、ううーーーーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーー」
 また陰毛に一瞬火が点いて縮れるように焼けて溶ける。
 「仲間は何人、何処にいる」
 「・・・・・・ふん」
 女は川村由紀と言う。
 日本は一部地域を除いて放射能などで直接汚染はされてはいない。だが大方が近距離ミサイルと爆撃、ロボット師団の攻撃で破壊された。
 アメリカも中国もロシアも大方の国が完全に滅びた。核を持つ国を筆頭に自らの核に滅びる結果と成ったのである。
 その中を新しい日本政府のロボット師団が一掃した。そして住民を新たにロボットが建造したビル群に移動させた。
 それでも新しい政府に従わずあちこちに隠れ住む分子がいる。この女もその一人である。
 工場及び水産、農作物はロボットが製造する。男性の七割は職業が無い。女性は一部の例外を除いて大方が二つの職業に限られる。
 一つは新たに献身婦と呼ばれ実質売春婦である。四十歳まで働けば後の生活は保障される予定と成っている。
 これには容姿と身体の資格がある。
 もう一つは子供を生む専門職となる。自分の種ではない人工授精した理想の種を代理母として生む。
 街に収容された者は衣食住には困らない。ブルーカラーをする必要も無い。
 住居は高層ビルの低層階を提供される。高層階は有料又は買い取りである。
 食事はバイキング形式で毎日提供される。調理はロボットが行う。一部人が調理する高級店もある。そっちは有料で高額となる。
 この川村由紀は女性の職業に反発している。
 川村由紀の股間から陰毛を概ね焼き終わるとローションを塗って剃刀で剃る。陰毛に隠れていた赤の濃い皮膚が露に成って行く。
 川村由紀は怒りに滾った表情で剃られる部分を凝視している。
 「この女は何処から連れて来た」
 「四国、善通寺の近くです。山間部に野菜畑がありました。二百四連隊第八小隊が発見しました」
 事務官の一人が答える。
 この連隊の目的は破壊された国土を整備して計画森林を増やすことである。その為に廃墟を片付けて山を削る。
 空気を綺麗にする森林確保が急務である。それは総て遺伝子組み換えである。食べる物ではないので遺伝子組み換えでも影響は無い。
 それらの任務は人工知能の判断で進められている。
 「一人で居たのか。其処は中国軍と米軍の激戦地だな」
 「大方が焼け野原で山も地形が大きく変化しています」
 「其処に政府に従わない部落があるのだな」
 「その様に思われます。この女は武器を携帯していました」
 「その付近の捜査は行ったのだな」
 「一個連隊で行ったとのことですが何も見つかっていません」
 
 瀬戸内海。中国海軍に降伏したアメリカの潜水艦の中である。アメリカ軍の爆撃で中国軍駆逐艇隊も壊滅した。
 潜水艦は放置されたままであった。
 「由紀らはとうとう戻りません。新政府の軍に捕まったと思います」
 川村由紀らは三名で出かけた。艦内に残されていた食料が尽きたから食料調達の為である。
 二人はロボット中隊と銃撃戦になり死亡した。川村由紀だけ捕らえられて連行されたのである。
 通信などはまったく出来ない。携帯電話、スマホの基地局は全部破壊されている。スマホが有っても使い道は無い。
 街にテレビは配給され無料国営放送局もある。チャンネルは現状二つしかない。内一つはアダルトである。
 通信が使えるのは人工知能に支配された軍のシステム管理と新政府中枢部分だけとなっている。
 「食料調達をしないと限界ね」
 潜水艦には四十人程が乗っている。全員が二十代から三十代の女性である。
 同じ地域に居た男性や老人、子供は新政府に従って関東に移動した。女性が売春婦にされるか代理母にされると聞いて独身女性だけこの艦に逃れた。
 「水中に出て魚を取るのはどうしても危険なのですね」
 「放射能汚染が何処までか判りません。新政府は養殖しています」
 このリーダー格の女は八峰杏奈と言う。
 日本は爆撃や戦闘による破壊はあっても核攻撃の直撃は受けてない。これまでこっそり上陸して畑の野菜、猪などを捕らえた。
 「海水からガイガーカウンターは問題ありません」
 「でも海上に出て網をかけるのは危険です」
 「潜水服で出て魚を獲れませんか」
 「出来る人が何人居るの。泳げないと駄目よ。装備はこの艦に充分有るけど」
 希望者は数人出た。だが魚は獲れなかった。潜水服とボンベだけでは無理である。潜水艦に水中銃は無い。
 「もう一度食糧確保に行くしかないよ」
 「ロボット部隊が占拠していては駄目」
 「場所を変えましょう。北海道の近くまで移動しましょう。この艦は深度一千まで潜れます。深々度で行けば発見されないでしょう」
 「由紀らは戻ってないよ」
 「仕方ないよ。食糧確保してまた戻ってきましょう」
 「こっちで女の国を創れないの」
 「人工知能とロボット技術がこっちに無いよ。直ぐに殲滅されるだけ」
 
 川村由紀の剃毛は終わった。
 その状態を鏡で見せる。
 「何でこんなことするの」
 川村由紀は全裸で縛られてこの状況でも抵抗する姿勢である。
 「お前をとことん今夜の余興にする為だ」
 葛城修一が直接宣言する。
 「人権無視も甚だしいよ」
 「人権。その言葉は既に死語だ」
 「本日はどのような責めを」
 緊縛師がお伺いを立てる。
 「アナルを綺麗にして、膣とアナルから生き物を侵入させよう」
 その状況を想像して全員が笑みを浮かべる。
 「・・・・・・・・・・・」
 川村由紀はただ恐々としている。
 直径十センチ位の浣腸器が運ばれた。
 川村由紀は怒り怯えながらどうにも出来ない。この人数の前で女性がうんこを排泄させられる。恐ろしい仕打ちである。
 その後にさらに屈辱的な仕打ちが待っている。
 緊縛師二人が開帳台の両側から太腿を外に押さえて広げる。アナルに浣腸器挿入を補助する為である。
 正面からあと一人の緊縛師がアナルに浣腸器を差し込む。
 「ううーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 川村由紀が叫んでも緊縛師は浣腸器のシリンダーをゆっくり押す。
 川村由紀は三人の緊縛師を交互に睨み付ける。
 水の入らない水槽に小さい沢蟹が運ばれてくる。
 それを見て川村由紀はさらに慄く。躰はぶるぶる震える。
 浣腸液が全部入り切ると一時アナル栓が差し込まれる。
 「ううーー」
 川村由紀はアナル栓を捻じ込まれて痛みに呻く。
 葛城修一は女性をランク分けした。
 判定するのは人工知能である。
 だが判定基準となる様々な概念は葛城修一が詳細に設定する。人工知能はそれに基づいた判定パターンをあらゆるデータから作成する。
 ハードコンパニオンが場内に入ってくる。彼女らは優ランクである。この上は特優となる。
 容姿体型だけで判別される。
 優以上は主席、大臣、官僚用である。花代は国又は個人が支払う。
 良が上、並と分けられる。
 それによって価格が違う。良上、良は高級店、中級店の献身婦やハードコンパニオンも勤める。ここまでは個人が支払う。
 指名、オーダーには完全に従わなければならない。嫌でも拒否は出来ない。
 可は無料の献身婦となる。躰を提供した客の数で国が支払う。もちろんランクによって単価は異なる。
 そしてどうであれ衣食住は国が保障する。
 上層階の高級フロアに住む場合、国が提供するバイキング以外の店で飲食する場合、支給品以外の物品、サービスを買うのは収入からである。
 可のランクの献身婦を抱くのは週二回まで無償と成っている。政府に従っていれば無収入でも衣食住の他に女躰が提供される。
 不可になった女性が生む専門と成る。さらに年齢が行ってから保母となる。
 献身婦は四十で解放される。蓄えが有っても無くても衣食住は保障されている。五十まで稼ぐ為保母を務めることは出来る。
 新国家が発令された時点で家族だった場合だけ家族棟に入れる。この場合献身婦は免れる。だが女性は仕事に就けない。
 総ての製造、サービスは国が行う。販売も国が行う。給料も国が払う。
 その製造も販売もロボットが行う。
 女性でも医師と看護師だった者だけ例外的に献身婦を免れその仕事を続けられる。
 川村由紀は苦しみだす。浣腸液が充分に効いたと判断して緊縛師はアナル栓を抜く。
 崩れながらかなり臭気を伴う便を透明なボウルに排泄した。
 点滴スタンドがセットされている。腸カテーテルでもう一度水を注入して何度か腸を洗う。
 二枚セットのスクリーンが四面に設置されている。
 一枚は川村由紀の顔の表情をアップしている。もう一枚は開帳台の正面から股間部分をアップしている。
 大型のクスコが緊縛師の手に握られている。
 まずは女の部分のびらびらを広げる。広がったピンクの部分をスクリーンに公開する。
 「やめろーーーーーーーーーーーー。みるなーーーーーーーーー」
 川村由紀は無駄でも吼えずには居られない。
 膣に大型のクスコを挿入して膣の奥まで広げる。
 「ああーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーー」
 緊縛師はさらに大型のアナル開口器でアナルを広げる。
 「うおーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は半狂乱に叫ぶ。
 既にスポットライトが二つの穴の奥まで照らしてスクリーンに拡大公開されている。川村由紀は完全に性的玩具である。
 小さいボウルに小さな赤虫が大量に入っている。これをロングスプーンで膣に投げ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は異物が侵入した気持ち悪さに泣き叫ぶ。
 さらに長いロングスプーンで直腸に赤虫を投げ込む。
 「うおおーーーーーーーーーーー」
 緊縛師は各自が沢蟹を箸で摘む。それをクスコとアナル開口器の口から投げ込む。
 「ああーーああーーああーーああーーああーーああーー」
 川村由紀は躰をガタガタ揺すってサイレンの如く悲鳴を上げ続ける。
 「だめーーーー。やだあーーーーーーー。ああーー。ああーーああーーあああーーああーーああーーああーーああーーああーーああ」
 サイレンの如き悲鳴は止まらない。
 川村由紀は涙を飛ばして躰をガタガタ揺すり泣き叫び続ける。
 取り巻いている官僚と役人はコンパニオンの躰を弄りながら見ていた。その手を休めて拍手する。
 川村由紀は気狂いじみた遊びに羞恥と怒りさらに恐怖の坩堝である。気が狂いそうな気持ち悪さの極致を堪え続ける。
 「どうだ。しゃべる気に成ったか」
 「ああーーー。たすけてーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 「お前の仲間はどこだーーーーーーーー」
 「瀬戸内海の米軍の残した潜水艦の中。ああーーーーーーー。はやくーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 川村由紀は断末魔に泣き叫ぶ。
 緊縛師らは葛城修一に合図して。トングで沢蟹を一匹ずつ取り出す。
 「ああーー。ああーーああーーああーーああーーああーー」
 川村由紀は泣き叫び続ける。
 緊縛師は数を数える。まだ足りない。カテーテルの先にマジックハンドとカメラの付いた小型の機材をアナルの奥に突っ込む。
 「ああーーああーーああーーああーーああーーああーー」
 緊縛師は泣き叫び続ける川村由紀を愉しみながら最後の沢蟹を取り出す。
 「あはあん。あはん。あはん。あはん」
 川村由紀は涙をポロポロ溢す。
 クスコを抜いて膣をセペで洗う。腸カテーテルで腸内を洗う。餌として投げ込んだ赤虫を洗い流す為である。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 川村由紀の荒い息遣いは暫く続いた。
 「ひどいよーーーーーーーーー。人間のすることじゃないよーーーーー。ああーーーーーーー。ああーあはあん。ああん」
 川村由紀はまだ涙をポロポロ溢す。
 「潜水艦に隠れていたとはな」
 葛城修一は感嘆している。
 「直ぐに駆逐艦と潜水艦を瀬戸内海に派遣します」
 海軍長官である。
 「さて女。この先どうする。三択だ。献身婦になるか。優ランクにするぞ。処刑を選ぶか。鉄格子の牢屋に監禁して月一回玩具かだ」
 葛城修一が直接宣告する。
 「そんな」
 川村由紀は何とも答えられない。
 そのまま仮処分で鉄格子の牢屋に入れられた。
 
 その頃。元アメリカ海軍の潜水艦である。八峰杏奈らは房総半島の沖合を海中航行していた。
 駆逐艦四隻と潜水艦四隻が姉ヶ崎新軍港から出発していた。辛うじて八峰杏奈らは遭遇を免れた。
 深く潜るには航行に自信が無い。潜望鏡深度では危険である。百二十メートル位を海中航行する。
 新政府はいわき辺りまでしかロボット部隊による整備を進めていない。北海道は偵察だけで手付かずである。
 潜水艦からドローンを飛ばす。送られて来た映像から港に停泊していた漁船は総て破壊されている。建物も橋も総て残骸となっている。
 牛の死骸が牧場跡に散らばっている。作物なども無い。海から魚を取らない限り食料の調達は絶望である。
 「何処かに番屋くらい残ってないかしら」
 内陸部を諦めて漁村を偵察する。
 「番屋で何を」
 「網が残っていれば」
 「魚を獲ろうというの」
 「そうよ」
 「鮭が上ってくる川は」
 「今の時期では無理よ」
 八峰杏奈は今の時期鮭は川に上って来ないと言う見解である。
 「何処かにまだ停泊したままの艦か船は無いかしら」
 この女は大路江美という。最年長の二人の内一人である。今年三十五歳に成る。新政府に捕まればまだ献身婦を免れない。
 そして容姿もスタイルも衰えてない。
 「それより新政府は人工衛星を使ってないのですか。もし使っていたら魚を獲るのは危険です」
 こっちは宇垣美佐都という。まだ二十七歳。戦争前は広島県庁に勤めていた公務員である。
 「確かに。人工衛星は健在ね。新政府は大方それを使ってあちこちに生き延びた民族を一掃したのよ」
 海上で網を掛ける危険は八峰杏奈も充分に理解している。
 「水中で網を掛けるのね」
 大路江美も八峰杏奈の意図は分かっている。
 「もう一度ドローン偵察で放置された船を捜しましょう」
 ドローンは全部で十二機有った。北海道の太平洋側を国後付近まで偵察を行う。津軽湾の方にも飛ばす。
 放置された艦船に食料が残ってないか一縷の望みである。
 調理室で夕食を作る担当は三名。それ以外セイルの真下にある発令所でドローンの映像を見続ける。
 調理室でも悲惨な食事の準備である。
 米も限界に来ている。カレーのルーだけで肉は無い。具は刻んだ長ネギだけ。あとは粉末スープのみである。
 ドローンは平野に下りて来ている熊を発見した。銃を持たないで歩くのも危険である。
 下北半島に近付いたドローンの映像。そこに艦首を破損して港に斜めに横たわった潜水艦を発見した。
 発令所を空に出来ないので半分ずつ食事を取る。八峰杏奈は太陽が完全に沈むのを待つ。その潜水艦に接舷して調査する考えである。
 潜水艦なら長い日数潜って行動する。食料も蓄えられていて長期保存が出来る物資が豊富と期待できる。
 艦尾の先端に潜ったまま接舷してセイルを半分出す。
 ガイガーカウンターに反応は無い。
 大路江美が二人連れて乗り移る。
 セイルの上に三人出て銃を構えて警戒する。
 大路江美らは破壊されてないセイルから中に入る。ハッチは締まってなかった。乗員が此処で脱出したと思われる。
 「日本の潜水艦の様ね」
 「自衛艦ですね」
 調理室を探す。
 「大丈夫です。食料はあります」
 「ああーーーーーーーー」
 安堵の歓声を上げる。
 直ぐに一人が他のメンバーを加勢に呼びに行く。
 冷凍庫と冷蔵庫の電源が切れてなかったので大方は使える。
 八峰杏奈と宇垣美佐都で武器他使えそうなものを物色する。
 一夜掛けて食料その他使える物を自分等の潜水艦に運び込んだ。
 暫くは安泰である。翌朝潜行して警戒しながら瀬戸内海に戻る。川村由紀らを収容しなければならない。
 夕方には紀伊半島を過ぎて室戸の沖に差し掛かった。
 「ソナーに潜水艦らしき四隻」
 ソナーの担当は辻沙緒里である。二十九歳。長身だが柔らかい顔立ちである。
 「もしかして私たちを狙って」
 大路江美が懸念を示す。
 「可能性は有るね。四隻で来る方向も」
 八峰杏奈も警戒心を示す。
 「由紀たちが捕まって拷問に掛けられて。アメリカの潜水艦に隠れていると白状したのでは」
 「深々度に降下しましょう。ソナーの音波を止めて」
 相手が出すソナー音も聞こえる。
 「探知されました」
 「駄目よ。速度を上げて海底に着底しましょう」
 八峰杏奈は着底すれば発見されにくいと考えた。
 「四隻のスクリュー音が展開して深度を下げて来ます」
 聴音器は杉浦瑞樹が担当する。二十六歳。ややぽっちゃり型である。
 「撃沈しましょう」
 大路江美である。
 「その方が無難かもね。どうせロボットしか乗ってない自動操艦でしょう」
 八峰杏奈も同意する。
 「そうよ」
 「有線誘導で一発ずつ確実に仕留めましょう」
 一度海底に艦を着底する。
 使い方は英語のマニュアルを分かる者が翻訳して何日も勉強した。
 使ってしまえば魚雷の補給は出来ない。貴重である。だが今が既に危険と判断するしかない。
 四隻は目測しながら包囲を少しずつ狭めてくる。
 もう一度ソナーを稼動する。
 海底から少し上昇して有線誘導魚雷を四本発射する。
 発射後そのまま直ぐ着底する。
 反撃を予期していなかった四隻は轟沈する。
 「高速スクリュー音です。水上艦も居ます」
 「着底して静かに」
 「爆雷が投下されました」
 「大丈夫。完全に探知はされてない。威嚇攻撃よ」
 爆雷は近い頭上で爆発する。艦は水圧で揺れ軋むが命中はしない。相当な広範囲に投射された。だが至近弾は無かった。
 やがてスクリュー音は去って行く。
 数時間着底したまま様子を見てメインタンクブローを掛けて上昇する。
 「此処を離れましょう」
 大路江美が提案する。
 「何処に行く」
 「他の国かどこかの島は」
 「駄目よ。大方が放射能汚染されている」
 「そうね」
 「北海道の近くまで移動しましょう」
 八峰杏奈はとりあえず新政府の手の付いてない方向に向かうことにした。
 「食料は四十二名なら半年近くは持つけど。その先を考えないと」
 大路江美は対策を考えるべきと提言する。
 
 「主席。追尾した潜水艦が四隻撃沈されました」
 海軍長官が報告する。
 「何だと!」
 「一ヶ月くらいの間に操艦技術を学んだのでしょう」
 「ううん」
 葛城修一は憤慨の表情である。
 「いまそんなに艦船を投入できません。海外に出た艦隊はまだ残存兵力の一掃を続けるしかありません」
 「偵察飛行をしろ」
 「使える滑走路がまだ成田、館山の二本だけです」
 「それで充分だ。何れ一昨日拷問した女の様に食糧確保に上陸する。そのうち発見出来る」
 「確かにそうですが。四隻撃沈が」
 海軍長官は不安を漏らす。
 「駆逐艦はあと何隻残っている」
 「いま女どもの潜水艦を追っている四隻を含めて十二隻です」
 「判った。交代で警備に就けろ。それと陸軍長官と警察長官はシティ内部の氾濫にいっそう警戒しろ」
 葛城修一は内部の氾濫も充分警戒している。女性の不満がまだまだ抑え切れてない。
 新しい日本の首都姉ヶ崎グランドシティの人口は約三百五十万である。五井から君津まで五十階建てが二列ほぼ旧内房線の線路に沿って二百メートル間隔に並んで建てられている。
 もう一系統五井から概ね旧久留里線及び旧いずみ鉄道跡に沿って二列並んで建てられている。まだ大原までは繋がっていない。
 大きな建物の残骸や山を避けて平地を辿って建てられている。
 中央棟のみ七十五階建てで姉ヶ崎に建っている。そして中枢機能は姉ヶ崎に集中している。
 二列に並んで建てられた高層ビルの二十五階を新都市交通の様な無人運転の小型の電車が走る。交通手段はこれだけである。
 それでも直接の移動は殆どない。その建物内で総てが賄える。
 
 その日も中央棟最上階の大会議室である。会食の後に余興が行われていた。
 今夜は単に余興である。
 葛城修一主席を正面に左右二列で六十名弱が椅子と小さなテーブルを斜め前に置いている。
 一人に一人全裸のコンパニオンが付いている。
 酒を飲みながら弄くり放題である。
 今夜の生贄が牽かれて来た。
 「嫌でございます。どうして私がまた」
 「主席のご要望だ」
 緊縛師三名で引っ張って来る。
 女は高島波琉という。二十九歳すっきりした姉さん顔の美人。長身だが躰つきは華奢と言えるくらいスリムである。
 他のコンパニオンは全裸なのにスーツ姿。脱がすのも余興である。女には全裸より脱がされる過程は尚のこと恥かしい。
 高島波琉は男に媚びる姿勢の無い美人顔である。辱めることにより加虐心が強く沸く。
 「何で。私ばかり」
 「女。ギャラは弾んでやるぞ」
 葛城修一が高島波琉に宣告する。国が払うのである。だが税金ではない。新政府は何人からも税金は取らない。
 「お許しください。献身婦だけでも辛いのです。こんな大勢の前でとても堪えられません」
 高島波琉は絨毯の床に膝を着いて許しを願う。
 「ならばテレビで出演だぞ。此処ならこの人数だ。テレビなら姉ヶ崎グランドシティ全部だ。三百五十万人に見られる」
 「ああーー。そんなご無体な。献身婦だけの人は」
 「それはランクが違う」
 「それでは優にランクされてしまった人は辛過ぎます」
 「金は格段に高いぞ。それに美しい躰は皆に提供せねばいかん。それが公共の福祉だ。これから新国家では義務だ」
 「そんな。人権無視ですよ」
 「それは戦争前の人権だ。これからは街を計画的に拡張して人も計画生産する。女の役割は献身婦か計画生産の子を生む専門だ」
 「それでは女は永遠に玩具ではないですか」
 「それが新国家の秩序だ」
 葛城修一はきっぱり宣告する。
 「そこで全部服を脱げ」
 緊縛師が脱衣籠を置いて命令する。
 「・・・・・・・」
 高島波琉は意識がふらふら遠のく様に思考が止まって動けない。立っている脚元が浮いているような錯覚を覚える。
 前のときは主席だけだった。コンパニオンは全部裸。でも違う自分は全体の見世物になる。
 「どうした。聞こえないのか」
 「・・・・・・」
 高島波琉はジャケットに手を掛けるがそのまま固まってしまう。
 「まあ良い。そのまま縛ってゆっくり剥いてやろう」
 「ああ」
 もっと恐ろしいことを言われている。どうすることも出来ない。理不尽に躰をとことん遊ばれる。
 緊縛師が両肩を押さえる。腕を持ち上げ肩を押して腰を落とさせる。
 控室で着替えさせられたミニスカスーツである。押されてしゃがむと一瞬下着が覗く。
 それを急いで片膝を着いて角度をずらして隠す。
 高島波琉はスクリーンにスカートの中が映ったのを確認した。これだけでも顔の表情が強張る。
 葛城修一はその表情を見逃さなかった。
 もう一人の緊縛師が手首を縛り合わせてフックを付ける。天井から下がったフックに引っ掛け引きずり上げる。
 「ああー」
 「スカートを切れ。二十ミリずつ段階的に」
 「なんでそんなことを」
 「お前の表情が変わったからだ」
 「・・・・」
 高島波琉は唇を噛む。
 コンパニオンの制服を流用したのである。二センチ切れば下着の先端ぎりぎりである。
 高島波琉は強張った表情でスクリーンを見ている。
 緊縛師はスカートに物差しを当てながら淡々と切り続ける。
 高島波琉はスクリーンと全裸のコンパニオンを弄り続ける主席の取り巻き官僚を交互に見る。
 恐ろしい時代になった。誰かが革命起こしてくれないかと思う。いつかきっとこの主席もフセインやカダフィの様に成るに違いない。
 高島波琉はそう自分に言い聞かせるしかなかった。
 
 その頃無人偵察機は日本本土全体に展開していた。
 八峰杏奈の潜水艦もセイルを海上に出していたのでレーダーで捕らえていた。
 「哨戒機です」
 「潜行しましょう」
 急速潜行して深度三百まで下がる。
 「私達を探しているのね」
 大路江美は危惧した発言になる。
 「上空を爆音が通過する」
 聴音器の杉浦瑞樹が報告する。
 此処は津軽海峡。深度は四百位が限界である。
 哨戒機は過ぎ去って行く。
 「下手に浮上出来ないね」
 大路江美は不安な表情である。
 「どこか安全な場所を見つけないとね」
 八峰杏奈はそうぼやきながらも当てはない。
 「何処にあるのですか。そんなところが」
 宇垣美佐都はそんな場所は無いと思っている。
 「放射能に汚染されてない島を探すしかないよ」
 大路江美はあくまで新政府が進出してない海外の島を主張する。
 「父島辺りはどうかしら」
 八峰杏奈は比較的核攻撃の無かった小さな島を考えている。
 「人が住んでいるのでは」
 杉浦瑞樹は原住民が居たらと不安である。
 「それならば話し合えばいいよ」
 八峰杏奈は当って解決方法は有ると考える。
 「そうね。新政府に加担して住んでいるとは考えられません」
 大路江美も賛同する。
 「どんな相手でも新政府よりましだわ」
 意を決して父島に進路をとる。
 
 高島波琉は全裸にされて高手小手に縛られ拷問椅子に載せられた。
 大股開きにされ拷問椅子の脚載せではなく脚首から膝まで三箇所縄を掛けられて天井のフックから引っ張られている。
 高島波琉の躰は拷問椅子に船の碇が斜めに寝かされた状態である。
 女の部分からアナルまで丸出しでスクリーンに拡大されている。
 高島波琉は羞恥に眩むように日照った表情で何も考えられない。
 「お前のショーツ染みが有ったぞ。これを会場に回すからな」
 「いやああーーーーーーーーーーーーん。いやあーーー。いやです。いやです。やめて」
 高島波琉は泣き声で抗議する。
 「まだまだもっともっと羞恥を晒して貰いますよ」
 緊縛師は滅菌包装したクスコを袋から破って取り出す。
 「ああーー」
 高島波琉は泣きそうな表情でそれを見る。女の奥まで晒されてしまう。堪らない辱めである。
 別の緊縛師がもう一本取り出す。こっちはアナル用の開口器である。
 高島波琉は恐怖の表情で慄く。
 緊縛師は手にワセリンを付けて高島波琉の膣に指を入れる。
 「いやああーーーーーーーーーーーー」
 嫌がり喚く高島波琉を無視して中を掻き回す。
 「ううーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 ついでにびらびらを広げてピンクの部分をスクリーンに公開する。
 「いやああーーーーーーーーー。いやあ。いや。いや」
 高島波琉は悲痛に首を振って藻掻き拒絶する。
 緊縛師は一人がびらびらを広げたまま。一人が膣にクスコを挿入する。
 「ああーーーーー」
 高島波琉は表情を破裂させてそれを睨み悲鳴を漏らす。
 緊縛師は螺子を回して中を広げる。
 「・・・・・・・」
 中をペンライトで照らす。
 「あ、ああーーーーーーん。どうしてそこまで」
 高島波琉の羞恥に崩れた表情はとことんそそらせる。葛城修一も満足そうにその崩れた表情を愉しむ。
 続いてアナル開口器にたっぷりワセリンを塗ってアナルに挿入する。
 「ああーー。いやあーーーーーーーー」
 高島波琉は気が狂わんばかりの表情で叫ぶ。
 アナルも広げて中を公開する。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー」
 高島波琉は泣き声交じりで叫び続ける。
 「主席。奥に便がありますよ」
 緊縛師が悦ばしそうに葛城修一に報告する。
 「浣腸だな。この女なら見ものだ」
 葛城修一も笑っている。
 「なんですって。ここで、浣腸。だめーーーーー。だめです。だめ」
 高島波琉の声は震えて半狂乱である。
 一度クスコを二本とも抜く。
 そして直径十センチ位の浣腸器と新しいクスコとアナル開口器が運ばれる。
 「やめてーーーーーーーー。おトイレで。おトイレでさせてくださーーーい」
 高島波琉は切羽詰った声で表情を破裂させて抗議する。
 「駄目です。お姉さん。主席はお姉さんの羞恥の極限をお愉しみになりたいのです」
 「ああーー。そんな。ひどい。酷過ぎます」
 「諦めて。それが全身奉仕ですよ」
 緊縛師は軽い口調で言う。
 「だめーー。だめです。堪えられません」
 高島波琉は首を振って拒絶する。
 それでもアナルに浣腸器が挿入される。そして拷問椅子の前に透明で大きなボウルが置かれる。
 「ああーー。やめてくださいーーーーー。お願い。おトイレで。お願い。たすけてーーーーーー」
 高島波琉はどうにも堪えられない。断末魔に叫び続ける。
 官僚、役人らはコンパニオンを弄くりながら高島波琉の追い詰められた姿を愉しむ。興奮度が上がってコンパニオンを弄る手はさらに過激になる。
 あまりの責めに泣いている者。指で責められ潮を噴かされる者。堪えられずイカされてしまう者。狂乱の声が響き渡る。
 高島波琉の懇願も無視されて浣腸液は徐々に直腸の中に入って行く。
 高島波琉は恐怖の表情を凍らせて天井を見上げている。
 緊縛師は注入し終わるとアナル栓を捻じ込む。
 「ああーー」
 高島波琉は表情を引き攣らせて天井を見上げた顔を動かせない。
 最早どうすることも出来ない。絶対に見られてはならない物が透明なボウルに強制排泄される。
 もう逃れられない。
 「あまり崩さないで早めに塊を出させましょう」
 葛城修一の非情な言葉である。高島波琉の羞恥を出来るだけ拡大したい。加虐心を満足させたい願望が滲み出ている。
 「・・・・・」
 高島波琉は主席から出たあまりの言葉に反論する言葉さえ出ない。
 緊縛師は大きく広げられた太腿の反対側から股間に手を回す。アナル栓をじりじり上下に揺すりながら抜き取る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴の次に大音響が響く。アナルから茶色い水と断続的に長い便が途切れ途切れに捻り出される。それが透明なボウルに落ちる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴と共に高島波琉の目が開いたまま潤み出す。精神力が宿った美人顔に羞恥の涙が零れる。加虐心を満足させる最高のシーンである。
 緊縛師はアナルに水を注入して再度中を洗う。
 一度抜いたクスコと汚物は展示する。高島波琉を磔にした拷問椅子の後ろにテーブルを置いている。ボウルには臭い防止に透明な蓋を被せた。
 クスコには高島波琉の体内から付いてきたクリーム状の分泌物が確り付着している。
 官僚らは交代でそれを愉しそうに見る。
 緊縛師が官僚らの検分が終わるのを待ってそれを高島波琉の目の前に翳す。
 「あ、ああーーはあーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 狂乱の悲鳴である。高島波琉は有り得ない羞恥の責めにまた涙を溢す。
 しかしこれだけでは済まされない。
 水の無い水槽にカメレオンが二匹運ばれる。
 「なにーー。それーーーーーーーーー」
 高島波琉はそれを見て驚愕の悲鳴を上げる。躰はぶるぶる震える。
 緊縛師は新しいクスコを滅菌包装から取り出して膣に挿入する。
 「ううーー」
 高島波琉は挙動の収まらない表情で緊縛師と周りを見る。
 アナル用の開口器も挿入される。
 「ちくしょーーー」
 高島波琉はどうにも出来ない怒りにわなわな震える。
 膣とアナルが奥まで広げられている。ペンライトに照らされて子宮口まで克明にスクリーンに映し出される。
 拷問椅子の前に台が置かれる。其処にカメレオンを載せる。
 「ええーー。いやーーーーー」
 股間の前にカメレオンである。高島波琉は恐怖に縮み上がる。
 「いや。いや。いや。いや」
 唇はぶるぶる震えている。
 緊縛師は膣の中に筆で蜜を塗る。アナルも膣と密着したあたりに塗りこむ。
 「こいつの舌で舐めさせて気持ち良くしてやる」
 緊縛師は真顔で言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は狂った様に泣き叫ぶ。
 「これで逝き顔を晒す。何とも一生の恥だな」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーー。きいくるいますよーーーーーーーーーーー。いやですーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉はさらに泣き喚く。
 緊縛師はカメレオンを一匹ずつ持つ。膣とアナルを広げた開口器の口に向けて嗾ける。
 カメレオンはそれぞれ舌を伸ばして蜜を舐める。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーん。ああはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん」
 高島波琉は一気に甲高い泣き悲鳴になる。
 一匹のカメレオンは子宮口の手前に舌を伸ばし膣の下部を舐める。もう一匹はアナル側からその裏側を舐める。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 気が狂いそうな恐ろしい責めである。女の一番敏感な部分をカメレオンの舌の先端が左右にスライドする様に舐め続ける。
 「ああーーはあーーーーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。いやああーーーーーーーーーーーー」
 何処までも悲鳴は会場に充満する。
 官僚らはコンパニオンを弄りながら指に興奮した力を込めてその光景を見る。
 興奮にコンパニオンの膣の敏感な部分を急激に責める。コンパニオンらは高島波琉へのあまりにも凄い責めに青ざめている。
 残った一人の緊縛師がクスコの中にスポイトで蜜を追加注入する。
 「いやあーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーー」
 膣天井部の一番敏感な部分を舐める様に蜜を集中させる。
 「ああはあん。ああ。ああはん。ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。やめてーーーーーー。だめーーーーー」
 高島波琉の股間部分は微妙に震撼している。
 「あはあ。あはあーー。ああーーー。あはああーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂にこれ以上ない恥を知りながらこの理不尽極まりない責めに逝き声と逝き顔を晒してしまった。これ以上の恥はない。
 「あはあ。はあ。あはあ。はあ。はあ。はあ」
 高島波琉の荒い息遣いと股間の痙攣はなかなか治まらない。
 「綺麗な逝き顔だったな」
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 高島波琉は収まらない息遣いのまま涙をポリポロ溢す。
 「酷い。酷い。ううん。ううん。うう」
 気丈に見える美人の崩れきった泣き顔である。座の面々は悦びに浸った。
 「最後に言っておく。お前は今日から女優だ。新国家では女優の仕事はいまの様な事だ」
 「・・・・・・・・・・・」
 高島波琉は言葉も返せない。怒りと恐怖にぶるぶる震える。時間が経てば逝き顔を晒した嫌悪に沈む。
 「今日の内容は録画されてテレビで放映される」
 葛城修一はさらに恐ろしい宣告をする。
 「ええーー。な、なんですって。何で私だけこんな目に」
 更なる驚愕である。
 「心配するな。順番に何人も放映される。破廉恥ガールシリーズとしてな」
 緊縛師が横から説明する。
 「だが、喜べ。今日のギャラは五百万だ。それに最上階の綺麗な部屋に住ませてやる」
 これも緊縛師が説明する。
 「そんな。お金より女の幸せは愛する人の子供を生んで家庭を円満に作ることです。そして意味のある仕事をしたいのです」
 高島波琉は無駄と分かっても言わざるを得ない。
 「そう言う時代は戦争と共に終わった。この世から結婚と言う概念は無くなるのだ。女に女優は最高の仕事だよ」
 葛城修一がダメ押しの宣告をする。
 高島波琉は地獄の一夜を終わってようやく部屋に帰された。
 ベッドに倒れこみ泣き続けた。
 悔しさと怒りが何処までも込み上げてくる。
 
 翌日高島波琉は役人と引越しロボットよって部屋を移動された。荷物は全部運んで貰える。高島波琉は何もしないで案内された部屋に向かう。
 其処は中央に近い最上階の2LDKであった。
 美室である。窓からは東京湾がほぼ一望出来る。爆撃で破壊されてなければ彼方に富士山も見えた筈である。
 一人用なので部屋数は多くないが、浴室、キッチンとも豪華である。湯に浸かって東京湾が見渡せる。
 政府銀行の口座に五百万振り込まれていた。銀行は一つだけである。戦争前に預金資産が有った者は証拠が有れば政府銀行に保証された。
 だが一つ新政府に逆らえば簡単に差し押さえされてしまう金である。
 高島波琉は戦争前のAV女優の様な立場でお金を貰って他の人より裕福に暮らして躰を求められない年齢まで堪えるしかない。
 革命を起こせる可能性すら低い。
 昨夜の様な遊びをされてそれが放映される。街の中を歩けない。だから最上階なのか。デリバリは取れる。だが国民支給のバイキングは到底行けない。
 高級店街に女性専用があった。そう言うことなのか。
 昨日まで知り合った人にももう合えないのか。そんな事はない。同姓なら受けるレベルは違っても同じ様な立場だと思う。
 理解して貰えるのではないか。
 だが通信手段は無い。尋ねて行かないと会うことは出来ない。
 
 八峰杏奈らの潜水艦は父島近海に着いた。
 巽島の島影に隠れてセイルの上部だけ浮上する。ドローンを発信して島の状況を調べる。直ぐにアンテナだけ出して震度をやや下げる。
 「ガイガーカウンターは反応しません」
 「偵察をして危険が無ければ一周して各所で確認しましょう」
 大村海岸から入ったドローンの眼下には一面の焼け野原である。展望台も道も港も破壊されている。
 扇浦海岸から入ったドローンも眼下は破壊されまくって焼失した建物が点在している。
 「核攻撃は無かったのではないかしら。爆撃で完全に破壊されたのよ」
 八峰杏奈は使える可能性をやや見出している。
 「人は居ないようですね」
 「畑も食料も皆無です」
 「ホテルらしきも完全に破壊されているね」
 大路江美は隠れる建物がないことに落胆している。
 「湾内で魚は獲れるかも」
 「それは危険よ」
 「どっかに水中銃とか網はないかしら」
 八峰杏奈は海の中で魚を獲る方向である。
 「何処かに上陸して畑ぐらい作れないの」
 杉浦瑞樹は野菜が必要と考えている。
 「無理。木の実でもあれば獲れるけど。畑を作れば衛星からキャッチされて爆撃機が来てお終いよ」
 八峰杏奈は無理と断定する。
 「海藻なら獲れますよ」
 宇垣美佐都の発想である。
 「そうね」
 大路江美も同意する。
 衛星から見つからないで潜水艦がセイルだけ出せる場所を探す。
 数時間掛かってドローンで索敵したが手頃な場所は無かった。已む無く母島に移動する。
 一日掛かって入れる港も接岸出来る場所も無いことが分かる。
 「ここは駄目ね」
 八峰杏奈は諦める。海藻や魚なら他でも獲れる。
 「食料、衣類など物資が残っている島を探さないと」
 「日本沿岸が一番残っていそう」
 宇垣美佐都の意見である。
 「無理よ哨戒機に直ぐ発見されるよ」
 大路江美は否定する。
 「九州まで行きましょう。佐世保なら軍艦の乗り捨てがまだあるかもしれません」
 八峰杏奈は瀬戸内海より哨戒が緩いのではないかと考える。
 「そうですね。佐世保なら停泊中の残骸が多いから夜ならセイルだけ出せますね」
 宇垣美佐都は賛成する。
 そのまま九州に向けて進路をとる。
 
 その日も中央棟最上階今度は畳の宴会場である。会食の後に余興も行われていた。
 今夜も単に余興である。
 葛城修一主席を正面に左右二列で六十名弱が座布団と横に小さなお膳を置いている。
 お膳は飲み物と取り皿、醤油皿用である。
 料理は席の前に全裸のコンパニオンが長い座布団に寝かされている。女躰刺身盛である。
 一人にもう一人全裸のコンパニオンが付いている。
 席の横にもう一枚座布団がある。コンパニオンが全身奉仕する席である。
 葛城修一の席にも女躰盛と全身奉仕のコンパニオンが付いている。
 後ろの壁と入口はロボット兵が囲んでいる。
 緊縛師三名に本日の生贄が連行されて来る
 川村由紀である。怒った顔で宴会場に引っ張られる。
 「何よこれ」
 川村由紀は宴会場の状況を見て憤慨の言葉を漏らす。
 これが新政府首脳の実態なのである。だが葛城修一は一切気にしない。これを政治支配の肥やしと考えている。
 底辺に女躰の満足は絶対に必要という考えである。
 「お前は今夜の余興の生贄だ」
 緊縛師が宣告する。
 「なんでそんなことされるのよ」
 「説明したはずだ。新国家では職業を選べない。お前は優ランクだ。一般国民には出されない。官僚までだ」
 「なんで生贄にまでされるのよ」
 「それも優、特優ランクの仕事だ。放映もされる」
 「なんですって」
 川村由紀は怒りに既にヒステリー状態である。
 「川村由紀とやらこの街から逃げ出しても良いのだぞ。非常口から出る事は出来る。入る事は出来ないが」
 葛城修一が公言する。
 一歩街から出れば外は人外魔境である。食料も交通手段も無い。総て破壊された瓦礫の山か壊された自然である。
 ロボット部隊が整備したところはどこまでも計画森林となる。此処も衛星からの電波無しでは通行出来ない。
 遺伝子組み換えで虫一匹居ない。
 出れば確実に死ぬと考えるしかない。
 「お前が仲間から外れた四国まで帰るか。そこに潜水艦は居ないが」
 「何処に行ったのです」
 「こっちも索敵している。見つけ次第撃沈する」
 川村由紀は驚愕の表情になる。自分がしゃべった事で他の仲間を危険に晒してしまった。
 緊縛師はロボット兵士二体に川村由紀の躰を押さえさせる。
 「くそー」
 川村由紀は唇を噛む。
 ロボットは一体が腕を頭の上で押さえ一体が脚首を押さえている。
 川村由紀は鉄格子から出されるときワンピースを支給された。支給のバスロープを脱ぎワンピースに着替えた。
 緊縛師は川村由紀のワンピースを捲り上げる。
 一気に脱がしてブラも毟り取る。
 ショーツも落とす。
 用意されているのは拷問椅子である。
 緊縛師が川村由紀を高手小手に縛る。そのまま拷問椅子に磔る。脚を強引に広げて脚載せ台に固定する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 股間の閉じ合わせた女の部分もアナルの蕾も丸出しである。
 「もう二回目だろ」
 「ふざけるなーーーーーー」
 川村由紀は騒いでも無駄とまだ分かってない。
 緊縛師らは電気責めを用意している。
 「どこまで電流責めに堪えられるかな」
 「殺すの」
 「ちょっとお漏らしして頂きます」
 「・・・・・・・」
 川村由紀は緊縛師らの人権無視のふざけた遊びに言葉も返せない。
 緊縛師はトランスに六本立った陸式ターミナルに単線を接続する。そのうち四本の先端は鰐口クリップで赤が二本、黒が二本である。
 残る二本は充電クリップが付いている。
 川村由紀の左右の乳首をクリップで鋏む。
 「うーーーーーーーー。うーーーーーーーーー」
 川村由紀は鋏まれた痛みに声を漏らす。書類を挿む黒いクリップである。抓まれればかなり痛い。
 そのクリップにトランスに繋がった赤黒の鰐口を付ける。
 川村由紀にも電流が流されることは充分に分かる。どうにも出来ない。ただ緊縛師を睨むだけである。
 拷問椅子のハンドルを回して四十五度に倒して股間を高くする。
 「ああーーーーーーーーーーーー」
 恥かしい股間がさらに晒される。堪らない悲鳴である。
 女の部分の閉じ合わせたびらびらを広げる。片方ずつ黒いクリップで抓む。横幅十五ミリはある。相当に痛い。
 「う、うぐうーーーーーーーーーーー。うぐ、ううーーーーーーーー」
 川村由紀は表情を究極に歪めて悲鳴を漏らす。
 そこに鰐口を接続する。
 緊縛師は先に充電クリップの電流スイッチを入れる。
 じっくり内股の付け根を狙って近付ける。
 「ああーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 川村由紀は恐怖に顔を引き攣らせて叫ぶ。
 緊縛師は内股の付け根にぴったり充てる。
 「うおーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーー。ううおーーーーーーーーーー」
 川村由紀の躰はガタガタ振るえる。顔を振って大口を開けて唾を跳ね飛ばして悲鳴を轟かせる。
 口からは涎が流れている。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 緊縛師が充電クリップを離しても治まらない。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いは暫く続く。
 胸の谷間には汗が流れている。
 緊縛師は次に数日前剃毛された無毛の土手に充てる。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーー」
 躰は震撼する。腰から下がガクガク揺れる。
 川村由紀は藻掻き弧を描くように頭を振る。大口を破裂させた悲鳴を上げ続ける。美しい顔がここまでというくらい崩れる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 川村由紀の躰は恐怖に震え続ける。
 緊縛師の目標はお漏らしをさせる事である。
 「やめろーー。やめてーーーーー。ああ。ああ。はあ。はあ」
 川村由紀は怯えて上擦った表情で緊縛師を見る。
 緊縛師は容赦なく乳首に接続した鰐口のスイッチを入れる。
 「あわおおーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀の躰は拷問椅子から迫上がる。頭を後ろに倒して振りながら大口を破裂させた悲鳴を轟かせる。
 緊縛師は女の部分を抓んだクリップに接続した鰐口の電流も流す。
 「あおおおーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーー」
 川村由紀の躰は拷問椅子の上で跳ね上がる様に迫上がる。
 顔の表情を歪め引き攣らせた悲鳴を上げ続ける。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は拷問椅子の上で躰をガクガク揺らして暴れ続ける。
 「だめーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーーーーーー。でる。でるからやめてーーーーーーー」
 川村由紀は断末魔の叫びを上げる。
 緊縛師はぎりぎりまで電流を上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は遂に股間から飛び散る様に小水を漏らしてしまう。
 宴会場からは拍手が沸く。
 電流は直ぐ止められた。
 「いやあーーーーーーーー。いやあ。いや。いや。ああーー。ああ。ああ」
 川村由紀は涙を流している。
 「良い映像が撮れたぞ」
 緊縛師は満足そうである。
 「やめろーーーーーーーーーー。こんなもの放送して誰が喜ぶか」
 川村由紀は泣き叫び抗議する。
 「大反響間違い無しよ」
 緊縛師は大真面目である。
 「こんなの見て喜ぶのは一部の変態だよ」
 川村由紀は堪らず反論する。
 「良いか。社会体制が変われば人の心も変わるんだよ。これまで通りなら大反響が来るの間違い無しだ」
 「そんな」
 今の姿をたくさんの人に好奇の目で見られる。川村由紀には堪らない羞恥である。
 
 八峰杏奈らの潜水艦は佐世保に着いて湾内にセイルの先端を浮上した。
 既に陽はとっぷり暮れている。
 ドローンを低空で飛ばして湾内の索敵を行う。
 半分浮上して接岸しかけた潜水艦を発見する。艦首を斜めにセイルの途中まで浮上している。
 ハッチは開いたままである。脱出したと見られる。
 八峰杏奈らの艦は微速でその艦に近付く。
 大路江美が二人連れて向かう。海上に出ていない潜航舵の上を伝ってその艦に渡る。
 開いたままのハッチから入る。床に海水が流れ込んでいるが僅かである。発令所の電灯は点いたままであった。
 まず食料を探す。
 電源のスイッチを探しながら食堂と厨房の在りそうな所に向かう。
 「これも日本の艦」
 「そうね」
 「よく電源が持っているよね」
 「原子炉は艦が退役するまで使えるのよ。燃料棒の交換も要らないのよ」
 「そうなの」
 食堂は見つかった。
 「冷蔵庫は生きているよ」
 「米もある」
 「私達の冷蔵庫は今いっぱいだから乾いたものだけ運びましょう」
 一人が知らせに走る。
 半分の人数が乗り込む。残りは自分等の艦に居て物資を受け取ってリレーして烹炊所に運び込む。
 「暫く冷凍、冷蔵物はこの艦から都度運び出すしかないわね」
 八峰杏奈も大路江美と同じ考えを示す。
 「クレーンも付いているから魚雷とか運び込めない」
 「じっくり検討しましょう」
 その他にドローンや潜水服、ボンベを運び込んだ。
 杉浦瑞樹が食堂の艦尾方向に締まっているハッチを発見した。
 「この先は」
 「駄目よ。艦尾を損傷して浸水ブロックを閉じたのよ」
 「銃弾もある」
 「後は明日にしましょう」
 その日は人数分の冷凍食料を運び出して夕食を摂ることにした。
 「破損してない漁船がある」
 宇垣美佐都がドローンを操縦して発見した。発令所を空に出来ないので食事は二班に分かれて摂る。
 「明日潜水服で見に行きましょう」
 「使うのは最後の手段ね」
 八峰杏奈と大路江美は動かせば即刻衛星に発見されると考えている。
 「夜中に潜水艦が先導して漁船のソナーで追いかけて、魚群を見つけたら網を掛けて一回だけ獲る事は可能よ」
 「そうね。一回だけなら考えられるかも」
 八峰杏奈もやや可能性を考える。
 「無傷に見えるよ」
 宇垣美佐都が今度は護衛艦を発見する。
 「街の方を先に調べましょう。この艦が放置されたものとは限らないよ。無傷だと新政府の艦の可能性もあるよ」
 「でも明かりも何も点いていません」
 「ロボット操艦なら明かりはなくても」
 「そうよ接近は控えましょう。念の為潜望鏡深度まで下がりましょう」
 さらにドローンを市街地に向かわせる。
 「完全に真っ暗よ」
 「そうね。此処も爆撃で破壊されている」
 暫らくドローンで索敵を続けて廃墟を確認する。その後食事をしていたグループと交代する。
 その夜は生ビールで乾杯した。館内は暑いので冷房を使っている。
 冷凍の肉を焼いたヒレステーキ、サラダ、野菜スープのメニューである。まあまあの内容とするしかない。
 
 川村由紀はそれからも何度も電流で責められ二回小水を漏らした。
 ぐったり拷問椅子に沈む川村由紀にドリルバイブが挿入された。
 「なによそれーーーーーーーー」
 川村由紀には見慣れない恐ろしい物である。
 「気持ち良くしてやるのだよ」
 緊縛師は当然のように言う。
 「その鋏んでるの取ってよ」
 クリップに抓まれた部分が相当に痛い。
 「そうは行かない。二時間という目標だ。あと二十五分」
 緊縛師は時計を見ながら言う。
 クリップは両方の乳首で二本。女の部分のビラビラに左右二本抓んでいる。
 緊縛師はドリルバイブを始動する。
 「ぐおおーーーーーーーーーーーーー。うおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーー」
 ドリルバイブの総攻撃に川村由紀は躰を迫り上げ股間を引くように震撼させて暴れる。般若の形相で声を上げ続ける。
 ローションに混じった膣液が股間の周りに飛び散る。
 「うおおーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は眉間に強く皺を刻み大口を開けて責めに声を張上げる。
 「いやはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーん」
 右に左に顔を振り大口を破裂させて喚き続ける。
 「ああーーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あはん。ああーーーーーーーーーーーー」
 顔の表情は軋み歪む。女の部分からはさらにドロドロに濁った膣液が流れ出て飛び散る。
 真っ赤な粘膜の間をドリルバイブの擬似男根が烈しく出入りする。びらびらを抓んだクリップが当ってガチャガチャ音を立てる。
 緊縛師は一気にボリュームを上げる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 烈しい逝き声を張上げて川村由紀の躰は拷問椅子に沈む。
 首は後ろにだらしなく倒れ白目を剥いてしまった。
 緊縛師らは失神したままの川村由紀の躰から戒めを解いて拷問椅子から降ろす。高手小手の縛りも解く。
 そのまま畳に仰向けに寝かせて充電クリップでショックを与える。
 川村由紀は気付いても意識朦朧とした目で周りを見る。
 「よく見ろ失神したお前の姿だ」
 緊縛師はスクリーンを指差す。
 「ああ」
 川村由紀は自分の姿に青ざめる。どうする事も出来ない恥かしさに思考能力は無い。恐ろしい絶望感だけが総てを支配している。
 「さあ。最後の場面だ。そのクリップを取れ」
 緊縛師が宣告する。地獄行きの宣告である。
 川村由紀は股間から取る。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に来るあまりの痛みに畳を転げる。クリップの痕がめり込んだ小陰唇を指で摩って傷みに絶えられず畳みを拳骨で叩きまくる。
 「いいたあいいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 転げながらもう片方も取って投げる。
 「乳首も取れ。マッサージしてやる」
 緊縛師らは電マを持っている。
 客席は静まり返って全員が川村由紀を見ている。壮絶な光景である。
 「ああーーああーーああーーああーーああ」
 川村由紀は痛みに悶え続けて乳首のクリップを取る事も出来ない。
 緊縛師が川村由紀の躰を仰向けに返す。一人が太腿に乗る。二人が左右の腕に乗り肩を押さえる。二人が両側から一気に乳首のクリップを取る。
 「ぐああーーーーーー。ぐらあーーーーーー。ぐああーーぐああーーぐああーーぐああーー」
 川村由紀はサイレンの様に泣き喚き続ける。
 緊縛師は痛む箇所に電マを充てる。
 「ぐがあーーーーーーぐああーーーーーーーーぐああーーーーぐああーーーーーーーぐああーーーーーーー」
 大口を破裂させた強烈な悲鳴である。
 葛城修一は看護師に合図する。
 緊縛師が川村由紀の躰を押さえたまま。男性看護師が二人両側から局部麻酔を注射する。
 「ああーー。はあーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 川村由紀はそのまま気絶してしまう。
 緊縛師らはロボット兵士に手伝わせて川村由紀を用意した部屋に運ぶ。これまでは鉄格子に入れられていた。
 中に運び込みベッドに寝かせる。
 「良く聞け。此処がお前の部屋だ。家賃は要らない。衣服はワンセットだけ洋服ダンスに有る。あとは自分で買え。金は通帳に入っている」
 緊縛師は川村由紀をビンタで起こして説明する。
 「良いか。五百万今夜のギャラとお前が所持していた十万少々がその講座に入っている。ATMの前に立って通帳を入れれば引き出せる」
 顔認証なのである。次の一人が引き継いで説明する。
 「食事をする場所や注意事項はこれに書いてある。今夜は良く休んで明日確認しろ。いいな」
 緊縛師はマニュアルを渡して鍵を置いてそのまま出て行ってしまう。
 川村由紀は暫らく動く事が出来なかった。

 人工知能管理者の帝國 その一 新たなる独裁政権 完







 人工知能管理者のSM帝國 その二 放浪する女だけの潜水艦

 二〇三十年夏至上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 川村由紀はくたくたに疲れた状態で朝を迎えた。精神的な疲れが大方である。部屋は快適で冷房は効いている。
 窓からは姉ヶ崎グランドシティの五十階建ての建物が二列連なっているのが見える。
 川村由紀の部屋から見えるのは姉ヶ崎でT字に成って旧久留里線に沿って連なる並びである。
 眼下には何処までも畑が続いている。農業は無人で総てロボットが耕運機を動かす。
 農地の先は荒れ果てた瓦礫の山である。ロボットによって徐々に開墾が行われている。
 テレビを点けると高島波琉が二ユース番組のアナウンサーを務めている。
 逃げた川村由紀の仲間達。その潜水艦の話題が報じられていた。
 それは川村由紀の胸を締め付ける。
 哨戒機と駆逐艦が追いかけて今だ見つからない。その内容を聞いてやや安堵した。
 「川村由紀さんは四国旧土讃線の善通寺付近で食料を求めて軍に捕まりました。潜水艦は食料が不足でどこかに上陸して食糧確保を行うと見られています」
 川村由紀は潜水艦の食料不足が心配である。上手く食料を確保して安全な場所に逃れてもらいたい。
 恐ろしい責めであった。沢蟹を膣と直腸に入れられて堪えられず白状してしまった。
 昨夜も酷い拷問であった。近日アダルト側のチャンネルで放送されるらしい。
 アダルトチャンネル側に切り替えてみる。
 こっちは高島波琉が全裸で同じニュースを読んでいる。
 全く同じスタジオである。
 一般チャンネルで着ている服は合成だろうか。
 一般チャンネルに戻す。よく見ると合成とは思えない。テーブルの下は何もない。ミニスカートで座る高島波琉のスカートの中は下着が覗く寸前である。
 川村由紀は街に出て食事に行こうと考えた。
 緊縛師が置いていったマニュアルに目を通す。
 とりあえずお金を降ろすべきと思った。そして隣の棟の最上階に在る優、特優ランク女性専用ラウンジに行く事にした。
 二十階までエレベーターで下がってATMの前に立つ。通帳を入れると顔認証が作動して引き出しOKと成る。
 当面の金だけ降ろした。
 此処ではカードは存在しない。現金のみでクレジットカードも電子決済も退化した。借金という概念も無い。
 新都市交通の横のコンコースを歩いて隣の棟に移動する。
 このラウンジもバイキングである。一人朝、昼食千五百円。夕食は二千円となる。
 無料のラウンジも二階に有る。マニュアルには優、特優ランクの女性は二十階より下に行かないよう忠告されている。
 先程テレビに出演していた高島波琉を見かけた。
 高島波琉も川村由紀に気付いた。手を上げてこっちへ来るよう呼びかけている。川村由紀はそう感じた。とりあえずそっちに行く。
 「川村由紀さんよね」
 「そうですが」
 「大変だったでしょう」
 「それはもう。でも貴女は」
 「心配しないで私も同じ様な立場なの。由紀さんと同じ様な動画も作られて放映されています」
 「ああ」
 川村由紀は溜息を漏らす。恐ろしい社会を実感するのみである。
 「下のラウンジ行きました」
 「いいえ。マニュアルに警告されていますから」
 「そう。それがいいです。私は特優なので強姦までされたら男は逮捕されます。でも触ったり、スカートを捲ったりセクハラ程度では許されてしまいます」
 「そんなに危険ですか」
 「今の体制に成って男はみんな狼です。スカートで歩くのも駄目です。スタジオに入ってから着替えます」
 高島波琉は川村由紀に危険を教えてくれたのである。
 「そうなのですね」
 「早く。パンツスーツとかを購入してください」
 「Gパンでも」
 「いいえ。その様な物は売っていません。主席が認めないものは製造されません。大方がスカートです」
 「私達の潜水艦の事が放送されていましたけど何かご存知ですか」
 「いいえ。原稿を読んでいるだけです。食事を済ませたら私の部屋に来てください」
 高島波琉はルームキーの番号を見せて急いで立ち去った。川村由紀と同じフロアである。
 川村由紀はこの場で聞いてはいけない事を聞いたと悟った。
 
 八峰杏奈らの潜水艦は朝に成って昨夜物資を運んだ潜水艦の後ろに停止する。セイルの上面を水面ぎりぎりに出す。そして偵察にドローンを発信する。
 昨夜見付けた桟橋に停泊している護衛艦を調査するのである。
 「周りは静かですね。何処か艦内に入れないかしら」
 八峰杏奈の言葉にドローンは艦橋を回って入口を探す。
 「有りました。ゆっくり中に進入します」
 操縦しているのは杉浦瑞樹である。長身でスマートだが顔は美人というより可愛い女と言える。
 一般に醜婦を誤魔化す意味でポチャという場合が多い。それではなく良い意味のポチャである。
 ドローンが操舵室に侵入するとロボット操艦で無いことは分かる。
 「大丈夫そうね。乗り込みましょう」
 八峰杏奈が宇垣美佐都を促して潜水服に着替える。
 「貴女はドローンで監視を続けてください」
 八峰杏奈は杉浦瑞樹にそう頼んで宇垣美佐都と二人で向かう。
 泳いで桟橋に這い上がり其処から乗り込む。停泊していたままの艦である。
 「この人が艦長だったのね」
 艦橋に写真が掲示されている。
 「女性なのですね」
 「多分、練習艦だったのでしょう」
 確かに新鋭艦とは思えない。
 「新政府が回収しないのですか」
 「普通の艦の設備ではロボット操艦で使えないからでしょう。改造するよりAI技術では新規に建造したほうが早いのでしょう」
 「そうですね。短期間に都市機能を回復するのですから」
 「もう少し民主的な人が実権を持ってくれたらよかったのに」
 「そうですね」
 その艦から得られるものはクリーニングされた自衛官の服と僅かな包帯などだけであった。食料は冷蔵庫が止まっていて腐敗していた。
 続けて佐世保市内の調査を進める事にした。
 
 姉ヶ崎グランドシティではまた一人の女が捕らえられた。
 シティ内は完全な監視社会である。女は集会を企画したというだけで逮捕された。
 その日の宴会は変更されてその女の拷問と成った。大会議室に変更して準備する。
 それまで女は自室に監視付きで待たされる。恐怖に怯え続ける時間である。
 この女は椿原圭子という。高島波琉らとは二ランク下がる。一般有料で働かされていた献身婦である。年は三十丁度になる。
 
 川村由紀は食事を終えて高島波琉の部屋に向かった。
 高島波琉は川村由紀をリビングに通す。窓からは東京湾が一望出来る。千葉市内から都内に向けて総て瓦礫の山である。
 ロボット部隊の片付けも時間の掛かる都心部は後回しにした。比較的整備しやすいところから計画森林にしているのである。
 「また一人。誰かが逮捕されたみたい」
 「反逆という事ですか」
 「そう。僅かな事で直ぐ。戦前の中国の様な監視社会よ」
 戦前とは太平洋戦争ではない。この度世界の大方滅ぼした核戦争より前という意味である。
 「ああ」
 川村由紀は事態を飲み込みつつある。
 高島波琉は川村由紀の尋ねた経過を説明した。潜水艦四席が川村由紀の仲間の潜水艦に撃沈された事などである。
 そのあとはお互い新政府への不満をぶちまけ合って意気統合した。
 川村由紀は八峰杏奈らが逃げ続ける事の難しさを感じずに居られなかった。そして新政府は捕らえるより撃沈する意向である事が分かった。
 「ねえ。今日の拷問実況中継よ」
 「・・・・・」
 川村由紀は恐ろしさに驚愕する。
 
 緊縛師が椿原圭子を迎えに来る。
 このとき椿原圭子は異常に暗い予感がした。
 大会議室では三十名程の大臣及び官僚らが列席していた。葛城修一主席を正面にして真ん中を広く空けて左右二列に座る。
 その後ろは護衛のロボット兵士が警護に囲んでいる。
 全員ではない半分位の人数である。本日コンパニオンも居ない。全部キャンセルと成った。
 テレビカメラが入り実況の準備も出来ていた。
 本日の拷問は緊縛師が補助で役人が担当する。
 幹部警察員二人が待ち構える。そこに緊縛師が椿原圭子を連れて来る。幹部と雖も官僚ではない。実行役である。
 着くなり緊縛師に押さえさせて全裸にしてしまう。
 椿原圭子は唇を噛んで堪える。
 「ああーーー。ひどい」
 テレビで観ている川村由紀が悲鳴を上げる。
 「当たり前のように裸を晒されてしまうのよ」
 高島波琉は悔し涙を溜めている。
 強固な権力に従わざるを得ないので裸でニュースを読むシーンを撮影した。それでも川村由紀と二人だけの今は悔しさが込み上げる。
 幹部警察員らは緊縛師に命じて竹竿に両手を広げて縛らせる。その竹竿を天井から吊るす。
 二名とも竹刀を持っている。
 行き成り乳房を竹刀で叩く。
 「うおおーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は反動に膝を蹴り上げて躰を震撼させる。
 「お前は女性同盟を呼びかけただろ」
 もう一人も竹刀で太腿を叩く。
 「うーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は叩かれた片方の脚を後ろに蹴り上げる。
 「これ相当に痛いよ」
 高島波琉は青ざめて観ている。
 警察員の二人は容赦なく叩き続ける。
 椿原圭子は顔から汗を噴き乳房も太腿も痣だらけにされる。二人の警察員は女の白い肌をずたずたにする事に加虐心が滾っている。
 「うおーーーーーーーーーー。ううおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子が轟かせる絞りだすような悲鳴。これに二人の警察員は陶酔して責めまくっている。
 「残酷よ。こいつ等」
 高島波琉は怒りを吐き出す。
 「酷い」
 川村由紀も人事ではない。自分の仲間が捕まったらとことん拷問される。
 「誰と誰がお前の案に賛成した。名前を挙げろ」
 警察員は詰問に掛かる。
 「・・・・・・・」
 椿原圭子は何も答えられない。
 「そろそろ責めを変えろ」
 葛城修一が指示する。
 「山芋の汁を使って痒み責めで吐かせますか」
 警察員がお伺いを立てる。
 「この女に今それは使うな。一通り晒しものにしろ」
 葛城修一の言葉はテレビ放映には反映されて無い。
 「既に誰か他にも拷問されているかもしれないね」
 高島波琉は首脳の動きを警戒している。
 「どうして」
 「人数が少ないの。二班以上に分かれているかもしれないよ」
 「ああ」
 川村由紀は暗い表情で観ている。自分の時と比較して人数が少ないと分かる。
 警察員は緊縛師に次を要求する。
 緊縛師は椿原圭子の脚首に縄を掛けて脚を吊るし上げる。股間が大きく開いて女の部分が丸出しになる。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は泣き悲鳴を上げる。
 もう片方の脚首も縄を掛けて引っ張り上げる。
 「ああーーーーーー。いや、あーあーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は堪らない辱めに悲鳴を上げて藻掻き暴れる。
 椿原圭子の躰は三本の縄で空中に吊るされた。恥かしい上に体勢が辛い吊るしである。
 アナルに浣腸液を注入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子はまた堪らず悲鳴を上げる。
 「此処では幾ら生活を保障されても女は性奴隷なのね」
 川村由紀は嘆きを漏らす。
 「でも大方が逆らわないよ。これだって密告した女が居るのよ」
 「ええ」
 川村由紀はもっと深刻な顔になる。
 浣腸液を注入し終わるとアナル栓を捻じ込む。
 さらに警察員は椿原圭子の女の部分を両手で強く広げる。それは拡大して画面に公開される。国民に見せて羞恥の烙印を押す目的である。
 「潮を噴かせて」
 警察員が緊縛師に要求する。
 緊縛師二人が吊るされた椿原圭子の太腿を左右から抱かかえる。あと一人の緊縛師が膣に深く指を侵入させる。
 「ああーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は髪を振り乱して喚く。
 緊縛師の指はプロである。悦びを与えるより一気に噴かせる。膣の奥深くを責めて膀胱を押し上げる。
 「うおおーーーーーーーーーーーー。おおーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーだめーーーーーーーーーー」
 椿原圭子の股間から潮が乳房の高さまで噴き上げる。
 「あーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は表情を破裂させて喚きながらかなりの量を噴き上げる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 ようやく収まったが椿原圭子はぶるぶる震えている。
 警察員は透明で大きなボウルを持って来る。椿原圭子を吊るした真下にそれを設置する。
 椿原圭子は襲ってくる腹の痛みに表情を歪めている。
 「そろそろいいかな」
 警察員はそれを見てアナル栓に手を掛ける。
 「ああーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴である。
 警察員はアナル栓をぐりぐり揺すって抜き取る。
 ずずずーーーーーーーーーーーーー。ぶうーーーーーーーーーーーーー。
 大音響と共に椿原圭子のアナルから茶色い水が流れ出す。続いて塊の便が断続的にボウルに落ちる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 羞恥に堪えられない悲鳴である。
 観ている高島波琉と川村由紀は顔を見合わせて無言である。そのまま怒りに画面を睨み続ける。
 緊縛師と警察員は次の拷問を話し合っている。
 
 八峰杏奈らは破壊された佐世保の街をドローンで偵察する。
 彼女らに必要に迫っているのは衣類。特に下着である。ホームセンターとか洋品店の残骸の中に残っていないか探している。
 見渡す限りコンクリートの残骸だらけである。
 「だめだねえ」
 「完全に街は破壊されているよ」
 佐世保駅の上を通過したドローンの映像。それを見て駅の跡と分かるにも時間が掛かる。そこまで破壊されているのである。
 「長崎に移動しましょう」
 宇垣美佐都が提案する。
 「潜水艦の食料は」
 杉浦瑞樹はせっかく確保した食料が気に成る。
 「戻ってこればいいでしょう」
 「そうよ。下着が無ければフェイスタオルで褌作るしかないよ」
 大路江美も同意見である。美人の言葉に褌とは色気が無い。そうは言っても全員が女である。
 艦は長崎に進路を取った。
 池島沖に差し掛かった。
 「爆音です」
 聴音器の杉浦瑞樹が叫ぶ。
 「機関を止めて海底に着底するのよ」
 艦は浅い深度で航行していた。長崎湾、さらに佐世保湾は浅い。静かに深度を下げて海底に着底する。暫らくそのまま待つ。
 「もう此処まで飛んでくるのね」
 「まだ見つかってないよ」
 「長崎湾に入るのは危険では」
 「佐世保はもっと危険よ。殆ど海底すれすれだった」
 「長崎湾を女神橋の手前まで行ってドローンを出しましょう」
 八峰杏奈の判断で艦は一時間待機して長崎に進路を取る。これまで哨戒機に出会う頻度が高くないとの判断である。
 橋の下でセイルの上端部を出してドローンを四機発信する。
 「出島の辺り。ショッピングモール。壊されているけど焼けてないです」
 宇垣美佐都が見つける。大方街は焼け野原である。
 「でも浅いからこの艦ではそこまでは行けないよ」
 「待って。直ぐ其処にボートが数隻いるよ」
 「其処まで橋の下から陸伝いに行けるかな」
 「もう少し近付いて潜水服で泳ぎましょう。五百メートルくらいです」
 宇垣美佐都の提案である。
 「誰が行く」
 「私が行くよ。美佐都と」
 「私ボート操縦出来ます」
 舵機を担当していた渡邉麻衣が名乗る。三十一歳卵形で細面顔の美人である。
 「潜水服は要らない。救命胴衣で行きましょう」
 八峰杏奈、宇垣美佐都、渡邉麻衣の三名で出発する。
 幸いエンジンの掛かるボートが見つかった。縦に長い湾内を約四キロ進む。右も左も破壊し尽くされ焼けた街の残骸である。
 ボートが数隻係留されている桟橋に着ける。直ぐ後ろに半分破壊されたショッピングモールが横に伸びている。
 下着などの確保が最優先である。
 幸い崩れてない店舗の奥から紐で縛ったショーツ、ブラ、タンクトップが見付かった。詰めるだけボートに積み込んで潜水艦に真っ直ぐ戻る。
 このボートの航跡が衛星に発見されてしまった。
 哨戒機が引き返して来る。
 「急いで。哨戒機が」
 セイルのハッチから物資を投げ込んで三名が中に入る。最後の八峰杏奈がハッチを閉めて潜行する。
 湾内に向けて哨戒機が爆撃を開始する。八峰杏奈らの艦の直ぐ後ろで爆弾が炸裂する。
 速度を上げて震度が浅いので南西諸島に向けて進路を取る。
 哨戒機が集って付近の索敵を続ける。
 「危なかった」
 「一千メートルくらい有るところに行って着底した方がいいよ」
 大路江美は慎重である。
 後方で暫らく哨戒機は爆雷を落としていた。
 
 椿原圭子は大会議室で駿河問いに吊るされている。
 手首を肩の後ろで縛り合わせ脚首は腰の後ろで縛り合せている。さらにその手首と脚首を纏めて縛っている。
 そこにフックが付けられている。それを天井から下がったフックに吊るされた状態である。
 腹が吊るしの一番下になる。躰は空中に五角形を描いている。そして首だけが肩の間から垂れ下がったべこの首の様にぶら下がっている。
 大型のガスコンロが運び込まれる。それを椿原圭子の吊るしの真下に置かれて着火された。
 「さあ女。白状しないと下から火で炙るぞ」
 椿原圭子は苦しい駿河問いの吊るしに藻掻き続ける。
 その時、高島波琉らのテレビ画面に臨時ニュースが文字で入った。
 『長崎で不振なボートの航跡発見。闘争中の潜水艦の関連か?哨戒機三機が付近を哨戒中』
 川村由紀に緊張が奔る。
 「どこまで潜水艦一隻追い詰めるのかな」
 「主席は世界中全部一掃する意思よ。姉ヶ崎グランドシティ以外一切人類が居ない様にすると宣言しているのよ」
 高島波琉が直接テレビで原稿を読んだ話である。
 「それじゃ到底逃げ続けられないね」
 川村由紀は暗澹たる思いである。
 椿原圭子は火で炙られ吊るされている躰を迫り上げる。火から逃れようと藻掻き続けている。
 顔からも躰からも汗が流れ出ている。
 警察員はまた竹刀を持ち出す。
 斜め下を向いた椿原圭子の乳房を薙ぐ様に叩く。
 「うお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子の躰は後ろに跳ねる。大口を破裂させて悲鳴を轟かせる。
 もう一人の警察員は竹刀の先端にスキンを被せる。
 椿原圭子の躰の後方から片方の太腿を押さえる。そしてもう片方の太腿を緊縛師に押さえさせる。竹刀の先端を椿原圭子の女に挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴になる。
 警察員はその竹刀を持って椿原圭子の躰を押して振り回す。
 「ああーーああーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 緊迫した泣き悲鳴がサイレンの様に轟く。
 「ああーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴である。
 「ああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 観ている川村由紀も堪らず叫んでしまう。
 椿原圭子の顔からは汗と涙が飛び散っている。
 「ひどい。酷過ぎ」
 高島波琉も堪らず声に出してしまう。
 「あれじゃ避けちゃうよ」
 川村由紀は悲痛な目でそう呟く。
 「ひどい。見せしめにしようとしているのよ」
 高島波琉も怒りを露にする。
 「ぐわああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーー」
 椿原圭子の悲鳴はさらに腹の底から絞り出す様に強烈になる。
 緊縛師が二人両側から椿原圭子の肩を押さえる。残る一人の緊縛師が口に開口器を押し込む。
 乳房を竹刀で薙いだもう一人の警察員も竹刀の先端にスキンを被せる。それを口の開口器に突っ込む。
 「おごおおーーーーーーーーーーーーーーー。ごおおーーーーーーーーーー」
 椿原圭子は苦しい悲鳴を絞り出す。
 下から熱い炎も襲っているのである。
 一人が口に入れた竹刀を強く押す。その状態でもう一人が膣に入った竹刀を突き上げる。
 「ごおお、お、おーーーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子の躰は空中でさらに腹を強く丸める。
 「うおーーおーーおーーおーーーーーーーーーーーーーー」
 椿原圭子の躰は空中に二本の竹刀で前と後ろから突き上げられる。顔の表情を破裂させて空中で固まる。
 「完全に子宮を押し潰されているよ。恐ろしい」
 高島波琉はもう見るに堪えられない。
 ようやく椿原圭子は駿河問いから床に下ろされた。そのまま緊縛師らの手で開帳台に乗せられる。
 「どうだ。お前の呼び掛けに応じた者は誰と誰だ」
 「はあ・・はあ・・はあ・・はあ」
 椿原圭子は何も答えない。殆ど虫の息である。
 「白状しないとお前の子宮を取るぞ」
 警察員は最後通告をする。既に医療チームは待機している。
 「ころせーー」
 椿原圭子は顔面蒼白である。
 麻酔が掛けられる。
 健康な子宮摘出手術がそのまま公開された。
 
 八峰杏奈らの潜水艦は海上が静かになったのを確認して潜望鏡深度まで上昇する。既に哨戒機は居ない。
 「どっちへ向かおうか」
 八峰杏奈が問い掛ける。
 他の者も考え込む。
 「一度佐世保に戻りましょう」
 大路江美は夜間なら問題ないと提案する。
 「でもあそこで見付かったら浅いです」
 宇垣美佐都はハッチから急いで乗り込んだ恐怖が消えてない。
 「夜間だけ佐世保に入りましょう。見つけた食料を無駄に出来ないよ。敵も直ぐそんなところに現れるとは考えないよ」
 佐世保で半分沈んだ潜水艦から冷蔵庫、冷凍庫を整理して運べるだけ運び込む。直ぐに潜行して湾内から出る。
 半舷ずつ食事を摂る。
 確保した下着類の抽選会も行った。
 佐世保沖に着底して行き先を検討する。
 海図を見ながら安住の地を探そうとするが悩ましい。
 「食料は当分大丈夫だけど。静かに上陸出来るところは無いよね」
 八峰杏奈は悩ましい表情で海図を眺める。
 「対馬はどうかな。比較的周りの海が深いから潜水艦を隠せるよ」
 大路江美は島に拘っている。
 「韓国に近過ぎて危険です」
 完全に朝鮮半島は核に汚染されている。宇垣美佐都は否定する。
 「そうね」
 大路江美もそれは理解する。
 「利尻か礼文は。香深か沓形なら防波堤の内側に接岸出来るよ」
 八峰杏奈は辛うじて潜行したまま陸に上がれる場所を見つけた。
 「ロシアまで三百キロ大丈夫ですか」
 宇垣美佐都は疑問を呈する。
 「行ってみないと」
 大路江美は八峰杏奈の案に賛成する。
 とにかく日本海側から進路をとる事にした。
 
 姉ヶ崎グランドシティ。五井寄りの一角。その外部にガラスのハウスが置かれた。透明で内部が丸見えである。
 便器、風呂まで透明で寝る為のエアーマットだけが黒い。
 子宮を手術で摘出された椿原圭子が入れられている。近くの棟から丸見えである。
 浴室の湯、飲み水、食事はロボットが定時に搬入する。便器は下に穴が掘られていて垂れ流しである。
 完全に椿原圭子は晒し者の刑にされた。
 高島波琉や川村由紀の部屋からは見えない。だがコンコースのモニターに動物園の檻の様に実況される。
 
 姉ヶ崎グランドシティその中央棟。CIC本部。其処は最上階を二つ下がった大部屋である。
 主席の部屋は最上階に別に存在する。だが葛城修一は大部屋にも自分の席を置いている。
 海軍長官と陸軍長官が戦況を報告していた。
 「イングランドの制圧にあとどの位掛かる」
 「もう殆ど軍としての抵抗はありません。あとは残存する国民を一掃するだけです」
 陸軍長官が答える。
 葛城修一は地球上から日本民族以外を一掃する意思である。それで今後の戦争は無くなると意図している。
 「間違いなく地球上の核は一掃出来たのだな」
 葛城修一に取って核は必要ない。全部抹消して無くしてしまう。
 「間違いございません」
 海軍長官がきっぱり答える。核を使って総て核で破壊し尽くすことによって処分したのである。
 「核原潜も一掃出来たのか」
 「艦名辞典に存在する潜水艦は総て残骸漂流物が確認出来ています」
 「何故。川村由紀の仲間の潜水艦が漏れた」
 「漏れたのではございません。中国軍に降伏して瀬戸内海に乗り捨てられていたのをカウントされていました。それに女どもが住み着いたのです」
 「対戦潜水艦でも魚雷に積む核弾頭は無かったのか」
 「その確認は行ったはずです。但し艦が動くかどうかは確認事項に無かったはずです」
 「そこは人工知能のチェックではないな」
 「将校が全部チェックして報告も上がっています」
 「判った」
 「あとその女連中は破損している潜水艦に残った食料を手に入れた可能性があります」
 「原子炉が止まってなかったからだな」
 葛城修一もその事態に気付く。
 「日本近海にはそんな数はありません。いつまでも続きはしません」
 「判った。警察長官を呼べ」
 直ぐに警察長官が葛城修一の席の前に来る。
 「椿原圭子の仲間は割り出せたのか」
 「密告。あ、いや報告した者以外全員拷問しましたが深入りしたものは居ないと思われます」
 やや頼りない報告である。葛城修一は不満だが敢えて咎めない。
 「全員が良クラスだな」
 「そうです。木更津十八号棟の面々です」
 「移動させますか」
 「報告したものだけ他に移せ。少し待遇を上げて。それ以外は感染病と同じだ。隔離封鎖だ」
 「かしこまりました。厚生長官にそう伝えます」
 警察長官は席に戻った。
 
 八峰杏奈らの潜水艦は沓形に着いて防波堤の内側に接岸した。セイルの上の部分しか出さない。
 潜航舵の上を伝っても防波堤までは僅かに泳ぐしかない。救命胴衣を着けて大路江美と渡邉麻衣が上陸する。
 直ぐに壊されてないホテルの様な建物を発見した。
 中に入ると静まり返って人が居る気配は無い。電気も供給されて無いらしい。
 ヘルメットと手持ちの懐中電灯で中を調べる。
 「完全に人は居ないね」
 「建物は有っても電気が通らないと」
 「原潜で充電したバッテリーを使えば何とか成るよ。でも灯火を外には出せないからね」
 「そうね」
 「ホテルといっても中は日本旅館ね」
 「でも此処が使えたら潜水艦の中の窮屈さからは開放されるよ」
 渡邉麻衣はやっと狭い艦内から解放されると期待する。
 「厨房は使えないよね」
 「それは無理ね。食事は艦の中よ」
 「庭が広いけど野菜は作れないね」
 大路江美は何とか野菜を作りたい。
 「無理よ。衛星から見付かる。でも室内栽培は出来るよ」
 「一日おきに半分ずつ上陸かな」
 「そうね」
 そのあと二十人くらいが夜の内に上陸した。食料は大方駄目である。米の備蓄だけが収穫であった。
 その夜は上陸した十八名を畳みの部屋に布団を敷いて休ませた。
 大路江美と渡邉麻衣は艦に戻って八峰杏奈らと打ち合わせを続けた。
 「昼間艦との移動は危険ね」
 八峰杏奈はそこが不便と言いたい。
 「昼間は艦を着底しないと駄目よ」
 大路江美もそれが何ともならないと嘆く。
 「食事はあそこで作れないよ」
 「もやしとかかいわれ大根の室内栽培だけね」
 「米は有ったけど。作らないと何れはどうにも成らなくなるよ」
 大路江美はそれが心配である。
 「全部合わせて一年以上は有るけど。その先はね」
 「みんなで話し合って案を出し合いましょう」
 「潜水艦からあのホテルに電気を送れないかな」
 「有線誘導魚雷のケーブルを流用したら」
 「あのくらいの距離ならケーブルは艦内にも他に有るよ」
 「この島に発電所は無いの」
 「あると思う。海底ケーブルで電気を送って来るとは思えないよ」
 「でも原発では無いよ。火力なら燃料の限界はある」
 「水力なら」
 「調整すれば使えるかな」
 「この艦から電力を送るのが無難よ」
 八峰杏奈は確実な方法を主張する。
 夜の内にケーブルを這わせてホテルに電力を送った。
 だが既にホテルに残っていた宇垣美佐都らが電力を調査していた。
 ブレーカーを上げるとそのまま電気は点いた。電気は島の水力発電所から送電されているままであった。
 灯火が漏れないように雨戸を総て閉めた。
 さらに太陽光発電と蓄電池の存在も発見された。
 「こっちで調理が出来るのね」
 大路江美は一つ懸念が解消したと喜ぶ。
 「ガスはプロパンだから駄目です。IHコンロが有ります。電気釜も」
 宇垣美佐都が状況を説明する。
 何とか島で生活出来る目処はたった。
 「でも食料の目処は米以外半年よ」
 大路江美は不安を表明する。
 「この島と礼文島を歩いて探検しましょう」
 八峰杏奈は一か八か覚悟を決める。
 「夜はライトを照らさないと無理だし。昼間は」
 「そうかしら。ボートの航跡は分かっても人一人くらいは」
 「みんなを潜水艦に隠れさせて私たちで動きます」
 大路江美も覚悟を決める。
 「いい」
 八峰杏奈が大路江美に了解を取る。
 「はい」
 大路江美も同意した。
 翌日ドローンで島全体を偵察する。
 「南の方に畑か田圃らしきは有るけど。作物は皆無」
 杉浦瑞樹がドローンの映像を報告する。
 「違うよ。笹と針葉樹林だよ」
 渡邉麻衣が確認して否定する。
 「殆ど漁業しか無いです」
 宇垣美佐都も落胆している。
 そして太陽が沈んで全員が潜水艦に移った。
 朝早く八峰杏奈と大路江美で出発する。その日は沓形の街を探訪することにした。
 二人が戻るまで渡邉麻衣をリーダーにして潜水艦は潜望鏡深度で待つ。事態が緊迫したら一度島を離れる。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟最上階。畳の宴会場である。
 その日も余興が行われた。
 今夜は高島波琉と川村由紀が引き出された。
 別々に部屋から呼び出され座敷の控室で一緒になった。何故この二人なのか衝撃が奔る。
 「どうして私たち二人なのですか」
 高島波琉は緊縛師に詰め寄る。
 「主席に聞いてくれ。主席のご指名だ」
 緊縛師らは宴席に引っ張って行く。
 六十人くらいが両側二列でロボット兵士六十が後ろを囲んでいる。正面には葛城修一が居る。
 高島波琉は緊縛師の押さえを振り解いて上座の方に歩いて行く。
 「何でこの二人なのですか」
 高島波琉は気丈にも単刀直入に突っ込む。
 「仲良しらしいからだ。一人五百万だ。悪い話ではない」
 「お仕置きではないのですか」
 「違うよ。二人なら仲良くして結構。幾らでも愚痴れば良い」
 「どうして私ばかり回数が多いのですか」
 「人気が有るからだよ。お前らの再生回数は大変多い」
 葛城修一は愉しんでいる。
 宴席は一人に二人のコンパニオンが付いている。
 葛城修一の前は皿の刺身が置かれ全裸のコンパニオンではない。和服姿の女が横に座っている。
 女は木下有紀路と言う。まだ二十六歳である。
 木下有紀路は高島波琉らの前に立つ。
 「今日は私が担当です」
 高島波琉も川村由紀も瞬時に恐怖を覚えた。
 「さあ。脱いでもらうよ」
 木下有紀路は既に縄を用意している。
 緊縛師が葛城修一の前に向かい合って立たせる。
 緊縛師が川村由紀に三名。高島波琉に二名掛かる。二人が両肩を押さえる。高島波琉には木下有紀路が脱がしに掛かる。川村由紀は緊縛師が担当する。
 座敷に十露盤板が運び込まれる。一つだけである。一人ずつ拷問を行う手順と思える。
 木下有紀路が川村由紀を高手小手に縛る。
 高島波琉は全裸で立たされたままそれを見ている。
 木下有紀路は押し付けるように川村由紀の躰を十露盤板に座らせる。
 「ううーーーーーーーーー」
 十露盤板は四角い角材八本が角を上にして台に打ち付けられている。座るだけで脛が痛い。
 川村由紀は表情をやや歪める。
 十露盤板に正座させた川村由紀。木下有紀路はその膝の上に空の水槽を載せる。水槽の高さは乳房の上までくる。
 緊縛師が水の入ったポリタンクを押して来る。
 小型のポンプも運び込まれる。ポリタンクからポンプで水槽に水を流し込む。水槽は徐々に重くなる。
 この体制に川村由紀は驚愕の表情になる。
 さらに蛇を入れた水槽が運ばれる。
 「ぐううーーーーーーーーーー」
 川村由紀は水槽の重みによる圧迫と十露盤板の角の傷みに藻掻き始める。
 高島波琉は悲痛な表情で見ている。
 川村由紀の膝に載った水槽に半分程度水が溜まった。木下有紀路はそこに蛇を投げ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀の表情は縮み上がる。恐怖に怯えて甲高い悲鳴を上げる。
 別の水槽に入っていた五匹を全部投げ込む。
 川村由紀の膝に載った水槽はどんどん水嵩を増す。
 このままだと水が溢れて蛇が外に出るのではないか。川村由紀は恐怖に震え懊悩する。
 やがて水が溢れ出す。川村由紀の躰を伝って十露盤板の下から流れ出る。
 緊縛師二人がバキュームでそれを吸い取る。
 「ううーーーーーー。いやあーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 川村由紀は蛇の恐怖と水槽の重みによる圧迫に藻掻き苦しみ叫ぶ。
 「ああーーーーーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー」
 それでも蛇は水槽から出ることは無い。
 木下有紀路が蛇を一匹掴んで川村由紀の乳房と水槽の間に尻尾から垂らす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀の悲鳴はサイレンと成る。そして畳みに溢れて流れる水槽の水に黄色い液が混じる。失禁したのである。
 木下有紀路は直ぐに蛇を水槽に戻す。
 「ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は恐怖と苦しみに喚き散らす。
 木下有紀路の合図で水を止める。緊縛師二人がそのまま水槽を持ち上げて台車に載せる。
 川村由紀は頭から十露盤板の横の畳に倒れこむ。そして倒れたまま脚の痺れに涙を流して藻掻く。
 川村由紀はそのまま放置である。
 続いて拷問椅子が運び込まれる。それに緊縛師が三人掛かって高島波琉を縄で厳重に磔る。
 「土手の毛が生え始めているから綺麗にして」
 木下有紀路の指示で緊縛師が高島波琉の土手にローションを掛ける。そして五ミリくらいに伸びた陰毛を剃刀で剃ってしまう。
 高島波琉は恐怖の目で剃られる土手を凝視している。
 広げられている脚は色が白く形もすっきり綺麗である。余分な肉はついてない。脚載せ台に脛は真っ直ぐ伸びている。
 股間は二枚貝が大陰唇の中にすっぽり隠れている。
 緊縛師が女の部分を広げる。殆ど縁に厚みは無い。縁の裏側はやや薄い小豆色である。広げた内部は緋色の粘膜が広がる。
 尿道の小さな亀裂の下に膣口は粘膜が複雑に閉じ合わせている。
 それがスクリーンに拡大して映し出されている。高島波琉は紅が差した表情を硬くして目を瞑って堪え続ける。
 これがテレビに放映されるのである。街中の男がそれを見る。リクエストで後日三つ目のチャンネルで個別に録画が何度も見られる。
 高島波琉は前回自分が責められた動画を見て絶望に堕とされた。性器の隅々まで鮮明に映されている。
 恐ろしくて二十階より下には絶対に降りられない。
 「さあ。浣腸してお○○ことアナルに蛇入れましょうね。蛇イレポンよ」
 木下有紀路はさらりと恐ろしい宣告をする。
 「何ですって。ふざけないで。気い狂いますよ」
 高島波琉は目を吊り上げて抗議する。
 「あーら。お○○○んの代わりに蛇で気持ちよくしてあげるのよ」
 木下有紀路の声は完全にふざけている。
 「やめてーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は悲鳴交じりの抗議である。
 「そう。可愛い蛇ちゃんはそんなにだめーー。それじゃ鰻にしてあげる」
 木下有紀路はまだふざけている。
 「やめてーーーーーーーーーーーーー。そんなのたえられませーーーーーーーーーーーん」
 高島波琉は必死に訴える。
 「あーーら。裸のアナウンサーだから躰には傷つけないようにと配慮しているのよ。生物責めが妥当じゃない」
 木下有紀路は何とも心の底を抉る虐め方である。
 「気い狂ったら。あーー。ああーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は恐怖に喚く。ヒステリー状態である。
 「主席。蝋燭とスパンキングなら傷は残しません。よろしいですか」
 木下有紀路は態と葛城修一にお伺いを立てる。
 「その女の躰は絶品に綺麗だ。女は顔だけではない。スタイル、皮膚、乳房、性器まで美しくなければいけない。その為スタイリストが付いている」
 葛城修一の言葉は高島波琉を安堵とその半面絶望に堕とす。それでも高島波琉は身を護る方を取る。
 赤い和蝋燭を太く作ったものが運ばれる。それを丁度良い大きさのグラスに落とす。火を点けてそのまま待つ。
 「蝋燭で真っ赤にしてあげるよ。溶けるまでもう少し貴女の女を見せましょうね」
 そう言って木下有紀路は緊縛師に川村由紀を指差し指示する。
 もう一台拷問椅子が運ばれる。
 それに緊縛師が三人掛かって川村由紀を縄で厳重に磔る。
 向う脛の十露盤板の痕が痛々しい。
 川村由紀は唇を噛んで緊縛師らを睨む。
 「蝋燭が溶けるまでお○○こを比べましょうね」
 木下有紀路の言葉に宴会場から拍手が沸く。
 高島波琉と川村由紀には心の底を抉られる拍手である。これに二人が慣れるのはまだまだ時を要する。
 二人の躰は拷問椅子の上で腰を高くして顔は股間の後ろに見える。二人とも逸らせられる限り顔を斜め後ろに逸らしている。
 川村由紀の方が恥ずかしさに顔を薄紅に染めている。
 スクリーンには顔と閉じ合わせた女の部分がそれぞれ投影されている。スクリーンは二つ並べて四箇所に設置されている。
 緊縛師は二人ずつ各々の拷問椅子の両側に膝を付く。指で両側から高島波琉と川村由紀の女の部分を閉じ合わせているびらびらを広げる。
 川村由紀のその内部は薄橙に綺麗に広がる。縁はやや小豆色である。尿道の亀裂は中央やや上に切り込んでいる。
 膣口は幾つかに粘膜の壁が割れて小さく窪みが掘り進んでいる。
 綺麗で艶めいた女の部分と言える。
 高島波琉と見比べて十人十色に違う部分である。そしてどちらも欲情をそそらせる。
 さらに緊縛師は二人の膣にクスコを挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。もういやあーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉はこの恥ずかしさに泣き声を漏らす。
 川村由紀は既に憮然として無言である。
 二人とも目を瞑って顔は恥ずかしさに火照らせる。男性をとことんそそらせる姿である。
 「そろそろ蝋燭が溶けてきたよ。さあ。蝋燭のブラジャーを着ましょうね」
 木下有紀路は高島波琉にやんわりと言葉が染みるように言う。
 「ああ」
 高島波琉は怯えた顔を逸らせる。
 木下有紀路は蝋燭の溶けたグラスを手袋で掴む。そのまま高島波琉の胸の上に持って来る。
 高島波琉は目を細めて辛い表情でそれを見る。
 木下有紀路はゆっくりグラスを傾けて垂らす。白く肌理の細かい乳房の皮膚にべったり掛かる。
 「ああーー。あはあーーーーーーーーー。ああーーーーー」
 高島波琉は辛い顔を引き攣らせて悲鳴を漏らす。
 木下有紀路はさらに蝋涙を流す。
 「ああーーああーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は甲高い声で悲鳴を流す。極端に大きな悲鳴ではない。
 「ああ。はあ。ああーー。あはあー」
 それでも木下有紀路は反対側の乳房に流す。
 「ああーーーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーーーーーーー。はああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔の表情は泣いている。破裂する程ではない。眉間の皺が辛さに表情を歪めている。
 木下有紀路は続いて土手に流す。真っ赤な蝋涙が剃毛された土手を染めて流れる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は眉間に皺を緩く刻む。豊麗線は頬に強く浮き出る。妖艶な泣き顔である。
 緊縛師が横からクスコを抜き取る。
 木下有紀路はさらに女の部分に流すように掛ける。
 「あはあはあはあはあーーーーーーーーーーーーーーー。ああ。はあ。はあ。はあ」
 高島波琉は縛られた躰を斜めに捩る。怯えた顔を歪めて荒い息遣いを続けて堪える。
 木下有紀路は次の蝋燭に持ち替える。
 「ああーーー。もう。もう。ゆるしてーーー」
 高島波琉は美しい泣き顔で許しを請う。背中は恐怖に汗を掻き拷問椅子の背に濡れが確認出来る。
 木下有紀路はそれでも容赦はしない。蝋燭を土手の上辺りに持って来る。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 蝋涙は土手に被った蝋の上から被りその下に流れる。閉じた女の部分を上から真っ赤な蝋涙が包む。
 「ああーーあはああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーー。ああ。はああ。はあ。はあ。はあ」
 高島波琉の白い顔は土色に染まる。顔からやや汗を噴いている。眉間には悩ましい皺を二重に刻む。歯を剥き出した表情でもこの美人顔はそそらせる。
 木下有紀路はさらに乳房に掛ける。蝋涙の掛かってない白い肌を塗り潰すように蝋涙を流してゆく。
 「ああ。あはあーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー。あはん。あはあん。ああ。ああ」
 形良く左右に少し外を向いた丸い山形の乳房。それに円筒形の薄紅の乳首が尖っている。掴みたくなる乳房である。白く肌の肌理も美しい。
 木下有紀路の掛け方は乳輪まで蝋類に包みながら乳首は突き出している。
 もう片方は乳房全体にべったり被っている。
 木下有紀路は鞭を取る。先端が蝿叩き半分位のチップに成っている。長さ七センチ幅四センチくらいである。
 その部分は少し柔らかく撓る。
 木下有紀路は乳房の蝋涙に指で触れる。状況から鞭を畳みに置いて暫らく蝋涙が固まるのを待つ。
 「さあ。貴女は蛇を入れましょうね」
 木下有紀路は川村由紀に囁く。
 「えーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー」
 川村由紀は驚愕の表情で喚く。
 「この間。沢蟹さんが入ったのでしょう」
 木下有紀路は優しく囁く。
 「だめ。だめ。だめ、だあめ。だめ」
 川村由紀は怯えた顔を引き攣らせて歯を震えさせながら拒絶する。
 「しょうがないわね。それじゃ次回」
 木下有紀路は脅かして愉しんでいる。
 川村由紀は歯をガタガタ鳴らして首を振る。
 木下有紀路は哂って鞭を拾う。もう一度高島波琉の乳房の蝋涙を確かめる。
 鞭の先端で乳房の上を撫でる。
 「・・・・・」
 高島波琉は怯えた表情で見返す。
 蝋涙からはみ出した乳首を叩く。乳輪の周りの蝋涙に僅かに皹が入る。
 「ううおおーーーーーーーー」
 高島波琉の躰は拷問椅子の上で揺れる。痛みに眉間に皺を強く刻み大口を開けて悲鳴を上げる。初めて受ける鞭の洗礼である。
 続いて被った蝋涙を叩き割る勢いで先端に狙いと力を込めて叩く。蝋涙は割れて一部が落ちる。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 拷問椅子に広げられた脚を反動で跳ね上げる様に揺する。そして大口を破裂させて悲鳴を絞り出す。
 「ううーー。あはあ。はあ。はあ」
 高島波琉の躰は震え荒い息遣いになる。
 もう片方の乳房の蝋涙も突起の頂点を叩いて割る。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を逸らせて大口を縦に破裂させて悲鳴を轟かせる。乳房に被っていた蝋涙はほぼ形のまま落ちる。
 白い乳房が姿を現す。蝋涙は点の様に僅かに乳房に点在している。
 高島波琉は悲鳴を絞りだしているがそれ程の痛みではない。ショックが大きいのである。
 木下有紀路は拷問椅子のハンドルを回して股間の高さを上げる。それを狙って鞭を振り下ろす。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 顔の表情は強く破裂している。
 土手から下半分の蝋涙が落ちる。
 続いて土手に残った分を叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 高島波琉は既に顔から涙を流している。
 木下有紀路はそれでも剥き出しに成った女の部分の粘膜を叩く。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわわわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を震撼させ大口を上に向けて悲鳴を轟かせる。
 目からは号泣するように涙が溢れ流れる。
 「あはあーーーーーーーーーーー。ああ。ああ。ああ。あは。あは。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いに躰は震え続ける。
 「この程度では皆が満足しない。もう一人生贄を引っ張って来い。この間報告しなかった一人で良い」
 葛城修一が緊縛師に命令する。
 「どれに致しましょう」
 緊縛師はタブレットの様な小型の端末で写真の入ったリストを広げる。
 「どれでも良い。潰して良いものから選べ」
 葛城修一はそう命令して二人の戒めを解かせる。
 「お前らに少し面白いものを見せてやる。一緒に来い」
 ロボット兵が直ぐ後ろに付く。葛城修一の警護である。
 木下有紀路は高島波琉と川村由紀にバスロープを着せる。
 「連れて来たら皆で順番に鞭打ちさせてくれ」
 葛城修一は木下有紀路にそう言い残して二人を連れて自分の部屋に向かう。
 最上階の座敷の隣が大会議室である。葛城修一の部屋は公室と私室が南側にある。二人を首席公室に通す。
 机の横のソファーに座らせる。
 モニターの電源を入れてパソコンから動画を投影する。
 それは寂れた港の防波堤の映像である。
 「良く見ろあの黒い物体が潜水艦のセイルの上の部分だ」
 葛城修一が動画を静止して説明する。
 「ああ」
 川村由紀は落胆の声を漏らす。
 「これはAIが衛星画像を分析して発見した。軍は索敵しているがまだ見つけてない」
 「・・・・・・・」
 川村由紀は事態が分からない。心臓が強い鼓動を打っている。
 「女達は二隻の潜水艦から食料を運び込んだ。そしてこの島にたどり着いた」
 葛城修一は淡々と説明する。
 「此処は」
 「利尻島沓形だ。奴らはこの近くに爆撃で破壊されてない旅館を見つけた。其処でも食料を確保した」
 「・・・・」
 川村由紀は食料に少し安堵した。だが発見された事に胸騒ぎが隠せない。
 「軍が見つけるまではこのままだ。何れ食料は切れる」
 葛城修一は達観している。
 「それまではそのままにして下さるのですか」
 川村由紀は恐る恐る尋ねる。
 「軍が発見しなければな」
 葛城修一は哂っている。
 「食料が切れたら」
 川村由紀は怯えながら追及する。
 「投降を促すか。倒れた者を回収するか。抵抗すれば射殺だ」
 葛城修一は淡々と簡単な事の様に語る。そして次の動画を見せる。それは潜水艦で到着した女が女同士慰めあう姿である。
 「衛星の情報から無人飛行機を飛ばす。超小型の鳥の様に飛ぶドローンを出して観察するのだ。この映像は虫型のドローンからだ」
 「・・・・・・」
 川村由紀には女同士で性器を舐め合っている二人が誰だか分かる。そして詳細な情報に驚愕する。
 「まあ。軍が発見しなくて食料が尽きたらもう一度此処に呼んでやる。その時考えろ。お前らはロボットが部屋まで送って行く」
 葛城修一はそんな言葉を投げ掛けて帰そうとする。
 「すみません。何で私にまで見せるのですか」
 高島波琉は自分が呼ばれた事に警戒を隠せない。
 「うん。良い質問だ。お前らは仲良しに成った。どうせ話が回る。お前のところで止めろという事だ。それともお前は軍に密告するか」
 「絶対に言いません」
 「そう言うことだ」
 葛城修一はそのまま宴会場に戻った。
 
 宴会場では三十歳位の女が天井から手首を縛って吊るされていた。
 官僚二人が鞭を持って立っている。
 一人が乳房を狙って一本鞭を横に薙ぐ。
 「うおおーーーーーーーーーーーーー」
 女は悲鳴を上げて汗を飛ばす。次に躰を躱す。
 反対側の官僚が回り込む。きっちり躰を躱したその乳房を横に薙ぐ。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 女の顔は汗に塗れている。乳房には鞭の赤い筋が数本奔っている。太腿も蚯蚓腫れが顕著でそれが赤く滲んでいる。
 葛城修一が戻って来て席に着く。
 「この女は」
 「竹田玲奈よ」
 木下有紀路は二人の会話では敬語を使わない。
 「どうするのだ」
 「そうね。こいつは本当に蛇突っ込もうか」
 「それだけ」
 「えーー。少し考える」
 木下有紀路は静かな哂いを浮かべる。
 官僚らは交代して竹田玲奈の全裸の躰を叩き続ける。乗馬用の一本鞭である。相当に痛い。既に太腿の白い肌に鬱血が何箇所か見られる。
 木下有紀路はまた蝋燭をグラスに入れて点火する。和服姿だと二十六歳には見えない。
 官僚らは丁寧に接している。
 「そろそろこっちに移して」
 木下有紀路は緊縛師らに拷問椅子を示す。
 「ああーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーー。あはあーーーーーーん」
 竹田玲奈は蝋燭が解けているのを見て悲鳴を上げる。
 緊縛師が四人で暴れる竹田玲奈を押さえ付けて高手小手に縛る。そのまま拷問椅子に脚と腹を縛り付ける。
 木下有紀路はグラスの中に半分溶けた蝋燭を官僚らに渡す。
 官僚らは木下有紀路から丁寧に受け取る。
 竹田玲奈は恐怖に震える。
 官僚ら四人がそれを囲む。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は既に号泣している。
 官僚らはお互い合図して二人が乳房に掛ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーあーーーーーーーーあーーーーーーーーーーあーーーーーー」
 竹田玲奈は拷問椅子に縛り付けられた躰を暴れ続ける。
 「あはあーーーん。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーー」
 泣き喚く竹田玲奈の太腿の蚯蚓腫れを狙って残る二人が掛ける。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーあーーーあーーー」
 竹田玲奈の顔は目を剥き大口を破裂させている。
 「あーーあーーあーーあーーあーーあーー」
 泣き喚き続ける。
 木下有紀路は医療チームを呼ぶ。そして竹田玲奈のヒステリー状態が治まるのを待つ。
 竹田玲奈は高島波琉らに比べればAIの判定通り二ランクは落ちる。それでもスタイルは悪くない。それなりには可愛い。
 いま中庭に晒し者にされている椿原圭子と同じく見せしめ第二段である。
 手術台、麻酔設備、手術室の一式が運び込まれる。
 竹田玲奈は唯々怯え続ける。
 木下有紀路は白木の鞘に入った日本刀を提げて来る。
 竹田玲奈は瞬時に殺されると怯えた。
 蝋燭責めで竹田玲奈の拷問椅子は強く後ろに倒されていた。木下有紀路はその背もたれを少し上げて乳房を前に出す。
 木下有紀路は日本刀を鞘から抜く。
 一目で真剣と判る凄みである。それを竹田玲奈の乳房に当てる。真剣の重みがずしりと乳房の膨らみに載る。
 「い、い、いやあ。・・・・たすけ・・て・・え」
 竹田玲奈は怯えて震えながら命乞いする。
 木下有紀路は一度日本刀を鞘に納める。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 竹田玲奈は強い鼓動を打ちながら荒い息遣いである。
 もう一度拷問椅子を後ろに倒す。股間は斜め上に向く。
 木下有紀路は医療チームに精神安定剤の投与を要求する。
 「脚をもっと広げて」
 今度は緊縛師に要求する。
 「無理です。開帳台の方がよろしいのでは」
 「脚に縄を掛けて外に引っ張って」
 緊縛師は左右二人ずつ掛かって竹田怜奈の脚を脚載せから外す。それを肘掛の下に通す。膝から脚首を縛る。それをロボット兵士に大きく外に低く引っ張らせる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 竹田玲奈の股間は開くぎりぎりに開脚させられる。
 竹田玲奈は痛みに表情を歪めて堪える。
 土手の位置がやや高くなる。
 木下有紀路は日本刀を抜く。刃先で土手の陰毛を掃う。土手の黒い塊が空中に飛び散る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田怜奈の悲鳴が宴会場を劈く。
 土手の黒い塊は薄くなった。だが皮膚は露出してない。
 木下有紀路は黒い塊にローションを掛ける。日本刀の先端を斜めに土手の陰毛を剃る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 竹田玲奈は恐怖に悲鳴を上げ続ける。
 木下有紀路は土手を大方剥き出しにして終了する。日本刀の刃先をタオルで入念に拭く。
 残りは緊縛師が両側から剃刀で剃る。
 木下有紀路は剃毛が完成したところでもう一度拷問椅子の背を立てる。
 高手小手に縛った肩を拷問椅子に固定するよう要求する。
 木下有紀路は日本刀を抜く。
 高手小手に縛られた竹田玲奈の乳首は縄と縄の間に突き出している。
 色は濃くバラの様に赤い。乳輪は二センチ位で乳首は円筒形に強く突き出している。縛る前の乳房は丸く体型に丁度よ良い大きさと弾力である。
 木下有紀路は日本刀の先端を乳輪の根元に載せる。
 「はあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に甲高い悲鳴である。竹田玲奈の眉間に三重に皺が刻まれ大口を縦に破裂させる。
 木下有紀路はそれを振り被る。乳輪と白い皮膚の境目からすっぱり斬り堕とす。血飛沫が飛び散る。
 「ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーん。うわああーーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーーーん」
 僅かに遅れて竹田怜奈の悲鳴が上がる。直ぐ泣き悲鳴になる。
 医療チームが麻酔を嗅がせる。
 そのまま手術台に移す。
 止血して縫い合わせるまで録画して公開する手順で進められる。
 処置が終わる。片方の乳首が斬り堕とされ縫った痕を見せる。竹田怜奈は号泣する。この場面も詳細に収録する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーん。ああ。あん。あん。あん」
 そのまま顔を覆ってベッドに躰を二つ折りに泣き崩れてしまった。
 
 その後で病院に移され乳首を整形された。その包帯を開くまでが録画に公開される。
 竹田怜奈はそのまま元の部屋に戻された。良クラスのまま献身婦を続けさせるのである。
 献身婦にはSMコースも有る。
 良クラスは通常の献身婦なら一万円。SMコースは本番含めて三万円である。それ以外に客は保険に加入が義務付けられている。
 良上クラスの女だとそれより五割り増しとなる。
 怪我をさせた場合保険から補償が支払われる。国が管理する保健である。一回事故を起こすとその程度で保険の料率が大きく変わる。
 可クラスの献身婦は国が人数分で支払う。通常献身婦一人三千円と落ちる。SMの場合二万円からと成る。こっちは個人が支払う。保険加入も同等である。
 
 高島波琉と川村由紀は川村由紀の部屋でテレビを観ていた。二人は親友以上に一緒に行動している。
 高島波琉はアナウンサーとバラエティに出されている。川村由紀はドラマに出演する。
 どっちも全裸は当然の如く性器も公開と成る。もう諦めるしかない。
 竹田怜奈の拷問が放映されている。
 乳首を斬られるシーンに二人は抱き合って泣いてしまった。
 「あのままガラスの家の女性の様にされるの」
 川村由紀はその先が気に成る。
 「いいえ。同じ様にはしないと思う。これまでも全員対応は違うのよ」
 高島波琉は新政府と葛城修一、木下有紀路のやり方を充分理解している。そして川村由紀の扱いもかなりの例外と分かっている。
 「潜水艦のメンバーを軍が発見するか食料が切れるまで泳がすと言っていたけど」
 川村由紀の一番の心配事である。
 「貴女と同じ様にしたいのよ」
 「それでは全員命は助かるの」
 「それは無いと思う。何人かは犠牲になる」
 「抵抗するから」
 「それも有るけど。主席は女の価値で判断するのよ」
 「ああ」
 川村由紀は暗い表情になる。
 「でも自殺する人も考えられるよ」
 「そうね」
 川村由紀はさらに暗い表情になる。
 「貴女に説得を要求するかも」
 「無理よ。ねえ。軍が見つけたらどうなるの」
 川村由紀はそれが心配である。
 「多分停止命令が出る。もう出ているかも知れないよ。主席は思わせぶりに言ったのよ」
 高島波琉はほぼ事態が読めている。
 「どうして」
 「偵察して美人が多かったからよ」
 「なんと。そうなの。ところであの和服の女は何者」
 「元は工作員と言うかテロリスト。この国が世界戦争の終結整理戦闘の時に工作員として活躍したのよ」
 「それで主席の特別な女なの」
 「むしろ官僚の一人じゃないかしら」
 そのまま二人は食事に向かった。隣の棟に在る優、特優クラスの女性専用の最上階ラウンジである。
 もう二人だけなら一緒に行動して問題ないと主席の了解を得ている。
 
 八峰杏奈と大路江美は沓形発電所を調べた。
 「此処は使えないね。他の発電所から送られているのよ」
 「これは火力発電所の跡よ。他に水力発電所があるのよ。美佐都は鴛泊と言っていたよ」
 「こっちね」
 八峰杏奈は潜水艦のプリンターで印刷した地図を示す。
 「あとは太陽光もあるよ」
 「そうね。潜水艦からも電機は取れるし」
 沓形の町は完全に破壊されていた。そのまま北上して来た。
 さらに北に一キロ以上進んだ。小さな港が有って集落がある。民家は在るが大方が焼かれている。
 残った家に僅かな米の備蓄が発見された。ショッピングカートの様な物も有ったのでそれに載せて持ち出す。
 他の家も探した。もう五キロと備蓄が確保された。
 その日は此処までで諦めた。何台か車も有る。ガソリンが残っていて使える物もある。電気自動車は無かった。
 思い切ってその車を使うかは迷ったが見合わせた。
 ホテルに米を置いて防波堤に向かう。潜水艦の潜望鏡の前に立つ。潜水艦は潜望鏡を降ろしてセイルの天井だけ出す。
 八峰杏奈と大路江美は救命胴衣を着けて泳ぐ。潜水艦の潜行舵を伝ってセイルに入る。
 「畑や田圃を作れる土地は有るよ。人工衛星に判らない様にどう作るかよ。それとほんの僅かな大根畑は有ったけど。」
 小さな神社跡と残された鳥居。そして工場跡に続く道。雑草の生い茂る傍らに小さな畑が作られていた。
 この程度なら見付からないかもしれない。そんな思いも掠める。
 八峰杏奈は悩ましい。
 「どうせ耕運機は無いのでしょう」
 「いまのところは見付かってないよ。手漕ぎのボートは有ったけど」
 ホテルから潜水艦への移動には使えるかという考えである。
 「人の手で耕せば見つかりにくいのでは」
 渡邉麻衣はやや希望を模索する。
 「そうね。一か八か検討しましょう」
 女性らは何とか新政府に見付からないでこの島に暮らしたい。
 「此処の地形ならあちこちに小さな畑くらいは有るかも。雑草の間に作れば判らないよ」
 渡邉麻衣は何とか進めたい。
 「やりましょう。野菜は必要です」
 宇垣美佐都も賛成する。
 「他にも畑は有ると思う。もう少し探検しましょう」
 大路江美はまだ現存する可能性は有ると考えている。
 「そうね。いま存在する畑なら少しずつ収穫して栽培すればばれないよ」
 八峰杏奈も決断する。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟最上階。葛城修一の公室である。
 八峰杏奈らの行動は全部確認している。
 「ねえ。畑を見つけた様ね」
 「だから」
 「もっと長く食料が続く事にならない」
 木下有紀路は着物を脱いで腰布だけである。それも捲れて形の良い脚は丸出しに成っている。
 葛城修一の指は股間に侵入している。
 「その時期になったら絨毯爆撃とか。潜水艦を破壊するとか。方法はある」
 「そうなの。まだ畑は有るよ」
 「好きにやらせれば良い。いま回収は好ましくない。もっと行き詰まらせるのだ。それまで奴らは監視して暫らくは泳がせる」
 
 人工知能管理者のSM帝國 その二 放浪する女だけの潜水艦 完






 人工知能管理者のSM帝國 その三 女躰潮噴きと失禁 完

 二〇三十年小暑下元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 翌日も八峰杏奈と大路江美、宇垣美佐都と杉浦瑞樹の二手に分かれて探索に出た。
 八峰杏奈と大路江美は昨日と同じ方向。宇垣美佐都と杉浦瑞樹は反対方向に向かう。
 渡邉麻衣と他三名が潜水艦に戻って待機した。万一の場合潜水艦を島から離して海底に待機する為である。
 八峰杏奈と大路江美は畑が有った小さな神社跡。其処に残された鳥居を目指した。何台か爆撃で壊されてない車が有った。
 電気自動車が有ればと探す。
 車で移動は危険である。それでも運搬には必要になるかもしれない。
 だがガソリン車ばかりである。
 外周道路を暫らく移動する。空港に出た。此処にも得る物は無かった。空港は完全に破壊されている。
 今日は此処で引き揚げる。
 宇垣美佐都と杉浦瑞樹は壊されてない個人の飲食店と車、ボートを発見した。
 中の造りから居酒屋である。冷蔵庫の電源が切れてなかった。使えるものはある。車にガソリンも残っている。
 迷ったが僅かな距離。夜ライトを点けるより昼間走る方が無難と判断した。二人で積めるだけ積んで出発する。
 ホテルの軒に車を入れて荷物を運びこむ。休んでいた全員に手伝わせる。
 その日の夜に成っても哨戒機などは来なかった。車を昼間なら安全と結論を出してしまう。
 「まず。畑を管理する班を決めましょう」
 明日から車を使って四人単位で回ることにした。途中に破壊されてないガソリンタンクが見付かったからである。
 組み合わせを変えて八峰杏奈と宇垣美佐都他二名。大路江美と杉浦瑞樹他二名。渡邉麻衣と辻沙緒里他二名となった。
 三班が交代で探検と潜水艦の管理をする。
 プロパンの残量が限界である。電気で風呂を沸かす設備を検討している。この班が六人。
 シャワーは潜水艦の中でも使える。だが大きな内湯が良い。
 畑の班も六人決められた。残りは食事の班である。
 まだ担当の無い者も残っている。掃除とか洗濯を行う。
 食事の班は当初から大屋静江がリーダーで管理している。元はラーメン店を経営していた。そっちが専門である。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟。最上階の畳の宴会場である。
 今夜も椿原圭子を告発しなかった一人の女が宴会場に引き出された。女は佐東詩織という。二十四歳である。
 相変わらず隠微極まりない宴会風景が展開されている。
 宴席は女躰座布団テーブルである。
 女躰の太腿の上に座る。これが女躰座布団。料理は腹と胸の上に置く。これが女躰テーブル。飲み物だけ横に小さなお膳が置かれている。
 座るだけではなく脚を開いて入れてしまっても構わない。その場合さおだけをファスナーから出す。周りに見えない様に布などを掛ける。
 コンパニオンは官僚らのそれぞれ指名である。序列の高い順に指名してゆく。重複することはない。
 佐東詩織を牽いて来た緊縛師二人が磔柱に固定している。佐東詩織は既に全裸である。
 宴席も既に乱れきっている。
 ある官僚はコンパニオンを剃毛している。花代は追加に成るが国が払う。
 女躰座布団テーブルのコンパニオンに乗って酒を水差しで飲ます。こっちは一夜分のみである。アルコール中毒になって泣かされる。
 またある官僚は潮噴きの練習をしている。何人かにそれを覗き込まれている。堪らない羞恥地獄である。こっちも追加は無い。
 尿道の小さな亀裂が膨らんでそこから潮が飛び出す。自分で見ることも無い恥ずかし過ぎる姿にされている。
 彼女らの女のステータスは優、特優ランク。優以上は主席、官僚用またはテレビ撮影である。だがコンパニオンは強制で拒否は出来ない。
 誰一人コンパニオンを希望した者は居ない。嫌なら姉ヶ崎グランドシティを出て行くしかない。
 姉ヶ崎グランドシティを出れば外は人外魔境である。生きて行くには新政府に従って此処に留まるしかない。
 優以上は週に二日ぐらい働けば良い。各棟の上層階の美室に住める。だが美貌を失うと下のランクに落とされる。
 四十歳まで総ての女性が強制されている。その後今の住居に住み続けるには買い取らなければならない。出来ない時は下層階の無料住居に移る事に成る。
 結婚も子供を生む事も許されない。四十歳を過ぎても同様。生む専門のランクは子供を生む。だが体外受精の他人の精子、卵子である。
 新政府は家族と言う概念を廃止する方針を徹底している。
 この街が出来たとき収容された家族は存在する。それは君津寄りの十六棟に固められた。通勤する男性と医者以外は其処から出られない。
 逆に外からは全く入れない。
 今夜も葛城修一主席と一緒に木下有紀路が入って来る。これからSM拷問が開始される。
 十字架タイプの磔柱である。それに佐東詩織の躰は両手を広げて磔にされている。
 右の脚首は十字架の根元に縛り付けである。左脚は動かせる。
 大臣及び官僚が鞭を受け取り順番に鞭打ちする。
 六十人くらい居る。一人二発ずつでも百回以上叩かれる。その後にも究極の拷問が待っている。さらに録画してテレビ放送する。
 全員が叩くので顔を保護するべくフェイスシールドだけ被せる。
 海軍長官が牛追い鞭を持つ。
 「お待ちください。柱に縛っておりますのでそれは効果が薄いと思われます」
 緊縛師が助言する。
 「どれが良い」
 海軍長官の言葉に緊縛師は先の細い一本鞭を渡す。
 乳首に狙いを定める。
 乳房の形は丸い。大きさもそれなりには有る。乳首は鳥の鶏冠の様に赤い。円筒形でくっきり突き出している。
 海軍長官は一本鞭の細い先端を乳首に強く当てる。
 「ぐううーーーーーーーーーーー」
 痛みの反動で固定されてない左脚の膝が蹴り上がる。
 二発目は太腿の白い皮膚を薙ぐ。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーー」
 顔の表情は大口を開けて破裂している。
 内腿に隙間は無い。鞭の蚯蚓腫れが浮いてくる。
 十数人叩いたところで佐東詩織の躰は鞭の痕だらけである。両方の乳房と太腿に無残な赤紫の筋が折り重なって奔っている。
 全員廻すのは難しい状況に成りつつある。
 次の順番の警察官僚は蝋燭を要求する。蝋燭数本に点火して芯の周りが溶けるのを待つ。
 その間。鞭で無残になった乳房を触る。
 「うう」
 佐東詩織は睨み返す。
 木下有紀路が警察官僚の後ろから近付く。佐東詩織の顔のフェイスシールドを退けてビンタする。
 瞬時に反射的に佐東詩織の左脚が木下有紀路の股間を蹴る。
 木下有紀路は後方によろめく。和服姿なので脚が裾に縺れる。そのまま倒れて着物の裾が割れて脚が広がる。二布以外下着は着けてない。
 警察官僚と緊縛師が抱き起こす。
 「この脚をそこに縛り付けて」
 木下有紀路は十字架の左端を指差す。
 緊縛師が脚を持ち上げる。佐東詩織は藻掻いて抵抗する。もう一人の緊縛師も押さえる。木下有紀路が縄を掛ける。
 佐東詩織は躰を右に弓なりに曲げて左脚を跳ね上げている。股間は大きく広がる。女の部分は丸出しである。
 木下有紀路は一本鞭を持つ。先端が長方形の硬いチップに成っている。それで股間を狙って下から叩き上げる。
 「ぐうお、お、おーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は十字架に脚首を縛られた左脚をくの字に折って暴れる。躰は強く震撼する。
 「掛けて」
 木下有紀路は警察官僚に蝋燭を要求する。
 溶けた蝋涙を右の乳房にべっちゃり掛ける。無残な赤紫の筋が折り重なった上からである。
 「うぐう、う、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は大口を開け甲高い悲鳴を絞りだす。顔は縦に究極に歪む。強烈に染みるのである。
 もう一本手にする。
 「ああーーーーーーーーー」
 佐東詩織の恐怖に縮み上がった悲鳴である。
 それを他所に左の乳房に掛ける。
 「ううおおーーーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 二つの乳房が真っ赤に染まった。
 次の官僚がさらに上から掛ける。
 胸の谷間から腹まで流す。
 「うう、う、う、うーーーーーーーーーーーーーーー」
 木下有紀路は次の官僚に太腿の蚯蚓腫れを示す。
 官僚はその通りに跳ね上げられた左脚の太腿に流す。無残な蚯蚓腫れに溶けた蝋涙が被る。
 「う、う、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 まだ足りない。次々に蝋涙を流す。
 佐東詩織の躰中が蝋涙で真っ赤になった。木下有紀路は次の官僚に鞭を渡す。そして乾いている乳房を指差す。
 官僚は鞭を構える。先端が長方形の硬いチップに成った物である。
 それで乳房の蝋涙を割る。官僚は力の限り叩く。
 「ぐうおおーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は衝撃と痛みに吊り上げられた脚を力の限り蹴る。
 数人が交代で叩き続けた。
 蝋涙を全部叩き割られて佐東詩織の躰は悲惨な状態を晒す。赤紫になった蚯蚓腫れが入り乱れて蝋涙の欠片が点在している。
 大型のバットが運ばれる。排水も接続されている。その上にバスタブが乗せられる。湯と水の配管が接続されてバスタブに湯を満たす。
 佐東詩織を磔柱から降ろす。そして一度バスタブに浸ける。
 宴席ではコンパニオンがアルコール中毒にされた。看護師が点滴をセットする。利尿剤を飲ませてバルーンカテーテルを挿入する。
 尿道に太いバルーンカテーテル挿入の痛み。アルコール中毒の苦しみ。コンパニオンは泣き続ける。
 全裸で小水の垂れ流し。SM並みの晒し者にされる。その状態で宴席の後ろに放置である。
 代わりのコンパニオンが呼ばれて来る。大臣はこの女にも酒を強いる。
 コンパニオンらはこの大臣に指名されると災難である。
 佐東詩織は湯から出されて躰を拭かれる。蝋涙は落ちても赤い痣は鮮明に躰に残っている。
 拷問椅子が運び込まれる。佐東詩織をそれに乗せる。
 「さあ。蚯蚓腫れに液体絆創膏を塗りましょうね」
 緊縛師二人と官僚二人が躰を押さえる。一人の官僚が液体絆創膏を手にしている。
 「物凄ーーく染みるのよ。でもね。ちゃんと貴女の皮膚を護ってくれるのよ」
 木下有紀路はしんねりと言葉を佐東詩織の神経に浸透させる。
 官僚が手に流して乳房に塗る。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーー。いいたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に染みるのである。四人で押さえても佐東詩織は躰を捩る。堪らず藻掻き暴れる。
 もう片方の乳房にも塗る。
 「あーーああーーーーー。あわあーーーーーーーーーー。あーーあーーああーーあーー」
 多量に乳房全体に塗られるので染みる範囲が大きい。佐東詩織は狂った様に喚き暴れる。
 「だーめーーー。たすけてーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 それでも太腿に塗る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーあーーーあーーーあーーーああーーーああーーああーー」
 水の入ってない水槽にニシキヘビを入れて運ばれて来る。それを染みる痛みに堪えられず暴れる佐東詩織の首に載せる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織は遂に失禁してしまう。
 その部分がスクリーンに拡大される。宴会場全体から拍手が沸く。
 拷問椅子の脚載台は大きく広がっている。左右の太腿にニシキヘビが載せられる。
 佐東詩織の躰はベルトや縄で拷問椅子に固定されてない。縄の代わりに蛇が首と三箇所を押さえている。
 佐東詩織は生きた心地ではない。
 蛇は運んで来た兵士が首と尻尾を持って押さえている。
 「クリを剥いて」
 木下有紀路が緊縛師に要求する。
 緊縛師は指で佐東詩織のクリトリスの包皮を剥く。
 「だめ。指じゃなくて二人で両側から棒で押さえて」
 新たに違う蛇が運ばれて来た。木下有紀路は蛇をスネークフック二本で掴もうとする。兵士が協力して暴れる蛇を押さえる。
 「さあ。おクリちゃん。この子に食べてもらいましょう」
 木下有紀路はさらりと恐ろしいことを言う。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。助けてーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織はサイレンの様に喚く。
 緊縛師が剥き出して棒で押さえているクリトリス。それに蛇の頭を押し付ける。
 凶暴な赤楝蛇である。この蛇は沖縄、奄美に生息しハブを食べる事もある。だが毒は無い。
 赤楝蛇は佐東詩織のクリトリスを噛み千切る。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐東詩織の強烈な悲鳴が轟いて失神した。待機していた医療チームが局部麻酔を打って処置に掛かる。
 この内容は翌日放映された。
 
 利尻島。潜水艦の女性らが移り住んだホテルの建物。その食事処の様な広間では深刻な話し合いが続いていた。
 「米はかき集めてこの人数では一年半が限度です。潜水艦に残っている分を含めてです。肉類は冷凍で半年は持ちません」
 大屋静江が見解を述べる。
 「畑は有っても野菜だけではどうにも成らないね」
 八峰杏奈も事態の深刻さは分かっている。
 「現時点で米を作り始めないと駄目だよね」
 大路江美も限界が迫っている。決断しないとならないと思う。だが簡単に水田は作れない。
 「北海道に渡って鹿を撃つくらいしか肉の調達は無理です」
 渡邉麻衣もそれが難しく危険なことは分かっている。川村由紀ら三名はそれで戻らなかったのである。
 「どこかに養豚場は無いかな」
 大路江美はまだ探検して見付かる可能性を考えている。放置された養豚場などがあればそれを継続すればよい。
 「車は使えたけどガソリンはいつまでも持たない。電気自動車を探さないと駄目だよ」
 杉浦瑞樹もガソリンを心配している。
 「そうだね」
 八峰杏奈も電気自動車を探した。
 「漁船は有るから夜なら魚を獲れないかな」
 大路江美は何隻か使えそうな漁船を見付けた。
 「潜水艦のソナーで魚群を探して漁船で網を流すか」
 八峰杏奈もやや賛成気味である。
 「問題はスクリューの航跡よ」
 渡邉麻衣は長崎の二の舞を恐れている。
 「潜水艦で引っ張るのよ」
 「桟橋から出港する時と入港する時は」
 「微速で出れば大丈夫よ」
 「肉は諦めて魚で行くか」
 「どこかに自転車は無いですかね。自転車があればガソリンが無くなっても。何とか成りません」
 宇垣美佐都は島に自転車が見当たらないと言いたい。
 「有ったら車より安全だよね」
 杉浦瑞樹も同感する。
 翌日大路江美と杉浦瑞樹他二名で島の外周道路を一周した。水田は全く無い。養豚場や牛舎も無い。目指していた自転車は見付かった。
 杉浦瑞樹が車を運転して大路江美と他二名が自転車で戻る。
 その夜も潜水艦の発令所メンバーが艦内で飲みながら会議となった。
 「生産手段が無いとこの先どうにも成らないよね」
 大路江美がぼやく。
 「耕運機すらないよ。米を作るのは絶望ね」
 八峰杏奈も諦め気味である。
 「食料だけではないです」
 宇垣美佐都は足りないものは他にも有ると主張する。
 「いっそのこと新政府を倒して民主化できないかな」
 杉浦瑞樹が究極の過激発言をする。
 「無理よ。こっちは潜水艦一隻。相手は膨大なロボット兵が護っているのよ」
 八峰杏奈は論外と言う考えである。
 「でも潜水艦を上手に使って中枢を破壊したら。そして今の主席を倒せば可能性は」
 杉浦瑞樹は潜水艦一隻でもやりようは有ると言いたい。
 「東京湾に侵入して街を調査しましょう」
 大路江美は可能性があるかもしれないと思った。
 「この島に隠れていてもいつか終わりが来るよ。打って出ましょう」
 辻沙緒里である。
 「とにかく調査に入りましょう」
 大路江美が押し切る。
 翌日八峰杏奈を残して潜水艦を操艦出来る人数で出発する事に成った。
 「東京湾に行き成り入るのは危険です。房総沖からドローンを飛ばしましょう。低空なら簡単には見付かりません」
 舵機を担当している渡邉麻衣が大路江美に意見する。
 「そうね。判ったよ。そうしましょう」
 大路江美も納得する。
 「館山が危険です。飛行場が復活しているかもしれません」
 宇垣美佐都は哨戒機を警戒している。
 「外房側から近付きましょう。九十九里は遠浅だから勝浦辺り」
 大路江美がそう決断する。
 潜望鏡深度で周囲を確認する。セイルをぎりぎり水面に出してドローンを発信する。一機だけで良い。
 潜水艦はアンテナだけ海上に出してやや震度を下げる。
 大原から姉ヶ崎、姉ヶ崎から君津に延びるビル群がドローンの視界に入る。
 その手前は畑、水田が広大に続いている。耕運機は総てロボットが運転する。人の姿は全く無い。
 一つだけ一段と高い建物を確認した。中央棟である。
 「これが中枢」
 大路江美が呟く。
 「多分そうね」
 辻沙緒里である。
 「主席の居るのはあの高い階かもしれませんね」
 渡邉麻衣も同意見である。
 「人工知能の中枢が何処に有るかね」
 辻沙緒里はそれを押さえるべきと考える。
 「問題は主席ではないですか」
 宇垣美佐都は主席を押さえるべきと考える。
 「中枢となる人工知能のコントロールを奪わないと駄目よ。主席と人工知能の両方を押さえないと」
 大路江美が断言する。
 中央棟付近から別のドローンの様な物体が飛んで来る。速度はかなり早い。
 「まずい。何か飛んで来る」
 辻沙緒里が叫ぶ。
 「ああ」
 「収容出来ないよ」
 「何か撃った」
 「ああ。撃墜」
 「急速潜行よ。深いところに降下しましょう」
 大路江美が逃げる判断をする。そして渡邉麻衣に操艦を指示する。
 この付近の海は陸から離れると一気に深くなる。
 「何も追って来ません」
 銚子沖をかなり離れて潜望鏡深度に上昇する。
 「何も追って来ないね」
 もう一度百メートルくらいまで深度を下げる。
 「あの一番高い建物をミサイルで破壊すれば何とかなら無いかな」
 杉浦瑞樹の意見である。
 「何とか中に入り込んで確かめないと」
 大路江美が呟く。
 「それは」
 「帰ってから話し合いましょう」
 とにかく帰投進路を取る。
 
 中央棟。葛城修一の主席公室である。
 「調査に来たのね」
 木下有紀路がドローンの襲来を見て言う。
 「うん」
 「この棟に一発ミサイルを飛ばす危険は無いの」
 「無いよ。潜水艦に積めるミサイルではこの棟は破壊出来ない。アメリカの艦に核弾頭は残ってない確認をしている」
 「そう。そんなに頑丈なの」
 「どっちにしろ面白いことに成る」
 葛城修一は淡々と構える。
 「そう」
 「見ろ。島に何人か残って居る。全員では動いてない」
 「で」
 「一発ミサイルを撃てば潜水艦の位置は特定出来る。まずは中に潜入を考えるだろう」
 「でも入れないよ」
 「その時は開けるのだよ」
 「成程。一人ずつ捕まえて拷問」
 「そうだ」
 木下有紀路の着物の裾は割れて片脚は丸出しである。葛城修一の手は女の部分を奥まで侵入して責めている。
 
 その夜。利尻島沓形に海中停泊する潜水艦の中である。
 「一回内部に潜入するしかないよ」
 大路江美は八峰杏奈に説明する。
 「どうやって上陸するの」
 八峰杏奈は報告を聞いて地図とドローンから送られた録画を見ている。上陸の難しさを指摘する。
 「内房側は無理です。ボートで大原に近付くしかありません」
 宇垣美佐都の結論である。
 「どうみても危険ね」
 八峰杏奈は反対である。
 「このまま此処では絶望だよ」
 杉浦瑞樹は今のままでは行き詰まると主張する。
 「新政府を倒さない限り私達に活路は無いよ」
 大路江美の主張である。
 「潜水艦が見付かったら終わりよ」
 八峰杏奈は危険を主張する。
 「だったら此処でどうしますか」
 渡邉麻衣が詰め寄る。
 八峰杏奈も答え様が無い。沈黙してしまう。
 「確かにこれまで新政府に姉ヶ崎に来るように言われて内容を聞きました。それで四国から逃げて首都圏は見ていませんでした」
 それを確認したと渡邉麻衣は主張する。
 「それを外側から見ただけで構造は判っていないよ」
 大路江美は内部に潜入を主張する。
 「一般市民の様に中に入って様子を見ても何処まで探れるの」
 八峰杏奈は危険な上に可能性は低いと言いたい。
 「一気に探れなくても少しずつ中を探って行く。それで作戦の目処が立つよ」
 大路江美は進めるべきと主張する。
 「ボートでは危険よ」
 「待ってください。大原の海岸に海水浴場のシャワー設備を提供する建物が残っていました」
 宇垣美佐都が割り込んで提案する。
 「それで」
 「潜水服で上陸して其処で着替えてはどうでしょう」
 「一人其処で待つか」
 「潜水艦から海水浴場は潜水服で行けるけど。帰りはどうするの」
 八峰杏奈は突き詰める。
 「この艦にソナー中継ブイが有るよ。それで戻る目標と潜水艦が離れても其処に戻れる」
 「それで」
 「潜水艦が離れるときは標識液を流す。戻ったら潜水服が一人伝令する」
 「待機と伝令、そしてブイ。連携活動は何とか可能よ」
 宇垣美佐都の意見に大路江美が同調する。
 「やりましょう。此処でじっとしていても破滅です」
 渡邉麻衣も後押しする。
 「潜入する人数は」
 八峰杏奈の確認である。
 「二人よ私と瑞樹で行く」
 大路江美がきっぱり宣言する。
 「私と美佐都、沙緒里で待機と伝令を交代します」
 こっちは渡邉麻衣が宣言する。
 「後は誰が潜水艦に乗って行くかね」
 八峰杏奈は仕方無しに納得する。
 「明日の朝全員で話し合いましょう」
 大路江美が結論を出す。
 翌朝の会議では畑を担当する班、電気で風呂を沸かす設備を検討する班、食事の班の半分の十五名が島に残る。それ以外で出発と成った。
 島に残るリーダーは大屋静江と決まった。
 
 姉ヶ崎中央棟最上階の宴会場である。
 高島波琉と川村由紀がまた呼び出された。
 「また私達ですか。もう報告を怠った人たちは種切れですか」
 高島波琉は主席に直接ごねる。
 「そんなことは無い。まだまだ。だがお前らも愉しみたい。それに今日は少し事態が変わった」
 「どういう事です」
 川村由紀に戦慄が奔る。
 「もうじきお前らの仲間が此処に攻めて来る」
 葛城修一主席は哂っている。
 「此処に入れないのでは」
 「入れる様にする。後で説明する。少し玩具になれ。報告を怠った連中と違って有料だ」
 「我々の給料より高いぞ」
 大臣が野次を飛ばす。現実その通りである。大臣でも歳費は月五百万。彼女らは一回で五百万が貰える。
 「貴女達の写真集が大量に売れているよ」
 木下有紀路が詰る。
 「無職で僅かな生活補償費から買って貰える。素晴らしい事だ。そして社会に絶対必要な事だ」
 葛城修一が公言する。
 「そんな恥ずかし過ぎます」
 「もうこの世に清純派は無いのよ。貴女達は最高の女優よ」
 また木下有紀路は二人の女の自尊心を逆撫でする。
 「二人のダッチワイフ作ったらどうでしょう。売れませんか。今でしたら精巧に出来ますよ。特に局部はそっくりの感触に成ります」
 官僚が提案する。
 「良いかも知れない。だがコストが高過ぎる」
 無職の層には買えないと葛城修一は言う。
 「それでしたら。販売と懸賞、レンタルの三本立てでどうでしょう」
 「良いな。直ぐ掛かろう」
 葛城修一主席も納得する。
 「さあ。今夜は本当の潮噴きやってもらうよ」
 木下有紀路が究極に辱める宣告をする。
 当然その恥ずかし過ぎる姿は放映される。
 「何が違うのですか」
 「出方が違うのよ。気持ち良くなって尿が出てしまうのと。完全に女の躰が燃焼して放水銃の様に噴出すのとの違いよ」
 そこから七十年配の大臣が語る。
 昭和五十年代。関東にもストリップ劇場がたくさん存在した。一番多かった神奈川で十六軒在った。
 その当時ストリップ劇場でも潮噴きのショーは非常に珍しい。
 ストリップ劇場の突き出したステージである。出べそと呼ばれていた。踊り子嬢が一人で濃厚なオナニーで何回も登り詰める。
 その先端で演技する。
 照明係が特別なアナウンスを流す。
 『このショーの間はお静かに願います。野次は絶対にお止め下さい。また潮が掛かったお客様は御赦し下さい』
 最後に出べその先端で股を開いて潮を噴き飛ばす。強い噴射で白く濁った名前の通りの液体が飛ぶ。
 出べそから入口の扉に掛かる。扉まで二メートル以上有る。
 その後踊り子嬢は緩慢な動作で舞台の袖に引き揚げる。最後のオープンステージまで少し間が開く。
 潮噴きの終わった踊り子嬢はふらふらしながら出て来る。不安定な状態でオープンステージを終わらせる。
 オープンステージは全部の踊り子嬢が行う。九つのステージとも共通である。最後のレコード一枚分サービスする。
 ステージのあらゆる箇所にしゃがんで股間を開く。指で女の部分を開いてピンクの部分を膣口まで見せる。
 客はオープンステージの最中ずっと拍手で迎えるのが常識であった。
 高島波琉と川村由紀は緊縛師の手で拷問椅子に磔にされる。
 高島波琉は葛城修一が責める。川村由紀は木下有紀路が責める。
 膀胱を押し出したり気持ち良くなって失禁したりでは赦さない。何処までも燃焼させる。
 電マやドリルバイブは使わない。小型の棘付きバイブと指でゆっくり責める。
 葛城修一は高島波琉の閉じ合わせた女の部分を広げる。膣口を指で広げて鑑賞する。
 高島波琉は顔を叛けて堪える。
 膣の奥に指を二本滑り込ませる。蚯蚓千条の膣天井部をじっくり味わいながら責める。
 「実に良い躰だ。この感触もそっくりに作る。シリコンの強度を微妙に調整出来る。逝き顔の変化も声も再生出来る」
 葛城修一はやや興奮している。高島波琉は究極に欲情を感じさせる女である。
 「そんな見た目だけではないですか」
 高島波琉は内面が大切と建前を言う。
 そう言う高島波琉の表情はやや高潮している。奥底には容姿を褒められた喜びを感じているのである。
 「さあ。素直に逝き顔を見せてくれ」
 逆らっても辛い責めが何処までも続く。諦めて責めに躰を任せる。
 葛城修一は棘付きバイブを挿入する。
 既に高島波琉の股間は強く震撼している。固定されていても迫上がり前後に動く限り暴れる。
 股間全体が流れ出た膣液で充満している。
 そんな間に川村由紀が潮を噴き上げる。宴席の中央広い部分に放水銃のように白く濁った液の飛沫をばら撒いた。
 「はああ。はああ。はあ。はあ。はあ」
 川村由紀の躰は荒い息遣いで股間を強くローリングさせている。
 葛城修一は電マを取り出す。クリトリスを集中的に責める。
 高島波琉はもう三回以上は登り詰めている。顔を後ろに叛けて藻掻く様に躰ごと震撼させる。それでも潮にはまだ遠い。
 「主席しゃべり過ぎですよ。イッた後に直ぐ追加責めする。その繰り返しで登り詰めると仰っているではないですか」
 そう言って木下有紀路が責めを代わる。
 「これは静かに責めないと駄目ですよ」
 そんな間に高島波琉のクリトリスを責められる下で変化が起きる。びらびらが割れるように開く。薄いピンクの部分が盛り上がる。尿道の亀裂が膨らむ。
 その亀裂がさらに噴火口のように迫上がる。そこに水分が微量に溢れかける。
 「あはあー。はあーあはあーーー。はあーー」
 高島波琉の股間は強く痙攣する。溢れかけていた水分が一気に白く濁った飛沫となって水鉄砲の様に遠くに飛ぶ。
 「ああーーー。ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 直ぐに止まる。止まっても休めない。
 「ああーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 今度は透明度の有る水分が噴き上げる。先程より威勢は無い。
 「ああはあ。はあ。ああ。はあ。はあ。はあ」
 高島波琉は荒い息遣いで縛られた躰全体を捩って藻掻き続ける。
 
 利尻島。ホテルの建物。その食事処の様な広間で送り出す宴会が行われた。まだ酒はホテルにそれなりに残っている。
 万が一上陸した者は帰らないかもしれない。潜水艦ごと戻って来ない危険もある。
 全員で行くか議論した結果。八峰杏奈の意見でこう成った。潜水艦で動き続けるのは厳しいという者も居た。
 無人島でも何とか生活は出来ると主張する者も居る。八峰杏奈も同じ考えである。
 「江美。戻って来られるよね」
 大屋静江は大路江美を心配する。
 「一か八かよ。他のメンバーは何としても帰すよ」
 大路江美は覚悟を決めている。一緒に覚悟を決めた杉浦瑞樹も横に居る。中に入って捕まらないで出られる可能性は低い。
 それでも主席を捕らえて街を占拠する考えを捨てられない。
 「潜水艦が有るうちに闘うしかないよ」
 大路江美はきっぱり言い切る。八峰杏奈と大路江美が最年長で三十五である。大屋静江が二つ若い。
 
 葛城修一は高島波琉と川村由紀を主席公室に連れて行く。二人とも潮でかなり体力を消耗している。
 潜水艦が放ったドローンが姉ヶ崎グランドシティを旋回する映像を見せる。
 撃墜したドローンの残骸も見せる。
 「これに見覚えがないか」
 「あります」
 「お前の仲間が此処に偵察に来た。そうだな」
 「はい」
 認めざるを得ない。
 「どうする」
 葛城修一は一応追及する。
 「そう言われましても」
 川村由紀はいまさらどうすることも出来ない。
 「奴らの所に戻るか」
 「いいえ」
 川村由紀はもう此処に落ち着くことで諦めてしまった。何れ全員が捕まるか抹消されると理解するしかない。
 「やつらは島では食料とか他にも行き詰まると考えた。それで此処に入って革命を起こそうというのではないか」
 「はい。多分そうだと思います」
 「潜水艦にはミサイルが積み込まれている。核弾頭は無いと確認済みだが」
 「それを此処に打ち込んで来るという事ですか」
 「その可能性は有るな」
 「はい」
 「狙うとしたら。この棟だ。誰が見ても此処が中枢と判る」
 「行き成りミサイルを」
 「それはあるまい。まず誰かが此処に潜入する。一時的に外から入れるようにしている」
 「それを捕らえるのですか」
 「最後には。その前にお前が話をしないか」
 葛城修一は核心に入る。
 「何を話すのですか」
 川村由紀は恐る恐る尋ねる。
 「お前が此処で掴んだ総てだ」
 葛城修一はきっぱり断言する。
 「ええー。何を話しても良いのですか」
 川村由紀に概ねの意図は理解出来る。
 「そうだ。一人で来ることは無いと思う。最低二人だ。一人は帰す。一人は捕虜だ」
 「一つ確認してよろしいですか」
 「何だ」
 「この棟にミサイルが打ち込まれたらどうなります」
 「何も起きない。全く効果は無い。核弾頭なら別だが。だが潜水艦の位置は直ぐ分かる。その先は説明の必要は無いな」
 「判りました」
 「どうする。お前の部屋に招いて話すか」
 「かしこまりました」
 「波琉も同席してよいぞ」
 「ええ。私も」
 「お願い」
 川村由紀も頼む。
 「判った」
 高島波琉は仕方なく応じる。
 
 翌朝早く潜水艦は出航した。
 大原の沖には夕方着いた。日没の手前まで食事をして待つ。泳いで着くには目標が見えないと難しい。もう灯台などは無い。
 街の明かりはたくさん見えるが大原に向かう目標にはならない。
 大路江美、杉浦瑞樹、辻沙緒里、宇垣美佐都で出発する。
 潜水服を着けて着替えと鮫忌避剤アセテート、拳銃も持つ。ブイから海岸まで細いワイヤーを張る。
 辻沙緒里が廃墟になったシャワー設備の建物で待つ。海水浴場としては使われていない。彼女らには好都合である。
 防風林がさらにビル群から隠してくれる。
 宇垣美佐都は伝令員として艦に戻る。
 大路江美と杉浦瑞樹は夜目に紛れて建物に近付く。
 何処から見ても非常口以外の入り口は無い。ドアは簡単に開いた。非常ベル等は鳴らない。
 「中には入れたね」
 一階には何も無い。ビル群の構造から高い階でビル同士が繋がっている。
 この時点で警備は異人種が紛れ込んだことを確認している。葛城修一の指示で状況を監視する。
 セキュリティカードなどは無い。総ての住人が画像認証されている。
 「大原十号棟に入った」
 葛城修一から川村由紀に連絡が入る。
 「判りました。新都市交通で迎えに行きます」
 大路江美と杉浦瑞樹はEVに乗り込んだ。連絡通路が二十階にある事は直ぐ判る。其処で降りて連絡通路を進む。
 CICの指令で川村由紀と高島波琉の乗った新都市交通は臨時特急になる。終点まで無停車で行く。
 各駅停車を上り線に一時退避して追い抜かしを掛ける。
 世界壊滅戦争の前。小湊鉄道といずみ鉄道が二時間半掛けて走った区間である。それを僅か二十分で着く。
 「川村さん二人で侵入しました。連絡通路階を進んでいます。大原五号棟で止めます。其処で待ち伏せて下さい」
 CICの係員から新都市交通の車両アナウンスに入る。
 川村由紀と高島波琉は五フロア下がって連絡通路で待つ。
 直ぐに二人を見つける。
 「江美」
 川村由紀が呼びかける。
 「由紀」
 「私の部屋に来てください」
 「由紀。無事だったの」
 「私は。でも愛美と涼香は殺された」
 「政府に」
 「ロボット兵士よ」
 「こちらは」
 「高島波琉さんです」
 川村由紀が二人に紹介する。
 「大路江美です」
 「杉浦瑞樹です」
 大路江美と杉浦瑞樹は状況が分からないながら挨拶する。
 エレベーターで二十五階に上がる。乗ってきた新都市交通で中央棟に着く。其処から旧内房線に沿って一棟木更津寄りに移動する。
 その最上階の一つ下に川村由紀と高島波琉の部屋が在る。
 川村由紀の部屋に入る。
 「ずいぶん早いのね。途中の駅も飛ばして」
 「ごめんなさい。お二人は非常口から入った段階でキャッチされています」
 「それじゃこの人は」
 「敵でも味方でもありません。私の友人です。ドローンで此処を偵察した時からばれています」
 「ええーー」
 「これは主席の了解の上です。既に利尻島も知られています。畑を耕している事も確認されています」
 「ああ」
 二人は絶望的に床に膝から沈む。
 「あの新都市交通は特別に無停車運行してくれました」
 「由紀はどういう立場なの。どうしてこんな部屋を与えられているの」
 「私が説明します」
 そこから高島波琉が説明を代わった。大路江美らが興奮し始めたからである。女性の置かれた立場から説明した。
 そして高島波琉自身の受けている状況。川村由紀の状況も説明した。
 その後に川村由紀がこの街の機能、中央棟の状況、主席の身辺を話した。
 「それじゃどうにも戦い様が無いね」
 大路江美も愕然とする。
 暫らく沈黙した。
 「主席は私達が島に住むことも許さないのね」
 杉浦瑞樹がぽつりと言う。
 「この街の住人以外は総て抹消する考えです。戦争で生き残ったイングランドも住人まで全滅させました」
 「海軍が世界中を掃除しています。日本人以外を地球に残さない。核は完全に一掃する。二度と戦争が起きない対策と言われています」
 途中から高島波琉が説明する。
 「此処に捕まれば由紀か、それ以下の待遇なのね」
 「そうよ」
 「由紀さんは此処に留まるのですか」
 杉浦瑞樹の質問である。
 「あれだけの事をされて今更」
 川村由紀は諦めの態度である。
 「由紀さんは私達にどうしろと」
 これも杉浦瑞樹の質問である。
 「どうしろとも言えないよ。主席が一応話してみろと言われるから。探りに来るなら知っている総てを話して良いと言われたのよ」
 「降伏を薦めろと言う事ね」
 「本来入って来た段階でロボット兵に捕まります。私が話すことに納得したので時間をくれたのです」
 「そう言う事なのね」
 大路江美は観念した様に言う。
 「もうじきロボット兵が逮捕に来ます。拳銃など持っていても無駄です。主席と話せる機会を交渉してみましょうか」
 高島波琉が確認する。川村由紀と二人が揉めない様に気を配っている。
 「ええ。出来るのでしたら」
 「やってみます。その前に主席はお二人の内一人は一度帰すと言われています。一人は捕虜にされます。今のうちにその辺。心構えをされた方が」
 高島波琉は柔らかく丁寧に怒らせないように説明する。
 「私が残る。瑞樹が説明に戻って」
 高島波琉が主席に電話を掛ける。この街には固定電話しかない。それもプッシュもダイヤルも無い。大昔の様に交換が繋ぐ。
 「高島波琉です。主席に繋いで下さい」
 「お待ち下さい」
 機械音声が回答する。交換が主席に確認を取る。
 「どうだ」
 直ぐに葛城修一が出る。
 「お二人が主席とお話しする時間を頂けますでしょうか」
 高島波琉は恐る恐る交渉する。
 「いいだろう。ロボット兵が迎えに行く」
 葛城修一は簡単に承諾した。
 拳銃を押収された。ロボット兵は川村由紀の部屋にその拳銃を残す。
 中央棟に移動して最上階行きのエレベーターに乗せられる。乗るのは四名だけである。ロボット兵は其処に待機する。
 最上階に下りると壁の両側にずらりとロボット兵が連なっている。そのまま一般面会室に通される。
 いつも高島波琉らが通される部屋ではない。主席は強化ガラスの向こう側である。
 「主席の葛城修一です」
 大路江美と杉浦瑞樹も名乗って挨拶する。
 「何がお聞きになりたい」
 葛城修一はやんわりした態度である。
 「私達の島を攻撃するのですか」
 大路江美が単刀直入に確認する。
 「潜水艦は私が待ったを解除すれば攻撃されるよ」
 「島は」
 「戦闘にはならない。だが開拓の波が進めば何れ整備される」
 「それはいつですか」
 「まだ計画も立ってない。人工知能が順次判断する。そっちの食料が尽きるのが先だ」
 一年以上後ということである。
 「私達はどうなるのですか」
 「此処に入った以上は拷問だ。その後はランクを判定されて部屋と仕事が決まる」
 「此処からは出られないのですね」
 「拷問を受けて部屋が決まったら中は特定区画以外動ける。外にも出られる。だが出たら本来なら入ることは出来ない」
 「どういうことでしょう」
 「由紀に聞いたのではないのか」
 「出たらどうなります」
 「外は人外魔境だ。あとはお好きにだが。島に帰る船ぐらいは貸してやろう」
 「此処の国民以外抹消されるのでは」
 「日本人は武器を持っていなければ態々殺しはしない」
 「潜水艦を放棄すれば命は取らないと」
 「無視だ。だが人工知能の開拓は止まらない。畑を作っても田圃を耕しても無視だ。だが開拓で潰されない保障も無い。他の地に動けば別だが」
 「私達二人が一度拷問を受けたら、その後は無視してくれますか」
 「潜水艦はどうする」
 「駄目よ。潜水艦が無いと漁船では燃料が尽るよ」
 杉浦瑞樹が否定する。
 「待って下さい。兵器がなければ艦と原子炉だけでも駄目でしょうか」
 高島波琉が割り込んで交渉する。
 「まあ。少し考えよう。お前らのうち一人は一度帰れ。仲間に今の事を説明する。そして一度は戻って来い。二日以内だ。でなければ残った一人は処刑だ」
 葛城修一は高島波琉を見ながら表情を少し和らげる。
 「処刑とは」
 「銃殺だ」
 「戻って来れば最終的には開放されますね」
 杉浦瑞樹が確認する。
 「どうだ全員一度此処に入れ。そして女躰ランキングの審査を受けろ。優に成った者四人だけ残れば兵器を下ろした潜水艦で開放してやる」
 「武器を全部下ろせばということですか」
 「そうだ。波琉の意見を考慮する」
 「全員一回は拷問ですか」
 「金を払わない拷問はお前ら二人だけだ。それ以外は此処に留まればランク次第だ」
 「不可になったら」
 「どうであれ出て行きたければ四人残ればあとは開放だ」
 「その条件を補償してくれますね」
 大路江美は強くねごを取る。
 「高島波琉が証人だ。此処では一番のスターだ」
 「判りました」
 「どっちが戻る」
 「杉浦瑞樹が戻ります」
 大路江美がきっぱり断言する。
 「お前が行かないで説得出来るのか」
 葛城修一は年嵩の大路江美が行く方が良いのではと考えた。
 「江美。その方が」
 「ううん。あなたが行った方が良い。そうだよね。由紀」
 大路江美は川村由紀に同意を確認する。
 「そうだね」
 川村由紀も同調する。
 「分かった。それならそれで良い。由紀は大原十号まで特別車で送ってやれ」
 そのまま大路江美は拘束された。
 杉浦瑞樹は川村由紀の部屋に戻ってロボット兵士に拳銃を返される。
 新都市交通は特急で待機していた。大原十号では乗る者は居ない。建てたばかりで空室の棟である。
 着いたら待っている辻沙緒里を探して潜水服に着替える。ロボット兵士が船外機の付いたゴムボートを用意していた。
 訝しがる辻沙緒里を制してそれに乗る。
 「全部ばれているのよ」
 「どういうこと」
 辻沙緒里は緊張の表情である。
 「江美は人質で残った」
 「えー」
 「戻ったら全部説明する」
 ブイにボートを接続して海中の潜水艦に向かって潜水する。
 潜水艦は杉浦瑞樹の話を聞きながら利尻に全速で戻る。
 聞いた内容は全員に希望とショックの両方である。
 「最終的には武器を搭載しない潜水艦で日本から離れろと言う事なの」
 八峰杏奈はかなり憤慨している。
 「そうとも言えないよ」
 杉浦瑞樹は説得に苦しんでいる。
 「由紀はもう私達のところには戻らないのね」
 「そうね。もう散々なことをされて諦めているよ」
 「四人の人身御供が問題よね」
 八峰杏奈は厳しい表情である。
 「でも全員が一回姉ヶ崎に行かないと成らないのですね」
 宇垣美佐都は大分落ち着いている。
 「そうです。でも優に成った四人が残れば後は帰るも残るも自由です」
 杉浦瑞樹は何とか説明に苦慮している。
 「そんなの。四人に当った子はどうするのよ」
 八峰杏奈は怒り狂っている。
 「江美と私は覚悟しています」
 杉浦瑞樹はきっぱり宣言する。
 「残る二人は」
 まだ八峰杏奈は興奮状態である。
 「みんなで話し合うしかないよ」
 大路江美ならここで喧嘩に成ったと杉浦瑞樹も理解する。
 八峰杏奈も言い過ぎに気付いて場を外した。
 「要するに移動する為の潜水艦と原子炉は確保出来たのね」
 渡邉麻衣にはかなり交渉して改善した事が理解出来る。
 「誰が優に指名されるかが問題だけど」
 「それでも水田を作っても畑を耕しても無視と話は付いたのでしょう」
 「でも漁船のスクリューは駄目でしょう」
 「もう一度確認するべきだけど。潜水艦の武装が問題のようです」
 「話は付きそうね」
 「要するに美人でスタイルの良い女を四人出せばあとは勝手にせよということですね」
 宇垣美佐都は八峰杏奈と仲が良かった。だが今回は大路江美に付いた。
 「私と江美は許されない。どうせ拷問を受けるのよ」
 「私も一緒に行きます」
 宇垣美佐都は覚悟を表明する。
 「もし由紀が帰ることを希望していたら。これより悪い結果になったと思う」
 杉浦瑞樹は主席の対応の変化を見ている。高島波琉の仲介がなければここまで進まなかった。
 「最初から主席は由紀を従わせようと私達の調査結果を提示したの」
 渡邉麻衣もほぼ状況を理解した。
 「だと思う」
 「そう」
 「そうね。仕方ないよ」
 辻沙緒里も納得する。
 潜水艦は最大戦速で翌未明に利尻島に着いた。桟橋にそのまま浮上する。もう隠しても無意味である。
 
 姉ヶ崎グランドシティ。中央棟最上階。大会議室である。
 大路江美はあれから鉄格子に入れられていた。昨夜から拷問の録画を多数見せられた。川村由紀の拷問シーンも観た。
 気丈な大路江美も震え上がった。
 集会を企画した椿原圭子への仕打ち。そして報告しなかった者らへの過剰な仕打ちに驚愕した。
 乳首を飛ばすシーンには怒りと恐怖に震えた。
 そして如何なる行動も起こせないと思い知らされる。
 大会議室の正面に葛城修一主席。その横に和服姿の木下有紀路が居る。両方の壁際に大臣、官僚が五十人くらい列席している。
 大臣、官僚の後ろはロボット兵六十体位が固める。中央が広く空けられここが拷問領域である。本来置かれるテーブルは無い。
 大路江美はそこに連れて来られた。潜入時の服装のままである。下着もかなり汚れている。
 既に心臓は強い鼓動を打っていて足元はふらついている。緊縛師四人に牽かれて主席と木下有紀路の正面に出される。
 大路江美はこの女の存在が何とも恐ろしい。
 「連れてまいりました。如何致しましょう」
 緊縛師が葛城修一主席にお伺いを立てる。
 「最初は徹底的に辱めろ。この女は三十五だ。それでこのスタイル。化粧もしてないのにこの器量だ。羞恥責めは効く」
 葛城修一は笑っている。相当に大路江美を虐めたい願望が強い様子である。
 木下有紀路が前に出る。
 「確かに良い女よ」
 木下有紀路は携えていた日本刀を抜く。刃先を横にして顔に当てる。
 「傷つけたいけど主席が許可しないから残念ね。でも下の毛はばっさり剃ってあげるね」
 木下有紀路独特の脅しから始まる。
 大路江美が恐れていた女が目の前に来た。自分よりかなり若いと分かる。それが尚のこと嫌である。
 「裸にして。男の手がいいよ」
 木下有紀路は緊縛師に指示する。
 「自分で脱ぐよ」
 大路江美は押さえようとする緊縛師の手を振り解く。
 「駄目よ。男の手でじっくり剥かれないと」
 木下有紀路は日本刀を突きつけて否定する。
 「いいじゃないか。演台に乗ってストリップやって貰おう」
 葛城修一が認める。
 直ぐに演台が持ち込まれる。その下に籠を置く。
 「いい。後ろ向いちゃ駄目よ。判った」
 木下有紀路は強く宣告する。
 大路江美は自衛隊服のブラウスを脱ぎ捨てる。佐世保に残された自衛艦から持ってきた物である。上半身はクリームのブラだけになる。
 下はホワイトジーンズ。それも脱ぎ捨てる。その下は白いオーソドックスなショーツだけである。
 クリームのブラの背中に手を廻す。片手はブラを正面から斜めに押さえている。意識的に直ぐ落ちる事を防ぐ。
 「手で隠すなよ」
 大路江美は木下有紀路の言葉に一瞬睨み返す。直ぐに思い直して前から押さえた手を後ろに廻す。両手でブラのフォックを外す。
 そのまま乳房を丸出しにしてブラを籠に捨てる。
 乳房はほぼ円形と言える。まだ垂れていない。肌の肌理は細かく色は雪の様に白い。
 乳輪は二センチ位。乳首は円筒形に突き出ている。それ程高さは無い。起てばやや突起するかもしれない。色は真っ赤である。
 左の乳房の谷間側の裾野に黒子が確認される。
 木下有紀路はその左の乳首の根元に日本刀を当てる。
 「これ斬りたいな。でも主席はOKしないからまたね」
 大路江美は震えながらショーツを脱ぐ。
 ドテの黒い塊は少し長めのホームベースの形に咲いている。
 「ちゃんとお手入れしているのね」
 内腿には綺麗な縦長の三角形の隙間が描かれる。余分な肉は無い。そこに日本刀を差し込む。女の部分は割れ目の筋しか見えない。
 「綺麗な御御脚ね。蚯蚓腫れにしてあげる」
 そう言って木下有紀路は籠からブラとショーツを拾って観ている席に廻す。
 「ええーーーーー。なんで」
 大路江美はさすがに慌てる。
 「皆さんにじっくり見て頂きましょう」
 「何で。そんな物を」
 大臣らは堂々とショーツの染みを鑑賞する。そして匂いを嗅ぐ。もう民主主義時代の現代日本ではない。何処からも非難は起きない。
 大路江美は恥ずかしさに崩れた目でそれを追う。
 「ああ。やめてーーー」
 大路江美は溜まらずそう吼えてしまう。
 「これ剃るから拷問椅子に乗せて」
 木下有紀路は日本刀の先端でドテの黒い塊を指す。そして緊縛師らに拘束を要求する。
 拷問椅子は最初から置かれている。
 緊縛師はそれに四人がかりで押し付ける。
 「縄でキッチリ固定して」
 緊縛師は大路江美の腕を拷問椅子の後ろで合わせる。そこで縄を掛ける。乳房の上と下に縄を掛けて拷問椅子の背に固定する。
 脚乗せを広げる。女の部分は丸出しに成る。
 膝と脹脛、脚首を縄で固定する。
 「こんなもので」
 緊縛師が縛り状況の可否を確認する。
 「こいつの女をスクリーンに公開して」
 大路江美の脚を広げた女の部分。大陰唇の陰毛は処理されている。ほんのりその部分の皮膚は紅が濃い。
 クリトリスの包皮からびらびらまでごく細く大陰唇の間に挟まっている。上から下まで細い一文字である。
 小陰唇の下の方が僅かに割れて見える。その辺りだけ僅かに薄小豆色が掛かっている。
 緊縛師はそれを左右から開く。割ると中まで薄橙である。尿道の小さな亀裂が窪む。その下に膣口がぱっくり小さく開く。
 それが四方の壁の大型スクリーンに拡大される。大路江美はそれを見て溜まらず顔を歪め叛ける。
 「いやあ」
 泣きそうな声である。
 木下有紀路は日本刀の先端を黒い塊の上部に載せる。振り被って黒い塊を一気に飛ばす。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美のとっさの悲鳴。その直後に黒い塊が散りながら一部固まって床に落ちる。緊縛師はそれを拾ってケースに入れる。
 陰毛も大臣らの席に廻す。
 「残りを丁寧に剃って」
 大路江美の黒い塊は上の方は僅かに根元だけになった。クリトリスに近い部分がやや残っている。
 緊縛師らはローションを掛けてT字剃刀で剃る。
 四人の男の手が大路江美の躰を押さえる。太腿や乳房にべったり載っている。大路江美は顔に不快感を露骨に表す。
 その間に極太の浣腸器とバケツに板氷を入れた石鹸水が運ばれる。
 大路江美は浣腸されると直ぐ分かる。その羞恥に慄く。この人数の前で便を出す。恐ろしい屈辱である。
 鉄格子の中にトイレは設置されていた。丸見えなので排便をしていないことに気が付く。
 どうにも成らない。
 剃毛が終わったその部分がスクリーンに拡大されている。
 木下有紀路の指示で緊縛師が浣腸器に石鹸水を吸い上げる。シリンダーが白く濁って冷たさが一目で判る。
 緊縛師二人が太腿を強く押さえる。
 シリンダーの先端がアナルに差し込まれる。
 「あ、あーーーーーーーーーーー」
 石鹸水が入って来ると大路江美の表情は一気に究極に歪む。
 「ううーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー。うーーーーーーーーーーーーーーー」
 腹の痛みは一気に襲って来る。
 大路江美は腹を捩って藻掻く。
 「ぐううーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美は眉間に皺を歪めて強く深く刻む。口を大きく曲げて開き悲鳴を絞り出す。
 注入が終わっても直ぐには排便させない。木下有紀路がアナル栓を捻じ込む。
 「主席。苦しむ顔もなかなかいいよね」
 「まったく。良い女の苦しみ顔は最高だ」
 「ねえ。このお○○こ綺麗過ぎるけど。何本入ったの」
 木下有紀路はからかい半分疑問半分。大路江美に聞いてみる。
 「そ、ん、な、ううーーーーーーーーーーーー。もうだめーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーー」
 大路江美は答えるどころではない。腹の苦しみが究極に襲っている。
 「答えたら出させてあげるよ」
 木下有紀路の意地悪な限りの虐めである。
 大路江美は惨めさの極地である。堪えられない苦しみから交換条件に答えさせられる。それは羞恥地獄に行く意思表示をする事である。
 「ふたり、だ、け。ううーーーーーーーーーーー」
 緊縛師は慌てて拷問椅子の真下に透明で大きなボウルを置く。
 木下有紀路はアナル栓を抜いてさっと退く。
 ぐううーー。ぶうおおーーーーーーーーーーーー。
 大音響と共に茶色い水と太い便が飛び出す。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美の断末魔の悲鳴が轟く。強烈な臭気が充満する。緊縛師が一人走って壁のスイッチを押す。大型の換気扇が一気に作動する。
 数回、水浣腸で腸の中を洗う。
 男性緊縛師の手でアナルを拭かれる。更なる屈辱である。
 「さあ。気持ち良くお漏らしして貰おう」
 木下有紀路は緊縛師にローターを数個渡す。
 緊縛師はまずアナルに挿入する。膣に指を入れてアナルに挿入したローターの位置を調整する。
 「ううーー。いやあーーーーー」
 膣に二つ挿入する。スイッチを入れる。
 「ああーーー。いやあーーーーーーーーー。ああーーーーーー。あーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 大路江美は躰を振って藻掻く。三人の緊縛師が卵バイブを持ってクリトリスを三方向から責める。
 「あはあ、あ、ああーーーーーーーーーーん。いやあーーーーーーーーーーーーーーーー。あーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーん」
 大路江美は猛攻撃に堪えられない。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 股間は痙攣している。上下に強く揺れる。
 「ああーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美は失禁した。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断続的に潮が噴き上げる。
 緊縛師三名は潮の掛からない位置から責めている。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美の股間はまだ痙攣している。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 股間の震撼が止まらないまま荒い息遣いが続く。会場からは拍手が沸く。大路江美には堪えられない拍手である。
 また緊縛師に男の手で股間を拭かれる。
 木下有紀路はクスコとアナル開口器を用意している。さらに水の無い水槽に入れて縞蛇を運び込む。
 続いて鰻の入った盥も運び込まれる。
 「とっても恥ずかしい失禁だったわね。三十五歳の叔母さん。さあ。次は蛇イレポンしましょうね」
 木下有紀路は愉しそうに素見す。
 「な、なんですって」
 大路江美の声は震えている。
 緊縛師は大路江美にクスコを挿入する。ペンライトを照らして女の奥まで公開する。
 「ああーーーーーー。そんなーーーーーーーーーー」
 大路江美は羞恥に堪えられない。
 続いてアナル開口器を挿入する。こっちもペンライトで奥まで照らす。
 木下有紀路はスネークフックで縞蛇を掴む。
 「それじゃこの子に気持ち良くして貰いましょうね」
 木下有紀路は縞蛇を翳して言う。
 大路江美は歯をガチガチ鳴らす。そして躰は震えている。正気で堪えられそうもない。

 人工知能管理者のSM帝國 その三 女躰潮噴きと失禁 完





 人口知能管理者のSM帝國 その四 女躰ステータス

 二〇三十年大暑上元
 (この二十四節気は平気法によるものです)
 この物語は二〇二○年現在未来形です。
 「まあまあ」
 葛城修一が立って大路江美に近付く。
 「精神安定剤」
 木下有紀路は看護師に要求する。看護師も男性である。
 大路江美はさらに怯える。何か言おうとしているが声にならない。
 「お前。此処に残るのだな」
 葛城修一が行き成り確認する。
 大路江美は首を縦に振る。蛇の恐怖で声が出ない。
 その間にも板前が調理台と蒸し器を運び込む。続いて炭で焼くコンロも運ばれる。
 「よし。それなら鰻で許してやろう」
 葛城修一が決めてしまう。
 それでも精神安定剤は打つ。
 今度は板前が鰻を掴む。
 「ああーーーーーーーーーーー。だ、だ、だめーーーーーーーーー」
 大路江美は鰻でも悲鳴を上げる。
 「本当は蛇を二穴に入れる予定なのにな。残念。不満だな」
 木下有紀路は態とそうぼやく。最初から威嚇である。
 板前は鰻の頭を一瞬突っ込んで別の盥に投げる。
 「うう」
 大路江美は呻き声を上げるが蛇が解除されてやや落ち着いている。
 板前は六匹入れて終了する。そのままそれを会議室の片隅で調理に掛かる。
 磔柱が搬入される。
 緊縛師らは大路江美を拷問椅子の縛りから解く。そして磔柱に立たせる。
 「観念しなさい。その綺麗な躰に鞭打ちよ。その綺麗な太腿。蚯蚓腫れにしたくてうずうずしているの」
 木下有紀路はまた恐ろしい言葉を投げ付ける。
 だが大路江美には叩かれる方がまだましである。女の性をとことん辱められる。これがもっと辛い。
 机に数種類の鞭が用意されている。
 板前は鰻を次々に裂いて下焼きをする。
 「貴女のお○○こに入った鰻を皆さんでお召し上がりよ。どう。女冥利に尽きるでしょう」
 木下有紀路はまたからかい詰る。
 高さの高い磔柱である。緊縛師は机の上に登って大路江美の両腕を高く上げて縛っている。膝を揃えて脚首と膝上で磔柱に固定される。
 木下有紀路は一人目の大臣に先の細い一本鞭を渡す。
 大路江美は一文字に磔にされている。一本の柱に縦長に腕を真上に伸ばしてスレンダーな体型が限りなく表現される。
 綺麗な腰である。三十五歳とは思えない。崩れていないスタイルと言える。躰中余分な肉は無い。
 乳房はとくに大きくは無い。下半分に丸い半円を描く。向きも左右が僅かに外を向く。円筒形の乳首の先端も僅かに上を向く。
 膝を揃えた股間は拳半分位の隙間が開く。
 股間から膝までの内腿の線。これが僅かに腿の内側に弧を描く。この部分が股の内側に膨らむ弧を描くとやや美脚を損なう。
 葛城修一主席の美観概念を基本に人工知能が判定する。結果こういったタイプが優以上に残ることと成る。
 一人目の大臣は太腿を二本揃えて薙ぐ。
 「うおおーーーーーーーーーーーー」
 一本鞭の細い先端が柔肌に食い込み跳ね返る。
 縛られていても片方の膝が反動で突き出る。
 次は色白の乳房を叩く。
 「ぐおおーーーーーーーーーー」
 大路江美は表情を破裂させ痛みに震える。
 肌理の細かい肌に鞭の痕が赤く浮く。サディストには堪らない生唾シーンである。
 木下有紀路は五人目から細い竹の鞭を渡す。
 これで叩くと直ぐに蚯蚓腫れが浮く。
 木下有紀路の目的通り大臣は太腿に蚯蚓腫れのメモリを描く。上からほぼ等間隔に叩く。
 「うう」
 大きな悲鳴は出ない。
 太腿を僅か六人が叩いてだけである。大路江美の余分な肉の無い白い太腿。いまそれは蚯蚓腫れが赤紫に染まって無残極まりない。
 この状況はサディストの加虐心を強く滾らせる。
 次の警察官僚は股間の隙間に狙いを定める。僅かに覗く割れ目の頂点を叩く。
 「うーーお、おお、おおーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 クリトリスを包皮の上から細い竹の鞭の先端部が直撃である。
 さすがに目尻に涙が溢れかける。痛みに歪む大路江美の表情。それがさらに加虐心を底から煽る。
 次の官僚は顔を狙う。
 「駄目よ。顔は平手だけ」
 これは木下有紀路が止める。大切なアナウンサー要員である。
 仕方なく官僚は平手でビンタする。
 「う」
 大路江美は睨み返す。平成、令和をモラルに染まった表の世界だけ生きてきた女。男の手でビンタは限りなく屈辱である。
 それでも今度は涙を抑える。
 「次は乳房をもっと汚して」
 木下有紀路が次の官僚に要求する。
 乳房も無残な赤紫の筋に蹂躙された。
 大路江美の顔は汗を噴いている。
 既にグラスの中に太い蝋燭を溶かしていた。芯の周りが抉れて溶けた蝋涙が溜まっている。
 「脚を外して持ち上げて」
 木下有紀路は緊縛師に要求する。
 次の官僚に溶けた蝋燭を渡す。
 「太腿の蚯蚓腫れにべっちゃり掛けて」
 「ええーーーーー」
 大路江美は恐怖に悲鳴を上げる。
 官僚は嬉々と悦んで緊縛師が平行にして持ち上げる太腿に流す。
 「あーー。はあーーはあーー。はあーーーーーはあーーーーーーー」
 甲高い悲鳴が宴会場を劈く。
 「もう片方」
 木下有紀路は次の官僚に溶けた蝋燭を渡す。
 「ああーーあ。あはあーーー」
 大路江美の恐怖に震えた涙声である。それを他所に官僚は蝋涙を流す。
 「ああーー。ああーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーー。あーはあーーはあーーーーーはあーーーーーーーーーーーーーーー」
 大路江美の表情は泣き顔混じりに破裂している。
 最後は木下有紀路が蝋燭を二本持つ。
 「いやあーーーーーーー。だあめーーーーーーーーーーー」
 大路江美には乳房に掛けられると直ぐに分かる。驚愕の表情で悲鳴を上げる。
 一本目を左の乳房に流すように掛ける。
 「ううーーううーーーーーーーーーうーーーーーーーーーーーーー。ううーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 蚯蚓腫れが赤紫に滲んだ乳房は真っ赤な蝋涙に包まれてゆく。
 大路江美の目からは涙が溢れる。そして頬を伝って流れ落ちる。
 木下有紀路は大満足である。
 二本目を右の乳房に流す。
 「う、う、ううーーーーーーーー。うーーーーーーーうーーーーーーーーー。あーはあーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 号泣状態である。三十女が堪えられないか。慣れれば堪えられる。だが蚯蚓腫れの上である。そして初めて受けるSM拷問。衝撃は大きい。
 少し乾くのを待って蝋涙を鞭で叩き割って終了した。
 大路江美は襤褸襤褸の姿で緊縛師らに部屋に運ばれた。マニュアル、通帳が渡されたのは川村由紀と同じである。
 
 高島波琉は主席の私室に呼ばれた。
 ロボット兵以外誰も居ない。直ぐに全裸にされる。
 一緒に窓際の展望の利いた湯に浸かる。
 東京湾は静かだがその先は川崎、横浜と瓦礫の放置状態である。羽田は総ての滑走路がずたずたに壊されている。
 「明日。島の女達が来たら出迎えて説明して貰いたい」
 葛城修一は高島波琉に新たな要求を切り出す。
 「えーー。私がいったいどういう立場でですか」
 高島波琉には驚き以上である。
 「帝國BBSアナウンサーだ。総務大臣が立ち会う」
 「はい。それなら全員を呼び出したのですから帰る人たちに少しは何か」
 高島波琉はそこまでさせるならと要求を切り出す。自分の言い分は多少通るのではないかと思い始めている。
 「潜水艦を武装解除する代わりに支援物資か」
 「そうです」
 高島波琉の声はやや震える。
 「何が良い」
 葛城修一の片手は高島波琉の女に挿入されている。片手は乳房を掴んでいる。
 「お米と冷凍肉。それから電気で動く耕運機一式と軽トラック。太陽光発電パネルです」
 「判った手配する。駆逐艦で運ばせよう。そう説明してくれ」
 「それから。あと一年で島を整備するのですか」
 「それを調べたのだが、北海道を整備に掛かるのが五年後だ」
 「五年は整備しないと補償していいですか」
 「そっちは総務大臣に言わせよう」
 「はい」
 「今夜中に二人と打ち合わせしておいてくれ」
 「大路さんと川村さん」
 「そうだ」
 
 夜に成って高島波琉は川村由紀を伴って大路江美の部屋を訪ねた。
 大路江美は配給された弁当も食べないで湯に浸かっていた。鞭で叩かれ蚯蚓腫れが割れた皮膚を癒していたのである。
 支援物資の話を聞いて大路江美は少し喜んだ。
 「それにしてもあの女酷いよ」
 「そうよ」
 大路江美の木下有紀路への怒りに川村由紀も強い怒りを示す。
 
 利尻島。元ホテルの建物。その食事処の様な広間である。
 八峰杏奈が一応の説明をした。艦内で興奮していた状態とは変わっていた。杉浦瑞樹の思いと変わらない説明であった。
 その後の質問への回答は杉浦瑞樹の役割となった。
 「一つ。潜水艦が有って魚雷やロケットは要りませんが。日本を離れて核に犯されてない場所が有りますか」
 大屋静江である。
 「最低限この島に残れなければ潜水艦生活です」
 三十手前の女性も同調する。
 「此処に残っても先は見えないよ。新しい政府の国だけしか残らないなら。もう諦めて従った方がいいよ」
 まだ二十代前半の女性である。
 「此処に居たって食糧危機。そのうえ永久に男日照りだよ。従っても献身婦だけど衣食住には困らない。いまは非常時以上だよ」
 この女性も二十代前半である。
 「馬鹿なこと言わないで。男日照りなら献身婦で良いと言うの」
 また八峰杏奈がキレる。
 「杏奈。この時点で姉ヶ崎の街に入るのは各自の自由でしょう」
 宇垣美佐都が嗜める。
 「ごめんなさい。そうね」
 八峰杏奈も考え直して謝る。
 「問題は誰が何人まで優ランクに成るかよ」
 辻沙緒里はそこが気に成っている。自分は大路江美とその街に残っても良いと覚悟している。他の子がそうなったら困ると思う。
 「もし優ランクが四人だけだったら。その四人はその街に残るしかないね」
 八峰杏奈は悶々と悩んでいた確信を言う。
 「絶対に姉ヶ崎に行きたくない人は」
 杉浦瑞樹が挙手を求める。
 三名が手を上げる。
 「杏奈さんは良いのですか」
 「私は戻って来たいけど。他の人達を此処に帰す為なら残るよ」
 八峰杏奈の言葉に挙手した三名も手を下ろした。
 「その中央棟を潜水艦のミサイルで破壊して一挙に攻め込めませんか」
 杉浦瑞樹が最初に考えたことである。この女性も同じ過激な意見を吐く。
 「それは無駄です」
 杉浦瑞樹が状況を説明する。
 「破壊しても人工知能の中枢は一つではなく冗長化しているでしょう」
 宇垣美佐都が冗長化の説明も行った。
 「もし主席を殺したらもっと大変な事に成ります。そうなったら人工知能に支配されたロボット軍が人類を全部抹消する設定に成っています」
 「そんな。それじゃ主席が亡くなったら全部終了」
 「違います。主席は既に人口人体です。今より老けず不死身です」
 「そんな。ハッタリでは」
 「それがハッタリでもロボット軍が人類を全部抹消する設定はそのままです」
 「それもハッタリでは。内部に入ってしまって革命出来ませんか」
 そこで杉浦瑞樹は椿原圭子を告発しなかった犠牲者の話を説明した。
 「それでは内部は完全な監視社会ですね。戦争直前の中国の様に」
 「そうです」
 杉浦瑞樹はきっぱり答える。
 「戻って来たい人」
 八峰杏奈が確認する。
 半分弱である。
 八峰杏奈には衝撃の結果であった。
 その夜は全員で飲み明かした。翌日、払暁に潜水艦は出航した。全員乗艦した。今回は戻る希望のメンバーが操艦する。
 館山沖に浮上した。
 哨戒機が誘導に近付く。
 木更津方向を指示して来た。
 浮上航行して東京湾をゆっくり進む。
 イージス艦が二隻両側から近付く。水先案内代わりである。姉ヶ崎新軍港に誘導する。石油タンクも製油所も焼け野原のままである。
 今は石油を使わない。それ以前に入って来ないのである。
 埋め立てた土地に現在の工場が造られている。ロボットが街に必要な物資を製造する。
 人工知能の指令でロボットが建造した急造の生産設備である。
 電力は東海第二発電所から来る。原発を強行に動かした。それ以外は太陽光発電のみである。
 奥の潜水艦桟橋に接岸する。
 中央棟の下までバスで運んでくれた。丁度一台分の人数である。
 二階のフロアまでロボット兵士が誘導する。
 高島波琉が其処で待っていた。
 「その端末にお名前と生年月日を入力して下さい。入力されましたらそのままそちらのゲートを潜って下さい」
 端末入力の先には空港の金属探知機の様な物が有る。それは金属探知機よりもっと奥行きが深い。
 「審査は裸にされますね」
 杉浦瑞樹が先頭である。出迎えが高島波琉だったので気に成ることを確認してしまう。
 他にはロボット以外人は居ない。
 「大丈夫です。人工知能の審査ですからそれを潜ったら終了ですよ」
 高島波琉は不安を充分に察して優しく答える。
 「良かった。男性が何人も見ているのかと思って」
 杉浦瑞樹は帰る意思のメンバーらの抵抗を心配していた。
 「ここは何も無いです。帰る人はよろしいのですが。でもこの先この街に残ったらそうは行かないのですよ」
 高島波琉は自分のこれまでからやんわり警告もする。
 「私達は覚悟しています。ただこのまま帰る人達だけが心配でした」
 「大丈夫ですよ」
 海軍長官の部下数名の将校とロボット兵士が潜水艦に乗り込む。この間に艦内の武器を撤去する。
 全員エレベーターで最上階に誘導された。
 今回は大テーブルが置かれている。
 総務大臣、川村由紀、大路江美が待っていた。
 総務大臣は正面席の斜め後ろに座る。高島波琉が主席の席に座る。
 「帝國BBSアナウンサーの高島波琉です。本日の説明を担当させていただきます」
 新政府は日本帝國を名乗っている。その国営放送のアナウンサーも兼務している。高島波琉はその建前で挨拶する。
 左右の先頭は川村由紀と大路江美である。入って来たメンバーが順次座る。
 総務大臣がロボット兵士に女躰ステータスリストを配らせる。
 「お配りしていますのが皆様の女躰ステータスリストです」
 高島波琉も納得してない。ステータスの意味が違うと思う。だが此処ではそれが女性のステータスである。
 優は大路江美、辻沙緒里、宇垣美佐都、渡邉麻衣、杉浦瑞樹の五名だけである。さすがに可、不可は一人も居ない。
 「現時点で島にお帰りになる方」
 高島波琉が意思確認をする。
 八峰杏奈、大屋静江、他十七名が挙手した。
 「優クラスの方は全員お残りでよろしいですね」
 「大丈夫です。出る前に決めてきています」
 宇垣美佐都が代表して答える。
 「それではこれからお部屋の割り当てを行います。お帰りになる方には主席からプレゼントが御座います」
 川村由紀が端末から残る者の姓名、ランクを入力する。
 「主席からお米、冷凍肉一年分。耕作機械一式、ソーラーパネル二十枚をプレゼントいたします」
 葛城修一の生かさず殺さずの配慮である。
 「え、えーー」
 驚きの声を上げてしまう者も居る。
 「皆さんの島はこの先向こう五年間。整備計画から外れるとのことです」
 総務大臣が宣告する。
 「それではお帰りになる方はいつでも潜水艦にお戻り下さい。もう武装は解除されています。プレゼントは輸送船が別途に運びます」
 さすがに耕運機は潜水艦に積めない。
 「それからこちらに残られる方々ですが、一年に一回。島まで一泊帰りの輸送船を出します。駆逐艦に成りますが」
 総務大臣が付け加える。
 「くれぐれもこちらに居る間は四人以上集らないで下さい。マニュアルはお部屋にお配りします」
 「それでは三十分後にロボットがお部屋にご案内します。それまでこの部屋でご自由にお話ください」
 総務大臣がそう宣告して高島波琉と引き揚げる。
 ロボットも出て行く。
 「良かったね。暫らくは島で暮らせる」
 単純に喜ぶ女性も居る。
 「そんなに甘くは無いけど。此処で最後の別れにならなくて良かったよ」
 八峰杏奈は一年に一回島で集れることに安堵している。
 「みんな。これからばらばらにロボットが部屋に連れて行くから私の部屋に一人ずつ来て。私は五井十六号棟四九○八です」
 大路江美が残る者全員に呼びかける。
 「全部一緒に行くと四人を超えます。こっちの列の人は私の姉ヶ崎二号棟四九○八に来てください。時間も分散して下さい」
 今度は川村由紀が呼びかける。集ってしまえば既に危険である。
 帰るメンバーを送りに出る事は出来ない。大会議室で別れと成った。
 会議室の窓から見送った。
 物資を運ぶ駆逐艦が水先案内となる。東京湾を出るまで先導する。潜水艦は館山沖で潜航する。
 テアドロップ型の原潜なので潜らないと速度が上がらない。
 ロボットの案内が始まったので大路江美と川村由紀も部屋に引き揚げた。優クラスの五人を除いて明日から献身婦の仕事に入る。
 所持金がまったく無い。有っても使えない旧日本円である。後日役人が部屋を訪ねて通帳に同額を入金してくれた。
 今夜と明日の朝までは弁当が支給される。
 その先は稼ぎを得ないと食事代も無い。二階の無料のバイキングには行ける。だがマニュアルにも二十階以下に行かないよう記載されている。
 優クラスに成った五人には直ぐに仕事配分が出来ない。それで当座五万円が支給された。
 
 その翌日。大路江美はニュースを読まされた。高島波琉と一緒である。アナウンサー体制を豪華にした。
 国民が意見を言えるのは人気投票だけである。
 当然のことながらアダルトチャンネル側では全裸で放映されている。
 両方同時だが服を着た方に出演している。アダルト側はバーチャルである。
 人工知能に登録された大路江美と高島波琉の全裸データ。そこから同じ動きに全裸画像が作られる。
 それ以前にアダルトでは拷問シーンもノーカット放映された。
 姉ヶ崎グランドシティ全体に大路江美の局部まで公開した全裸が行き渡ったのである。
 
 姉ヶ崎グランドシティ中央棟。最上階の畳の宴会場である。
 宴席は女躰盛が前に置かれている。その女の部分には太いこけしが挿入される。こけしの根元には皿が付けられている。醤油皿である。
 女躰盛のコンパニオンは指名ではない。ランダムに良、良上クラスから駆り出されている。
 もう一人横の座布団に女が座る。こっちが全身奉仕する。優クラスから指名されたコンパニオンである。
 このどちらにも既に島から来たメンバーが数人含まれている。
 女が一人。今夜も宴会場に引き出された。女は佐藤栞李という。二十九歳である。椿原圭子を告発しなかったグループではない。
 前に拷問された佐東詩織と読みは同姓同名だが字と年齢が違う。同名異人にもならない別人である。
 そして拷問ではない。有料である。だが五十万しか支払われない。ステータスが良クラスだからである。それでも客の指名が足りなく稼ぎがほしい。
 AI型幻覚拷問である。
 佐藤栞李は縦一本の磔柱に乳房の上と下、腰、右の膝、右の脚首を縛り付けられている。両手、左脚は動かせる。
 片目ごとに被せるゴーグルの様なメガネを掛けさせる。
 木下有紀路は刃先がゴムに成った日本刀を構えている。
 メガネの中は別世界である。四方に設置されたスクリーンにはメガネの中の世界が映る。
 佐藤栞李にはメガネの中の世界が総てに見える。
 映像がスタートする。
 木下有紀路は映像に合わせて動く。
 乳首の直ぐ上に日本刀の刃先を当てる。スクリーンの木下有紀路の動きに合わせて振り下ろす。
 映像では乳首が斬り落とされる。血が飛び散る。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李の顔は大きく縦に破裂する。
 「うそーーーーーーーー。こんなのーーー。ああーーー。きいてませえーーーーーーーーーーーん」
 佐藤栞李はヒステリックに叫ぶ。
 映像に合わせて緊縛師が左手を押さえる。
 木下有紀路の日本刀は手首を斬り落とす様に掠める。映像では手首が落ちる。
 「あーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は右に左に顔を振って叫び上げる。
 「たすけてーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 佐藤栞李は半狂乱である。
 そこで緊縛師が麻酔を充てる。
 直ぐに縄を解く。そのまま診察台に寝かせる。
 乳首にガーゼを絆創膏で止める。手首に包帯を巻く。直ぐに麻酔の投与を止める。
 佐藤栞李の麻酔が切れると映像が流れる。映像のバックは病室である。
 緊縛師が白衣を着て診察台の横に座る。
 木下有紀路が映像の中に居る自分の位置に立つ。
 「さあ。包帯を取ります」
 映像の中の白衣の緊縛師が包帯を取る様に実際の包帯も取る。
 佐藤栞里の手首を持ち上げる。映像の中の手首には縫った傷跡がくっきり付いている。
 「ああ」
 佐藤栞里には衝撃の傷痕である。
 「指先を動かして下さい」
 映像の中では動かない。
 「ああーーーー。だめーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 ヒステリックに泣き叫ぶ。
 左の乳首に貼った絆創膏を剥がす。右に比べてやや乳房の高さが低い。
 「はあ」
 さすがに縫った痕は無い。
 緊縛師は両手で片方ずつ両方の乳首を弄る。
 「どうです感触は」
 佐藤栞里は首を振る。
 「駄目です。感覚無いです」
 緊縛師は暫らく弄る。
 「ああーーー。だめーーーーーーーー。どうしてこんなことするのーーーーーーーー」
 佐藤栞里は泣き出す。
 「そろそろメガネ取りましょうね」
 木下有紀路が目にぴったり当てた小さなゴーグルの様なメガネを外す。
 佐藤栞里の目には背景が病院から宴会場に戻る。
 「腕を見て」
 縫った痕は無い。指を動かす。正常に動く。乳房を見下ろすと高さの差はなくなっている。触って感触もある。
 「・・・・・・・・・・」
 佐藤栞里は周囲を見回す。
 「幻覚を見ていただけよ。乳首も手首も斬ってないよ」
 木下有紀路が種を明かす。
 「あ、あーーーーーーーー。はあーーーー。ひどおーーーいーーーーーーーーー。気が狂うかと思ったよ」
 佐藤栞里の躰は診察台に倒れこむ。
 これだけでは許されない。そのあとスパンキングで全員鞭打ちのサービスとなった。
 
 大路江美の部屋に川村由紀と杉浦瑞樹が集った。
 テレビには高島波琉がアナウンサー出演している。
 「女躰ステータス投票が行われます。期間は今月一杯です。五月三十一日二十四時丁度締め切りです」
 高島波琉のタンクトップの下は白いミニタイトである。やや色が濃い下着なので僅かに動いても覗く。
 白いミニタイトなら薄い色の下着にしたい。見えなくても立てば透けてしまう。プロデューサーの要求で仕方なくである。
 「優クラス以上が対象です。投票は二十歳以上の男性のみです。対象の女性は番組で紹介してまいります」
 もう一人のアナウンサーが読む。こっちも特優クラスである。
 「審査は容姿、スタイル、女の部品です」
 高島波琉は読みたくない部分である。ボードに確り表示されている。
 「投票は各ラウンジの専用端末からになります。顔認証して一人一回です」
 二階の無料ラウンジ、女性専用ラウンジ、有料ラウンジに端末は設置されている。そこから番組への投票なども出来る。
 椿原圭子の告発もこの端末で行われた。その者たちは拷問を免れている。
 「ねえ。由紀の写真集出ているのでしょう。こんなので画像公開したら売れないのじゃない」
 杉浦瑞樹が疑問を投げ掛ける。
 「だって大臣、官僚が指名するリストに公開されているデータよ」
 川村由紀はそんなもの関係無いと言う。
 「此処では本当に女は容姿だけで評価されるのね」
 大路江美はいまさら言っても仕方ない不満だがぼやく。
 「違うよ。容姿プラス女の部品よ」
 川村由紀は履き捨てる様に言う。
 「女の部品」
 杉浦瑞樹が怪訝な表情で繰り返す。
 「乳房、乳首、性器。その容、色よ」
 「ふーうん」
 「昔に全部戻されたのね」
 大路江美はきっぱり非難する。
 「モラルは昭和初期。情報、コミュニケーションは五十年前ね」
 川村由紀に昭和初期も五十年前も分かる筈は無い。それなりに当らずとも遠からず。やや偏った見解である。
 「パソコンは存在するけどインターネットは無し。SNSも無し」
 「要するにコミュニケーションはさせない。発信は上から上位下達のみよ」
 川村由紀は体制が身に染みている。
 「社会主義国だよね」
 杉浦瑞樹は中国、北朝鮮と言いたい。
 「違うよ。社会主義で献身婦は無いよ。完全な絶対王政だよ」
 「何処にも無かった最悪の独裁体制よ」
 「AIを制しただけでこうなるのね」
 杉浦瑞樹はほんの僅かな違いと言いたい。
 「でも。貧困も生活苦も病気も殆ど無い」
 大路江美はこれまで自然に晒されたのが辛い。
 「自然の災害を遮断したのよ」
 川村由紀もそこは良いと考えている。
 姉ヶ崎グランドシティは自然災害を大きく遮断している。雨に当ることさえない。内部で病気が発生しなければ伝染病が入ることも無い。
 食料は総て養殖である。農業も人工管理の中で行われる。
 「でも耕耘機とか貰えて、こそこそ畑を作るのではなくて、五年の安全も貰ったしその間にみんな何とか成るよね」
 杉浦瑞樹が少し安堵の発言をする。
 「その見解は甘いよ。病気になったらどうする。冷凍で貰っただけしかこの先肉は無いよ。衣類はまた調達しないと駄目。自然災害もある」
 大路江美は楽観するのは早いと言う。
 「そうよ。島に戻る選択をしたのは半分以下です。利尻では冬が厳しいよ」
 川村由紀は不満が有っても、もう民主国家は何処にも無い。此処に留まるが無難と考えている。
 「とにかく生き延びるしかないか」
 杉浦瑞樹も状況を理解する。
 「そうだよ。私達はまだ良い方に扱われているよ」
 川村由紀はしみじみそう感じている。
 可、不可クラスは悲惨である。国から給料は貰える。食事も住居も光熱費も無料である。だが二十五階以外十九階より上には行けない。
 二十五階は新都市交通の乗り場がある。殆ど移動する者は居ない。両隣の棟だけで総てが賄える。
 不可クラスは生むだけと言っても毎年四つ子を産まされる。可クラスは国がサービス料を払うが無収入の客に手荒に扱われる。
 強く抗議は出来ない。女性は客を選べない。無収入の男は無料でも女の子を選べる。
 干されると僅かな収入も無くなる。国から無収入の男性と同じ補助金は出る。
 ダイエットセンター、プール、健康センターは上層階、下層階共に存在する。スポーツジムは無い。競技場も球場も無い。
 スポーツが存在しないのである。
 
 翌日。杉浦瑞樹の拷問が始まった。大路江美と一緒に大原十号から侵入した刑罰である。
 姉ヶ崎中央棟大会議室。正面に葛城修一主席の席。六十人くらいが左右二列に座る。その後ろはまばらにロボット兵が警備している。
 中央が広く空けられて拷問スペースである。
 大きなマットと拷問椅子が用意されている。
 そして末席の外れに男優が三人待機している。
 杉浦瑞樹は緊縛師三人に連れて来られた。
 「お前は若い。たっぷり性戯をお教えしよう」
 主席は哂っている。
 杉浦瑞樹は心臓が強く鼓動している。
 「その演台に乗って服を脱いでくれ」
 杉浦瑞樹は緊縛師らの指示でプレイ用のミニスカスーツ姿である。
 「はい」
 既に観念している。素直に演壇に登る。
 「こっちを向いて脱げ。手で隠すなよ」
 緊縛師が近付いて脚元に籠を置く。そしてそう指示した。
 ジャケットを脱ぎタンクトップも脱ぐ。スカートを脱いで脚元に落とす。それを拾って籠に入れる。
 杉浦瑞樹は覚悟を決めていて返事をしたが手は震えている。
 プロになる意思でステージに上がった新人ストリッパーでも同様である。最初はベテランが一緒に付く。客席から震えが確認出来た。
 杉浦瑞樹は脚元も震えている。
 ブラのフォックを外して抜き取る。演台にお尻を下ろしてショーツを脱ぐ。
 杉浦瑞樹がショーツを籠に落とすと緊縛師が取り上げる。それを籠ごと閲覧席の先頭に渡す。
 「ええーーー。なんで」
 杉浦瑞樹は堪らず叫ぶ。
 それを無視して緊縛師は杉浦瑞樹を拷問椅子に引っ張る。革の拘束具で固定する。ハンドルを回して股間を広げる。それがスクリーンに拡大される。
 「ああ」
 杉浦瑞樹は辛そうに諦めながら目を背ける。
 その部分はクリトリスを包んだ包皮が突き出ている。小陰唇は薄い小豆色と紅の間ぐらいである。
 緊縛師は定例作業の如くそれを指で広げる。
 「はああーー」
 ピンクの内部が広がる。尿道の亀裂は殆ど見えない。
 膣口は緊縛師の開く力で僅かに口を開けてしまっている。その様なその部分の造りである。膣天井部の一部が覗ける。
 杉浦瑞樹は自分でも見たことのない部分。こうなると判っていても尋常では居られない。
 まったくドドメ色感は無い。若い女のその部分。若い女の中でも抜群にきれいである。全員の目がそれを凝視している。
 無言の圧迫感が杉浦瑞樹に圧し掛かる。
 「剃毛だ」
 葛城修一が緊縛師に要求する。
 杉浦瑞樹の脳裏は飽和状態である。じっと堪えて剃毛を受けるしかない。顔も躰全体も紅が指している。恥ずかしさの塊である。
 緊縛師は陰毛の上からジェルを塗る。
 陰毛の根元から一気に剃ってしまう。纏めて取れた塊をケースに入れる。土手の部分を剃り終えるとそのケースを席に廻す。
 「それは一般懸賞にしよう」
 葛城修一が恐ろしい宣告をする。昔のブルセラの様な扱いである。
 緊縛師は大陰唇の周りを入念に剃る。ドテの剃り残しを綺麗に処理する。
 杉浦瑞樹は火照った顔を叛けて堪え続けている。
 既に他の緊縛師が浣腸の準備をしている。
 剃毛が終わってもう一度女の奥をご開帳される。撮影もされている。剃毛前と剃毛後で女躰カタログに掲載されのである。
 「次は浣腸だ」
 「ええーー。ここでーーー」
 杉浦瑞樹は驚愕の表情で叫ぶ。
 「これからち○ぽ三本挿入だ。それには直腸を綺麗に掃除する。見ろ男優が三人待機している」
 緊縛師が次のプログラムを淡々と言う。
 「ええーーーーー。三本。そんなのどうやって」
 杉浦瑞樹は悲鳴半分。疑問半分さらに叫ぶ。
 「本来、膣とアナルと口だが、これは膣に二本。アナルに一本だ」
 「えーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に悲鳴になる。
 緊縛師は容赦なく浣腸液を注入する。
 「ああーー」
 痛いのではない。浣腸の衝撃に悲鳴を上げたのである。
 注入し終わると一度アナル栓を差し込む。
 男優三人が前に出て来る。
 「ううーーーーー。い、いたいーーーーーー」
 直ぐに腹痛が杉浦瑞樹を襲う。
 「少し我慢しろ。塊で出す為に早く抜いてやる」
 緊縛師は当然の様に言う。
 「えーーーー。どうして塊なの」
 「皆さん。それをご期待だ」
 「どうしてーー。そんなの、期待するのーーー」
 杉浦瑞樹は半分泣き声である。破滅の瞬間が刻々と迫っている。どんなに抗議しても許されないと判る。
 「お前のこの綺麗な若い躰から羞恥心の破滅をかたち付ける。その瞬間を期待しているのだ」
 緊縛師はまた当然の事の様に言う。
 「そんなーーーーーーー。きたないだけだよーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹はさらに涙声になる。
 「それでもお前の様な躰から出るならみんな見たいのだよ。全員スクリーンに釘付けだ。テレビ放映は最リクエストだらけになる」
 「そんなーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は涙こそ無いが崩れた泣き顔に成っている。
 「その顔も可愛いぞ」
 緊縛師は愉しんでいる。もちろん主席の目論見を代言しているのである。
 「抜くぞ」
 緊縛師は行き成り宣告する。既に拷問椅子の下には大きな透明なボウルが置かれている。
 「ああーーーーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴である。
 次の瞬間。茶色い水が一気に流れ出る。
 ずぶううーーーーーーーーーーーーー。
 大音響と共に繋がった便が一気に飛び出す。
 「あーーーーーーーーーー。ああーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹の悲鳴が上がる。
 終息して緊縛師が股間部分を拭く。
 腸カテーテルで数回中を洗う。
 「あーーーあ。あーーーーーーー。ああーーーーーー」
 杉浦瑞樹は泣き悲鳴を上げ続ける。
 浣腸の終わったアナルにアナル開口器を挿入する。その螺子を回して目いっぱい広げる。
 「えーーーーーーーーー」
 スクリーンには直腸の中が広がって丸見えである。
 さらに緊縛師は膣をクスコで広げる。
 「えーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー。あはん。あはん。あはん。ああーーん」
 膣の中も女の奥まで丸見えに成る。
 杉浦瑞樹は既に泣いている。
 適度に公開して抜き取る。
 中央にテーブルが置かれる。その上に蓋をした便。抜いたクスコには分泌物が付着している。さらに下着が展示される。染みも確り確認出来る。
 拷問椅子の戒めを解かれる。男優らが抱かかえてマットに投げ出す。
 既に杉浦瑞樹は飽和状態である。
 もう固定したり縛ったりはしない。二人の男優が押さえて脚を広げる。まずは指で膣を慣らす。
 「ううーーーーーー。ううぐうーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は異物の侵入に呻く。
 指の責めとクリトリス舐めで暫らく慣らしを続ける。
 どうやって三本も入るのか。杉浦瑞樹には恐ろしい事である。そんなことは出来ない。体勢的に無理だと思う。
 男優は膣に入れる指の数を増やして来る。
 「四本入ったぞ」
 一人が正面から二本入れて来ている。二人がその上に左右から突っ込んで膣を広げる。
 「いやあーーー。ああーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーー」
 既にぐちゃぐちゃに濡れている。
 一回、正面の男優が膣の奥を急激に責める。杉浦瑞樹の存在感のなかった尿道の亀裂が膨らむ。そこから潮が飛び出す。
 「ああーーーーー。ああーーああーーああーーああーーああーーああーー」
 杉浦瑞樹は成されるが侭追い詰められる様に悲鳴を上げる。潮は断続的にびちゃびちゃ飛び散る。
 「あはん。あはん。あは。あは。ああ。はあ。はあ」
 杉浦瑞樹は荒い息遣いで股間を震撼させ藻掻き続ける。
 一人目の男優が杉浦瑞樹の躰に上乗せに成って挿入する。
 一気に速度を上げる。
 「ああーーー。ああーーー。ああーーー。ああーーー。ああーーー」
 男優は欲情からではない。あくまで膣を慣らし濡らす目的である。ある程度疲れたら二人目に交代する。
 三人が交代する間に杉浦瑞樹は三回以上イッてしまった。
 「ああ。あはあ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 杉浦瑞樹は荒い息遣いで朦朧としている。
 今度はアナルに指を入れる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーーー」
 ローションを多量に塗ってゆっくり慣らす。
 「ああーー。いいたいーーー。ああーーーーー。い、いたいいーーー」
 杉浦瑞樹は表情を歪めて堪える。
 それでもローションを流しながらゆっくり慣らす。
 次はアナルパールを挿入する。
 「あ、あーーーーーーーーーーー」
 やや奥に入れて止める。
 膣側から責める。ドリルバイブを使う。
 「なにーーーー。それーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーー。やぶけちゃうよーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は泣き声混じりに抗議する。
 「大丈夫」
 男優はやんわり答える。
 二人の男優が両側から脚をV字開脚に押さえる。
 アナルパールが入ったまま脚を押さえている男優が手を添える。
 正面の男優がドリルバイブを挿入する。中で太さが変化するバリアブルタイプである。
 「ああーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹はまた衝撃に悲鳴を上げる。
 スイッチが入る。
 「ああーーがあーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹の表情は一気に破裂する。
 ローションを噴流する構造である。流しながら徐々にバリアブル機能を使う。膣を中から広げては窄める。これをゆっくりのペースで繰り返す。
 「ああーーー。ぐがああーーーーーーーー。ああーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーー。ああーーーーーー」
 杉浦瑞樹は頭を右に左に振って悶え続ける。
 杉浦瑞樹は何回イッたか分からない。荒い息遣いで朦朧と躰をだらしなく横たえている。
 男優が一人横に成る。
 男優自身でさおを起てる。杉浦瑞樹に舐める性戯は期待出来ない。そのさおに男優二人で杉浦瑞樹の膣を被せる。
 下の男優の体に杉浦瑞樹の躰を俯むせに乗せる。杉浦瑞樹の脚は下の男優に馬乗りの様なスタイルに成る。
 もう一人が下の男優の真っ直ぐ伸ばした足に乗る。杉浦瑞樹の脚の外側に足を伸ばす。その体勢で膣にもう一本挿入する。
 「やだーーー。やぶれるよーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は強烈に拒絶の悲鳴を上げる。
 それでも確り二本挿入して杉浦瑞樹の躰をがっちり押さえる。
 二人目の男優が広げた足を跨いで三人目が立つ。そのまま杉浦瑞樹のお尻に手を着いて押さえる。
 その体勢でアナルに挿入する。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。はれつしちゃうーーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は恐怖に泣き喚く。
 さすがに男優らは少しだけ動いて終了する。
 杉浦瑞樹はマットに躰を伏せたまま泣き続ける。
 暫らく休憩を入れる。男優らが退席すると木下有紀路が交替で入って来る。
 これだけでは許されないらしい。
 杉浦瑞樹は恐怖に震える。
 木下有紀路は主席に近付く。
 「どうしましょう。今夜も鰻の試食会ですか」
 「同じことじゃな」
 「他の生物責めで。それとも拷問しますか」
 「大分衰弱しているぞ」
 葛城修一はこの女は潰したくないらしい。
 木下有紀路はカメレオンとコオロギ、竹竿、クスコ、アナル開口器を要求する。先程使ったクスコは杉浦瑞樹の分泌液が付着して展示されている。
 「竿に手を広げて縛って。その上から脚をV字開脚に縛って」
 木下有紀路が緊縛師に要求する。
 「床に縛った方がよろしいので」
 緊縛師が確認する。
 「そうよ。床の方が嗾けやすいの」
 カメレオンは水槽に入れて運ばれる。
 コオロギは扇形のケースに入れられている。養殖したものである。一匹ずつ糸が付けられていて根元はリングが付けられている。
 ケースの扇の要に円筒形の部品がある。これにそのリングが重なって填め込まれている。
 緊縛師は杉浦瑞樹を仰向けに寝かせて両腕を広げる。腕に竿をあてがって肩、肘、手首で縛る。
 脚をV字開脚にして腰を折り曲げる。脚首を手首の上で縛る。股間もアナルも丸出しに成る。
 もう一度膣にクスコを挿入する。アナルにも開口器を挿入する。膣もアナルも大きく広げられている。
 木下有紀路は扇型のケースからリングを抜いてコウロギを一匹取り出す。
 「ああーーーーーーー。なにするのーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹はヒステリックに叫ぶ。
 リングをクスコの螺子に引っ掛けてコウロギを中に突っ込む。
 「いやあーーーーーーーーーーーー。ああーーー。あーーーーあーーーーーーーあーーーーあーーーー」
 膣の中でコウロギは動き回る。杉浦瑞樹はサイレンの様に喚き続ける。
 木下有紀路はカメレオンを腕に持つ。
 「あーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は半狂乱に叫ぶ。
 木下有紀路はカメレオンをクスコの中に嗾ける。カメレオンはクスコの中のコウロギに舌を伸ばす。
 「ああ。あーーーーーーーーーーーーーー。ああーーー。あーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は狂った様に涙を飛ばし叫びまくる。
 カメレオンの舌は膣の中を嘗め回す。
 「あーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーん。あはん。あはん。あはん。ああーーーーーーーーー」
 カメレオンはコウロギを杉浦瑞樹の膣の中で舌に巻き取る。
 「あーーーーーーーーー。あーーーーー。あはん。あはん。あはん。あはん」
 杉浦瑞樹は泣き続ける。
 「どうして泣くの。ちゃんとこの子が食べてくれたでしょう」
 木下有紀路は愉しそうに詰る。
 「いやあーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。たえられないよーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は涙声で抗議する。
 それでも木下有紀路は次のコウロギを取り出す。
 「あーーーーーーーーー。もう。もう。ゆるしてーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は泣き声で許しを請う。
 「だーめよう。まだアナルの方に入れてないでしょう。これだけ我慢しましょう」
 木下有紀路はやんわり意地悪さを込めている。
 「ああーーーーーーん。ああーーーーーーー。だめーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹は号泣状態である。
 「これだけ我慢しなさい。そうでないと蛇入れるよ」
 「ああーー。ああーー。ああーー。だめーーだめーーだめーー」
 杉浦瑞樹は狂った様に泣き喚く。
 「可愛い。その顔。すごく受けるよ」
 「いやあーーー。いやあーーーー」
 杉浦瑞樹は首をぶるぶる振り続ける。
 木下有紀路はそれでもコウロギを投げ込む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーあーーあーーあーー」
 次のカメレオンが木下有紀路の手の上で舌を伸ばす。
 「あーーーーーーーーーはあーーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
 杉浦瑞樹の狂乱の悲鳴が緊急サイレンの様に泣き響く。その中をカメレオンはコウロギを舌で巻き取る。
 「ああーーー。ああーーー。ああ。ああ。ああ。ああ。はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 杉浦瑞樹は荒い息遣いがなかなか治まらない。その後は放心したように天井を見上げている。顔は涙と汗でぐちゃぐちゃである。
 「主席。失禁しなかったけど。もう少しやりますか」
 木下有紀路は意地悪く主席に確認する。
 主席は哂っている。
 「ねえ。おしっこ出せる。それとも失禁するまで続ける」
 木下有紀路はやんわり放尿を要求する。
 既に緊縛師が大きなバットを床に設置している。
 「どうするの」
 木下有紀路は強い口調で追い詰める。
 「出します」
 杉浦瑞樹は緊縛師に縄を解かれる。そのままバットにお尻を降ろす。脚を広げてくの字に曲げて投げ出す。
 股間を晒す。そうするしか許されないと理解している。最早恥など構っている余地はない。恐怖に躰は震えている。
 「自分で恥ずかしいところを開いて。尿道から直に出るのを見せなさい」
 木下有紀路の言葉は鞭の様に怯えた心に響く。
 杉浦瑞樹は仕方なく女の部分のびらびらを指で開く。ピンクの内部が僅かに覗く。
 「もっと大きく開いて」
 木下有紀路はさらに追い討ちを掛ける。
 杉浦瑞樹は仕方なくもっと指に力を入れて広げる。
 そこからが大変である。この人数の前でなかなか出すことが出来ない。
 「どうしたの」
 「はい」
 杉浦瑞樹は出そうと神経を集中するが無理である。
 緊縛師が尿道カテーテルを渡す。
 「やって」
 木下有紀路は受け取らないで緊縛師を促す。
 緊縛師は杉浦瑞樹の躰をバットの上に倒す。腹の横に座って脚を広げさせる。両手で両方の内腿を引っ張る。
 もう一人の緊縛師が指で女の部分を開く。杉浦瑞樹の尿道の小さな亀裂は良く見ないと判らない。探り当ててカテーテルを差し込む。
 「うう」
 杉浦瑞樹の小さな呻きを残してカテーテルは尿道に進入する。
 緊縛師はカテーテルの途中を差し込む指で押さえている。尿はその手前で止まっている。
 もう一人の緊縛師が尿瓶を持って来る。カテーテルの口を尿瓶に突っ込んで押さえを緩める。尿瓶に色の濃い尿が流れ出る。
 会場から拍手が沸く。
 杉浦瑞樹は恥ずかしい姿を晒してようやく解放された。
 
 利尻では駆逐艦が太陽光パネルを運んで来た。ロボットが組み立てて電気で動く耕耘機と軽トラックを接続して行った。
 もう明かりが漏れても心配は無い。電気で湯を沸かす設備も完成した。
 耕運機はマニュアルを皆で読んで勉強した。殆ど位置を指定すると自動で耕してくれる。水田を造る準備も出来た。
 八峰杏奈らは冬に向けて準備を進める。
 
 その日。大路江美は主席の私室に呼ばれた。容赦なく葛城修一の手で全裸に剥かれて一緒に展望風呂に入る。
 東京湾はまばらにライトアップされているだけである。軍港にはイングランドに派遣されていた機動部隊が戻ってきていた。
 羽田や旧東京の部分は真っ暗で何も見えない。
 葛城修一は明るい浴室の中で大路江美の躰を隅々まで貪る。
 「島に医者は居るのか」
 「いいえ。帰った中に看護師が一人だけです」
 「薬は潜水艦に多少あったのだろうが、長くは使えないな。波琉が心配していたよ」
 「ええ。私もそう思っています」
 葛城修一は大路江美の躰を愉しんだ後で公室に招いた。衛星から放った超小型ドローンの映像を見せる。
 「これで全部判っていたのですね」
 全員が隠れる様に島で過ごした。大路江美はその総てがばれていた実態を垣間見る。
 「スタジオの控室にこの端末を移す。波琉と二人で時々確認しろ。パスワードは要らない。二人の顔認証で入れる様にしておく」
 「ありがとう御座います。それで病人が出ましたら」
 「その時はドクターヘリを行かせる。江美が一緒に乗って行け」
 「はい。ありがとう御座います」
 「どうせ十年と少しだ。一番若いのが四十を過ぎたら此処に合流すれば良かろう。その先嫌がっている献身婦はない」
 大路江美は濃厚に唇を貪られて主席公室を辞した。
 
 高島波琉の部屋に大路江美と川村由紀が集った。杉浦瑞樹の拷問録画放送を確認していた。
 本来女性同士見ないものである。だが杉浦瑞樹は部屋から出てこない。心配なのである。
 杉浦瑞樹は川村由紀と二日後に刑事ドラマの撮影が予定されていた。激濡れ場シーンも多々有る内容と告げられている。
 「瑞樹。何とか堪えられたよね」
 杉浦瑞樹は大路江美や川村由紀よりは数段若い。川村由紀は自分ら以上に堪えられないと思う。
 「明日の朝くらいに行って見ましょう」
 大路江美も自分の時と比較して疲れが回復する頃合を見ている。
 「幾ら五百万でも宴会の生贄は辛いよね」
 川村由紀は有料でも宴会に駆り出されるのが嫌である。
 「でもコンパニオンで呼ばれたらずっと安のよ。それで生贄の半分くらい辛いのよ。杉浦瑞樹さんと私達三人には無いと思うけど」
 高島波琉はもう生贄は仕方ないと諦め気味である。
 「どうして私達にコンパニオンは無いのですか」
 大路江美は高島波琉の言葉の真意を確認する。
 「主席が指名していると大臣以下はまず指名しないの。だから割り当てられた仕事と生贄だけです」
 高島波琉はほぼ確信を持っている。
 「でも四十までに部屋を買えないと辛いしね。江美は時間が無いよ」
 川村由紀はそっちも心配している。下層階には移りたくない。
 「大丈夫江美さんは主席が何とかすると思います」
 高島波琉はそこもほぼ確信を持っている。
 三人はなんとなくそんな状況を理解した。
 
 人口知能管理者のSM帝國 その四 女躰ステータス 完


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